平成15年(2003年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 12月 1日
観光リゾート局長(宜名真盛男)
 

 まず、国際観光保養特区で認められた内容と効果についての御質問にお答えをいたします。
 構造改革特区の第2次提案として韓国、台湾及び香港からの団体観光旅行客に対するノービザ制度を提案いたしましたが、結果としてノービザ制度ではなく、ビザ発給の条件緩和が認められております。その内容といたしましては、韓国人の修学旅行及び団体観光客に対してビザの発給時に住民登録証明書や在職証明書等を不要とする提出書類の簡素化となっております。しかしながら、県といたしましては、この簡素化措置でどれほどの誘客効果が得られるのか懸念をしており、特区の指定申請を保留しているところであります。
 次に、観光客増加の要因についてでございます。
 本県への観光客数が増加した主な要因としては、官民挙げての積極的な誘客キャンペーンや「美ら海水族館」など話題性のある大型観光関連施設の開設、九州ブロックPTA研究大会やトヨタ世界大会などの大型コンベンションの開催、海外旅行減少の影響、修学旅行の増加などが挙げられます。また、新規航空路線の開設や提供座席数の増加など航空路線の拡充による輸送力の増加も観光客数の増加要因として挙げられます。さらに、テレビなどマスコミによる沖縄の露出拡大やエイサーなどの伝統芸能に対する認知度の向上、離島志向の高まり、健康志向による沖縄への関心の増大など、全国的な沖縄ブームによる需要の拡大も増加要因として考えております。
 次に、オーバーブッキングの打開策についてお答えをいたします。
 ことしの夏場に多くのホテルでオ-バ-ブッキングが生じましたが、その原因としては、これまでにない大幅な観光客の増加に対し、ホテル側の従来の経験に基づく客室の運用方法では十分に対応できなかったことがあります。こうしたオーバーブッキングは観光客に不満を抱かせ、沖縄観光のイメージ低下につながることから早急に改善すべき課題であります。このため県におきましては、今後このような事態が再び繰り返されることのないようホテル業界等関係者に対し、改善について申し入れるなど対策を行う考えであります。
 次に、北部の観光振興についてでございます。
 「美ら海水族館」の開館以後、沖縄記念公園入園者数も大幅に増加しているほか、本部町内の飲食施設や宿泊施設の利用客数なども増加しており、周辺地域への波及効果が着実にあらわれております。しかしながら、今後「美ら海水族館」効果を北部全域に波及させていく必要があります。そのため県といたしましては、ヤンバル地域をゆっくり楽しんでいただける旅行商品の造成促進や、ヤンバルの豊かな自然や伝統文化等の地域資源を生かしたエコツーリズムや健康・保養型観光など、体験・滞在型観光の受け入れ体制の構築を図るとともに、市町村や各観光関係団体等で組織している「やんばる連絡協議会」との連携を図り、ヤンバル全体の観光振興を図ってまいりたいと考えております。
 次に、全天候型観光闘牛場の建設支援についてであります。
 全天候型観光闘牛場の設置につきましては、闘牛組合を初め地元関係者が中心となった推進体制の確立及び事業計画の策定など基本的な課題があり、地域一体となった取り組みが不可欠であります。県といたしましては、こうした地域の主体的な取り組み状況を踏まえつつ、多様なエンターテインメントの創出の観点から必要な支援を検討していく考えであります。
 なお、石川市においては、国の補助事業として石川イベント広場に全天候に対応したドームを設置し、闘牛を含めたイベント等に活用すると聞いております。
 以上でございます。

 
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