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昭和53年(1978年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 6月 7日
第 2号 6月 7日
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議 事 の 概 要
昭和53年6月7日(水曜日)
午前10時1分開議
日程第1 代表質問
1 照屋 忠英君(自民党)
2 仲村 正治君(自民党)
3 石垣 喜興君(自民党)
4 宮良 長義君(社大党)
5 宮城 健一君(社会党)
6 伊波 広定君(共産党)
7 上江洲トシ君(革新クラブ)
8 翁長 助裕君(県政会・新自ク)
9 赤嶺 幸信君(公明党)
午後8時4分散会
○議長(知花英夫君) これより、本日の会議を開きます。
この際、念のため申し上げます。
本日から6月10日まで4日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことといたします。
○議長(知花英夫君) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
照屋忠英君。
〔照屋忠英君登壇〕
○照屋忠英君 昨今の政治情勢は、革新政治の行き詰まりと、そして末期的症状を呈しているとマスコミやちまたではいろいろ取りざた、騒がれている現状でございます。
その実態は、平良市政の汚職とそして最近行われました沖縄市における理不尽な食い逃げ人事であること、このようなことを踏まえまして、本員は自由民主党県議団を代表いたしまして、さきに通告いたしました主任制の内容と重要性につきまして、所見を述べ質問をいたします。
本県においては、主任制度が制度化された当時に沖教組の反対もあり、教育界にも大きな波紋を投げて、県内の各地に主任制粉砕などの立て看板がちらほらと見えたのでありますが、近々では静観の状態であります。
このようにして、長期間教育界に賛成、反対の両論があり、問題を投げかけてきた主任職の制度化も昭和50年12月末の学校教育施行規則を改正し、主任などの制度化を昭和51年3月1日から実施の運びとなり、そして52年12月末の補正予算の国会通過によって法制的には一応の決着を見たことは周知のとおりであります。
主任職の制度化については、昭和46年6月の中央教育審議会の答申、すなわち教育改革のための基本的施策の中で比較的実行しやすい面から手がけた分野だと言われております。
同答申は、教員の給与は、すぐれた人材が進んで教職を志望することを助長するに足る高い水準とし、同時により高い専門性と管理指導上の責任に対する十分な給与が受けられるように給与体系を改めることと示しております。
これまでの教育の給与体系は、年功序列方式を基礎としておるが、教職についた者の努力を助長するため、その高度の専門的な指導力または管理的な職務に応じた給与体系を確立することが必要であると言われております。
主任の制度化と主任手当支給の背景は、7年前の中教審の答申にあることは明らかであります。調和のとれた学校運営を行うには、管理の面と教育活動の指導の面が、車の両輪のように調和のとれた学校運営が行われなければならないと言われておるように、主任職を制度化することによって多年慣行としてほとんどの学校で実施されていた主任に、若干の手当を支給することによって中間指導職としてより充実した活力ある指導力を発揮できることだと考えるわけであります。したがって今後は、できる限り多くの教員が各種の主任職を経験し、その専門職としての能力を十分に発揮することによって学校教育活動がより一層活発となることが望ましいとされております。
教育指導の充実のためには、教育内容や教育方法はもとより大きな要素ではあるが、教育は人にありと言われておるように、これに直接携わる教職員組織の充実は、それに劣らず大きな要素となるわけであります。教職員組織を充実するためには、一人一人の教職員についてはすぐれた人材を確保し、研究、研さんに努めることが大切なことは、ここで私が言うまでもございません。教職員個人ができることにはある程度限度があるわけでございまして、それを補うためには、教員が組織として児童生徒の教育に当たることが必要である。
主任などの制度化については、各都道府県教育長協議会や、小学校、中学校及び高等学校の各学校長会や、そして教頭会などから強い要望があった反面、日教組などの反対もあった。
その反対の主な理由は、制度化しようとする主任などは中間管理職であり、これによって一般教員に対する管理がますます強化され、学校は非民主的な組織と化し、教育の権力的支配を強めることになると言っておるが、しかし主任などの趣旨というものは、決してそういうものではないと考えるのであります。
すなわち、主任などの職務は、それぞれの職務や学年における教育活動の職務に係る事項について、職員間の連絡調整及び関係職員に対する指導助言などに当たるものであることが省令上明らかにされているのでございます。たとえば教務主任については、校長の監督を受けて教育計画の立案、その他の教務に関する事項について連絡調整及び指導助言に当たることが規定されている。
ところで、主任などの制度化に当たって、主任等が一般の教諭に対して職務上の上司となるかが論議されたわけでございますが、上司とは、一般に職務上上級の地位にあって指揮監督権を有する者というふうに解されております。だから、学年間あるいは教科間について連絡調整及び指導助言に当たるという表現からも明らかであるように、主任等は、このように一種の職務上の上下関係の構造の中で上位に立って指導、指揮監督するということには当たらないと言われております。したがって、学校組織における校長や教頭のような管理職とは異なるものであると解されている。また、主任手当についても管理職手当とは異なり、特殊勤務手当の1つであるという考え方に立っているのである。
ところで、他の都道府県における主任制度の採用と給与条例の改正が成立した現状について調べてみますと、主任手当が条例化されたのは全国で32県で、このうち全国のトップを切って鳥取県ではことし3月に、52年4月から53年2月までの10カ月分で1人平均4万9169円の主任手当が支給されている。
一方、人事委の勧告、そして意見は提出されたものの、条例改正の提出が見送られたのは北海道、埼玉、千葉、新潟、石川、滋賀、和歌山の7道県でございます。
また、人事委勧告などが提出されなかったのは、長野、大分、福島の3県であった。
このほかに、主任制未制定の地域は、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、そして沖縄県のいわゆる革新知事の在職する5都府県である。
そのような状態でありますが、京都府におきましては4月に保守知事に交代し、そして神奈川県は4月には実施予定と伝えられております。したがいまして今後全くの手つかずの都府県は、東京都と大阪府と本県とこういうふうな現状でございます。
それで、遅かれ早かれ全国的にこの多年の懸案も落ちつき、今後の問題は、いかにして主任制度を各学校の組織内に定着させるかに移行することにある。
主任制の制度化と特殊勤務手当につきまして所見を述べてまいりましたが、特に本県におきましては全くの手つかずの状態であります。主任制度が制度化されてから2年有半にもなるが、全くのめど立たずであります。他都道府県では2月定例議会で条例改正が行われ実施の段階にあるにもかかわらず、本県だけが無為無策のまま右顧左べんしているようでは、教育の振興上きわめてゆゆしい問題である。特に文教関係当局におきましては、これまであらゆる角度から研究し、そしていろいろな構想や方法を練ってきたものだと思います。
以上のことを踏まえまして、質問に入ります。
質問の第1点でございますが、この点はぜひ知事に答えていただきます。
本県は、多年慣行として自然発生的に教育現場で校務分掌と位置づけて主任制度を実施し、学校を運営してきた。そしてそれがスムーズに学校運営がなされてきたことは知事も御存じのことだと思いますが、主任制度の制度化についてこれまで2年有半もなったと私先ほど申し上げましたが、その2年有半の間なぜ主任制度については触れずに本当に積極的ではなかったということはこれは否めない事実だと思います。したがいまして主任制度の制度化について知事としてどのような見解を持っているか、その見解について御答弁をお願いいたします。
次の第2点目は、これは教育委員会は教育行政を担当する組織でございますので、一応教育委員会委員長に御答弁をお願いいたします。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第33条第1項では、「教育委員会は、法令又は条例に違反しない限度において、その所管に属する学校その他の教育機関の施設、設備、組織編制、教育課程、教材の取扱その他学校その他の教育機関の管理運営の基本的事項について、必要な教育委員会規則を定めるものとする。」と規定しているのであります。だから文部省におきましても、学校の編制に関する設置基準として定めた主任制度でございまして、上記の学校の組織編制という管理運営の基本的事項として教育委員会規則、いわゆる学校管理規則上に定めることが必要となるものであるかと解しております。
主任などの制度化について、教育委員長としてどのような見解を持っておられるのか御所見をお伺いいたします。
第3点でございますが、以下の質問につきましては教育長、委員長でも構いません、御答弁をお顧いいたします。
文部省は、去る2月定例議会の結果について32県で条例化されたのはまずまずの成果である、残りの10道県についても6月議会で処理できる見通しがついたとしており、主任制未制定の都府県への働きかけを強めるなどして主任制の総仕上げを急ぐことにしているというふうに聞いておりますが、教育長におきましては、主任などの制度化について文部省からこのような要請は受けなかったか、そういうことにつきまして詳しく具体的に御答弁をお願いしたいと思います。
また、本県において主任制が未制定となっているが、その原因は何なのか。外部団体からの圧力がありましたら、貝体的に説明をお願いしたいと思います。また主任などの制度化について沖教組との間に何らかの取り決めがあると聞いておりますが、明らかにしてもらいたい。
そして、主任制を実施することになると、時期はいつごろか。仮に主任制の運用に当たって、主任などの発令を拒否した場合の取り扱いについてどのような措置をするのか、御所見をお伺いいたします。
最後、第4点目でございますが、主任手当への拠出金とは何なのか。またその拠出は、いかなる方法で行われているのか。
なぜ本員がこのような質問を申し上げますかといいますと、去る6月2日の新報で、「主任手当きょ出は8割 日教組が調査 額さらに増える見込み」というふうな見出しで、日教組は学校の組合への拠出闘争を展開しているが、「1日、これまでのきょ出状況をまとめ発表した。それによると、これまでに32県で手当が支給されているが、このうち24県の日教組加人の組合員主任3万6030人中、2万4745人がきょ出し、きょ出参加率は82.31%で、総額4億6855万3197円となっている。」と報道されております。
一体どのようなことなのか、当局の御所見をお伺いいたします。
以上、主任制度につきまして質問をいたしましたが、関係当局は他都道府県における主任の制度化につきましてはこれまで十分研究し、検討し調査してきたものだと思います。したがいまして誠意ある御答弁をお願いいたします。
質問の次の点でございますが、中城湾港の建設についてでございます。
私は、本港湾開設につきましては本日の質問で3度目でありますが、質問のたびごとに検討します、調査しますとの答弁で、本員が納得のいく答弁は得られなかったわけでございます。
中城湾港開発につきましては、振興開発後期の主要プロジェクトとして県案の中にも施策として位置づけてあるのであります。そして国、県としての基礎調査も終わっておるように聞いております。
混迷する県経済を抜本的に解決するには、第2次産業を振興する以外になく、大型プロジェクトである中城湾を早急に開発し、港を建設して後背地に多くの産業を誘致しない限り現状打開はあり得ないと位置づけておるわけでございます。そして勝連村、具志川市、そして沖縄市を中心に中城湾港建設推進協議会を結成し、世論を喚起し、政府にも陳情団を派遣して精力的に取り組んだ結果、これまで無関心の感のあった政府の関係機関も中城湾開発の重要性を再認識し、積極的でかつ強力に取り組む姿勢を示しておるのでございます。
中部地域は、現状のままでは衰退の一途をたどるわけでございます。産業振興の起爆剤となる大型プロジェクトであり、当港湾の開発は最も重要な事業であるにもかかわらず県当局の取り組みは積極性に欠け、昭和55年着工予定も先に延ばされはしないかと憂慮にたえない次第でございます。那覇市を含む周辺部は過密の状態でいろいろな弊害を生じているし、中城湾港開発は発展性に富み、今後の都市機能も整備され、位置的にも本島の中心部に位置するなど立地条件に恵まれているのでございます。発展性の余地があることは言うまでもありません。
当港湾は、本土及び東南アジア方面への流通港として県内において激増する輸送需要に対する港湾の機能分担と流通体系の確立を図り、北部圏への都市サービスの供与という点もまた役割りの1つかと考えられます。当港湾を早期に建設し、沖縄県がひとしく経済の安定が確立され、景気の浮揚策ともなり、そして雇用の拡大にもつながり、経済はもとより文化、行政、交通などバランスに富んだ新しい沖縄県の未来が創造されるものだと考察いただきたい。
新港湾の建設に関し、なお一層の努力をしていただきますことを要望いたしまして質問に入ります。
質問の第1点は、中城湾港建設推進協議会が去る2月に政府に対し港湾建設の早期実現のために陳情要請団を派遣した際、政府関係要路の方々、特に運輸大臣や港湾局長は、建設着工については県当局からいろいろ陳情し、そして県当局から要請をして初めて取り上げる、したがって県当局の出方待ちだとこういうふうに政府要路の方々も答えておるようでございます。去年の定例議会で本員が質問いたしましたとき、当局は54年の秋まで、来年になりますか、54年の秋に国の湾港審議会にかけ、そして55年には着工の運びとなると、そういうふうに答えておりました。したがいましてこの計画は予定どおりに着工できるのか、この辺を確答をお願いいたしたいと思います。
第2点は、来年度は県の目玉となる主要プロジェクトもないと新聞紙上でも発表されております。したがいまして中城湾港は主要プロジェクトとして予定のものに入っておるのであるが、そのプロジェクトがないなればその大きな目玉をこの中城湾港の開発に向ける施策はないものであるか、これについて知事にお答えをお願いいたします。
最後第3点は、去年の9月定例議会で知事は地元住民のコンセンサスを得る必要があると答弁なされておりますが、その経過についていかなる結果が出たのかお答えいただきたいと思います。
一応質問いたしまして、後ほど再質問をいたします。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) ただいまの御質問にお答えします。
質問の第1点、主任制度についてでありますが、これは直接的には教育委員会、教育長にかかわることでありますので、私といたしましては教育長に対し、よく関係者と話し合われて動向を踏まえながら現場に混乱を来さないよう慎重に対処してもらいたいと、こういうことを話しておるところであります。
2番目の中城湾港の問題についてお答えいたします。
中城湾港の開発は、本県における自立的発展の基礎条件の整備の一環としてお説のとおり振興開発計画にもありますし、後期における重要なプロジェクトと考えております。その推進を図るため、国及び県においては各面にわたる基礎的調査を進めてまいったのであります。
県においては、これまでに深浅測量、企業立地可能性の調査を初め15項目にわたって調査を実施してまいりました。また国においても海底地質調査、輸送構造調査等10項目に県とタイアップをして調査を実施してまいりました。
これらの基礎的な調査を踏まえて、現在県において中城湾港開発構想調査を進めているところでありますが、開発構想の素案が固まり、その後関係市町村との調整を図り、これは総論賛成、各論反対になっては困りますので、一応の構想がまとまれば、その素案によって関係市町村との調整を図って、53年度中には県としての開発構想を作成する予定であります。54年度には、環境保全計画及び港湾整備基本計画を作成して、地元住民のコンセンサスを得た上で地方港湾審議会並びに国の港湾審議会に諮っていく方針であります。
なお、開発構想及び港湾整備基本計画の策定に当たっては、単に地元関係者ばかりじゃなくして各界の意見を反映させる必要もありますので、関係市町村並びに関係団体及び学識経験者等を含めた開発委員会――これはいま名前は仮称でありますが――を設置して検討していきたいと思っております。
なお、46年度以降今日まで各年度別の調査項目、国と県と別々に、またそれに要した経費等については細部にわたりますので、これは関係部長から詳しく説明をさせたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 教育委員会委員長。
〔教育委員会委員長 大浜方栄君登壇〕
○教育委員会委員長(大浜方栄君) ただいまの主任制の質問に対してお答えをいたします。
まず、結論から先に申し上げますと、沖縄県教育委員会は、主任制は関係諸団体の理解と合意を得て、できるだけ早い時期に実施したいとこう思っております。
主任制の実施に際しましては、中間管理職の強化につながるものであり、あるいは中教審路線に基づく国家統制を強化するものであるというようないろいろの批判がございますけれども、文部大臣は、主任制はそういうような管理強化につながるものではなくして、いま学校現場が抱えているいろんな問題、特に新学習指導要領によるゆとりある教育を実施するためには、教職員間における連絡調整、指導助言的役割りを持つ指導職であると、こういうぐあいに言っております。
それからいまさきも照屋議員からおっしゃったとおり、私どもは法令遵守の立場からこれを実施しなければいけないと。学校教育法の第3条には、学校を設置しようとする者は監督庁の定める設置基準に従って学校を設置しなければならないとされております。また昭和51年3月1日文部省令が改正され、主任制が実施されました。この文部省令は法的拘束力を持つものであります。
いまさきもお話がありましたとおり、全国47都道府県のうち未実施県は東京、沖縄、京都、大阪でございます。東京、大阪も実施を準備しつつあります。本県も日本国憲法下における一県であり、本県のみが例外であることはいまさき申し上げた法的根拠の上からも許されないことでありますので、われわれ沖縄県教育委員会といたしましては、いまさきも申し上げたとおり関係諸団体の理解と合意をあくまでも得て現場に混乱を来さないように早急に実施したいと、こう思っております。
○議長(知花英夫君) 教育長。
〔教育長 前田 功君登壇〕
○教育長(前田 功君) お答えいたします。
まず、主任制の経過から御説明申し上げまして、それから若干答弁の順序が違うかもしれませんが、一応逐一お答えいたしたいと思います。
昭和50年12月26日に学校教育法施行規則の一部を改正する省令が告示されまして、同51年の3月1日から主任制が制度化され実施されることになっております。それに伴いまして県教育庁内部に検討委員会を設置いたしまして、いろいろの角度からこの問題について検討してまいりました。
ところが、教職員団体から、主任の制度化というものは教職員を差別、分断し、学校の管理体制を強め、教育の国家統制を強化するものであるというような理由で強硬な反対があったわけでございます。また市町村議会及び市町村教育委員会等も、学校現場に混乱が起きないよう慎重に対処してほしいという旨の決議がなされてまいりました。
この時点では、本土各県の情勢が適確に掌握できないこと、さらには学校現場に大きな混乱が起こることが十分予想されておりましたので、昭和51年2月23日に県教育委員会は、教育諸団体の合意なしには一方的には実施しないという態度表明をしたわけでございます。これに基づいて県教育長は、沖教組、高教組との間に同様な趣旨の協定を一応結んでおるわけでございます。
その後、各県においては次々に主任の制度化がなされ、昭和52年の4月現在において未実施県は5都府県となりました。そこで未実施の5都府県は、数回にわたりまして会合を重ねた後、法令遵守の立場から実施しなければならないという基本的な姿勢を確認しております。
このような経過を経て、本県にあってはさらに内部で検討するとともに、教育関係諸団体の合意を得るために非公式ながら数回にわたって職員団体の幹部と話し合いを持ちまして話し合いに応ずるように申し入れておりますが、現在の段階でまだ受け入れるまでには至ってないわけでございます。
県教育庁といたしましては、未実施県でありました5都府県の中でも神奈川県がこの4月に実施に踏み切っておりますし、東京都も実施の動きがあること、あるいは法令を尊重しなければならない行政としての立場があることから、主任の制度化については先ほど教育委員長がお話申し上げたように実施しなければならないと、このように考えております。実施に当たっては、県教育委員会でも十分に検討していただくとともに、正式に職員団体とも話し合いの場を持ちましてその話し合いの中で職員団体の理解と協力を求めていきたいと、このように考えております。
次に、文部省からのこの主任制実施についての要請があったかどうかということについてお答えいたします。
文部省としては、全国都道府県教育長協議会というのがございます。あるいはその都道府県教育長会に第3部会、これは教育行政部会でございますが、沖縄県はこの第3部会に所属しておりますが、あるいは各都道府県の人事給与主管課長会議等がございますが、これらの会議等で早急に制度化して実施するよう機会あるごとに助言と督促を受けております。
それから実施時期についてでございますが、先ほどもお答え申し上げましたように職員団体と話し合いを進めていく中で情勢を判断の上時期については決めていきたいと、このように考えております。
それから主任を拒否した場合にどうするかということでございますが、まあ現場の立場も配慮しながら主任の趣旨を十分理解してもらうよう説得していきたいと考えております。
それから拠出金のことの御質問がございましたが、拠出金については組合員が支給を受けた手当の中から個人の意思によってその一部を拠出して教育振興の基金とする性格のものだと聞いておりまして、詳しいことは十分知っておりません。したがいまして沖縄県でこういう情勢が生じた場合にどうするかということについては、その時点において検討して対処していきたいとこのように考えております。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 野島副知事。
〔副知事 野島武盛君登壇〕
○副知事(野島武盛君) ただいま自由民主党代表の照屋先生からの御質問でありますけれども、知事が答えていただきましたが若干補足をいたしますと、まず第1点の55年度着工予定になっているが、それはできるかという御質問であります。
これについては、いま知事から年次ごとの、いわゆる調査予定等について詳しく答弁がございました。したがって県の調査、それから国の調査、これと相まって54年度までにその港湾を着工するまでの段取りを進めて、それから着工ということになりますので、55年度の着工を目標に努力をしたいとこう思っております。
それから主要プロジェクトがないと新聞にあるんだけれども、なければこれを取り上げたらどうかというような御質問でございます。
これは申し上げましたように、ちゃんと55年度の着工を目標に年次ごとの調査をいま続けている段階でございますから、すぐこれを主要プロジェクトに切りかえて着工ということにはまいらないわけでございます。あと54年度のプロジェクトについては、現在内部で検討中でございます。
地域住民とのコンセンサスを得たかと、その結果はどうなんだということでございます。
これも先ほど知事から答弁がありましたように、それぞれの計画、構想が固まった段階で地域の住民の皆さんとの話し合いを進めるというような段取りになるわけでございます。
なお、あと知事から指摘いたしました、いままでじゃ県はどんなことをしてきたかということを関係部長から答弁させるということになるわけであります。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 知事の答弁に補足いたします。
いままで県がやってきました調査、及び国がやってきました調査について御説明いたします。
46年度は、県において深浅測量を行いました。
経費は248万5000円でございます。
47年度は、前年に引き続き深浅測量、それからボーリング調査、航空写真撮影、国においては波浪観測を実施しております。経費は国が812万円、県が合計いたしまして1358万円でございます。
48年度は、県では港湾計画調査、深浅測量、潮流の調査を実施いたしました。国においては、前年度に引き続き波浪観測を行っております。経費は国が1221万、県が2240万というふうになっております。
49年度は、県は波浪遮蔽実験を行いました。国は前年度に引き続き波浪観測を実施しております。経費は国が270万で、県が2100万でございます。
50年度は、総合整備計画調査を国、県共同で行いました。県はまたそのほかに企業移転志向調査を実施しております。それから開発志向調査を県で実施しております。風況及び波浪調査、陸域生態調査、企業立地可能性調査、これも県で実施しております。それから国は波浪観測を継続して行うと同時に、海域生態調査、海域環境調査、輸送構造調査を行っております。経費は国が合計いたしまして5174万9000円、県が3100万円でございます。
51年度は、県は海岸線利用状況調査、流通加工型企業立地可能性調査を行いました。国は波浪観測を継続して行うと同時に、海域生態調査、これも継続でございます。海域環境調査、臨海空間ポテンシャル調査、流通改善基礎調査を行っております。国が4790万、県が1549万でございます。
52年度は、県においては先ほど申し上げました基礎調査をもとにいたしまして開発構想、調査を52年度の末から行っております。それから輸送体系調査も行っております。国では海底地質調査、環境容量調査、海域利用計画調査、関連地域開発計画調査を行っております。国が3580万円、県が1910万円でございます。
53年度は、引き続き開発構想調査、ほかに社会基盤整備計画調査を実施する予定にしております。国ではマスタープラン策定調査、環境容量調査、海域利用計画調査を実施する予定にしておりまして、先ほど知事が御説明されましたとおり開発構想調査の素案がまとまり次第地元と話し合っていきたいと、そして開発構想調査をまとめて港湾の整備基本計画を策定していきたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 照屋忠英君。
〔照屋忠英君登壇〕
○照屋忠英君 ただいま教育長及び知事の御答弁をいただきましたが、この主任制を発令の場合に、これをもし仮に実施するとして断ったのにはどうするかということに対しましては明確なお答えはなかったのでございますが、これは地公法32条違反でございまして、その職務命令に対して違反した者は処罰されることになっております。
それにいまさき知事及び部長が長たらしくおっしゃっておりましたが、問題は港湾を開発するめどでございます。その辺がはっきりしていない。55年度にやるとおっしゃっておるが、果たしてそれまでに実施するかどうか、着工するかどうか、これをはっきりしていただくためにやっておりまして、後でこの点について補足答弁をお願いします。
それから教育委員会及び教育庁は、これはもう少ししっかりして外部団体の圧力もはねのけて制度化できるように要望いたしまして、質問を終わります。
○議長(知花英夫君) 野島副知事。
〔副知事 野島武盛君登壇〕
○副知事(野島武盛君) 中城湾港の開発についての55年度着工については、先ほども御答弁申し上げましたとおりそれまでの段取りがありますので、われわれとしては55年をめどに着工する予定であります。
○議長(知花英夫君) 仲村正治君。
〔仲村正治君登壇〕
○仲村正治君 私は、自由民主党所嘱議員を代表いたしまして、さきに御通告を申し上げました県政の当面する諸問題につきましてわが党の見解を述べながら知事の御所見を承りたいと思いますので、明快でかつ適切な御答弁をお願いするものであります。
第1点目に、振興開発計画後期5カ年の取り組みについてであります。
本員は、昭和52年9月の第10回定例議会において、振計前期5カ年の達成率が計画と実績とでは著しい乖離がある点を指摘しましたが、これに対する知事並びに企画調整部長の御答弁は、前期5カ年の実績は人口だけは計画目標を上回っているが、県民所得を初め産業構造とその基盤の整備等、国艮的標準を確保するための自立発展の基礎条件整備がかなりおくれている。中でも特に公共施設については、道路や都市公園等の社会資本、社会福祉施設、医療施設のほか、学校関係では特殊教育、社会教育、社会体育施設等が本土と比較してかなりの格差があるので、後期5カ年計画においては重点的に整備が必要であるという御答弁でありました。
さらに知事は、昭和56年度までに県民純生産高を第1次産業は7.3%の834億円、第2次産業は23.4%の2651億円、第3次産業は69.5%の7932億円を想定して、さらに工業出荷額を5453億円に引き上げていくと言われました。
また、県が前期計画及び実績の反省と総括を行い、後期計画に向けてその課題と施策が策定されておりますが、その別表の中で整備の立ちおくれた格差是正の必要な主要事業項目が計画後期2カ年目でどのような達成状況になったのか、主要項目別に進捗状況を御説明願います。
また、知事が申された昭和56年度の工業出荷額5453億円が、現在の推移で達成可能かどうかをお尋ねするものであります。
第2点目に、昭和54年度予算の骨格づくりについてお尋ねいたします。
昭和53年度は、国の景気浮場と雇用対策とあわせて復帰処理の最大の事業である交通方法変更対策等の予算があって、開発庁一括計上分1711億円は空前の伸び率34.9%も増加し、その中でも公共工事費は特に1354億9000万円で36%も伸びたために、県内の景気や雇用情勢を好転させつつあると考えられます。公共投資依存の高い本県経済としては、次年度も引き続き公共工事の大幅増加を図らなければならないと思います。
最近の新聞報道からいたしまして、県は54年度の国庫支出金獲得のための大型プロジェクトづくりに苦慮していると言われていますが、本県の予算骨格は振興計画事業がその中心で、しかも計画前期5カ年からの積み残し分も後期にずれ込んでいて、その積滞した事業の執行、さらにまた総合交通体系整備の一環としての都市地区の主要幹線道路の整備、交通方法変更に関連しての主要交差点の立体交差施設、沖縄自動車道の南進事業とあわせて開発庁が現在整備を進めている国道329号線や331号線の未整備部分の早期着工等の事業が山積する中で、県が54年度の予算獲得のためにプロジェクトづくりに苦労しているということを意外に感じていますが、このことからいたしますと、振興開発の計画スケジュールは一段落ついたと見てよいかどうかお尋ねをするものであります。
また、当面54年度の予算骨格はどのように組み立てていかれるお考えか、その主要項目を御説明願いたいと思います。
第3点目は、那覇空港の盤備計画についてお尋ねいたします。
県は、国の3全総の沖縄開発の基本構想に沿って那覇空港をわが国の南の玄関として位置づけ、それの第1種国際空港格上げを目指して努力していることをたびたび強調してこられましたが、昨年12月定例議会でこの問題に関する本員の質問に知事並びに企画調整部長は、県は現在所管庁間並びに民間との間に整備連絡協議会と整備促進協議会をつくって精力的に検討を進めていて、背後地には空港関連の整備工場等、弱電気部品を生産する工場、都市公園、遊技場、東南アジア文化交流センター、総合貨物流通センター等の背後地利用が検討されているとお答えになられましたが、今日まで計画策定から対政府折衝を進めてこられた経過及び政府のこれに対する考え方等をあわせて御説明願いたいと思います。
さらにまた、先ほど申し上げました空港背後地の施設配置についても検討された経過と具体的に何年から事業を着手される計画か、御説明を求めます。
4点目に、工業団地造成の計画についてであります。
県が復帰後の企業立地に革新団体の反対運動に押しまくられて誘致のチャンスを失い、今日の深刻な失業者社会をつくり出したことに対し、県民の革新政治に対する不信と批判の声が高まりつつあることは、最近の一連の市町村長選挙を通じてはっきりあらわれてきていることであります。知事が第1次産業に一段と力を注いでおられることはしごく当然のことであります。ただしかし、そのことが第2次産業を軽視することであってはならないと思うのであります。
本員は、いつかの議会で知事がある公式の席での御発言を取り上げて知事の真意を確かめたことがありますが、知事はそのとき、工業化社会はもうけ主義に走り人々の心をむしばむんだといったようなことを言われて、第2次産業軽視とも受け取れることだと考えたのであります。県が今日まで4市村の工業振興地域の指定をしていながら、積極的な企業立地ができず見るべき実績がないということは、知事のこのような姿勢と無関係とは言えないはずであります。
糸満の漁港背後地の工業団地造成の埋め立て認可申請は、地元糸満市から昭和49年6月に県に提出して今日まで満4カ年の月日が経過しています。このことは全くのスローモーな非能率行政であります
聞くところによりますと、この件は二、三日前にようやくすべての調整が終わり河川課で起案して決裁に回しているが、6部19課の決裁を2週間要して今月20日ごろに国に進達する予定だと聞いていますが、そのとおり間違いないのかどうかお答えをお願いしたいのであります。
また、国での審査はどのぐらいの期間がかかり、埋め立て免許がおりるのはいつごろになるのか明確に御答弁を求めるものであります。
さらに、埋立地造成後の企業立地について計画はどうなっているか、水産加工事業の配置計画はできているのかどうかお尋ねをするものであります。
次に、交通方法変更に向けての対策は万事オーケーでなければならない時期を迎えて、県の取り組みをお聞きしたいのであります。
復帰処理事業の中でも最も困難な事業である交通方法変更もいよいよ53日後に迫ってきましたが、国道、県道の改良工事や県警の取り組みは万全な体制が整いつつあると言われています。けれども、浦添市、那覇市の交差点、視距改良工事やバス停車帯改良工事が極端におくれている。きのうまでの調査の状況からとうてい「730」まで間に合いそうにもないが、このような危険個所を残したまま見切り発車になると、県民の生命、財産の保護や安全確認の保障ができないと思うが、このような場合、県はどのような対処策を考えておられますか明確にお答えを願います。
次に、特別事業としての道路整備の予算は、53年度でどの程度確保できたか。またこの特別事業としての道路整備は、54年以降も引き続き予算はつけられるものであるかどうか。
さらに、安謝、垣花、古波蔵交差点の立体交差施設はそれぞれいつまでに着工し、いつまでに完成するものであるか。
特別事業の中でも特に県は交通公園、交通災害医療センターについては力を入れてこられたと思いますが、これらの見通しはどうなっているのかお尋ねをいたします。
さらに、交通安全学校、交通管制センターの予算のめどはついたようであるが、これは53年度予算に措置されているのかどうか、以上の点についてそれぞれ御答弁をお願いするものであります。
次に、パイロット訓練飛行場問題についてお尋ねいたします。
訓練飛行場は、当初51年開港予定が大幅におくれて54年4月開港となったが、建設費も当初の約90億円の計画が、工事がおくれたために188億7500万円で2倍以上にはね上がってしまったのであります。特に資金運用部資金の借入金は33億3800万円にも達し、53年度までに利息だけでも10億8400万円支払うことになっているのであります。そのために一般会計からの持ち出しが、今日まで実に25億5000万円にも達していて、県の収益事業として計画されたこの事業が大幅に完成がおくれたために一般会計に大きくしわ寄せし、県民負担を余儀なくしている状態であります。
そこで本員は、この事業がこれ以上のおくれがあってはますます県民に負担をかけることになるので、一日も早く開港して幾らかなりとも収益が上げられるようにすべきだという観点から、開港期日をいま一度確認したいと思うのであります。
まず質問の第1点目は、54年4月開港は間違いないのかどうか明確に御答弁を願います。
質問の2つ目は、県は今日までこの飛行場運営について非公共、県営の立場を一貫して主張してこられた。したがって政府は、無線・気象業務については直接運営はできないので、建設費は補助金の形で流しておりました。しかし両業務については技術的に県の能力では不可能だとして、開港後は国で業務運営をしてほしいと県は希望していると言われております。これは非公共、県営という今日までの墓本姿勢の変化だとも考えられますが、県は同飛行場の公共化を決断したと受け取っていいかどうか明確に御答弁を願います。
3つ目に、運営方法についてであります。
県は、航空会社への業務委託を考えているようであるが、その中に第三セクター等の考え方もあってこの調整が難航しているとも言われておりますけれども、これについて、県はどのように詰めていかれるおつもりかお尋ねをいたします。来年4月開港というタイムリミットがある以上、公共か非公共か、直営か委託かの決断をしなければならないと思う。それぞれについて明確に御答弁をお願いするものであります。
最後に、教育行政についてお尋ねいたします。
その1つ目は、県教育委員会は、学校給食の運営、会計業務等をどのように指導監督しているかをお尋ねいたしたいのであります。
全県で、小中学校の学校給食に父兄が負担している金額は、50年度で24億円だと言われております。本員が学校給食法第5条、同法施行令第1条及び同法施行規則第1条第6項及び第7項の規定を理解するに、県教育委員会は、義務教育諸学校の学校給食の運営の健全な発達を図るとともに、会計事務等の指導監督をしなければならないと思う。しかし本員がいままで調べた範囲では、県教委は、市町村の学校給食がどのように運営されているか全く無関心でなかったかと思うのであります。
那覇市には17の単独給食校があって、1校当たり年間3000万円から5000万円ぐらいの給食を行っておりますけれども、それは栄養士1人で物品の購入から会計の処理をしておりまして、教育委員会は監査も何も行っておりません。
さらに、共同調理場では、その区域の学校のPTA会長などで運営委員会をつくってその中で形式的に監査を行っているのであります。
この件について、那覇市の教育委員会に問い合わせをいたしましたところ、長い間の慣例で教育委員会としては直接の監査やあるいは指導監督は行ってないと、こういうあいまいな答弁でございます。この状態を放任すれば、いまに大きな不祥事件を引き起こしかねない仕組みで給食事業が行われているということであります。教育長はこのことについて各市町村の実情を掌握して指導監督の義務があると思いますが、これに対する教育長の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
2点目は、過密校解消と老朽校舎の改築についてであります。
教育庁は、53年度で校舎は本土並みに達成できるというお考えのようでありますが、都市地区の過密校解消はまだまだこれからだという段階でありますが、教育長はこれに対する対処策をどのように考えておられるか。
また、二十四、五年前にできた校舎はかなり老朽化し、不適格校舎が多いと思われます。これら建てかえを必要とする校舎がどれだけあるのか。
さらにまたこの場合、建てかえの国庫補助は4分の3で、4分の1は地元負担となるので、これではとうてい市町村の財政負担が対応できない状態であります。これを新築同様10分の9補助ができるようにすべきだと思うが、県はこの件について対政府折衝をしたことがあるか。
次に、昨年12月、議会で嘉手納基地周辺の県立高校の防音対策をして生徒の学習環境整備を図るべきであるという指摘をいたしましたら、当時の仲宗根教育長は、基地周辺の高等学校の防音教室は必要でないということではなくて、これについては抜本的対策を検討していくと答えられました。その後、この問題についてどのように検討され、どのような結論が出されたのか御説明を願いたいのであります。
以上の件について御質問をいたしまして、あと御答弁によって再質問を行いたいと思います。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) 適切な御質問であり、多岐にわたっておりますので、具体的な問題については各部長から答えさすことにいたします。取り落とす点につきましては、再度また御質問をいただけば補足をさせたいと思っております。
お説のとおり、沖縄の振興開発計画については、計画前期の5年間を概括しまするというと、その事業の積極的な推進によって実効が上がっている面もありますが、反面また道路整備とか都市公園整備、あるいは社会福祉施設、医療施設等の整備がおくれている部面が見られます。
先ほど、それを項目別に進捗状況をということでありましたので、この点は関係部長から答弁させます。
その計画期間内では、本土との格差を是正することが困難と思われる事項もありますので、このようなことからして、県としましてはこれまでの計画及び実績の反省と総括を行いながら、計画後期における課題と施策について体系的に整理し、目標年度に至る展望を行い、県政を効果的に進めるため「沖縄振興開発計画の後期における課題と施策」を策定いたしました。その過程で、復帰及び戦後処理等まだ解決を見ていない県政運営上の問題点なども整理をして、沖縄の各面にわたる本土との早急な格差是正等ができるよう法令等諸制度の改正を必要とするものは、その改正について実現が図られるよう国に要請し、計画の延長を考えた第2次振興開発計画の策定も予定いたしております。
国におかれては、第2次振興開発計画に向けて振興開発審議会総合部会の下位機関として専門委員会の設置を見ております。この委員会では、人口、所得及び雇用の現状と方向並びに産業の現状と振興策に関することを調査審議することとなっております。
県におきましても、諸法令の研究、調査、資料の収集等を今年度で実施するよう予定しております。県民の意見も十分に反映しながら、最終目標であります平和で明るい豊かな県づくりに努力していく所存であります。
次に、主要プロジェクトの件に触れておられましたが、54年度の国庫支出の要請作業は、いま各部局で事業を選定、またその事業量の確保等について検討中でありますが、国庫要請に当たっての基本的な考え方といたしましては、県内の経済、社会情勢及び雇用失業情勢に対処するため、当面公共投資に依存せざるを得ない状況等を考慮して、引き続き財政が積極的役割りを果たすこととし、特に次に重点を置いて要請をいたしたいと思っております。
1つには、振興開発計画に基づく諸施策を積極的に推進するため、前年度以上の事業枠の確保を図ること。
2番目に、沖縄が置かれている地理的、社会的条件による特殊事情があるということを十分に踏まえた上にやること。
次に、放棄請求権の補償、つぶれ地の補償等戦後及び復帰処理関係の諸問題がたくさんあると、この事実も十分に認識の上に考えていくということ。
県経済の景気浮揚対策及び雇用対策として、公共事業に依存する度合いがどうしても高くならざるを得ないということ。
5番目に、県や市町村の財政基盤が脆弱であるということ、こういうことを十分に踏まえてやろうと。
なお、54年度国庫要請に当たって大型プロジェクトの御指摘もありましたが、水資源の開発あるいは交通通信体系の整備、流通輸送体係の整備、農業基盤の整備並びに生活環境の整備ということがたくさん残されているとこう思っておりますので、こういった問題に積極的に取っ組んでいくようにということで目下各部局においてその採択事業の選定を行っているところであります。
一段落ついたという考えかということもありましたが、われわれとしては一段落ついたと、そういったことは考えておりませんで、さっき申し上げたとおりまだまだ残された問題が多いと、それをただ多いだけでなくして、過去の実績を振り返り見つつ、また現時点を十二分に把握した上に取っ組んでいきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
次に、那覇空港でありますが、これも具体的な問題については関係部長から答弁いたしますが、沖縄振興開発計画及び御指摘の3全総でも那覇空港を国際交流の拠点としての空港整備はうたっております。国が策定したその上位計画の精神を十分尊重し、その計画が実現できるよう県としまして最も重要な課題として強力に推進していく所存であります。
県としましては、53年度にこれに対応するため専任職員を配置して推進のための検討を進めることにしましたが、54年度には墓礎調査を行い積極的に取っ組む所存であります。
なお、那覇空港の整備について、県としても国と一体となって那覇第1種国際空港建設を強力に推進する所存でありますが、スケジュールとしては54年度に基礎調査を行うとともに、県民のコンセンサスを得るための研究会等を設置する予定であります。なお、運輸省の第4次空港整備5カ年計画は56年度からスタートすることになっておりますので、この計画に組み入れられるよう準備を進めているところであります。
次に、工業団地のことについてお答えいたします。
現下の深刻な失業問題と雇用不安を解消し、県民生活の安定向上を図るためには第2次産業の振興が必要であり、そのためその受けざらとしての工業用地の確保が急務であるとこう考えております。
このため県としては、沖縄振興開発特別措置法に基づき糸満、南風原、具志川、読谷を工業開発地区に指定して工業用地の確保に努めているところでありますが、さらに現在糸満市土地開発公社が糸満漁港整備事業と関連してその背後地の埋め立て造成を計画しており、その中で水産加工団地75ヘクタール、中小工業団地72ヘクタールを工業用地として予定しております。県としてもこれを促進し、同地域において現在市街地に散在する工場の移転拡大を積極的に推進していく考えであります。また内陸部における工業用地につきましては、他土地利用との関係でその確保が困難な状況にありますが、総合的土地利用計画との調整、及び軍用地転用計画との連携のもとに計画的な確保を進めていきたいと思っております。
なお、企業誘致については、これまで立地の動きのあった家電工業等二、三ありましたが、これは長期にわたる景気の停滞及び円高により企業の設備投資は依然として手控えの状況にあり、進展を見ていないのが遺憾ながら実情であります。でも、今後ともわれわれとしては、引き続き折衝を重ねて誘致の実現に努める所存であります。
糸満のことに触れておられましたが、これはお説のとおり決裁が私のところに近く来るということを聞いておりますが、いま回っていると聞いております。
これは豊見城村と糸満市との間の問題がありましたが、これはさきの議会でも申し上げましたが、昨年の12月基本的な合意が市村の間でなされて、現時点における工業団地埋め立ての規模、護岸の構造など具体的な審査を行い、その後国との事前調整を数回実施しほぼ調整が完了したので、大臣認可申請に向けて現在関係部局の決裁をいまやっているところであります。決裁が完了次第認可申請をして、認可については国のまた担当課の具体的な審査、環境庁との調整等があり相当期間かかるものと予想されますが、できるだけ早く認可できるよう努力いたしますが、先ほどその認可はいつごろになるかという御質問がありましたので、これは事務的な面のこれまでの取り扱い等の関係もありまして、どの期間ということは関係部長から答弁さすことにいたします。
次に、パイロット訓練飛行場の件でありますが、これは正直のところ私としても非常に頭を痛めておるところでありますが、幸いにして国の方とされても、前知事が大臣と確認された事項については十分御理解をいただいて、それを踏まえた上で国と両航空会社と県と3者がいまどのような形で管理運営したら、県が目指した所期の目的を達するかについて話し合いを進めているところであります。具体的な問題について、御必要とあれば関係者から答弁さすことにいたします。
これはいまのところ管理会社の話でありまして、第三セクターという言葉は使っておりません、管理会社をつくってそこでやるには、じゃ具休的にどうするかということについてさき申し上げましたように、国と航空会社と県と3者が話し合いを進めているところであります。その内容等について、もし御必要とあれば現段階において報告できるだけは関係部長から報告させたいと思っております。
なお、交通方法変更につきましては、最初未買収道路との関連もあってなかなかはかどらなかったわけでありますが、最近急ピッチにこれが進んでまいりました。でも、これは近いうちに国と、国の出先機関、対策協議会を持っておられますので、これと、向こうも十分に調査をされておられる、われわれも調査をその都度やっておりますので、持ち寄って早目に総合的な点検をして、どうしても間に合わすように万全の対策を整えなければいかない。万が一間に合わぬ場合にはどうするかと、それはやはり継続して行えるようにしなければいかないとこういうふうに考えておりますが、なお特別事業等の予算獲得の状況等につきましては、これは各関係部長から現段階における状況を詳しく報告させたいと思っております。
取り落とした点があるかもしれませんが、再度の御質問をお願いします。
○議長(知花英夫思) 野島副知事。
〔副知事 野島武盛君登壇〕
○副知事(野島武盛君) 仲村議員の御質問に対しまして特にいま知事からお答えをいただきましたけれども、下地島パイロット訓練飛行場の事項についてその開港の時期は54年4月に間違いないかというような具体的な御質問でございますが、これについても後の御質問の公共は決断したかというような御質問と関連がありますのでお答えを申し上げますけれども、公共についてはまだ決断をしておりません。
理由は、現在この管理運営に対する基本的な事項、知事の御答弁もあったと思いますけれども、いわゆる当時運輸省と取り交わされた管理運営に対する基本的な事項を踏まえて、これをどういう形で生かすかということがいま問題になっているわけであります。したがって県としては、問題点となる事項についてこれを運輸省に文書でもって照会をしたいと。その回答を得て内部で検討を進めたいと、こういうような段階でございます。
なお、無線・気象は、いずれにしてもこれは国でやってくれという要請をしてあるんだが、結局国でやるとすれば公共を受け入れたということで理解していいかということでありますけれども、無線・気象あるいは航空管制等についての基本的な飛行場の運営については、非公共、県営であってもこれは国の段階でなければ実施不可能であるというような考え方に立っていたわけであります。したがっていままで非公共、県営という線を打ち出しながら、無線・気象の事項の運営については立法措置でなければ現行法では無理であるという国の答弁もありますけれども、県としてはあくまでも無線・気象・管制等については国の段階で運営をしていただきたいという基本的な考えは変わってないわけであります。したがって公共になろうと非公共であろうと、申し上げました事項についてはあくまでも国管理でやっていただきたいという基本線であります。
なお、事業委託はいつまでに詰めるかということでありますけれども、この事業委託についても現在事務段階で数回となく運輸省を中に入れまして民航と詰めている段階であります。ただ時期的には、やはり54年度の予算要求との関連がございますので、遅くとも8月いっぱいまでには基本線を出さなければいけないであろうと。でき得れば、6月いっぱいにはその基本線を固める必要があるとこのようにわれわれは見ております。
したがって、54年度の4月開港ということはあくまでも努力をする必要があるので、その時期を開港をめどにして運輸省は、さきにここで発表も申し上げましたけれども、当面のいわゆる訓練飛行場の利用計画というものを発表いたしております。あの線は現在も変わっておりませんので、54年度の4月開港については、あくまでも現在事務段階で進めているところであります。
○議長(知花英夫君) 企画調整部長。
〔企画調整部長 吉元嘉正君登壇〕
○企画調整部長(吉元嘉正君) ただいまの御質問に対しまして補足したいと思っております。
まず、第1点目の長期計画の見通し関係でございますが、御指摘のとおり道路整備あるいは都市公園、社会福祉、それから医療、特に社会教育関係の施設等につきましては、前期の5カ年の達成率から見ますと非常におくれていると。いわゆる本土水準と比較しましたらおくれているということなどもございまして、そういった事項などを重点的に今回策定しました課題と施策の中には織り込んでございます。
もちろんそれだけではないんでございまして、それ以外の事項につきましてもおくれた分につきまして、あるいはまた可能な限りの事項につきましては精力的に検討をし策定してございます。そして総体的には、GNPで年平均4%程度の成長率を見込んでおりますので、その件についてはいまのところ大丈夫ではないかとこのように見込んでおります。
それから項目別の、いわゆる各行政項目別の実績目標もあとう限り本土水準を目標にし、そしてまた県内の持つ諸条件を加味しながら検討し策定してございますので、目標達成は可能というぐあいに踏まえているわけでございます。
それから数字的な面で、工業生産の生産額が経済見通しすなわち52年度の経済見通し及び長計の課題と施策の数字とは違うんじゃないかと、そしてまたその達成可能度はどうなんだということでございますが、御指摘のとおり数字そのものは違っております。その違いとしましては、長期計画による数字は50年度価格で表示したものでございまして、それから毎年度発表しております経済見通しの資料での52年度、この資料は52年度価格で評価していると。すなわち2カ年のずれがあって、そこにいわゆる物価水準の差がございますので、そういったことによる違いでございます。したがって52年度価格は少し割り高になると、こういうことでございます。
それから次に、那覇空港整備計画でございますが、この件につきましては知事から基本的な考え方並びに今後の大まかなスケジュールにつきましては御答弁がございましたので、国との折衝経過はどうなんだという御質問がございました。国に対しましては、現在この問題につきまして事務的に話し合いを進めておるわけでございます。具体的には、54年度に本県に関する調査費が国において予算化してもらうように、そしてできるようにということで総合事務局あるいはまた東京サイドの開発庁本庁とも話し合いを進めてお願いを申し上げているところでございます。
それから交通方法変更に関する問題でございますが、総括的に特別事業の現況につきまして申し上げたいと思っております。
御案内のとおり、特別事業としましては交通安全教育センター、第2点目には道路整備の促進、第3点目には交通災害医療センターの設置と、この3項目を特別事業として去年来国に強く要請をしてまいっておるわけでございます。
交通安全教育センターのうちの安全運転学校及び交通管制センターにつきましては、関係省庁との折衝も順調に進んでおります。
交通公園の建設については、現在用地の選定作業を進めております。問題点としましては、補助率の問題でいま国の方と詰めの段階に入っておるわけでございます。
それから道路の整備については、政府は昭和53年度を初年度とする第8次道路整備5カ年計画で対応するとの考え方を示しておりますので、県の要請はほぼ実現するのではないかと私たちは踏まえております。
それから交通災害医療センターについては、国立病院としての設置は国の財政上及び国の定員法との関連からその折衝は非常に困難を来しておるわけでございますが、目下県の主管部が中心になりまして開発庁、それから総理府、厚生省と精力的に詰めておるところでございます。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 知事の答弁に補足いたします。
まず第1点、糸満の埋め立ての問題でございますが、知事が答弁されましたように現在内部で決裁中でございますが、できるだけその決裁を早めまして早く提出したいと思っていますが、いままで国においてどのぐらいの日にちがかかるかという御質問でありますが、いままでの普通の例からいたしますと3カ月ないし6カ月かかるのが普通でございますが、できるだけ早く認可してもらうよう建設省、環境庁に働きかけていきたいと思っております。
その次に、安謝交差点、古波蔵交差点、垣花交差点の着工の時期の問題でございますが、古波蔵交差点は今年度で調査を終わりまして、現在立体交差を前提として用地も確保されていますので、54年度に着工する計画でございます。
垣花交差点と安謝交差点は国の事業でございますが、垣花交差点については立体化の設計はすでに完了しているそうでございまして、都市計画決定の手続を現在やっているところでございます。今年度から舗装工事に着手いたしまして、用地買収が済み次第着工していきたいというのが国の方針のようでございます。
安謝交差点につきましては今年度で調査費がついて調査を始めますが、着工の時期はいろいろ周囲の物件、用地との問題がありまして現在まだ明確ではございませんが、できるだけ早く着工してもらうよう国に要請していきたいと思っております。
それから下地島訓練飛行場の件について補足いたします。
管理運営の問題でございますが、第三セクターか民営かというふうなことでございますが、現在飛行場の管理運営については国、県、民航によっていろいろ会議を重ねておるところでございますが、先ほど副知事の説明にもございましたとおり、まだ最終的な結論は出ておりません。
県として、現在基本的な考え方といたしましては、設置管理者として許認可権や監督権は県が持って、可能な限り業務を委託していきたいと思っております。第三セクターは考えておりませんで、委託会社は民間航空会社の設立する管理会社を県としては想定していろいろ関係のところと現在話し中でございます。
○議長(知花英夫君) 教育長。
〔教育長 前田 功君登壇〕
○教育長(前田 功君) 学校給食費の件についてお答えいたします。
学校給食費は、各学校が児童生徒の保護者からこれを徴収いたしまして校長が管理しております教材費的なものであって、現段階では私費と考えております。したがってほとんどの市町村が、市町村の予算には組み入れられてないのが現状であります。しかしながら、この学校給食費はその性質上公金に準ずるものであるという理解をしておりまして、この適正な管理運営については十分な配慮がなされなければならないということは御指摘のとおりでございます。
県といたしましては、国や公費による補助金に関係あるものは当然各市町村の予算を通しまして、したがいまして市町村の監査委員がこれを監査し、学校給食費につきましてもその適正な管理運営を図る上から市町村の監査委員やあるいはPTA、その他の者による学校給食費に関する監査機関を設けて監査を行うよう従来まで指導してまいっておりますが、今後とも市町村教育委員会や学校長に対してこのような指導を強化して、いささかの疑惑も生ずることのないように指導していきたいと考えております。
2番目の過密校解消対策についてでございますが、復帰後の学校建築につきましては大変おかげさまで順調にいっておりまして、先ほどもお話ありましたように、昭和53年度現年度の予算を消化する時点でほぼ小中学校の校舎の達成率は90%に達する予定でございます。ほとんど本士並みになるわけでございますが、昭和54年度以降は先ほど御指摘がありました過密校の解消や、あるいは老朽校舎の改築等に力を入れていきたいと考えております。過密校解消につきましては基本的には用地確保等に大きな問題点、難点がございますけれども、県といたしましても市町村に対して積極的に協力して過密校解消を推進していきたいと考えております。
次に、老朽校舎の改築の問題でございますが、教育庁では、昭和48年の10月に各市町村に対しまして小中学校の建物の老朽化の状況を一定の基準を示して調査いたしたわけでございます。
この調査によりますと、当時の学校建物の16%に相当する11万9000平米の建物が何らかの形で老朽化の現象があるとの報告を受けております。後に県が詳細に調査検討した結果では、この11万9000平米のうちに3万7000平米が緊急に改築を要するものといたしまして、それに県立学校の3000平米を加えまして約4万平米を52年度から年次計画で解消を図ってまいっております。しかしながら終戦後20年間に建てられた建物約40万平米のうちには、建築資材や施工技術に起因する老朽化現象の進化が著しい建物が多く見られておりますので、今後さらに詳しく再調査いたしまして56年度までにこれらの建物について年次的に改築をしていきたいと、このように考えております。
なお、校舎の改築についてこの補助率が4分の3であるので、新築同様10分の9にすることについて県はどのように進めてきたかということについてでございますが、市町村からの要望に基づきまして県といたしましても事務段階で関係省庁――文部省や開発庁に一応この申し入れをいたしましたけれども、現段階では法律事項であるので改正が困難であるという消極的な返事をもらっておるわけでございますが、引き続きこの面についても努力をしていきたいと考えております。
それから基地周辺対策といたしまして県立学校の防音施設についてどのように考えているかということでございますが、県立学校で防音対策を要する学校は高等学校で9校――読谷高校、石川高校、具志川商業高校、美里工業高校、美里高校、中部工業高校、北谷高校、普天間高校、中部商業高校、それから特殊学校1校――美咲養護学校、この10校が一応防音対策を要する学校だと見ております。
具体的な防音対策については、いま具体的計画を作成して進めている段階でございます。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 仲村正治君。
〔仲村正治君登壇〕
○仲村正治君 振計の前期でおくれたものを後期の課題と施策の中で特に格差是正が必要とされている都市公園、街路整備、老人福祉センター、児童館、医療施設、社会体育施設は今後重点的に整備をしていかれると、こういう御答弁でございましたけれども、後期に入って2カ年目を迎えております。あと3年しか残っておりませんけれども、これの達成できるかどうかについてはおおよその見通しはつけられるものだと考えますけれども、それが計画どおり達成できるかどうか。またその場合、国庫補助に対応できるだけの財政の裏づけはあるのかどうか、これをまずお尋ねしたいと思うのであります。
次に、企業立地についてでありますけれども、第2次産業の振興開発は失業率の高い本県として雇用の拡大を図るとともに、県民経済を支える重要な役割りを担うものでありますが、先ほど知事はいろいろと今日まで御努力なさった件についてはよく理解をいたすものでございますけれども、しかしこれが実現を見ていないのであります。
そこで、知事が以前にお話のありましたガラス企業誘致にかなり突っ込んだ先方との接触があったようでございますけれども、これがどのような経過になっておるのか。
それと、最近船舶の修理解体の企業立地のことについても検討されているということを聞いておりますけれども、この点についてはどういうふうになっているのか、ひとつ御説明願いたいと思います。
ただしかし、私が非常に心配いたしますのは、企業誘致を図るときに自然保護や環境保全に名をかりて、拒否反応を起こす本県の革新風土の中には企業誘致は余りなじまない感じもいたしますが、知事が56年の第2次産業を23.4%、2651億円に伸ばし、工業出荷額を5453億円にするんだと先ほど企画調整部長は数字のどうのこうのというお話もありましたけれども、これは前回の議会で知事が答弁なさった数字をそのまま取り上げてございますので、それが本当に達成できるのかどうか、またどういう産業配置によってそれを具体化されていくのか、説明を願いたいと思います。
それから振計で土地利用計画は重要な柱であります。去る2月定例議会で、本員が軍用地の跡地利用が遅々として進まぬことを指摘いたしましたら、地籍の不確定を理由にされているようでありますが、現在軍用地内の測量作業はどんどん進行して1筆ごとのくい打ち作業もほとんど進行している状況であります。行政の姿勢として他人が条件整備をするのを待つのではなくて、みずから進んで障害となるものを取り除き、条件の整備を図るようにすべきでないかと私は思うのであります。
軍用地の跡地利用についてはいろいろ困難な問題がつきまとうことはよくわかりますけれども、障害物があるからだめだといえば軍用地の跡地利用はいつまでたってもできないのではないかという感じがいたしますので、ひとつ積極的に利用促進を図っていただきたいと思うが、これに対処する姿勢をお聞かせ願いたいと思います。
以前、臨空港開発の関連で具志地区のことをお尋ねいたしましたら、これも地籍が不確定だという御答弁でございましたが、もうくい打ちはすでに完了しております。県としてそれに対応する姿勢ができているかどうか、まずその点についても再度お聞かせを願いたいと思います。
振計の中で、国際交流の拠点となるのは何といっても空港と港湾であります。そういう意味からやはり空港と港湾の健全経営、管理運営が果たされなければならないと思うのでありますが、私はたびたび那覇港の管理運営について管理負担が不公平である、これは受益者全体が負担すべきであるということを主張しておりますけれども、今日まで那覇市は約6億円、55年までに9億円の赤字が出ます。これを那覇市民だけで負担しております。こういうことでは、県が幾ら40港抱えて非常に財政的に困難であると申されましてもこれは理由にはならないと思いますので、この点ついていま一度明確にその方針をお聞かせ願いたいと思っておるのであります。
54年の予算骨格づくりについてでありますが、県は53年度で復帰処理の大型プロジェクトが一段落して次年度に向けての目玉プロジェクト探しをしているということでありますが、振興計画の主要プロジェクトでまだまだ計画の域を出ない事業がメジロ押しにあることを感じておるわけでございます。
まず、その主なものを申し上げますと、中城湾港の建設、中央卸売市場の建設、沖縄自動車道の南進、糸満漁港に関連しての水産加工団地の造成、那覇国際空港の第1種格上げ、那覇空港の臨空港地区の開発等々の事業はどれもいますぐ取り組まなければならない事業でありますが、これらの大型プロジェクトの実行計画は一体どうなっているのか。
先ほど副知事は、中城湾港は55年度からやるのでそれとは別だということでありますけれども、以前から計画されたものが手がつけられずにいまからプロジェクトを探して来年度の予算にのせようということ自体、私は無理な話でないかと思うからであります。
さらにまた、県は2月定例議会で県体協から国体誘致決議要請がなされたときに、県執行部も革新与党も振興計画の後期事業や、これらの大型プロジェクトが手いっぱいで、現段階では国体誘致のための体育施設整備には手が回らないという理由があったのでございますけれども、それほどまでにやはり振興計画の事業がおくれているということであれば、前議会の国体誘致の反対の考え方も、反対でなくてそれをちゅうちょする考え方も通らないんではないかというような感じがするから私はあえて指摘をするものであります。
それから那覇空港の第1種国際空港化を目指す県の姿勢と関連してお尋ねいたしますが、第1種格上げを国に要請するからには、何といっても現在の国際路線の既得権の確保と積極的な国際路線開拓を図ることだと思うのであります。現在那覇空港の国際路線は、パンナムが那覇―台北間を週3便、日本航空が那覇―香港間を週1便、そのほかに臨時便が中華航空、日本アジア航空が那覇―台北間に就航しているが、パンナムが採算問題で来る9月30日で廃止するという状況の中で、日本アジア航空が定期航路を開設したいという陳情があって、去る5月22日に企画総務委員会での審議がなされたのでありますけれども、その席で企画調整部長はきわめて消極的な御答弁をなさっておるのであります。
私は、国際路線開設について県が相手国を区別するような態度は全くこれは許せない態度だと思います。私は台湾政府だからという考え方で企画調整部長は確かにそういう姿勢を示しておられるものだと思いますけれども、那覇空港の開設に当たってその国際路線の相手国を本当に区別する気持ちがあるのかどうか、いま一度ここで明確に答弁をしていただきたいと思うのであります。
次に、臨空港地区の開発についてでありますが、企画調整部長は本員の質問に対して、臨空港地区の開発は第1種国際空港建設とあわせて検討するんだということを答弁なさっておられますが、皆さんの計画としては54年度から調査費をのっけてそれの建設を促進していくということでありますが、これはまだいつできるかわからない状態であります。しかし、この空港周辺ではどんどん軍用地が返されていきます。これを国際空港建設と同時にやるということでは、本当に無責任な考え方だと思いますけれども、いま一度この臨空港開発についての考え方を説明していただきたいと思うのであります。
学校給食法施行規則第1条第6項は、同法施行令第1条の都道府県教育委員会へ届け出の義務を受けて規定されたものであると思いますけれども、その中で「学校給食の運営に要する経費及び維持の方法」、あるいは「学校給食用物資の人手及び管理の方法」、こういうものを一々教育委員会に届け出なければならないような義務があります。きのう私は教育委員会にその件について問い合わせをいたしましたところ、本当に各市町村任せな状態でありますので、私はいま一度きちっとした指導をしていただかないと取り返しのつかない不祥事件を引き起こしかねない状態で給食事業が運営されているということを、特にお願い申し上げたいのであります。
それから過密校解消についてでありますが、教育長は53年で本土並みに達成できるということでありますけれども、那覇市を中心とした都市地区ではプレハブ校舎で真夏の酷暑の中で授業を進めているような状況でございます。これでも本土並みに達成できたという感覚、数字の上でどう出ているかわかりませんけれども、現実の問題としてこれは単なる過密校解消ということでなしに、やはり私は教室不足という考え方からでもこれは早急に解決をしなければならない問題だと思いますけれども、過密校解消、さらに教室不足の解消という両面から強力に対処していただきたいことを特に御要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○議長(知花英夫君) 野島副知事。
〔副知事 野島武盛君登壇〕
○副知事(野島武盛君) 仲村議員の御質問の中で、特に那覇空港の国際空港化についての御指摘で国を区別する、いわゆる乗り入れ国を区別する考え方があるのかというような御質問でございますけれども、決してそういうような考え方は持っておりません。したがって知事もそうお考えだと思いますけれども、ある企業が乗り入れをしたいと、いわゆる定期便を就航させたいというような申し入れ等があったことはいま御指摘をいただいたとおりであります。
したがって、これはあくまでも国益ということから考えると、日本の企業がそこに乗り入れていくということが好ましいんであります。したがって県としても、そういうような考え方で運輸省あるいはこれは国際的な問題がありますので、外務省に対してもいわゆる日本の国の企業が定期便として就航することは好ましいというような考え方を持って私が話を申し入れたことがあります。
○議長(知花英夫君) 企画調整部長。
〔企画調整部長 吉元嘉正君登壇〕
○企画調整部長(吉元嘉正君) まず、長期計画の後期目標年次までの見通しの件でございますが、後期すでに2カ年目に入っているわけでございます。したがいまして一応52年度の実績、行政実践は終わったわけでございますから、それの評価について現在各部局において作業を進めておりまして、でき次第後期の第1年次であります52年度の実績については検討し、今後進めていきたいと思っております。
御案内のとおり、この計画はいわゆるローリングシステムをとっておりまして、年次ごとにその実績などを踏まえ検討して将来事業計画などを修正していくというような方式をとっておりますので、その都度達成可能性、あるいは達成可能のむずかしい点などにつきましての修正あるいは調整などは行われていくわけでございます。いまのところ、私たちが設定しました56年度目標はおおよそ達成できるものというぐあいに考えております。
それから那覇空港周辺の跡利用の問題でございますが、那覇空港周辺には現在那覇市域の約15%に相当する547ヘクタールの広大な軍用地が存在しておりまして、各面で大きな障害となっているわけでございます。すでに第14、第15回の日米安保協議委員会で移転措置の合意を見ました那覇空軍及び海軍の補助施設については昭和53年度から、それから55年度以降にわたって返還がなされる予定として聞いております。しかし現在、那覇港湾施設については返還のめどは立ってございません。
そこで、さしあたって具体的な返還スケジュールが決まっております那覇空軍及び海軍補助施設の地域については地主、那覇市とも十分に協議を行いまして、臨空港型の産業立地などを含めまして検討していきたいと。すでに那覇市では、その向きの予算措置等も講じたというぐあいに聞いておりますので、地主側あるいはまた市当局とも連携をとりながら合理的な跡利用計画を考えていきたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 労働商工部長。
〔労働商工部長 金城慎徳君登壇〕
○労働商工部長(金城慎徳君) 企業誘致について若干御指摘ございましたんで、御説明申し上げたいと思います。
工業団地との関連で先刻知事から企業誘致の状況等、あるいはまた国内的な状況等について御説明がございましたとおりでございまして、その間具体的に御指摘のございました一部企業についてどうなったかという御指摘でございますが、ガラス関係につきましては、御指摘のように立地したいという情報を私どもキャッチいたしまして早速調査等を進めて、先方からも沖縄に来ていただきまして用地等の選定の世話等もみたわけでございますが、向こうの企業側の事情によりまして立地の実現を見なかったわけでございます。
さらに、船舶の修理解体等についてでございますが、御指摘のように一部そういう話ございます。現在関係企業と接触を進めておりまして、内容等につきましては、いましばらく答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 那覇港の維持管理費の補助についてお答えいたします。
那覇港は、現在那覇市において管理いたしておりますが、港湾収入だけでは運営ができず、一般会計から多額の繰り入れによってようやく収支を保っている実情でございまして、那覇市として県に対しまして国庫補助事業の対応費及び市単独事業費について、県に対して一部負担をしてもらいたいと再三陳情があるのでございますが、県も重要港湾3カ所、地方港湾40カ所の整備事業や維持管理に多額の経費を要して、非常に苦しい財政事惰であるために今日まで実現することができなかったのでございます。
県としては、港湾環境整備事業などの高率補助、あるいはまた維持管理費の国庫補助制度の確立について国に対して要請しているところでございますが、今後とも引き続き要請を続けていきたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 休憩いたします。
午後0時3分休憩
午後1時 再開
○議長(知花英夫君) 再開いたします。
次の質問に入ります前に報告いたします。
説明員として本日の会議に出席を求めた出納長赤嶺武次君は、別用務のため本日午後1時から3時までの間の会議には出席できない旨の届け出がありました。
○議長(知花英夫君) 午前に引き続き、代表質問を行います。
石垣喜興君。
〔石垣喜興君登壇〕
○石垣喜興君 本員は、自由民主党所属県議団を代表する議員の1名として県政の諸問題について所見を述べ、質問をいたしたいと思います。知事の適切なる御答弁を求めます。
本県の置かれた経済構造については、地理的に、歴史的に他府県とは著しく異なった構造的特色のある県でありまして、移入、移出のバランスのとれない赤字県であり、特に第1次産業中農業を見た場合、暴風、干ばつ、地勢等自然条件も悪く、おまけに基本施設の乏しさも相まって病害虫、輸送等マイナス面が余りにも多く、人口106万人は経済的効果、バランスのとれた人口数といえず、加えて2次産業の低迷は雇用情勢の悪化を招き、復帰による本土経済へのふなれ、米軍基地の縮小等による経済の変動など、県民の暮らしに大きく変化をもたらしているのが現状であります。
このようなとき、県政を担当する平良知事の苦労もわからぬではないが、初心を忘れた革新県政10年の甘えと、惰性というか、独善というか、明るく平和で豊かな沖縄県づくりは、いまや失業、青少年の不良化、学力低下、犯罪の多発、革新自治体の汚職等でかき消され、暗くて物騒で貧しい沖縄県に変わりつつある感がするのです。
ところで、県政運営のかなめである平良知事並びにそのブレーンが何を考え、何をなさんとしているか、改めて問いただしてみたいものであります。
さて、わが自民党県議団といたしましては、代表質問、一般質問を通して常に革新県政のなれ合い的行政、市町村行政指導の欠除、または無能無策ぶりを指摘し追及してまいりましたが、その都度知事並びに関係部長は精いっぱいの御答弁をなさってこられたと思いますが、ややもすればピント外れやその場逃れの感のする答弁も多かったようでございまして、革新県政なら革新県政らしく責任逃れの答弁でなく、的確に誠意ある答弁こそ県民の信頼を受ける行政担当者だと言われるのではないでしょうか。
そこで知事にお尋ねをいたします。
あの佐敷村、与那国町等の校舎建築に係る不正事件、浦添市教育委員会の不祥事件、宮古平良市の教育委員会での予算なし工事に端を発し、市農道の談合入札、業者指名に係る汚職事件、果ては現職の市長の逮捕という最悪の事態を招き、石垣市の埋め立て工事、浄水場工事入札問題、給食センター物資納入業者へ忘年会強要事件等々一皮むけば汚職、背任、背信に通ずる事件でありますし、近くは沖縄市における食い逃げ人事等実に見苦しい事件まで発生をしておりますが、これらがすべて革新自治体で発生した事件であります。
かつて、革新県政誕生とともに7つの統一綱領を発表したその中に、利権政治や県政の私物化を徹底的に排除し、常に県民大衆に奉仕する清潔な明るい政治を堅持し強化するとうたい、基本政策の中にも汚職、腐敗の根絶を図り、厳正公平な行政を執行すると明記してあるにもかかわらず、綱領や政策とはうらはらな事態が生じたことは、羊頭狗肉の看板のたぐいではないだろうか。わが自民党の小渡幹事長をして、革新勢力の末期的症状であり、「革新のいう清潔な政治のバケの皮がはがされた。」、「汚職は革新左翼の独裁体質がもたらしたもの」と、幹事長談話できめつけられてもいたし方ないことでありましょう。平良知事を支える革新与党の責任者の談話発表から推しても、知事は事前にこのような事態が起こらぬためにも市町村の指導を強化すべきではなかったでしょうか。
知事就任以来、幾たびかこのような問題含みの事件に対し、自民党県議団は質疑の中で警告、情報提供をなし訴えてきたのであります。たとえ地方自治体として、県も市町村も同じ地位にあるとはいえ、市町村に対し綱紀の粛正、規律の確立等を要請することは当然の務めだと思う。知事の指導よろしきを得ていたら、特に同じ革新の同志でもあり、平良知事誕生に力をかし応援をしてきた仲間でもありますから、このような事件は未然に食いとめられたんではないだろうか。
その上残念でならないことは、請負業者の資格認定は県の業務であり、免許付与または更新は知事である。県が付与、更新に際し厳しくチェックしていたら、工事請負ブローカーの暗躍も未然に防げたものではないだろうか。業界からも県に対し、業者資格許可または更新はもっと厳しくしてもらいたいとの要望も出されていたというのに、それこそずさんななれ合いによる交付、更新がこの結果を招いたともいえ、県の責任は重大だと言えると思う。
そこで知事、お尋ねします。
資材も機材も職員も抱えておらず、名ばかりの架空の請負業者に資格を更新したいきさつについて御説明を願うとともに、これまで知事のとってこられた市町村長に対する措置、今回あるいは今後どのように対処していかれるおつもりか御所見を聞かせてください。平良市の談合入札の顔ぶれを見る限り、名の売れた一流業者が参加していないところを見るとき何をか言わんやであります。
次に、青少年不良化問題について。
本県が酔っぱらい天国だと酷評されたひとときがあったが、52年の統計を見ると、飲酒して補導された少年が5628名にも上り、まさに少年の酔っぱらい日本一の現況にある。ちなみに九州全県での総数は1万9332名で、その内訳は鹿児島県が2989名、長崎県が1244名、福岡県が2876名、熊本県が1986名、大分県が1986名、宮崎県が1841名、佐賀県が1139名となっていて、人口類似県の宮崎の約5倍強となっています。
以上のような数字を見るとき、沖縄の子供らの生活態度や社会のしつけがいかになまぬるいものであるかがうかがえ、行政の責任者として強く反省せねばならないことだと思いますが、知事初め関係部局はこのような問題についてどう対処し、どう取り組んでいかれるおつもりかお尋ねをしたい。
最近、地域によっては学校、父兄、警察、地域住民がタイアップし夜間外出の取り締まりに当たると同時に、自動販売機のチェック、営業所への立ち入り等地域ぐるみの立ち上がりが報じられています。
知事、この際知事を先頭に県民総ぐるみになって青少年不良化・非行化防止運動を盛り上げてみられたら、ここらで手を打たぬと犯罪少年、非行少年が急増し、沖縄は日本一の少年犯罪県に成り下がりかねない状態にあります。このような事態を未然に防止するためにも、知事のお取り組みが期待されるときになっております。
特に、深夜排回の少年少女に女子高校生の数がやたらに多いというに及んでは、世も末の感がしてなりません。学力の低下もうべなるかなと感じます。知事の御見解と問題解決の手がかりとなる御計画やお取り組みがあれば、あわせて教育長、警本部長、生活福祉部長等の御説明をも受けたいと思います。
次に、雇用促進問題について。
沖縄の第1次産業の中心をなすものは農業であり、その農業で見る限り県内純生産9545億円に対し、農林業は489億円となって微々たるものであります。第1次産業就業者は昭和30年に17万8000人だったが、昭和52年には6万3000人に激減しております。それでも雇用者全体に占める割合は16%で、全国の11.9%よりやや高い水準にあると言われています。
沖縄の農業は基盤整備のおくれ、気象状況による激しい増減等が繰り返され、不安定の中の農業だのに、全国平均より多くの就業者がおることは沖縄の農業経済の脆弱さに一段と拍車をかけているものであり、ゆえにこれ以上農業面での雇用吸収力はなく、失業対策等に向けられるものでないことは御案内のとおりであります。
ところで、52年における県内完全失業者は2万9000人、完全失業率は6.8%で全国平均の2.0%の3倍を超える失業率で、特に若年層に多く30歳未満が過半数を占めているという。それに加えて復帰時には1万9000人いた駐留軍従業員が年々減少し、53年1月末までに軍離職者の数は1万1493人に上り、これらの離職者は中高年齢者が多く再就職は困難だと言われています。
そこで知事、若い者の就職の道を開かんことには中高年齢の軍離職者の就職はおぼつかない現状だと知るとき、職業訓練所の拡充とか、広域職業紹介を積極的に推進しますとかで解決できるものではないでしょう。
雇用問題については、52年2月議会で自由民主党所属の大田議員が代表質問で取り上げ提言を行ってありますが、反応もなく手の施しようもないまま時を移しているようですが、この際県内職場が確立されるまで思い切って若手の就職できる自衛隊へ自衛宮として送り出すことをお考えになったらどうでしょう。革新だから私は反対だと言っておれないのが沖縄の現状ではないでしょうか。保革を問わず他府県では県庁や市町村役場が中心となって自衛官募集に便宜を図り力をかしているときだけに、特に若年失業者の多い沖縄も考えるべきことではないでしょうか。松下電器その他企業誘致も立ち消えになっていますがどうなっていますか、あわせて知事の御見解を承りたい。
次に、畜産奨励について。
本県の農林水産業が他府県と比較して有利性が少ない現状だとするなら、それにかわる産業として畜産の振興奨励は当を得た施策だと思う。
ところで、豚やブロイラー等の奨励は企業的構造として指導されているため多頭飼育へと傾き、個々農家の補助収入的色彩はなくなり、一般農家から敬遠されてきています。それはそれとして採算性の面から、公害処理の面から了とされるといたしましても、牛に関しては沖縄の実情からして多頭飼育方式より三、四頭の個々農家飼育の奨励が望ましいと考えるのです。ところが県は10年前に立案計画された国の食肉牛生産基地としてのプロジェクトに乗り、多頭飼育優先の政策が目下推し進められているのです。
ところで、国際経済情勢の変化により輸入牛肉の多量買いつけを余儀なくされ、牛肉の暴落が目前に迫り、片方では国内産牛育成のための調整金制度も消費者の猛反対で改定せざるを得ない時期に近づくものと言われている。とすれば、肉用牛生産のための企業的多頭飼育農家は早晩経営困難に陥ることは必然であります。
そこで、わが自由民主党の畜牛奨励対策として個々農家に三、四頭飼育を奨励し、キビ葉飼料、自家製飼料による飼育をなし、畑への有機質肥料の還元をなし、だんだん老化していく沖縄の土壌を若返らすためにも有利性があり、老若家族の片手間労働による飼育も可能となり、牛生産農家の底辺の拡大がなされ、ひいては蔬菜、園芸農業との結びつきができ、複合農業への奨励につながり所得の安定がなされるなど利点があると思うのです。沖縄の風土に適した畜牛増産対策は、少数飼育農家への奨励助成を強化すべきときだとわが党の大城議員も2月議会に提言をいたしております。どう受けとめられましたか、あわせて知事の御所見を承りたい。
5番目、観光開発について。
復帰とともに観光事業の開発が叫ばれ、その起爆剤として海洋博の開催がなされたが、県民とのコンセンサスが十分行き届かないまま、受け人れ体制も十分講ぜられないまま鉄砲水の流れさながらあれよあれよという間に海洋博は終わり、振り返ってみたらすべてが当て違いという結果を残した。一時は観光の「か」の字すら言うことをはばかる心境だったが、時間がたち静かに反省するゆとりができた今日、やはり沖縄は観光以外県民を豊かにする道のないことを県民もひとしく認識するようになり、県へも本腰を人れて観光立県を推し進めてもらいたいと要望もあらわれてきた。
ところで、今後観光の振興は飛行場の整備強化にあると言われ、各県の知事が国際線またはローカル線の格上げや整備強化に血眼になっておるとき、平良知事の取り組みの弱さは腑に落ちないのがあるのです。
那覇空港は、世界的魅力ある国際空港に開発できるすばらしい条件がそろった場所であり、そのような良港をこのチャンスに開発できぬようでは悔いをに千載に残す結果になるでありましょう。すでに52年の観光客は48年の1.7倍、53年は2倍に近づくことは明白です。各離島のローカル線利用客も急カーブに上昇しており、宮古、石垣がジェット化し下地島飛行場が使用開始された場合、沖縄の空は文字どおり国際的宝の空になることは明白です。それから生ずるメリットは雇用の拡大、中小ホテルの浮上、観光収入の増加等はかり知れないものがあると思います。
そこで知事にお尋ねをいたします。
豊かな県づくりのため、イデオロギーを超えて第1種国際空港として整備拡張を推進なさるお考えはありませんか。
2、宮古、八重山を2種空港に整備格上げなさるお考えはありませんか。
3、その他の離島空港の整備、新設等の御計画はありませんか。
最後に、尖閣諸島問題について。
思いもよらない尖閣諸島海域に中国漁船団が領海侵犯をなし、退去勧告にも応ずる気配がないとのニュースに大騒ぎとなり、県議会も臨時議会が招集され、意見書をまとめて要請団が上京したことは御案内のとおりであります。本員も要請団の一員として上京いたしましたが、日本政府の要路の方々が口をそろえて申されることは、わが国固有の領土であり、沖縄県に属した島嶼であり、領土を守ることは当然である。今後は領土の実効的支配の確立に努めなければならないと。そこでヘリポートや避難港などをつくって実効的支配の事実を示すことも考えているとのことでした。ところが地主の了解や日中平和友好条約締結を前に、相手国を刺激するようなことを避けたいとの政府の配慮等があるように見受けられ、着手にちゅうちょがなされています。
ところで、尖閣諸島は沖縄の行政区域内にあり県土である以上、県としても自主的に取り組む必要があると思います。
さて、尖閣諸島のうち魚釣島、南、北小島、黄尾礁については国による海鳥の生息地、海岸植物など天然記念物指定がなされ、特に国際的保護鳥であるアホウドリは特別天然記念物に指定されておるのであります。
政府は指定はしたが、それに伴う実効的保護措置がなされていないため海鳥や卵が乱獲され、そのため領海侵犯、不法上陸がなされるのであります。とするならば、わが領土内で天然記念物が荒らされないよう禁止標識を立て専任の保護監視官を常駐させるか、常時巡視させるかなど天然記念物保護行政の立場から沖縄県が実施するなら、陸上での大げさな施設をするため地主の了解や他国への気がねも要らないし、あわせて尖閣諸島の実効的支配が自動的になされるとの意見もあり、一石二鳥の策と思うが知事の御見解を承りたい。
ついでに屋部副知事にお尋ねをいたします。
たまたま100隻余の中国漁船により領海侵犯がなされているさなか、訪中なさるとのことで時期的に適切ではないから思いとどまるよう自民党県議団から申し入れがなされましたが、友好が目的であり、相互理解を深めるためにも行くべきだとのことで決行なさいましたようですが、そこで副知事に次の点を御説明ください。
1、中国においてどのように尖閣諸島侵犯問題が理解しあえましたか。
2、訪中団の主催は県ですか、それとも他の団体ですか。もし他の団体としたら、団長をお引き受けになられた理由。
3、副知事以下県職員が多数県費で旅行したようだが、事実ですか。事実とすれば、その目的と職員数。
4、個人の勉強のため私費で旅行するなら話は別ですが、県費を使い、社会主義中国の現状を参観することが県政運営とどう関連がありますか。
以上お尋ねして、私の一応の質問を締めます。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) ただいまの御質問にお答えします。
私の言い足りない分は、関係部局長に補足をさせたいと思っております。
最初の市町村自治体の指導についてでありますが、数年来地方自治体にいろいろな事件が起きたということは、まことに遺憾に思っております。特に今回の平良市における事件は、いままでの報道からしましてもかつてない広さと深さを持つように受け取っております。
私は、日ごろから先ほどお説にもありました地方自治体としての県と市町村は同じ高さと、御指摘のとおりでありますが、職員を多く抱え専門職もおる立場から、指導助言の役目を十二分に果たし得るよう努力をいたしてきたわけでありますが、事務取扱の面とか認可の問題等について、これはそういった点については地区的に、あるいはまた時期的に1カ所でというふうに研修を継続して毎年施行しております。
もう1点は、心構えの問題だと思っております。この点は、そういった事件が起こるたびごとに、われわれはその事件当事者のことをかれこれ言う前に自分自身を顧みて、自分は厳正になし得たであろうかと。同時に厳正ではあったにしても、世間一般から不信を買うようなことはなかったかどうかということを反省し、いささかたりとも地域住民から不信を買うようなことがあってはならぬということを市町村長さん方にも、またもちろん県職員にも絶えずその点を話してきたわけでありますが、遺憾ながら今回の事件が発生したということは、惹起したということはまことに残念でたまりません。今後ともこういう面が起こらないよう最善の努力を尽くしていきたいと、こう考えております。
2番目の青少年不良化の問題は、これとも相関連する問題かと思いますが、お説のとおり青少年の好ましからぬ行動は、戦後逐年むしろ悪くなったといっても言い過ぎではないではないかといったようなことでありますが、私はその青少年を責める前に、やはりお互い社会人として指導者という立場において、どのようなことをなし得たかをその都度反省させるわけであります。
最近見たものの中に、10何年か前伊藤とかいう人が週刊誌に書いたという文句を私は初めは変に感じたんですが、やはりこの時局に当たるというと必ずしも変ではないという印象を受けたんでありますが、その言うておるところは、道徳教育、しつけということが必要であるとするならば、まず対象となるべきは政治家であり官吏であると、こういうことが書かれております。私は異様に感じたのでありますが、やはり書いた人の言わんとする気持ちがある程度想像できたのであります。
やはり、県全体の行政の最高の責任者と託された私は、常々こういうことを絶えず反省しながら、いささかたりとも疑惑を受けるようなことがあってはならないと。自分自身はもちろんのこと、職員にもその点を注意し、先ほど申し上げましたとおり市町村長さん方にもその話を寄り寄りやっているところでありますが、今回の不祥事件が起こったということはまことに残念であり、申しわけなく思っておる次第であります。
この青少年の問題につきましても、毎年春、夏、年末年始と3回にわたる青少年関係機関、団体、市町村、地域住民の協力のもとに青少年育成県民運動を展開してまいっておるわけでありますが、それでもなおこういった状態でありますので、さき御提案のありました県民総ぐるみの運動を何とかしてみたらどうかという意味合いの御提言につきましては、関係者と十分に話し合ってこの青少年育成問題に一段の力を入れてみたいとこう考えております。
次に、雇用問題でありますが、沖縄における雇用失業情勢の厳しい状況はお説のとおりであり、基本的には何といっても既存企業の振興と新規企業の立地により雇用の場の拡大を図ることだと思っておりますが、また当面各種援護措置の活用とか、県内の積極的な求人開拓及び広域職業紹介を強力に進めていきたいと考えております。
御提言の自衛隊への問題については、私としては考えておりません。
次に、畜産の件でありますが、昭和52年12月末現在における肉用牛の総飼養戸数、頭数、こういったものが例年に比べて減っておるようにあります。この数字的なことは、いずれ関係部長から説明させたいと思っております。
ところで、お説のとおりこの飼養規模別に見まするというと、1頭から4頭の階層の戸数が、戸数の割合にしては相当のパーセンテージを占めております。頭数はわずかであります。数字的なことは先ほど申し上げたとおり関係部長から申し上げますが、昭和50年におけるこの階層の占める割合、それから頭数等からいたしますというと、特に肉用牛の飼養戸数においてこの階層が中核をなしております。
これは、本県の基幹作物であるサトウキビと肉用牛とが農業経営の複合化ばかりでなく、梢頭部の飼料化とか、あるいはふん尿の畑地還元による地力の維持増進等緊密な結合関係があるのでこういった数字になっておると思いますが、したがって県といたしましては、この階層の育成は農業経営の安定はもちろん、肉用牛の安定的生産増殖の上からも必要であると考えております。
県としましては、この階層の担い手である高齢者等に対しても、また現在県が実施している家畜改良導入事業、沖縄県畜産公社並びに沖縄県肉用牛価格安定基金協会等が実施している肉用牛生産奨励事業及び価格安定事業等の諸制度を活用してこの階層の育成に努めていきたいと、こう考えております。
なお、県としましては肉用牛の振興を積極的に推進し、本県をわが国における肉用牛の一供給基地に形成するために肉用牛の振興に対する各種施策を強力に推進しているところであります。すなわち各経営階層に対応して畜産基地建設事業、家畜改良導入事業、肉用牛生産団地育成事業を推進しているが、これらは当然4頭以内の小規模階層の育成を十分に考慮しながら進めていく考えであります。
那覇空港に関する御質問は、午前の質問なさった方へのお答えのとおりでありますが、なお不足の点がありますれば関係部長から答弁させますが、ただ宮古、八重山を第2種空港にという考えはどうかというお説でありますが、いまのところまだ関係部においては、後で答弁させますが、私のところまでではまだそこは考えておりません。第1種空港の問題は、先刻答弁申し上げたとおりであります。
次に、尖閣列島の問題に関しては、お説のとおり国の方では何か遠慮なさっておるようなことをお話なさっておられましたが、この領土問題は、私どもの考えとしてはもう当初からはっきりしていることであると。問題は、油田の問題が出てきたのでややこしくなってきただけであり、油田問題をどのように処理するかは残された問題かもしれませんが、領土問題はすでに決着はついておる。
ただ、これがこんがらがってきたのは、1972年9月28日の共同声明後の日中国交回復がなされたときの、時の総理と周首相との会談のときの正式会談ではなくして、これは大平幹事長がおっしゃっておりますが、雑談の中になされたんだというあの言葉が問題になったのではないかと、こう考えられます。それは周首相との会談で、私の方から尖閣列島の領有問題をはっきりさせたいと持ち出したが――これは田中総理の言い分です――周首相は、ここで議論するのはやめましょう、地図にも載っていないし、石油が出るので問題になったというわけですがねと正面から議論するのを避けたと。この記事が、結局はたな上げ論みたようなかっこうになっていると思いますが、御承知のとおり尖閣列島は国際法上の先占に基づいて日本領土に編入されたものであって、他の国から一切文句をつけられたことはない。ただ1970年9月以降、中華民国あるいは中華人民共和国から領有権の問題が出たということは油田の問題との関係であると、こういうふうに理解いたしております。
すでに沖縄県知事からは、明治18年、明治23年、明治26年、3回にわたって時の政府にぜひ国の標識を早く立てるようにと上申されておりますが、ようやく27年に閣議決定に基づいて沖縄県知事に指令が出ておる、県でやりなさいと。その後も何ら問題はなかった。いまの知事に指令が来たのは、私の知る範囲内では明治28年の1月の21日。そしてこういった沖縄県知事からその当時出されたのは、すでに明治18年からこの問題は出している。それ以前から日本の領有であることに寸分の疑いもないと。
ところで、さっきのいろいろな御提言でありますが、これは教育庁に関係する点もあるようでありますので、その面から答弁させたいと思っております。
なお、御質疑に漏れた点がありましたら、再度の御質問によって補足もさせたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 知事の答弁に補足いたします。
建設業の許可の問題でございますが、一般的に申しますと建設業の許可は建設業法7条に規定していますが、経営業務の管理責任者がいるということ、2番目に専任技術者がいるということ、3番目に請負契約に関して誠実性を有していること、4番目に請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していること等々となっておりまして、許可の審査事務につきましては書類審査を行っています。不備、その他疑問の点があるときには関係者を呼んでよく疑義をただして調査しているところでございます。許可後不正書類で許可を受けたことが判明した場合には、建設業法28条によって許可を取り消すことになります。
今後、この建設業の許可に当たりましては、書類の審査をより厳正にいたしまして不正がないように努力していきたいと思っております。
最近の一連の新聞報道による宮古の建設業者につきましては、今後事態の推移を見守りながらできるだけ早い時期に実情を調査いたしまして、許可申請書類に不正行為が明らかになった場合には建設業法等関係法令の規定に従い相応の措置をする所存でございます。
次に、宮古、石垣空港の2種空港の問題でございますが、現在石垣、宮古両空港はジェット化の準備に向けて整備を急いでいるところでございますが、2種空港は、主要な国内航空路線に必要な飛行場となっております。3種は、主として地方的な航空運送を確保するために必要な飛行場というふうになっておりまして、現在2種飛行場は原則的に1県に1つでありますが、現在の宮古、石垣の路線網からいたしますと現状では困難と思いますが、よく今後検討していきたいと思います。
なお、宮古、石垣の両飛行場につきまして現在ジェット化を進めておりますのは1500メートルの延長でのジェット化でございますが、2000メートルの滑走路がジェット化としては望ましいので、そういう2000メートル延長に向けて今後努力していきたいと思っております。
なお、その他の離島の空港の問題でございますが、53年度においては南大東、与那国空港の改良かさ上げ工事を行う予定にしております。そのほかの離島につきましても、今後空港の整備には力を入れていきたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 宮城宏光君登壇〕
○農林水産部長(宮城宏光君) 知事の説明に補足いたします。
特に肉用牛についてでございますが、少頭数の飼養を奨励できないかというような御質問でございます。特に1頭から4頭以内の肉用牛の奨励を促進する必要があるというような御質問でございますが、現在制度的には沖縄県の場合、いま知事から説明がありましたように沖縄県家畜改良導入事業というのがあります。本土、いわゆる沖縄県以外の地域においては、そのほかに高齢者等肉牛飼育事業というのもあるわけでございます。
そこで私ども沖縄県としましては、現在の沖縄県家畜改良導入事業を推進しております。この中身はほとんど高齢者等肉牛飼育事業と同じでございますが、補助率がわが県の場合有利でございます。そういうことでこの事業を推進しているわけでございます。
中身を若干申し上げますと、県有と農協有がありまして、貸付対象、これは農家でございますが、県有の場合には市町村を通じて農家に貸し付けていくと。農協有の場合には農協から農家に貸し付けていくと、こういう制度でございます。いずれも5年間、これは雌牛を貸すわけでございますが、5年したら購入した金額を返還していただくと、こういうことになるわけでございます。
そこで県有の場合に国が4分の3、県が4分の1ということで全額国、県で持つわけでございます。しかし農協有の場合は、62%は農協が負担し、38%は国と県で負担するとこういうことになっておりまして、高齢者等肉牛飼育事業につきましてはこれは市町村有事業でありまして、市町村で基金を設けなければならないというようなこともありますが、補助率は2分の1であります。それから農協有の場合は、38%の2分の1は国が持つとこういうような制度でございまして、私どもとしましては沖縄県家畜改良導入事業を推進していきたいと、こういうふうに思っております。
実績でございますが、52年の実績として729頭を貸し付けております。そして53年度は940頭を予定いたしております。
なお、昨年52年は1000頭の計画でございましたが、そういう72.9%ぐらいの実績でございましてまだ余裕がありますし、今後私どもとしましてはさらに普及活動を推進して高齢者が、あるいはまた農家の労働力がそこに吸収でき、そして層の厚い畜産拡興ができますように努力していきたいとこう思っております。
○議長(知花英夫君) 警察本部長。
〔警察本部長、齊藤 隆君登壇〕
○警察本部長(齊藤 隆君) 青少年の不良化の問題についてお答え申し上げます。
まず、非行少年の実態を特徴点だけを申し上げますと、俗に非行少年という場合に、罪を犯した犯罪少年と、それに至る前の虞犯不良行為少年とに分かれるわけでございますが、それぞれの特徴点だけを申し上げますと、まず罪を犯した犯罪少年の特徴について見ますと、沖縄県では警察の方で犯人を、これはあらゆる事件の犯人を検挙いたしますと、そのうちに42.1%が少年であるということでございます。これは全国平均が32.8%、すなわち全国平均ではどろぼう等をつかまえれば3分の1が子供であるのに、沖縄県下では42人までが子供であるというのが第1の特徴点でございます。
それから第2の特徴点としては、いわゆる沖縄県自体の犯罪率、これは人口に対する犯罪の発生率でございますが、人口1000人当たりで見てみますと、全国平均が11.2件であるのに対し、本県が残念ながら14.9件、約3割方多いということでございます。
第3に、しかしながら少年自体の非行率、すなわち10歳から19歳までの少年1000人当たりの中に罪を犯した少年が何人おるかという意味の少年自体の非行率、これについて見ますと、全国平均が9.6人であるのに対して、本県は8.6人と全国平均よりも少ないという特徴がございます。
この、いま申し上げました3つの事柄は、一見矛盾するようでございます。しかしながらしさいに調べてみますと、沖縄県では全人口の中に占める10歳から19歳までの人口が多いということでございます。全国平均が14.4%であるのに対して、沖縄県は19.6%とかなり上回っておると。したがって先ほど申し上げたような3つの特徴点が併存をしてくるということが言えるわけでございます。
したがいまして、そういう意味からしましても沖縄県における少年の問題というのは、御指摘のように他の都道府県よりもきわめて重要度が高い事柄であろうと私どもは認識をいたしておるわけでございます。
この犯罪少年の中で問題はどの辺にあるのかという点でございますが、これについて見ますと、結論から申し上げますと中学校、高校へ行っておる学校生徒には余り問題はございません。むしろ学校に行っておらない有職少年、無職少年、これは警察の方で学生、生徒と分けて一般少年と呼んでいるわけですが、ここに一番問題があると。これは犯罪少年のうち、41%がこの一般少年であると。全国平均では21%であると。要するに一般少年の犯罪率はざっと倍あると、ここが問題点であるということでございます。
次に、犯罪に至る前の虞犯不良行為少年でございますが、年間約1万人近い補導をしておるわけで、この人数よりも先ほど御指摘もありましたようにその中身、傾向で見てみますと、問題点として挙げられるのが何といいましても夜遊びであると、警察で補導しました少年の3分の1が夜遊びであると。なかんずく夜遊びで補導したうちの4分の3、実に75%までが午前0時以降に補導をしておるということ。要するに夜遊び少年のうち、4人のうち3人までが午前様であるということでございます。これが問題であろうと思うわけでございます。
そして、このいわゆる夜遊びの虞犯不良行為少年の問題はどこにあるかというのを見てまいりますと、これは端的に言いますと高校生が問題でございます。すなわち高校生が一番多くて全体の43.6%が高校生であると。なかんずくその3分の1が女生徒であったという傾向でございます。
ことしに入りましてから4月までの傾向を見てみますと、刑法犯少年では昨年の同期に比べて50人減少しております。しかしながら虞犯不良行為少年は逆に1500人ほどふえております。これはむしろ実態的に私どもはかなり重点を置いて取り締まりといいますか、補導を強めておりますのでその結果かとも思われるわけでございます。
次に、このような実態を踏まえての非行防止対策の問題でございますが、御案内のとおり直接に少年自身を対象とする問題と、それから少年をめぐる環境浄化の問題、この2つに大別されるわけでございますが、この2つの問題はそれぞれ並行して行わなければ実効を上げ得ないものだというふうに考えております。したがいまして私どもといたしましては、適切な少年補導、保護活動の推進の問題と、それから少年をめぐる環境浄化活動の推進と、この2つを重点にいたしまして進めておるわけでございまして、具体的に申し上げますと、街頭補導活動については警察官、婦人補導員及び少年補導員ないしは関係機関等の人々と一緒に定期的に進めておる反面、さらに春の非行防止の時期とか、あるいはゴールデンウィーク等の時期時期をとらえて強力に推進しておるということでございます。
また、環境浄化の活動といたしましては、皆様方新聞等で御承知かと思いますが、歓楽街における環境浄化包囲作戦というのを本年から強力に推進いたしておりますし、さらに青少年の健全育成を目的といたしまして少年を守る環境浄化重点地区というのをことしの5月1日から那覇、普天間、コザ、名護、宮古の5警察署に各1カ所あて設置いたしまして推進協議会を発足させて積極的に取り組んでおるところでございまして、これらの施策を強力に進めていくためには、関係機関はもとより県民全体が一体となって御指摘のとおり県民総ぐるみの運動を展開して継続的に粘り強くこの運動を進めていくことが迂遠のようでありますが、一番私は近道ではないかとかように考えておるわけでございます。
以上。
○議長(知花英夫君) 教育長。
〔教育長 前田 功君登壇〕
○教育長(前田 功君) 青少年不良化問題についてお答えいたします。
児童生徒の健全育成については、本県の青少年非行の多発の実態からして特に緊急重要な課題であると、こういうふうに認識しております。
昨年は、県下の6地区において児童生徒の健全育成座談会と青少年夜間外出防止懇談会を開催いたしまして広く各界の意見を聞いてまいりましたが、今年度は、それらの意見を取り入れて県の施策を推進していきたいと考えております。
具体的には、学校教育においては、児童生徒、教師、父母相互の信頼関係を確立すること。家庭教育においては、家庭においては親の指導性を高め、厳しさとやさしさの中にも楽しい家庭づくりを目指して基本的な生活習慣を身につけさせるように育成していくこと。さらに地域社会においては、すべての青少年をわが子のように愛の一声をかけて、地域を挙げて青少年の健全育成に協力できるような体制づくりを推進すること等を考えておるわけでございますが、これらのことについては、特に学校教育と社会教育の有機的な連携を深めていく中でその効率化を図っていきたいと考えております。
また、これらの施策を進めていく中で行政の立場では、関係各部局が連携をとりながら児童生徒の健全育成に今後なお一層充実強化をしていきたいと、このように考えております。
次に、尖閣列島の問題でございますが、琉大の池原貞雄教授を団長とする調査団が1971年に同列島の主として動植物の実態調査をした報告書が出されております。この報告書の中に、同列島には天然記念物として指定するに足る珍しい動植物が多数あるという報告が出ております。しかしながら同列島は、いま国際的にも非常に大きくクローズアップされている現状でありますので、諸般の情勢を十分見きわめた上で教育庁としてもその実態の調査等も行っていきたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大島 修君登壇〕
○生活福祉部長(大島 修君) 青少年の健全育成について生活福祉部はどういうことをやっているかとこういうことでございますが、御承知のとおり青少年の健全育成、行政、施策、運動は教育庁、県警あるいはまた知事部局の各部課並びに国の各機関あるいは民間団体等々、それぞれの立場でそれぞれの施策や運動をやっておられます。生活福祉部としては、その各団体、機関等のやっておられること、その他の青少年に関するものの総合調整機能を持っております。
そこで、生活福祉部がやっているものは細かくたくさんあるわけでございますが、これはもう時間の都合で割愛いたしますが、特に生活福祉部としては先ほど知事からお話がありますよう春、夏、年末年始の青少年育成県民運動、これをやっております。特に去る春の県民運動には、いま問題になっておりますいわゆる青少年非行の元凶と言われる夜間外出の問題を最重点目標に上げまして展開させていただきました。
今後、これらの運動をより強化充実して青少年の健全育成にうんと力を入れていきたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 屋部副知事。
〔副知事 屋部 博君登壇〕
○副知事(屋部 博君) 先ほどの石垣議員の御質問にお答えいたしたいと思います。答弁の順序が不同になるかと思いますが、御了承をお願い申し上げたいと思います。
まず最初に、県費を利用した訪中の理由は何かというような御質問でございましたのでお答えいたします。
中国訪問につきましては、日中友好沖縄県民会議から第4次の訪中団を結成するに当たりまして、訪中団の団長に副知事を充てたい旨の文書で申し入れがありまして、県といたしましては過去の歴史的関係、それから過去の第3次訪中団の過程を踏まえまして中国との善隣友好関係を深めると同時に、中国の産業、経済、文化、芸術等の各分野を広く見聞すると同時に、沖縄における各部門の向上、発展に資するためにその成果を期待いたしまして行政的な立場で参画し団長を引き受け、中国を訪問した次第でございます。
それから2番目の御質問の、中国において尖閣諸島問題についていかなる理解を示されたかとの問題でございましたが、この問題につきましては、私が出発の前にもし中国関係当局と尖閣問題について話し合える機会がありましたならば、率直に県民感情を伝えるということを申し上げました。幸いに駐日友好協会顧問、対外友好協会長の先生にお会いし会談が実現した機会に、その問題について事件の経過と県内の情勢等を率直にお伝えするとともに、特に沖縄県の漁民が安心して操業できるよう配慮方を口頭で要請を申し上げました。
次に、3番目の訪中団の主催者はどこかということでございますが、これは日中友好沖縄県民会議、日本中国友好協会正統沖縄県本部、日本国際貿易促進協会沖縄支局の3団体でございます。
県費で旅行した人数は6名でございます。
次に、団長を引き受けた理由でございますが、これも先ほど申し上げましたとおりに、去る2月の12日に日本友好沖縄県民会議から知事あての要請文書がございまして、その内容といたしましては、団長に屋部副知事を推戴し、県職員の派遣方を要請するという旨の要請がございました。
そういうことで、私たちは友好の翼の訪中団の趣旨、目的を検討をいたしました結果、それに賛同するということで私が団長とし、職員が一緒に参るというようなことでございます。団長の引き受けも、そういうような理由でお引き受けした次第でございます。
終わります。
○議長(知花英夫君) 石垣喜興君。
〔石垣喜興君登壇〕
○石垣喜興君 知事にお伺いしたものの中で、土木部長の答弁をいただきましたんですけれども、28条によって処分をするというようなことを話しておられますが、法令によって違反しているということは皆様はすでにおわかりだと思うのです。
ということは、新聞にも報道してありますとおり、砂川建設というものは看板もなければ、機材もない、人員もいない。そして去年ですか、免許の更新を受けているということでございますので、更新をする時点において、最初の許可をするときにはいろいろの書類が整えばできるでしょうけれども、更新の時点においてはチェックする、更新ということそのものはそういうようなことがないように、なれ合いがないようにチェックさせるために更新期間というのが設定されていると思うのであります。それがなされておりません。
そういうことで、どうだったかと、そのいきさつを説明していただきたいと申し上げているのであります。
それから副知事の御答弁の中で、要請があったから県費で行ったということは、私どもの感覚としては、要請があればじゃ県費で行くのかと。県費で行くからには、どれだけの効果があり、県に対して、行政に対してどれだけのプラスがあるということを前もって察知して踏み切られるのが私は筋じゃないかと思、います。
それで副知事1人でなくて、6名の人が行ったということでございますが、6名の人でどういう調査をし、どう行政に反映をさせられるおつもりであったのか、そういったところをもう少し御説明願いたいと思います。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 先ほど砂川建設の名前が指名されないでの御質問でありましたので、一般論を申し上げましたが、砂川建設については、48年8月20日に土木建築工事の許可を受けております。
51年の8月に免許更新をして現在に至っております。書類審査の結果、建設業法7条の許可基準を充足しているとして、51年の8月に免許を更新しているのでございます。
使用人につきましては、この決算書によりますと13人となっておりまして、営業用の機械機具はパワーショベル1台、ダンプトラック1台となっておりまして、一応書類的には普通の建設業の状態になっております、
工事の受注能力については、直ちに評価することはできませんが、仮に自己の受注を他業者へ一括下請に出した場合は建設業法27条で禁じられておりますが、発注者の署名による承諾があれば差し支えないということになっております。
営業所については、自宅を兼用しておりますれば特別に営業所を設置する必要はありませんが、建設業者は建設業法40条の規定によって営業所及び建設工事現場ごとに公衆の見やすい場所に建設省令で定める許可の内容を記載した標識を掲げなければならないことになっております。
51年の8月の許可更新のときに、書類審査のときにはそういうふうな状況で書類審査をいたしまして更新をしたわけでございまして、先ほど申し上げましたように現在の事件が少し落着いたしますと、できるだけ早い時期に申請書によって実情を調査いたしまして、不正行為が明らかになった場合は建設業法によって相応の処分をするということでございます。
○議長(知花英夫君) 屋部副知事。
〔副知事 屋部 博君登壇〕
○副知事(屋部 博君) 御質問にお答えいたします。
先ほどは、要請があったからだけで県費で行ったのかという問題でございますが、私もさきにお答えしましたとおりに、中国の産業、経済、文化、芸術等の各分野を広く見聞して沖縄における各部門の発展、向上に資するということを先ほど申し上げております。
そういうようなことで、特にこの問題について私たちとともに中国を訪問いたしました他県の方々もおいでになりましたが、大体県知事が友好の翼の団長として県費で旅行しておられてその事情を私も知っております、
そこで、その成果の問題でございますが、これはここに沖縄県各界友好の翼訪中見聞記報告書を80ページ以上にまとめてありますので、もし必要がございましたら後で提出したいと思います。
○議長(知花英夫君) 宮良長義君。
〔宮良長義君登壇〕
○宮良長義君 社大党所属議員団を代表いたしまして、質問をいたします。
まず、旧日本軍接収用地についてであります。
本件に関しては、過去において幾たびと本議会においても取り上げられてまいりました。県や関係市町村においても真剣に提起されてまいりましたが、いまだにその解決を見るに至っておりません。
そこで本員は、時間の都合もありますので説明を省略いたしまして、旧読谷飛行場の1点にしぼって問題を提示し、強力な対政府折衝を要望するものであります。
この件は、県や関係市町村からの強い返還要求に対して、大蔵省は昭和53年4月17日付で衆議院予算委員会に沖縄における旧軍用地についてとする資料を提出しています。その結論として、当該用地は国家総動員法によって買収されたものであると述べ、また総合勘案では、上記調査結果を総合勘案すると、沖縄において戦時中旧日本軍が取得した土地は、私法上の売買契約により正当な手続を経て国有財産になったものと判断するとしております。
小口健治国有財産第2課長は、読谷村長に対して、飛行場建設に入って以降、登記書が地主側にあれば売買はなかったことになると言っているようであります。読谷飛行場は昭和17年から日本軍により接収が始まり、18年の6月には終了しております。したがって昭和19年には、飛行場として整備されておるわけで、しかるにその時点に所有権が個々の地主にあったとする登記権利証がこのたびあらわれてきたのであります。これが登記済みの写しであります。ぜひ参考にしてもらいたいと思います。
この権利証は、当間平三さんの土地を家督相続人の平一さんに家督相続による土地所有権の移転登記を昭和19年9月20日、那覇区裁判所嘉手納出張所受付第1733号で受け付け、登記が完了されたものであります。
これからしても、大蔵省がいかにいいかげんなことでこの問題を処理しようとしているかは明らかであります。なお、昭和19年9月20日といえば、あの「10・10」の大空襲の20日前であり、登記をなした20日後にはこの飛行場が空襲を受けております。周知の事実であります。
そこでお伺いいたしますが、政府の国会に提出した資料を完全に覆すと思われる新たな証拠が出たことに対し、県としてはさらに自信を持って返還要求を進めるべきだと考えます。県の御見解をお聞きいたします。
次に、那覇空港の第1種空港への格上げ問題であります。
那覇空港は、復帰の際民間専用空港として完全返還の目玉商品ともされたものであります。
特に注目すべきことは、振興開発計画の「交通通信体系の整備」の中で「航空」については次のように述べていることであります。「那覇空港は民間空港とし、その地理的特性から国際的空港および本土の主要都市との航空路網の基地として整備するとともに、県内主要離島を結ぶ航空路の拠点として整備拡充する。」となっております。
かくのごとく民間空港として明記されていることは、将来民間専用空港として、すなわち軍も自衛隊も使用しない空港として整備することを意味するとこう考えます。これに対する県の見解をこの際明らかにしてもらいたいと思います。
ややもすると、自衛隊が使ってもこれは民だと見るんだとこういう考えを持つ方もおられるようでありますが、この際これをはっきりしないと、1種空港になることもわれわれは喜ぶべきじゃないと、こういう立場で質問をするわけであります。
次に、第1種国際空港格上げへの前提として提起される問題点の整備を行うことが当面最も必要であります。それには安全性の確保、騒音障害の解消、1種空港としての施設の整備等の条件が確保されることであります。
まず、安全性の確保についてであります。
昭和50年、ジュネーブで開催された国際パイロット会議で、那覇空港は欠陥空港と指摘されたことを重視しなければなりません。その理由として、民間、自衛隊の共用空港であるため航空管制上問題があること。嘉手納、普天間の両米軍飛行場が接近しているため、航空管制作業が複雑をきわめ、パイロットの神経がすり減らされると、こういうふうに挙げております。また日本定期航空機操縦士会でも、ニアミスの起こりやすい欠陥空港で、その早期改善策を訴えております。
ちなみに、同空港には自衛隊機が現在58機常駐し、離着陸訓練が繰り返され、民間機の円滑な空港利用を阻害する要因ともなっております。
そのことは、52年の自衛隊機、米軍機の離着陸回数が1万8776回に及び、全航空機離着陸回数の31.7%にも達していることで明らかであります。
1975年の原水禁沖縄大会において、沖縄関係資料によると、1973年の3月16日、自衛隊機F104戦闘機が那覇基地で離陸に失敗し、大惨事寸前の事故を起こしております。1973年7月20日、同じくF104戦闘機が完全着陸できず、胴体着陸をしております。1973年10月5日、同じくF104戦闘機が車輪に故障を起こして胴体着陸をしております。1974年9月10日は、同じくF1O4ジェット機が訓練中行方不明の事故があったと報告されております。
その他、滑走路の中心灯破壊や、民間機離着陸に大きな支障を来したことなどが挙げられております。
また、52年の異常運航件数は民間機が22件に対し、自衛隊機は26件となっております。
以上のごとくパイロット会議における指摘、数多い事故や異常運航件数、さらに滑走路近くに自衛隊の弾薬庫が存在するなど、共用による危険性の大きい空港と言わざるを得ません。現在同空港は、運輸省と防衛庁との飛行場使用についての協定によって共用されているが、このままの形で将来も継続使用されていきますと、空港の安全性を阻害し、ひいては第1種国際空港格上げへの一大障害となるんじゃないかと心配するものであります。
こういう実態に対し、県の今後の対処策についてお聞きをいたします。
52年の那覇空港における米軍機の離着陸回数は172件となっておりますが、那覇空港は米軍も自由に使えるものであるかどうか、米軍機の使用条件、これを明らかに示してください。
県は、53年2月県知事名によってF15イーグル機並びにP3C対潜哨戒機の新たな配備を行わないよう政府筋に要請をしておるが、政府の正式回答はどうなっているか。
復帰後、那覇空港における航空事故、異常運航件数を示してください。
それから52年度の空港周辺環境対策事業の予算額、及びそれによる事業実績のあらましをお聞きしたいと思います。それと同時に、飛行場周辺地域における自衛隊機、民間機の騒音調査の結果についてもお聞きしたいと思います。
次に、第1種国際空港への格上げ条件や基準があるかと思いますが、これと那覇空港建設構想のあらましについても簡単に御説明いただきたいと思います。
次に、政府の全国総合開発計画で、特に那覇市及びその周辺に広がる米軍施設区域については、那覇圏の形成の見地からその整理縮小を図る必要があると述べております。
かかる政府の方針に沿うて、同空港格上げへの整備計画推進を契機として都心に近い空港周辺地域を将来陸海空交通体系の拠点として位置づけるとともに、住宅地、海浜レジャー、臨空港型産業の立地地域として確保して、総合的な開発を強力に推進することはこの際絶好の機会であると思います。また同港の建設は、大型公共事業として景気の浮揚、雇用の拡大にも役立ち、また建設完了後は空港構内及びその周辺における雇用機会の創出にも大きく寄与するものと思います。
そこで、空港周辺に広がる米空軍海軍補助施設、自衛隊基地、那覇軍港の早期返還を強力に要請して、豊かな那覇圏形成を目指して開発を積極的に推進すべきだと思うが、これに対する県の見解をお聞きいたします。
次に、振興開発計画後期の県事業計画によりますと、那覇空港の施設に53年から55年の間3年間引き続き21億2566万余の資金計画がなされておりますが、この3年間の事業計画のあらましについても御説明を願いたいと思います。
次は、雇用失業問題についてであります。
県は、振興開発計画に基づく公共事業の施行に当たって、特別措置法の39条の失業者吸収率制度のフル活用を推進してきたが、県の資料によると、51年度の吸収人員はわずかに1834人、52年度は公共事業の大幅拡大とはうらはらに1762人と減少をしております。39条1項、2項により公共事業に使用される無技能労働者総数の60%は常に吸収されることとなるが、52年度の実績では無技能労働者総数が5958人で、吸収人員は1762人、吸収率は29%にすぎない結果となっております。すなわち吸収率の達成ができていなかったと数字の上ではそうなりますが、この数字上の問題を中心にそうなった理由を簡単に御説明ください。
それから4月、5月の手持ち労働者吸収人員、無技能労働者総数についての実績もお聞きしたいと思います。
次に、手持ち労働者総数が40%以上に増加すればするほど吸収人員は減少することになるかと思います。施行業者提出の通知書、すなわち報告書の手持ち労働者の確認は適確になされているかどうか、この点についてお聞きします。
次に、東京リサーチ沖縄支部の調査によりますと、去年1年間の県内企業倒産は負債額1000万円以上の企業倒産数が214で、その42%に当たる90件、同じく負債総額262億5000万円の31%に当たる82億6000万が建設業者となっております。
公共工事の活発化とはうらはらに、かかる倒産が今後も続くならば、波及して雇用状況を悪化させるでありましょう。その要因が業者の乱立や過当競争による採算割りダンピング受注や引き受けにあったのか、あるいは元請業者並みの前払い制度の恩典がなくて資金繰りの悪化による下請業者等の不利条件によるものであったのであるか。次に下請、孫請工事引き受け段階で不利な条件、ピンはねみたようなものがあってこういう結果になったのであるか。この事態をどう分析して今後行政指導の立場から、どのような改善策を講じようとするかこの点をお聞きいたします。
次に、そろそろ54年に向けて公共事業の選択と予算要求の詰めがなされるかと思うのですが、公共事業のあり方をこの際もっと見直してみたらどうか。
県は、短期的な雇用対策として公共事業の大幅拡大を推進し、毎年30%から40%に及ぶ予算増のわりに効果は上がっておりません。この際、従来の土木事業中心の公共事業でなく、雇用効果があり、住民の生活の質をよくする生活関連公共事業に予算を多く投入するよう、たとえば下水道、病院、公園、保育所、生活道路等の事業を推進するための予算を要求すべきでないかと思うが、県の御見解をお聞きいたします。
本県の特殊事情に基づく失業者の状況は、実質経済成長の落ち込み、駐留軍従業員の解雇、企業倒産の増加、本土からのUターンの増、新規学卒の県内滞留等によってますます深刻化をしております。
ここで特措法の38条に基づき、就業機会の確保のための具体的措置についてその効果的実施を図るための計画をこの際作成して、その実施を図ることが雇用の最悪事態を乗り切る得策かと思うが、県雇用問題協議会にこれを提起して慎重討議を重ねて結論を出す考えはないか、県の御意向をお聞きいたします。
それから今年度の大幅増による53年度の公共事業の執行体制をいかに強化しようとしておられるか、これを御説明ください。
次に、与那国町農協の再建についてであります。
去る3月下旬ごろ、経労委の与那国視察の際に町当局の要請によると、与那国町農協は昭和50年10月の導入預金及び不正貸し付け事件の発覚以来、事実上倒産同様の状態で、町当局を初め町民が一体となって再建計画の遂行に万全を尽くしてきたが、問題の金額が余りにも大きく、またそれを取り巻く環境が複雑で、当町みずからでの再建はきわめて不可能な状態にある。それで製糖工場買収資金、信連及び経済連からの借入資金に対し、県の利子補給を今後は続けてもらいたいとこう訴えております。
該農協の再建問題は、過去において農協運営の常軌を逸した不始末があったにせよ、農家経済はもとより産業経済全般の死活にもかかわる深刻な問題で、県もその再建のために特別なる援助措置を講ずべきだと考えます。当町の切実な要求である借入資金の利子補給に対し、今後いかなる措置を県はなそうとしておるのか、県の御意向をお示しお願いいたします。
次に、現在与那国町農協の再建整備計画は行き詰まった状態となっております。根本的な洗い直しをしなければならない最悪事態に直面しております。再建に取り組んでいる今日まで、果たして組合員が事態を深刻に受けとめ、再建への意欲と真の協力体制が万全であったか、まずこれを知りたいのであります。
計画では、自己資本の増強を図ることとして、50年末出資金の1580万8000円を計画5年でその9倍の1億4282万円に増資することとしております。51年度で1975万2000円、52年度で2364万7000円の増資計画がなされております。その実績はどうなっているか。
次に、導人預金の3億500万円については、51年で3050万円、52年度で4575万円を支払う計画であったが、その実績。
次に、不正貸出金の2億262万円については、51年で2026万9000円、52年度で3039万3000円を取り立てると計画にはなっておったが、その実績はどうなっているか。
現在、導入預金、不正貸出金を外した新しい再建計画の準備が進められておるということであります。このことは、組合員の債権やあるいは債務をたな上げして、真の組合の再建整備があり得るはずはないと私は考えます。どういう事情があって債権も債務もたな上げして、また新しい再建計画をつくろうとしているのか、この辺の事情をお示しください。
次に、不正融資に対する旧役員の責任について、51年の7月の26日に念書を出されております。この念書の内容がどういう内容であるかについても、この際お聞かせ願います。
次に、交通方法の変更でありますが、さきに仲村議員からもつぶさに質問がありましたのでダブらないように簡潔に質問いたします。
「730」実施もあと1カ月余後に迫ってまいりました。この対応工事の進捗状況を沖縄全体としてこの際お聞きしたいと思います。
特に、那覇市、浦添市においては交差点、バス停車帯、すみ切り等の工事が大幅におくれて現時点では那覇が13%、浦添が29%の進捗状況だと聞いております。
このような状況では、「730」までに完了する見込みは暗いと思います。かかる状態でも「730」は強行するのか。あるいはある一定の期間、延期をすることも考えられるか。
次に、工事未完了のまま発足した場合、それに対応する特別なる措置でもあるのか。
次に、県の要請による交通方法変更特別事業については、仲村議員から質問がありましたので差し控えます。
次に、私立幼稚園、保育所等の通園、通学バスに対していかなる措置がなされておるか。
交通方法変更により著しく営業損失を受けるところのものに対して救済措置はどうなっておるか、以上を質問いたします。
次に、去る石垣市長選挙における盗聴器事件でありますが、去る石垣市長選挙の前3月2日午前1時20分ごろ、石垣市第1職労の事務所に縦5センチメートル、横3センチメートル、厚さ2センチメートルで9.1ボルトの電池の仕込まれた盗聴器らしいものが発見されました。それで選挙民の疑惑とひんしゅくを買った事件でありますが、いま警察に御意見をお聞きしますと、現在盗聴器を鑑識中だと、まだ結論出ていないとこうおっしゃいますので、この件は後日に譲りたいと思います。
次に、沖縄の核基地化についてであります。
復帰前ならともかくとして、嘉手納基地では復帰後の今日、PALという核の安全装置の錠前を外したりかけたりする訓練が年に4回も行われている。核弾頭の爆発事故を想定したところの、しかも属地的な演習が年に4回行われている。核ごとハイジャックされたときの対策訓練もなされておる。核爆弾の投下訓練は前からされておるわけであります。核の安全要員の配置がなされておるし、核の取扱要員が1000名以上も配置されておる。こういう事実が日本共産党代表によって、しかも自信のある立場で明らかにされております。
沖縄に核兵器があるであろうという疑惑は消し去ることのできない深いものとなっておりますが、たとえいま核兵器が持ち込まれていないとしても、有事の際核兵器が持ち込まれたら核兵器を装備し、核戦争をやれる核部隊がいま嘉手納基地に存在している。核攻撃の命令一下、いつでも対応できる体制がとられているということは非常に重要問題であります。この事態は、非核3原則をも否定しかねない実態だと私は思います。
日本の国土沖縄と100万県民に、かかる凶悪きわまる核攻撃基地を押しつけているところの策動に対し、また日米安保に怒りを覚えるものであります。
かくのごとく危険きわまりない軍事基地の重圧下にあって、いまこそ生々しい軍事基地の実態、安保の危険性等の問題に肉薄する調査や情報を積み上げてこれを県民にリアルに知らすための幅広い教宣活動、広報活動を一段と強化することが当画最も大事かと思います。
今後、かかる広報活動をいま以上強化されまして、私が申し上げましたようにこの実情を県民にも十分知らせられるよう要望いたしまして、質問を終わります。
○議長(知花英夫君) 総務部長。
〔総務部長 平良清安君登壇〕
○総務部長(平良清安君) 宮良議員の旧日本軍の接収した軍用地のうち、特に読谷村旧沖縄北飛行場の部分につきまして昭和19年9月20付の登記謄本を示しながら御質問がありましたが、お答えいたします。
御質問にありましたように、去る4月17日に大蔵省はこの沖縄本島、さらに先島等につきまして問題となっております旧日本軍の接収用地の調査報告をしているわけでございますが、その中で沖縄本島及び伊江島においては直接的な資料はないと。資料のない理由として、戦闘で滅失しただろうと。しかし買収手続、代金支払い方法等に関する資料は発見されたとして概要は掌握されたということで結論づけ、さらに宮古、八重山地域の証拠から類推して私法上適切に売買はなされたとこういうことの報告でございますが、これに対しまして県といたしましては、県の調査においても宮古、八重山両地域においては売買契約による買収の事実は一応認められると。しかし沖縄本島においては、そういう直接的な売買関係資料がないので県としては先島の事例から類推することはできないと、こういうふうに考えて先般大蔵省とさらに関係市町村の合同会議において、関係市町村と大蔵省に対しまして新たな資料があるならひとつ出してもらいたいと。そういうことで依頼してきているところでありますが、今日までの状況としては、大蔵省にも関係市町村にも沖縄本島、さらに伊江島については直接的な買収を証明する資
料はなかったとこういう事態でありますので、昭和19年9月20日のこの資料は大変貴重な重要な資料だと思いますし、さらに私ども従来からあのような戦闘状況の中で買収あるいは接収された土地なので原則的に旧地主に返還すべきだと今日まで関係市町村と歩調をそろえて要請したところでありますので、引き続きこの資料も分析し、強力に折衝していきたいとこう考えております。
次に、昭和53年度の公共事業が大幅に伸びているので、この執行体制いかんとこういうことでございますが、この件につきましては2月定例会でも相当論議されましたが、昭和53年度における公共事業予算は884億でございまして、これは対前年度に比べますと40%の大幅な増加になっております。したがって県といたしましては、これが早期執行、完全消化は重要な課題であるし、それによってのみ、それが直接間接本県の景気の浮揚につながると、こういう考え方でございます。
具体的な執行体制といたしましては、昨年に引き続き知事を本部長とした公共事業等施行推進本部をすでに設置して2回も会議を持っておりまして、その中で上半期契約目標額を当初73%から74.1%に上げて決定しております。
それから県の内部におきましては、公共事業部門土木、農林部門、さらにその出先等につきましては定数、組織等の強化をしておりまして、さらには資材の供給等計画的な配分によって執行に万全を期したいと、こういうことでございます。
執行に当たっては、先般来御議論になっております県産品優先、県企業への優先発注、さらに中小企業にもひとしく工事の契約あるいはその恩恵を受けるように、さらにまた下請代金等が適正に支払えるように等々の指導体制も強化して執行に万全を期したいと、かように考えております。
○議長(知花英夫君) 労働商工部長。
〔労働商工部長 金城慎徳君登壇〕
○労働商工部長(金城慎徳君) 雇用失業問題についての御質問にお答え申し上げたいと思います。
御指摘の公共事業拡大によって雇用の確保を図るという趣旨で進めてまいったわけでございますが、実績から見まして51年度に比べて52年度は若干吸収人員が落ち込んでいるんじゃなかろうかと。その理由いかんという趣旨の御指摘でございますが、お話にもございましたように、51年度の無技能労働者総数が私どもが掌握した数が4201人に対しまして、52年は5958人となっております。そのうち手持ち労働者の数が51年2367人に対しまして、52年が4196人となりまして、いわゆる手持ち労働者数が多くなったがゆえに公共事業への失業者の吸収人員というのが減ったわけでございます。
制度の趣旨につきましては、御指摘ございましたように手持ち労働者が数がある場合にはそれが60%以下でもいいということになっておりまして、かような数字に相なったわけでございます。
そこで、私ども53年度におきましても同様な方針を打ち出しまして、公共事業が大幅に拡大いたしましたんで、これを効果的に失業者の吸収を図るということで先般の庁議の方で「失業者吸収率制度の取扱要綱」なるものを決定をしていただきまして、より強くその制度の推進を図っていきたいということで、県はもとより県関係公社、市町村並びに国の機関等についてもその吸収率制度の準用につきまして強く申し入れをやっておるわけでございます。私どもといたしましては、業界の指導等とも相まって十分推進してまいりたいと。そのことによって雇用の緩和を図っていきたいと、こういうふうに考えております。
さらに、現下の雇用失業情勢とさらに広域職業紹介で県外に行きましても帰ってくる、いわゆるUターンというのが相当あるんで、この際抜本的な対策を考えたらどうかと。その趣旨としまして、まず雇用吸収力の高い公共事業を選定して次年度予算を考えたらどうかという御指摘でございますが、その点につきましては現在各部で検討を進められておりますんで、私どもはできるだけ雇用吸収力の高い方向について十分内部で検討してまいりたいというふうに考えております。
さらに、振興開発特別措置法の第38条の施行について雇用対策協議会に付議したらどうかという御質問でございますが、御承知のように38条の趣旨につきましては振興開発特別措置法にそういう制度はあるわけでございますが、私どもその内容等について現在予算措置等でほかの府県で行われております特定開発就労事業、それの関連、実態等をいま調査を進めておるわけでございます。
その調査結果と、さらに各市町村との協議を密にいたしまして、それと同時にそういった事業を執行した場合にそこに吸収できるような失業者の実態等との関連を十分検討いたしましてこの問題について対処したいと、こういうふうに考えております。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 企画調整部長。
〔企画調整部長 吉元嘉正君登壇〕
○企画調整部長(吉元嘉正君) まず、那覇空港の第1種国際空港への格上げの問題につきましてお答えいたします。
この問題につきましては午前にも知事の方から御答弁がございましたが、御指摘のとおり復帰の目玉として那覇空港を返還し、沖縄振興の基礎的な条件整備の1つにするということにつきましては御指摘のとおりでございまして、それを目標に現在交通体系の整備の一環としまして位置づけて検討を進めているわけでございます。この件につきましては、すなわち振興開発計画、そしてまた去年閣議決定されました第3次全国総合開発計画及び県が策定しました後期の振興開発計画の課題と施策、この3つの計画にいわゆる国際交流の拠点としての位置づけがなされておりまして、しかも民間専用の空港としての位置づけのもとに整備していくということの位置づけがなされておりますので、その方向で県は取っ組んでおる次第でございます。
また、御指摘の欠陥空港としての点におきましても、日本定期航空機操縦士会、国際パイロット会議等からの御指摘等もございますし、また関係労組の方からの申し入れ、あるいは御指摘等もございますので、その面につきましては数回にわたりまして文書等で関係当局の方にいわゆる共用を廃止することについての強い要請をしてきたわけでございます。
御案内のとおり、復帰直前に策定しました建議書におきましても、那覇空港に関する特別措置としまして、那覇空港としてこれについては自衛隊の便用を禁止する措置をすること等を初めとし、その後昭和49年12月、そして53年2月と、このように文書をもって国の方に、関係当局に那覇空港の完全返還、完全民間使用の件につきましては強く要請してまいっておるわけでございます。
それから大那覇国際空港の構想の概略でございますが、これにつきましても午前に知事から御答弁がございましたが、スケジュールとしましては53年、54年度に資料収集、そして基礎調査等を行い、次期、運輸省の第4次航空整備5カ年計画に、56年度に間に合うように組み入れていきたいと、そのための準備を国とともにやっていきたいと、このように考えておるわけでございます。
それから交通方法変更の件でございますが、未完成工事の個所があった場合に特別の措置があるのかどうかということでございますが、もちろんそれぞれの行政分野におきましてそれぞれの法律、その他諸制度によりまして工事のあった場合には安全の確保がなされるということが原則でございますが、特別にこのことについて個別具体的にその対策を検討する必要もあると考えますので、目下政府の方にその事態に備えての特別な措置についての検討を要請してございます。
それから私立幼稚園、保育所等の通園バスの件でございますが、この2件につきましては国の方で予算化はされておりませんが、別途措置していくということを、誠意をもってやっていくということの約束をしておりますので、目下国の方で検討中でございます。
それから救済措置でございますが、先般公表になりました対策要綱の中で県民がこうむる物心両面にわたる負担を極力軽減する、そして必要な措置に要する経費については国の方で責任をもって措置するということを基礎に、そしてまた総務長宮、関係大臣は国会、あるいはまた知事とお会いした際にもケース・バイ・ケースで措置をするということを踏まえまして、目下事務当局においてその基準、方法、内容等については検討が継続されております。
以上であります。
○議長(知花英夫君) 渉外部長。
〔渉外部長 久貝誠善君登壇〕
○渉外部長(久貝誠善君) 宮良議員の御質問で那覇飛行場について米軍が使用しているんだが、使用条件はどうかという御質問だったんじゃないかと思いますが、現在のところ那覇飛行場においては米軍の使用はなされておりませんので使用条件についての御説明はいたしかねますが、実はP3が嘉手納へ移駐をいたしましたのが昭和50年の5月ですから、その後は米軍の共同使用はないものだというふうに理解をしております。
○議長(知花英夫君) 警察本部長。
〔警察本部長 齊藤 隆君登壇〕
○警察本部長(齊藤 隆君) 御質問の中の交通方法の変更に伴う道路改良工事に関連しての御質問がございましたので、私どもの方から補足してお答えをさせていただきたいと思うわけでございますが、交通方法変更に伴って道路を改良するというのは、御案内のとおり調査委員会ができまして各交差点等を点検して恒久的にといいますか、抜本的に安全を保つためにはここをこういうふうにする方がいいという結論が出て、それに向けての改良工事をなしていただくわけでございますので、あくまでも改良工事を行うということが前提でございます。したがいましてわれわれといたしましても、改良工事がたとえ「730」までに間に合わなかったとしても、改良工事を行うということを前提にして考えていきたいというふうに考えておるわけです。
しかしながら一方において、ただいまも御指摘ありましたように、残念ながら改良工事が間に合わない個所が生ずる可能性が現実性を帯びてきました今日において、私どもといたしましては具体的な道路交通の安全を確保するという観点から、われわれサイドとしても検討を進めております。
具体的には、個々の交差点の状況等によりまして千差万別でございますが、いわゆる徐行とか停止線の位置を変えるとかといったような手段をとりまして、有効な手段としての交通規制を暫定的に行うようにせざるを得ないだろうというふうに考えております。
以上です。
○議長(知花英夫君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 宮城宏光君登壇〕
○農林水産部長(宮城宏光君) 与那国町農協の再建についてお答えいたします。
質問のポイントは、第1番目に利子補給を現在しておりますが、今後も継続するのかどうか、1点。それから2点目に、再建整備計画はどうなっているかということ。それから3番目に、増資計画に対する実績はどうなっているかということ。4番目に、旧役員からの念書の内容はどうなっているかというようなことのようでございますので、順を追って回答いたします。
第1番目の利子補給でございますが、県といたしましては、与那国町の経済社会における農協の占める役割りと地位の重要性にかんがみまして再建のための指導を強化しておりますが、あわせて与那国町農協の借入金に対する利子補給金として昭和53年度予算に693万円を計上し、その再建に努めているところでございます。
なお、経営の立て直しのために今後とも十分配慮する必要があるというふうに考えております。
2点目の再建整備計画でございますが、与那国町農協は自主的な再建を前提にして、組合員の協力体制及び事業執行体制の確立、固定化債権の解消、自己資本の充実等を内容とする再建整備計画を昭和51年10月の臨時総会において決定されております。しかしこの計画は、不正貸付金等の資金の固定化及び自己資本不足等のために計画どおり達成されていない状況にあります。また、導入貯金及び不正貸付金については支払い及ぴ回収計画が立てられておりますけれども、その実績として支払い及び回収はありません。したがってこの再建整備計画は現在のところ実態にそぐわないということになりますし、また導入貯金者から貯金払い戻しの訴訟が提出されているということもありますが、農協はこれを否認しているというようなことであります。
そこで、この計画の実行性はきわめて薄いというふうに判断されますので、今後この組合は導入貯金をたな上げするとともに、不正貸付金等の固定化債権の流動化等を内容とした実行性のある再建整備計画の策定に今年当初から着手し、慎重に検討が加えられております。そこで新しい計画が近くでき上がるものと思われます。
それから次の増資計画の実績はどうなっているかということでございますが、組合員は現在900人いるわけでございますが、この組合員が再建に立ち上がって増資運動を展開しております。そこで過去2年間で1700万円の増資実績を上げております。この1700万円の実績をこの農協が設立されて20数年間のものと比較しますと、その20数年間に1500万円でありますので、2カ年間で1700万円も増資をしたということはかなり組合員の協力体制ができたものというふうに思っております。しかしながら、これも計画に対して実績は51%で低い状況にあります。今後自己資本の拡充、これをさらに強化する必要があるというふうに思っております。
次の旧役員からの念書の内容でありますが、不正事件が発生した当時の役員は、昭和51年7月26日付で不正貸付金に係る農協の損害金について弁済する旨の念書を入れております。したがってこの念書の内容は、損害金については弁済するという内容でございます。
そこで、目下この具体的な弁済方法について農協と役員間、旧役員間で話し合いが続けられているようでございますが、現在のところその回収実績はありません。
以上、お答えします。
○議長(知花英夫君) 宮良長義君。
〔宮良長義君登壇〕
○宮良長義君 いまの渉外部長の答弁で、軍用機はこっちで発着していないだろうと、こういう御答弁でしたが、軍用機の事実、事実ありますかないですか。
○渉外部長(久貝誠善君) ございません。
○宮良長義君 これは、この前われわれ経労委への報告では、那覇空港事務所から正式に来ているんですよ。この資料によって私らは質問しているんであって、これは想像じゃないんです。172回、52年に発着していますよ。これはもう少し確めてみてもらえませんか。
もう1点はですね、いわゆる民間空港という場合、これは間違いなく自衛隊機も軍用機も民間空港にはならないと、こういうはっきりした皆さん御理解なさっていますか。これが大事です。
もしですね、1種空港になって自衛隊が使うということになれば、これはわれわれ1種空港でも賛成するわけにいかない。一番これは重要な問題だと思うんです。
この点はですね、振興開発計画の経緯の上からいっても明らかにしてもらいたいと思います。
以上です。
○議長(知花英夫君) 渉外部長。
〔渉外部長 久員誠善君登壇〕
○渉外部長(久貝誠善君) 米軍機が使用しているということにつきましては、先ほども申し上げましたようにP3機が嘉手納に移駐したのが昭和50年でございますから、それ以後は使っていないというふうに思いますが、資料等に那覇空港を米軍機が使用しているというような資料でございましたら、県としても調査の上で御報告申し上げたいと思います。
○議長(知花英夫君) 休憩いたします。
午後3時8分休憩
午後3時25分再開
○議長(知花英夫君) 再開いたします。
休憩前に引き続き、代表質問を行います。
宮城健一君。
〔宮城健一君登壇〕
○宮城健一君 日本社会党所属議員団を代表いたしまして、通告したとおりに質問を行います。
最初に、基地被害についてであります。
本県における最近の軍事演習の激化と、それに伴う砲弾事故、爆音、自然破壊等の県民生活に及ぼす被害は目に余るものがあり、戦争前夜の様相を呈しています。
ごく最近の例を取り上げてみても、53年5月18日、キャンプ・ハンセンにおけるファントム機の墜落事故、3月3日のハンビー飛行場のヘリコプター墜落事故、4月13日の金武村伊芸区こおける民家への廃弾処理砲弾の破片落下事故、2月7日渡名喜村における照明弾の落下事故、3月22日の戦車道補強工事による川や海の汚染と自然破壊等、ごく耳新しい具体例を挙げたわけでありますが、復帰以後のトータルを県の資料で見ると、軍用機だけの事故を見ても墜落、不時着、離陸失敗など24回を数えており、そのうち民間地域での事故が11回になっています。また砲弾事故、薬品廃棄、爆音、自然破壊等、枚挙にいとまがないほどの基地に起因する被害が続出しています。
これらの事故が、最近特に県民の生命を直接奪うような事故が起こっていないことは不幸中の幸いでありますが、しかしいずれの場合も、狭くて人口密度がきわめて高い沖縄のことでありますから、一歩場所や時間を誤ればそれこそ取り返しのつかない大惨事を招くことは火を見るよりも明らかであります。
このように、県民の生命や財産に少なからぬ損害と不安要素を増大させる軍事演習に対しては当県議会においても繰り返し決議を行い、米軍または政府に対して幾度となく抗議ないしは要請行動を続けてきたわけであります。しかし演習を中止ないしは縮小するどころか、質、量ともにますます激しさを増し、エスカレートの一途をたどるのみであり、われわれ県民代表の声も米軍事権力とそれを擁護する日米安保条約の厚い壁にさえぎられてむなしくかき消されています。
基地被害は、生命や財産の脅威だけでなく、教育や産業の振興にも大きな悪影饗を及ぼしています。演習による水源地の汚染、自然破壊、赤土の流出がそれであります。
去る4月7日、わが党は県農林水産部を伴って宜野座漁協のモズクの生育状況を現地調査したわけでありますが、そこで判明したことは、赤土の汚染でモズクが壊滅状態であり、モズクを付着させるために海中に入れた2万個のブロックがことごとく赤土で汚され、汚れに敏感だと言われるモズクが全然付着し得ない状態になっている。また沿岸の魚が種類、量ともに激減している状態を見たわけであります。
赤土の流出が、100%軍事基地に起因するとは言えないにしても、戦車道ができたころから赤土の流出がひどくなっているという現地漁民の話から推しても、大きな要因が軍事基地にあることは容易に推察できます。このことは、基地被害が産業振興に及ぼしている具体例であります。
一昨日の新報は、嘉手納基地から流出した赤土が、読谷村の養殖モズクに壊滅的な打撃を与えたことも報じています。
また、近ごろとみにひどくなっている爆音公害の問題があります。ハリアの離発着によるもの、嘉手納、宜野湾飛行場を中心とした軍用機、ヘリコプター等の爆音は、軍事演習の激化を裏づけるように激しさを増し、地域住民から激しい抗議を受けています。テレビ、電話の使用が妨げられる、安眠ができずに健康が害されるなどは日常茶飯事であり、宜野湾小学校の最近の調査によると、多いときには1日に180回から200回も同校上空をヘリが旋回していることが明らかにされ、そのため絶えず授業が中断され、児童生徒の教育に及ぼす悪影響ははかり知れないものがあるとのことであります。これまさに学力低下であります。
県民だれしも感じている昨今の軍事演習の激化は、さきのブラウン発言にも見られるように明らかに朝鮮半島に照準を当てた日米韓軍事共同体に根差すものであり、チーム・スピリット、ブロークンアロー等、憲法の空洞化と非核3原則のなし崩しをたくらむ一連の軍事訓練と軌を一にするものであります。しかも日米合意メモが示すように、県民生活の安全に密接な関連を持つ基地機能が県民の意思を全く無視して頭越しに政府間で秘密裏に取り決められているのであります。
復帰後6年の今日、ひとり本県においては民意無視、軍事優先の政策が堂々とまかり通っているのであります。そしてこのことに法的根拠を与え、支えているのが日米安全保障条約であります。言葉どおりであれば、安全を保障する条約でありますから結構なことであります。がしかし、現実には先ほどから述べているように県民は頻発する基地被害に絶えず不安を抱いている危険な状態の連続であります。安全を保障するどころか、県民にとってはまさに危険保障条約であります。
わが党の党是である安保廃棄、基地撤去なくして基地被害の抜本的解決は考えられないのでありますが、百歩譲って安保条約が現実の制度であるにしても、同条約を受けた日米地位協定の第3条3項で施設の使用に当たっては公共の安全に妥当な考慮を払うことが明示されているのでありますから、当面そのことの完全履行を米軍や政府に迫らなければならないのであります。
また、全国の53%の基地を押しつけられ、その重圧にあえぐ本県において、県民代表の府である当議会において軍特委の存続は絶対に必要であります。激化する基地被害に対して、県民の立場に立って対応する機関として強化こそすれ、決して力を弱めることがあってはならないと思うのであります。
以上、基地被害について所見を述べてきたわけでありますが、知事を初め関係部局は事あるたびに抗議、要請、調査等大きな努力を払われていることを評価するものでありますが、今後とも平和で安全な県民生活を保障するために毅然とした態度で一層の努力を払っていただくよう要望を申し上げるとともに、知事並びに関係部長の御所見を承りたいと思います。
また、基地への立入調査は、事故の再発防止という意味からも重要な意義を持ち強化しなければならないと思うがどうか、渉外部長にお伺いします。
また、環境保健部としても、爆音から県民の健康を守る対処策を追求しなければならないと思うがいかがでしょうか。
次に、CTSについて。
エネルギー確保のための国策である石油備蓄政策により、本県の金武湾を中心とした東海岸一帯がにわかにクローズアップし、通産省の出したCTS報告書にも見られるように、2600万キロリットルに及ぶCTS基地建設が可能だとされています。
CTSの持つ環境破壊、海岸汚染等の危険性についてはさきの定例議会でも申し上げましたのでここでは省略いたしますが、この問題に対する沖縄の文化と自然を守る10人委員会の公開質問に対し、去る5月31日付で回答を寄せ、CTSに対する県の考え方を明らかにしているわけであります。
その骨子は、1、石油備蓄については自然環境と県土の保全及び公害防止という面からも重要な問題であるので、総合的に慎重に対処していくこと。
2、国策である石油備蓄は1県1場所に集積させることなく、国民均等に国策に対する負担、またはこれに伴う危険と責任においても分散させるべきであること。その見地から、本県の備蓄量は500万キロリットル以下に抑える。具体的には、現在県が許可済みの枠内437万キロリットルにとどめる。
3、公害発生や環境悪化を未然に防止するため、科学的調査を含めた厳しいチェックを行う等に要約できると思います。
その内容については、われわれも一応評価するものでありますし、この間知事が関係省庁に働きかけた内容とも一致するものであります。
しかし、私どものCTS増設に対する懸念は依然として残るのであります。と申し上げますのは、県の要求に対して政府が限度以下に抑える確答がなされていないこと。国策である120日分の備蓄にはさらに膨大な基地建設が必要なこと。全国各地において公害のエリートとして反対されており、国策の均等な負担ということはむずかしい面があること。さらに加えて本県の地理的状況がCTS立地に最適であり、関係企業が虎視たんたんとねらいを定めていること等であります。県のCTS抑制の態度表明に対抗するかのように、南西石油からはタンク増設許可促進の強い働きかけがあります。
前回にも申し上げましたが、国策のために全国の53%に及ぶ軍事基地の重圧にあえぐ本県に、さらに加えて危険きわまりない石油基地まで国策の犠牲になることは断じて許されないことであります。公開質問状に対する回答に示されたCTSに対する態度を断固として守っていただき、日本一の美しい海岸線を永久に守るために御尽力くださるよう強く要望し、行政措置による可能性等も含めて知事の御所見を伺いたいと思います。
さて、去る4月25日にわが党は県の防災課長を伴って沖縄石油基地KKの現地調査を行いました。海中道路の入り口まで責任者が出迎えるほど丁重な案内を受けて諸般の調査を行ったわけでありますが、現在許可済みの210万キロリットルのタンク群を設置するための地盤転圧作業を実施しているところでありました。
技術者の説明によりますと、安全面には細心の注意を払って作業工程が進められているとのことでありました。しかし金武湾を守る会の調査結果には、元海底の部分は脆弱な地盤であるという結論も出ていますので、この点については県当局も会社側と再度詰めてみる必要があると思います。
さて、当埋立地は60万坪と言われていますが、現在工事中のタンク群21基はその半分の30万坪に全部納まります。残りの空地30万坪を何に利用するかということが、当面大きな関心事になろうかと思うわけであります。
仮にもこの空地に新たなタンク設置を許した場合、許容限度の500万キロリットルをはるかに超すことになり、県の思惑は水泡に帰してしまいます。それだけではありません、そのことが引き金となってなし崩し的にCTS報告書にある2000万キロリットルに発展する危険性もあるとの危惧を持つものであります。新たなタンク群設置規制に決定的な法的根拠がないという条件の中で、いかように対処されるか当面する重要な問題と思われるだけに、しかとした施策をお聞かせ願いたいと思います。
ついでに、多良間村へのCTS設置のうわさが取りざたされましたが、どのようなことであったのか、また現在どうなっているのかお聞かせ願いたいと思います。
交通方法変更についてであります。
沖縄復帰処理の最後のプロジェクトとされている交通方法変更が1カ月余となっています。この一大プロジェクトの遂行に当たって、県民の生命と財産を守る立場から全県民が大きな関心と決意を持って事に当たってきたわけであります。執行部に対策室を設け、本議会においても特別委員会を設ける等あらゆる角度からの対処策を講じてきたわけであります。
「730」が目前に迫った現時点では、もはや総論の段階は過ぎ、各論的な細かい詰めを急ぐ段階に立ち至っているとの認識を持つものであります。
本定例会は、「730」までに行われる最後の定例議会でもあります。したがって交通方法変更に向けて取り組まれる諸施策に対して、県議会全体の意思としての総点検を行う最後のチャンスでもあります。
このような緊迫した時期にあっても、私どもは当初確認したことをここで反復し、基本的認識を誤ることがなきよう、また誤らすことがなきよう万全を期さなければならないと考えるものであります。
当初に確認したこととは、交通方法変更というのは戦後30年余にわたって習慣化し、県民生活に定着している交通方法を一夜にして逆にすることであり、まさに県民の生命、財産にかかわる重大な制度の変革であること。しかも県民の意思によって行われるものではなく、国策によって沖縄県に限ってのみ実施するものである。したがって交通方法変更によって生ずる県民の有形無形の一切の損失補償は、全額国の責任において負担されるべきであるということであります。
そのような認識に立って、県も市町村も関係団体も国に対して要求し折衝をしてきたのであります。その結果を現時点で点検してみるとまだまだ不十分であり、今後に大きな不安要素を残しているのであります。先ほどからあるように、市町村道については那覇市で12%、浦添市で29%の工事の進捗状況であり、特に那覇市に至っては「730」までにかなりの積み残しが出るのは確実だと報じている。そのとおりであれば、準備が完了しないままの見切り発車となり、大きな交通混乱を招く結果になります。
一方、稲村総務長官は去る5月31日に開かれた沖縄及び北方問題に関する特別委員会の中で見切り発車はしない、関係工事の完全執行は可能であるとの見解を示しています。すみ切りなど市町村道の関連工事には、残地補償やつぶれ地補償の問題も絡んで強力な政府折衝にもかかわらず非常に難航しているように思えますが、稲村長官の自信ある答弁をどう受け取ったらよいか。
「730」までに那覇市の道路の整備が完了するのであろうか、これについて県の見解を求めて質問の第1点といたします。
さらに、県警、生活福祉部、教育庁の所轄する関連事業については特に問題はないと報じられているが、万全の体制づくりが可能と受け取ってよいかどうか御所見を伺いたい。
次に、5月26日に県労協から追加申し入れの形で県に対して行われた2項目についてでありますが、唯一の大量輸送機関としてきわめて公共性の高いバスとその従業員に関することでありますので、安全確保の上で非常に重要な案件だと考えます。要求のバスターミナル工事中の仮ターミナル設置と運転技術訓練の実施、それに伴う費用の国庫負担の実現については、格段の御努力をいただくよう強く要望を申し上げておきます。
また、私鉄沖縄(バス労組)が「730」に向けて安全確保の一環として独自の路線点検を行っていますが、その結果判明したバス運行上の危険個所については、県も県警もバスの運転手と共同して点検をなし安全確保に万全を期すべきであると考えますがいかがですか、お伺いいたします。
また、バス関係については補償問題等企業側の要求はこれまでの交渉でわりと満たされているように思いますが、その従業員の安全確保、補償要求についてはかなりの手落ちがあるように思われるので、その点関係団体とも詰めて鋭意御努力をお願いしたいと思います。
さて、道路整備で大変気にかかっているのがパイプラインの問題であります。浦添市、宜野湾市においては、事実上基幹道路となってかなりの交通量であります。軍用地なるがゆえに、交通方法変更に向けての対策は全くなされていません。そのまま放置すると、「730」を期して交通事故の元凶になるおそれがあります。パイフラインについては、「730」対策としてどう措置する考えかお伺いいたします。
以上、いろいろと所見を述べましたが、店舗の営業補償、つぶれ地補償、特別事業の問題等たくさんの難問が未解決のまま残されています。住民のコンセンサスに基づいて歴史的な交通方法変更事業をスムーズに遂行するためには、山積する未解決の問題を残された期間で完全に近い解決を見ることが肝要であります。結果に悔いを残さないためにも、県当局を初め関係者の一層の努力を要望して交通方法変更に対する質問を終わります。
次、教育問題でありますが、学校施設の問題であります。
教育長は、校舎建築に関する特別措置が適用される年度内すなわち昭和56年度以内に老朽不適格校舎の広範囲な改築を進めたいとの抱負があることを新聞報道により知ったわけでありますが、まことに時宜を得た適切な施策であると高く評価するものであります。
本県の教育施設について問題点を大まかに整理してみますと、まず1点目に過密校の問題があります。狭い校地に1000名から2000名にも及ぶ児童生徒が在籍し、教育指導上大きな弊害があることが指摘され、教育庁はその解消のために高校増設や学校分離等で懸命にその対処策を講じてきたわけであります。現在では、ピーク時に比べて過密度はかなり緩和されています。しかし他府県との比較において、また教育効果を上げるための適正規模という見地から見た場合、まだまだ過密校は数多く存在しているのであります。過密校の解消は、教育効果の問題のみならず必然的に教職員の増員につながり、昨今深刻化している雇用保障の問題にもプラスの結果をもたらすものであり、多方面からその解消策が急がれているのであります。
第2点目に、校地の借用地の問題があります。
本県における借用地の総面積は890万平米に及び、全学校用地の20.7%を占めています。これを全国の6.7%と比較すると、借用地の割合がきわめて高いことがわかるのであります。またそのための賃借料も高校、特殊学校のいわゆる県費で直接賄っている240万平米に対して年額7900万円を支払っており、県財政へもかなりの影響を与えております。地教委の負担する小中校分も含めると莫大な金額になり、国の助成による早期の買い上げが望まれております。
第3点は、先ほど述べた老朽校舎の問題であります。
このことについては、去る3月の予算特別委員会でも教育長の見解をお尋ねしたわけでありますが、私ども文教厚生委員会が各地の学校を調査した際、現場からの要望の中に小中高校、特殊学校を問わず老朽校舎の改築問題は含まれていたのであります。久米島のある小学校においては、コンクリートのかけらが天井から落ちる場合もあると報告され、安全管理の上からも深刻な問題になっていることを知ったわけであります。今回教育長が老朽校舎解消に意欲的に取り組む決意を伺い、大きな期待を寄せているものであります。
以上、大まかに本県の学校施設の抱える問題点を挙げてきましたが、3点いずれの場合にも多額の財政支出を要するということでは共通であり、貧困財政の本県にとってはその解決に大きな困難があることも理解できます。しかし、教育の向上と施設の充実とは不離一体であります。教育の重要性にかんがみ、教育効果を上げ、教育レベルの向上を図る上から、どうしても解決しなければならない問題と思うのであります。新進気鋭の前田教育長の御奮闘を期待するものであります。
そこでお尋ねしたいことは、以上述べてきた借地、過密校、老朽校舎の解消についてどのように対処していかれるかお伺いいたします。
また、老朽校舎の定義は何かお尋ねいたします。
答弁は、先ほどの仲村議員のものとも重複する面があるかと思いますので、簡潔にお願いしたいと思います。
以上のことは、行き届いた教育を行うためにできるだけ早く実現させてほしいと思います。
しかし、全然急がないでもよいのもあります。先ほどの主任制がそれです。
詳しい内容に立ち入る時間はありませんが、簡単に申し上げますならば、きわめて非民主的であり、教育の国家統制を強めるための人確法に基づく特別人勧の締めくくり的なものであるし、近時とみに反動化している教育政策を進めやすくするための方便であるとの認識に立ちます。
したがって、全然急ぐ必要はありません。先ほどの答弁の中で、できるだけ早く混乱を起こさないように実施したいとのことでありますが、かなり矛盾していると思います。できるだけ早く実施するということは、できるだけ早く混乱を起こすことになると思います。
また、関係団体とよく話し合いたいとのこともありましたが、このことは賛成であります。何といっても教育現場をよく知っているのは現場の教師であるし、主任制度そのものも教育現場に適用されるものでありますから、特に教職員のほとんど全員が加盟している県教職員組合との話し合いは必要欠くべからざるものと思います。
地方分権の精神を最大限に尊重して、知事の御答弁にもあったように混乱を起こさないように関係団体ともよく話し合って慎重に対処していただきたいことを強く要望して、質問を終わります。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) お答えいたします。
御指摘のとおり、相次ぐ基地被害には非常に憂慮にたえないのでありますが、数回にわたって関係機関に強く訴えてきました。特に安全保障条約から生まれた地位協定について、私は外務省政務次官お一人にしかお会いできなかったのでありますが、そこで申し上げたことは、基地被害の数々を申し上げるとともに、地位協定、安保条約が成立してから60年安保までは8カ年、8カ年にして情勢の変化によって改正した条約は、10年を経過すれば一方の通告によって破棄できるということもうたわれてあったと記憶しております。
私は、その10年を云々するわけではないが、すでに10年を過ぎている。60年安保のときの情勢と今日の情勢は大分変わったものと受け取る。情勢の変化もさることながら、その間不安な状態に置かれた県民がおるということを十分に認識していただいて、この地位協定に何とかメスをくだしてもらいたい。前はたった8カ年で改定したのに、何がゆえに10年以上の今日、沖縄の基地をそれほどまで深く考えない。他府県にある基地を主体にして結ばれたであろう地位協定を沖縄返還のときに横すべりさせた、それでは現地におるわれわれとしては承服できないことである。ぜひともこの点は検討を願いたいということを強調してまいりました。
次は、石油基地でありますが、これも御指摘のとおり私はあえて500万ということを強くは言うておりません。前知事によって認可された、これ以上は増加させてもらいたくないと、こういうことを強く主張してまいりました。これは総理大臣を初め通産大臣にもお会いし、資源エネルギー庁から発行されておるパンフレットもいただきました。その中に、地域住民の合意は不可欠の要素であると。地域には余り利得はないという意味のことをはっきりと明示されている。
私が前知事時代に認可された分を主張いたしました理由は、55年度までに90日分だという国策の、私が持っているその数字は政府のものとつき合わせてみたが相違はありませんでした。当時まで75日分しか備蓄はしてない。仮に90日分と見ても、前知事時代に認可済みは5.79日分になっている、沖縄では。パーセンテージにして6.4%。
基地を膨大に抱え、戦後処理の幾多問題が残っている今日、地域住民の反対を押し切ってまでこういうことをやるということは考えてもらいたいと。
沖縄は普通の場合戦前から1%だが、私は1%を固持しようとは思わない、岐阜県や奈良県に石油備蓄ができるはずはないんだから。しかしながら1%とは申し上げないが、6.4%、これ以上備蓄を沖縄にということはどう考えても無理であると申し上げましたら、事情はよくわかったと、関係者とよく話をするからとは通産大臣のお言葉でありました。
その後も資源エネルギー庁と話し合ったんですが、これは知事には認可申請が出れば、瑕疵がなければけることはできない。結局は、政府御当局の理解ある措置に訴えるほかに方法はないと思って何回となく行っておる段階でありますが、まだまだはっきりした結論には到達いたしておりません。
なお、多良間島のことがありましたが、この点に関しては副知事の方で情報をよく収集しておくようにと話してありますので、副知事の方から答弁さすことにいたします。
次に、交通方法の問題でありますが、これはこれまで各関係部局長から答弁したとおりでありますが、お説のとおり損失補償の問題等まだまだ未解決があるし、なおまた特に那覇市におけるすみ切りの問題等、果たして7月30日に間に合うかと懸念される点も多々ありますが、損失補償の問題につきましてもこれは総務長官には二、三回申し上げましたが、越智副長官にも申し上げたんです。
率直に申し上げて、われわれは現地で司令官に会うときに安保条約をいつも持ち出される、安保条約のためにと。今度の交通方法変更も、またこれは国際条約であると。
条約は重んじなければならないが、そのために被害をこうむるところがあるとするならば、相手のある条約でどうにもならぬのもあるだろうが、その条約はいまの交通方法変更の問題だけは、これは金と時間さえかければそれほど迷惑はかけないで事は済む。この点を十二分に御配慮願いたい。
これは沖縄にとって、日本にとって歴史的な大事業である。よく30年間の習慣という言葉がありますが、軍の場合はそうですが、人にとっては戦前から「道は左 薬は星」と薬品会社の広告にまで使われるほど道は左でありました。ですから、これは戦前から今日までの習慣を切りかえる歴史的な事業であるがゆえに、既存の法律や規則等で金を出そうとするところにむずかしさが出てくる。歴史的事業は、歴史的な考え方をもって住民が納得するようなあり方を講じてもらうのが当然だと、こういうことを主体にして申し上げてきましたが、いまだに補償の問題だとか、あるいは特別事業についても確たるところまでいっていないのもありますが、それでもわれわれは屈することなく万全を期して努力をいたしたいと思っております。
先ほど御指摘にありましたバス従業員とか、あるいはまた各関係団体の意見をという御指摘がありましたが、そのとおりで、われわれはどうしても今月の末までにもこの関係団体の意見を徴するとか、みんなが話し合いをして、総点検をして7月30日のこの切りかえを県民の安全保障という立場から、まず何といっても安全の保持、これを主体にし、損失の問題は後でも考えられるわけであるが、安全だけはすぐそのときから問題になりますので、安全ということに一応焦点をしぼって各方面の御意見を徴し万全を期したいと、こう考えております。
他の分野につきましては、関係部局長から答弁さすことにいたします。
○議長(知花英夫君) 野島副知事。
〔副知事 野島武盛君登壇〕
○副知事(野島武盛君) ただいま御質問をいただきました多良間村におけるCTS建設の報道に接しまして、その概略を宮古支庁からの報告によって説明を申し上げたいと思います。
多良間村において、昭和53年の3月4日に、これは双栄産業株式会社の社長でしょうか、奥間さん外2名が村役場を訪ねましてCTS建設の趣意書を手渡して説明が行われております。
それから13日は、多良間村議会で、ここは開会中でありましたけれども、休憩時間を利用して村長が村議員全員に対してさきの趣意書を読み上げて問題提起をしたと。
18日は、村長名で議会議員、農業委員、各区長、それから全役場職員に備蓄計画についての説明会開催の通知が発送されております。
それから翌19日は、双栄産業の沖縄支店長から約1時間ばかりにわたって説明がなされたと。
ちょうどその時点でマスコミに取り上げられまして問題が表面化いたしましたので、一応そこで説明会というものは中止された。これは宮古支庁の資料でございますけれども、村長の話では、この報道に対して迷惑千万だと遺憾の意を表していたというような情報でございました。
以上です。
○議長(知花英夫君) 渉外部長。
〔渉外部長 久貝誠善君登壇〕
○渉外部長(久貝誠善君) 相次ぐ米軍演習に起因する事故の発生防止という意味からも、基地内の、立入調査を強化すべきではないかとの御指摘でございますので、お答えをいたします。
御指摘のように、基地内への立入調査については、県はこれまでも基地の実態を把握することと、さらに事故発生に際しては、その状況を詳しく調査し再発の防止に万全の対策を講じさせるという観点から非常に重要なことだと考えまして、機会あるごとに米軍当局や防衛施設局に対してその立ち入りの調査を申し入れてきております。
しかしながら、米軍は基地の管理権を盾に県の要求に応ずるのはきわめてまれでございます。たとえ許可したとしても、県が調査を必要とする地域は外されたり、さらには事故の調査においては、事故発生から数日経過して事故の痕跡等が跡をとどめない時点での許可が発せられたりということで、基地の実態の把握や事故の状況等の正確な調査、これはきわめてむずかしい状況でございます。
県といたしましては、特に県民の生命、財産を守る立場からも必要に応じてできるだけ多く基地内に立ち入って調査することができるように今後ともあらゆる機会を通じまして関係機関に対し申し入れをしていきたいと、このように考えております。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 那覇市の交通方法変更事業の執行状況についてでございますが、那覇市、浦添市の交通方法変更事業の執行状況につきましては、これまでつぶれ地問題、用地交渉の問題がありまして執行がおくれておりました。
交通方法変更に伴うつぶれ地補償につきましては、県としてもこれまで国に強く要請し、また開発庁、建設省の係官の派遣を求め、個々のケースにつきまして現場調査を踏まえ市と3者協議をもってつぶれ地問題による執行の隘路の解消に努力してまいりました。現時点では、つぶれ地による執行上の問題は大方解決を見ております。那覇市、浦添市とも現在「730」に向けて全力を挙げて取り組んでおりまして5月末の執行率は低いのでありますが、工事発注準備を進めておりまして、これから「730」に向けて急速に執行が促進されるものと見ております。
しかしながら、現在それでもなお完成が危ぶまれているのが那覇市で11カ所ぐらいございますが、私は那覇市に対しましてさらに努力してぜひ全部完成してもらうように強く要請しているところでございます。
次に、私鉄沖縄が調査している問題でございますが、県は交通方法変更事業として国が示した基準と一昨年から昨年3月にかけて道路の専門家及び学識経験者から成る道路施設変更調査委員会が調査、研究した方針に従いまして、交差点改良、視距改良、車両停車帯及び区画線、防護さく、反射鏡等の整備を進めておりますが、私鉄沖縄が調査している県管理の道路につきまして、県としても私鉄沖縄の調査結果をよく聞きまして早急に対処していきたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 伊波茂雄君登壇〕
○環境保健部長(伊波茂雄君) 基地からの被害のうち、特に航空機騒音対策についてでございますが、私たちが調査した状況を申し上げますと、52年8月の24時間連続測定の結果では騒音が100ホンを超えることもありますし、さらにこの24時間に90ホンを超えるのが100回以上もある地点も見られるわけでございます。WECPNLの環境基準75であるべきところが86、70のところが95といったような状況にありますし、さらに夜間、早朝にも騒音が発生して地域住民の生活を著しく阻害いたしております。
これに対処する根本的な方策といたしましては、発生源を地域から除去するということが最も重要でございますが、この点については基地の撤去等再三申し入れを国に行っているところでございます。
次に、公害関係法令の基地に対する適用とその遵守について国に意見をただしておりましたところ、昭和52年の10月6日に外務省の方から回答が参っております。
要点だけを申し上げますと、地位協定に特別の定めがない限り国内法令に基づき米軍を規制したり、米軍に対し一定の義務を課すことはできません。しかしながら地位協定第3条3項の定めにもありますとおり、わが国の公害関係法令の実態については、これを尊重すべきことは言うまでもありませんということになっておりますし、さらに環境庁からも同日の回答が参っておりまして、そのうち関係のある分を読み上げますと、在日米軍施設区域環境調査を昭和48年、49年に実施しております。その結果に基づいて、各種公害関係法令に適合しないものについては必要な措置を講ずるよう米軍に申し入れてあるとのことでございます。
また、日米合同委員会の下に新たに環境分科委員会が設置されたそうでございます。
航空機騒音に関しては、すでに今般日米合同委員会の下に航空機騒音対策分科委員会が設置されたとのことでございます。環境庁としては、これらの場を通じて関係省庁とともに問題の解決に努めたいという答弁がございました。
しかしながら、現実には騒音は依然として発生しておりますので、県といたしましては騒音を最小限にとどめる方策を講ずることにしておりますし、そのためそういった方策を講ずるよう現地米軍に申し入れをいたしております。
その例を挙げますと、離発着回数を極力減らすとか、あるいは飛行コース等の変更、夜間、早朝の飛行の中止、あるいはエンジン調整等については消音装置を使用する等の対処策を講ずるように申し入れをいたしておりますが、まだ根本的な解決には至らない状況にございます。
今後も、この発生源をなくするような申し入れを行うとともに、騒音レベルをチェックいたしまして必要な改善策を関係機関に申し入れをしていきたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 企画調整部長。
〔企画調整部長 吉元嘉正君登壇〕
○企画調整部長(吉元嘉正君) 交通方法変更に関しますパイプライン対策についてお答えいたします。
パイプラインが敷かれております部分はほとんど道路法でいう道路ではございませんので、御懸念の点につきましては総理府、また防衛施設庁の方に連絡をとって検討していただいておりますが、さらに米軍、それから防衛施設庁にも万全の対応措置をとるよう緊密なる連絡をとって対処していきたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 警察本部長。
〔警察本部長 齊藤 隆君登壇〕
○警察本部長(齊藤 隆君) 交通方法変更に関連いたしまして3点ほどの御質問がございましたので、お答え申し上げます。
まず第1点の、県警としては万全の体制づくりが可能かという御質問でございますが、結論からさきに申し上げますと、万全の体制が可能であるという結論でございます。
交通方法変更に関しまして県警としてやらなければならない事項、所管すべき事項は大まかに申し上げまして4つございます。
まず第1が、公安委員会が所管しております信号機、それから道路標識、道路標示など安全施設の切りかえの問題、これが第1。それから第2に、変更時の特別交通規制の問題、それから第3には、変更後一定期間街頭における交通指導の実施の問題、それから第4に、変更に伴う危険と混乱を防止するための安全広報の実施と、大体この4つに大別されると思うわけでございますが、まず第1の安全施設の切りかえの問題につきましては、現時点で信号機につきましてはすでに78%完了、標識につきましては86%完了いたしておりますし、残りの工事も順調に推移しており、さらに標示につきましては、マーキングでございますが、これは余り前からやるわけにまいりませんので、ことしの5月16日から工事にかかっておるわけでございますが、県内の業者の大変な御協力によりましていずれも7月15日までには遅くとも完成するという見通しでございます。
それから危険と混乱を防止するための安全広報の実施でございますが、いわゆる運転者――ドライバー向けの注意事項のパンフレット、これが実は35万部あるわけでございますが、これをすべからく全部個人あてに郵送するというあて名書きの作業をいまやっておるわけでございますが、これも予定どおり進行しておりますし、また一般家庭向けのパンフレット28万部を初めとする各種の広報の印刷物もでき次第各世帯を巡回して配布するキャラバン部隊を編成するなど、発送準備にすでに取りかかっておるわけでございます。
しかしながら、このように安全施設を切りかえ、広報をいかにやったとしても、先ほど来お話のありますように30年来なれ親しんだ交通方法が一夜にして変わるわけでございますので、県民の方々の不安と戸惑いというものはどうしても払拭し切れるものではないと。これをなくするにはやはり街頭に、交差点等に多数の警察官が出て現場で指導することに尽きるであろうという観点から、これにつきましても実は私ども2800名の応援を要求いたしましたところ、関東以西の31の都府県から要求どおり2800名の応援をいただくことが確定をいたしました。そして現実には去る5月の31日には、すでに応援をしてくれる31の都府県の交通指導課長を全部警察庁に集めてもらいまして、私どもも出向きまして具体的な応援派遣についての詰めを行っておりますし、さらに6月2日に開かれました全国警察本部長会議の席上において、警察庁長官が訓示の中で交通方法の変更事業は沖縄県警察だけの問題ではなく、全国の警察の問題として一体となって取り組むようにという強い指示がなされておるところでございます。
したがいまして、応援部隊約2800名のうち、2000名が街頭指導の徒歩指導の部隊でございます。それから800名が機動部隊で白バイ100台、パトカー80台余りを本土から持ち込んできてくれまして、これが新しい交通ルールづくりに寄与してもらうという形をとっておるわけでございます。
それから第2点のバス路線に対する点検でございますが、これは私どもの方といたしましても、特に御指摘のように大量輸送機関の問題でございますので安全確保はとりわけ重要でございますので、共同点検につきましても積極的に参加してまいりたいとかように考えております。
それから第3点に、パイプラインの問題が出ましていま企画調整部長からお話がございましたが、いわゆるパイプラインにつきましても、われわれの方としては一般交通の用に供されている限り、いわゆる安全施設として信号機、これが現在9基つけております。それから道路標識、道路標示もすべからく設置しておるわけでございまして、したがいましてこれらの安全施設につきましては、警察が所管しております安全施設につきましては、交通方法変更に伴いましても当然に一般道路と同様に対応する手当てを行っておりますし、さらには運転者、歩行者の安全確保のためにいわゆる注意喚起標識、注意喚起標示といったものについても、他の道路と同様に手当てをいたしておるという状況でございます。
以上です。
○議長(知花英夫君) 教育長。
〔教育長 前田 功君登壇〕
○教育長(前田 功君) お答えいたします。
まず最初に、交通方法変更に関して児童生徒の安全対策について教育庁としての対策の経過を申し上げます。
教育庁としての対策は大きく分けまして6つございまして、その第1番目は交通安全指導資料の作成配布、これはすでに県下の全幼稚園から小学校、中学校、高等学校、特殊学校の各学校に配布してございます。
それから安全指導者の講習会、これを2月と5月に実施しております。実施対象は、全学校の管理者及び学校安全担当の教師でございます。
それから交通方法変更指導対策委員会を去る4月に設置して、具体的な問題等についての対策をいま実施しております。
4番目に、交通安全指導用の教材の配布、5番目にスクールバスの買いかえ、最後に最も重要であります各学校における安全指導の徹底、以上が教育庁としての交通方法変更に関する対策でございますが、現在のところ計画どおり順調に進んでおりますが、今後とも万全の体制づくりをしていきたいと考えております。
次に、学校施設の問題についてお答えいたします。
現在、学校用地の買い上げに対する国庫補助は、児童生徒急増市町村指定地域に限定されておりますが、沖縄県の場合は、特別に過大規模校を有する市町村に対しても同地域に準ずる取り扱いがなされております。しかしながら一般の借用校地の買い上げに対する補助制度はございませんので、これまで国の関係機関に対してその創設について要請してまいりましたが、まだその実現を見ておりません。
幸いにいたしまして、全国的な組織であります全国公立学校施設整備期成会の昭和53年度の運動目標の1つにこの問題を取り上げてもらっておりますので、今後はその組織を通して関係省庁に強く働きかけていきたいと考えております。
過密校の問題については、ここ二、三年の間にかなり解消してまいっておりますが、市町村立学校における過大規模の学校が人口流入の激しい市町村に見られますので、用地取得に対する国庫補助制度を適用いたしまして、条件の整っている学校から漸次解消を図っていきたいと考えております。
県立学校についても、幸いに昭和53年度以降中学校卒業者数が漸減いたしますので、これにあわせて引き続き高等学校の新設を図ることによって過大規模校の適正化を図っていきたいと考えております。
老朽校舎の改築につきましては先ほども御答弁申し上げましたが、終戦後およそ20年間に建てられた建物に老朽化の現象が著しゅうございますので、今後緊急を要するものから順次昭和56年度までにその解消を図っていきたいと考えております。
最後に、御質問の老朽校舎の定義について次のように考えております。
これは法令等に規定された用語ではなく、ごく普通常識的な用語として私たちは使用しております。すなわち戦争直後からおよそ20年間に建築された先ほど言った建物の中では、当時の乏しい資材や機械力で建てられたために現在ではコンクリートの亀裂あるいは剥離、鉄筋の露出等建物自体損傷がひどく、校舎としての機能も不十分なものをわれわれは総称して老朽校舎と呼んでおります。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 伊波広定君。
〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 私は、日本共産党県議団を代表いたしまして、当面する県政の問題点について知事の御見解をお伺いしたいと思います。
まず、円高ドル安、不況とインフレ、倒産、失業と打ち続き、厳しい生活を押しつけられている県民の生活防衛と雇用対策について質問を行います。
日本経済の構造的危機は、政治、経済、文化、教育のあらゆる分野にわたって一段と深まっています。とりわけ大企業本位の高度成長政策と日本経済の根深い対米従属によってもたらされた構造的危機が進む中で、円の急騰という衝撃的な事態も加わり、日本経済と、国民生活の危機は依然として深刻なものになっております。わが国の経済危機の主たる原因は、わが党が一貫して指摘しているように、わが国の低福祉、低賃金、10数年にわたる自民党政府の高度成長政策と結びついているために、世界的経済危機の中でもひときわ深刻な構造的危機としてあらわれています。
こうした視点に立って、わが党はことしの2月定例議会の代表質問でも明らかにしましたように、沖縄の経済危機打開、経済復興は日本の経済危機打開の方向と不可分の関係にあるという立場から、その基本的な姿勢を述べたのであります。ところが自民党政府は依然として対米従属、大企業本位の政策をとっており、わが国の経済は一向に回復する兆しもなく深刻な事態です。
本県の経済危機はさらに深刻で、企業倒産と人員整理は高水準で続き、失業者、不安定就業者は著しく増大し、物価高騰のもとで県民生活はきわめて深刻です。とりわけ本県における雇用失業問題は一刻も早く現状を打開し、問題解決を図ることが県政の緊急課題となっております。
このような立場から、知事並びに関係部長に対して質問をいたします。
第1に、沖特法39条の規定に基づく公共事業への失業者の吸収率を高めることについてであります。
2月議会で私の質問に対し、県は、同制度の効果的な活用を図るため発注機関において仕様書に公共事業施行通知書の提出義務を明記するなどの施策を講じると答弁しておられましたが、その後どれほどの効果があったか。また国の直轄事業に対して、同様な対策が講じられているかあわせて御答弁をいただきたいと思います。
次は、中高年雇用促進法に基づく特定地域指定の問題であります。
県は、2月議会での私の同問題での質問に対し、現在準備中であると答えておられます。
また、わが党県委員会が4月15日に知事への申し入れ書を手交した際、当局は、特定地域開発就労事業を実施している福岡県に調査団を派遣して検討していくと言っておられましたが、その後この問題についてどの程度進展しているか御答弁を願います。
第3に、沖特法38条の規定による就労の機会を図るための事業の実施についてであります。
このことは、わが党を初め県内労働団体などからも強く要望されている問題であります。
わが党の瀬長衆議院議員が今年の5月13日、政府に対し、沖縄県の雇用及び失業問題に関する質問主意書を提出し政府の答弁書を受け取っておりますが、その中で、沖特法38条のことに関しては、政府はこれまでの一貫した否定の姿勢から肯定もしない、否定もしない含みのある答弁をやっております。この時点に立って、県として再度政府に対し、沖特法38条に基づく公的就労事業の実施を強く要請する必要があると考えますが、知事の御見解はどうでしょうか。
次に、健康保険の黒字とその対応についてお伺いします。
政府自民党は、今延長国会に健康保険法の改正案を提出しています。政府は、改正の理由として政府管掌保険財政の赤字を挙げております。もともと政府管掌健康保険は中小企業に働く低賃金の労働者を対象としているため、その財政基盤が弱い上に長く続く不況とインフレの中で医療費が増大し、財政の困難が一層強まってきていることは事実です。
いま、国民医療費は昭和50年度に5兆4000億円、51年度7兆8000億円、52年度は8兆円を超すことは確実です。こうして毎年1兆円単位でふくれる医療費の増大に対して、政府は何の対策もとらないで、しかも健康保険を食い物にしてボロもうけをしているところの製薬資本の薬には手もつけない、そしてその赤字をすべて勤労国民に押しつけようとしているのが今回の医療保険法の改正であります。
しかし、沖縄はその逆で、健康保険財政が膨大な黒字になっていることです。環境保健部の資料によりますと、昭和47年から51年の5カ年間で国民健康保険の41億円、政府管掌保険の100億円を初め国家公務員共済組合等を含めますと、実に200億円以上の黒字が推定されるのであります。
これだけの膨大な額の金が、本土に流れっ放しになっております。それは県民が必要なときに医療が受けられないという医療施設が少ないことが黒字の大きな要因になっていることは明らかであります。医師や医療従事者の数でも全国対比で、医師54.6%、歯科医師42.2%、看護婦67.7%という低い数字であります。
また、離島僻地に県立診療所が29カ所もあるが、そのうち7カ所は医師も医介輔もいない無人の診療所です。厚生省の基準でいうおおむね半径4キロ、人口50人以上の居住する地域、この地域の無医地区が16市町村にわたって34地区も沖縄は抱えております。
本県は、救急医療のように全国的にもすぐれた体制を確立している面もありますけれども、離島僻地の医療等大きくおくれています。沖縄の健康保険財政が、膨大な黒字を出している要因もここにあるわけです。
沖縄県民は、いつでもどこでもいい医療を受けることができなければならないわけです。そのためにはとりあえず他県並みに医療施設を充実させることです。国は、当然これを保障する責任があります。国がその責任を果たさないならば、沖縄県の健康保険の黒字は、現在国会に出ているところの健康保険法の改悪も相まってますます黒字が増大することは確実であります。
県は、国立の総合病院がわずか1カ所しかない沖縄に保険共済病院を建設することを厚生省に対して要請しているということでございますが、それとともに離島僻地、無医地区の人たちがいつでもいい医療が受けられるような施設をつくることも優先して考えるべきと思います。知事、関係部長の御見解をお伺いいたします。
次に第3の質問、下地島訓練飛行場の問題です。
同飛行場については、昭和54年度、来年4月の開港を目標にその整備を進めつつありますが、復帰後の経済事惰の急激な変化などもあって、開港を控えその管理運営をどうするかは県政の重大課題の1つとなっています。
御承知のように、わが党はこの問題については当初から一貫して反対の立場をとってきました。すなわち1969年7月7日、このSST(超音速機)パイロット訓練飛行場計画は、当時の佐藤自民党政府の日米安保条約の自動延長、日米軍事同盟の核軍事同盟化などと自由出撃化が策動される中で出されてきた案であります。そういう軍事的側面を無視し、単に沖縄経済に及ぼす影響が大きいということだけで片づけられない問題として、沖縄人民党時代から反対の態度を明らかにして今日に至っております。
しかしながら、当時の琉球政府は、わが党を初め他の与党の反対を押し切って県営、非公共という知事念書によって軍事目的の使用については歯どめができるとして、自民党の協力を得て建設を進めて今日に至っております。ところがさきに申し上げましたように、今日の円高ドル安という経済情勢の大きな変化の中で、気象・通信業務の問題なども絡み収益性が全く望めないばかりか、知事念書を貫くことさえ困難な状況に追い込まれています。
このまま放置するならば、県民に多大な損害を与えかねません。これまでの特別会計への外部資金の借り入れは、資金運用部資金、琉銀縁故債合わせて33億3900万円、一般会計からの借入金21億246万円という膨大な額に上り、毎年の元利償還金だけでも5億円と言われております。もはや事態がここまで来ている以上、県民に損害を与えないよう、しかも同飛行場の軍事目的での使用を絶対に許さないという方向での同飛行場の問題処理は、緊急かつ重要な県政の課題と言わなければなりません。
わが党は、当初から反対したからといって事態を見過ごすことはできない。真に県民に責任を負う公党として質問をする次第であります。
まず第1に、県はこの訓練飛行場をめぐる情勢の変化をどうとらえ、どのように対処しようとしているかということです。
この訓練飛行場の建設は、地元への経済メリットが大きく宣伝されてきました。県は、まだこの神話みたいな話を信じ、飛行場の管理運営による収益性に現在も期待しておられるかどうかということです。もしこの当初の期待が薄くなるとすれば、県民に損害を与えないように、あるいはその損失を最小限に食いとめるように努力しなければなりません。
きょうのタイムスの記事によると、この飛行場を準公共とするという記事が出ておりますが、準公共とはどういうことなのか御説明をいただきたいと思います。しかも軍事目的の使用を絶対に許さない方向での処理を検討する時期が来ているかどうか、どう対処されるか知事の御見解をお伺いします。
次に、交通区分変更を53日後に控え、知事並びに関係部長の御見解をお伺いします。
わが党は、県民の命と財産を守る立場から、この問題の基本についていま一度明らかにする必要があると思います。
戦後27年にわたる米軍の占領支配のもとでとられてきた米軍優先の道路から、県民本位の交通体系を確立するものでなければならないと考えております。しかし政府は、交通区分の変更を単に国際道路交通条約を遵守の面から見、これに対処して、米軍占領がもたらした沖縄の交通体系混乱の抜本的解決の責任を回避してこの事業を推し進めています。モータリゼーションのはんらん、道路整備の不十分さ、つぶれ地の未補償等戦後処理をサボった国の責任放棄がこの事業を進める上で大きな妨げになっていることは、だれの目にも明らかであります。
沖縄県民の意思でなく、アメリカ占領軍によって押しつけられた現在の交通方法を、33年後の今日国と国との条約によって変えることは、当然国の全責任によってなさるべきで、いささかも県民に不利益と損失を与えてはならないことは理の当然であります。しかし政府は、変更に直接関係する信号機、交通標識、車両の取りかえ等に重点を置き、県民の安全を保障するための道路整備、それに伴うつぶれ地の補償、予想される交通事故、商店、ガソリンスタンド等営業の補償については消極的であり、このままでは県民の不安をぬぐい去ることはできません。
これらのことについて、県民からさまざまな要求、陳情等が出されており、事故の際の救済措置、営業の損失補償、歩行者の安全対策、とりわけ身体障害者や老人、子供らの弱者対策等、その一つ一つが生命にかかわりがあり、生活につながる切実なものであります。県議会も2回にわたって政府に強く要請してきたのであります。
交通区分変更に対する質問の1つは、現在の道路工事の進捗の状況を見ますと、那覇市の執行率12.6%を初めとして大きくおくれています。つぶれ地の補償が大きな障害になっているのです。5月31日の国会における政府答弁を見ますと、総務長宮が示したつぶれ地に関する基本方針に基づいて措置することにし、工事もやや好転していると変更時に間に合う見通しを述べています。同時に総務長官も見切り発車はしないと発言していますが、その発言を裏づける十分な詰めが県と政府との間になされているかお伺いいたします。
2点目に、米軍関係車両は県内保有車両の11%を占め、その対策は県民の安全にとって大きな比重を占めておりながら、そのことについては基地内に手が届かないため米軍自体で対策することになっていると聞いております。米軍基地内のアメリカ人や車の出入りもあり、大きな不安の要素となっております。基地に対する指導はどうなっているか、どのように確認されるか、十分な体制がとられているかどうかお伺いいたします。
県は、これを機に県民の英知を結集して国鉄導入を含めた県民本位の交通体系の確立を県政の重要課題として位置づけ、その推進のための努力をすべきだと思いますが、知事の御見解はいかがでしょうか。
質問の第5は、核兵器の全面禁止、安保条約の廃棄、基地撤去についてです。
去る5月23日、ニューヨークの国連本部で国連軍縮特別総会が開幕しました。核兵器全面禁止を要求する非同盟諸国の発意によって国連加盟149カ国はもちろん、民間代表として国連非政府組織(NGO)代表も参加する国連史上初めての軍縮のための特別総会であります。
この総会に、日本からはこれまでの原水協、原水禁の枠を超えて核兵器完全禁止を要請する日本国民代表団が参加し、特に日本国民が体験した被爆の実相を訴え、一日も早く核兵器の実験、使用、製造、貯蔵、拡散配備を全面的に禁止する国際条約をつくることを要請することになっています。本県からも、5名が同代表団としてこの総会に参加しております。
さらに、3500万人を目標にした核兵器完全禁止を要請する大署名運動も展開されました。そして去る5月30日には、1870万人の要請署名が同代表団から国連当局へ提出されました。それを受け取ったビョルナーシュテット事務次長補は、核兵盟は人類の生存にかかわる問題であり、この目標を実現するために国連は民間団体の創意を必要としており、署名は時宜にかなったもので、軍縮特別総会の討議が成果を上げるのに貢献するに違いないとあいさつをしました。
そこで知事に、最後の質問を行います。
知事は、2月定例会における提案理由説明の中で基地撤去、安保廃棄についての明確な態度を表明し、代表質問に対する答弁でも毅然たる不動の姿勢を示され、革新県政の基本の方向を一層鮮明にされたのであります。しかしながらその後金武村伊芸における砲弾破片落下事件、名護市数久田海岸において105ミリ砲弾が撃ち込まれた事件、F4ファントム戦闘機墜落炎上事件、7000トンの弾薬積載中の米軍輸送船噴煙事件等々米軍基地の事故が続発し、県民の生活が脅かされています。
さらに、これらの事件で米軍当局がとった理不尽な態度とこれらをあくまでかばおうとする自民党政府の屈辱的な態度が典型的に示されておりますように、日米安保条約とそれに基づく米軍基地の存在は日本国民の安全と生命を脅かす根源、民族的屈辱の根源であります。核兵器と核部隊が存在し、BDU8B核模擬爆弾投下や核防災訓練が公然と行われている本県にとって、この国連軍縮特別総会は画期的な意義を持っていると言わなければなりません。
今月の28日まで開かれますが、知事は500名の国連に核兵器完全禁止を要請する日本国民代表団が参加して開かれている画期的な国連軍縮特別総会の意義をどのように受けとめておられるか、核基地沖縄の県知事として、核兵器廃絶についての知事の御見解を承りたいと思います。
以上で、私の質問を終わります。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) 盛りだくさんな御質問でありましたので、漏れる点もあるかもしれません。その点は関係部長に補足をさせたいと思いますので、御了承願います。
最初に、失業問題に関連した問題と思いますが、その沖特法の第39条の規定に基づく失業者の吸収率は、公共事業に使用する無技能者総数の60%を雇い入れるように請負業者に義務づけられておりますが、手持ち労働者が使用無技能者総数の40%以上いる場合は60%より低い比率でよいということになっています。
公共事業の吸収率の実績については、これは関係部長から数字的に説明をさせたいと思っております。
医療機関についてもありましたが、この点はお説のとおり離島における医療機関については十分に配慮したいと思いますが、何分にも予算との関連もありますので、あとう限り充実させていきたいとこういうふうに考えております。
後になりましたが、中高年齢者等雇用促進特別措置法の2条の1に基づく問題につきましては、これは関係部長から答弁さすことにいたします。
それから下地島パイロット訓練飛行場につきましては、午前中の御質問にもお答えしましたとおりでありますが、ただ情勢の変化をどう受けとめておるかとこういうことでありますが、われわれはこれを計画された当時とは違いまして、いまは円高ドル安になってそれは経済上大きな変化を来しておると。
そこで、当時アメリカで訓練されておったものと、逆に今度沖縄で訓練するということになるというとここに相当の変化が来るものと思っておりますが、しかし大局的に見た場合には、アメリカで訓練するための費用は日本全体からはそれなりに全部外へ流れるんだが、国内で訓練するということになれば国内の移動であるということも一応考えられるんじゃないかと。
それにしても円高になった今日、建設そのものからやはりそういった情勢の変化と、もう1つの情勢の変化は、パイロットの需要が当時の計画と今日では大分少なくなっておると、これも聞いております。これは沖縄の飛行場は大阪の航空局の管轄でありますので、大阪の航空局の局長に会っていろいろとお聞きした場合にわかった点であります。
なお、収益性、この点はお説のとおり地代が相当占めておりますので、これはこれまでも関係部長が予算折衝の場合に、パイロット訓練は民間航空会社にとって絶対に必要であり、国にとっても必要である。われわれにとっては地域開発に役立つという面だけが必要であって、そうなるというとこの土地の確保について改めて政府は考え直してもらいたい。
そこで、予算折衝でこれはよく出しております。いまのところ納得させるところまでいっておりませんが、これはどうしてもこの問題もけりをつけていかなければいかないじゃないかと。でないとするならば、また別途考えなければいかないとこういう点でいまわれわれは苦慮しているところでありますが、午前中に申し上げました会社設立と照らし合わせまして、幸い運輸省と航空会社と県と話し合う場を持っておりますので、そこいらで十分に検討いたしたいとこう思っております。
交通方法変更の問題につきましての御質疑がありましたが、この点はこれまでの答弁でもやや御理解いただいたかと思いますが、十分なる詰めということに関してもこれも先刻お答え申し上げましたとおり、われわれとしてもこれは各関係団体、関係者と十分に情報を交換して万全を期すために国とも十分な詰めをいたしたいと、こう思っております。
なお、鉄道関係の御質問があったかと思いますが、この点につきましてはいま総合交通体系整備調査委員会において検討をしておるところであります。
次に、核兵器の問題でありますが、これは今日の情勢において国連の軍縮特別総会でそういうことが提起され、われわれの代表も行ってもらっておるということはこれは非常に高く評価するものでありますが、ただ核兵器だけの撤去ではいかないと私はこう思っております。
武器なき民としてナポレオンを驚かした祖先を持つわれわれである。第2次世界大戦において戦争の悲惨さは身にしみて感じておる。であるとするならば、核兵器ばかりでなく、生物兵器も化学兵器もあらゆる兵器を含めて廃絶してもらいたい、これを私は考えるのであります。単に核兵器だけじゃない、われわれの祖先の歩んできた足跡、われわれが味わった体験からするならば、核兵器、生物兵器、化学兵器、すべての兵器を廃絶してもらいたいものだと思うのであります。
言い足りなかった点は、各部長から答弁さすことにいたします。
○議長(知花英夫君) 野島副知事。
〔副知事 野島武盛君登壇〕
○副知事(野島武盛君) ただいま、下地島訓練飛行場の問題につきまして知事から答弁いただきましたけれども、若干補足をいたしますと、収益性にまだ期待しているかということでございましたけれども、現時点では知事の説明にもありましたとおり、収益性に大きく期待することは不可能じゃないかというふうに考えております。
さらに、準公共とはどういうことかということでありましたけれども、この準公共というのはわれわれとしては使っておりません。けさの新聞にそういうような表現の文字が出ておりましたけれども、公共に準ずるという意味だと解しますけれども、現在そういう意味での考え方は持っておりませんで、さきにも御説明を申し上げましたとおり、いわゆる前に知事が運輸大臣と取り交わした民航以外の目的には使用させないというこれの歯どめ策を一体どういうふうに考えるんだということが基本になって、現在そういう詰めをしている段階でありますという答えを申し上げたわけでございます。
○議長(知花英夫君) 労働商工部長。
〔労働商工部長 金城慎徳君登壇〕
○労働商工部長(金城慎徳君) 雇用失業問題について補足申し上げたいと思います。
沖縄振興開発特別措置法の39条の失業者の吸収制度につきまして知事から御説明ございましたが、御指摘のように十分な成果が上がっているというふうにわれわれは思っておりません。
そこで、ことし53年度の予算におきましても公共事業が大幅に増大したことに伴いまして、各発注機関との連携を一層強化したいというようなことで去る5月の上旬に失業者吸収率制度の取扱要綱ということを庁議で決定いたしまして、直ちに手続をとりまして県内はもちろんでございますが、県の関係公社あるいは国の出先機関、市町村等に対しましてもその要請をやっているわけでございます。
先般の議会で御答弁申し上げましたように、今回の取扱要綱の中で特に特記仕様書に、公共事業施行通知書の提出義務を義務づけることを明記いたしまして、積極的にこの制度を活用して雇用拡大につながしたいというふうに考えて現在進めております。したがいまして5月の15日から実施をやっておりますんで、その後の結果はまだ出ておりませんが、相当の成果は出るものと私ども期待しております。
次に、沖縄振興開発特別措置法の38条の就労の機会を増大するための事業の実施について国に要請する意思ありやという趣旨の御質問でございますが、同38条の件につきましては、昨年12月に私ども県の方でもこの実施準備を具体的に検討したいということで関係省庁に対し実施の方向で検討してほしいということを強く申し入れてございます。
その後、私どもは昨年10月現在の県内の求職者約1万3000人に対しまして年齢別、男女別、あるいは求職職種別、地域別等について実態調査を行ってその結果がまとまっております。
さらに、御指摘ございましたように、現在予算措置でほかの府県で一部地域で行われております特定地域開発就労事業の実態調査につきましても、5月末日に職員を派遣いたしまして帰ってまいっておりますんで、現在その結果をまとめております。こういった一連の調査結果に基づきまして十分検討し、さらに関係市町村との協議も重ねた上で、具体的に38条の実施について関係省庁に申し入れをしたいと、こういうふうに考えております。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 交通方法変更事業に対する稲村長官の発言の裏づけの問題でございますが、那覇市、浦添市の事業がつぶれ地用地交渉の問題で執行が大分おくれておりました。
交通方法変更に伴うつぶれ地補償につきまして、県も市も国に対して強く要請したのでありますが、その結果稲村長官の発言がありまして、その後開発庁、建設省の係官が来島いたしまして、個々のケースについて現場調査を踏まえて国と県と市と3者協議を持ってつぶれ地問題による執行の隘路の解消に努めてまいりました。現時点では、つぶれ地による執行上の問題は一部を除きまして大方解決を見ております。
○議長(知花英夫君) 企画調整部長。
〔企画調整部長 吉元嘉正君登壇〕
○企画調整部長(吉元嘉正君) 交通方法変更に関連しまして米軍車両についての指導状況、それから指導体制等についてお答えいたします。
米軍関係対策につきましては、先般国と米軍側で折衝が行われておりまして、米軍側は道路施設、交通安全施設の整備を含めまして交通方法変更に必要なもののすべてについて米軍の責任において実施するということに話し合いがついております。
米軍人軍属及びその家族の自家用車両の前照灯のつけかえにつきましては日本側の負担でなされますが、その他の米軍の軍用車両、それから公用車両の前照灯については米軍の責任においてつけかえが実施されます。
また、広報安全教育についても米軍の責任で行われますが、国、県は必要な資料を提供するなどこれに協力することになっております。
また、米軍施設内の作業の進捗状況のチェックの件でございますが、これは総理府の現地駐在官が窓口になりまして、米軍側と随時接触をして掌握することになっております。
それから国鉄などを含めまして交通方法変更をする際に沖縄の交通の総合体系を整えていくということについての御指摘でございますが、この件につきまして人口の増加、産業の発展に伴いまして人的、物的輸送需要は今後も増大することが予想されることや、狭い県土の有効利用、それから国で打ち出しております定住圏の構想の確保の問題、そういった観点から鉄軌道、モノレール、それから高速などを含めました陸海空を整序する形での総合的な交通体系の検討をしておるところでございます。
○議長(知花英夫君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 伊波茂雄君登壇〕
○環境保健部長(伊波茂雄君) 健康保険の黒字と関連いたしまして、健康保険が大幅な黒字になっていることは医療施設の少ないことと関係があるというお話でございます。
昭和50年度の政府管掌健康保険の黒字を見ますと約29億円でございますが、51年度は20億円に3割方減っております。
政管健保の受診率を見ますと、被保険者分は全国平均の約半分に相当しますが、被扶養者分は大体同じ受診率になっております。
被保険者100人当たりの受診件数を見ますと、沖縄県が昭和50年度で281程度でございますが、全国平均が大体538と、半分近い数字になっております。
しかしながら、本県におきましても受診率は年々高まってきておりまして、医療施設の整備につきましても復帰直前の昭和46年度未から現在まで見ますと、医療施設の数は約80程度ふえておりますし、医師も200名以上増加いたしております。
市町村立の診療所も22カ所になりまして、現在1カ所発足することになっておりますし、来年度も2カ所建設の予定がございます。
そういったことで、年々医療体制も整備されてまいりまして、特に県の医療施設につきましては、県立病院は復帰時点の約800床程度の規模のものから、1500人の医療要員を抱える1500床規模にまで整備を図ってきております。
このようにして、年々計画的に診療所の整備を県立、市町村立含めまして3カ所程度、その他最近は民間医療施設の方で病院設置の動きがございますので、今後は加速度的に黒字が減っていくことが予想されるところでございます。
今後も、特にきめの細かい特殊医療、それから離島僻地の医療需要に対応するための僻地中核病院の強化、診療所における診療機能の強化、さらには巡回診療等もあわせて施策を進めていきたいとこのように考えております。
○議長(知花英夫君) 警察本部長。
〔警察本部長 齊藤 隆君登壇〕
○警察本部長(齊藤 隆君) 交通方法変更に関連する米軍人軍属の関係につきまして若干補足説明をさせていただきたいと思いますが、軍人軍属も一般県民と同じように県道、その他の一般の道を走るわけでございますので、われわれといたしましては県民に対して配布するパンフレットと同一内容のものの英語版をつくりまして、これを一般家庭向けのものを5500部、幼児向けのものを6100部、運転手向けのものを5万8000部作成いたしまして、在日米軍に対しましては連絡責任者を通じて一括配布、その他の一般登録外人等に対しましては外勤警察官等をして配布させるということにいたしまして、交通方法変更に対する事故防止の徹底を期しておるところでございます。
○議長(知花英夫君) 伊波広定君。
〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 私が、医療保険の黒字について申し上げましたのは、いわゆる本土へプールになって貧乏県と言われている沖縄から200億円も5カ年間に、あるいはそれ以上だと言われております、流れっ放しであるわけなんですね。これをもって、いわゆる厚生省の力でもって、出資でもって沖縄の離島対策はできないかと。
いま、都市地域には大型の病院が本土からもやってきております、しかしいま問題なのは、離島僻地、これに対していま環境保健部長は離島のセンターとおっしゃっておりましたが、そういったものを国の力によってつくらしていくと、こういうことが見返りとして必要じゃないか、そして私たちにはそれを要求する権利があるんじゃないかというふうに考えるのであります。なぜならば本土では1つの県に8つの県立病院があるけれども、沖縄は総合病院は1つしかないと、こういう面でも強く要求していただきたいと思います。
要望して、終わります。
○議長(知花英夫君) 上江洲トシ君。
〔上江洲トシ君登壇〕
○上江洲トシ君 最初に、老人福祉の問題について。
沖縄県は、長寿日本一と言われています。私たち県民も大いに誇りとしたいところです。老人問題を考えるとき、長寿だけを誇るのではなく、同時に老人福祉がどんなに行き届いているかを誇りにしたいものだと思います。
私のところに老人問題が相次いで訴えられています。その中から3つの例を挙げまして質問いたします。
5月19日、浸水騒ぎのあった大雨の日に那覇市の民生委員とひとり暮らしのお年寄りをお訪ねしました。中には、福祉電話を入れてもらいましたので用事のときは養子が来てくれます、いまの生活をありがたいと思っていますとおっしゃる方もありましたが、何のために生きているのか、これで人間の生活かと思われるようなお年寄りもおられました。
民生委員が1人で行くと、「ヌーシーガチャガ」と大声でどなられるそうで、家主のおばあさんに案内してもらいました。何遍名前を呼んでも返事がありませんので外から戸をあけますと、奥の方からいざり寄ってきました。半間間口の上り口が台所で、水道もなく、汚れた石油コンロの上に終戦直後のジュラルミンのやかんがあり、幾つかの台所用品が乱雑に置いてありました。3畳ぐらいの部屋が居間兼寝室のようでありますが、窓は1つもなく、光の弱い裸電球が下がっていました。腰は曲がっていますが、近くの店まで歩けるので自分で買物をして生活しています。
家主のおばあさんの話では、人ぎらいで隣近所とのつき合いは全然ありませんが、まれに遠くへ嫁に行ったまま子が様子を見に来るだけであります。82歳の高齢ですのでいつ倒れるかわかりません。家主のおばあさんは、火事でも起こったら大変だという心配もありますので養老院へ勧めていますが、言うことを聞きません。官のおっしゃることは聞くはずですから、あなたで言ってくださいと言われました。私が勧めますと、「イチカライチャビーガヤー」と承諾するような返事でありました。道が狭く消防車、救急車の入れない場所であり、出入り口はバナナが生い茂り日光は全く入りませんし、お墓に面していますので事故があってもだれも気づかないような所であります。
次は、90歳になるおばあさんですが、71歳になる長男が事業に失敗した後脳溢血で倒れ、半身不随になり、奥さんに支えられて部屋内をやっと歩く状態です。21歳と25歳の孫がお菓子屋の下請をして生活を支えています。
おばあさんは、自分が死んだときいまの生活状態ではお葬式も人並みに出せないだろうと年金はいざというときに備えて貯金しているようです。家族は、こんな苦しいときに年金から少しでも生活費に入れてくれたらよいのにと不満があり、私たちの前で言い合いをしていました。
2部屋しかありませんが、1部屋は主人の万年床であり、私たちが通された部屋は客間であり、家族の居間、おばあさんと息子たちの寝室でもあります。おばあさんは、私が寝つくような病気にでもなったらこの部屋しかない、それでは家族の生活が大変です、一日も早く私を老人ホームに入れてくださいと願っていました。家族も本人も老人ホーム入りを希望していますが、なかなか順番は来ないようであります。おばあさんは、隣近所でたやすく死ぬ方法はないものかと話しているそうでございます。
質問の第1点、老人ホームの入園は基準があると思いますが、どういう方法で決定されていますか。
2点目、現在入園希望者は180人が待機しているとのことですが、その対策はどのようなものでございますか。
3点目、特別養護老人ホームは全国平均より20%も上回っているようですが、肝心の養護老人ホームは全国平均の20.5%しかありません。県としては、養護老人ホームの建設の計画はどのようになっているでしょうか。
4番目に、老人福祉センターはよく利用されており、那覇の末吉の福祉センターは120%の利用だと言われるぐらいお年寄りの生きがいの場であり喜ばれております。しかし、老人福祉センターも他府県に比べるとまだまだ少ない数であります。増設計画がありますかどうか、以上生活福祉部長に答弁をお願いします。
3つ目の例は、寝たきり老人の問題であります。
この方は、離島から来られて恩納村の「谷茶の丘」に入園しておられましたが、脳溢血で倒れたので病院に移るよう親戚の者に連絡があり中部病院に入院させましたところ、3カ月ほどたって見込みがないから引き取るようにと言われました。この老人には嫁に行った娘が1人ありますが、小さな子を抱えている上に生活にゆとりがありません。母親のめんどうを見ることができないのです。仕方なく個人病院に入院させていますが、食事と下の世話で付添人が必要な状態です。那覇にいる親戚、離島にいる親戚が相談して病院の経費を負担しているようです。親戚の者といっても、離島から出てきて精いっぱいの苦しい生活をしています。老人ホームや病院から連絡が来るたびに仕事を休んで病人を移動させなければならない。交通費だけでもずいぶんかかります。親戚の助け合いにも限界があります。本人は植物人間のようになってしまい、何の意識もないようでございます。
こんな身寄りのない寝たきりの病人は、最後まで県立の病院でめんどうを見てくださいませんかという訴えでありました。県立病院の入院規程はどのようになっているでしょうか、御答弁をお願いします。
老人福祉法に、老人を敬愛し健全で豊かな生活を保障するとうたわれています。また知事は、福祉の対象となる今日の老人層は、悲惨な第2次大戦を体験し戦後の苦難な時代を郷土復興に尽くされた方々でありますので、その老後は十分報われなければならないとおっしゃいました。そのとおりの老人対策をお願いしまして、この問題を終わります。
母子福祉について。
沖縄は、戦争未亡人の一番多い県でありました。戦争で夫を奪われ、家を焼かれ、灰じんの中から女手一つで子供たちを育ててきた戦争未亡人が多い沖縄に母子福祉行政の光を当てるべきにもかかわらず、母子福祉においては沖縄が一番立ちおくれていると言わなければなりません。
生活福祉部がまとめました沖縄県母子世帯実態調査報告によりますと、県内の母子世帯は全世帯の3.4%を占めております。これは全国平均の約2倍という高い数字でございます。母子世帯の暮らしは71.8%、3分の2以上が月収8万円以下という苦しい生活をしています。
就職状況を見ますと、就職しているのが41.7%、自営業が31.4%、仕事がないという人が26.9%もあります。事実母子家庭の方々の話を聞いてみますと、足にまめができるほど歩き回ったが仕事が見つからない、何とか仕事をあっせんしてくれるところはないか、洋裁で細々と親子の生計を立てていたが、不況でほとんど注文も取れなくなった、転業したくても資金がない、長期の不況下で母子家庭の生活の厳しさを訴えております。
こうした母子家庭の生活を守っていくために、母子福祉法では「福祉の措置」として、1、公共的施設の管理者は、母子家庭の母または母子福祉団体から売店などの設置の申請があったときは、それを許可するように努めること。2、日本専売公社は、母子世帯の母がたばこの小売人の指定を申請したときは、優先的に指定するように努めること。3、地方公共団休は、公営住宅法による公営住宅の供給を行う場合には、母子家庭の福祉が増進されるように特別の配慮をすること。4、母子相談員その他母子家庭の福祉に関する機関及び公共職業安定所は、就職を希望する母子家庭の母及び児童の雇用の促進を図るために相互に協力すること等を規定して、職場の開拓や雇用促進あるいは住宅確保などを推進することになっております。
母子福祉法に基づいて、沖縄ではどのような施策がなされていますかお伺いします。
第1点目、母子家庭に対し、各種の相談に応じ生活指導や生業の指導を行う施設として母子福祉センターがあります。本土では昭和35年から予算措置で母子福祉センターが設置されております。沖縄ではずいぶんおくれて寄宮に設置されましたが、母子福祉センターは現在どのような形で運営されておりますか。母子会にどのように利用されておりますか、利用状況をお尋ねします。また母子福祉センターに保育所が併設されているそうですが、その経営はどのようになされているのでしょうか。
第2点目、九州の各県では未亡人団体の事業経営で公共施設に売店を持っています。多い県では19カ所も経営しています。沖縄県では母子会が公共施設で売店の経営の権利を持っているところがありますでしょうか、お伺いします。今後母子会から申請があった場合は優先的に許可されるよう要望いたします。
第3点目に、本土に17年もおくれて沖縄でも母子福祉資金制度が45年から実施されております。
母子世帯実態調査によりますと、母子福祉資金の利用状況は借りたことがあるのは9.4%で全体の1割弱しかない。制度を知らなかったというのが38.8%で最も多い。また中には、借りたくても手続が複雑であきらめたという人も多い。この制度について、母子世帯にどのような方法で知らせていますか。
この制度を母子世帯のために本当に役立つものにするためには、手続の簡素化、申請から貸し出しまでの期間の短縮はできないものでしょうか。
母子世帯の母親にとって最も切実な問題は、就職であります。親子で何とか生きていける賃金を得るには、並み大抵のことではございません。少しでも条件のいい仕事につくために技術を身につけたり、資格を修得したいという人はたくさんいます。そういう人たちのために夜間の職業訓練を開設する計画はありませんか。
一方では、せっかく苦労して調理師の免許を取ったのに年齢制限があって採用されなかったということも聞いております。県としましては、母子世帯の雇用促進の上からも年齢制限を設けている公共団体に対して行政指導はできないものでしょうか、県のお考えをお聞きします。
最後に、母子会の指導について県のお考えをただしたいと思います。
厳しい社会情勢下にあって、ともすれば気弱になりがちな母子世帯が力強く生きていくためには、たくましく生き抜いてきた先輩たちの励まし、お互いに悩みを語り支え合っていける組織が必要であります。またせっかくできている制度さえも知らずにいる母子世帯も多くあります。そういう人たちのためにも、県は積極的に母子会の結成と指導の育成を図るべきだと思います。那覇市では母子会に年間18O万7000円の補助金を出してバックアップしております。ところが県の補助金はわずかに80万円しかないということですが、そのとおりでしょうか。
母子会の指導育成のためにもっと力を入れてくださるよう要望いたしまして、この質問を終わります。
沖縄県を訪れる観光客は年々増加しており、観光産業は沖縄経済を支える基幹産業の1つで大いに期待されております。観光振興局では昭和51年9月に「沖縄県観光開発基本計画」を出されておりますが、実にりっぱでこのとおりの沖縄観光開発がなされることを期待しております。その中の基本的姿勢の1つに、健全で美しい県土の育成が挙げられております。この点に関連しまして、県の環境美化の問題について質問いたします。
中国へ行ってこられた方々は、異口同音に街路樹の美しさと町の清潔さをほめたたえています。どこの町に行ってもちり1つ落ちておりません。先月私ども文教厚生委員会は北海道へ視察に参りましたが、札幌の町は中国よりスケールは小さいが、中国とやや似ております。5月の札幌は大通り公園を初め市内の公園、観光地は花いっぱいで、花で旅人を歓迎しておりました。青葉、若葉の間から見える色とりどりの花は心に強く焼きついて、また行ってみたくなりました。私ども沖縄県も観光客を2度も3度も引きつける美しい島でありたいものですが、現実には解決しなければならない問題がいっぱいあります。
昭和52年度観光要覧の観光客のアンケートによりますと、沖縄へ来てよかった点では、コバルトブルーの海が印象的との答えが多く、悪い点では、1、タクシー運転手のマナー、2、南部戦跡での花売りが実に不愉快である、3、みやげ品店の値段がまちまちである、4、町がごみごみしているなどを挙げております。
沖縄は、復帰後国道、県道が整備され、表通りはきれいに見えます。ところが露地に一歩入りますと、ちり回収日でもないのにちりが山と積まれ、野犬やのらネコが残飯を食い散らし、ハエがたかって不潔この上もないところがあります。ちり集積所はちりステーションというスマートな名前がついていますが、ちりの不法投棄場になっているところが多く見受けられます。またせっかく植樹はしたものの、木の根元はちりの吹きだまり場になり、何カ月もそのまま放置されているところもあります。
けさも回ってみましたが、一番ひどいところは与儀十字路から琉大附属病院にかけての県道沿いでございます。関係者はぜひごらんになってください。ゆうな荘から農連付近のみぞはごみがいっぱいでございます。
特に観光客の目につくのは、海水浴場や観光施設でございます。行楽シーズンともなりますと清涼飲料水の空きかん、空きびん、ビニール袋などが散乱しています。他府県を視察してみますと、よけいに沖縄の町の汚れが気になります。
観光客の沖縄訪問の動機は、ポスターなどの宣伝物を見てきた人が30%、旅行業者の勧めで来たのが8.9%で、40%近くの人が観光業者や航空会社の宣伝によって沖縄に来たことになります。もちろん観光客誘致のために大いにPRも必要でやらなければなりませんが、せっかく沖縄まで足を運んでもらったのに二度と来たくないという印象を与えては困ります。沖縄観光の目玉は何といっても青い海と空、白い砂浜であります。それに美しい緑と花に包まれた清潔な町並みを加えれば、沖縄の魅力は倍加することでございましょう。
私は、去年の2月の定例議会でも環境美化について質問いたしました。伊波環境保健部長は、清掃美化について市町村長に処理計画を立てさせて指導しているという答弁をなさいましたが、現状は先ほど指摘したとおりでございます。
また、産業廃棄物についてでございますが、那覇市内の弁が嶽の処理場では投棄された産業廃棄物の燃え残りがいつまでもくすぶっており、強風にあおられて付近に燃え移るおそれがあるとのことです。またこれが安里川の汚染源にもなっていると聞いております。
観光立県を打ち出しております県に対しまして、環境美化と廃棄物の処理、清掃について次のことをお尋ねします。
観光客の対応と環境美化について、タクシー運転手、花売りなどのことです。紙上の計画ではなく、直ちに実施できる具体的案を示していただきたい。
廃棄物の不法投棄については、前回のお答えでは該当者はないと言っておられましたが、調査をされた上でのことでしょうか。実際にあった場合、取り締まりをどのようになさるおつもりですか。
産業廃棄物の処理の現状はどうなっているのでございましょうか。廃棄物は年々多くなっていると思いますが、その対策はどのように立てられていますか。
中国のある中学校で交流会を持ちましたとき、目立って発言する教師がいましたので、担当教科はとお聞きしましたら清掃担当です、もとは北京市の清掃班長をしていましたが、町を美しくするには清掃教育が大切だと思い、学校に転勤しましたと答えていました。日本の教科担任のように清掃の専任がいるようであります。中国の町の清潔さが行き届いている根拠がうかがえる発言だと思います。
ところで、県内の中学校や高校の近くを通るとき、へいの周囲を学校側が清掃をやってくれたらいいのになあと思うことがあります。現在学校で清掃指導はどのように行われておりますでしょうか。
以上質問しまして、時間がありますならばまた再質問いたします。
○議長(知花英夫君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大島 修君登壇〕
○生活福祉部長(大島 修君) 老人福祉、母子福祉につきましてたくさんの、しかも多岐にわたった細かい御質問がございましたので、できるだけ簡潔にお答えしたいと思います。
まず、老人ホームヘの入園手続は、老人福祉法第11条の定めるところによりまして福祉事務所長が措置権者でございますので、福祉事務所の方で調査をしてその要否を決定いたします。要否につきましては、身体上あるいは精神上、環境上の事情並びに経済上の事情等々いろいろありまして、それで入所を決定するわけでございます。
そこで老人ホームの現状はどうかといいますと、老人ホームは現在特養老人ホームが11ございます。ことし53年度で3つつくることになりますから、きょう現在では11ですけれども、ことしじゅうに14になる予定です。現在1000名の収容でございます。3つできますと1240名の収容になります。振興開発計画では、56年までに1600名を収容するように予定をいたしております。
それから養護でございますが、養護は現在6カ所ございまして260名収容いたしております。養護はもっとつくるべきじゃないかとこういうことですが、おっしゃるとおり特養は全国平均を上回っております。ですけれども、養護は御指摘のとおり全国平均をうんと下回っております。理由は希望者がおりません。現在まだ入る余地はありますが、私ども2月1日現在調査したところ希望者は16名しかおりません、養護の方は。特養は200名を超しております。ですからそれに対応すべく、ことしは240名分つくる予定をしているわけでございます。
それから老人福祉センターでございます。
老人福祉センターは、振興開発計画によりまして56年度までに18、老人憩いの家は15つくる予定を立てておりますが、残念なことにこれはまだ老人福祉センターは6つ、老人憩いの家は3カ所しかできておりません。そこで53年度では2カ所を予定しております。
これがおくれている理由は、それらの設置主体は市町村でございます。したがいまして市町村がつくる計画を立てないと、国や県は対応できないのでございます。それで先日行われました市町村と県との行政連絡会議のときに、私は全市町村に対しまして老人福祉センターを早急につくってもらいたいと、これを強調し御要望を申し上げてございます。したがって振興開発計画では、現在この老人福祉センターは計画どおりいくかどうか大きな疑問がございます。
老人福祉問題は、以上でございます。
次は、母子福祉の問題ですが、まず、たくさんですので順序は違うかもしれませんが、母子福祉法の第16条並びに第17条によりまして公共施設等の食堂、売店等を母子福祉会に経営をさせる、優先的にさせるよう進めておりますし、さらにまたいわゆるたばこの売店を母子福祉会あたりに優先的に、母子家庭に優先にということがうたわれておりますが、現在まで公共施設で母子福祉会の経営している食堂あるいは売店等々はございません。理由は、母子福祉会の組織の問題、あるいはまたそういう公共施設の設置者の母子福祉に対する認識の問題等々ございまして現在までありませんが、今後その趣旨に従いましてそれを促進、努力をいたしたいとこのように考えております。
それから17条にうたわれておりますところのたばこの専売でございますが、御承知のとおり、本県は復帰のときに専売法の特別措置が行われまして小売店のほとんどがたばこを売るようになっておりましてたくさんあるわけでございますので、いまその17条の趣旨に従って母子家庭にやってみたところで余り実効性がないとこういうふうに考えておりますので、必要に応じてその面は進めていきたいとこのように考えます。
それから母子福祉センターでございますが、母子福祉センターは南方同胞援護会がお年玉年賀はがきの配分によりまして昭和38年に設立されておりますが、当時はまだ復帰前でございますので、母子福祉法がなかったために任意の施設として婦人連合会がその運営をいたしておりましたが、昭和43年に母子福祉法が制定されましたので、その母子福祉法に基づく施設として運営管理を明確にする必要が生じたわけでございます。
そこでその母子福祉会がこれを受けるべく昭和47年の2月に財団法人を設立してそれを受けようということで努力をされたわけでございますが、これまでの経緯からして婦人連合会等との調整がつかずに、結局南方同胞援護会が解散するに伴い、あるいはまた復帰に伴いましてそれの財産の承継並びに運営についていろいろ調整、検討した結果、第三者による社会福祉法人さくら会というものを設立いたしまして、そこにその財産の譲渡と運営が任されて現在に至っているわけであります。しかもこれは、南方同胞援護会の解散に伴う南方同胞援護会の財産に関する権利義務の承継に関する政令という昭和48年3月31日政令21号で打たれて政令事項としてこのような承継をされて、現在社会福祉法人さくら会がそれを財産を承継し並びに運営をいたしているわけでございます。そこでそこに保育所がありますが、それは母子福祉センターの付設として社会福祉法人さくら会が運営をし、さくら保育園として経営をされておるわけでございます。
そこで、母子福祉センターはどのように母子家庭に利用されているかとこういうことでございますが、まず運営しているさくら会に対しまして県として小口貸付事業、これを委託しておりますし、また県の委託事業としていろいろと技能習得講習会、これは内容はたくさんありますが、そういうもの等々いろいろやってもらっておるわけでございます。
それから母子会の運営について、どのような助成をし指導をしているかということでございますが、母子福祉会に対しては82万円の補助をいたしております。その補助金で満足かとこういうことでありますが、補助金は多ければ多いほどいいわけでございまして、しかしやはりその組織の内容、補助金の内容、また財政上の問題等々もございますので、そういうところで82万ということになっておりますが、今後その増額については引き続き検討をしていきたいとこのように考えます。
さらに、市町村の母子福祉会は53市町村のうち現在つくられているのは24市町村でございますので、その全市町村に母子福祉会がつくられてその活動が活発化するよう指導を行っていきたいとこのように考えております。
それから就職促進の問題でございますが、先ほど申し上げましたさくら会に対しまして県といたしましては母子の就職訓練促進事業を委託いたしておりまして、265万余の金でいろいろな研修、講習をやってもらいまして、52年度はたとえば料理講習あたりでは55名受講いたしまして20名の合格者が出ておるとこういうふうなことでございますが、しかしそれが全部就職できているかというとこれは大変むずかしいことでございまして、やはり不況の御時勢でございまして特に中高年層の就職というものは大変むずかしい状況にありまして、厳しいというふうな状況でございます。
それから夜間の訓練でございますが、この就職訓練につきましてはこれは労働商工部の所管になりますけれども、労働商工部の所管しております専修学校ではいまのところ夜間の訓練の計画はないようでございます。ところが、そのほか就職の促進あっせん事業としまして厚生省において母子世帯の求職者が職業安定所を通じて訓練を受ける場合6万7000円の補助をいたしておりますし、さらにまた寡婦等の雇用奨励金というものを、6カ月以上継続雇用をした事業主に対して支給をしているということも発足をいたしておるわけでございます。
大体、以上申し上げます。
○議長(知花英夫君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 伊波茂雄君登壇〕
○環境保健部長(伊波茂雄君) 最初の御質問の入院規程のことでございますが、お話のございました脳卒中で意識不明のまま3カ月間入院した後中部病院から退院をさせられたと、こういったものについて県立病院の入院規程はどうなっているかということでございますが、入院に関しましては、その患者を担当しております主治医の医学的な判断に基づいて入院を決定いたしております。
この場合、特に県立の中部病院におきましては、一般的に言いますと、その主治医が緊急に人院をさせて治療を即刻実施しなければ危険であるといったようなものを優先して入院させるわけでございますが、いわゆるこのような急性期を脱しまして比較的安定した病状が続くような状態になりますと、現在の中部病院の病床の保有状況、それから中部病院が沖縄県の基幹病院として24時間、このような急性期の重症患者を受け入れしなければならないという立場に置かれていることもありまして、安定した患者はできるだけ他の医療機関で医療ないし療養をしていただくといったようなことになっているわけでございます。したがいまして県立中部病院の病床にゆとりが出るとか、あるいは特にこのような慢性疾患を受け入れて対応するような医療施設の整備については、今後特に脳卒中が多い現状におきまして検討しなければならない問題だと考えております。
次に、廃棄物の処理に関してでございますが、廃棄物の処理のうち最も重要なことは、何人も公園、広場、キャンプ場、海水浴場、道路、河川、港湾、その他の公共の場所を汚さないようにしなければならないという私たち一人一人の衛生観念と申しますか、法律にもこのようにうたわれておりますが、このような知識の普及啓蒙が最も重要であることは申し上げるまでもないと思いますが、さらに土地、建物の占有者、あるいは管理者等はその清潔の保持に努めなければならないとなっております。
御指摘の道路等については、その道路の管理者が県であります場含には、もちろん県に清潔の保持の義務があるわけでございます。
特に、一般廃棄物の処理につきましては、法律上市町村がその処理計画、実施をいたすわけでございますが、その状況を県は毎年1回法律に基づきまして市町村に報告を求め、その状況を見て必要な指導助言を行うことになっております。
不法投棄がありますけれども、これは各市町村が収集日の周知徹底、あるいはその区域内にある土地、建物の占有者、管理者、事業所等に十分なるごみの処理の知識の普及啓蒙を図る必要があるわけでございますが、と同時に保健所も平常の環境衛生の監視指導の一環といたしましてその担当地域の監視をいたしております。
さらに、環境衛生週間中には特に市町村の区域をパトロールをいたしまして取り締まりを実施しているところでございますが、なお依然として御指摘のように不法投棄が後を絶たないような状況にあるわけでございます。今後もこのような取り締まりを強化いたしまして、県民の公徳心の高揚を図りつつ対処策を進めていきたいとこのように考えております。
産業廃棄物の処理でございますが、産業廃棄物は原則として事業者みずからの責任と負担において適正に処理することになっておりますが、本県の場合事業者が規模の小さい企業が多いことからみずからの処理施設を設置することが非常に困難でありますので、大部分の事業者は、許可業者に委託処理をしている状況にあります。委託処理業者は、現在17の業者が知事の許可を受けております。産業廃棄物は毎月大体30万トン排出されておりますが、そのうち理め立て処分可能な廃棄物については、今後その5カ年分程度埋め立てするような用地が確保されているわけでございます。ただ、この許可業者において処分をしております状況が、往々にして御指摘のとおり十分なる衛生的な処理をしてない状況もございますので、担当職員をして十分監視指導を行いたいとこのように考えております。
ごみは、昭和49年1カ年間で見ますと1日大体平均1035トン出ておりますが、52年になりますと1076トンということになっております。毎年少しずつ増加いたしておりますが、現在おおよそこの1000トンのうち90%は処理施設及び埋め立て等によって処理されております。処理については、一般廃棄物の処理施設は、大体その処理施設が設置されて後7年後の廃棄物の量を予想いたしましてそれに対応できるような施設規模等を勘案して整備を行っておりますので、当面ごみの増加量に対応できるような状況にあります。
それから各家庭から排出されるごみの中には、約20%程度の再利用できるいわゆる資源ごみが混入されておりますので、各市町村でも現在その回収利用を検討しておりまして二、三の市町村で回収利用を実施しておりますが、今後もこのような再利用を指導していきたいと思います。
なお、事業者に対しましても、法律でも再生利用を図って減量に努めなさいと。それから空きかん、空きびん等の容器も廃棄物となって処理が困難になることのないように回収するようにしなさいとこのようなことになっておりますので、その周知徹底を図っていきたいと思います。
いずれにいたしましても、一人一人がこのごみの問題については公共の場を汚してはならないといった知識を持つことが非常に重要でございますので、その点、教育の果たす役割りというものは非常に大きいものがあろうかと考えております。
○議長(知花英夫君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大島 修君登壇〕
○生活福祉部長(大島 修君) 答弁漏れがございますので、補足いたします。
母子福祉資金、寡婦福祉資金の貸し付けの件でございます。
手続といたしましては各市町村並びに市の福祉事務所に書類を提出いたしまして福祉事務所を経由の上、決定権者である生活福祉部長の方に進達されます。生活福祉部長は、貸付審査委員会にこれを諮りましてそこで厳格に審査をされてきますので、それに基づいて決定をし貸し付けをするとこういうことになります。
そこで、昨年は541件、1億2196万1000円、母子福祉資金において。それから寡婦福祉資金においては4041万8000円の貸し付けをいたしておりますし、本年度53年度は母子福祉資金が1億3478万2000円を見込んでおりますし、募婦福祉資金については4830万円を見込んでおります。
さらに、その広報につきましては、しおりなどをつくっておりましてそれを各福祉事務所、その他を通じて配布をしPRに努めております。
それから手続の方法が複雑でむずかしいということもございますが、むずかしい点があれば今後改善をしていきたいとこう思います。
○議長(知花英夫君) 労働商工部長。
〔労働商工部長 金城慎徳君登壇〕
○労働商工部長(金城慎徳君) 観光美化等について答弁いたしたいと思います。
観光客のアンケート調査等、さらに観光地域周辺で花売り、あるいはまたタクシーの運転手のマナーが悪いという指摘があったわけでございますが、私どもはそういったことを承知いたしまして、その指導強化等を図ってまいっております。特にホテルの従業員、バスガイド、タクシーの運転手等の観光関係の産業従業員に対しましては毎年講習会等を開催し、接客マナーの改善に努めてまいっております。さらにことしの3月におきましては、そういったサービス向上のためのワッペン等も作成いたしまして約2000枚関係従業員に配布し、その指導に当たってまいっております。
次に、ひめゆりの塔地域あるいは平和祈念公園一帯等での花売り行為が非常に不評を買っているという御指摘でございますが、私どもそういうことを承知いたしまして、特にひめゆりの塔におきましては、花売り行為についてそこの管理者でございますひめゆり同窓会と相談の上、塔入り口付近での商行為を禁ずる旨の管理者の立て札を立ててもらいましたところ、その後よくなっているという話を聞いております。今後とも、機会あるたびごとにそういうことを指導してまいりたいと思います。
さらに、平和祈念公園等につきましてもいろいろ御指摘があるわけでございますが、私ども地元の糸満市とも十分よく話し合い、その他県の関係部とも協議を重ねていろいろ指導をやってまいったわけでございますが、なお苦情が絶えないというようなことでございますので、公園管理者である当局とも十分打ち合わせてできるだけそういう苦情がないように今後とも引き続き努力する所存でございます。
以上でございます。
○議長(知花英夫君) 教育長。
〔教育長 前田 功君登壇〕
○教育長(前田 功君) 学校の美化については、児童生徒の情操教育上重要であると考え、特に重視しておるところであります。
県教育庁といたしましては、本年度の学校教育指導上の努力点といたしまして潤いのある学園づくりを推進することを掲げ、強力に推進してまいっております。すなわち学校緑化の推進を図る中で、常に学習環境を美しくする生活態度を「道徳」や学級あるいはホームルーム指導の時間等で指導するとともに、児重生徒が積極的に清掃やあるいは校内美化活動に参加するよう助言しております。
各学校においても、学校の実態に即して時間の確保等に努力して美化に努めているところでございますが、御指摘にもありますように私たちが学校を回ってみた範囲内でも、学校によってはなお一層美化の徹底を図る必要がある学校も見受けられますので、今後ともこの面の指導の強化を図っていきたいとこのように考えております。
○議長(知花英夫君) 上江洲トシ君。
〔上江洲トシ君登壇)
○上江洲トシ君 母子福祉問題につきましては、きょうたくさんの傍聴者もいらっしゃいますので、今後御指導、御相談に上がりたいと思いますのでよろしくお願いします。
それから、これも一市民からの要望でございます。
国内や外国に旅行された方ですが、「ハワイやシンガポールでは、たばこの吸いがら1本落としても高い罰金が取られる法律がつくられています。町を美しくするために、沖縄も外国のように清掃取り締まりの法律を早くつくって、失業している人たちに違反する者を監視させどんどん罰金を取ればいいですよ、この人たちの給料は、罰金で十分賄えると思うがどうですか。沖縄は、環境美化に対する行政をもっともっと厳しくしないといけませんね」ということでありました。
沖縄の環境を美化するためには、県民のモラルの向上を待つばかりでは解決されません。県の積極的な政策が確立されなければならないと思います。いま沖縄は、「730」の交通方法変更に向けて強力な取り組みをやっています。この意気込みで環境美化の問題にも当たってもらいたいことを要望しまして、終わります。
○議長(知花英夫君) 休憩いたします。
午後5時57分休憩
午後6時14分再開
○議長(知花英夫君) 再開いたします。
休憩前に引き続き、代表質問を行います。
翁長助裕君。
〔翁長助裕君登壇〕
○翁長助裕君 県政会を代表いたしまして、知事に御質問申し上げます。
まず第1番目に、沖縄振興開発計画の現状と今後の課題につきまして所見を述べつつ知事の御見解を承りたいと思います。
振興開発計画につきましては、これまで再三再四あらゆる角度から論じられてまいりました。私自身も定例会のたびごとに振計についての私見を述べ、問題の提起等を行ってまいりました。今回は、特に2つの角度から御質問を申し上げたいと思います。
すなわち第1点は、振興開発計画を推進していく過程での事業選択の問題であり、これに関連しまして主要プロジェクトの策定と見通しはどうなっているのか、及び第2次振興開発計画への早期取り組みの問題であります。第2点は、特に「沖縄振興開発計画の後期における課題と施策」の中で強調された都市機能の分離再配置の問題と関連してであります。
まず初めに、振計第2次計画についてお伺いいたします。
去る3月30日、県振興開発審議会の正副部長会議が平良知事出席のもとに開かれ、その中で久場会長らから昭和56年度以降の第2次県振興開発計画は昭和54、55年で検討し、56年でつないでいかなければならないので、いまからその作業を始めてもらいたいと県に対して第2次振計の取り組みを要請したということであります。そのことは、後期計画で挙げた主要プロジェクトが昭和56年で終わる第1次計画だけでは片づかず、第2次計画との関連で考えていかねばならず、そのためにも早急に第2次計画の策定作業を始めるべきであるとの考え方に立っていると思われます。
さらに、去る5月26日に第8回沖縄振興開発審議会総合部会が東京で開かれ、沖縄県の将来の人口、所得、雇用、産業振興等について調査審議する専門委員会を設置することを決めました。これは57年以降の第2次振計作成に向けての基本的な指標について検討するものと報じられております。
質問の第1点は、去る2月に発表されました「沖縄振興開発計画の後期における課題と施策」を踏まえて知事は振計の現状をどう評価し、今後の課題はどうあるべきかについて基本的なお考えをまずお聞かせ願いたいということであります。同時に、第2次振興開発計画についての県の取り組み作業の見通し等についても、あわせてお伺いしたいと思います。
さて、沖縄振興開発計画の目標は、言うまでもなく戦後27年間にわたる米軍支配下によって生じた各面にわたる本土との格差を早急に是正し、それによって国民的標準を確保するとともに、地理的条件をフルに生かした自立的発展の基礎条件を整備して望ましい沖縄県の未来像を描くことにあります。すなわち格差是正と自立発展の条件整備が2大目標になっております。
格差是正については、振計5年間の実績ですでに本土水準に達したか、あるいは目標年次で格差が是正されるであろうものと、また本土水準に達するにはなお一層の努力を必要とするものが明らかになっております。校舎の整備や道路の改良、及び県道の舗装率等が順調に整備されつつある反面、社会福祉施設や医療施設等がはるかに本土水準にほど遠いものがあります。
したがいまして、振計第1の目標である絡差是正についてはこれまでの実績をもとに現状がわりあいスムーズに把握され、今後の計画推進に当たっての事業計画や予算措置等も比較的容易であります。しかしその場合に、将来の財政支出を能力以上に要するものについては、県の長期財政計画あるいは長期経済計画の見通しに沿って慎重に計画、実施されるべきであることをここで強調しておきたいと思います。
さて、2番目の自立的発展の条件整備については特に振計後期の課題として、また第2次振計との関連においてより深く、より真剣に論じられてしかるべきであります。
県は、振計後期における課題と施策において、公共投資のより一層の拡充と財政投融資の拡大を推進し、「新規企業の誘致促進、観光誘客対策の強化による需要の創出や農林水産業の生産拡大など産業の振興を積極的に展開し、経済の自律性を高める志向を推進する必要がある。」と述べております。しかしこれらの施策を展開する際に主導的役割りを果たすものが何であり、そしてそれらが振計の中でどう位置づけられているのかについては必ずしも明確ではありません。
ここで振計後期の諸事業を推進し、沖縄県の明るく豊かな未来像を描いていく主導的役割りを果たし、自立発展の条件となっていくであろうと思われる、いわゆる主要プロジェクトについてお伺いしたいと思います。
施策としてすでに計画されている中央卸売市場の設置、糸満水産加工団地形成事業、天然ガス開発、国立長寿の村建設等は遅々として進んでいないばかりか、施策として将来計画を予定しているものとして発表されている那覇空港の第1種空港への格上げ、中城湾港の建設とその背後地利用、自由貿易地域の設置、鉄軌道の導入、県庁舎の建設作業等、どれ1つをとっても沖縄県の社会経済的発展を促す主要プロジェクトでありながら、その実現の見通しはきわめてあいまいもことしておるのであります。県の主体性が全く見られず、いたずらに県経済の自立性の確立にブレーキをかけていると言われても仕方がないのであります。沖縄県の自立的発展の方向と、そのための主要プロジェクトの現状と見通しについて知事の責任ある基本的な御答弁を再度お願いするものであります。
質問の3点は、今後事業選択をしていく場合に、果たしてこれまでどおりの活発な財政需要の創出が可能かどうか。県の積極的な施策の展開がない限り公共投資の拡充強化に一抹の不安を覚えるものでありますが、財政需要の創出をどのような方向で、いかなる姿勢で行っていくのかについてお答え願いたいのであります。
これに関連いたしまして仲村議員の質問にもあったかと思いますが、それに答弁がございませんので私の方で再度質問をいたしておきますが、最も振計でおくれていると言われておる社会体育施設の充実強化を図り、県のいう観光誘客を積極灼に進め、公共投資の対象をつくり出していくためにも昭和62年度の国民体育大会設置は真剣に考えられてしかるべきだと思うが、その後国体誘致の件はどうなっているかについても、その経過等についてお聞かせを願いたいと思うわけであります。
質問の第4点はさきに述べましたが、公共投資の拡充や格差是正も結構だが、将来県の能力以上の支出を強いられる面へのてこ入れは、将来計画とにらみ合わせて慎重に行う必要があり、それ以上に公共投資の対象が県の自立性を高め、将来新たな財源を生み出して県経済の受けざらとなって経済基盤を形成していく面で選択される必要があるが、これについての見解を伺いたいと思います。どのような姿勢で事業の選択を行っておるのかについてであります。
これと関連しまして、毎年度の国への概算要求が、県議会を初め広く県民のコンセンサスを得ることなく行われているきらいがあります。来年度の予算の概算要求作業もすでに関係省庁との間に個別に調整に入っており、7月で開発庁案をまとめ、8月には大蔵省に提出される段取りになっております。
後期の振計をスムーズに惟進し、同時に年度別の事業選択を民意に沿って、しかも衆知を結集して民主的に進めるために毎年度の概算要求を開発庁段階でまとめる前に、県の要求案として提出する際に県議会のたとえば全員協議会等に示していくことが必要ではないか、県議会との事前協議を今後慣行としてやっていくお考えはないか承りたいのであります。
民主主義的手続を重視していく姿勢や自治の確立は、言葉で表現するのではなく、具体的な行政手続の中で示していくべきだと思うし、中央集権的行政、すなわち縦割り行政の弊害から県民利益を守り育てていくための県の自主主体性を確立するためにも必要だと思うが、知事の前向きの御見解を承りたいと思います。
さて次に、「沖縄振興開発計画の後期における課題と施策」は、「県勢発展の方向に重要なことは、県土の有効適切な利用により「人間と自然の調和のうえにたった安定感のある健康で文化的な人間居住の総合的環境」の実現のため、既成都市における諸機能の分散等による再配置を行い県内の過密、過疎、交通混雑、社会資本の偏在等の解消をはかり、均衡のとれた居住環境を整備していくことが重要である。」ことを強調して注目を浴びたのであります。しかし5月4日の朝刊は、「都市機能の再配置に苦慮」、県の圏域別開発構想も市町村の調整とも絡んで大幅におくれそうだと伝えております。その辺のところについて、県の基本構想をお聞かせ願いたいと思います。
私は、県土の効率的利用と都市の望ましい再配置を行っていく場合にそのメーンとなるべきものは県庁舎の位置づけをどうするかであり、さらに鉄軌道の導入が不可欠であることをこれまでも主張してまいりました。したがってその理由づけについてはあえて申し上げません。ただ、県が去る4月1日の人事異動において管財課に県庁舎整備の諸資料収集のための主査を1人配置し、去る5月1日付で県庁内に県庁舎整備委員会を設置したことについて、まず見解を述べておきたいと思います。
県庁舎の整備は、単に県庁舎が狭隘だから、したがって県民への行政サービスの低下を是正するために必要だからとか、1億数千万円の庁舎借り上げのむだをなくするとかいう意味からだけのものではありません。県民サービスの向上を図ることはもちろんのこと、県民サービスのあり方についても考慮し、行政機能が将来どのような形で発揮されるべきか、その望ましいビジョンを樹立していく必要があります。同時に、新庁舎の位置づけとその設計構想によって未来への展望、すなわち県振興のビジョンを示し、県土の活用、県民生活の向上に寄与させる道標を打ち立てることをも意味していると考えます。
したがって知事は、県庁舎の建設を決断すると同時に、そのための準備作業を出発させるに当たっては、管財課の枠内で職員を張りつけるのではなく、広く人材を集めて県振興開発の主要プロジェクトとして推進する体制を最初からスタートさせるべきであります。同時に、次長クラスのみによる整備委員会ではなく、県庁舎建設構想推進委員会ともいうべきものを各界各層を網羅して設立し、21世紀を望む県勢発展の象徴としての県庁舎建設への意欲が必要だと思いますが、知事の今後の御決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
次に、都市機能の再配置については、沖縄本島の南北を縦断する鉄軌道の導入が不可欠であります。
去る3月に示された沖縄県鉄道導入研究会の報告書は、「鉄道を導入すべし」という意思決定こそが重要であり、「鉄道導人の問題は、すでに、調査研究の問題ではなく、沖縄県全体の自省にもとづく決断」のものであり、「しかも、その決断は今明年を逸しては、もはや、有効なものとはなり得ない」と切実に訴えております。さらにまた、不況打開のために公共事業が需要拡大の一策として持続的になされる必要があり、その場合に経常国際収支の黒字幅を抑えていかざるを得ない日本においては、「大規模公共投資は産業基盤整備的なものではなく、民生基盤整備的なものであるのが適当である。沖縄に鉄道を導入することはおそらく、その最も適当なものであろう。」と述べております。
沖縄において、鉄軌道の導入が新しい交通システムのてことして、さらに定時定速性を持つ輸送機関が存在することによって全島が通勤可能地域となることによる望ましい都市の再配置が可能になり、快適な生活環境の整備がなされ、同時に新しい住まいづくりとも相まって長期にわたる公共投資の需要を生み出し、県経済に大きく寄与してまいります。
ちなみに、鉄道建設投資額は約2100億円と想定され、これによる波及効果が2325億円と推定され、さらに鉄道の建設は本島開発の有効面積を拡大せしめ、過密過疎の解消が可能になります。その必要性については知事もいままで強調しており、要は鉄軌道導入実現のためにどれだけの決意を示し得るか、どれだけ強力な運動を展開し得るかにかかっております。知事のこれまで以上の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
振興開発計画を推進する強力なてことして、私はさきに県制移行100年を記念する記念事業を1979年を初年度としてスタートさせるべきだと提案申し上げましたが、主要プロジェクト、特に県庁舎建設と鉄軌道導入は100年記念事業として最もふさわしい事業だと思いますが、その後の県の県制移行100年記念事業に対する取り組みの経過についてお聞かせを願いたいのであります。
さて順序は変わりますが、次に県政上の問題につきましてこれまでも各党の代表によって質疑が行われましたが、重腹しない範囲において交通方法変更問題について私も二、三御質問を申し上げたいと思います。
第1点は、戦後処理の大きなテーマであった交通方法変更の事業が、県の振興開発計画の当初計画において欠落していたのはなぜか。
交通方法変更を機会に、交通システムを抜本的に検討していくべきだとの議論やそれに伴う特別事業の要求がその後活発に行われながら、当初は単に交通方法を右から左へ切りかえる単純な作業だと認識されていたのではないか。だから振計の当初計画ではみごとに欠落したし、県の国への対応も海洋博開催までに実施してほしいと県みずからが要請するという安易な行政姿勢があったのではないか。その後でも51年をめどとすると庁議で確認したり、逆に国の方から53年まで延期したい旨意見を求められ、これに対して直ちに了承して7月末日が適当であると返答したのも県ではないか。
県民の犠牲を最小限度にとめるにはどうすれぱよいか、さらにこれを機会に望ましい交通システムを確立させるべく努力していこうとかいう発想も、さらにこの発想のもとで準備期間はどうあるべきか等についての行政の積極的姿勢がなかったと言われても過言ではありません。だからこそ交通方法変更を磯会に振興開発計画推進のてこにする努力も生かされてはこなかったのであります。
国策として行われる以上国の責任も大でありますが、特に復帰の時点から一咋年までの間の大事な時点において県の行政対応はきわめて安易であり、かつ無責任であったことを改めて指摘しておくことはきわめて重要なことであると思います。残された期間内で果たして県の責任を全うし得るのかどうか、改めてお聞かせ願いたいのであります。
また同時に、いろいろ問題になっておりますが、特別事業等についても、たとえば災害医療センターは建設構想すら固まらないということであり、こういった状態では、日ごろ言われているように右から左だけへの見切り発車に終始してしまうのではないかと県民はきわめて不信感を持っておると思いますが、それについて特に県議会で去る3月9日採択されました意見書の5項目の中の特に県や市町村が負担しておる事務連絡費とか、あるいは道路施設変更特別管理等に要する経費について県、市町村の自己負担にならないよう、そういった財源措置ができているのかどうか。あるいはまた、旧市町村道未買収道路用地の土地取得に対しての補助率10分の10を要請した点についてもはっきりとした見通しがこの交通方法変更を機会に国との間になされておるのかどうか、そういった点についてもう一度お伺いいたしておきたいと思います。
最後に、交通方法変更についての第3点は、交通弱者と言われている人々に対する対策は万全であるのかどうかについてであります。
たとえば精神薄弱児の場合、その前日まで右から左への訓練を行うことが危険であるとのことであり、学校の方から父兄にその前日までは決して右から左への変更を話さないでほしい、そういったような指導もなされており、その対策に特にバス通学をさせている父兄は心配をいたしているのが現状であります。その他目や耳の不自由な人々、老人の方々あるいは肢体不自由児、身体障害者等に対する対策について万全を尽くすよう強く要請し、それに対する関係部長の御答弁を得たいのであります。
さらにまた、交通方法変更に伴う救急医療体制についても特に配慮すべきだと思うが、これについてもこの機会にお考えを承っておきたいと思います。
最後に、地方自治のあり方につきまして、石垣喜興議員と重複しない範囲においてお伺いいたします。
平良市の不祥事件は、まさに市民本位の行政にもとるものであり、保守、革新を問わず行政権者が人民の人民による人民のための政治という基本理念を決して忘れてはいけないことを証明して余りあるものがあります。同時に、地方自治の確立を目指す上からもきわめて遺憾な事件であり、自治能力の欠除を意味する何物でもありません。
真の地方自治は、行政と主権者である住民との間に信頼関係が成立しなくては確立できるものではありません。革新だから清潔だ、革新だから民主的だという選挙用スローガンのみに酔いしれた思い上がりが今回の事件を招く背景にあったとも言え、行政が常に住民に奉仕し、住民の福祉達成のために存在するのだという謙虚な姿勢が欠けていたのは明らかであります。
同事件の経過及び県警の取り組みにつきまして県警本部長の御説明をお聞かせ願いたいと思うと同時に、県議会において県民の疑惑を払拭すべく県警本部長の御決意のほどをお聞きしておきたいと思います。
さらに知事は、去る6月3日に地方公務員の綱紀粛正及び服務規律の確保について各市町村に協力要請の通知を行いましたが、一片の通知だけでは県民の行政に対する信頼は取り戻せないと思うが、県としてこれまで市町村行財政に関しての指導監督に手抜かりはなかったのか、今後具体的に県は市町村への指導をどのように行っていくつもりか再度伺いたいのであります。
たとえば市町村によりましては住民のために行うと、いわゆる国庫補助等につきまして、国庫補助が通達され交付される間を待っておると年度内執行ができない、したがって当該市町村の責任において銀行に保証金を積んで実際に工事がこの補助金が交付されない以前に事業を、市町村の責任において執行してしまう。その後補助金がおりてきた場合にその銀行に埋めるといったようなことが、これはごく同情すべき点として行われておるのではございますが、そういった財政法、会計法にもとることを安易にやることによって住民福祉を進めるのじゃなく、より業務をスムーズに執行する業務体制を確立することによって年度内執行を可能ならしめる努力こそ達成されるべきでございますが、そういった点についても県の財政法、会計法等の指導は手抜かりがあったと私は見ております。
したがって、いつかこのお金を、住民のためにやっておるからその後埋めてしまえばいいだろうといったようなことが重なってまいりますと、予算なし工事にもなっていくという安易な行政姿勢になっていくきらいもあるのではないか。そういったことを含めて県の徹底的な行政指導を行っていく必要があると思うが、再度これについてお伺いをいたしたいのであります。
同時に、この際これまでの県自体の工事発注に関して談合入札の行われた気配は全くなかったのかどうか。県自体が今後とも民主的な工事発注を達成するため、競争入札の趣旨を徹底化させるためにいかような対策を県自体行おうとしておるのかについてもお答えを願いたいのでございます。この際県工事発注のすべてについても、さらに厳正、公明に行われるよう徹底的なメスを入れられるよう要望するものであります。
さらに、沖縄市の食い逃げ人事等に示されたように、市町村長の裁量による職員採用の慣習、いわゆる情実採用が選挙の際、公務員の選挙運動や採用及び昇任を前提とする住民不在の権力者志向の風潮を生んでいることを考えるとき、この際県の積極的指導によって市町村職員の全面的な試験採用の実施を行わしめ、もって住民本位の市町村行政、市長や与党権力に対してではなく、真に住民に奉仕する公明な行政を確立していくよう努力していく考えはないか、知事の明快な御答弁を願いたいと考えます。
以上をもって質問を終わり、答弁漏れがあったときにそれを指摘するにとどめます。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) お答えいたします。
振興開発計画は6年目に入っておりますが、そこで県としましてはこれまでの実績を総点検し、去る2月に「沖縄振興開発計画の後期における課題と施策及び県事業計画」を策定し、振興開発計画の究極的目標である平和で明るい豊かな県づくりを実現するために本土との格差の是正を早期に行い、自立的発展の基礎条件を整備するため各般にわたる施策、特に公共事業の拡大を図ってきました。
御承知のように、本県経済は財政投資の寄与するところが顕著であります。したがって今後とも県経済の回復及び雇用の安定を図るには、引き続き公共投資の拡大、さらには社会資本の充実により財政需要の増大を図る必要があると思っております。
そこで当面の課題として、県経済の回復、雇用の安定及び立ちおくれている生活環境施設を初め諸基盤の整備を図るには、公共投資のより一層の拡充と住宅建設等財政投融資の拡大を推進する必要があると。
次は、新規企業の誘致促進、観光客の誘致対策の強化による需要の創出や、農林水産業の生産拡大など産業の振興を積極的に展開し、経済の自立性を高める志向を推進する必要があることなどを基本に政策を展開していく考えであります。
中期的には、本県経済が自立性を高めていく上でどのような産業導入が望ましいか、さらに産業構造のひずみの是正等開発施策のあり方について抜本的な検討を加える必要がある。
さらに、県勢発展の方向に重要なことは、県土の有効適切な利用により、人間と自然の調和の上に立った安定感のある健康で文化的な人間居住の総合的環境の実現のため、既成都市における諸機能の分散等による再配置を行い、県内の過密過疎、交通混雑、社会資本の偏在等の解消を図り、均衡のとれた居住環境を整備していく必要があると思っております。
そのための施策として、中央卸売市場の設置、宮良川土地改良事業、畜産基地の建設、糸満水産加工団地形成事業、琉球大学医学部設置事業、沖縄県立総合文化センター建設等、さらには沿岸養殖事業、那覇空港の第1種国際空港への格上げ、中城湾港の開発、沖縄自動車専用道路、鉄軌道の導入等を積極的に推進する考えでありますが、これらの事業の実現に当たっては、法令等諸制度の改正を図る必要が予想されるので、十分なる検討を行い計画的に推進していく考えであります。
また、これらのプロジェクトは、後期の残る期間内ではその達成が困難であると見込まれるところから、特別措置法の改正等の措置を講じて2次計画につないでいくよう策定作業を進めていく考えであります。
ただ、いまの振興計画は、これは立案の際にも私は議長という立場で国の委員にも参画しておりましたので申し上げたんでありますが、あの振興計画は沖縄の経済振興の理念をうたっただけであって、真の計画であるならば事業計画と資金計画がなければならぬはずだと。県からはそれを出しておるが、国では取り上げていない。その点を申し上げましたときには、幾らか県のものには疑問点があると。疑問点があるならば指摘をして、計画であるからにはそうすべきじゃないかとこういう論議もいたしましたが、大島の振興計画との関連から、どうもそのようにはいかぬ、毎年度予算でこなしていこうと。ですからその後昭和49年から51年度までの3カ年計画を、事業計画を立てて提出いたしましたが、これも正式には取り上げられなかったいきさつもあります。
また奄美大島の場合は、金額で限定したので、それでくぎづけにされて非常に困ったという点もありますが、私どもが申し上げましたのは、金額というものは経済の変動によって違ってくるが、現時点においてどういうふうに資金を計画するかということを論議したのでありますが、思うようにいきませんでした。そういういきさつもありますので、十分なる検討を加えて今度の計画樹立には当たりたいとこう思っております。
なお、県庁庁舎の問題で多くの方々を人材を集めてというお話がありましたが、まさにそのとおりでありますが、執行部といたしましてはその素案はなければいかない。一体どのようなかっこうの県庁をつくればよいか。他府県の新しくできたものを参考にし、また資金はどうなるかと。一応執行部としての素案があって、それを土台と言っては言い過ぎかしれませんが、そういうものもあってこそ人材を集めても、その人材の方々の審議検討が十分に積極的になされるものと思いまして、当初はまず執行部段階において素案に近いようなものでもつくって、あくまでも行政サービスの向上を目指すからには、あらゆる面、角度から検討しなければいかないので、そういう意味で先ほど御指摘をいただいたとおりのいまの陣容でやって、いずれはどうせこれは各面の人々を網羅した委員会なりを組織をつくらなければいかないと、こういうふうに考えております。
なお、次は鉄道導入の報告書からのお話でありましたが、御指摘のとおりこの報告書では、いまが絶好のチャンスである、要は県の決意いかんによるんだとこう結んでおりますが、この中で新しい交通システムを考えておられる。従来のいま現在あるような鉄道のことでは考えておられない。そうなりますというと新しいシステムということになりますと、われわれとしてもどのような形のものであるか、こういうことを具体的に専門家の方々にさらに聞いて、いままでのあり方の鉄道では困難視されているようにもある、新しいシステと。そうなりますと、やはり関係当局とも、あるいは専門家とも十分にこの報告に基づいてわれわれ自体実践に移す場合の検討をいたさなければいかないと、こう考えております。ただ決意しただけではいけませんので、決意するからには、報告に基づいてこれが実施に移されるようにいろいろと検討をした後に決意はいたしたいと思っています。
もちろんそれは、鉄道導人は皆賛成でありますので、導入することに変わりはありませんが、そういったいま考え方でこの導入には慎重を期していきたいとこう思っております。反対という意味ではありません、あくまでも導入する。それには、決意するにはそれだけの調査が要るということであります。
交通方法変更について、いろいろ甘い考え方じゃなかったかという意味合いの御指摘があったと思いますが、そういう点は確かにあったのではないかと反省いたしておりますが、事はすでに決まった以上は、やはり私といたしましては万全を期してそれが実施できるように努力をいたすと、こういうことで先ほども御答弁申し上げましたように、6月いっぱいにでも各方面の方々の関係しておられる方々の御意見を徴して、残された期間にどう対処していくかとこういうことは、各方面の御意見を徴して万全を期していきたいとこういうふうに考えておるわけであります。
なお、県制100年祭、100年記念ということも関連しておられましたが、これも意味ある御指摘だと思いまして十分各方面の御意見を徴して決めていきたいと思っております。
ただ御指摘のとおり、この100年間というものは単なる100年ではなかったと。本土他府県において明治100年が謳歌されたときに、その他府県で謳歌された明治100年の100年間の間、他府県同様の歩みをしたのはたった25年、75年間は他府県と違ったあり方で歩まされておると。そういうことも考えてみた場合に、この100年の経過をどのように顧みて、どのようにこれを記念に意義あらしめるかということは、やはり各方面の方々の御意見を十分に徴していきたいとこう思っております。
なお、この交通方法の変更で弱者対策がありましたが、これは関係部長から答弁さすことにいたします。
自治体の指導の問題でありますが、これもいままでの御質疑に対してお答えしたとおりでありますが、新たに出された点は、試験採用とかこういう点は関係部局において十分に検討し自治体への干渉にならないようにどのように指導助言を与えるかと、あらゆる面から検討していきたいと思っております。ただ先刻も申し上げましたとおり、指導助言というものは事務のさばき方等いろいろの問題はありますが、今回の事件のようなものは、これはわれわれの指導の範囲を越えたものもあると思います。全部が指導でできるものでもない、これはモラルの問題であると。われわれの指導によって可能なものじゃない。わかっておって、悪いとわかっておってやったものはむずかしい問題であります。これはやはり、そういったモラルをみんなが重視するような社会的雰囲気をどのようにわれわれが力を合わせてつくっていくかということも考えなければならない問題だと痛切に思うものであります。
ただ間違ったその人々を悪者扱いするだけに終わらないで、そういう者を出さないような社会をどのようにお互いが力を合わして守り育てていくかと、こういうこともいままで社会に少年の問題もありましたが、幾多の問題があるが、そういったものは、社会の人の全体として特に指導的立場に立たされておるわれわれといたしましては、一層そのことはモラルの問題も考えていかなければいかぬじゃないか。これは先ほど御指摘がありましたが、一片の通知によってという御指摘がありましたが、私どもは一片の通知によってこれが可能とは考えておりません。ですから先刻も答弁申し上げましたとおり、年に何回かの研修会も開く。しかし研修会だけでもどうにもならぬ。お互いは住民の信頼にこたえるような、またいささかも疑惑を持たれるようなことがないようにということは、お互い話し合いの中でその点は機会あるたびごとに話をしているわけであります。
こういう点の、悪いこととわかりながらやっていく者の指導というものはなかなか容易な仕事ではないと思うんであります。これはお互いが人間的な接触によって、お互いがお互いの社会的界囲気をみんなでそういう方向につくっていくということが大事ではなかろうかとこう思うんであります。
と申しましても、私どもは県の執行部を預かる者として、関係市町村の指導助言を回避するものではありません。それはわれわれのなし得る範囲内において、また各方面の御意見も御指導も仰ぎながら、各地方自治団体が相ともに正しい方向で住民の信頼にこたえるようなあり方で行こうということは、今後も研修会はもちろんのこと、その他についても十分なる配慮をいたしていきたいと思っております。
不祥事件を起こしたことは、これは返す返すも非常に残念であり申しわけなく思っております。
漏れた点が多数あると思いますが、関係部長から補足をさせたいと思います。
○議長(知花英夫君) 総務部長。
〔総務部長 平良清安君登壇〕
○総務部長(平良清安君) ただいま知事がお答えした部分の中で、翁長議員の質問に補足ないし私の担当する部門についてお答えいたしたいと思います。
まず1点目でございますが、振興開発計画の第2次計画――昭和56年以降の問題と関連いたしまして、長期的な経済見通しないしは長期的な県財政の計画の見通しの上に立って今後の残された56年までの事業の選択、さらに第2次計画へ引き継ぐプロジェクトの選択等について御指摘がございました。
御指摘、まことに同感でございます。したがいまして今後残された後期の課題と施策の中で事業の選択が1つの大きな問題点になろうかと思います。
しからば、どういう基準でやるかということでございますが、今後これは県内で関係者いろいろ議論しなければならぬと思いますけれども、考えられますことは、1つにはこの事業を選択する場合に、この事業を行うことによって後年度以降県財政を負担し圧迫にならないかという点の配慮、2番目には事業選択に当たってこの事業をすることによって後年度以降交付税に反映されて基準財政需要、なかんずく投資的経費にプラスになるという事業、3番目には産業基盤の整備と相まってこの需要によって雇用の効果の拡大、さらにはいわゆる自主財源の創出に大きくプラスすると、このような事業等を優先的に選択していかなければならぬじゃないかと財政的な立場からは考えます。
同時に、後期残された課題の中でさらに第2次計画で問題になりますことは、56年までの第1次計画ではほぼ10分の10の事業等についてはよくこれは達成できそうな気もしますけれども、残される部分は、現在の特別措置法でたとえば教育施設の中でも社会教育施設あるいは医療福祉施設等が大変低額補助でございますので、これらの部分が残されておくれる可能性がありますので、第2次計画ではこれらの施設補助についての補助率の問題が出てくるだろうし、さらには施設関係は仮に順調にいったとしても、これらの施設を活用して自立的経済発展に寄与するといういわゆる産業構造ないし産業のあり方にプラスになるようなソフトの面といいますか、これらが1つ後期の課題とさらには第2次計画では大きく問題になるのではなかろうかと、このように財政担当の立場からは考えておるわけでございます。これが振興開発計画の今後の課題と、さらに2次計画への問題点について財政的な立場からの回答でございます。
それから先ほど地方自治体のあり方ないし市町村の指導についてこれは関係者のモラルの問題等が大きく関係しますけれども、制度的にこれをこのような事態がないように措置すべき事態がありはせぬかということから、先ほど国庫補助金ないし県の補助金が具体的に申請から交付指令、資金の示達まで相当時間がかかるという点と関連して一時借り入れないし予算なし工事ということとの関係でございますが、これにつきましては、まず1点目としては工事の執行に当たっては特に関係部局、関係者間の事前の協議が早目になされるということ、さらに補助金の交付等に当たっては前もっての計画設計、申請手続などを早目にして、早目に交付指令、補助金が交付されるというこの事前作業の問題が1つあろうかと思います。
さらには、こうは言いましても、実際問題として指令がおりて補助金が交付されるまで相当の期間がかかりますので、これはまあ関係部局ないしは関係の機関と相談して、仮に事前に指令前に着工する場合であっても十分調整してやるというこういう方法なり指導がなされてきておりますが、この辺がまだまだ不十分な点があろうかと思います。
それから職員の採用等につきまして、これは地方公務員法では人事委員会の設置されている地方公共団体においては競争試験による採用及び昇任の原則がございまして、人事委員会の定める職種については選考によることができるとされております。しかし本県の市町村はほとんど人事委員会を設置していませんので、設置してない市町村にあっては、職員の採用については競争試験によるか、あるいは選考によるか任命権者の裁量に任されているわけでございます。
しかし御指摘がありましたように、私どもとしてはこれは県の人事委員会なり、あるいはまた関係の市町村なり、市長会、町村会とタイアップしましてできる限り競争試験による採用という方向で指導助言していきたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) さき鉄軌道関係の御答弁で、舌足らずの答弁がありましたので申し上げておきます。
各方面の御意見を徴してということを申し上げましたが、それは現在総合交通体系整備調査委員会において検討をいただいておるわけであります。これは構成メンバーは執行部だけではありませんので、ここで十分なる御検討をいただいてそれを踏まえて決意はいたしたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 警察本部長。
〔警察本部長 齊藤 隆君登壇〕
○警察本部長(齊藤 隆君) 御質問のございました2点についてお答え申し上げます。
まず第1点の平良市の汚職事件の問題でございますが、平良市における今回の事件につきましては、御案内のとおり平良重信平良市長ら13人を逮捕勾留して目下鋭意捜査中でございますので、その捜査の詳細な状況等については答弁を差し控えさせていただきますが、ともかくこの種の事件が再び発生することを防止するといった観点からもこの際徹底的に捜査のメスを入れるという考えでございまして、そのために平良市長らの公共工事発注をめぐる贈収賄事件特別捜査本部を設置しておる次第でございます。
それから第2点の交通方法変更に関連して老人とか幼児、身体障害者等の弱者対策は徹底してやるべきであるがその準備はどうかという御指摘でございましたが、御案内のとおり交通安全教育につきましては他の関係機関においても実施されるところでございますが、御指摘のように対象がいわゆる交通弱者であることにかんがみまして、特にその安全を確保していくという見地から警察といたしましても婦人警察官、交通巡視員らから成る巡回指導教育隊を編成いたしまして保育所、これが県下に460カ所、約2万5000人、それから老人施設が12施設910人、それから老人クラブが797団体約5万人の方がおられるようでございますが、これらを巡回いたしましてパンフレットとかあるいは視聴覚資材等を活用して安全教育を実施していくことといたしておりますし、また動物をデザインいたしました子供にもわかる歩行者用の注意喚起標示というものを5800個ほど横断歩道の手前に設置するようにいま準備を進めております。
また、目の不自由な方々には交通方法変更の仕組みだとか、あるいは安全のための留意点を内容といたしました点字のパンフレットを2500部作成して配布するようにいたしております。
なお、現在点字が読める方は456人ということでありますが、「730」を機会に点字を覚えたいという方が多いというふうに私ども聞き及びましたので、すべての目の御不自由な方にお配りするようにいたしておる次第であります。
以上です。
○議長(知花英夫君) 企画調整部長。
〔企画調整部長 吉元嘉正君登壇〕
○企画調整部長(吉元嘉正君) ただいま、知事から御答弁になりました点を補足しましてお答えいたしたいと思っております。
まず、振興開発計画でございますが、その評価、今後の課題につきましては知事が御答弁になったわけでございますが、今後の取り組みについてどのような方向を持っているかということでございますが、すでに53年度本年度からそのための、調査費等を予算化いたしまして資料収集、あるいはまた他県の計画の策定要領等につきましての調査研究、及び先ほど来問題になっております主要プロジェクトの具体的な詰め等をも兼ねましてすでに作業に入っているわけでございます。
次に、プロジェクトの見通しでございますが、午前からいろいろとそれぞれの段階における事項、すなわち中城湾あるいは那覇空港の第1種空港への格上げの問題、鉄軌道の問題、県庁舎の問題、あるいは糸満水産加工団地形成等、あるいは琉大の医学部の問題等それぞれがすでに主要プロジェクトとして策定されておりまして、その事項別にすでに各部局において検討が進められておるわけでございます。
それから62年度に向けまして国体の準備についての御質問でございますが、第2回県議会におきまして知事から答弁がありました線に沿いまして、すなわち財政、会場施設等について十分検討し、県民の声も聞いて国体を誘致する方向で検討するということで、これに基づきまして県としましては去る4月13日に国民体育大会誘致検討委員会を関係部局5つの部局の12名、すなわち次長及び次長クラスの方々を構成しまして検討を進め、11月ないし12月には財政、会場施設等の諸問題について報告がなされるということになっております。
それから圏域構想のおくれと今後の作業見通しについての御質問でございますが、振興開発計画の中に圏域構想がうたわれておりまして、すなわち北部、中南部、宮古、八重山と4地域にわたる構想が打ち出されております。これについての具体的な内容につきましては去年の暮れ以来作業を進めておるわけでございますが、おくれた理由としましては、先ほど説明申し上げました「沖縄振興開発計画の後期における課題と施策」の作業、並びにもう1つは、国の3全総の中に定住圏構想が打ち出されましたので、そういう上位計画との関連で若干作業がおくれております。したがいましておよそ8月ごろをめどに圏域構想の仕上げをしていきたいと、このように考えております。
それから交通体系と交通方法変更との関連でございますが、御指摘のようにかなり前の段階で総合交通体系を方向づけることについての「730」との関係を検討することが一応妥当かと思いますが、その後特別事業を想定する中で、いわゆる道路交通の整備を交通方法変更事業と関連させまして整備していくという方向で一般国道あるいは県管理の国道、県道、市町村道、沖縄自動車道などおおよそ135キロ余の、そしてまた2000億余にわたる事業計画を策定しまして特別事業としていま国の方に要請し、先ほど御答弁申し上げましたようにほぼ実現が可能な段階に来ているという状況でございます。
それから次に、「730」と関連しまして県、市町村の経費は原則として国が持つべきだということについての御質問でございますが、52年度の一般管理費、いわゆる「730」関係の一般管理費、県、市町村の分につきましては特別交付税で一応見られております。したがいまして、53年度分につきましても年度末に交付される特別交付税で措置してもらうよう要求していきたいと考えております。
○議長(知花英夫君) 総務部長。
〔総務部長 平良清安君登壇〕
○総務部長(平良清安君) 国庫支出金の要請に当たって自主県政を確立するということから、さらに縦割り行政の弊警をなくするということで県議会初め県民の意見を反映させる措置がないかということでございますが、現在の国庫支出金の要請については国の予算要求の方式等と関連いたしまして御指摘のとおり各省庁別に行われておりまして、県が統一して要請するという形にはなっておりません。大蔵省に要求する原局はそれぞれの省庁――開発庁初め、そういう形になっております。
ただ本県の場合に、国庫支出金の中で振興開発計画に基づく沖縄開発庁一括計上分についてはできるだけ県議会の皆さんの意見が反映されるような仕組み等について努力して反映させたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大島 修君登壇〕
○生活福祉部長(大島 修君) 「730」に向けての精神薄弱児の教育につきましては、御指摘のとおり直前教育が大事でございますので、それに向けていま教育庁の行っております現場の教員に対する指導者研修会に施設の職員を派遣して研修させ、それに向けて準備をさせていると。
それから交通弱者対策は先ほど県警本部長からお話がありますように、幼児、老人、盲人等県警とタイアップして生活福祉部としても所要のパンフ、ステッカー、その他のものを準備してやっております。
そのほかに、聴覚障害者に対しましては月2回テレビのOTVとRBCで手話による教育をやっております。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 県工事の適正な執行についてでございますが、土木部関係の工事の執行の方法について御説明いたします。
現在県は、入札参加願いを提出した建設業者に対しまして建設工事入札参加資格審査及び業者選定等に関する規定に基づきまして、その業者の施工能力等に応じ土木建築関係は特AからE級までの5等級に、電気管工事関係はAからCまでの3等級に分類し等級の格づけを行っておりまして、工事を発注するに際しましての業者の選定は、それぞれの発注区分に見合う業者を指名審査会の審査を経て指名することにしております。
指名審査会においては、当該業者の施工能力、工事の地域性、手持ち工事等の状況等各種事情を総合的に判断した上関係法令に基づき厳正適確に指名業者を選定しておりまして、今後とも業者の指名に対しては細心の注意を払い厳正に指名するつもりでございます。
なお県は、建設業法27条の2の規定に基づきまして、経営に関する客観的事項の審査結果を毎年度各市町村へ送付して業者の等級格づけ審査の資料に供しております。
また、建設業界に対する綱紀粛正方につきまして、県の建設業関係団体に対しまして建設業者の綱紀粛正方に対しまして自覚を促すよう強く申し入れて行政指導しているところでございます。
県工事に対しまして、御指摘のようなことは私はないと確信しております。
○議長(知花英夫君) 教育長。
〔教育長 前田 功君登壇〕
○教育長(前田 功君) 交通方法変更に伴う交通弱者と言われております特殊教育諸学校の児童生徒の交通安全指導対策についてお答え申し上げます。
まず、指導の基本的な考え方は、これは特殊教育諸学校も基本的には普通学校における指導と同様に取り扱っております。すなわち4月から6月までの間を事前指導の期間といたしまして、道路交通における基本的なルールを重点的に指導しております。7月から8月までの間を変更時指導といたしまして、特に7月には変更を前提とした行動訓練を中心に指導いたします。8月には正しい行動の訓練を中心に指導いたします。さらに9月以降は、事後指導といたしまして正しく安全に行動できるような指導を考えております。
具体的には、それぞれの障害児学校におきまして各学校独自の児童生徒の障害別の実態に応じて年間指導計画を立案作成しておりまして、4月から計画的に学級指導及び学校全体の一斉指導に取り組んでおります。
特に7月には、実際の行動訓練指導を計画し、交通方法変更の前日であります7月29日には全校一斉に登校させまして訓練指導をいたしたいと考えております。また8月には、新しいスクールバスも入ってまいりますので、このスクールバス等による実際訓練を伴う指導も計画しております。
今後の対策といたしましては、指導対策研究委員会で予想される問題点や、あるいは学校現場から提起された問題点等について検討研究し、その対策を学校現場に提供し児童生徒の交通安全の万全を期していきたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 伊波茂雄君登壇〕
○環境保健部長(伊波茂雄君) 交通方法変更に伴って医療対策はどうなっているかという御指摘でございますが、昭和51年度において救急車によって搬送されました交通事故患者は約2900名でございます。1日平均8名程度となっておりますが、休日・夜間救急診療所で取り扱った交通事故患者数は1579名、1日平均約4名といったような状況にございます。
国の関係省庁が国会等で答弁したことなどから私たちが得た感触としまして、交通方法変更に伴い交通事故が多発することはないと。そういうことがあるとすれば変更を実施することは問題であるといったような答弁等を見ますと、多発するといったようなことは考えてないようでございます。
私たちは、しかしながら交通方法変更に伴う救急医療体制はつくっておく必要があるということで現在考えている体制について御説明申し上げますと、まず初期医療につきましては原則的にはすべての医療機関で対応するということにしておりまして、さらに初期医療のうちでも休日、夜間においては休日・夜間救急診療所等で対応し、2次救急患者等高度な医療を要する場合は県立病院等で対応することにいたしております。
なお、高度な医療を確保するため県立中部病院は救命救急センターに指定をしまして、特に頭部の外傷等に対応するためC・Tスキャナーを設置して救急医療体制の充実を図っております。
救急患者がもし増加の傾向があって必要な医師等の確保の問題がございましたら、必要に応じ現行の派遣医師制度を活用して国の方で派遣するということで厚生省と話し合っております。
集団的に発生する救急患者の対応につきましては、災害救助法等に基づきまして集団的に発生する傷病者に対する救急医療対策計画に基づいて県、市町村、医師会等が一体となって活動する組織がございます。この組織を必要に応じて対応できるように関係者と検討していきたいと思います。
さらに医師会等の協力も得まして、救急医療対策懇談会等を設置し連携策を進めていきたいと、このように考えております。
○議長(知花英夫君) 赤嶺幸信君。
〔赤嶺幸信君登壇〕
○赤嶺幸信君 私は、公明党を代表いたしまして、通告した事項について所見を述べながら知事並びに関係部長の御見解をお伺いしてまいりたいと思います。
なお、通告した事項につきましてほとんど他の党の代表の方々と重複いたしておりますので極力その重複点を避け、大変お疲れのようでございますので時間を短縮して質問をしてまいりたいと思います。
最初に、交通方法の変更についてお尋ねをいたします。
いよいよあと53日で「730」を迎えるわけでありますが、県民の不安は一向に解消される様子はございません。本来ならここでもう一度変更期日の延期について再考を申し入れたい、このような心境でございます。しかしながら客観情勢は「730」に向け、不安をはらみながらも着実に近づきつつあることは事実でございます。したがってここでは冷静にその流れを見つめ、願わくば変更後において一片の悔いも残らないような万全な準備体制で臨んでもらいたい、このように願うものでございます。
さて、今日まで機会あるたびに質疑をしてまいりましたが、その中で「730」当日の問題について1点だけお伺いをしておきたいと思います。
現在、「730」に向け交差点の改良、視距改良、停留所の移転工事、その他の工事が施工中であります。これら予定個所の工事施工については明るい見通しのようでありますが、私が懸念いたしておりますのは、これらの工事も含め「730」当日道路上において行われるもろもろの工事、たとえば下水道、上水道管等の布設工事、あるいは道路の改良工事、ガス管等の配管工事、その他の工事によって当日道路交通の規制もしくは制限を余儀なくされる個所、あるいはその路線等がどの程度あるかということでございます。
このことは、左側通行に移行したばかりのドライバーにとっては大変危険な個所となりかねないからであります。でき得るならば、一切の工事を一定期間中断をさせ、すべての路線で円滑なる車両の運行が図られればこれにこしたことはございません。しかしながら工期や請負契約との関係もあり困難かとは思います。あるいは事前に配慮がなされているならば結構でございますが、配慮がなされていないとすると変更直後のこのような交通規制が行われる、工事によって交通が規制をされる個所の指導にどのような体制をとっておられるか、警察本部長にお伺いをいたします。
第2点目、旧日本軍による接収用地の返還問題についてお伺いをいたします。
本問題につきましては、昨年3月17日衆議院予算委員会において公明党の近江己記夫委員の質問に対し、福田総理は、よく調べる必要がある、よく調べて国有財産台帳から消すべきものは消す、このような答弁があり、この答弁に基づき大蔵省は鋭意調査を進め、去る4月17日最終報告書をまとめ衆議院予算委員会に提出いたしております。
このことについてはすでに御存じのとおりであり、知事においてもその内容について十分御検討をなされたかと思います。
そこで私は、これまでの経過を踏まえ本報告書に対し、わが党の見解を述べつつその事実関係を明らかにし、今後の対処について知事の御見解を承りたいと思います。
まず報告書は、結論として「調査結果を総合勘案すると、沖縄において戦時中旧軍が取得した土地は、私法上の売買契約により正当な手続を経て国有財産になったものと判断される。」となっております。
そこで問題となりますのは、結論を導くに必要といたしました総合勘案の個々の事項でございます。
その第1は、返還要求の主張として、すなわち1、国家総動員法に基づき強制的に接収が行われた。2つ、対価を受け取っていない。3つ、戦争終了後は土地を旧地主に返還するとの口約束があった等を挙げ、それぞれそのようなことはなかったとしております。
第2は、調査の概要を述べ、この中で旧軍が土地を取得した経緯を明らかにするための調査と戦後所有権証明が行われた事情の調査等を主体に国有財産とし、正当な手続によりなされたとする証拠の収集に力を入れております。そして買収当時の資料として、沖縄本島及び伊江島については境界くいが3本ある、土地買収に関する旧陸海軍の通牒7件の存在を示しております。
また、宮古島及び石垣島につきましては、土地の売り渡し証書、代金領収証書、不動産登記簿謄本及び土地買収に関する旧陸海軍の調書、協定書等を示し、さらに関係者からの事情聴取や土地所有権の認定等に関する資料を挙げております。
第3番目に、調査結果として第1点は、飛行場の建設は昭和18年から19年にかけてほぼ同時に新設または拡張された。そして用地の取得は、国家総動員法により強制されたとする証拠は全く見当たらない。個々の地主の意思が尊重され、私法上の売買契約によって正当になされたものである。
また、沖縄本島及び伊江島については、直接の戦争地域であるため資料が滅失して発見できないが、宮古島及び石垣島については証拠がある。また宮古島や読谷村では、接収当時担当官が戦争が済んだら旧地主に売り渡すとの口約をしたと言っているが、宮古島に残っている土地売り渡し証書や登記簿等からはそのような表示は一切発見できない。
第2点は、代金の支払いについて、このことについても直接戦闘が行われた沖縄本島及び伊江島では代金の支払いを示す資料は全く発見されていないが、宮古や石垣では相当数の領収書や陳述があるので、市町村長や市町村吏員を通じて支払われたと考えられるとしております。
第3点は、所有権の認定作業について、沖縄本島及び伊江島ついては米国軍政府及び民政府の布告、指令に基づいて昭和21年から26年にかけて所有権認定作業が行われたが、この作業は各市町村ごとに委員会が組織されて進められ、所有権が明らかになった土地について、各市町村長は昭和26年4月から所有権証明書を交付している。したがって国有地となっている土地についても、当時の所轄市町村長が国有地と認定し、所有権証明書を米国民政府琉球財産管理官に対し交付したものである。そして申請者がこの場合日本政府あるいは日本飛行場となっているけれども、当時の国有地は土地所有の申請は不要とされていたので、このようなことがあっても国有財産の所有権証明書には何らの影響もないとしております。
第4点は、旧軍買収地の登記について、このことも宮古島や石垣島は当時の登記簿が現存する。沖縄本島及び伊江島については発見できない。しかし所有権証明書によって昭和26年以降土地台帳が作成され、登記官吏による表示登記がなされ、復帰の際沖縄の復帰に伴う法務省関係法令の特別措置に関する政令第15条によって本土と同様な法的効果が与えられた。したがってこれらの用地は正当な双務契約であり、沖縄県民の返還要求は納得できないという立場での報告書でございます。
しかし、この中で総合勘案した事項の物的証拠はすべて宮古島及び石垣島のものを採用いたしております。調査の結果の中で明らかなように、沖縄本島及び伊江島においては直接的な資料はほとんど発見されていないが、これはこれらの地域で直接の戦闘が行われたため直接的資料が滅失したためではないかと考えられると、このようにして沖縄本島及び伊江島に対しても宮古島、石垣島の物的証拠でもって類推をいたしているわけでございます。
大変一方的な論理の展開でございます。このようなきめつけができるとするならば、もはや私法上の相対関係は存在しない。またこのことは容認してはならないと思います。たとえば、なぜ読谷飛行場よりも後に接収されたはずの野原飛行場や洲鎌飛行場の物的証拠が存在するのに、読谷飛行場のものは発見できないのか。これはもともと存在しなかったと見るのが当然ではなかろうか、このように考えられるわけでございます。
本報告書に対し反論し、あるいはその根拠を追及することは容易であろうかと思います。しかしその内容をよく見ました場合、証拠主義を前面に私法上の有効性を強調しております。となりますと、今日までの取り組みに対し検討してみる必要はなかろうかということでございます。たとえいままでの要求が事実に基づくものであるにしろ、報告書の証拠主義の論理との距離感を縮めることができるかどうか。この距離感を縮め、ひざ詰めの話し合いの論理を推し進める必要があるのではなかろうか、このように思うわけでございます。報告書の中で明らかなように、総合勘案に必要とした物的証拠はすべて宮古島及び石垣島のものであり、沖縄本島及び伊江島については何一つ発見できないとしております。
そこで報告書をよく分析し、一応認めるべきものは認め、要求すべきものは強力に要求をすると、その内容を分けて対応する必要があるのではなかろうか、このように考えるがゆえにこの見解に立って知事の所見を承りたいわけでございます。
まず第1点は、宮古島及び石垣島の旧軍接収地と沖縄本島及び伊江島等の旧軍接収地とを2つに問題を分けて取り組んでいかなければならないと考えられるわけでございます。まず第1点は、宮古島及び石垣島については、土地売り渡し証書あるいは代金領収書、登記簿謄本等明らかに現存する物的証拠があるとされ、また関係者の方々もそのことを肯定いたしております。したがって地元の方々は、買収当時の社会情勢からすれば強制感もあり返還要求をしたい気持ちがあるにしろ、今日的立場からの解決として農地法に基づく低廉な価格での払い下げを希望いたしております。そして一日も早く所有権を獲得したい、現実的な解決方法を求めております。いま知事のところに払い下げ申請が提出されているはずでございます。地元の方々の意思を尊重しこれにこたえるべきではなかろうか、このように考えるわけでございますが、御見解をお伺いしたいと思います。
第2点は、沖縄本島及び伊江島については、大蔵省も報告書で述べておりますとおり何らの証拠も発見されておりません。したがって私法上の売買契約によって正当な手続によって国有財産となったと判断することは困難となります。一方的に、直接の戦闘地であり滅失したと考えられるとし、宮古や石垣の物証でもって類推することはそれこそ国家総動員法を発動する以上の危険きわまりない論法でございます。
本来なら、売買を証するものがなければ当然売買は存在しなかったものと見るべきでございます。しかし大蔵省は苦しい理由の中から、国有となったものと考えられるという立場をとっております。このことは是が非でも撤回させなければなりません。県民世論を盛り上げ、1枚でも資料を収集していく必要がございます。現に昨日の新聞報道にもありましたように、昭和19年9月20日の土地所有権移転登記の申請書が発見されており地元の方々を勇気づけております。
本問題解決のため関係地区を網羅し、新たな資料収集、世論の形成、盛り上げ、積極的な行動を起こすときである、このように考えるわけでございますが、知事の御見解をお伺いいたします。
次に、地方自治の運営についてでありますが、運営の技術上の問題というのではなく人の問題でございます。
先ほど来本問題が取り上げられておりますが、はなはだ残念な事件であり、破廉恥この上ない不祥事によって現職市長以下13人の逮捕者が出たということでございます。平良市の皆さんには、どうか勇気を出して新しく明るく住みよい町づくりのために気を取り直して前進されることを切望いたします。
政治における人間性の衷失は、死の政治と言われております。英国の歴史家アクトンは、権力の運命を喝破いたして、権力は腐敗しやすく絶対的権力は絶対に腐敗すると言っております。この腐敗を促進するものこそ、魔性につかれた人間生命の濁りでございます。社会的機構の中における権力を、個入の力量と混同した錯覚でございます。
またルソーの社会契約説によりますと、権力とは、もともと社会の秩序ある生活の維持のため民衆が委託したものだとしております。してみますと、その権力行使は社会の秩序と住民福祉にのみ許されるべきものであって、権力は大衆のものであり、権力を持つ人間を公僕であるとすることはすでに御承知のとおりでございます。
私は、ここで多くを申し上げようとは思いません。このたびの不祥事件について知事の御所見、先ほどからございましたけれども、簡単で結構でございますが、再度お伺いをさせていただきたいと思います。秩序が乱れ、政治不信が高まっていく、このことを危惧するがためでございます。このような懸念から、私は一昨年7月、最初の定例議会におきまして知事の政治理念について見解を求めたことがございます。簡単で結構でございますので、再度知事の御見解をお伺いしたいと思います。
なお、この事件で建設業者が大きく絡んでいるようでございます。1点だけお伺いいたします。
新聞報道によりますと、ある業者が相当な権力を持っている、しかし不思議なことに事業所がない、単なるぺーパー業者ではないか、このような記事があったわけでございます。
もしこれが事実ならば、はなはだ矛盾を感ぜざるを得ないわけでございます。建設業法は、「建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与する」、このことを目的とし発注者、請負業者とも保護育成され、公共の福祉が増進されるようになっているわけでございます。
今回のこの出来事は全く正反対、逆の方向に実践されている。いわば不建設業法であり、破壊業法の有資格者としか言いようがない遺憾のきわみでございます。
あるいはアルミサッシ業者とも言われているようでございますが、この業者が受けている建設工事の種類、それから申請時におけるところの技術責任者は一体どうなっていたのか。
あと1点、今後速やかに資格の再審査を実施し適正な措置を講ずる必要があると思うが、どのように対処しようとしておられるのか所管部長の御見解をお伺いいたします。
次に、沖縄返還協定によって放棄されました県民の放棄請求権について簡単にお伺いします。
復帰まで27年間米軍の直接的行為もしくは米軍人軍属の犯罪行為、そして基地運用等から派生した人身や財産に対する損害、損失、実に県民屈辱の歴史がこの中になまなまと刻まれていると思います。
このような要因は、早急に解決を図っていただきたいと思うわけでございます。本問題の解決についてどのような見通しを持っておられるのか。
資料によりますと、第3次分までの要求12万3000件余で1170億余の要求をいたしておりますが、その中で漁業補償のみが約30億認められたかと聞いております。しかしながら総額からいたしますとわずかに3%足らずの金額でございます。この程度では30数年の期間をかけなければ解決ができない、このように懸念されるわけでございます。したがいまして今後この放棄請求権の請求について、どのように対処していかれるのかお伺いをいたします。
最後に、河川整備についてでございます。
現在、沖縄におけるところの河川整備は大変そのおくれが目立っております。そのために他の都市計画事業、とりわけ今回ここで御指摘申し上げたいのは、下水道工事との関連においてその工事の施行が阻害されるというような事態を招きかねない状態でございます。
例を浦添市牧港川にとって申し上げます。牧港川の整備もほとんど進んでおりませんが、海洋博後都市・公共下水道の予算が相当アップされてまいっております。そのために関係市町村は公共下水道の整備に精力的に取り組んでおりますけれども、県管理の河川整備がなされていない、そのために公共下水道の幹線排水路が布設できない。2級河川の整備がなされれば、その管理道路のもとに幹線排水路を埋設することができるわけですが、それができないために他の区域にいわば非効率的な先行投資の形で工事を施行しなければならないというような状況に立ち至っているわけです。
したがいまして、早急に河川整備を促進するということが今日の都市計画事業の推進、都市環境の整備に大きなウエートを持っている、このような観点に立つものでございますが、今後県管理の河川整備についてどのように進めていかれる計画なのか御見解をお伺いし、質問を終わります。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) ただいまの御質問にお答えします。
最初に、日本軍が接収した用地、結論から先に申し上げますと、関係市町村と緊密なる連絡をとって早目に地主の方々の要求が達成されるよう努力をいたします。これが結論であります。
ただ、私がこれまで政府関係筋にお願いをしたときには、私はこういう基本線に立ってやりました。国家総動員法に基づいたとか基づかないとかいう論議はやめてもらいたいと。あの当時の情勢としては、よしんば国家総動員法に基づかなかったにしても、当時の情勢としては結論においては同じような結果にしかならなかったんだと。それを論議してもらうことは、長年にわたる沖縄県民の苦労と犠牲に報いるという精神に沿わないことになる、これが1点。
焼き払われたところで証拠勝負をしてみたって、おそらく国自体も、私が10何年か前行って調べたときには国自体も昭和18年ごろの沖縄に関するところの国有地は台帳にはなかったはずであると。だから国自体も証拠はない。その証拠争いは余り意味ないと。
さらに用が済んだら返すという約束があったとかなかったとか、この論議もやめてもらいたいと。民主社会において最も大事である個人の所有権を、国が戦争目的のために一時取り上げたと。戦争が済んだら、当然元の姿に戻すということが私は道義的に正しいと。戦争目的のために無理に――大方は無理にだったと思います――個人の所有権を失わしめたと。戦争が済んだ今日は、直ちに本人の希望に沿うように措置することが道義国家としての当然の措置だと思うと、こういうことを申し上げたのでありますが、遺憾ながらその当時十分には納得はしてもらえませんでした。
ただ、いま農地法に基づくということでありますが、これは専門の方々の御意見も徴さなければいけませんが、私は形の上においては仮に証拠物件があったと、払い下げるといっても、国有地を払い下げるという形の上においてはそういう措置がとられたにしても、実質は個人の所有権は一時国にいっておったと、それを返すんだということが実質の姿でなければならぬと。普通の国有地の払い下げとは全然違うと。したがって戦後できた農地法によって払い下げるということになった場合に、耕作しておる人と元地主との関係はどうなるかと。これは地主と耕作者との間に円満なる相談がうまくいくところはいいんだが、もしこれがうまくいかぬ場合には一体どうなるかと。
そういった点は、関係者とされては十分御検討なっていると思いますので、そういう点もお習いをして、さき申し上げましたようにあとう限りわれわれは関係市町村と密接な連絡をとりながら希望に沿うように処理していきたいとこう考えておりますが、繰り返し返し申し上げたい点は、普通の国有地を個人に払い下げるという形式はそうであったにしても、本質はそうではないと。戦争目的のために一時個人の所有権を国が取っておったと、それを返してあげましょうということが本当の姿でなければならない。したがって戦後できた法律によってあっさりやってもらっては困るんじゃないかと。こういうことはしかし、専門家の方々の御意見も徴してあとう限り個人の方々の御希望が早目に実現するよう努力をいたしたいと思っております。
その他の点につきましては、関係部長から答弁させます。
○議長(知花英夫君) 警察本部長。
〔警察本部長 齊藤 隆君登壇〕
○警察本部長(齊藤 隆君) 「730」に関連しての御質問にお答え申し上げます。
まず、警察署長が道路使用許可を与えておる工事個所はどのぐらいあるのかという御質問でございますが、これは那覇市内、浦添、宜野湾、沖縄、この4市の市内についてのみ調査をさせたわけでございますが、それによりますと、現在警察署長の道路使用許可を出しておる工事個所が18カ所ございます。那覇市内が1カ所、浦添10、沖縄7と計18でございます。なおこのうち12カ所は「730」までに工事は終わってしまうということでございます。
なお、御承知かとも思いますが、これは道路管理者が行う工事は警察署長の許可が要らないわけでございますので、協議だけで足りております。したがいましていま私が申し上げている数字は、道路管理者以外の者が行う警察署長の道路使用許可が要る工事でございます。
それで、これらの工事個所の条件としては、工事はいわゆる分割施工をして交通の支障をできるだけ少なくするとか、あるいは工事現場の周囲にはさく等保安施設を設けろとか、夜間は赤色灯または黄色灯を使用して工事範囲を明確にしろとか、あるいは交通頻繁な道路においては、周りの状況との関連を見ながら交通に著しい影響を及ぼすような工事を行うときは夜間施工をして昼間は覆工して一般の交通の用に供するようにとか、こういったような条件をつけておるわけでございます。したがいまして変更後も引き続き工事が行われるのは6カ所、これが浦添市内が5カ所、沖縄市内が1カ所でございます。それでこれはいずれもそれぞれの市道――浦添市の道、沖縄市の道という市道でございます。
それで、これに対します条件もいまお話がありましたようにわれわれもずいぶん検討したんですが、天候とか、あるいは工期、大体これらの6カ所の工期が10月末ぐらいまでの工期になっておるもんですから、条件としてこの日からこの間は休むことというのはちょっといかがなもんだろうかということで、特に口頭で7月29日から8月3日までの間は交通方法の変更を安全、円滑に実施するためにできるだけ工事を差し控えてほしいという口頭での協力をお願いしてあるという段階にとどめてあるわけでございます。
○議長(知花英夫君) 平良知事。
〔知事 平良幸市君登壇〕
○知事(平良幸市君) 答弁漏れがありますのでお答えいたします。
放棄請求権の問題については、その数字的なこと、漁業補償のことは赤嶺議員から御指摘がありましたとおりでありますので、端的に簡単に申し上げます。
昭和53年5月23日、政府におかれては関係省庁で構成する「沖縄における対米放棄請求権問題の処理に関する連絡会議」、これが発足いたしております。ここで具体的な処理方針の策定に当たることになっておりますので、ここに強く要求をしてあとう限り早目に実現できるよう今後も努力をいたしたいと思っております。
さらにもう1点、地方自治行政に対する問題に関しての改めてもう一回という督促でありますが、簡単にと申し上げられると申し上げにくいわけですが、いままで答弁したもので御了承願いたいと思うんですが、何回申し上げても、やはりわれわれとしては指導助言をより一層強化してそういうことが起こらないように最善の努力を尽くしますと。なおまた大臣なさった方でさえ悪いことをすると、これは指導助言のらち外にあると思うんです。
モラルの問題は、やはりお互い社会人みんなが、そういう麗しいりっぱな社会的風潮をつくるようにみんなが努力すべきだとも考えております。
○議長(知花英夫君) 土木部長。
〔土木部長 大嶺永夫君登壇〕
○土木部長(大嶺永夫君) 先ほどの業者の件は砂川建設の件ではないかと思うんですが、そういう前提でお答えしたいと思います。
その件につきましては先ほど石垣議員に細かい説明をいたしましたが、ただいま御質問の許可業種は土木一式の工事と建築一式の工事であります。それから専任技術者は、土木の方が長崎俊雄、建築の方が砂川幸信になっております。
先ほどもお答えいたしましたが、私たちとしてはできるだけ早い時期に実情調査の上、許可申請者において不正行為が明らかになった場合には建設業法等関係法令の規定に従い適正な措置をとる所存でございます。
それから河川の整備についてでございますが、2級河川の整備につきましては昭和47年度から国庫補助事業として一定計画に基づいて河川改修工事に着手しているところでありますが、現在中小河川改修事業といたしまして国場川ほか19河川、小規模河川改修事業として辺野喜川ほか4河川、さらに都市河川環境整備事業として国場川のしゅんせつを進めております。
しかし、本県の河川事業は大規模な事業投資が計画されておりますが、復帰後の昭和47年からしか本格的な改修工事が着手されなかったものであり、また国庫補助予算の投資状況、2級河川25カ所の改修事業の促進との兼ね合い及び河川拡幅に伴う用地物件の取得業務の困難性等の要因もありまして、その整備水準は非常に低い現状でございます。国庫補助事業の予算の推移は、52年度までは対前年度最高30%の伸び率でございましたが、53年度においては河川の整備を促進するという観点から約75%の伸び率になっておりまして、54年度以降も引き続き強力に整備の促進に努め、公共下水道事業との整備の兼ね合いも図れるように努力していきたいと思っております。
今後の河川整備につきましては、特に流域に人口、資産が集中している河川については、次のような事項を重点にして実施していく方針でございます。
まず、著しく整備の立ちおくれている中小河川整備を積極的に推進していきたい。特に浸水地域の河川改修を促進するとともに、流域開発により治水機能の劣化の著しい中小河川については流域の開発に対応した治水施設の整備に努めていきたいと思います。
次に、主要河川の計画高水流量については、50年確率の洪水を対象にして災害防止に努めたいと思っております。
それから土砂等が堆積し浸水の著しい河川につきましては、本格的な整備がなされるまでの間とりあえず維持費などによるしゅんせつまたは雑木等の除去により河積の拡大に努め、浸水対策を講じていきたいと思っております。
○議長(知花英夫君) 以上で、代表質問を終わります。
本日の日程は、これで終了いたしました。
次会は、明8日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後8時4分散会
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