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平成11年(1999年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 7月 5日
糸洲 朝則
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それではこれから一般質問をいたします。
今世紀最終年となります来年は、2000年サミットの沖縄開催が決定をしております。沖縄の自然環境を初め基地問題等沖縄の実情、そして平和を希求する県民の心を世界にアピールする、こういう絶好な機会であると県民総力を挙げて取り組みをしていきたいと思います。
先進主要国の首脳が沖縄に集いまして、世界的、人類的課題について語り合うということは、21世紀の人類の方向性を示すことはもとより、沖縄にとっても大きな転換期になるものと期待をいたします。
マスコミ報道によりますと、小渕総理はさきのケルン・サミットにおきまして、21世紀に向けた課題として、人間の安全保障と教育問題を精力的に取り上げ、来年の沖縄サミットをにらんで主要課題と位置づけたい、このように言っております。
我が党は、これまで将来の安全保障のあり方として軍事や経済を中心とした安全保障ではなく、人権や人道の保障を中心としたヒューマンセキュリティー、いわゆる人間の安全保障が求められていると、このように主張してまいりました。アジア諸国を初め貧困、飢餓、環境破壊、人口問題等、これらの問題解決なくして人類の未来はないからであります。
こうした人類の課題解決にとって必要なのは軍事や富、権力といったハードパワーではなく、知識や情報、イデオロギー、文化、システム等のソフトパワーであります。こうした人類の課題解決にソフトパワーの活用が望まれる今日、我が国はあらゆる分野における知識や技術、情報等をもって世界に貢献していくことを望むものであります。
また、これらの課題解決には国連というシステムの活用であります。具体的には、国連を中心とした人間の安全保障の構築であります。
この人間の安全保障の考え方は、日本国で唯一地上戦による多くの犠牲を強いられた沖縄の歴史、また戦後から今日まで基地の過重負担を強いられつつも平和を希求する沖縄県民のヌチドゥ宝の平和思想と一致します。また、我が国の平和憲法の精神とも合致するものと私は考えます。
したがって、(仮称)国連アジア本部を沖縄に誘致して軍事による平和構築ではなく、人権、人道による恒久平和の構築を目指すことが平和の発信地としての使命と責任を果たすことになると考えます。このことによって我が国は世界から平和国家、人権・人道大国として認められ大きな信頼を得るものと確信いたします。
来年の沖縄サミットは、人間の安全保障、教育問題を主要課題と位置づけており、まさしく時代の転換期を実感するものであります。
さて、こういう時宜を得たときに、知事、来年の沖縄サミットに向けて日米両国首脳を初め各国の首脳に平和発信の具体的な施策として国連アジア本部の誘致を提案してはいかがでしょうか、知事の御所見を賜ります。
次に、21世紀プランの中間報告についてでございますが、21世紀プランの中間報告を一読して思うことは、前県政の国際都市形成に向けた新たな産業振興策に加えて、稲嶺県政の新産業の創出、人材の育成の確保、インフラの整備等これまでの沖縄県の要望はほぼ網羅されており、中間報告としては一定の評価をするものであります。
しかしながら、多くの人が指摘をしておりますように米軍基地返還跡地利用整備の推進や那覇空港の平行滑走路の増設、鉄軌道の導入等の施策が漏れたことは残念であり、また今後の課題として取り組まなければならないことであろうと考えます。
また、県民の自立に向けた意識の構築、予算の確保、執行体制の確立、民間主導、民間活力の活用、根拠法の問題等課題もたくさんありますが、今後こういったことについて国、県の取り組みを期待をし、そして中間報告に対して県がどのように受けとめ、どのように考えているか、また今後どのような展望になるのか、これについて御説明をいただきます。
次に、アクアポリスの再開発について伺います。
「海──その望ましい未来」、こういうテーマで1975年に開催されました沖縄国際海洋博覧会のシンボルとして未来の海上都市として県民や観光客に親しまれてきましたアクアポリスが存亡の危機にあるとの報道に、県民の間から来年の沖縄サミットと関連した活用はできないのかとか、海洋資源の研究施設としての活用はできないか等の意見がありますが、アクアポリスは本来、未来の海上都市をテーマにつくられたことを考えれば、海上都市の可能性も含めて研究資料としても活用できるのではないかと、こういうふうに考えます。例えば、来年の沖縄サミットとの関連で宿泊施設あるいはイベント施設等、未来の海上都市を想定した研究を兼ねた再開発を検討してみてはいかがでしょうか。
県のお考えを伺いたいと思います。
次に、福建・沖縄友好会館の利用状況について御質問をいたしますが、福建・沖縄友好会館の利用状況について当初の計画どおりいかない状況が報道されておりますが、私は建設費の追加予算の審議の際に、友好会館としての名前のとおり福建・沖縄の友好の場として活用できるよう計画の見直しも含めて提言をいたしました。
例えば留学生の宿泊施設や受入窓口の設置、あるいはマスコミの拠点等、こういったものをこの友好会館に設置できないかとかの提言もしております。いわゆる沖縄県の拠点施設としての活用であり、また友好会館としての役割を十分果たしているのか、あるいは報道のように県内企業の駐在事務所としての入居がわずか1社であるというのはなぜなのか、福建省側は有効に活用しているのか等々多くの疑問を抱いておりますが、福建・沖縄友好会館の利用状況について福建省、沖縄県それぞれについて御説明をいただきたいと思います。
そして、今後どのように有効利用について考えておられるかについても御説明をいただきたいと思います。
次に、経済振興について伺います。
景気浮揚策の一環として実施されました地域振興券の支給から約3カ月が経過いたしました。我が家は2万円もらった、我が家は4万円、いや6万円と支給を受けた家庭は早速子供の学用品の購入に使ったり、生活費の足しにしたとかそれぞれ有効に使われております。
一方、支給を受けなかった方たちからは、なぜもらえないんだとの不満の声もありました。
いずれにしましても、消費活動の活性化、購買力向上の呼び水的役割をねらった地域振興券支給は一定の成果を上げていると私は認識しております。
そこで伺いますが、1点目に、地域振興券の実施状況について県内での状況を御説明をしていただきたいと思います。
2点目に、地域振興券の実施による経済波及効果についてもどのように効果があらわれているか、あるいはどのように県は分析されておられるか、御説明をいただきたいと思います。
次に、福祉行政について伺います。
政治や行政の目的が県民の生活及び福祉の向上にあることは言うまでもありません。したがって福祉行政の後退があってはならないし、むしろ常に向上に向けて努力することが政治や行政に求められていると考えます。
最近のマスコミ報道や関係者の陳情によりますと、心身障害者小規模作業所補助金交付要綱の見直しによる補助金の減額が心配されておりますが、福祉の向上を推進する上からも次のことをお聞きしておきたいと思います。
1点目に、心身障害者小規模作業所補助金交付要綱を改正する意図、目的は何なのか、御丁寧に御説明を求めるものであります。そしてどこをどのように改正されるのかについても御説明をお願いいたします。
2点目に、現在の補助額について他県と比較しながら、また作業所の経営の困難なこと等もあって補助金の増額要求が出されておりますが、その要求にぜひこたえていただきたいとの思いを込めて前向きな御答弁を求めるものであります。
3点目には、かつて障害者への年末一時金が支給をされておりました。しかし県は平成8年、身体障害者の社会活動推進事業として任意団体への補助に使うという名目でカットされております。団体補助と年末一時金とはそれぞれ趣旨が異なり、団体補助を名目に年末一時金のカットは当事者にとっては納得がいきません。現に那覇市は継続しており、県においてもこの年末一時金の復活を求めるものでございますが、県のお考えを聞かせていただきたいと思います。
次に、教育行政について伺いたいと思います。
まず、小中学校における水泳の授業はどのように実施されているのか伺います。とりわけ離島僻地においては水泳プールの施設が十分でないためどのような授業を行っているのか、御説明をいただきたいと思います。
せんだって、我が母校の多良間小学校へ行きました。そしてそこで校長先生と懇談する機会がありました。もちろん多良間小中学校にはプールはないわけでございまして、水泳の話になりまして、実は県議、せんだって北谷町のある学校に、校長先生がちょうど私の知っている人ですから、多良間小学校の修学旅行で来た19名の子供たちに1時間ぐらいプールを貸してくれないかと。しかしこの子供たちはプールもありませんから当然水着も水泳パンツもありませんと。ふだんは海でパンツをつけて、あるいはズボンのまま泳いでいる野生児そのものですと。そのままの形でプールで泳がせてもらえませんかということで1時間ほど快くお貸しいただいたと。そこで泳いだ子供たちのあの歓喜の姿を見たとき、プールが欲しいと。プールでもってしっかりした水泳指導をやる、これもまた学校教育のあり方なんだということを切々と訴えておられました。
私は、自分の小さいころとダブりながら、あの子供たちにプールを何とかつくってあげられないものかといろいろ教育委員会等も訪ねますと、水の問題とかいろいろ言われておりますが、南大東には海水を利用したプール等も設置をされております。
こういう観点からするならば、当然ここのプールの建設というのは必要であろうという観点からの質問でございますから、そこを酌んでいただいて教育長の前向きな御答弁をお願いしたいと思います。
同じく離島僻地の小中学校におけるプールの設置状況、まずこれを説明していただいて、そしてさらに今後この建設計画についてもどのように持っておられるか、教えていただきたいと思います。
次に、離島医療について伺います。
離島における医療問題は人の生命にかかわる問題だけに離島苦解消対策の中でも最重要課題であると考えます。
例えば、離島に住んでいる方が人工透析治療を受けなければならない病状になったときに、島の診療所では治療体制がないため島を離れて治療を受けなければなりません。家族を離れてアパートを借りて治療を受けるため生活費の負担、病気に対する不安、島に残された家族への心配等々本人のみならず家族の精神的負担、経済的負担は大変なものがあります。
中でも生計を支える働き手がこのような状態になりますと家庭崩壊にもなりかねないのであります。こういった状況を見るにつけ何らかの対策が求められますが、次の質問をいたします。
離島の人工透析患者について県は把握しておられますか。例えば人数だとか、治療形態だとか、費用負担とか、こういったもの等について御説明をいただきたいと思います。
2点目に、離島での治療体制の確立は可能であると言われております。私もそのように考えておりますが、いかがでしょうか、県の考え方を伺っておきたいと思います。
次は、離島振興についてでございます。
離島振興策の一環として、現在閉館となっておりますゆうな荘を離島センターとして活用することを提案をし、県の意見を賜りたいと思います。
この施設は、会議室、ホールを初め宿泊施設、テナントスペース等を有しており、おおむね現状のまま利用できる状況にあります。
活用方法としては、各島々の情報交換や離島サミット会議の日常化、年一度行われている離島フェアでの島々の特産物の展示販売を日常的に実施できる。そして出張時の宿泊、離島出身者いわゆる郷友会との交流等。そして離島情報、あるいは資料の入手、また離島出身の学生たちの相談窓口等と、各島々の情報発信地としての活用と離島センターとしての役割は十分達成できるものと考え、県の英断を要望し見解を求めるものであります。
最後に、交通行政についてでございますが、道路規制標識の適正な設置について伺います。
他府県ではよく見かけるが、本県には全く見られないという標識が「二輪の自動車以外の自動車の通行どめ」の標識であります。
都市地区においては、この標識の必要な場所がかなりあると私は思います。また沖縄の車社会の中でミニバイクを初めとする二輪車は、駐車面積をとらない上に機動性、利便性からいって欠かせない庶民の足であります。効率よく活用するためにも適正な道路標識の設置が必要だと考えられますが、調査を実施し取り組む考えはないかどうか、御見解を賜りたいと思います。
あとは答弁をいただきまして再質問をいたします。
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