平成18年(2006年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 3月 2日
嶺井  光
 

 おはようございます。
 南城市区選出となりました嶺井光であります。
 辻野県議、誕生日おめでとうございます。知事からは期待のプレゼントはありませんでしたが、力強くその笑顔でバスヌトゥリのアヤパーニのごとく、また力強く頑張っていただきたいと思っております。
 通告に基づいて、所見を交えながら一般質問を行います。
 去る1月1日、2006年の輝かしい年明けとともに新生南城市、八重瀬町が誕生いたしました。それぞれ100年近い歴史・伝統を築いてさらなる発展に期待が寄せられております。
 合併は、地方分権の推進、市町村を取り巻く行財政環境が厳しさを増す中、地方自治の自己決定・自己責任を果たすため、行財政基盤の充実強化を図る必要から、国、県の推進を受けて実現をいたしました。
 南城市は、「人と自然・文化が調和した福寿で活力に満ちたユイマールのまちづくり」を基本理念とし、八重瀬町は、「大地の活力とうまんちゅの魂が創り出す自然共生の清らまち」を将来像に、それぞれ住民が一体となって新しい歴史のスタートを切ったところであります。
 南城市、八重瀬町の地域開発、社会資本の整備は、南部地域・島尻地域の振興発展にも大きく貢献するものであります。合併自治体にとっては、新しいまちづくりのための市町村建設計画による均衡ある発展に向けて、国、県による財政や社会資本整備等の支援を切望しております。
 1、合併によるまちづくりの支援策について伺います。
 南部東道路の早期建設について。
 昨年の9月定例会の私の一般質問に対する答弁では、平成18年度の整備区間指定及び着工準備調査の国庫補助採択に向けて取り組むということでありました。合併市町村の支援策として改めて早期実現に向けた県の取り組みを伺います。
 中城湾港・馬天地区の早期改修についてであります。
 南城市佐敷地区の馬天港は中城湾港港湾計画に位置づけられ、海辺のまちづくりに向けて取り組んできました。その後、社会経済情勢の変化等により早期改修に向けた港湾計画の変更が進められております。
 このような中、海岸部の有効な整備がなされてないことから、台風のたびに越波や砂れき等が住宅地付近まで打ち上げられ、大きな被害を受けております。港の部分でも狭隘な施設の中で作業船、漁船等が混在し、さまざまなトラブル、事故にさらされております。
 馬天港は、琉球王朝を築いた尚巴志の時代、交易の拠点として栄え、三山を統一する礎となったと言われております。戦後まで大東航路や水産業の拠点として利用され、にぎわいのある港でありました。現在はかつての面影はなく、作業船の停泊や公共事業の資材置き場等に利用されております。このような状況から馬天港の機能回復による地域振興、生活環境の向上を目指しております。
 次の点を伺います。
 ア、馬天港の港湾変更計画の進捗状況について。
 イ、漁業者と遊漁船、作業船のすみ分けをどう取り組むのか。
 ウ、生活者の視点から住民や利用者の声を聞くべきだと思うが、意見の集約はできておりますか。
 エ、 海岸整備による馬天港背後の保全対策についてどう考えておりますか。
 南城市の拠点地区として注目されているウェルサンピア沖縄を中心とした佐敷の国道331号から大里を経て八重瀬町、糸満市方向へ結ぶ新設道路を企画した場合、県道認定要件の地方部における幹線道路網、地方の開発のため特に必要な道路等、道路法の基準を満たすか、県の所見を伺います。
 2、農林水産業の振興について。
 ここで字句の訂正をお願いいたします。「乳用牛育成センター」となっているものを「家畜改良センター乳用牛部門」へ訂正をお願いいたします。
 (1)、家畜改良センター乳用牛部門の存続と機能強化について。
 家畜改良センター乳用牛部門は、経済性の高い県内優良牛を農家に供給することによって農家経営の安定、沖縄型酪農の確立を担ってきました。乳用牛育成部門が廃止になると農家の経営は厳しさを増し、学校給食への供給維持、高品質の生乳生産が困難になると思います。農家が搾乳牛を確保するためには、一部を県外から導入したとしても、残りの必要頭数は自家育成するか家畜改良センターを利用するしか選択はありません。
 このような中、自家育成によって必要頭数を保有するには牛舎スペースや環境問題等から厳しい状況であります。離島県である本県の不利性を考えたとき、北海道からの導入は余りにも農家の過剰負担であり、むしろ家畜改良センター乳用牛部門の役割と機能の強化を図るべきであります。
 以下について伺います。
 家畜改良センター乳用牛部門は、乳用牛の資質向上に貢献してきました。廃止になると県の畜産振興施策としてどこがその役割を担うのか示してください。
 廃止による県財政へのメリットは幾らか示してください。
 廃止による農家の経済負担を示してください。
 (2)、漁業の振興について。
 南城市奥武漁港については、第9次漁港整備長期計画によって平成11年度で漁港改修事業が完了しております。しかし、近年、若い漁業者がふえ、漁船の大型化に伴い漁港施設が狭い状況となっております。地域水産基盤整備事業として漁港漁場整備長期計画の中で拡張整備する必要があると思いますが、県の所見を伺います。
 イ、モズクの国内外における流通・販路拡大をどのように推進するのか、県の取り組みを伺います。
 3、教育の振興、多様な人材の育成について。
(1)、豊かな人間の育成について。
 日本は、戦後、国民の復興にかける勤労意欲によって目覚ましい経済成長を遂げ、文化生活は進展し、社会は豊かになりました。その反面、近年、人間としての心の触れ合い等が希薄となり、いじめや暴力など教育の荒廃、地域の教育力や家族の機能が低下しているという指摘があります。子供たちの成長にかかわる重要性を考えたとき、家庭の基本的機能とは何か、親や社会の影響力について見詰め直す必要があるのではないかと思います。
 道徳教育は、江戸時代の封建社会では身分を守ることが道徳だと言われました。明治の学制により仁義忠孝を道徳の基本とし、教育勅語によって具体化され、昭和に至るまで半世紀以上にわたり国民道徳の価値基準として存在しました。現在は新憲法が制定され、民主主義教育の性格を持った教育基本法が生まれ、道徳教育が教育課程に位置づけられております。
 このような中、本来、家庭で果たさなくてはならない役割である子供たちの日常生活の基本習慣のしつけ教育なども学校の先生方へ頼り過ぎているように思います。子弟教育の営みが学校に大きく期待し、依存し過ぎているところに今日の教育の問題点があると言ってもよいのかもしれません。親の持つ教育力や地域の持つ教育力をもう一度原点に立ち返って考えてみることが必要ではないかと思われます。
 このような基本的生活習慣はまさに家庭や地域の中で果たさなければならない道徳教育であると言っても過言ではなく、むしろ家庭や地域における豊かな人間関係の中で子供たちは成長・発達していくものであると考えます。
 学校における道徳教育のあり方について教育長の考えと取り組みを伺います。
 (2)、小中学校における特別支援教育について。
 平成16年度障害者基本法の一部改正により、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒の共同学習を積極的に進めることによって、相互の理解を促進しなければならないことが規定されました。特別支援教育は従来の特殊教育の障害だけでなく、LD、ADHD、高機能自閉症を含めて障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、その一人一人の教育的ニーズを把握し、持てる力を高め、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものであります。
 次の点について伺います。
 ア、各学校における体制整備はどのようになっておりますか。
 イ、市町村立小中学校の特殊学級はどのように変わるのか。
 ウ、教員免許資格との関連はどうなるのか。
 エ、特別支援教育は、障害のある児童生徒の保護者、普通学級の担当教員、健常児及びその保護者の理解と協力が不可欠だと思うが、周知・啓発はどうなっておりますか。

 (3)、国際化に対応できる人材の育成について。
 ア、海外派遣教育について県の取り組みを示してください。
 イ、外国語教育の推進について県の取り組みを示してください。
 4、観光の振興について。
 本県は観光をリーディング産業として位置づけており、観光客の多様なニーズに対応できる国際的な質の高い観光地の形成に向け、第2次の観光振興計画が策定されました。観光は製造業や農林水産業を初めとする他産業への波及効果が大きく、総合産業として経済活動への貢献が期待されております。
 観光客数としては好調に推移している沖縄観光でありますけれども、国内観光客が8割を超える現状を考えた場合、今後は少子・高齢化等により右肩上がりも鈍化の傾向になるものと思われます。
 国においては、観光の国際化に向けた取り組みとして「観光立国行動計画」を策定し、外国人観光客の増加を促進するグローバル戦略を官民一体となって取り組んでおります。
 本県においても、将来の安定した国際観光の拠点となるために基盤整備や人材育成が重要であると思います。このためには早い取り組みによって地域の特性を生かした海外誘客に力強く取り組む必要があると考えます。
 以下、伺います。
 (1)、国際観光地としての基盤整備と外国人観光客の誘客対策について。
 ア、那覇空港は将来的に需給が逼迫することが予想され、整備に向けた総合的な調査が行われておりますが、現時点での状況を示してください。
 イ、外国人観光客の誘客対策について、航空路線網の開設が必要と考えますが、県の方針を伺います。
 ウ、上海事務所が開設され、中国との各界各層の人的交流によって経済・文化交流の促進が期待されております。観光分野における沖縄の魅力をどう発信するか、県の取り組みを伺います。
 エ、国際的リゾート・魅力ある沖縄をどのようにつくり、認知度をどのように高めていくのか県の考えを伺います。
 オ、外国人向けの観光メニューは何がよいのか、その方策を示していただきたい。
 カ、外国人観光客の中流層と富裕層の二極化を想定する必要性はないか、県の考えを伺います。
 (2)、新たな観光の展望と資源活用について。
 ア、カジノ誘致は新たな観光の展開として期待されております。富裕層をターゲットにした導入を前提に観光メニューの一つとして可能ではないか、県の考えを伺います。
 イ、本県はかつて琉球王国を形成し、中国や東南アジア諸国との交易によって独特の文化を築いてきました。これらの歴史、文化、芸能等を生かした新たな観光の展開について、市町村や観光業界とどのように連携するのか、県の取り組みを伺います。
 5、離島の振興策について。
 離島は、地理的条件から生活環境や情報通信基盤のおくれなど、本島地域と比べて依然として格差があります。本県は多くの離島を抱え広大な海域を領有し、経済水域や海洋資源の確保等、我が国の国土保全にも大きな役割を果たしております。このような観点から離島の振興には力強く取り組む必要があると考えます。
 以下についてお尋ねします。
 (1)、南部離島地域の産業振興・生産基盤の整備、生活支援はどのように取り組むのか、県の施策を伺います。
 (2)、渡嘉敷港のポンツーン(浮き桟橋)の保護対策並びに安全な荷役作業ができるよう、波除提と船尾岸壁の早期建設について県の対応を伺います。
 (3)、離島地区ブロードバンド環境整備促進事業、光ファイバーによるADSL通信を座間味村阿嘉島、慶留間島にも整備し、観光情報の提供など情報格差の解消が必要であります。県の対応を伺います。
 (4)、座間味村慶留間港、阿真港は船舶の増加と大型化により拡張整備が望まれます。県の対応を伺います。
 以上です。

 
20060208040010