平成14年(2002年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 6月21日
当山 全弘
 

 本日の最後のバッターを務めますので、必ずヒットを打って知事の決意を促し、成果を得たいと思っておりますので、しばらくの間御清聴をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 ことしも去る大戦で20万人余りのとうとい犠牲者を出しました「慰霊の日」がやってまいります。そしてまた唯一の被爆国である広島、長崎を初め、唯一の地上戦を経験した我が沖縄が再び政府首脳の発言によりまして、非核三原則の見直しを初めとする戦争法案の準備であります有事法案の法の整備等をやろうとしていることに対しては、断固反対をいたしたいと思います。そのためには、知事はあと残された4カ月間、これだけしか残っておりませんから、ぜひ決意を新たにされまして、沖縄県民の立場に立って行動を展開していただきたいことを要望して質問に入ります。
 平成14年第3回沖縄県議会定例会に際し一般質問を行います。
 まず1点目の非核三原則見直し発言に関連してでございます。
 核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずという非核三原則は、1967年、当時の佐藤首相が初めて公式に表明し、国会で決議され、平和憲法を土台とした核兵器に関する日本の基本政策となり国是とされてきた。ところが政府首脳は、三原則の見直しの可能性に言及した。この発言は、衆議院本会議で決議された歴史的背景、県民感情などの重みが感じられない。このような対米追従と軍事基地維持優先の政治姿勢では沖縄問題が進展するどころか、ますます遠くなるような気がしてなりません。
 次の質問を行います。
 (1)つ、国際社会の平和を実現していく上で、通常兵器とは比べものにならない破壊力を持ち、地球社会を絶滅させかねない核兵器の追放は不可欠の課題であり、政府首脳が核兵器保有、非核三原則見直しの可能性に言及したことは極めて乱暴な発言ではないのか。唯一の地上戦を体験した沖縄県民にとって重大な発言である。知事の所見を伺う。
 (2)点目、米国の核兵器積載艦が日本に寄港する際、持ち込ませずという原則が形骸化しているという疑念が強い。沖縄に関しては、知花弾薬庫に核が貯蔵されているという疑惑がある。知事の所見を伺う。
 (3)、政府は将来、非核三原則を見直し、核保有もあり得ると見解を出した。また、唯一の被爆国として二度と原水爆の使用を許さないという国民の要求を踏みにじる態度と言わざるを得ない。核廃絶こそ国是とする趣旨に反するが、知事の所見を伺います。
 2番目、有事法制3法案について。
 (1)つ、有事対応の全体像を示した武力攻撃法、2つ目に、自衛隊の行動を円滑化するための自衛隊法改正案、3点目に、安全保障会議の機能強化を図る安全保障会議設置法改正案などであります。武力攻撃が発生した場合、安保会議の答申を受けて戦争への動員で首相の権限の強化を打ち出しております。とりわけ地方自治体の首長に対し、対処措置を実施すべきことを指示ができ、物資や施設の提供なども提示できます。国による地方自治体の代執行が可能で、地方自治体の権限の制限を図る内容であります。
 次の質問をいたします。
 (1)つ、有事関連法案は、戦争放棄の憲法第9条を実質的に解体させるものである。9条は、ただ単に戦力の保持や交戦権を否定しただけではなく、積極的国際平和主義を高く掲げ、武力による紛争解決を永久に放棄すると誓ったものとなっているが、知事の所見を伺います。
 (2)点目、有事の定義が不明確で、自治体の役割や県民の合意形成も図られていない。不明確で慎重審議を要するとした首長が大半を占め、市町村議会で慎重審議の意見が相次いでおります。全国の75%の米軍基地を負担し、米のテロ以降沖縄観光に大打撃をこうむった沖縄の責任者として廃案を求めるべきである。知事の所見を伺う。
 (3)点目、県民の生命、身体、財産の保護を責務とする地方自治体で言う県知事の権限を著しく越え、地方分権に逆行するものである。知事は明確に反対を表明すべきである。知事の所見を伺う。
 (4)点目、有事法制定は、情報統制や隣組組織の強制など社会全体をゆがめる。軍事力は、信頼が崩れた後に発生する。自分でつくった平和憲法を守らない国を外国は信頼をしない。有事法制は憲法改正の前提なのか、知事の所見を伺う。
 (5)番目、家屋や土地及び空港、港湾等の強制使用も可能となり、軍隊が自由に軍事展開できるように改正しようとしている内容となっているが、知事の所見を伺う。
 (6)番、有事法案が進めば、戦時下にお互いを監視し合う隣組が組織される。戦争に反対すれば非国民、そして国を守る義務として戦争に駆り出され、「備えあれば憂いなし」というけれども、備えあるがゆえの恐ろしさを県民は感じている。知事の所見を伺う。
 (7)番、抗議しても抗議しても減らない米軍による事件・事故、轟音を響かせて飛ぶ米軍機。有事法案が通れば沖縄はなお一層の負担と犠牲をこうむるのは明らかである。アメリカの顔色ばかりうかがっている日本政府の言いなりにならず、真の沖縄県民を守る立場を貫いてほしいが、知事の決意を伺う。
 3点目、基地問題についての国民の認識について伺います。
 「よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって相手をまかしてじぶんのいいぶんをとおそうとしない。戦争とまでゆかずとも国の力で相手をおどすようなことはいっさいしない」、これは憲法9条を普及させるための文部省の副読本の中身です。武力攻撃事態法案や自衛隊法改正案は、沖縄戦の際、住民保護を事実上放棄した旧日本軍の作戦行動を想起させる内容である。日米地位協定の見直しを含む米軍基地の解決促進のための特別決議がなされたとマスコミは報じているが、次の質問をいたします。
 (1)つ、基地の整理縮小や日米地位協定の見直しは、単に沖縄だけの問題ではなく、国民がみずからの問題として受けとめるべき重要な問題と訴えているが、国民の理解という成果は確認されたのでしょうか、知事の所見を伺います。
 (2)点目、駐留する米軍基地から派生する問題は沖縄に限定された問題で、沖縄県民の努力で解決されるべきものと認識している国民が多いのではないか。基地の負担軽減を訴えていることとは裏腹に、軽減どころか新しい法制度をつくり、沖縄は一層の負担をこうむる結果を生み出そうとしている。知事の所見を伺います。
 4点目、原潜入港と軍港新設について。
 米原潜の寄港状況を見ると、ことしに入って既に11回目。昨年1年間の12回に迫っております。再三寄港を繰り返し、県民を不安に陥れており人間軽視だ。月に2回も原潜が寄港するような状態では、事故の可能性も高くなっている。原潜の寄港反対表明と並行してすべての原潜を寄港させないように日米合同委員会で議題として取り上げ、地位協定の改正を速やかにすべきであるという抗議が相次いでいる。このことは、昨年9月の事前公表自粛以降11回目、ことし10回目で通算239回となっております。
 このような状況では、いつ事故が発生してもおかしくない状態と言えましょう。また、浦添に軍港が配置されると勝連町民の不安とともに浦添市民にも不安を抱かせることにつながります。
 次の質問をします。
 (1)、再三にわたる原潜入港によって県民に不安と事故の懸念が心配されるが、どのように認識し対応するのか、所見を伺う。
 (2)点目、原潜寄港反対の議題を日米合同委員会で取り上げさせ、地位協定の改正を視野に入れた取り組みが必要だが、所見を伺います。
 (3)点目、寄港目的の公表、原潜寄港反対の意思表示とともに災害対策マニュアルの充実を図る必要があるが、所見を伺います。
 (4)点目、浦添の軍港新設については大型船舶、空母、原潜等の出入りが可能となり、浦添市民にも不安と事故の懸念を抱かせる結果につながるが、所見を伺う。
 (5)点目、那覇港長期整備構想検討委員会での米軍那覇軍港の移設位置及び現状についてはどうなっているか。
 5点目、教育問題について。
 子育て支援の充実について(学童クラブと少子化対策等)。
 全国的に少子・高齢化が大きな社会問題となっている中で、本県の出生率は1985年以来連続日本一となっている。その中で学童クラブなど子育て支援施設の立ちおくれがあるのではないかと気になるところであります。共稼ぎの多い本県では、放課後に子供を預かる学童クラブの需要も高いのではないか。

 次の質問をします。
 (1)、4月から完全学校週5日制が導入されたが、学童クラブの果たす役割について伺います。
 (2)点目、需要がありながら取り巻く状況は厳しいと指摘されている。その現状はどうか。施設の利用状況(公的施設の利用状況も含めて)と施設及び指導員に対する財政支援の状況を伺う。
 (3)点目、両親が安心して働くためにも学童クラブの充実が叫ばれている。社会全体で子育てを支援する施策が必要だが、実施状況と対応について伺う。
 ②点目、学校の安全対策について。
 昨年6月に起きた大阪の池田小学校の児童殺傷事件から1年が経過した。事件の教訓を背景に児童の安全環境への対応が迫られております。
 次の質問をします。
 (1)番、児童の環境と安全を守るために警備員の配置を含む学校、警察等を結ぶ通報体制はどうなっているか。
 (2)点目、不審者侵入を想定しての学校での児童生徒への取り組み状況はどうなっているか。
 (3)点目、学校と父母、そして地域との安全対策はどうなっているか。
 ③番目、修学旅行について。
 (1)番、米の中枢同時テロ以降、基地が集中する沖縄を敬遠し、3分の2以上が何らかの変更をしたとマスコミは報じているが、その状況を把握し、どう対処したか。
 (2)点目、その後、2002年度の状況はどうなっておりますか。
 答弁によりまして再質問をいたします。よろしくお願いを申し上げます。

 
20020304070050