平成18年(2006年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 12月18日
警察本部長(大平 修)
 

 県知事選挙における取り締まりについてお答えします。
 県警察におきましては、今回の県知事選挙に際し、選挙の自由と公正を確保すべく10月13日、警察本部と各警察署に取締本部を設置し、さまざまな違反形態を念頭に置きながら、悪質な選挙違反を重点とした取り締まりを実施してきたところであります。その結果、文書掲示違反、文書頒布違反等の行為に対し82件の警告措置を講じるとともに、現金買収、詐偽投票など4つの事件で合計25名を検挙し、うち5名を逮捕しております。
 県警察といたしましては、今後とも各種選挙において、選挙の自由と公正の確保に寄与するため厳正な取り締まりを行ってまいる所存であります。
 次に、那覇市松山で発生した放火殺人事件についてお答えします。
 本件は、以前交際関係にあった女性に復縁を迫るなどして女性がこれを拒んだことから、本年5月31日早朝、那覇市松山の飲食店内にガソリンをまいて火をつけて女性を殺害し、被疑者本人もやけどを負い、同年8月7日、収容先の病院で死亡したという事件であります。
 警察におきましては、本年5月23日、被害者から相談を受け、被害者に対してメール等の文言から立件が可能と判断された脅迫罪について、立件の方向で検討する旨説明するとともに、被疑者が何らかの行動に出た場合には直ちに110番通報するよう緊急時の連絡通報要領等について指導助言を行っております。
 なお、相談があった当日、被害者から、被疑者が自宅に来ているとの通報を受けて地域警察官が臨場し、被害者の父親と話をしていた被疑者に対し、暴力、ストーカー等の違法行為があれば逮捕する旨警告しております。
 さらに、事件化に向けて捜査を進めるため、5月25日、被害者の携帯電話に23日の相談の件で連絡してほしい旨伝言メモを入れたところ、5月27日、被害者から連絡があり来署したことから、再度詳細に事情聴取しております。
 その際、メールによる脅迫については事件化するとともに、被害再発防止のための警告を実施する旨説明したところ、被害者は、考えさせてくださいと即答を避け、帰宅後、被害者から、しばらく待ってください、何かあったら110番しますとの連絡を受けたことから、改めて緊急時の連絡通報要領等を教示するなどの指導助言を行っております。
 死亡した被疑者については、所要の捜査を遂げ、本年10月2日、現住建造物等放火、殺人・同未遂事件で那覇地方検察庁に書類送致しております。
 県警察といたしましては、被害者から相談を受け、被害者の意向を尊重しつつ捜査等を進めてきたものであり、責任を問われるべき事案ではないと考えておりますが、結果としてこのような痛ましい事件が発生したことに対する御遺族の心情を踏まえ、誠意を持って御遺族に対するカウンセリング等の支援を行っているところであります。
 今後とも、社団法人沖縄被害者支援ゆいセンター等と連携して、きめ細かな被害者支援を行ってまいる所存であります。
 以上であります。

 
20060504220070