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昭和48年(1973年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 7月 5日
第 4号 7月 5日
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議 事 の 概 要
昭和48年7月5日(木曜日)
午前10時4分開議
日程第1 議案第24号の訂正の件
日程第2 一般質問
日程第3 議案第1号から議案第38号まで(質疑)
一般質問及び質疑
1 中山 兼順君(自民党)
2 上江洲安健君(自民党)
3 志村 恵君(自民党)
4 渡久地政仁君(自民党)
5 西田 文光君(自民党)
6 比嘉 昇君(無所属)
7 岸本 安神君(社大党)
8 島田 哲男君(社大党)
9 与那覇寛長君(社大党)
10 与座 康信君(社大党)
午後6時55分散会
○議長(平良幸市君) これより本日の会議を開きます。
日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
6月28日、知事から提出された議案第24号建築工事請負契約について、7月4日付をもって訂正したい旨の申し出がありました。
なお、代表監査委員玉盛隆起君は、公務出張のため、本日及び明6日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
よって、その代理として監査委員大城盛昌君の出席を求めました。
○議長(平良幸市君) 日程第1 議案第24号の訂正の件を議題といたします。
知事から議案第24号の訂正の理由の説明を求めます。
屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗) ただいま議題となりました議案の訂正について、その理由を御説明申し上げます。
昭和47年度県営住宅建設工事のうち、昭和47年度繰り越し予算にかかる建築主体工事及び造成工事2億6620万円、昭和48年度の予算にかかる屋外付帯及び特殊基礎工事209万円、計2億8629万円で昭和48年6月18日、合資会社伊是名組代表者伊是名興明と仮契約を行ないました。本件県営住宅につきましては、全工事同一業者のため、総額2億8629万円について承認を求めたわけでございますが、昭和47年度繰り越しと昭和48年度予算の経理を明確に区分するため、昭和48年度にかかる金額について削除する必要があり、訂正いたす次第であります。
よろしく御承認をお願いいたします。
○議長(平良幸市君) おはかりいたします。
ただいま議題となっております議案第24号の訂正の件は、承認することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良幸市君) 御異議なしと認めます。
よって、議案第24号の訂正の件は承認することに決定いたしました。
○議長(平良幸市君) 日程第2及び日程第3を一括し、これより直ちに一般質問を行ない、議案第1号から議案第38号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
中山兼順君。
〔中山兼順君登壇〕
○中山兼順君 本員は医療行政についてということについて質問申し上げたいと思いますが、私は、これは与野党を問わず、健康を守るという立場から、イデオロギーをはさまずに御質問申し上げたいと思います。と申しますのは、憲法25条にすべて国民は健康でなくちゃならぬ、そして国は公衆衛生の向上と増進に努めなければならない。これには与野党異議があるはずがありません。かといって国がやるべきであるというわけではいけません。やっぱり個人が主体になります。
東西ヨーロッパを旅行しまして一番気についたことは、ヨーロッパの町々はソ連をはじめちり1つ落ちていないのが現状でございます。日本人は自分さえよければいいと吸いがらを道に捨てたり、紙くずを捨てたり、しまいには自分さえよければいいというわけで、自分のし尿をよその川に流すことが新聞に出ています。これでは公衆衛生の向上ははかれません。その意味も兼ねて知事に御質問申し上げるわけでございます。それにはたくさんの質問があると思いますが、限られた時間でありますので、医療行政の中でも特に公務員医師の待遇問題についてを取り上げたいと思います。
私の知った人が病院に入院しました。こういうりっぱな病院で医師や看護婦の手厚い看護を受けて死ぬんだったら運命とあきらめなければならないというわけで、喜んで死んだ人がおります。しかし現状は、いま入院する病院もないような状態が現状でございます。町の真ん中から引っぱり回されて医師もおらぬ、病院もベッドがないという状況では、一体われわれの健康はだれが守るのかという問題が出てくるわけです。その解決手段としてまず医師の確保が第一であります。医師と看護婦の確保、そのためには医療に携わる医師を中心とした人々の待遇問題の改善からはからなくちゃいかないわけでございます。
去年の8月の定例議会におきましても、本員は、医師の待遇問題に触れました。そして知事と人事委員長に要望申し上げました。そのときに厚生部長は、あなたの要望の線に沿って検討いたしますと答弁しているわけでございます。それでその公務員医師の給料は復帰時点まで働いていた医師と復帰後採用された医師の給料に相当な開きがある。そうなりますと、今後病院をどんどんつくって医者を誘致する段階になりますと、私の同級生ですが、いまこれぐらいもらっている。私は、これでいいのかと思うわけでございます。ですから、この前私が復帰前の公務員医師の給料と復帰後の公務員医師の給料の格差を是正しなくちゃいけない。そうでないと解決はむずかしいと思うわけでございますが、この点につきまして、知事もしくは部長でもかまいません。どういうふうに検討されたか、1カ年にもなります。1カ年して結論が出せなかったら永久に結論が出せない。と申しますのは、医療問題は知事もきのう御説明がありましたとおり、県にとっても最も重要な課題であるといわれておるからでございます。それで早急な解決を要求するわけでございますが、これについてどういう段階で、どういう結論になっておるか。
県から人事委員会にすでに提出されているのか、あるいは人事委員会に提出されておればどういう結果になっておるか、これをお聞かせ願いたいと思うわけでございます。
沖縄の病院に公務員の医師がたくさんおられますが、いつも待遇問題で問題を引き起こしている。この前インターンがストまでやった、なぜだろうか。あたたかい行政がないから、ほったらかしだからです。病院に1億5000万円の超勤手当を1カ年も支払っていない、これで一体前進があるかと医者は反発する。看護婦も反発するのは当然のことです。なぜそんな1カ年もほっておくのか。議会でつつかれたらすぐ払う、そんなやり方がだめなんです。その点を反省しなくちゃならない。最近も同じことが起こっております。1カ年もほったらかしている。人から物を買ったら払おうともしない。税金は一生懸命取る、払うのを渋っておる。これでは前進がない。ですから、その点も十分検討して反省する必要があると思います。これは与野党問わず、払うべきものは払わないと公務員は働けないということになるわけでございます。
まず、その公務員医師の復帰前と復帰後の差を縮めるためにどういう構想をもって、どういう折衝をしておられるか、それをまずお伺いしたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 医療行政の面におきまして、医師の待遇問題は前にも提起されておったが、復帰後どうなっておるかということでございまして、医師確保のためには必要な条件でありまして、できるだけの努力を復帰いたしましていろいろな制度の大転換期にも払ってきたつもりでありますが、その経過をちょっと申し上げます。
本県は他府県に比べて医療各般にわたり大きな格差があります。特に医療の根幹をなす医師の不足は類似県の半数以下というきわめて深刻な状態にあります。このような事情から、琉球政府当時から医師の確保につきましては最大の努力を払ってきたところでありますが、いまだに他府県に遠く及ばない現状であります。本県の医療対策につきましては、このような医師をはじめ医療従事者の確保が最大の問題点であり、医療体系整備の前提となるものと考えております。
このような意味から公務員医師の確保につきましては、琉球政府当時は他県に類のない単独立法で医師の給与上の処遇をはかってまいったわけでありますが、復帰後は制度上一般職の給与条例の条例に規定せざるを得なくなったのであります。
復帰後は、このように制度の上から基本給については相当減額されておりますが、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律によりまして、身分引き継ぎ職員については、現給が保障されており、また復帰後採用の医師につきましても、本県の医師確保の困難性等を考慮して医師暫定手当が支給されておりますが、復帰前と比べ新採用の場合は若干給与が低くなっております。例をとって申し上げますと、那覇及び中部病院への採用の場合、復帰前が本俸12万240円、医師特別手当2万9610円、医療研究調査費2万5200円、合計17万5050円となり、復帰後は本俸が6万3700円、初任給調整手当8万円、暫定手当7000円、調整手当5096円、これは8%に当たります調整額10パーセントで6370円、医師手当1万円、合計17万2166円となり、さきの17万5050円とでは、その差額が2884円となっております。
復帰前に支給されていた医療研究調査費の問題につきましては、復帰時における現給保障の方法で一応公務員医師会とも調整したところでありますが、その際、沖縄における国の機関に勤務する医師については、国の人事院規則により復帰前の本俸、医師特別手当、医療研究調査費の総額を復帰後の本俸、医師暫定手当、医師差額手当、その他諸手当を含めた合計額で保障することになっており、復帰前の医療研究調査費も保障の対象になっておりますが、県の場合は、このような国の現給保障の方式よりは自治省政令による復帰前の医療研究調査費を保障しないかわり、復帰後の初任給調整手当をはじめ、諸手当は補償額からはずし、そのワク外に積み上げたほうがより得策であるとの考えに立ったのであります。
なお、医療研究費の支給については、国費学生が帰還しない最大の理由も医療研究の問題にあることから、今後十分検討して支給していく考えであります。
ただいま経過を説明申し上げましたように、御趣旨に沿うて何としても、この初任給からやりたいと、あらゆる方法は講じているつもりであります。若干の相違は出ておりますけれども、そのように御了解いただきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 人事委員長。
〔人事委員長 棚原勇吉君登壇〕
○人事委員長(棚原勇吉君) お答え申し上げます。
医師の給与の処遇改善につきましては、人事委員会としては基本的な態度として、特に沖縄では希少価値の高い医師の処遇について私どもといたしましては、十分意を配る気持ちでそのように復帰後も処遇してあります。
原則的に御承知のとおり、復帰後の給与は国並み、県並みの給与体系ということになったわけでございます。しかしながら、それではやはり医者の確保ということには十分でありませんでしたので、国あるいは各県よりも琉球政府時代からいた医師については、それ相当の待遇をしてやっているのでございます。
詳しく御説明申し上げるのは省きますが、とにかくそういう基本態度で医師の給与については今後も処理していきたい、待遇していきたいと思います。したがいまして、お説のとおりの復帰後採用された職員のいわゆる医師の給与の問題になりますが、先ほど申し上げましたとおり原則的には一般職給与法で律されることになった関係上、国並み、県並みということになりますがしかしながらさき申し上げましたとおり、特に希少価値の高い沖縄の給与処遇は前からいたいわゆる琉球政府時代からいた医者との給与の均衡もとらなければならない、これは給与の原則であるバランスの関係を考えても、何とかほかの職員との関係も維持しつつ、いわゆる沖縄県になってから採用された医師の処遇を考えるべく人事委員会といたしましては、近く予算当局とも協議いたしまして、人事委員会規則を改正してあんまり差がないような方法をとるべく目下協議中でございます。近く、その予算措置のできる返答を待って人事委員会規則を改正して、安心して、安んじて医師の業務に専念できるように目下準備を進めております。近々中にそれが改善できるものと思っております。
○議長(平良幸市君) 中山兼順君。
〔中山兼順君登壇〕
○中山兼順君 ただいまの御答弁を承っておりますとどうも本土並みにひっかかりがある。本土と同じようなことをやっているんじゃ沖縄には医者は絶対に来ません。
本土でも都道府県は、血眼になって県知事はじめ医者の誘致に一生懸命です。文教厚生委員会が各都道府県を回ってきました。みんなで一生懸命なんです。本土並みに給料をやったんじゃ、いつまでたっても沖縄に喜んでくる医者は1人もおりません。ですから、その点を本土がどうであろうと、沖縄は医者が少ない、そのためにはまず待遇の改善が必要であるということはよくわかっておる。本土並み、本土並みばかり言ったら絶対に解決しません。その点を十分期をつけていただきたいと思います。
それでは、厚生部に2人のお医者さんがいます。これは復帰前は医療職です。医者の格づけをされておる。復帰後は、これは行政職に格づけされている。その差が10万円、毎月それだけ減っている。一体厚生部には医者は要らないんですか。要るのか、要らぬのか。行政職だったら、医者をほかに配置転換してもらいたい。必要もない医者を置く必要はない、必要があれば医療職として格づけしておるのが当然じゃないかと思います。その点についての御見解をお願いしたいと思います。これは復帰前より悪くなっている。医者は少ないといいながら本庁にくぎづけにして10万円欠損させておる。一体これでいいのか、そういう行政のあり方が一体どこにあるか。これは沖縄が医療職で格づけされていただけじゃありません。群馬県であろうが、みな医者はどこに働こうが医療職として格づけされておる。そういうふうに優遇されておる。沖縄は医療職で格づけされたのを復帰後は行政職に格づけしてある。そういう不合理なことを平気でやっておる。一体これで前進があるかと思うわけでございます。
それから本土から呼んだところの医者、沖縄には病理専門の医者が少ない。これから中部病院にガンセンターをつくろうとするのですが、病理専門家がおらない。病院をつくっても何にも意味なさない。そうしていままでおった人は給料が安いからさようならしましょうと本土に帰って行った、もうだれもおらない。ガンセンターの計画は一体どうなるだろうか。
あのときにも中部病院長から俸給を特別にやってもらいたい、こういう数少ない専門医というのは本土でも少ないから特別手当を支給してもらいたい。それには厚生部はどう考えているのかさっぱりわからない。ナシのつぶてというわけで、とうとう帰ってしまったという実例がありますので、その点を厚生部はどう考えているか。数少ない専門家に対する特別手当を支給して、沖縄の医療の向上をはかるべきと思いますが、それに対する知事並びに関係部長の御見解を承りたいと思います。
それから研究費のことでございますが、研究費は給料の中に含めたというわけでございますが、ですから、本土と同じようなことをするからこうなるんです。本土がどうであろうと、医者をふやすということに向かって邁進すれば本土なんか問題じゃないんです。いままであった研究費を給料の中にぶち込んでいる。本土でも各施設で、各県で調査研究費はどんどんどんどん増額しておるんです。沖縄は反対になっている。これでは来るはずがありません。そして病院なんかは、これは群馬県でございますが、病院に働く医者は臨床手当というのを支給している。2万円から5万円。保健所、衛研あたりは2万円。愛知県では、保健所勤務の医者に対しては3万円の調査研究費を与えている。特定保健所は4万5000円まである。病院その他が2万5000円程度を毎月調査費を与えて医者を優遇しておる。そういう点を都道府県はどういうふうにやっているか、また向こうと同じようなことをやるわけにいきませんが、向こうよりも増額して活用するのが医療行政じゃないかと思うわけでございます。その点について、執行部の御見解を承りたいと思います。
さらに、今度は医学図書館の問題でございますが、この医学図書館は1967年だったと思います。これは私の時代につくったのを5年過ぎたらもう廃止してしまった。一体何になるかというんです。どういうお考えで廃止したのか。これは沖縄医師会の方々あるいは公務員医師の方々から、医療の図書を買うには1つで何百ドルもするやつもある。とうてい自分の給料から出すことはできないので、医学図書館をぜひつくってほしいという強い要望で建設したのが医学図書館でございます。そして日本政府と折衝をいたしまして14万ドルという建設費をもらってつくったわけでございます。そのときにも司書が少ない関係上、立法院の図書室におった大城君を三拝九拝して医学図書館に館長として迎えた。そして図書の購入やらその他いろんなことをさせてまいりました。図書も少ないわけで、アメリカにもお願いして、アメリカの余った医学図書は全部寄附してもらいたいというわけで、何千冊という医療図書を寄付してもらった。それで医者の研究のためにはというわけで、沖縄に本がなければ東京あたりにも話し合って、医者がこれこれ調べてもらいたいというのを図書館協会がございますので、それに加入してお
ります。医学図書協会がございます。沖縄にない本に専門医の方々あるいは医師会の方々が、これこれはぜひ必要だから調べてくれという場合には、向こうから取り寄せてリコピーで各医師に配付して、医学の向上に努めている。それを今度は復帰後は廃止している。一体どういう考えなんですか。医学図書館というのは必要ないのか。いま1万2000冊の医学図書がちりにまみれている。ほこりにまみれている。一体これでいいのか。しかも税金のむだづかい、日本国民の税金をそのまま遊ばしてある。建物そのものがほこりをかぶって閉鎖されている。一体これでいいのか。医学の向上をはかると言いながら医学図書館を廃止する。もってのほかでございます。一体どういう理由でこれは廃止したのか、その理由を承りたいと思います。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 公務員医師の待遇問題についてでございますが、1つは、復帰前からの医師と復帰後採用したところの医師との格差がひどいということで問題になっておりまして、結局これは差額手当が復帰後採用した者についてはついていないと、こういうことで先ほど人事委員長から御説明がありましたように、大体人事委員会としてもそういうふうな方向に検討し、現在総務部においてその方向で解決するようにいま準備を進めている段階でございます。
それから行政職と医療職との差がありまして、いわゆる厚生本庁におる医者は行政職にランクされておりまして、いわゆる現場の病院あるいは保健所に勤務する医師よりも非常に給料が落ちておると、こういうような矛盾があるわけでありまして、これについても目下やっぱり行政に携わる医者も同様な医者としての給料にしていただくように、いまこれも折衝中でございます。
さらに研究費の問題でございますが、調査研究費の問題は、復帰前はついておったわけでございますが、復帰時点でこれがなくなったわけでございますが、これについてもいま申し入れをしているようなところでございまして、そのかわり特殊勤務手当と、こういうものを離島あるいは保健所というような差をつけまして、離島のほうを厚くしていく。1万円から16万円の差をつけて、離島僻地の医師確保ということで特殊勤務手当を去年の12月ごろこれがきまりまして、それでそれからさかのぼって支給されるようになったということはあるわけでありますが、一応1つ1つ解決していくと、特殊勤務手当が解決されましたので、次は研究費のほうを検討してもらおうと、こういうふうにいま考えておるわけでございます。
それから医学図書館につきましては、復帰時点までは医学図書館として定員がつき、やっておったわけでありますけれども、復帰時点におきまして、いわゆる琉球政府職員が県庁職員として残す問題でできるだけ数をへらさにゃならないというある一定のワクがありまして、そういうふうな意味から医学図書館という機構が、機関が廃止をみたわけでございまして、それにつきまして医学図書館のこれまでに沖縄の医療界におけるところの果たした役割というものを考えた場合に、何としてもこれを存置していきたいということであったわけでありまして、そこで那覇病院のほうで世話をするということで一時世話をしておったわけでございますが、その間、職員の配置がえ等がありまして、いまのところ職員は医事課のほうでこれを監督しておるわけでございますが、いまでも医事課に申し込みによってこの図書を借りるという仕組みになっております。しかしながらその利用度におきましては、復帰前よりも落ちていることは確かでございます。しかしながらこの医学図書館につきましては、これを将来、これからいろいろの医療設備計画がございますので、そういうふうな点でまず救急センターをつくり、それから県
立の総合病院をつくり、そしてそれらのものができて、情報センターというものが完成するわけでございまして、そういう段階でたとえば看護婦の養成あるいは医療研修、それから図書館の経営と、こういうものも合わせてやるという計画がございますので、それでそこのほうに今後引き継いでいきたいとこういうふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 中山兼順君。
〔中山兼順君登壇〕
○中山兼順君 医師の待遇の問題につきまして、本庁に2人のお医者さんがおる。なぜ復帰前は医療職として格づけされているのに、行政職に変えたか。これは何か日本政府から、本土政府から、あるいは関係省庁から圧力がかかったんですか。そうでなければ何か理由があるんですか。ほかの愛知県も群馬県も医療職として格づけして優遇しているのに、沖縄は逆になるから納得いかないわけです。それに本土政府から沖縄はこうやれと言われたのかどうか。その点をはっきりさせてもらいたいと思います。幾ら日本政府であっても、医師の待遇改善のためにそんなことまで言うんだったら許しておけない。なぜ、いままであった制度を変えようとするのか、簡単に変えるから問題がある。また医学図書館の問題でもいままで活用されていたのを人がありませんから締めたんでは、これは意味をなさない。せっかくつくったのを廃止する、細々ながら運営できないのか。一体今後どうするのか。情報センターをつくってそれに吸収する。そんな気の長い話では何もなりませんよ。いつできるかわからぬ情報センターを待っておったら、本は腐って何も使い道なくなりますよ。ちり捨てみたいに、ごみ捨て場みたいに医学図書
館をほったらかしておるから文句を言うんですよ。国民の財産を、われわれの財産をほったらかしておる。管理の責任があるはずです。人がおらぬからといってなぜ人をもらうように努力しないんですか。日本政府がそんな圧力をかけるんだったら許しておけない。しかも本土政府の予算によってつくった医学図書館だから、本土政府がこれを廃止せよという筋合いのものでもないと思います。厚生部の力がないからこうなってくると思います。厚生部は一生懸命やっておるかもしれませんが、県執行部の上層部が医療に対する認識が薄いためにいろいろと問題を起こしておる。予算を取っても1カ年2カ年もほったらかすから宮古病院の医者みたいに、もう仕事やりませんとこんなことになるんですよ。予算を取ったら誠意を示して、早くできるように完成するように導かなくちゃいかない。宮古病院は、1カ年予算を寝かしておるから、われわれの要求は一体どうしてくれるんだと院長が怒るのは無理がないんです。誠意を示さないといかない。そうして医者がやめてからあわて出す。こんな医療行政だったら何にもなりませんよ。どうして県民の健康が守れますか。しかも知事も言っておられる。最重要課題である。人間の
生命を守る、健康を守るのがすべての事業に優先しなくちゃいけない。何のための政治、何のための経済か、文化か。まず人間の生命が大事である。それを守るためには党派をこえてやらなくちゃならない。県議会でつけた予算も使い切れない。一体なんですか。人から物を買っても1カ年も金も払わぬ。そんな状態が続いたらどうなるんですか。人を使っておって手当も払わぬ。議会でつつかれたら1億5000万円を急に払ってしまう。なぜふだんからその心がけで自分の部下を大事にしないんですか。人間の和が第一ですよ。だから病院は下からくずれて、あんた方上は幾ら言うても聞かないからストを起こすんですよ。そういうように自分の部下を自分で大事にする。人間は、人を使う上司はヒューマンエンジニア、人間工学の技師でなくちゃいかない。幾ら言うても聞かなかったら私だって反対しますよ。だからそういうことですから、一体日本政府から圧力があったのか。この医学図書館の廃止について、あるいは医師の格づけについて日本の自治省や人事院から、何か示唆があって医療職を行政職に格づけしたのか、その点を御説明願いたいと思います。
終わります。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
〔総務部長 仲松庸幸君登壇〕
○総務部長(仲松庸幸君) お答えいたします。
厚生部本庁におります医師の格づけについて、復帰時点におけるその取り扱い、それについては私いまお答えできませんけれども、原則として、国並びに他県の例にならって、要するに行政管理職であると、すなわち現場における予防、臨床の直接担当ではなしに全体の医療行政の管理であると、行政管理であるといったような考え方に立って、行政職に格づけされている国の例にならっておることであります。国の制度であります。
○議長(平良幸市君) 人事委員長。
〔人事委員長 棚原勇吉君登壇〕
○人事委員長(棚原勇吉君) 私から補足いたします。
御承知のとおり琉球政府職員を国と県とに身分がえしまして、給与の再計算というのが行なわれたのであります。したがって給与の再計算は国の指導によりまして、一定の基準によって原則的に国の方式をとって切りかえたのであります。したがいまして、現在の問題となっております厚生部の行政関係に携わっている医師の給与については、御承知のとおり琉球政府時代には医師の給与に関する特別立法がありまして、それによって職階制を適用除外して、医師という身分を持っている者については、すべて医師の給与で処遇してまいったのであります。しかしながら国に移管される者あるいは県に移管されている者の給与については、さき申し上げたとおり国並み給与切りかえということになりますから、そのすべて国の基準でやったわけです。そしてそこに差額があるものは差額手当でもって保障してあります。したがって琉球政府時代にそのお2人のお医者についても給与の落ち込みはなくして、差額手当をもって現在保障されております。
それから先ほどちょっと誤解のないようにしていただきたいのは、御承知のとおり公務員の給与は国並み、府県並み給与の原則をとっているということです。これは御承知のとおり琉球政府時代には職階制を基礎としたところの給与体系、人事行政をとっていたのでありますが、復帰後は、いわゆる地方公務員法によりまして国並み、府県並み給与体系、したがって根本的に変わったということです。いわゆる琉球政府時代は職務給原則をとった給与体系、しかしながら現段階では職務給のみではなく、身分にまつわる給与体系をとっているということです。したがってこの認識は根本的に変えていかなければならない状況でございます。
そこでおのおのそういうことで琉球政府時代と今日とは特に給与問題については、まだまだいろいろそこに解決すべき問題がたくさん残っております。そこで人事委員会といたしましては、できるだけこういった特殊のポストについては、決して給与について落ち込みがないようにしてあるつもりであります。現にやっております。医者の給与についても、琉球政府から現在までおられる方の給与については、琉球政府のときよりも待遇してあります。これはあとで数字でお示ししますが、ただ問題は復帰後採用された医師についてはなるほど格差があります。これはさき申し上げたとおり大きな給与体系の違いから差がありますが、しかし、先ほども私はお答えしましたとおりできるだけ前いたお医者さんとあとから来たお医者さんとの給与の格差があまりないように、そして喜んでその職場で働ける措置をいま考え、そしてそういう関係方面と予算上の問題その他について協議して近くその問題は解決します。
それからただいまのお2人の給与のいわゆる格づけ外といいますか、それについてもできるだけほかの関係との関係を維持しながら、医師給与にもっていくようにいま事務当局のほうで検討していますから、早晩この問題は沖縄の実情に沿うように、特に医者の問題については、さっき申し上げたとおり人事委員会としては大きなワクはありますけれども、その大きなワクもさることながら、沖縄の事情をとらえて、特に医師の給与については御心配がないように、そして喜んで働けるようにやるつもりでございます。
そういう点で御理解をいただきます。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 御指摘を受けました医学図書館につきましては、先ほど申し上げましたように組織上の問題がなくなって消えましたので、これは別に圧力があったわけでも何でもありません。県の立場でやったわけであります。しかしながら現在は、その行政需要に応じた人員の増も復帰後考えられておりますので、医学図書館が組織として再開されるように努力いたします。
○議長(平良幸市君) 上江洲安健君。
〔上江洲安健君登壇〕
○上江洲安健君 本員は、昭和48年度第3回定例議会において、屋良知事をはじめとする県首脳部に対しもろもろの所信を述べ、あわせて個々の問題について質問をいたします。
復帰2年目とよくいわれ、27年にわたる米軍の支配統治から離れて祖国日本に帰ってちょうど満1年たちました。この1年、ほんとうにいろいろな問題が起こって100万県民である私たちは、次々と起こってくる問題にすっかりほんろうされた形であります。
その1つとして、本員は議会事務局から月々いただく月給袋の封を切って中身を改め、その中に1万円札が入っており、その1万円札には聖徳太子の肖像が印刷されております。聖徳太子という人は、10人の人のいうことを1度に聞き分けた人で、あんなに聡明な人2600年の日本歴史の中で2度と出てこなかったといわれております。そういう人であるからこそ、あの大化の改新という思い切った大事業をなし遂げたと思います。
しかしながら屋良知事にとりましては、沖縄県民の半分の意思しか聞いてくれず、半分を捨てているわけであります。そうしますと十全の天子という中国の王様あるいは聖徳太子とはうらはらに半分の政治しかやっていないということであります。
中国の十全の天子という王様は中国の4億の民が、この十前の天子を君主の理想像として昔から敬い慕ってきたといわれております。
なぜ私がこんな古い昔話をするかと申しますと、いまの沖縄は混迷の極に達し、混迷のふちにあえいでいるからであります。世論は分裂し、意見は分かれ、地域エゴや圧力団体のわがままがまかり通る世の中で末期的症状ともいわれておりますけれども、このような末の世になると聖徳太子や十全の天子をかつぎ出し、このような単純な英雄侍望論によってバラ色の幻想に逃避したくなる悲しいことであります。昭和48年度の沖縄県の真夏の夜の夢であります。
話は少し横道にそれましたが、私はこの1万円札をつくづくとながめながら、この聖徳太子も過去の栄光はあっても、今日では単なる歴史上の人物にすぎないということを思います。沖縄の婦人団体の調査によりますと、本土での1万円札は沖縄では3000円の値打ちしかないということであります。そんなばかなと思いましたけれども、主婦の皆さんのお話によりますと、復帰前の香典は1ドルですんだのに、復帰したあとは1000円も包まないと人並みのおつきあいができないそうであります。もちろんこの1000円という額は那覇のような都市地区での香典相場でありますけれども、1ドルがいつのまにか1000円になっていること。それでは10ドルで1万円になるかというと、復帰前の10ドルの威力は全然なく、せいぜい3000円の値打ちしかないということであります。それでは復帰してよかったのか悪かったのか、まるで第二の琉球処分ではないかと嘆く婦人がおります。そればかりでなく、本土大企業による土地買い占め、乱開発とそれに伴う公害問題、最近では本土の悪性インフレ、貨物運賃の値上げなど歯止めを知らないダブルパンチを受けながら、かけがえのない自然環境も、貴重な文
化財も開発の名のもとにどしどしつぶされていき、いまごろあわてて県土保全条例や環境保全条例をつくってもおそきに失したうらみがあります。これでは沖縄そのものの喪失になり、主体性を失った政治で、これからどうなるのか不安であります。かじのとり方もどうすればよいのか、沖縄は混迷するのが全県民のほんとうの腹のうちであると確信するわけであります。
そこで特に強調したいことは、いまわれわれ県民がなすべきこと、急がねばならぬことは何かということであります。政治の季節は終わったとよくいわれ、保守、革新ともしのぎを削った政治の季節はすでに終わりの章に入り、これから何の季節になるかということであります。イモとはだしの論争も、むちとあめという本土政府の世論操作も、いまにして思えば過渡期の政策上の論争にすぎなかったものと思います。政治の季節は終わり、経済の季節に入った、さあ衣がえの時期だという人もおり、しかし、経済の季節とは世界に名をはせたエコノミックアニマルになれということかと疑問を持ちます。大企業優先の政策によってGNPを世界一にする、沖縄県も経済のキーストーンとして東南アジアに雄飛しようというのか、私はそうは思いません。海洋博も国家的行事でありますから、その成功を期待し、開発事業その他に協力することは県民としての義務でありますけれども、しかし、県の振興開発10年計画という巨視的なビジョンに立てば、海洋博も1つの折り目にすぎません。
沖縄には政治はあっても行政はないと本土から来た心ある人が言っておりましたけれども、まさにそのとおりであります。政治論争にばかり明け暮れて、肝心の行政がおろそかになってはそれこそ100万県民に対し、まことに申しわけないことであります。
これから個々の問題について県執行部の皆さんに質問し、建議いたします。
まず第1点、避けて通ることのできないものはそれは海洋博であると考えます。伝えられる第3セクター方式による北部開発公社など専門的な部門は他の議員にやっていただくので割愛いたしますけれども、私は振興開発10カ年計画という基本線に立って、次のことを質問をいたします。
海洋博の会場は本部に限定されているようであります。それでは、海洋博のメリットや恩恵は本部だけに限定されるのか、本部だけが発展し、繁栄するのであるか、この1点であります。伊是名、伊平屋、慶良間、糸満、読谷、久米島、宮古、八重山などの離党はどのような恩恵とメリットを受けるのかということであります。農業基盤を破壊するから海洋博を中止せよという意見もあります。離島僻地の声なき声が海洋博の推進の過程でどのように反映されているのかということで、逆にもし、この声なき声を押しつぶすようなことでもあるならば海洋博は逆につぶしたほうがよいのではなかろうかとも思うわけであります。
本員は、立法院の時代から離島振興のために体を張ってつとめてまいったつもりであります。伊平屋の野甫島と伊平屋の間に橋をかけるための予算、八重山の黒島、新城島に西表から水道パイプを引く予算獲得あるいは水飢饉と干ばつにあえぐ島々のために本員はがんばってきたつもりであります。なぜそのような地域のことまで手を広げるのかということは、それはその島に、僻地に人間が住んでいるからです。屋良知事の言う人間尊重、人間として存在するこの尊厳、厳粛な事実を踏まえてなければならないからであります。
伊江島にも黒島のケースと同様、本部から水道パイプを引かなければなりません。また各離島の道路の舗装と幅員を広げ、港湾の整備、これが離島振興の最大の眼目であると考えます。
伊平屋では、県道とはいいながらトラックのすれ違いも不可能な状態で、製糖期にはキビを積んだトラックが立ち往生し、引っくり返る例もよくあります。離島僻地のこのさし迫った状況を考え、過疎化を防ぎ、島を見捨てる若者がこれ以上ふえないように、海洋博との関連においてぜひ立案していただきたい。島に生まれ育ってよかったという生きがいを海洋博までにぜひ実現させてほしいものであります。
この離島振興策の目玉ともいうべき次の問題が、どのように進行しているのかお伺いしたいわけであります。それは伊平屋島とその離島である野甫島にかける橋、伊是名の飛行場、久米島の港湾のさびることのない電気防食パイルの建設、津軽島の水道パイプ、黒島、新城に引く水道パイプ、西表島の一周道路、以上8件に及ぶ懸案の諸問題は予算のめどもすでについているとは思いますけれども、それが現在どのように進捗されているのか、海洋博までにはぜひ実現されてほしいが、できるかどうかということであります。
以上の問題点は海洋博に関連して極端な地域エゴを排除し、真の離島の方々のために、ぜひ事業を推進させるための施策であり、このメリットの問題で県と各市町村との間に横の連携がどのようにとれているかということであります。県執行部の責任ある回答を願います。
続いて第2点、それは都市地区、特に本員の住んでいる那覇市の波之上や久米、若狭、前島一帯の公園化、健全化について質問をいたします。
30万市民の住む那覇には海がありながら海の恩恵に浴することがきわめて少ないのであります。海に行こうといえば、遠く恩納、名護の海岸、南部の名城ビーチまで車の心配をして出かけます。気軽にげたばきで行ける那覇の海といえば波之上や若狭海岸しかありません。3年前、公園化、健全化構想が始まり、30万市民のいこいの場として家族連れで気軽に楽しめる那覇の海にしようというので那覇市とも折衝し、この公園化構想は着々と実りつつあります。
また同時に市内を流れる沖縄で1番悪い川、これがあります。この川は潮渡川であります。また久茂地川もそうでありましょう。観光団がみえますと、そのかいわいを通ると非常にきたない、そして異様なにおいがするということで非常に那覇の臭気による、あるいは感覚による川の汚染が観光団、市民から強い悪評を買っているわけであります。それにつきまして潮渡川には1000万、久茂地川には1400万ほどを国庫補助により計上されておりますけれども、まだ執行されておりません。
これに対する県の責任ある回答をいただきたい。
どぶ川のない美しい川、緑と花いっぱいのきれいな町に那覇を改造したいものであります。
第3点、那覇軍港の返還についてお伺いいたします。
貨物の窓口である那覇軍港は、28年に及ぶ軍事優先の政策により、軍港のほうは復帰後も基地のまま残り、返還されておりません。那覇軍港を民間商港として解放することにより、どれだけ沖縄にメリットがあるか、はかりしることのできないほどであります。
県は、基地整備計画の中に那覇軍港の返還も当然組み入れているとは思いますけれども、その返還の時期と折衝はどうなっているのか、これは県の振興計画とも重大な関連があると思いますので回答をお願いいたします。
次に、売春問題について質問をいたします。
売春防止法の施行によって、復帰後沖縄には売春業は存在しないことになっているはずでありますが、依然としてこの反社会的行為があとを絶たぬことは新聞の報道でもおわかりのとおりと思います。あとを絶たぬどころか、業者は地下にもぐってさらに巧妙化し、海洋博を目当てにあの手この手で特殊婦人を確保しておこうと業者の動きが活発になってまいりました。7000人から1万人はいるといわれる特殊婦人を確保しておこうと業者の動きが活発になってまいりました。7000人から1万人はいるといわれる特殊婦人のほとんどは、子持ちの戦争未亡人であるともいわれ、母子世帯の弱い経済力につけ込む業者の強い誘惑を断ち切るためには、どうしても島ぐるみの総力をあげて売春追放に結集しなければなりません。
ここで特に強調したいことは、売春の核となり、根源ともいうべき前借金制度の撤廃であります。女の体を金で縛るという前近代的な慣習や体質がいまでも沖縄の社会には根強く残っており、そこでこのような前借金は返す必要はないということを周知徹底させ、売春業というものはもうからないものであるということを現実の政策によって実行してみせることであります。同時に売春が罪悪であることの教宣活動も忘れずに実施して、最近では業者も巧妙になり、前借金の取り立てを銀行に肩がわりさせているそうであります。このような反社会的な行為を助長し、加担することのないよう県執行部は金融機関に対しても強く行政指導してほしいもので、また転落した婦人に対しては厚生、自活の道を講ずるよう補導対策を強化していただきたいということであります。
この件について県当局の施策を聞き、あわせて要請をいたします。都市計画ともからみまして緊急に質問をいたします。
きのうからきょうにかけまして、新聞、ラジオ、テレビによります比謝川の水源地の問題であります。那覇30万市民の怒りはたいへんなものであります。那覇30万市民はし尿水を飲まされているということで婦人団体あるいは地域ぐるみの町の方々は非常に心配し驚いていることであります。2カ年前にそのことを知っていながら、打つ手をしなかったということで、屋良さんが言う明るい豊かな沖縄づくりというのは、これはもうできない形になるわけであります。明るい沖縄、豊かな沖縄づくりの基盤は明るい健康な県民であります。健康を害するようなことをしていながら、明るい豊かな沖縄づくりはできません。そしてレストラン、ホテル、観光客は実に驚いております。きのうもある観光団と接したときに料理が出ましても、これはし尿水でつくられているのではなかろうかということで、何か食べる気がしないということであります。それで県のこれについての行政責任、政治責任を当然とるべきだと考えるのであります。
ちまたのうわさはほんとうに激動し、屋良知事のこれに対する責任ある回答と今後の措置、これをどうするかということを強く期待しておりますので、ぜひこの場でははっきり那覇市30万市民及び沖縄県民の前に2カ年もし尿水を飲まされたということにつきまして、御回答をお願いいたします。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 初めに海洋博と離島の問題についての御質問に答えます。
海洋博は本部地域の振興開発に限るものではありません。海洋博はあくまでも沖縄振興開発の一環として位置づけておりまして、その波及効果は本島及びその周辺離島、宮古、八重山地域の全県に及ぶものであると考えております。
海洋博は本県の開発に大きな契機を与えるものでありまして、本部地域に限らず、観光の振興とこれと関連する農漁業の振興がはかられるばかりでなく、海洋博主会場の建設とともに、関連公共事業の実施を通して社会開発基盤の整備が進められます。沖縄振興開発計画における圏域別の開発の方向にも示してありますように、離島地域においては農漁業及び観光保養を中心として開発を指向しておりまして、海洋博のメリットが全圏域に波及するような配慮するつもりであります。
また、圏域の均衡ある発展をはかる見地から過疎化対策の一環として那覇、名護、平良、石垣の主要都市を中心とする広域生活圏形成の観点から、生活環境施設及び交通通信施設の整備を進めるとともに、産業の振興開発の施策を推進するつもりであります。
御質問の公共事業についてもまず第1に、伊平屋島と野甫島間の橋については47年度に基礎調査を完了し、48年度には実施計画に取りかかる予定でありますが、早期に建設できるよう49年度には国へ事業費を要請する予定になっております。
第2に、伊是名と粟国島の飛行場については、粟国島は46年度に、伊是名島は46年から47年度にそれぞれ地形、気象等に関する可能性の調査を終えております。これら両飛行場の建設が早期に建設できるよう49年度には国へ事業費を要請する考えであります。
第3に、伊江島への海底送水については、49年度は実施計画の作成に取りかかる予定で、これが完成しますと50年度には国へ事業費を要求する考えでありますので、予定どおり進みますというと51年度には完成の運びになります。
第4に、黒島、新城島への海底送水については、48年3月に事業着工し、49年度には完工の予定であります。
第5に、津堅島の水道パイプについては、47年度に実施計画を作成し、48年度に工事に着工し、49年度に完工する計画であります。
第6に、久米島港湾の電気防食パイルの建設は48年度に工事完了の予定であります。
第7に、西表島の一周道路は、復帰記念事業として45年度から継続実施しておりますが、51年度には完成する予定であります。
なお、高速度ジェットホイルの導入についても検討したいと考えております。
このようにいたしまして、離島の問題についても着々その福祉面の開発もやっていくつもりでございまして、決して海洋博の犠牲にすることがなく、また海洋博が一部限られたところにのみ恩恵を及ぼすということにはならないとこういうふうに考えております。
なお次に、久茂地川の件は関係土木部長に答えさせます。
那覇軍港の返還についても部長に補足させますけれども、これは那覇市長も那覇港の極度のバース難からしてたびたび訴えておりまして、その訴えを受けて、それを背景といたしまして、私どもといたしましてもここに見える要路の方々にも、また上京するときにもこの問題は絶えず進言しておりますけれども、アメリカ関係のこの種の問題というものが非常に困難でなかなか一朝一夕にいかない悩みを持っております。これは皆さんがよく御存じのとおりでありまして、なお、この問題は確かに沖縄の進行開発計画に、あるいは経済再建に絶対に必要であると思いますので、皆さま方のそういう御意図をよくくんで、引き続き返還の交渉は続けてまいるつもりでございますので、またお力添えをお願いいたしたいと思います。
売春問題、その施策につきましては厚生部長に答えさせたいとこう思います。
それから比謝川のし尿処理問題についてでありますが、これは非常に重要な問題でありまして、厚生部、企画部、土木部にそれぞれ答えさせたいとこう思っております。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 補足をいたします。
まず那覇軍港の問題でございますが、これは県としましても那覇市長からの要請に基づきまして、外務大臣、沖縄開発庁長官、防衛施設庁長官、運輸大臣あて早期返還にについて強く要請してございます。
次に、旭が丘公園についてでございますが、これは那覇市の事業でございまして、那覇市の整備管理する都市計画公園でございまして、昭和47年度事業としましては借地権の補償と物件補償の執行を済ませております。
それから昭和48年度計画としましては物件補償を計画しておりまして、9月ごろ着手予定と聞いております。
潮渡川、久茂地川の問題につきましては、47年度から一応予算計上しておりましたけれども、入札不調に終わりましたのでございますが、現在設計見積もり内容の修正を終えまして、再度発注すべく諸準備を進めておる段階でございまして、7月下旬を着工のめどといたしております。
比謝川の問題につきましても、河川の管理という立場から河川のあるべき姿を保つ必要がございます。これにつきましては、その対象につきまして関係部局と調整の上現在やっておりますが、将来におきましても正常な姿を保つための最善の努力を尽くしたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 企画部長。
〔企画部長 喜久川宏君登壇〕
○企画部長(喜久川宏君) 比謝川汚染について関連する部分を私のほうから補足申し上げます。
公害対策基本法第9条によりまして、公共用水域の水質汚濁に関しては、環境上の条件を人の健康を保護し、生活環境を保全するよう維持することを方向づけております。それによりますと、取水する部分の河川において生活環境にとって望ましい環境基準として5つほどの部門における基準を設定しております。これはペーハー基準、それからBOD基準、これは生物科学的酸素要求量の基準でございます。それからSS基準、これはその水域中に浮遊している物質の量に対しての基準でございます。それからDO基準、これは溶けている酸素の量の基準でございます。それから大腸菌の基準、この5つの基準にあてはめまして取水していいかどうかというような一応のめどづけをしているわけでございます。そこで比謝川について、今年度2月から3月にわたって一応県の環境保全の立場から国場川と比謝川を調査した時期におけるデータが出ておりますが、それでは比謝川における取水場、水を取る場所における状況でこの5つの基準のうち、BODすなわち生物科学的酸素要求量、それと大腸菌の部分が若干基準よりよくない、いわゆる基準に合わない状態であるということが一応データとして出ております。
そこで県といたしましては、この取水する部分について環境基準の類型指定を早目にまとめまして、その指定に合うように上部環境いわゆる流域にございます工場とか、住居地域、そのほかの種々の施設に対して、この類型指定に合うような汚水、排水処理をしていく、そういう基準を設定していきたいと思っております。
ところで、一応2つの部分が基準に合わないわけでありますけれども、これを取水してから浄水していく過程において、この点での配慮を十分にするよう、また、している状態であるというふうに伺っておりまして、その点については浄水部分における処理状況について企業局のほうから補足説明をお願いしたいと思います。
○議長(平良幸市君) 上江洲安健君。
〔上江洲安健君登壇〕
○上江洲安健君 本員が質問していますのは事情の説明ではないわけです。県執行部が、屋良知事をはじめとする県執行部が、そのようなことを2カ年前から知っていたのかどうかということです、これが1点。
2点目は、もし知っているとするならば、県民に対して行政責任はどのようにとるのか、この2点であります。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 比謝川のし尿による汚染について、し尿処理ということで厚生部が関係しておりますので、これまでのいきさつを申し上げたいと思います。そしてそれに対してどう指導したかったかについてお答えいたします。
その発端は、昭和42年ごろから中部の一帯のし尿が山間、畑地の近くに、河川の近くに不法投棄せられ、この一部が比謝川に流入して水源地の汚染が問題になっております。それでコザ市が現在投棄しているところはそのころから利用しておりましたが、当時は投入量が少なかったために河川で汚染することはなかったようであります。それで不法投棄は各地で行なわれたことから、昭和42年の9月ごろから中部市町村のし尿は北谷村のあの三差路近くのハンビー飛行場の米軍のいわゆる下水管を利用してそこに投棄しておりました。ところが45年6月に伊佐浜に下水処理場が完成しまして、ハンビーのところの軍の汚水管の使用が不可能となって、中部市町村のくみ取りし尿はいわゆる伊佐浜処理場で処理するように計画しましたが、処理場もできておりましたが、地域民の反対にあってこれが成功を見ておりません。そこでその次に投入溝を今度は陸軍病院前に変更し、関係市町村と折衝しましたが、これもその関係市町村の同意が得られないでその場所に投棄することができなかったわけでございます。そこで45年の12月の半ば、12月に中部市町村のし尿処理に対するところの処理が合意が得られないで、
各市町村それぞれ処理することになったわけでございます。そこでコザ市に対しては昭和46年早々、コザ市に対してコザ市の八重島の近くにあるK1ポンプ場、これは下水道のほうで、そこにし尿投棄施設を県の指導によって設計もし、施設もやったわけですけれども、そこでそのし尿をいわゆる比謝川の水で薄めてそこの下水道に投入するような方向の施設をつくったわけですけれども、そこも地域民の反対にあいましてそれができないようになっております。そこでコザ市としてはやむなく現在のところで投棄をしたわけですけれども、そこがだんだん量が多くなって上からあふれるように至ったのが現在の状態でございます。
きのうも課長を派遣しまして、その状態にさらに注意を与え、その土手からあふれないような措置をすぐやるということであるわけでして、さらにコザ市としては現在海洋投棄をするように予算措置も講ぜられておりますし、関係市町村といま折衝を続けておるような状態でございます。
さらに恒久対策としましては、昭和49年度にし尿処理施設を建設するよう県としても最大限の努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 上江洲安健君。
〔上江洲安健君登壇〕
○上江洲安健君 本員が質問しておりますのは経過と今後どうするかということじゃありません。この2カ年間その事実を知っていたかどうか、この1点であります。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) し尿の処理ということにつきましては、これは前々から北谷にし尿処理できなくなって、それから伊佐浜に投入口をつくったけれども、そこにも処理できない状態になって、しからばどうするかということについて、そのし尿処理については、これは各市町村の固有の事務でありますので、強くこれはわれわれとしては勧告し、要請をし続けてまいっていたわけであります。この問題は私どもとしても、伊佐浜に投入口ができたので、そこにみな運んでもらうように一生懸命説得しましたけれども、どうしても宜野湾、伊佐浜の住民がこれを聞かない。受け入れない。居すわりをしても通さない。こういうことであります。そうして、しからば海上投棄をする以外にはないといってやっておりますけれども、コザは海がないというようなことで、そこにも非常に難航したようでございまして、私どもとしましては、これがもし今日みたようなことが起こったらいかぬといって、絶えずこれを相談にも乗り、勧告し、その事務を果たすようにということをやっておる次第であります。
この問題については、各市町村とも連絡をとって、あとのことは聞かずに責任を問うと、こういうことでありますけれども、県としてはその立場において責任は感じておるのであります。非常に感じておりまして、したがいましてこういうふうに大きくクローズアップしました以上、これは責任をもって最大の努力をして心配ないようにしていかにゃならないということをお答えしておきます。
なお、飲料水につきましては、毎日これは検査しておりまして、これは別に御心配になる障害は起こっておらないということははっきり申し上げられると思います。
○議長(平良幸市君) 上江洲安健君。
〔上江洲安健君登壇〕
○上江洲安健君 答弁を聞きますと、市町村に責任をあずけたような形になっておりますけれども、しかし、これが市町村の関係であろうとなかろうと、沖縄県民が飲む水の源の問題でありますので、これが子供からおとなまで、あるいは対外的にもたいへんな問題をかもし出す可能性はあるわけです。明るい豊かな沖縄、私たちのからだをりっぱにする最大の最初の水でありますので、ぜひこれについて強い、早い措置をとってもらいたい。そして企画部長の説明にも、基準によって取水するあの時期における取水時の検査においては、これは基準から合わない、これははっきり申されておりますので、これ以上問題が深刻化し、そして基準がそのようになる可能性もあるわけであります。知事の説明によりますとコザは海がない、あるいはそのようなことがなかなか行政指導してもなかなか追いつかないということであります。ですから、これは早急に県首脳部の能力を結集いたしまして、このし尿処理をちゃんとしてもらいたいということを強く要請します。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) これは御心配になるとおりでありまして、私たちも非常に心配しておりますので、いろいろのいきさつはありますけれども、責任をもって県は県として対処してまいる決意をここで表明しておきます。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 売春問題についてお答えいたします。
御意見のとおり前借金は、これは判決の上からも無効だということが出ておりますので、これは現在婦人相談員が各福祉事務所に11名配置され、さらに推進委員、さらに売春対策連絡協議会と民間組織、これを通していま徹底し、これの啓蒙に当たっておりますことをつけ加えておきます。
○議長(平良幸市君) 企業局長。
〔企業局長 大嶺永夫君登壇〕
○企業局長(大嶺永夫君) 知事と企画部長の説明に補足いたします。
私たちが現在取水していますのは福地川、大保川、平南川、源河川、漢那川、比謝川、天願川の7河川と瑞慶山ダム、天願ダム、金武ダム、辺野古ダムの4ダム、それから嘉手納、具志川、美里の3地下水、与座、志喜屋の2流水を水源としておりますが、そのうち比謝川の河川が非常に汚濁されて、いま一番困っているんですが、さっき企画部長が説明いたしましたように原水としては非常に汚濁されて、私たちもこの処理に非常に細心の注意を払っているんですが、その比謝川ポンプ場で取水した水を比謝川浄水場で浄水いたしまして、これは毎日検査しておりますが、厚生省の水質基準に適合するように浄水して一般には給水しております。これはこまかいことを申し上げますと、水質基準ではアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素、これは同時に検出されてはならないということになっております。私たちの検査でも、これは両方同時には検出されていません。次に、硝酸性窒素は10PPM以下であることが基準でありますが、1.58PPMであります。塩素イオンは基準では200PPM以下であること、これは48PPMであります。有機性等、これは10PPM以下が基準でありますが、3.8PPMであ
ります。一般細菌は1CCの検水で100以下であることが基準でありますが、これは検出されていません。大腸菌群も検出されていません。シアンは、これは基準では検出されないことでありますが、これも検出されていません。水銀、これも検出されていません。有機隣、これも検出されていません。銅、基準は1.0PPM以下であること、これも0.00まで検出されていません。鉄、0.3PPM以下が基準でありますが、これは0.02PPMであります。マンガン、0.3PPM以下の基準に対して、0.00であります。まだいろいろありますが、そのほかに陰イオン活性剤、これが例の中性洗剤のABSでありますが、これが0.5PPM以下が基準でありますが、私たちのところで0.2PPMから大体0.3PPMになっております。そのために私たちの薬品の特に塩素の注入でありますが、塩素要求量が、これは毎日違うのですが、大体14~15ぐらい毎日出ているんです、塩素要求量が。これを浄水処理で残留塩素を浄水場で2.0PPMにもっていくようにいつも処理しております。大腸菌群もこれは全部処理してゼロになっております。
以上浄水に対しては、細心の注意を払ってやっていまして、飲料水として絶対に厚生省の基準に合格する水を送水しております。
以上御報告しておきます。
○議長(平良幸市君) 警察本部長。
〔警察本部長 神川誠太郎君登壇〕
○警察本部長(神川誠太郎君) 売春の問題につきまして警察からお答えいたします。
売春対策につきましては、復帰を期しまして売春防止法が全面的に適用されましたので、重点施策の1つといたしまして売春事犯の防止対策を強力に推進しておるところでございます。まず売春防止法の徹底をはかるために、復帰前後にかけましては対象業者に対して再三法令講習会等を開きまして、これが普及啓蒙をはかってまいったわけでございます。取り締まりにつきましては、暴力団の介在する売春事犯、売春を助長する業者に対する取り締まりの強化またいわゆる街娼、ポン引き、これらによるところの該当事犯、こういったものを重点的にまた継続的に強力的な取り締まりを実施してまいったのでございまして、昨年は36件、38名を検挙いたしております。ことしは5月現在で14件、17名を検挙いたしております。
次に、売春防止法適用後の売春を行なう婦女子などの実態について申し上げたいと思います。
復帰前におきましては、全県下で売春業者が約600軒、管理されているこれら婦女子が約1800名と推定されておったのでありますが、現在指導取り締まりを強力に推進実施いたしました結果、昭和47年度は、それぞれ30%から40%に減少しているものと推定いたしております。県の厚生部売春対策協議会が中心となって行なっております措置に並行いたしまして、警察といたしましては、今後もこれらの事犯取り締まりに徹してまいりたいとかように考えております。特に先ほど御指摘ございました立場上非常にかよわい婦女子に対しての管理売春、彼らの手口も御指摘のとおり、第三者機関を利用するというように悪質巧妙の気配が見られておるのでございますので、前借金の問題等を含め、関係者に対する広報を徹底すると同時に、関係機関に対しましても各種の協力要請をいたしまして、彼らの特に悪質な管理売春に対しては、徹底した捜査をもってその一掃を期してまいりたいとかように考えております。
○議長(平良幸市君) 志村 恵君。
〔志村 恵君登壇〕
○志村 恵君 さきに通告申し上げました都市計画事業、水の供給対策につきまして、知事並びに関係部長の御見解を承りたいと存じますが、つとめて知事の答弁がいただければ幸いでございます。
まず初めに、都市計画事業について。
御承知のように沖縄の都市は、戦後都市再建についての計画的なコントロールができる法律のないままに都市は無秩序の中で膨張、発展をしてまいりました。幸いにいたしまして1953年に都市計画法が制定されるようになり、一部地域において土地区画整理事業が実施されるなど都市整備を逐次行なわれてまいりましたが、急激な経済成長による都市の膨張に対しまして、都市施設整備事業はこれに追随できないために都市の過密度、不良住宅街の形成、土地利用の混乱、地価の高騰、都市周辺におけるスプロール現象などの都市問題は年を追って深刻の度を増しているのが実情でございます。このような弊害は、法的強制力を持った都市全体の土地利用計画がないためにほとんど個人意思によりまして、宅地や工場が建設されてまいりましたのが最大の要因といわれております。従来の都市計画法に認められていた用途地域などの地域、地区制の部分的土地利用計画による規制だけではとうてい対処することができませんで、健全な都市建設のためにはどうしても都市地域全般にわたる法的強制力を持った土地利用計画の必要性が認められておりましたけれども、新しい都市計画法は、このような要請にこたえること
をおもな課題といたしまして制定されております。土地利用計画の強化、都市計画行政の民主化、公共投資の効率化をはかるために市街化区域、市街化調整区域及びこれに基づく開発許可制あるいは公聴会及び縦覧制度、公共用地の先行取得制度などが取り入れられまして、現代の山積みされた都市問題を打開するためには、この新しい制度をフルに活用して、強力に都市計画を推し進めるべきだと考えるのであります。このような見地から、都市計画事業の中で最も重要かつ緊急と思われる点につきまして、御見解を承りたいと存じます。
先ほど申し述べました沖縄の複雑多岐にわたる都市問題の解決のために考えられる幾つかの問題の中で、1つ目に、各市町村がそれぞれの地域の情勢に即応して、分担すべき機能を明らかにし、総合的に都市の発展をはかるため、広域都市の策定をすることでございます。2つ目には、交通量増加に対処するために、道路網の整備をはかること。3つ目に、公園、緑地の制定をすること。4つ目に、都市郊外の問題に対処すること。5つ目に、下水道、し尿、ごみ処理等の生活環境の問題等がございます。これらの問題処理が必要かと思うのでございますけれども、この基本となるべき市街化区域、さらに市街化調整区域の決定にあるわけでございます。さきに知事の指定を受けた都市計画区域の中で市街化区域と市街化調整区域の決定を見ないために、それぞれの関係市町村におきましては都市計画上幾多の問題を惹起し、住民に多大な迷惑をかけているばかりでなく、都市公害のあることを知事ははみずから熟知してもらわなければなりません。また、このような重要な基本的事項が決定されてないために、厳格な土地利用の規制、都市機能の再配置などの計画的な都市開発ができない。土地利用の混乱、市街地の無秩序な
拡大などによりまして、開発と保全の面で調和のとれた都市発展はとうてい望むことができないのであります。例を申し上げますならば、宜野湾市の場合を見ましても、琉大や国際大学の設置がされ、さらに近く県立病院やあるいは救急医療センターの設置などが予定されまして、このような公共機関の設置がなされますというと産業の集中化なども加えまして、急激な人口の増加をはかり、早急に都市計画の推進が強く望まれている現状でございますけれども、ところが地域内における用途地域の決定すらできない状態でございます。また、その他法的規制もとれないままに乱開発が進められている実情にあり、土地利用の混乱を招き、都市環境は悪化するばかりでなく、近代的な都市としての発展は望めません。
そこでお伺いをいたします。
1点目に、市街化区域と市街化調整区域の決定が、いまだに決定告示がなされてない理由はどこにあるのか。また、そのためにどのような弊害が関係市町村や住民の間に出ているのか。また、これが決定される見通しなどについて見解を承りたいと存じます。
2点目に、都市計画事業を進める上で最も重要な役割りを負う開発審査会の設置はどうなっていますか、その構成などにつきましても御説明をいただきたいと存じます。
また、開発審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で定めることになっておりますが、その構想、提案時期の見通しなどについてあわせてお伺いをいたします。
次に、水の供給対策でございますが、沖縄の水道の普及率はかなり高い水準に達しているといわれておりますけれども、施設の内容やあるいは規模、給水量、維持管理などにつきましてはまだまだ十分なる整備ではございません。
また、渇水期には時間給水あるいは断水と県民に多大の迷惑をかけている実情でございまして、そのことは経済発展に大きな障害になっていることは御承知のとおりでございます。
近年、経済発展に伴いまして生活水準の向上、産業の発達、人口の増加などにより生活用水、工業用水の需要が増大いたしまして水不足を来たしており、恒久対策の一環として福地ダムの建設は、沖縄における主要な水源として大きな役割りを果たすものと期待をされております。送水施設やあるいは浄水施設等の一連の工事が完成するまでにはあと2カ年かかるとのことでございますが、その間の暫定措置すなわち緊急対策、これが必要かと存じます。このような適切な送水施設の整備や水の総合的な供給対策がとられてないために、地域によっては雨と関係なくきょういま断水をし、時間給水がなされている地域すらあるのでございます。このようなことは地域住民の間に水道行政に対する不満が出ているわけでございまして、その具体的な例が宜野湾市内、旧5号線、現在の330号線沿いと同一送水系統に結ばれておりますところの首里石嶺一帯がこの例でございます。
企業局の資料によりますというと、1日の給水能力は約22万5000トン、昨年の平均需要が1日20万9000トン、ことし4月が21万6000トン、5月22万1000トンでございまして、ピーク時に当たる7月から9月にかけましては25万トンの需要が予想されている事情にあり、能力を上回る需要に対してどのような対策を持っておられるのかお伺いをいたします。
また2番目に、先ほど申し上げましたような宜野湾市の旧5号線、330号線沿いの断水あるいは時間給水、首里石嶺その他の高台における断水あるいは時間給水等の供給対策をどのようにとろうとしておられるのかお伺いをいたします。
さらに3点目に今年の夏期における給水対策とその見通しもあわせて御説明をいただきたいと存じます。これらの問題は施設の内容とか規模等の不備や給水量に原因するものがおもなものかとは存じますが、平年並みの雨があればだいじょうぶだとのことでございますし、干ばつになれば全くお手上げだと、こういうような状況でございまして、台風だけが頼りだというようなこういった姿勢では供給対策を抜本的に解決することはとうてい無理なことだといわなければなりません。お天気まかせの水道行政、慢性化した断水解消に真剣に対処してもらわなければならないと思います。
次に、わが党所属の中山議員によって再三質問が行なわれ、具志川、天願より取水問題に関する損害賠償の件につきまして、従来総務部と企業局の間にいずれの部局が主管するのか判然としないままに同問題の解決がおくれ、住民に多大な迷惑をかけておりますけれども、この問題を取り扱い、主管する局は一体どこなのか、また、その解決の見通しについて御答弁をいただきたい。
次に、天願川取水問題との関連により、企業局より一部住民に対し源水の供給がなされております。このことは水道法の水質の基準、これに抵触するものであって、このような行為は違法な行為であります。この点について十分調査、留意の上対処していただきますことを要望したいと思います。
先ほどわが党の上江洲議員から御質問のありました比謝川の水源地の汚濁につきまして少し質問を申し上げたいと存じます。
確かに3年前軍施設であった下水の海上排出施設を浦添と北谷に投入口を設けまして、海上に放出されているのが実情でございました。その後いろいろ海上汚染との関係もございまして、そこへの投入を取りやめられたために以来問題になり、農耕地山間地に投棄をするような状態に相なって水源地の汚濁の問題が出始めて深刻な社会問題となって、住民の間からこれらの問題を早急に対処していただきたい旨の要望がなされております。このことにつきましては厚生部の部長をはじめ、皆さん方は十分御承知かと思います。
私が申し上げたいことは、いわゆるたれ流しをしているこのコザ市に対する無神経さ、あるいは無責任さ、これを指導督励する厚生部が何一つ2カ年前から知っていながら手を打たない。この職務に対するルーズさ、さらにまたこれを受けていわゆる川がどのような状態で、どのようなものが流れているかということを十分把握し、管理する土木の職務に対する怠慢さ、さらにまた、このような流れてきているものを水源の住民に飲料水として提供するところの企業局、これの十分なるいわゆる河川の管理体制がなってない。このような一連の3部局がそれぞれの職務を怠慢したということ自体が、このような大きな問題に発展させているものと私は考えるのであります。そうなってまいりますというと、この責任をどのようにしてとろうとされるのか、知事の明快な御答弁をいただきたいのであります。
さらにまた、先ほどは上江洲議員から、2カ年前にこの問題について承知していたかということについては何らの返事もいただいておりませんが、このことについてもあわせてお願いをいたします。
以上質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 都市計画事業についての御質問がありましたが、沖縄の都市というのが終戦後の混乱の中から自然発生的に出てきまして、御指摘のように非常に雑然たるものがありますし、締まりない都市としてできております。できてしまってこれを整備していくということはなかなか容易なことではないということはもうすでに御承知のとおりであります。いま新しい時代に即応する広域都市計画というようなものも立てておりますが、その専門的な立場につきましては土木部長に補足させて答えさせますから、そうお含みください。
それから水の供給対策についてでありますけれども、これは企業局長に正確に答えさせたいと思います。
それから比謝川の水の問題は、先ほども申し上げましたとおり、私は虚心に反省し、これからその責任を果たしてまいりたいと思いますけれども、現在の事情が2年前から知っていたかということについては、私は熟知しておりませんでした。うかつでありましたけれども、熟知しておりませんでしたので、十分反省いたしたいと思います。
ただここで皆さんにも私は申し上げたいことは、これはちょうど東京のごみ戦争にも見られた、また、ここの毒ガスの撤去の場合にも見られたどうしても処理しなければならない、こういうような汚物の処理をしなければならない。ところが、それを投入する投入口を求めましても、そこは絶対に通さないとこういうわけであります。海に運ぶにもあるいはそこは通させないというようなことになって、非常に地域的に自分の立場を主張して、この汚物の廃棄というものが非常に困難な状態にある。そこを全県民福祉のために、みんなが心配するようなことを防げるならば、ただ気分的にいやだと、たとえばし尿処理をする車を見るだけでもいやだと、こういうようなことで強く反発があったわけでありますけれども、そういうことがないようにして、みんなのためにみんなで処理していくという共通の精神、これを発揮していかねばならぬのではないか。いま不発弾の処理についても同じようなことを感じております。置き場所についても、あるいはそれを持って通る場所についても、あるいは爆発する場所についても非常に抵抗があってやりにくいのでございます。そういうことをお互いが良識的に県民全体の福祉という
ことを判断をして、そして少し堪え忍ぶべきことは堪え忍んで、心配するような事態がなくするならば、ひとつみんなで許容してやっていくというようなことを機運としてつくっていかなければならぬだろうと思って切実にこの問題のむずかしさを感じております。
それでは次々答えさせます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画の決定のおくれた理由でございますけれども、まず最終的に建設大臣の認可及び決定告示が9月中旬になされるものだと予想を持っております。おくれた理由としましては、本計画は昨年一ぱいには完了するということで10月の初めに県素案を各世帯に配布いたしまして、10月の16日に公聴会を開催したところ、市街化区域が狭小であるという意見が大部分であったこと及び公聴会後における住民の盛り上がりによる住民サイドからの市街化区域編入についての要請等もございまして、これらについての検討も行ない、市町村及び関係機関との再度の調整の必要が生じまして、また、この計画策定に伴う土地利用等の方向づけ並びに関連資料の作成に予想以上の日時を要したわけでございまして、計画決定がおくれたものでございますが、公聴会に伴う住民の意見は、市街化区域を全般的に拡大すべきであるという意見が1件と市街化区域に含めてもらいたいという意見が5件、農業従事者の利益を守るべきであるという意見が1件ございます。市街化区域決定を延期してもらいたいという意見も1件ございました。都市計画区域の再検討を
要するという御意見が1件、線引きが現状にとらわれ過ぎておるという御意見もございました。1件でございます。それから住民に対する啓蒙を十分に行なう必要があるという御意見もございました。1件でございます。宅地造成が進められている場所であっても、むやみに市街化区域に含めることは慎むべきであるという御意見がございます。1件でございます。上位計画との関係を十分に検討すべきであるという御意見が1件ございます。
そういうふうなことでございまして、公聴会に伴う御意見につきましては十分に検討し、かつ現場の再調査、市町村との調整をいたしまして、住民の意見を十分に反映させたつもりでございます。
なお、陳情書も3件ございまして、これらの陳情につきましても地形の悪いところとか、市街地として不適切なところを除くほかはほぼ要請に沿うような修正をすべく市町村との調整も完了したわけでございます。この調整はもちろん事務的な調整にとどまっておりまして、正式な文書での意見聴取はこれからでございますけれども。それから結局この市街化区域及び市街化調整区域の都市計画の決定、これがおくれますと新用途地域の設定がおくれるわけでございます。新用途地域の設定は本土においては昭和48年の12月31日までに完了しなければならないことになってございますが、本県の場合は復帰の日から3年以内、すなわち昭和50年の5月14日までに完了しなければならないことになっております。作業のスケジュールとしましては、昭和49年の10月までに完了する方針でございます。
なお、新用途地域設定のための基礎調査は完了しております。そういうふうなことでございますが、開発審査会の設置につきましては、この条例につきましては復帰と同時に制定されております。市街化区域決定次第審査会の委員を任命して審査業務は開始しなければならないわけでございますが、組織につきましては法律の78条で委員の人数がきめられてございまして、7人をもって組織すると78条の2項にこの人数が規定されております。3項には「委員は、法律、経済、都市計画、建築、公衆衛生又は行政に関しすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、都道府県知事が任命する。」ということになっております。
以上でございます。
○議長(平良幸市君) 企業局長。
〔企業局長 大嶺永夫君登壇〕
○企業局長(大嶺永夫君) 水の供給対策についてお答えいたします。
水の恒久的対策といたしまして、志村議員が述べられましたとおり、現在福地ダムと――福地ダムはもうほとんど完成でありますが、その北に亜波川、普久川、新川の3ダムをつくりまして、それを福地ダムに導入いたしまして、福地ダムから久志までを導水トンネルでいま工事しております。久志に新しい浄水場をつくりまして、久志から石川までを2メートルの送水管で持ってくる。この工事も現在進捗中でありますが、そして石川の浄水場を2倍に拡張いたしましてやりたいと、この工事はどうしても50年の1月ごろまでかかるわけなんでして、1期工事としてそれだけの工事をやれば相当な水の供給体制が強化されるわけでありますが、トンネル送水路、浄水場、この工事がどんなにがんばりましても50年の1月までかかる現状でありまして、それまでの間、非常に水事情は窮屈になるわけであります。水の需要が毎年1日2万トン以上の伸びを示しているので、これをどういうふうにことしと来年乗り切るかというのに非常に苦労しているわけであります。水の需要が毎年1日2万トン以上の伸びを示しているので、これをどういうふうにことしと来年乗り切るかというのに非常に苦労しているわけでありま
すが、その間私たちとして考えていますのは、福地ダムが一部湛水が6月から始まっています。本格的な湛水が8月1日からなされる予定なんですが、福地ダムが現在2万4000トンぐらいの送水を福地川からしているんですが、福地川から源河までの間の送水能力が約7万トンぐらいあるわけなんです。これを最高度に利用いたしまして、あと福地ダムに仮設ポンプ場をつくりまして、福地ダムから5万5000トン取れるような計画でいまこの仮設ポンプ場の工事を進めております。それが現在、この持っています大体普通の22万トン、それに3万トンの増加になりますから、今年の25万トン、8月、9月25万トン予想されているんですが、それに間に合わす予定にしておりますが、そのほかに端慶山ダムから天願ダムへの逆送あるいはコザ浄水場の改良、天願浄水場の改良によって送水能力を高めていくと、そのほかに比謝川浄水場の改良、そういうのを考えて何とかこの夏場をしのいでいきたいと思いますが、ことしと来年非常に水事情は窮屈な状態でありまして、この水をみんなにもむだのないように大切に使っていただきたいと思っておりますが、来年まで一番苦しい状況であります。それで現在起こってお
ります小禄とか、あるいは宜野湾の一部、そこの現在の部分的の断水は、これは現在の給水量というのは大体24万トン台いっているんですが、企業局の能力との関係ではなくて、これは部分的に非常にその部分が人口が多くなってきたと、たとえば小禄でも、この小禄の配水管が小禄の人口の増加に追いつけなくて、那覇市の配水管が小禄の人口、小禄の給水量に間に合わしきらぬというのが小禄の例でありますが、もう1カ所の普天間から石嶺までの間は、旧5号線に沿うての間は、あの地域が非常に人口が多くなってきたと、そのために、いま500ミリの管を布設していますが、それで間に合わなくなっているというので部分的の給水不良地域が出ていますが、それの解消としていろいろ手を打っていますのが、まず、宜野湾から首里まで間の給水不良は、現在1日約2000トンぐらいの水の不足でないかと思っていますが、これは宜野湾の愛知辺を主体として起こっているんですが、その対策として渡久地ポンプ場を現在1万6000トンの能力の分を3万トンの能力にきりかえる工事をやっております。それによって5号線系統への送水を多くしていきたいと。それからもう1つとしては、赤道のほうに新しい分
水線をつくってやったほうがいいのではないかと思って、そのほうを宜野湾市といろいろ交渉中であります。3番目としては、現在の西系統と東系統が少し余裕がありますので、その西系統と東系統の分から、このまん中の系統の分を何とか補うことができないか、配水地域の変更が部分的に可能ではないかというのを関係市町村といろいろ詰めていく予定にしていますが、そういう計画で進めております。
恒久的な対策としては、この地域は西原から石嶺のほうに1200ミリの管を布設する計画になっておりまして、それができれば中系統の問題は解決するわけでありますが、それが相当長期にいまのところちょっと工事の見通しが立ちませんのでさしあたり応急対策としてさっきの3つを実施したいと思っております。
それから具志川の問題でありますが、3月議会にも中山議員からいろいろ御指摘受けました。企業局と総務部の意見の食い違いがあるのではないかというふうに御指摘受けたのでありますが、総務部と企業局といろいろ意見の交換をいたしまして意見の一致を見たのでありますが、復帰前の補償に対しましては、返還協定の4条2項によって一応アメリカ側に請求すべきではないかというふうな意見の一致を見まして、そういうことで具志川市当局といろいろ現在話し合い中であります。また、復帰後の問題に対しては、これは企業局として責任をもって具志川市といろいろ具体的な折衝に入るよう具志川市と現在いろいろ話し合い中でありまして、早くこの問題が解決できるように祈っておりますが、具志川市に対する窓口は、企業局として全体の請求権の問題でありますので、総務部といろいろ調整しなければいかぬのですが、具志川市に対する窓口は企業局とやるように総務部と意見を調整しております。
○議長(平良幸市君) 志村 恵君。
○志村 恵君 先ほどの都市計画事業のことにつきまして土木部長に御説明をいただきましたが、なるほどおっしゃいますとおりに市街化区域並びに市街化調整区域の決定は、復帰後3年以内にやればよろしいというようなことでございますけれども、現在、先ほど申し上げましたような都市が乱開発をされているというこの実情を考えましたときに、そんなにゆうちょうにしていいものであるかどうかということが私の質問の趣旨でございました。
そこで、現在の新しい都市計画法が本土において制定されましたのは43年でございまして、沖縄でも1970年、昭和45年に本土法に準じて法律が制定されました。そしてその施行が翌年の46年からから施行されておりますので、復帰1年前から、今度新しい都市計画法と同じような法律が適用されまして、実際施行されていたというこの事実、そうしますというと、復帰1年ですから、2カ年前からすでに新しい計画に基づいて、新しい都市計画法に基づいていろいろと都市計画の問題が推進されていなければならなかったはずなんです。そういうことを踏まえて、早い機会に現在の乱開発を規制する、また地域住民の法的な恩恵を受けるような措置を早目に決定していただくような努力をお願いしたいと思います。
知事の御答弁の中で比謝川の汚濁問題については、2カ年前に知っていないんだというお話でございましたが、それにつきましてはそれでよろしいといたしまして、たしか、厚生部の職員と当時の下水道公社の間で、2カ年前からし尿処理の問題につきましては時間をかけていろいろこの話し合いをなされてきたはずなんです。そのことは直接行政の責任者である知事に対して、厚生部は率直にこのような事情というものは報告する義務がある、責任があると思うんです。そういうことが知事の耳に入れないままに今日このような状態が起こっているということは、社会的諸問題として大きくその責任を追及されてもいたし方ない問題ではなかろうかとかように考えます。今後十分このような事情につきましては、知事にも御連絡し、報告するようにお願いを申し上げたい。
さらに現在、コザ市が処理施設として設けておるところのし尿処理場でございますが、厚生省省令の基準に適合しておるものであるかどうか。もし、適合してないとするならば、指導育成はどのようになされたか、この点についてお伺いしたいと思います。
以上でございます。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
○知事(屋良朝苗君) 行政指導を十分いたさせます。
○議長(平良幸市君) 志村 恵君。
○志村 恵君 ただいまの御答弁得られない分があるんですが、コザのし尿処理施設が厚生省令の省令に基づく基準に適合したものであるかどうか。この基準がおありでしょう。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
○厚生部長(平安常実君) 現在の施設は適合しておりません。
○議長(平良幸市君) 志村 恵君、簡単に願います。
○志村 恵君 復帰後、省令に基づく基準に適合した施設でなければ、早目にこのような問題が適合するような施設に指導育成しておれば、今日このような状態は出てこなかったはずなんですよ。2カ年前からこの問題が論じられて、復帰と同時に、厚生省令のこの基準に基づく施設というものが完備されてしかるべきなんです。これが皆さんの指導がなされないままにほったらかしておるから、今回のような問題が惹起するんですよ。十分反省をしていただきたい。
終わります。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
午後0時22分休憩
午後1時7分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行ないます。
渡久地政仁君。
〔渡久地政仁君登壇〕
○渡久地政仁君 本員はさきに通告いたしました順を追うて質問をいたしたいと思います。
まず最初に海洋博についてでございますが、この件につきましては一昨日の代表質問あるいはきのう、きょうの一般質問におきましてもいろいろ提示されたわけでございますが、本員はもっと掘り下げまして具体的に質問をいたしたいとこう思っております。
昭和50年の3月2日から開催される海洋博の準備については国、県、海洋博協会において準備を進めており、去る3月の2日には会場の起工式を行ない、工事に着手することになったのでございます。本日から起算すると、あと605日しか期限はありません。はたして会場の準備、または海洋博関連公共事業などが間に合うかどうか憂慮するものであります。
よって、次の10項目について質問いたします。
まず最初に、海洋博協会の建設計画は予定どおりに進められておるかどうか、お伺いいたします。
次の2番目、海洋博用地の買収は一通り終わったと聞いておりまするが、用地の協会への引き渡しは済んだのか。用地の引き渡しがいまだになされていないとすれば、その理由は何か。また用地は有償で協会に貸すのか、また無償とするのか。いまだに引き渡されていないとすれば、いつ引き渡すのか。
次3番目、沖縄県が行なう関連公共事業は予定どおり行なわれているかどうか、具体的に説明していただきたい。
4番目、県の海洋博関連公共事業を見ると、すべて国庫支出でなされて、県は何ら負担していない。県も海洋博を誘致したたてまえもあるし、海洋博は沖縄県全体的立場で協力し、成功させなればならないと思うが、この意味で県はもっと積極的にいろいろなこと、たとえば環境衛生場の問題、町の美化、啓蒙宣伝などのことを含めまして予算措置し、実施いたしまして市町村にも指導すべきものだと考えるが、どうか。
5番目、県は海洋博対策として協力局を設置し対処しようとしていることはよいことだと思うが、協力局は一口に言えばサービス部門であって実施機能はないものだと考えられるので、県庁の各部局が海洋博関連の事業の実施主体とならなければならないと思うが、各部局ともどのような協力体制をとっているか。また県下各市町村の協力態勢はどのようにとっているか、お伺いいたします。
6番目、海洋博協会の第1次観客対策要綱などによると、海洋博へ向けての宿泊施設、中でも海洋博開催地の本部町を中心にしたところの北部地区ではその宿泊施設は大きく不足していることになっているが、県はこれに対する対策はやっているかどうか。またこれに対処すべきであるかどうかお伺いいたしたい。
7番目、6月の19日に海洋博の施設計画の最終プランの発表がなされているが、その施設のあと利用については県はどう考えているか。
8番目、海洋博以後あるいは海洋博を契機といたしまして本部町、今帰仁村、伊江村などの農業形態、水産形態は大きく変わっていくことが予想されるが、それに対しては県はどう指導し、どう対処されるかお伺いいたします。
9番目、海洋博を契機といたしまして、本部半島を中心に北部リゾートゾーン化されることが考えられるが、そのための開発と自然との調和をはかる必要があると思うが、どのようにその調和をはかっていくつもりかお伺いいたします。
10番目に、特に本部町、今帰仁村、伊江村などにおいては、海洋博を契機といたしまして都市化することが予想されるが、都市的行政の需要の増大、たとえば上下水道事業、ごみ、し尿処理などが考えられるが、それらの事業の許認可などの準備はなされているか。もしなされていないとすれば、その理由は何かお伺いいたします。
以上海洋博についてお伺いいたします。
次に、渡久地新港建設についてお伺いいたします。
昭和50年に開催される沖縄国際海洋博覧会に向けまして、現在の渡久地港では狭く、かつ水深が浅いために会場建設用各種資材の陸揚げ並びに観客輸送港湾として、この現在の渡久地港が不適のために新港を字健堅浜崎地先に建設が予定されているのでございます。海洋博終了後も観光専用港湾、産業港湾として将来とも十分に利用度の高い港湾となることが予測されるのであります。県並びに本部町当局あるいは本部町議会では、建設着工に当たっては建設用地周辺の住民、ことに昔から独特の漁法を有するところの追い込み漁業を専業とする浜崎部落の漁民の同意を得なければ着工ができない状態だったので、十数回にわたりまして懇談会を開催して、ようやく去る5月30日の漁業協働組合の総会において、条件つきで同意することになったのであります。この条件は、本部漁業協働組合長からすでに知事のところへ提出されていることと思います。条件は11項目からなっておりますが、そのうちの4点についてお伺いいたします。
1つ、地区外への入漁権の獲得についてどう対処されますか。
2つ、漁場の拡大についてどう考えられますか。
3つ、海洋博関連諸施設群の建設によって著しく制限を受ける漁業に対する保護措置についてどう取り扱いますか。
4つ、漁業権滅失、漁業喪失に対する適正な補償に対してどう考えられますか。
先ほど申し上げましたとおりに条件は11項目からなっておりますが、以上4項目についてお伺いいたします。
さらに渡久地新港についてはいつごろ着工して、竣工は何年何月の予定になっておりますかお伺いいたします。
次は、瀬底大橋架橋について。
瀬底大橋の架橋の実現によって瀬底区の離島苦を解消し、島の産業経済の飛躍的発展が期待され、海洋レクリエーション基地としての開発及び島内の資源を生かした新しい企業の育成も可能となり、橋の果たす役割はきわめて大きいものと確信いたすことを強調してまいったのでございます。本件については昭和47年度の予算に調査費として2350万円、うち本部町が貧弱財政のうちから20%の470万円の対応費を出しまして負担し、調査をいたしたのであります。
本員は、昭和47年度の12月第9回定例議会において、知事に瀬底大橋架橋の調査はいつごろまでに終わるのか、48年度に建設費を計上いたしまして海洋博に間に合うかどうかと質問いたしました。ところが、知事は、48年1月末日までに調査を完了いたし、49年度から工事に着工する計画で国庫補助を要請していると答えられた。住民は、橋をかける前提に立って調査しているものだと思い込んでおります。国庫補助を要請したその後の経過について御説明願いますと同時に、国庫補助を要請した段階において架橋が実現するものだと解してよいかどうか、お伺いいたします。
次に、獣医畜産技術員の欠員の補充について。
沖縄出身の獣医畜産関係大学新卒業者は、国、他府県、本土での民間会社などの給料が沖縄県庁のそれに比べてはるかによいために、昭和46年にはこれら新卒業者の13人のうち、10人が本土で就職しており、3人が帰郷したものの村役場、農業協同組合、経済連などの県庁よりも給料のよいところに就職している現状であります。また、昭和47年のように獣医畜産関係大学新卒業者の予定者が7人もありながら、1人の帰郷者もいない年もあったと伝え聞いております。今年は11人の大学新卒者のうちに3人の帰郷者しかなかったが、2人は県庁に、1人は村役場に採用されたことがわかっております。
このように獣医畜産関係大学新卒者は、ここ数年にわたって調べてみますると、年に2~3人しか帰郷していないことがわかります。国並びに各県にあっては目下獣医畜産技術者の欠員が多くなり、その補充が困難なために家畜衛生業務などの執行に多大な支障を来たしている。そういう状況でありまして、全国各県の畜産課長会議で問題が提起されていることが報ぜられております。
知事は、昭和48年2月の定例議会における知事提案説明の中に、畜産業の振興を強調されておられることに当たりまして、県庁にあっては獣医畜産技術員の確保は十分になされなければならないと考える次第でございます。今年度の卒業生のうち3人帰郷して3人とも県庁に就職すべく内諾を得ておったのでございますが、しかるに最初4月1日発令の予定が4月15日に延び、さらに5月1日に延びた時点で、5月3日から特別国体があるから忙しいので、特別国体が終わってから5月15日に発令するからと、さらに延期したのでございますが、しかし5月15日になっても発令しなかったので、2人のうち1人はとうとうしびれを切らしまして某村役場に採用されたのでございます。総務部が早目に採用しておけば、そんなことにはならなかったはずです。全国各都道府県でも獣医畜産技術員の採用は困難視されている今日、就職内諾を得ているのに、県庁の採用がおくれたためにこれを逃してしまったことについて、総務部として早急に発令できなかったその理由を明らかにしてもらいたい。
次に、農林水産部長並びに厚生部長にお伺いいたします。現在獣医畜産関係技術員の欠員が多いと聞いているが、その状況、機関名はどうなっているか。
またその補充についてどのように対処していくかお伺いいたします。
あと1点でございますが、時間がないようでございますので、以上質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 第1点の海洋博覧会の建設計画は予定どおり進んでいるかということについて大体10の項目についていろいろ御質問がありましたが、詳しくは野島局長に補足させますが、第1の協会の建設計画、第2の用地取得の状態、それから関連公共事業に関連する、それは主として場所の決定とか土地取得になると思いますが、そういうこととか、あるいは環境衛生、県は積極的にその負担もあえてして環境衛生は強化していくべきじゃないかというようなことであります。あるいは協力局の存在意義、同時に各部局が責任体制を個々に確立されておるかということについてであります。次は、各市町村の協力態勢、またホテル等の受け入れ態勢ですね。それから最終のあと地の利用計画といったようなこと。それから海洋博と現地関係市町村と産業形態との関係。北部リゾートゾーンと開発に当たっての自然と調和あるいは最後には本部、今帰仁村の都市的な状態、こうなる場合に対するいろいろな対策といういろいろの御質問がありましたけれども、これはもう向こうの住民の福祉を保障すると同時に、向こうを中心とする沖縄啓発の契機としてこれは北部一帯、中部一帯あるいは慶良間、宮古、八重山
にも海洋リゾートゾーンとして開発して行かねばならぬし、でありますから、いまあげられた事柄については、私は大体においては計画は進められておるということを申し上げていいと思います。ことに先ほども御指摘がありましたとおり、協会のやる分、国のやる分、政府がやる分、県がやる分とありますが、県のやる分については100%とはいえないけれども、大体はスケジュールに従って進めておるということを私から申し上げておきまして、なお、野島君に説明させたいと思います。
なお次は、渡久地新港建設についてでありますが、これについても大体7月中には着工の予定であるということを申し上げておきます。そしてこれに関連するまた2~3の質問がありましたけれども、局長にこれはちょっと説明させます。
それから瀬底大橋の架橋についてでありますが、瀬底大橋は本部町浜崎と瀬底島を結ぶ延長およそ700メートルで、昭和47年度国庫補助で基本調査を完了し、調査報告書は建設省に提出されております。昭和48年度も引き続き調査費として国庫補助が計上されております。
県といたしましては、48年度は工事のための実施設計を行ない、49年度から事業着手できるよう建設省に要請したところ、現在建設省に橋梁専門家によって構成している瀬底大橋架橋技術委員会が結成されておるようでありますが、この委員会に47年度で行なった調査報告書を検討させ、その結果によって実施設計を行なうかどうかをきめたいとのことでございますが、事務段階における調整の結果は、県の計画通り48年度で実施設計を行ない、49年度から事業着手できる感触は得ておりますけれども、しかし、これは海洋博までにどうこうというようなことはいまはちょっとできかねるところでございます、この問題については。
なお、獣医の御質問がございましたけれども、これは総務部長に答えさせたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。
○議長(平良幸市君) 海洋博協力局長。
〔沖縄国際海洋博覧会協力局長 野島武盛君登壇〕
○沖縄国際海洋博覧会協力局長(野島武盛君)
海洋博関連の御質問がございますけれども、特に渡久地新港並びに瀬底大橋につきましては、主管部長から答えていただくことにいたしまして、その他のことについて私からお答えをいたします。
なお、主管部と調整をしたつもりでございますけれども、中に不得要領な点がございましたらそれぞれの主管部長からお聞き取りをお願いしたいと思います。
第1点の建設計画は予定どおり進められておるかということでございますが、これにつきましては6月19日に第2次会場計画が発表されまして、その計画面での若干のおくれはございますけれども、今後の基本計画、それから施工図面並びに工事等の一連の作業過程においては、技術的な面あるいは合理的な配慮ということにおいて最終的には計画のスケジュールどおり工事は進捗するものと聞いております。
さらに会場の用地取得の件でございますが、これにつきましては御質問に関連がありますので、一応有償か無償かという点から御説明を申し上げますと、実は会場につきましてはわれわれ事務段階として現在非公式に協会と詰めているわけでございますが、大阪万博の様式からいたしますというと、やはり民間の出展館の一部として提供した地域は有償になっております。
さらには御承知のとおり17億が全部起債になっており、さらにその利子が1億以上ということになりますと、県では負担しかねると以前から申し上げておりますけれども、これは全部経費のかかったいわゆる用地取得に要した経費を含めて国で補助をしていただきたいという要請を続けておる関係もございまして、これがもしや解決されたという点であれば、われわれとしては協会の期待をしておりますところの無償貸与ということも考えられないわけではないと思います。現在協会と非公式に接触をしている範囲では、協会はあくまでも無償で貸与してくれというような意向でございます。
申し上げましたような状況で、現在有償にするか無償にするか、最終的には決定いたしておりません。そういったことで用地の引き渡しについても、これの見通しをつけてあと完全に引き渡すということになるわけでございますけれども、現在11名の未解決の地主がございます。面積にして約1万2000坪、その中で特に問題になるであろうと予定されますのは1軒の立ちのき者がございます。面積にして1200坪ぐらいを擁していると思っております。これについてはおそらくいまの接触の範囲では最終まで残るであろうということが予想され、いままでの95パーセント以上の皆さんの御協力に対してもわれわれの努力ももちろん足らないわけではございますけれども、非常に申しわけないとこういうふうに思っております。そういう意味で、県民の深い御理解をいただいて完全に解決できるようにお願いをしたいと思います。それが引き渡しができる時期でございますけれども、これにつきましても6月の10日を予定いたしましたが、申し上げたような事情で、われわれ事務段階の推察からして、これをもう少し引き延ばすと、時期についてはやはり8月の中旬になるかと思われます。理由は、建設工事が大体
9月から本格化するというような予定でございます。その関係で引き渡しの時期が延びた理由はそういうことでございます。
県が主体となって行なうところの関連公共事業が予定どおり進んでいるか、具体的に説明をしろということでございますけれども、御承知のとおり県は、道路、港湾、それから空港の整備を主体的に行なうことになっております。特に道路につきましては、こまかく御説明を申し上げるよりも、問題点になりそうな点を申し上げますというと、114号線は会場の浦崎から備瀬に抜ける線でございます。既設として現在会場内を通っておりますけれども、これを会場の計画に関係がございますので、部落近くを引き回すと、代替をするということで現在計画を進められて用地の測量は終わり、買収にかかっておりますけれども、4~5名の地主が反対をしておられます。そういったことで、これは予定どおりいくということは現在責任を持ってお答えすることはできません。主管が土木部でございますので、具体的には主管部からお聞きをお願いしたいと思います。
その他の線につきましては、ほとんど用地買収が進んでおり、なお工事入札も済んだところがございます。
港湾につきましても、あとで主管部のほうから説明をお願いしたいと思います。
空港につきましても、同じく主管部が土木部でございますので、土木部のほうから説明をお願いします。
下水道とごみ、し尿処理関係でございますが、これにつきましては今帰仁村と本部町がし尿処理で一部事務組合をつくって組織をして執行に当たるという計画を持ったわけでありますが、2~3日前の非公式の情報によりますというと、今帰仁村の議会で事務組合の結成を否決したというようなことでございますので、けさ本部町に対しては本部町独自でこれを早急に考える必要があるんではないかというような指導を口頭でいたしております。おそらく計画の変更になるかとこういうふうに予想をいたしております。
下水道につきましても、これはもちろん3市町村にまたがるわけでございますが、それぞれの市町村の計画に従ってこれを進めていくと。特に本部町につきましては終末処理の場所が未決定であるということで、この場所の決定次第具体的に工事に着工ができるとこういうふうに考えております。
それから海洋博の関連事業といたしまして、環境美化に対する県予算の措置の考え方でございますけれども、これにつきましては、特にし尿処理、ユーティリティーの問題につきましては、いますごく簡単に御説明を申し上げましたような形でそれぞれ進めてはおりますけれども、問題があるということであり、なお、環境美化の問題で県の予算措置を考えているかということでございますが、これにつきましてはもちろん市町村自体の計画に沿って、県としてもできるだけこれを援助するという形で進めていきたいと思っております。
なお、金額等につきましては、49年度で措置することしかできませんので、いまのところ金額については申し上げられません。
なお、金額等につきましては、49年度で措置することしかできませんので、いまのところ金額については申し上げられません。
なお、海洋博に対する各部局の協力体制でございますけれども、国体が済んで本格的に海洋博の関連事業あるいはそれに関する各部の協力ということにつきましては、いままでもずっと推進本部を設置をいたしまして、各部局からそれに委員が出て対策を講じながら、それぞれ各部局に関する事業については、積極的に協力をもって進めております。
なお、ちなみに申し上げますと、労働商工部におきましては海洋博臨時職業安定所がつくられております。なお、県警におきましては海洋博対策室が設けられております。企画部におきましては、あと地利用のプロジェクトチームを組織をいたしまして、今後、海洋博済んであとのあと地、あと施設の利用についての具体的な計画をするということで特っ組んでおります。
以上のような形でそれぞれの部局に関する事業についての協力体制を十分とりつつあるということを申し上げたいと思います。
なお、各市町村におきましては、御承知のとおり本部町には海洋博対策室ができまして、すでに責任者が発令をして機能をいたしております。ほかの市町村につきましては、それぞれ関連のある各部課が責任を持って努力をしている状況でございます。
宿泊対策につきまして県はどういう対策をとっているか、あるいはどういう状況であるか、対処すべきかという御質問でありますけれども、これは当然観客の受け入れについては県も責任を持って対処する必要があるとこういうふうに考えております。よって、われわれといたしましても、もちろん協会の中にもございますが、宿泊関係あるいは観客対策の部がございます。ここにもそれぞれの部会を設置をして具体的な取り組み方をいま進めている状況でございます。ちなみに状況を概略御説明申し上げますと、協会が中心になって実態調査をした状況を申し上げますと、既存の宿泊施設は現在1964名ぐらいの数を持っております。
なお、申し上げました既存施設のうちで、増改築を計画しているところが23施設あります。それは部屋数にして213室、数にして591名でございますから、申し上げました数と加えますと2555名が名護とその周辺にあると、あるいは予想されるということでございます。
新設計画としては、建築中のもの、あるいは建築を申請したもの、または机上のプランを含めますというと、本部、名護、今帰仁で約6000人、件数にして22件でございます。6000人の収容人員が既設にプラスできるという予想が現在の調査でははっきりしております。
なお、県全部では102件の新設の予定があるようでございますけれども、そのうちの50件がほとんど那覇いわゆる都市を中心に建設計画が進められておる。
なお、本部町でも申し上げましたような形でございますから、ほとんど那覇と会場周辺に今後の新設計画が進められつつあるというふうに御理解をいただいてよろしいかと思います。
以上のようなことで、事業体とあるいは民間のやる施設は申し上げましたような状況でございますけれども、それでもなお5000~6000名ぐらいの不足が予定されるわけでございます。それにつきましては、簡易宿泊施設としての民宿等につきましての指導を主管部が行なっておりまして、本部町では約100人の民宿希望者が現在組合を結成して申し出ておる。県としては金融公庫の融資とあるいはほかの民間の資金融資等についての世話をしていきたいとこういうふうに考えております。
以上申し上げましたのが宿泊に対する状況でございます。
なお、施設のあと利用につきましては、これは申し上げましたように企画部のほうでプロジェクトチームをつくって、具体的にこれを進めるということになるわけでございますけれども、特にこの運営等については、通算の主管でありますところの海洋博管理管室等も将来の引き継ぎ、あるいはそれの利用等についての具体的な案を作成すると。なお、運営を含めて行なうということでございますので、現在ここでこまかいあるいは具体的なあと利用のことを申し上げることはできません。
それから海洋博を契機といたしまして、伊江、本部、今帰仁と、あるいはそのほか周辺離島の産業構造の変化でございますけれども、これにつきましては、主管部のほうからこまかい説明が必要かと思います。なお、こういった指導につきましては、先ほどの知事の答弁等もございましたとおり、周辺離島が大きく変わるであろうということは十分予想されるわけでございます。それと同時に産業構造の変化等あるいはそれに対応するところの県の行政指導なり、対策なりについては主管部からひとつお聞き取りをお願いしたいと思います。
開発と自然の調和のことでございますけれども、これも御承知のとおり過日閣議の了解事項といたしまして、公共事業の計画立案実施につきましての留意事項が示されております。そういった趣旨に基づきまして、国の行政機関の行なうところの開発についての試みあるいはそのやり方等についての指導等はこまかく規定をされております。これが地方公共団体においてもこの了解事項が適用されるということでございますので、県においてももちろんこの趣旨を十分生かして、自然と開発の調和が十分とれるようにその行政指導をするということは当然だと思っております。
それから都市と環境整備の許認可事項でございますけれども、先ほど一部御説明を申し上げましたように、今帰仁村が議会として、そういった事務組合の結成を否決したという状況でございますので、一がいに町村からのこういった環境整備についての申請がなされるということは、時期的には若干おくれるんじゃなかろうかという予想がつきます。もちろん県といたしましては、市町村からの申請があれば、十分これを受けて許認可の事項を準備して認可するということの準備については、配慮していくということになろうかと思っております。
なお、申し上げました事項につきまして不得要領なところがございましたら、主管部長で御説明をお願いしたいと思います。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 渡久地新港建設に伴う本部漁業組合の漁業補償に関する条件提示につきましての回答は、昭和48年の6月28日付で本部漁業協同組合長あて回答してございます。
まず、御質問の第1点の地区外への漁業権の獲得につきましては、他地区への入漁ができるようあっせんする。
2番目の漁場の拡大につきましては、現時点では貴組合の希望にこたえることは困難であるが、来年の漁業権の一斉更新の際、貴組合の意見を十分考慮の上、漁場の拡大に努力をするということでございます。
海洋博関連施設群の建設によって著しく制限を受ける漁業に対する保護措置に対しましては、海洋博関連施設の建設は、国、海洋博協会、県が主体となって行なうことから、それによって派生する諸問題について県が主体となって検討を進めており、漁民の不利益にならないよう適正な保護措置を行ないたいということでございます。
漁業補償につきましては、漁業権喪失と漁業損失に対する適正な補償のことでございますが、漁業補償については、漁業組合と十分協議し、適正な補償をするということでございます。
以上でございます。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
〔総務部長 仲松庸幸君登壇〕
○総務部長(仲松庸幸君) 獣医師技術職員の欠員補充問題について御質問がございますので、私のほうから答えさしていただきたいと思います。
獣医師技術職員につきましては、農林水産部、厚生部に配置して業務を担当さしておるところでございますが、ことし4月に定数を4人増員いたしました。さらに6月に入りましてから勧奨退職でおやめになった人が1人、転職したのが1人、合計6名の欠員を生じております。
そこでこれらの欠員を充足するためにいろいろ努力したところでございますけれども、最近に至りまして、市町村や農業関係団体などのこの種専門技術者に対する求人の需要も旺盛なものがあるわけでございますけれども、、これに対して獣医師の卒業の状況と帰郷の状況は、46年に卒業生13人のうち3人が帰郷しております。47年に7人のうち1人しか帰郷していないという状況でございます。なお、48年はたぶん3人の帰郷者があったと覚えております。こういう状況で市町村、農業団体を含めての需要の旺盛に対応するのに絶対数が不足しているというのが現状でございますが、その中にあって、先ほど御指摘のございましたように1人採用の予定にしてございました。この採用1人を発令がおそくなったために市町村へ就職してしまったという御指摘でございました。事実はそのとおりでございます。なぜ発令がおくれたかという御質問に対してお答えいたしますと、私ども4月の段階から、本春闘の中で団体交渉を繰り返していく過程の中で、この獣医師技術職員のうちの屠畜検査員の処遇改善について労使の間で連日のように検討を進めていたわけでございます。その結果は、その過程の中で、総務部
としても4月中旬にこれらの職員が配置されている職場の環境並びに勤務の能様等について調査しまして、改善策を話し合い、大体この方向にしてあります。というのは、これまで特殊な勤務状態にあるということで調整額を4%つけてありましたが、これを20%支給することとして改善しよう。それから初任給につきまして、調整手当を月額5000円支給しようということにしまして、これらのものについては人事委員会に要請いたしておりました。制度化していただくようにいまお願いしているところでございます。こういう形でできるだけ処遇を改善して、採用もしやすいような方向に持っていこうという意図のもとに改善策を講じたわけでございますが、これらのものを春闘の団体交渉過程で煮詰めている段階にありました。その煮詰まる段階で発令することを意図したために逐次延び延びになっておくれてしまったわけでございます。
以上いきさつを御報告申し上げて説明にかえさせていただきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 西田文光君。
〔西田文光君登壇〕
○西田文光君 本員、所見を述べながら、かねて通告いたしました問題に対して質問をいたします。
まず、あらかじめに米軍基地給水問題について。
本件につきましては、昨年8月定例議会の合同審査委員会において、本員は米軍に対する給水問題について質疑を行ないましたが、その後昨年11月、知事が国レベルでの折衝を要請し、この要請にこたえて、日米合同委員会は特別員会を設置し、昨年12月20日の第1回合同会合以降問題を検討し、その結果、基本的に水道法の趣旨にのっとって解決をはかることに日米両者間で合意し、特別委員会で合意書を作成した後、去る2月8日の合同委員会で承認された合意事項は、おおむね次の4項目からなっておりますけれども、まず1項目は、沖縄の米軍施設区域に対する給水方式は、本土における米軍基地に対する給水方式と同様、今後市町村が水道事業者となり、給水を行なうことになっている。したがって、米軍はそれぞれの市町村とその市町村の条例規則に規定されている料金等に従って給水を受けることになる。
2、米軍施設区域へ給水する主体を沖縄県企業局から市町村へ移行するための計画が作成され、この計画に基づいて市町村は給水体制を整えた後給水を行なうことになる。
3、市町村が水道事業者となるまでの間は、県が暫定措置として給水することになり、県の条例規則に基づいた料金が支払われることになる。
4、県または市町村がその水道水を米軍の水道施設を経由して給水しているところでは、県または市町村は米軍に対して、その水道施設の維持管理費として、適正な額をそのいわゆる基地経由給水料に応じて支払われるものとすると。
そこでこの1項目、合意書の1項目からうたわれておる本土における米軍基地に対する給水方式とは、昭和35年6月23日に改正された現行の水道法第10条が基本になっておるものだと思うのであります。
それで次の事項に対しお尋ねいたします。
復帰後返還しないで米軍が保有しておる水源地並びに施設すなわち浄水場、配管施設などは基地内に幾らあるのか。
次に、その水源地などからの取水の量は幾らか。返還されていない水源地等から将来水道料金が高値になる場合、軍基地内の自己給水をするおそれはないかどうか。軍自体、自己給水をするおそれはないかどうか。
次に、市町村が水道事業者となり、市町村の条例規則に規定されておる料金などに従って給水を受けることになるとなっているが、県企業局はいつ、どのような形で市町村に移行するかお尋ねいたします。
県企業局が市町村に給水する場合の販売価格は1立方メートル当たり17円80銭だが、軍基地に対しての販売価格は、給水価格は28円46銭だということだが、この販売算定基準はどのようにしてきめたか。
さて、コザ、嘉手納、北谷、読谷、美里村を地域とする嘉手納基地給水についてお尋ねいたします。
コザ市が昨年5月15日から今年度3月31日までの購入水量が561万142立方メートルであるが、コザ市にメーターを有して、軍基地に対しての給水量はコザ市の購入水量のおよそ航空隊に対しては80%押えてよいというふうに水道部では言っておりますけれども、あのメーターを通して軍に対する給水量は80%と押えてよいのかどうか。もし軍基地に対する給水量が80%と押さえてよいということであるとするならば、航空隊を通しての給水は448万813立方メートルと押えることがまず穏当かとかように思うわけでございます。その場合に、県企業局が市町村に販売する価格17円84銭、現在軍に販売されておる販売価格が28円46銭、その差額を448万813立方メートルとするならば、4766万円余りが県企業局の利益となるというふうになるわけでございます。そこで問題点は、コザ市に軍への給水メーターがあるが、コザ市の条例においては1立方メートル当たり販売価格は、一般市民に販売しておる価格は40円、そういたしますると、コザ市の条例に基づいてコザ市が企業局からコザ市のほうへ移しまして、コザ市のほうが給水するといたした場合には、先ほどの企業局の利益4700万
に加えて9945万6000円余りに市町村のほうの収益というふうに変わってまいります。県企業局の収益を上回る5179万円余りが現在軍は市町村のほうからの給水でない関係上、これは支払いはされておらないということになるわけでございます。5179万円余りが軍のほうは支払いをされてない。すなわち安く購入しておると、市町村に移っていないがゆえに軍のほうは、これだけ支払いをしなくてもいいというふうなことでございます。そうであれば、日米合同委員会における取りきめの第1項、市町村が給水をする、2項における企業局がこの準備をして早く移管しなければいけないということでございますが、いつまでもこの準備ができていない、どうこうということで企業局が4700万余りの利益を得るために、市町村に対する移管がおくれるとするならば、これは明らかに軍事費に対する援助だというふうなことを言われてもやむを得ないじゃないか、市町村に移した場合には市町村と同じ価格で売れる、だからそこら辺の問題点をぜひひとつ、いつ市町村に移すか、コザ市を主体にいたしましたところの北谷、読谷、これは何回も県企業局と昨年度からいろいろ打ち合わせをし、厚生省のほうもそれでいい
というふうなことであったようであります。それも聞いております。
このようにして企業局のほうとは、絶えず接触を保ちやっておるわけでございますが、いまだにこれが市町村に移管されていない。それで配分方式を嘉手納、北谷、読谷、美里、この配分方式に対してもいろいろ打ち合わせをしたようでございますけれども、最近においては、これが一部市村のほうからの反対もあってやっておるようでございます。だからこの問題を早く県当局は解決して、配分方式でもけっこうですから、市町村に早く移管しなければ5000万余りが、軍のほうは支払いをしなくてもよいという計算が生まれてくる。企業局が4000万余りのみずからの利益に固執して市町村に移すということをちゅうちょするならば、これは明らかに軍事費援助と言われてもやむを得ないということになるわけでございます。
次に、国体関係。国体関係道路の北谷、コザ、その延長道路、あれに対する計画はどうなっておるかお尋ねいたします。
それから舗装、側溝がまだやられておりません、これが100%だというふうな記録を見ておりますが、舗装、側溝がやられておりません。これはいつになるかお尋ねいたします。
若夏国体は、知事も言われるように、ほんとうに競技は成功したというふうに知事の言われるとおり受け取るとする場合に、これはあくまで復帰ショック、そして地域開発にちなんだところの行事だと、そしてさらに海洋博というふうに私は今日まで理解してまいったわけでございますが、それと関連いたしまして東部海岸の1000万坪の埋め立て、これは昨年8月、小渡議員のほうから質疑がございましたが、いまどのようになっておるかお尋ねいたします。
若夏国体が知事の言われるとおり成功したと、若夏国体は成功だと言っておりますけれども、これはもしコザ、名護において、あの競技が副知事の勇断をもって、会場に、競技にじゃまになるものは排除しろというふうな強い決断があって、あの競技がスムーズにいったものだと私はかように思っております。もし、副知事があの場合に、あの決断を下してやらなければ、おそらく会場はヘルメットで混乱しておったでありましょう。これに対して若夏国体の成功は副知事の功績も偉大なるものだとかように私は思うわけでございますが、知事はどのようにお考えになっておられますかお尋ねいたします。
さらに国体に対し、沖縄教職員の方々が自衛隊の出場する競技に対しては反対だと、沖縄ではあのような反対を唱えてまいりましたが、今後、他府県における国体に、もし、各都道府県から自衛隊の選手が参加する競技には、沖縄の教職員が参加しないのであるかどうか、教育長に知っている範囲でお尋ねいたしたいと思います。
自衛隊が今後、各都道府県で行なわれるところの国体に対し、自衛隊の選手が出場するという場合には沖教組職員は参加しないのであるのかどうか、教育長の知った範囲でお答え願います。
それから中部病院の運営費の問題でございます。これが3月末現在で氷代とか、いろんな薬価代とか、いろいろ合わせて、私が調べたのは6月の19日でございますが、3月末現在で7000万円余り、そうして6月末になると中部病院だけで3600万、約1億からあるというふうに私は見ております。これをいつお払いになるのか、またいつまでも、半年やそこそこもこういうふうに今後もほうっておくのかどうか、納入する野菜代、いろいろな面がこのように支払いされてない。そうすると全沖縄の47年度の決算が6月の21日か22日には全部まとまっておるはずでございます。この赤字は幾らあるか、未払いが幾らあるのか、6月末現在では幾らあるのか、今後とも、半年もそういうふうに支払いをほっておくのかどうか、支払いしておれば、いつ支払いしたのか、何月までの分を支払いしたのかお答え願います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) はじめに米軍と水道の問題でありますが、御指摘されました方針によってこの問題は解決していくつもりでありましたけれども、現在あの方針によって進めておりますものの、一部は解決し、一部は未解決でございます。
そこでいろいろの数字のこともございましたので、その解決されたところはどこどこ、未解決のところはどこどこ、どういうわけであるかということについて企業局長に答えさせたいと思います。
それから次は、北谷、コザ市の道路計画でございますけれども、これは、この道路あるいは安謝から首里までの道路、また奥武山の南側の第7号線等につきましても、この前からも御指摘されるような面がありましたけれども、元来、これは完成して大会にも備えるはずでありましたけれども、御承知のように土地代の高騰、したがって予算関係等が初めの計画と狂いまして、非常に土地の取得に時間を要しまして、結局これはまことに申しわけないと思いましたけれども、大会には支障ない程度にしておいて、だからある面は簡易舗装でもして間に合わせておいてその後に完成しようという措置を取ったわけでございまして、これは引き続き予定の道路は、時は少しおくれましたけれども、完成することになりますので、そういうことを含めて御了解をいただきたいと思います。北谷、コザの線もそういう意味において、これは実現いたしますので、これは部長のほうにお答えさせたいと思います。
それから自衛隊の問題につきましては、やはり沖縄には、特別なひとつの感情もありまして、せっかく記念の大会をもつというのであるから、われわれとしては円滑にこれを運営したいとこう思いましたので、沖縄では自衛隊関係の参加はありませんでした。しかし、他府県が自主的にきめてくることに対しては、私どもとしては、これは参加してよろしい、あれは参加していけないというふうなことは言えませんでしたので、まあ受け入れて、これを混乱なく意義ある大会たらしめたい、意義ある大会というのは選手の多少にかかわらず、全国都道府県が漏れなく参加してもらう、そして沖縄県も幅広く参加していくということを第一義に考えまして、いろいろ詳しいことはきょう申し上げませんですけれども、混乱なくどうしてもこれを実施したいとこう思っておりましたので、遺憾な点もありましたけれども、副知事やあるいは公安委員会をはじめ御当局、これはやむを得ずとられた措置であったと私は考えて、それ以外には道はなかっただろうと思っておる次第でございます。
なお最後に、中部病院の運営費についてでありますが、御心配をかけて申しわけないと思っておりますが、昭和48年3月31日の決算時における中部病院の未払い金は総額2億8850万9000円でありましたが、7月2日現在において全額支払い済みとなっておるようであります。なお、今後は資金繰りの確保につとめて未払い金の早期支払いに極力努力いたしたいとこういうふうに思っております。
○議長(平良幸市君) 企業局長。
〔企業局長大嶺永夫君登壇〕
○企業局長(大嶺永夫君) 水道問題に対してお答えいたします。
まず第1点の復帰後、米軍が保有している水道施設でありますが、現在、いまはっきりした資料は持っていませんが、北谷とか読谷、具志頭、国頭とか恩納などに小さな施設を軍自体で水源を持っております。しかし、その能力、そういうのはいまこまかい資料は持ち合わせておりませんが、大体、7カ所か8カ所あったんじゃないかと思います。
次に、問題の2番の米軍が自己水源で現在企業局から、あるいは市町村から購入している水を自分で生産するおそれはないかという御質問でありますが、私はあまりそのおそれはないんじゃないかという気がいたします。いまの水の事情からいたしまして、米軍は1日約5万トンぐらい使っていますが、これだけの生産の能力はちょっと簡単には得られないんじゃないかと思っております。
次に、軍給水の問題でありますが、この問題は復帰後からいろいろ問題になりまして、日米合同委員会でいろいろ話し合われたのでありますが、西田議員の御指摘のとおり、4つの骨子で3月8日に決着いたしました。その覚え書きに基づいて市町村と米軍との間にいろいろ話し合いが進められたわけでありますが、那覇市と浦添市、名護市、勝連村、中城村、5カ市村は5月30日に米軍との給水契約ができまして、5月30日から市村を通じて米軍に給水されております。残っておりますコザ市、読谷村、嘉手納村、北谷村、美里村、北中城村、それから宜野湾市、具志川市、糸満市、金武村、玉城村、知念村、佐敷村でありますが、そのうち宜野湾市と具志川市は近いうちに解決できるようになっております。これは宜野湾市と具志川市が給水区域に米軍地域の編入許可申請を出していますが、その許可申請が許可なり次第解決つくようになっております。1番問題は、コザ市、読谷村、嘉手納村、北谷村、美里村、北中城村の6市村でありますが、これは嘉手納空軍基地と瑞慶覧基地、これが各市村の区域が入り乱れておりまして、市村ごとに基地給水をやるのができない状態でありまして、1本になってしかできま
せんで、私たちとしては、この6市村に対しまして企業団をつくってやってくれぬかというのを話していますが、それがなかなかできませんので、そんなら企業団をつくるまでの間は、コザ市に給水させてこの利益を積み立てたらどうかというふうに話していますが、それも関係市町村の間でなかなか了解をとられない。私たちはできるだけ早く市町村に移管しようと思っていますが、この企業団の方式が早急にできなければ、コザ市にさせて、コザ市でその利益を積み立てておってやる方法はできないかという案も提案しているわけでありますが、なかなか関係市町村の了解が得られない状態であります。
それから金武、玉城、知念及び佐敷は、水道事業の認可の業務がおくれておりまして、その関係ができないと移管できないという状況であります。糸満市も地域に軍の区域がまだ糸満の給水区域に入ってないために移管できないという状態でありまして、私のほうはできるだけ早く市町村に移管したいと思っております。
それから4番目の販売価格の問題でありますが、西田議員の御指摘のとおり、私たちが直接軍に販売していますのは28円46銭、市町村に販売していますのは17円84銭でありまして、10円60銭ぐらいの差があります。
御指摘のように、コザのメーターで去年5月15日から3月31日までの水量は517万2000トンになっておりますが、これがコザ市の分、美里の分、嘉手納の分あるいは北谷の分がこのうち幾ら含まれるかということは、ちょっと80%とか何とかいうことははっきりは言えないんじゃないかと私は思っております。確かに517万トンに対しまして、いまの差額の分企業局は増収になっているわけでありますが、この利益の増収のために、市町村に対しまして、この移管をおくらしているというふうなことを私たちは全然そういう気持ちは持っておりません。できるだけ早くこの関係市町村が話し合って、早く解決してもらいたいというふうに思っています。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 北谷――コザ間の国体道路の延長の計画については、本道路が中部地区における幹線道路であるとの考え方から、国体道路の終点のコザ市営競技場から嘉手納航空隊第2ゲートを経まして、八重山の県道27号線の交点までは、昭和48年度の国庫補助で調査費と事業費の一部が計上されておりまして、現在調査測量中でございます。計画路線の設計が完成次第軍用地の開放申請を行なう段取りになっております。また、八重島から美里村池武当の県道16号線の交点までは都市街路として引き続き整備する計画になっております。
次に、県道16号線交点から石川までの延長につきましては、石川から那覇に至る縦貫道路との関連もございますので、今後検討したいと考えております。現在工事中の道路の完成の予定は8月をめどにしております。
○議長(平良幸市君) 労働商工部次長。
〔労働商工部次長 金城作一君登壇〕
○労働商工部長(金城作一君) 公有水面の埋め立ての件ですが、これはお話しのとおり復帰前に琉球政府が中城湾と金武湾に3800ヘクタールを取得して、そのまま県のほうに継承されております。この条件といたしまして、免許の日から20カ月以内に埋め立て工事の実施設計、認可申請をするようにという条件が付されておりまして、その期限が1月の12日でございます。そこで、現年度予算で一応その調査設計の費用が計上されておりますので、現在企画部のほうで出ております土地利用計画との調整も必要ですし、関係部との調整も必要でございますので、それらの調整を進めながら、基本計画とこの申請に必要な実施設計の手続をとりたいというふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 西田文光君。
○西田文光君 企業局長にお尋ねいたします。
積み立て方式ですね。各市町村の配分、これが算定は出ております。それで各市町村が合意で積立方式でいくならば、いつでも中部の市町村に企業局は移管してよろしいというふうに理解してよろしゅうございますか。
○議長(平良幸市君) 企業局長。
〔企業局長 大嶺永夫君登壇〕
○企業局長(大嶺永夫君) この積み立て方式といいますのは、6市村の区域がはっきりしないし、基地として1つの水道網になっているものですから、別々に水道事業ができないわけなんで、そのときにコザ市を水道事業者として各市町村が同意を与えなければいかないわけです。同意を与えて、コザ市がその金を、もうけた金をコザ市の企業会計で使ってしまったら各市町村が同意を与えないものですから、使わないでこれは積み立てておって、そうして将来企業団に移行するときに使ったらどうですかという意味で、いろいろ話しているわけなんです。それもこの6市村の間では、なかなか意見が一致しない。そこに1番問題があるわけでありまして、私のほうで引き延ばそうとか、そういう意図は全然持っておりません。那覇市も全部これは移しましたが、1つの基地がたくさんの市町村が全部混在して、非常に問題の解決がむずかしくなったわけでありまして、そのために企業団でやったらどうですか、企業団ですぐできなければ、一応コザ市にさせて、関係市町村はコザ市に同意を与えて、そしてコザの企業がもうけた金は使わないで、積み立てして、将来一緒になるときに使ったらどうですかという助言もいろ
いろしているわけですが、なかなか関係市町村の同意が得られなくて困っているわけなんです。
○議長(平良幸市君) 西田分光君。
○西だ分光君 コザ市が処理してやってほしいというふうないまの答弁ですが、一応各市町村の分担すなわち面積から通っておる配管、いろいろ勘案したのは企業局のほうへ出ているはずでございます。コザ市が55.5%、北谷町が18.5%、嘉手納村が24.5%、美里村が1%、読谷村が0.5%というふうに、これは企業局のほうへ出ておるかと思います。そこでいま事業免許を与えられているところはコザ市だけだというふうに私は記憶いたします。だから、その点コザ市へ早く移したいというのが本音であるとするならば、早く市町村に移して、何も軍のほうに年間5000万余りも援助する必要はございません。各市町村に早く移したほうがいいんですよ。いまさら軍のほうに5000万余りも援助する必要はないんです。
○議長(平良幸市君) 企業局長。
〔企業局長 大嶺永夫君登壇〕
○企業局長(大嶺永夫君) この管の種類によっての配水方式というのが全然できないわけなんです。配水方式はこれはもう自治省も厚生省も全部問い合わしたんですが、配分方式はできないんです。それで結局、企業団かどっちか1カ所の市町村がやる以外にいまのところ方法はないんです。これはあれだけあの区域が水道の施設が、この市町村の区域によって全部別個の施設ではないし、全部一体になっている施設なものですから、各市町村への配分の方法というのはできないんです。これがむずかしいんです。これは厚生省も自治省も全部問い合わしたんですが、この方式ができないんです。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
午後2時39分休憩
午後2時40分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
比嘉 昇君。
〔比嘉 昇君登壇〕
○比嘉 昇君 本員はさきに通告いたしました事項につきまして、所感の一端を述べながら質問をしていきたいと存じます。
沖縄県政誕生後1年を経過しましたが、過去1年間の屋良県政を顧みて、県政の現状をどう評価するか。これは将来の行政展開の上からも肝要なことだと確信いたしております。率直に申し上げまして、屋良県政1年の歩みは試行錯誤的で停滞を続け、軌道に乗るどころかますます混迷を深めているのが現状だと確信いたしております。この混迷ぶりを各部ごとに指摘してみたいと思います。
まず、企画部でございますが、沖縄アルミの誘致計画の流産に続きまして、このたびは第3セクター方式による北部開発公社の設立構想も流産いたしております。
厚生部は、医療事情の立ちおくれた本県で、その抜本的対策が望まれながらも、適切有効な諸策を見出せないまま、どろなわ式のずさんな、そしてスローモーな県民不在の行政ぶりは、夜間緊急医療の問題や昨日来指摘されております宮古病院の問題など、県民をして不安のふちに追い込んでいる実情でございます。比謝川の汚染の問題もしかりでございます。
労働商工部のほうも、軍雇用員の給料遅払い問題で世論の批判を浴び、また、南風原の内陸型工業団地造成計画、最近におきましては海運行政、その無策ぶりを露呈しておるのが実情でございます。
農林水産部は、サトウキビの価格の決定に際しまして、その姿勢の弱さが社大党の宮良議員からも指摘されているとおりでございます。こういう始末で、日一日と破壊をされていく沖縄農業に対して抜本策を見出せずにおるわけでございます。
土木部は、予算執行体制の弱い屋良県政のサンプルみたいな存在でございまして、2月定例議会では、予算執行体制の確立をはかれと議会のほうから付帯決議というおきゅうまですえられている始末でございます。
総務部は、2月定例議会でいわゆる宝くじ案件の否決という憂き目を見ております。
以上のとおり各部とも満身深手を負いまして、瀕死の状態にあるとしか表現のしようがない混迷ぶりでございます。そして停滞しているのが屋良県政の実態であります。しからば、かかる県政混迷と停滞の原因が那辺にあるかについてでございますが、いろいろ理由が考えられる中で、私は次の諸点に集約されるものと考えております。
まず第1点は、知事の指導力の低下ないしは喪失であります。振興開発計画の柱として、また知事の言う3大事業の1つとして、知事が強力に推進なさろうとしておられる海洋博そのものについて、また海洋博成功のかぎを握っておるといわれる北部開発公社あるいはまた海洋博協賛宝くじに対し、知事をもり立て擁護すべきはずの与党あるいは支持母体である団体から反対ののろしが上がっておることがこれを如実に示しております。こういう知事の重大施策に対し、与党各派との調整が難航し、あるいは与党説得に失敗するというケースが昨今とみに目立っております。ある意味では異質多頭の馬車に乗り込んだ知事の宿命とも申せましょうが、県民の側からすれば放置しておけない問題であります。その責任が復帰後の政党系列化の波にのまれた与党にあるのか、県民との対話をうたい文句にしながら、知事が政策の企画立案の段階で、みずからを取り巻く与党各派との対話に欠けた知事の姿勢にあるのか、そのいずれにあるかは別といたしまして、迷惑するのは県民であることを知事は肝に銘ずるべきであります。
かかる県当局と与党との見解の不一致は、両者の相互不信にまで発展しているかに私は見受けております。ちなみに5月12日付沖縄タイムスの記者メモによれば、人民党の仲松議員が記者会見をして、こういうふうな声明を出しておられます。北部開発公社に反対の表明をしたあとで、県首脳の中には、公社設立に進退をかけている者がいる。革新県政の中の三井、三菱など大手資本に奉仕することに心血を注いでいる者がいるとは、全く解せない。われわれもいろいろと怪情報をきいていると意味深長な発言をしたと掲載されております。また6月7日付の同じ記者メモによれば、与党側は宮里副知事、喜久川企画部長の独走を警戒しており、いわゆるMKラインの独走にブレーキをかけるのが6月定例議会の議会対策の1つだと書かれております。これに対し県執行部サイドからは、6月9日沖縄タイムスによれば、知事はいうところの担当者の独走説を否定しております。さらに6月18日付沖縄タイムスによれば、担当者の喜久川部長は北部開発公社にかわるべき最善の具体案は何か、この点について何らの対策をもたないまま、無理解と反対のためのあげ足とりに終始する周囲にあいそがつきたと辞意を表明し
たと書かれております。はたしてこの無理解と反対のためのあげ足とりに終始する周囲とは何かお聞きしたいところであります。こういう調子では知事のいう対話どころか、調整といったものでもなければ、政策論争でもありません。完全な感情的対立であり、泥試合としか言いようがございません。
それだけではございません。知事の指導力の低下は県執行部内部の意思不統一としてあわられております。部長会で決定いたしました北部開発公社の構想の内容が次長会において骨抜きにされるとあっては、行政秩序の紊乱もはなはだしいと断言してははばかりません。かかる状態ではたして県民の信託にこたえることができるか疑問であり、むしろこれは県民福祉を阻害するものだと断ぜざるを得ないのであります。
県政混迷第2の原因は、県首脳が政治情勢の洞察力に欠け、適切、迅速な政策の企画、立案、施行ができないといういわゆる行政能力の欠除にあります。
先ほど指摘いたしました各部の失態も、おおむねこの点に起因していると思慮いたします。
昨年の事業費のうち150億円もの事業費が未執行となり、与野党を問わず執行体制の弱さを深刻に受けとめたことは記憶に新しいのであります。
執行体制を強化する必要がありとする声は、何も与野党だけでなく県民の世論であるといっても過言ではございません。
与党サイドから副知事の2人制をはじめ、部長人事の刷新、更送を強く迫ったのも、これまで指摘しました相互不信を一掃して、信頼関係を回復し、もって執行体制を確立するにあったと思慮いたしております。私はそう受けとめております。
そこで知事にお伺いします。
県政混迷の評価をどう受けとめられるか。それから県執行部と与党相互の不信をどう受けとめておられるか。
2、県首脳の人事を刷新する必要ありとお考えか、それとも現体制で県民の信託にこたえ、行政責任を果たせるとお考えなのか。
3、副知事2人制につきまして宮良長義議員の代表質問に対し、その必要は認めるが構想はまだ固まっていないと答弁されましたけれども、これは人選中と受け取ってよろしいですか。
第4、いうところの6月人事に関しまして、小橋川議員と仲松総務部長との間にまないた議論がございましたけれども、仲松総務部長のお話によれば、新聞が部長人事を書きたてたので記者に対し自分の心境を言うたというふうに答弁を承りましたが、これは人事刷新、特に県首脳の人事更迭を求める与党を意識しての発言ではございませんか。
5、人事異動に関し、与党との調整をしたことにつき、人事構想について調整しただけであって、個々具体的な調整ではないと強調しておられたが間違いありませんか。
次長以下の人事であれば政党の介入は今後に悪弊を残すとして、社会党が調整を拒否したという報道に接しましたが、この報道は事実無根でございますか、以上お尋ねいたします。
質問の第2点、県当局の議会に対する姿勢について。
私は、2月の定例議会におきましていわゆるいうところの工事中止による損害賠償の問題について取り上げたわけでございますが、その際、この条例が承認案件が議決された中で付帯決議がついております。この附帯決議の中に、地方自治法の規定を尊重し、議会軽視と疑われるような行政措置をとらないこと。損害賠償の調停は、案の段階で議会の議決を得ること。こういう付帯決議がなされておりますけれども、この趣旨は守られているかどうか、明快なる答弁を求めます。もし守られていないとすれば、議会を無視したと受け取ってもよろしいですか、その点を明快にお答え願いたいと思います。
お答えをいただいた上、時間があれば観光政策について質問したいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) ただいま復帰後1年間の歩みについていろいろ御所見があり、御批判がありましたが、私は責任の重大性にかんがみまして虚心たんかいにこれを受けとめまして、いろいろ反省もしたいと思います。
私は、終戦27年間といういわゆる戦争というものを経て、そして終戦27年というような不遇な沖縄の状態に置かれている沖縄県民、その間に派生したいろいろの問題というのはなみなみの問題じゃないと思っております。たとえば復帰のあと始末、復帰処理、戦後処理の問題にしてもしかり、それから27年間もおくれている県政を軌道に乗せていくことしかり、それから基地からの影響を受けておる社会の混乱あるいは経済のひずみ、そういうようなものを軌道に乗せていくという事柄は、27年ぶりに発足した。他府県と非常なる違いがそこにあると思います。そういう諸問題を具体的に解決していくのには、ほんとうにこれは限りない困難なものであると思う。それはわれわれの力には限りがあって、限りある力でどうしてこれを乗り越えていくかというようなことに常に不安、心配を持つものであります。そういう意味におきまして試行錯誤というような御批判もありました。また混迷ぶりという御批判もありました。企画、厚生、労働、それから農林、土木、総務部いろいろありましたけれども、私は御批判に対しては、県民福祉につながることでありまする以上は、虚心にこれは受けとめたいとこう思います
けれども、これをどう評価するかということにつきましては、やはり力の足りなさを覚えることは事実でありますけれども、しかしながら、このような困難をきわめた沖縄の大転換期におけるところの、しょせん経なければならないところの歴史的過程ではないかと私は考えております、こういう問題を。われわれはそういう間にその混乱、混迷も貫いて終始一貫県民の福祉ということを念頭において、あるビジョンを描いてまじめな沖縄づくりというようなことにわれわれは専心没頭しているということははっきり断言いたします。
それからいま言われましたような事柄につきましても、事が大事であるだけに、われわれはいろいろの御批判、また与党、野党いろいろな御批判もあります。一般の御批判もあります。それを聞きながら、やっぱり自分の思うとおりにいかないということであればそれに従わざるを得ないと、たとえば宝くじの問題にしましても、あるいはまた北部開発公社の問題にいたしましてもそういうようなこと、あるいはアルミの問題いろいろたくさんあげられましたけれども、そういうようなこともやっぱりこれは皆さんの御了解、御協力を得られなければどうにもならぬといったときには、やはりそれに従わざるを得ない面もいたしかたがないとこう思うのであります。確かにこれは指導力の低下というようなこともいろいろ例をあげられましたですけれども、私といたしましては一生懸命にやっておるつもりでありますけれども、さっき申し上げるような、ひとつのむずかしい諸条件の中から生まれた問題のあんまりにもむずかしい、日にち、毎日、日々夜々、これはむずかしい問題の連続でありまして、これを逐一解決していくのに容易ではないために、これは快刀乱麻のように解決できていけないという悩みはあります。
そういう点県民の皆さんに御心配をかけておるということも私は十分反省して申しわけなく思っておりますけれども、しかしながらいま私はこういう地位に立っておりまする以上は、その地位に立って私の誠意のあるだけを尽くしてこれに当たって、その困難を乗り越えていく努力をしなければならないそう思っております。
こういう意味において、御理解の上御協力をいつも仰ぎたいとこう思っている次第であります。
なお、人事問題についてもいろいろございましたけれども、たとえばMKラインというようなことも言っておりましたけれども、そういうことはないということを重ねて私は断言いたします。
それは私もある考えをもって、そして副知事以下いろいろの指示もして働いてもらうのでありまして、決して独走しておるのでもないということ、それから辞表問題がありますけれども、それは私にそういったようなことを言ったこともございません。
それから県内部の不統一、不統一といって、しかもいま例として部長会議で決めたことを次長会でくつがえされたと、そういう事実はなし。部長会議できめていろいろの問題をプロジェクトチームとして検討せしめたことはありますけれども、それによってくつがえしたというようなことは、これは誤解でありますので、私は骨抜きにされたなんということはありませんので、そういうこともはっきりさせておきたいとこう思います。
なお、副知事2人制ということに対してはいま人選中だと考えていいかということでありましたけれども、そうではありません。それはいまいろいろそういう意見を聞いて、あれこれと検討中でありまして、いま人選中というようなところまで至っておらないとこういうことであります。
それから人事異動につきまして、これはきのうも申し上げましたとおり、与党から干渉を受けたこともないし、それから調整をしたこともありません。そういうことははっきり申し上げておりますので御了解をいただきたい、いろいろ御意見を拝聴するというようなことはありました。どうかひとつそういう意味におきまして、ただいまの御批判は、しかしながら私は謙虚に受けとめまして、反省すべきことは十分反省いたしますので、どうかひとつ御了解をお願いしたいと思います。
最後に、県当局の議会に対する姿勢として、いま比嘉議員から御指摘がありましたことにつきましては、おそらく議案第28号について関連することではないかと思いますが、それについてお答えして御了解得たいと思っております。
議案第28号との関連で執行部の議会に対する姿勢について御指摘を受けたわけでございますが、県といたしましては、この件についてはまだ和解が成立していないとの立場で議会の御承認を求めたわけでございます。ところが和解については訴訟法上の和解と民法上の和解とがあり、今回の和解は訴訟法上の和解でありますので、法律上は当事者双方の主張の譲歩の陳述によって和解が成立しているとすれば、これは執行部が恣意的に議会を無視してやったわけではありませんので、今後そのようなことは絶対にないよう執行部内及び県の訴訟代理人とも十分お話し合いをしたいと存じますので、そう御理解をお願い申し上げます。
○議長(平良幸市君) 比嘉 昇君。
〔比嘉 昇君登壇〕
○比嘉 昇君 先ほどの私の質問に対し、たとえば宮里副知事、喜久川企画部長の独走はないというふうなことを力強く断言されましたけれども、しからば新聞報道は事実無根でございますか。
また、部長会で決定をみた北部開発公社の構想の内容が次長会で骨抜きにされたということも新聞に報道されておりますが、これも事実無根のでっち上げであるかどうか。たしかか喜久川企画部長は本土からお帰りになったあと、部長会で決定された北部開発公社の内容が骨抜きになっているということで不満を表明したという記事も私接した記憶がございますが、これもすべて事実無根でございますか。
なお、知事は、行政混迷の原因といたしまして私が指摘しましたいわゆる県執行部と与党各派との意思不統一と申しますか、相互不信、これは現にあらわれておると私は確信いたしております。これにどう対処していかれるおつもりなのか。どう受けとめておられるか答弁をお願いしたいと思います。
なお、仲松総務部長にも、先ほどの件について答弁をお願いしたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 重ねて申し上げますが、私はMKラインというようなことはないという新聞との関係において御質問がありましたけれども、そういうようなことはないというふうに考えております。
それから喜久川部長が非常にがっかりしたということは、これはあり得ましょう。というのは、これは私の指示を受けて一生懸命にやりましたので、それがやはりいかぬというとがっかりすることはやむを得ないとこういうふうに考えております。
それから政党の皆さんとのいわゆるそご、いろいろあるということでありますけれども、これはいろいろ政党は政党としてのお考えもありまするし、また執行部は執行部としていろいろ意見の食い違いもあるにはありますけれども、やはり互いに理解できるまで話し合いをしていくというような姿勢は私たちも持っておるし、また政党の方々も持っておられるとこういうふうに思って、むずかしいことではあるけれども、時によってはかみ合わない議論もしながら話し合いをして提携し、協力していってこの困難を乗り越えていく以外にはない、このように考えております。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
〔総務部長 仲松庸幸君登壇〕
○総務部長(仲松庸幸君) お答えいたします。
きのうに引き続きまして総務部長のまないたにのせられているといったようなことでの新聞記事があったと、そういったようなことについて御質問があり、与党に気を使っての発言じゃないか、あるいは人事の方針だけを調整したのかといったような御趣旨の御質問だったと思います。与党各派には部長の人事につきましていろいろとそれぞれの立場から期待をお持ちになっておられるかもしれないということは私は想像しております。
しかしながら、いかような形にしても私はこれを直接聞いたことがございませんので、別に与党を意識してのまないたにのせられているんだということではなくして、きのうもこの席でお答え申し上げたわけでございますが、私自身6月人事という意義づけをし、あるいは位置づけ、あるいは印象づけるようなことばづかいを一ぺんもしたことございませんし、その段階で人事に関して新聞記者の会見をしたこともございません。発表をしたこともございません。人事というのは最後のまとまりまで公表しないものでございます。そういったようなことで御理解いただけると思いますけれども、記者に人事の構想その他について話したことはございません。したがって、まともな形での、公表する形での人事に関する記事はないはずではございますけれども、やはり部長更迭を含めての6月人事であるといったような推測記事もしくはその推測にしてもいろいろ記者としてのそれぞれの手腕、力量に基づいて書いたことと思いますけれども、ともあれ公表したコメントではないのに、6月人事ということばをつかい、かつ部長更迭を含む大幅の人事異動だといったようなことを書いてある。こういったようなことについて部
長更迭をも含めての期待があるとするならば、私自身を含めて部長全部がまないたにのったようなものではないかといったような記者との雑談がそうなったわけでございまして、別に意図してコメントしたものではないことを重ねて申し上げ、御理解いただきたいと思います。
なお、5月の29日の午後与党運営委員会で、昭和48年度幹部職員人事異動方針案について報告申し上げ、御意見をお聞かせ願いたいと申し上げたのは事実でございまして、それはきのうも申し上げましたけれども、重ねて申し上げますと、執行体制の強化をはかるための各部に次長2人制を設置する。さらに海洋博協力局も次長制を置く。それから参事、副参事は知事公室以外の場合はできるだけ整除していくと。各種委員会との人事交流を促進していきたい。こういったようなものを中心とした昇格だとか、有能な人材の起用、適材適所への配置、そういったようなことがいろいろあげられるわけでございますが、こういったようなものについて方針案を報告し、そして可能な限り御意見をお聞かせ願いたいと私のほうで報告したことは事実でございます。その際個々人について、人についての人事案件としての御意見については、私の立場で処理しかねますので、あらかじめ申し上げますということをお話申し上げておりますし、その場合の各派代表6名の方も当然のことだということに立って、先ほど申し上げました執行体制の強化策としての人事方針について御意見を承ったわけでございます。
以上きのうと一部重複いたしますけれども、御報告、御説明申し上げお答えにかえます。
○議長(平良幸市君) 比嘉 昇君。
○比嘉 昇君 自席から質問いたします。
去る2月の定例議会におきまして、宮里副知事はいわゆる損害賠償の案件につきまして、和解案ができた時点で議会の議決を求めなくても違法ではないけれども、妥当な取り扱いではなかった。今後は事前に議会の議決を求めるという答弁をなさっておられました。議会のほうといたしましては、この答弁だけでは了とせず、付帯決議という議会の意思を県当局のほうには送っているはずでございます。しかるに附帯決議がなされてまだ間もないのに、再び議会の承認を得ないまま和解に応じております。
先ほど知事は、民法上の和解、訴訟上の和解、私にもわからないことをおっしゃっておられましたけれども、もし、この関係について詳しい方がおられましたら、裁判所で正式に和解になっているはずでございます。そうであれば議会の議決権を無視したことになり、私たち議会の意思を踏みにじったことになります。この責任をどうおとりになるお考えでございますか。
○議長(平良幸市君) 警察本部長。
〔警察本部長 神川誠太郎君登壇〕
○警察本部長(神川誠太郎君) お答えいたします。
ただいま御指摘の損害賠償和解の問題につきまして、事案は、議案に掲載されておりますとおり41年に発生をいたしまして45年有罪判決を受け、その間損害賠償の公判が幾度となくもたれまして、その後和解のあっせんがあったわけでございまして、その話し合いの過程で県の代理人としてお願いをしておりました弁護士の方に、事務的な関係でいろいろお願いをしておるその内容の認識のしかたで、私どもの認識では和解の成立、和解調停が成立するという通常は合意が整って、そして事務的には調書がつくられ、調印ということになりましょうが、その合意の意味のとり方におきまして、本件の和解の合議についていわゆるした話でございますが、そのときに当方の態度としましては、あくまでも附帯決議にいわれておりますとおり、議決を得て初めて正式の手続にのせられるものでございますので、その態度を留保したわけでございます。その意味合いで成立していないという私どもの解釈でおったわけでございます。その意味あいで成立していないという私どもの解釈でおったわけでございます。したがって、提案段階で成立はしていないという認識、解釈のもとにおいての認識でおったわけでございますが、
その後裁判所の解釈では、そのような最終的な態度の留保があったにせよ、その後の事務的な、あるいは実務的な面での歯どめが足らぬというような印象といいますか、歯どめが足らぬというような印象といいますか、私どもの認識において欠けておったということが解釈的に相違点がございまして、そういう意味あいであれば私どもの配慮の足らない面もあったかとも思いますが、当初の議案提出段階におきましては、和解調停成立という認識はさらさらなく、あくまでも本会議の議決を得て、その精神にのっとって附帯決議の御趣旨を踏まえまして、そして手続をのせておったという趣旨は貫いてきたわけでございますが、たまたま法解釈の面で、その点で至らなかったという解釈上の問題もございますので、今後再度そのようなことのないよう十分注意してまいりたい、かように考えておりますので、何とぞ御了承いただきたいと存じます。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) ただいま部長からもお話がありましたとおり、決して恣意的に議会を無視してやったわけではありません。これが行きがかり上こうなりましたことにつきましては、私からもおわびをしておきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 10分間休憩いたします。
午後3時19分休憩
午後4時43分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
比嘉 昇君。
〔比嘉 昇君登壇〕
○比嘉 昇君 先ほどの議案第28号に対する知事の答弁がまだ釈然としない面がございますので、重ねて答弁を求めたいと思います。
私が議案28号につきまして取り上げましたのは、その内容とかあるいは金額に疑義があってお尋ねしたわけではございません。金額的にも小さい事件ではございますけれども、議会と執行部との間にはどうしても守ってもらわなくちゃならないルールというものがあるわけでございます。これが自治法の規定であり、あるいはまた議会の議決だろうと私は理解しております。しかるに先ほどの知事の答弁にありましては、この議案につきまして、恣意的に議会を無視したわけではありません、行きがかり上こうなったことは、私からもおわびを申し上げますというふうな、何かしら第三者の落ち度というものを知事がわびるというふうなあいまいな答弁がなされております。
私は、行政の最高責任者である知事の答弁として納得がいかないわけでございます。提案者でもございますが、最高の責任者としての知事の御答弁を求めているわけでございまして、いま一度明快なる答弁をいただきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) このことにつきましては、先ほども申し上げましたように、決して恣意的に議会を無視したわけではございませんが、附帯決議がこうしてあるにもかかわらず、結果的に皆さまにたいへんご不満をお与えすることになりまして、まことに申しわけなく、心からおわび申し上げます。再びこのようなことのないように十分注意をしてまいりたいと思います。
○議長(平良幸市君) 岸本安神君。
〔岸本安神君登壇〕
○岸本安神君 本員は、沖縄社会大衆党の所属議員の一員として、また与党の1番バッターに立つに当たりまして、質問事項に従い、順次質問を行ないたいと思います。
質問に入る前に、知事をはじめ県民の皆さんに復帰2年目を迎えるに当たり、ここに県民の皆さんに、昨年の内外ともに激動の中で県政に積極的な御参加、御協力を賜わり、復帰1年を無事終了いたしましたことに際し、心から厚く感謝申し上げます。底にみなぎったその根底には、県民の皆さんが一体となって平和で美しい県政の実現を目ざした愛県の精神にあると理解できるからであります。
さて、御承知のように1972年5月15日は、言わば沖縄県民の多年の念願であった本土復帰が実現したのでありますが、しかし復帰後2年目を迎えた現在、沖縄県民が希望と躍進に満ちた復帰ではないということであります。そこで本来ありますと、全県民が復帰1年を過ぎた現在が歓喜と深い感銘のもとに、躍進に満ちた2年目の始まりになるものと予想されていたわけであります。ところが、現実は県民にかつてない試練を要請しており、これからもなお幾多の重大な問題に直面するものと思われるのであります。すなわち戦後27カ年の間の苦労を克服し、ついに日米政府を動かして、みずから要求した復帰を日米の政治課題としてこれを解決させた県民の不屈の精神に思いをいたすとともに、復帰2年目を迎えてなおさまざまな試練が県民にだけ強く要求されることを重視しなければならないと考えるわけであります。
御存じのように物価問題、軍用地解放問題、本土企業の土地買い占め、さらに現在問題となっております軍労働者の解雇問題など、県民を大きく変えていくものと見られております。復帰2年目を迎えた沖縄の苦悩、それはまさしく政府の政治、経済政策のしわ寄せによるものと考えられるわけであります。特に本土企業の土地買い占めにより、自然、農業、漁業までが破壊されようとしている現実に対し、全県民が一体となって、勇気と忍耐をもって土地を守る戦いをしなければならないと本員は考えるわけであります。
さらに県民は、国際政治や経済のもたらす諸条件を克服して、今度こそは真に主体的な体制を創設し、県政の発展、県民生活の向上に専念すべき重大な課題を背負っていることを覚悟しなければならないと思います。もちろん県政も日本を取り巻く諸情勢に関連しつつ展開されるわけであると考えますけれども、また世界の政治、経済、軍事などあらゆる面から、その戦後構造の調整に入っていると考えられるわけでありますし、さらに各都市においても経済成長に対応し、都市行政の立場から調整に入ったと思います。政府においても県民生活の調整が必要だといわれておりますし、そのためには県知事が、復帰実現をしたように、さらに県民が国際政治を向こうに回して、最大の知恵を発揮し、これまでの試練を基礎に体制を万全にされ、新しい県民の自治の創造へ、そして政治経済は県民主権でその理念に基づいて県民が戦わなければならないと考えるわけであります。資本の論理に対する人間の論理、さらに統治の論理に対する自治の論理、すなわち自治の原点復帰を高らかに皆さんとともに戦うことをお誓い申し上げまして質問に入りたいと思います。
本員の質問事項にありますようにまず1点、本土との格差是正と復帰処理について、その点についてわが党の代表質問で政審会長の宮良長義氏が質問なりましたので、まず執行部の皆さんに要望を申し上げたいと思います。
格差是正と復帰処理については、本員は日米軍事占領中、アメリカ軍また基地から存在するいかなる問題、すなわち人的、物的障害が沖縄県民の正当な権利として保障されず、そのためには国に対し、補償措置の法律等を制定することが先決であります。そのためには、県執行部も大いに各部の連携をとりながら要請していきたいことを要望につけ加えておきます。
2点目の生活環境審査会については、次回に回したいと思います。
また、4点目の特殊教育の実施についての問題については、11番議員の新垣議員から質問がありましたので、取り消しをしたいと思います。
3点目の北部縦貫道路についてお尋ねしたいと思います。
まず1点、土地の取得についてでありますけれども、海洋博に向けまして土地の取得が緊急になっております。その状況についてお尋ねしたいと思います。
2点目に、日本道路公団と県との関連について質問をいたします。
さらに3点目に、県の農業政策の立場から、石川――名護間におけるその農地としての位置づけをどう考えているかを質問したいと思います。
そこで先般小橋川議員からも質問がありましたけれども、県道104号線についてであります。そこで私が車ではかった距離を皆さんに、執行部に説明し、その104号線が経済道路、生活道路に重要な道路であるということをまず申し上げたいと思います。県道8号線すなわち名護市の許田から県道4号線の間、安富祖の間11.7キロにあります。また県道4号線安富祖から県道6号線仲泊から嘉手納ロータリーまで12キロあります。それからするとその4号線が重要なる東海岸に抜ける経済、そして生活道路であることを忘れてはならないと思います。ここでその104号線がどうして海洋博関連事業の1つとして入らなかったのか、また北部縦貫道路との関係はどういうふうに県として位置づけているかその点を御質問したいと思います。
以上答弁に従い、自席から再質問をお願いします。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) ただいまの縦貫道路の件、104号道路の件につきまして土木部長に説明させます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 北部縦貫道路の土地の取得状況について申し上げます。
北部縦貫道路につきましては、昨年12月2日に路線発表以来、鋭意その用地取得に努力をしてまいりましたけれども、当初一部地域から路線変更の強い要望がございまして、道路公団並びに県においてその調整に手間どったために、用地取得業務に約1カ月程度の時間的なおくれを来たしましたが、幸いに関係市町村並びに関係者の御理解と御協力を得まして円満に解決を見たわけでございます。5月7日に金武村伊芸区を除き、一斉に単価を発表し、各地区ごとに契約を進めてまいりましたが、現在までの用地取得状況は次のとおりとなっております。
まず、民有地について申し上げますと、道路用地取得面積が全体で93万568平方メートル、関係人が567人となっておりまして、契約済みが面積におきまして38万7144平方メートルで42%、関係人が374人で66%となっております。
公有地について申し上げますと、用地取得面積全体で90万8853平方メートルのうち、石川市17万9283平方メートル、金武村が10万2590平方メートル、宜野座村47万4563平方メートル、名護市15万2417平方メートルとなっております。
公有地につきましては、5月31日付で関係市村に対し、公有地の譲渡についての申し入れをいたしており、関係市村において現在議会の承認を得る準備が進められております。
軍用地については、道路が完成した後に解放されますが、確定地または立ち会い可能性の場合は、租税特別措置法の規定による2000万円の特別控除の特例、代替資産を取得した場合の課税の特例等の関係で今回取得することになっております。また立ち合い不可能の軍用地につきましては、防衛施設庁より賃借し、工事着工の際は土地所有者より起工承諾並びに軍用地から解放することについての同意を得ることになっております。なお、名護市幸喜区、許田区の契約が他に比較して少ない状態でございますが、現在鋭意関係地主と交渉を重ねておりますので、近く解決を見るものと考えております。
農地の対策につきましては、縦貫道路建設に伴いまして農地が相当つぶれることになっておりまして、県民にとっては農業への意欲をそぐばかりでなく、将来の生活に重大な影響を及ぼすことでございますので、看過することができませんので、関係市村とよく協議の上、善後策を講ずるように努力しておりますが、道路公団といたしましても、工事から出る残土を利用して、傾斜地あるいは谷間等を埋めることによって農地造成に役立てることができればということで関係地主と協議を進めておりますので、県といたしましても、そのような方途を講ずるよう道路公団に対し、強く要請をいたしております。
なお、104号線につきましては、当初108号などの横線と同時に海洋博関連事業として取り上げてもらいたい旨の考えを持っておりましたけれども、やはり大きな事業が集中するというふうなこともございまして、関連事業といたしてではなく、きのうも御答弁申し上げましたとおり一応舗装工事を48年度にいたしまして、49年度以降も国庫補助を要請して改良舗装工事を行なうというふうな計画になっておるわけでございます。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 比嘉行雄君登壇〕
○農林水産部長(比嘉行雄君) 海洋博関連道路と関連して農道の問題、これは先日小橋川議員のほうにもお答えいたしましたとおりでございまして、縦貫道路が施設される場合、その場合に農道が破壊されることがあるわけでございまして……。
○岸本安神君 私の質問は、県の農業政策上、この名護から石川の間のその位置にどういうふうな計画をしているかということです。農道とは関係ないんです。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
○農林水産部長(比嘉行雄君) 縦貫道路が施設されることによって農地が壊廃されると、こういう問題かと存じますけれども、基本的には、農地が無秩序に壊廃されるということであるのは非常に困るのでございまして、われわれは農業振興地域の整備に関する法律によって、それらの地域の農業が、優良農地が確保されて農業が発展する方向で農業振興地域指定を現在続けております。これは50年度までに49カ町村を指定を行なうことになっております。そういうふうに農業振興地域整備に関する法律の網をかぶせることによって、この土地に農業が安心して発展する方向でやっていきたいと思います。また同時に農地がむやみに乱開発され、あるいは買い占められるという問題につきましては、農地法上の歯どめをもちまして、転用規制、権利の移動制限等の措置を法律上の配置によって農地を守っていこうという姿勢でございます。
○議長(平良幸市君) 岸本安神君。
〔岸本安神君登壇〕
○岸本安神君 本員が農林水産部長にお尋ねしたいことは、琉球政府時代に名護の許田、そして幸喜のその縦貫道路を通る土地に補助をもちまして、琉球政府の政策補助をもちましてお茶をつくったわけであります。ちょうど5カ年を過ぎたときに、これからお茶つみをして、みずからつくったわけであります。ちょうど5カ年を過ぎたときに、これからお茶つみをして、みずからつくったその1つの産業としてもってこようとするときに縦貫道路が通るということでいま問題になっているわけであります。そのときに私は、土木部とさらに農林水産部が本当に農業を思うならば、具体的にそのお茶を特定の場所にまた農地をつくって移すとか、こういうふうな具体策がないかどうかということをお尋ねしているわけであります。
先ほど土木部長からのお話がありましたけれども、谷間を埋めて農地に転用していきたいというふうな考えがありますけれども、農林水産部としてはこれに関連してどういうふうな具体的な対策をお持ちであるか、その点をお聞きしたいと思います。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 比嘉行雄君登壇〕
○農林水産部長(比嘉行雄君) 非常に具体的に内容がはっきりいたしましたんですけれども、例の地域は復帰前からいわゆる保安施設地区制度によりまして、公共投資としての造林がしっかり行なわれました。あるいは一部にはパインあるいはいま言ったようなお茶の生産が行なわれるかと思います。ただ、先ほど農地法上のいわゆる適用による歯止めを行なうということでございますけれども、農地法上、たとえばただいま縦貫道路に使用されるということでございますけれども、これらの農地を農地以外に転用する場合には、農地法上の第4条の規定によりまして、国または都道府県が農地を農地以外のものにする場合には、これらの規定の適用がないということでございますので、これはまだ十分報告は受けておりませんけれども、道路公団との話し合いの中で十分煮詰められることができることだと思います。ただ問題は、保安施設地区の問題はやはり保安林立法によって、その林域が道路として使用されることと、それから存置することのそれぞれの公共的な効果、その比較論によって解除するかしないかという問題がおそらく決定されるだろうと思います。慎重に検討してみたいと思います。
○岸本安神君 終わります。
○議長(平良幸市君) 島田哲男君。
〔島田哲男君登壇〕
○島田哲男君 本員のさきに通告しました質問要旨につきましては、これまでの質問である程度了解はいたしておりますけれども、せっかく通告いたしてありますので、順を一応変更しましてお伺いしたいと思います。
まず最初に、中央高校の紛争についてでございますが、このことについてもきのう村山議員の質問でその答弁から一応了解はいたしておりますが、あまりにも社会問題として大きく発展したこの中央高校の紛争については、まだまだ幾多の問題が残されておりますので、このことについて県当局の御見解を承りたいと思います。
中央高校は、去る3月下旬以来紛糾し続けているこの争議は、罪もない在学生や新入生が希望と夢を抱きながら楽しく待ちわびていた始業式や入学式も開かれないまま、とうとう去る4月21日から休校宣言がなされ、以来今日まで長い長い空白状態の中で労使ともに不信感をますます深くし、混乱状態を続けており、いまや平和な明るい学園に戻る解決の見通しは全く暗いというのが実情であります。
本員は昨年12月の定例議会においても、国際大学と沖縄大学の統合問題に端を発したこの中央高校の存廃問題に触れまして、県立高校への移行について強く要望してまいりました。
ところで中央高校はその特性を生かし、私学としての存続する決定がなされ、学園立て直しのため2億円とう巨額の補助金の交付が決定し、ここに新生中央高校が再スタートするものと大きく期待していただけに、このたびの長期紛争は全く遺憾に思います。
特に近日、ロックアウトという最悪の現時点においては、ただただ労使間の問題ではなく、大きな社会問題として、政治問題として重視しなければならないと痛感するものであります。
あしたに夢と希望を託して向学心に燃ゆる1600名の学生諸君が、その争議の犠牲になっていることは一刻たりとも放置できないゆゆしい問題であるからであります。
幸いと申しましょうか、昨日からこの労使間の問題に社会も動き出して、ようやく地労委のあっせんによる立ち会いで団交が再開されているということであります。新聞の報ずるところによれば、きのうの時点では9つの問題点に触れて、そのうち2つのほかは妥結したということを聞いて、その解決のめどがある程度明るくなったことに対して、若干安堵の胸を感ずる次第でございます。しかし、このことは15項目に及ぶ労使の話し合いの問題がありますが、引き続き本日の1時から残された問題についても話し合いがなされるようでありますけれども、私のところに届いております15項目の問題点からしまして、第三者が考えてみても2~3点につきましては期日を要する問題があろうかというふうに心配するわけであります。
そこで県がこれまで再度この問題に行政指導をなさったということをきのうの御答弁にもございましたが、私は去る5月21日県執行部を訪れまして、総務部長にこのことにつきまして訴えるつもりでお伺いしましたが、あいにく部長不在で文書課長に直接お会いし、事の問題を申し上げて、1日も早くこの問題解決に取り組んでほしいという旨のことを要望をいたしてございました。その後2カ月以来なかなかその問題の解決も見ないままに今日に至っておりますが、いま一度県執行部は高い次元に立って、かかる紛争が2度と生じないように、そしてまた1日も早く問題が解決し、学生に夢と希望を与える平和な学園に戻していただくことをより一そうの行政指導を強力に推進していただくことを希望するものでございますが、このことにつきまして一応きのう了解はしましたものの、知事のこのことにつきまして一応きのう了解はしましたものの、知事のこのことにつきましての御見解をいま一度お伺いいたしたいと思います。
次に、国体関連道路工事につきまして、このことにつきましても午前西田議員から質問がございましたが、大体似通っておりますので割愛したいと思いますが、1、2点ばかり不可解なところがございますので、質問を申し上げたいと思います。
国体関連道路については、北谷村58号線からコザ市へ通ずる県道27号線については、国体を目指して急ピッチに工事が進められてまいったわけでございますが、しかし、工事は思ったよりはかどらず、関係者に多大の心配をかけたところでございましたが、どうやら国体競技には支障なくぎりぎりに簡易開通したのでありますが、国体終了後さっそく工事が再開されましたが、工事は遅々として進まず、その早期開通に大きく市民が期待をしているものであります。しかし、先日いただきました土木部の資料によりますと、おおむね70~80%の進捗状況となっておりますが、私直接現場の状況を見て回った場合、この工事竣工にはさらに大幅に遅延するのではないかと心配いたしておりますが、その見通しはいかがでしょうか。また、大幅におくれた理由はどのような理由でおくれたかどうかお伺いいたします。
なお、この道路の石川市までの延長計画についても先ほど質問がございましたが、その答弁で八重島までの分については48年度で調査が完了するということでございますが、結局は石川までの延長について、1200メートルの延長の建設については、中部関係市町村がこれまでたびたび関係当局に要請し続けてまいってきたことであり、その早期実現が望まれておるわけでございますが、その見通しについてもお伺いいたします。
次に、公有水面埋め立てについてお伺いいたします。
公有水面埋立法第2条の規定によりまして、昨年の5月の復帰直前に本当の東部海岸一帯の約3800万平米の埋め立て権を県は取得いたしております。すなわち与那城村の屋慶名及び平安座地先、具志川市塩屋地先、勝連村浜屋地先及び美里村泡瀬地先、北中城村の熱田地先、中城村の久場及び奥間地先、佐敷村の兼久地先等の公有水面の埋め立てが工業用地や公共用地の目的で免許されたと承っております。このことについては、中部の各市町村の任意団体で構成する中部振興会においても、10有余年来、東部海岸一帯の開発の一環として開拓事業の構想を進めてまいったところであります。
そこでお伺いしたいことは、この地域の埋め立て工事の認可申請や土地利用計画等については、来年の1月がその期限だと聞いております。県が豊かな県づくりの一環として、本島中南部都市圏整備をなすための振興開発計画の策定の実現については理解いたしておりますが、聞くところによると、県は与那城村屋慶名地先から具志川市金武湾にかけての公有水面埋め立て工事をアラビア石油や共同石油にそれぞれ65万坪、24万坪の埋め立て認可を与える計画があるやに公害に悩まされている与那城村民から承りましたが、その真意のほどはいかがでしょうかお伺いいたします。
また、その他中城村、泡瀬一帯のこの埋め立て構想につきましても、その埋め立て権の譲渡申請がなされたということも聞いておりますが、その辺の御計画はいかがでしょうかお伺いいたします。
またこのことにつきましては、今回、政策科学研究所による沖縄県土地利用計画の報告がなされておりますが、この問題とも関連して開発計画の再検討も考えられるかどうか重ねてお伺いいたします。
次に、開発金融公庫の融資につきましてお伺いいたします。
復帰と同時に設立されました沖縄振興開発金融公庫は、文字通り広く沖縄の産業開発に必要な資金の供給を任務として発足したことは、論ずるまでもなく大きく期待されています。私はきわめて不安定の中にある沖縄の中小企業の育成とその近代化施策については、早急に抜本的な措置対策が必要であるものと痛感いたしております。すなわち高度化のための施策、設備近代化や経営管理の合理化の施策、環境整備の施策、小規模企業のための施策など沖縄の中小企業の実態に合うように、それぞれの施策に特別の配慮が払われる必要があります。
中小企業向けの融資については、その貸し付けの対象や条件及びもろもろの貸し付け制度に一応広く歓迎されているにもかかわらず、一般的に不満の声が多く、かつ敬遠されているやに聞いております。
特に基地関係業者やその従業員においては転業資金、生業資金あるいは環境衛生資金等に大きく期待を寄せて融資申し込みをしたものの、3~4カ月になってもその処理さえされていないのが実情であります。その理由として、公庫に伺いますと、職員の不足ということであるが、全くせっかくの制度が生かされずに遺憾にたえません。県は、このことに対しどのような手段で県民の声を、要望を受けとめ、公庫に対し進言なされますかお伺いいたします。
最後に、県立高校敷地の買い上げにつきまして、このことにつきましては昨年の12月の定例議会にも触れましたが、いわゆる復帰後も県立高校として各市町村にある元政府立高校が県立高校に移行されても、結局その敷地が市町村有としていまだに県へ転移登記がなされないままに現在多々あります。このようなことはたいへん矛盾に感じますが、これを早急に県は移転登記の準備を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
特にコザにありますコザ高校の場合は、コザ市並びに美里村の両市村によって土地を購入し、県へ無償貸与というかっこうになっておりますが、この問題につきましても御見解を承りたいと思います。
以上質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 初めの中央高校の紛争問題についてでありますが、これはきのうも総務部長にその過程について説明してもらいましたけれども、これは関係部局であるところの総務部におきまして、ずっと前から行政指導、仲に立って指導もしてきておるのでありますけれども、なかなか紛糾に重ねて解決されるに至りません。事は、御指摘のようにやはり生徒の教育、公共的な教育に関することでありまして、一刻も放置しておけない問題でありまして、引き続き県といたしましては仲に立ってこれが円満に解決するように努力を続けるつもりでございます。そして中央高校を私学として育成すべく努力するつもりでありますが、総務部長にもう一度簡単に説明させます。
それから国体の関連道路についてでありますが、これにつきましてはどうもたびたびで恐縮でありますけれども、関係土木部長に答えさせます。
それから公有水面の埋め立てにつきましては、労働商工部長次長に答えさせたいと思います。
それから公庫の御質問については、総務部長に答えさせたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
〔総務部長 仲松庸幸君登壇〕
○総務部長(仲松庸幸君) お答えいたします。
きのうも御質問がありましてお答えしたことと若干重なるかと思いますけれども、私立学校の場合は、公権力の介入は許さないのが原則であります。したがいまして、きわめて独自性の強いものでありまして、行政上の措置にはおのずから限度があるということをきのう申し上げました。これまでの紛争の仲に立って指導してまいりました過程においても、労使から不当な介入だとして拒否されたこともたびたびありますし、その限度をしばしば感じさせられてまいったわけでございます。しかしながら7月の2日に至りまして、PTAあるいは学校当局者、教職員諸団体、それから中部振興会の方々、さらには生徒会長の代表を含めまして、正常化をはかるための行政指導を要請してきております。私どもとしましては、6月の20日ごろまでに授業が再開されない場合は、来年3月卒業生出せるだろうかという心配があり、6月20日が限度だとこう見ておりまして、そういうところから先ほど申し上げましたように、行政指導ないしは措置についてもおのずから限度があり、かつ現実に労使のほうからしばしば拒否されたということがありますけれども、事ここに至っては1600名の生徒にあまりに影響が大き過ぎ
るといったようなことで、そういったような面からの授業再開をめどにした大所高所からの話し合いをして解決すべきだという形で強力に指導してきたわけでございます。幸いにしまして、きのうからきょうに至りまして、地方労働委員会の仲立ちで団交が進められておりますし、先ほど島田議員からお話がございましたように、基本的なものについて幾つか話し合いがまとまっております。ところで先ほどお話のございました15項目についてこまかく話し合いが進められているわけでございますが、これまでの間に、これはしばらくなりますけれども、理事者側あるいは労働者側あるいはPTA、同窓会、こういったようなものに対して、県の立場から接触いたしました。それぞれの主張、言い分といったようなものを聞いた上で、大体、それではこういったようなものが問題になるであろう、この問題が解決すればいいのではないだろうかと思われるものについて、できるだけよりどころをもつことが話し合いの場づくりになるんだという観点から、15項目を話し合いのたたき台として示したのがこれでございました。私ども、このような形で引き続き今日まで指導をしてきたわけでございます。もちろん限度があると
言いながら、事ここに至ってはどうにもならないというところから、このような指導をやってきたわけでございますが、幸いこれを中心にしてテーブルにつき、きのうから話し合いに入っておって、幾つかの基本的な問題について了解し合ったということで、たとえば理事長が教学再開をし、その教学再開の日から1カ月後に辞任するものとして、その辞表をPTA会長に預けるなどといったような基本的なものがきのう確認されている状況にございます。私ども、この地労委の仲立ちで行なわれている団体交渉が実りあるものになって、近々のうちに授業が再開されていくことを期待し、これを見守りながら、なおかつ強力な行政指導を必要に応じて行なっていきたいとこう思っております。
それから開発金融公庫について御質問がございました。沖縄振興開発金融公庫の融資状況は、最近公社から入手しました資料によりますと、昭和47年3月末日現在におきまして、事業計画額は560億円となっておりますが、これに対する申し込み高は389億円で、先ほど申し上げました事業計画額の69.5%となっております。そのうち、貸し付け決定をいたしましたのが323億円で、申し込み高に対しまして83%となっております。ところでこういったような状況につきまして、もう少しいくのではないだろうかと思っておりましたけれども、当初におけるところの公庫の融資条件の利率を申し上げますと、6.8%から7.3%で、制度資金としては当初金利が高いと思われたこと、また手続事務面でも、特に市中銀行の取引における顧客信用取引制度を活用していた向きにとっては、なじめないものではなかったというようなことが考えられております。
そこで県としましても、これらの問題点を調査、検討いたしまして、運営協議会を通していろいろと意見していったわけでございます。沖縄側委員は、県知事とそれから県会議長になっております。そのお2人がメンバーに入っているところの運営協議会を通じて、次のようなことを申し入れをいたしました。
貸し付け利率の引き下げ、復帰に伴う事業転換資金の使途の範囲の緩和、貸し付け資金の融資ワクの増額、貸し付け金対象の拡大、総資金量の増加と融資限度率の引き上げ、手続事務の簡素化と迅速な処理、こういったような5~6点につきまして改善すべく意見し、努力してまいりました。その結果、利率については0.2%から0.3%の引き下げが行なわれ、さらに手続事務の面におきましても、ことしの3月9日から市中銀行及び信用協同組合連合会等の本店及び支店において貸し付け委託業務が行なわれるようになりました。また限度額につきましても、当初の500万円ないし1000万円というものを6月1日から2000万円まで引き上げられるようになり、かなりの改善がなされておると思います。
以上のことから御理解いただけるかと思いますが、今後も県、沖縄開発庁、総合事務局及び開発金融公庫との協議会並びに開発金融公庫の――先ほど申し上げました運営協議会等あらゆる機会を通して、沖縄の特殊事情、先ほどお話のございましたいろいろな事情を考慮した上に立つ経済の振興、社会の開発を積極的に推進すべく資金の効率的活用がはかられるよう県としても努力していきたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 地方労働委員会事務局長。
〔地方労働委員会事務局長 大浜賢永君登壇〕
○地方労働委員会事務局長(大浜賢永君) 国際学園中央高校の紛争につきましては、労働争議だという観点から地方労働争議委員会におきましても大きな関心を持っておりまして、これまで数回にわたって争議の実態調査を行なうとともに、労使双方の事情聴取等を行なってまいったのでございます。この問題は、労使相互の不信からくる対立が根深いものがあるように感じているわけでございます。この問題は、労使相互の不信からくる対立が根深いものがあるように感じているわけでございます。去る5月16日に使用者側つまり重野理事長から団交促進を内容とするあっせんの申請がございましたけれども、一方の組合側のほうから、この問題は労使の当事者双方で解決をはかりたいので、地方労働委員会のあっせんはしばらく遠慮してくれというようなこと等もございましたので、それ以後事態の推移を見守ってきたわけでございますが、先月の27日に再び重野理事長からあっせん申請がございましたので、組合の意向をただしましたら、地労委のあっせんによる団体交渉に応じるというような意向が示されましたので、さっそく、きのう午後1時から7時半まで地労委のあっせん委員並びに事務局職員の立ち会
いのもとに団交が開かれているわけでございます。きのうの団交では、大きな項目で15項目、小さい項目を入れますと20項目にわたる問題点の指摘があったわけでございますが、その問題点を中心にして話し合いがなされたわけであります。そのうち7項目についての労使双方の合意ないしは了解が得られております。残りの問題につきましては、本日引き続き午後1時から団交再開の手はずになってございます。目下、団交が開かれているかと思います。地労委といたしましては、この団交再開をきっかけにいたしまして効果的なあっせん活動を行なうことによって、この争議を早目に解決をするよう一そうの努力をいたすつもりでおります。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 県道23号線のおくれた理由につきましては、先ほども御説明申し上げましたけれども、この工事は、北谷村の桑江からコザ市山内間の延長4キロメートル、幅員平均が15.75メートルを計画し、該区間のほとんどが軍用地にかかるために、昭和47年2月に米軍に対し軍用地の返還要請をしておりましたが、返還されないままに復帰を迎えまして、復帰後は防衛施設局を通じまして強力に要請を続け、昭和47年の12月1日、日米合同委員会において事前着工が許可されたので、防衛施設局と協議の結果、47年12月10日に実質的に工事着工をしたのでございます。該道路が新設道路であるということと、雨天や資材不足、用地取得の難航などの悪条件が重なりまして、当初の予定より大幅に工事がおくれたわけでございます。なお、残工事につきましては、早期完成を目ざして鋭意努力をしておりますが、8月中には完成する見通しでございます。
なお、この工事の八重島までの区間については計画にあるが、それ以北についてはどうしたのかというふうな御質問でございますが、もともとこの工事は、北谷村のほうから石川に至る縦貫的の意味を持つ道路として計画されたわけでございまして、当初から国体関連事業として16号線までというふうな考えもありましたけれども、やはりこの工事が軍用地内を通るということもございますし、また工期がないというようなこともございまして現在のような状態になったわけでございますが、この工事についての重要性はやはり早期にこれの完成が望まれておるものでございまして、建設省からの視察調査団などの機会をとらえまして、絶えずその重要性を強調してまいっておりまして、国におきましてもこの点十分理解をしておるわけでございますので、われわれとしましても、道路関係及び都市計画関係から、両側からその延長についての事業を計画し、49年度でございますが――の要請を準備したわけでございますが、道路課と都市計画課の調整の結果、この道路は、八重島以北については、16号線までの間は、都市計画街路といいますか――として整備をしたほうがいいというふうな結論になりまして、都市
計画街路として引き続き整備をするというふうなわけでございまして、決して八重島までをやって、それ以北はやらないということではございませんので、今後その実現に向かってわれわれとしては最善の努力を尽くしたいという考えでございます。
○議長(平良幸市君) 労働商工部次長。
〔労働商工部次長 金城作一君登壇〕
○労働商工部次長(金城作一君) 公有水面の埋め立て問題についてお答えいたします。
先ほどお話のございました金武湾の地先、具志川地先のアラビア石油等への埋め立て権の譲渡の問題については、話し合いをしたこともございませんし、そういう申請を受けたこともございません。検討したこともございません。そういうことは、いまのところ考えてもおりません。それから県の埋め立て権を持っている地域に民間から埋め立て権の譲渡の申請が出ております。これについては土地利用計画のほうで一応新環境保全についてきびしく条件が付されておりますし、そういった土地利用計画の関連あるいは県が現在私たちのほうで中南部の工業開発の基本計画等の検討を進めておりますので、そのようなことの関係で、いまのところそれを直ちに民間に譲渡するということも考えておりません。
○議長(平良幸市君) 教育長。
〔教育長 津嘉山朝吉君登壇〕
○教育長(津嘉山朝吉君) 県立高等学校の用地の買い上げについて御説明申し上げます。
いわゆる高等学校の急増対策後の高校、これは市町村やPTAあるいは振興会によって立てかえてあったわけでございます。年次的にこれは早急に県が買い上げる必要があるということで47年度でも7万9500平米購入いたしましたし、あと残っている面積は2万2000平米でございます。したがいまして地主との調整がつけば、48年度で年次買い上げ分については完了します。しかし、そのほかにいわゆる旧連合区立高等学校、これは連合区立から琉球政府に移管した学校でございます。その借用地は私有地が14万8000平米、市町村有地が33万9000平米、後援会有地が12万6000平米、合計しまして63万5000平米残っているわけでございまして、これは先ほどお話しがありましたように、県立移管の際に無償貸与するということになっているわけでございますが、しかし、関係市町村から強い要望もございますし、十分これを検討しまして年次的に買い上げていくというふうに年次的に措置していきたいとこのように考えております。
コザの高等学校敷地につきましても総面積4万7000平米、はしたは切り捨てまして、県有地が県に登記されているのが2万7000でございまして、コザ、美里後援会有地としてまだ残っているわけでございます。その中で47年度におきまして、コザの市有地につきましては6387平米購入いたしました。それを他の市町村よりも先行させた理由につきましては御説明申し上げて御理解いただきたいと思います。特にコザの場合には戦後急激に人口が集中し膨張しまして、多数の学校を新設しなければならなかったと。さらにその学校の整備、校舎、体育館等の対応費等、それは地方自治体に相当の負担をかけたということで、一応コザのほうの自治体の負担等を考慮に入れまして買い上げを先行したということでございまして、しかしまだ依然としてコザのほうも9107平米、美里が6988平米まだ残っているわけでございます。年次的に措置していきたいとこう考えております。
○議長(平良幸市君) 与那覇寛長君。
〔与那覇寛長君登壇〕
○与那覇寛長君 さきに通告した要領に従って私見を述べながら質問をしたいと思います。
最初は知事にお願いをいたします。沖縄の過密、過疎の現象は基地周辺に職を求めて人口が集中したため起こった現象であります。復帰後もこの現象は少しも変わっていません。沖縄振興開発計画も大体いまの人口分布を基礎として計画されておりますし、おそらくこの状態は将来も続くのではないかと思います。なぜなら人間は一たん定着したらほかにかわりたくないし、どんなに環境が悪くても、金持ちはいざしらず、一般庶民は環境選択の自由を持っていないからであります。いわば沖縄の過密、過疎はアメリカの基地が生み出した公害の1つであるといっても差しつかえないと思います。アメリカはこの基地を確保し、ベトナムを侵略するため、軍事優先の政策を27年間とってきました。いま問題になっている交通機関、医療問題、公害問題、軍労働者の解雇問題、過大規模校の分離あるいは新設校の問題、すべてアメリカの軍事優先政策が大きい原因だと私は解釈しております。すなわちアメリカは軍事優先政策をとったため、市民が共同使用する社会資本、生活基盤、教育施設の投資をすべてあと回しにしました。言うなればアメリカの27年間の軍事優先政策の病根が一時に噴出したのが、いま県民を悩ま
しているこれらの問題であります。この状態を那覇高校3年生の比嘉利津子さんは、「日本が忘れていった28歳になる奇形児」と表現をしております。28歳になるこの奇形児が正常にならないまま、海洋博というプロジェクトが押し寄せてきました。奇形児がびっくりして心配するのも無理はありません。この海洋博は、沖縄開発の起爆剤として沖縄振興開発計画の一環として位置づけられておりますが、わずか2~3カ年の短期間で2000数億円の巨費が、しかも局地的に集中されますので、われわれしろうとにもいろいろの不利益の問題が起こることは十分予想されます。知事は、これまでの御答弁でデメリットは十分注意を払い、最小限度に食いとめたいと申しておられますので、私は知事のことばを信用したいと思いますが、知事は海洋博のけんらん豪華な建物や施設にだけ目を奪われることなく、底辺に住む住民の暮らしに絶えず目を向けられ、知事がいつもいわれる人間尊重、県民福祉優先の信念を貫かれ、がんばっていただきたいことを要望いたします。
話を過疎化に戻しますが、戦前の農村と戦後の農村は2つの点で大きく変わりました。その1つは、人口流出、特に若年層の流出によって産業基盤が崩壊しつつあるということであります。あとの1つは自給経済から商品経済へ移行しつつあるということであります。あとの1つは自給経済から商品経済へ移行しつつあるということであります。宮古を例にとるならば、農業は年寄りと女にまかされ、宮古の唯一の産業であるキビは毎年毎年減少し、7~8年前は40万トンの収量が、一昨年は干ばつのためでもありましたが、わずか5万トンに減り、昨年は24万トン、来年は気象条件がよくても20万トンを割るのではないかといわれております。農村も商品経済へ移行したため、現在生活費をかせぐため、宮古では約5000人の季節労働者が郡外へ出ております。一家の大黒柱がいないということは産業基盤の崩壊だけでなく、家族崩壊にもつながる大きい問題であります。
以上申し上げましたことを背景に、次の2つの質問に対し知事の御答弁をお願いしたいと思います。
一たん外で定住している人間をもとに戻すことは困難でありますが、せめて現在の人口だけでも維持しなければならないと思いますが、海洋博によってさらに人口のバランスがくずれはしないか心配ですが、これに対する知事の対策をお尋ねいたします。
現在の国際情勢から見ても農業人口をふやし、自給度を高めていかなければならないと思いますが、沖縄振興開発計画では、現在の農業人口を25%から13%に減らす構成になっていますが、御検討なされるお考えはないかお伺いいたします。
2番目の農業問題について農林水産部長にお伺いいたします。
1つ、キビ代について
去る6月26日の農民大会で私が感じたことは、あの大会は普通の値上げ闘争とは違うということでありました。あの大会は生活をよくするための戦いではなく、生きるための戦いであったのであります。追い詰められ、どうにもならない人間が置かれた極限の状況を私はあの大会で見たのであります。東西1000キロの地域から1万余の農民が集まったというこの事実は、沖縄にはいろいろの問題があるが、キビ代値上げほど重要な問題はいまの沖縄にはないぞということをわれわれに訴えていると私は思うのであります。
農林水産部長は、あの農民大会をどのように評価されているのかお伺いいたします。
農林水産部長は、記者の質問に答えて、ただ数字をはじき出しただけでは国を説得することはできないと言われたという記事が新聞に出ていました。私もその答えは間違っているとは思いません。数字の計算にのみ明け暮れ、人間の声明のとうとさを知らない国の役人を説得することは並みたいていではないでしょう。あのえたいのしれないむずかしいパリティ計算はおそらく農民は知らないでありましょう。したがって1万3000円という数字は、国を説得することはできないかもしれません。しかし、私はこの1万3000円は農民が生きるためのぎりぎりの数字であり、苦しい生活の中から自然ににじみ出た数字であり、生命の奥深い本能から出た数字であると思っております。
農林水産部長は、この1万3000円をどのように考えておられるかお伺いいたします。
流通機構の整備
宮古の上野村がことし本土に移出したニンジンの量は1万3238ケースで13万2380キログラムとなっています。農民の手取りは約600万円、船のチャーター量が4回で1200万円、手取り金の2倍になっています。村長も農協長も話していましたが、流通機構が整備され、政府の補助でもあればニンジンの将来は明るいといっていました。これは他の野菜や畜産にもいえることですが、これに対する部長の構想があればお伺いしたいと思います。
さきに4回船をチャーターしたと申し上げましたが、1万3000ケースのニンジンは2回で運べるそうであります。鮮度を維持するため、短時日で間に合わさなければなりませんので、2回でできるのを4回で運んでいるわけであります。それで農協は冷凍施設の必要性を訴えておりました。前の流通機構、冷凍施設は振興計画の中にも計画されていますが、いつごろ具体化されるかお伺いしたいと思います。
次、農害虫の駆除
宮古のことしのウリミバエは、異常発生で農家に大きい損失を与えております。
さきに宮古の市町村長会から県に要請があったと思いますが、ヘリコプターによる駆除は可能かどうか。また久米島の駆除試験の結果はどうなっているかお伺いいたします。
宮古のことしのキビは成長が悪く、枯れたりしているのでその原因を調べましたら、クサゼミの幼虫がキビの根をかじっていることがわかりました。この幼虫の駆除方法は研究されているのかどうかお伺いいたします。
3番目の下地島訓練飛行場
このことについては、2~3日前の新聞に出ていましたので質問の必要性もなくなったと思いますが、確認のため土木部長にお伺いいたします。
私は、去る5月調査に行きましたが、あのときすでに第1期工事はほぼ完了し、伊良部総合開発会社のトラック35台は仕事がなく休んでいました。この伊良部総合開発会社は、名称は大手企業並みでありますが、もとの地主たちが土地代を出し合ってつくった小さな会社であります。私の関心は、飛行場が1日も早くでき上がることにあるのではなく、もとの地主たちの行くえがどうなるかということにあります。それでこの会社の運営についても心配していましたが、第2期工事も近日中に開始されるような報道でありますので安心していますが、開始の時期、工事の規模等についてお伺いいたします。
4、教育問題
過大規模校の解消について
沖教祖の資料によりますと、沖縄の過大規模校は小中高において全国の約2倍、高校において23倍の率になっています。これもさきに申し上げたように軍事優先政策のしわ寄せであります。過大規模校の多くは基地周辺の都市にありますので、その解消は軍用地転用以外にはないと思います。すでに転用が許可されたところもありますが、今後の転用計画がありますなら、時間もありませんのであとで資料を流していただきたいと思います。
次は、文化財破壊防止について
質問の資料にと思って、外間琉大教授の「沖縄の文化と文化財」という論文を読んでみましたら、インターナショナルカジマヤーというおもしろいことばがありました。英語と方言をくっつけたことばで、国際的十字路という意味になりましょうか。沖縄の地理的、歴史的宿命を端的に表現したことばだと思います。このインターナショナルカジマヤーによって象徴されるように、沖縄の文化は海外のあちらこちらの国から、この十字路に集まった文化を素材として地理的条件を生かし、沖縄の意志と祖先の創造性を生かしてつくり出されたものであって、価値の高い独特な文化であることを氏は指摘しています。われわれの祖先は実にすばらしい創造性を持っていたのであります。
話は少しそれますが、本議会の質問の中で若夏国体の評価をめぐって論議がなされました。道路が何本できたか、体育館は幾つできたか、そのような即物的な観点からの評価も成り立つとは思いますが、私は、沖縄の伝統的な文化が十分生かされたか。沖縄の潜在的な創造性、エネルギーがどれだけ発揮できたかという視点に立って若夏国体を高く評価したいと思います。
沖縄の創造性が十分生かされ、祖先が残した価値の高いユニークな文化財がそのまま放置しておくと開発の犠牲となって消滅しないかと心配しております。これの防止対策についてお伺いいたします。
次に、校舎及び施設の格差是正を阻害しているものの1つに対応費及び超過負担があると思います。47年度において対応費及び超過負担に耐えかねて返上した件数は幾らあるかお伺いしたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 海洋博と離島僻地の過疎化ということについての御心配の御質問であり、また御意見であったわけでありますが、海洋博は、沖縄の振興開発計画の一環として位置づけておるのでありまして、これを成功させるためわれわれは最大の努力を払っていかなきゃならないとこういうふうに考えております。
海洋博によるマイナスの効果ということにつきましてはいろいろいわれておりますが、県といたしましては、第1次産業や地域社会に及ぼすと考えられるマイナスの効果をいつも申し上げますように最小限に食いとめて、そしてプラス効果を最大にする諸対策を積極的に推進する考えであります。
最近、離島僻地からの人口流出が続き、特に若年層の流出が目立っております。このことは海洋博の開催のいかんにかかわらず、また沖縄のみならず全国的におこっている現象でありますが、このような現象は地域社会の健全なる発展あるいは産業の近代化の面で大きな問題であり、好ましくないことであると認識しております。都市地域においては過密の弊害が露呈し、過密、過疎の問題を解決することは地域における基本的な課題でもあるわけであります。
都市地域の過密の問題は、同時に離島僻地における過疎問題であり、都市問題の解決をはかるためにも目を離島僻地に向けて諸対策を講ずるのでなければいけないと考え、諸計画を実施しているところでございます。したがって、海洋博を成功させるために行なわれる諸事業の実施と相まって、離島僻地に対しては十分の対策を立て、県全域の均衡ある発展をはかる方針であります。海洋博によって離島僻地の過疎化が加速されるのではないかという論議もありますが、このようなことは極力避けるよう努力するつもりであります。すなわち振興開発計画にも示してありますように均衡ある開発をはかるため、那覇、名護、平良、石垣の主要都市を中心に離島との広域生活圏を形成し、その観点から生活環境施設及び交通通信施設等の整備を進めるとともに、産業の振興開発の施策を積極的に推進する考えでございます。
第1次産業について、ことに離島あたりでも非常に心配されるわけでありますけれども、きのうも申し上げましたように、やはり非常に危機に瀕しておるとはいいましても、第1次産業というのは沖縄の第1次、第2次、第3次産業のうちでも基盤的な産業として位置づけて全力をこれに傾注していかなければならないと。そういう意味で特に農業開発公社というような機構も設立いたしまして、十分その機能を発揮せしめて対策を講じてまいりたいとこういうふうに考えております。やっぱり過疎化を防ぐためには、若者に郷里に対する魅力愛着を覚えさせ、郷里を開発するゆえんであるというような自覚を与えてやらなければならない。そういう働きがいのあるところの私は離島僻地というようなものもつくっていくと同時に、やはり離島性、僻地性から脱却せしめるということが非常に大事であります。そのためにはやはり交通運輸の便、また生産の面、また生活の便利、生活環境の整備等いま離島僻地が格差があるということは確かにそうでありまして、申しわけなく思っておりますけれども、特にその面には力を入れて、私どもは海洋博を成功させると同時に、いま御指摘くださいました、御心配になりました面
については、県といたしましても力を入れて離島僻地の振興には最善の努力を払う所存でございます。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 比嘉行雄君登壇〕
○農林水産部長(比嘉行雄君) お答え申し上げます。
最初の質問はキビ価格に関連した問題でございますけれども、最近の農業を取り巻くいろいろな情勢の結果、キビ価格が生産費を償えることができないというような状況の中で、去る6月の26日に生産所得が十分に償えるようにという農民の切なる要求が、この26日サトウキビ要求価格貫徹農民大会ということになったものと受けとめております。
そこで県といたしましては、去る6月22日に全県的な組織として沖縄県糖業振興対策推進協議会を組織いたしました。またその下部組織としての地域協議会の指導育成に当たることになっております。これらの組織を通じまして、糖業のもろもろの問題につきまして十分に検討いたしたいと思います。
そこで総意を結集して政府に対しまして価格引き上げの問題について強く要請していきたいと、かように考えておる次第でございます。
それから宮古地区におけるところの野菜、ニンジンの出荷問題に関連してお答えいたします。
その背景事情は御説明のあったとおりでございますので、特に保冷輸送費の問題について相当超過負担があったとこういうことでございます。これらの問題につきましては私たちも農協長さんとよくよく話し申し上げておるところでございまして、われわれは49年度の事業といたしまして、国庫補助を要求する考えでございます。特に今回のような失敗が出ないように保冷施設あるいは洗浄選別等の施設等に対する補助要請を受けて立ちまして、これを国に予算として要求していきたいとかように考えておる次第でございます。
それから47年度におきまして宮古地区につきましては、野菜生産団地としての指定を行なっておりますが、さらに48年度におきましても宮古地区を予定しておりまして、その生産団地化事業を通じまして、生産施設と並びに集出荷場を建設する計画をいたしております。
なお、輸送に関連いたしましては、県経済連にはコンテナが保有されておりますので、この保有台数をふやすことについての助成措置を講じまして、宮古におけるような先駆的なこうした広域流通体系の整備をはかっていきたいと、かように考えております。
それから病害虫の問題でございますけれども、47年度からは久米島におきましてウリミバエの防除対策を実施しております。これは誘殺法あるいは不妊化法の併用によりまして、撲滅実験防除を実施いたしております。これらのことにつきまして、宮古地区についての航空防除計画が予定されておるかとこういうことでございますが、われわれは宮古に対しても航空防除を予定しております。
それからクサゼミの幼虫駆除の問題でございますけれども、クサゼミの幼虫駆除につきましても土壌農薬を援助することにいたしております。
以上で終わります。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 下地島訓練飛行場の第2期工事開始について御説明申し上げます。
まず復帰によりまして飛行場建設は航空法の適用を受けるようになったわけでございます。昨年の10月に航空法の第38条による飛行場の設置許可申請を運輸省に提出してございます。国は設置許可を与える過程におきましては、現地での公聴会を開く必要があるわけでございますが、その公聴会開催がいろいろの事情によりおくれておりましたけれども、幸いに去る29日に伊良部村におきまして公聴会を終了いたしておりますので、近々設置許可、さらに引き続きまして補助金の交付があるものと思っておりますので、工事発注の準備をしたいと考えております。発注の時期につきましては確約は得ておりませんけれども、離島空港の場合の公聴会開催から設置許可までの事例等からいたしまして、今月末か来月上旬には発注できるものと考えております。
以上でございます。
○議長(平良幸市君) 教育長。
〔教育長 津嘉山朝吉君登壇〕
○教育長(津嘉山朝吉君) 過大規模校の分離につきましては、教育長としましても軍用地の開放がある場合に、教育用地に転用することが望ましいということで一応の転用計画、これは素案でございますが、一応できておりますので資料でお届けしたいと思います。
教育長としましても、一応大規模校の解消につきましては、開発振興計画の中にちゃんと計画してございます。一応学校の適正規模というのは上限が小学校34学級、中学校が29学級でございまして、それをこえる学校は規模が大きいと。したがいまして小学校35学級以上、中学校30学級以上は分離対象校としましてそれを分離する計画で一応開発計画の中で計画してございます。それで前期5カ年計画いわゆる昭和51年までの計画でもさらにそれを具体化しまして一応計画してありますので、軍用地の転用並びにそれも含めまして過大規模校の解消に努力したいとこう思っております。
第2点、文化財の問題でございますが、沖縄の文化あるいは文化財は非常に価値が高いと、それはお説のとおりでございます。したがいまして文化、文化財についてこれをどのように破壊から防止するかという対策についてでございますが、この民族の伝統的な文化等につきましては、それを伝承するための伝承者養成等の予算措置もいたしてございます。
さらに文化財をいわゆる開発等から守ると、破壊から守るという点につきましては、一応貴重な文化財は指定することが非常に重要でございます。したがいまして教育長としましては、さらに文化課の専門委員等今回の補正で一応臨時的任用としまして、実際に動ける定数も増しまして、緊急あるいは総合調査等を集中的にしたいと、それによって文化財の指定と保護に当たりたいと思います。さらに市町村にも呼びかけまして、市町村自体も文化財の保護に立ち上がってもらわなきゃならない。現在文化財保護条例を市町村で制定したところが、あるいは制定済み、制定準備中のものが16市町村ございます。さらに広げていくように指導していきたいと。破壊からの保護のためのパトロールの実施、さらに開発をする側が工事に着手する以前に県教委に事前協議をとってもらうように関係者のほうにも十分連絡をしてございます。そういう考え方で守っていきたいとこう思っております。
さらに第3点、校舎等教育条件の格差是正のために計画が進められているが、市町村はその超過負担に耐えられないで返上したという件数を知らしてくれということでございますが、確かに補助単価と実施単価の相違、市町村の超過負担を余儀なくしております。補助単価を実施単価に近づけるように教育庁独自にも努力しておりますし、既決予算の中でも修正もさせております。さらに引き続きこれは補助単価の引き上げを政府にも強力に折衝したいとこのように思っていますが、市町村の校舎の建築につきましては、市町村の計画に沿って国に要請し、そして市町村がこれを実施していくわけでございまして、返上したというのは計画の修正だと、計画の変更だとこう思うわけでございますが、この変更した市町村の実態が、私いま直ちに資料を持っていませんので、この件つきましては資料でお答えしたいとこのように思います。
○議長(平良幸市君) 与座康信君。
〔与座康信君登壇〕
○与座康信君 本員は、あらかじめ通告いたしましたとおり4点について質問をいたしたいと思います。
まず質問の第1点は、浦添海岸の汚染についてでございます。この浦添の海域が汚染されたということは、全市民にとって大きな衝撃でございました。これは御承知のとおり旧小湾部落の海岸から港川に至る間、遠浅でございまして、子供や婦女子でも安心して潮干狩りができる、いざりができる、このような広範な地域でございます。およそ200万平方メートル程度の遠浅になっている海域でございます。この海域には海草が茂り、熱帯魚が群をなし、魚介類の豊富な地域であるとともに、浦添周辺における唯一の海水浴場になっているところでございます。この汚染の原因は、その上のほうに横たわる第2兵たん部、米軍基地からのたれ流しが原因だと思うわけでございますが、この件については浦添市としても現地を調査し、サンプルを採取して分析の結果を発表してございます。人身に、人体に大きな害を与えるところの鉛や油その他いろいろな要素が含んでいるようでございます。この件につきまして知事もいち早く米軍のメイプルズ小将と会談され、基地内の立ち入り調査について御協議をなされました。この機敏な行動に対して敬意を表するものでございまするが、その調査の結果は一体どういう結果になっ
ているのであるか。汚染の原因はどこにあるのか。それともう1つ言及したい点は、約この3キロに及ぶ海岸線でございまするが、ここには戦前りっぱな防潮用の護岸工事がなされておりました。これが現在皆無の状態でございます。この護岸がなくなったために海水が浸出して、相当な土地が埋没しているような状態ではなかろうかと見ております。こういったような面も御調査になっておられれば、その結果についてお答えを願いたいと思います。それと今後この汚染に対する対策についてお伺いをいたしたいと思います。
第2点は、2級河川についてでございます。これも俗称小湾川というふうな名称で呼ばれているようでございますが、この河川は、浦添の都市計画上、昭和47年度予算に一応は設計費を計上し、浦添の都計を進めるためにはどうしても急がなければならぬ河川工事でございます。こういったような面で設計も完了しておったようでございまするが、これが復帰と同時に、昨年の6月2級河川に指定されまして県が管理するような状況になっているようでございます。したがいましてこの河川に関連する地域、上流は経塚橋でございますので、前田、仲間、茶山団地、経塚、大平、宮城、勢理客の一部、こういったような広範な地域、浦添の人口の約半分が居住する地域でございます。これだけの地域の下水道工事が着工できない状況にあると聞かされております。県においても、この河川の用地取得なども計画されているようでございまするが、これがどの程度進んでいるか。さらにまたつけ加えて申し上げたいことは、現在県が対象としておりまするのは、国道58号線の上流だと聞いております。国道58号線から海岸に至る線、現在は軍の施設内に入っておろうかと思いますが、この下流の工事をやらない限り、上流
だけ幾らやっても河川の役割は果たし得ない状況になるんではないか、こういったような面が非常に心配されるわけでございます。
そこでお伺いしたいことは、県としてのこの2級河川に指定した小湾川についていろいろ計画を持っておられるようでございまするが、どのような構想を持っておられるか。予算執行の面でどの程度進んでおる状態にあるか。さらに国道58号線から海岸に至るまでの軍施設内におけるこの河川については、どのようにお考えになっておられるか、この点について簡単、明確なお答えをお願いしたいと思います。
第3点、聞くところによりますると、ことしの6月の30日、9月の15日に至る間、天願の通信所をはじめとする80万坪にわたる軍用地の返還がなされると聞いております。全面撤去、全面返還を要求する県民の立場から考えればほど遠いものではございまするが、軍事基地が返還されるということは、われわれは一歩前進だと受けとめております。したがいまして、地主としても非常にこれは喜ばしいことであるべきはずでございます。ところが、軍用地が返還されても沖縄の場合、そこに大きな問題が残るわけでございます。これは私が申し上げるまでもなく御承知のことと思いまするが、軍用地が返還されるならば、本来ならば地主はこれを受け取って使用、収益をあげる当然の姿でなければならぬはずでございます。ところが軍用地が返還されても筆界がわからないために、所有区分が明確でないために、地主はこれを自分から使用し、管理することができない。これがいまの実態でございます。われわれ党といたしましても、従来から一貫して要求しておりますことは、土地調査の早期完了でございます。われわれの考えは、戦争責任において、戦後処理の責任として当然国の責任においてこの問題はやってもらわな
ければならない。この考えは一貫しております。しかしながら、沖縄におけるこのような特殊地域の土地の調査というものがはかどらない、はかどらないはずでございます。現行法令ではこのような特殊地域の調査はできない。この問題については、復帰前から琉球政府においても、復帰後も沖縄県からも立法措置をしてもらいたいという要請をやっておられる。私はそれを聞いております。しかしながら、国はこのような立法措置をするような動きにない。今度の国会でもこのような法案が出されたということを聞いておりません。全く怠慢、無責任な国の態度ではないでしょうか。これに対して県は今後どのような対策を講じていかれるおつもりであるか。さらに返還されるこの軍用地は、地主が立ち入って自分の土地ということで、くい打ちができる状況にあるのかないのか、これについてお答えを願います。
さらに第3点目に、このような軍用地が返還される場合、当然復元補償という問題が出てくるわけでございまするが、この復元補償の額というものは、これはその土地の形質によっていろいろ違ってくるとは思いまするが、共通して要求できる算定の基礎と申しますか、こういったような面についてお答えを願いたいという点、さらにこの復元補償の額の算定あるいは手続の方法、こういったような点が復帰前と復帰後は変わっているのであるか、あるいは従来どおりであるのか、この点についてお答えを願いたいと思います。
さらに38号線の件もございます。この件については、後日、私土木部に参りまして詳しくお尋ねをいたしたいと思いますので、その節はよろしく時間をさいていただきたい。以上質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) それでは第1点の浦添海域の汚染度とその対策についてという御質問でありますが、この問題につきましては、あの補給基地がほとんど100万坪もあるだろうと思われる非常に広域な地域でございますけれども、そこの汚染が海をよごしているということで御心配をかけております。県といたしましてもこれを大事に考えまして、軍にも申し出をいたしまして、大体県から13名専門家を出し、軍から13名専門家を出しまして立ち入り調査をして、たとえば検出されたという鉛、カドミウムというのはどういうところから出るものであるのか、あそこでやっている仕事は兵器の修理、それから戦車やあるいはトラックあたりの修復とこういったような作業があります。そしてそれを蒸気で洗いまして、そのものが汚物となって流れていくわけでありますけれども、この問題につきましては企画のほうにもう少し詳しく答えさせたいと思います。
それから浦添市内2級河川のことについては土木部のほうに、それから軍用地の返還あるいはそれの調査ということにつきましては総務部のほうに答えさせたいと思っております。
○議長(平良幸市君) 企画部長。
〔企画部長 喜久川宏君登壇〕
○企画部長(喜久川宏君) 浦添地先海域の汚染についての御質問でございます。
汚染の事実は与座議員が御指摘されたとおりでございまして、これはさきに浦添市が牧港補給基地の排水を調査したところ、排水中に重金属並びに多量の油が検出されております。そこで県でも公害関係担当部門及び衛生研究所の合同プロジェクトチームをもちまして、知事がおっしゃいました13名ずつの要員で、ともに調査をしております。そこで調査では、牧港補給基地周辺の公共用水域の水質それからそこの地底の泥質、魚介類について有害物資等を現在測定分析中でございます。牧港補給基地以外の周辺の公共用水域の水質測定も引き続き行なう計画でございます。また、この立ち入り合同調査団は、基地内の汚染源と思われる部分だけじゃなくて、プラント、そのほかの内部についても総合的な調査をしており、フェンスの内外、採水分析を行なう予定をしております。水質分析の結果、水質汚濁防止法に定める排水基準値を越える場合は、米軍に対し排水処理施設の設置並びに有害物質の排出の禁止を要求していく所存でございます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 小湾川につきましては、浦添市の区画整理事業との関連もございまして、48年度から事業に着手することになっております。構想といたしましては、河口からバイパスに向けて年次的に改修をしていく。48年度分の工事につきましては、まずこの流水の最も隘路になっております国道58号線との暗渠でございます。それの改修をする計画になっておりまして、工事については南部国道事務所のほうでやることになっておりまして、費用の分担につきましては、設計の完了次第はっきりするものだと考えております。そういうふうなことでございまして、小湾の河川につきましては、今後年次的に改修されていくとそういうふうなことでございます。
○議長(平良幸市君) 総務部長。
〔総務部長 仲松庸幸君登壇〕
○総務部長(仲松庸幸君) お答えいたします。土地調査につきましては御指摘のように、これまで琉球政府段階で進めてまいりました土地調査、このほうはいわゆる修正主義によって行なわれる土地の調査でございます。これは公図、公簿と現地と照らしまして、そして経年変化その他を確かめた上で公図を直し、現地を正していくとこういった形の修正主義によるところの土地の調査でございます。これは琉球政府時代における土地調査法といまの現行国土調査法と同じ内容になっております。しかしながら膨大な基地、その中で原状を失い筆界が不明になっているといったようなところでは、終戦間もないころ、あるいはそれ以前の公図、公簿がなくなったり、あるいは終戦直後、しろうとのほうで、しかも手づくりの測量器具でもって拙速的につくった公図、これに基づいて管理がなされているという状況でございますので、すでに現地で筆界が、境界が不明確になったり原状を失ったりしている土地についてはあらためて調査しなければならない。ところが、それも原状ではわからないままに、不明確なままに不定形の土地の形で原状とは違った形で土地が動いていると、こういう状況になっているわけでございま
して、お説のとおり現行法であるところの国土調査法による調査は困難な状態、むしろ不可能ではないかと私もそう思っております。この分につきましては、従前から終戦処理業務である戦後処理業務であり、国の業務である。しかも現行法令によって調査することはできないということで特別立法措置を講じて国のほうでやっていただきたいということで折衝交渉を続けてまいりましたけれども、この仕事が沖縄県の仕事ということになり、かつ補助金の形でもって特別地域土地調査という形で、その調査をいかにすればいいかといったような形の調査をいま行なっているのが現状でございます。そこで今後も引き続き特別立法措置を講じていただいて、その調査が円滑に確実に行なわれ、そして筆界が明確にされ、地籍が明確になるようにしていきたいと考えております。
なお、復帰前に返還された土地の中にはまだ米国政府の原状回復がなされず放置され、遊休化している土地も少なくありません。沖縄協定に基づきその復元補償がなされることになっておりますが、遅々としているためまことに憂慮される状態にあります。
復帰後引き続き軍用地となっている土地が返還された場合には、関係法令によってその復元補償が明確に規定されており、復帰前にみられたような長期間復元補償がなされなかったり、放置されたりするようなことは今後はたぶんないであろうと予想しております。
しかしながら、これも金銭的な補償費支払いについて言えることでありまして、個々の土地が現実に米軍の使用開始時の状態に復元されるかどうかについては、私ども沖縄の特殊事情の中で、と申しますのは、先ほど申し上げましたように公図、公簿といったようなものが必ずしも現地と一致していないといったような状況の中から問題があるところであるとこう思っております。
日米の合意に基づきまして返還され、またはその予告のあった他施設についても、同様に国の責任においてその補償がなされることになります。
復元補償の対象項目について申し上げますと、宅地について米軍の行為により形質変更の被害があった土地については、構築物の取り壊し費用、穴、みぞの埋め戻し費用、砂、砂利等の被覆物の除去、雑物除去費用、その他宅地の回復に必要な費用となっておりまして、農地についてはこれらの諸費用に、さらに地力回復費及び減収補償がなされることになります。
なお、これらの費用以外にさらに米軍等の行為によって土地が敷きならされ、各筆の境界が不明になったものについては、公図を現地に移すための境界設定費用がいずれの場合にも認められます。この場合、しかしながら先ほど申し上げましたように、しろうとが手づくりによる測量器械、器具で拙速的に作成した公図、公簿であるために正確さに乏しく、現地と一致しないむきがありますので、こういったようなことが原因となって生じた諸事案については訂正費用は含まれずに、また所有権申告漏れの救済等に要する経費も復元補償の対象外となっております。こういったような問題は、いずれにしましても現行制度のもとで、行政的な措置をもって救済することは一応困難であると思っております。
したがいまして、先ほど申し上げました地籍の調査とあわせまして、戦後処理事項と私どもはとらえておりまして、国の責任において当別立法措置等によって解決をはかるべきものであり、引き続き国に要請をしていきたいと考えております。
なお、御質問の中に手続にその他について前と違うことがあるかという御質問がございましたので、一応お答えしておきますが、法令のたてまえとしましては、復元補償は地主からの請求を待って防衛施設局、国ですが、具体的には防衛施設局になりますが――において基準による査定がなされ、支払いがなされる仕組みとなっております。ところが実際の運用を見てみますと、まず国のほうが、具体的には防衛施設局のほうで基準による積算査定がなされ、これについて地主と調整し、その上に立って地主からの請求として提出をし、支払いがなされるといったようなことになっておりまして、法令のたてまえと実際の運用の実態というのは違っております。ところでいま申し上げましたのは現行制度並びに運用でございましたけれども、復帰前は布令20号に基づきまして、法のたてまえどおり地主からの請求、そして施設局によるところの査定がなされて支払いがなされるとこういったような形になっておりました。
それから御質問の中に復元補償費の算定基準が含まれておりました。復元補償の対象としては宅地の場合には構築物の取り壊し、それから穴、みぞ等の埋め戻し、被覆物の除去、雑物除去等があり、農地の場合には、宅地の場合の事項以外に客土、雑草の刈り払い、それから砕土、地域回復や減収に伴う費用等が含まれておることは先ほど申し上げましたが、これらについて簡単に算式を申し上げますと、原状回復が容易なものにつきましては資材費、運搬費、労賃、その他の費用を一応加えたものに復元面積を掛けたもの、こういったようなことでももともと資材費、運搬費、労賃その他基準が定まっております。一経費の単価は原則として歩掛かり費用としてつくられているわけでございます。
それから原状回復が困難なものは使用開始時評価額から返還時評価額を差し引いたものについて、復元面積にひっかけたものでございます。原状回復することが社会通念上妥当性を欠くものにつきましては、近傍類似地の評価額に滅失地面積を掛けて算出したのが復元補償費ということになります。
この算式を申し上げましたけれども、もう一ぺん念のために申し上げますと、これらのものの単価は、原則として歩掛かり費用で作成されております。ここでは御説明省略させていただきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 本日の一般質問及び議案に対する質疑は、これをもって終了いたしました。
次会は、明6日定刻より会議を開きます。
議事日程は、決定次第通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時55分散会
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