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平成15年(2003年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 11月27日
総務企画委員長(具志孝助)
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おはようございます。
ただいま議題となりました乙第3号議案及び乙第4号議案の条例2件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、乙第3号議案沖縄県職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例は、人事委員会の給与勧告並びに国及び他の都道府県の給与改定の状況等を総合的に勘案して県職員等の給与を改定するため関係条例の一部を改正するものである。
主な改正内容は、第1点目に、公民給与の均衡を図るためすべての給料表の給料月額を引き下げるものである。
第2点目として、医師及び歯科医師に対する初任給調整手当について支給額の限度額を引き下げるものである。
第3点目として、扶養手当について配偶者に係る同手当の月額を引き下げるものである。
第4点目として、通勤手当について交通機関等利用者に対する運賃等相当額の全額支給の限度の月額を引き上げるものである。交通用具と併用する場合も同様に引き上げるものである。
第5点目として、期末手当について平成15年12月に支給される期末手当の支給割合を1.7月分から0.25月分引き下げるものである。
第6点目として、平成16年度以降の期末手当及び勤勉手当の年間支給割合について6月期の支給割合を1.55月分から0.15月分、12月期の支給割合を1.7月分から0.1月分それぞれ引き下げるものである。
第7点目として、一般職の任期付研究員及び一般職の任期付職員に適用される給料表及び諸手当についても、これらの改正と同様の措置を講ずることとしている。
これらの改正は、平成15年度は公布の日の属する月の翌月の初日から、通勤手当及び平成16年度以降の期末手当に係る改正は平成16年4月1日から施行することとしている。
なお、これらの改正を施行するに当たっては、4月からの公民格差相当分を解消させる観点から、4月の給与に公民格差率100分の1.16を乗じて得た額に、4月から施行の日の属する月の前月までの月数を乗じて得た額と、平成15年6月に支給された期末手当及び勤勉手当の合計額に公民格差率を乗じて得た額の合計額に相当する額を、平成15年12月に支給する期末手当の額で調整する特例措置を講ずることとしているとの説明がありました。
本案に関し、今回、給与の引き下げが実施された場合、対象となる職員は何名か、引き下げによる削減総額はどのくらいかとの質疑がありました。
これに対し、給与の削減対象職員数は2万3732名であり、削減額は約42億円を見込んでいるとの答弁がありました。
次に、人事委員会の勧告に沿った給与の引き下げは今回も含めて何カ年間連続することになるのか、これまでの引き下げの中で今回の引き下げ額は何位ぐらいに位置づけられるのかとの質疑がありました。
これに対し、給料及び諸手当を含めた給与の改正は5カ年連続である。今回の改正によりおおむね1人当たり16万6000円の減額となるが、これは過去5カ年間の改正の中で最も多い金額であるとの答弁がありました。
次に、昨年度も同様な給与改正条例案が提出され、審査の中で、4月にさかのぼっての減額は不利益の遡及ではないかとの意見が出てもめた。ことしの減額は遡及としてとらえてよいのか、ことしと去年の調整方法の違いは何かとの質疑がありました。
これに対し、昨年度は個別完全精算方式により給料と手当の支給済み額と給与条例改正後の額との差額を個人ごとに完全に精算した。今年度は制度的調整方式により4月時点の公民の格差として明らかとなった1.16%を、4月から11月までの8カ月分に乗じて条例を改正した後の12月に支給する期末手当から調整することにしているとの答弁がありました。
次に、不利益不遡及の原則についてどのように認識しているか、今回の措置は不利益不遡及の原則に反しないか、職員団体に対してはどのような説明や交渉を行ってきたのかとの質疑がありました。
これに対し、不利益不遡及の原則とは、過去に適法に成立した法律関係を事後的に不利益に変更することはできないとする考え方である。したがって、過去に支給された給与をさかのぼって不利益に変更することは、法的安定性や既得権尊重の観点から慎重であるべきものであると考える。
今回の措置は、このような考え方を踏まえて条例施行日以降の給与の額の調整を行うこととしており、法律で言う不利益不遡及の原則に反しないものと考える。また、地方公務員の給与に課せられている情勢適応及び均衡の原則に照らしてみても十分合理性があるものと考える。
職員団体からは、今回も給与の引き下げになることから生活に何らかの影響があるなどの意見があった。県としては、職員団体の立場、意見は理解できるが、人事委員会の勧告を尊重する立場からやむを得ないものであるとの考えに基づき職員団体に対する説明を十分に行ったところであり、その結果、了解が得られたものと理解しているとの答弁がありました。
そのほか、人事委員会勧告制度の仕組み、地域特性を考慮した沖縄独自の勧告への取り組み、給与削減と補正予算案との関係、給与改定と基金積み立て、他事業への財源充当のかかわり、給与改定以外の事項に関する職員団体との合意内容、給料表級別の削減状況、給与改定に関する市町村の取り組み状況などについての質疑がありました。
次に、乙第4号議案沖縄県知事等の給与及び旅費に関する条例及び沖縄県特別職の秘書の給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例は、知事等特別職に支給される期末手当について、国の特別職の期末手当の支給割合との均衡を図るため平成15年12月の支給割合を改定するほか、平成16年度以降の期末手当について6月期及び12月期の支給割合を改定するものである。これらの改正は、平成15年度は公布の日から、平成16年度以降の期末手当に係る改正は平成16年4月1日から施行することとしているとの説明がありました。
主な改正内容は、第1点目に、平成15年12月に支給される期末手当について支給割合を1.8月分から0.2月分引き下げるものである。
第2点目として、平成16年度以降の期末手当の年間支給割合について6月期の支給割合を1.7月分から0.1月分、12月期の支給割合を1.8月分から0.1月分それぞれ引き下げるものであるとの説明がありました。
以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決の結果、乙第3号議案及び乙第4号議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
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20030502010030