平成11年(1999年) 第 7回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 12月 9日
 


○議長(友寄信助) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 昨日、知事からお手元に配付いたしました議案2件の提出がありました。
 次に、11月29日から12月6日までに受理いたしました陳情9件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会及び議会運営委員会に付託いたしました。
 次に申し上げます。
 昨日の議会は、都合により8人の一般質問を残したまま延会いたしました。
 よって、本日の一般質問は、お手元に配付の一般質問通告表の順位に従って12月8日2番の兼城賢次君から順次行うことにいたします。
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○議長(友寄信助) この際、念のため申し上げます。
 本日及び明日に行われます一般質問の時間については、議会運営委員会において13分間とすることに決定されました。
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○議長(友寄信助) 日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第5号議案まで、乙第1号議案から乙第45号議案まで及び認定第1号から認定第20号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 兼城賢次君。
   〔兼城賢次君登壇〕
○兼城 賢次 おはようございます。
 質問をいたします。
 知事は、普天間飛行場の代替施設の移設先をキャンプ・シュワブの辺野古沿岸海域に決定をいたしました。移設先は、SACOに沿い当初から想定された場所であります。
 昨年12月ごろから普天間問題は、今後6カ月間が重大な時期になるとキャンベル米国防次官補が表明し、クリントン大統領は沖縄でのサミット開催に絡めて、我々が行くまでにはすべての未解決の問題が解決していることを願っている、問題を残したままで行きたくない、すべて解決することを願っていると発言を続けてきました。
 これはアメリカの基地問題とサミットをリンクした外圧との批判が出てくると、これは圧力ではなく、アメリカが沖縄基地問題の解決に真剣に取り組む考えを表明したにすぎないなどと外圧論を弁明してきました。
 後に述べる日本政府のオペレーションプランでの解説とはニュアンスは違いますが、しかし日本政府にとってはアメリカ大統領の発言は無視するわけにはいかないのであります。
 日本政府や関係者がサミットと基地問題は別と言っても、当事者たちでさえしらじらしく思っているのではないでしょうか。県民がそのことを感じとらない方がおかしいのではないでしょうか。
 今回の辺野古沿岸地域への知事の受け入れを、マスコミはこぞって日本政府のシナリオに従った筋書きどおりの手順に従ったものであるとしております。
 沖縄の米軍基地問題の今後の進め方、オペレーションプランというのが報道されております。政府というのはここまでもやるのかといった感じで、同時に県民や知事もそこまでおとしめられるのか、よくも見くびられたものだと思います。それが内心相手がそう思ってこちらも相手がそう思っているかもしれないというのは、力関係ではそれをよしとして甘んじることではないのですが、予想もでき力関係において認識せざるを得ないこともままあるものであります。しかしこうもあからさまに報道されて見せつけられると何とも無念で悲しいものであります。
 知事は、報道されているたぐいの政府の沖縄マニュアルを見たことがあるか、ないか。いずれでも構いませんが、事実このような沖縄の米軍基地問題の今後の進め方、オペレーションプランがあることであります。
 移設先受け入れの日程や方向性としてたまたま知事の行動と重なったかもしれませんが、それにしてもこの沖縄マニュアルと知事側の動きとその整合性、偶然性にしては確率が高過ぎ、報道の信憑性と政府による介入とも言うべきリーダーシップを読み取るのは県民の大方の心情ではありませんでしょうか。
 知事の言う沖縄の当事者能力を発揮する主役であることを内外にアピールするものであり、また沖縄がみずからの意思と責任を示すことによって基地問題の解決に向けた新たな将来展望を切り開くことにもつながると率直に受け取れるようなものではありません。また、苦渋の選択だったと県民の多くが理解するものでありましょうか。
 これら一連の動きから透けて見えるのは、何ともむなしくうつろに聞こえるものであります。
 知事は、移設条件として軍民共用、15年の期限限定としつつ、当該地域が臨空型の産業振興をもって対処するとのことであります。
 さて、米国防総省は15年使用限定についてベーコン国防総省報道官は、米軍の使用期限と沖縄駐留について使用期限を設けてないと表明しております。
 一方で、アメリカ政府高官の発言を裏づけるかのようにマスコミによれば、普天間飛行場の代替施設で米国防総省の報告書が1997年9月29日付でまとめた「普天間海兵隊航空基地の移設のための運用条件及び運用構想(最終案)」が米太平洋軍、海兵隊司令部などの実務者が、SACOで合意したキャンプ・シュワブ沖への代替海上基地の機能や運用条件を詳細に分析しております。
 その運用期間の項目で、「海上基地とすべての関連施設は、運用可能期間として最低でも40年あるべきだ」とし、「200年の耐久年数を維持するように設計されるべきだ」としています。
 この報告書に防衛関係者のコメントとして、「普天間代替施設の使用期間を、少なくとも40年とみている米軍の意向の表れで、米側が簡単に譲歩することはない。移設形態が海上へリポートと異なる陸上案、埋め立て案になっても、使用期限の考えは同じだろう。ハードルは高い」としております。
 昨日の国会で照屋寛徳参議院議員の質問に政府は、使用期限を15年とすることは実行不可能であると答弁をいたしました。
 これについて知事はかつて私の質問の中で、国の考え方であって、県は県独自に検討していくとのことでありました。そのことをよしとするものであります。
 当局も承知している米国防総省報告書をあえて引用いたしましたのは、アメリカの心構えみたいなものを見る思いがするからであります。残念ながら日本政府は、沖縄の基地問題になると私どもから見れば身内でありながらかたきみたいなところがあります。とにかくつくってしまえ、その後は何とかなるのシナリオが見えます。許すわけにはいかないではありませんか。
 政府の沖縄マニュアル、シナリオが幾つあるかわかりませんが、その1つに移設問題の合意は15年後に見直すというものであります。いろいろあるようですが、引用した米国防総省の報告書は単なる机上の作文と受けとめるわけにはいきません。15年後にまた見直しましょうということで移設受け入れが進められているのであれば、知事の受け入れは県民に対する裏切り行為と言わざるを得ません。
 アメリカは、事が進んでいくに従い要求をエスカレートさせております。辺野古沿岸海域に軍民共用空港を前提として非公式とはいえ軍民共用の見返りとも言うのか、米軍はキャンプ瑞慶覧の米軍住宅と隊舎移転、代替施設の大型軍用機による離着陸などの要求をしております。これは非公式だから相手の勝手の希望というわけには済みません。
 米国防総省の戦略から見れば、これらは十分想定してのことと理解をしなければなりません。次々と出てくるアメリカの要求や要望はとどまるところがありません。
 知事、15年使用期限は感触や重く受けとめるなどというわけのわからぬあいまいなもので折り合いをつけるようなことがあってはならないのであります。まずはそのことについて知事の御所見を賜りたいと思います。
 次に、知事が「県民の皆様へ」の中で辺野古沿岸を移設先と決定した理由3点を明示してありますが、どのような根拠でなされたのか。
 2番目に、北部の振興策の県案は北部市町村とのかかわりはどうなっているのか、説明を願いたいと思います。
 次に、嘉手納ラプコンの解除についてでありますが、これは社民党は関係者に申し入れをいたしております。
 今回のトラブルで沖縄の空の危険性や航空関係者の不安は嘉手納ラプコンの返還問題にとどまらず、沖縄本島には米軍の独占的訓練空域が20カ所もあり、民間機の安全運航の面からも見直しが必要だと言われております。
 そこでお聞きをいたします。
 今回の事故発生から那覇空港事務所への連絡が4時間後というのは通報体制はどうなっているのか。
 (2)点目に、レーダー進入管制権の日本への移管の見通しはどうなのか。
 (3)点目に、沖縄本島における米軍の独占的訓練空域が20カ所もあるが、見直しの申し入れをすべきと考えるが、どうなのか。
 次の3点目は、都合により次回に質問をいたしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
 最初は普天間の問題で、15年使用期限は感触や理解されたというあいまいなものだと、折り合いをつけるようなことがあってはならないと、その所見を聞きたいということへのお答えでございます。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
 政府からは、極めて厳しい問題であるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
 基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設けることが必要であると考えており、今後とも強く主張してまいります。
 次に、嘉手納ラプコン管制レーダー事故について、通報体制はどうなっているのかということ、レーダー進入管制権の日本への移管の見通しについて、3番目の米軍の独占的訓練空域の見直しを申し入れるべきではないか、3点をまとめて一括してお答えいたします。
 去る11月11日に発生した嘉手納ラプコンの故障によって、県民及び観光客の足である航空機の離発着に大きな影響が出たことは極めて遺憾であります。
 県は、今回の事故を重く受けとめ、翌12日、嘉手納基地渉外部、在日米軍沖縄地域調整事務所等に対し、嘉手納ラプコンの早急な復旧と原因の究明、再発防止に万全を期すよう強く要請しました。
 また、嘉手納ラプコンの問題については、平成7年11月に日米地位協定の見直し要請の中で、那覇空港の進入管制業務の日本への移管について日米間で協議するよう申し入れております。
 さらに県では、基地を抱える都道県で構成する渉外知事会を通して、毎年嘉手納ラプコンの問題とあわせて民間航空路線と重なる訓練空域については、民間機の安全確保を図るため空域解除等特段の措置を講ずるよう要請を行っております。
 また、事件・事故発生時における通報体制については、SACO合意を受けて日米合同委員会で通報手続が定められております。
 なお、政府は、去る11月18日に嘉手納ラプコンの問題について日米合同委員会で返還について協議に入るよう米側に求めております。
 県としては、事件・事故が発生した際の速やかな通報及び那覇空港の進入管制業務の日本側への移管並びに訓練空域の解除について関係機関に対し引き続き要請していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員の普天間基地の移設問題に関連して、辺野古沿岸域を移設先と決定した理由を3点明示してあるが、どのような根拠でなされたかという御質問にお答えをいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、1つ、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2つ、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3つ、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4つ、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目を基本方針に設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
 これらを総合的に判断して、1、米軍基地の整理縮小が図られること、2、騒音の影響を比較的小さくすることができること、3、地域振興の促進に寄与することができることの理由から、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達したものであります。
○企画開発部長(宮城正治) 普天間基地の移設問題の関連で、北部の振興策の県案は、そして北部市町村とのかかわりはどうなっているのかという御質問にお答えいたします。
 北部地域は豊かな自然に恵まれ、これからの発展にポテンシャルの大きな地域でありますが、中南部地域の発展に比べその振興がおくれております。
県全体の均衡ある発展を目指す上で北部地域における定住条件を整備し、活力ある地域として振興を図ることは北部地域の発展のみならず、同時に過密が著しい中南部地域の居住環境の改善にもつながるものであります。
 こうした観点から、県としては北部地域の振興を県政の重要な課題であると受けとめ、北部市町村会から要望のありました北部地域の振興発展に関する支援の考え方を踏まえ、北部地域の共通課題や施策、北部12市町村の固有の課題や施策等について各市町村長や議会議長、企画担当部課長等との意見交換を行いまして北部振興についての考え方を取りまとめたところであります。
 こうした考え方をもとに、県知事と北部市町村長連名で要望書を策定し、去る12月2日、青木官房長官に対しその実現方を要望したところであります。
 以上です。
○兼城 賢次 知事、この移設先を決定した3点を明示した根拠を説明してくれという質問をいたしますというと、書かれたことをなぜこの1点、2点、3点を根拠としたかということの資料を根拠ということで説明を求めたのに対して、その結論を答弁している。これではやはりこの1点、2点目、3点目をそうですかというわけにはいかないということで昨日から当局に資料の提供を求めているわけであります。
 こういう沖縄の将来にかかわる大事な議会に、審議の前提となる資料要求にも対応できない現在の執行部の私はだらしなさであると、残念であります。沖縄の将来にかかわるこの大事な審議になぜ出せないのか。本来問わずとも議会への資料提出がなされなければならない性格のものであります。なぜ資料の整理さえできない状態で急いでどたばたと受け入れを表明しなければならないのかの説明もお願いしたいと思います。
 次に、15年使用期限について、知事はこれからもずっと主張するということをおっしゃっておられます。しかし実態が伴わない感触や相手が重く受けとめるというようなことでは我々納得するわけにはいきませんので、しかとしたものを見せてくれなければ県民も納得しませんので、このことを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、先ほど指摘しましたように1点、2点、3点、これはなぜ縮小したかということの根拠を要求したにもかかわらず、その縮小のことばかりを言っている。これは大変県民に対する不親切だと私は思います。結論が決して先に来るんではなくて、そういう議論の過程の中でなぜこういう結果になったかということの資料が出せないような審議というのは本当に情けないのであります。
 また、実態としてもシュワブ沖は広大な水域でございます。ここも新しい基地ではないというけれども、実際には現在5・15メモなどで使用されているわけですから、そういうことも含めて考えた場合に決して新しく基地が縮小されるのだというようなことではないということ。
 それからこの北部の先ほどの振興もつけ焼き刃的な感じがすると。
 なぜなのかといえば、やはり最初県案では20万人広域圏ということを設定したにもかかわらず、幾日もせずに15万人の広域圏に修正したのはなぜなのか、こういうようなつけ焼き刃的な発想では本当に地域の振興にはならないだろうということを申し上げたい。
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の再質問の件でお答えをいたします。
 15年の期限につきましては、今後とも粘り強く、強く主張してまいります。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員からの再質問の中で、なぜ資料を出せないのかと、説明方ということでございます。
 普天間飛行場の移設候補地の選定に至るまでの資料につきましては、去る11月22日に知事が移設候補地の選定結果を公表した際に各議員に知事のコメント、それから普天間飛行場の移設についての冊子を配付してございます。
 その資料の中に普天間飛行場返還問題の経緯と背景、それから県の基本的考え方、それから移設候補地の選定理由、移設に当たって整備すべき条件等について掲載をしてあるので御参照をしていただきたいと思います。
 なお、詳細な比較表等につきましては現在整理中でございます。できるだけ早く提供できるように努力しておりますので、御理解いただきたいと思います。
○兼城 賢次 議長、ちょっと休憩願います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午前10時27分休憩
   午前10時28分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) お答えをいたします。
 先ほども各議員に配付してある資料の中にいろいろと細かく書いてございます。その選定理由、例えば1つ、米軍基地の整理縮小が図られることという1点目でございますけれども、……(発言する者多し)
○議長(友寄信助) 静粛に願います。
○知事公室長(親川盛一) 現在の普天間飛行場を縮小し既存の米軍施設・区域に移設することにより沖縄の米軍施設・区域の面積を確実に縮小できることから、県民の希望する基地の整理縮小を着実に進めることができるということ。
 それからもう1点目は、騒音の影響を比較的小さくすることができることであります。離発着時において集落への騒音を軽減できる、また海域に飛行訓練ルートを……(発言する者多し)
○議長(友寄信助) 静粛に願います。
○知事公室長(親川盛一) 設定することにより、移設先及び周辺地域への騒音の影響が軽減できるということであります。
 3点目の地域振興の促進に寄与することができることにつきましては、軍民共用空港を設置することにより新たな航空路の開設や航空機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成することができ、移設先及び周辺地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につながり、ひいては県土の均衡ある発展を実現することができること等であります。
 それから、航空整備による交通ネットワークの形成が期待できると、こういうことを理由に選定したことであり、なお、これにつきましては法的拘束力はございませんので御理解いただきたいと思います。
○兼城 賢次 知事公室長…… (発言する者多し)
○知事公室長(親川盛一) 失礼しました。法的根拠はございませんので御理解願いますと言っているわけです。(議場騒然)
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午前10時30分休憩
   午前10時36分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) お答えをいたします。
 飛行ルートにつきましては、法律上こうしなきゃならないという根拠はございませんが、先ほど申し上げました基本的な考え方に基づいて最終的には国が決定するわけでございますので、国にその旨要望していきたいということでございます。
○伊波 洋一 この1年の稲嶺県政を見ると、新平和祈念資料館では県民や監修委員会に隠して展示改ざん作業を進めたり、普天間基地の県内移設でも県民に検討結果を明らかにすることなく決定するなど、県民に開かれた県政でないことは明らかになっております。県政の公開性、透明性が著しく損なわれていることを知事は県民にどう釈明するのですか。
 稲嶺県政は、沖縄県政の主体性を放棄していると多くの県民が考えています。稲嶺知事の言う主体的な実行型県政とか泥をかぶるというのは、日本政府や土建業界などのために泥をかぶって政府シナリオどおりに県内移設を強行するということですか。
 特別調整費100億円の使途は、これまで政府官僚がアイデアやメニューを出したと報じられております。今議会でも外国の有名デザイナーに委嘱して新たなかりゆしウエアをつくり、サミットで各国首脳に着てもらうために1億2000万円の予算支出が提案をされております。
 100億円の調整費は県みずからが考えて支出しているのか、それとも日本政府が考えて支出をしているのか。ほかに県として幾つもの提案があったのか、具体的に明らかにしてもらいたい。
 また、今回のかりゆしウエア予算について県民の納得のいくよう説明願いたい。
 平和資料館の問題について伺います。
 稲嶺知事は、10月7日付新聞で報じられた3月23日の「あまり反日的になってはいけない。」、7月23日の「当初の案とほとんど変わっていない。県政は代わったのに。」等の発言報道は事実か。事実ならば明らかな展示変更指示であり、知事は県民に謝罪するべきだと考えるが知事の見解を伺いたい。
 八重山平和祈念館の展示改ざん問題を八重山地元関係者や監修委員会などと協議する場に、同問題を杞憂と言ってはばからない比嘉良彦政策参与を出席させて、あえて担当部局と違う意見を言わせているのはどうしてか。
 知事は、現在どのような特命を比嘉政策参与に命じているのか。比嘉政策参与の会議への出席は、問題解決を妨げることになるので取りやめさせる考えはないか。
 新平和資料館展示の業者への指示にもなった、基地に起因する事件・事故より、県内における事件・事故が多かったことも念頭に置くという牧野副知事の発言の真意を伺いたい。
 また、牧野副知事は7月23日の会議で、国家に対する認識が全く異なる。展示作業そのものをストップしたらどうかと発言をしたのかどうか、説明願いたい。
 知事の展示変更指示のために展示作製作業に半年のおくれが懸念されるが、県知事は来年3月の開館に間に合わせるために製作現場の要望を最大限に尊重すべきだと考えるが、見解を伺いたい。
 普天間飛行場の県内移設問題について。
 普天間飛行場の県外移設、国外移設が現実的でないという根拠を示してもらいたい。稲嶺知事は、いつまで沖縄県民に安保の重荷を負担させる考えか。
 1992年のフィリピン基地からの完全撤去、今月末のパナマからの完全撤去、米プエルトリコ自治領ビエケス島の米海軍実弾射爆場の5年以内の閉鎖決定など住民の闘いの強い反対運動が米軍の反対を押し切って実現させた。これらは現実的ではないのか。
 冷戦の終了後、ソ連邦の崩壊で米軍の兵力はこの10年間で激減している。ドイツでは88年の25万1000人から98年の6万人へと実に19万1000人も減っている。
 1988年から1998年の10年で米国防予算、米軍兵員数は幾ら減ったか。特に海外の米軍はどのように削減されているのか。また、米軍基地はどのように削減されているのか。総数、海外、国内別に説明してもらいたい。
 フィリピンの米軍基地は1992年にすべて閉鎖され、中米のパナマでも今月すべての米軍基地が閉鎖される。両国の閉鎖に伴いフィリピンからは1991年に空軍特殊部隊が沖縄に移駐し、フィリピンでの訓練が沖縄に上乗せされた。
 パナマでの閉鎖を見越して1998年3月に世界で唯一のジャングル戦闘センターが沖縄北部地域に新たに設置された。北部訓練場の返還に伴う新たなヘリパッドづくりもオスプレイ配備に備えたものだ。
 稲嶺知事の辺野古沿岸域への海兵隊航空基地建設決定は、米軍の戦闘戦略拠点づくりの一環である。世界じゅうの海兵隊だけでなく陸軍、海軍、空軍の特殊部隊戦闘訓練が本島北部に一極集中することになる。実現したら今までの何十倍もの基地被害を北部住民は受けることになるだろう。稲嶺知事はそのような重い負担を北部住民に押しつけることをちゅうちょしないのか。
 稲嶺知事は、騒音の影響を比較的小さくすることができるとしているが、どのような根拠に基づくのか。飛行場のないところで比較的という判断は妥当な表現か。どことの比較か。想定している騒音の大きさをデシベルで明らかにし、環境基準値との比較を明確に示してもらいたい。
 海域に飛行訓練ルートを設定することにより、移設先及び周辺地域への騒音の影響を軽減できるとしているが、本当に海域に飛行ルートが設定できるのか。そのことを日米は合意しているのか。
 米軍の演習や訓練を日本政府が制限できないことは、嘉手納基地でのパラシュート訓練の強行実施や民間地域での武装行軍などとめることができないことで明らかではないか。明確な答弁を求める。
 普天間飛行場の離発着する米軍ヘリや米軍機の飛行回数は年間何万回か。
 離発着している米軍ヘリや米軍機の機種ごとの回数と騒音の大きさはどうなっているか。また、普天間基地所属の航空機事故件数は復帰後何回になったか。
 航空機の離発着時において集落への騒音を軽減できるとしているが、想定している滑走路の位置と対象にしている集落を具体的に明確にしてもらいたい。
 知事の言う辺野古への軍民共用空港建設は、普天間飛行場そのものの移設にほかならず、米軍は大喜びしているだろう。早速大型機の離発着などの要求を米軍はしてきている。大型米軍機の騒音について県はどのように認識しているか。
 普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策会議は、突然休日に初めて開催して辺野古への移設を了承したと報道されている。事前には全体会議がなく、検討資料の配付なども各委員にはなかったのか。当日はどのような資料を配付し検討がなされたのか。
 辺野古沿岸域の自然環境の現状を説明願いたい。
 また、移設候補地決定に当たって自然環境保護担当部局は、自然保護のための検討を指示されたのか。普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策会議での自然環境保護の検討内容を説明願いたい。
 藻場は、自然の養殖場とも言われるように魚類が繁殖のために産卵する場所である。移設地の辺野古沿岸域には広い藻場があり、今後の沿岸漁業への影響が懸念される。農林水産部において辺野古沿岸域の藻場と沿岸漁業との関係をどのようにとらえているか。
 県知事は、代替施設の建設については自然環境への影響を極めて少なくするとしているが、沿岸域の埋め立てによる広大な米軍基地建設は自然護岸やサンゴ礁を破壊し藻場を埋め立てるものであり、第一級の自然環境を最大限に破壊するものではないのか、御説明願いたい。
 知事は、既存の米軍施設・区域内に移設することを強調しているが、提供水域を埋め立てて海兵隊航空基地を建設することを新たな米軍基地建設と知事は認識していないのか。
 名護市民投票について。
 名護市辺野古沖へのヘリ基地建設は、2年前の名護市民投票で明確に否定されているにもかかわらず知事が辺野古沿岸域を移設先に選定したのは、市民投票の否定、住民意思の否定ではないか。知事の名護市民投票に対する考え方を伺いたい。
 宜野湾マリーナ拡張のための埋立用地について。
 宜野湾マリーナに面する同埋立地の土地利用に当たっては、同地域が本県のリゾート・コア地域であることを実現する方向で行うべきだと考える。同埋立地の所管は港湾課であるが、県が残りの埋立地を処分する際、リゾート・コア地域にふさわしい利用形態になるよう行う考えがあるかどうか、見解を伺いたい。
 宜野湾、北谷地域では、嘉手納基地の地下水や比謝川から取水された原水を使っているために硬度が高く、また水質に対する評価もよくない。県は、海水淡水化施設の建設や高度化処理などで対処しているが、利用者の水道水への地域の苦情は減っていない。
 軟水化施設の建設なども重要だが、倉敷ダムによる北部河川水の利用に加えて国ダムの水利権の拡大によって北谷浄水場でもヤンバルの水を地域住民に届けてもらいたい。当面は未利用の工業用水の一部を水道用水として利用できるようにしてもらいたいが、県の考えを伺いたい。
 県の最大の産業である観光産業を飛躍的に発展させて沖縄を国際的なリゾート・観光地にしていくために、那覇空港の沖合展開による平行滑走路の増設と国際旅客ターミナルの整備が必要だ。県は、那覇空港沖合展開プロジェクトを最優先に取り組むべきだと考えるが、知事の見解を伺いたい。
 代表質問との関連でありますが、知事は軍民共用空港を県民の財産だと強調しているが、辺野古沿岸域の第一級の自然環境をかけがえのない県民の財産とは考えないのか。
 辺野古沿岸域への決定において、場所や形態も決定しないで最終的には国に決定させるというのは白紙委任状を出すようなものであり、それで沖縄県知事としての責任を果たしていると言えるのか。
 以上、答弁を聞いて再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、資料館、普天間飛行場、その検討結果を明らかにせず、公開性、透明性が著しく損なわれていると、どう釈明するかという御質問へのお答えでございます。
 私は、県政運営に当たっては県民の気持ちを酌み、県民の英知を結集し振興開発の推進、基地問題の解決等あらゆる分野で国・県・市町村の連携を強化して諸事業が停滞しないようスピーディーに対応できる体制を確立することが極めて重要なことと考えています。
 このような観点から、広く県民の立場に立って民主的な手続を踏まえた意思決定を行い、県勢発展と県民福祉の向上に全力を傾注しているところであります。
 次に、政治姿勢について、稲嶺の言う実行型県政とは政府や業界のために泥をかぶってシナリオどおりに強行するということなのかという御質問へのお答えでございます。
 普天間飛行場の県内移設については、知事選の際の私の選挙公約に掲げております。
 できるものから確実に一つ一つ解決していくことにより、基地の整理縮小を着実に進めることは多くの県民の意思に合致するものであると考えています。
今回の移設候補地を決定するに当たっては、県としての判断に基づき主体的に作業を進めてきました。
県民の暮らしと安全を守る責任者の立場から、普天間飛行場の早期返還を願望に終わらせず現実のものとするためには、責任ある代替案を主体的に提示することが行政の責務であると考え移設候補地を選定することにしたものであります。
 10月7日付の新聞報道によると、3月23日、「あまり反日的になってはいけない。」、7月23日の「当初の案とほとんど変わっていない。県政は代わったのに。」という発言は、事実なら変更指示であり謝罪すべきであると、見解を伺いたいということであります。
 新聞等で報じられた私の発言は、以前に大田前知事と韓国の戦争資料館を見に行ったことがありますが、そこが一貫して反日の基本政策をとり、残虐な場面は大人の目線の高さまでカバーして子供に見えないようにしていたのが印象に残っていたので、その感想を述べたものであります。
 また、当初の案と変わっていないと言っているのは、私は常々世界平和に結びつくような資料館であってほしいと話していたわけです。
 具体的なものでは、私たちの先人が異質のものを受け入れる寛容な心を持ってアジアの国々のかけ橋として活躍していた琉球王国時代、これを沖縄からの平和の発信の象徴的なものとして展示に生かせたらいいというのが私の希望でありました。
 しかしながら事務局から、本事業が既に展示構想、展示計画を踏まえて展示内容を具体化する段階であり、それは検討できる段階ではないとの説明を受け了解したというものであります。
 新平和祈念資料館については、沖縄戦の実相をきちんと伝え、世界の恒久平和に結びつけていくようなすばらしい資料館をつくっていくことが私の務めであると考えております。
 同じ資料館の問題で、八重山平和祈念館の展示内容検討会議に政策参与を出席させたのはなぜかと、それからどのような特命を命じているかということと、問題解決を妨げることになるので取りやめさせる考えはないかという御質問に対してのお答えでございます。
 政策参与の職務は、知事が特に命ずる事項に関して調査研究し進言することであり、当面、基地問題、平和行政に関する事項を担当させているものであります。この業務の一環として八重山平和祈念館の検討会議へ出席し意見交換を行っているものであります。
 次に、普天間飛行場の移設問題についてです。
 1番は、県外移設、国外移設が現実的でないということの根拠を説明してほしいと、いつまで県民に安保の重荷を負担させるのかということと、フィリピンとパナマ、プエルトリコの閉鎖決定など住民の強い反対運動で実現したと、これは現実的でないのかという点についてあわせてお答えしたいと思います。
 普天間飛行場の返還問題については、前県政が精力的に取り組みSACOの合意に至っています。返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには、今一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくる。より危険度の少ないという関係でこれを第一歩にして次々と解決を図っていくしか我々には道はないと述べ、現実的に対応する姿勢を見せましたが、結果的には県内移設反対の立場に転換して普天間飛行場問題は膠着状態に陥りました。
 普天間飛行場の県内移設については、知事選挙における私の選挙公約として掲げ、知事就任後県内移設に向けて取り組んできたところであります。
 国外、県外移設については、日米両国政府が厳しい見解を示しており、両国政府の理解が得られないままで普天間飛行場のもたらす深刻な状況が固定化してしまいます。
 県としては、解決の展望が見えないまま県外や国外への移設に固執するのではなく、早期返還を現実のものとするためには県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しています。
 県としては、普天間飛行場の移設を契機に50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、さらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいくことが必要であり、特に国へ強く要望いたしております。
 次に、辺野古地域への海兵隊航空基地建設決定は非常に大きな基地被害を北部住民は受けるようになるだろうと、そのようなことをちゅうちょしないかとの御質問に対するお答えでございます。
 普天間飛行場の移設候補地については、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから米軍施設・区域の面積を確実に縮小できるものと考えております。移設により地域に新たな負担が生じることになることから、その負担を軽減するほか、あらゆる観点からさまざまな配慮がなされなければならないと考えております。
 普天間飛行場の移設候補地の選定に当たっては、基本方針の一つに住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されることを設定し、住民生活や自然環境への影響にも配慮して作業を行いました。
 また、国に県の考え方を提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設の建設については必要な調査を行い地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを国に申し入れております。
 次に、知事は既存の米軍施設・区域内に移設することを強調しているが、提供水域を埋め立てて海兵隊の基地を建設することを新たな基地建設と認識していないのかということへのお答えでございます。
 普天間飛行場の移設については、それ自体は新たな建設でありますが、県民が強く要望してきた普天間飛行場の移設を実現するための苦渋の選択であり、これによって県民の望む基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
 次に、辺野古沖のヘリ基地建設についてでございまして、辺野古沿岸域を移設先に選定したのは市民投票の否定、住民意思の否定ではないかと、知事の名護市民投票に対する考えを伺いたいとの御質問へのお答えでございます。
 名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁されているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
 県としては、政府の海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
 次に、那覇空港沖合展開プロジェクトを最優先に取り組むべきであるがどうかということでございます。
 島嶼県である本県では、航空路線は唯一の高速交通手段であり、県民のライフラインの確保や持続的な観光振興を図る観点から、那覇空港の沖合展開による平行滑走路の増設は最優先に取り組むべきプロジェクトであると考えております。
 先日、野中前沖縄開発庁長官にお会いしたとき、沖縄の発展のためには平行滑走路が必要であるとおっしゃっておられました。
 幸い、平成11年度沖縄特別振興対策調整費に那覇空港長期展望調査費が計上され、沖縄総合事務局が調査を実施しているところであります。
県は、ことし8月に那覇空港国際化プロジェクトチームを設置し那覇空港整備計画の県案の検討を始めており、早期に事業に着手されるよう国に対し働きかけていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(牧野浩隆) 伊波先生の御質問にお答えいたします。
 質問が2つあります。1つは、新平和資料館の業者への指示にもなった基地に起因する事件・事故より、県内における事件・事故が多かったことも念頭に置くという牧野副知事の発言の真意を伺いたいということでございます。
 お答えいたします。
 私どもは、沖縄をよくしていこう、立派な沖縄をつくっていこうという情念は皆変わらないと思います。そのためには真剣に論じ、考え、行動していくことが必要だと思います。決して感情レベルにとどまることではなくて、自分自身あるいは沖縄の置かれている状況を客観的に科学的に認識していくことが必要だということは共通に理解していただけると思います。
 ただ1つの例としまして、必ずしもそういうことがないのがあります。これは先生たちも御存じのことと思いますけれども、県警の発表しています犯罪の統計があります。
 あれを見ますと、米軍の起こす事件・事故と、県民の起こす事件・事故は、米軍の場合は1万人当たり9人の事故がありますけれども、県民の場合は1万人当たり18名という倍の事件・事故があります。
 事件・事故というのは人種とかそういうことに関係なく、そういったことはぴしゃっとちゃんとやっていかなきゃならないわけですけれども、そういうものに対しまして我々としましては適切に対応しているのかというそのあたりの自己反省が必要であるのかということを、そういうことを問題発言をしたわけでございます。
 そういった意味では、私の発言というのは全く善意からなされて、やはり沖縄をよくしていくためには自分たちも検証していこうというような意味から発言なされたものです。
 そういった意味で、その発言がなされたのはこの本ですけれども、(資料を掲示) この本が出されましたのが1997年の12月ですので、資料館の問題とは全く何の関係もありません。全く善意の発言そのものですから。
 しかしながら、伊波先生はどこであれしたかわかりませんけれども、資料館への指示にもなったということがありますけれども、そういうことは全くありませんので、そのあたりは誤解のないように主張しておきたいと思います。
 それからもう一つは、7月23日の会議で、国家に対する認識が全く異なる、展示作業そのものをストップしたらどうかという発言をしたということでございますけれども、これは、資料館をつくる目的というのは沖縄戦の実相を正しく伝えるということと、それからもう一つは悲惨な沖縄戦を二度と起こしてはならないという沖縄のメッセージを学ぶ場にするということも大変必要だと思います。そういった意味では私も県政の補佐役としてやはり資料館には新しい研究成果も取り入れていただきたいし、それから公の施設としてバランスのある展示館にしてもらいたいと思います。
 例えば、予算を見ますと総額で74億円、そのうち展示物が20億円前後、あとの50何億円というのが建物にあるわけですから、今の県政の補佐役として責任と義務などを考えた場合に、実相を伝える展示そのものについてはまさにちゃんと力を入れていかなきゃならないと思いますけれども、悲惨な沖縄戦を伝えるという場合の建物などにああいったものが今の県の厳しい財政状況の中でそういったことを果たして検証しないでいいのかというような、そういったのを疑問を感じた次第です。
 それともう一つは、やはり平和資料館の、沖縄の厳しい戦争を二度と起こしてはいけないという意味を学ぶ場にしなきゃならないんじゃないかというようなことを感じました。そういった意味では平和を守り、つくり、侵された場合に回復するためにはこれは何度もお答えしてきたところですけれども、現在では最高の理念として非武装中立的な発想とあるいは歴史的な体験から創設された現在の国際政治を動かしています国連憲章に基づいた集団安全保障政策ということがあるわけですけれども、それに対する認識というのはそれぞれの先生たちが自分の考えをお持ちのことはいいわけですけれども、どれが今の国際政治を動かしている、何を学ばなきゃならないのかということではそれぞれ考えが違いますので、そのあたりの安全保障観に対するちゃんとしたものも踏まえた上で我々は沖縄のメッセージを発するためには、そこで国際平和を維持していく、守っていくための考える場としての要素も必要であるんじゃないのかと、そういうことを申し上げた次第でございます。
 以上です。
○企画開発部長(宮城正治) 知事の政治姿勢の関連で、100億円の政策調整費についての御質問にお答えいたします。
 沖縄振興のための特別調整費100億円につきましては、本県の深刻な経済状況を考慮し効果的な展開が可能な沖縄振興策を実施するために第9回沖縄政策協議会で小渕総理大臣から示され、沖縄振興のための特別の調整費として計上されたものであります。
 県は、その使途について十分検討を重ね、国に要望し調整した結果、その実施が決定されたものであります。
 その主な内容は、特別自由貿易地域への企業立地の促進、情報通信産業の集積、北部地域の振興等、本県経済に対してカンフル剤として期待できる緊急かつ効果的なプロジェクトとしての6項目及び本県のリーディング産業である観光関連について、観光地主要アクセス道路の緑化や観光地標識の整備、離島の観光地での旅客待合所の整備等沖縄の特性を生かした魅力ある観光地づくりのための基盤整備等が事業実施されております。
 御指摘のかりゆしウエアについては、去る11月19日の沖縄政策協議会で沖縄のファッション産業を初め伝統染織物等の振興を図る観点から、サミット関連事業として検討をお願いし了承を得られたものであります。
○商工労働部長(宮城春一) 伊波洋一議員の政治姿勢の中の、かりゆしウエア製作に係る約1億2000万円の予算について県民に納得いくような説明を願いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 来年7月に開催されるサミットは、沖縄の文化や歴史、県産品を世界に発信する絶好の機会と考えております。
 このため、沖縄の素材、染織物等の特性を生かしたウエアを海外及び県内外の著名なデザイナーによって開発し、各国首脳を初めプレス関係者等にPRを行うなど沖縄を世界にアピールしたいと考えております。
 また、県民参加型サミットの趣旨を生かすため一般公募によりデザインを募集いたします。
 さらに、海外のデザイナー等を沖縄に招待して、沖縄の染織物を初め自然、歴史、文化等を紹介するとともに、県内デザイナー及び産地事業協同組合等との交流を通してデザインのクリエーション(創造性)を高めてまいります。
 この事業で開発したデザインについては、県の知的財産として縫製業等の関係業界への活用を図り、沖縄を象徴したブランド商品として観光客、県民、官公署等に普及を図り、観光・リゾート産業、ファッション産業及び伝統染織物等の振興発展につないでいきたいと考えております。
○文化国際局長(金城勝子) 伊波洋一議員の平和祈念資料館の問題についてのお尋ねに回答いたします。
 まず、平和祈念資料館の展示製作作業に半年の大幅なおくれが懸念されるが、来年3月の開館に間に合わせるために製作現場の要望を最大限に生かすべきではないかという御質問でございます。
 新資料館の展示作業については、基本構想、基本計画等を踏まえ、監修委員会の監修のもとに展示内容の具体化が着実に進められております。
 また、新資料館は、来年3月末には開館記念式典等を実施し、4月1日から正式に開館する予定で準備を進めているところでございます。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の普天間飛行場の県内移設問題に関連する質問についてお答えをいたします。
 まず1番目に、1988年から10年間で米国防予算、米軍兵員数はどの程度減少したか、また海外、国内の米軍はどのぐらい削減されたかという御質問にお答えをいたします。
 米国防予算は冷戦後大きく減少しており、冷戦期のピークであった1985年度と1998年度を比較いたしますと約40%減少しております。
 また、米軍兵員の総数は、1988年度の約210万人から1998年度の約140万人へと33%削減されております。
 アジア・太平洋地域においても、フィリピンのスービック基地、クラーク空軍基地等が閉鎖され、米軍兵員は約14万人から約9万3000人へと33%削減されております。
 一方、日本においては、昭和63年から平成10年までに米軍兵員は約5万人から約4万2000人へと16%の削減にとどまっております。
 次に、騒音の影響を比較的小さくすることができるとしているが、どのような根拠に基づくものかという1点と、想定している騒音の大きさをデシベルで明らかにし環境基準値との比較を明確に示してもらいたいという点と、海域に飛行訓練ルートを設定することにより移設先及び周辺地域への騒音の影響を軽減できるとしているが、本当に海域に飛行ルートを設定できるのか、日米は合意しているのかという点と、それから航空機の離発着時において集落への騒音を軽減できるとしているが、想定している滑走路の位置と対象にしている集落を具体的に明確にしてもらいたいという点を一括してお答えいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、住民の安全が確保され、騒音等の影響が軽減されることを基本方針に設定し、騒音については現在の普天間飛行場と比べ騒音の影響の軽減が図られるよう検討を行いました。
 具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において航空機の騒音調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
 そのため、県は代替施設の建設については、地域住民の生活に十分配慮するよう国に対し強く申し入れたところであります。
 次に、普天間飛行場に離発着する米軍機等の機種ごとの飛行回数と騒音の大きさはどうなっているか、普天間基地所属機の航空機事故件数は復帰後何回かという御質問にお答えをいたします。
 県は、航空機騒音の実態を把握するため関係市町村との連携のもと、普天間飛行場周辺において9つの測定局を設置し騒音測定を行っているところであります。
 しかしながら、県が実施する航空機騒音測定では、機種ごとの飛行回数や騒音の大きさを測定できるシステムになっていないため当該数値については把握しておりません。
 航空機騒音測定によると、平成8年3月の日米合同委員会における航空機騒音規制措置の合意後も一部に騒音の軽減が見られるものの、依然としてかなりの騒音が発生している状況にあります。
 また、復帰後の普天間飛行場所属機による事故件数は60件となっております。
 県は、これまで渉外知事会や軍転協を通して航空機騒音の軽減等を要請してきたところであり、今後とも引き続き関係市町村と連携を図りながら、普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減、騒音対策の強化及び事故の再発防止、安全管理の徹底について日米両国政府に対して強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、辺野古への軍民共用空港建設は普天間飛行場そのものの移設にほかならず、米軍は早速大型機の離発着などの要求をしてきている、大型米軍機の騒音について県はどのように認識しているかという御質問にお答えをします。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
 軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
 次に、普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策会議は休日に開催して辺野古への移設を了承したと報道されているが、事前には全体会議がなく、検討資料の配付なども各委員になかったのかと、当日どのような資料を配付し検討したかという御質問と、それから返還問題対策会議での自然環境保護の検討内容を説明願いたいという事項を一括してお答えいたします。
 去る11月21日、第1回普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策会議幹事会を開催した後、同対策会議委員及び幹事による合同の検討会を行いました。
 その後、普天間飛行場の移設に係る課題等について各部持ち帰り検討を行った後、第1回普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策会議を開催いたしました。会議では、「普天間飛行場移設候補地の選定について」を議題とし、選定に当たっての基本的な考え方や選定作業の結果、移設に当たって整備すべき条件について検討が行われました。
 会議では、代替施設の建設の際には自然環境への影響に十分留意すべきとの意見や漁業関係者の生活補償についても配慮するようにとの意見が出されました。
 これを受けて、県の考え方を国に提示する際の移設に当たって整備すべき条件として、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくするよう申し入れていくことを確認いたしております。
 次に、代替施設の建設については自然環境への影響を極力少なくするとしているが、沿岸域の埋め立てによる広大な米軍基地建設は自然護岸やサンゴ礁を破壊し藻場を埋め立てるものであり、第一級の自然環境を最大限に破壊するものではないかという御質問にお答えをいたします。
 具体的な建設場所や工法等については、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 平成10年2月に策定した自然環境の保全に関する指針沖縄島編においては、ランクⅠに区分された箇所は119カ所、ランクⅡが74カ所、ランクⅢが35カ所、ランクⅣが10カ所となっており、当該海域はランクⅠの「自然環境の厳正な保護を図る区域」に区分されております。
 なお、指針は、本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。
 県としては、本指針の趣旨も踏まえ、県の考え方を国に提示した際に自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き強く申し入れていきたいと考えております。
 次に、我が会派の代表質問との関連についての質問事項のうち、軍民共用空港を県の財産と強調しているが、辺野古沿岸域の第一級の環境はかけがえのない県民の財産とは考えないのかという御質問にお答えをいたします。
 具体的な建設場所や工法等については、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 県としては、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用を図る観点から、自然環境への影響を極力少なくするよう国に対し引き続き強く申し入れていきたいと考えております。
 次に、同じく我が会派の代表質問との関連についての質問事項で、軍民共用空港の場所や形態は未定であり、最終的に国が決定するとしているが、国に白紙委任状を出したようなものではないのかという御質問にお答えをいたします。
 具体的な建設場所や工法等については、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 去る11月25日に県の考え方を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件として、代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを国に申し入れております。
 以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 辺野古沿岸域の自然環境の現状を説明願いたいという御質問にお答えします。
 辺野古沿岸域は、海岸線を取り巻くように沖合にリーフが広がり、その内側にイノーを擁する浅い海域となっております。 
環境庁が平成2年度に行った第4回自然環境保全基礎調査によると、サンゴがリーフ周辺部、藻場が沿岸沿いに分布し、また海岸部分は砂浜のある自然海岸となっており、自然環境の保全に関する指針においても自然が良好な状態で保たれている沿岸域として評価をいたしております。
 次に、移設候補地決定に当たって自然環境保護担当部局は自然保護のための検討を指示されたのかという御質問にお答えします。
 具体的な建設場所、工法は国において決定されることになりますが、県の移設候補地の選定に当たって文化環境部が提供した既存資料の自然環境の保全に関する指針等を参照にして作業が行われております。
 県は、国に対して自然環境への影響を極力少なくするよう強く申し入れたところでありますが、その趣旨が十分確保されるよう努めてまいりたいと考えております。
○農林水産部長(小那覇安優) 普天間飛行場の県内移設についての辺野古沿岸域の藻場と沿岸漁業との関係はどのようにとらえているかとの御質問にお答えします。
 藻場は、アイゴ類、フエフキダイ類等魚介類の産卵の場及び幼稚仔の生育の場となっており、沿岸漁業資源の再生産の場として重要であると認識しております。
○土木建築部長(銘苅清一) 宜野湾港マリーナの埋立地を処分する際の利用形態についての御質問にお答えいたします。
 宜野湾港は、沖縄県観光振興基本計画のメーンコアである宜野湾・浦添・那覇沿岸地区に位置し、また沖縄コンベンションセンターや宜野湾海浜公園に隣接していることから、その整備に当たっては海洋レクリエーション機能や都市機能など総合的な機能をあわせ持つ港湾として整備を進めているところであります。
 宜野湾港の都市機能用地については、宜野湾市に処分する用地と県が直接処分する用地があります。
 県が直接処分する用地につきましては、宜野湾市の土地利用計画とも整合を図りながらメーンコアにふさわしい利用形態となるよう処分していきたいと考えております。
○企業局長(又吉辰雄) 伊波洋一議員の宜野湾市、北谷町地域における水道用水の硬度を工業用水の転用などにより低減化してもらいたいとの趣旨の御質問にお答えをいたします。
 宜野湾市、北谷町などの給水につきましては、給水をしている北谷浄水場においては、平成6年度に高度浄水処理施設を導入いたしましてより安全でおいしい水を供給することができるようになっております。
硬度につきましては、倉敷ダムの完成や海水淡水化施設の導入の結果、平成7年度の平均で1リットル当たり188ミリグラムから、平成10年度には平均143ミリグラムとなっておりまして年々改善をしております。
 また、西系列水源開発事業の一環であります大保ダムが完成しますと、北谷浄水場の水源として北部ダム水の利用の拡大が図られ、硬度が低減していくことが予測されております。
さらに、より一層の低減化を図るため硬度低減化施設の導入について投資効果等総合的な観点から検討しているところでございます。
 なお、短・中期的には水の需給バランスを図る必要があるため未利用の工業用水を水道用水として利用することについて国と協議を続けているところでございます。
 今後とも安全でおいしい水の安定供給に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○伊波 洋一 休憩願います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午前11時28分休憩
   午前11時34分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の海域飛行ルートを設定できるのかという趣旨の質問にお答えをいたします。
 先ほども基本的にはお答えをいたしておりますが、工法とか建設位置、場所等については国が最終的に決定すべきものだと考えております。
 県といたしましては、それが軽減できるように設定していただくよう要望していくということでございます。
 それから、集落における騒音の軽減についてでございますが、普天間飛行場につきましては市街地の中心部にあることと、それから海域に飛行場を設定することにより騒音が軽減されることが確実であるということで理解しております。
 集落はどこかという御質問でございますが、これは辺野古周辺地域ということでございます。
○伊波 洋一 休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午前11時35分休憩
   午前11時40分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 伊波洋一君。
   〔伊波洋一君登壇〕
○伊波 洋一 知事は3月23日、7月23日の発言について答弁で認めたわけですけれども、しかし今答弁した中身についてはなかなかほかの形で報道されていません。実際、発言はあったのかどうか、かなり疑問だとこのように思いますが、理由は、それはそれとして、それで牧野副知事の発言、米軍の事故は米軍に聞いた方がいい、私はこのように思いますと。
 米軍の星条旗新聞は、95年の事件直後、9月27日ですけれども、米軍犯罪を掌握している米軍資料を使って1989年から94年の5年間の凶悪犯罪を調べました。県内で495人が逮捕されましたけれども、沖縄県も含めてですね。うち米兵は57人で11.5%です。全人口132万人の中で米軍関係者は5万5000人、4.2%にすぎないわけですから凶悪犯罪は3倍多いわけです。
 特に強盗は21.9%、強姦は15.2%米兵であって、沖縄の4倍から5倍あるわけです。
 さらに95年10月9日の星条旗新聞は、沖縄を含む在日米軍基地の性犯罪が米国の他の基地より2倍から5倍も高いということをちゃんと報道しております。
 そういう意味ではですね、副知事の発言は事実とは違うということをまず言っておきたいと思います。
 それから、比嘉政策参与の参加を取りやめないということで答えているのか。これはいろいろ問題になっておりますので、そこは明確に答えていただきたいと思います。
 それから、海域ルートを設定すること、あるいは騒音を軽減できると書いてありますし、それから集落への騒音を軽減できるとこのように書いておきながらですね、実際答弁の中では明確な根拠は何も示し切れてない。
 一体これで知事は、「県民の皆様へ」というあの文書を自信を持って出したのですか。どういう決定をして、どういう理由、どういう自信を持って迷惑にはならないと、このような確信を持ったのか。知事として、今の知事公室長の答弁でそれで納得しているのかどうか、県民に明らかにしていただきたいと思います。
 それから、普天間問題の会議に出された資料、その資料を私たちにも提示をいただきたいと思うんですが、知事公室長、これは提示できますか。
 それから、ビエケス島というところで今米軍基地が5年以内で閉鎖されようとしております。これは地域の住民、ここで知事が頑張っているんですね。絶対不可欠な米軍基地だと海兵隊は言っているんですけれども、向こうでは結果的にこれは閉鎖されることになりました。
 沖縄では、知事はいつも日本政府がだめだからだめなんだと、このように言っているわけですけれども、そういう姿勢の違いが沖縄の基地問題を解決するかしないかという大きな違いになっていくわけですよ。
 沖縄の県民はですね、基地の問題解決を知事がきちんとやってくれることを求めているんですけれども、今のようなやり方で本当に解決ができるのかどうか、そのことを県民の前に明らかにしていただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の再質問にお答えをいたします。
 政策参与を今後出席させるのか、やめるのかということのお尋ねでございます。
 政策参与は、知事が特に命ずる事項に関連したものを担当しております。したがいまして基地問題、平和行政を担当しておりますので、今後ともその特命事項に関する会議については出席いたします。
 次に、1つは姿勢の問題で、米プエルトリコ自治領ビエケス島の米海軍実弾射撃場の5年以内の閉鎖決定をしたと。これは姿勢の問題であるという御指摘でございました。
 私は、基本的に先ほどもちょっと申し上げたのとダブるんですが、普天間飛行場の返還問題というのは前県政が非常に精力的に取り組んでSACOの合意に至ったわけです。
 したがいまして、返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合実現しないという面が出てくると。より危険度の少ないという関係でこれを第一歩にして次々と解決を図っていくことしか我々には道はないとおっしゃっております。現状も変わっておりません。
 その意味で、私はまずSACOの合意を一歩一歩これを解決していくことが必要だと思っております。
 その上に、県としてはその普天間飛行場の移設を契機に50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるために、市町村の意向を踏まえ、県民の理解と協力を得ながら、さらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に強く取り組んでいく構えでございます。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の再質問にお答えをいたします。
 まず、海域ルートの設定等についてでございますけれども、具体的な建設場所や工法等につきましては、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 県といたしましては、自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き国に対して強く申し入れていきたいと考えております。
 それから、対策会議の資料の提供についてでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり対策会議におきましては「普天間飛行場移設候補地の選定について」と、これを議題にしてやったわけでございます。
 政策形成過程でのものでございますので、資料の提供につきましては控えさせていただきたいと思います。
○喜納 昌春 一般質問を行います。
 2000年問題については、あすの翁長雄志議員にすべてを託して取り下げたいと思います。
 最初に、普天間飛行場の返還問題についてであります。
 私は、サミットの沖縄開催がなかったら普天間等の基地問題は、稲嶺県政下で同じ方向に進んだとしても、このようなどたばたした信じがたい推移は決してなかったと考えております。
 SACO最終報告が出たのが1996年12月2日で、それから3年近く日米両政府の焦りは相当なものがあったと予想されますが、我が党は、11施設中、7カ所が県内移設条件つきで、当初普天間が動くかと一定の喜びに沸いた一瞬はあったものの、基地のたらい回し、痛み分けが50年余たった今なお沖縄県民にのみという仕打ちが受け入れられるものではなく、SACO最終報告は欺瞞で県民を愚弄するものであるとその抜本的な見直しを直ちに迫ってきたところであります。
 ところで、ことし4月29日、サミット首脳会議の沖縄開催決定は、まさに青天のへきれき。当初、日米両政府関係者は、そのサミットの沖縄開催は、基地問題とは全く無関係でリンクするものではないと言ってまいりました。だが実際は、その決定をてこにして基地問題が動き出し、サミットと基地問題はいつの間にかどこかでリンクさせられたのであります。そして現在は、そのリンクを今度はさらにてこにして基地問題と北部振興策がリンクされて、焦点の普天間飛行場の返還問題が新たな展開を迎えた形となっております。
 11月22日、予想された日時よりも早く稲嶺知事は、普天間飛行場の移設候補地をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域にと決定、発表しました。
 名護市当局、市議会が手を挙げたのですか、辺野古地域の皆さんが賛成をしたというのでしょうか。
 そうではなく、稲嶺知事は、候補地は決して地元の頭越しには決定しないと、複数案を提示して国に決めてもらうというこれまでの発言、約束に違反するものでした。
 この手続上の重大な瑕疵は、稲嶺知事御本人が考えている以上に県民同士の混乱、県民の日米両政府への不信と怒り、アメリカ政府の傲慢さの増長とさまざまな波紋を生じさせ、残念ながら結果において基地問題の解決の前進ではなく、後退を余儀なくされるものと考えます。
 そこで以下の質問をいたします。
 第1点目に、移設候補地をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に決定したことは、候補地決定は地元の頭越しには絶対にしないと言明してきたことをほごにするものであるが、この約束違反の行政責任をどうとりますか。
 第2点目に、1997年12月21日の名護市の住民投票の結果、海上基地反対が過半数以上を占めた市民の総意を無視した候補地決定と考えますが、市民無視の行政責任をどうとりますか。
 第3点目に、沖縄の過重な米軍基地の負担の軽減は、日米安保のリスクを等しく全国民が分担するという国民論議の中でしか前進しない。そうした視点に立って県外移設を含めたSACO合意の抜本的な見直しを早急に求めるべきだと考えますが、見解を求めます。
 次に、一昨日の我が党の大城一馬県議の普天間基地問題に対する質問と知事の答弁に関連して以下の質問をいたします。6点です。
 第1点目に、候補地が決定された11月22日に結論の資料は配布されましたが、それに至る複数案の検討資料が県民に全く明らかにされていません。県民無視の日米両政府のシナリオに沿っての軽率な決断との批判と糾弾が出ても当然と言えますが、複数案があるということでしたが、最終的には何カ所から名護市に絞られたのですか。
 また、11月22日に公表された文書以外にどのような資料があって、今まとめの作業を行っているのですか。
 2点目に、どうしてキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域への決定なのかとの質問に対し、確実に基地の整理縮小につながると判断して決定したという趣旨の答弁をされていますが、その判断材料は何ですか。根拠材料は何ですか。
 3点目に、どのような法的根拠で政府の行うべき移設候補地の選定作業を行っているかとの質問に対し、願望に終わらすことなく責任ある提案のために選定作業をやってきたとの趣旨の答弁でしたが、法的根拠はないということ、本来権限と義務はないが決定したということですか、答弁を求めます。
 また、政府とどんなやりとりがあって移設予定地の選定を行うことになったのか、答弁が不明瞭です。法的根拠や権限や義務がないのに決定作業をやらざるを得なかった経緯について県民は知る権利があると考え、いま一度しっかりした答弁を求めます。
 第4点目に、15年期限の問題で法的担保は求めない趣旨の答弁でしたが、その判断は法的担保がなくても日米両国政府に15年期限はのませることができると考えているのですか。
 また知事は語気を強めてです、県民感情からして15年以上は無理と日米両政府に突きつけているという趣旨の答弁でしたが、譲れない線という認識でよいのですか。
 それは同時にまた、守らなければ候補地案の撤回もあり得るということなのですか、御見解を求めます。
 第5点目に、新北部基地の規模、工法の検討はどの程度進しているのかとの質問に対して、政府が名護市や地元の意向を聞いて決められるとの趣旨の答弁でした。規模や工法には、県は一切物を言わないということですか。もし明らかにされているアメリカ軍などからの軍民共用空港を逆手にとった要求などの情報のように機能の強化が明らかになった場合、基地の整理縮小、機能強化に反対する施策を持っているはずの知事はどうされますか。
 第6点目に、稲嶺知事は海上ヘリポートを認めないことを公約に当選されましたが、今回の移設先をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に決めたことは、公約の方向転換ではないですか。
 また、SACO最終報告の海上案については反対を表明され、これまで何度もその部分に関する見直しを責任を持って迫っていくと発言してこられましたが、もう見直しは求めないということですか、答弁を求めます。
 次に、介護保険制度について質問をいたします。
 介護保険制度は、橋本政権のもとで1997年12月9日に、避けがたい我が国の少子・高齢化社会に向けて国民の老後の安心を社会全体で支え合ういわゆる介護の社会化を目指しての大義に沿って法制化されてきた制度です。
 2000年4月1日から制度スタートに向けて、ことし10月からは介護認定の申請も開始され、各市町村は戸惑いながらも同制度の開始に向けて住民説明会や要介護認定作業等への対応で大わらわの状況と思料されます。
 こうした中での自自公での選挙目当てと批判される制度見直し、いわゆる65歳以上の高齢者の保険料は4月から半年間は徴収しないということを骨子にしたこの見直し案は、全国知事会から、制度変更は遺憾との内容の要望書も出された経緯があり、制度を運営する市町村の混乱と国民の将来の不安を増長させる見直し案と言わねばなりません。
 私は、介護保険制度の当初の理念に沿った介護の社会化に向けて公平公正な運営と県民、とりわけ弱者の立場に立った県当局の努力を切望し、以下の質問をいたします。
 第1点目に、2000年4月1日からの制度導入を前にしての今回の政府の見直し問題をどう考えますか。また県としてどう対応されるおつもりですか。
 第2点目に、来年4月1日のスタートに向けての県内市町村の介護認定審査会の整備、機能、介護保険料の決定、弱者の皆さんの救済措置及び市町村における介護サービスの内容等、その準備状況はどうなっておりますか。
 第3点目に、今回の見直し問題による県内自治体への影響はどうなっており、どのように意見、要望を政府にぶつけていくお考えか、御答弁を求めます。
 次に、高速道路の騒音対策について質問をいたします。
 県内に唯一ある南部、那覇市、中部と北部の名護市を結ぶ高速道路は、近年利用者が増加の一途にあり、それに伴い私の西原町の国立琉球大学付近の住民から夜間の騒音についての苦情が出て、その対策等が求められております。
 そこで以下の質問をいたします。
 第1点目に、現在ある高速道路の騒音等の調査についてその必要性があると考えますが、過去に国に要求したことがありますか。
 第2点目に、騒音防止壁等の設置も場合によっては必要になりますが、そのことに関しての御所見を賜りたい。
 最後に、中城公園の整備について質問をいたします。
 現在、この課題について公園整備については土建部が、城址については県教育委員会で保存整備の努力がなされていることを評価するものであります。
 ところで、公園の整備に関して、同敷地内に国の郵政省の沖縄電波観測所がありまして、この事業所は郵政省の独自施策の一環で亜熱帯地球環境計測技術の研究を行っているところであります。
 この事務所は、県の中城公園整備計画の重要な部分に位置しておりますが、同事務所の責任者の話では、公園として県が有効活用の方向であれば、同事業所としても事業の機能強化の面から海に面した地域への移転の構想もあるので、十分協力できるとのお話でした。
 そこで質問をいたします。
 第1点目に、公園用地に近接する郵政省の沖縄電波観測所と交渉をして公園用地として活用していく方向と移転に対する積極的な協力体制についての御所見を賜りたい。
 第2点目に、同公園の整備の進捗状況はどうなっておりますか。
 第3点目に、私は中城城址公園については、その景観、場所のすぐれた特性を生かしながら、年々増加する観光客への対応も考え、常設の屋外劇場の設置による琉球古典音楽や舞踊、組踊などが上演できるようにしたらとかねがね夢見たりしておりますが、そうした同公園の位置づけ、活用に関しての県の考え方と中城村、北中城村との連携の必要性を含めて御所見を賜ります。
 御答弁をよろしくお願いします。
○議長(友寄信助) ただいまの喜納昌春君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時1分休憩
   午後1時20分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 午前の喜納昌春君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 喜納昌春議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、普天間飛行場の返還問題についてでございます。
 名護市の住民投票の結果、海上基地反対が過半数を占めた市民の総意を無視した行政責任について伺いたいということへのお答えでございます。
 名護市民投票では、特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
 それについては、名護市長が名護市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識しているとの答弁がなされております。
県としては、海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
 次に、同じく普天間飛行場の問題で、SACO合意の抜本的な見直しと県外移設の要求を早急にやるべきだと考えるがどうかという点でございます。
 SACOは、普天間飛行場の全面返還を含む11施設約5002ヘクタールの土地の返還を内容とするなど沖縄県民の基地負担の軽減を図るため、日米両国政府が真摯に協議を行い合意に達したものと理解しております。
 基地の県外移設については、外交の当事者である日米両国政府が現下の国際情勢では在沖米軍の兵力削減は困難であるとし、普天間飛行場を初め整理縮小の対象となる施設については県内に移設する方針を堅持していることから現実的でないと考えます。
 したがいまして、本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、まずSACOの合意事案を着実に実現させ段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 次に、介護保険制度について、今回の政府の見直し問題をどう考え、どう対応するかということでございます。
 老後の最大の不安要因となっている介護問題を社会全体で支える仕組みとして介護保険制度が創設され、これまで県、市町村、関係団体が一体となって準備を進めてまいりました。
 このたび政府は、与党3党の合意をもとに介護保険法の円滑な実施のための特別対策を示しております。
 その内容は、高齢者保険料の軽減、低所得者の利用者負担の軽減、家族介護支援対策、介護予防、生活支援対策及び介護基盤の整備対策を中心としたものになっています。
 今回の見直しは、基本的には負担と給付の関係を明確にした制度の趣旨を踏まえたものであると認識しております。
 県としましては、平成12年4月の制度実施まで残された期間が短い中で、市町村に混乱が生じないよう十分説明するとともに、住民に対する広報啓発の取り組みを行うよう指導を行ってまいります。
 次に、我が党の代表質問との関連について、15年の期限問題で政府に15年は譲れない線として突きつけていると考えてよいのかということでございます。お答えでございます。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
 政府からは、極めて厳しい問題であるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
 基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設けることが必要であると考えており、今後とも強く主張してまいります。
 次に、同じく我が党の代表質問との関連についてです。2つを一括してお答えいたします。
 1つは、SACO最終案の海上案についてはこれまでその部分に関する見直しを迫っていくと発言したが、もう見直しは求めないのか、知事は海上ヘリポートを認めないことを公約して当選した、今回は公約の変更かということへのお答えでございます。
 普天間飛行場の県内移設については、知事選挙における選挙公約として掲げ、県民の財産となる新空港を建設させ、一定期間に限定して軍民共用空港とし、当該地域に産業振興策をセットするという基本方針に基づき県内移設に向けて取り組んできたことは御承知のことと思います。
海上ヘリポート政府基本案については、同基地が米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることになるため地域の産業振興や振興開発につながらないことから、同案については反対であることを機会あるごとに申し上げてきたところです。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることなど移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 喜納昌春議員の普天間飛行場の返還問題についての質問のうち、1番目の移設候補地をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に決定したことは、候補地決定は地元の頭越しには絶対にしないと言明したことをほごにするものである、約束違反の行政責任をどうとるかという御質問にお答えいたします。
 移設候補先である名護市に対しては、公表した当日に知事の代理として石川副知事が名護市長と会見し、御理解と御協力をお願いし、知事も12月3日に直接名護市長とお会いして理解を求めました。
 市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
 また、移設に当たっては、名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えております。
 次に、我が党の代表質問との関連についての1点目でございます。移設候補地は複数の案があるというが、最終的には何カ所から名護市に絞られたのかという点と、2点目の11月22日に公表された文書以外にまとめる予定の資料はどのようなものがあるかという御質問に一括してお答えをいたします。
 移設候補地選定の検討作業を進める過程において複数案を検討しましたが、最終的な絞り込みを行い、移設に当たっての基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に絞り込まれたものであります。
なお、移設候補地選定に関する資料については現在整理中でありまして、整理の上できるだけ早く提出するよう努力いたします。
 それから次に、2番目の確実に基地の整理縮小につながると判断してキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定をしたというが、その判断資料は何かという御質問にお答えをいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目を基本方針に設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
 これらを総合的に判断して、米軍基地の整理縮小が図られること、騒音の影響を比較的小さくすることができること、地域振興の促進に寄与することができることの理由から、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達したものであります。
 次に、法的根拠はないということですねということと、それからどのような法的根拠で政府の行うべき移設候補地の選定作業を行ったのかに対し、責任ある選定作業をやったと答弁したが、本来は権限と義務はないということかという点と、その決意は法的担保がなくても実現できると考えているのか、また守らなければ撤回もあり得るのかという点を3点について一括してお答えをいたします。
 SACOの合意事案は、県、地元市町村の要請に基づき、日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したものと理解しております。
 米軍基地の整理縮小を図るためには、まずSACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると考えております。
 県民の暮らしと安全を守る立場から、普天間飛行場の早期返還を願望に終わらせず現実的なものにするためには、責任ある代替案を主体的に提示することが行政の責任であると考え、移設候補地を選定することにしたものであります。
具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。
 次に、政府とどんなやりとりがあって移設予定地の選定を行うことになったのか経緯をいま一度明らかにしてもらいたい、またサミットと関連するのではないかという御質問にお答えをいたします。
 サミットの開催と普天間飛行場の移設は、それぞれ県政の最重要課題であると認識しております。
 普天間飛行場問題に全力を挙げて取り組んでいくため、ことし3月1日に普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策室を設置し、県内移設に向けての作業を開始してきたところであります。
 県は、県の立場から一日も早くという考え方で作業を進め、先般移設候補地を公表したところであり、普天間飛行場問題とサミット開催とは別問題であると認識しております。
 それから新北部基地の規模、工法の検討はどの程度進捗しているのかとの質問に、政府が名護市や地元の意向を聞いて決められるとの趣旨の答弁について、規模や工法には県は一切物を言わないということなのかという御質問にお答えをいたします。
 具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を初め必要な各種の調査が行われるものであります。
 県としては、代替施設については民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることなどを移設に当たって整備すべき条件として国に申し入れたところであります。
 次に、もし言われている情報のように機能の強化が明らかになった場合、基地の整理縮小の政策に反するがどうかという御質問にお答えをいたします。
 現在の普天間飛行場を縮小し既存の施設・区域に移設することにより、沖縄の米軍基地の面積を確実に縮小でき、県民の希望する基地の整理縮小を着実に進めることができると考えております。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることなどを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
 基地の移設に当たっては、地域住民の生活の安全や自然環境への影響、県土の有効利用、地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなどを総合的に判断し、県民生活の安全確保及びさらなる基地の整理縮小を着実に図る観点から適切に対応したいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険制度について、まず県内市町村の介護認定審査会や保険料の決定等について伺いたいとの御質問でございます。
 介護認定審査会は、認定調査員の行った実態調査をコンピューターで判定した一次判定結果と特記事項、主治医の意見書に基づき最終的な判定を行います。
 本県では、38市町村が5つの一部事務組合において認定審査会を広域的に設置し、15市町村では単独で審査を行っているところです。
 市町村は、平成10年度に実施した高齢者実態調査をもとに平成12年度以降の介護サービスの内容及び量を決め、それぞれの市町村が策定する介護保険事業計画に盛り込むことになっています。
 介護保険料は、これらのサービスの必要量をもとに介護報酬の総額を算定し、これを65歳以上の高齢者人口で割ることによって算出する仕組みとなっております。
 介護サービスの内容については、特別養護老人ホーム等の介護保険施設サービスと訪問介護、通所介護等の在宅サービスがあり、現在これらの基盤整備を推進しているところです。
 低所得者対策については、制度の中で保険料や利用料等の減免措置が示されています。 
 次に、今回の見直しによる県内自治体への影響と政府への意見、要望についての質問にお答えいたします。
 見直しの内容については、市町村担当者会議を開催して説明を行うこととしており、その中で市町村の意見や要望等を聴取して見直しによる影響を把握し必要に応じ国へその内容を伝えていきたいと考えております。
○文化環境部長(宮城光男) 高速道路の騒音等の調査についてその必要性があると考えるが、国に要請した経緯はあるか、それから騒音防止壁等の設置についてどうなっているかという御質問に対してお答えいたします。
 自動車交通騒音については、騒音規制法により自然環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的として自動車騒音に係る許容限度が定められております。
 騒音は、各種公害のうちでも大気汚染、水質汚濁に比べ極めて地域性の強いものであることから、指定地域内における騒音測定や届け出等の規制に関する事務は、地域の実情に詳しい市町村長が行い、騒音規制地域の指定や規制基準の設定は都道府県知事が行うことになっており、現在24市町村で地域指定が行われております。
 自動車交通騒音の調査につきましては、市町村長が騒音の測定を実施し、自動車騒音が許容限度を超えていることにより道路の周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、都道府県公安委員会に対し交通規制及び最高速度の制限等の措置を要請することになっております。
 また、必要があると認めるときは、道路管理者等に対し騒音防止壁等の設置、その他自動車騒音の減少に資する事項に関し意見を述べることができることになっております。
 なお、自動車道については過去に苦情が寄せられたことはなく、市町村が要請を行った事例もございません。
○土木建築部長(銘苅清一) 中城公園の整備について、郵政省の沖縄電波観測所の移転問題についての御質問にお答えいたします。
 中城公園は、中城城跡とその周辺を含めた約98ヘクタ-ルを沖縄の自然、歴史、文化をテ-マとした広域公園として平成8年度に都市計画決定し、平成9年度から事業に着手しております。
 御質問の同公園区域に近接する沖縄電波観測所は、都市計画決定時において具体的な移転計画がなかったこともあり公園区域から除外しておりましたが、その後郵政省においては同観測所の機能を拡充するため、それに伴い移転する計画があると聞いております。
 県といたしましては、今後同跡地を公園区域に編入し整備することについては、郵政省の動向を勘案しながら検討していきたいと考えております。
 次に、公園整備の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
 中城公園の県営部分の総事業費は約200億円、事業期間は平成9年度から平成15年度までの予定となっております。
 同公園は、平成9年度の事業実施以来これまで用地買収を進めてきており、平成10年度末の進捗状況は事業費で約19億2000万円、率にして約10%となっております。
 次に、同公園の位置づけ活用に関して中城村、北中城村との連携についての御質問にお答えいたします。
 中城村及び北中城村は、平成3年度に中城城跡公園基本計画を策定し、平成6年度に両村は中城公園整備を県に要請しております。
 県は、両村からの要請を受けて平成8年度に中城公園基本計画を策定してきたところであります。
 中城公園の整備計画は、城郭内の約2.5ヘクタ-ルを両村が整備を行い、その周辺の約95.5ヘクタ-ルについては県が整備を行うこととしております。
 同公園の整備について平成9年度は、公園整備に住民の意見を反映させるためのワ-クショップを行い、平成10年度から11年度にかけて中城公園基本設計検討委員会を開催し、同基本設計に両村長及び両村の文化財審議委員の意見を反映させているところであります。
 また、県と両村との間で中城公園の整備促進及び管理運営に関する確認書を締結し、その整備及び管理運営について県と両村の役割を明確にしてきたところであります。
 同公園の県営部分の整備については、今後とも両村と連携を図りながら円滑な整備及び地域活性化に向けた活用に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○喜納 昌春 再質問をします。
 とりわけ代表質問に関連して聞いたものについては、本当は論議を深める答弁をしてほしいんですよ。論議が不十分な結果の責任は知事に行くんですよ、あおりは僕らに来るんです、県民に。だからそういう意味では通り一遍の答弁じゃ困るんですよ。
 何カ所から1カ所に絞ったかということについては新聞に出ているじゃないですか。公式の場で答弁してください。当初、10幾つかあって、幾つかに絞って、何案もあるわけでしょう。幾つに絞りましたか。新聞には出ているわけだから、お互いの公式の場で答えてくださいよ。
 それから知事の、それとあと資料、大まかな、何をどんな資料があってどういうまとめ方をしているかについては、ぜひ項目ぐらいでもいいから答えてくださいよ。そういうことがあってまとめるのに時間がかかっていますと。それは知事が約束したように、軍特委じゃなくて常任委員会あたりでも本当は早目に出してもらいたい。
 出せるのかどうか含めて少しは変わった答弁してくださいよ、具体的に聞いているわけだからね。代表質問を終わった日に言っているわけだから。
○知事公室長(親川盛一) 喜納昌春議員から再質問の2点についてお答えをいたします。
 何カ所から1カ所に絞ったかということについてでございますけれども、確かに新聞等で載っているのも我々も承知しておりますが、これは新聞のことでございまして、県としては今資料をきちっと整理をしてそれを差し上げたいとこのように思っておりますので、御理解願いたいと思います。
 それからどういう資料があり、いつまで出せるかということでございますけれども、現在、運航空域条件とか自然条件、社会条件等比較しているこういった資料を今整理中でございます。
 そういったものをできるだけ早く提出できるよう今鋭意作業を進めているところであります。よろしくお願いいたします。
○玉城 義和 限られた時間でありますので、私も簡潔に申し上げますので項目ごとに明快に御答弁ください。
 (1)番、これは削除します。
 (2)番、6月県議会では複数の案について検討を進め最終的提示は国が行うとしてきたが、これはどのような理由で辺野古一本になったのか、また県みずからが場所を提示することになったのか。
 (3)番、検討した候補地は幾つあったか、その候補地と辺野古を比較したデータを公表してください。
 (4)番、これまでの選定過程のすべてを時間を追って公表してください。
 (5)番、名護市のヘリ基地反対協との会見のための協議を一方的に打ち切り、市民への説明や最も直接的負担を強いられる辺野古周辺住民への説明も行わないのはいかなる理由によるか。
 (6)番、今回の県内移設に当たって県内が現実的で、県外、国外がそうではないとする理由は何か。基地問題は今日第一級の政治問題であり、全国民で議論する問題であります。それを県内に矮小化するのはどういうことか、こういうことであります。
 (7)番、使用期限15年をどのように担保するか、日米間では外交文書として作成できるか、あるいは総理大臣と知事の連名の文書の作成ができるか、他の基地との整合性はいかがか。
 (8)番、15年使用問題が明確にならないときは基地の受け入れは白紙に戻ると考えてよいか。
 (9)番、県民の財産になるという基地とはいかなる形のものか。
 (10)番、軍民共用空港とはどのような形態か、地位協定の条文に沿って説明を願いたい。
 (11)番、この軍民共用空港の管理者はだれか。
 (12)番、県の考える基地はいかなる工法によるものか、またこの工法は最終的にだれが決定権を持つか。
 (13)番、工法について明記しなかった理由は何か。
 (14)番、政府のつくったシナリオについて知事見解はどうか、沖縄県の主体性はどこでどのように発揮されたか。
 (15)番、名護市民投票で拒否された基地はどのような形態のものと考えているか。
 (16)番、今回の辺野古選定と名護市民投票との整合性についてはどのように考えているか。
 (17)番、埋め立てや、あるいは海上にできる基地の所有権者、あるいは地権者はだれか。
 (18)番、知事は、受け入れ条件として跡地の利用、国の明確な支援、2番、移設先の振興策の確定、3番、軍民共用であること、4番、15年使用期限つき、環境問題等を挙げている。これらはいずれも未確定であります。なのに、なぜ性急に事を運んだか。
 (19)番、地域では猛烈な反対運動が起こるのは必至である。このような中でどのようにして基地の新設を行うか。
 (20)番、反対、賛成と県民同士を敵対させることを知事みずから招く結果となる。その責任をどのように考えるか。
 (21)番、新たな移設先で人命にかかわるような重大な事件・事故が発生した場合、提案者である知事の責任は免れない。その責任はいかにとるか。
 (22)番、選定に当たっての基本的考えの中で、知事の公約を踏まえて運航空域条件、自然条件等について既存の資料を活用し総合的に検討したとなっている。そのことを具体的に説明されたし。特に既存の資料というのはどういうことを指すか。
 (23)番、県の自然環境保全審議会が選定地のキャンプ・シュワブ沖を含む東海岸を自然保護を最も必要とする評価ランクⅠに区別している。今回の選定は県みずからそれを否定することになると思うがどうか。
 (24)番、北部地域の振興策は総花的で具体性に欠けている。これからのヤンバル像が具体的に見えてこない。県の考える新生ヤンバル像を示されたし。
 (25)番、定住人口20万人目標とうたわれているが、これは約8万人の人口増を意味する。具体的にどの地域に幾らふやしていくのか。また、達成時期はいつか。
 (26)番、20万人人口の達成は具体的にどのようにして達成されるか示されたし。
 (27)番、北部新空港の建設が取り上げられているが、これは県の説明だと軍民共用空港とは全く関係ないとしている。特に牧野副知事がそう申している。そうすると北部に2つの空港ができると考えてよいか。
 (28)番、那覇空港の沖合展開等による滑走路の増設などとの整合性はあるか。
 (29)番、民間空港として機能する場合には、年間の乗降客数はどれほどか。その見通しはどうか。
 (30)番、米プエルトリコ自治領ビエケス島における米海軍実弾射爆場が住民の反対で閉鎖されることになった。知事は苦渋の選択をするよりも、県民世論をまとめて日米政府に当たることが問題解決に近づく道であると思われるが見解はどうか。
 以上、29問でありますが、県当局の誠実な答弁を期待申し上げ、答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の御質問にお答えします。
 ヘリ基地建設に関して、今回の県内移設に当たっては、県内が現実的で、県外、国外がそうでないという理由は何かということで全国民で議論すべきであるということと、次の米プエルトリコ自治領ビエケス島における米海軍実弾射爆場の閉鎖は住民が反対してできるという見本だと、苦渋の選択をするより、日米政府に当たることがより問題解決に近づく道であると思われるがどうかというこの2つの御質問に一括してお答えしたいと思います。
 普天間飛行場の返還問題については、前県政が精力的に取り組みSACOの合意に至っていますが、返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには、一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくる。より危険度の少ないという関係で、これを第一歩にして次々と解決を図っていくしか我々には道はないと述べ、現実的に対応する姿勢を見せましたが、結果的には県内移設反対の立場に転換して普天間飛行場問題は膠着状態に陥りました。
 普天間飛行場の県内移設については、知事選挙における私の選挙公約として掲げてあり、知事就任後、県内移設に向けて取り組んできたところであります。
 国外、県外移設については、日米両国政府が厳しい見解を示しており、両国政府の理解が得られないままでは普天間飛行場のもたらす深刻な状況が固定化してしまいます。
 県としては、解決の展望が見えないまま県外や国外への移設に固執するのではなく、早期返還を現実のものとするためには県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しています。
 県としては、普天間飛行場の移設を契機に、50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、さらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいくことが必要であり、特に国へ強く要望いたしました。
 続きまして15年の問題で、どのように担保するのかということと、あるいは総理大臣と知事の連名の文書の作成はどうか、他の基地との整合性はどうするか、次に15年使用開始が明確にならないときは基地の受け入れは白紙に戻すと考えてよいかという2つの御質問に一括してお答えいたします。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
 政府からは、極めて厳しい問題ではあるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
 基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいりたいと考えております。
 次に、政府のつくったシナリオについて知事の見解はどうか、沖縄県の主体性はどこで、どのように発揮されたものか、2点の御質問にお答えします。
 政府のシナリオについては、関知していません。
 県は、今回の移設候補地を決定する作業に当たって県としての主体的判断に基づき作業を進めてきました。
 移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目の基本方針を設定して移設候補地の検討を行い、これらの方針に適した場所を総合的に判断してキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達しました。
 次に、ヘリ基地建設に関して市民投票で拒否された基地はどのような形態のものであると考えているかという御質問と、辺野古選定と名護市民投票との整合性についてどのように考えているかとの2つの御質問に一括してお答えいたします。
 名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁されているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
 県としては、海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
 次に、ヘリ基地建設に関して、受け入れ条件として跡地の利用について国の明確な支援、移設先の振興策の確定、軍民共用であること、15年使用期限つき、環境問題等を挙げていると。これらはいずれも未確定なのに、何で受け入れ先を表明したのかという御質問に対してのお答えでございます。
 去る11月19日に開催されました沖縄政策協議会において、政府に対し、跡地利用促進のための新たな制度や実施体制及び北部振興等についてお願いし、また普天間飛行場の移設先の振興策について総合的な視点から取り組むことの必要性や、移設先及びその周辺地域の要望を踏まえた具体的な事業を着実に推進するための国、県、地元の一体的な仕組みが必要であると申し上げ、政府から取り組み方針が示されました。
 この政府の取り組み方針を詳細に検討しましたところ、明確な対処方針が示されていると判断しましたので一連の手続を経て移設候補地の公表を行いました。
 移設に当たって整備すべき条件については、去る11月25日に国に対して強く要望したところであり、小渕総理からは、普天間飛行場問題の一日も早い解決に向け、政府に求められている課題に関して全力で取り組む旨の発言がありました。
 また、青木官房長官からは、県の各要望に対して誠意を持って対応したい旨の国の考え方が示されました。
 特に、15年の使用期限については、将来の国際情勢などさまざまな要因とも深く関連し極めて厳しい問題があるとの認識が示されましたが、いずれにせよ種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたいとのお話がありました。
 県としては、今後これらの要望事項の実現について強く主張していきたいと考えております。
 同じくヘリ基地建設に関して、猛烈な反対運動が起こるのは必至なのにどのようにして基地の新設を行うのかということと、県民同士を敵対させることをみずから招く結果になると、責任をどのように考えているかという2つの御質問へのお答えでございます。
 移設候補地である名護市に対しては、公表した当日に私の代理として石川副知事が名護市長と会見し御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
 市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
 また、移設に当たっては名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えております。
 次に、同じくヘリ基地の問題で、新たな移設先で人命にかかわるような重大な事件・事故が発生した場合は責任は免れないと思うが、その責任はとれるのかどうかということへのお答えでございます。
 普天間飛行場問題の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還し、このような状況を解消することであると認識しています。
 この視点に立って同飛行場の移設を行うものであり、移設候補地の選定に当たっては、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されることを基本方針の一つに設定して検討を行いました。
 また、県の考え方を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮することを国に申し入れました。
 次に、やはりヘリ基地に関して、北部地域の振興策はヤンバル像が具体的に見えてこないと、新生ヤンバル像を示せという御質問に対するお答えでございます。
 人・物・情報などの多様な交流と豊かな自然・文化などとの共生を通じて発展する20万人広域圏の形成を目指して、自立型の経済社会を形成することにより中南部圏域と相互に連携し合う広域圏として発展することが新生ヤンバルの望ましい将来像であると考えております。
 北部地域の振興については、豊かな自然など特色ある地域資源を活用した産業の振興を図ることが重要であると考えております。このため、観光・リゾート産業や情報通信産業など新たな雇用を創出する産業の誘致を進めるとともに、人材育成のための新たな教育機関等の整備・誘致を位置づけ、地域内の一体感を醸成しつつ活性化を促進していく必要があると考えております。
 また、高齢者から子供まですべての世代が豊かさを享受できる長寿福祉社会の形成を目指すとともに、上下水道や公営住宅等の生活環境基盤整備の推進等も図ってまいります。
 具体的な施策・事業につきましては、今後市町村及び国と一体となって取りまとめていきたいと考えております。
 次に、北部新空港の建設が取り上げられ、軍民共用空港とは関係ないとしている、北部に2つの空港ができると考えてよいかということへのお答えでございます。
 北部地域の振興については、観光・リゾート産業の一層の振興や情報通信産業の誘致、食品製造業や農林水産業等既存産業の新たな展開などを図るとともに、多様な交流圏域の創造が必要であると考えております。
 こうした観点から、利便性の高いアクセス機能の充実を図り、自立する経済圏域を形成する基幹的インフラとして北部に新たな空港を設置する必要があると考えております。
 県及び北部12市町村は、このような認識のもとに政府に対しその設置を要望しているところであります。
 北部新空港と軍民共用空港の関係については、今後検討されるものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 玉城義和議員のヘリ基地建設に関連しての質問についてお答えをいたします。
 まず、1の(2)でございます。6月県議会では複数の案について検討を進め最終的に国が行うべきとしてきたが、どのような理由で辺野古一本になったのかということについてお答えをいたします。
 検討作業を進める過程において複数案を検討しましたが、最終的な絞り込みを行い、移設に当たっての県の基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果、1カ所となったものであります。
 具体的な建設場所や工法等については、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。
 次に1の(3)と1の(4)を一括してお答えいたします。
 移設候補地の選定作業に関する資料については、選定作業の性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めてまいりました。
 移設候補地選定に関する資料については、整理した上でできるだけ早く提出するよう努力いたします。
 それから1の(5)でございます。お答えいたします。
 知事と名護市住民との意見交換の場を設けることについて、海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会から申し入れがありましたので、場所や時間等の交渉を行いました。ヘリ基地反対協の条件は、市長との面談前に場を設けること、時間は1時間とすること、場所は辺野古とすることなどでございました。
 県側は、市長との面談後に名護市街地内で、時間は15分程度とすることなどの条件を示してそれぞれ調整することになりましたが、折り合いがつきませんでした。
 しかし、再度の交渉において県側は話がまとまるように条件を緩和して先方に提示したところ、持ち帰って内部で検討したいとの話がありましたので、その回答を待ちました。
 知事と市長との面談の当日、ヘリ基地反対協と話し合いの場を設定すべく努力をし交渉しましたが、先方はさらに市長との面談を延期することを申し入れてきましたので、結局決裂に至ったものであります。
 次に、1の(9)、それから(10)、(11)、(12)、(13)、それから(17)、(29)の質問事項については一括してお答えいたします。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
 軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
 米軍施設・区域の提供は国の所管事項であることから、具体的な建設場所や工法等については地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 それから次に、1の(22)についてのお答えでございます。
 知事選挙の際に、普天間飛行場の移設については県民の財産となる新空港の建設、一定期間に限定しての軍民共用、臨空型の産業振興や特段の配慮をした振興開発をセットするという方針を示しましたので、その公約の実現を目標にして移設に関する作業を進めました。
 また、一般的に空港を建設する場合には運航空域条件、自然条件等を考慮して空港建設に適する場所を選定する必要がありますので、公約を踏まえ既存の資料によって総合的に検討を行いました。
 なお、議員から既存の資料はどういったものかということについて補足して説明いたしますと、運航空域条件につきましては運輸省航空局監修の空港土木設計基準、それから計器進入による進入方式、出発方式及び最低気象条件の設定基準、建設省国土地理院発行の沖縄島地形図、同じく運輸省、海上保安庁等の海の基本図等でございます。
 それから、自然条件につきましては、沖縄県編集の自然環境の保全に関する指針、それから環境利用ガイド等々でございます。
 社会条件につきましては、市町村要覧、土地利用規制現況図、沿岸漁業権漁場総合図などでございます。
 それから次に、1の(23)についてのお答えでございます。
 具体的な建設場所や工法等については、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 平成10年2月に策定した「自然環境の保全に関する指針」沖縄島編においては、ランクⅠに区分された箇所は119カ所、ランクⅡが74カ所、ランクⅢが35カ所、ランクⅣが10カ所となっており、当該海域はランクⅠの自然環境の厳正な保護を図る区域に区分されております。
 なお、指針は、本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。
 県としては、本指針の趣旨も踏まえ県の考え方を国に提示した際に、自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き強く申し入れていきたいと思います。
 以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 御質問の1の(25)と1の(26)につきまして一括してお答えいたします。
 中南部地域の発展に比べ停滞している北部地域の振興を切り開き、高次の都市機能を有する地域として成長発展していくことを期待いたしまして、将来人口を定住人口20万人として示したものであります。
 その達成に向けては、北部地域の特性を生かした産業の振興、雇用の場の確保、生活環境の整備などによる定住条件の整備を進め、当面15万人の圏域人口を目標としていきたいと考えております。
 次に、1の(28)に対するお答えであります。
 本県の自立型経済社会を実現するためには、那覇空港の国際航空ネットワーク機能を拡大し、パシフィック・クロスロードにふさわしいハブ空港化が必要であります。そのため、那覇空港を起点とする国際航空路線網の拡充や航空物流拠点の形成を図りたいと考えております。
 また、那覇空港の旅客数は年平均約6%の高い伸びを示しており、将来の航空需要に対応するため平行滑走路の整備に向けた取り組みを始めたところであります。
 北部地域にはホテルなどが多数立地し、観光・リゾート拠点として多くの観光客が訪れております。軍民共用空港は、当初はこうした北部観光客を中心とするチャーター便等の受け入れなどを行うことで那覇空港との機能分担は可能と考えております。
 以上です。
○玉城 義和 休憩。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後2時19分休憩
   午後2時26分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) ただいまの15年の問題でございますが、今回初めて要求として出したわけでございますが、今後とも粘り強く15年については頑張り続けます。
○知事公室長(親川盛一) 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
 まず、複数案からどういう理由で1つに絞ったかということですが、先ほどもお答えいたしましたとおり移設に当たっての県の基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果、1カ所と絞ったということでございます。
 それから(10)番の地位協定上の条文に沿って説明せよということでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり具体的な建設場所や工法等についてはこれから国が最終的に決定してまいりますので、これの位置づける段階で当然検討していくということになろうかと思います。
 それから(17)番の地権者はだれかということにつきましても、これから埋め立てになるのかどうするかを位置づけた上で検討されるべきものであると、このように考えております。
 それから(29)番の年間乗降客数につきましても、でき上がった後にしないとこれは見通しはまだ立ってないということでございます。そういう関連があるものですから一括してお答えをいたしたところでございます。
○玉城 義和 いかにも稲嶺県政らしいといいますか、いずれも極めてあいまいもこ、1つとして確固たるものがない。
 ヘリ基地反対協の一員であります辺野古の命を守る会という代表の金城祐治さんという人が、辺野古の決定をお聞きをして、こういうふうに感想を漏らしました。罪状もわからぬまま、理由もわからぬまま死刑台に連行される囚人のごとしだと、こういうふうに言っているんです。今、彼の悲痛な気持ち、無念さがよく伝わってくるんですね。
 知事公室長がおっしゃるように、総合的に勘案して絞ったと。総合的にわけのわからぬ中で絞られた方はたまったもんじゃないんですよ、これは、知事公室長。
 あなたね、こんなところでそういうことを言っちゃいかぬですよ。絞られた方は人が住んでいるんですよ、住民が。わけもわからぬで、理由も明確にしないで総合的に勘案して絞りましたと。これで納得できますか、地元住民は。そういうふうな県政の責任ある者がこの大事業をするのにそういうことで済むんですか、知事。全く答弁になってないじゃないですか、1つとして。
 繰り返しますからもう一度答弁してください。
 12案があって7案になって3案になって1案になったと、こういうふうに言われていますよ。きのう、おとといの新聞も7案と言っているでしょう。これまでずっと言ってきたでしょう、複数案に絞り込む過程であると、6月も9月も。幾つからどういう過程で絞り込んだぐらいは言えるでしょうが、そのことぐらいは。当たり前のことですよ、こんなことは。こんな大事業を決定するのに。そのことをまず言ってくださいと言っているんですよ。
 どのような理由で辺野古になったのかと。幾つから辺野古一本に絞ったのかということですよ、これをはっきりしてください。
 それから、辺野古を決定するのに皆さんが参考にしたデータ、当然これはあるはずです。これを出さないとこの議会の議論にはならないんですよ。当然のことじゃないですか、これは。皆さんが議論を回避しているんですよ。審議拒否しているんですよ、執行部が。
 つまりこの議会の焦点は、なぜに辺野古かと。どういう過程で辺野古になったのかと。稲嶺県政はなぜ辺野古に決定したかと、これを県民に明らかにするのがこの県議会の最大の使命なんですよ。それを執行部が資料を出さない、基準を出さないことによって議論が深まらないじゃないですか、絶対に。
 県議会が終わって、そして名護市議会も13日から16日まで一般質問が始まりますよ。それも終わって17日の軍特というのは余りにも政治的じゃないですか。データを直ちに公表してくださいよ。
 それから市民が、市長が一方の当事者になって反対協と会わないと。これは我々も協議をして妥協案を探る一歩手前で、県が7時15分に記者会見をしてしまいました。要するに、知事に地元の住民と対話集会をする意思があるかどうかをお伺いをしたいと、こう思っております。
 それから、埋立地がどこの所有なのか、所有権者はだれか。あるいは海上基地だった場合はだれか、これは答えてください、これはわかるはずですから。
 それから15年問題で知事は、きのうは官房長官も難しいと言っていました。これをどういうふうに担保して県民に安心をしてもらうのか、公約を果たすのか。これはやはり外交ですから、日本政府とアメリカの関係ですからここははっきりしないといけませんね。
 したがって、そういう意味でこれは明確にもう一度基準を示してください。
 それから軍民共用、これは地位協定の2条の4項(a)号、(b)号、軍が使って民が便宜的に使うのか、逆なのか。それとも滑走路が2本あってたまたま一緒なのか、ここを明確にしてほしいということを言っているんです。
 それから名護市民投票との関係ですが、市民投票で否定されたのは海上基地だけなのか、それとも埋め立ても含んでいるのか、そこも明確にしてほしいと思います。公有水面の関係で明確にしてください。
 以上、答弁を聞いてから……。
○知事(稲嶺惠一) ただいまの15年の問題でございますが、向こうの日米の厳しい状況というのは私ども理解しております。
 しかし私としては、あくまでも県民の立場に立ってこれからも強く15年を主張し続けます。
○知事公室長(親川盛一) 玉城義和議員の再質問にお答えいたします。
 まず1点目は、新聞等で12案から7案から3案になり、それから1案になったとなっているけれども、一体どうなのかと、それからデータを直ちに出してくれと、これは関連しますので一括してお答えしますけれども、そういったものを含めて現在資料を整理しております。それをできるだけ早く提供できるように努力をいたしております。
 それから、地元住民との対話集会でございますけれども、12月3日にもできるだけ対話を得ようということで双方とも努力いたしました。しかしながら、先ほどもお答えいたしましたとおり名護市長と会う前に会ってくれと、こういうことでございましたので、それと辺野古漁港周辺と、こういうことになったものですから話がかみ合わず、そういう状況になった次第でございます。
 それと、海上基地であればだれの所有権かと、いわゆる地権者はだれかということと、それから地位協定上の条文は2条4項(a)号か(b)号かと。それから海上基地なのか埋め立てなのかということにつきましては、これから最終的には国が決定してまいります。その決定した段階で法的な位置づけ等、それから地権者等が決まってくるものと、このように理解しております。
○玉城 義和 休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後2時41分休憩
   午後2時44分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) お答えをいたします。
 場所、工法等につきましては、幾つかの案が考えられると思います。最終的には国が決定するわけでございますけれども、地元の意向を踏まえながら国が検討していくということ、また県もそのように国の方にお願い、申し入れもしておりますので、そういうことでその段階で決定されると思います。
○玉城 義和 休憩。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後2時44分休憩
   午後2時45分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) お答えいたします。
 最終的には国が決定するわけでございますので、現段階においてはお答えすることはできません。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後2時46分休憩
   午後2時47分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 もう一度質問いたします。
 15年問題での知事の担保はどういたしますか。
 それから軍民共用空港の形態は安保条約上、地位協定上どういう形をとる空港になりますか。
 埋め立てた場合、あるいは海上基地の場合、その地権者、所有者はどうなりますか。
 それから、15年問題で明確にならない場合に知事の決定は白紙に戻ると考えていいのかどうか、はっきりさせてもらいたい。
 それから、名護市民投票で拒否されたのは埋立案も含めてと考えられるかどうか。これは先ほども質問しましたけれども、答えがありません。
 以上、もう一度答えてください。(発言する者多し)
○知事(稲嶺惠一) 15年の問題につきましては、これからも政府と引き続いて、何度もあるわけですから……。私の方としては全力を挙げて15年を頑張り続けます。
 それから、ヘリ基地建設に関して先ほどもお答えをしたんですけれども、もう一度……。
 名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁されているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
 県としては、海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないということを国に申し入れております。
○知事公室長(親川盛一) お答えをいたします。
 軍民共用空港の地位協定上の位置づけでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり建設場所、工法等についてこれから国が決めてまいります。
 そういうことで、その時点で根拠の調整等々も当然なされることでございます。先ほどのお答えしたとおりでございます。
○玉城 義和 休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後2時48分休憩
   午後2時49分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほども申し上げましたけれども、名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替へリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁をしておりますので、私も同様でございます。
○玉城 義和 休憩。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後2時50分休憩
   午後2時52分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) お答えをいたします。
 名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票に関する条例第1条の目的でございますけれども、「この条例は、名護市辺野古地先の公有水面に建設計画されている米軍の普天間基地の返還に伴う代替ヘリポート基地の建設について、市民の賛否の意思を明らかにし、もって本市行政の民主的かつ健全な運営を図ることを目的とする。」と、こういうぐあいになっておりまして、現にあの当時、辺野古地先の公有水面に建設計画されていた基地というのは、先ほど知事がお答えしたとおりの海上ヘリポート基地ということでございますので、御理解願いたいと思います。
 撤去可能な海上ヘリポート基地ということについてのこの賛否を問うたということで理解しておりますので、よろしくお願いします。
○玉城 義和 公有水面上にできるものはですね、海上基地であろうが、埋め立てであろうが公有水面に係るものは全部拒否なんですよ。この条文で言っても当たり前のことでしょう、条文を素直に読めば。そう書いてある。
 だから名護市の市民投票を、市がやった市民投票を尊重する立場で言えば、海上も埋め立てもなくなるということですよ、これは。そう認識してほしいと言っているわけですよ。これが1つです。
 それから、たくさん議論したいことがありまして申し上げたんですが、今お聞きのようにほとんど1つとて確定的にお返事が返ってこない。何で辺野古かということも、1本に絞った理由もおっしゃらない。そしてデータも出さない。そして15年の担保をどうするかということも希望的観測を言われるだけです。
 これは、25年先の話になるかもしれませんよ、もし実現すればですね。知事は90歳ですよ。まさか90歳まで知事をされてないでしょう。
 自分で責任を持って私はやりますと、私は主張し続けますと。いいですよ、それは、ずっと知事であれば。ところがそうではないから、後世にどういうふうに担保を残されるんですかと聞いているわけで、ここで大統領と日本政府がやりますかと、あなたがやりますかとこう聞いているわけで、何もないんだな、これは要するに。確かなものが。地位協定もどっちかもわからない。どういう形態かもわからぬ。
 これで名護市に判断しろと言えますか。それも年内決着なんて言って、何を基準に名護市は判断するんですか。何の資料も提供されてないでしょう。工法も提供されてない。地位協定上のこともわからない。15年もわからない。それでいて名護市に早く決定せよと。
 ましてや、地元辺野古に理解を求めるなんて、どうして理解を求めるんですか、これは。全くそういう意味では、この議会で明確になっているのはですね、まさに辺野古ありきですよ、これは。そういう政治決定があって、あとは全部あいまいもこですよ。表に出せない。そういうことでしょう。これが明確になると思いますね。
 そうでなければ、もっと堂々と論陣を張ればいいじゃないですか。
 今知事、県民の中でですね……時間ですから終わります。
 いずれにしてもこのままのことでは大事はできない、こう思いますので、ひとつぜひ情報を開示していただきたいと思います。
○下地  学 通告に準じ質問をいたします。
 1、基地の県内移設について。
 (1)、知事は、米軍普天間飛行場の移設先をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に決定し、ベストではないが、ベターな選択であるとしていますが、県民の多くは基地の県内移設反対であり、知事は何をもってベターな選択とするか、明快な答弁を求めます。
 (2)、知事は、キャンプ・シュワブを選定した理由として基地の整理縮小が可能になる、騒音が軽減できる、軍民共用空港の設置で地域経済発展の拠点となるなどを挙げていますが、基地は自立的発展の阻害要因であり、自然や生活環境を破壊し地域振興にはつながらない。知事の見解を求めます。
 (3)、知事は、日米両政府が提示した海上ヘリ基地案に反対して、将来、県の財産となる新空港を陸上で建設すると選挙で公約し、議会でも答弁していますが、公約を変更しキャンプ・シュワブ水域内を選定した理由は何か、明確な答弁を求めます。
 (4)、基地の移設問題は、沖縄の将来を左右する県政の最重要課題であり、県民のコンセンサスを得ずに移設先を決定することは県民、とりわけ地元住民を愚弄するものであり、断じて容認できないものである。県民の対立をあおり、県益を損ねるものであり、早急な撤回を求める。
 (5)、知事は96年9月の県民投票、97年11月の名護市の市民投票の結果をどのように認識されているか。今回の決定は、県民の総意や世論を無視した暴挙である。知事の見解を求める。
 (6)、移設先は、県が策定した自然環境指針で、自然環境の厳正な保護、保全を図る区域と位置づけられており、国の天然記念物であるジュゴンの生息地でありウミガメの産卵場、マングローブなどの生息など極めて重要な資源がある。環境アセスメントの結果はどうなっているか、具体的に説明してください。
 (7)、普天間飛行場の移設問題で米国防総省がまとめた内部報告書に、海上とすべての関連施設は40年の運用年数、200年の耐用年数で設計されると明記されていることがわかった。知事は、県内移設条件として期間15年の限定つきを主張していますが、日米両政府は否定的であり実現不可能と思うけれども、知事の見解を求めます。
 (8)、米国防総省が97年にまとめた運用所用と運用概念、いわゆる普天間飛行場の移設に対する最終報告書では、最新鋭の垂直離着陸機MV―22オスプレイが配備されることが明記されている。また2007年には普天間飛行場の主力機が陸、海、空、海兵隊4軍共用のVSTOL機が配備されるとされており、沖縄では海兵隊の進攻、輸送作戦に使われ、新設される代替基地にはこの最新鋭のVSTOL機が配備される。これは基地の機能の強化であり、固定化である。
 知事の御見解を求めます。
 (9)、知事は、SACOの合意を着実に実現し段階的に基地の負担の軽減を図るとしていますが、日米安保共同宣言に盛られた安保再定義は、在沖米軍基地の現状を維持しない限り機能しないとしております。いわゆるSACO合意は基地の固定化であり、機能強化であり、知事が言うような整理縮小にはつながらない。
 知事の見解を求めます。
 (10)、知事は、移設条件に、1、移設先と周辺地域の振興、跡地利用のために実施体制の整備や行財政上の措置を立法などを含めた特別な対策、2、代替施設は軍民共用とし将来にわたって地域と県民の財産になり得るもの、3、米軍使用期間15年などを提示していますが、条件が満たされないときには撤回するか、明確な答弁を求めます。
 2、教育問題について。
 (1)、2002年からの新教育課程の実施に向けての本県の対応策について。
 2002年から学校教育変革の時代とも言われています。その時代に学校はどのような役割を果たすべきなのか、その方策について。
 ①、2002年からの新教育課程の実施に向けて学校教育が大きく転換していく時期に来ている。2002年までに迫られている学校改革には多くの課題が残されており、その中で新教育課程の編成は困難であろう。諸課題の克服と新教育課程編成に向けての指導計画について伺います。
 ②、コンピューターの導入はほぼ全国の学校に導入され、情報教育の一環として進められている。今後はこれまでより情報化が進み、コンピューターの活用も日常化となっていく時代と言われている。その中で学校教育ではコンピューターの活用の定着は、教科指導の上でも情報教育の面からも重要な位置を占めるものである。教育改革の一環として意図的、計画的に取り組む必要がある。
 県の実態と今後の指導計画について伺います。
 ③、情報はんらん時代の中での情報活用能力の育成、すなわち情報収集、情報活用、情報選択の力が大切である。学校教育では情報を得ることが中心のこれまでの時代から、情報を発信することが中心となるようにすることが重要である。
 本県の指導と対策について伺います。
 ④、中央教育審議会は、これからの学校教育の中ではT・Tによる指導方法の改善が重要な方法として日常化に向けた取り組みが急務となっていることを提言している。また、教育課程審議会においても指導方法の改善としてT・Tの役割を強調している。
 本県の実態と今後の指導計画について伺います。
 ⑤、地域のコミュニティーの場としての学校づくりについて、学校の情報交換の場としての役割を果たすことが地域のコミュニティーとしての場になるのである。そのためには学校が開放できる場を活用する必要がある。学校週5日制の完全実施に向けての地域のあり方も含めて中心的な役割を果たすことも考えられる。
 本県の指導対策についてお伺いします。
 ⑥、地域に開かれた特色ある学校づくりは、これからの学校教育の中心的なものになる。この特色づくりを地域と一体となってつくり上げていくことが大切である。学校は、これまで内に開く教育活動と外に開く教育活動を実施してきましたが、しかしこれからは外に向けた教育活動をいかに重視していくかが大きな課題となる。
 本県の指導対策についてお伺いします。
 ⑦、2002年からの新学習指導要領では、小・中・高のいずれにおいても総合的な学習の時間が必置とされている。しかしこの時間が雑多的な活動や体験の寄せ集めになる危険性もある。総合的な学習の時間を生かした総合学習の創造と展開こそが必要と考えられる。
 2002年に向けての各学校の取り組み状況と指導対策について伺います。
 ⑧、教職員の意識改革をどのように図るか、学校は教職員の新たな意識改革によって教育課題を克服していくものである。したがって教育課題をどのように意図的、計画的に推進していくか、短・中・長期的な視点から構築する必要がある。
 本県の指導計画について伺います。
 ⑨、教職員の資質向上をどのように図るか。2002年は、学校改革として新たな時代に突入することになる。不易と流行と言われるが、教師の資質そのものが高まってこそ教育課題が達成できるのである。
 本県における教職員の資質の向上を図るための施策についてお伺いします。
 ⑩、学区域の弾力化と学校教育への影響について。2002年は新たな教育の時代に入ると言われているが、その中で学区域の問題も新たな展開が考えられる。保護者にとっては学区域の弾力化は選択する幅が広がり、いわゆる学校選択をどのようにするかが大きくクローズアップされることになる。
 本県の対応策についてお伺いします。
 3、県立病院の経営健全化について。
 平成12年度の重点施策で県立病院の経営の健全化を強力に推進することを打ち出し、中長期的な観点から県立病院のあり方を検討するとともに、21世紀の医療需要に対応できる高度で多機能を有する病院の整備について総合的な検討を行うとしていますが、その基本的な構想についてお伺いします。
 (1)、県立病院の未処理金は毎年増加傾向にあるが、財政の健全化を図るための具体的な数値目標と対応策について伺います。
 (2)、行政改革との関連で経営の健全化をどのように推進するか、伺います。
 (3)、多様化し高度化する医療ニーズへの対応策について伺います。
 (4)、経営の健全化を図るために職員の意識改革や協力体制は重要な課題である。その対応策についてお伺いします。
 (5)、医療設備や体制などの強化拡充が強く求められていますが、短・中・長期的な計画についてお伺いします。
 (6)、宮古病院将来構想検討委員会は中間答申をまとめ、県立宮古病院の移転新築検討委員会の設置を要請していますが、県の対応策はどうなっているか、伺います。
 4、下地島空港及び周辺残地の有効利用について。
 (1)、県は、平成10年3月に下地島土地利用基本計画の見直しをしていますが、利用計画や事業導入計画についてお伺いします。
 (2)、伊良部町は、航空大学の誘致活動を積極的に展開していますが、県の支援体制や対応策についてお伺いします。
 (3)、本年の第5回議会で下地島空港の有効活用及び活性化について提言と要請をしましたが、県の取り組み状況についてお伺いします。
 5、伊良部架橋の早期建設について。
 (1)、伊良部架橋の早期建設対策室の設置について平成11年第2回議会、第5回議会において提言し要請しましたが、対応策についてお伺いします。
 (2)、基礎調査は本年度で終了すると言っていますが、調査の進捗状況についてお伺いします。
 (3)、次年度以降の事業計画と予算措置についてお伺いします。
 あと、答弁を受けてから再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 下地学議員の御質問にお答えいたします。
 最初は基地の県内移設について、政府が提示した海上ヘリ基地案に反対して、将来、県の財産となる新空港を陸上で建設すると言明したが、水域内に選定した理由は何か、明確な答弁を求めるというお尋ねでございます。
 海上ヘリポート政府基本案については、同基地が米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることになるため地域の産業振興や振興開発につながらないことから、同案については反対であることを機会あるごとに申し上げてきたところです。
 政府の示した海上ヘリポート案に対して、普天間飛行場の代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを述べたものであります。
 続いて同じく基地の移設につきまして、移設先を県民のコンセンサスを得ずに決定することは容認できないと、早急な撤回を求めるとの御質問へのお答えでございます。
 基地問題については県政の最重要課題であり、その解決のために誠心誠意取り組んでいるところであります。
 米軍基地の整理縮小は県民多数の願いであり、米軍基地の整理縮小を具体的に進めるためには、まずSACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると考えております。
 市街地の中心部にあり、市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還するという問題の原点を深く認識し、普天間飛行場の早期返還を確実に実現するためには、県内移設を受け入れることが最善ではないにしても、現在とり得るベターな選択であり、確実な前進であると考えています。できるものから確実に一つ一つ解決していくことにより、基地の整理縮小を着実に進めることは多くの県民の意思に合致するものであると考えます。
 次に、96年9月の県民投票あるいは97年11月の市民投票の結果をどのように認識しているかということ、その見解を求めたいとのお尋ねでございます。
 名護市長が名護市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識しているとの答弁がなされているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
県としては、海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
また、普天間飛行場を既存の米軍施設・区域内に移設することにより、米軍施設・区域の面積の縮小を着実に進めることができると考えており、県民投票の結果に沿うものであると考えております。
 次に、県内移設条件として期間15年の限定つきを主張しているが日米両政府は否定的であると、見解を問うということと、移設条件に、移設先と周辺地域の振興、跡地利用など立法を含めた特別措置、軍民共用空港、15年期限と条件が満たされないときは撤回するのか、知事の見解を求めるということに一括してお答えいたします。
 移設に当たって整備する条件については、去る11月25日に国に対して強く要望したところであり、小渕総理からは、普天間飛行場問題の一日も早い解決に向け、政府に求められている課題に関して全力で取り組む旨の発言がありました。 
 また青木官房長官からは、県の各要望に対し誠意を持って対応したい旨の国の考え方が示されました。
 特に、15年の使用期限については、将来の国際情勢などさまざまな要因とも深く関連し極めて厳しい問題があるとの認識が示されていますが、いずれにせよ種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたいとのお話がありました。
 県としては、今後のこれらの要望事項の実現について強く主張していきたいと考えております。
 次に、SACOの合意は、基地の整理縮小に名をかりた機能強化であると、見解を聞きたいということでございます。
 SACOは、普天間飛行場の全面返還を含む11施設、約5002ヘクタールの土地の返還を内容とするなど、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため日米両国政府が協議を行い合意に達したものと理解しております。
 本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、まずSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しています。
 基地問題の解決については、地域住民の生活や自然環境への影響、県土の有効利用及び地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなど、県全体の基地の整理縮小を図る観点から総合的に判断していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 下地学議員の基地の県内移設に関連する質問事項のうち、米軍普天間飛行場をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に決定した基地の整理縮小に向けた現実的対応としてベストではないにしても、ベターな選択であるとしているが、何をもってベターな選択と言えるかという御質問にお答えをいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、米軍基地の整理縮小を図るものであること、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目を基本方針に設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
 これらを総合的に判断し、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達したものであります。
 次に、キャンプ・シュワブを選定した理由として、1、基地の整理縮小が可能になる、2、騒音が軽減できる、3、軍民共用空港の設置で地域経済発展の拠点となる等を挙げているが、基地は自立的発展の阻害要因であり、自然や生活環境を破壊し地域振興にはつながらないが、どうかという御質問にお答えをいたします。
 先ほどもお答えいたしましたように、移設候補地の選定に当たっては、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されることなどを基本方針に設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
 県としては、移設により地域に新たな負担が生じることになることからその負担を軽減するほか、あらゆる観点からさまざまな配慮がなされなければならないと考えております。
このため、去る11月25日に県の考え方を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすることを国に申し入れております。
 なお、軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の振興はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
 それから次に、移設先は県が策定した自然環境指針で、自然環境の厳正な保護、保全を図る区域と位置づけられており、ジュゴンの生息地であり、ウミガメの産卵地、マングローブなどの生息等極めて重要な資源である、環境アセスメントの結果はどうなっているかということについてお答えをいたします。
 具体的な建設場所や工法等につきましては、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 平成10年2月に策定した自然環境の保全に関する指針沖縄島編においては、ランクⅠに区分された箇所は119カ所、ランクⅡが74カ所、ランクⅢが35カ所、ランクⅣが10カ所となっており、当該海域はランクⅠの自然環境の厳正な保護を図る区域に区分されています。
 なお、指針は本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について、事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。県としては、本指針の趣旨を踏まえ、県の考え方を国に提示した際に、自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き強く申し入れていきたいと思います。
 なお、環境アセスメントについては、具体的な建設場所が決まった段階で国において行われるものと考えております。
 次に、米国防総省の普天間飛行場の移転に関する報告書にはオスプレイの配備が明記されている、基地の機能強化であり固定化であるがどうかという御質問にお答えをいたします。
 オスプレイの配備につきましては、国は米国政府から現時点において何ら具体的な配備予定はないとの回答を得ている旨国会で答弁しております。
 オスプレイの配備が基地の機能強化や固定化につながるかどうかについては、地域住民の生活や自然環境への影響、地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなど県全体の基地の整理縮小を図る観点から総合的に判断していきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 下地学議員の教育問題についてという御質問にお答えいたします。
 まず2の(1)のア、2002年からの新教育課程の実施に向け諸課題の克服と新教育課程編成に向けての指導計画についてという御質問にお答えいたします。
 新教育課程は、子供一人一人の個性を尊重しゆとりの中で、みずから学びみずから考える力などの生きる力や豊かな人間性などをはぐくむことを主眼として2002年から実施されることになっております。
 本県の子供たちは明るく素直で、文化活動やスポーツ面で目覚ましい活躍をしておりますが、一方ではいじめや不登校、中途退学、学業不振などの学校不適応、深夜外出、高い無業者率など生徒指導や進路指導に関する課題があります。
 新教育課程の編成につきましては、各学校が抱えるこれらの教育課題、それから児童生徒、地域の実態を十分に認識するとともに、学習指導要領の改訂の趣旨やねらいを踏まえて編成する必要があります。
 そのため県教育委員会といたしましては、2002年からの新教育課程が円滑に実施できるよう学習指導要領の説明会を実施するとともに、移行期における教育課程の編成のポイントや新学習指導要領学習資料を各学校へ配布し、その活用を通して新教育課程の趣旨の周知を図っているところであります。
 次に、2の(1)のイについて、コンピューターの活用に関して県の実態と今後の計画についてということにお答えいたします。
 本県の公立学校における教育用コンピューターは、年次的に整備が進められてきました。その結果、国の整備基準を満たしている学校の割合は平成11年3月現在53.4%で全国平均の52.9%を若干上回っておりますが、情報教育を円滑に実施する上で十分とは言えない状況にあります。
 また、コンピューターを指導できる教員の割合は、平成11年3月現在23.3%で全国平均の26.7%より低くなっています。
 県教育委員会といたしましては、新学習指導要領の実施に適切に対応するため、情報教育推進計画を定めて平成13年度までにすべての県立学校にコンピューターの整備を進めております。小中学校におきましても情報教育の環境整備が図られるよう市町村教育委員会に対して、その整備促進を指導しているところであります。
 次に、2の(1)のウ、学校における情報教育の指導と対策についてという御質問にお答えいたします。
 新学習指導要領では、高度情報通信社会の大きな影響を受けて情報教育を一層充実することが求められており、各学校においては情報を主体的に収集したり、発信、伝達することができる能力や情報の科学的理解、情報社会に参画する態度の育成が必要になっております。
 このため、小学校では各教科等の学習でコンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段になれ親しみ、適切に活用する態度の育成、中学校では、コンピューターの扱い方を含め情報を適切に活用する基礎的な能力の育成、高等学校では情報に関する科学的な見方、考え方を養い、高度情報通信社会に参画する態度の育成に努めてまいりたいと考えております。
 2の(1)のエ、T・Tの役割についての本県の実態と今後の計画についてという御質問にお答えいたします。
 学校におきましては、学習内容を確実に身につけることができるよう学校や児童生徒の実態に応じ、習熟の程度に応じた指導や個別指導、グループ別指導、チーム・ティーチングなど、個に応じた指導の充実に努めているところであります。
 県教育委員会におきましては、指導方法改善に伴う教職員を平成5年から加配し、平成5年度に小学校19校、中学校20校、高等学校28校、平成11年度は小学校124校、中学校72校、高等学校58校に配置しているところであります。
 チーム・ティーチングを実施することによりまして一人一人の児童生徒にきめ細かい指導ができ、学習意欲を喚起するなどの効果が出ていることから、今後とも継続して個に応じた学習指導の工夫改善に努めていきたいと考えております。
 2の(1)のオ、学校開放に対する本県の指導対策についてという御質問にお答えいたします。
 学校を地域に対して開くことは、地域住民の学習交流の拠点として、地域コミュニティーづくりに貢献するばかりでなく、地域の人材を活用することによって児童生徒の教科学習の充実や心の教育の充実を図るためにも重要であります。
 県教育委員会といたしましては、平成4年度から学校週5日制実施に関する県の方針に基づいて学校施設の開放を初め開かれた学校づくりを推進してきたところであります。
 今後は、学校週5日制実施に関する県の方針を見直して地域人材や教育資源の活用を図り、学校が地域コミュニティーの中核となるよう市町村の協力を得ながら学校開放の推進に努めてまいりたいと考えております。
 2の(1)のカ、地域に開かれた特色ある学校づくりに関して本県の指導対策についてという御質問にお答えいたします。
 学校におきましては、保護者、地域社会が一体となってともに幼児児童生徒を育てる視点に立ち、地域に根差し地域に開かれた特色ある学校づくりを推進することは極めて重要なことであります。
県教育委員会におきましては、月2回の学校週5日制のもとで休業日を含め運動場、学校図書館などの学校施設の開放や各教科や特別活動などにおける地域人材の活用、地域における教師のボランティア活動などを通して地域との交流を促進しているところであります。
 平成12年度には教育主要施策に学校経営の充実を位置づけ、開かれた学校づくり調査検討委員会を設置し、地域人材の活用、地域コミュニティ-における学校の役割及び地域住民の学校経営への参加などの調査・研究を行い、開かれた学校づくりの指針を制定し、開かれた学校づくりの促進に努めてまいりたいと考えております。
 2の(1)のキ、総合的な学習の時間への各学校の取り組みと指導対策についてという御質問にお答えいたします。
 小中学校が平成14年度から全面実施、高等学校においては平成15年度から段階的に実施される総合的な学習の時間は、各学校が地域や学校、児童生徒の実態などに応じ横断的、総合的な学習や児童生徒の興味、関心等に基づく学習、地域や学校の特色に応じた学習など創意工夫を生かした教育活動を行うこととなっており、平成12年度からは移行期間となっております。
県教育委員会におきましては、その趣旨及びねらいが周知できるよう新教育課程説明会の開催、研究校の指定、県立教育センターでの講座を実施しているところであります。
 次に2の(1)のク、教職員の意識改革を図るための研修について、ケの教職員の資質向上を図ることについては一括してお答えいたします。
 県教育委員会におきましては、教職員研修の基本方針を定め、教職員がみずからの資質の向上を図り、その職務を遂行するために自発的、積極的に研究と修養に努めることを目指し、初任者研修、情報教育研修、職務研修など教職員のライフステージに応じた各種の研修を行っているところであります。
 特に、これらの研修の中で福祉施設などでの体験を通して命のとうとさやボランティア精神の涵養、また銀行やホテルなどでの企業研修においては、民間企業の厳しさや人間関係の大切さを学び、さらに大学院における研修では専門性を深めてまいっております。
 これらの研修を通して教職員の視野を広げ、意識改革や資質向上に努めているところであります。
 次に、2の(1)のコ、学校選択に関しまして本県の対応策についてということにお答えいたします。
 平成9年文部省は、「通学区域制度の弾力的運用について」を各都道府県教育委員会に通知しております。その趣旨は、「市町村教育委員会において、地理的な理由や身体的な理由、いじめの対応を理由とする場合の外、児童生徒等の具体的な事情に即して相当と認めるときは、保護者の申立により、これを認めることができること。」となっております。
 県教育委員会といたしましては、この通知に基づき教育上の影響等に留意しつつ通学区域制度の弾力的運用に努めるよう各市町村教育委員会を指導してきたところであります。
 また、県立高等学校におきましては各高等学校ごとに通学区域を定めておりますが、通学距離、通学に要する時間、その他正当と認められる理由がある場合については通学区域外の高等学校への入学もできることになっております。
 以上でございます。
○病院管理局長(古謝昇) 県立病院の経営健全化について3の(1)でございます。県立病院の未処理欠損金は毎年増加傾向にあるが、財政の健全化を図るための具体的な数値目標と対応策について聞きたいということでございます。
 お答えします。
 県立病院は、各地域の中核病院として住民の医療確保と医療水準の向上に努め、地域住民の健康保持に大きな役割を果たしてきました。
 しかしながら、県立病院は民間医療機関では行うことが困難な救命救急や高度特殊医療、離島・僻地医療あるいは医療従事者の養成を担っていることから厳しい経営状況が続き、毎年多額の欠損金が生じております。
 このため、単年度赤字の解消を目標として策定しました沖縄県病院事業経営健全化計画に基づき経営健全化に積極的に取り組んでいるところであります。
 今回の5カ年健全化計画では、各年度ごとに経営収支及び業務量等の目標を掲げて病院経営に取り組んできたところであります。しかしながら、平成10年度は診療報酬の実質マイナス改定や患者数の減少等により、22億5000万余の欠損金が生じ目標達成ができませんでした。
 したがいまして、今後は目標達成に向けまして、まず第1点目には診療報酬改定の流れに沿う経営を推進し、診療報酬の増加と的確な収益の確保を図ってまいりたいと考えています。
 2点目には、患者に対する診療情報の提供や医薬分業の推進等患者サービスの向上に努め患者の確保を図ります。
 3点目には、事務・事業の見直しと人件費の適正化による費用の縮減に努めます。
 これらのことを医療現場と一体となりまして着実に実行することにより、経営健全化が図られるものと考えております。
 次に、3の(2)でございます。行政改革との関連で経営の健全化をどう推進するかと。
 県立病院は、厳しい経営状況が続き毎年多額の欠損金を生じていますが、今後とも公的医療機関としての使命を果たすためには、これから策定される新たな行政改革大綱の趣旨を踏まえて徹底した経営の効率化、合理化を図る必要があります。
 このため、沖縄県病院事業経営健全化計画に基づく経営健全化の推進により経営基盤を強化し、一層の収益の確保と費用の縮減に努めることとしています。あわせまして、職員一人一人の意識改革を進めながら各職員の理解と協力のもと、実施計画に盛り込まれている各改善項目について着実に実行して経営の健全化に努めていきたいと考えております。
 次に、質問3の(3)、3の(5)でございます。多様化し高度化する医療ニーズへの対応策について聞きたい、また医療設備や体制の強化拡充が強く求められているが、短・中・長期的な計画について聞きたいと。一括してお答えします。
 県立病院は、これまで地域の中核病院として県民の医療の確保を図り、医療水準の向上と高度で安定した医療を提供するため医療基盤の整備を推進しながら地域医療のニーズにこたえてきました。
 これからも経営健全化計画を推進しつつ、多様化し高度化する医療ニーズに適切に対応するため計画的に医療施設や医療機器の整備を進めるとともに、医師や看護婦等医療スタッフの確保を図り、医療サービスの向上に努めていきたいと考えています。
 次に、3の(4)でございます。経営の健全化を図るために職員の意識改革や協力体制は重要な課題である、その方策について聞きたいと。お答えします。
 病院事業の経営健全化をより一層推進するためには、職員一人一人が企業意識の高揚を図りつつ、一体となって病院運営に取り組む必要があると考えております。
 このため、院内教育のより一層の充実はもとより、職種に応じた病院幹部職員の研修機関への派遣を計画的に実施するとともに、病院現場での業務改善に関する問題意識の高揚を図り職場の活性化と生産性向上へとつながるTQMを実施してまいりたいと考えています。
 また、病院長、事務部長等で構成する病院運営協議会等を定期的に開催し経営健全化への共通認識を深めるとともに、診療報酬請求書等の点検に当たっての事務部門と医局との相互点検及び診療費未納整理月間における全職員一体となっての取り組み等通常業務を通じまして意思統一や連携を図っているところでございます。
 3の(6)でございます。宮古病院将来構想検討委員会は中間答申をまとめ県立宮古病院の移転新築検討委員会の設置要請をしていますが、県の対応はどうなっていますかと。お答えします。
 県立宮古病院は、一般医療を初め救急医療、離島・僻地医療等を担い地域住民の医療確保を図るとともに、医療水準の向上に努めながら公的医療機関としての役割を果たしてきました。
 ところで、県立病院の整備に当たっては各圏域における県立病院の機能、役割等の将来像を踏まえつつ、1つ目に施設の老朽化や狭隘化の状況、2つ目に経営健全化計画の進捗状況、3つ目に建設資金確保やその償還の見通しなど総合的な観点から検討をしなければならないと考えています。
 そのためこれらのことも踏まえまして、県立宮古病院の移転新築に際しましては宮古圏域の医療ニーズの多様化や地元の構想検討委員会による最終答申なども考慮に入れながら、検討委員会の設置については検討していきたいと考えています。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 下地島空港及び周辺残地の有効利用についてで、平成10年3月の下地島土地利用基本計画の見直しをしているが、利用計画や事業導入計画についてどうなっているかとの御質問にお答えをいたします。
 平成10年3月に改定した下地島土地利用基本計画では、全体面積965ヘクタールを7つのゾーンに区分しております。その区分内容は、農業的利用ゾーン30ヘクタール、観光・リゾートゾーン190ヘクタール、スポーツコミュニティーゾーン75ヘクタール、国際都市活用ゾーン80ヘクタール、空港及び航空関連ゾーン375ヘクタール、緑化関連ゾーン175ヘクタール、自然環境保全ゾーン40ヘクタールとなっております。
 県としては、当該土地利用区分に沿って地域活性化に有効な民間活力を中心とした事業の導入を図っていきたいと考えております。
 現在、伊良部町において同計画に基づき観光レクリエーション及び他地域との交流を目的にコテージ、キャンプ場等を整備するサシバアイランド整備事業、農村資源を活用したグリーンツーリズム等を目的とした農山漁村空間総合活用構造改善事業、健康的な娯楽の場の創出を目的としたパブリックゴルフ場の建設事業を平成11年度から精力的に推進しているところであります。
 県としては、伊良部町と連携しながらこれらの事業導入を呼び水にして民間活力の導入など残地の有効利用を促進していきたいと考えております。
 同じく下地島空港関連で、伊良部町は航空大学の誘致運動を積極的に展開していますが、県の活動支援や対応策についての御質問にお答えをいたします。
 県においては現在、下地島空港残地の有効利用を促進するため伊良部町企画室及び県の宮古支庁振興総務課、地域振興課、空港課で構成する下地島空港残地有効利用連絡会議を設置し、事業の導入に向けての課題の検討並びに情報交換等を行っているところであります。
 航空大学の誘致については、伊良部町において平成11年10月21日、日本航空学園に対し文書で要請を行うとともに、平成11年11月11日、日本航空大学設立準備委員会を設置するなど日本航空学園と伊良部町が相連携しながら諸準備作業を進めているところであります。
 県としては、伊良部町における大学設立に向けた準備作業の進捗状況を踏まえながら、下地島空港残地有効利用連絡会議も活用しつつ前向きに対応したいと考えております。
○土木建築部長(銘苅清一) 下地島空港及び周辺残地の有効利用について、アジア各国の航空会社の訓練とシミュレーション施設の設置についての御質問に一括してお答えいたします。
 本年6月議会で御提言のありました下地島空港におけるアジア各国の航空会社のパイロットによる訓練の実施とシミュレーション施設の設置につきましては、県としても引き続き検討しているところであります。
 空港活性化につながる訓練回数の増加につきましても、あらゆる機会をとらえて各民間航空会社に要請をしております。また現在、沖縄開発庁とともに同空港の有効利用を図るための調査検討をしているところであります。
 御提言につきましては、今後とも伊良部町と連携して対応していきたいと考えております。
 伊良部架橋の早期建設対策室(仮称)の設置についての御質問にお答えいたします。
  伊良部架橋のための対策室の設置につきましては、現在、概略ルート選定等の調査を進めており、事業化の熟度及び事業実施の見通し等を踏まえて今後検討していきたいと考えております。
 同じく、調査の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
 伊良部架橋につきましては、平成4年度からこれまで県単独予算で地形、地質、環境等の現況調査を、また平成9年度からは国庫補助による調査を行ってきております。
 平成11年度は、これまでの調査結果を踏まえ複数のルートについて架橋による潮流及び海岸地形の変化等の環境影響予測調査や概略設計を進めており、ルートについては調査検討委員会を設置し地元合意を経て選定する予定であります。
 次年度以降の事業計画と予算措置等についての御質問にお答えいたします。
 平成12年度の事業計画としましては、平成11年度調査を踏まえ引き続きより具体的な予備設計に必要な諸調査を行う予定であり、予算につきましては今年度を上回る所要額を要望しているところであります。
 また、伊良部架橋の事業化に向けては、地元における漁業権者や渡船業者等との合意形成、地域開発との整合性、膨大な建設費の確保、事業手法の検討、建設技術や環境上の問題の詳細検討等多くの課題があります。
 これらの課題を解決するためには、県と地元の伊良部町、平良市、宮古広域圏事務組合が相互に連携する必要があり、現在それぞれがクリアすべき課題について取り組んでいるところであります。
 したがいまして、平成13年度以降の事業計画及び予算措置につきましては、これらの課題解決を図るとともに、現在実施中の他の大規模プロジェクト等の進捗状況を勘案しながら検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○下地  学 再質問をいたします。
 基地の県内移設について、知事は選挙公約で海上基地は県民の財産にならないと、将来県民の財産になる陸上での新空港をつくるということを選挙で公約していますが、キャンプ・シュワブ水域、いわゆる辺野古沿岸域を選定したのは公約の変更であると思うが、これを県民になぜ公約を変更したか、はっきりしてもらいたい。
 あと1点は、議会で海上基地については受け入れられないということを率直に国に申し入れるということを答弁していますが、これは国には申し入れてあるかどうか、確認したいと思います。
 名護市の市民投票は、海上ヘリ基地を想定したものであるというようなことなんですが、県はそれを承知の上でこのキャンプ・シュワブ水域を指定したということは、再度いわゆるメガフロート海上ヘリもその工法の中に含まれているという想定のもとなのかどうか、はっきりしてもらいたいと思います。
 それから、15年の期限つきについて、きのうの参議院予算委員会でも官房長官は確約できないとおっしゃっているけれども、知事はこの15年の申し入れが受け入れられない場合には、その責任は重大と思うんだけれども、どのように対応するか、お伺いします。
○知事(稲嶺惠一) 私が選挙のときに公約をいたしましたのは、政府案の海上ヘリポートは撤去可能であるから県民及び地域の財産にならないということを申し上げたわけですから、公約の変更にはなりません。
 次に、15年後の問題については、厳しい状況というのは承知しておりますが、今後とも強く15年の期限は主張してまいります。
○知事公室長(親川盛一) 下地学議員の再質問にお答えいたします。
 まず1点目は、メガフロートも想定しているのかということでございますけれども、これは先ほど知事もお答えいたしましたとおりまず政府基本案であるメガフロートにつきましては、県民の財産とならないということにつきまして、そういう意味でこれについては反対だということを知事は答弁してまいったところであります。
 それから、市民投票による海上ヘリポート案というのは陸上も含むかという点でございますけれども、先ほどこの市民投票条例につきましては、これはあくまで名護市が有権解釈を持っているわけでございますけれども、その市民投票条例で想定しているのはあくまで撤去可能な海上ヘリポート案ということで、これについてはそのときに建設計画されているのはそれでございますので、それに対する賛否を問うたものだと理解しております。
○下地  学 休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後4時1分休憩
   午後4時1分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 今回政府に申し入れた際に、新しい軍用空港については撤去可能ではなく、県民及び地域の財産になるべきものであるということを申し上げておりますので、前回のものは撤回したと思っております。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後4時2分休憩
   午後4時28分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 質問に入る前に、執行部の皆さんにはまことに申しわけないんですが、きのうの夜、時間が削られまして答弁の準備をしていただいたんですが、次の項目は次回に質問を回したいと思いますので、御了解いただきたいと思います。
 最初の我が党の代表質問との関連、それから普天間基地の問題では11番目、それから介護保険の問題では1番目の質問、2番目、5番目、9番目、11番目、14、この項目は次回に回したいと思います。準備をしていただきましたが、申しわけありません。
 それでは質問に入りますが、質問に入る前に、私はまず最初に知事に抗議を表明したいと思います。
 沖縄県民の命運にかかわる新たな基地の誘致の場所選定を決定しましたが、この根拠になる資料も明らかにしない、さらには資料も提出しないまま日米両政府の言うままになって沖縄県を売り渡すことは断じて許せるものではありません。抗議を表明し直ちに辺野古への決定の撤回を求めるものです。
 さらに、石川副知事に至っては、昨日の空転は議会の内部の問題だという議会に責任を押しつけるこのコメントは許せるものではありません。
 空転の原因は、あなた方がつくったものではありませんか。各議員は事前に質問通告を提出しております。それに備えて資料を準備するのが執行部の責任ではありませんか。それをやらずして議会に責任を押しつけるとは何事ですか。直ちに謝罪を求めます。
 自民党の議員に申し上げたいと思います。
 数に物を言わせて議会の権能を踏みにじり、ただただ政治絡みだからといって、皆さん、本当に執行部を擁護するというこういう議会運営というのは大きな汚点を残すことになりました。言論の府である議会制民主主義への挑戦であり、今後改めていただきたい。
 以上、申し上げて質問に入りたいと思います。
 まず最初に、普天間基地の問題です。
 名護市民は、住民投票で基地建設ノーの審判を明確に示しました。それが政府や知事の立場と異なることで住民投票の審判を覆すような態度は、住民が主人公という地方自治の理念と民主主義を踏みにじるものではありませんか。
 2つ、日米両政府は、普天間基地は世界でも最も危険な飛行場と繰り返し言明し、知事もその認識を示しました。普天間基地の機能からして移設された場所の事件・事故の危険性、騒音被害、自然や生活環境への影響などを明らかにして、名護市の住民や県民がその是非を判断できるだけの情報を示して判断を求めるのが行政の責任ではありませんか。そのことを明確にしてください。基地受け入れの過程をも含めて情報を公開してもらいたい。
 3つ目に、普天間基地で1年間に使用されるオイルはどれだけですか。
 4つ目に、98年に県の基地対策室がつくった資料で海上ヘリポートに関するSBFレポート、DODレポートの比較について、当時日米両政府が辺野古沖に計画をしていた海上基地に関する2つの米国防総省の報告書を県が独自に入手、内容を検討した資料があるのは御存じですか。
 その資料が検討されたのであれば、その内容を明らかにしてもらいたい。検討してないというのであれば、なぜ検討しなかったのか、理由を示してください。
 5つ目に、DODレポートには、海上施設とすべて連結する建築物は200年の耐久性を備え、40年間運用できるように設計されるとの記述があります。新基地を23世紀まで耐え得るようなものにするという米側の基地恒久化構想を知っての15年なのですか、知らないでの15年の期限つきか、どちらですか。
 6つ目に、新基地建設場所は県策定の自然環境保全指針で、自然環境の厳正な保護、保全を図る区域として最優先の保護ランクⅠに位置づけられています。その自然環境を人間の強欲、それも戦争をするために壊していいものでしょうか、お伺いします。
 7つ目に、新しい基地建設の実施主体はどこになりますか。県のかかわり方はどうなりますか。
 8つ目に、知事の言う新しい基地の軍民共用の中身が明らかにされてないだけに県民の疑問や不安は募り、一方、ワシントン発の記事では軍民共用化によって滑走路が延長され、そして戦略物資を運ぶ大型輸送機の離発着ができ、普天間基地に駐留する米兵の家族や隊舎を北部に移転したい旨日本に打診していると報じています。まさに基地の拡大強化をねらっています。
 そのことについても直ちに独自の調査をなさったと思いますので公表してください。してなければ、なぜしなかったのか、調査をする意思はあるのですか。
 9つ、知事の北部振興策の目玉となる軍民共用の新しい空港活用の可能性として、ビールや農林水産関係の製品がどの程度航空輸送機を使用すると見込んでいらっしゃるのですか。
 10番目に、民間需要がなくなり民間機の航路が開設されなければ未来永劫に負の遺産を抱えることになりませんか。
 11番目、98年3月2日の米国議会の会計検査院の報告書で、クリーンアップ問題を初め海上施設の建設や使用が環境へ及ぼす悪影響が考えられると指摘していますが、検討されましたか。
 12番目に、15年の軍民共用空港はどんな工法で、どんな空港になるのですか、その考え方もわかった上での移設決定になったのですか。
 大きな2番目の質問として平和祈念資料館の問題です。
 1、管理運営に当たっては、博物館法が適用される施設として理解してよいですか。
 2つ目に、設置条例をつくる場合、事業としてア、戦争と平和に関する資料の収集、整理、保管と展示、イ、戦争と平和に関する学術交流及び研究活動、ウ、出版物の編集発行、講演会等の開催等を盛り込むことについての御見解をお伺いします。
 3つ目に、運営を進めるに当たって、企画運営委員会を初め運営協力友の会を設置してはどうですか、お伺いいたします。
 3つ目の大きな質問として、現段階の介護保険問題における問題点と、そして解決するための最小限の条件整備、さらには対策等を提案して質問をいたします。
 1つ目に、施設サービスについては特養ホームを増設し待機者を解消する具体的な方針を伺いたい。
 2つ目に、在宅サービスについても自力で目標を達成できない市町村を援助しすべての自治体が最低水準を突破するために、県は市町村に人材確保など特別の財政支援計画を持っていますか。とりわけ離島の自治体のホームヘルパーの達成率と確保の見通しはありますか。
 3つ目に、もともと生計費には課税はしないというルールは、憲法25条に定める生活保障を税制の上で具体化したものです。保険料よりも国民の義務になっている税金ですら非課税になっている人からも保険料を取り立てるのは憲法の精神からも見直す必要があります。それだけに住民税の非課税の高齢者及び低所得者の保険料は、国と県の制度として保険料を免除する減免制度をつくることについて御見解をお伺いします。
 4つ目に、介護認定は施設の介護データだけではなく、在宅データも取り入れて生活実態に見合うようにその都度改善を図る方針はお持ちですか。
 5つ目に、市町村の認定審査会の充実強化を図る県の具体的な支援策はありますか。県は、介護認定に関する不服申し立てを受ける介護保険審査会の設置はされていますか。
 6つ、介護支援事業者や介護サービス事業者の確保はできていますか。
 7、介護サービス事業者への苦情処理に係る申し立て等に対応する体制はとられていますか。
 国保連合会の取り組みはどういう状況にありますか。
 9つ、療養型の病床群の介護保険の適用と医療保険適用の申請状況と割合はどうなっていますか。
 介護報酬や保険料の算定は2月議会までには確定されますか。
 大きな4番目として、3歳児の医療費無料化は平成13年以降も継続しますか。
 大きな5番目の質問として、子供の虐待の予防、解決に向けて各機関の役割について提言をし見解をお伺いします。
 1つ、各病院が虐待を受けているおそれのある児童を発見する役目を担う、2つ、診断をきちっとする、3つ、虐待を受けた子は親からも裏切られた子で、他人とのかかわりに素直に反応しないのがほとんどです。虐待を受けた数だけ人を裏切るとも言われています。それだけに精神的、身体的ケア、治療が必要です。
 以上、3点は病院の皆さんにかかわっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
 4つ目に、虐待に対応できる公立病院を確保してもらいたい。
 5つ目に、子どもの権利条約の徹底、子供自身にも殴られない権利と他人の人権を守る教育の徹底をしてもらいたい。
 6つ目に、親への子育ての支援と啓発です。母親学級や母子手帳などに育児相談の電話番号を入れてはどうでしょうか。
 7つ目に、児童相談所は、職員の削減と職員の異動などで業務の専門性が蓄積されない状況にあります。その上、事業費、運営費が削減され児童の援助、調査活動にも支障を来しています。民生児童委員からも予算をふやしてもらいたいとの要求があります。
 見解をお伺いします。
 大きな6つ目として、真地久茂地線は中央分離帯が引かれていますが、地域住民から開口設置をしてもらいたいとの要求が寄せられています。地域住民の生活権を守る上から8カ所程度の開口の設置と現在の進捗状況をあわせてお伺いいたします。
 以上申し上げまして、答弁によっては再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えします。
 最初は普天間基地の問題で、名護市民は住民投票で審判を下したと、住民投票の審判を覆すような態度は地方自治の理念と民主主義を踏みにじるものではないかとの御質問へのお答えでございます。
 名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替へリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁されているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しております。
 県としては、海上へリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
 同じく移設問題で、海上施設とすべて連結する建築物は200年の耐久性を備え、40年運用できるよう設計されているという、その米側の恒久基地化構想を知っての上での15年なのか、知らないでの15年期限、どちらかという、それへのお答えでございます。
 御質問の文書が検討を行っている海上ヘリポート案については、政府に見直しを求めております。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際、移設に当たって整備すべき条件の一つとして基地の固定化を回避し、基地の整理縮小を求める県民感情から15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいりたいと考えております。
 次に、介護保険の現段階の問題点についてという中で、市町村の人材確保などのための財政支援計画を持っているか、特に離島のホームヘルパーの確保の見通しはどうかとの御質問に対してのお答えでございます。
 在宅サービスについては、訪問介護を初め整備がおくれている状況がありますが、介護保険制度では民間事業者など多様な主体がサービスを提供できることになっており、事業への参入が期待されています。
 離島町村におけるホームヘルパーの達成率は、平成11年度末で約60%と見込んでいます。これらの地域においては事業者の参入が困難と思われることから、現地に講師を派遣して研修を行ういわゆる出前方式によるホームヘルパーの養成を実施し、現在までに232人が受講しています。今後とも、引き続き離島におけるホームヘルパーの養成に努めていきたいと考えております。
 続いて、3歳児の医療費無料化について平成13年度以降も継続できるのかという御質問へのお答えでございます。
 全国的に少子化が進行する中で、本県においてもその傾向が一層進んでおり、次世代を担う子供たちを安心して健やかに生み育てることができる環境の整備が強く求められております。
 このため、県においては生涯の健康づくりの基礎となる大切な乳幼児期に安心して必要な医療が受けられるよう、市町村と一体となって乳幼児医療費助成事業の拡充について取り組んでまいりました。
 こうした市町村の協力のもとで、去る10月1日から対象年齢をこれまでの1歳未満児から3歳未満児まで引き上げて全市町村において実施しているところであります。
 乳幼児医療費助成事業は、少子化社会における子育て支援策の柱であり、生涯につながる健康政策として今後とも継続し実施していく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(石川秀雄) 外間久子議員が質問に入る前に、私に関する昨日の発言について不穏当な発言であるということがございましたので申し上げておきたいと思います。
 昨日の状況については、与野党の議会の空転によりましてそれぞれの立場でのやりとりがあったと思います。その間におきましては執行部も呼ばれまして、いろいろなことに御相談を議長の方から受けております。
 その際に、議会の質問の順序を野党の質問を後にして、与党の方を前に持ってくる、こういうことで執行部はどうかという御相談も受けましたので、そのことについては議会内部で決められたことなので私どもが申し上げるわけにはいきませんと、こういう内容でお答えしているわけです。
 そのことを議長室から出ましたときにマスコミの取材に遭いまして、これはどうしたんですかということなので、それについてはこれは議会の問題ですよということを申し上げたわけです。質問の趣旨がないままで私の答えだけが議会の問題であるということを、資料を出さないことが議会の問題であると、こういう意味に受けとめたとすれば、質問の趣旨をお聞きなさってない先生の誤解だと思いますので、その点をはっきりさせていただきたいと思います。
 その前提は、議会の質問の順序を変えることをどう思いますかと、そう了解したんですかと、こういうことでしたから、それは議会の問題ですと、こう申し上げたわけですから、その点で承知していただきたいと思います。
 あわせて、その点については昨日の再開の冒頭にも当山先生からも御指摘がありましたが、あわせてこの場でそういうことがあったということを釈明じゃございません、はっきりさせていただきたいと思います。
○知事公室長(親川盛一) 外間久子議員の普天間基地の県内移設問題に関連して、名護市の住民や県民がその是非を判断できるだけの情報を示して判断を求めるのが行政の責任、基地受け入れの過程を含めて情報公開してもらいたいという御質問にお答えをいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目の基本方針を設定して移設候補地の検討を行い、これらの方針に適した場所を総合的に判断してキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達しました。
移設候補地の選定作業に関する資料については、選定作業の性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めてまいりました。
 移設候補地選定に関する資料につきましては、整理した上でできるだけ早く提出したいと考えております。
 それから次に、普天間基地で1年間に使用する航空機燃料はどのぐらいかという御質問にお答えをいたします。
 海兵隊外交政策部(G5)に確認したところ、航空機燃料等の使用量は海兵隊の運用上の理由により公表できない旨の回答がありました。
 また、同様に那覇防衛施設局に照会したところ、局としても把握できないとのことであります。
 次に、米国防総省の資料が検討されたのであればその内容を明らかにしてもらいたい、検討してないというのであればなぜしなかったのか、理由を示してもらいたいとの御質問にお答えをいたします。
 御質問の文書につきましては、前県政時代に入手したことは承知しておりますが、正式に国から提供された文書ではございません。
 耐用年数等について当該文書は、海上施設及びすべての関連構造物は40年の運用年数と200年の耐久年数を持つよう設計されると記述しておりますので、当該文書はSACOの最終報告で述べている海上へリポートに関するものであると理解しております。県としては、海上へリポート案については政府に見直しを求めているところであります。
 それから次に、新基地建設場所は県策定の自然環境保全指針で、自然環境の厳正な保護、保全を図る区域として最優先の保護ランクⅠに位置づけられている、その自然環境を人間の強欲、それも戦争するために壊していいのかという御質問にお答えをいたします。
 平成10年2月に策定した自然環境の保全に関する指針沖縄島編においては、ランクⅠに区分された箇所は119カ所、ランクⅡが74カ所、ランクⅢが35カ所、ランクⅣが10カ所となっており、当該地域はランクⅠ自然環境の厳正な保護を図る地域に区分されております。
 同指針は、本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。
 県としては、本指針の趣旨も踏まえ県の考え方を国に提示した際に自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き強く申し入れていきたいと考えております。
 次に、新基地建設の実施主体はどこになるか、県のかかわり方はどうかという点と、15年の軍民共用空港はどんな工法でどんな空港になるのか、考え方もわかった上で移設決定になったのかという御質問に一括してお答えをいたします。
 具体的な建設場所や工法等につきましては、地元の意向を最大限に反映させ国が最終的に決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 次に、ワシントン発の記事では、軍民共用化によって滑走路が延長されれば戦略物資を運ぶ大型輸送機の離発着ができ、普天間基地に駐留する米兵の家族や隊舎を北部に移転したい旨日本側に打診していると報じている、直ちに独自の調査結果を公表せよと、しなければなぜしないのか、調査をする意思はあるのかという御質問にお答えをいたします。
 先般、マスコミで報道された住宅の移設に関しては県は承知しておりません。
 次に、知事の北部振興策の目玉となる軍民共用の新空港活用の可能性としてビールや農林水産関係の製品がどの程度航空輸送機を使用すると見込んでいるのかという御質問にお答えをいたします。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
 軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し移設先の地域はもとより、北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
 次に、98年3月2日の米国議会会計監査院報告書でもクリーンアップ問題を初め海上施設の建設、使用が環境へ及ぼす悪影響が考えられると指摘しているが、検討したかということへの質問にお答えをいたします。
 御指摘の報告書は、海上へリポートに関するものであります。県としては、海上へリポート案については見直しを求めているところであります。
 代替施設の建設につきましては、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとし、さらに自然環境への影響を極力少なくするよう国に対し強く申し入れたところであります。
 以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 外間久子議員の平和祈念資料館問題についての御質問にお答えいたします。
 まず、管理運営に当たっては、博物館法が適用される施設として理解してよいかというお尋ねでございます。お答えいたします。
 平和祈念資料館は、当初から知事部局において設置管理することとして整備を進めてきていることから、博物館法の適用は受けないいわゆる博物館類似施設になると考えております。
 それから同じく平和祈念資料館について、設置条例の中に事業として戦争と平和に関する資料の収集、整理、保管と展示、それと学術交流及び研究活動、また出版物の編集発行、講演会等の開催を盛り込んではどうか、また運営を進めるに当たっては企画運営委員会を初め運営協力友の会を設置してはどうかというお尋ねでございます。
 一括してお答えをいたします。
 まず、設置条例は現在検討中であり、御提案の件につきましては条例案策定の中で検討してまいりたいと考えております。
 また、運営協議会等の設置は基本計画にも定められているところであり、これもあわせて検討を進めてまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険の現段階における問題点について10の質問がございますので、順次お答えいたします。
 まず、療養型病床群の介護保険適用と医療保険適用の申請状況と割合についてでございます。
 介護療養型医療施設の申請につきましては、11月15日から受け付けを開始し12月15日に締め切ることとしており、まだ集計されておりません。
 ちなみに、申請に先立ち介護療養型医療施設にアンケートを実施しましたが、その結果では介護保険適用希望が54%、医療保険適用が46%となっております。
 次に、介護報酬や保険料の算定は2月議会までには確定されるかとの御質問にお答えいたします。
 介護報酬については、平成12年1月ごろに確定する予定です。各市町村は、これを受けて介護保険に要する総費用を算定し保険料を決定しますので、2月議会までにはほぼ確定できるものと思われます。
 次に、特養ホームを増設し待機者を解消する具体的な方針を伺いたいとの御質問にお答えいたします。
 介護保険施設については、平成11年度末までに特別養護老人ホームが4065人、老人保健施設が3732人分が整備される見込みとなっており、全国的にも高い水準で整備されています。
 平成12年度以降の施設の整備については、市町村の実態を踏まえ、沖縄県介護保険事業支援計画で整備目標を設定することになりますが、中間取りまとめの段階では増設等の新たな需要は出ていない状況です。
 なお、介護保険制度の理念は住みなれた地域で暮らし続けるというものであり、市町村においてはこの趣旨を踏まえ在宅サービスの整備に努めているところです。
 次に、低所得者の保険料を免除する制度をつくることについての御質問でございます。
 保険料については、所得に応じ5段階別に徴収することになっており、それぞれの負担能力に応じて徴収することになっております。また災害や長期の入院、失業等により著しい収入の減少が生じた場合は、市町村は条例により減免することができることになっております。
 なお、このたび国においては高齢者保険料について平成12年4月から半年間は徴収をせず、また平成12年10月から1年間は半額に軽減する特別対策を実施することとしています。
 県としましては、低所得者の保険料減免制度等については、これらの結果を踏まえ検討していきたいと考えております。
 次に、要介護認定基準は生活実態に見合うようその都度改善を図る方針があるかとの御質問にお答えいたします。
 国の医療保険福祉審議会において、今後の課題としてデータの充実を図ることや在宅介護を受けている者を対象とすることについても研究を進めるべきとの意見が出されており、国としては今後の見直しに向け調査研究を行う予定であるとのことです。
 次に、認定審査会の充実や県の介護保険審査会についての御質問にお答えいたします。
 介護認定審査会につきましては、本県では38市町村が広域的に設置し、15市町村が単独で設置し認定審査を行っています。
 県におきましては、認定審査に先立ち審査会委員への研修を実施したところですが、今後とも審査会委員の資質向上に努めるとともに、必要な支援、助言を行うこととしています。
 介護保険審査会につきましては、6月議会において条例を制定し、現在、委員の就任手続を行っているところであり、年内には設置することにしております。
 次に、居宅介護支援事業者や介護サービス事業者の確保はできているかとの御質問にお答えいたします。
 介護サービス計画を作成する居宅介護支援事業者につきましては、11月末現在で119事業所を指定しております。
 介護サービス事業者につきましては、介護報酬がまだ確定していないこと等もあり事業者の動きが活発とは言えない状況がありますが、市町村と事業者の意見交換会等を開催し確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、介護サービス事業者への苦情を処理する体制はとられているかとの御質問にお答えいたします。
 介護サービス事業者への苦情処理については、市町村の委託を受けて国民健康保険団体連合会が業務を行うこととしており、現在その準備を進めているところです。
 次に、国保連合会の取り組み状況はどうかとの御質問にお答えいたします。
 現在、全国組織である国保中央会で苦情処理に係る業務のあり方や具体的な処理方法について検討が行われています。県連合会ではこれを受けて早急に取り組む予定であります。
 なお、介護報酬の審査、支払い等についても国保連合会が事務を行うことになっており、これらの対応に向けて介護保険準備室が設置され、専任職員3人が配置されています。
 続きまして、子供の虐待予防、解決に向けての各機関の役割についての御質問に順次お答えいたします。
 まず、各病院が虐待を受けているおそれがある児童を発見する役目を担うこと、次に病院が診断をきちっとすること、また虐待を受けた子に精神的、身体的治療が必要であるという提言につきましての御質問について一括してお答えいたします。
 児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応のためには医療現場を含めた関係機関との連携が重要であります。
 そのため、平成9年度に「子どもの虐待防止のための手引き」を作成し関係機関に配布するとともに、現在これを活用し、平成10年度から県内の病院や小中学校、保健所、民生委員、児童委員等関係機関による虐待防止地域ネットワーク会議を開催しております。
また、県立那覇病院では「こども虐待対策委員会」を設置し、組織的に対応するなど個々の医療現場でも積極的な取り組みが行われてきております。
 病院等医療現場が被虐待児童の身体的、精神的な面での治療はもちろんのこと、早期発見の面からも重要な役割を担っていることから、県としては「医療機関用子どもの虐待防止マニュアル」(仮称)の策定に向けて取り組んでいるところであります。
 次に、虐待に対応できる公立病院の確保についての御質問にお答えいたします。
 児童相談所で一時的に保護している児童を強引に取り戻そうとする親から被虐待児童を守るために警察等と連携協力しているところですが、そのような児童を保護するための警察と連携した病院の確保ということにつきましては、今後の貴重な御提言として承りたいと思います。
 次に、子どもの権利条約の徹底等についての御質問にお答えいたします。
 「児童の権利に関する条約」では、子供を保護の対象とするだけでなく、子供の最善の利益や子供が意見を表明する権利などを保障することをうたっています。
 県においても、次の時代を担うすべての子供の権利について広く県民の理解を深めるため、これまでも教育委員会との連携のもとにシンポジウムや講演会を開催しております。
 また、平成9年度に「子どもの虐待防止のための手引き」を作成し、学校、教育機関に配布するとともに、地区校長会や養護教諭への周知を図るため説明会を開催し児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応に努めております。
 次に、母親学級や母子健康手帳の育児相談についての御質問にお答えいたします。
 母子保健は、次の世代を健やかに生み育てるための基礎であり、また生涯を通じて健康な生活を送るための第一歩でもあります。
 近年の母子保健を取り巻く環境は、核家族化、女性の社会参加及び価値観の多様化により変化してきております。
 こうした中で、県は市町村との連携を通じて母親学級や思春期教室などにおいて妊産婦や関係者に対する正しい保健知識の普及に努めております。
特に、親と子の心の健康を重視した相談体制の充実については市町村、保健所、医療機関及び学校等との有機的な連携のもとで取り組んでいます。
 母子健康手帳は、出産及び育児に関する健康記録であるとともに、子育てに関する指導書でもあり、健康相談情報も含めて幅広く活用されております。今後ともお母さん方が関係機関に気軽に相談できるよう、さらにその内容の充実を図っていきたいと考えております。
 次に、児童相談所の職員及び予算に関する見解についての御質問でございます。
 児童虐待は全国的にふえており、本県においても年々増加しております。そのため高度な知識と専門性を持った職員の確保が必要であり、資質の向上を図るため職場内外の研修を実施しております。
 また、児童相談所の予算につきましては、中央児童相談所の運営費の例で申し上げますと平成10年度が1917万円でしたが、平成11年度は1732万5000円となっており、金額にして185万円、率にして約9.6%の減となっております。
 これは、県の厳しい財政事情のもとで同相談所の予算についても経費の節減を図るべく計上されたものであります。
○土木建築部長(銘苅清一) 真地久茂地線の中央分離帯設置についてのうち、街路事業の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
 県道真地久茂地線の整備事業は、延長約2400メートル、幅員25メートルの4車線道路として総事業費約267億円で実施中であります。
 同事業は、昭和62年度から平成16年度の完成をめどにこれまで測量設計、用地取得、道路工事、橋梁工事等を実施しており、平成10年度末の進状況は事業費で約142億円、率にして53%となっております。
 次に、地元住民の中央分離帯の開口部の新設要望についての御質問にお答えいたします。
 真地久茂地線は、第2環状線と那覇市の中心市街地を結ぶ重要な4車線の幹線道路で、将来は1日当たり3万台以上の交通量が予測されております。
このことから、円滑で安全な交通の流れを確保することは重要であると判断し中央分離帯を設置することとしました。
 寄宮交差点から上間方向へ約800メートルの区間につきましては、長田及び識名地区住民から、中央分離帯の設置が道路利用上の利便性を悪くするとして設置計画の撤廃を求める要請がありました。
 県では、住民に対し中央分離帯が交通の安全を確保する上で必要なものであるとの説明を行うとともに、地域の道路利用上の利便性を確保するための開口部の見直しについては住民及び交通安全を所管する関係機関とも協議を行い、前向きに対応する考えであります。
 以上でございます。
○外間 久子 ちょっと休憩願います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後5時10分休憩
   午後5時14分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 自然環境との関係についての御質問にお答えをいたします。
 県といたしましては、この指針の趣旨も踏まえ、県の考え方を国に提示した際に、自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところでありますので、引き続き強く申し入れていきたいということでございます。
 それから9番目のビール等の見込みでございますけれども、この需要につきましてはこれからの問題でございます。したがいまして現時点で幾らということはまだはじき出しておりません。
 現在のところ見込みにつきましては存じておりません。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後5時15分休憩
   午後5時16分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 自然環境の保全に関する指針においてランクⅠに指定されているところを壊してもいいのかと、こういうことでございましたけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり同指針は、本県における望ましい環境を実現するため県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。
 県としては、本指針の趣旨も踏まえ、県の考え方を国に提示した際に自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れておりまして、これからも引き続き強く申し入れていきたいと、このように考えております。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後5時17分休憩
   午後5時18分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 先ほど知事は、何人かの皆さんへの答弁の中でも、15年の問題、とにかく主張しますと。
 主張は大いに結構だと思うんですよ。主張は大いに結構。だけれども、この主張が途中でできなかったらどうする。その主張が通らなかったら、あなたの主張が。15年を主張するけれども、それが決着がつかなかったらどうなさいますかというのが1つ。15年を主張して決着がつかなかったら、これはどうなさいますかということに答弁をしていただきたい。
 あと1つはですね、今やはり反対の中で女性の皆さん方が圧倒的に反対が多いと思うんですよね。やはりこれは自分たちがあの戦争を体験してもう嫌だという、子供たちにあれを繰り返させたくないというふうな思いがあるからだと思う。
 そういう面からすると、やはり今40年の問題が出てきている。200年も耐用するような基地をつくるという、こんな情報は私たちは知りませんじゃ通らないんじゃないですか。
 そういうふうな話があるんだったら、みんなが心配しているんだのに、一緒になって、じゃ、こういう心配事があるけれどもどうですかという形で、アメリカにじゃ私行きますと、こういう答弁だったら頼りがいがあると、私たちの命、知事に任せてもいいという思いが出る。
 だけれども、アメリカとも交渉しない。アメリカの意向は40年間使う。こういう形で私たちの命、任せられない。きちっとそれができますかということを聞きたい。
 アメリカに言うことができますか。
○知事(稲嶺惠一) 15年の問題は大変厳しい問題ではございますけれども、私どもとしては今後とも強く主張を続けます。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後5時24分休憩
   午後5時26分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 200年の耐久性、40年の運用できるような基地の恒久化構想については、検討を行っている海上ヘリポート案について政府に見直しを求めております。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際、移設に当たっての整備すべき条件の1つとして基地の固定化を回避し、基地の整理縮小を求める県民感情から15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいりたいと考えております。
○外間 久子 普天間基地の問題は新垣議員に引き継ぎますが、知事、今みんなが心配しているんで、ひとつ県民の命を預かる知事なんだから、みんなが心配しているわけですよ。
 200年ももつような基地をつくられたら大変だと、40年間使われたら大変と、15年の問題もよくわからないと。
 こういう状況の中で、日本の政府も言わないというこういう状況で心配していると。だから日本の国と一緒に私たちの命を守るためにきちっと外交の問題でアメリカに言いますかと、そういうことを最後答弁を求めたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 40年、200年の問題は、これは浮体方式でございます。
 私どもは今新たに……。この部分はこれを全く外しております。したがって、これからの政府との交渉の中でこの15年の期限を強く主張し続けます。
○平良 長政 一般質問を行います。
 1、普天間飛行場移設問題について。
 (1)、移設先選定過程での透明性等について。
 ア、密室での選定作業に終始し、決定に至るまでの情報開示がなされなかったのはなぜか。
 イ、公開されないのは、日米両政府の意向を受けて初めから辺野古沿岸域ありきであったのではないか。
 ウ、検討されたすべての候補地の資料を公開すべきと思うが、どうか。
 エ、建設場所、工法、自然環境への影響、騒音はどうか等について示されなければ議論もできないし、合意どころではない。それらのことを明確にさせないまま政府にゴーサインを出すのは、手続上いかがなものか。
 オ、移設先決定まで県民との一切の対話もなく、負担を強いられる名護市民、辺野古周辺住民も蚊帳の外で、住民自治や民主主義を否定する手法ではないか。
 カ、民間空港と軍民空港との違いはあるとはいえ、新石垣空港建設の場合、前県政下で合意形成に向けあらゆる民主的手法をとっている。それとの比較でも透明性に欠けると思うが、どうか。
 キ、ことし2月定例会での私の質問に対し知事は、移設先の特定は国で行うべき、海上基地はノー、6月定例会では、国へは複数案を提示、地元説得は国の責任との答弁でしたが、なぜ県は候補地を1カ所に絞り込んだのか。そのため、地元説得も県が引き受けざるを得なくなったのではないか。
 (2)、住民合意について。
 ア、一番肝心な移設先の住民との合意どころか、対話もなく、名護市長への説明すらもなく頭越しに移設先を決めたのは、クリントン発言を受けての年内決着シナリオに忠実に従ったのではないか。県は主体的にやったというが、県民には政府の圧力に屈したとしか見えない。県民とは相談せず、国と相談して事を進めるのが稲嶺県政の手法か。
 イ、県内移設では住民合意は得られず、むしろ県内移設に反対したら、アメリカは岩国への移設も検討、の報道もあった。普天間問題は県外移設のチャンスであったと思う。改めて知事の県外移設、国外移設についての見解を問う。
 ウ、知事は、一昨年の名護市民投票の結果を無視するのか。国策に対する市民の異議申し立てに対し口を封ずる考えか。
 エ、住民の頭越しにはしないという政府見解をどのようにとらえているか。市長と市議会の合意を得れば頭越しにはならないのか。
 オ、岸本名護市長は、受け入れ表明後辞任、再出馬で市民の審判を受けるのも選択肢の一つと発言しているが、名護市民との合意のないまま政府にゴーサインを送った知事の手法の誤りの結果、市長を追い込んでいるのではないか。
 カ、東ティモールでは、インドネシアからの分離独立を求める住民投票が行われ、独立派が多数を占めた結果、インドネシア政府は住民投票結果を尊重し独立を認めた。知事は、これについてどう考えるか。
 (3)、県内移設と経済振興策のリンク論について。
 ア、今回は、経済振興策と引きかえに県政史上初めて新たな基地をみずから誘致することになる。在日米軍基地の75%を押しつけられている沖縄でさらに新しい基地を建設することに対する知事の見解を聞きたい。
 イ、振興策とのリンクについては東村の例がわかりやすい。ヘリパッドをつくらせるかわりに水道施設をつくってほしいというものでした。固有種22種、絶滅危惧種及び貴重種113種が確認され、世界遺産にも登録しようとしている地域に、水道施設と引きかえにかけがえのない自然の宝庫をつぶす。まさに政治の貧困ではないか。莫大な軍事費を湯水のように使いながら、本来の生活に最低限必要な水道施設には金を出さず、基地を認めるなら金を出そうという政治は悲しい。札束をちらつかせて振興策は要らぬか、金は欲しくないかという政治についての知事の見解を問う。
 (4)、代替施設の15年期限問題について。
 ア、15年期限の条件を日米両政府がのまなければ知事は受け入れを拒否するか。
 イ、条件をのむという場合でも担保としての法的拘束力のある何らかの協定が必要と思うが、どうか。
 ウ、知事は、基地の整理縮小を求める県民感情から15年が限度と言っているが、現在ある基地についても15年が限度と考えないか。前県政の2015年基地全廃の基地返還アクションプログラムを再度政府に要求する考えはないか。
 エ、米国防総省は、200年耐用で40年使用の基地にしたいと言っている。それについてはどう考えるか。
 (5)、代替施設の軍民共用問題について。
 ア、ことし2月定例会で私が質問した民間空港の航路と需要の問題についての答弁ではまだお答えできないということでしたが、再度答弁を求めたいと思います。
 イ、軍民共用空港の管理権はだれが持つのか。
 ウ、安全性についてはどう考えているか。
 エ、海兵隊撤退後の那覇空港のように自衛隊との共用空港にならないか。
 (6)、MVオスプレイの配置について。
 ア、どのような機種か。
 イ、騒音等周辺地域への影響はどうか。
 ウ、配備計画はどうなっているか。
 (7)、移転に伴う住宅移設について。
 ア、普天間飛行場勤務の米兵とその家族は4000人以上と言われているが、移転に伴って住宅も基地周辺に移設される報道もあったが、事実か。
 イ、住宅も移設されると米兵による犯罪も心配である。住宅移設について県はどのように考えているか。
 (8)、環境保護問題について。
 ア、県の環境保全指針の中で、辺野古沿岸域は最も保全を要する評価ランクⅠに指定されている。みずからつくった指針をみずから破ってしまったら、今後の環境保護行政にも多大な影響を及ぼすことは必定である。見解を問う。
 2、新平和祈念資料館問題について。
 (1)、9月定例会以降の作業状況について。
 ア、4月から数カ月に及ぶ見え消し作業によって大幅に作業日程に狂いが生じていると思うがどうか。その責任はだれがとるのか。業者へ責任転嫁させてないか。
 イ、運営協議会(仮称)の設置に関する条例はいつ提案されるか。メンバーの人選はどう考えているか。
 ウ、学芸員の配置はどうなったか。
 エ、3月オープンは事実上無理ではないか。急いで悪いものをつくるより、じっくり準備してよいものをつくった方がいいと思う。監修委員への時間的負担も大きいと聞いている。内容はどうでもいいから3月オープンではいかがなものか。
 (2)、今後の問題について。
 ア、ワーキンググループの予算はどうなっているか。平和学習発信部会で取り扱う分野は多岐にわたり、短期間に仕上げるには職員や監修委員の能力を超えていると思われる。これまでの専門家の研究成果を生かすためにも専門家を入れたワーキンググループを早く立ち上げ、世界に誇れるものにしてもらいたいと思うが、どうか。
 イ、オープン後の展示内容変更はどのような手続で進められるのか。運営協議会で決めていくのか。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
 最初に普天間問題で、日米両政府の意向を受けて、初めから辺野古沿岸域ありきであったのではないかとの御質問へのお答えでございます。
 移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目を基本方針に設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
 これらを総合的に判断して、1、米軍基地の整理縮小が図られること、2、騒音の影響を比較的小さくすることができること、3、地域振興の促進に寄与することができることの理由からキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達したものです。
 次に、同じく移設問題で、移設先決定まで県民との対話もなくと、負担を強いられる名護市民、辺野古周辺住民も蚊帳の外で住民自治や民主主義を否定する手法ではないかということと、民間空港と軍民空港との違いもあるけれども、新石垣空港の場合合意形成に向けてもっと民主的手法がとられていると、それをどう思うかという2つの御質問に一括してお答えしたいと思います。
 移設候補地の選定作業は、その性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めることにし、特定の地域との間で調整を行うことはしませんでした。
 移設候補地である名護市に対しては、公表した当日に私の代理として石川副知事が名護市長と会見し、御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
 市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
 また、移設に当たっては、名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと思っております。
 次に、2月定例会での質問に対し、移設先の特定は国で行うべき、海上基地はノー、6月定例会では国へは複数案を提示ということで、なぜ県は候補地を1カ所に絞り込んだのかという御質問に対してです。
 検討作業を進める過程において複数案を検討しましたが、最終的な絞り込みを行い、移設に当たっての県の基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果、1カ所になったものであります。
 次に、同じく移設問題で、移設先の住民との合意どころか、年内決着シナリオに忠実に従ったのではないかと、国と相談して事を進めるのが県政の手法かという御質問と、住民の頭越しにしないという政府見解をどうとらえているか、市長と市議会の合意を得れば頭越しにならないのかと、それから岸本名護市長は受け入れ表明後辞任、再出馬で市民の審判を受けるのも選択肢の一つと言っているが、名護市民との合意のないまま政府にゴーサインを送った知事の手法の誤りの結果ではないかという御質問にお答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、移設候補地を決定するに当たっては、県として主体的に判断し作業を進めてきたものであります。
 選定結果については、名護市長に御説明したところであります。
 移設に当たっては、名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えております。
 次に、県内移設では住民合意は得られず、むしろ県内移設に反対したら、岩国への移設も検討の報道もあったと、普天間問題は県外移設のチャンスであったと思うと、それについての見解を問うという御質問へのお答えでございます。
 普天間飛行場の返還問題については、前県政が精力的に取り組みSACOの合意に至っています。返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくる。より危険度の少ないという関係で、これを第一歩にして次々と解決を図っていくしか我々には道はないと述べ、現実的に対応する姿勢を見せましたが、結果的には県内移設反対の立場に転換して普天間飛行場問題は膠着状態に陥りました。
 国外、県外移設については、日米両国政府が厳しい見解を示しております。両国政府の理解が得られないまま解決の展望が見えない県外や国外への移設に固執するより、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したSACOの合意事案を着実に実施していくことが、基地の整理縮小を促進する現実的な方法であると認識しております。
 次に、同じく普天間飛行場の問題で、一昨年の名護市市民投票の結果を無視するのかと、口を封ずる考えかという御質問へのお答えでございます。
 名護市長が市議会において、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にある撤去可能な海上施設であると認識していると答弁されているように、名護市民投票では特定の施設を対象にその建設の是非が問われたものと認識しています。
 県としては、海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
 次に、沖縄の基地は強制的に建設されたけれども、今回は経済振興策と引きかえに誘致することになり、過重な基地を抱える沖縄にさらに新しい基地を建設することになるのではないかという御質問へのお答えでございます。
 本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、まずSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 SACOの実施は、本県の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、県民の希望する基地の整理縮小に着実につながるものと考えています。
 県としては、県全体の基地の整理縮小を進めながら、新たな負担を背負う地域の振興に取り組むなど基地問題と経済振興策のバランスある解決を図っていきたいと考えております。
 次に、同じく普天間飛行場問題で、15年期限を日米両政府がのまなければ知事は受け入れを拒否するのか、条件をのむといっても法的拘束力のある何らかの協定が必要であると思うがどうかと、基地の整理縮小を求める県民感情から15年が限度と言っているが、現在ある基地についても15年が限度と考えないかという3つの御質問を一括してお答えいたします。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
 政府からは、極めて厳しい問題ではあるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
 基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいります。
 次は、前県政の2015年基地全廃の基地返還アクションプログラムを再度政府に要求する考えはないかとの御質問へのお答えでございます。
 私は、基地問題の解決に向けてはオール・オア・ナッシングの手法ではなく、国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境の保全、経済振興策を検討したトータルな視点から現実的に対応していきたいと考えております。
 その具体的方法としては、まずSACOの合意事項の着実な実現を図り、さらに地元市町村との協議を踏まえ県民の理解と協力を得ながら段階的な基地の整理縮小に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 平良長政議員の普天間飛行場移設問題についてお答えをいたしたいと思います。
 まず、密室での選定作業に終始し決定に至るまでの情報開示がなされなかったのはなぜかという点と、検討されたすべての候補地の資料を公開すべきだと思うがどうかという2点について一括してお答えをいたします。
 移設候補地の選定作業に関する資料につきましては、選定作業の性質上候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから、慎重に作業を進めてまいりました。
 移設候補地選定に関する資料につきましては、整理した上でできるだけ早く提出するように努力いたします。
 それから次に、同じく普天間飛行場移設問題についての質問のうち、建設場所はどこか、陸上か、埋め立てか、海上か、工法はどうかと、それから自然環境への影響はどうか、騒音はどうか等について示されなければ議論もできないと、政府にゴーサインを出すのは手続上いかがなものかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 移設先の具体的な建設場所、工法等につきましては、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。そのため県は、代替施設の建設については地域住民の生活に十分配慮することを国に対し強く申し入れたところであります。
 次に、同じく普天間飛行場移設問題のうちの、東ティモールではインドネシアからの分離独立を認める住民投票が行われ独立派が多数を占めた結果、インドネシア政府は住民投票結果を尊重し独立を認めた、これについてどう思うかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
 御質問の件につきましては、国情や歴史の違いがある外国のことでありますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 次に、同じく普天間飛行場移設問題に関する質問のうち、ヘリパッド移設に揺れる東村の例のように水道施設や振興策と引きかえに基地を建設する政治についての見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
 東村が地元への水道管布設等を条件にヘリパッド受け入れの意向を示したことについては、新聞報道等で承知しております。
 同問題について東村へ確認したところ、東村としても国との調整の中でさまざまな角度から検討しているとのことであり、村としては国の環境影響調査が出た段階で総合的に判断するとしております。
 次に、同じく普天間飛行場移設問題に関する質問のうち、米国防総省は200年耐用で40年使用の基地にしたいと言っている、それについてどう考えるかという御質問にお答えをいたします。
 御質問の件は、SACOの最終報告で述べている海上ヘリポートに関するものであると理解しております。県としては、海上ヘリポート案につきましては政府に見直しを求めたところであります。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れたところであります。
 次に、同じく普天間飛行場移設問題に関する質問のうち、2月定例会で質問した民間空港の航路と需要の問題についての答弁はまだお答えできないとのことだったが再度答弁を求めるという点と、軍民共用空港の管理権はだれが持つのか、それから安全性についてはどうか、海兵隊撤退後は那覇空港のように自衛隊との共用空港にならないかという4点について一括してお答えをいたします。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産になり得るものであることを移設に当たっての条件として国に申し入れたところであります。
 軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、ひいては県土の均衡ある発展を実現することができるものと考えております。
 具体的な建設場所、工法等につきましては、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 次に、同じく普天間飛行場移設問題に関する質問のうち、オスプレイはどのような機種か、騒音等周辺地域への影響はどうか、配備計画はどうなっているかという3つの点を一括してお答えいたします。
 オスプレイの配備につきましては、国は米国政府から現時点において何ら具体的な配備予定はないとの回答を得ている旨国会で答弁しております。
 なお、国はオスプレイの性能等については、速度は時速445キロメートル、航続距離は926キロメートル、積載能力は27トン、全長17メートル、エンジン数は2つと回答しております。
 次に、同じく普天間飛行場移設問題に関する質問のうち、普天間飛行場勤務の米兵とその家族は4000人以上と言われているが、移転に伴って住宅も基地周辺に移設される報道があったが事実かという点と、住宅も移設されると米兵による犯罪も心配であるが、住宅移設についてどのように考えているかという御質問に一括してお答えいたします。
 先般マスコミで報道された住宅の移設に関しては、県は承知しておりません。
 それから次に、同じく普天間飛行場移設問題に関する質問のうち、県の環境保全指針の中で辺野古沿岸は最も保全を要する評価ランクⅠに指定されている、担当の自然保護課は具体的に意見を求められていないという、みずからつくった指針をみずから破ってしまったら今後の環境保護行政にも多大な影響を及ぼすことは必定であるが、見解を問うという御質問にお答えをいたします。
 平成10年2月に策定した自然環境の保全に関する指針沖縄島編においては、ランクⅠに区分された箇所は119カ所、ランクⅡが74カ所、ランクⅢが35カ所、ランクⅣが10カ所となっており、当該海域はランクⅠの自然環境の厳正な保護を図る区域に区分されております。
 なお、指針は本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。
 県としては、本指針の趣旨を踏まえ、県の考え方を国に提示した際に自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き強く申し入れていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 平良長政議員の新平和祈念資料館問題についてお答えいたします。
 まず、4月からの数カ月に及ぶ見え消し作業によって大幅に作業日程に狂いが生じていると思うがどうか、だれの責任か、業者へ責任転嫁させていないかという御質問でございます。
 新資料館の展示作業については、基本構想、基本計画等を踏まえ監修委員会の監修のもとに展示内容の具体化が着実に進められております。
 また、新資料館は3月末には開館記念式典等を実施し、4月1日から正式に開館する予定で準備を進めております。
 次に、運営協議会の設置に関する条例はいつ提案されるか、メンバーの人選はどう考えているかという御質問でございます。
 資料館の運営協議会については、設置条例で規定する方向で検討を進めております。
 なお、同条例は2月議会に提案することとしております。
 また、運営協議会については、各界各層の幅広い意見が反映されるように努めることが大事であると考えております。
 次に、学芸員の配置はどうなったか、3月オープンは事実上無理ではないか、内容はどうでもいいから3月オープンではいかがなものかという御質問でございます。一括してお答えいたします。
 新平和祈念資料館の組織体制については、新資料館の機能が十分に発揮できるようなものにしていきたいと考えております。現在、3月末の開館に向け監修委員会の監修のもとに、日程的には厳しいながらも着々と作業が進められているところでございます。
 次に、ワーキンググループについてのお尋ねでございます。
 これまでの専門家の研究成果を生かすためにも専門家も入れたワーキンググループを早く立ち上げ、世界に誇れるものにしてもらいたいと思うがどうかという、これは平和学習発信部会についてのお尋ねでございますけれども、ワーキンググループについては既に協力依頼を行いまして、それぞれの専門分野からの助言や資料提供等の御協力をいただいております。それらの参考意見や御指摘の事柄を監修委員会に諮り、展示内容をより充実させていきたいと考えており、作業は着実に進められております。
 次に、オープン後の展示内容変更はどのような手続で進められるのか、運営協議会で決めていくのかという御質問でございます。
 平和祈念資料館の展示内容については、基本構想、基本計画等を踏まえて監修委員会の先生方に時間をかけて監修をしていただいているものであり、展示内容の変更につきましては現時点では基本的には考えておりません。
 以上でございます。
○平良 長政 答弁漏れ。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後6時  休憩
   午後6時5分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 最初の、1カ所に絞り込んだので地元の説得も県が引き受けざるを得なかったのではないかという御質問にお答えいたします。
 検討作業を進める過程において複数案を検討しましたが、最終的な絞り込みを行い、移設に当たっての県の基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果、1カ所となったものでございます。いずれにしましても複数案、単数にしても最終的にはこれは国が決定するものでございます。
 あと私どもとしては、地元の市町村に対して今後理解を得るよう全力を尽くして努力をしたいと思っております。
 それから次に、期限15年ということで、他の問題についても15年というのはどう思うかということでございます。
 私はいつも基本的に申し上げるんですけれども、基本的に沖縄県民の本当の心というのは、100%はやはり基地がなくて平和で豊かな島だというのはこれは基本的にはもうみんな同じ考えだと思っております。
 しかし、現実的な先ほど前県政の私は普天間のときの話にもございましたように、現状というものがある以上、我々としてはまずSACOの合意を着実に実行すると。そして先般政府にも申し入れましたのも、我々はSACOの合意を着実に実施して、それからさらに次なるSACOの合意に向かって努力をしたいと、そして政府もそれを、そのつもりでいてくれということを強く申し入れました。
○知事公室長(親川盛一) 平良長政議員の海兵隊撤退後は那覇空港のように自衛隊との共用空港にならないかという御質問でございますが、お答えいたします。
 今のところ共用空港については考えておりません、想定しておりませんので。
○平良 長政 私は大宜味村の出身であります。大宜味村にはブナガヤと言ってキジムナーと言われているそういうのがすんでいるそうでありますが、私はまだ見たことがありません。
 知事は、そのブナガヤ、キジムナーのファンだということで、ちょうど私事ですが私の妻が紅型染めの絵本を今度発行したので今贈呈をしたところです。
 大宜味村には基地が1つもありません。戦前はキジムナーは全県各地にいたそうですが、戦争になったのでヤンバルの山々に疎開をしてすんでいたらしいんですが、名護にも東村にも国頭も基地ができたのでまた大宜味村に集まってきたということらしいんですが、しかし大宜味村は基地がないせいか本島内で今一番所得が低い村であるわけです。本当はキジムナーも基準財政需要額などに参入されればもっといいんでしょうけれども、先ほど知事も県土の均衡ある発展とこう言われましたが、やはり基地を誘致しないと経済振興ができないとなれば、大宜味村なんかずっとそのとおりあるんですが、そのことについてきちっと県土の均衡ある発展ということで基地のあるなしにかかわらず振興をすべきだと思いますが、どうでしょうか。
 2番目の質問は移設の手順の問題ですが、知事は12月3日ですか名護市長に会って理解を求めたと、辺野古に決めたのでよろしくとこう言ったということですが、しかし場所や規模や工法や環境などについても、あるいは15年問題についても何も確定的なのはない中でどうして理解ができるか、検討ができるかということですね。
 例えば、あいさつに行って辺野古に決めましたよと。そしてその後いろんな調査をしてその後判断をしてくださいということなのか、その辺をちょっと示してもらいたい。今すぐそういう何もわからない中でイエスと、ノーと言えと言っているのか、それが2点目です。
 3点目はヘリ基地の規模、滑走路の長さですが、当初2年前は1500掛ける800と言われていたのが、知事が軍民共用と言った途端、2500とか3000というのが飛び出してきているわけですが、知事はどのような長さを考えているのか。この長さはやはり環境への影響も大きいのでお答え願いたいと思います。
 それからMVオスプレイについてですが、東村でヘリパッドを7カ所また新しくつくるといって75メートル四方で、また4メートルの道路も取りつけるというわけですが、これは恐らくオスプレイが来るという想定でつくられるのではないかというふうに考えていますが、その辺はどうでしょうか。
 最後ですが、市民投票に関連して我が党の代表質問との関連でも県政不況の議論があったわけです。知事からも副知事からもありましたが、バラ色のプロジェクトがあったけれども、海上基地ノーと前県政が言った途端、それがプロジェクトが凍結されたと、それで県政不況になったということですが、バラ色のプロジェクトはだれがつくったのか考えてみたらどうでしょうか。やはり前県政が基地問題で断固とした異議申し立てをした結果、やはり米軍基地協議会や政策協議会が出て多くのプロジェクトが誕生したのではないでしょうか。
 結局海上基地ノーというのは、市民投票でノーと言ったわけですね。その市民投票というのは市民団体がやったことではなくて、署名をしたわけですが、市長が提案して議会で決めたわけで、それを否定できないから前市長はやめているわけで、そういう市民投票でノーと言ったのを前県政はノーと言ったらそのバラ色ののがまた輝くかというとそうではない。やはりノーとしか言えない、やはり市民投票を重視しないということではないでしょうか。 お答え願いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 今後の移設受け入れの条件についてお話します。
 県は、国に提示をいたしました。そして今後は名護市との話し合いの中で、名護市も受け入れのいろいろ条件を、受けるということが前提じゃなくて、こちらから出した条件について向こう自体いろいろなこと、住民に対する生活への影響、環境への影響、あるいは地域振興策、多くの諸問題を提示をし得るわけでございます。
 その中の話し合いから具体的な市長のお話にございましたように議会、地域住民、あるいは漁業関係者等の意向も踏まえながら結論が出てまいると思っております。
 それから次に、大宜見の基地がないところに対してもというお話がございましたけれども、それについては今回北部地域の振興という問題については、その辺についても十分配慮しております。今後は、私どもの北部地域の振興の要望の中に中南部圏、今後基地の整理・統合・縮小の具体化に伴い、県土構造の再編が進められようとする中で、県下それぞれの地域において特性と課題に応じた中長期的な戦略が求められると。中南部圏、宮古圏、八重山圏ともども社会的、経済的に自立しつつそれぞれの特性を生かした役割を機能発揮し、相互に連携し合う自立ネットワーク型の県土構造を形成していかなきゃならないということで、十分基地のない地域についても配慮をしていきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 平良長政議員の再質問にお答えします。
 まず、ヘリ基地の規模ですが、滑走路の長さは幾らぐらい考えているかという御質問にお答えをいたしたいと思います。
 滑走路の長さにつきましては、民間航空機が離発着可能な長さということでございまして、具体的に今何メートルということはこれから詰めさせていただきたいと思います。
 それから、北部訓練場に計画されている75メートルのヘリパッドはオスプレイのためのものかということでございますけれども、お答えいたします。
 平成14年度末を目途に返還が予定されております北部訓練場の3987ヘクタールの返還を得るために、7つのヘリパッドを安波の北部訓練場内に移設するために設けられるこのヘリパッドにつきましては、これはその返還を得るためのものでございまして、オスプレイにつきましては国は米国政府から現時点において何ら具体的な配備予定はないとの回答を得ている旨国会でも答弁しておりますし、そのためのものではないと考えております。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後6時22分休憩
   午後6時31分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 牧野副知事。
   〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) お答えいたします。
 バラ色の県政不況の件なんですけれども、沖縄のこの二、三年の流れをちょっと追ってみたら一番わかると思います。
 どういう流れかといいますと、もう繰り返しになりますけれども、一番理解するためにいいと思います。
 1995年の9月4日に悲しい出来事が、米軍によるいたいけな女の子に対する暴行事件がありました。そういうのがきっかけになりまして翌10月21日には8万5000人の住民決起大会がありました。
 そういうのを受けまして基地返還アクションプログラム、2015年までに全面的に基地を返還しろというような、そういう要求がありました。当然基地返還要求に対しては理念的には正しいけれども、基地経済に依存している面がありますから、クエスチョンマークを出す方たちもたくさんいました。
 そういうことに対して前県政は、基地返還された跡には国際都市をつくってそういうものでやっていくという提起をしたわけです。そのためにはもろもろの行財政的なバックアップが要るという提案をなさいました。そういうのをもろもろ受けて3つのものを県は要求したわけです。
 それを受けまして、国の方としましては2015年までに返せということに対してはSACOの合意、普天間の移設以下11施設の返還、あるいは県内移設などでこたえたわけです。
 もう一つの国際都市構想、あるいは行財政的なバックアップというそういうものに対しましては例の政策協議会をつくりまして、そこの場でやっていくということでやったわけです。そこでは50億の調整費が出てきましたし、それから政策協議会でもろもろのものをやっていくということが出てきたわけです。
 それから行財政的なバックアップというのは、田中委員会などで一国二制度とかそういう論議が出てきました。あるいは一国二制度の中で沖振法を改正しまして、今あります特別自由貿易地域をつくるというそういう案も出てきたわけです。
 さらには、1997年の11月21には復帰25周年を記念しまして、そこで橋本総理が来春までに沖縄経済21世紀プランをつくっていく、そういうもろもろを通していろんな政策が出て、97年の暮れごろは大きな政策が提示されて、県民が大きな期待をかけていたことはもう御存じのとおりです。
 ところが、98年の2月にそういうノーという事件が、出来事がありましたので、そういったこれまで進められてきたもろもろの政策が、大きな夢は提示されて政策も提起されましたけれども、その実行は全部中断してしまったわけです。中断してしまったことがそれこそ閉塞感というような形で出てきて、県民というのは、これからの我々の経済というのはどうなっていくのか。一方では基地を返還、返還しろということを言っているけれども、それをどのような形で基地経済を補てんしていくのかというもろもろの政策がなくなってきて閉塞感、県民の経済問題に対する不安が出てきたわけです。
 そういったのをとらえまして県政不況ということで選挙のときの大きな争点になったわけです。ですから中断したものを動かすということがこれまで我々がその1年間これを動かしてきたわけですけれども、夢をつくったのは確かに前県政であったわけですけれども、その夢をつぶしたのも前県政であると。それを我々は動かしてきて、これだけの明るさを取り戻していろんな政策を今持って、その実現に邁進しているところなわけです。
 そういう大きな流れですから、もろもろの政策をつくったのは前県政ではありましたけれども、それをつぶしてしまったのも前県政だったわけです。我々はそれを動かして21世紀の早い時期に沖縄経済を自立に近づけるような多くの努力をしているというのが今の状況でございます。
 そういうことでございます。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後6時35分休憩
   午後6時36分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 石川副知事。
   〔副知事 石川秀雄君登壇〕
○副知事(石川秀雄) 市民投票の件につきましては、確かに投票の結果は多数でありました。それを受けて前知事は、そこについて反対なされたことは事実でございます。したがいましてそれは前知事の御判断でございます。
 稲嶺知事としましては、その投票そのものは海上フロート基地、国が提案したものに対して県民の財産としてならないから、これについてはノーとおっしゃり、そして新たな提案をしているわけでございますから、そういう意味で理解していただきたいと思います。
○新垣 米子 一般質問に入る前に一言抗議いたします。
 この12月県議会は、知事が移転先を辺野古沿岸を選定の記者会見をした直後の議会です。なぜ辺野古に選定したのか、当然その理由が県民に明らかにされなきゃならない、質疑も十分尽くされなきゃならない議会だと県民は見守っています。
 ところが、沖縄の将来にかかる重大なこの問題について、県の選定作業や発表は8割の県民が県の説明は十分でないと感じている。
 このような県民の疑問に対して、執行部はきちっと責任を果たさなきゃならない、答弁する責任があるにもかかわらず一切答えず、また県民の負託を受けた私たち県議会も、県民の代表として県議会の権能を全うする責任があるにもかかわらず、みずからの権能を踏みにじるような与党の態度、皆さん、この県民の疑問に一切こたえず、県民を目隠しにして基地を押しつけようとする稲嶺県政の反県民的な姿勢は到底許されるものではないし、県民の名において強く抗議するものです。
 それでは質問いたします。
 1点目、基地問題について。
 嘉手納ラプコン問題から普天間基地の県内移設の空の安全性の問題点について質問します。
 11月11日に発生した嘉手納ラプコンの故障で民間機に多大な影響が出ましたが、米軍に沖縄の空が支配されている、民間機の安全が二の次になっている実態が改めて浮き彫りになりました。
 1つ、11月1日、那覇市議会が嘉手納ラプコンの管制権の返還要請決議を全会一致で採択しましたが、米軍は72年の日米合意「覚書」の約束を守っていない。大田前知事は、地位協定見直し10項目の中に管制業務の日本への返還を要求していますが、稲嶺知事は今回の事態で政府と米軍に要求しましたか。また要求する意思はありますか。
 2つ、前ペリー米国防総省長官が米軍のトップを呼んで、沖縄のような小さい島に2つの軍の飛行場が必要という理由はどこにあるのか説明してほしいと聞かれたが、だれも答えられなかった、「同盟漂流」に書いてあります。米軍でさえ説明のつかないのがこの異常な沖縄の基地の成り立ちと実態です。沖縄と同じような国や地域がありますか。
 3番目、那覇の管制部の調査によると、ニアミス発生報告が全国で3番目に多い。この危険性は民間機だけではないことは嘉手納基地で管制官として勤務している米軍下士官が、沖縄の空は危険と証言しています。
 沖縄の米軍基地問題に詳しい米国の日本政策研究所のチャルマーズ・ジョンソン氏がロサンゼルス・タイムズ紙に投稿し紹介していますが、それによると沖縄空域を管理する米軍管制官が過重労働や訓練不足などで空を安全に管理するのに問題になっていることを指摘し、海兵隊の日本からの撤退が解決の道と訴えています。
 また同下士官は、民間機と間一髪で衝突するところまできたことがあると告発。そして改善策がとられなければ航空管制官の心配する事故は確実に起こるだろうとして、そうなれば沖縄県民の怒りによって両国政府は問題の統制を失うだろうと警告。小渕首相は、サミットを機に名護市に代替基地を迫るのではなく、沖縄の空の安全に気をかけるべきだと訴えています。
 空の安全を確保する県民の立場からも普天間飛行場は無条件返還を要求すべきではありませんか。
 4番目、現在、那覇空港から北に離発着する民間機は嘉手納、普天間基地への米軍機の出入りを妨げないために300メートルの不安定な高度で危険な低空飛行を強いられています。
 移転先の辺野古沿岸の新しい基地はオスプレイの配備を前提として機能強化された基地であり、北部訓練場内の7つのヘリパッドの建設──オスプレイパッドと言われています──と伊江島と結んだ一大海兵隊訓練拠点、出撃拠点形成が米軍の目的です。
 現在の普天間以上に民間機の安全な運航がますます阻害されるどころか危険となることが予想されるが、この観点からも検討されたのですか。
 検討されたなら、どのような安全対策の確約がされたのですか。お答えください。
 次に、自然環境保護の観点から3点質問いたします。
 1つは、稲嶺知事は、県みずから定めた評価Ⅰをどのようにクリアしたのですか。検討の過程と結果を説明してください。
 2つ、オスプレイの爆音による動植物への影響をどう認識していますか。
 3つ、SACO合意に基づく北部訓練場の新たなヘリパッド建設予定地は22種のヤンバル固有種と126種の絶滅危惧種を含む1313種が確認されています。岩垂元環境庁長官や琉球大学教授らが貴重なヤンバルの自然を守るために県に見直しを要請、東村の高江区民も全会一致で反対を表明しました。県は、地元の意向と貴重な動植物を保護する立場から反対すべきと考えますが、どうですか。
 次は、サトウキビ問題について。
 日本共産党国会議員団が去る9月20日から23日の間に沖縄、奄美でサトウキビの調査を行いました。私も沖縄の調査に県議団として参加し、関係諸団体と宮古島を訪問してきました。
 この調査を通じ、政府が打ち出した新たな甘味資源政策の方向に行政や生産者、国産糖企業が共通して地域の存亡がかかる問題として強い危機感を抱いていることを痛感しました。10月5日に党は独自に政府交渉を行いましたが、調査と交渉の内容を踏まえて質問をします。
 1つ、サトウキビ生産の減少、後継者不足など今日の深刻な事態は再生産可能な価格になっていないことが最大の要因です。市場原理、入札制度の導入は国内産砂糖と沖縄にとって生命産業であるサトウキビ農業が存亡の危機に追い込まれることは必至です。入札制度の導入、価格政策見直しの撤回を政府に求める考えはありませんか。
 2つ、国産糖の卸売価格をキロ20円から30円の引き下げを指示しています。今後、生産農家と国産糖企業の手取り価格の引き下げは避けられないと思うがどうですか。
 3番目、国産糖企業に対して5年間で20%の経費削減、特に労務経費の削減を指示しています。
 分みつ糖工業会は、経費全体の75%が生産農家へ支払う費用、労務経費は経費全体の8%で営農指導などキビの生産活動に要する費用で、この費用を認めないと言われると工業会にとって死活問題だと訴えています。
 労務経費の削減は、製糖工場が成り立っていけるかどうかの問題であると同時に、従業員の合理化、削減につながる要因になると考えるがどうですか。
 4番目、沖縄の生産農家は圧倒的に中小零細農家です。サトウキビの高品質化、生産安定と生産性向上、労働軽減のために優良種苗の低コストでの普及、小型機械も含めた機械化の促進と機械利用料の農家負担軽減、小規模土地基盤整備、低コストかんがい施設等零細な生産実態に見合った生産振興策が十分にとれるよう国への要求とあわせて県独自の生産振興策予算を組む必要があると考えますが、どうですか。
 5番目、政府自身、再生産可能のトン当たりの生産費は2万5744円、これは98年沖縄総合事務局の発表です。特別措置で価格補償せよと強く政府に要求すべきと思いますがどうですか。
 また、県独自の予算での補償も努力すべきではありませんか。決意をお伺いします。
 労働行政についてです。
 稲嶺知事は、地方労働委員会委員の選任に当たり、労働者委員を連合独占とすることを9月14日決定しました。この決定は、民主主義的な選任の流れが沖縄から始まり全国に波及しつつある中で、その流れに逆行するものであり、また公正公平な県政運営からも容認することはできません。県労連推薦候補者を選任しなかった理由を説明してください。
 2つ、県労連推薦候補者について人物、識見、実績など非の打ちどころがないと商工労働部長も認めています。第11期委員の中で県労連推薦候補の出席率は96%と聞いていますが、他の労働者委員の出席率、持ち込まれた事件等の実績を明らかにしていただきたい。
 3つ、選任の基準が第54号通牒であることを明らかにしていますが、第54号通牒の中身は何ですか。
 4つ、今回の選任に当たって、県労連推薦者に対して経済界の難色があったとのマスコミの報道がありました。地方労働委員会の役割は労働者、労働組合の権利救済機関である。それぞれの代表委員は当然対等、平等であり、一方の経済界の意向で労働者委員を選別することは許されません。稲嶺県政の民主主義と公正公平な県政運営と労働行政が問われています。
知事の見解を伺います。
 最後に、我が党の代表質問との関連で、普天間基地の移転先を辺野古沿岸と選定した理由について伺います。
 まず最初に、マスコミのアンケートで移設問題についての県民の意識調査が発表されました。移転先がなぜ辺野古なのか、市民投票で反対の意思表示がされたのになぜ辺野古なのか、ジュゴンや希少動植物が生息する1級に保全されなければならない地域のなぜ辺野古なのかと県民が疑問に思っているんです。県民が納得する説明を県はしてないと8割の県民が訴えている。このアンケートの結果をどう受けとめていますか、まずお聞きします。
 2番目に、米国防総省は、新しい基地は普天間基地の単なる代替施設ではない。MVオスプレイの配備、200年耐用、40年使用の機能強化の基地をつくることを言っています。ところが知事は、基地の整理縮小になるとこの一点張りです。具体的に場所の問題、規模や機能の問題、工法の問題何一つ示さないでどうして整理縮小と言えるのか、この根拠を改めて説明してください。
 知事は、15年を主張し続けると言いますが、政府はきのうの国会の答弁でも、15年はアメリカに要求するつもりはないと言明している。15年の保証もないのにこれでは県民だましではありませんか。県民だましではないというのであれば、政府にきっぱりと、アメリカに15年を要求せよということを迫るべきではありませんか。そのことを改めて強く質問します。
 答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の御質問にお答えします。
 最初は、前知事は管制業務の日本への返還を要求したが、知事は政府と米軍に要求したか、要求する意思はあるのかという御質問へのお答えでございます。
 去る11月11日に発生した嘉手納ラプコンの故障によって県民及び観光客の足である航空機の離発着に大きな影響が出たことは極めて遺憾であります。
 県は、今回の事故を重く受けとめ、翌12日、嘉手納基地渉外部、在日米軍沖縄地域調整事務所等に対し嘉手納ラプコンの早急な復旧と原因の究明、再発防止に万全を期すよう強く要請しました。
 また県では、基地を抱える都道県で構成する渉外知事会を通して民間機の円滑な定期運航や安全性の確保のため那覇空港の進入管制業務を日本側に移管するよう要請を行っております。
 なお、政府は去る11月18日に嘉手納ラプコンの問題について日米合同委員会で返還について協議に入るよう米側に求めております。県としては、那覇空港の進入管制業務が速やかに日本側に移管されるよう関係機関に対し引き続き要請していきたいと考えております。
 次に、基地問題について、日本に詳しいチャルマーズ・ジョンソン氏は、海兵隊の撤退が解決の道、小渕首相はサミットを機に名護市に代替基地を迫るのではなく、沖縄の空の安全を気にかけるべきだと訴えていると、無条件返還を要求すべきではないかという御質問へのお答えでございます。
 普天間飛行場の返還問題については、前県政が精力的に取り組みSACOの合意に至っています。返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくる。より危険度の少ないという関係で、これを第一歩にして次々と解決を図っていくしか我々には道はないと述べ、現実的に対応する姿勢を見せましたが、結果的には県内移設反対の立場に転換して普天間飛行場問題は膠着状態に陥りました。
 県としては、普天間飛行場の早期返還を実現するためには、日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したSACOの合意事案を着実に実施することが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 新垣米子議員の基地問題に関する質問事項のうち、沖縄の基地の実態は世界でも例のない異常さがある、沖縄と同じような国や地域はあるのかという御質問にお答えをいたします。
 本県には、議員御指摘のとおり狭隘な県土に2つの飛行場を含め在日米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、多くの県民は基地の整理縮小を強く望んでおります。
 県としては、基地の整理縮小については、まずSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 なお、ハワイ州のオアフ島にはハワイ海兵隊基地とヒッカム空軍基地の2つの飛行場があると聞いております。
 次に、同じく基地問題に関する質問事項のうち、辺野古沿岸の新しい基地は北部訓練場内の7つのヘリパッドの建設と伊江島と結んだ一大海兵隊訓練拠点、出撃拠点形成が米軍の目的である、現在の普天間以上に民間機の安全な運航がますます阻害されるどころか、危険となることが予想されるが、この観点からも検討されたかどうかという御質問にお答えをいたします。
 移設先の選定に当たっては、住民の安全が確保され、騒音等の影響が軽減されることを基本方針に設定し検討を行いました。
 具体的な建設場所、工法等については、地元の意向を最大限に反映させ最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において必要な各種の調査が行われるものであります。
 このため、県は代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するよう国に対し強く申し入れたところです。
 次に、同じく基地問題に関する質問事項のうち、県みずから定めた評価Ⅰをどのようにクリアしたのか検討過程と結果を説明してほしいという点と、オスプレイの騒音による動植物への影響をどう認識しているかということについて一括してお答えをいたします。
平成10年2月に策定した自然環境の保全に関する指針沖縄島編においては、ランクⅠに区分された箇所は119カ所、ランクⅡが74カ所、ランクⅢが35カ所、ランクⅣが10カ所となっており、当該海域はランクⅠの自然環境の厳正な保護を図る地域に区分されています。
 同指針は、本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。県としては本指針の趣旨も踏まえ、県の考え方を国に提示した際に自然環境への影響を極力少なくすることを申し入れたところであり、引き続き強く申し入れていきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題に関する質問事項のうち、北部訓練場の返還に伴うヘリパッド移設については、地元の意向と貴重な動植物を保護する立場から反対すべきではないかという御質問にお答えをいたします。
 北部訓練場については、SACO最終報告においてヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を返還される区域から、同訓練場の残余の部分に移設することを条件に平成14年度末を目途に同訓練場の過半3987ヘクタールを返還するとされています。
 ヘリパッドの移設場所等について防衛施設庁は、ことし12月までの約1年の期間を通して環境影響調査を実施しており、調査結果が出た段階で移設先を検討し県や関係市町村と協議するとしております。
 県は、国によるヘリパッドの移設場所の決定に際しては、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう国に申し入れたところであります。県としては、今後とも引き続き国の環境影響調査の状況を見守りつつ、関係する市町村の意向も踏まえながら当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定を国に求めていきたいと考えています。
 次に、我が党の代表質問との関連についての中で、普天間基地の県内移設についてなぜ辺野古を選定したか、辺野古に選定した根拠を示せという御質問にお答えをいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2点目に、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3点目に、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4点目に、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目の基本方針を設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
 これらを総合的に判断して、米軍基地の整理縮小が図られること、騒音の影響を比較的小さくすることができること、地域振興の促進に寄与することができることの理由からキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達したものであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) サトウキビ問題について、市場原理、入札制度の導入は、国内産砂糖とサトウキビ農業が存亡の危機に追い込まれる、入札制度の導入、価格政策見直しの撤回を政府に求める考えはないかとの御質問にお答えします。
 新たな砂糖・甘味資源作物政策大綱が策定された背景には、国産糖価格を支持するための重要な財源である輸入糖の調整金が安価な加糖調製品の輸入増加により圧迫され、糖価安定制度の円滑な運用が厳しくなったことにあります。
 国は、国産糖への入札制度の導入と砂糖需要の回復を目指した砂糖価格の引き下げを求めております。
 県としては、制度の見直しに際して、1つには、糖価安定制度を守るため加糖調製品の輸入抑制対策が必要なこと、2つには、国産糖企業の経営安定対策が必要であること、3つには、国産糖価格の変動が生産者価格に及ばないような制度にすることなどを一貫して要請してまいりました。
 しかしながら国は、政策大綱に国産糖への入札制度の導入、価格政策の見直し等を明記しております。
 最低生産者価格及び入札制度の具体的な仕組みと実施時期等については、12月を目途に生産者、国産糖企業、精製糖企業、行政等の関係者で検討することになっております。
 このため、県としては今後とも生産者の所得確保及び製糖工場の経営安定に十分配慮した制度となるよう強く要請していく考えであります。
 次に、国産糖の卸売価格をキロ20円から30円引き下げることを指示している、今後生産農家と国産糖企業の手取り価格の引き下げは避けられないと思うがどうかとの御質問にお答えします。
 御指摘のとおり、砂糖卸売価格の引き下げは生産者及び国産糖企業に影響することが懸念されます。
 このため、県としては加糖調製品の国境措置と国産糖企業の安定対策を要請してまいりました。その結果、政策大綱には加糖調製品対策に積極的に取り組む必要性が明記されております。
 また、砂糖卸売価格の引き下げによる国産糖企業への支援策として糖価安定資金の活用も検討することになっております。
 今後とも、再生産が可能なサトウキビ生産者価格の堅持を強く求めるとともに、国産糖企業の経営実態等を勘案した新制度への移行と国の支援策を強く要請していく考えであります。
 次に、国産糖企業に対して5年間で20%の経費削減を指示しているが、農務経費の削減、合理化は従業員の削減につながる要因になると考えるがどうかとの御質問にお答えします。
 御指摘の国産糖コストの低減については、サトウキビ生産の拡大を基本にした適正操業度の確保により進めるべきものだと強く要請してきました。
 また、農務関係業務は、製糖工場の円滑な運営を図るための生産量と品質に関する調査や効率的な集荷のための調整等に必要不可欠な業務であると要請してきました。
 しかしながら、農務関係業務の分担については、一定の目標のもとに生産者団体、国産糖企業、県、市町村等の関係者が協議し、その削減に向けた努力が求められております。
 県としては、さとうきび・甘しゃ糖生産振興対策会議を設置し関係者と協議しているところであります。農務関係業務の見直しに関する問題点を早急に整理した上で国に対し必要な対策を要請していく考えであります。
 次に、零細な生産実態に見合った生産振興対策がとられるよう国への要請とあわせて県独自の生産対策の予算化についてお答えします。
 本県のサトウキビ作農家の経営規模は、農家数の約6割が50アール未満で、小規模農家の占める割合が高い状況にあります。このため、県としては今後のサトウキビ作担い手のモデルとなるパイロットファームを設置し、借地型大規模経営体を育成することによって小規模農家の作業受委託等を支援していく考えであります。
 また、平成10年度から実施している「さとうきび・糖業再活性化事業」は、株出し管理や病害虫防除、干ばつ対策などのきめ細かいメニューが実施できることから小規模農家も支援しているところでございます。
 さらに、新たに「さとうきび受委託組織支援緊急対策」が創設され、サトウキビの受委託作業を支援することになっております。今後とも、サトウキビ作の振興対策予算の確保については国に対し要求するとともに、県としても適切に対処してまいりたいと考えております。
 次に、特別措置で生産費を補償せよと強く政府に要求すべきではないか、また県独自の予算の補償も努力すべきではないかとの御質問にお答えします。
 国産糖及びサトウキビ生産者価格については、国内砂糖の需給安定と甘味資源作物の生産振興を図る観点から、国の責務として糖価安定法に基づき輸入糖からの調整金と税金からの交付金を財源として価格支持の措置が講じられております。
 このようなことから、生産者価格の決定に当たっては、適正な農業所得を確保し再生産が可能な水準に設定するよう国に対し引き続き強く要請する考えであります。
 また、県独自での価格補償は困難であることから、サトウキビ・糖業の振興を図るため農業生産法人等担い手の育成、機械化の推進など生産性の向上対策及び製糖企業の適正操業度の確保に努めてまいります。
 以上でございます。
○商工労働部長(宮城春一) 新垣米子議員の労働行政に関する質問の中の、県労連推薦候補者を任命しなかった理由を説明してほしい、54号通牒の中身は何か、今回の選任に当たって経済界の意向で労働者委員が選任されたのではないかという3点について一括してお答えいたします。
 地方労働委員会労働者委員の任命は、労働組合法第19条の12の規定により、県内の労働組合から推薦のあった者で禁治産者等欠格条項に該当しない者から知事が行うことになっております。
 第12期労働者委員の任命に当たっては、被推薦者の人数が定員を上回っていたため、法的な要件を基本として推薦組合の所属する上部組合の組合員数等も参考に公平公正な立場で総合的に判断したものであり、特定の業界団体等の意向を踏まえたものではありません。
 第54号通牒は、昭和24年に労働省から地方労働委員会委員の任命に当たっての留意事項を各都道府県知事あてに通知したものであり、労働者委員の選考に当たっては産別、総同盟、中立等系統別の組合数及び組合員数に比例させるとともに、管下の産業分野、場合によっては地域別等を十分考慮することなどが示されております。
○地方労働委員会事務局長(名幸宏明) 地方労働委員会始まって以来初めて御質問をちょうだいし、大変緊張しております。
 それでは新垣米子議員の第11期委員の中で県労連推薦委員の出席率は96%と聞いているが、他の労働者委員の総会への出席率、事件担当実績等を明らかにしていただきたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 第11期労働者委員の任期は、平成9年3月13日から平成11年9月16日までで、その間の県労連推薦委員以外の労働者委員の総会出席率は71%となっております。
 また、第11期委員の在任中における事件数は21件で、労働者委員1人当たりの担当事件数は約4件となっておりまして、県労連推薦委員の担当事件数も4件でありました。
 以上でございます。
○新垣 米子 今、地労委の方からお話がありましたが、持ち込まれた件数であって、処理した実績ではないと、改めて後で答弁してください。持ち込まれた件数、県労連関係あるいは連合関係の持ち込まれた件数の実績です、質問はですね。
 さっき、沖縄のような基地があるかと、実態があるかということでハワイの例を挙げました。
 しかし沖縄のように私有財産が奪われて基地がつくられた経過というのは世界のどこにもないんですよ。沖縄だけです。この狭い沖縄に先ほど言いました集中しているということがどれだけこれまで県民に犠牲を押しつけてきたか。
 皆さん、きょう軍のセスナ機が嘉手納の弾薬庫内に墜落したという今ニュースが入りました。
 今後、もしこのヤンバルにオスプレイ配備の基地の一大拠点がつくられれば、もっともっと演習が激化しヤンバル全体が被害を受ける、こういう実態になります。だから県民はこの移設が決して基地の整理縮小ではないと反対の理由の一番大きな理由に挙げていることはそうなんですよ。40年使用だと。オスプレイが配備されると言われている、こういう不安を持っている。 ですから、これはもう絶対県民はこのまま容認できないということを、強く私たちもその先頭に立ってつくらさないという決意を述べて質問を終わります。
○地方労働委員会事務局長(名幸宏明) お答えいたします。
 先ほど任期期間中21件、件数を御報告申し上げましたけれども、そのうちいわゆる労連系の事件が10件、連合系が7件、その他4件であります。
 以上です。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後7時15分休憩
   午後8時3分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 糸洲朝則君。
   〔糸洲朝則君登壇〕
○糸洲 朝則 それでは一般質問を行います。
 あす12月10日に県知事就任1周年を迎えるに当たり、1日も休むことなく全力投球をしてきました稲嶺知事に対し、心から敬意を表します。
 知事も言われているように課題は山積をしております。これらの課題解決には強引に事を進めるのではなく、漸進主義的アプローチで一歩一歩進める以外にないと考えております。そしてその武器は、何よりも県民との対話であるということは言うまでもありません。
 とりわけ今回の普天間移設問題につきましては、地域住民を初めとする多くの県民との対話による合意形成作業は大変重要であります。
 ドイツの詩人ハイネは、変革の時代には、人は民衆を自分の目で見、自分の鼻でかいでしまっていなければならぬと。
 またフランスの作家ペギーは、民衆だけが十分堅固なのだ、民衆だけが十分深いのだ、民衆だけが十分大地なのだと、このように言っております。
 このことは、大切なのは民衆であり、決して民衆、県民を手段にしてはならないとの為政者への厳しい御指摘でございます。
 知事は他日、インタビューにおきまして、今後は県民との対話の場を積極的に広げたいとこのように答えております。大変とうといことであり、高い評価をいたします。
 私は、今後の普天間移設問題を初めとする多くの課題解決には徹底した県民との対話を望みます。
 また、対話は最後まで貫徹してこそ対話であるとの認識を申し上げ、知事の今後の御決意及びその取り組みについて県民に向かって宣言をしていただきたいと思います。
 2点目に、これまでの本会議やマスコミ報道等の指摘に見られますように移設候補地決定に至る経過及び内容の説明は不十分であります。移設候補地に挙げられた辺野古に住むある主婦は、何で辺野古なのか、どういう経過で決まったのか、どのような調査をしたのか、建設した場合の影響はどうなのか、住民に何の説明もないと。
 また別の主婦は、ベトナム戦争当時に休暇で戻ってくる米兵がたくさんの事件・事故を起こした恐怖を忘れられない。またあのときのようになるのではないかと。どうしてもつくるというのなら、住民の安全をどう守るのか等の声があります。
 こうした住民の声から、地域住民は知事や関係者に納得のいく説明をしてほしい、話を聞きますよと言っているように私には聞こえます。
 そういう地域住民の声に対して、知事はちゃんと説明をする責任と義務があると考えます。ならば、早速地域単位に、あるいは団体ごとに「移動知事室」的に住民の真っただ中に入ってお互いの納得するまで対話をしたらいかがでしょうか、知事の御所見を伺います。
 3点目に、次に提案したいことは、普天間移設問題は今のように行政主導や政治レベルの進め方では到底スムーズに解決できないものと思われます。したがってここは一定の期間、例えば6カ月ないし10カ月の期間を置いてこれまでの経過の説明、今後の展開等できる限りの情報を県民に提示し、県民や地域住民の議論を展開し、県民や地域住民に考える時間を与えたらどうでしょうか。
 多くの県民は、聞く耳を持っており、またそれを待ち望んでいると思います。かくいう私を初め、私の周囲にも多くの県民が幾らでも話は聞きますよと、話し合いたいという方々もたくさんおられます。
 ことわざにも「急がば回れ」とか「急いては事を仕損ずる」ということわざがあります。レオナルド・ダ・ビンチも、性急は愚かさの母であるとこのように言っております。
 沖縄の未来を決定づけるこの大事なことだけに、賢明なる県民の知恵を結集して悔いのない、また後世の批判に耐え得る結論を出すためにも県民参加型の手法を提案し、知事の賢明なる御答弁を願います。
 次に、国連アジア本部の誘致についてでございますが、このことにつきましてはこれまで6月、9月と2度にわたって取り上げてまいりました。今定例会におきましても我が党の高良代表が代表質問で取り上げておりますが、あえて3度目を取り上げさせていただきます。
 さきの全国議長会の欧州視察でスイスのジュネーブを視察する機会を与えていただきました。御承知のようにジュネーブには国連欧州本部を初め国際機関本部が15、国際的な民間団体が130も置かれており、国連システムを初め国際機関を誘致し、中立国としての世界に開かれた積極的な平和外交で平和国家としての地位を築いております。
 このジュネーブの姿を見たとき、アジアにおいて国連欧州本部に匹敵する国連機関があったなら、アジアの抱える諸課題解決のみならず日本の世界貢献への役割が明確になり、日本が名実ともにアジア・太平洋地域におけるリーダーとして国際的に信頼をかち得るものと確信いたします。
 さて、仮称国連アジア本部は、国連で機関決定し、あらゆる手続を経て設置場所の沖縄への誘致を求めるわけでありますが、なぜ沖縄かということについては、これまで知事も言っておられるように東アジア諸国と東南アジア諸国を結ぶ結節点としての地理的条件を初め、第2次大戦における住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦の体験を通した平和思想の高揚、イチャリバチョーデー、ヌチドゥ宝、ユイマール等、平和愛好心に満ちた県民性と東洋のジュネーブとしてアジア・太平洋地域における中心地たり得る要素を備えております。
 また、国連機関を通してアジア・太平洋地域を初め世界平和に貢献する使命と役割を果たしていこうとの具体的な施策であると考えます。そしてそのことが世界に平和憲法を宣揚し、我が国への信頼と確固たる地位を築くことになると、このようにこれまでも訴えてきました。
 したがって、日本政府を初め先進主要国首脳へこのことを訴えていただきたいのでありますが、このことについてはさきに我が党の高良代表の質問に答弁しておりますので、このことについては結構でございます。
 それで、私は一歩踏み込んで国連機関を積極的に誘致してきたジュネーブあるいは中米のコスタリカ共和国の平和思想、誘致活動等を調査し具体的な取り組みを始めていただきたいと切望し、知事の御所見を伺います。
 次、5点目に、浦添西海岸の開発とそれに伴う那覇軍港の移設についてもこれまで何度も取り上げております。今議会においても多くの議員が取り上げております普天間移設問題と同様に対策室を設置して取り組んでいるわけですから、その都度議会や県民に情報を公開していただきたいと思います。
 したがって、これまでの作業経過と今後の展開について御説明願います。
 また、詳細な情報公開を求めますが、どのように対応されるか、具体的にお示しいただきたいと思います。
 次、6点目に那覇空港の沖合展開でございますが、これにつきましてもこれまで数々の議論があり、またいろんな方からいろんな提案もされてきております。最近、現実味を帯びた観がいたします。知事の動向が重要なポイントになる時期に来ているのではないかと、このように思います。
 よって、知事の構想及び今後の展望について伺います。
 またもう1点は、21世紀プランの最終報告ではどのように扱われるのか、どのように位置づけられるのか、伺います。
 次に、少子化対策について。
 政府は、少子化対策臨時特例金2003億円を補正計上いたしましたが、沖縄県における54億円の各市町村ごとの事業内容についてはどうなっているのか。
 また、どのように指導しているのか、現実と今後の取り組みについて伺います。
 2点目に、沖縄県における認可外保育園の保育所の実情は沖縄県に限った特殊事情であると考えますが、県はどのように認識しているのか。またその対策はどのようになっているか、伺います。
 3点目に、認可外保育所に通う児童は、待機児童あるいは準待機児童としての認識が必要かと考えます。
 よって、そのような認識に基づいて臨時特例交付金運用についても沖縄の特殊事情の視点からの運用が望まれると考えますが、どうでしょうか。
 次に、港川原人の沖縄への返還についてでございますが、これについてもたびたび取り上げてまいりましたが、県立博物館建設に合わせて取り組むとのこれまでの御答弁でございました。しかしながら県立博物館は現在凍結されており、このままだといつ返還されるかわからない。
 よって、保存及び研究体制等の確立をしっかりして早期返還についての早急な取り組みを望むものでありますが、いかがでしょうか、県の取り組みについて御説明願います。
 9番目に、宮古においては、2000年サミットに関連してドイツのシュレーダー首相を迎える準備を進めております。その準備作業の一環としてドイツ村のゲート、アクセス道路、周辺整備事業等の計画がありますが、県のバックアップをお願いし、その対応について伺います。
 10番目に、県立宮古病院の新築移転についてでございますが、これについては宮古支庁長の私的諮問機関宮古病院将来構想検討委員会において中間答申をまとめております。
 それによりますと、中核病院の設置、宮古病院の役割、宮古病院の適地条件等について答申してあり、現在の宮古病院は老朽化、敷地の狭隘さ等で十分な医療サービスが受けられない状況にあります。宮古圏域の中核病院としての整備が望まれます。
 離島住民の安心と安全な暮らしを確保する意味からも、宮古病院の新築移転は急を要するものだと考え、新年度において検討委員会の設置をお願いするものであります。県の誠意ある御答弁をお願いします。
 最後に、ソテツの普及及び産業化について伺います。
 ソテツは、かつて飢饉時の救荒作物として重要な資源でありました。かくいう私もソテツを食べて飢えをしのいだ経験を持っております。最近では規模は小さいながらも盆栽、ソテツみそ、生け花、薬の研究材料等と将来有望な換金作物と期待されておりますが、近年、台湾や中国への成木や種子の流出があるようであります。一日も早い保護対策の必要性を訴える声もあります。
 かつての救荒作物としてのソテツ、今後の対応によっては多くの可能性を持っているソテツの価値の認識をいま一度改め、今後の沖縄農業の中であるいは新たな産業として育てていくことの必要性を考え、質問をいたします。
 1、県内におけるソテツの活用、県外、国外市場への流通の状況及び今後の展望等について、また県外持ち出し禁止条例の必要性等について県のお考えをお聞かせください。
 2点目に、ソテツの普及、研究の推進をするためにもソテツの種苗センターの設置を提案し、県のお考えを伺います。
 あとは答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸洲朝則議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、普天間飛行場の移設問題について、県民に考える期間を与えて、最終結論は県民の意思決定にゆだねることを提案して知事の所見を聞きたいという御質問でございます。
 お答えいたします。
 普天間飛行場の返還問題については、長い間の県民の願いであり、前県政が精力的に取り組みSACOの合意に至っています。返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくる。より危険度の少ないという関係でこれを第一歩にして次々と解決を図っていくしか我々には道はないと述べています。
 県としては、早期返還を実現するためには日米両国政府が合意に達したSACOの事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しています。
 普天間飛行場の県内移設については、知事選挙における私の選挙公約として掲げてあり、知事就任後、県内移設に向けて取り組んできたところであります。この観点から県内移設についての検討作業を進め、去る11月22日に移設候補地の決定をしたものです。
 名護市長に県の考え方を説明し、理解と協力をお願いしましたところ、名護市長から、市議会、地域住民、漁業関係者等の意向を聞いて慎重に検討する旨のお話がありました。
 また、移設に当たっては、名護市の皆様方の御理解と御協力を得ることが重要でありますので、関係者の動きを見守っていきたいと考えておりますので御理解願います。
 次に、国連アジア本部の沖縄創設について前進ある答弁を求めるということへのお答えでございます。
 国連などの国際機関を誘致することは、我が国の南における交流拠点の形成、太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)の形成を目指す本県にとって大きな意義を持つものと考えております。
 県としては、アジア・太平洋地域の経済発展の持続と平和で安定した国際関係の構築に向けて沖縄が果たす役割等を総合的に検討する中で、国連などの国際機関の誘致についても前向きに検討してまいりたいと考えております。
 次に、那覇空港の沖合展開の構想及び見通しについてでございます。
 島嶼県である本県では、航空路線は唯一の高速交通手段であり、県民のライフラインの確保や持続的な観光振興を図る観点から、那覇空港の沖合展開による平行滑走路の増設は最優先に取り組むべきプロジェクトであると考えております。
 先日、野中前沖縄開発庁長官にお会いしたとき、沖縄の発展のためには平行滑走路が必要であるとおっしゃっておられました。
 幸い、平成11年度沖縄特別振興対策調整費に那覇空港長期展望調査費が計上され、沖縄総合事務局が調査を実施しているところであります。
 県は、今年の8月に那覇空港国際化プロジェクトチームを設置し那覇空港整備計画の県案の検討を始めており、早期に事業に着手されるよう国に対し働きかけていきたいと考えております。
 その他の御質問については、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 糸洲朝則議員の、知事就任1年を迎えるに当たってのインタビューの中で、今後は県民との対話の場を積極的に広げたい旨の発言を高く評価し具体的手法についてという点と、県民との対話の手法として地域単位、あるいは諸団体等との「移動知事室」的な手法を提案したいが、御所見を伺いたいということについて一括してお答えをいたします。
 普天間飛行場の移設問題につきましては、先ほど知事が御答弁申し上げたとおりでございます。
 基地問題は大変困難な問題であり、県民の間に複雑な感情があることは承知しております。今後、議員御提言等を踏まえ、県民の理解と協力を得る必要があると考えますので、努力をしてまいりたいとこのように考えております。
 それから、浦添西海岸の開発及び那覇軍港の移設問題に関連して、那覇軍港の移設問題についてこれまでの作業経過及び今後の展望について御説明を願いたいということについて答弁いたします。
 那覇港湾施設の移設の検討に当たって、これまでに那覇港の現況調査を行うとともに、米軍、自衛隊及び民間が共同使用している長崎県の佐世保海軍施設、神奈川県の横浜ノース・ドック及び横須賀海軍施設等の施設を調査してまいりました。
 本県の産業振興や経済の自立的発展を図るためには、浦添市西海岸地区を含む那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備することが重要であります。
 那覇港湾施設の移設につきましては、本県の経済振興を促進する観点及び将来の港湾計画との整合性等から浦添市を初めとする関係機関の意向等を踏まえて総合的に検討しているところであります。引き続き関係機関と調整してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 西海岸の開発及び那覇軍港の返還問題に関連いたしまして、浦添市西海岸の開発についてこれまでの作業経過及び今後の展望について説明せよとのお尋ねであります。 
 浦添西海岸の開発につきましては、昭和49年6月の港湾計画改訂の中で那覇埠頭、泊埠頭、那覇新港埠頭の3地区に加え浦添埠頭整備が初めて計画されました。その後昭和54年及び59年に岸壁の規模や埠頭用地の拡張などの一部計画変更が行われ、昭和63年には内外貿不定期船バースや総合物流センター、コースタルリゾートなどの大規模な開発整備が計画されたところであります。
 整備の状況といたしましては、昭和63年に西洲地区に県内流通の拠点となる卸売団地が形成され地域の活性化に貢献しているところでありますが、同地区以北の浦添市の事業実施につきましては財政の問題等から平成9年度以降凍結されている状況であります。
 しかしながら県は、本県の自立的経済発展を図るためには、西海岸ベースポート地区の重要な基幹インフラとして位置づけられる那覇港を早期に整備することが重要であると考えているところであります。
 このことから、知事の要請に基づく特別調整費、これは2億円でありますが、本年度に国際物流・国際交流に対応できる国際流通港湾としてのあり方を調査・検討しているところであります。
 県としましては、今後那覇市、浦添市を含めた3者による一部事務組合の早期設立に向け努力すると同時に、次年度に港湾計画改訂調査を実施し、平成12年度末の港湾計画改訂に向け努力していく考えであります。
 以上です。
○福祉保健部長(平良健康) 少子化対策についての3点の御質問に順次お答えいたします。
 まず、少子化対策臨時特例交付金の市町村における現状と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 少子化対策臨時特例交付金は、市町村が保育所待機児童の解消を初めとする地域の実情に応じた少子化対策に関する効果的な創意工夫による幅広い保育、教育等の事業に対し国が交付するものであります。今回市町村に交付されました金額は約54億円で、その内訳は保育関連が約40億円、教育関連が約10億円、その他約4億円となっております。
 市町村においては少子化対策基金を設置し、平成13年度までに保育所の増改築や遊具等の整備を行い地域の子育て支援を推進するとともに、平成14年度までに保育所待機児童の解消を図る予定であります。
 次に、認可外保育施設の実情とその対策はどのようになっているかとの御質問にお答えいたします。
 市町村を通して認可外保育施設の実態を調査した結果、平成11年4月1日現在で437カ所の施設があり、1万9770人の乳幼児が入所しております。
 認可外保育施設に対しては、社会福祉法人を設立し認可を受けて保育所を運営するよう指導しており、これまでに82カ所が法人化によって認可保育所となっております。
 また、児童福祉の立場から認可外保育施設を指導する専門の指導員――嘱託でございますが――を配置しまして、国が示した指導基準に適合するよう指導の充実及び実態把握に努めております。
 次に、認可外保育施設に通う児童は、待機児童あるいは準待機児童としての意識が必要と考える、よって臨時特例交付金についてもその視点での運用が望まれるがどうかという御質問にお答えいたします。
 県では、保育所待機児童解消のため市町村と連携を図りながら改築の際の定員増や定員の弾力化などを促進しているところです。
 市町村においては、地域の実情に応じた少子化対策に対応するため、少子化対策臨時特例交付金により平成14年度までに待機児童の解消を図ることとしております。
 また、認可外保育施設へは、本交付金を活用し保育遊具の整備等を促進することとしております。
○教育長(翁長良盛) 糸洲議員の港川人骨の沖縄での保存及び研究体制の確立、早期返還に向けた県の取り組みについてという御質問にお答えいたします。 
 港川人骨は、日本人のルーツを解明する上で極めて重要な化石であり、本県にとって貴重な文化遺産であります。現在、港川フィッシャー遺跡の発掘調査を平成10年度から3年事業で実施しているところでございます。
 国立東京大学などに保管されております港川人骨の受け入れにつきましては、保存及び調査研究体制の確立などの環境づくりを多方面から検討し早期返還を目指しているところであります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 宮古においては2000年サミットに関連してドイツのシュレーダー首相を迎える準備を進めております、その準備作業の一環としてドイツ村のゲート整備事業についての県のバックアップとその対応についての御質問にお答えをいたします。
 2000年サミットに関連し、上野村が計画しております「うえのドイツ文化村」の入場ゲート及び案内所の整備につきましては、現在その支援について関係機関と調整をしているところであります。
○病院管理局長(古謝昇) 宮古病院の新築移転について離島医療の拠点整備の視点から早急に検討委員会等を設置して取り組まれたいと考える、県の意見を聞きたいということでございます。
 お答えします。
 県立宮古病院は、一般医療を初め救急医療、離島・僻地医療等を担い地域住民の医療確保を図るとともに、医療水準の向上に努めながら公的医療機関としての役割を果たしてきました。
ところで、県立病院の整備に当たっては、各圏域における県立病院の機能、役割等のあり方を踏まえつつ、1つ目に、施設の老朽化や狭隘化の状況、2つ目に、経営健全化の進捗状況、3つ目に、建設資金確保やその償還の見通しなどについて十分に検討しなければならないと考えています。
 そのため、これらのことも踏まえ、県立宮古病院の移転新築に際しては宮古圏域の医療ニーズの多様化や地元の構想検討委員会による最終答申なども考慮に入れながら、検討委員会の設置を含めて総合的な観点から検討していきたいと考えています。
 以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) ソテツの普及及び産業化について、ソテツの県外持ち出し禁止条例の制定についてとソテツ種苗センターの設置及び普及については関連しますので、一括してお答えします。
 ソテツは、公園、庭園等における緑化や環境美化として植栽されていますが、最近では観賞用盆栽や切り葉としても活用されております。
 ソテツの東京市場での取り扱いは葬儀用切り葉としての需要はありますが、市場単価が安いことから近郊の千葉県からの出荷が大部分を占めております。
 県内市場においては盆栽として取り扱われておりますが、安定的な需要がなく流通量は少ない状況にあります。
 このため、ソテツ種苗の増殖普及につきましては、需要の動向や市場性等を踏まえ、園芸振興作物としての可能性を十分に検討しながら進める必要があると考えております。
 また、ソテツの県外持ち出し禁止条例の制定につきましては、ワシントン条約で移動制限がなされていることもあり、現在のところ特に必要はないものと考えております。
○糸洲 朝則 知事に2点ばかり再質問をいたします。
 国連アジア本部の誘致についてでございますが、日米両政府はアジア・太平洋地域における戦略的かなめ石として沖縄の米軍基地を位置づけております。これは軍事による抑止力としての一定の理解は持つものの、これと対比したソフトパワーによるアジア・太平洋地域への貢献があって初めて抑止と対話のバランスがとれるものと考えます。
 そこで知事に再度伺いますが、日米両政府に対し、在沖米軍基地がどうしても必要だというなら、これと対等なアジア・太平洋地域に対する人道支援を目的とする拠点として国連アジア本部を軸にした国際機関の誘致を強く訴えるつもりはないかどうか、お答え願います。
 次に、県民参加の議論についてでございますが、これはスイスの直接民主制にヒントを得たものでございます。
 どうか知事は対話を広くしていきたいという考えでございますから、県民とともに考え、県民と努力する姿勢でもってこの一定期間を設定した県民参加型の手法をぜひとも御検討いただけないでしょうか。再度の御答弁をお願いいたしまして質問を終わります。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 2つございまして、糸洲朝則議員の再質問で1つは国連アジア本部の沖縄創設についてでございます。
 実のことをいいますと、私個人的に若干今までもこれについて大変関心を持っておりまして、二、三実は検討したこともございます。
 これからのいろいろそこまで問題があると思いますけれども、ここでできるだけ前向きにという表現を出しましたのはそういう意味でございますので、御理解を願いたいと思っております。
 それから今、今後県民との対話の場を積極的に設けたいという私の発言を受けまして、今後地域とかいろんな団体とかできるだけ多くのところで対話の機会を持ってほしいがどうかという御要望でございますけれども、これについても私としてもできるだけ努力をしたいと思っております。
○上間  毅 こんばんは。
 通告に従い、私の所感を交えつつ一般質問を行います。
 さて、稲嶺県政が誕生してあす10日で満1年が経過いたします。ここに来て稲嶺県政に対する県民の評価も、基地と平和に弱い稲嶺県政という評価でほぼ定着しつつあるように見受けられます。
 といいますのも、最近相次いでマスコミの世論調査が発表になり、調査時期や項目及びデータ処理に多少の違いはあるにせよ、その傾向は大体同じだからであります。もちろん経済の稲嶺に対する県民の期待度は相変わらず高いものがありますが、それはそれで不況を支える稲嶺県政という構図を示しているように思われます。
 とは言っても、普天間基地移設や平和祈念資料館問題であれほどマスコミの批判にさらされながらも一定の支持率を確保しているのは、率直に言って今なお稲嶺県政に対する県民の期待が残されていることを示すものだと思います。
 そこで知事自身がそのことを確信しておられるのであれば、これから先、稲嶺知事が良心に従ってこれまでの沖縄の歴史に思いをいたして県民の立場に立った政治姿勢を堅持した行政運営をしていただきたいと思いますし、県民がそれを願っていることだと信じております。
 知事は、これからの沖縄の進むべき道を県民の立場に立ってどうあるべきかをはっきりと示していただきたいと思います。
 私は、稲嶺県政の1年にこのような所感を抱きつつ、以下の質問をいたします。
 1、普天間基地の移設問題についてであります。
 この問題は、稲嶺知事に対し、県民が稲嶺県政を支持しない最大の要因になっています。そのことはさきに触れた世論調査から見ても普天間飛行場の返還問題について関心がある人が86%、県内移設を容認する人が、容認できない人を若干上回りながら移設先の候補地を名護市のキャンプ・シュワブに決めたことに対しては反対が圧倒的に多いのであります。
 その理由に基地の削減にならず、自然破壊や新たな基地被害が出てくると判断する人がこれまた圧倒的に多いのであります。そして78%の人が移設先の選定理由や今後の計画について知事は県民へ十分な説明をしていない、また県民は十分な説明を受けていないと答えています。
 ここに稲嶺県政の政治姿勢と行政運営の問題点があるように思えます。いわゆるそのことが密室性であり、透明性のなさであります。
 そこでお尋ねいたします。
 まず、移設先の選定基準と振興策の問題についてであります。
 1、移設先候補地の選定基準を具体的に示してください。
 2、本年3月、6月、9月段階の候補地数と場所を具体的に示してください。
 3、候補地を1カ所に絞った理由は何か、これまでの答弁との整合性はあるのか。
 4、今回の候補地の選定案で公約の海上基地見直しは守られるか。
 今回の候補地の選定案で公約の陸上案は実現できますか。
 その根拠は何ですか。選定案で公約の軍民共用空港は可能か、そのことは確約できますか。
 7番、選定案で公約の期間限定15年の実現の見通しはありますか。
 8、1から7までの中のその一部または全部が否定されたら選定案の撤回もあり得るのか。
 移設先の軍民共用空港と北部振興策の北部新空港は同一なものか、異なるものなのか。
 10、県民の皆様に示された移設条件が満たされない場合は撤回もあるか、お尋ねをいたします。
 次に、跡地の利用計画とその実現性についての問題についてお尋ねいたします。 
 1、跡地利用計画では前県政の国際都市形成基本計画は継続されるのか、あるいはまた見直しするのですか。
 2、跡地利用計画での実現は軍転法の改正を行うのか、新法を制定するのか。
 3、普天間飛行場の跡地利用計画策定とその実現過程で県の果たす役割は何ですか。
 4、予想される返還地の環境汚染や文化財調査等は返還前にするのか、その見通しはどうか。あるいは後にするのか、その見通しはどうなっているのか、お尋ねいたします。
 5、ポスト3次振計には米軍基地の計画的返還や跡地利用対策等も含めるのか、お尋ねいたします。
 以上が普天間基地の移設問題についての質問であります。 
 次に、新平和資料館と八重山平和祈念館の問題についてお尋ねいたします。
 この問題についても稲嶺県政の政治姿勢や行政運営が厳しく問われています。展示手法の密室性や不透明性は、さきの基地問題と同様に多くの県民から批判を受けております。
 きのうの報道によれば、去る11月9日に任期満了になった平和資料館のすべての委員が同月10日付で再任され、1カ月おくれて今月7日に辞令交付が行われたとのことですが、この1カ月おくれの辞令交付に他意はなかったのか、気になるところであります。
 新平和資料館問題も八重山平和祈念館問題のその後の進展はどうなっているのですか。
 また、来年3月オープンが予定されている新資料館については、リゾートホテルをしのぐ超豪華な外観が姿をあらわすようになるにつれて、隣に建つ平和祈念堂との競合問題や完成した後の管理運営や維持経費等の問題が具体的に問題化しております。
 また、既にことし5月にオープンしている八重山平和祈念館の改ざん問題はどうなったのか、改ざんはあったのかなかったのか。なかったとしたらその展示資料はもとに戻されたのか、お尋ねをいたします。
 また、新資料館では監修委員は全員再任されたというが、八重山平和祈念館の元監修委員との関係はどうなっているのか、これまた不透明であります。
 そこで通告いたしております県平和資料館と八重山平和祈念館との問題について、具体的に次のことをお尋ねいたします。
 最初に、新平和資料館問題のその後の展開はどうなっていますか。
 1、展示資料館の改ざん問題は決着したのですか、その経過と現状を伺います。
 監修委員会と県当局の信頼関係は修復されましたか。
 3、開館見通しとその進捗状況及び監修委員の任期と完成後の運営委員の異動はどうなっていますか、お尋ねをいたします。
 4、平和祈念堂との競合や今後の管理運営が危惧されているが、その認識と対応はどうなっているか、お尋ねいたします。
 次に、八重山平和祈念館問題のその後の展開をお尋ねいたします。
 1、県当局と元監修委員、元専門委員や遺族会との信頼関係は回復されましたか。
 現地で開催された担当部局と元委員との協議会で問題は解決されましたか。
 3、平和祈念館の展示資料の改ざん問題の現状はどうなっていますか。
 4、アジア・太平洋地域のマラリア撲滅事業と祈念館の役割についてはどうか。
 5、展示内容の充実と維持管理及び運営上の問題についてどう対応されるのか、お尋ねをいたします。
 次に、新石垣空港についてお尋ねいたします。
 ことしの8月に新石垣空港早期実現のために県は新たに新石垣空港位置選定委員会を発足させました。
 総勢37人から成る委員会は、地元部会、学識部会があってこれまでに全体会議2回、地元部会、学識部会がそれぞれ2回ずつ開催され、大変スムーズに審議がなされてきていることはうれしいことであります。このままの現状で審議が進行されるならば、きっと予定どおり結論が出るのではないかと期待をしているところであります。
 しかし、次の委員会から県が提示しております4案の比較対象の論議がなされることから、本格的な各委員の意見が出されると思いますので大変厳しい委員会になることも予想されますので、県当局におかれましては審議がスムーズにいくように資料等の準備には万全を期して、資料不足等の理由から審議ができなくなることのないように強く要望をいたしまして、次の質問をいたします。
 新石垣空港位置選定委員会について今後のスケジュールはどうなっていますか。
 位置選定の見通しについての時期はいつごろですか。
 位置の選定は委員会における全会一致か多数決によるのか、以上お尋ねいたします。
 答弁によりましてはまた再質問をしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 上間毅議員の御質問にお答えいたします。
 最初は普天間基地の移設問題で、今回の候補地選定で公約の海上ヘリ基地見直しは守られるのか、それと今回の候補地選定で公約の陸上案は実現できるのか、その根拠はという2つの御質問に一括してお答えいたします。
 海上ヘリポート政府基本案については、同基地が米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることになるため地域の産業振興や振興開発につながらないことから、同案については反対であることを機会あるごとに申し上げてきたところであります。
県としては、海上ヘリポート基本案の見直しを求め、普天間飛行場の代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを国に申し入れております。
 これに対し小渕総理からは、普天間飛行場問題の一日も早い解決に向け政府に求められている課題に関して全力で取り組む旨の発言がありました。
 次に、同じく普天間基地の移設問題で、今回の候補地選定で公約の期間限定の実現の見通しはあるのかというのと、次の公約の海上ヘリ基地見直し、陸上案、軍民共用空港、期間限定の一部または全部が否定されると推薦撤回もあり得るのかと、「県民に訴える」に示された移設条件が満たされない場合は撤回もあるのかと、3つの御質問に一括してお答えいたします。
 移設に当たって整備すべき条件については、去る11月25日に国に対し強く要請したところであり、小渕総理からは、普天間飛行場問題の一日も早い解決に向け政府に求められている課題に関して全力で取り組む旨の発言がありました。
 また、青木官房長官からは、県の各要望に対し誠意を持って対応したい旨の国の考え方が示されました。
 特に、15年の使用期限については、将来の国際情勢などさまざまな要因とも深く関連し極めて厳しい問題があるとの認識が示されましたが、いずれにせよ種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたいとのお話がありました。
 県としては、今後これらの要望事項の実現について強く主張していきたいと考えています。
 次に、移設先の軍民共用空港と北部振興策の北部新空港は同一かとの御質問にお答えいたします。
 北部地域の振興については、観光・リゾート産業の一層の振興や情報通信産業の誘致、食品製造業や農林水産業等既存産業の新たな展開などを図るとともに多様な交流圏域の創造が必要であると考えております。
 こうした観点から、利便性の高いアクセス機能の充実を図り、自立する経済圏域を形成する基幹インフラとして北部地域に新たな空港を設置する必要があると考えております。
 県及び北部12市町村は、このような認識のもと政府に対しその設置を要望しているところであります。
北部新空港と軍民共用空港との関係については、今後検討されるものと考えております。
 次に、跡地利用計画の実現は軍転法の改正でか、新法の策定でかとの御質問にお答えします。
 県は、軍転特措法の改正とともに、駐留軍用地の跡地利用促進のための新たな制度の確立について去る8月19日、20日に国の関係機関及び県選出国会議員に要望し、また去る11月19日の沖縄政策協議会においても要望いたしました。
 その中で跡地利用が円滑に推進できるよう行財政上の措置、跡地の開発が迅速に行われるよう総合的な調整機能と権能を有する組織の設置等について法制の整備等を要望いたしました。
 国からは、沖縄政策協議会において基地跡地の利用促進について円滑な推進のための法制の整備、実施体制のあり方等についての要望を踏まえた上で有効かつ的確な方策の具体化に向けて取り組むという方針が示されております。今後、具体的な方策について国と協議していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 上間毅議員の普天間基地の移設問題に関する質問事項のうち、移設先候補地の選定基準を具体的に示せという御質問にお答えをいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目を基本方針に設定し、選挙公約も踏まえ候補地の検討を行いました。
 これらを総合的に判断して1、米軍基地の整理縮小が図られること、2、騒音の影響を比較的小さくすることができること、3、地域振興の促進に寄与することができることの理由からキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達したものであります。
 次に、同じく普天間基地の移設問題に関連しまして、本年3月、6月、9月段階の候補地数と場所を具体的に示せという点と、候補地を1カ所に絞った理由は何か、これまでの答弁との整合性はということにつきまして一括してお答えをいたします。
 移設候補地の選定に当たっては、先ほども述べましたように4項目の基本方針を設定し、知事の公約を踏まえて運航空域条件、自然条件等について既存の資料を活用し総合的に検討いたしました。
 検討作業を進める過程において複数案を検討しましたが、最終的な絞り込みを行い、移設に当たっての基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果1カ所となったものであります。
 なお、移設候補地選定に関する資料については、整理した上でできるだけ早く提出するよう努力いたします。
 次に、同じく普天間基地の移設問題に関連いたしまして、今回の候補地選定で公約の軍民共用空港は可能か、確約できるかという御質問にお答えをいたします。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れたところであります。
 これに対し、小渕総理からは、普天間飛行場問題の一日も早い解決に向け政府に求められている課題に関して全力で取り組む旨の発言がございました。
 なお、軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 普天間基地の移設問題に関連いたしまして、跡地利用計画で国際都市形成基本計画は継続か見直しかという御質問にお答えいたします。
 普天間基地跡地には、国際都市形成構想では宜野湾市及び周辺市町村を含め「技術協力・国際交流拠点」として位置づけられております。
また、国際都市形成構想の基本的な考え方は、昨年3月に閣議決定された新しい全国総合開発計画においても取り入れられており、沖縄の地域特性を生かして平和交流、技術協力等の国際貢献活動や経済・学術・文化等に関する交流拠点の整備を進めるとともに、これらの交流拠点間のネットワーク化を図るとしております。
普天間基地の跡地利用計画に当たっては、これらの視点を踏まえるとともに、宜野湾市の跡地利用計画との整合性や地権者の意向等を考慮して多面的交流ネットワーク形成と国際協力の中心的役割を担う拠点の形成、さらに基地によって土地利用上大きな制約を受けている県土の新たな整備を図ることが重要なことと考えております。
 次に、同じく普天間基地の跡地利用計画策定とその実現過程で県の果たす役割は何かとの御質問であります。
 普天間基地の跡地利用を円滑に推進するためには、県としましては国、宜野湾市、地主などの関係者と協力して事前調査測量、跡地利用計画策定はもとより、公共施設の整備を含めた事業の実施、さらには民間投資の誘致等に総合的に取り組む必要があると考えております。
 特に普天間飛行場など大規模な基地が返還された場合、軍用地主の負担や県、市町村の財政負担、実施体制などが課題となります。そのため、本県の基地跡地整備事業の総合的な実施機関の設置及び跡地の有効利用促進のための事業に対する行政上の措置について国に要望しているところであります。
 次に、同じく予想される返還地の環境汚染や文化財調査等は返還前か、その後か、その見通しはとの御質問であります。
 基地の環境浄化対策につきましては、所有者への引き渡し後に環境汚染等の問題が生じないよう返還実施計画において環境浄化処理の確認調査を定める必要があると考えております。
 また、埋蔵文化財調査等についても、返還見通しが立った早い時点で行う必要があると考えています。
 そのため、環境浄化処理の確認調査など特別管理期間に国の行う措置を返還実施計画で明示することや、測量・調査の早期実施等について軍転特措法の改正を国へ要望したところであります。
 国は、去る11月19日の沖縄政策協議会において、同法が議員立法で成立した経緯にかんがみつつ政府においても鋭意取り組むという方針を示しており、今後、具体的な方策について国と協議していきたいと考えております。
 次に、同じくポスト3次振計には、米軍基地の計画的返還や跡地利用対策等も含めるのかという御質問にお答えいたします。
 基地の整理縮小につきましては、まずSACO合意事案を着実に実施することが重要であると認識しておりますが、それ以外の施設についてもさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えています。
 また、返還跡地の総合的かつ計画的な跡地利用を円滑に進めることは、今後の本県経済社会の発展を図る上で重要な課題となっております。今後、沖縄県振興開発審議会における調査審議や国との調整等を踏まえ、新たな沖縄振興計画において具体化できるよう検討していきたいと考えております。
 以上です。
○文化国際局長(金城勝子) 上間毅議員の資料館問題について御答弁申し上げます。
 まず、新資料館についてでございますが、展示資料の問題は決着したのか、その経過と現状について、それから監修委員会と県当局との信頼関係は修復されたのか、3つ目に、開館見通しとその進捗状況及び委員の任期と委員の異動はどうなっているかとの3点について一括してお答えをいたします。
 平和祈念資料館の展示については、基本構想、基本計画等を踏まえ、現在監修委員会の監修のもとに3月末の開館を目指し、展示内容の具体化が着々と進められているところです。
 また、監修委員の方々には新資料館オープンまで引き続き監修してもらうために御承諾をいただき、全委員へ辞令を交付したところでございます。
 なお、11月10日付の辞令がおとといの12月7日に実際にお渡ししたんですけれども、一月おくれというお話がございましたんですけれども、これは監修委員会の会長さんと御相談を事務方がいたしまして、先生方が多くいらっしゃるとき全体会議のある日にお渡しするということで事務局の方でお預かりしておりまして、12月7日に一応交付の形をしたということでございますので御了解を賜りたいと思います。
 それから、平和祈念堂との競合や今後の管理運営が危惧されているが、その認識と対策はという御質問でございます。
 新資料館は、そのシンボリックな外観や展示内容の拡充等によって平和祈念堂を含め平和祈念公園内への入園者の増加に寄与することができるものと考えております。
 新資料館は、74億円という事業費をかけて整備したものであり、また管理に要する経費はおおむね3億円とかなりの額が見込まれることから、これらの節減や入館者の増加を図るための対策に万全を期すとともに、県民の貴重な財産として適正な管理運営に努めていきたいと考えております。
 それから、これは八重山の平和祈念館についてでございますけれども、県当局と元監修委員、元専門委員や遺族会との信頼関係は回復されたかとの御質問でございます。
 八重山平和祈念館については、現在、元監修委員等と県との間で協議が進められております。
 県といたしましては、同祈念館が戦争マラリア慰藉事業の一つであり、関係者の皆様の長年にわたる要請活動の成果であることから、今後とも御遺族や地域の皆様の意向が反映されるよう適切に対応してまいりたいと考えております。
 それから、同じく八重山の平和祈念館についてでございますけれども、現地で開催された担当部局と元委員等との協議会で問題は解決されたか、平和祈念館の展示資料の改ざん問題の現状はどうなっているか、展示内容の充実と維持管理及び運営上の問題についてどう対応するかとの3点でございますけれども、一括してお答えをいたします。
 八重山平和祈念館の展示内容については、11月21日に石垣市におきまして私を含め県から6名、また元監修委員等8名が出席いたしまして検討会議を開催し、展示経過に関する県の説明等を行いました。
 これに対して元委員からは、持ち帰り検討し再度会議に臨みたいとのお申し入れがあり、12月26日に検討会議を開催していくことにしております。
 なお、管理運営につきましては、祈念館の機能が十分に発揮できるよう努めてまいります。
 それから、アジア・太平洋地域のマラリア撲滅事業と祈念館の役割についてはどうかという御質問でございます。
 八重山平和祈念館は、戦争マラリアの実相を後世に正しく伝えるとともに、マラリア撲滅の歴史に関する展示等も実施しております。八重山地域においては、関係機関や地元住民の熱心な取り組みにより1965年には世界保健機構が八重山群島からのマラリア撲滅を宣言しております。
 八重山平和祈念館においては、世界のマラリア撲滅に貢献していくことがその意義の一つとなっており、展示内容の一つとして沖縄県と国際協力事業団が連携して行っておりますソロモン諸島国プライマリーヘルスケア推進プロジェクトによります同国内のボウフラの発生状況調査等の写真も展示してあります。
 また、同祈念館においては八重山保健所が主催いたしまして近隣諸国から訪れる研究者の研修会も行われております。
 さらに、八重山におけるマラリア撲滅事業関係の展示物及び説明資料等も展示しております。
 このようなマラリア撲滅を発信していくことによって、世界のマラリア撲滅に貢献していくことも八重山平和祈念館の役割の一つであると考えております。
 以上でございます。
○上間  毅 再質問をいたします。
 複数案について具体的場所を挙げてくださいということに関しましては、各議員からの質問もありましたけれども、場所を挙げることができないとすれば、何カ所あったかだけでも示していただきたいと思います。
 それから、知事が候補地を1カ所に絞った責任は重大だと思います。知事は、これまでの答弁において複数案を国へ上げて、国が最終的に決定するということでありました。それがなぜ知事が1カ所に絞らなければならなかったのか、その理由を明らかにすると同時に、1カ所に絞ったことは他の候補地に比べてキャンプ・シュワブがいろんな面で極めて優位な条件にあって、国へ複数案を上げるまでもなく一目瞭然であるといった自信があってのことなのか、お答えください。
 だとすれば、その優位性を明らかにしていただきたいと思います。
○知事公室長(親川盛一) 上間毅議員の再質問にお答えいたします。
 まず第1点目の、何カ所あったかについて御答弁願いたいということについてお答えいたします。
 これにつきましては、現在資料を取りまとめている最中でございますので、できるだけ早く提出できるよう努力したいと思います。
 それから2点目の、1カ所に絞ったことの優位性を明らかにしてくれという御質問についてお答えいたします。
 先ほど申し上げました4つの選定基本方針のもとに総合的に検討した結果、1案に絞ったということでございますので御理解いただきたいと思います。
○上間  毅 再質問いたします。
 4つの条件の中に地域振興が図られるということを理由に挙げておられますけれども、地域振興が図られる、これは大変重大であります。候補地に漏れたところでは県として経済振興の図りにくい地域であるという認識なのか、その比較はどういう基準に沿った判断なのか、その基準を示してください。
 最終的には国が決定するとのことですが、知事が複数案を挙げることが国において最終決定をする前提条件だと理解しているのですが、今、知事が1カ所に絞った段階では、国において最終決定も何もあったものではありません。もしあるというのであれば、国は県が今挙げた場所以外に候補地を挙げて決定することもあり得ると考えているのですか。
 もしそういうことになれば、地元の頭越しには国は決めることはないという、頭越しに決定しないという国の発言は県民をだましたことになると思うが、知事の御所見を賜りたいと思います。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後9時23分休憩
   午後9時24分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 再質問にお答えいたします。
 4つの条件のうち、地域振興が図れるということがあるけれども、漏れたところとの比較においてはどうかと、どういう形で振興を図るのかという御質問にお答えをいたします。
 キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に予定している軍民共用空港につきましては、臨空型産業を配置し観光、農林水産業の振興に資するものと考えております。そういう意味合いでの地域振興が図れるものと考えております。
 それから、1カ所に絞ったのはどういうことかということですけれども、複数案を検討しておりましたけれども、先ほども申し上げました4つの選定理由及び知事の公約等を総合的に検討した結果、1案に絞った次第でございます。
○上間  毅 休憩してください。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後9時25分休憩
   午後9時29分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 上間毅議員の御質問にお答えいたします。
 6月県議会までには、私は複数案を提示しますということを言っておりました。
 しかし、9月議会では複数案を含む候補地を国に提示すると申し上げました。これは、国は県の意向を尊重したいということを言っておりましたので、しかしこれからは名護市の意思の表示を受けて国が判断をするということになります。
○石川  修 質問に入ります前に、時間が削減されておりますので、4番、5番、7番、10番、11番、これは次回にしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは一般質問を行います。
 基地の振興策についてでございますが、本県の戦後政治は、そのエネルギーの大半を基地問題に費やしてまいっております。ところが50余年が経過した今日でも米軍基地はむしろ機能は強化され、県民生活の苦痛は軽減されずにあります。陸は沖縄本島の20%、海に31カ所、空にも15カ所の軍事施設が設定され、振興開発に大きな支障を来してまいりました。
 さらに、演習によって起こる事故やあるいは騒音被害、自然破壊、頻発する米軍人・軍属による犯罪や事故等基地被害はひとり基地所在地にとどまらず全県域に及んでおります。
 ところが、普天間基地の移設の問題が浮上するや名護市辺野古を中心に北部振興策が報じられ、振興策は基地とリンクしないとかするとかで論じられましたが、結局移設候補地を発表するや直ちに沖縄県北部地域の振興に関する要望書が官房長官あてに提出されておりますが、このことは普天間基地移設に対するあめとむちと考えます。
 ところで、沖縄の基地被害は全県に及ぶものであり、また県民所得が全国の約70%、失業率が約2倍と広大な基地存在による振興策のおくれによってこのようになっております。
 沖縄の振興計画は、27年の異民族支配によっての本土との格差の是正と自立的発展の基礎を図るものと考え、当然今回の北部地域の振興に関する要望と同じように全県にわたってやるべきものと考えるんです。
 そこで、次の質問をいたします。
 今回の北部地域の振興に関する要望書は基地新設とリンクしたものであるのか。
 2番目に、これまでの沖縄振興開発計画が3度にわたって推進されてきたが、要望書から見ると北部が特に取り残されているという文章になっておりますが、その開発がおくれた理由について説明願います。
 3つ目に、軍民共用の空港を求めているが、民間需要がぜひ必要であるということであれば北部に沖縄振興法に基づく空港を設置すべきであり、どうして今回の軍民共用にしなければならなかったのか、この理由についても説明願います。
 4つ目に、本県は県民所得、失業率ともに全国最悪であります。基地の有無にかかわらず全県的に熱心な振興策を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、地位協定の改定についてでございます。
 地位協定の改定は長年の県民の悲願であります。現協定は軍事優先、県民無視の地位協定であると思うが、知事はその協定を県民の立場からどう評価をいたしますか。
 それから2番目に、1万8000人が結集した10・21県民大会で決議した地位協定の見直しは県民の長年にわたる悲痛な要求であるが、運用面で少しの手直しがあるのみで、根本的には進展がない。今回、辺野古を候補地に決定したのであるが、これが実現すれば北部に新しい大規模基地が設置されます。そのことによってもろもろの基地被害を伴うことになる。県民を基地被害から守るために地位協定の見直し以外に手だてはないと考えますが、基地候補地決定条件に地位協定見直しを加えることは考えなかったのか、お答えを願います。
 それから県外移設の問題です。
 本県の基地問題の解決は極めて困難であることは重々承知をしておりますが、犠牲を強いられる沖縄と日米安保の維持に躍起になっている我が国の政府、アメリカの言いなりになっている我が国政府、また居心地よく安上がりな基地に満足しているアメリカ、この3者が沖縄の基地問題にかかわるのであるのだから、県民の苦痛解消になかなか解決が進まないものと考える。
 重要なことは、沖縄が問題解決にどう対処するかであります。
 大田知事は、政治の主人公は住民であるとの理念に基づき、県民投票や96年7月の県議会全会一致の普天間基地の全面返還、県内移設に反対する決議の精神を踏まえ、普天間基地の県外移設の模索に汗を流してまいりました。ハワイ、グアム等の受け入れの可能性を察し双方に理解を求め、また岩国への移設についても米議会調査局の報告書や山口県の21世紀研究会の取り組みについては沖縄の基地の受け入れも検討することになっている。さらに、北海道の苫小牧市の苫小牧東工業団地への受け入れも報じられました。
 このように、汗を流し努力をすればおのずと県外移設の道は開き、県民を泣かさずに、二分せずに県外移設ができよったはずです。こういうことについて知事はどのようにお考えですか、お答えを願います。
 稲嶺知事は、県内移設ありきで政府の言いなりで事を運んだとしか考えられません。そうでないとすれば、決定に至るまでの根拠を示していただきたいと思います。
 沖縄県も日本の一構成体の云々ということがありましたが、我々は50年余基地負担を背負ってまいりました。47都道府県平等に負担をすべきとの論理からすれば今回は当然県外に移設すべきだったと思いますが、いかがお考えですか。
 なお、知事は今回の移設計画は基地整理縮小になると言っておりますけれども、県民の関心は所有面積だけでなく機能面やもろもろの基地被害の問題も同様な関心事であることを指摘しますけれども、どうお考えですか。
 次に、15年問題でございますけれども、知事は普天間基地の県内移設は選挙公約であるから県民の支持を得たものとして世論調査を上回る評価をして辺野古に決定をしたと言っておられます。ところが、使用期限15年になりますと同じ公約でありながら答弁をうやむやにしております。その理由を示してください。
 前大田知事の基地返還アクションプログラムを否定する理由の一つに国際情勢の予測ができないのにということで否定をしておりますが、今回の場合はこの15年、国際情勢も視野に入れた考えでありますか。
 米国防総省のすべての関連施設が40年の運用年数と200年の耐用年数を求め、また我が国政府も15年に応ずる気配はありません。知事は、選挙公約は世論調査の結果を上回るとして県内移設は県民の支持を得ていると言っておりますが、この15年問題、どんなことがあっても守り続けなければならない政治生命だと思いますが、いかがですか。
 軍民共用によって機能の拡大につながることは絶対承知できないと言っておりますけれども、SACOの最終決定報告では普天間移設先のヘリ基地滑走路は1300メートルとし、大型輸送機を受け入れる機能はないとし、嘉手納に代替することになっております。
 しかし、軍民共用に伴って民間航空機の使用が供用されるに伴い滑走路が延長されれば、戦略空輸機を含む普天間の機能を再び統一運用することが可能となるということでアメリカは日本と今合議をしております。これが合意すれば米軍人3500名と家族を合わせて数千人の米国軍人関係者が辺野古に移動するわけです。
 こういうことは完全に機能強化というふうに明確に言えるわけですが、こうであれば知事は今回の示した候補地は否定しますか。これもお答え願います。
 それから、基地に反対する方々が面談をしたいと申し込んでおりましたけれども、知事は、県は7名で15分と、こういう面談で本当にあの人たちの気持ちが通う面談ができるのか。本当に敵視したような態度に出ておりますけれども、知事は県民の理解と協力を求めると言っておりますけれども、この趣旨に全く反しますけれども、どういうふうにお考えですか。
 以上で一応締めますけれども、後で再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 石川修議員の御質問にお答えいたします。
 最初は基地問題で、普天間基地の県外移設についての御質問へのお答えでございます。
 普天間飛行場の返還問題については、前県政が精力的に取り組みSACOの合意に至っています。返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくる。より危険度の少ないという関係でこれを第一歩にして次々と解決を図っていくしか我々に道はないと述べ、現実的に対応する姿勢を見せましたが、結果的には県内移設反対の立場に転換して普天間飛行場問題は膠着状態に陥りました。
 普天間飛行場の県内移設については、知事選挙における私の選挙公約として掲げており、知事就任後、県内移設に向けて取り組んできたところです。
国外、県外移設については日米両国政府が厳しい見解を示しており、両国政府の理解が得られないままでは普天間飛行場のもたらす深刻な状況が固定化してしまいます。
 県としては、解決の展望が見えないまま県外や国外への移設に固執するのではなく、早期返還を現実のものとするためには県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しています。
 県としては、普天間飛行場の移設を契機に50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、市町村の意向を踏まえ、県民の理解と協力を得ながらさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいくことが必要であり、特に国へ強く要望いたしました。
 次に、同じく基地問題で、使用期限15年は日米両政府は不可能だとしているがどうかとの御質問へのお答えでございます。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
 政府からは、極めて厳しい問題であるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
 基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(宮城正治) 基地問題に関連いたしまして、振興策は基地とリンクするのか、振興策は全県にわたってやるべきではないのかという御質問にお答えいたします。
本県の振興開発につきましては、3次にわたる沖縄振興開発計画を中心に中部及び北部地方拠点都市地域基本計画等各種施策によりその振興を図ってきたところでありますが、しかし産業の振興などによる自立的発展の基礎条件の整備がいまだ不十分であると言えます。
 特に、北部地域につきましては、豊かな自然に恵まれこれからの発展にポテンシャルの大きな地域でありますが、中南部地域の発展に比べその振興がおくれており、定住条件の整備や産業の振興などによる地域活性化を図ることが県政の重要な課題であると受けとめ、北部地域の振興について国に要望したところであります。
県全体の均衡ある発展を図るためには北部圏、中南部圏、宮古圏及び八重山圏の各圏域が社会的、経済的に自立し、それぞれの特性を生かした役割、機能を発揮して相互に連携協力し合う自立ネットワーク型の県土構造を形成することが重要であると考えております。
 こうした観点から、各圏域ごとの振興策につきましては、ポスト3次振計として今後策定に取り組む新たな振興計画の中において積極的な施策・事業の具体化に努めていきたいと考えております。
 以上です。
○知事公室長(親川盛一) 石川修議員の基地問題についての質問事項のうち、地位協定の見直しはどうなっているのかという御質問にお答えをいたします。
 県では平成7年11月、日米両国政府に対し10項目の日米地位協定の見直しを要請いたしました。
 その結果、日米両国政府は平成8年12月のSACOの最終報告及び日米合同委員会合意によって日米地位協定の運用の見直しを行っております。この運用の見直しによって航空機事故調査報告書の公表、米軍公用車への番号標識の取りつけ、米軍の行軍の禁止等については県の要望に沿った解決が図られたものと認識しております。
 しかし、日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員または軍属たる被疑者の起訴前の拘禁、公務外の米軍人等が起こした事件・事故の被害者に対する補償を日米両国政府の責任で行うこと、並びに基地返還前の環境調査及び環境浄化の実施、航空機騒音の規制など環境保護に関する国内法の適用等については県の要望は満たされておりません。
 県では、県民の生活と人権を守る観点から、これまで機会あるごとに日米地位協定の改定または運用の見直しを政府に対し強く働きかけてまいりました。県としては、今後とも日米地位協定の見直しを粘り強く働きかけていくことが必要であると考えており、今回の普天間飛行場の移設候補地の選定を国に提示するに当たっても、日米地位協定の改善や米軍人・軍属との婚姻等によって生ずるさまざまな問題の善処等についてあわせて国に要請したものであります。
 それから次に、同じく基地問題についての質問のうち、軍民共用によって滑走路が1300メートルの予定が、民間航空機の使用前提によって基地機能が拡大されることになるがどうかという御質問にお答えをいたします。
 基地の移設については、地域住民の生活の安全や自然環境への影響、県土の有効利用、地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなどを総合的に判断し、県民生活の安全確保及びさらなる基地の整理縮小を着実に図る観点から適切に対応したいと考えております。
 具体的な建設場所、工法等については地元の意向を最大限に反映させ、最終的に国が決定すべきものと考えております。今後、国において環境調査を含め必要な各種の調査が行われるものであります。
 県としては、代替施設については民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件として国に対し申し入れたところであります。
 普天間飛行場の移設候補地についての県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから沖縄の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
 次に、同じく基地問題についての中の、基地移設反対の方々が知事との対面を求めているがどう対応するのかという御質問にお答えをいたします。
 県は、各種団体等からの要請等の申し込みに対しては可能な限り対応しております。今後とも、各種団体等からの要請等の申し入れについては、日程調整をしながらできるだけ対応してまいりたいと考えております。
 なお、議員から、せんだっての12月3日の知事が名護市長にお会いしたときに、反対協からの申し入れに対して15分程度の、代表7人程度ということでは話にならぬということについてはどう思うかということについての御質問がありましたのでお答えいたしますが、先ほど玉城義和議員からの質問の中でも申し上げましたけれども、知事と市長との面談の当日、ヘリ基地反対協と話し合いの場を設定すべく努力をし交渉しましたが、先方からは市長との面談を延期することを申し入れてまいりました。
 結局県からはその際には約30分程度、それと人員は100人程度で、代表10人ないし20人程度で発言していただくと、こういう努力をしてまいりましたが、決裂に至ったものであります。
○石川  修 先ほど基地振興策と言ったようでございますけれども、地域振興策だと思うんで訂正をさせていただきます。
それから知事、大田さんの話をよく出しますけれども、あなたに聞いているんであって、大田さんがああいったからあんたもこれをやると。後追いをするというなら話はわかるけれども、あえて大田、大田を言わぬでもいいんじゃないかなと思うんですがね。
 それと、15年の問題は私はこういう質問をしたわけです。決定については公約であると。15年問題は公約を引っ込めているわけですよね。
 なぜそうするかと、これを聞いているわけです。弱い者には押しつけて、権力の強い者にはもぐもぐしてはっきり言えないということはおかしいじゃないか。
 そういうことと、それから先ほど振興策は基地とリンク……。
○議長(友寄信助) 時間です。
○石川  修 そういうことで再答弁を願います。
○知事(稲嶺惠一) 私は、15年の問題については全く弱く言っておりません。常に政府に対しても今後とも強く主張してまいります。
○石川  修 休憩。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後9時58分休憩
   午後10時18分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 糸数慶子君。
   〔糸数慶子君登壇〕
○糸数 慶子 通告に基づきまして一般質問をいたします。
 今議会は、普天間飛行場の移設候補地を稲嶺知事が名護市辺野古沿岸域に決定した後に開催されているだけに、いつにも増して基地問題やそれに絡む地域経済振興策が議論の中心になることが予想されましたが、それはそれとして環境や教育及び福祉行政が抱える問題等についても私たちは目を向けていかなければいけません。日常的で慢性的な問題であるだけに関係者にはより深刻だと言えます。
 とはいえ、やはり時の問題である基地移設の問題は、繰り返しになっても避けて通るわけにはいきません。私は、この問題は9月議会の平和祈念資料館と同様に当局の弁明を伺えば伺うほど事の本筋がどこにあるか、理解が困難になってまいります。
 資料館の問題でも事実はどうなのか。その事実を判断するための資料はあるのか、ないのか。資料があるとすれば、それを公表するのか、しないのか。そしてそれはいつになるのか。
 こういう初歩的とも言える段階で混乱し、問題をさらにこじらせる結果になっています。今回も全く同様のことを繰り返しています。
 危険で緊急性を有し、多くの県民が望んでいる普天間飛行場の解決は、その移設候補地選定についても当局が真剣かつ慎重に時間をかけて検討したのであれば、結論に至る過程での資料やデータが存在するのは当然のことです。
 そうした資料やデータに基づいて導き出された結論が、県民にとって妥当な結論であるのかどうか、議会の議論を通して県民に明らかにするのも当然なことであります。
 この間の一連の出来事を見ておりますと、残念ながらこうした基本的な認識に欠けているのが稲嶺県政の行政手法であると言わざるを得ないのです。
 特に今回の辺野古沿岸域への移設候補地選定については、これまでの議会答弁等で複数案を含めて候補地選定案を提示すると言ったにもかかわらず、1カ所に絞った候補地案を提示しています。
 そればかりか、辺野古沿岸域の比較的優位性を示す合理的な根拠を示す説明は一切ありません。当局の説明不足は、マスコミの世論調査でも広く県民から指摘されています。
 しかし問題はそれだけではありません。稲嶺県政の基本政策の多くが意味不明であり、説明が完全に不足しています。例えば「軍民共用」、「期間限定」、「現実的対応」、「年内決着」、「財産となる基地」、「リンク論」、枚挙にいとまがありません。
 そこでお尋ねいたします。
 基地問題や経済振興、サミット問題では、これまで代表、一般質問で何度も質疑されましたが、これまでの説明不足を補う意味でもぜひ明快な結論と合理的な根拠を示していただきたいと思います。
 まず基地問題について伺います。
 普天間基地のキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域への移設問題についてですが、選定の経過については複数の候補地と議会で答弁されましたが、なぜ複数の候補地から辺野古になったのか、選定の過程と他の候補地を落とした理由は何なのか、お伺いします。
 どのような基準で選定されたのか、環境についての判断はどうですか、騒音や事故や環境破壊について。
 選定の経過についての根拠となる資料は何でしょうか。
 年内決着とはどういうことでしょうか。
 代替基地について県民の財産とは何なのか。
 15年の使用期限は可能か。15年の根拠は何でしょうか。日米両政府が条件を受け入れなければ明確に反対を表明する意思はあるのかどうか、お伺いします。
 県内移設が本当にベターな選択なのか。ビエケス島の状況を考えると知事はいま一度国外、県外移設も考えてみる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 県民世論については、先ほどから何度も出てまいりました。そして経済振興、あるいは自立経済についても出てまいりましたので今回は取り下げさせていただきます。
 サミットについては、クリントン大統領に何を要望するのか、お伺いしたいと思います。
 次に、環境問題についてお伺いいたします。
 基地から派生する環境問題については、11月に県はNATO軍との地位協定・ボン補足協定を視察するためにドイツに実地調査に出かけましたが、その結果を踏まえて日米地位協定の見直しを含め環境調査及び環境浄化に係る制度上及び財政上の措置を政府にどう求めていくのか、お伺いいたします。
 次に、環境問題の中の第6次海岸事業7カ年計画についてお伺いいたします。
 沿岸域の管理計画について。
 海岸は、それぞれの自然環境や社会環境等の特性を反映して地域ごとに個性的な側面を持っています。海岸の整備や管理においてこのような地域の特性を尊重して進めていくことがより豊かな海岸づくりにつながっていくと考えます。このため海岸の自然条件、歴史的経緯、住民の意向を踏まえて画一的ではなく、地域の個性を生かした海岸づくりをすべきだと考えます。
 今、沖縄の海岸線は本土の2倍の早さで自然海岸が減っていく一方、コンクリートの護岸は4倍の早さでふえていくのが調査結果に出ております。一度海岸の形を変えてしまうと、もとに戻すのは大変な労力が必要であります。県の沿岸域の整備方針について具体的にお伺いしたいと思います。
 県は、生態系や環境に配慮した海岸の整備をなさるかどうか。
 それから、9月20日に観光議員連盟で北前海岸を視察いたしましたが、その際に海へのアクセスに対するその配慮の中で車いすの乗り入れ、あるいはお年寄りが気楽に海に近づけないような状況になっておりましたけれども、あらゆる分野に配慮して海岸の整備をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 そして、これまで整備してきた直立護岸についての対応について伺います。
 具体的には、この沖縄本島の直立護岸が随分整備されておりますが、恩納村におきましても直立護岸が随分あります。この直立護岸に対して具体的な整備目標値が設定されていますか。
 今後、直立護岸を取り壊し砂浜に取り戻していただきたいのですが、その方向性などについてお伺いいたします。
 このほど改正されました海岸法の改正を受けて、今後の海岸の管理のあり方についてお伺いいたします。
 それから、民間地域の環境問題についてお伺いいたします。
 県内の天願川のダイオキシンの調査結果について地下水、土壌、底質についてお伺いいたします。
 次に、野生生物についてお伺いいたします。
 東部海浜開発計画の環境アセス書がこのほど発表されましたが、民間の琉球湿地研究グループが発表いたしました環境影響評価と県の発表が随分違います。
 そのことに関しまして、県の発表したリストと琉球湿地研究グループが調査した種類が異なっておりますが、再調査をなさる計画があるかどうか、お伺いいたします。
 次に、教育問題について伺います。
 若夏学院についてお伺いいたします。
 児童福祉法が改正されて、県立若夏学院に入所中の児童生徒に義務教育を保障することになっていますが、学校教育の導入の取り組みについて伺います。
 若夏学院の学校教育導入に関する検討は、平成7年2月の定例会において当時の嘉陽教育長は、公教育の導入について本格的な検討を始めるとおっしゃいましたけれども、平成8年の3月から3人の教員が学校に派遣されております。
 児童福祉法の改正後の学校教育導入について、現在の3人の教員で十分かどうか。
 それから、教員を増員する計画があるかどうか、お伺いいたします。
 次に、女性相談所の支援についてお伺いいたします。
 県内で唯一虐待から逃れた女性や子供の緊急避難シェルターにかわるものとして、現在、女性相談所に一時保護寮がありますが、72年の復帰時に建てられたという同相談所は3日以上雨が降り続くと雨漏りや浸水を余儀なくされ、相談者とケースワーカーをつなぐ命綱ともなっている電話が雨漏りのために故障すると言われている現状です。
 台風18号のために保護寮の部屋に亀裂が生じて、いやしを求めにやってくる女性たちが社会的援助がない現在、いやしを求めにやってきた状況の中でもとても対応できない建物の状況になっております。
 できるだけ早く建物の建てかえをするのが必要だと思いますが、建てかえられる予定がおありかどうか、お伺いいたします。
 現在の県の女性相談所の一時保護は、ほんの2週間という限定された期間しか保護できないという制約があり、母子ともどもに援助を求めてきたとき、学齢期の子供を抱えた母親は子供と別々に保護される状況になります。
 母子ともに保護できるよう、公営住宅の空き部屋をワンステップとして経済的に自立できる間提供してはどうかと考えます。
 それから現在、外国におきましては家庭内暴力の被害者である妻のサポートだけではなくて、同じ被害を繰り返さないように加害者である夫への人権教育のプログラムもありますが、県においても積極的な加害者の対策は必要だと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
 以上、答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、15年の使用期限は可能か、根拠は、受け入れなければ明確に反対する意思はあるのかとの御質問へのお答えでございます。
 普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして米軍の施設の使用には15年の期限を設けるよう国に申し入れました。
政府からは、極めて厳しい問題ではあるが、種々の要素を総合的に勘案しながら考えてまいりたい旨のお話がありました。
基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、今後とも強く主張してまいりたいと考えております。
 次に、政治姿勢について、県内移設が本当にベターな選択なのか、ビエケス島の状況を考えるともう一度考えてみる必要があるのではないかという御質問へのお答えでございます。
 普天間飛行場の返還問題については、前県政が精力的に取り組みSACOの合意に至っています。
 返還が合意された際に当時の知事は、普天間基地の解決を図るためには一番望ましいのは無条件に返していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくる。より危険度の少ないという関係でこれを第一歩にして次々と解決を図っていくしか我々には道はないと述べ、現実的に対応する姿勢を見せましたが、結果的には県内移設反対の立場に転換して普天間飛行場問題は膠着状態に陥りました。
 普天間飛行場の県内移設については、知事選挙における公約として掲げてあり、知事就任後、県内移設に向けて取り組んできたところであります。
 国外、県外移設については日米両国政府が厳しい見解を示しており、両国政府の理解が得られないままでは普天間飛行場のもたらす深刻な状況が固定化してしまいます。県としては、解決の展望が見えないまま県外や国外への移設に固執するのではなく、早期返還を現実のものとするためには県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行って合意に達したSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しています。
県としては、普天間飛行場の移設を契機に、50年余過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、市町村の意向を踏まえ、県民の理解と協力を得ながらさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいくことが必要であり、特に国へ強く要望いたしました。
 次に、サミットについて、クリントン大統領に何を要望するのかという御質問へのお答えでございます。
  県としては、サミットの際、クリントン大統領を初めとする各国首脳や夫人と県民との対話や触れ合いの機会を設けていただきたいと考えており、この旨関係者に働きかけをしているところです。
私としては、世界じゅうの目が沖縄へ集中するこの機会に、平和を志向し、協調し、支え合い、そして異質なものを溶け込ませてしまう寛容さを持った「沖縄の心」をクリントン大統領を初めとする各国首脳の方々や、広く世界の人々に知っていただきたいと考えています。
過酷な沖縄戦を体験し、長年にわたる米国統治を経験した沖縄は、平和への願いと人権の尊厳を肌身で感じております。
このような観点から、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを後世に伝えるとともに、広く世界に目を向けた幅広い視点に立って平和の発信に努めてまいります。
基地問題については、沖縄が長年にわたり過重な基地を負担しているという現状をありのままに見ていただくとともに、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることを知っていただくことが重要であると考えています。
さらに美しい自然環境、独特の文化や歴史などを御紹介するとともに、観光・リゾート地、国際コンベンション都市としての優位性やすぐれた投資環境等についても紹介し、文化交流や企業誘致を積極的に行いたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の知事の政治姿勢についての質問事項のうち、選定の経過については複数の候補地と議会で答弁されたが、それはどこかという御質問にお答えをいたします。
 今回の移設候補地の決定に当たっては、県としての主体的な判断に基づき作業を進めてまいりました。
移設候補地の選定に当たっては、1、米軍基地の整理縮小を図るものであること、2、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されること、3、建設される空港は民間航空機が就航できる滑走路を有するもので将来にわたって地域及び県民の財産となるものであること、4、県土の均衡ある発展を図る観点から地域の活性化に資するもので県民の利益につながるものであることの4項目の基本方針を設定して移設候補地の検討を行い、これらの方針に適した場所を総合的に判断してキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域が適しているとの結論に達しました。
移設候補地の選定作業に関する資料については、選定作業の性質上、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進めてまいりました。移設候補地選定に関する資料については、整理した上でできるだけ早く提出するよう努力いたします。
 次に、同じく知事の政治姿勢に関する質問事項のうち、なぜ複数の候補地から辺野古になったのか、選定の過程と他の候補地を落とした理由は何かとの御質問にお答えをいたします。
 選定作業は、飛行場が立地可能な箇所についてまず運航空域条件を検討し、さらに自然条件、社会条件等さまざまな観点から検討し幾つかの箇所に絞り込みました。
 検討作業を進める過程において複数案を検討しましたが、最終的な絞り込みを行い、移設に当たっての県の基本方針に適合する場所を総合的に判断した結果、1カ所となったものであります。
 次に、同じく知事の政治姿勢についての質問事項のうち、どのような基準で選定されたのか、環境についての判断はどうかという質問と、選定の経過について根拠となる資料は何かという2点について一括してお答えをいたします。
 さきに申し上げたとおり、移設候補地の選定に当たっては4項目の基本方針を設定するとともに、運航空域条件や自然条件等について既存の資料を活用し総合的に検討を行いました。
基本方針の1つに、住民の安全が確保され騒音等の影響が軽減されることを設定し住民生活や自然環境への影響にも配慮して作業を行いました。
また、県の考え方を国に提示した際に、移設に当たって整備すべき条件の1つとして代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすることを国に申し入れております。
 移設により、地域に新たな負担が生じることになることからその負担を軽減するほか、あらゆる観点からさまざまな配慮がなされなければならないと考えております。
 次に、年内決着とはどういうことかという御質問にお答えをいたします。
 今回の移設候補地の決定に当たっては、県としての主体的な判断に基づき作業を進めてまいりました。県民の暮らしと安全を守る責任者の立場から、普天間飛行場の早期返還を願望に終わらせず現実のものとするためには、責任ある代替案を提示することが行政の責務であると考え、移設候補地を選定することにしたものであります。
 移設候補地である名護市に対しては、御理解と御協力をお願いしたところであります。
 次に、代替基地について県民の財産とは何かという点と、軍民共用とは具体的にどういうことかという2点について一括してお答えをいたします。
 県は、代替施設について民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の1つとして国に申し入れたところであります。
軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展を実現することができると考えております。
 次に、環境問題についての質問事項のうち、ドイツ調査を踏まえ、日米地位協定の見直しを含め環境調査及び環境浄化に係る制度上及び財政上の措置を政府にどう求めていくのかという御質問にお答えをいたします。
 県は、米軍基地から派生する環境問題の解決を図るため、本年度「基地の環境調査及び環境浄化等に関する海外調査」事業を予算化し、環境問題の専門コンサルタントに調査を委託しております。現在、委託先において当該調査に関する助言・提言を得ることを目的として学識経験者等で構成する検討委員会を設置し、制度面及び技術面の課題等について検討を進めております。
 同委員会は去る11月、いわゆるボン補足協定で駐留NATO軍に対して国内法を適用するなど制度が整備されているドイツにおいて基地の環境調査及び環境浄化等に係る制度面及び技術面を実態調査し、現在、同委託事業の報告の取りまとめを行っているところであります。
 今後、県としては同委託事業の報告などを踏まえ、日米地位協定の見直しを含め米軍基地から派生する環境問題の解決に向けた措置を国に求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 環境問題についての沿岸域の管理計画についてお答えします。
 海岸の整備については、平成11年5月に海岸法が改正され、従来の防護主体の海岸整備に加え、新たに環境の整備と保全及び海岸の適正な利用に関する事項が明記されています。
 今後の海岸整備に当たっては、海岸法の趣旨に沿って高潮、波浪等の災害からの防護機能強化、砂浜や緑地帯の創出による自然との共生、すなわちエコ・コ-ストの形成、既設の護岸も含めたアクセスの回復増進など多面的機能の発揮に配慮して推進していく考えであります。
 また、海岸管理に当たっては、生態系や自然景観に配慮するとともに、利用しやすく親しみの持てるように努めてまいります。
○土木建築部長(銘苅清一) 環境アセスでの野生生物の調査結果はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区の埋立事業は、埋立面積185ヘクタ-ルのうち約175ヘクタ-ルは国が、約10ヘクタ-ルは港湾管理者である県が埋め立てる計画であります。
埋立事業に当たっては、当該海域のプランクトン、底生生物、魚類、サンゴ類、海草藻類及び周辺陸域の動植物についての現況調査を行っております。
 その主な内容は、平成8年冬と夏を中心に行った干潟生物調査では海草藻類は冬57種類、夏21種類、貝、カニ類等の干潟動物は冬93種類、夏90種類が確認されております。
 また、環境庁の「レッドリスト」等で絶滅危惧種として指定されているトカゲハゼ、コアジサシ等の生息も確認されております。
 その他、藻の一種であるクビレミドロが当該海域北側に生育しているとの意見が出されており、今後、専門家等の指導・助言を得ながら生育確認調査を行うこととしております。
 環境アセスの再調査についてどのように考えているかとの御質問にお答えいたします。
 中城湾港泡瀬埋立地区の埋立事業に係る環境影響評価準備書は、国の環境影響評価実施要領及び沖縄県環境影響評価規程等に基づき埋立計画地及びその周辺を含めた環境の現況を調査し、環境に及ぼす影響の予測評価並びに保全対策等をまとめたものであります。泡瀬地区の環境調査は、平成5年と平成8年の2カ年にわたって詳細な調査を実施しております。
 また、手続等については住民説明会、公告・縦覧等を経て知事意見を受けたところであり、適正に処理されているものと考えております。
 このようなことから、県としては環境影響評価準備書に係る再調査は必要ないものと考えておりますが、沖縄総合事務局とも協議して補足調査の必要があれば適切に対応していきたいと考えております。
 それから同じく環境問題のうち、屋嘉田海岸の直立式護岸を改善できないか伺いたいとの御質問にお答えいたします。
 屋嘉田海岸の直立式護岸は、昭和54年度から昭和62年度までに延長約740メートルの区間を防災機能の速やかな確保という観点から、当時において主流の工法の直立護岸で整備を行ったものであります。
 御指摘の直立護岸につきましても、海浜環境の再生が図れる保全施設への見直しの必要があるものと考えています。しかし事業実施の時期につきましては、全県的な海岸整備の計画との関連を踏まえ検討していく考えであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 天願川のダイオキシン類に関する調査の結果についての御質問がありましたのでお答えいたします。
 天願川の河川水のダイオキシン類の調査につきましては、平成10年度と11年度の2回行っております。
 まず、天願川の河口域で平成10年度の値が16ピコグラム、平成11年度で0.021ピコグラムでございます。
 天願川合流点下流で平成10年度で1.2ピコグラム、平成11年度で0.027ピコグラムでございます。
 それから、底質につきまして同じく天願川河口で平成10年度が9.9ピコグラム、平成11年度が4.5ピコグラムでございます。
 それから、同じく天願川合流点下流で平成10年度が0.33ピコグラム、平成11年度で0.098ピコグラムでございます。
 平成10年度の調査は、環境庁が行った緊急全国一斉調査でございますが、先ほど申し上げました平成10年度の16ピコグラムというのは大変高い数字でございまして、平成11年度で追加で調査いたしましたら、これは申し上げましたように0.021ということでこれがまた大変低い値を示すというふうなことで現時点で、じゃ実際高いのか低いのかということは判断することは今困難な状況にございます。
 今後とも天願川については、調査を継続していきたいというふうに考えております。
○福祉保健部長(平良健康) 教育問題について3点の御質問に順次お答えいたします。
 まず、若夏学院の学校教育導入の取り組みはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
 平成10年度に施行された児童福祉法の改正で、児童自立支援施設に入所している児童に対し、これまでの学校教育に準ずる教育にかわり通常の学校教育を実施することとなりました。
 県としては、若夏学院の入所児童に学校教育を実施する方向で福祉保健部、教育庁及び那覇市教育委員会を構成員とする沖縄県若夏学院学校教育実施検討委員会を設置し、検討を進めているところであります。
 次に、学校教育導入がおくれている理由は何かとの御質問にお答えいたします。
 検討委員会で分校設置に向けて職員及び予算等について検討を進めておりますが、教育行政上の課題として職員の配置及び運営に要する経費等についてさらに調整が必要なためであります。
 次に、教員を増員する計画はあるか、これまでどう対応してきたかとの御質問にお答えいたします。
 教育権の保障という観点から、平成8年4月から3名の教員が教育庁から若夏学院に派遣され、教科指導に効果を上げております。
 しかしながら、主要5教科等を指導するには少なくとも5名の教員が必要でありますが、増員については現在の県の財政状況から厳しいものがあります。
 次に、福祉行政について3点の質問に順次お答えいたします。
 まず、女性相談所の施設整備についての質問でございます。
 女性相談所は、女性の生活上の悩みや困難な問題を有する女性についての相談を受け、必要に応じて一時保護を行っております。現在の施設は昭和47年に整備され築後27年が経過し、雨漏りや天井の剥離などの老朽化に加え居室の狭隘さ、設備の不備等入所者の処遇に著しく支障を来しているところであります。そのため今後早い時期の施設整備について努力してまいります。
 次に、公営住宅の活用についての質問にお答えいたします。
 女性相談所で一時保護の事由が解消し帰る居所がない者については、その者が心身障害者世帯、母子世帯、生活保護世帯等の場合は県営住宅の優先入居の対象になります。また、50歳以上の単身者については一般応募が可能であります。
 しかしながら、これ以外の者については現在のところ居宅の確保が困難な状況にあります。
 次に、加害者の教育についての質問にお答えいたします。
 女性相談所は、要保護女子の福祉に関する相談事業、一時保護及び施設入所措置を行い、その更生に必要な生活指導訓練を実施し、社会復帰を支援する相談機関として設置されております。
 また、最近の社会経済の情勢を反映して夫または男性からの暴力、虐待等の問題を有する女性及び乳幼児等未就学児童についても適切に保護援助するようになっております。
 加害者についての相談やケア等の教育については実施しておりませんが、貴重な御提言として承っておきたいと思います。
○糸数 慶子 再質問いたします。
 まず、基地問題について知事にお伺いいたします。
 知事は、移設先の表明をいたしましたけれども、このことに関しては米政府は地元の支持が得られたことは重要と、返還に向かった進展だと歓迎しているようですが、しかし知事の主張している15年の使用期限の設定は受諾不可能だとして日本政府への地元の説得を求めていると述べられています。
 米政府が15年期限つきに反対する理由は、軍事作戦能力が維持されないからであり、また15年後の返還に合意すればアジアの米国の同盟国へ誤ったシグナル、つまりアジアから米軍が撤退すると伝えることになるからだと思われます。米軍が了解しない以上、使用期限を定めることへ日本政府に選択の余地はないと思います。選択の余地のないこの状況、また日本政府も期限設定に否定的である。そのことについて知事はみずから公約した15年使用期限、つまり15年後の返還の確約もなければ、日米両政府が条件を受け入れないというその状況になったとき、明確に県民の立場に立って反対の表明をする意思があるのかどうか。
 もし受け入れれば、将来にわたり沖縄を拘束する移設表明を行ったことになり重大な負荷を残すことになるわけですが、クリントン大統領に平和の発信をし基地の整理縮小を望んでいるというふうに伝える意思があるならば、このことについて明確に県民の立場に立ってこの受け入れに反対する表明をするべきだと思いますがいかがですか、知事の御見解をお伺いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 15年の使用期限については、私の方から先般移設候補地を国に提示した際に移設に当たって整備すべき条件の一つとして提示をしております。その意味で今後とも15年については強く主張してまいります。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
   午後11時  休憩
   午後11時29分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 上原亀一郎君。
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎 知事並びに関係部長に質問を行います。
 今定例会で認定に付されている1997年度決算における沖縄県水道事業・用水供給事業の全国的地位から見る検証について。
 (1)、資産合計は全国府県営用水供給事業中どのランクを占めておりますか、金額を示して御説明願いたい。また全国平均に対する倍率はどうか。
 (2)、自己資本、すなわち自己資本金プラス剰余金及び自己資本構成比率について(1)と同様にお答え願います。
 (3)、固有資本金(引き継ぎ資本金)について(1)、(2)同様お答えください。また、その淵源についてもお答え願います。
 (4)、資本剰余金の筆頭をなす国庫補助金及びその自己資本に対する比率について(1)、(2)、(3)同様お答えください。
 (5)、借入資本金及びその負債、資本合計に対する比率、また料金に対する企業債比率について(1)、(2)、(3)、(4)同様お答え願います。
 以上、よくわかるように丁寧にゆっくりお答えください。
 2、沖縄振興開発特別措置法の抜本的拡充強化について。
 この問題について6月定例会で知事は、通告どおりの質問点は明示しながら答弁不能に陥り、聞きもしないいわゆる経済新法なるものを持ち出しながら、沖振法等とは「別に新たな法律を制定することは法制実務上多くの課題を有することも認識しており、」と答えざるを得ませんでした。9月定例会においても依然としていわゆる経済新法にこだわりながら、「国が制定を目指している」と突然異変しています。
 (1)、ならば、なぜに国は、県民への償いの心をもって事に当たるとして国の責任を明確にした沖振法を廃止しようとしているんですか。大問題ですよ、知事。
 (2)、あなたが沖縄県知事であるならば、何ゆえに国の言いなりになって高率補助、産業振興のための特別措置等数々の特別措置をなくそうとするんですか。
 (3)、同法の延長継続と抜本的拡充強化以外に県経済の発展はあり得ませんよ。お答えください。
 3、沖縄本島縦貫鉄道の建設について。
 県民の意思決定機関で全会一致で議決されてまだ実現していない鉄道建設について、沖振法の抜本的拡充強化の主柱として新たな特別措置として明確にすることを求めます。お答えください。
 4、東村高江区のヘリパッド移設問題について。
 (1)、基地と地域振興、住民要求を絡ませるのは、国・自治体行政を混乱に陥れるものです。知事はどう考えますか。
 (2)、水道布設であれ、廃棄物処理であれ、自治体の事務・事業であっても関係する法律で国の責務が明確にされており、担当省庁の責任にかかわるものです。関係のない防衛庁が他の行政領域に入り込む自体、行政を紊乱させるものであります。県は、高江区の住民要求にどう対処なさいましたか。
 (3)、東村は、福地ダム、新川ダム等県民の最大の水がめを擁して県民の命の糧とも言うべき豊富な水を供給しながら、安波、普久ダムを擁する国頭村の14%足らずの水源基金助成しか受けていません。これは余りにも異常です。国と県は、基地とは関係なく水道、一般廃棄物最終処分場は言うに及ばす、山と水の生活博物館建設要求に直ちに応じなければなりません。
 知事、お答えください。
 5、普天間基地の移設、辺野古海上基地建設について。普天間基地は即時撤去です。
 (1)、アメリカは、海上基地を無期限使用だと言っております。(「言ってない」と呼ぶ者あり) 何をあんた方、新聞見ていますか。復帰前、占領軍がよく口にした無期限占領と同じではありませんか。日本国民の主権をないがしろにする横暴きわまりない覇権主義を沖縄県民は絶対に許しません。
 知事は、11月22日の受け入れ表明を直ちに撤回することが沖縄県民の知事にふさわしい措置なんですよ。(「だめだよ」と呼ぶ者あり) お答えください。だめならばやめなさい。知事やめさせなさい。
 (2)、北部地区の振興は、沖縄振興開発特別措置法で国に償いの心をもって当たらせるべきなんです。お恵みや支援などというものではなく、国の責務として実施させるのが早道であります。お答えください。
 6、平和祈念資料館について。
 資料館を英訳するとミュージアム、つまり博物館です。博物館法の精神に基づいてちゃんとした学芸員を必要数配置し、監修委員の責任ある監督のもとに運営すべきで、社会教育への一般行政の介入はもってのほかです。ここに混乱の原因があるんですよ。県民の指弾を受けてどのように反省しておられるか、知事、お答えください。
 7、地方分権一括法について。
 周辺事態法など戦争しない国から戦争する国へ、小渕政権は着々と戦争体制づくりを進め、周辺事態法を可決施行した翌日から衆議院特別委員会で審議を開始、7月8日参議院で成立させました。
 戦争しない国から戦争する国にするためには、地方自治体、民間の協力が必要であり、そのために今定例会に23件の……(「24件だよ」と呼ぶ者あり) 23件、あれが間違い。条例が提案されています。
 このようなねらいを持つ地方分権一括法について、また条例提案するについてどれだけの検討がなされましたか、お答え願います。
 あとは再質問でやります。
○知事(稲嶺惠一) 上原亀一郎議員の御質問にお答えします。
 まず、沖縄振興開発特別措置法の抜本的拡充強化について、なぜに国は、県民への償いの心をもって事に当たるとして国の責任を鮮明にした沖振法を廃止しようとしているのか、(2)、高率補助、産業の振興のための特別措置等数々の特別措置をなくそうとしているのか、(3)、同法の延長継続と抜本的拡充強化以外に県経済の発展はあり得ないという御質問のこの3つを一括してお答えします。
 これまでいわゆる沖縄経済新法という表現を用いてきましたが、今後は新たな沖縄振興法という表現を用いていきたいと考えております。
 なお、私としては9月定例会において沖縄経済新法について、「県が制定を目指している」と申し上げたつもりですが、議事録では「国」となっており、答弁の誤りでありますので訂正しておわび申し上げます。
 新たな沖縄振興法は、3次振計終了後の新たな沖縄振興計画を実効あらしめるものとして国、県がその制定の必要性に向けて検討しているものであります。
 大きく変化する現代社会に対応し、基地問題の解決や自立型経済社会の形成を目指すためには沖縄振興開発特別措置法の単純な延長では限界があると考えております。
 本県は、新全国総合開発計画で太平洋平和の交流拠点として位置づけられ、沖縄経済振興21世紀プラン中間報告に基づく各種施策が展開されております。また、経済振興と基地問題のバランスある解決を図るため基地の跡地利用制度の確立が必要とされております。
 このような時代潮流の変化を踏まえ、本県の未来を力強く切り開いていくためには新たな理念、施策を取り入れた新しい法体系とすることが重要だと考えております。
 一方、沖縄振興開発特別措置法に基づく高率補助制度や産業振興策等については、総合的に施策を展開していく観点から必要な制度は継承すべきであると考えております。
 新たな沖縄振興法の制定または沖縄振興開発特別措置法の継続といった法律の制定や改正は、国の責務において行われるものと認識しております。新たな沖縄振興法のあり方については、現在作業中の沖縄振興開発の総点検結果を踏まえて関係機関と調整してまいりたいと考えております。
 次に、普天間基地の移設、辺野古海上基地建設について、アメリカは海上基地を無期限使用だと言っていると、日本国民の主権をないがしろにする覇権主義は許せないと、知事は11月22日の受け入れ表明を撤回しろということの御質問へのお答えでございます。
 基地問題については県政の最重要課題であり、その解決のために誠心誠意取り組んでいるところであります。
 米軍基地の整理縮小は県民多数の願いであり、米軍基地の整理縮小を具体的に進めるためには、まずSACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると考えております。
 普天間飛行場の移設候補地については、去る11月22日に記者会見を開いて県の考え方を公表し、同日石川副知事が私の代理として名護市長と会見し御理解と御協力をお願いし、私も12月3日に直接お会いして理解を求めました。
 県としては、できるものから確実に一つ一つ解決していくことにより基地の整理縮小を着実に進めることが多くの県民の意思に合致するものであると考えています。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企業局長(又吉辰雄) 上原議員の平成10年度沖縄県水道事業会計の決算と全国比較の検証について5点の御質問がございますので、順次お答えをいたします。
 なお、全国比較につきましては、平成10年度決算の全国データがまだ明らかになっておりませんので、平成9年度決算の比較で御説明をいたします。
 まず、1点目の資産合計は全国府県営用水供給事業者中、どのランクを占めているか金額を示して御説明願いたい、また全国平均に対する倍率はどうかという御質問についてお答えいたします。
 都道府県が行っている用水供給事業は、全国で23の都道府県がございます。
 平成9年度における本県の資産合計は4081億2830万6000円で、全国平均の1684億1296万5000円に対しまして2.4倍となっておりまして、大阪府及び埼玉県に次いで第3位にランクされております。
 全国第3位になっている主な要因は、水源の零細性、水源と消費地の遠隔性、送水系統の複雑性等により取水ポンプ場、増圧ポンプ場、浄水場等の施設が多いため結果において第3位となっております。
 2点目の自己資本、すなわち自己資本金プラス剰余金及び自己資本構成比率についての御質問にお答えいたします。
 平成9年度における本県の自己資本金と剰余金の合計額は3375億4490万6000円でございまして、全国平均の807億4919万1000円に対しまして4.18倍となっておりまして、全国1位にランクされております。
 また、自己資本構成比率は82.7%で全国平均47.9%に比較いたしまして1.73倍で、これも全国第1位にランクされております。
 全国第1位になっている主な要因は、剰余金のうち国庫補助金の高率補助によるものでございます。
 次に、3点目の固有資本金(引き継ぎ資本金)の金額とその淵源についての御質問にお答えをいたします。
 平成9年度における本県の固有資本は96億9880万2000円で、全国平均の4億2610万7000円に対しまして22.7倍となっており、全国第1位にランクされております。
 なお、固有資本金の淵源は旧琉球水道公社からの引き継ぎ資産でございます。
 次に、4点目の資本剰余金の筆頭をなす国庫補助金及びその自己資本に対する比率についての御質問についてお答えをいたします。
 平成9年度における本県の国庫補助金は3237億3871万8000円で、全国平均の480億7239万円に対しまして6.73倍となっており全国第1位にランクされております。
 また、自己資本に対する国庫補助金の比率は95.9%で全国平均の59.5%に対しまして1.6倍となっておりまして、これも全国第1位にランクされております。
 全国第1位となっている主な要因といたしましては、国庫補助金の高率補助等によるものでございます。
 最後に、5点目の借入資本金及びその負債、資本合計に対する比率、また料金に対する企業債元利償還金比率についての御質問にお答えをいたします。
 平成9年度における本県の借入資本金は585億6112万2000円で、全国平均の714億6905万円に対しまして0.82倍となっておりまして全国第12位にランクされております。
 なお、負債資本合計に対する借入金の比率は14.3%で全国平均の42.4%に対しまして0.33倍となっており、全国第23位にランクされております。
 また、料金収入に対する企業債元利償還金比率は28%で全国平均の59.9%に対しまして0.46倍となっており、全国第22位にランクされております。
 借入資本金比率や企業債比率が全国平均を下回っているのは、国庫補助金の高率補助により企業債等の借入金が軽減されているためでございます。今後とも水道事業の健全な運営に努めてまいりたいと考えます。
 以上であります。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 沖縄本島縦貫鉄道の建設についての御質問でございます。
 県民の意思決定機関で全会一致で議決されてまだ実現していない鉄道建設について、沖振法の抜本的拡充強化の主柱として新たな特別措置として明確にすることを求めるという御質問でございます。
 本県の長期的な総合交通体系整備の基本指針である沖縄県総合交通体系基本計画については、県を取り巻く社会経済情勢が大きく変化しており、今年度から13年度にかけて見直し作業を進めることとしております。
 御提言の本島縦貫鉄道の建設につきましては、現在作業中の総合交通体系調査の中で検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、東村高江区のヘリパッド移設問題についての山と水の生活博物館整備への対応についての御質問でございます。
 山と水の生活博物館の整備については、現在のところ東村から県に対しての要望はなされてなく、その具体的事業内容は把握しておりません。
 地域活性化を図るため市町村等が単独で実施する事業に対しては、ふるさとづくり事業を初めとする諸支援制度がありますので、具体的な要望があれば適切に対応したいと考えております。
○議長(友寄信助) この際、お諮りいたします。
 一般質問の途中でありますが、本日の会議はこの程度にとどめ延会いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助) 御異議なしと認めます。
 よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。
 次会は、明12月10日午前0時15分から会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって延会いたします。
   午後11時52分延会

 
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