平成15年(2003年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 6日
土木建築部長(安慶名正行)
 

 河川整備についての、戦後から現在までの漫湖の面積の推移についてにお答えいたします。
 戦後に埋め立てられた国場川にかかる真玉橋及び饒波川にかかる石火矢橋から河口の明治橋に至る漫湖水域の面積は約75ヘクタールであり、現在の同水域の面積は約69ヘクタールとなっております。
 戦前の漫湖水域の面積を明確に示す資料は確認できませんでしたが、同水域の現在の面積と戦後の埋立面積を合算した面積が約144ヘクタールとなっていることから、戦前の同水域の面積はおおむね144ヘクタールであったものと推測しております。
 次に、漫湖水域の河川の改修計画及びしゅんせつ状況を含めた進捗状況並びにマングローブについてにお答えいたします。一括してお答えいたします。
 漫湖に流入する国場川水系の河川につきましては、国場川及び饒波川は50年に一度程度の確率で降る雨、長堂川は30年に一度程度の確率で降る雨に対応できるよう河川改修計画を策定し、国の認可を得て整備を進めているところであります。
 国場川水系の河川につきましては、浸水被害の早期解消のため重点的に整備を推進してきたところであり、平成14年度末の進捗状況は国場川は約65%、饒波川約88%、長堂川が約98%となっております。
 漫湖水域のマングローブや堆積土砂につきましては、治水上支障があるものについては環境に配慮しながらこれまでも除去してきたところであり、河川管理上必要な箇所については今後とも関係機関と協議の上除去していきたいと考えております。
 次に、河川計画を見直すことについてにお答えいたします。
 国場川水系の河川改修計画については、流域からの流出量に影響する土地利用の進展等も想定した計画を策定し、昭和56年に国の認可を得たところであります。なお、昭和56年に国の認可を得る段階で想定した土地利用の進展はおおむね計画どおりに進展している状況にあります。したがいまして、国場川、饒波川、長堂川の整備につきましては、現行計画に基づいて推進しているところであります。
 次に、台風14号の被害についての電柱、公共施設の窓ガラスの設計基準についてにお答えいたします。
 電柱の設計基準につきましては、電気設備に関する技術基準を定める経済産業省令で、風圧の荷重により甲種、乙種、丙種の3種類の基準が定められております。沖縄電力株式会社によりますと、沖縄県では最も風圧荷重が大きい甲種を適用しているとのことであります。
 なお、甲種風圧荷重を平均風速に換算すると毎秒40メートル、破壊に及ぶ仮定の平均風速は毎秒56.6メートルとのことであります。
 次に、公共施設の窓ガラスの風圧力に対する設計につきましては、建築基準法に基づき沖縄の地域特性を考慮した計算基準で行っており、ガラスの強度が風圧力を上回るように設計されております。ちなみに、今回の台風の最大瞬間風速毎秒74.1メートルは、1平方メートル当たり315キログラムの風圧力となり、県内の公共施設で採用されている5ミリの板ガラスの場合は、344キログラムの風圧力に耐えられることになっております。
 次に、電柱の倒壊、公共施設の窓ガラスの割れた原因についてにお答えいたします。
 電柱の倒壊につきましては、最大瞬間風速は毎秒74.1メートルを観測するなど猛烈な台風が主な原因であったと考えられます。また、電柱そのものの強度を初めとして、電線類の架設本数や碍子等の電力装置類の電柱への設置状況、周辺の建築物など遮へい物の多寡や地形による風向の変化または風力の増減等多数の原因が考えられますが、現在のところその原因を究明するには至っておりません。沖縄電力株式会社では、大学教授を含めた専門家による研究会を設置してその原因究明及び対策を講じることとしております。
 次に、公共施設の窓ガラスの破損につきましては、飛来物による衝撃、アルミサッシの金属疲労、ガラスの老朽化、建物内外の気圧差等の原因が考えられますが、現在のところその原因を特定するには至っておりません。また、現在、独立行政法人建築研究所が現地を調査し、原因を究明中と聞いております。
 次に、行政指導についてにお答えいたします。
 電柱の倒壊につきましては、去る9月26日に沖縄電力株式会社へ早急な原因究明と対策の検討を指示したところであります。同社の検討結果を踏まえた上で道路管理者の立場から必要に応じて占用基準の見直しを行うとともに、道路占用者に対し有効な対策を講じるよう指導していきたいと考えております。
 次に、公共施設のガラスの破損対策につきましては、雨戸の設置、飛散防止フイルムの張りつけ、強化ガラスの使用など、それぞれの建物の立地条件や構造形態に適した内容で対応するよう市町村等に対して指導を行っていきたいと考えております。
 次に、電線の地中化についてにお答えいたします。
 電線類地中化は、「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき安全で快適な通行空間の確保、都市災害の防除、都市景観の向上、情報通信ネットワークの向上等の観点から道路管理者、電線類管理者及び地元の協力のもとで実施される事業であります。
 電線類の地中化事業は、沖縄総合事務局、沖縄県、関係市町村、電線類管理者で構成される「沖縄ブロック電線類地中化協議会」において整備箇所、整備延長等が決定され電線類地中化計画が策定されます。電線類の地中化は、台風常襲地においてはライフラインの確保のための有効な手段の一つであると考えております。しかしながら、電線類地中化事業では電線類管理者において極めて大きい費用の負担があります。今後、「沖縄ブロック電線類地中化協議会」や電線類管理者と協議しながら電線類の地中化に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。

 
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