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平成16年(2004年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 12月13日
知事公室長(府本禮司)
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領海侵犯ととり得る措置について一括してお答えいたします。
国際法上、領海には沿岸国の主権は及ぶものの、すべての国の船舶は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず沿岸国の平和・秩序・安全を害しない限り領海での通航権を保障されるとされており、その権利が無害通航権であります。
領海が侵犯された状態とは、沿岸国の平和・秩序・安全を害しないと認められない状態で、沿岸国の領海内を沿岸国以外の船舶が通航することだと考えております。潜水艦による領海の通航に際しては、国連海洋法条約第20条において「潜水船その他の水中航行機器は、領海においては、海面上を航行し、かつ、その旗を掲げなければならない。」とされており、当該行為を求めること、あるいは領海外へ出るよう求めることがとり得る措置であると考えております。
次に、海上警備行動に関する出撃基地等についてお答えいたします。
海上自衛隊に確認したところ、今回の海上警備行動に関し、佐世保基地から護衛艦「くらま」と「ゆうだち」の2隻が出動し、航空自衛隊那覇基地から対潜哨戒機が出動したとのことであります。また、航空自衛隊にも同様に確認したところ、浜松基地から延べ7機の早期警戒管制機が出動したとのことであります。
次に、防空識別圏及び飛行情報区についてお答えいたします。
防空識別圏とは、これにより領空や領土の限界、範囲を定めるという性格のものではなく、国の防衛上の要求から設定されている領域を示すものであります。
飛行情報区とは、飛行する航空機に対して、安全で効率よい航行を確保するために各国が責任を持って航空交通管制業務、飛行援助業務、航務業務を行うものであります。防空識別圏と飛行情報区は、それぞれの目的に応じて領域の範囲が示されているものであります。
次に、与那国島を分断する防空識別圏の影響についてお答えいたします。
我が国の防空識別圏が与那国島上空で区切られ、空域の一部が防空識別圏外にあり、与那国空域の安全性を確保する上で支障があると考えております。県としては、防空識別圏の問題は政府レベルで解決を図る必要があると考えており、去る10月に町村外務大臣及び小池沖縄及び北方問題対策担当大臣に問題解決に取り組んでいただくよう要請したところであります。
次に、原子力潜水艦の軍事的な任務等につきましてお答えいたします。
主要な任務としては、戦略パトロール、対艦・対潜水艦攻撃、巡航ミサイルでの対地攻撃、機雷の敷設、偵察・情報収集任務、特殊部隊の支援任務などであるとされております。
次に、中国の軍事費の状況把握についてお答えいたします。
中国の本年度の国防費は、本年の全国人民代表大会において前年度と比較して218億3000万元増加し、伸び率は11.6%増とすると発表されました。国防予算の総額については明らかにされておりませんが、当初予算の前年度比率で比較していきますと、16年連続で10%以上の増加になっているものと承知してございます。
次に、海上自衛隊護衛艦の常駐についてお答えいたします。
我が国の防衛政策は、相互依存関係を深めている国際社会の現状を踏まえ、外交努力、みずからの防衛努力、日米安保体制の堅持などさまざまな施策を総合的に講じること等としております。御指摘の点については、我が国の安全保障体制について検討していく中で今後議論されていくことと思います。
次に、日米地位協定第17条、18条についてお答えいたします。
日米地位協定第17条は、米軍人が公務外に起こした事件・事故は、日本側に裁判権があるなどの米軍人等の犯罪に関する刑事裁判権と身柄の引き渡し等について規定しております。日米地位協定第18条は、米軍が公務執行中に与えた損害や、交通事故などの米軍人等が公務外で与えた損害等の損害賠償請求権等について規定しております。県が要請している日米地位協定第17条及び第18条の抜本的見直しに関する協議が行われるとした場合に、米側が何を要求してくるかは現段階で予見することはできません。
次に、地位協定改定の法的手続についてお答えいたします。
行政協定の締結や改定の法的手続は、一般的には両国政府の合意を受け、閣議決定を経て署名し効力が発生することになります。日米地位協定の改定については、外務省によりますと、我が国においては、日米安全保障条約に基づく行政協定である日米地位協定は国会の承認を得て締結された国際条約であることから、その改定に当たっても国会の承認を得ることになると思われるとのことであります。
一方、米国においては、現行の日米地位協定は、その発効に当たっては上院の承認を必要としない行政府限りで締結し得る国際条約として取り扱われております。しかしながら、改定に当たっては、政治的重要性等を踏まえ、上院の承認の要否が決定されるものと考えるとの外務省の見解であります。
以上でございます。
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20040607030080