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平成 7年(1995年) 第 9回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 12月 7日
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議 事 の 概 要
平成7年12月7日(木曜日)
午前10時開議
日程第1 代表質問
1 高江洲義政君(自民党)
2 伊良皆髙吉君(自民党)
3 玉城 義和君(社会党・護憲共同)
4 山川 勇君(社大党)
5 新垣 哲司君(新進党)
6 宮良 作君(共産党)
7 金城 繁正君(政経クラブ)
8 髙良 政彦君(改革沖縄)
午後7時50分散会
○議長(嘉数知賢君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明貝として出席を求めた公安委員会委員長比嘉國郎君は、別用務のため本日、11日及び12日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び12日の会議に公安委員会委員崎間晃君、11日の会議に公安委員会委員尚弘子君の出席を求めました。
また、地方労働委員会会長屋宜正一君は、所用のため本日、明日、11日及び12日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長比嘉通祐君の出席を求めました。
○議長(嘉数知賢君) この際、念のため申し上げます。
本日、明日、11日及び12日の4日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定された質問要綱に従って行うことにいたします。
○議長(嘉数知賢君) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
高江洲義政君。
〔高江洲義政君登壇〕
○高江洲義政君 おはようございます。
平成7年の年の瀬も押し迫り、冬の入り口が近づいてまいりました12月定例議会に自民党を代表いたしまして質問をさせていただきます。
ことしを振り返ってみますと、決していい年ではなかったとしか言えないのも残念でなりません。平成7年を占うかのように悪夢のごとく起きた阪神大震災に始まり、オウム真理教、米兵による少女暴行事件、基地問題等々いろいろございました。
特に基地問題では沖縄の心の痛みを訴え、安保協、日米合同委員会に加え、沖縄米軍基地問題協議会、施設・区域特別行動委員会等も設置され、沖縄におけるこれからも難題であるところの基地問題について大きく動き出したことについては大田知事の労もねぎらいたいと存じます。
先日、網走を旅していたら、若いタクシー運転手が、今ではオウム真理教の次は沖縄問題がニュースの2番目ですねと。ところが現在では沖縄問題が毎日のようにトップで報道されております。
一方、極東アジアに目を向けますと、共産主義の台頭に対抗するために地域内の経済安定と安全保障機構化を目指して結成されたASEAN諸国の結束等もありますが、決して南太平洋や東シナ海が波穏やかではないことも事実でございます。南沙諸島の問題、台湾と中国の問題、韓半島の問題等々いろいろとアジアの安定と平和と繁栄にとって障害になっていることが多々ございます。
まず、ことし7月から8月にかけての中国による台湾海峡でのミサイル演習、中国武装兵を乗せた小型の船を台湾近海に送り込む事件、9月下旬から10月にかけての台湾近くの上空での戦闘機による空中戦演習と海南島へのパラシュート降下演習等枚挙にいとまがないほどの中国による台湾への威嚇の数々があり、それに対抗する防衛力強化のために台湾は来年より米国から150機のF16ファイティングファルコン戦闘機の買い入れ、フランスよりミラージュ戦闘機60機の購入をする予定と、確実に緊張は高まっております。
また中国は、旧式化した潜水艦部隊の近代化に着手、新型潜水艦4隻の購入契約をロシアと結び、独自でも新型潜水艦の建造に成功し、南沙諸島の領有権をめぐっては中国と対立するマレーシアは、ロシアから最新型戦闘機を購入、近く潜水艦も購入する予定という。このように、タイ、シンガポール等も潜水艦メーカーにとっては現在のアジアは最大のお得意さんになっているのが現状でございます。
また、韓半島においては、昨年の北朝鮮による日本海へのノドンミサイルの発射実験や韓国国境近くの大規模軍事演習、100万人を超える──実際には106万人でございますが──軍隊の増員や米韓合同軍事演習等我が国を取り巻くアジア情勢は極めて厳しいと言わざるを得ません。
そこで質問をいたします。
我が国を取り巻く近隣諸国の現状と、我が国の安全保障について知事はどういう認識を持っておられますか。
クリントン大統領は先日、北朝鮮が100万人以上の軍隊を維持し、核開発問題が完結してない将来の不透明な要素が多いので、日米は安保関係を維持すべきであると言っておりますが、それについての知事の所見をお伺いいたします。
知事が言っておられます2015年までに基地がなくなればいいということと大いに関係があると思いますが、いかがでございますか。
2015年までに基地がなくなれば理想かとは思いますが、アジアのこういう状況からしてその可能性はあると思われますか。
2015年までに完全な基地経済からの脱却をして、それにかわる産業の振興や県民所得の本土並み引き上げ等具体策をお持ちであればお示しいただきたいと思います。
平成5年に策定されました沖縄県の軍用地跡利用計画基本構想ができておりますが、その中のアクションプログラムとかそういうのがございます。具体的に基地撤去後のアクションプログラム、これからつくるというならその実現は確実なものになりますか。
次に、米軍基地問題についてお伺いいたします。
沖縄における米軍基地は、確かに当初は銃剣とブルドーザーによって取り上げられ、その範囲が拡大されていき、今では本島全域の20%が米軍基地であるという異常な状況にございます。
十五、六歳のころ、伊佐浜に行き、土地闘争に参加ということではなく見に行き、民家や田畑の中にブルドーザーが突っ込んでいくありさまは今でも忘れられないのは事実でございます。
その数年前までは草履履きで学校に通い、日の丸弁当や芋の弁当を持って登校したものであります。やがては民心も安定し、基地と共栄共存の形で県経済も進んでいき、パスポートを持って東京の大学へ行くようになります。大人たちは軍で働き、ある者は「戦果」と称して盗品を運び込んでは金もうけをし財をなした者もいるのであります。戦果が魅力で学校の先垂をやめて軍で働いた方々もいるほどでございます。
米軍基地と県民は、さまざまな関係を持ちながらこの50年間歴史をつくってまいりました。復帰の時点での沖縄の米軍用地料が32億円、23年前です。現在ではその21倍の700億円に近い、基地があるゆえの基地関連収入も1700億を突破していると言われております。
復帰時に2万人おりました駐留軍従業員数も現在では8000人弱と言われておりますが、県庁職員数約8000人、那覇市役所約3500人、沖縄市役所約1000人、琉銀の約800人、沖銀の約1500人等と比べるとまだまだ大口の雇用先であるのも事実でございます。
しかしまた、基地あるがゆえの事件、事故、被害も後を絶たない現状であります。経済と人権、人命を比較することは愚かなことではありますが、人命や人権が何よりも優先されるべきことも否めない事実でございます。沖縄の置かれた状況から過重な負担である基地を整理して縮小せよと叫ぶのも当然のことでございます。
先にも申し上げましたように、知事に対して御苦労さまとも言いたい。しかし、考え方に相違点もあるような気がするのでいろいろお尋ねしてみたいと存じます。
県は、平成4年9月に決定された第3次振興開発計画において、軍用地を早期に整理縮小し、可能な限り速やかな返還に努め、返還跡地の利用に当たっては地元の跡地利用に関する計画を尊重し、諸施策を推進するとして、市町村等跡地利用計画を支援するために沖縄県駐留軍用地跡利用基本計画を平成5年3月、約2年半前に策定をしております。
そこでお伺いいたします。
策定後2年半が経過いたしましたが、市町村の跡地利用基本計画の策定にどのようにかかわってまいりましたか。
跡地利用計画が策定された市町村は県下25の基地所在市町村のうち幾つの市町村になっておりますか。
基地依存度の高い市町村、基地関連収入が高い市町村、例えば沖縄市の26億5000万円、金武町の19億7000万円、宜野座村の17億2000万円等が2015年以降にどのように経済自立をしなければならないか指標があれば示していただきたい。
ただし、県が策定した計画にあるような国際交流、情報研究開発等、高次の都市機能を導入して開発整備を推進するとか抽象的表現ではなく、具体的に我々や県民が納得する具体的例を挙げながら各市町村についての事例を示していただきたいと存じます。
跡利用基本計画で将来の開発整備の方向を示すための軍用地ごとのプロジェクトをその中で設定しております。7つのプロジェクトについては漠然としていてよく意味がわかりにくい。
そこで7つのプロジェクトの内容をもっとわかりやすく説明してください。
さらに、それぞれの返還軍用地に導入されるプロジェクトがそれぞれの地域に与える経済的、社会的変化について示していただきたい。
例をとって申し上げますが、平成3年度で宜野座村の場合歳入総額に占める基地関係収入が33.4%であり、金武町の場合40%でございます。知事が望んでおられる2015年に基地がなくなると上記のプロジェクト等が導入されるわけですが、そのときの財政基盤は何に求めたらよいですか。割合の高い市町村ごとに金武町、宜野座村、恩納村、嘉手納町についてただいまの質問にお答えいただきたいと存じます。
恩納通信所は先日返還されました。同施設は平成2年6月、日米合同委員会で返還に向けての手続が始まり、恩納村においても平成3年3月に跡地利用基本計画を策定しておりますが、地主の意向に沿った基本計画はどのようになっておりますか。
県の跡地利用基本計画と恩納村の跡地利用基本構想と地主の意向に沿った基本計画の整合性はどうなっておりますか。
返還を通告されながら返還を望まない地域がございます。その地域とそれぞれの面積と地料と、できましたら地主数も示してください。
平成2年6月に返還に向けて合意された23事案のほかに、調整中の10事案についてそれぞれ進捗状況を説明してください。
平成2年に返還に向けて調整するとしながら今まで何もなされなかった理由もお示しいただきたい。
次に、代理署名についてお伺いいたします。
私は、知事が行った士地調書及び物件調書に署名押印等を拒否したことの行為に是非の論評をするつもりはございません。
沖縄県で米軍用地に土地を提供しているいわゆる軍用地主が約3万2000名で、今回知事がその代行を求められたのが35名であります。さらに駐留軍用地特措法に基づくその対象者は2937名でありますが、そのうちの一坪共有者等が2824名でございます。軍用地面積の0.2%であることも申し上げておきたいと存じます。
具体的に事例を挙げて申し上げてみたいと思います。
嘉手納飛行場は6300人余の地主のうち、今回この使用に協力してない地主は7名でございます。虫食い状態で返還を要求していることになるわけですから、知事がおっしゃるように県と国が裁判で争って仮に県が勝訴するようなことがあったらその基地全体が使用できなくなります。署名
押印を拒否するということは、その土地については契約もしません、使用もさせません、返還してくださいということであります。
現実的行政運営の手法として、3事案や10事案、さらには安保協事案の9事案、県知事事案の4事案、軍転協事案の5事案、あるいは知事が何度も訪米で訴えた事案等に強力に取り組む形でそれと切り離して考えるのも一つの方策ではなかったかとも思われます。
直面しているのは35名の那覇市、沖縄市、読谷村の3万5000平米余でありますが、その土地の属する基地全体が現実的には使用できない状態が起こる可能性があるわけでございます。
そこでお伺いいたします。
今回の代理署名拒否は、基地問題解決のための手段であるのですか、それともそれによっての目的は何にございますか。
基地全体が使用できなくなるような方向に今進んでいるような気がいたします、そのとおりですか。
知事は当初、代理署名については総理がやればよいのではないかと言って、後になりまして総理にもやってほしくないと言っておられます。どちらが本音ですか。
総理もやってほしくないということは日米安保条約の否定でございますか。
基地を提供しないということは、現実的に国家間の条約上の義務は果たさなくてもよいと言っていることと同じと思うが、どうですか。
そういうことになると今後我が国の外交上著しく支障が起こると思われますが、どうですか。
基地の整理縮小を事あるごとに言っておられる知事にこの整理縮小に関して賛同はいたしますが、代理署名拒否は基地の即時否定と解釈されると思いますが、いかがですか。
次に関連しますので、通告にはないですが、きょう実は昼この裁判、総理大臣によって提訴されます。裁判に臨むに当たっての知事の心境を聞かせていただきたいと存じます。
県は国と裁判所で争うわけですが、判決が出て県収用委員会の審理の際も裁決申請書の公告縦覧という国の機関委任事務があるわけでございます。今の知事の姿勢からするとそのときも拒否をすることになりますか。
基地返還と国際都市形成のアクションプログラム形成をするということですが、そのアクションプログラムの輪郭をお示しいただきたいと存じます。
次に、いじめと教育問題についてお伺いしたいと思います。
昨年11月、愛知県で中学2年生の男子がいじめを苦に自殺をしてから皮肉にもちょうど1年目の去る11月27日、またまた新潟県で中学1年の男子がいじめ自殺をするという痛ましい事件が起きました。沖縄でも学校の先生たちが、あるいは大人たちが全く気づかぬところでいじめが日常茶
飯事のごとくあるというが、余りにも巧妙に行われているためと、また教師や父兄がそれを真剣に見抜こうとしないために知られていないのではないかと思われます。その温床をつくるのに教師や父兄の責任も大きいと思われます。
そこでとりたてて特にどこに責任があると断言するのは避けたいと思いますが、特に沖縄においては教師の高齢化の問題もなかろうか、後にそのこと等も関連して質問をしたいと存じます。
話は関連しての私の体験を申し上げながら進めたいと思います。手前みそと思われるかもしれませんが、しばらくお聞きください。
数年前、息子が中学2年のとき、私のところに来て深刻な顔をして相談があると言う。何のことかと聞いたら、校内の便所裏等でたばこを吸う生徒がいてどうしたらいいかと困っていると。私はすかさず言いました。おまえは柔道も初段はとった、相手に注意をして相手が2人までならけんかをしても勝てるはずだ、血を流すぐらい、手の一本折れるぐらいけんかもしなさい、正しいことの言える人間になれ、ただし3人以上だったら逃げなさい。これは事実です。
それから1年余の歳月が流れ、卒業前のPTA懇親会で誘われて校長先生──当時細原さんという方でした──と生徒指導の先生──喜友名朝孝先生──とスナックに誘われて行き、いきなり、高江洲さん、あなたは子供に対してどういう指導、教育をしているのですかと尋ねられたときに、瞬時のことで腰を抜かさんばかりにびっくりしたものです。というのも息子が生徒会長になっていて何か大きな悪いことでもしでかしたものかと思ったのです。耳を疑い聞き返したところ、その数日前の話をしてくれました。
すなわち、体育館に全3年生を集めて中部の各高校から進路指導の先生方が来て学校説明会のときのこと、赤い靴下を履き、髪を染めたいわゆる不良と見られているグループが10数名、先生方が声をかけても体育館に入ろうとしないそういう生徒たちに息子が近づき、おまえたちはおれが言っても聞かないのかと声をかけたら皆すぐにそろって入ったさまを見て、不思議に思った先生たちが後でそのわけを息子に聞いたのだといいます。
そのわけは1年前にさかのぼるわけです。
たばこを吸っている生徒を見つけるたびに先生には絶対に言わない約束で、学校ではこういう不良行為はするなと注意し、取り上げてはトイレに投げ込んだ。それがいつの間にか五、六人いようが10以上いようが、高江洲が来た、見つかったといってはポケットからライターやたばこを自主的に出すようになったということを聞かされ、子供たち同士の心の信頼関係を見て喜んだ結末でありました。
三つ子の魂百までとよく言われます。善と悪の判断は小さいときから教えることは大事だと思うし、親子の信頼、子供同士の信頼、教師と子供の信頼はその成長過程において最も大事なことではないでしょうか。
若いとき少年院にいた私の経験から──入っていたわけではなくて教官として──、3人の息子を育てた経験から、それぞれの3名の息子たちに対する善と悪の過去の思い出は幾らでも例をとればございます。
最初に申し上げましたように手前みそになりましたが、今の社会を見回したときに我々大人たちが余りにも法律にはない小さな社会的ルール等を見逃していやしないか。
例えば一、二例挙げますと、交通渋滞のとき青信号でもどんどん突っ込んでくる運転手、こういうところを取り締まったらいいんですよ、本部長。青信号でもどんどん突っ込んでくるわけです。これは渋滞ですから、御存じでしょう、皆さん。(「交差点だな」と呼ぶ者あり) 交差点で。
車の中から平気で物を投げる者など、子供のときからのしつけが彼らをそういう大人にさせてしまったのです。
学校での教育以外に私は高く評価をしているのがボーイスカウトやガールスカウト、カブスカウト等における目に見えない教育でございます。言葉遣い、礼儀作法、あいさつ、友人への思いやり、善悪の判断、勇気、スカウト活動のリーダーたちにもよるが、そのどれもが子供たちにとって自然と身についていくものでございます。
いろいろ申し上げたいことは山ほどございますが、関連いたしまして早速質問に入ります。
沖縄県は他府県に比較して職員給与の高い県だと言われております。その原因を示してください。
高齢者教師が多いために教師のやる気のなさがそういう教育現場になってしまったのではないか。
1年を通じての小学生、中学生の住居の変更はせずに転校が多くなっているというその実態を市町村ごとにお示しいただきたいと存じます。これは急な通告でございましたから、その統計等とっていないかもわかりませんが、それについてお考え、その転校についての調査結果等もありましたらお示しいただきたい。
県下各学校での生徒の指導をするための対策委員会等はありますか。
また地域と連絡を密にするための連絡協議会等はつくられておりますか。
連絡協議会等があるとしたら、県はその運営等に財政的支援もしておりますか。
教師の皆さんは、生徒が転校することについて安易な考えを持っていやしないか、追跡調査をして何が原因かということを調べたりする必要があるんですが、そういった安易な考えを持っていやしないか。
また、教頭2人制の基準を示していただきたいと思います。基準に満たなくても2人制を採用しているのは県内に何校ありますか、あるとしたらそれはなぜですか。
地域におけるボーイスカウトやカブスカウト、ガールスカウトの活動の評価をお聞きしたいと思います。
スカウト活動に資金援助をしてその育成に努めたらどうかと思いますが、いかがですか。
知育・徳育・体育とよく言う。低学年からの徳育は子供の一生にとって非常に大事なことと先ほども申し上げましたが、そのとおりであるとお考えですか。そのための教育にどのぐらいの時間を充てているでしょうか。
教師の高齢化により体育の時間や運動会に重い運動具を使ってのスポーツがなくなっていると、こういう実態があるそうであります、御存じですか。
教師の高齢化により腰痛がする、頭痛がするといっては早退が多くあり、若い教師にそのしわ寄せが来ている、いわゆる若い教師に負担がかかっている、そういう実態も御存じですか、お示しいただきたいと思います。
1回目終わります。どうもありがとうございました。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 高江洲義政議員の御質問にお答えいたします。
アジア情勢と日本の安全保障との関連で、我が国を取り巻く近隣諸国の現状と我が国の安全保障について知事はどういう認識を持っているかという御質問と、クリントン大統領が北朝鮮が不透明な要素が多いので日米関係を維持すべきであると言っているが、それについての知事の考え方を聞きたいという御質問に一括してお答えいたします。
アジア諸国の中にいわゆる不安定要素があることは事実として認識いたしております。
しかし同時に、米ソの冷戦が終えんし、米国内部においても財政事情あるいは防衛費に対する世論の動向等が変化しつつありますし、さらには世界の安全保障体制の枠組みについての各国の動向も変化しつつあることがうかがわれます。そのような世界的な状況あるいはアジアの状況を踏まえながら考えてみますと、日米安保体制は今後見直しの方向に向かってほしいと切に考えております。
次に、知事が言っている2015年までに基地がなくなればいいということと関係があると思うがどうかという御質問と、2015年までに基地がなくなれば理想と思うが、アジアの状況からその可能性はあると思うかという趣旨の御質問に一括してお答えいたします。
本県は、戦後50年間にわたり基地の重圧を受けてきたことから、平和交流、国際技術交流、経済文化交流の拠点としての国際都市形成を構想しているところであり、おおむね20年をめどに基地の計画的、段階的な返還を進めているところであります。
また、長い間続いた冷戦構造が崩壊し、世界的に軍縮が進んできたように、おおむね20年間ではアジアの情勢もより平和的な方向に変化していくと考えております。
次に、2015年までに基地経済から脱却し、それにかわって産業の振興や県民所得の本土並み引き上げ等具体策を持っているかと、具体策がアクションプログラムとかこれからつくるというなら、その実現は確実なものになるかどうかという趣旨の御質問に一括してお答えいたします。
現在、県では2001年を目途とした第3次沖縄振興開発計画を推進中であり、その中で産業の振興開発については各種の産業基盤の整備や工業立地、現在策定中の産業創造アクションプログラムの推進等を図ることによって産業全般の発展を図ることにしております。
御質問の2015年を視野に入れた基地にかわる産業の振興を図ることは、極めて重要な課題であると認識しております。県といたしましては、米軍基地の跡利用も盛り込んだ国際都市形成整備構想の中で各種の機能配置を考えたビジョンの構築を図ることにしております。したがいまして、今後は国際都市形成整備構想と基地返還アクションプログラムを連動させながら、産業の振興等を含めた県全体の開発整備の具体的な方策を策定し、その実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
次に、沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画策定後2年半がたったが、市町村の跡地利用計画の策定にどのようにかかわってきたかという御質問と、跡地利用計画は25の米軍基地所在市町村のうち幾つの市町村で策定しているかという御質問に一括してお答えいたします。
沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画は、軍用地返還後の跡地利用の基本方向を定めたものであります。県としては、市町村跡地利用計画が土地利用に関する諸計画あるいは各種の事業ヘスムーズに移行できるよう、平成6年3月に「沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画の運用について」を通達し、県との調整の手続を示すなど、市町村等の跡地利用計画策定の指導を行ってきたところであります。
なお、市町村跡地利用計画の策定に当たっては、沖縄県対米請求権事業協会から助成措置を講じているところであります。
現在、施設の部分計画を含め12の市町村で計画が策定されており、さらに3つの市町村において計画を策定中であります。残りのまだ策定していないところは離島の例えば久米島とか渡名喜、そういった離島の島々になっております。
それから、米軍基地依存度の高い市町村、基地関連収入が高い市町村が2015年以降にはどのように経済自立をしなければならないか指標があれば示してもらいたい、抽象的な表現でなく具体的に県民が納得する具体例を挙げながら、各市町村について示してもらいたいという御質問にお答えいたします。
県が策定した沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画は、市町村等における軍用地ごとの跡地利用計画策定に資するため土地利用の基本方向を示したものであります。これを指針として市町村が具体的な跡地利用計画を策定することになります。
このようなことから、市町村の経済自立については駐留軍用地の市町村跡地利用計画の策定に当たって十分に検討がなされるべきであると考えております。
なお、県としても市町村等において具体的な事業計画を検討する際は、かかる視点から指導して協力してまいりたいと考えております。
次に、沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画における7つのプロジェクトの内容をわかりやすく説明してほしいという御質問にお答えいたします。
跡地利用基本計画においては、自然保全地域、都市地域等5つの土地利用区分を設け、土地利用の方向を定めてありますが、これを踏まえ将来の開発整備の方向を示すため軍用地ごとに次の7つのプロジェクトを設定しております。
1つには、都市総合開発プロジェクトでございますが、これは都市地域で宅地開発を中心に産業施設、教育研究施設等を含む総合的かつ大規模な開発が実施されることを想定しています。例えば那覇港湾施設、キャンプ桑江、普天間飛行場等がそれに当たります。
2番目、産業・都市開発プロジェクトでありますが、これは都市地域等で物流拠点など将来の沖縄県の産業拠点形成が宅地開発等とあわせて実施されることを想定しており、嘉手納飛行場等がそれに当たります。
3つ目、地域開発プロジェクトでありますが、これは開発地域で市町村の振興を図るために必要な各種の事業が実施されることを想定しております。恩納通信所、読谷補助飛行場、キャンプ・シュワブ等がそれに当たります。
4番目、レクリエーション系プロジェクトがありますが、これは森林地域等で自然環境の保全に留意しながらレクリエーション系の開発事業が実施されることを想定しており、キャンプ・ハンセン、奥間レストセンター等であります。
5番目、森林活用型プロジェクトは、森林地域で森林資源を活用した事業が実施されることを想定しており、北部訓練場、キャンプ・ハンセン等であります。
6番目、農業関連プロジェクトでございますが、これは農業地域で先進的な農業が展開されることを想定しております。楚辺通信所、伊江島補助飛行場等がそれに当たります。
7番目、地域先導型プロジェクトでありますが、これは現時点で明確なプロジェクトの全体像を想定することは困難でありますが、立地特性の活用を図る新規プロジェクトが可能となった時点で、当該プロジェクトが実施されることを想定しております。
次に、それぞれの返還軍用地に導入されるプロジェクトがそれぞれの地域に与える経済的、社会的変化について示してほしいという御質問にお答えいたします。
跡地利用基本計画におけるプロジェクトは、土地利用区分の土地利用の方向を踏まえ、将来の開発整備の基本方向を示すため設定したものであります。したがって地域に与える経済的、社会的変化については、市町村の跡地利用計画に基づいて具体的な事業計画が策定される段階で検討されるべきものと考えております。
次に、2015年に基地がなくなるとプロジェクト等が導入されるわけですが、歳入総額に占める基地関連収入の割合が高い市町村の財政基盤は何に求めたらよいか、金武町、宜野座村、恩納村、嘉手納町について答えてほしいという御質問にお答えいたします。
御指摘の市町村の財政については、市町村の跡地利用計画に基づき将来の社会経済状況も踏まえて具体的な事業計画が策定される段階で検討が加えられるものと考えております。県としても、実効性のある跡地利用計画が策定されるよう市町村等と連携を密にしていきたいと考えております。
次に、先日返還された恩納通信所は、恩納村においても平成3年3月に跡地利用基本構想を策定しているが、地主の意向に沿った基本計画はどのようになっているかという御質問にお答えいたします。
恩納村においては、平成3年3月に恩納通信所返還予定地跡地利用計画構想が策定されましたが、軍用地主会との調整の結果、再検討することになったと聞いております。現在、地主を含めた村の恩納通信所跡地利用計画検討委員会において鋭意検討がなされているところであります。
次に、県の跡地利用基本計画と恩納村の跡地利用基本構想と地主の意向に沿った基本計画の整合性はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
県の策定した駐留軍用地跡地利用基本計画では、恩納通信所の地域に地域開発プロジェクトが位置づけられております。この地域開発プロジェクトは、市町村の振興を図るために必要な各種の事業が実施されることを想定したものであります。現在、恩納通信所跡地利用計画検討委員会において検討中の跡地利用計画は、県の跡地利用基本計画と整合するものと考えております。
次に、代理署名拒否の問題との関連で、今回の代理署名拒否は基地問題解決のための手段なのか、その目的は何かという御質問にお答えいたします。
本県における広大で過密な米軍基地の存在、訓練に伴う航空機騒音や環境破壊、軍人軍属による犯罪の多発等は、県民生活に多大な悪影響を及ぼしています。
さらに、マスコミで報道されている日米安保共同宣言案では基地の整理縮小についての表現がなく、安保条約のグローバル化、在日米軍兵力4万7000人体制の維持が明確に打ち出されており、将来にわたって沖縄の基地の固定化、強化につながることが懸念されております。
そのようなことから、21世紀に向けて県民を初め、とりわけ若い世代が希望の持てる沖縄づくりをぜひとも進めていきたいという認識から、駐留軍用地の強制使用に係る土地調書及び物件調書への立会、署名押印については応じられない旨国に通知してきたところであります。
同じく代理署名拒否問題との関連で、基地全体が使用できなくなるような方向に今進んでいるような気がするが、そのとおりかという御質問でございます。
今回、国から駐留軍用地強制使用に係る土地調書・物件調書への立会、署名押印を求められ、これに応じなかったことは、沖縄の米軍基地を取り巻く背景及び諸般の状況から判断したものであります。
なお、今回の代理署名に応じなかったことによって御質問のようなことになるとは考えておりません。
次に、知事は代理署名について、当初総理がやればよいではないかと言って、後に総理にやってほしくはないと言っているが、どれが本音かと、総理もやってほしくないということは日米安保条約の否定かという趣旨の御質問に一括してお答えいたします。
今回の土地調書及び物件調書への立会、署名押印に応じない立場をとっているのは、本県の米軍基地を取り巻く背景及び諸般の状況から判断したものであります。
私は、去る11月19日の記者会見で、沖縄は安保条約を維持するための手段にはならないと、できれば総理が署名を拒否され、主権国家の立場からアメリカに対して言うべきことは主張してほしかった旨の発言をしました。
これは、在日米軍専用施設面積の約75%が沖縄に集中するなど、余りにも日米安保条約の過重な負担を強いられている現状を踏まえ、少しでも米軍基地の整理縮小を進め、基地のない平和な沖縄づくりを願う強い思いから希望を申し上げたものであります。
なお、日米安保条約につきましては、その軍事的側面を、より平和友好的なもの、経済、文化的側面を重視したものに改めた方が望ましいと考えております。
次に、基地を提供するなということは、現実的には国家間の条約上の義務を果たさなくてもいいと言っていることと同じと思うがどうか、そういうことになると今後の我が国の外交上著しく支障が起こると思うがどうかという趣旨の御質問には一括してお答えいたします。
日米安保条約に基づいて基地を提供することが条約の義務であるとしても、戦後50年を経た今日、国土面積のわずか0.6%にすぎない狭小な本県に、我が国に存在する米軍専用施設面積の約75%が存在し、これらの米軍基地から派生する事件、事故は県民生活に多大な悪影響を及ぼしてい
るばかりでなく、本県の振興開発の大きな阻害要因となっております。
また、在日米軍兵力4万7000人体制の維持、安保条約のグローバル化など本県の米軍基地を取り巻く状況を考えると、将来にわたって沖縄の基地が固定化、強化されることには大きな懸念を持っております。
このようなことから、機会あるごとに日米両国政府に対し基地の整理縮小を求めているところであります。
次に、基地の整理縮小を事あるごとに言っている知事に賛同するが、代理署名拒否は基地の即時否定と解釈されると思うがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
駐留軍用地の強制使用に係る土地調書及び物件調書への立会、署名押印については、本県における広大で過密な米軍基地の存在、訓練に伴う航空機騒音や環境破壊、軍人軍属による犯罪の多発など沖縄の米軍基地を取り巻く背景及び諸般の状況を踏まえると、21世紀に向けて若い世代に希望を与えることができないとの判断から、これには応じられない旨国に通知したところであります。
なお、私の基地問題に対する基本政策は、来るべき21世紀に向けて若い世代が希望の持てる基地のない平和な沖縄を目指し、米軍基地の整理縮小を促進することであります。
次に、追加質問でございますけれども、提訴の問題についての心境を伺いたいという趣旨の御質問がありましたが、まだ提訴通知を受けておりませんのでコメントできる段階にはございません。
それから、代理署名拒否との関連で、判決が出た後も裁決申請書の公告縦覧について拒否することになりますかという質問にお答えいたします。
駐留軍用地特措法に基づく裁決申請書の公告縦覧の代行につきましては、現在使用裁決申請がなされていませんので所見を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
次に、基地返還と国際都市形成のアクションプログラム作成をするということですが、その輪郭を示してほしいという趣旨の御質問にお答えいたします。
国際都市形成整備構想は、約100万人の人口を有する沖縄本島中南部都市圏を中心に、アジア・太平洋諸国を視野に入れた国際都市としての整備を図るため、おおむね20年後を目途として県全体のグランドデザインを描くものであります。
この構想の実現には、本県の県土面積の約11%を占める広大な米軍基地の跡利用計画を定め、グランドデザインに沿った各種の機能分担とその有機的な連携を図っていく必要があります。このため基地返還アクションプログラムは、構想の目途である20年後の2015年までに構想の優先度、緊急度に応じた基地の返還が計画的、段階的になされるよう、先般設置された県と国の協議機関を通じて日米の沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会に反映させることを目的としてつくったものであります。
お許しを得まして、その他の御質問につきましては関係部長等から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 高江洲議員の米軍基地問題との関連で、返還を通告されながら返還を望まない地域があるが、その地域とそれぞれの面積と借地料を聞きたいとの御質問にお答えをいたします。
一般的に返還に当たっては、事前に非公式な返還の打診が地主に対して行われております。
非公式な返還の打診につきましては国と地主との間でなされるものでございまして、したがいまして県といたしましては面積や地料を把握できる立場にはございません。
次に、同じく米軍基地問題との関連で、平成2年6月に返還に向けて合意された23事案のうち、調整中の10事案についてそれぞれの進捗状況を聞きたい、また何もなされなかった理由は何かとの御質問にお答えをいたします。
10事案のうち、キャンプ桑江及びトリイ通信施設の2施設3事案につきましては、那覇防衛施設局において現在返還手続中であるとのことでございます。
残る7事案につきましては、まだ返還の見通しは立ってないとのことであります。
そのうちキャンプ瑞慶覧、工兵隊事務所の2事案については移設条件がついていることから、またキャンプ・ハンセンと嘉手納弾薬庫の2事案については跡地利用計画につきましてなお検討をする必要があるとの理由で返還作業の手続がおくれていると聞いております。
残りの3事案──嘉手納弾薬庫の嘉手納バイパスの部分、知花サイト、普天間飛行場の施設の東側の市道の部分でございますけれども、これにつきましては、那覇防衛施設局が返還の手続を進めるため関係機関と調整中であると聞いております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 教育長。
〔教育長仲里長和君登壇〕
○教育長(仲里長和君) ただいま高江洲議員からいじめと教育につきまして貴重な事例、提言をいただきました。今後の教育指導の参考にさせていただきたいと思います。
いじめにつきましては、どこの学校でもいつでも起こり得るという認識のもとに、毎月いじめの発生の状況の実態把握や生徒指導の強化に努めているところであります。
なお、答弁は、本日お配りされております代表質問質問要旨の順序に従って行いたいと思います。先ほどの質問とは前後するかもしれません、お許しを願いたいと思います。
1番目の、他府県と比較して本県の教職員の給与についてでございますが、本県の小学校、中学校教育職員の給与水準は、大きな差はございませんが、全国及び九州のずうっと下位の方にございます。高いということではございませんので御了解をいただきたいと思います。
それから2番目は、高齢者教師が多いため教師のやる気のなさがそういう学校現場にしてしまったのではないかといういじめとの関連の質問ですが、教員の平均年齢は全国で小学校が39.6歳、中学校が39.0歳。本県は、小学校が41.8歳で2.2歳だけ全国平均より高いと。中学校が43.2歳で4.2歳だけ全国より平均年齢が高い状況にございます。
こういう平均年齢が高いということと学校現場のやる気の相関度ということが実際にはよく承知されておりません。年配の先生方にはそれぞれ経験を積んで後進の指導に当たっているすばらしい方もおりますので、私たちといたしましては教職員研修の体系化を図りつつ、経験年数に応じた研修の充実と職務遂行能力とモラルの高揚に努めているところであります。
3番目は、教職員の高齢化による腰痛、頭痛による早退等が若い教師にそのしわ寄せがきて負担が多くなっているのではないかということに関する答えでございます。
教職員の早退等を含め服務管理につきましては、一義的には市町村教育委員会や学校長が当たっております。
教職員が心身の都合により早退等がある場合には、学校長を初め全職員でその業務等を分担し、教育活動に支障がないように努力をしているところであります。一部の教師にそのしわ寄せがいかないように必要な措置がなされているものと考えております。
次は、同じく教師の高齢化により体育の時間や運動会に重い運動具を使ってのスポーツがなくなっているのではないかという御質問でございます。
それにつきましては、体育の授業や運動会は、小・中・高等学校とも学習指導要領に基づき各学校や地域の実態等を考慮しながら年間指導計画を作成し、適切に実施しているものと認識しております。したがいまして、教師の年齢によって指導する種目や内容等が変わるということはないと考えております。
それから、次は転校の問題でございますが、1年を通じての小学生、中学生の住居を変更せずに転校が多くなっているというその実態がどうなっているかと、調査結果が出ているかということでございますが、住所を移さずに校区外または区域外に転校することができるという特例がございまして、これは通学距離の問題だとか、その他特別な事情がある場合でございます。この特別な事情の中に心身の安全が脅かされるという深刻な悩みを持っている場合、十分な調査検討を行い、専門家の意見を踏まえ、保護者の希望によって転校することができるというふうな状況がございます。現在、その数字の正確な把握に努めているところですが、調査結果がまとまり次第数字を提供させていただきたいと存じます。
それから、教師の皆さんは生徒が転校することについて安易な考え方を持っているのではないかということにつきまして、児童生徒の就学校の指定につきましては関係法令及び市町村教育委員会が定めた指定通学区域に関する規則等に基づき行われております。
なお、指定校以外への通学は、先ほど申し上げましたように相当と認められる特別の理由がある場合に限り許可されているということでございます。
それから次は、県下各学校での生徒を指導するための対策委員会等がありますかという質問に対する答えです。
県内すべての学校では生徒指導部会や生徒指導委員会が組織され、生徒指導全体計画の作成、学校課題の把握、課題解決のための具体的な取り組みなど生徒指導上の諸問題に対応できる指導体制の確立ができているものというふうに考えております。
次は、地域と連携を密にするための連絡協議会等についてはつくられているか、その会について県は財政的支援を行っているかということに対するお答えでございます。
県教育委員会では、中学校区を中心といたしまして、中学校区内の小学校、中学校、高等学校の校長及び生徒指導主任、PTA会長、それから各自治会長、指導員、警察等で組織した各中学校区単位の生徒指導連絡会等の設置を進めているところであります。
なお、連絡会に関して直接的な財政支援はしておりません。
それから、教頭2人制の基準について、基準に満たなくても2人制を採用しているのは何校あるかということでございますが、教頭を2人配置するということにつきましては、県の教育委員会内でその基準をつくりまして、その基準の中で2人配置をしております。
その基準と申しますのは、30学級以上の大規模校やあるいは学校経営上さまざまな課題を抱えていると。これは教育事務所、市町村教育委員会等が学校の校長等と意見を交換して学校経営上さまざまな問題を抱えているという学校ということがわかった時点で、そこに必要に応じて教頭を複数配置していくということで、現在中学校20校に教頭を複数配置してございます。
それから、地域におけるボーイスカウト、カブスカウト、ガールスカウト活動の評価について、またスカウト活動に資金援助をしてその育成に努めたらどうかという質問にお答えいたします。
ボーイスカウト、カブスカウト、ガールスカウトは、奉仕する精神を持って自己開発、人との交わり、自然とともにを合い言葉に国際交流活動、自然体験活動及び対外奉仕活動等を行い、青少年の健全育成の上から重要な教育的な意義を持つものであり、高く評価しております。
なお、ボーイスカウト、ガールスカウトにつきましては県から補助金を出しております。
次に、知育・徳育・体育とよく言う、低学年からの徳育は子供の一生にとって非常に大切なことだと思うがどうか、そのための教育にどのぐらいの時間を充てているかという質問にお答えいたします。
徳育につきましては、幼児児童生徒の豊かな心の育成、人間形成の上で大切なことであると考えております。
各学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通して行うものとして道徳の時間はもとより、各教科及び特別活動においてもそれぞれの特質に応じて適切に行われるよう指導しているところであります。
道徳の時間の年間授業時数は、小学校1年生で34時間、2年生以上は35時間となっております。
○議長(嘉数知賢君) 高江洲義政君。
〔高江洲義政君登壇〕
○高江洲義政君 2回目の質問をいたしたいと存じます。
私は、クリントン大統領の発言に関しての、核開発問題が完結してない将来の不透明な要素が多いので云々に対する答弁ですね、いわゆる事実として認識しているとか、見直しに向かってほしいとか、日米関係、安保をですね、そういうことを期待して聞いたんじゃないですが、もうちょっと踏み込んだ御答弁ができないですかね。
それと、国際都市形成アクションプログラムですか、これに関連しての今知事の御答弁で、産業創造アクションプログラムという言葉も出ましたが、それはいつから使われている言葉で、具体的に走っているんですか、お聞きしたいと思います。
それから、全国の75%が集中している沖縄県へのいわゆる基地交付金、調整交付金、これが沖縄県に対する交付金がおおよそ21.5%です。それはどういうことであるか。75%も集中しているのに交付金が21%というのがちょっと納得できないものですから聞かせていただきたいと思います。
7つのプログラム、それぞれの地域、たくさんございます。ずうっとヤンバルから行きますと、あの慶佐次通信所からずうっと来ましてキャンプ・ハンセン、あるいはレッドビーチ、ブルービーチ、もうたくさんの地域にプロジェクトを導入すると話しておりますが、私は、例えばレクリエーション施設を中心とした緑の保全とか、自然環境に配慮しながらそういうことを達成していきたいと。知事さんは今キャンプ・ハンセンのことを話しておりましたが、これはあの計画を見たところ、大抵海に面したところにそういったレクリエーション関係のものを配置していきたいと、こういうふうなことを書いてありますが、レクリエーション関係のそういった施設というのは県内の方々を対象にですか、それとも県外の方々を対象に考えているわけですか。余りにもレクリエーション、そういった施設が多いような感じもいたします。
それから財政的な問題ですが、割合の高い市町村ごとに金武町、宜野座、恩納、嘉手納町について聞かせてくださいということでしたが、何か具体的に、ただ県としても連携を密にしながらかかわっていきたいと、これではちょっと答弁になってないんじゃないですかね。私は、ここに財政基盤は何に求めるかということを聞いているわけですから、あのアクションプログラムを含めまして、どういうかかわり方をして、どういうふうに支援していきたいのかを聞いているわけです。
それから、先ほど知事公室長がお答えしました、返還を通告されながら望まない地域があるかと、その地域とか地料とか地主を聞きましたら、わかりませんと。これは県の基地問題に対する姿勢としては余りにも消極的じゃないですか。
例えばですね、キャンプ・ハンセンの地域の名護寄り、名護の市有地が約161万平米あるはずです。年間地料約1億円、こういうのをわかっているんですよ、我々も。それがわかりませんという答弁じゃもう県の基地政策、全く納得できない。読谷にもあるはずです、国道58号線沿いに。それから嘉手納弾薬庫地域もあるはずです。地料とか、資料を持ってないから私は聞いているんであって、それを御答弁いただきたいと思います。あるんですよ、名護にも161万平米。
いつも知事の答弁が、日米安保条約が平和友好的条約になってほしいと、これはもう何度もこの議場で御答弁を聞いておりますが、いわゆる代理署名をやらないということは日米安保条約を即否定するようなことになるのではないかということを聞いているわけです。
それから、提訴された裁判についてはまだ受けてないのでコメントできないと、こういうふうに御答弁をされておりますが、これについてはもう既に何日も前から弁護団チームを編成しまして、個人の権利とか財産権の侵害云々でもう守りの体制に入っているのは事実なんですよ。そこら辺のお気持ちと、これから裁判に臨むに当たっての県の姿勢を示していただきたい、こういうことであります。
35名の署名拒否の地主の中に嘉手納基地があります。7名おります。知事の代理署名拒否は、知事として正式に嘉手納基地を返還してくれと、こういう求めていくことになりますか。残りの契約している地主が6300名余りおります、契約している地主が。その意向との調整はどうなっておりますか、7名との。
最悪の場合と例えて、いや知事にとっては最善かもしれませんが、今基地は使わしませんと、こういうことになっております。日米関係はおかしくなります。知事はそれでもいいと思っておられるのですか。
11月にクリントンが日本に来られなかったのは米国の国内事情だけではなくて、この基地問題、米兵の子女暴行事件にかかわるこの大きくなった基地問題が大きな原因であると、このように先日報道されたようですが、それについての感想を聞きたい。
それから村山総理が先日、次の世紀にも目を向けて一層緊密な日米関係を構築しながら日米安保体制を堅持して円滑、友好的な運用を図っていきたいと、このようにコメントをしております、総理が。これについての知事の思いを聞かせていただきたいと思います。
今、代理署名拒否をすることによって裁判を受けて立ちます。そのことによって5年先、10年先絶対に後悔しないと知事は言えますか。
ちょっと教育長、確認します。
私は質問に、沖縄県の教職員給与費の高い原因を聞きましたが、高くはないという御答弁でしたが、たしか前の教育庁の皆さんとの勉強会で、教職員が高齢化したために、勢い当然長い年数の勤務ですから給与水準は上がっていきます。そういうことも原因しているということを言っておられました。勧奨退職をするにも、例えば年間100名予算を組んだら120名の希望者がいてもそれに応じきれない、こういう話もしておりました。
そういうことで確認ですが、本当に給与水準は低いのですか、聞かせてください。
それからボーイスカウト、ガールスカウトのスカウト活動に財政援助をしているというお話でございましたが、私も沖縄市におきまして沖縄1団かかわってまいりましたが、全く地域ではライオンズクラブの皆様方がこの財政支援をしております。行政の側から支援を受けたという例を聞いておりませんが、その実例、それと額を示してください。
本当は時間があればたくさんやりたい追加質問があるんですが、運動会に重い運動具を使ってのスポーツがなくなっているというのも実は地域のPTA会長の言葉でございます。現実にあるということですから、それもお調べになっていただきたいなと思っております。
以上です。また場合によってはやります。
○知事(大田昌秀君) 休憩してください。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午前11時14分休憩
午前11時15分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
随分たくさんあるので、正確に質問の意味がとれたか若干懸念もありますけれども、はっきりしているのからお答えしたいと思います。
まず、代理署名拒否によって日米関係がおかしくなると思わないかと、そしておかしくなってもいいと、それでもいいと思っているのかという趣旨の御質問だったと思いますけれども、代理署名に応じられないということは、先ほど来いろいろと申し上げておりますように沖縄県の行政を預かる者として県が過重に負担をしている基地から派生するもろもろの事件、事故、そういったものとか、あるいは爆音とかというのが県民の日常生活に極めて大きな不安を与えているだけでなくて、産業振興の面でも支障を来していると。したがって我々としては第3次振計があと数年しか残っておりませんけれども、その3次振計の目標達成にも非常に不安を抱いておりまして、そういうところから何としても自立的発展を図っていく上での基盤整備はしたいと。
特に雇用の不安なんか深刻ですので、そういった立場で県の立場を主張しているわけでございまして、それが即日米関係の悪化につながるとは考えておりません。
それから、クリントン大統領が来日しなかったのは、沖縄の基地問題との絡みがある云々との報道もあるけれども、それについてどう思うかという趣旨のことについては、クリントンの来日が実現しなかったのは、文字どおりアメリカの国内問題の予算問題であるということがアメリカでもちゃんと報道官によって報道されておりまして、いろいろ言われておりますので、私はむしろアメリカの国内問題だと考えております。
それから、代理署名をするという村山総理の判断についてどう思うかということでございますが、代理署名の問題については、私は、ただいま申し上げましたようにこれは県益を図る立場で署名に応じられないということを申し上げているわけでございまして、村山総理は総理としてまた国の立場から判断なされると思いますから、それについて私からコメントするのは控えたいと思います。
それから、代理署名拒否をすることによって将来知事は後悔しないかという御質問だったと思いますけれども、私は、現在、沖縄基地を取り巻く諸般の状況、それから沖縄基地の成り立ち、つまり歴史的な背景、そういうものを考えて現時点で行政の責任者として何をするべきか、何をするのがより妥当な選択かということをあらゆる角度、でき得る限りいろいろな方の御意見も伺った上で判断しているわけでございますから、将来それを後悔するようなことにはならないと思います。
それから、県の跡地利用の基本政策とそれぞれの地域の地方自治体の考え方というものと、単に緊密に連携するというだけじゃなくて、もっと積極的に、具体的にやるべきじゃないかという趣旨の御質問がありましたけれども、これは当然そういう県と地方自治体は一体となってやるべきことでございますけれども、まだ返すということもはっきり言われてないところから、地方自治体も具体的に動いてないという側面が現実にございます。
それと、今の地方分権の時代ですから、できるだけそれぞれの地域、自治体の主張、自主的な考え方というものを大事にして対応したいと思います。
したがって、地方自治体がそれぞれの地主さんたちの御意向も踏まえて自主的にそれぞれの地域でどういう事業を興すかというようなことに判断がついたり、あるいは事業計画ができましたら、これは県として積極的に手をとり合って応援していきたいということでございますので、御理解いただきたいと思います。
残りの御質問につきましては、お許しを得て担当者から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公宝長(又吉辰雄君) 高江洲議員の再質問にお答えをいたします。
返還を通告されながら返還を望まない地域があるはずだが、それを知らないのはおかしいんじゃないかという趣旨の御質問かと思いますけれども、私ども基地担当部署といたしまして、基地に関することにつきましては常々すべて知るように努力をしているわけでございますが、そういうこと等につきましても各関係機関に照会なりをやっているわけでございますが、公式に今教えていただけないというような状況でございまして先ほどの答弁になったわけでございますが、今後、これも一つの基地問題の大きな事象、事案でございますので、知り得るように最大限努力をやってまいりたいと、こう思います。
以上です。
○議長(嘉数知賢君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 高嶺朝幸君登壇〕
○商工労働部長(高嶺朝幸君) 産業創造アクションプログラム策定についての御質問にお答えします。
県におきましては、3次振計の後期から21世紀初頭を展望した沖縄産業の発展を図るため平成6年度から3年計画でその策定に取り組んでいるところでございます。
本年度は県内企業の内外市場への参入可能性や、克服すべき課題などを明らかにして本県産業の戦略領域を設定するため主要企業へのヒアリングを引き続き実施するとともに、国内及び東アジア地域の市場動向などの調査分析を行っているところであります。
また、新しい産業振興のシステムを具体的に検討する場として、去る12月5日に民間企業、産業団体、試験研究機関及び行政から構成される新戦略企業複合体を健康食品産業、新規事業、ソフト産業及び技術改革の分野において発足させ、企業ニーズに即した支援施策や事業展開の具体化を進めているところでございます。
これらの結果を踏まえまして、平成8年度に沖縄県産業創造アクションプログラムを策定し、より実践的で実現可能性の高い支援策を講じていく考えでございます。
○議長(嘉数知賢君) 総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 基地交付金についての再質問にお答えいたします。
基地交付金は、米軍、自衛隊の施設が市町村の区域内に所在することによって市町村の財政に著しい影響を及ぼすことから、固定資産税の代替的な性格を基本としながら、これらの施設に係る市町村の財政事情に対処するため財政補給金的性格及び基地の安定使用に寄与するための基地対策としての性格を有するものとして使途制限のない一般財源として毎年度交付されております。
なお、先ほどの75%が、実際支給されているのは20%強ではないのかという話でございますが、この基地交付金の算出根拠につきましては、地域における国有地がどれだけあるかによってこれは決まってくると、こういうふうなことでございます。
沖縄県における国有地の面積は全国比率にいたしますと30%というふうなことがありまして、このような基地交付金というふうなことのようでございます。
○議長(嘉数知賢君) 教育長。
〔教育長 仲里長和君登壇〕
○教育長(仲里長和君) 再質問の沖縄の職員の給与でございますが、ラスパイレス指数で私先ほども申し上げました、全国の45位でございます。
ただし、先ほど申し上げましたように小学校で2.2歳、中学校で4.2歳の平均年齢差がございますので、総枠を単純に教員数で割りますと沖縄は高くなるというふうな状況がございます。それにつきまして高いということの理由についてもう少し分析をさせていただきたいと思います。
それからボーイ、ガールスカウトに対する援助ですが、沖縄県の総元締めは日本ボーイスカウト沖縄県連盟と、それからガールスウカト日本連盟沖縄支部というのがございますが、それぞれ沖縄県の連盟の本部に各14万3000円、計28万6000円の補助を出してございまして、その本部がそれぞれの支部にどのように配分するかは本部の裁量に任してございます。
以上です。
○高江洲義政君 議長、休憩お願いします。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午前11時25分休憩
午前11時31分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 嘉手納には6300人の地主がいて、35人の今回拒否をしている地主のうち7人がその中にいるけれども、残りの6300人のその賛成した人との調整はしたかということでございますけれども、その方々は既に承諾の手続をとっておりまして問題として上がってきておりませんので、調整はしてございません。
35名の反対をしている地主さんについては、どうして反対しているのかということについての各人から意見を聞いております。
今の高江洲議員の御質問は、7名の反対の地主が虫食い状態にいるから、これの代理署名を拒否したら、県が代理署名に応じられないとしたら、即嘉手納基地が使えなくなるんじゃないかという御心配のようですが、そうはならないと思っております。国は国の立場もありますから、即それが基地が使えなくなるという、そういう状況ではないんじゃないかというふうに考えております。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午前11時32分休憩
午前11時33分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 基地の返還を県が要請する場合はですね、県が上から一方的にすぐに要請するんじゃなくて、地元の地主の御意向、それから基地を抱えている自治体の御意向とか、そういうものをよく踏まえながら相談しながらやっていくわけでございまして、今の7名の応じないという地主のことの代理署名を拒否するから即嘉手納基地の返還を要請しているということにはなりません。
○議長(嘉数知賢君) 高江洲義政君。
〔高江洲義政君登壇〕
○高江洲義政君 先ほどの知事公室長の御答弁、返還しますと言われたのに、いや結構ですという地主がいるかと聞いたら、わかりませんと。
それから、先ほどの答弁では知るように努力すると、こうおっしゃっておりましたが、関連する基地が所在する25の市町村、その市町村との調整等は一体基地行政の中でどのようになっているんですか。知るように努力するでは、全くその問題に関して関心がないとしか言いようがございません。防衛施設庁、あるいは関連市町村に問い合わせたらすぐわかることなんですよ。
基地返還要求はやっているんですか、現実には皆さんは。そうでないとこの問題はわかりませんでは答弁できないはずですよ。全く上辺だけの基地返還要求を叫んでいるような気がしてならないんです。
それから、基地全体が使用できなくなるような、その方向にはならないと思うと知事は御答弁されましたが、その方向に向いているんです、現実は。
じゃ、その答弁は裁判の先を読んでの知事の判断で答弁されているのですか。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 7名の代理署名に応じないということは先を読んでの判断かということでございますが、現在の状況を踏まえての判断でございまして、私の見通しを申し上げたわけでございます。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) お答えをいたします。
先ほど資料をお答えしたわけでございますが、まず、駐留軍用地返還事務の手続の正式なチャートでまいりますと、地権者から那覇防衛施設局に、これのスタートでございましてそこから申請がございまして、施設局が米軍と調整をいたしまして、さらに施設局に対しまして、那覇防衛施設局に行きまして、いろいろ委員会を経まして、最終的に通知は県にも参ります。
ただ、先ほど先生の御質問は、正式にまだ地権者ないしは返還申請者からその申請がない段階の非公式といいましょうか、そういったものにつきましてはこれは直接那覇防衛施設局と地権者とやっておりまして、個々については原則としてちょっと知りにくい、知り得ませんですよということでございまして、だからそこにつきましては、先ほど申し上げましたとおり私ども基地全体を預かる者として状況がどうなのかということについては、これは公式のものじゃなくて我々にも来ませんので、そこは知るように常々私どもいろいろ照会をやっているわけです。
今後とも、そういうことで掌握をしていきたいということでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと、こう思います。
以上です。
○高江洲義政君 ちょっと休憩。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午前11時38分休憩
午前11時41分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 再度お答えいたしますけれども、高江洲先生、先ほど申し上げましたのはあくまでも返還の正式なものにつきましては私は重々知る立場にございますということです。
そこでですね、そういった事前の非公式の分につきましても、私ども、ある機関等には照会いたしておりますが、向こうも公式としては教えていただけぬわけなんですよね。
だから、そういった公式でない要するにこういう、こういうことについて、そういうのはあるんですかと私どもは職員を通して照会を関係機関にやってございますが、これにつきましては向こうから正式な返答をいただけませんので先ほど来の答弁となっているわけでございますが、先ほど申し上げましたとおりそこは知るように努力をしたいということでございますので、ひとつ御理解の猶予をいただきたいと思いますね。
そういうことです。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午前11時42分休憩
午前11時43分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 基地担当部局、県といたしまして、今の高江洲議員のそういった意見等も踏まえまして最大限そういった収集もいたしましてやりたいと、やるようにしたいと、こう思いますので、よろしくお願いいたします。
努力させていただきますから。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午前11時43分休憩
午前11時47分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 県の職員は、それこそ必死になって基地行政に取り組んでいるつもりですが、ただいま御指摘のような、仮に至らない点があるとすれば、これからも積極的に県民の御期待に沿うように努めさせるようにいたします。
○議長(嘉数知賢君) 伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 質問に入ります前に、執行部においては答弁は本当に誠意を持って答えていただきたいなあと思うんです。
○知事(大田昌秀君) 誠意を持ってやっておりますよ。
○伊良皆高吉君 ええ。
今、嘉手納基地の関連にしましても、どうも知事の署名拒否の問題がですね、例えば県民から見れば本当に一生懸命頑張っているなあと、そういうふうに拍手を送っている人もいるんです。そのことによって基地の撤去は全面的にかなうんだというふうな期待を持っている人もいる。
しかしながら、今の署名拒否の問題は、私が署名拒否をしてもこの嘉手納の返還につながるとは思わないしというふうなことなどを聞いてみますと、署名拒否はするけれども、どうぞ使うことは使ってくださいというふうな非常に何を信じていいかわからないような、そういった感じがありますので、今の知事公室長等の答弁とも関連しまして、その場限りの答弁はやめてもらいたいなあというふうなそんな感じがいたします。注文をつけておきたいと思います。
通告に従いまして自由民主党県議団を代表して質問を行います。
質問の順序が二、三入れかわっている点もございますが、その点は御了承いただきたいと思います。
我が国を取り巻く国際情勢を見るときに、経済面では世界経済が全体として拡大基調を強めていることに対し、我が国経済は円高やバブルの後遺症がまだ残っておりまして、平成7年度の本県経済も回復の基調にあるとはいえ、当初の見通しとはほど遠い感は否めません。
あわせて、最近の本県の雇用失業情勢の結果を見たとき、沖縄振興開発計画の最重点施策である本県経済の自立的発展の目標達成のためには、基本的な取り組みを見直す必要があるんではないかと思います。
特に本県においては、政治の最重点課題である、各面で本土との格差を是正し、特に経済的には目立的発展の基礎条件を整備することを基本方針として取り組んできているわけですが、その沖縄振興開発計画の総見直しも必要ではないかと、このように思うのでございます。
このような社会情勢、あるいは経済環境にあっては、外的要素に頼ることも大切でありますけれども、それにも増して内的な要素をいかに活用して強化し、無から有を生み出す発想による施策の展開が必要だということであります。
具体的には、第1次産業等の振興であり、強化もその1つであります。その場合、より高い収益性を求めることも大切ですが、それよりも収益面においては安全性の高い安定性のある業種やあるいは作目、商品を生み出すことが大切で、そのことは競合性の少ない商品あるいは作目ということにもなります。
また、本県独自の手法による独自の物品、特産物を生み出すことも含まれます。
いわゆる、このような社会的情勢あるいは経済的条件のもとでは脚下照顧、すなわち足元をよく見る、いわゆる自力本願を基本とした思考を生かした方がいいということにもなります。
また、時代の変化、あるいは社会情勢の変化に即応し得る人材の育成も必要であります。いかに恵まれた自然条件であっても、それを生かすか否かは人であり、社会生活の基盤をどのようにつくっていくかということも人であります。
また、いかに多額の費用をもってしても、その効果のほども人によって違ってまいります。
それを沖縄県政に置きかえて考えてみた場合、いかに立派な施策を掲げて制度をつくり、予算を投じてみても、それがどれほど効果をもたらすかということについては、すべて人間次第であるということになります。
したがって、これからの新しい時代に向かっての県民意識をどのように方向づけるか、極めて重要であると思います。
あわせて、これから予想される経済的に不透明感の強い時代を迎えるに当たっては、各面において次代を担う人材の育成が最重点施策に位置づけられてしかるべきであることを提言して質問に入ります。
まず1番目に、本県の雇用問題についてであります。
沖縄県年次雇用計画の雇用見通しとして発表されましたのは、平成6年の完全失業率が5%に対し、平成7年度は労働人口の増加が見込まれるけれども、景気回復が期待されるとして対前隼度比はマイナス0.4ポイントになって失業率は4.6%程度になると見込まれると発表されました。
ところが、平成7年11月末の現在、その実績はどうかといいますと、完全失業率7.1%となり、対前年度比154%、全国平均の何と220%以上と大きな差が生じております。
そこで伺いますが、その理由について、中身の分析についてもお伺いをいたします。
2つ目、県は平成7年度は第3次振興開発計画との調和を配慮し、第7次雇用基本計画の策定の基本的方向と中長期的な視点を踏まえて積極的に職業安定行政の展開に努めるとしておりますが、その実績はどうなっておりますか、主要施策の成果をお伺いいたします。
なお3番目に、今後とも予想される厳しい雇用情勢に対処する具体的施策はどうなっているか、お伺いいたします。
4番目、特に本県の失業者の特徴として挙げられておりますことは若年労働者の失業が多いということです。これは教育の段階からいろいろ職業意識の問題等もあろうかと思いますが、教育現場における職業教育はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
5番目、あわせて県政の最優先課題として取り組まれております米軍基地の整理縮小は、同時に駐留軍従業員の離職にもつながってまいります。したがって県においてはこれらの駐留軍従業員の雇用の確保が重要と考えますが、その計画はどうなっているのか、お伺いいたします。
次に、戦争マラリア補償について伺います。
遺族会からの要望等に対し県も一生懸命やっておられるようでございまして、県案と政府案との折り合いがつかずになお調整の必要性もあろうかと思いますが、何しろ遺族の方々が高齢であること、なおことしは戦後50年の節目の年に当たることから、ぜひとも決着を見ていただいて遺族の方々の願いをかなえていただき、犠牲者の霊をなぐさめていただきたいと願っております。どうか、県の考え方、進捗状況等をお聞かせください。
次に、離島振興についてであります。
県は、12月本定例会において、地域離島の振興を総合的に推進するため関係部局の事務分掌を変更する必要があるとして条例案を提出しておりますが、その中身についてお伺いいたします。
まず、人員はどうなるのか、あるいは予算はどうなるのか、権限はどのように変わるのか、あるいは機構はどういうふうになるのか、それから効果はどういうふうに変わってくるのかをお伺いいたします。
特に支庁長の権限についてお伺いをしたいと思います。
なお、従来の部局の縦割り行政であったことに対して、変更後は総括的な行政となるために職場環境が異なる、いわゆる現業部門と管理部門でございますか──に変わってくると、そういった点で問題は起こらないか。
また、支庁長が知事の名代という部分が強くなって政治的に利用されるという心配はないかなどの意見もございますが、それらに対しての所見も伺いたいと思います。
次に、離島における交通手段の確保について伺います。
離島における海の交通と陸の交通の必要性は日常的であり、離島地域の社会生活活動のすべては、船舶による物資の輸送あるいは航空機による物資の輸送、人員の輸送なくしては成り立たないと言っても過言ではありません。
県は、平成7年度重点施策の中で、このような離島交通の確保のため空港や港湾の整備については触れておりますが、その運営等については触れておりません。
そこで伺いますが、さきに琉球エアーコミューターの平成7年度赤字の見込み額が2億2000万になると、その助成について関係市町村からの要請がございましたが、どのように対処されたか、お伺いいたします。
また、次年度以降も赤字が予想されるが、その対策についてもお伺いをいたします。
次に、離島航路事業への特別補助についてでございますが、平成2年から5年の間、すなわち4カ年間の査定欠損額について一部がカットされました。そのために航路事業者の経営を苦しめております。これに対する特別補助等の県の対策はどうなっているのか。
また、平成6年度以降の対策はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
次に、水源を持たない離島の水源確保について伺います。
本県内の多くの有人離島の中には、地下水がなく、生活飲料水を海水淡水化に頼らなければならない島々がございます。
このような島々は、例えば南・北両大東村の場合、各家庭の水道料金は10立方メートル当たり2970円となります。その金額は本島市町村の2倍から4倍以上になっております。そればかりか自治体の一般会計からの繰入金も多額に上り、市町村の財政を圧迫している現状にございます。
したがって県においては命のもとであり、生活に最も必要である水が県民ひとしく供給されるよう県において水源の確保に努めるべきと思いますが、御所見を賜りたいと思います。
また、現在海水淡水化に頼っている町村と本島の市町村、いわゆる企業局から給水を受けている市町村との水道料金の格差はどうなっているのか、伺います。
あわせてこれらの自治体の他会計からの繰入額の比較についても伺いたいと思います。
次に、南・北両大東村における情報通信基盤についてであります。
現代社会の最もすぐれた点、あるいはまた最も変わった点と言えば、マスメディアの発達とそれが大きく全世界的に人間の生活の中に取り入れられ、活用されている点と言えましょう。
本県においても、宮古、八重山両先島にも去る平成5年5月12日から民間テレビの電波が同時に届き、文字どおりの文化生活を享受できるようになりました。しかしながら、県内では今なお南・北両大東村のようにNHKの衛星放送の電波しか受信できないというところがございます。同じ沖縄県民でありながらこのような情報の格差を是認することはできません。一日も早く格差を是正する必要があると思いますが、県においてはどのような対策を持っておられるか、お伺いいたします。
次に、本県の農水産業についてお伺いいたします。
特に農業についてでございますが、本県の農業従事者は高齢化と収益性が低いとの理由で農業就業人口が減少の一途をたどっております。しかしながら、昨今の国内経済や県内経済の動向が長期的に低成長で推移するであろうという現実的な見通しの中では、第1次産業である農水産業の振興が重要になってくるものと考えます。
わけても、政府において作目に対して何らかの形で補償が取りつけられているサトウキビやパイン、葉たばこの振興は非常に有利だと考えますが、県ではどのような策をもって当たられるのか、お伺いをいたします。
特にまたサトウキビに関しましては、植えつけから収穫までの生産が一貫して機械化作業体系を確立することにより、その展望はより拡大をされるものと考えますが、県の取り組みについても伺いたいと思います。
次に、第1次産業の重要性にかんがみ後継者の育成が急務と考えますが、その対策はどうなっておりますか。それについては水産業も含めてお答えをいただきたいと思います。
さらに離島であり、市場から遠隔地にある本県にとっては生鮮品である農水産物をいかに生きのいいうちに早く、また安いコストで届けるかということは重要な条件になってまいります。
そこでこれからの1次産業は、従来にも増してよいものをつくるということと同時に、よい品質を保つ技術を身につけることが必要であります。
そうなってきますと、化学の分野に属する知識も必要となってまいりました。そういった点から後継者の育成ということについては、ますます新しい分野も含めて重要性が出てくるわけであります。その点に配慮して農水産業の後継者の育成についてどのような施策を持っておられるのか、お伺いいたします。
次に、土地改良事業の見直しについて伺います。
昭和47年、農業基盤整備が本県でも本格的にスタートいたしました。その時点では本県の圃場、畑を機械化ができる農業あるいは集約化ができる、その上農用地を確保した合理的な農業経営を行えば農業でも十分農家生計が立てられるとの展望でスタートいたしました。しかしながら現時
点ではスタート当時の予想とは大きくかけ離れ、農家においては土地改良事業に対する農家の負担金の捻出にも苦慮し離農する農家も出ているところであります。
もちろん農家の勤労意欲や圃場の条件等の格差もありますが、その原因は一元的なものではなく多方に及ぶとは思いますが、少なくとも現時点で大きく変わっていることは農産物の輸入自由化の影響が大であるということでございます。そのために県内外の農業環境の変化及び収益性が低下していることは否めません。これは否定できません。
したがいまして、農産物輸入自由化という現実を考えた場合、そして農業のこの実態を考えた場合、農家の実態を考えた場合、農政の変更、つまり農産物輸入自由化という現実に対応し得る農政上の施策の変更は当然と考えます。
そこで伺いますが、現在農家負担分の土地改良費の負担率を引き下げて農家が負担できるようにする考えはないか、お伺いいたします。
次に、新石垣空港についてお伺いいたします。
県は平成7年度重点施策において新石垣空港の早期建設に努めると掲げておりますが、地権者の同意を初め地元住民の合意が得られずいまだにその可能性さえ見出せません。
地権者と地元住民が主張している知事が言われる宮良牧中での空港建設反対の理由は、生活権を守り、生存権を守り、財産権を守るという憲法で保障された日本国民としての当然の権利に基づくものであります。したがって、知事が宮良牧中案を白紙に戻さない限り空港建設は不可能であります。
そこで伺いますが、知事の宮良牧中案を白紙撤回して市民サイドから要望のある浜崎地先案を含めた他の候補地も含めたところでの建設予定地を選定する考えはないか、お伺いいたします。
次に、第7次空整について伺います。
県は新石垣空港が7次空整に上がるかどうかについては、宮良牧中に対する調査費が必要としているというふうに言っておられますが、その真意について伺います。
私の調べたところでは、国の空港整備計画は空港の必要性、つまり利用度や需要予測に基づいて空港整備計画に上がるかどうかということで理解しておりますが、現に新石垣空港が第6次空整に上がった平成3年の時点は知事がカラ岳東案を認めず、宮良牧中案も示されず空港建設地は未定でありました。つまり現時点と全く変わっていません。したがって新石垣空港が7次空整に上るかどうかは行政のやる気があるかないか、姿勢が問われるところだと考えております。
知事の所見を賜りたいと思います。再質問をいたします。
○議長(嘉数知賢君) ただいまの伊良皆高吉君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時9分休憩
午後1時26分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
午前の伊良皆高吉君の質問に対する答弁を願います。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊良皆高吉議員の御質問にお答えいたします。
まず、本県の雇用問題との関連で、雇用見通しとして平成7年度の完全失業率4.6%と見込まれているが、平成7年10月現在7.1%と大きな差が生じているが、その中身の分析について聞きたいという御質問でございます。
年次雇用計画における雇用の見通しについては、平成7年度の県経済の見通しに従って国内及び県内景気の緩やかな回復に伴って第3次産業を中心に就業者数が対前年度比1.8%増加するものとし、完全失業率を4.6%程度と見込んだところであります。
しかしながら、県内景気は全体としてごく緩やかな回復基調にあるものの先行きの不透明感は依然として根強く、企業マインドが盛り上がりを欠く状態が続いております。このため新規採用も大幅に落ち込んでおり、本県の主要産業である増加を見込んでいた第3次産業の就業者数が増加せず、農林業で大きく減少していることが完全失業率上昇の一つの要因かと考えられます。
次に、厳しい雇用情勢に対処する具体的対策はどうなっているか、また今後の見通しはどうなっているかという御質問にお答えいたします。
失業率が7%を越え引き続き失業者の半数を若年者が占める中で、生活の柱となる中高年齢層の失業者が増加傾向にあり、極めて憂慮すべき事態と深刻に受けとめております。
これまでも県としては、雇用失業問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけ、多数の雇用が期待できるアクアポリス活性化事業の推進や地域雇用開発助成金の活用促進などを通じ、雇用の創出拡大に努めてまいりました。
加えて、今年度からは新規に就職問題に対する県民意識の啓発向上を目的とした雇用促進キャンペーン事業を推進するとともに、沖縄県産業・雇用問題懇話会からの緊急提言を受けて、観光誘客プロモーション対策や伝統織物を活用した縫製業の振興を図るための調査等を実施しているところであります。
今後は、これらの取り組みに加えて最近の情勢に対応した緊急雇用対策として12月補正予算で審議をお願いしております創造的中小企業創出支援事業により資金調達を支援するほか、新総合的雇用対策によって創設された中小企業新分野展開支援人材確保助成金等により、中小企業の人材育成確保を支援し、新たな雇用機会の創出を積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、米軍基地の整理縮小施策は駐留軍従業員の離職につながる、駐留軍従業員の雇用の確保は重要な問題と考えるが県の計画を聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
基地の整理縮小と基地で働く駐留軍従業員の雇用の問題につきましては、駐留軍従業員の身分が国を雇用主とする労働者であることから、一義的には国の責任において中長期の展望に立った具体的な対策を講ずるべきものと考えております。
県といたしましても、駐留軍従業員の雇用の安定は県政の重要な課題であるとの認識に立ち、国際都市形成構想の推進及び基地返還促進対策の中で返還跡地の有効利用計画の策定とあわせて、従業員の雇用の場の創出についても総合的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、戦争マラリア問題との関連で、ぜひとも決着して遺族の方々の願いをかなえてほしいという趣旨の御質問にお答えいたします。
県としましては、沖縄開発庁を初め与党沖縄開発調整会議や与党戦後50年問題プロジェクトチームの各委員に対し解決方について強くお願いしているところであります。援護会の意向も踏まえながら12月末の国の予算編成時まで粘り強く要求してまいりたいと考えております。
次に、離島振興との関連で機構改革の中身について伺いたい、特に支庁の権限について伺いたいという御質問にお答えいたします。
離島過疎地域の均衡ある発展を図るとともに、特色ある豊かな地域づくりを進めるためには総合的かつ効果的な行政の推進を図り、地域の課題に市町村と連携して取り組む行政組織を確立する必要があります。
このため、本庁部門においては地域・離島振興局を設置するほか、宮古、八重山地域において地域の一体的振興を図るため福祉事務所、農林土木事務所、土木事務所等の出先機関を支庁に統合し、支庁長の総合調整機能を高め、両地域の地域完結型システムを強化するためこれまで本庁に留保されていた権限を大幅に支庁長に委譲することとしております。
次に、現業部門と管理部門の合体によって業務推進上支障はないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
これは農林土木事務所とか土木事務所のことと理解しておりますが、農林土木事務所や土木事務所等の出先機関の支庁への統合は、縦割り行政の弊害を緩和するとともに、支庁長の総合調整機能を強化する効果があると考えております。
また事務部門と技術部門が同一の組織に属することによって、地域住民の意向を反映した土木事業の実施や生産計画に基づいた土地改良事業の実施など、ハード部門とソフト部門の一体的、計画的な実施が可能になると考えております。
次に、支庁長が知事の名代として政治的に利用される心配はないかとの意見もあるがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
支庁長の地位は、行政官としての知事にかわって行政事務の執行を行う一般職の公務員でありますので、政治的に利用されるようなことがあってはならないと考えております。
次に、離島航路事業で平成2年度から5年度までの欠損額について一部カットがなされ航路事業者の経営を苦しめているが、これに対する特別補助等県の対策はどうなっているか、また平成6年度以降の対策を伺いたいという御質問にお答えいたします。
離島航路補助事業は、離島航路の維持改善を図り、もって離島地域の振興及び離島住民の民生の安定と向上に資するため離島航路事業により生じた欠損額に対し補助するものであり、昭和47年度から国と協調して実施してまいりました。ところが平成2年度から5年度までの4年間につい
ては国の財政事情によって補助額が減額されたため、その減額分が離島航路事業者の経営を圧迫する一因となっております。平成6年度以降については国が補助した残りの額すべてを県が補助する制度に改正いたしました。
次に、離島の水源確保との関連で、生活に最も必需品である水を県民ひとしく供給されるよう県において水源の確保に努めるべきだと思うがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
水道事業は、水道法第6条で原則として市町村が経営することになっております。現在、本県においては水源に恵まれない北大東村、南大東村、粟国村、渡名喜村、竹富町などの5町村において海水淡水化施設を整備しておりますが、今後とも水源に恵まれない地域においては海水淡水化施設等の整備を促進していきたいと考えております。
なお、海水淡水化施設の整備については国庫補助金を適用するとともに、水道事業体の負担の一部を県費で補助しています。
また、平成5年度より簡易水道の海水淡水化施設の電気料金については地方交付税で措置されております。
次に、南・北大東村での民放テレビ受信対策について県はどのように考えているかという御質問にお答えいたします。
南・北大東村のテレビ難視聴解消については、格差是正の観点から沖縄郵政管理事務所、県、南・北大東村、放送事業者で構成する「南・北大東島におけるテレビ難視聴解消推進連絡会」において検討を進めるとともに、国に対しても助成措置を強く要望してきたところであります。
その結果、郵政省では平成8年度及び9年度の補助事業として次年度の大蔵省への概算要求に計上した旨の連絡を受けたところであります。県においては現在事業実施に向けて準備を進めているところであります。
次に、農林水産業問題との関連で、サトウキビ、パイン、葉たばこは価格補償があり、有利と考えるが県の考え方を伺いたいという御質問にお答えいたします。
サトウキビ、パイン、葉たばこについてはそれぞれ砂糖の価格安定等に関する法律、パイン加工原料用果実価格安定対策、日本たばこ産業株式会社との契約栽培等によって価格の安定が図られ、農業所得の確保に寄与しているところであります。
平成6年に策定した圏域別農業振興方向においては、生産性の高い特色ある亜熱帯農業の確立を図るため、サトウキビは本県農業の基幹作物として、パイナップル、葉たばこについては地域における重要な作物として位置づけております。今後ともその生産振興を図るため生産基盤の整備、機械化作業体系の確立普及、優良種苗の増殖普及、農地の流動化及び共同利用施設等の整備を図っていく考えであります。
同じく農林水産業問題との関連で、サトウキビの生産振興は機械化作業体系を確立することによりその展望は大であると考えるが県の取り組みはどうなっているかという御質問でございます。
サトウキビの生産振興を図る上で作業の機械化は生産性の向上のみならず労働の軽減を図るためにも重要な課題であると考えております。そのため県としては、生産基盤の整備を初め農地の流動化による規模の拡大を図るとともに、トラクター等の肥培管理機械及び地域に適したハーベスター等の収穫機械を導入して、植えつけから収穫までの機械化作業体系の普及並びに農作業受託組織の育成に努めているところであります。
次に、農漁業後継者育成についての御質問にお答えいたします。
本県の農漁村は、担い手の減少を初め農漁業就業者の高齢化が進行し、後継者の育成確保は緊急かつ重要課題であると考えております。
このため若者に農業のよさを認識させ、就農を促進するために次のようなことを行っております。1、財団法人沖縄県農業後継者育成基金協会の設立、2、県立農業大学校における実践教育、3、農業改良普及センターによる経営技術の指導。
さらに水産業については次のようなことをやっております。沿岸漁業改善資金の活用、2番目に漁獲物の鮮度保持対策としてマグロのヤケ防止、3、漁船の冷凍施設の改善指導、4、活魚出荷の技術交流会の推進等、後継者の育成に取り組んでいるところでございます。
御指摘のとおり、本県は多くの離島を有し本土市場から遠隔地にあるため、高品質で鮮度がよく、しかも低コスト輸送技術の確立は重要であり、これらの技術を備えた後継者の育成確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、新石垣空港問題との関連で、宮良牧中案を白紙撤回して地先案を含めた他の候補地から建設予定地を選定する考えはないかという御質問にお答えいたします。
宮良案については、一連の合意形成を初め新石垣空港建設位置検討委員会の提言や庁内の新石垣空港建設対策協議会の報告、これまでの実施に至らなかった経緯等を踏まえ慎重に検討を重ねて選定してきたものであり、選定された場所での早期建設に向けて努力していきたいと考えており
ます。
そのためには、基本的な諸調査はぜひとも必要であり、科学的な調査を早急に実施しその結果を地元の方々に提示し、調査結果についての市長の意向等を尊重し新石垣空港の早期建設について方向性を見出したいと考えております。
それから同じ問題で、新石垣空港が7次空整に組み入れられるかどうかは行政のやる気、姿勢が問われると考えるがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
7次空整については、平成6年度に実施した宮良地区での基本計画調査をもとに国に説明を行い、7次空整へ組み入れられるよう全力を挙げて取り組んでおりますが、関係当局からは空港の位置についての合意形成への努力が求められております。すなわち7次空整期間内に事業着手が見
込まれるかどうかということが求められております。
7次空整では、航空審議会の中間取りまとめによると拠点空港を中心に整備を行う方針であり、地方空港においては需要に応じ新規空港もつくるが全体としては抑制の方向にあることから、新石垣空港を取り巻く状況は厳しいものがあると考えます。
県としては、空港の位置についての地元の合意形成を図るためさらに石垣市とともに力を尽くしてまいる考えでございます。
お許しを得まして、その他の御質問については関係部長等から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 高嶺朝幸君登壇〕
○商工労働部長(高嶺朝幸君) 本県の雇用問題についての関連の御質問で、平成7年次雇用計画の実績についての御質問にお答えします。
主要施策のうち特に地域雇用開発の推進と若年者雇用対策に絞ってお答えします。
地域雇用開発の推進事業では、地域雇用開発プラン策定援助事業において、今年度は知念村を対象に地域雇用開発プラン策定を進めております。
なお、本事業は、これまでに6町村の地域雇用開発プランの策定が行われ、それぞれに雇用創出効果を上げております。
また、地域雇用開発助成金の活用については、今年度は10月までの実績として約1億7490万円が助成され、198人が雇用されており、既に昨年度の実績を上回っております。
さらには、大規模雇用開発援助事業では、数百名の雇用が期待できるアクアポリス活性化推進事業が本年の5月に労働大臣の認定を受け、事業の推進に努めております。
次に、新規学卒者等若年者の雇用対策の推進事業では、学卒就職情報システムを当初の県立高校22校から45校に拡大し、企業情報の提供の充実に努めております。
また、進路指導担当者を対象とした産業・職業セミナーや県外企業合同求人説明会の開催等に加え、今年度から新規に新規学卒者の就職問題を考えるフォーラムやスポットコマーシャルを盛り込んだ雇用促進キャンペーン事業を展開し、就職に対する県民意識の啓発を図っております。
さらに、本県の慢性的な雇用失業問題の抜本的対策を検討するため設置されました沖縄県産業・雇用問題懇話会から去る9月に行われた産業と雇用に関する緊急対策についての提言に基づき、早速9月補正予算での対応等を含めて必要な措置を講じてまいっているところでございます。
また、同懇話会では雇用の創出拡大に関する中長期的な施策について、来年2月をめどにその取りまとめを行うこととしております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 離島振興との関係で、琉球エアーコミューターの平成7年度赤字見込み額2億2000万円の対応策についての御質問にお答えいたします。
琉球エアーコミューターへの支援につきましては、これまで関係町村とも連携しながらその方策について検討を進めてきたところでございます。
関係町村は、沖縄県離島航空関係町村協議会におきまして、町村の持ち分として支援額5500万円を決定しております。県といたしましては、一層の企業努力による収支改善にも期待しながら、当初予算で5500万円を措置し、今議会にさらに5500万円の補正予算を計上して御審議いただくことにいたしております。
この運航費助成の考え方につきましては、県2分の1、関係町村4分の1とし、残りの4分の1につきましては引き続き企業の経営努力としたところでございます。
離島航空路線が離島住民にとって生活路線であるとともに、離島振興を図る上で重要なものであることにつきましては十分理解をしておりまして、今後とも企業努力を前提に公的支援につきまして検討する必要があると考えております。
しかしながら離島町村及び県による支援には限界があり、離島航空路線を長期的に安定維持するためには離島航路補助と同様国による支援措置が不可欠であると考えております。
このようなことから、平成7年9月に離島航空路を抱える北海道、島根県、長崎県、鹿児島県及び本県の5道県の知事で構成する離島航空路問題協議会を設置し、これまでも国に対し強く要請をしてきたところでございます。今後とも同協議会とも連携を図りながら国に対しても要請活動を展開してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(嘉数知賢君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 比嘉政昭君登壇〕
○環境保健部長(比嘉政昭君) 離島振興について、水源を持たない離島の水源確保について、海水淡水化に頼っている町村と県企業局から受水している市町村との水道料金の格差はどうか、またこれらの自治体の他会計からの繰入額はどうかとの御質問にお答えいたします。
離島における水源は、一般的に水量、水質に恵まれないため安定的な水を確保するために海水淡水化施設を整備しているところであります。
海水淡水化施設を有する離島町村の平成5年度における10トン当たりの水道料金は、北大東村2580円、南大東村2970円、粟国村2268円、渡名喜村2470円、竹富町1323円となっており、平均で2322円であります。
なお、県企業局から受水している27の水道事業体の水道料金は最高2470円、最低670円で、平均1429円となっております。
また、平成5年度における当該簡易水道事業体の他会計からの繰入額は、北大東村2100万円、南大東村6623万6000円、粟国村3180万8000円、渡名喜村1998万3000円、竹富町8545万7000円となっております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 農林水産部長
〔農林水産部長 当銘勝雄君登壇〕
○農林水産部長(当銘勝雄君) 農林水産問題との関連で、農家は士地改良費の負担金の支払いに苦慮しており、負担率を引き下げる考えはないかという趣旨の質問にお答えいたします。
土地改良事業は、農地の集団化による規模拡大及び機械化による労働力の低減、水の有効利用等により農産物の増産を図り、農業経営の向上に寄与する目的で実施しております。
しかしながら、現状では農業の担い手不足や高齢化等によって土地改良事業の効果が十分に発揮されない地域もあります。これらの地域については、市町村、農協等関係機関と連携して担い手の育成や営農指導の強化に努めております。
なお、本県における土地改良事業の農家負担率は国の高率補助がなされており、九州各県と比較して2分の1程度に軽減されておりますので、御理解を願いたいと思います。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 教育長。
〔教育長 仲里長和君登壇〕
○教育長(仲里長和君) 答えが前後してしまいますが、最初の本県の雇用問題についての工、教育現場における職業教育はどうなっているかという御質問にお答え申し上げます。
学校教育における職業教育は、小学校、中学校、高等学校における児童生徒の発達段階に応じて働くことの意義を学ばせ、職業生活を送るために必要な基礎的、基本的事項の修得を図ることを主眼に置いて実施されております。
また、児童生徒がみずからのあり方、生き方を考え、主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通して計画的、組織的、継続的な進路指導の充実強化を図っているところであります。
例えば、小学校低学年から高校3年に至るまでそれぞれの学年で学ばせる職業教育、進路指導等につきまして、どういう事項をどういう内容、どういう方法で教えるというそのマニュアルをつくって各学校に配ってございます。
各学校では、その学校の児童生徒の実情や地域の実態に応じて年間計画を作成し、それぞれの学年に応じた指導内容を設定して指導に努めているところであります。
特に高等学校におきましては、ホームルーム活動等における進路指導の充実を図るとともに、勤労や奉仕にかかわる体験学習、民間活力導入事業による社会人講師の活用や職場見学、技能審査の成果の単位認定、普通科における職業科目の履修、新科目「産業社会と人間」の積極的な活用等を通じて勤労観、職業観の育成に努めているところであります。
○議長(嘉数知賢君) 伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 再質問いたします。
先ほど答弁の中で、離島航路の補助の問題、平成2年から5年までの一部カットされたものについての補助分をどうするかということについては御答弁がなかったように思うんでございますが、後ほど答弁していただきたいと思います。
それからまた、農業後継者育成基金協会を設立して運用しているということもございましたが、その中身についてもお答えをいただきたいと思います。
それから、雇用問題についてでございますが、私はこう思うんです。沖縄県で若年労働者が仕事をしてないというふうなことが、非常に他府県から見ると珍しいようでございます。不思議でならないと。卒業してぶらぶらしていながらよく生活ができるなあというふうなことが指摘されるんです。
これは、学校を卒業した若者が県内で勤めたいということで、県外に行くよりは島で遊んだ方がいいというのか、親のそばがいいというような気持ちはわかるんですが、そのままでいいだろうかと思うんです。これは、沖縄県内で仕事がなければ、県外で仕事をして技術を身につけてもらって1人の人材となって島に帰ってきて、そこで新しい産業を興してほしいと。そうすることによって初めて沖縄県内でも一つの産業基盤がつくり上げられていくということになるわけで、ただ県内でぶらぶらしていますと、お父さんのやっている仕事を、お父さんがやらなくなったらそのときに自分が引き継ぐという、こういうようなことではいつまでたっても沖縄県内としては新しい芽は出てこないと、産業基盤というのは広がっていかないというふうな気がいたします。
そういった意味では、我々は非常に寛大といえば寛大、温かいといえば温かいというふうな互譲の精神といえばそのようにも受け取られますが、ある意味では甘やかしてはいないだろうか。県内でできなければ外に出て、単なるただ難儀してこいというだけじゃないんです。それに見合うだけの技術を身につけて帰ってきて、ふるさとににしきを飾ってほしいと。ふるさとのためにまた頑張ってほしいというふうな、人材育成の立場からも若者が仕事をすると、どこでもいいんです、県内でも県外でも。そういうふうな意識を持つという教育を学校現場でももっとやるべきじゃないのかなと。むしろ沖縄県でこの現状から見ると、その必要性が高いというふうに思います。
そういったことで御所見を賜りたいと思いますが、これは教育長にも、それから知事の方にもお答えいただきたいと思います。
それからもう一つは、経済面は即雇用面、一体でございますが、確かに大田県政は平和あるいは女性の両行政には非常に力を入れていただいて実も結実しつつあるというふうに評価を受けております。それでいいと思いますが、その陰で経済面が弱点という指摘もございます。そういったことでぜひその点、弱点と言われないように挽回してもらうための努力もしてもらわないといけないんじゃないかなと思うんですが、その決意のほどもお聞かせいただきたいと思います。
それから離島振興についてでございますが、私は、八重山の場合あるいは宮古の場合、支庁長の権限が総合調整機能をより発揮できるということで説明としては非常にいいようでございますけれども、過去のいろんな例などを見てみますと必ずしもいい点ばかりではなかったというような指摘がございます。
それとまた、現業部門を持つ農林土木事務所あるいは土木事務所の現場の方では非常に困ったなあというふうな声がございました。これは、昭和五十五、六年ごろから案を立てて、離島振興局構想ということで、私どもも離島の選出議員としてぜひこれを離島振興のためにということでいろいろやってみたんですが、実際問題としてこういうふうな弊害がありますよというふうなこともあって引っ込めた例があったし、前に進めなかった例もございました。
そういうことで今回提案された条例案がまた異質のものとは思えないんです。そういうことでもっと現場の声も聞いた検討が必要じゃないかなという懸念があるんでございますが、その辺についてもう一度御答弁を賜りたいと思います。
それからもう1点、同じく離島振興についてですが、道路というのは一般の県民が使用するということで県民は自由に便利に使用しております。道路を通るということで金をかけて道路を利用している人はいないかと思います。車とかそういったものでの税金などによる支出はあるかもしれませんけれども、自分の行きたいところに行くのに金を使ってというのは、バス賃とかガソリン代以外のほかには金をかけなければ目的地に行けないというふうなことは、普通我々県民には余りぴんとこないですね。
ところが離島の場合は、自分の行きたいところに行くには船を使う、飛行機を使う、どうしても金をかけなければいけなくなる。したがって陸上に道路があるように海にも海の道があるし、空にも空の道がある。それを県民が利用するのに金をかけなければいけないと。それをまた企業努力という形に置きかえられたときには、どうしても企業努力の一つの中には受益者で負担してくれと、利用者に負担してくれということで、離島住民の交通にかける経費の負担、そういったことが非常に過重になってくるということがございます。
いろんな面で、道路に金をかけているように、海の道、空の道にも同じように県民に平等に恩恵が与えられるように、できるだけの援助をしていただきたいなあと。もちろん企業努力を求めることも当然でありますけれども、平等の原則からいいまして、やはり離島に住んでいる人は離島が好きだからとか何とかいうだけのものじゃなくて、離島に住むことによってやはり沖縄県全体に非常に貢献していると。
例えば、今いずれか沖縄県政に尖閣列島の問題が持ち上がるときがあると思います。もし尖閣列島に沖縄の県民が住んでおれば、あるいは日本国民が居住しておれば、尖閣列島を中国や台湾が自国のものだというふうな問題は起こらないと思うんです。人が住んでいないために問題が起こってくるんです。
これは極端な例ではありますけれども、離島で生活をしているということは、そういった意味で県土あるいは国土を保全しているという大変大事な側面もあろうかと思いますし、そういったところに住んでいる人たちにも温かい目を向けていただきたいなあと思います。
それから、水資源の一元化でございますが、私は、これはもう本当に県で水資源の確保はしていただきたい、これはやるべきだというふうに思います。水道事業は各市町村に任されてそれで構いませんけれども、と申し上げます根拠は何かといいますと、沖縄県はガソリンと電気料金は県民生活に非常に重要だから全県下同じ値段にしようということでいろんな施策が施されております。しかも民間企業がそれをやっているんです。
ガソリンや電力がこのように県民の生活に必要であるのに比べて、水はもっと必要なんですから、私はガソリンや電力がこういうふうに位置づけられるということを考えれば、当然水は位置づけられてしかるべきだと思いますので、もう一度この水の問題についてはぜひ県の方で水源の確保をしていただけるように御答弁をいただけたらありがたいと思います。
それからもう1点、次に農業問題でございますが、結論から申しますと沖縄県において第1次産業、わけても農水産業は非常に有望だぞと、こういったキャンペーンを積極的に打ち出していいんじゃないのかなあと思います。
と申しますのは、先ほど私も質問いたしましたし、それから御答弁にもございましたが、失業率がこのように予想以上に膨らんだ理由は、第3次産業で雇用が促進するであろうと思われたけれども、それの見込みが大きく違っていたというふうなことが理由に挙げられました。
すなわち外的要因に頼って沖縄県でいろんなことをやろうとしてみたところで、これは必ずしも自立的発展にはつながらない場合が多いという何よりの証拠だと思うんです。したがって自分の力で、この県内にある自分の財産を利用して、運用して力をつけることはできるというふうな、足元を見たといいますか、第1次産業に力を入れてい
くということは、今こそ必要なときじゃないだろうかと。
そのことはまた、将来ずうっと沖縄県発展のために必ずプラスになる一つの基盤になりますから、私は、そのことを農業の展望が明るいんだというふうな施策をぜひつくっていただいて、それを約束できるような裏づけをしっかりして取り組んでいただければ、私は必ず成功するというふ
うに思います。
一例を挙げますならば、これは9月定例会でも新進党の仲里利信議員が取り上げてくれましたけれども、石垣島製糖で台風の影響でもう苗が全くなくなってサトウキビを植えることに苦慮したときに、折れたサトウキビの節から出てくる側芽、芽を摘み取って、それを利用して植えつけることに成功しました。側芽苗というわけでございますが、これはペーパーポットということで、それに根っこの方に肥料とかあるいは病害虫に抵抗できるだけのあらゆる総合的なものをちゃんと仕組んで、機械でぽっぽっと植えていけるような、こういうふうなことが成功したわけです。それができますと植えつけも簡単になりますし、多くの面積についての管理も可能になると。
さらに、側芽苗だけじゃなくて、将来はバイオを駆使して農業をコントロールすることもできると。台風被害から避けるために施設農業をもっと拡充して、さらにそれをコントロールして、必要なときに必要なものを持ち出してきて商品化する。言ってみれば冷凍食品を冷凍庫から持ち出してきて、必要な時間に解凍して使えるというふうなことを農業生産の中でも可能である。すなわちコンベアシステムと申しましょうか、農業の工場化といいますか、こういうふうなことまで展開していくことが可能であるというふうに専門家も言っているわけでございますが、それに期待をかけているわけです。
すなわち今、この不景気をどうするか、雇用率をどうするかというときに、確かに大企業に頼る、あるいはいろんな新しい産業に取り組むということも大事ですが、それは50%以上冒険が伴います。したがって成果についてはどうなるのかわかりません。しかし先ほど申し上げましたように、1次産業については、特に農業でサトウキビ、パイナップル、葉たばこ等は政府の方で買いましょうというふうに買い取るということの裏づけ、保証がございますので、一番安心してできるという点からも、私は、今はこういうふうに1次産業に力を入れる時代になったであろうと、こういうふうに思います。ぜひ決意のほどをお聞かせ
いただきたいと思います。
それから、新石垣空港の問題についてでございますが、知事はこれまでの経緯を述べられて、宮良牧中以外はないようなことを言っておられましたが、私は、知事が何と言われようが宮良牧中ではだめですよということなんです。
といいますのは、航空法第76条には空港の設置の許可条件が述べられております。その許可条件の13項の中に、2の2、申請者がすなわち沖縄県が、「飛行場の敷地について所有権、その他の使用の権原を有するか又はこれを確実に取得することができることを証明する書類」を添付せよということになっている。すなわち地権者の同意を持ってこいということですよ。地権者は同意しないと言っているんですから。
なぜそう言っているかというと、我々は生存権を守るんだと、生活権を守るんだと、財産権を守るんだと言っているわけですから、それを踏みにじるというふうなことになりはしませんか。
知事は、いろいろ米軍との基地問題などでやるときに、行政の責任者として最も大事なことは県民の命を守る、生活を守る、財産を守ることだと言っておられるんです。基地問題ではこういうふうに言っておられる知事が、空港問題ではそれを取り上げるという形になるんです。こういうふうに解釈されるのは、私は矛盾するんじゃありませんかと。
地元の地権者はそれを一歩も譲らないと言っているんです。それがわかっておりますので、そこでいくら綱引きをしても時間がもったいないですから、みんながいいというところに早く移ってください、そうすれば私どもも一生懸命協力しますよと、そのことを申し上げているんです。
それからまた、7次空整の問題についてもですね、確かに7次空整5カ年の間に着工できる、着手できるような場所を選んでこいと、早く決めろということはこれは国の要望であります。
そういったことからいいますと、一番国から見て最も難しいなあ、何年かかっても着手ができそうにないなあと思うのは宮良牧中なんです。だから宮良牧中に空港を決めるんじゃなくて、別のところにやってきなさいというふうに私どもは解釈しているんです。
これは何に基づくかといいますと、去年の9月1日、運輸省、農水省、開発庁、環境庁を全部回って、地元の農民あるいは地権者と一緒に直訴に行きました。そのときのやりとりの中で私どもが得てきた答えなんです、感触なんです。
ですから知事は、本当につくられるという気持ちがあるのでしたならば、こういうふうに法的根拠を示されて大丈夫だというふうな場所、そして国においてもいいだろうと言えるような場所に早く目を転じていただきたい、移していただければいつでも協力したいと、そのように思っております。
答弁によってまた再質問をさせてください。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊良皆議員の再質問にお答えいたします。
まず、雇用問題との関連で、若年層に失業率が非常に高いということ、これはもう御指摘のとおり私などが非常に胸を痛めている点でございまして、何とかこの解決策はないものかと、県として私はスタッフにもいつもその問題を訴えて、具体的な解決策を一緒になって考えようやということをやっておりまして、1つには、先ほど伊良皆議員が甘えという言葉を出されたわけですが、御承知のように県外に出る若い人たちが生活のリズム感と申しますか、テンポが合わないというところ、一つの文化的な違いと言ってもいいと思いますけれども、そういった理由から2カ年ほど勤めた後に舞い戻ってくると。
それを家族は別にそれほど怒ることをしないで温かく迎えて、また気が向くまでは休んでもいいよというような形でやっていくと。それを甘えと言えば甘えとなるかもしれませんが、この辺は非常に難しい問題でございまして、学校教育の場でも、行政は絶えず学校教育の任にある先生方とも御相談して、何とかいい解決策はないものかといろいろと苦労して取り組んでいるところです。
県外の事務所がありまして、そこには県外への就職をあっせんする人たちも、委嘱している人たちもおりますので、これまでどちらかというとそういうものがどれぐらいの効果を上げたかということについてなかなか報告なんかも聞けなかったんですが、最近は私は厳しく報告を義務づけて、どういうところに行ってどのような折衝をしてどういう反応があったとか、そういうこともやって取り組んでいるところでございます。
いずれにいたしましても大変難しい問題ですが、ほっておける問題じゃありませんので、さらに努力を傾けてまいりたいと考えております。
それから、大田県政は経済面で弱いというふうに言われているが、そう言われないための知事の決意を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
こんなことを言うとおしかりを受けるかもしれませんが、私は、研究者のころに沖縄の経済を廃藩置県以前から戦後に至るまで私なりに一生懸命に研究したことがございまして、そういった私なりの勉強の成果というのを何とか行政の場で生かしたいというようなことでいろいろな形の取り組みをしております。
例えば、物産公社をつくって県産品の販路の拡大に力を入れている、それも皆さん御承知のとおりだと思いますし、それから観光立県という立場から組織の強化を図るためにビジターズビューローをつくりまして、そして誘客活動に取り組んでおります。
さらに、観光との関連とそれから離島、北部地域の振興を図るために、知事になって最初からスタッフと相談してまいりましたジェットフォイルの導入というものもどうやら目鼻がつきそうな感じがしておりますし、自由貿易地域の活性化の問題についても今真剣に取り組んでおります。
それから御承知のように、福建省との2回にわたるサミットを通して中国へ進出する企業をあっせんするとか、そういったことも積極的にやっておりますし、さらに県外の事務所におきましても企業の立地の問題についても従来以上に力を尽くして努力しているところですが、また香港とか中国、韓国、それから台湾といったようなところに県の職員もしくは企業から派遣された職員を配置して、そして経済活動にもっともっと力を入れていくいろんな手はずを整えておりますし、TTCの問題なんかにつきましても研究体制から製品の創造といいますか、研究成果の商品化についても予算をつけたり、それから職員をふやしたりということで努力しているところでございます。
さて次に、新石垣空港の問題についてでございますが、これはもうこれまで何度も申し上げましたように調査が必要でございまして、調査の結果、これが不可能だということになれば当然これはよそへということにもなるわけですが、これまでのいろいろな経緯からしまして、ぜひとも提起されている科学的な調査というのをさせていただきたいということで努力しているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
ほかの御質問については担当者から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 教育長。
〔教育長 仲里長和君登壇〕
○教育長(仲里長和君) ただいまの追加質問の中で、特に県外に視野を広げた就職活動の必要性ということに関する問いに3点ほどお答えしたいと思います。
ただいま商工労働部長から話がありましたように、県でも若年労働者の就職口の確保だということで非常に努力をしていただいているところですが、教育委員会、各学校におきましても県の施策に呼応いたしまして生徒が県外に目を向けて全国を自分の活動の場とするという方向をはっきり示しまして、各学校と連携をして自主的に施策を進めているところです。
中でも、1学期には各学校の就職担当者を県外の職場に派遣をして職場開拓及び定着指導を図ると。夏休みも同じことをやっております。
9月の初めには私の名前で全高校生に現在の進学及び就職の現状と課題、生徒がそれぞれ考えるべき事項についてアピールを出してございます。その中で特に就職の厳しさと、そして県外へ目を向ける大切さということを強調してございます。
それで2点目はその結果でございますが、毎月就職、進学の状況がどうなっているかという動態調査をしてございます。去る10月31日現在の調査、これは後で玉城先生の質問にお答えをするつもりで準備をしてございますが、ついでですから10月31日現在、来年3月の高校卒業予定者が1万6236名おります。そのうち就職を希望している生徒が4057名で、これは卒業予定者の25%です。
就職を希望している生徒のうち、65.3%が県内を希望しているわけです。ここにずうっと県外へ目を向けてという指導がなかなか生きてこないという現状がございます。
34.7%が県外でございますが、したがいまして県外の内定率が約60%に対して、県内希望の生徒65.3%の内定率は12%にすぎないと。
ここに何度も指摘がございますように、県外に目を向けた就職の視野を広げていかないとどうしても若年労働者の就職の問題が解決しないということが数字の上で浮かび上がってございます。これが2点目の実態でございます。
3点目、昨年度と申しますか、去る3月卒業生の進路状況の中で30%が無業者という結果が出ております。いわゆる卒業した生徒の3割が仕事をしてないと。
この3割という数字の中にはいろんな要因がございます。例えば大学浪人等も無業者として数えるとかということもございますので、ことしはこの無業者の内容についてもう一度再検討をして、実際に仕事をしたいが仕事につけないという人がどういう状況になっているかということをこれからも月々の実態を含めて最終酌にもう少しきめ細かい実態調査をしてみたいと思っていて、今県外への就職についても精力的に各学校で指導をしているところでありますが、現状はこうなっているというふうに報告をしておきたいと思います。
以上です。
○議長(嘉数知賢君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 離島航路補助事業についての再質問にお答えいたします。
平成2年度から5年度までの補助額の減額によって生じた累積債務につきましては、今後検討していきたいと考えております。
以上です。
○議長(嘉数知賢君) 総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 再質問にお答えいたします。
組織再編に際して現場の声を聞くべきではないかとの質問でございましたが、組織改正は地元の長年の要望にこたえるため地域の視点に立って利便性の向上や地域における県の総合窓口としての機能、地域振興を一体的に均衡を図りつつ推進する総合調整機能と組織体制の整備が重要だと考え、今回、関連条例の改正案を御審議いただいているところであります。
調整の具体的なことにつきましては、平成7年2月15日に沖縄県地域離島行政組織検討委員会を設置いたしまして、実務レベルの研究会を設置するなど地域の要望を踏まえた形での検討をいたしてきております。
さらに、現場の事務所等の声につきましても、関係部局との調整を経て現場の事務の執行上特段の問題は生じないという判断をいたしております。
今後とも御指摘の点につきましては、十分配慮しながら進めていきたいと、こういうふうに思っております。
○議長(嘉数知賢君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 比嘉政昭君登壇〕
○環境保健部長(比嘉政昭君) 離島振興について、水源を持たない離島の水源確保について県で全県的に負担すべきではないかというようなことでしたけれども、水道法に基づきまして県としましては今後とも水源に恵まれない離島においては海水淡水化施設等の整備を促進していきたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
それから、この施設整備につきましては沖振法で高率補助がなされております。
それから、その補助につきまして3分の2は高率補助になっておりますけれども、残り市町村負担分については簡易水道債、それから過疎債で対応しております。
○議長(嘉数知賢君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 当銘勝雄君登壇〕
○農林水産部長(当銘勝雄君) 伊良皆議員の再質問にお答えをいたします。
農業後継者育成基金の概要はどうなっているかということでございますが、次代の農業を担う意欲と能力のある青年農業者を育成確保することが本県農業を展望するに当たり最も重要な課題であるということは先ほど申し上げたわけですが、そのためには学校教育との連携、あるいは青年農業者を取り巻く環境整備、現在ある組織の活動の促進、あるいは国際化に対応する質の高い研修強化と、こういったものをやるために現在農業後継者育成基金協会、これを設立するということで先月に発起人会を開催したところでございます。今月早いうちに設立認可がおりると、こういうような状況になっております。
この基金協会への出資団体としては、沖縄県と市町村、それから農業団体でやることにしておりまして、出捐割合でありますが、県が2分の1、市町村と農業団体がそれぞれ4分の1と、こういうことであります。
基金の造成期間については、平成7年から11年までの5カ年間と、こういうことであります。
基金の造成計画でありますが、15億円を5年間で造成するということにしております。
この後継者育成基金協会の事業でございますが、まず、新規就農促進事業というのがございます。これは、就農者が就農するためにいろいろと資金面の問題とか技術面の問題とかありますので、そういったものの手助けをしたいということであります。
それから、農業大学校に現在学生がたくさんおりますが、その皆さんの海外研修あるいは国内研修、こういったものについても支援していくと。
それから、学校教育との連携ということでは、特に小学校、中学校あるいは高等学校、こういったところとの連携をとりまして、農業に対する説明といいますか、研修、あるいはこういったものを通じて農業者の確保を図っていくと、こういうようなことをしております。
そのほかに、農業青年クラブの活動助成、こういったものを通じて農業者の魅力ある姿を見せていくと、こういうようなことを考えております。
それから、現在農業している皆さんに対する例えばインターナショナル交流事業ということで外国から来ている研修生との交流事業、こういったものを図ることによって魅力をつくっていくと。
そのほか盛りだくさんの事業を今計画しているところでございます。
それから、農林水産業が有望であるという決意を示してもらいたいというような御提言がございましたが、私は農林水産部長を拝命しているわけでありますから、当然ほかの産業よりも農林水産業が非常に有望であると、こういうふうに考えておりまして、既に御存じのとおりミバエあるいはウリミバエ、こういったものの根絶を通じて、今ニガウリの生産とかあるいはそのほかのウリ類の生産が活発に展開されております。
さらに最近では新しい品種の開発、こういったものによって薪たな農業の展望が見出せるということで、例えばその中でニガウリであるとか菊であるとかラン関係、こういったものもありますし、それから畜産関係においても生産技術の改善でもって双子牛の生産とか、あるいはそのほかの技術、こういったものがだんだん改善されてきているということでありまして、さらに今特に私どもで考えているのは野菜、花卉、果樹、こういった全国に比べても非常に優位性のある作物がございます。
肉用牛についても、粗飼料の生産が他県よりも生産条件がいいということからしましても非常に有利であると。
それから、土地利用型であるサトウキビ、パイナップル等につきましては、特にこれからは機械化を前提に進めていきますならば、これも耐風性にも強いし、あるいはほかの野菜類に比べて干ばつ性にも強いということからしますと、機械化することによって生産性を上げることができると、あるいは老齢化に対する対応もできるという面から非常に農林水産業も将来的には私は有望ではないかというふうに考えているところでございます。
ぜひ議会の御支援もよろしくお願いしたいと思います。
○伊良皆高吉君 休憩願います。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午後2時33分休憩
午後2時33分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 農林水産部長、大変明るい展望を持って答弁いただきましてありがとうございました。
我が党の喜久山盛忠議員──元農林水産部長は、いつも農は国のもとなり、今も昔も変わらぬよと言っておられたことは、今何か現実のものとなってきたなと思って非常にうれしい気持ちです。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
さて知事、新石垣空港の問題で再度お伺いいたしますけれども、宮良ではできないんだというようなことを一つの地元で結論を持っているわけですよ。そこで調査をするということはちょっと矛盾するんじゃないのかと、時間のむだじゃないのかということなんですね。
今、県が調査をさせればどういった答えが出るかは答えはわかっているんです。調査を依頼した人が希望するような、望むような答えが出る。これが過去のいろんな例を見てみるとそういうふうになっていて、それでいろんな訴訟が起こされてがたがた問題になるわけですから、そういうことになるわけです。
それでは調査の結果によっては地権者の意見がどうあろうが、何であろうがもう強行してやると、無視してやるというふうに解釈していいかどうか。
以上です。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 新石垣空港問題についてお答えします。
せんだって石垣市長の御一行が県に見えまして、調査を早く促進してくれという要請を受けました。また議会代表の方々もお見えになりまして、議会の方でも前の状況とは変わっているからぜひ調査を早く推進していただきたいという要請を受けておりますので、それらの要請を踏まえながら県は行政としてのこれまでの作業を誠実に、さらに地元とも今後も協力し合って進めてまいりたいと思っております。
○議長(嘉数知賢君) 玉城義和君。
〔玉城義和君登壇〕
○玉城義和君 御苦労さまでございます。
日本社会党・護憲共同県議団を代表いたしまして質問をいたします。
質問に入ります前に、先般行われました県民大会について若干申し上げたいと思います。
10月21日に宜野湾市の海浜公園で開催されました沖縄県民総決起大会は、県内外からの参加者8万5000人の参加によりましてまさに戦後最大規模の大会になりました。
この大会がこのような最大規模になったのは、この事件の持っている非人道性に対する県民の怒りと同時に、戦後50年間たっても変わらぬ沖縄の軍事基地のありように対する県民の不満のあらわれだったと考えます。
この大会のために大変厳しい経営状況にもかかわりませずバス運賃を無料にし、県民の心を一つにするのに大きな役割を果たしていただきました沖縄県バス協会の英断に心からの敬意を表したいと存じます。
今日、本土などで開催されます集会でこのことは県民ぐるみ闘争を説明するのに象徴的に使われているのであります。
また、数千台の駐車場を無料で提供いただきました皆さんや、医療奉仕、会場づくりにそれぞれボランティアとして参加いただきました何百名という方々の陰の力がこの大会を支えたということは言うまでもありません。かかった諸費用についても、ほとんどにおいて3割から4割ぐらいの値引きをしていただいたということなど、県民の皆さんがそれぞれの立場でそれぞれができるボランティアを行ったということでありまして、この大会は文字どおり全県民が心を一つにしたということができます。
また、言うまでもなく、当初より県議会の各会派がその主義主張にとらわれず、広く県民的立場に立ち、終始この大会をリードしたことは大会の正当性と統一性を高め、この大会に県民の怒りを結集できた最大の条件であったということは我々県議会としても確認をしてまいりたいと存じます。
各会派が県益を最優先させ、寛容の精神を発揮したことがこの大会を支えました。
大会終了後、私のところにたくさんの手紙が届いていますが、北海道のあるジャーナリストからの手紙は、あれだけの大会が整然として行われ、大会終了後ごみ一つ落ちてないことにはびっくりしました、抑制されてはいるが、それだけにかえって県民の強い怒りが伝わってきましたと書いてありました。まさにそのとおりの大会であったと思います。
その模様は、アメリカを初めヨーロッパ、アジアの主要なメディアのトップ記事あるいは準トップ記事として世界をかけめぐったことは、沖縄の現実を知らしめることになりましたし、この大会に結集された県民の怒りは確実に国内外の世論を動かしていると確信いたしております。
この大会の最大の教訓は、県民の統一された力がいかに大きいか、そしてそれこそが国内、あるいは世界の世論さえも動かす原動力であるということであります。
現下最大の課題である基地問題の解決のために、我々は党派を超えて県民世論を結集して本土政府あるいはアメリカに当たるということこそが最も肝要であり、かつ最大の効果を生むということであります。
今我々は戦後50年、そしてやがて幕をおろそうとしている激動の20世紀の最終章に立ち会っています。
このような中で、我々が次世代へ残し得るものは何か、それがよき決断であったと後世言われるものは何かを思うときに、この半ば宿命的とも思われる基地問題を解決し、自由に絵の描ける障害のないキャンバスを残してやることこそが極めて重要ではないかと思うのであります。そしてその目的達成のためにはいかなることも勇気を持ってなし遂げなければならないと思います。
スペインのカタロニア地方やバスク地方、あるいはカナダのケベック州などの例を引くまでもなく、それぞれの国家の中において特別な位置を占め、その国の政治のキャスチングボートを握っている地域の例は多くあるのであります。
沖縄が基地問題解決のために政治勢力を統一して対外的に当たることは、かつてのような激しい東西の対立が解消した今日こそ私は最も現実的でかつ効果的な方法だと考えます。少なくとも基地問題については超党派で取り組むというようなことができますならば、それだけでも多くの成果を上げることができると考えられます。今後、県内外で大いに議論が巻き起こることを期待をいたしたいと思います。
それでは質問に入ってまいります。
1、米軍基地の整理縮小をめぐる諸問題についてでございます。
まず私は、知事の代理署名拒否の表明に始まるこれまでの一連の行動に対して高く評価し支持をいたします。
沖縄県の知事として県益を考えれば当然のことですし、また県民の圧倒的多数の皆様も同様の立場で知事を支援しているものと確信をいたします。そしてこれまでの知事と総理などの会談によりまして沖縄米軍基地問題協議会が設置され、その初会合なども既に行われております。
この機関は、沖縄県知事を初め関係閣僚が参加しているわけですが、まず最初に、1、この機関と同時に新しくできた沖縄の施設・区域に関する特別行動委員会、そしていわゆる2プラス2と言われる安全保障協議会及び日米合同委員会のこの4者のそれぞれの機能と関係はいかようになっているのかを御説明いただきたいと思います。
特に基地問題協議会は、その機関として決定機能は持っているかどうか、そしてその決定機能があるとすればその決定は日本政府の決定になり得るのかどうか、そしてその実効性の保障の問題であります。
第2番目、知事の参加されている基地問題協議会の設置期間はどれぐらいにわたるか、また会議開催の間隔はどれぐらいか、またこれは内閣が変わったりした場合の継続性の担保はあるのかどうか。
また、この会議を例えば3回に一遍は沖縄現地で開催するというようなことも検討すべきではないか。つまり、最も基地の多い市町村で外務大臣などを入れてこの協議会を開くということは相当に意味があるというふうに考えるわけであります。
次に、行政訴訟についてであります。
まことに残念ながら村山総理は、先ほど福岡高裁の那覇支部に行政訴訟を提起をいたしました。
私どもといたしましては、知事の立場を全面的に支援していくものでありますが、この訴訟は、知事の立場から広い意味で日本の戦後政治と民主主義のあり方、また人権ということについても問うことになると思います。
そこで、この行政訴訟に対して県はどのような立場で臨んでいくか、基本的な考え方をお示しをいただきたいと思います。
2番目、この訴訟は政治的にはどのような意味合いを持つと考えるか、明らかにしていただきたいと思います。
次に、地位協定の改定見直しについてであります。
県のまとめました10項目にわたる見直し条項は、大変よくまとまったものになっていると考えますし、短期間に作業をされました関係者の労を多とするものであります。
1、改定見直しについての協議の場はどこになるか、また県の意見はどこで吸収されるようになるか、明らかにしていただきたいと恵います。
2番、全般的な基地の整理縮小という問題と、この地位協定の改定問題はどういうふうに関連をしてくるかということであります。
次に、県の基地縮小アクションプログラムについてであります。
これは、いまだ試案の段階であると言われておりますし、公表はされておりません。しかし県民世論を結集するためには具体的な結集軸が不可欠であり、どの基地を、いつまでに返還してほしいという具体的な要求項目がぜひ必要かと考えられます。
以下、質問いたします。
2015年までの返還アクションプログラムとはどのような構想であるか、全体像を説明してください。
その正式な決定までに要する時間はどれぐらいかかるか。
3番、また返還跡地利用との関係で、国際都市形成構想との関連でこの2者はいつごろからドッキングするようになるかということであります。
次に、那覇軍港などの3事案についてであります。
このたびの知事の代理署名拒否によって動き出した流れの中で、この3事案の位置づけはどのように変わってきているかということであります。すなわち県内移設との関係も含めて御答弁を願いたいと思います。
さきに成立を見ました軍転特措法の適用第1号と言われる恩納村通信施設の地主の方々からは、この法律の実際適用についての不満、不備の声が上がっているようであります。県としての見解をお示しください。
また、軍事基地雇用にかかわる労働者の雇用の問題も避けて通れない重要な課題でありますので、その対応についても総合的な対策が必要と思われます。県のお考えをお示しください。
次に、県経済と雇用の課題についてです。
日本経済は、1980年代から投機を中心にしたバブル経済が開花をいたしましたが、すぐに泡と消え、現在、不良債権、金融不安等の後遺症の問題に苦慮しているのが現状であろうと思います。
為替は、1ドル100円台に回復し一時回復基調が叫ばれたものの、景気もなかなか好転してないわけです。
91年から95年9月までの諸景気指数や機械の受注、大口電力使用料、建設工事受注も破行しながらも前年比で減少傾向が見られます。
総じて言えることは、日本の景気は回復基調の兆しが見出しにくいというのがほぼ専門家の一致した見方でもあるわけです。
一方、平成5年から7年の現在までの沖縄の景気動向を見ると、当然ながら基本的には日本経済のそれと同じトレンドを示しております。鉱工業生産、出荷額ともに前月比でマイナス値が目立ち減少傾向にあります。
設備資金新規貸付高もほぼ同様のトレンドを示しておりますし、電力使用料は前年比で平成6年には6月、10月、11月にマイナス値を示し、平成7年になってからはマイナス値はないものの、増加率が減少しております。
何より、名目、実質ともに前年比でマイナス値が多く消費の冷え込みを示しており、百貨店売上高、自動車新規登録台数、家電製品販売額等も総じて芳しくありません。とりわけ家電製品販売額の平成7年7月のマイナス16.2という数字は大きな落ち込みを如実に示しております。
観光客は、入域者数が平成7年2月、4月、5月、前年比でマイナス値を示し、平成6年のマイナス値の多さも加えて一時観光の危機感が強まりました。とりわけ外国観光客の減少は、円高のせいもあるとはいえ大変厳しい局面であります。
関東、関西の首都圏に対する一極依存は安定性に欠ける感がありますし、アジアのダイナミズムと所得増加によってアジア内部での観光の循環が相当に増大しているわけでありますから、長期的安定的観光、すなわち多極依存型の観光確保のためにはアジア諸国、とりわけ台湾からの観光誘致が肝要となろうと思われます。
国際空港を初め受け入れ対策は急を要しますが、総じて言えることは、観光やその他の指標で「月間ベースで最高」の表現を使われてはおりますが、ごく短期間の動きでありまして、トレンドとしては決して沖縄の景気は回復基調とは言いがたいという認識であります。
県当局の現在の沖縄県経済と景気に対する見方並びに来年度予算がこれら県経済に与える影響について御見解をお示しください。
次に、雇用問題についてであります。
円高による産業の空洞化により、国内の工場の敷地面積は減少をし、さらに前に述べたように不良債権問題、金融不安、地価の下落等景気回復は大きな障害が立ちはだかっています。
このような中で雇用情勢は悪化し、全国で完全失業率は3%を超え、沖縄では空前の7%を超える極めて厳しい事態にあります。いずれもことし10月の統計ですが、有効求人倍率も0.19%、これは10人の求職者に求人は1.9人にしかすぎないという厳しい現実であります。
また、若年の失業比率が高いことも依然として特徴的であり、若者が職につけないのは社会に夢がなくなることを示しており、ひいては社会全体を暗くし、景気の悪化も含めて大きな社会問題を醸し出す結果になります。今日、基地問題と並んで沖縄の抱える最大の問題と言っても過言ではありません。
沖縄の雇用問題の特質は、新規学卒者の全体を雇用するキャパシティーが本県経済にはないという現実と、しかるにこれらの大部分の者が圧倒的に地元志向であるという点であり、また統計的に本土就職の定着率が極めて悪いということであります。
それでは、これらを踏まえてどうするかという問題であります。急を要する問題と、時間をかけなければならない中長期の対策に分けて考える必要があろうと思います。
まず、当面するものとして、本県に新規学卒者のほとんどが吸収できない以上、県外就職の開拓と定着率の向上を図る以外にはないこと。
2番、若者に本土でも一生をかけるに値する夢のある職場の存在を知らしめ、同時に職業観を啓発すること、そのためには例えば修学旅行などの行程に工場や職場見学などを繰り込んでいくということも考えてみてはどうか。
3番目に、本土の就職情報の迅速かつ正確な伝達のためのシステムづくりが必要ではないか。
4番、人生至るところに青山ありという志の高い、かつ広く物を見る青年をつくるという教育上の努力もまた重要であります。
中長期的には、もちろん沖縄経済の活性化による雇用機会の創出であります。
以上につきまして、県当局のコメントと、また雇用問題に対します対策をお伺いいたします。
教育長の御見解も賜ります。
ここでひとつ御提案申し上げたいと存じます。
それは、業を興して雇用拡大に資するという考え方であります。
通産省と中小企業庁は、平成7年に中小企業創造活動促進法と事業改新法を制定し、企業を支援しております。これらは、すなわち雇用機会の増大が見込めない日本経済に対して行う雇用拡大の政府側からの支援であります。
学生のときから、もう大企業にしがみつくようなそういう就職方法の時代は終わったということを知らしめ、新しく自分たちで業を興す気構えを啓発することが極めて重要だという考え方であります。確かに学生のときから、あるいは二十代で業を興すのは至難のわざだと思いますが、情報化社会の到来と、特にインターネットを使った手法とアジアのダイナミズムは、これらのベンチャービジネスにとっては、うってつけの状況ではないかとの専門家の指摘もまたあるわけであります。
これらの企業がビジネスを始めるときに、最初に当面する課題は資金の調達であろうと思われます。県としても若年層にこれらの情報を提供すると同時に、起業ベンチャーの支援策を考えてみてはいかがでありましょうか。
雇用問題は、当面する我が県県政の最大の課題であり、県庁内にある雇用対策本部を活性化させ、現在の縦割りの弊害を除去し、雇用創出と職安行政とのドッキングを図り、総合的、立体的な取り組みをしていただきたいと存じます。
そして私はこれまで言い続けてまいりましたが、雇用開発基金制度の創設によって現在県内で流通している全商品をリストアップし、その中で県内生産可能な製品を取り出していくという作業、また新たな製品の開発研究をすべきであります。御見解を賜ります。
次に、国庫と県の重点施策についてであります。
平成8年度国庫につきましては、沖縄開発庁が去る8月末に大蔵省に対しまして総額3168億2000万円、前年伸び率0.9%の概算要求を行ったところであります。
第3次沖縄振興開発計画の折り返し点にある平成8年度沖縄開発庁予算の確保につきましては、本県の生活・産業基盤等の社会資本の整備の推進を図る極めて重要な予算であります。今後、知事におかれましては年末の大蔵内示に向け、沖縄開発庁並びに県職員と一丸となって要求額の総額確保に向かって頑張っていただきたいと思います。
我々、県議会も予算確保のために一致団結し知事をあらゆる面からバックアップしていく所存であります。
そこで、平成8年度国庫につきまして質問に入ります。
まず、第1点目は国庫の要請スタイルであります。
現在、食糧費の問題等に絡んで公務員の姿勢が新聞紙面をにぎわしているわけでありますが、国庫要請行動もおのずと変わってくるものと思います。従来の要請行動と今回の要請行動等々でどのように変わるか、そういうことについてお考えをお示しください。
第2点目は、伸び率0.9%というのは、全体的な伸び率の中で考えると低い伸び率だと思われますが、伸び率の低い理由を御説明ください。
言いかえれば、沖縄開発庁の概算要求は県の積み上げが裏づけとなっていると思われますが、公共事業における新規地区等の目玉が頭打ちになっているのではないかという懸念をするものであります。
第3点目は、平成8年度国庫の目玉であります。
1、都市モノレールのインフラ整備にいよいよ着手とのことで県民の一人として心から喜んでおります。モノレール事業の今後の見通しと経営について御説明ください。
2番、那覇G高校について、その概要について御説明願いたいと思います。開校の時期、学校の概要、用地取得費及び財源等を含めた資金計画についてであります。
3番、戦争マラリア事業についての国との折衝状況、今後の県の対応方針についてお考えをお示しください。
4番、コミュニテイーアイランド事業は地域離島政策事業と認識をしておりますが、この事業の実績並びに今後の計画について御説明をいただきたいと思います。
さて、平成8年度は第3次沖縄振興開発計画の5年度目に当たる折り返し点であります。本県は、3次にわたる沖縄振興開発計画を基本としてあらゆる施策・事業を展開してまいりました。毎年度の重点施策あるいは沖縄県主要事業推進計画等は、3次振計達成のための個別計画というような性格をも当然持ち合わせております。
県におきましては、ついせんだって3回目の沖縄振興開発の課題と展望専門委員会を開催し、3次振計後期に向けての課題等を鋭意取りまとめの最中だと存じますが、3次振計関係事項について若干お尋ねをいたします。
新聞報道では、沖縄振興開発の検討項目なる主要20のテーマが決まったとあります。社会情勢の変化等々の要因が考えられると思いますが、その20テーマについての背景、概要について御説明ください。
2番、中間点における振興開発計画の点検の方法はどのように行われているかということです。年次的視点から御説明をいただければと思います。
また、2次と3次とでは相違があれば、その相違点について御説明願いたいと思います。
バブル崩壊以来、国、地方の財政状況は借金に借金を重ね大変厳しい状況であり、知事におかれましても県財源の運営について大変御苦労をなさっていると推察いたしているところでありますが、ところでかくの状況下での事業の取捨選択及び優先順位につきましては、熟度、財源等はもとより、極めて厳しい考え方で決定されなくてはなりません。
そこでお尋ねいたしますが、平成8年度重点施策の中で県単独重点事業にはどのようなものがあるか、またその事業の効果等はどのようなものかを御説明ください。
6番、毎年度作成される重点施策については、各部の事業を総花的に羅列しているような感も受けます。その年度の重点施策というのであれば熟度、優先順位の高い事業に絞って公表した方がよろしいと思いますが、いかがでしょうか。
「平成8年度重点施策」の中の「産業の振興開発」の項目は、まず真っ先に農業の振興を挙げております。私も本県の産業振興につきましては、農業を中心とした産業振興こそ豊かな沖縄をつくるものと確信をしているところであります。観光産業にしろ、農業がしっかりして初めて地域に根づいた観光産業たり得るものと思っておりますし、農業の振興について具体的な考え方と、またどの部門に重点的に予算を配分していくかということについて見解を示してください。
4番目、県の機構改革と地域分権についてであります。
県は、今回の12月議会に地域・離島振興局の設置に向けて条例改正の議案を提案しております。これは、地域離島の振興を総合的に推進することを自的として組織の改編を行うという趣旨のようですが、いまだ新聞報道だけでは具体的中身がちょっと判然としません。
知事は、常日ごろから地方分権の推進について積極的に取り組んでおられますし、高く評価をするものであります。
今回の地域・離島振興局の設置につきましては、この地方分権の推進という視点からの一面も大きなウエートを占めていると考えられます。ややもすれば地方分権については国と県との関係で論議されておりますが、地方分権の最終究極は市町村が中心に論議されるものと考えます。
現在の県と市町村の関係は、そのような観点からいたしますと多くの改善すべき点があろうかと思われます。
各市町村役場職員は、県との調整ということで相当のエネルギーを割かなければならない、たくさんの職員が毎日県庁に日参をして往復の長い時間をかけて、調整は10分、20分という現実が私どもの北部にも相当あるわけでございます。
そういう意味で、交通費の負担を除けば、北部や中部市町村においても宮古、八重山地区と何ら変わるところはないわけであります。ところが今回の組織改編につきましては、宮古、八重山が中心となっており、北部や中部地域についてはその中に入ってないというふうになっております。
1つ具体的に申し上げるならばですね、宮古、八重山地区においては土木事務所あるいは農林土木、福祉事務所を支庁の中に吸収し、権限を強化するということでこれは大変結構なことでございますが、例えば北部などでは既に立派な合同庁舎も完成をしているわけでありまして、なぜこれが同様な措置を一緒にとれなかったかということであります。
そこで具体的に御質問を申し上げますが、まず、離島振興の哲学についてですが、県は離島振興を推進する上で今後どのような基本的な施策を展開するか、具体的に御説明をいただきたいと思います。
また2番目、権限の強化ということですが、どのように強化されるのか、具体的に御説明ください。つまり局を設置したとか、部長職にしたとかということも重要ではございますが、問題は機能と権限の委譲であります。
3番、北部地域は距離的にも、離島を抱えているという面からも地域離島だと思っておりますけれども、北部合同庁舎に入っている県の組織についてはどのようにお考えか。
今度の機構改革で北部地域なども同時並行的に行わなかったのは、いかなる理由によるか。
また、部長級などを支庁長として配置をし、名護市あるいは中部合同事務所のできる所在地に県と市町村との調整ができるような、つまり一々那覇の本庁まで来なくてもいいような、そういうふうな責任者をちゃんと支庁長として配置をし、それに権限を付与し、そして調整ができるようなシステムをつくる必要があると思います。これが私は実のある地域分権だと思いますし、目指さなければならないと思いますが、そういうことについていかがお考えかをお示しください。
最後です、観光振興についてです。
大変厳しい情勢の中で1年間御奮闘をいただきました観光振興課を中心とするスタッフの皆さんの御努力に心から敬意を表するものであります。大変厳しい中でありますので、次年度もまたぜひとも頑張っていただきたいと思っております。
1番、今年10月1日、県は「美ら島おきなわ観光宣言」を表明したところですが、その後どのような施策の展開に努めるか、お聞かせください。
2番目、初めての試みとしての「大琉球・まつり王国」の評価と今後の課題は何かということです。
3番目、ことしの沖縄観光の全体的な総括と、入域観光客はいかほどになると思われるか、その見通しを示してください。
最後に、台湾を中心とするアジアからの誘客は極めて重要です。その対応を伺います。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
米軍基地の整理縮小をめぐる諸問題との関連で、沖縄米軍基地問題協議会と沖縄の施設・区域に関する特別行動委員会、安全保障協議会、日米合同委員会の機能との関係を説明してほしいと、基地問題協議会に決定機能はあるか、協議会の決定は政府の決定になるかと、実効性はどうかという御質問でございます。
去る11月20日、日米安全保障協議委員会のもとに沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会が設置されました。
一方、11月17日、閣議決定により、本県における施設及び区域に係る諸問題を協議するために、政府と沖縄県との間に沖縄米軍基地問題協議会が設置されました。この沖縄米軍基地問題協議会で協議する事項は、基地の整理縮小や日米地位協定の問題等であり、日米間の協議事項となることから、日米間の特別行動委員会に上げていくことになっております。
日米間の特別行動委員会で合意された事項は、地位協定に基づく日米合同委員会の手続を経て実施されていくものであります。
次に、基地問題協議会の設置期間、会議開催の間隔はどれぐらいか、内閣がかわった場合の継続性の担保はあるかと、また沖縄現地での開催についても検討すべきではないかという御質問にお答えいたします。
沖縄米軍基地問題協議会は、日米間の特別行動委員会と連携し、とりあえず1年間開催し、必要があれば延長することになっております。
また、協議会のもとに設置された幹事会は、月1回程度開催することとしております。
この協議会は閣議で正式に設置されたものであり、内閣がかわっても継続していくものと認識しております。
なお、協議会の本県での開催については、御提言として受けとめておきたいと思います。
次に、行政訴訟をしていくのに基本的にどのような立場で臨んでいくのかということでございますが、訴訟が提起された段階で県のスタッフと慎重に協議をした上で適切な対応を図っていきたいと考えておりますが、手続の一環として訴訟が提起されることは想定されますので、その訴状の内容をよく検討した上で、必要とあれば弁護団とも相談して具体的に対策を決めていきたいと考えております。
それから、この訴訟は政治的にはどのような意味合いを持つと考えるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
駐留軍用地強制使用に係る土地調書及び物件調書への立会、署名押印に関して、私はこれまで国に対し、沖縄の米軍基地を取り巻く歴史的背景及び諸般の状況から応じられない旨文書によって通知してきたところであります。
本件訴訟は、当該立会、署名押印を拒否したことに伴い、地方自治法上の一連の手続として提起されたものであります。この訴訟を通して全国民に沖縄県の置かれている厳しい現実を認識していただくとともに、来るべき21世紀に向けて県民を初め、とりわけ若者が夢の持てる基地のない平和な沖縄を目指す端緒をつくることができれば幸いだと思っております。
次に、2015年までの返還アクションプログラムとはどのような構想かと、全体像を説明してほしいという御質問でございます。
基地返還アクションプログラムは、本県のグランドデザインである国際都市形成整備構想の進捗に応じ、構想の目途である20年後の2015年までに構想実現に向けての優先度、緊急度に応じ2段階に分けて基地の返還が計画的、段階的になされるよう、先般設置された県と国との協議機関を通じて日米の沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会に反映させることを目的に策定するものであります。
アクションプログラムの正式な決定までに要する時間はどれぐらいかという御質問にお答えいたします。
政府と県で構成する沖縄米軍基地問題協議会を通じて、日米両政府で構成する沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会に米軍基地の整理縮小に向けた本県の考え方を反映させる必要があります。
同委員会の協議期間はおおむね1年程度とされているところから、基地返還アクションプログラムは当該委員会の協議期間内に余裕を持って提示できるようにしなければならないものと考えております。したがいまして、来年の早い時期を目途に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、返還跡地利用と国際都市形成構想との関連で、この両者は何年ごろからドッキングすることになるかという御質問にお答えいたします。
国際都市形成整備構想の策定を進め、この構想を推進するために、具体的に基地の返還を求める基地返還アクションプログラムはおおむね20年間で基地のない沖縄を目指すものであります。国際都市形成整備構想の推進に当たっては、優先度、緊急度に応じ、その実現に必要な空間として
基地の返還を求めることといたします。
さらに、同構想の進展に合わせ、おおむね20年間の構想推進期間中の前半においては、主要な基地の跡地利用計画を策定したいと考えております。
次に、知事の署名拒否によって動き出した流れの中で3事案の位置づけがどうなっているか、県内移設との関係で聞きたいという御質問でございます。
3事案のうち、那覇港湾施設及び読谷補助飛行場については国が関係市町村に移設案の説明を行っている段階であり、県としては、現在当事者である国と関係市町村の話し合いの推移を見守っていきたいと考えています。今後、地元市町村等の意向、地域の開発計画、県全体の振興開発等にも配慮しながら、総合的な観点から慎重に対応してまいりたいと考えております。
次に、基地雇用にかかわる労働者の雇用の問題も重要な課題であり、総合的な対策が必要と思われるが県の所見を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
基地の整理縮小と基地で働く駐留軍従業員の雇用の問題につきましては、駐留軍従業員の身分が国を雇用主とする労働者であることから、一義的には国の責任において中長期の展望に立った具体的対策を講ずるべきものと考えております。
県といたしましても、駐留軍従業員の雇用の安定は県政の重要な課題であるとの認識に立ち、国際都市形成構想の推進及び基地返還促進対策の中で返還跡地の有効利用計画の策定とあわせて、従業員の雇用の場の創出についても総合的に検討して取り組んでまいりたいと考えております。
次に、県庁内にある雇用対策本部を活性化させ、雇用創出と職安行政とのドッキングを図り、総合的、立体的な取り組みを行うことに対する見解を聞きたいという御質問でございます。
御指摘の沖縄県雇用対策本部は、昨年6月に産業振興施策、地域振興施策との連携のもとに、雇用対策を推進することを目的として副知事を本部長に全庁的体制のもとに設置されたものであり、最近の深刻な雇用情勢に対応した緊急対策についても、同本部を活用して全庁的体制で取り組んでいるところであります。
なお、現在、経済団体や労働団体のトップ、学識経験者もメンバーに入っていただいて沖縄県産業・雇用問題懇話会が設置され、そこにおいて産業の振興による雇用機会の創出の方策を抜本的に検討しているところであります。
同懇話会では、去る8月の産業と雇用に関する緊急対策についての提言に引き続き、雇用の創出・拡大に関する中長期的な施策について来年2月をめどにその取りまとめを行うこととしております。この中長期的な施策に関する提言についても沖縄県雇用対策本部を活用していきたいと考えております。
次に、国庫と新年度重点施策との関連で、食糧費の問題等に絡んで国庫要請行動も変わると思われるが、従来とどのように変わるかという御質問にお答えいたします。
食糧費の問題につきましては、沖縄県食糧費適正執行等検討委員会の検討結果を踏まえ、12月1日付で食糧費の適正執行について各部局長へ通知したところであります。
したがいまして国庫要請に当たってもこの通知を踏まえて対応することとし、例えば会食を伴う懇談会やお土産等について廃止することとしております。また上京する職員の数についてもこれまで以上に縮減することとしており、全体として簡素で効率的な国庫要請行動にしたいと考えております。
次に、沖縄開発庁の概算要求は0.9%の低い伸び率だが、伸び率の低い理由は何かと、公共事業における新規地区等の目玉が頭打ちになっていないかという御質問にお答えいたします。
沖縄開発庁の平成8年度概算要求額は3168億円で前年度に比べ0.9%の伸びとなっておりますが、これは沖縄開発庁の人件費や庁費等、いわゆる一般行政経費等も含んだ沖縄開発庁全体の概算要求額であります。
これらの一般行政経費を除いた沖縄振興開発事業費について御説明いたしますと、沖縄振興開発事業費の概算要求額は3072億円で、対前年度伸び率5.0%と国の一般歳出の伸び率4.2%を上回る伸び率となっております。
また公共事業における新規事業についても、道路、港湾等交通体系の整備、下水道、都市公園等生活環境施設の整備及び農林水産業の振興等公共事業の各分野において所要の新規事業が要求されております。
次に、県立那覇G高等学校についてその概要を説明願いたいという御質問にお答えいたします。
那覇G高校──これはまだ仮称でございますけれども──の設置については、沖縄県立学校編成整備計画に基づきインテリジェントスクールとして位置づけるとともに、生涯学習社会への対応を視野に入れた特色ある高等学校として1学年普通科8クラス、国際学科1クラスの計9クラスを設置し、平成10年4月開校を目途に整備していきたいと考えております。
なお、学校建設に当たっては平成8年度及び9年度の2年度で学校用地取得、施設整備等の事業を実施する計画であり、用地取得費を含む建設事業費については現在学校規模、施設整備の内容等を勘案しながら新年度予算──これは平成8年度予算でございますが──から措置できるよう関係機関に要請しているところであります。
次に、戦争マラリア事業について国との折衝状況及び今後の県の対応方針を聞きたいという御質問にお答えいたします。
戦時中の八重山地域におけるマラリア犠牲者慰藉事業について、沖縄開発庁は平成8年度予算で2億円の概算要求をしております。
事業の内容は、慰霊碑建立事業やマラリア犠牲者祈念館建設事業であり、見舞金については要求されておりません。見舞金につきましては、与党沖縄開発調整会議においても現段階では意見の一致を見ていない状況にあります。
県としましては、国の責任において見舞金給付の措置が実現できるよう、沖縄開発庁を初め与党沖縄開発調整会議や与党戦後50年問題プロジェクトチームの各委員に対し強くお願いしているところであります。援護会の意向も踏まえながら12月末の国の予算編成時まで粘り強く要求してま
いりたいと考えております。
次に、毎年度作成される重点施策については総花的であるので熟度、優先順位の高い事業に絞って公表した方がよいと思うがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
重点施策は、当該年度の県政運営に当たっての基本方針と主要施策を明らかにするもので、国庫要請に向けての県の基本的な考えを示すとともに、県の予算編成の基本となるものであります。
平成8年度の重点施策の策定に当たっては、3次振計の5年目であり後期への展望を図る重要な年度と位置づけております。重点施策については、基本的に3次振計に沿って単年度の施策を各部門別施策体系ごとに記述する必要があると考えております。
なお、事業の選定に当たりましては熟度、優先順位等に配慮しているところであります。
それから、県は離島振興を推進する上で今後どのような施策を展開するかという趣旨の御質問にお答えいたします。
本県の離島振興については、3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄県離島振興計画に基づき産業基盤、交通通信体系及び生活環境等の整備を図ってきたところであります。その結果、社会資本の整備を中心に各面にわたって相当の成果が上がっております。
しかしながら離島の持つ地理的、自然的条件の不利性などから本島との間に依然として多くの格差があるほか、若者の慢性的な流出や高齢化の進行などなお多くの課題が残されているのが現状であります。
これらの課題を解決するため、離島振興施策を総合的に推進するための組織の整備とあわせて各島々の特性を生かした特色ある産業の振興及び総合的な生活環境の整備を推進して取り組んでいるところであります。
次に、県の機構改革と地域分権との関連で、どのように権限が強化されるのかという御質問にお答えいたします。
離島地域の均衡ある発展を図るとともに、特色ある豊かな地域づくりを進めるためには総合的かつ効果的な行政の推進を図り、地域の身近な問題に市町村と連携して取り組む行政組織を確立する必要があります。
このため本庁部門においては、地域・離島振興局を設置し、市町村の行財政指導部門、計画部門及びプロジェクト推進部門を一元化し有機的連携を図るとともに、企画調整機能を強化することにしております。
同時に宮古、八重山地域においては、地域の一体的振興を図るため福祉事務所、農林土木事務所、土木事務所等の出先機関を支庁に統合し、これまで本庁に留保されていた権限を大幅に支庁長に委譲することとし、両地域の地域完結型のシステムを強化することにしております。
次に、観光振興との関連で、「美ら島おきなわ観光宣言」を表明したがどのような施策の展開に努めるか聞きたいという趣旨の御質問でございます。
県においては、いわゆる観光立県宣言を踏まえ、基本目標として沖縄観光の市場競争力の強化や自然、歴史、文化等の特性を生かした魅力あふれる観光地づくりなど8項目を掲げ、官民一体となってその実現に向けて積極的に取り組んでいるところであります。
その主な事業としては、沖縄ビジターズビューローの県外事務所の設置拡充を図るとともに、「大琉球・まつり王国」の創出によるイベントの充実やマスメディアを活用した誘客宣伝活動を実施するなど沖縄県観光振興中期行動計画に基づく各種の施策を強力に展開しているところでございます。
次に、同じく観光振興との関連で、ことしの総括と入域観光客はどのような見通しか伺いたいという御質問にお答えいたします。
本県の観光産業は、観光客の低価格志向を反映して厳しい状況下にあります。
反面、入域観光客数は過去最高を記録することが見込まれております。
平成7年の観光客の入り込み状況を概観しますと、1月から6月までの上期は阪神・淡路大震災等の影響を受けて前年同期比1.4%減となっておりました。
一方、下期は沖縄戦終結50周年事業や「大琉球・まつり王国」等の実施によって10月現在の累計で前年同期比2.1%増の5万5300人の増加となっています。11月も世界のウチナーンチュ大会やサントピア沖縄の開催などによって大きな伸びが予測されます。
このような状況から、ことしの入域観光客数は過去最高であった一昨年の318万6800人を大きく上回り325万人を超える見通しであります。
お許しを得まして、その他の御質問につきましては関係部長等から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 玉城議員の米軍基地の整理縮小をめぐる諸課題との関連で、地位協定の改定見直しについての協議の場はどこになるのか、また県の意見はどこで集約されるのかとの御質問にお答えをいたします。
日米地位協定の見直しについては、沖縄米軍基地問題協議会で検討されることになっております。既に11月25日の第1回協議会、11月28日の第1回幹事会で国に対し詳細にわたって説明をしたところでございます。
また来る12月15日には、第2回幹事会で地位協定についての問題について具体的に検討することになっております。
次に、地位協定の見直しと全般的な基地の整理縮小との関連性はどうなっているのかとの御質問にお答えいたします。
現実として基地の存在が県の振興開発や産業振興等に支障を来し、また事件、事故の多発や航空機騒音など日常的に県民生活に支障を来していることから地位協定の見直しを求めているところであります。
県としては、基地の整理縮小に関しては地位協定の第2条を見直し、日本国政府は施設・区域の所在する都道府県や市町村からの意見を聴取し、施設・区域の存在が当該自治体の振興開発等に悪影響を及ぼしている場合には、米国政府に対しその返還を要請し、米国政府はその要請に応じなければならない旨を明記することを要請しているところであります。
最後に、軍転特措法の適用第1号と言われる恩納通信所の地主の方々から、法律の実際の適用について不備の声が上がっていることについて県としての見解を示してもらいたいとの御質問にお答えをいたします。
御指摘の件は、まず1つ目が給付金から補償金を控除をするということでございます。2点目は、返還跡地の使用収益の判断基準についてでございます。3点目が給付金申請手続の煩雑性の問題であると聞いております。
これらのことにつきましては現在国で検討していると聞いておりますので、県といたしましては関心を持ってその対応を見守ってまいりたいと、こう考えております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 玉城義和議員の県経済と雇用の課題についての関連で、県当局の現在の沖縄県経済と景気に対する見方と、来年度予算がこれら県経済に与える影響についての御質問にお答えいたします。
平成5年から6年にかけての県内景気の動向は、全国的な景気の低迷や円高などの影響を受けて総じて低調に推移しておりましたが、その後国の経済対策に沿って景気対策を講じてきたこともあって徐々に持ち直してきております。
最近の県内の景気動向を見ますと、個人消費関連は総じて堅調に推移しており、住宅投資は3カ月連続で前年割れとなっているものの、公共投資は着実に伸びてきております。
また観光面では4カ月連続で過去最高の月間入域客数を記録しております。
産業面を見ますと、企業収益はなお水準は低いものの総じて改善の動きが見られます。
一方、雇用情勢は有効求人倍率が低水準で推移し、依然として厳しい状況にあります。
以上、本県経済は堅調な個人消費と投資関連が牽引役となって底がたく推移しており、県内景気は緩やかながら回復基調をたどっております。
今後の景気の動向につきましては、企業収益が改善の方向にあることや現在実施中の景気対策等の経済波及効果が期待できるため徐々に回復を増していくものと見込まれます。
なお、来年度予算につきましては現在編成作業中でございますが、財政依存度の高い本県経済の状況や景気の動向等を踏まえ適切な予算編成を行う必要があると考えております。
次に、コミュニテイーアイランド事業の関連についての御質問にお答えいたします。
コミュニティーアイランド事業は、離島の特性を生かした観光レクリエーションの推進、他地域との交流の促進などに必要な施設を整備し、明るい開かれたコミュニティーの形成に資することを目的として平成2年度から実施をいたしております。平成6年度までの間に伊平屋村、下地町、竹富町、座間味村、南大東村の5町村が完了し、渡嘉敷村と勝連町津堅島が現在整備中であります。また平成8年度新規箇所といたしまして上野村の事業を国に対し要求しているところでございます。
なお、平成9年度以降の計画につきましては現在関係町村と調整をしているところでございます。
次に、新聞報道では沖縄振興開発の検討項目なる主要20のテーマが決まったとあります、社会情勢の変化等もろもろの要因が考えられると思いますが、その20のテーマについての御説明を願いたいとの御質問にお答えいたします。
県におきましては、沖縄振興開発の課題と展望の策定に向けて現在沖縄県振興開発審議会並びに同専門委員会を開催し、実質的な調査審議を重ねているところであります。去る11月27日の第3回の専門委員会において課題と展望の振興方策に係る20項目の主要テーマについて今後検討していくことといたしました。
なお、このテーマにつきましては最近の米軍基地の問題や経済のボーダーレス化の進展、高齢化、地球環境問題等経済社会の状況を踏まえつつ、3次振計の部門別の推進項目を参考にしながらまとめてございます。
次に、中間点における振興開発計画の点検の方法はどのように行われているか年次的視点から伺いたい、また2次振計と3次振計とで相違があればその相違点についても説明願いたいとの御質問にお答えいたします。
平成7年度は第3次沖縄振興開発計画の4年目に入り、沖縄振興開発の後期を展望する重要な年となっております。
このようなことから県においては、3次振計前期の重点的に推進すべき主要施策・事業を明らかにした沖縄県主要事業推進計画の内容の一層の充実を図るため、平成7年5月に同計画を点検しその改訂版を策定いたしております。
また同年7月から8月にかけて3次振計後期の課題と展望の策定調査として、各部局の主要施策・事業についてヒアリング等を実施しその進捗状況等を点検をしているところでございます。
なお、2次振計においても同様な点検作業を行っており、基本的な相違点はございませんが、今回の課題と展望の策定に当たってはポスト4全総を視野に入れ、21世紀の県づくりにつなげていきたいと考えております。
次に、平成8年度重点施策の中で県単独事業、重点事業にはどのようなものがあるか、またその事業の効果等どのようなものがあるかについて御説明願いたいとの御質問でございます。
平成8年度重点施策の県単独事業のうち特徴的な事業を申し上げますと、次のようなものがあります。
産業創造アクションプログラムの策定、インターネットのアクセス・運営拠点の構築、工業技術センターの移転整備、産業振興会館の建設準備、沖縄県観光振興基本計画中期行動計画の具体的事業展開、国際的な学術研究機関の設立、超高速船ジェットフォイル導入事業、那覇空港国際機能等整備拡充推進調査、県立美術館、県立博物館の建設準備、久米島の公立病院の設置促進と。
これらの単独事業は、いずれも本県の地域特性を生かした産業の振興や特色ある地域の整備、さらに県民生活の安定向上を図る上で大きな成果が期待できると考えております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 高嶺朝幸君登壇〕
○商工労働部長(高嶺朝幸君) 県経済と雇用の課題についての関連の御質問にお答えします。
県外就職の開拓と定着率の向上を図ること、本土の就職情報伝達システムづくりについて一括してお答えします。
御意見のとおり、県内の雇用機会が慢性的に不足している状況においては、当面県外就職を積極的に促進することが重要であると考えております。
そのため県では、県幹部が直接に県外企業を訪問して求人開拓と県外就職者の激励を行うとともに、県外事務所に配置してある沖縄県広域職業紹介推進員が日常的に企業訪問を実施し、雇用情報の収集と職場定着指導を行っております。
また、東京、神奈川、愛知、大阪に沖縄ふるさとの家を設置し県外就職者間の交流を深めるとともに、県外企業の中に沖縄雇用援護協力員を配置して就職者に対する職業生活に関する相談、助言等を行っております。
本土就職の情報伝達システムとしては、沖縄学生職業情報センターを設置し県外企業の情報を提供しており、また県独自に開発した学卒就職情報システムの端末装置を県内45高等学校に設置して求人に関する詳細な情報の正確かつ迅速な提供に努めております。
さらに、県外職場実習、就職フォーラム、県外求人合同説明会等を通し、本土企業の実態を採用担当者の生の声で生徒や進路指導担当者に理解させることにより県外就職の促進に努めているところであります。
次に、起業ベンチャーの支援策についての御質問にお答えします。
御指摘のように雇用拡大を図るためには既存企業の支援に加え、新たな企業興しによる雇用創出が極めて効果的であると認識しております。
県におきましては、新しい事業分野への進出など創造的な事業活動の展開を計画している中小企業者に対し中小企業創造活動促進法に基づく各種支援策を講ずるべく企業認定の準備を進めているところでございます。
また、ベンチャービジネスの事業拡大・創業に必要な資金調達を支援するため民間ベンチャーキャピタルと協調して出資を行う創造的中小企業創出支援制度を今年度中に創設する予定であります。
あわせて新たな企業興しの環境づくりと創業者の育成策としてのインキュベーション支援制度の創設についても検討をいたしているところでございます。
次に、雇用開発基金制度の創設により新たな製品の開発研究の支援をすべきではないかとの御質問にお答えします。
雇用の拡大のためには、御指摘のとおり製品開発の支援を含めた産業の活性化を図ることが極めて重要な課題であると考えております。
県におきましては、平成元年3月に創設しました産業振興基金制度の中で、県内企業が行う新商品・新技術の企業化研究に対する支援や県内の産業高度化を推進するために設立しましたトロピカルテクノセンターの研究開発事業に対する支援を行っているところでございます。
また中小企業の新製品・新技術の研究開発事業に対する助成、地場産業振興のための支援、融合化認定組合の行う新製品の研究開発事業に対する支援等きめ細かい各種の支援策を講じているところでございます。
さらに、平成6年度より策定に取り組んでおります産業創造アクションプログラムの中で商品開発の支援のあり方を含めた新しい産業振興の具体的システムの検討を進めているところでございます。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 北部地区が今回の機構改革の対象にならなかったのはなぜか、また北部や中部の合同庁舎についても総合調整機能が発揮できるようにすべきではないかとの趣旨の御質問にお答えいたします。
今回組織改正の対象となった宮古、八重山地域は、その地理的、歴史的な経緯から社会経済的にそれぞれ一体性を持った圏域を形成しているほか、行政組織についても支庁を設置するなど地域完結型の形態をとってきたことから、両地域の組織改編を行おうとしているわけでございます。
宮古、八重山支庁はもちろんでございますが、地域及び本島周辺離島につきましては設置される地域・離島振興局により市町村等との連携を図りながら、地域の振興を進めることにいたしております。
一方、中北部地域につきましては、近年の交通手段の発達や道路体系の整備等により広域的なネットワークが形成され、時間距離の短縮等もあり、地域の実情を十分に踏まえる必要があるだろうと考えております。
○議長(嘉数知賢君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 島 進君登壇〕
○土木建築部長(島 進君) 玉城議員の国庫と新年度重点施策についてとの関連で、モノレール事業の今後の見通しと経営について説明してもらいたいとの御質問にお答えいたします。
都市モノレールの本体工事予算につきましては、沖縄開発庁の平成8年度概算要求に盛り込まれており、現在その確保に向けて鋭意努力しているところでございます。
また去る9月12日、沖縄都市モノレール株式会社から知事に対し特許申請書の提出がなされ、さきの議会で軌道敷設の特許申請に伴う意見について議決をいただいております。
今後、特許取得、工事施工認可取得等の手続を進めまして、平成8年度後半には本体工事に着手できるよう努力していきたいと考えております。
経営につきましては、平成15年度に開業いたしまして、開業後10年では単年度収支が好転し、累積の収支でも開業後25年で好転する見込みとなっております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 当銘勝雄君登壇〕
○農林水産部長(当銘勝雄君) 新年度重点施策との関連で、農業の振興について県の基本的考え方と予算の重点配分について見解を示してくださいとの趣旨の質問にお答えいたします。
本県農業の振興については、地域特性を生かし国際化時代に対応した特色ある亜熱帯農業を確立する必要があります。このため農業生産基盤の整備を初め各種近代化施設の整備、農業後継者の育成確保及び農村環境の整備など農業・農村の活性化のための諸施策を総合的に推進しております。
また、農業を職業として魅力とやりがいのある産業に育成するため、平成14年における年間労働時間を他産業並みの2000時間、年間所得700万円を目標に効率的かつ安定的な経営体の育成に努めてまいります。
平成8年度予算については、農業生産基盤整備を重点に近代化施設の整備や農村環境の整備を初め農業試験場の移転整備、価格安定対策及び農業後継者育成など必要な予算を計上してまいる考えであります。
○議長(嘉数知賢君) 観光文化局長。
〔観光文化局長 幸喜良秀君登壇〕
○観光文化局長(幸喜良秀君) 玉城議員の観光振興についての関連で、「大琉球・まつり王国」の評価と今後の課題は何かとの御質問にお答えいたします。
去る10月1日から15日までの15日間にわたって開催した「大琉球・まつり王国」については、本土マスコミや旅行関係業者から高い評価を得ております。さらに継続実施の要望も強いことから、誘客イベントとして十分な可能性を有しているものと考えております。
また、まつり期間を含む10月の入域観光客数は前年比3.3%の増加となっており、まつり王国の開催効果があらわれたものと考えております。今後は早急にイベント内容を確定し事前PRに努めるとともに、旅行代理店等と連携を強化しあわせてイベント内容の充実に努めてまいりたいと思います。
次に、台湾を中心とするアジアからの誘客は極めて重要である、その対応はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
本県の台湾を中心とするアジアからの観光客は、円高の影響や国内外主要観光地との競合等もあって減少傾向にあります。
県においては、その対策として現在台湾のマスコミや観光関係者の招聘等の事業を実施し、観光地沖縄を積極的にアピールしております。今後ともこれらの施策の充実強化に努めるとともに、今月下旬に開設予定の沖縄ビジターズビューロー台北事務所の効果的な活用を図り、誘客活動を強力に展開してまいります。
また、韓国や香港からの観光客誘致についても、沖縄ビジターズビューロー韓国事務所や沖縄県香港駐在員事務所との連携を強化し、誘客プロモーション活動に努める考えであります。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君〕 教育長。
〔教育長 仲里長和君登壇〕
○教育長(仲里長和君) 県経済と雇用の課題について前後をいたしますが、新規高等学校卒業者に対し県外就職を促進し職業観を啓発すること、そのための修学旅行等の利用について、及び県外就職者の定着指導についての質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、新規高等学校卒業者の就職雇用問題は現在極めて深刻な状況にございます。例えば先ほども少し触れましたが、ことし3月31日現在で就職希望者中、就職内定者は28.8%で前年度同時期比較しますと2.8ポイントの減少でございます。この現状を打開するためには当面県
外への就職を促進する必要があります。
このような現状を踏まえまして、高等学校における就職指導につきましては学校の教育活動全体を通して職業観、勤労観の育成を図るとともに、就職情報システムの活用、進路便り、リーフレットによる生徒、保護者への啓発活動等を通して県外への就職指導につきまして鋭意努力をしているところであります。
なお、御指摘の修学旅行を利用した職場見学等につきましては、体験学習を通しての職業観、勤労観の育成に有効だと考えます。修学旅行の実施に当たりましては各学校の実態に応じて取り組まれておりますが、御提言のことにつきましては今後参考にさせていただきたいと考えます。
県外就職者の定着指導につきましては、就職指導担当者を県外企業に派遣し求人開拓並びに定着指導を行うとともに、学校からの手紙やはがきによる激励、相談活動の取り組み等を推進しているところであります。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午後3時53分休憩
午後4時22分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
山川 勇君。
〔山川 勇君登壇〕
○山川 勇君 平成7年第9回沖縄県議会定例会に際しまして、沖縄杜会大衆党県議団7名を代表して所感を述べながら質問を行います。
その前に、我が沖縄社会大衆党は去る10月31日に結党45周年を迎え、11月11日の記念式典及びパーティーには大田知事や嘉数県議会議長をお初め各界の代表者の御臨席のもと、心温まる激励を賜り、かつ今後の県内、国内における我が党の活動に指針を与えていただきましたことに対し、心から厚く感謝と御礼を申し上げます。まことにありがとうございました。
それでは、まず最初に10.21沖縄県民総決起大会についてお伺いいたします。
9月4日に起こった極悪非道な米兵による女子小学生暴行事件をきっかけに噴き上がった沖縄県民の闘いは、戦後50年、復帰後23年積もり積もった歴史的な怒りを土台として急速に発展し、今や日米安保体制の根幹を揺さぶる戦後最大規模の闘争へと発展しています。
10月21日に宜野湾市で開かれた米軍人による少女暴行事件を糾弾し、日米地位協定の見直しを要求する沖縄県民総決起大会には、政党政派、保守・革新、老若男女の別なく県内の全市町村からあらゆる階層の人々8万5000人が結集し、日米両政府に歴史的な怒りをぶつけました。
会場となった宜野湾市海浜公園は、事件を糾弾し、その根源である日米安保条約の破棄を求め、米軍基地の撤去を要求するさまざまなプラカードやゼッケン、横断幕やのぼりで埋め尽くされていましたが、知事、その光景をどのような心境でごらんになりましたか、率直な御所見をお聞かせください。
この総決起大会は、参加者も、また参加できなかった人々も全県民が心を一つにして成功させたものであると思慮しますが、知事はいかようにお考えですか、所見を賜りたい。
当日、知事は冒頭のあいさつで、行政の責任者として幼い少女の尊厳を守れなかったことを心の底からおわびするとの謝罪には、全参加者が共鳴したことでしょう。この大会の成功で沖縄県民の中には、政治を変革する大衆闘争の力に大きな確信がわいてきたと思います。
今度の闘争は、こんなにちっぽけで50年間差別され、あらゆる犠牲を虐げられてきた沖縄県民が、日米両国を相手に回して全面的に闘っている初めての闘争といってよいでしょう。それも沖縄県民が主導権を握って両国政府を振り回しています。
また、広範な大衆が団結して闘えば必ず情勢を動かせるという確信を参加者各人が胸に刻み込み、今後の沖縄づくりに大きな財産となったと思いますが、知事の御所見を賜りたい。
追い風に乗って沖縄から噴き上がった闘いの炎は、今、燎原の火のごとく全国へ、そして全世界へとこのうねりは広がりつつあります。
このたびの闘いの中で、戦後50年間にわたる米軍基地による支配、抑圧への怒りは言うまでもなく、本土復帰後23年たった現在も沖縄の事態は何ら変わらないということへの怒りが県民の中に渦巻いていることが改めて明らかになったと思いますが、知事はいかように受けとめておりますか、御所見を賜りたい。
50年前、我が国で唯一の地上戦で本土防衛の捨て石にされ、悲惨な戦争体験を余儀なくされ、沖縄問題は複雑多岐にわたっているので単なる行政ペースで対処できないのが現状であります。
しかし、これまで沖縄の痛みをわからず、県民の切実な叫びに聞く耳を持たなかった政府高官を初め各政党とも、事もあろうにいたいけな少女問題がきっかけで日本政府もようやく物わかりがよくなったことは、余りにも少女がふびんで胸が痛みます。このことについて知事の率直な御見解をお聞かせください。
次に、知事の代理署名拒否問題についてお伺いします。
復帰して23年、太平洋戦争終結50年を経過した今日でも、ひとり我が沖縄だけ平和の配当が与えられず、依然として基地の重圧を受けながら県民の生命財産が脅かされ、とうとう懸念されていた痛ましい少女暴行事件が起こったのであります。基地あるがゆえの事件であり、米軍基地は諸悪の根源であることも明白になりました。
この諸悪の温床となる広大な軍事基地は、銃剣とブルドーザーで収奪された土地であります。自分の土地でありながら自由に使えず、50年が経過しいよいよ来年3月と再来年5月、期限切れとなる我が土地に熱い思いを寄せている反戦地主の意に反して、知事が日本政府に手をかす必要はありません。
去る9月28日、県議会代表質問で、知事が米軍基地の強制使用問題で知事の代理署名拒否発言に実に留飲が下がる思いがしました。知事の勇気ある英断に心底感動したものであります。
21世紀に若者が夢の持てる沖縄をつくるためにも、過重な軍事基地を撤去させねばならないという知事の政治信念は多くの県民が高く評価しています。
そもそも土地・物件調書への署名は、記載事実が正確かどうか本人に確認させるための手続であります。ところが地主は基地内への立ち入りを拒否され、土地確認されぬまま一方的に那覇防衛施設局が土地調書及び物件調書に署名を迫ろうとすることがいかに非民主的で不当なものであるか、明白であります。
また、地主本人にわからない土地の現状が知事にわかるはずがなく、大田知事が署名を拒否したのは至極当然であります。ろうばいした日本政府は、あらゆる手段を尽くして知事に代理署名拒否を撤回させようと奔走していますが、知事、いかなる妨害にも屈せず拒否を貫徹してください。
村山首相は、伝家の宝刀を抜いて既に11月24日職務執行勧告、11月29日に職務命令を出したが、いずれも大田知事に拒否されたので、村山総理大臣はいよいよ本日、高等裁判所へ提訴、そして次は県収用委員会へと手続が移っていきますが、今後の諸手続、そして結果は単に沖縄県だけの問題だけでなく、地方分権に名実ともに花を咲かせ、日本の官僚主導型かつアメリカ追従の政治を断ち切って、真の主権国家に変身することができるか否かの全国民注視の代理署名拒否問題だと理解しています。
そこで質問に入ります。
1点目、米軍用地特措法そのものも強制使用認定も、憲法の平和主義、財産権の不可侵、権利制限の適正手続の保証に違反し違憲という説もありますが、知事の御所見をお聞かせください。
2点目、職務執行命令訴訟で判決に至ったものは過去に砂川町の例だけに、今後はあらゆる圧力が予想されますが、知事はどう対処するお考えですか。
3点目、政府は期限が間に合わねば特別立法で迫ることも予想されますが、この場合はどのような対策をおとりになるお考えですか、御所見をお聞かせください。
4点目、大田知事の代理署名拒否に対して県内はもとより国内、国外からも多くの激励電、はがき、手紙等が県に届いていると思いますが、実態をお示しください。
日米地位協定の見直しについてお伺いします。
我が党は、戦後50年、復帰23年を経た今日も後を絶たないたび重なる米軍基地問題、基地被害に対し県民大衆とともに怒りをともにし、もはや米軍基地の撤去しかないという思いを強くいたしております。
9月4日に起きた3人の米兵による少女暴行事件やその後のマッキー米太平洋軍司令官の「犯行に使用した車を借りる金があれば女を買えた」との暴言といい、本県の人権がいかにないがしろにされているかの証明であると考えます。
基地問題や人権の諸悪の根源は、まさに広大な米軍基地の存在、それは戦後50年一貫しての事実であります。
今、沖縄県民が求めているのは、村山総理が言うところの沖縄県民へのいたわりや謝罪の言葉ではなしに、50年間沖縄県民に安保体制の名のもとに押しつけてき々広大な米軍基地を具体的にどう撤去させ、沖縄県民を本土並みの平和憲法下にあらしめるかという国家としての責任のとり方を明らかにしてもらうことに尽きます。そういう視点に立って大田知事は11月4日、24日と2度にわたって村山総理大臣と会談し、日米地位協定の見直しを含めて沖縄米軍基地問題の解決に向けて努力されていることを高く評価し、以下の質問をいたします。
第1点目には、10項目の地位協定の見直し案をまとめてこられたその努力を高く評価いたします。その案をまとめてきた経過と背景についてお聞かせ願います。
第2点目に、2回にわたる村山総理大臣との会見及び国に対する地位協定の見直しの要請と、それに対する国の対応及び反応はどうなっていますか。
第3点目に、今後の国への要請と問題解決への展望をどう考えておりますか。
また、県議会や県民各界に対する知事の要望や提言などがありましたら、御所見を賜りたい。
次に、軍事演習と核疑惑についてお伺いいたします。
米兵の暴行事件後、県道104号線越え実弾砲撃演習は途絶えていたが、11月29日から3日間、600発の実弾を恩納連山に撃ち込み、近隣小中学校の授業に悪影響を与えた。そして次回の演習を12月12日から3日間実施することになっています。
また、去る11月28日から12月15日までの18日間、在沖米海兵隊と太平洋軍第7艦隊が沖縄本島と伊江島で実施している統合演習ビーチクレスト96で民間機とのニアミスが懸念されている。また5、6日の両日には、ホワイト・ビーチで異例の夜間強襲訓練も実施されようとしたが中止。
基地問題が何一つ改善されていないので、せめて本年いっぱいは演習は中止すべきなのに、ますます航空機騒音もひどくなり演習はエスカレートし、県民感情を逆なでしています。これらのことについて県はどのように受けとめ、どのように対処しましたか、お聞かせください。
また、ビーチクレスト96が例年より8日間も多いという根拠は何ですか。
3、今後、安保の再定義で地球規模になるので、演習時には今まで以上に沖縄の海域、空域が脅かされるのではないでしょうか、知事の御所見を賜りたい。
次に、核疑惑についてお聞きいたします。
1967年12月、佐藤首相が非核三原則を言明、次いで71年11月、沖縄返還協定に関連して衆議院本会議が、政府は非核三原則を遵守するとの決議を可決して以来、非核三原則は日本の国是とされてきました。
しかし、74年のラロック証言、81年のライシャワー発言、94年5月、若泉敬密使の沖縄への核持ち込みを認める密約、また去る8月28日、共同通信のインタビューに応じ、米空軍の第7戦術弾薬補給中隊の元隊員のポール・カーペンター氏の証言等から沖縄の核貯蔵は信憑性が高い、証言どおりだとすれば、県民は核をまくらに生活していたことになり愕然とさせられます。
もっと驚かされるのは、その核が今なお存在するのではないかという点です。
そこで質問に入ります。
1点目、これまでに核疑惑を解明しようとしたことがありますか。あるならいつごろで、その回答はどうなっておりますか。
2点目、ポール・カーペンター氏の証言時、直ちにアクションを起こすべきではなかったですか。
3点目、今、沖縄問題は大きくクローズアップされているので、速やかに日・米・沖の代表で核貯蔵庫をくまなく検証することを日米両政府に申し入れるお考えはないですか、知事の御見解を承ります。
次に、太平洋戦争終結50周年記念事業についてお伺いいたします。
今年は復帰23年目の年、そして沖縄戦終結50周年の年に当たっております。この年に当たり大田知事は、戦争や基地といった暗いイメージの沖縄から、もっと明るい夢の抱ける沖縄にイメージチェンジをしていきたいとの抱負を述べられ、15項目の50周年事業を計画され、精力的に取り組まれていることを高く評価いたします。
去る6月23日の平和の礎の除幕式や全戦没者迫悼式典の意義深い取り組みや、8月の沖縄空手・古武道世界大会プレ大会の成功、11月の第2回世界のウチナーンチュ大会の26カ国から3000人余の2世、3世、4世が集まっての盛会ぶり、第46回沖縄県植樹祭、県民100万本植樹運動の取り組み、そして12月に入っての沖縄女性の50年フォーラムの実施等々の大田知事、関係部局の御努力を高く評価しながら以下の質問をいたします。
第1点目に、太平洋戦争終結50周年記念事業として計画された15の事業の実施状況と成果について、また残された事業と今後の取り組みについてお聞かせください。
第2点目に、平成9年の沖縄空手・古武道世界大会に向けてのプレ大会を通しての課題と今後の取り組みについてはどうなっておりますか。
第3点目に、11月の第2回世界のウチナーンチュ大会は、今後の国際社会での文化、経済の平和的交流の発展の面からも、一県の事業とはいえ重要な意義と成果があったと高く我が党は評価をしておりますが、大田知事の御所見と今後の世界のウチナーンチュの皆さんの活動と県との関係を含めまして、抱負と展望をお聞かせください。
第4点目に、去る12月1日の沖縄女性の50年フォーラムについても、今日の沖縄における知事が力を入れておられる女性の地位の向上、社会参加の課題と米軍基地の中で虐げられている人権の問題等も焦点化され、極めて重要な意義があったと評価するものですが、実施状況と今後の課題について御所見を賜りたいと思います。
次、農政問題についてお伺いいたします。
本県の農業は、復帰以来意欲的にもろもろの基盤整備を促進してまいりました。近年、諸事業の達成率も年々向上しており、本来なら農家の意欲は高まり、農業生産も年々増大が期待されるべきでありますが、逆に停滞が続いている状態です。
とりわけ本県の厳しい自然条件に耐え、地域産業として発展を期待した土地利用型作目のサトウキビ、パインが衰退の一途をたどってまことに深刻のきわみであります。
サトウキビの減産は年々進行し、心配していた100万トンを割るまでになり、本県糖業の危機を覚える次第であります。
また、士地改良事業完了の優良農地に荒廃地が出現、さらに八重山宮良川土地改良区のごとき2億5000万の賦課金滞納によって農業用水が給水ストップする等深刻な事態が起こっております。単純にこの問題は農家の怠慢ではないかと思われがちであるが、むしろ政治行政にその比重が大きいのではないかと考えるのであります。
本県の土地改良事業は、サトウキビ作を主体に計画実施されたものであり、生産者も将来の農業経営に意欲を示し事業に賛同したのであります。
ところが、サトウキビ価格は法の示す再生産を保証どころか、過去10カ年生産費を下回るものとなり赤字経営を余儀なくされ、ついに生産者の意欲減退を歯どめできず、今日、糖業危機を招く事態となっています。
また、優良農地の荒廃化もサトウキビやパイン等土地利用型作目不振によるものである。
このような事態は農家の自助努力で解決できる範囲を超えており、農民生活を守れない農政による構造的なものと考えますが、知事の御所見を求めます。また、県の対処策もあわせて伺います。
次に、賦課金滞納問題も深刻であります。宮良川土地改良区以外にも同種のものがあるのか、お示しをお願いします。
この種の問題は、農家の責任のみを追及するのではなく、農政不振にも配慮を払い、営農指導の強化等を含め支払い能力のある農家育成が重要でありますが、県はこれから問題解決にどのような指導をするのか、お伺いいたします。
農産物輸入総自由化に伴い外国からの新病害虫の侵入が危惧されますが、近年、菊にマメハモグリ、また本士では毒グモの発生等危惧されたことが現実のものとなっていますが、本県の現状と対策をお示し願いたいと思います。
次に、県内失業問題についてお伺いいたします。
知事は、昨年11月再選を果たした際、記者が今後優先的に着手する課題解決は何かとの問いに、若者の雇用拡大に取り組みたい、企業が苦しいときで行政がもっと積極的に雇用の場をつくっていきたいとお答えになり、雇用失業対策は県政の最重要課題として位置づけています。
そして、県の三役が企業訪問して協力依頼していらっしゃることを高く評価し、その御労苦に心から敬意を表する次第であります。
ところで、28日、県統計課が発表した今年10月の県労働力調査結果によると、県内の完全失業率は7.1%と全国平均3.2%の倍以上で、何と沖縄国際海洋博覧会後の経済落ち込みで雇用環境が悪くなった1978年4月以来17年ぶりで、特にローンの支払いや子供の教育費に支出の多い中高年を中心に増加したことは深刻であります。
それでお聞きします。
知事は、この現実をどのように受けとめ、どのように対処しようとしておられるか、御所見を賜りたい。
これまで失業対策にはどのような対策を講じてきましたか、お聞かせください。
最後に、空手道の無形文化財指定についてお伺いします。
去る12月1日付琉球新報に、「空手も無形文化財 県教育庁 指定基準改正を決定」との大見出しに小踊りしたのは私一人ではなかったでしょう。これまで関係団体からの数多くの要請に対して、関係職員の真摯な取り組みでやっと日の目を見たことは喜ばしい限りであります。遅きに失した感はするが、担当職員の御努力を高く評価し、心から敬意を表します。
沖縄を発祥の地として体系化され継承されてきた沖縄空手・古武道を、県民は貴重な文化遺産として誇りにしています。今や空手・古武道は世界142カ国に普及発展し、4000万人の人々に愛好されております。
県内の空手道場は200を超え、空手家の数は3万人、まさに空手王国の名を不動のものにしている活況ぶりです。
特に最近、次代の空手道界を担う小中高校生が急速にふえてきたことは、実に頼もしく喜ばしい限りであります。
これだけの空手人口を有し、七、八百年、いや何千年の歴史の重みを持つ空手道でありながら、これまでまるで日陰者扱いされ、指定基準のまないたにものらなかったのは甚だ納得しがたい。
なぜなら、空手道は、沖縄が世界に誇る超一流の文化であり、空手以上に沖縄を代表する宝はないはずだ。もちろん国際的にその評価は定着し、県民もそう考えていると思います。しかし空手はそれにふさわしい扱いをされていません。
例えば、同じ文化でも芸能の部だけでも、組踊はもちろん沖縄伝統舞踊、三味線、琴、太鼓、胡弓及び琉球歌劇等は、それぞれ部門の技能保持者が認定されています。
空手界のシンボル、これは空手の本場、その元祖を表現する長老の存在であります。まさしく沖縄空手界にさん然と輝く巨星です。その方々は高齢でもあられるし、沖縄空手・古武道の権威をより一層高めるためにも早急に無形文化財に指定し、長老たちを技能保持者に認定する必要があると思慮されます。
そこで質問1点目、知事は、常日ごろから武器を持たない礼節を重んずる平和の民とごあいさつの中で述べられておりますが、これまでの空手道の現状をどのように認識なさっておられますか、率直な御所見を賜りたいと思います。
2点目、空手道連合会では空手のメッカづくりに奔走しています。それを支える意味からも無形文化財指定を急ぐべきだと思慮しますが、教育長の御見解をお聞かせください。
3点目、空手道のシンボル的役割を果たし、空手界では人間国宝的存在の長老たちも御高齢なので技能保持者の指定は急を要すると思慮しますが、今後の取り組みをお聞かせください。
4点目に、これまで無形文化財指定基準のまないたにものらなかった要因は何だったのですか、お聞かせください。
以上で終わります。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 山川勇議員の御質問にお答えいたします。
まず、去る10月21日の県民大会の光景をどのような心境で見たか、率直な所見を聞きたいという御質問でございます。
10月21日の県民大会の開催に際して、8万5000人と言われる多数の人々が集まったことは近年にないことでございまして、その大会の開催に御尽力賜った関係者の皆さんに対し心から敬意を表したものでございます。
特に県議会議員の皆様には、各会派の政治姿勢にとらわれることなく一致団結し、沖縄県民の心を広く内外にアピールされたことは、県内外の多くの方々から高く評価されていると考えております。
次に、この総決起大会は参加者もまた参加できなかった人々も全県民が心を一つにして勝利させたものであると思うが、知事の考えはどうかと、さらに、広範な大衆が団結して闘えば必ず情勢を動かせるという今後の沖縄づくりに大きな財産となったと思うが、知事の所見はどうかという趣旨の御質問に一括してお答えいたします。
今回の県民大会は、御指摘のとおり県民の総意が大会を成功に導いたものと考えております。
県民大会の大きな盛り上がりを契機に米軍基地問題に対する幅広い県民の支持、支援の声をじかに聞くことができまし心この県民世論に沿って21世紀に向け明るい沖縄が展望できるよう、今後とも県民とともに努力してまいりたいと考えております。
次に、復帰後23年たった現在も沖縄の事態は何ら変わらないということへの怒りが県民の中に渦巻いていることが改めて明らかになったと思うが、どのように受けとめているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
米軍基地に対する県民の思いは、狭い県土に過度に集中した米軍基地が産業の振興や良好な都市形成を妨げ、またたび重なる事件、事故の発生等が日常生活に大きな不安感を与えており、これらの要因が県民の怒りとなって表明されたものと考えております。
次に、いたいけな少女問題がきっかけで日本政府もようやく物わかりがよくなったことは、余りにも犠牲になった少女がふびんで胸が痛むが、率直な見解を聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
県民大会の冒頭でも申し上げましたが、行政の責任者として少女の人間としての尊厳を守れなかったことを心の底からおわびしたいという気持ちは今でも変わりはございません。
この事件を契機に政府を初め本土マスコミ等も沖縄の米軍基地問題について関心を高め、その解決に向けての支援も広がりつつあると認識しております。
次に、米軍用地特措法そのものも、強制使用認定も憲法の平和主義、財産権の不可侵、権利制限の適正手続の保障に反し違憲という説もあるが、知事の見解を聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
駐留軍用地特措法及びこれに基づく事業認定については、御指摘のような説もあると聞いておりますが、今後訴訟が予定されていることもありますので、現時点ではコメントは差し控えたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
次に、知事の代理署名問題との関連で、今後あらゆる圧力が予想されるが、知事はこれにどう対処するのかという御質問でございます。
私は、来るべき21世紀に向けて県民を初め、とりわけ若者が夢の持てるような基地のない平和な沖縄を目指し、国に対し機会あるごとに米軍基地の整理縮小や米軍基地から派生する事件、事故の未然防止などその解決を訴えてまいりました。今後とも基地問題の解決のため日米両国政府に対し、積極的に働きかけていきたいと考えております。
それから、代理署名拒否問題との関連で、政府は期限が間に合わねば特別立法で迫ることも予想されるが、この場合どのような対策をとるのか所見を伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
特別立法につきましては、仮定の問題でありますので、ここではコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
続きまして、2回にわたる総理との会見及び地位協定の見直し要請に対する国の対応、反応はどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
11月4日の総理との会談では、沖縄の基地問題の現状を説明し、地位協定の見直し等を要請いたしました。
また、11月24日の会談では、日米共同文書に関して話し合いました。
その後、沖縄米軍基地問題協議会及び同幹事会において、県から米軍基地の整理縮小、日米地位協定の見直し、騒音防止協定の早期締結等5項目にわたってその解決方を要請いたしました。
その中で、日米地位協定の見直しの問題については政府側から、やれるものからやれる範囲でやっていきたいという趣旨の発言がありました。
なお、来る12月15日の幹事会では、地位協定見直しの問題について具体的な検討を行うことになっています。
それから、地位協定見直しとの関連で、今後の国への要請と問題解決への展望をどう考えるかと、また県議会や県民各界に対する知事の要望や提言があれば聞きたいという御質問にお答えいたします。
沖縄の基地問題については、11月17日に閣議決定された沖縄米軍基地問題協議会で検討し、1年をめどに結果を出すということが確認されております。
日米地位協定の見直しについては、本協議会で検討され、その後、日米両国政府の間に設置された特別行動委員会で協議されるものと認識しております。
これまでの折衝経過を踏まえて考えますと、国の理解は大幅に進んでおりますけれども、解決については決して楽観を許さないという懸念を持っていることを率直に申し上げたいと思います。
したがいまして、沖縄の基地問題の解決には県議会を初め県民各界の御協力、支援が不可欠であり、今後とも一層の御協力、御支援を賜りたいと考えております。
次に、今後、グローバルな視点からの安保の再定義で演習時に沖縄の海域、空域が脅かされるのではないかと思うが、知事はどう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
日米安保条約の再定義によって日本の米軍基地がよりグローバルな観点からその重要性が確認、再定義され、それが沖縄の基地機能の強化、固定化につながることになれば演習面でも激しさが増すのではないかと懸念いたしております。
次に、太平洋戦争終結50周年記念事業として計画された15の事業の実施状況と成果について、また残された事業と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
太平洋戦争・沖縄戦終結50周年事業の15の事業のうち、これまで実施してきたものは平和の礎建設事業、第2回世界のウチナーンチュ大会等12の事業がおおむね終わっています。
また、現在推進中のものは埋没不発弾の処理事業、県民100万本植樹運動等があります。
未実施の事業として沖縄県CI宣言があります。なお、これについては平成8年1月に行うことにしています。
したがいまして、50周年事業の目的は、県民挙げての御協力と理解を得てほぼ達成されたものと考えております。
次に、第2回世界のウチナーンチュ大会終了に当たっての知事の所見と今後の世界のウチナーンチュの活動と県との関係を含めた抱負と展望について伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
第2回世界のウチナーンチュ大会につきましては、世界25カ国から約3400人の参加者を迎え、幅広い県民の御協力のもとに成功裏に終えることがぎできましだ。
大会期間中の各種のイベントを通して多くの県系人同士や県民との間に交流がなされ、またワールド・ウチナーンチュフォーラムやウチナーンチュ民間大使会議の中で多くの貴重な提言が出されるなど有意義な大会であったと思っています。
また、海外から参加されましたウチナーンチュの方々にとりましては、久しぶりに母県の文化に触れ、あるいは県民との間に交流を深められ、ウチナーンチュの心意気を新たにしたものと確信いたしております。
今後は、海外において各分野で活躍している県系人との人的ネットワークをより一層強めることにより、相互の国際交流をさらに深め、双方の社会経済発展のために努力してまいりたいと考えております。
次に、沖縄の空手道の現状についての知事の認識を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
沖縄の空手・古武術は、私たちの祖先が護身の術とするとともに、心身の修養、鍛練のための武術として体系化し継承してきた貴重な文化遺産であります。
沖縄の空手が世界各国に普及し、数多くの人々に愛好されていることは、沖縄文化の水準の高さを示すものであり、県民の誇りとするところであります。これも多くの関係者がその保存継承に尽力されたたまものであり、その努力に対し心から敬意を表するものであります。
このような沖縄の空手・古武術を保存継承していくことは郷土文化の発展につながるものであり、県民の責務であると認識しております。
その他の御質問につきましては、お許しを得て関係部長等から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 山川議員の地位協定見直しとの関係で、10項目の地位協定の見直しをまとめてきた経過と背景を聞きたいとの御質問にお答えをいたします。
本県には、御承知のとおり我が国の米軍専用施設の約75%が集中し、さらに水域、空域にも制限区域が設定されるなど振興開発の著しい障害となっております。
加えて、米軍によるたび重なる事件、事故の発生、航空機騒音の問題等過重な基地負担を背負わされております。
県としては、こうした基地の存在により生ずるさまざまな問題が日常的に県民生活に支障を来していることから、昨年の12月に日米地位協定等研究会を知事公室内に設置し、その問題点等を検討してまいりました。
今回、沖縄県民に直接影響を及ぼすものを基本的に取り上げ、10項目の見直し要請を日米両国政府に行ってきたところでございます。
次に、米軍の軍事演習との関連で、ビーチクレスト96、県道104号線越え実弾砲撃演習と相次ぐ演習の実施は県民感情を逆なでしている、これについて県はどう受けとめているのか、またこれにどう対処したのか聞きたい、ビーチクレスト96が例年より8日間多いが、根拠は何かとの御
質問に一括してお答えをいたします。
県道104号線越え実弾砲撃演習は、去る11月29日から12月1日までの3日間実施されたばかりであります。
また、ビーチクレスト96が11月28日から実施されている最中の、12月12日から県道104号線越え実弾砲撃演習の相次ぐ演習の実施は、県民の生活を脅かすだけでなく、事故発生の可能性も高く、米軍基地の整理縮小を求める県民の声が高まっている中、地元への配慮を欠くもので極めて遺憾であります。
このようなことから、県としては12月6日、きのうでございますが、ビーチクレスト96の中止並びに県道104号線越え実弾砲撃演習の中止と廃止を在日米軍沖縄地域調整官、在沖米国総領事及び那覇防衛施設局長に申し入れをしたところであります。
ビーチクレスト96が例年より8日間多くなっている根拠をただしましたところ、海兵隊報道部によりますと訓練の必要性から日程が設定されたとの返答でございました。
次に、核疑惑との関連で、これまでに核疑惑を解明しようとしたことがあるか、あるならいつごろで、その回答はどうでしたかとの御質問にお答えいたします。
昨年5月、若泉敬氏の著書による核疑惑問題が生じた際、県は、「日米共同声明後25年も経過した今日、密約が存在するとの報道は、県民に大きな衝撃を与え、新たな不安を抱かせるものである。県としては、このことを深刻に受け止め、県民の納得が得られるよう事実の解明と非核三原則に対する政府の見解を改めて求めていく」とのコメントを発表いたしました。
また、外務省、防衛庁に対し、1つ、沖縄返還時における有事の際の核持ち込みに関する合意文書の存在に係る事実を早急に解明すること、2つ、非核三原則の適用についての政府の見解を改めて明らかにすることを要請いたしました。
これに対し外務省からは、密約は存在しないし、日本政府はこれまであらゆる機会をとらえてそのようなことは存在しない旨表明している、核の持ち込みについては安保条約で事前協議の対象になり、協議を受けなければこれに対してノーという立場であり、非核三原則は今後とも堅持していくとの回答がありました。
次に、同じく核疑惑との関連で、ポール・カーペンター氏の証言時、直ちにアクションを起こすべきではなかったかとの御質問に対しましてお答えをいたします。
核疑惑問題について、県は県民の生命と安全を守る立場から常に重大な関心を持って取り組んでおります。今後とも、政府に対しては引き続き非核三原則の堅持を強く訴えてまいります。
同じく核疑惑の関連で、核貯蔵庫をくまなく検証することを日米両国政府に申し入れる考えはないかとの御質問にお答えをいたします。
核疑惑問題はもとより、実弾砲撃演習に伴う赤土流出の原因究明や、基地から派生する事件、事故等について県民の生命と安全を守る立場から基地内の調査は必要であり、今回の地位協定見直し要請の中でも基地内の立入調査ができるよう政府に対し要請をしているところでございます。
最後に、沖縄女性の50年フォーラムの実施状況と今後の課題についてお答えをいたします。
沖縄女性の50年フォーラムは、戦後の困難な時代をたくましく生き抜いてきた女性たちの足跡を振り返り、平和のとうとさを再確認するとともに、その功績を後世に引き継ぎ、来る21世紀の男女共同参画型社会の実現に資する目的で開催をいたしました。
実施状況としては、12月1日に宜野湾市のコンベンションセンター劇場で特別講演とシンポジウム、パネル展を行ったほか、プレイベントとして11月下旬に平良市及び石垣市において講演と映画の上映をしたところであります。
フォーラムを通じて、女性の人権についての県民の関心をさらに高めることの重要性のほか、女性と男性がつくり出す望ましい社会の形成に向け、女性施策の拡充を図るべきであるとの方向性が示されました。
県といたしましては、その提言の趣旨に沿って引き続き努力してまいりたいと思います。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 当銘勝雄君登壇〕
○農林水産部長(当銘勝雄君) 農政問題との関連で、優良農地の荒廃化やサトウキビ等の土地利用型作物の不振について県の所見及び対応策を伺いたいという趣旨の質問にお答えいたします。
本県農業は、農産物の輸入自由化、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意等により農産物の価格が低迷するなど厳しい環境にあり、農業生産は伸び悩みの状況にあります。
このようなことから、農家の経営体質の強化が求められております。
このため、サトウキビ等土地利用型作物については、ハーベスターの導入や側芽苗利用の機械植えつけ実用化事業を実施するなど機械化作業の確立に努め、生産性の向上を図っております。
また、振興作目の野菜、花卉については、ニガウリの新品種の「群星」の開発普及、セル成型苗の種苗供給施設及びハウス等の近代化施設の整備等により産地形成を推進しております。
熱帯果樹等については、タンカンの新品種「名護紅早生」の開発普及や、大宜味村、石垣市等にマンゴー団地を整備するなどその生産拡大を図っております。
肉用牛については、中城湾港地区における飼料コンビナートの飼料基盤の整備や受精卵移植技術による優良牛の作出等により銘柄牛の生産拡大を図っております。
引き続き、各種施策を総合的に推進し、国際化時代に対応した生産性の高い農業構造の改善に努めてまいります。
次に、宮良川土地改良区以外にも賦課金滞納はあるのか、また営農指導の強化や農家育成も重要であり、どのような指導をするのかという趣旨の質問にお答えいたします。
土地改良地区における賦課金の滞納については、一部の土地改良地区においては見られますが、宮良川土地改良地区のような送電停止に至った地区はありません。
土地改良事業は、農地の集団化による規模拡大及び機械化による労働力の低減や、水の有効利用等により農作物の増産を図り、農業経営の向上に寄与するものであります。
しかしながら、現状では農業の担い手不足や高齢化等によって土地改良事業の効果が十分に発揮されてない地域もあります。これらの地域については、市町村、農協等関係機関と連携して担い手の育成や営農指導の強化に努めてまいります。
また、土地改良地区の運営の健全化を図るため、賦課金徴収率の向上や事務の合理化による経費の節減等を指導しているところであります。外国からの病害虫の侵入が危惧されるところであるが、本県の現状と対策はどうなっているかという趣旨の質問にお答えいたします。
外国から輸入される植物については、植物防疫法に基づき農林水産省那覇植物防疫事務所が空港及び港において厳重な植物検査を行い、新病害虫の県内への侵入防止に努めております。
本県では、平成5年に初めてマメハモグリバエの発生が確認されましたが、菊、レタス、セルリー、豆類及び雑草のシロバナセンダングサ等多くの植物に寄生することからその防除は困難な状況にあります。
そのため、病害虫防除所を中心に生理・生態の解明及び防除法の確立試験、天敵の調査等を実施するとともに、病害虫の発生予察情報に基づいた適正防除を関係機関、農家が一体となって取り組んでいるところであります。
なお、新病害虫の侵入や異常発生に対しては、今後とも緊急防除用薬剤を市町村に譲与するなど防除対策の強化を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 高嶺朝幸君登壇〕
○商工労働部長(高嶺朝幸君) 県内失業者問題について、現在の雇用失業情勢の実情をどのように受けとめているか、またこれまでどのような対策を講じてきたかとの御質問でございますが、一括してお答えします。
御指摘のように、17年ぶりに失業率が7%を超え、引き続き失業者の半数を若年者が占める中で、生活の柱となる中高年齢層の失業者が増加傾向にあり、極めて憂慮すべき事態と深刻に受けとめております。
これまで県といたしましては、雇用失業問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけ、多数の雇用が期待できるアクアポリス活性化事業の推進や地域雇用開発助成金の活用促進などを通じ、雇用の創出拡大に努めてまいりました。
特に、次代を担う若年者の対策については、県幹部による企業を直接訪問しての求人要請や進路指導担当者の企業情報収集のための産業・職業セミナー、県外企業合同求人説明会の開催及び県外職場実習、その他各種施策を実施し、重点的な取り組みを行ってきております。
加えて今年度からは、新規に就職問題に対する県民意識の啓発向上を目的とした雇用促進キャンペーン事業を推進するとともに、沖縄県産業・雇用問題懇話会からの緊急提言を受けて、観光誘客プロモーション対策や伝統織物を活用した縫製業の振興を図るための調査等を実施しているところでございます。
今後は、これらの取り組みに加えて、最近の情勢に対応した緊急雇用対策として12月補正予算で御審議をお願いしております創造的中小企業創出支援事業により資金調達を支援するほか、新総合的雇用対策により創設されました中小企業新分野展開支援人材確保助成金等により中小企業の人材育成確保を支援し、新たな雇用機会の創出を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○議長(嘉数知賢君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 比嘉政昭君登壇〕
○環境保健部長(比嘉政昭君) 農政問題に関連しての御質問ですけれども、毒グモに関する本県の現状と対策についての御質問にお答えいたします。
さる11月19日、大阪府高石市内数力所で、本来日本に生息していない毒グモ「セアカゴケグモ」が捕獲され、さらに三重県においても発見されたことから、県では12月5日、衛生環境研究所において県下7保健所及び那覇市、浦添市の担当職員による対策会議及び講習会を開催し、12月6日から8日までの3日間の予定で那覇港、那覇新港、平良港及び石垣港付近において調査を実施しているところであります。
その結果、12月6日の調査で那覇新港付近においてセアカゴケグモにほぼ間違いないと思われる9個体を発見しております。県では、今後継続して調査を行うこととしております。
なお、本クモの性質はおとなしく、岩陰やマンホールのふた等に通常網を張ってその中に生息しており、みずから攻撃をすることは少ないというふうに言われております。これから本クモの特徴、生態、事故発生時の対応策について県民に周知を図っていくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 答弁漏れが1件ございましたので、答弁させていただきます。
今回の強制使用に関する激励の手紙等が来ているがどれぐらいになっているかとの御質問がございましたので、お答えをいたします。
はがき、ファクス、手紙、電子メール等を入れまして、県内、県外、海外、合計いたしまして──きょうの15時30分現在でございますけれども──2万1540通来ております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 教育長。
〔教育長 仲里長和君登壇〕
○教育長(仲里長和君) 沖縄空手・古武道世界大会に向けての取り組み及び空手道の文化財指定についてまとめてお答えを申し上げます。
1点目は、太平洋戦争終結50周年記念事業の1つでありました平成9年の沖縄空手・古武道大会に向けてのプレ大会を通しての課題と今後の取り組みについての御質問に対するお答えでございます。
沖縄空手・古武道世界大会の開催に向けましては5つの課題があると考えております。第1点は競技の安全性の確保、第2点は円滑な競技運営を図るための審判員の資質の向上及び海外審判員の確保、3点目は沖縄空手・古武道の歴史と伝統を生かした大会内容の充実、4点目は国際的ネットワークづくり、5点目は参加国の拡大の5つでございます。
これらの課題解決に向けて競技専門委員会を中心に検討を進めているところですが、特に安全性の確保につきまして薪たに沖縄空手・古武道世界大会競技安全対策委員会を設置いたしました。この委員会で今後の大会のあり方について検討しているところであります。
今後、これらの検討結果を踏まえて大会要綱及び競技実施要項等を策定し準備業務に取り組んでまいります。
また、沖縄空手・古武道世界大会国際推進員の拡充及び第2次、第3次キャラバン隊をアジア、ヨーロッパ地域へ派遣するなど各国の参加促進と国際ネットワークづくりを推進してまいりたいと考えております。
次は、空手道の文化財指定についてでございます。
この2番目が空手道の無形文化財指定を急ぐべきだと思うがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄の空手・古武術は、沖縄古来の武術と中国伝来の拳法とが融合し沖縄の歩んできた歴史の中で体系化され完成されたものと言われており、他の伝統芸能や工芸技術とともに沖縄のすぐれた文化遺産であると考えております。
このような認識のもとに、沖縄空手・古武術を保存継承していくためその文化財指定については重要なことだと考えており、このたび沖縄県文化財の指定・認定・選定及び選択の基準を改正いたしました。その改正に基づきまして空手・古武術を無形文化財として指定できるようにいたしてございます。
次、3点目は空手道の技術保持者の指定に向けて今後の取り組みをお聞かせ願いたいという趣旨の質問にお答えいたします。
今後は、新しい指定基準に基づきまして無形文化財としての空手・古武術の指定及び保持者の認定について沖縄県文化財保護審議会への諮問、同審議会からの答申、県教育委員会への議案提出等の手順を踏んで認定指定をいたすことになっております。
その間には、多くの方々の意見を参考にしながら、同審議会及び専門部会等の中で議論を経て指定及び保持者の認定に取り組んでまいりますが、先ほど御指摘がありましたように諸般の事情がございますので、早いうちの指定認定ができればというふうに考えております。
4点目は、これまで無形文化財指定基準のまないたにのらなかった要因は何かというふうな趣旨の質問でございますが、これには2つございます。
御承知のとおり、競技スポーツを文化財として指定する例はございません。したがいまして、従来空手・古武術がスポーツとしてとらえられているという側面がございます。
しかし私たちは、この沖縄の空手・古武術の歴史的な形成過程やそれが持つ本質的な性格等を考慮いたしまして、他の伝統芸能と同じように沖縄のすぐれた文化遺産だという認識を新たにいたしました。
もう1つは、文化財として指定するまでの基礎資料が備わっていないということもございました。平成2年からこれまでずっと空手・古武術に対する基礎的な資料を集め、これを集大成いたしまして、その結果、文化財指定として十分にたえ得るという2つの結論に達しまして、今回慎重に検討した結果、空手・古武術を文化財として指定するように基準を改定した経緯がございます。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 山川 勇君。
〔山川 勇君登壇〕
○山川 勇君 ただいま大変力強い御答弁をいただきましたが、ぜひ来年いっぱいにはこの文化財指定、そしてまた技能保持者の認定というふうなことをお願いしたい。
といいますのは、プレ大会で一番交流の面で外国選手から人気があったのは長老のセミナーだったんです。そしていよいよ平成9年に世界大会を迎えます。それまでにはどうしてもやはり沖縄のこういう巨星である長老たちを空手の技能保持者指定というふうにぜひお願いしたいと思います。
再度の決意をお願いいたします。
○議長(嘉数知賢君) 教育長。
〔教育長 仲里長和君登壇〕
○教育長(仲里長和君) ただいまのお話と関連して少し話がずれますが、去るプレ大会で平和の礎の前で国際演舞大会、奉納大会をいたしました。
その後に、長老の座っている席は、長老が立つことができないほど世界各国から集まりました空手選手が取り囲みまして一緒に写真を撮る、ビデオにおさめるというふうにまさにスターの扱いでございました。
私はこれを見まして、沖縄県の空手界あるいは古武道界の長老たちが世界各国からどのように尊敬され、慕われているかということを目の当たりにしまして非常に感動したことを覚えております。
ただいまの御提言のように、早い時期にその指定認定ができればありがたいというふうに思いますので、できるだけ当局としても努力をしていきたいと思います。
○議長(嘉数知賢君) 新垣哲司君。
〔新垣哲司君登壇〕
○新垣哲司君 新進党県議団を代表して質問をいたします。
その前に一言、現在の我が党の立場について言及させていただきます。
戦後50年を経た今日、内外情勢が激変するに、我が国は21世紀に向けた新しい時代を切り開かなければなりません。そのためには責任ある政党として今後ともたゆまざる改革、責任ある政治を目指し、国民に理解できる行政改革を推進し、公正公平、そして共生共存の社会、国民総参
加型の国家形成を追求してまいります。
大田知事就任後5年、時期的に知事を支える世論及び要因が働いたことも一助になったかもしれないが、本気に基地問題をみずからの手で解決しようとした姿勢は高く評価し、知事には敬意と賛意を表します。
時間が限られていますので急いでいきます。
去る9月にアメリカ兵が起こした事件を契機に、10月21日の8万5000人の怒りの県民集会等々、沖縄の基地に対する県民の糾弾が連鎖した。
大田知事は11月4日、11月24日の2回にわたり村山首相と会談をしたが、目に見える形での基地の整理縮小が県民に希望を持たせることになると主張し、しかしながら2人の会談にはかなりの隔たりがあったとされている。そして大田知事は、地方自治法第15条の2項に対して機関委任事務拒否手続を貫くとのことになった。
それを受けて、村山首相みずからも代理署名を行うための法的手続を開始することになった。大田知事が国に対してイエローカードを提示したことによって、国は著しく公益を害することと勧告文を大田知事に示した。
これによって、その是非を含め国と県が契約拒否地主の財産権の保障、基地被害をめぐる人権問題等々、憲法問題にまで及ぶところの裁判闘争が展開されることになる。大田知事が誕生した背景からすれば、署名拒否については予想されたことで、満を持した行動となった感がする。
この間、国政は各党とも政権掌握のために混乱を続け、沖縄の米軍基地に対する政策が論議されなかったことのツケが回ったという失策となった。ましてや今年は戦後50年とあって、戦争の傷跡に対する検証がいろいろな角度からなされ、そうした状況の中で米兵に対する怒りが基地問題、地位協定の見直し、ひいては安保問題の是非を論ずるところまで高まり、大田県政の思いが集約された形で国と対時するところまで至ったわけでございます。
この一連の運動を通して日米政府を揺るがし、沖縄の基地過重と犠牲を国民に知らしめたことは、高い評価に値することとなった。しかし基地の縮小などについては成果も多く期待できないと見た方がいいだろうとの表現がなされ、多くの県民を失望させるに至った。いわゆる大田知事が言うところの目に見える形とはならなかったというのが事実である。
ましてや、大田知事誕生の最大の支援者、県選出で基地撤去を公約とした県選出国会議員にして、矛をおさめてはとのフジテレビ「報道2001」での発言にもなって、これまで安保反対を唱えて50年、いかなる結論を国民に示すかと思ったところ、政権の座についた途端、安保容認をすることになった。
村山首相、これに続くかのごとく、県選出国会議員みずからもその甘言を味わっているのは理解に苦しむ。
我が新進党は、基地問題の解決に当たって専門部会において多くの討議を重ね、結論を国民に示した。
大田県政になってはや5年、基地問題は延々としてその解決ははかどらず、県民をして政治不信の念を抱かせてきたものである。
ところが、今回の事件で一気に好転するものと、これに乗じてマスコミは10月21日の4つの要請項目を越えて安保反対、基地即時撤去等々と訴えるに至った。
これに呼応するかのごとく大田知事の発言も次第にエスカレートするに至った。政治の場で早急に解決をしなければならなかった再発防止の対策すら生まれないままのようである。
また、第1回目の会談で大田知事は村山首相に謝罪を要求し政府への補償を迫ってもいるが、基地のある事実を踏まえた沖縄県の行政責任者としてみずからの責任もあることも承知すべきである。単に招かざる客が犯した事件、基地があるゆえの犯罪として責任をほかに転嫁することではなく、知事として県民のために責任ある政治を、行政を遂行しなければなりません。
そして、民生的、経済的、社会環境を政治的に整備して、一日も早く基地を縮小していくために工夫と対策をとらなければならないというふうに思うわけでございます。
知事の所見をいただきます。
知事に幾つかの質問をいたします。
この壇上にて、私はあえて米兵3人による少女暴行事件という表現をしなかった。マスコミ、大田県政は、その都度このまくら言葉を使っているようだが、少女にとってこの言葉を聞かされるほどに憎悪の度合いが増すものと思われるが、もう別の表現で事は足りるのではないでしょうか。
さて、知事は村山首相に謝罪を要求し政府に対する補償を求めたが、その結果どうなったのか。
また、知事は行政の責任者としての補償、その後の少女が精神的苦痛から抜け出すためのカウンセリングなどフォローをどのようにしたか。
2、再発防止が早急にとられるべきであったが、具体的にどのような方法がとられているのか。
3、悲惨な事件によって、大田知事、基地問題についてイニシアチブをとっての政治闘争を展開することになったが、当初言われた県民の目に見える形でとあったが、その状態についてお聞かせください。
大田知事は、日本はどうなっているのかと自主性のない外交、内政に対して批判をされた。また県紙など諸悪の根源は琉球処分に戻るといった日本への批判を展開していることに対してどう思うか。
日本はどうなっているのかとの発言は、日本の弱体化を批判し、ナショナリズムの啓蒙につながりはしないか。そのナショナリズムの萌芽は、日本の主権をあらわすために日本に駐留する米軍にかわって国を守る自衛論につながりはしないか。
6点目、大田知事の基地撤去、平和追求の政治信念に敬意と賛意を示すが、国を守る理論はどんなふうに考えておりますか。
7点目、今回大田県政によって基地縮小の運動が展開されたが、要するに極東において暗雲がある間は沖縄に対するアメリカの地位は一歩も変えられないということで、いわゆるブルースカイポジションについてどう思われますか。
8点目、南北朝鮮問題、台中問題、南沙・西沙諸島問題についての大田知事の見解を伺いたい。
9点目、防衛大綱より中国に対する脅威は削除されたが、南沙諸島への武力進出のごとく尖閣への進出がなされた場合、沖縄はどういうふうに対応するか。
次、既に尖閣近海に中国側は領域を侵して海底など探索をしているが、その状況。
また、中国に精通しているある先生が、日米安保の壁が中国の尖閣進出を阻んでいると言っていますが、その件についてどう思われますか。
さきにも述べたように、基地の縮小は極東のブルースカイが晴れるとあるが、沖縄県の国際的行動をもって近隣諸国の平和への手助けをする実情について。
次、大阪APECの際に、APEC沖縄センターの設置が県紙に載ったが実態はいかがか。
また、台湾が米中関係の改善についてきざはしにならんとしている動きがあるが、沖縄が台中関係のきざはしとなって台中会談の分離会の開催などに名乗り出るつもりはないか。
また、吉元副知事が沖縄のシンガポール、香港のような国際都市論を述べておりますが、そのいずれの地域もその歴史を振り返りますと植民地時代、基地化の時代があり、次回のAPEC開催となったマニラもナショナリズムの萌芽によってアメリカの基地を撤去させた歴史があります。
しかしながら、自衛すべき軍を持っているし、アメリカとの経済的共生を進め、円滑に運ばなければならない点が多々あると思います。
そこで知事に見解を示してもらいたい。
国際都市形成整備構想について進捗状況について、また事務手続がどうなっているかについてを伺います。
次、沖縄が将来、国際都市としての未来を持つべきであるならば、今回、アジアの中の沖縄の基地の存在価値までが問われるわけですから、それをばねに近隣諸国との関係を改善して新たな方法を考えるのが得策ではないか。
大田知事の今回の問題解決の方法に条件闘争はしないとあったが、このままでよいでしょうか。
大田知事の代理署名拒否について、国は村山首相は職務執行命令拒否について──一部変動がございます。きょうの午後のニュースで福岡高等裁判所那覇支部に提訴を行ったということでございます。
これについて知事の御所見をいただきたい。
軍用地の強制収用について、沖縄における軍用地の長期にわたる強制収用は、憲法第29条3項にいう、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と規定されている。
知事は、その限度内にあると解釈しているか。
もし合憲だというなら根拠を示して明確にお答え願います。
日米安保条約について、大田知事は憲法と条約についていかなる認識を持っていますか。
そして、両者の関係について。
なぜならば軍用地問題を解決するについての知事の基本的解釈、姿勢が知りたいので県民の前に明らかにしていただきたい。
今回の軍用地問題についての県と国との立場の相違点について伺います。
これに対する県の対応について具体的に示していただきたい。
次、基地返還アクションプログラムの中身発表についてどのような準備ができているか、県民の前に示していただきたい。
この席から以上で終わります。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 新垣哲司議員の御質問にお答えいたします。
まず最初に、知事は村山首相に謝罪を要求し政府に対して補償を求めたが、その結果はどうなったかということでございます。
謝罪を要求しというほどの強いことで申したことではなくて、クリントン大統領、モンデール大使、そしてアメリカ側の方々が率直にすぐに少女の問題についておわびをしたけれども、肝心の基地を提供している側の方からはわびの言葉がないというのが県民の理解に苦しむところですということを申し上げたら、それについてはおわびしますということであったわけでございます。
今の問題について政府に対して補償を求めたという問題でございますが、公務外での事件では被害者が十分な補償を受けられない場合もあることから、米軍に施設・区域を提供している国に対して特段の配慮をするよう、11月25日の第1回目の沖縄米軍基地問題協議会の場で官房長官、外務大臣、防衛庁長官に要請いたしました。
また、地位協定第18条を見直して、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族により被害を受けた場合は、公務中か公務外かを問わず日本政府の責任で補償が受けられるよう、11月4日に政府に要請したところであります。
次に、少女が精神的苦痛から抜け出すためのカウンセリングなどフォローをどのようにしているかという御質問についてお答えいたします。
少女のフォローにつきましては、学校及び当該市町村教育委員会と県教育委員会との緊密な連携を図り、少女の行動や心身の変化等に即応できるよう、医師や臨床心理士等による支援体制を整えております。
なお、アメリカの専門家なんかも沖縄にやってきて少女のカウンセリングに応じたいと、もし県がそれを望むのであればいっでも来ますというような手紙なんかも来ておりますけれども、今のところ県としてはもう少し時期を待って状況を見たいということで要請はしておりませんが、先ほど申しましたように教育委員会などと十分に連携を図って対処していこうとやっているところでございます。
それから、基地の整理縮小との関連で、県民の目に見える形での基地の整理縮小はどのような状態かという御質問でございますが、県民の目から見て明らかに評価できるような解決策をとることが県民の目に見える形だと考えております。
例えば、具体的な例で申しますとシーメンズクラブなんかがありましたけれども、それが撤去されて武道館に変わると。これはもう明らかに目に見える形での解決でございます。
次に、県紙などが諸悪の根源は琉球処分に戻ると日本を批判しているが、これについてどう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
琉球処分に関する新聞報道につきましては、それぞれの新聞社の判断で出されているものと理解しておりまして、私の方からコメントする立場にはございません。
次に、日本はどうなっているのかという知事の発言はナショナリズムの啓蒙につながり、それが日本の主権をあらわすため、日本に駐留する米軍にかわって国を守る自衛論につながらないか、国を守る理論はどんなふうに考えるかという趣旨の御質問でございますが、一括してお答えいたします。
私の発言は、本県の基地問題が遅々として進まない状況や日米安保体制の中で沖縄だけが過重な負担を強いられている現状についての思いを申し上げたわけでございます。とりわけ安保体制の重要性を説きながら、みずからはその責任や負担を引き受けようとはしないようなことについては、これはいかがなものかということで申し上げたわけでございます。
それから、極東において暗雲がある間は沖縄に対するアメリカの地位は一歩も変えられないといういわゆるブルースカイポジションについてどう思うかという御質問でございますが、私としましては沖縄が戦後50年の長きにわたって基地の提供を強いられ、さらに沖縄の地理的条件を理由として米軍基地を21世紀にわたって固定し強化することは容認できるものではないという考え方を持っておりまして、したがってアメリカの責任者がどのような発言をされようと私たちはそれに従うということではなくて、私たちのその生活や生命を守る立場からはっきりと物を申していきたいと考えております。
次に、南北朝鮮問題、台中問題、南沙・西沙諸島問題について知事の見解を聞きたいという御質問でございます。
アジアにおいて北朝鮮の核開発をめぐる問題や中国と台湾の統一問題、さらには南沙諸島の領有権をめぐる問題などが存在することは承知いたしております。県としては、これらの問題が早期にかつ平和的に解決されることを切に望んでおります。
次に、南沙諸島への武力進出のごとく尖閣への進出がなされた場合、沖縄はどのように対応するかという御質問でございますが、仮定の問題でございますのでコメントは差し控えさせていただきます。
それから、ある中国に精通している人が日米安保の壁が中国の尖閣進出を阻んでいると言っているがどう思うかという御質問でございますが、日米安保の評価につきましてはいろいろと議論が分かれておりまして、ある特定の人の発言に対してコメントする立場にはございませんので、御理解いただきたいと思います。
それから、マニラもナショナリズムによってアメリカの基地を撤去させた歴史があるが、自衛すべき軍を持ってもいるし──これは日本はという意味だと思いますけれども──アメリカとの経済的共生を進め円滑に運ばなければならない点が多々あると思うが、知事の見解はどうかという御質問にお答えいたします。
日本と米国は、戦後貿易を通じて相互に経済の発展を図ってまいりました。したがいまして今後とも経済的、文化的側面を重視した日米間の平和友好関係の一層の発展を図る必要があると考えております。
それから、知事の今回の問題解決の方法に条件闘争はしないとあったが、このままでいいかという趣旨の御質問にお答えいたします。
駐留軍用地の強制使用に係る土地調書及び物件調書への立会、署名押印については、本県における広大で過密な米軍基地の存在、訓練に伴う航空機騒音や環境破壊、軍人軍属による犯罪の多発など沖縄の米軍基地を取り巻く背景及び諸般の状況を踏まえると、21世紀に向けて県民、とりわけ若い世代が希望を持てるような沖縄をつくる立場からこれには応じられない旨国に通知したところであります。
次に、職務執行命令拒否に対して国がきょう行政訴訟を提起しているけれども、それについてどう対処するかという趣旨の御質問にお答えいたします。
きょうの午後2時過ぎに提起されたということは伺っておりますけれども、まだ中身についてよく吟味してございませんので、議会が終わりましたら庁内のスタッフとよく対応のありようを相談いたしまして、適切な対応をしてまいりたいと思います。
そして訴訟が提起されているということですので、その訴状の内容をよく検討した上で弁護団も必要に応じて委嘱し、そしてその中身については一緒になって詰めてまいりたいと考えております。
それから、米軍用地の長期間にわたる強制使用と憲法第29条第3項の規定との関係についてどう考えるかという趣旨の御質問でございます。
本県の米軍用地は、戦後米軍統治下の布令、布告により地主の同意を得ないままにいわゆる銃剣とブルドーザーによって強権的に接収されてきたのが多うございます。
また、日本復帰に際しては、核抜き本土並みと言われながら沖縄返還協定によりそのままの状態で日米安保条約及び地位協定に基づいて提供されてきた経緯があります。
さらに復帰後は、公用地等暫定使用法、駐留軍用地特措法に基づき長期間にわたって強制使用されてきておりますが、これらのことについては財産権の保障を規定する憲法第29条との関係から綿密に検討する必要があると考えております。
次に、日米安保条約について知事は憲法と条約についていかなる認識を持っているかと、両者の関係はどうかと、なぜならば軍用地問題を解決するについての知事の基本的解釈、姿勢が知りたいので県民の前に明らかにしてほしいという趣旨の御質問には一括してお答えいたします。
日本国憲法は、去る大戦の反省と再び戦争の惨禍を繰り返さないとの決意から、平和主義、民主主義、基本的人権の尊重などを基本理念に制定され、戦後の我が国の平和と安定並びに国際平和に大きく貢献してきたものであり、世界に誇れる憲法であると評価しております。
安保条約につきましては国会で批准されたものと理解しております。しかしながらその軍事的側面を平和友好的なもの、より経済的、文化的側面を重視したものに改めた方が望ましいと思っております。
次に、今回の軍用地問題について、県と国との立場の相違点について伺いたいという御質問にお答えいたします。
国は、日米安保条約及び地位協定に基づく基地提供の義務を履行する立場から、駐留軍用地強制使用に係る土地調書及び物件調書への署名押印の事務を行うよう求めてきております。
県は、沖縄の米軍基地を取り巻く歴史的背景及び諸般の状況から当該事務を行うことはできない旨文書によって国に通知してきたところであります。
次に、今回の軍用地問題について県の対応を具体的に示してもらいたいという御質問ですが、今後、職務執行命令訴訟が提起されておりますので、本件訴訟については訴状内容を弁護団とも検討の上具体的に詰めていきたいと考えております。
お許しをいただきまして、その他の御質問については関係部長等から答弁させますので、よろしくお願いします。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 新垣議員の御質問にお答えをいたします。
まず、マスコミ、大田県政は、米兵3人による少女暴行事件という表現を使っているようだが、少女にとってこの言葉を聞かされるほどに憎悪の度合いが増すと思われるが、もう別の表現で事足りるのではないかとの御質問でございますが、お答えいたします。
今回の事件が発生して以来、県といたしましては被害者の人権に最大限の注意を払い、事件発生以来、被害者の年齢、住所が特定されないよう努力をしてまいりました。また要請書の見出しも「米軍の隊員教育及び網紀粛正の徹底について」とし、被害者に配慮をしてまいりました。今後ともその点留意をしてまいりたいと思います。
次に、再発防止が早急にとられるべきであったが、具体的にどのような方法がとられているかとの御質問にお答えいたします。
米軍の綱紀粛正については、これまでも幾たびか事件が発生した折、繰り返し米軍及び関係機関に中し入れてきたにもかかわらず凶悪な事件が発生したことで、9月12日に政策調整監が在日米軍沖縄地域調整官と在沖米国総領事に事件への抗議を行うとともに、隊員教育と綱紀粛正の徹底を強く申し入れました。
在沖米海兵隊は、去る10月4日と5日の両日を反省の日として設定し、特に5日はすべての演習を中止して受け入れ国の文化、習慣を理解し、隊員がよき隣人として駐留できることの必要性などについて全隊員へ集中的な講義を行ったと聞いております。
次に、基地の整理縮小は沖縄が軍事上重要でなくなることにつながり、その結果沖縄県が国際的行動をもって近隣諸国の平和への手助けをする状況が出てくると考えるが、どう思うかとの御質問にお答えをいたします。
沖縄の人々は、従来平和愛好の民として近隣諸国との友好関係を長きにわたって築いてきました。また去る6月23日の慰霊の日には非核・平和沖縄県宣言を行い、内外に平和の島沖縄をアピールし、世界の恒久平和を訴えました。
基地の島沖縄から、基地のない平和な沖縄へとイメージ転換を図るため平和交流、国際技術交流及び経済文化交流の3つを軸に国際都市形成を構想しており、その実現を図る中で引き続き米軍基地の解決に取り組んでいきたいと思います。
最後に、沖縄県は台中関係の改善のため、台中会談の開催等へ名乗り出るつもりはないかとの御質問にお答えをいたします。
台中関係は国の外交に関することであり、地方自治体としてこのようなことにイニシアチブをとる立場にはありませんので、御理解を賜りたいと思います。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) APEC沖縄センターの設置についての御質問にお答えいたします。
APEC研究センターにつきましては、国会議員等で構成される政策集団が首相に対して沖縄に設置することを提言したというふうに聞いております。
APEC研究センターを沖縄に設置するということは、県が目指す国際都市形成の方針と一致するものであります。現在、APEC研究センターがどのような性格を持つ機関であるか情報収集を進めているところであり、今後誘致等に向けての働きかけをしていきたいというふうに考えております。
次に、国際都市形成整備構想の進捗状況について、事務手続はどのようになっているのかとの御質問にお答えいたします。
国際都市形成整備構想は、第3次振計における中南部都市圏の国際都市形成を図るためのグランドデザイン構築に資するために平成4年度及び5年度に調査を行ったものであります。
この構想の基本方針を受けて、国際都市形成に向けたより具体的な拠点整備の方針と広域的都市機能の強化について検討を図るため、那覇空港の国際化機能拡充調査と那覇市古島地区における国際都市新ターミナル地区形成に向けた調査を行っているところであります。
今後は、市町村及び関係機関との合意形成を図りつつ国際都市形成にふさわしいプロジェクトの構想や国際機関の誘致等を促進し、次期全総への位置づけ、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域の指定に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
次に、国際都市として未来を持つべきであるなら、基地の存在価値等をばねに近隣諸国との関係改善等新たな方法を考えるのも得策ではないかとの御質問でございます。
国際都市形成整備構想では、極東アジア最大の軍事拠点としての基地の島から脱却し、沖縄をアジア・太平洋諸国と我が国とを結ぶかけ橋として平和な島、国際貢献の拠点を形成しようとするものであります。
沖縄は我が国唯一の地上戦の地であり、また広大かつ長期にわたる軍事基地の存在が平和の意味や平和構築のあり方を考える上でさまざまな示唆を与えてきました。
このような歴史と現実の中にある沖縄において平和を基本理念とする国際交流や学習、研究の場を創設し、積極的にアジア・太平洋の新しい平和外交のシステムを構築していきたいと考えております。
次に、基地返還アクションプログラムの発表の準備はどうなっているのかとの御質問でございます。
県では、21世紀に向けた沖縄のグランドデザインである国際都市形成整備構想策定調査を平成4年度から実施しており、その中で米軍基地の跡利用も盛り込んだ長期的で広域的な土地利用の構想を考えていたところでございます。
現在、県が考えております基地返還アクションプログラムは、21世紀に向けた沖縄のグランドデザインである国際都市形成整備構想の進捗に応じおおむね20年間で基地のない沖縄を目標としているものでございます。
今後、基地返還アクションプログラムについては、おおむね1年程度の協議期間とされている日米間の沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会に提示する必要があることから、来年の早い時期に策定し公表ができるよう作業を進めたいと考えております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 新垣哲司君。
〔新垣哲司君登壇〕
○新垣哲司君 きょうのお昼のニュースにもございましたように、国はこの代理署名の問題につきましては提訴をして、福岡高等裁判所那覇支部においては受理をしたようでございます。
したがいまして地方自治法ではですね、国の提訴後、高裁には15日以内に第1回目の口頭弁論が義務づけられているようであります。そうしますと、今月の22日以前には法廷の場で国と県の口頭弁論が開始されるという運びになると思います。
したがいまして知事はさっきの質問において、三役会議を開いて対策をし、その上で弁護団を結成して国と全面対決を行っていくと、県民を代表してというような形になると思いますが、知事、知事はまた県の立場を主張してこれはもちろん司法の場で争うと思うが、どうですか勝算はございますか、率直な気持ちをお聞かせください。
それとですね、知事、いわゆる軍用地の強制使用というのはこれは憲法第29条の3項においては、私有財産は、正当な補償のもとに保障されるというようなことになっていますよね。いわゆる公共のためには使われるということなんですが、今一番議論になっている、問題になっているのは、長い間強制的に私有財産が使われるということが一番の問題であるというふうに私は理解するわけでございますが、その期限がないわけでございますので、今日までいわゆる基地に提供されている方もいるでしょう、もう基地には絶対反対だというような一坪反戦地主もいるわけでございます。
そういうことで、今後どういう形で集約してこの問題を解決するのが今後の焦点だというふうに思いますが、知事が思っているような今後の解決方法としてどういう心境になって今その件について思っていらっしゃいますか、御所見でもいいですので伺いたいと思います。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
代理署名押印をしなかったことによって訴訟が提起されていると聞いておりますけれども、先ほども申し上げましたようにこれからじっくりその訴状の内容を読ませていただいて、そして県庁のスタッフとも諮って、それで先ほども申し上げましたように必要ならば、必要だと思いますけれども、弁護士の方々とも御相談させていただいて内容を詰めていきたいと。
さて、勝算はあるかということでございますけども、今のところ全く予想がつきません。
それから、私有財産の問題でございますけれども、新垣議員は私有財産が余りにも長く期限もよくはっきりしないままに使われてきたところに問題があるんじゃないかという趣旨の御発言をしておりますが、確かにその点も復帰してからでも4回目の収用になりますし、それからもう一つの重要な問題はですね、憲法の財産権との絡みで公共のためには私有財産といえども提供できるようになっているわけですね、補償を受けて。
ただ、この場合に日本国憲法の平和主義の問題との絡みでこれが軍用地というのは公共に値するかということも理論的に今いろいろな議論が分かれておりまして、その問題も恐らく裁判では焦点の一つになるんじゃないかというふうに考えております。
それから、今の心境についての御質問でございますけれども、これは私は何度も申し上げておりますように、行政の立場としては殊さらに国と対立したり、それから事を構えるというようなことは全く考えておりません。
そうではなくて、これまで新垣議員も御指摘のように、余りにも長い期間その土地を収用されてきたということについて県民が納得していないものですから、少なくとも県民の納得するような形のはっきりこういうことのために県民の意恩に反してまでこれが使われているんだということがある程度明確にならないと、ずっと騒ぎは続いていくというような心配があります。
そういった行政の立場からしても今回の手続の一環でございます、訴訟というのはですね。
考えまするとですね、もし公共のために簡単に私有財産が使用できるということであれば、こんな複雑な手続を経ないと思いますね。ところがこれだけいろんな手続を踏ませて事を決着するということは、それだけ財産権についての配慮もなされているからじゃないかというふうに思いますので、もうここはそのような観点から県も法廷に呼ばれるならば出まして、県の立場をなぜ署名に応じることができないかということを、これは11月4日に総理にもじかにもお話しましたけれども、法廷でもきちっと申し上げたいという心境でございます。
○議長(嘉数知賢君) 新垣哲司君。
〔新垣哲司君登壇〕
○新垣哲司君 先ほどの勝算の件でございますが、知事も神様ではございませんので今わかるはずがないというふうに私も思うわけでございます。
これはこれから司法の手によって裁判所で決定する問題でもあるし、これからひとつ県の立場として知事は先頭になって提訴された以上は頑張っていただきたいというふうに思います。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
午後6時16分休憩
午後6時41分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
宮良 作君。
〔宮良 作君登壇〕
○宮良 作君 私は、日本共産党県議団を代表して、当面する諸問題について我が党の見解を述べつつ知事に質問いたします。
私は、知事が代理署名問題や地位協定の見直し、そして核基地の疑い濃厚な沖縄の基地の整理縮小など県民要求実現のため日夜奮闘されていることに心から敬意を表します。
さて、あの県民総決起大会と知事による平和と沖縄のための代理署名拒否によって切り開かれた今日の情勢を見るとき、私は、県民が主役、沖縄が主導ということを改めて実感し、県民の闘いが全国民を励まし、世界、特にアメリカの世論に影響を広げていることを感じます。
安保とは何か、基地は本当に必要かを問う世論も大きく盛り上がっているのも特徴であります。
我が党は、県民のぎりぎりの要求である4項目実現のため最後まで県民との団結を強め、全力で奮闘する決意であることをまず申し述べておきます。
さて、村山首相は、県民の心はわかっただの、話し合いによる解決だのを強調しておきながら、米軍用地強制使用のための勧告書を送りつけてきました。知事がこれを拒否したことは当然であります。
もともと地方自治法で言う勧告とは、知事の行為が著しく公益を害することが明らかであるときなされるものであります。しかし大田知事の行為は、憲法で保障された私有財産権を守り、基地の重圧から県民を解放しようという、まさに県民の公益と憲法の平和原則を貫くものであり、村山総理の態度こそ道理も大義もないことは明白ではありませんか。
村山首相が、県民の心はわかったというのであれば、大田知事に倣って代理署名を拒否し、アメリカに対して真剣に基地撤去、整理縮小、地位協定の抜本見直しを要求すべきであります。
ところで、地元紙が暴露した日米安保共同宣言案の内容は重大であります。そこには沖縄問題には細心の注意が払われるべきであるとして、中長期的に施設・区域の将来の機能と効果的な使用に関して協議する機関をつくることに合意したとあるだけで、基地の整理縮小には全く触れておりません。
これは、大田知事が日本平和大会へのメッセージで、日米両政府は今般、日米安保体制の再定義を行い、21世紀にわたって沖縄の米軍基地を固定化しグローバル化しようとしていますと指摘した危惧を裏書きするものであります。
したがって国民が大きく疑問、不安を持っている現在、安保再定義のための日米首脳会談は中止すべきであると主張いたします。
次に強調しておきたいことは、日米地位協定の問題であります。
県が政府に対して提出した地位協定見直しに関する要望書の10項目は、よく練り上げられた実に歴史的なものとして高く評価したいと思います。そこには地方自治体の論理、視点から基地の返還を迫り、捜査権、逮捕権、徴税権の回復など治外法権の排除と主権問題が真正面から取り上げられ、これまでの屈辱性を排除する観点が貫かれております。
本来、この作業は政府・外務省の責任でありますが、今回の要請書の作成には革新県政の真価をいかんなく発揮したものとして改めて敬意を表するものであります。
ところが、政府はアメリカに見直しを要求せず、相も変わらず運用の改善でこれまでどおり続けようとしております。全く県民の願いにこたえようとしておりません。
さらに1つつけ加えておきますが、知事は雑誌「世界」で沖縄のことわざを引かれ、沖縄の人間は他人から痛めつけられても寝ることはできるが、他人を痛めつけては寝ることができないと基地の分散、たらい回し否定のまさに真情を吐露されました。基地の全面返還を目指すことこそ沖縄の心であると考えます。
県民の闘いとその展望について述べ、まとめて質問したいと考えます。
これまで復帰後、幾千となく起きている米軍の事件、事故、そしてその頂点に立つ今回の人間の尊厳、女性の尊厳をじゅうりんした米軍人による暴行事件が基地があるゆえに発生したこと、主権侵害の屈辱的な地位協定のために犯人逮捕もできないこと、これらの根底に日米安保体制があること、知事に強権発動の立場からの代理署名の押しつけもこれらの問題と同根であることは、今や広範な県民、国民の共通の認識となりつつあります。
例えば、11月7日放映の地元テレビの世論調査では、代理署名を貫いている大田知事を支持しますかという問いに、イエス90.1%、ノー9.9%、安保条約は必要だと思いますか、イエス18.6%、ノー87.3%です。
また、11月の産経新聞の世論調査では、米軍は撤退すべきだが44%、撤退すべきでないが31%、まさにこの数力月の間に米軍撤退の世論が国民多数の声になりつつあります。
知事、政府は24段階の諸手続をクリアしなければならず長い闘いになると思いますが、今申し上げたように条件は我が県に有利であり、県民と国民世論が多数を結集する可能性は県民主導でますます燃え広がっており、県民の闘いは新しい歴史を切り開き、展望は沖縄にこそあることに、党として知事を激励申し上げ、以下まとめて質問いたします。
1、安保とは何かが問われ、米国ではノーベル賞受賞者も含めて日本の米軍基地返還をクリントン大統領に要請しております。この闘いは、憲法の平和原則、主権在民につながるものと思うが、知事の御見解を承りたいと思います。
2、村山首相は、矢口事を被告とし代理署名問題で先ほど提訴する暴挙をあえて行いましたが、知事はこれに対してどう主張、どう反論するのか、御所見をお聞かせください。
3、県が政府に提出した地位協定見直しに関する要請は、日本の主権回復を展望しています。それだけにその内容を広く県内外に知らせる広報、また海外用の英字版も発行されることを検討してください。いかがでしょうか。
4、今、沖縄県民の闘いが国政を動かしていることを実感しています。知事は、その先頭に断固として立っておられます。この県民の闘いを戦後の沖縄史の中でどう位置づけ、どう受けとめておられるか、知事の御所見を改めてお聞かせください。
次に、戦争マラリア国家補償問題についてでありますが、対政府交渉はどこまで進んでいるか、遺族援護会と県の話し合いはどうなっているか、御説明ください。
さらに、交通問題対策についてモノレール建設の政府折衝、予算折衝はどうなっているか、現状をお示しください。そして、その展望についても御説明ください。
さらに、県総合交通体系基本計画で立案されている中南部圏交通確立のうちの軌道系交通システムを導入する政策目標とモノレールの関係について御説明ください。
以上であります。
ありがとうございました。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 宮良作議員の御質問にお答えいたします。
米軍基地撤去、代理署名拒否問題の闘いは、憲法の平和原則、主権在民につながるものと思うが、知事の見解を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
県としては、沖縄の基地問題は憲法のもとでの平和的生存権や財産権の問題、そして平等の問題であると認識しております。
次に、首相は知事を提訴しようとしているが、これに対してどう主張し反論するのかという趣旨の御質問でございます。
先ほども申し上げましたように訴訟が提起されていると聞いておりますので、議会が終わりましたら県庁のスタッフとよく相談した上で適切な対応をいたしますけれども、訴状の内容につきましては、専門である弁護団とも検討いたしました上で具体的に詰めてまいりたいと考えています。
それから、県民の闘いが国政を動かしている、この県民の闘いを戦後の沖縄史の中でどう位置づけ、どう受けとめているか聞きたいという趣旨の御質問でございます。
本県の米軍基地は、米軍統治下の布令、布告によって地主の同意も得ないまま、米軍の銃剣とブルドーザーによって強権的に接収、構築されたのが多うございます。
また、日本復帰に際しては、核抜き本土並みと言われながら、沖縄返還協定によりそのままの状況で日米安保条約及び地位協定に基づく米軍基地として提供されてきた歴史的経緯があります。
ことしは太平洋戦争・沖縄戦終結50周年の節目でもあり、来るべき21世紀に向けて若い人たちが希望の持てるような基地のない平和な沖縄づくりを目指す一大転機にしたいと考えております。
去る10月21日の県民大会の参加者の数にも見られますように、米軍基地の整理縮小を求める県民の声はかつてなく高まっていると考えております。
次に、戦争マラリア問題との関連で、対政府交渉はどこまで進んでいるか、また犠牲者援護会との話し合いはどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
戦時中の八重山地域におけるマラリア犠牲者慰藉事業について、沖縄開発庁は平成8年度予算で2億円の概算要求をしております。
事業の内容は、慰霊碑の建立事業やマラリア犠牲者の祈念館建設事業であり、見舞金については要求されておりません。見舞金につきましては、与党沖縄開発調整会議においても現段階では意見の一致を見ていない状況にあります。
県としましては、国の責任において見舞金給付の措置が実現できるよう、沖縄開発庁を初め与党沖縄開発調整会議や与党戦後50年問題プロジェクトチームの各委員に対し強くお願いしているところであります。
犠牲者援護会においても、国の責任で見舞い金給付の措置が図られることを強く要望しており、県としましても援護会の意向を踏まえながら12月末の国の予算編成時まで粘り強く要求してまいりたいと考えております。
次に、交通問題との関連で、沖縄県総合交通体系基本計画で立案されている中南部圏交通確立のうち、軌道系交通システムを導入する政策目標とモノレールの関係について説明されたいという御質問にお答えいたします。
沖縄県総合交通体系基本計画においては、北部地域の振興を図る観点から、本島を南北に縦貫する軌道交通体系システムの導入を検討すると位置づけられております。
また、沖縄都市モノレールについては、中南部圏域における都市内交通の基幹軸として中部地域への延伸を検討する旨うたわれております。したがって軌道交通体系システムの導入につきましては、沖縄都市モノレールの整備を初め交通需要の動向、地域開発、道路整備の進展等を踏まえ長期的観点から検討していく必要があると考えております。
その他の御質問につきましては、お許しを得て関係部長等から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公宝長(又吉辰雄君) 宮良議員の地位協定見直しに関する要請の内容を広く県内外に知らせる広報や、海外用の英字版も発行することを検討してほしいとの御質問でございますが、お答えをいたします。
今回の地位協定見直し要請については、去る11月8日に要請書の和文及び英文の両方をインターネットを通じて情報を発信したところであります。今後とも広報に努めてまいりたいと、こう思います。
以上です。
○議長(嘉数知賢君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 島 進君登壇〕
○土木建築部長(島 進君) 宮良議員のモノレール建設について政府折衝の現状、それから展望についての御質問にお答えいたします。
都市モノレールの本体工事予算につきましては、沖縄開発庁の平成8年度概算要求に盛り込まれており、現在その確保に向けて鋭意努力しているところでございます。
また、去る9月12日、沖縄都市モノレール株式会社から知事に対し特許申請書の提出がなされ、さきの議会で軌道敷設の特許申請に伴う意見について議決をいただいております。
今後、特許取得、工事施工認可取得等の手続を進めまして、平成8年度後半には本体工事に着手できるよう努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 私は、政経クラブを代表し通告に従い代表質問を行います。
大田知事におかれては、基地問題の解決に向けて真剣に取り組んでおられることに心から敬意を表します。
まず1番目に、米軍基地問題についてその1、3事案についてお尋ねします。
去る5月12日の日米合同委員会における那覇軍港、読谷補助飛行場の移設の決定は基地問題の根本的な解決にはならない、基地の移設は基地の固定化と軍事機能の強化につながるものであり、地元市町村の反対の意思が表明されました。私は、地元市町村の意見を尊重し反対であること
を明らかにしておきます。
大田知事は、これまでの議会答弁の中で、3事案について、基地の整理縮小は代替地への移設でなく、施設の返還であり廃止であると言明されました。
また最近では、地元市町村等の意向をよく配慮して総合的観点から対処していきたいとの不明確な答弁になっております。この際、知事は、地元市町村等の意向を考慮して結論を出すべき時期であると思うが、知事の明快なる答弁を求めます。
次に、3事案の1つである県道104号線越えの実弾砲撃演習について国は本土への移設も検討されているようだが、関係地元は反対している。いずれにしても本土移設で解決するほかはありません。演習地の本土移設についてどう思うか、知事の御所見を伺いたいと思います。
2、基地返還実行計画(試案)について。
大田知事は、2015年をめどに在沖米軍基地の全面撤去を盛り込んだ県の基地返還実行計画を策定し国に提示しているが、同計画の策定に当たっては、県議会や関係市町村、軍用地等地主会連合会、その他関係団体等の意見の聴取及び調整等をやるべきではなかったか。また、返還時期等不明確となっているがどういうことであるか、お答えください。
3、日米地位協定の見直しについて。
在日米軍基地の法的根拠となっている日米地位協定等の見直しは県民の総意であり、この問題解決のため今後日米両政府に対し強力なる継続的要請行動が必要であると考えますが、知事の決意と対応策について伺いたいと思います。
日米地位協定の見直しの10項目は、即時解決できるものではないと考えるが、今後何を優先して取り組まれるか、知事の所見を伺いたいと思います。
4、基地の跡地利用計画について。
現在、市町村における跡地利用計画の策定済み地区は全体の50%となっております。この計画について県は第3次振計の中でどのように位置づけし、事業の推進をしていくか。また基地の返還実行計画にどのように盛り込んでいくか。
また、市町村で跡地利用の計画ができない原因は何か、今後どのように推進されるか、伺いたいと思います。
5、軍用地強制収用に係る土地調書等の代理署名についてお尋ねします。
知事は、本件に係る村山総理の命令に対し、去る4日に文書を送り、これを拒否されました。このような決断に至る知事の心情はわからぬでもないが、しかし事は、県はもとより我が国及び極東アジアの政治的、軍事的状況に重大な影響を及ぼすものである。
問題は、いよいよ法廷の場に移されるが、知事の基本的考え方と決意並びに対応策について伺います。
国際都市形成整備構想についてお尋ねします。
1、県は、米軍基地のアクションプログラム(実行計画)として、向こう20年をかけて段階的に基地を全面撤去させ、その跡利用として国際都市形成整備構想を持っておられるようだが、その内容と経過についてお聞かせください。また、今後基本構想に対する基本計画はどうなるか。
2、米軍基地のアクションプログラムによると、第1段階として、第3次振計が終了する2001年までに3事案を初め普天間基地を中心とする中南部の基地を撤去、国際都市形成の跡弛利用事業を導入する構想となっておりますが、3事案の解決及び普天間基地の返還時期のめどがあるかどうか、知事の所見を伺いたいと思います。
3、同基本構想、基本計画を実効性のあるものにするには、市町村、県軍用地等地主会連合会、経済団体、その他関係団体を網羅した組織づくりが必要であると考えますが、その対応策について伺います。
失業問題についてお尋ねします。
その1、県内の完全失業率は7.1%と全国平均の3.2%の倍を突破、昭和53年以来17年ぶりに7%台を超える最悪の事態になっております。
今回の失業者の増加原因は何にあるか、また失業者の産業別、年齢別構成がどうなっておりますか。
2、今年度における失業対策の内容(実績)と今後の失業対策について伺いたいと思います。
3、今年度における県内、県外からの求人の実態はどうなっておりますか。また今後の見通しについて伺いたい。
4、雇用の安定を図るためには中小企業の育成強化と企業の県内誘致であります。今年度における企業誘致の実績と今後の企業誘致の展望について伺いたいと思います。
答弁によって再質問いたします。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 金城繁正議員の御質問にお答えいたします。
まず、3事案についてでございますが、移設候補地である地元市町村の反対の意向を考慮して、移設問題に結論を出すべき時期だと思うがどうかという御質問でございます。
3事案のうち、那覇港湾施設及び読谷補助飛行場につきましては国が関係市町村に移設案の説明を行っている段階であり、県としましては、現在当事者である国と関係市町村の話し合いの推移を見守っているところであります。今後、地元市町村の意向、地域の開発計画並びに県全体の振興開発等にも配慮しながら、総合的な観点から慎重に対応してまいりたいと考えております。
それから、県道104号線越え実弾砲撃演習について本土への移設が検討されているが、演習場のある地元は移設に反対していると、いずれにしても本土移設で解決するほかはない、演習場の本土移設についてどう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
本土の自治体が米海兵隊の155ミリりゅう弾砲撃演習の移設に反対を表明していることは、マスコミ報道を通して承知しております。
また、県民がみずからの苦しみをよそに移すことを望んでいないことも十分に承知しております。
県としては、同演習の全面廃止に向けて日米両国政府に引き続き粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、日米地位協定の見直しとの関連で、日米地位協定の見直し等の問題解決のため、今後日米両国政府に対し強力なる継続的要請行動が必要であると考えるが、知事の決意と対応策を伺いたいという御質問にお答えいたします。
沖縄の基地問題については、11月17日に閣議決定された沖縄米軍基地問題協議会で検討し、1年をめどに結論を出すということが確認されております。
日米地位協定の見直しについては、本協議会で検討され、その後日米両国政府の間に設置された特別行動委員会で協議されるものと認識しております。
地位協定の見直しを含め沖縄の基地問題は一朝一夕に解決できるものではありませんが、県議会を初め県民各界の一丸となった御協力と支援のもとに、日米両国政府に対し粘り強く働きかけていきたいと思います
なお、来る12月15日の第2回幹事会で地位協定の見直しの問題について具体的に検討されることになっております。
次に、日米地位協定との関連でございますが、今後何を優先して取り組むか知事の所見を聞きたいという御質問でございます。
地位協定の見直しについては、沖縄米軍基地問題協議会で検討されることになっておりまして、現段階では政府からどのような解決策が示されるのか、見守っていきたいと考えております。
次に、軍用地強制使用に係る土地調書等の代理署名について、訴訟に当たっての知事の基本的考え方と決意並びに対応策を伺いたいという御質問にお答えいたします。
この坤縄の基地問題は、すぐれて憲法の問題ともかかわっておりますので、本日訴訟が提起されたと聞いておりますので、この会議が終わり次第県のスタッフと議論をした上で適切な対応を考えていきたいと思います。
まだ訴状の内容を見ておりませんので、終わりましたら訴状の内容を検討した上で弁護団とも具体的に詰めてまいりたいと考えております。
次に、国際都市形成整備構想の内容と経過について、さらに今後基本構想に対する基本計画はどうなるのかという御質問に一括してお答えいたします。
国際都市形成構想は、第3次沖縄振興開発計画における新たな基本目標である我が国の経済社会及び文化の発展に寄与する特色ある地域としての整備を図る観点から、国際貢献、国際交流の拠点形成を目指し、本島中南部圏域を国際都市として形成するためのグランドデザインの構築を目的としております。
県では、平成4年度と5年度に国際都市形成整備構想調査を実施いたしました。平成6年には、この調査で示されたビジョンを実現していくための方策の一つとして、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域制度の適用を意図した亜熱帯交流圏の国際貢献拠点地域形成調査を実施しました。現在、平成9年度の振興拠点地域基本構想承認を目途に作業を進めているところであります。
構想に対する基本計画としては、今後10年間の期間で振興拠点地域制度の活用を図りながら国際都市形成構想の目標年次である20年後を目途にして各種の機能の配置について検討を重ねてまいりたいと考えております。
次に、国際都市形成整備構想、基本計画を実効性のあるものにするためには、市町村、土地連、経済団体、その他関係団体等を網羅した組織づくりが必要であると考えるが、その対応策について伺いたいという御質問にお答えいたします。
国際都市形成整備構想の策定に当たっては、県と市町村で連絡協議会を設置し協議することとしているほか、民間団体等の積極的な提言を受けるため県内外の各界各層から成る懇話会等の組織を設置したいと考えております。
次に、失業問題との関連で、今年度における失業対策の内容と今後の失業対策について伺いたいという御質問にお答えいたします。
失業率が7%を超え、引き続き失業者の半数を若年層が占める中で、生活の柱となる中高年齢層の失業者が増加傾向にあり、極めて憂慮すべき事態と深刻に受けとめています。
これまでも県としては雇用失業問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけ、多数の雇用が期待できるアクアポリス活性化事業の推進や地域雇用開発助成金の活用促進などを通じ、雇用の創出拡大に努めてまいりました。
今年度からは、新規に就職問題に対する県民意識の啓発向上を目的とした雇用促進キャンペーン事業を推進するとともに、沖縄県産業・雇用問題懇話会からの緊急提言を受けて、観光誘客プロモーション対策や伝統織物を活用した縫製業の振興を図るための調査等を実施しているところであります。
今後は、これらの取り組みに加えて最近の情勢に対応した緊急雇用対策として、12月補正予算で審議をお願いしております創造的中小企業創出支援事業によって資金調達を支援するほか、新総合的雇用対策によって創設された中小企業新分野展開支援人材確保助成金等により中小企業の人材育成確保を支援し、新たな雇用機会の創出を積極的に推進してまいりたいと考えています。
その他の御質問につきましては、お許しを得て関係部長等から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 基地返還実行計画(試案)についてとの関連で、基地返還実行計画を策定し国に提示しているが、計画策定に当たっては県議会や関係機関等と調整を図るべきではなかったか、また返還時期等が不明確になっているが何ゆえかという御質問でございます。
基地返還アクションプログラムにつきましては、先般、総理と知事が会談をした際、県は21世紀に向けて地理的、歴史的背景を踏まえ平和貢献、国際技術協力及び経済文化交流を通じた国際交流の拠点を形成し、ひいては県民の自立的発展の基礎条件の整備を図るため国際都市形成を構想
していることを説明し、そのときにこれまでの検討資料に基づいて取りまとめたものを試案として提示をしたところでございます。
県案の策定に当たりましては、今後、関係機関とも協議を重ねながら検討していきたいというふうに考えております。
なお、返還アクションプログラムは、国際都市形成構想の進捗に応じ、おおむね20年間を目標に基地の計画的かつ段階的な返還を目指すものであります。
次に、基地の跡地利用計画について、市町村の跡地利用計画について県は第3次振計の中でどのように位置づけし事業を推進していくのか、また基地の返還実行計画にどのように盛り込んでいくか、市町村で跡地利用計画ができない原因は何か、今後どのように進めるか伺いたいとの御質問でございます。
軍用地返還後の跳地利用につきましては、第3次沖縄振興開発計画の中で返還跡地の利用に当たっては、地元の跡地利用に関する計画を尊重しつつ、その有効利用を図るための諸施策を推進するとの位置づけがなされております。
市町村の跡地利用計画につきましては、同計画の進捗状況を点検しながら、21世紀に向けた沖縄のグランドデザインである国際都市形成構想との調整を図り、基地返還アクションプログラムに位置づけていきたいというふうに考えております。
また、市町村の跡地利用計画ができない原因につきましては、主に軍用地返還の時期が不明確であることや、多数の地主の合意形成を図ることが難しいこと等から思うように進捗していない状況にあるというふうに聞いております。
県といたしましては、市町村の跡地利用計画を早期に策定させるため、より緊密な連携を図っていきたいと考えております。
次に、国際都市形成整備構想との関連でございますが、米軍基地の返還アクションプログラムによると、2001年までに普天間基地を中心とする中南部の基地の撤去と国際都市形成構想の跡地利用事業を導入する構想となっているが、普天間基地等の返還時期のめどはあるのかとの御質問でございます。
基地返還アクションプログラムは、21世紀に向けた本県のグランドデザインである国際都市形成構想の進捗に応じ、おおむね20年間を目標に構想の優先度、緊急度に応じた計画的かつ段階的な米軍基地の返還を目指すものであります。
国際都市形成構想の中心となる沖縄本島中南部圏域、特に普天間飛行場につきましては、振興の拠点として総合的開発整備に必要な空間としてその早期返還をさらに強く求める必要があります。
そのため、先般設置された県と国との協議機関である沖縄米軍基地問題協議会を通じて、日米両国間の沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会に反映させることが重要であると考えております。
次に、失業問題との関連でございますが、今回の失業者の増加原因は何か、また失業者の産業別、年齢別構成はどうなっているかとの御質問でございます。
最近の本県の失業率につきましては、10月に7.1%と全国平均のほぼ2倍になっております。その中身を見ますと、ほとんどの年齢階級で全国平均を上回っております。特に若年層の失業率が高いのが特徴でございます。
これらの要因の1つとして、新規採用の大幅落ち込みや、第3次産業の就業者数が減少していること等が挙げられるというふうに考えております。
就業者を産業別に見てまいりますと、平成7年10月の労働力調査の結果では第1次産業は横ばいで、第2次産業は1.9%増加しておりますが、第3次産業は4.4%の大幅な減少となっております。
その中でも運輸・通信業、飲食料品小売業等が大幅な減少となっております。
失業者を年齢別構成で見ますと、15歳から19歳が9.8%、20歳から24歳が22%、25歳から29歳が14.6%、30歳から34歳が12.2%、35歳から39歳が7.3%、40歳から54歳が29.3%などとなっております。
なお、15歳から29歳までの若年層の構成比は46.4%を占めております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 高嶺朝幸君登壇〕
○商工労働部長(高嶺朝幸君) 失業問題についての御質問にお答えします。
まず1点目でございますが、今年度における県内、県外からの求人の実態はどうなっているか、また今後の見通しについてどうなっているかとの御質問でございますが、今年度10月までの県内における新規求人の状況は前年同期比で微増、県外は減少となっております。
なお、県内求人では建設業、製造業で減少しているものの、卸・小売業、サービス業では増加となっております。
また、県外求人については季節工の減少が大きくなっております。
今後の見通しにつきましては、全国的な景気低迷の影響もありまして県内、県外とも厳しい状況が続くものと思われます。
次に、同じく失業問題に関連する御質問ですが、今年度における企業誘致の実績と今後の企業誘致の展望についての御質問でございますが、県といたしましては企業誘致基本方針を策定しまして、それに基づき誘致活動を展開しているところでございます。
円高に伴う国内企業の海外進出等企業誘致を取り巻く環境は依然として厳しゅうございます。平成7年度は現在のところ誘致企業の立地はありません。
しかしながら、これまでの企業訪問の結果、鉄鋼及び食料品関係等の数社が本県への進出に関心を示しておりますので、県といたしましては今後これら企業を重点的に訪問する等誘致活動を展開していきたいと考えております。
また、企業誘致の今後の展開につきましては、我が国唯一の亜熱帯性気候であること、中国及び東南アジアに近いこと、若年労働者が豊富であること等本県の特性を有効に活用しながら東京、大阪等の大都市における誘致活動を強化するとともに、近年目覚ましい発展を遂げている台湾等の近隣諸国にまで拡大していきたいと考えています。
○議長(嘉数知賢君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 再質問をいたします。
3事案についての御答弁ですが、国と市町村との話し合いをしているんで、その動向を見ながら、いわゆる地元市町村の意向を配慮しながら総合的に対処していきたいと、こういう答弁なんですが、那覇軍港と読谷補助飛行場の移設問題については、知事は地元の市町村にげたを預けたよ
うな格好ですよ。
知事は、県民を代表する最高責任者であり、このことの解決にリーダーシップをとることが知事の職務ではないでしょうか。
この問題についていつ結論を出されるか、明確なる御答弁を願いたい。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
3事案のうち、那覇港湾施設及び読谷補助飛行場につきましては、国が関係市町村に移設案の説明を行っている段階であり、県としましては、現在当事者である国と関係市町村の話し合いの推移を見守っているところであります。今後、地元市町村等の意向、地域の開発計画、県全体の振興開発等にも配慮しながら総合的な観点から慎重に対応していきたいと考えております。
○議長(嘉数知賢君) 高良政彦君。
〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 それでは改革沖縄を代表して質問をいたします。
時間が少ないですので少し早口になりますけれども、よろしくお願いします。
戦後50年目という節目を迎え、今我が沖縄県では、米兵による少女暴行事件をきっかけに米軍基地問題が大きくクローズアップをされております。
そこで、我が県における基地問題について知事の政治姿勢について質問をいたします。
戦後27年間、米軍統治の時代が続きました。当時は、御存じのように米軍事優先の政治のもとに県民の基本的人権がいろいろな形で無視をされた時代でありました。戦中のみならず、戦後もこのように長きにわたって異民族支配に甘んじなければならなかった県民の屈辱感、このような中で沖縄県民は平和憲法のもとに法のもとの平等を求めて日本復帰をしましたが、現在も基地の過重負担は一向に解消されず、基地の過密なるがゆえに構造的に米軍関係の事故や事件が惹起され、先述しました不幸な事件が起こってしまいました。
このように、戦中は本土の盾となって地獄のような苦しみと犠牲を強いられ、戦後は日米安保の名のもとに平和の配当は本土が受けて、犠牲は相変わらず我が沖縄県民が一手に引き受けるといった実に不条理な状態が50年間も続いてきました。
しかも政府高官の、沖縄県民は基地と共存共生発言云々、及びマッキー司令官の発言に至ってはもはや何をかいわんやであります。
本員は、9月の本会議で代理署名は拒否すべきであり、むしろ訴訟を受けて裁判の場で沖縄の基地の実情を徹底して内外に訴えて明らかにすべきであると質問と提言をいたしました。
大多数の県民も裁判を通じてこの際徹底して基地問題の不条理性を訴えて基地の縮小を図るべきであるというのが県民世論であると思います。
さて、知事は、裁判の場で地方自治の立場から、あるいは財産権等の観点から沖縄の状況を訴えていくと、このようにおっしゃっておりますけれども、つまるところは基本的人権の闘争であると思いますがいかがでしょうか。
マッキー米太平洋軍司令官の発言に象徴されるように、まさに県民の人権を無視した思想が軍隊の中にはある証左ではないか。そしてそれを惹起せしめるのは基地の存在であり、特に米軍専用施設の75%が依然として我が県に集中しているというこの事実、そしてそれを容認し続けている政府の一貫した姿勢、この際徹底して糾弾をすべきであります。
したがって、基地の縮小、撤廃は即我が沖縄県民の人権闘争であると考えますが、知事の御所見を賜りたいと思います。
米軍用地の強制使用に関する知事の代理署名拒否によって、法的手続等時間的なものを考えれば法的な空白は避けられないとの専門家の一致した指摘がありますが、この場合の県の対応はどのように考えているのか、御答弁お願いします。
政府は、法的空白を避けるために土地収用法第123条によって緊急に法の網をかぶせることが予想されますが、この場合の緊急性ということの不当性及び県側の対応はどうなのか。
騒音防止協定はぜひ結ぶべきと考えますが、その可能性と見通しはどうでしょうか。
弁護士等の指摘では事故、事件等米軍による県民が受けた被害には具体的な補償規定がなく、特に公務外の場合等は見舞い金等の形となって、しかも通常の民間と比較して極めて不利な形になっているとの指摘がありますが、この際、このようなたぐいの事故、事件についての補償も明確にすべきであると思います。
那覇軍港、読谷パラシュート降下訓練は代替地なしで日米特別行動委員会にのせるべきであると考えますが、どうでしょうか。このような形で主張していくべきであると思いますが、いかがなものでしょうか。
104号線越え実弾演習の廃止または移設はいつごろになるのか、その見通しは立っているのかどうか。
米軍用地の返還に反対をしている地主への対応はどう考えておられるのか。
軍転特措法は、17年間の長きにわたって紆余曲折を経てやっと成立し、恩納通信施設の返還地が適用第1号となりますが、適用の具体的手順はどうなっているのか、また軍転特措法のさらなる見直しを求めておりますが、その可能性はどうか。
訓練空域と水域がさらに臨時に強化され、ビーチクレスト96作戦なる演習が行われておりますが、この空域と水域の見直し、縮小、あるいは廃止と管制権の民間移行も強力に折衝すべきであると考えますがどうか。
日米安保の再構築の中で、沖縄は依然として安保のかなめという位置づけを日米両政府は位置づけをしておりますが、そのような中で2015年まで基地の完全撤去を実現させ、沖縄を国際都市沖縄と位置づけたアクションプログラムの構想がございますが、相当の決意と覚悟、そして県民が一丸となって協力をしないと厳しいと思いますが、その決意を伺いたい。
また、いつごろ具体的なプログラムが発表できるのか。
さらに、ポスト4全総との整合性、その流れはどうなっているのか、御答弁をお願いいたします。
日米地位協定は、政府はあくまでも運用面で済まそうとしておりますが、県が出した地位協定見直し10項目及び5項目の今後の見通しはどうなっているのか。
最後に、人に優しい政治を掲げ、長い過去の政治活動で護憲反安保を掲げて基地の強化、存在に反対を掲げてきたそういう経歴を持つ村山総理が、沖縄県民の苦悩を理解できると言いながら、大田知事に米軍基地の強制使用の代理署名の命令を強要し、その拒否したことによって村山総理はついに本日午後、大田知事を提訴しました。知事は沖縄県民の意思を酌んで拒否したのであり、したがって大田知事を被告扱いにするということは我が沖縄県民を被告扱いにすることと同じことであり、我々県民を被告の場に追い込んだということになりますがどうか。
知事は、沖縄を二度と捨て石にさせないと、こういう強い決意で臨んでおりますし、県民は挙げてその応援をしているところであります。
護憲とは、憲法の最も大事な平和、人権、主権在民の精神をどこまでも大切にし守るということではないでしょうか。
今県民は、民主主義の最も重要な根幹をなすこの人権、生命、財産権が脅かされております。それはすべて基地の過密なるがゆえに起こるからこそ基地を目に見える形で縮小せよと主張しているわけであります。
それを村山総理は、基地の強制使用の代理署名に応じなかったということで大田知事を被告扱いにしました。極めて残念であり、怒りを覚えます。内外からも応援の声が届いております。
21世紀は、基地のない平和な沖縄を後世に残したいという知事の姿勢を全県民が支持をしております。知事の裁判での、どういうぐあいに争うかは別として、こういうような村山総理の沖縄県民に対する対応といいますか、仕打ちに対して率直な知事のお気持ちをお聞かせ願いたいと思い
ます。
どうか臆することなく、正直な気持ちを吐露していただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○議長(嘉数知賢君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 高良政彦議員の御質問にお答えいたします。
基地の縮小、撤廃は即我が沖縄県民の人権闘争であると考えるが、知事の所見を聞きたいという御質問でございます。
米軍専用施設の75%が集中している本県は、これらの米軍基地から派生する事件、事故等により県民の生命、生活、安全が日常的に脅かされている状況にあります。このことは日本国憲法で保障された基本的人権の尊重にもかかわる問題であり、その観点から米軍基地の整理縮小等基地問題の解決に最大限の努力を図る必要があると考えています。
それから、代理署名の拒否により法的空白が生じた場合の県の対応について伺いたいという御質問でございますが、御質問の件につきましては仮定の問題でございますので、コメントするのは差し控えさせていただきたいと思います。
それから那覇軍港、読谷補助飛行場は代替地なしで日米協議機関にのせるべきと考えるが、このような形で主張できるかという御質問でございます。
3事案のうち、那覇港湾施設及び読谷補助飛行場につきましては、国が関係市町村に移設案の説明を行っている段階であります。県としましては、現在当事者である国と関係市町村の話し合いの推移を見守っているところでございます。
次に、県道104号線越え実弾砲撃演習の廃止または移設はいつごろかという趣旨の御質問にお答えいたします。
県道104号線越え実弾演習を全面廃止するかまたは本土へ移設するかどうか、またその時期については現段階では承知しておりません。県としましては、同演習の全面廃止に向けて引き続き日米両国政府に粘り強く働きかけていきたいと考えています。
次に、空域と水域の見直し縮小、あるいは廃止と、管制権の民間移行も強力に折衝すべきだと考えるがどうかという御質問にお答えいたします。
水域、空域に係る制限区域問題につきましては、県としても埋立計画や航空路線網の拡充など振興開発を図る上で重大な支障となっているとの認識を持っております。
そのため、今回の地位協定の見直し要請の中で、日本政府は施設・区域の存在が当該自治体の振興開発等に悪影響を及ぼしている場合は米国政府に対し返還を要請し、米国政府はその要請に応じなければならない旨を明記するよう要請しているところであります。
次に、基地の完全撤去を目指すアクションプログラムの実施は相当の決意と覚悟、そして県民が一丸となって協力しないと厳しいが、知事の決意を聞きたいという御質問にお答えいたします。
基地の返還については、これまで粘り強く日米両国政府に訴えてまいりましたが、思うように進捗していないのが現状でございます。したがいまして、基地返還アクションプログラムの実施は、これまで以上に強い決意を持って取り組む必要があると考えております。
それから、アクションプログラムとの関連で、いつごろ具体的なプログラムを発表するのかという御質問でございますが、政府と県で構成する沖縄米軍基地問題協議会を通じて日米両政府で構成する沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会に米軍基地の整理縮小に向けた本県の考え方を反映させる必要があります。
同委員会の協議期間は、おおむね1年程度とされていることから、基地返還アクションプログラムは当該委員会の協議期間内に余裕を持って提示できるように策定しなければならないものと考えております。したがいまして、来年の早い時期を目途に策定できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
それから、ポスト4全総との整合性はどうなっているのか──これはアクションプログラムでございますけれども──という御質問にお答えいたします。
昨年6月に出された4全総総点検最終報告で、アジア・太平洋地域、ひいては世界全体を視野に入れ、新しい地方の時代の流れの中で、より地方の主体性を重視した国土計画の策定が提言されました。
本県を我が国の南における国際貢献、交流の拠点として整備を図るためには、本県のグランドデザインとして策定を進めている国際都市形成整備構想がその提言に整合するものであると考えています。
基地返還アクションプログラムは、この構想を推進するために必要な空間として基地の返還を求めるプログラムであるところから、ポスト4全総を視野に入れたものとなっております。
次に、村山総理の今回の代理署名に関する命令、強要をどう感じているのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
本県の米軍基地を取り巻く背景及び諸般の状況を踏まえると、21世紀に向けて県民、とりわけ若い世代に希望を与えることができないとの判断から、駐留軍用地の強制使用に係る土地調書及び物件調書への立会、署名押印については応じられない旨国に通知したところであります。
なお、当該事務を行わない場合の国による一連の手続については承知しており、このような手続があることも踏まえて立会、署名押印を行わないことを決断した次第でございます。
お許しを得まして、その他の御質問については関係部長等から答弁させます。
○議長(嘉数知賢君) 知事公室長。
〔知事公室長 又吉辰雄君登壇〕
○知事公室長(又吉辰雄君) 高良議員の基地の強制使用との関連で、国が緊急使用の網をかぶせることが予想されるが、その不当性及び県側の対応はどうなるのかとの御質問にお答えをいたします。
土地収用法第123条の緊急使用につきましては収用委員会の所管でありますので、所見を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
次に、騒音防止協定はぜひ結ぶべきと考えるがその可能性はどうかとの御質問でございますが、お答えをいたします。
航空機騒音防止協定の締結については、関係7市町村と沖縄県で嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減に関する措置を取りまとめ、早急に日米両国政府で協議し、その解決を図るよう、去る9月に外務省を初め関係機関に要請をしたところであります。
また、11月25日に開催されました第1回沖縄米軍基地問題協議会でも騒音防止協定を早期に締結するよう求めてきたところであります。県としては、協定の締結に向けて引き続き具体的な協議の場において騒音防止協定が早期に締結されるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
次に、米軍により県民が受けた被害には具体的な補償規定がなく、見舞金の形で、しかも通常の民間と比較して極めて不利な形となっているとの指摘がある、このような類の事件、事故についての補償も明確にすべきではないかとの御質問でございますが、お答えをいたします。
軍人等による事件、事故等の被害に係る補償については、今回の地位協定見直し要請の中で、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族により被害を受けた場合には、公務中か公務外かを問わず日本政府の責任で補償が受けられるよう沖縄米軍基地問題協議会に提起をしたところであり、県としましては見直しが図られるよう協議会の場で最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
次に、米軍用地の返還に反対している地主への対応はどう考えているかとの御質問にお答えいたします。
沖縄の米軍基地問題を着実に進展させるためには、県民一人一人が基地問題をみずからの問題としてとらえ、県民の意思の統一を図る必要があります。今まで基地の整理縮小に消極的であった地主の不安も、軍転特措法の成立によってある程度払拭されたと考えております。
今後は、沖縄県の振興開発に必要な施設・区域を対象にして市町村、地主等との連携を緊密にして実効性のある跡利用計画の策定を促進してまいりたいと考えております。
次に、軍転特措法の返還の具体的手順はどうなっているのか、また軍転特措法のさらなる見直し論があるが、その可能性と意思があるのかとの御質問にお答えをいたします。
軍転特措法の適用に伴う具体的な手順を大まかに申し上げますと、まず、日米合同委員会で県内の駐留軍用地の返還が合意されますと、軍用地返還前に地主に対して返還についての見通しの通知がなされ、次いで国が策定する返還実施計画が県、市町村、地主へ提示をされます。
これと並行いたしまして、県または市町村による総合整備計画の策定や、必要に応じて軍用地の調査及び測量を実施することができます。
返還後は、国による返還跡地の原状回復措置がなされ、1年ごとに、かつ3年間にわたって地主による賃貸料相当額の給付金の申請がなされ、支給されることになっております。
軍転特措法につきましては、去る6月に施行され今後諸施策が講じられることから、その運用に期待をしているところであります。
しかしながら、国際都市形成構想等に基づく跡地利用を計画的に促進するという観点から、県としては行財政的な措置を含め、改めて県案要綱に基づいた見直しを検討する必要があると考えております。
最後に、県が提出した地位協定見直し10項目及び5項目の今後の見通しはどうかとの御質問にお答えをいたします。
米軍基地の整理縮小、日米地位協定の見直し、騒音防止協定の早期締結、基地被害の防止、3者連絡協議会の活性化の5項目につきましては、去る11月17日に閣議決定された沖縄米軍基地問題協議会で検討し、1年をめどに結果を出すということが確認をされております。
日米地位協定の見直しを含む県の要請5項目については、まず、沖縄米軍基地問題協議会で検討され、その後日米両国政府の間に設置された沖縄県における施設及び区域に関する特別行動委員会で協議をしていくことになると認識をしております。県といたしましては、要請事項の具体的な前進に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(嘉数知賢君) 以上をもって代表質問は終わりました。
本日の日程は、これで終了いたしました。
次会は、明8日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後7時50分散会
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19950902000010