○議長(友寄信助) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日、明日及び2月28日から3月2日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長安慶名一郎君の出席を求めました。
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○議長(友寄信助) この際、念のため申し上げます。
本日、明日及び2月28日から3月2日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定された質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(友寄信助) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
渡久地 健君。
〔渡久地 健君登壇〕
○渡久地 健 おはようございます。
平成12年度の第1回定例会というのは2000年初めての県議会であると同時に、4年間県議会議員として県政運営に取り組んできました48名の議員が一堂に会する議会としては実質的に最後になる記念すべき定例会でトップを切って代表質問を行うことは光栄であると同時に、身が引き締まる思いであります。
それでは、自由民主党を代表して若干の所見を述べながら質問させていただきます。
稲嶺知事が就任してから1年間が経過いたしましたが、知事の就任したときの第一声は、県民が夢と希望の持てるような沖縄、温かさと思いやりにあふれた県政の運営であったと思います。
特に前県政に冷え切っていた政府との関係を修復し、沖縄政策協議会を再開させ、沖縄振興のための特別調整費が計上され、特別自由貿易地域への立地促進の受け皿施設の整備、沖縄自動車道の通行料金の引き下げ、航空運賃の追加引き下げ等が実施されまして、ポスト3次振計につながる沖縄経済振興21世紀プランの中間報告もなされ、同時にこのような公約が実施されるとともに、コールセンターの国内企業のみならず台湾企業や海外の企業の沖縄進出も相次ぎ、経済振興が着実に実施されております。
基地問題も普天間飛行場の移設がやっと動き出し、一歩一歩解決に向けて前進しております。
知事自身も多くの課題が山積して日本一多忙な知事であるにもかかわらず、県内各界各層の各種大会や集会にみずから出席しあいさつを述べられ、県民と親しく接する姿はまさに開かれた県政、思いやりのある心が伝わる県知事の姿勢であり、また経済振興のため県外企業の誘致説明会にみずから県内誘致をお願いしている行動は、まさにトップセールスマンとしての役割を担っており、県民から高い評価を受けているところであります。今後とも夢と希望、信頼、思いやり、確実な実行力を基本姿勢に県政運営に頑張っていただき、県三役、部長の皆さんを初め県職員が県勢発展のため知事を支えていただくようお願いいたしまして質問に入ります。
まず初めに、平成12年度の施政方針の基本姿勢についてでございます。
私自身は、今回の施政方針について県政全般についてきめ細かい配慮と厳しい財政事情の中にもかかわらず、県民生活に直結する施策・事業については確実に実施するとの自信にあふれた施策方針、施政方針であったと高い評価をしております。
そこでお聞きいたします。
平成12年度は、21世紀に羽ばたく「飛躍の年」として位置づけておりますが、21世紀型施策として具体的な施策をどう展開していくのか、お尋ねいたします。
(2)点目に、産業創出、雇用対策事業及び介護保険制度に対する福祉施設の充実等、いわゆる重点施策の実施についてその取り組み姿勢と考え方についてお伺いしたいと思います。
(3)点目に、社会のあらゆる場所において男女が対等な立場で参画し、ともに責任を担う男女共同参画社会の実現を目指すためにどのような施策を展開していくのか、お尋ねいたしたいと思います。
2点目に、基地問題でございます。
基地問題では、県民はもちろんのこと国内的にも国際的にも関心の高い課題は、普天間飛行場の移設の件であります。
昨年、知事は県民の暮らしと安全を守る責任者としての立場から、目に見える形で解決策を提示するとの使命から苦渋の選択としてキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を移設先候補地として選択し、我が自民党はその英断に対し高く評価しているところでありますが、また地元名護市においても12月定例会で議会サイドが受け入れ決議を行い、それを背景にして岸本名護市長が沖縄における基地問題の長い歴史と諸般の事情にかんがみ、これまでの人生で最も困難な選択であったとして普天間飛行場代替施設の受け入れを表明いたしました。みずからの行政地域に基地の受け入れを容認することは、行政のトップとして並々ならぬ決意であったと高い評価をしておりますが、岸本市長の受け入れ表明に対する知事の御見解を伺います。
次に、15年使用期限問題についてお尋ねいたします。
これまで知事の公約であり、再三にわたり移設の条件として15年使用期限を表明し、平成12年度の施政方針の中でも「15年の期限を設けることを移設に当たって整備すべき条件として引き続き強く求めていきます。」と明言しております。
この件に関して、1月にワシントンで開かれた日米防衛首脳会議でコーエン国防長官が、15年使用期限を拒否していたとの報道が2月16日のマスコミに取り上げられ、日本政府高官は、そういう報告は受けていないと言明した云々の報道がありました。
しかしながら2月21日の夕刊には、アメリカでの日米外相会議でオルブライト国務長官は、「日米安保共同宣言を踏まえ協議したい」と事実上のゼロ回答を示し、アメリカ側のかたい姿勢が鮮明となり、7月のサミット前の決着は困難な状況となったと報道されております。
これまでの報道によると、米国側の姿勢は北朝鮮の朝鮮半島とイラクの脅威を挙げ、アジア戦略の中で沖縄の重要性を強調しております。
そこで知事に質問いたします。
県は、日米防衛首脳会談の真相を日米政府にただしたのか。ただし外交上の問題もありアメリカ政府にただすことは困難だと思いますけれども、日本政府にはただしたものと推測いたします。
それと同時に、政府の報道に対する知事の見解についてお伺いしたいと思います。
次に、この問題に対する知事の姿勢については一貫していると思いますが、知事の15年問題に対する決意について改めてお伺いしたいと思います。
次に、名護市が受け入れ条件として提示している同施設の使用協定の締結については、県としては名護市の要望が実現されるよう努力していくとの表明をしておりますけれども、名護市が国と結ぶ使用協定の締結の上で県がどの程度関与できるのか、またどのような形で支援していけるのか、知事の御見解を賜りたいと思います。
(4)点目に、代替施設の工法及び具体的な建設場所については国の責任において行うこととなっておりますけれども、その決定については協議会で審査し決定していくのか。また、その決定方法と進捗状況や今後の作業日程についてお伺いしたいと思います。
次に、日米地位協定の見直しについて質問いたします。
県民の生活と人権を守る観点から日米地位協定の見直しは必要であると思うし、平成7年11月、日米両国政府に対し10項目の見直しを要請しておりますが、日米地位協定に対する県の基本姿勢とその日米両政府に対する交渉の進め方、つまりどの機関でどのような形で交渉していくのか。特にその中で米軍による民間空港の使用を禁止すべきだという観点から質問いたします。
御承知のように、2月15日午前、在沖米海兵隊所属第36海兵航空群のAH1WヘリコプターとKC130空中給油機など5機が石垣空港に飛来して、県を初め石垣市がこれに対し強い抗議を行っております。
御承知のように、石垣空港は民間航空機の離発着及びエプロンの使用が過密な状況にある上に、離島の空港は多くの離島県から成る本県にとって県民の日常生活はもとより観光立県を目指している本県の産業振興の上からも重要な手段であり、ぜひとも民間空港の使用について日米地位協定第5条第1項の見直しは必要であると思いますけれども、県がこれまでどのような形でこの協定の見直し作業についての要請活動を行ってきたのか。そしてまた、アメリカ側の姿勢についてお伺いしたいと思います。
次に、嘉手納ラプコン、正式には米軍が暫定使用している嘉手納基地の進入管制システムの日本への返還についてでございます。
昨年11月11日に嘉手納飛行場の進入管制レーダーが故障し、那覇空港を離発着する民間航空機に欠航便やおくれた便が多数出て県民に大きな被害を与え、また去る2月13日には航空関係者に対する事前の情報提供が適切に行われず約2時間のレーダーの停止措置が実施されました。
実は、私自身2月8日に伊是名から本島へのフェリーが、海上が荒れたために9人乗りの小型飛行機をチャーターして那覇空港へ向かう途中、残波岬上空で突然小型飛行機が迂回飛行に移りました。機長に理由をただしますと、嘉手納ラプコンの許可待ちをしているので迂回飛行しているのだと聞かされ、この約5分間を迂回飛行しておりましたけれども、悪天候の中での迂回飛行は本当に危険だと痛感いたしましたし、この問題について身をもって体験しております。
沖縄における航空交通管制については、日本国政府がレーダー進入管制業務を行うまでの間、暫定的にアメリカ政府が那覇空港の進入管制業務を実施する旨、昭和47年5月15日に日米合同委員会においての合意に基づいて嘉手納飛行場において一元的に進入管制業務が行われております。
しかしながら、暫定期間が27年もの長期に及んでいること、またレーダーの故障により県民生活が多大な影響を受けていることは、県民の強い不満であります。
幸い、2月20日の日米外相会議で嘉手納ラプコン返還について日米間で本格的に協議していきたいとの一歩前進かという報道がありましたけれども、しかし本日の新聞を見ますと、昨日嘉手納ラプコンが公開され、米空軍第18師団のジェームス・スミス司令官が、「ラプコンは民間との協力で円滑に運用され、満足している。それを変えようとする動きに注意を払わなければならない」と、返還に否定的な見解を示しております。
この問題については、県民の生活と直接かかわってくることですし、ぜひとも県として強い姿勢で要請してほしいと思いますけれども、知事の御見解を賜りたいと思います。
(3)点目に、米軍基地から派生する環境問題についてでございます。
米軍基地が返還された後、跡地利用を行うためには環境浄化の問題が大きな課題となります。
私も昨年9月に軍用地返還・跡利用対策特別委員会の委員としてアメリカの米軍基地跡地の浄化作業等実態を調査してきましたが、環境浄化についての莫大な費用とその歳月の長さに改めてこの問題点の重要性を認識させられました。
詳細な課題についてはその後の9月、12月定例会で各議員から質問がなされておりますので省きますけれども、国の責任で行う環境調査及び環境浄化に必要な制度の創設について県としてはどのような考え方で、今後どのように国に求めていくのか、それに対するスケジュール等についてお尋ねしたいと思います。
(4)点目に、駐留軍用地返還跡地の再利用でございます。
知事は、施政方針の中で「駐留軍用地返還跡地の利用を円滑に推進するため、再開発に相当の困難が予想される大規模な駐留軍用地跡地の利用の促進や給付金支給に係る特例措置等について新たな法制の整備による制度の確立を推進してまいります。」と表明しております。
それでは、現行の沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置、その法律との関連性についてどのような形でやっていくのか、現行の法律を改正していくのか、あるいは新たな法制度をつくっていくのか、その関連についてお尋ねしたいと思います。
(5)点目に、知事の訪米要請でございます。
私たち自民党は、前大田県政がその政治的効果が期待できない状況の中で、在職8年間で7回にもわたり訪米したことについて批判的な立場をとってまいりました。その姿勢は今でも堅持しておりますけれども、今回の知事訪米については普天間飛行場が大きく動き出す重要な時期でもあり、その政治的な効果は大きく期待しているところでございます。
そこでお尋ねいたします。
訪米の時期、要請先及びその内容についてお尋ねいたします。
3点目に、沖縄振興開発計画についてでございます。
第1次、第2次、第3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄振興開発特別措置法の総点検とそのスケジュールについてでございます。
復帰後3次にわたる沖縄振興開発計画において約6兆円の予算が投入され社会資本の充実は図られたものの、自立的経済の確立のための産業振興、失業率等多くの課題を抱えており、これまでの振興開発及び特別措置法の法的、制度上の総点検を行う必要があると思います。
これについては当局も同じ考え方だと思うんですけれども、これまでの振興開発計画の総点検の方針とスケジュールについてお尋ねしたいと思います。
(2)点目に、知事は、平成13年度に終了する第3次沖縄振興開発計画後の本県の振興を図るため、沖縄県振興開発審議会を初め県内各界各層の声を最大限に酌み取った新たな沖縄振興計画の策定に向け取り組むと同時に、これを実効あらしめる新たな沖縄振興法の実現に向けて取り組んでいくと述べられております。
そこで、新たな沖縄振興法についてどのような考え方で制定に向けていくのか、その進捗状況を含めてお尋ねしたいと思います。
(3)点目に、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業、いわゆる島田懇談会事業は、基地所在市町村の閉塞感を緩和するために市町村の経済活性化、雇用機会の創出、人材育成、広域的な経済振興と環境保全に役立つ地域振興のためのプロジェクトを推進するための事業であり、これまで本事業については平成9年度から実施されまして、平成15年度までにおおむね1000億円の予算措置がなされており、去る2月15日の作業部会で25市町村の事業がすべて出そろったとされております。どのような事業に活用されているのか、事業の実施状況も含めて御説明願いたいと思います。
(4)点目に、政府においては本県の自立的経済発展に向けた沖縄振興策を体系化し、沖縄経済振興21世紀プランの中間報告を昨年6月に取りまとめるとともに、その中で最終報告に向けた今後の検討課題とされた沖縄国際情報特区構想、ゼロエミッション・アイランド沖縄構想及び新規事業創出支援体制の総合的検討の具体化を図るための調査検討を進めているところであります。
また、21世紀プランの中間報告に織り込まれた施策・事業のうち、57が平成12年度政府予算案に計上されているところであります。
そこで次の点についてお伺いいたします。
初めに、最終報告に向けたこれらの検討課題に対する調査検討の進捗状況がどういうふうになっているのか。
(2)点目に、本県の自立的経済発展に向けた施策の相乗効果を高めるために関係省庁の21世紀プラン関連施策との連携をどのように図っていくのか、お聞きしたいと思います。
4点目に、北部振興策について質問をいたします。
北部地域の振興に向けては、昨年閣議決定されました沖縄県北部地域の振興に関する方針に基づき去る2月10日に国、県、市町村3者による協議機関が発足しております。
政府の方針によると、現状の基本認識として北部地域関係者の危機感を踏まえたとき、これまでの人口潮流に変化を与える実効性のある取り組みが行われるよう政府においても最大限の支援を行っていくことが求められているものと認識するとなっておりまして、当面の課題として北部12市町村の人口、現在約12万2000名を15万人に、将来的には20万人に定住人口の増加こそが北部地域の活性化、ひいては県土の均衡ある発展を図る上で基礎的な課題であるとされております。
その認識のもとに政府の基本方針として、1つ目に、定住人口の増加を追求すること、2つ目に、人と産業の定住条件の整備、3つ目に、地域間バランスへの配慮、4点目に、要望の考え方の重視を挙げております。
この4点目の要望の考え方の重視のこの要望についての基本戦略として示されていますのが地域資源を活用した特色ある産業広域圏の創造、多様な交流と情報発信を促進する交流広域圏の創造、人と自然が共生する環境広域圏の創造を政府の施策展開に当たっての基本方針として重視することになっております。
そこで、政策の具体的な方向として、1つ目に、活力ある地域経済を目指す産業の振興といたしまして観光・リゾート産業の振興、情報通信関連産業の集積促進、農林水産業の振興、商工業の活性化。そして、この活力ある地域経済を目指す産業の振興を支える基盤としての活力ある地域と産業を支える基盤の整備として長期発展の基盤のための人材の育成、研究機関と国際交流の促進、潤いと安らぎのある生活環境の整備と長寿福祉社会の実現、交通体系及び企業立地基盤の整備を挙げております。
また、実現に向けた取り組み方針として予算上の特別配慮として1年間に100億円、10年間で1000億円を措置するとし、また協議機関の新設等が挙げられております。
北部地域としては政府及び県の特別の配慮に感謝するとともに、これらの施策・事業が確実に実施されることを要望しながら質問に移ります。
まず初めに、実現に向けた取り組み方針で、市町村事業を中心として支援できるよう新たに「北部振興事業制度」――これは仮称ですけれども――を創設することとなっております。特別予算措置として年間50億円を、この100億円の中から半分の50億円ですけれども、年間50億円を同制度に充当することとしているが、その制度の趣旨、内容についてお伺いしたいと思います。
(2)点目に、年間100億円の予算上の特別措置がありますけれども、平成11年度から実施している沖縄振興のための特別予算100億円との関連、つまり使用目的、補助率、国との調整、使途方法が異なるものなのか、一緒のものであるのか、お聞きしたいと思います。
その理由といたしまして、国との調整等で使用方法が制限されたり必要以上に事業内容がチェックされたりすると、市町村の意向が十分反映されない心配があるからお尋ねしたいと思います。
(3)点目に、国、県、北部市町村3者による協議機関が発足し、県庁内でもプロジェクトチームがスタートしておりますけれども、受け皿づくりのための県の北部の出先機関の組織機能の強化が必要であると思いますけれども、それについてお伺いしたいと思います。
この件については、去る12月議会でも要望いたしましたし、北部市町村長の強い要請もありますのでぜひ前向きな御答弁を期待しております。
(4)点目に、先ほどの実現に向けた取り組み方針の中で、中長期の取り組みに向けた枠組みの確保という視点で次のように位置づけております。
新たな沖縄振興計画の策定とともに、新たな沖縄振興法の制定実現が要望されていることにかんがみ、政府としては新たな時代に向けた沖縄新法の実現を目指すこととし、その具体的検討をポスト3次振計の検討の中で行うこととする。同法制定における21世紀の沖縄の持続的発展を図る上で地域連携を軸とする分散型の県土構造の構築が不可欠との認識のもと、それぞれの地域の計画としてこれまで以上に北部振興について積極的な位置づけが行われるように取り組むこととされていると表明しておりますことから、新たな沖縄振興計画との関連で、今回の北部振興策が成功するためには新たな理念や制度の導入が必要であると思いますし、それがポスト3次振計の沖縄振興新法における先導的な役割を果たすことだと思いますけれども、この点に対する知事の御見解をお尋ねしたいと思います。
(5)点目に、観光・リゾート産業の振興の中で具体的な事業として世界文化遺産に推薦している遺産群等をつなぐ琉球歴史回廊のルート化や、新水族館整備等による国営沖縄記念公園海洋博覧会地区の魅力向上と北部観光の独自性の創造と観光資源の整備を挙げておりますけれども、北部観光の振興を目的としておりましたマーリンが赤字経営難から姿を消し、記念公園の中でも記念公園の正面玄関からのシンボルであった赤がわらの沖縄館が取り壊されて、アクアポリスもアクアパーク株式会社が倒産して、そしてエキスポランドも地元側への説明なしに一方的に3月末に閉鎖する方針で進められております。
これは、これまでの北部振興策、北部の観光振興という観点からまさに逆行しているものではないかと思うわけでございます。特にエキスポランドの周辺には地元のお土産品店や食堂が20軒ほど生活を営んでいる中で、県有地である跡地利用計画も示されないままに閉鎖することは大きな問題があります。
地元としては、本部町と地元企業が第三セクターを設立し外国資本を投入してエキスポ跡地にホテルやテーマパーク等の計画がありますけれども、県の方針が二転三転して方向が定まらず、まだその跡地利用が決定されておりません。
知事の施政方針の中で、「観光振興地域制度の活用により民間事業者による多様な観光・リゾート施設の整備を促進します。」と、まさに民間企業型の観光施設の整備を明言しておりますけれども、この点に対する知事の御見解を賜りたいと思います。
5点目に、行財政問題についてでございます。
稲嶺県政がスタートして1年を経過いたしましたけれども、前県政においては厳しい財政状況の中、基金の取り崩しや県債の発行等による財源を捻出する一方、大型箱物施設を次々と建設するなど将来の財政運営の負担になる施策を展開してきたと思います。特に、箱物施設は県債として借金が残るばかりでなく、その運営費が財政を圧迫する要因となっていることは明らかであります。
その中で特に管理運営費として指摘したいのは、平成12年度予算ベースで沖縄県公文書館──これはあくまでも管理運営費ですので人件費は含まれていません──5800万円、三重城合同庁舎を含む沖縄県女性総合センター1億400万円、新しい平和祈念資料館1億8000万円が財政上重くのしかかっている状況であります。
今後ともこのような厳しい財政状況下で、稲嶺県政における1年間の財政運営がこれまでどういう形で進められてきたのか、お聞きしたいと思います。
(2)点目に、財政健全化に向けた取り組みでございます。
本県の決算収支の状況は、毎年10億から20億の黒字を計上し、形式的には健全な財政運営が行われておりますけれども、単年度ごとの実質的な収入である実質単年度収入は昭和63年度以降平成6年度までには黒字を計上しておりましたけれども、平成7年度31億円、平成8年度31億円、平成9年度21億円、平成10年度1億円と4年連続して赤字となっており、実質的に歳出超過の状況が続いております。
厳しい財政事情の中で、人件費、扶助費、公債費等の義務的経費は年々増加しているけれども、この義務的経費を今後どのように抑えていくのか、その方針についてお聞きしたいと思います。
また、県債発行も大型箱物の建設等で年々増加しており、平成10年度末の残高が5828億円で、これは平成元年度の3133億円に比べ約2倍と膨張しております。ただし、単年度ごとの発行額を見ると平成8年度の713億1700万円をピークに年々減少しており、特に今年度平成12年度の当初予算ベースでの県債発行見込み額は385億600万円とかなり抑制しておりまして、平成12年度中の償還見込み額391億6900万円を下回り、財政健全化の努力がうかがえますけれども、今後県債発行についての考え方を示していただきたいと思います。
また、基金残高については、財政調整基金、減債基金、県有施設整備基金の3基金の残高も平成4年度には577億円であったのが、財源対策として取り崩しを行った結果、平成10年度末には312億に半減しております。基金の維持について今後どのような方法で対応していくのか、お聞きしたいと思います。
(3)点目に、平成12年度予算編成の特徴について、今年度の予算は稲嶺県政が編成当初からかかわった実質的に初めての予算編成と言えます。県の財政状況は厳しく、財政の硬直化が進んでいる中で今回の予算の特徴をお伺いしたいと思います。
(4)点目に、行財政改革の基本方針と節減効果でございます。
今回策定いたします沖縄県行政システム改革大綱に基づいて平成12年度から行政改革を実施いたしますけれども、その基本方針と行政改革による経費節減等の効果の目標についてお伺いいたします。
6点目に、産業振興と雇用問題でございます。
最初の質問の施政方針の基本方針と関連いたしますけれども、アメリカの損害保険大手のアメリカンホーム保険が2月22日に那覇市にコールセンターを開設し、自動車保険に関する問い合わせを電話で対応するオペレーター100人を採用してことし6月から業務を開始するとの明るいニュースが報道されております。
その会社の方針によると、「2001年3月には300人体制まで拡張し、将来的には幅広い保険種目に対応していく方針」であり、若年労働者の働く場として大きな期待を持っているところでございます。
同社の横山代表のインタビュー記事によりますと、全国の地方都市20カ所を対象に調査した結果、通信費と賃金の助成が受けられ、若年労働者の失業率は高いけれども、逆に長期の雇用が期待できる沖縄に決めたと、地方都市20カ所から沖縄に決めたと語っておりますし、県の企業誘致に対する施策が評価されたものであり、今後ともこの種の企業進出に大きな期待を持っております。
そこで質問いたしますが、過去1年間の企業誘致の実績とその新規雇用の実績についてお伺いいたします。
(2)点目に、平成12年度の雇用対策事業についてお伺いいたします。特に緊急雇用対策特別事業として平成11年度から実施されております国の緊急雇用対策としての緊急地域雇用特別交付金の活用についてでございますけれども、平成12年度予算ベースで11億404万円が計上されておりますけれども、それについて当然国と市町村の分担分あるいは事業の内容等があると思いますけれども、主な事業内容についてお伺いしたいと思います。
7点目、サミットの成功に向けて質問いたします。
主要国首脳会議(サミット)開催まであと148日と迫り、まさに秒読み段階に入ってきており、その成功に向けて現在国、県、市町村、経済界も各種準備に日夜奮闘されていることに対し、敬意を表しながら質問いたします。
第(1)点目、国との協力関係についてでございます。
国においては、小渕総理を先頭にサミットの成功に向け各国首脳に対してさまざまなところで協力を依頼し、沖縄のPRにも御尽力を賜っているものと承知しておりますけれども、サミット成功のためには国との協力関係を密にすることが不可欠だと思いますけれども、政府の誠意ある対応について知事の御所見を賜りたいと思います。
また、国との役割分担及びおのおのの準備状況についてどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
(2)点目に、県内市町村においてもその多くがサミット推進体制を組織し、サミット成功への機運が全県的に高まってきております。サミット成功のためには市町村との連携を密にすることが重要であることは言うまでもありませんけれども、市町村の役割とその市町村の準備状況についてお伺いしたいと思います。
(3)点目に、警備のため警察関係者の県外からの応援体制の規模及び宿舎等の整備についてお伺いしたいと思います。
当然県内の警察官では間に合わないのは承知しておりますけれども、応援体制についてどの程度の規模なのか。特に国際テロ対策や会場の警備等本県開催に伴う地域事情に応じた警備は絶対必要であると思いますので、その点は万全を期していただきたいことを希望しながら質問いたします。
(4)点目に、新年度のサミット関連予算と市町村事業に対する財政対策についてどのように対応しているかをお伺いしたいと思います。
また、それと関連してサミット開催によって本県の国際化など多方面での波及効果が期待できるものと考えておりますけれども、県の外郭団体の試算によると最大125億円、雇用も1200名と期待されていると聞いておりますけれども、短期的あるいは長期的な経済効果をどう見込んでいるのか、それについてお伺いしたいと思います。
最後になりますけれども、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の誘致について知事の所見を賜りたいと思います。
2001年に事実上決定され、復帰30周年記念事業として21世紀の沖縄県のスタートにふさわしい若人の祭典インターハイが平成8年3月、突然財政難を理由に開催を断念したことは、海邦国体以来10年前から沖縄誘致に努力してきた県高体連、県体協のみならず沖縄開催に大きな目標としてきた児童生徒、競技指導者、父母、県民の熱意に冷や水を浴びせたようなもので、21世紀に向けた若者の夢を無惨に打ち砕いたものであり、そのショックはまだ記憶に新しいものだと覚えておりますし、県議会においても平成8年6月にその件については論議がなされております。
しかしながら、去る1月26日の決算特別委員会で私の質問に対し、翁長教育長は、2010年(平成22年)の誘致に向け関係機関・団体と十分調整しながら実現に向けて努力していくとの前向きの答弁があり、そのことが翌日の新聞に載りますと私のところにも多くの激励の電話があり、改めてインターハイに対する県民の関心の高さを実感したところでございます。
インターハイの開催は、スポーツの普及、発展に大きな効果があるばかりでなく、他の都道府県の選手や関係者とのスポーツ交流を通して沖縄の青少年に夢と自信を与える絶好のチャンスだと思いますし、21世紀の沖縄を担う人材育成にもつながるものだと確信しております。
同時に、選手、役員、保護者、マスコミ等を含めて約6万人もの関係者が来県すること等これらの来県する皆さんがインターハイ終了後もリピーターとして来県することは、本県の基幹産業である観光産業にも大きく貢献することは御承知のとおりですし、その波及効果というのははかり知れないものがあることだと思います。それだけ大きなインパクトがありますので、その諸準備のスタートは10年前から取り組む必要があると同時に、本県では先ほども言いましたように一度開催を返上していることもあり、他の都道府県の理解と信頼を得るためにも知事が先頭となって全県挙げて積極的に取り組む必要があると思います。
それについての知事の所見を賜りたいと思います。
以上で代表質問、あと残っておりますけれども、終わります。
○知事(稲嶺惠一) 渡久地健議員の御質問にお答えいたします。
最初は、平成12年度の基本姿勢について、21世紀を「飛躍の年」として位置づけているけれども、具体的な施策をどのように展開していくかとの御質問にお答えしたいと思います。
本県は、新しい全国総合開発計画において「地域の自立的発展と我が国ひいてはアジア・太平洋地域の経済社会文化の発展に寄与する21世紀のフロンティア、「太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)」として特色ある地域の形成を目指す。」と位置づけられています。
私は、沖縄県の21世紀のビジョンの大きな柱の一つとして人、物、情報の結節点となる広域国際交流圏の形成を図ってまいります。
その具体的な施策としては、九州・沖縄サミット首脳会合を契機として国際コンベンションアイランドとしての発展と格調ある国際的な観光・リゾートの形成を図ってまいります。また亜熱帯・海洋性、島嶼性の特性に関する国際的な学術研究、交流拠点の形成を図ってまいりたいと考えております。
本県の有する情報通信の結節点としての潜在性に着目し、沖縄国際情報特区構想を促進し、情報通信ハブ拠点の形成を図ってまいります。
また、特別自由貿易地域制度等を活用し国際的な物流・中継加工拠点の形成を推進してまいりたいと考えております。
アジア・太平洋地域に向けたゲートウエー機能の強化を図るため、那覇空港をハブ空港として拡張整備するとともに、那覇港湾をハブ機能を有する国際流通港湾として開発整備してまいりたいと考えております。
米軍施設・区域については、SACOの合意事案の着実な実現を図るとともに、SACOで合意された施設以外についても県民の理解と協力を得ながら段階的な整理縮小に取り組み、返還跡地利用の促進を図ってまいります。 さらに、21世紀の本県の経済社会の発展を支える国際性豊かで高度で専門的な応用能力を有する多様な人材の育成を進めてまいります。
これらの21世紀のビジョンについては、現在策定に向けて取り組んでいる新たな沖縄振興計画や新たな沖縄振興法の中に反映させていきたいと考えております。
私は、平成12年度を21世紀に向けて大きく羽ばたく「飛躍の年」として位置づけ、これらのビジョンの実現に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、基本姿勢についての産業創出、雇用対策事業についての御質問のお答えでございます。
県内の雇用情勢を改善していくためには、産業を振興し雇用の場の拡大を図っていくことが肝要であります。そのため産業の振興については、観光・リゾート産業のなお一層の振興、企業の立ち上げから成長までを一貫して支援する企業化支援事業の実施、国際水準の企業家を育成するグローバル産業人材育成事業や県内企業の奮起を促すビジネスオンリーワン賞事業の実施、さらに産業振興・創業支援センター(仮称)の整備、県単融資資金の拡大、県産品の販路拡大等諸施策の推進に全力で取り組んでまいります。
また、平成12年度には新たな施策として健康食品産業等を振興するための健康・長寿研究センターの拡充など研究体制の確立や製造業の拡大を図るための新製品開発コーディネート事業、さらに創業間もないベンチャー企業を支援するベンチャーファンドの創設、中小企業の経営資源の確保を支援するための都道府県中小企業支援センターの設置等の事業を実施する考えであります。
雇用対策については、緊急雇用対策特別事業を効果的に進めるため財団法人雇用開発推進機構が実施する人材育成事業や雇用開発事業、平成12年度からスタートするインターンシップ事業に対し支援を行います。
また、新規学卒者を対象とした県内外企業の合同選考会の開催や県外企業職場実習を実施するなど若年者の雇用対策を積極的に推進するとともに、地域雇用開発助成金、沖縄若年者雇用開発助成金の活用等により雇用就業機会の拡大を図ってまいります。
さらに、情報通信産業の立地等経済社会の変化に的確に対応できる職業能力を備えた人材の育成を図るため、県立職業能力開発校において平成13年度に情報システム関係の訓練科目を新設するとともに、緊急雇用対策特別事業を活用したコールセンター関連の人材育成を行います。
なお、先日労働省から発表された沖縄総合雇用対策プランでは、緊急地域雇用特別交付金の調整額6億300万円の追加交付、沖縄若年者雇用開発助成金の積極的な活用、緊急雇用創出特別奨励金の発動要件の緩和等産業振興と連携した集中的な対策が講じられることになっており、県としてもなお一層取り組みを強化する考えであります。
続きまして、介護保険制度に対応する福祉施設の充実等についてのお答えでございます。
介護保険制度は、利用者の自由な選択によりサービスの提供を受ける仕組みになっております。本県においては、特別養護老人ホームや老人保健施設は全国的にも高い水準で整備されており、今後は在宅サービスの充実が求められています。
県におきましては、中部地区に痴呆性老人のグループホームと軽費老人ホーム、北部地区において県内で初めての在宅複合型施設の整備を図るため平成12年度予算に6億1000万円を計上しています。
また福祉ニーズの高度化、多様化に対処するためには県民すべてが社会福祉に対する理解を深め積極的な参加を促進する必要があります。そのため福祉に関するあらゆる情報の収集、提供を初め各種サービスの提供、福祉の担い手の研修、養成等を行う拠点施設として沖縄県総合福祉センターを平成12年度に建設着手し、平成14年度に供用開始することとしております。
次に、基地問題について、名護市長の受け入れ表明に対する知事の見解についてでございます。お答えでございます。
昨年の12月27日、岸本名護市長が普天間飛行場の移設受け入れを表明されました。市長にとっては苦渋に満ちた困難な判断であったと推察するとともに、長年の県民の願いであった普天間飛行場の全面返還が目に見える形で進められることになり、決断された市長に敬意を表します。
市長が受け入れの条件とされた住民生活に著しい影響を及ぼさないこと、自然環境への影響をできるだけ小さくすること、移設にかかわる地元地域とその周辺地域及び北部地域の振興について政府と県が責任を持って支援していくことについて県としては国への対応を含めその実現に向けて全力を尽くす決意であります。
なお、国においては、県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、昨年の12月28日、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月10日には北部振興協議会、移設先及び周辺地域振興協議会を設置し、具体的な作業が開始されております。
次に、同じく基地問題で、日米防衛首脳会談でコーエン国防長官が15年使用期限を拒否していたとの報道についての見解を聞きたいということと、この問題について知事の姿勢と決意について聞きたいとの御質問のお答えでございます。一括してお答えいたします。
御質問の報道については、瓦防衛庁長官は去る2月21日の衆議院予算委員会において、コーエン国防長官が使用期限の設定を拒否した事実はない旨表明しております。
15年の使用期限については、移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。これを受けて国は、閣議決定において「沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」方針を示しています。その後、日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられており、同問題が着実に前進していくものと思います。県としては、同問題が政府において引き続き検討され、県の要望に対してこたえられるよう強く求めていきます。
次に、同じく基地問題でございます。名護市長が受け入れの条件として提示している使用協定の締結について県がどの程度関与するのか、また支援していくのかということのお答えでございます。
名護市長は、代替施設の受け入れ表明の際に、「基本的には、住民生活に著しい影響を及ぼさないことであり、それを保証するものとして日本政府と名護市が、基地の使用協定を締結すること」を求めております。
国は、昨年12月28日の閣議決定において、「地方公共団体の意見が反映したものとなるよう、政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、政府関係当局と名護市との間で協定を締結し、沖縄県が立ち会うものとする。」としていますので、今後同施設の使用協定に関して国、県、名護市との話し合いが行われる中で名護市の要望が実現されるよう努力してまいります。
次に、代替施設の工法及び具体的な建設場所については国の責任で行うけれども、決定方法、進捗状況についての御質問のお答えでございます。
普天間飛行場の代替施設の工法及び具体的な建設場所については、去る12月28日に閣議決定された普天間飛行場の移設に係る政府方針に沿って、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議機関が設置され、代替施設の基本計画策定の中で検討されることになります。協議機関については、今後設置され協議されていくものと考えております。
なお、基本計画の策定に当たっては、「移設先及び周辺地域の住民生活に著しい影響を与えない施設計画」とし、「代替施設の工法及び具体的建設場所については、地域住民の意向を尊重すべく、沖縄県及び地元地方公共団体とよく相談を行い、最善の方法をもって対処」されることとなっております。
次に、日米地位協定の見直しについての県の基本姿勢と今後の交渉の進め方について聞きたいとの御質問へのお答えでございます。
本県には、在日米軍専用施設面積の約75%に上る米軍基地が存在し、航空機騒音を初めとする環境問題や米軍人等による犯罪などによって県民生活は大きな影響を受けております。
県としては、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故等による県民の不安を解消し基地問題の解決を促進するためには、合衆国軍隊の施設及び区域の使用並びに地位に関する法的根拠である現行の日米地位協定を見直していただく必要があると考えています。
特に、航空機騒音の規制、環境浄化の実施など環境保護に関する国内法の適用、日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員または軍属たる被疑者の起訴前の拘禁、公務外の米軍人等が起こした事件・事故の被害者に対する補償を日米両政府の責任で行うことなどの諸課題の解決を図るためには、県民の生活と人権を守る観点から日米地位協定を見直す必要があると考えます。
県では、これまで機会あるごとに日米地位協定の改定または運用の見直しを政府に対し強く働きかけてきました。
また、普天間飛行場の移設候補地の選定を国に提示するに際しても日米地位協定の見直しを要請いたしましたが、国においては昨年12月28日の閣議決定において、「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との方針を示しております。
県としては、3月末に提出される「基地の環境調査及び環境浄化等に関する海外調査」委託事業の報告などを踏まえ、今後改めて日米地位協定の改定または運用の見直しを早急に取りまとめ、日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
次に、米軍の民間空港の使用についてでございます。
去る2月15日の石垣空港への米軍機の着陸については、県では、同空港が民間航空機の離発着及びエプロンの使用が過密な状況にある等県民生活や観光面に多大な支障を来すおそれがあることから、自粛するよう米軍に事前の申し入れを行いました。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって県民の日常生活はもとより、観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であることから、これまでも米軍機の県管理空港の使用について関係機関に対し同様な要請を行ってきたところであります。県としては、今後とも緊急時以外の米軍機による民間空港の使用をしないよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えています。
次に、嘉手納ラプコンについて県としても要請したと思うが、知事の見解を聞きたいというお尋ねでございます。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって不可欠な移動手段であり、県民の日常生活はもとより、観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であるため、嘉手納飛行場進入管制レーダーの故障や停止は、県民及び観光客の足である航空機の離発着に大きな影響を与えるものであります。
県では、去る1月13日及び14日に、沖縄の航空交通管制の日本側への移管について内閣総理大臣及び在日米軍司令官等関係機関に対し要請しました。日米両政府は、昨年11月18日の日米合同委員会において、本件について今後とも協議していくことを確認しているほか、去る2月20日の河野外務大臣とオルブライト国務長官との会談においても今後日米間で協議していくことで一致しております。
なお、先ほど渡久地議員の御質問の中で、本日マスコミに報道されました在沖米空軍司令官の発言に対しましては、せっかく日米の政府間で協議をしていくということを一致した際にかかる発言がなされたことは大変残念に思います。県としては、今後とも沖縄における航空交通管制を早急に日本側へ移管するよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えています。
次に、米軍基地から派生する環境問題について、環境調査及び環境浄化に必要な制度の創設についての考え方と、今後どのような形で国に求めていくかとの御質問へのお答えでございます。
米軍基地から派生する環境問題については、日米安全保障条約及び日米地位協定の締結当事者である日米両国政府の責任において取り組むべき課題と考えております。
県は昨年8月、国に対し駐留軍用地の返還に際する環境浄化処理の確認調査など国の行うべき措置について明示するよう「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」(軍転特措法)の改正を要請したところであります。
また、本年度「基地の環境調査及び環境浄化等に関する海外調査」事業を環境問題の専門コンサルタントに委託しており、委託先において昨年11月、いわゆるボン補足協定で駐留NATO軍に対して国内法を適用するなど制度が整備されているドイツを実地調査し、3月末を目途に同委託事業の報告の取りまとめを行っているところであります。今後、県としては当該委託事業の報告などを踏まえ、日米地位協定の改定または運用の見直しを早急に取りまとめ日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
次に、駐留軍用地返還跡地の再利用について、新たな法制の整備による制度確立の促進と現行法との関連についての御質問に対するお答えでございます。
県は、平成11年8月に、駐留軍用地返還跡地の利用を円滑に推進するため「返還実施計画」で定める事項の追加など、軍転特措法の改正や駐留軍用地跡地利用促進のための新たな制度の確立について所要の措置が講じられるよう国へ要望を行いました。
国は、県の要望を受け、「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」を昨年12月28日に閣議決定しております。その方針の中で、再開発に相当の困難が予想される大規模な駐留軍用地跡地の利用の促進や給付金支給に係る特例措置等については新たな法制の整備により対応することとしております。
また、軍転特措法に係る要望事項については、「返還実施計画に定める事項」の明示、調査・測量の早期実施への対応、国有財産の活用の措置について政令の改正や運用で対応することとしております。今後、国と協議を行い、駐留軍用地返還跡地の利用を円滑に推進するため新たな法制の整備による制度の確立を促進していきたいと考えております。
次に、訪米の時期と要請先及びその内容はどんなものかとの御質問のお答えでございます。
県は、基地問題は国の外交防衛にかかわる問題であると認識しており、その解決に向けてはまず国家間で話し合いがなされるべきであると考えています。しかしながら基地問題の解決は本県の重要な課題であり、日本政府の外交交渉を側面から支援する立場で、必要に応じ地元の声を米国政府等に伝えることは必要であると考えております。
なお、訪米の時期、要請先及び要請内容については、国内外の情勢を見ながら関係機関とも調整の上、決定していきたいと考えております。
次に、振興開発計画についてでございます。新たな沖縄振興法についての基本的な考え方と策定作業の進捗状況についてのお尋ねでございます。
本県が財政依存の経済構造から脱却し、21世紀の早い時期に自立型経済を構築するとともに、基地の整理縮小と跡地の円滑な利用を推進するためには沖縄振興開発特別措置法の単純な延長では限界があり、これまでの振興開発のあり方について見直す必要があると考えております。
大きく変化する現代社会に的確に対応し、21世紀の沖縄の振興を図るためには新たな理念、施策を取り入れた「新たな沖縄振興法」の制定が必要であると考えております。
県は、昨年12月の北部地域の振興に関する要望の中において新法の必要性を政府に求めたところ、新たな時代に向けた沖縄振興新法の実現を目指すとの政府方針が閣議決定されており、新法の制定に向け一定の前進が図られたものと認識しております。新法のあり方については、今後関係機関と調整を図りながら早急に県の基本的な考え方を取りまとめていきたいと考えております。
次に、「北部振興事業制度」(仮称)の趣旨、内容についての御質問へのお答えでございます。
北部地域の振興に当たっては、施策・事業の着実な進捗や市町村の財政負担の軽減が重要であると考えております。そのため、政府は去る12月28日の閣議決定で市町村事業等への支援措置として「北部振興事業制度」(仮称)の創設を盛り込んでおります。
北部振興についての予算上の特別の配慮としては、今後おおむね10年間で1000億円の特別の予算措置を行うこととなっており、このうち非公共の500億円が北部振興事業制度(仮称)に充てられることとなっております。平成12年度分として同制度に50億円が政府予算案として措置されているところであります。
なお、同制度の具体的な内容につきましては国、県、市町村で構成する北部振興協議会の中で今後検討することとなっております。
次に、同じく北部振興策についての御質問の中で、年間100億円を10年間措置することになっているが、沖縄振興のための特別予算100億円と使用目的、補助率、国との調整等使途方法が異なるかどうかとの御質問へのお答えでございます。
沖縄振興のための100億円は、本県の深刻な経済状況を考慮し効果的な展開が可能な沖縄振興策を実施するために措置されたもので平成11年度から既に実施されているところであり、平成12年度も引き続き措置されることになっております。その使途方法等については、沖縄政策協議会において検討し具体的な施策・事業が決定されることになります。
平成12年度の政府予算案に措置されている北部振興のための100億円は、沖縄全体の振興のための特別の予算措置とは別に新たに措置されたものであり、施策・事業の具体的な内容につきましては北部振興協議会の中でこれから検討することとなっております。
次に、同じく北部振興策の中で、北部振興策の成功が沖縄振興法の先導的役割を果たすと思うがどうかとの御質問へのお答えでございます。
北部地域の振興については、第3次沖縄振興開発計画を初め北部地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策の推進によりその振興を図ってきたところでありますが、地域の活性化や自立的発展への展望を開くまでには至ってない状況にあると認識しております。
北部地域の振興は、中南部地域の居住環境の改善につながるなど県土の均衡ある発展を図る上からも重要であります。これからの北部振興に当たっては、従来の枠組みにとらわれず思い切った事業展開が行えるよう最善を尽くし、政府とともに取り組んでまいりたいと考えております。
北部地域における新しい枠組みによる施策・事業の展開や地域開発の手法は、新たな沖縄振興法における各圏域別の振興の先導的な役割もあり、今後の振興法の取り組みにつなげていきたいと考えております。
次に、行財政問題についての御質問について、厳しい財政状況の中でこの1年間どのように財政運営を進めたのかとの御質問へのお答えでございます。
私が知事となってからの1年間の財政運営について御説明をいたします。 極めて厳しい財政状況において、歳入面では県税、地方交付税及び国庫支出金、中でも「沖縄振興のための特別の調整費」等の財源の所要額の確保に努めてきたところであります。
一方、歳出においては就任直後の平成11年度当初予算で特別自由貿易地域展開調査事業、グローバル産業人材育成事業、ビジネスオンリーワン賞事業など本県経済の活性化に結びつく産業振興施策の強化や乳幼児医療費助成の3歳未満児への引き上げなどの医療福祉施策の充実を図りました。
補正予算では、再開された沖縄政策協議会において国との協議が整った特別調整費に係る沖縄産業振興・創業支援センター(仮称)建設費、沖縄自動車道の料金割引などの予算を措置するとともに、九州・沖縄サミット関連経費、緊急雇用対策、経済新生対策などの予算を措置いたしました。
また、県財政の健全化に向けて県職員の期末手当の支給率の引き下げ、希望者全員の勧奨退職の実施等により人件費の縮減を図るとともに、退職手当基金や減債基金への積み立てにより将来の財政負担の財源を確保するなど効果的かつ効率的な財政運営に努めてまいりました。
次に、平成12年度予算の特徴について聞きたいとのお尋ねでございます。
平成12年度の予算編成に当たっては、本県の財政が依然として厳しい状況にあることから、新たに策定する行政システム改革大綱の趣旨を踏まえ大規模な箱物の建設を見合わせ、後年度の負担となる県債の発行を抑制するなど県財政の健全化に努めました。
このように厳しい予算編成の中、当面の経済対策や雇用の確保、地域・離島の振興、医療福祉の充実、将来の沖縄を担う人材の育成、九州・沖縄サミットの成功に向けた取り組みなどの政策課題に重点を置くことを基本に編成いたしました。
具体的には、県内へのコールセンターの立地促進、産業振興・創業支援センター(仮称)の本格整備、新規学卒者の就職促進対策など産業振興、雇用の拡大に向けた施策の充実を図ることとし、あわせて道路、空港、港湾、農業かんがい排水施設などの産業基盤や生活環境の整備を進めることとしております。
また、本県産業の発展の基礎となる人材育成や各種研究機関の研究体制の充実強化を図る施策に配慮いたしました。
医療や福祉の向上に向けて、介護保険制度の円滑な実施が図られるよう措置するとともに、福祉活動の拠点となる総合福祉センターや中部保健所の整備に努めるほか、3歳未満児の医療費助成や心身障害者小規模作業所への支援などを引き続き実施いたします。
地域・離島の振興を図るため、宮古地域における田園マルチメディア整備事業や南北両大東村の海水淡水化施設整備事業への助成を新たに実施するほか、引き続き離島空路や航路事業への助成を実施いたします。
また、基地問題の解決促進や男女共同参画社会の実現のための取り組みを強化するとともに、平和の創造・発信に向けた施策の充実を図りました。
特に、九州・沖縄サミットについては消防・救急、医療及び警備体制等の整備などサミットの成功に向けた取り組みとあわせて沖縄の歴史や文化を世界にアピールするための諸事業について拡充を図りました。
次に、行財政改革の基本方針と節減効果についてのお尋ねでございます。
県では、21世紀の自立した沖縄県を目指して「県民起点の行政」の推進という理念のもと、地方分権時代に対応した沖縄県ならではの行政運営、効果的かつ効率的な行政運営及び適切なパートナーシップの構築の3点を軸とする新たな県行財政システムを確立することを基本方針として行政改革を推進していく考えであります。
また、今回の行政改革は、経費の節減のみを目的として行うわけではありませんのでその効果を算出することは難しいところですが、平成12年度当初予算ベースで見ますと各課や各施設の運営費等の縮減で4億695万4000円、県単補助金の廃止・削減で約17億円、人件費の縮減で約16億円などの節減を図るとともに、県債発行についても54億4500万円の減など財政健全化に取り組んでいるところであります。
次に、サミットについての御質問でございます。国との協力関係において、政府の誠意ある対応についての知事の所見と役割分担と準備状況はどうかとの御質問に対するお答えでございます。
国においては、小渕総理を先頭に九州・沖縄サミットの成功に向けて関係省庁を網羅した「九州・沖縄サミット開催準備本部」を設置するとともに、国の予算措置として総額815億円にも及ぶ必要経費を計上するなど万全の体制で臨んでおり、大変心強く思っている次第です。
国と県との役割分担については、サミットそのものは国の行う国際会議ですので各国代表団の接遇や会議の運営、プレスへの対応など基本的な業務は専ら国が担当することになります。
一方、県は、サミット開催地として国が行う開催運営に対する協力、支援を行うとともに、サミットを契機に沖縄の国際化や振興発展につながる取り組みを展開しているところです。具体的には「万国津梁館」の建設などの基盤整備を初め、宿泊・輸送対策や警備、消防・救急体制などの面で支援業務を着々と進めています。
また、クリーンアップ事業や関連イベント等を通して開催機運を盛り上げ、県民一体となった受け入れ体制の確立を図っているところであります。
さらに、インターネットホームページの充実など、沖縄を世界へ強くアピールしていくためのさまざまな情報発信事業にも積極的に取り組んでいるところです。県としては、今後とも関係機関と連携を密にしながら、県民参加型サミットの実現を目指して諸準備に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
一番最後の御質問でございまして、インターハイの誘致についてでございます。全国高等学校総合体育大会の誘致についての所見を聞きたいとのお尋ねでございます。
全国高等学校総合体育大会は、高等学校教育活動の一環として広くスポーツ実践の機会を与え、技能の向上とスポーツ精神の高揚を図り、心身ともに健全な高等学校生徒の育成と親睦を図るために開催される我が国最大の高校生のイベントであります。大会の本県開催は、青少年に夢と希望を与えスポーツに対する意欲を高め、スポーツの普及・振興と学校教育の活性化に大きく寄与し県民に活力を与えるものと考えます。
本大会の開催に当たっては、全県的な取り組みが必要なことから、今後関係機関・団体と調整し、全国を一巡する2010年に開催ができるよう前向きに検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 渡久地健議員の質問事項のうち、平成12年度の施政方針の基本姿勢についての中の男女共同参画社会の実現を目指す施策の展開についての御質問にお答えをいたします。
家庭、地域、社会のあらゆる分野において男性と女性がみずからの能力を十分に発揮し、社会的責任を担い合う男女共同参画社会の実現を図るには、女性の政策・意思決定の場への参画促進や女性の地位向上、また男性の理解を深めることがより一層重要になってくるものと考えます。
このため県では、これまでの施策に加え、女性の社会参画を促進する環境整備や女性の自立に向けた施策を推進するなど、男女共同参画社会づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
平成12年度には、国際女性相談事業の拡充強化を初め、男女共同参画社会基本法の制定を受けて実施する「男女共同参画計画」策定に向けた「女性の生活実態・意識調査事業」や市町村・県民に対する広報啓発活動並びに女性問題に関する調査・研究事業等を実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 沖縄振興開発計画についてお答えいたしたいと思います。4点ほどあります。
その1は、第1次、第2次、第3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄振興開発特別措置法の総点検についての御質問であります。
沖縄振興開発計画につきましては、その実績等について総点検作業を行っているところであります。3月末までにはその結果を取りまとめる予定であります。
これまで3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく諸施策を総合的に推進してきた結果、道路、港湾、空港などの社会資本の整備を初め、多くの分野において着実な成果を上げてきたことにつきましては広く県民に評価されてきたものと考えております。
しかしながら、一方において経済の自立化につながる産業振興の立ちおくれや財政依存の経済構造、全国平均の約2倍に達する高い失業率、広大な米軍施設・区域の整理縮小及び返還跡地の有効利用等は依然として解決すべき重要な課題であると考えております。
また、本県の振興を担う人材の育成や県民福祉の向上、県土の均衡ある発展等についても大きな課題となっております。
なお、沖縄振興開発計画の根拠法である沖縄振興開発特別措置法の総点検につきましても、計画と同様に3月末の取りまとめに向けて作業を行っているところであります。
次に、島田懇談会事業がどのような事業に活用されてきたか、その実施状況と成果についての御質問であります。
沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業、いわゆる島田懇談会事業は、基地所在による閉塞感を緩和するため市町村の経済活性化や継続的な雇用機会の創出、長期的な活性化につながる人材育成及び広域的な経済振興や環境保全に役立つものなどに資するプロジェクトの実施によりまして地域活性化を図ることを目的としております。
これまでに18市町村において38事案が採択されております。
既に供用開始しているものでは、将来の情報化社会の動向と雇用創出を対応させた名護市のマルチメディア館整備事業などがあり、継続中の事業においては中長期的視点に立った多様な人材の育成としての沖縄市のこども未来館整備事業、情報産業の誘致や狭隘な市街地の再開発により地域活性化を図る嘉手納町のタウンセンター開発事業などがあります。
平成12年度におきましては8市町村の9事案が新規事業として採択されておりまして、残りの7市町村においても新規要望事業として現在検討がなされているところであります。
これら地元の内発性を重視する視点から提案された各プロジェクトの着実な実現が基地の存在による閉塞感の緩和につながるとともに、経済の自立的発展に大きく寄与するものと期待しております。県としても、島田懇談会の提言の趣旨を踏まえ、事業の円滑な実施を促進し基地所在市町村の活性化を支援していきたいと考えております。
次に、21世紀プラン最終報告に向けたこれからの検討課題に関する調査検討の進捗状況についての御質問であります。
21世紀プランの最終報告に向けた今後の検討課題としましては、沖縄国際情報特区構想、ゼロエミッション・アイランド沖縄構想及び新規事業創出支援体制の総合的検討の具体化があります。現在、それぞれの項目について関係省庁、県及び関係機関が連携し具体化に向けた調査検討を進めているところであります。
まず、沖縄国際情報特区構想についてでありますが、情報通信ハブの実現を加速化するための方策や外資系企業を含む情報通信関連企業の誘致に向けた施策の検討を行っております。
次に、ゼロエミッション・アイランド沖縄構想につきましては、環境保全と産業振興が両立する取り組みとして良好な環境の保全・創造、自然エネルギー等の導入、環境関連ビジネスの企業化及び資源の地域内循環を推進する施策の具体化を検討しております。
また、新規事業創出支援体制の総合的検討につきましては、金融制度や支援プラットフォームの充実強化等効果的な新規事業支援のあり方を検討しているところであります。
これらの調査検討結果につきましては、本年3月末を目途に取りまとめ、21世紀プランの最終報告に具体的な施策として盛り込まれることになっております。
次に、本県の自立的経済発展に向けた施策の相乗効果を高めていくために関係省庁の21世紀プラン関連施策との連携をどのように図っていくかとの御質問であります。
21世紀プランの中間報告には、加工交易型産業、観光・リゾート産業、情報通信産業及び農林水産業の4分野における振興策と産業振興のための横断的な取り組みとして研究開発、国際交流の促進や人材育成、雇用の確保など本県の自立的経済発展に向けた幅広い施策項目が盛り込まれております。
このうち、平成12年度政府予算案には県の要望等を踏まえ、中間報告に盛り込まれた施策・事業のうち約60項目が予算計上されております。
県としましては、国、市町村、民間等との連携のもと、これらの施策・事業の着実な実現に向けて取り組むとともに、将来にわたってその効果が発揮されるよう新たな沖縄振興計画や法制度への発展的な継承を国に働きかけていきたいと考えております。
次に、北部振興策についてであります。受け皿づくりとして県北部地域の出先機関の組織機能の強化が不可欠だと思うがどうかとの御質問であります。
北部地域の振興に当たっては、去る2月1日に企画開発部内に北部振興プロジェクトチームを設置いたしました。組織強化を図っておりまして、同プロジェクトチームを中心に関係機関との連絡調整などを行ってまいりたいと考えております。
出先機関の組織強化につきましては、北部振興のための事業の具体的な展開に応じてこれから検討されるものと考えております。
次に、サミットの成功に向けての関連で、サミットの開催により本県の一層の国際化などの多方面での波及効果が期待できると考えるが、短期、長期の経済効果をどう見込んでいるかとの御質問であります。
短期的な効果といたしましては、宿泊、飲食等の消費効果とプレスセンター、道路等の整備によって生じる投資効果があります。
次に、中長期的な効果としましては、沖縄の美しい自然や独特の文化、歴史を世界に発信し、本県の魅力を国内外に知っていただくことにより国内外からの観光客のさらなる増加と国際会議や国際イベントの誘致が期待できることであります。
また、国際会議の開催ノウハウの蓄積や県民のホスピタリティーの向上など国際化に対応できる人材の育成に寄与していくものと考えております。
さらに、特別自由貿易地域制度の優遇税制や豊富な若い労働力等の投資環境を国内外に発信することにより、本県への投資等を期待することができます。
なお、御質問にあります125億円の経済効果は対米請求権事業協会が昨年7月に試算したものでありますし、また1200名の雇用効果は沖縄銀行が昨年の8月に算出し発表したものであります。
県としましては、サミット経済効果の分析は行っておりませんが、両機関の発表後に国及び県によるサミット関連の追加予算措置が講じられていることから、サミットの経済効果は両機関が試算した額よりも大きなものになると期待しております。
以上であります。
○観光リゾート局長(大城栄禄) 北部振興策に関連して、沖縄記念公園及び北部観光の独自性創造と観光資源の整備についてお答えいたします。
県では、年間約170万人の入園者を有する国営海洋博記念公園一帯をエキスポリゾートとして国から観光振興地域の指定を受けるとともに、21世紀プラン、北部振興策などを活用して重点的に整備することとしております。このため地元本部町を初め国、県等の関係行政機関や観光関係団体等で構成する連絡協議会の設立に向け鋭意取り組んでいるところであります。
ところで、同地域のエキスポランド等が施設の老朽化や経営上の観点から閉鎖あるいは撤退を余儀なくされることはまことに残念であります。
御指摘のエキスポランド跡地については、地元本部町において同町が出資する第三セクターを活用して宿泊施設やテーマパークなどを計画していることを承知しております。
一方、国においても県や本部町などが参加した同公園の活性化に関する検討委員会のもとで、同跡地についてエメラルドビーチと一体的な公園施設として民間資本によるリゾートホテルの整備方策が検討されております。
今後、県においては同連絡協議会を活用して意見調整を図り、民間活力を導入するなど同地域のリゾート整備を積極的に促進し、本部町を初め北部地域の振興を図ってまいりたいと考えております。
以上であります。
○総務部長(與那嶺恒雄) 行財政問題についての義務的経費及び県債発行の抑制と基金の維持の方策についてお答えいたします。
本県の財政は、県税等の自主財源の割合が低く、地方交付税や国庫支出金等に依存した財政構造となっているほか、財政の硬直化の度合いを示す経常収支比率も他県と比べて高く極めて厳しい状況にあります。
このような財政状況を踏まえ、新たに策定する行政システム改革大綱に基づき財政健全化に向けた取り組みを強化していくこととしております。
具体的には、歳入において自主財源の柱となる県税収入の一層の確保を図るため徴収率向上のための対策を強化するとともに、使用料及び手数料の周期的な見直しや県有財産の利活用を推進することとしております。
一方、歳出においては事務・事業や補助金の廃止、縮小、統合等徹底した見直しを行うとともに、事業費がおおむね10億円以上の県単独事業による大型箱物については原則として事業着手を見合わせることとしております。
また、公債費等の義務的経費の増加を抑制する見地から、一般会計の県債発行額については国の経済対策や地方財政対策等に基づくものを除き、おおむね250億円程度に抑制することとしております。
さらに、今後は各種基金の維持、確保に努めることとし、特に減債基金については増加する公債費に備えるため平成14年度末において120億円以上の額を確保することといたしております。
以上でございます。
○商工労働部長(宮城春一) 渡久地健議員の産業振興と雇用問題についての質問の中で、過去1年間の企業誘致の実績と新規雇用の実績についての御質問にお答えいたします。
県は、企業の立地を促進し雇用拡大を図っていくため国内外での誘致説明会の開催や企業訪問等を実施するなど、企業誘致活動を積極的に推進しております。
その成果として、今年度は製造業について特別自由貿易地域へ医療機器用半導体の製造企業の進出や、自由貿易地域那覇地区への台湾企業との合弁による情報記録物製造企業の進出など5社が立地しており、平成12年2月現在の新規雇用は115人となっております。
また、特別自由貿易地域内に整備中の賃貸工場へは3社の入居が内定しております。
マルチメディア関連については、コールセンターで7社、その他情報関連で5社が立地し平成12年2月現在の新規雇用は669人となっております。
なお、コールセンターについては既に進出を表明している4社を含め今年中に数社の進出が見込まれており、雇用創出に相当の効果を期待しております。県としましては、今後ともより積極的に企業誘致活動を推進して新たな産業の創出と雇用拡大に取り組んでいく所存であります。
同じく産業振興と雇用問題についての御質問の、主として沖縄県緊急雇用対策事業の効果についての御質問にお答えいたします。
沖縄県緊急雇用対策特別事業については、平成11年9月補正予算で県事業として17事業、2億3000万円が計上されております。
主な事業として森林病害虫等による被害木の処理事業、県産工業製品モニタリング及び技術指導事業等を実施するとともに、コールセンター業務入門講座、離島におけるホームヘルパー養成研修等雇用につながる可能性の高い事業を実施しております。
これらの事業の実績として、現時点で合計約200人の新規雇用を創出しております。また約670人が研修等を受講する予定となっており、研修修了後、雇用につながるものと期待しております。
一方、市町村事業については、九州・沖縄サミット開催等に伴う環境美化事業やホームヘルパー養成研修等27市町村の33事業、合計8973万円を決定し事業を実施しているところであります。
平成12年度の県事業として、11年度に実施している事業に小中学校の教育用コンピューター活用支援事業や北部地域におけるマングース駆除事業等5事業を新たに加えて実施することとしており、合計22事業、6億4603万円となっております。
また、市町村事業については4億5000万円を予定しており、全体で11億405万円となっております。
12年度の県、市町村事業の実施により約1600人の新規雇用と約2900人の研修受講者を見込んでおります。
なお、これらの財源は、すべて緊急地域雇用特別交付金の交付を受けて設置した基金により賄われております。
以上でございます。
○サミット推進事務局長(山田文比古) お答えを申し上げます。
サミットの成功に向けて市町村との連携を密にすることが成功のために重要であるが、市町村の役割と準備状況はどうかという御質問でございます。
サミット準備に向けた市町村の役割につきましては、先ほど知事がお答えした国と県との役割分担に多少似たところがございます。
すなわち、基本的な業務は専ら国が担当するのに対しまして、県はこれに協力、支援を行うというわけでありますが、市町村はこうした国や県の業務に協力、支援を行っていただくという面があります。
その一方で、県と同様にサミットを契機に各市町村の国際化や振興発展につながる取り組みを積極的に展開しておられると承知しております。市町村によっては特に後者の点に力点を置いておられるところも多々あります。
前者の点につきましては、特に会場や空港、宿舎のある市町村を中心に住民の協力をいただきながら受け入れ体制の確立や支援を行っていただいております。
既に、名護市や那覇市を初め16の自治体が住民と一体となったサミット推進組織を設置しておられるほか、既存の部局での対応を含め全市町村がサミット関連業務を担当する組織を指定し着々と準備を進めておられるところであります。
また、市町村からは県と同様にサミットの成功に向けた諸条件整備の財源となる県民会議への負担金の支出をいただくことになっているほか、環境美化事業あるいは広報活動といったものにも積極的に協力をいただいております。
一方、市町村の国際化等につながる取り組みとしましては、多くの市町村からさまざまな交流事業の提案、要望が寄せられております。これに対してはサミットの公式日程の中でできるだけ反映できるように県としても国の方と調整を進めてきているところでありまして、先般2月17、18日にも全市町村長にお集まりいただきまして、石川副知事より現時点における調整経過の中間報告を行ったところであります。今後とも関係市町村と十分連携を密にし、できるだけ有益な交流事業が実現できるよう国側と調整を続けていきたいと考えております。
続きまして、新年度のサミット関連予算と市町村事業に対する財政対策はどうかという御質問でございます。
新年度の県のサミット関連予算につきましては、前年度に引き続きまして全県一体となった協力、支援、受け入れ体制を確立し、九州・沖縄サミット開催の成功を期するため事業費ベースで33億3409万3000円を計上しております。
その内容は、各種関連事業、広報活動、宿泊・輸送・接遇事業等、九州・沖縄サミットにおける消防・救急体制の整備、九州・沖縄サミットにおける救急医療体制の整備、九州・沖縄サミットにおける警察活動経費、同じく九州・沖縄サミット関連道路の維持補修費等でございます。
市町村事業に対する財政対策につきましては、昨年来、国において特段の配慮がなされるよう自治省を初め関係省庁に要望を行っているところでございます。
以上でございます。
○警察本部長(西村泰彦) サミットの成功に向けての御質問のうち、県外からの応援体制の規模と宿舎等の整備についてお答え申し上げます。
まず、警備の応援体制についてお答えします。
今回の沖縄サミットに対しまして、極左暴力集団は既に機関紙などでサミット粉砕を主張しておりますし、中にはサミット爆砕と過激な表現をする組織も出てきております。
極左暴力集団は、過去の東京サミットにおきましても60数件に及ぶゲリラ事件を敢行しており、また先ほど申し上げた主張をしていることなどからしましても沖縄サミットにおいても同様のゲリラ行動や妨害行為が十分予想されるところであり、また渡久地議員御指摘のように国際テロも懸念されるところであります。したがいまして県警におきましてはこれらのテロ、ゲリラ活動を防止するため必要な警備体制の検討を進めているところであります。
過去の東京サミットや大阪APECの警備では、警察官定数の多い警視庁や大阪府警察でも1万人規模の応援を得て警備に当たったと承知しております。
今回の沖縄サミットにおきましても、今後の国内外の情勢や各国要人の日程、関連行事、要人の宿舎等関連施設の状況などを総合的に見きわめながら警備体制について検討しているところでありますが、これまでのところ2万人に及ぶ応援部隊が必要ではないかと考えているところであります。
次に、県外からの警察官の受け入れのための宿舎については、ホテルなどの宿泊施設のほか仮設プレハブ等で対応すべく準備を進めているところでございます。
また、警察官に支給する飲食物につきましても知事部局や沖縄県食品衛生協会、沖縄県工業連合会等とも連携しながら補給方法、食中毒防止対策を含めて諸準備を進めているところでございます。
県警がその責務を十分に果たすためには県民各層の御理解と御協力がぜひとも必要であり、皆様の御支援を切にお願い申し上げます。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
午後1時21分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉 自由民主党県議団を代表して質問をいたします前に、稲嶺県知事及び執行部に対し敬意を表したいと思います。
稲嶺知事が就任して1年と3カ月が経過いたしましたが、その間に沖縄の抱える多くの難問題解決のために精力的に取り組まれ、多くの点で解決を見たものもあり、また多くの問題で解決の糸口を示されました。そのことは多くの県民に夢と希望と明るさを与えてくれました。ここに感謝の誠をささげて質問に入ります。
1つ、介護保険についてであります。
まず、介護保険は、我が国の高齢化の進行とともに要介護者が増大し続けて、これまでのシステムでは介護問題に適切な対応ができなくなってしまいました。そのため国においては介護保険法を策定し、本県においても平成12年4月1日より実施することになりました。しかしながら介護保険法が新しく初めてのことであり、幾つかの問題が既に予想されております。
例えば、利用者がサービスの種類、提供機関等を選択できないことや、福祉制度と医療制度の間で利用者負担や利用手続の上でアンバランスが生じることなどです。これからも法律の見直し等工夫が必要と思われますが、どうしても時代の流れ、高齢化社会に対してこのような施策が必要であることには相違ございません。
そこで質問をいたします。
4月から介護保険法が実施されますが、準備状況についてであります。
ア、本県における要介護認定の進捗状況はどうなっているか。
イ、保険者となる市町村の準備状況はどうなっているか。
(2)番目に、国の特別対策による保険料軽減策について伺います。
まず、保険料の軽減策の内容がどうなっているか。
次に、本県の取り組み状況はどうなっているか。
(3)番目に、制度を円滑に実施するためには県民への広報が重要と思うが、その取り組み状況がどうなっているか、お伺いいたします。
次に、マルチメディア産業についてであります。
我が県は、これまで3次にわたる振興開発計画により道路や交通網の整備などいわゆる社会インフラが整備され、県民生活は大きく向上いたしましたが、一方で経済の面では本土から遠く離れていることによる流通の不利性等により新しい産業の振興に苦慮してきました。
21世紀を目前にし、国際的な経済のグローバル化が進む中、本県の自立を図る上で新しい産業を創出し、財政依存型の経済から脱却することは県政の大きな課題であります。
特に高度情報通信社会時代を迎えた今日、マルチメディア産業は大規模な工場用地や大量の工業用水等を必要とせず、情報通信の利用により本県のような離島県においても立地が可能であることなど本県において最も成長が期待できる産業であるとともに、あすを担う若者たちの活躍が期待できる分野だと考えております。
国際的にも現在のアメリカの好景気は、マルチメディア産業が支えていると言われており、アジアにおいてはシンガポール、マレーシア等がマルチメディア産業の集積地を目指し強力なリーダーシップのもとに施策を展開しているところであります。
沖縄は地理的にもこれらの国々に近く、情報通信を利用したニュービジネス等のマルチメディア産業が定着する可能性を持っていると考えられます。
県は、沖縄県マルチメディアアイランド構想を策定し、マルチメディア等情報通信産業の振興を県政の重要な課題として打ち出しております。
また、沖縄経済振興21世紀プラン中間報告においても、国際的なネットワークを目指す情報通信産業の育成が今後の課題として挙げられ、国としても今後この分野に重点的に取り組むと伺っております。
これらの県や国の取り組みにより本県にはコールセンターを中心に企業の立地が相次いでおり、本県の大きな社会問題である若年者の雇用確保に大きな成果を上げつつあります。他県に先駆けてこのような先端的な産業分野の誘致に成功し、県民が最も心配している若者たちの雇用の場の確保に大きな成果を上げていることについて、知事を初め県当局のこれまでの取り組みを高く評価いたします。今後、現在の本県への企業進出の促進を図り、沖縄が国内のみならず世界のマルチメディア産業の拠点となることも夢ではないと思われます。
そこで、マルチメディア産業振興に対する施策の現状と今後の展望についてお伺いいたします。
まず(1)点目に、本県におけるマルチメディア産業振興のための施策の現状とその成果がどうなっているか。
(2)番目に、マルチメディア産業の振興のためには優秀な人材の確保が不可欠だと思いますが、人材の育成にどのように取り組んでおられるか。
(3)つ目に、将来における情報通信産業の展望をどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
次に、那覇空港平行滑走路の建設についてであります。
離島県であり、他府県のように鉄道や高速道路で県外と、あるいは県内各地域を広域的に結ぶことができない沖縄県においては、飛行機による交通網が唯一の高速移動手段であり、県民生活に欠かせない足として、また離島地域の振興に重要な地位を占めていると思います。
また、沖縄を訪れる観光客のほとんどが飛行機を利用していることから、航空交通網は観光立県を目指す沖縄振興の命運を握っていると言っても過言ではありません。
また、その交通網の中心にある那覇空港は沖縄の玄関口として特に重要な位置を占めております。那覇空港には昨年立派な国内線ターミナルが完成し、観光客を初め利用者の皆さんに好評を得ていると聞いております。関係者のこれまでの御努力に敬意を表したいと思います。
しかしながら、その一方で那覇空港は大きな問題を抱えております。
まず第1点目に、過密化と滑走路容量の問題であります。
昨年度県が実施した調査において、那覇空港の現行1本だけの滑走路では2010年までに容量が限界に達すると言われております。かかる事態となりますと、観光の振興等県経済の振興に大きな悪影響が出てくるのではないかと懸念されます。このため、那覇空港の沖合展開による平行滑走路の建設は緊急の課題であると考えます。
また、サミットの開催により世界の目が沖縄に集まることを生かし、沖縄がアジアの拠点となるためにも那覇空港を24時間運用が可能な国際ハブ空港として整備し、沖縄振興の核として活用していくことが必要ではないかと思います。この点からも平行滑走路整備の意義は大きいものがあると考えます。
昨年4月、当時の野中開発庁長官は、沖縄の振興のためには那覇空港の平行滑走路の建設が必要だと発言され、また12月に来県された二階運輸大臣も沖縄の入域観光客700万人計画には那覇空港の拡張に真剣に取り組まなければならないとの発言をされております。
このように政府の対応が前向きになっている状況の中で、沖縄県でも県を挙げて平行滑走路の実現に向けた取り組みをしていかなければならないと考えます。
そこで伺います。
那覇空港の現状と平行滑走路の必要性についてでありますが、県調査によりますと2010年までに那覇空港の滑走路が離着陸回数の限界に達すると予測されていますが、そうなった場合、将来の県の振興にどのような影響を及ぼすと見込まれるか。
(2)つ目に、平行滑走路建設に向けた課題と今後の取り組みについてでありますが、平行滑走路建設を実施するまでにはどのような課題があるのか、また今後県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
4番目に、農林水産業の振興についてであります。
農林水産業の振興に関する知事提案では、昨年策定されました沖縄県農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムに基づき拠点産地の形成、輸送コストの軽減化、パイロットファームの育成、環境保全型農業の推進など多岐にわたって積極的な施策を展開するとの決意が示されたものと考えております。
ちなみに、本県においてはウリミバエ、ミカンコミバエの根絶並びにオウシマダニの根絶等農業面では大きな改革と成果をもたらしました。そのことを高く評価するとともに、今後のアクションプログラムにおいても大きく期待をし質問をいたします。
(1)番目に、農林水産業の具体的な生産振興策についてでありますが、農林水産業の振興についてはこれまでさまざまな振興策がとられてきましたが、今後は農林水産業の現状を踏まえてより踏み込んだ具体的な取り組みが必要と考えますが、県としてはどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
(2)つ目、農産物の輸送コストの軽減についてであります。
離島県である本県の農業にとって農産物の輸送コスト軽減は極めて重要な課題であります。このため県としてどのような輸送コスト軽減策を考えておられるのか、お伺いをいたします。
(3)つ目に、さとうきび生産法人の育成についてであります。
本県の基幹作目であるさとうきび生産の減少に歯どめをかけるため、遊休地等を活用して規模拡大を進める農業者への支援が必要である。県は、生産法人格を有するパイロットファームの育成を推進しているが、各地域における取り組み状況はどうなっているのか、伺います。
(4)つ目に、天敵を利用した環境保全型農業についてでありますが、消費者の安全な農産物に対する要求は日増しに高まっており、過度な農薬使用からの脱却が求められております。その中で天敵を利用した環境保全型農業の推進は重要であります。このため県としてどのような推進策を持っておられるのか、お伺いいたします。
(5)番目に、養殖業の振興と漁業後継者の育成対策について伺います。
昨今、世界的にもヘルシー食品、ダイエット食品の流行によって、これまで動物性たんぱく質を主として食していた大陸内部の民族や西洋諸国にも日本食が普及しつつあると聞いております。
特に本県の主要特産品であるモズクについては評価も高く、中国、台湾、韓国を初め多くの国々からのニーズも高いようであります。すなわち刺身や海藻類、魚介類の水産物は国内外を問わず健康食として注目を集めており、今後需要はますます大きく伸びていくものだと思われます。
そのことからしますと沖縄県が今まさに売り出すチャンスと申しましょうか、海洋県であり東南アジアの中心的位置にあることから、まさに沖縄の特性を生かした生産業、あるいは加工業に結びつける絶好の機会であると考えるものであります。
そこで質問いたします。
1、本県の温暖な海洋特性を生かして養殖業の振興に取り組むことが重要な課題であると考えますが、どのような推進策を考えておられるか。
2つ目に、水産業の振興を図るためにはそれに携わる人材の育成確保が極めて重要であります。その対策がどうなっているのか、お伺いをいたします。
次に、均衡ある県土の振興開発についてであります。
昭和47年の復帰以来、第1次から第3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく各種施策が実施されてきたところであり、社会資本の整備を中心に一定の成果を上げておりますことは県民がひとしく認めるところであります。
これまでの振興開発計画においては、各分野ごとの振興策とは別に各圏域別の開発の方向が示されております。地域資源等の特性を生かし、圏域別の開発はこの方向に沿って各地域特有の自然、歴史、それを生かしながら快適な居住環境の形成と特色ある産業の振興を図り人口の定住を促進し、個性豊かな活力ある地域社会の形成に努めてきたところであったと考えます。
しかしながら、復帰以降増加の一途をたどった人口を吸収してきたのは沖縄本島の中南部地域でありますし、産業も中南部に集積しているのが実態であります。
確かに他の圏域、圏域周辺の一部の離島などでは地域の関係者、自治体の積極的な取り組みが功を奏し、自然条件、伝統文化を生かした観光・リゾート産業や農林水産業の振興が図られ地域の活性化が図られつつありますが、総体として過疎地域の振興や後継者不足、雇用の場の不足など振興開発のおくれは否めないのではないかと思います。
本島中南部地域は、本県の振興開発の核となる地域であり、引き続き社会資本の整備、産業振興を図る必要があると考えますが、あわせて北部地域、宮古、八重山地域においても地域の持つ潜在的なポテンシャルをいま一度検証し、地域特性を生かした振興策を展開する必要があると考えるものであります。
特に北部地域においては昨年12月、国において振興策の基本方針となる沖縄県北部地域の振興に関する方針が閣議決定されたところであり、私は今回の国の政策決定をこれまでの振興開発の歴史上、沖縄経済振興21世紀プランと同様画期的なものであり、高く評価するものであります。
今後、北部地域においてはこの基本方針に基づき地元市町村、国並びに県も一体となった取り組みが実施されていくものと考えますが、他の圏域についても地域特性を踏まえた開発の方向性を明らかにし、具体的かつ積極的な施策展開を図る必要があると考えます。
そこで知事に伺います。
(1)、現在、これまでの振興開発の総点検を実施しているとのことですが、各圏域の現状課題をどうとらえておられるのか、お伺いいたします。
(2)つ、3次振計はあと2年度を残すのみとなり、知事は新たな沖縄振興計画を策定すると議会でもたびたび表明しておられますが、新たな沖縄振興開発計画の中で圏域別の振興開発の方向をどのように位置づけておられるのか、お伺いをいたします。
(3)つ目に、基地のない市町村の支援についてでありますが、昨今の基地をめぐる情勢を見ますと基地所在市町村に対する手厚い財政支援が注目を集めております。基地所在市町村に対しては基地交付金等があり、一部の市町村においては基地収入が市町村の大きな財源となっております。また基地所在市町村においては基地所在市町村活性化特別事業、いわゆる島田懇事業によって地域の経済振興策が実施されているところであります。
このように基地所在市町村においては各種の特別な振興策と財政支援策等で振興開発が進められており、地域の抱える諸問題の解決に期待ができる状況にあります。
その一方で、基地のない市町村においては財政状況が厳しく諸課題の解決実現に困難をきわめている状況があると認識しております。基地のない市町村に対する財政支援策等を検討する必要があると考えますが、県当局はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
次に、離島の振興についてであります。
国は、行政改革や経済構造改革の推進が焦眉の急であることにかんがみ、自由競争の促進により交通分野における経済活動の一層の効率化、活性化を図るため各交通分野において大幅な規制緩和を促進する方針であります。
このような方針のもと、航空分野においては需要調整規制の廃止及び運賃、料金規制の弾力化等が織り込まれ、改正航空法を本年2月に施行したところであります。
これにより、各航空会社は可能な限り市場原理と自己責任の原則に従った事業運営を図ることとなり、高需要路線においては運航ダイヤ及び運賃等の面で多様な利用者ニーズに対応したサービスを提供すると思われます。
しかしながら、一般的に運航距離が短く採算性の面で多くの課題を抱える離島航空路線においては、路線からの撤退及び減便等が予想され、離島住民の生活に支障を来すことが予想されます。
本県は、全国でも有数の島嶼県であり、離島における航空路線は離島住民の生活や産業活動にとって極めて重要な交通手段となっておりますが、航空業界の規制緩和が進んでいる中、今後路線の休・廃止が懸念される離島航空路線に対し県はどのような支援方策を講じられるのか、お伺いをいたします。
次に、第3次沖縄振興開発計画も余すところあと2年となりました。本県の社会資本の整備が計画どおりに進んできたか、課題としてどのようなものが残ったかなどこれまでの振興開発のあり方に関する論議と、いわゆるポスト3次振計としての新たな振興開発計画の策定に向けた議論が今盛んに行われているわけでありますが、復帰後、沖縄開発事業として約6兆円もの公共投資がなされ、道路や空港、港湾等の本県の住宅、社会資本は相当な水準まで整備されてきたと思いますが、復帰後の27年間を振り返ってみて社会経済情勢の大きな変化の中でこれまで進めてきた本県の住宅、社会資本整備のあり方のどこがよくて、何が課題として残ったかということをきちっと議論し整理をして新たな振興開発計画に生かしていく必要があると考えます。
離島を多く抱える本県においては、離島の振興ということが常に大きなテーマとしてあり、3次にわたる振興開発計画は重要な課題として位置づけられてきました。離島の振興を図るためにはどうしても道路や空港、港湾などの社会資本の整備と住宅並びに上下水道等の生活環境の整備を計画的に進める必要があります。
本県は、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画に基づいて住宅、社会資本の整備を積極的に進めてきた結果、既に他県との格差が解消された社会資本も中にはあると思いますが、ややもすると格差の是正に力点を置いて社会資本のストックをふやすことに一生懸命になってきたところがあり、社会資本の整備のみが先行して肝心の産業の振興が思うようについてこなかったという点もあります。
また、一方で性急に社会資本を整備したことに伴って自然環境に過度の負担をかけてきたという側面もあると思います。
そこで質問でありますが、復帰後3次にわたる振興開発計画によって整備された本県の住宅、社会資本の整備状況がどうなっているのか、量のみでなく質の面から見て他県との格差は解消されているのか否か、離島においてはどうなっているのかをお伺いいたします。
次に、これから21世紀にかけて産業の振興を図る上で必要となる振興すべき状況等についてお伺いいたします。
社会資本の整備については、重点的に推進する必要があると思いますけれども、それに伴って派生する産業廃棄物等の発生や自然環境への負荷の抑制、あるいは一歩進めて失われた自然を回復するための技術の確立など持続可能な開発に関する施策の展開もあわせて図られるべきと考えますが、それらについての見解もあわせてお聞かせいただきたいと思います。
次に、教育問題についてであります。
21世紀を目前にして今日の社会は国際化や情報化が一層進み、科学技術の発展等は「分進秒歩」と言われるほど変化の激しい社会であります。
経済の成長、交通・通信システムの急速な整備等のさまざまな分野における進展は我が国の社会を大きく変貌させております。経済の発展に伴い人々の生活水準は向上し便利な生活が実現しました。しかし物質的豊かさと精神的な豊かさは必ずしも比例せず、多くのひずみを生んでおります。豊かさと便利さを獲得した反面、私たちの生活はゆとりを失い慌ただしいものとなってしまったのも事実であります。
また、社会の変化とともに家庭生活や家族構成等もその様相が変質し、地域社会も地縁的な結びつきや連帯意識を弱めてしまっております。
このような社会全体の大きなうねりの中で子供たちを取り巻く教育環境も大きく変化いたしました。
我が国の子供たちの学習状況は、全体としてはおおむね良好であると言われておりますが、過度の受験競争の影響もあって知識の詰め込みが重視されたために、時間的にゆとりを持って学習することができずに教育内容を十分に理解できない子供たちが少なくないことや、覚えることは得意だが、みずから調べ判断し、自分なりの考えを持ち、それを表現する力が十分に育っていないこと、一つの正答を求めることはできても、多角的な物の見方や考え方が十分に育っていないことなどが指摘されております。
沖縄の子供たちは、明るく素直で伸び伸びとしており、近年のスポーツ活動や文化活動面での活躍には目覚ましいものがあり、県民にとって大変喜ばしいことであります。しかし一方では全国的な状況と同じような教育課題があり、また本県には学力の向上や目的意識の高揚を図ることなどの教育課題を抱えております。
これらの教育課題の解決を図りつつ21世紀を見据えた教育活動を推進していくためには、基本的な視点として次の2点が大切であると考えております。
第1点目に、社会の変化に対して柔軟に対応できる資質や能力を育成することが重要であります。
特に国際社会で活躍できる人間の育成、情報化社会に対応し活躍できる人間の育成、また身の回りで起こっている環境問題に気づき、さらにこの問題を地球的な規模で解決を図ろうとするなど現代社会の課題に主体的に対応できる人間の育成が大切だと考えております。
このような視点からして、新学習指導要領で創設された「総合的な学習の時間」の学習活動は、今日的な課題に対応できる教育活動ではないかと考えておりますが、いかがなものでしょうか。
第2に、どんなに社会が変化しようとも人間として時代を超えて変わらない価値あるものを身につける教育を推進することが重要であります。
特に正義感や公正さを重んずる心、沖縄のユイマール精神、すなわちみずからを律しつつ他人と協調し、他人を思いやる心、他人を尊重するとともに自分を大切にする心、自然を愛する心などの心豊かな人間性を培う教育が大切であります。さらに我が国の歴史や文化を学ぶとともに、郷土の歴史や文化を学び郷土の文化に誇りを持ち、それをさらに継承発展させていく気概のある人間の育成も重要なことであると思います。
この2つの基本的な視点を踏まえつつ、教育施策を推進することが求められると考えております。
さて、文部省は中央教育審議会や教育課程審議会の答申を踏まえ、平成10年12月に「幼稚園教育要領」、「小学校学習指導要領」及び「中学校学習指導要領」を告示し、また11年3月には「高等学校学習指導要領」を告示いたしました。
県教育委員会には、教育改革を一層推進するとともに、本県のさまざまな教育課題を解決していく施策の推進が求められております。また各学校には生徒や地域の実態を踏まえ、特色ある教育活動を展開する中で、各学校の教育課題解決に向けた取り組みの強化が求められていると考えております。
そこで教育長に新教育課程に関して次の4点をお尋ねいたします。
まず(1)点目、新学習指導要領はどのようなねらいを持って改訂されたものか。
(2)つ目に、新教育課程における目玉的な教育活動として創設された「総合的な学習の時間」を通して子供たちのどのような資質や能力を育成したいと考えておられるのか。
(3)つ目に、「総合的な学習の時間」ではどのような学習活動が行われるのか。
(4)つ目に、本県教育委員会として新教育課程の実施に向けてどのような取り組みを推進されるのか、お答えいただきたいと思います。
次に、平和行政についてであります。
本県は、去る大戦で我が国唯一の地上戦の場となり、20万人余のとうとい人命と財産が失われました。家族や多くの肉親を失った悲しみは、沖縄県民にとって生涯忘れられないものであります。悲惨な戦争の中を生き延びてきた私たちは、その教訓を風化させることなく戦争の恐ろしさと平和のとうとさを長く後世に伝える必要があると思います。
知事はみずからの戦争体験、また青年海外協力隊の支援活動等を通して世界では今なお地域紛争が繰り返して起きており、傷ついた人々やその後遺症に苦しむ人々が数多くいること、平和の大切さを身を持って感じていること、また悲惨な戦争をなくし世界の恒久平和を実現するためには民族や宗教等の壁を乗り越えて相互理解に努めることが最も大切であると述べておられます。
知事は、平和に関する施策において新平和祈念資料館の開館のみならず新たに沖縄平和賞の創設に取り組まれるなどその姿勢については高く評価をするものであります。
ここで新平和祈念資料館と八重山平和祈念館について知事の御見解をお伺いいたします。
まず、新平和祈念資料館についてでありますが、一連の新平和祈念資料館をめぐる議論については沖縄戦や平和を希求する県民の意識の高さもあり大きく取り上げられてきましたが、知事はこれらの声にも耳を傾けられ、県民の貴重な財産である新平和祈念資料館を立派に開館させるため全力を傾けておられることに対し敬意を表するものであります。
新資料館については、沖縄戦の実相を伝えること並びに平和学習拠点施設として開館後の機能が十分に発揮されるよう期待するものであります。
そこで質問いたします。
まず1、知事はこれまでの議会答弁において、新平和祈念資料館の展示については沖縄戦の実相を正しく伝えること、監修委員会の監修結果を尊重すること、さらに世界の平和に結びつくようなすばらしい資料館を完成させることが務めであると答えておられますが、そのことについて資料館の管理運営体制並びに予算措置はどうなっておりますか、お伺いいたします。
2つ目に、八重山平和祈念館についてであります。
同祈念館は、沖縄戦強制疎開マラリア犠牲者援護会の皆様の長年にわたる粘り強い要請活動により慰藉事業の一つとして実現した事業であります。同祈念館においては開館後その展示内容をめぐっていろいろな意見がありましたが、その後県と元委員との協議の場が持たれたと聞いております。
戦争マラリアの犠牲者の遺族の皆さんにとっては、この議論が早目に終結し、祈念館が本来の機能を果たすことを念願されているところであります。
そこで質問でありますが、八重山平和祈念館については元監修委員との協議を行うこととしておりましたが、その後どうなりましたか。
また、展示内容について県が勝手に変更したとの意見もありましたが、その誤解については地元の関係者が十分理解し、県と元委員等との意思の疎通が十分図られたか、お伺いいたします。
次に、環境問題についてであります。
今年7月に名護市の万国津梁館を主会場として開催される主要国首脳会議、すなわち九州・沖縄サミットは、本県の誇る美しく豊かな海域の自然環境を世界に紹介するまたとない機会だと考えます。
ところで、この7月という時期は梅雨時や台風の来襲に伴い流出する赤土の影響が最も大きくなりがちなときであります。万一大量の流出事例が重なっていけば、かえってマイナスのイメージを与えるような事態にならないとも限りません。
これから開催時まで万全の対策を講じていく必要があると思いますが、またあわせて八重山地域においては水産業及び観光産業の振興を図っていく上で沿岸海域の自然環境の保全は重要な課題であります。特に、近年の赤土の流出により八重山の貴重な資源である海域の自然は大きな影響を受けております。赤土流出をいかに防止し、美しい海をいかに守っていくかということが地域住民の重大な関心事となっております。
そこで次の2点について伺います。
1つ、ことし開催予定の九州・沖縄サミットに関する赤土等流出防止対策についてどのようになっているのか、伺います。
2つ目、八重山地域における赤土等流出防止対策に対する県の取り組みはどうなっているのか、お伺いをいたします。
最後になりましたが、新石垣空港について伺います。
新石垣空港の建設位置の選定については、新石垣空港建設位置選定委員会において地元の代表が中心となって地元の意見を尊重した審議が精力的に行われております。位置選定委員会の審議はすべて公開されており、審議の内容も市民にわかりやすく、市民の目の高さで議論が行われております。
また、候補地の絞り込みはこれまでの新石垣空港問題の対立の構図を超えて全会一致で行うことになっており、八重山郡民の長年の願いである新空港の建設がいよいよ実現の見通しとなってきました。
位置選定委員会は、去る2月14日に第5回の全体会議が開催され、農政上の課題と環境保全上の課題が重点的に審議され、農政上及び環境保全上の観点からの絞り込みが行われ、4案の中からカラ岳東側案と宮良牧中案が除外されました。また来る3月5日には第6回目の全体会議が開催され、カラ岳陸上案と冨崎野案の中から新空港の建設位置が選定される予定であります。
私は、位置選定委員会での全会一致の結論は重く貴重なものであると思いますし、八重山郡民はひとしくその選定結果を最大限に尊重するものと確信しております。
新石垣空港の早期建設は県政の重要課題であり、また離島振興のための大きな課題であります。地元の代表が一つのテーブルに着き公開審議のもと、全会一致で位置を選定するという民主的な手法で新石垣空港の建設位置が選定されることになりますが、この際八重山住民の長年の願いであった新石垣空港建設をここまで推進してこられた稲嶺知事を初め関係部局並びに八重山支庁、あわせて新石垣空港建設位置選定委員会の東江康治委員長を初め委員各位に対し地元住民を代表して感謝を申し上げたいと思います。まことにありがとうございました。
さて、八重山郡民が待望する新空港の早期建設がいよいよ迫ってまいりましたが、その早期建設に向けては県は今後どのような手続とスケジュールを考えておられるのかお伺いをいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 伊良皆高吉議員の御質問にお答えいたします。
最初は、介護保険について要介護認定の進捗状況についてのお答えでございます。
県では、約2万7000人が要介護認定を申請すると予想していますが、平成12年1月末現在で70%に当たる1万9000人が申請を行っています。そのうち83%が認定調査を終え、1万400人、55%に結果通知が行われています。県としましては、制度施行までにはすべての要介護者に対する認定を行えるよう市町村を指導しております。
次に、保険者となる市町村の準備状況はどうなっているかとの御質問にお答えします。
市町村においては、平成12年度から16年度までの介護基盤の整備目標を介護保険事業計画によって定めることになっており、現在、必要なサービスの種類、量等について事業者との連携を図りながら最終的な調整を行っているところです。
また、平成12年4月から半年間は高齢者の保険料は徴収しない等の国の特別対策に伴う特例交付金の申請準備や介護保険条例の制定、被保険者証の発行等多岐にわたる準備事務を進めているところです。県としましては、これらの準備が円滑に実施できるよう指導助言を行っております。
同じく介護保険について県民への広報の取り組み状況へのお答えでございます。
県と市町村の広報共同事業として、平成11年9月から11月にかけて要介護認定の開始を中心にテレビ、ラジオによる広報の実施とポスターの作成を行っています。さらに平成12年2月からはテレビ、ラジオによる広報に加えてテレビ特別番組やラジオによる「1日まるごと介護保険」の放送、新聞掲載等による広報を予定しています。また市町村においてもそれぞれ広報に取り組んでいるところであり、県としましては引き続き制度の周知を図ってまいります。
次に、マルチメディア産業についての産業誘致状況はどうなっているかとの御質問のお答えでございます。
情報通信産業の振興は県政の重要な施策であり、沖縄県マルチメディアアイランド構想に基づき情報通信関連産業の誘致に積極的に取り組んでおります。
また、沖縄若年者雇用開発助成金制度や産業人材育成支援事業等による企業への直接的な支援を初め、通信コスト低減化支援事業やフロム沖縄推進機構、財団法人雇用開発推進機構が実施する人材育成支援事業を活用し人材の育成、供給を行うなど積極的な企業への支援、誘致活動を展開しております。
これらの成果としまして本年2月までに情報通信関連企業20社が新規に立地し、約1600人の雇用が発生しております。
その内訳は、番号案内や技術サポートのコールセンター等情報サービス分野13社、コンピューターグラフィックによるアニメ制作を行うコンテンツ分野1社、地理情報システム等のソフト開発を行うソフトウエア開発分野5社、その他1社となっております。
なお、このうち平成11年度に立地した企業は12社であり、平成10年度以前の進出企業の増員を加えた平成11年度における雇用創出は804名となっております。
今後の見通しとしましては、既に進出表明を行った企業が4社あり、これを含めて平成12年度中に新たに9社が立地し、約2200人の新規雇用が発生する見通しであります。
次に、同じくマルチメディア産業について情報通信産業振興の今後の展望についてということへのお答えでございます。
県におきましては、現在、沖縄県マルチメディアアイランド構想に基づき情報通信産業の中でも本県において成長が期待される情報サービス、コンテンツ制作、ソフトウエア開発の各分野について振興を図っているところであります。
今後、世界的な情報通信技術の革新やインターネットの普及により既存のコールセンター等の高度化が進むとともに、情報通信産業の新たな分野が生まれてくるものと予想されております。
本県は、アジア・太平洋地域の結節点に位置し地理上の優位性を有することから複数の国際的な光ファイバーケーブルの陸揚げ地となっており、今後これらのインフラを活用した新しい情報サービス産業や県民の感性を生かした個性的なコンテンツ制作及びネットワークを利用した高度なソフトウエア開発等の分野の成長が期待されるところであります。
現在、沖縄経済振興21世紀プラン中間報告を受けて設置された国の沖縄国際情報特区構想の推進方策等に関する検討会においては、本県を国際的な情報通信ハブとして整備するための施策等が検討されているところです。
また、県においては沖縄県振興開発審議会に情報通信部会を設置し、今後の沖縄振興における情報通信産業の集積のあり方等について検討をしております。県としましては、今後とも引き続き国や関係機関と連携しながら情報通信産業の振興策を強力に推進していく考えであります。
次に、那覇空港平行滑走路について現状と平行滑走路の必要性についての御質問に対するお答えでございます。
那覇空港は、年間1100万人を超える利用客があり、また航空機の離着陸回数は全国でも6番目に多い年間11万2000回を数える過密空港となっております。
平成10年度に県が実施した調査によりますと、那覇空港は年々需要が増加し、西暦2010年までには滑走路の処理能力が限界に達すると予測されております。処理能力が限界に達しますと便数の制限が行われることとなり、本県経済を支える観光産業の持続的な発展が阻害されるばかりか、離島地域の生活路線の確保や加工交易型産業の誘致など産業振興を図る上でも大きな支障となります。
また、本県の自立型経済を実現するためには、那覇空港の国際航空ネットワークを拡大しパシフィック・クロスロードにふさわしいハブ空港化が必要であります。
そのため那覇空港の24時間運用を実現し、新たな国際路線の誘致やフェデックス社などの国際航空貨物中継拠点の形成を図っていきたいと考えております。
那覇空港の平行滑走路の建設は、那覇空港の現状から緊急の課題であると同時に、将来の沖縄の振興を図る上で極めて重要な意義を持つものと考えており、今後取り組みを強化していきたいと考えております。
続いて、平行滑走路の課題と今後の取り組みについての御質問のお答えでございます。
那覇空港は国管理の第2種空港であり、平行滑走路の建設も国が主体となって進めることとなります。
幸い、国は平成11年度の沖縄特別振興対策調整費により那覇空港の整備に関し、長期的な航空需要への対応を踏まえた将来展望について調査を実施しているところであります。
平行滑走路の建設には、基本計画の策定、環境影響評価の実施、公有水面埋立免許の取得などの作業が必要であり、事業着手から完成までに10年余の年月がかかるものと見込まれます。現状の滑走路が限界に近づきつつあることを踏まえますと平行滑走路の建設は緊急の課題であり、県としましては平行滑走路の建設について官民一体となった機運の醸成を図りながら早期の事業着手を国に働きかけていきたいと考えております。
次に、農林水産業の振興について具体的な振興策についての御質問についてのお答えでございます。
農林水産業の振興については、農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムの中で、市場競争力の強化により積極的な生産拡大を目指す戦略品目と社会経済施策等の観点から安定的生産体制の強化を目指す安定品目の2つを重点品目として位置づけ、その生産振興に取り組んでおります。
このうちゴーヤー、洋ラン、マンゴー等の戦略品目については、革新的技術の開発、販売戦略の強化、流通コスト軽減策等の施策を重点的に推進するとともに、14品目30地域で産地協議会を設立し拠点産地の形成に向けた取り組みを着実に前進させております。
また、安定品目については、さとうきび作経営のモデルとなるパイロットファームが本島中部で結成されたほか、パイナップルでは北部地域でJA果樹農場が設置されるなど、借地型大規模経営の育成による生産体制の強化についても具体的な成果が得られております。今後とも各種施策を重点的に推進することにより実効性のある取り組みを進め、夢のある農業・農村の建設に努めていきたいと考えております。
次に、均衡ある県土の振興開発について各圏域の現状課題をどうとらえているのかという御質問のお答えでございます。
圏域別の振興開発については、中南部、北部、宮古、八重山の各圏域についてそれぞれ圏域の特性を生かした振興策を推進してきたところであります。
まず中南部圏域については、社会資本や都市機能の整備並びに産業集積が進み、110万都市圏として発展しております。反面、人口の過度の集中による交通渋滞や住環境の悪化等の課題に加え、普天間飛行場の跡利用の促進や戦後いびつに形成されてきた既成市街地の再整備などが新たな課題となっております。
北部圏域については、観光・リゾート地としての魅力が備わりつつあります。今後は雇用の場の創出、定住条件の整備、周辺離島、東海岸地域の過疎化への対応並びにヤンバルの豊かな自然の活用等が課題であると考えております。
宮古圏域については、航空路線の開設、トライアスロン大会等各種イベント効果により観光入域客が増加し、さとうきび、葉たばこ等の農業振興が図られております。今後は道路網の整備を初め農業生産基盤、また保健医療環境の整備等が課題であると考えております。
八重山圏域については、自然環境が豊かで個性ある民俗芸能にあふれる地域であり、観光・リゾート産業や島の条件を生かした肉用牛の生産が盛んであります。今後は新石垣空港の早期建設を初め竹富町、与那国町の各島々の地域資源を生かした地場産業の振興、保健医療、教育環境等の整備が課題であると考えております。
同じく均衡ある県土の振興開発について、「新たな沖縄振興計画」の中で、圏域別の振興開発の方向をどのように位置づける考えかとの御質問に対するお答えでございます。
これまで沖縄振興開発計画における圏域別の振興方向に基づき各圏域の特性に応じた振興策を推進してきたところであり、社会資本の整備を初め多くの分野において一定の成果を上げております。
一方において、都市圏への人口集中や地域・離島における過疎の進行をもたらすなど地域間の振興発展に不均衡が生じていることも事実であります。
このため、新たな沖縄振興計画においては基地の整理縮小の進展に伴う県土構造の再編を視野に入れながら、これまで以上に各圏域の均衡ある発展を目指す必要があります。各圏域がそれぞれの圏域において一定の定住条件を満たしつつ、地域連携を軸とするネットワーク型社会の形成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、平和行政について、世界の平和に結びつくようなすばらしい資料館を完成させることが務めであると言っているが、その状況はどうなっているかということと、次の新資料館の管理運営体制並びに予算措置状況はどうなっているかという2つの御質問に一括してお答えいたします。
新平和祈念資料館につきましては、現在、監修委員の監修のもとで展示作業が進められており4月1日には開館する予定であり、県民の期待にこたえる立派な資料館になるものと考えております。
なお、新平和祈念資料館については県で直営することとしており、その機能が十分発揮されるよう16人の職員配置を考えており、人件費を除く運営費として2億4000万円余の予算を計上したところであります。
次に、環境問題について、今年開催される九州・沖縄サミットに関する赤土等流出防止対策についてのお答えでございます。
サミット開催に伴う環境整備を進める上で、沿岸海域の赤土汚染の防止は重要な課題であると考えております。このため、サミットの主会場となる万国津梁館の建設工事につきましては発生源対策、流出濁水対策、濁水最終処理対策など赤土等流出防止に万全の対策を講じてまいりました。
また、恩納村から名護市に至る沿岸海域の赤土等流出は既存農地等が主な発生源となっていることから、今後は国、市町村、農家及び関係機関と連携を図りながらのり面対策、圃場植生等の対策を重点的に講じていくことにしております。
次に、新石垣空港の位置選定について今後のスケジュールについてとの御質問へのお答えでございます。
新石垣空港建設位置選定委員会では、昨年の8月29日に第1回の全体会議を開催して以来、これまで学識部会を3回、地元部会を2回、全体会議を5回開催し、カラ岳東側案、カラ岳陸上案、宮良案及び冨崎野案の4案について各種データ等の審議、検討をしていただきました。
位置選定委員会では、八重山の将来を見据えた大局的見地から精力的な審議をしていただいており、去る2月14日には特に農政上の課題と環境保全上の課題について重点的に審議を行い、カラ岳東側案と宮良案の2案が除外されました。今後は、カラ岳陸上案と冨崎野案から委員全員の合意のもとで1案を選定していただく予定であります。新空港の建設位置が選定され、提言があり次第、県としての空港建設位置決定を行いたいと考えています。
位置決定後のスケジュールとしましては、環境現況調査、地形測量、土質調査等を行い、関係地権者や関係団体の同意を取りつけ、市議会、県議会の議決を得て新空港の設置許可申請を行い、許可後、事業着手となります。
なお、事業期間については、調査、設置許可手続等に要する期間が約3年、建設着手から完成まで約6年から7年を要するものと見込んでおります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険について、国の特別対策による保険料の軽減策の内容について、そして本県の取り組み状況についての御質問でございますが、一括してお答えいたします。
軽減策の内容は、65歳以上の第1号被保険者については、平成12年4月から9月までの半年間は保険料を徴収しないことと、平成12年10月から13年9月までの1年間は半額にするというものであります。
また、沖縄振興開発特別措置法等で指定された離島や人口規模の小さい町村については平成14年度末まで保険料の軽減が行われますが、これらの財源については全額国が負担するものであります。
市町村は、特例交付金として平成11年度中に基金を設置し受け入れることになっており、現在、このための基金条例及び介護保険条例の制定等、申請の準備を行っているところであります。
○企画開発部長(宮城正治) マルチメディア産業振興のため人材の育成が大きな課題だと思うが、どのように取り組んでいくのかとの御質問にお答えいたします。
本県における情報通信産業振興のために、人材の育成は極めて重要な課題であります。人材の育成については、若年者の情報活用能力の向上や各種の専門分野における実践的な人材育成及び高等教育機関等における高度な人材育成等が考えられます。
県におきましては、若年者の情報活用能力の向上のため平成9年度から「親子ネット事業」を支援し小中高校へのインターネット接続を促進しているところであります。
また、人材育成の拠点となる施設として「沖縄県マルチメディアセンター」の整備を平成10年度は那覇市に設置いたしました。平成11年度は石垣市において進めておりまして、さらに平成12年度は平良市に設置する予定であります。
専門分野の実践的な人材育成としましては、財団法人雇用開発推進機構において企業の行う派遣研修経費を助成する「情報産業人材育成支援事業」を実施しているほか、平成11年度から「テレビジネス人材育成事業」によりコールセンターに働く人材の育成を行っているところであります。
また、平成13年度には県立職業能力開発校に情報産業の進展に対応した訓練科目を新設する計画であります。
そのほかの専門分野の人材育成としまして、県ではフロム沖縄推進機構が行うコンテンツ制作分野等の講師招聘研修事業への支援を行ってまいります。
さらに、国におきましては「コールセンター人材育成推進懇話会」を発足させ、本県をモデル地域としてより高度なコールセンターに対応する人材育成のカリキュラムの作成に取り組んでいただいておりまして、求職と求人をマッチさせる人材登録データベース等の整備が期待されております。
県といたしましては、今後情報通信産業を支えるより高度な技術を持つ人材の育成に企業や国及び大学等と連携しながら積極的に取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○農林水産部長(小那覇安優) 農林水産業の振興について、農産物の輸送コストの軽減策についてお答えいたします。
本県では、亜熱帯の地域特性を生かした収益性の高い野菜、花卉、果樹等の産地づくりを推進しているところでございます。
しかしながら、大都市市場から遠隔地にあることから輸送コストの軽減は大きな課題となっております。
近年、JR貨物に対応した定温性能の高いクールコンテナが開発されたことから、沖縄─鹿児島間の船舶航路を活用した新たな流通システムの確立が期待されております。このため、県としては輸送コストの軽減を図るため、平成12年度から品目ごとの鮮度保持技術の開発と鹿児島経由の船舶・JR複合一貫輸送体系の確立を目指した「JRコンテナ活用対策事業」を実施する考えでございます。
次に、県は生産法人格を有するパイロットファームの育成を推進しているが、現在の取り組み状況はどのようになっているかとの御質問にお答えします。
さとうきびの生産振興を図るためには、農地の利用集積による規模拡大、新技術の導入、機械化の推進による省力化、低コスト化を図り、他産業並みの農業所得を確保する必要があります。
このため、拠点地域にさとうきび作担い手のモデルとなる借地型大規模経営体等のパイロットファームを設置し、さとうきび生産法人の育成に強力に取り組んでいるところでございます。1月13日現在、翔南製糖管内において中城村に「結農産」、東風平町に「白川ファーム」が設立されております。結農産においては、さとうきび生産法人の設立により社会的信頼度が高まり、設立時の16.6ヘクタールから現在約30ヘクタールまで農地の利用集積が加速的に進んでおります。
久米島と伊良部町においては、葉たばこ農家との輪作型さとうきび生産法人の設立が具体化しております。
また、伊平屋村、名護市、宜野座村、読谷村、石垣市、与那国町においても法人設立に向けた取り組みを支援しているところでございます。
今後の計画といたしましては、地域の営農実態に即した46のさとうきび生産法人を育成していく考えであります。
次に、天敵を利用した環境保全型農業についてどのような推進策を考えているかとの御質問にお答えします。
近年、環境保護及び食品の安全性に対する消費者の関心が高まっており、欧米等の先進国では天敵等を利用した環境保全型の農業が主流になりつつあります。
県としては、平成12年度の新規事業として環境保全型害虫防除事業を実施する計画であります。本事業は、農業試験場において探索した土着天敵昆虫(ハモグリミドリヒメコバチ等)や天敵微生物の大量増殖、放飼方法などの実用化技術を確立するとともに、民間への技術移転を行い、天敵を用いた害虫防除システムによる減農薬農産物のブランド化を積極的に推進していく考えでございます。
次に、本県の温暖な海域特性を生かした養殖業の振興方策についてどう考えているかとの御質問にお答えします。
本県における養殖業は、モズク、クルマエビ及び魚類を対象とした海面養殖業を中心に進展しております。
養殖業を推進するためには、増養殖技術の開発、種苗量産体制の確立並びに養殖場の整備が必要であります。このため水産試験場においてはハタ類、シャコガイ等の種苗生産や増養殖技術の開発を行っており、開発された技術は水産業改良普及員が漁業者に普及を図っているところでございます。
また、栽培漁業センターにおいては、種苗量産施設と先端技術システムの導入を図るとともに生産体制を整備し、平成13年度からは現在の約3倍の900万尾の種苗生産を予定しております。
養殖場の整備については、これまでクルマエビ養殖場など9カ所を整備し、さらに伊江村の魚類養殖場の整備と平成12年度から始まる伊平屋村の魚類養殖場の整備計画を進めているところでございます。
県としては、農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムの中で戦略品目として位置づけているクルマエビ、モズク、ヤイトハタ、クロカンパチ等の養殖魚介類の拠点産地の育成、養殖技術・経営指導の強化を積極的に推進していく考えであります。
次に、漁業後継者の育成確保対策はどうなっているかとの御質問にお答えします。
本県における漁業後継者は、パヤオ、ソデイカ漁業及びモズク、魚類等の養殖業の進展に伴い増加しつつありますが、漁業就業者は総じて減少、高齢化の傾向にあり、後継者対策は極めて重要な課題となっております。県としては、漁業後継者を育成するため青壮年・女性漁業者交換大会の開催及び地域のリーダーを育成する漁業士認定事業を行うとともに、活力ある漁業・漁村づくりのための各種施策を講じているところでございます。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 基地のない市町村に対する財政支援についての御質問でございます。お答えをいたします。
本県の市町村財政は、全国に比較して自主財源比率や財政力指数が6割程度しかなく、経常収支比率も高くなっているなど厳しい状況にあります。地方分権の推進や少子・高齢化社会への対応などさまざまな行政需要に弾力的かつ適切に対応していくために、地域の経済振興等を通じて市町村の行財政基盤の充実強化を図ることも重要な課題であると認識をしております。
御承知のように、基地所在市町村においては基地交付金等の基地関連収入があり、また米軍基地所在市町村活性化特別事業、いわゆる島懇事業などにより地域の振興策が実施されております。
このような中で、基地のない市町村から地域振興を図るための財政支援について要望が出されているところであります。県土の均衡ある発展を図る観点から、基地のない市町村についても財政支援を含め地域活性化策を検討する必要があると考えております。
次に、離島振興について、航空業界の規制緩和が進んでいるが、今後路線の休・廃止が懸念される離島航空路線に対する県の支援方策についての御質問でございます。お答えをいたします。
国は、規制緩和の一環として航空分野における需給調整規制の廃止等を盛り込んだ改正航空法を本年2月1日から施行しました。需給調整規制の廃止は、需要の多い路線においては航空会社間の競争を促し、利便性の高い運航ダイヤや多様な運賃・料金の設定が図られるものと期待されますが、一方、採算性を確保できない路線については、路線の維持が困難になる場合が生じます。
このため国は、不採算ではあっても当該地域の日常生活に不可欠な路線については引き続き維持する必要があるとの観点から、航空機購入に対する補助や空港使用料の軽減等従来の支援措置に加え、本年度から経常損失を計上している離島航空路線のうち、一定の要件に該当する路線に対して運航費補助制度を新たに創設したところであります。
県は、これまで離島住民の生活の安定及び離島地域の振興を図るため、関係町村と協調して琉球エアーコミューター株式会社に対して運航費補助を行うほか、国とともに航空機購入に対する補助を行う等積極的に取り組んでまいりました。今後とも国の支援方策への協調補助はもちろんのこと、県単独の支援方策についても関係町村と連携して助成を行い、離島航空路線の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。
○土木建築部長(銘苅清一) 離島振興について、他県との格差は解消されているのか、離島においてはどうかとの御質問にお答えいたします。
本県の住宅、社会資本の整備については、3次にわたる沖縄振興開発計画に基づいて計画的に整備してきた結果、相当の成果を上げております。中でも、道路の整備率や公営住宅の整備状況につきましては全国平均を上回る水準に達しております。
しかしながら、人口当たりの道路延長については全国平均の6割程度、また一住宅当たりの床面積も全国平均の8割程度となっており、質的にはまだ低い水準にあります。
離島における社会資本につきましても、全般的に整備が図られてきております。道路については、本島と同様に整備率の面では全国平均を上回っているものの、歩道、道路の緑化、自然環境との調和など質的な面の整備はまだ十分とは言えない状況にあります。
空港につきましては、これまで久米島空港、南・北大東空港、宮古空港及び与那国空港等が整備され、平成11年度から新多良間空港の整備に着手するなど相当の成果を上げております。
港湾の基本施設については、着実に整備が図られてきた一方で、防波堤やターミナルビル施設などまだ十分ではないところがあります。離島振興を図る観点から、今後とも社会資本の整備に鋭意努力してまいりたいと考えております。
同じく離島振興について、自然環境への負荷の抑制と持続可能な開発に関する施策の展開についての御質問にお答えいたします。
社会資本の整備に伴って発生する産業廃棄物の処理対策として、平成10年度に策定した公共工事建設リサイクルガイドラインに基づき建設現場から発生するコンクリート塊、アスファルトコンクリート塊については道路の路盤材として再利用し、発生残土については他の工事現場へ有効活用をしております。
また、工事現場からの不法投棄の未然防止のため産業廃棄物管理票による適正処理を建設業者に義務づけ、自然環境への負荷の抑制に努めているところであります。
持続可能な開発に関する施策としては、河川の生態系に配慮した多自然型川づくり、小動物の道路横断構造物等を配置するエコロード、海岸の生態系や自然景観に配慮したエココースト等を実施しているところであります。今後とも社会資本の整備に当たっては自然環境に配慮した公共工事を進め、特に自然の豊かな離島においてはこれらの施策をもとに自然環境との調和に努めたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 教育問題についてに関連いたしまして、新学習指導要領はどのようなねらいを持って改訂されたのかという御質問にお答えいたします。
新学習指導要領は、平成14年度から実施される完全学校週5日制のもと、ゆとりの中で特色ある教育活動を展開し、子供たちに豊かな人間性やみずから学び、みずから考える力などの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとして、次の4つの方針に基づいて改訂されております。1つ目に、「豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること。」、2つ目に、「自ら学び、自ら考える力を育成すること。」、3つ目に、「ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること。」、4つ目に、「各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めること。」。
県教育委員会といたしましては、この方針を踏まえ教育施策を推進してまいりたいと考えております。
次に、新教育課程における目玉的な教育活動として創設された「総合的な学習の時間」を通して、子供たちにどのような資質や能力を育成したいと考えているかという御質問にお答えいたします。
「総合的な学習の時間」は、ゆとりのある学習活動の中で子供たちにみずから考え、主体的に判断し行動する能力や、みずからを律しつつ他人を思いやる心などの「生きる力」を培うことを目指して新たに創設された学習活動であります。
実施に当たっては、地域や学校、生徒の実態等に応じて各学校が教える内容や授業時数を定めて行う特色ある学習であり、次のような資質や能力の育成を目指しております。まず、「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。」次に「学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにすること。」であります。
これらの資質や能力は、現代の子供たちにとって必要とされるものであり、従来の教科学習とは異なり教科の枠を超え、横断的・総合的に行われるものであります。また生徒の興味、関心等に基づく学習など創意工夫を生かした学習活動が行われますので、21世紀の社会に生きる個性的で創造性豊かな子供の育成に資するものであると考えます。
次に、「総合的な学習の時間」ではどのような学習活動が行われるかという御質問にお答えいたします。
「総合的な学習の時間」における学習活動については、新学習指導要領では、例示といたしまして「国際理解、情報、環境、福祉・健康など」の学習活動を示しております。これらは今日的な課題に対応するための学習活動であると考えます。
また、生徒の興味、関心、進路等に応じて設定した課題について知識や技能の深化、総合化を図る学習活動のほか、郷土の民芸や芸能に関する学習など地域や学校の特色に応じた課題などについての学習活動を行うことができることとなっております。
学習活動を行うに当たっては、「自然体験やボランティア活動などの社会体験、観察・実験、見学や調査、発表や討論、ものづくりや生産活動など体験的な学習、問題解決的な学習を積極的に取り入れること。」が大切であると考えます。
また、実施に当たっては、教科書は発行されないことになっており、時間数なども学校が設定することになることから、各学校には自主性、主体性や創意工夫が求められることになります。
最後に、県教育委員会として新教育課程の実施に向けてどのような取り組みを推進していくのかという御質問にお答えいたします。
御案内のとおり、新教育課程は幼稚園が平成12年度から、小中学校が平成14年度から全面的に実施されます。また、高等学校については平成15年度入学者から順次実施されることになっております。
県教育委員会といたしましては、平成12年度から移行措置が実施されることから、次のような取り組みを推進しているところであります。
新学習指導要領の趣旨や内容について、教職員への周知を図るための研修会の実施、各学校が教育課程を編成する際の手引きとなる教育課程編成要領の作成、各学校の教育活動を支援するための総合的な学習の実践事例集などの作成、各学校の教育活動を支援するため県立教育センターに総合的な学習研究室の設置、各学校の「総合的な学習の時間」の取り組みを支援するために総合的な学習の時間研究協議会の設置などであります。
また、各市町村教育委員会においては、地域の方々を「総合的な学習の時間」などの指導者として学校に協力していただけるよう人材バンクの作成などをお願いしているところでございます。
以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 八重山平和祈念館についてお答えいたします。2点ございます。
まず、八重山平和祈念館については元監修委員等との協議を行うとしていたが、その後どうなったのか、それから元委員の誤解については協議の場において解消されたかというお尋ねでございます。一括してお答えいたします。
元監修委員等との協議につきましては、昨年の11月からことしの1月まで3回、石垣市において会議を公開して行いました。
協議に当たりましては、展示内容について事前の説明が十分になされていなかったということから、現在の展示内容についての説明を申し上げ、その結果、歴史の改ざん等がなかったことについては元委員の皆様の御理解が得られたものと考えています。
検討協議は、専門委員の当初案へ戻すということではなくて、展示内容の充実を図るという観点から建設的な検討が加えられ文案等がまとまりました。
この検討結果は、平成12年度予算で実施していくこととしております。県としては、今後とも八重山平和祈念館の充実に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 八重山における赤土等流出防止対策に関する御質問にお答えいたします。
八重山におきましては、昨年の9月14日に個々の河川状況に応じた赤土等流出防止対策を総合的に推進するため、県内で初めて地域住民と関係機関で構成する住民主導の石垣島周辺海域環境保全対策協議会が設立されております。
県では、同協議会へ八重山支庁の次長以下関係課長等が会員として参加するとともに、今後の協議会活動を支援するため白保海域の現況把握調査を行っております。
また現在、流出量の大半を占めるようになった既存農地対策として今年度から盛山地区において圃場勾配の修正、排水施設や沈砂池の整備等を行う水質保全対策事業を実施することとしております。
さらに、新川地区ではモデル圃場を設置してグリーンベルトの対策効果の実証調査及び農家等への対策技術の普及啓発活動を行っております。
八重山の美しい海を保全し水産業及び観光産業等の振興を図っていく上で、赤土等の流出防止対策は重要な課題でありますので、今後とも地域と連携をとりながら取り組んでいきたいと考えております。
○金城 繁正 県民の会県議団を代表して質問を行います。
質問に入ります前に若干の所見を申し述べさせていただきます。
稲嶺知事が就任してはや1年がたちました。稲嶺知事は就任後直ちに政府との信頼関係を回復し、これまで休止しておりました沖縄政策協議会を再開させ、沖縄振興のための特別調整費100億円に基づく多くのプロジェクトの具体化を初め沖縄経済振興21世紀プランの中間報告、沖縄北部地域の振興、新たな沖縄振興法の制定に向けての取り組みなど、また沖縄特別自由貿易地域、観光振興地域、情報通信産業地域が指定され、これによる新規産業の創出と雇用の促進、沖縄サミット首脳会合の本県開催の決定など、この1年間における稲嶺知事の行政実績は大きいものがあります。このことは稲嶺知事の政治力と行動力によるものであり、高く評価し、その御苦労に対し敬意を表するものであります。
1、知事の所信表明についてお尋ねします。
平成12年度の県政運営について稲嶺知事は、平成12年度を21世紀に向けて大きく羽ばたく「飛躍の年」として位置づけ、沖縄経済振興21世紀プランなど沖縄振興のための諸施策を基盤に本県の自立的発展とアジア・太平洋地域の社会経済発展に貢献できる地域形成を目指して経済の振興、基地問題の解決促進、県民福祉の向上など10項目の主要施策を具体的に掲げ、これら諸施策を実施展開するため厳しい財政事情の中にありながらも平成12年度の当初予算として一般会計6446億2000万円、特別会計364億8785万6000円、企業会計961億8521万6000円を措置し、本県経済の自立的発展に向けた中長期的な諸施策の推進と当面の経済対策や雇用の確保に向けた取り組み、地域離島の振興、医療福祉の充実、将来の沖縄を背負う人材の育成、九州・沖縄サミットの成功に向けての取り組みなど稲嶺知事の施政方針については高く評価するものであります。
そこで質問いたします。
(1)、稲嶺知事は、平成12年度を「飛躍の年」と位置づけておりますが、何を重点に予算編成をなされてきたか。また例年にない新規事業が多く50事業ありますが、特徴的なものはどういう事業でありますか。
(2)、知事は、本県経済の自立的発展に向けた中長期的な施策を積極的に推進したいと強調されておりますが、具体的にどのような事業がありますか、伺います。
(3)、県の財政運営は県民生活を大きく左右するものであり、今こそ財政の健全化に向けて取り組まなければいけない重要なときであります。今後の財政健全化計画の策定について知事の所見を賜ります。
2、新たな沖縄振興計画と新たな沖縄振興法の問題についてお尋ねします。
沖縄経済は、基地依存経済から復帰以降は財政依存経済に移行し、いまだに自立経済の見通しが立ってない現状にあります。
今、県民は財政依存、基地依存の経済から抜け出し、21世紀に向けて沖縄経済の自立化を図ることを強く求めております。
沖縄経済の方向性を引き出すためには、米軍基地の現実的整理縮小を実現させ、その跡地利用を進めアジア・太平洋地域を結ぶ拠点機能を持つところの県づくりが求められております。
沖縄県は祖国復帰後、国の総合的な計画に基づいてこれまで9兆8342億円という莫大な資金が投入され、道路、港湾、空港等の社会資本の整備と県民生活基盤の整備が着実に進められてきました。しかしながら沖縄の産業構造は全国に比べ第2次産業のウエートが低く、第3次産業のウエートが高い。特に製造業の割合は全国の24.5%に対し沖縄県はたった6%で、その差異は大きいものがあります。また1人当たりの県民所得も全国平均の70.4%となっております。
このように製造業を中心とする企業の誘致が進まず、雇用情勢も厳しく失業率が高く厳しい状況下にあります。
また、第3次振計は平成13年度に計画期限が終了することになり、新たな沖縄振興計画の策定とこれを裏づける新たな法律の制定が強く求められております。
稲嶺知事は、その対応策として平成12年度の所信表明の中で、新たな沖縄振興計画の策定と新たな沖縄振興法の実現に向けて取り組むことを表明されました。
そこで質問いたします。
(1)、第3次沖縄振興開発計画は平成13年度に計画期限が終了しますが、これまで3次にわたる沖縄振興開発について知事はどのように評価なされておりますか、伺います。
(2)、沖縄振興開発の現状と課題の総点検結果についてどのようになっておりますか、具体的に御説明ください。
(3)、知事は、新たな沖縄振興計画において産業振興による自立型経済を構築する旨表明されているが、本県の産業構造をどのように変えていかれるか、知事の御所見を伺います。
(4)、知事は、「新たな沖縄振興計画」を実効あらしめるため現行の特別措置法等の必要な各種制度を継承するとともに、新たな理念、制度を取り入れた新たな沖縄振興法の実現に向け取り組んでいくことを表明されておりますが、現行制度における必要な各種制度とはどういうものでありますか、伺います。
(5)、新たな沖縄振興計画の実効性を確かなものにするためには国の積極的な財政支援が不可欠であり、今後の取り組みについてお尋ねします。
3、基地問題について。
本県における米軍基地は、全国の米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地があり、県民生活や振興開発にさまざまな影響を与えており、県民から基地の整理縮小を強く求められております。
稲嶺知事は、基地問題の解決について国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境の保全、経済振興策などを検討したトータルな視点から現実的に対応策を打ち出しております。
平成11年11月、稲嶺知事は、県民の暮らしと安全を守る立場から普天間飛行場移設候補地として名護市辺野古沿岸域を選定、名護市の理解と協力を得てその解決に取り組んでおられますが、米軍基地問題の解決については代替施設の使用期限15年問題、北部振興策の問題、基地の跡利用の問題、その他那覇軍港の移設問題、日米地位協定の見直し問題など多くの課題があります。
そこで質問いたします。
(1)、知事は、普天間飛行場の名護市辺野古沿岸域への移設問題について、名護市の協力を得て問題の解決を促進する旨表明されておりますが、今後の取り組みについて伺います。
(2)、最近マスコミ報道によりますと、普天間飛行場の代替施設の使用期限15年問題について、1月にワシントンで開かれた日米防衛首脳会談で米国コーエン国防長官は期限設定には応じられない旨発表されました。知事は15年期限問題について今後どのように対応なさいますか、伺います。
(3)、普天間飛行場の名護市への移設問題で北部振興策の協議機関が発足していると聞いておりますが、その機関の設置目的、組織構成、県と機関とのかかわり等について伺います。
また、北部振興策について県の対応について伺います。
(4)、国は、北部振興のため新年度以降の10年間で北部振興特別事業として1000億円を投入することが決定されましたが、その内容と県の対応について伺います。
(5)、稲嶺知事は、知事就任後2回にわたって日米地位協定の見直し問題で日米両政府に対し要請がなされております。その結果についてお尋ねします。
(6)、那覇軍港の移設問題の解決に今後どのように取り組みをなされるか、伺います。
(7)、知事は、所信表明の中で基地問題の解決を促進するため訪米する旨明らかにされました。その訪米時期についてお尋ねします。
次に4、農業振興策についてお尋ねします。
本県農業を取り巻く環境は、我が国経済社会の国際化が進展する中、農産物の輸入自由化に伴う国内外との産地間の競争の激化、農業従事者の高齢化、国際都市形成に向けた産業振興策に基づく自由貿易地域制度の導入など近年大きく変化しつつあります。
このような情勢の中で、県当局は昨年の2月に新たな自由貿易地域制度の導入とこれからの国際化に対する対応策として沖縄県農林水産業振興ビジョンが策定されました。しかしながらこの振興ビジョンを実効あらしめるためには多くの課題が残されております。
そこで質問いたします。
(1)、農業・農村基盤整備の実績と第3次振計までの計画目標に対する達成率の見通しについてお尋ねします。
また、平成12年度における農業基盤整備関連予算はどうなっておりますか、伺います。
(2)、農林水産業振興ビジョンについてお尋ねします。
ア、振興ビジョンの中で重点品目選定協議会を設置することになっておりますが、どうなっておりますか。また構成はどういうふうになっておりますか。
イ、振興ビジョンの具体的な事業推進計画の作成はどうなっておりますか。
ウ、振興ビジョンの推進体制を確立するため市町村ごとに産地協議会を設置することになっておりますが、その状況はどうなっておりますか。
エ、振興ビジョンの中で戦略品目として園芸作物(野菜、花卉、果樹、薬用作物)等の拠点産地形成を推進するため数値を挙げております。拠点産地の指定はどうなっておりますか。
オ、県の振興ビジョンに対し市町村別のアクションプログラムを作成することになっておりますが、その状況はどうなっておりますか。
カ、平成12年度における振興ビジョン関連(継続、新規)の予算はどうなっておりますか。
(3)、農業研究センターの整備促進について、ア、用地取得において当初計画より大幅におくれておりますが、その理由と今後の対応策についてお尋ねします。
イ、同研究センター施設整備事業費と財政計画はどうなっておりますか、お尋ねします。
ウ、同研究センター整備事業の今後のスケジュールについて伺います。
5、行政組織改編問題についてお尋ねします。
県は2月9日、平成12年度の行政組織の改編を発表いたしました。マスコミ報道によりますと、今回の改編は次期振興計画の策定や北部振興プロジェクトを推進することと、産業振興と雇用対策を強化するため企画開発部と商工労働部の一部が改編されるとなっております。
行政組織の改編は、言うまでもなく行政運営の効率化と執行体制の拡充強化を図ることがその主なる目的であると考えます。
現在の行政組織は、平成9年12月に生活福祉部と環境保健部を中心に他の部局の一部を含めた大幅な改編がなされました。
組織改編されて2年がたちました。その中において、現在の市町村課やあるいは消防防災課など果たして組織改編の効果があったかどうかいささか疑問に思います。これは市町村の指導強化の上からも当然従来の総務部に戻すべきではないかと、このように思います。
また、地方分権一括法は平成12年の4月1日から施行されることになり、市町村への権限移譲の推進等市町村への指導体制の強化が求められております。
県は、地方分権の推進のためこの際行政組織(部局レベル)の改編を実施すべきものだと考えますが、そこで次の質問をいたします。
(1)、来る4月1日施行予定の県の組織改編についてその内容を御説明ください。
(2)、地方分権一括法がことし4月1日から施行されますが、県当局は地方分権を推進するため行政組織(部局レベル)の改編についてどのように考えているか、お伺いします。また改編時期等についてはどういうふうにお考えですか。
6、雇用対策について伺います。
深刻な経済不況の広がりは中小企業経営の悪化と雇用不安を招いております。これらの諸問題を打開するため国は昨年から緊急雇用対策特別事業が実施されました。しかしながら今なお県内雇用事情は依然として厳しい状況にあります。
稲嶺知事は、厳しい雇用情勢を改善するために沖縄県緊急雇用対策特別事業や雇用開発推進機構が実施する人材育成事業等に対し支援することと、沖縄特別自由貿易地域制度を活用した企業誘致を展開し雇用の拡大を図ることを表明されました。
そこで質問いたします。
(1)、本県における失業の実態はどういうふうになっておりますか。
(2)、財団法人雇用開発推進機構の平成10年、11年度における事業実績と平成12年度事業計画はどのようになっておりますか。
(3)、平成11年度から実施されました沖縄県緊急雇用対策特別事業の取り組みと平成12年度事業についてどうなっておりますか。
(4)、稲嶺知事は、特別自由貿易地域制度等を活用し国内外における企業誘致活動を展開し企業の立地を促進することを表明されました。その内容について具体的に御説明をお願いします。
(5)、平成12年度における雇用対策関連予算についてどうなっておりますか。
最後になりましたが、7、海洋深層水利用推進事業についてお尋ねします。
(1)、県は、新年度から海洋深層水の利用計画について水産、農業、工業部門への利活用を目的として研究開発し産業化への取り組みを進めようとしておりますが、その組織と研究員の配置等はどのようになっているか。
(2)、新年度における海洋深層水の利用推進事業費1億4000万円の内容について御説明ください。
(3)、深層水の利用について現在の農業、水産、工業関係の研究機関との関連についてどのように位置づけておられるか、具体的に御説明ください。
以上、代表質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 金城繁正議員の御質問にお答えします。
最初は、所信表明についての中から、12年度は何を重点に予算編成したのか、新規事業の特徴的な事業は何かについてお答えいたします。
平成12年度の予算編成に当たっては、本県の財政が依然として厳しい状況にあることから、新たに策定する行政システム改革大綱の趣旨を踏まえ、大規模な箱物の建設を見合わせ、後年度の負担となる県債の発行を抑制するなど県財政の健全化に努めました。
このように厳しい予算編成の中、当面の経済対策や雇用の確保、地域・離島の振興、医療福祉の充実、将来の沖縄を担う人材の育成、九州・沖縄サミットの成功に向けた取り組みなどの政策課題に重点を置くことを基本に編成いたしました。
特徴的な新規事業としては、ベンチャー企業の育成を図るため投資ファンドを創設するベンチャー企業投資事業、県外企業の誘致を促進するため専門職員を県外事務所へ配置する企業誘致職員等配置事業、沖縄市中の町地域の活性化を図るための市街地再開発事業、農産物の新たな流通システムの構築のための実証試験を行うJRコンテナ活用対策事業など、産業の振興や雇用の拡大に資する事業を計上しました。
また、外部研究員を招聘し県内企業等に新しい技術の導入及び蓄積を行う招聘・嘱託研究員設置事業など、産業発展の基礎となる人材育成や研究機関の体制の整備を図ってまいります。
地域・離島の振興を図るため、宮古地域における田園マルチメディア整備事業や、南・北両大東村における海水淡水化施設整備補助事業などを新たに実施いたします。
また、医療福祉の向上に向けて介護保険制度の円滑な実施に要する経費や福祉活動の拠点となる総合福祉センター整備事業などを計上しております。
さらに、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みとして女性と生活実態・意識の調査事業や2000年女性パイオニア会議の開催経費を新たに計上するとともに、新平和祈念資料館の開館記念事業として平和フォーラムを開催し、平和を志向する沖縄の心を広く国内外へアピールすることとしております。
次に、財政健全化計画の策定についての所見をお聞きしたいということのお答えでございます。
本県の財政状況は、歳入の大幅な伸びが期待できない中、これまで実施してきた大規模な箱物建設事業や数次にわたる経済対策等の財政需要の増加に対して、県債の発行や基金の取り崩しによって対応してきたため県債残高が増加する一方、基金残高が減少するなど厳しい環境にあります。
このような厳しい財政状況の中で当面の経済対策や雇用の確保、地域・離島の振興、医療福祉の充実、将来の沖縄を担う人材の育成などの政策課題に的確に対応するため県財政の健全化を図る必要があります。
このため、新たに策定する行政システム改革大綱の中に財政健全化のための方策を盛り込んで取り組むこととしております。
具体的には、歳入においては自主財源の柱となる県税収入の一層の確保を図るとともに、使用料及び手数料の周期的な見直しや県有財産の利活用を推進することとしております。
一方、歳出においては事務・事業や補助金の廃止、縮小、統合等徹底した見直しを行うとともに、事業費がおおむね10億円以上の県単独事業による大型箱物については原則として事業着手を見合わせることとしております。
また、公債費等の義務的経費の増加を抑制する見地から、一般会計の県債発行額については国の経済対策や地方財政対策等に基づくものを除き、おおむね250億円程度にとどめるとともに、各種基金の維持・確保に最大限努めることとしております。
あわせて、県財政の中期的見通しについても一定の仮定のもとで歳入や歳出の試算を行い公表していきたいと考えております。
次に、新たな沖縄振興計画と新たな沖縄振興法問題についての中で2つの問題、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画の評価と沖縄振興開発の現状と課題の総点検結果の御質問についてのお答えをいたします。
これまで3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく諸施策を総合的に推進してきた結果、道路、港湾、空港などの社会資本の整備を初め多くの分野において着実な成果を上げてきたことについては、広く県民に評価されてきたものと考えております。
しかしながら、一方において経済の自立につながる産業振興の立ちおくれや財政依存の経済構造、全国平均の約2倍に達する高い失業率、土地利用上の制約要因となっている広大な米軍施設・区域の整理縮小及び返還跡地の有効利用など依然として解決すべき重要な課題も山積していると考えます。
また、本県の振興を担う人材の育成や県民福祉の向上、県土の均衡ある発展等についても大きな課題となっております。
沖縄振興開発の総点検結果については、平成12年3月末を目途に取りまとめるべく作業を進めております。今後、総点検結果で明らかになった課題等を踏まえ、新たな沖縄振興計画の策定に向けて県の基本的な考え方を早急に取りまとめていくこととしております。
次に、同じく振興計画と振興法問題についての中で、新たな沖縄振興計画において産業振興による自立経済を構築する旨表明しているが、本県の産業構造をどのように変えていくのかとの御質問にお答えしたいと思います。
新たな沖縄振興計画においては、本県経済を財政依存や基地依存から脱却させ、民間経済活動が主導的役割を担う自立的な経済に変えていくことが最も大きな目標になるものと考えております。
その目標の達成に向けて戦略産業としての観光・リゾート産業の発展、情報通信産業の振興、特別自由貿易地域制度を生かした加工交易型産業の振興及び農林水産業等の新たな展開を図っていくことが重要であると考えております。
そのため、人材の育成・確保、技術開発、企業の創出・誘致促進とともに、産業活動を支える空港、港湾及び情報等のインフラ整備を推進し依存型経済から自立型経済への転換を目指してまいります。
次に、新たな沖縄振興計画の実効性を確かなものにするためには国の積極的な財政支援が不可欠であると、その取り組みはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
本県の振興開発の推進に当たっては、沖縄振興開発特別措置法に基づく高率補助制度などにより毎年多くの予算が確保されております。
そのほか、国の財政支援に基づく沖縄特別振興対策調整費や沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業が実施されております。
さらに、北部地域の振興に関する特別の予算措置、大規模基地跡地の利用に関する行財政上の措置など国の積極的な支援が明らかになっております。
3次振計終了後の新たな沖縄振興計画に盛り込まれるハード及びソフト施策の実効性を確保するためには、これらの財政支援を上回る支援が必要と考えております。そのため、計画の根拠法となる新たな沖縄振興法に積極的な国の財政支援措置が盛り込まれるよう取り組んでいきたいと考えております。
次に、基地問題について、普天間飛行場の名護市への移設問題について、名護市の協力を得て問題解決を促進する旨表明しているが、今後の取り組みについて伺いたいとの御質問についてのお答えでございます。
昨年の12月27日、岸本名護市長が普天間飛行場の移設受け入れを表明されました。市長にとっては苦渋に満ちた困難な判断であったと推察するとともに、長年の県民の願いであった普天間飛行場の全面返還が目に見える形で進められることになり、決断された市長に敬意を表します。
国においては、県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、昨年の12月28日、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月10日には北部振興協議会、移設先及び周辺地域振興協議会を設置し具体的な作業が開始されております。
次に、基地問題について、マスコミ報道によるとコーエン国防長官は15年使用期限設定に応じない旨発表されているが、その15年問題についての今後の対応について伺いたいとの御質問のお答えでございます。
御質問の報道につきましては、瓦防衛庁長官は去る2月21日の衆議院予算委員会において、コーエン国防長官が使用期限の設定を拒否した事実はない旨表明しております。
15年の使用期限については、移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。これを受けて国は、閣議決定において「沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」方針を示しています。
その後、日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられており、同問題が着実に前進していくものと思います。県としては、同問題が政府において引き続き検討され、県の要望に対してこたえられるよう強く求めていきます。
次に、基地問題についての中で、北部振興協議会の設置目的、組織構成、県と機関とのかかわりと北部振興策の県の対応についての御質問へのお答えでございます。
北部振興協議会は、北部地域の振興事業の円滑な推進を図るため、去る12月28日に閣議決定された沖縄県北部地域の振興に関する方針に基づき2月10日に設置されたところであります。
同協議会は、内閣官房長官、沖縄開発庁長官、沖縄県知事、北部地域の12の市町村長から構成され、振興事業の推進に当たっての基本方針の策定、具体的な振興事業の検討・調整等を協議することとされております。
県としても、去る2月1日に企画開発部内に北部振興プロジェクトチームを設置しました。今後、国や地元自治体等との総合調整、施策・事業の具体化に向けて検討を行い、同協議会の円滑な運営や北部振興策の着実な推進に取り組んでいきたいと考えております。
次に、北部振興特別事業として投入される1000億円の内容と県の対応についての御質問に対するお答えでございます。
北部地域の振興に関する施策・事業を着実に推進するため、政府においておおむね10年間で1000億円の特別の予算措置を確保することとなっております。この1000億円は公共枠と非公共枠に分かれており、このうち非公共の500億円は北部振興事業制度(仮称)に充て、残り500億円は公共事業推進費ということになっております。県としては、国や地元市町村と連携を図りつつ、北部地域の真の自立に結びつくような施策・事業の展開に努めていきたいと考えております。
次に、基地問題についての中の日米地位協定の見直しについての要請について聞きたいという御質問のお答えでございます。
本県には在日米軍専用施設面積の約75%に上る米軍基地が存在し、航空機騒音を初めとする環境問題や米軍人等による犯罪などによって県民生活は大きな影響を受けております。
県としては、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故等による県民の不安を解消し基地問題の解決を促進するためには、合衆国軍隊の施設及び区域の使用並びに地位に関する法的根拠である現行の日米地位協定を見直していただく必要があると考えています。
特に、航空機騒音の規制、環境浄化の実施など環境保護に関する国内法の適用、日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員または軍属たる被疑者の起訴前の拘禁、公務外の米軍人等が起こした事件・事故の被害者に対する補償を日米両政府の責任で行うことなどの諸課題の解決を図るためには、県民の生活と人権を守る観点から日米地位協定を見直す必要があると考えます。
県では、これまで機会あるごとに日米地位協定の改定または運用の見直しを政府に対し強く働きかけてきました。
また、普天間飛行場の移設候補地の選定を国に提示するに際しても日米地位協定の見直しを要請いたしましたが、国においては昨年12月28日の閣議決定において、「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との方針を示しております。
県としては、3月末に提出される「基地の環境調査及び環境浄化等に関する海外調査」委託事業の報告などを踏まえ、今後改めて県の要望が満たされていない事項に係る日米地位協定の改定または運用の見直しを早急に取りまとめ、日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
次は、基地問題について、那覇軍港の移設問題解決にどのように取り組むかとの御質問に対するお答えでございます。
那覇港湾施設の移設問題に関しては、これまで国や関係自治体と調整を行うとともに、類似施設の調査等を行ったところであります。
現在、那覇港管理の一部事務組合の設立に向けて調整しているところでありますが、那覇港の整備方針や那覇港湾施設の取り扱いについていまだ浦添市と合意に至っておりません。
浦添市は、那覇港湾施設の移設については、軍港の移設先ではなく、物資の搬出入といった那覇軍港の一部の機能の移設を認め、多目的埠頭を日米共同使用する案を基本とするとの考えであり、一方、県はSACO合意に基づく那覇港湾施設の移設が必要であると考えております。
県としては、那覇港のハブ機能を有する国際流通港湾化に向けた計画の中で総合的に検討することとしており、引き続き合意形成に向けて努力してまいりたいと考えております。
続いて、所信表明の中で訪米するとしているが、時期について聞きたいという御質問のお答えでございます。
県は、基地問題は国の外交防衛にかかわる問題であると認識しており、その解決に向けてはまず国家間で話し合いがなされるべきであると考えています。
しかしながら、基地問題の解決は本県の重要な課題であり、日本政府の外交交渉を側面から支援する立場で、必要に応じ地元の声を米国政府等に伝えることは必要であると考えております。
なお、訪米の時期については、国内外の情勢を見ながら関係機関とも調整の上決定していきたいと考えております。
次に、農業振興策について、農業・農村基盤整備の実績と第3次振計の目標達成率の見通し及び平成12年度の予算はどうなっているかとの御質問のお答えでございます。
本県の農業・農村整備事業は、3次にわたる振興開発計画に基づき推進してまいりました。平成10年度までの整備実績と達成率は、農業用水源施設1万9295ヘクタール(80%)、畑地かんがい施設7547ヘクタール(41%)、圃場整備2万625ヘクタール(68%)、農道整備1348キロメートル(89%)、農業集落排水施設56集落(35%)となっております。
農業用水源施設と農道整備についてはほぼ目標を達成しておりますが、畑地かんがい施設などはおくれている状況にあります。
また、平成12年度における農業・農村整備事業予算は約383億円であります。対前年比は、全国が0.3%に対し本県は2.1%で1.8ポイント高い伸び率となっております。
県としては、今後とも環境に配慮しながら農業・農村整備事業を積極的に推進してまいります。特に整備のおくれている畑地かんがい施設と農業集落排水施設については、地域とのコンセンサスを得ながら重点的に整備していく考えであります。
次に、特別自由貿易地域制度等を活用した企業誘致活動についての御質問に対するお答えでございます。
県は、企業の立地を促進し雇用拡大を図っていくため、国内外での誘致説明会の開催や企業訪問等を実施するなど企業誘致活動を積極的に推進しております。その成果として今年度はマルチメディア関連でコールセンターの立地が進むとともに、医療機器用半導体の製造企業が特別自由貿易地域へ進出したほか、自由貿易地域那覇地区にも数社が新たに立地しております。
また、特別自由貿易地域に整備中の賃貸工場へは3社の入居が内定しております。
平成12年度は、引き続き国内外における誘致説明会の開催や企業訪問を実施するほか、マスコミ招聘などにより本県の投資環境を積極的に広報し企業の立地を促進していきたいと考えております。
また、新たに東京事務所及び大阪事務所に課長クラスの企業誘致対策監と誘致嘱託員を合わせて6名配置するほか、米国西海岸にも委託駐在員を置くなど誘致体制を強化してより積極的に企業誘致活動を展開していきます。
なお、企業誘致活動はトップセールスが重要でありますので、状況に応じて私自身も直接企業を訪問し沖縄への進出をお願いしていく所存であります。
次は、海洋深層水利用推進事業について、県は海洋深層水を研究開発し産業化への取り組みを進めようとしているが、その組織と研究員の配置はどうなっているかとの御質問にお答えします。
海洋深層水は、冷温性、富栄養性、清浄性などのすぐれた特性を有し、持続的に利用できる資源として国内外から注目されております。県は、その資源利用に着目し平成8年度から海洋深層水研究開発事業を推進してきたところであります。
その拠点となる沖縄県海洋深層水研究所(仮称)は、企画開発部の出先機関として平成12年4月に仲里村に設置し、実用化を目指した研究開発を開始します。当該研究所は、所長を含め7名体制で水産、農業分野の研究開発を行う予定であり、研究員については水産分野3名、農業分野2名の研究員を配置いたします。
工業分野については、研究所内に独自の施設を設置するのではなく、工業技術センターと連携して企業等が行う商品開発を支援し実用化を促進してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(宮城正治) 知事の所信表明に関連いたしまして、本県経済の自立的発展に向けた中長期的な施策を積極的に推進したいと強調しているが、具体的にどういう事業があるのかという御質問にお答えいたします。
本県経済の自立的発展に向け、中長期的に推進する具体的な事業につきましては、九州・沖縄サミットを契機として国際コンベンションアイランドの発展と格調ある国際的な観光・リゾートの形成を図ってまいります。
アジア・太平洋地域における情報通信ハブ拠点の形成を目指し、沖縄国際情報特区構想を促進いたします。
貿易の振興や物流・中継加工拠点の形成を図るため、特別自由貿易地域制度等の活用やインフラ整備など投資環境の一層の整備拡充を進めてまいります。
また、健康・長寿に関する研究やベンチャー企業の成長を支援するベンチャー企業投資事業などを推進するほか、グローバル産業人材育成事業や国立高等専門学校の設置を促進いたします。
さらに、新たな国際路線の誘致や国際航空ネットワークを拡大し、太平洋・平和の交流拠点「パシフィック・クロスロード」にふさわしいハブ空港として那覇空港を整備するなど社会資本の整備に取り組んでいきたいと考えております。
次に、新たな沖縄振興計画と新たな沖縄振興法問題に関連いたしまして、新たな沖縄振興法に継承すべき現行制度における必要な各種制度とはどういうものかとの御質問にお答えいたします。
新たな沖縄振興計画の大きな目標である自立型経済の構築のためには、企業誘致策や産業基盤の整備など総合的な施策を展開していく必要があると考えております。
このような観点から、現行沖縄振興開発特別措置法の特別自由貿易地域制度や情報通信産業振興地域制度などにおける税制上の優遇措置や公共事業等の高率補助制度などが新たな沖縄振興法に継承すべき制度であると考えております。
次に、雇用問題に関連いたしまして本県における失業の実態はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
本県の平成11年の労働力調査の結果によりますと、年平均完全失業率は8.3%で平成10年の7.7%に比べ0.6ポイント増加し過去最も高い値となっており、全国の4.7%に比べると1.8倍となっています。
失業者の年齢構成を見ると、15歳から29歳の若年者が2万5000人となっており、全体の49%を占めています。これは全国に対して2倍相当となっております。このことは、若者の県内志向が強いことや平成11年3月の学卒者の就職決定率が前年に比べ低下していることから、失業者として県内にとどまっているものと考えられます。
また、県外からの求人数は対前年比28.3%の減少で、平成10年に引き続き減少したことも失業率が高くなった要因であると考えられます。
一方、就業者数は56万5000人で対前年比0.7%の増加となっています。これは最も多かった平成9年に次いで高い数値となっています。また県内の有効求人倍率が平成10年の0.19から平成11年0.22と改善方向にあることから、ここ1年余に実施された各種の経済対策が功を奏しているものと考えられます。
次に、海洋深層水利用推進事業の関連で、新年度における海洋深層水利用推進事業費1億4000万余の内容について説明せよとの御質問であります。
海洋深層水利用推進事業費は、海洋深層水研究所の運営並びに研究に要する経費であります。1億4152万円のうち、海洋深層水研究所の運営に要する経費といたしまして9587万円、研究に要する経費といたしまして4565万円を計上しております。
同じく海洋深層水関連でありますけれども、深層水の利用について現在の農業、水産、工業関係の研究機関との関連についてどのように位置づけをしているかということについての御質問であります。
当該研究所では、海洋深層水の冷温性、富栄養性、清浄性の三大特性を活用して農業分野、水産分野、工業分野等の実用化に向けた研究開発を行ってまいります。
農業分野では、高温障害解消による周年栽培や開花時期調整による端境期出荷等の新たな冷温農業の研究、水産分野では陸上型養殖技術の開発、すなわち温度制御等による周年養殖や短期飼育での商品化を目指した新たな技術開発を行ってまいります。
工業分野については、工業技術センターで企業の行う商品開発等の技術支援を行ってまいります。
特に農業、水産分野につきましては、今後とも既存の研究機関と基礎的な栽培技術や養殖技術について連携を図ってまいりますが、当該研究所では深層水の特性を利用した独自の技術開発に取り組んでまいります。
以上であります。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後3時59分休憩
午後4時 再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
農林水産部長。
〔農林水産部長 小那覇安優君登壇〕
○農林水産部長(小那覇安優) 農業振興策について、振興ビジョンの中で重点品目選定協議会を設置することになっているがどうなっているか、またその構成はどうなっているかと、振興ビジョンの具体的な事業推進計画の作成はどうなっているかとの御質問は関連しますので一括してお答えいたします。
重点品目選定協議会の機能については、平成11年4月に設立した農林水産業推進連絡会議に置きかえ、重点品目の追加及び削除について検討してまいります。連絡会議の構成は、県を中心に農業関係団体及び学識経験者等を含めることとしております。
なお、農林水産業振興ビジョンの具体的な事業推進計画としてアクションプログラムを策定しております。アクションプログラムの実効性を確保するため分野ごとに設置したワーキングチームによる事業の進行管理を行い、必要に応じて計画の見直しを行うこととしております。
次に、市町村ごとに産地協議会を設置することになっているが、その状況はどうなっているかと、拠点産地の指定はどうなっているか、それから市町村別アクションプログラムの策定はどうなっているかとの御質問は関連しますので一括してお答えします。
園芸品目等の生産振興を図るためには、市場競争力の強化へ向けた各種施策を重点的に推進し計画的、安定的に生産出荷できる拠点産地を育成することが重要だと考えております。
このため県としては、市町村、農業団体、生産者等で構成する産地協議会の設置を指導し、平成11年度は18市町村と1広域圏において30カ所の産地協議会が設立されております。
拠点産地の指定に当たっては、第1に産地協議会の設立、第2に品目別生産出荷組織の整備、第3に安定生産、安定供給へ向けた取り組み方針の策定の3つを指定要件としております。このため、これらの要件を満たした産地から順次拠点産地の指定を行うことになります。
市町村別のアクションプログラムは、市町村における拠点産地の育成計画や生産出荷体制の整備に関する計画であります。したがって拠点産地の指定が進むことにより、市町村別アクションプログラムも整備されていくことになります。
次に、平成12年度における振興ビジョン関連(継続、新規)の予算はどうなっているかについてお答えします。
農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム関連の平成12年度新規事業としては、JRコンテナ活用対策事業、パイロットファーム育成事業、環境保全型害虫防除事業、畜産環境保全緊急対策事業等を計上しております。
また、継続事業としては、野菜・花卉・果樹拠点産地形成総合推進対策事業、沖縄ブランド推進事業、有機農業推進事業、モズク等特産化総合対策事業、革新的農業技術開発事業等があります。
なお、予算額については約2億8000万円となっております。
次に、農業研究センターの用地取得は当初計画より大幅なおくれとなっている、その理由と今後の対策について伺いたいとの御質問にお答えします。
農業研究センターの移転整備については、平成7年度から用地取得を開始し平成13年度に移転する計画でありましたが、用地取得が難航したため移転計画が大幅におくれている状況にあります。
平成12年1月末現在における用地の取得状況は、地権者で82%、面積で71%となっております。
用地取得がおくれている主な理由といたしましては、農業の継続を希望し農地を手放したくない専業農家との交渉に時間を要していること、2点目に隣接地域に同一条件の代替地を要求している専業農家との交渉に時間を要していることなどであります。
今後の対応については、専業農家が今後も農業を継続できるよう農家の意向を十分把握するとともに、代替地対策を強化し早期着工に向けて鋭意努力してまいります。
次に、農業研究センター施設整備事業費と財政計画はどうなっているかとの御質問にお答えします。
現在進めている農業研究センターの整備事業費は、用地取得費86億円、基盤整備費37億円、施設整備費87億円で総事業費約210億円であります。その財源については、70%の147億円を県債で充当し、残る30%の63億円は一般財源と特定財源で充てることにしております。
なお、特定財源は現農業試験場用地の一部を処分して充てる計画であります。
次に、農業研究センター整備事業の今後のスケジュールについて伺いたいとの御質問にお答えします。
農業研究センター整備事業の今後のスケジュールについては、用地の早期取得に努め、平成13年度に基本設計を作成し、平成14年度には敷地、圃場の造成工事に着手する予定であります。
なお、移転完了は平成17年度を目途としております。
以上でございます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 行政組織改編問題についての平成12年度の県の組織改編の内容についてお答えいたします。
平成12年度の組織については、新たに策定する沖縄県行政システム改革大綱案を踏まえ、組織や事務・事業をゼロベースから見直し、より一層のスクラップ・アンド・ビルドを基本にするとともに、本県の振興策、雇用対策、福祉保健の充実等に配慮する考えでございます。
具体的には、第3次沖縄振興開発計画後の新たな沖縄振興法の制定、北部地域の振興等に対応し企画開発部の組織を再編し国際都市形成推進室を廃止する一方で企画調整室を強化するとともに、振興開発室及び交通対策課を設置する考えでございます。
また、経済振興を図るため企業誘致機能を強化するとともに、本県の厳しい雇用情勢に対応するため新たに雇用対策課を設置する考えでございます。
さらに、介護保険への対応、医療の充実を図るため福祉保健部の長寿社会対策室の強化、久米島病院の充実等を図っていく考えでございます。
次に、部局レベルの行政組織の改編とその改編の時期についてお答えいたします。
地方分権一括法の施行により、県は、県職員の育成や意識改革、政策立案機能の強化、効率的かつ柔軟な事務・事業執行のための仕組みづくり、市町村等との適切なパートナーシップの構築など行政システム全体の改革を行っていく必要があります。
地方分権一括法においては、本年4月から職業安定事務が、また平成14年4月から渉外労務管理事務がそれぞれ国に移管されるなど国と地方公共団体の事務区分の見直しが行われたところでありますが、こうした点にも対応すべく今後所要の組織改編を行っていく考えでございます。
また、部局レベルの組織改編については、県民ニーズや国の中央省庁再編後の動向等を見きわめながら適宜検討していく考えでございます。
以上でございます。
○商工労働部長(宮城春一) 金城繁正議員の雇用対策についての御質問にお答えします。
雇用開発推進機構の平成10年、11年度事業実績と平成12年度事業計画はどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
財団法人雇用開発推進機構は、県、市町村、労働、経済団体等が一体となり、全県的に雇用失業問題に取り組む目的で平成9年8月に設立されました。
同機構では、職員の派遣研修に対し助成を行う人材育成等支援事業、機械設備の設置や起業化に係る償還利子を補給する総合的雇用開発等支援事業、地域特産品の開発を助成する地域小規模事業化支援事業及び各種調査研究事業等を積極的に実施しております。
平成10年度の実績は、人材育成等支援事業により198名、総合的雇用開発支援事業により112名、地域小規模事業化支援事業により26名、合計で336名の新規雇用を創出しております。
平成11年度は、人材育成等支援事業により550名、総合的雇用開発支援事業により830名、地域小規模事業化支援事業により50名、合計で1430名の新規雇用の創出を見込んでおります。
平成12年度は、平成11年度から継続する事業に加え、コールセンター業務パソコン訓練事業やインターンシップ促進事業等を実施することといたしております。
なお、平成12年度はこれらの事業の実施により約1800名の新たな雇用創出を見込んでおります。
次に、同じく雇用対策で沖縄県緊急雇用対策特別事業の取り組みと平成12年度事業についての御質問にお答えいたします。
平成11年度の沖縄県緊急雇用対策特別事業については、県事業として17事業、2億3000万円、市町村事業として27市町村に8973万円を決定し事業を実施しているところであります。
県で実施している主な事業は、森林病害虫等による被害木の処理事業、県産工業製品モニタリング及び技術指導事業やコールセンター業務入門講座、離島におけるホームヘルパー養成研修等であります。
これらの事業を実施した結果、現時点で合計200人の新規雇用を創出しております。また670人が研修等を受講する予定となっており、研修修了後、雇用につながるものと期待いたしております。
一方、市町村においては、九州・沖縄サミット開催等に伴う環境美化事業やホームヘルパー養成研修等の事業を実施しております。
平成12年度の県事業としては、11年度に実施している事業を継続して実施するとともに、小中学校の教育用コンピューター活用支援事業や北部地域におけるマングース駆除事業等5事業を新たに加えて実施する予定でございます。その結果、合計6億4603万円となっております。市町村事業については4億5000万円を予定しており、全体で11億405万円となっております。
12年度の県、市町村事業の実施により約1600人の新規雇用と2900人の研修受講者を見込んでおります。
次に、同じく雇用問題で、平成12年度における雇用対策関連予算はどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
平成12年度の雇用対策事業費は、新規学卒者職業指導強化事業や学生職業情報センター運営事業を中心として約2億9986万円、また障害者等や若年者の職場適応のための職場適応訓練事業費は約1億2108万円、さらに国の緊急地域雇用特別交付金により設置した基金の活用により県及び市町村が緊急に対応すべき事業を実施し、雇用就業機会の創出を図る緊急雇用対策特別事業については県事業として22事業、約6億4603万円、市町村事業として約4億5000万円及びその他801万円の計11億404万円、全体としておよそ15億2498万円を当初予算として御提案しているところでございます。
県は、雇用問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけ雇用対策を積極的に推進しており、平成12年度においても引き続き各種施策を実施していくことにより本県の雇用失業情勢の改善を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後4時16分休憩
午後4時40分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
平敷昌一君。
〔平敷昌一君登壇〕
○平敷 昌一 私は、地方分権とその課題をテーマに所見を述べながら代表質問をしたいと思います。
まず1点目に、地方分権と行財政改革についてであります。
21世紀は激動の時代であると言われており、その兆しは既にあらわれております。地方分権、規制緩和、行財政構造改革という課題は、制度疲労を起こしているさまざまなシステムを現在の社会経済情勢に適合したものに変革しようとするものでありますが、これは同時に激動の時代に対する備えでもあると思います。
中でも地方分権は、明治以来続いている中央集権システムの弊害が露呈する中で地域の自立と国、地方を含めた行財政の構造改革を実現しようとするものであると考えます。
そこでまず、財政について論及してみたいと思います。
財政の機能には、1つ、資源配分機能、2つ、所得再配分機能、3つ、経済安定機能の3つに区分されると言われております。
その財政3機能のうち、所得再配分、経済安定化の2つの機能は主として国が担わなければならないとされておりますが、その理由は、地方自治体は限られた行政区域の中であり、これらの機能を有効に果たし得ないということであります。
そのことについては、国の財政支出の地域別帰着、すなわち国庫支出金、地方交付税の地域間再配分を見ますと島根、高知と我が沖縄県の3県が相対比で高くなっていることからも再配分効果の結果がわかるわけであります。
しかし、地方分権の目的の1つは、公正な条件のもとで各地域が競争し、努力が報われる社会づくりの目標へ転換することであると言われております。国は広域的なサービスを提供し、地方は地域に密着したサービスを提供する。したがって地方の政策は、これまでのように国の画一的なものから、地域住民の選好に応じた多様なものに変わらなければならないというわけであります。
そのための政策形成プロセスも、国から地方へというトップダウンから、地方から国へというボトムアップ方式への転換が必要となります。地方分権の流れの中で独自政策と独自財源の確保は必然であります。したがって、所得再配分方式に基づく国庫依存体質の改善が求められるのは当然であります。
そのことを家計に例えてみますと、家計のやりくりを任されている人は、住宅ローンや子供の教育費などの決まって必要な支出を差し引いた残りで、どのようにして家族の満足を高めるかと頭を悩ませます。できるだけむだを省き、少しでも収入の範囲内に支出を抑えなければならない。収入制約の中で家族の満足が最大になるように収入の使い道を決定する家計、すなわち消費主体ということになります。
一方、企業の行動原理は、利潤を最大にすることでありますので、もちろん利潤は売り上げから費用を差し引いたものですから、売り上げをふやし費用を縮減する必要があるわけであります。消費主体としての家計、生産主体としての企業ということになるわけです。地方自治体は、明らかに消費主体ということになります。そのことは、地方自治法の第2条「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と定められていることからしても明らかであります。
生産主体の企業と家計としての地方自治体の違いはここにあると思います。これまでの地方自治体は、税財源面のみならず、政策形成面でも国の大きなコントロールを受けてきたわけです。そのことが地方自治体に消費主体としての役割を演じさせた原因の一つでもあったわけです。
一方、地方自治体の側にもみずからを生産主体だとする認識が欠けていたとも言えると思います。最少の経費で最大の効果を上げるためには、1つ、政策手段を能率よく実行する、すなわち生産の効率性、2つ、定められた政策が地域住民のニーズに合ったものであること、すなわち配分の効率性という2つの効率性を充足しなければなりません。
すなわち、生産の効率性という意味では事務管理、事務・事業の民間活力の積極的導入であり、一方、配分の効率性という意味においては適正なニーズと十分なコスト意識の徹底が必要であります。
さらには、2つの効率性を満たすためには、費用対効果の確認のための検証機能の確立が欠かせないということになります。
以上、地方分権と地方自治体の行財政改革の課題について所見を述べてみましたが、以下質問をいたします。
1つ、大都市の財政危機の発生等による大規模自治体への交付税の急増、地方分権の推進に伴う地方交付税の制度見直し論議によって今後交付税の増額は期待できないと思われます。また本県の県債残額5400億等を考えますと財政硬直化が一層進むものと思われます。そのことについての認識とその対応策を示してください。
2点目、本県の収入構造は国庫依存度が高くなっており、また地方分権の1つの目標である自主財源の確保と独自政策の推進からしても自主財源対策の努力が求められますが、東京都の石原知事が打ち出した地方税法第72条に基づく外形標準課税の導入構想に見られるような独自財源、またハワイ州の観光入域税のような観光目的税としての法定外目的税、あるいは法定外普通税の導入について検討する用意はあるのかないのか。
3点目、財政の役割は市場経済の補完であると言われます。民間でできることは行政は手を引くべきであると考えます。サービスの供給に市場原理を適用することによって消費者である住民の選択肢を拡大する、すなわち民間活力の導入によって財政の健全化を図るのも一方法だと考えます。例えば、もう住宅部門は一切民間に任せて手を引く、福祉施設サービスはすべて民間法人に任せる。さらに公園、道路の清掃管理はボランティア組織に任せる等の民活を制度化する考えは持っておられるのかどうか。
4点目、費用対効果の検証機能の確立のための第三セクター及び外郭団体を初め「公の施設」の管理等事務・事業を点検、検証する組織の導入を図るべきであると思いますが、どうですか。
次に、地方分権と市町村合併についての問題であります。
集権構造から分権構造へ、国政の時代から地方の時代へと新しい流れ、大きな歴史の転換が始まってきたわけでありますが、そうした流れの変化を求める背景には国民の意識、価値観が以前の高度経済成長志向から、もっと落ちついた身の回りの環境、生活、福祉を重視したニーズへと変化をし、それに伴い行政の仕組みも国中心から地方中心へと変わってきたわけであります。
高度成長が大きなテーマであった時代には、これを受け持つ行政も主に国であってよかったかもしれませんが、行政課題が環境、生活、福祉と変わり、さらには各地方がそれぞれの歴史、文化、自然条件などの個性を生かした多様で活力のある地域づくりが求められてきますともはや全国一律、画一という従来型の行政では限界があり、適当ではなくなったわけであります。
したがって、住民に一番身近な市町村が、その独自性と創造性を発揮して地域の実態に応じて進めるのが最も望ましいと考えるようになったわけであります。したがって市町村はもはやかつての末端行政ではなく先端行政に、国の手足から主役へと大きく浮上しなければなりません。
問題は、当の市町村がそのことを認識し自覚しているかどうかであります。私は、地方分権の受け皿として小規模町村の基盤を強化しなければ新しい地方の時代は乗り切れないと思います。確実に到来する少子・高齢化社会を乗り切るためにも市町村の広域化は避けて通れないと思います。
地方分権整備法が成立し、分権の受け皿としての自立した市町村の整備のため、自治省はさきに合併促進の指針をまとめ都道府県に通知しております。地方分権や少子・高齢化社会の進展、介護保険の導入、道路網の整備による生活圏の拡大など現在の市町村の規模を維持しなければならない理由は全くなく、むしろ弊害が露呈しているのが実態であります。
改正合併特例法による合併特例債の創設、財政状況が悪いために合併が進まない市町村への特別交付税による財政支援など国の施策は既に示されました。いよいよ都道府県の出番であります。
そこで以下質問をいたします。
1つ、県はこれまでの待ちの姿勢ではなく、県がイニシアチブをとって合併誘導策を示すべきであると思いますが、その考えはありますか。また合併促進のための具体的手法を示してください。
2点目、県は、附属機関設置条例により市町村合併促進審議会が設置されております。しかし全く開かれてなく機能しておりません。なぜですか。また合併促進のため別の審議会、あるいは協議会を設置することを考えておられるのかどうか、説明をお願いいたします。
3点目、合併の機運が盛り上がらないのは県の取り組みに原因があると思いますが、合併機運の醸成のためにどのような努力をされたか。また自治省が求めている要綱はどのような手法で、いつまでに策定するかを明らかにしてください。
次に、地方分権と教育改革についての問題であります。
地方分権は、教育分野も例外ではなく、約40年間にわたって保持されてきた国の教育施策遂行のかなめとして位置づけられた教育行政制度を見直すことも地方分権の一環であると考えます。国の地方に対する関与のあり方や双方の関係にとどまらず、教育委員会と学校との関係や、学校の自主性、自律性の確立など地方教育行政全般にわたる見直しをしようとしております。
1960年代以降、家庭や地域の変貌、受験競争の激化、それらを背景とする子供たちの変化などが起こり、学校の請負主義による学校経営が管理主義と批判されるような学校状況を生み出してきたと考えます。
そうした経緯を経て、ようやく学校の請負主義を見直し、学校が基本的に担うべきことと、家庭や地域が本来担わなくてはならないことを峻別しながら学校、家庭、地域が連携協力をしながら教育活動に取り組んでいこうということだと考えます。
教育委員会と学校との関係、そして教育委員会の行政手法については、大枠として現行制度を踏まえながらも学校自身がみずからの創意工夫と努力、そして意識改革を促すように制度運用を見直すという点にあると思われます。
そのように教育行政改革が動いた背景には、何といっても学校教育の危機から促される必然的な要因から発生しているわけであります。小学校からの学級崩壊、活力を失い閉塞状況に追い込まれている学校現場、学校選択の自由を求める保護者の鋭い批判等、ある種の危機意識が働いて地域住民や父母と連携、協力して学校づくりを進めていくために地域や父母に「開かれた学校」をつくり出していくことの必要性を自覚させたわけであります。
さて、今や全国各地でそのようなことについてさまざまな試みが行われております。
以下質問をいたします。
1つ、コミュニティースクール事業として千葉県市川市で試みております各種団体を網羅した推進会議のもとで学校を開き、家庭、地域が一体となって子供を育てる地域の学校づくりを推進する考えはないかどうか。
2点目、就学校の指定制度を緩和し、保護者の申し出による大幅な通学区の弾力的な試みがなされております。本県でもそのことを試してみる考えはないかどうか。
3点目、少子化の進行に伴って今後ますます余裕教室がふえることが予想されます。この地域資源の積極的活用を図るため文部省、厚生省が連携をして複合利用の促進を進めておりますが、本県では遅々として進んでないのが現状であります。福祉施設としての利用、さらには異学年間活動や異校種交流のカリキュラムを組み入れるなど地域に開かれた学校づくりを進める考えはないか。
4点目、学校を積極的に家庭や地域に開いていくことは、教育課程や学校施設を広く地域に開くことが重要で避けて通れないと思いますが、さらに授業を開く、そのために父母や地域の人々に授業づくりに参加してもらう必要があると考えますが、地域の学習参加についての考え方を示してください。
以上、地方分権の推進とその課題について所見を述べながら質問をいたしました。
明快なる答弁をお願いして質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 平敷昌一議員の御質問にお答えします。
御質問にお答えする前に、今回、地方分権について行財政改革を初めとして大変深くその問題を掘り下げられ、御質問の中に貴重な御提言あるいは御意見等に深く敬意を表しながら御質問にお答えしたいと思います。
最初は、財政硬直化が一層進んでいるが、その認識と対応策について聞きたいとのお尋ねでございます。
本県の財政は、経常収支比率が悪化し財政の硬直化が進んでいる状況にあります。
その原因としましては、県税や地方交付税等の一般財源に占める人件費や公債費等の義務的経費の割合が高いことにあります。
人件費については、職員数が他県に比べて多いこと、また公債費については、これまで実施してきた大規模な県単独の箱物建設事業や近年の経済対策等に伴って発行した県債の償還金が増加していることなどによるものであります。
さらに、大規模な箱物等の建設に伴って新たに必要となった維持管理費も県財政の硬直化の要因として考えられます。
今後とも、県税や地方交付税の大幅な伸びが期待できない中、公債費などの義務的経費の増加が見込まれることから、自主財源の一層の確保を図るとともに歳出の徹底した節減に努める必要があります。
このことから、新たに策定する行政システム改革大綱に基づき歳入においては県税収入の一層の確保、使用料及び手数料の周期的な見直し、県有財産の利活用の推進に取り組んでいくこととしております。
一方、歳出においては事務・事業や補助金の廃止、縮小、統合等徹底した見直し、県単独事業による箱物整備の抑制などの取り組みを強化することとしております。
また、一般会計の県債発行額については、国の経済対策や地方財政対策等に基づくものを除きおおむね250億円程度にとどめることとし、さらに各種基金の維持・確保に最大限努めてまいりたいと考えております。
次に、外形標準課税の導入構想に見られるように独自の税収増が求められるが、観光目的の法定外普通税の導入について検討の用意はないかとのお尋ねでございます。
地方税法の一部改正によりまして、現行の法定外普通税に加え、平成11年度から特定の費用に充てる法定外目的税の制度が創設されたところであります。
しかしながら、法定外目的税を導入する場合は、国税または他の地方税と課税標準が同一でないこと、住民の負担が著しく過重にならないこと、地方団体間における物の流通に重大な障害を与えないこと、国の経済施策に照らして適当であることの要件があります。このようなことから、新税の導入につきましては慎重に検討していきたいと考えております。
なお、本県におきましては観光の振興、社会福祉の充実及び中小企業の育成に必要な財源を確保する観点から、法人県民税の超過課税を平成12年6月から実施することになっていることを申し添えます。
次に、行政サービスに市場原理を適用する民間活力を積極的に導入するための制度化の考えはないかについてお答えいたします。
県を取り巻く行財政環境が非常に厳しい中、これからの行政は国や市町村、民間等との役割分担を明確にしそれぞれが連携して住民の福祉の向上に努めるとともに、コスト意識を持って行政運営を行っていく必要があります。
そのため、県では平成12年度を初年度とする行政システム改革を推進する中で、民間で対応できるものは民間に任すという考えから事務・事業の総点検を行い、PFI導入の検討や委託化・民営化の推進、NPOやボランティアとの連携など、御指摘の観点からの取り組みについても積極的に検討する考えであります。
今度は、地方分権と市町村合併についてでございまして、県がイニシアチブをとって合併誘導策を示すべきだと思うがどうか、合併促進のための具体的手法を示されたいという御質問へのお答えでございます。
地方分権の推進や少子・高齢化の進展、ダイオキシン等の廃棄物処理問題など市町村行政を取り巻く情勢は大きく変化しており、市町村にはその行財政基盤の強化や広域的対応が強く求められているところです。
県内には離島や小規模町村があり、また財政基盤が脆弱な市町村も多いことから、これらの課題に対応しつつ行政サービスを向上させるためには今後各市町村が真摯に合併に取り組むことが必要だと考えています。
県では、これまで全市町村長、議会議長が参加する行政連絡会議の際に市町村合併を検討していただくよう要望しています。
また、市町村予算編成説明会や地方分権に関連した全体説明会や個別の説明会などあらゆる機会をとらえ、市町村の財政状況や行政体制の問題点を示し、将来に向けて合併の議論が必要であることを説明してまいりました。
平成12年度には、各種の調査資料や市町村長の意見等を踏まえ、具体的な合併のパターンを示した合併推進のための要綱を策定することとしており、これを機に一層合併の議論を深め、合併の促進に取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 地方分権と行財政改革についての費用対効果の検証機能が必要だと思うが、その組織についてお答えいたします。
厳しい財政状況の中で県民ニーズに的確に対応し、効果的な施策を効率的に推進するためには施策の目標や成果を明確にするとともに、第三セクターや施設管理等も含めた県の各事務・事業を費用対効果の面も含め評価・検証し、公表していく必要があります。
こうした点も含めた行政システム改革を推進し、同改革の進捗状況を管理するため次年度から総務部に行政システム改革班を新たに設け、政策評価システムを導入するなど費用対効果の面から評価・検証を行ってまいりたいと考えております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 地方分権と市町村合併についての御質問で、沖縄県市町村合併促進審議会が機能していないと思うがなぜか、合併促進のための別の審議機関等は考えていないかについての御質問にお答えをいたします。
沖縄県市町村合併促進審議会は、昭和47年9月に設置されており、昭和48年には同審議会からの答申を受けて県の市町村合併計画が策定されております。昭和49年には同計画に基づきコザ市と美里村の合併が実現し沖縄市が誕生しております。その後、具体的な合併の動きが鎮静化したため審議会の活動が休止している状況でございます。
今後、市町村合併を促進していく上で同審議会の役割は重要ですので、平成12年度には委員を選任し市町村合併の促進等について審議していただくことにしております。また、市町村の合併の推進のための要綱も審議会に諮って策定することとしております。
同じく地方分権と市町村合併についての御質問で、県は合併機運の醸成のためにどのような努力をしたか、また要綱はどのような手法でいつまでに策定するのかについての御質問にお答えいたします。
市町村合併に関しましては、これまで合併協議会への職員の派遣、当該協議会運営に対する補助金の交付、関係団体への補助金による調査研究やシンポジウムを実施するほか、合併促進のためのパンフレットの作成、配布等を行ってまいりました。
昨年6月には、合併協議会が設置されている具志川村、仲里村、合併の動きが見られる具志川市、与那城町、勝連町を訪ね、それぞれの市町村長に合併についての意見を伺うとともに、合併への取り組みを早期に行うよう要請したところであります。
また、市町村の予算編成に係る説明会、地方分権についての市町村職員や議会議員への説明会などあらゆる機会をとらえて合併の必要性を訴えてきました。その際には財政分析及び自主財源の確保、各種条例の制定状況等市町村の行財政の状況を具体的に示しながら、地方分権に対応した行政体制の整備に向けて積極的に合併の議論に取り組むよう要望してまいりました。
なお、合併促進のための要綱策定につきましては、住民や市町村長等へのアンケートを行い各種の調査資料等とともに統計的、数量的に分析するとともに、各市町村の歴史や文化などの背景にも配慮した合併のパターンを作成し、沖縄県市町村合併促進審議会に諮って平成12年度中に策定したいと考えております。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 平敷議員の地方分権と教育改革についての御質問にお答えいたします。
まず、コミュニティースクール授業として千葉県市川市で試みている各種団体を網羅した推進会議のもとで学校を開き、家庭、地域が一体となって子供を育てる地域の学校づくりを推進する考えはないかという御質問にお答えいたします。
千葉県市川市のコミュニティースクールは、学校を開き、家庭、地域、学校が一体となって子供たちを育てることを目的に昭和55年度から地域ぐるみで学校づくりを進めていると伺っており、このような取り組みはこれからの学校教育において大変重要なことと考えております。
現在、本県の各市町村教育委員会においては保護者、地域住民の学校訪問を初め運動場、学校図書館などの学校施設の開放や学習活動などにおける地域人材の積極的な活用及び地域におけるボランティア活動などを通して学校と地域との交流を推進しているところであります。
県教育委員会といたしましては、本県の実態を踏まえ、さらに体系的な取り組みを推進するため開かれた学校づくり調査検討委員会を設置し、各学校における開かれた学校づくりの一層の推進を図っていきたいと考えております。
次に、就学校の指定制度を緩和し保護者の申し出による大幅な学区の弾力化が試みられているが、本県でもそのことを試みる考えはないかという御質問にお答えいたします。
学齢児童生徒の就学すべき小学校または中学校については、学校教育法施行令により市町村教育委員会が指定することとなっております。
文部省は、平成9年1月27日付で「通学区域制度の弾力的運用について」を各都道府県教育委員会に通知しております。県教育委員会といたしましては、この通知に基づき教育上の影響等に留意しつつ、通学区域制度や就学すべき学校の指定の変更、区域外就学の弾力的運用に努めるよう各市町村教育委員会を指導してきたところであります。
なお、マスコミで報じられております品川区のような学校選択制の通学区域制度については、離島僻地を多く抱える本県においては地域の実情が異なり、関係機関との協議も必要でありますので、全国の動向を見守っていきたいと考えております。
次に、余裕教室の福祉施設としての利用など地域に開かれた学校づくりを進めるつもりはないかという御質問にお答えいたします。
余裕教室は、施設の貴重な資源という考え方に立ち、学校の教育活動の充実のために活用することはもとより、地域に開かれた学校づくりの観点から学校以外の施設への転用を図るなど有効に活用する必要があります。
このため、余裕教室の利用促進については、その活用事例等のパンフレット配布や市町村研修会でのPRなど市町村への働きかけを行ってきております。
現在、市町村教育委員会においては地域の実情に沿った取り組みがなされておりますが、今後とも余裕教室の活用については生徒のためのスペース、教職員のためのスペースはもとより、地域に開かれた形で多目的に転用されるよう各市町村に積極的に働きかけていきたいと考えております。
最後に、授業を開くため、父母や地域の人を授業づくりに参加させる考えはないかという御質問にお答えいたします。
学校では、家庭や地域社会とともに幼児・児童生徒を育てていくという視点に立ち、保護者や地域の人々が持っている専門的分野の知識や技能を授業や教育活動に活用することは極めて重要であると考えています。
学校においては、学習状況を公開するため授業参観を実施するとともに、各教科及びクラブ活動等で地域の人材を活用した教育活動を展開しているところであります。
県教育委員会といたしましては、社会人を活用した特別非常勤講師の配置及び学校支援ボランティア等を通して学校における地域人材の活用を支援しているところであります。
御提言の趣旨につきましては、今後、「総合的な学習の時間」を初め各教科等において保護者や地域の方々の授業参加、授業づくりを積極的に促進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○喜納 昌春 皆さん、こんにちは。社大党の喜納であります。
沖縄社会大衆党は、1950年10月31日に結党されました。以来、多くの県民に支えられましてこれまで幾多の県民的な政治家を輩出させていただきまして、ことしの10月に結党50周年を迎えます。このことに関しましてありがとうございます。心から感謝を申し上げながら、平成12年第1回沖縄県議会に際しまして沖縄社会大衆党の会派を代表いたしまして質問を行いたいと思います。
今2月定例会が開会された2月18日の稲嶺知事の所信表明及び平成12年度の重点施策を聞いての我が党の感想は、まさに空手形に失望の一語に尽きるものであります。
いわゆる普天間の移設予定基地の15年使用問題での日米両政府の口裏を合わせるかのような欺瞞に満ちた外交に対する主体者たる県としての怒りや深刻な雇用失業問題に対する危機感、責任感のにじみ出ていない、柱だけはけばけばしい、空疎感は否めず、空手形の乱発をしようとするもので県経済や雇用、基地問題がますます深刻な事態に直面させられる危険性を禁じ得ないのであります。
我が党は、沖縄県民の平和や暮らし、経済の自立や振興の上で広大な米軍基地の存在が今なお諸悪の根源となっており、その問題の解決こそが本県の誇りある自立と発展につながるものと確信をしております。
1995年9月の少女暴行事件という忌まわしい事件に端を発し、今では米軍基地の問題に関して返還とか整理縮小とか表現は違っていても、基地を減少させていくべき方向と演習激化など基地の機能強化に反対する姿勢は県民共通の課題であり願いであります。稲嶺県政といえどもその流れを否定する立場ではないはずであります。
しかし今日、日ごとにもたらされる日米両政府の米軍基地問題に関しての外交交渉の中身は極めて不透明で、のみならず県民を欺き、だまされている観を否めないのが実情であります。
こうした中で、「県民党」を標榜する稲嶺県政の真価と正体が日ごとに県民から問われ、保守系の政治家がいみじくもポスターで訴えている「沖縄よ、主張せよ!」のごとく前大田革新県政以上に稲嶺県政に闘う姿勢が期待されており、現実がそれを求めていることを指摘しながら通告に従って質問に入ります。
まず、知事の政治姿勢についてであります。
石原慎太郎東京都知事が外形標準課税導入を打ち出して以来、地方分権を唱え、地方の時代が叫ばれながらも財源配分などの抜本的な論議、対策がおくれている国の政治のあり方を含めてこれを転機に地方財政の見直しに大きくつながればと我が党は考え、期待を寄せているところです。
米軍横田基地の返還など堂々と地方から中央に物を言っていく石原都政の中身はともかく、その主体的姿勢は注目に値するものと考えています。
そこで稲嶺知事に第1点目に、石原都知事の外形標準課税導入の提案についてどうお考えなのか、御所見を賜りたい。
第2点目に、地方分権時代に対する知事の所感及び展望、可能性についての御見解を賜りたい。
次に、政治姿勢の3点目に、2月18日の知事の所信及び主要施策に関しての質問であります。
稲嶺知事就任1年目は、前任者の大田県政との違いをいかに出すかで四苦八苦した感がありました。いわゆる経済の稲嶺カラーを前面にというわけでした。そして1年が経過した今日の経済、看板の雇用と景気の浮揚はと言えば相変わらずの低迷状況が正直なところであります。知事が頑張り、カンフル剤の諸施策が引き出されてこのありさまです。そして願いつつも、実のところは降ってわいたサミット首脳会合の沖縄開催。任期満了でやめていくクリントン大統領の基地問題で騒がしい沖縄に行く気はないのぼやき、つぶやきが県のどたばたと普天間飛行場の県内移設受け入れ表明、名護市のあめとむちに屈した信じがたい受け入れ容認という一連の動きが経済の稲嶺のカラーを出し切れないままに今回2度目の所信表明となり、2度目のみずからつくり上げた主要施策と言えましょう。
所信と主要施策を集約すると、いや応なく基地、平和の稲嶺県政かと我が党は考え、むしろ注目さえしています。
主要施策の柱立てに関して2年目と1年目にはかなりの違いが見られますが、そこで質問いたします。
ア、2年目の今回、柱の第1に米軍基地問題を持ってきた理由は何ですか。またその意義が特にありますか。
イ、初年度は10番目の平和・国際交流の課題を3番目に持ってきた知事の意図は何ですか、御答弁を願います。
次に、所信表明の中の2番目の基地問題の解決促進の課題で、ア、「SACOで合意された施設以外についても、地元市町村の意向を踏まえ、県民の理解と協力を得ながら段階的な整理縮小に取り組んでまいります。」とありますが、他の施設に関して整理縮小に向けた新たな検討と合意を国に求めていくということですか。
イ、沖縄の実情や基地問題の解決促進について訪米を実施するとありますが、前大田県政の7度にわたる訪米の評価、位置づけはどうされますか。
また、現与党の野党時代は知事訪米に関しかなり否定的な批判が出された経過がありますが、こうした見方に対する知事の見解を賜りたい。今回の知事訪米の目的と位置づけについてはどうなっておりますか、御見解を賜ります。
知事の政治姿勢の4点目に、米国の2000年国防報告に関して質問いたします。
同報告書は、朝鮮民主主義人民共和国を極めて予見不能な脅威と位置づけ、朝鮮半島など東アジアで紛争発生の危険性が高いと強い警戒感を示した内容となっていると言われます。
こうした米国の安全保障政策がますます東アジア重視に傾いていくことは、日米安保の絡みで今までの関係からすると沖縄の米軍基地が我々県民の願いとは裏腹に、決して整理縮小の方向にはいかない危険性があることを県民の平和と安全を第一に考える視点から我が党は懸念し重視しています。
日米安保の是非やあり方が根本から国民に問われるべきだし、同時にかつて日本が朝鮮半島に侵略をし、1910年の日韓併合条約で植民地化し、日中戦争、太平洋戦争が激化する中での朝鮮の人々に対する過酷な支配、いわゆる名前を奪い日本式に変えさせる創氏改名、朝鮮語の使用厳禁、日本人化教育、徴兵と徴用、女子挺身隊の名で若い女性を日本軍の慰安婦にするための連行、日本の炭鉱、鉱山などでの労働力としての大量の朝鮮人の強制連行、そこでの虐待、飢餓、殺傷等々の歴史的犯罪を犯し、今なお謝罪せず国交すら回復できない我が国日本の立場は、決して北朝鮮の人々に言わすれば米国と同等の立場ではなく、その外交や国交回復に向けて背負っているハンディはアメリカよりもより厳しく大なるものがあると考えます。
沖縄の米軍基地と北朝鮮の国際情勢がストレートに結びつけられ、基地の整理縮小の県民の願いと努力が米国の国策や日米安保の差別的押しつけの前で吹っ飛んではたまりません。
そこで以下の質問をいたします。
ア、朝鮮民主主義人民共和国を極めて予見不能な脅威と位置づけ、朝鮮半島情勢を主たる理由にアジアに展開中の米軍10万人体制の必要性を強調した同報告書を沖縄の米軍基地との関係でどう見てどう評価されますか。
イ、我が党は、北朝鮮を昨年島袋委員長を中心に訪問し、私も1997年10月に当時の──現在もでしょうか──自民党県連会長で県議の嘉数昇明団長、私が副団長で、事務局長に玉城義和さん、そして顧問に西田健次郎前県議を配しながら8名の県議団で歴史的な朝鮮訪問団の一員としてじかに北朝鮮の国情の一部を視察した経験を通して同国が決して予見不能な脅威の国とはいえず、遠からず我が国との国交も成立しアジア諸国の一員としての友好が樹立されるものと確信をしております。北朝鮮を仮想敵国視する日米両政府の現実の誤りを正す上から、また地方分権を名実ともに豊かに、可能性を広げ、開拓する視点から分権外交の一つとして稲嶺知事が日本の知事として初めて北朝鮮を訪問、視察されることを提案しますが、決意ある御所見を賜りたい。
次に、柱の2本目の米軍基地問題について質問いたします。
まず、普天間飛行場返還問題についてです。
今や米軍普天間飛行場の問題は、稲嶺知事がつけた15年使用の条件をめぐっての日米間の攻防と、条件の必要絶対か、あるいは努力目標かをめぐって混迷している観を否めないところに来ております。そこには生活と生命に重大な変化に直面させられる辺野古区民、名護市民の声や苦悩は何ら反映されておらず、いわんや米軍基地の整理縮小や基地被害からの脱却を切実に願う県民の叫びも届かないところでの日米間の壮大な県民だましの低劣な外交の実態が日々のさまざまなニュース、報道等で刻々と露呈されてきており、我が党は、今こそ問題の原点に立ち返った普天間飛行場返還実現を目指す立場から以下の質問をいたします。
最初に、県がキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に移設候補地を決定したことに関して、ア、我が党は、頭越しには決定しないという公約違反と考えますが、県の責任は重大と考えます。その認識と責任をとる考えはありますか。
イ、決定に使用されたとする普天間飛行場移設候補地の選定についての県からもったいをつけて提出された資料は余りにもお粗末で、まさに辺野古ありきで名護市民、辺野古住民、行政の民主的ルール無視の暴挙と我が党は考えますが、県はこんな資料に基づいて本当に責任ある選考、検討をして決定できたと考えていますか、率直な御見解を求めます。
次に、名護市で今、名護市民投票で海上ヘリ基地反対の結論が出されたにもかかわらずその市民の総意を踏みにじり、普天間飛行場の移設受け入れを表明した岸本市長のリコールに向けての運動が取り組まれています。
知事は、名護市で市長のリコールが成立をし、やり直し選挙で市長が更迭されたら、さきの辺野古沿岸域への移設決定の責任が市長とともに問われる形になると考えますが、そのときには速やかにその決定の撤回をするのか、御見解を求めます。
次に、県はさきの受け入れ表明の際に移設に当たっての整備すべき条件として4つ掲げ、特にその2番目に自然環境への影響を極力少なくすること、4番目に米軍による施設使用については15年間の期限を設けること等に関して、ア、自然環境を守るべき県独自の基準はあるのですか。また、それに反する場合は移設に反対する決意がありますか。
イ、使用期限の15年に関しては、知事の公約の上からも絶対に譲れない線と我が党も考えますが、知事の明確な決意と見解を求めます。
ウ、日米両政府の15年使用問題に関しての拒否はもとより、棚上げや先送りなどの県民だましは絶対に許されず、この問題のいかんによっては稲嶺知事はさきの移設候補地選定の取り消しを速やかに表明すべき責任が問われてくると考えますが、知事の明快な決意と見解を求めます。
次に、我が党は国内外に数ある米軍基地の中でも住民生活密集地域に位置し、常時宜野湾市民の命と暮らしに危険をもたらし続けている普天間飛行場は速やかに返還されるべきであり、そのためには第1には同基地のアメリカ国内への引き揚げ、第2に、どうしても国内での移設条件つきというのであれば、より国土面積に恵まれた県外移設の必要性を安保の是非論を含めた国民的な覚悟を求めた論議を政府、国民に大胆に提起し、膠着した今日の名護市民、沖縄県民に対立と混乱をもたらしている普天間飛行場の返還問題の打開を図っていくべきと考えますが、知事の御所見を求めます。
次に、1月にワシントンで開かれた日米防衛首脳会談でコーエン国防長官が瓦防衛庁長官に対し15年使用期限を明確に拒否したという報道、情報に関してであります。
ア、県は、1月の日米防衛首脳会談の結果についてどう国から説明されてきましたか。
イ、報道のとおりであればまさに県民を、県政を欺く外交と言わねばなりませんが、県は事実関係をどう調べ、どう対応してきましたか。
ウ、コーエン米国国防長官の発言が事実であれば、稲嶺知事の普天間飛行場の県内移設受け入れ、北部への軍民共用空港の構想は破綻を来すと考えますが、知事の御見解を求めます。
米軍基地問題の柱の2つ目の那覇軍港問題について質問いたします。
我が党は、観光沖縄の表玄関の那覇空港と隣接し、現在米軍物資の積みおろしについては民間の那覇港が使用され、那覇軍港にはクレーンなどの施設がないため1991年の湾岸戦争の際に戦車などの軍需物資の集積が行われて以来、ふだんは実質的に遊休状態にある那覇軍港については速やかに返還されるべきと考えます。
県の自由貿易地域の拡充や交易などの地場産業の振興の上からも那覇港の整備計画は急務だと考えますが、軍港の移設問題と絡められて同港湾の整備計画が大幅におくれていることはゆゆしき問題だと考えます。
そこで以下の質問をいたします。
第1に、SACO最終報告後3年余を経過しての同問題での日米両政府の取り組みはどうなっておりますか。また県の対応はどうなっておりますか。
第2には、同問題をこじらせている背景には遊休状態でもさほど今日の米軍基地の機能に支障を来していない同軍港を県内移設を計画する際に面積は縮小しつつも軍港としての機能はより強化していきたいとする米軍側の計画が明るみにされてきて、それが那覇港湾の整備とリンクされていることに我が党は原因があると考えております。
そこで質問いたします。
県は、米軍の移転拡張計画資料を収集し把握しておりますか。
また、明らかにされている米軍の整備計画案からは明らかに基地の拡大、機能の強化につながるものであり、稲嶺県政としても政策的に受け入れられないと考えますが、明確な見解を求めます。
第3点目に、那覇港を知事の重点施策で言っているハブ機能を有する国際流通港湾にするためにも原点に立ち返って現在遊休状態の軍港部分については無条件に返還されるよう日米両政府に再度強く求めるべきと考えますが、知事の決意と見解を求めます。
(3)点目の基地被害のことにつきましては次回に譲ります。
最後の質問は、新平和祈念資料館問題に関してであります。
1点目に、新平和祈念資料館のオープンに向けての取り組みについてはどうなっていますか。
次に、乙第43号議案の「沖縄県平和祈念資料館及び平和の礎の設置及び管理に関する条例」の全部を改正することに関しまして、ア、主な改正点は何ですか。
イ、事業について今までと大きく違ってくる点は何ですか。
ウ、第15条に管理委託が「することができる。」とありますが、委託先とされる財団法人沖縄県戦没者慰霊奉賛会の事業は何ですか。
エ、慰霊奉賛会の設立と事業内容から見ますと新平和祈念資料館等の事業のすべてを委託することは運営上極めて無理があると考えます。新平和祈念資料館については博物館法等にのっとっての運営が妥当と考え教育委員会所管に移していき、その他の施設管理とは別建てにしていくべきと考えますが、県の御所見を賜ります。答弁をよろしくお願いします。
答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 喜納昌春議員の御質問にお答えいたします。
まず、社大党の創立50周年、おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
それでは早速、知事の政治姿勢についての御質問にお答えしたいと思います。
最初は、石原東京都知事の外形標準課税導入の提案についての所見についてでございます。
石原東京都知事が外形標準課税導入の提案を行ったことについては、地方分権の観点から税収の安定的確保を図るという点では評価できるものであります。しかしながら、全国知事会として外形標準課税については全国的な制度の確立を要望しているところであり、本県としても外形標準課税の導入に当たっては全国一律の制度の実現が望ましいものと考えております。
続いて、地方分権時代に対する知事の所感及び展望、可能性についての見解を聞きたいとのお尋ねでございます。
来る4月1日から地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる地方分権一括法が施行されます。同法には国及び地方公共団体の分担すべき役割の明確化、従来の機関委任事務制度の廃止とそれに伴う事務区分の再構成、国または都道府県の関与等の縮減・廃止、権限移譲の推進、必置規制の緩和・廃止等が盛り込まれております。
同法が施行されますと、国及び地方公共団体の関係が従来の上下の関係から対等・協力の関係へと移行するとともに、住民により身近な行政主体である地方公共団体の権限が拡大することで、住民の意見がより一層行政に反映されることにつながるものと期待しております。
地方分権時代の到来は県民ニーズを起点とし、本県の実情を踏まえた施策を展開し、個性豊かで活力に満ちた地域社会づくりを可能とするための好機であると考えられますことから、こうしたチャンスを生かした取り組みを進めていきたいと考えております。
また、分権時代においては、住民に最も身近な行政主体である市町村と県とがより適切な役割分担のもとで協力して行政サービスの提供を行っていく必要がありますので、市町村との適切なパートナーシップの構築に努めたいと考えております。
次に、第1に米軍基地問題を持ってきた理由と意義についてのお答えでございます。
私は就任後、県経済の厳しい現状にかんがみ、それまで休止していた沖縄政策協議会を再開させ、沖縄振興のための特別の調整費に基づく多くのプロジェクトの具体化、沖縄経済振興21世紀プランの中間報告など経済の振興のための基礎づくりに積極的に取り組んできました。
県内の景気は改善の動きが広がりつつあるものの、雇用情勢は依然として厳しい状況が続いております。そのため平成12年度においても引き続き経済の振興に取り組んでいくことが重要であります。
基地問題の解決促進については、県政の重要課題として取り組んでおり、国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境の保全、経済振興策など検討したトータルな視点から現実的に対応してまいります。
特にSACO合意事案の着実な実現に向け、普天間飛行場の移設候補地として昨年11月にキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したところであります。
さらに、ことしは米軍基地を過重に負担している沖縄の実情や基地問題の解決促進について訪米し米国政府等に要請してまいりたいと考えております。
次に、政治姿勢についての中で、SACOで合意された施設以外の整理縮小とは、他の施設に関して新たな検討と合意を求めていくことか聞きたいとの御質問に対するお答えでございます。
県は、全国の米軍専用施設面積の約75%が本県に集中する不公平な事態を少しでも是正し、可能な限り米軍基地を整理縮小することが必要であると考えています。
県としては、50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため国との連携を密にし地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
なお、国においては、普天間飛行場の移設に係る県と名護市の要望を踏まえてさらなる米軍施設・区域の計画的、段階的な整理・統合・縮小に向けて取り組むことが閣議決定されております。
次に、前県政の7度の訪米をどう評価するか、またそれに対して知事訪米を批判した経緯があるが、知事の見解と今回の訪米の目的と位置づけについて聞きたいとの御質問のお答えでございます。
前県政が継続して実施した訪米要請は、米国政府や議会関係者に対し沖縄の米軍基地問題に関して理解を深めたという点で一定の評価をしております。
県は、基地問題は国の外交防衛にかかわる問題であると認識しており、その解決に向けてはまず国家間で話し合いがなされるべきであると考えています。しかしながら基地問題の解決は本県の重要な課題であり、日本政府の外交交渉を側面から支援する立場で、必要に応じ地元の声を米国政府等に伝えることは必要であると考えます。
次に、米国の2000年国防報告は、北朝鮮の情勢を理由に東アジアの米軍10万人体制の必要性を強調しているがどう評価するかというお尋ねでございます。
米国の2000年国防報告では、北朝鮮が東アジアで紛争発生の危険性が高いとの危機感を示した上で東アジアに展開している米軍10万人体制を堅持するとしています。しかしながら本県には在日米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることは厳然たる事実であり、県民は基地の整理縮小を強く望んでいます。
県としては、50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
次に、北朝鮮を敵視する誤りを正し、分権外交として沖縄県知事が北朝鮮を訪問することを提案するが、これに対する所見を伺いたいというお尋ねでございます。
県は、外交防衛に関する事項については国において取り組むべき問題であると認識しており、日朝間の外交問題についても国家間での話し合いを継続的に行い解決されていくべきものだと考えております。
なお、個人的なお話をしますと、私は喜納議員より以前に北朝鮮を訪問したことがございます。
次に、米軍基地問題について、我が党は、頭越しには決定しないという公約違反で県の責任は重大と考えるが認識を問うという問題と、名護市で市長のリコールが成立してやり直し選挙で市長が更迭されたら速やかに移設決定を撤回するのかという2つの御質問に対して一括してお答えいたします。
普天間飛行場の県内移設については、さまざまな観点から検討作業を進め去る11月22日に移設候補地を決定し、移設候補先である名護市に対しては御理解と御協力をお願いして12月27日、名護市長が同飛行場代替施設に係る受け入れを表明されたものであります。
なお、市長のリコールに関する御質問については仮定の問題でありお答えできません。
次に、普天間飛行場移設候補地の選定についての資料はまさに辺野古ありきであって、民主的ルール無視の暴挙と我が党は考えるが、県は本当に責任ある選考、決定をしたと言えるか、見解を求めるということへのお答えでございます。
県としては、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還するという問題の原点を深く認識し、普天間飛行場の早期返還を実現するため、普天間飛行場の県内移設に向けさまざまな観点から移設問題に取り組み移設候補地を選定しました。普天間飛行場の移設候補地の選定に当たっては、県として主体的に作業を行い総合的に判断したものであります。
次に、同じく基地問題について、15年使用期限について公約からも絶対譲れないと我が党も考えているが、決意と見解を伺いたいというのと、次の問題で15年使用期限の拒否は許されず、この問題のいかんによっては移設候補地選定の取り消しを表明すべきではないかと、これもやはり決意を聞きたいという点と、それから次にコーエン国防長官が15年使用期限を拒否したという報道があるが県は会談の結果についてどう説明を受けたかというのと、次に報道のとおりであれば県民や県政を欺く外交と言わねばならないが県は事実関係をどう調べ対応してきたのか、その次にコーエン国防長官の発言が事実であれば、県内移設受け入れ、軍民共用空港の構想は破綻を来すと考えるが知事の見解を伺いたいということで、15年の使用期限問題に関する私の決意とコーエン国防長官の発言に関する問題とは関連をいたしますので、一括してお答えをしたいと思います。
御質問の報道については、瓦防衛庁長官は去る2月21日の衆議院予算委員会において、コーエン国防長官が使用期限の設定を拒否した事実はない旨表明しております。
15年の使用期限については、移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。これを受けて国は、閣議決定において「沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」方針を示しています。
その後、日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられており、同問題が着実に前進していくものと思います。県としては、同問題が政府において引き続き検討され、県の要望に対してこたえられるよう強く求めていきます。
次に、普天間飛行場は速やかに返還されるべきであるということで、アメリカ国内への引き揚げ、県外移設の必要性を広く国民的な論議を政府、国民に大胆に提起して普天間飛行場の返還問題の打開を図っていくべきではないか意見を聞きたいという御質問のお答えでございます。
県としては、解決の展望が見えないまま県外や国外への移設に固執するのではなく、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であるとの認識から総合的に判断し、移設候補地を選定したものであります。
昨年12月27日、岸本名護市長が普天間飛行場の移設受け入れを表明され、12月28日には県と名護市の要望を踏まえた普天間飛行場の移設に係る政府方針が閣議決定されております。
県としては、受け入れの条件とされた住民生活に著しい影響を及ぼさないこと、自然環境への影響をできるだけ小さくすること、移設にかかわる地元地域とその周辺地域及び北部地域の振興について政府と県が責任を持って支援していくことについては、国への対応を含めその実現に向けて全力を尽くす決意であります。
次に、同じく基地問題で、SACO最終報告後3年を経過しているが、那覇軍港問題について日米両政府の取り組みはどうなっているのかということと、県の対応はどうなっているのかという2つの御質問に一括してお答えいたします。
那覇港湾施設の移設については、平成8年12月のSACOの最終合意において、「浦添埠頭地区への移設と関連して、那覇港湾施設の返還を加速化するため最大限の努力を共同で継続する。」ことが合意されております。政府においては、地域住民の理解と協力を得ながらその解決に努めているものと認識しております。
現在、那覇港管理の一部事務組合の設立に向けて調整しているところでありますが、那覇港の整備方針や那覇港湾施設の取り扱いについていまだ浦添市と合意に至っておりません。県としては、SACO合意に基づく那覇港湾施設の移設が必要であると考えており、引き続き合意形成に向けて努力してまいりたいと考えております。
次に、ハブ機能を有する国際流通港湾にするためにも軍港の無条件返還を日米両政府に強く求めるべきではないかということのお答えでございます。
沖縄の産業の振興や経済の自立化を図るためには、那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備することが重要であると考えております。そのため現在、国の沖縄特別振興対策調整費を受け、那覇港国際流通港湾計画調査を実施しております。
那覇港湾施設の移設については、那覇港のハブ機能を有する国際流通港湾化に向けた計画の中で総合的に検討しているところであります。県としては、SACOの合意事案を着実に実施することが米軍基地の整理縮小を図るためより現実的で実現可能な方法であると認識しており、今後ともSACO合意の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
次に、新平和祈念資料館問題について、オープンに向けての取り組みはどうなっているかとの御質問のお答えでございます。
新平和祈念資料館につきましては、現在、監修委員の監修のもとで展示作業が進められており、4月1日には開館する予定であり、県民の期待にこたえる立派な資料館になるものと考えております。
なお、新平和祈念資料館については県で直営することとしており、その機能が十分発揮されるよう16人の職員配置を考えており、人件費は別として運営費として2億4000万円余の予算を計上したところでございます。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(宮城正治) 知事の政治姿勢について、知事の提案説明要旨の関連でありますが、11年度初年度は10番目の「平和・国際交流」の課題を、今回――平成12年度でありますが――これを3番に持ってきた知事の意図は何かという御質問であります。お答えいたします。
知事提案説明要旨における主要施策の体系は、重点施策の体系を踏襲しておりまして、その体系は、毎年の重点施策の策定時点における県政運営の諸課題の実情などを勘案し整理をいたしております。
その整理の方法として、施策の柱については余り数が多くならないよう県民にわかりやすくすること、類似の施策を統合すること、さらに重要な施策については独立させるなどいろいろ工夫をしております。
特に、ことしは九州・沖縄サミット首脳会合が本県で開催されることから、平和を志向する沖縄の心や美しい自然、独特の文化や歴史などを世界に広くアピールするとともに、観光・リゾート地、国際コンベンションアイランドとしての優位性やすぐれた投資環境等を効果的に発信してまいります。
○知事公室長(親川盛一) 喜納昌春議員の米軍基地問題についての質問事項のうち、自然環境を守るべき県独自の基準はあるのか、またそれに反する場合は反対する決意があるのかという御質問にお答えをいたします。
国は、県の申し入れや名護市の受け入れ表明を踏まえ、去る12月28日の閣議決定において、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との安全・環境対策の基本方針を示し、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしております。県としては、事業を実施する際には自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き申し入れていきたいと考えております。
なお、自然環境の保全に関する指針は、本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであります。
次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項の中の、過去の米軍の詳細な軍港整備計画に関して県は米軍の計画資料を収集、把握しているかという点と、米軍の整備計画案から基地の拡大、機能強化は明らかだが、稲嶺県政としても受け入れられないと考えるがどうかという趣旨の御質問に一括してお答えをいたします。
昨年8月下旬に地元新聞で報道されたことにつきましては、県立公文書館から原文の関係資料の一部を入手し当該文書の存在について確認したところであります。
御質問の件については、復帰前に検討されたものと理解しております。
また、米軍が民間に委託して調査したとされる計画につきましては、承知しておりませんので御理解願いたいと思います。
以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 新平和祈念資料館に関してのお尋ねにお答えいたします。
まず、条例関係でございますけれども、主な改正点は何か、それから事業について改正前と大きく違ってくるのは何かという点でございます。一括してお答えをいたします。
今回の条例改正の主な内容は、施設、機能の拡大に伴う事業の追加や観覧料の改定、使用料の設定と手続規定の整備、運営協議会を設置することなどであります。
なお、事業について、現資料館は戦争被災に関する資料の収集、保管及び展示が主たる業務ですが、本改正により新資料館においては沖縄戦の調査研究、沖縄戦体験の継承、平和に関する講演会や学習会等の開催などが行えるように新たに規定したものでございます。
それから、同じく資料館に関連してでございますけれども、財団法人沖縄県戦没者慰霊奉賛会の事業は何か、そして新資料館は教育委員会所管に移していき、その他の施設管理とは別建てにしていくべきだと考えるが県の所見はというお尋ねでございます。一括してお答えいたします。
財団法人沖縄県戦没者慰霊奉賛会の事業につきましては、同会の寄附行為第4条で、(1)戦没者の慰霊顕彰、(2)霊域の維持管理、(3)霊域の清掃管理受託、(4)平和祈念資料館の管理受託に関する事業などとなっております。
なお、先ほど知事からお答えいたしましたように、新平和祈念資料館の所管につきましては県で直接管理運営することといたしております。
以上でございます。
○喜納 昌春 再質問をします。
3点ほどにまとめますけれども、知事の新しい米軍基地の使用年数の問題ですね、15年のやつ。これは閣議決定で、年末で、いわゆるこういうことを言っていますよね。米政府との話し合いの中で取り上げ、名護や県の願いについては取り上げて、国際情勢の変化に対応して、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢について米国政府と協議していくということで、それに基づいて、じゃ、腰を据えてやってくれるだろうという期待があるわけですよ。
ところが、実際は瓦防衛庁長官が1月に会見したものについては、防衛庁長官が言った内容と国防長官が言ったものと違うという格好が今日判明しているわけですよ。ですからこのことについては、その段階から沖縄側にも都合のいいことを言って、米側にも国際情勢云々で情勢によっては15年云々言いませんとなりかねないような、玉虫色ですよと言われているんですよ。ですから1月の段階で本当に何を言ったのかについては、瓦防衛庁長官が2月21日に衆議院の予算委員会で言ったということが実際、今問われているんです、本当かどうかね。米国側からはあり得ないと、15年云々は、もう門前払いしたことになっているわけですから。
しかも2月21日ですか、外務大臣は何を言っているんですか。単なる伝達役みたいになっているじゃないですか。外務省を含めて淡々と進んでいるという知事の理解とは裏腹の結果が出ているんです。ですから、このことについてはぜひ独自に調査をしながら、米側の本音も取ってくださいよ。そうしないと知事の15年をつけたあの4つの条件の中での意味がないと思いますよ。15年はある意味では棚上げ云々の、僕は一瞬揺らいだ知事の時期もあったと思いますよ。自民党県連そのものも何を弱腰かという格好で15年を入れたじゃありませんか。
そういう意味ではこれをもう一度点検しながら、米側の意向が明らかになっているわけだから、日本政府が違うということを言っても信用できないんですよ。そのことをしっかり押さえていただきたいんですよ。
それからもう一つは、那覇軍港問題ですけれども、浦添はある意味では現在の状況を一部受け入れましょうと言っているんです。ところが実際は、米軍はそれに乗っかりながら基地を機能強化していこうと言っている。
公室長、復帰前につくられた資料についてはあのとおりであれば基地強化につながりますか、つながりませんか、それを判断してください。
それから県は、この軍港問題ではSACO云々言うけれども、なぜ浦添の立場を注目しながらぶつけないんですか。しかも知事は、言っておきますけれども、今の米軍の那覇軍港の遊休化状態については認めますか。遊休化状態であって米軍はあのキャンプ・キンザーの機能云々で支障を来しているということは一度もないじゃありませんか。
そのことを答えてください。
○知事(稲嶺惠一) 喜納議員からの15年の問題についてでございますが、私は15年の使用期限については移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。
この問題につきましては、今後とも国に対して県の要望として強く求めてまいります。
○知事公室長(親川盛一) 喜納議員の再質問にお答えをいたします。
復帰前の軍港整備計画については、機能強化になるかとこういうことでございますけれども、那覇港湾施設の整備につきましては、これは県としては一部事務組合を設置してその中でハブ港湾の中で計画をしていくということでございますので、具体的な計画はその段階を見ながら判断しなきゃならないとこのように考えております。
○議長(友寄信助) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明25日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時14分散会