平成17年(2005年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 3月 1日
當間 盛夫
 

 皆さん、おはようございます。
 まず質問に入る前に、ことしは戦後60年目の年であります。復帰33年、中央政権で沖縄問題に深くかかわり、尽力を傾けた政治家と言えば山中貞則先生であります。山中先生の書の中で、政治家山中貞則は、何をなしたかと問われるならば、私は迷うことなく真っ先に沖縄問題を挙げるだろうと言われるように、沖縄に深くかかわりがあったことは私があえて言うまでもありませんが、沖縄県民の多くがその功績に感謝していることであります。また、その中でも沖縄にかかわる心構えとして、沖縄担当の閣僚になった議員がどういう心構えで臨んだらいいか聞きに来ることがある。それに対して私は次のように答えることとしている。沖縄の人の心になって、沖縄の人の目で東京を見なさい、決して東京から沖縄を見てはいけない。残念なことに1年もするとかわってしまうのでなかなか実行されない。私は沖縄の全島をくまなく歩き、みずからの目で沖縄を見てきたつもりである。解決されていない沖縄問題は数限りなくある。沖縄問題は政治家としてのこれからも続く終生のテーマであると言われ、昨年の2月20日に亡くなられ1年が過ぎました。
 果たして今沖縄の心で、沖縄の人の目で東京から見る閣僚がいるでしょうか。東京から双眼鏡を反対にして沖縄を語る政治家はいても、沖縄に思いを寄せる政治家や官僚が減ったと言われております。沖縄の発信力と気迫が問われていると指摘があるように、山中先生も天国から沖縄を見ていることでしょう。知事にもっと気迫を持って主体的にみずからの言葉で沖縄問題を発信するよう、残り1年半頑張ってと言われていることでしょう。そして主体的に沖縄の政策の提案を行うことによってそのことで課題が動き、結論が導き出されるという主体的な役割を沖縄側が担うことによって結果の重みが違ってくることであります。しかし、今のままでは米軍再編という他力の中で結果的に基地の整理縮小が実現したということにしかならないのではないでしょうか。行政や政治家が主体的というリスクを背負うことで立ち向かい、そして創造力のある社会をつくることが先決であります。
 それでは質問に移らせていただきます。
 基地の整理縮小についてであります。
 「米軍再編に対する県の対応」の中で、対処方針で「海兵隊の県外移転」とありますが、現在本島内にある海兵隊はすべて県外に移転させてもらいたいという要望であるとこれまでの答弁で理解しているのであります。しかし、すべての海兵隊基地を県外移転させるべきとの要望は、東アジアの安全保障上の観点からも県内経済からも大きな問題があると思います。それでも県の要求として米国政府に要請されるのか。ならば、辺野古移設は不要とも受けとっていいのか。
 きのうの夕刊で伊良部町商工会は、「議会が下地島空港に自衛隊を誘致決議するよう要請文を提出した。」とあります。米軍再編の代替施設の候補地選定作業では自衛隊との共同使用案も浮上し、町長はメリットがないから反対とありますが、町へのメリットがあれば賛成ともとれます。議会は2001年に自衛隊訓練を全会一致で採択した経緯があります。戦後60年、復帰33年、いまだに沖縄は北は辺野古から南は伊良部まで基地問題に振り回されているのであります。
 そこで伺います。
 基地の整理縮小について。
 ア、米軍再編の中で、効果的に県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう日米両政府に考えを示すとあります。新たなSACOの見直しと考えていいのか伺います。
 イ、米軍再編の対処方針の一つに「海兵隊の県外移転」がありますが、内容をお聞かせください。
 ウ、海兵隊施設及び訓練場は、沖縄の基地面積の約75%に当たると思います。市町村とその対応はどのように進めていくのか考え方を伺い、そしてそれが返還されたとしたらどのような状況になるのかお聞かせください。
 エ、代替施設の整備すべき条件で、自然環境への配慮、15年使用問題、名護市の条件等の取り組み状況をお聞かせください。そしてそれはいつ整うのかも伺います。
 四軍間の基地運用の合理化の促進とはどのようなことを想定しているのか伺います。
 知事の考える日本の安全保障体制をお聞かせください。その中で下地島空港の自衛隊使用についてどのように考えるのかお聞かせください。
 旧軍問題であります。
 再三質問する中で、早期解決のめどをつけなければならない時期に来ていると思います。県のタイムスケジュールを示さなければならない時期ではないでしょうか。内閣府の沖縄担当は、個人補償は裁判で判決が出ている以上、政治家がごまかしてくっつけることはできない。そして迷惑料金という話ならあると。また、振興策は時限立法である、今後存続するか不明である。そして振興策予算とは別枠であり、財務省予算を獲得すべきで理財局も了解をしている。県知事が各人をまとめて一括最終解決をしなければならないと言われております。このことは県当局にも前から伝えてある。そしてその中で県が調査報告に時間を費やしたことが時間のロスであり、理解に苦しむとも言っていました。県に本当にやる気があるのか見えてこないという嘆きも聞こえてきました。
 そこで伺います。
 各地主会、各市町村への取り組み状況をお聞かせください。
 県として個人補償の対応はこれ以上できることはないと思うが、知事の決断が求められている。考えをお聞かせください。
 あと何年で解決できると考えて取り組んでいるのかを伺います。
 国との取り組みはどのように進んでいるのかを伺います。
 続きまして、観光行政であります。
 民間主導の自立型経済の構築に向けては産業界の主体的な取り組みを後押しし、観光・リゾート産業、情報通信産業、農林水産業、商工業の振興と雇用の創出確保に取り組むと言われております。県内観光も消費単価の落ち込み、海外観光客の伸び悩みなど決して楽観できる状況ではなく、そして何よりもこれまでの大手航空会社と大手旅行会社に頼る他力本願の体質改善が必要とされ、みずから沖縄をどのように売り込むかがまさに正念場であります。
 そこで伺います。
 魅力ある観光・リゾート地の形成について。
 第1次観光振興計画の成果と第2次計画の取り組み状況を伺う。
 国際的な質の高い観光地の形成には表玄関の整備は必要不可欠であり、空港、港湾等のインフラ整備の取り組み状況を伺う。
 1人当たりの観光消費額と観光収入は減少傾向にあるが、対応はどのように取り組んでいるのか。
 外国人観光客の誘致活動の取り組みについて、そして海外事務所の活用とあるが、海外事務所の取り組み方針を伺う。
 スポーツコンベンションの取り組み状況と受け入れ体制の施設の整備状況を伺う。
 次に、安全・安心な地域づくりについてであります。
 今の日本は安全・安心な国かという問いに、7割がそうは思わないと回答され、安全・安心でない理由として、少年非行、引きこもり、自殺などの社会問題が多発している。凶悪犯罪が多いことなど治安が悪い。雇用や年金など経済的見通しが立てにくいなど多くの不安が私たちの周りにあります。
 知事は所信表明の中で、県民の安全・安心の確保について「ちゅらさん運動」の浸透を図り、県、警察、県民等が一体となって犯罪のない安心で安全に暮らせる社会の実現を目指すと表明しております。社会の連帯感が弱いと言われる中で、安心して暮らせる社会というのは社会整備の最も基本的な部分であり、多くの観光客を受け入れる観光立県沖縄としても安全・安心は必要不可欠な要素であります。しかし、毎日のように凶悪犯罪が全国で多発しているのが実態ではないでしょうか。
 県当局は、県民の安全・安心を確保するため全力で対策を講じる必要があると考えます。
 そこで伺います。
 「ちゅらさん運動」の取り組み状況とことしの取り組み方針について、知事部局、教育委員会、警察本部のそれぞれの取り組みについて伺う。
 県内の治安情勢がどのように推移しているのか、「ちゅらさん運動」の効果とあわせて警察本部長の考えを伺う。

 全国的に問題になっている少年非行問題、県内の少年非行の現状と対策について伺う。
 振り込め詐欺について、県内の被害状況と被害に遭わないための対策について伺う。
 全国的に自殺の増加、うつ病や引きこもりの広まりなど、安心な社会づくりを実現するために対策が必要であるが、県内の自殺者の現状と対策を伺う。
 最後に、行財政改革であります。
 県民満足度の高いサービスを効率的に提供するため「選択と集中」のもと、県民の視点に立って改革を一層推進していくとの表明でありますが、三位一体での交付金の削減、自主財源の確保、民間企業と公務員の給与の問題など前途多難であります。
 改革を進める中で大切なことは、情報開示、情報公開であります。県民にオープンにすることで国から地方への考えのもと、地域がその自主的な取り組み、知恵と工夫を生かして競争が活発化し、地域のコミュニティーを活性化させることができると思われます。そして何よりも職員が本気で改革に取り組む姿勢が必要であります。
 そこで伺います。
 新行政システム改革の取り組み状況とこれまでの成果について伺います。
 自主財源の柱である県税収入の大幅な増加が見込めない厳しい状況という中で、財政健全化に向けた自主財源増加はどのような対策をとるのか伺います。
 県民満足度の高いサービスを効率的に提供するための取り組み状況を伺います。
 県のこれからの市町村合併の取り組み状況をお聞かせください。
 答弁によりまして再質問させてもらいます。

 
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