前発言
平成16年(2004年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 12月13日
小渡 亨
次発言
★ここをクリックすると、この日の発言が全て表示されます。★
会議規則にのっとりまして一般質問を行います。
1、潜水艦による領海侵犯について。
原子力潜水艦が先日、石垣島と多良間島との間を潜航したまま通過し、我が国の領海を侵犯しました。中国政府は、当該潜水艦が中国海軍に属するものとは認めておりますが、なぜ我が国の領海を侵犯までして通過したのかは説明しておりません。潜ったままで誤って狭い海域を通過したとは到底考えられません。領土、領海、領空を防衛するのは一義的には国の責務ではありますが、沖縄県域において主権が侵害されたわけですから県としても他人事で済まされる問題ではありません。中国側の意図を可能な限り推測しておく必要があります。
そこでまず基本的なことを聞きます。
(1)、領海を侵犯されたということは、どういう状態を言うのか、無害通航権と合わせて説明してください。
(2)、国際法上、このような潜水艦に対してどのような措置をとることができますか。あるいは他国はとっておりますか。
(3)、海上自衛隊は海上警備行動に基づき原潜を追尾しておりますが、作戦に参加した艦艇と航空機はどこの基地から何機、何隻出撃しておりますか。
(4)、海上警備行動は防空識別圏までで終えておりますが、防空識別圏とは何か。また、飛行情報区との関連も説明してください。
(5)、与那国島を二分する形で防空識別圏は現在設定されておりますが、不都合はないのか説明してください。
次に、太平洋から東シナ海へ入る航路では、沖縄本島と宮古島の間を通れば領海を侵犯することなしに通過できますが、今回あえて狭い当該コースを選んでおります。
そこで(6)、一般的に原子力潜水艦の軍事的な任務あるいは活用法を説明してください。
(7)、中国があえてこのような領海侵犯までして当該コースを選んだ理由を県はどのように考えておりますか。
(8)、中国海軍は、最近軍事費の伸びからも著しく海軍力を増強しておりますが、その状況を県は把握しておりますか。
(9)、県は、今回の事件に関して中国政府に対していつもアメリカに対して行っているような抗議を行うべきと考えますが、知事の見解を示してください。
(10)、今後、このようなことが起きないためにも抑止力として海上自衛隊の護衛艦を沖縄に常駐させる必要があると私は考えますが、知事の見解を求めます。
2番目、地位協定の改定について。
地位協定の改定は、日本政府や米国政府の関係者の発言からして大変難しい問題だと私は思います。そして最近は、米軍のトランスフォーメーションの行方が最も高い関心事になっており、政府は運用改善をするだけで支障がないという従来の姿勢のままであります。知事が日ごろ言っているように、改定に向け要求し続けるというだけではとてもとても目的が達成できるとは思われません。
私は、地位協定の改定について特に難しいと思われる第17条と第18条についてその困難な点を考えてみました。大原則は、協定条文の改定作業に当たっては、日本側――特に沖縄県――の要求だけではなく、米国側の要求も同時に検討されるということです。「敵を知って己を知れば、百戦危うからず」ということわざがあります。おのれだけを知って、敵を知らずして戦えば完敗します。米国は敵ではありませんが、相対立する交渉相手です。
そこで(1)、仮に地位協定改定協議が行われた場合、米側が要求する可能性が高いと想定される項目を第17条及び第18条関係について説明してください。
(2)、地位協定を改定する場合の日本側、米国側、それぞれの国においてどのような法的な手続が踏まれるのか、その手順を説明してください。
(3)、政府の主張である運用改善ではどうしても問題の解決にならず、地位協定改定そのものが必要であるという県の主張の具体的な根拠を改めて詳しく説明を求めます。
3、運転免許行政における手数料と委託料について。
三浦県警本部長が新しく着任されましたので、いまだに解決されていないこの問題を認識してもらうために質問します。
手数料とは、地方公共団体が、当該地方公共団体の事務等で特定の者のためにするものにつき、その費用を償うために徴収する料金である。委託とは、地方公共団体が、その権限に属する事務等で当該団体が直接実施せずに、対等な関係に立って他の機関等に依頼して行うことであると自治用語辞典にはあります。
運転免許行政において県公安委員会は、各指定自動車学校または社団法人沖縄県指定自動車教習所協会と各種の委託契約を結んでおります。本来県証紙で納められる警察業務の手数料に対し、余りにも安い委託料で契約してきたことについて、私は5年ほど前からたびたび一般質問あるいは予算・決算特別委員会等でその委託料金の算出根拠と是正方をお願いしておりますが、明解な算出根拠が示されておりません。よって、当然是正もされておりません。
そもそも指定自校は、道路交通法の規定により警察の指導・監督を受けなければならない立場であり、対等な関係とは言いがたいものがあります。少子化が進む中、免許取得人口が年々減少し経営が厳しい状況にあって、県公安委員会とのすべての委託契約が採算割れの状況です。手数料で納められた本来警察が行う業務を最もひどい例では6割近くもカットされ、4割程度の委託料でその業務を肩がわりしております。
契約は県公安委員会と行っておりますので、まず公安委員会委員長にお尋ねします。
(1)、県公安委員長は、運転免許行政において委託される側が不公平感を抱き、委託についてかなり不満があるという委託側の意見を把握しておりますか。
(2)、同じ質問を三浦県警本部長はどうですか。
次に、財政担当者の総務部長にお尋ねします。
(3)、総務部財政課は、公安委員会が行う委託契約においてその委託割合に関与する権限はありますか。
(4)、財政課は、委託料を差し引いた残りの手数料収入をどのような予算として警察費に支出しておりますか。
4、中部合同庁舎について。
沖縄県内で県の出先機関をまとめた合同庁舎がないのは中部だけであります。北部、南部、宮古、八重山がもう既に完成している中で、私は県議になって何度も早期建設を訴えております。平成14年の代表質問で建設の優先度はどうなっているのかを聞きました。そのときの答弁は、県単独事業の大規模な箱物建設は、平成15年度以降、県の財政状況等を見ながら検討していきたいと考えておりますが、中部合同庁舎行政棟の建設については優先的に建設されるように検討していきたいと考えておりますというかなり期待の持てる答弁でありました。
しかし知事は、箱物としては県立の博物館・美術館を優先し、那覇新都心にその建設を進めております。中部合同庁舎は凍結されたままであります。中部選出の県議としては大変不満であります。
そこで(1)、中部合同庁舎の建設予定地を県土地開発公社が取得して何年になりますか。
(2)、中部合同庁舎に入居予定の施設は、コザ県税事務所を見てもわかるようにかなり老朽化が著しいものが多くあります。入居予定のそれぞれの施設について老朽度を説明してください。
(3)、平成15年度以降、いわゆる箱物建設が解禁になり、莫大な費用がかかる博物館・美術館に県はいち早く手をつけておりますが、那覇新都心よりはるかに早く区画整理事業が完了した中部合同庁舎建設予定地は、保健所棟は建ったものの、広大な空き地のままです。
知事、いつ建設する予定なのか説明を求めます。
5、トカゲハゼの産卵期における中城湾港泡瀬地区事業の中断による効果について。
中城湾港泡瀬地区事業が8月に再開されました。泡瀬地区事業においては、数年前からトカゲハゼの産卵期には工事はしないでおこうとして毎年4月から8月までの間工事を中断しております。
そこで、工事を中断したことによるトカゲハゼの繁殖状況を去る決算特別委員会で文化環境部と土木建築部に聞きました。あの広い海域に平成13年度は21匹、平成14年度は14匹、平成15年度はたったの8匹であります。徐々に減り続けております。このように工事中断による効果は全くないと言っても言い過ぎではないと思います。逆に、工事を中断せずに埋め立てを早期に完成した中城湾港新港地区ではふえ続けて、平成13年度に572匹だったものが、平成15年度には1416匹にまでふえております。
そこで知事、(1)、工事を中断したことによる効果を知事はどう判断しておりますか。
(2)、4月から8月という海が最も静穏な時期に工事を中断せずに早期に埋立事業を完了することが環境を安定させるためにも大切であると考えますが、知事はどう思いますか。
6、グラウンドワーク活動について。
沖縄市泡瀬に住んでいる市民が中心となって「プライド泡瀬」という組織を現在つくっております。
そして、現在の中城湾港泡瀬地区事業が海岸から200メートルも離れて砂浜や干潟を残した人工島方式になっているのも、地元泡瀬の強力な意見の結果であります。県総合運動公園の北側に人工的につくられた小さな比屋根湿地があります。「プライド泡瀬」では、泡瀬地区事業でできる幅200メートル、長さ2.5キロの水路に比屋根湿地と同様に浄化作用を持つ湿地を人工的に造成し、かつて泡瀬にあった湿原、湿地帯を再生したいと考えております。幸い平成7年には「財団法人日本グラウンドワーク協会」が設立され、その活動を強化するために平成15年1月1日から自然再生推進法が施行されました。「プライド泡瀬」は、この協会の賛助会員になっております。
質問です。
(1)、各地に存在する自然保護団体の活動とグラウンドワーク協会の活動との基本的な違いを説明してください。
(2)、県庁内でこの活動を扱う部署はどこか。
(3)、県内でグラウンドワーク活動の実態があれば説明してください。
我が党の代表質問との関連について。
県職員の県民意識とかけ離れた不適切な昇給について。
現在、県職員が不適切な職務の級にいる者の数は行政職だけでも1200名います。不適切な昇給等によって上がってしまった職員の級は、適正な位置まで下げなければなりません。しかし級を下げても号を上げれば何にもなりません。
そこで(1)、不適切な昇給の是正は具体的にはどうするのか。
(2)、今までに不適切に多く支払われた給与等はどうするのか。現況追認、逃げ得、お手盛りとして今までの分はそのままにするつもりなのか、知事の答弁を求めます。
以上です。
前発言
次発言
20040607030040