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平成22年(2010年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 6月25日
糸洲 朝則
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おはようございます。
ワールドカップ決勝トーナメント進出おめでとうございます。(拍手)
それでは公明党・県民会議を代表して、質問をいたします。
最初に、知事の政治姿勢から伺います。
今月8日、菅直人政権が誕生しました。昨年の衆院選で民主党政権は、月額2万6000円の子ども手当支給やガソリン暫定税率の廃止、普天間飛行場の県外移設などを公約しました。しかし、実際に政権獲得後、こうした公約は何ひとつ実現できていません。つまり民主党政権は選挙詐欺によって国民をだまし、政権を獲得したわけであります。この事実は決して消えるものではなく、首相の顔を取りかえることによって、その選挙詐欺容疑から逃れられるものではありません。
鳩山前首相は、退陣理由として「政治と金」、そして「普天間問題」を挙げましたが、首相交代によって何が解決したというのでしょうか。しかも、首相交代劇によって国会はロスタイムを生じましたが、延長することもなく閉幕しました。国民無視であり、支持率の高いうちに選挙をやりたいという逃げの内閣であることは、だれの目にも明らかであります。
さて、菅首相は、さきのマニフェスト発表の中で、「自民党の10%を目安に消費税を引き上げる」と断言しました。不況下で消費税増税に言及するという経済音痴ぶりにはあきれるばかりであります。未曾有の少子・高齢社会の到来によって、近い将来、消費税の引き上げは避けられないでしょう。しかし、それには前提条件があるはずです。デフレ克服と国の無駄削減です。そして増税論議の前に社会保障の将来像を示すことが何よりも先決であります。しかも、首相は、各政党に対して財政再建論議のための超党派による議論を呼びかけていますが、これは順序が逆さまです。まず民主党政権は、マニフェストの破綻と選挙詐欺を国民におわびし、しかる後に財政論議を始めるべきだと主張いたします。内閣支持率が50%台と高いながらも、微減傾向にあるのは当たり前ではないでしょうか。今後、菅政権は普天間問題などに対する姿勢次第では、微減どころか急降下ということも十分あり得ます。
仲井眞知事は、沖縄県民の圧倒的な意思である「県外・国外移設」を尊重し、強い決意を持って政府と交渉に臨むべきであります。
ここで伺います。
(1)、菅内閣に対する評価、菅総理に会われての感想、沖縄の課題解決への手ごたえ等について伺います。
(2)、普天間飛行場の移設について、県民世論や県議会の決議は、国外・県外移設であります。知事は、これまでも県外移設がベストであると言ってこられました。この際、国外・県外移設を明確に発信するべきであると考え、知事の所見を伺います。
(3)、知事就任4年目を迎えられて選挙公約と取り組みについて伺います。例えば達成感、特徴的なこと、課題等々さまざまあると思いますが、知事の率直な思いを伺います。
(4)、県民参画と協働のもとに策定された「沖縄21世紀ビジョン」は、沖縄の将来、おおむね2030年の「あるべき姿」、「ありたい姿」を描いた基本構想であり、「にぬふぁ星(北極星)」のような道しるべとなる長期ビジョンとして策定されました。よって、構想実現に向けて県民一体となった取り組みが必要であり、県民の理解と賛同が大事である。いわゆる県民との協働作業を行う上で、知事のリーダーシップが求められ、構想実現へ向けた知事の決意あるいは考えを伺います。
(5)、今後の取り組みで、実現へ向けた計画策定、事業計画等、2030年までの工程等について概要説明を願います。
(6)、県民ニーズと行政の対応の目安となる5年ごとの「県民選好度調査」が発表されました。それによりますと、「老後に不安のない年金」や「失業の不安の解消」、「収入の着実な増加」、「十分な貯蓄ができること」などが県民生活のニーズの上位を占めている。基地問題は基地の返還、犯罪や事故の根絶、日米地位協定の改定などが上位を占め、環境保全と経済振興の優先順位では環境優先派の59.9%が経済振興派の39.4%を大きく上回っている。基地、雇用、環境、経済振興等課題は長年我が県の重要課題であり、これらの課題はそれぞれ関連しており、同時並行で課題解決を図らねばならない。加えて医療、福祉、教育等、県民ニーズは多岐にわたっており、21世紀ビジョンにも反映されているものと考えております。知事の「県民選好度調査」に対する感想と今後の行政運営について伺います。
2番目に、基地問題対策。
普天間飛行場の移設先について、民主党政権はマニフェストの中で、さきの日米合意を踏襲する考えを明白にしました。前鳩山政権は「最低でも県外」との約束をほごにしました。これは多少の努力と勉強の結果、公約履行が困難だとの結論に至ったわけですが、菅政権は政権のスタートと同時に基地の押しつけを明言しているわけですから、鳩山政権以下ということです。政権がかわったからといって、地元合意なき日米合意があり得ないのは当然です。首相の退陣によって沖縄県民の免罪符が与えられると思っているのであれば、大きな間違いです。現状では、普天間飛行場の固定化という最悪の事態も予測されます。
そこで伺います。
(1)、普天間基地の危険性除去は喫緊の課題であり、知事も3年以内の閉鎖状況を目標にしてきた。よって、米軍の訓練中止等、危険性除去への取り組みについて伺います。
(2)、日米安保に基づく基地負担を全国民が認識しなければならないとの意識は徐々にできつつあると考える。したがって、全国知事会やマスメディア等あらゆる手段を駆使して、沖縄の過重な基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを訴えることについて伺います。
(3)、嘉手納以南の基地の返還は、沖縄の県土利用の構造を再編するチャンスであるばかりか経済振興にも大きく寄与するものと考える。その取り組みについて伺います。
(4)、大規模な基地返還跡地開発について、新たな仕組みの必要性等について伺います。
(5)、国連機関、国際機関の誘致による国際貢献について。
(6)、米軍基地の総点検調査を実施し、基地の整理縮小・返還への実施工程策定を提案し、知事の所見を伺います。
3、医療・福祉行政。
(1)、子宮頸がん対策について。
年間約1万5000人の女性が発症し、約3500人が亡くなっていると推計されている。このがんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルス感染が主な原因と言われている。したがって、検診によりがんになる前の状態(前がん病変)を発見することができる。こうしたことから、ウイルスに効くワクチン接種と定期検診によって発症を防ぐことが可能で、予防できる唯一のがんと言われている。公明党は、これまで予防ワクチンの早期承認やがん検診の無料クーポン券の配布などの実績を上げてきましたが、去る5月31日に参議院に提出した予防法案には、山口代表も言っているように、「人道的な見地からの法案」であり、早期の成立を期待するとともに子宮頸がん撲滅に向け、以下の質問をいたします。
ア、予防ワクチン接種の全額公費助成について。
イ、無料検診クーポン券配布事業の継続と恒久化のための予算拡充について。
ウ、子宮頸がん予防法の制定について。
エ、教育現場(学校)及び県民への普及啓発を促進することについて。
オ、県民への普及啓発として、10月の「乳がん月間」を「女性特有のがん月間」として、子宮顕がんも入れて「無料クーポン券の完全活用&完全消化」に向けて、全県民を挙げて取り組むことについて伺います。
(2)、日本ではヒブワクチンの認可がおくれ、2008年12月に任意接種(有料)が一般的に可能となりました。しかしながら、接種費用が高額なため、ヒブワクチンの接種が普及していない状況にあります。公費助成によってヒブワクチン接種を政策的に推進できないか伺います。
(3)、発達障害児の支援について最も重要とされている早期発見・早期支援を行うためには、発達障害児の実態把握が大事であると考え、その取り組みと実績について伺いたい。発達障害児支援システムを推進する上で課題となるもの、人材育成、関連機関との連携等、具体的に御説明願いたい。
(4)、環境ホルモンが胎児や子供に与える影響について、危機感を持って当たる必要があるとのことで、公明党の推進で国内10万人の母親とその子供を対象にした長期的な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査」が今年度からスタートしましたが、本県における取り組みについて伺いたいと思います。
(5)、人命を尊重し、安心・安全な暮らしを確保するためにも、平成18年に制定されたがん対策基本法の趣旨を踏まえ「沖縄県がん対策推進基本条例」の制定が望まれますが、県の取り組みと考えを伺います。
(6)、昨年5月に改正された高齢者居住安定確保法では、介護サービスを含む生活支援施設と一体となった「高齢者向け優良賃貸住宅」いわゆる「高優賃」の供給促進が盛り込まれ、「高優賃」の整備費に対する国の補助が拡大されましたが、高齢者居住安定確保計画の策定について県の考え及び取り組みについて伺います。
(7)、視覚障害者の情報取得の切り札として期待されている「音声コード」の普及は十分に進んでいないのが実態だが、県の取り組みについて伺います。
(8)、公明党は福祉の党として、これからの21世紀の新たな社会問題に対応するため、「新しい福祉」を提案しています。いわゆる社会保障制度の抜本的な充実を図る「新しい生活保障」、生活の安定に直結する雇用保障の確立に向けた「新しい雇用保障」、うつ病など現代の社会問題に対応する「新しいヒューマンケア」の三本柱について、知事の所見を伺います。
4、農林水産行政。
口蹄疫被害が宮崎県の畜産農家を苦しみのどん底に突き落としています。
まず明確にしたいのは、口蹄疫が鳩山政権の鈍い対応による人災だということです。これは初動態勢のまずさが原因です。10年前に宮崎県と北海道で口蹄疫が発生したとき、緊急対策を迅速に実行し、1カ月半で終息、735頭の殺処分にとどまったのに対し、今回は2カ月で20万頭です。赤松前農水相の外遊中に爆発的に被害は拡大し、対策本部の設置も発生から約1カ月後というありさまでした。公明党は、4月23日に党県議団が県に対策を要請し、同29日には党対策本部が現地調査を行っています。さらに、赤松農水相が外遊中の5月10日に2回目の現地調査を行い、12日に政府に対し1000億円規模の予算確保を要望、5月25日に独自の口蹄疫対策特別措置法案を国会に提出、民主・自民両党に呼びかけ、28日間のスピード成立をリードいたしました。
我が県においても、5月24日、他党に先駆けて県に対し水際対策の強化や農家への支援策を求める要請を行いました。離島県であるがゆえに、感染があれば即壊滅的な被害のおそれがあり、決して油断してはならないと思います。
そこで質問します。
(1)、口蹄疫の侵入防止対策、農家支援について。
ア、空港・港等に消毒マットを設置するなど、官民一体の水際対策を徹底し、ウイルスの侵入を防ぐこと。
イ、異常な家畜の早期発見、早期通報、衛生管理の徹底など関係機関と連携を密にし対策を強化すること。
ウ、口蹄疫の影響による県内畜産農家への相談窓口の体制強化を図ること。
エ、経済的負担が生じた畜産農家への経営支援を図ること。
オ、食肉への風評被害防止を図ること。
カ、侵入防止対策費や緊急を要する農家支援は予備費を活用し、不足分は補正予算で対応を講じること等について伺います。
(2)、種雄牛候補の育成など、肉用牛改良の一翼を担ってきた石垣市の名蔵牧場の利活用について伺います。
先島の子牛生産振興のためにも名蔵牧場を家畜研究センターの石垣支場として拡充強化できないか県の考えを伺います。
(3)、南北大東島の畜産振興対策について伺います。
離島農業の基本はさとうきびと畜産、なかんずく牛の両立であると考えます。さとうきびの島である南北大東の畜産が停滞しているが、その要因、課題は何なのか。その対策について県の考えを伺います。
(4)、黒糖販売対策について伺います。
小さな離島は黒糖の生産で生計を立ててきた。しかしながら、近年、安価な外国製品の輸入や加工糖普及によって黒糖が売れなくなっている。離島の生産農家にとっては死活問題となり、黒糖の販売対策が急がれる。黒糖販売の実態と今後の対策について、県の考え及び御説明を伺います。
5番、文化芸術振興について伺います。
(1)、東町の郷土劇場が閉鎖された後、関係者の間では同様の郷土劇場の設置の声が高まっており、陳情も提出されております。郷土芸能の振興、促進の観点からも県立郷土劇場の建設は必要と考え、これまでも何度か取り上げてきましたが、県の取り組みについて伺います。
(2)、空手の殿堂構想についてもこれまで何度か取り上げてまいりました。5000万人とも言われる世界のKARATE―MANたちが沖縄にはせる思いというのは強いものがあります。したがって、空手発祥の地にふさわしい空手の殿堂構想は、沖縄伝統文化の価値を高め、沖縄空手の真髄を世界に発信する意義あることと考え、県の取り組みについて所見を伺います。
最後に、離島振興について伺います。これまでたびたび陳情とかあるいはいろんな要望が離島から出されてきた古くて新しい課題でございます。
(1)、学生寮を備えた離島会館建設でございますが、これは離島住民の負担軽減のみならず、情報交換や離島間の連帯へとつながり、離島振興及び人材育成の拠点として大変重要な役割を果たすものと考えます。県の取り組みについて伺います。
(2)、離島住民のライフラインの一つである水道事業の格差是正は、ユニバーサルサービスの視点からしても島によって水道料金や水の質が変わるということは納得できません。こうした島の素朴な思いを解決してあげるためにも、例えば水道事業の一元化による格差是正はできないのかどうか、県の考えを伺います。
以上で代表質問を終わります。
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