平成15年(2003年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 2月28日
商工労働部長(花城順孝)
 

 商工業の振興についての、信用補完制度及び制度金融の拡充についての御質問にお答えします。
 信用保証協会は、国、地方公共団体及び金融機関から出捐金や負担金を受けることにより基本財産の拡充を図り、もって信用保証業務に伴うリスクに対する資金的な裏づけを確保しております。
 ところで、沖縄県信用保証協会は、中小企業の多様な資金需要に積極的かつ適切にこたえていくことが期待されておりますが、安定化特別保証制度による代位弁済の増加により平成13年度に赤字決算を計上するなど、経営環境は一段と厳しさを増しております。そのため、県では、信用保証協会の経営基盤の一層の強化を図り、信用補完制度の円滑な運営を維持するため引き続き国、市町村、金融機関と連携して基本財産の造成に努めてまいります。
 また、県の制度融資につきましては、中小企業者が設備の近代化や新技術の開発などに伴う設備資金や運転資金を必要とする場合に、時代の変化や資金ニーズに的確にこたえるべく、必要に応じて新たな資金の創設や見直しを行うなどその充実に努めております。
 平成15年度では、売り上げが低迷している中小企業者や取引先企業の倒産等により資金繰りが悪化している中小企業者等に対する新しい融資制度を創設します。また、企業立地推進貸付、経営振興資金、創業者振興資金については、融資枠を拡大いたします。
 次に、金融機関等の貸し渋り、貸しはがしの実態についての御質問にお答えします。
 国におけるいわゆる総合デフレ対策を受け、沖縄振興開発金融公庫及び商工中金那覇支店に平成14年11月5日から「貸し渋り・貸し剥がし特別相談窓口」が設置されております。これまでの相談受付件数としては沖縄公庫4件、商工中金2件となっております。
 一方、沖縄振興開発金融公庫及び商工中金は、取引金融機関から不良債権処理の加速化を理由とした貸し渋り、貸しはがしを受けた中小企業者を支援することを目的として2月3日より「経済再生改革対応緊急貸付制度」を創設しております。
 また、県は、売り上げの低迷や金融機関からの借り入れが減少して資金繰りに困難を来した中小企業者に対して、融資を行う制度として平成15年度に「中小企業セーフティネット資金」(仮称)を新設いたします。金融機関に対しては、「沖縄地域融資動向に関する情報交換会」等を通して中小企業者の実情に応じた円滑な融資が図られるよう要望を行っているところであります。
 次に、倒産企業の実態把握及び運転資金不足による倒産件数についての御質問にお答えします。
 本県における負債総額1000万円以上の倒産企業は、東京商工リサーチ沖縄支店の資料によりますと、平成10年が176件、平成11年が83件、平成12年が139件、平成13年が123件、平成14年が113件とおおむね減少傾向で推移しております。
 また、過小資本を主な要因とする倒産は過去5年間で219件となっており、総倒産件数634件の34.5%を占めております。この主因となる過小資本は、さらに運転資金の欠乏と金利負担の増加とに区分されますが、運転資金の欠乏が12件、金利負担の増加が207件で、運転資金の欠乏よりも金利負担の増加を主因とする倒産が多いという状況になっております。
 なお、このような過小資本を主因とする倒産が多いことは、本県企業の経営基盤の脆弱性を示しているものと考えております。

 
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