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平成17年(2005年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 12月 5日
瑞慶覧 朝義
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ただいまから一般質問を行います。
まず1点目に、米軍再編問題についての質問であります。
①、普天間飛行場の移設先として、去る10月29日に発表されました中間報告によるキャンプ・シュワブ沿岸域は、1966年1月に米海兵隊による1500メートル掛ける730メートルの飛行場建設計画と全く一致する場所であります。
そのことは何を意味するか。米軍が40年間も思いを寄せていた飛行場建設計画が、米軍再編を期に日本政府の協力によって我が国の予算で県民を全く無視して飛行場を建設しようとすることは到底許せるものではありません。しかも今回は1800メートルに延ばし、さらにL型にして大浦湾にせり出して軍港まで一緒につくろうとする魂胆を皆さんは許せますか。
大浦湾は希少生物の宝庫であります。そこはユビエダハマサンゴの大群落を初め絶滅危惧種で「レッドデーターおきなわ」に掲載されておりますトカゲハゼが生息しており、大浦湾は北限になっております。また、最近発見され、国内で初めて映像が公開されました歩くサンゴで有名な水晶ガイに固着して共生しているサンゴのキクメイシモドキやジュゴンが生息する場所としても知られております。
このように大浦湾は生物の多様性が極めて高い地域であります。また、辺野古沿岸域とともに環境省が「日本の重要湿地500」に2001年12月に指定した地域でもあります。
このような重要な地域でありながら、去る11月17日、防衛庁の木村太郎副長官に10月30日の県民大会の決議文を手交した際、防衛庁職員の普天間飛行場対策本部・総合調整室、移設特別作業チーム長の前田清人氏の発言によりますと、大野前防衛庁長官が、大浦湾を調査したが希少生物は生息していないとした発言の根拠については、平成12年の調査結果によると言っておりました。大野前長官は、5年前の調査に基づいての発言をしたことになります。責任ある立場の防衛庁長官の発言としては何とも無責任でお粗末な発言としか言いようがありません。
日米両政府によって普天間飛行場の移設先をキャンプ・シュワブ沿岸域として県民の頭越しに合意したことは、自然保護や環境保全の面からも到底許されるものではありません。日米両政府がやるべきことは、戦後60年間も沖縄県民に押しつけた基地の重圧から県民を守り、基地の整理縮小・撤去をすることであります。
①、去る6月23日の沖縄県慰霊祭のとき小泉総理は戦没者の前で、沖縄の問題は全国の問題である、沖縄の負担軽減に努めると言った。また、いざ本土に移そうとしたら総論賛成、各論反対で引き受けるところがないと言われたが、そのことは戦没者に対しても総理大臣がうそを言ったことになります。一国の総理大臣の発言とは思えません。沖縄なら基地を押しつけてもいいということなのか。これからさらに50年あるいは100年間も基地を固定化することになり、まさに平成の琉球処分ではないか。
知事は、実質、SACO合意が破綻し、中間報告で日米が合意したキャンプ・シュワブ沿岸案に対して、防衛庁長官や外務大臣が理解を求めて知事と会談をしましたが、キャンプ・シュワブ沿岸案にははっきりと拒否をしておられることについては一定の評価をするものであります。
県民の90%以上が辺野古への基地建設に反対を表明しており、また普天間飛行場の移設については、県外、国外、無条件返還すべきだとのことも合わせますと、85%以上の県民が支持する世論調査の結果が出ております。中間報告の内容を支持する県民はわずか7%しかおりません。普天間飛行場は早期に県外、国外へ移設せよということがまさに県民の総意であります。 今後とも、普天間飛行場の移設については知事の考え方に変わりはないとはっきり県民の前で明らかにしていただきたいと思います。知事の御答弁を求めます。
②、嘉手納基地以南の米軍基地をキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンを中心とする北部地域に集約移転することを合意したと発表しましたが、普天間飛行場の辺野古沿岸域への移設が条件という絡みもあり、まさに移設条件つきパッケージ論になっております。日米両政府は7000人の海兵隊の削減も含めて振興策などをちらつかせて沖縄県民を北と南に分断しようとする工作でしかない。沖縄県民は、振興策というあめをちらつかせたらいつでも食らいつくと思ったら大間違いである。
今回の北部への基地の集約化について知事の御見解と、返還される予定の基地、それぞれの内容について伺いたい。
③、在沖海兵隊のグアム移転費用が約1兆700億円必要とされていることについて、政府は、主権が及ばない外国でアメリカの軍事基地をつくるのに特別立法してまで費用負担を対処する方針のようだが、そのことは今後米国の戦費の肩がわりをすることにもなりかねないと大いに気になるところであります。政治学者や識者、平和運動団体の皆さん方も強い懸念を訴えております。
三位一体改革のもとで地方への財政はほとんど削られ、教育や福祉、医療費などは切り捨てられて国民には増税を迫って弱者切り捨ての我が国の政府は、法律を変えてまで米軍に対して巨額の財政負担をするというやり方には国民はただ黙ってはおりません。到底許されるべきことではないと考えますが、知事の御見解はいかがでしょうか、御答弁を求めます。
④、政府は、キャンプ・シュワブ沿岸案実現に向けて、現在県知事が実権を握っている公有水面の使用権限などを県知事から取り上げて国に移し、特別措置法を検討しているとされておりますが、沖縄県民を犠牲にしてまで政府の強権的なやり方は国の横暴としか言いようがありません。知事はそのことについてどのような御見解かお伺いいたします。
⑤、今回の米軍再編における日米両政府のたくらみは、基地の県内たらい回しに反対し、基地の整理縮小を願う県民意思を踏みにじり、沖縄を未来永劫米軍の出撃基地として固定化し、古くなった基地を最新鋭の基地に私たちの血税を使ってつくりかえ、米軍の戦略拠点として仕立て上げるための再編強化策であることは明らかであります。
沖縄はアメリカの植民地ではありません。沖縄は無人の島でもありません。沖縄は135万県民が住んでいるかけがえのない島であり、ふるさとであります。我が党の当山議員が、知事が先頭になって超党派による県民大会を開くよう質問したことに対して、知事は、各会派、婦人団体など、あらゆる団体を網羅して開く必要があるという答弁がございました。そのことを実現するためにまず知事が率先してやるべきことは、自民党議員団を説得していただきたいことであります。
自民党の代表質問をされた方も党を挙げて知事を支えると言ったではありませんか。今こそ県議会各会派が一丸となって県民の総意にこえるべく超党派による米軍再編における中間報告に反対する県民総決起大会を開催して、この屈辱的な県民侮辱に満身の怒りを込めて日米両政府に抗議すべきときだと考えますが、いかがでしょうか。知事の御見解を伺いたい。
2点目に、返還跡地利用と基地従業員の身分保障についての質問でございます。
①、軍雇用員の基地返還後の身分保障については、当然国が保障すべきだと考えますが、どうでしょうか。
現在、軍雇用員の職種は1600種あると言われておりますが、その職種が民間においてすぐに機能発揮できるとは限らない。返還予定地の軍雇用員に対しては早い時期から職業能力訓練の実施などを行えるような法整備をすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。御答弁を求めます。
②、現在の日米地位協定のもとでは返還前の環境調査についてはなかなか実現しないのが現状であります。そこで、普天間飛行場の返還に伴って、仮称環境公社を立ち上げて、引き続き雇用をすることによって現在の基地従業員数をはるかに上回る雇用形態がつくれると考えますが、どうでしょうか。御見解を伺います。
③、返還跡地のまちづくりで、那覇新都心、小録金城町などの返還前と返還後の雇用効果、経済効果、税収効果などについて具体的に伺いたい。
例えば、北谷町ハンビー地域36.4ヘクタールや、メイモスカラー地域25.2ヘクタールにおける返還前と返還後の比較から申し上げますと、税収効果においては、ハンビー地域で平成15年度分によりますと、従前の基地関連収入に対して88.5倍、メイモス地域で56.6倍の税収効果があります。経済波及効果で見るとハンビー地域で77.5倍、メイモス地域で18.9倍の経済波及効果が認められております。
また、雇用効果においては、現在ハンビー地域での従業者数が2112人で、メイモス地域が1278人の雇用者数になっており、当時の軍雇用員の数とは比較にならないほどの雇用効果が出ております。
④は①と内容が似通っておりますので削除いたします。
3点目に、宮城ゼロ番地における火災事件についての質問でございます。
①、去る11月19日の火災原因は、国有地内で県の管理地である同敷地内で不法に土地を占有しているリサイクル業者が、ドラム缶で廃材を燃やしていて強風にあおられ野積みしてある廃タイヤに飛び火したとされておりますが、まずドラム缶で廃材を燃やすことについては、周辺にダイオキシンをまき散らすことになり問題だと思われますが、違法性はないかどうか伺いたい。また、火災事件そのものに対する事件性は何も問われないのかどうかについても御答弁をいただきたい。
②、この一帯は、平成11年11月には当時の南商会が2500トンものごみの不法投棄事件があり、平成14年1月には廃自動車200台が燃える火災が発生しております。過去10年間で実に10数回もの火災事件が発生しております。また、ことし7月には沖縄市白川のフリーマーケットが移動してくるという騒動もあった地域でございます。
当該地は国有地であり、2万7000平米もある県の管理地であります。そこを不法に占拠されているわけであります。現在、建物の撤去と土地の明け渡しをめぐって裁判中だと聞いておりますが、裁判の状況と結審のめどについてはどのようになっているか伺いたい。
③、この地域は砂辺区になっておりますが、御承知のように砂辺地域は昼夜を問わず嘉手納飛行場の爆音に悩まされ、爆音被害が県下で一番激しい地域でございます。また、区民憩いの場である公園の隣地2万7000平米もの広大な土地が、現実に国有地であり県の管理地でありながら、今日までさまざまな事件が発生していることに自治会長を初め地域住民はこのままでは我慢できないと怒りを抑え切れない状態に来ております。
去る11月8日に行われました中部市町村と県土木建築部行政懇談会の中で北谷町から、北谷町宮城無願埋立地における事件・事故を防ぐために管理を徹底してもらいたいとする要望書が提出されました。県土木建築部から8日には回答書をいただいたばかりでありますが、そのやさき、19日にはまたしても火災事件が起きてしまいました。県の管理地内におけるたび重なるこの種の事件を北谷町民としてはどうしても許すことはできません。今後、徹底して不法占拠者に対する対策をとっていただきたいと考えますが、県はいかなる手法を検討されているか、御答弁をいただきたい。
④、現在、土地を占拠している彼らは廃棄物処理の資格あるいは免許証を持っているのかどうかについて伺いたい。北谷町としては一日も早くこの問題を解決してこの土地を有効に活用したいと願っております。御答弁よろしくお願いします。
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20050605180080