平成12年(2000年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 12月12日
新垣 哲司
 

 こんにちは。
 新那覇病院の高度多機能病院建設に伴う南部病院の機能再編成についての質問をいたします。
 質問する前に、現在の南部病院の今日までの背景について少しばかり御説明をしたいと思います。
   〔副議長退席、議長着席〕
 ここに「私の歩んだ道」ということで島袋仁栄さん、この方は当時糸満市の税務課長でございました。(資料を掲示) 後に部長を経て収入役をなさり、そして40数年間糸満市の方に勤務されて1993年に退職をしたわけでございます。この島袋仁栄さんの「私の歩んだ道」の本に、地元真栄里であるということで──現在の南部病院の地域でございます──当時、昭和45年3月、琉球政府屋良主席であります。松下電器(株)を訪問され、企業の少ない沖縄へぜひ進出をしていただきたいという旨の要請をされております。
 それに対し、松下電器の当時の社長である松下正治氏は、今次大戦で大きな被害をこうむった沖縄のお役に立てばということで前向きの意思表示をしたわけでございます。そういう意味で、それから時がたってオイルショックということで松下は断念をするわけであります。
 それから、当時の知事やあるいは本市の市長である伊敷喜蔵さんは、ぜひ県の南部病院の構想があるからということで県の方に陳情いたしまして、そしてまたこの敷地が約2万5000坪、そして県の方が60%、糸満市が40%で無償で松下電器から贈呈をされているのが背景であります。したがいまして糸満市と県との、あるいは松下電器との非常に緊密なる提携があります。それはこの本にも詳しく年月日、用地の取得やあるいは協定書、多くのあれがあります。
 当時、病院ができるときは昭和54年に無償提供があって、南部病院ができ上がるのが57年の4月16日に完成しております。そういう背景があるわけでありますので、この南部病院は県と松下と糸満市の緊密な提携があるわけでございますので、簡単に低下をさせてはならぬということを前提に質問をさせていただきます。
 糸満市においては、最近、県立南部病院の規模縮小及び機能低下に反対する住民大会を持ちました。その趣旨は、沖縄県は老朽化した県立南部病院を改築し地域を支援する高度で多機能な病院を建設するため浦添市以南の南部保健医療圏における県立病院、いわゆる那覇病院、南部病院の機能再編を検討しているが、その内容は南部病院の規模縮小及び機能低下につながるものであり、糸満市民を初めとする南部地域の住民としては容認できない。
 県立南部病院は、南部保健医療圏における公立の中核病院として昭和57年4月に開設以来、今日まで18年間の長きにわたり糸満市民を初めとする南部地域住民の医療機関として大きく貢献するとともに、地域住民の生活に定着し親しまれた病院である。
 平成11年度における南部病院の利用状況を見ると、入院利用率が89.9%、外来患者が1日平均513名、年間1万2486人となっています。また救急患者は年間1万1640人となっており、南部地域の医療に大きく寄与し、南部保健医療圏域における公立基幹病院としてなくてはならない存在である。
 沖縄県は、県立南部病院の改築に合わせて県立南部病院の機能再編を打ち出しており、その内容は3つの機能を持った病院にする方針である。1点目には高度総合医療リハビリセンター、2点目には脊損センター、3点目には慢性疾患対応型と、すなわち県立南部病院は機能訓練専門及び長期療養型の病院にするということではないか。
 今、糸満市を初め南部地域住民の一番危惧していることは、県立南部病院の現在実際に行っている内科や外科を初めとする多くの診療部門をどうするかと大変重要な部分であり、また一番知りたい部分であるが、その件については沖縄県は現時点では一切言及しない状況であることから、不安と危惧の念を増幅させているところであります。
 そういうことで南部地域を挙げて12月14日、まず南部市町村を初めとする16人がこの大会であいさつをし、そして糸満市のあらゆる団体105団体がこの大会に出席し、その低下をさせてはならないということで大会が持たれたわけでございます。
 そこで質問をいたしますが、まず1点目に、新那覇病院(高度多機能病院)建設に伴う南部病院の機能再編成問題について。
 (1)、高度総合医療リハビリセンター、脊損センター機能、慢性疾患対応型の3つの機能を掲げているが、現在、県立病院が実際に行っている診療部門及び救急業務について伺いたい。
 また、以下アからウについて御説明を願いたい。
 ア、全廃するのか、イ、一部残すのか、ウ、現状維持するのか。
 (2)番目、南部医療圏内で567床の過剰がある中で、新病院(高度多機能病院)のための病床をふやすことは、その分、県立那覇病院より減少することにならないか。
 (3)番目に、現在の那覇病院の病床数と、新築される新那覇病院の病床数を示していただきたい。
 (4)点目に、医師と看護婦の定数減にならないのか、これもお尋ねをします。
 (5)点目に、那覇病院の医療対象数、また南部病院の医療対象人口を示していただきたい。そして現在の那覇病院の病床数、これから予定している新しい那覇病院の病床数、南部病院の病床数、中部病院の病床数を示していただきたい。
 基地問題は、時間がありませんので次にさせていただきます。せっかく用意されたことかと思いますが、よろしくお願いします。
 次に、我が党の代表質問に関連しての質問をさせていただきます。
 渡久地健議員の質問の中で、農業研修センターが大幅におくれております。4年というおくれをしておりますが、特に4年というおくれた理由について御説明を願います。
 明確なる答弁をお願いします。

 
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