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平成11年(1999年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 10月 5日
教育長(翁長良盛)
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私学行政の諸施策に関連いたしまして、国立高等専門学校の設置と現存する公立工業高校や各種専修学校との関連についてという御質問にお答えいたします。
高度な専門性や技術の向上を図るための高等教育機関である国立高等専門学校の設置は、本県の自立的発展及び教育の振興を図る上で大きな効果が期待できると考えており、早期設置を国へ要望しているところであります。
高等専門学校は、中学校卒業生を受け入れる高等教育機関で、修業年限5年の一貫教育による実践的な専門教育を行うことが特徴となっております。
これに対し、工業高校は、工業の各分野に関する基本的な知識と技術を習得させることを目的とした3年制の教育機関であります。
高等専門学校と工業高校の入学対象は、両方とも中学校卒業者であることから、高専の設置を念頭に置いた県立高等学校の編制整備の検討が必要であると考えています。
専修学校は、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的としております。現在、県内に44校あり、そのほとんどが高卒者を対象としたものであります。
高等専門学校と各種専修学校とは、その設立目的や教育内容に違いがありますが、それぞれが特徴を生かして人材育成を進めていくことが本県の教育や産業の振興にとって有意義であると考えます。
国立高等専門学校の設置学科や定員等につきましては、今後琉球大学に設置される予定の国立高等専門学校創設準備調査委員会で検討されることになると思われます。
県といたしましては、沖縄の特色を生かした将来的に期待できる分野の人材育成や国際的に活躍し得るより高度な技術者の養成など従来にない高専の設置を国に要望しているところであります。
なお、国立高専が設置されることでの影響等を懸念する向きもあることから、今後とも専修学校などと意見交換の場を設けるなど適切に対処してまいりたいと考えています。
次に、アメラジアンスクールの出席扱いの問題と教育権の問題についてという御質問にお答えいたします。
重国籍児等の教育問題につきましては、アメラジアンの教育権を考える会からの要請を受け、平成10年に県庁内に、平成11年には教育庁内に重国籍児等の教育問題に関する調査検討委員会を設置し、学籍の問題、出欠の取り扱い、高校入試等について検討を行ってきたところであります。
その結果、重国籍児等の教育問題につきましては、基本的に平成4年9月24日付の文部省通知「登校拒否問題への対応について」に基づき対応していくことといたしました。
出欠の取り扱いについては、同通知で定められているところであります。その趣旨は、学校外の施設において不登校児童生徒の学校復帰への懸命な努力を認め、再登校を促すことであります。
そのためには、保護者は学齢児童生徒に普通教育を受けさせなければならないという義務教育を前提としつつ、学校と保護者の連携、協力関係を保つことが必要であります。
また、同通知で民間施設についてのガイドラインに沿うよう定められております。その趣旨は、不登校問題に対する相談、指導を行うことを主たる目的とし、児童生徒の教育に深い理解を有するとともに、不登校問題について知識、経験を持つ指導者がいることなどとなっております。
このことを踏まえ、校長は市町村教育委員会と協議して出席扱いをすることもできることとなっております。
次に、公費による民間施設への助成及び施設の整備につきましては、憲法第89条における公の支配に属しない教育の事業に対し公金を支出してはならない旨の定めがあり困難であります。
なお、義務教育諸学校で使用される教科書につきましては、不登校の児童生徒に対しても学籍のある学校を通して支給しているところであります。
重国籍児等の教育問題につきましては、今後とも関係市町村教育委員会との話し合いを続けるとともに、教育庁内の検討委員会においても引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
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