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平成15年(2003年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 10月 2日
土木建築部長(安慶名正行)
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特Aの受注業者に対する県の指導についてにお答えいたします。
今回の紛争は、与那城町教育委員会が発注した平安座小中学校改築工事において、同工事を2次下請として受注した業者が経営難から不渡りを出し倒産するという事態に陥ったため、そこからさらに3次下請として工事を請け負っていた、くい、型枠、鉄筋、土工事など数社に及ぶ専門工事業者に下請代金の一部未払いまたは手形が回収不能となる事態が発生したというものであります。
本件については、民事契約上の問題もあり、第一義的には当事者間で解決を図ることが基本であることから、県としては積極的な関与はできませんが、元請業者のJV各社及び関係下請業者から事情聴取を行うとともに、公共工事における施工体制のあり方や建設業法等関係法令の遵守について指導を行いました。
また、発注者である与那城町教育委員会からも経過状況を聴取し、紛争の解決に向けて元請、下請などの関係者が協議・調整を行って早期に事態収拾を図ってもらいたいと善処方を強く指導しました。その結果、元請側から工事代金の一部の労務費相当分が御指摘の両社に対して支払われました。また、その他の3次下請業者については、元請側が改めて残工事の直接契約を締結するなどの対処策を講じることによって現在は中断していた工事も再開され、事態収拾がなされたとする報告を元請業者から受けているところであります。
次に、元請業者、下請業者に対して県は行政法上の監督処分または指名停止措置を行うべきと考えるがどうかということにお答えいたします。
御指摘のとおり、特定建設業者が元請の場合、下請業者が労務費の遅延や他人に損害を与えたりしたときには、県は建設業法に基づき勧告することができることになっております。
しかしながら、同規定の運用に当たっては行政庁による民事不介入の原則を守りつつ、行政運営上救済する特に必要がある場合に限られており、一方で二重支払いを強制するという側面もあるため、これまで国や各都道府県においてこれを措置した事例は皆無であります。
また、勧告を含め行政指導というものは一般に強制力を伴うものではなく、これに従わないという理由で許可取り消しなどの行政処分や指名停止など不利益な取り扱いを行うことは行政手続法により禁止されております。
なお、建設業法違反に該当すると疑うに足りる事実があるときは、公共工事の発注者は建設業の許可行政庁に対して通報することになっており、県は当該通知に基づき調査を行うなど事実確認を行った上で監督処分の可否を判断することになっております。
それから、紛争に対しましては当部所管の土木企画課において担当者を配置し、苦情、相談への適切・迅速な対応を行っているところであります。
相談への具体的な対応としては、1つ、相談内容に応じて建設業法の制度概要の説明や所見を行う。それから2つ、相手方からの事情聴取、必要に応じ出頭要請、現地調査実施により問題点の把握に努めております。3つ、可能な限り当事者間での話し合いによる解決を促す。不調の場合には紛争審査会への申請を助言しております。それから4つ、内容に応じて処理方針を提案し、紛争解決に向けて双方に善処方を指導・要請しております。5つ、法令違反が疑われる事案に対しては、許可行政庁として業法に基づく行政指導、監督等の措置を適切に講じております。
以上でございます。
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20030404110040