○議長(友寄信助) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長尚弘子君は、別用務のため本日から9日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び明日の会議に公安委員会委員比嘉良雄君、9日の会議に同湖城英知君の出席を求めました。
次に、地方労働委員会会長屋宜正一君は、所用のため本日から10日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日から9日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長安慶名一郎君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(友寄信助) この際、念のため申し上げます。
本日から10日までの4日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定された質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(友寄信助) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
宮平永治君。
〔宮平永治君登壇〕
○宮平 永治 おはようございます。
自由民主党県議団を代表して質問を行います。
我が党県連は、悲願であった県政奪還を果たした今日、稲嶺県政に寄せる県民の熱い期待と大きな負託を十分に認識しながら稲嶺県政を支える与党第一党として本県の課題解決に向けて決意を新たにしているところであります。
昨年11月の稲嶺県政の誕生は、これまでの沖縄の陥っていた閉塞状況を一変させる画期的なものでありました。
稲嶺知事は、経済問題、基地問題に積極的に手を打ち、沖縄政策協議会、三者連絡協議会の再開の実現をさせて、行き詰まっておった多くの問題に再び息を吹き込みました。
さらには、沖縄特別振興対策調整費に基づく多くのプロジェクトの具体化、沖縄経済振興21世紀プランの策定、九州・沖縄サミットの開催の実現等沖縄の将来にとって重要な政策課題を達成しております。
今や沖縄が直面する多くの課題が正しい解決への道のりを始めたかのように見受けられます。県民の間には明るさや活力が見られるようになりました。
稲嶺知事には、沖縄の将来のためにその成果の上に立ってさらなる御奮闘をいただきたいと思います。
1番目に、普天間飛行場移設問題についてであります。
去る11月22日稲嶺知事は、懸案である普天間飛行場の移設候補地を公表しました。
普天間飛行場は、平成8年のSACOの報告で全面返還が合意されたのであります。大田前知事による海上ヘリポート反対表明など紆余曲折があり、事態が滞っていたものでありますが、このたび稲嶺知事が主体的に問題解決に取り組み、移設候補地を決定したことは問題の前進に大きく寄与するものでありまして、稲嶺知事の英断を高く評価したいと思います。
前県政は、普天間飛行場の移設問題について国と地元の話し合いを見守るとの態度に終始し、長い間傍観者の立場を崩しませんでした。このため移設先の自治体が孤立することになり、問題が固定化する要因になりました。
普天間飛行場は、市街地の中心部にあって墜落事故等の発生により人命が失われる危険があると日米両政府に訴え返還合意を取りつけたはずなのに、問題解決のチャンスを逃し時の過ぎゆくままに任せた前大田知事の態度は全く理解に苦しむものであります。
さらには、傍観者に徹したはずの前知事が名護市長選挙の目前の勝利を獲得するためにこれまでの態度を翻し、海上へリポート反対を表明し一転して問題の渦中に飛び込むに至っては、問題をますます紛糾させることになり、この行為によって失われた貴重な時間はもう永遠に帰ってきません。
このように普天間飛行場問題はこれまでの経緯をおさらいすると、今回の稲嶺知事の移設候補地の決定は実にさわやかに映り、県政を預かる者として懸案事項の解決に向けて積極的に事態をリードしようとするその姿は、問題解決の期待感を大きく膨らませ明るい未来の到来を感じさせるものであります。
これまでの普天間飛行場の移設問題は、理念にとらわれ、主義主張やイデオロギーにこだわる余り必然的に固定化の道をたどってまいりました。現実から遊離したこれまでの手法ではなく、基地問題を取り巻くさまざまな現実や要素を冷静に見据え、一つ一つできるものから確実に解決していくという稲嶺知事の手法は、実にその効果を上げつつあると思います。
伊江村におけるパラシュート降下訓練の受け入れ等SACOの合意事案の実現に向けた地元市町村の新しい動きが見られるのは皆さんも御承知のとおりと思います。
知事の県内移設の方針に反対し、県外、国外への移設を訴える立場もありますが、冷戦終結後、内戦や武力紛争の火種が絶えない国際情勢を勘案するとき、沖縄の米軍基地が極東アジア地域に果たす役割を率直に認めないわけにはいきません。この現実を無視したまま安直に県外等への移設にこだわってしまうと、人口密集地帯と隣り合わせにある普天間飛行場の危険性がそのまま固定化され、返還の実現は夢に終わってしまうのであります。
このような状態を何とかして回避するため、ベストではないがベターな選択肢を苦渋の選択をした知事の決断は正しいものと評価するものであります。もちろん米軍基地の整理縮小は県民の悲願であり、全国の米軍専用施設面積の75%の基地が集中する不公平な事態は是正されなければなりません。
知事は11月24日に上京し、小渕総理大臣を初め政府や政党の重立った方々に県の選定過程を伝えております。その際に移設に当たって整備すべき4つの条件を提示しています。いずれの条件も米軍基地が集中する沖縄にとって当然の要求と思います。
特に基地は住民生活にさまざまな影響を及ぼす関係から、地域の振興策、跡地利用等に関して目に見える形の国の確約をとろうとするしたたかさも県内移設を受け入れる以上は必要不可欠であります。今後の基地問題の対応に当たっては重要な視点であると考えています。
政府において、今後これらの条件を具体的に検討すると思いますが、私はこの検討の過程においてこの置かれている特殊な地位が浮き彫りにされ、日本の安全保障体制のあり方そのものを鋭く問い直す契機になることを期待するものであります。とりわけ15年間の使用期限の問題は、国際情勢や軍事戦略、地域の安全保障等幅広い視点から論議され、沖縄にとって有利な解決策が図られることを望むものであります。
この際、これらの4つの条件の中身について詳しく説明をいただき、それぞれ国の反応についてどうか、お聞きいたします。
移設先での反対運動が伝えられていますが、一方では県の受け入れ要請を受けた岸本名護市長は、県から示された内容については今後十分に検討を行うとして県の考え方に真摯に耳を傾ける姿勢を示しております。
このような中、名護市議会では、普天間飛行場代替ヘリ基地建設を促進する内容の決議をする動きが新聞等で伝えられております。普天間飛行場の移設問題の最大の難関である移設先地元の合意形成が重要な課題であり、どのように取りつけるかという問題と深くかかわりがあります。問題の行方を左右する重要な動きだと思います。
また、選定過程の資料についても可能な限り提出すべきと思うが、この点について知事の御所見を伺います。
次に、那覇軍港の浦添西海岸への移設についてであります。
那覇軍港施設の返還については、昭和49年1月の第15回日米安全保障協議委員会において移設条件つき全部返還が合意されました。しかしながら、返還合意から今日まで25年余り経過しているにもかかわらず返還の実現には至っておりません。
一方、移設先とされる浦添市においては、平成10年6月に浦添市西海岸開発促進のため、浦添埠頭地区の一部を多目的埠頭として那覇軍港の機能(一部)の移設を認めるという浦添商工会議所の提言が出され、浦添市議会において同提言に関する陳情が採択されております。
その後、県議会でも「那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議」が採択されています。
那覇市議会では、「那覇軍港の早期移設と港湾機能の一体化による産業振興に関する意見書」が相次いで採択されたのであります。
また、浦添市議会においては「浦添市西海岸開発促進に関する意見書・同要請決議」が可決されました。
さらには、浦添市長が市議会において施政方針において浦添商工会議所の案を具体的に検討していくことを表明したほか、稲嶺知事との面談において市長から施政方針についての説明をしております。
このように、今年前半の段階では那覇軍港に関係する団体がいずれも移設促進の動きを示し、那覇軍港の返還が一気に現実味を帯びたかの感がしましたが、最近は目立った動きがありません。
那覇軍港の返還は、普天間飛行場と並ぶ重要案件であり、浦添西海岸のハブ港としての整備と那覇軍港の跡地利用の重要性から移設の早期実現が望まれています。この停滞状況は気にかかるところであります。
一部事務組合の設立問題と絡み、県、那覇市、浦添市の3者が精力的にいろいろな調整を進めていると思いますが、この停滞状態の要因や返還の実現にとって何が障害になっているか、御説明をいただきたいと思います。
次に、SACOの後のさらなる基地の整理縮小(SACO2)についてであります。
平成8年に出されたSACOの最終報告は、現在沖縄に存在する米軍基地の面積の約21%を縮小するほか、県道104号線越えの実弾砲撃演習の廃止など、本県の米軍基地の過重な負担を軽減する上で大きな前進と理解し、日米両政府の努力をたたえるものであります。
現在までに安波訓練場の返還が実現し、その他合意事案については現在国と関係自治体の間で話し合いが進められております。金武町における楚辺通信所の受け入れなどSACOの合意事案の実現に向けた地元市町村の動きも見られ、基地の段階的な整理縮小に向かっていることはSACOの成果として評価すべきと考えます。
しかし、SACOの合意事案の完全な実施が行われても在日米軍の約70%の施設・区域が依然として沖縄に残ることになり、県民の基地の重い負担を背負い続ける状況は解消されません。
日米安全保障条約の円滑かつ現実的な運用を確保していくためにも、県はさらなる米軍基地の整理縮小を県民の声として求めるべきであります。我が国を取り巻く内外情勢をしっかり見きわめながら、SACOのめどがついた時点で速やかにさらなる計画的な米軍基地の整理縮小を日米政府に要請することは県政の重要な課題と考えます。
今回、知事は普天間飛行場の移設候補地を国に提示するに際して、さらなる基地の整理縮小を求めたと聞いておりますが、いわゆるSACO2について知事の御所見を求めます。
次に、日米地位協定の見直しの問題であります。
県内には米軍基地が集中し、基地に関する事件・事故等の発生時に日米地位協定が県民の人権と生活に直接かかわってくる場合が多いと推察いたします。
日米地位協定は、平成7年の少女暴行事件を機に被疑者の引き渡しの問題等が大きくクローズアップされて以来、県から国に見直しを要求してその幾つかが実現していると聞いております。
県民が差別的な取り扱いを受けず、公正に人権が保障され、安心して暮らせる日米地位協定の見直しは必要と考えております。
犯罪を犯した米兵の身柄の引き渡しの問題のほかにも、交通事故等の際、被害者への賠償等についてはまだまだ問題点があるように思います。
このような状況の中で、知事は今回普天間飛行場の移設先を国に提示するに当たってあわせて地位協定の見直しを求めていると報道されていますが、これまでの見直しとどう違うか、どのような点について今後改善を必要としているか、お聞かせいただきたい。
次に、米軍基地の環境等の問題についてであります。
米軍は、基地内環境についても環境基準を設けていると聞いていますが、返還後に汚染対策を講ずるとするならば跡地利用に支障を来し地主が大きな損害をこうむることになります。これは恩納通信所の例を見ても既に明らかになっております。
基地の返還に伴う円滑な跡利用の実現を図るには、ぜひとも基地が返還される前に基地の環境調査及び環境浄化に取り組む必要があると思います。
去る8月に県議会の調査団の調査で明らかになりましたが、アメリカでは国家環境政策法という法律が定められていて、基地を含め政府が所有する土地を新たな目的に利用する場合は事前に環境調査を行うことが義務づけられております。基地を閉鎖する前に環境調査を徹底的にやって浄化の責任の所在と費用の負担を明確にすべきであります。
また、ドイツでは北大西洋条約機構(NATO)軍との間で締結されている地位協定(ボン補足協定)により原則的に国内法が適用されており、ドイツ当局の施設立ち入りを認め、環境浄化についても軍隊に責任を義務づけております。
これに対して日本の地位協定は、米軍は日本の国内法を遵守するとあるが、原状回復の義務は米軍にはありません。また、日本側による調査のための立入調査もなかなか認めておりません。
県は、米軍基地の環境調査及び環境浄化に関する庁内研究会を発足させ、制度、実施体制のあり方等について検討している。さらに今年11月には制度が整備されているドイツでの実地調査も行っております。これを踏まえて基地の環境等問題に関し返還前の汚染実態調査の実施や米軍の責任について明確にする必要があると思いますが、知事はどのような御所見をお持ちでしょうか。
次に、駐留軍従業員の雇用の安定についてであります。
本県の米軍基地には約8400名の駐留軍従業員が就労しております。今後、SACOが着実に順調に進展し米軍基地が漸次整理縮小されるに伴い、駐留軍従業員の雇用失業の問題が生じると予想されます。
特に、広大な規模の普天間飛行場の全面返還が実現すると大量の離職者の発生が見込まれ、駐留軍従業員及び家族の生活基盤が脅かされることになります。
現時点でも県内の雇用情勢が相当厳しいものがあります。さらに追い打ちをかけてこのままの状態で駐留軍従業員の離職が始まったとしたら最悪の状態を迎えることになります。
基地の提供責任者である国においてこれら駐留軍従業員の雇用の場を確保し、身分を保障する必要があると思いますが、県の対策はいかがでしょうか。
次に、基地内道路の共同使用についてであります。
本県には広大な米軍基地が存在し、戦争による占領の継続など特殊な形成過程を経てきたことから、米軍基地が地元の経済活動や生活を分断している事例が見受けられます。
このため、基地内の既存の道路を住民が共同使用することにより慢性的な交通渋滞の解消、地域住民の利便性の向上が図れるものと思われます。
このことについては、私の方でも基地内道路の共同使用について議会で何度か質問させていただいております。
従来、嘉手納飛行場、キャンプ瑞慶覧等の道路に関しては地元市町村から共同使用の要望があるが、来年開催されるサミットとの関連でより一層その必要性は高まってきたと思います。
サミットの開催中には、国内外からマスコミを初め大勢の人が沖縄を訪れることになり、現在の沖縄の道路事情のままでは激しい混雑が予想され、円滑な輸送に支障を来すおそれが十分にあります。スムーズに人、物の移動を確保しサミットの運営に万全を期すために基地内道路を開放して輸送能力全般の向上を図るべきと思います。
三者協において県は、地元の自治体からの要望を受け、嘉手納、普天間、キャンプ瑞慶覧を対象に緊急時における基地内道路使用について米軍側に提起したと聞いております。
これにならい、サミット開催時に米軍等関係機関としかるべき調整を行い、できるだけ多くの基地内道路の使用を実現すべきと考えるが、知事の御所見を聞きたい。
沖縄経済振興21世紀プランについて。
沖縄経済振興21世紀プランは、平成9年11月の復帰25周年式典における橋本前総理の式辞の中で、来春すなわち平成10年の春ごろをめどに策定するとされたが、基地問題をめぐって国と県との関係がぎくしゃくし、1年以上もおくれて今年の6月に中間報告がなされた。
顧みれば、平成8年9月に橋本前総理が「沖縄県が地域経済として自立し、雇用が確保され、沖縄県民生活の向上に資するよう、また、我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備されるよう、与党の協力を得て全力を傾注してまいります。」との談話を閣議決定し、それに基づき各種の沖縄振興策が検討実施されたが、その一定の総括が21世紀プランであると私は考えております。
もちろんこの発端は、あの不幸な事件から基地問題が大きく揺れ動き、日本国民及び政府に対して改めて沖縄問題に向き合うよう求めたことにあった。このことについて総理談話の冒頭に「沖縄県民が耐えてこられた苦しみと負担の大きさを思うとき私たちの努力が十分であったか、その痛みを国民全体で分かち合うことがいかに大切であるか」と述べられております。
こうした謙虚な反省に立って、基地問題の解決を促進するとともに、沖縄の振興発展に国として全力を挙げて取り組むことの決意のもと数々の振興策が実施されてきたのであります。
これまで一部の方々などからあめとむち、基地と経済の取引といった形で選択を迫るような風潮があり、地域を振興しようとする人は平和に反対していると決めつける傾向があったのではないか。このことが沖縄の振興がおくれた大きな理由の一つとも考えられる。
安保反対、基地全面撤去といったすぐには実現できないスローガンを掲げるだけではなく、基地をしたたかに活用し、段階的な基地の整理縮小を図りながら政府からいろんな振興策を引き出していけば沖縄はもっと発展していたと考えられる。
今回基地の21%を削減し、特に危険な普天間飛行場を返還するとともに、沖縄振興に関して国がこれまでにない取り組みを行うこととしているが、これは基地と経済の取引ではなく、基地も整理縮小し経済の振興も図るものであることを理解しなければなりません。
こうした基本的な考え方に立って、基地の代償という狭い了見ではなく、沖縄の可能性を切り開く思い切ったビジョンが今求められています。
総理談話に基づいて実施されてきた沖縄振興策は、特別自由貿易地域制度や観光と情報通信産業の振興税制、航空運賃や高速料金の軽減、さらには産業振興・創業支援センター、国立高等専門学校の設置など実現決定しております。その効果は絶大なるものと期待されています。
今後、さらに検討を深め21世紀プランに盛り込み、それを着実に実施していくことが県政の重要課題と考えられます。
ここで知事の御所見を問います。
1点目に、最終報告に向けてどういう作業をしているか、最終報告はいつごろになりますか。
2点目に、12年度国庫要請で21世紀プランの予算要求状況はどうなっていますか。
3点目に、21世紀プランで沖縄の経済振興が図れると思いますか。
次に、新たな沖縄振興開発計画の策定についてであります。
第3次沖縄振興開発計画の期限が平成13年と迫り、現在その総点検の作業と新たな沖縄振興開発計画策定に向けて国と県の振興開発審議会もスタートしたとマスコミは報じております。
次の振計は、まさに21世紀の沖縄を展望するものであり、これまでの2回の改正のとき以上にその重要な意義を持つものであります。
すなわち、過重な基地負担や我が国唯一の離島県であることなど本県の抱える特有な不利性から来る本土との格差是正は引き続き大きな課題であるが、沖縄が自立的発展を目指すためにはその特性や個性が輝くような新たな施策が求められると認識しております。
このため、3次振計及びその根拠となる沖振法について延長すべき分野を早急に見きわめ、その上で現在検討されている21世紀プランをベースに思い切った振興策を提案し、それを新たな振興開発計画に反映させなければならないと思います。
これまで振計では基地には触れてなかったが、基地問題を避けて沖縄の振興は語れません。新たな振興開発計画は、基地の跡地の整備のあり方や財源等が明確にされる必要があります。
また、高率補助による道路、港湾、空港など各種の産業基盤の整備は図られてきた。しかしそれを活用できるような産業は育ってこなかった。
先ほど述べたように沖縄特有の不利性に加え、戦後の日本の高度成長をもたらした各種の産業政策の適用も受けることなく、何の蓄積もないまま復帰したという歴史的な経緯が大きな要因であると思います。
こうした過去の経緯及び基地の負担など現在に至るまで沖縄のハンディを考えたとき、相当の振興策が国において講じられるべきと考える。基地も動き出した今こそ千載一遇のチャンスであります。県民の英知を結集して思い切った提案をすべきではないかと思います。
そこで知事の御所見を問います。
1点目に、新たな振興開発計画の策定に向けて現在どのような取り組みをしておりますか。策定までのスケジュールはどうなっていますか。
2点目に、その根拠法令となるのは知事の選挙公約による経済新法か、それとも沖振法を改正延長して、これと別に経済に特化した法律を想定しているのか。
いずれにしろ産業・経済の分野で新たな制度が加わるようになるが、どういうメニューを検討していますか、知事の御所見をお尋ねいたしまして、以上で私の代表質問といたします。
よろしく御答弁のほどをお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 宮平永治議員の御質問にお答えいたします。
最初は、基地問題についてでございます。
移設に当たって整備すべき条件について説明してほしい、また国の反応はどうだったか、名護市議会が移設促進決議を行う動きがあるが、それについての所見を聞きたい、また選定過程の資料については可能な限り提供すべきであると思うがどうかと、一括してお答えしたいと思っております。
普天間飛行場の移設候補地については、去る11月22日、記者会見を開いて県の考え方を公表し、同日、名護市長に説明して理解と協力をお願いしました。25日には国に提示し、移設に当たって整備すべき条件などを申し入れたほか、政党関係者や県選出国会議員にお会いして協力を依頼しました。
県としては苦渋の選択であり、名護市民の皆様方には新たな負担をお願いすることになり心の痛む思いであります。
普天間飛行場の移設問題は緊急性の高い懸案事項であり、沖縄の将来にかかわる極めて重要な課題であること、また同飛行場の返還は長年にわたる県民の大きな願いであることから、名護市の御理解と御協力をいただくようお願いしたところです。
国に県の考え方を提示した際には、次の項目に関して具体的な方策が講じられるよう申し入れました。
まず第1は、普天間飛行場の移設先及び周辺地域の振興並びに跡地利用については実施体制の整備、行財政上の措置について立法等を含め特別な対策を講ずることであります。
第2は、代替施設の建設については必要な調査を行い地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることであります。
第3は、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることであります。
第4は、米軍による施設の使用については15年の期限を設けることから、基地の整理縮小を求める県民感情からして必要であることであります。
また、日米地位協定に関し被疑者の起訴前の拘禁、米軍人等が起こした事件・事故による補償問題並びに航空機騒音及び環境保護に関する国内法の適用等について改善を行うよう求めたほか、米軍基地の使用や維持管理、米軍人・軍属との婚姻等によって生ずるさまざまな問題についても善処されるよう求めました。
また、50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながらさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組まれるよう求めました。
さらに名護市長から、住民生活に著しい影響を及ぼす施設は受け入れがたい旨の発言がありましたので、県としてはこれを重く受けとめ、市長の発言をお伝えした上で地元の意向を最大限に反映させ、具体的な建設場所や工法等に特別な配慮がなされるよう申し入れました。
これに対し、小渕総理からは、普天間飛行場問題の一日も早い解決に向け政府に求められている課題に関して全力で取り組む旨の発言がありました。
また、青木官房長官からは、県の各要望に対し誠意を持って対応したい旨の国の考え方が示されました。特に15年の使用期限については、将来の国際情勢などさまざまな要因とも深く関連し極めて厳しい問題があるとの認識が示されましたが、いずれにせよ種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたいとのお話がありました。
県としては、今後これらの要望事項の実現について強く主張していきたいと考えております。
去る12月3日に名護市長と直接お会いして移設候補地の選定など県の考え方についてお伝えし理解と協力をお願いしたところ、市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
また、移設に当たっては名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、名護市議会の動きを見守っていきたいと考えております。
移設候補地選定に関する資料については、整理した上で米軍基地関係特別委員会の開会までに提出するよう努力いたします。
次に、同じく基地問題について、普天間飛行場の移設先を国に提示するに当たって地位協定の見直しを求めているが、今までとどのように違うか、それからどのような点で改善が必要かという御質問に対してのお答えでございます。
県では平成7年11月、日米両国政府に対し10項目の日米地位協定の見直しを要請しました。
その結果、日米両国政府は平成8年12月のSACOの最終報告及び日米合同委員会合意によって日米地位協定の運用の見直しを行っております。その運用の見直しによって航空機事故調査報告書の公表、米軍公用車への番号標識の取りつけ、米軍の行軍の禁止等については県の要望に沿った解決が図られたものと認識しております。
しかし、日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員または軍属たる被疑者の起訴前の拘禁、公務外の米軍人等が起こした事件・事故の被害者に対する補償を日米両国政府の責任で行うこと並びに基地返還前の環境調査及び環境浄化の実施、航空機騒音の規制など環境保護に関する国内法の適用等については県の要望は満たされておりません。
県では、県民の生活と人権を守る観点からこれまで機会あるごとに日米地位協定の改定または運用の見直しを政府に対し強く働きかけてまいりました。県としては、今後とも日米地位協定の見直しを粘り強く働きかけていくことが必要であると考えており、今回の普天間飛行場の移設候補地の選定を国に提示するに当たっても、日米地位協定の改善や米軍人・軍属との婚姻等によって生ずるさまざまな問題の善処等についてあわせて国に要請したものであります。
次に、SACOが実施されても依然として県民の基地負担は解消されない、いわゆる基地の整理縮小について知事の見解を聞きたいという御質問へのお答えでございます。
本県には、在日米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、多くの県民は基地の整理縮小を強く望んでおります。
本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、SACOの合意事案を着実に実施することが重要であると認識しており、県ではその実現に向けて全力を挙げて取り組んでいるところであります。
しかしながら、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することになります。
県としては、50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながらSACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
次に、米軍基地の環境問題について、返還前の環境調査の実施などが必要と考えるがどうかとの御質問に対するお答えでございます。
米軍基地から派生する環境問題については、日米安全保障条約及び日米地位協定の締結当事者である日米両国政府の責任において取り組むべき課題と考えております。
県は去る8月、国に対し駐留軍用地の返還に際し環境浄化処理の確認調査など国の行うべき措置について明示するよう沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律(軍転特措法)の改正を要請したところであります。
また、本年度「基地の環境調査及び環境浄化等に関する海外調査」事業を予算化し、環境問題の専門コンサルタントに調査を委託しており、委託先において去る11月、いわゆるボン補足協定で駐留NATO軍に対して国内法を適用するなど制度が整備されているドイツを実地調査し、現在、同委託事業の報告の取りまとめを行っているところであります。今後、県としては当該委託事業の報告などを踏まえ、返還前の環境調査及び環境浄化に係る責任など日米地位協定の見直しを含めた措置を国に求めていきたいと考えております。
次に、沖縄経済振興21世紀プランについて、21世紀プランで沖縄の経済振興が図れると思うかどうかとの御質問へのお答えでございます。
沖縄経済振興21世紀プランは、本県経済の自立化に向けた県民挙げての取り組みに対して国がその環境整備に向けての経済振興策のあり方を示すものであります。
このことから、これらの経済振興策も民間活力を引き出すための条件整備や環境整備が中心であり、最も重要なことは県内の産業界を初め県民がこれらの振興策をどう生かすことができるかであります。県内経済は引き続き厳しい状況にありますが、21世紀プランに盛り込まれた各種施策を県民一体となって推進することにより、沖縄経済発展に向けて展望が切り開かれていくものと確信をしております。
次に、新たな沖縄振興開発計画の策定についてその根拠法令となるのは経済新法か、それとも沖振法は改正延長して、これと別に経済に特化した法律を想定しているのかという御質問と、いずれにしろ産業・経済の分野で新たな制度が加わるということになるが、どういうメニューを検討しているかという2つの御質問に一括してお答えします。
これまで3次振計終了後の新たな振興計画の根拠法としていわゆる沖縄経済新法という表現を用いてきました。しかしながら、この表現は経済分野だけに限定しているという印象を与える面がありましたので、今後は新たな沖縄振興法という表現を用いていきたいと考えておりますので、御理解をお願いしてお答えします。
新たな沖縄振興法は経済分野に限定したものではなく、社会資本の整備等を含む総合的なものと考えております。沖縄振興開発特別措置法に基づく各種制度については、総合的に施策を展開していく観点から必要な制度は継承すべきであると考えております。
新たな沖縄振興法のあり方については、現在作業中の沖縄振興開発の総点検結果を踏まえて関係機関と調整してまいりたいと考えております。
当面の検討課題としては、産業の振興による自立型経済の構築を図るための加工交易型産業や情報通信産業など戦略的産業の振興、観光振興の新たな展開、地域経済活動を支える道路、空港、港湾等の産業基盤の整備、県民福祉の向上を図るための学校、公園、福祉施設等の生活基盤の整備や過密な都市環境の整備、基地の跡地利用制度、県土の均衡ある発展を図るための離島・過疎地域の振興などがあります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) おはようございます。
宮平永治議員の基地問題に関する質問のうち、一部事務組合の設立と絡み、県、那覇市、浦添市の3者で精力的に調整を進めていると思うが、停滞状況の要因や返還実現の隘路は何かという御質問にお答えをいたします。
那覇港管理の一部事務組合設立については、那覇市及び浦添市との合意形成に向け鋭意調整を行っているところであります。
組合設立に当たっては、那覇港の管理組合の構成団体となる県、那覇市及び浦添市の3者が那覇港湾施設の移設に関し共通の認識を持つ必要があると考えております。
しかしながら、那覇港の整備方針や那覇港湾施設の取り扱いについてはいまだ浦添市との合意に至っておりません。今後とも引き続き調整していきたいと考えております。
○商工労働部長(宮城春一) 宮平永治議員の基地問題に関する質問の中の駐留軍従業員の雇用の場の確保と身分保障についての県の対策についての質問にお答えいたします。
本県の米軍基地には平成11年10月末現在、8568人の従業員が勤務しております。SACO関連施設は11施設で、そのうち5施設に672人の従業員がおり、普天間飛行場には168人の従業員が働いております。
普天間飛行場を初めとするSACOに関連する従業員の継続雇用については、日米間において移設先への配置転換、職種変更等の措置により雇用の確保を図ることが合意されております。
継続雇用を円滑に進めるための職業訓練については、訓練種目、実施時期等について日米間で調整することになっております。
先般開催された沖縄政策協議会の場においても特別の配慮を要望したところ、国としても的確に対処するとしております。県においても、厳しい雇用情勢にかんがみ、本年度から沖縄県緊急雇用対策事業の一環として駐留軍従業員等能力開発事業を実施し、従業員に対する職業訓練等の充実に努めてまいります。
駐留軍従業員の雇用の安定は県政の重要な課題であると認識しており、引き続き国と協力しながら継続雇用に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○サミット推進事務局長(山田文比古) サミット開催時にできるだけ多くの基地内道路の共同使用を実現すべきではないかという趣旨の御質問にお答え申し上げます。
サミット開催時には各国代表団、日本政府関係者、報道関係者、警備関係者等多くの関係者が来県します。これら関係者の円滑で安全な輸送を行うことは、サミット成功の基本的な要件であると思います。
県といたしましては、これら関係者の輸送が円滑に実施されるよう協力を行うこととしておりますが、他方、その方法につきましては県民生活への影響も考慮しながら今後とも関係機関と調整を行っていきたいと考えております。
サミット時の基地内道路の使用につきましては、今後サミット関係者の輸送ルートや交通規制の内容が具体化していく中でその必要性を含め検討してまいりたいと考えております。
○企画開発部長(宮城正治) 沖縄経済振興21世紀プランの関連で、最終報告に向けてどういう作業をしているか、最終報告はいつごろになるかという御質問にお答えいたします。
去る6月29日に開催された第12回沖縄政策協議会において国から沖縄経済振興21世紀プランの中間報告が示されました。現在、関係省庁においては同報告に盛り込まれた各種施策について平成12年度予算の確保に向けた一連の作業が進められているところであります。
また、最終報告に向けてさらに検討を深めることとされた沖縄国際情報特区構想やゼロエミッション・アイランド構想の具体化、新規事業創出支援体制の総合的検討の3点については国と県が連携しながら調査を進めており、来年3月をめどにその成果を取りまとめることとなっております。
最終報告は、これらの検討結果等を踏まえて策定されることになっており、策定時期はこうした作業の進展状況にかかわってまいりますが、県としましては早期に策定していただくよう国に要望していきたいと考えています。
同じく、12年度国庫要請で21世紀プランの予算の要求の状況はどうかという御質問であります。
去る11月19日の第13回沖縄政策協議会において21世紀プランの中間報告の実施状況が示され、その中で12年度予算要求の状況についても国から説明がありました。
それによりますと、同報告に盛り込まれた82項目のうち、航空運賃の引き下げや沖縄自動車道の通行料金の割引、国立組踊劇場の設立などの継続事業及び情報通信関連産業の誘致のためのインキュベート施設や海洋深層水研究の推進などの新規事業を合わせて58項目について予算要求がなされております。
県としては、平成12年度国庫要請に当たり、これらの予算の確保が図れるよう全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、新たな沖縄振興開発計画の策定についての関連で、新たな振興開発計画の策定に向けて現在どう取り組んでいるのか、策定までのスケジュールはどうなっているかという御質問にお答えいたします。
本県が自立型の経済社会を形成するためには、第3次沖縄振興開発計画の終了後においても引き続き国の支援による総合的な施策の展開が必要であり、県としても新たな振興計画の策定に向けて全力で取り組んでいく考えであります。
新たな沖縄振興計画の策定に向けては、これまでの3次にわたる沖縄振興計画の総点検を実施し、その結果を踏まえて新たな沖縄振興計画の内容や同計画を実効あらしめるための新たな法制度の検討を行うこととしております。現在は振興開発計画の実績と課題についての総点検作業を行っており、年度内に総点検結果を取りまとめ、平成12年6月を目途に総点検結果に対する沖縄県振興開発審議会からの意見書を建議していただくこととしております。
なお、その後の作業内容及びスケジュールにつきましては、国など関係機関との調整を図りながら対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○宮平 永治 休憩お願いします。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午前10時58分休憩
午前11時1分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほどの中で、今後県としては当該委託事業の報告などを踏まえ、返還前の環境調査及び環境浄化に係る責任など日米地位協定の見直しを含める措置を国に求めていきますということでございますので、国を通してということでございます。
○サミット推進事務局長(山田文比古) 基地内道路の共同使用につきましては、三者協におきまして救急車、消防車等の緊急車両の基地内道路の使用について基本的な合意がなされておりまして、今後、具体的な実施方法が調整されていくことになっているということは承知しております。
サミットのときにどのような道路の使用の状態になるのかということは、実はまだはっきりとはわかっておらない状況でございますが、先生御指摘の点も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○安次富 修 おはようございます。
1999年も押し詰まってまいりました。そしていよいよ1900年代そのものが終わろうとしております。第1次世界大戦に始まり、日中戦争、太平洋戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争など東西の冷戦、南北の格差はこの100年間においてまさに戦争の世紀と言われるほどに人類の犠牲を必要としてきました。何か物悲しい気持ちにもなりますが、歴史を正しく認識し謙虚に歴史を学ぶことによって21世紀に新たな活路を開き、21世紀の日本の、21世紀の沖縄の未来を切り開く方策が見出せるものと確信をいたしております。
唯一の地上戦を体験した我が沖縄県も、多くの方々の犠牲の上に戦後今日までの54年間の歴史の歩みがあります。そして今なお沖縄をめぐる状況は大変厳しいものがありますが、現実を直視し、現実としっかり向き合いながら一歩一歩実現可能なものから問題の解決を図っていかなければなりません。まさに沖縄にとっては正念場。しっかりと締めくくって次へのスタートにする大事な大事な時期であります。
知事を初め三役、スタッフの皆様には大変な重責を担い、大変なプレッシャーをお感じかもしれませんが、ちょっとしたボタンのかけ違いや、ちょっとした発言が大きく歴史を左右することにもなりかねませんので、緊張感を持って慎重な県政運営、また熟慮に熟慮を重ねて熟慮断行の県政運営に当たっていただきますよう強く希望いたしまして自由民主党を代表いたしまして質問に入らせていただきます。
1番の基地問題についてでございますが、重複を避け角度を変えて質問をいたします。
(1)番の普天間飛行場の移設及び返還についてでございますが、普天間飛行場は、昭和20年4月1日に米軍が沖縄本島西海岸に上陸し、同年4月6日に宜野湾市の嘉数高台で初めて本格的な地上戦が始まり、住民は家を焼かれ、家財一切を失い、多数のとうとい犠牲者を出し、辛うじて命だけ戦禍から免れるも、避難生活や米軍収容所生活を余儀なくされ、戦争が終結し帰郷すると既に米軍の基地が新設され、立入禁止区域となっておりました。戦後から今日まであらゆる機会を通してその返還を強く求めてきたところであります。
そこで質問をいたします。
特に地主の思いは複雑であります。地主の不安を取り除いて、地主の皆さんが安心して返還を迎えられるよう特段の配慮が必要でありますが、その点について御説明ください。
次に、返還軍用地が再活用できるまでに平均14年3カ月の長期間を要しており、整備期間を短縮する必要があります。整備する事業の主体、手法等の跡地開発における県、国の役割、責任等について御説明ください。
さらに振興策については、普天間飛行場の賃貸料約53億円、基地関連収入が約15億円あり、宜野湾市に及ぼす経済、雇用効果及び市の商工業活動に少なからずも影響を与えており、返還後の商工業への振興などへも配慮すべきだと考えられますが、御見解を賜りたいと思います。
次に、企業誘致及び核となる施設の立地についてですが、先般、比嘉盛光宜野湾市長に同行して政府や自民党本部に出向いた際に、政府や党本部の要人の皆さんは、早く何をしたいのかを挙げてきなさい、具体的な目玉をつくってきなさいということでした。大変力強く思った次第ですが、基本構想はあるかもしれませんが、県にもっとリーダーシップを発揮していただき、実施構想や実施計画を策定していかなければならないと思いますが、どのような計画スケジュールをお持ちなのかをお聞かせください。
次に、天久副都心での開発の教訓をどう生かしていくかということでございますが、地域整備公団と那覇市の都市計画あたりと果たして整合性がとられているのか、道路のアクセスの問題一つとってみても都市計画街路の問題などお互い役割が明確でなく、民間のディベロッパーあたりからしてもその地域を売り出すのに苦労していると聞いているのですが、こういうことも当然考慮されなければならないと思いますが、その点について御説明をお願いいたします。
以上、宜野湾市の側のお話をさせていただきましたけれども、どれもこれもスムーズに移設されなければ水の泡でございますので、祈るような思いで移設先の状況について質問をさせていただきます。
新たな基地の提供についての認識についてでございますが、このことは去年大田知事に対してもさんざん質問もし、また浦崎唯昭議員も何回となく取り上げておりました安波訓練場の返還に伴い、北部訓練場への新たな土地30ヘクタール余りと新たな水域を提供しております。ヤンバルに基地は要らないと言っておきながら、既に大田県政のもとで戦後54年間全く基地でなかったヤンバルの森を新たに基地として提供しております。
さらに、それに隣接する東海岸を水域として提供しております。そこにもジュゴンは泳いでくるんじゃないでしょうか。
その当時、大田知事に向かって、基地政策の大幅な変更ですねと、大変な前例をつくることになりますよ、それでいいんですねと何度も念を押して確認をいたしました。質問をいたしました。
そのときの大田革新知事の答えは、2010年までに返還してもらうよう国に要望した上で地元安波区、国頭村漁業組合、国頭村長及び国頭村議会が安波訓練場の返還と同時に新たな土地及び水域の提供に同意していることを理由に挙げて、大田県政はヤンバルの全く今まで基地でなかった土地を米軍に新たな基地として既に提供しております。何も稲嶺県政だけが県内移設を進めてきたものではなく、さまざまな観点からさまざまなケースを想定して、既に地ならしは事の大小に限らず進められてきたものだと思料いたしますが、その点の御見解を賜りたいと思います。
次に、民意の反映についてでございますが、先ほども述べましたように大田革新県政においては、北部訓練場への新たな基地の提供は地元安波地区、漁業組合、村長及び村議会の同意というものを民意としてとらえ、ヤンバルの森を新たな基地として提供したわけですが、普天間飛行場の名護市沿岸域への移設について稲嶺県政は民意というものをどうとらえていきますか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、ヘリ基地の問題が持ち上がると必ずジュゴンの問題が浮上しますが、基地問題とリンクさせた保護運動は真の保護運動とはいえず、ジュゴンが反対運動に利用されている印象さえ与えかねません。ジュゴンや希少動物の保護は当然のこととして県民全体として取り組まなければならず、自然保護と地域開発のバランス、地域振興の整合性を持たなければならないと考えますが、その点についてお聞かせください。
軍民共用空港、使用期限15年の設定についてはぜひ最大限の努力をお願い申し上げます。質問の重複を避けたいと思います。
地元の合意形成と今後のスケジュールについてですが、県民の視点に立って、県民にわかりやすいメッセージを発信してくださいということを私は常々稲嶺知事に言い続けてまいりました。公明正大に堂々と賛成、反対のオープンな議論を県民は望んでいます。最大限の気配りをしながら進めるべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
続いて(3)番、那覇港湾施設の浦添地先への移設についてですが、県が要望している那覇港湾整備のための財政上の支援措置について、年内の閣議決定による政府の方針提示が困難な状況になったと、那覇港湾管理組合設立のめどが立たず、那覇軍港移設の環境が整わないためで年内の閣議決定は困難であるとのマスコミ報道がなされておりますが、県と浦添市が共通の土台に立つ、共通の認識を深めることが大事であり、特に宮城浦添市長の意向や共通認識が図れる表現が必要であると思いますが、その点についてお聞かせください。
さらに、浦添市から提出されました那覇港の整備等についての要請内容についてですが、その(4)番、那覇港湾施設については軍港の移設云々という文章がありますが、それを削除して、単に日米共同使用とするとした上で、運用条項については5年から7年の期限をつけてその都度見直しをしていくと、そして浦添市のチェックを受けるということではお互い理解し合えないでしょうか、御説明を願います。
また、那覇港管理組合の設立に関する覚書案の中の問題になっております第8条SACO合意云々がありますが、これもまあ10分の10の予算を引き出していくというねらいがあるかもしれませんが、国の最大の行財政支援を受けていくためのお互いが理解できる表現方法が必ず見つかると思うのですが、これについても御見解をお聞かせください。
さらに、普天間移設と那覇軍港移設は年内同時決着というようなこともお聞きしたのですが、那覇軍港移設については年内閣議決定が無理であれば来年1月の閣議決定でも十分に4月1日の事務組合設立に間に合うのではないかと思いますが、ぜひ不退転の決意で臨んでいただきたいと思います。今後のスケジュールとその取り組みについて御説明をお願いいたします。
(4)番の嘉手納ラプコンの問題についてですが、去る11月12日、嘉手納ラプコン・レーダー進入管制システムの故障により那覇空港を離着陸する航空機13便が欠航、最大6時間半のおくれが出るなど大混乱いたしました。この問題は、その後国会等でも取り上げられ、運輸省において軍民が一体として管制できるようコンピューターシステムの連結を予定しているとか、外務省におきましては、復帰後27年間の暫定使用は長過ぎるとの見解を出しております。
県としては今回の事件をどうとらえ、どう解決していくつもりなのか、観光立県としての我が県において再びこのようなことが起こると相当なイメージダウンにもなりかねず、またもしサミットの期間中にこのようなことが起こったらという不測の事態も予想されますが、管制業務の返還要請も含めて今後どういう対応をなさるつもりなのかをお聞かせください。
北部振興策については、北部市町村から提出された要望書に沿ってしっかりと国と協議をしていき、できるものから先に予算の芽出し等の作業を進めていただきたいと思います。
続きまして九州・沖縄サミットの開催についてですが、西暦2000年に日本がホスト国になって開かれる主要国首脳会議は、もちろん政府の主催ではありますが、沖縄という場所を与えていただきました。総予算額も900億円とも言われております。沖縄への経済効果も大いに期待されるところであります。この機会に県内企業の育成も大きく図られるべきだと本員は考えます。
沖縄で開催される意義の一つもそこにあると思います。他府県の企業と違ってまだまだ経営基盤は脆弱ですが、サミットにおいて何らかのお手伝いをすることにより、何らかの協力をすることによってそれが自信につながり経済自立の基盤もしっかりとしたものがつくられると思います。ぜひとも各種分野にわたるサミット関連事業におきましては県内企業優先発注をお願いを申し上げます。その点について御説明をお願いいたします。
あわせて産業まつりでも紹介をされておりましたが、サミットグッズや各企業の新商品の開発及び泡盛や伝統工芸など沖縄ブランドの確立やその普及、沖縄のオリジナルブランドが世界のひのき舞台に上がる絶好のチャンスであり、県の積極的な取り組みをお願いいたします。
それから訂正をお願いいたします。「警備体制の充実について」と書いてありますが、「警備体制について」ということで「充実」という単語を削除してください。訂正いたします。ということで警備体制について御説明ください。
全国から警察の応援の方々が沖縄の一番暑い時期にやってまいります。暑さ対策や宿泊対策を十二分にとっていただきたいと思いますが、その点について御説明をお願い申し上げます。
さらに道路網の整備について、サミットの機会を利用してうんと道路事業を進めるべきだと思いますが、御説明をお願い申し上げます。
4番、平和行政についてでございますが、知事のしっかりとした平和に対する思い、平和観、平和理念を県民にわかりやすく伝えることが大事であります。そうでないといつまでも平和資料館の問題はくすぶり続けることになります。知事のしっかりとした平和理念のもとにしっかりとした人事体制、しっかりとした管理運営をすることによって沖縄の平和志向が世界に発信されていくことになると思いますが、御見解をお聞かせください。
次に、5番の立法院棟の解体工事についてですが、旧県議会棟は建築から45年以上も経過して老朽化が進んでおり、保存が困難であると言われておりました。既に解体工事が始まり外壁は撤去しているようでありますが、まだまだ一部を保存してほしいとの声もあるようです。しかしこのまま放置することは安全上も景観上も問題があります。
歴史の意義については、モニュメントやレプリカ、スライド等で後世にきちっと伝えるということですから、この際一日も早く解体撤去作業を進めていただき、跡地をフルに有効活用をして県民サービスに役立てていただきたいと思いますが、跡地利用も含めて県の決意と御見解を賜りたいと思います。
6番、福祉行政について。
(1)番、少子・高齢化社会への対応について県の取り組みについてお聞きいたします。
我が国は世界でも有数な高齢化社会国家となり、人生80年、90年の時代を迎えています。各自治会や地域の敬老会などに出席するとわかることですが、祝福する側は60歳から70歳でいっぱいですし、祝福される側もまた80歳以上ということでお年寄りがお年寄りを祝福するということで公民館はあふれております。しかも皆さん、お元気で生き生きとしておられるお姿には本当に感銘を覚えます。あの悲惨な戦争を体験なされ、今日まで生きてこられた方々の生き抜く力、たくましく強く生き抜いていこうというものを教えられるような気がいたします。
しかしまた一方においては、寝たきりや痴呆などの介護を必要とする高齢者は、来年の2000年には280万人にも及ぶと言われています。各種施設の整備拡充や公的介護保険制度の導入など21世紀を迎える日本は、まさに少子・高齢化社会に対応する新しい社会整備かインフラが必要な時代であります。
県の取り組みについてお聞かせ願いたいと思います。
続きまして(2)番、子育て支援計画についてでございますが、高齢化の一方で少子化も急速に進んでいると言われており、晩婚化や未婚率の増加、出生率の低下、女性の社会進出、結婚や出産に対する価値観や意識の変化とともに仕事と子育ての両立の問題、心理的問題や肉体的負担、住宅事情などさまざまな理由が少子化の原因として挙げられております。それでも安心して子供を生み育てるという子育てに喜びと生きがいを持てるような環境整備は必要不可欠であると思いますが、県の取り組みについて、特に来年度に向けた施設の充実、支援体制の強化等についてお聞かせください。
また、小児デイケアの問題ですが、利用者の声を拾ってみますと、毎日仕事を休まなくても済みとても助かりますとか、利用時間の枠を広げてほしいなどという声が聞こえてきます。そこで、利用方法がわからない保育所や保護者がいっぱいいると思いますが、せっかくの子育てを全面的に支援していく大事な事業ですので、もっと広く一般に宣伝する必要があると思いますが、その取り組みについてお聞かせください。
次に(3)番、3歳児未満医療費無料化については、稲嶺県政の公約どおり実現されましたことは大変喜ばしい限りであります。新聞にも大きく報道されており、これでパパもママも一安心と書いてあります。
宜野湾市のある主婦は、幼児は寒くなるとすぐ風邪を引くので冬場は月に五、六回は病院に行く、医療費の負担は大きい、対象年齢の引き上げはとても助かると県民にも好評のようですが、その実施状況について市町村にばらつきはないのか、対象世帯への周知などは徹底しているのか、きちんととられているのか、そういうことについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、「こども課」の設置についてですが、現在文部省と厚生省にそれぞれ管轄が分かれている幼稚園と保育所の業務を一元化して、子供に関する業務を包括するねらいで福井県の鯖江市が機構改革の一環として新設したようであります。縦割り行政の弊害をなくし、市民にわかりやすく効率性の高い組織を目指す試みだそうですが、本県におきましても現在総務部の文書学事課、福祉保健部の児童家庭課、県教育委員会と子供を管轄する課が幾つにもまたがっております。県民にはちょっとわかりにくい面もありますが、そのこども課の設置についてどういう御見解をお持ちなのかをお聞かせください。
7番、農林行政についてですが、知事はですね、マスコミのインタビューやコメントなどで北部に臨空型の新空港ができると、それだけで新鮮な生鮮食料品を北部の生産地からタイムリーに市場に提供できるということを言っておられます。
例えば、1998年産の花卉生産の推移を見ますと、1998年の出荷額は184億8000万円で、そのうち菊の栽培が134億2000万円で全体の73%に当たります。
この花卉生産を市町村別に見てみますと、よく聞いていただきたいんですが、伊江島が18億9000万円でトップ、次に今帰仁村が17億7000万円で2番、3位が名護市で17億6000万円で、つまり北部の生産地がすべて上位を占めているということです。そしてそのほとんどが県外への出荷であるということです。つまり、いかに早く市場へ供給するかが勝負であり、しかもライバルは東南アジアであります。安い東南アジア産の対策が課題であるとも指摘をされております。つまり世界が相手であり、それと対等になるためには生産地のすぐ近くに空港があるというのは今後必要不可欠になってくると思いますが、そこで北部に臨空型の空港の建設と農林水産業の発展という点で議論を深め、シミュレーションをしていく必要があると思いますが、御見解を賜りたいと思っております。
次に、農業後継者育成と各小中高等学校等の教育現場での農業の啓発と育成についてでございますが、後継者の育成はあすの農業を支えていく上で必要不可欠であると思います。若い人たちが意欲を持って農業に従事できる環境づくりが大事でありますし、県の積極的支援策を御説明いただきたいと思います。
また、今の児童生徒はくわの使い方、かまの使い方もよくわからないと言われておりますし、学校の校庭の一部、庭園の一部を畑にするなどしてモデル的な授業を行うことにより土に親しみ、作物をつくる喜び、自分でつくったものを食べる喜びという情操教育にも大いにプラスになると思いますが、その事業の施策、補助制度、そして各学校でのモデル事業などの現況についてその取り組みについて御説明をお願いを申し上げます。
8番目、雇用失業問題についてですが、県内の失業率は依然として厳しいものがあり、それを反映するかのように各職業安定所には失業者が殺到しているような現状の中で、経済の稲嶺とも言われる知事の手腕と力量に対して、すがるような思いで県民は大きな期待を寄せております。
沖縄経済振興21世紀プランの中にも産業振興のための横断的な取り組みということで、沖縄振興開発金融公庫の創業支援体制の整備が取り上げられており、同制度の恒久化を目指すことがうたわれております。このことについて御説明願いたいと思います。
そして、今ある既存の中小零細企業を保護し育成し、経営の安定化を図ることが雇用の確保につながると思いますが、行政のバックアップ体制を説明していただき、高度化資金の利率の見直しやつなぎ資金の確保など中小企業対策の諸施策をお聞かせいただきたいと思います。
最後に、普天間基地の問題に戻りますが、決して頭越しに押しつけようなんていう気持ちは毛頭ありません。ただただ宜野湾市の市街地のど真ん中にある普天間基地を動かしてくださいと、1センチでも1メートルでもいいですからど真ん中から取り除いてくださいということを大田前知事にも稲嶺知事にもお願いをしてまいりました。
いよいよ大事な局面を迎えます。もし受け入れてくださるところがあれば、もし受け入れてもいいとおっしゃっていただけるのであれば、ただただ頭を下げるだけであります。すがる思いで宜野湾市民を救ってくださいと、助けてくださいとお願いする次第であります。稲嶺知事のリーダーシップに御期待を申し上げ、代表質問を終わります。
ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 安次富修議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題について、地主の不安解消についてのお答えでございます。
普天間飛行場など基地返還跡地の利用に当たっては、地主の不安解消を図ることが重要なことと考えております。そのため給付金の支給期間を現行の3年から7年に延長すること、給付金支給の開始は返還後の物件の除去等当該地が使用可能となる時点とすること、返還実施計画に環境浄化処理の確認調査、不発弾撤去など国の行う措置を明記すること、埋蔵文化財調査等の早期の実施など軍転特措法の改正について国へ要望したところであります。
国は、去る11月19日の沖縄政策協議会において、同法が議員立法で成立した経緯にかんがみつつ、政府においても鋭意取り組むという方針を示しており、今後具体的な方策について国と協議していきたいと考えております。
次に、同じく基地問題の跡地開発の県、国の責任及びその手法についてでございます。お答えでございます。
跡地開発については、現行の軍転特措法では跡地利用の実効性を確保する措置が十分ではなく、特に普天間飛行場など大規模な基地が返還された場合、軍用地主の負担や県、市町村の財政負担、実施体制などが課題となっております。
このため、国の責務として跡地の有効利用促進のための事業に対する行財政上の特別な措置を講ずること、跡地整備事業の総合的な実施機関を新たに設置するよう国に要望したところであります。
国は、沖縄政策協議会において、円滑な推進のための法制の整備、実施体制のあり方等についての要望をあわせ踏まえた上で、有効かつ的確な方策の具体化に向けて取り組むという方針を示しており、今後具体的な方策について国と協議していきたいと考えております。
次に、同じく基地問題で企業誘致及び核となる施設の立地についてのお尋ねでございます。
普天間飛行場など大規模な跡地利用については、計画的な市街地の整備や国家プロジェクトの導入、企業の立地等本県の自立的発展に寄与する計画的な開発が期待されております。
そのため、個々の国家プロジェクトの導入を含む事業への国の積極的な参画が必要であることや、企業立地等総合的に取り組む実施体制の確立について国へ要望したところであります。
次に、今回初めて新たな基地の提供をしたとの議論があるが、前県政においても、安波訓練場の返還に伴い新たな陸域、水域の提供を認めたのではないかと、新たな基地の提供についての認識について聞きたいという御質問へのお答えでございます。
SACOの返還事案の1つである安波訓練場は、平成10年4月9日に日米合同委員会において返還が合意され、同年12月22日に返還が実現されております。
返還に際して、北部訓練場への出入りを確保するために土地約38ヘクタール、水域約121ヘクタールが新たに提供されておりますが、当時の知事は、基地の整理縮小を着実に進める観点から了承しております。
普天間飛行場の移設候補地についての県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから沖縄の米軍施設・区域の面積を着実に縮小でき、基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
次に、同じく基地問題で、民意の反映についてということで地元の合意形成と今後のスケジュールについてという2点を一括してお答えいたします。
移設候補地である名護市に対しては、公表した当日に私の代理として石川副知事が名護市長と会見し御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
また、移設に当たっては、名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えております。
次に、ジュゴン及び希少動物の保護と自然環境保護についてのお尋ねでございます。
移設候補地周辺において、ジュゴンの目視及び貴重な動植物の生息が確認されていることについては承知しています。具体的な建設場所、工法等については地元の意向を最大限に反映させ、最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
そのため、県は代替施設の建設には自然環境への影響を極力少なくするよう国に対し強く申し入れたところです。
次に、軍民共用空港についての御質問へのお答えでございます。
県は、代替施設について、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の1つとして国に申し入れたところであります。
軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより、北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
次に、使用期限15年の設定についてでございます。
普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の1つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
政府からは、極めて厳しい問題ではあるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいりたいと考えております。
次に、嘉手納ラプコンの問題についての御質問へのお答えでございます。
去る11月11日に発生した嘉手納ラプコンの故障によって県民及び観光客の足である航空機の離発着に大きな影響が出たことは極めて遺憾であります。
県は、今回の事故を重く受けとめ、翌12日、嘉手納基地渉外部、在日米軍沖縄地域調整事務所等に対し、嘉手納ラプコンの早急な復旧と原因の究明、再発防止に万全を期すよう強く要請しました。
また、嘉手納ラプコンの問題については、平成7年11月に日米地位協定の見直し要請の中で、那覇空港の進入管制業務の日本への移管について日米間で協議するよう申し入れております。
さらに、基地を抱える都道県で構成する渉外知事会においても毎年同様な要請を行っております。
なお、政府は去る11月18日に嘉手納ラプコンの問題について日米合同委員会で返還について協議に入るよう米側に求めております。
県としては、那覇空港の進入管制業務が速やかに日本側に移管されるよう関係機関に対し引き続き要請していきたいと考えております。
次は、北部振興策とその取り組みについてのお尋ねでございます。
国においては、平成10年3月に策定された新全国総合開発計画において北部地域の振興が本県の一体的な発展を図る上で大きな役割を果たすものであると位置づけております。
北部地域の振興については、第3次沖縄振興開発計画を初め北部地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策の推進によりその振興を図ってきたところでありますが、地域の活性化や自立的発展への展望を開くまでに至っていない状況にあると認識しております。
本県の振興を考えるに当たっては、大いなる発展の潜在的可能性を有する北部地域の振興が県土の均衡ある発展を図る上で極めて重要な役割を果たすものであると考えております。
このような観点から、県知事と北部12市町村長の連名で12月2日に青木官房長官に対し、北部の振興についての要請を行ったところ、政府としても全力を挙げて取り組むとの強い姿勢が示されました。
北部振興のための具体的な施策・事業の展開に当たっては、今後設置が予定されている地元自治体、県及び国の3者による協議の場において具体的なプロジェクト等を詰めていきたいと考えております。
次に、沖縄の経済自立への貢献と県内企業育成についての御質問へのお答えでございます。
九州・沖縄サミット首脳会合を開催するため関連インフラの整備が進められています。
また、サミットの開催を機会に本県の観光・リゾート、国際コンベンション都市としての魅力や本県の投資環境等を世界に発信していきたいと考えております。
これらにより、国際観光・リゾート地の形成や情報通信産業、加工交易型産業の立地、さらに県産品の販路拡大による地場産業の振興などが促進されるものと期待しているところであり、本県経済の自立的発展につなげていきたいと考えております。
また、県産品を県内外にアピールするため県産品紹介用カタログの作製や県外での物産展の開催を計画しております。さらに、オリジナルウエアのデザイン開発を通してファッション産業を初め伝統染め織物産業等の振興を図ります。
県としましては、サミット開催を契機に県内企業の育成発展をさまざまな角度から支援していく所存でございます。
続きまして平和行政について、平和理念と平和祈念資料館問題への今後の対応についてでございます。お答えでございます。
過酷な沖縄戦を体験し、長年にわたる米国統治を経験した沖縄は、平和への願いと人権の尊厳を肌身で感じております。これは人類普遍の思想であると思います。
また、私はこれまで青年海外協力隊の支援活動などを通していろいろな国々を見てまいりましたが、世界においては今なお地域紛争が繰り返し起きており、傷ついた人々や、その後遺症に苦しむ人々が数多くいることに衝撃を受け、平和の大切さを身を持って感じております。
このようなことから、悲惨な戦争をなくし世界の恒久平和を実現するためには、民族や宗教等の壁を乗り越えた相互理解に努めることが最も大切であり、このため広く世界に目を向けた幅広い視点に立って「沖縄平和賞」(仮称)を創設することなど平和の創造発信に努めていくことが重要であると考えております。
平和祈念資料館については、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを後世に伝えるとともに、平和の創造発信拠点としてその整備を進めているところであり、私としては世界の恒久平和に結びつくようなすばらしい資料館をつくっていくことが務めであると考えております。現在、監修委員会の監修のもとに3月末の開館に向けて着々と作業が進められているところであります。
次に、福祉行政について、3歳未満児医療費無料化の実施状況についてのお尋ねでございます。
全国的に少子化が進行する中で、本県においてもその傾向が一層進んでおり、次世代を担う子供たちを安心して健やかに生み育てることができる環境の整備が強く求められております。
このため、県においては子育て支援策の柱として生涯の健康づくりの基礎となる大切な乳幼児期に安心して必要な医療が受けられるよう市町村と一体となって乳幼児医療費助成事業の拡充について取り組んでまいりました。
こうした市町村との協力のもとで、去る10月1日から対象年齢をこれまでの1歳未満児から、3歳未満児まで引き上げて全市町村において実施しているところであります。今後とも、市町村との連携を図りながら少子化社会における子育て支援策の充実強化に努めていく考えであります。
次に、農林行政についての御質問の中で、北部軍民共用空港と農林水産業の発展についての御質問へのお答えでございます。
北部地域は、地形条件から多様な農林水産業が展開されており、農業粗生産額では県全体の約3分の1を占めるなど花卉、野菜、果実、養殖魚介類の主産地となっております。県としては、これらの品目の生産拡大を図るため農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムに基づき拠点産地の形成を推進しているところであります。
北部に空港が建設され定期便が増加すれば、主要な航空輸送品目の菊については、彼岸時の割高なチャーター便が不要になるなど輸送コストの低減が期待されます。
また、鮮度、迅速性が求められる園芸品目や養殖魚介類の出荷面でも輸送時間の短縮効果が期待され、本土市場へのアクセスが改善されることで北部地域の農業、水産業の振興に寄与することが考えられます。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(宮城春一) 安次富修議員の質問の中で、基地問題に関する質問で宜野湾市に対する振興策についての御質問にお答えいたします。
基地移設後の宜野湾市の商工業の振興については、極めて重要であると認識しております。これらの商工業の振興策については、基地の跡地利用を含めた計画的な市街地整備等の検討とあわせて適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、九州・沖縄サミット開催についての質問の中で、サミット関連グッズや新商品及び沖縄ブランドの開発、普及等についての御質問にお答えいたします。
九州・沖縄サミットの開催は、県産品を国内外に紹介するための絶好の機会ととらえております。
御案内のとおり、県内企業の中には泡盛や琉球ガラスなど既にサミット関連商品を開発し販売している企業もあり、10月に開催した産業まつりの場でコーナーを設置し紹介展示を行ったところであります。今後も、沖縄オリジナルウエアのデザイン開発や公式レセプションへの活用が要望されております泡盛などの新商品開発が計画されております。
また、県産品のカタログの作製や県外での物産展の開催なども計画しております。
このように、サミットの開催を契機として新商品の開発や販路の拡大を促進し沖縄ブランドの普及に努め、地場産業の振興に努めていきたいと考えております。
次に、雇用失業対策についての質問の中で、沖縄振興開発金融公庫の創業支援体制の整備が取り上げられており、同制度の恒久化を目指すことがうたわれているが、このことについて説明願いたいとの御質問にお答えいたします。
沖縄振興開発金融公庫の創業支援制度として沖縄創業者等支援緊急特別貸付資金がございますが、同資金は沖縄県の深刻な雇用情勢等にかんがみ雇用の受け皿となるベンチャー企業者、経営多角化を行う者及び新規開業者を支援するため平成10年12月に導入されたものであります。
しかし本制度は、平成12年3月31日までの期限が付されているため本県の産業振興を積極的に推進する観点からこれを継続する必要があり、沖縄公庫においては国に対し恒久化を要望しているところであります。
なお、貸付対象者は、技術ノウハウ等の面で新規性が見られる新たな事業を行う者、新たな市場の創出や既存市場の活性化が見込まれる事業の新規開業を行う者等で、資金使途としては設備資金、運転資金等となっております。
次に、雇用失業対策についての御質問の中で、高度化資金の利率の見直し、つなぎ資金の確保等中小企業の諸施策を聞かせてほしいという御質問にお答えいたします。
昨今の厳しい経済情勢の中、中小企業者を取り巻く経営環境は一段と厳しいものがあります。県におきましては、小規模対策資金や創業者支援資金等の県単制度資金、集団化、共同化、協業化等への支援を行う高度化資金及び設備投資に係る無利子貸し付けの設備近代化資金の融資の実施により中小企業者への資金面からの支援策を積極的に講じているところであります。
高度化資金の利率につきましては、緊急経済対策の一環として平成11年4月以降の3年間の貸し付けに当たっては、従来の2.7%から、2.1%に引き下げられております。今後とも、中小企業者の資金面のニーズに対応できるよう融資制度の拡充強化に努めてまいります。
一方、国においては経済新生対策として中小企業・ベンチャー振興施策を推進していくこととしております。県におきましても、これらの施策に連動して中小企業対策に一層強力に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 基地問題の関連で、天久地区副都心での開発の教訓をどう生かすのかという御質問にお答えいたします。
那覇新都心地区、いわゆる天久地区でありますが、地域振興整備公団が土地区画整理事業により事業を進めておりますが、公共施設用地の先行取得、減歩率の調整、地権者の多様な土地利用意向に対応するための申し出換地等を導入したことにより地権者との合意形成に時間を要し、全面返還から仮換地指定までに10年を費やしています。
また、跡地利用のため那覇市では短期かつ集中的に各種の公共事業を実施しなければならず財政負担が厳しい状況となっております。このため、普天間飛行場など大規模な跡地利用については、土地区画整理事業などの従来の手法では対応は困難であると考えております。
このようなことから、国の責務として跡地の有効利用促進のための事業に対する行財政上の特別な措置を講ずること、跡地の整備が迅速に行われるよう総合的な実施機関を新たに設置するよう国に要望したところであります。
次に、同じく基地問題の関連で、組合設立の県の今後のスケジュールについてにお答えいたします。
那覇港管理のための一部事務組合設立については、平成3年の那覇市及び浦添市による組合設立の合意、両市からの要請に基づく平成9年の県の参加決定を経て3者による組合設立の準備が進められ、平成10年4月には那覇港管理組合準備班の設置、平成11年4月には那覇港開発推進室を設置し取り組んでまいりました。
組合の設立には、構成団体の合意を得て国との協議や議会提案、許可申請などの手続におおむね6カ月以上の期間を要するため、当初目標の平成12年4月の組合設立は困難な状況であります。今後とも、引き続き浦添市の参加に向けて条件整備に努力していきたいと考えております。
以上です。
○知事公室長(親川盛一) 安次富議員の基地問題に関する質問のうち、1点目の那覇軍港の浦添地先への移設について県と浦添市の共通認識はどうなっているか、それから2点目の浦添市から提出された那覇港の整備等に関する要請について妥協点を見出すつもりはないか、3点目の那覇港管理組合の設立に関する覚書の8条について浦添市に配慮するつもりはないか、それから4点目の一部事務組合設立が無理な状況だが、政府の対応はどうかという御質問に一括してお答えいたします。
本県の産業振興や経済の自立的発展を図るためには、浦添市西海岸地区を含む那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備することが重要であります。このことについて県と浦添市は、共通の将来ビジョンを持っているものと考えております。
県では現在、那覇港国際流通港湾計画調査を実施するとともに、県、那覇市、浦添市の3者による一部事務組合の設立に向けて調整しているところでありますが、那覇港の整備方針や、那覇港湾施設の取り扱いについてまだ浦添市との合意に至っておりません。
組合設立に向けた調整に際し、那覇港湾施設の移設に関する事項を含めたのは、那覇港の管理組合の構成団体となる3者が共通の認識を持つ必要があると考えたからであります。県といたしましては、引き続き国及び両市と調整してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(西村泰彦) 沖縄サミットの警備体制についての御質問にお答え申し上げます。
今回の沖縄サミットに対しまして極左暴力集団は、既に機関紙などにおいてサミット粉砕を主張しております。
また、極左暴力集団は過去の東京サミットにおきまして、迎賓館に向けて迫撃弾を発射するなど60数件に及ぶゲリラ事件を敢行していることから、沖縄サミットでも同様のゲリラ行動や妨害行為が十分予想されるところであり、またイスラム原理主義過激派などによる国際テロも懸念されるところであります。
したがいまして県警におきましては、これらのテロ、ゲリラ活動を防止するため必要な警備体制の検討を進めているところであります。
過去の東京サミットや大阪APECの警備では、当県と比較しまして警察官定数の多い警視庁や大阪府警でも1万人規模の応援を得て警備に当たったと承知しております。
今回の沖縄サミットにおきましても、警視庁を初め道府県警察から相当数の応援を得ることを念頭に、今後の国内外の情勢や各国要人の日程、関連行事、要人の宿舎等関連施設の状況などを総合的に見きわめながら警備体制について検討しているところであります。
また、安次富議員御指摘の暑さ対策、宿泊、補給体制につきましても本年夏6月末から8月初めにかけまして全国からの応援部隊が当沖縄におきましてあの暑さの中で訓練を実施しました。
また、その後も例えば北海道警察におきましては、体育館の中でストーブをたきまして耐暑訓練を実施するなどそれぞれの工夫を凝らした準備を進めております。
また、当沖縄県警におきましても、本県警で開発いたしました日除け警戒用ボックスの運用を図るなど万全を期してまいりたいと考えております。
現在、県警におきましては、県民生活の安全と平穏の確保を図りつつ、サミット開催時における警備の万全が期せるよう組織を挙げて諸準備を急ピッチで進めているところでありますが、県警がその責務を十分に果たすためには県民各層の御理解と御協力が不可欠でありまして、皆様の御支援、御協力を切にお願い申し上げます。
以上です。
○土木建築部長(銘苅清一) サミットに関連した道路網の整備についての御質問にお答えいたします。
来年7月に開催される九州・沖縄サミットに関連した道路網の整備については、国、県、日本道路公団において協力体制を確立し、空港、会場、宿泊施設及び首里城、海洋博記念公園等の主要観光拠点を結ぶ道路をサミット関連道路として位置づけ、円滑に移動できるルートの確保、安全な道路空間の確保、適切かつ迅速な道路情報の提供及び修景美化の観点から整備を進めているところであります。
これらの道路整備の具体的内容としては、国直轄事業として那覇空港自動車道の南風原道路の西原ジャンクションから同インターチェンジ間の約2キロメートル及び国道58号宜野湾バイパス等の供用を図るとともに、国道58号のサミット会場入り口の部瀬名岬交差点改良等及び道路照明、案内標識等の整備を促進しております。
また、日本道路公団においては沖縄自動車道のノンストップ自動料金収受システムの設置、排水性舗装、修景植栽及び屋嘉インターチェンジの仮設ランプ等の整備を進めております。
県における関連事業といたしましては、国道449号、那覇空港線ほか4路線の整備を推進するとともに、主要会場等へのアクセス道路について屋嘉恩納線ほか12路線の舗装補修、道路標識、植栽等による修景美化に取り組み、サミット開催に向けて万全を期す所存であります。
○総務部長(與那嶺恒雄) 立法院棟の解体工事についてお答えをいたします。
旧議会庁舎については、去る11月17日に解体撤去工事の契約を締結し、12月1日から仮囲いや足場組み立てを開始し解体作業を行っており、12月下旬までには解体作業を完了する予定でございます。
旧議会庁舎の跡地利用につきましては、沖縄県庁舎建設基本構想に基づき大型バスや業務用車両の駐車場、タクシー乗り場、駐輪場及び緑地空間の整備等を実施して県民への行政サービスの向上を図っていきたいと考えております。
また、旧議会庁舎の歴史的、文化的意義については、跡地にモニュメントを設置するとともに、レプリカ及び旧議会庁舎の映像資料等により後世に伝えていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 福祉行政について、少子・高齢化社会の対応について県の取り組みはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
子供たちが健やかに生まれ、生き生きとたくましく育ち豊かな可能性を実現していくことは県民すべての願いであり、また安心して子供を生み育てることのできる環境づくりと子育て支援体制を構築することは私たちの責務であります。
このため本県は、少子化対策として国のエンゼルプランを踏まえた「おきなわ子どもプラン」を平成10年1月に策定しました。本プランは、延長保育など多様な保育サービスの促進や放課後児童対策の充実等の緊急保育対策等5カ年事業として平成13年度までの整備目標を設定し、市町村と連携して事業を推進しております。
また、21世紀の高齢社会をすべての人々が健康で生きがいを持ち、安心して生活していけるよう県では平成6年度に沖縄県老人保健福祉計画を策定し、平成11年度を目標年度として整備を推進してまいりました。
施設整備については、全国的にも高い水準の整備率となっています。
在宅サービスについては整備がおくれていますが、介護保険制度では民間事業者など多様な主体がサービスを提供できることになっており、県としましては市町村と事業者の意見交換会等を開催し整備に努めてまいりたい考えであります。
次に、福祉行政について、子育て支援計画についての御質問にお答えいたします。
子育て支援のため平成10年1月に策定された「おきなわ子どもプラン」では、平成9年度から平成13年度までの整備目標を設定し、市町村と連携して事業を推進しております。また小児デイケア、つまり乳幼児健康支援一次預かり事業につきましては平成10年度末で3カ所、利用児童数は1122名となっております。県としましては、今後とも同事業の拡充について市町村と連携を図りながら推進してまいります。
なお、関係市町村においては広報紙掲載や実施施設のチラシを窓口に置いたり、保育園へ配布するなど利用者への周知を図っております。
次に、福祉行政について、「子ども課」の設置についての御質問にお答えいたします。
県としましては、おきなわ子どもプランを策定し、全庁的に連携を図り子育て支援策を推進することとしております。今後とも関係機関と連携を密にし、支援策が効果的に発揮されるよう努めてまいります。
御提言の件につきましては、効率的、一元的な児童福祉行政の推進のための貴重な御意見として承りたいと思います。
○農林水産部長(小那覇安優) 農林行政についての御質問で、農業後継者育成についてお答えします。
農業後継者の育成確保は、農業・農村の活性化を図る上で重要な課題であります。このため県では若者が農業を魅力とやりがいのある職業として選択できるよう農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムに基づき経営感覚にすぐれた担い手の育成確保を積極的に推進しているところであります。
具体的には、農業大学校における実践的な研修教育の充実強化、農業改良普及センターによる農業経営指導、農林高校との連携による農業教育の充実強化、農業後継者育成基金事業による新規就農者の確保などを実施しているところであります。今後とも従来の農業後継者育成確保対策に加え、若者が農業に夢と希望が持てる諸施策を強力に推進していく考えであります。
次に、小中高校等教育現場での農業への啓発と育成についてお答えします。
農業に対する理解と関心の啓発は、次代の農業を担う青年農業者の確保を図る上で重要であります。このため地域の先進的農業者の協力を得て小中高校生に対する農業体験学習の実施など農業後継者の育成に努めております。
具体的には、小学生向けに「おきなわの農業」を3000冊発刊し、県内283の小学校に配布しております。
また、各農業改良普及センターにおいては地域農業の紹介や野菜、花卉栽培などの農業体験学習活動を実施しているところであります。
今後とも市町村、農業関係団体、教育機関との連携を図り、小中高校生を対象に教育現場での農業教育を強力に支援してまいります。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後0時13分休憩
午後1時31分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
次の質問に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた出納長比嘉茂政君は、別用務のため本日のこれより以後午後5時までの会議に出席できない旨の届け出がありました。
――――――――――――――
○議長(友寄信助) 午前に引き続き代表質問を行います。
平仲善幸君。
〔平仲善幸君登壇〕
○平仲 善幸 県民の会を代表して質問を行います。
稲嶺県政が発足してちょうど1年が経過をしております。
稲嶺知事にとってこの1年は、それこそ疾風怒濤のごとく過ぎた1年であっただろうと、その御苦労に敬意を表します。
近代沖縄のスタートが琉球処分で始まったとすれば、その後に米軍の沖縄占領が続き、さらに私たちは沖縄復帰を経験をしております。
今、世がわりとも言うべき転換期に立っておるわけであります。普天間基地の移転が政治の焦点に浮かび上がり、世界の主要8カ国の政治指導者が沖縄に集うサミットは、まさに沖縄の開闢以来の一大痛快事であります。
政府は21世紀プランを策定し、沖縄の来るべき百年の大計をまとめつつあります。稲嶺県政は、沖縄が踏み出そうとしている次の百年の大計づくりの作業に心血を注ぎ、日夜関係者とともに腐心をしておられるのであります。沖縄の知恵と力の結集が今日ほど求められているときはありません。
知事は就任1年、既に多くの事務・事業を実現をしております。長い間凍結状態にあった沖縄政策協議会も再開され、100億円に上る特別調整費に基づく施策・事業も着実に進め、中でも高速道路料金、航空運賃は既に引き下げられております。
沖縄経済振興21世紀プランは、中間報告が成案を得て次のステップに進みつつあります。
特別自由貿易地域の企業は既に第1号がくわ入れ式を終わり、何よりも世界の耳目が沖縄一点に集中するサミットの名護市への開催決定は、これこそ沖縄の21世紀が透かして見えてくるようで、その夢は大きく膨らんでくるのであります。
他方では、沖縄県民とその安全を守るために日米地位協定の改正と返還後の基地跡地開発の実効性確保のため政府と折衝を繰り返す傍ら、SACO合意事案の着実な実現に向けて普天間基地の辺野古沿岸地域への移転を発表し、勇気ある選択をしております。
このように稲嶺知事には、就任わずか1年で多くの事務・事業に手をつけ、またその幾つかについては既に実現を見ているのであります。
昨年の知事選挙で多くの県民の支持を受けて当選をした稲嶺知事は、この県民意思を酌み取り、英知と勇気、経験と衆知を集めてこれからも県民の信頼と負託にこたえて奮闘されることを期待しながら質問をしたいと思います。
質問の第1点目は、振興開発計画であります。
復帰後3次にわたる振興開発計画が策定をされ実施に移されました。その間に投下された資金は6兆324億余に上り、道路、港湾、ダム、教育施設などを初めソフト、ハードを含めてインフラの整備は年を追うごとに実現をされました。
そこで稲嶺知事の公約である沖縄経済新法でありますが、この発想は、政府による3次にわたる振興開発計画事業で自立的発展のための基礎条件づくりが終わりつつある段階を迎え、今後は自立に向けた具体的事業の設立と誘致が求められているとの認識に立つものだと理解をしているのであります。これまで県は保革を問わず企業の誘致を標榜し、机上での計画や提言などが多く示されてきたわけでありますが、実現されたのも確かにありますが、この反省の上に立って稲嶺知事が主張する新法について求めている構想、青写真をお示しください。
質問の第2点は、北部地域の開発についてであります。
稲嶺知事は、普天間基地の辺野古沿岸地域への移設を発表いたしました。同時に北部圏域の開発構想もマスコミ等を通して報じられております。移設される空港を軍民共用とし、北部振興への起爆剤にする構想はどのように練り上げようとしているのか、お聞かせを願いたいと思います。
この場合、単に北部地域の開発振興ではなく、沖縄経済全体にリンクする計画でなければならないし、また陸上交通アクセスはモノレール等定時・定速性を確保するインフラ整備構想が提案されなければならないと考えます。
同時に、開発に伴って必然的に派生をする環境問題も揺るがせにはできませんし、何よりも地域住民の意思が尊重される計画が必要であります。北部地域の人たちに基地被害だけが新たに押しつけられるようなことがあってはならないわけであります。
第3点目の質問は、振興開発事業のメニューの特化であります。
明治政府が殖産興業を唱えて国づくりを展開し、クリントン政権は情報ハイウエー構想を進め、鄧小平は改革解放政策を掲げてそれぞれの国をつくり上げていくという大きな成果をおさめております。
歴代県政のこれまでを見てみると、総花的で政府の施策に知恵も財政も丸ごとおんぶされてきた感は免れないわけであります。県民にひとしく政治のもたらす成果が行き渡ることは、為政者が基本命題としなければならないことは論をまちません。知恵と金が有効に使われて初めて政治の成果もまた生まれてくるのであります。
経済の自立、福祉や教育、環境や米軍基地問題などいずれを取り上げても揺るがせにできない課題が山積している本県の場合、政策メニューの特化が政治的な打撃につながるおそれもないことではないだけに、その選択には慎重な対応が必要であると思います。
復帰後30年近い歳月の中で歴代知事の施策を振り返ってみまして、屋良さんが祖国復帰とその後の課題を抱えて忘れがたい実績を県民に残した以外には希薄な印象を残しております。
自立的発展の基礎条件づくりがこれまでの政府、県を含めた施策の重要な柱であったとするならば、これからはその上に何を積み上げていくかが課題になります。
そこで知事にお尋ねをするのでありますが、広く、満遍なくすべて総花的にあれもこれもではなくて、焦点を絞り込んだ県政の運営が強く求められていると考えます。
これからは稲嶺県政としてやり遂げるという何かを県民に提示をするお考えがないかどうか、この決意をお聞かせを願いたいと思います。
4点目は、振興開発計画とそれに伴う人づくりであります。
「人は石垣 人は城」とは武田節の文句でありますが、何をなすにも人であります。
歴代知事は、皆人づくりを政策の課題に掲げてまいりました。西銘元知事は、沖縄県育英会をわざわざ名称を「沖縄県人材育成財団」に名称がえし、多額の県費の持ち出しを覚悟で県立芸大を設立いたしました。前大田県政下でも青少年の海外派遣事業を進める傍ら、海外からの県費留学生も数多く受け入れてきたことは御承知のとおりであります。
このように歴代県政は、一貫して人づくりにたゆみない努力を続けて多くの成果を上げてきたわけであります。
そこで知事にお尋ねをしますが、県庁職員に向けられた人材の育成、継続的な研修、研究事業、施策が見落とされてはいないのか。
県庁には6000人余の職員が働いております。優秀な職員からの人づくりをこの際真剣に検討されるべきだと思います。すなわち職員の職務への意欲を引き出す施策、やる気を起こさせる施策が人事制度も含めて知事に御一考を煩わしたいわけであります。
21世紀に誇らしく引き継いでいける沖縄づくりへの気概こそが今求められているのであります。県庁の職員が気概の外で安眠をむさぼることは許されないわけであります。気概を引き出す施策が必要であります。人事制度の抜本的な見直し、見るべき成果を上げた者への何らかの褒賞制度など優秀な頭脳と気概を備えた職員を一歩も二歩も前に引き出す施策、沖縄づくりへの牽引役としてのフロンティアを育てるべきであると思います。
私が特に指摘をしたいことは、研究職員の奮起をお願いをしたいのであります。研究職の場合、過去に多くの成果を上げていながら何らの処遇も受けずに埋もれたままになっている職員を私は幾例も見ております。
花卉やゴーヤー、モズクが沖縄ブランドで定着をしております。ウリミバエは根絶され、イモゾウムシの根絶も視野に入りつつあります。畜産試験場でもブランド牛づくりも見るべき成果をおさめつつあります。この成果によって農家の所得と意欲が飛躍的に高まりました。研究職の諸君こそその知識と頭脳を備え、未知の分野へのチャレンジを通して創造と発明、開拓と発見をその手でつかみ取る位置にあります。資源もない、資本もないと嘆く沖縄ではなく、頭脳はそろっているはずであります。
県庁職員の中には、大学院を出た博士が、修士課程を卒業した意欲ある人材、そして経験豊富な人材が埋もれたままになっております。足元に埋もれているこの「知」の集団に目配りをしてみようではありませんか。
そこで提案をしたいのでありますが、この集団、つまり著しい研究成果を上げた者には沖縄ノーベル賞ともいうべき「知事賞」を設けてはいかがなものかと思うのであります。
その副賞として国内、国外の研究施設に派遣をし、さらに研さんを積んでもらう等の制度の創設を考えていただきたいのでありますが、知事の御所見をお聞かせを願いたいと思います。
次に、基地問題について意見を申し上げ、知事の所見を伺いたいのであります。
ローマの昔は「パンと競争」という標語で、帝国主義の時代は分裂支配、そして今ではマスコミがやゆするようにあめとむちによる政策を民衆支配のテクニックとしてきたことは、私たちは知識として共有しております。沖縄の戦後もまたあめとむちによる支配が繰り返され、それに対して県民はあがらい、抵抗して、時には妥協しながらも今日の沖縄を築いてきたのであります。
総じて沖縄の戦後政治を見ると、保守党は経済を、革新政党は基地反対を唱え、この2つの流れの中で沖縄民衆はその都度誤りなき選択をみずからの意思として政治と向かい合ってきたのであります。
今また基地問題が県政の焦点として政府を含めた日本的課題として浮かび上がってきているのでありますが、知事が苦渋の選択として心情を吐露なさったように基地問題はいつでも沖縄県政のアキレス腱であります。今日の時点で普天間基地の辺野古沿岸区域への移転を県民の会は了承をしているわけであります。
その理由は、1に、米国政府も日本政府も沖縄県民が基地の重圧を過重に負担していることは十分に理解をしながらも、なお極東アジア情勢を理由に沖縄基地の重要性を頑固に主張している現状を打破できる情勢にはありません。
2に、1995年に宜野湾で行われた保革を超えた各層が共通の意思として示した基地の整理縮小への不動の決意は、仮に基地が存続するとしても日米政府はこの沖縄県民の意思を曲げて基地の運営に当たることが今後はできなくなってきております。
3点目に、行政が県民の生身の生活を担保する機構であってみれば、軍用地料の年間700億、軍雇用者8500人とその給与所得620億、軍人・軍属の消費支出500億、さらに防衛庁関連工事などが約1000億、この現実に目をつぶり反対、対決だけを繰り返しては政治の暴走とのそしりを受けることは必定である。
4番目に、政府はこの安全保障が沖縄の犠牲によって担保されている現状に配慮して全閣僚、全省庁及び沖縄県知事で構成する沖縄政策協議会を内閣に設置し、沖縄経済振興のための21世紀プラン等に取り組む姿勢を明らかにしております。
県は、明治の昔から自立を県政の悲願としてきた。それだけに今この機会を逃すべきではないと本員は思います。
以上、普天間基地移設に関して県民の会を代表して意見を述べましたが、知事の米軍基地に対する基本的な認識及び県政のあるべき方向について御所見をお伺いをして、私の代表質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 平仲善幸議員の御質問にお答えいたします。
最初は振興開発計画について、経済新法についての知事の構想を聞きたいとのことへの御返事でございます。
これまで、いわゆる沖縄経済新法という表現を用いてきましたが、今後は新たな沖縄振興法という表現を用いていきたいと考えておりますので御理解をお願いしてお答えします。
3次振計終了後の新たな沖縄振興計画を実効あらしめるための新たな沖縄振興法のあり方については、現在作業中の沖縄振興開発の総点検結果を踏まえて関係機関と調整してまいりたいと考えておりますが、当面の検討課題としては、産業の振興による自立型経済の構築を図るための加工交易型産業や情報通信産業など戦略的産業の振興、観光振興の新たな展開、地域経済活動を支える道路、空港、港湾等の産業基盤の整備、県民福祉の向上を図るための学校、公園、福祉施設等の生活基盤の整備や過密な都市環境の整備、基地の跡地利用制度、県土の均衡ある発展を図るための離島・過疎地域の振興などがあります。
また、沖縄振興開発特別措置法等に基づく各種制度については、総合的に施策を展開していく観点から必要な制度は継承すべきであると考えております。
次に、北部地域の開発構想についての基本的な考え方についてのお答えでございます。
国においては、平成10年3月に策定された新全国総合開発計画において北部地域の振興が本県の一体的な発展を図る上で大きな役割を果たすものであると位置づけております。
北部地域の振興については、第3次沖縄振興開発計画を初め北部地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策の推進によりその振興を図ってきたところでありますが、地域の活性化や自立的発展への展望を開くまでに至っていない状況にあると認識しております。
本県の振興を考えるに当たっては、大いなる発展が潜在的可能性を有する北部地域の振興が県土の均衡ある発展を図る上で極めて重要な役割を果たすものと考えております。
そのような観点から、県知事と北部12市町村長の連名で12月2日に青木官房長官に対し北部の振興についての要請を行ったところ、政府としても全力を挙げて取り組むとの強い姿勢が示されました。
北部振興のための具体的な施策・事業の展開に当たっては、今後設置が予定されている地元自治体、県及び国の3者による協議の場において具体的なプロジェクト等を詰めていきたいと考えております。
次に、同じく振興開発計画について、これだけは稲嶺県政としてやり遂げるという何かを県民に提示する考えがあるか、決意を聞きたいということへのお答えでございます。
私は、県政運営の基本的姿勢として本県経済の振興、米軍基地問題の解決促進に全力で取り組んでまいりました。
経済振興につきましては、沖縄経済振興21世紀プラン等に基づく施策・事業の着実な実現を図りつつ、産業の振興や新たな雇用機会の創出に努めます。
米軍基地問題の解決に向けては、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)合意事案の着実な実現による段階的な基地の整理縮小、基地跡地利用の実効性を確保する制度の確立などを促進してまいります。今後、新たな沖縄振興計画の策定に取り組むこととしておりますが、これらの施策を着実に反映させていきたいと考えております。
次に、基地問題について、日米安保の現状及び軍用地主や駐留軍従業員の生活、経済の自立などさまざまな課題があり基地問題は理想論だけでは解決しない、基地の整理縮小を初めとする基地問題解決に当たって県の基本的認識について聞きたいということに対するお答えでございます。
本県には在日米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、多くの県民は基地の整理縮小を強く望んでいます。
その実現のためには、まずSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しています。
県としては、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら対応する方針であり、そのためにも軍用地主や駐留軍従業員の生活、返還跡地の有効利用及び移設先の地域振興等さまざまな問題について一つ一つその解決への道筋をつけながら、基地の整理縮小を着実に実施していきたいと考えています。
なお、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することから、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 振興計画とそれに伴う人づくりについて県庁職員の人材育成、研修についてお答えいたします。
人材の育成は、国際化、地方分権型社会の到来等多様化する行政課題に的確に対応するため極めて重要であると考えております。そのため県庁職員を対象とした人材育成、研修事業については自治研修所における研修、各部局における職場研修を初め国、他都道府県、市町村、民間企業及びアジア諸国等への派遣研修を実施しているところでございます。
また、研究機関等高度な専門知識を必要とする分野に従事する職員については、スペシャリストの育成に努めているところであり、特に高度な学識と経験を有する人材や民間企業等で培われた経験やノウハウを持った意欲ある人材を確保するため研究職員選考採用試験、それから民間企業等経験者採用試験を実施しているところでございます。
また、現在策定中の沖縄県行政システム改革大綱においても県職員の人材育成・確保は重要な課題と位置づけており、今後新たに県職員を対象とした人材育成基本方針を策定し、計画的に人材育成を進めていきたいと考えております。
次に、研究成果を上げた職員に知事賞の創設についてお答えいたします。
県職員の表彰については、沖縄県職員表彰規程に基づき「県政の進展に抜群の功績があったもの」、「永年本県に勤務し、その成績が特に優秀なもの」等についてその都度表彰を行っているところでございます。
御提言の研究職で研究成果を上げた者を初め全職員を対象とする知事賞の創設及び国内、海外への派遣研修等の制度については、現行の沖縄県職員表彰規程の活用も含め充実を図っていきたいと考えております。
○島田 力 社会民主党・護憲会派を代表して質問をいたします。
稲嶺県政が誕生して満1年を経過しようとしています。知事の任期は4年単位でありますから、県民に約束したことが見えなければならない時期にあります。しかし経済振興政策や雇用政策について、残念ながらその姿が見えてきません。少なくとも大田前県政は生活圏域ごとにあるべき姿、目指すべき姿を描き、その実現に向けた諸施策の展開を国際都市形成構想の中で示してきました。しかし稲嶺県政のもとではこのような構想があるのかないのか、全くわかりません。
稲嶺知事から出てくる言葉は、沖縄経済振興21世紀プランと沖縄経済新法を策定するということでありますが、その内容も明らかにされていません。特に沖縄経済振興21世紀プランは、国際都市形成構想を受けて橋本前総理が打ち出したものと私は理解をしておりますが、知事はあたかもみずからの発想のように受け取れる発言をしております。
聞くところによると、骨子は前県政時分に政府に提起してあるといいます。しかしそれはさておくとして、政府が策定するにしてもその素案なり要綱案ができていなければならないが、いまだ示されていません。
そこでお尋ねをいたします。
1つは、前県政が策定した国際都市形成構想は踏襲するのか、しないのか。
2つ目に、沖縄経済振興21世紀プランの具体的な内容は何なのか。
3つ目に、地域振興のための生活圏域ごとの位置づけはどうなっているのか。
沖縄が目指さなければならないのは、経済の自立だと私は思っています。知事も経済人の立場で主張されていましたが、稲嶺県政下でこれまた残念ながらその具体策を見ることができません。
この1年間目につくことは、軍事基地を受け入れるから何とかしてくださいよと言うだけで主体性、具体性が何らありません。軍事基地によって県民の日常生活が脅かされ、振興計画が阻害されてきたのは事実であります。それだけに基地からの脱却というのが沖縄の大きなテーマの一つでもありました。それが経済の自立でありました。そして経済が自立することによって産業が育成され、雇用の拡大につながるということであります。
稲嶺知事は、選挙戦で沖縄の高失業率をとらえ、失業は県政不況によるものとして当選をしました。しからば県政がかわったわけですから県政不況は脱していなければなりませんし、企業も活性化し新たな雇用の場も拡大をされていなければなりません。大田県政に引き続き沖縄特別振興対策調整費や不況対策の関連予算がおろされているにもかかわらず雇用拡大につながっていません。とりわけ不況関連予算にかかわる公共事業は特定業者に偏り選挙功労賞的な事業発注がなされ、多くの業者が不況にあえいでいるのではありませんか。
そこでお伺いいたします。
1つ目に、稲嶺知事は高失業率は県政不況によるものとして当選をしたが、県政交代によって不況は脱したのか。
2つ目に、知事は高失業率改善のためにどのような対策をとったのか、そしてその効果は。
3つ目に、稲嶺知事が就任をして1年、依然として高い失業率にあるのはなぜか、その解決策はあるのか。
4つ目に、公共事業への業者の入札参加の公平さは確保されているのか。
稲嶺県政の1年間を振り返って私なりの感想を述べさせていただくとするならば、一言で言って混乱の1年でありました。その代表例を挙げるとするならば、平和資料館問題であり普天間基地の県内移設問題であります。
平和資料館問題では、解釈より解決を標榜している知事が、どこでどう間違え錯覚したかは知りませんが、事実を勝手に解釈し歴史を改ざんしようとしました。私たち野党の追及によって監修委員会の意見を尊重するということになりましたが、いまだその責任の所在がはっきりしていません。
石川副知事は、委員会の中で三役の発言が書きかえ作業につながったことを認め、混乱を招いたことに対する謝罪をいたしましたが、いまだ知事からはそのような言葉を私たちは聞いていません。多くの県民からは稲嶺知事を支持した方々も含め、事実は事実として伝えるべきではないのか、何でそこまでして政府にすり寄らなければならないのかという声が私たちに数多く寄せられました。そして今後どうなるだろうかという不安も寄せられております。
そこでお伺いいたします。
その1つは、知事は平和資料館問題で混乱を招いた責任は知事にはないとの考えであるのかどうか。
2つ目に、監修委員会の意見を尊重することになっているが、展示後変更しないという保証はあるのか、お聞きをいたしたいと思います。
私は、さきに稲嶺県政の1年間は混乱の1年であったと表現をいたしました。向こう1年間も混乱が大いに予想されます。それは、普天間基地の北部への移設問題であります。
北部の方々は、普天間基地の代替としてキャンプ・シュワブ沖での海上ヘリポート案が提示されたとき、明確に住民投票でもって反対の意思表示を行いました。にもかかわらず稲嶺知事は、住民の意思を無視し頭越しに、しかも一方的な手法でもって普天間基地の移設候補地をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域へと決定をいたしました。
知事みずからが率先して新たな基地の受け入れをすることは、基地の重圧に苦しむ県民の意思を無視すると同時に、北部の皆さんに新たな負担と犠牲を押しつける暴挙と言わざるを得ません。
知事は、選定に当たっては運航空域確保の問題、騒音の問題、アセスの問題等さまざまな観点から検討を行った結果、総合的に判断をし普天間基地の移設候補地をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に決定したとしていますが、私は甚だ疑問に思うのであります。
アセスについても検討したとしていますが、その内容は何ら明らかにされていません。騒音、事故に加えて重要なことは環境問題であります。
漏れ聞くところによりますと、軍民共用には整備工場が想定されているといいます。そうなりますと水域の汚染の問題等々環境破壊につながります。到底こうしたことを検討したとは思えません。辺野古ありきの論議で事が密室で進められ、頭越しの住民無視の決定へとつながったのではありませんか。
そこで質問をいたします。
その1つは、経過についてであります。知事は検討委員会を設置をし、その中で複数の候補地を選定し国に決定してもらうとしていましたが、その検討委員会はどうなったのか。
2つ目に、議会等で答弁した内容とは違い、なぜ候補地が単独選定となったのか。
3つ目には、民間空港であれ飛行場をつくる場合は環境を初めとするあらゆる調査を実施し選定、建設するのが普通でありますが、なぜそれをしないのか。
4つ目に、決定に至る経過の中で名護市長はどこまでかかわったのか。かかわらせなかったとするならば、なぜかかわらせなかったのか。
その(2)つ目は、住民合意についてであります。
1つに、今回の決定は頭越しの決定と思うけれども、住民合意を取りつける意思はあるのか、ないのか。
2つ目に、聞くところによると団体意思のみを取りつけると言われているが、それは事実であるのかどうか。
3つに、住民一人一人が被害を受けることになるわけでありますが、住民の意思はどのような方法で取りつけられるのか。
(3)つ目といたしまして、最終決定に当たっての県、名護市の関係及びその責任についてお尋ねをいたします。
その1つは、最終決定は国と県、国と名護市、県と名護市、そのいずれの機関において行うのか。
2つ目に、知事が候補地として選定した場所には希少価値のある動植物の生存が公式にも確認をされておりますけれども、再調査を行い、その結果によっては候補地を取り下げる意思はないのかどうか。
3つ目に、環境調査を初め影響度調査を行う意思はないのかどうか。
4つ目に、知事は住民の多数が、例えば住民投票等合法的な手段をもって反対を明確にした場合であっても選定場所を変える意思はないのかどうか。
5つ目に、知事は15年の使用期限が約束されない場合、明確に反対する意思があるのかどうなのか、お尋ねいたします。
そして大きな(4)点目として、基地の危険性についてであります。
普天間基地の危険性は、基地そのものが市街地の中心にあることに加え、基地内における事故はもとより、普天間基地から飛び立ったヘリコプターによる事故、環境汚染による被害等が数多く発生していることにあるが、それは辺野古に行けばなくなるということになるのかどうなのか。
次に、中小企業への貸し渋りの実態と対策についてお伺いいたします。
沖縄県中小企業家同友会が会員を対象に行ったアンケート調査結果によれば、貸し渋りが依然としてあることが指摘されています。そして貸し付けを受けるにしても拘束預金や追加担保の要請がなされ、金融機関からの資金的供給の絞り込みをかけられ、金融機関からの中小企業に対するランクづけ、選別がかなり進んでいることも報告されています。
こうした実態を県はどのように把握をし、どのような対策をとっているのかをお聞かせをいただきたいと思います。
次に、介護保険についてお尋ねをいたします。
来年からスタートするはずの介護保険制度が国会においてももめにもめています。やはりそれだけ問題の多い介護保険制度と言わざるを得ません。小規模自治体がほとんどという我が県にあっては財政問題、サービス内容の問題、人材の確保等々課題が余りにも山積をいたしております。そういう意味からしても、私は保険運営は広域での運営とすべきと考えています。
広域市町村圏での運営が論議をされているようでありますが、私は県が絡んだ形での広域連合にすべきだと思います。
政府も言っておりますように、広域連合にすることによって認定基準、給付、保険料の平準化で地域格差が解消されること、人材確保が容易となり、町村に対する指導や適切、効率的な対応や運営が可能となること、財政規模を大きくすることによって安定財源が確保され、県や国との調整、要請が容易となること、広域化によって運営コストを節約できる等の観点からしても必要と思いますが、県の考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
介護保険制度については不安が尽きないのでありますが、時間の関係上、二、三点に絞って質問をいたします。
その1つは、介護が受けられるのは要介護1から5まででありまして、「自立」や「要支援」と認定されれば、現在特別養護老人ホームに入所している人でも施設への入所はできないということになるわけでありますが、その数はどのぐらいとして把握しておられるのか、そしてこれらの方々への独自サービスの引き続きの実施、指導をしているのかどうなのか、その実態と対策についてお伺いをいたします。
2つ目は、ケアマネジャー、いわゆる介護支援専門員の身分の位置づけについてであります。
私は、結論から言って自治体職員として位置づけるべきだと考えています。
その理由として、訪問調査とコンピューターによる第1次判定の間に「再審査」を加えることによって第2次判定との誤差を限りなくなくすことができること、2つ目に、この作業をすることによって公的な立場で判定審査会で大きな影響力が行使でき、市町村長に住民から不服があった場合でも迅速かつ専門的な説明ができるので住民とのトラブルを未然に防止することができること、3つ目に、調査やサービス実施を民間セクターに委託した場合であっても不正請求などに対して適正な立場で監視、防止ができることなどからして自治体職員の配置が必要と思いますけれども、県の考え方をお伺いいたしたいと思います。
さらに、基盤の整備状況、離島等における作業療法士、理学療法士の確保の見通しについてもお尋ねをいたします。
下地島の土地の有効利用についてお尋ねをいたします。
私はこの間、下地島空港の活性化及び伊良部町の振興について多くの発言をし全力でかかわってきました。また、さまざまな活性化案が出されるに至った契機とも言える自治労県本部の提言にも直接かかわってきました。県有地と町有地の交換分合にも努力をしてまいりました。
私は、下地島への航空大学校の誘致が具体性をもって動き出したことに対し、伊良部町民、宮古郡民とともに大きな期待をいたしております。そこで、現在までの県としての対応をお聞かせ願うとともに、下地島空港の活性化を含め次のことをお伺いいたします。
航空のエキスパートの養成校として学生の長期滞在、新たな関連産業の創造など大きな期待をいたしておりますが、大学校の認可、建設費の問題等実現に向けた今後の県の対応やスケジュールについてどうなっているか、お尋ねいたします。
2つ目に、設置される大学校を活用してアメリカなどで行われている短期間での個人パイロット免許取得のツアー、さらには国内での個人パイロットの免許取得、これは制度上厳しい面があるとも聞いておりますけれども、アメリカの大学校等と提携をし、飛行時間を下地島で賄うことなども視野に入れた検討が必要かと思いますが、いかがでしょうか。
3つ目に、伊良部町は過去に南洋漁業に関連をし、多くの海外研修生を受け入れた経験を持っています。その経験を生かし、一定定員を海外留学生に割り当て、アジア、中東における航空のエキスパート養成機関として位置づけるとともに、県としての行政的支援についても検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、下地島空港の将来のあり方について私なりの考え方を述べ、検討いただきたいと思います。
伊良部架橋は、伊良部町民のみならず宮古郡民の総意であり、一日も早い実現を願っております。そして内外から多くのお客さんが来ることを期待をしています。そういう意味合いからしても架橋後の下地島空港のあり方を早い段階から検討しておくことが架橋実現の原動力になると思っています。
架橋後の下地島空港を第2宮古空港として位置づけ、大阪の伊丹空港と関西空港のように2空港の機能的な活用を図り、宮古全体の交通体系の確立、経済効果、利便性の向上が実現できるよう今から次のことを検討しておくことが必要かと思います。
それは、下地島空港を活用した宮古空港の将来的な過密状況の緩和、新たな本土─宮古または下地島路線の開設、3000メートル滑走路を生かした本土便のジャンボ機による定期便、臨時便の就航、ジェット機による修学旅行生、ダイビングツアー等々の受け入れ、台湾からのチャーター機の就航等々でありますが、クリアすべき課題が多いだけに企画立案部門での検討をお願いをし、発言を終わります。
答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 島田力議員の質問にお答えいたします。
最初は、前県政が策定した国際都市形成構想は踏襲するのかという御質問へのお答えでございます。
国際都市形成構想は、第3次沖縄振興開発計画において新たな目標として掲げられた我が国の発展に寄与する地域特性を生かした特色ある地域としての整備を図るための施策の方向を示したものであります。
これは、これまで推進されてきた格差の是正と自立的発展の基礎条件の整備に加え、基地の整理縮小を期に思い切った振興策を展開することにより沖縄の自立的発展とともに、我が国の南の交流拠点の形成を図ることを目標としております。
このことは、昨年3月に閣議決定されました新しい全国総合開発計画においても太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)として国際都市形成構想の基本的な考え方が取り入れられています。
また、経済振興面においては、沖縄経済振興21世紀プランを国が策定するなど具体的な支援策が示されたところであります。今後、引き続き国との連携を図りながら国際交流基盤の整備等も含め、本県の新たな沖縄振興計画に反映させていきたいと考えております。
次に、地域振興のための生活圏ごとの位置づけはどうなっているかと。
沖縄県全体の均衡ある発展に向けては、各圏域における定住条件を整備し、活力ある地域としての振興を図ることが必要であります。それぞれの圏域がその特性を生かした地域づくりを推進し、相互に連携協力し合うネットワークの形成が重要な課題であると考えております。
したがいまして、各圏域ごとの振興策につきましては、今後策定に取り組む新たな沖縄振興計画においてこれまで以上に積極的な施策・事業の具体化に努めてまいりたいと考えております。
次に、県政交代によって不況は脱したかとの御質問へのお答えでございます。
本県の経済状況は、雇用情勢が依然として厳しい状況にあるものの、最近の金融機関等の景況判断でも好調な観光や民間住宅の回復など一部に明るい動きが見られるとしているように、県としても県内景気は改善の動きを示しているものと認識しております。これは、昨年度決定された総合経済対策や緊急経済対策の効果によるもののほか、沖縄経済振興21世紀プランなどによる多くの沖縄振興事業が動き出したことによるものと考えております。
そして次の質問で、高失業率改善のためどのような対策をとったのか、その効果はというのと、高い失業率にあるのはなぜか、そして今後の解決策はといった2つの御質問に一括してお答えします。
本県における完全失業率は、10月で8.8%と依然として高い水準で推移し厳しい状況にあります。これは、就業者数は増加しているにもかかわらず、労働力人口の増加を吸収できないために上昇したものであります。
その一方で、県内景気に改善の動きが広がりつつあることも反映して有効求人数は10カ月連続で前年同月を上回り、県内就職者も13カ月連続で増加しています。こうしたことから雇用をめぐる環境は着実に改善していると考えております。
県では、雇用問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけ、各種施策を展開したことにより本年1月から10月までの公共職業安定所の紹介による就職件数は、前年同月比で7.4%増の約1万5000件となっております。
また、コールセンター等情報通信関連企業や製造業の誘致に努めた結果、これまで約1000人の雇用が創出されており、引き続き数社の立地が予定されています。
雇用開発推進機構では、人材育成支援事業等の支援により平成10年度は約400人の雇用を創出し、平成11年度においても引き続き同事業を拡大実施し、雇用の場の創出に取り組んでおります。
さらに、9月補正予算で措置された緊急雇用対策特別事業の実施により11年度は300人の雇用を予定し、13年度までに合計2300人の雇用を見込んでおります。
今後におきましても、引き続き沖縄経済振興21世紀プランに盛り込まれた沖縄特別自由貿易地域を活用した加工交易型産業や情報通信関連産業等の振興を図りつつ国の雇用活性化総合プラン、緊急雇用対策及び新たに策定された経済新生対策に基づく雇用対策を強力に推進してまいります。
また、新規学卒者対策として就職面接会等を実施するとともに、引き続き県内外企業に対する積極的な求人開拓を行い、新規学卒者の就職促進に努めてまいりたいと考えております。
完全失業率については、景気の動向などにおくれて改善する傾向があることもあり、引き続き高い水準にはありますが、現在の取り組みが今後の雇用情勢の改善につながっていくものと考えております。
次は、平和祈念資料館問題で混乱を招いた責任をどう考えているのかということと、監修委員会の意見を尊重するというが、展示後、変更しないという保証はあるのかということと、次の御質問の悲惨な戦争体験をした沖縄から平和の発信をどのようにしていくのかという3点の御質問に一括してお答えいたします。
新平和祈念資料館の展示内容とのかかわりで県政に対する批判等が行われてきましたが、これは監修委員会に諮る前の検討過程におけるものであり、一連の事務手続を進める中で県民に誤解を生じさせたことは大変遺憾に思っております。
このことについては、その後監修の過程も含め広く情報の公開に努め、県民の皆様にも御理解をいただきながら進めてきたものであります。
平和祈念資料館の展示内容については、基本構想、基本計画等を踏まえ、監修委員会の先生方に時間をかけて監修をしていただいているものであり、展示内容の変更は現時点では基本的には考えておりません。
過酷な沖縄戦を体験し、長年にわたる米国統治を経験した沖縄は、平和への願いと人権の尊厳を肌身で感じております。これは人類普遍の思想であると思います。
私としては、このような観点から沖縄戦の実相を風化させることなく正しく後世に伝えていくとともに、広く世界に目を向けた幅広い視野に立って沖縄平和賞(仮称)を創設するなど平和の発信に努めていきたいと考えております。
次に、普天間基地の移設問題についてでございまして、検討委員会を設置し、その中で複数の候補地を選定し、国に決定してもらうとしていたが、その検討委員会はどうなったかとのお尋ねでございます。
普天間飛行場の移設候補地の選定作業は、その性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられ、慎重に作業を進める必要があることから、移設候補地の検討に当たっては県が主体性を持って判断することにし、アドバイザリーグループは設置しておりません。
それではなぜ候補地が単独選定となったかという御質問へのお答えでございます。
検討作業を進める過程において複数案を検討しましたが、最終的な絞り込みを行い、移設に当たっての県の基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果、1カ所となったものであります。
次は、空港であれ、飛行場をつくる場合環境を初めあらゆる調査を行い選定、建設するんだが、なぜそれをしなかったのかとのお尋ねでございます。
米軍施設・区域の提供は国の所管事項であることから、具体的な建設場所や工法等については地元の意向を最大限に反映させ、国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるよう強く申し入れております。
次に、決定に至る過程の中で名護市長はどこまでかかわったのかということでございます。
移設候補地の選定作業は、その性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めることにし、特定の地域との間で調整を行うことはしませんでした。したがって名護市長とは事前に調整しておりません。
次に、同じく移設問題について、今回の決定は頭越しの決定と思うが住民合意を取りつける意思はあるのかと、次は、団体のみの意思を取りつけようとしているとも聞こえるがということと、住民の意思をどのような方法で取りつけるのかという3点の御質問について一括してお答えします。
移設候補地である名護市に対しては、公表した当日に私の代理として石川副知事が名護市長と会見し御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
また、移設に当たっては名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えております。
次に、同じく移設問題で、候補地として選定した場所には貴重な動植物の存在が確認されているが再調査を行うつもりはないかということと、環境調査を初めとする影響度調査を行う意思はないかという2点の御質問に一括してお答えします。
具体的な建設場所や工法等については地元の意向を最大限に反映させ、国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
去る11月25日に県の考え方を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを国に申し入れております。
次に、同じく移設問題で、知事は住民の多数が合法的な手段をもって反対を表明してきても選定した場所に固執するのかという御質問へのお答えでございます。
移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目の基本方針を設定して移設候補地の検討を行い、これらの方針に適した場所を総合的に判断してキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達しました。
県の考え方については名護市長にお伝えし、理解と協力をお願いしたところであります。
次に、15年の使用期限が確約できない場合、明確に反対する意思があるかとのお尋ねでございます。
普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。政府からは、極めて厳しい問題であるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいります。
次に、普天間飛行場は市街地の中心にありいろいろ事故、環境汚染等が発生しているが、辺野古に行けばなくなるのかという御質問へのお答えでございます。
普天間飛行場問題の原点は、市街地の中心にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還し、このような状況を解消することであると認識しています。この視点に立って同飛行場の移設を行うものであり、移設候補地の選定に当たっては住民の安全が確保され、騒音等の影響が軽減されることを基本方針の一つに設定して検討を行いました。
また、県の考え方を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを国に申し入れております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(宮城正治) 稲嶺県政の1年を振り返っての関連で、沖縄経済振興21世紀プランの具体的な内容はとの御質問にお答えいたします。
沖縄経済振興21世紀プランは、本県経済の自立的発展に向けた政府の経済振興策のあり方を示すものであります。
本年6月29日の沖縄政策協議会においてその中間報告が示されました。中間報告におきましては、本県経済の現状と課題を踏まえ、政策の理念や基本方向を明らかにし沖縄振興策の具体化の方向が大系化されております。
政策の具体化の方向につきましては、主要分野として4点ほどあります。
1つは、加工交易型産業の振興、2、観光・リゾート産業の新たな展開、3、国際的なネットワークを目指す情報通信産業の育成、4点目に農林水産業の新たな展開ということであります。
さらに、産業振興のための横断的な取り組みといたしまして、1、新規事業の創出支援体制の充実、2、研究開発と国際交流の促進、3、人材の育成と雇用の確保、4、環境共生型地域の形成、5、産業活動を支えるインフラ等の整備の5点を挙げております。
なお、今後の検討課題として沖縄国際情報特区構想やゼロエミッション・アイランド沖縄構想の具体化及び新規事業創出支援体制の総合的検討等を進め、最終報告として取りまとめられることとなっております。県としましては、政府との連携協力によりこれら施策の着実な実現が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○土木建築部長(銘苅清一) 公共事業への入札参加の公正さは確保されているかとの御質問にお答えいたします。
県が発注する公共工事の入札につきましては、工事の適正な施工を確保するため業種別に資格審査及び認定を行い実施しております。
また、建設業全28業種のうち、土木、建築、電気、管、舗装などの主要5業種については業者の施工能力に応じてランク分けを行い、工事の規模、難易度による入札参加資格を設定しております。その上で工事ごとの業者選定は、選定基準に基づき会社の経営及び信用状況、技術的な適正、地理的な条件、手持ち工事の状況等を留意して行っております。
今後とも業者選定に当たっては公正、公平を期してまいりたいと思います。
○商工労働部長(宮城春一) 中小企業への貸し渋りの実態とその対策についての御質問にお答えいたします。
中小企業への貸し渋りにつきましては、国と県との共催による地域融資動向に関する情報交換会において商工会議所等の中小企業団体から、かなり落ちついてきているとの報告がなされております。しかしながら、地元地銀3行の融資残高の逓減傾向や中小企業関係団体のアンケート調査結果から見ますと、依然として貸し渋りが残っているのではないかと懸念いたしております。
県におきましてはこの間、金融機関に対し融資の円滑化について要請を行うとともに、総合経済対策として融資枠の拡大、融資条件の緩和等を講じたところであります。
また、昨年10月からは中小企業金融安定化特別保証制度の実施により信用保証面から貸し渋り対策を講じてきたところであり、倒産件数の減少等一定の成果を上げてきております。
当該特別保証制度につきましては、2001年3月末まで期間を1年間延長し、従来の20兆円に10兆円が追加される予定となっております。
今後とも、中小企業への貸し渋りにつきましては、金融機関に対し融資の円滑化について要請を行うとともに、融資条件の緩和等に努めてまいります。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険制度について5点の御質問に順次お答えいたします。
小規模自治体の多い本県にあっては、広域連合を考えるべきだと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。
介護保険制度を実施するためには、要介護認定や介護サービスの給付、被保険者の資格管理等新たな事務・事業が数多く出てきます。効率的な介護サービスの提供や事務処理を図り、保険財政を安定的に運営していくためにも広域的な取り組みが望まれます。
本県においては、38市町村が5つの一部事務組合において介護認定審査会を広域的に設置し審査を行っているところです。現在、沖縄県町村会において保険財政を含めた広域連合の設立に向けて取り組んでいますが、県としましても必要な支援を行っていきたいと考えています。
次に、現在、特別養護老人ホームに入所している方が、「自立」、「要支援」と判定された場合の対策としてはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
平成12年4月の制度施行時に、既に特別養護老人ホームに入所している方については、要介護認定の結果、自立、要支援となった場合でも本人が希望するならば5年間は継続して入所できるようになっています。おおむね4000人の入所者のうちの5%程度、約200人ぐらいがこのような対象者と見ております。
この5年間の中で、こうした方々が円滑に退所できるよう基盤整備を図る必要があり、退所後の受け皿となる住宅等を前もって整備し、在宅サービスを受けながら生活をしていける環境を整えることが地域の課題となります。
現在、ケアハウスや高齢者生活福祉センター、高齢者優良賃貸住宅等の整備促進が国においても検討されており、市町村に対しこれらの施策を活用することなどにより施設入所の対象とならない高齢者の受け入れ体制を整えるよう指導を行っているところです。
次に、介護支援専門員の本採用職員の配置についての御質問にお答えいたします。
介護支援専門員が配置される職場としては、介護サービス計画の作成を行う居宅介護支援事業所と介護保険施設があります。居宅介護支援事業所においては、常勤の介護支援専門員が1人以上必要で、利用者の数が50人またはその端数を増すごとにさらに1人を配置することになっております。
なお、事業所の管理者については原則として専従職員であることが求められています。
介護保険施設については、入所者の数が100人またはその端数を増すごとに常勤の介護支援専門員の配置が規定されています。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は他の職務との兼務が認められています。
次に、介護保険制度のスタートに当たっての基盤整備の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
介護保険施設については、平成11年度末までに特別養護老人ホームが4065人、老人保健施設3732人分が整備される見込みとなっており、全国的にも高い水準で整備されています。
在宅サービスについては、訪問介護を初め整備がおくれている状況がありますが、介護保険制度では民間事業者など多様な主体がサービスを提供できることになっており、事業への参入が期待されています。
離島や過疎町村など事業者の参入が困難と思われる地域に対しては、平成11年度から現地に講師を派遣して研修を行ういわゆる出前方式によるホームヘルパーの養成を行っているところです。
次に、離島等における作業療法士、理学療法士の確保状況についての御質問にお答えいたします。
介護サービスの中には、訪問リハビリなど作業療法士や理学療法士の配置が必要なものがありますが、離島地域においては現在のところ9人程度が病院や老人保健施設等に配置されている状況です。今後、在宅サービスを拡充していくためには、さらにマンパワーの確保が必要であると認識しています。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 下地島の土地の有効利用について、大学校の認可、建設費の問題等今後の実現に向けた県としての対応、スケジュールについての御質問にお答えをいたします。
下地島の土地の有効利用については、平成10年3月に策定した下地島土地利用基本計画第1次改訂に基づき、地域活性化に有効な民間活力を中心とした事業の導入を図っていきたいと考えております。
現在、事業の導入に向けての課題の検討並びに情報交換等を行うため伊良部町企画室及び県の宮古支庁振興総務課、地域振興課、空港課で構成する下地島空港残地有効利用連絡会議を設置し、下地島の有効利用の促進を図っているところであります。
航空大学の誘致については、伊良部町において平成11年10月21日、日本航空学園に対し文書で要請を行うとともに、平成11年11月11日、日本航空大学設立準備委員会を設置し諸準備を進めております。
一方、日本航空学園においても伊良部町下地島を再三視察するとともに、大学の設立に向けて学園職員を伊良部町に常駐させるなど積極的に取り組んでいるところであります。
大学の建設費及びスケジュール等については、現在、日本航空学園と伊良部町が連携を図りながら航空大学の基本計画及び大学設立に当たっての地域課題の整理など諸準備作業を進めているところであります。
県としては、大学の立地によって伊良部町及び宮古地域での教育文化の向上、雇用機会の創出、地域人口の増加、情報産業等の導入など地域振興に多大な効果が期待されることから、伊良部町と連携して前向きに対応したいと考えております。
同じく下地島の土地の有効利用についての御質問で、1点目に航空大学校を活用したアメリカなどで行われている短期間での個人パイロット免許取得のためのツアーの企画化について、2点目に航空大学校を活用した留学生の受け入れの計画についての御質問に一括してお答えいたします。
パイロット免許取得のためのツアー並びに留学生の受け入れについては、日本航空学園が設立する航空大学の教育方針、運営方針、カリキュラム等に深くかかわる問題であり、大学の設立基本計画の中で検討されるものと考えております。
なお、日本航空学園の山梨県の航空大学校では、中国を中心に東南アジア6カ国から留学生が在籍しており、伊良部町下地島に設立予定の航空大学においても中国、東南アジア等からの留学生を多く受け入れる方針であると聞いております。
同じく下地島の土地の有効利用についての御質問で、伊良部架橋実現後の下地島空港のあり方についての1点目の御質問でございます。
下地島を活用した宮古島空港の過密状況の緩和について、2点目に新たな本土―宮古(下地島)路線の増設について、3点目に3000メートル滑走路を生かした本土便のジャンボ機による定期便、臨時便の就航について、4点目にジェット機チャーターによる修学旅行生、ダイビングツアー等の受け入れについて、5点目に台湾等からのチャーター便の就航についての御質問に一括してお答えいたします。
まず、下地島を活用した宮古空港の過密状況の緩和につきましては、平成10年における宮古空港の離発着回数は1万5716回で対前年比9.7%の伸びとなっており、1日当たりの離発着回数は43回となりますが、現在、特に過密な状況ではございません。
しかしながら、今後も増加が見込まれること及び滑走路が2000メートルであることから、ジャンボ機等の大型機の就航ができないこと等を考慮すると、伊良部架橋が実現した場合は下地島空港との併用も検討していく必要があると考えております。
下地島空港への本土からの路線開設につきましては、現状では厳しい状況にありますが、伊良部架橋が実現した場合においては十分に可能性があると考えており、また大型機の就航により修学旅行等の受け入れも容易になるものと考えております。
台湾等外国からのチャーター便の就航については、二国間の航空協定等の枠組みの中で実施されることになりますが、相手国及び地元双方の需要喚起により実現が可能となるものと考えております。
下地島空港の利用促進については、県も航空大学校の誘致等検討を進めておりますが、伊良部架橋が実現した場合における御提言の下地島空港の活用についても今後検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○島田 力 休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後2時58分休憩
午後3時1分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) あのときの県政不況というのは、当時、一連の政策協議会を初めとしてすべてのパイプが完全にとまっておりましたので、私は一番最初に選挙のときに申し上げましたのも、そのパイプを取りつけますと。その意味で、その後政策協議会を初めとしてすべてのパイプというのが流れるようになりまして、現在、21世紀プランを初めとして……(発言する者多し)
そういうことでございます。
それから先ほどの件でございますが、石川副知事からも申し上げましたということで今確認をしたわけですが、そのお話も、監修委員会に諮る前の検討過程におけるものであり、一連の事務手続を進める中で県民に誤解を生じさせたことは大変遺憾に思っておりますということを申し上げました。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険制度における広域連合につきましての御質問にお答えいたします。
現在、認定審査会を中心に38の町村が5つの一部事務組合を構成して審査業務を行っておりますが、これに対しまして43の町村から広域連合をしようという動きがございます。
そういうことで県としましては、県から人を派遣するなどの支援の仕方で支援を検討しているところでございます。
県が構成員に入るかどうかにつきましては、要望もまだございませんし、今入ること自身はまだ検討してないという状況でございます。
○島田 力 再質問をいたします。
1つは県政不況の問題ですが、パイプが詰まっていたのでこのつなぎをしたと、こう答弁されているわけですね。
しかし1年を経過したんです。県政不況だと言われたんです。ならば、1年たってもなぜ景気が回復しないのか。県政がかわったわけですから、それを明確にしてほしい。
2つ目に平和資料館問題です。
監修委員に諮る前であったので、聞き方によっては知事には責任がないと、こう聞こえるんです。そう聞こえるんですね。
そこで、しからば八重山平和祈念館が既に展示されたわけです、開館をされたわけです。それについてはどう思われるのか、再質問をしたいと思います。
普天間基地の移設問題についてお尋ねをした上で再度質問をさせていただきますけれども、その候補地の選定の決定を知事はなされたわけですね。つまり、県のその任務というものは候補地の選定までと、それを挙げるまでが責任であると、こういうことなのかどうか、明確にしていただきたいと思います。
経過の中で、性質上いろいろな問題があるんで県の検討委員会の中で、県の主体性で決めたと言っているわけです。そして事前には、いろんな影響を考えると、あらかじめその特定の地域においての首長などとの相談はしなかったと、こうおっしゃっているわけです。
だとするならば、この辺野古水域というふうに決められた、候補地を決められたわけですから、今後どうなるのか。最終的にはどこどこで決めるのか、そのことを明確にしていただきたい。
それを聞いた上でまた質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 島田議員の御質問にお答えいたします。
景気の問題でございます。
先ほどの御説明した中にもございましたけれども、そのポイントだけを申し上げます。
確かに10月、依然として厳しい水準でございます。
しかしこれは、就業者は増加したものの、労働力人口の増加を吸収できないために増勢をしたものであって、県内景気に確実に景気の動きが広がりつつあります。有効求人数は10カ月連続で前年同月を上回り、県内就職者も13カ月連続で増加しております。
10月までの就職件数、公共紹介によるもの、前年同月比7.4%と約1万5000件となっております。そしてコールセンターその他を初め各種の製造業の誘致が今相次いでおりまして、どんどんこれからそれの雇用というものが確実に増加が見込まれております。
しかも、各種の雇用活性化総合プラン、緊急雇用対策及び経済新生対策に基づく雇用対策を強力に推進しておりますので、現在の完全失業率については景気の動向などにおくれて改善する傾向があるものでありますし、引き続き高い水準でありますけれども、現在の取り組みが今後の雇用情勢の改善につながっていくものと考えております。
それから、国と県とのその辺の関係を明確にしろというお尋ねでございますが、具体的な建設場所や工法等については、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。
今後、国において環境調査を初め必要な各種の調査が行われるものであります。
○島田 力 休憩。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後3時12分休憩
午後3時12分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
文化国際局長。
〔文化国際局長 金城勝子君登壇〕
○文化国際局長(金城勝子) 八重山平和祈念館の展示につきましては、展示は5月28日にオープンいたしましてやっているんですけれども、私どもは監修委員の先生方に十分御説明申し上げたつもりですけれども、その辺行き違いがございまして、監修委員とかそれから地元遺族会の皆様の方から批判がございまして、それでまた改めて協議の場を設けようということになりまして先月の11月21日に石垣市におきまして私を含めまして6名県から参りまして、石垣市の八重山平和祈念館でもって元の監修委員の方、それから専門委員の方8名おいでいただきまして、市民の方も傍聴をしていただきまして協議をいたしまして展示内容等についていろんな私どもが何といいますか、変更いたしました説明文の経緯等につきまして御説明も申し上げまして、その場では結論は出ませんで、先生方はまたお持ち帰りになって、再度今月の26日にまたお集まりいただいて御協議をいただくということになっております。
以上でございます。
○島田 力 休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後3時13分休憩
午後3時14分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
石川副知事。
〔副知事 石川秀雄君登壇〕
○副知事(石川秀雄) この件については9月の時点で申し上げましたように、先ほど局長からも御答弁がありましたように事務段階としては八重山の監修委員の先生方の御理解が得られたものと理解したわけです。
しかし監修委員の先生方は、それについて了解をしていないということでございましたので、こちらで申し上げましたように協議の場を設けてこの点については話し合いをしていきたいというところで、先ほどの経過報告にありましたように既に2回目の話し合いが済み、あと今月の26日に話し合いをしてすばらしい資料館にしていきたいとこういうことでございまして、知事についてはそのことについては御存じございませんので、そういうことで御理解いただきたいと思います。
○島田 力 この平和資料館問題につきましては、これからの質問者あるいは私も今後ということにして、時間の関係がありますから普天間基地の移設問題を中心にして再質問をいたしたいと思います。
先ほど知事は、最終的には地元の意向を受けて国が決定をすると、意向を尊重してやるとこういうことになったわけです。そして選定するまでの間にその地元の意向を尊重するというけれども、先ほどおっしゃっていたように候補地の選定に当たっては、性質上県が主体的に決めたとこうおっしゃっているわけです。こう答弁されているわけですね。そしてそういうことは、ましてや名護の市長の意見も、事前の調整はなかったとこう言っているわけです。
そうしますと、それは地元の意向を尊重すると言いながらも、地元を頭越しにした県の決定ではないんですか、これが1点目の質問です。
それから2つ目に、その例えば環境庁、いろんなものを読ませていただきました。先ほど知事が挙げられている県の基本的態度についても読ませていただいたけれども、なぜ辺野古なのかよくわからない。ましてや環境調査をやったとか、そういうのももろもろ総合的に判断をしたということを書かれているんです。
ところがこの海域というのは前から、海上案が出た際にも環境問題が物すごく大きくクローズアップされたわけですね。そしてせんだっての新聞にもいろんな希少価値のある動植物がいることも指摘をされてきたわけです。
聞くところによると、軍民共用の機能の一つとして整備工場の云々が言われているわけです。今度の候補地の選定というのは水域というふうになっているわけです。水域となっているわけですね。
そうしますと、整備工場等々も含めて機能に入れるとするならば、当然そこには水域内における汚染というのが考えられるわけです。動植物の死滅の問題すら出てくるわけです。それについて国に申し入れましたということだけで事が足りるかということなんです。
知事はこの間、この普天間基地についてはすべて泥をかぶりますと言ってきたんです。どこでどう泥をかぶっておられるんですか。最終的にはその経過も余りはっきりしない、与える影響度もはっきりしない。そういう中にあって泥をかぶられたと言われても、結果的には名護市に押しつけて北部の住民を混乱をさせていることになるわけです。その泥をかぶったということについて明確にしていただきたいというふうに思うわけです。
そして今後、15年という期限についても要するに先ほども答弁をされていたけれども、15年後に見直しということでごまかそうという話があるわけです。知事が明確に15年と言っているわけです。それがこれはある面で知事の生命線であるわけですが、それについて改めて再度お聞きをしたいと思います。
繰り返すようですが、環境の問題、住民、漁民の問題、関係者の意見というのは、名護の関係者というのは住民も含めてなのかどうなのかも改めて明確にしていただきたいというふうに思います。
これについては関係者としかおっしゃっておりませんから、1つには泥をかぶったという話等々含めてお聞きをしたいと思います。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 若干順番が交錯するかもしれませんけれども、ひとつお許し願いたいと思っております。
最初に、関係者というものについての、そういうことはどういうことかということでお話がございましたが、これは私が12月3日に市長にお会いしたときに、市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がございました。その意味でこれらの方を関係者というふうにとらえております。
それと先ほどいろんな形のお話の、形態、場所等のお話がございましたけれども、現在のところ場所とかあるいはその形態、工法等についてはまだ何も決まっておりません。
それともう一つの問題は、環境の問題というのが大変重要であるということの認識は私も持っておりますので、これにつきましては政府に対しても強く環境についての配慮を求めております。
なお、15年の問題については、これは私としては今後とも強く主張してまいります。
○島田 力 休憩願います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後3時25分休憩
午後3時26分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) それではお答えいたします。
最終的には国が決めるわけですけれども、当然その間に市の了解あるいは地域住民のいろいろな了解があるわけでございます。
そこで私どもも場所を選定したからそれで終わりということでなしに、いろいろ難問があると思いますが、沖縄側の立場に立ってそれについて努力していきたいと。それがだから泥をかぶるつもりで頑張っていきます。
○大城 一馬 知事、大変申しわけないんですけれども、質問に入る前に、質問の順序、私の質問の中で15年の期限の問題で(イ)のところにSACOの合意云々があるんですよ。これを前に繰り上げてやりますので、よろしく。「SACOの合意の評価と沖縄県の対応について」の中に入れますので御理解を願いたいと思います。
まず、知事の政治姿勢についてお伺いします。
95年9月、北部での痛ましい事件に抗議する8万5000人余を結集した10・21県民大会は、県民が大同団結すれば政府やアメリカをも確実に動かすことができるという自信を県民に認識させたことではなかったでしょうか。 その結果、米軍基地の整理縮小を実現しようという点で県民世論がまとまりました。世論は、その後初めて県民の意思を問う全国初の県民投票によって確認され、名護の市民投票で再確認されたと思います。この点で言えば知事の今回の移設決定は、世論の声をないがしろにし、政府のシナリオ、意向に従う情けない行為と断ぜざるを得ません。
さらに、知事の苦渋の選択発言からも知事自身の悲痛な声は全く聞こえず、県民にとっては知事の安易な選択としか映りません。移設受け入れの見返りとしての経済振興策が北部地区に提示され、稲嶺知事の唱える経済最優先政策の大合唱は県内各地に広がるばかりです。
ところで、先ごろ発表された普天間飛行場の代替地選定理由は、経済政策や振興策の文言で埋め尽くされています。
我が党は、県民の命や誇り、自然保護などより経済振興策を最優先することが知事の基本的な政治姿勢と言わざるを得ません。その点に対しまして知事の所見をお伺いします。
次に、知事を初め政府首脳は、これまで基地問題は経済振興策とは全くリンクしないと言ってきました。しかし、移設先発表のパンフの中には、「この問題をむしろ沖縄の振興開発につなげることが、県民生活に対して責任を負う知事の責務だと位置づけてきました。」と述べています。
この発言からすると、基地の県内移設容認と経済振興はリンクすると知事は明確に認めるべきではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
普天間飛行場返還問題についてお伺いします。
知事は、一連の県内移設作業を進めるに当たり、透明性を確保することは当然のことと述べながら、学識経験者による検討委員会の設置も立ち消えとなり、また複数案を国に提示すると今日まで繰り返しながらいきなりの移設先発表でしたが、その段階まで一切の情報を開示せず、すべてを秘密裏に行いました。
このような行政手続を進める手法は、県民の県政への信頼を確保し、公正で開かれた県政を確立するために不可欠なものとする県の情報公開条例や、平成5年に成立した行政手続法の目指す精神を真っ向から否定するものではないでしょうか。これは、国民の知る権利の実現による民主主義制度の正常な運営という点で重大な手続上の疑義が生じたことになり、稲嶺県政の行政手法が問われますが、そのことをどう思いますか、知事の御答弁をお願いしたいと思います。
次に、県は、代替施設の具体的な内容すら不明なまま移設先(名護市)に受け入れを要請したと報道されていますが、そのとおりかどうか。もしそうだとすれば、名護市に対し県とともども白紙委任状を政府に提出しようと要請するやり方です。これが稲嶺知事の唱える主体的解決法でしょうか。
さらに県民、マスコミに対する情報操作は行政のあり方としてこそくであり、実に見苦しい限りです。情報を開示して県民の批判に耐える努力こそが必要と考えますが、知事の御所見をお願いいたします。
次に、SACOの合意の評価と沖縄県の対応について。
日米両政府の合意と県民の意思のどちらに顔を向けて進むべきかという視点でとらえた場合、残念ながら稲嶺知事の立場は明確に前者です。
ところで、どんな根拠で、何ゆえSACO合意の着実な実施を説かれるのか全く不明であります。現時点でもそれについては県民が主体となってしっかりした検証はなされておりません。
そこでまずお伺いしますが、SACOの合意事案を実現することが現実的で実現可能な方法と認識した理由は何ですか。
つい先日、米プエルトリコ自治領のビエケス島では、クリントン大統領に実弾射撃場の5年以内の閉鎖を決定させました。関係者は沖縄への影響を心配したようですが、当の沖縄で基地の国外、県外移設のために稲嶺県政はどのような努力をなされたのか、明らかにしていただきたいと思います。
そもそもSACOの合意は、日米両政府間の取り決めであり、建設予定の飛行場の事業主体は国です。地方自治体たる沖縄県が、どのような法的根拠で政府の行うべき移設候補地の選定作業を行ったのか、位置を選定する権限と義務を明らかにしていただきたいと思います。
政府との間にどのようなやりとりがあって沖縄県が移設予定地の選定を行うことになったのか、経緯を説明してください。
今回の行政手法は、米軍基地の再編という日米両政府の要求に応じ県土の切り売りをてこにした県の振興策の獲得と位置づけられます。知事は、この手法を今後も続けるつもりでしょうか。沖縄の将来に確たる基地削減の担保はなく、振興策と引きかえに一方的に政府に譲歩しただけではないのかという見解に知事はどうこたえるのか、御所見を賜りたいと思います。
次に、市民投票との整合性について。
稲嶺知事は県民に対して、市民投票の結果については重く受けとめて参考にすると発言しておられますが、重く受けとめるとは何を意味するのか不明です。発言の真意を伺います。
ところで、97年11月の市民投票により海上へリポート案が退けられたことは動かしがたい事実です。そうであるならば、今回の水域内での基地建設容認政策との整合性をどう説明すればよいのでしょうか。
また、広大な北部新基地が建設されることになりますが、96年9月の県民投票で県民に問われた基地の整理縮小という点での整合性はどうでしょうか、御説明をお願いしたいと思います。
15年の期限、条件及び自然保護についてお伺いします。
知事は15年使用の期限を設定していますが、日米両政府とも国際情勢等から期限設定は困難視していますが、知事としては真っ正面から期限をつける法的な担保を求めるつもりでしょうか。
また担保が得られない場合はどうするか。受け入れの撤回もあり得ると考えてよいのか、知事の見解をお伺いします。
その場合には当然に知事の進退問題につながりますが、知事はそのことを考えておられるのかどうか。
15年期限の妥協案が政府から示されているでしょうか。
また新北部基地の規模、工法はどうなっているでしょうか。
次に、移設候補地の水域は国の天然記念物ジュゴンの生息地であり、第一級の自然保護地域であることは周知の事実ですが、県はみずからが策定した厳正なる保護を図るべき海域を何ゆえ建設位置に決定されたのか、その行政手続が不明です。どのように整合性を図り、どのようにクリアされるのか、その見込みはどうか、お伺いいたします。
知事はSACO合意の着実な実施を折に触れて訴えておりますが、そもそもこの普天間基地の返還問題におきましては海上へリポートを認めないことを公約として当選されました。海上ヘリ基地をどのように定義し直したとしても、今回の移設先キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を認めることは矛盾です。知事に納得できる説明を要求をいたします。
今回の決定は、沖縄県の将来を左右する歴史的な政策決定です。したがいまして県内全域を賛否両派に二分し、対立を根深くする第一歩となろうと思います。その決断をした知事御自身の責任をどう思いますか。将来の県民にどのような形で責任をとるのか、御所見を賜りたいと思います。
次に、那覇軍港問題についてお聞きします。
稲嶺知事は、SACOの着実な推進で基地の整理縮小をもとに那覇軍港の浦添移設を進める立場を表明し、基地の重圧に苦しむ市及び浦添市民への一層の負担を押しつけようとしていますが、那覇軍港の移設は、米軍は基地の整理縮小の観点からではなく、米軍戦略上基地機能強化の視点に立つものと我が党はとらえております。
そこで質問に入ります。
那覇軍港返還問題につきまして、稲嶺知事は一部事務組合の設立によりSACOの合意の実現を図るとしていますが、この作業は那覇市、浦添との間でどの程度進捗しているのですか。
浦添市に軍港が移設されますと、キャンプ・キンザーに直結されて基地の固定化につながることは必至であります。北部新空港の建設による基地の高密度集積と相まって基地の機能強化、集約、拠点化が進むことに知事はどのような見解を持っておられるのか、所見をお伺いいたします。
次に、県の平和行政についてお聞きします。
さきの9月定例県議会では、新平和祈念資料館問題でさまざまな問題点が指摘され、最終的には稲嶺知事から展示内容の改ざんの指示があったか否かが問われた重大な事件だったと考えています。
我が党は、この問題につきましては新平和祈念資料館建設の基本構想、理念とそれに基づいて作業の方向を具体化する監修委員会の意見に沿って祈念館建設となっていくのか否かが今日多くの県民にとって重大な関心事であり、課題だと考えております。
我が党は、今後その推移を見きわめた上で、稲嶺知事の関与が明らかにされた後も知事自身が県民に対し率直な反省と謝罪を県民にできなかった一方で、担当の石川副知事以下部局職員の実質的な謝罪があった事実を認識しながらも、そのちぐはぐな対応と事務作業の不透明さで県民の心と願いを踏みにじってきた稲嶺知事の行政の長としての責任をしっかりと問いただしていく考えであります。
そこで、以下次の質問をいたします。
9月定例県議会以降の同館の展示内容の改ざん問題に対する県の対応と反省は具体的にどのようにされてきたのですか。監修委員との話し合いによる実相を反映した展示内容の実現をどう図る努力をしてきたのですか。
新資料館は、当初の展示基本構想に忠実に反映されたものとなっていると理解してよろしいですか。また新たにつけ加えた展示内容があれば、その論議の経過について明らかにしてもらいたいと思います。また新資料館のオープンはいつごろになる予定ですか。
現在の監修委員は、祈念館オープンまで引き続き監修委員として留任してもらうという答弁でしたが、その手続、責任ある監修を全うするための会議の保障、予算的措置等はどうなっていますか。
次に、八重山平和祈念館問題について。
この問題について9月定例県議会後の元監修委員のメンバーや地元八重山住民の批判や要請にどう対応してきたのですか。
我が党としては、八重山平和祈念館の展示や運営につきましては、県が混乱を招いてきた反省に立って地元住民の声を大事にして展示運営されるべきと考えますが、それに対する県の見解及び現状はどうなっているのですか。
次に、平成12年度重点施策についてお伺いします。
知事は去る11月17日、平成12年度の重点施策を決定いたしました。稲嶺県政にとって本格的な県政運営の指針を示すものであります。とりわけ混乱、混迷する普天間飛行場等基地問題、さらに平成12年度は3次振計が終了する前年に当たり、沖縄振興計画の新たな計画策定に向けた取り組みが始まる年度であります。
ところで稲嶺知事は、昨年の知事選挙では「経済の稲嶺」を標榜し、当時の完全失業率9.2%を県政不況、大田不況と決めつけ勝利の大きな要因に結びつけました。しかし1年後の今日、低迷する雇用・経済情勢は進展の兆しが見えず、10月期県内の完全失業率8.8%、完全失業者5万5000人は過去2番目の高い数値となっております。
そのような状況の中において平成12年度は3次振計以降の振興策の取り組み、雇用対策や新たな産業の創出など基地問題同様極めて重い課題解決に向けた年度であり、稲嶺知事の力量が問われるものと認識しております。
そのような視点に立って次の質問をいたします。
沖縄経済振興21世紀プラン中間報告、沖縄特別振興対策法に基づく施策・事業の着実な実現を図るとは具体的にどういうことですか。また、21世紀プラン最終報告に向けての検討状況はどうですか。
特別自由貿易地域制度等を生かした企業誘致の推進、産業創造アクションプログラムの推進などによる産業の振興により新たな雇用機会の創出に努めるとしていますが、具体的な施策を示していただきたいと思います。
次に、新たな沖縄振興開発計画の策定に向けての取り組みについてお伺いします。
第3次沖縄振興開発計画の総点検作業の進捗状況と問題点はどうなっていますか。
新たな沖縄振興計画とはどのような構想を持っているのですか。
沖縄経済新法の制定に向けてのスケジュールはどうなっていますか。
以上質問をいたしますけれども、答弁によりまして再質問をしたいと思います。
よろしく御答弁のほどお願いしたいと思います。
○議長(友寄信助) ただいまの大城一馬君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時46分休憩
午後4時10分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
休憩前の大城一馬君の質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 大城一馬議員の質問にお答えいたします。
最初は、SACOの合意事案を実現させることが現実的で、実現可能な方法と認識した理由は何かという点の御質問に対するお答えでございます。
国外、県外移設については日米両国政府が厳しい見解を示しており、両国政府の理解が得られないままでは普天間飛行場のもたらす深刻な状況が固定してしまいます。
県としては、解決の展望が見えないまま県外や国外への移設に固執するのではなく早期返還を現実のものとするためには、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しております。
なお、普天間飛行場の県内移設については知事選挙における私の選挙公約として掲げており、知事就任後県内移設に向けて取り組んできたことは御承知のとおりであると思います。
次に、普天間飛行場の代替地選定理由の中には県民の命、自然保護を重視した視点が入らず経済や振興策に関する文言が多いと、基地と振興策は当然にリンクするという明確な見解だと認識するが、所見を聞きたいというお尋ねでございます。
普天間飛行場の移設候補地の選定に当たっては、基本方針の一つに住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されることを設定し、住民生活や自然環境への影響にも配慮して作業を行いました。
また、国に県の考え方を提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして代替施設の建設については必要な調査を行い地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを国に申し入れております。
移設により地域に新たな負担が生ずることになることから、その負担を軽減するためあらゆる観点からさまざまな配慮がなされなければならないと考えております。
次に、県当局は一切の情報を開示しないで粛々と秘密裏に行ったと、これは情報公開条例などの理念に対立するものではないかという点と、それから県は移設先である名護市に受け入れ要請したと報道されているが、情報を開示して県民の批判に耐える努力こそ必要ではないかとの2点の御質問に一括してお答えします。
移設候補地の選定作業に関する資料については、選定作業の性質上候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めてきました。
県は、移設候補地に関する県の考え方を名護市長にお伝えした際に、選定理由と県の基本的な考え方について説明し理解と協力をお願いしました。移設候補地選定に関する資料については、整理した上で米軍基地関係特別委員会の開会までに提出するよう努力します。
次に、SACO合意は日米両政府間の取り決めであり建設予定の飛行場の事業主体は国である、地方自治体たる沖縄県がどのような法的根拠で政府の行うべき候補地の選定作業を行うことになったかという御質問へのお答えでございます。
SACOの合意事案は、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したものと理解しています。米軍基地の整理縮小を図るためには、まずSACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると考えています。
県民の暮らしと安全を守る責任者の立場から、普天間飛行場の早期返還を願望に終わらせず現実のものにするためには、責任ある代替案を主体的に提示することが行政の責務であると考え移設候補地を選定することにしたものであります。
次に、基地を受け入れ振興策を得るという手法は県益に合致しないと、一方的に譲歩しただけではないかという、この見解にどうこたえるかということでございます。お答えでございます。
SACOの合意事案は、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したものと理解しています。このため、県としてSACOの実現に努力し、基地の整理縮小を進めることは県の責務であると考えております。
さらに、普天間飛行場の県内移設については、知事選挙の際の私の選挙公約に掲げましたので県民の支持を得ているものと理解しています。
県としては、SACOの合意事案の実施後もさらなる基地の整理縮小を図る必要があるものと考えており、このことについては移設候補地に関する考え方を国に提示した際に強く申し入れたところです。
普天間飛行場の移設に当たっては、移設先地域の負担軽減を図り跡地利用を円滑に進める体制を整備する必要があります。
このため、去る11月19日に開催されました沖縄政策協議会において政府に対し跡地利用促進のための新たな制度や実施体制及び北部振興等について申し入れ、また普天間飛行場の移設先の振興策について総合的な視点から取り組むことの必要性や、移設先及びその周辺地域の要望を踏まえた具体的な事業を着実に推進するための国、県、地元の一体的な仕組みが必要であると申し上げました。
これに対し、政府から重く受けとめるとの発言があり、明確な取り組み方針が示されております。
次に、市民投票の結果については重く受けとめて参考にするとの発言があるが、重く受けとめるとはどういうことかということでございます。
名護市民投票は、名護市が投票条例を制定し実施したものであります。投票の結果、海上ヘリポート建設に関する住民の意思が直接表明されたものと認識しておりますので、重く受けとめて参考にするという趣旨のことを申し上げたものであります。
次に、97年11月の市民投票と今回の水域内での基地建設容認政策との整合性をどう説明するのかということと、96年9月の県民投票での基地の整理縮小という点での整合性はどうかということへのお答えでございます。
名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁されているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
県としては、政府の海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
また、普天間飛行場の移設候補地についての県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、移設の規模においても縮小されることから、米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき県民の希望する基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
次に、15年期限について担保が得られない場合どうするのかと、15年期限の妥協案は現時点で政府から示されているのか、また新北部基地の規模、工法はどうなっているかという御質問についてお答えします。
普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
政府からは、極めて厳しい問題であるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設けることが必要であると考えており、今後とも強く主張してまいります。
なお、具体的な建設場所や工法等については地元の意向を最大限に反映させ、国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
次に、移設候補地の水域は第一級の自然保護地域であると、それをクリアして海上基地にするのかと、その地域を自然環境への影響を極力少なくすることという安易な条件のみで予定地として差し出すのかという御質問へのお答えでございます。
具体的な建設場所や工法等については、地元の意向を最大限に反映させ、国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
平成10年2月に策定した「自然環境の保全に関する指針」沖縄島編においては、ランクⅠに区分された箇所は119カ所、ランクⅡが74カ所、ランクⅢが35カ所、ランクⅣが10カ所となっており、当該海域はランクⅠの自然環境の厳正な保護を図る区域に区分されています。
なお、指針は本県における望ましい環境を実現するため、県土の有効な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。
県としては、本指針の趣旨も踏まえ県の考え方を国に提示した際に、自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き強く申し入れていきたいと思います。
次は、県の平和行政ということで、9月定例県議会以降、実相を反映した展示内容の実現を図る努力をしてきたのかということと、当初の展示基本構想に忠実に反映されたものになっているか、また新資料館のオープンは現時点でいつになる予定かという御質問に一括してお答えします。
新資料館の展示内容については、基本構想、基本計画等を踏まえ監修委員会の監修のもとに展示内容の具体化が進められています。その過程において国際連合やNGOの展示も取り上げられていると聞いております。
また、新資料館は3月末には開館記念式典等を実施し、4月1日から正式に開館する予定で準備を進めております。
次に、12年度重点施策の中で企業誘致の推進やアクションプログラムの推進等による新たな雇用機会の創出に向けた具体策についてとの御質問へのお答えでございます。
県は、特別自由貿易地域等への企業誘致を積極的に推進していくため、国内外における企業誘致説明会の開催、企業訪問活動などを積極的に行っているところであります。
その成果として、今年度はマルチメディア関連ではコールセンターの立地が進むとともに、去る11月下旬には医療機器用半導体の製造企業が特別自由貿易地域へ進出したほか、自由貿易地域那覇地区にも数社が新たに立地しております。
平成12年度は、県外事務所等における企業誘致体制を強化しより積極的に企業誘致活動を展開していきます。
具体的には、サミット取材で来県する国内外のマスコミに対して特別自由貿易地域制度等の新たな投資環境を積極的に発信していくほか、国内、台湾等における企業訪問、誘致説明会の開催、米国へのミッション派遣等を実施していきます。
なお、企業誘致活動はトップセールスが重要でありますので、状況に応じて私自身も直接企業を訪問し本県への進出をお願いしていく所存であります。
また、新たな産業創出を促進するために沖縄県産業創造アクションプログラムに基づき健康食品産業の沖縄ブランドの確立や研究開発事業、情報産業分野におけるマルチメディアコンテンツ支援事業、企業の創出から成長までを総合的に支援する企業化支援事業、産業、人材の育成や企業家のビジネスマインドを高める事業等を推進することとしております。
県においては、これらの施策を促進することにより新規事業の立地を促進するとともに、既存企業を振興し雇用機会の創出を図ってまいる所存でございます。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(宮城正治) 基地問題・基地の県内移設問題に関連いたしまして、稲嶺知事は一部事務組合の設立によりSACO合意の実現を企図しているが、この作業は那覇市、浦添市との間でどの程度進捗しているかとの御質問にお答えいたします。
那覇港管理の一部事務組合設立については、那覇市及び浦添市との合意形成に向けて現在調整を行っているところであります。しかしながら、那覇港の整備方針や那覇港湾施設の取り扱いについてはいまだ浦添市との合意に至っておりません。県としましては、浦添市の参加に向けて引き続き条件整備に努力していきたいと考えております。
次に、平成12年度重点施策(基本姿勢)についての関連であります。沖縄経済振興21世紀プラン中間報告や沖縄特別振興対策調整費等に基づく施策・事業の着実な実現を図るとは、具体的にどういうことかという御質問であります。
沖縄経済振興21世紀プラン中間報告には82項目の具体的な施策が盛り込まれておりますが、このうち全体の約7割に当たる58項目について関係省庁から平成12年度概算要求がなされております。
主な施策としましては、航空運賃の引き下げに係る追加措置、沖縄自動車道の通行料金の割引、地域観光資源を活用した滞在型、参加型観光の促進、デジタル映像ライブラリー及びデジタル映像制作・編集センターの整備、ソフトな機能を持つ産業振興のための拠点整備、亜熱帯研究の総合的推進、海洋深層水研究の推進、国立組踊劇場――これは仮称でありますが――の設立及び総合交通体系の整備の推進等があります。
また、中間報告で今後の検討項目とされた沖縄国際情報特区構想やゼロエミッション・アイランド沖縄構想の具体化及び新規事業創出支援体制の総合的検討について現在調査を実施しているところであり、その結果に基づく新たな施策も21世紀プランに盛り込まれることになっております。
県においては、国との調整を図りながらこれらの施策の着実な推進を図っていきたいと考えております。
次に、第3次沖縄振興開発計画の総点検作業の進捗状況と問題点はどうなっているのか、もう1点は新たな沖縄振興計画とはどのような構想か、2つの御質問に対して一括してお答えいたします。
沖縄振興開発の総点検作業については、今年度内の取りまとめに向けて作業を行っているところであります。
また、去る11月24日には沖縄県振興開発審議会を、12月2日には同審議会の部会を発足させたところでありまして、当面は同審議会において本県の振興開発の現状と課題についての意見交換を行っていただくこととしております。
現段階における検討課題といたしましては、戦略的な産業の育成や観光振興の新たな展開、県民福祉の向上、人材の育成、県土の均衡ある発展を図るための離島・過疎地域の振興並びに基地の跡地利用制度などが挙げられます。新たな沖縄振興計画は、これらの課題の解決が図られるような計画として策定すべきと考えており、今後、県振興開発審議会における調査審議等も踏まえて具体化していきたいと考えています。
次に、同じく沖縄経済新法の制定に向けてのスケジュールはどうなっているのかという御質問であります。
これまでいわゆる沖縄経済新法という表現を用いてきましたが、今後は新たな沖縄振興法という表現を用いていきたいと考えておりますので、御理解をお願いしてお答えいたします。
新たな沖縄振興法のあり方については、現在作業中の沖縄振興開発の総点検結果を踏まえるとともに、沖縄県振興開発審議会における議論等を通じ関係機関と調整しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○知事公室長(親川盛一) 大城一馬議員の基地問題・基地の県内移設問題に関連して、浦添市に軍港が移設されるとキャンプ・キンザーに直結されて基地の固定化につながることは必至である、北部新空港建設による基地の高密度集積と相まって基地の機能強化等が進むことについてどのような見解を持っているかという御質問にお答えをいたします。
基地の移設につきましては、地域住民の生活の安全や自然環境への影響、県土の有効利用、地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなどを総合的に判断し、県民生活の安全確保及びさらなる基地の整理縮小を着実に図る観点から適切に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 大城一馬議員の御質問にお答えいたします。
現在の監修委員は、祈念館オープンまで引き続き監修委員として留任してもらうという答弁だったが、その手続、責任ある監修を全うするための会議の保障、予算的措置等はどうなっているのかという御質問でございます。
監修委員の先生方には新資料館のオープンまで引き続き監修をしていただくためにそれぞれ御承諾をいただきまして、全委員への辞令を交付したところでございます。
それから、八重山の平和祈念館に関してでございますけれども、元監修委員や地元住民の批判、要請にどう対応してきたか、また地元住民の声を大事にして展示や運営されるべきと考えるが、県の見解及び現状はどうなっているかというお尋ねでございます。
一括してお答えいたします。
八重山平和祈念館の展示内容については、監修委員への事前の説明等が十分でなかったということから協議の場を設けたところでございます。
先月11月21日に石垣市におきまして、私を含め県から6名、また元監修委員等8名が出席して会議を開催し、展示経過に関する県の説明等を行いました。
これに対しまして元委員からは、県から受けた説明について持ち帰りまして、また委員内部でのすり合わせを行って再度検討会議に臨みたいとの申し入れがありました。それで12月26日に2回目の検討会議を開催していくことにしております。
県といたしましては、八重山の平和祈念館が八重山戦争マラリア犠牲者援護会の皆様の御努力の成果であり、今後とも御遺族や地域の皆様の意向が反映されるように適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○大城 一馬 議長、休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後4時37分休憩
午後4時38分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 15年の問題につきましては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設けることは必要と考えており、今後とも強く主張し続けてまいります。
なお、仮定の問題にはお答えできません。
○大城 一馬 私は、推測で質問しているんじゃないんですよ。担保を求める必要性はないかどうかと聞いているんですよ。
知事は、ずっとこの方15年問題、大きな問題ですよ、これは。県民はよく知っているんですよ。やはりそれなりのそういった担保というのは当然要求すべきじゃないかと言っているんです、私は。
ですからどうぞ答えてください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後4時39分休憩
午後4時40分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 強く要求していくことが重要だと考えております。
私は、向こうに行って、政府にこの要求を突きつけたわけでございます。
○大城 一馬 まず、沖縄経済新法、この件につきましてお聞きしますけれども、知事は今回のこの議会で表現を新たなる沖縄の振興法に変えたいというような話でございましたけれども、知事、これは知事が選挙のときからずっと県民の皆さん方に夢を与えるということで絶えず言ってきたんですよ、制定すると。そして平成10年の重点政策、11月ですよ、皆さん方が決定したのが。この中にも、わずか1月にもならないですよ、これは。中にもしっかりと経済新法を制定すると言っているんですね。ころころ変わるような、こういうことでいいのかどうか。表現の問題じゃない、知事、政策の問題ですよ、政策の問題。
もう一度お尋ねしたいと思います。
次に、普天間飛行場問題についてですけれども、知事は、いわゆる私の「一連の選定作業における行政手続と情報開示について」の中で、こういう答弁をしております。移設候補地選定作業の資料については整理して軍特委員会に提示するというような答弁でございますけれども、これは本来ならば知事、知事は大きな決断をしているんですから、知事の言葉で言うと苦渋の選択、このことは沖縄の将来にとって極めて重大な知事の移設決定なんですよ。なぜ発表した11月22日にこの選定作業を県民に公表できなかったのかどうか。ましてやきょうは知事、代表質問なんですよ。本会議なんですよ。委員会云々じゃないんですよ、知事。委員会では細かいことをいろいろやってもよろしいですよ。
知事が出席しているこの本会議で、当然のことながら私はこの選定作業を明確に県民の前に、本会議の中で明らかにしてほしいということを要望いたします。
次に、基地の国外、いわゆる県外移設の問題ですけれども、知事、岩国市も受け入れる用意があるんですよ。やはりそういうことも当然知事として、選択として私は国外、県外移設も検討すべきじゃないかということを聞いております。
もう一度答弁をお願いしたいと思います。
そして知事、いわゆる新基地の規模、工法、知事は絶えず基地の機能強化には反対というふうに述べております。
ところが最近の情報で、いわゆる新基地には家族部隊の移転や隊舎を移転、そして大型輸送機の乗り入れ、こういうことも非公式ではありますがアメリカ政府から日本政府に打診されているということもあるんですよ。それに対してどう知事は認識しているか。
したがいまして、当然これだけの大きな問題ですから、やはり規模、工法もちゃんと県民に私は沖縄県知事としてこういう基地をつくると述べてくださいよ。はっきりと知事の口から答弁してください。
以上です。後でまた再々質問します。
○知事(稲嶺惠一) 再質問にお答えをいたします。
最初に、沖縄経済新法から新たな沖縄振興法に表現を変えたのはなぜかということでございます。
これまでの3次振計終了後の新たな沖縄振興計画の根拠法として沖縄経済新法という表現を用いてまいりました。しかしながら、沖縄経済新法は経済分野だけに限定しているという印象を与える面がありましたので、今後は新たな沖縄振興という表現を用いたいと思っております。
なお、沖縄経済新法と全く中身は変わっておりません。しかも経済でございますから、先ほどの細かい御説明で申し上げましたようにもっとそれに幅をつけたものでございます。その意味で新たな沖縄振興ということに変えました。
それと資料の問題でございますが、「普天間飛行場の移設について」というのを先般の発表のときにこれを全体にお配りをいたしました。
なお、今それの比較資料を整理をしております。できるだけ早く出したいというふうに思っております。
次に、岩国のお話がございましたけれども、これについてはごく一部の話がありましたにしろ日米両政府ともこれに対して否定をしてございます。
それから工法の問題がございましたけれども、これについては今後の問題でございますが、規模については明らかに前に比べて基地の整理縮小の方向に進んでおります。
○大城 一馬 議長、休憩。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後4時52分休憩
午後4時54分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) ただいまの資料要求につきましては、先ほど知事がお答えいたしましたとおり比較表を現在作成している段階でございます。したがいましてできるだけ早く提出できるように努力したいと思います。
○大城 一馬 知事、先ほど申し上げましたように今回の基地のいわゆる県内移設の決定は、沖縄の将来を左右する大きな問題なんですよ。知事自身が心から苦渋の選択と表現している。皆さん方は資料を今整理しているというんですけれども、じゃ確固たる資料もなくてあれだけの決断をしたんですか。あれだけの決断をしたからには当然確固たる資料はあるはずなんですよ。
今から整理する、どういうことですか。侮辱も甚だしいですよ。出してください。
○副知事(石川秀雄) 先ほど知事がお答えしましたとおり、先般22日の時点で、知事が「県民の皆様へ」のコメントの分、それから普天間飛行場の移設についての経過について詳しい資料をお渡ししております。御審議についてはこれをごらんいただけると十分おわかりかと思います。
ただ、きょう初めて宮平議員からの御質問が出ましたので、それについては整理させていただいて、早い機会に提出させていただきたいと、こう思っております。ただ、選定過程の資料でございますので、そういったものも含めて整理して出させていただきたいと思います。
○大城 一馬 知事、知事は今日までずっと選定作業を行ってきたわけですよね。そういう中で当然複数の優位性、いろいろやったと思うんですよ。やっているんですよ。そして1カ所に絞りました。当然確固たる資料に基づいて環境問題や生活環境への影響等々、騒音問題、それを踏まえて県民にちゃんと提出すべきでしょう。
なぜ出せないんですか。
○知事(稲嶺惠一) できるだけ早く出すように努力いたします。
○嘉陽 宗儀 日本共産党県議団を代表し質問いたします。
初めに、米軍普天間基地の移設問題です。
稲嶺知事が移設先を米軍キャンプ・シュワブ周辺の名護市辺野古地域に決定したことは、まさに県民を米軍に売り渡すものであり、沖縄県民の歴史に重大な汚点を残すものであります。
沖縄本島の20%の面積を占める米軍基地は、沖縄戦のさなか県民を収容所に押し込み、その間に米軍の必要なだけの土地を囲い込んで築き、さらに1952年からの米軍の全面占領下で銃剣とブルドーザーによって強奪し拡張したものです。それを今回は事もあろうに知事が米軍に基地を提供するというのは子々孫々まで基地被害と基地の脅威を与え続けるもので、言語道断の暴挙であり、絶対に許せるものではありません。
普天間基地の第36海兵航空群は、この施設に各中隊を配備し、上陸作戦支援対地攻撃、偵察、空輸などの任務に当たる航空部隊として同基地で離着陸訓練を頻繁に行っています。
また、北部訓練場、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン等の空陸一体の訓練も行っています。
普天間基地の移設は、米海兵隊水陸両用部隊の基地であるキャンプ・シュワブを初め地上戦闘部隊の基地であるキャンプ・ハンセン、北部訓練場などともあわせてその地域一帯を米海兵隊の広大な一大軍事作戦拠点にするものです。基地の整理縮小どころか日米軍事同盟の強化と沖縄基地の恒久的な増強にしかなりません。
そこで伺います。
(1)、今回の決定は政府のシナリオどおりの展開になっています。決定までの過程を県民に説明してください。政府サイドからの指示があったのか、明確にしてください。
(2)、今回の選定作業は極めて不透明です。ほかにもあった候補地と辺野古を比較したデータをすべて公表し、辺野古に決定した根拠、その理由を示してください。
(3)、普天間海兵航空基地の移設に関する国防総省の機能分析と運用構想では、代替施設としての条件ではなく、その運用上の必要条件に基づくものである。日本政府の移設基準を普天間飛行場の移設に適用することはできないと強調し、MV―22の配備を明確にしています。さらに陸部はキャンプ・シュワブのマスタープランに準じなければならないと記されています。これはまさに海兵隊基地の数段の機能強化を求めています。それがどうして基地の整理縮小を具体化することになるのですか。
(4)、また、同米国防総省の報告書は、運用年数40年、耐用年数200年を持つ恒久的基地の建設をうたっています。知事はこの米国防総省の報告書を承知していますか。その上での受け入れ表明をしたのですか。
(5)、知事は記者会見で、自然環境への弊害の軽減や軍民共用、米軍使用期限15年などを受け入れ条件とすると述べましたが、条件が満たされなければ拒否するのか、明確にしてください。
(6)、現在、伊江島にある県の第3種空港が実質的に遊休化しています。その原因を明らかにしてください。軍民共用空港の建設を強調していますが、キャンベル国防次官補は、民間の使用を認めて本格的な滑走路つきの飛行場の建設をしてもよいと発言しています。現在ある空港も遊休化している中で軍民共用空港は米軍の基地機能強化につながるだけではありませんか。
(7)、今回の移設受け入れ緊急表明は、文字どおり米軍基地移設とサミットがリンクしていることを証明した結果になっています。これでは名護市で純粋にサミットの成功を願っている多くの人々の期待を裏切ることになりますが、どうお考えですか。それとも基地移設を受け入れなければサミットの成功はないという立場ですか。
(8)、今回の決定は、県民投票と市民投票の結果を踏みにじるものだと思いますが、それを承知で決定したのですか。
(9)、日米両政府が知事の示した条件を受け入れなければ決定を撤回する意思はありますか。それとも知事の条件は、日米両政府の態度とは無関係で知事の要望を表明するだけの無責任なものですか、知事の納得できる説明をしてください。
(10)、多くの県民が今回の決定に怒りを表明しています。復帰闘争を行った復帰協と同じような幅広い県民組織も結成され、移設を許さない一大闘争を繰り広げる方針が打ち出されていますが、知事は県民の基地移設反対、基地なくせの闘いを抑えて移設が実現できると考えているのですか。
第2の質問は、北部地域の振興策についてであります。
普天間基地の受け入れのための北部地域の振興策の内容は具体性が見えません。振興策というのであれば地域住民の仕事と収入がふえることが最も重要なかぎであります。その具体的内容を確立するためには北部地域の現状分析を行い、必要な手だてを打つことが重要であります。そういう意味では人口構成は農林水産業従事者が圧倒的に多く、その振興策を図ることが重要なかぎになります。振興策は沖振法に基づくべきで、米軍基地との取引はやるべきではありません。
そこでお聞きします。
(1)、知事提案の北部地域の振興策によって住民の所得は幾らふえることになりますか。
(2)、真の北部地域の振興策は農業、水産業、地場産業の振興を図ることが重要だと考えますが、知事の所見を伺います。
(3)、サトウキビの生産費の価格を補償するためにはトン当たり幾らの価格引き上げになりますか。それを特別措置で引き上げれば関係農家の所得は幾らふえますか。
サトウキビの経済の波及効果は330%以上であります。政府に改めて生産費の補償を要求し、さらに県独自にも価格補償に努力すべきだと思いますが、御所見を伺います。
(4)、北部の振興策と強調していますが、もともとこれは沖振法に基づいて行うべきものです。どうして基地と引きかえでないと振興策は図れないのか、根拠を示してください。
(5)、基地建設は一部の土建業者が一時的に潤うだけで、地域住民の生活向上や生活の安定にはつながりません。県の提示した振興策で名護市民の生活が向上するという根拠はありますか。
第3の質問は、平和祈念資料館の問題です。
我が党県議団は、全員で大阪、広島、京都立命館大学の平和資料館を調査し学んできました。その結果、平和を発信するためにはいかに史実、実相を正確に展示し、広め、後世に伝えていくことが重要であるかを痛感しました。
そこで質問します。
(1)、展示内容の改ざん問題に関して、知事・執行部が本議会で事実に反する答弁をしたことについて責任を明らかにし県民に謝罪すべきですが、どうですか。
(2)、八重山平和祈念館の展示内容の改ざんと平和祈念資料館の展示内容の見え消し問題の処理はどうなっていますか。
(3)、平和祈念資料館の開館までの作業スケジュールを明らかにしてください。開館はいつで、現在の進捗で諸準備は開館に間に合いますか。
(4)、運営主体はどういう形態になりますか。その根拠となる設置条例はいつ県議会に提案するのですか。
(5)、開館後は多面的な活動を繰り広げなければなりませんが、現在までに検討してきた内容を明らかにしてください。
(6)、学芸員の配置は何名を予定していますか。
第4の質問は、県民生活にかかわる問題です。
県民の生活苦はいよいよ深刻です。失業者は増大するばかりです。去る10月度の失業率はついに過去2番目に高い8.8%になっています。前県政の1月から10月までの失業率と稲嶺県政の同じ10カ月間の失業率の比較では実に0.81%もふえています。
そこで質問します。
(1)、知事選挙で「県政不況」、「失業問題」は革新県政の責任と攻撃してきたことは事実に反していると思いますが、それを認めますか。
(2)、前県政時代より失業率が大きく高くなり雇用情勢が一層悪化してきている事実がありますが、それは稲嶺県政の責任ですか。
(3)、そういう深刻な状況の中で、教職員や消防職員で本来、正規採用しなければならないのに、されていない人数は何名で、法定数や基準どおりの雇用をいつやるのですか。
(4)、行革方針で県職員の1割削減の方針が出されました。これは雇用情勢を一層悪化させ、不況をさらに深刻なものにします。この計画は撤回すべきですが、どうですか。
(5)、失業対策に対するこれまでの取り組みと実績はどうなっていますか。失業率が高くなった原因について納得できる説明を求めます。
最後に、知事の政治姿勢について伺います。
稲嶺惠一後援会の政治団体の収支報告書が収入、支出がゼロになっています。後援会事務所も設置され、職員もいるのに1円も収支がないのはどうしてですか、明らかにしてください。
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽宗儀議員の御質問にお答えいたします。
最初は、基地の県内移設についてでございます。
政府のシナリオどおりの展開ではないかと、指示があったのか明確にしろという御質問と、それから選定作業が不透明だと、ほかにあった候補地と辺野古を比較したデータをすべて公表し、根拠を示してほしいという、この2つの御質問を一括してお答えします。
今回の移設候補地を決定する作業に当たって、県としての判断に基づき主体的に作業を進めてきました。
移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、 建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目の基本方針を設定して移設候補地の検討を行い、これらの方針に適した場所を総合的に判断してキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達しました。
移設候補地の選定作業に関する資料については、選定作業の性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めてきました。
移設候補地選定に関する資料については、整理した上でできるだけ早く提出するよう努力します。
次に、基地の県内移設について、自然環境への弊害の軽減や軍民共用あるいは15年を受け入れ条件とすると述べたが、条件が満たされなければ拒否するのか明確にしてほしいということと、日米両政府が知事の示した条件を受け入れなければ決定を撤回する意思はあるのかというこの2つの御質問を一括してお答えします。
移設に当たって整備すべき条件については、去る11月25日に国に対して強く要望したところであり、小渕総理からは、普天間飛行場問題の一日も早い解決に向け、政府に求められている課題に関して全力で取り組む旨の発言がありました。
また、青木官房長官からは、県の各要望に対し誠意を持って対応したい旨の国の考え方が示されました。
特に、15年の使用期限については、将来の国際情勢などさまざまな要因とも深く関連し極めて厳しい問題があるとの認識が示されましたが、いずれにせよ種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたいとのお話がありました。県としては、今後これらの要望事項の実現に向けて強く主張していきたいと考えております。
次に、現在ある空港も遊休化している中で、軍民共用空港は基地の機能強化につながるだけではないのかという御質問へのお答えでございます。
県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現させることができると考えております。
次に、今回の移設表明はサミットとリンクしているのではないかと、これでは名護市でサミットの成功を願っている人の期待を裏切ることではないかと、どう考えているかということへのお答えでございます。
サミットの開催と普天間飛行場の移設は、それぞれ県政の最重要課題であると認識しています。
普天間飛行場の移設問題は、前県政時代に返還が合意されて以来、取り組まれているものです。
私も知事に就任以来、普天間飛行場問題は県政の最重要課題と位置づけ、全力を挙げて取り組んでいく旨表明し、今年3月1日に普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策室を設置し、県内移設に向けての作業を開始しました。
県は、県としての立場から一日も早くという考え方で作業を進め、先般、移設候補地を公表したところであり、普天間飛行場問題とサミット開催とは別問題であると認識しています。
次に、今回の決定は、県民投票と市民投票の結果を踏みにじるものだと思うがどうかということへのお答えでございます。
名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁されているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
県としては、海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
また、普天間飛行場の移設候補地についての県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、施設の規模においても縮小されることから米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、県民投票の結果に沿うものと考えています。
次に、多くの県民が怒りを表明していると、この基地反対の中で移設が実現できると考えているかという御質問へのお答えでございます。
普天間飛行場の県内移設については、知事選挙の際の私の選挙公約に掲げており、県民の支持を得ているものと理解しています。できるものから確実に一つ一つ解決していくことにより、基地の整理縮小を着実に進めることは多くの県民の意思に合致するものであると考えております。
次に、北部地域の振興策によって住民の所得は幾らふえることになるかということの御質問へのお答えでございます。
北部地域の振興に当たっては、地域資源を活用した特色ある産業の創出や既存産業等のなお一層の活性化を促進し雇用の確保と所得の向上を図っていきたいと考えております。
平成8年度現在の北部地域の市町村民1人当たりの所得は約197万円で、県民1人当たりの所得220万円の約90%となっております。具体的な所得目標については特に設定しておりませんが、北部振興策の着実な実施により所得の向上が図られるものと考えております。
次に、真の北部地域の振興策は、農業、水産業、地場産業の振興を図ることが重要だと考えるがどうかということへのお答えでございます。
北部地域の振興を図るためには、これまで北部地域を支えてきた地域産業や農林水産業の新たな展開を図るとともに、観光・リゾート産業の一層の推進と情報通信関連産業等の導入を促進していくことが重要であります。
農林水産業については、リゾートホテル等の立地も視野に入れながら生産拠点の形成、農業生産基盤の整備の推進、自然的特性を生かした漁業生産基盤の整備、試験研究機関の拡充強化等を推進し活力ある農林水産業の振興に努めていきたいと考えております。
商工業の振興については、既存の産業振興制度の積極的な活用を図るとともに、戦略的な産業の集積、中心市街地の再活性化策等を進めていきたいと考えております。
次に、北部の振興策は沖振法に基づいて行うべきであり、基地と引きかえでなくては振興策は図れないのかと、その根拠を示せということでございます。お答えでございます。
国においては、平成10年3月に策定された新全国総合開発計画において北部地域の振興が本県の一体的な発展を図る上で大きな役割を果たすものであると位置づけております。
北部地域の振興については、第3次沖縄振興開発計画を初め、北部地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策の推進によりその振興を図ってきたところでありますが、地域の活性化や自立的発展への展望を開くまでに至っていない状況にあると認識しております。
本県の振興を考えるに当たっては、大いなる発展の潜在的可能性を有する北部地域の振興が県土の均衡ある発展を図る上で極めて重要な役割を果たすものと考えております。
こうした観点から、県土の均衡ある発展を目指して北部圏、中南部圏、宮古圏及び八重山圏の各圏域が社会的・経済的に自立しつつ、それぞれの地域特性を生かした役割・機能を発揮し、相互に連携協力し合う自立ネットワーク型の県土構造を形成していく必要があると考えております。
次に、県の提示した振興策で名護市民の生活が向上するという根拠はあるかと。
北部地域の振興については、豊かな自然など特色ある地域資源を活用した産業の振興を図ることが重要であると考えております。このため、観光・リゾート産業や情報通信産業など新たな雇用を創出する産業の誘致を進めるとともに、人材育成のための新たな教育機関等の整備・誘致を位置づけ、地域内の一体感を醸成しつつ活性化を促進していく必要があると考えております。
また、高齢者から子供まですべての世代が豊かさを享受できる長寿福祉社会の形成を目指すとともに、上下水道や公営住宅等の生活環境基盤整備の推進等も図ってまいります。
県としては、こうした振興策の実現に向けて新たな沖縄振興計画への北部圏域の積極的な位置づけ、財政や制度上の特別な措置、地元自治体、県及び国が一体となった推進体制の構築などを図り、名護市を含む北部全体の振興を着実に進めていきたいと考えております。
次に、平和祈念資料館の問題で、知事・執行部は責任を明らかにし県民に謝罪すべきかどうかということへのお答えでございます。
新平和祈念資料館の展示内容とのかかわりで県政に対する批判等が行われてきましたが、これは監修委員会に諮る前の検討過程におけるものであり、一連の事務手続を進める中で県民に誤解を生じさせたことは大変遺憾に思っております。
新平和祈念資料館については、沖縄戦の実相をきちんと伝え、世界の恒久平和に結びつくようなすばらしい資料館をつくっていくことが私の務めであると考えております。
次に、同じく平和祈念資料館の問題で、1つは開館までの作業スケジュールを明らかにせよということと、次に運営主体の根拠となる設置条例はいつ県議会に提案するのか、次の学芸員の配置は何名を予定しているのかという3つの質問に一括してお答えします。
平和祈念資料館については、3月末の開館に向けて現在監修委員会の監修が進められており、3月末には開館記念式典等を実施し、4月1日から一般公開する予定になっております。
また、運営主体及び組織体制については、館の機能が十分に発揮できるようなものにしていきたいと考えております。
なお、設置条例につきましては、2月議会に提案し御審議していただく予定であります。
次に、県政不況の問題で、革新県政の責任と攻撃してきたことは事実に反していると思うが、それを認めるかということへのお答えでございます。
昨年の知事選において、私が失業率の問題や企業経営の悪化などを「県政不況」としたのは、前県政において多くの沖縄振興策が停滞していたことや、県のそれまでの産業振興に対する取り組みが不十分であったことを指摘したものであります。
私は、就任以来一貫して県経済の振興、企業の誘致や雇用の確保に向けて全力を傾けてまいりました。
また、政府との関係改善にも努め、就任早々に沖縄政策協議会が再開され、沖縄経済振興21世紀プラン等による各種施策・事業が進められているところであります。私は、今後とも県経済の振興と雇用の確保に向けて全力で取り組んでまいります。
続いて、雇用情勢が一層悪化してきている事実があるが、それは稲嶺県政の責任であるかとの御質問へのお答えでございます。
本県における完全失業率は、10月で8.8%と依然として厳しい状況にありますが、その一方で、県内景気に改善の動きが広がりつつあることも反映して有効求人数は10カ月連続で前年同月を上回り、県内就職者も13カ月連続で増加しています。こうしたことから、雇用をめぐる環境は着実に改善していると考えております。
私は、雇用問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけ、雇用対策を積極的に推進してまいりました。また雇用情勢の抜本的な改善に向け、産業の振興による雇用機会の拡大を図るため既存企業の育成や新規企業の誘致等の諸施策を推進し、あわせて人材育成にも積極的に取り組んでいるところです。
完全失業率については、景気の動向などにおくれて改善する傾向があることもあり引き続き高い水準にはありますが、現在の取り組みが今後の雇用情勢の改善につながっていくものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 嘉陽議員の基地の県内移設についての質問事項のうち、米国防総省報告ではMV-22オスプレイの配備を明確にしている、さらに陸部はキャンプ・シュワブのマスタープランに準じなければならないと記されており、海兵隊基地の数段の機能強化を求めている、どうして基地の整理縮小を具体化することになるのかという御質問にお答えをいたします。
基地問題の解決につきましては、地域住民の生活や自然環境への影響、県土の有効利用及び地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなどを総合的に判断していきたいと考えております。
普天間飛行場の移設候補地についての県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、県民の希望する基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
次に、同じく基地の県内移設についての関連で、米国防総省の報告書は運用年数40年、耐用年数200年を持つ恒久的基地の建設をうたっている、この報告書を承知しているか、その上で受け入れを表明したのかという御質問にお答えをいたします。
御質問の文書につきましては、前県政時代に入手したことは承知しておりますが、正式に国から提供された文書ではございません。
耐久年数等について当該文書は、海上施設及びすべての関連構造物は40年の運用年数と200年の耐久年数を持つよう設計されると記述しておりますので、当該文書はSACOの最終報告で述べている海上ヘリポートに関するものであると理解しております。県としては、海上ヘリポート案については政府に見直しを求めたところであります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 基地の県内移設についての関連で、伊江島にある県の第3種空港が実質的に遊休化している、その原因を明らかにしてくださいという御質問にお答えをいたします。
沖縄国際海洋博覧会開催期間中の輸送手段の確保のため、那覇-伊江島路線として昭和50年7月20日から昭和51年1月18日までの運航期間限定で日本トランスオーシャン航空株式会社(JTA)が路線開設し、期間終了後は運休となりました。
その後、伊江村から運航継続の強い要望が出されましたが、JTAは採算性の確保が極めて困難であることを理由として難色を示したものの、伊江村の強い要望にこたえるべく条件つきの覚書を同村との間で締結し、昭和51年7月17日から運航を再開いたしました。
しかしながら、運航再開後の利用率が低迷したことから、覚書の「運航再開後、月間の利用率が2カ月連続して40%を下回った場合には、運航を停止する。」との項目に従い、昭和52年2月5日に運休のやむなきに至ったものであります。
なお、現在、伊江島空港へは株式会社エアードルフィンが小型機により不定期運航しており、平成10年度の運航回数は86回となっております。
○農林水産部長(小那覇安優) 北部地域の振興策について、サトウキビの生産費を補償するためにはトン当たり幾らの価格引き上げになるか、またそれを特別措置で引き上げれば農家の所得は幾らふえるかとの御質問にお答えします。
平成10年産サトウキビのトン当たり生産費は2万3569円で、農家手取り価格は2万420円となっております。したがいましてその差額分の3149円の引き上げになります。
仮に、農家手取り価格を生産費まで引き上げた場合、北部地域におけるサトウキビ作農家の所得は1戸当たり46万2000円から58万8000円に引き上げられ、12万6000円の増となります。
また、北部全域で試算しますと所得の増加分は約4億3000万円となります。
次に、政府に改めて生産費の補償を要求し、さらに県独自にも価格補償に努力すべきだと思いますが所見を伺いますとの御質問にお答えします。
国産糖及びサトウキビ生産者価格については、国内砂糖の需給安定と甘味資源作物の生産振興を図る観点から、国の責務として糖価安定法に基づき輸入糖からの調整金と税金からの交付金を財源により価格支持の措置が講じられております。
このようなことから、生産者価格の決定に当たっては、適正な農業所得を確保し再生産が可能な水準に設定するよう国に対し引き続き強く要請する考えでございます。
また、県独自での価格補償は困難であることから、サトウキビ・糖業の振興を図るため農業生産法人等担い手の育成、機械化の推進など生産性の向上対策及び製糖企業の適正操業度の確保に努めてまいります。
以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 嘉陽宗儀議員の平和祈念資料館の問題についてのお尋ねにお答えいたします。
まず、八重山平和祈念館の展示内容の問題は処理はどうなっているかというお尋ねでございます。
八重山平和祈念館の展示内容については、11月21日に石垣市において私を含め県から6名、また元監修委員等8名が出席して検討会議を開催し、展示経過に関する県の説明等を行いました。
これに対して、元委員等からは、県から受けた説明について持ち帰り検討し、委員内部でのすり合わせを行って再度会議に臨みたいとの申し入れがありましたので、12月26日に2回目の検討会議を開催していくことにしております。
それから、新平和祈念資料館の展示内容のいわゆる「見え消し」資料の問題の処理はどうなっているかということでございますけれども、このことにつきましては3月17日の監修委員会の決定内容を基本に展示内容の検討が進められております。現在、それに基づき3月末の開館記念式典等の実施と4月1日からの一般公開に向けて展示作業を行っているところでございます。
それから、同じく新平和祈念資料館のことについてですが、開館後は多面的な活動を繰り広げなければなりませんが、現在までに検討してきた内容を明らかにしてくださいというお尋ねでございます。
平成12年度は新平和祈念資料館がスタートする年でありまして、企画・運営などを軌道に乗せるための重要な時期であると認識いたしております。このため収蔵品展、企画展示、シンポジウム、修学旅行生に対する事前学習や平和学習に関する取り組みなどを考えております。
今後、新平和祈念資料館の施設が活用され、その機能が十分発揮されるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 嘉陽議員の、教職員で本来正規採用しなければならないのに、されていない人数は何名で、法定数どおりの雇用をいつやるのかという御質問にお答えいたします。
教職員の定数につきましては、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」及び「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」にのっとり県の教職員定数を算定し、できる限り本務教職員の配置ができるよう努めているところであります。
平成11年5月1日を基準とした標準法定数は、1万4575名でありますが、そのうち本来正式任用しなければならないところのいわゆる欠員補充は、小・中・高・特殊教育諸学校のすべての学校を合わせて1059人となっております。
学校における定数内の欠員補充については、児童生徒数の増減等に伴う教職員定数の変動や特色ある教育課程の実施への対応とともに、新規採用者の中長期的展望に立った採用計画等を図る上から一定の定数内の臨時的任用措置をやむを得ず行っているところでございます。
今後とも、教職員の配置基準に基づいた職員の適正配置を図り、本務職員の確保に努めていきたいと考えております。
○文化環境部長(宮城光男) 消防職員で本来正規採用しなければならないのにされてない人数は何名で、法定数どおりの雇用をいつやるのかという御質問にお答えします。
消防職員の定数については、消防庁が示す「消防力の基準」を参考にしてそれぞれの市町村の事情を加味し、市町村が条例で定めることになっております。
この基準に基づき、平成8年4月1日現在で算定した県内の所要消防職員数は2080人となっておりますが、平成11年4月1日現在の条例定数は1396人、現員数は1379人となっております。
したがって現員数は消防力の基準より701名、条例定数より17名それぞれ少ない人数になっております。
県といたしましては、消防力の充実強化を図るため消防職員数についても基準を達成するよう各市町村等に対し指導助言を行っているところであります。
○総務部長(與那嶺恒雄) 4番の県民生活にかかわる問題の、行革大綱案で県職員の1割削減の方針を撤回すべきと思うがどうかについてお答えいたします。
県は、21世紀の自立した沖縄県を目指して県民起点の行政の推進という理念のもとに地方分権時代に対応した沖縄県ならではの行政運営、効果的かつ効率的な行政運営及び適切なパートナーシップの構築の3点を軸とする新たな行政システム改革大綱を策定し、行財政改革に取り組む予定でございます。
そのため、これまで事務・事業等を総点検し見直すとともに、去る11月26日には沖縄県行政システム改革大綱案を県民に公表し、県民の意見を聞いた上で来年3月末までに平成12年度から3年間を実施期間とする新たな大綱を策定する予定でございます。
この行政システム改革大綱案の中で、一般行政職員数を平成12年度から5年間でおおむね530人程度削減することについては、事務・事業の見直しや地方分権一括法により県の事務が国や市町村へ移管されること等により見込まれる職員数の削減の数値目標を提示したものでございます。
職員数の削減については、退職者を不補充とすることなどで対応するものであり、直ちに雇用情勢に影響を与えるものとは考えておりません。
○商工労働部長(宮城春一) 4番の県民生活にかかわる問題の中の、失業対策に対するこれまでの取り組みと実績はどうなっているか、失業率が高くなった原因について納得できる説明を求めるとの御質問にお答えいたします。
完全失業率はこのところ8月、9月と2カ月連続で低下し望ましい傾向にありましたが、10月が8.8%と上昇したことにつきましては残念であり、非常に重く受けとめております。
これは就業者は増加しているにもかかわらず労働力人口の増加を吸収できないために上昇したものであります。
また、完全失業者を求職理由別に見ますと、非自発的離職者は減少したものの、自発的な離職者等が増加しております。これは景気回復の初期に見られるよりよい職場を求める転職希望者等の増加によるものと考えておりますが、単月の動きだけでは判断できないため今後の雇用指標を注視してまいりたいと思います。
県では、雇用問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけ各種施策を展開したことにより、本年1月から10月までの公共職業安定所の紹介による就職件数は前年同月比で7.4%増の1万5000件となっております。
また、コールセンター等情報通信関連企業や製造業の誘致に努めた結果、これまで約1000人の雇用が創出されており、引き続き数社の立地が予定されております。
雇用開発推進機構では、人材育成支援事業等の実施により平成10年度は約400人の雇用を創出し、11年度においても引き続き同事業を拡大実施し雇用の場の創出に取り組んでおります。
さらに、9月補正予算で措置された緊急雇用対策特別事業の実施により11年度は300人の雇用を予定し、13年度までに合計2300人の雇用を見込んでおります。
○選挙管理委員会委員長(川崎正剛) 嘉陽宗儀議員の御質問は、稲嶺惠一後援会の政治団体の収支報告が収入、そして支出ともゼロになっています、後援会事務所が複数設置され職員もいるのに1円も収入、支出がないということはどうしてなのかと、その理由いかんとこういうことでございます。
お答えいたします。
政治団体に係る政治資金の収支の公開は、政治団体により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判のもとに行われるようにするためにあります。
平成10年分の収支報告書につきましては、政治資金規正法の第20条第1項の規定に基づき、平成11年10月29日付の県公報で県内743団体につきましてその要旨を公表したところであります。
御質問の稲嶺惠一後援会に係る収支報告書については、収入額、支出額の記載欄に斜線──つまり収入、支出がないんだという趣旨のこと──が引かれておりましたので、当該団体に確認をいたしましたところ、収入、支出はないとのことでありました。そこで収入総額、支出総額ゼロ円で公表したものであります。
実際に事務所の賃貸借契約が発生し、事務員も雇用しているのであれば当然収入、支出は発生します。
また、労務の無償提供や事務所、事務用品及び物品等の無償提供を受けている場合は、時価に見積もった金額を寄附による収入として計上し、支出についてはその都度支出時期に応じてそれぞれの支出科目に記載することになっております。
以上であります。
○嘉陽 宗儀 休憩願います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後5時52分休憩
午後6時4分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 実は私の方としては全部お答えしたつもりだったんですけれども、これのすれ違いがございまして、この辺について幾つかだけお話したいと思います。
例えば、シナリオどおりやったんじゃないかということなんですが、私が申し上げましたのは、県としての判断に基づき主体的に作業を進めてきましたということで明確に言っております。政府から指示はありません。主体的にやりましたということです。そういう意味で全部お答えしたつもりだったんですけれども……。
それから15年の使用期限についても、将来の国際情勢などさまざまな要因とも深く関連し極めて厳しい状況にあるとの認識が示されましたが、いずれにせよ種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたいとの話がありました。
県としては、今後ともこれらの要望事項の実現について粘り強く主張してまいりたいと考えております。
○副知事(牧野浩隆) 失業問題等についてお答えさせていただきます。
確かに県政にとりまして失業問題というのは経済問題の中で一番大きな問題でございます。10月の数字を見ましたら8.8%というのが出ましたので、嘉陽先生がおっしゃるように去年とことしのものを数字を比べますと困難な状況にあるのは確実でございます。
ところが、数字の裏を我々はきちっと認識してそれにすぐ対応をやっているということを御理解していただきたいと思います。
確かに現在の失業率は8.8%です。去年は県政不況と言われていたときは9.2%でございました。そのときの失業の問題のとらえ方と県政不況のとらえ方に誤解があるところがそもそもの今の議論のかみ合わないところにあるかと思います。
私どもが県政不況と申しましたのは、沖縄の場合一般的な不況と比べてちょうど例えば1997年の暮れごろのことを思い出していただきたいと思います。政府の方としましても21世紀プランをつくる、沖縄政策協議会で60ぐらいのプロジェクトをつくってやっていく、それから沖縄振興開発特別措置法を改正しまして自由貿易地域をつくるという意味で1997年の暮れごろまでの沖縄経済のあれだけ熱気に燃えていた状況を思い出していただきたいと思います。たくさんのプロジェクトがあって県民が大きな期待をかけていたわけです。
ところが明けて98年の2月にああいう事態がありましたので、一切の経済政策がストップして県経済の先行き見通しがどうなるかという意味で県政不況、それから閉塞感という言葉が出てきたわけです。あれをどう動かすかが大切なものであって、もしあれが動かせなければ今はどうなっていたかと思いますと我々はぞっとするような気がしております。新しく稲嶺県政になりまして沖縄政策協を動かしまして、60幾つかのプロジェクトが動き出しまして21世紀プランもつくりましたし、それから100億のものでたくさんのプロジェクトが動いたはずです。
そういった意味で新たな雇用の場も、先ほど商工労働部長から発表させましたように新たな就職機会はふえております。もしあれがなければどういうことになっていたかということでございますから、単なる数字だけを見て責任問題ではなくて、むしろこれを動かしてきた実績ということの方が大きな我々としては成果と思っていますので、これをさらに21世紀からもろもろの施策を遂行していくことが今の県の失業問題に大きく解決していくということでございますから、そういう意味で我々一生懸命やっておりますので御理解していただきたいと思います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後6時10分休憩
午後6時13分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
地域・離島振興局長。
〔地域・離島振興局長 山川一郎君登壇〕
○地域・離島振興局長(山川一郎) 稲嶺惠一後援会の政治団体の収支報告についての御質問にお答えをいたします。
私は、地域・離島振興局の中に市町村課がありまして、その市町村課の中に選挙事務をやっている係があります。そこの総括担当者として今の報告書についての答弁をいたしたいと思っております。
稲嶺惠一後援会に問い合わせたところ、平成10年の政治活動に係る費用は、他の政治団体が負担したので収入、支出はないものとして報告をいたしましたという報告であります。
しかしながら、事務所の看板や労務について無償提供を受けた場合でも、時価に見積もった金額を収入、支出として計上しなければならないということになっており、さらに調査をしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) ただいまの収支報告の件でございます。
当該団体の平成10年分政治団体収支報告において、報告書の記載方法が適切であったかどうか、よく調査させたいと思います。
○嘉陽 宗儀 再質問します。
まず、なぜキャンプ・シュワブ沖に決定したのか、その根拠を明確に示してください。
米軍の方は、アメリカ国防総省は、こういう文書を出して、これを私どもはアメリカにも確かめているけれども(資料を掲示)、本物です。
それによると、改めてキャンプ・シュワブ沖に海兵隊を中心にした強大な軍事拠点をつくるという、しかも日本政府が言う代替施設ではありませんよということを明確に米軍は言っている。
米軍の側は、キャンプ・シュワブマスタープランにも、向こうはヘリポートがなくて艦船に爆弾を運ぶ場合には不便だから、どうしてもヘリポートも必要と言って、向こうは米軍なりのキャンプ・シュワブ沖に決定する根拠を非常に明確に言っている。
しかし、皆さん方はなぜキャンプ・シュワブなのかということを何も言ってない。これについて明確になぜキャンプ・シュワブにしたかという根拠を明確にしてください。
それから資料も出してください。
それから…… (発言する者多し)
○議長(友寄信助) 静粛にしてください。
○嘉陽 宗儀 それから、私は、県民の闘いがある、これを無視して移設できるかということを聞きましたけれども、ビエケス島の軍事訓練、向こうも住民が、アメリカ国民自身が危険な軍事演習反対と立ち上がって、結局は撤去するということになっている。それを私ども沖縄県民は、どんなことがあっても移設させない闘いは大きく発展する、それを抑えて移設する、その可能性はできるのか。
私は前にも言いましたけれども、自民党の諸君も含めて、もうこれ以上基地は要らないということで立ち上がった方がむしろ移設は、撤去することは完全にできる。そういう意味で改めて県民の闘いを抑えて移設することができるかどうか、明確にしていただきたいと思います。
それから、世論調査の問題で知事が私は勝ったからと言いますけれども、あれはごまかしですよ。「県政不況」を大分やって皆さん方はやったけれども、朝日新聞の世論調査を見ても全部移設反対45%(資料を掲示)、多くの県民が移設反対を明確にしている。それを指して知事を支持しているなんていうのは傲慢ですよ。
そういう面では改めて本当にこれができるかどうか、明確にしてもらう。
それから選管委員長に聞きますけれども、今明確になりました。これについては公選法、政治資金規正法、どういう違反、罰則がありますか、明確にしてください。
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽議員の再質問にお答えいたします。
キャンプ・シュワブに、名護市辺野古沿岸域に設定した理由というのを明確にしろということでございます。
これは、先般発表したことでありますが、1つは米軍基地の整理縮小が図られることであります。現在の普天間飛行場を縮小し、既存の米軍施設・区域内に移設することにより、沖縄の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、県民の希望する基地の整理縮小を着実に進めることができることでございます。
次に、騒音の影響を比較的小さくすることができることでございます。
航空機の離発着時において集落への騒音を軽減できる、また海域に飛行訓練ルートを設定することにより移設先及び周辺地域への騒音の影響を軽減できることでございます。
3に、地域振興の促進に寄与することができることであります。そしてそれには2つございまして、当該地域は、一定規模の空港の立地が可能であり、軍民共用空港を設置することにより新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成することができ、移設先及び周辺地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につながり、ひいては県土の均衡ある発展を実現することができることでございます。
次に、空港整備により交通ネットワークの形成が期待できると。当該地域は国道329号と沖縄自動車道が近接し、沖縄本島西側と中南部地域を連結している。新たな空港の整備に伴い、高規格道路の北部延伸など新たな道路を整備することにより、空港を中心とした交通ネットワークが形成され、空港活用の利便性の向上や地域の活性化を図ることができるということでございます。
○選挙管理委員会委員長(川崎正剛) 県内には748の政治団体がございます。平成10年の1月1日から3月31日までが収支報告の届け出期間ですが、その中で748の政治団体のうち284は、今、嘉陽宗儀議員御指摘のように稲嶺後援会の収支報告がゼロになっていると言われましたが、その284の団体が収支がゼロになっております。
もう御案内のとおり、県選管といたしましては、県選管による職務権限といいますか、収支報告書の実質的な審査権がないんであります。つまり、その政治団体の事務所に立ち入って帳簿その他を審査する権限が選管にはございません。
じゃ、何があるか。
それは、形式的な審査でございます。つまり、政治報告書の中に要件が整っているか整ってないか、それのみの形式的な審査権しかございません。
それから、御参考までに申し上げますと……
○嘉陽 宗儀 それは聞いてない。
○選挙管理委員会委員長(川崎正剛) はい、わかりました。
つまり、公選法と言われましたが、これは公選法じゃなくて政治資金規正法に抵触するかどうかという御質問と承りました。
本当に、事実そういうような報告書の虚偽記載、あるいは重大な過ちがあるような場合は、これは当然に政治資金規正法の25条によりまして5年の禁錮とそれから100万円の罰金というような処罰の対象になっております。
以上であります。
○嘉陽 宗儀 私は、なぜキャンプ・シュワブ沖に決定したのかと、その根拠を示せと言いましたけれども、説明の中身を聞いたら全くわからない。だから説明ができるように根拠資料を全部出してください。そうしないと前に進めません。(発言する者多し)
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後6時25分休憩
午後6時30分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) お答えいたします。
キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定した理由につきましては、先ほど知事からお答えしたとおりでございます。
なお、資料につきましてはできるだけ早く提出するように努力していきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽議員の再質問にお答えいたします。
先ほどの中で、多くの県民が今回の決定に怒りを表明していると、知事は県民の基地移設反対、その移設をそれでもやるのかということでございます。
普天間飛行場の県内移設については、知事選挙の際の私の選挙公約に掲げており、県民の支持を得ているものと理解しています。
できるものから確実に一つ一つ解決していくことにより、基地の整理縮小を着実に進めることは多くの県民の意思に合致するものであると考えています。
○嘉陽 宗儀 キャンプ・シュワブ沖への移設決定、全く根拠もないままに無責任にやったということが非常に明らかになりました。怒りの表明、抗議を表明しておきます。
それから、選挙に勝ったから全部県民は支持していると言うけれども、きのう、きょうの世論調査、朝日新聞のこれを持ってきましたけれども、(資料を掲示) 県民の世論調査が反対45%というのを明確に示している。
選挙の場合には県政不況、県政不況というふうにあおって、県民が正しい判断を一部しなかったところもあるかもしれないけれども、しかしあれは普天間基地の移設問題で審判をやったんじゃない。選挙というのは複合的なものだ。それを普天間基地の移設にゴーサインしたというのはとんでもない話。
そういう意味では改めてこの世論調査をどう考えるか、答えてください。
○知事(稲嶺惠一) ただいまの嘉陽議員の再質問にお答えをいたしたいと思います。
沖縄の基地問題が大変に困難な問題であるということ、これは私も十二分に理解をしております。その意味で私が苦渋の選択をしたと申し上げたわけでございます。
50数年の歴史の中で積み残され、積み重なったもの、これは大変大きな課題でございます。
しかし、基地の整理縮小というのは多くの県民が全体が望んだものであり、オール・オア・ナッシングで固定化することなく一歩一歩進むのが私の責務だと思っております。今後、私は多くの県民の皆様に話しかけ、そして御理解を願う努力を全力を尽くしながら一歩一歩縮小に努めていきたいと思っております。
世論調査をどう思うかということ、今のお答えの中に含めておったんですけれども、私は支持につきましては多くの方から支持をいただいております。
ただ、嘉陽議員御指摘のように基地に関しましては非常に県民の複雑な感情があらわれております。その意味で私も今後全力を尽くして県民の多くの皆様の御理解を得るように頑張っていきたいと思います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後6時38分休憩
午後7時6分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
大城秀昭君。
〔大城秀昭君登壇〕
○大城 秀昭 結の会を代表して質問を行います。
1、知事の平和・基地行政の認識について質問いたします。
(1)、知事はサミットに向けて、平和を求める沖縄の心を世界に発信すると言っているが、言っていることと最近やっていることは矛盾しております。つまりどのような視点で、どのような方針を示して平和を世界に訴えていくのか、具体的に全く見えてこない。県民や市民的議論もないまま振興策と引きかえに基地を引き受けるということであれば、これはもはや沖縄の心ではありません。
また、ヤンバル住民の心でもない。それとも振興策があれば基地は引き受けるというのが知事が言う沖縄の心なのか、明確に答弁してください。
(2)、沖縄の知事であればだれが知事になっても、半世紀以上も県民を苦しめてきた基地を一日も早くなくするため常に県民本位の基本姿勢を貫き通すべきであり、知事が言う国際情勢や東アジア情勢等の分析、判断は国の責務である。知事みずからが基地をつくって提供するようなことは前代未聞のことであり、残りの基地返還についても一事が万事、大きな禍根を残すことは確実である。知事はここで歴史的な間違いを起こしてはならない。しっかりと答弁していただきたい。
(3)、平和・基地行政に関するすべての情報を本県議会を初め県民の前に積極的に開示し県民的議論をすべきであるが、決定までの資料提供もなされてない。先ほどまでの答弁でも、いつ経過資料が提出されるかもはっきりしない。これではあしたからの一般質問も審議できない状況にあります。
今回の普天間移設に関する知事判断は、県民、市民無視の見切り発車であり言語道断である。知事はこの判断を撤回すべきであると思うが、どうですか。
2、軍民共用空港について。
(1)、知事が言う軍民共用空港はどんな空港か、一般県民がわかるよう説明してもらいたい。
県民や報道論調、識者を含めて、知事が言う軍民共用空港については正直言ってそのイメージがわいてこない。最近の新聞論調も識者の論調もそうであります。異口同音に指摘されているが、知事はどう考えていますか。
(2)、米国側は40年使用、200年耐用と言っているが、知事はどう対処するのか。15年使用は知事のひとり相撲じゃないですか。もしこれが受け入れられない場合は、この考え、この案を撤回するのか、はっきりさせてください。
(3)、大型輸送機を飛ばすなら2500メートル以下ではだめです。また米国側ははっきりと大型輸送機も飛ばし、家族も全部移したいと、こういうことを言っております。もしそれができない場合は撤回するのかどうか、はっきりしてください。
(4)、知事は当選直後から一貫して共用空港の性格は、報道の皆さんにも民のウエートが高い、これを強調しながら繰り返しておりますが、そういう根拠は一体何をして言っているのか。また、その青写真ができているならば明確にしていただきたい。
(5)、来年2000年の重点施策の中で、軍民共用空港とヤンバル振興について一言も触れておりません。これはあなたの選挙公約なんです。選挙公約で来年以降のことに全く触れてないということはどういうことですか、はっきりさせてください。
(6)、那覇空港のハブ化は最重要、最優先とうたっております。一方では危険きわまりない軍民共用空港の新設、提供を唱える自体がこれまた矛盾しております。一体どこにそれだけの航空需要、もしくは民間需要があるのか。臨空型の産業が破綻している全国的な状況の中で、もしそれが成功するのであれば数字やデータを示さない限りだれも納得しないでありましょう。
はっきりさせてください。
3、1972年復帰時の日米合意(5・15メモ)によって管制権が決められたのが現在の嘉手納ラプコンであります。日本政府がレーダー進入の業務ができるまでという暫定期間とされていましたが、政府の怠慢によって依然として27年間常に米軍優先の管制であり、民間航空機の安全が確保できているとは言えない、常に不安がつきまとっております。一歩間違うと一大事となる。 観光立県を唱える本県の知事としてどう対処するのか、はっきりさせてください。
次に、新平和祈念資料館問題、これについては再三出ましたけれども、私は前にも知事に指摘したとおり今次大戦の犠牲者のみたまと遺族に対して、ああいうことでは申しわけが立たない。知事みずから謝罪すべきと考えますが、どうですか。
5、基地内の環境汚染について。
先般、ドイツにおけるNATO軍の基地調査結果が報告されましたが、それによると、ドイツではNATO軍との地位協定(ボン補足協定)が1993年に改定され、基地への立入調査や汚染時には浄化を命ずる制度が完備されている。
このことについて(1)つ、本県でも基地への立入調査ができるよう地位協定を見直すよう強力に取り組むこと。
(2)、米軍基地でも日本の法律の適用がなされるよう日米両政府に強力に要請し実現すること。
(3)、40年から50年もかかる浄化への取り組みは全市町村が、あるいは全庁的に横断的に取り組む必要があるとの報告書で強調されておりますが、どう対処されますか。
6、観光行政について。
ここ数年、入域観光客は順調に伸びていることは喜ばしいことですが、一方ではそろそろ次の心配をする声があります。今の不景気は沖縄にとってはむしろよい結果になっております。つまり海外への旅行を控え目に、近場の沖縄観光がむしろその恩恵を受けていると、こういう分析でありますが、県としてはどう分析し、どう対処するのか、お聞きいたします。
7、薬草の利活用についてでありますが、薬草ブレンド泡盛が最近人気を博しております。
私は、これまで一貫して本県の豊富な薬草を戦略産業にと主張してまいりましたが、かなりの企業立地があることも幸いしておりますが、次の件について実現すべき課題であると考えます。
(1)、国立琉球大学への薬学部の設置を強力に進めること。
(2)、教育機能の傍ら、研究成果を薬膳と長寿の確立に生かすこと。
(3)、産・官・学の連携の確立についてもぜひ強力に進めていただきたい。
庁内プロジェクトチームが発足しておりますが、最近開店休業の状態である。強力に推進すべきと思いますが、どうですか。
農地保全とクローン牛について。
農水省によるとクローン牛は受精卵で32機関、体細胞で19機関で研究され、これまでの合計で518頭が生産されている。
本県の現状について。
それから、クローン牛の安全性についてお伺いいたします。
耕土流出については次回に回します。
自然環境の保全について。
1998年の環境保全審議会は、自然環境保全に関する指針を答申し、キャンプ・シュワブ沿岸域を最も保全の必要な地域に指定しておりますが、なぜか今回の場所選定の提示では当該地域が選定されておりますが、県土保全との整合性はどうなっているのか、お伺いいたします。
県の試験研究機関の充実について、予算面あるいはスタッフの面を充実強化すべきと思いますが、いかがですか。
最後に、知事の政治責任について。
岸本名護市長も前比嘉市長同様、辞任に追い込まれそうだが、リコールされる前にみずからが泥をかぶり市民に信を問うと仄聞しておりますが、それこそ名護市民を愚弄するものであり、選挙制度を軽視するものである。これについては名護市の了解も得ないまま国に位置を提示した知事の責任は重大であります。
これについて、県民に知事も名護市長同様信を問うという考えがあるのかどうか、お聞かせください。
答弁を得て再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 大城秀昭議員の御質問にお答えいたします。
最初は、知事の平和・基地行政の認識について、振興策があれば基地を引き受ける立場なのか、それから県民本位の姿勢を貫くべきであり、知事みずから基地を提供することは前代未聞であるという御質問へのお答えでございます。
一括してお答えします。
本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、まず、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しています。
SACOの実施は、本県の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、県民の希望する基地の整理縮小に着実につながるものと考えています。
しかしながら、SACOの実施により基地の整理縮小が段階的に進むとはいえ、移設先には新たな負担をかけることになります。したがいまして移設先及び周辺地域については、地域住民の生活に十分配慮することや自然環境への影響を極力少なくすることだけでなく、社会生活基盤の整備や産業振興等思い切った地域振興策を展開することが必要であると考えております。
次に、同じく平和・基地行政の認識についての中で、県民の前に積極的に情報を開示して議論すべきであり、この判断は県民、市民無視であると、撤回すべきであるという御質問へのお答えでございます。
普天間飛行場の県内移設については、知事選の際の私の選挙公約でもあります。できるものから確実に一つ一つ解決していくことにより、基地の整理縮小を着実に進めることは多くの県民の意思に合致するものであると考えています。
移設候補地の選定作業に関する資料については、選定作業の性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めてきました。
移設候補地選定に関する資料については、整理した上でできるだけ早く提出するよう努力いたします。
次に、軍民共用空港について、(1)、軍民共用空港とはどんな空港か一般県民がわかるように説明してもらいたい、大型輸送機を飛ばすなら2500メートル以下ではないと言っているがそのとおりかと、それから一貫して民のウエートが高いと繰り返しているが、青写真はできているのかということの3つの御質問に一括してお答えします。
移設先の具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。
県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えています。
次に、同じく軍民共用空港について、米国側は40年使用、200年耐用と言っているがどう対処するか、15年使用は知事のひとり相撲となっているという御質問へのお答えでございます。
御質問の件は、SACOの最終報告で述べている海上ヘリポートに関するものであると理解しています。県としては、海上ヘリポート案については県民の財産にならないとして政府に見直しを求めたところであります。
普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。政府からは、極めて厳しい問題であるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいりたいと考えております。
次に、同じく軍民共用空港について、2000年の重点施策の中で軍民共用空港とヤンバル振興について一言も触れられてないのはなぜかと。お答えいたします。
平成12年度重点施策は、平成12年度の重点的な主要施策や事業を具体的に示し、次年度の予算編成の基本方針となるものとして8月中旬から作業を始め、11月11日に庁議決定したところであります。
その時点では、普天間飛行場の移設先等について県の結論が出ていなかったため、重点施策においては移設先の市町村及びその周辺地域に係る振興策の着実な実現を図る旨の記載をしています。
北部地域の振興については、去る12月2日、国に対しその実現方について要望を行っております。北部振興のための具体的な施策・事業については、今後国と調整を行い、平成13年度の重点施策に反映させていきたいと考えております。
次に、嘉手納ラプコンは米軍優先の管制であると、民間航空機に非常に不安が残ると、観光立県を唱える本県としてどう対処するかとのお尋ねでございます。
去る11月11日に発生した嘉手納ラプコンの故障によって県民及び観光客の足である航空機の離発着に大きな影響が出たことは極めて遺憾であります。
県は、今回の事故を重く受けとめ、翌12日、嘉手納基地渉外部、在日米軍沖縄地域調整事務所等に対し、嘉手納ラプコンの早急な復旧と原因の究明、再発防止に万全を期すよう強く要請しました。
また、嘉手納ラプコンの問題については、平成7年11月に日米地位協定の見直し要請の中で、那覇空港の進入管制業務の日本への移管について日米間で協議するよう申し入れております。
さらに、基地を抱える都道県で構成する渉外知事会においても毎年同様な要請を行っております。
なお、政府は去る11月18日に嘉手納ラプコンの問題について日米合同委員会で返還について協議に入るよう米側に求めております。県としては、那覇空港の進入管制業務が速やかに日本側に移管されるよう関係機関に対し引き続き要請していきたいと考えております。
次は、新平和祈念資料館の問題について、何人といえども史実を改ざんすることは許されないと、今次大戦の犠牲者のみたまと遺族及び県民に対して謝罪すべきだと思うがどうかということへのお答えでございます。
平和祈念資料館については、沖縄戦の実相をきちんと伝え、世界の恒久平和に結びつくようなすばらしい資料館をつくっていくことが私の務めであると考えております。
次に、農地保全とクローン牛について現状はどうなっているか、安全性はどうなっているかという2つの御質問に一括してお答えいたします。
平成11年9月現在、農林水産省の発表によると、クローン牛を研究している機関の数は、受精卵クローン技術49機関、体細胞クローン技術41機関であります。また、生産が確認されているクローン牛の頭数は594頭であります。
本県においては、クローン牛の研究は行われていないため生産の実績はありません。
県としては、高能力牛を短期間で、かつ経済的に数多くつくり出す効果が期待されるクローン技術の研究を早急に取り組みたいと考えております。
なお、家畜のクローン技術は、遺伝的に同一な家畜を作出する技術であり、遺伝子の改変・操作を行うものではありません。
また、クローン技術によって生産された牛肉は、現在、市場で流通している一般の牛肉と同様に屠畜の段階で食品衛生上の検査が行われております。農林水産省としても食品としての安全性については問題がないとしており、県もそのように認識しております。
次に、自然環境の保全について、県の自然環境保全審議会はキャンプ・シュワブ沿岸域を最も保全の必要性の高い地域としていると、希少生物が多数確認されているにもかかわらず普天間基地の移設候補地としたのはなぜか、環境保全との整合性はどうかとの御質問へのお答えでございます。
移設候補地周辺において、貴重な動植物の生息が確認されていることについては承知しております。
具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
そのため県は、代替施設の建設については、自然環境への影響を極力少なくするよう国に対し強く申し入れたところでございます。
次に、知事の政治姿勢についてということで、岸本名護市長も前比嘉市長同様辞任に追い込まれそうだと、これについては名護市の了解もないまま国に対し移設場所を決定した知事の責任は重大であると、どのように対処するのかという御質問へのお答えでございます。
移設候補地である名護市に対しては、公表した当日に私の代理として石川副知事が名護市長と会見し、御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
また、移設に当たっては、名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(宮城正治) 軍民共用空港の関連で、那覇空港のハブ化と軍民共用空港の新設に民間需要はあるのかという御質問にお答えいたします。
本県の自立型経済社会を実現するためには、那覇空港の国際航空ネットワーク機能を拡大し、パシフィック・クロスロードにふさわしいハブ空港化が必要であります。そのため、那覇空港を起点とする国際航空路線網の拡充や航空物流拠点の形成を図りたいと考えております。
また、那覇空港の旅客数は年平均約6%の高い伸びを示しており、将来の航空需要に対応するため平行滑走路の整備に向けた取り組みを始めたところであります。
北部地域にはホテルなどが数多く立地し、観光・リゾート拠点として多くの観光客が訪れております。
軍民共用空港は、こうした北部観光客を中心とするチャーター便等の受け入れなどを行うことで那覇空港との機能分担は可能と考えております。
次に、県の試験研究機関の充実強化についての関連で、試験研究機関などのスタッフの強化策及び予算の確保については緊急に対応すべきと考えるがどうかという御質問であります。
試験研究機関における研究開発につきましては、本県の産業振興や地域の活性化及び県民生活の質の向上を図るため今後とも積極的に推進してまいります。
そのための方策として、現在、科学技術の振興を図るための総合的な推進方向を明らかにする沖縄県科学技術振興大綱の策定に取り組んでいるところであります。同大綱では、組織体制の強化拡充はもとより、研究員や技術者の効率的で適切な配置など研究開発を推進するための体制づくりについても検討することとしております。
また、予算の確保につきましては、県予算の措置に加え、国の提案公募型の研究開発事業への応募や民間資金の活用などについても取り組んでいくことにしております。今後は、同大綱の策定作業を早急に取りまとめ、御指摘の件も含めて試験研究全般にわたる諸施策に対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○知事公室長(親川盛一) 大城秀昭議員の基地内の環境汚染に関連して、ドイツ調査報告を受けて今後県はどのように対応するのかという御質問にお答えをいたします。
県は、米軍基地から派生する環境問題の解決を図るため、本年度、基地の環境調査及び環境浄化等に関する海外調査事業を予算化し、環境問題の専門コンサルタントに調査を委託しております。現在、委託先において当該調査に関する助言、提言を得ることを目的として学識経験者等で構成する検討委員会を設置し、制度面及び技術面の課題等について検討を進めております。
同委員会は去る11月、いわゆるボン補足協定で駐留NATO軍に対して国内法を適用するなど制度が整備されているドイツにおいて基地の環境調査及び環境浄化等に係る制度面及び技術面を実態調査し、現在、同委託事業の報告の取りまとめを行っているところであります。
今後、県としては、同委託事業の報告などを踏まえ、日米地位協定の見直しを含め米軍基地から派生する環境問題の解決に向けた措置を国に求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(大城栄禄) 観光行政について、入域観光客数は不況で伸びているが、景気がよくなると沖縄は厳しくなると思うが、県はどのように分析し、どう対処していくかについてお答えいたします。
本県への入域観光客数は、ここ数年、国内景気の低迷で全国的に観光客数が伸び悩む中、好調に推移し、平成11年も年間目標である440万人を超えることが確実な状況となっております。
これは、「観光・リゾート地沖縄」のブランド化の進展、航空運賃の低減、航空路線網の拡充、低価格旅行商品の流通、航空会社の大型キャンペーンなどが要因と考えております。
県といたしましては、近年の旅行形態が個人旅行へと推移する傾向にあることを踏まえながら、引き続き県外及び国外において各種メディアミックスを活用した広報・宣伝活動、キャリア・エージェントなどの関連業界とタイアップした共同キャンペーンの展開等の各種誘客宣伝事業を実施してまいります。
同時に、観光施策の新たな展開及び九州・沖縄サミットを契機に国際的な観光・リゾート地沖縄の一層のグレードアップを図り、入域観光客数500万人達成に向けて努力していきたいと考えております。
以上であります。
○商工労働部長(宮城春一) 大城秀昭議員の薬草の利活用についての質問の中の、国立琉球大学への薬学部の設置の実現について、2つ目に教育機能の傍ら、研究成果を薬膳と長寿の確立に生かすことについての御質問に一括してお答えいたします。
県内には、多種多様な薬用植物が生育しており、その高付加価値化を図り、健康食品産業の振興及び医薬品産業の創出などを図ることが重要であります。
県内の薬用植物の抗酸化作用等の効能については、琉球大学医学部において既に研究が進められているところでありますが、今後より高度な技術を必要とする医薬品産業の創出・誘致の実現に向けては県内大学における薬学部の設置が必要と考えており、その実現に向けて中長期的な観点から取り組んでまいります。
また、薬学部の設置により、本県の長寿を支える大きな要因と言われる食文化が科学的に究明されることは、医療食、薬膳食を病院、レストラン等に提供する健康ケータリング産業など健康関連産業などの振興に生かせるものと考えます。
次に、同じく薬草の利活用についての質問の中で、行政、産業界、大学の連携の確立についての御質問にお答えいたします。
薬用植物の産・学・官の連携による研究については、既に琉球大学、工業技術センター、トロピカルテクノセンター及び県内食品企業による有用生物資源の多目的利用技術の共同研究が実施されているほか、県内食品企業と大学との共同研究の成果に基づき新商品の開発が行われているところであります。
また、薬用植物の研究開発を促進するため沖縄県産業振興公社に「健康・長寿研究センター」を位置づけ、県内外の大学や研究機関及び企業とのネットワークを構築し、産・学・官の連携による共同研究をさらに促進する考えであります。
なお、県では科学技術の振興を図るため「沖縄県科学技術振興大綱」の策定を進めており、この中で産・学・官の連携強化についても検討が行われることになっております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 薬草の利活用についての御質問のうちで、庁内検討委員会(プロジェクトチーム)はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
薬用植物関係事業につきましては、福祉保健部と農林水産部及び商工労働部においてそれぞれ薬用植物の普及啓発、栽培促進、関連産業の振興等を実施しております。
薬用植物の総合的な利用を図るには、これらの事業を積極的に推進すると同時に、事業間の連携を密にし各部が一丸となって取り組んでいくことが肝要であるものと理解しています。
このような観点から、県におきましては平成8年12月に事業主体の3部に総務と企画を加えた5部長を委員とする「沖縄県薬用植物事業庁内連絡会議」を設置し、これまで年に数回開催してきました。今後とも、沖縄県薬用植物事業庁内連絡会議の機能を生かして本県の薬用植物の総合利用を推進していきたいと考えております。
○大城 秀昭 休憩。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後7時43分休憩
午後7時44分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
商工労働部長。
〔商工労働部長 宮城春一君登壇〕
○商工労働部長(宮城春一) 琉球大学への、県内大学における薬学部の設置については必要と考えておりまして、その実現に向けて中長期的な観点から取り組んでまいります。
○大城 秀昭 休憩を求めたいと思います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後7時45分休憩
午後7時51分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) ただいま大城秀昭議員からの質問に対するお答えになりますけれども、午前中の質問の中で宮平永治議員に対して、軍特委までには提出しますということを申し上げましたけれども、先生方のまた御指摘もありましてできるだけ早く提出したいということで御理解願いたいと思います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後7時52分休憩
午後7時53分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) お答えいたします。
今、資料をわかりやすく比較対照して、先生方がすぐ一目でわかるような形でつくっているところなんです。それができ次第、できるだけ早く提出したいということでございます。
よろしくお願いします。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後7時54分休憩
午後7時56分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
大城秀昭君。
〔大城秀昭君登壇〕
○大城 秀昭 それでは改めて正式に要求します。
あしたの一般質問が始まる前までにぜひ経過資料を出してください。
それから、名護市民の了解を得ない前に国に場所を提示しました。これは厳密に言うと地方自治への不当な介入になりませんか。なります。
それから地方自治の侵害、これはもし訴えを起こされると知事は負けますよ。
名護市民は、名護市当局、議会、ちゃんと意思決定機関はありますよ。 そこの意思も確認しないままに県知事が国に場所を提示する自体、これは地方自治の侵害ですよ。不当な介入ですよ。
そのことを私は強く指摘したいと思います。
15年の使用という知事のいわゆるひとり相撲なんですが、それが認められない場合はこの案は撤回するのか。何名も出ました。これについて明確な答弁がないんですよ。
ですから、これについてもはっきり答弁してください。
○知事(稲嶺惠一) 名護の前に国に提示したのはおかしいという御意見でございますが、私どもが国に提示いたしましたのは移設先の候補地としてでございまして、名護市長が検討する余地を残しております。
それから15年の問題でございますけれども、これについては再三申し上げるように私どもはこの問題については強く主張し続けます。
その他の御質問については、知事公室長より答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 資料の提出についてでございますけれども、できるだけ早く提出できるよう努力いたしたいと思います。
○上原 吉二 新進沖縄を代表いたしまして質問を行います。
既に通告をしておりますので、すぐ質問をさせていただきます。
基地問題について。
(1)、知事は去る11月22日に、普天間飛行場の移設先に名護市のキャンプ・シュワブ水域内の辺野古地先を公表したが、その選定した理由は何ですか。
(2)、決定までの経緯についての資料を公開できますか。
(3)、工法は陸上案か、海上案のどちらか。またそれぞれの規模、予算は県の試算ではどうなっておりますか。
(4)、地元の意見としては、集落から3キロ以上離れた海上埋立案なら騒音や危険性、環境への影響を考えた場合受け入れる余地があるように思料されますが、地元の意見を反映する意味からしてもいわゆる関西空港方式でもよいのではないか。国に進言してはいかがですか。
(5)、県が普天間飛行場の移設候補地に名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸域を選定したことを受け、名護市の岸本市長は、移設を受け入れて辞職する可能性について選択肢の1つとしてあるであろうと言及しておりますが、知事はどう思いますか。
(6)、知事は移設先公表に当たり、騒音、安全に配慮した飛行ルート、訓練空域を設定するに当たっては国に求めるとなっているが、基準値以内であっても1日何十回、何百回との回数が重なると我慢にもおのずと限界があると思うが、その対処策はどうですか。
(7)、県は、普天間飛行場の移設に伴う北部振興策要望書概要を政府に提出したが、最も大切な辺野古区を初めとする旧久志村の集落に対する支援策はどうなっているか、具体的にお聞かせください。
(8)、騒音問題は、既存基地周辺で深刻な問題になっており、これからの移設先集落においても重要な課題になるでしょう。
空調設備の電気料金負担については、現時点では維持費について空気調和機器稼働費助成事業補助金交付要綱により、生活保護法に規定する被保護者、また防音工事の関連維持費助成事業補助金交付要綱により実施した学校等公共団体、その他の団体に対して国の予算補助がなされております。
県は、渉外関係主要都道県知事連絡協議会を通して個人住宅についても維持管理費を全額国庫負担するよう国に要請しておりますが、基地の歴史的背景からしてクーラーの設備と電気料金は不離一体であることから、当然国が負担すべきであることは明らかである。よって、今回の北部振興策や沖縄経済新法に盛り込まれていくべきだと思うが、知事のお考えをお聞かせください。
大きい2、基地跡地利用について。
読谷飛行場用地の所有権回復地主会と読谷飛行場耕作者の会の双方から要請が出されていることについて、当該用地は旧日本軍により取得した土地として国有財産になっているので国は地元地方公共団体に対し払い下げる措置を行ってまいりたい意向のようですが、双方から要請が出されているのにはそれなりの事情やそれなりの歴史があってのことでありますので、一方に偏重することなく県は十分なる調査を行って双方ともに納得のいく措置をとってしかるべきだと思うが、御所見を賜りたい。
次に、この国有地払い下げについては昭和22年ごろ疎開先から帰郷した住民は食糧難のため読谷村が奨励、指導のもと当該地の耕作を行ってまいりました。荒れ果てた土地の農地への転換努力や布令20号による米軍の農地の補助飛行場転用のためブルで敷きならされ、昭和44年から49年と再び開墾する繰り返しの歴史的苦難の中での現耕作者の努力が実り、今では立派な紅芋の産地として、またキビの量産地として見違えるようになりました。
このような歴史的背景からいたしましても今後の時間的制約からしても、現地踏査をし実情を掌握することが不可欠と思われるが、県の御所見を賜りたいと思います。
次に、普天間飛行場移設に伴う経済効果について。
(1)、県は普天間飛行場移設を受け入れる条件として北部振興策を発表しましたが、その経済効果はどう見ておりますか。
(2)、移設先及び周辺関連工事について、県内における主要公共工事、すなわち大型ダム、火力発電所及び送変電工事、高速道路、那覇防衛施設局、沖縄総合事務局、その他国の出先機関の発注工事の大半が本土大手ゼネコンと県内企業のJV工事になっております。
施工に当たっては、A構成員であるゼネコンが一切取り仕切る関係上サブコンとして第一次下請を必ず県外から連れてくる仕組みになっているため、B構成員の地元業者は名目のみで、実質的には共同企業体のイニシアチブが握れないため極端な場合は工事完了後の清算時には低利益を出資比率で利益配分のみで終わるというパターンが現実であることを認識すべきであります。
さらに、主要資材も大手商社を通じて行われ、県内資材業者の参入の余地さえない状況であります。
金融機関においても、前払い保証金から工事請負代金のすべてがメーンバンクが本土であるがゆえに地元銀行が利用されず、せっかくの膨大な沖縄のための公共予算を上記のような現実ではだれのための予算で何のための事業なのか、理解しがたい。
このような基本的身近な問題を早急に是正することが何事にもかえがたい沖縄のための振興策につながると思うが、知事の御所見を賜りたい。
これから普天間移設という膨大な予算が投入されると思いますが、国や出先機関を含め抜本的な改革がなされなければこれまでと同じであり、単発的投資の一過性に終わっては経済効果の持続性につながらないのが当然である。
今、一国二制度とか新たなる沖縄の経済新法を制定すると言われておりますが、これを機に沖縄の公共事業等の仕組みの改善を強く国に進言してはいかがですか、知事の御所見を賜りたいと思います。
介護保険制度について。
高齢者の介護が社会問題として取り上げられ、これに対する対策の一つとして、また利用者の選択により保険、医療、福祉における介護サービスが総合的に利用できるようにと創設された介護保険制度もいよいよ平成12年4月の実施まで残すところあと4カ月となりました。保険者である市町村やそれを国、県が支援していくことでの制度が円滑に実施されるよう種々の準備に取り組んでいるところかと存じます。
このような新たな制度である介護保険制度を、高齢者やその御家族などが安心して利用できるよう県においてはなお一層の力を尽くしていただきたいと思います。
ことしの10月から要介護認定が開始されているが、県内市町村の実施状況はどうなっているか。
受け付けや認定調査、審査会の開催状況はどうなっているか。
それと認定の結果を申請者にどう説明しているのか。
次に、要介護認定は全国同一の基準で行われるべきだと考えるが、調査員や認定審査会委員の研修や質の向上のために県はどのような取り組みを行っているのか。
来年4月から介護保険制度でサービスの提供が始まるが、十分対応できるのか。
次に、サービス事業者の指定状況はどうか。
次に、介護保険事業に参入するためには事業者も介護報酬や市町村の需要等について情報が必要と思うが、どうなっているのか。
離島や小規模町村では事業者の参入が厳しいと思われるが、県としてはどう対応していくのか。
今沖縄県においても多くの問題が山積をしておりますけれども、今こそ沖縄が日本に、またほかの国々にも多く世話になっているということからいたしますと、ここで各政党、各会派の間に政策距離があること自体は決して悪くはございません。
こういった状況の中でも、異なる意見を闘わす中で実現可能な政策合意を見出して県民、国民のために意義ある協調をしていくべきではないのかということを申し上げまして、我々の新進沖縄を代表いたしましての代表質問といたします。
○知事(稲嶺惠一) 上原吉二議員の質問にお答えいたします。
最初は、去る11月22日に普天間飛行場の移転先に名護市のキャンプ・シュワブ水域内の辺野古地先を発表した、その選定した理由は何かということへのお答えでございます。
移設候補地の選定に当たっては、1、 米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目を基本方針に設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
これらを総合的に判断して、1、米軍基地の整理縮小が図られること、2、騒音の影響を比較的小さくすることができること、3、地域振興の促進に寄与することができることの理由から、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達したものです。
次に、決定までの経緯についての資料を公開できるかという御質問へのお答えでございます。
移設候補地の選定作業に関する資料については、選定作業の性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めてきました。移設候補地選定に関する資料については、整理した上でできるだけ早く提出するよう努力します。
次に、県が普天間飛行場の移設候補地に名護市の辺野古キャンプ・シュワブ沿岸域を選定したことを受け、名護市の市長は移設を受け入れ辞職する可能性について選択肢の一つとしてあるだろうと言及しているが、どう思うかということへのお答えでございます。
移設候補地である名護市に対しては、公表した当日に私の代理として石川副知事が名護市長と会見し、御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
御指摘のことについては、コメントを差し控えたいと思います。
次に、最も大切な辺野古区を初めとする旧久志村の集落に対する支援策はどうなっているかとの御質問に対してのお答えでございます。
普天間飛行場の移設先につきましては新たな負担を伴うことから、地域の活性化及び発展につながる産業の振興、雇用の促進等の振興策を総合的な視点から取り組むことが不可欠であると認識し、沖縄政策協議会の場において国に要望したところであります。
国においては、本県の要望に対し、政府としてこれを重く受けとめ対処していく方針を明らかにしております。
移設先及び周辺地域の振興については、雇用の場の確保や生活環境の向上等地元からの具体的な要望を踏まえ振興策として取りまとめたいと考えております。その上で国に対し、その実現方を強く求めてまいりたいと考えております。
次に、北部振興策の経済効果はどう見るかとの御質問へのお答えでございます。
北部地域の振興については、地域資源や特性を積極的に生かした特色ある産業の振興を他地域との差別化と機能連携を図りつつ進めていくことが重要であります。
このため、観光・リゾート産業の一層の振興と今後大きな可能性が期待される情報通信産業の集積を図るとともに、北部地域を支えてきた食料品製造業等や農林水産業のさらなる発展を視野に北部における新空港や産業団地の設置等を展開し、積極的な企業誘致や地域活力の底上げを図っていく必要があると考えています。
今後は、具体的な施策・事業を市町村と一体となって取りまとめることとしております。こうした施策・事業を着実に実施することにより経済効果も期待できるものと考えております。
次に、介護保険制度について離島や小規模町村における事業者参入についての対応策へのお答えでございます。
離島や小規模町村においては、利用者に限りがあることから事業者の参入が厳しいことが予想されます。
県としましては、在宅サービスの中心となる訪問介護については地域の中で供給できるよう平成11年度から講師を離島に派遣して講習会を実施し、3級ホームヘルパーの養成を行っているところです。
また、福祉用具の貸与や訪問看護等のサービスについて、本島等の事業者が離島へ提供できる体制を整えるために交通費等の助成などについて国へ要請を行っているところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 上原吉二議員の基地問題についての質問事項のうち、工法は陸上案、海上案のどちらか、またそれぞれの規模、予算は県の試算ではどうなっているかという点と、地元の意見としては集落から3キロメートル以上離れた海上埋立案なら騒音や危険性、環境への影響を考えた場合、受け入れ余地があるようです、地元の意見を反映する意味からも関西空港方式でもよいのではないか国に進言してはどうかという、一括してお答えいたします。
具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものであると考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
県としては、代替施設については民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件として国に対し申し入れたところであります。
次に、移設先発表に当たり、騒音、安全に配慮した飛行ルート、訓練空域を設定するに当たっては国に求めるとなっているが、県としてはどのような考えを持っているかという御質問にお答えをいたします。
移設先の具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものであると考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
そのため県は、代替施設の建設については、地域住民の生活に十分配慮することを国に対し強く申し入れたところであります。
それから次に、基地周辺整備事業による防音工事とともに空調設備の整備が個人住宅等を対象に行われているが、その電気料金を国が負担するよう求めてはどうか、また北部振興策にこの件は当然盛り込まれていると思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
県は、これまで渉外知事会を通して周辺整備事業により防音工事を実施したすべての住宅、義務教育施設等の防音施設に係る維持管理費について全額国庫負担とするよう要請しております。県としては、今後とも基地周辺市町村の意向が十分反映されるよう引き続き国に求めていきたいと考えております。
なお、普天間飛行場の移設先及び周辺地域の振興策として、防音工事に係る空調施設の電気料金を国に負担させることについては、地元から具体的な要望があれば今後検討してまいりたいとこのように考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 基地跡地利用についての関連でありますが、読谷飛行場用地の所有権回復地主会と読谷飛行場耕作者の会の双方から要請が出されていることについての御質問であります。御質問2つあります。1つは、県は双方ともに納得のいく措置をとってしかるべきだと思うがどうか、もう1点目は、国有地の払い下げについて県の考え方を聞きたいということであります。
一括してお答えいたします。
読谷飛行場における黙認耕作などの用地問題につきましては、その発生の経緯等から原則として国が中心となって対処すべき問題であります。
この問題につきましては、返還後の跡地利用とも関係していることから、国、県、読谷村で設置いたしました読谷飛行場跡地利用促進連絡協議会の中で平成11年6月に読谷飛行場内黙認耕作問題解決要綱を策定いたしました。
今後は、その要綱にのっとって国と読谷村が協力して黙認耕作などの用地問題の解決を図ることとなっております。
以上です。
○土木建築部長(銘苅清一) 普天間飛行場移設に伴う経済効果についてのうち、移設先及び周辺関連工事について県内業者の受注機会と県産資材の優先活用、また県内金融機関活用を求めていくべきではないかとの御質問にお答えいたします。
県においては、一定規模以上の大型工事については共同企業体いわゆるJVでの施工を採用していますが、その場合JVの構成員は2社または3社とし、構成員の最小出資割合は2社の場合で30%、3社の場合では20%以上とすることで構成員間の適切な関係の確保を図っております。
御質問の国や民間が発注するJV工事については、JV構成員間の出資割合、資材購入先、金融機関の利用等の実情を把握しておりませんので、今後県としてどのような対応が考えられるのか検討したいと思います。
なお、国等が発注する建設工事の県内業者への受注機会の拡大については、沖縄県建設業協会より知事に対して発注標準の改訂、入札資格要件の緩和、分離・分割発注について国等へ要請してもらいたい旨の要請がありますので、その趣旨を踏まえて国等へ要請したいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険制度について5つの御質問に順次お答えいたします。
まず、要介護認定の受け付けや認定調査、審査会の開催状況はどうなっているのかとの御質問にお答えいたします。
ことしの10月から要介護認定が開始されていますが、10月末現在で5295件の申請受け付けがなされています。その中で認定調査を実施したのが3420件、審査会において判定を行ったのが1023件となっています。本県では約2万7000件の申請を見込んでいますが、1カ月間の受け付け件数では約20%となっています。
次に、認定の結果を申請者にどう説明しているのかとの御質問にお答えいたします。
介護認定の結果については、要介護度や状態についてそれぞれの市町村から文書で通知されることになっています。その中で要介護と認定された方々については、サービスを受けるためには介護サービス計画の作成が必要であることや、認定結果について不服がある場合は県に設置されている介護保険審査会へ申し立てができることについてもあわせて説明を行っています。
次に、認定調査員や審査会委員の研修や質の向上のためにどのような取り組みを行っているのかとの御質問にお答えいたします。
公平公正な要介護認定を行うためには、全国一律の基準に従った認定調査の実施及び認定審査を行う必要があります。そのため、県においては保健所を単位に認定調査員の研修を行い487人が受講しています。
また、認定審査会委員に対しては、模擬審査会や事例をもとにした演習を含めた研修を行い542人が受講しています。
さらに、医学的な意見書を記載する主治医に対しても県医師会と共催で3回の研修を実施しました。今後とも必要に応じ資質向上を図るための取り組みを行う予定であります。
次に、サービス事業者の指定状況はどうかとの御質問にお答えいたします。
ことしの7月から指定申請の受け付けを開始していますが、居宅介護支援事業所については11月末現在で119件を指定しています。
訪問介護等を行う指定居宅サービス事業者については、現在審査中であり、随時指定を行うこととしております。
また、介護療養型医療施設については11月15日から受け付けを開始しており、平成12年1月末ごろに指定を行う予定です。
次に、事業者に対する情報提供はどうなっているのかとの御質問にお答えいたします。
県では、平成11年5月に介護サービスの提供を予定している事業者に対し説明会を開催し、介護保険制度における介護給付の仕組みや市町村との連携などについて説明を行いました。
また、今年7月に示された介護報酬の仮単価については関係団体等に対し情報提供を行っています。
制度を円滑に実施するためには、各地域においてサービスごとの需要がどれだけあるのかということを市町村と事業者が情報を共有し、満遍なくサービスを提供できる体制を整えることが重要です。そのために12月から地域ごとに市町村と事業者の意見交換会を行う予定であります。
○高良 政彦 それでは公明党県議団を代表して質問を行います。
まず、米軍普天間基地の移設について質問をいたします。
稲嶺知事は、普天間飛行場の移設先の候補地としてキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域と決定されました。
このことを踏まえて質問をいたします。
(1)、名護市民及び関係区民の合意形成は得られるのかどうか今後の最大の焦点となりますが、その方法と見通しについて御答弁をお願いいたします。
(2)、動植物の生態系に与える影響は調査済みなのか、あるいはどのような調査資料に基づいて判断されようとしているのか、御答弁をお願いいたします。
(3)、騒音問題も最重要の課題と考えますが、住民に対する影響度はどの程度か、最も近い住民地域とどの程度の距離を考えておられるのか、御答弁をお願いいたします。
(4)、軍民共用について実際にその可能性はあるとお考えなのか、米国側は軍事機能の維持に影響があるとの考えから極めて難色を示しておりますが、御答弁をお願いいたします。
(5)、軍民共用の場合、将来の返還への重要な一つのとっかかりの条件と考えますが、どのような形での共用を考えておられるのか、また北部地域の共用空港に対するニーズはどの程度あるとお考えなのか、また将来どのような使い方で北部地域の振興と結びつけられるのか、御所見を賜りたいと思います。
(6)、使用期限15年というのも知事の基地の整理縮小という方針からすれば譲れない条件と考えますが、しかし日米両政府は非現実的との見方をしており、契約条文化ができる見通しがあるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
(7)、移設先の基地の滑走路はどの程度なのか、何千メートルで、面積はどの程度の規模になるのか、基地の整理縮小の概念から外れないのかどうか、御答弁をお願いいたします。
(8)、北部地域12市町村から北部地域の振興について、時あたかも普天間基地の北部移設の発表と時を同じくして要望書が政府に出され、政府も前向きな姿勢だが、基地移設のかわりの振興と見てよいのか、基地の移設と北部振興は別だとの主張もありますが、どうか、御答弁をお願いいたします。
(9)、返還基地の開発、汚染除去、財政の裏づけ、法的な整備の見通しは立っているのかどうか、御答弁をお願いいたします。
(10)、北部振興について、農林水産業やリゾート観光産業振興の施策を実効あらしめるための北部振興基金の創設の要望もありますが、どのようにお考えか、御答弁をお願いいたします。
(11)、北部振興策を沖縄経済振興21世紀プランの中でどのように位置づけるのか、御答弁をお願いいたします。
(12)、北部振興は最終的には人口20万人を目指しておりますが、そうしますと中部都市や那覇市等とスムーズに人や物の移動を可能にする定時、大量、低コストの輸送手段、すなわち鉄軌道の導入やモノレール等の北部延長、道路の拡張整備は必至となりますが、構想の中に入れるべきではないか。
(13)、長期的には米軍基地は整理・統合・縮小の方向へ持っていくのは当然であります。稲嶺県政の公約である将来は基地にかわり、平和の発信地としての沖縄づくりとしてぜひ国連アジアセンターを沖縄に誘致すべきと考えますが、沖縄サミットで提言できるよう政府に働きかけるおつもりはないかどうか、御答弁をお願いいたします。
次に、介護保険について。
いよいよ2000年4月から介護保険が実施されますが、次の3点に絞って質問をいたします。
(1)、市町村格差が大きく日本全体としては40%程度の充足率しかない。このように介護基盤の未整備が目立ちますが、我が県の実態はどうか。
(2)、保険料や利用料が高齢者や低所得者等にとって高過ぎ、それらが支払えないため介護サービスを受けられない方が続出すると思うが、我が県ではどうか。
(3)、介護保険制度から除外される方々の対策が不備で、かえって福祉サービスが低下することが予想される。全国ではほぼ10万人以上が出るものと思われますが、我が県ではどうか。
緊急少子化対策問題について質問いたします。
今回、公明党の粘り強い取り組みによって99年度補正予算に「少子化対策臨時特例交付金」として2003億円が盛り込まれ、沖縄県では54億円が交付されました。これは公立・法人保育所や幼稚園に対する設備の整備、また認可外保育園に対する図書、遊具等の整備のために既に交付されましたが、認可・認可外・公立保育園等にどのように交付されたのか、保育園の種類別の合計数、交付額のそれぞれ合計を発表してください。
次に、県財政の立て直しについて。
県の借入金に当たる県債の残高が平成10年度末で5434億円に達しております。しかも公債費、その借入金の返済のピークがこれから到来するわけで、さらに経常収支比率が平成9年度で92.9%、類似県平均が86.7%で我が県が異常に高く、財政の硬直化はいよいよ差し迫った状況にあります。
このような危機的な状況の中で、県は3年計画で外郭団体を初め各部署の効率化、スリム化を図り、行財政改革を断行する計画でありますが、(1)、全体でどの程度の改善を見込んでいるのか、金額と数字(財政指数等)で説明を願います。
(2)、厳しい財政の中で合理化、スリム化は当然必要でありますが、しかし一方、県産業の将来発展のための基礎的な研究機関、例えば農業技術センターや工業技術センター、トロピカルテクノセンター等の予算が極端に縮小され沖縄経済発展のオリジナリティーな開発に支障を来しておりますが、我が沖縄県の将来にとって大きなマイナスを招きかねない。このような点への配慮は十分留意すべきではないか。
特に外郭団体についてはどのような整理統合を計画しているのか、予算、人員、統合を具体的に説明してもらいたいと思います。
沖縄県の工業技術センター、そして農業試験場等の現状を具体的に申し上げますと、例えばゼロエミッション型の新産業創造を目的とした廃プラスチックの再資源化や生分解性プラスチックの開発など研究開発に携わる専門分野が不足しております。
その他、年間7000トンも出る水産加工廃棄物の再利用のための研究員の不足、海洋深層水の工業分野への利用研究員の不足、また県はマルチメディアアイランド構想を推進中だが、従来県内に情報通信のハード面の電子機械工業の集積がないために電子・情報系の技術分野の担当員がいない。そのため県のマルチメディアアイランド構想などを技術分野から支援することが困難な状況にあります。
また、農業技術センターにおいても農業の研究分野においてもウリミバエの根絶等すばらしい実績を上げ、そのために他府県への移出の解禁による農家の収入の増大等、また県産業への大きな貢献をしております。
ウリミバエの根絶もありましたけれども、最近はヤシの実から入ったと思われるシロスジオサゾウムシ、キビの害虫ケブカアカチャコガネムシなどフェロモンを応用した研究が進んでおりますけれども、なかなか厳しい財政の状況のようであります。
そういう行財政改革の断行は当然でありますけれども、こういう分野はただ単に費用対効果を厳しく吟味するだけでは将来に悔いを残すのではないかと思います。そういうことでは、このような基礎研究・開発を重視することこそが沖縄の将来の産業発展につながるものと考えます。
この辺は、行政改革では一考を要するのではないかとこのように考えますけれども、知事の御所見を賜ります。
以上でございます。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 高良政彦議員の御質問にお答えいたします。
最初は、普天間基地の移設について、名護市民及び関係区民の合意形成は得られるのか、その方法と見通しについて答弁してほしいということでございます。
移設候補地である名護市に対しては、公表した当日に私の代理として石川副知事が名護市長と会見し、御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
また、移設に当たっては名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えております。
次に、同じく普天間関連で、動植物の生態系に与える影響は調査済みなのか、あるいはどのような調査資料に基づいて判断されたのかという御質問へのお答えでございます。
移設候補地の選定作業においては、各種個別法に基づく地域指定の状況、自然環境の保全に関する指針等の既存の資料を活用し検討したところであります。
具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
そのため、県は代替施設の建設については、自然環境への影響を極力少なくするよう国に対し強く申し入れたところであります。
次に、騒音問題も最重要な課題と考えるが、影響度はどの程度かと、それから最も近い住民地域とどの程度の距離を考えているのかということへのお答えでございます。
移設候補地の選定に当たっては、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されることを基本方針に設定し検討を行いました。
具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
そのため、県は代替施設の建設については地域住民の生活に十分配慮するよう国に対し強く申し入れたところです。
次に、同じく普天間関連で2つございまして、1つは、軍民共用について実際にその可能性はあるとの考えかと、米国側は難色を示していると、それから次にどのような形で共用を考えているのか、北部地域の共用空港に対するニーズはどうかと、あるいは北部振興と結びつけるのかという御質問へのお答えでございます。
一括してお答えします。
県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
次に、使用期限15年も知事の基地の整理縮小という方針からすれば譲れない条件と考えているかと、日米両政府は非現実的との見方をしているという御質問へのお答えでございます。
普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
政府からは、極めて厳しい問題であるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいりたいと考えております。
次に、同じく普天間の移設問題につきまして、移設先の基地の滑走路は何千メートルで、面積はどのぐらいか、基地の整理縮小の概念から外れないのかどうかという御質問へのお答えでございます。
具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
県としては、代替施設については民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件として国に対し申し入れたところであります。
普天間飛行場の移設候補地についての県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから沖縄の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
次に、北部振興は基地移設のかわりの振興と見てよいか、基地の移設と北部振興は別だとの主張もあるがどうかとのお尋ねでございます。
国においては、平成10年3月に策定された新全国総合開発計画において、北部地域の振興が本県の一体的な発展を図る上で大きな役割を果たすものであると位置づけております。
北部地域の振興については、第3次沖縄振興開発計画を初め北部地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策の推進によりその振興を図ってきたところでありますが、その地域の活性化や自立的発展への展望を開くまでに至っていない状況にあると認識しております。
本県の振興を考えるに当たっては、大いなる発展の潜在的可能性を有する北部地域の振興が県土の均衡ある発展を図る上で極めて重要な役割を果たすものと考えております。
こうした観点から、地元の要望を踏まえながら北部振興策を取りまとめ、その実現方を政府に要望したところであります。
次に、返還跡地の開発、汚染除去、財政の裏づけについての法的な整備の見通しについての御質問へのお答えでございます。
軍転特措法の改正及び駐留軍用地の跡地利用促進のための新たな制度の確立について、去る8月19日、20日に国の関係機関及び県選出国会議員に要望し、また去る11月19日の沖縄政策協議会においても要望しました。
その中で、行財政上の措置については、跡地利用が円滑に推進できるような法制の整備及びそれに依拠した国の取り組みに係る方針を示すこと、返還跡地の開発については、跡地の再開発が迅速に行われるよう総合的な調整機能と権能を有する組織の設置、跡地利用事業・関連諸事業を担当する事業実施主体が必要であることから、そのための法制の整備、事業資金などの優先配分等の措置をすること。
汚染除去に関しては、所有者への引き渡し後に環境汚染等の問題が生じないよう、返還実施計画において環境浄化処理の確認調査を定めることなどについて要望しました。
国からは、沖縄政策協議会において軍転特措法の改正については、同法が議員立法として成立した経緯にかんがみつつ政府においても鋭意取り組む、基地跡地の利用促進については円滑な推進のための法制の整備、実施体制のあり方等についての要望を踏まえた上で、有効かつ的確な方策の具体化に向けて取り組むという方針が示されております。
今後、具体的な方策について国と協議していきたいと考えております。
次は、北部振興について、北部振興基金の創設の要望があるがとの御質問へのお答えでございます。
北部地域の振興を図るための施策・事業を推進するに当たっては、所要額の確保や国庫補助制度における特別の財源措置、市町村の財政負担を軽減するための制度上の特別の措置など特段の配慮が講ぜられる必要があると考えております。
このような観点から北部振興基金を創設し、同基金の活用を通した農林水産業や観光・リゾート産業等の振興に向けた諸施策を円滑に進めていきたいと考えております。
次に、北部振興策を沖縄経済振興21世紀プランの中でどのように位置づけるかとの御質問へのお答えでございます。
沖縄経済振興21世紀プランは、多くの具体的なプロジェクトが提案されており、北部振興に関連するプロジェクト等も含まれております。今後、最終報告に向けて国際情報特区構想やゼロエミッション・アイランド沖縄構想などが具体化されることとなっております。
観光産業の新たな展開や情報通信産業の誘致、環境共生型のモデル地域の形成等を目指す環境ビジネスの展開など、北部振興の観点から具体的な事業が盛り込まれるよう取り組んでいきたいと考えております。
沖縄経済振興21世紀プランと北部地域の振興策は、将来的には具体的な施策・事業として新たな沖縄振興計画に織り込み、継続して取り組んでまいります。
次に、北部振興策は定時、大量、低コストの輸送手段である鉄軌道の導入やモノレール等の北部延長は必須と思うがどうかとのお尋ねでございます。
北部地域の活性化に向けては、圏域内外との多様な交流を支える基盤としての交通・情報通信基盤の整備が重要であります。
こうしたことから、交通基盤の整備の促進や交通ネットワークの強化を図りつつ、本島内陸上交通の利便性向上に向けて新しい交通システムの導入可能性を検討していくこととしております。
次に、国連アジアセンターを沖縄に誘致すべきと考えると、沖縄サミットでも提言できるよう政府に働きかけるつもりはないかということへのお答えでございます。
国連などの国際機関を誘致することは、我が国の南における交流拠点の形成、太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)の形成を目指す本県にとって大きな意義を持つものと考えております。県としては、アジア・太平洋地域の経済発展の持続と平和で安定した国際関係の構築に向けて沖縄が果たす役割等を総合的に検討する中で、国連などの国際機関の誘致についても前向きに検討してまいりたいと考えております。
次に、介護保険について未整備が目立つが実態はどうかということへのお答えでございます。
介護保険施設については、平成11年度末までに特別養護老人ホームが4065人、老人保健施設が3732人分が整備できる見込みであり、全国平均の2倍の整備率となっています。
在宅サービスについては基盤整備がおくれておりますが、介護保険制度では民間事業者など多様な主体がサービスを提供できることになっており、事業への参入が期待されています。介護報酬がまだ確定していないこと等もあり事業者の動きは活発とは言えない状況でありますが、市町村と事業者の意見交換会等を開催し整備に努めてまいりたいと考えております。
離島、小規模町村など事業者の参入が厳しいと思われる地域については、平成11年度から離島に講師を派遣して研修を行ういわゆる出前方式によるホームヘルパーの養成を行っているところですが、さらに事業者の参入を促進するための検討を行ってまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険制度についての2つの質問に順次お答えいたします。
まず、保険料や利用料が払えないため介護サービスを受けられない方が続出すると思うが、我が県ではどうかとの御質問にお答えいたします。
介護保険制度では、低所得者の方々の保険料や利用料について一定の軽減措置が設けられております。
さらに、10月29日に与党3党から申し入れのあった高額保険料対策等について政府の考え方が示されましたが、これらの施策により解決できることと思われます。
まず、保険料につきましては平成12年4月から半年間は高齢者の保険料は徴収しない、その後の平成12年10月からの1年間についても2分の1軽減できるようにし、その分を国で負担することとしています。
また、利用料につきましては、現在ホームヘルプサービスを利用している低所得者の利用者負担は、当面3年間は3%に軽減する等が行われることとなっております。
なお、利用料につきましては、1割の自己負担が一定額を超えた場合は頭打ちとする高額介護サービス費の制度がありますが、低所得者については負担の上限を低くするなどの特例が設けられています。
次に、介護保険の対象外となる方々の対策不備により福祉サービスが低下することが予想されるが、我が県ではどうかとの御質問にお答えいたします。
ことしの10月から要介護認定が開始されていますが、その結果、「自立」と認定された方については介護保険の円滑な実施のための対策としてサービスの拡充が求められています。
国においては、介護予防・生活支援事業を創設し、要介護状態になることを予防するための事業やひとり暮らし老人の生活支援事業を市町村がそれぞれの地域の実情に応じて実施できることになっています。
市町村においては、介護保険事業計画を策定するとともに、現在実施されている老人保健福祉計画の見直しを行うことになっております。
県としましては、これらの施策や健康づくり、機能訓練事業など計画を盛り込み、介護保険制度の対象外となった方々の福祉サービスの充実強化を図るよう指導を行っているところです。
次に、緊急少子化対策について、少子化対策臨時特例交付金の交付額の内訳を公表していただきたいとの趣旨の御質問にお答えいたします。
少子化対策臨時特例交付金は、各市町村において保育所待機児童の解消を初めとする地域の実情に応じた少子化対策の効果的な創意工夫による幅広い保育、教育等の事業に対し国が交付するものであります。
今回、市町村に交付された金額は約54億円で、その内訳は保育関連が約40億円(74%)、教育関連が約10億円(19%)、その他約4億円(7%)となっております。
市町村においては、この交付金を活用し平成13年度までに保育所の増改築や遊具の整備等を行い、地域の子育て支援を積極的に推進するとともに、平成14年度までに保育所待機児童の解消を図る予定であります。
○総務部長(與那嶺恒雄) 県財政の立て直しについて、行財政改革でどの程度の改善を見込んでいるかについてお答えいたします。
県は、21世紀の自立した沖縄県を目指して県民起点の行政の推進という理念のもとに地方分権時代に対応した沖縄県ならではの行政運営、効果的かつ効率的な行政運営及び適切なパートナーシップの構築の3点を軸とする新たな行政システム改革大綱を策定し行財政改革に取り組む予定でございます。
そのため、これまで事務・事業等を総点検し見直すとともに、去る11月26日には沖縄県行政システム改革大綱案を県民に公表し、県民の意見を聞いた上で来年3月末までに平成12年度から3年間を実施期間とする新たな大綱を策定する予定であります。
この行政システム改革大綱案は、一般行政職員を5年間でおおむね530人程度削減すること、県の事務・事業のうち880件を見直すこと、県債の発行限度額や減債基金の確保について数値目標を設定することなど、より具体的な内容となっております。
これらの見直し等により見込まれる改善額等については、これからの予算編成等を経て3月までに明らかにしていきたいと考えております。
次に、外郭団体の整理統合計画についてお答えいたします。
公社等外郭団体の整理統合については、平成8年度以降これまで廃止2件、統合6件及び事務局統合1件を実施しており、さらに人材育成財団と国際交流財団を平成12年4月1日までに統合すべく取り組んでいるところであります。
また現在、公社等外郭団体の役職員数の見直しを含む組織の統廃合や事業の合理化、経営の改善を図るため改めてその事業内容、効果等を点検しているところでございます。
これらの検討結果、公社等外郭団体の整理統合計画を策定し、平成12年3月までに策定予定の新たな行政システム改革大綱に反映させる予定でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 県財政の立て直しに関連いたしまして、県試験研究機関等の予算が極端に縮小されオリジナリティーな開発に支障を来しており、このような点に十分配慮すべきではないかとの御質問にお答えいたします。
21世紀の沖縄の経済社会及び文化を発展させ、基地依存、財政依存の経済から脱却した真の経済的自立を実現するためには、産業の振興や地域の活性化及び県民生活の質の向上に寄与する研究開発を今後とも積極的に推進していくことが重要であります。
そのためには、研究員や技術者の適切な配置や必要な予算の確保を初め、大学や県試験研究機関並びにトロピカルテクノセンターを含めた民間企業との間の連携についてもなお一層の強化を図りながら、既存産業の高度化や新たな産業の創出などに結びつく研究開発を積極的に推進していく必要があります。
こうした取り組みに当たっての具体的な方策を明らかにするため、現在、沖縄県科学技術振興大綱の策定に向けて鋭意取り組んでいるところであります。
御指摘の件につきましても十分に配慮してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(友寄信助) 以上をもって代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明8日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後9時6分散会