○議長(友寄信助) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長尚弘子君は、別用務のため本日から3月2日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日、3月1日及び2日の会議に公安委員会委員比嘉良雄君、明日の会議に同湖城英知君の出席を求めました。
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○議長(友寄信助) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第32号議案まで及び乙第1号議案から乙第65号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
兼城賢次君。
〔兼城賢次君登壇〕
○兼城 賢次 おはようございます。
通告に従いまして一般質問をいたします。
まず、基地問題についてでございます。
知事は、北部に軍民共用、15年使用期限を条件として普天間飛行場を辺野古沿岸域へ移設を受け入れました。軍民共用の危うさはいろいろ指摘されておりますが、懸念されることについて県は検討されたかどうか。
軍民共用は、特に管理権によって民間と軍の活動が大きく左右すると言われますが、そのことは素人目にも明らかで、石垣空港への強行着陸、嘉手納ラプコンの事故による米軍の対応を見ても軍優先の軍民共用は、県民にとって安易に受け入れられるものではありません。
本来、空港の建設は経済効果が期待されるものであるが、那覇空港の拡張整備も図られようとしている時期に北部にあえてあったらよかろう、つくればいいというものではないはずであります。空港建設は十分検討されて計画ができ上がるものと理解をいたします。根拠に乏しい期待感や願望では説得性がありません。
さて、15年使用期限は辺野古沿岸域への移設を受け入れるための整備条件と表明しております。15年使用期限は知事が政府に強く働きかけ主張することによって政府も重く受けとめていることや、問題が流動中であることを承知しております。
そこでお聞きいたします。
15年使用期限は、アメリカが何と言い、日本政府の振興対策がいかにあろうとも変わることのない知事の移設受け入れ条件と理解いたします。この条件は変わらないのかどうか、所見を賜りたいと思います。
次に、去る2月4日発生したエアーニッポン機と米軍戦闘機とのニアミスは重大な事件にもかかわらず、米軍はこれまでのように県民の反発を避けるように、責任の回避を意図するかのよう、まず目くらましをしました。エアーニッポンの機長は、高度差は60メートルだったと報告しました。米軍は、高度差1200メートルもあったと言います。一般の人にとって何が何やらわからない状態です。事実誤認がごとき当面を取り繕う手法であります。こんなことは装置に表示されているわけで、調査すれば明らかではないでしょうか。事実関係の確認を急ぐべきであります。
照屋寛徳参議院議員は、運輸大臣、政府への要請で、エアーニッポン機長の接近状況報告によると単なる異常接近ではなく意図的に軍事訓練の標的にされたのではないかと強く疑わざるを得ない、今回のケースは極めて異常なことであると指摘いたしております。仮想敵機に見立てての訓練とのことであります。万が一にもあってはならない事件であり、県民の生命財産にとどまらず、経済活動にまで重大な影響を及ぼす重大事件であります。
知事は、重大な覚悟を持って対応すべき事件と考えるが、知事の所見を賜りたいと思います。
次に、山火事について我が会派の新垣善春議員の代表質問に、復帰後山火事発生が年平均6件発生している旨答弁がありました。2月2日のキャンプ・ハンセン演習場の山火事の米軍の対応を見ると、火事を利用して周辺を焼き払って演習場の整備をしているかのような錯覚さえ与えかねないではありませんか。
米軍は、年平均6回も山を焼き払って周辺住民の不安と自然破壊はけしからぬことと思っておりましたが、先日、政府の発表と代表質問への答弁とはかなり件数、焼失面積に違いがあります。なぜこのような違いになっているのか、説明を願いたいと思います。
このような米軍に従来の抗議や申し入れではあしらわれるだけではないか、知事の抗議手法を考えるべきではないかと思いますが、所見を賜りたいと思います。
次に、嘉手納ラプコンのテスト事故並びに石垣空港への米軍機の強行着陸についてであります。
嘉手納ラプコンの管理権の返還を求めている最中に地元の米軍はこれを否定しております。米軍がこのように発言をするのであれば、地元沖縄も強力に返還運動をすべきではないか。石垣空港に県の中止要請を無視して強行するごときは県にとっては非常事態と考えるが、二度と発生しないよう要請するというような生易しいことでは動じそうもない。この米軍に対する対応を検討すべきと考えますが、知事の所見を賜りたいと思います。
次に、農水産業についてお伺いいたします。
これまでの県は、地域特性を生かした生産性の高い亜熱帯農業を確立するため野菜、花卉、熱帯果樹及び肉用牛については本県農業振興の中心的な作目として位置づけ、またさとうきび、養豚、乳用牛及び養鶏等については、今後とも本県農業を底支えする重要な作目として生産性の向上等に努め振興を図るとしてきました。
3次振計は、農業粗生産額1800億円を目標としております。平成10年度の農業粗生産額は約944億円でございます。本県の基幹作目のさとうきびが農政改革大綱の中で農作物の価格補償制度の見直しで懸念されたことが含みつ糖にもろにあらわれました。農業を取り巻く環境は厳しいものがあります。
今回、県は農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムを策定いたしました。低迷する農林水産業の振興対策と理解いたしますが、ここでお聞きをいたします。
県は、これまでも農業振興策を策定してきましたが、結果として生産振興には十分結びついていないと考えます。今回策定した振興ビジョン・アクションプログラムは、これまでの計画とどこに違いがあるのか。
(2)点目に、振興ビジョン・アクションプログラムでは重点品目を設定して振興を図るとしているが、その実効性はどうなのか。
(3)点目に、農政改革大綱で沖縄農業にも影響が予想されたが、どのようなことが懸念され、結果として出てきているのか、お聞かせ願いたいと思います。
次に、農水産業の振興並びに付加価値についてお伺いをいたします。
農業に携わる地域の女性たちは単作だけに精を出すばかりでなく、地域で取れるものを有効利用するなど活発なところもあります。各地の農業改良普及センターの職員の働きかけも地域の活力になっております。
私の知る農家は、以前には面倒くさがっていた簿記やワープロにとどまらず、本土市場の情報収集にネットを活用するほどであります。指導している普及所の職員の声を聞いても農村の雰囲気は以前とは違ったものがあるといいます。
農水産業を営む人たちは、地域づくりにも意欲があります。その好例が産業まつりや地域のフェスティバルにおいて特産品づくりが披露されていることであります。県、市町村もこれまで農水産物の高付加価値、特産品づくりを進めてきました。しかしなぜこれまで産業まつりや地域フェスティバルに多様な特産品がその場限りの感じで終わるのか、すべてが市場での商品としてたえ得るものとは言わないまでも、何か物足りない思いがするものであります。
今日の消費者は、安全性と健康食品への関心が高いものがあります。それはまた科学的なデータに基づく成分の分析、消費期限、賞味期限など品質の管理維持が求められます。
さて、農水産物の振興が叫ばれて久しいが、振興に結びつけていくための消費者ニーズにマッチした対応が求められます。
そこで、地域や農業改良普及センターの現場からは、地域産業の興しの大きな支えとして農水産物の加工研究機関の設置の要望があります。ふるさとの特産品どまりを超えて、市場性にたえ得る商品化を進めるために取り組まねばならないことと考えます。
そこでお伺いいたします。
農水産業の振興並びに付加価値が求められているが、その手だてとなる農水産業の現場からは農水産加工、地域食品加工など公的機関による指導や受け皿が不十分との声もありますが、現状はどうなっているのか、御説明を願いたいと思います。
次に、有用微生物群(EM)についてでございます。
具志川市は、有用微生物群(EM)に最も早い時期から関心を持ち、EMに関する活動の盛んな地域で実践的にも先駆的なものがあります。
市では、「EMによるいやしのまちづくりを目指して」と銘打って市の機関を挙げて「EMによるまちづくり推進プロジェクトチーム」をつくり上げております。EMによる町づくり、地域づくりに取り組んでおりますが、市の広報誌では、市内での実践、取り組み状況が22例ほどが紹介されております。生ごみ処理、養豚農家の悪臭対策、具志川市立図書館への導入による水のリサイクルを伴う維持管理費の軽減、建築物へのEM使用。最も興味がありますのが中部北環境施設組合のごみ焼却場におけるダイオキシン抑制実験によるダイオキシン抑制効果があります。県としてもぜひ実験の抑制効果の確認をしていただきたいものであります。
もう一つは、市立川崎小学校に全面的なEM技術を導入したプールが98年3月に完成いたしておりますが、その効果としてプールにつきものの塩素のにおいがないこと、アトピーなどのアレルギーの子供も入れること、目の粘膜の炎症が起こらないことが指摘され、その効果を上げております。
有用微生物群(EM)がこれだけ県内でも実施を見ていること、先日のマスコミによりますとEMの事業化には海外、本土でより多く用いられてその効果が紹介されていることでもあります。企業的に見ても決して小さなものではないと考えます。農業分野においても対応があってもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
そこでお伺いいたします。
有用微生物群が国内外に普及し始めていると言われております。農水産の現場においてもEMの取り組みがなされております。特に農水産業においてどのような対応がなされているか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、産業廃棄物、放置車対策についてお伺いをいたします。
あちらこちらで廃棄物の不法投棄や放置車が問題となっております。特に産業廃棄物は大がかりなもので、市町村や県が長期にわたって見逃したのであります。
1月に逮捕された業者は、県警が昨年8月に投棄の事実を確認し5カ月以上たっております。その間、不法投棄が続けられたわけであります。北谷町の不法投棄も知らな過ぎるには多過ぎる量ではないでしょうか。豊見城村の廃棄物は農地法、農振法で摘発しましたが、かなりの量になるまで見逃してから告発をされております。指導や勧告にも意を介さなかったのか。
いずれにいたしましても数年前から最終処分場が逼迫することが言われてきました。不法投棄は処分場の逼迫が目に見えているからこそであります。市町村では業者がお手上げになってからでは遅い。環境、景観からしても早急に対処しなければなりません。
放置車も昨年1月の調査で3251台、路上放置車は824台でした。しかし廃車発生台数と廃車処理台数を平成9年度と11年度では、廃車台数が3分の1以下になっております。廃車処理の有償化後の費用も最初の五、六千円から2万5000円から3万円になっていることから、放置車は今の状態では大量発生することは間違いありません。
そこでお聞きをいたします。
これまでの廃車処理台数が従来の月平均台数約5500台、有償化後の月平均処理台数約1900台、差し引き3600台であります。これは年間に換算しますと平成11年廃車発生台数が8万1696台、発生したものを廃車処理したのが2万4712台、差し引き5万6984台が数字にはあらわれないのであります。一体その後どうなったのか、ひとつ教えていただきたいと思います。
2点目に、1年前の県の答弁は、県を初め関係市町村、警察と一緒になって連絡体制をとって協議しているとのことでありましたが、どのような対応がなされたか、お聞かせいただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題についてでございまして、普天間飛行場の移設にかかわる軍民共用、15年使用期限の条件は変わらないかとの御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の移設に伴い県内に建設される飛行場は、普天間飛行場の代替施設として建設されるものであります。
しかし、県としてはそれを米軍専用の空港としてだけでなく、同施設の建設に当たっては民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産になるものでなければならないと考えています。また基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。
国は、普天間飛行場の代替施設については軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議機関を設置し、代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行うことを閣議決定しました。
また、15年使用期限については「沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」との方針を閣議決定しました。
15年使用期限については、日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられており、同問題が着実に前進していくものと思います。県としては、これらの問題が政府において引き続き検討され、県の要望に対してこたえられるよう今後とも強く求めていきます。
次に、農水産業について、今回策定した振興ビジョン・アクションプログラムは、これまでの計画とどう違いがあるのかとの御質問に対するお答えでございます。
農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムは、上位計画である沖縄振興開発計画のもとで社会経済情勢の変化に対応した農林水産業の振興を図るため、今後重点的に推進すべき施策の基本方向を示したものであります。
具体的には、市場競争力の強化により積極的な生産拡大を目指すゴーヤー、菊、マンゴーなどの戦略品目と、社会経済施策等の観点から生産体制の強化を目指すさとうきびや肉用牛などの安定品目を重点振興品目として位置づけた点に大きな特徴があります。
この計画目標を達成するため技術開発を特に重視し、技術の改善課題を明確にするとともに、費用対効果を視点に置いて農家経営に即応できる現場即応型技術と土着天敵を利用した防除技術などの革新的技術の開発普及を推進しております。
また、計画の進行管理については各種ワーキングチームを設置し横断的な対応に努めるなど実行段階でも特徴的な取り組みを行っております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員の基地問題に関する質問事項のうち、ニアミスについて重大な覚悟を持って対応すべき重大な事件と考えるがどうかという御質問にお答えをいたします。
去る2月4日13時50分ごろ、エアーニッポン機と米軍のジェット戦闘機とが異常接近したとされる事態が発生しております。エアーニッポン機の機長から運輸省航空局への報告によりますと、最接近時の高度差はわずか約200フィート――これは約60メートルでございますが――で同機の衝突防止装置が作動し回避行動をとったとのことであります。
一方、在日米海軍司令部は、FA18ホーネット機と日本の民間機との遭遇は認めているものの、いかなる時点においても民間機への危険性は存在しなかったとしております。
事実関係は今後の正式な報告を待たなければなりませんが、今回このような事態が発生したことは極めて遺憾であります。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって県民の日常生活はもとより観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であり、民間航空交通の安全確保は優先されるべきものであると考えております。
県では、今回の事態を重く受けとめ、去る2月10日、在日米軍沖縄地域調整官及び外務省沖縄事務所政府代表特命全権大使等関係機関に対し事実関係の究明及び公表を求めるとともに、二度とこのようなことが起こらないよう再発防止に万全を期すよう強く要請してきたところであります。
またその際、民間航空交通の安全確保を図る観点から、米軍機の急接近により民間機の衝突防止装置が作動することのないよう民間機との間に十分な距離をとって訓練を行うようあわせて要請しております。県といたしましては、今後とも引き続き県民の生命、生活及び財産を守る立場から、事故の再発防止と安全管理の徹底を日米両国政府に強く求めていきたいと考えております。
次に、同じく基地問題に関連して、山火事について従来の抗議や申し入れではあしらわれるだけではないか、手法を考えるべきではないかという御質問にお答えをいたします。
県は、これまで米軍の実弾演習に起因する火災について、再発防止及び迅速な消火活動並びに消火体制の一層の強化を図るよう日米の関係機関に対し強く要請してきております。
また、去る2月14日に開催された第19回三者連絡協議会においても火災の再発防止を議題として取り上げたところであり、米側からは火災発生の原因の一つになっている曳光弾の使用を強風の場合には制限するなど地域住民の生活への影響を防止し軽減するためのさまざまな対策を講じている旨の発言がありました。
県としては、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今後とも米軍を初めとする関係機関に対し、実弾演習に起因する火災の再発防止及び迅速な消火活動等の強化を引き続き強く求めていきたいと考えております。
それから、原野火災の発生件数及び消火面積について、先日新垣善春議員に答弁した内容と国の数字との違いがあるがどうかという御質問でございます。お答えをいたします。
先日お答えいたしましたのは、復帰後からこれまで米軍の実弾演習に起因する火災の発生件数及び消火面積について年平均の数字を御説明したところでございますが、国におきましては、国の数字は件数で393件、面積で2955万9250平方メートルとなっております。
一方、県の統計では件数で174件、面積で1817万7238平方メートルであり、この数字は那覇防衛施設局から県に対して通知があった数字を取りまとめたものであります。それを年平均して先日新垣善春議員にお答えした数字でございます。
なお、国の数字と県の数字とのそごの理由につきましては、現在那覇防衛施設局に照会中でありますが、現時点ではまだ回答は得ておりません。
次に、同じく基地問題に関する質問事項のうち、嘉手納ラプコンの管理権の返還について地元沖縄も強力に返還運動すべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
昨年の11月11日、ケーブルの切断によって嘉手納ラプコンが停止し民間航空機の離発着に大きな影響が出ました。
県では翌12日、嘉手納基地渉外部等関係機関に対し、嘉手納ラプコンの早急な復旧と原因の究明を行い、再発防止に万全を期すよう強く要請しました。
また、去る1月13日及び14日には、沖縄における航空交通管制の日本側への移管について内閣総理大臣及び在日米軍司令官等関係機関に対し要請してきたところであります。
去る2月13日には、航空関係者に対する事前の情報提供が適切に行われないまま約2時間嘉手納ラプコンのレーダーが停止しました。県では2月15日、在日米軍沖縄地域調整官及び外務省沖縄事務所政府代表特命全権大使等関係機関に対し、二度とこのようなことが起こらないよう事前連絡の徹底を図るとともに、再発防止に万全を期すよう強く要請しました。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって県民の日常生活はもとより観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であるため、嘉手納飛行場進入管制レーダーの故障や停止は極めて遺憾であります。
日米両政府は、昨年11月18日の日米合同委員会において嘉手納ラプコンの日本側への移管について今後とも協議していくことを確認しているほか、去る2月20日の河野外務大臣とオルブライト国務長官との会談においても日米間で協議していくことで一致しております。県としては、今後とも沖縄における航空交通管制を早急に日本側へ移管するよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
次に、同じく基地問題に関連いたしまして、米軍機による県管理空港の使用について二度と使用しないよう要請するだけではなく、米軍への対応を検討すべきだと考えるがどうかという御質問にお答えをいたします。
去る2月15日、在沖米海兵隊所属第36海兵航空群のAH1W機及びKC130機が給油のため石垣空港に着陸しました。
本件に関して県は14日、民間空港の離発着及びエプロンの使用が過密な状況にあるなど県民生活及び観光面に多大な支障を来すおそれがあることから、米軍に対し自粛するよう要請してまいりました。
また、米軍機が石垣空港を使用した2月15日には在沖米海兵隊基地司令部を初め関係機関に対し遺憾の意を表明するとともに、今後米軍機による県管理空港の使用を自粛するよう要請してまいりました。さらに去る2月22日にも、来る3月2日に予定されている石垣空港の使用を自粛するよう重ねて申し入れを行ってきたところであります。
県は、今後とも引き続き県管理空港の設置目的及び安全性並びに定期運送の円滑な運航を確保する観点等から、緊急時以外の米軍機による県管理空港の使用をしないよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 農林水産業について、振興ビジョン・アクションプログラムでは重点品目を設定して振興を図るとしているが、その実効性はどうかとの御質問にお答えします。
農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムでは、戦略品目と安定品目の2つを重点的に振興すべき品目としております。
このうち戦略品目のゴーヤー、洋ラン、マンゴー等については14品目30地域で産地協議会が設立され、安定供給により消費者や市場から信頼される拠点産地の確立へ向けた取り組みが進んでおります。
また、安定品目のさとうきびについてはパイロットファームの育成に取り組んでおり、中城村に「結農産」、東風平町に「白川ファーム」が設立され、久米島と伊良部町においても設立へ向けた準備が進められております。
パイナップルについては、北部と八重山地域にJA果樹農場とJA八重山農場が設立され、また水稲では良食味品種「ひとめぼれ」への転換が進み、超早場米として県外出荷が行われるなど着実な成果が得られております。
次に、農政改革大綱で沖縄農業にも影響が懸念されたが、どのようなことが懸念されるかとの御質問にお答えします。
農政改革大綱では、「市場原理を重視した価格形成の実現」を図ることとしており、本県にとっては糖価安定制度等の見直しが懸念されております。
農政改革大綱に基づき、国においては甘味に関する協議会を設置し、平成11年9月に甘味政策大綱を決定しております。
甘味政策大綱では、国産糖価格の引き下げによる砂糖消費の回復を図るため各種制度の見直しを行うこととしております。
また、含みつ糖についても甘蔗糖業の維持に留意しつつ価格差補給金制度の改善を検討するとしております。このため県としては、さとうきび生産者価格の堅持を強く求めるとともに、分みつ糖、含みつ糖企業の経営実態を勘案した新制度への移行と国の支援策を強く要請していく考えであります。
なお、安価な輸入品の増加によって県産含みつ糖の消費は低迷しており、今後は観光客等を対象とした新商品開発を促進し消費の拡大に努めてまいります。
次に、農水産加工、地域食品加工に対する公的機関の指導や受け皿はどうなっているかとの御質問にお答えします。
地域農林水産物の高付加価値化を図る支援としては、農山漁村女性による特産品開発、起業化の推進等を実施しております。
平成11年度現在、91グループを立ち上げ、328品目の特産品を商品化しています。代表的な特産品としては伊江島のアーサや雑魚加工、大宜味村のシークヮーサーカステラやドレッシング加工等があります。販売実績は伊江村で約3000万円、大宜味村では約1000万円で、年間1000万円以上の販売をしているのが6グループあります。
県としては、特産品開発や商品の安定生産、品質向上を図るため、地域ブランド起業支援事業や農村女性ベンチャー活動緊急支援事業などで加工施設、機械の整備をしているところであります。今後は、地域での特産品開発を促進するため食品成分の分析や品質管理など農産加工技術の研究、指導を一層強化していく考えであります。
次に、農業分野における有用微生物群の対応についてお答えします。
近年、消費者の環境保護、健康及び農産物の安全性に対する関心が高くなっており、先進国では環境保全型の農業が主流になりつつあります。
有用微生物利用については、環境保全型農業を推進するためイモゾウムシやアリモドキゾウムシにのみ罹病する天敵微生物と性フェロモンを組み合わせた甘藷害虫のゾウムシ類防除技術を開発し、実用化へ向けた研究を実施しているところであります。今後とも天敵昆虫、天敵微生物、有用微生物資材など減農薬、有機農産物生産に関する調査研究に取り組んでいく考えであります。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 逆有償化前と後の処理台数の約3600台はどのようになっているか、関係機関と協議しているとのことであるが、どのような対応がなされているかという御質問に一括してお答えします。
逆有償化前後の処理台数の差約3600台については、その多くは自動車解体業者や自動車整備工場等で保管されているか、安価な処理費用で引き取る業者に集積されており、一部は不法投棄されているものと思われます。
放置自動車対策として、県は平成11年1月と5月に市町村を対象に実態調査を実施し、6月には沖縄総合事務局や警察本部、沖縄県自動車販売協会など関係機関による対策会議を開催し、また同月開催した市町村廃棄物主管課長会議において放置自動車対策について協議を行ったところであります。
さらに、8月には自動車解体業者等を対象に説明会を開催し、産業廃棄物処理業の許可取得や施設整備、適正保管について説明をいたしております。
現在、廃自動車の放置や大量保管に対しては保健所等による監視指導を強化するとともに、悪質な者に対しては告発により対処することにしておりますが、有効な解決策に乏しいため対策に苦慮しているところであります。
放置自動車対策は全国的な課題であり、抜本的な対策が必要であるとの観点から、知事会等を通して国へ製造者責任の強化や放置防止の新たな制度創設を要望しております。
国においては、汚染者負担の原則に従い使用済み自動車の回収代金を販売価格等に上乗せし、メ-カ-に無償回収を義務づける等の使用済み自動車の廃棄物・リサイクル対策をまとめ、法案の提出を予定しているというふうに聞いております。
さらに、放置自動車の発生を防止するため自動車抹消登録制度の見直しを検討しているというふうにも聞いております。
以上でございます。
○兼城 賢次 知事の15年使用についての答弁をいただいたわけですが、全くこれまでの答弁に何ら変わるようなものではございませんので、あえてお聞きいたします。
これほど重要なことでございますので、条件が変わることのない知事の移設受け入れ条件は変わらないのかということをあえて聞きましたのは、当然ただいまの答弁も予想したわけですが、であれば条件というのは、我々がごく一般的に常識的に言えば物事の成立あるいはその実現に必要な事柄というのが条件ということになります。
ですから、知事がこれまで答弁しておりますように条件の整備がなされなければこれは15年使用についての答弁であれば、今申し上げましたようにごく常識的な認識として再度申し上げますが、物事の成立あるいはその実現に必要な事柄というように理解いたしますので、これは知事と私どもとの共通認識としてとらえたいと思いますので、答弁を願いたいと思います。
そして知事は訪米を予定いたしております。ただ時期がいつになるかは定かではないようでありますけれども、少なくとも普天間飛行場の移設が大きなテーマになるものと思います。その際、15年使用期限を単なる伝えるだけではなくして、移設条件として明確に申し入れをすべきと考えますけれども、知事の訪米の際にこのことを明確に申し入れをすべきと考えるけれども、その所見をお聞かせ願いたいと思います。
それからなぜこの15年にこだわるかといいますというと、瓦防衛庁長官やあるいは河野外務大臣のアメリカでの政府との交渉段階でこれは伝えたとか、あるいは閣議決定を云々するけれども、しかしアメリカの方はもう今回の瓦防衛庁長官やあるいは河野外務大臣に対応したというだけではなくして、既に昨年からその15年使用期限についてはベーコン国防総省報道官は、米軍の使用期限と沖縄の駐留については使用期限を設けないという表明もしているものですから、きのう、きょうに始まったことではないということで申し上げておきたいと思います。
それから順次質問しますが、ニアミスですが、これは生半可なことではいけませんよといいますのは、これだけの重大な事件でございますので、最初申し上げましたように軍隊は必ず最初は否定的になるか、あるいは目くらましをする。こういうようなことを我々がいつまでも受け入れているような状態ではどうしようもない。物事が忘れ去られたころに原因究明するということではなくして、これはデータといいますのはもう機械がちゃんとあるわけですから、そんな6カ月も1年もかかるようなことではないわけですから、知事の申し入れによって早急に原因究明もできると思います。
確かに技術的なものあるいは分析する時間は必要かもしれませんけれども、しかしそんなに時間がかかるようなものではないと言われておりますので、こういうことはやはり県民がそういう不安や知りたいというときに順次公表すべきだということで、知事はもっと強力に要請してもらいたいということです。
そして山火事でも施設局から報告がありましたと。しかしこういう、人をなめたようなことですよ、これは。もう倍ですよ、件数にしても倍。消火している面積も倍。これはマスコミ機関によりますと、最初は県民やあるいは町関係を刺激をしちゃいかぬというようなことまで言われているわけです。こんなばかな話がありますか。もうちょっとまともにこれはやるべきですよ。
それからラプコンの件も、あるいは県の管理の飛行場に強制着陸をすると。これは幾ら反対しても中止しないということでどうすべきですか。ただこれまでどおり抗議しますということではどうしようもないわけです。この際、もうちょっと県民運動でも起こすべきじゃないかということで知事に申し上げておきます。
それから農業問題、たくさんございますが、まず付加価値の面で一生懸命それに取り組んで各地域でも1000万以上のグループが6カ所もあるということですけれども、私が申し上げておりますのはそういうような現在の地域の人たちだけのレベルではなくして、県が責任を持って分析できるようなそういう試験的な分析ができるようなものを体制を整えてもらいたいと。今これがないわけですから、それを今個人でやろうとしたときは1つの分析をするにも20万も30万もかかると言われておりますから、これはやはり県の方でちゃんと保証していただきたいということです。
ひとつよろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の再質問にお答えします。
まず15年問題でございますが、15年の問題については私どもは移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。県としては、この問題に、これで終わるわけじゃございませんから、これらの問題が政府において引き続き検討され県の要望に対してこたえられるよう今後とも強く求めてまいります。
次に、基地問題の要請の件がございましたけれども、これは私どもとしては県は基地問題は国の外交防衛にかかわる問題であると認識しており、その解決に向けてはまず国家間で話し合いがなされるべきであると考えています。
しかしながら、基地問題の解決は本県の重要な課題であり、日本政府の外交交渉を側面から支援する立場で必要に応じ地元の声を米国政府等に伝えることは必要であると考えます。
なお、訪米の時期、要請先及び要請内容については、国内外の情勢を見ながら関係機関とも調整の上決定していきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 兼城議員の再質問にお答えをさせていただきます。
まず、ニアミスについて重大な事件であるので早急に事実確認ができるようもっと強力な要請をしたらどうかとこういう御質問かと思います。
議員御指摘のとおり、我々は精いっぱい頑張らせていただきたいとこのように思っております。当然これは強力に要請をしていきたいと考えております。
次に、山火事についてもっとまとめてやるべきではないかと、いわゆる国と県との数字が違うんだがどうかとこういうことでございますが、先ほども申し上げましたとおり国の数字が件数で393件、それから面積で2955万9250平方メートルということでさきの照屋寛徳参議院議員の質問に対して国会において答弁されておりますけれども、その数字について私どもに報告が来ております件数174件で面積1817万7238平方メートルとのそごがございます。これについて一体どういうことかと、数字にそういう違いがあったらいけないんじゃないかということで、今防衛施設局に照会をして詰めているところでございますので、御理解を賜りたいとこのように思っております。
それから、ラプコンの県管理空港への自粛要請をしても米側は使用してくるが、県民運動でも起こしてやるべきではないかとこういうことでございますが、このことにつきましては石垣空港のいわゆる民間空港の使用につきましては米側は地位協定の5条でもって可能だとこういう解釈をしております。
しかしながら、県としてはたとえそうであったにいたしましてもこの民間空港というのは、その設置目的あるいはその安全性、円滑な民間航空機の航行を進めさせていかなきゃならないし、また狭隘な場所にそういう米軍のヘリコプター等が着陸するということにつきましては大変困るということで強く自粛申し入れをやっているところでございます。
さらにそういうことで今後ともそういうふうにして強く自粛要請をしてまいりたいと思っております。(「自粛要請してもだめだからどうするかということですよ」と呼ぶ者あり) これは先ほども申し上げましたとおり法令上もそういう形でございますし、我々としてはやはり自粛を強く求めていくということでございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 再質問の県が責任を持って成分分析する機能を確保してもらいたいという御質問にお答えします。
現在、農業試験場には分析機器等を整備してあります。それと同時に優秀な人材も配置しておりますので、民間からの要望のある成分分析、それから品質管理等については今農林水産部が進めております現場即応型技術開発という視点で全く一致するものでございますので、試験場の中にオープンラブ機能を付与して体制を整備して対応したいというふうに考えております。
以上でございます。
○当山 全弘 平成12年の第1回沖縄県議会に際し一般質問を行います。
まず昨年の県政においては、新平和祈念資料館の改ざん行為やマラリアの犠牲を伝える八重山平和祈念館の展示内容変更問題が発生し、大きな社会問題となったのは記憶に新しい。そして平成11年11月22日に普天間飛行場の移設先をキャンプ・シュワブ辺野古沿岸域と決定して発表した。ところが移設問題は賛否に分かれ、その解決策は世論を二分しております。解決型政治を目指す稲嶺知事だが、普天間飛行場移設問題あるいは平和祈念資料館問題等では県議会で一時審議が中断し空転をしました。
経済交流、企業の沖縄進出も相次いだが、雇用情勢を改善するのにはまだまだ遠く、企業のリストラや県内の経済状況は厳しい。全国平均の2倍近い失業率など雇用は県政の大きな課題として未解決のまま横たわっております。
また、雇用情勢とともに懸念される問題が発生しました。しにせの沖縄山形屋の閉店を初め、中心商店街の地盤沈下など深刻な事態が発生しました。既存企業を守り育てることも沖縄経済振興に欠かせない一つではないでしょうか。
稲嶺県政の平成11年の行政運営は決して満足のいくものではなかった。普天間移設候補地の選定問題、新平和祈念資料館の展示内容変更問題等に見られるような県民に対する説明不足の問題である。その場しのぎの県政が行政のもたつきとなり、県民の県政に対する信頼を著しく損なった1年だった。
政府の安保政策上の最大の課題はSACO合意の実現である。特にクリントン米大統領がサミットまでの解決を発表して以来、普天間飛行場移設問題は課題となりました。10年間で1000億円の予算を確保する北部振興事業制度の創設のための予算編成が行われている。県内移設が基地の整理縮小につながるのか、基地受け入れの代償としての振興策が地域の自立発展につながるのか、県民の理解を得ているとは言いがたい。
普天間飛行場移設問題は、政府が振興策をかざして移設受け入れを迫る構図になっております。沖縄の基地が将来こうなるというプランがないし、またプランや、プランを実現するためのプログラムをつくろうとしていない姿勢が明らかではないでしょうか。
次の質問をいたします。
基地問題と北部振興について。
(1)、知事は普天間飛行場の移設先をキャンプ・シュワブ辺野古沿岸域と決定しましたが、基地の整理縮小につながると思いますか。
(2)番、知事の公約である北部新空港と軍民共用空港の統一的見解を伺います。また15年使用についても米軍及び政府は厳しい見解を示しているが、知事の所見を伺います。また1996年にまとめた「海上施設に係る技術検討・評価報告書」では耐用年数40年以上を明記しているが、どのように認識するのか、お伺いしたい。
(3)番、米国の2000年国防報告では北朝鮮を極めて予見不能な脅威と位置づけ、米国は沖縄にある米軍基地の縮小要求を無視して基地の機能強化を強く求めているが、知事の見解を伺います。
(4)番、普天間移設の使用協定の内容について伺います。
(5)番、普天間移設先の場所は特定されたのか、その規模、施設、工法及び地域に与える環境調査はどうなっているか、伺います。
(6)番、米軍の在外基地や国内の基地の削減が進む中にあって在沖米軍基地の整理縮小が進展しない原因は何か、伺います。
(7)番、北部振興と普天間飛行場の移設はリンクしていると思うが、所見を伺います。
(8)番、特別事業の展開によってどのような波及効果が期待できるのか、また公共事業主導型で100%補助になるのか、市町村の裏負担分もあるのか、伺います。
(9)番、なぜ北部だけが特別事業の恩恵を受けるのか、根拠法は何なのか、説明してください。また中南部、離島──宮古、八重山──への差別的政策にはならないか、所見を伺います。
(10)番、北部──国頭郡プラス名護市──の1人当たりの配分額は幾らか。
運輸省によると、1989年から1999年の11年間において、機長が航行中に他の航空機との衝突や接触のおそれがあったと報告した件数は20件に及んでいる。特にことし2月4日にはANK機と米軍機のニアミスが発生している。沖縄県の空の安全に対する県民の信頼を著しく損ねている。軍事優先の現状が懸念され、危険が常に存在していることを認識し、管制権の返還などを強く求めるべきと思う。
2番、嘉手納ラプコンの返還を含め早急に安全性確保のための対策を講ずることについて次の質問をいたします。
(1)番、今回の民間機と米軍戦闘機とのニアミスは県民の信頼を損ねる行為で、軍事優先のための沖縄の上空は常に危険が存在することが明白となった。県民の生命と財産を守る立場にあるという認識に立ち、管制権の返還を強く求めてほしい。知事の決意を伺いたい。
(2)番、嘉手納ラプコンが2月13日、2時間にわたって停止した。民間機の離発着に重大な影響が出た。米軍の危機管理体制の怠りが原因と言われているが、どのように対応したか、お伺いいたします。
(3)番、那覇市の北西74キロの上空で2月4日、米軍空母艦載機FA18ホーネットがエアーニッポン福岡発石垣行き735便に60メートルまで接近し、旅客機を標的にした演習を繰り広げた。
知事は、このことを知っているのか。また今後とも引き続きこのような事件が起こることが想定される。どのように認識し対応していくか、知事の所見を伺います。
3番、那覇軍港の返還問題について。
那覇軍港の浦添移設をめぐる政府と稲嶺県政の動きが、水面下で政府高官が知事に対し圧力を日増しに強めていることはマスコミ等で報道されております。知事はSACOの着実な推進に基づき那覇軍港の県内移設を進める立場を表明し、米軍や政府の言いなりになって基地の重圧に悩む沖縄県民への一層の負担を押しつけようとしております。
次の質問をいたします。
(1)番、SACOの着実な推進とは一体どういうことでしょうか。合意の中で基地の整理縮小は、文面上表現されています。SACOの合意に沖縄県民は全く関与しておりません。SACOの合意は、日本政府とアメリカ政府が確認したものであって、沖縄県民の願いは全く反映されていませんが、知事は初心に立ち返って見直しを迫る考えはないか、所見を伺います。
(2)番、一部事務組合をつくれば、知事が港湾管理者となって米軍や政府の言うとおりに軍港を浦添に移設することははっきり見えてきますが、所見を伺いたい。
(3)番、那覇港管理の一部事務組合設立については、平成3年に那覇市及び浦添市の合意を得ているが、平成8年12月、SACOの最終報告で軍港移設を浦添地先に加速させるという状況の変化があって、一部事務組合の設立は直接軍港移設につながることが判明したが、そのことをどう認識するのか、知事の所見を伺います。
4番、新平和祈念資料館の運営体制について。
昨年9月議会で新平和祈念資料館の展示内容について、歴史の真実を伝えず沖縄戦の実相を改ざんしたとして大きな社会問題として発展し、県議会においても資料の提出を含め知事の答弁をめぐって空転が続きました。
次の質問をいたします。
(1)番、新資料館は設立の理念を堅持されているか。また今後の運営体制について伺います。
(2)番、昨年9月議会で沖縄戦の実相をゆがめる方向にある、その方向性は県首脳の意向を反映したもの、監修委員会を無視して行われた、監修委員会の開催回避、内部文書公表の拒否など不適切で不透明な行政手法と指摘、批判されたが、どのように対応したか、その結果について伺います。
(3)番、監修委員会と運営協議会の役割について伺います。
5番、県内の完全失業率は8.3%と前年と比べ0.6ポイント上昇し復帰後最悪となっているが、打開策はあるのか、お伺いいたします。
6番目、食生活の変化によって21世紀は他県に長寿の秘訣を学びに行くはめになっている沖縄県というふうに報じられております。長寿県日本一に黄信号がともり、長寿県日本一の地位を明け渡すことが報じられているが、その対策はあるのか、お伺いいたします。
7点目、環境基本条例と環境犯罪について。
地域の特性に合わせてつくるのが条例であるにもかかわらず、1998年12月に諮問され今回答申された環境条例には、沖縄最大の特徴である米軍基地内の問題が抜けていることが新聞報道されております。
次の質問をいたします。
1998年12月に諮問を受け、審議された経過と内容について伺います。
(2)点目、基地公害と米軍の責務についてどうなっているのか。
(3)番、基地内への立入調査などはできているのか。
(4)番、不法投棄車両がふえ、浦添署が初めて環境犯罪として摘発に乗り出したとマスコミは報じているが、その経過についてお伺いいたします。
(5)番、最終的に車の捨て場になっている沖縄だが、抜本的対策はあるのか、お伺いいたします。
答弁によって、あとは再質問をいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えします。
最初は基地問題と北部振興について、普天間飛行場の移設先をキャンプ・シュワブ辺野古沿岸域と決定したが、基地の整理縮小につながると思うかとの御質問に対するお答えでございます。
普天間飛行場の移設候補地については、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから沖縄の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
次に、同じく基地と北部振興についてで、北部新空港と軍民共用空港の統一的見解についてお答えいたします。
北部地域の振興に当たっては、観光・リゾート産業の一層の推進や情報通信産業の集積、食品製造業や農林水産業等既存産業の新たな展開を図るとともに、多様な交通基盤の整備が重要であります。
こうした観点から、県としては北部12市町村長と連名で、利便性の高いアクセス機能の充実を図り、離島を含む県内移動の円滑化や他の経済圏域とのネットワークの強化を図るため交通体系充実の一環として北部新空港の整備を要望したものであります。
国においては、本県の要望を踏まえ昨年12月28日に閣議決定した「沖縄県北部地域の振興に関する方針」の中で、軍民共用空港を念頭に置いた北部地域における新空港については、同新空港を活用した空港関連産業や空港利用産業の立地及び発展の可能性についてもあわせて検討を行うこととしております。県としては、北部地域における新空港が空港関連産業の育成・誘致と空港を活用した産業の発展に結びつくよう諸条件を整備した上で実現されるものであれば、北部地域の要望にこたえるものと考えております。
次に、同じく基地問題と北部振興について、15年使用についての所見を聞きたいということと、「海上施設に係る技術検討・評価報告書」では耐用年数40年以上を明記しているが、どのように認識するのか聞きたいということのお答えでございます。
15年の使用期限については、移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。
これを受けて国は、閣議決定において「沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」方針を示しています。その後、日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられており同問題が着実に前進していくものと思います。県としては、同問題が政府において引き続き検討され、県の要望に対してこたえられるよう強く求めていきます。
また、「海上施設に係る技術検討・評価報告書」は、SACOの最終報告で述べている撤去可能な海上ヘリポートに関するものであると理解しています。県としては、海上ヘリポート案については県民の財産とならないことなどから政府に見直しを求めたところであります。
続きまして同じく基地問題と北部振興について、2000年国防報告は、北朝鮮を脅威とし在沖米軍基地の強化を強調している、それの見解を聞きたいとのお尋ねでございます。
米国の2000年国防報告では、北朝鮮が東アジアで紛争発生の危険性が高いとの危機感を示した上で、東アジアに展開している米軍10万人体制を堅持するとしています。
しかしながら、本県には、在日米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることは厳然たる事実であり、県民は基地の整理縮小を強く望んでいます。県としては、50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでまいります。
次に、米軍の国外及び国内の基地が削減される中、在沖米軍基地の整理縮小が進展しない原因は何かとの御質問のお答えでございます。
日米両国政府は、本県の過重な基地負担の現状を認識し、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため真摯に協議を行い、平成8年12月、SACOの合意に達しました。SACO最終報告は、県道104号線越え実弾砲撃演習の廃止等米軍の運用面における県民の負担軽減のほか、普天間飛行場の全面返還を含む在沖米軍専用施設面積の約21%の土地の返還を内容としております。
SACOの進捗については、普天間飛行場の移設を初め他の事案についても受け入れに向けた地元市町村の新しい動きが見られており、基地の整理縮小は着実に推進されているものと認識しています。
次に、北部振興と普天間飛行場の移設はリンクしていると思うが所見を伺いたいとのお尋ねでございます。
北部地域の振興については、第3次沖縄振興開発計画を初め北部地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策の推進によりその振興を図ってきたところでありますが、中南部地域に比べ産業の振興などが立ちおくれていると認識しております。北部地域の振興を図ることは、北部地域のみならず中南部地域の居住環境の改善にもつながり、県土の均衡ある発展を図る上からも重要であると考えております。
こうした観点から、県や北部12市町村の要望を北部振興策として取りまとめその実現方を国に要望したところ、政府において定住の促進と新たな産業の定着に向けた条件整備や地域間バランスへの配慮などを基本方向とした「沖縄県北部地域の振興に関する方針」が閣議決定されたところであります。
次に、那覇軍港の返還問題について、知事はSACOの着実な推進に基づき那覇軍港の県内移設を進める立場を表明している、このSACO合意の見直しを迫る考えはないかとの御質問のお答えでございます。
SACOの合意事案は、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が真摯に協議を行って合意に達したものと理解しております。米軍基地の整理縮小は県民が強く望んでおり、米軍基地の整理縮小を具体的に進めるためには、まずSACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。26年間返還が実現しなかった那覇港湾施設についても、SACO合意に基づく移設により着実に基地の整理縮小が図られるものと考えております。
県としては、50年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の整理縮小を政府に申し入れたところであり、今後とも米軍基地の段階的な整理縮小に鋭意取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、新平和祈念資料館の運営体制について設立の理念を堅持されているか、今後の運営体制について聞きたいとの御質問のお答えでございます。
平和祈念資料館の理念は、戦没者を追悼し、沖縄戦の教訓をきちんと次の世代に伝え世界の恒久平和に寄与することであると理解しており、条例案にもその旨を明記しているところであります。
なお、新資料館は県で直営することとしており、16人の職員配置を予定しております。
次に、失業対策について、県内の完全失業率は復帰後最悪となっているが、打開策はあるのかとの御質問のお答えでございます。
平成11年の平均の完全失業率は8.3%となっておりますが、一方で最近の県内景気に改善の動きが広がりつつあることや各種施策の実施を反映して有効求人はサービス業を中心に12カ月連続で前年同月を上回っております。この結果、就職件数についても前年を上回り、特に県内就職件数は11年で見ると約1万2000件と昭和63年に次いで復帰後2番目の件数となっております。こうしたことから雇用をめぐる環境は着実に改善してきていると考えております。
特に、コールセンター等情報通信関連企業の誘致に努めた結果、これまで約1700人の雇用が創出されており、引き続き数社の立地が予定されています。
雇用開発推進機構では、人材育成支援事業等の実施により平成11年度は約1350人の雇用の創出を見込んでおり、12年度においても引き続き同事業を拡大実施し雇用の場の創出に取り組んでまいります。
今後とも、沖縄経済振興21世紀プランの中間報告に盛り込まれた沖縄特別自由貿易地域を活用した加工貿易型産業や情報通信関連産業等の振興を図りつつ、1月25日に労働大臣から発表された「沖縄総合雇用対策プラン」や人材育成等の施策を積極的に実施していくことにより、本県の雇用失業情勢の改善に努めてまいりたいと考えております。
次に、長寿対策について、長寿県日本一に黄色信号がともっているが、その対策は何かとの御質問にお答えをいたします。
本県の長寿は、先人が培ってきた食文化、伝統文化、自然環境などの健康資源に支えられて形成されてきましたが、今日、新たな課題があります。
まず、50歳以下の若い世代では死亡率が全国より高い傾向にあることです。その原因は、ライフスタイルや食生活の変化などに伴い、がん、心臓病、脳卒中等の生活習慣病が増加し、交通事故死などもふえていることにあります。
また、75歳以上の後期高齢者の割合が全国一高く、その結果、寝たきりや痴呆性高齢者が増加する傾向にあり、それとともに老人医療費が高騰し1100億円を超えるようになりました。現在、国においては「健康日本21」計画を策定中であり、その中で疾病による死亡や生活習慣上の危険因子などを減らす具体的な目標を設定することになっております。
県としては、本県独自の健康上の課題に対し、平成12年度において「健康沖縄21」計画を策定することにより、高齢になっても自立した生活が送れるよう新たな県民の健康づくり運動を推進することとしております。今後は、「健康沖縄21」を県の重要な社会計画として位置づけ、県民を挙げて取り組みを行うことにより県民一人一人が実り豊かな人生を全うする長寿・健康福祉社会の実現が図れるものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 当山全弘議員の基地問題と北部振興についての質問事項のうち、普天間移設の使用協定の内容について聞きたいという御質問にお答えをいたします。
国は、県の申し入れや名護市の受け入れ表明を踏まえ、去る12月28日の閣議決定において、「地域の安全対策及び代替施設から発生する諸問題の対策を講じるため、飛行ルート、飛行時間の設定、騒音対策、航空機の夜間飛行及び夜間飛行訓練、」、その他環境問題等について政府と名護市との間で協定を締結することとしています。
さらに、代替施設の建設及びその後の運用段階においても、適切な協議機関等を設置し、地域の住民生活に著しい影響を及ぼさないよう取り組むこととし、その中で代替施設の使用協定及び環境問題について定期的なフォローアップを行うなど実施体制の確立を図ることとしています。
県は、使用協定の締結に立ち会うことになりますので、今後国、県、名護市との話し合いが行われる中で名護市の要望が実現されるよう努力してまいります。
次に、同じく基地問題と北部振興についての質問事項のうち、普天間移設先の場所、規模、施設、工法、環境に与える影響調査はどうなっているかとの御質問にお答えをいたします。
県の移設候補地の選定や名護市の受け入れ表明を受けて、国は昨年12月28日に「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しました。
建設場所や工法等に関しては、「建設地点を「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」とし、今後、代替施設の工法及び具体的建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行う。基本計画の策定に当たっては、移設先及び周辺地域の住民生活に著しい影響を与えない施設計画となるよう取り組むものとする。代替施設の工法及び具体的建設場所については、地域住民の意向を尊重すべく、沖縄県及び地元地方公共団体とよく相談を行い、最善の方法をもって対処する」としています。
また、環境に関しては、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。必要に応じて、新たな代替環境の積極的醸成に努めることとし、そのために必要な研究機関等の設置に努める。」としております。今後、これらの方針に沿って取り組みが行われるものと理解しています。
次に、嘉手納ラプコンの返還を含め早急に安全性確保のための対策を講ずることについての中の質問事項のうち、今回のニアミスは県民の信頼を損ねる行為で、県民の生命と財産を守る立場にあるという認識に立ち管制権の返還を強く求めてほしい、それから2月13日2時間にわたって停止した嘉手納ラプコンを県はどのように対応したのか、今回のニアミスについて今後どのように認識し対応していくかという御質問に一括してお答えをいたします。
去る2月13日、航空関係者に対する事前の情報提供が適切に行われないまま約2時間嘉手納ラプコンのレーダーが停止いたしました。県では2月15日、在日米軍沖縄地域調整官及び外務省沖縄事務所政府代表特命全権大使等関係機関に対し、二度とこのようなことが起こらないよう事前連絡の徹底を図るとともに、再発防止に万全を期すよう強く要請いたしました。
去る2月4日には、エアーニッポン機と米軍のジェット戦闘機とが異常接近したとされる事態が発生しております。エアーニッポン機の機長の報告と在日米海軍司令部との見解が異なっていることから今後の正式な報告を待たなければなりませんが、今回、このような事態が発生したことは極めて遺憾であります。県では2月10日、在日米軍沖縄地域調整官及び外務省沖縄事務所政府代表特命全権大使等関係機関に対し事実関係の究明及び公表を求めるとともに、二度とこのようなことが起こらないよう再発防止に万全を期すよう強く要請してきたところであります。
なお、事実関係については、現在、運輸省の安全監察官が調査に入ったとのことであり、また青木官房長官は去る2月9日の記者会見で、厳密な調査結果が出るのは半年ぐらいかかるが、政府として一日も早く調査結果が出るようお願いしていると述べております。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって県民の日常生活はもとより、観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であり、民間航空交通の円滑な定期運航や安全確保は優先されるべきものであると考えております。
県では、去る1月13日及び14日に、沖縄における航空交通管制の日本側への移管について内閣総理大臣及び在日米軍司令官等関係機関に対し要請してきたところであります。
日米両政府は昨年11月18日の日米合同委員会において、嘉手納ラプコンの日本側への移管について今後とも協議していくことを確認しているほか、去る2月20日の河野外務大臣とオルブライト国務長官との会談においても日米間で協議していくことで一致しております。県としては、今後とも引き続き県民の生命、生活及び財産を守る立場から適切に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 基地問題と北部振興の関連でありますが、3点の御質問にお答えいたします。
その1つは、特別事業の展開によってどのような効果が期待できるのか、また公共事業主導型で100%補助になるのか、市町村の裏負担もあるのか、伺いたいとのことであります。お答えいたします。
北部地域の振興に当たっては、地域資源を活用した特色ある産業の創出や既存産業等のなお一層の活性化を促進し、雇用の確保と住民生活の向上を図っていくことが重要であると考えております。こうした北部振興に関する施策・事業を着実に推進するため、国において10年間でおおむね1000億円の特別の予算措置を講じることとし、「北部振興事業制度」──これは仮称でありますが──や公共事業推進費に充てられることとなっております。
市町村の財政負担につきましては、可能な限り軽減されるよう去る12月28日に閣議決定された「沖縄県北部地域の振興に関する方針」を踏まえ、国、県及び地元市町村で構成する北部振興協議会の中で検討していきたいと考えております。
次に、なぜ北部だけが特別事業の恩恵を受けるのか、根拠法は何なのか、また中南部、離島への差別政策にならないかとの御質問であります。
本県の振興開発については、3次にわたる沖縄振興開発計画や地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策によりその振興を図ってきたところでありますが、産業の振興などによる自立的発展の基礎条件の整備が不十分であると言えます。特に北部地域については中南部地域の発展に比べその振興がおくれており、定住条件の整備や産業の振興などによる地域の活性化を図ることが県政の重要な課題であることから、北部地域の振興について国に要望したところ、政府において「沖縄県北部地域の振興に関する方針」が閣議決定されたところであります。
なお、県全体の均衡ある発展を図るためには北部圏、中南部圏、宮古圏及び八重山圏の各圏域がそれぞれの特性を生かした役割・機能を発揮して相互に連携し合う自立ネットワーク型の県土構造を形成することが重要であると考えています。こうした観点から、沖縄振興開発計画に基づく各圏域ごとの振興を図るとともに、沖縄県離島振興計画、沖縄県過疎地域活性化計画等に基づき宮古、八重山圏域を含め離島・過疎地域の振興に取り組んでいるところであります。
次に、国頭郡プラス名護市の1人当たりの配当分は幾らかという御質問であります。
北部振興のための特別の予算措置は、定住人口の増加を目指し、定住の促進と新たな産業の定着に向けた条件整備を図るとともに、地域間バランスに配慮した振興事業の実現を図るために措置されたものであり、10年間でおおむね1000億円が確保されることとなっております。この1000億円は公共枠と非公共枠に分かれており、このうち非公共の500億円は市町村事業の支援を中心とした「北部振興事業制度」に充て、残り500億円は公共事業推進費ということになっております。
施策・事業の具体的な展開に当たっては、国、県及び地元市町村で構成する北部振興協議会の中で今後検討することとなっております。
次に、那覇軍港の返還問題について御質問は2つございます。1つは、一部事務組合設立は知事が港湾管理者となって軍港を浦添に移設することではないのか、もう1点は、平成3年に那覇市、浦添市の合意の後、SACOの最終報告という状況の変化により一部事務組合設立は直接軍港移設につながることが判明した、それについての所見を伺いたいという御質問であります。一括してお答えいたします。
那覇港管理の一部事務組合設立については、昭和63年の港湾計画改定により港湾区域が浦添地先の大部分を含むこととなり、那覇市及び浦添市が分離・分割方式による管理方式を検討したところ、平成元年、運輸省による一元管理が望ましいという指導に端を発しています。
その後、平成3年に那覇市及び浦添市による組合設立の合意があり、同年、那覇市は組合参加を決定しています。
SACO最終合意は平成8年12月になされています。その後、浦添市は平成9年6月に組合参加を庁議で決定し、一方、県は、これまでの両市からの要請を踏まえ、平成9年8月に組合参加を決定しております。
これを受けて、3者による組合設立の準備が進められ、平成10年4月には県、那覇市、浦添市からの派遣職員で構成する那覇港管理組合設立準備班が設置されました。
さらに、平成11年4月には派遣職員を増員し那覇港開発推進室を設置し取り組んできたところであります。
県としましては、那覇港が本県の県民生活を支え、産業経済活動の物流拠点として重要な役割を担っていること等を踏まえ、一元的管理による円滑な管理運営を図る必要から3者による一部事務組合の設立が不可欠であると考えております。
以上です。
○文化国際局長(金城勝子) 新平和祈念資料館の運営体制についての御質問の中で、昨年の9月議会で指摘、批判されたがどのように対応したか、その結果について伺いたいという御質問でございます。
昨年の9月議会で議論がなされたことにつきましては、検討過程におけるものが取り上げられたものであり、監修委員と意思の疎通を欠いたところにもその原因があったものと思います。
その後、監修の過程も含め広く情報の公開に努め、県民の皆様の御理解をいただきながら進めてきたものでございます。現在、監修委員の皆様方には精力的に監修に取り組んでいただいているところであり、4月1日の開館に向けて諸準備に万全を期していきたいと考えております。
それから、同じく平和祈念資料館に関してでございますが、監修委員会と運営協議会の役割についてのお尋ねでございます。お答えいたします。
監修委員会は、沖縄県平和祈念資料館(仮称)監修委員会設置要綱に基づき新資料館の展示の監修をしていただいており、3月31日までの任期となっております。
また、条例案の第14条で規定する「運営協議会」は、各界各層の方々で構成することとし、新資料館の運営に関する重要事項を協議していただくことになっております。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 環境基本条例と環境犯罪に関する御質問についてお答えします。
まず、環境基本条例について、1998年12月に諮問を受け審議された経過と内容についてという御質問にお答えします。
国は、環境の保全に関する基本理念や国、国民等の責務を明らかにするとともに、基本的な施策を位置づけるため平成5年に環境基本法を制定しております。
本県においても、法制定の趣旨を踏まえ環境の保全と創造について基本理念を定め、県、事業者、県民の各主体の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項等を内容とする環境基本条例を制定することとして平成10年12月4日に沖縄県環境審議会に骨子の検討を諮問し審議が始められました。
県から提示した骨子案をもとに計4回の審議が行われ、途中、平成11年6月21日から45日間、骨子案を公開して広く意見を募集し、県民、環境保護団体から寄せられた5件の意見も参考にして本県の自然環境の特性や循環型社会の構築について審議が重ねられました。
審議の中で、米軍及び米軍基地の取り扱いが大きな議論となりましたが、法や条約との関係から条例で米軍に対する規定を置くことは困難との意見に集約されております。
なお、これらの審議を踏まえて米軍基地への立入調査については条例骨子には盛り込まないものの、県が実現に努めるべき4項目の一つとして附帯意見として答申することとなりました。
このような経過を経て、ことし1月18日、沖縄県環境審議会会長から県知事あて答申書が提出されております。
次に、基地公害と米軍の責務についてどうなっているかという御質問にお答えします。
基地公害については、沖縄県環境基本条例案の前文において、「基地から派生する環境問題」という表現で現状認識として記述いたしております。
米軍の責務については、本県からの米軍基地に対する本邦法令の適用の可否についての照会に対し、外務省アメリカ局安全保障課長からの回答において、一般国際法上、外国の軍隊が駐留する場合に、地位協定あるいはそれに類する協定に明文の規定がある場合を除いては接受国の国内法令の適用はない。したがって地位協定に特別の定めがない限り、我が国の国内法令に基づき米軍を規制したり、米軍に対し一定の義務を課したりすることはできないとされていること、及び法や条約との関係から明記いたしておりません。
なお、日米地位協定第16条においては、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにその家族は、日本国の法令を尊重する義務があると規定していることから、本条例案においては米軍人等も第7条(観光旅行者等の責務)の滞在者の概念としてとらえており、環境の保全に努めるとともに、県及び市町村の施策に協力する責務があると考えております。
次に、基地内への立入調査などはできているのかという御質問にお答えします。
米軍基地内については、日米地位協定により基地内への自由な立ち入りができないためその環境の実態を把握することは困難な状況にあります。
しかしながら、県では基地内の環境汚染の防止と実態把握に資するため、基地内の汚水処理施設からの排出水を監視する基地排水監視調査及び基地周辺の河川や海域などの水質、底質、魚類の調査分析を行う基地周辺公共水域監視調査を行っていますが、それだけでは基地内の環境の実態を十分把握しているとは言えません。
基地内の環境の実態を把握するためには基地内へ立ち入り、施設等の使用状況や維持管理状況等の把握が必要であります。
県では、基地の所在する14都道県で構成する渉外知事会を通し国内環境法令の適用や、地方公共団体職員が施設及び区域内への立ち入りを希望した場合には速やかに応ずるよう国に対し要請しております。
また今後、県としてはドイツの実地調査報告などを踏まえ、日米地位協定の改定または運用の見直しを日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
次に、最終的に車の捨て場になっている沖縄だが、抜本的対策はどうなっているかという御質問にお答えします。
不法投棄等車両については、従来からの市町村による撤去指導に加え、県は保健所、警察、市町村、社団法人沖縄県産業廃棄物協会など関係機関による意見交換会や合同パトロ-ルにより対処してきたところであります。
また、県警ヘリコプタ-によるパトロ-ルの実施など警察との連携を強化し、悪質な不法投棄事犯者の摘発に努めておりますが、不法投棄は後を絶たず一向に減少する状況にありません。
放置自動車対策は全国的な課題であり、抜本的対策が必要であるとの観点から知事会等を通して国へ製造者責任の強化や放置防止の新たな制度の創設などを要望しております。
国においては、循環型社会を構築するためメ-カ-責任によるリサイクル及び適正処理を骨子とした法の制定を検討していると伺っております。
以上であります。
○警察本部長(西村泰彦) 環境犯罪についての御質問のうち、浦添署が摘発した不法投棄車両に係る犯罪に関して摘発の経過についてお答えいたします。
県警におきましては、自然環境破壊につながる産業廃棄物や廃棄自動車の不法投棄事犯を環境犯罪と位置づけて取り締まりを強化し、昨年は廃棄自動車の不法投棄事犯を6件6名検挙しております。
また、昨年11月には沖縄署において県内で初めて環境犯罪モニターを設置し、現在環境犯罪の情報収集等に活躍していただいております。
さらに浦添署におきましても、本年1月、管内自治体や関係機関・団体と協力し環境犯罪対策連絡協議会を設置するとともに、環境犯罪モニターを委嘱し環境犯罪に係る情報収集を強化し、また管内に不法投棄された廃棄自動車に対して撤去勧告書を添付して自主撤去を促すなど廃棄自動車対策を強化しているところであります。
そうした中、西原町内で車台番号を削り取った廃棄自動車を発見し所要の捜査を行い、2月14日、不法投棄被疑者1名を検挙したものであります。
○当山 全弘 再質問をいたします。
知事に伺います。
質問(5)の普天間移設先の場所は特定されたのか、その規模、施設、工法等についてはわかりますかと聞いたら、これは今国の方で鋭意取り組みが行われていて、県としてはわからないということであるけれども、これは矛盾することじゃないですか。こういうことをわからないうちから移設表明をしたという知事の責任は重大だと思いますがね。このことについてお答え願いたいと思います。
それから(6)、基地が国内で削減される中で、在沖米軍基地の整理縮小が進展しない原因は何かという問いに対して、SACOの最終報告で21%近い基地が合意されているということであるけれども、これは県内移設で移設条件つきになっていまして、これが全く今進展しない状況にあるわけなんですよ。このことについてもっとほかに原因はあるんじゃないですか。
例えば、国が示しているところの思いやり予算2600億円、これについて私は大いに原因があるかと思うんですよ。この思いやり予算等について具体的にどうなっているか。これはお互いの税金なんでしょう。こういうところではっきりと示していただきたい。
それから(7)の北部振興と普天間飛行場の移設はリンクするのかという問いに対し、はっきりした答えが出ておりません。これは明らかにリンクしていると思いますけれども、再度知事の答弁を求めます。
それから(8)、公共事業主導型で100%補助になるのかということに対して、500億円は公共工事、あとは市町村分ということがあるけれども、これは裏負担分は、本当は北部振興策なら裏負担があってはいけないわけなんですよ。100%国庫の方で対処していくと。裏負担分があること自体、市町村の財政を圧迫する要因になるんじゃないですか。例えば10分の8は国庫補助であって、あとの10分の2は市町村負担ということになると地方債とかそういうことが出てきて市町村の財政負担が相当なものになるわけですよね。ですから可能な限り市町村の負担分を軽減するということでは私は納得できません。
それから(10)、北部の1人当たりの配当分は幾らかと。これに対しては答弁は出ておりませんけれども、私の試算では人口が11万9196人、これを100億円で割ってしまうと1人当たり8万3890円、こうなるんですよ。ですから見ばえは大きいような金額に見えるけれども、中身は全く小さい額にしかならない。
そういうことと、基地は永久に残るわけですよ。振興策は8万3000幾らかで10年間で1000億で大きく見えるようだけれども、これは全くだれが考えても微々たる金額にしかならない。そういうことでもう一度説明を願いたいと思います。
それから民間機のニアミス問題、これについては知事公室長の言い分だけでは私たちは納得できません。要求していると言いますけれども、どこの知事かわからないようではいかないわけですよ。沖縄県民を代表する知事であるならば、こういった空の安全性を守るためにも知事が先頭に立ってやるんだという決意をもう一度披瀝をしていただきたい。そういうことを再度答弁を求めたいと思います。
それから、那覇港管理の一部事務組合については、これも明らかにSACOの合意事項を着実に実施するということであるならば、一向にこの一部事務組合等についても、那覇港湾整備等についても前進がないというふうに私は踏んでいるわけです。ですからこのことについてはできなければ、この前の代表質問等の答弁にもあったように流通港湾としての可能性を立証しているということであるならば、この那覇港湾施設そのものを一部事務組合とか、そういうことから切り離して進めないとこれは一向に前進しないというところがありますので、一応こういうところを答弁していただきたいと思います。
ハブ構想というのは県内の不況、失業問題の深刻さを巧みに利用する形で進められるとこれは大きな間違いですよ。県民をだますようなことをしないで、本当にハブ港を建設すればいつでも船が大量に入港し、今にも大交易時代が到来するかのような幻想を県民に与えては困る。実際のデータに基づいて港湾整備とかそういうことをやっていただかないと困りますよ。そういうところをきちっと答弁をしていただきまして、あとは答弁によって再質問をいたしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えします。
1つ目の御質問は、米軍の在外及び国内の基地が削減される中、在沖米軍基地の整理縮小が進展しない原因は何かということで、それから再質問の中では、それが思いやり予算のせいではないかという御質問にお答えをいたします。
日米両国政府は、先ほど申し上げましたが、本県の過重な基地負担の現状を認識し、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため真摯に協議を行い、平成8年12月、SACOの合意に達しました。
それから、SACOの最終報告は、県道104号線越え実弾砲撃演習の廃止等米軍の運用面における県民の負担軽減を図るほか、普天間飛行場の全面返還を含む在沖米軍専用施設面積の約21%の土地の返還を内容としております。
SACOの進捗については、普天間飛行場の移設を初め他の事案についても受け入れに向けた地元市町村の新しい動きが見られており、基地の整理縮小は着実に推進されていくものと認識をしております。
なお、思いやり予算については、思いやり予算というのは現在の基地があるものについての予算でございますので直接は関係しないと思います。
次に、北部振興と普天間飛行場の移設はリンクしていると思うがということで再度聞きたいということでございますが、北部地域の振興については、第3次沖縄振興開発計画を初め北部地方拠点都市地域基本計画等に基づく各種施策の推進によりその振興を図ってきたところでありますが、中南部地域に比べ産業の振興などが立ちおくれていると認識しております。
北部地域の振興を図ることは、北部地域のみならず中南部地域の居住環境の改善にもつながり、県土の均衡ある発展を図る上からも重要であると考えております。
こうした観点から、県や北部12市町村の要望を北部振興策として取りまとめ、その実現方を国に要望したところ、政府において、定住の促進や新たな産業の定着に向けた条件整備や地域間バランスへの配慮などを基本方向とした「沖縄県北部地域の振興に関する方針」が閣議決定されたところであります。
○知事公室長(親川盛一) 当山全弘議員の再質問にお答えをいたします。
まず1点目は、普天間飛行場移設先の工法、具体的な建設場所がわからない段階で移設先を表明したのはどうかということについてでございますけれども、県といたしましては、建設場所や工法等につきましてはやはり建設地点をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域という区域を選定いたしまして、その区域内におきましてそれぞれの工法、具体的建設場所、こういったものを国が主体的に調査し行っていくわけでございます。
その際、協議機関を設置して県、地元市町村等の意見を聞きながらやっていくということでございますので、その段階で具体的に設定されるものとこのように思っております。したがいまして、県といたしましては要するに移設先の区域の選定をいたしたということでございます。御理解ください。
それから次に、ニアミス問題についてでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたけれども、去る1月13日にこれは知事にかわって副知事が日本政府、関係機関等に要請したわけでございます。我々としては、知事を先頭にしっかりと支えてその実現に向けて努力していきたいとこのように考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(宮城正治) 3点ほどの再質問に対してお答えいたします。
1点目は、特別事業の展開で市町村の裏負担もあるのじゃないかと、これに対する見解ということであります。
これも先ほどお答えいたしましたように、これは10年間でおおむね1000億の事業を展開しようということであります。これには公共枠と非公共枠と2つの枠があります。
非公共枠というのは、どちらかというと今後の産業振興をどう図っていくのかと、ある意味ではソフト面であります。それから公共となりますと、どちらかというとハードな面の事業ということになります。この2つともどういうぐあいに事業を展開していくのかということにつきましては、まだ中身は具体的に煮詰まっておりません。これからであります。ですから先ほど申し上げましたように北部振興協議会の中で公共、非公共をどうやって進めていくのかという検討がなされます。当然のことながら全額負担というわけじゃありませんので、かなり高い補助率でということを考えております。これは8割になるのか9割になるのか、あるいは事業によっては100%ということもあろうかと思います。
この辺は、事業がはっきりしないことには具体的な負担割合は出てこないんですけれども、先ほど答弁いたしましたように地元にその負担がないように研究していきたいということであります。
それから次に、北部の1人当たりの配当分は幾らか、この100億円、1000億円の配当の件でありますが、確かに平成11年の北部人口は12万3387名であります。これは100億円で割ってみますと8万1000円ということになります。そういった意味では確かに人口当たりにするとわずかかもしれませんが、これは配分するというわけじゃありませんで、やはり振興のためのハード、ソフトをどう展開していくかということであります。
それから3点目であります。ハブ空港というのは単なる雇用対策だけではだめじゃないかというお話であります。
これは21世紀プランにもうたわれておりますし、また我々県としても沖縄の産業振興、ひいては我が国の産業経済に寄与することということで今計画を進めているところであります。これも前回御答弁申し上げたように現時点ではいろんな可能性というのは出てきております。これをさらにこの3月末にはこの報告書が出てまいりますので、3月をめどにその中でさらに細かい検討をさせていただきたいと思います。
以上です。
○当山 全弘 再々質問をいたします。
今知事とか公室長、あるいはまた企画開発部長の説明を聞いていますと、ちょっと寂しいような気がいたすわけですね。北部振興については8万1000円になりますと。迷惑料なのか慰謝料なのか、ちょっと足りないなという気持ちがあります。
最後になりますけれども、不法投棄車両について環境面を防ぐために中古車の搬入等について規制する条例、これが抜本的な解決方法につながるんじゃないかなということで私は考えておりますけれども、エンジン部分については確かにある程度いいかもしれませんけれども、板金部分において中古車は問題だと私は思っているわけですよね。どういう法律の適用かわかりませんけれども、古物商なのか、そういった条例をつくって対処する必要があろうかと私は思いますけれども、再度答弁を願いたいと思います。
○文化環境部長(宮城光男) 中古車の搬入規制をいわゆる条例等でやったらどうかということでございますが、県全体としてそこまで実際上やれるのかという問題もございまして、話題として我々は話し合うことはあるんですけれども、沖縄県全体としてこれを具体的に検討したことはございません。
ただ、離島等小さい島でやる分については比較的やりやすいんじゃないかということで、例えば東京の小笠原、随分離れているところがありまして、そこでは実際に搬入するときにその処理費を役場の方でお預かりすると。そしてそれを実際に処分するときには役場の方がそれを処理していただくというふうなこともやっているという事例がございまして、今資料を集めたりして研究はいたしております。引き続きこの中古車の問題といいますか廃車の問題というのは非常に深刻でございますので、いろんな角度で検討していきたいというふうに考えております。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後0時7分休憩
午後1時23分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎 知事並びに関係部長に一般質問を行います。
まず最初に、鉱区及び不法採掘並びに不法投棄についてです。端的に質問いたします。
県内の鉱区面積及びその県土面積に対する比率は幾らですか。
(2)番目に、復帰後、沖縄県知事は鉱業法第24条による鉱業権の設定の出願についての協議を何回受けていますか。
(3)番目に、同協議の結果、支障ありまたは条件つき賛成などの回答を行ったことがありますか。あれば、それぞれ何回行いましたか。
(4)番目に、公益、他産業への影響等の調整がつかず不許可となった事例がありますか。
(5)番目に、以上の4点について糸満市内ではどうなっていますか。
(6)番目に、昨年8月、糸満市が行った不法採掘パトロール調査及び2月20日の沖縄総合事務局環境資源課、県自然保護課及び糸満市等関係機関の職員17人による現地調査の結果について明らかにしてください。
(7)番目に、これらの調査結果について県はどのように対応してこられたか、これからの対応と課題についてもお答え願います。
(8)番目に、ことしになって先月27日、県は不法投棄の現場を確認して廃棄物不法投棄に係る地下水汚染の調査を行うと聞いておりますが、調査の結果はどうなっておりますか。
2番目に、沖縄県立平和祈念資料館についてです。
最初に、県立平和祈念資料館は、既に指摘しましたとおりミュージアム(博物館)である以上、博物館法が冒頭で「社会教育法の精神に基き」、「国民の教育、学術及び文化の発展に寄与することを目的とする。」と明確に規定していることを受けて、公立博物館は、地方公共団体の教育委員会の所管に属すると当然の規定としてうたっていることから、当然に県立博物館同様教育委員会文化課の管轄にして法令に基づかない一般行政の恣意的な介入を排除する確かな保障としなければならないが、博物館法もしくはその精神を拒否した設置・管理となっているのはいかなる理由によるものですか。
(2)番目に、同法第28条は任意規定ではあるが、国の補助義務を規定しています。国民の教育、学術及び文化の発展に寄与することを目的とすることから当然です。全国でも巨大なミュージアムであるだけに、これからもなお施設設備の拡充強化は必要であるでしょうし、また地方交付税の積算基礎を確立していく上からも博物館法を設立根拠としなければならないが、いかがですか。
(3)番目に、ミュージアムの教育的、学術的、文化的性格から組織構成についても館長、学芸員規定を設けなければならないが、これが欠落した欠陥条例(案)になっております。いかなる理由ですか。
(4)番目に、博物館法第23条で「入館料その他博物館資料の利用に対する対価を徴収してはならない。」と厳格に規定し、やむを得ない事情のある場合に限りただし書きが付されております。対価を徴収しないというのは、博物館の先述したように教育的、学術的、文化的性格に由来する国際的通念であります。かの有名な大英博物館も入館料は無料となっています。特に県立平和祈念資料館は、日本全国は言うに及ばず、世界じゅうに平和を発信する上からも無料にすべきではないでしょうか。知事の御答弁を求めます。
3つ目に、基地撤去についてです。
その最初は、基地提供15年期限なるものが常識外れの県民だまし以外の何物でもないことがいよいよ白日のもとにさらけ出されました。去る2月21日から22日にかけての新聞は、日米外相会談について、「「15年」期限 米、実質ゼロ回答」、「単なる「連絡役」 河野外相」、「閣議決定のまやかし鮮明に」と一斉に報道しました。かりそめにも一国の外交責任者がみずからの領土主権を足げにされた哀れな醜態は世界じゅうの物笑いともなりかねないものでしょう。
知事、どんな条件をつけようとも外国に基地を提供するというのは、売り渡された主権を取り戻すべく核も基地もない平和で豊かな沖縄県の建設を果敢に闘い、サンフランシスコ条約第3条を死文化させる世界史的偉業をなし遂げた沖縄県民の誇りを傷つけるだけではなく、日本国民の名誉もこのように損傷していることをまざまざと見せつけるものでしかないことを浮き彫りにしているではありませんか。
知事は全世界に、特に日本国民に沖縄がこれだけの米軍基地を過重に負担していることを考えてもらいたいとコメントしています。笑止千万もいいところではありませんか。
あなた御自身は、基地提供で県民に過重負担を増大させようとしておきながら、何を全世界、日本国民に考えてもらいたいのですか。天につばするたぐいではありませんか。考えてもらわなければならないのは知事、あなた御自身ですよ。篤とお考えになってお答えください。
(2)番目に、したがって考え抜いて得られる結論は普天間基地の無条件返還であり、辺野古の海上基地受け入れの撤回なんです。それ以外の選択肢はないではありませんか。御答弁を求めます。
昨年11月、米軍は嘉手納ラプコンのケーブル切断事故を発生させ、那覇空港を大混乱に陥れました。1週間後の18日、河野外務大臣は、27年間の暫定期間は長過ぎると思うと自国の空の主権を奪われ国民の安全を脅かしておきながら、まるでよそ事のように言い放ち、日米合同委員会に移管問題を検討するよう提起したとしながら、提起の具体的な内容には少しも触れていません。触れることができるはずはありません。
県議会意見書を携えての要請団に対し外務省北米局長は、従来から日米合同委員会の下部組織である民間航空分科委員会で繰り返し協議されていると言いながら、協議内容は少しも明らかにしていません。これでは幾ら日米合同委員会に提起しても内容を明らかにしないのでは下部組織同様ただ繰り返すだけに終わってしまうのは当然でしょう。
事実、私もあきれて外務大臣の提起の内容について去る2月14日、外務省沖縄事務所、本省の日米地位協定室に電話を入れて確かめましたところ、新聞報道以上のことは言えないということでした。アメリカの属国になり果てているとしか言いようのない屈辱きわまりない実態を放置して、県民を危険にさらす事態を座視することはもう許されることではないでしょう。
知事は、事故発生から2カ月を経たことしの1月13日に、嘉手納ラプコン移管について日米間で早急に協議するよう運輸省航空局長に要請しております。それから20日後の2月4日、民間機の60メートル真下を米軍機が通過するというそら恐ろしいニアミスが引き起こされ、そして2月11日にまたもやラプコン2時間停止という失態を演じています。
このたび重なる危険な実態は、観光立県といった生易しいものではありません。県民の生命の安全を脅かすものです。もちろん観光客をも。この頻発する事態に知事はどうなさってこられましたか。
(4)、この事態は、日米間の協議をお願いするだけでは何の前進もありません。米軍管理の航空機進入管制権の即時返還を強く迫るとともに、日米合同委員会の協議の内容を国民の前に明らかにさせることです。お答えください。事務的な要請だけではだめですよ。
4、沖縄本島縦貫鉄道の早期建設について。
その1は、アナーキーともいうべきモータリゼーションの激化による沖縄県の極端に劣悪な道路交通事情を示す一つの指標として、国土面積1平方キロメートル当たりの自動車の保有台数について沖縄県と欧米先進国及び日本の国際比較、すなわちアメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、日本、沖縄県はそれぞれ1平方キロメートル当たり保有台数何台で、沖縄県は欧米5カ国、日本のそれぞれ何倍の保有台数となっていますか。
この異常事態をどう考えておられるか。またどう対処なされるお考えか。
(3)番目に、この劣悪な道路交通事情を抜本的に打開する唯一の解決策であり、県土の一体化と北部振興策のかなめともなる沖縄本島縦貫鉄道について毎定例会で取り上げてきましたが、知事、まだ御決断がつきませんか。遅疑逡巡なさってはいけません。お答えください。
最後に、沖縄振興開発特別措置法の再延長と抜本的拡充強化についてです。
知事のこれまでの経済新法が新たな沖縄振興法に突然異変して、名称だけは沖縄振興開発特別措置法に近づいてきたことについては前定例会で指摘しましたが、日本国民と政府は、償いの心をもって県民に当たらなければならないとして制定された沖縄振興開発特別措置法の立法の趣旨は、基地が撤去され、平和で豊かな沖縄県の建設を全県民が享受することができるまではますます新鮮さを増す最高の理念です。これを取ってのけてはいけませんよ。
新たな制度は、沖縄振興開発特別措置法の再延長による既存の高率補助、産業振興のための特別措置、エネルギー源としての電気事業振興のための特別措置、就業の機会を増大する職業安定のための特別措置等及び新たに沖縄本島縦貫鉄道の建設などを抜本的に拡充強化することが沖縄県の振興開発、産業経済の発展を推進する唯一の道なんです。改めて御答弁を求めます。
あとは再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 上原亀一郎議員の御質問にお答えいたします。
最初は、沖縄県立平和祈念資料館について、日本全国は言うに及ばず世界じゅうに平和を発信する上からも無料にすべきであると、答弁を求めるというお尋ねでございます。
新平和祈念資料館は、当初から知事部局において管理運営するものとして進められてきた事業であり、県で直営することとしております。
本資料館は、地方自治法第244条の2の規定に基づき設置された「公の施設」であり、施設の利用につきましては、同法第225条の規定で使用料を徴収できるとされていることから現資料館においても観覧料を徴収しているものであります。
また、県内外の類似の施設でも条例で利用料金を設定し徴収しております。
なお、条例案の第8条で減免の規定を設け、該当する者については減額または免除することとしております。
次に、基地撤去について、全世界、特に日本国民に沖縄がこれだけの米軍基地を過重負担していることを考えてもらいたいとコメントしているが、何を考えてもらいたいのかとの御質問に対するお答えでございます。
日米安保体制に基づく米軍基地の負担は、日本国民がひとしく引き受けるべきものであり、長い間過重な基地負担を背負わされている沖縄の現状についてはその重大性を国民が十分に認識すべきものであると考えます。
本年7月に開催されるサミットには、各国の首脳を初め政府関係者並びに世界各地から多くの報道関係者が来県します。私は、サミットを通して沖縄の基地の現状や県民が基地の整理縮小を強く望んでいる状況をありのままに見ていただくとともに、基地問題が日本全体の問題であるということを多くの国民が認識していただく機会になってほしいと考えます。
次に、基地撤去について、考え抜いて得られる結論は普天間基地の無条件返還であり、それ以外の選択肢はないではないかと、答弁を求めるというお尋ねでございます。
基地問題については県政の最重要課題であり、その解決のために誠心誠意取り組んでいるところであります。米軍基地の整理縮小は県民の願いであり、そのためにはまずSACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると考えております。
普天間飛行場問題の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還し、このような状況を解消することであると認識しています。県はこの視点に立ち、移設候補地の選定についてはさまざまな観点から検討作業を進め移設候補地を決定しました。
国においては、県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組む方針が閣議決定され、去る2月10日には北部振興協議会、移設先及び周辺地域振興協議会を設置し具体的な作業が開始されております。
県としては、できるものから確実に一つ一つ解決していくことにより、基地の整理縮小を着実に進めることが県民の意思に合致するものであると考えております。
次に、沖縄振興開発特別措置法の再延長と抜本的拡充強化についての御質問についてで、新たな制度は、沖縄振興開発特別措置の再延長による既存の高率補助、産業振興のための特別措置等を抜本的に拡充強化することが沖縄県の振興開発、産業経済の発展を推進する唯一の道であると思うがどうかとのお尋ねでございます。
本県は、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく施策の積極的な展開と県民の努力により着実に発展してきたところであります。しかしながら若年者を中心とした厳しい雇用情勢、財政依存度の高い経済構造、さらには広大な米軍施設・区域の存在等依然として解決すべき多くの課題を抱えております。
本県が財政依存の経済構造から脱却し、21世紀の早い時期に自立型経済を構築するとともに、基地跡地の円滑な利用等を推進するためには現行の沖縄振興開発特別措置法のあり方について抜本的に見直す必要があります。しかしながら現行法に盛り込まれている高率補助制度や特別自由貿易地域制度等の税制上の優遇措置などは引き続き継承していく必要があると考えております。
大きく変化する現代社会に的確に対応し、本県の自立的発展と我が国、ひいてはアジア・太平洋地域の経済社会及び文化の発展に貢献する特色ある地域の形成を目指すためには、新たな理念、施策を取り入れた新たな沖縄振興法の制定が必要であると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(宮城春一) 上原亀一郎議員の鉱区及び不法採掘並びに不法投棄についての御質問の中の、県内の鉱業権鉱区面積及び県土面積に対する比率について、2番目に鉱業法24条の協議の件数について、3番目の「支障あり」または「条件つき賛成」などのそれぞれの回答の件数について、4番目の公益性や他産業への影響による不許可の状況について、5番目の以上4点についての糸満市の状況についてどうなっているかという御質問に、関連がございますので一括してお答えいたします。
まず、鉱業権の許認可権につきましては国にあり、県知事にはその権限はございません。
国は、鉱業権設定の出願があれば、鉱業法第24条に基づき公益への支障の有無について知事に対し協議しなければならないとされております。復帰以降、平成12年1月までの間に891件の協議があり、575件について農林水産業、生活環境及び文化財等の観点から支障があると回答しており、残り316件については現在関係市町村及び県庁内関係部局と慎重に協議し調整をしているところであります。
鉱業権の設定に際しましては、当該出願地の市町村役場において出願人、県、市町村等の関係機関による協議会を開いて調整しております。
総合事務局によりますと、公益性や他産業との調整がつかないことを理由として出願を不許可にした事例はないとのことであります。しかしながら鉱業権設定後に行われる採掘の実施のための施業案の認可に際して他法令を遵守した調整がなされていると伺っており、県として今後とも他法令との調整について国に対し働きかけてまいりたいと思います。
また、本県における石灰石の鉱区面積は約135.6平方キロメートルで、本県陸地面積の6%に相当します。
なお、糸満市に係る協議件数76件のうち、34件については既に回答しております。
糸満市における石灰石の鉱区面積は約7.5平方キロメートル――これは一部隣接市町村も含まれる分野でございます――で市の面積の16.3%に相当いたします。
県としては、今後とも鉱業法24条に基づく協議において環境、公害等と調和のとれた採掘が行われるよう要望してまいります。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 糸満市の不法採掘調査及び関係機関職員による現地調査の結果に関する御質問と、それから調査の結果どう対応したか、またこれからの対応と課題は何かという御質問にお答えいたします。
調査の結果、46カ所で石灰岩採掘があり、その内訳は採掘跡10カ所、採掘中16カ所、埋め戻し中14カ所、採掘準備中6カ所となっております。このうち不法採掘は24カ所、廃棄物の不法投棄は8カ所で確認されております。
県は、これらの調査を踏まえ、不法採掘防止を許認可権者である国に要望するとともに、不法投棄に対しては糸満市や糸満警察署との連携やパトロールの強化を図っており、ことし1月には採掘跡地への廃棄物不法投棄で容疑者の逮捕があったところであります。
また、採掘箇所がすべて沖縄戦跡国定公園内に位置していることから、自然公園法の周知徹底を図るため、ことし1月に「石灰岩の違法採掘について」の周知文書を砕石事業組合等関係団体に通知したところであります。
なお、違法採掘及び不法投棄の多くは休日や夜間等に行われていることから違反者を特定することが困難ではありますが、今後とも沖縄総合事務局、糸満市、南部保健所、糸満警察署と連携をとりながら違法採掘及び不法投棄に対処していきたいと考えております。
次に、不法投棄現場の地下水汚染の調査を行うと聞いているが、調査の結果はどうなっているかという御質問にお答えします。
本件については、先月27日に不法投棄場所の確認を行い現況調査を行っております。現在、不法投棄による地下水汚染の状況を把握するため南部地域の地下水流動情報を収集するとともに、糸満市と連携を図り不法投棄現場周辺井戸やわき水等調査地点の選定作業を進めているところであります。
なお、地下水の分析結果につきましては、3月末までに完了したいというふうに考えております。
以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 沖縄県立平和祈念資料館についてお答えをいたします。
まず、沖縄県立平和祈念資料館は博物館法もしくはその精神を拒否した設置・管理となっているのはいかなる理由か、それから平和祈念資料館は博物館法を設立根拠としなければならないがどうかというお尋ねでございます。関連いたしますので一括してお答えいたします。
平和祈念資料館移転・改築事業は、平成5年度から知事部局の平和推進施策の一環として行われてきたものであり、平和の礎と一体となって沖縄から平和を発信する施設として知事部局において管理運営するものとして進められてきた事業でございます。
なお、長崎原爆資料館、広島平和記念資料館、埼玉県平和資料館などの県外の同種の施設もすべて首長部局の所管となっております。
同じく平和祈念資料館についてでございますけれども、組織構成についても館長、学芸員規定を設けなければならないが、これが欠落した欠陥条例案となっているが、どういうことかというお尋ねでございます。
新平和祈念資料館は、地方自治法第244条の2に基づく「公の施設」であり、職の設置については県の行政組織規則で定めることとしております。
なお、組織体制については、館長のもとに8名の学芸担当職員を含め16名の内示を受けております。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 上原亀一郎議員の基地撤去についての御質問のうちまず1点目は、昨年11月、米軍は嘉手納ラプコンのケーブル切断事故を発生させ、2月11日にラプコンの2時間停止という失態を演じている、この事態にどう対処されたかという点と、2点目の米軍管理の航空機進入管制権の即時返還を強く迫るとともに、日米合同委員会の協議の内容を明らかにさせるべきだと考えるがどうかという2点について一括してお答えをいたします。
昨年の11月11日、ケーブルの切断によって嘉手納ラプコンが停止し民間航空機の離発着に大きな影響が出ました。県では翌12日、嘉手納基地渉外部等関係機関に対し、嘉手納ラプコンの早急な復旧と原因の究明を行い再発防止に万全を期すよう強く要請したところであります。
また、去る1月13日及び14日には、沖縄における航空交通管制の日本側への移管について内閣総理大臣及び在日米軍司令官等関係機関に対し要請してきたところであります。
去る2月13日には、航空関係者に対する事前の情報提供が適切に行われないまま約2時間嘉手納ラプコンのレーダーが停止しました。県では2月15日、在日米軍沖縄地域調整官及び外務省沖縄事務所政府代表特命全権大使等関係機関に対し、二度とこのようなことが起こらないよう事前連絡の徹底を図るとともに、再発防止に万全を期すよう強く要請いたしました。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって県民の日常生活はもとより、観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であるため嘉手納飛行場進入管制レーダーの故障や停止は極めて遺憾であります。
日米両政府は、昨年11月18日の日米合同委員会において、嘉手納ラプコンの日本側への移管について今後とも協議していくことを確認しているほか、去る2月20日の河野外務大臣とオルブライト国務長官との会談においても日米間で協議していくことで一致しております。
県としては、今後日米合同委員会のもとの民間航空分科委員会の協議内容等について適宜公表を求めるなど、沖縄における航空交通管制を早急に日本側へ移管するよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 沖縄本島縦貫鉄道の早期建設についての1点目の御質問でございます。
国土面積1平方キロメートル当たりの自動車の保有台数について、欧米5カ国、日本、沖縄県はそれぞれ何台となっていて、沖縄県は欧米5カ国、日本の何倍の保有台数となっているかとの御質問でございます。お答えをいたします。
陸運統計要覧及び道路統計年報による1997年度の自動車保有台数等に基づく欧米諸国等との比較では、1平方キロメートル当たりの保有台数はアメリカ20.9台、ドイツ122.6台、イギリス107.4台、フランス56.3台、イタリア111.2台、日本全国180.5台、沖縄県が337.8台となっております。
また、1平方キロメートル当たりの保有台数について沖縄県はアメリカの16.2倍、ドイツの2.8倍、イギリスの3.1倍、フランスの6.0倍、イタリアの3.0倍、日本全国の1.9倍となっております。
沖縄本島縦貫鉄道の2点目の御質問は、この異常事態をどう考えておるか、またどう対処するかについての御質問でございます。お答えをいたします。
沖縄の交通システムは、自動車交通のみに依存していることもあり、モータリゼーションの進展や県民所得の向上など経済社会の進展とともに、自動車保有台数が増加したことなどが交通渋滞の背景になっていると考えております。
そのため、県としては均衡のとれた地域社会の形成と観光及び産業の振興開発の整備を行うために必要な道路整備を行うとともに、体系的な道路整備を図ってきたところであります。また深刻な道路交通渋滞を緩和し質の高い交通体系を形成する上から、定時性・定速性のある大量公共輸送機関として那覇都市モノレールの整備を進めているところであります。
同じく沖縄本島縦貫鉄道の3つ目の御質問でございます。
劣悪な道路交通事情を抜本的に打開する唯一の解決策であり、県土の一体化と北部振興策のかなめとなる沖縄本島縦貫鉄道について毎定例会で取り上げてきましたが、まだ決断がつきませんかという御質問でございます。
本県の交通体系の基本方針を定めた沖縄県総合交通体系基本計画については、平成11年度から13年度にかけて見直すこととしております。
見直しに当たっては、現在建設が進められております沖縄都市モノレールの整備状況を初め交通需要の動向、各地域の開発計画、返還予定米軍施設用地の跡利用の将来展望等を踏まえて進めていきたいと考えております。
御提言の本島縦貫鉄道等の軌道系交通システムにつきましても、今年度から作業中の総合交通体系調査の中で新たな軌道系交通システムの特性と導入条件等についての調査を行っているところであります。
○上原亀一郎 再質問いたします。
まず、嘉手納ラプコンの返還についてでですね、これまで政府の対応というのがさっき指摘しましたように日米合同委員会の下部組織で協議を繰り返してきたと。ところがこの協議の内容が全く国民に知らされていない。これがどれだけその協議がなされたか、この到達点の上に立って日米合同委員会でやらないとまた同じ繰り返しにしかすぎないということを……。だからもちろん強く、暫定期間が27年間もたっているわけですから、これは外務大臣も言っていると。ただ言葉だけで言ってはいかぬわけです、自分たちの国の主権ですから。だから厳しく政府に迫っていかないといかぬと。
さっきも言ったように、観光立県もいいでしょう。ところがあのニアミスに見られるように県民の命が危ないんですよ。こんなことがいつまでも放置されていいのかと。だから協議の内容も公表すると言って今までやってきましたか、公表を迫ってきましたか。今私から指摘されてそういう答弁になっているんですか。この辺のところも知事、御自分で明らかにしてくださいよ。
そして2つ目は、県立平和祈念資料館ですが、地方自治法の「公の施設」の規定に沿って知事部局が直接やることができると、一般的な「公の施設」と同一視してはいけませんよ。ミュージアムとは何か、博物館とは何か、この根本に立って進めていかないとあの改ざん問題がまた起きてきますよ。一般行政の恣意的な介入は排除されなければならない。
そういう意味でミュージアム、博物館とは何ぞやと、この基本的な立場を明確にして、復帰直後平和祈念資料館はつくられましたので20何年間も続いてきているわけですが、ただ以前がそうだったからいいじゃないかと。あるいは広島も長崎も「公の施設」としてやっていると、だからいいんだということじゃなしに、恐らく沖縄県の平和祈念資料館は全国でも最もでっかいんじゃないですか。博物館法が冒頭で規定しているこの国民の教育的、学術的、文化的性格というのをこれは一般行政ではできませんよ。ですからもっと考えてやっていかなくちゃいかぬということです。
それから鉄道の導入についてはこれまでもやってきましたが、いつも総合交通体系基本計画を見直しの中でやると、もう何回も言っているわけですから、少し前進させぬといかぬですよ。こんな状況がいつまでも続いちゃいかぬわけですよ。文明社会においてこういう交通渋滞はないですよ。(「御苦労さん」と呼ぶ者あり) 余計なことを言うな、ちゃんと議長がおるから。
終わります。
○知事(稲嶺惠一) 上原亀一郎議員の再質問にお答えします。
ただいまのラプコンの件でございますが、県としては今後日米合同委員会のもとの民間航空分科委員会の協議内容等について適宜公表を求めるなど、沖縄における航空交通管制を早急に日本側に移管するよう日米両政府に対し上原議員御指摘のとおり強く求めていきたいと考えております。
○文化国際局長(金城勝子) 新資料館の再質問についてお答えをいたします。
御指摘のように、資料館につきましてはいろんな教育的なそういった面からは博物館的な性格もそれはございますけれども、新資料館につきましては現資料館の改築移転でございまして、構想のときからこれは平和の礎と一体になって管理運営するものとなっておりますので、自治法に基づく「公の施設」として管理していくわけでございます。
いろんな運営等につきましては、また教育的な面もいろいろ考えまして類似の施設等も広範に考えまして運営はしてまいりたいと思います。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 鉄軌道の再質問でございますけれども、議員のおっしゃる鉄軌道の導入についてはこれまでも再三議会の中でも取り上げられて私も強く認識を持っておりますが、平成11年度から13年度にかけて調査検討し、それからその中で検討委員会を設けて議論をしたいと思っております。
現在御承知のとおり、モノレールが平成15年開業を目標に進められておりますけれども、そのモノレールの開通に伴う道路の事情に対する効果、またモノレールの会社の運営状況を見守る必要があると。
それから2つ目に、現在進められております那覇空港自動車道及び西海岸道路の整備状況等も勘案する必要がある、その他環境の整備いろいろございますので、私どもとしてはまず平成11年度から13年度にかけての調査検討、また委員会の中でいろんな議論をしていきたいとそういうふうに思っております。
○高良 政彦 それでは通告に従って一般質問を行いたいと思います。
まず基地問題、普天間基地の移設問題について質問をいたします。
稲嶺知事が主張しておられます普天間基地の移設先における15年使用期限については、2つの意味合いがあると考えます。
まず1つは、戦後55年間も市街地にあった世界で最も危険と言われる普天間基地を15年の使用期限をつけて文字どおり基地に終止符を打ち整理縮小を図ろうとするものであり、2つ目は、この15年の間に沖縄の経済の自立を図ろうとするものであると考えます。基地なき後の県経済の自立化への最後のいわゆる条件整備の期間と位置づけていらっしゃるものと考えます。
またこれは、普天間基地についてはいわゆる最終撤去の最後のチャンスだという知事のお考えだと思いますが、この点について知事の御所見を賜りたいと思います。
2つ目に、軍民共用について質問をいたします。
軍民共用の概念については、必ずしも軍用機と民間機が同じ滑走路を使って共用するということのみではないと考えます。もちろん将来はそういう形の共用の仕方あるいは知事のおっしゃる北部振興と連結したような使用の仕方もあるでしょうけれども、今、牧野副知事が先頭に立っていろいろ交渉しているいわゆる民間機の定期的な点検と整備を米軍の整備技術も応用しながら共用にしようという概念も含むものと思いますが、御答弁をお願いいたします。
航空機はハイテクの固まりと言われ、高度な知識と技術が必要とされます。しかも流れ作業で片づけられるものではなく、多数の高度な知識と技術が必要と聞いております。これはこれからの若い人たちの専門技術の移転と育成にもつながり、また雇用にも大きく役立つと考えますが、知事のおっしゃる軍民共用とはこのような概念も含むものと思いますけれども、御答弁をお願いいたします。
米軍航空機進入管制レーダーシステム、いわゆる通称嘉手納ラプコンとニアミスについて質問をいたします。
去る2月4日、米戦闘機とエアーニッポン735便との間にニアミスがあり、一歩間違えると空中衝突という大惨事を招きかねない事態が発生しました。 一方、2月13日、米軍航空機進入管制レーダーシステム、いわゆる嘉手納ラプコンが停止し民間6便に影響が出ました。
また、昨年11月には同嘉手納ラプコンが故障して13便が完全欠航に追い込まれ、250便に影響を与えております。折しも九州・沖縄サミットの直前で、沖縄の空は大丈夫かと県民に大きな不安を与えました。
このことを踏まえ質問いたします。
今回のニアミスの事実関係、詳細な報告はないようですが、早急に原因を県民の前に明らかにする必要があると考えます。
2番目に、根本的な解決策は嘉手納ラプコンの日本側への返還であり、強力に返還要求をすべきと考えます。嘉手納ラプコンは昭和47年5月に技術上の問題で暫定的に米軍が管理するとの協定であり、現在は技術的にも十分可能と日本側は明言をしております。この件についての御答弁をお願いいたします。
次に、子育て支援策の強化について質問をいたしたいと思います。
我が県の合計特殊出生率が1.83を示し急速に少子化傾向を示し、高齢化社会を支える現役世代が大きな負担増を強いられることになります。
少子化の最大の原因は、子育てや子供の教育費にお金がかかることが挙げられ、経済状態が厳しく夫婦共働きでゼロ歳児から保育所に預けなければならないため子育て支援の充実が求められます。
沖縄県では特殊な状況にあり、公立、法人保育園は約320、認可外保育園が約400で認可外保育園は待機児童の解消に大きく貢献してきましたが、公的措置費等がないまま運営されております。
児童福祉法第1条に、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」とありますが、認可外保育園の乳幼児にも平等に手を差し伸べる必要があります。
さらに、子供に優しい環境づくりの観点から児童館や児童クラブ、子供が安心して遊べる施設の整備拡充が強く求められます。また就学時には教育費の負担が大きく、学校から指定された補助教材や体育着、部活動費等が家計を圧迫しております。
以上の点から、児童福祉の拡充、教育費軽減等の対策、出産、育児、教育に不安のない環境づくりをすることが少子化対策の根本的な解決になると考えます。
以上を踏まえまして質問をいたしますので、御答弁をお願いいたします。
まず第1番目は、乳幼児医療費助成の対象年齢をさらに拡大し充実を図っていくべきであると考えます。
2つ目に、児童手当を現行の手当制度を欧米並みに16歳ないし18歳──イギリス、フランス、ドイツあたりでは既に16歳から18歳が常識となっております──せめて16歳未満までは引き上げ所得制限の撤廃をすべきであります。
3つ目に、保育園の待機児童の解消を図るため認可外保育園に対する公的措置の拡充を図るべきであると考えます。
4つ目に、認可外保育園の固定資産税の減免を図るべきであります。
5つ目に、準認可園の設置と認可条件の緩和を図るべきであります。
6つ目に、児童館、同センター、学童クラブ等が歩いていける範囲内に施設の整備拡充を今後図っていくべきではないかと考えます。
7番目に、在宅子育て支援として親の入院、出張等緊急な事態で子供の面倒が見られないとき、1週間程度の宿泊を伴う保護事業としてショートステイや子供ホームヘルプ事業の創設を図るべきであると考えます。
8つ目に、義務教育における補助教材費の無料化と制服や体育着等のリサイクル運動を起こし、上の兄弟の体育着が下の兄弟が進級しても使えるようにすべきと考えます。
9番目に、児童の県内外派遣費用は人材育成派遣制度を創設し、父母の負担軽減を図るべきであります。
10番目に、産褥期のためのホームヘルパー派遣の創設をすべきと考えます。
11番目に、離島から本島にスポーツや文化行事に参加する小中高校生や父兄に本島で安く宿泊できる設備が必要であり、離島の父兄の負担軽減のためにも我が会派の糸洲議員が本会議でも委員会でも何回か取り上げましたけれども、ゆうな荘を離島振興センターみたいなそういう宿泊を伴う機能を持ったものに転用すべきであると。これは離島振興であり、離島から本島に来る人たちへの負担軽減、スポーツや教育行事、文化行事、これに非常に離島の父兄の皆さんが困っておられます。そういう形で転用し、離島の皆さんのために役立てるべきではないでしょうか。
次に、米軍の爆音被害に対する補償問題について質問をいたします。
「嘉手納基地爆音被害公平補償を求める会」から、我が公明党を初め県や那覇防衛施設局に爆音被害に対する公平な補償を求める要請が出されております。
嘉手納基地周辺市町村の住民は、戦後50年余にわたり軍用機の日夜の爆音にさらされ、劣悪な環境のもとでの生活を余儀なくされてきております。その間の精神的、肉体的苦痛ははかり知れないものがありました。子供の情緒不安、発育障害、そして住民の不眠症等多くの障害が出ております。その基地被害の実態を訴え国に対し1982年、嘉手納基地爆音訴訟として提訴され、1998年に控訴審判決がありました。判決内容は、うるささ指数75デシベル以上の地域に居住する原告団参加者の地域住民に対し被害補償をするというものでした。
「嘉手納基地爆音被害公平補償を求める会」からの要請の趣旨は、さまざまな事情により嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった公平補償を求める会として同様な被害を受けている地域に居住している者が裁判に加わらなかったために損害賠償がなされないことに対し不公平があるとし、すべての被害を受けている者に公平な補償をすべきと訴えているわけであります。
公平補償を求める会の人々は、特に嘉手納基地の飛行コースの真下に位置し、騒音被害の著しい地域に居住をしている状況を考慮すれば当然この趣旨の主張が正当なものであることは容易に理解できるものと考えます。
ちなみに、実は昨年の99年9月26日の「神奈川新聞」にこういう記事が載りました。いわゆる「厚木基地周辺自治体などに 補償金制度創設へ」と、「防衛施設庁 新年度から 1億1600万円計上 〝もの言わぬ住民〟に配慮」と、このように大きな見出しで出ております。(資料を掲示) これは、我が公明党・改革クラブの冨沢衆議院議員に対して国会での答弁でございます。
少し要点を御紹介申し上げますと、
厚木基地をめぐっては空母艦載機による夜間離着陸訓練(NLP)が繰り返されていることなどから、周辺住民からの苦情が絶えない。防衛施設庁は防音工事を進めているが、裁判所は第一次、第二次厚木基地爆音訴訟で相次いで住民への損害賠償を認め、依然として「騒音は受忍限度を超えておる」との判断を示している。 しかし、訴訟に加わらない住民には「国の防衛施策に協力する」などの立場もあって、補償金は払われていない。 これまでも、「国への理解がある〝もの言わぬ住民〟の救済を行うべきだ」として、国会でも再三取り上げられてきた。 先の通常国会では、新たな制度の実現を迫った冨沢篤紘氏(公明党・改革クラブ)の指摘に対し野呂田芳成防衛庁長官が「訴訟に勝った者だけが補償されるという繰り返しでは困る。何らかの救済措置を検討したい」と踏み込んだ答弁をしていた。 政府はこれまで「国は精神的な被害に対しては補償を講じない」とした1962年の閣議決定を踏まえ、「使途を限定しない補助金を国が支出することは制度的に不可能」との見解で直接的な補償金の支払いを拒否してきた。しかし、訴訟で現状の対策だけでは不十分、との判断が示されたことなどから、方向転換に踏み切ったとみられる。
このように99年9月26日の神奈川でこういうようなことが大きく報道され、大きな前進を見せております。
そういうことで、嘉手納あるいは宜野湾等でもいわゆる爆音で被害を受けている方々に対しても、訴訟に加わらなかった人たちも被害は同じように受けているわけですから当然配慮がなされるとするならば、こういう人たちにも公平にやはり補償がなされてしかるべきだと。
また、政府もそういう方向に大きく一歩踏み出しておりますので、どうか知事の方ではその辺をしっかりと念頭に入れられて対応をしていただきたいと思います。
最後に、代表質問との関連質問をいたしたいと思います。
我が会派の糸洲朝則議員から、日米地位協定の具体的な見直しの内容の質問がありました。
これに関連し質問をいたしますが、日米地位協定は片務的な協定で早急な改正が望まれます。基地の中の環境破壊や環境汚染があっても立入調査ができない。また民間で犯罪を犯した米兵が基地の中に逃げ込んでも県警が逮捕できない。これらは運用面で改善をするということで、政府はなかなか地位協定の見直しを積極的に交渉しようとはしない。
また、米軍航空機進入管制レーダーシステム・通称嘉手納ラプコンも、連続して二度も事故を起こし県民に大きな支障と不安を来しました。沖縄の空の安全性に大きな不安を抱かせております。
嘉手納ラプコンは、昭和47年5月に技術上の問題で暫定的に米軍が管理する約束で運用されてきております。現在、日本側の管制技術は十分対応が可能とのことで、政府は管制権の返還を求めるべきであります。
さらに、稲嶺知事が主張しておられます普天間基地の北部移設後の15年使用期限問題や軍民共用の問題など、この4つの米軍基地問題は稲嶺県政の基地問題に対する姿勢が問われるものであり、絶対に譲れないものと考えるわけであります。
地方分権の流れの中にあって、地方の首長の主体性が問われる時代に入りました。石原東京都知事は、都の財政改革の一環として法人税の外形標準課税の実施を表明しました。当然のことながら全国の銀行協会や国の反対と真っ向 からぶつかりながら、都民の先頭に立って条例化し実施すると一歩も譲らない姿勢で臨んでおります。結局、国もついにいたし方がないと容認の姿勢に変わってきております。
さらに石原知事は、全ディーゼル車に粒子物除去装置を義務づけ、罰則つき条例の制定を表明しております。また、県知事の反対で原発の建設を断念させる事例も出ております。
このような原発中止を実現した県知事や石原都知事の県民、都民にしっかりした目線を置いた政治姿勢は県民や都民から高く評価をされております。
このような県知事や都知事の政治姿勢は、他の道府県知事をも勇気づけるものであり、特に基地問題でどうしても日米両政府を交渉の相手にしなければならない我が沖縄県知事にとっては政治姿勢としては相通ずるものがあると考えます。
そこで稲嶺知事にお答え願いたいのでありますが、特に稲嶺県政の基地問題への対応の仕方が問われる当面の課題としてすなわち日米地位協定の見直しの問題、15年使用期限の問題、軍民共用、そして嘉手納ラプコン返還問題は県民の立場からすれば一歩も譲れない線と考えますが、知事のこの辺に対する強い姿勢、決意を御答弁としてお願いいたしたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 高良政彦議員の御質問にお答えいたします。
最初は普天間基地の移設問題について、知事の主張する移設先における15年使用期限は2つの意味があると考える、1つは危険な普天間基地に終止符を打って整理縮小を図る、2つ目は、15年の間に県経済の自立を図るということだけれども、どう思うかという御質問に対してのお答えでございます。
普天間飛行場問題の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還し、このような状況を解消することであると認識しています。
普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないと考えております。また基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。軍民共用空港が建設されることにより、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など地域経済発展の拠点を形成し、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につなげ、県土の均衡ある発展の実現を図っていきたいと思います。
国においては、県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月10日には北部振興協議会、移設先及び周辺地域振興協議会を設置し具体的な作業が開始されております。
なお、高良議員の方から県経済の自立の問題がございましたんで、若干私の方からそれに触れさせていただきたいと思っておりますが、私はこの15年の間ということではないんですが、常に申しておりますのは21世紀のできるだけ早い時期に自立に持っていきたいと思っております。
しかし一番何が問題かというと、大きな問題というのはやはり仕組みをきっちりとつくるということが大変重要でございまして、そういう意味では新しい沖縄振興法の中ではいわゆる沖縄経済振興21世紀プランを初めとする具体的なものをきっちりと織り込んでいきたいと考えております。特に特自貿の問題とか、情報特区あるいは観光特区のみならず多くの仕組みをきっちりとつくりたいと。
それからこの中でも若干触れましたけれども、跡地利用の問題についてもそうですけれども、現行の天久の問題を見ると現状のままでいると場合によっては来世紀には、22世紀まで普天間というのは現在の2倍以上ですから大変かかるわけですから、今回の私どもの要求した、政府の方で具体的に私どもの要求をのんで事業主体あるいは行財政についても普天間の飛行場の跡地利用には十分配慮するというような形で、いかに多くの仕組みをこの間にきっちり取り上げるか、それが21世紀のできるだけ早い時期に沖縄の経済の自立に結びつくものと確信しています。
次は移設問題について、軍民共用については、民間機の定期点検と整備を米軍のすぐれた整備技術を応用しながら共用する概念も含むと思うと、若い人たちへの専門技術の移転と育成、雇用にも役立つと考えるが、どう思うかということでございます。
県は、普天間飛行場の代替施設は、米軍専用の空港としてだけでなく、同施設の建設に当たっては民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産になるものでなければならないと考えています。このような観点から、軍民共用空港については、同空港を地域の振興開発につなげ、地域産業の拡大や新たな産業を創出していくための先行的なインフラ整備だと考えております。
御指摘の整備場や農産物、花卉園芸作物等の輸送、観光チャーター便の就航等民間部門の活用方法を含め、そのことについて今後協議機関等で検討されていくものと考えています。
次に、子育て支援策の強化について、乳幼児医療費助成事業の対象年齢をさらに拡大し充実を図るべきと考えるがどうかとの御質問のお答えでございます。
全国的に少子化が進行する中で、本県においてもその傾向が一層進んできており、次世代を担う子供たちを安心して健やかに産み育てることができる環境の整備が強く求められております。
このため、県においては、生涯の健康づくりの基礎となる大切な乳幼児期に安心して必要な医療が受けられるよう市町村と一体となって乳幼児医療費助成事業の拡充について取り組んでまいりました。こうした市町村の協力のもとで、昨年10月1日から対象年齢をこれまでの1歳未満児から、医療を必要とする機会の多い3歳未満児まで引き上げて実施しているところであります。実施後の状況については保護者の方々に大変喜ばれ、制度が十分活用されているとのことであります。県としては、今後とも当該事業を継続していく中で子育て支援策の充実を図っていく考えであります。
次に、同じく子育て支援策の中で、児童館、学童クラブ等が歩いていける範囲内に所在するよう施設の整備拡充を図るべきと考えるがどうかということのお答えでございます。
児童館は、児童に健全な遊びを与えてその健康を増進するとともに、情操を豊かにすることを目的とし、地域における児童の健全育成の拠点となる施設であります。事業の実施主体は市町村で、現在47館が整備されております。
また、保護者が働きに出て昼間家庭にいない小学校低学年児童の健全育成活動を行う組織として「放課後児童クラブ」が設置されております。実施主体は市町村で、平成11年度は18市町村の93クラブに1億936万6000円を助成しております。児童館等が児童の健全育成に果たす役割は大きくその必要性は今後ますます高まることから、県としては緊急保育対策等5カ年事業の整備目標に沿って市町村と連携し設置促進を図ってまいりたいと考えております。
次に、代表質問との関連について、是は是、否は否と日米両国政府に言うべきことは言って実行させることが重要であるが、知事の基地問題に対する政治姿勢について決意を聞きたいとのお尋ねでございます。
私は、県民の負託を受けた行政の責任者として県民の命と暮らしを守る責務を負っており、基地をめぐる諸問題の解決に当たっても常に県民の生活と安全を確保し、県土の均衡ある発展を図る観点から日米両国政府に対し強く主張してまいりたいと考えております。私は、普天間飛行場の移設に関してもこのような観点から移設先及び周辺地域の振興に必要な行財政上の措置、代替施設建設に際しての住民生活や自然環境への配慮、県民の財産となる軍民共用空港、15年使用期限の4事項の実現について具体的な方策を講じるよう国に強く求めております。
今後とも、高良議員御指摘のように日米両国政府に対して言うべきことはきっちり言うということを決意を表明して終わります。
○知事公室長(親川盛一) 高良政彦議員の嘉手納ラプコンとニアミスについての質問事項のうち、今回のニアミスについて早急に原因を県民の前に明らかにすべきではないかという御質問にお答えをいたします。
去る2月4日に発生したエアーニッポン機と米軍のジェット戦闘機とが異常接近したとされる事態は、エアーニッポン機の機長の報告と在日米海軍司令部との見解が異なっていることから今後の正式な報告を待たなければなりませんが、今回このような事態が発生したことは極めて遺憾であります。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって県民の日常生活はもとより、観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であり、民間航空交通の安全確保は優先されるべきものであると考えます。
県では、今回の事態を重く受けとめ去る2月10日、在日米軍沖縄地域調整官、在沖米海軍艦隊活動司令官、在沖米国総領事、外務省沖縄事務所政府代表特命全権大使、那覇防衛施設局長に対し事実関係の究明及び公表を求めるとともに、二度とこのようなことが起こらないよう再発防止に万全を期すよう強く要請してきたところであります。
なお、事実関係については現在運輸省の安全監察官が調査に入ったとのことであり、また青木官房長官は去る2月9日の記者会見で、厳密な調査結果が出るのは半年ぐらいかかるが、政府として一日も早く調査結果が出るようお願いしていると述べております。県としては、今後とも引き続き県民の生命、生活及び財産を守る立場から適切に対応していきたいと考えております。
続きまして、同じく嘉手納ラプコンとニアミスに関連しての質問の中で、根本的な解決策は嘉手納ラプコンの日本側への返還であり強力に要請すべきと考えるがどうかという御質問にお答えをいたします。
航空機は、多くの離島から成る本県にとって不可欠な移動手段であり、県民の日常生活はもとより、観光立県を目指す本県の産業振興の上からも重要な輸送手段であるため、嘉手納飛行場進入管制レーダーの故障や停止は県民及び観光客の足である航空機の離発着に大きな影響を与えるものであります。
県では、去る1月13日及び14日に、沖縄における航空交通管制の日本側への移管について内閣総理大臣及び在日米軍司令官等関係機関に対し要請を行っております。
日米両政府は、昨年11月18日の日米合同委員会において、嘉手納ラプコンの日本側への移管について今後とも協議していくことを確認しているほか、去る2月20日の河野外務大臣とオルブライト国務長官との会談においても日米間で協議していくことで一致しております。県としては、今後とも沖縄における航空交通管制を早急に日本側へ移管するよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
次に、米軍の騒音被害に対する補償問題についての質問のうち、訴訟に加わらなかった者以外の地域住民にも補償を認めるよう国に要求すべきだと考えるがどうかという御質問にお答えをいたします。
県は、これまで関係市町村との連携のもと騒音測定を実施するとともに、嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減及び騒音対策を日米両国政府に対し要請してきたところであります。
爆音被害のある地域の住民に対する補償について、国は平成11年8月3日、衆議院安全保障委員会において当時の防衛庁長官が、使途を限定しない交付金や一般的に精神的な損害に対する補償金というような制度を設けることは極めて困難であるが、現在の周辺整備法の基本を踏まえながら周辺の方々の負担を軽くするための施策を追求する必要がある旨の答弁をしております。
また、国においては、市街化が進行している飛行場周辺の騒音区域の住民の精神的被害等の緩和に資する効果的な施策を検討するため、議員御指摘の厚木飛行場周辺地域において住民の意識調査を実施する経費を平成12年度予算に計上していると聞いております。
県としては、引き続き嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減及び騒音対策の強化を図る観点から、航空機騒音に対する被害者補償については、国が実施する住民意識調査の結果やその後の施策展開を注意深く見守りながら適切に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 子育て支援策の強化について5つの御質問がございます。順次お答えを申し上げます。
まず、現行の児童手当制度を16歳未満まで引き上げ、所得制限の撤廃をすべきではないかとの御質問にお答えいたします。
児童手当は、現在3歳未満の児童を養育し、所得が一定額未満である養育者に支給されております。国においては、支給対象児童を義務教育就学前まで拡大する見直しについて今国会に提案し、法案が成立すれば6月から実施する予定としております。
なお、支給対象児童を16歳未満まで引き上げることや所得制限の撤廃については、制度の改正を伴うことから国の動向を見守りながら対応してまいりたいと考えております。
次に、保育所の待機児童の解消を図るための認可外保育施設に対する公的措置の拡充についての御質問にお答えいたします。
児童福祉法では、保育に欠ける乳幼児の福祉を確保するため児童福祉施設として保育所が設けられています。また入所している子供たちが明るく、衛生的な環境において心身ともに健やかに育成されることを保障するため、施設の面積や職員数について「児童福祉施設最低基準」等を遵守することになっております。これらを踏まえ保育所運営費が公的措置費として支弁されることから、社会福祉法人等が運営主体となっております。
なお、県では、保育所入所待機児童解消のため市町村と連携を図りながら、保育所の創設や老朽保育所の改築に伴う定員増及び設備等に余裕のある保育所での定員の弾力化など積極的な受け入れを促進しております。県としましては、今後とも保育制度の充実に努め児童福祉の向上を図ってまいります。
次に、準認可園の設置等、認可条件の緩和についての御質問にお答えいたします。
保育所は、保育に欠ける乳幼児の保育を実施する児童福祉施設であり、国が定める「児童福祉施設最低基準」や関係通知に定める基準を遵守することになっております。保育所の認可については、これらを踏まえ児童福祉法や社会福祉事業法等国から示された基準により認可しております。
また現在、国においては保育所を運営する設置主体の規制緩和等について見直しを進めているところです。
次に、ショートステイや子供ホームヘルプ事業の創設を図るべきと考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。
児童を養育している家庭の保護者が、疾病等によって家庭における児童の養育が一時的に困難となった場合などに、児童福祉施設等において一定期間、養育保護することを目的とする「子育て支援短期利用事業」があります。市町村が実施主体となりますが、施設等の受け入れ条件整備等が整わず県内ではまだ実施されておりませんが、今後状況を見守りながら対処してまいります。
また、子供ホームヘルプについては、同事業において保育士等の派遣による事業の拡充が予定されており、今後国の状況を見守ってまいりたいと思います。
次に、産褥期のためのホームヘルパー派遣の創設についての御質問にお答えいたします。
保育所に入所している児童が「病気回復期」であるということで自宅での育児を余儀なくされる期間、当該児童を病院等で預かる「乳幼児健康支援一時預かり事業」があります。国においては、同事業の拡大のため対象を産後の体調不良などにより家事や育児が困難な家庭を追加する予定にしており、今後その状況を見守ってまいりたいと思います。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 子育て支援策の強化について、認可外保育所の固定資産税の減免を図るべきではないかという御質問にお答えをいたします。
地方税法第367条の規定によれば、市町村長は、天災、その他特別の事情がある場合において当該市町村の条例の定めるところにより固定資産税を減免することができることとされております。
認可外保育所の固定資産税の減免をするかどうかについては、減免が相当であるとする程度の公益性、公共性を有するかどうか、他の納税者との均衡を失することがないか等を勘案して個々の市町村において判断すべきものと考えております。
同じく子育て支援策の強化についての御質問で、離島から本島にスポーツや文化行事に参加する小中高生に安く宿泊できる設備が必要であり、離島の父母の負担軽減のためにも「ゆうな荘」を離島振興センターとして活用すべきと考えるがについての御質問でございます。お答えをします。
離島振興センターの設置につきましては、離島の方々の各種の活動拠点として離島地域の活性化に貢献するものだと考えております。
しかしながら、当該施設を設置することについては、その施設の事業主体、採算性、熟度等について離島市町村を初め関係機関等との綿密な調整が必要であり、ゆうな荘を利活用する御提案につきましても各方面からの調査検討が必要だと思っております。
○教育長(翁長良盛) 高良議員の義務教育においては、副教材費の無料化や制服、体育着等のリサイクル運動を起こし兄弟で体育着が使えるようにすべきではないかという御質問にお答え申し上げます。
義務教育諸学校の児童生徒が使用する教科書は、教科用図書の無償に関する法律により無償で給与されております。
補助教材については有益適切なものであること、発達段階に即したものであること、保護者の経済上の負担等の観点から妥当であるかどうかなどに留意して校長が選定し、市町村教育委員会への届け出または承認を得て使用しているところでありますが、財政状況が厳しいことから無償とすることは困難であると考えております。県教育委員会といたしましては、補助教材の使用状況の把握に努め、適切な選定と使用のあり方について指導してまいりたいと考えております。
児童生徒の制服については、一部において兄弟や友人間で再使用している状況があることは承知しております。
また、学校における体育着の使用に当たっては、保護者の経済的な負担に留意しつつ、各学校の実情に即して校長が判断し適切に対応することが肝要であると考えております。
なお、制服、体育着等に関する御提言等につきましては、物を大切にするという観点から各学校、各PTA、各家庭で論議を深めるよう働きかけてまいりたいと考えております。
次に、児童の県内外の派遣費用は、人材育成派遣制度を創設し父母の負担軽減を図るべきではないかという御質問にお答えいたします。
本県児童生徒のスポーツ・文化面における近年の活躍は目覚ましく、全国レベルの大会等においても優秀な成績を残しており、大変喜ばしいことであると考えております。県教育委員会では現在、児童生徒のスポーツや文化活動を支援し派遣費の父母負担軽減に努めているところであります。
スポーツ面では、学校教育活動としての対外競技を対象に高体連、高野連及び中体連等の団体に補助金を交付しております。
また文化面では、高校生の県外文化交流事業を初めとする諸活動を対象に高文連に補助金を交付しております。
さらに、小中学生の文化活動については各市町村において県外派遣への支援策がとられておりますが、県教育委員会も児童生徒の文化活動を支援するために中文連に補助金を交付しております。
人材育成派遣制度を創設することについては現状では困難な状況でありますが、児童生徒のスポーツや文化活動に対し支援を継続して父母負担軽減に努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○高良 政彦 それでは再質問をいたします。
ここは、牧野副知事に少し軍民共用について詳しく御答弁いただければありがたいかなと思います。
私たちは、戦後この方いや応なしに米軍基地と併存する形で生活を余儀なくされてきております。そういう中で我々は決して基地を望むわけではありませんけれども、四、五十代以上の人は何らかの形で基地とかかわりを持って生活をしてきたという現実があります。そういう中で私たちはいろんな、例えば車の修理だとか電気技術だとか土木建築、こういうのを学びながら民間に転用してきたといういきさつもあります。
そういうことを考えると、北部のいわゆる軍民共用の目的ですけれども、そこで整備技術がどの程度どういう形でどういう専門家、例えば金属の専門家、あるいはコンピューターの専門家、あるいは空気力学だとかいろいろなものがあるでしょうし、そういう高度な知識、技術を持った人がどの程度必要とされるのか、例えば日航とか全日空あたりではどの程度のそういう人たちが働いているのか、北部でもしそういう形がとれるとするならばどの程度のニーズといいますか、陣容が必要なのか、どういう種類があるのか、この辺を明らかにしていただければありがたいなと思います。
と申しますのは、これからどういう姿でこれが県民の中でまたいい面として出てくるのか、やはり県民はその目的の一つとして知りたいとこう思いますので、この辺を明らかにしていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○副知事(牧野浩隆) 高良先生の御質問にお答えさせていただきます。
これはまだ調査段階でこれから予備調査ということで考えている段階でございますので、その点を含んでいただきたいと思います。
と申しますのは、軍民共用ですから、せっかく軍民共用にやっていくわけですから、どういう形で我々は軍民共用の沖縄の産業振興に資することができるかということが一つの視点でございます。
もう一つは、北部に国立高等専門学校ができますので、向こうの卒業生をどこで受け入れるのか、あるいは国立高等専門学校の中のカリキュラムにどうするのかと、そのあたりを事前に勉強しておく必要があるんじゃないかということで私は国内の2カ所、それから海外の1カ所、ついででしたけれども、出張のついでに3カ所視察させていただきました。
結論から申し上げますと、非常にうらやましいなということで、ちょうど車に車検整備がありますように航空機にも時間ごとに、年数ごとに整備していくことになります。この整備は、新しい飛行場をつくるわけじゃなくて修理するわけですから、決して流れ作業ではなくて、どこが傷んでいるかわからないわけですから人海戦術です。ですから極めて労働集約的な仕事です。それと同時に飛行機というのはハイテク産業の固まりですから、理工系の大学を出ても4年、5年の実習が必要だという意味で極めてハイレベルの労働者という形になります。それで労働集約的、それからハイレベルの労働ということになりますと産業を振興する面から見ますとよだれが出るような極めて望ましい飛行場かなと思います。
例えば、一つのジャンボなんか入れますと集中的にやるわけです。見させていただきましたところは、1機のジャンボが入りますと150名ぐらいが一気に加わっていくことになる。当然その中には情報通信、あるいはあのハイテクに支えられるわけですから労働集約的、ハイレベルということですから産業としては極めて望ましいなということで、そういうことを考えているところでございます。
具体的には来年度の予算に調査費を計上させていただいておりますので、承認されましたらそのあたりで本格的な調査を進めていきたいなと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
○下地 学 通告に沿って一般質問を行います。
通告で「1 知事の政治活動について」とあるんですが、これは政治姿勢に訂正してください。
まず、知事の所信表明についてなんですが、総じて総花的で自画自賛の観が強い。
知事は就任直後、直ちに政府との信頼回復に奔走し、沖縄政策協議会の再開、特別調整費に基づくプロジェクトの具体化、沖縄経済21世紀プランの中間報告等沖縄経済の自立的発展に全力を傾注し公約の8割を手がけたと、自分の能力以上に云々と自画自賛をしています。
基地の県内移設を現実的対応として基地問題とリンクした振興策を公約の実現と評価していますが、これは県民の期待や願いに背くものであり、県民の評価は厳しいものがあることを指摘し質問をいたします。
(1)、政府は、沖縄県民の声を無視し基地の県内移設を恣意的な判断で強引に推進しようとしています。信頼関係を損ね閉塞状態をつくった要因は何か、またその責任は那辺にあるか、明確な答弁を求めます。
(2)、大田前知事は、県民投票、名護市民投票の結果を尊重し基地の県内移設は受け入れないとの表明をしました。これに対し政府は、沖縄いじめとも受け取れるような差別的な対応をした。これは民主政治や国政の根幹にかかわる重要な問題であり、知事の見解を求めます。
(3)、戦略的な企業の育成や誘致活動、通信コストの低減措置、立地企業に対する助成措置の拡充強化等により新たに多くの雇用機会が創出されたとしていますが、雇用の実態と今後の展望について具体的に説明をしてください。
(4)、九州・沖縄サミットの首脳会合で沖縄の存在を世界にアピールし、沖縄が世界の隅々に知られることは将来にわたって県民の大きな財産になるとの考え方は評価できるとしても、何をどのようにアピールするか不透明である。沖縄の美しい豊かな自然、沖縄独特の文化、歴史等漠然として具体的なものが見えてこない。沖縄の何をどのようにアピールし世界に発信するか、テーマ、内容等について明確に示す必要がある。知事の答弁を求めます。
(5)、普天間飛行場の移設については、「県民の暮らしと安全を守る責任者としての立場から、目に見える解決策を提示することが使命だと考え、苦渋の選択」をしたと言っていますが、県民の暮らしと安全を守ることは基地の重圧から解放されることであり、とりわけ基地の全面返還、撤去である。基地の県内移設は言語道断であり、基地問題の解決策にはならないと思います。知事の見解を求めます。
(6)、知事は、平成12年度を21世紀に向けて大きく羽ばたく「飛躍の年」と位置づけ、経済の自立的発展と特色ある地域の形成を目指し、住みよい沖縄の創造に全力を尽くすと表明していますが、住みよい沖縄の創造と基地の存在について知事はどのように認識されているか、見解を求めます。
(7)、若年者を中心に失業率の高い雇用情勢を改善していくためには、産業を振興し雇用の創出を図っていくことが重要であると述べていますが、具体的な施策について伺います。
(8)、加工交易型産業の振興を図るため、国内外における企業誘致活動を強力に展開し、企業の立地を促進するとしていますが、具体的な施策について伺います。
(9)、知事は、今日の国際情勢をどのように認識されているか、また我が国の安全確保は日米安全保障条約がなければできないか、見解を求めます。
(10)、知事は、普天間飛行場の移設条件として、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、米軍の使用期限を15年とすると公約していますが、使用期限15年について米国政府は明確に否定しています。知事の今後の対応が問われます。条件が満たされない場合は知事の公約の変更もあり得るか、明確な答弁を求めます。
(11)、普天間飛行場の代替施設としての軍民共用空港の規模、工法、建設場所、管理運営主体等について具体的な説明を求めます。
(12)、米軍基地の県内移設を前提とした政府の振興策、とりわけ普天間飛行場の移設候補地を名護市辺野古沿岸域に決定し、それとリンクした北部振興策は基地の整理縮小・撤去を求める県民を愚弄するものであり容認できるものではない。知事の見解を求めます。
(13)、「米軍基地を過重に負担している沖縄の実情や基地問題の解決促進について国との協調関係を保ちながら、訪米を実施し米国政府等に要請」するとしていますが、基地を容認し基地の県内移設を現実的対応とする稲嶺知事の政策の転換と解してよいか。また国との協調関係とはどのようなことか、具体的な説明を求めます。
(14)、「離島・過疎地域の特性と住民の創意工夫を生かした潤いのある地域づくりを進めます。」としていますが、その具体的な施策について伺います。
(15)、ポスト3次振計は新たな沖縄振興計画に包含されるのか、それとも別なのか。また沖縄振興開発特別措置法と新たな沖縄振興法との整合性について伺います。
(16)、地方分権時代に適応した沖縄県ならではの行政運営、効果的かつ効率的な行政運営及び民間や市町村との適切なパートナーシップの構築を基本方針とする行財政改革の施策について具体的な説明を求めます。
次は、主要施策について。
(1)、特別自由貿易地域の管理運営主体創設及び貿易促進整備事業について、賃貸工場や賃貸倉庫等貿易促進施設整備の進捗状況及び供用開始時期、入居希望状況について伺います。
(2)、産業振興・創業支援センター(仮称)建設事業の進捗状況及び供用開始時期と主な事業内容について伺います。
(3)、伝統工芸従事者の確保や後継者育成事業に対する本県の支援体制や今後の対応策について伺います。
(4)、沖縄県雇用対策特別事業について、基金の活用状況及び雇用、就業機会の実態と今後の対応策について伺います。
(5)、地域雇用開発助成金や沖縄若年者雇用開発助成金の活用状況と雇用開発の実態及び今後の対応策について伺います。
(6)、県立宮古職業能力開発校(仮称)の設置について、宮古市町村会は97年6月に県立宮古職業能力開発校の誘致について県に要請し、平成11年着工に向けて努力するとの答弁を議会でしております。労働省との交渉の経過や県の取り組み状況及び今後の計画について誠意ある答弁を求めます。
(7)、沖縄県平和賞創設事業の推進について、稲嶺知事の平和行政の目玉として沖縄平和賞(仮称)は、平和を希求する多くの県民から評価を受けている。平成11年度の取り組み状況、選考委員とその役割及び任期等について伺います。
(8)、さとうきびの生産を確保するためのパイロットファーム育成事業の推進について、農業生産法人の実態と県及び国の支援体制と今後の対応策について伺います。
(9)、農業後継者育成基金事業の推進について基金の利活用状況、支援体制及び対応策について伺います。
(10)、沖縄農業構造改善緊急対策事業の推進について、小規模基盤整備、近代化施設整備、農村環境整備、都市農村交流施設整備等の整備状況、制度資金、県、国の支援体制についてお伺いします。
(11)、食肉処理施設等整備事業の推進について、離島の多い本県では処理施設のないところが多く衛生管理やと畜場法上の問題等が危惧されます。処理施設の設置状況と本県の対応策及び施設整備について県、国の助成制度について伺います。
(12)、宮古圏域におけるさとうきびの土壌害虫(コガネムシ)の生態と防除対策について、県は専門の職員を配置し生態の解明と防除対策の研究に取り組んでいるとのことでしたが、平成11年12月に被害が発生し、今年1月には被害が3倍に拡大しているとのことです。現在の被害状況と今後の対応策について伺います。
3、教育問題について。
(1)、学校教育の充実と本県の指導対策について。
教育課程審議会の答申において教育課程の基準改善のねらいとして、①、「豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること」、②、「自ら学び、自ら考える力を育成すること」、③、「ゆとりのある教育活動を展開する中で基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること」、④、各学校が創意工夫を生かした特色ある教育課程の編成は、これまで以上に創意工夫が必要であり、学校そのものが問われることになる。
そこで、本県における学習指導、道徳教育、特別教育活動、生徒指導等の指導対策について質問します。
①、学習指導の充実を図るため、豊かな人間性や社会性の育成及び社会の変化に主体的に対応できる能力の育成や創造性の基礎を培うとともに、みずから学びみずから考える力を育成する必要がある。本県の指導対策について伺います。
②、道徳教育の充実を図るため、教育活動の全体を通して基本的生活習慣の形成を図るとともに、豊かな心を持つ児童生徒の育成、とりわけ心の教育を重視する必要がある。本県の指導対策についてお伺いします。
③、新学習指導要領で創設された「総合的な学習の時間」の実施に向け教育課程の適切な編成、指導体制の確立等学習環境の整備に努める必要があります。本県の対応策について伺います。
④、特別教育活動の充実を図るため、これからの学校教育において個人として、また集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度の育成を図り、人間としてのあり方、生き方の自覚を深め、自己を生かす能力を養う必要がある。本県の指導対策についてお伺いします。
⑤、生徒指導の充実を図るため、本県における生徒指導上の課題として不登校や中途退学、学業不振等の学校不適応の問題、暴力行為、いじめや薬物乱用、テレクラ、深夜外出、アルバイト等基本的な生活習慣の形成に関する問題等がある。児童生徒がみずから考え、主体的に判断し行動できる能力の育成を図る必要がある。本県の指導対策についてお伺いします。
⑥、本県の小中学校の約40%は僻地学校である。僻地教育の充実を図ることによって本県教育の向上が大きく期待できるものと確信します。本県における僻地教育の充実強化を図るための施策について伺います。
4、平良市の街路拡幅整備事業について。
(1)、平良市下里東通り会は、下里東通り拡幅整備事業の法線の変更について要請をしております。作業の進捗状況と事業の着手時期についてお伺いします。
(2)、平良市西里通りの県の現況調査結果と整備計画についてお伺いします。
(3)、下里通りの拡幅整備事業はほぼ完了していますが、1件の建造物が障害となり現在も一方通行を余儀なくされています。全面開通についての県の対応策についてお伺いします。
(4)、下里西通りのマティダ市民劇場、国道390号バイパスまでの接続整備計画についてお伺いします。
5、伊良部架橋の早期実現について。
伊良部架橋の早期建設は、宮古圏域の悲願であるとして圏域を網羅して1月28日に調査検討委員会を発足させ早期実現に向けて積極的に取り組んでいます。
(1)、早期建設実現に向けての県の今後の事業計画について伺います。
(2)、地元の調査検討委員会と密接な連絡調整を図るため、早期建設に向けての対策室(仮称)の設置を強く要請し県の誠意ある対応策を求める。
伊良部町から要請した航空大学の誘致について。
下地島空港が開設されて20年が経過しております。開設に向けて国の施策として将来に向けて航空大学、リゾート開発あるいは航空機整備工場の整備等を構想の中に位置づけているけれども、いまだにその開発計画が具体化されていません。伊良部町から誘致要請のある航空大学の設置については県の積極的な支援体制が不可欠である。誠意ある対策を求め質問を終わります。
あとは答弁を受けてから再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 下地学議員の御質問にお答えいたします。
最初は、知事の政治姿勢についてということで、1番、政府との信頼関係を損ね閉塞状態をつくった要因は何か、またその責任はどこにあるかという質問に対するお答えでございます。
前県政においては、県民の基地負担の軽減を図るためSACOの最終報告が合意されたにもかかわらず、突然の海上ヘリポート反対表明により政府との信頼関係が損なわれました。これによりSACOの実施が行き詰まっただけでなく、経済振興策も停滞し沖縄はいろいろな面で深刻な状況に置かれたことについては残念に思います。
私は、本県における基地問題や経済問題などの諸課題の解決を図るためには国との連携を密にし、相互の信頼関係を築くことが重要であると考えています。今後も引き続き国との連携を図りながらさらなる基地の整理縮小を推進し、県土の有効利用と地域の均衡ある発展に取り組むなど基地問題と経済振興策のバランスある解決を図っていきたいと考えております。
次に、県民投票や市民投票を尊重した前県政に対し政府は差別的な対応をしたと、民主政治や国政の根幹にかかわる問題であると思うがどうかとの御質問にお答えします。
私は、基地問題の解決に向けては国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境の保全、経済振興策等を検討したトータルな視点から現実的に対応する必要があると認識しております。
特に、普天間飛行場の返還を初めとする基地の整理縮小については、日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため真摯に協議を行い合意したSACOの事案を着実に実現させることが段階的に基地の整理縮小を促進するより現実的で実現可能な方法であると考えています。
知事選挙では、こうした現実的対応を進める私の考え方が多くの県民に支持されたものと理解をしております。
次に、普天間飛行場返還については全面返還、撤去である、基地の県内移設は言語道断であると、基地問題の解決策にはならないという御質問に対するお答えでございます。
普天間飛行場の返還については、SACOの合意事案を着実に実施し実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であり、県内移設により市街地の中心部にあって深刻な状況をもたらしている同飛行場の返還が早期に実現するものと考えています。
県内移設により移設先の地域に新たな負担が生じることになることから、その負担を軽減するほか、あらゆる観点からさまざまな配慮がなされなければならないと考えております。
国においては、県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、昨年の12月28日、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月10日には北部振興協議会、移設先及び周辺地域振興協議会を設置し具体的な作業が開始されております。
次に、住みよい沖縄の創造と基地の存在について見解を求めるとのお尋ねでございます。
本県の多様で豊かな自然環境の保全に努めつつ、長寿・健康福祉社会や世界に誇れる文化の薫りあふれた沖縄の実現を目指してまいります。
また、安らぎと潤いのある住環境を整備し、平和で安全で安心できる社会の創出を図ってまいります。
このような住みよい沖縄の創造を図るためには、基地問題の解決を促進することが必要だと考えております。このためSACOの合意事案の着実な実現を図るとともに、SACOで合意された施設以外についても県民の理解と協力を得ながら段階的な基地の整理縮小に取り組むとともに、返還跡地利用の促進を図ってまいります。
また、基地から派生する環境問題等についても取り組んでまいりたいと考えております。
次に、失業率の高い雇用情勢を改善していくためには産業を振興し雇用の創出を図っていくことが重要であると、具体的な施策について伺いたいとのお尋ねでございます。
県内の雇用情勢を改善していくためには、産業を振興し雇用の場の拡大を図っていくことが重要であります。
そのため、産業の振興については観光・リゾート産業のなお一層の振興、企業の立ち上げから成長までを一貫して支援する企業化支援事業の実施、国際水準の企業家を育成するグローバル産業人材育成事業、県内企業の奮起を促すビジネスオンリーワン賞事業の実施、さらに産業振興・創業支援センター(仮称)の整備、県単融資資金の拡大、県産品販路拡大等諸施策の推進に取り組んでいるところであります。
また、平成12年度には新たな施策として健康食品産業等を振興するため、健康・長寿研究センターの拡充など研究体制の確立や製造業の拡大を図るための新製品研究・コーディネート事業、さらにベンチャー企業を支援するベンチャーファンドの創設、中小企業の経営資源の確保を支援する沖縄県中小企業支援センターの設立等の事業を実施する考えであります。
雇用対策については、緊急雇用対策特別事業を効果的に進めるとともに、財団法人雇用開発推進機構が実施する人材育成事業や雇用開発事業、平成12年度からスタートするインターンシップ事業に対し支援を行います。
また、新規学卒者等を対象とした県内外企業の合同選考会の開催や県外企業職場実習を実施するなど若年者の雇用対策を積極的に推進するとともに、地域雇用開発助成金、沖縄若年者雇用開発助成金の活用等により雇用・就業機会の創出を図ってまいります。
次に、同じく企業誘致活動の展開による企業立地の促進の具体的な施策について聞きたいとのお尋ねでございます。
県は、企業の立地を促進し雇用拡大を図っていくため、国内外での誘致説明会の開催や企業訪問等を実施するなど企業誘致活動を積極的に推進しております。その成果として、今年度はマルチメディア関連でコールセンターの立地が進むとともに、医療機器用半導体の製造企業が特別自由貿易地域へ進出したほか、自由貿易地域那覇地区にも数社が新たに立地しております。
また、特別自由貿易地域に整備中の賃貸工場へは3社の入居が内定しております。
平成12年度は、引き続き国内外における誘致説明会の開催や企業訪問を実施するほか、マスコミ招聘などにより本県の投資環境を積極的に広報し企業の立地を促進していきたいと考えております。
また、新たに東京事務所及び大阪事務所に課長クラスの企業誘致対策監と誘致嘱託員を合わせて6名配置するほか、米国西海岸にも委託駐在員を置くなど誘致体制を強化してより積極的に企業誘致活動を展開していきます。
なお、企業誘致活動はトップセールスが重要でありますので、状況に応じて私自身も直接企業を訪問し沖縄への進出をお願いしていく所存であります。
次に、知事は今日の国際情勢をどう認識しているか、また我が国の安全確保は日米安全保障条約がなければできないのかとの御質問にお答えします。
今日の国際情勢は、冷戦終結に伴い東西間の軍事的対立の構造は消滅しましたが、各地域には領土、民族、宗教上の問題などに起因する複雑で多様な地域紛争が発生しています。
このような現状を踏まえ、各地域の国と国との間には国連憲章の趣旨に基づき、地域の平和と安定を維持するためにさまざまな安全保障条約や同盟が結ばれており、これは今日の国際政治の現実であります。日米安保体制は、我が国の平和と安全を守るため現在の極東情勢を踏まえ、国際社会のルールに沿って構築された現実的な安全保障体制であると理解しております。
次に、普天間飛行場の移設条件として軍民共用空港とし使用期限を15年としているが、満たされなかった場合は公約の変更もあり得るのかとの御質問のお答えでございます。
普天間飛行場の移設に伴い県内に建設される飛行場は、普天間飛行場の代替施設として建設されるものであります。
しかし、県としてはそれを米軍専用の空港としてだけでなく、同施設の建設に当たっては民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産になるものでなければならないと考えています。
また、基地の固定化を避け基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件として国に強く申し入れました。
国は、普天間飛行場の代替施設については軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議機関を設置し、代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行うことを閣議決定しました。
また、15年使用期限については、「沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」との方針を閣議決定しました。
15年使用期限については、日米の防衛首脳会談や外相会談においても取り上げられており、同問題が着実に前進していくものと思います。県としては、これらの問題が政府において引き続き検討され、県の要望に対してこたえられるよう今後とも強く求めていきます。
次に、移設とリンクした北部振興策は容認できないと、見解を聞きたいというお尋ねでございます。
北部振興策は、中南部地域の発展に比べその振興がおくれている北部地域について、定住条件の整備や産業の振興などにより地域の活性化を図ることが県政の重要な課題であるとの認識から国に要望したところ、政府において沖縄県北部地域の振興に関する方針として閣議決定したものであります。
一方、普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興策は、普天間飛行場代替施設の建設に伴う新たな負担と、同地域が果たす我が国の平和と安全への貢献にこたえるため最大限の配慮が必要であるとの認識から、国に対し新たな法制面の整備を含む特段の措置を要望したところ、政府において普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興に関する方針として閣議決定したものであります。
次に、主要施策についての中で、沖縄平和賞創設事業の推進について11年度の取り組み、選考委員としての役割及び任期について聞きたいとの御質問にお答えをいたします。
私は、広く世界に目を向けた国際平和の創造に貢献していきたいと考えています。このため、平和の創造に先導的な取り組みを行っている人を顕彰する「沖縄平和賞」を創設することにしております。現在、沖縄平和賞検討委員会設置要綱に基づき委員の人選などの作業を進めております。
平成12年度は、「沖縄平和賞」に関する基本構想を策定することとし、沖縄平和賞検討委員会において十分御検討いただき、御提言を賜りたいと考えております。
次に、同じく主要施策について、農業生産法人の実態とさとうきびパイロットファームを育成するための県及び国の支援体制、今後の対応策についての御質問に対するお答えでございます。
本県における農業生産法人は、平成11年1月現在172法人が設立されております。そのうち園芸、畜産部門の法人が約8割を占めており、さとうきび部門は4法人が設立されております。
さとうきびの生産振興を図るためには、農地の利用集積による規模拡大、新技術の導入、機械化による省力・低コスト化を図り、他産業並みの農業所得を確保する必要があります。
このため、県としてはさとうきび作担い手のモデルとなるパイロットファームを設置し、46の生産法人の設立を目標に取り組んでいるところであります。現在、中城村に「結農産」、東風平町に「白川ファーム」が設立され、久米島と伊良部町においては葉たばこ農家との輪作型さとうきび生産法人の設立が具体化しております。
生産法人への支援としては、さとうきび生産総合対策事業によるハーベスター、汎用管理機等の導入や初期投資の資金として農業経営基盤強化資金等があります。
また、平成12年度から受託組織支援緊急対策事業が創設され、既存事業のメニューにない事務機器や小型農業機械等が補助対象となります。今後とも、関係機関の密接な連携のもとで生産法人の育成に取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(宮城春一) 下地学議員の知事の政治姿勢についての質問の中の、戦略的な企業の育成や優遇制度等を活用した誘致活動による雇用創出の実態と今後の展望について聞きたいとの御質問にお答えいたします。
県は、特別自由貿易地域制度等の税制上の優遇制度や通信コスト低減化支援事業、沖縄若年者雇用開発助成金制度などの諸制度を活用して積極的に企業誘致活動を推進しております。その成果として今年度は製造業で5社、情報通信関連で12社、合計17社が立地しており、平成10年度以前の立地企業の新規雇用を加えると平成12年2月現在の雇用者数は919人となっております。
また、平成12年度には情報通信関連で9社の立地が見込まれ、特別自由貿易地域に整備中の賃貸工場へは3社の入居が内定し、平成11年度以前に立地した企業にも相当数の雇用増員が予定されていることから平成12年度には総計で約2400人の新規雇用が見込まれております。
県としては、今後とも特別自由貿易地域制度などの優遇制度を活用した企業誘致活動を積極的に推進するとともに、沖縄県産業創造アクションプログラムに基づく企業化支援やベンチャー企業への直接投資制度などの施策の推進により企業の育成や立地を促進し雇用の拡大を図ってまいります。
次に、主要施策についての御質問の中の、特別自由貿易地域の管理運営主体の創設並びに賃貸工場施設整備の進捗状況及び入居希望状況についての御質問についてお答えいたします。
県が設置する賃貸工場は、平成12年4月の供用開始を目標に整備を行っており、平成12年1月末現在約50%の進捗状況となっております。
賃貸工場の入居については、一般公募により平成11年10月1日から同12月15日までの期間募集を行ってきました。その間、県としましては関係機関の協力を得ながら積極的な企業誘致活動を行い、10数社の企業から入居に関する相談を受け調整してきましたが、最終的に3社――これは県外1社、県内2社でございますが――から入居申請がなされ、沖縄特別自由貿易地域立地企業選考委員会での審議を経て3社を内定したところです。
また、管理運営主体については沖縄経済振興21世紀プランの中間報告を踏まえて早期創設に向け国と調整を行っているところであります。
同じく主要施策について、産業振興・創業支援センター(仮称)の建設事業の進捗状況及び供用開始時期と主な事業内容についての御質問にお答えいたします。
産業振興・創業支援センター(仮称)につきましては、去る2月1日に本体工事に着手したところであり、平成13年3月末に建設を完了し、同年4月には供用を開始する予定でございます。
このセンターは、ソフトな機能を持つ産業振興のための拠点として整備を行い、産業支援団体が相互に連携し一体的、総合的な産業振興・創業支援を行う沖縄県地域プラットフォームを構成する11団体が入居し、企業に対する一元的な支援を実施する予定であります。具体的な事業としては経営指導、産業観光情報の収集・提供、企業化支援、研修・交流等人材育成、資金提供、信用保証、雇用対策、TQM促進、研究開発施設及びインキュベート施設の提供などの諸事業を実施することとしております。
同じく主要施策について、伝統工芸従事者の確保や後継者育成事業に対する本県の支援体制や今後の対応策はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
本県の伝統工芸産業は、製造過程の主要部分が手作業であり、技術・技法の習得には長い期間を要することから優秀な技術を保持する後継者の育成・確保は必要不可欠であります。このため、県におきましては各工芸産地組合が実施する後継者の研修事業に対して補助を行うとともに、研修期間中における育成資金を貸与し後継者の育成・確保を図っております。
また、工芸指導所においても各工芸産地等から研修生を受け入れ、技術者研修事業を実施し後継者及び技術者を養成しております。今後とも工芸産業の振興は重要であると考えており、引き続き後継者育成事業等を積極的に進めるとともに、販路の拡大や安定的な供給体制づくりを促進するなど従事者の定着を図ってまいります。
同じく主要施策について、沖縄県緊急雇用対策特別事業の基金の利活用状況、雇用・就業機会の実態と今後の対応等についての御質問にお答えいたします。
沖縄県緊急雇用対策特別事業は、国からの交付金をもとに合計25億6200万円の基金を設けることとしており、同基金を平成13年度までの間に取り崩し、県や市町村が雇用・就業機会の創出を図る事業を実施する予定であります。
平成11年度については、県事業として17事業、2億3000万円、市町村事業として27市町村の33事業、8973万円を決定し事業を実施しているところであります。
県で実施している主な事業としては、森林病害虫等による被害木の処理事業、県産工業製品モニタリング及び技術指導事業やコールセンター業務入門講座、離島におけるホームヘルパー養成研修等であります。
これらの事業を実施した結果、現時点で合計約200人の新規雇用を創出するとともに約670人が研修等を受講する予定となっており、研修修了後、雇用につながるものと期待いたしております。
一方、市町村においては九州・沖縄サミット開催等に伴う環境美化事業やホームヘルパー養成研修等の事業を実施しております。
平成12年度の県事業は、11年度に実施している事業に小中学校の教育用コンピューター活用支援事業や北部地域におけるマングース駆除事業など5事業を新たに加えて実施する予定であり、合計6億4603万円となっています。
また、市町村事業については4億5000万円を予定しており、全体で11億405万円となっています。これらの事業の実施により、12年度は約1600人の新規雇用と約2900人の研修受講者を見込んでおります。
同じく主要施策についての質問で、地域雇用開発助成金や沖縄若年者雇用開発助成金の利活用状況と雇用開発の実態及び今後の対応策についての御質問にお答えいたします。
地域雇用開発助成金及び沖縄若年者雇用開発助成金は、県内において企業が新たに一定額の設備投資や公共職業安定所の紹介により雇用を行った者に対して適用される助成制度であります。
地域雇用開発助成金は、平成10年度で45件の事業所で391人、11年度は12月現在で56件の事業所で641人の雇用を創出しております。
沖縄若年者雇用開発助成金は、平成9年度から沖縄県のみを対象にした助成制度として活用され、平成10年度では25件の事業所で888人、11年度では25件の事業所で2244人の新たな雇用機会が生じております。今後とも、企業誘致の大きなインセンティブとなっている沖縄若年者雇用開発助成金の拡充を初め各種助成金の積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。
同じく主要施策についての御質問で、県立宮古職業能力開発校(仮称)の設置について、労働省との交渉の経過や県の取り組み状況及び今後の計画について伺いますとの御質問にお答えいたします。
宮古地域への県立職業能力開発校の設置については、宮古市町村会等からの要請もあり労働省との調整等検討を進めてきたところでありますが、全国的に職業能力開発施設の統廃合が進められている中で、宮古地域の人口約5万5000人は既存の施設の中でも全国で最小の人口規模となることや、厳しい行財政環境の中で将来の財政負担に及ぼす影響等の問題があり、現段階での設置は困難であると考えております。
しかしながら、宮古地域における職業能力開発の機会を確保することは、同地域の雇用確保や産業振興の観点から重要であり、当面、民間教育訓練機関を活用して委託訓練を実施し、その実績等を踏まえつつ地域のニーズにマッチした訓練機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
宮古地域における委託訓練の実施状況は、平成11年度がこれまで実施してきたマリンスポーツインストラクター養成訓練に加えて新たに県が介護サービス科を、雇用・能力開発機構がOAビジネス科を実施しております。平成12年度においても委託訓練の実施経費を予算計上しており、引き続き訓練機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○サミット推進事務局長(山田文比古) 九州・沖縄サミットに際し沖縄の何を、どのようにアピールし世界に発信するのか、テーマ、内容などについて明確に答弁を求めるという趣旨の御質問にお答え申し上げます。
下地議員御指摘の問題は、県民各界各層の幅広い御意見、考え方を踏まえながら検討すべき重要な課題だと認識しておりますが、この何を発信するかという点につきましてはサミットには2つの面があると考えております。
1つは、沖縄が抱えている問題につきまして日本国民や国際世論に広く知っていただき理解を深めていただくよい機会であるということであります。
もう一つは、沖縄のすばらしさを世界の人々にアピールする絶好のチャンスでもあるということだと思います。
前者の点につきましては、沖縄のありのままの姿を見ていただき、人々とも、県民とも触れ合っていただき肌で感じていただくということが最も効果的な方法であり、この意味では各国首脳、政府関係者だけではなく多数の報道関係者がサミットのために来県されるということ自体がそうした趣旨に十分かなうものであると申し上げることができます。
もちろん県や県民の側から積極的にそうした機会を利用して自分たちの考え方をきちんとお伝えしていくという努力も大変重要であります。またその背景として沖縄の歴史について正しく理解していただくということも不可欠だと思います。
このため、県としてはサミットの期間中における来訪者との交流事業やマスコミへの情報提供、便宜供与だけでなく、サミット開催前においても特にマスコミ機関をターゲットにして広報資料の提供や事前取材の招待などの働きかけを積極的に行っているところでございます。
後者の点につきましては、沖縄の美しい自然、独特な文化、魅力ある投資環境、観光・リゾート地としてのすばらしさなど多くの面に及ぶわけでありますが、世界の人々にこれらを知らしめるのに最も効果的なことは、サミット取材で来県される世界のマスコミ関係者に沖縄のすばらしさを実感してもらい、それを電波や活字や映像などを通じて世界に向けて発信してもらうことだと思います。
そのためには、サミット自体を沖縄が成功させたという実績を示すことが基本となります。サミット自体が失敗に終われば、逆に沖縄に対する評価はマイナスにもなりかねません。この点につきましては県民の皆様にも正しく認識していただき、御協力をお願いする次第でございます。
もちろんサミット期間中だけではなく、既にサミットに向けて沖縄への関心が高まりつつあることを踏まえて事前に沖縄情報の発信を行っていくことが極めて重要であると認識しており、インターネットのホームページやパンフレット、CD―ROMなどさまざまな媒体を駆使して広報活動を行うとともに、海外の報道関係者を事前に沖縄にお招きしてありのままの沖縄を取材していただくことなども行っております。
今後とも、このような広報活動を積極的に推進し沖縄を世界に発信していきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 下地学議員の知事の政治姿勢についての質問事項のうち、普天間飛行場の代替施設としての規模、工法、建設場所、管理運営等について具体的な説明を求めますという御質問にお答えをいたします。
国は、昨年12月28日の閣議決定において、「建設地点を「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」とし、今後、代替施設の工法及び具体的建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行う。基本計画の策定に当たっては、移設先及び周辺地域の住民生活に著しい影響を与えない施設計画となるよう取り組むものとする。」との方針を示しております。この方針に沿って、国において代替施設に係るさまざまな課題が検討されるものと理解しております。
次に、同じく知事の政治姿勢についての質問事項のうち、訪米要請の実施は基地を容認する知事の政策転換と解してよいか、訪米要請では国との協調関係を保ちながら実施するとしているがどうかとの御質問にお答えをいたします。
本来基地問題は国の外交防衛にかかわる問題であり、その解決に向けてはまず国家間で話し合いがなされるべきであると考えております。
しかしながら、基地問題の解決は本県の重要な課題であり、日本政府の外交交渉を側面から支援する立場で、必要に応じ過重な基地の現状や基地の整理縮小を求める県民の声を米国政府等に伝えることは必要であると考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 知事の政治姿勢についての中で、離島・過疎地域の特性と住民の創意工夫を生かした潤いのある地域づくりを進めるとしているが、その具体的な施策についての御質問でございます。お答えをいたします。
本県の離島・過疎地域の振興につきましては、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄県離島振興計画等に基づき諸施策が講じられ、産業基盤、交通・通信体系、生活環境施設等の整備を中心に各面にわたり相当な成果を上げてきたところであります。
しかしながら、離島の持つ地理的、自然的条件の不利性などから本島との間には依然として多くの格差があるほか、若者の慢性的な流出や高齢化の進行などなお多くの課題が残されているのが現状であります。
このような中、今後の離島・過疎地域の振興は各種の基盤整備はもとより、各島々の特性と住民の創意を生かした特色ある島づくりに重点を置き、離島フェアの開催、コミュニティー・アイランド推進事業及び離島・過疎地域ふるさと活性化推進事業等を実施してまいります。
また、沖縄の特性を生かした滞在型・参加型観光を促進し地域の活性化を図るため、平成12年度から新規事業として沖縄体験滞在交流促進事業を実施してまいります。
次に、航空大学の誘致について県の積極的な支援体制が不可欠である、誠意ある対応策を求めるがについての御質問でございます。お答えをします。
航空大学の誘致については、平成12年1月31日伊良部町から、航空大学の誘致は宮古圏域の地域活性化に大きく貢献するもので、航空大学設立に向けて国、県においても支援してもらいたい旨の要請を受けております。
伊良部町においては、現在、日本航空大学設立準備委員会を設置し誘致に向けた調査研究を行うとともに、日本航空学園と連携を図りながら航空大学の基本計画及び大学設立に当たっての諸課題の整理など諸準備作業を進めているところであります。
航空大学の立地は、伊良部町及び宮古地域における教育、文化の向上、雇用機会の創出、地域人口の増加、情報産業等の研究機関の導入など地域振興に多大な効果が期待されることから、県としては伊良部町の取り組み状況並びに地域の動向等を踏まえつつ前向きに対応したいと考えております。
○企画開発部長(宮城正治) 知事の政治姿勢との関連で、ポスト3次振計は新たな沖縄振興計画に包含されるのか、それとも別なのか、また沖縄振興開発特別措置法と新たな沖縄振興法との整合性について伺いたいとのことであります。お答えいたします。
本県は、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく施策の総合的な展開により着実に発展してきたところであります。
しかしながら、厳しい雇用情勢、財政依存度の高い経済構造、広大な米軍施設・区域の存在など依然として解決すべき多くの課題を抱えております。これまでの振興開発のあり方について見直す必要があると考えております。
このためポスト3次振計は、これらの課題の解決と大きく変化する現代社会に的確に対応し、21世紀の沖縄の振興を可能とする新たな理念、施策を取り入れた新たな振興計画とすることが必要であると考えております。
また、新計画を実効あるものとするためには、現行の沖縄振興開発特別措置法のあり方について抜本的な見直しをする必要があり、新たな理念、施策を盛り込んだ新たな沖縄振興法の制定が必要であると考えております。
なお、沖縄振興開発特別措置法の高率補助制度や特別自由貿易地域制度等の税制上の優遇措置などは総合的に施策を展開していく観点から、新法に継承すべきであると考えております。
以上であります。
○総務部長(與那嶺恒雄) 知事の政治姿勢についての行財政改革の具体的内容についてお答えいたします。
県は、21世紀の自立した沖縄県を目指して「県民起点の行政」の推進という理念のもと、地方分権時代に適応した沖縄県ならではの行政運営、効果的かつ効率的な行政運営及び適切なパートナーシップの構築の3点を軸とする新たな行政システムの確立を目指して行政改革を推進していく考えでございます。
具体的には職員の育成・確保や意識改革、政策立案機能の強化などにより、地方分権時代に適応した行政運営を行っていくほか、具体的な数値目標のもとでの職員数の削減や財政健全化方策の実施、民間企業経営的視点を取り入れた政策評価システムの導入やバランスシートの導入の検討などを行い、効果的かつ効率的な行政運営を行っていく考えでございます。
さらに、市町村への適切な権限移譲、民間委託化等のさらなる推進、外郭団体の見直しや情報開示制度の検討などにも取り組んでいく考えでございます。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 主要施策についての御質問、農業後継者育成基金事業の推進について、基金の利活用状況、支援体制及び今後の対応策についてお答えします。
沖縄県農業後継者育成基金は、次代の農業を担う意欲と能力のある青年農業者を育成・確保することを目的としております。
基金の運用益は、農業大学校生等を対象とした農業研修派遣、青年農業者の資質向上対策、学校教育との連携などに活用しています。特に学校教育との連携では、小学生向けの参考図書として「おきなわの農業」を編集し県内の小学校に配布しております。今後は市町村、農業団体、学校関係機関との連携を強化するとともに、新規就農者の育成・確保に向けた技術習得など助成措置の拡充強化を図っていく考えであります。
次に、沖縄農業構造改善緊急対策事業における施設等の整備状況及び支援体制についてお答えします。
沖縄農業構造改善緊急対策事業は、本土農業との格差是正と生産性の高い亜熱帯農業の確立を図ることを目的として、本土の農業構造改善事業とは別制度の事業として高率補助のもとに実施されております。
当該事業は、本土復帰時の昭和47年度から実施され、時の農業情勢に対応して7次の対策を講じており、平成10年度までに約581億円を投じ農業経営の近代化に大きな成果を上げております。
事業内容を見ますと、小規模土地基盤整備231カ所、事業費82億5000万円、農業近代化施設整備784カ所、350億6000万円、農村環境施設整備163カ所、69億7000万円、都市農村交流施設整備12カ所、14億3000万円、その他広域施設整備等280カ所、63億6000万円となっております。
補助率は小規模土地基盤整備が87%、農業近代化施設整備のうちトラクター、さとうきび収穫機、ビニールハウス、農畜産物集出荷施設については80%、その他農村環境施設整備については3分の2となっております。
なお、制度資金については、沖縄振興開発金融公庫資金及び農業近代化資金を補助事業と一体的に利用できるようになっております。県としては、今後とも農業の経営近代化及び担い手の確保を通じて活力ある農業・農村の発展を図るため、地域の意向を踏まえながら農業構造改善事業を積極的に推進していく考えであります。
次に、食肉処理施設の設置状況と施設整備の対応策、県、国の助成制度についてお伺いしたいとの御質問にお答えします。
現在、県内の食肉処理施設は沖縄本島に4カ所、離島地域には久米島、宮古島、石垣島及び与那国島の4カ所で合わせて8カ所設置されております。
国においては、最近の腸管出血性大腸菌O157等による全国的な食中毒の発生を契機に「と畜場法施行令」等を改正しより厳しい衛生基準を設けております。このため、県としては新たな衛生基準に適合した施設整備を平成12年度から実施する計画であります。
助成制度につきましては、国産食肉産地等体制整備事業の活用が考えられますが、本県の食肉処理施設は零細規模であるため採択要件に適合しないことから国等の助成対象に該当しない状況にあります。
しかしながら、食肉処理施設は本県の畜産振興及び県民に衛生的で安全な食肉供給の機能を担っており、なくてはならない施設であることから県単独事業により整備をしていく考えであります。
次に、宮古圏域におけるさとうきび土壌害虫の現在の被害状況と今後の対応策についての御質問にお答えします。
さとうきびの立ち枯れ被害を引き起こした土壌害虫は、従来クロコガネ属の一種と考えられていましたが、その後の調査によりケブカアカチャコガネの一種とほぼ判明しております。
宮古全域の今期の被害状況は、1月現在で被害面積が前期の219ヘクタールに対し14.2ヘクタール、被害額は前期の約1億4000万円に対し約650万円となっております。
今期は、適度な降雨があり、さとうきびが順調に生育したことや立ち枯れの見られた圃場から収穫を始めるなどの対策をとったことによって被害が軽減したものと考えています。
当面の有効な防除対策としては、被害圃場の収穫後の早期砕土、6月から7月の農薬の土壌かん注、被害を受けにくい農林9号などへの品種更新、9月下旬以降の遅植えなどが考えられます。今後とも、効果的な防除法を確立するため生態の解明などの調査研究を継続してまいります。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 下地議員の教育問題に関する御質問にお答えいたします。
まず、学習指導の充実を図るため本県の対応策について伺いたいという御質問にお答えいたします。
学習指導の充実を図るため、県教育委員会においては創意工夫を生かした教育課程の編成実施に向けて新学習指導要領の趣旨等の説明会を開催してきたところであります。
また、指導方法の改善充実を図るため個別指導、習熟の程度に応じた指導、チーム・ティーチング、コンピューター等の活用を促進しております。
さらに、基礎、基本の定着を図るために基礎的・基本的事項事例集、進級テスト、達成度テストの分析結果のまとめなどの活用を通して参加する授業、わかる授業の展開を図っているところであります。
なお、本県が取り組んできている学力向上対策は、新学習指導要領の理念と軌を一にするものであり、今後とも積極的に推進していきたいと考えております。
次に、道徳教育の充実を図るため本県の指導対策について伺いたいという御質問にお答えいたします。
道徳教育の充実を図るための指導対策として、「基本的な生活習慣の指導」資料や道徳教育用郷土資料「守礼」の活用などを通して道徳の時間の指導の工夫改善に努めるとともに、学力向上主要施策に聞く態度や時間のけじめ、家庭学習の習慣化、望ましい生活リズムの確立などを位置づけ、学校の教育活動全体を通じて基本的な生活習慣の形成に努めるよう指導しているところであります。
また、道徳的実践子どもフォ-ラムの開催、ボランティア活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して内面に根差した道徳性をはぐくむように努めているところであります。
次に、新学習指導要領で創設された「総合的な学習の時間」への本県の対応策について伺いたいという御質問にお答えいたします。
新学習指導要領で創設された「総合的な学習の時間」では、「各学校は、地域や学校、児童の実態等に応じて、横断的・総合的な学習や児童の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行う」こととなっております。
県教育委員会においては、教育課程の適切な編成を図るための支援として新教育課程説明会の開催、研究校の指定、県立教育センターでの講座の開設等を実施しているところであります。
指導体制の確立につきましては、教育主要施策に「総合的な学習の時間」への対応を位置づけ、市町村単位での人材バンクの充実、学校における推進委員会の設置及び地域の人材や施設等に関する人材・施設マップの作成等を指導しているところであります。
また、県立教育センターに「総合的な学習の時間研究室」を設置するとともに、「総合的な学習の時間研究協議会」を開催し学校における円滑な実施に向けて支援していきたいと考えております。
特別活動の充実を図るための本県の指導体制について伺いたいという御質問にお答えいたします。
特別活動の充実を図るための指導対策として、児童生徒の生活体験の充実に努めることが重要なことであると考えております。そのため自然教室、集団宿泊学習、交流学習等の体験的な学習及びボランティア活動の促進を図るとともに、地域の特性を生かした学校行事、地域行事への参加を促進しているところであります。
また、生徒みずから学校生活の充実向上をねらいとした学校生活のあり方を考える中・高校生フォーラムを開催するなど自主的、実践的態度の育成に努めているところであります。
次に、本県の児童生徒の生徒指導上の諸課題を解決するためどのような対策を行っているかという御質問にお答えいたします。
本県におきましても全国と同様に不登校や中途退学、学業不振など学校不適応の児童生徒の数は増加の傾向にあります。その原因として基礎学力の不足や目的意識の弱さ、基本的な生活習慣の欠如、心的ケアを要する児童生徒の増加などが挙げられます。
県教育委員会といたしましては、一人一人の児童生徒をかけがえのない一人の人間として大事にし、個性の伸長や生きる力をはぐくむ立場から、チーム・ティーチングや習熟度別学級編制、学習指導など個に応じたきめ細かな指導の充実に努めるよう指導しているところであります。
また、スクールカウンセラーや「心の教室相談員」の配置、適応指導教室の充実等を通して心のケアが必要な児童生徒の指導援助に努めているところであります。
問題行動の未然防止や基本的な生活習慣の形成などにつきましては、家庭や地域社会とのかかわりが大きいことから、各学校や家庭、PTA、地域社会、関係機関・団体等との連携を密にし生徒指導の強化に努めてまいりたいと考えております。
最後に、本県における僻地教育の充実強化を図るための施策について伺いたいという御質問にお答えいたします。
僻地の小規模校、複式学級等においては、個に応じたきめ細かな学習活動を展開することが十分可能である反面、小集団での活動が続くため社会性などの育成に課題があり、学習指導の改善充実を図ることが大切であると考えています。
そのため、僻地の学校と都市部の学校間においてインタ-ネット、マルチメディアを活用した学習を行うとともに、交流学習、集合学習及び合同学習を促進しているところであります。
また、県庁、教育センター、各教育事務所及び久米島高校に広域性、同時性等を有する教育情報衛星ネットワークを整備し、僻地においても文部省を初め各県の教育センター等からの研修講座や教育情報を受信し、各種研修の一層の充実を図っていきたいと考えております。
なお、平成12年度に全国僻地教育研究大会を開催し本県僻地教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○土木建築部長(銘苅清一) 平良市の街路拡幅整備事業についてのうち、下里東通りの法線変更作業の進捗状況と事業の着手時期についての御質問にお答えいたします。
下里通り線は、国道390号バイパスを起点とし市道大道線を終点とする延長が約990メートルの都市計画道路で、現道幅員を6メートルから16メートルに拡幅するため平成4年8月に都市計画決定をしております。
当該路線の都市計画変更については、地元通り会より道路整備後の沿線の土地利用の有効活用が図られるよう法線変更の要請があり、それを受けて県と平良市とで検討を行った結果、平成12年3月の県都市計画地方審議会に諮る予定であります。
また、当該路線は平良市街地と空港を結ぶ重要な幹線道路であり、同通りの前後区間の整備も進んでいることから、当該区間の早期整備に努め円滑な交通の確保を図りたいと考えております。
次に、平良市西里通りの県の現況調査結果と整備計画についての御質問にお答えいたします。
西里通りは、国道390号から市場通りまでの延長400メートルの道路で平良市で最もにぎわいのある商店街であります。
同通りは幅員が狭いなど沿道環境が悪く、また近年の郊外型大型店舗の進出により空洞化が進んでいる状況であり、早急な整備が必要となっております。このようなことから現在、平良市が市街地の活性化を目的に策定している中心市街地活性化基本計画の中で同通りの整備規模、整備手法等を検討しているところであります。
一方、県といたしましても平成10年度に平良市街路網整備計画調査を実施し整備規模、整備手法、事業主体及び関係者の意向等について調査、検討を行ってきたところであります。
同調査によると、整備手法として街路事業、土地区画整理事業、再開発事業及びコミュニティー道路等での整備が提案されておりますが、それぞれについての道路の位置づけ、事業費の確保、事業主体等の多くの課題があります。今後、県といたしましても、西里通りについては市が策定している中心市街地活性化基本計画の結果や地元の条件整備等を見きわめながら、事業化の方策を検討していきたいと考えております。
次に、下里通りの全面開通についての御質問にお答えいたします。
下里通りは整備延長410メートル、総事業費約88億円で、平成5年度より事業に着手しており、平成11年度末の進捗率は約93%の予定であります。
同通りの事業区域内に残っている物件については、既に補償契約を締結し平成12年3月末には取り壊しの予定であることから、今後速やかに工事に着手し平成12年6月をめどに供用開始を行うこととしております。
次に、下里西通りのマティダ市民劇場、国道390号バイパスまでの整備計画についての御質問にお答えいたします。
下里通り線は、総延長約990メートルのうち、平良市公設市場を境に市道大道線向け620メートルは県道で、国道390号バイパス向け370メートルの通称下里西通りが市道となっております。
下里西通りは、国道390号バイパスと市街地を結び円滑な交通処理を図る重要な道路として位置づけられているが、幅員が狭隘で沿道には商店や住宅が密集して防災上も危険な道路となっていることから、早急な整備が必要となっております。
そのため、市としては平成12年度に概略設計のための予算を計上する予定であり、今後地域の合意形成等の手続を経て市の事業として早期に整備する計画であると聞いております。
次に、伊良部架橋の早期建設について、早期建設実現に向けての県の今後の事業計画についての御質問にお答えいたします。
伊良部架橋につきましては、これまでの調査結果を踏まえ、今年度は架橋の概略ルート及び構造形式を選定するため地元代表、漁業関係者、渡船関係者、環境団体等から構成される伊良部架橋調査検討委員会を設置し地元関係者の意見を踏まえて検討しているところであります。
委員会は、去る1月28日に第1回目を開催しており、平成12年度の早い時期に検討結果を取りまとめる予定であります。
今後の計画といたしましては、選定された概略ルート及び構造形式について詳細な地質調査、予備設計及び環境影響評価等を行う予定であります。
一方、本架橋につきましては、1つ目に漁業権者と渡船業者等との合意形成、2つ目に膨大な建設費の確保、3つ目に建設技術の検討や自然環境への影響等多くの課題があり、これらを解決するため現在、県、地元の伊良部町、平良市及び宮古広域圏事務組合においてそれぞれが伊良部架橋実現に向けて取り組んでいるところであります。
同じく伊良部架橋で、伊良部架橋の早期建設対策室(仮称)の設置についての御質問にお答えいたします。
伊良部架橋につきましては、架橋の概略ルート及び構造形式を選定するため現在伊良部架橋調査検討委員会において検討しているところであり、伊良部架橋建設のための対策室につきましては事業化の見通し等を踏まえて今後検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○下地 学 議長。
○議長(友寄信助) 休憩いたします。
午後4時28分休憩
午後4時30分再開
○議長(友寄信助) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 銘苅清一君登壇〕
○土木建築部長(銘苅清一) 先ほど、都市計画地方審議会に諮る予定ということで説明しておりまして、その審議会に諮った上で重要な路線であるということから早期に着手したいということでございます。
○下地 学 再質問をいたします。
最初の所信表明の質問の中の(4)、九州・沖縄サミットに関連してなんですが、まず、基地問題は県政の最重要課題であるということは全県民の共通した認識だと思います。
そこで、この九州・沖縄サミットの首脳会合に向けて基地問題を訴える用意はあるのか、それとも県はどのように考えているのか、これが1点ですね。
知事の国際情勢についての現状認識と軍民共用空港の使用期限の15年、これを知事は選挙公約に掲げ、県民のぎりぎりの許容範囲だということで今回の辺野古沿岸域への移設決定の条件の一つに位置づけているけれども、この15年という知事の国への要求と国際情勢の現状認識についての整合性についてお伺いします。
それともう1点は、知事は代表質問にもこの15年の使用期限については今後とも国に引き続き強く要求する、要請するというような答弁を繰り返しておりますが、知事の任期を考えた場合にあと3年足らずです。その間においてこれが実現できると知事はお考えかどうか、お伺いします。
それから(13)の基地を過重に負担しているという知事の基地負担に対する認識と、基地の県内移設を現実的な対応だとするこの知事の行政手法に矛盾はないかどうか。
そして訪米して、これまで前大田知事が7度にわたって米国政府やあるいは専門機関、そういった平和団体等に基地問題を訴えてきたけれども、これに対して予算のむだ遣いだと厳しい批判がありましたけれども、これを知事はどのように認識し訪米しようとしているのか、お答え願います。
○知事(稲嶺惠一) 最初はサミットについてでございますけれども、私の方から従来サミットについてこういうことをしたいということで幾つか発信したいということを言ってございます。
これは特に基地問題、平和問題についてかなりいっぱいあるわけですけれども、例えば基地問題については私どもとしてはありのままに見ていただきたいと。逆にそれが日本政府及び全国民に対しても沖縄の基地問題を考えてほしいということです。
具体的な問題については、例えば今回の答弁でもお話しましたけれども、平和の礎については首脳、御夫人あるいはマスコミ関係者、その他の関係者にも見ていただきたいということを要望しているわけです。
それと、今後ともいろいろ沖縄側から発信する場合のいろんなデータあるいは資料等、特にマスコミの多くの方々にもでありますけれども、この方たちに対しても十分機会をとらえて私どもとしてはこの問題を訴えていきたいというふうに考えております。
それから、どうもおまえの言っていることと、辺野古へ移設先を設定したことと国際情勢の分析との間の整合性がないんではないかとかいう御意見がございましたけれども、私は国際情勢は先ほどお話をしたような認識を持っております。
しかし、15年問題については、これは今後移設という段階で新たに出てくる、従来のと違いますので、この辺はあくまでも県民の立場に立って私としては15年というものを今後に対しても強く求めていきたいと思っております。
それから、訪米に対しては、これは申しましたようにあくまでも基本的な考え方というのは国と国との問題ではあるけれども、沖縄県に過重に置かれた基地の状況というものを踏まえた場合、これを政府をある意味では支援するという意味で強く行きたいというふうに思っております。
しかし、それは今まで前大田知事についても私きのうですか、この前も申しましたけれども、一定の評価をしておりますということを言っております。ただ、従来は国の頭越しにやったということがありますので、私は関係各部局と連携をとりながら進めていきたいと思っております。
○議長(友寄信助) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明29日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時40分散会