昭和50年(1975年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 3月 7日
第 4号  3月 7日
 

議 事 の 概 要
昭和50年3月7日(金曜日)
午前10時4分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第25号議案まで、乙第1号議案から乙第29号議案まで及び認定第1号から認定第12号まで(質疑)
   一般質問及び質疑
    1 西田 文光君(自民党)
    2 小橋川朝蔵君(自民党)
    3 新垣 淑重君(自民党)
    4 渡久地政仁君(自民党)
    5 志村  恵君(自民党)
    6 翁長 助裕君(自民党)
    7 赤嶺 慎英君(自民党)
    8 平良 一男君(自民党)
    9 上原 重蔵君(自民党)
午後6時52分散会

○議長(平良幸市君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入る前に御報告いたします。
 公安委員長比嘉利盛君は、別用務のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届けでがありました。よって、その代理として、本日は公安委員天願俊貞君、明日は公安委員波平憲裕君の出席を求めました。
○議長(平良幸市君) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第25号議案まで、乙第1号議案から乙第29号議案まで及び認定第1号から認定第12号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 西田文光君。
   〔西田文光君登壇〕
○西田文光君 本員は、通告した点に対し所感を述べながら質問をいたします。
 まず、水道問題について。
 水道問題については、一昨日5日に、わが党代表質問者大城真順議員が質問いたしましたが、企業局長のこれに対する答弁の中からはっきりと言えることは、企業経営の努力がなされていないということを指摘しておきたい。各市町村における水道事業は、県企業局からの送水の24あるいは25%の漏水がある。これを20%以下に抑えるように努力しているはずだ。このような大幅水道料金の値上げから他にもたらす影響は余りないのではないかという答弁は、安易な考え方でその姿勢は許されるべきものではない。
 さて、本員は、再三にわたり米軍基地給水問題を取り上げてまいりました。特に嘉手納米軍基地、瑞慶覧基地への給水が、その地域の市町村に県企業局からの移管されていない実情にかんがみ、去る12月定例議会においても申し述べたとおりでございまして、その後県当局の理解ある措置によって1月21日、嘉手納空軍基地に対し、沖縄市と契約するよう米軍に通告をした。その後1カ月以内に米軍は沖縄市と2月20日までの契約を取り交わさなければならなかったはずだ。しかしながら米軍は、2月21日付書簡によって沖縄市水道部あて4項目にわたる問題を提起してきた。そこで沖縄市水道部においては、3月3日、沖縄市長、議会議長、水道部長と米軍関係者との間の話し合いによって来週月曜日にさらに米軍側から新しい提案をするということのようであります。一昨日5日の沖縄タイムスの報道によると、空軍との契約は成立されたかのごとく報じられています。
 先ほど申し述べたように、いまだ完全に解決を見ておらない。2月21日の4項目の問題提起といい、去る3月3日の対談から推して考え合わした場合、米軍が契約を引き延ばしているように感じられても仕方がない。契約を引き延ばしていると思われる理由は、12月定例議会で指摘したとおり県企業局から直接給水を受けた場合は、1立方メートル当たり28円46銭という安い価格で給水を受けており、北谷村、嘉手納村両村民の1立方メートル当たりの給水価格55円、その差額は26円54銭、沖縄市への1立方メートル40円、その差額11円54銭、そのように高い差額で県民と同じように支払わなければならないので契約を引き延ばし、県企業局から給水を受けた方がよいというふうに判断されるからであります。

 ちなみに、昭和47年5月15日以降本年3月まで、県企業局の資料に基づいて積算した場合、およそ5億円余り米軍が北谷村民、嘉手納村民両村民と比較して米軍は得をし、支払いをしていないことになり、沖縄市との契約を引き延ばしすればするほど軍は得をし、県企業局からの安い料金の供給を受けられるからである。県企業局は28円46銭しか米軍から徴収できないのにかかわらず、今日まで遅延したために関係市町村の財政圧迫を来たし、沖縄市の料金ですると沖縄市が毎年約7000万円、北谷村が瑞慶覧基地を含めて1500万円、嘉手納村が1000万円と大きく取り損ないをして米軍に得をさしていることになっているのであります。
 以上、簡単に要約いたしますると、米軍の引き延ばしは沖縄市の料金で支払う場合、年間約6000万円、1日約17万円余り、嘉手納村、北谷村と比較した場合には、年間1億3000万円余り、すなわち1日33万円、これだけを米軍は従来より県企業局から給水を受けたよりも余分に払わなければいけないから、1日でも余分に引き延ばそうというのが理由のように勘ぐられるわけであります。
 そこで、質問いたします。
 知事は、1月21日、米軍に通告した以後の水道料金は徴収しないように企業局を指導できるか。
 2、沖縄市並びに関係村長からのもろもろの協力要請に対して、全面的に指導と協力ができますかどうか、お尋ねいたします。
 3、米軍が沖縄市との契約を早急にするよう知事の方から申し入れができるかどうか、お尋ねいたします。
 県企業局が、赤字がふえるということでアベック引き延ばしをしているのではないかどうか、お尋ねいたします。
 次は、海洋博について。
 いよいよ海洋博も来たる7月20日を期して幕あけとなりますが、他府県の人たちから海洋博は本当に大丈夫かとよく聞かれますが、そのたびに大丈夫、すばらしいものになります。ぜひ多数の方々の御来島をお待ちしておりますと言い続けてまいっておる1人でございます。
 沖縄振興開発の3本の柱の中の1つであり、最終の仕上げである海洋榑は、沖縄経済の起爆剤にしなければいけないと言われている。インフレ、物価高、このさなかにおいて海洋博工事期間中における莫大な資金投資も今日の時点までは何ら沖縄県に経済的なメリットはないと思います。
 この厳しい最中において、せめて海洋博ができるんだという希望を持ってみんながんばっております。海洋博後の人口は80万程度に減るであろうと言われ、先行き不安もあります。それも沖縄県においてはどんどん失業者はふえる一方ですし、労働集約型の企業があるわけではなし、先行き不安のつのる材料しかありません。加えて第1次産業の砂糖、パインしかり、畜産またしかり、いま残されたものは海洋博を大成功裏に持っていき、その後の跡利用を十分に生かしていく名実ともに沖縄経済の起爆剤にしたいものだと念願するものであります。
 今日までの知事の支援団体の中には、海洋博反対を唱えてきた方々も思い直していただき、また、マスコミも支援をいただきまして県民全体が力を合わせていかなければならないと思うのであります。
 知事は、協力してもらうことができるように説得ができるのかどうか、お尋ねいたします。

 海洋博期間中、否、将来に向けてもしかりですが、考えられますことは、マル交、マル防、マル医だと思うのであります。マル交とは、交通問題であります。マル防とは、防犯のことでございます。マル医とは、医療体制であります。

 そこで、海洋博期間中伝染病等が蔓延したりしたら、果たしてそれに対処する措置はよいであろうか。医師並びに看護婦等、さらに防疫体制は自信を持って対処できるかどうか、お尋ねいたします。
 次に、交通問題。

 交通関係については陸海空からの混雑が予想され、特に陸上交通の渋滞を迅速に処理するため、交通事故が起きた場合、自衛隊のヘリを利用して処理する考えがあるかどうか、お尋ねいたします。
 2、このように交通渋滞が予想されるさなかにおいて、先日の新聞報道のような不正な運転免許を与えた場合、現在でも交通事故は後を絶たない今日、未熟者による事故を多くし、交通の安全を守るのに支障を来たすと思われるが、このような不正事件に対しては徹底的な取り締まりが強く望まれるものであります。何ゆえに極秘であるべき試験問題が外部者に利用されたか、また、このような事件が再び発生する可能性はないか、これを防止するために関係当局はどのような努力をするおつもりなのか、具体的に答弁していただきたい。

 観光客の混雑に紛れて暴力団、すりその他招かざる客、すなわち赤軍等が潜入してアクアポリスや石油会社の貯蔵タンク等に対し、シンガポール事件の二の舞が起こらぬようその対処策についてお尋ねいたします。

 会場周辺の廃棄物処理は、期間中の処理はできたとしても、その他の宿泊市町村の処理については大丈夫か、どのようにするのか、また、昭和51年度からの廃棄物処理は、50海里海洋投棄によって市町村の処理費負担増が必然的だが、県として行政指導をどのようにしているか、具体的に財政上の補助をやるべきと思うが、県としてやるのかどうか。

 3、市町村が廃棄物処理施設、屎尿処理施設を建設するには、トン当たり1000万余の経費がかかり大変な財政負担を強いられるが、県はこの補助金の獲得にどのような指導をしているか。防衛庁予算なら実質単価の70%補助がもらえるし、厚生省は基準単価の25%の補助しかできないのでわずかな補助率である。市町村には、負担を軽くするために補助率のきわめて高い防衛庁補助を獲得できるように行政指導すべきであると思うがどうか。

 中部地区のホテル業者においては、海洋博観客の申し込みがあったが、最近においてキャンセルされた事実がある。去る12月定例議会において、内外客合わせて142万余の観客が沖縄に来るであろうと発表されていたが、現在の予想は幾らほどの予想をしているか、また、昨日の代表質問で足の確保についての説明がございましたのでこれは省きます。海上輸送の問題でございますが、これは省くことにいたします。

 先ほど申し上げましたモトブ・シーサイド・プラザホテルあるいは本部におけるホテル業者の人的サービス、認可しておりますが、人的サービス、機械的サービス、このようなことが非常に心配されるわけでございます。あまりむちゃな客扱いをした場合、二度と沖縄に来るまいというふうなことが起きたら困ると思うが、その点どのように指導しているか。


 海洋博の時点において、局地インフレが起こるのではないかと心配しでおるものでありますが、生鮮食料品においても絶対量の確保ができて局地インフレを抑圧することができるのかどうか、農林水産部長にお尋ねします。

 いろいろのおみやげ品が現在非常に不評を買っているが、その点どのような指導をしていくつもりか、お尋ねします。

 次、産業振興について。
 

 産業振興については、代表質問等においてなされておりますので質問だけにとどめます。
 地場産業による製品の販路拡張のため東京、大阪、九州地区に物産あっせん所の設置を考えていないかどうか。伝統工芸品の育成指導について各種の施策等が施されておるが、いまだ軌道に乗っていない。これに対する資金手当て等の各面からの問題があるかと思うが、今後の考え方を説明してもらいたい。
 中小企業育成の原動力の保証協会に対する助成金、出捐金合わせて1億円しか予算化されていない。早晩、保証協会の限度額は極度額に達すると思うが、補正予算において考えるつもりがあるかどうか、また、保証率は幾らまで引き下げをするか、お尋ねいたします。

 新用途地域の指定について。
 5月15日から施行される新用途地域指定について、次のことをお尋ねします。

 新用途地域が確定すると個人の財産に行政当局が格づけをすることになるので、その指定に当たっては地域住民の理解とコンセンサスを得るには十分な時間をかける努力をしなければならないが、県は十分な時間をかけ、将来県民の中からもろもろの批判が出ないような慎重な努力をしたと思っているか、計画案策定に当たって地域住民のもろもろの批判に対し、市町村は県の行政指導によると釈明しているが、この計画は地域住民の声を最優先に考えるべきであり、県から強引な行政指導をすることは許されるものではないが、県は強引な行政指導を行ってきたかどうか、お尋ねいたします。

○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 初めに給水問題について御指摘がございましたけれども、それに対して、米軍が協定が十分できていないとなればその21日以降をどう徴収するかという御質問でありましたけれども、これは企業局としてはいたしません。市町村にこれは徴収してもらうようにいたしたいと思います。

 この問題はたびたび西田議員から御指摘がありまして、私どもやるだけのことはやってきたけれども、いろいろの差しさわりがありまして、今日まで給水の方法を決定することができませんでしたが、やっとある方向を見出して業務を進めておりますので、それは市町村と協力いたしましてぜひひとつ予定どおり遂行せしめていくというようなことにしたいと思います。
それから引き延ばしということについても御指摘のような御心配があるとすれば、そういう心配がないようにわれわれは全力を傾注していたしたいと、こう思います。

 その次に、海洋博の問題でありますけれども、確かに海洋博はそのやる過程において、あるいは開会、あるいは跡利用、あるいはポスト海洋博というようないろいろの考えから、おっしゃるようにどうしても沖縄の正しい開発のためにプラスになるように機能せしめていかなければならない。そのとおりでありまして、そういう意味においてこれは成功させるということであります。それで、このためには県民が全部協力しなければならない。ところが賛否両論いろいろあると、ことに革新諸団体がその協力体制がないが、これに対しては十分協力せしめるような見通しがあるかということでありますが、いろいろこの海洋博がだんだんだんだん姿をあらわしまして、いよいよ具体的に内容のある実施が確実になるというようなことをみんな見ていただくというと、具体的に私は協力体制が着実にできてくるのではないかと、そしてわれわれとしても関係諸団体とよく話し合いをいたしまして、やはり良識を持って協力してもらうようにやってまいりたいと、こういうことを強く念じております。
 それから海洋博と医療問題、それから交通問題、防犯問題いろいろ今日までもあって、大体はうまくいくであろうということを説明いたしておりますけれども、後の諸問題がたくさん述べられましたが、それにつきましては関係部長から具体的に答えさせたいと、こう思います。

○議長(平良幸市君) 環境保健部長。
  〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 西田議員の御質問の中での知事からの答弁のありました分について、さらに補足させていただきたいと思います。
 基地給水が引き延ばしされているんじゃないか等の新聞記事をお読みになっておられますが、その中で料金問題がどうなるか、そしてそれを早く促進するような指導はできるかどうか等の御質問……。
○西田文光君 料金じゃありません、契約です。
○環境保健部長(照屋善助君) 契約が早く促進するような指導はできるかどうかというような御質問でございましたが、料金問題につきましては、これは米軍との契約の時点から沖縄市の条例に基づいた料金を徴収するというふうになっておりまして、いま私のところに入ってきた情報では、米軍は沖縄市に対して3月10日までに契約内容の案を示すことに約束されておるというふうなことになっております。かつ、私たち県とそれから沖縄市との間に頻繁に情報交換等を行って、その都度沖縄市から何か私たちに手伝いできることがあればということで助言申し上げるべく体制は整えておりますが、いまのところ特別に向こうからこうしてくれ、ああしてくれとの注文はございません。情報はずっと取っている中でございます。
 さらに、海洋博期間中において、伝染病対策についての自信があるかという御質問でありましたが、これにつきましてはきのうでございましたか、代表質問の中でもお答え申し上げましたが、さらにもう少し詳しく述べさせていただきますと、もちろん伝染病が一たん入ってきた場合には、すなわち水際での防疫はこれは国の責任であり、それについて国はかなりの計画を持って現在それに対処すべく措置しているというふうなことを伺っておりますということもきのう申し上げたわけですが、さらにそれでも侵入してきた場合はどうなるかということですが、県の検疫伝染病防疫対策要綱に基づいて県の方ではこれに対処していくというふうな考え方です。
 数字的に、いわゆる伝染隔離病棟の整備状況を申し上げますと、海洋博までには北部では55床、それから中部では27床、それから那覇には12床、宮古に12床の伝染隔離病棟が完成できるように計画されております。
 次に、廃棄物処理の問題についてでございますが、市町村の自主的計画により推進しているところであり、厚生省の補助による場合は、特別地方債及び特別交付税等によって措置されるものであります。したがって、防衛庁予算によるものが有利であるとは言えないと、こういうふうなことになっております。
○議長(平良幸市君) 警察本部長。
   〔警察本部長 加藤晶君登壇〕
○警察本部長(加藤晶君) 海洋博で交通が混雑してくる場合、交通事故などの発生した場合の救護措置という問題でございますけれども、御指摘のとおり、相当交通が渋滞しております道路で事故が発生する可能性もあるわけでございます。
 そこで、県警におきましては、そういうふうな場合の迅速適切な事故処理体制を確立することに現在努力しておるところでございます。
 負傷者の救護措置でございますけれども、あらかじめ救護機関でございます消防と密接な連携をとりながら検討しておりますけれども、現在までのところ自衛隊のヘリコプター云々ということは議題に上がっておりません。ただ、私どもといたしましては、救護施設の整備状況、これを勘案いたしまして、それに至る緊急通行道路の選定をあらかじめなしておく、特定の道路をクリアな状態にしておきまして、いざそういう事故が発生した場合に、そこを優先的に通行させて迅速な救護活動ができるようにということを考えていろいろ施策を講じておるところでございます。これらを進めまして負傷者の救護措置に遺憾のないようにいたしていきたいというふうに進めております。

 次に、自動車の運転免許の不正取得でございますけれども、御指摘のとおりこういうものがふえますると、運転者の中に危険な人がまざるということにもなりますので、交通事故の増大ということにつながるおそれがあるわけでございます。今回このような不正事案が出ている。しかも試験に使用しております問題の一部が盗用されて、それが数名の者によって利用されたということでございまして、これはまことに遣憾でございます。

 このような不正手段で試験に合格いたしました者で現に判明している者5人に対しましては、この運転免許試験の合格ということを取り消す措置を講ずることにしてございます。同種事案は、さらに追及するということで現在進めておるところでございます。
 また、御指摘を受けましたように、これは試験場内におきまして試験問題の取り扱いに不注意があったという点もございますので、今後この種事案が発生しないように現在すでに監視体制を厳重にする、あるいは問題の組みかえをやる、あるいは問題の保管、配付方法を厳重に改めるなどの措置を講じまして、今後試験の実施の適正を確保していきたいというふうに努めております。

 それから海洋博期間中におきまする各種の犯罪の予防鎮圧の問題でございます。


 第1は、すり犯対策でございます。

 多数の人々が海洋博期間中に来島されますので、この海洋博の会場はもちろんのことでございますが、空港、港、バスターミナル、各観光地など観客で混雑いたしますところにすりの被害がより多く発生するであろうということは当然予想されるところでございます。

 それで、これらすり犯に対する施策でございますけれども、県警は昨年からすり取り締まり専従員の教養訓練をいたしまして取り締まり班を編成いたしておるところでございます。これは管区警察学校におけるすり犯捜査の専科教養を受ける、あるいは他府県から専門の係官を招いてその教養を受けたというふうなもので、人員といたしまして20名を特別に養成したわけでございます。そして、そのうち11名は県警本部直轄の専従班ということで、残りの9名は各署にそれぞれ配置いたしましてすり取り締まり専従としておるわけでございます。
 現在これらの者がさらに実務を兼ねまして特別訓練を継続中でございます。海洋博が開催されますると、先ほど申し上げました多発が予想される場所に配置いたしまして、その他の警察官の協力も得ながらすりの警戒、検挙に当たる予定になっております。

 次に、暴力団についての対策でございます。

 暴力団対策は、これは県警の平素からの重点取り締まりの1つでございます。相当の警察力を投入して対処してまいったところでございますが、昨年9月以降旭琉会の対立抗争事件などが発生いたしまして、一時的とは言いながら県民に不安を与えたという事実がございます。これを契機に総合取締本部を設置して、強力な取り締まりを加えて現在までに129名という多数に上ります暴力団員を検挙し、銃器12丁をはじめ多数の凶器を押収したわけでございます。
 その結果、現在では暴力団の方が身動きができないというふうに封圧に成功しておるところでございます。しかし、暴力団は取り締まりの手を緩めまするとすぐまた頭をもたげて犯罪を再発せしめるというおそれがございますので、今後も引き続き強力な取り締まりを実施していくわけでございます。
 特に海洋博開催期間中におきましては、海洋博に関連するいろいろの行事に介入する、あるいは露店とか出店への介入、または観客に対する暴力行為、こういうことを発生せしめるおそれがあるので、これを予防検挙いたしますために新たに暴力取り締まり班を編成いたしまして、海洋博会場あるいはその周辺、これを中心といたしまして厳重な移動警戒取り締まりに当たらせる計画でございます。
 次に、海洋博会場内のアクアポリスあるいは県内の石油貯蔵所等に対しまする過激派やその他の者の爆破事件、あるいはそれを通告して脅迫するというふうな事件についての対策でございますけれども、そのようなことが起こり得る可能性があろうということは考えられますので、県警では目下海洋博の開催時におきまする治安問題全般を検討する中で、海洋博会場における爆発物使用犯罪、あるいは石油貯蔵所等に対する爆発物使用犯罪、あるいはそれに通告犯罪等の対策につきましても具体的に体制を整えてこれを防遏するということを進めております。

 現時点で具体的なことをし上げるのは割愛させていただきますけれども、概括申し上げますると、第1に、これらの過激派あるいは自己顕示欲の強いそういう行動に出るおそれのある者、これらに対して視察をあらかじめ強化しておくということ、主催者側と緊密な連絡をとりまして、主催者側の自主警備の強化をお願いするとともに、それと連携いたしまして積極的な警戒取り締まりを
実施する。
 それから会場周辺の重要施設に対する警備を格段に強化する、あるいは爆発物に対する装備、資機材の整備充実を図る。爆発物が使用された場合の観客の混乱あるいはそれによって生ずる被害、そういうふうなものを防止する方法を考究しておるということで、特別の配慮をして全力を挙げて犯人の検挙あるいはそういう事犯の防止に努めるという方針で準備を進めておる次第でございます。

○議長(平良幸市君) 海洋博協力局長。
   〔海洋博協力局長 糸洲一雄君登壇〕

○海洋博協力局長(糸洲一雄君) 海洋博時における入り込み客の予測数を御説明申し上げます。

 先ほど西田議員さんが、中部のホテルで予約が取り消される等、あるいはまた新聞報道で本土からのお客さんがかなり減るというふうな報道もあったりするというふうなことで、ずいぶん不安が高まっているというふうな感じもいたしますので、現在調査した点を御説明申し上げたいと思いますが、昨日も観客輸送対策の中で本土からの海洋博観客並びに外国からの観客が総合計で140万余りというふうなことで、それを基礎にしての輸送対策、その他もろもろの対策をしているという御説明を申し上げましたが、これにつきましては客観情勢として今日も変わっていないという形で御説明申し上げたわけですが、先月、通産省が発表いたしました大手8社の旅行業者のヒヤリングをした結果でございますが、団体客として現在集められているのが107万5000人、それから沖縄県内といたしまして私どもの方で調査いたしました沖縄旅行社関係5社の団体客が確定した数字としては、確約したのが28万4000人、それから予約しておりますがまだ未確認というのが14万人、これらの数字は合わせますと149万9000人、約150万人ということになるかと思います。それが確実に来るとなれば当初予定よりもふ
えるということになろうかと思うのですが、当然これは輸送力のキャパシティがございますから極端にふえるということはあり得ないわけです。

 ところが、そのほかに一般個人客と申しますか、これはいまの数字から別でございますからさらに個人客はふえる。それからまた若者向きの低廉な団体旅行と申しますか、そういう募集はこれから企画する、募集するというような話でございますか。

 そういうことで動員数としては、実は心配することはないというふうに考えております。しかし、ヒヤリングの段階でいろいろ問題が指摘されたそうであります。これは西田議員が指摘されまして非常に大切な問題であろうかと思いますが、まずサービスの問題、あるいは料金の問題もございますが、いま大手8社がおっしゃっているのは、現在のところバス料金、これは貸し切りバス等の料金でございますが、それから宿泊料金が未定である。しかもまた非常に高いという感じもする。それは海洋博時に一部の業者でしょうが、特別料金といいますか、その期間中にできるだけ多く回収しようというふうな感じで高いという風評もありますが、そういった点を非常に心配しております。

 同時に、料金が高くてもサービスがそれに見合ってあるならいいんだが、サービスがまた極端に悪いとそれらの観客の不満は全部旅行社にかかってくると、そういうことで旅行者が傷を負いたくはないので、3泊4日の予定は2泊3日にして北部を切り捨てるとか、あるいは外国旅行へ切りかえるように勧めるとか、そういうことも考えているということでございました。

 そういうことで、いまおっしゃられた今後のサービスあるいは料金の問題等非常に大事な問題でございますので、県労働商工部の方で真剣に行政指導の対策をとっているかと思いますので、それは後ほど説明されると思います。

 そういった点につきまして、県民運動として成功させる会を中心に親切運動あるいはまた業者間における自主的なそういうサービスの改善運動等を展開するということで海洋博協力局でも行政指導をして進めております。

 それからモトブ・シーサイド・プラザホテルの御質問もございましたが、これは財団法人本部海洋博開発協会が昭和47年6月1日に認可され設立されましたが、これは本部町の有志の方々が中心になりまして、海洋博を成功させようということで海洋博に関連したいろいろな側面的な推進事業をやるということで発足したわけですが、昨年ちょうどいま時分定例議会でも非常に問題になりました。宿泊施設が足りないために海洋博は成功しないのではないかという御指摘があったわけでございますが、その当時、中南部にはどんどんホテルはつくるんですが、海洋博会場周辺には一向につくらない。観客としては、中南部に2泊して、北部の海洋博周辺に1泊するのが最も望ましいパターンであると、こういうようなことで政府も協会も相当奨励したんですが、一向に進まなかったと。そういう時点でこの協会がそれらの宿泊事業を海洋博成功のために計画してやったわけであります。それがベッド数が3000人ということで非常に他のホテル業者に刺激を与えまして問題になりましたので、さきの御質問で労働商工部の方で説明されましたような形で調整いたしまして1800人のベッド数でのホテル事業の開始と、こ
ういうことになっております。

 これは公益財団法人でございますので、県の方で指導監督いたしておりますから、サービスその他料金等につきましても適正に指導いたしまして海洋博観客に便宜を提供するような体制を進めていきたいと思っております。

 以上です。

○議長(平良幸市君) 農林水産部長。


   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕


○農林水産部長(野島武盛君) 海洋博関連でございまして、生鮮食料品は大丈夫かという御質問でございましたけれども、われわれが計画いたしておりますのは観客450万をもとに設計をしているわけでございます。特に主体は物価へのはね返りがないように供給体制に万全を期すという考え方でございます。したがいまして、われわれが持っております計画は大体そういった時期でございますので、青果物については19万5000トンを必要量として見ておりまして、そのうちで特に果実が5万8000トンは県外から入れる。野菜については約3万トンばかり県外から入れよう。さらに、水産物につきましては10万2000トンばかり計画をしておりまして、これも2万8000トンは県外から入れなければ需要に間に合わないであろう。畜産物につきましては全部で大体5万1000トンの需要を見込みまして、そのうちで豚肉とブロイラーと鶏卵についてはほとんど県内の供給で間に合う。あと牛肉については4800トンばかりの県外からの移入が必要ではなかろうかと、こういうような計算をいたしております。
 これだけのものをうまく物流に乗せるということであれば、どうしても現在経済連が持っております1400トンばかりのキャパシティの冷蔵庫をフルに利用させる。さらに宮古にできます288トンの冷蔵庫も向こうでの緩衝備蓄に使えるような形での利用を考える。その他、青果物協会との連絡協調でございますけれども、これにつきましてはたびたび会合を持って、現在政府の助成を得て計画をいたしておりますところの緩衝備蓄制度の事業がございます。これにつきましては7800万円、さらに県から二千数百万の予算を計上していただいて、どうしてもバッファーストックを考えなければこれだけの量の供給はできない。そういうような考え方でいま推計をいたしております。

 なお、ここで問題になりましためは、特に大城議員からの御質問もございましたとおり、野菜でございますけれども、すでに3月いっぱいでニンジンが4800トンばかりの生産になっておりまして、そのうち2700トンばかりを県外に移出して、この計画に乗っかる分が約270トンばかりの備蓄を考えざるを得ないということでございますので、野菜についてはなかなか思うような計画は立てられないというような状況ではございますけれども、申し上げたような形での配給制度をフルに活用して万全を期したいと、こういうふうに考えております。

○議長(平良幸市君) 労働商工部長。


   〔労働商工部長 前田朝福君登壇〕

○労働商工部長(前田朝福君) 4点ばかりについてお答えいたします。

 まず、ホテルとかあるいはおみやげ品の関係でございますが、やはりホテルのサービス、おみやげ品の良質化というふうなことにつきましては業者あるいは従業員の自覚が本質的なものだというふうに考えます。これにまつ以外にはないというのが現状だと思います。
 しかしながら県といたしましても、そういった自覚を促し、サービスの徹底を図るというふうな立場から講習会などを開きまして、そういった面の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
 それから2番目の物産あっせん所の設置につきましては、部といたしましては東京あるいは大阪の方に物産あっせん所を設置してもらうよう要求をいたしておりまして、現在それを検討している段階でございます。
 次に、伝統工芸産業の振興につきましては、県としても組織の整備あるいは条例の制定等をいたしまして伝統工芸産業の振興を図っているわけでございますが、特に次年度におきましては地域工芸センターの設置、あるいは共同施設整備事業に対する補助、あるいは利子補給の制度の新設、あるいは原材料確保対策に対する奨励金の支給、あるいは民芸振興展の実施、さらには後継者養成の強化、工芸センターの設置というふうなことで伝統工芸産業の振興を図っていきたいというふうに考えております。
 次に、信用保証協会につきましては、次年度予算の方で1億円、そのうち8500万円が出捐金というようなことで予算計上をいたしております。
 次年度の保証債務残高を169億5000万円というふうに予定しておりまして、現在の定款倍率30倍で8500万円の出捐ではその保証には達しませんので、8500万円の出捐をすると同時に定款倍率を35倍まで変えていくというふうな形でその保証債務残高に見合う保証率を拡大を図っていきたいと思いますし、それと同時に、県だけの出捐ではなくして市町村あるいは金融機関に対しても当然出捐を要請いたしまして、そういったのを受けて次年度の169億5000万円の保証債務残高の予想の保証枠の確保を図っていきたいというふうに考えております。
 さらに、保証料の件につきましては、次年度は現行の1.4%を1.3%に引き下げたいと考えておりますし、それから県関係の政策的な融資につきましては1%を基準として保証料の決定をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) 5月の14日までに新用途地域を決定しなければならぬが、それまでの必要な時間と、それからどんな指導をしたかと、こういう御質問かと思いますが、まずこれは復帰の際に、沖縄県の場合は、新用途地域は49年の5月の14日までに決定すると、こういう特別措置はもう済んでございます。したがいましてこの件につきましては、私たちも各関係市町村も昨年から5月の14日をめどに一応調整し合ってそれを目標にいろいろ案を練ってきております。
 それで、3月の9日までにはすべて公聴会等を一応関係市町村は終わることになってございますが、あと残っておりますところの作業といたしましては縦覧の問題が1つございます。
 それからその縦覧を済ませますと関係市町村に設置されてあるところの審議会を経ます。それから沖縄県に設置されてありますところの沖縄県の都市計画の地方審議会の議決も経ます。それからその後に県知事の承認の手続が要ります。そして最後に関係の市町村のその決定と、こういう手続を経ることになります。
 そういうことでございますので、それに向かって関係市町村も県も鋭意努力しておりますので、時間的に十分だとは思いませんけれども、これについては私たちもそういう限られた時間でございますので、その方向に向かって関係市町村と調整しまして5月14日までには一応完了したいと思っています。
 それからその次は、指導の問題でございますが、この指導につきましては私たちは建設省からその要綱等を示されております。
 それから各都道府県では、すでに48年に実施いたしておりますので、その案等を取り寄せまして県としての指導の方針、それから作業の基準等を定めまして各関係の市町村に配布し、内容的には、目的あるいは新用途地域、つまり旧用途地域では都市の生活にふさわしくないようなそういう問題から、新用途地域を設定された意義、それからその新用途地域を8つに倍になっていますので、その新用途地域に各基準上のとらえ方、そういうようなものとしては指定の基本となる考え方、あるいは新市街地のとらえ方、旧市街地の取り扱い方、それから住宅地におけるところの用途地域、それから工業地におけるところの用途地域、商業地、その他の考え方、それからとらえ方等を各市町村にこの基準を示し、お互いに研究し合いやっていると同時に、各市町村はその内容あるいは図示したものを各家庭へ送りまして、その家庭に送って各市町村の皆さんのそれに対する認識、それに対する考え方等も踏まえまして県としてはいろいろ指導してきた次第でございます。
○議長(平良幸市君) 西田文光君。
   〔西田文光君登壇〕
○西田文光君 私が申し上げておるのは、航空隊の方が遷延していると、遷延していることについては、企業局の方へ支払いをすると非常に安い。沖縄市の方に払った場合には、従来企業局が取ったものより年間6000万円ばかり航空隊は支払いをしなければいけない。それで通告の日から1カ月以内に契約をしなければいけないというふうになっているけれども、契約を1日延ばせば沖縄市との契約に対しては18万円軍は得をする。支払わなくてもよいということなんですよ。県の方へ1日平均18万円払えば航空隊はそれだけ助かるということなんです。北谷村の料金で計算した場合には、33万円毎日得をするということなんですよ、軍は。だから、通告を出した日以後は、県が徴収をしないんだという腹を固めてもらえば軍は早く契約をするんですよ。県がいつまでも沖縄市が契約しない間はもらうんだという事になるものだから、向こうは契約を延ばす。それを申し上げているんです。沖縄市が契約をしなければ県は料金をもらえる。県は1立方メートル当たりわずか10円余りの利益をもらうために地方財政をこのように圧迫をするかどうかというんです。だから、早く4項目できておるものに対しては、取水
口の問題、沖縄市の水道のコストを向こうは計算するそのようなばかげたものはないはずですよ。向こうは、延ばせば得をするから言い分はある。こじつけをして契約を延ばそうとしているんだ。これをどういうふうに県は考えているかどうかということを申し上げている。通告の日から県は取りません。一日も早く沖縄市の方で契約をして、料金を沖縄市の方へ払いなさいということをはっきりやってもらいたいということを申し上げているんです。その点、お尋ねします。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午前11時5分休憩
   午前11時6分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 企業局長。
   〔企業局長 安里一郎君登壇〕
○企業局長(安里一郎君) 先ほどの知事の御答弁の趣旨に沿って努力したいと思っております。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午前11時7分休憩
   午前11時8分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 小橋川朝蔵君。
   〔小橋川朝蔵君登壇〕
○小橋川朝蔵君 本員は、かねて通告してありましたパイン問題を中心に質問いたします。
 けさのNHKのスタジオ102で山城会長が、4500万かんのパインの滞貨を抱えて沖縄の人々は非常に苦しんでいる。日本国民の半分が1かんずつ買えば片づくのにというふうな非常にさびしい思いを込めて国民に訴えておりました。そして私たち県議会においても、経済労働渉外委員会が開会中に東京に出向いて要路に折衝に当たるつもりできのう決定いたしました。それだけではなくて、自由民主党の議員総会におきましては、まず1人1ケース買い運動を展開しようじゃないかといってそのことも決定しております。与儀公園においては1万8000円貫徹運動が展開されたり、あるいは畜産危機突破運動が展開され、また今度パインの問題が危機突破問題で大きな会合を持っております。まさに沖縄農業は沈没の感を深くするものでございます。
 そこで私は、このパイン問題につきましては多くの質問事項がありますので、時間を要約するために13項目に分けまして質問をいたします。その質問の順序に関しましては、答弁に詰まらないように一応順序と質問の内容を農林水産部長に手渡しておきます。非常に簡潔に、20分の時間でこの問題を討議するわけにはいきませんので、農林水産部長のここにおけるところの発言を承って経済労働渉外委員会その他のところをかりまして議論したいと思います。
 まず質問の第1点、生果あるいは冷凍パインを台湾から輸入してかん詰めにした例が沖縄にあるかどうか。その時期はいつだったのか。その数量は何ケースだったか。そのときに通産省から沖縄側は文句言われたかどうか。
 2、本土で台湾あるいはタイから輸入した冷凍パインをかん詰めにした工場の数は何工場あったか。そして何ケースパックされたか。
 3、上記の工場のリストが通産省あるいは農林省から送付されたかどうか。されているとするならば、どのように県は対処したか。その文書があるならば提示してもらいたい。
 4、パッカーと代理店の契約内容はどうなっているか。これは販売契約並びに引き取り金額です。
 5、パッカーと代理店の資本等その他の関係を明治してもらいたい。これは日本の21代理店と沖縄の工場全体との間に交わされているところのいわゆる資本等の提携があるかどうか。
 6、沖縄における企業の合理化のガンは、いわゆるパイン企業におけるガンは一体何であるのか。
 7、これらの滞貨を県が知ったのはいつごろか。現在たくさんの滞貨物を、こうして行き詰まるであろうと県庁が察知したのはいつごろであるか。
 8、現在、パッカーは幾らの借金をしているか。その内訳は、いわゆる利子払い金額も一緒です。パッカーと代理店の引き取り価格は幾らか。現在、本土における実勢価格は幾らになっているか。幾らで取引されているか、沖縄物です。
 10、現在の滞貨は幾らか。これは通常在庫と滞貨に分けて発表してもらいたい。
11、50年度の本土における需要見込み高は幾らになっているか。
12、東京、大阪、福岡事務所が実施している物産展について、農林水産部と労働商工部が合議をしたことがあるのかどうか。合議の議事録、いつ合議したか、その月日、これを提示されたい。
 13、沖縄パイン輸出組合が東京から事務所を引き揚げている。その引き揚げた月日、引き揚げた理由、それに対していかなる行政指導をしたのか、こういった内容でございます。これに対する御答弁を承りまして、さらにその答弁に対しまして幾つか議論したいと思います。
 次2番目に、知事にお伺い申し上げます。
 予告してございませんでしたけれども、この問題は、きのうの新聞報道で宜野座村のインターチェンジにおけるところの歩道橋の架橋問題が大変に大きく取り上げられまして、特にこの問題は総合事務局や沖縄県知事、県議会議長、公安委員会、道路公団などに陳情書が寄せられております。そして2月1日の朝刊には、「登下校生命の危険」と、そして1月29日には、「横断歩道橋つくれ 県教育振興会が要請」と、さらにその次にはきのうでございます、3段抜きで、「話し合い物別れに 公団側の住民無視追及へ」、それからさらに5段抜きで、「通学用歩道橋はぜひ必要 信用できぬ公団14日に再び実力闘争の構え」という形で非常に緊迫した記事が新聞にも出ております。
 そこでこの問題は、宜野座村においては歩道橋設置特別委員会が村議会内に設置されて、さらに北部縦貫道路宜野座インターチェンジ出入口歩道橋設置要求協議会というのを村内のあらゆる団体を網羅して結成し、1月17日には村民大会を開き、さらに来る3月14日には再び第2回目の村民の抗議大会が開かれることになっております。
 そういったような状態の中で、知事はその解決策に対してどのような所見を持っていらっしゃるか、あの村民大会に対するメッセージのごとき発表をここでやっていただきたいと思います。
 次に、きのうの社会党の質問の中で、2300万円について104号線の代替道路について土木部長は、私はそれは知らないけれども、しかしながら代替道路を申し入れても、いまはその必要がないので代替道路は断るつもりだということを断言しております。代替道路というのはどういうことか私にはわかりません。金武は、多くの土地を軍用地で失いまして、淵上知事が第2工区と設定いたしましてつくったあの喜瀬武原からずっと中川、こういったようなところしか残っていないので、基地周辺整備資金をもらって開発道路として村長は意気込み、村民はそれを要望しているのに、これにだれが迂回道路とつけたかわからぬけれども、とにかくこれがもし村の産業開発のための道路だといって断定した場合には、どのようなお気持ちであるか、土木部長の明確なる答弁をお願いいたします。
 次に、自衛隊問題について質問いたします。
 私は、ここで知事と自衛隊の是非について論議をしようとはいささかも思いません。
 知事、ちょっと聞いてください。知事、これまでの自衛隊の民生の支援実績は不発弾処理が150トン、急患空輸372件、給水支援4回、これは糸満小学校などでございます。護岸工事2回、援農約1000人、そして累計といたしましては、これほどの多くのものが民生協力に自衛隊が貢献しているわけでございます。特に1月には12件あります。これは粟国、伊江島、徳之島、久米島、また粟国、喜界、渡名喜、粟国、久米島、座間味、渡嘉敷、北大東、こういったようなところから心筋梗塞とか、あるいは交通事故とか、未熟児などが空輸されております。しかもこれらのものがみんな県知事名で招請されております。
 ところがこの間、自衛隊に感謝する会を多くの団体が商工会議所において持たれております。私は自衛隊がよいとか悪いとかという是非をここで論じないで、知事はそこにおいて激励の辞も述べておりません。あるいは感謝の辞も述べておりません。本当にそれに対して感謝する気持ちがあられるのかないのか。あるとするならば、この壇上から謝辞を述べてもらいたい。
 それから労働商工部長、お願いします。
 学習研究所から発行された2月20日号をおとつい手に入れまして、その42ページに、許可のおりない小島の水族館、役所から認可がおりない。どうやってあの島に渡るかね。潮が引いたときには歩いて渡る。こんな水族館とは、実に夢みたいなことだなと書いてあります。恩納村の県が認可してつくらした水族館のことだと思いますが、それに対して橋をかけることについては幾度となく業者から要請があるはずでございます。その処理をどうするか、この問題について答えていただきたい。
 以上、一応質問を中断いたしまして、御答弁を承ってから質問いたします。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕
○農林水産部長(野島武盛君) パインの事情につきまして直接農林水産部長への御質問がございますので、あらかじめ質問事項が提示されておりますので、その順序に従ってお答えをしたいと思います。
 生果あるいは冷凍パインが台湾から輸入され、かん詰めにした例が沖縄にあったかということでございますけれども、台湾生果はちょうど復帰の年に、47年になりますけれども、1万6000トンばかり入っております。さらに48年、翌年でございますけれども、8800トン、これはかん詰めにパックした形でケースに直しますと1万6000トンで36万ケース、8800トンで22万ケースに相当をいたします。冷凍パインはありません。
 そのときに通産省から文句言われたかということでございますけれども、口頭で県並びにパッカーに対して強いお達しがありました。そのことにつきましては、理由についても十分御承知のことかと思います。復帰以前は原産地証明をつけて出したとしても、これは55%の外国のものとしての取り扱いを受けますし、復帰後は25%で生果が入れられたわけでございますから、そういった盲点をつかれたものだと思っております。
 なお、本土で台湾あるいはタイ国から輸入した冷凍パインをかん詰めにした工場が幾らあるかと、工場数でございますけれども、これは約22社だと思っております。日本かん詰め工業協会に加入して報告がある会社は、約22社だと、こういうふうに記憶をいたしております。
 申し上げました工場のリストが、通産省あるいは農林省から送付されたかと。されているとすれば、どのように対処したか。なお、対処したとすれば、その文書を提示されたいと、これは通告はありません。
 さらに、パッカーと代理店の契約内容はどうなっているかということでございますけれども、復帰以前はちゃんとした契約がございました。復帰後は案はできておりますけれども、正式にパッカーと向こうのメーカーとの契約にはなっておりません。これについてはいろいろいきさつがございまして、ここから強制にその覚書を交換するということは問題があると、これは公取との問題もございますので、県から直接の行政指導はいたしておりません。
 パッカーと代理店の資本等その他の関係を明示せよというお話でございますけれども、12社の資本総額、現在12社ありますからその資本総額は6億2400万円、うち代理店の資本は1億700万円でございます。14.7%に当たります。
 沖縄における企業の合理化のガンは何かと。これはおそらくわれわれが現在合併を進めております中でも、一番むずかしいのはやはり企業自体の零細性であるというふうに見ております。一番むずかしいのは、企業の零細性が合併に対して若干の問題を醸しているとこういうふうに見ております。
 これほどの滞貨を県が知ったのはいつごろからかと。これは49年、去年の6月ごろでございます。普通であれば、4月に生果代の取引が決まりますけれども、去年は御承知のとおりおくれましたので、生果代の取り決めの交渉に当たったころからでございます。
 現在パッカーは幾らの借金をしているかと。その内訳でございますけれども、50年の2月1日現在の借金の状況を申し上げますと、金融機関で大体38億円ばかり、それから空かん代とかその他の資材代の未払い分として21億円ばかりでございます。したがって、締めて約59億円ばかりの借金があるものと推定をいたしております。
 パッカーと代理店の取引価格は幾らかと。これはケース当たり平均4986円、なお1かん当たり138円になります。本土における実勢単価は、これもそれぞれの推定で取ってある資料でございますけれども、ケース当たり平均8640円、1かん当たり240円ぐらいだと思っております。
 現在の滞貨は幾らかと。通常の在庫が16万8000ケース、これは3月末を予定いたしますと滞貨が120万ケースということで現在滞貨が10万7000ケースということになります。50年度の本土における需要見込みは220万ケースと想定をいたしております。これは不況を見込んでの需要でございますから、いままで言われた350万ケースからのいわゆる需要の落ち込みを想定して現年度は220万ケース、こういうふうに想定をいたしております。
 それから東京、大阪、福岡事務所が実施しております物産展について農林水産部と労働商工部が合議したことがあるか、合議の議事録その他の月日等を明示されたいということですけれども、事業主体のこの物産展は、労働商工部、いま申し上げました出先機関が直接行っておりますので合議はありません。ただし、物産展でいわゆる沖縄の物産として黒砂糖なりパイン等は販売もし、宜伝もされております。
 それから沖縄パイン輸出組合の東京事務所がありましたが、その引き揚げた月日と行政指導についてでございますが、昭和39年の4月に設置をされまして、47年の復帰の年に廃止になりました。その理由は、経費の節減が主なる理由であったと思っております。県としては、できるだけそれぞれの事務所を置いて消費宣伝等あるいは取引等についてのあっせんをするよう指示をしたこともございましたけれども、東京事務所に当時物産観光課も設置されておりましたので、そういった意味で強く押しはしておりません。
 以上、大体13項目について回答を申し上げておきます。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 先ほど私に対する御質問の道路公団に関することでありますけれども、これに対しましては児童生徒が安全に登校、下校できるように横断歩道橋をつくってもらうように2月26日に要請はいたしております。
 なお、実情を調査いたしまして、道路公団を呼びまして御質問の線にこれが実現するように強く相談してまいりたいと、このように考えております。
 次には、自衛隊の問題につきましての御質問でございますけれども、確かに急患の輸送状況は私どもとしては国にこれは頼まざるを得ない。国にはこの制度しかないということによってたしか47年から50年の2月までの間におおよそ321回急患輸送状況があるわけでございます。
 そこで、このような危険な業務に従事しておる自衛隊員の皆さんに対しましては、制度のよしあし、あるいは賛成、不賛成というようなこととは別といたしまして、与えられた任務の遂行とはいえ、その尽くした御労苦ということに対しては、私は強くこれを多とするものであります。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) お答えします。
 県道104号線につきまして私が咋日答弁いたしましたのは、これはいまの県道を廃止して新たにつくり変えると、こういうことについては私は考えていませんし、必要はないと、こういうことでございます。
 それからいま地域の産業と関連しての道路の問題ですけれども、これにつきましては地元からの要望がある、つまり特にいまの金武村とか関係市町村からの要望であるが、市町村という道路で解決するということにつきましては、これは地元の要望でございますので、そこまで私は言及してはおりません。
 以上です。
○議長(平良幸市君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 先ほど小橋川議員からの質問の中で、土木部長に聞くとおっしゃっておりますが、あれは私の所管でございまして、すなわち水族館と恩納村の本島とつなぐ浮き桟橋のことかと思います。あれは建物等については復帰前において許可されているものでございますが、御存じのようにあそこは国定公園でありまして、しかも浮き桟橋のかかる区域は特別区域と普通区域の両方にひっかかっております。これについて、それをつくるという許可申請が出ておりますので、私たちは自然公園法に基づいてこれを自然環境保全審議会にかかるという事項でありますので、来る10日にそれが諮問するような手続をとっております。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 小橋川朝蔵君。
   〔小橋川朝蔵君登壇〕
○小橋川朝蔵君 自衛隊問題に関しましては、私に対するものすごいやじとうらはらに、多とするという知事の感謝の言葉。人間であるならば、人であるならば命を助けられて感謝しない人はいないはずですよ。だから私は前もって自衛隊の是非を論じようとしているんではないということを言っているんです。(「何を意図しているか」と呼ぶ者あり)感謝を意図していますから。
 本論に入ります。(「時間がなくなるよ」と呼ぶ者あり)私の時間だから心配するなよ。とんでもない話だ。
 パインの問題でまた1つ問題を提起いたしたいと思います。
 47年、48年に台湾のパインが輸入されて約58万ケースがパックされております。この間議会の始まる前に通産省に行ったら、そういったようなことが一つの範を示されて日本のミカンかん詰業者は冷凍パインの関税が安いということを理由に輸入をしてパックしたということでございました。
 それから日本のミカンかん詰等が42工場沖縄に通報しているということを言うております。そして、この通報した理由は、沖縄県側からこの工場に対して、沖縄がこのような状況だからひとつ製造を中止してくれという要請書が出されることを期待してこの問題を提起したということでございますが、何にもなされていないということはきわめて残念であります。
 それからその次に、現在138円50銭で契約された35万ケース、ところが卸の実勢市場は議会の始まる前におけるところの業界新聞によれば115円に下がっております。そうすると120万ケースの滞貨のうち35万ケースだけは取引契約がなされているんだけれども、そのときに契約をされているならば138円50銭、いまやるとするならばおそらく代理店は115円でしか契約しないだろうと思う。これはなぜそのときに120万ケース、いや私は120万ケースと言わずに現在残っている80%の化粧かん――白かんでありますが、この化粧かんについて契約をなさなかったのか、その理由を明示していただきたいと思っております。
 それから次に、50年度の本土における需要見込み高につきまして、220万ケースの発表がありましたが、その220万ケースを売りさばくところの方法については、県はどのような具体的な計画を持っておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
 その次に、私かつて体験したことのあることでございますが、ここに一覧表がございますけれども、この表によるというと1966年、そのときには単独展が8回、翌年が11回、翌年が8回、翌年が9回というふうな形で、北は北海道からずっと九州に至るまでくまなく沖縄の農産品を売るために奔走いたしました。まさに東奔西走でございます。そして大きなパイン祭りを展開いたしまして、パインの売り込みにいろいろと苦労したのでございますけれども、最近に至った例によりま
すというと、特に46年度になりますと3回、4回、5回というふうな形で回数が減っている。通産省の言い分は、自分の県の産品に関しましては奨励するだけで日本全国に宣伝し売り込むということをどこの県でもやっているんだと。ところが、それがだんだんだんだん回数が減って予算が思うようにいってない。そして、沖縄のお茶は倉庫の番をしているし、さらに長谷川商店などが引き取っておったところの黒砂糖も現在売れ行きが非常に悪い。これは北海道の漁民が船に積み込んでよく買ったものであるけれども、その売れ行きも非常に悪いと言われている。
 私は、野島部長が一緒にこの問題を東京で苦悩した間柄である関係から、その苦悩のほどはわかるけれども、しかしながら現在そういったような市場開拓の努力がなされていないということについては実に残念であります。このことは今後の課題として一応問題を提起しておきます。
 さらに私は、代理店、これは輸入を減らすことでございます。いわゆる通産省の発券制度を縮めて外貨割り当てを縮めるということでございます。パッカー、これは企業を合理化していわゆる合併しなくちゃならぬ、それはずっと数年前から言われていることである、これがなされていない。農家、これは品質向上を図って他のグローバルとの太刀打ちがなされなければならないけれども、現在55%という禁止的関税をかけながらも、さらに105万ケースのドール、デルモンテ、台湾などのグローバルと太刀打ちができなくなってしまって、沖縄のものが市場に残っているという惨たんたる現状につきましては、通産省もびっくりしております。これは品質が低下しているからでございます。それに対して行政の普及活動、品質改良、こういったような問題に積極的に取り組まなければならないわけでございます。
 こういったようなもろもろの問題を現在のパイン産業が含んでいるので、景気のよいときはもうかったかもしれないけれども、それが低減するというともはや沖縄のパインというのは売れない。そして、もう1つ大きな注意を喚起しております。その1つは、現在冷凍パインは42工場でパックされましたけれども160万ケース、20万ケースは販売されて140万ケースが現在残っておるけれども、その品質があるものに至っては沖縄の品質よりもよいということでございます。
 そしてもう1つの問題は、これらに対しましては15%を増税いたしまして35%という課税をした。このことは台湾側から非常に文句を言われている。現在国会で審議中でございます。
 そこで、この35%というのは、もはやこれは禁止的課税であると通産省は言うております。パッカー側も、35%の関税では輸入はどうにもならぬ、冷凍パインのパックはできないということを言うておるけれども、しかし、重大な警告を発しております。代理店、農家、パッカー、そして行政機関などがこの問題に再び配慮をしないというと、あの輸入かん詰めのグローバルが55%の禁止的課税をかけてもなお沖縄物よりも売れるように、35%の冷凍パインに対する課税は禁止的課税にならないで、再びあと二、三年すると現在の農政に対する怠慢が爆発して、このようなことが再び起こるであろうということを警告しております。
 そういったようなことでございますので、私たちはパイン産業の恒久的対策、これを農林水産部長、発表していただきたいと思っております。
 以上です。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕
○農林水産部長(野島武盛君) ただいま再度にわたって小橋川議員からパイン不況対策について御指摘をいただきました。全くそのとおりでございます。
 御質問の1点、契約をなぜ当時しなかったかと、138円50銭の取引価格が決定をいたしますときに、ほとんど全量が本来ならば契約をされて、沖縄から積み出される時期は3月の末で、その80%以上が本土に渡っているのが通常の年でございました。しかし、この取引の内容等につきましては県が直接タッチをしておりませんし、さらにその取引の価格についても県の立ち入る余地はないわけでございまして、先ほど答弁いたしました、県が滞貨を察知した去年の6月の時点で、ほかのかん詰め類の消費も落ちていると。したがって、ここの生果の取引価格を上乗せをする場合には、パッカー自体売り込みに困難を来たすであろうというような想定はしておったわけでございます。そういうことで補正でお願いをいたしまして、パッカーだけにしわ寄せをするわけにはいきませんので、県も若干の負担をする、生産者を保護するという立場において2億円の補正をお願いをしているわけでございます。
 そういった事情等も加味いたしまして、この取引については県がむしろ積極的に取引をするように勧めるべきだったかもしれません。けれども、いろいろ申し上げましたような資本系列等もあるし、さらに取引の見通し等についてのパッカーの考え方等もあったと思います。そういうことでなかなか取引がうまくいかなかったと、こういうふうに想定をいたしておるわけでございます。
 さらに、その滞貨を予想される120万ケースの売りさばきの方法でございますけれども、これについても、現在来期の製造に差しつかえますので、できるだけ早く取引をして引き取ってもらいたいという交渉を現在東京で行っております。
 たびたび申し上げましたように、120万ケースのうちの80%がそれぞれの商社のブランドが付された化粧かんでございます。したがって、引き取る義務を有していると私は解しております。あと残りの20%については、申し上げましたように、沖縄パインアップルかん詰めの消費運動と言いましょうか、言葉は悪いんですけれども、現在案の段階でありますから詳しくは発表できませんが、できるだけこういった運動本部を組織をして、沖縄のパインを県民に理解をしていただく、そして外国産と品質においてどれぐらいの差があるであろうか、そうすることによって今後の生産者も理解をしてもらい、品質の向上を図るし、さらには消費者自体も外国産と沖縄県産のパインかん詰めの内容等において十分知っていただける、こういうような考え方も含めながらこの20万ケース、あるいは十四、五万ケースの滞貨をできるだけ県内で消費できるように努力したいという考え方で要綱をつくっております。
 消費時期が夏場にかけてでございますので、これをいまから運動をするということになりますけれども、パインアップルかん詰め産業の振興対策審議会があります。これは県、市町村長、それから議長会、あるいは組合長会ともろもろの団体は含まれておりますけれども、加えまして婦人連合会、さらには商工会議所、あるいは消費者の団体がございます。さらには生活改善の地区連絡協議会と、こういったもろもろの団体を網羅いたしまして、できるだけ有効に消費宜伝を含めて努力したいと、こういう考え方でございます。
 なお、恒久対策につきましても、二、三日前、農林省及び開発庁の政務次官からの内々の口頭での連絡でございますから申し上げられませんが、沖縄パインを将来伸ばす上においての県の考え方、並びに農林省なり開発庁なりが考えていらっしゃることについての通報がございました。詳しくは申し上げられませんけれども、とにかく現在のつくられている面積が4000ヘクタール、かん詰め量にいたしましては190万ケース、生果量にして約8万トン、この線はあくまでも維持できるようにわれわれとしては努力したいと思っておりますけれども、先ほど小橋川議員の御発表もありましたようにその品質等の問題、あるいはかん詰めパックしての売りさばき等の将来の見通し等も考えて、さらにはそれを別のものに加工をしていく、その場合の施設等に対する考え方、これを具体的にこれから詰めていきたいと思っております。したがって、かん詰めそのものについてはあくまでも品質を上げる、しかも外国産のかん詰めに太刀打ちできるところまで品質の向上を図るということを1つの目標として努力したいと、こういう考え方でございます。
 さらに、農家に迷惑がかからないような努力ということは、ほかのものに変える、ジュースなり、あるいは乾燥パインなり、そういうようないろいろな加工方法があろうかと、こういうふうに考えておりますので、それぞれ主管省と連絡をとりながら将来の沖縄のパイン振興に努力をしたいと、こう考えております。
 以上であります。
○議長(平良幸市君) 小橋川朝蔵君。
   〔小橋川朝蔵君登壇〕
○小橋川朝蔵君 通産省の滝農水産課長は、広島県の元農政部長でございまして、ミカンかん詰めの不況時代に県民の中で大変苦労された方でございます。この人が、また復帰のときの農林省の沖縄特別対策室長だったのでございますから沖縄のことをよく知っています。その人のやったことは、みずから販売計画を樹立して天下に公表すれば全国の農林部長会議でもそのことが言えよったのにと、私が知ったのは実は秋のことでございまして、こんなにつまずいていると思わなかったということを言うております。それと販売につきましては、財政的に学校にパインジュースを売ろうとしても値段が高くて売れません。そのときにミカンジュースはどうしておったかというと、県の財政的な補助があります、県内消化に。あとでこれは国から補助が受けられております。
 とにかく国から補助が受けられることを想定して県内で予算を組んで積極的な販売計画を国内並びに県内で樹立せよということが提言でございましたので、御要望を申し上げまして質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午前11時47分休憩
   午後1時5分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 新垣淑重君。
   〔新垣淑重君登壇〕
○新垣淑重君 私は、財政問題を中心に質疑を行いたいと思います。
 50年度一般会計は、歳入歳出とも1350億5600万円で、歳出面における人件費の占める率は国庫支出金を別として、一般財源において66.7%、予算歳出総額における率は49.6%の669億7500万円。一方、事業費は国庫補助事業325億3400万円、県単独事業46億4780万円、計371億8180万円で、歳出面において占める率は27.53%と人件費の約半分というみじめな数字となっております。
 その結果、生活福祉、土木、農林水産部の県単独新規事業が軒並み削られております。
 農林水産部は、新規事業として家畜の価格安定対策費を要求したがだめ、養豚公社費は、設立準備費の名目だけ、土木関係では、道路の新設維持費がゼロ、生活福祉部は、身障者福祉施設費が大幅に削減されたほか、実務学園関係費はこれまたゼロ査定となっておる。
 知事は、2月定例議会における提案事項説明の中で12項目にわたる重点施策を述べておられるが、一つとして50年度予算に配慮されていないのは県民を言葉の魔術によって愚弄するもの以外何物でもありません。
 予算の執行率を見よう。毎年膨大な予算が消化されず翌年度に繰り越しされているが、その額は他府県の五、六倍以上であります。
 以上の点を基礎として県財政を検討してみると次のとおりになっている。
 まず第1点、県有地の使用状況。
 県有地の面積が1194万1668平米であります。しかしながら、県有地の一般住民への貸し付けの賃貸料金は年間わずか7200万円程度であります。それに反しまして、県の部局別に庁舎の賃借の状況を見ますと、合計1246名の職員が9634平米の建物を借りまして、年間の賃借料が2億183万4160円となっております。
 さらに、県が県民から借りているところの借地面積及び借地料を調査したところ、借りた面積が7万3235平米で年間の賃借料が1億6449万7787円となっている。それで、先ほど御説明申し上げましたところの庁舎の賃借料と合わせると、年間に県が支払っている金は3億6633万1947円と多額の予算を使っておるのでございます。
 知事に伺います。
 知事は、提案事項説明の中で行財政の効率的運営を図ると言っておられますが、この状態は果たして効率的運営と言えるでしょうか。
 さらに、1553平米に及ぶ一般貸し付け土地を返還不可能である分について借用しているところの住民にこれを払い下げるとともに、毎年膨大な借家、借地賃を支払っている予算で庁舎を建設し、または借地を買い上げて県有財産を獲得する考えはないかどうか、知事にお伺いします。
 次は、予算上に占める人件費について申し上げます。
 昭和49年度の沖縄県の職員定数は6588人となっております。この数字は全国都道府県議会議長会事務局のまとめた全国都道府県職員定員調べによりますと、九州では福岡県を除く各県より多く、特に佐賀、香川、徳島、高知、愛媛の各県に比較して1500名程度多いことが明白になっております。この件につきましては、県の資料でも標準定員は49年度で5041人で、残りの1547人は特殊定員だとしております。特殊定員については、普通交付税におきましても48年度で255人、49年度で233人しか対象になっていないし、これから毎年対象数は漸減するであろうことが十分予想されるのであります。
 沖縄は離島が多いと言われております。しかし、このことは沖縄県だけじやなくして鹿児島県や長崎県についても言えることであります。さらに、復帰時に本土で定数に入っていない職種も入れたことなど沖縄の特殊事情もありますが、予算の硬直化の主要原因が職員が多過ぎる人件費にあることは否めない事実でございます。
 私が特に指摘したいことは、復帰蒔点で国と県に職員の引き継ぎが行われたときに、県に引き継がれる職員が多過ぎたにもかかわらず、復帰直前の72年5月1日に74名の非常勤職員を定員に繰り入れたこと、さらに48年に499人、49年に10人、50年度に病院関係を除いた8名を増員していることであります。
 本年2月17日の新聞の社説に、次のような特異な記事が載っておりました。
 「県の財政硬直化の原因は人件費にあると自治省が指摘しておる。県はこれに対してどう答えるだろうか興味がある。というのは県の職員数が多く、待遇も沖縄の状的でサービスが悪く、企業ならとっくに倒産しているところだという話は以前から出ていたからである。」、さらに「県側は何かといえば政府は、政府はと言ってきたが、これもあまりひんぱんに出すと効きめはなくなる。」、さらに「地方自治体として当然是正すべき技術的な問題だったらすなおに反省し、改め、そして県民にこたえるものでなければならない。ところが、どういうものか県はそれをやらない。否できないのである。県首脳に決断力がないのか、あるいは地方自治面で、いるべき優秀なテクノクラートがいないのか、永いあいだの県民の不平不満をよそに、職員をふやし、優雅な生活を保証し、威張らせそしてサービスはせず事業は申しわけていどにと来ている。沖縄の社会にもし歴然とした階級制があるとしたら、それはこういう官公吏と一般庶民である。県は予算を組むのに財政硬直化をきたして「単独新規事業はゼロ」と言っているが、納税者の立場から言わすれば、「税金をもらっていながら、恥ずかしげもなくオメオメとよくもそん
なことが言えたもんだ」ということになる。まさにその通りである。県民は納める税金が舗装道路となり、橋となり、病院となり、福祉施設となって還元されるのを期待しているのである。」と、このように社説で述べております。
 私はあえて申し上げたい。予算に占める人件費の比重が将来ともこのとおりであるとするならば、将来沖縄の発展は全く期待できないと思う。
 知事はこれに対し、年次計画で他府県並みの標準定員に持っていく考えがあるかどうか、いつまでも特殊事情を振り回すことは、県民がもはや承知しないであろう。いまのままだと知事の言う明るい豊かな平和な沖縄を誕生させることは不可能であろうし、知事の12項目に及ぶ重点政策も絵にかいたもちにしかならないと思うが、知事の見解を承りたい。
 次は、地方交付税、国庫支出金、国の委任事務について申し上げたい。
 県並びに与党は、地方交付税配分率、国庫補助金の補助基準の実勢単価との問題、国の県への委託事務費の過重負担が財政硬直化の原因ときめつけております。この問題は全国知事会議や全国議会議長会議でも国に要求されている問題である。もちろん、これを要求することは、地方自治体として当然の主張であることに異論はございません。しかしながら、当面の予算編成に当たり、この問題を前面に出してみずからの責任を回避するということは許されないでありましょう。
 さきに沖縄関係の予算が政府決定になった1月10日、屋良知事は東京での記者会見で、すべて満足とはいかないが、質量とも評価できると述べたということが報ぜられております。ところが、本定例議会における知事提案事項説明中、知事は「このような情勢に対処するため、県といたしましては、行財政の効率的運用を図るとともに、地方交付税の繰り入れ率の引き上げ等を国に要請し、地方財源の確保に努める所存であります。」と説明しておられます。東京ではありがたいと言っていながら、沖縄では足らないから要求しますと述べております。このような表裏のある言動はやめてほしいものであります。
 私の調査した範囲におきましては、国の補助基準は年々増額されております。昭和47年5月15日の基準単価を100とした場合、土木工事関係で48年4月1日で114.77%、48年5月1日で120.61%、48年9月1日で128.07%、48年12月1日で153.93%、49年4月1日付で180.85%の増となっており、建築関係もほぼ同様に改善されているのであります。
 試みに47年、48年の超過負担金額を建築工事関係と土木工事関係について調べたところ、47年度の建築工事関係で10億7857万1000円、土木工事関係で7億6901万8000円、48年度の建築工事関係で18億1191万5000円、土木工事関係で25億1330万7000円の超過負担となっております。
 しかし、49年度からの工事関係は、土木、建築とも先ほど説明申しました基準単価のアップで工事はほとんどその単価基準で進められているようで、物価の鎮静と相まって今後超過負担額はある程度緩和されるであろうと思われます。
 沖縄県は、沖縄振興開発特別措置法に基づき、各種補助事業に対し高率補助が適用されているが、交付税の算定上これら高率補助に伴う割り落とし適用のないことが大きな特徴であります。その点ではかなり有利な扱いを受けておりますが、北海道の場合は、高率補助に対する割り落としが適用されているようであります。
 知事は、地方交付税の繰り入れ率の引き上げを国に要求すると言っておられますが、それは全国的な問題であり、全国の地方公共団体の一員として要請することとして、現在沖縄県に対する割り落とし適用がないとはいえ、いつの日か割り落とし適用によって減額されないよう関係省庁に働きかける方が沖縄県知事として最も効果ある方法ではないでしょうか。
 次に、国の委託事務による委託事務費への過重負担の問題を調査したところ、50年度予算では約七、八十件近くの委託事務があり、対象職員数は371人で、県の持ち出し額は人件費――これは国庫と県費の人件費の差額であります――で3616万2000円、事務費で276万3000円、計3892万5000円でそれほど問題にするような額ではないはずであります。
 知事は、行財政の効率的運用云々の説明の中で地方交付税の繰り入れ率の引き上げをうたっておりますが、自主財源の確保についての方針がないのは片手落ちと考えられるがどうでしょうか、地方交付税、国庫支出金、国の委託事務等とあわせて知事の見解を明らかにしていただきたい。
 そして、知事が交付税の増額を要請すると言いますが、相手から引き出すことのみに専念し、みずからがつくり出すところの自主財源の確保が何ら説明されていないのは非常に残念でございます。
 次は、文化財と予算の問題について主管部局にお伺いします。
 首里の金城町の石畳は、県の指定記念物とされているために付近一帯は上下水道は整備されていません。そのため3カ所の井戸から水を引いているのが94世帯もあります。しかし、この井戸水を県の公害衛研で検査したところ、飲料水に不適と認定されたのであります。那覇市水道局も水道設置を進めたい意向のようであります。憲法の保障する生存権の問題も、文化財に指定されたために毎日の生活が脅かされているのが実情であります。金城町民は、文化財保護と人命とどっちが大切かと不満を訴えております。
 主管庁である教育庁は、この問題に対して文化財のあり方につきまして、住民の直接生活につながる問題とあわせまして御見解がありましたら伺いたいと思います。
 次は、環境衛生業者の金融公庫融資に係る問題について伺います。
 これはたしか昭和50年の2月24日付沖環協第24号をもって、沖縄県環境衛生同業組合連絡協議会の理事長から沖縄県に対しまして、沖縄県のクリーニング業者に対する融資についてと題する陳情がなされているはずであります。
 この陳情の内容は、組合の言い分によりますと、県は、組合育成に熱意がない。これまでも組合加入していない業者に融資のあっせんをしていること、すなわち49年4月から12月までに、環境衛生関係業者の公庫からの融資決定額14億4834万4000円のうち、組合加入者の融資額が9億857万9000円に対し、非組合員の融資額が5億3976万5000円となっている点であります。
 沖縄におけるクリーニング業者は現在300件ぐらいありますが、ほとんど零細業者でありまして、大企業の出現によって海洋博後は従来の得意先を圧迫され倒産に追い込まれることは必然であると組合の方では言っておられますが、これに対するところの県の方針を承りたいと思います。
 以上、質問を終わりまして、時間がございましたら再質問を行います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 財政全般にわたりましていろいろの御所見とともに御質問がございました。
 財政の硬直化につきましては、これは沖縄だけに特別にあらわれておるわけじゃなくして全国各県において共通にあらわれているところの事実でございます。もちろん、人件費もありますけれども、そればかりでなくして他の要因があるということはおとといからきのうとずっと論じられていることでありますから省きますけれども、ことしの財政の重点施策として挙げておるのは、ただ挙げてあるだけで何も裏づけがないというような御指摘でありましたけれども、各部局長あれを挙げて、それぞれの対策を立てて、今度の予算で割り当てられる範囲内においていろいろの力をこれに入れておるはずであります。決してただ挙げて、何の裏づけも配慮も払われていないということでは私はないと思っております。
 その重点施策というものに対する裏づけはされておると、こういうふうに考えております。
 次に、県有財産の管理について御指摘がありましたけれども、この問題について行政需要の増大に伴い、県有庁舎では対応できない。これは民間ビルを貸借せざるを得ない現状についてはまさに御指摘のとおりでございます。
 御承知のように県有地は、復帰前は米国民政府が管理して、そのほとんどの土地が民間に貸し付けられ、直ちに公共用地として活用できない現状にございます。したがって、今後の庁舎需要に見合う庁舎整備計画、公共施設用地の確保その他公有財産の効率的運用を図るため、現行賃貸料の適正化等を含めまして、県有財産の基本的な管理運用方針について目下検討を進めております。
 いまの御意見等も承りまして、これはごもっともなことでありますので、これには十分検討を進めてまいる所存でございます。
 それから次には、この交付税の問題に触れておられますけれども、これの率の引き上げというようなことも、これは決して沖縄だけを特別に引き上げてくれと言ってやっておるものではありません。これは全国のいかなる県も、全く同じような意昧合いでおとといからここで論ぜられているように、たとえばわれわれでありますと
いうと九州知事会でも、あるいは全国知事会でもこの問題は共通の問題として、いまの32%よりも率を引き上げるというようなことは言われているわけでありますから、沖縄だけ引き上げよというようなことはないと、やはり全国共通の問題としてこの問題は改善を図っていくということであります。
 超過負担についても、そのとおりであります。これは共通の問題として取り上げておるのであって、沖縄だけ特別にこうせああせと言っているのではないわけであります。
 それから、そういったような本土における交付税あたりの追及のみを強調して、自主財源の確保には努力していないではないかということでありますけれども、これはそのとおりだと思いまして、自主財源を確保するために他府県とも比較いたしまして確かにいろいろ違うところもございまして、簡単に申し上げますというと事業量あたりは非常に沖縄は軽いわけであります。こういうような諸問題もどうしていくということについては、これまた非常に県民すべてに重大な関係を持つものでありますので、その自主財源を引き上げることにつきましては、現状のまま調査検討をすることによって自主財源を確立するようなめどが掘り出せるのもあると思いますけれども、また新しくこれを改善をしなければできない面もあろうかと思います。
 いずれにしましても、自主財源を確保することは御指摘のとおり強くわれわれは努力を払っていくつもりでございます。
○議長(平良幸市君) 教育長。
   〔教育長 池村恵興君登壇〕
○教育長(池村恵興君) 首里の金城町の石畳が文化財に指定されているために、その周辺の方々が飲料水に困っていると、それについての御質問でありますのでお答え申し上げます。
 最初に、文化財を守ることと命を守ることはいずれが大切かというふうなことについての見解を聞きたいということでございますが、2つを並列しますとやはり命を守ることが大切だと、こう考えます。しかし、また文化財を守ることもまた大切だと、こういうふうに考えております。
 それで、教育委員会としましては、金城町の有に対しまして、上水道布設は可能であるのでひとつそのような方向で努力したいと。そして、上水道を布設して文化財と十分調整がつくようにしていきたいと、こういうふうに申し上げておりますが、その後金城町の有志の方からは文化課にまだ参っておりません。早速調整しまして、命を守ることも文化財を守ることも両方両立するようにやっていきたいと、こういうふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) ただいまの御質問の件にお答え申し上げます。
 環境衛生業者に対する公庫融資には、まず融資を受けようとする者が沖縄県振興開発金融公庫でその利用目的、その計画を説明して申し込み用紙に所定の事項を記入して、それぞれの同業組合に意見書及び推薦書を交付をした上で書類審査は県で行っております。したがって、それらのものがその審査基準に適合するものについては、推薦書を添えて融資方の方の公庫の方へ送付いたしております。
 なお、その中で組合員でない場合のときにも、これについても県の方としましては、それぞれの該当する組合にその意見書を添えるように指導しております。組合のない場合は、また県の方だけで書類審査をいたしてこの向きに沖縄開発金融公庫の方に進達しております。
 ちなみに、49年4月から12月までにこれらの業者に対して392件、23億8300万円の申請に対する処理をいたしまして、その中でクリーニング業につきまして13件、9600万円の処理をいたしております。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 企画調整部長。
   〔企画調整部長 平良清安君登壇〕
○企画調整部長(平良清安君) 予算に占める人件費の割合が高いと、こういう指摘が一昨日からなされております。それに対しましては知事も御答弁しているように、今後長期的な行政需要、特に沖縄県はこれから各種の事務事業もしなければならぬ。また一面、人件費が高いと言われている。その両方をどう兼ね合わせて、しかも県民の期待にこたえていくかということで今後引き続き本土の都道府県と比較をしつつ、できるだけ人件費がこれ以上膨張しないような方法とあわせて県民の期待にこたえる行政執行ができるような努力をしていきたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 新垣淑重君。
   〔新垣淑重君登壇〕
○新垣淑重君 いま御答弁をいただいたのでございますが、私は県財産の土地の貸し付けの問題につきましては、値上げをしなさいということは言った覚えはございません。これはおそらく公有地でございますので、できればなるべく安い値段で一般住民に利用させるのが私はりっぱな政策ではなかろうかと思います。決して上げろとは言っておりません。
 ただ、3億6000万円の年間の地料並びに建物の賃借料を払っておる。これはわずか1300平米の土地を貸して7200万円程度の賃貸料しか収入はない。反対に、出すのは年間3億7000万円近くの金を出している。これが財政の健全な運営とは私は言えないと思います。
 時間がありませんので、これは予算特別委員会の方で後の質問はいたします。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 御指摘のとおり賃貸料が2億円に及んでおります。そのうち2900万円程度は渉外労務管理事務所の費用でございますのでこれは国の負担になりますが、実質的にはそれを差し引いた数字になります。
 ところで、やはりいま県の出先機関がほとんど間借りしている状態でありますので、これを何とか解消しなければならないと考えております。
 それで、現在総需要抑制下において庁舎の設備が抑えられておりますが、そういった51年ごろから次第にこの庁舎整備を図る必要があると思っております。
 まず、那覇周辺の南部出先機関を総合庁舎をつくって、そこに入れていくというようなそういう庁舎整備を計画しております。
 先島にしてもしかり、北部、中部の出先機関の総合庁舎も合同庁舎もつくっていきたいというふうに考えております。
 そういったことによって、できるだけ自己財源の持ち出しが少なくて済むようにいたしたいというふうに考えております。
 なお、県有地につきましては、可能な限り払い下げも考えていきますと同時に、賃貸料ももちろん公平適正な賃貸料に改定すべきだというふうに考えております。その分によっても若干の自主財源の強化につながることになろうかと考えております。
 なお、超過負担についていろいろ御指摘がありましたが、確かに基準単価については単価差の改定はなされております。ただ、それだけでは超過負担は完全に解消するわけでございません。やはり数量差、対象差、そういったものの解消があってはじめて完全に解消できると思います。たとえば今後の予算の中で、実は実習船ですが、水産高校の実習船についても380トンの範囲で予算が措置されております。国の査定が380トンになっていますので、一応その対応費をつけておりますが、実際に活用できるのは480トンでなければならないというようなことも聞いておりますので、そこに数量差というものが生じてきて、これをどうするかという問題も含まれていくわけです。
 なおまた、いろいろほかにも対象差というものがありますので、こういったものを含めて超過負担の問題については取り組まなければならないだろうと考えております。
 以上です。
○議長(平良幸市君) 渡久地政仁君。
   〔渡久地政仁君登壇〕
○渡久地政仁君 本員は、先日通告いたしました質問事項に所感を述べながら質問していきたいと考えております。
 まず、海洋博についてでございます。
 近年海洋科学の進歩とともに海の開発に多くの可能牲を切り開いてきた。しかし、神秘のべールに包まれた海のなぞと力ははかり知れないものがあります。われわれは月よりもはるかに海を知らない。最近陸上資源が危機にさらされ、天然資源が無尽蔵に眠っている海べ、また、食糧問題解決の最高の場として海へ、さらに、汚れる海へと風心が高まってきたのでございます。
 人類と海とのつながりは多様であります。胎児は母親の羊水の中でえら呼吸をして生きる。また、血液と海水の成分は同じだ。人は満潮時に産声をあげる率が高く干潮時に息を引き取るとも言われております。生命の不思議は自然を抜きにしては語れず、母なる海と称されるように、海は人類を誕生以来はぐくんできたのであります。
 こうしたときに、沖縄において国際海洋博覧会が来る7月20日から半年間本部半島で開かれる。「海――その望ましい未来」をテーマに海と人間のかかわり合い、海にいどむ海洋開発の数々の試みを会場いっぱいに展示するのは県民多数の御承知のことかと思います。
 那覇から陸路80キロメートル、本部半島の西北部海陸合わせまして100万平方メートルが海洋博会場であります。南北4キロメートル、東西最大400メートルのタツノオトシゴに似たような敷地の中央「夕陽の広場」から200メートル沖合いに海洋博のシンボル、日本政府出展のアクアポリス、高さが32メートル、100メートル四方のものが浮かび、その左右には水族館、海洋牧場、海浜公園、エキスポビーチをはじめ政府、外国、民間の各展示館が亜熱帯植物の中に村型で点在する。ニライカナイの海、かつて沖縄の人々は、海のかなたに楽園があり、神様が住み、人間に多くの恵みをもたらしてくれると信じておった。この素朴な信仰は、ある点で現代人の胸を打つものがある。人類の永遠の生存を約束するものは、海の創造しかない。勝手気ままに海を開発するのではなく、海洋環境と十分な調和を保ちつつ、すなわち母なる海の心に触れつつ人類生存のために海を開いていくのであります。海洋博が海と人間の新しい共存を打ち立てる一里塚となってくれることを希望するものである。
 海洋博関連公共事業は、3月末日をもってほとんど完成に近く、これからは内部装飾に取りかかるのである。住民の期待と現実はもうそこまで来ておる。海洋博会場内の進行状態から見た場合に、7月20日の開会には十分に間に合うとして成功は間違いなしと付近住民は信じております。しかし、海洋博は成功するにしても、その終了後はどうなるかということを近ごろ心配するようになってきたのであります。たとえば伊江島空港使用の使用時間の条例改正をめぐる諸問題、海洋博跡地、跡施設利用計画の具体的講想はどうなっているか。また、実現可能なのかどうかと心配する声が多々聞かれますので、これらの問題を考えながら質問をいたしたいと思います。
 議案乙第14号によれば、附則に「伊江島空港の使用時間は、当分の間、午前10時45分から13時15分までとする。」と規定しておる。
 この件については、去る12月の定例議会においても、本員がわずかに2時間と30分では民間空港としての機能は十分に果たせないことを指摘した矢先であります。この件については代表質問にもありましたが、納得がいきませんのでお伺いしますが、それで2時間半という短時間で離着陸できるかどうか疑問でありますので、形だけの空港使用であれば納得はできないのでございます。
 条例改正を提案するまでの過程並びに今後の見通しについて説明を願います。
 2番目、海洋博跡地、跡施設利用計画の具体的構想をお聞かせ願います。
 3番目、海洋博の跡地、跡施設利用と地元農業の関係について、各種農業の生産体制並びに農業生産物の流通対策についていかなる計画を持っているか。
 4番目、海洋博の跡地、跡施設と地元漁業の関係について、零細沿岸漁業、ことに近海漁業のあり方と漁業生産物の流通対策についてどうなっているか、お伺いします。
 5番目、沖縄館の建設資金寄付の件については代表質問にもありましたが、目標額6億5000万円に対して現在1億9000万円しか集まっていないとのことですが、今後どういった方法で目的達成する考えを持っているかどうか、お伺いします。
 次に、トキソプラズマ病対策についてお伺いします。
 去る12月定例議会においても本員は、養豚農家並びに多頭飼育養豚業者がこのトキソプラズマ病に大変恐怖を抱いていることを強調してまいりました。その後の調査によれば、トキソプラズマ病の感染程度は、人間について最もよく調べられている。高温多湿の地域の方が寒冷乾燥地帯よりも陽性率が高く、高率のところでは90%以上が陽性との報告がされております。わが国では成人の4人に1人の陽性であります。
 動物についてみると、犬は約20%、ネコは約50%、豚は肥育豚の約10%、種豚の約50%がトキソプラズマ病に感染し、シストを保有している。羊毛生産国では、羊の流死産原因の最大のものがトキソプラズマ病感染で、羊群の20ないし30%に流死産が起こったという報告が幾つもあります。牛や馬の感染率は、他の家畜よりは低い。先天感染を除けば、トキソプラズマ病の感染源や感染経路を個々の例について突きとめることはほとんど不可能である。トキソプラズマ病増殖型は、感染動物の分泌、排せつ物中に細胞や粘液とともに排出されることがある。実験的には唾液、涙、尿などに出現することが知られております。また、乳汁、精液から検出された例もあります。これが傷のある皮膚あるいは粘膜から体内に侵入することは当然推測されます。ある豚房あるいは豚舎に爆発的にトキソプラズマ病が発生する例では、この経路が疑われる。人及び食肉動物においては、シストを含む生食あるいは調理不十分な肉からの経口感染が最大の感染源と考えられるている。ある期間、結核の補助療法として生肉を食べさせた子供たちの陽性率が著しく上昇した例、また屠畜場関係者、特に豚の担当者がきわだって
陽性率が高いことなどの報告があります。豚のトキソプラズマ病感染で感染源がはっきりするのは、先天感染の場合だけであります。
 先天感染は、他の多くの動物種におけると同様に、妊娠中に母豚が初めて感染を受けたときに起こるのが大部分で、慢性感染母豚からの先天感染が起こることは全く否定はできないが、ほとんど考えられない。しかし、慢性感染母豚の多い種豚場で育つところの子豚は、母豚から移行抗体が一たん消失した後に生後4ないし7カ月で再び血清反応が陽転する例が確かに多く、この中には臨床症状を伴って陽転するものが少なからず含まれております。この場合、直接の感染源を明らかにすることはむずかしいが、慢性感染動物の体内にあるシストは、ときに破裂しまして一過性の原虫血症を起こしているものであり、特に分娩前後にはトキソプラズマ病の症状を発見する母豚もあることから、やはり慢性感染豚が感染源になっていることがうかがわれる。子豚を購入し、肥育することを主にしているところの養豚場においては、入荷した子豚の中に感染豚が含まれていて、輸送や環境の変化がストレスになって発症して、周囲への感染源となることが少なからず見られるのであります。
 入荷子豚のトキソプラズマ感染の有無をあらかじめ確認することもできないので、多くは発症豚が出てようやく気づくことになる。ときに数十、数百に及ぶ集団発症が見られるのであります。養豚場の大半にわたることもあるが、豚房あるいは豚舎単位のことが比較的多い。こういう例では確認は困難であるが、トキソプラズマ病を含む分泌、排せつ物が飼槽に入り、伝播の役割りを果たしている疑いが濃いのであります。豚のトキソプラズマ病は、かつて非定型的豚コレラと考えられていたというが、実際に豚コレラとまぎらわしい例が少なくない。また、豚丹毒と類似していることもよくあるので、トキソプラズマ病の診断には、これら2疾患との類症鑑別が必要であります。
 これらのことを考えながら質問に入ります。
 1つ、昭和49年4月から12月までにトキソプラズマ病によって廃棄処分した豚の頭数は517頭になっております。廃棄処分を命じたもの等の消毒、または出荷場所のその後の対策はどうなっておりますか。
 2つ、トキソプラズマ病対策費として1252万円を計上しているが、この少ない予算の使途方法はどうなっているか、説明願います。
 3つ、昭和45年4月に旧羽地村字稲嶺に鶏のニューカッスル病が発生いたしまして、その殺処分手当てとして総額15万ドル、当時の日本円として360円計算で5400万円を支給した例があります。トキソプラズマ病によって全廃棄を命じた豚に殺処分手当てを支給してもらいたいと思いますが、これについてどうお考えでございますか、お伺いいたします。
 次に、本部町の塩川の環境整備についてお伺いします。
 海水がわき出るなぞの塩川としてプエルトリコと並んで世界に2つしかないと言われているところの本部町字崎本部塩川は、わき水口から海岸まで全長250メートル、川の中流幅が3メートル、下流が6メートル、水深30センチ、平均水温が22度、PHが6.2ないし6.5度の弱酸性の塩水であります。川周辺の岩石は古生紀石灰岩チャートからなり、流域は川口に至るまで砂地、川の中にある植物は通常の河川にあるものとは異なっております。この川はわき水だが、海水と同じような塩分を含み、海水魚が生息しているという不思議な川であります。その水脈路はまだ究明されておりません。昭和48年には天然記念物として国の文化財に指定されております。昭和48年ごろの土地売買ブームのころに、この一帯の土地を買い占めようとする業者の動きが活発だったので、これを知った町当局は、この川の周囲約600坪の個人有地を買い上げて先行取得し、業者の中食い開発を封じたいわくづきの土地であります。だが、そうした状況下で、この川の後背地をなす山が急速な勢いで採石されております。これが塩川の水質や周辺の美観を破壊する危険が大きくなってきております。
 そこで、本部町教育委員会、県教育庁、それに政府の文化庁、採石業者が昨年12月19日に話し合いを持ち、防止策について検討したと聞いております。その結果、採石によって塩川の水質、あるいは環境保全に支障を来たすようなことがあれば業者はいつでも採石工事を中止することを申し合わせたと聞いております。
 今年の7月20日から始まる海洋博を見学しながら、学術研究のためにこの塩川を訪れる観客も多数あることと予測されます。ことに数年前に東海大学の学術調査団が、この川を調査したことがあります。本土でも話題を呼んでいるところの川であります。わき水の脈路は、東海岸の海水が地下を通って流出しているとか、あるいは近くの海岸の海水が迂回して流れているとか、あるいは岩石の塩分が溶解して淡水に混入しているとかいろいろな諸説がありますが、定説はありません。それだけに塩川の調査はすべてこれからというわけで、県の考え方をこれからただしていきたいと思います。
 1つ、県は、天然記念物として国の文化財の指定を受けたこの塩川の周囲の環境整備を行いまして、観光文化財的な存在にする考えはないかどうか。
 2つ、県は、文化庁を通じまして政府に対し、早急に学術調査団を派遣し、塩川のなぞを解明させるようなことにつきまして実現してもらいたいが、どうお考えですか。
 3つ、採石工事によって塩川の水質あるいは環境保全が支障を来たすようなことがあれば、業者はいつでも採石工事を中止するとのことだったが、県はこれを知っているでしょうか、もし知っているならば、業者と直ちに確約書を取り交わす考えはないかどうか、以上お伺いいたします。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 初めに、伊江島の空港の利用問題についてでありますが、この問題もたびたび出ておりますとおり、これはどうしても県としては、海洋博との関係のみでなくして離島の振興開発のためにも絶対に必要であるし、また向こうにこう民間飛行場があるというようなことは、将来たとえば那覇から入ってくるお客が、北部の跡地を見てすぐ直ちに伊江島空港を利用して帰れる、あるいは伊江島空港に入るものは、南下していって那覇空港から帰れるというふうになるというと、今後跡地利用、ことに北部のホテルの利用というような意味においても非常に適切であると、こういうような考えから伊江島の空港というのはどうしても民間にこれは譲渡してもらいたいというようなことはわれわれの強い念願であります。
 ところが残念なことに、御指摘のとおりいま軍のこれを使用せんとするところの壁が厚くして2時間半しが利用できない状態になっておりまして、これは非常に残念なことであります。だけれども、今日はその段階までしか来ておりませんので、われわれは引き続きこの時間を延長し、期間を延長し、そしてまた完全に返してもらうような運動を今後も引き続き展開してまいる所存であります。決して2時間半で終わるとか、それであとではなくなっても、利用できなくてもいいというようなことであってはいけないと考えておりますので、皆さんの御要望の線もありますし、それに沿うてこの飛行場の利用はさしあたりこの2時間半しかいま利用できないようになっておりましても有効適切に利用するように、これは運輸省でもいま折衝中であるようでありますからして推進してまいりたいと思います。
 次に、海洋博の跡利用についてでありますが、これは関係部局長から若干補足させたいと思いますが、これは海洋博の跡地利用というのは非常に重要なことだとして県の取り組みといたしましては、昨年8月に発足いたしました海洋博跡利用問題対策協議会におきまして、これまでに議決されました海洋博跡利用計画の理念と基本的条件、それから跡利用の基本構想及び跡利用の実施計画が出ておりまして、十分尊重しながら県案策定の作業に目下努力を傾注しているところであります。
 そして、この具体的な跡利用というのは、この海洋博が終わるまでを待つまでもなくして県としては仕上げていくつもりでございます。
 この問題につきましては、糸洲局長に概略補説させたいと思います。また、海洋博と産業ということで漁業とか、あるいは沖縄館の資金問題等について、あるいはトキソプラズマ病ですか、こういうことにつきましては、関係部局長に答えさせたいと思います。それから塩川の環境整備問題につきましても、関係当局にお答えさせたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(平良幸市君) 海洋博協力局長。
   〔海洋博協力局長 糸洲一雄君登壇〕
○海洋博協力局長(糸洲一雄君) 最初に、伊江島空港につきまして若干補足申し上げたいと思います。
 ただいまのところ2時間半という制限のもとで使用できるかという点が1つございます。これにつきましては運輸省当局に問い合わせしましたところ、2時間半で使用する場合には6回の離着陸ができるということになっております。したがいまして、あの飛行場の規模からいたしますとYS11型の飛行機ということになりますが、3機が離着陸をすると。30分の滞留で3機の入れ出しでございますから、人員といたしましては1機60人乗りの3機で180人が出入りするというふうになっております。
 それで、飛行場への乗り入れの民間航空の問題でございますが、運輸省の航空局といたしましては、これは海洋博時に利用しないということはあり得ないというふうに断言しておられますが、現在日本航空、それから全日空ではYS11型機は使っておりません、あと東亜国内航空と南西航空ということになるわけですが、現在航空会社といたしましては、新年度に向けて使用する新しい機材の検討に入っている段階のようであります。したがいまして、計画が5月までに決まれば乗り入れは十分実現すると、こういうような状態であります。
 あと南西航空の場合も、実は許可されれば宮古あるいは八重山からの海洋博観客を直送するというふうな形で利用も考えてみたいという意思表示もなされておるようでございます。そういったことで海洋博時には2時間半制限の中でもその範囲の活用はあり得ると思っております。その終了後はまた離島振興開発、そういった立場から鹿児島県隣県とのいわゆる奄美諸島の島沿い観光というふうな形への発展等も考えられるかと思います。
 それから跡利用の具体的構想ですが、これはごく簡単に概略だけを申し上げたいと思います。
 去る2月28日に跡利用問題対策協議会でほぼ結論を出しまして、近日中に知事に建議することになっております。この内容につきましては、理念、あるいは基本構想、あるいは実施計画というふうなことになっておりますが、それらにつきましてはかねがねその作業の過程で資料をお配りいたしておりますが、正式に建議される段階で県議会の方にも資料をお配りいたしたいと思いますので、詳細はこれで御検討願いたいと思います。
 概略ですが、まず理念といたしまして3つございます。1つ目は、県民福祉の増進、それから2つ目に、海洋博の精神を生かすこと、3つ目に、地域社会の発展に貢献すること、これらの理念を柱にいたしまして基本的な方向といたしましては、1つ目は、新しい余暇活動、余暇施設の創造、それから2つ目といたしまして、国際交流、国際協力活動の場、それから3つ目が、海とその文化にかかわる学術研究の場、そういう3つの大まかな方向を決めまして、そしてその構成といたしましては5つに分けておりまして、北地区の方は水族館まで含めてマリン・ランド、それから次が海洋文化園、それから海洋博記念広場、そして迎賓地区の海洋スポーツ園、さらにそれらの4地区を海浜公園が緑で包んで全体として沖縄にとって大きな観光の目玉になるような施設と、こういう考え方で構成されております。これらの建議を受けまして県では先ほど知事が申しましたように、これを検討いたしまして県案を決定してから国に要請し、そして今後国と十分連絡調整しながら、その実現を期して作業を進めていきたいと思っております。
 
それから最後に、沖縄館の募金の状況でございますが、すでに御承知のように6億5000万円の目標で現在募金活動をいたしておりますが、3月5日現在で1億2000万円の募金がなされております。そして、目録とすでに3月いっぱいに納付の約束をいただいたのが9400万円で、今月中に2億1000万円を突破するということが確実になっております。そして今後は、各事業団体ごとに目標額を設定していただいて、いまそれぞれの事業団体を中心に個々の事業者に対して募金呼びかけをいたしておりますが、これはほとんど法人関係として決算期の前後に決まってくるかと思います。
 沖縄館がいますでに形をあらわしましたし、また展示物にいたしましても、徳川美術館をはじめいろいろな方から善意あるいは好意等たくさん寄せられましてすばらしい展示がいま進みつつあると、こういうようなことが報道でも明らかになってきておりますので、非常に県民の関心も高まりまして個人個人の積極的な寄付もいまいただいております。そういうふうな関係で、これからこの沖縄館をぜひ沖縄県民のシンボルとして仕上げたいと、そういう意味ではこの募金の底辺を広げまして、全県民に呼びかけて多くの人が参加して全県民の力を結集して仕上げたいと、こういうふうなことで、まず県知事をはじめ県首脳に率先してやっていただき、また県議会の議長さんも率先してやっていただきましたが、官公署関係の職員にこれから広げまして、そして全県民に募金を広げていくと、こういうことで目的を達成したいと考えております。どうぞ御協力よろしくお願いいたします。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕
○農林水産部長(野島武盛君) 海洋博跡施設の利用と水産業との関連につきまして補説いたします。
 関連施設で直接水産業と関係がありますのは海洋牧場、これは政府出展になっております。それとその付属施設、それからその内容は飼料保管冷蔵庫と作業場でございます。あと船舶等があるわけでございますけれども、この海洋牧場は御承知のように網囲いになっておりまして、その中には多数の魚が放養されることになっておるわけでありますが、どうしても継続的に県がこれを維持管理していくということについては多額の経費を要しますので、非常に問題があると思っております。しかし、開催期間中に放養されますところの魚類の生態なり、あるいは網に付着いたしますところの海草等、あるいはその周辺に蝟集するところの魚類の状況を調査する。そして、今後沿岸海域におけるところの漁場造成なり、あるいは増養殖の指針となるようなデータを取って利用したい、こういう考え方でございます。
 なお、付属施設であります飼料保管冷蔵庫、作業場なり船等については、海洋博後も使えるように、その基本設計から地元漁協等も参加させ、あるいは私が直接基本設計の委員にもなっておりますので、跡地利用を考えての設計になっておりまして、それぞれ県が補助いたしました冷蔵庫とこの冷蔵庫をひっつけて本部漁協の予定している場所に構築をさせて利用させるということになっております。
 なお、ほかの船、施設等につきましては、水産サイドでは、サンゴ礁海域の海洋環境等の調査研究の場にもなりますので、国立の水産研究機関を設置をしていただきたいという要望を出してございます。
 それから豚のトキソにつきましては、渡久地議員が専門でございますけれども、前に数字で御説明ございましたように、545頭の罹病豚を出した養豚場に対しては抗体調査をさせて投薬をしてございます。これについては直接農林水産部と環境保健部で一緒になって調査もしておりますので、食肉検査所からの報告に基づいてわれわれとしてはその予防なり、あるいは消毒等に対する指導なりをいたしております。
 1252万の予算でございますが、われわれとしてはどうしても3600万円ぐらいの予算が欲しいということでございましたけれども、一応1252万円で消毒用に使うところの薬剤を購入をするという予定で現在考え方を設計しておるわけでございます。
 なお、その他15万ドルをニューカッスル病に出した経過があるんで、トキソで殺処分になった手当てを支給しろという話がございましたけれども、ニューカッスルの場合は法定伝染病になっておりまして、当時の琉球政府の要綱に基づいて補助ができたわけでございます。しかし、このトキソについては法定伝染病になっておりませんので、すぐそのまま県が殺処分手当てが支給できるかどうか。なお、これについては主管が環境保健部になっておりますので、環境保健部長から答えさせたいと思います。
 以上です。
○議長(平良幸市君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 私のところで所管する分について御答弁申し上げます。
 御指摘のように、屠殺場に運び込まれる搬入頭数、すなわち82万4900頭余りの中で0.17%が破棄処分が行われています。
 この廃棄処分は、食品衛生法の第5条と、それから屠畜場法の第12条の第3項に基づいて行われている措置でございます。廃棄された豚に対する補償については、私のところでは現在考えておりません。やはりその予防に重点を置くべきだろうと私は思います。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 教育長。
   〔教育長 池村恵興君登壇〕
○教育長(池村恵興君) 塩川の環境整備についてお答えいたします。
 塩川は、先ほど渡久地議員がおっしゃいましたように、昭和48年に天然記念物として国指定を受けております。場所は、本部町の入口の道路の右手にございます。その状況については、先ほど渡久地議員が御説明されたとおりでございます。
 御質問は、観光文化財にする考えはないか、学術調査団を派遣してその原因を究明する考えはないか、さらに採石業者と話し合って環境を保護する考えはないかと、こういう3点のように理解しておりますので、まとめてお答え申し上げます。
 塩川の環境整備については、単に観光目的物としてではなく、将来文化財小公園としての整備が望ましいと教育庁としては考えております。その考えに基づきまして現在本部町教育委員会と協議中でございます。
 また、塩川の学術調査につきましては、先ほどお話がありましたように、この原因がわかりませんので、昭和49年度から国庫補助を受けまして調査を実施中でございます。50年度も引き続き調査をする予定にしております。49年度の国庫補助は125万、50年度は240万を考えております。
 なお、現在採石の行われているところは指定地域外でございまして、法的にこれを規制することは大変困難でございます。しかし、周辺部におけるところの採石がいまの状態で進みますと、水量が減少したり、あるいは場合によっては枯渇したり、あるいはまた水質が汚濁するというようなことが心配されますので、琉球セメント株式会社、本部採石、この両業者と話し合いを進めまして、近く塩川保存のための協定書を交わそうというふうな計画をしておりまして、その協定書の案文もできてございます。業者も大変協力的でございますので、このことは十分対処できると、このように判断しております。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 志村恵君。
   〔志村恵君登壇〕
○志村恵君 通告いたしました順に従いまして早速質問をいたします。
 初めに、畜産振興につきましては、今日まで多くの方々から県当局の見解を求めてまいりましたし、また振興開発計画や知事の重点施策の中にも織り込まれ、積極的に畜産振興に取っ組む姿勢についてはうかがい知ることができるのであります。
 先日、知事にお会いする機会を得てこの問題について御意見をお聞かせ願ったのでありますが、このときにも知事は、第1次産業の基本である畜産振興につきましては、積極的に推進するとのお言葉に接しまして、私ども畜産農家の方々とともに大変力強く思ったのであります。県の畜産振興については、これを積極的に推進するという立場に立って、いま北中城村荻堂平田原に畜舎建築を進めている問題につきまして知事の御見解を承りたいと存じますが、そもそもこの問題の発端は、宜野湾市出身養豚農家の5名の方々が、北中城村荻堂平田原にそれぞれ各人が土地を買い求め、軍離職者や20代の若い青年など家族ぐるみで畜産農家を目指して取っ組んだのが昭和47年7月ごろですので、かれこれ3年になります。その間、農地転用をした後に建築確認を受けるため、3回にわたる申請の末にやっと48年12月25日に建築確認がなされまして着工をしたのであります。その間、地元北中城村から畜産公害ありとして協力が得られず反対をされ、公害防止の対策に当たって当時の環境保全室の指導のもとに、水質汚濁防止法に対する届け書を提出したのが昨年1月31日でございまして、同年10月31日まる9カ
月後にやっと届け書に対する受理書をいただいたのであります。
 このように法的にとるべき措置はなされているにかかわらず、地元村当局からあくまで反対の姿勢は変えず、県当局も、地元北中城村の反対している理由の畜産公害に対しても安全な対策を実施するため、本土に全く前例のない県と畜産農家との間に、多額の資金のかかる厳しい公害防止協定を強いられたのでありますが、畜産農家の方々は、自分たちには畜産農家以外に生活の道はないとして昨年の10月31日に公害防止協定を結んでおります。
 その内容は11項目からなっておりまして、1番目に、基本事項、2番目に、悪臭防止対策、3番目に、水質汚濁防止対策、4番目に廃棄物の処理対策、5番目に、衛生対策、6番目に、環境の美化、7番目に、苦情の処理、8番目に、広告行為の義務、9番目に、立ち入り調査、10番目に、違反時の処置、11番目に、協議の項目からなっており、これによりますと、養豚農家は、飼育頭数は60頭以内として畜舎の増築はしない。敷地の境界は、高さ2メートル程度のブロックベいで囲み、マスキング法などで悪臭防止をする。豚舎の排水は、公共用水には排出しない、ふん尿は、貯留槽で十分発酵分解させて土壌へ還元するなどの条件を付したものとなっております。
 このような公害防止協定に対しても、北中城村当局は、完壁な公害防止がなされるとは思えないなどとの理由で協力が得られないことから、ことし1月27日、県当局と北中城村、畜産農家の3者の間に話し合いが持たれましたが、結論が得られないままに物別れに終わっております。
 そして1月30日には、夜間、村道改修工事の名のもとに、畜舎建築現場を中心に道路の両側に掘削盛り土をなし、交通不能に至らしめ、工事の再開のめどのないままに諸資材器具が放置されている現状であります。
 以上申し上げました事柄は、単に5名の畜産農家の問題ではなく、今後全琉の畜産農家の共通の問題として大きく政治問題化するでありましょう。
 ここで知事にお尋ねをいたします。
 同地域は、都市計画法上からは市街化調整区域に決定をされ、また農業振興地域の整備に関する法律に基づき農業地域整備基本方針で同地域は農業振興地域であり、同時にまた畜産農家の方々のとってきた諸手続については、何らの瑕疵もないものと考えられるが、知事の御見解を承ります。
 さらに、零細畜産農家の方々の窮状をどのように受けとめられ、どう対処し問題解決をされるのか、あわせてお伺いいたします。
 このことにつきましては、全琉の畜産農家の方々が関心を持って本日の知事の答弁を待ち望んでいる次第であります。
 次に、環境保健部長にお尋ねいたします。
 本日この問題が大きく紛糾していることは、県当局の行政指導のまずさ、決断力のなさ、問題処理に当たっての自信のなさ、もろもろに起因するものが大きいのであります。
 水質汚濁防止法に基づく届け書の受理について9カ月も経過して受理されたり、また地元村の大きな反対理由の1つである畜舎公害についても、県は本土においても例のない厳しい公害防止協定を自信を持って提起されたはずでありますが、この点についても説得ができないばかりか、組織力の弱い畜産農家に対して、転用の考えはないのかなどと逆に説得するような態度に出たり、また1月27日に行われた3者会談、すなわち県、北中城村、農家の3者会談の席上において、当局はみずから自信を持って締結した公害防止協定によって同問題を解決し、畜産振興を推し進めていくかということではなしに、一方的に畜産農家に対して自主的に取り下げていただくことが問題解決になるのだと申し入れをしております。
 このことは、みずからの責任を果たさずして、3年の間多額の費用をかけ、畜産に全精力をかけてぎた零細畜産農家に対し、自主的に取り下げろということは死の宣告も同然であります。
 そこで、お伺いいたしますが、3者会談をした目的は何か、取り下げの申し入れについて部長、あなた1人のお考えなのか、それとも県の方針に元付き申し入れたのか、お伺いをいたします。もしあなたお1人の考えで申し入れたということであるならば、知事が推進しておる畜産振興との関係はどうなるのか、またあなたにそのような権限があるのか、あわせてお伺いをいたします。
 2点目に、締結された公害防止協定は、公害を未然に防止し、生活環境の保全
を期すため十分なものであるとの前提で締結されたと思うがどうか。
 3点目に、水質汚濁防止法により届け文書の受理が9カ月もかかった理由は何か。
 4点目に、今回提起された公害防止協定は、既設新設を問わず、今後畜産農家に対し締結させていく考えなのかどうか、お伺いをいたします。
 次に、警察本部長並びに土木部長にお尋ねいたします。
 いま問題になっている閉鎖道路は、村道と農道でいずれも1月30日、夜間、シャボにより道路掘削がなされ道路中央部に盛り土をし道路通行どめになっております。法的手続はおくれて2月12日になされており、付近道路の現状は、農繁期でキビの運搬に支障を来たし、手力搬送による運搬が行われ、地域住民に迷惑をかけており、工事についてもその後何らの進捗がなくほったらかされている現状であります。このような状況からして、正しい道路行政、また道路工事のあり方とは考えられないが、御見解を承りたい。また、これらの行政指導をどのように考えておられるか、あわせてお伺いいたします。
 農道の閉鎖につきましては、刑法124条往来の妨害罪に抵触するものと考えるが、見解と対策を承りたい。
 最後に、農林水産部長にお伺いいたしたい。
 その1点目は、本問題については、畜産振興の立場から積極的な取り組みがなされて当然でありますが、今日までどう取っ組んでこられたか、お伺いをいたします。
 2点目に、さきに畜産農家より提出されている農業近代化資金の借り入れ申し込みについての処理はどうなっているのか。
 3点目に、畜産公害に対する防止対策をどのように今後考えておられるか。
 最後に、農林水産部長として本問題を具体的にいつまでにどのようにして解決されていかれるか、明確なお答えをお願いします。
 次に、企業経営と水道料金の問題についてお伺いいたします。
 一昨日来多くの方々から質問がなされましたので、重複を避け二、三質問をいたしたいと思います。
 申し上げるまでもなく水道料金は、地方公営企業法第21条の2項で「公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない。」と規定しており、今日まで果たして能率的な経営がなされているかどうかにつきましては、知事の御答弁では、県は企業局を含めてやれるだけのことはやったと再三繰り返し説明されておられましたが、果たしてもうこれ以上企業努力の方策はないものかどうか、問題を提起しながら質問をいたします。
 まず初めに、水道料金改正の問題は、公営事業料金としてのあり方を探究することが水道事業を任されている管理職の責務であると思います。過去3カ年ないし5カ年間の水道事業の経営状況はどうなっているのか、また現在はどうなのか。そしてこれから先、3年ないし5年の経営状況はどうなのかといったことをありのままに住民に公表し、これら用水供給事業の運営をどうしたらよいのか。その一環として水道料金をどうしたらよいのかということを1人でも多くの県民に考えてもらう必要があると思う。
 その1つの方法として、昨日も岸本議員から提起がなされておりましたように、最近各地で採用されているところの審議会方式は民主的合理的な方法であると思うし、いずれにいたしましても、これから水道料金は幾らのコストがかかったから幾らの水道料金を取るという一方的なものであってはならない。やはり需要者である市町村並びに住民の意見を尊重して、需要者としての納得のいく料金の改定を実施しなければならないと考えます。このような見地から、審議会の果たす役割りは水道事業の円滑な経営と健全な発達に大きく寄与することになります。
 昨日質問に答えて企業局長は、水道事業懇談会を設置した旨お答えいただきましたが、この懇談会がどのように機能したか、県民に余り知らされておりません。
 そこでお伺いいたしますが、懇談会の目的、構成メンバー、発足以来何回どのような活動をしたのか、その実態を明らかにしていただきたい。
 また、関係市町村に対してどのような形で料金問題を説明し協力を求めてきたのか、その反応はどうなのか、お聞かせ願いたい。
 次に、天願川、比謝川などの水源河川の汚染防止につきましては、具体的な対策が講ぜられていることはもちろんでありますけれども、これが原因になって必要を生じた特殊浄水設備費及び運営費については、原因者負担の原則から県が当然高率の補助を行うべきと思うが、先日知事の御説明からすると、現時点ではどうにもならないとの御答弁をいただきましたけれども、先ほど申し上げました理由から再度知事の御見解を承ります。また、本県のように地理的条件から導配水管の効率の低い地域についても、同様一般会計からの負担がなされてしかるべきであります。
 3点目に、昭和48年2月の経営診断報告書によれば、職員1人当たり給水人口、または給水量が全国平均に比べ約3分の1程度であり、これは一般的には職員数が多いということ及び給水の効率が悪いということが推察し得る。さらに給水量1万トン当たり職員数においては、その数値は全国平均の3倍ないし4倍になっており、ここでは施設配置の効率の悪さが如実に起因していると思われるが、職員数が多いということと相まって異常な数値となったものと思量される。施設の合理的配置と人員の計画の確立は当局の重要な課題であると指摘いたしております。
 また、沖縄県監査委員から出されている昭和47年度、48年度の沖縄県公営企業会計決算審査意見書にも同様なことが指摘されており、それによると、職員1人当たりの業務量は、損益勘定所属職員において水道用水供給事業の971人に対し、企業局の場合は281人であり、約3分の1程度を占めていて、48年度の報告では5分の1程度を占めているとして、ここでも職員数が多いということとあわせて逆に給水量、有収水量の効率が悪いことが報告されております。
 以上のことは、本土のそれとは単純に比較することはいささか問題があるとは思いますけれども、いずれにいたしましても、おおよそその目安にはなるかと思う。
 そこでお伺いしますが、2年前経営診断の報告がなされておりますけれども、指摘された事項についてどう改善され、どのような効果をもたらしたかをお尋ねいたします。
 また、料金制についても報告書では、今後においては沖縄県はわが国ではまだその例がないけれども、電気事業などで採用されている2部料金制の採用を検討すべきであるとも指摘をいたしております。
 このことにつきましても、検討の結果をあわせてお答え願います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 北中城に計画せられているところの豚舎、すなわち荻堂平田原におけるところのその豚舎の計画についていろいろ御質問があったわけでありますけれども、県といたしましては、県の農振地域基本方針による農業振興地域であの位置はあるわけでございます。したがって、養豚業をここに営んでも支障はないと、こういうふうな見解を持っておりました。
 それから建設に至る今日の過程までには長いことかかったし、紆余曲折はございましたけれども、その養豚農家のやってきたことにつきましては、私たちは瑕疵は認めておりません。
 ただ、養豚公害への懸念があるということで北中城村が猛烈にこれに抵抗し、村を挙げて反対しておるわけであります。したがって、環境保健部にいろいろ調査もさせて見解も聞いたわけでありますけれども、公害面からも結論としてはそう心配しなくてもよいのではないかと、心配する面があるならば、また今度は公害防止協定ということを結んで行政的には対処できるのではないかといって防止協定が結ばれたわけであります。
 それで私どもとしては、農林水産部の見解もいろいろ聞いたわけでありますけれども、畜産振興の立場はこの前志村議員にもお目にかかったときに申し上げたとおり、今日たびたび申し上げてきましたとおり第1次産業を非常に大事に振興したいと思うし、また、畜産はほとんどキビ作に劣らず重要なる産業でありますので、これを振興したいというようなことはそのとおりでありまして、畜産の振興の立場から、それから農家の経営安定の立場からも私どもはこれは推進したいと、こういうふうに考える考えには違いはありません。ただ、ここに北中城村を挙げての非常に猛烈な反対に遭いまして、いま非常にわれわれとしても困難いたしているということであります。
 私たちといたしましても中に立って何回かにわたって北中城の村長やあるいは宜野湾市長も集まってもらっていろいろお話し合いもしておりますけれども、なかなかみんなの合意が得られなくていま非常に苦慮しているところでございます。われわれはできるだけこれを早く推進していきたいというような気持ちには変わりはありません。
 ただ、そうして努力しておりますけれども反対をされておりまして、ゴリ押しにいまやれないような立場があるということは非常に残念でございます。
○議長(平良幸市君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 御答弁申し上げます。
 3者会談が持たれたその目的、あるいはその自主的に取り下げるというお願いをしたということについての部長の権限、それから今日までそれが延び延びになったこと等についての回答でございます。
 私の方でこの問題が所管になりました時点では、昨年の4月1日でございますが、いわゆる特定施設としての問題が私の方に所管されていましたので、その時点で特定施設の届け出を出さしていただいたわけです。そして、特定施設の届け出をいただきました中で、この分につきましては、何らの規制の上では差しさわりがないということで一応受理証を発行する手だてになるはずでございました。
 しかし、いま知事が説明されましたように、立地される北中城村の方に、いわゆる公害をおそれての反対運動が起こりこれが日増しに増強されてきている中で、ここで私たちの方で、いわゆる特定施設届け出によるところの受理証をすぐ発行したんでは状態がかなり厳しく、かつ、けんのんな空気が醸し出されるということをおそれまして、行政努力といたしまして、北中城村の村民がおそれるところの公害問題につきまして、いわゆる公害防止協定を北中城村を入れて養豚農家とともどもに防止協定を結ぶよう一応働きかけました。
 これは5月22日には、すなわちその防止協定の骨子を村当局に提示しまして、それから25日にはまた養豚農家の皆さんにも提示いたしました。ところが、5月27日になりまして、北中城村当局の方から協定に反対の旨の回答がありまして、しかも協定は全く念頭にないというふうな返事がございましたので、ここで私たちは養豚農家の皆さん方と防止協定を結んでまいった次第でございます。
 したがって、村側といたしまして肩越しにというふうな言い分もときどき聞かされましたんですが、一応呼びかけをいたしましたが、呼びかけに対する返事もいただきましたので、われわれは策尽きてすなわち養豚農家の皆さん方とやっていったわけなんです。やはりそういうふうな防止協定はいま志村議員が指摘された内容のものであって、かなり厳しいものであり、しかし、これを守っていさえすれば北中城の村民が心配せられる向きのことが防止はできるというふうな私たちの技術陣の意見をもって対処していきたいと、この防止協定によってということでございます。
 しかし、それでもなおかつ村当局といたしましては、これでは私たちは納得しないというふうな言い分であり、環境保健部及び関係部は2回にわたりまして村の方に参りまして説明に行ったわけでございますが、最終的には12月25日ですが、この説明会を行った中で私も平良企画調整部長も一緒に参加し、関係課もそろっての村当局に対する説明会でございましたが、この時点においてもなかなか問題が進展しないような状況にありましたので、そこで平良企画調整部長ともその場で相談の上、もっと行政努力がなされる余地があるんじゃないかということで行政努力の一つとして私たちが考えましたのが、すなわち北中城村の当局者と養豚農家の皆さんとそれと私たち県が入って第3者会談がおっしゃったように1月27日に県庁において行われております。
 その行った時点で、また、これについても内容かれこれについて一方的に押しつけたというようなことで、私たちの真意が伝わっていないかと思う向きがありましたので、いま志村議員が言われた意味での指摘ではなくて、一般大衆からの新聞報道等からのそういう感触を受けましたので、あえてそのときの養豚農家の皆さんに対して文書でもって明らかにつくって、そして1月24日に申し入れをした次第でございます。
 御参考のために読ましていただきたいと思いますが、「過般、皆様方より養豚事業に係る特定施設は、水質汚濁防止法第2条第2項に該当するとして、知事への届出申請は受理され審査したところ法的要件を具備していることから受理書を交付のうえ、諸般の状況から公害を未然に防止し、生活環境の保全を期するため公害防止協定を貴殿との間に締結することにより、地域住民の生活不安、公害の懸念、反対等解消できるものとの判断で可能な限りの努力を払ったものであります。しかしながら、ご承知のとおり北中城当局はじめ、地域住民感情は悪化の一途を辿るばかりか、近々、工事阻止(実力行動)の動きがあるやに聞きおよんでおり、誠に遺憾なことであります。この様な険悪な状況と雰囲気を容認、放置するわけにはいかないことから、当部では種々各方面から検討した結果、貴殿の事業に係る当該既届出申請書を自主的に取り下げて頂くことが問題解決になろうかと考えに至った次第であります。皆様方の経済的損失、精神的苦痛に思いをいたすとき、心苦しい次第でありますが、事業の安定と発展には地域住民の理解と協力とが必要とされるわけであります。どうぞこのような厳しい現実を受けとめられ、
申入れの趣旨を御配慮いただけたらと希望する次第です。」
 以上の文書を養豚農家の皆さん方に申し入れをいたした次第でございます。
 さらに、御指摘のように、かような他府県にもない厳しい公害防止協定を、それに該当する施設に対して一律に全県的にやる意思があるかということでございますが、この場合におきますところの公害防止協定と申しますのは、これは地域住民のそういうふうな公害に対する懸念の余り、それに対する懸念を取り除く意味において行政努力としてやらしていただいたものでございまして、必ず全県的にこれを画一的にやるということではございませんので、その点を御了解いただきたいと思います。
 ただし、特定施設といたしましての水質汚濁防止法に基づくものについては、これは画一的になされるということだけでございます。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕
○農林水産部長(野島武盛君) 畜産振興、特に養豚振興の立場からの問題につきましては、先ほど知事が答弁されたとおりでございます。したがって、われわれとしていま北中城村あるいは宜野湾市の養豚農家との問題につきましては、決して制約をしているような条件も出しておりません。
 ただいまの御質問がありますので逐次御答弁申し上げますと、その中で特に養豚場建設の阻止を兼ねているかどうかはわかりませんけれども、一部農道が遮断されているというような御指摘をいただきました。それについては職員を現地に派遣いたしまして確認をいたしましたところ、確かに農道が一部切断をされておりまして、他の農家の皆さんにも御迷惑もかけているというふうに確認をいたしました。申しわけないと思っております。これについては、3月3日、北中城村長に対して改修工事のストップを命じた文書を出してございます。
 それから畜産振興の立場からどういうふうに対処するかということでございますけれども、これは後の近代化資金とのかかわり合いもございますが、われわれとしてはあくまでも畜産振興の立場は先ほどの知事の答弁のとおりでございます。養豚の振興についても考え方を基本的に変えておりません。したがって、あくまでも宜野湾市在の養豚農家の皆さんの問題として北中城村長さんはじめ住民の皆さんが反対をしておられる、その問題に対する対処としては行政指導をもって当たるということでございます。
 近代化資金についても、地元の北中城村長との調整を図った上で承認をしたい。しかし、現在すでにその申し込みがなされておりますので、したがって、近代化資金を申し込みをされたときは150頭という頭数の考え方で申し込まれた、防止協定は60頭ということになっておりますので、一応はその調整を宜野湾市の農協に差し戻して調整をした上でわれわれとしては採択の基準に合えば貸し付けるという考え方でございます。
 それから公害防止協定のことについてどう考えるかということでございますけれども、先ほど環境保健部長も答弁をしたとおりでございまして、一概に一律にこれをどこにも適用するということではない。しかしながら、畜産経営環境保全対策の実施方針をわれわれはもっておりまして、この中の基本方針として4カ条を挙げております。この内容につきましては、いずれ資料として差し上げたいと思います。もちろん、防止対策に対する畜産は畜産としての考え方であります。
 それじゃつけ加えて申し上げますけれども、環境保健部が防止協定を結ばれた当初は農林水産部との合議もありましたし、なおまた、農林水産部としての意見も申し上げまして修正もしていただきました。この防止協定が畜産経営、特に養豚経営との問題について、それだけ厳しい規制をして養豚農家が成り立つかという考え方、これについては細かい資料は出しておりませんけれども、現在のところではまあまあそれぐらいの規制であればあれだけの養豚数にして経営をうまくすれば成り立つであろうというような主管課長の考え方が取り入れられていると思います。
 それではいつまでにどう対処するんだと、農林水産部はどう対処するかということでございますけれども、いまのところそれを規制をしている問題については別の問題でございますので、直接こちらとしては期限を切ってこれにどう対処するということではなくして、この農道改修工事が5月にならないと完了しないというような情報を得ておりますので、工事が現在ストップ状態にあります。これについては、われわれとしてもできるだけ早くこれを進めるように北中城村長に対しても申し入れをしたいと、こういうふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) 道路についてお答えしたいと思います。
 村道11号線ですが、それに穴を掘られているということを聞きましたので早速調査をやりましたところ、事実両方に穴が掘られて交通遮断の状態になっておりました。それで、これは村の直接管理する道路でございますけれども、県としては当然これは道路法からして行政指導の問題がございます。そういうことで、現在結論的に申し上げますれば、工事の施行中でこれは工期がことし5月の31日までになっております。内容的には工事の全長が約600メートル、それから暗渠の工事、それから路側石垣、それから側溝の工事、それから排水の工事、路側の擁壁、舗装等、こういう事な内容の土事になっております。そういう工事が現在続けられているわけでございますけれども、私たちとしてはまず穴ぼこが掘られているということを知りましたので、早速村長に対しましては、この穴ぼこは何のためかと申し上げましたら、まあ工事だというようなことでございましたので、工事をするということの交通どめの方法としてはこういうのはいかないと、こういうことで早速埋めるようにということを一応申し入れました。
 それからその工事の内容は一体どういうことかとお尋ねしたんですけれども、村長の方では余り内容的には御存じないので、さらに翌日建設課長を呼びまして、これは工事のようであるが、しかし交通どめの方法としてはこういうのはいかないと、こういうことで建設課長に対してさらに再要請をいたしました。
 それで建設課長の方からはいまの工事の内容等も聞いた次第でございますが、その後にさらに埋めたかという連絡をしたところまだということが2月の11日ごろに返ってきたので、早く埋めるようにということをさらに要請しまして、その後2月22日に埋めたという電話の連絡がございましたので確認をしたところ穴ぼこは一応埋めてございました。
 それで、先ほど私が申し上げましたような工事の状況でございます。その後、それから工事中に所轄の警察署との間に交通どめの協議とか、そういう手続、そういうものも全然とってなかったので、工事するのであればそういうのも要るんだということで私たちは行政指導をいたして現在工事中でございますというような状況で、まあ工事は少なくとも5月31日までにやると、こういうような形になっておりますので、この法律上の手続はまだというようなこと等も含めまして、私たちは工事をする場合の諸手続等、法令上の解釈等も含めまして行政の指導をいたしまして今日現在工事中でございます。
○議長(平良幸市君) 警察本部長。
   〔警察本部長 加藤晶君登壇〕
○警察本部長(加藤晶君) 御指摘の北中城村の荻堂平田原地内の道路の問題でございますけれども、村道11号線上の600メートルの区間と、その村道11号線と接続する村有地内の農道上約200メートル、この区間でございます。この道路はいずれも養豚団地建設現場に通ずる道路であるわけでございます。
 このうち村道11号線につきましては、本年1月29日から――先ほど土木部長の方からも説明がございましたように5月31日までの間、道路の幅員の拡幅あるいは側溝を設ける、そして簡易舗装を行うという改良工事をするために、道路管理者である村が全面通行どめの規制を行うということで、ことしの2月12日付で北中城村長より県の公安委員会に対しまして道路法第95条の2の規定に基づき意見を求めてきたのでございます。
 そこで調査いたしましたところ、この規制は道路工事のためやむを得ないものであり、かつ交通保安上支障がないということでございましたので、迂回案内板を設置するというふうな事を要望いたしまして公安委員会といたしましては本年2月24日付で同意の回答をしたものでございます。
 村から道路法の規定によって公安委員会に対して意見を聞いてきましたのは、御指摘のとおり工事着手後であるわけでございます。工事内容からいたしまして事前に行うことが法のたてまえでございますが、1月30日の工事着手後においても村当局から何らの連絡もなされなかったというので、これを認知いたしました所轄の普天間警察署が2月5日、北中城村に対しまして法律に従った正式な手続を経てから工事を行ってほしいという申し入れをしたところこのように行われたものでございます。
 そこで、いわゆる農道となっております部分通行どめにつきましては、同村からいま申しましたような手続がとられておりません。ただ、この道路は、同村の村道としての認定をしておらない。したがって、道路法でいう道路に該当しないということでその手続をとらなくてもよいことになるわけでございます。
 そこで、刑法上の往来妨害罪が成立するのかどうかということでございますが、道路管理者であります村当局が道路法に基づきまして道路の保全のため工事をする。そういうことで行うものにつきましては、直ちにもって往来妨害罪が成立するとはいえないわけでございます。消極に解されるわけでございますが、なお農道部分につきましては、その疑いがないでもないので係官を現地に派遣いたしまして実態を十分に調査して検討対処することにいたします。
 そこで、明確に往来妨害罪に当たるということになりますれば、法の定めるところに従いまして、違法状態の解消に努める所存でございます。
○議長(平良幸市君) 企業局長。
   〔企業局長 安里一郎君登壇〕
○企業局長(安里一郎君) 水道料金の改正問題についての御質問でございましたが、財政状況の推移についての御説明を申し上げますと、昭和47年度の経営成績が黒字が出ておりまして、700万円でございますが、その原因が基地給水収益の1億6000万円があったからでございます。昭和48年度におきましては2億4000万円の赤字になっております。その場合でも、基地給水の収益の1億6000万円がなければその赤字がもっと増大しよったのではなかろうかと考えております。昭和49年度におきましては6億8000万円の赤字を予想しております。この場合におきましても、やはり幾分基地給水がまだ残っておるわけでございます。49年度までの累積では9億1000万円……。
○志村恵君 議長、休憩してください。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後3時8分休憩
   午後3時10分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
○企業局長(安里一郎君) 企業努力につきましては、この前の大城議員の御質問にもお答えしましたけれども、借用地の返還をいたしまして、これを具体的に申し上げますと、嘉手納ロータリーの配水管、それからコザ庁舎用地の一部など1万2334平方メートルの用地返還を行いました。年間借料が約216万円の経費の節減を図っております。
 それから事務改善につきましては、給与計算及び経理事務面におきまして委託または簡素化による経費節減を図っております。
 次の、施設の停止及び移管につきましては、漢那ポンプ場、知念浄水場の運転停止、那覇空軍増圧ポンプ場、宜野湾市内喜友名増圧ポンプ場の各施設の管理運営を関係市に移
管し経費の節減を図っております。
 それから今後行うべき事項につきましては、市町村水道事業体との施設の分界につきまして、目下市町村と施設の分界について協議を行っているところでございますけれども、関係市町村が水道事業者として当然所有ないし維持管理すべき施設につきましては早急に移管したいと考えております。
 これらの施設の中には、ダム、浄水場・配水池、増圧ポンプ場のほか配水管も含まれております。
 それから小規模施設の廃止、停止につきましては、効率の悪い小規模施設はできるだけ廃止または停止していく考えでございます。
 施設の改善につきましては、大幅な建設改良事業を行いまして施設の自動化図っていくということでございます。
 そのほか維持管理部門の業務委託、業務の改善簡素化を今後も図っていく考えでございます。
 それから質問の中にございました水道事業懇談会につきましてでございますが、その目的は、県が行う水道事業につきまして利用者をはじめ各界各層の人々が広く意見の交換を行いまして、今後における水道事業の円滑な経営と健全な発展に資するものとするということでございます。
 それから懇談事項につきましては、県営水道事業の経営問題に関すること、県営水道事業の将来計画に関すること、その他県営水道事業の健全な発展に関することでございます。
 メンバーにつきましては、大学教授、学識経験者、市町村会関係、公認会計士、マスコミ関係、労働関係、婦人団体関係、それから県の職員の方で構成されております。
 それから会議の運営についてでございますけれども、7回にわたって会議を開いております。その第1回目におきましては、一応辞令交付その他の懇談を行っておりますが、2回目からは水道事業の現況説明などを行っております。
 それから建設工事の状況、それから施設の見学、財政問題についての説明、決算の状況、財政の見通しなどを説明及び懇談を行っております。
 簡単に申し上げますとそういうことでございます。
 それから市町村に対する説明につきましては、代表質問でお答えしたとおりでございます。
 それから最後の御質問の2部料金制につきましては、2部料金制は需要料金と使用料の2つに区分して設定する料金制度でございますけれども、この制度を採用する場合、経営診断でも指摘をされておりますように慎重な検討と準備が必要でございます。
 また、御指摘の経営診断のいう2部料金制はどちらかといいますと、消費を促進するような結果を招くものと言われております。水源が限られていることもございまして、全国でもまだ採用されていないのが現状でございます。
 今回他府県を視察しました際に、愛知県の管理者の御意見を拝聴したのでございますけれども、どうしても生活に必要な最低の水量につきましては、安い料金で供給できるようにすべきじゃなかろうかというような御意見もありました。その場合には、やはりその最低の水量について何かの定めをしまして、それを超過する水量については超過料金という形での割り高になるような料金の制度にすべきだというふうな御意見も伺っております。この場合、やはり何を基準にすべきかということが問題になるようでございますけれども、市町村でございますと家庭の使用水量、それから企業が使う水量とか、それから口径別の料金などいろいろあるようでございますけれども、用水供給事業になりますとそういうわけにはいきませんので、やはり最終的には基準になるのは人口ではなかろうかというふうなことでございました。
 そういうふうなことでございますので、今後十分に検討をしまして、将来においてはそれが採用できるようにしたいと考えております。
 以上でございます。
○志村恵君 議長、休憩してください。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後3時18分休憩
   午後3時20分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 私どもとしましては、先ほども申し上げましたとおり、早急に養豚ができるような合意を取りつけるためのあっせん及び農業近代化資金につきましても地元北中城村との調整、それから不備な点があればそれも是正して、先ほど農林水産長からお話がありましたが、その地元北中城村との調整を図った上で承認して、当該養豚農家の経営を育成する所存であるということであります。
 それから水道問題につきましては、この前申し上げました事柄は、一般会計からこれに繰り入れると、負担をするということについては、それは法律的にもいろいろ問題はありましょうけれども、しかしながら、財政難からこのたびはそういうようなことは取り計らえなかったと、しかし、たとえば伊江島送水などにつきましては、補助が10分の10でありませんので、今後こういう問題についてはやはり考えていかなければならぬ問題も出てくるだろうということは考えております。
○議長(平良幸市君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋着助君) 第1の、すなわち3者会談を設けた目的とおっしゃっておられましたですが、これにつきましては私説明したと思いますが、もう一遍言わしてください。
 この3者会談をもちました目的は、かなりけんのんな空気があったので、そういうふうな空気を何とかして避けられる方法はないものだろうかという私の判断で行ったことでございます。
 さらに、自主的に取り下げてもらいたいと、あるいはお願いしますということにしましたことについての権限は、もちろん権限として私はやったのではなくして、行政努力として、これが私に残された道じゃないかと思いまして、そういうふうなことをいたした次第でございます。
○議長(平良幸市君) 志村恵君。
   〔志村恵君登壇〕
○志村恵君 いろいろ質問いたしましたけれども、御回答の中で二、三どうしても納得のいかない点について再度質問をいたしたいと思います。
 ただいまの環境保健部長の答弁でございますが、先ほどお読みになりました養豚業者への申し入れに対して、私は全く行政上あるべき行為ではないと、こういう見解に立っておるわけでございます。
 申し上げますことは、水質汚濁防止法に基づいて第5条によって皆さんは届け出受理をすればよいわけでございまして、その内容についていろいろ問題があれば、この点については改善しなさい、あるいは改善命令もできるわけでございます。したがって、法的に何らの問題がないとなれば、明らかにこれは受理するのが法の趣旨であります。したがって、危険な情勢、雰囲気の中で直ちにこれを届け出を受理することは問題があるんだという取り越し苦労をなさっております。
 ところが、結果的には、9カ月も後にこの問題を受理しておるわけでございまして、そういう立場からするならば、当時受理をしても、、また9カ月後に受理いたしましてもさほど問題はないのではないかと。またこれまでの状況からして、あくまでもそういった事務的な面でのものではなしに、何かしら地域的な感情があるようにもうかがえるわけでありまして、明らかにこの点については越権な行為ではないのかと私は思うのであります。
 また、この問題については、知事が明らかに政治的な判断に基づいて留保するということであれば、私はある程度納得はいきます。環境保健部長が事務的な段階でこれを差し押さえておいてやるということについては、いささか問題があるのではなかろうかと思います。こういう姿勢が問題をこじらせている大きな要因になっているわけであります。
 それからこの申し入れにつきましても、しかも3者会談が27日に行われております。その前日の26日に業者に対して、皆さんはどう言ったか。明日の集まりで、3者会談の中でこういうことをするんだということを事前に知らせておいて、われわれの苦しい立場も理解してくれと、涙ながらにこのような申し出を皆さんはやっておられるんですよ。こういうへっぴり腰がいわゆる北中城村に対するいろんな問題を醸し出す要因になっているわけです。そのときに、環境保健部長が、皆さんがなされたこの防止協定なるものは、われわれ技術者が責任を持ってやるんだから、それをひとつ私に任してくれと、責任を持って私がやるから、公害め防止についてはやるんだから責任を持って任してくれという勇気ある措置ができなかったのかどうか、私はこの点について大変残念に思うのであります。
 いろいろありますけれども、時間の都合もありますので以上で終わりますが、このような県の姿勢、豚価は下がる、飼料は上がる、こういうぐあいに強硬な規制が講じられる、畜産農家は今後生きられません。いまの姿勢でいくならば、養豚農家は知事が在任中に滅亡するであろうことを予言して質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後3時27分休憩
   午後3時45分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 質問及び質疑を続行いたします。
 翁長助裕君。
   〔翁長助裕君登壇〕
○翁長助裕君 さきに御通告申し上げました4項目のうち、まず鉄軌道の導入について御質問申し上げます。この点につきましては、県議会でも全会一致の決議を行い、関係省庁に対し要請もいたしておることは御承知のとおりであります。
 また、振興開発の中では、新しい交通システムの必要性を示唆するにとどめていたが、今年度予算に国鉄導入調査費が計上され、来年度予算案にも一般財源から5000万円が引き続き調査費として計上されております。
 さらに、昨年8月につくられた振興開発計画の3カ年事業計画の中でも、もはや現状のままでは交通渋滞に拍車をかけると同時に、都市機能が著しく阻害され、県民生活、産業活動に大きな影響を与え憂慮すべき事態に直面している。このような恒常的な交通混雑を打開するためには、道路網の整備、交通規制、バス輸送機関の整備等でもはや解決の見込みはなく、交通輸送の抜本的な解決を図るためには、モノレール、鉄軌道等による大量輸送機関の導入が必要である。そのことは県民の日常生活をはじめ都市の再開発、産業の振興及び人口の過密過疎の解消に大きな役割りを果たすものと期待されるということが指摘され、県の姿勢に一歩前進したものが見受けられます。
 鉄軌道の導入については、都市の再開発、土地利用計画との関係、観光立県の立場等から、さらに海洋博後の公共投資とそれに誘発されて起こる多大の経済効果等、沖縄県の将来のビジョンの中でもまさに中心的役割りを形成していくであろうことは間違いございません。県民総ぐるみの計画推進と誘致運動を強力に展開されてしかるべきかと考えます。
 そこで、御質問申し上げます。
 まず、知事には国鉄導入に対する基本的姿勢をお伺いすると同時に、復帰記念3大事業とは質的、量的な広がりが異なるこの問題について、県民総ぐるみの誘致促進協議会を設置して強力な誘致運動を展開するお考えはないか、お聞かせ願いたいと思います。
 さらに、企画調整部長には、これまでの経過と見通し、及び国鉄導入によるメリットについて都市計画上、経済効果の面から、さらに沖縄の未来像の中で占める役割り等について具体的に御答弁を願いたいと思います。
 さて次に、48年度決算と新年度予算について若干の問題点を指摘し、執行部の見解をただしたいと思います。
 まず、決算書がことしもまた2月定例会に予算案とともに送付されてまいっております。この点につきましては、私が過去において他都道府県の例を引きつつ、また予算制度、決算制度の原則、あり方等と関連して再三再四にわたって、少なくとも12月定例会までに決算書を議会に送付し、1年間にわたる県予算の実績を議会においても慎重に考査し、来年度予算の重要な参考に供する必要があることを強調いたしました。執行部も、それを認める答弁をその都度行っております。しかるに再び今回も2月定例会にしか提出いたしておりません。議会軽視もはなはだしいものと言わなければなりません。歳入、歳出は予算に始まって決算に終わります。予算は歳入、歳出の予測であり、決算はその実績であります。予算執行の実績を正しく把握し、これを予算に対比して考査する資料とするところに決算の意義があります。すなわち歳入はどのような実績を示したか、歳出予算は違法または不当な支出がないか、予算の目的どおり使用され、予算が企図した所期の効果を発揮することができたか、どうか、その適否を審査し、その結果を将来の財政計画及び予算運用のための重要な資料として執行部、県議会ともに役立て
なければなりません。しかし、このような状態では適切な予算をつくり考えていくために何ら役に立たないばかりか、国民及び県民の税金がどのように使われ、将来どう県民に還元していくのかという議会本来の責務を全うすることはできず、このような結果を生み出している責任はまことに大であると言わなければなりません。責任者の責任ある答弁を要求するものであります。その原因は一体全体那辺にあるのか、明らかにしていただきたいと思います。
 次に、来年度予算についてお伺いいたします。
 財政硬直化が今定例会の
中心的論議になっております。その具体的な内容につきましては、予算特別委員会でいたすといたしまして、二、三単刀直入にお聞きいたします。
 来年度予算において、あるいは今年度49年度予算見込みでも結構ですが、その中で経常一般財源によって支弁すべき経費の経常一般財源に対する比率、すなわち経常比率はどうなっており、その結果はどう判断されているのか、それによって県の財政構造が一目瞭然になろうかと思います。
 2番目に、経常一般財源に対する義務的経費の比率はどうなっており、類似県あるいはその平均と比較して本県の財政構造はどうなっておるか、この2点については財政当局にお伺いいたします。
 本県の財政が硬直化現象を著しく呈しておることは言をまちません。単純に経費と収入の対比だけからながめてみても、現年度予算において経常経費の歳入に占める割合は50%を超えて70%に達しており、投資的経費は30%にしか過ぎません。50年度予算案では投資的経費は30%を割って28.2%になっております。わが党の、人件費の増が財政圧迫の主要な原因であるとの追及について、執行部は、類似県との比較、本県の特殊性、国家公務員の比較等を例示して、それがあたかも妥当であるかのような責任転嫁の姿勢をとっております。しかし、人件費の増が本県の財政を著しく圧迫していることは否めない事実であります。
 さらに、本県の財政構造の中で妥当な人件費の枠はおのずから算出されてしかるべきであるが、その努力を何らいたしておりません。県職労だけが県民ではないはずであります。財源は等しく県民に配分されなければなりません。その不合理性は当初予算額で見ても49年度は前年度に比べて174億円増、そのうち人件費増が82億円であり、予算増の47%を占めておりますが、50年度予算は今年度に比べて245億円の増、人件費は187億円、実に75%を占めているのを見ても明らかであります。
 私は、その原因の大きな1つに、いわゆる3短昇給、6短昇給と言われるものの一斉実施があると考えます。一体、県は県職労との話し合いの結果、県政移行後何回にわたって1年に1回の定期昇給を短縮して、3短昇給、すなわち3カ月短縮あるいは6カ月短縮の特別昇給を一斉適用したのか、明らかにしていただきたいと思います。そして、その結果使われた人件費の増加分は年間、賞与、その他への見返り等を含めまして幾らになっておるのか、年次別に示してほしいと思います。
 同時に、来年度予算案の人件費の中で4月現給分、昇給分、欠員補充分は幾らで、昇給分の積算基礎はどうなっているか。その積算基礎の立て方について知りたいと思います。また、今後とも特別昇給を一斉に実施していく考えかどうか。財政硬直化の折、執行部の明快な御見解を県民の前に率直に表明していただきたい。
 なお、この特別昇給の規定は、給与条例第7条第4項、第5項、第6項に定められていますが、同条第7項は、前3項に規定する昇給は予算の範囲内で行わなければならないと厳しく予算上の制約が課されておりますが、そういった配慮が行われておったのかどうか、きわめて疑問であるのでその点についてもお聞かせを願いたいと思います。
 もう1点お伺い申し上げます。
 来年度予算案に、復帰協に対しまして1500万円の補助金が計上されております。これは復帰記念事業が補助対象でございます。 
 そこで、お伺いいたしたいのですが、この復帰協というものは知事と一体どういう関係にあるのか、あるいは県という公的機関とどういうつながりを持っておるのか、その点が明らかにされない限り復帰協そのものの今後の運動体にも大きく影響を及ぼしていこうかと思います。
 私は、戦後の苦難の歴史の中で復帰協が果たした役割りというものも評価するにやぶさかではございません。そうであるがゆえにそのことをきわめて憂慮するものであります。この間の新聞でも復帰協の加盟団体からの分担金が集まらず家賃も払えない、あるいは電話代も払えないという大変深刻な状態が載っておりました。しかしながら、復帰後3年間、47年度、48年度、49年度において何ら補助金を交付していないのに、事今日に至って、復帰後4年目を迎えた今日、県がわざわざ1500万円の補助金をそこへ交付する予定で計上しておるその真意が那辺にあるかを伺いたいと思うのであります。
 理由は、もし復帰協が1500万円の補助金を受けるとするならば、これはいわゆる県の補助交付団体の規定に入ってまいります。当然、沖縄県補助金等の交付に関する規則にこれは従わなければなりません。この規則はいろんな厳しい条件等が課されております。すなわち、この補助交付を受ける場合には、申請者の営む主な事業、あるいは申請者の試算及び負債に関する事業、あるいは補助事業等の経費のうち、補助金等によって賄える部分以外の部分の負担額及び負担方法、補助事業等の計画、補助事業等の効果、補助事業に関して生ずる収入に関する事業等を提出すると同時に、あるいはまたその補助事業等の内容、経費の配分、または執行計画の変更をする場合においては知事の承認を受けるべきこと、あるいは補助事業を中止または廃止する場合に知事の承認を受けるべきこと、あるいはその執行内容が交付の対象として疑問がある場合、知事の命令によってその補助事業対象の変更命令を受けること、すべて知事の命令を受けることになりますが、栄光に満ちた復帰協が果たしてこのような県の知事の命令のもとに、いろんな今後の運動体が律せられていくとするならば、これはすなわち自主的な復帰協の体制
が崩壊したと見てよろしいのかどうか、あるいはまた団体活動の自由が拘束されると言ってしかるべきじゃないか、そういった点のいろんな疑問が生じてまいります。同時に、知事は財政硬直化を認め、その是正のためには補助金等の節減をしなければならないということを代表質問の答弁でも言っておりますが、その言葉とはうらはらに、たとえば水難救済会が再三再四補助金の要請をしてもそんなのはついておりません。さらにまた、太平養護学園、中央育成園等はその事業運営に著しく困難を生じ、父兄を含めまして先生方も含めていま寄付金を集めて回っております。そういった福祉関係の事業もたくさん県の補助を待っております。その中で、この栄光ある復帰協が1500万円の補助金を受ける名誉に選ばれた経過と、また、4年後を経た今日、その補助対象が復帰記念事業というふうに明記されておるこの復帰記念事業とは何であるのかといったことについての具体的な御答弁を期待いたしたいと思います。
 同時に、もし復帰協がその補助金の交付を受ける場合は、当然地方団体の事務に関することとして県議会の100条調査権の対象にもなることを私は指摘せざるを得ません。復帰協が民主的な運動として、下からの運動として加盟各団体の自由な立場で、真情を吐露する中で戦後の歴史を闘ってきたことは私も率直にこれを認めるものにやぶさかではございませんが、事今日に至って何ゆえにいわゆる官製の団体に成り下がらなければならないのか、苦しいならばいままでそれを支えてきた民衆とまた加盟団体が当然その対策に立ち上がっていくのが先決であり、こういった中で県が安易に手を差し伸べていくことは復帰協本来の使命をも私は損なうものであると思うと同時に、この県知事の命令下にそれが服し、すべての事業が県知事の承認を受けていく中で、果たして復帰協の成果が守られていくのかどうか、その辺の関係をも明らかにいたしてほしいと思います。
 以上、申し上げ、あとで再質問をいたします。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 2つの点について私からお答えしたいと思います。
 1つは、初めの御質問の鉄軌道の導入についてでございます。これは皆さんも議決せられて、そして決議要請されておることであります。皆さんの議決というのは県民の絶対的な意思でございます。われわれ行政当局といたしましては、これを背景といたしまして強力な運動を展開しなければならないことは当然のことであります。今日までもいろいろそれをやってまいりまして、すでにコンサルタントにいろいろな調査依頼をしてだんだんその結果は出てくるだろうと思うのでありますけれども、引き続きそういうことになっております。
 なお、歴史始まって以来、国鉄の恩恵を一つも受けたことのない沖縄が、この際交通難を打開するために大型の輸送機関の国鉄導入ということ、これを県民全体の問題として強力な組織づくりをしてやる意思はないかというような知事の意図をお聞きでありましたけれども、これは一応適切なる御提案でもあると思いますので、この問題についてはいま直ちにこういうふうにしてやりますというようなお答えは差し控えておきまして、これを十分受けとめて検討してまいりたいと、こういうふうに思います。
 次には、決算問題、これは出納長あたりに答えさせますが、それから予算問題については予算関係当局に答えさせたいと思います。
 最後に、復帰協に対する問題を取り上げて私からお答えしたいと思います。
 いろいろ御指摘されたとおりでありますが、まさに復帰はして三、四年たっております。復帰協の仕事というのは今日までのいわゆる復帰運動の過程、復帰が実現するまでの過程をとらえてそれを残しておこうと、編さんして残しておこうということであります。いま翁長議員の方も復帰協の戦後今日まで果たしてきた役割りは評価するというお言葉がありましたけれども、私もこれは大きな働きをしてきたと、こう思うのであります。
 そこで、復帰に至るまでの活動、それから経過というようなものをつぶさにこれを編さんし、作成して残しておくという事柄は、沖縄がこのような困難な事態を経て今日に至り、将来発展への道をたどるという過程のものとして非常に大事な事業であると、こういうふうに考えます。したがって、その復帰協の足跡、そういう歴史的な事実の編さんという意昧においては、私は沖縄県全般として見ても非常に意義のあることであると、こう思いました。
 それで、三、四年もたっておるから、そういうふうな要望にもこたえて、また、われわれもそれを適切な計画だと考えます。適切な問題と考えましたので、これをそのための経費として補助するというようなことにいたしたわけであります。
 私は、これは意義ある一つの仕事になるであろうということを信じております。
○議長(平良幸市君) 企画調整部長。
   〔企画調整部長 平良清安君登壇〕
○企画調整部長(平良清安君) 翁長議員の国鉄導入についての御質問にお答えいたしたいと思います。
 先ほど知事から御説明ありましたように、国鉄導入に関する県民の世論は大変盛り上がりまして昭和49年の11月から元旦にかけまして地元の新聞でもキャンペーンを張っておりますし、また、皆さんの県議会でも全会一致その導入を要請決議しております。また、沖縄町村会でも決議して出しております。これらの県民の意思を体得して執行部におきましては、議会の協力を得て調査をしております。
 この調査の内容は、1番目に、沖縄本島通交体の現状と問題点、2番目に、那覇経済圏に対する優先的交通投資の影響、3番目に、鉄道による人口産業の再配置の誘導、4番目に、総合交通体制への実験路線、5番目に、将来の旅客貨物流動指標の作成、6番目に、動力費の算定、7番目に、費用便益の算定等ということで来たる3月20日前後には、この委託を受けた調査報告書が出る予定になっております。この調査研究の結果を踏まえまして、さらに次年度の予算でも本格的に検討して、県としてのはっきりした意思統一と理論武装、そしてこれなら国にも十分説得でき、しかも県民が一体となって要求していけるという十分な調査資料をまとめたいと、こういうことで来年も引き続きやることにしております。
 その国鉄導入によるメリットはいかなるものかという御質問でございますけれども、詳しくは、今度出てきます報告書をもとにして皆さんともども検討していきたいと思いますけれども、大筋におきましては、先ほど翁長議員から指摘がありましたように、まず1番目には、沖縄には戦前戦後国鉄の恩恵を受けてないということとあわせて戦後、相当中南部に人口の集中、産業の集中等によって車両の増加等が見られますけれども、大量輸送機関によってその交通問題を抜本的に解決していきたいというのが1つと、この自動車交通による副次的な交通事故の増加等についても現象し、さらに県民の所得における車を購入する、あるいはガソリンを使う、あるいはそれから出てくる排気ガス等もあわせて、大量輸送機関がないための県民の自動車交通の負担の軽減ということが挙げられると思います。
 2番目には、沖縄は離島県であるし、同時に、物価高であるところでありますので、国鉄導入による本土間の輸送、さらには本島間の輸送において相当な物価の定着安定に影響すると考えております。
 3番目には、先ほど指摘がありましたように、沖縄本島の中での有効的な土地の利用、さらには工業、産業その他の再配置、誘導、都市形態の再編成ということが考えられまして、土地の有効的な利用、この場合は軍用地の跡利用も含めて十分生産性のあろ活用ができると、このように考えております。まだいろいろありますけれども、さらには青少年にとって鉄道というものを見せることによって生きた教材にもなるし、また、そこから沖縄県民の精神的な面でも相当影響があろうかと思っております。これらの一応考えられます開発効果というのがあるわけでございますが、しかし、團鉄を誘致するためには用地の買収の問題、あるいは現在でも国鉄は赤字だと言っております。
 1972年の統計によりますと、営業キロ2万924キロ、延長4万39キロ、1972年まで実に累積赤字1兆円と言われております。したがいまして、全国に255の路線がありますけれども、黒字路線は3つの路線、すなわち新幹線、山手線、高崎線と、こういう状況の中で、ややともするとまだ正式な国ははっきりは言っておりませんけれども、沖縄100万のこの土地に鉄軌道を導入して果たしてどの程度の経済効果があるか、あるいは需要があるかという疑問点もありますし、この国鉄導入の実施計画には相当の問題点がございます。
 これらの問題点を整理し、どういうことをし、何をすれば国鉄の導入が果たせるかということ等も含めて、また、その場合に、県民が一体となって何をコンセンサスを得、どう県民は対処しなければならないということを含めて調査をしていきたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 出納長。
   〔出納長 屋部博君登壇〕
○出納長(屋部博君) お答えいたします。
 ただいま翁長議員の御質問に、責任者が答弁してもらいたいというような旨がございましたが、自治法上、決算を調製するということは出納長の権限になっておりますので、そういう意味で御答弁をいたしたいと存じます。
 出納長は、地方自治法第233条第1項の規定によりまして、決算を調製し、出納閉鎖後3カ月以内に提出しなければならないことから、出納長としては、昭和48年の歳入歳出決算書を調製いたしまして49年8月30日に知事に提出したわけでございますが、ただいまの御質問の、なぜ12月議会に決算の認定を付さなかったかということでございましたが、そのことについては再三御注意を受け、御指摘を受けた問題でございますが、この原因について、あるいは理由については、去る12月議会で知事が御答弁を申し上げたとおりでございます。そういう意味でございますので、御了承をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは12月議会で知事の御答弁申し上げた記録をそのままお読みさせていただきます。
  決算の認定ということについてでございますけれども、地方自治法第233条第1項の規定によりまして、昭和48年度の決算を出納長から8月30日に送付を受けました。これを監査委員に送付いたしましたのは9月7日でありました。御指摘のとおり決算は地方自治法第233条第3項の規定によりまして「監査委員の審査に付した決算を監査委員の意見を付けて次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならない。」とされておりますが、決算は現在監査委員において審査中のため今議会に提出できなかった次第でございます。この点御了解いただきたいと、こう思います。
というような記録がございました。これを御報告申し上げて終わりたいと思います。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) ただいまの出納長の答弁との関連でございますが、決算は地方自治法第233条第3項の規定によりまして「監査委員の審査に付した決算を監査委員の意見を付けて次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならない。」とされていますが、できるだけ12月定例議会までに提出すべく努力をしてきましたが、これができなくて今議会で御審議をお願いすることになっているわけでございます。
 そういったことにつきまして深く反省するとともに、今後なお一層事務の整備に努めていきたいというふうに考えております。
 なお、経常収支比率についてでございますが、この経常収支比率はこれまで資料等で御承知のとおり、沖縄県の経常収支比率は47年度で77.9%、48年度においては75.1%になっております。これを全国的平均から見ますと、47年が70.1%でございます。県の方が7.9%高いわけです。48年度においては68.7%ですから、これも6.5%ほど高くなっているわけでございます。
 また、類似県の48年度について見ますと、島根、徳島、高知、佐賀県などについて見ますと、大体69.2%から73.4%の間であります。
 それから一財源比率を見た場合には、48年度決算で類似県とわが県の方が1.096になっておりますが、島根県が1.049で、そめほか1.064が徳島県、高知県が1.054、次は佐賀県が1.029、宮崎県が1.057、大体、類似県比較が1.051となっておりますが、わが県が1.090で高くなっております。
 こういう一般財源比率やあるいは経常収支比率が高ければ高いほどそれだけ財政硬直化を来たしている、いわゆる弾力性を失った構造になっているわけでございます。その弾力性があるように、この経常収支比率を低めるための最大の努力を払っていかなければならないというふうに考えております。
 なお、類似県との比較において人件費の比較等がなされておりますが、その比較等については後ほど資料で差し上げたいというふうに考えております。
 それで、県の人件費がかなり伸びていることについて触れたいと思います。
 49年度は30.22%の人事委員会の勧告を受けております。この異例の大幡の人勧の背景については皆さんも御承知のように、最初高物価が出て、次に狂乱物価というふうにして物価高騰が続いてきたわけです。それと不況というふうに入っていったわけですが、それが物価高とインフレの同時進行というスタグフレーションがいまなお続いているわけでございますが、そういった経済情勢の激動する変動の背景として出されたのが、この異例の大幅給与勧告でございます。それを受けて給与の改善を行っております。その場合でも、私どもはできるだけ財源の乏しい状態の中で可能な限り手当へのはね返りを抑えてきたわけでございます。これは職員団体との話し合いでできるだけ手当にはね返るようにさせないでもらうようにということで、できるだけのはね返り措置を抑えてきているわけでございますが、ただ、わが県が九州各県との給与水準差が大きく開いております。このことについては、人事委員会の方でも48年に121.5%の差を認める報告をしております。さらに、49年度は7.7%の格差があることを勧告の中で指摘してきておるわけでございます。
 そういった事情等を勘案して運用等において手直し等を行っているわけでございます。
 それから給与の決定については、申すまでもなく国及び他の地方公共団体等の職員あるいは民間事業の従事者の給与その他の事情を勘案して決定するという原則がありますので、そういった原則に基づいてこの給与は改正されてきているわけでございます。
 特に生計費関係で沖縄の消費者物価振数を見ました場合に、最近の卑近な例を申し上げますと、50年1月現在でその基準を45年に置いた場合に、全国平均が165.5%に対して、わが県が199.8%という消費者物価の指数が大幅に伸びているというそういった生計費の事情等も勘案して、今度の給与の是正がなされているわけでございます。
 そのほか人件費が高騰になってきたというのは、そのほかにも人材確保法に基づいて教員の給与が改正されております。そういったものが基本給に加えられることによって、またさらに手当のはね返りも大きく出てきますし、そういったものも含まれておりますし、これも国の政策を立法によって定められているもので、私ども地方財政としては大変苦しいながらもそれを受けざるを得ないというようなところに至ったわけでございます。
 なおまた、勧奨退職の費用が入っておりますので、これも含めて今度の人件費が大きくふくれていったわけでございます。
 こういったいろんな事情があって人件費が大きくなったということでございますが、ただ、こういった人件費が大きくなることによって財政が硬直化していくこともこれもまた事実であり、そういった硬直化の原因を深く分析して、その解決への努力をしていかなければならないだろうと考えているわけでございます。
 そういったことですが、そのほかいろいろと示していただきたいというようなこともありましたが、その昇給別、欠員別の資料については後ほど提供いたしたいというふうに考えております。
 なお、特別昇給について一斉短縮を今後もやるのかという御指摘でございますが、こういった財政の窮屈な事業の中ではとうてい困難だと、そういうことはもうこれまでの格差是正で給与の水準を九州各県との比較において、ある程度の運用上の手直しはできたにしても、今後はそれもできないような財政事情に至っているわけでございます。
○議長(平良幸市君) 翁長助裕君。
○翁長助裕君 総務部長、特別昇給を何回やったか、それが賞与その他への見返り等を含めて年間にして幾らの額になったのか、推計でいいですから。
○総務部長(赤嶺武次君) その資料を後でおあげしたいと思います。
○翁長助裕君 これがなければ次の質問はできないのです。推計はできるんですよ、これは。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後3時26分休憩
   午後3時28分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 一斉短縮分として14億円になっております。
○議長(平良幸市君) 翁長助裕君。
   〔翁長助裕君登壇〕
○翁長助裕君 沖縄県の公務員が他都道府県公務員と同レベルに達していく努力は当然続けるべきです。
 しかしながら、この財政という大枠でとらえます場合に、その中から農漁業者の所得、あるいは社会福祉施設への見返り、あるいは商工業労働者の所得を引き上げていく、この財政というものはひとしく県民に配分されていかなくてはなりません。これを公務員が真っ先に優先されてしかるべきだという論理はございません。県民はひとしく財政の配分の供与を受けるべきであると思います。
 したがって私は、3短昇給、いわゆる特別昇給の一斉適用を申し上げましたのは、これは人件費が高いというわが党の質問に対しまして、他都道府県と比べて人員は少ないとか多いとか、あるいは国家公務員に比べてそう高くないとかいったような比較論だけでは、沖縄県のこの財政硬直化の問題を将来にわたって解決していくめどは立たないということを言いたかったからであります。
 したがいまして、いま明らかになりましたように、私の推計とは若干違いますが、14億円がこの特別昇給によって公務員に上乗せされて支給されている。この14億円というのは、竹富町あるいは伊良部村の1年間の予算を四、五億も上回っていく予算でございまして、離島振興とかあるいは社会福祉の施設を言いながら、この給与条例の1年に一遍の定期昇給、しかも人事委員勧告による30.22%の給与の調整もございます。その上にさらに団体交渉によって14億円もの特別昇給を一斉にやっていくという安易な執行部の態度からは、財政硬直化の是正も、あるいは県民への平等な財政の分配ということも期待できないというこの安易な姿勢というものを強く私は反省を求めたいと思うのであります。
 それからもう1点、復帰協の問題につきまして、知事は復帰の足跡を記録するということでございました。私は単にこれだけの説明を求めておるのではございません。この復帰協に1500万円の補助金を計上した以上、それに対する具体的な補助事業対象の内容、あるいは事業計画等があろうかと思います。それをここで明らかにしてほしいと思います。
 財政硬直化の折、復帰後満3年余もたって1500万円もの補助金を交付する以上、これは県民の前にその具体的内容を明らかにしていただきたいと思います。それが筋だろうと思います。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 復帰協の補助事業の内容を申し上げます。
 事業計画要綱として、私どもに申請が出されているわけでございますが、それを読み上げたいと思います。事業内容は復帰闘争史でございます。それから復帰闘争関係資料収集と展示館、この2つが主体たる事業でございます。その他記念碑の建立だとか、それから功労者の顕彰と、そういうのがございます。
 以上が事業計画の主たる項目でございます。
 なお、先ほど14億円の一斉昇短の費用を申し上げたんですが、先ほども申し上げたように、人事委員会からの7.7%の給与水準の差も示されて、それでもなお九州各県の水準は
まだまだ本県よりも先になっているわけでございます。まだ九州各県の水準に達しない状態でございます。
 ちなみに、九州各県のラスパイレス指数を申し上げますと、沖縄県が102.1で、福岡県が108.6でございます。これは49年4月1日でございますが、佐賀県が108.3で、長崎が110.9、その他鹿児島県、大分県、熊本県も109.4とか109.2というふうになっておるわけでございます。
 以上です。
○議長(平良幸市君)翁長助裕君。
   〔翁長助裕君登壇〕
○翁長助裕君 ただいま明らかになりましたことは、先ほどから強調いたしておりますように、この人件費の圧迫が財政硬直化の主要な原因であるということを県当局も認めたものと理解し、しかもその中で安易な団体交渉による、しかも県民の総意を無視したなれ合いの、単に労使だけの蜜月を楽しむような中での安易な人件費の策定、しかも給与条例でその特別昇給は予算の範囲内で行うべきという規定もありながら、それを無視した形で14億円もの特別昇給をやってしまったといったことに大きく他の中小企業あるいは農業の振興に対する予算が圧縮されて、今日のパインとか畜産の衰退とかいうたものが来ておると言っても過言ではないと思います。その点につきましては、さらに予算特別委員会でも追及してまいりたいと思います。
 さらに、復帰協の問題につきましては、私もこれまた具体的な内容につきまして予算特別委員会で行いたいと思いますが、ただ私が申し上げておる真意は、この復帰協がこういった県のお金をもらうことによりまして、知事の命令に服し、しかも事業等の変更が命じられ、しかもその報告を行い、しかも場合によってはこういう議会の中でその具体的事業内容、あるいは変更の場合の理由等についてこういった審査を受けていくということで、果たして自主的なこれまでの復帰協の団体活動が守られていくのかどうか、きわめて疑問であるということ。同時に、補助金交付規程の厳しい規定の中で交付金が補助金として使われてまいりますので、それを県がどの程度その資料をもとにして、この補助金交付という厳しい財政硬直化の中で復帰協のみ優先して1500万円の補助交付が、他の補助交付申請団体を排除してまでそれが計上されなくてはならないのか、その真意がまだまだ明らかではございませんので、今後ともその問題については追及をいたしてまいりたいと思います。
 以上、質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 赤嶺慎英君。
   〔赤嶺慎英君登壇〕
○赤嶺慎英君 質問に入ります前に、通告しました4番目の福祉行政につきましては、時間の都合がありますので取り消します。
 まず1番目のCO12号線地先の問題について。これはバス路線である、ところが最悪の状態に来た、県はこれでわれ関せずで黙っていいものかどうかという観点に立って質問いたします。
 御承知のとおり国道331号線、旧第2ゲート前から小禄の中心をほぼ東西に通ずるバス路線の一部が関係地主によって封鎖されました。この路線の経過及び封鎖に至るまでの経過は持ち時間の関係で省略させていただきます。
 この路線につきましては、那覇市においては今日の最悪の状態を未然に防止するため、財政的にも人為的にも最高の努力を払ったと聞き及んでおります。しかしながら、結果は最悪の状態になった、そういうことでお尋ねしますが、1つ、1965年6月25日、那覇建土第4133号で那覇市長から時の行政主席あて申請された政府道への路線認定の申請並びに同日付で那覇建土第4134号で時の立法院議長あてに対し、立法院は1965年の7月29日の本会議で採択し行政府に送付されております。これに対する措置、処理は一体どうなっておるのか、それが1点。
 2点は、昭和49年5月28日、那覇建土4331号で那覇市長から県知事あてに県道への路線認定方について申請されておりますが、これは一体どうなっておるか、お尋ねしたいと思います。
 次は、国道58号線中央分離帯駐車禁止等についてということでありますが、御案内のとおりきれいになりましたけれども、中央分離帯、ガッターその他で国道58号線に沿ったところの県民が相当の迷惑を受けた、これの事実を知事がどういうふうにとらえておるかということに観点を置いてお尋ねしたいと考えております。
 本県を南北に結ぶメーン通りとして国道58号線が整備完成近いことは本県のあらゆる面から喜ばしいことであります。しかしながら、この反面、この建設に対し、従来の1号線を対象にして計画された58号線沿道の建築物、中小企業の困惑の色は隠せないものであります。すなわち、中央分離帯のために仕事ができなくなった、ガッター、駐車禁止のため仕事ができなくなった、そして店を移転しなければならないような羽目に陥っている業者もおる。こういうことを、この事実を県知事はどのようにとらえて行動を起こすつもりか、また、起こしているならば起こしていると、これをお尋ねしたい。
 その次は、最近の交通事故について。
 沖縄の交通区分が非常に流動的である。そのために、左ハンドルがもちろん従来の車でありましたけれども、右ハンドルがどんどん入ってきた。それで、最近駐車のトレーラーなどに突っ込んで死亡に至った事故がニュースでよく聞き及んでおります。こういう観点からして、この交通事故の防止と、この交通事故が海洋博にまで持ち込まれた場合に、沖縄県民の、あるいは日本国民の生命に大きい問題を起こすんじゃないかと、そういう観点に立ってお尋ねしたいと考えております。
 現在、本県の車両は交通区分の流動に伴って右ハンドル、左ハンドルがあります。最近は特に駐車中のダンプ、トレーラー等に突っ込む事故が多発していると報じられております。
 そこで、お尋ねしたいのは、1つ、右ハンドル、左ハンドルの事故の実数とそれぞれのハンドル数に対する事故の比率を承りたい。
 2番目に、海洋博時県外からカーフェリーで来る右ハンドルの車両は、交通区分の違った本県に来ても大丈夫事故がないというふうな観点に立っておられるかどうか。
 3番目に、ヘッドライト等の違いは、交通事故防止に対し、どういうふうに対処していかれる御計画か、3問をお尋ねしておきます。
 次は5番目の、ハム、ベーコンの特別措置と畜産行政についてであります。
 これはわが党の大城真順議員からも質問されておりますけれども、農水部長は50万円の予算を計上してありますというふうなことで御答弁をされております。こんなものじゃなかったはずです。ハム、ベーコンの特別措置を打ち切る反面、4億円の出捐金を県が出す、市町村、さらに各農協にも出捐させて公社をつくるんだ、それらの活動によってハム、べーコンの輸入特別措置を打ち切っても大丈夫だというふうな説明を受けております。
 そういう観点に立って、一体、どうするんだということをお尋ねしたいと思います。
 知事は、ハム、ベーコンの輸入に対する特別措置を本年4月以降できる限り早い時期に打ち切るように政府にすでに折衝されております。これは豚の生産頭数25万頭に達し、養豚業が危機に瀕したため、これを救うための措置であったと、また、そう理解しておる次第であります。
 その反面、知事は、政策として畜産公社を設立し、県も4億円の出捐金を出して恒久的畜産行政を打ち立てるということは、これは何回も御答弁されたように、50年度の畜産行政の大きい目玉だったと思います。目玉だったというふうに本員は記憶しております。ところが、結果はどうですか、50万円。
 そこで、お尋ねしたいんですが、知事は、ハム、ベーコンの特別措置打ち切りの方針として、直ちに公社を設立して、県民に輸入品と同価格まではいかなくても、できるだけ安いハム、ベーコンを供給できるようにするという方針だったはずである。知事の4月以降の特別措置打ち切りの方針によって、もうすでに矢は放たれてしまった。国の胸内3寸にある。4月になったらすぐ打ち切るかもしらぬ。そうなった場合に、予算どころの騒ぎじゃない。50万円はどうするか。これは調査費だ。現状においてこれが打ち切られた場合に、いまキロ当たり700円内外で取り扱われている品物が、一千二、三百円になる。この県民の損失は、どういうふうに責任をとるか。その甘い考えを、だれがどういうふうに責任をとるかということをお尋ねしたい。
 それから畜産予算を見てみますとすぐ感じられるのは、そのほとんどが増産のための予算である。これは結構です。いま畜産業界においては、つくったものをいかにして再生産できるようにスムーズに売れるか。そういう考えを畜産業者は訴えております。つくれつくれとつくったら、総決起大会。そうしなければ売れないと、それが現在の畜産行政の姿である。しかしながら、この予算を見ると、増産、これが第1であって、本員のちょっと見る範囲においては、家畜畜産物価格安定対策費とか家畜畜産物流通対策費も四、五千万円がちょっと目につくだけである。1000万と2000幾らかです。
 一体、本県の畜産業というものは、こういう一時的の解決策じゃなくして、根本的の対策が必要だと思うんだが、お尋ねしたいのは、従来の予算の組み方の増産オンリー、これは非常に結構ではあるんだが、本当に県民の、あるいは国民の食ぜんにまでに届けるような予算、業者が本当に悩んでいるような予算、これをどういうふうなウエートでやらなければならぬと考えておるかと、その2点をお尋ねします。
 水産行政について。
 これは知事が非常に朗らかなことを、予算編成の方針で、水産業はもう大丈夫だと言わぬばかりのことをおっしゃっている。近年、沖合い漁業が、進展著しいなんてこれは非常に朗報。
 ところが、本員はひっかかるものがある。そのひっかかるものをお尋ねしたい。「水産業については、近年沖合い漁業の伸びが著しいのでありますが、漁業従事者の大部分を占める沿岸漁業の振興を特に推進する必要があります。」と強調、あとは水産調査船、魚礁、漁港のことをおっしゃっておられます。
 いま水産業の実態を、この前できたばかりの多額の投資をおかげさまでさせてはいただいておりますけれども、水産調査船1隻にこういう荷物を負わして、期待も結構ですが、それでよいかどうかは別として、本員がお尋ねしたいのは、一体、沖合い漁業の伸びが著しいとおっしゃっておりますけれども、どういうふうに伸びておりますか、これがひっかかるんです。それを具体的に御答弁を望みます。
 2番目に、漁業従事者の大部分を占める沿岸漁民と漁業の発展とをどう結びつけて水産業の発展を期そうと考えておるのか、その2点をお尋ねして、御答弁によって再質問いたします。
〇議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 初めの1点にありました那覇市道路についての問題がございました。それは土木部長に説明させまして、その次に農林水産部長に説明させます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) ただいまの御質問のCO12でございますが、この路線は、確かにいま御指摘のとおり、県道に認定してくれという要請の陳情がございました。しかし、これは私たちの県道を認定する場合の一つの基準でございますが、これは道路法に言うところの一つの法定の要件が1つございます。
 それと同時に、これは県道を認定する場合に、どうしてもやはり地方的な幹線道路網を構成しているというような、こういうような形のもので、まず県道への認定をいたしておりますが、このCO12号線というのは、御承知のように長さが1.2キロでございます。これは小禄にありますところの県道の62号線と、それから国道331号線の両方はさんでいますので、これにつきましては、私が先ほど申しましたところの道路網の要件、それから法定的な要件、こういうような形からして県道に認定することは妥当性を欠いていますので県道には認定しないと、こういう形に考えています。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕
○農林水産部長(野島武盛君) ハム、べーコンの特別措置打ち切り要請につきましてのかかわり合いのあります畜産価格安定公社の設立につきましては、50年度予算で計上されておりますのが50万円の準備費であります。しかし、畜産公社は、前の議会でも御説明を申し上げましたように、その骨格は、1日に大体1000頭当たりの豚がつぶされ、それから幾らかの金を吸い上げてずっと貯蓄をしていくと、同時に、それぞれの農協団体あるいは関係者からの資本金の提出によっての積み上げによって約4億円ばかりの資本金をつくろうという計画を御説明を申し上げました。
 しかしながら、その準備のための事務費として現在50万円を計上して、その準備が整った段階で補正財源をもってわれわれはこの本格的な公社の発足を見きわめたい、こういう考えでございます。
 ハム、ベーコンは、確かにおっしゃるように700円からもしやこれが倍ということで1200円というような形の値段にはね上がると消費者の皆さんに迷惑がかかるということは、当然、当初から予定をされたわけでございます。
 きのうも御説明申し上げたと思いますけれども、現在の第一企業並びにアジアハムの製造能力、これが1600ト
ンと800トンあると申し上げました。この加工場をさらに伸ばす、しかし現在の豚価を材料としてハム、ベーコンをつくっても引き合わない。それに対して若干の補てんの必要があるであろうということで現在検討中でありますということでお答えをいたしました。よって、これが政府の配慮によりまして、われわれが要望したとおり通るということであれば、そういった時期に合わして畜産価格安定公社の設立を急ぐ必要があると、こういうふうに考えておる次第でございます。
 なお、その準備については、いまのとおり申し上げましたように諸団体とは以前から交渉を進めていると、こう申し上げておきます。
 水産行政のことにつきまして、特に沖合いが伸びているというような事項でございますけれども、御説明を申し上げる必要もなくて、昭和43年を基礎にいたしまして、48年は7万1000トン、これが漁業の生産の伸びでございます。43年は3万5000トンでございます。結局、2倍の伸びを示しております。海域別に見ましても、沿岸の漁業は約1.9倍、沖合い漁業は3.3倍、遠洋漁業は1.4倍となっておる。これは生産高の水揚げを基準にした見方でございます。総生産額は約47%がその比重の高まりだとわれわれは押さえております。だから、金額からいたしますと、昭和48年は152億と前の3.5倍に達していると思うわけでございます。
 ちなみに、サトウキビが138億円ということにすれば、152億円でございますから、むしろ水産の伸びは比較してよいというようにとらえたわけでございます。これは生産所得の面から見ましても、43年度は31億円でありました。48年度は92億円に伸びております。5年前の約3倍と、就業人口の伸びも、43年は8400人、これが48年は8600人、微増でありますけれども、若干伸びを示しているととらえているわけでございます。
 漁船勢力の面から見ても、43年は3200隻、これは48年は3600隻に伸びている。1.1倍ということになるわけでございます。トン数からいたしましても、43年は2万4000トンでした。それが46年度は2万9000トンに伸びております。
 そういうような形で、生産基盤に対しても徐々に伸びてきているということを表現をしたつもりでございます。
 組合の状況から申し上げましても、預金残高が43年は1億1800万円、それが48年は約12倍になりまして、14億5700万円という預金残高を持っている。貸し付け残高にいたしましても、43年は1億円でありました。現在はその10倍の10億7700万円というような形での伸び率を示しております。
 以上、申し上げましたように、生産基盤、さらにそのもとをなします組合等の伸びも順調であるというようなとらえ方をしたわけでございます。その他予算につきましても、若干ではありますけれども、全体に占める割合も伸びております。
 そういうようなことで、今後の水産問題については、43年に比較して伸びているというような表現をしたということでございます。
 今後、御承知のように県鰹の上京等もありまして、詳しく発表申し上げましたけれども、組合自体にも若干の問題がないわけではありません。しかしながら、これについても政府のてこ入れ、あるいは、制度資金あるいは補助金等によって若干の手当てをすれば、われわれとしてはこれを育成できるというように考えているわけでございます。問題点がないというわけではありませんけれども、畜産行政については、着実にその生産基盤をふやしながら、あるいは沿岸漁民についても申し上げましたように、あるいは先ほどの赤嶺議員からの御説明もありましたように、沿岸と沖合いがつり合いのとれた振興を図るということで努力するということでございます。
○議長(平良幸市君) 警察本部長。
   〔警察本部長 加藤晶君登壇〕
○警察本部長(加藤晶君) 本県に運行されております4輪自動車の右ハンドル、左ハンドルという区別が非常に混在しているので、それが交通事故にどういう関係があるか、それが混在しているために、右ハンドルの方が事故が多いのではなかろうかということでございますけれども、その事故の実数と比率を示せということでございましたけれども、ただいま手元に実数を持っておりませんので、これはいま取り寄せましてそれが参り次第資料として、あるいはその時点で答弁させていただきますが、49年の4月現在で県警が調査いたしましたところで、本県での自動4輪車でございます。これが19万2000台ぐらいでございます。そのうち右ハンドル車両が7万2800台でございまして、その混入率といいますか、これが37.9%でございます。
 ところで、この時点までの人身事故でございますけれども、それの発生率を調べてみますると、右ハンドル車両が起こしたものが28.5%ということでございます。37.9%の台数が走っているけれども、交通事故面では28.5%ということでございます。したがいまして、右ハンドルであるから特に交通事故が多いということは言えないんじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 それで、海洋博時に他府県から右ハンドルの車両が本県にも入ってくる。そうなると、事故が心配されるということでございますけれども、いま申しましたように右ハンドルであるがゆえに格別事故が多くなろうとはちょっと考えられません。むしろ、右を通行するか、左を通行するかと、あの区分の相違による事故が多くなるんじゃなかろうかということを心配いたしておるわけでございます。
 それで、これの防止策といたしまして、この海洋博開催時に他府県からカーフェリーを利用して他府県で運行している車を本県に持ち込む者に対しまして、警察といたしましては、この通行方法の相違あるいは後で触れますけれども、前照灯の差異というふうなことで事故を起こしては困りますので、このカーフェリーを運航いたします船会社、たとえば琉球海運とか照国郵船とか有村産業というものがそれぞれ運航いたしておるわけでございますけれども、その協力を得まして、そのカーフェリーに乗った時点で、沖縄に行くという者に対しましては、船中でマイクやあるいはマイクホースあるいはポスターの掲示、チラシの交付、こういうふうなことをいたしまして交通方法の相違あるいは車両構造の相違があるから、車両構造については、早急に上陸したならば直すように、あるいはそういう車を夜間運行しないようにというふうなこと、通行区分はこうであるから、そこのところをよくよく注意して事故を起こさないようにというふうな広報と指導を徹底して行いたいというわけでございます。
 そして、なおその後いま申しました前照灯の構造上の差でございますけれども、この照射光軸を沖縄県の方に来ました場合に調整しないで運行しますると、道路運送車両の保安基準の第32条第2項第3号に抵触して、それを運行することは道路交通法第62条の整備不良車両の運転禁止の規定に違反することになるわけでございます。事前にそういう指導を行っておきまして、なおかつそれを現実に運行するというものでありますならば、これに対しては取り締まりを実施していきたいというふうに考えております。
 それから先ほど申し上げました左右のハンドルの相違のある車についての事故の発生件数でございます。48年の7月から同年12月までの人身事故でございますけれども、右ハンドル車両が発生せしめたもの315件、左ハンドル車両が発生せしめたもの954件という実数でございます。そしてその結果、右ハンドル車両による死亡者が12名、左ハンドル車両による死亡者が44名、負傷者につきましては、右ハンドル車両によるものが368名、左ハンドル車両によるものが1264名と、こういう数でございます。
 そういうことで他府県から来島いたしまする自動車の運行につきましては、事故の未然防止ということで事前の指導啓蒙と取り締まりを積極的に進めまして、それの発生を防止する策を講ずるというところでその計画を立てておるところでございます。
○赤嶺慎英君 58号線の駐車禁止は……。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後5時10分休憩
   午後5時11分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 副知事。
   〔副知事 宮里松正君登壇〕
○副知事(宮里松正君) 私から簡単にお答えをいたします。
 国道58号線が6車線で整備をされまして、中央に分離帯ができてまいりました。両側に歩道ができてまいりましたので、従来のように自由にUターンをしたり、あるいは自分の店の前に入っていくということがむずかしくなってまいりました。その面、道全体としてはきれいに整備されてまいりましたが、沿線住民にとってはかなり不便になってきたということは事実であります。
 しかしながら、道路が全体としてきれいになったことは非常に喜ばしいことでありまして、それからまた、自由にUターンするかどうかは、その道路の交通実態に即して行われるべき事柄であります。従来、受けておった便益がそのまま受けられないからといって、直ちにそれに対処するというわけにはまいらぬだろうというふうに思います。
 さらに、一部では、従来道路上駐車もできたのに道路が整備をされ、歩道が完成したために店の前に駐車もできなくなった、あるいは買いものに来るお客さんも店の前に車がとめられなくなったということで反対する向きもあるやに聞いております。しかし、それらのことは、本来、道路に駐車すること自体が禁じられておったことでありまして、これがただ事実上そのような形で使われておったというだけにすぎないのであります。
 いずれにいたしましても、道路の完成を待ちまして、沿線住民の生活実態等もこれから見届けてまいりたい。そしてまた、道路の完成に伴って沿線住民も次第に道路のいわば利用状況も従来と異なった形で出てまいろうかと思います。またいまの道路になれてくることもあろうかと思います。それらのこともこれから見守ってまいりたいというふうに思います。
○議長(平良幸市君) 赤嶺慎英君。
   〔赤嶺慎英君登壇〕
○赤嶺慎英君 1問のCO12号線の場合は、部長の御答弁に接しましたけれども、法定の要件がそろわぬからこれは認可相ならぬというふうなことは、市に連絡してありますかどうか。市は、全然そういうことはナシのつぶてだということであります。そして、仮に認定せぬにしても、市にお任せして、げたを預けてわれ関せずでそれでいいことかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
 2番目の、国道58号線については、副知事の御答弁は、最初のほどは甘んじろというふうなことでありましたけれども、完成してから実情をつぶさに調査ということで、これは要望にかえておきます。
 3番目の、交通事故の問題は、警察本部長さんからの御答弁で十分心していらっしゃるということを了解いたします。
 ハム、べーコンの問題でありますが、部長の御答弁は、これは準備のための補正予算であると、結構。その補正財源を見つけて、補正予算にまたやりたいというふうな御意向は非常に結構です。ただ、問題は、その準備期間ということでありますが、果たして何カ月にこの準備ができるかということをお尋ねしたい。
 本員の理解できるところでは、ベーコンのみを考えた場合、75キロの豚から7.2キロのベーコンが生産される。これを考えた場合、幾ら豚を養わなければならぬかということも考えなければいかぬ。先ほどの志村議員の質問とも関連しますかもしれませんが、生産は不可能な状態に追い込まれつつある。それと同時に、加工場も、部長は代表質問の御答弁に、新しく加工場をつくる計画はない、沖縄畜産工業と第一企業の2工場でこれをやるんだとおっしゃっているが、あちらには全能力をしぼってもいま200トンしか生産できぬそうです。
 そこら辺もかみ合わせて集荷の問題、これは小さいかもしれませんが、いまの流通体系は、屠場から枝肉にして、それから市場に持っていって各自でやっている。これを方針を変えて、屠場からすぐハムあるいはベーコンの加工場に運ぶということは容易な仕事じゃありませんよ。こういう準備がいつからできるかということをお尋ねします。
 たくさんありますからもう申し上げませんが、5番目の、水産行政はわかりました。十分理解できました。
 43年との比較なんですが、それじゃお尋ねしますが、43年の総トン数、漁民数あるいは水揚げ高、これからすると確かにそれでおっしゃるとおりになりますが、その数字にとらわれずに、実際の現実の水産業はどうなっているか。県鰹は苦しい思いをしている。八重山方面のかつお船ももう幾らもない。宮古の方が水揚げは多いんだ。あれはどこに行っているかというと、南方に行っている、本土の資本によって。地元には、伊良部にも池間にももう漁船は幾らもない。沖縄本島だってそうでしょう。
 そういうことでありますが、現実とにらみ合わせて、本県の水産行政は書いてあるとおりでいいかどうか。
 あと、申し上げたいのは、基金協会、災害組合、あれの経営はどうなっているかどうか。これが水産業の苦しい実際の姿だと思う。これを御説明願いたい。
 質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) お答えいたします。
 この件につきましては、まだ残念ながらお伝えをしてございません。早速伝えたいと思います。
 それから、これは那覇市に任しておくかということの御質問に対しましては、当然これは国道であれば国、県道であれば県、市町村道であれば市町村と、こういうような形でそれぞれ管理者が決まっておりますので、その問題については当然これは那覇市が責任をもって解決すべきだと理解しておりますけれども、もし、私たち県の方が向こうへ行って相談いたしまして、何かできることがあれば御相談に乗り、御一緒してこの問題の解決に当たりたいと思います。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕
○農林水産部長(野島武盛君) 畜産価格安定公社の設立は、いつまでにできるかということでございますけれども、準備期間としては2カ月を見ております。したがって、6月の補正時期までには大体の準備が終わるものだとわれわれは理解をいたしております。
 ただ、申し上げておきますけれども、この畜産価格安定基金の設立の場合も、前にも御説明申し上げましたように、業者からの基金の積み立てについては、段階的に行いますということでありましたので、一気に4億円という資本金を積み上げるということではないということだけは御理解いただきたいと思います。
 それから第一企業とアジア畜産の製品の能力でありますけれども、この両方から出した実績あるいはいまの設備の状況からいたしまして、ここがいわゆる沖縄県内での適正需要とわれわれが見ております数字、いわゆるきのう申し上げました700トン前後については、両方をフルに活用することによって生産は可能であると。しかし、それに基づく原料が、赤嶺議員がおっしゃったように、それぞれの適正な消費に見合うだけの原料が得られるかどうか。これは現状ではいけないので、それに対して若干のてこ入れが必要であるということを申し上げたわけでありました。両方の設備能力は十分県内の需要を賄うだけの能力は持っているということでございます。
 水産問題につきまして、実態はどうなっているかということでございます。
 その中で、特に沖縄県の漁業信用基金協会の経過、これについては設立経過等については十分御承知のことかと思いますけれども、47年から49年までの2カ年間の間の増資計画とその実績を見てみますと、県が計画の5500万円、実績は5700万円で計画を上回る成績を示しております。
 これに対し、市町村は、計画の4400万円、実績はその79%でございますから、3500万円で比較的良好だということしか申し上げられません。
 ところが、漁協は、計画の5600万円に対して実績はわずか38%、2100万円にすぎません。きわめて悪いと申し上げざるを得ないわけでございます。その出資総額は、1億1400万円の構成割合を見ますと県が50%で、市町村が31%、漁協が19%となっているわけでございます。
 そういった出資成績が悪いわけでありますけれども、協会も発足してまだ日が浅いと。それから保証業務も開始しておりますけれども、漁協及び漁業者が基金協会の機能と役割りを十分理解していないというところもありまして、そういうところを行政指導をもっとやりまして、今後は担保条件の緩和を図ってやるとか、あるいは保証業務の拡大を図るとか、さらにはその業務役割り等の啓蒙普及をすることによって強力にこの出資の促進を図る必要があろうかと、こう考えているわけでございます。
 赤嶺先生がお尋ねになろうということで、確かに漁業の、あるいは水産業全体の発展と、それから一部をとらえて、漁協なり、あるいはこういった外郭団体、それを保証する協会等の伸びというものとには若干のアンバランスが見られますけれども、発足して間もないというところもあってまだ十分漁民に理解されてないと、あるいは普及啓蒙がうまくいってないというところもありますので、これは今後てこ入れをしながら十分育成をしていくということにしたいと思います。
○赤嶺慎英君 終わります。
○議長(平良幸市君) 警察本部長。
   〔警察本部長 加藤晶君登壇〕
○警察本部長(加藤晶君) 国道58号線の中央分離帯、それに駐車禁止の問題につきまして、先ほど副知事の方から行政の責任者あるいは県道の管理者の立場からお答えがございましたので、若干補足させていただきたいと思います。
 この58号線の拡幅改良工事に伴いまして中央分離帯あるいは歩道等が整備されましたんですが、これは交通の安全と円滑を図る上からはきわめて有効なことであるわけでございます。特に中央分離帯は、これは対向車両を物理的に確然と分離することになりますし、歩道は歩行者の保護のためにまた欠かすことのできない施設でもあるわけでございます。
 それで、これにつきまして公安委員会が駐車禁止をするということでございますけれども、その駐車禁止の必要性を申し上げたいと思います。
 これが整備される以前の昭和48年及び49年の2年間における国道58号線の那覇市の明治橋から宜野湾市の伊佐交差点までの間の交通死亡事故を取り上げてみますると、中央分離帯が設けられておれば防止し得たであろうという衝突事故、これによります死亡者が5名でございます。また、歩道が設けられておれば歩行者の安全が十分確保される、事故が防止し得たんじゃなかろうかと思われる人と車との事故によりまして死亡した者が7名でございます。また、路上駐車に関係する事故でございますけれども、走行中の車両が現に駐車している車両に衝突したということによりまして死亡者を出した数が6名ということでございます。
 この58号線は、このように非常な県内の本当の幹線道路でありますがゆえに交通量も多く、また事故率が非常に高い路線であるわけでございます。
 こういうことで、道路及び交通安全の施設の早期整備が望まれていたわけでございます。それが今回実施、実現されたということになるわけでございます。
 警察ないしは公安委員会といたしましては、国道58号線の工事が完了した後はさらに交通量がふえるんじゃなかろうかと、そうしまするとまた事故がふえるんじゃないかということを懸念しておるわけでございます。
 人命の尊重、交通の安全を確保するという見地から、やはり適正な駐車禁止その他の規制を実施していかなければならないところに追い込まれてきておるという実情でございます。
 どうぞその辺御理解を賜りたいと思います。
○議長(平良幸市君) 平良一男君。
   〔平良一男君登壇〕
○平良一男君 さきに通告しました、またもCTSについて質問いたします。
 知事、私の質問は、あえて裁判の結果を待たなくても答弁できると知事自身の意向を聞きますので、明確に御答弁お願いします。
 明けても暮れてもCTS問題で歯がゆくはあるし、じれったさもあるし、全く嘆かわしい限りでございます。のどかなる平和なわが村の面影はもう遠い昔の夢物語りで、与那城村字屋慶名部落においては賛否両者が相分かれ、対立感情が激高し、基幹作物であるキビの搬入も両方別々のルートで行い、地元の農協や具志川市にある経済連の第2工場に多大なる迷惑をかけておるのが現況でございます。これももとをただせば、知事の行政指導のもろさが原因で、村民はいま「カンナティイチュセーターユイヤガ」と郷土民謡にありますとおり、半ばやけ気味で知事の行政官としてのふがいなさをなじり、一刻でも早くその解決策が講じられるよう望みと期待をかけておるのが現況でございます。
 しかるに、知事は、この問題についてはことさらに避けて通ろうとしております。その点はきのうまでの与野党の議員からも指摘されておるどおりでございます。一昨日のわが党の盛島議員の質問に対しましても、CTS問題は裁判の係争中であり、また、水島事故の原因究明もまだ出てないので、その動向を見守りながら慎重に検討しますと回答しただけで、何ら核心に触れておりません。
 また、今回の知事提案事項説明要旨にも、CTSについては何一つとして触れてなく、ただ、既存企業の公害防止対策の強化をするということだけでごまかして逃げようとしております。知事がこのような憂柔不断な態度だからこそ今日の混乱の世相を招いたのだと言われても過言ではないと思っております。
 まして、今議会は、任期中において最後の締めくくりの年でもあるのに、これという何のきざしも出していないのは全く許しがたい行政行為であります。
 いま一番大きな社会の注目を浴びておるこの問題を、県民の前にはっきりとした方針をなぜ示さなかったのですか。また、いま方針が立てられなければ、何ゆえに立てられなかったのかというその理由をも示しておりません。または、ことしいっぱいでどうやるんだという指針すら出していない。県民は、ずばりそこを望んでおります。明確なる御答弁を願います。いたずらに、いつまでも暗中模索の渦に巻き込んで儀牲を強いるのにも限度があります。
 また、埋め立ての認可については、裁判の結果待ちとなっておりますが、1審の結果を待ってすぐ結論を出すのか、または2審、3審と全部の結果を見てから結論を出すのですか、お尋ねいたします。
 盛島議員も話されておりましたが、私たちは、政府の石油政策と沖縄の石油基地に対する見解を調査してまいりました。わが国の90日備蓄は、いまや国際的常識であり、わが国としても世界有数の消費国としての責務にかんがみ、できる限り早急に90日備蓄の増強を推進しております。
 ちなみに、ヨーロッパ諸国の備蓄水準は、1974年1月1日現在において、スイスが101日、フランスが100日、デンマークが81日、ベルギーが86日、イギリスが79日、西ドイツが74日、スウェーデンが74日となっております。そのために、政府としましても、新石油備蓄増強の対策といたしまして、これまでの融資比率4割から7割に引き上げ、施設融資として200億円計上し、そのうち沖縄公庫に40億円割り当てられております。そのことは知事みずから篤と御承知のことだと思っております。
 また次に、埋立立地64万坪の買い上げ、損害賠償の件について尋ねましたならば、政府は、一体何のためにその土地を買わなければいけないのか、また、その必要性はどこにあるのか、また、知事みずからの失政で何で政府がしりぬぐいをする必要があるかと、全くナンセンスだと一笑に付され、各省庁から異口同音に一蹴されました。地元での異論が出るからこそこれを正しく諭すのも行政の責務でございます。知事もそのことは十分おわかりだと思っております。あんたの支持団体が全部このように暴論を吐いているのは周知のとおりでございます。
 水島事故については何人たりとも大きなショックを受けております。しかしまたその反面、大きな教訓をも受けております。われわれは、その教訓を生かして十分な防災対策を強化して、二度とこのような事故が起こらぬよう努力しなければなりません。石油基地の公害は、防災対策を強化すれば必ず防止できる、すなわち油を一滴たりとも陸地から海面に流さないよう完全な防止策を設置し、それとともに排水処理施設の完備でございます。
 私は、先月、鹿児島県の喜入町にある日石のCTSを視察してきました。県当局の一昨年のCTS喜入基地視察報告によりますと、1期工事10万キロリットル30基は昭和44年12月完成、続いて昭和46年10月に第2期工事として新たに約30万坪を埋め立て、360万キロリットルの原油タンク10万キロリットル24基、受払兼用桟橋1基及びバラストタンク排水処理施設等の建設を計画して工事を進め、昭和48年8月には計画どおり埋め立て工事を完成し、原油タンクについても24基増設計画のうち、15万キロリットルの4基の建設を終え、目下360万キロリットルの規模で操業しておる。第2期分の残り300万キロリットルにいても、昭和51年4月までに完成する予定であると、これによって全体の規模は660万キロに増大すると報告されておりますが、しかし、予定の来年を待たずにして完成し、現在、オイルインも全部完了しております。また、バラスト水の処理にも一段と力を入れて一応バラストタンクに入れてから、あら分離されてからさらにサンドフィルター、ブルーマリンコアレッサー、ガードベイスンと5段階にわたり排水処理施設で処理されて、現在では0.1PPMの排水
濃度のきれいな海水となって排水されております。また、会社みずからもモニター制度採用いたしまして、公害防止に積極的な姿勢をとっております。
 わずか650キロ離れた隣県では、水島事故後もどんどん工事を続行し地域開発にがんばっております。知事、少し見習ったらどうですか。悪い面ばかりを見ないで、よいところも勉強する意味で、もう1度視察団を送る考えはありませんか。
 また、石油とわれわ
れ人間生活の密接なる関係は周知のとおりでございます。燃料関係にいたしましても、発電燃料、工業用燃料、交通燃料、家庭燃料、漁業燃料、農耕燃料、食器関係、寝具、衣類、家庭器具、日用品関係、建築資材関係、その他学用品、おもちゃ類等、数え上げれば枚挙にいとまがありません。一粒の米でも、石油との関連は大きいのでございます。昭和48年度の石油の部門別消費構造は、一番大きいのが製造業の42.7%、次に、電力、ガスが25.0%、民生その他21.7%、鉄道その他運輸6%、農林水産3.1%、工業建設1.5%となっております。
 このように、われわれの生活を営む上に最も重要な石油産業なのに、本当に石油は必要なのか不要なのか。そこで、真にCTS反対者だったならば石油と関係のある自動車、飛行機、船は乗らない、また冷暖房、電気冷蔵庫、洗濯機、掃除機は使用しない、電燈やテレビ、ラジオ、印刷機も制限し、エレベーターも中止する。口では、石油貯蔵基地反対と叫びながら、大きな顔で車にも乗って、冷暖房の部屋にいたりというのは矛盾というよりこっけいな話ではございませんか。
 知事、県庁のエレベーターはいまとめてありますか。その矛盾点について知事はどうお考えになっておられますか、御所見伺いたい。
 口を開けば、基地反対、自衛隊反対、埋め立て反対、造船所反対、ごみ焼却炉建設反対、養豚団地反対、屎尿処理場反対、CTS反対、何でも反対、実際問題として、反対ばかり叫んでりっぱな社会が成り立つわけはありません。権利の主張だけ強過ぎて義務感の薄れた昨今の社会風潮のあらわれだと言うても言い過ぎではあるまい。
 知事は、去る1月8日、東京で企業側と、また、2月5日、与那城村長と知事公舎でおのおの会っておりますね。私は、きのう与那城村長に、あんたは知事に会いましたかとお尋ねいたしましたならば、最初は、いや会っておりませんとまごついておりました。そこで、知事は、一昨日の盛島議員の質問に、企業側とも地元の村長とも会いましたと答弁なさっておりますが、果たしてどなたが言うのが正しいのかと畳みかけましたならば、ああ、また一本やられましたかと、ばつが悪そうに、実はそのときには非公式だからここだけの話にしておいてくれということで知事さんに篤と言われましたので、そのとおり守っただけで、ほかに何の他意はありませんとの返事でした。
 何のために、知事は、業者や地元村長と会ったのですか。積極的に問題解決するためではなく、ただ、今議会の乗り切り策としてその場限りの答弁をするためだったのか。このような知事の態度だからこそ行政は一向に前進しないんです。もっと誠意をもって事に当たるよう知事の猛省を促すものでございます。
 知事は、一昨日、わが党の盛島議員から地上最大のプレゼントをもらったんですが、出してごらんになってください。シーバースの写真です。シーバースの写真持ってないですか。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後5時43分休憩
   午後5時44分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
○平良一男君 シーバース建設は、昭和48年10月6日、工事を着工して130億円を投じ、全長585メートル、幅120メートル、50万トンタンカーが寄港できるよう東洋一の頑強なものが昨年の12月に完成しております。
 知事は、その期間中、何らの示唆も与えておりません。そのことは、知事がCTSの認可をするという前提に立って工事を完成させたと受けとめても結構ですか、お尋ねいたします。
 また、業者も多大な投資をして完成した今日、そうやすやすとほかの企業を持っては来ないでしょう。余り期間が長過ぎまして業者から裁判問題に持ち込まれた場合に、堂々と受けて立って勝つという証拠と信念がありますかどうか、お尋ねいたします。また、いつまでも認可しない場合に、このシーバースの処理方法はどうするのか、お尋ねいたします。
 また、県の公害防止協定でございますが、県と業者だけで結んでおります。大分県の例を見ますと、県、関係市町村、業者と3者協定を結んでおります。何ゆえに市町村を除外したのか、お尋ねいたします。
 それから、この前わが党の議員団が既設の4つの石油会社を視察した場合に、あの例の悪臭問題がある沖縄石油に行っての視察の際でございましたが、新聞では堂々と県が行政命令を下して操業を停止しておると発表しておりましたが、会社側は、そうではなくみずから操業を停止しているんだということを話しておりました。もし、これが実際に行政命令を出しているならば、その書類を出してください。
 以上、質問を終わりましてから、再質問いたします。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) CTSの問題は、仰せるまでもなくして、われわれが当面している最も困難な重大な問題であるということで、私自身、朝な夕なこれには悩まされております。これは割り切って判断を出すといっても、判断を出し得る一つの惰勢がなかったからであります。これは初めは、地元与那城村は、これは全会一致で村民の意思がまとまって推進してまいったわけでありますけれども、御承知のようなことになって、地元からその反対運動が強く起こって、結局、地元のコンセンサスがどうしてもまとまらないと、こういうようなことになって、両側からわれわれは抗議され突き上げられまして、これをゴリ押しに、どちらか一方の判断はできなかったことは優柔と言われればそれまででありますけれども、どうともしようのない情勢が起こってきたということであります。
 それで、平良議員は、それを推進する方であられて、その方の立場からいろいろ言っておられて、いま直ちに方針を出せと言われることでありますけれども、私は、明確に、必ずこうしますということは、はなはだ済まないと思いますけれども、いまここではできません。したがって、従来お答えしておったように、結局、裁判係争中でもあるから、その経過も見守ろうと。ところが、この前、9月の議会までには裁判の結果が出てきたらと言ってお答えしてあったわけでありますけれども、はからずも、全く予想しないような水島事故が起こりました。そして、水島事故が起こって反対する側はますます火に油を注がれたような形になって反対するし、また、これを静観しておった人々も、これは大変だというようなことで不安を持つような機運が非常に強くあらわれたのであります。われわれは、こういうようなことをちょっと無視はできない。
 そこで、私は、この水島事故は、議会からもおいでになったし、また、われわれ行政当局からも行って調査をしました。私自身も、すべてではありませんですけれども、いろいろの行政当局に会って情勢を聞き見せてもらったりいたしました。そういったような見てきた人々、視察してきた人々、そして調査してきた一つの資料、こういうようなものも次々出てまいりますし、また、国の方といたしましても、高度の学者、技術者、専門家で組織をつくりまして、その因果関係を調査検討すると、それがやがて出されると、こういうわけであります。
 でありますから、新しい情勢が確かに出たからして、そういうようなものも考えながら、そして私としては、企業の側とも、また誘致した側とも、また私どももやっぱりこのお話し合いをして、この問題に対する対策を真剣に講じていかなければならないと、こういうふうに考えております。
 それから90日の備蓄という国の方針でもあるというような御意見でありましたけれども、それはよくわかりますけれども、方針であるからといって直ちに沖縄もこれに奉仕するというようにしてよいかどうかということにつきましても、私は、県民の良識というようなものを結集していかなければならないと、こういうふうに考えております。
 それから国の方にこれは持ち込んで私はまだ持ち込んでいっておりません。いまおっしゃるような国から返事が返ってくるのは当然であります。
 これは国から指令を受けてやったのではないわけでありますから、きのうも申し上げましたとおり、やはりこれはあくまでも地元の誘致により、われわれはこれが誘致が実現するようにいろいろ行政上の手続をとってまいったわけでございますからして、できたから直ちに国にこの土地をどうしろとか方法を講じうというようなことは言えた義理じゃないのであります。私としては言えた義理じゃない。
 でありますから、これはとにかくいろいろむずかしい問題ではあるけれども、やはりみんなが多くの人々の良識、英知を結集いたしまして、しからば、どうすれば収拾できるかというようなことを考えるだけ考えていかなければならないと、こう思います。
 それから水島事故が起きたので、そういう経験を踏まえていくならば再び同じように繰り返さぬで済むようなことになるということの信念を吐露しておられましたですけれども、そうも思いますけれども、今日まで反対したたくさんの人々は、従来は海の事故――タンカーのマラッカにおける事故みたようにしてタンカーの座礁とか、あるいはタンカーの衝突とかいったようなことが、海からのそういう事故が大きな事故であるというならばその対応策も検討されていたわけでありますけれども、今度こういうような新しいケースが出ましたので、ますます説得し納得はせしめにくくなったであろうことを私は心配するわけであります。
 そこで、おっしゃるようなことも一応わかります。そういうふうなことが起こったからして、今度はそれを起こさない、起こすまいといったようにして災い転じて福となすといったような措置ができはせぬだろうかという御意見でありましたけれども、これはよくわかります。
 私も、せっかく地元からそのような強い要望があってしりをたたかれて乗り出したことでもありますし、地元のコンセンサスが、100%ではなくてもよいのですが、ある程度得られてわれわれが追いまくられなければ、この判断はもう少し割り切れたかもしらぬと思うのでありますけれども、それから隣県ではこうやっておるのに、なぜやらぬかとおっしゃいましても、この問題というのはやはりその地域の一つの感情ということもありまするし、また、抵抗というのもありまするし、やはりそういうような違った背景がありますというと、こういう関係のものは一律に割り切ってこうだというようなことはいけない場面があろうかと思います。ほかの県では簡単にいけることでも、ここではいけない場合があります。たとえば自衛隊の問題などにつきましても、ほかの県では大したことではなくても、沖縄では非常に苦悩しなければならぬという事態がございます。
 そういうふうにやはり総体的な立場の中から、これは見ていかなければならぬと、こういうふうに思います。
 それから石油産業の意義というものを知らぬのかと、車に乗っているではないかというようなこと、それは非常に生活に深い関係があるということはわかっておりますけれども、しかしながら、それはただ私の一存で、それはわかっているからこれでいきますといけたらいいのであります。そういうことをしながらも、やっぱり大衆の方から、こういったようなことに対する非常な強い抵抗があり、批判があり、突き上げがあったりしますというと、どうしてもこれをゴリ押しに一方的に押してやれないような立場がある。したがって、時間もかし、やれるだけのこともやってやはりみんなが自分の問題としてとらえて、これ以上にはないというふうに100%ではなくても、ある程度そういうふうに持っていかなければいけないだろうと、こういうふうに、その反対の声の中におけるところの行政ということが非常にむずかしいと、おっしゃるように、それは平良議員は賛成派であられますからして、そのとおりやれとおっしゃいますけれども、私としても、それはやはり行政原点に返ってやりたいこともやまやまでありますけれども、なかなかこういう背景の中にあっては簡単には抑し切れないところがあるわけであります。
 それからこの解決するのにすべて積栖的な態度はないのではないかと、こうおっしゃいますけれども、ただ、積極的な態度を持っておったとしても、簡単にそのまま押していけないところに悩みがあるわけであります。
 それからシーバースの問題についてのことでありましたが、これも写真は前から私は拝見してわかっておりますけれども、これをとめ得るところの権限はなかったということです。これは特別な瑕疵でもない限りなかったと、やはり行政者の立場として、なかったのでこの問題については手の触れようがなかった。
 それから裁判についての考え方につきましても、やはりその裁判の状態並びに四囲の情勢ということを考えて、これに対応していく以外にはないと、こう思う次第でございます。
 先ほどいろいろお話がありましたが、それに対する私の一つの見解を述べて御答弁といたします。
○平良一男君 議長、休憩してください。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後5時57分休憩
   午後5時59分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 先ほど現村長が勝たれた段階において、これは賛
成派の方が勝ったということですね。それはいまもわかっています。私もよくわかっております。ただ、私はわかっておりますけれども、ここに情勢が変わったと思いますのは、この思いもよらず水島事故が起こってしまったと、現実に起こってしまったから、これからここにまたはね返ってくるところの一つの影響、それに対してわれわれはどう対応するかということを言っているわけです。おっしゃるように、その賛成した側が現地において勝ったということはよくわかっております。
 それからシーバースの問題につきましては、とめ得る権限は私にはなかったと、瑕疵でもなり限りなかったので、これは結局、行政者の原点に立って、これは見ていかなければならぬだろうと、こういろいろ考えておりました。
 そして、埋め立ても裁判の結果を見ながら、これも見て、そして行政者としての原点に返って考えていかなければならぬのではないかということを思っていたわけであります。
 そうだけれども、今後もまた再び水島の問題になりますけれども、こうなってあと、さて、これはできた、これはどうするかということは、私自身も考えるし、また、行政当局としても十分に考えるし、また、関係者の方々、企業の方々とも一緒になってこの問題は考え、県民のまた大きな考えにも触れて、この問題に対応していきたいと、こういうふうに考えております。
 そこで、向こうのとめたかどうだということにつきましては、いまこれを起案した総務部長にこれを読ませます。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) お答えいたします。
 2月の18日に東洋石油株式会社に対して2つの命令を出しております。
 1つは、タンク使用の停止を命ずるものというものです。沖石はございません。東洋石油だけです。東洋石油だけに、1つは、使用の停止と、それから使用の制限、2つを出しております。それだけです。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後6時5分休憩
   午後6時6分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺式次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 沖縄石油に対しては出しておりません。
○議長(平良幸市君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) いま平良議員から質問の中で、県と4石油関連業者との公害防止協定の中で、県と業者だけのもので市町村を除外されているその理由を述べよということでございました。これにつきましては、2月13日に知事が4業者代表に御足労願って県庁に来ていただいた時点で、公害防止協定を結ぶための懇談会を開いた席上で、私の方では一応関係市町村につきまして業者の皆さん方がそれぞれまた防止協定を結んでいただきたいということを口頭で申し入れ、さらに2月21日に西原、中城、与那城、勝連の関係4村に私の所轄課の方から、私たちの防止協定の案を提示し、説明をし、かつそれぞれの地元の関係市町村が業者と公害防止協定を結ぶようにという助言もいたしております。
 実は、これにつきましては、公害防止協定の本文の中にうたうべきじゃないかという意見もありましたが、同じ自治体でありますので、私たちとしてはあえて本文にそういうことをうたわないで、いわゆる口頭でもって関係市町村にそういう旨を伝えてその向きに指導をしております。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 平良一男君。
○平良一男君 沖縄の開発は、CTS問題が解決せぬ限り何の進展もないと私は強く確信をもっております。中城湾の振興開発、具志川市の造船所しかりでございます。
 知事は、1日長びけばそれだけ県民、村民に犠牲を強いるわけでございます。
 そこで、勇断なる決意をもって一刻も早くその対処策を講じてくれるよう強く要請して質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 上原重蔵君。
   〔上原重蔵君登壇〕
○上原重蔵君 しんがりでございますので、私も建設的な御意見を申し上げます。それで、簡潔に御答弁をお願いいたします。
 まず最初に、本県で産業別に見て一番日の当たらぬ場所に置かれている水産業の問題について二、三お尋ねいたしたいと思います。
 本県は、四囲を海洋に囲まれ、周囲には天然の漁礁であるサンゴ礁が発達し、また、南方漁場への中継基地として重要な位置にあり、地理的、自然的条件が漁業に適していると言われ、一時は水産立県ということすら叫ばれたのであります。
 しかし、残念なことには、今日水産行政の地位が総体的に低下し、県の水産振興に対する熱意すら疑われる事態に立ち至っております。
 沖縄振興開発の起爆剤と言われている海洋博も、事水産振興に関する限りは起爆剤どころか、むしろ建設工事による沿海漁場の汚染や海浜破壊等のデメリットだけが漁民にしわ寄せされ、水産振興を標榜しながら、実際には漁民無視の施策がとられているのではないかということさえ聞かれるのであります。
 このような立場から質問申し上げたいのでございますが、漁港の整備計画についてお尋ねいたします。
 従来から災害の防止と生産性の向上を図るため、くり舟の小型船舶化、小型船舶の大型化が要請され、それに対する長期低利の融資の必要性が叫ばれておりますが、何よりもまずその前提条件として漁船の避難施設であり、かつ流通の基盤である漁港の緊急の整備が急務であります。特に台風銀座と言われる本県においては漁港の整備こそが水産振興のための最も基礎的な基盤であります。
 そこで、沖縄振興開発計画で進められている漁港整備が、すでに始まっている国の第5次漁港整備計画にどのように組み入れられ、計画され進んでいるか、沖縄には60の指定港があると言われておりますが、それについての計画をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、漁業振興と環境問題についてお尋ねいたします。
 近年、沿岸漁場に種々の環境問題が発生し、特に山地開発、道路建設、宅地造成などに伴う赤土の流入、採砂、埋め立て等による海水汚濁、工業排水、生活排水等による海水汚染等でサンゴ礁の形成や海草類の育成を著しく阻害し、水産振興上重要な問題として指摘されているのであります。このような海水の汚濁、汚染は開発が進むにつれて今後ますます増加していくものと思いますが、漁業の保護の立場からどのような措置をとっているのか、県の考え方を明らかにしてほしいと思います。
 次に、漁業後継者の育成について県の施策をお尋ねいたします。
 漁民の老齢化が指摘されてから久しくなりますが、漁業後継者の育成がなされない限りわが県の漁業の将来はないのであります。戦後、漁民は、船を捨て、かわりにトラックやタクシーの運転手になり、その家族までが他の2次、3次産業に走った。それを防ぎ、漁民の後継者を得るためにどうしても漁船の大型化、漁村の環境整備等々と並んで高い漁業所得を保障する必要があると思われますが、県としてはどのような施策を講じてきたか、そしてこれからどのように行っていきたいのか、お聞かせ願いたいと思います。
 県の統計資料によりますと、昭和46年度の県民純生産は、第1次産業6205万ドル、第2次産業2億1280万ドルの3分の1、第3次産業の7億9550万ドルの10分の1となっております。また、第1次産業の中でも農林漁業の県民生産は4780万ドルであったのに対し、水産業はその3分の1の1470万ドルしかないわけで、産業別に見ても、最も収入が少ないのが水産業であり、最も恵まれないのが漁民であります。
 しかも、石油ショックによる燃料費の高騰や設備の値上がり等、かてて加えて、乗組員の欠乏等によって操業を休むのが実情である。そういったのが水産業であるが、水揚げしても流通機構の不整備のため漁民のふところに入ってくるのは少ない。そういった点から言って、最も低県民所得にあえいでいる漁民の生活を保障するためにも、問題の解決は急務の施策でございまして、魚価の安定と流通機構の改善を早急に行わなければならないと思いますが、県はどのような考え方を持っておるか、お聞かせ願いたいと思います。
 いよいよ本年は、海をテーマとする海洋博がわが県において行われますが、肝心の県の水産行政にそれほどの熱意が見られず、ほとんど国におぶさっている現状からして、海洋県としての沖縄の伝統からしてはなはだ遺憾であります。第1次産業の重要性、将来の食糧危機に対しての政策からも、農業振興が重要であることはもちろん論ずるまでもありませんが、漁業振興にも相まって力を傾注することを強く要望して次の質問に移ります。
 私は、昨年の12月の定例会において、糸満土地開発公社による糸満市潮平地先海岸の埋め立てに関しお尋ねいたしました。その埋め立てが早急に実現できるよう要請したのでありますが、ようやく水産高校用地としての分離申請した分は去る2月の19日に許可されたようでございます。しかしながら、私は、これとても水産高校の建設が遅れるのを心配するわけでございます。
 そこで、問題は、残った100万余坪の埋め立ての許可についてでございます。もちろん、この許可は主務大臣の認可事項でございます。ただしかし、県がやるべきことをやらないために、この許可が大変おくれているということを指摘したいのでございます。
 私は、このことに関しては、前にも皆さんの違法行為を取り上げ、その事務的、法的手続等を早急にやるように要望したところ、皆さんも、必ず近いうちに処理するとの答弁でございました。それがいまだに行われておりません。つまり、公有水面埋立法の第3条の2項による告示や縦覧期間の設定、市長への諮問を遅滞なく行うべき法の義務づけがあるにもかかわらず、まだそれが実施されていない。このことは、前の議会でも先ほど申し上げましたように指摘したわけでございますが、これがいまだに行われておりません。その理由は何であるか、これをはっきりと明確にしていただきたいと思います。
 この手続などが行われないために、埋め立て許可が国から出ないのもこれは当然でございまして、その結果、早急なる許可を待ちわびているところの糸満市にとっては大変な損失を受けるわけでございます。
 先ほどの皆さんの答弁は、総合開発計画がこの3月にでき上がるので早目に調整するようにして、その作業が完了しないまでもほぼ一定のめどがついた段階で早目に措置していきたいとの答弁がございました。一体、これがいまだに実現しないのはどういうわけであるか。朝日コンサルタントの委託調査もすでに報告があったと聞いております。なぜ埋め立て促進の作業がいまだに進まないのか、繰り返し質問いたします。
 御承知のように糸満の埋め立て事業は、数年来、いやもう10年にもなります。県との調整は済んでいるはずであります。そして、その背後には大型漁港の建設、そのまた背後地の構成等、工業開発地域の指定等いろいろとなすべき仕事が控えて、手ぐすねを引いて待っているわけでございます。その大きな影響を考えても、ぜひ皆さん方のなお一層の御努力をお願いするわけでございます。
 それから、ただいま申し上げました埋め立ての申請している埋め立て計画の地域内に伊保島というところがございまして、ここは爆弾処理場になっております。使用されております。県はその所有者といろいろ取り決めをやったようでございますが、その伊保島への運搬のために仮設道路の占用許可を来る3月31日まで許可を与えているようでございます。
 しかしながら、糸満市では48年の9月3日に爆弾処理場の撤去を訴えて、さらに49年3月27日にも、再度撤去方を訴えたのでございますが、当分の間ということで来たる3月31日まで再延長されたようなことになっております。市としては、さらに去る2月10日にも、この爆弾処理場の撤去方を県に申請しているようでございますが、これに対する県のこの問題に対する処理はどのようにするつもりであるか、それをお聞かせ願いたいと思います。 次に、ちよっと予算について触れてみたいと思います。
 昭和50年度の一般会計予算は、総額で1350億5600万円、現年度当初予算よりも22.16%の伸びとなっております。これを全国平均伸び率13.9%に比較すると上回っております。しかしながら、これはよく聞きますと、近く行われますところの統一地方選挙後に補正予算を組むためその財源を留保している県があるとのことであって、この数字だけを見てわれわれは喜んでばかりもおれない現状であると思います。
 特に自主財源が18.9%に至っては、3割自治どころか、2割自治にも満たないということは、いかに屋良県政が自主独立性の弱いものであるかを証左しているのであります。自主財源が何に使われているかは、自治体の行政の質を示すバロメーターとも言われますので、この点からしても、自主財源のほとんどが人件費で占めていることは、県の単独事業を圧迫し、屋良県政の目玉である福祉行政の先細り、県民サービスの低下を表面に打ち出しているようなものであることを指摘し、予算について二、三お伺いいたします。
 財政硬直化の原因については、インフレ、不況による人件費の増高、国の総需要抑制策の堅持、超過負担問題など外部的要因がこれまで指摘されてきましたが、私は、財政硬直化の一因ともなっている地方債について触れてみたいと思います。
 地方公共団体の財政運営の長期的な観点からして、歳出財源をみだりに地方債に置くということは適当でないことは申し上げるまでもありません。
 なぜならば、地方債は翌年度以降その償還のための支出を義務づけられるものであるからであります。すなわち、県の借金財政は、すでに47年度から50年度にかけて149億5800万円の多額にふくれ上がっております。
 他県では、一般会計、特別会計を含めて県債発行予定価格は49年度の当初予定価格より大幅に減っていく傾向にあると言われております。本県は、まだ公共施設や出資または貸し付けを目的とする土地、物件等を買収するために要する経費の財源として県債に依存する度合いが相変わらず大きい。予算編成の段階で各部局からの旺盛な財政需要を反映して、財政調整積立金の取り崩しや債務負担行為、県債等によって何とか歳入歳出のバランスをとるのに苦労したことは理解できるといたしましても、安易に借金財政をふやすことは厳に慎まねばならないと思うのでございます。
 そこで、地方債の政府資金、公募資金、企業債の内訳と公募資金の政府資金貸りかえ計画あるいは枠外債などがあれば、これを示してもらいたい。
 これをお聞きするのは、良質の政府資金を増加させることをねらいとし、できるだけ利子の高い公募資金を少なくして財政力を高める必要があるからでありますので、県の考え方を教えていただきたい。
 次に、49年度の繰り越し事業についてお伺いしたい。
 49年度の繰り越し明許費は、95億3400万円であるが、これは48年度の137億9500万円を大きく下回っております。執行率がよくなったためのものであれば喜ばしい現象であるが、果たしてそうであろうか。
 財政危機の打開策の一つとして翌年度への繰り越し財源を少なくするために、執行保留となったものがあるとすれば、県民へのサービス低下に拍車をかけるものとして問題であると思うので、次の点についてお答え願います。
 1、事故繰り越しを含めて50年度の繰り越し額は幾らで、事業費の何パーセントに当たるか。
 2、不用額を幾ら予想しているか。
 3、工事請負について議会の議決を必要とするものは何件で、未契約の分は何件あるか。もし、未契約の分があるとすれば、それはいつ議会の議決を求めるつもりか。
 最後に、1点お伺いしたいと思います。
 沖縄の復帰後の誘致企業の1番目に取り上げられました例の松下電器の誘致のことでございますが、前の議会答弁で知事は、既定方針どおり誘致を進めるというお答えでございました。しかしながら、いま地元糸満では、その整地作業も終わっております。しかしながら、いつ松下電器が来るかまだかいもくわかりません。風評によりますると、もう沖縄には進出しないんだというような話があるようでございます。
 一体、知事は、その後どのように松下電器と交渉しておられるか。そして、その実現が確実にできるのであるか、そこいらの点を詳しくお聞かせいただいて、地元民の不安も解消していただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後6時28分休憩
   午後6時29分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 上原議員からの諸問題、漁業の問題についての御質問、それから伊保島問題についての御質問、それから予算の件に対する諸問題等、たびたびなされていることではありますけれども、それぞれ関係部局長に答えさせたいと思いますが、松下電器の問題であります。
 これは私どもは、あくまでもこれは誘致を進めていくということになっておりますけれども、その後は私が直接は折衝しておりませんが、部長を派遣いたしまして折衝せしめておりますので、部長からそのことについてお答えさせたいと思います。
 ただ、総需要抑制ということと、もう1つは、松下電器製品というのが売れずにストックをたくさん抱えておって、そういうふうな非常に苦しい立場にある。したがって、どういう品目を沖縄でつくるかというようなことに対して決めかねておるということで、決してここで進出は不可能だというようなことになっておりませんので、私どもは、あくまでもそれを誘致すべく努力を続けてまいります。
 なお、労働商工部長から補足させます。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 野島武盛君登壇〕
○農林水産部長(野島武盛君) 水産業の問題につきましての御質問、特に漁港整備状況でございますけれども、現在沖縄には60港の漁港があるわけでございます。
 そのうち、修築事業として10港、改築事業として12港で、22港は県営事業として整備を行っているわけであります。残る38港については、局部改良事業の対象港となっておりまして、これは市町村補助事業として毎年11ないし12港ずつの整備を行っております。
 申し上げました10港については、第5次の漁港整備計画になっておりまして、これは48年から52年までの第5次の漁港整備計画であります。80億円が見込まれております。
 現在、その計画に基づきまして漁港整備事業を行っているわけでございますけれども、昭和50年度は同計画の3年目に当たりますけれども、この進捗率は40%になる見込みであります。改修事業は、12港については第5次の漁港整備計画で30億円が見込まれております。50年度の進捗率は約60%になります。
 それから漁場汚染につきまして、特に農林水産部は山と畑を持っておりますが、海はそういうことで陸地を開発することによってそこからの土砂が海に流入すると、そこが汚染源と言えば汚染源になりますけれども、海を汚さないということでは、特にパイン畑の開墾あるいは山地の開発等においては、できるだけ土砂の流入の防止対策をとって事業を行う。
 なお、防止対策としては、その事業費の中にほとんど入れて対策をとっております。
 さらに、水産関係からの公害防止対策といたしましては、現在、6カ所の地域指定をいたしまして、これは那覇の地区とそれから金武、中城、名護、与那覇、名護、それぞれの湾を指定をいたしまして、そこに普及員なりあるいは漁協職員に謝金を与えましてその汚染の状況等の情報をとる。それに対する対策も農協等と調整をしながらとっている状況でございます。
 後継者育成につきましては、先ほどの赤嶺議員にも申し上げましたとおり、従事者は約8600人でございましたけれども、昭和38年と48年を比べますというと、8700人余りの状況でその変動は余りないわけであります。したがって、昭和47年以降改良、普及事業なり、あるいは漁村青壮年育成対策事業を通しまして各地に研究グループをつくらしております。現在、11カ所で250人を結成をさせて、このグループを主体として、漁業先進地の視察あるいは漁業者を直接その地域に派遣をして科学装備の講習会をさせたり、さらには進んだ技術者の講習を受けさせるというような対策をやっておるわけでございます。
 なお、沿岸漁民研修所を糸満市にある水産試験場の構内に建設いたしました。今月で完成の予定でございますので、それを十分に活用することによって後継者の育成も可能だと、こういうふうに考えております。
 さらに、流通問題につきましては、御承知のとおり、拠点として、現在、鮮魚の卸売市場は、地方卸売市場として2カ所、その他の卸売市場が12カ所あるわけでございます。
 これらの市場を通しまして流通される水産物は、昭和48年、一昨年は6800トンありました。この5年間の動向を見ますというと、43年には約8000トン、その後若干の減少はありましたけれども、逐次増加を見ておりますので、今後はそういった流通施設を整備をしていくということにしたいと思います。しかし、現在どうしても小売りまたは行商によりますところのいわゆる浜売りと称される部分が相当占めております。
 これは漁協の体質改善と機能強化を図る以外にありませんので、現在、漁協の合併を促進をさせる、販売事業を積極的に進めるというような考え方のもとに進めておるわけでございます。
 申し上げましたように、生産物の半分がこの浜売りで処理されているということでございますので、この漁協を通して流通せしめるということで指導することにしているわけでございます。
 49年度は、6カ所に冷凍冷蔵庫を設置しておりますけれども、50年度もこの計画に従いまして、それぞれの適当な漁協に、こういった流通施設を整備していくということを考えております。
 なお、前にたびたび御説朋を申し上げましたけれども、県の卸売市場の整備計画に従いまして那覇近郊におけるところの中央の卸売市場の開設と、さらには地方の漁港を中心にした地方の卸売市場を整備するという考え方を持っております。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) 道路の占用の問題でございますけれども、この道路は毎年更新することにいたしております。それで、今年は3月いっぱいに切れることになりますが、本年度のものにつきましては、関係部局と調整をいたして決めたいと思います。
 その次に、埋め立ての問題でございますけれども、昨年12月の議会においてもその件は御指摘を受けました。それで、私たちも早くこの処理をしようと思いまして、土地開発公社に対しましては、前の申請、つまり331万7144平方メートルですが、その中に、先ほどの御説明のありましたところの水産高校分は分離して埋め立てを許可してありますので、その部分20万444平方メートルと、それから伊保島がございます。これは個人の所有地でございますので、ここをいまの埋め立ての面積の中に入っておりますけれども、これは個人の所有地であり、当然埋め立てするわけにはいきませんので、その分の4万5236平方メートル、この分がいまの申請の中に入っておりますので、その部分だけは早く除くように糸満市の土地開発公社に申し入れてございます。
 その部分が是正されますれば、それは当然先ほどの御指摘のような形の告示、それから市への諮問と、こういう手続をとって早目にこの処理をしていきたいと、こういうことで考えております。
○議長(平良幸市君) 労働商工部長。
   〔労働商工部長 前田朝福君登壇〕
○労働商工部長(前田朝福君) 松下電器の件についてお答えいたします。
 弱電関係ですし、昨今の不況をもろに受け現在のところ松下電器としても……。
○嵩原久男君 議長、休憩願います。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後6時39分休憩
   午後6時40分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
○労働商工部長(前田朝福君) 不況をもろに受けておりますので、そういった関係で不況の成り行きを見守りながら、業種の決定をしていきたいというふうなことでございます。
 それで、私どもといたしましても、できるだけ早目に、遅くとも海洋博終了時には着工できるような形で業種の決定を急いでいただきたいというふうにただいま要望いたしております。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 地方債について申し上げます。
 地方公共団体が振興開発計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるため起こす地方債については、国は地方公共団体の財政状況が許す限り起債ができるよう、及び資金事情が許す限り資金運用部資金または簡易生命保険、郵便年金特別会計の積立金をもって引き受けるよう特別の配慮をするものであるというような特別措置法上の10条の規定がありますが、これに基づいて起債しているわけでございますが、49年度末借り入れ残高見込みとして一般会計について見ますと、107億4430万3000円程度見込まれているわけですが、これのうち10%が縁故債で、残り90%が政府資金というふうになっております。
 なお、繰り越しでございますが、これは明許については95億円でございますが、あと事故繰り越しについては3月にならないと判明しないので、その時点で明らかにさしていただきたいと思います。
 最後に、先ほどの平良議員の質問に若干申し添えておく必要がありますので、お許し願いたいと思います。
 先ほどは沖縄石油に対して命令を出していませんという御返事をしましたが、実は、担当職員が現場検査をしてその場で指示しております。
 その指示事項を念のため読み上げたいと思います。
 タンクは、規定の気密検査を行い、その結果は資料を添えて県に報告し、再使用に際しては、県において再点検を実施し、使用
可否を指示するというふうなことで、沖縄石油に対して指示事項として現場で口頭で指示しているという報告になっております。
 現在、県は、不発弾等の保管、それから海中投棄のための荷づくり作業場につき伊保島の所有者と、それから琉球鉄工と契約を結んで県内の陸上で発見される不発弾について国が保管あるいは処理に必要な場所、施設を確保して国に便宜提供しているわけでございます。
 これは企業の施設を利用させてもらっているだけのことで、県が処理場として設置したものではございません。したがって、当該企業がこの同島での営業を行わなくなりますと、便宜提供の対象施設がなくなるわけでございますので、利用できなくなるわけですが、県としましては、国、県、市町村が協力して処理している埋没不発弾の発掘との関係もあって、この申し上げました企業が、同島で営業する間、そういった爆弾処理の営業をしている間は、必要な期間継続して利用していきたいというふうに考えているわけですが、もし、いまこの埋め立てとの関係でここにこの企業が存立できない場合には、当然爆弾処理についての契約も締結できず、移行もできない状態になると思っております。
 以上です。
○上原重蔵君 いまの爆弾処理場の許可は、これは国がやるんでございましょう。
○総務部長(赤嶺武次君) 県が契約して国に対して便宜提供しているんです。
○上原重蔵君 それにしても、県が業者と契約して、取り決めて国に提供しているわけですね。
○総務部長(赤嶺武次君) そうです。
○上原重蔵君 しかし、許可は、国の通産省の方でやるわけですね。
○総務部長(赤嶺武次君) はい。
○上原重蔵君 その場合、あなた方は、業者との取り決めがあるはずなんです。私は、その取り決めは見ていないけれども、話によれば、いろいろ埋め立てをやる場合には、それを撤去させるとかいろんな条件が付してあると思うんですよ。そうでなければ、ただ単にあなた方は、爆弾処理場として貸すわけですか。
 もう1つ、土木部長、あなたは、残余の埋立地から水産高校敷地、それからいまの伊保島の敷地面積を引いて再申請するように糸満市に指示したというんだが、それはいつやっておりますか。それは本当どうか。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) 昨年の12月の20日にやっております。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 便宜供与するという以外の条件については、契約条項に入ってないです。
○議長(平良幸市君) 上原重蔵君。
○上原重蔵君 私は、いまさき電話を入れて市役所から聞きましたら、県の方から、こうこういうことで取り決めをして埋め立てをする場合には、撤去させるとかいろんな条件を付して県から照会が来ているということをはっきりいまさき電話で聞いた。あなた方、それは本当にないんですか。
 それからなお、土木部長のいまの報告も、市ではそういう指導を受けたことはないと、だから困っているんだということを、私はいま電話で聞いたんだが、それも事実か。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) 文書では出してございませんが、口頭でそのように指導したと、(「みんな口頭か」、「だから行政秩序がなっておらぬというんだよ」その他発言する者多し)
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) お答えします。
 これは普通の文書よりかやっぱり日常口頭でこの文書の不備の件の指導の連絡のし合いですから、それは普通は文書ではなくてやっぱり口頭でもいいんじゃないかと私は理解しております。
○議長(平良幸市君) 上原重蔵君。
○上原重蔵君 私は、いまの埋め立ての、たかがその事務的処理を遅延しているのも、そういった爆弾処理の問題に関連させて、延ばせば延ばすほど、先ほどのはしなくも総務部長から出たいろんな処理をするまでは何とか契約しようとかいう話が出ました。
 そういうことでいまだにその告示のあの事務的処理をやってないというふうに考えます。
 なおまた、いまの行政指導の問題、これも十分県としても考慮していただきたいということを要望して終わります。
○議長(平良幸市君) 本日の一般質問及び議案に対する質疑はこれをもって終了いたします。
 次会は、明3月8日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、決定次第通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後6時52分散会

 
19750104000010