○議長(友寄信助) 本日の会議は、地方自治法第114条第1項の規定により嘉数昇明君外23名から開議請求がありましたので会議を開くことにいたした次第であります。
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○議長(友寄信助) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
本日、知事から、お手元に配付いたしました議案1件及び補正予算説明書の提出がありました。
次に、9月22日から29日までに受理いたしました陳情16件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
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○議長(友寄信助) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第4号議案まで、乙第1号議案から乙第9号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
この際、申し上げます。
質問の順序は、大城一馬君からでありますが、同君は議場に現在せず、また同君以降の上間毅君、高良政彦君及び新垣米子君も議場に現在いたしません。
よって、大城一馬君外3人の発言通告はその効力を失います。
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○議長(友寄信助) 質問及び質疑を行います。
西銘恒三郎君。
○西銘恒三郎 議長、休憩の動議を提案したいと思います。
○幸喜 勝 賛成。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後4時6分休憩
午後4時11分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
ただいま西銘恒三郎君から、この際、会議を休憩されたいとの動議が提出され所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。
よって、休憩の動議を議題として採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの申し出のとおり休憩することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助) 御異議なしと認めます。
よって、この際、会議を休憩いたします。
午後4時12分休憩
午後6時10分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
質問及び質疑を行います。
西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎 私も県議会議員活動をやってまいりましたが、野党議員の欠席した本会議場で質問をすることは初めての体験であります。
私ども与党議員団は、議長に再三申し入れを行ってまいりました。9月30日の代表質問の日における午前中の空転、そして本日の一般質問の空転、私どもは議長に対して、とにかく議会を開会して、その中で質疑をする中で執行部の答弁ができないとか、あるいは虚偽の答弁があったとか、そういうことはすべて議会の中で議論をすべきだということを議長に対して再三申し入れを行い、本会議の開会を午前中1回、2回、そして午後3回目と申し入れをする中で開議請求をしてまいりました。
このことに応じなかった野党議員の諸君の議員としての職責を問いたいと思います。そして、早目に議会開会を正常化しなかった議長に対しましても議事運営上、与党議員団の中にはかなりの不信感がたまっていることを冒頭申し述べておきたいと思います。
それでは一般質問を行います。
21世紀は、確実に地球環境問題が大きなテーマになります。地球温暖化を防止するための条約や大量生産、大量消費、大量廃棄といった20世紀のライフスタイルを見直す世の中の流れ、あるいは身近な身の回りの環境、水とか空気とか土壌の浄化、あるいは人間生活と不離一体の廃棄物問題など地球環境問題はすなわち人間が自然界の一員として住みやすい健康的な地球をつくろうという流れであります。
一個の人間の中には理性と感性が共存しております。いわゆる理想社会は、理性によってバーチャルリアリティーとしては実現できても、感性が絡む現実の人間社会では理想社会の実現は困難であります。
地球環境問題も先進諸国と発展途上国の間に対立の構図があります。その原因は、理性と感性が共存する人間社会の歴史の中に見つけることができます。政治の役割は、理性と感性がDNAのらせんのごとく複雑に絡み合う人間社会の中で永遠に実現しない理想社会に向かって一歩ずつ現実社会の不条理を取り除くこと、すなわち世の中を明るくするように理性の法律と感性の税金、それぞれの光を照らし続けることかもしれません。
さて、中国大陸、朝鮮半島、日本国、アメリカ、そして台湾、これらの地理的・政治的状況の中で天から与えられたいかんともしがたい東西1000キロ、南北400キロに及ぶ我が沖縄県の宿命は、安全保障という人類の歴史とともに古いテーマの呪縛から逃れることはできないのであります。
そうであるならば、その地理的・政治的状況の中で琉球王朝時代も含めて世界の外交の歴史に大いに学ぶべき点があるかもしれません。安全保障を環境問題、外交、文化交流、経済交流あるいは軍事関係者の対話促進など人間生活のあらゆる側面から総合的にとらえて歴史の知恵を積み重ねていくことが極めて重要であります。その意味で来年開催の沖縄サミットは沖縄歴史の画期的な一ページでもあります。
好むと好まざるとにかかわらず国際政治の首脳たちが20世紀の未解決、朝鮮半島と台湾問題を射程距離に抱える我が沖縄県の美ら島でどのような発言をし、21世紀に向けてどのような方向性を示してくれるのか、私たち県民は注意深く国際政治の流れを読み取らなければならないと思います。
今日の環境問題は国境を越えております。アジアの国々が直面している環境問題の解決に向けて我が沖縄県がモデルとなるよう、つまり島々から成る沖縄は環境問題が目に見える形で発生するし解決できます。そのノウハウをアジアの国々の問題解決に生かしていくという視点は重要であります。日本国の中で沖縄に行けば環境問題が学べるという環境先進県にしたいものであります。ポスト3次振計の大きな柱の一つは環境立県ではないでしょうか。
思うところを言いたい放題述べてまいりましたが、目の前の現実的な質問に入りたいと思います。
全国浄化槽協会の統計によりますと、平成11年6月、合併浄化槽の月間工場出荷台数が調査をとって以来初めて単独浄化槽を上回っております。
その原因は、全国の主要な浄化槽メーカーが単独浄化槽の製造を廃止したからであり、単独浄化槽から合併浄化槽へと記念すべきターニングポイントになったと報じております。単独浄化槽は、水洗トイレの普及に大きな役割を果たしましたが、台所やふろなどの生活排水が処理できないため河川など公共用水域の水質汚濁の原因となっておりました。全国の浄化槽メーカーは、自主的に単独浄化槽の製造を廃止して合併浄化槽の製造に乗り出しております。
そこで伺います。
1、単独浄化槽から合併浄化槽へメーカー側の大きな転換がありますが、県内の単独浄化槽と合併浄化槽の設置状況はどうなっておりますか、また人口類似県の状況も含めて説明してください。
2、単独浄化槽廃止に向けた県の取り組みはどうなっておりますか、説明してください。
3、合併浄化槽設置に向けた国、県、市町村の助成制度はどうなっておりますか、説明してください。
政府は、去る9月28日のダイオキシン対策関係閣僚会議で廃棄物減量化の目標値を決めております。一般廃棄物の減量目標は、平成22年度までに5%、国民1人当たりにしますと約10%カットに相当します。
一方、一般廃棄物の5倍も出ると言われる産業廃棄物の減量は、このままいけば平成22年度までに17%ふえるが、政府の目標は排出量を13%増に抑制をし、リサイクル率を現状の42%から48%に引き上げ、最終処分量を半分に減らすとしております。
産業廃棄物の減量化は、国民のライフスタイルも含めた産業構造全体にかかわるだけに厳しいものがあります。特に島々から成る我が沖縄県では、国よりも厳しい目標値を設定して政策を実行しなければ県民の貴重な財産、美ら島を守ることはできないのであります。
そこで伺います。
産業廃棄物の最終処分場について、管理型の最終処分場の現状はどうなっておりますか。また、その残余期間と将来計画について県の基本的な考え方を説明してください。
質問5、廃車、タイヤ、家電製品などの不法投棄の実態とその防止策はどうなっておりますか、説明してください。
次に質問6、沖縄県の将来像の大きな柱となる環境基本条例の制定に向けて取り組んでいるようでありますが、その基本的理念と進捗状況について説明してください。
本県のように自然、地理的、政治的条件に恵まれた地域は、サプライサイドの経済、将来の社会的ニーズを想定して供給サイドの社会資本を先行実践をして将来の需要を現実的に掘り起こしていくという政策を考えるべきであります。
現状の空港離発着のキャパシティーだけを考えるのではなく、人間存在のあらゆる側面、環境問題、外交、文化、経済、軍事、さらに我が国の高齢社会のみならず世界的高齢社会をも視野に入れて日本国のゲートウエーとして那覇空港を考えるべきであります。今は亡き国場幸太郎先生の執念をそろそろ実現すべき時期到来と考えます。
そこで伺います。
質問7、大那覇国際空港滑走路2本化といわずに横風用も含めて3本、この構想については、野中官房長官の発言後、県は担当の部署を設置して検討しているようでありますが、県の取り組み状況と政府の現状について説明をしていただきたいと思います。
一般質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 西銘恒三郎議員の御質問にお答えします。
最初は、環境問題でございます。
環境基本条例の制定に向けての基本的な考え方と進捗状況について説明してほしいという、お答えでございます。
今日の環境問題は、生活排水や自動車排出ガス、廃棄物の増大といった地域の問題から、地球温暖化やオゾン層の破壊といった地球規模の問題という空間的広がりと、将来の世代にわたり影響を及ぼすという時間的な広がりを有しております。
これらの問題の多くは、通常の事業活動や日常生活が原因となっており、解決のためにはこれまでのライフスタイルや経済社会システムを見直し、環境に優しいものにしていく必要があります。
このため、国は環境の保全に関する基本理念や施策の基本事項を定めて総合的かつ計画的に推進するため、平成5年に環境基本法を制定しております。
同様の目的から、本県においても環境基本条例の制定に向け昨年12月に沖縄県環境審議会に沖縄県環境基本条例(仮称)に盛り込む基本項目、いわゆる骨子案について諮問を行い、これまでに2回の審議が行われております。
また、審議に県民の意見を反映させるため、この骨子案を公開し6月21日から8月4日までの45日間、県のホームページ等を通じて意見を募集しました。
今後、県では審議会からの答申を受けた後、その趣旨を踏まえて条例案を作成することとしており、できるだけ早い時期に議会に提案したいと考えております。
次に、大那覇国際空港滑走路2本化について県の取り組み状況について聞きたいとのお尋ねでございます。
那覇空港の拡張整備につきましては、パシフィック・クロスロードの形成を目指す本県の振興に大きな意義を持つものであり、また現在の滑走路の処理能力が限界に近づきつつあることから、平行滑走路の増設を踏まえた拡張整備が急務であると考えています。
これまで県では、那覇空港のハブ空港化に向けた独自の調査検討や航空会社等への路線誘致活動を続けてきたところであり、また機会あるごとに国及び関係機関に対して拡張整備を要請してきました。
国としても、野中長官の平行滑走路の増設は必要との発言を受け、那覇空港の整備に関し短期的に解決すべき課題や長期的な航空需要への対応を踏まえた将来展望について調査検討を始めたところでございます。
県としてもこれらの動向を踏まえ、8月16日付で企画開発部内に那覇空港国際化プロジェクトチームを設置しました。
現在、国等との調整を図りつつ那覇空港拡張整備に関する県素案の策定や国際航空物流拠点の形成に向けた調査検討を進めるとともに、行政と各界が一体となった拡張整備推進組織の構築に取り組んでいるところです。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(宮城光男) 環境問題に関する御質問にお答えいたします。
まず、単独浄化槽と合併浄化槽それぞれの新しい設置状況はどうなっているか、また人口類似県の状況とあわせ説明していただきたいという御質問にお答えします。
公共用水域の水質保全を図る上では、し尿だけを処理して生活雑排水を未処理のまま放流する単独処理浄化槽を廃止し、両方をあわせて処理する合併処理浄化槽の普及を促進することが重要であります。
九州における本県との人口類似県である大分県の平成10年度における設置基数は4555基で、そのうち合併処理浄化槽が3007基(66.0%)、単独処理浄化槽が1548基(34.0%)となっております。
これに対しまして、本県において同年度に設置された浄化槽は2960基で、そのうち合併処理浄化槽が243基(8.2%)、単独処理浄化槽が2717基(91.8%)となっており、合併処理浄化槽の新設率は大分県に比べて低くなっております。
本県の新設率が低い理由として、他県では河川水の農業用水などへの利用が重視されているため水質汚濁の抑制について地域住民にある程度理解されていると考えられますが、本県では十分に理解されていないと思われること、また単独処理浄化槽に比べ合併処理浄化槽の設置費用が高く、国、県、市町村が補助してもなお設置者の費用負担が大きいことなどが考えられます。
次に、単独槽廃止へ向けた県の取り組み状況についてお答えいたします。
県としては現在、建築確認申請等の手続を通して合併処理浄化槽の普及を図るために、土木建築部との間で沖縄県浄化槽取扱要綱の改正について協議しているところであります。
また、今月中旬には県関係機関及び関係団体で構成する浄化槽対策連絡協議会の設立を検討しており、その協議を通して単独処理浄化槽の廃止と合併処理浄化槽の普及を促進してまいりたいと考えております。
県では、これまでに平成8年に沖縄県合併処理浄化槽普及促進市町村協議会の設立を積極的に指導したほか、平成10年には土木建築部、農林水産部、文化環境部の3部が協力して合併処理浄化槽等の整備目標を定めた沖縄県下水道等整備構想を策定しております。
また、県内全市町村及び浄化槽製造メーカー並びに社団法人沖縄県建築士会等関係団体に対して、単独処理浄化槽の廃止と合併処理浄化槽の普及に係る協力方について文書で依頼しております。
さらに、環境衛生週間等の行事を通して合併処理浄化槽の普及に関する各種啓発活動も実施しております。
なお、条例の制定につきましては、他県の制定状況も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
次に、合併槽設置へ向けた国、県、市町村の補助制度はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
合併処理浄化槽は、地域の生活環境及び公共用水域の水質保全を図る上で有効な施設であることから、国は昭和62年度に補助事業として合併処理浄化槽設置整備事業を創設しております。
本県では、平成3年度から国庫補助に加え県費補助制度を設け同事業を開始しております。
沖縄県合併処理浄化槽設置整備事業補助金交付要綱により、補助対象は10人槽までとなっており、補助基準額は5人槽が35万4000円、6から7人槽が41万1000円、8から10人槽が51万9000円となっております。
補助の割合は国が補助基準額の2分の1、県が4分の1、市町村が4分の1を負担することになっております。しかし、これら補助基準額が一般的な設置費用の約4割に設定されているため、残りの約6割は設置者が負担することになっております。
なお、平成3年度から10年度までの実績として9市町村1事務組合で事業を実施しており、計177基の合併処理浄化槽を設置しております。
次に、管理型最終処分場の残存期間と将来計画の基本的考え方に関する御質問にお答えいたします。
県内における処理業者が設置している産業廃棄物の管理型処分場は5施設あり、平成10年度の実績から推計しますと残余年数がおおむね3年となっており厳しい状況にあります。
このようなことから、県は処理業者に対し、処分場の延命化を図るため分別による廃棄物の再利用や焼却による減量化を指導しているところであります。
また、建設業等の排出事業者に対しても、講習会を通して事業者責任による廃棄物の排出抑制及び適正処理の啓発を行っております。
新たな処分場の確保については、処理業者が努力しているところであり、県としても計画段階から助言しております。
しかし、処理業者による新たな処分場の確保は困難な状況にあり、公共関与による処分場確保の必要性が高まっております。
現在、国においては今後の廃棄物対策のあり方を検討しており、その中で産業廃棄物についても公的な役割の強化が求められているとし、今後制度のあり方や民間企業の活力、技術等の効果的な活用に向けて具体的に検討するとしております。したがって、県といたしましては国の動向を踏まえながら公共関与事業について引き続き検討していきたいと考えております。
次に、不法投棄の実態とその防止策に関する質問についてお答えします。
県では、平成7年度より産業廃棄物等不法投棄実態調査を実施し、廃棄物の不法投棄等の把握に努めております。
平成10年度の調査結果では不法投棄箇所は139カ所に上り、地域的には沖縄本島中南部地域に集中しております。
不法投棄の場所としては、原野が47カ所で全体の34%を占め、続いて山林が29カ所21%、農地25カ所18%、海岸12カ所8.6%となっており、いずれも人目につきにくい場所となっております。
また、不法投棄された廃棄物としては、家電製品等の粗大ごみが64カ所で最も多く、続いて廃タイヤが54カ所、建設廃材が42カ所となっております。
なお、放置自動車については、ことし5月に実施した実態調査により県内全域で7828台が確認されております。
県においては、不法投棄の未然防止対策として従来から保健所におけるパトロ-ルや警察との連携によるヘリコプタ-でのスカイパトロ-ル等を実施し、不法投棄の監視と早期発見に努めているところであります。
平成6年度には、抜本的な対策を図るため県、警察本部、社団法人沖縄県産業廃棄物協会及び財団法人暴力団追放沖縄県民会議で構成する沖縄県産業廃棄物不法処理防止連絡協議会を設置しており、平成10年度からは協議会構成機関を中心に保健所及び関係市町村の協力を得て年4回、県下一斉に合同パトロ-ルを実施しているところであります。
県としては、地域の生活環境を保全するため今後とも不法投棄防止の啓発、指導を進めるとともに、市町村、警察、社団法人沖縄県産業廃棄物協会などと連携し不法投棄の監視の強化を図るほか、悪質な不法投棄者に対しては告発も含め厳しく対処していきたいと考えております。
以上であります。
○平仲 善幸 稲嶺知事には、県政の抱える非常に難しい問題に日夜取り組んでいることに心から敬意を表し、私の一般質問をさせていただきます。
手短にまとめて質問をしたいと思います。
1番目に、新農業基本法に対する評価と対応についてお聞きしたいと思います。
農業の憲法とも言われる新農業基本法が去る国会で成立をしております。38年ぶりに食料農業政策を大転換する新農基法は、市場原理が入った価格形成をうたっておりますが、これと並行した農政改革大綱の中でサトウキビを含めた農作物の価格保証制度も見直しに入っております。本県の農業にとって影響が予測されると言われているわけであります。
新農基法は、競争力を強化し価格は自由競争に任せるという立場に立っております。旧農業基本法で守られていた農作物が窮地に立たされていることになるわけであります。
旧農業基本法は、農業の生産性や所得の向上をうたうなど主に生産者サイドに目を向けた法であったと思います。
新農基法は、食料の安定供給の確保、国土環境保全、多目的機能の維持など国民にとって重要な基本理念を掲げたところが旧法との大きな異なるところであります。農業が国の基本であり、今も昔も変わらないのであります。 新農基法について本員は次のことを最も懸念をしますが、県はどのように評価しどう対応していかれるのか、お示しをください。
(1)番目に、自給率向上はかけ声だけで終わり、むしろ市場開放、自由化に拍車をかけることにならないかということであります。つまり市場原理主義が深まり、外圧に対する歯どめが不明確ではないかとこう思われます。
(2)番目に、農業再生は大丈夫なのか、逆に後退しないのかということであります。農業の実態と乖離していないか。
(3)番目に、輸入依存が拡大され日本農業は大変なピンチに追い込まれはしないかと心配するわけであります。
(4)番目に、基盤の弱い本県の農業への影響は大変だと思われますが、どうなのか。さらに中山間地域指定はどう位置づけられていくのか。
2番目に、農業生産法人の強化についてお伺いをしたいと思います。
活力ある農業の振興と活性化を図るためには、農業生産法人をつくることが重要であると県は前々から提唱をしてきたが、具体的に組織化の実態はどうなっているのか。またどのように推進され、実践されてきたのか、明らかにしてください。
さて、9月22日の新聞の紙面には県内第1号の「キビ生産法人が誕生」と取り上げられ、まことに喜ばしい思いであります。
生産法人の名称は「結農産」、中城村在の4人の仲間で共同で設立し大きな期待をしております。
サトウキビ作は、本県農業の基幹作物であり、戦後本県農業の復興に果たしてきた役割は大きく、経済的にも農業・農村の発展に尽くしてきました。ところが、今日キビ作は大きく落ち込み、作付面積、生産量とも大幅に激減し、農業所得の低迷、製糖工場の縮小、人員整理統合が深まり、さらに大きな社会問題を招いております。
サトウキビ農業の進路を考えた場合、どう活路を見出し、活性化を図るかが大事ではないか。特に県が音頭をとり、市町村、農業団体、製糖工場を含めて現状の危機をどう乗り越えていくか、確固たる打開策を樹立すべきだと思うが、お示しをください。
本員は、打開策の一つとして次のことを申し上げたいと思います。
特に、県が最も力を入れてもらいたいことは、製糖工場を軸に農協、市町村が参画してキビ作農業生産法人の大きな組織をつくるということであります。
鹿児島県徳之島では、南西糖業株式会社が行政の支援を受けて農業生産法人南西テクノを設立し、遊休農地の解消掘り起こし、農作業の受託などに全力で取り組んでいることを伺っております。
このことは、高齢化でキビ作から離れていく農家の農地を一手に借り受けて製糖工場の並々ならぬ努力をしております。本県でもこのような体制をつくることが求められている時期であると私は思います。県の考えをお示しください。
以上、私の一般質問であります。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 平仲善幸議員のサトウキビの農業生産法人の組織化の取り組みについての中で、サトウキビの農業生産法人の具体的組織化の実態はどうなっているのか、またどのように推進されているかと。お答えいたします。
本県における農業生産法人の設置状況は、平成11年1月現在、172法人となっております。そのうち約8割が園芸、畜産で、サトウキビ作の担い手となる法人は極めて少ない状況にあります。
サトウキビの生産振興を図るためには、農地の利用集積による規模拡大、革新的新技術、機械化一貫作業体系を導入した借地型大規模経営体を育成することが緊急な課題となっております。
このため、県としてはサトウキビ作の中核的担い手のモデルとなるパイロットファームを設置し借地型大規模経営体の育成を進めているところであります。
去る9月21日には、翔南製糖管内において構成員3人、経営規模約17ヘクタールの農業生産法人「結農産」が設立されています。
今後とも、農業生産法人の育成を促進するため補助事業、農業制度資金、機械研修等の支援を強化してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○農林水産部長(小那覇安優) 新農業基本法に対する評価と対応についての御質問で、新農業基本法の自給率向上はかけ声だけで市場原理主義が深まり、外圧に対する歯どめも不明確ではないかとの御質問にお答えいたします。
新たな食料・農業・農村基本法では、自給率の向上と外圧に対する歯どめ、市場原理の導入について次のような位置づけになっております。
食料供給については、国内生産の増大を図ることを基本とし、輸入増大により国内生産に重大な支障が生じるおそれがある場合は関税率の調整、輸入の制限、その他必要な施策を講ずるものとしております。
また市場原理の導入については、農産物の価格に需給事情や品質評価を適切に反映させるとしておりますが、著しい価格変動に対しては育成すべき農業経営を対象に経営安定措置を講ずるものとしております。
次に、新農基法は農業の実態と乖離しており、再生どころか後退するのではないか、もう一つ、輸入依存が拡大し日本農業は危機的な状況に追い込まれるのではないか、関連しますので一括してお答えします。
我が国の農業・農村を取り巻く環境は内外ともに厳しいことから、新たな基本法では4つの基本理念として、第1に食料の安定供給の確保、第2に多面的機能の十分な発揮、第3に農業の持続的な発展、第4に農村の振興を掲げております。
これに基づく国の具体的な施策目標は、基本計画として別に定めることになっております。
県としては、年度内にも策定される基本計画が県内農業の発展につながるよう要請していきたいと考えております。
次に、特に基盤の弱い本県の農業への影響はないかとの御質問にお答えします。
本県農業への影響については、国内保護措置が講じられている糖業について、国産糖の価格形成に入札制度を導入するという新たな砂糖・甘味資源作物政策大綱が提示されております。
具体的な入札制度の仕組みや実施時期については、12月までに関係者間で検討することになっております。このため、県としては製糖工場の経営も十分配慮した仕組みになるよう要請する考えであります。
また、生産者価格については、生産者が安心して生産拡大に取り組めるよう国産糖価格の変動に影響されない仕組みを強く求めていく考えであります。
中山間地域指定はどう位置づけるかとの御質問にお答えいたします。
中山間地域等の生産条件の不利地域に対する国の支援策として、直接支払い制度が来年度より創設されることになっており、その骨子が8月にまとまりました。
県としては、この制度が本県に広く適用されるよう国に対して要請してまいりました。
その結果、特定農山村法・過疎地域活性化特別措置法等の地域振興5法に加え、沖縄振興開発特別措置法が位置づけられたことから県全域が対象地域となりました。
直接支払いの対象となる農地は、農地の傾斜度や農業従事者の高齢化率、耕作放棄率等の基準に基づき設定されることになります。
具体的な取り組みとしては、現在市町村と連携して対象農地の実態調査を進めているところでございます。
以上でございます。
○大工廻朝栄 知事を初め、そして執行部の皆さんには、議会の都合により大変貴重な時間を費やしていただきました。本当にこのことをおわびをしながら、一般質問に入りたいと思っております。
まずは、教育行政についてでございます。
「「学校教育法施行規則」第8条に定める校長の資格については、同条の規定を改め、「教諭の免許状を所有し、かつ教育に関する職に5年以上勤務した経験を有すること」に加え、10年以上教育に関する職務に就いた経験がある者については、教諭の免許状を所有しなくても校長に任用できる」という改定事項であります。さらに、「都道府県教育委員会等がこれと同等の資質・経験を有すると認める者についても校長に任用できるものとすること。」。
このことは、文部大臣の諮問機関である中央教育審議会の昨年9月の答申を受けた措置であり、これまでの年功序列型の人事慣行を打ち破り、幅広く校長の人材を集めるとともに、保護者や地域住民の意向を反映させ柔軟な学校づくりを進めていくことがねらいであります。
年内に学校教育法施行規則を改正し、来年の4月から施行する予定となっているわけでありますが、教育長としてどのように考え、どのように取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。
具体的な改善策として示されているもので、1つに、「校長・教頭の選考と人事の在り方等の見直し」について、「校長の選考に当たっては、教育や法令に関する基礎知識等に偏った筆記試験を行わない方向で見直すとともに、教頭の選考についても、そのような筆記試験の比重を縮減するなど、より人物・識見を重視する観点から改善を図ること。」、「校長、教頭としてふさわしい資質と意欲をもった若手教職員や学校外の人材を積極的に任用するため、年功序列にとらわれない新たな評価方法や任用方法を研究開発し、人事の在り方を見直すこと。」とあります。
また、「校長が自らの教育理念に基づいて、特色ある教育活動を推進できるようにするため、校長の在職期間の長期化を図るなど人事異動の在り方を見直すこと。」、さらには「学校運営の複雑化・多様化に対応し、校長を補佐できるよう、学校の規模や地域の状況に応じて、教頭の複数配置を推進すること。」とあります。
「教職員の研修の見直しと研修休業制度の創設」について、将来の校長、教頭としての人材育成をする観点から、企業経営や組織体にかかわる経営者に求められる専門知識や教養を身につけるとともに、学校事務を含め総合的なマネジメント能力を高めることができるよう研修の目的を見直すとあります。
また、「教員が教職以外の幅広い活動を通じて自発的にその資質向上を図ることを可能とする研修休業制度の創設について検討すること。」とも言われております。
3番目に、「適格性を欠く教員等への対応」については、「子どもとの信頼関係を築くことができないなど教員としての適格性を欠く者や精神上の疾患等により教壇に立つことがふさわしくない者が子供の指導に当たることのないよう適切な人事上の措置をとるとともに、他の教員に過重な負担がかかることがないよう非常勤講師を任用するなど学校に対する支援措置を講じるよう努めること。また、教員としての適格性を欠く者については、教育委員会において、継続的に観察、指導、研修を行う体制を整えるとともに、必要に応じて「地方公務員法」第28条に定める分限制度の的確な運用に努めること。」とあります。
以上、改善策がいろいろと示されているわけでありますが、これらの改善策について現在の教育行政と比較してどのような違いがあるのか、どのようなメリットがあるのか、どのようなデメリットがあるのか、御教示いただければありがたいと思っております。
特に私が従来から教育行政について主張していることを述べさせていただきます。
特に教員の採用試験については、インターン制の導入が実現するまでの期間、教職以外の職業を3年ないし5年以上経験した受験者の採用枠を設けるべきだと考えております。そのことについて先ほど示した改善策にもあるとおり、広く人材を集めるという意味からは研修、学校の先生になった後の研修よりも先生になる前の3ないし5年間のいわば自己研修の評価を高めるということが大事であります。
したがって、3年ないし5年以上教職以外の職を経験した受験者の採用枠を大幅に設けてそれらの先生を任用する方向で教育行政を改めるべきだと考えますが、教育長としてどのようにお考えなのか、御教示をいただきたいと思います。
さらにもう1点、教育を受ける側すなわち子供もしくは保護者であります。そして教育をする側、この場では学校の先生であります。お互いが相互に評価をしてその結果を人事等に生かすべき考えがないかどうか。例えば適格性を欠く教員等への対応は、生徒及び保護者が協力をしない限り教育委員会あるいは学校当局が判断できないわけでありまして、ぜひ導入していただきたいというふうに考えております。
このことについては、学校は先生と生徒の密室であります。そのときの授業がどのように行われているのか、その先生がどのような教育をしているのかというのは現場において実際に学校長といえども把握しておりません。
そのようなことを把握をして、さらに人事に反映をさせて適正な教育を受けさせる必要があると思いますので、そういうふうな相互の評価システムというものを導入される考えがないかどうか、お尋ねをいたします。
このことは、中央教育審議会が言われている教員の適格性そのものを早期に発見をして、子供たちに事前に損害を与えることのないような教育委員会としての施策が展開できるものと私は考えておりますので、ぜひ教育長の答弁を賜りたいと思います。
2番目に、平和祈念資料館についてでございます。
平和祈念資料館の展示内容については、作業過程であるとはいえ日本軍の残虐性を薄める方向で変更されたとの報道があります。
さらに比嘉政策参与は、このことは検討過程であることを強調し、県の最終案ではないのでそれほど重要ではないと述べられているが、少なくとも県の案として方向性を出しており、それが見直し削除ということがなぜなのか。展示内容の変更は、いわゆる研究者による地道な調査に裏打ちされた沖縄戦の実相を示す核心部分であると言われております。史実としては既に定着をしているわけであります。
これらの実相に手を加える場合は、または手を加えようとする場合はしかるべき理由を述べるのが当たり前であり、作業過程であるから説明をしないということにはならないと考えております。数ある沖縄戦の実相の中から、何を選択し、どのように展示するかの問題は変える側の十分な説明が必要と考えるが、いかがなものでありましょうか。
代表質問との関連についてお尋ねをいたします。
知事は、県外移設を主張することは現実的ではない、SACO合意に沿う形で県民総意である基地の整理縮小を段階的に実現していくことが現実的である。知事の言われるこのことは現下の国際情勢下、日米両政府の安全保障政策の基本的な考えからして、県外移設による普天間飛行場の返還は現実的でなく実現性がないとの判断から、選挙時の公約として北部、軍民共用、15年限定陸上案になったと本員は考えております。
しかし、軍民共用はともかくとして、15年限定と期間を付することは日米両政府の安全保障の基本的な考え方からして可能なのか、可能性があるとすればどのような理由があるのか、このことは現実的と言えるのかどうか、可能であるならば知事として理論的に説明をいただければありがたいと思っております。
また、移設予定地の年内提示と報道されておりますが、軍転法の改正、返還軍用地の跡利用のための政府の考え方、制度改正等を含め県民に見える形での政府の考え方が示されると考えて年内に示されると考えているのかどうか、お尋ねをいたします。
示されない場合、県案が確定しても政府に提示しない場合があり得るのかどうかをお尋ねいたします。
県案の政府に対する提示は、当該市町村との事前交渉の後か、それとも当該市町村は知らないまま政府に提示しこれをもって政府が提示された市町村に対してそのことを伝え交渉に入るのかどうか、提示する場合は当該市町村に了解を求めた後なのか、教えていただきたいと思います。
続きまして、行政改革についてであります。
平成12年3月を目途に新たな行政改革大綱を策定することになりましたが、何がどのように変わるのか、個別具体的に5点ほど御教示いただければありがたいと思っております。
まだ3分残っておりますので、もう遅くなっておりますからまた後ほど考えてから質問をいたしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 大工廻朝栄議員の我が党の代表質問との関連について、知事は北部地区に軍民共用施設を15年限定で提供するということを公約にしているが、この公約にかかわらず普天間基地周辺の住民の生命財産の危険を早急に除去することが最も重要で現実的対応ではないか、所見を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
普天間飛行場は、市街地の中心にあって地域の振興開発の支障となっており、また飛行場及びその周辺部が重要な開発拠点となっていることなどから一日も早く移設を実現することが重要であると認識しています。
県は現在、国に提示するための絞り込み作業を進めており最終的な段階でありますが、移設後の跡地利用問題や移設先の振興策について特段の配慮がなされる必要があると考えております。
そうした中で、できるだけ早く決定できるよう全力を挙げて取り組んでまいります。
なお、15年の問題について非常に難しい問題ではあるが、どう対処するかということでございますけれども、私が公約の中で一定期間限度つきと言ってその中で15年と一つの例示をしたわけですけれども、それを数字を出したというのはあくまでも基地の将来的な整理縮小に向かっていくんだと、基地の固定化につながらないということを前提にそう主張いたしましたので、現在ともその15年に対して主張していく態度には変わりございません。
行政改革についてお答えいたします。
平成12年3月を目途に新たな行政改革大綱を策定するが、何がどのように変わるか具体的に例示してくださいというお尋ねでございます。
県では厳しい財政状況のもと、少子・高齢化社会や地方分権型社会の到来等社会経済情勢の変化に的確に対応する行政システムを構築するため平成12年3月末を目途に新たに行政改革大綱を策定し、行政改革を実施する予定であります。
今回の大綱においては、特に「県民起点の行政」の推進という基本理念を大事に考え、事務・事業の効果を評価し、それを県民に公表するという事務・事業評価システムを新たに導入することや、よりコスト意識を徹底させるためのバランスシート等の導入の検討、県財政の中期見通しの作成や公社等外郭団体の情報開示のあり方を検討することとしております。
また、より県民にわかりやすい内容とするため職員定数の削減等について具体的な数値目標を設ける考えであります。
さらに、前回の大綱策定後に大きな流れになってきた地方分権の動きを踏まえ県政を担う有用な県職員の人材育成方針の作成についても盛り込む考えであります。
今後、これらの事項を県民に広く公表し、県民の意見等を取り入れた上で行政改革大綱を策定し、平成12年度から行政改革を実施していくこととしております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(翁長良盛) 教育行政についてという御質問に関連いたしまして、校長の任用資格を大幅に緩和することについてどのように考え、どのように取り組んでいかれるのかという大工廻先生の御質問にお答えいたします。
平成10年9月、中央教育審議会は「今後の地方教育行政の在り方について」の答申の中で、校長・教頭への任用資格をこれまでの「教諭の免許状を有し、かつ教育に関する職に5年以上勤務した経験を有すること」に加え、1つ、「10年以上教育に関する職に就いた経験がある者については、教諭の免許状を所有しなくても校長に任用できること」、2つ、「特に必要がある場合には、都道府県教育委員会等がこれと同等の資質・経験を有すると認める者についても校長に任用できるものとすること。」と提言しております。
このことは、幅広く人材を確保する観点から校長及び教頭の任用資格を見直し、地域や学校の状況、課題に応じた適材確保のための選択肢が拡大されるものと理解しております。
文部省は、この答申を受けて学校教育法施行規則を改正するとしており、校長の任用資格を大幅に緩和し、教員免許状を所有しない教育関係職員等でも任用できるようにする方針を決めております。
このことについて、現在、都道府県教育長協議会等で課題や問題点などについて論議をしているところであり、現在調査、検討を行っているところであります。このことにつきましては、国や各県の動向を見きわめながら対処してまいりたいとこう考えております。
次に、同じく教育行政に関連いたしまして、教育を行う側(先生)、教育を受ける側(生徒)の相互評価システムを導入するに必要ありと考えるがどうか、また教員のインターン制のことについて、それから採用のあり方等について御質問がございましたけれども、一括してお答え申し上げたいと思います。
御提言の相互評価システムの導入につきましては、学校の課題を一層的確に把握することができ、地域の実情や子供の状況に応じて創意工夫を凝らしながら、よりよい授業づくりなど教育活動の改善につながる面もあると考えます。
しかしながら、このことをシステムとして導入することにつきましては教師の意欲、授業のあり方、評価方法など教育活動の根幹にもかかわってまいりますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
なお、御案内のとおり教育は子供たちの発達を助ける営みであります。その営みは学校のみが担うものではなく、学校、家庭、地域社会が連携を図り、それぞれがその教育機能を十分発揮して初めて子供たちのよりよい発達が促されるものであります。その中にありましても教員の果たす役割はとても大事なことでありますので、採用のあり方、研修のあり方等についても今後引き続き改善に努めてまいりたいと思っております。
それとともに、地域や保護者の皆さんには常日ごろから学校に足を運んでいただき、学級PTAや授業参観などを通して積極的に学校に対する御提言をしていただきたいと思います。そのことによって、学校が家庭や地域社会にとってより垣根の低い開かれたものになると考えております。
保護者、地域社会への学校開放の促進につきましては、本県教育主要施策の中にも位置づけて取り組んでいるところでありますが、今後ともなお一層地域と一体となった学校づくりを推進してまいりたいと考えております。
以上であります。
○文化国際局長(金城勝子) 大工廻議員の御質問にお答えをいたします。
平和祈念資料館の展示内容について、作業過程であるとはいえ旧日本軍の残虐性を薄める方向で変更されたとの報道について、だれが、なぜ、何の目的でそうしたかというお尋ねでございます。
新平和祈念資料館の展示内容は多岐にわたっていることから、事務段階では従前から継続的にいろいろな議論を続けているものであり、事務方としてその時点時点における内部検討の一過程のもので、最終的なものではありません。
展示内容については、県と展示業者との間で検討を積み重ね、その結果を展示案として監修委員会にお諮りいたします。このような作業を繰り返しながら展示内容を決めてまいります。したがいまして、監修委員会の手続を経ずに展示内容が変更されるということはあり得ません。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 大工廻議員の我が党の代表質問との関連についての中の普天間飛行場の移設先との関係で、市町村の協力が得られなくても提示するのかという御質問にお答えをしたいと思います。
移設先については、現在さまざまな観点から検討中であり、特定の場所の取り扱いについては申し上げることはできませんが、県としては関係市町村等の理解と協力が得られるよう一層努め、十分調整していきたいと考えております。
○大工廻朝栄 議長、休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後7時22分休憩
午後7時26分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 大工廻朝栄議員の御質問にお答えいたします。
跡地利用の問題については、先ほど議員御指摘のとおり、私の方から何らかの目に見える形でない限りはというお話をしておりますので、これはあくまでも主張を貫いてまいりたいと思います。
それから移設先の問題につきましては、振興策につきましては、まず移設先の選定、次に振興策の国との調整あるいは何らかの形で目に見える形で出るということ、そしてその段階で移設先へ申し入れ、協力依頼の順番でいきたいと思っております。
○知事公室長(親川盛一) 大工廻議員の提示する際には地元の合意を得てやるのかとこういう趣旨の御質問かと思いますけれども、県といたしましては、提示に当たりましては地元の意見も聞きながら国と一体となってそういった調整をしながらまず提示することが第一という考え方でございます。
そして提示した後も国と一体となって調整を図っていくという考え方でございます。
○教育長(翁長良盛) 先生を志望する者でその大多数は大学を卒業してストレートに教員になるという方々が大多数でございますけれども、それ以外にも先生から御提言のありましたとおり教員以外の他の職種を経て、それから教員の道を選択するとそういう方々も大分いらっしゃるわけでございますけれども、そういう方々に対しましてはやはり視野が広い、それからその職務に対する姿勢が大変いいと、大変いい評価を得ているところでございます。
しかしながら、先生の御提言のありますそこの部分の枠を確保して教員選考を行うということにつきましては公平性の問題もございますので、今後検討事項にさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○具志 孝助 こんばんは。
一般質問に入る前に一言意見を申し述べたいと思っております。
今議会は、新平和祈念資料館の問題でこのように野党の皆さんが出席しない片肺のまま今本会議が開かれております。
この議会は、申すまでもなく来年4月1日からスタートする介護保険制度の問題だとか、あるいは来年7月に行われる九州・沖縄サミット、あるいは緊急雇用対策、これも大変重要な課題でありまして、これらの補正予算についての議案も出ております。
それから、かねてからの重要な問題である普天間飛行場あるいは那覇軍港の移設の問題、これだって相当の議論を要するような問題かと思っております。
このような重要な課題が山積しておりながら、片肺飛行で本会議が開かれるというのはまことに残念のきわみであります。
そこで、議長にお願いを申し上げるわけでありますが、これから実質審議に入ります委員会に移っていくわけでありますが、ぜひ議長は議会正常化に向けて一層の努力を果たしていただきたいと。必要であれば執行部と野党の皆さんの橋渡し、そういうようなこと等も検討しながらぜひとも議会正常化が一刻も早く達成できるよう御努力をお願い申し上げたいと。多くの県民がこんな重要議題の中で片肺で議会を運営するということには相当の不満があろうかと思っておりますので、私どもは声なき声、これをしっかりと受けとめて議会の正常化に御努力をお願いしていただきたい、このように御要望を申し上げておきたいと思っております。
では質問に入ります。
私は、2点について通告をいたしております。
1点目は、戦争末期旧日本軍による那覇飛行場の拡張用地として強制接収された民有地についてであります。
これは私は那覇飛行場と特定をいたしておりますが、実は全く同様同質の問題が嘉手納飛行場あるいは読谷補助飛行場においても若干地主の間においてはまだ同様な不満が残っていると、このように承知をいたしております。
本件につきましては、私も平成8年9月議会に取り上げて質問をいたしました。
当時大田知事は、私の本件の質問に対しまして以下のような答弁をいたしました。この旧日本軍による接収用地問題は、基本的には国と当事者間の問題であると。2点目に、嘉手納飛行場用地の所有権問題は平成7年に最高裁判決がおりており、再度の国における調査というのは大変厳しいんではないだろうか。3点目に、私は那覇飛行場を指して質問いたしましたが、那覇飛行場については当事者である那覇市の方がどういう考え方であるのか聞いてみたいと、こういうような答弁でございました。
この問題は、御案内のとおりことしの2月に那覇市の市長親泊康晴、あるいは時を同じくして2月に嘉手納町の旧飛行場権利獲得期成会の会長からも請願という形で問題の解決に協力をしてもらいたいと、こういうような陳情、請願が出されております。
もう既に御案内のことと思っておりますが、本件の土地は昭和16年から19年の間に、戦時下でありますので国家総動員法によっていわゆる軍事統制が最も厳しい時代に行われた接収用地であると。しかも政府が答えているもう既にこれは売買契約のもとに代金も支払われて所有権の移管は正当に行われたと、こういうぐあいに言っておりますけれども、このことについては実は県においては昭和53年に調査をしているんです。
これは御承知のように、時間の範囲内で申し上げますが、そのときに調査の概要というのがこれは昭和53年の、議員の皆さんにも見てもらいたいんですが、本件について調査されている。(資料を掲示)
このときにも、この調査の結果についてこのように言っている。
「当時は全て軍事優先の時代であり、土地取得に際して民法上の売買、双務契約に基づく取得とは言えず、旧日本軍による威圧的、強制的命令により接収したものであることは、元第32軍参謀陸軍中佐神直道氏の証言でも明らかである。 更に、土地代や補償金の額の算定についても当時住民の間で一般的に認められていた時価額とは程遠く旧日本軍によって一方的に決定されたものである。」と。
あるいは、「土地代金や補償金を受領した人達でも、戦時資金調達に協力せよと言って強制的に貯金や国債購入をさせられ、その挙句が敗戦で貯金通帳や債券の紛失、焼失、更に米軍による払い戻しの凍結があったとのことで、結局、旧地主に残ったものは何もないという惨めな状態となっている。」と、こういうふうな調査の結果を皆さんが出しているんです。
こういうような経緯を持った問題であるわけなんです。
今日まで戦後処理問題というのはたくさんありまして、いわゆる戦争マラリアとか厚生年金の格差是正、あるいは対馬丸、不発弾の処理問題、これはまだ続いているわけですが、懸案事項がたくさんあって、こういうような民事上の問題はとてもじゃないけれども取り上げる時間がないと、こういうようなことであったわけでありますが、これら申し上げたマラリア問題だとか厚生年金問題も一通り片づいたところであるし、ぜひともこの地主会が言っている、もう50年来の悲願でありますので、ぜひ誠意ある対応をしてもらいたい。どういうようなことができるのか、慎重に検討して、単に国と当事者間の問題であると、こういうぐあいに片づけないで、真剣に検討を願いたいということをお願い申し上げます。
知事の御所見を賜ります。
もう1点目は、これもまた行政区の一部編入問題とここにかかわる通学区の問題ですが、実はこの問題は本来は那覇市と豊見城村の問題であるわけですが、今編入問題で両市村が必ずしも穏やかな状況でない。そこで今冷静に話ができるような状況でないので、何とか県の方で調整をしていただいて、そのために関係地域の住民あるいはそこの児童生徒がそのために犠牲にならないように何とか御努力をお願いしたいというような問題であります。
豊見城村字我那覇後原地区の那覇市への編入と通学区についてと、こういうことで通告をいたしておりますが、この豊見城村我那覇後原というのは昭和54年に那覇市宇栄原南土地区画整理事業区内に開発された豊見城地番を持った住宅地なんです。まさに那覇市宇栄原の中に豊見城地番が面積にして4万5000平米、約1万3600坪程度です。そこに豊見城地番に386名、109世帯の方々が住んでおります。そこに児童生徒が小学校37名、中学校29名、合計66名が住んでおりまして、かねてこの地域は申し上げましたように那覇地番の中にあるものですから、豊見城と那覇市の間では将来的にはこれは那覇市に編入した方が地域の方々も、また行政の効率と、行政を執行する上でもその方が望ましいということでもって双方間で基本的に合意をして文書も交わされている。当然編入がなるものというようなことで期待をしながら今日を迎えている。
実はこの同地区については、この地域住民から那覇市や豊見城村に再三再四にわたって編入の問題を陳情要請をしてまいりまして、そのことに対し最終的には那覇市が区画整理事業が完了した年に編入受け入れの意思表示をしたんです。
豊見城村は若干時間がかかったわけですが、昭和62年に那覇市に対して、該地域については行政執行上も豊見城がやることについては不都合な点が多いので那覇市の方に編入しましょうと、そういう同意を62年に表明したんです。62年ですからもう10年間経過しているんですが、この豊見城の同意を受けて、那覇市は、それでは子供たちのいわゆる通学というのは前倒しで、編入問題は後で解決するとして、該地域の児童生徒は那覇市の学校の方に受け入れましょうということで高良小学校と小禄中学校の方に通学を許可されたわけです。今日まで来たわけですが、那覇市はもう10年間も経過しているのでそろそろこの問題に決着をつけてもらいたいと、こういうような申し入れをしたんです。
実は、那覇市も今財政的に大変厳しい環境下にあって、議会からどんどんどんどんきちっと財政をやっているかと、こういうような質問が出されて、行政にむだがないかと、こういうような中で豊見城のいわゆる編入問題は10年前に片づいていながら、子供たちは我が方に受け入れているのにこの問題は解決しないと。一体全体これだけの教育費はどうなっているかと、我々の負担になっているじゃないかと、この辺のけじめをつけなさいとかというようなことも議会の中で言われたんです。
そこで、那覇市は豊見城に対して早急にこの問題に決着をつけたいというような申し入れをしたわけなんです。ところが豊見城村はまた豊見城村で、平成14年にかねてからの市制昇格、この目標を持っていて、人口規模が5万人に達しないといけないと。来年は国勢調査があって、来年の10月1日に5万人達成をしないと基準に満たないという事情があるんです。今実は4万9000人余りだそうです。微妙なところで、先ほどから問題になっている地域の386名、400名近くの人口がごそっと減ったら、これまた豊見城村もこの基準に満たなくなるかもしれないと。だからこれをきょうあす編入をしてくれと言っても今できるような状況じゃないので、何とかもう少し待ってくれと、こういうようなことであったわけですが、那覇市にそういうような時間的な余裕がないために早目に決着しないと我々はもう子供たちの通学を受け入れるわけにはいかないと、こういうことになったわけなんです。
そこで、豊見城村は改めて昭和62年に一部編入について合意をして那覇市に回答したわけですが、もう一回議会に非公式に議員全体協議会を開いて相談をしましたら、議会は平成14年に市制昇格の問題があって今それはできないと。今返事をしなさいというんであれば、もうできないと、編入には応じられないということしか言えないと。
こういうようなことで全会一致で決まったものですから、執行部・村長は議会に編入の議案を出すことはできませんと、だからもう編入はできませんという回答をしたわけです。
それぞれ豊見城村と那覇市に別々の問題を抱えたために編入問題ができない。そのために子供たちはもう豊見城村に返せというようなことになって、一番迷惑したのはこの地域に住んでいる方々が、将来は那覇市に編入されるというような期待と同時に、そこの子供たちと一緒に教育を受け、地域社会での活動もやっているにもかかわらず、来年4月1日からは豊見城村に行きなさいと、こういうことになったら大変なことになると。
今、その子供たちの中には、新聞ざたにもなったものですから、私たちは本来豊見城に行くべきなのに那覇市にお世話になっているのかと。那覇市の財政的な負担になっていると。給食で食べているこのパンは那覇市のお金で買ったパンを私たちは食べているのかと、こういうことをおうちに帰ってきて子供たちは言うそうなんです。周辺でそういう話になったわけです。これはいじめの始まりじゃないかなと。
こういうようなことを心配をして、地域住民はまた一生懸命になって何とか穏便に解決をしてもらいたいと、こういうようなことで両市村に一生懸命訴えているし、恐らく県の教育庁に対してもそういうような陳情が出されているものと思っております。いじめにも発展しかねないような問題であります。
この件については、義務教育というのは本来は公費で賄うと、こういうような憲法の定めもあるし、教育基本法の定めもあると私は承知をいたしております。したがいまして、当然那覇市の負担にはなってないんだということをきちっと明らかにしないと子供たちが大変困る状況になると、こう思っておりますので、この義務教育費の問題だとか越境入学の問題、あるいは編入問題、私は編入問題については少なくとも豊見城村が市昇格を実現した後に改めて那覇市と豊見城村の間でその後に地域住民あるいは両市村でどの方が得策なのかということを冷静になって協議を開始すると、こういうような方法が望ましいと思っております。
そういうような私の意見をしんしゃくしながらこの問題についてどう解決を図っていくか、どう調整をしていくのか、県のあっせん方をお願いを申し上げまして私の質問といたしたいと思います。
よろしくお願いをいたします。
○知事(稲嶺惠一) 具志孝助議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、旧日本軍により那覇飛行場用地として強制接収された民有地について、旧飛行場用地問題について戦後処理問題として政府に働きかけ地主会の悲願にこたえるべきと考えるが、知事の所見を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
国においては、沖縄本島の旧軍買収地については、私法上の売買契約により正当な手続を経て国有財産になったものと判断しております。
県としては、旧日本軍による接収用地問題については、これまでの経緯を踏まえますと国による再度の調査、検討は厳しい状況にあると認識しております。しかし、旧地主の間には今なお所有権の回復や再調査を求める強い意見があることも事実であり、このような地元の実情にかんがみ、今後国において旧地主に納得が得られるような十分な説明の場を設定してもらうなど県としての働きかけができないか検討してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 那覇市宇栄原南土地区画整理事業区内の豊見城村字我那覇後原地区の問題について、県も両市村に対して何らかの対応を講ずべきではないかという御質問に対してお答えをいたします。
那覇市宇栄原南土地区画整理事業区内の我那覇後原地区の那覇市への編入問題については、これまでも長年にわたり那覇市と豊見城村の間で協議がなされてきたと伺っております。
御指摘のとおり、昨年来、両市村の話し合いが難航し、児童生徒の通学問題が発生しており、住民生活への影響を懸念しているところであります。
今後、教育庁との連携、那覇市や豊見城村との意見交換をするなど円満な解決ができるよう働きかけたいと考えております。
○教育長(翁長良盛) 豊見城村字我那覇後原地区の児童生徒の通学区問題について所見を伺いたいという具志議員の御質問にお答えいたします。
児童生徒の区域外就学につきましては、保護者の申請により関係教育委員会が十分に話し合い、協議が整った上で承諾することとなっております。
豊見城村我那覇後原地区の区域外就学問題につきましては、現在豊見城村教育委員会と那覇市教育委員会が関係法令に基づき、教育的見地に立って慎重に協議がなされていると伺っております。
県教育委員会といたしましては、この問題について教育事務所を通して情報収集に努めているところであります。現在、区域外就学をしている68人の幼児・児童生徒に対して、いじめ等の問題がないかとの御質問につきましては、那覇市教育委員会を通じ学校に伺ったところによりますと、ないものと理解しておりますが、いじめは絶対に許されないことであり、いじめが発生しないよう今後指導助言してまいりたいと考えております。
また、就学している幼児・児童生徒の数は、地方交付税算定上、那覇市の基準財政需要額に算入されていますが、その他さまざまな問題もあると思われますので、当該幼児・児童生徒が仲よく安心し充実した学校生活が送れるよう、また保護者の方々にも不安を与えないような方向で両教育委員会と今後十分に話し合ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○金城 繁正 執行部の皆さん、大変御苦労さまです。
一般質問を行います。
まず第1に、行財政改革の推進について所見を述べながら質問をさせていただきます。
本県における平成4年度から平成9年度までの一般会計決算の推移を見ますときに、自主財源であります県税収入は750億から800億、構成比にして13%、類似県が13.1%、それに全国平均で31%に比べて低水準に推移しております。
なお、地方交付税あるいは国庫支出金、県債の依存財源に大きく依存しております。
一方、歳出面では義務経費中の人件費が2180億から2200億台に達し、歳出総額に占める割合が35%に達し、類似県あるいは全国平均をはるかに上回っております。
また、公債費は400億から500億台を超え、年々増加の傾向にあります。また経常収支比率も90%以上にあり、類似県あるいは全国平均を大きく上回っていて財政の弾力性が極めて低い状況にあります。
また、3基金においても平成4年度に577億あったのが、3基金の残高が平成10年度末には238億というふうになっております。
決算収支は、平成6年度まで10億から20億の実質単年度収支が黒字だったのが、平成7年度から9年度まで31億のマイナスというふうになっております。
このような本県の財政状況は、公債費の増加あるいは減債基金等の減少などかつてない厳しい局面を迎える中で経済対策等旺盛な財政需要に対応しなければなりません。今後の財政運営は一層厳しく困難が予想されております。
執行部においては、これまで行政改革に全庁挙げて取り組み努力されておりますが、その成果は評価するものでありますが、今後の財政運営に当たっては事務・事業の見直しや定員の適正化、経費の節減合理化など思い切った行政改革が必要であると考えます。
そこで質問いたします。
(1)番目、本県における財政の現状と課題について伺います。
(2)、財政については、財政の硬直化が進んでいると言われております。その原因は何か、具体的にお示しください。
(3)、稲嶺知事は去る7月、新たな行政改革大綱策定の基本的な考え方を発表されておりますが、その内容と特徴的なものは何か。
(4)、財政構造について、自主財源(20%)が乏しく、依存財源(80%)の割合が高い。今後自主財源の確保についてどのような対応策を持っておられるか、お伺いします。
(5)、財政運営の健全化を図るために財政の健全化計画が策定されるべきと考えます。知事の所見を伺います。
2、財団法人郵便貯金住宅等事業協会の県への移行問題についてお尋ねします。
財団法人郵便貯金住宅等事業協会は、昭和44年6月30日、県内各市町村からの出捐金1000ドル(30万5000円)を拠出して設立されました。
この法人は、戦前の郵便貯金等を有していた住民多数の預金者の福祉向上を図り、あわせて沖縄の住宅難の解消に寄与することを目的として設置されております。
この法人における事業は、1番目に、賃貸住宅の建設並びにその管理運営、2、預金者から委任を受けた郵便貯金及び見舞金の受領と支払い業務、3、琉球政府からの委託業務の処理、4、預金者に対し事業から生ずる収益の配分、5、その他法人の目的を達成するために必要な事業とされております。
同法人の賃貸住宅は、昭和46年12月から昭和49年の6月までの間に那覇市の松川共同住宅195戸、古島共同住宅386戸、首里末吉共同住宅179戸、合計760戸が建設されて現在に至っております。
この賃貸住宅の建設は、大蔵省から住宅建設融資(30億円の枠)する方法で昭和47年5月から昭和49年の12月までの間において25億4000万円余りを借り入れし建設がなされてきました。
私が調査した資料によりますと、当協会の財政運営は収入において住宅の賃貸収入が主で、そのほか預金利息となっております。家賃収入の伸び悩みと低金利のための収入が減少している。
一方、支出においても住宅管理費、あるいは住宅維持費、借入金の元利償還金等が主なるものであるが、中でも住宅の老朽化による修繕費の増嵩と借入金の高金利(5.5%)は当協会の財政を圧迫しております。
このような状況の中で当協会の今後の業務運営はますます厳しくなるばかりで、しかも住宅の老朽化による建てかえ問題の解決、さらには多額の借入金の償還財源の確保は難しいかと、このように思います。
県当局は、財団法人郵便貯金住宅等事業協会の存続問題について関係者と一体となって真剣に検討すべき時期にあると思います。
そこで質問いたします。
(1)、財団法人郵便貯金住宅等事業協会と県との関係はどうなっておりますか。
(2)、県から同協会への職員――これは専務ですが――を出向させていると聞いております。その根拠は何ですか。
(3)、同協会への入居率と管理状況はどうなっておりますか。
(4)、同協会の財政運営状況はどうなっておりますか。
(5)、住宅において老朽化が進み危険な状態にあると聞いております。その実態を調査なされたことがありますか。また危険住宅の建てかえ問題について県当局はどういうふうに考えておりますか。
(6)、同協会は現在、管理運営について厳しく今後存続することは困難が予想されていると聞いております。その対応策について知事の所見を伺います。県への移行の意見等があると聞いておりますが、同時にお聞かせ願いたいと思っております。
3、海洋深層水の研究開発事業問題についてお尋ねします。
県当局は、平成9年度から科学技術庁所管の国庫補助事業で久米島仲里村に研究施設整備が進められております。
海洋深層水関係の施設については、地元はもとより多くの県民から施設の早期完成と深層水の利活用に大きな期待が寄せられております。
私たち県議会経済労働委員会は、海洋深層水関係の調査のため5月17日から18日、高知県の室戸岬にある海洋深層水研究所を視察調査してまいりました。
高知県では、海洋深層水の利活用で大きな成果を上げております。
まず(1)、水産分野を中心に進められ、海藻類あるいはメダイの養成、ヒラメの養成で成果を上げております。
(2)点目に、食品分野で清酒あるいはしょうゆ、健康ドリンク等の30余りの品目の商品化がなされております。
(3)点目に、化粧品メーカーとの提携で化粧品の商品化に成功し工場を誘致しております。
(4)点目に、県庁に海洋深層水対策室を設置し、研究機関との連携及び企業誘致等総合的な対策が図られております。
(5)点目に、平成11年度から12年度完成予定で隣接地に企業用地の確保を図るとともに、新たな取水量約3000トン日量の取水施設を増設し企業展開を図る計画が進められております。
このように先進県では深層水の利活用と企業誘致等産業の展開に力を入れております。
本県においても早期に深層水の利活用計画を策定、また企業誘致等の産業展開など計画を策定すべきであると考えます。
そこで、次の点について質問いたします。
(1)、海洋深層水研究事業の進捗状況はどうなっているか。
(2)、総合利用研究施設の内容、規模等について説明してください。
(3)、海洋深層水の利活用計画はどうなっておりますか。
(4)点目、企業誘致等の産業の展開にどのような施策を持っておりますか。また計画等があったら御教示ください。
(5)点目、海洋深層水研究開発を積極的に推進し早期に産業化を図ることが先決であると思います。そのため組織の強化が必要であると考える。知事の所見を伺いたいと思います。現在、企画開発部が所管しておりますが、今後はどうなりますか。
(6)点目、海洋深層水開発事業について、現在企画開発部と商工労働部において同じ事業が進められております。その事業目的の相違点は何ですか。また事業の効果等について伺います。
今後、海洋深層水の総合利用の基本方針について一元化の必要があると考えます。そのことについてお伺いします。
あと2点は、5分ぐらい残っておりますが、後日に回します。
○知事(稲嶺惠一) 金城繁正議員の御質問にお答えいたします。
大変行財政改革の推進について貴重な御意見、ありがとうございました。
それでは質問要旨に、本県における財政の現状と課題は何か、財政の健全化計画の策定について知事の所見はどうかとの2点についてお答えいたします。
本県の財政状況は、歳入面では自主財源の柱である県税収入の歳入総額に占める割合が低い状況にあり、財源の大半を国庫支出金や地方交付税に依存した構造となっております。
一方、歳出面では人件費や公債費等の義務的経費の占める割合が高い状況にあります。
また、これまで実施してきた大規模な県単独の箱物建設事業や最近の数次にわたる経済対策等の財政需要の増加に対して、県債の発行や基金の取り崩しによって対応してきたため県債残高が増嵩する一方、基金残高は減少し、今後の財政運営はこれまで以上の厳しさが予想されます。
このような状況に対処するためには、中長期的な本県経済の活性化に結びつく産業振興施策を推進して税源の涵養を図るとともに、行政改革をさらに推進し経費の徹底した見直しによる歳出の節減合理化を図る必要があると考えております。
財政健全化のための方策については、現在進めている新たな行政改革大綱の策定を行っていく中で検討していくとともに、県財政の中期見通しについても一定の仮定のもとで歳入や歳出の試算を行い公表していきたいと考えております。
次に、行財政改革の推進について、県財政は財政の硬直化が進んでいると言われているが、その原因は何かについてお答えしたいと思います。
県財政の硬直化を示す指標としましては経常収支比率があり、この比率が高いほど財政の硬直化が進んでいると言われています。
本県の平成10年度決算における経常収支比率は93.0%で、他県と比べても高い状況にあります。
その原因としましては、県税や地方交付税等の一般財源に占める人件費や公債費等の義務的経費の割合が高いことにあります。
人件費の割合が高い理由としましては、職員の平均年齢が高いことによる平均給与が高いこと、職員数が他府県に比べて多いことなどが挙げられます。
また、公債費の割合が高い理由は、これまで実施してきた大規模な県単独の箱物建設事業や最近の数次にわたる経済対策等に伴って発行した県債の償還金が増嵩していることなどによるものであります。
さらに、大規模な箱物等の建設に伴って新たに必要となった維持管理費も県財政の硬直化の要因として考えられます。
このことから、今後とも給与、組織・定数等について見直しを行い経費の徹底した節減合理化を図っていくとともに、大規模な箱物等の事業については将来の財政運営に及ぼす影響や事業の必要性、効果等を勘案し慎重に対処してまいりたいと考えております。
次に、行財政改革の推進についての中で、知事は去る7月、新たな行政改革大綱策定の基本的な考え方を発表しているが、その内容と特徴的なものは何かとの御質問にお答えしたいと思います。
県では、平成12年3月を目途に新たな行政改革大綱を策定する予定ですが、この策定においては、1、地方分権型社会への対応、2、行政の簡素化・効率化、3、行政の公正の確保及び透明性の向上、4、職場討議を重視するTQM的事務改善運動及びそれと連動した事務・事業評価システム、バランスシート等の導入の検討など民間経営感覚を取り入れた行政運営、5、人材育成方針の作成を同時並列的に行うなど総合的な取り組みの5つの観点から新しい県行政システムの構築を図る考えであります。
特に、民間経営感覚を行政運営に取り入れることを目指す点や、地方分権時代を踏まえ人材育成等も含めた総合的な取り組みを行うという点は新たな取り組みであると考えています。
また、今回の行政改革は、これまでと異なりいわゆるパブリックコメント方式により広く県民の意見を取り入れていくとともに、具体的な数値目標を掲げて県民にわかりやすい内容とするよう努める考えであります。
次に、海洋深層水研究開発事業について、企業誘致等の産業の展開にどのような施策を持っているか、また計画があったらその辺を知らせてほしいとの御要望に対してのお答えでございます。
海洋深層水研究施設においては、深層水の研究開発や技術移転、インキュベート施設の提供を行います。加えて、深層水の利活用を希望する企業等に深層水を提供することにより実用化の支援を行います。
企業誘致につきましては、仲里村が3.3ヘクタールの企業用地を確保していることから、村が策定する企業誘致指針に基づき村と連携をとりながら進めてまいります。
さらに、研究開発した技術をスムーズに技術移転し、より効果的に産業振興を図るため、新事業創出促進法に基づく新事業創出のための総合支援体制(プラットホーム)により企業等の技術開発から事業化までの各段階に応じた支援を行ってまいります。
次に、同じく海洋深層水研究開発事業について、早期に産業化を図ることが先決であり、そのための組織の強化が必要であると、所見を聞きたいと、また今後の所管はどうなのかについてお答えをしたいと思います。
海洋深層水研究開発事業は、深層水の利活用が水産、農業、工業分野等多岐にわたることから、組織のあり方についてはその機能が十分発揮できる方向で検討しているところであります。
当該研究施設の管理運営に当たっては、当面、企画開発部が所管する方向で関係部局に検討させております。
将来的には、各種の学術研究機関等のあり方を総合的に検討する中で当該施設の管理運営についても検討させてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 行財政改革の推進についての自主財源の確保の対応策についてお答え申し上げます。
本県の平成10年度決算の歳入総額に占める自主財源の比率は22.9%で、依存財源は77.1%となっており、地方交付税や国庫支出金等の依存財源の割合が高い状況にあります。
自主財源の確保対策として、県税については嘱託員の配置や全県税職員の徴収応援による執行体制の強化、早期滞納整理及び滞納処分の強化を行った結果、平成10年度決算における未納額が前年度と比較して2億2400万円減少したところであります。
さらに、今年度は特別滞納整理班を設置し、高額滞納及び徴収困難な事案の整理に取り組んでおります。
また、使用料・手数料については従来より定期的な見直しを行っておりますが、平成11年度における見直しに伴う増収額は2億2300万円程度が見込まれております。
今後とも、県税の徴収強化対策や使用料・手数料の見直しはもとより、遊休化した県有財産についても引き続き売却処分を行い、自主財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) 財団法人郵便貯金住宅等事業協会の県への移行問題についてのうち、同協会と県との関係はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
戦前に沖縄県民の有していた郵便貯金等は、戦後本土からの行政権分断によって昭和21年には支払いが停止されました。
その後、昭和36年に市町村会及び市町村議会議長会が中心となって「戦前の郵便貯金等払い戻し獲得期成会」が結成され、日本政府に対する債権の払い戻し要求運動が取り組まれました。
その結果、昭和44年に郵便貯金等の払い戻し問題が解決されました。
これに伴い、獲得期成会を発展的に解消し、県内53の全市町村からの出捐金をもとに新たに財団法人郵便貯金住宅等事業協会(いわゆる郵住協)が組織され、昭和44年に琉球政府により公益法人として設立許可されたものであります。
復帰後、県は民法第83条の2の規定に基づき郵住協を指導監督する立場にあります。
それから、県から郵住協へ職員(専務)を出向させていると聞いているが、その根拠についてお答えいたします。
郵住協は、寄附行為に基づき評議員会と理事会により運営されており、このうち評議員会は出捐団体である県内53市町村ごとに市町村長と債権者1名、これに県から推薦する者2名により組織されております。
また、理事会は評議員の中から選出される13名の理事により構成されており、理事長、専務理事は寄附行為第18条第1項の規定により理事会において互選することになっております。
御質問の専務理事の出向については、県が推薦した評議員のうち、理事会において専務理事として選出された者を郵住協から要請を受け派遣していたものであります。
なお、現在は県からの専務理事の派遣は行っておりません。
次に、郵住協の住宅の入居率と管理状況はどうなっているかについてお答えいたします。
郵住協が管理している共同住宅は、3団地で合計760戸であり、平成11年9月末日現在の入居戸数は755戸で、入居率は99.3%となっております。
また、住宅の管理については郵住協が直接行っており、入居募集の方法は毎年2月ごろに空き家募集を実施しております。
住宅の家賃については、2DKで2万7000円、3DKで3万8000円程度となっており、平成10年度の家賃徴収額は約2億4430万円で、その徴収率は約93%となっております。
共益費は、1住戸当たり月額2200円を徴収しております。
駐車場は3団地で520台を管理しており、使用料は1台当たり月額2600円ないし4200円を徴収しております。
次に、郵住協の財務運営状況はどうなっているかについてお答えいたします。
郵住協は、戦前の郵便貯金払い戻し問題解決の一環として大蔵省から30億円の融資を受けて松川共同住宅、古島共同住宅及び末吉共同住宅を建設し管理運営しております。
郵住協の平成11年3月末日の財務状況については、資産が流動資産、有形固定資産、定期預金の合計約24億1756万円であります。
一方、負債及び基本金等は流動負債、長期借入金等、基本金、余剰金の合計約24億1756万円となっております。
また、平成10年度の損益状況は、賃貸収入等約3億9842万円に対し、住宅管理費等が約3億2222万円で、事業収支差約7620万円の黒字を計上しております。
しかし、事業外収支において償還金利息等の支払いが1億2275万円となっており、このため平成10年度の損益は約936万円の欠損となっておりますが、これについては余剰金で補てんしております。
次に、住宅の老朽化の実態調査及び建てかえについてお答えいたします。
郵住協が管理する3団地の建物は、建設後25年から28年経過しております。
御質問の実態調査については、平成元年から平成7年までに4回行われており、その結果、廊下部分においては床の構造亀裂や天井コンクリートの剥離、階段室やベランダ部分及び塔屋・水槽部分のコンクリートの剥離などが報告されております。
郵住協においては、安全性を確保するための補修工事等をその都度実施しております。
また、当該団地の建てかえについては、建物の老朽化が著しいことから、将来において建てかえや大規模な改築等の対策が必要であると思われます。
次に、郵住協は今後存続が困難と予想されているが、その対応策と県への移行についてお答えいたします。
郵住協は、戦前の郵便貯金等の債権者の福祉向上と本県の住宅難の解決に寄与することを目的として、昭和44年の設立以来住宅経営を通じて本県の住宅問題の解決に大きく寄与してまいりました。
しかしながら、建物の老朽化が著しいことから維持管理費等が増加しつつあり、郵住協の運営が厳しい状況となっております。
御質問の郵住協の今後の運営のあり方につきましては、寄附行為に基づき当該法人の事業運営に関する重要な事項として評議員会及び理事会で十分検討すべきものと考えております。
県といたしましては、指導監督の立場から設立団体である市町村の主体的な対応を促しながら慎重に対処してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 海洋深層水研究開発事業に関連いたしましてその1点目の、同事業の進捗状況はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
海洋深層水研究開発事業は、平成9年度から科学技術庁所管の国庫補助事業を導入して研究施設の整備を進めており、平成12年度には研究所を開所する予定であります。
これまでの実施状況は、平成9年度が施設整備の実施設計と深層水取水管の製作工事、平成10年度が取水施設整備工事と外部配管施設等の研究施設の整備工事、平成11年度には本館等の各研究施設の整備を予定しております。同工事は8月から着工しており年度内に完了することとしております。進捗率は平成11年9月までの執行済額を含めて事業費ベースで約86%となっております。
次に、総合利用研究施設の内容、規模等についてどうなっているかとの御質問であります。
海洋深層水総合利用研究施設の内容は、水産分野施設として水産分野研究棟、貝・海藻類研究棟、クルマエビ池、水産養殖実用化試験棟、そして農業分野施設としましては温室、格納庫等を整備いたします。また共通施設として研究本館、機械棟、浄化施設等の整備を行う計画であります。
それから、取水量につきましては深層水を水深600メートルから日量1万3000トン、そして表層水を日量1万3000トン、合計2万6000トンを取水いたします。
研究施設の建築延べ面積は、温室を含め約7100平米で、その他施設のクルマエビ池と放水処理研究施設面積が約1400平米、研究施設全体の敷地面積では約3万4000平米を予定しております。
次に、海洋深層水の利用計画はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
海洋深層水の利用計画としましては、水産部門、農業部門、工業部門への利活用を目的とした研究開発を行う予定であります。
このうち水産部門はクルマエビ母エビの養成研究を初め、ウニ、海藻類等の陸上養殖技術の研究、農業部門では冷水利用による夏場野菜の栽培、温度制御での開花時期調整による高価格作物の栽培技術の研究を行います。
また、工業部門につきましては、民間企業等への研究用深層水の提供、開放実験室利用及び工業技術センター等の側面支援により商品開発の誘導を図ってまいります。
次に、企画開発部と商工労働部において同じ事業が進められていると、事業目的の相違点と事業の効果等について伺いたい、今後海洋深層水の総合利用(基本方針)について一元化の必要があると考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。
企画開発部におきましては、海洋深層水取水施設を陸上に設置し、深層水を大量、安定的に取水し、水産、農業、工業分野等多岐にわたる利活用を促進する海洋深層水研究開発事業を行っております。
商工労働部におきましては、国の中小企業施策に基づき組合が行う新商品、新技術の開発・研究を支援し組合の育成、企業化を図る融合化開発促進事業を行っております。
本事業の補助金により、異業種企業で設立された沖縄県海洋深層水開発協同組合では、平成8年度から3年間で海洋深層水の取水方法の技術開発及び食品添加物、健康食品の開発を目的とした洋上型の深層水取水装置──これは海ヤカラ1号でありますが──の開発と鮮度水の開発等を行っております。
2事業の相違点は、企画開発部では深層水の多岐にわたる利活用により産業振興を図ることに対し、商工労働部は中小企業組合等が具体的に行う企業化を支援することにあります。
御提案の海洋深層水の総合利用の一元化につきましては、新事業創出促進法に基づく総合支援体制により企業等の技術開発から事業化までの各段階での支援を関係部局と連携をとっていきたいと考えております。
以上であります。
○議長(友寄信助) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
お諮りいたします。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
本日は、これをもって散会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助) 御異議なしと認めます。。
よって、本日は、これをもって散会することに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(友寄信助) 次会は、明5日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後8時34分散会