平成15年(2003年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 6月27日
教育長(山内 彰)
 

 4月1日付で教育長を拝命いたしました山内でございます。微力でございますが、本県教育の充実・振興に誠心誠意取り組んでいきたいと思いますので、先生方の御指導、御助言をよろしくお願いいたします。
 幼稚園と保育所の一元化についてお答えいたします。
 従来、幼稚園は学校として、保育所は乳児・幼児を保育する児童福祉施設としてそれぞれの目的や役割を果たしてきました。しかし、近年、両者の保育内容が均質化していることなどから、文部科学省は、幼稚園と保育所の特性を生かしつつ、多様な教育・保育サービスを提供できる柔軟な取り組みを推進することが必要であるという基本的な考え方を示しております。
 一方、地方分権改革推進会議では、幼稚園と保育所の一元化が提言されております。
 県教育委員会は、幼稚園と保育所のあり方等について関係部局等と論議を進めてきたところでございます。今後は、幼稚園と保育所の一層の連携を深めるとともに、幼稚園と保育所の一元化については国の動向を見据えながら関係機関等と調整を図り検討していきたいと考えております。
 民間人校長の募集状況とその背景についてお答えします。
 県教育委員会では、平成16年度より公立学校において民間人校長を任用するため全国公募を行いました。その結果、全国から52名──県内29名、県外23名の応募者がありました。内訳は、小学校が18名、中学校が16名、高等学校が18名となっております。
 民間人校長を導入する背景としましては、民間の経営感覚や斬新な発想により教育界に新風を吹き込むことが期待されること、民間の幅広いネットワークを生かした地域や企業等との連携が期待できること、また特色ある学校づくりと組織的・機動的な学校運営を行うため、総合的なマネジメント能力を活用することにより、既存校の校長への大きな刺激になることが挙げられます。
 民間人校長へのバックアップ体制と信頼関係の構築についてお答えします。
 県教育委員会では、民間人校長に対して事前研修として6カ月程度県の総合教育センター等において、学校運営のあり方や教職員との信頼関係の構築等について即戦力を培う総合研修を行うことにしております。また、学校現場での体験研修等を通して学校経営感覚を充実させていきたいと考えております。さらに学校への配属に際しては、学校の選定や職員配置等人事面での支援や学校配属後における学校訪問を適宜実施し、相談・支援体制を整えるなど適切なバックアップに努め、学校現場での信頼関係が構築できるように支援していきたいと考えております。
 次に、障害児教育に地域差が生じない対策についてでございますが、お答えします。
 平成14年4月の学校教育法施行令の一部改正により、就学手続の弾力化が図られ、市町村教育委員会は、障害のある児童生徒で特別な事情があると認めた者について「認定就学者」として小中学校に就学させることができるようになっています。就学の認定については、施設の整備、専門性の高い教員の配置、通学時の安全性などの事情を考慮して保護者と市町村教育委員会が相互に理解し進めていくことが重要であると考えております。

 県教育委員会としましては、適切な就学指導の促進が図られるように就学指導必携を作成するとともに、「市町村等就学指導担当者研修会」及び県内4地域で「就学指導地方研究協議会」等を開催し、地域差が生じないよう市町村教育委員会を指導・助言しているところでございます。
 施設の対応についてお答えします。
 障害者に優しい開かれた学校を実現するため、「沖縄県福祉のまちづくり条例」の趣旨に基づき学校施設のバリアフリー化に努めているところであります。平成15年5月1日現在の整備状況は、市町村立小中学校でエレベーター設置が22校、スロープ設置が103校、身障者用トイレが127校に設置され、県立学校ではエレベーター設置が17校、スロープ設置が44校、身障者用トイレが46校に設置済みであります。今後、市町村立学校においては、市町村教育委員会と連携を図りながら、施設のバリアフリー化の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、県立学校においては「福祉のまちづくり県立施設整備計画」に基づき平成14年度に特殊教育諸学校、平成15年度は普通高校、平成16年度には専門高校について計画的に整備を進めているところであります。
 なお、障害のある生徒の県立高校への入学に際しましては、体験入学等を通して安全面に考慮した適切な施設の整備、改修を行っております。
 介助員の配置についてお答えいたします。
 障害を持つ児童生徒の公立小中学校への就学については、特殊学級への入級を基本としており、そのための教員配置については義務標準法に基づき定数措置がなされております。
 介助員の配置については市町村の事業としてなされており、現在、那覇市、浦添市、沖縄市など18市町村で実施されております。
 なお、県教育委員会としましては、学校教育補助者配置事業等を活用し、可能な範囲で補助者配置に努めているところでございます。
 以上でございます。

 
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