平成16年(2004年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 7月12日
企画開発部長(花城順孝)
 

 沖縄返還協定に基づいて返還された土地の主な跡利用の状況についての御質問にお答えいたします。
 返還された34の基地のうち、那覇空港は国土交通省及び自衛隊に引き継がれ、第2種空港として利用されております。
 那覇空軍・海軍補助施設及び那覇第二貯油施設は、小禄金城土地区画整理事業、与儀土地区画整理事業等の実施により住宅地や商業用地等として活用されております。
 石川ビーチは市役所、保健所、公園等の公共施設用地や住宅地として、羽地陸軍補助施設が「名護いこいの村」として、渡嘉敷陸軍補助施設が「国立沖縄青年の家」として利用されております。
 奥訓練場は自然環境保全林、造林事業地や団体営畑地かんがい事業用地として利用されております。
 本部補助飛行場は農業的利用、学校用地、ゴルフ練習場、住宅地等として利用されております。
 新都心の跡利用についての御質問にお答えいたします。
 昭和52年から昭和62年にかけて段階的に返還された新都心地区の跡利用については、昭和63年3月に土地区画整理事業の都市計画決定がされました。平成4年度から都市再生機構――これは旧地域振興整備公団でございます――が施行者となって工事に着手しております。同地区は、過密な那覇市の中心市街地に近く、国道58号と国道330号に接し、モノレール駅も整備をされ交通の便がよく、商業地や住宅地としてポテンシャルの高い地区であります。返還から着工まで相当の期間を要しましたが、那覇市と地権者等が主体となって跡地利用に積極的に取り組んだ結果、市街化は比較的順調に推移をしております。
 次に、復帰後及びSACO実施後に返還をされた跡利用の現状についての御質問にお答えします。
 復帰後に返還された基地の跡利用の現状としましては、公共事業の用に供されている土地が約40%、個人・企業の利用に係るものが約18%、自衛隊の利用が約8%、米軍への再提供が約6%、保全地が約9%、及び利用困難地等が約19%となっております。
 SACO合意後返還され、跡利用計画が進んでいる施設は安波訓練場とキャンプ桑江北側地区等であります。安波訓練場は、国頭村の策定した「北部訓練場・安波訓練場跡地利用計画」に基づき、恵まれた自然環境を保全しつつ地場産業との連携をとりながら体験・滞在型の観光振興を図る取り組みが行われているところであります。
 キャンプ桑江北側地区等は、土地区画整理事業に向けた取り組みが行われているところであります。
 次に、軍転法、沖振法が跡利用に生かされている事例についての御質問にお答えします。
 「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」――いわゆる軍転法でございますが――に基づき、恩納通信所や嘉手納弾薬庫等の返還された基地の地権者に対し3年間の給付金支給がなされております。
 沖縄振興特別措置法には「国の責務」として、跡地利用を促進するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めると規定されています。それに基づいて大規模駐留軍用地跡地等利用推進費の補助により普天間飛行場跡地利用基本方針策定調査、読谷村の跡地利用実施計画策定調査等が実施をされております。
 キャンプ桑江北側地区等が沖縄振興特別措置法に基づき特定跡地に指定をされており、今後、特定跡地給付金の支給が見込まれます。
 次に、跡地利用における県と市町村の連携についての御質問にお答えします。
 沖縄振興計画に基づき平成14年8月に設置された「跡地関係市町村連絡・調整会議」等の場を活用し、県と跡地関係市町村との密接な連携を図り、跡地利用の促進及び円滑化に努めております。同会議においては、個々の跡地の課題の解決に向けた取り組みや跡地対策協議会への市町村の意見の反映等について県と市町村の連絡調整が行われております。
 次に、跡利用への法律の適用についての御質問にお答えします。
 那覇新都心や小禄金城地区では、都市計画法に基づき用途地域及び道路、公園等の都市計画の決定、土地区画整理法に基づく土地区画整理事業、文化財保護法に基づく埋蔵文化財の調査等が実施をされております。読谷村の射撃場跡地においては、農業振興地域の整備に関する法律に基づく農業振興地域の指定、農用地区域編入、土地改良法に基づく基盤整備等が行われております。事業実施に当たっては、沖縄振興特別措置法に基づき高率補助が適用されております。
 次に、キャンプ桑江北側等の跡利用の進捗状況についての御質問にお答えします。
 北谷町キャンプ桑江北側等については平成15年3月に返還され、現在、国による原状回復措置が進められております。同年10月には、沖縄振興特別措置法に基づく特定跡地に指定をされております。北谷町では、土地区画整理事業の実施に向け平成7年度から埋蔵文化財の範囲確認調査を進め、平成14年3月に土地区画整理事業の都市計画決定を行っております。平成15年度には事業認可を受け、平成16年度は埋蔵文化財調査や設計業務を進めているところであります。
 次に、恩納通信所の跡利用の進捗状況についての御質問にお答えします。
 恩納通信所の跡利用については、平成14年4月に「沖縄亜熱帯計測技術センター」がオープンし、平成18年度には「ふれあい体験学習センター」が完成予定となっております。恩納村では、今後の跡利用についてことし2月に地権者や地元関係者等で構成する「恩納通信所跡地利用計画検討委員会」を設置し、沖縄科学技術大学院大学関連施設の誘致可能性の検討や地権者の意向集約を図りながら進めていくこととしております。
 次に、北部振興事業のプロジェクトチームと将来の展望の具体化の必要性についての御質問にお答えをいたします。
 北部振興事業の推進を図るため、北部12市町村においては、北部広域事務組合に北部振興対策室を設けております。県においては企画開発部に北部振興班を設けるとともに、北部駐在として2名の職員を配置しております。また、北部12市町村と県で構成する北部振興推進連絡会議を設置し、北部振興事業等の円滑な推進を図っております。国においては、内閣府沖縄担当部局に北部振興の担当が配置され、それぞれが緊密な連携を図りながら、北部振興事業基本構想に基づく事業の着実な推進に努めているところであります。
 同じく北部振興事業についての住環境の整備についての御質問にお答えします。
 定住人口の増大に必要な住環境の整備につきましては、北部振興事業基本構想に基づき上下水道、道路、公園等を整備することとしております。これまで名護市宇茂佐地区の公共下水道事業や緑のネットワーク広場事業が完了し、現在、同市宇茂佐地区と県立北部病院を結ぶ市道外郭線の街路新設、恩納村の赤間運動場等の整備に取り組んでおります。今後とも、地元市町村と国、県が連携し、住環境の整備に努めてまいります。
 次に、北部振興事業の公共・非公共の見直し、中間的な総括、着実な推進についての御質問にお答えします。
 北部振興予算は、非公共枠、公共枠に分かれており、非公共枠は市町村事業を中心とする北部振興事業制度として創設され、公共枠は公共事業推進費として位置づけられております。道路、公園、住宅等の公共事業は、北部地域の観光や農林水産業等産業の振興と生活環境の向上に寄与し、定住人口の増加に重要な役割を果たすものであり、非公共事業とあわせて相乗効果が発揮できるよう整備していきたいと考えております。
 北部地域の振興につきましては、北部振興事業基本構想に基づき公共及び非公共事業予算の枠内で事業を着実に進めていくことが重要であると考えております。
 以上でございます。

 
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