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平成 1年(1989年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 3月13日
第 8号 3月13日
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議 事 の 概 要
平成元年3月13日(月曜日)
午前10時2分開議
日程第1 乙第3号議案及び乙第5号議案(総務企画委員長報告)
討論 乙第3号議案 昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免職に関する条例
日程第2 乙第16号議案(経済労働委員長報告)
日程第3 乙第32号議案(土木委員長報告)
討論 乙第32号議案 流域下水道の建設事業執行に伴う負担金の徴収についての議決内容の一部変更について
日程第4 甲第23号議案から甲第30号議案まで(予算特別委員長報告)
討論(2議案一括)
甲第23号議案 昭和63年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)
甲第24号 昭和63年度沖縄県下水道事業特別会計補正予算(第2号)
日程第5 消費税の廃止に関する意見書
日程第6 消費税の廃止に関する要請決議
日程第7 陳情1件の付託の件
日程第8 陳情昭和63年第244号、同第246号及び同第247号の取り下げの件
午前11時52分散会
○議長(平良一男君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
3月8日の会議において設置されました予算特別委員会及び観光・交通・エネルギー対策特別委員会の各委員長から、同日の各委員会において予算特別委員長に外間盛善君、同副委員長に松茂良興辰君、観光・交通・エネルギー対策特別委員長に喜久山盛忠君、同副委員長に嘉数知賢君をそれぞれ互選したとの報告がありました。
次に、3月11日、喜納昌春君外21人から議員提出議案第8号消費税の廃止に関する意見書及び議員提出議案第9号消費税の廃止に関する要請決議の提出がありました。
次に、3月9日、陳情昭和63年第244号県立高校授業料の口座振替制度導入に関する陳情外同趣旨の陳情同第246号及び同第247号の各提出者から、その取り下げの申し出がありました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
○議長(平良一男君) 日程第1 乙第3号議案及び乙第5号議案を議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
〔総務企画委員長 儀間光男君登壇〕
○総務企画委員長(儀間光男君) ただいま議題となりました乙第3号議案及び乙第5号議案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
乙第3号議案は、昭和天皇の崩御に伴う大赦及び復権が行われたことに伴い、「公務員等の懲戒免除等に関する法律」に基づき職員に対する懲戒の免除の措置を図ろうとするものである。内容としては、昭和64年1月7日前の行為によって平成元年2月24日前に戒告または減給の懲戒処分を受けた職員に対して、将来に向かってその懲戒を免除しようとするものであるとの説明がありました。
本案に関し、懲戒免除の対象となる人員と処分内容について質疑がありました。
これに対し、対象者数は県全体で516人で、内訳は減給が176人、戒告は340人となっている。このうち、現に減給中の者は8人で、処分内容は、昭和63年12月と今年1月に行った職員の非違行為者、特に無断欠勤等を中心に懲戒処分した者であるとの答弁がありました。
次に、この条例案は、天皇が亡くなったことに伴うものとなっているが、天皇は憲法上、国事行為上もはっきり政治的に利用してはならないということになっているにもかかわらず、特別の地位にあるものとして恩赦を行うこと自体が憲法違反になると思うがどうか。また恩赦法は、天皇の亡くなったときには恩赦するように決められているのかとの質疑がありました。
これに対し、基本的に公務員等懲戒免除に関する法律の中で恩赦等があった場合については条例を定めるようになっている。恩赦法を受けて公務員等懲戒免除に関する法律があり、法律にのっとって今回恩赦があったので、国に準じて条例を提案したとの答弁がありました。
次に、本条例が可決成立すると、当該対象者の516人については当然履歴事項から処分の件は抹消されるかとの質疑がありました。
これに対し、履歴事項については将来に向かってその懲戒がなくなるとの答弁がありました。
そのほか、現に人事委員会に不服申し立てをしている継続中の事件で、本条例の成立によって該当するような処分者はどうなるか、市町村への指導はどうなっているか等について質疑がありました。
次に、乙第5号議案は、本県産業の近代化、高度化、技術力の向上、人材の育成、流通対象等の産業振興支援措置を講ずるため沖縄県産業振興基金の設置を予定しているところであり、当該基金の円滑な運用とその経理の適正を図るため特別会計を新設する必要があるとの説明がありました。
本案に関し、産業振興基金の財源の根拠は何かとの質疑がありました。
これに対し、昨年5月に沖振法の一部改正があり、その中で沖縄電力が昨年10月1日をもって民営化され、その結果、沖縄電力の政府保有株の売却が行われた。県としては、売却益の一部を沖縄県の産業振興のために還元活用させていただくように強く要請してきたところ、国において補正予算で100億円を決定し予算措置された。国の予算措置を受けて、今回、産業振興基金を設置し、それを適正かつ円滑に運用するために沖縄県特別会計設置条例の一部改正をお願いしているとの答弁がありました。
次に、産業振興基金の事業計画は策定されているのかとの質疑がありました。
これに対し、事業の概要は、本県の地域特性を生かした戦略的産業の育成、それを支える人材の育成活用に大別され、エネルギー基盤の安定整備に必要な事業等7つの事業内容となっているとの答弁がありました。
そのほか、沖縄電力の政府保有株の売却額は幾らか、産業振興基金の管理等について質疑がありました。
以上、委員会における審査の経過を申し上げましたが、審査の結果、乙第3号議案は、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、乙第5号議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして、報告を終わります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
乙第3号議案に対する討論の通告がありますので、発言を許します。
嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽宗儀君 乙第3号議案昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除に関する条例に反対する討論を行います。
この条例は、昭和天皇の死去に伴って職員の懲戒を免除するというものでありますが、そもそもこれは天皇を主権者のごとく扱うという主権在民の現憲法の精神を真っ向から踏みにじるものであり、絶対に容認できるものではありません。
人間の死そのものは確かに厳粛なものでありますが、天皇だからといって特別扱いされてはなりません。
天皇の死に対して哀悼をあらわすのもあらわさないのも、それは国民の一人一入の固有の権利であり立場があって当然であり、それを権力で強制して天皇制を押しつけてはならないということは言うまでもありません。
とりわけ、昭和天皇は、15年戦争の最大かつ最高の戦争責任者であることは歴史的事実であります。
あの戦争によって300万人以上の国民の命が奪われましたが、とりわけこの沖縄は全国唯一の地上戦にさらされましたが、1945年2月の近衛上奏を聞き入れておれば、沖縄戦もなく十数万人の県民のとうとい命も助かり、我が郷土が焼き尽くされなくて済んだことは明らかであります。
しかも、この侵略戦争は天皇の責任で進められたばかりでなく、国内にあっては民主主義を要求し侵略戦争に反対する多くの国民を弾圧し、自由に物も言えない監獄的な支配、野蛮な弾圧によって多くの人々が犠牲にされました。
とりわけ、我が党の多くの先輩たちは、そのために徹底的に拷問に遭い、命を奪われてきました。節を曲げずに、この野蛮な天皇制権力の大弾圧に負けずに闘い抜いたのは、政党としては我が日本共産党だけでありました。
また、この天皇は、戦後は天皇制の維持をねらって、沖縄をアメリカの占領支配を進言するという売国的な態度をとっていたことも天皇メッセージで明らかにされました。
このような戦争責任と、戦後責任のある天皇が死去したからといって、特別扱いをして懲戒の免除を行うということは到底認められません。
しかも、昭和天皇の死去を利用して天皇制復活の危険な動きが強まっているだけに、この条例には反対であります。
よって、この条例が否決されるよう希望し、討論を終わります。
○議長(平良一男君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより乙第3号議案及び乙第5号議案の採決に入ります。
議題のうち、まず、乙第5号議案を裁決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第5号議案は、原案のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) 次に、乙第3号議案を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(平良一男君) 起立多数であります。
よって、乙第3号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) 日程第2 乙第16号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
経済労働委員長。
〔経済労働委員長 照屋忠英君登壇〕
○経済労働委員長(照屋忠英君) ただいま議題となりました乙第16号議案沖縄県産業振興基金条例について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、商工労働部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
乙第16号議案は、本県産業の技術革新、高度情報化、国際化等への適切かつ円滑な対応を促進しもって産業の振興を図るため、地方自治法第241条に基づき沖縄県産業振興基金を設置するもので、この基金による事業では、新しい情勢の変化等に対応した技術、情報、人材育成等民間活力の発揮を促進するソフト面の施策を重点的に支援することとしております。
また、基金の円滑な運用と経理の適正化を図るため、沖縄県産業振興基金特別会計を設置してこれを管理することとなっております。
なお、この基金は、国の昭和63年度補正予算に措置されており、県としても本年度内に設置する必要があるので先議案件として提案したとの説明がありました。
本案に関し、基金の管理及び運用はどうなっているかとの質疑がありました。
これに対し、商工労働部商工課に運用班を設置し、そこで運営管理をし、事業は関係団体や公益法人等に委託をして執行したいとの答弁がありました。
次に、トロピカル・テクノセンターの設立及びその事業について質疑がありました。
これに対し、トロピカル・テクノセンターは、国、県、企業等から成る第三セクターを考えており、熱帯、亜熱帯資源を工業的に高度化利用することを研究開発するセクターとして位置づけ、基金からいろいろ助成をしていきたいとの答弁がありました。
そのほか、沖縄電力の民営化に伴う政府所有株及び売却総額、基金の具体的な運用方法等の質疑がありました。
以上、委員会における審査の経過を申し上げましたが、審査の結果、乙第16号議案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
なお、各委員から、基金の運用に当たっては適正かつ十分な配慮をしてもらいたい旨の意見がありました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして、報告を終わります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第16号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第16号議案は、原案のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) 日程第3 乙第32号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
〔土木委員長 伊良皆高吉君登壇〕
○土木委員長(伊良皆高吉君) ただいま議題となりました乙第32号議案「流域下水道の建設事業執行に伴う負担金の徴収についての議決内容の一部変更について」について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、土木建築部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
本案は、昭和63年第2回議会で議決を得た流域下水道の建設事業執行に伴う負担金の徴収に係る議決内容の一部を変更する必要が生じたため、議会の議決を求めるものであります。
本案について、さきに議決を得た流域下水道事業費48億5400万円を、今回の事業計画の変更により5200万円減の48億200万円に変更するものであるとの説明がありました。
本案に関し、昭和63年度沖縄県下水道事業特別会計補正予算では、建設負担金が2600万円の減となっているが、本案では関係市町村の負担額が1936万2000円の減となっており、なぜその差額分が本案に入っていないかとの質疑がありました。
これに対し、下水道特会の2600万円の減と本案の関係市町村の負担額1936万2000円減の差額663万8000円は、防衛施設局が負担する費用であるが、市町村以外のものに負担させる場合は下水道法に明文の規定がない。そのため、その取り扱いについて建設省に指導を仰いだところ、負担金の負担義務者が国などの機関の場合には、下水道法第41条(国等の特例)の規定を準用し、協議することで負担金を課すことができるという国の指導もあって、市町村以外の国の機関については議決を求めていないので本案に入れていないとの答弁がありました。
次に、昭和62年度伊佐浜処理場における米軍に係る建設負担率及び汚水量のパーセンテージは幾らか。また、事業計画変更の具体的内容について質疑がありました。
これに対し、伊佐浜処理場における米軍に係る建設負担率は14.34%で汚水量が37.7%である。また事業計画変更の具体的内容については、当初、那覇処理場の拡張用地の取得を計画していたが、地権者の同意が得られなかったことや、伊佐浜処理場の埋め立てに伴う漁業補償について、現在、調査測量中で現時点での漁業補償ができないということで、具志川処理場の用地取得やその他の工事に流用したとの答弁がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、本案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして、報告を終わります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許します。
上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 日本共産党県議団を代表し、乙第32号議案「流域下水道の建設事業執行に伴う負担金の徴収についての議決内容の一部変更について」に反対する討論を行い、市町村を収奪し、米軍の負担金額をいよいよ軽減し、我が民族の尊厳を著しく汚す屈辱きわまりない議案は県民の代表機関に提出できるものではないし、したがって否決されるべきものでしかないことを、沖縄県議会の名誉と誇りにかけて改めて強調するものであります。
この流域下水道建設負担金一部変更は、昨年2月定例会において議決した中部流域下水道那覇処理区の建設事業費を25億6400万円から24億5200万円に減額し、その事業費から国庫補助金額を控除した額の2分の1を関連する那覇市、浦添市、南風原町、豊見城村に3億9354万5000円負担させておったのを、3億5230万2000円に124万3000円減額する。
同じく中部流域下水道の伊佐浜処理区の建設事業費11億8000万円を9億4000万円に2億4000万円減額し、同様に関連する浦添市、宜野湾市、沖縄市、嘉手納町、北谷町、北中城村の負担金額を1億4990万5000円から1億1178万6000円に3811万9000円減額する。
反対に、中城湾流域下水道具志川処理区の建設事業費11億1000万円を14億1000万円に3億円増額し、同様に関連する具志川市、沖縄市、勝連町、与那城村、北中城村の負担金額1億8600万円から2億4600万円に6000万円増額するものであります。
そして負担率は、中部及び中城湾両流域下水道とも変更前も変更後も同じ比率であります。
ところが、中城湾流域下水道は、関連5市町村で当然のこととして100%なっておるのに、中部流域下水道は那覇、伊佐浜両処理区ともそうはなっていません。
それについては先ほど委員長の報告にもあったとおりですが、那覇処理区99.38%、伊佐浜処理区は85.66%であります。
それでは、議案から隠されている那覇処理区の0.62%、伊佐浜処理区の14.34%は一体何者なのか。姿が見えないから幽霊なのか。なぜ沖縄県議会に提出する議案に姿の見えない妖怪まがいのものが潜んでいるのか。
我が国の下水道法第31条の2は、市町村の負担とはっきり銘打たれ、「公共下水道又は流域下水道を管理する都道府県は、当該公共下水道又は流域下水道により利益を受ける市町村に対し、その利益を受ける限度において、その設置、改築、修繕、維持その他の管理に要する費用の全部又は一部を負担させることができる。」と厳格に規定されており、沖縄県は公共下水道は設置管理していないのですから、明確に流域下水道により利益を受ける市町村にしか負担を賦課することはできないのです。
我が党は、西銘知事就任直後の1979年1月以降、突然の米軍の負担金不払い以来、またそれに続く不払いを続けた2年3カ月後の1981年3月、西銘知事が米軍に屈服して屈辱的協定書を締結して以降は、なお一層末端利用者にすぎない米軍基地を市町村とするのは明白な下水道法31条の2違反だから、末端利用者にすぎない米軍基地に対しては、地方自治法第225条使用料の規定に基づき、我が国の下水道使用料体系となっておる高度の累進性で下水道使用料を取るよう、それこそかんで含めて説き続けてきました。
ところが西銘知事は、我が党の法令に基づく道理ある説得に耳をかさず、下水道法を初め地方自治法第244条公の施設、地方財政法第2条地方財政運営の基本、同条第3条、4条予算の編成、執行等にも違反する二重、三重、幾重にも法令違反を重ね続けてきました。だからこそ、下水道建設負担金に0.62%、14.34%の姿の見えないお化けが出てきているのであります。
お化けは一体何者なのか。言うまでもなく米軍基地です。米軍基地の姿をくらました結果、どうなっておるか。
中部流域下水道処理区関連4カ市町村、伊佐浜処理区関連5市町村の変更前、変更後の負担金額の差額はそれぞれ4120万3000円、3811万9000円の減額で、その減額合計は7936万2000円です。
中城湾流域下水道具志川処理区では米軍は入っていないことになっており、変更前、変更後の差額は6000万円の増額で、3処理区の差し引き合計は1936万2000円となっておることは、先ほど委員長の報告にもあったとおりです。
さらに、これが大変なんです。
我が党は、甲第24号議案1988年度下水道事業特別会計予算における歳入で2600万円の減額補正の根拠は何かと問いただしたところ、乙第32号議案だとの土木建築部の答えでした。
だとすると、乙号議案が先議案件とならない限り、下水道事業特別会計は、歳入合計の半分が根拠なき予算計上となることを指摘し、財政課もこれを認め、知事の重大な瑕疵を情状酌量して免責し、議会運営委員会における総務部長の釈明で土木委員会の緊急招集となり、辛うじて先議案件として審査がなされたものであります。
我が党は、延々1時間にわたり、この議案が先ほども申し上げましたように下水道法を初めとして幾重にも法令に違反していることはもとより、維持管理負担金を米軍に推し広げて、県民に毎年20億円内外の大損害を与えていることを指摘し、即刻我が国の下水道使用料体系となっている高度の累進性による使用料を米軍から取るよう迫り、我が党は必ずこれを改めさせると宣告しました。
さて、お情けによって先議案件としての審査を経たとはいうものの、このように甲第24号議案下水道事業特別会計補正予算、歳入負担金2600万円の根拠になるものとはなっていないのです。
このような議案は、本来ならば廃案にするしかないものです。議長においても、しかるべき措置をおとりにならなければならないことについても言及しておかなければなりません。
さらに我が党は、この議案の反県民的、屈辱的性格を指弾しておかなければなりません。
この議案における負担率は20年後の計画汚水量費となっていますが、それでは中部流域下水道処理区における姿の見えない米軍基地の負担比率はどうなっているか。
那覇処理区O.62%、負担金額219万8000円は、1980年度決算による汚水量では約6倍の3.9%ですから負担額は1382万5500円になります。
伊佐浜処理区負担率14.34%、負担金額1871万4000円は、同じく87年度決算では負担率は2.63倍の37.7%ですから、負担金額は4919万8500円となります。
両処理区を合計すると、1987年度決算による汚水量比率からすると6302万4000円の3分の1以下の2091万2000円ですから、丸々4211万6000円も安くすることになっております。
この建設負担金は、5年前の1984年度から我が党の反対を押し切って新たに県民に押しつけられたものであります。
米軍から20億円以上取るべき使用料をたった3億円程度しか取っていないために下水道事業財政は破綻し、一般会計からの繰入金はついに100億円を突破し、県債もそれに近いものとなっています。
このような下水道財政だけではなく、県財政の破綻を繕うために新たな市町村収奪をねらったのがこの建設負担金です。それは実質的な維持管理負担金の値上げでしかありません。これによって1立方メートル当たり、那覇市は10円4銭、豊見城村は22円74銭、南風原町は63円5銭の実質的な維持管理負担金の値上げであります。米軍はどうか。たったの1円92銭の値上げでしかありません。
西銘知事は、単独公共下水道の維持管理に苦しんでいる名護市、本部町、石川市、糸満市からの再三にわたる流域関連市町村並みの補助要請を一蹴し、これを封殺するための理由にもしているのであります。
このように、清潔な町づくりのために欠かすことのできない重要な都市施設、しかも地方自治法第244条でもって県民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供するために設置された公の施設を、伊佐浜処理区に見られるように米軍に40%近くも利用させ、その使用料を毎年20億円内外安くしている西銘県政下の下水道事業は、我が国の下水道法を初めとする法令に基づく本来の姿に直ちに転換させていかなければなりません。
以上をもって、乙第32号議案に反対する討論を終わります。
○議長(平良一男君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより乙第32号議案を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(平良一男君) 起立多数であります。
よって、乙第32号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) 日程第4 甲第23号議案から甲第30号議案までを議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
予算特別委員長。
〔予算特別委員長 外間盛善君登壇〕
○予算特別委員長(外間盛善君) ただいま議題となりました甲第23号議案から甲第30号議案までの補正予算8件について、一括して予算特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、説明員として関係部局長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
審査の過程におきまして各委員から多くの質疑がありましたが、その主な質疑の概要を申し上げますと、まず今回の地方交付税86億5339万9000円の算定の主なものは何か、またそれは歳入総額の何%になっているかとの質疑がありました。
これに対し、地方交付税86億余円の内訳は、留保額分が51億9567万3000円、それに今回の地方財政対策に伴う再算定による見込み額が34億5772万6000円、合わせて86億5339万9000円で歳入総額の61.9%であるとの答弁がありました。
次に、繰越明許費が259億8151万3000円と去年より大幅に増加しているけれども、これは県経済に与える影響も大きいと思うが、その理由は何かとの質疑がありました。
これに対し、63年度予算の執行について繰越明許費が増加しているのは御指摘のとおりである。その要因については、災害復旧事業等国の補正措置による関連や、市町村事業の年度途中での県事業への振りかえ等いろいろの事情があるが、その中で最も大きな要因となっているのが用地取得の関係であるとの答弁がありました。
次に、ふるさとづくり推進費1900万円の補正があるが、このふるさと創生論に基づく市町村の事業について県はどのようにとらえているかとの質疑がありました。
これに対し、現在、この予算を使ってそれぞれの市町村においては、住民参加の地域づくりを推進するための案を鋭意努力してつくっているところである。県としても、このふるさと創生の事業の意義について各市町村に対して機会あるごとに指導しているところであるが、最終的には市町村が地域の主体性と創意工夫による個性的でユニークな地域づくりをするための予算になっていくのではないかと思うとの答弁がありました。
次に、消費税導入に向けて、例えば在宅老人に対する一時金の問題とか、社会的弱者への対策費が計上されているかとの質疑がありました。
これに対し、消費税導入による生活保護世帯とか、老人ホーム等社会福祉施設入所者の生活と社会福祉のために2月1日現在の入所者に対し1人当たり1万円、それから低所得者の方とか、あるいは寝たきり老人に対し1万円から5万円ということで措置を考えている。それとのかかわり合いで障害児の保護措置として現在の入所者に対し1人当たり1万円を支給することにして今回123万円を補正することにしており、また精神薄弱者更生施設、授産施設に入所措置をした方に対する一時金の支給で県立に80万円、民間の施設に351万円を計上してあるとの答弁がありました。
次に、パイナップル加工施設集約化促進事業費補助として5000万円補正してあるが、これはパイナップルの自由化に向けての予算措置だと思うが、県は自由化に向けて沖縄のパイナップル産業の展望についてどう考えているかとの質疑がありました。
これに対し、国の方でもパイナップルの自由化に伴う対策費として約70億円の予算措置をすることになっており、県負担も入れてトータルで平成2年度までに100億円でもって自由化対策をすることになっている。その場合に作付面積は現在とほぼ同じ2000ヘクタールで、加工用が3万トン、生果用が3万トン、計6万トンという計画については行政、それから生産者団体等含めて合意をしているので、それに向けてパイナップル生産農家が意欲を減退しないように精いっばいサポートしていこうと考えているとの答弁がありました。
次に、例年、この時期にいつも県営住宅建設費の補正があるが、その理由は何かとの質疑がありました。
これに対し、公営住宅については1年間で1100戸を建設することにしているが、これを県と市町村が毎年折半して建設していこうという約束がある。したがってこういった方針のもとに毎年予算を編成しているが、市町村の方が建設できないということで毎年200戸程度は県の方で肩がわりしているというのが過去の実情である。63年度においても12月議会でも18億円程度補正をして市町村分の肩がわりをしたが、今回は那覇市の方が124戸を建設予定していたが、どうしても用地が取得できずにその分執行ができないということで、63年度計上分の4億9042万4000円を県の方で肩がわりしないと予算が流れるということで県が執行することになったとの答弁がありました。
次に、下水道事業特別会計で負担金を2600万円補正減にした理由は何かとの質疑がありました。
これに対し、今回補正減にした理由は、当初、中部流域下水道の那覇下水処理場の中で拡張工事をしたいということで用地買収を計画していたが、どうしても地権者との調整がつかず、再三交渉したにもかかわらず事業執行ができないということでその用地費を一部工事費に回し、一部を具志川処理場の用地費に回したが、そのために補助率の違う「節」間の移動が出てきてトータルとして市町村の負担金が2600万円減になり、また県債が4200万円減になり、そして一般会計からの繰り出しが1600万円増になっているとの答弁がありました。
その他、公社、公団等外郭団体に対する指導について、人材育成財団の事業実績について、学校給食への酪農牛乳の導入について、生活保護費の減額補正について、学校用地の買い上げ計画について、瑞慶山ダム建設の用地取得の進捗状況について、都市モノレール建設基金について、産業振興基金の管理運用について、下水道事業特別会計の補正と先議案件の追加について等々多くの質疑がありました。
以上、質疑の概要を申し上げましたが、採決に先立ち、甲第23号議案に対し社大党、社会党・護憲共同、共産党、公明党所属委員から反対の意見表明、自民党所属委員から賛成の意見表明、また甲第24号議案に対し共産党所属委員から反対の意見表明がありました。
審査の結果、甲第23号議案については委員長裁決により原案のとおり可決すべきものと決定し、甲第24号議案については賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定し、甲第25号議案から甲第30号議案までの6件については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
甲第23号議案及び甲第24号議案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
島袋嘉盛君。
〔島袋嘉盛君登壇〕
○島袋嘉盛君 本員は、沖縄社会大衆党県議団を代表し、ただいま議題となっております甲第23号議案昭和63年度一般会計補正予算(第3号)について反対の討論を行います。
今回の一般会計補正予算(第3号)は、歳入歳出それぞれ139億8932万7000円を補正するものであります。
当該補正予算の最も特徴的なものは、消費税導入関連予算の8036万2000円の計上と、異常とも言える277億3229万6000円の翌年度繰越補正であり、指摘するものであります。
まず、消費税について申し上げますと、消費税の導入は、昨年暮れの国会において自民党の強行採決による国民への押しつけであり、間接税導入はしないといった自民党の国民に対する公約違反であります。
くしくも、本県選出の喜屋武真栄先生の質問中に、自民党の問答無用の数の暴挙によって質疑打ち切り、強行されたことは、国民を初め県民周知のとおりであります。
今や、リクルート疑惑と反消費税に対する国民感情は、竹下内閣総辞職か国会解散の要求と、自民党敗北の一連の選挙結果並びに竹下内閣支持率20%以下に如実にあらわれているとおりであります。すなわち、国民の大多数が消費税反対であると言えましょう。
このような自民党竹下内閣によって強行された消費税導入は、本県においてもさまざまな拒否反応を示しております。
ちなみに、県下10市を見ても10月1日実施を見送る自治体が一般会計において8市もあります。しかるに西銘知事は、このような現状を無視し、国策追随とも言える画一的な消費税導入の政治姿勢は全く残念であり、容認できるものではありません。
消費税は逆進性であることから、金持ちに薄く、低所得者に重くのしかかるものであります。ちなみに昭和61年の本県の県民所得は136万3000円で、1位の東京294万5000円の半額以下であります。全国平均の約75%で、全国最下位の47位であり、低所得者の最も多い県であります。
また、本県は全国唯一の離島県であることから、物価、流通の面からも多くのハンディを背負い物価高であり、生活物資のほとんどを県外に頼っている本県にとって物価値上げにますます拍車をかけ、県民生活をますます窮地に追い込むことは明白であります。
また、消費税の導入は、公共料金の一切値上げを初め諸物価の値上げは必至であり、ゆりかごから墓場まで課税される消費税関連予算は断じて容認できるものではありません。
我が党は、消費税導入に反対の立場を明確にするものであります。
次に、同補正予算の繰り越しについて申し上げますと、昭和63年度繰り越しの総合計は件数にして20件、金額にして総額277億3229万6000円であり、前年度の174億2596万7000円に対し実に103億632万9000円の大幅増であり、まさに異常な繰越額であります。
また、予算単年度主義の制度から言っても、西銘知事の執行体制の弱さを指摘せざるを得ません。
周知のとおり、本県経済は財政主導型であり、このような大幅な未執行は本県経済に及ぼす影響も重大であり、容認できるものではありません。
以上申し上げ、反対の討論といたします。多くの皆様の御賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○議長(平良一男君) 西田健次郎君。
〔西田健次郎君登壇〕
○西田健次郎君 ただいま論議になっております昭和63年度の補正予算について、自由民主党を代表いたしまして賛成討論を行わせていただきます。
明許繰り越しの問題とそれから消費税、ふるさと創生事業等々について論議されると思いますので、私も3点に絞りまして我が党の立場を表明させてもらいます。
ただいま明許繰り越しが277億3200万円、確かに多額であります。しかも前年度の174億2600万円に比べると100億円余りも明繰りがふえているわけでございますから、これは問題だと指摘されるのは当然出てくる声でございましょうけれども、しかしなぜこれだけの多額の明繰りが出てきたかということになりますと、これは災害復旧事業の国の補正措置というのはかなりふえてきたこともあります。
それから、市町村事業で年度途中で、先ほど委員長の報告にもありましたとおり県への振りかえがかなりあったということ。例えば、当初500戸分の予定をしていた公営住宅を市町村が実施をしなかった分。例えば那覇市が実施できなかったために県が肩がわりした46世帯が典型的な例でございますが、そのほか土木建築部だけでも市町村関係機関との調整のおくれ分が約35億円、計画策定のおくれが約17億円、トータル52億円も出てきているのであります。これは、一方的に県の行政だけをなじるわけにはまいりません。
やはり、公営住宅に対する沖縄県の市町村の自覚をもっと促すようなことを県議会としても意思表示していかなければ、他府県に比べて沖縄県は大半が県に公営住宅を肩がわりさせているという他県には例の見られないような実態がずっと続いてきているわけですから、もう少ししっかり市町村もそれの責任を遂行するという姿勢を持たすべきであります。
そういうことで、この明繰りの大きな原因になっております問題を県の一方的な行政のおくれ、執行能力云々で批判するのは当を得ておりません。
何といっても、昨今全国的に問題になっておりますのは、都市地域における用地取得事業が極めて厳しい状態になってきているというのが背景にございます。用地の単価が異常なアップをしてきている。あるいは代替地の要求等が非常に難しくなってきていると。この用地取得の問題が、数年来ずうっと地方自治体の執行率で最大の課題として続いてまいりました。
本県もそういう状況が出てまいりまして、今回の一般会計補正での123億7801万円、いわゆる47.6%もがその用地取得がうまくいかなかったということでございますから、まさに公共事業の執行は用地取得に始まって用地取得に終わるという、そういうことが明確に出てきておるのが今回の補正予算でございます。
もちろん、用地取得に関しましては県もいろいろと、いろんな努力をやっております。民間デベロッパーの力を使いましょう、あるいは特別な対策案もつくりましょう、必死に用地取得の努力をしているわけでございますけれども、地権との関係でなかなかうまくまいりません。
その辺の背景も御理解をしていただければ、この明繰りに関しての御理解も深めていただけるのではないかと思う次第であります。
さてまた、明許繰り越しが200億円を超えたというのは、何も今年だけに限ったことではございません。昭和54年が220億、昭和55年が260億、昭和56年が200億円、昭和58年が200億円と、過去数回にわたって200億円を超える明許繰り越しというのは出てきております。
県民生活に直接影響してくるのがこの予算でございますから、明許繰り越しが前年より100億ふえたからということで補正予算を否決するという理由としては、私は理解できないのであります。
さて、今回の補正予算の中で委員会審議の中で、生活保護費が1億1000万円も減額になったことについて厳しい指摘があって、あたかも県の生活保護行政がだめだと言わぬような指摘もあったので、あえてこちらで言及させていただきますけれども、生活保護世帯、当初6266名予定していたのが5516名に減少してきたのであります。これは全国的にも生活保護世帯というのは相当な減少傾向を示してきております。
本県でも、生活保護関係で昭和56年に3万2331人いましたのが、昭和63年は2万1667人というふうに大幅な減少を見てきております。これは非常に喜ぶべきことなんですよね。これを批判するということは筋が通りません。
こういう背景には、経済的な要因として経済が非常に好調に推移をしてきていること。それから社会的な要因としては、本県で一番多かった離婚率というのがかなり減少してきたという要素もございます。
さらにまた、沖縄県は復帰後17年間で実に130を超す社会福祉施設の整備拡充がなされてまいりました。また年金等の弱者への施策の成果も非常に上がってきておりまして、文字どおり我が自由民主党を中心とする西銘県政の政治の成果として、こういう生活保護世帯が減少してきたという背景を見れば、これはもちろん評価をすべきことであります。
さて、されど消費税、またも消費税ということでおしかりを受けておりますが、この消費税関係で今回、補正が入って、出てきております。
消費税につきましては、後ほど今議会でまた場を改めましていろいろ議論をさせていただきますけれども、今回の補正で特徴的なのは、2月7日に国の補正が成立をいたしまして、地方自治体も当然国の補正予算の成立に伴うものとして予算編成をしなければならないわけです。
その中で、総務部の賦課徴収費1000万円の補正がございます。
これは、全国的には地方財政法に基づく補正措置の42億円が全国的に補正配分されるわけでございますけれども、沖縄はそのうちの賦課徴収費としては1000万円きております。これは、県庁の税務職員とか、あるいは飲食店業者関係とか特別徴収義務者に対して、税制関連法というのはどういうことで、今回、税制関係法案が立法化されているけれども、この法律の内容あるいは具体的な手続方法等について説明をして理解を深めるということでポスターを作成したり、ガイドブックをつくったりあるいはテレビで宣伝をしたり、そういう所要の経費に使いなさいという補正でございます。
それからもう一つは、この予算が否決された場合非常に困ってまいりますのは、臨時的特例の措置である臨時福祉特例給付金と一時金の支給がどうなるかということを心配しております。
平成元年1月19日に閣議決定がされまして、年度内に支給されるこの臨時福祉特例給付金というのは、文字どおり税制改革で政府の見込みは大蔵省は1.1%ぐらいの物価高が出てくるであろうと。共産党さんが2.25でございますか、社会党さんが1.5、民社党さんも1.5でございましたかね。大体、そういう見通しでございますけれども、仮に大蔵省が推定する1.1%の物価高が出てきた場合に税金を納める、あるいは市町村民税を納めない人たちの弱者の人たちをどうするか、これが非常に問題になっておりますけれども、それに対してはそれなりのまた制度で面倒を見ましょうという形で出てきたのが、今回の生活保護世帯を中心とする1万円の一律臨時福祉給付金でございます。
そしてまた、介護関係の人たちに1人当たり5万円の臨時介護福祉金を支給すると。老齢福祉年金、特別障害者手当等の受給者にです。
それで、先ほど申し上げました市町村民税とか、非課税になって老人及び寝たきり老人等に対する介護を手助けする支援でございます。
例えば、本県では臨時福祉給付金として4万8000人該当者がおります。それで4億8000万円になります。臨時介護福祉金として2000人で約1億円、小計5万人で5億8000万円の対象者が出てまいります。
また、生活保護被保護者として2万1500人おりましてその対象が2億1500万円、社会福祉施設入所等で6500人、6500万円、トータルで8億5500万円が今回の補正予算として措置をされておりますから、予算に反対し否決するということで、こういう弱者の人たちに対してどういうふうに対応していくのか、県議会の責任も問われかねない問題が出てまいります。
一応、税制関連法案というのは立法化されているわけでございますから、いや応なしに法令は施行されてまいります。ただ本県だけがこれはできないというわけにはいかない性格もございますので、その辺も御理解していただきたい。
それから、小規模事業指導費補助金の補正は、商工会等が実施する経営指導とか、あるいは普及事業への助成でございます。
コンピューターを入れて、商工会等いろんな関係機関がスムーズに税制に対する対応、処理ができるように機器を入れたり、あるいはまた人件費が増加する分については助成をしましょうというのが今回の補正の中に入っております。
さて、ふるさと創生事業もスタートをいたします。このふるさと創生事業につきましては、野党の皆さんの一部から、地方交付税法の第3条に違反するのではないかという指摘もございます。
これは文字どおり、御案内のとおり基準財政需要額に一律1億円を加算して、全国の3200の市町村自治体に交付する交付税でございます。これは、何といっても円高とかで日本の経済は破綻するんじゃないかと思われていた日本経済が、大変な企業の力と経済力で税収だけでも地方交付税に関連するだけで3兆円の自然増収がありました。これを1億ずつ配分するわけでございますから、確かに地方交付税法の第3条の2項でございます。これを見ると地方交付税は本来、地方自治体の自主的な財源であるから、国がその使途を制限するとか、そういう条件をつけるなと、こういう規定もあることはございます。
しかし、地方団体に交付する普通交付税の額を決定する場合に用いられる基準財政需要額の内容は、あくまでも地方団体が予算編成する際の指針を示しているのであって、使途を制限する禁止に抵触するものではないという自治省の見解もございます。
今、まさに我が国は4全総や新経済計画等々によって、地域が、地方自治体が当面の最大の課題というのはいかにして地域づくりを、同じスタートラインに立ってやっていくかということが課題でございますから、それからすると基準財政需要額に算入されたものとしては、算定基準とは別に一律で交付されてきた例はこれまでもたくさんございます。
こういう社会的な背景、それから地方交付税法の規定からすると、これは地方交付税法の第3条の2項でございますか、それには違反するものではございませんと、こういう明確な国会における自治省の答弁もございますから、この点については論及する必要はなかろうかと思います。
消費税についても結びに少し触れさせていただきますと、昨今の税制改正の問題で消費税だけが突出をしまして、税制改革に伴う別のマクロの意味での論議が忘れさられているという面が出てきております。
例えば、所得税の面を見てみると、昭和63年度、確かに9兆円の自然増収の分で、そのうちの増収分の23%がサラリーマンの所得税の増収でございました。これが平成元年度においては8兆円ぐらいの税収があるであろうという経企庁の見通しの中で、サラリーマンの納める所得税は、その比率は17%に落ち込みます。ということは、今回の税制改革で所得税としてサラリーマンの天引きされている所得税は、実に6%も63年度より減税になるわけであります。こういう論議が忘れられている。
あるいは、西ドイツとか西欧で付加価値税を導入したときに、価格の転嫁の問題はそんなに議論にならなかった。これが日本では日本的な独特なムードの中で、転嫁の問題で一律、むちゃくちゃに値段が上がっていくようなムードで異様な雰囲気の中でこの消費税の問題が論議される。むしろこれは便乗値上げを誘発するようなことを世論がつくっているという状況もございます。
そのほか、税制改革に伴う税収の分については、いずれは公共財としてお互い自分のところに返ってくるわけですから、そういう長期的な見通しの論議も今議会は深めていただきながら、税制改革に対する皆様方の御理解を賜りつつ、この補正予算が直接県民生活に影響する予算でございますから、それだけでもって予算を否定するようなことは県議会としてはあってはならないと、こういうことを訴えまして御理解願いまして、県民生活のことと、それから市町村が補正予算が流れた場合、どんなに混乱するか、どんなに迷惑するか。そういう点も御理解していただきまして、全員が賛成してまず予算は成立させていただくと。そして執行させていただく、こういう意味で御理解をお願いいたしまして討論といたします。
○議長(平良一男君) 伊波栄徳君。
〔伊波栄徳君登壇〕
○伊波栄徳君 社会党・護憲共同県議団を代表いたしまして、ただいま議題となっております甲第23号昭和63年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)に反対する討論を行います。
まず、反対の大きな理由として指摘しなければならないことは、天下の悪税と国民、県民から批判されている消費税を、「悪法も法なり」の論法で無批判で導入推進する関連費、商工労働部、生活福祉部、総務部の3部に合計8036万円を計上し、県民生活を混乱させようとしております。余りにも無謀であり、県民生活を無視した県政であるか証明されるからであります。
消費税の4月1日実施は、各自治体でその取り扱いについて大変複雑であり、水道料金や使用料、手数料等々消費税上乗せを見送る自治体が相次ぐなど大きな政治問題になっております。
これは、今回の消費税制度そのものの矛盾を露呈したものであり、我が会派の消費税批判の主張の正しさを裏づけるものであります。
知事は速やかに撤回をし、県民生活を守るため適切な措置を講ずるべきであります。
ちなみに、全国消費者団体連絡会の家計試算によると消費税、厚生年金料の引き上げ等々により予想以上の負担が指摘されております。
昨年に比べ、ベアも1200円の減となり、収入の少ない世帯など家計の負担増が大きく、逆に確定申告が必要な世帯は減税効果のため、収入増がなくても家計への負担が減になるなど低所得者ほど重い負担がかかる結果となり、弱者に冷たい税制改革という実態がはっきり出ているのでございます。その試算結果が、先ほどのマスコミで公表されているとおりでございます。
特に本県は離島県であり、県民所得も全国の75%と低く、あわせて失業率が全国の2倍であり、なお常用雇用者が低いということを指摘しなければならないのであります。
当然、賢い消費者は、物価の低減、生活の合理化、諸制度の不公平の是正を求めるのは当然であります。
自治体としても、国がこのような低所得県民に悪影響を与える庶民泣かせの消費税を施行するのなら、県民の暮らしを守る立場から、その対策を講ずるのが知事の姿勢でなければなりません。
また、行政経費の増大、便乗値上げのおそれもあり、県民の理解を得られるものではありません。当然廃止されるべきものであり、その導入を前提とすることは余りにも早計過ぎるのであります。
次に、企画開発部のふるさとづくり推進費1900万については、国は各市町村の地域活性化のため自主主体的な判断で活用することを目的としながら、県に対して最終的に1億円を交付しその推進を図るということは、市町村への干渉であり、目的と矛盾するものであります。
あわせて、国においては消費税、リクルート疑惑隠しの世論操作であると言わざるを得ないのであります。
最後に、一般会計最終補正予算として繰越明許補正の追加変更による259億8151万円であります。
年度内に国内的な大きな県民的な事業があるならば、明許繰り越しやその変更は当然理解できるのでありますけれども、63年度においてはそのような大きな事業はないにもかかわらず、多額の明許繰越変更をするということは、執行部の執行能力を疑わざるを得ないのであります。
以上申し上げまして反対討論といたしますが、何はさておきましても消費税導入のための補正をぜひとも議員各位が反対をし、県民の不安をなくしていくのが県議会の責務であろうと思う次第でございます。
よって、各議員の御賛同を得まして反対していただきますことを切にお願いを申し上げまして討論を終わります。
○議長(平良一男君) 高良政彦君。
〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 本員は、公明党県議団を代表して、昭和63年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)に反対の討論を行います。
今回は、139億8932万7000円の補正を行うものであります。
この補正予算には、8036万2000円の消費税絡みの補正予算が入っており、我が党は、消費税はあくまでも反対であり廃止すべきであるという立場から討論を行います。
大型間接税は、大平内閣当時に一般消費税の名称で登場し国民の大反対に遭ってつぶれました。
中曽根内閣のときは、売上税として再び登場、ここでも国民から総反撃に遭って廃案になりました。
ところが、性懲りもなく竹下首相は、消費税という名で3たびこれを取り上げ、ついに自民党300議席という数の力で消費税法なる6法案を国会で成立をさせてしまいました。
消費税についての世論調査では、圧倒的多数の国民が反対をしており、このような国民世論を無視して、数の力のみで押し切って成立させた今回の消費税は、絶対に容認できるものではありません。
税制改革は国民の合意が前提であり、消費税を導入する前に不公平是正を中心に、行政改革や高齢化社会への対応など十分なる時間をかけて論議をし、これを政策として国民の前に明らかにしていくことこそが先決であります。
今回の消費税は、まず第1に、公約違反であります。
昭和61年7月の総選挙で、政府・自民党は、明確に大型間接税の導入を否定しております。
また、今回の消費税は、昭和54年に論議された一般消費税と同じタイプであり、昭和60年2月の政府統一見解に加え、昭和54年2月の国会決議に完全に違反するものであります。
第2に、政府・自民党は、直間比率のみを重視し、消費税を導入することが社会共通の費用を広く薄く分かち合うことになり、そして税が公平、中立、簡素につながるとしているが、これらの主張は消費税の持つ逆進性によって所得税のかからない低所得者層に過重な負担を強いるものであります。
また、ヨーロッパ諸国の例からしても安易に税率が引き上げられるおそれがあり、中小企業者や自営業者への事務負担は重くなってまいります。そして当然、物価の上昇とインフレは避けられません。
第3に、消費税を導入しなくても所得の把握の一本化による総合課税制度の実施や、あるいは地価の高騰による上場企業等の2年間で実に100兆円とも言われる莫大な含み益への課税、またキャピタルゲインの総合課税化やあるいはリクルート事件で政治家をめぐる金の動きに国民は強い不信感を抱いておりますが、一度で何億円もの収入がある自民党の政治家のパーティー収入、その他政治資金や公益法人課税の適正化、徹底した行政改革等を行えば消費税は導入しなくても済むことであります。
第4に、今回の消費税の導入は、事前に国民のコンセンサスが得られないまま余りにも事を急ぎ過ぎた余り、4月1日実施を目前にしていまだ多くの業界が対応の準備ができないまま大きな混乱に陥っております。価格競争の激しい小売業界においては、末端の力の弱い業者は値上げもできないと悲嘆に暮れております。
5番目に、我が沖縄県は第3次産業中心の消費型の経済構造をなしており、消費税の導入は必ず物価高を招き、所得水準の低さと相まって県民生活を大きく圧迫することは必至であります。
生活保護世帯や所得税、市町村民税の非課税世帯への一時金支給等でもって弱者救済の大義名分にしておりますが、社会的に弱い立場にある人たちへの福祉の充実を図るのは当然のことであり、そのことによって消費税の導入を肯定できるものではありません。
竹下自民党政府は、高齢化社会への福祉ビジョンも明確にしないまま、一方では軍事費のみを異常に突出させ、そのツケを消費税によって穴埋めをしようとしておりますが、西銘知事は沖縄県民の置かれた立場と実情を考えたとき、むしろ消費税には真っ先に反対すべきであります。
公明党は、暮らしを脅かす消費税には一貫して反対であり、また消費税を導入しなくても済む税制改革案を明確にしております。
よって、消費税の導入を前提としたその準備のための昭和63年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)に反対であります。
○議長(平良一男君) 上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 日本共産党県議団を代表し、甲第23号議案昭和63年度沖縄県一般会計補正予算、同じく甲第24号議案沖縄県下水道事業特別会計補正予算に反対する討論を行います。
まず最初に、消費税導入についてであります。
これは、これまでも討論にありましたように8036万2000円の消費税導入円滑化対策等の経費が計上されております。
しかも、この財源別内訳を見ますと、8036万2000円のうち国庫補助は3284万6000円で、大部分を県の一般財源、特定財源によって占められております。
国の国民が猛反対しているこの消費税を、県の費用でもって大部分を予算に計上する、いかに西銘県政が県民の意向を無視した最終予算を計上しているか、これでも非常にはっきりしております。
そもそも消費税というものは、大型間接税は実施しないという公約を踏みにじり、リクルート疑惑徹底究明と消費税反対の国民世論に真っ向から挑戦し、議会制民主主義を破壊する暴挙を幾たびも重ねて強行されたものであります。
我が党が一貫してまいりました消費税は、アメリカの強力な要請にこたえて軍事費及びODAを異常に突出させ、国民生活破壊をもたらす天下の大悪税であることは明らかであります。
消費税実施に伴う公共料金の一斉引き上げの計画及び便乗値上げの動きは、消費税の害悪を一層鮮明にし国民の憤激をさらに高めております。
自治省が幾ら指導しても、沖縄県においても53市町村のうちわずか17町村しか実施しない。竹下内閣のおひざ元東京都、総崩れであります。
こういう国民が猛反対するのを、何でやらなくちゃいかぬのか。全く県民の立場に立っていない予算だと言わなければなりません。
次に、ふるさと創生事業ですが、これも1900万円ですか、財源は交付税の中から出ております。この地方交付税に反することについては、先ほども、さすがに与党でさえ認めなくちゃならない。
先ほどの討論は、違法ではあるが違法ではない、前後、自家撞着したものとなっておりますが、私は、あえてこの第3条をここで挙げなければなりません。
これは地方交付税の運営の基本であります。
「自治大臣は、常に各地方団体の財政状況の的確なは握に努め、地方交付税の総額を、この法律の定めるところにより、財政需要額が財政収入額をこえる地方団体に対し、衡平にその超過額を補てんすることを目途として交付しなければならない。国は、交付税の交付に当っては、地方自治体の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」とこのように明確にうたわれておるわけですから、これをいささかも揺るがしてはならないものであります。
次に、生活保護費でありますが、その前に明許繰り越しであります。
277億の繰り越しというのは、昨年より101億もふえている。その結果、この今回の最終補正予算がどうなっているか。
我が党は、これまでも最終補正予算は、その年度の決算的性格を有するものである。とりわけ財政主導型の本県においては、どうしても公共事業を大幅にふやし、県経済の浮揚に役立てていかなければならないことは言うまでもないものであります。
ところが、これだけ繰り越したんでは、昨年よりも最終予算額は4067億267万円から、4065億3832万8000円に減って、1億6434万2000円も減ったものとなっております。
幾ら西銘知事が2次振計をうまくやっているなどと言っても、この最終補正予算額を見れば極めて歴然としております。2次振計も、これではますます破綻の方向をたどっているということにしかなりません。
こういうことがなぜ行われているのか。
先ほど、県営住宅建設事業についての62億の繰り越しについても言及がありましたが、この県営住宅建設事業、公営住宅というのは一番経済波及効果も大きい。しかも憲法が保障する、健康で文化的な生活を国が保障する、地方公共団体が保障していくという面で最も欠かせない事業であります。
こういうものをこのように毎年大量の額を繰り越していく。これは市町村に責任を負わせるような言及もありましたが、全く間違っております。もし市町村が責任を負うべきものでしたら、市町村自体で繰り越しすべきものであります。
前もって、十分にこれまでも長く何回もこういう大量繰り越しをやっているわけですから、十分に市町村と打ち合わせて年度当初においてどれだけ市町村ができるか。あなたの市町村はどれだけできるか、明確に打ち合わせてやっていけば、このような事態には決してならないものであります。人に責任を嫁してはいけません。
最後に、生活保護費の問題であります。
約1億1000万円も予算を減額になっておりますが、ところが毎年この生活保護費切り捨てられて、弱者切り捨てが非常に進行しているということについては、我が党はこれまでも何回も討論の中で明らかにしてまいりました。
昭和57年を基準にいたしますと、何と80%に落ち込んでおります。県全体では74.5%ですが、県が実施している郡部の面では64%も落ち込んでおります。さっき80%に落ち込んでおるといったのは、市が独自にやっている分で、県はそれを20%近くも上回って64%に落ち込んでいると。いかに西銘県政下での弱者切り捨てというのが激しく進行しているかを物語るものであります。
次に最後に、下水道事業特別会計の問題でありますが、既に先ほどの乙第32号議案でも明らかにしております。
そしてさっきの第32号議案というのが、この下水道事業特別会計予算の歳入の半分を占める2600万円、これを根拠づけるものとなっていない、根拠なき予算計上ということについては全然変わらないのであります。
こういう面からも、この下水道事業特別会計、もちろん賛成できないし、最も基本的な問題としては先ほどの乙第32号議案の討論で明らかにしたとおりであります。
以上の点から、甲第23号及び24号議案に反対する討論を終わります。
○議長(平良一男君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
休憩いたします。
午前11時37分休憩
午前11時38分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
これより甲第23号議案から甲第30号議案までの採決に入ります。
議題のうち、まず甲第23号議案を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(平良一男君) 起立多数であります。
よって、甲第23号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) 次に、甲第24号議案を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(平良一男君) 起立多数であります。
よって、甲第24号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) 次に、甲第25号議案から甲第30号議案までの6件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案6件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、甲第25号議案から甲第30号議案までは、原案のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) この際、日程第5 議員提出議案第8号 消費税の廃止に関する意見書及び日程第6 議員提出議案第9号 消費税の廃止に関する要請決議を一括議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
○喜納昌春君 ただいま議題となりました議員提出議案第8号及び第9号について、共産党、社会党・護憲共同、社大党、公明党及び無所属の各提出議員を代表しまして提案理由を御説明申し上げます。
今定例議会には、国の4月1日からの消費税導入に伴う沖縄県使用料及び手数料条例の一部改正案と一本にされた14件の条例案及び1989年度予算案が提出されております。
政府は、昨年12月24日、国民の圧倒的な反対の声を無視し、消費税の導入を国会に提案し、自民党の300余の数の暴力によって強行採決し、消費税法案を初めとする関連6法案を成立させ、同月30日に公布してきました。年の瀬のこの審議打ち切りによる暴挙は、大型間接税の導入に関する1979年の国会決議や1986年の衆参同時選挙での大型間接税は導入しないとする趣旨の自民党の公約にも違反する反国民的なものと言わざるを得ないものであります。
議員各位や県当局が御承知のように、税率3%と設定された消費税の導入を初めとする諸作業は、本県においても県民の行く先の生活不安や自治体の財政圧迫等当初から予想された大きな社会混乱を生じさせ、4月1日からの一斉のスタートが厳しい現実となっております。
昨年9月の第4回定例議会で、与党自民党の皆さんが提案した税制改革に関する意見書の中においてさえも、特に消費税については拙速を避け、国民的合意が得られるまでは慎重に対応されるよう強く要望すると言わざるを得ないほど重大な法案だったのであります。
ところが国会では、皮肉にも自民党の力の論理で強行され、そして県民生活へのしわ寄せがないように慎重に対応すべき西銘知事は、法律で決まったから、公平感が貫かれた税制であると評価し、40億円余の黒字である水道料金の値上げを含め公共料金の値上げ、すべて国の指示どおり安易な県民への転嫁を今議会に提案してきている状況にあります。
4月1日からの消費税の導入については、各市町村にも強い指示がなされているようでありますが、その対応は県とは全く異なり、月とスッポンの違いであります。だれが県民の生活と暮らしを真剣に考えているか歴然としております。
西銘知事は、消費税は、最終的には消費者に負担を転嫁するものだと円滑、適正な転嫁を強調し、法案が制定された以上、転嫁は当然の措置と考えているようであります。しかし、税制の中で重要な納税主体の一員である消費者に転嫁すべき税そのものが本来存在するものでしょうか。転嫁をするという消費税の新設そのものの矛盾がこの論理にあらわれております。
県内各市町村での1989年度予算における消費税の国主導による転嫁状況を県の資料から見ますと、3月8日現在、普通会計で改定を実施しない自治体が那覇市を初め7市23市町村、計30団体に上り、実施する団体は17、検討中が4と、政府の強い指示にもかかわらず60%近くが見送りの状況です。
公営企業でも、15市町村が改定を実施しないという慎重な対応がなされております。
全国的に見ても、自治省調査で4月1日からの消費税導入に対し、公共料金への転嫁見送りを決めた自治体が2月末日で東京都を初め21都道府県に上ることが明らかとなっております。
消費税の仕組みは、これまで何度も明らかにされましたように所得の少ない人ほど消費税の負担率は多く、所得の多い人ほど消費税の負担率は少なくなるといういわゆる逆進性に大きな特徴があります。
西銘知事も認めているところでありますが、このどうしようもない逆進性は、民主主義を標榜するアメリカが、財政改革に当たって一般消費税を導入しなかった大きな原因の一つなのであります。
3%と税率が設定されスタートした数字についても、近年中にヨーロッパ先進国並みに10%台まで持っていかなければ消費税を導入した意味がないと露骨な意見も、予想もされて一層不安と不公平感がぬぐわれない実情であります。
所得が低いほど負担が大きいという逆進性は、全国平均に比べて全国一所得が低いという実態、昭和62年度も75.2%の本県の場合ゆゆしき問題であります。しかも失業者の比率も依然として全国の失業率の平均の2倍以上に上る現状であります。
消費税導入について伴う物価上昇は1.2%と国も西銘知事も明言をしております。しかし本県は離島県であり、消費物資の大半は本土からの移入に頼っている状況です。
貨物の航空運賃や船舶運賃は3%上昇が当然あることと考えますと、とても本県の場合1.2%の本土並みの物価上昇にとどまるわけはありません。それに監視を強化するといっても、便乗値上げがない補償は県でも国でもどこでもできない状況です。
こうして見ると、消費税の4月1日からの実施によって本県民が受ける負担は、他都道府県に比べ不当に大きなものとなり、県民生活や営業等経済が重大な打撃を受けることは避けられない事態となります。
昭和23年から24年に実施された日本における取引高税は、わずか1年4カ月で廃止された実例もあります。
既に法律で決まったものだからと政府のお先棒を担ぐことなく、今こそ県民の立場に立って消費税の導入によって県民にこれ以上の負担増による生活不安を強いることがないよう、同時に自治体への財政の圧迫や負担の転嫁がないよう行動すべきときだと考えます。
そこで、国民のコンセンサスを得ることなく強行し、県民や自治体に不安と混乱を招いている4月1日の実施予定の消費税の廃止を強く関係省庁に要請する必要がありまして、本議案の提案をいたした次第であります。
以下、意見書を朗読いたします。
〔消費税の廃止に関する意見書朗読〕
次に、要請決議につきましては、内容が意見書と同じでありますのであて先だけを申し上げます。
〔消費税の廃止に関する要請決議のあて先朗読〕
以上で両議案の提案説明を終わりましたが、各議員の皆様が慎重に御審議の上、よろしく御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第8号及び第9号は、総務企画委員会に付託いたします。
○議長(平良一男君) 日程第7 陳情第63号の付託の件を議題といたします。
お諮りいたします。
ただいまの陳情第63号につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情第63号につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 日程第8 陳情昭和63年第244号、同第246号及び同第247号の取り下げの件を議題といたします。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております陳情昭和63年第244号、同第246号及び同第247号の取り下げの件は、これを承認することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、陳情昭和63年第244号、同第246号及び同第247号の取り下げの件は、これを承認することに決定いたしました。
○議長(平良一男君) この際、お諮りいたします。
委員会審査及び議案整理のため、明3月14日から29日までの16日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、明3月14日から29日までの16日間休会とすることに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、3月30日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午前11時52分散会
前発言
次発言
19890208000010