前発言
平成17年(2005年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 3月 1日
警察本部長(三浦正充)
次発言
★ここをクリックすると、この日の発言が全て表示されます。★
警察署別の犯罪発生状況と特徴、対策についての御質問にお答えします。
警察署管轄別の犯罪発生件数そのものは、いずれの罪種につきましても管内人口を多く抱える那覇署、沖縄署、浦添署などが多く、管内人口の比較的少ない本部署、嘉手納署、石川署などが少なくなっております。
そこで、こうした規模の要素を排除するため、平成16年中の犯罪について人口1万人当たりの認知件数、すなわち犯罪率で見てみますと、犯罪率の高い署は強盗、強姦、放火などの凶悪犯につきましては八重山署、浦添署、具志川署など、また暴行、傷害、器物損壊などの粗暴犯につきましては那覇署、八重山署、宮古署、窃盗犯については那覇署、沖縄署、浦添署、詐欺・横領などの知能犯につきましては沖縄署、石川署、那覇署といった順番、これが上位3つということになっております。
ただ、県下14警察署ございますけれども、それぞれ数市町村を管轄に持っており、都市部から農村部までを広く管轄するケースが多いため、警察署という単位で見た特徴を一概に申し上げるのはなかなか難しいところがございます。ただ、地域的な傾向ということで申し上げれば、おおむねの特徴として歓楽街周辺では飲酒絡みの粗暴犯が多い、リゾート地域や観光地では流入人口が多いために犯罪率は一般的に高く、特に駐車車両をねらった犯罪が多い、住宅密集地では侵入窃盗が多いなどの傾向が見受けられます。
また、かぎをかけていないいわゆる無施錠による窃盗被害は県全体で多発しておりますが、特に空き巣の無施錠被害の比率を見ますと、嘉手納、石川、本部、宮古、八重山警察署管内でいずれも4割を超えておりまして、いわゆる農村地域、離島地域で無施錠被害の比率が高いというデータが出ております。
こうした分析を受けましてそれぞれの対策としては、歓楽街対策として那覇市松山地区での歓楽街浄化対策の実施、観光地対策として非常勤職員を任用して観光地における安全・安心パトロールの実施、侵入窃盗対策として県警内での組織改編に伴う盗犯専従捜査員の大幅増員等による窃盗犯対策の強化、無施錠被害防止対策としてかぎかけ、不審者への声かけを初めとする「5つのかける運動」などによる県民の防犯意識の向上に向けた広報・啓発などの諸対策を鋭意推進しているところであります。
県警では、警察本来の検挙活動を強化する一方で、「ちゅらさん運動」を通じた自主防犯活動の促進及び支援にも力を入れて、その結果、住民によるパトロール活動、公園や駐車場等の安全点検活動など、現在、安全なまちづくり活動が各地で活発に行われているところであります。
また、県民へ具体的な犯罪実態や防犯対策を知らせる情報の提供にも力を入れておりまして、市町村別の身近な犯罪や児童を対象とした声かけ事案の発生状況を県警のホームページ上に掲載をする、交番管内の犯罪発生状況を交番速報で各家庭に配布する、警察署レベル、交番レベルで管内住民に対する防犯講話、あるいは企業や団体等に対する出前講話を実施するなど、きめ細かな広報活動に心がけているところであります。
県警では、今後とも犯罪発生実態に即した取り組みを強化し、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
前発言
次発言
20050107060150