平成16年(2004年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 10月13日
文教厚生委員長(金城 勉)
 

 ただいま議題となりました乙第5号議案から乙第8号議案まで及び乙第13号議案の5件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、教育長及び病院管理局長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 まず、乙第5号議案から乙第8号議案までの「工事請負契約について」は、沖縄県立博物館新館・美術館新築工事の建築1工区から建築3工区まで及び展示工事に係る請負契約について議決を求めるものである。
 建築1工区については、契約金額が21億4725万円で、契約の相手方は上門工業株式会社・有限会社大協建設・株式会社町田組特定建設工事共同企業体である。建築2工区については、契約金額が18億7800万4800円で、契約の相手方は株式会社大米建設・株式会社東江建設・株式会社富士建設特定建設工事共同企業体である。建築3工区については、契約金額が23億1000万円で、契約の相手方は金秀建設株式会社・株式会社沖創建設・株式会社野原建設特定建設工事共同企業体である。展示工事については、契約金額が24億450万円で、契約の相手方は株式会社トータルメディア開発研究所であるとの説明がありました。
 本案に関し、施設の身体障害者対策はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、施設建設に当たってはハートビル法、沖縄県福祉のまちづくり条例及び那覇市の福祉のまちづくり条例の3つの法則に定められた整備基準に適合させるよう関係機関と調整している。さらに関係団体からの意見や要望も聴取しており、工夫に努めているとの答弁がありました。
 次に、建設の1工区から3工区までは県内業者が落札し、展示工事は県外業者が落札しているが、その理由は何かとの質疑がありました。
 これに対し、建設工事は「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」や「大型プロジェクト建設工事発注方針」に基づき入札を行った結果、県内業者が落札した。展示工事は、国内で国立や県立の博物館の展示工事を施工できる業者が3社から5社と限られており、しかもすべて県外業者であることによるとの答弁がありました。
 次に、外構工事について県内業者へ発注する考えはあるのかとの質疑がありました。
 これに対し、外構工事は平成18年度から着工する予定であり、発注に当たっては3工区とも県内企業への発注を考えているとの答弁がありました。
 そのほか、契約方法、入札月日、当初計画時の予算額と現予算額の比較、計画変更の内容、利用者の利便性の確保策、3工区設定の理由、入札結果及び予定価格の公表状況、維持管理費の見込み、現博物館の跡地利用計画、建設費用の財源内訳などについて質疑がありました。
 次に、乙第13号議案「損害賠償額の決定について」は、平成8年12月27日に県立南部病院の小児科において、当時1カ月の乳児が保育器の中でALTE(乳幼児突発性危急事態)によると思われる心肺停止を起こし、蘇生措置により一命を取りとめたものの脳性麻痺に至り、患者は4年後、敗血症により死亡した。
 平成10年の患者側からの提訴以降、県としては患者の心肺停止の原因は予測できず発症したALTEであり、病院の診療行為に落ち度はないと県側の正当性を主張し、およそ6年にわたり裁判で争ってきた。裁判所が第三者に依頼した二度にわたる鑑定の結果は、患者の心肺停止の原因は県側の主張どおりALTEと認められたものの、患者の容体急変に対する事後の対応に適切さを欠いたことが指摘されるなど県側に不利な内容となっており、裁判所からは平成16年4月に当該鑑定結果を踏まえ、和解金額を3500万円とする和解勧告があった。
 県としては、裁判を継続しても勝訴の見込みがないこと、患者側も和解に同意していること等から裁判所の和解勧告の内容は妥当なものであると考え、これを受け入れて本件医療事故紛争の解決を図りたいと考えているとの説明がありました。
 以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決の結果、乙第5号議案から乙第8号議案及び乙第13号議案の5件は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。

 
20040408010180