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平成16年(2004年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 2月27日
砂川 佳一
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先ほどまでは北部ヤンバル地域の課題でありましたが、今度はさわやかな南の島の風を吹かせたいと思います。
沖縄の島々は、海洋資源と国土保全の守り神です。そしてそこに住む島ンチュの心は沖縄の宝であります。島々の個性あふるる自然、文化、伝統を生かし、農水産、観光、人づくり、地場産業の創出・育成こそ沖縄の持続的振興・発展の源であることを主張しつつ質疑を行いますが、その前に、去る2月20日、県管理空港下地島空港に、よそ者で招かれざる客、米軍輸送機が我が物顔で飛来したことに地元住民として手も足も出せないふがいなさといら立たしさ、情けない思いを通り越して怒りを感ずるものであります。宮古圏域振興・発展の戦略の柱である下地島空港に傷をつけないためにも、早急に日米地位協定の抜本的見直しを強く求めるとともに、下地島空港周辺県有地を核とした圏域振興計画の具体的な推進が重要だと痛感させられます。
さて、本題に戻ります。
1、天皇・皇后行幸啓関連。
平成16年1月24日、25日の宮古島地方はこの冬一番の寒さとなったが、島全体は天皇・皇后両陛下の歓迎の熱気で包まれました。各地の沿道には多くの人たちが詰めかけ、日の丸の手旗を振って両陛下の初来島を喜び、島はこの両日歓迎ムード一色となりました。天皇・皇后両陛下の御来島は宮古圏域の住民に大きな感動と励みを与え、ことし一番の記念すべき有意義な行幸啓でありました。随行なされた知事におかれましても心に残ることが多々あったことと推察いたします。
そこで、宮古・石垣随行視察での御感想、御所見をお聞かせください。
また、行幸啓行事を無事安泰に遂行された県警察当局に信頼の賛辞を送り、敬意を表するものです。ここまで大変な御苦労があったと思いますが、そのときの回顧談などをお話いただけたらと思います。
それにしても今回の経験からして宮古における警備が地域住民の協力はもとより、安全・安心の警備体制が組みやすい島であることを再認識したと思います。
警察本部長、成功要因などを含めた概要報告を通告はしておりませんけれども、よろしくお願いいたします。
そして国立療養所宮古南静園では、納骨堂で両陛下が白い菊の花束を献花し、施設で亡くなった人たちのみたまを慰められ、入所者に対して、こちらでの生活はどうですか、お体を大切にしてくださいなどと気遣いの言葉をかけられております。その宮古南静園では将来のあり方に対する論議が大詰めを迎えています。県は、そのことに関してどこまで認識されているのか。宮古南静園将来構想について県の考え方を伺います。
さらに、天皇・皇后両陛下は、さきの台風被害からようやく立ち直りかけた城辺町の「ティダファームたらま」を訪れ、ハウス内で栽培されているゴーヤーやピーマンなどの生育状況や選別作業などを視察されました。地下ダムの仕組みも熱心に質問され、地下ダムが建設されて若い人たちが農業に関心を持っておられるようですねと話されております。
実はそれ以後、「ティダファームたらま」農園には県内外から引き合い、問い合わせがふえているとのことで、両陛下の視察効果に関係者一同、喜びと感謝とともになお一層のやる気を出しているところであります。県としても流通を初め保冷コンテナ整備などの課題解決に取り組むことが必要だと考えますが、離島における施設園芸の今後の課題とその方策について伺います。
さらに、地下ダムを複合的に活用した事業として城辺町が進める「亜熱帯農業開発拠点整備構想」について県の指導・支援策はどのように進められているのでしょうか、お伺いいたします。
2、環境問題、とりわけ離島における環境問題の中でも放置自動車の処分、野積み廃自動車の処分、農業用ビニール及び廃プラスチックの処分、汚染性医療器具等の処理については離島であるがゆえの抜けがたい特殊事情が横たわっております。それは中古自動車の最終墓場と言われているように中古台数が極めて多く廃車の発生率が高いこと、平成11年の火災事故以来、廃棄物処理場が閉鎖されたこと、最終処理を沖縄本島に運送することなどが重なり合って不法放置、不法投棄の誘発原因となっているのであります。しかもその不法放置場所が海岸沿いに多く発生しているから、観光資源の景観を損なうばかりでなく、住民の暮らしに多大な影響を及ぼしかねません。
加えて、宮古での一般廃棄物の焼却施設が6年で耐用年数を迎えるなど早急な対応策が求められていることから、切実な思いを込めてお尋ねいたします。
県内離島、特に宮古における産業廃棄物処理、一般廃棄物、医療廃棄物などの適正処理施設の整備について、私の9月議会での代表質問では沖縄特別振興対策調整費の活用も含めて進めるとのことでしたが、その後どのように展開されているのでしょうか、お伺いいたします。
続いて、廃自動車リサイクルシステム構築事業についてその内容説明、モデルケースとして宮古圏域で進めるとのことですが、その予算額と効果、今後のスケジュールについてお伺いいたします。
さらに、島嶼型ゼロエミッション推進実施事業についての概要説明もお伺いいたします。
3、教育委員会が推進する県立高校編成整備計画は、沖縄県の次世代に未来を託す重要な戦略的課題でありながら、議論がいまだ沸騰していない感がして多少の懸念を抱くものであります。少なくとも編成計画に当たっては、人づくり百年の大計の原点が大切で財政的視点が優先であってはならないし、地域関係者にとっては次世代に夢を託せる県立高等学校教育を強く求めているところでありますから、ましてや地域関係者との合意形成は車の両輪のごとく進めなければならないと考えます。
多面的、長期的、根本的な視点で議論することを期待し、以下の質問をいたします。
編成整備計画の進捗状況を伺います。
学科編成、学級数、新設学科の方針案について伺います。
現有敷地及び施設、それぞれの実習用農地などの組み合わせはどうなりますか。
地域関係者、各団体等への合意形成のための作業手順はどのようにして行われる予定でしょうか、お伺いいたします。
4、「県立病院の今後のあり方検討委員会」の報告と県立宮古病院の役割、使命、あり方について以下質問をいたします。
①、「県立病院の今後のあり方検討委員会」の幹事会報告では、県立病院の役割として地域の役割分担を図りながら急性期医療を提供するとなっているが、県立宮古病院は地域の中核病院として急性期医療を担うためにどのような整備をされているんでしょうか。特に医療機器、医師の確保、地域との連携について伺います。
②、昨年、台風14号の被害状況とその復旧・修復を通しての教訓として災害拠点病院としての建物や機能は十分なんでしょうか。
③、このたび開設された精神科作業療法室の役割について、また宮古病院での精神障害者に対する社会復帰支援体制はどのように整備されているか、伺います。
④、宮古圏域の医療需要調査がなされ、平成14年3月に報告書が出されているが、その報告書で、宮古から那覇地区での医療を受けざるを得ない状況が把握できたと思います。沖縄本島と離島との医療格差をどのように考えているのかお伺いいたします。
⑤、その医療格差を少しでもなくすためにはどうしても移転・新築による病院機能の充実が絶対必要不可欠であります。宮古病院の新築・移転に関しては知事や病院管理局長の議会での答弁にもあるように、高度・多機能新病院の建築後となっておりますことからもう立ち上げの時期に来ています。いつから、どのようにして宮古病院に関する基本計画構想を発表するのか。また、地元でつくった宮古病院将来構想検討委員会の答申をどのように生かしていくのか、ぜひ明確な答弁を求めます。
5、台風14号襲来にちなんでのグリーンベルト構想についてです。
近年の宮古地域の森林・林業を取り巻く情勢が、土地利用の変化に伴って森林面積が減少し、森林の持つ水資源涵養、地域環境保全等の各種機能が低下したことから、潤いのある地域環境の整備のため緑化を推進、森林資源造成のための造林の推進、農地防風林の造成等の機運を高める必要があります。
宮古地域の森林は地域面積15.5%と面積が少なく、かつ所有規模が小さいこと、無立木地──木のない場所──が大量に存在していることや、人工林が育成途上にあること及び地形が平地型であること等から、塩害、風害、干ばつ等の被害を受けやすいため積極的な森林の造成と保全を図り、公益的な機能の発揮に努める必要が求められております。とりわけ保安林は森林面積の40.8%の指定率となっているが、その88.1%を占める塩害・風害防備保安林はモクマオウを主体とする林相で構成されており、モクマオウ林が老齢過熟林分へ移行しつつあることや、長年の塩害、風害により荒廃移行地が出現していることから、林種転換等を図ることにより保安林機能強化をする必要になってきております。
実は、この少ない保安林であっても台風14号の被害に保安林のある地域とない地域の差が大きく実証されております。このことを教訓に森林面積の増大を図り、水資源涵養地域環境保全、農林水産業の活性化、観光・リゾート産業への貢献などの機能発揮が期待されるグリーンベルト計画構想についての現況報告と今後の取り組みスケジュールを伺います。
6、多良間村は、宮古本島から約67キロメートル南方に位置した離島の中の離島と称される島であります。交通手段としては海路と空路しかなく、特に海路は村民の生活物資の輸送で毎日毎日日帰り運航を行い、村民の生活路線として大変大きな役割を果たしております。
しかしながら、現在就航しております「フェリーたらま」は建造から22カ年が過ぎ、老朽化が目に見えて進んでおります。中でもエンジンの故障が多く、就航中に故障して平良港に引き返すこともあり、地域住民に大きな不安が持たれています。また、日常の運航時間も従来の2時間10分から2時間40分以上も要して欠航日数も多くなっており、安全運航、運航時間の短縮が切実な願いであります。
さらに、石垣─多良間、宮古の各離島間の周遊観光の創出など、離島振興活性化を図る上で「フェリーたらま」の新造船建造が急務と考えます。県の取り組みをお伺いいたします。
以上、とりあえず質問いたします。
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20040108040140