平成12年(2000年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 7月 4日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた地方労働委員会会長屋宜正一君は、所用のため本日から7日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君の出席を求めました。
 次に、人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日から7日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長新垣良光君の出席を求めました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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   〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
 本日から7日までの4日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、去る6月20日の各派代表者会において決定された質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 具志孝助君。
   〔具志孝助君登壇〕
○具志 孝助 皆さん、おはようございます。
 自由民主党を代表して質問に入るわけでありますが、大変残念なことに、皆様御案内のとおり7月3日、きのうの未明でありますが、沖縄市内においてまさに憤りを覚えるまたまた、またしても米兵によるわいせつ事件が起こりました。
 突然なことでありまして、当然ながら質問の通告はいたしておりませんが、事が事だけに、しかも大事な大事なサミットを前にした事件であるだけに、通告外の質問になるわけでありますが、知事におかれましてはぜひとも御答弁を賜りたい。そして、並びに警察本部長においてもぜひよろしければ御答弁を賜りたいと。
 こういうようなことで、お許しをいただきまして質問外の質問をさせていただきたいと思います。
 既に新聞でも御案内のことかと思っておりますが、7月3日午前4時45分ごろ、沖縄市のアパートに米少年兵が侵入し、就寝中の女子中学生(14歳)に覆いかぶさるというわいせつ行為が行われた。住居侵入はもとよりでありますが、強制わいせつであります。
 今、沖縄県では県民を挙げて来る7月21日から行われる世界主要国首脳会議をぜひとも成功させようということで一生懸命になって治安の問題であり、また環境の整備であり、ありとあらゆるところで一生懸命に私たちはその成功に向けて取り組みをしているところでありますが、最も倫理やあるいは綱紀の粛正、きちっとしておかなければならない組織の人間であるはずの米兵によってこのような不祥事が惹起したということは、まさに許せるような問題ではありません。私は、130万県民の名において厳しく抗議をしなければならない、このように考えております。
 我々議会も執行部もそうでありますが、県民に対してはサミット成功に向けて協力を願いたいということを啓蒙なり一生懸命訴えてまいったわけでありますが、一方の米軍に対してはどういうようなお願いをしてきたのか。米軍が果たしてこの沖縄におけるサミットについてどのように考えているのか、全く理解がつかない。
 この際、知事を初めあるいは司法当局におかれましては厳しくこの事件に対処をされるように強くお願いを申し上げるわけでありますが、この件について知事の御見解、そしてどう対処されるか、あるいはどのように対処されたのか、知事及び警察本部長にお尋ねをいたしたいと思います。
 米兵事件についてはこの程度で終わりますけれども、では、これより代表質問に入りたいと思っております。
 稲嶺知事に対し自由民主党を代表して質問を行います。
 質問に入る前に一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 本日、この議場に集まった私どもは、それぞれの選挙区において厳しい選挙戦を勝ち抜いてきた選良であります。お互い主義主張は異なっていても、県民の生活を守り、県民の福祉向上と県勢発展のため頑張りたいという目標は同じであると考えます。
 向こう4年間の私たちの任期は、戦争の世紀とも言われた20世紀から新しい21世紀につなぐ歴史的にも大きな節目であり、県政にとっても大変重要な時期であります。私たちは、立場を乗り越えて130万県民のために大いに頑張ろうではありませんか。
 九州・沖縄サミット首脳会合もいよいよあと2週間後に本県において開催されますが、全県民の協力のもとで立派に成功させ、守礼の邦・沖縄を世界へアピールしたいと思います。
 自由民主党は、今回の選挙において大幅に議席をふやすことになりましたが、決しておごることなく、常に謙虚でそして話し合うことを大事にしてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 質問に入ります。
 我が党は、今回の選挙において、県民に対し沖縄経済の自立に向けたポスト3次振計の早期策定、雇用失業問題、基地問題、医療福祉の問題、教育問題等を中心に訴えてまいりました。
 今定例会は、選挙後における初めての議会でありますので、選挙戦の中で県民に訴えてきたこれらの問題についてただしていきたいと思います。
 質問は大きく5項目に分けて、第1項目めに新たな沖縄振興開発について、2項目めに基地問題について、3項目めに医療福祉問題について、4項目めに九州・沖縄サミット首脳会合について、最後の5項目めに教育問題についてただしてまいりたいと思います。
 質問の第1項目めは、新たな沖縄振興開発についてであります。
 (1)、ポスト3次振計について。
 6月29日、今定例会が開会した直後に第3次沖縄振興開発計画総点検報告の説明を受けたところでありますが、21世紀初頭における沖縄県のありようについてまとめたものであり、極めて重要な事柄について述べております。改めて知事に御説明を願いたいと思います。
 同報告では、昭和48年本土復帰後にスタートした沖縄振興開発計画は、今日までの28年間で総事業費6兆円余が投入され、その結果多くの分野で本土との格差は縮小されたが、「今なお自立的経済発展の展望が開けないまま、財政依存、基地依存の高い経済構造が続いており、」と総括をしております。経済の自立化に向けたポスト3次振計についてお伺いをいたします。
 ①、第3次沖縄振興開発計画を総点検してどのように評価したか。
 ②、自立経済の確立をどう図っていくのか。
 ③、新たな振興計画に県民の意見をどのように反映させるか。
 ④、新たな沖縄振興計画を実効あらしめるための新たな沖縄振興法とはどのようなものか。またその取り組み状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。
 (2)、那覇空港の拡張整備の促進について。
 那覇空港の沖合展開による拡張整備は、県経済界を初め全県民の30年来の悲願である。去年の4月に野中広務当時の官房長官、沖縄開発庁長官を兼ねておりましたが、沖縄来県の際に記者会見の席上において、平行滑走路の増設について十分検討する時期に来た、実現に向けて努力すると言明されております。
 同年12月に二階俊博運輸大臣から、仲村正治運輸委員長就任祝賀会の席上でも同趣旨の発言をいただいております。
 沖縄県は、これらの発言を受けて那覇空港沖合展開に向けた取り組みを強化するため、企画開発部に那覇空港国際化プロジェクトチームを設置した。
 一方、民間においてもことしの4月に経済団体、市民団体、政党など37団体で那覇空港拡張整備促進連盟が結成されたところであります。
 ちなみに那覇空港における航空機の離着陸の状況、実態でありますが、1本の滑走路は年間13万回が限度と言われております。那覇空港の平成10年度における離着陸の回数は10万8000回と言われております。5年後の平成17年には限界である13万回を突破するとこのように予想され、10年後の平成22年度には14万回を間違いなく突破すると、このように予想を立てております。いよいよ5年後には限界に達し、そしてその後にパンク状態に陥ると、こういうようなことでありますので、早急に那覇空港の平行滑走路の事業に着手をしなければならない、このように考えます。
 そこで質問でありますが、那覇空港の拡張整備の促進について、①、那覇空港の現状と平行滑走路増設の必要性について伺う。
 ②、那覇空港の整備促進にどのように取り組むか、お尋ねをいたします。
 (3)、沖縄縦断鉄軌道の導入について。
 第3次沖縄振興開発計画の総点検で、中南部と北部を結ぶ新たな交通システムの検討が挙げられている。また民間においても有識者による沖縄南北縦貫鉄軌道を実現する会が結成され、社会的な関心が高まっているが、沖縄縦断鉄軌道の導入の可能性についてどのように考えるのか、お尋ねをいたします。
 (4)、雇用対策についてであります。
 本県は、深刻な雇用情勢の改善を図るため、国が臨時応急の措置として創設した緊急地域雇用特別交付金により設置した基金を活用し、県及び市町村が緊急に対応すべき事業を実施することにより、雇用就業機会の創出に努めることにしております。
 緊急雇用対策特別事業として平成11年度からスタートしたわけでありますが、その予算は平成11年度に1億474万7000円、そして今年度12年度には4億5801万5000円が計上されております。
 去る6月30日の新聞報道によりますと、「県企画開発部統計課が30日発表した5月の労働力調査によると、県内の完全失業率は8.2%で、ことしに入って最悪を記録した。4月に比べて0.8ポイント上昇した。前年同月比では0.3ポイントのダウン。」、このように言っております。「完全失業者数は5万2000人で、4月に比べ6000人の増。前年同月比では1000人の減少となった。」とあります。
 ついでに、新聞報道からあと1点を取り上げると、県の若年者雇用対策の充実強化事業の一環として新規高卒者企業合同求人説明会が去る6月29日に宜野湾市農協会館で行われております。労働省沖縄労働局、県商工労働部、県教育委員会が主催になって開かれておりますが、この求人説明会に対し204名の求人枠を用意されたが、実際のところそこに参加したのはわずかの60名、そして204名の求人に対して採用決定したのは5名。
 この原因が、就職を希望している本人たちがどういう職種につきたいかはっきりしないと、意思がはっきり決まらないと、こういう方々が全体の8割を占めると、こういうような新聞報道に触れました。一体全体沖縄の失業問題、特に若い人たちの就職に対する意識というのはどういうものであるのか。これは実際のところミスマッチではないかと、こういうような報道があるわけでありますけれども、いずれにいたしましても沖縄の失業問題というのは、全国平均の約2倍と言われて深刻な状況であります。しっかりした対処をお願いしたいと思っておりますが、質問に入ります。
 本県の雇用失業の特徴の一つは、若年者失業率の高さにあるが、若年者雇用の状況と県の取り組みはどうなっているのか、お尋ねをいたします。
 質問の大きい項目の2番目、基地問題について入ります。
 基地問題は県政の中でも最大の課題であり、中国や北東アジア地域における緊張状態が解消されない限り本県においては永遠のテーマになりかねないと考えます。
 私は、当面、同問題については大きく3つに分けて考えることができると思います。
 1つ目に、日米地位協定の問題であります。
 アメリカ合衆国の軍隊が我が国に駐留する根拠は、日米安保条約の第6条に規定されております。合衆国の施設やその管理、また返還に関することや軍隊の活動及び構成員等の法的地位についてはすべて日米地位協定の中で定められております。ところが、これらの米軍基地から派生する事件・事故、それから環境問題、軍人・軍属等による犯罪等が県民生活に多大な影響を及ぼしていることから、かねてから日米地位協定の見直しが求められております。
 2つ目は、基地移設の問題であります。
 沖縄県は、全国土面積のわずか0.6%しかない狭隘な離島県でありながら、全国における米軍施設及び区域が実に75%も本県に集中している。米軍基地の整理・統合・縮小は、全県民の一致した願いであるが、それを着実に実現するためには平成8年12月に合意した普天間飛行場や那覇軍港の早期移設を含めたSACO合意事項の着実な実施が不可欠であります。
 3つ目は、軍転法の改正による跡地利用の問題であります。
 500ヘクタールに及ぶ広大な普天間飛行場の円滑な跡地利用計画などは、軍転法の改正なくしてあり得ないと考えます。
 ここで質問をいたします。
 (1)、日米地位協定の見直しについて、①、県の基本的な考え方はどうなっているのか。
 ②、今後のスケジュールはどうなっているのか。
 (2)、15年使用期限問題の進捗状況及び今後の見通しはどうなっているのか。
 (3)、普天間飛行場の代替施設の基本計画等に関する協議機関はいつ立ち上がるのか、また今後の作業状況について伺います。
 (4)、軍民共用空港に関してどのような民間活用を考えているのか。
 (5)、さきの衆議院議員選挙の結果を受けて――これは東門さんの当選を受けてとこのように解してください――普天間飛行場の代替施設の県内移設についての知事の見解を伺います。
 (6)、駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等についてであります。
 駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針(平成11年12月28日閣議決定)が出されているが、普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等に係る政府、県、地元の取り組み状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。
 質問項目の3点目、医療福祉問題についてに入ります。
 (1)、公務員医師問題について。
 6月27日付沖縄県公務員医師会から次のような陳情を受けました。長いので真ん中辺を中略をいたしましたが、ちょっと読み上げます。
  昨今の過重労働と諸手当削減に対する要望 現在、県立病院の公務員医 師の間で、気力の喪失、やる気のなさ、病院を辞めたいなどのネガティブ なムードが広がっております。この原因は、①各医師一人一人がこれまで 自分達の命を削ってまでも、不眠不休で働き続けてきたのに、②給料の大 幅な削減(医師暫定手当の3年間での撤廃と調整数の削減、当直料や僻地 手当の削減等)を公務員医師会の意見を全く聞かず、さらに公務員医師の 働きや収入の評価も全くなしに断行し、あるいはこれから断行しようとし ていることであります。
 あと、細かく中部病院における小児腎臓専門医師の実態等についても触れ、そしてさらに八重山病院における小児科医の過密労働の実態についても大変細かく触れておりますが、時間の都合で割愛をして後段の結びの部分に入ります。
  今回の公務員医師給料の大幅な削減は、沖縄県のこのような医療(地域医療、救急医療、離島医療、特殊医療)を担っているとの誇り故に多少の過密労働をも苦にせず頑張っている我々沖縄県公務員医師達に罰を加えるようなもので、プライドを傷つけ完全にやる気をなくする結果となっております。熟練医師の辞職の連鎖を生み、沖縄県医療行政の後退につながるものであります。よって、沖縄県公務員医師会は下記のことを、強く要望いたします。 1、医師暫定手当は長い間支給され医師の生活給になっており、長期に時間をかけて、暫減してください。 2、医師暫定手当は医師の職能給にあたり、完全撤廃の際には、職能給に相当する手当を新設して下さい。 3、医師調整数の削減は白紙撤回をお願いいたします。 4、公務員医師の定数を大幅に増やし、医師の過重労働をなくしてください。
と、こういうような切実な陳情を受けたところでありますが、ここで質問をいたします。
 (1)、公務員医師の問題について、①、本県の公務員医師の給与は全国的に見てどのような状況になっているのか。
 ②、県は、給与制度の適正化を図る観点から給与制度の見直しを行っていると聞いているが、公務員医師の給与の見直しの内容はどのようなものか、お尋ねをいたします。
 (2)、介護保険について、①、介護保険が4月からスタートした。介護保険制度についてはスタート前から保険者となる市町村の準備状況についての問題点が指摘されておりましたが、実施後の状況はどのようになっているのか。また課題や問題点はあるのか。
 ②、新聞で報道された県国保連合会における介護保険の支払い関係のコンピューターソフトにエラーが出たため4月分の介護報酬の支払いが一部でできないトラブルが発生し、沖縄県介護療養型医療施設連絡協議会から概算払い等で対応してほしい旨の要請があったと聞いているが、県はどのように対処したのか。
 (3)、母子総合医療センター(こども病院)の設立について伺います。
 沖縄県の出生率は全国一だが、反面、新生児・乳児死亡率は全国上位という状況にある。高度医療の必要な妊婦の安全な出産から新生児や小児の難病治療、専門的なリハビリテーション等母親や子供を対象とする母子総合医療センター(通称こども病院)の設立を望む声が高まっているが、どのように考えておられるか、御説明を求めます。
 質問項目の4番目、九州・沖縄サミット首脳会合についてであります。
 九州・沖縄サミット首脳会合も2週間の後に開催されることになりました。町にはサミット参加国の国旗がたなびき、主要な沿道には警備のための警察官の姿が目につくようになりました。いよいよ世界の主要国の首脳たちがここ沖縄を訪れることになると思うと多少の緊張感を覚えるのは私だけではないと思います。つつがなく会議やイベントが運ばれることを心から祈らずにはおられません。
 そこで、(1)、準備状況、(2)、警備体制、(3)、経済効果、(4)、ポストサミット等について伺います。
 (1)、準備状況について、①、サミット関連事業の施設整備としてどのような事業を位置づけているのか。また進捗状況はどうなっているのか。
 ②、サミット関連事業の工事発注実績(件数、総工事費)はどうなっているのか。
 ③、県主催のサミット関連行事の準備状況はどのようになっているのか。
 (2)、警備体制について、①、今回のサミット警備は大規模になることが見込まれ、県警の職員が大多数その警備に動員されるものと思うが、県民生活に密接にかかわる一般治安の対策はどのようになっているのか。またその体制はどうか。
 ②、サミットの成功は警察の警備に負うところが大きい。警備の観点も含め県民としてどのような協力をしたらいいのか。また各地区で地域協力会なるものが立ち上がっているが、この協力会はサミットに向けてどのような活動をしているのか。
 ③、サミット時における交通規制に関してテレビやポスターでいろいろ広報されているが、自動車検問等も含め時期と場所などについて現時点でわかる範囲で説明願いたい。
 ④、労働団体が7月20日に嘉手納基地包囲行動を計画しているようだが、サミット警備の観点から県警はどのように対応する方針か、お尋ねをいたします。
 ⑤、サミットをめぐる過激派の反対情勢はどのようになっているのか。
 (3)、サミットの経済効果について、今回のサミット誘致による経済効果について説明を求めます。
 (4)、ポストサミットについて。
 リゾート型のコンベンション施設である万国津梁館が整備され、ポストサミットの国際会議の誘致を積極的に進める必要があるが、どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
 (5)、故小渕前総理の銅像建立について民間の間で話題になっております。県としてはどうお考えになるか、知事の御所見を賜りたいと存じます。
 5、教育問題について。
 最後の項目になりましたが、教育問題について伺います。
 昨今、全国的に青少年による凶悪犯罪が連続して起きております。15歳前後の少年にどうしてこのような目を覆う凶悪な犯罪行為ができるのだろうか、不思議でなりません。学校における教育のありように問題があるとすれば、直ちに対応を急がなければならないと考えます。
 ここで質問を行いますが、(1)、一連の青少年による暴行事件等に関する県教育委員会の対策についてお伺いをします。
 (2)、少年による事件が多発している中、「心の教育」の充実について学校の取り組み状況及び県教育委員会の対応について伺います。
 以上で私の代表質問を終わります。よろしく御答弁のほどをお願いいたします。
 ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 それではまず具志孝助議員の御質問の中で、最初の、通告外ではあるけれども答えられれば答えてほしいというのが冒頭ございました。これは住居侵入等事件についてでございまして、7月3日に沖縄市内で発生した米海兵隊員による住居侵入事件等について県はどう対応したかとの通告外の御質問でございます。
 本件に関しましては、具志孝助議員が御指摘したように大変に遺憾な問題であると感じております。それで対応についてお話をしたいと思います。
 県は、本件に関し本日、アール・B・ヘイルストン在日米軍沖縄地域調整官に対し厳重に抗議するとともに、綱紀粛正及び兵員に対する教育の徹底を含む再発防止について万全を期するよう強く要請したところであります。
 要請に対し、ヘイルストン中将からは、週末の事件に関してアメリカを代表しておわびしたい。米軍としては兵員に対しこれまで教育プログラムを実施してきたが、事件が1件でも起こることは許されないゆゆしきことであり、恥ずべきことである。今後とも教育プログラムを徹底して再発防止に努めたい旨の回答がありました。
 また、昨日、在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)並びに容疑者が所属する第36海兵航空軍司令官に対し同様な申し入れを行っております。
 県としては、今後とも三者協の議題として提案するなどあらゆる機会を通して綱紀粛正及び再発防止を図るよう日米両政府に対し強く求めていきたいと考えております。
 それでは本題に入りまして、質問順に従ってお答えしたいと思います。
 最初は、新たな沖縄振興開発について、第3次沖縄振興開発計画を総点検してどのように評価したかへのお答えでございます。
 3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策が推進された結果、社会資本の整備を中心に着実な成果を上げ、各面における本土との格差は次第に縮小するなど本県の経済社会は着実に発展しています。
 しかしながら、産業基盤等についてはいまだ整備が十分でない分野が存在しております。
 また、完全失業率は本土に比べ高い水準で推移しており、県民1人当たりの所得についても全国の中で最下位の状況にあります。さらに今後、我が国のアジア・太平洋地域の中で果たす役割を担うためのアジア・太平洋協力・交流拠点の形成についても十分でありません。
 加えて、本県にはなお広大な米軍施設・区域が存在しており、本土に復帰して28年を経てもいまだに本土に比べ大きな負担を背負っております。
 このようなことから、本県の経済社会は着実に発展してきたものの、なお解決すべき多くの課題を抱えております。
 次に、同じく振興開発について、自立経済の確立をどう図っていくかとの御質問のお答えでございます。
 本県のすぐれた自然環境や独特の文化等を背景に観光・リゾート産業が着実な伸びを示し、情報通信産業も一定の集積が進展しているものの、製造業などの振興については総じて立ちおくれており、本県経済は今なお自立的経済発展の展望が開けない状況にあります。
 本県の自立経済の確立を図るためには、産業経済を担う人材の育成・確保を図るとともに、研究開発の促進、新規事業の創出支援、既存製造業の市場競争力の強化、企業誘致の推進、さらに産業活動を支えるインフラの整備等を推進することにより産業振興を図り、競争力、持続力のある民間主導型経済を構築する必要があると考えております。
 次に、同じく振興開発の中で、新たな振興計画に県民の意見をどのように反映させるかという御質問にお答えをいたします。
新たな沖縄振興計画の策定に当たっては、県議会、沖縄県振興開発審議会、市町村、各種団体はもとより、広く一般県民から意見等を求め新たな計画づくりに反映させてまいりたいと考えております。
21世紀の新しい沖縄づくりには、主役である県民一人一人の参加と協力が重要であり、県民の総意が生かされるような計画づくりに取り組んでいきたいと考えております。
なお、第3次沖縄振興開発計画総点検報告書については、去る6月29日に沖縄県振興開発審議会から意見書をいただいたところであります。
次に、同じく振興開発のうち、新たな沖縄振興計画を実効あらしめるための新たな沖縄振興法とはどのようなものか、またその取り組み状況はどうなっているかについてお答えいたします。
新たな沖縄振興法は、経済のグローバル化及び情報化の進展、少子・高齢化社会の到来など国内外の情勢に的確に対応しつつ、民間主導の自立型経済社会の構築や返還基地跡地の円滑な利用等を着実に推進していけるような法制度にする必要があると考えております。
現在の取り組み状況は、新たな沖縄振興法に盛り込むべき制度、施策について関係機関と調整を行っているところであります。
 同じく振興開発について、那覇空港の現状と平行滑走路増設の必要性についてお答えをいたします。
 沖縄は、新全国総合開発計画において太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)と位置づけられており、那覇空港は我が国の南の広域国際交流拠点の基盤として整備促進がうたわれております。
 近年、那覇空港の旅客数は年平均約7%の高い伸びを示しており、平成11年の旅客数は1100万人を超えております。それに伴う航空機の離着陸回数も増加し平成11年は11万2000回に達しており、平成22年には滑走路処理能力が限界に達すると予測しております。
 滑走路の処理能力が限界に達すると便数制限を余儀なくされ、県経済への多大な影響が予想されます。また、万一の航空機事故等による滑走路の閉鎖は、離島の急患搬送手段や生活路線の確保に支障となるばかりでなく、観光産業のイメージダウンも懸念されます。
 このようなことから、那覇空港の沖合展開による平行滑走路の増設が必要と考えております。
 同じく那覇空港の整備促進にどう取り組むかとの御質問にお答えいたします。
 那覇空港の滑走路は限界に近づきつつあり、観光産業の持続的な発展や県民の円滑な交通を確保する観点から平行滑走路の増設は緊急の課題となっています。
 県としましては、平行滑走路増設を実現するためには広く県民が一体となって国に働きかけていく必要があると考え、経済団体、市民団体、政党、行政機関など36団体の賛同を得て去る5月25日に「那覇空港拡張整備促進連盟」を設立いたしました。
 促進連盟としては、設立後直ちに政府・国会関係者に対し要請活動を行ったところであり、要請の趣旨についてはおおむね理解をいただけたものと考えております。
 しかしながら、国の財政が厳しい現況において早期に平行滑走路増設を実現するためには今後さらに強力に促進運動を展開する必要があります。県としましては、多くの県民の御理解と御参加を得て促進連盟の組織及び活動の強化を図り、国に対し早期の事業着手を強く働きかけていきたいと考えています。
 次に、基地問題でございます。
 その中の1つ、地位協定の見直しについて県の基本的な考え方はどうなっているか、それから地位協定の見直しについて今後のスケジュールはどうなっているか、この2つの御質問に一括してお答えいたします。
 県は、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故等から県民の生活と人権を守り、米軍基地をめぐる諸問題の解決を促進するためには、米軍基地の提供や運用のあり方等を定めた現行の日米地位協定を見直す必要があると考えており、これまで機会あるごとに日米地位協定の見直しを政府に求めてまいりました。
 また、昨年11月、普天間飛行場の移設候補地の選定を国に提示するに際しても日米地位協定の見直しを要請いたしましたが、国においては昨年12月28日の閣議において、「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との方針を決定しております。
 県としては、県民の生活と人権を守り、県民の福祉の向上を図る観点から、改めて日米地位協定の各条を全体的に検討する必要があると考え、日米地位協定の見直し要請案の取りまとめ作業を行っているところであります。
今後、市町村からの意見等を踏まえながら要請案を決定し、サミット終了後、できるだけ早い機会に日米両政府に対し日米地位協定の見直しを要請したいと考えております。
 また、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)においても、同様の内容で日米地位協定の見直し要請を行う予定であります。
 次に、同じく基地問題について、15年使用期限の問題の進捗状況及び今後の見通しはどうかとのお尋ねでございます。
 県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
 また、基地の提供責任は日本政府にあるということを述べてきました。戦後、日本の平和と経済繁栄の陰で沖縄が55年間担ってきた負担について政府が日本国民に説明し、沖縄の過重な基地負担について全国民で議論していただきたいということも言い続けております。
使用期限問題については、国は、沖縄県知事及び名護市長からの要請を重く受けとめ、同問題を米国政府との話し合いの場で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応しながら米国政府と協議していくとの閣議決定を受け、去る日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられております。引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
 県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えています。
 次に、普天間飛行場の代替施設の基本計画等に関する協議機関はいつ立ち上がるか、また今後の作業状況について伺いたいとの御質問にお答えをいたします。
 代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めた基本計画は、閣議決定に沿って政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で設置される協議機関において検討されることになります。
 協議機関の立ち上げについては、現在、国においてその準備がなされているものと理解しております。県としては、名護市と連携を図りながら円滑に立ち上げができるよう取り組んでいきたいと考えています。
 今後、軍民共用空港を念頭に協議機関の中で基本計画のほか、安全環境対策や代替施設の使用に関する協定などが検討されますので、県としては名護市の意向も踏まえながら普天間飛行場の早期移設返還に向け対処していきたいと考えております。
 次に、軍民共用空港に関してどのような民間活用を考えているかとの御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の代替施設については、軍民共用空港として将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであるとともに、同空港を地域振興につなげ、地域産業の拡大や新たな産業を創出していく必要があると考えています。
 軍民共用空港における民間部門については、新たな観光ルートの開発による観光客の開拓、農産物や花卉園芸作物の出荷、チャーター便の就航等の機能のほか、地域の産業振興につながる航空機整備等の機能の導入について、今後、国及び名護市と調整を行いながら検討していきたいと考えております。
 次に、さきの衆議院議員選挙の結果を受けて、普天間飛行場の代替施設の県内移設についての知事の見解を伺いたいにお答えいたします。
 今回の衆議院議員選挙では、県内より6名の国会議員が選出されました。選ばれた方々には、県民の代表として国政の場から沖縄の振興開発のため御尽力いただきたいと思います。
 普天間飛行場の県内移設については、県政の重要課題として取り組んでまいりました。県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、国においては昨年末新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月に「北部振興協議会」及び「移設先及び周辺地域振興協議会」が、また5月には「跡地対策準備協議会」が設置され、具体的な作業が開始されております。
 県としては、今後とも県選出国会議員の皆様の御理解と御支援を賜るとともに、地域の皆様の御理解を得ながら一歩一歩着実に作業を進め、基地の整理縮小を願う県民の要望にこたえていきたいと考えております。
 次に、医療福祉の問題について、介護保険制度について実施後の状況はどのようになっているのか、また課題や問題はどのようになっているか伺いたいにお答えをいたします。
 介護保険制度が4月からスタートしましたが、保険者である市町村や関係者等の御努力により特に大きな問題等もなく施行されているところであります。
 要介護認定の申請については平成11年10月から開始され、12年4月末現在、申請受付数は当初の申請見込み数を上回り2万8836人となっております。そのうち96%に当たる2万7499人が認定調査を終え、91%に当たる2万5129人に認定結果の通知が行われています。
 介護保険サービスの基盤整備については、施設の整備は全国的にも高い水準の整備状況となっていますが、在宅サービスの供給体制が不十分な市町村があり、今後、在宅サービスの基盤整備を強化していく必要があります。とりわけ離島等小規模町村においては民間事業者の参入が困難となっており、離島等における介護サービスの充実強化を図る必要があると認識しております。
 次に、九州・沖縄サミット首脳会合について、サミット関連事業の施設整備の位置づけと進捗状況についてお答えいたします。
 サミット関連事業の施設整備については、九州・沖縄サミット首脳会合の開催が決定して以来、国、県、日本道路公団で連携し鋭意取り組んできたところであります。
 国及び日本道路公団の事業としては、那覇空港自動車道の一部である南風原道路の建設、国道58号等における排水性舗装や交差点改良、沖縄自動車道の全面的な排水性舗装、飾花、ノンストップ自動料金収受システムの導入、屋嘉インターチェンジの改良等を実施しております。
 また、県の事業としては、首脳会合が開かれる会場や宿泊施設、プレスセンター等の周辺地域及び首里城、平和祈念公園等の主要な観光施設を中心に円滑な交通の確保や道路案内標識の整備、修景美化を図るとともに、河川、海岸、公園等についても環境保全及び保安上の観点から重点的に整備を進めてきたところであります。
 具体的には、万国津梁館の建設、部瀬名海岸の整備、交通安全対策及び渋滞対策として那覇空港線等の整備、修景美化事業として首里城線などの整備を行っております。
 進捗状況としては、那覇空港自動車道・南風原道路及び国道507号津嘉山バイパスの供用開始がなされるなど国、県、日本道路公団における主な事業は完了しております。
 現在は、サミットの成功に向け、各関係機関において施設の管理に万全を期するよう鋭意取り組んでいるところであります。
 次に、同じくサミットについて、ポストサミットについては万国津梁館が整備され、国際会議の誘致を積極的に進める必要があるが、どのように取り組んでいるかとの御質問にお答えいたします。
 九州・沖縄サミット首脳会合が沖縄県で開催され、本県が国際コンベンション都市として世界に広く発信されることとなります。今後は、これを契機に国際会議等各種会議の誘致を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 国においては、国際会議等各種会議の沖縄開催について民間への協力要請を含め、今後必要な支援を行うため去る6月20日の閣議で国際会議等各種会議の沖縄開催の推進について了解し、沖縄開発庁のもとに各省庁の部局長クラスから成る各省庁連絡会議が設立されたところであります。
 県は、これまで沖縄観光コンベンションビューローや国際観光振興会等と連携して国際会議等各種会議の誘致に努めてきましたが、今後は、政府等との緊密な連携をさらに強化するため「国際会議等誘致支援プロジェクトチーム」の設置等、受け入れ体制を整備し、国際会議等各種会議の誘致を推進してまいりたいと考えております。
 次に、故小渕前総理の銅像建立については民間で話があるが、どう考えるかとの御質問にお答えいたします。
 サミット首脳会合の沖縄開催は、御承知のように故小渕前総理の御決断により実現したものであり、多くの県民が感謝の念を感じていると思います。
 県としましては、故小渕前総理の沖縄へ寄せる深い思いにこたえるためにも、何よりもまず今回のサミットをぜひとも成功させることが重要であると考えており、現在、万全を期して開催受け入れ準備に取り組んでいるところであります。
 銅像建立については、民間側の動きを見守りつつ、県としてのかかわりも含め前向きに検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 沖縄縦貫鉄軌道の導入の可能性についての御質問にお答えをいたします。
 現在、県では、21世紀における本県の社会形成の基盤となる交通の体系的整備の基本的指針とするため、平成3年度に策定された「沖縄県総合交通体系基本計画」の見直しを行っているところであります。
 鉄道など軌道系交通につきましては、その見直しの中でシステムの特性や導入条件等について調査を進めているところでありますが、将来交通需要や採算性のみならず環境への影響、周辺地域形成に与える影響、交通結節のあり方等検討すべき課題が多岐にわたることから、総点検において示された「新たな交通システムの検討」の中の一環として引き続き検討していくべき課題であると認識しております。
○商工労働部長(當銘直通) 4月1日に商工労働部長に就任しました當銘直通と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 具志議員の若年者雇用の状況と県の取り組みはどうなっているかについてお答えいたします。
 平成12年5月の本県の完全失業率は8.2%で、そのうち15歳から29歳の若年者の失業率は16.5%となっており、依然として厳しい雇用状況が続いております。
 このような状況にかんがみ、国においては沖縄若年者雇用開発助成金の助成対象事業所をこれまでの25事業所から30事業所に拡大するとともに、高校新規卒業者についても助成の対象とするなど制度の拡充を図っており、これまで以上に若年者の雇用機会の創出につながるものと考えております。
 また、去る5月に策定された「ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策」に基づき、学卒未就職者に対する職業訓練の実施や採用後の企業における職業能力開発の支援などの学卒未就職者対策が実施されるとともに、新規・成長分野雇用創出特別奨励金の助成対象に学卒未就職者が追加されるなど助成金制度の拡充が図られております。
 さらに、財団法人雇用開発推進機構においては、新たに大学生等を対象とした県外企業へのインターンシップ事業や若年求職者を対象とした情報通信産業に対応する職業能力開発支援事業を実施するなど若年者の雇用開発に取り組んでいるところであります。
 去る6月29日には、初めての緊急的な取り組みとして沖縄労働局と県との共催により、厳しい就職状況となった高等学校未就職卒業者に対する就職面接会を開催し高等学校卒業者の就職促進を図っているところであります。県といたしましては、沖縄労働局や関係機関との連携を密にし、これまでの若年者に対する雇用対策を着実に実施するとともに、新たに拡充、創設されたこれらの対策を積極的に実施することによって若年者の雇用状況の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 去る4月1日に企画開発部長を拝命いたしました与儀でございます。
 ことしは、21世紀を間近に控え、新たな沖縄振興開発計画、新たな沖縄振興法の策定に向けて取り組む重要な年であり、本県の振興開発に全力を尽くしてまいりたいと思います。御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、基地問題について、普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等に係る政府、県、地元の取り組み状況はどうなっているか聞きたいについてお答えいたします。
 昨年12月に閣議決定された「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」の確実な実施を図るため、去る5月31日に普天間飛行場の跡地利用の促進等を協議する場として内閣官房長官・沖縄開発庁長官、沖縄県知事、宜野湾市長で構成する跡地対策準備協議会が設置され、跡地対策の今後の取り組みについて了承されたところであります。
 その取り組みの具体的な展開として国の跡地対策プロジェクトチーム、県の軍用地跡地利用促進連絡協議会、宜野湾市の軍用地跡地開発プロジェクトチームが設置され、当面の検討分野として示された跡地計画策定関係等11の検討分野について課題の抽出とその整理に向けて取り組んでいるところであります。
 次に、九州・沖縄サミット首脳会合について、今回のサミット誘致による経済効果について伺いたいにつきましてお答えいたします。
 サミットの経済効果としては、短期的には宿泊、飲食等の消費効果とプレスセンター、道路、植栽等の整備によって生じる投資効果があります。
中長期的な効果としては、本県の魅力を国内外に知っていただくことにより観光客のさらなる増加と国際会議や国際イベントの誘致が期待できることであります。
 また、国際会議の開催ノウハウの蓄積や県民のホスピタリティーの向上など国際化に対応できる人材の育成に寄与していくものと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 3番目の医療福祉問題についての本県の公務員医師の給与の状況についてお答えいたします。
 公務員医師1人当たりの平均給与月額は、自治省が取りまとめた平成10年度の地方公営企業決算の状況によりますと沖縄県が151万1000円で、全国平均の128万4000円に比較いたしまして22万7000円高く、全国的に見ますと上位の位置にございます。
 次に、県職員の給与制度の見直しの中で公務員医師の給与の見直しの内容につきましてお答えいたします。
県は、給与制度の適正化を図るという観点に立って職員全体を対象に特殊勤務手当や給料の調整額の見直しを行っております。その一環として、医師の給与についても医師暫定手当及び給料の調整額の見直しを行っております。
 医師暫定手当については昭和47年、医師の確保を図る観点から、当時の琉球政府における公務員医師の給与水準を当分の間制度的に保障するという趣旨で設けられた手当でございます。
 同手当につきましては、1点目に、県内の国立病院に勤務する医師については平成9年12月末日をもって廃止されたこと、2点目に、平成10年度の人事委員会報告においても国の取り扱い等を踏まえて適切な見直しを行う必要がある旨報告があったことなどから平成12年1月から経過措置を設け、平成14年3月末日をもって廃止することにいたしております。
 次に、給料の調整額については、平成10年度に社会経済情勢の変化等を考慮し、適切な見直しを検討する必要がある旨の人事委員会報告を受けまして見直しを行っているところでございます。現在、公務員医師の職員団体と話し合いを行っているところでございます。
 以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 医療福祉問題について、新聞で報道された県国保連合会における介護報酬の支払いについて一部トラブルが発生していると聞いているが、どう対処したかとの御質問にお答えいたします。
 介護報酬の請求に当たって、国保連合会のコンピューターソフトのトラブル等により4月分の介護報酬が一部の事業者に支払われなくなる事態が生じました。
 県としましては、事業者が窮地に立たされ今後の事業経営に大きな影響が予想されることから、市長会、町村会長に協力を依頼するとともに、国保連合会に対し概算払い等の要請を行い、また金融機関に対して事業者への短期融資の要請をいたしました。国保連合会としても事態の重要性を認識され、緊急的な措置として50万円以上の差し戻しがあった事業者に対して、請求の9割分を無利息で貸し付けして次回の支払い額から控除して精算することとしています。
 なお、貸し付けに要する資金は、国保連合会が金融機関から借り入れて実施することになっています。
 次に、医療福祉問題についての母子総合医療センター(通称こども病院)の設立についてどのように考えているかとの御質問にお答えいたします。
母子保健は、生涯を通して健康な生活を送るための第一歩でもあることから極めて重要であると認識しております。
 県では、ハイリスクの母と子に対して適切な対応ができるよう、沖縄県周産期医療協議会からの提言等を踏まえて改築中の中部病院に総合周産期母子医療センターを整備しているところであります。
 しかしながら、周産期医療やこども病院については、一般医療と比べて人手や緊急性を要することから看護婦や医師の確保が課題となっております。
 また、全国のこども病院の運営については、一般会計からの補てん額が単年度10億から30億円の不採算性部門という厳しい現実があり、独立型こども病院の設置については県民の十分なるコンセンサスを得る必要があります。
 したがいまして、県としては、県立病院併設型の総合周産期母子医療センターの整備を着実に進めていく中で、既存の医療資源を有効に活用し、難病の子供や家族の負担を軽減するよう母子総合医療の充実強化に努めていく考えであります。
○土木建築部長(銘苅清一) サミット関連事業の工事の発注実績についての御質問にお答えいたします。
 サミット関連事業の工事発注実績につきましては、国、県、日本道路公団の事業全体で件数が361件、工事費が約296億円となっております。
 その内訳は、国の件数が50件で工事費約79億円、県の件数が247件で工事費約99億円、日本道路公団の件数が64件で工事費約119億円となっております。
 なお、県事業における県内・県外企業への発注実績としては、総件数247件のうち県内企業が244件で率にして98.8%、県外企業が1件で0.4%、県内・県外共同企業体が2件で0.8%となっております。
 また、発注金額では、総額約99億円のうち県内企業が約94億円で率にして95%、県外企業が約5億円で5%となっております。
 以上でございます。
○サミット推進事務局長(山田文比古) 九州・沖縄サミット首脳会合について、県主催のサミット関連行事の準備状況はどのようになっているかという趣旨の御質問にお答え申し上げます。
サミット期間中におけるサミット関連の県主催行事としては、まず、7月21日に名護市の21世紀の森公園でサミット・オープニング・フェスティバル、それから政府代表団、報道関係者歓迎レセプションを開催いたします。 また翌7月22日には、那覇市内のホテルにおきまして首脳歓迎レセプションを行います。
21日のサミット・オープニング・フェスティバルにつきましては、G8各国の政府代表団及び報道関係者の方々に本県各地の芸能や文化行事、民謡、空手等多彩な内容のアトラクションを堪能していただこうというものでございまして、これには一般県民の方にも御参加いただけることとしております。
 また、このフェスティバルと並行いたしまして政府代表団、報道関係者を歓迎するレセプションも開催しまして県民の代表の方々と交流していただくこととしております。
22日の首脳歓迎レセプションでは、県民の代表の方々とともに各国首脳を温かくお迎えするとともに、古典音楽や琉球舞踊、空手演武など沖縄文化の最高水準の芸能を披露する予定としております。
 また、このレセプションに引き続きまして首里城で開催されます森総理主催の夕食会に際しましては琉球舞踊、古式行列、伝統工芸などを披露することとしております。
このほか、7月21日には、各国首脳が那覇空港に到着される際、県民の代表や子供たちによる歓迎行事、また各宿舎での歓迎行事を予定しております。
さらに、夫人プログラムとしまして、各国首脳の夫人に7月22日に平和の礎を訪問していただき、そこで子供たち、夫人、高齢者の方々など県民の方々と触れ合っていただく交流行事を予定しております。
○警察本部長(西村泰彦) 米軍人によります犯罪についての県警としての措置についての御質問にお答え申し上げます。
 本事件は、昨日平成12年7月3日午前4時45分ごろ、泥酔した19歳の米海兵隊員が、沖縄市内のアパートの一室に不法に侵入した上、就寝中の女子中学生に覆いかぶさるなどのわいせつな行為をしたもので、同室で就寝していたお母さんが物音に気づき110番通報したことから、県警で認知いたしました。
 県警では、直ちに所轄沖縄警察署員が現場に急行し、室内にいた海兵隊員を住居侵入と準強制わいせつの疑いで現行犯逮捕いたしました。
 被疑者の海兵隊員は、沖縄警察署の取り調べに対して、酒に酔っていたため覚えていないと主張している状況であります。
 県警といたしましては本日、本事件を那覇地方検察庁に逮捕罪名で身柄つき送致する予定でありますが、今後さらに捜査を徹底し、本事件の真相を明らかにしてまいりたいと考えております。
 また、県警といたしましては、本件事案は県民生活の平穏を著しく害しただけでなく、被害者に与えた精神的ショックの影響という点からも極めて遺憾な事案であると認識しておりまして、県警といたしましても県民の生命、身体、財産を守るという立場から早急に米軍当局に対して本件に関する抗議とともに、さらなる綱紀粛正の徹底を申し入れることにしております。
 続きまして、九州・沖縄サミット首脳会合につきまして、まず、サミット警備期間中の県民生活に密接にかかわる一般治安の対策についての御質問にお答え申し上げます。
 今回のサミット警備では、全国から2万人に及ぶ警察職員の特別派遣を得て、県警職員もその中核となって警備に当たることとなりますが、サミット警備期間中も1日当たりの治安水準を下げないようパトカーや刑事課員、あるいは交通事故処理に従事する要員などの勤務体制を2交代制に変更するなど工夫を凝らし、通常時に近い警戒体制を維持していくこととしております。
 また、広域的に凶悪な事件・事故等に対応する特別の捜査班を設置運用いたしまして地域の方々の御心配な点について解消が図られるようにしてまいりたいと思います。
 県警がその責務を十分に果たすためには、県民各層の御理解と御協力が必要でありますので、皆様の御支援を切にお願い申し上げる次第であります。
 次に、サミット警備に関しまして県民としてどのような協力をしたらいいのか、また各地域協力会がどのような活動をしているのかとの御質問にお答えいたします。
 この種の大警備につきましては、県民の皆様の御理解、御協力なくして成功はおぼつかないと認識しております。幸いなことに当県では過去の大警備の際に地域安全協力会という組織をつくっていただきまして、警察の警備に対して大変大きな御協力をいただいたことも承知しております。今回のサミット警備におきましても、昨年の秋、沖縄サミット地域安全県民協力会を設立していただき、また県下14警察署のそれぞれの地域におきましても地区地域安全協力会を設置していただいております。
 地域安全協力会の皆様には、サミットを成功に導くための広報啓発活動を中心に地域の安全のための雰囲気づくり、環境美化活動を行っていただいております。
 また、サミット期間中には交通整理、誘導等に従事していただいたり、あるいは警備に従事する警察官に対して御支援いただけるということをお伺いしておりまして、警備を担当する者として大変心強く思いますとともに、このような県民の絶大な御支援のもとで実施するサミット警備に万全を期する決意を新たにしているところでございます。残すところわずかでございますが、県民の皆様には最後までサミット警備に対する御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、交通規制に関して自動車検問なども含めて時間、場所、現時点での説明を願いたいとの御質問にお答えを申し上げます。
 サミット開催時における交通規制は、首脳等が通行する路線についてその通行時間帯に限って実施をすることとしております。
 しかしながら、現時点では各国首脳等が何日の何時に、どこからどこへ移動するのかがまだ決まっておりませんので、交通規制につきましても何日の何時に、どこで交通規制を実施するかというような詳細な御説明ができないのが現状であります。
 ただ、これまでに判明している行事日程から見ますとおおむね次のような規制になると考えられます。
 まず、各首脳等の来県時及び離県時には、那覇空港と各宿舎とを結ぶ沖縄自動車道、国道58号、329号、331号、332号、県道6号線、73号線、88号線等の路線で、また全体会議開催時には各宿舎と万国津梁館とを結ぶ国道58号、県道6号線等の路線で交通規制を実施いたします。
 次に、歓迎レセプション及び首里城における夕食会の開催時、これは7月22日でありますが、この開催時には各宿舎と会場とを結ぶ沖縄自動車道、国道58号、県道6号線、40号線、49号線、73号線、82号線、88号線等の路線で交通規制を実施いたします。
 そのほか、プレスセンター周辺や各市町村との交流行事が開催される場合には開催地への移動路線で交通規制を実施することとなります。
 今御説明申し上げました内容につきましては、これを地図に表示したチラシを60万枚作成いたしまして本日から県民の皆様に配布することといたしております。
 県警といたしましては、今後各首脳等の具体的な移動予定が判明した時点で可能な限り早期に、かつ詳細に交通規制情報を広報していく考えであります。
 また、自動車検問をどこで行うのかという御質問についてでありますが、
自動車検問につきましては、テロ・ゲリラ事件等を防止する観点に立って実施することを趣旨としております。そのため、テロ・ゲリラ等の未然防止に効果的な時間帯、場所を選定して実施していくこととしておりますが、具体的な時間、場所等を明らかにすることは、いわば警備の手のうちを相手に見せることになりますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。どうぞ御理解を賜りたいと存じます。
 続きまして、7月20日の嘉手納基地包囲行動に対する県警の対応方針についての御質問にお答え申し上げます。
 7月20日に米軍嘉手納基地を人間の鎖で包囲する計画があることは、県警としても承知しております。県警といたしましては、この種の行動に関しましてはサミットの開催のいかんにかかわらず参加者を含めた通行者の安全確保を図るとともに、包囲行動に伴う各種トラブルの防止等不測の事態に備えるため所要の警戒警備を実施する予定であります。
 次に、サミットをめぐる過激派の反対情勢についての御質問にお答え申し上げます。
 極左暴力集団は、沖縄サミットに対してNATOの権力者が一堂に会する饗宴、最大の決戦課題等と位置づけ、機関誌やビラで沖縄サミット粉砕の大デモを、2000年沖縄サミット爆砕へ、沖縄サミット粉砕の闘いに起てなどと主張しているほか、県外から多数の活動家を動員して独自の反サミット集会、デモを計画しております。
 また極左暴力集団は、過去の東京サミットにおきまして迎賓館に向けて迫撃弾を発射するなど60数件に及ぶゲリラ事件を引き起こしていることから、沖縄サミットにおいてもテロ・ゲリラや妨害行為が予想されるところであります。
 なお、昨日深夜、米軍横田基地におきましてゲリラ容疑事件が発生し、詳細は現在捜査中でありますが、サミット関連ゲリラ事件と思料され、当県におきましても同種事件の発生が懸念されるところから、本日未明、警戒中の各部隊に対しまして警戒の強化を指示したところであります。
 警察といたしましては、首脳の身辺の絶対安全とサミット行事の円滑な進行を確保するという立場から、極左暴力集団によるテロ・ゲリラや妨害行為を防止しサミット警備の万全を図っていきたいと考えておりますので、御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
 以上です。
○教育長(翁長良盛) 一連の青少年による暴行事件等に対する県教育委員会の対策について伺いたいという具志議員の御質問にお答えいたします。
 全国的に青少年による凶悪事件が多発している中、本県においても高校生による暴行致死事件等が発生し、教育行政を預かる者として大きな衝撃を受けております。
 このことを真摯に受けとめ、青少年の犯罪や非行の未然防止を図るための緊急な取り組みとして各教育事務所単位の小・中・高・特殊教育諸学校連絡協議会の開催、緊急青少年事件・事故再発防止県民大会の開催、各教育事務所の主体的、具体的な取り組みなどを推進しているところであります。
 県教育委員会では、今回の一連の事件から人権教育の徹底、すべての児童生徒が夢や希望の持てる学校づくりのための進路指導・生徒指導の強化、地域への学校開放を進める中で学校、家庭、地域社会、関係機関・団体の連携強化を行うとともに、家庭教育の充実強化を図ることが強く求められているものと考えております。
 しかしながら、そのことは中長期的な対応を要するものもありますので、当面の取り組みとして、すべての学校において毎月1回「人権を考える日」を設定するとともに、学校の校務分掌としての人権委員会の設置及びその担当者の位置づけを行い、学校における人権教育の徹底を図る。
 次に、中・高連携の強化を図る中で中高生のインターンシップ等を実施するなど個に応じた進路指導を徹底する。
 さらに、PTAとの連携のもとに各学校に家庭教育支援チームの設置を推進し児童生徒の支援を行うなどの対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、「心の教育」の充実について学校の取り組み状況及び県教育委員会の対応策について伺いたいという御質問にお答えいたします。
 今回の一連の事件等は、子供たちの心のあり方と深くかかわりがあり、心の教育の充実強化は極めて重要なことであると認識しております。現在、各学校においては、道徳の時間を初め各教科など学校の教育活動全体を通じて体験的な活動を重視した集団宿泊学習、ボランティア活動などの心の教育の充実に努めているところであります。
 県教育委員会といたしましても、平成10年度から「子どもフォーラム」を開催し、学校や家庭、地域社会のさまざまな活動を通じて児童生徒が感動体験を味わい、将来への希望や夢をはぐくむ環境づくりに努めているところであります。
 さらに、平成11年度から指定した心の教育研究校の実践的研究などを通して地域ぐるみで豊かな心の育成に努めているところであります。
 今後は、思いやりの心を育てるという視点から、児童生徒と教師が日常の生活を見詰める日として月1回の人権を考える日を設けるなど人権意識の高揚に努めてまいりたいと考えております。
○安次富 修 おはようございます。
 4年間お騒がせをしてまいりましたが、今回の県議会議員選挙、厳しい戦いをかち取ってこられた先輩各位、新人の皆さん、お互いの労をねぎらいつつ心から敬意を表し、またまた4年間お騒がせをいたしますが、この安次富修も再び末席に加えていただきましておつき合いをしていただきますようともどもに県勢発展に努力することをお誓いを申し上げます。
 さらに、稲嶺県政におかれましても「県民党」であるならば与野党の別なく野党の皆さんの声にも謙虚に耳を傾け、バランス感覚あふれる県政運営をしっかりやっていただきますようお願いを申し上げまして、自民党会派を代表し質問をいたします。何とぞ誠意ある御答弁をお願い申し上げます。
 それでは質問の1番、知事の政治姿勢についてでございます。
 最近のアジア情勢をどうとらえ、どう分析し、沖縄の将来とのかかわり合いについてどう考えるかということでありますが、特に琉球の時代から我がふるさと沖縄は、東南アジアや太平洋地域との交流が盛んに行われ、現在に至ってもそのきずなは一層深まっていることは周知のとおりであります。
 稲嶺知事のお父様が手がけられた浦添市にある国際交流センターは、既に多くの若いアジア人が沖縄との友情のかけ橋となって活躍をされております。さらに、農業におきましても例えば菊の分野では東南アジアがいい意味での沖縄のライバルでありますし、コンベンション産業におきましてもシンガポール、マレーシアなどが営業的なライバルであります。
 もう例を挙げれば数え切れないほどアジア諸国との関係は切っても切れない関係であります。だからこそ、アジア各国の呼吸、その息遣いというものを肌身に感じてそれを分析し政策に生かしていくという、私はこれからの沖縄県知事というものは独自の外交理念を持ち、独自の外交ルートを開拓し、独自の国際交流を展開していかなければ沖縄の生きる道はないと思っておりますが、ちょうど国が策定した新全国総合開発計画、いわゆる新全総においても沖縄県は地理的、歴史的、自然的特性を生かすとともに、これまでの国際交流や国際協力の蓄積を踏まえ我が国の発展の一端を担いつつ、アジア・太平洋地域の発展に寄与する必要があるとされております。つまりこのことは、沖縄県が日本の南の玄関口として大きくアジア・太平洋地域にすべてのネットワークを広げなさいと言っていると思っております。外務省の顔色を一々うかがう必要はないんです。
 知事、河野洋平外務大臣も真っ青になるぐらいの、びっくりするぐらいのアジア外交を展開してみてはいかがでしょうか。沖縄の発展こそが日本の発展につながるんです。沖縄のチムグクルを発信することがアジアの平和と繁栄につながるんです。既にボーダーレスの時代です。沖縄の稲嶺がアジアの稲嶺として、アジアとの共生を打ち出すぐらいの気迫と迫力がなければ沖縄の将来はないと思いますが、その決意を聞かせてください。
 さらに、台湾の陳水扁新総統の就任で台湾は名実ともに民主化の第二段階に入ったと言われておりますが、台湾と沖縄の交流はその歴史の重みにかんがみて今後の稲嶺県政と陳政権との経済、文化、人的交流の充実がアジア全体の繁栄に必ず大きな影響をもたらすと思いますが、そのことに対する御所見を賜りたいと思います。
 さらに、朝鮮半島の歴史的な南北首脳会談は統一の夢を現実に一歩近づけたと言われております。しかし、分断の傷を克服するまでの道のりはまた遠いとも言われております。韓国のみならず北朝鮮にも過去に沖縄県議団が視察に行かれたようですし、今度は知事を先頭に経済ミッションを派遣してはいかがですか、お聞かせ願いたいと思います。
 大きな(2)の基地問題について。
 さて普天間基地の移設候補地の選定作業の中で、最終的にキャンプ・シュワブ水域を選定したわけですが、選定から漏れた他の候補地に対してはどうなったのか。ちゃんと説明されているのか、ちゃんとフォローがされたのかどうか。
 特に津堅島においては島民を挙げての賛成、反対のやりとりが繰り広げられ、結局は部落を二分し親戚を二分したままいまだにその後遺症がいえずに、ハーリーもできない、部落行事もできないというままになっていると聞いております。
 私はただ名護に移せばいいということではないと思います。そこには大きな期待もあった、大きな反対もあった、少しでも多くの県民に理解をしていただき、そしてスムーズな移設が行われるためには後のフォローが大事であります。ただいたずらに津堅島を騒がせて、後は知らぬふりというのでは余りにも情けない話であります。本来の離島振興に戻してきちんとした島の発展を考えていくのが県のとるべき姿勢だと思いますが、お答えいただきたいと思います。
 次に、普天間基地の跡利用と開発についてですが、国と県、市がそれぞれプロジェクトチームを立ち上げ6月14日に3者による実務レベルの初協議を開催したそうですが、その件について説明を求めます。
 さらに、今後のスケジュールはどういうふうに進められていくのか、国、県、市のそれぞれの役割、予算措置などがありましたら聞かせてください。
 さらに、跡利用においては民間団体の南西地域産業活性化センターが普天間跡地への提言を行っております。「救急医療交流センター」であるとか、「アジア安全保障問題研究所」の創設などをうたい上げておりますが、その可能性はどうなんでしょうか。
 さらに、同活性化センターの提言とプロジェクトチームの作業過程の中でどう整合性をとっていくのかをお聞かせ願いたいと思います。
 次、ウに入りますが、宜野湾市の軍用地主の皆さんは、いやが応でも55年間自分の土地を普天間基地に提供してきました。その周辺で暮らす市民や住民の皆さんもいやが応でもヘリコプターの騒音にさらされ、爆音に悩まされながら55年間生活をしてまいりました。この55年間の基地の重圧、痛み、苦しみというものがあります。これらの問題は、ただ普天間基地が移ってしまえば済むということでは済まされないと思います。しっかりとした償いをすべきであります。政府の責任を明確にすべきであります。
 私は森総理はけしからぬと思っております。名護に行く前にまず宜野湾市に立ち寄って、55年間御迷惑をおかけしましたと、55年間世話になったなと、後のことはしっかりと政府が責任を持つから市民の皆さん、どうぞ安心してくださいと一言でもいいからそう言ってから名護に行くべきであります。
 人間の良識というものは、人間の礼儀というものは、まず今までお世話になったところにあいさつをして、そしてこれからお世話になるところにあいさつをするというのが常識であります。なぜそうやってくれないのか、宜野湾市が少し無視されているようで余りおもしろくありません。
 そこで、私が常々訴えてまいりました。知事にも聞いていただきたいし、また特に総括責任者である牧野副知事にもよく聞いていただきたいのですが、宜野湾市を含む普天間基地の影響を受けてきた地域が一緒になって、つまり浦添市、西原町、北中城、中城などを巻き込んで宜野湾振興策あるいは中部振興策を打ち出して移設の準備をしていく。返還されてから周辺の整備をしても遅いんです。移設までどうしても10年から15年はかかるとするならば移設されるまでが勝負でありますし、今が正念場であると思っております。跡地開発をにらんで今からその周辺の生活環境の整備をしていく、現在住民が住んでいる市街地の再開発を進めて内と外との整合性を持たせていくのが大事であります。
 天久副都心が手こずったのもその周辺とのつなぎに時間がかかっているんです。天久副都心の返還面積は約191ヘクタールでありますが、その開発面積は約215ヘクタールであります。返還面積より開発面積はボリュームが膨らんできます。国道58号とどうつないでいくのか、国道330号とどうつないでいくのか、モノレールの導入をどうやって引き込んでいくのか、那覇空港にどう直結させていくのか、今から道を開けていかないと間に合わないんです。
 普天間返還跡地の中は、例えば6車線の道をしっかりと開けていこうと。しかし普天間基地から出るとまた2車線に戻ってしまうというのでは全く意味がありません。480ヘクタールという普天間基地の開発をするには、その倍の800ヘクタールぐらいの開発計画をつくらないと県の言っている重要開発拠点としてのその価値は出てきません。ボリュームを大きく、視野を広く、沖縄県全体の振興開発のかぎを握っていると思ってください。そのためにはすぐ準備に取りかからなければなりません。いわゆる基地の中は特別立法で早期の開発をしていきましょうと。しかし基地から一歩出ると従来の都市計画法や従来の区画整理法ですよということでちんたらちんたら用地買収をしているようでは、何十年たってもいわゆる整合性がとれない、何十年たってもいわゆるつなぎができないということになってしまいます。
 私はすぐにでも政府との協議が必要だと思っておりますし、予算の獲得をすべきであると思っておりますし、また施策の展開をしなければならないと思っております。北部振興策に負けないぐらいの宜野湾振興策を打ち出してその準備をしていかなければならないと考えておりますが、その件に関して御所見を賜りたいと思います。
 特に、牧野副知事は答弁を予定していないと思いますが、今私が申し上げましたことを御理解の上コメントがあればお願いいたしたいと思っております。
 さらに、最近那覇軍港の移設の問題が余り話題にならなくなりましたが、一部事務組合の設立も平成14年という期限があると思いますが、一体今どういう作業をしているのか、そして一体どうなっていくのか、さらに浦添市長選挙をにらんでのことなのか、それを聞かせていただきたいと思います。
 次に、カは防衛施設局、そして米軍と県との三者連絡協議会での協議事項はちゃんと実施されているのかどうか、その後追いをしているのかどうか、聞かせてください。例えば基地内道路の使用の実績はどうなっているのか、説明していただきたいと思います。
 前にも質問をいたしましたが、サミットを契機にして基地内道路の開放をぜひ進めていただきたい。不便を少しずつ解消することによって基地の整理縮小の実感がわいてくるんです。どうなっているのかをお答えいただきたいと思います。
 続きまして、キャンプ瑞慶覧の返還問題についてはSACOの合意事項ではありますが、跡地開発のめどづけや地主の皆さんの不安の解消、そして安心して返還が迎えられるような特段の配慮がなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか、聞かせていただきたいと思います。
 さらに、慰霊の日に米軍が訓練を行い山火事を発生させたことは、県民感情を逆なでし沖縄県にとって慰霊の日がいかに特別な日であるかを全く理解しようともしない甚だ残念な行為だと言わざるを得ませんが、このことについて知事として毅然たる態度をとるべきだと思いますが、議会の場で明らかにしていただきたいと思います。
 次に、行政改革について質問をいたします。
 行財政改革の取り組み状況についてですが、21世紀を目前に控え財政状況が依然として厳しい中、思い切ったスクラップ・アンド・ビルドを実施し、最少の経費で最大の効果を上げるための施策を展開しなければいけないと思いますが、そこで平成12年度は行政システム改革の実施機関のスタートになりますが、事務・事業をどのように見直す予定なのかを聞かせてください。
 さらに、地方分権一括法が4月1日に施行されましたが、地方の時代にどうこたえていくのか、人材育成や職員の意識改革をどう推し進めていくのかを聞かせていただきたいと思います。
 大きな3番、第3次沖縄振興開発計画の終了を2年後に控え、新たな沖縄振興計画の策定や新たな沖縄振興法についての検討が本格化してきますが、その取り組みについてお聞かせください。もちろん大前提となるのは基地の整理縮小と跡地利用の円滑な推進だと思いますが、そのことを踏まえて説明していただきたいと思います。
 次に、九州・沖縄サミットについてお聞きいたします。
 「一層の繁栄」、「心の安寧」、「世界の安定」をキーワードに開催される今回のサミットがなぜ沖縄なのか、沖縄で開催される意義についていま一度知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、今回の議題は情報技術(IT)革命について、人の遺伝子情報であるヒトゲノムを中心とした遺伝子組みかえやそれを利用した遺伝子組みかえ食品の安全性の問題、さらにロシアの余剰プルトニウムの問題や朝鮮半島情勢と聞いておりますが、沖縄で開催される以上は米軍基地問題は避けては通れないと思いますが、首脳会談の中でそのことが正式に話題になるのかどうか、聞かせていただきたいと思います。
 クリントン大統領は、普天間基地の移設のめどがつかなければ沖縄に行きたくないなんて過去に言ってたじゃないですか。今回の米兵による事件はあれは一体何ですか。クリントン大統領が直接県民に謝るべきであります。戦後55年間の米軍による数え切れないほどの事件・事故に対して県民に対して御迷惑をおかけいたしましたとクリントン大統領は率直にコメントすべきであり、基地問題が議題になるべきだと思いますが、知事はどうお考えでしょうか。
 さらに、平和宣言(仮称)ですけれども、それがアピールされるのかどうなのか、私は沖縄側の発信というものをより明確にする必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
 さらに、サミットの経済効果とそれが持続されなければならないと思いますが、来年は一挙に公共事業等が落ち込むなどと心配する向きがありますが、来年以降どうなっていくか、対策を考えているのかを聞かせていただきたいと思います。
 さらに、水の心配はしなくてもいいんでしょうか。節水を呼びかけなくてもサミットは大丈夫でしょうか、説明があれば説明をしていただきたいと思います。
 大きな6番、少子・高齢化対策についてでございます。
 若い共稼ぎの夫婦の皆さんが安心して子供を産んで育てられる環境、あるいは母子家庭あるいは父子家庭の皆さんが安心して子供を育てられる環境づくりというのは、私は県政の最重要課題であると思っております。そのために保育所の施設の充実、さらに制度の充実、例えば時間外保育、夜間保育、障害児保育の充実等が挙げられますし、さらに小児デイケアの充実も大事なメニューであります。これらの諸施策の展開について具体的に説明していただき、新しい制度の導入があれば紹介していただきたいと思います。
 これらの充実によって仕事に専念できる職場環境、そして子育てに専念できる家庭環境の充実がつくられます。そのネットワークづくりが大事であります。私はこの少子化対策をすることがいわゆる高齢化対策にもなると思っております。若い共稼ぎの夫婦の皆さんがしっかりと仕事に専念することによってその人たちが納める年金、税金等がまた高齢化社会への対策になると思っておりますので、しっかりとした施策の展開をしていただきたいと思っております。
 続きまして教育行政について、教育問題に移ります。
 宜野湾市を含む本島中部の学校での一連の事件について、個人のプライバシーを尊重しつつ明らかにできるものは説明してください。そしてその対応についても聞かせてください。
 また、事件を起こした当該教育委員会へはどういう指導監督を行ったのかを説明してください。
 さらに、県教育長として今回の一連の学校現場での問題についてどう襟を正すのか、はっきりとしたお考えを聞かせていただきたいと思います。
 今回の事件の反省を踏まえて教師はどうあらねばならないのか、教員の資質の向上について具体策を示してください。時間はかかるかもしれませんが、信頼の回復こそが大事であります。
 次に、全国高校総合体育大会につきましては2010年に開催するということで検討しているということですから詳しいことはお聞きしませんが、ポストサミットとしてせめて半分ぐらいの2005年に開催というわけにはいかないんでしょうか、どうでしょうか、説明できるのであれば説明していただきたいと思います。
 次に、大きな8番、農林水産業の取り組みに移ります。
 農業の振興については、その振興ビジョン・アクションプログラムの中で戦略品目と安定品目に分けていると。このうち戦略品目のゴーヤー、洋ラン、マンゴー等については14品目30地域で産地協議会が設立され、安定供給を図っていくということだそうです。そして先日、拠点産地が7カ所認定されました。
 安定品目についてもさとうきび、パイナップル、お米など着実な成果が得られているということですが、しかし何といってもこれらのことは流通システムがしっかりと確立しなければせっかくいいものをつくっても安定供給されないということになるわけですが、流通システムの確立について御説明を願います。
 さらに、去る4月11日に県農協中央会など農業4団体は稲嶺知事に対し、JR貨物料金の県内適用などの支援を求めたということですが、その要請の内容はどういうことですか、教えてください。
 さらに、今回の要請の趣旨に沿って国との協議はどうなりますか。実現の可能性はどうなりますか、実現するとどれぐらいのコストの低減になりますか、ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、そのことについて説明を願いたいと思います。
 次に、沖縄ブランドの確立、普及について説明してください。品質のいい沖縄独特の農産物をいかに早く、いかに安く、いかに多く供給できるかが勝負でありますし、サミット以後は国際競争に太刀打ちできるシステムづくりが大事だと思いますが、その決意を農林水産部長に聞かせていただきたいと思います。
 次に、農業後継者の問題ですが、1999年度の県内の農家数は前年に比べて750戸少ない2万9240戸で3万戸を2年連続で割り込み依然として減少傾向に歯どめがかかっておらず、しかも農家人口の3割を65歳以上の高齢者が占め高齢化も進行しているという統計が出ておりますが、いかにして魅力ある農業環境をつくり若い人たちが気軽に農業に従事できるような取り組みをしなければならないと思いますが、今までどのような取り組みをやってきたのか、今後農業後継者の育成という観点からもあわせて今後の取り組みについて説明を願います。
 以上で代表質問を終わりますが、この小さな沖縄がこれからも発展し続けるためには他の県より倍以上の努力をしなければ沖縄は生き残っていけません。
 「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」という言葉がありますが、沖縄はまさに基地の重荷、米軍米兵の事件・事故という重荷を背負いながら現実をしっかり見詰めること、現実を直視できる者が未来を手にすることができると言われております。稲嶺県政も気を引き締めて全力を尽くして頑張ってもらうことを御祈念申し上げ、質問を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの安次富修君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時56分休憩
   午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 次の答弁に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた出納長比嘉茂政君は、別用務のため本日のこれより以降の会議及び明日の午後5時までの会議に出席できない旨の届け出がありました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 午前の安次富修君の質問に対する答弁をお願いします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 安次富修議員の御質問にお答えいたします。
 最初は知事の政治姿勢について、最近のアジア情勢をどうとらえ、沖縄の将来とのかかわりについて知事の所感を聞きたいとの御質問でございます。
 アジアの経済情勢については、1997年の通貨・金融危機に端を発した経済混乱から脱却し、これら地域への輸出の増加等我が国経済の改善に好ましい影響を与えているものと言われています。
 また、韓国、北朝鮮両首脳による歴史的会談が実現し、南北共同宣言が発表されたことは、朝鮮半島に緊張緩和をもたらすものと期待されているところであります。
 中台関係については、陳総統の就任により1つの中国をめぐる議論がありますが、中台間の対話、交流の継続を通して平和裏の解決に向けて情勢が進展することを期待しております。
 アジア・太平洋地域の経済発展や社会・政治の安定は、本県の振興発展及びこれら地域との各種の交流拡大を目指す本県にとって好ましい情勢であると考えております。
 今後とも各種基盤整備や産業経済、学術・文化等の国際交流を進め、我が国及びアジア・太平洋地域の平和と発展に寄与する特色ある地域の形成が図られるよう取り組んでいきたいと考えております。
 なお、安次富議員から北朝鮮、韓国を初めとするアジアに対する積極的な外交の展開を図れという御意見でございますけれども、私自身過去、北朝鮮を初め韓国、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイを初めとして数十回各国近隣諸国を訪問をしております。その意味でいろいろな人脈、その他等も持っておりますので、御指摘の点につきましては今後の推移を見ながら前向きに検討していきたいと思っております。
 次に、キャンプ・シュワブ以外の候補地についてその後どうしたのか、特に津堅島では賛成、反対の後遺症がまだ残り、傷つけられたままになっていると聞いているとのお尋ねでございます。
 普天間飛行場の移設候補地については、複数案の中から総合的に判断して選定しました。それぞれの地域の方々が、地域活性化のため独自の立場で努力されていることについては敬意を表するものであります。
 また、津堅島の振興については、離島振興の立場から今後とも総合的に取り組んでまいります。
 次に、普天間基地の55年間の重圧についてどうとらえているか、どう償いをするのかとのお尋ねでございます。
 普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させ、このような状況を解消することであると認識しています。そのため、さまざまな観点から検討作業を進め移設候補地を決定しました。
 県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、国においては昨年末、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組む方針が閣議決定され、去る2月に北部振興協議会及び移設先及び周辺地域振興協議会が、また5月には普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等を協議する跡地対策準備協議会が設置され、具体的な取り組みが開始されたところであります。
 県としては、一日も早く普天間飛行場の返還が実現するよう全力を挙げて取り組むとともに、跡地については地元市町村と一体となって21世紀に向けた振興の拠点となるよう国と連携しながらその実現に努めていきたいと考えております。
 次に、那覇軍港移設について現在どうなっているのか、今後どうしていくつもりかとのお尋ねでございます。
 本県の産業振興や経済の自立的発展を図るためには、浦添市西海岸地区を含む那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備することが重要であります。
 また、26年間返還が実現しなかった那覇港湾施設については、SACO合意に基づき改訂される港湾計画の中で浦添埠頭地区に位置づけていきたいと考えております。
一方、那覇港国際流通港湾計画調査では、国際流通港湾としての新たな開発整備の方向性が示されましたが、その実現のためには国の制度的、財政的な支援がぜひとも必要であります。
那覇港の港湾計画の策定や整備は、県、那覇市、浦添市の3者で設立予定の那覇港管理一部事務組合が主体になるものと考えておりますが、共通認識を持つ必要がある那覇港の整備方針や那覇港湾施設の移設の取り扱いについて浦添市との間で合意に至っていない状況にあります。今後とも引き続き合意形成に向けて努力していきたいと考えております。
 次に、三者連絡協議会での決定事項は実施されているか、基地内道路の使用はどうなったのかとのお尋ねでございます。
 三者連絡協議会(三者協)では、昨年2月の再発足会合を契機にこれまで3回の協議会を開催し、米軍基地の管理運用から生ずる問題で現地レベルで解決できる事項について積極的に協議を重ねてきました。
 三者協で協議され実現された事項としては、キャンプ瑞慶覧における油流出事故対策があり、同問題については本年度、国において既存の油水分離槽に油感知器を設置するなど施設面での改善措置を講じているところであります。
 また、4月には米側によるスペシャルオリンピックが開催され、さらに5月より沖縄本島中部地域の10カ所の小学校において米側ボランティアによる英会話指導がスタートするなど着実に成果を上げております。
 基地内道路の通行については、昨年11月に米側及び県の関係者によるワーキングチームが設置され、その具体的な実施方法について協議を重ねた結果、14の市町村消防本部すべてにおいて緊急自動車へのステッカーの貼付、米側への事前通報、米軍車両による先導などを条件として現地レベルで協力することを了解するに至っております。
 なお、本事項については実施のための手続等の詳細について現在日米合同委員会で調整しているところであります。
 県としては、今後とも本県における基地問題について三者協で積極的に議題として提案し、継続的な協議を行うことによってその解決に向け一歩一歩着実に前進させていきたいと考えております。
 次に、キャンプ瑞慶覧の返還予定地の地主会は、跡地利用について地主の不安が解消されるまでの間の継続使用を求めているが、県はどう対応するかという質問のお答えでございます。
 御承知のとおり、SACOでは平成19年度末までを目途にキャンプ桑江及びキャンプ瑞慶覧の米軍住宅地区を統合し、これらの施設及び区域内の住宅地区の土地の一部を返還することが合意されております。
 本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、まず、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しており、SACOを着実に推進することが県の基本的な立場であります。
 県では、去る5月9日に宜野湾市軍用土地等地主会から本件について要請を受けた際に、地主の不安解消を図るためにも県、宜野湾市、地主会が緊密な連携をとって早急に跡地利用計画を立てる必要があるとの県の考え方を説明いたしました。
 なお、宜野湾市軍用土地等地主会は、先日、宜野湾市に対し返還が合意されている以上、今後は有効な跡地利用を求めていきたいと報告しており、県の立場に理解を示したものと考えております。
 次に、県の行政改革の取り組みについてのお答えでございます。
 県におきましては、これまで事務・事業や組織機構の見直しなどについて積極的に取り組んできたところであります。
 さらに、このたび地方分権時代の到来や非常に厳しい財政状況等に対応するため、平成12年度から平成14年度までの3年間で取り組むべき事項を具体的に盛り込んだ沖縄県行政システム改革大綱を去る3月29日に策定したところであります。
 県としましては、同大綱に基づき21世紀の自立した沖縄県を目指して「「県民起点の行政」の推進という理念の下、「地方分権時代に適応した沖縄県ならではの行政運営」、「効果的かつ効率的な行政運営」及び「適切なパートナーシップの構築」の3点を軸」とする新たな行政システムを確立していきたいと考えております。
 具体的には、職員の育成確保や政策立案機能の強化などにより地方分権時代に適応した行政運営を行うとともに、行政評価システムの導入やバランスシートの導入の検討などを行い、効果的かつ効率的な行政運営を行っていくこととしております。
 また、知事部局における一般行政職員の530人程度の削減、885件の事務・事業の見直し、一般会計の毎年度の通常の県債発行額の上限をおおむね250億円とするなど、具体的な数値目標を掲げ行政システムの改革に取り組んでいく考えであります。
 次に、新たな沖縄振興計画の策定と新たな沖縄振興法の実現についての御質問に対するお答えでございます。
 3次振計後の新たな沖縄振興計画につきましては、民間主導型経済の構築、アジア・太平洋交流拠点の形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造、それぞれの特性を生かした各地域の均衡ある発展等を基本方向として検討していきたいと考えております。
また、新たな沖縄振興法は、経済のグローバル化及び情報化の進展、少子・高齢化社会の到来など国内外の情勢に的確に対応しつつ、民間主導の自立型経済社会の構築や返還基地跡地の円滑な利用等を着実に推進していけるような法制度にする必要があると考えております。
現在の取り組み状況は、新たな沖縄振興法に盛り込むべき制度、施策について関係機関と調整を行っているところであります。
 次に、九州・沖縄サミットについての御質問で、沖縄で開催される意義を改めて問いたいとのお尋ねでございます。
 今回のサミットは、「一層の繁栄」、「心の安寧」、「世界の安定」をキーワードにさまざまな課題について国際的取り組みの具体的方向性を打ち出そうとして開催されるものであると承知しています。こうした21世紀への橋渡しとなる歴史的なサミットのホスト地として沖縄がその役割を果たすことができること自体、大変有意義であると考えています。
また、サミットの機会に沖縄を訪れる各国首脳や夫人、政府関係者及び報道関係者の方々に基地の現状も含めありのままの沖縄の姿を見ていただいたり、できるだけ多くの県民の代表の方々と触れ合っていただいたり、また史跡や多彩な芸能などを通じて沖縄の文化や歴史の奥深さを感じていただくなどの交流を通じて平和を求める沖縄の心を世界にアピールすることができます。
さらに、サミットの開催は美しい自然環境、観光・リゾート地、国際コンベンション都市としての優位性やすぐれた投資環境等を紹介する絶好の機会となるだけでなく、いろいろなハード、ソフト面の基盤整備が進むことにより21世紀に向けた沖縄の振興発展や国際化の展望を切り開くことが可能になると思います。
 同じく九州・沖縄サミットについて、基地問題を首脳会談で取り上げてもらえるのかということと、平和宣言が採択されるのかとの2つの御質問に一括してお答えいたします。
 サミットは、サミット参加各国が共通に関心を有する重要な国際問題について議論が行われる場であり、今回のサミットでは先ほど申し上げた3つのキーワードのうち「世界の安定」というテーマのもとにおいて紛争予防、軍備管理・軍縮、不拡散の問題や地域情勢などが議論されることとなると承知しております。
サミットでは、こうしたテーマについてG8首脳が忌憚のない意見を交換され、21世紀が平和ですばらしい時代になるとの希望をすべての人が抱けるような明るいメッセージを発信していただけるものと期待をしております。
 次に、同じく九州・沖縄サミットについて、県民の心を具体的にどうやって世界に発信できるのかということについてお答えいたします。
 サミットの機会に県民の心を広く知っていただくには、サミット関係者と県民とのさまざまな交流行事を積極的に行うことが重要であります。
このため首脳や政府代表団、報道関係者の方々と県民代表とが交流できるレセプションや夫人プログラムなどの交流行事を行うことを予定しています。
また、報道関係者を対象にしたさまざまな情報発信事業やプレスツアーなどの便宜供与なども積極的に行っていきたいと考えております。
 次に、農林水産業の取り組みについて、流通システムの施策としていかに低コストを確保するのかについてお答えいたします。
 離島県である本県においては、輸送コストの低減は農林水産業の振興を図る上から大きな課題であります。
 このため、JA沖縄中央会等農業団体においては、平成9年から輸送コスト低減に向けた施策の樹立に関して国及び県に対して要請をしているところであります。
 今回の要請の内容は、本県北部地域を全国JR貨物輸送ネットワーク上に位置づけ、輸送距離に応じた全国一律料金が適用されるよう求めたものであります。これは、沖縄県が全国的な社会基盤である鉄軌道網から取り残され、他県と比較して約3割の物流コスト負担増となっていることから、その低減対策としての制度要求であります。
 輸送コスト低減対策の制度要求については、県としても北部市町村や国と連携しながら前向きに検討していきたいと考えております。
 また、技術的な輸送コスト低減対策としてはJRコンテナ活用対策事業を平成12年度から実施し、輸送に適した品目や積載方法等の検証を行っているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) それでは、知事の政治姿勢に関しまして普天間基地の跡利用と開発についてお答えいたします。
 去る6月14日に国の跡地対策プロジェクトチーム、県の軍用地跡地利用促進連絡協議会、宜野湾市の軍用地跡地開発プロジェクトチームの合同会議が本県において開催され、当面の検討分野として示された跡地計画策定関係等11の検討分野について、それぞれの役割を確認しながら課題の整理に取り組むことが協議されました。今後、各分野の課題についてそれぞれが検討を進め、次回の跡地対策準備協議会において報告することになっております。
 なお、民間研究機関が普天間飛行場跡地利用について調査研究したことは承知しておりますが、全体的な機能導入を検討する中で必要に応じ参考にしていきたいと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢に関しまして、普天間基地の影響を受けてきた中部市町村の振興策を打ち出すべきと考えるが所見を賜りたいにつきましてお答えいたします。
 中部地域を初めとする各圏域の振興開発につきましては、これまで沖縄振興開発計画における圏域別の振興方向に基づき各種の振興策を講じてきたところであります。
 御提言の中部振興策を含めた圏域別振興については、新たな沖縄振興計画の中でそれぞれの地域特性を生かした役割、機能を発揮して相互に連携し、個性豊かな活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興が図られるようこれまで以上に圏域別振興計画の中で検討していきたいと思います。
 次に、九州・沖縄サミットについて、サミットの経済効果とそれが持続されなければならないと思うが、来年以降はどうなっていくのかについてお答えいたします。
 サミットの経済効果としては、短期的には宿泊、飲食等の消費効果とプレスセンター、道路、植栽等の整備によって生じる投資効果があります。
中長期的な効果としては、本県の魅力を国内外に知っていただくことにより観光客のさらなる増加と国際会議や国際イベントの誘致が期待できることであります。
 また、国際会議の開催ノウハウの蓄積や県民のホスピタリティーの向上など、国際化に対応できる人材の育成に寄与していくものと考えております。
 次に、サミット後の取り組みについては、期待されるサミットの経済効果を確実なものとし、本県の産業振興につなげていくため国内外観光客の誘致、今回整備される情報関連インフラの有効活用、企業の誘致などにも努めていきたいと考えております。
 また政府は、九州・沖縄サミット後においても国際会議等各種会議の沖縄開催を推進するため、各省庁による連絡会議を設置し必要な支援を行っていくことを閣議了解しております。
 県としても、サミット受け入れのノウハウの蓄積を生かしたポストサミットとして国際会議等の受け入れ体制を強化し、国との連携を図りながら誘致促進に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○副知事(牧野浩隆) 安次富先生の普天間基地の跡利用、それと開発についての貴重な御提言につきまして若干コメントをさせていただきたいと思います。
 先生の御提言を承りまして、天久の副都心の開発の問題意識、例えば時間がかかり過ぎている、外部との一体性に欠ける、それから既存の現行法のもとでは限界がある、そういう問題意識を踏まえまして先生といたしましては普天間の跡利用につきましては宜野湾市単独だけではなく、西原町あるいは浦添市、あるいは沖縄市なども総合的に中部振興策を打ち出して普天間の跡利用を待たずに周辺地区の先行的な整備も進めるべきじゃないのか、そのためにはボリュームを大きく持って、視野を広く持ってやっていけ、そうしなければ沖縄の振興開発の全体のかぎを握るようなところなので十分な対応はできないのじゃないかという御指摘であったかと思います。
 先生の御指摘には、私も全面的に賛同いたしまして非常にありがたい御指摘だと思います。しかしながら現状を見ますと、先生の御指摘のように基地の跡利用につきましてはこれから特別立法でやっていくことになります。しかしその周辺では現行の制度では問題がありますけれども、それを一体的にやっていくということでございますけれども、現実を見ますと従来の法制を変えるということは、これは従来の法制というのは全国一律の問題でございますので、普天間周辺だけで現行の法制を変えるということは極めて必然性が弱いし、なかなか難しいと思いましたので、私どもは普天間の跡利用については思い切った立法措置を施行することによって、その普天間の跡利用から外辺地区にどう拡大していくか、そういう手法をとろうというようなことで普天間の跡利用につきましては去年の8月に駐留軍用地跡地の利用の円滑な推進に関する要望書を国の方に要望いたしました。
 それを受けまして昨年の12月、御存じのとおり普天間飛行場の移設にかかわる政府方針が閣議決定されまして、その中の一つに普天間の跡利用の問題が政府・閣議方針として出されたわけです。それを受けまして去る5月に跡地対策準備協議会、これは国と県と宜野湾市の代表者で成っている協議会がスタートいたしました。
 そして、そこで取り組みがスタートしたわけでございますけれども、まず政府の方の取り組み方針としましては内閣内政審議室の中に跡地対策グループをつくりまして、そのもとに関係各省庁の15省庁の各課長クラス、それから沖縄県の振興開発庁で構成される跡地対策プロジェクトチームが設定されて作業が進められております。
 それから、県の方としましては、沖縄県軍用地跡地利用促進連絡協議会という各部局にまたがるものをつくって対応しております。
 それから、一方の地元の宜野湾市では、宜野湾市軍用地跡地開発プロジェクトチームをつくってその作業を進めております。
 これまでの作業の経過でございますけれども、どのようなことが問題になっていくかをリストアップして、それについて鋭意作業を進めているところでございますけれども、例えば11の項目がありますけれども、参考のために重要なものを御紹介いたしますと、一番重要なものは跡地計画策定関係の事業、これは跡地の計画の策定手続に関する事項、導入機能の検討に関する事項、もう一つは再開発事業の関係事項、これは再開発事業を迅速かつ的確に推進するための特別措置に関する法律等々11項目について国、県、宜野湾市と一緒に作業を進めていくことになっております。
 そういった面から見ますと、従来言われましたものを反省を踏まえまして跡地利用だけではなくて、跡地利用が外辺、周辺部とも有機的に開発できるように、跡地を利用することによってそこから外に周辺的にやっていこうというような形で先生の御指摘のような問題意識ができるだけできるような形で作業を進めていこうというのが今の手法でございます。
 もちろんもう一つの中部圏域の振興策でございますけれども、これはこれまでも沖縄振興開発計画の中で圏域別計画としてありましたので、これをまた新たに今後新しくできる振興開発計画の中でも当然圏域別計画として中部圏域のものはつくっていくことだと思います。問題は、その2つをどのような形で有機的に結合させて、先生の御指摘になるようなものにやっていくかということでございますので、極めて重要な御指摘をいただきましたので、我々はそのような問題意識を踏まえて、先ほど御紹介しましたような11項目がありますから、これが具体化できるような形で作業を進めているところでございますので、また引き続き御指導をよろしくお願いいたします。
 あくまでも普天間基地の跡利用を有効にするためには外部との有機的な結びつきが必要でございますので、そこは当然ながら問題意識として持っております。
○知事公室長(親川盛一) 安次富修議員の知事の政治姿勢についての質問事項のうち、「慰霊の日」に米軍が訓練を行い、山火事を発生させたことについて県はどう対応したかという御質問にお答えをいたします。
 御案内のとおり、「慰霊の日」は沖縄戦で亡くなられたすべての人々に追悼の意を表するとともに、戦争による惨禍が再び起こることがないよう世界の恒久平和を願うという沖縄県民にとって特別な意義のある日であります。
このような日に米軍が実弾射撃訓練を行い、原野火災を発生させたことは県民の心情に対する配慮を欠いたもので遺憾であります。
 県は、去る6月27日、在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)に対し、演習等に起因する原野火災の再発防止等に万全を期するとともに、「慰霊の日」のような県民及び地域住民にとって特別な意義のある日については実弾演習、訓練を自粛するよう申し入れたところであります。
 以上でございます。
○企業局長(又吉辰雄) 安次富議員の御質問の趣旨は、サミット開催を間近に控えまして、梅雨明け後、きのう、きょうを除きましてかんかん照りが続いている中で本当に水の安定供給は大丈夫かと、企業局のことを御心配になりましてぜひ安定給水に努めてもらいたいと、そういう趣旨の御質問かと存じますので、せっかくでございますので答弁をさせていただきます。
 まず水源の状況でありますが、昨年の梅雨時期の雨量は232ミリで、平年値のほぼ50%でありました。梅雨に入る前の4月に394ミリのまとまった雨があったことから、7月2日現在、国、県、企業局管理ダムのすべてのダムで貯水率は91.7%となっておりまして比較的高い貯水率で推移をいたしております。今後、よっぽどの異常気象がない限り十分安定供給ができる状況にございます。
 次に、サミット関連について申し上げます。
 昨年6月、私ども企業局内にサミット推進委員会を設置をいたしまして、安定供給体制について国及び市町村と連携を密にいたしましてその対策を講じてまいりました。
 全体的に見ますと、企業局の送水能力は1日当たり55万1800立方メートルであるのに対しまして、過去の7月における給水実績は最大で1日当たり45万から47万立方メートル、平均で申し上げますと1日当たり43万から44万立方メートルであることから、おおむね1日当たり8万から10万立方メートルの余裕がございまして十二分に対応可能でございます。
 また、地域ごとに見ますと、会議場及びプレスセンターのある名護市には企業局名護浄水場及び名護市営の中央浄水場から給水をされます。
 供給能力といたしましては、両浄水場の1日当たりの送水能力は4万4800立方メートルに対しまして、過去の給水実績は1日当たり2万6500立方メートルでありまして約1万8000立方メートルの余力がありますので、十分対応可能でございます。
 また、宿泊予定地の恩納村、読谷村への給水は名護浄水場並びに石川浄水場からの供給体制となっておりますが、今までの給水実績、水源及び施設能力とも十分対応可能でございます。
 今後とも関係機関との連携を密にいたしまして万全を期してまいりたいと、こう考えます。
 以上です。
○福祉保健部長(平良健康) 少子・高齢化対策について、保育所の整備及び特別保育事業(夜間保育、障害児保育等)の充実についての御質問にお答えいたします。
 保育所は、平成12年4月現在323カ所となっています。そのうち、復帰後の10年間に建てられました施設の老朽化が著しく、その整備が急がれております。
 改築に際しましては、定員増を伴う増改築や、多様な保育ニ-ズに対応できる施設整備に努めております。
 平成12年度は、夜間保育所を含めた創設2カ所、改築11カ所の整備をすることとしております。
 また、女性の就労の増大や都市化、核家族化及び就労形態の多様化等に伴う保育ニーズに対応するための延長保育、障害児保育に加えまして、母親の子育て不安等の相談に応ずるために地域子育て支援センター事業等の特別保育事業を実施しております。
 本年度は、試行事業でありました夜間保育サ-ビスモデル事業が本格的な夜間保育所として事業を開始したところであります。県としては、今後とも老朽保育所の改築を中心に地域のニ-ズを踏まえた保育所整備や特別保育事業を進めてまいります。
 次に、乳幼児健康支援一時預かり事業、いわゆる小児デイケアでございますが、その拡大等についての御質問にお答えいたします。
 保育所に入所している児童が病気回復期であるということで自宅での育児を余儀なくされる期間、当該児童を病院等で預かる乳幼児健康支援一時預かり事業があります。
 当事業は、これまで3カ所で実施されておりましたが、今年度からは6カ所と拡充されております。
国においては、同事業の中で子育て支援の一環として、産後の体調不良や保護者の入院等により家事や育児が困難な家庭に保育士等を訪問派遣する事業を追加することとしております。
 県としましては、今後、国の通知を受けて対応してまいりたいと思います。
○教育長(翁長良盛) 安次富議員の御質問にお答えいたします。
 まず、本島中部の学校における一連の事件概要について伺いたいという御質問にお答えいたします。
 本島中部の学校における一連の事件につきましては、平成12年2月の覚せい剤事件と5月の教師による体罰、さらに6月の無職少年による金銭恐喝事件が発生しております。
 2月の覚せい剤事件につきましては、当該生徒が登校した際、言動におかしな点が見られたため学校が警察に通報し、尿検査の結果、覚せい剤使用が発覚しております。当該生徒2人と成人被疑者2人は、浦添市内で覚せい剤をライターで加熱して蒸気を吸引した疑いで逮捕されたものであります。
 5月の教師による体罰につきましては、学級の男子生徒が給食時間に牛乳の空きパックを他の生徒に投げたことに対して、その日の放課後、指導注意を行う際に顔を2度平手でたたいたときに手が鼻に当たり出血したと報告を受けております。
 また、この件に関連して、たたいた上、アメラジアンスクールに行くべきだと言ったとの報道がありますが、そのときの発言ではなく、5月の中旬ごろ、朝の読書の時間に当該生徒を指導した際のやりとりで、アメラジアンスクールに行きなさいというニュアンスの発言をしたとの報告を受けております。
 6月の無職少年による金銭恐喝事件につきましては、加害者を含む数名の卒業生が4月中旬ごろから校門付近にたむろしたり、6月には無断で校内に立ち入るなどの状況があり、在校生も落ちつかない様子があったようであります。
 そのため、学校は6月7日にアンケート調査を実施したところ、恐喝があることがわかり、学校は保護者と相談し、保護者により被害届を出しております。被害の状況は、中学生3名が数回にわたり恐喝されていると報告を受けております。
 以上が事件の概要でございます。
 次に、当該教育委員会へどういう指導監督を行ったかという御質問にお答えいたします。
県教育委員会といたしましては、一連の事件等に関して全市町村教育委員会への指導として、1つ、児童生徒の覚せい剤等の乱用防止指導の徹底について、2つ、命の大切さや人権尊重についての指導の徹底及びいじめ、暴力行為等の未然防止に向けた取り組みの強化について、3つ目に、児童生徒の人権尊重と教職員の服務規律の確保についての通知を行い指導の徹底を図ったところであります。
 また、全市町村教育委員会の担当指導主事会を開催し、薬物乱用、不登校等について児童生徒の実態把握を行い、きめ細かな対応策を講ずるよう指導を行っております。 
 一連の事件につきましては、中頭教育事務所において当該教育委員会、学校長、教頭から事件の報告を受けるとともに、当該教育委員会の全指導主事に対して薬物乱用防止教育のあり方、不登校児童生徒への対応、継続指導等の指導助言を行っております。
 なお、教師による体罰につきましては、当該教育委員会に対して教育庁での説明を求め、徹底した調査を行い事実確認をして報告するよう話し合っているところでございます。
 次に、県教育長として今回の一連の事件についてどう襟を正すかという御質問にお答えいたします。
県教育委員会といたしましては、事件の再発防止を図るため通知文による指導のほか、各教育事務所単位の連絡協議会の開催、緊急青少年事件・事故再発防止県民大会の開催による具体的な取り組みの強化に努めているところであります。
 また、体罰等については市町村教育委員会からの報告に基づき厳正に対処してまいっております。
 さらに、8月には全県小中学校長、教育長連絡協議会を開催し、人権教育の徹底、夢が持てる学校づくりのための進路指導等のあり方、関係機関・団体等との連携の強化等について協議し、各学校での取り組みを確認することといたしております。
 小中学校の場合は、設置者である市町村教育委員会が主体的に対応しているところでありますが、県教育委員会といたしましても学校、地域、関係機関・団体と密接な連携を図り、児童生徒の育成のため活発な組織づくりやさまざまな運動を展開して、青少年事件・事故再発防止及び教職員の服務規律の確保について真剣に努力してまいりたいと考えております。
 次に、教員の資質の向上について具体策を示してほしいという御質問にお答えいたします。
 県教育委員会では、教職員の資質の向上を図るため教職経験年数に応じた研修、職務に応じた研修、当面する教育課題に応じた研修、教科領域を中心とした研修、県内外及び国外へ派遣する研修等を体系的に位置づけて研修を行っております。
 研修を実施するに当たっては、県教育委員会、県立教育センター、教育事務所、市町村教育委員会等で役割を分担し効果的に推進できるようにしております。
 また、教職員の服務規律の確保と綱紀の粛正についても機会あるごとに注意を喚起しており、さらに管理者への服務監督の徹底や各学校への訪問指導等を強化しているところであります。
 こうした取り組みにもかかわらず、不祥事が起こることにかんがみ、県教育委員会といたしましては今後すべての研修会で人権教育を明確に位置づけるとともに、服務規律の研修を強化し、さらに教職経験20年以上の者への研修の強化など、現行の研修体系や研修内容を見直していきたいと考えております。
 また、各学校においても、毎月一度の「人権を考える日」を設定するなど校内研修をより充実させ、教職員一人一人がその職責を一層自覚するようにさらなる資質の向上に努めていく所存であります。
 次に、全国高等学校総合体育大会を2010年に開催することを検討していると聞いているが、ポストサミットとして2005年に開催できないかという御質問にお答えいたします。
 御案内のとおり、全国高等学校総合体育大会は、高等学校教育活動の一環として高校生に広くスポーツ実践の機会を与え、技能の向上とスポーツ精神の高揚を図り、心身ともに健全な高校生を育成するとともに、相互の親睦を図るために開催されるものであります。
 御提言の2005年開催につきましては、2008年までは開催県が既に決定または内定していること、開催5年前には九州各県高等学校体育連盟の同意を得て文部省及び全国高等学校体育連盟に誘致申請書を提出することになっていること、全県的な合意形成を図るとともに、各競技会場地の選定や競技施設整備及び選手強化などに長期的な計画が必要であること等から困難であると考えております。
 県教育委員会といたしましては、これまでの経緯を踏まえ、2010年に開催ができるよう努力していきたいと考えております。
○農林水産部長(小那覇安優) 農林水産業の取り組みについての御質問で、沖縄ブランドの販路拡大と充実についてお答えします。
 県におきましては、活力ある農林水産業の振興を図るため平成11年2月に「農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム」を策定しました。特に野菜、花卉、果樹の戦略品目については、販売戦略の強化とあわせて定時・定量・定品質の沖縄ブランド確立を目指して拠点産地を形成することにしております。
 平成12年6月までに35の産地協議会を立ち上げ、去る6月28日には7拠点産地を認定したところであります。
 販路拡大については、平成8年に沖縄県農水産物販売促進協議会を設立し、県内外での販売促進キャンペーンを実施するなど多くの成果を上げております。
 とりわけゴーヤーについては、「ゴーヤーの日」の制定や大消費地での積極的な宣伝・販売促進活動により、ゴーヤーが食材として全国的に周知されるようになっております。
 また、サミット開催を契機として、サミット推進県民会議にゴーヤー、パパイヤ、パイナップル、牛肉、モズク、黒糖等の県産農水産物を提供することにしております。
 マンゴーについては、「マンゴーの日」を制定し、サミットマーク入りマンゴーの出荷や那覇空港でのキャンペーンなどを通して県内はもとより広く全国へ普及を図っていく考えであります。
 さらに、全国生産の9割以上を占めているモズクについては、国内における物産展への参加及びマスコミ等によるPR活動を展開するとともに、海外出荷を目指して平成7年以降、福建省及び香港における料理大会などのイベントを継続的に実施しているところであります。
 鶏卵や牛肉については、シンガポール、香港に輸出されており、HACCP対応の施設導入など今後の輸出拡大に向けて支援していく考えであります。
 今後とも沖縄ブランドの確立と販路拡大の充実に向け、関係機関が一体となって取り組んでまいります。
 次に、農業後継者の育成についてお答えします。
 自立できる農業、農村の活性化を図る上で経営感覚にすぐれた農業後継者の育成は重要な課題であります。
 このため、県としては農業大学校における先進的実践教育、学校教育との連携による農業体験学習、国内外への先進地研修などを通して農業後継者の育成に努めているところであります。
 農業後継者の活躍事例としては、園芸作物や畜産において農業生産の法人化による企業的経営で高収益を上げている農家や、農業大学校の卒業生で県内トップクラスの果樹農家が誕生するなど、青年農業者の活躍は目覚ましいものがあります。
 また、新たに農業担い手の育成対策として、平成12年度から新規就農者を対象とした農業経営技術研修を支援する給付型助成制度を創設したところであります。
 今後とも、経営感覚にすぐれた農業後継者の育成に向けて積極的に取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○坂井 民二 坂井民二です。自由民主党を代表いたしまして通告に従い順次質問をいたします。
 質問に入る前に若干所感を申し述べたいと思います。
 今回、県議に初当選、初議会にもかかわらず同志議員の御配慮により代表質問の機会を与えられたことは私にとって大変身に余る光栄であり、身の引き締まる思いがします。
 私は、平良市議会議員として3期10年、市政をただしてきましたが、県議会は初めてでありますので、先輩の御指導と県当局の御教示を仰ぎつつ、御支援をいただいた県民の負託にこたえるよう努めてまいる所存でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 これまで遠い離島から県政を見ていて感じましたことは、稲嶺県政は、基地問題や離島問題等沖縄の抱える諸問題の解決におきましては誤りなき方向にかじを切っているとの印象を受けました。幸い、このたび議長にも八重山出身の伊良皆髙吉議員が就任されましたことは、離島問題のより一層の解決促進を図る上で大きな励みであります。私も県政与党の一員として微力ながら稲嶺県政を支え、離島振興の発展に尽くしていく所存であります。
 それでは最初の質問に入っていきたいと思います。まず、サミット関係についてお尋ねいたします。
 今、沖縄県は21世紀を目の前にして世界に大きく羽ばたこうとしております。稲嶺知事誕生以来、閉塞状態にあった国との関係も完全に修復されました。これを契機に国策として各種の振興策が着実に実施され、また実施予定であります。そして沖縄にとって世紀の一大イベントとも言うべき沖縄サミットであります。そのサミット開催まであと20日を切りました。
 7月8日に福岡県で開催される蔵相会議ももう目の前です。知事におかれましては滞りなくサミットの準備に努めていただいているものと確信いたします。
 御承知のとおり、サミットの沖縄開催は故小渕前総理が万感の思いで決断され決定したものであります。志半ばで倒れられた故小渕前総理の熱意にこたえるためにも今回のサミットはぜひとも成功させなければならないと考えております。
 さて、サミットは1975年にフランスのランブイエで第1回会合を開催して以来、今回の九州・沖縄サミットで26回目を迎えます。日本でサミットが開催されるのはことしが4回目でありますが、東京以外の場所で開催されるのは沖縄が初めてであります。
 また、2000年という大きな節目の年にアジアでは7年ぶりに開催されるという点でも極めて意義のあるサミットであります。
 報道によりますと、今回のサミットでは「一層の繁栄」、「心の安寧」、「世界の安定」をテーマに、ITすなわち情報技術革命を初め感染症対策、紛争予防、地域情勢などの幅広い分野にわたって討議されるとのことであります。
 加えて、遠く琉球王朝の時代からアジア地域と深いつながりのある沖縄での開催ということを考えるとき、グローバルな視点に立ちながらもアジア諸国の関心も反映させることが大いに期待されるところであります。
 一方、沖縄にとってサミットは参加各国の首脳やマスコミに沖縄特有の文化や美しい自然を見てもらうとともに、沖縄を世界にアピールできるまたとない絶好のチャンスであります。
 また、沖縄県民にとっては世界の首脳たちとじかに触れ合うことのできる格好の機会であると言えます。そしてそれが実現できれば、沖縄県民に自信と希望を与えるものと確信するものであります。
 サミット参加国首脳と県民との触れ合いについては、稲嶺知事もかねて強い要望をしているとお聞きしております。
 市町村における招聘活動も活発に行われております。私の地元であります宮古の上野村は、宮古近海で遭難したドイツ商船の乗組員の救助を機縁として交流を始めて以来長い親善関係にあり、それだけ思い入れの深いドイツのシュレーダー首相をぜひ上野村に招きたいと宮古郡民バックアップのもと、強力な要請活動を行っております。
 上野村民を初め宮古郡民は、歓迎ムード一色でありますので、シュレーダー首相にはぜひ宮古においでいただいてドイツ村など少しでも宮古の自然を味わっていただければと願っております。
 稲嶺知事におかれましては、そうした県民の意向をお酌み取りいただき、各国首脳との交流事業が実現できるよう特段のお力添えを要望し、以下の点についてお伺いしたいと思います。
 まず1点目、サミットの開催準備状況はどうなっているか。
 2番目に、平和を求める沖縄の心とはどういうものか。またそれをサミットを通してどのように発信していくのか。
 3、サミット参加国首脳と県民との交流事業について、中でも県民の関心がとりわけ高いアメリカのクリントン大統領と県民との交流事業はどうなっているか。
 また、ドイツのシュレーダー首相の宮古上野村への招聘計画はどうなっているか。宮古の地元の新聞では、シュレーダー首相は21日にも宮古を訪問するとの情報がありますが、事実はどうか、具体的に説明をお願いしたいと思います。
 なお、通告してありましたサミット関連の残り2つの質問については我が党の具志議員、安次富議員も取り上げておりますので執行部の答弁は求めませんが、故小渕前総理の銅像建立については検討する価値はあると思いますので、稲嶺知事におかれましても前向きに御検討いただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、医療福祉問題についてお尋ねいたします。
 離島における中核病院は、何と申しましても県立病院であります。久米島にも先日、島民が待ち望んでおりました県立久米島病院が完成しました。このことは、一昔前と比べ医療分野における地域間格差も大分改善されてきていることを示すものであります。この点、県の医療行政に対して高く評価するものであります。
 しかしながら、沖縄本島と離島との医療格差はなお存在しているのが実情であります。一例を挙げますと、去る5月の新聞報道で、八重山病院で医師が空席になっているため患者が自衛隊機で沖縄本島へ搬送されるということが大きく取り上げられておりました。これなどは、担当医師がいればあるいは沖縄本島まで搬送される必要は生じなかったケースであります。
 先島においては、県立病院が唯一の総合病院であります。その意味で私たち先島の住民にとって県立病院はまさに最後のよりどころであります。それだけに県立病院へ寄せる期待には大きなものがあります。
 そこに担当の医師がいないとなれば、さきの八重山病院のケースのように沖縄本島まで出ていかなければならないわけで、これに伴う精神的、経済的負担は決して少なくありません。そうでなくとも何かとハンディを背負っているのが離島の現状であります。
 高齢化社会は、これからますます急速に到来すると言われております。これに伴い、今後老人医療問題など医療福祉の充実が求められてくることは論をまちません。そういった観点からしますと、離島における県立病院の果たす役割はますます増大してくるものと思われます。そのためには施設設備、人材といったあらゆる面での機能の充実強化は避けて通れない課題だと考えます。
 宮古病院の患者数は年々増加傾向にあります。
 一方、同病院は敷地が狭く、施設の老朽化が進み設備等の面でも十分であるとは言いがたく、利用者は不便を感じているのが現状であります。住民に十分な医療サービスを提供するという観点からも、このような状況は早期に改善すべき課題であると考えます。
 そこでお尋ねします。
 1点目、県立宮古、八重山両病院では医師は定数に見合った数は確保されているか。
 2点目、医師は離島に行きたがらないとも聞くが、その原因は何でしょうか。
 3点目、医師確保のため県はどのような努力をしているか。
 4点目、地元では新築を望む声が非常に強い宮古病院の新築計画はどうなっているのか、御説明をお願いいたします。
 次に、離島振興についてお聞きしたいと思います。
 まず、伊良部架橋についてであります。
 御承知のとおり、宮古島を中心とする宮古圏域は8つの島々から成り、その中でも宮古島に次いで大きい伊良部島は宮古島と隣接し、人的・物的交流において密接な関係を持っております。
 しかしながら、海上交通を唯一の交通手段とする島の住民にとって日常生活はもとより、経済、教育、医療等のあらゆる面において大きな制約があるのが実情であります。
 これまで宮古の産業振興を支えてきたのは農業、漁業、公共事業等の第1次、第2次産業であることは言うまでもありません。しかしこれからの宮古圏域が大きく発展していくためには、観光産業の育成振興が重要であると考えます。そしてこれは私の持論ではありますが、観光産業が伸びてくれば、これが第1次産業や公共事業にも連動して相乗効果を高め、効率のよい経済振興が図られると考えます。
 もちろんそのためには課題が幾つかあるわけですが、私が強く訴えているのは伊良部架橋の実現及び下地島空港残地を有効活用した施策の展開ではないかということであります。
 御承知のように、既に池間島、来間島は架橋によって陸続きとなりました。これによって島の住民の生活面での利便性が一段と向上し、さらには経済や観光分野での効果も出てきつつあります。
 これから推察されることは、架橋のもたらす効果はひとり離島苦の解消にとどまらず、産業の振興にも大きく寄与するものであるということです。そういう意味で伊良部架橋は、まさに百年の計に値する宮古郡民の切なる願いであります。
 幸い、県においては平成4年度から県費を投入して地質調査を行っており、さらに平成9年度からは国庫補助事業として宮古本島・伊良部地区道路網基本計画調査を実施しているとのことであります。稲嶺知事を先頭に地元伊良部町、平良市ともども架橋の実現に向けて積極的に取り組んでいることに対し深く感謝申し上げます。
 着工までにはなお多くの課題があろうかと思いますが、宮古郡民の悲願である伊良部架橋の早期実現のため稲嶺知事には今後とも頑張っていただきたいと思います。
 そこで、次の点についてお尋ねいたします。
 伊良部架橋については、平成12年3月29日に開催されました伊良部架橋調査検討委員会において架橋の概略ルート及び構造形式が選定されたと聞いておりますが、伊良部架橋の早期着工に向けた今後のスケジュールを含めた取り組みについてお伺いしたいと思います。
 次に、同じ離島振興の観点から下地島空港と空港残地の有効活用の問題を取り上げたいと思います。
 御承知のとおり、下地島空港の開港から20年がたちました。地元伊良部町では、当初空港残地を活用したリゾート開発、臨空港型産業の導入、総合病院の建設等の大型プロジェクトが計画されておりましたが、しかしこれらの計画は20年たった今日に至るも日の目を見ておらず、さらに下地島空港の利用状況も航空会社による飛行訓練の減少、那覇─伊良部間の定期便の運休などに見られるように当初計画より後退の一途をたどっているのが現状であります。
 下地島空港は、宮古圏域における貴重な社会資本の一つであります。これをもっと有効に活用できれば地元伊良部町はもとより、宮古全体の振興発展に結びつけることができるのではないかと思います。
 また、空港残地の利活用は県有地の有効活用という面においても重要な課題であります。地元伊良部町では、この残地の利活用を図ろうということで「航空大学」誘致構想が持ち上がっております。このほかにも多くの構想がありますが、私は航空大学の誘致を強く訴えてきました。と申しますのも、航空大学が設置されることに伴う効果の大きさを考えるからであります。
 宮古島では、プロ野球のオリックスが毎年2月にキャンプを張ります。そのオリックスが優勝したときの試算ではありますが、選手、スタッフ、報道陣など約150名がキャンプ期間中の約1カ月間滞在しますが、その間の直接的、間接的効果として約30億円の効果が示されました。航空大学ができると学生、学校関係者約1200名が一年を通して滞在することになります。大学ですから4年の間にはその家族、親戚、友人などが宮古のきれいな海を求め観光を兼ねながら学生に会いに伊良部島を訪れることは十分考えられます。
 その場合、ホテル、民宿等の宿泊施設はもとより、バス、タクシー、レンタカー等の交通機関や飲食店、お土産品店等を利用することを考えたとき、その経済的効果はプロ野球のキャンプに比べはるかに大きなものがあります。
 また、若者の定住による島の過疎化にも歯どめがかかる効果も十分に期待できます。
 さらに、航空大学の誘致を考えた場合、隣接して訓練飛行場があることは最高の条件ではないかと考えます。沖縄振興策の一環としても検討に値すると考えています。
 地元では、伊良部町だけでなく宮古の全市町村議会において航空大学の誘致決議がなされており、県を初め関係機関に対しても要請活動が行われております。宮古全体が航空大学の誘致に熱い思いを寄せております。
 もとより、その実現には多くの条件整備が必要であろうかと思いますが、県の所見をお伺いいたします。
 次に、新石垣空港問題についてお尋ねいたします。
 八重山郡民の長年の願いである新石垣空港の建設は、歴代の知事が県政の最重要課題として位置づけ、その実現に最大限の努力を重ねられましたが、地元住民の合意が得られず長年にわたり実現に至らなかった経緯があります。
 稲嶺知事は、この問題が20年余も解決できなかった最大の要因は地元の合意形成が不十分であるとの認識のもとに、就任するや学識経験者と地元代表者で構成する建設位置選定委員会を発足させました。マスコミ報道で見る限り、同委員会ではこれまでにない活発な議論が交わされ、またその会議録等も住民にオープンにして透明な形の委員会運営が功を奏し、白保海域の環境保全に配慮するとの条件つきではありますが、最終的には全会一致の形でカラ岳陸上案に決定したとのことであります。ここにも稲嶺知事のすぐれた行政手腕を見る思いがいたします。
 順調にいけば、10年後には夢の新空港が実現するとのことであります。同じ離島に住む者の一人としてこの問題に精力的に取り組んでこられました伊良皆議長、高嶺議員とともにその早期実現を待ち望むものであります。
 そこで、以下の点についてお尋ねしたいと思います。
 1、位置選定の経過と今後のスケジュールはどうなっているのか。
 2点目に、白保海域の環境保全への配慮として具体的にどのような対策を考えているのか。
 次に、池間島における県立公園の建設問題についてお伺いいたします。
 この問題については、実は平良市議会の去る6月定例会において議員の質問に対し同市の赤嶺助役は、平良市としてはこれを推進しない旨県に報告したいとの答弁をしております。推進断念に至った市当局の経緯や理由等についてはしかとしたことはわかりませんが、池間島住民の間には賛否両論があったことは承知しております。地元住民の合意が得られなかったのが大きな要因でしょう。
 ここで、これまでの経過を振り返りますと、池間島への県営公園建設計画は昭和63年4月の県の行政連絡会議において、宮古圏域に県営公園がないということで宮古市町村会がその設置を県に要望したのが始まりでした。たまたまその当時、池間大橋が2年後に開通する予定だったこともあって、池間自治会から架橋後の池間地域の活性化の一環として県営公園の設置要請が平良市当局に対して行われたわけであります。
 その後、県においては平成3年度に位置選定のための調査を実施しております。平成4年5月には宮古市町村会、宮古市町村議会議長会、宮古婦人連合会、沖縄宮古商工会議所、宮古青年会議所で構成する宮古公園設置促進期成会が設置促進を県に対して要請しております。平成6年には、宮古本島の4市町村を含めた候補地選定委員会が池間島に設置することを決定しております。
 これに対し、沖縄本島在住の一部地主から、基本的には賛成だが面積が大き過ぎるとの理由で規模縮小を求める要請決議がなされたのをきっかけに、さまざまな利害関係も絡んで賛否両論が出てなかなかコンセンサスが得られなかったという状況もありました。
 実際、建設反対要請もありました。こういったことを踏まえ、平良市としては推進を断念したようであります。
 ただ、平良市議会は同じ6月定例会の最終本会議において、県立公園誘致推進要請についての決議がなされており、近く県知事、県議会議長、平良市長に対し要請を行う予定であります。宮古への県立公園の設置については、これを求める声は依然としてあるわけです。
 そこでお尋ねします。
 県の公園整備計画においては、宮古における県営公園の設置計画について平良市から県に対し池間地区における推進断念の報告がなされた場合、県としてはどのような対応を考えているのか、御説明を願いたいと思います。
 最後に、平良市西里通り、下里東通りの整備についてお尋ねいたします。
 代表質問としては細かい質問になるかもしれませんが、どうぞ御容赦願い質問させていただきたいと思います。
 まず、平良市西里通りでありますが、この道路は市の中心に位置するいわば交通の要衝であります。県道として位置づけられている割には幅員が狭く、そのため車や人の通行に何かと支障を来している状況にあります。この道路の重要性を考えた場合、拡張整備の必要性は十分あると考えます。地元商店街の住民からは、拡張整備を求める要請決議がなされ県に対しても要請してきているところであります。これに対し県は、現行制度上一般新設道でなければ拡張整備はできないということで拡張整備は困難とのことであります。
 しかし、それではこの道路は半永久的に現状のままということで商店街の振興上マイナスとなり、地元商店街にとっては大変不都合なわけであります。
 そこでお尋ねします。
 県として、平良市西里通りの拡張整備計画について県はどのような考えを持っているのか、お聞かせください。
 次に、下里東通りについてお尋ねします。
 この道路は、去る3月の県の都市計画審議会において県道190号線の線引き見直しが承認されたところであり、県の特段の御配慮に感謝申し上げます。
 これを受けて平良市下里東通り会では、かねてより策定中の商店街活性化基本構想の実現に一歩前進したと喜ぶとともに、その早期実現を望んでいるところであります。この商店街活性化基本構想は、下里東通りの拡張整備が前提となっております。したがいまして地元商店街としましては、その拡張整備を一日千秋の思いで待っているところであります。
 そこで、平良市下里東通りの拡張整備時期についていつごろ予定されているのか、お尋ねします。
 以上で私の代表質問を終わります。ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 坂井民二議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、平和を求める沖縄の心とはどういうものか、またそれをサミットでどのように発信していくのかとのお尋ねでございます。
沖縄は、かつて「万国津梁」の精神で日本、中国、韓国、東南アジア諸国との友好的な交易を通して栄えた琉球王国時代があり、平和を大切にする独特な文化をはぐくんできた歴史があります。
 また、過酷な沖縄戦の体験、長年にわたる米国統治、そして今なお残る広大な米軍基地などから県民は世界の恒久平和と人間としての尊厳を心から求めております。
 このようなことから、沖縄県民は平和を志向し、協調し支え合い、そして異質なものを溶け込ませてしまう寛容さをはぐくんできており、こうしたことを私は「沖縄の心」だと考えています。
 沖縄県には、このような平和を希求する県民の願いをあらわすものとして平和の礎があります。これを各国の方々に訪れていただくことは、平和を求める「沖縄の心」を理解していただくのに最も効果的な方法であると考えています。
 その他にも、サミットの機会に沖縄を訪れる多くの方々にありのままの沖縄の現状を見ていただいたり、できるだけ多くの県民の代表の方々と触れ合っていただいたり、また史跡や多彩な芸能などを通じて沖縄の文化や歴史の奥深さを感じていただくなどの交流を通じて「沖縄の心」を実感していただくことが可能なのではないかと考えており、こうした交流行事をサミット期間中に積極的に行いたいと考えております。
 次に、質問を撤回されましたけれども、故小渕前総理の銅像については十分に配慮してほしいということでございますので、これは先ほどの具志議員の質問にもお答えしたように県としてのかかわり合いも含め前向きに検討してまいりたいと考えております。
 次に、伊良部架橋の早期着工に向けた取り組みはどうなっているかについてお答えします。
 伊良部架橋については、離島の隔絶性を解消し宮古圏域の振興を図る上からその必要性は十分認識しております。
 そのため、平成4年度からこれまで県単独事業費による地質調査や環境現況調査等を実施しております。さらに平成9年度からは、事業化に向けたより具体的な調査を実施する必要があるため国庫補助による宮古本島・伊良部地区道路網基本計画調査を行っております。平成11年度は、伊良部架橋調査検討委員会を設置し架橋の概略ルート及び構造形式を選定したところであります。
 平成12年度は、この概略ルートについて橋梁構造の検討に必要な詳細な地質調査等を実施する予定であり、架橋等に関する基礎的な調査は一応完了することになります。
 一方、地元においては去る4月26日に平良市、伊良部町、漁業組合、渡船関係者等を網羅した伊良部架橋地元推進協議会を設置し地元が解決すべき課題について鋭意取り組んでいるところであり、既に伊良部町と海運会社2社との間で船舶等に関する覚書も締結されております。
このように地元においても事業化に向けた条件整備が整いつつあることから、県としては平成13年度に国に対し新規に予備設計等の具体的な調査費を要望し、早期着工に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、新石垣空港の建設についてお答えいたします。
 位置選定の経過と今後のスケジュールはどうなっているかということへのお答えでございます。
 新石垣空港の建設事業は、昭和51年に石垣空港基本計画を策定して以来、20年余の年月がたっています。この間、白保海上案、カラ岳東側案、宮良案と建設位置が変遷してきましたが、種々の要因があって合意形成に至りませんでした。
 このような経緯を踏まえ、学識経験者と地元代表者で構成する新石垣空港建設位置選定委員会を設置して、これまで蓄積されたデータのあるカラ岳東側案、カラ岳陸上案、宮良案及び冨崎野案の4案の中から総合的に比較検討した結果、カラ岳陸上案が3月26日に選定され、4月8日に提言がありました。
 県は、同委員会からの提言を受け、4月26日にカラ岳陸上案を新石垣空港の建設位置として決定いたしました。
 また、建設位置決定までの経緯や今後の調査予定等について地元の皆さんの理解と協力を得るため、これまで地区説明会や石垣市民への全体説明会を行ったところであります。
 今後のスケジュールとしては、平成12年度に空港基本計画、環境現況調査等を行い、平成13年度から平成14年度において空港基本設計、環境アセスメント等を実施し関係地権者や関係団体の同意を取りつけ、市議会及び県議会の議決を経て平成15年度には新空港の設置許可を得、事業着手する予定であります。
 なお、事業着手後、完成までの期間は約7年を見込んでおります。
 次に、白保海域の環境保全への配慮として具体的にどのような対策を考えているのかとの御質問にお答えします。
 新石垣空港建設に当たっては、白保海域の良好な自然環境を保全するために学識経験者や環境保護団体等で構成する環境検討委員会及び技術的な検討をする工法検討委員会を設置し、環境保全のための十分な対策を検討していきたいと考えております。
 赤土等流出防止対策については、工事中の降雨時に赤土等が白保海域に直接流出することを防止するため大雨にも対応できる規模の沈殿池の設置や凝集沈殿装置による赤土の沈降を行い、工事区域から排出する濁水が環境に与える負荷を最小限にすることを講じる予定であります。
 さらに、赤土等流出防止対策工法とあわせて、工事着工から完成までの全期間にわたって専門家等による監視体制を組織し環境保全に万全を期する考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○サミット推進事務局長(山田文比古) 九州・沖縄サミットについて、サミットの開催準備状況はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
サミットの開催準備は、総じて順調に進んでおります。
まず、去る3月に竣工いたしました万国津梁館ではサミットに向けた内装や会議用設備の設置が進められており、また6月に竣工したプレスセンターでも内部設備の整備など開催に向けた準備が着々と進められております。
県におきましても、サミット本番時の県主催行事の実施や国主催事業の支援などに係る沖縄県実施本部を立ち上げ、県職員約750名、ボランティア約700名を含んだ全庁的な動員組織を整備したところでございます。
このほか、国の関係機関や県内関係団体もそれぞれサミット開催に係る実施本部などを設置し本番に向けた訓練やシミュレーションなどを活発に行っておられます。
サミット期間中におきます県民との交流行事につきましても有意義な交流が実現できるよう最終調整を進めているところであります。
サミット開催まで残りわずかしかありませんので、一日一日をむだにすることなく今後とも全力で諸準備に取り組みたいと考えております。
 次に、サミット参加国首脳と県民との触れ合いについてはどのような行事が予定されているか、特にクリントン大統領との交流行事、シュレーダー首相の宮古訪問はどうなっているかという御質問でございます。
 サミット参加国首脳と県民との触れ合いにつきましては、7月22日に那覇市内のホテルにおいて首脳歓迎レセプションを開催し県民の代表の方々と交流していただくことにしております。
 このほか、各国首脳が那覇空港に到着する際及び各宿舎に到着される際にも県民の代表や子供たちによる歓迎行事を予定しております。
 また、夫人プログラムとしては、各国首脳夫人に7月22日に平和の礎を御訪問いただくことになっており、そこで子供たち、夫人、高齢者等の県民と触れ合っていただく交流行事を予定しております。
 なお、各市町村の各国首脳等の招聘事業につきましては、先日カナダのクレティエン首相が南風原町を訪問されるということが正式に発表されました。
 御質問のクリントン大統領、シュレーダー首相を含めましてその他の首脳につきましては現時点では正式な連絡は受けておりませんが、各国とも前向きに検討しておられるものと承知しておりまして、県としてはその実現に向けて引き続き努力していきたいと考えております。
○病院管理局長(新田宗一) 去る4月1日付で病院管理局長を拝命いたしました新田でございます。厳しい病院事業ではありますが、誠心誠意務めてまいりたいと思いますので、よろしく御指導方お願いいたします。
 それでは坂井議員の御質問にお答えいたします。
 医療福祉問題につきまして1点目に、県立宮古病院、八重山病院では医師は定数に見合った数が確保されているか、2点目に、医師は離島に行きたがらないとも聞くがその原因は何か、3点目に、医師確保のため県はどのような努力をしているかとの御質問でございますが、関連いたしておりますので一括してお答えいたします。
 県立病院の医師の確保に当たりましては、県立中部病院で行われております卒後臨床研修を修了しました医師を採用するとともに、琉球大学や本土大学医学部医局との連携を図り医師確保に努めているところでございます。
 今年度八重山病院におきましてこれまで派遣を受けておりました大学医局の事情から、脳神経外科医、小児科医が確保できない状況になり、地域住民に御迷惑をおかけいたしました。県は医師確保を図るため地元開業医を嘱託医として発令し、協力関係を築く一方、新たな大学医局との連携構築に努めてまいりました。その結果、7月1日付で大学医局から脳神経外科医、小児科医が派遣されましたことから、宮古病院及び八重山病院とも定数に見合う医師が配置されている状況でございます。
 次に、医師の離島勤務につきましては、医療技術が日進月歩に高度化する今日では臨床事例や研修機会が少ない離島病院等は敬遠される傾向にございます。そのため大学医局との連携を強化するとともに、離島勤務医師の研修機会の拡充や臨床例の多い本島の県立病院との人事交流を積極的に行うなど離島病院の医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、老朽化が進んでおります県立宮古病院の新築につきましての御質問でございます。
 県立宮古病院は、宮古地域において一般医療を初め救急医療や離島僻地医療などを担いさまざまな医療ニーズにこたえながら地域の中核病院としてその役割を果たしてきましたが、施設の現状は一部の建物で建築後20数年を経過しているため老朽化が進んでいることは事実でございます。
 同病院の改築につきましては、現状の老朽化の状況などを踏まえながら県としての基本的な方針を早期に取りまとめる必要があると考えております。そのため現在建物や設備の老朽度調査の準備を進めているところでございます。
 今後、同調査の結果や宮古地域における医療ニーズ及び県立病院としての機能、役割などを勘案しながら病院の整備に係る基本方針を策定していきたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 下地島訓練飛行場をもっと有効に活用し地域の活性化を図る観点から、航空大学校を誘致すべきとの御質問にお答えをいたします。
 下地島の土地の有効利用については、平成10年3月に策定した「下地島土地利用基本計画第一次改訂」に基づき、地域活性化に有効な民間活力を中心とした事業の導入を図っていく必要があると考えております。
 現在、事業の導入に向けての課題の検討並びに情報交換等を行うため伊良部町企画室及び宮古支庁振興総務課、地域・離島課、空港課の県、伊良部町の関係課で構成する下地島空港残地有効利用連絡会議を設置し、下地島の有効利用の促進を図っているところであります。
 航空大学の誘致については、伊良部町において平成11年10月21日、日本航空学園に対し要請を行うとともに、平成11年11月11日、日本航空大学設立準備委員会を設置し誘致に向けた調査研究を行っているところであります。また平成11年12月7日には伊良部町議会、平成12年1月7日には宮古市町村議会議長会において航空大学に関する誘致決議が行われております。さらに、平成12年1月31日には伊良部町から県に対して誘致要請がなされております。
 航空大学の立地は、下地島訓練飛行場の有効な利活用につながるものであり、また伊良部町及び宮古地域における教育、文化の向上、雇用機会の創出、地域人口の増加など地域振興に多大な効果が期待されることから、県としては伊良部町の取り組み状況並びに地域の動向等を踏まえて前向きに対応したいと考えております。
○土木建築部長(銘苅清一) 平良市議会で池間公園は推進しないとの答弁があるが、県はどのように対応するのかとの御質問にお答えいたします。
 宮古地域における広域公園いわゆる池間公園については、平良市を初め地元からの強い要望を受けて平成2年度から6年度にかけて広域公園整備に必要な調査を行い、有識者等で構成する委員会で基本計画案を策定したところであります。その後、平良市が中心となって地元と調整してきましたが、公園の規模や自然保護の問題等から住民の理解が得られない状況で、ことし6月27日の平良市議会で市は池間島における広域公園建設を推進しない方針を表明したと聞いております。
 現在、まだ平良市からの正式な報告はありませんが、県としましては報告を受け次第、今後の宮古地域における広域公園の整備のあり方について地元市町村とも調整の上、改めて検討していきたいと考えております。
 次に、西里通りは幹線または補助幹線道路として拡張整備すべきではないかとの御質問にお答えいたします。
 県道平良城辺線の通称西里通りは、国道390号西里の四辻から市場通りまでの延長約400メートルの道路で、幅員が約6メートルと狭く沿道には住家が連檐し商店街が形成されております。
 西里通りは、同路線と並行する国道390号との道路間隔が約100メートルと近接しており、建設省が定めた商業業務地域は500メートル以上という基準を満たさないことから幹線道路として拡幅整備することは困難であると考えております。
 また、同路線を補助幹線道路として位置づけ街路事業で拡幅整備することにつきましては、交通量や投資効果等の面から国庫補助採択要件を満たさないため厳しい状況にあります。
 このようなことから、平良市としては平成11年度に地元商店街代表や学識経験者及び行政委員から成る「平良市まちなか再生事業構想検討委員会」を設置し、その中で西里通りの整備のあり方について検討しております。その結果、現道幅員に両側1メートル程度の店舗のセットバックを利用した幅員8メートルのコミュニティー道路として整備することが提案されております。
 県といたしましては、今後地元の意向を尊重しつつ、平良市とも調整の上、西里通りの整備について検討していきたいと考えております。
 次に、下里東通りの都市計画法上の位置づけ等についてその状況を説明願いたいとの御質問にお答えいたします。
 県道平良新里線の通称下里通り線は、国道390号バイパスの平良港前を起点として、市道大道線を終点とする延長約990メートルの幹線道路で、平成4年8月に幅員16メートルで都市計画決定されております。そのうち、下里通りの約410メートルについては平成5年度から事業に着手しており、平成13年度の完成を目指して現在整備中であります。
 御質問の下里東通りの約250メートルの区間につきましては、地元通り会より法線変更の要請を受け、道路中心線を西側に約5メートルシフトする都市計画決定の変更をことし4月に行っております。その変更に沿って下里東道りの拡張整備を平成13年度の国庫補助事業として国に要望していく考えであります。
 以上でございます。
○兼城 賢次 護憲ネットワークの会派を代表し質問をいたします。
 社民党・護憲共同の名称変更をいたしました。護憲ネットワークは、護憲を旨とし、平和を理念とすることにおいてもこれまで同様いささかもたがわないものであります。
 昨日悲しい事件が発生しました。米軍人による女子中学生へのわいせつ事件であります。事件のたびに綱紀粛正と再発防止の繰り返しでございます。基地あるがゆえの忌まわしく苦々しい事件に怒りをもって抗議するものであります。
 知事の政治姿勢についてお伺いをいたします。
 さきの総選挙についてであります。
 自公保政権への評価も、その立場にある人たちの中にさえ厳しい見方をしているのでありますから、当然厳しいものがあることは明白であります。
 マスコミは、自民・公明・保守党の敗北を報じております。政権与党の数合わせはともかく、総体的には自公保に対する国民の厳しい批判があったものと受けとめざるを得ません。
 さて、私が支持する社民党も選挙前には厳しい予測のもとにありました。一方の陣営からは雲散霧消し果てるかのごとく言われておりました。幸いにそうなるどころか厳しい状況は変わりませんが、現状よりは多くなりました。何といっても本県3区において東門美津子さんが沖縄から初の女性国会議員の栄誉を担いながら当選したことは、快挙であります。
 東門さんは、社民党の大きな柱である護憲をスローガンに掲げ、普天間飛行場の辺野古への移設に反対し、県内移設は基地のたらい回しに過ぎず基地の整理縮小にならないことと、老朽化した普天間基地を近代的な装備による基地の機能強化であることを訴えてきました。
 1点目の護憲でありますが、国会においては憲法調査会も設置され論議がなされようとしております。憲法の三原則である平和、人権、国民主権は、さきの大戦の教訓として日本国民が大事にしてきたところであります。論議の行き着くところが9条の改正だと言われますが、沖縄の県民の立場からはこの9条はどんなことがあっても守らなければならないものと考えております。
 さて、2点目の普天間基地の移設についてでありますが、3区は基地を多く抱える市町村であり、東門さんの当選は基地問題に対する一定の評価であろうと考えます。もちろん選挙はいろいろなしがらみがあり、単純な評価で事足れりというわけにはいかないことも承知しつつも、東門さんの当選の意義は決して小さなものでない。3区の東門さん当選の政治的インパクトは大きいものがあると申し上げたいのであります。
 知事の所見をお伺いいたします。
 次に、森首相の「神の国」発言で、首相の資質が問われ総選挙の争点にまでなりました。それは今どきこんな発言をする日本の首相とは一体どういうことなのかという声があります。歴史的にも憲法という立場から見てもこの発言は貧弱過ぎます。外国のマスコミは、狂信的愛国主義への郷愁が含まれているとし、日本そのものが国家主義的傾向へ赴くものと警戒感を強くにじませていると論評いたしております。隣国にまで警戒感を与えるような発言が神の国発言であり、その国家主義の大きな犠牲になった県民の立場と思いあわせてみるのであります。
 もう一つ、森首相は、「沖縄県の教職員組合は共産党が支配していて何でも政府に反対、何でも国に反対する。沖縄の2つの新聞もそうだ。」と根拠に基づかない発言でありますが、総理大臣のこれらの発言に対する知事の所見をお伺いいたします。
 次に、2点目に基地問題についてお伺いをいたします。
 南北朝鮮が、南北分断後初めての首脳会議が行われました。まさに歴史的な会談として注目されました。南北朝鮮の人たちにとっても画期的なことでありましたが、沖縄県にとっても大きな関心を持たざるを得ません。
 沖縄の米軍基地は、かつては旧ソ連の脅威があるがゆえに、旧ソ連崩壊後は朝鮮半島の動向がその存在理由でありました。その朝鮮半島に緊張緩和の大きな流れが出てきました。南北朝鮮の解決されるべき問題は、紆余曲折はあるにしても緩和へ向かうとすれば沖縄の米軍基地のあり方も当然変わるものと思われます。アジア地域の情勢も変化するものと思慮されますが、知事の所見をお聞かせください。
 次に、普天間基地の移設に伴う15年使用期限について政府はあいまいにしているだけでなく、まともにアメリカと話し合う態度も見せておりません。アメリカの関係者は、ことごとく期限つきは世界情勢次第、沖縄でこのような約束をすると韓国やその他の国でも同様な問題が出てくるので不適当な相談だと言って拒否をしております。日米政府のはざまでよほどの覚悟が必要であります。また、3区の東門さんは県内移設反対を明確にいたしております。東門さんの政治姿勢の一つの側面であることも理解されなければなりません。
 これら一連の動きの中で知事の15年使用期限についての所見をお聞かせください。
 次に、劣化ウラン弾薬きょう流出についてでございます。
 鳥島射爆撃場であれほど取りざたされたウラン弾の薬きょうが民間地域に野ざらしにされていたというのも米軍の管理のいいかげんさは県民をないがしろにしたものであります。本国ではあり得ないことを沖縄ではむとんちゃくに取り扱うごときは、県民をばかにした行為であります。アメリカはまだ植民地的気分ではないのか、その経過と対応についてお聞かせください。
 次に、東村での海兵隊の耕作地での射撃訓練、宜野座村の海域における米軍水陸両用車訓練水域外での演習及びサンゴ破壊、キャンプ・ハンセン内における実弾射撃訓練による火災、これまでこのような類似のことに抗議すると、二度と起こさぬ約束をしてきました。今回の対応についてはどうなっているのか、お聞かせいただきたい。
 次に、米軍機の低空飛行訓練ルートについてであります。
 沖縄にも米軍機の低空飛行訓練ルートがあり、嘉手納飛行場へのハリアー機もこの訓練ルートによって訓練のために常駐化しているとのことであります。騒音や危険な面から低空飛行訓練については本土の自治体でも反対運動が取り組まれています。ハリアー機の飛来中止を求めても、危険な低空飛行訓練をやめさせなければ根本的な解決にはなりません。
 米軍機の低空飛行に反対する首長の集まりが報道されております。山間の小さな村や町の村長、町長さんたちが真剣に取り組んでいることであります。その中に三沢のF16の低空飛行訓練マップにターゲットとして注目を集めた北海道の上ノ国町長は、本来は国がやるべきことなのに言うべきことも言っていません。住民の生命や財産は自治体が守らなければなりませんと述べております。国がやらなければ自分たちでやる以外ないと決意するのはどこの首長も同じだと考えます。
 さて、低空飛行の危険性、そのルートがあるゆえにハリアー機の常駐化の危険性が起こっています。県はどのように対応しようとしておられるのか、お聞かせ願いたい。
 次に、騒音防止協定の状況についてお聞きいたします。
 環境庁は、全国の飛行場、空港周辺の騒音調査を実施しました。嘉手納飛行場がうるささ指数が最も高かったと報告されております。嘉手納町も航空機騒音測定結果を発表して70デシベル以上の騒音回数は前年に比べ約200回も多くなったと発表しております。
 96年の日米合同委員会の騒音防止協定はどのようになっているのか、説明願います。
 次に、日米地位協定の見直しについてお伺いをいたします。
 全国の米軍基地の約75%が集中する本県においてこれら米軍基地の存在によって派生する事件・事故、環境破壊、軍人・軍属による犯罪等は県民の生命や財産を大きく脅かすばかりでなく、人権問題としても波紋を投げてきました。これらの問題に対応し解決するためには、その要因となっている国内法無視の屈辱的な地位協定の抜本的な改正が求められてきたところであります。
 県は、こういった背景を踏まえてこのたび日米地位協定の見直しに関する要請案をまとめ、市町村、県議会などの意見を聞いた上で政府に提案することとしております。
 そこでお伺いをいたします。
 1点目、今回の見直しの視点は何か。また政府はこれまで地位協定の見直しについては運用上の配慮にすりかえてきましたが、この際抜本的な見直しを求めていくべきと考えます。
 2点目、日米地位協定とNATO軍地位協定の違いとその特徴点は何なのか、お聞かせください。
 3点目、県案を最終的にまとめるまでには関係者の意見を聞くなど必要なプロセスを経ると思いますが、今後の手続、手順といつごろ政府に提出するかをお聞かせいただきたい。
 次に、ボン補足協定第45条第2項の中の「1961年9月27日連邦徴発法をはじめとして、それぞれ現行の文言におけるドイツの法令の関連規定が、適用される。」とあるが、その内容はどういうものか。
 次に、第17条「犯罪に関する裁判権」の問題は見直しすべき重要な点で、これまでも主権国家の裁判権の放棄にひとしいと指摘され、その抜本的見直しが求められてきました。同条の見直しの「いかなる要請に対しても好意的考慮を払うものとする」を、凶悪事件など特定の場合に「日本側が要請した起訴前の身柄引き渡しに米側が同意する」ことを明記する必要があると考えるが、どうでしょうか。
 次に、第3条関係見直し案の(3)項、「合衆国軍隊の演習、訓練等の実施に対して、航空法等の」となっているが、「等」は航空法以外に何を想定しておられるのか。
 7点目は、問題は県の見直し案(要請)をいかに実現させるかであります。そのために日米合同委員会にのせるなど県としてのこれからの強力な取り組みが求められておりますが、今後の対応と決意をお聞かせいただきたいと思います。
 4点目、3次振計総点検についてお伺いをいたします。
 3次にわたる沖縄開発計画に基づき格差是正や自立的発展を掲げてこれまで取り組んできました。その結果、道路、港湾などインフラなどは整備されましたが、県民所得や失業率などに見られるように産業経済の振興は遅々として進んでいません。産業基盤の整備が大きな課題として提起されております。国も1995年の県民大会後、これまでとは違った取り組みが見られるようになりました。しかし、施策が基地問題によって左右されるとしたならば、沖縄振興の計画的推進は厳しいものがあります。基地問題に関係なく県民福祉の面からは取り組まなければならないものであります。
 ポスト3次振計は、昨今の厳しい国の財政状況からして思い切った振興策を実現していくためには相当の根拠が必要であります。沖縄を甘やかすなという声が聞こえる中できちんとした理論武装をして取り組まねばなりません。21世紀の沖縄がどう自立し発展をさせていくのか、県民的な論議を巻き起こすべきときであります。
 そこで知事にお伺いをいたします。
 1点目、ポスト3次振計と新たな沖縄振興法の策定計画はどうなっておるのか。
 2点目、格差是正がこれまでの目標だったが、これからどうなさるのか。
 3点目、基地の整理縮小が進められる中でポスト3次振計ではどのような位置づけで進められていくのか。
 4点目、振計の目標がなぜ達成できなかったのかとの指摘があるが、このことへの所見をお伺いいたします。
 次に、サミットについてお伺いをいたします。
 サミットも間近に迫ってきましたが、当初のころのサミットへの思いが県民に今どのように受けとめられているだろうか。首脳たちの会議が沖縄の基地問題や平和問題が論議されるかのように受けとめ、お祭り気分に浸ったころに比べ今はどうでしょうか。
 クリントン大統領は、普天間基地の移設に絡め、基地問題が未解決の状態では沖縄に行きたくない、サミットまでに受け入れ可能な移転案を作成するよう発言もありました。そのクリントン大統領は平和の礎で演説を行うというが、一体、米軍基地のプレゼンスを平和の礎からアピールするつもりなのだろうか。県民が描いたバラ色のサミットも、衆議院選挙に与党は勝敗とリンク発言をしたようですが、サミットも少々手あかがついてきた感じであります。せっかくのサミットでございます。かつての万国津梁の気概でもって首脳会議を位置づけたいものですが、沖縄から平和の発信をとのこともあります。
 数日に迫ったサミットにここ沖縄から具体的にどのような発信をなさるのか、お聞かせいただきたい。
 サミットの警備体制についてお伺いをいたします。
 世界の首脳と各国のスタッフが参加するわけですから、警備体制には若干の規制が伴うのもやむを得ないことであろうかと思います。だが、どのような目的のイベントでも地元の人たちの理解が得られない不平不満は、当事者の思惑はともかく結果的には成功したとは言いがたいものです。日常生活にいきなり規制がなされると当然反発があります。
 会場の中心となる名護市やその他の場所でも、地域住民が戸惑うようなことが起こっているとのことであります。なぜこれほど警備しなければいけないのか。日常生活への影響、交通規制、営業業務への影響、24時間体制の検問も始まったようでありますが、指摘するところによると警察官が一般市民に対して不必要に職務質問をしたり、安易に軽犯罪法を適用したりするようなことが過去にあったとのことであります。
 本議会においても、県民に不愉快な思いや県民生活を圧迫するようなことがないように論議もなされております。懸念されることがないよう強く要望申し上げます。
 さて、県警本部に九州弁護士連合会から過剰警備で市民に対する人権侵害がないよう求め、サミット開催に際し人権擁護に格別な配慮を要請する要望書が提出されたようであります。要望書に対し十分な配慮をなすべきと考えますが、所見をお聞かせください。
 次に、福祉についてお聞きします。
 「介護保険の実施に伴う問題点、利用者の反応について」と通告いたしておりましたが、(1)点目、(2)点目は次の機会にいたしたいと思いますのでよろしくお願いします。
 介護保険の実施については、2月定例会で社民党・護憲共同の新垣善春議員は、連立政権なるがゆえの政局ゲームに翻弄されたと指摘したのでありますが、その後の実施の段階でも拙速過ぎるがゆえの初歩的ミスとも受け取られるようなことも起こっています。介護支援者専門員の現場からは、混乱もたくさんあり、言いたいこともたくさんある。また負担金の関係で利用者の中には今までのサービスが受けられなくなった人も出ており、ボランティアでやっていることもあるとのことであります。介護保険も利用者が自立していく、それを支えるサポーターとしての役割のサービスだが、現場での実情はどうでしょうか。
 始まったばかりの制度に若干の戸惑いはやむを得ないとしても、趣旨が大きく問われるようなことがあってはならない。在宅介護がその本来のあり方ではあるが、利用者にいま一つ詳しい情報が提供されているか、肝心の市町村担当者でさえも自信が持てない状況ではないのか。
 サービスの内容やその質が判断できるような指定居宅介護支援事業者や指定居宅サービス事業者の実情はどうでしょうか。市町村だけに任すだけでいいのか。これから最も大きなハードルは保険料が徴収される時期と予想されます。混乱なくスムーズに進めていただきたいのであります。
 さて、介護保険本来の在宅介護利用が、聞くところによれば認定を受ける側の思惑は施設介護利用に意識が働いている。受ける側は、在宅ではなく、なるべく施設介護だというが、実情をどのように認識なされておられるのか。施設介護利用者の状況と在宅介護利用状況はどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、県立病院の医師不在の現状に対してどのような対応がなされているのか、お聞きいたします。
 八重山市町会の会長大濵石垣市長は、県立八重山病院の脳神経外科、小児科の医師の欠員を速やかに補充するよう要望書を提出したとのことであります。
 一方、県立中部病院からは具志川市長に県立中部病院小児科外来診療制限についての協力依頼の文書が出ております。医師過剰で医学部の定員削減が言われる中でこのようなことが現場で起こっていることに戸惑いを隠せません。
 特に基幹的役割を担っている県立中部病院の小児科の状況はいろんな面で深刻なものです。小児科の先生が過労で倒れ、その補充ができないままにさきの院長の外来診療制限の協力依頼があります。その影響は外来診療だけでなく、小児腎臓疾患の子供を持つ家族の会によれば、これまで県立中部病院で治療していた子供たちも移転を余儀なくされているとのことであります。
 そもそも過労で倒れた医者は今回の先生だけではないということ。この先生の年間の時間外勤務が1275時間と言われております。日数にして53日であります。
 元同僚の医師が6月26日の論壇に「県立病院小児科を救え 過酷な勤務体制の改善を」と訴えております。当直医の勤務が連続32時間に及び、当直医は常に徹夜同然で仕事をし、翌日はふらふらになりながら通常の外来や業務をこなしている状態で、次の犠牲者が出ぬとも限らぬ。このままでは県立病院の小児科は崩壊しかねない。中部病院の機能を強化するとともに、県立病院の過酷な勤務体制を改善することは最重要課題であると訴えております。
 定員を満たしていることで医師は足りているとの形式にこだわって、医師も患者も殺す結果にならぬよう手だてを早急に施さねばなりません。指摘されている問題にどのように対応なさるのか、お聞かせください。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの兼城賢次君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時27分休憩
   午後3時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前の兼城賢次君の質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
 最初は知事の政治姿勢について、総選挙についての所見を伺いたい、普天間基地の移設について、3区で東門さんが当選したことは政治的インパクトが大きいと思うがどうかとの御質問にお答えします。
 東門さんが本県で初めての女性国会議員となられることは、沖縄にとっても意義のあることと思います。これまでにも行政にかかわってきた実績があり、今後の国会での御活躍に期待しております。これからは県民の代表として国政の場から、沖縄の振興開発のため御尽力いただきたいと思います。
 普天間飛行場の県内移設については、県政の重要課題として取り組んでまいりました。県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、国においては昨年末、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月に北部振興協議会及び移設先及び周辺地域振興協議会が、また5月には跡地対策準備協議会が設置され具体的な作業が開始されております。
 県としては、今後とも県選出国会議員の皆様の御理解と御支援を賜るとともに、地域の皆様の御理解を得ながら一歩一歩着実に作業を進め、基地の整理縮小を願う県民の要望にこたえていきたいと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢について、森総理の「神の国」発言についての御質問のお答えでございます。
 森総理は、神の国発言について5月26日の記者会見でみずからの考えを述べておられます。
 いずれにしても、総理の発言は常に国民の注視を浴びておりいろいろな受け取り方をされることから、今後は総理大臣というお立場を踏まえて発言していただきたいと思います。
 次に、基地問題について、南北朝鮮首脳会談の所見を聞きたいとのお尋ねでございます。
 首脳会談で両首脳が南北の統一を目指し、和解と協力の新たな時代へ向けて合意したことは画期的なことであり、今後南北間の対話が継続されることにより朝鮮半島の緊張緩和の進展が期待されます。
 なお、南北間の対話は一歩踏み出したばかりでありますので、県としてはこれからの朝鮮半島情勢の推移を見守っていきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題について、普天間基地の移設と15年使用期限の御質問に対するお答えでございます。
 県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
 また、基地の提供責任は日本政府にあるということを述べてきました。戦後、日本の平和と経済繁栄の陰で沖縄が55年間担ってきた負担について政府が日本国民に説明し、沖縄の過重な基地負担について全国民で議論していただきたいということも言い続けております。
使用期限問題については、国は、沖縄県知事及び名護市長からの要請を重く受けとめ、同問題を米国政府との話し合いの場で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応しながら米国政府と協議していくとの閣議決定を受け、去る日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられております。引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
 県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えております。
 次に、日米地位協定の見直しについて、県の今回の見直しの視点は何か、政府はこれまでの地位協定の見直しについて運用上の配慮にすりかえてきたが、抜本的な見直しを求めるべきであると考えるがどうかとの質問のお答えでございます。
 県は、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故等から県民の生活と人権を守り、米軍基地をめぐる諸問題の解決を促進するためには、米軍基地の提供や運用のあり方等を定めた現行の日米地位協定を見直す必要があると考えており、これまで機会あるごとに日米地位協定の見直しを政府に求めてまいりました。
 また、昨年11月、普天間飛行場の移設候補地の選定を国に提示するに際しても日米地位協定の見直しを要請いたしましたが、国においては昨年12月28日の閣議において、「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との方針を決定しております。
 県としては、県民の生活と人権を守り、県民の福祉の向上を図る観点から改めて日米地位協定の各条を全体的に検討する必要があると考え、日米地位協定の見直し要請案の取りまとめ作業を行っているところであります。
 同じく地位協定の見直しについての中から、問題は見直し要請案をいかに実現させるかであり、そのために日米合同委員会にのせるなど強力な取り組みが求められているが、今後の対応と決意を聞きたいという御質問のお答えでございます。
 県としては、サミット終了後できるだけ早い機会に、日米両政府に対し日米地位協定の見直しを強く要請していきたいと考えております。
 その際は、県議会や県選出国会議員の皆様方を初めとする関係各位の御理解と御協力を得ながら取り組んでいきたいと考えております。
 次に、3次振計の総点検について、ポスト3次振計と新たな沖縄振興法の策定計画はどうなっているかとの御質問のお答えでございます。
 3次振計後の新たな沖縄振興計画につきましては、民間主導型経済の構築、アジア・太平洋交流拠点の形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造、それぞれの特性を生かした各地域の均衡ある発展等を基本方向として検討していきたいと考えております。
また、新たな沖縄振興法は、経済のグローバル化及び情報化の進展、少子・高齢化社会の到来など国内外の情勢に的確に対応しつつ、民間主導の自立型経済社会の構築や返還基地跡地の円滑な利用等を着実に推進していけるような法制度にする必要があると考えております。現在の取り組み状況は、新たな沖縄振興法に盛り込むべき制度、施策について関係機関と調整を行っているところであります。
 続きまして3次振計の総点検についての中から、格差是正がこれまでの目標であったが、これからどうするのかということへのお答えでございます。
 本県の振興開発については、3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく各種施策・事業が総合的に実施され、社会資本の整備を中心に多くの分野で本土との格差も次第に縮小されてきており着実な成果を上げてきております。
 しかしながら、産業基盤等についてはいまだ整備が十分でない分野が存在しております。
 また、県民の生活水準、所得水準は格段に向上しているものの、完全失業率は本土に比べ高い水準で推移しており、県民1人当たりの所得についても全国の中で最下位の状況が続いています。
 格差是正については、第3次沖縄振興開発計画総点検報告書に対する沖縄県振興開発審議会からの意見において今後の本県振興の理念、目標の中でどのように位置づけるか十分な検討を進める必要があるとされています。
 このようなことを踏まえ、第3次沖縄振興開発計画の計画目標の一つである格差是正については、新たな沖縄振興計画の策定に向けての県の考え方を取りまとめるに当たって十分に検討してまいりたいと考えております。
 続きまして同じく3次振計の総点検について、基地の整理縮小が進められる中でポスト3次振計ではどのような位置づけで進められるかとの御質問にお答えいたします。
 米軍基地は国の安全保障にかかわるものであり、本県が抱える基地問題については国民的課題として取り組まれる必要があると考えております。
 基地跡地については、県としても有効利用の促進について要請してきたところでありますが、政府において昨年末の閣議決定で駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針を示しており、同方針に基づく新たな法制の整備による制度の確立と施策の着実な実施を促進する必要があると考えております。
 このようなことを踏まえ、新たな沖縄振興計画においては、米軍施設・区域の整理縮小と跡地の有効利用について都市計画と産業振興の推進などを図る観点から、計画の中で位置づける方向で検討してまいりたいと考えております。
 次に、サミットについての御質問の中で、平和発信は具体的にどのようなものかについてお答えいたします。
 私としては、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを後世に伝えることはもとより、広く世界に目を向けた平和の発信が重要であると考えており、このことを通じて世界の平和、安定に寄与していくことが沖縄の役割であると思っています。
 沖縄県には、このような平和を希求する県民の願いをあらわすものとして平和の礎があります。したがって私はサミットで来県する各国の首脳や夫人、政府関係者及び報道関係者に平和の礎をぜひ訪れていただきたいと考えています。
 また、サミット期間中には平和祈念公園を訪問していただくプレスツアーなども実施する予定となっております。その他にもサミットの機会に沖縄を訪れる多くの方々に米軍基地を初めありのままの沖縄の現状を見ていただいたり、できるだけ多くの県民の代表の方々と触れ合っていただくなどの交流を通じて沖縄県民の平和を希求する願いを実感していただくことが可能なのではないかと考えており、こうした交流行事をサミット期間中に積極的に行いたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員の基地問題についての御質問にお答えをしていきたいと思いますが、まず、質問の一つに劣化ウラン弾薬きょう流出について県はどう対応してきたのかという御質問にお答えをいたします。
 劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関して、県はマスコミ報道があった5月31日、職員を現場確認のため現地に派遣するとともに、米軍及び国に対し放射線調査を行うよう申し入れを行いました。
 また、翌6月1日に外務省、科学技術庁、防衛施設庁から成る調査チームが劣化ウラン弾の薬きょう等の調査を実施した際にも地元市町村等と同調査に立ち会っております。
 さらに、6月2日には在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)に対し遺憾の意を表明するとともに、今回の薬きょうの流出経路や使用場所など事実関係の調査及びその公表等について要請してきたところであり、その際、米軍から事実関係等について調査する旨回答がございました。
 また、流出時期について、業者が六、七年ほど前に国防再利用売却事務所、いわゆるDRMOから購入したと話していることから、6月8日にDRMOを訪ね事実関係について確認しましたが、DRMOでは販売データは2年間しか保管せず確認できない旨回答がありました。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から、劣化ウラン弾の薬きょうが民間業者へ流出した事実関係の調査及びその公表を求めるとともに、劣化ウラン弾の薬きょうなど県民に不安を抱かせるようなものについては民間地域へ流出させることがないよう、米軍において管理の徹底及びその適切な処理を講じるよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題についての質問事項のうち、東村での海兵隊の農地での射撃訓練について県はどう対応したのかという御質問にお答えをいたします。
 東村高江の提供施設外の土地改良区に米軍が立ち入った問題に関して、県は去る5月24日、在日米軍沖縄調整事務所を初め関係機関に対し遺憾の意を表明するとともに、今後このようなことが二度と起こらないよう再発防止策を講じるよう要請したところであります。
 これに対し、去る6月10日に国及び米軍は再発防止策として北部訓練場境界付近の5カ所に立て看板を設置し、米軍が民間地域へ立ち入らないよう注意を喚起しているところであります。県としては今後、同措置の効果及び地元市町村等の意見等を踏まえ適切に対応していきたいと考えております。
 続いての質問事項のうち、宜野座村の海域における米軍水陸両用車のサンゴ破壊についてどう対応したのかという御質問にお答えいたします。
 米軍の水陸両用車が宜野座村漁業協同組合の共同漁場等に損壊を及ぼしたとされる問題に関して、県は去る5月12日、在日米軍沖縄調整事務所を初め関係機関に対し遺憾の意を表明するとともに、県民の生命、生活及び財産を守る立場から水陸両用車等の移動に当たっては地元住民等に不安を与えないよう、漁協等に対し速やかに情報の提供を行うとともに、再発防止策に万全を期するよう要請してきたところであります。
 なお、漁場等の損壊状況については、去る5月26日に那覇防衛施設局及び米軍並びに宜野座村漁協等が合同で調査を行っており、現在那覇防衛施設局においてその調査結果の取りまとめを行うとともに、再発防止策を検討しているところでございます。
 次に、同じく基地問題についての質問事項の中の、キャンプ・ハンセン内における実弾射撃訓練による火災事故について県はどう対応したかという御質問にお答えをいたします。
 実弾演習等に起因する原野火災は、ことしに入って既に9件も発生し頻発している状況にあります。
 県は、このような状況を重く受けとめ、これまで機会あるごとに在日米軍沖縄調整事務所を初め関係機関に対し再発防止及び迅速な消火活動を含む消火体制の強化並びに火災原因等の情報の一層の公表等を申し入れてきたところであります。
 また、「慰霊の日」のような県民及び地域住民にとって特別な意義のある日の実弾演習、訓練の自粛についてもあわせて申し入れを行っております。
 さらに、去る2月14日に開催された第19回三者協においても火災の再発防止を議題として取り上げ、米側からは火災発生の原因の一つになっている曳光弾の使用を強風の場合には制限するなど地域住民の生活への影響を防止、軽減するためのさまざまな対策を講じている旨の発言がありました。
 県としては、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今後とも三者協の議題として提案するなど再発防止及び迅速な消火活動を含む消火体制の強化等を図るよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題についての質問事項の中の、米軍機低空飛行訓練ルートについて県はどう対応しているのかという御質問にお答えをいたします。
 米軍機の低空飛行訓練に関して、国は国会等において、米軍が飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を満たすとの観点から一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあることは承知しているが、具体的ルートの詳細等については米軍の運用にかかわる問題で承知していない旨答弁しております。
 本問題について、県はこれまで渉外知事会を通して騒音等の公害や重大な事故につながるおそれがあり、また地域住民の不安の解消を図る観点からその実態を明らかにするとともに、このような飛行が行われないよう国に対し要請してきております。
県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から、地域住民及び県民に対し不安を与えることがないよう低空飛行訓練のルートを含む実態について明らかにすることを求めるとともに、提供施設間の移動を名目に提供空域外で低空飛行訓練を行うことがないよう日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題についての質問事項のうち、騒音防止協定の状況について聞きたいということについてのお答えをいたします。
 平成8年3月28日、日米合同委員会において嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺地域の航空機騒音を軽減するため航空機騒音規制措置が合意されました。
 その内容は、住民地域上空の飛行制限など飛行活動の制限や午後10時から翌朝午前6時までの飛行時間の制限またはエンジン調整時間の制限等であります。
 米軍基地の航空機騒音の状況について、県と関係市町村で実施した平成10年度測定結果によりますと、規制措置が合意される以前の平成7年度と比較して嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺の一部地域ではうるささ指数の軽減が見られます。
 また、深夜から早朝にかけての航空機騒音の発生については、平成7年度と比較して嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺ともに総じて減少傾向を示しております。
 このようなことから、米軍においても航空機騒音を軽減するよう努力しているものと考えております。
 しかしながら、平成10年度の測定結果では、嘉手納飛行場周辺で13測定地点中10地点、普天間飛行場周辺で9測定地点中6地点で依然としてうるささ指数が環境基準値を超えている状況にあります。
 県としては、これまで渉外知事会や軍転協を通して騒音の軽減及び騒音対策の強化を日米両政府に対して申し入れを行い、また昨年9月開催の第18回三者協においてもこの問題に関する協議を行ったところであり、県民の健康及び生活を守る立場から今後とも関係機関に対して粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 それから、日米地位協定の見直しについての質問事項のうち、日米地位協定とNATO軍地位協定の違いとその特徴点は何かという御質問にお答えをいたします。
 日米地位協定は、1960年、日米の二国間の条約として締結されたものであるのに対し、NATO軍地位協定は1951年、北大西洋条約機構の当事国14カ国の間で締結した多国間条約であります。
 NATO軍地位協定には、NATO軍の地位に関する基本的な取り決めが規定されておりますが、このNATO軍地位協定を補足するためにNATO軍が駐留する国ごとに詳細な内容の補足協定があり、ドイツにおいてはボン補足協定がこれに当たります。
 ドイツに駐留するNATO軍の地位について規定しているNATO軍地位協定及びボン補足協定が日米地位協定と最も大きく異なる点は、ボン補足協定には環境保全に関する詳細な規定やNATO軍の演習、訓練等の活動に対してもドイツ国内法を適用する旨の規定が数多くあることだと考えております。
 これらの規定の多くは、1990年の東西ドイツの統一及び環境問題に対する住民意識の向上といった社会状況を背景に1993年のボン補足協定改正の際設けられたものであり、日米地位協定についてもこれらの環境保全や合衆国軍隊に対する国内法の適用に関する規定を設けるための見直しが必要であると考えております。
 次に、同じく日米地位協定の見直しについての質問事項のうち、県案を最終的にまとめるまでには関係者の意見を聞くプロセスを経ると思うが、今後の手続、手順といつ政府に提出するのか聞きたいという御質問にお答えいたします。
 県としては、日米地位協定の見直しに関する要請案を取りまとめるに当たっては、広く県内市町村の意見も参考にする必要があると考え、去る6月14日に市町村に対し県の要請案についての説明会を開催いたしました。その際、県の要請案に対する市町村の意見の提出を依頼し、現在、その取りまとめ作業を行っているところであります。
 県としては、これらの意見等を踏まえながら、庁議を経た上で要請案を決定し、サミット終了後、できるだけ早い機会に日米両政府に対し要請したいと考えております。
 また、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)においても、同様の内容で日米地位協定の見直し要請を行う予定であります。
 次に、同じく日米地位協定の見直しに関する質問事項のうち、ボン補足協定第45条第2項に「1961年9月27日の連邦徴発法をはじめとして、それぞれ現行の文言におけるドイツの法令の関連規定が、適用される。」とあるが、その内容はどういうものかという御質問にお答えをいたします。
 ボン補足協定第45条第2項に基づき、NATO軍は、連邦徴発法によってドイツ連邦に与えられている動産の使用や所有権の譲与等の諸種の給付を受ける権利が与えられております。
 また、ボン補足協定第46条第2項に基づき、NATO軍は、航空設備及び航空施設の使用に関するドイツの法律の適用を受けており、ドイツにおいてはNATO軍の演習、訓練等に対してもドイツ国内法が適用されております。
 次に、同じく日米地位協定の見直しに関する質問事項のうち、第17条「裁判権」について、凶悪事件など特定の場合は日本側が要請した起訴前の身柄引き渡しに米側が同意することを明記する必要があると考えるがどうかという御質問にお答えをいたします。
 今回の県の日米地位協定の見直し要請案においては、日米地位協定第17条に関し、「合衆国の軍当局は、日本国の当局から被疑者の起訴前の拘禁の移転の要請がある場合は、いかなる要請に対しても好意的考慮を払う」としております。この「好意的考慮を払う」という表現につきましては、平成7年10月26日の衆議院予算委員会において、これは通常日本側の要請に応ずる方向で検討されるということを意味するとの政府答弁がなされております。
 県としては、凶悪な犯罪の場合はもとより、その他の犯罪の場合についても、我が国が裁判権を行使すべき被疑者の起訴前の拘禁は日本側が行えるようにする必要があると考えておりますので、「好意的考慮」という文言について検討してみたいと考えております。
 次に、同じく日米地位協定の見直しに関する質問事項のうち、第3条関係の第(3)項で、「合衆国軍隊の演習、訓練等の実施に対して、航空法等の日本国内法を適用する」とあるが、航空法以外に何を想定しているのかという御質問にお答えをいたします。
 合衆国軍隊の演習、訓練等の実施に対して適用すべき国内法については、航空法のほかに道路法や原子力災害対策特別措置法などを考えております。
 道路法第47条に基づき車両の幅、重量、高さ、長さ等を規定している車両制限令については、同政令第14条に基づき米軍に対する適用が免除されておりますが、道路交通の安全を確保する観点から米軍に対しても当該政令を適用する必要があると考えております。
 また、昨年成立いたしました原子力災害対策特別措置法については、米国の原子力軍艦の放射能事故等を対象から除外しておりますが、原子力軍艦が寄港する港湾周辺に居住する住民の不安を解消するためにも米軍に対して同法を適用し、万が一、放射能事故等が発生した場合の災害対策を講じる必要があると考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) それでは3次振計の総点検について、振計の目標がなぜ達成できなかったのかとの指摘に対する所見を伺いたいということについてお答えいたします。
 第3次沖縄振興開発計画においては、全国の所得水準との格差是正を目指して経済振興のための諸施策を推進してまいりました。
 しかしながら、バブル経済崩壊後全国的に景気が低迷し、本県への企業誘致は厳しい状況が続き、また県内産業の育成についても観光・リゾート産業や情報通信産業は着実に進展しているものの、本県経済の牽引役として期待された製造業は、本土市場との遠隔性や資本蓄積の不足等により総じて立ちおくれております。この結果、本県の1人当たり県民所得は依然として全国で最も低い状況にあります。
 このようなことから、今後は自立的経済発展のための産業振興を推進していくことが最も重要であり、ポスト3次振計においては民間主導型経済の構築を最優先の目標とする必要があると考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(西村泰彦) サミットに関連しまして、九州弁護士連合会から提出されました要望書についての所見をという御質問にお答え申し上げます。
 議員御指摘の九州弁護士連合会からの要望書については承知しております。
 今回のサミットは、過去のサミットにおいて多数のテロ・ゲリラ事件を行ってきた極左暴力集団が九州・沖縄サミット反対闘争を当面の最重要課題に掲げて取り組む構えを見せていること、また右翼、国際テログループなどの動向についても注意を要すること、また当県におきましては攻撃対象となり得る首脳宿泊ホテルあるいは米軍基地等が広範囲にかつ多数存在すること、こうした中で昨日米軍横田基地に向けて飛翔弾が発射されるというゲリラ容疑事件が発生し、当県においても同種事件の発生が懸念されることなど極めて厳しい情勢の中での開催となります。
 県警といたしましては、各国首脳の身辺の絶対安全と会議の円滑な推進、さらにはこの間の県民の日常生活の安全と平穏を確保するため、先ほど申し上げました大変厳しい警備情勢のもとで最悪の事態を想定してそれを防止するための各種対策を講じ、警備の万全を期していくこととしております。
 しかしながら、サミット警備はひとり警察の力のみでなし得るものではなく、県民の皆様の御理解と御協力を得なければその成功を期しがたく、交通規制を含め各種対策について県民生活へできるだけ影響を与えないよう、また県民の皆様が不愉快な思いを抱くことのないよう十分配慮してまいりたいと考えております。
 今後とも、県民の皆様に警備活動に対する御理解と御協力をいただくよう心よりお願い申し上げます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険に伴う問題点、利用者の反応についての御質問のうち、施設介護利用者の状況と在宅介護利用者の利用状況はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
 介護サービスの利用状況については、今のところ実績が明らかになっておりませんが、沖縄県介護保険事業支援計画による数字を申し上げますと、各市町村において推計した要援護高齢者は平成12年度では在宅が1万6092人、施設入所者が9356人、合計2万5448人と見込まれています。その割合は在宅が63%、施設入所者が37%となっています。
 なお、今後は在宅サービスの利用者がふえる見込みとなっております。
○病院管理局長(新田宗一) 中部病院の小児科を初め県立病院の診療体制が厳しい状況にあるようだが、どう対応しているかとの御質問にお答えいたします。
 県立中部病院の小児科は、24時間体制の救命救急医療を担っているほか、高度・特殊医療に対応していることから患者が集中するなど厳しい勤務状況にあります。
 そのため、業務量の軽減化を図り、勤務体制を改善するため当面の対策として1点目、新たな臨任医師及び嘱託医師の増員による診療体制の強化、2点目に、地域の民間小児科医と連携した初診外来における紹介制の導入などを実施いたしましたところ、勤務状況は改善されつつあります。
 また、県立八重山病院の医師の欠員補充につきましては、大学医局との新たな連携構築に努めましたところ、7月1日から脳神経外科、小児科ともに医師を配置することができました。
 なお、医師の定数配置につきましては、病院間及び診療科目間において医師の業務量にばらつきが生じていることから見直し作業に着手しており、漸次見直しを行い業務量の適正化を図っていきたいと考えております。
 また、病院現場の状況に応じて定数のほかに臨任医師、嘱託医師等を活用しながら臨機応変に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○兼城 賢次 知事の総選挙についての所感ですが、選挙において3区での東門さんの当選との関連についてお聞きしますが、これは政治家の後援会といいますのは当人の活動を支える組織であり、また人たちであります。知事と後援会といいますのは車の両輪みたいなものでございますから、知事の後援会とのその間柄というのはそれはそれなりの意思統一は十分できていると思います。
 ここに知事の後援会の幹部が、東門氏が当選しては困るということを漏らしたという新聞記事を見たわけですが、知事がこの後援会の幹部の困ることというのはどのように理解しているのか、ひとつ聞かせていただきたいと思います。
 基地問題についてですが、昨日の中学生に対するわいせつ事件、言語道断だというふうに私は思うわけですが、よき隣人たらんとするこの人たち、これまで米軍人はよき隣人たらんということを言っているけれども、なかなかそういうわけにはいかないと。綱紀粛正も言うまでもないけれども、私はこの際、関係法律に照らしても厳重に厳正に捜査をしてもらいたいと。そして一番肝心なことは、この被害者の女子中学生とその家族に対する捜査の配慮というものを申し上げておきたいと思います。
 それから先ほど基地関係について、この3カ月間において私は実は取り上げたわけでございます。それは東村の農地での射撃訓練、あるいは宜野座村での海域の問題、実はこれは農地が単に荒らされたということじゃなくして、肝心なことは提供施設外の地域でこのようなことをやっているんだと。そういうことで単に農地の中でこういう事件が起きたということじゃなくて、明らかにこれは日米安保条約6条にも反することだろうと。そういうある意味では重大なことにもかかわらずこういうことが守られてないということで、これは強く対処すべきだということを申し上げているわけです。
 それから日米地位協定の件で、大事なことを知事は申し上げておりますけれども、この地位協定と今回の要請行動の事項の中で、17条については現在の段階では要請に対しても「好意的考慮を払う」というような対応をすると。しかし先ほどの答弁では検討していくということですので、検討というのはこの「好意的考慮」というものを取り払うということに理解していいのか、それをひとつ教えていただきたいと思います。
 それから、現在サミットで平和の問題が議論されているわけですけれども、たびたび申し上げますようにこのわずか3カ月間でこれだけの米軍人による事件・事故が起こるようなこういう沖縄、こういうのも沖縄のありのままの状態のものですから、我々は実際に知事がクリントン大統領に会うという機会があるならば、それこそこのわずか3カ月の間に起こるようなこういう事件も沖縄の実態だということを十分に認識してこれはやるべきだということをぜひ対応してもらいたいということです。
○知事(稲嶺惠一) 基地問題については先ほどお答えしたとおりでございますが、後援会の幹部のお話は私は何もお聞きしていませんのでお答えできません。
○知事公室長(親川盛一) 兼城議員の再質問事項のうち、東村や宜野座村で行われた訓練の際に問題となるのは提供地域外でやっていると、これは日米安保条約の6条に反しているんじゃないかという旨の御質問かと思います。お答えいたします。
 米軍は、日米安全保障条約第6条及び日米地位協定第2条により、日本国内において施設及び区域を使用することが認められておりますが、その反対解釈といたしまして提供施設・区域外での演習、訓練は認められていないものと考えております。
 しかしながら、訓練区域間の移動につきましてはこれは認められていると、こういうぐあいに理解しております。
 それから、今回の要請案の中の17条の中に「好意的考慮」について検討するということであるが、取っ払うと理解していいかというこういう御質問でございますが、お答えをいたします。
 取っ払うんじゃなくして、もっと例えば強くこれに応ずるものとするとか、こういったものを含めて今検討しているということでございます。
 以上でございます。
○兼城 賢次 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時44分休憩
   午後4時44分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 喜納昌春君。
   〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 皆さん、こんにちは。
 平成12年の第2回沖縄県議会定例会に際しまして、去る6月11日に第8回沖縄県議会議員選挙で県民有権者の御支持で当選させていただきました沖縄社会大衆党、結の会に所属する議員5名で新しく結成しました沖縄社会大衆党・結の会連合の会派を代表いたしまして質問をしたいと思っております。
 その前に、きょうは緊急事項で、けさ、こういう地元の新聞で見て緊急の質問ができることになっておりますので、それに沿って一、二点だけただしておきたいと思います。
 ただ、運用上はきょうは議運は抜いていますけれども、議運の手続は何としても経ながら、緊急ということは過去にもやったことがありますから、その辺のルールはしっかり守るべきだろうということで議長に提起しておきたいと思っております。
 今度の事件ですけれども、「これで「良き隣人なのか」」、「またか、憤りと衝撃」ということでこういう黒抜きになっていますけれども、(資料を掲示) 事件の名称は「米兵のわいせつ事件」となっています。
 私は、本来ならばこういう表現じゃないだろうと思います。相手のこともありますからね、抑えていると思うんですが、本来ならば衝撃的な少女暴行事件や強姦事件未遂だと思いますよ。
 そういう意味では、今回の時期にこういうふらちな事件が起きたということ。私は県は、具志議員の質疑の中で遺憾を表明したとありますけれども、表現はそうなっていますが、本当は「遺憾」じゃいかぬと思うんですよ。もっと怒りを込めてやっておかぬと、西村県警本部長は抗議をしたという格好で言っていますよ。まさに抗議もしながら、従来の表現とは違った格好でやっておかぬと、今回の場合は県警のあれからしますと1月から5月にかけて27名の窃盗犯を含めて事件・事故があるんですよ。前年度の2倍ですよ。
 ですから、どうしてこうなったかを含めてもっと厳しく臨んでおかぬと、サミット前だからある意味では米兵のわいせつ事件云々で濁していますけれども、本来はそんなもんじゃない。もっと怒りを込めてマスコミはやるべきだし、県も違った表現で言うべきだと思うんですよ。
 ですから、私はこれは事の重大さ、未遂だから実際わからないもんですから、もっと明らかになってくると思うんですが、明らかになる前にも県としてはこれ一本でも私はぜひ三者協議会を要求すべきだと見ていますが、この件について知事の御見解を聞かせてください。
 これ一本でもいいから、サミット前であるだけに綱紀の粛正を含めて、従来今までいろんな事件・事故の場合、綱紀粛正を言っていますよ。ところが直らずに1月から5月の5カ月間で前年度の2倍ですよ。どうか、そういう意味ではサミットの前であるだけに私は緊急でもいいから三者協議会をぜひ開いていただきたい。
 それに対する御所見を求めます。
 それだけにしておきまして、通告に従いまして質問を展開いたします。
 最初に、稲嶺知事の政治姿勢を問う意味で3点の質問をいたします。最初に、去る6月25日に行われました第42回衆議院議員選挙に関してであります。
 21世紀の日本の政治進路を決める上で極めて重要な国政選挙で、首相に就任して間がない森総理は、小渕連立政権の政策の継承を唱えて、それを支える自民、公明、保守3政党の連立の枠組みの是非を問うものであったと考えます。
 この選挙に土着政党の私の属する社会大衆党は、沖縄における革新勢力の前進に向け、1区では共産党の赤嶺政賢候補、2区では自由連合の金城浩候補、3区では社民党の東門美津子候補を推薦し、その勝利に向けて取り組んできました。その結果、1区では赤嶺候補、3区では東門候補の当選を果たすことができたことを県民とともに喜び、高く評価をしております。
 全国的には、すべての委員会で安定過半数を占めることができたと森政権は勝利したような評価をしているようでありますけれども、内実は自民党も公明党も保守党も大幅に議席を減らしその連立の是非を問われ、政権の前途に対しても暗雲をもたらす形となっているというのが真実のところと我が党、我が会派は考えておりますが、同時に国民から厳しい批判を受けている自民党などが多数を占めたり、死票が多数出て有権者の意思が反映されない小選挙区制度の早急なる改正を含めて国民が主人公の政治の実現に向けてこれからも地方から大きなミーニシの風を送っていく決意であります。
 そこで、知事に次の質問をいたします。
 3区における東門美津子さんの勝利は、本県初の女性国会議員の誕生の意義のみならず、普天間飛行場の県内移設に対する幅広い北部郡民、県民の反対の意思表示と考えますが、稲嶺知事の評価と見解を賜りたい。
 知事の政治姿勢2点目に、一坪反戦地主を県のあらゆる外郭団体、機関の役員から排除する陳情が2月定例県議会の最終日に与党の強行で採決されたことに関してであります。
 我が党や結の会では、この陳情そのものが憲法で保障された思想・信条の自由、結社の自由など基本的人権を否定する反憲法的なもので、公平公正な県の機関運営の原則に反するものと批判し、一貫して採択に強く反対してきたところであります。
 そこで、次の質問をいたします。
 ア、事の発端となった陳情は何だったのですか。
 イ、その陳情に対する執行部の処理方針はどうなっていますか。排除する方向だったのですか。
 ウ、2月定例県議会で与党が陳情採択を強行した意味、波紋の大きさをどう考えておりますか。
 エ、与党の陳情採択を受けて執行部は処理方針を変えるつもりですか。
 オ、その後、与党県議団なり会派から処理方針の変更を求められたのですか。
 カ、処理方針の変更を今後与党から求められたら執行部はどうしますか、明確な答弁を求めます。
 次に、6月13日から行われた韓国の金大中大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記による歴史的な南北会談について質問いたします。
 ア、知事は、歴史的なこの南北首脳会談をどう評価されていますか。
 イ、この会談は、在沖米軍の沖縄駐留に大きな変化をもたらし、米軍基地の返還にも大きな弾みをつけると考えますが、知事の御所見を賜りたい。
 ウ、南北朝鮮の民主的、自主的統一は、本県の米軍基地問題解決のために早期実現が望まれると考えますが、知事の御見解を求めます。
 エ、沖縄の米軍基地問題解決を早める上での南北朝鮮の統一の早期実現に向け、北の脅威論のまやかしを是正するためにも、以前に企業代表として訪問された先見性のある知事であるだけに正式に沖縄県知事として北朝鮮を訪問され、午前中の自民党の安次富議員の代表質問でも提言されたように日本の外務省が真っ青になるような外交の展開の一環として県民のために積極的な努力も意義があると考えますが、稲嶺知事の見解を求めます。
 次に柱の2本目、米軍基地問題について3点の問題について順次質問いたします。
 1点目に、普天間飛行場の返還問題についてであります。
 ア、普天間飛行場の返還は、5ないし7年後めどづけをするという1996年12月のSACOの日米合意の進展状況はどうなっていますか。
 イ、普天間飛行場の代替地の15年使用期限は今でも知事の公約で絶対条件ですか。
 ウ、この15年使用問題での日米両政府の今日に至るまでの話し合い、交渉の状況はどうなっていますか。
 エ、去る3月24日、東京の日本外国特派員協会で稲嶺知事は講演され、普天間飛行場代替使用期限問題に触れ、初めて、「建設にかかる10年と使用期限15年をプラスすると25年。」になると表明されましたが、実質25年が使用期限だと知事の口から出された意味は重く、公約違反ないし変更と考えますが、知事の見解を求めます。また建設期間10年という数字の根拠は何ですか、御答弁を願います。
 オ、県は、昨年11月22日の普天間飛行場のキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に選定した際に、移設に当たって整備すべき条件として4つを挙げ、その2番目に「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすることであります。」と明記していますが、我が会派としては、同海域が国際的保護動物になっているジュゴンの生息海域であるだけに当然ジュゴンの生息、生態系調査も実施されるべきと考えますが、県のこれに対する見解を求めます。
 また、こうした調査は受け入れの絶対条件だと考えますが、これに対しても明確な見解を求めます。
 質問を進め2点目に、劣化ウラン弾問題について質問いたします。
 これは去る5月31日、西原町内にある鉄くず業者が、米軍が使用したと見られる劣化ウラン弾の薬きょう数百発を6年余も野ざらしに保管していることがわかったいわゆる「劣化ウラン弾薬きょう流出事件」に関してでありますけれども、ア、県はこの事件をどう考え、どう対応してきましたか。
 イ、劣化ウラン弾薬きょうの流出経路はどうなっていますか。
 ウ、この劣化ウラン弾薬きょうはどこで使用されたものですか。
 エ、米軍は、こんな核燃料物質の取り扱いを受けるべき危険なものを、これまでも「核のごみ」を覆い隠して鉄くずとして民間に入札で売却していたわけで、米軍のずさんな管理が明らかとなりました。どうしてこうなったのかを含めて事実関係を明らかにさせ、基地内の有害物質、廃棄物の実態を情報の開示として強く求めていくべきと考えますが、県の決意と見解を求めます。
 オ、この問題に関して西原町では去る6月5日、町議会が「劣化ウラン弾薬きょう民間地域流出に対する抗議決議」を全会一致で可決しましたが、西原町民の怒りと不安除去のためには地域の環境調査や住民の健康診断等も当然必要と考えますが、西原町との連携や県の対応はどうなっておりますか。
 カ、1995年から96年にかけて米海兵隊が久米島近くの鳥島射爆撃場に1500発以上の劣化ウラン弾を誤射し大問題となって以後、国内の劣化ウラン弾はすべて米国に移設されたと発表され、一切ないものと考えていましたが、5月24日の嘉手納基地のジェームス・スミス司令官の現在も嘉手納弾薬庫内に貯蔵されているとの報道にはすべての県民が驚き、怒りを禁じ得ない状況にありますが、これは沖縄県民を愚弄するもので、また1997年2月の本議会の定例県議会での全会一致での「米軍AV─8Bハリアー攻撃機による劣化ウランを含有する徹甲焼夷弾発射に関する抗議決議」の「撤去」の要求をも無視するものであります。こうした重大問題に県はどう対応してきたのか、答弁を求めます。
 キ、鳥島射爆撃場からの劣化ウラン弾の早期回収もさきの県議会決議では強く求めてきましたが、その状況はどうなっておりますか。
 ク、去る5月19日に国の立ち会いのもとで在日米軍が鳥島陸域で環境調査を実施したようですが、海域、陸域での調査及びその報告はどうなっていますか。
 米軍基地問題の3点目に、今、稲嶺県政が日米安保条約に基づく地位協定に関して、その見直しを国に求めていくまとめの作業を進めていることに一定の評価をしながら、提言も含めて質問をいたします。
 なお、カの質問は取り下げますので答弁は要りません。
 ア、1995年11月、時の大田県政が出した日米地位協定の見直し要請と今回の見直し要請の違いはあるのですか。
 イ、1995年11月に出された要請文に沿って稲嶺県政として国と交渉したことはありますか。
 ウ、1995年11月の要請の4、「地位協定第6条に関連し、那覇空港の進入管制業務の日本への移管について、日米間で協議すること」とありましたが、この項目が新しい今回の要請案では消えていますが、いわゆる嘉手納ラプコンの返還問題について去る3月16日、日米間の返還の合意と、その後の話し合いはどうなっていますか。また問題は本当に解決の方向にあるのですか、明確な答弁を求めます。
 エ、今回の見直しの2、「第3条関係(施設・区域に関する措置)の(3)」、「合衆国軍隊の演習、訓練等の実施に対して、航空法等の日本国内法を適用する旨を明記すること。」とありますが、具体的にはどんな演習を、どう見直し要求していくということですか。
 オ、今回の見直し要請で「第3条A(施設・区域の環境保全等)」が新たに加えられたことは評価しますが、これまでの基地に関する環境問題の実態はどうなっていますか。
 また、今回の見直し要請でいかなる改善を期待し米軍に求めていこうというのですか。
 2月定例県議会では附帯決議つきで成立した県環境基本条例の米軍施設・区域に対する考え方を附帯決議に沿って是正する方向なのかどうか、答弁を求めます。
 最後に、沖縄県警内部の不祥事問題について。
 去る3月に交通違反を取り締まる3人の警察官が、飲酒運転のアルコール濃度を調べる検知管の数値を変造した疑いで逮捕されたゆゆしき事件に関して以下の質問をいたします。
 ア、事件の経過はどうなっていますか。
 イ、どうしてこんな事件が起きたと考えていますか。
 ウ、神奈川県警、新潟県警、埼玉県警等の事件の後、警察庁からはいかなる指導があって、沖縄県警としてはいかなる努力と対応をしてきたのですか。
 エ、警察の不祥事は、これまでの事例ではほとんど組織ぐるみと言われ、今回もそのたぐいと厳しい指摘がなされています。背景には取り締まりの成果を上げるための「ノルマ」の問題が言われていますが、これに対する警察本部長の見解を求めます。また、こうした県民の不信と疑惑に対し今後どう対応していくのか、決意ある答弁を求めます。 
 オ、こうした不祥事に対し、県民を代表する公安委員会ではどんな論議をし、どんな対応をされたのですか。
 カ、県情報公開条例の対象に今後早急に警察本部も入れるべきと考えますが、知事の御見解を求めます。
 また、国を含めて全国的な流れとして警察も公開の対象にすべしという考え方に対する警察本部長の所感を求めます。
 答弁によって再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 喜納昌春議員の御質問にお答えします。
 最初の御質問ですが、住居侵入等については、本件に関し本日、アール・B・へイルストン在日米軍沖縄地域調整官に対し、厳重に抗議をいたしました。綱紀粛正及び兵員に対する教育の徹底を含む再発防止について万全を期するよう強く要請したところであります。
 それでは御質問の順序に従ってお答えをしたいと思います。
 最初は知事の政治姿勢について、東門美津子さんの勝利は本県初の女性国会議員の誕生の意義のみならず、普天間飛行場の県内移設に対する幅広い北部郡民の県民の反対の意思表示と考えるが、評価と見解を求めるという御質問へのお答えでございます。
 東門さんが、本県で初めての女性国会議員となられることは沖縄にとっても意義のあることと思います。これまでにも行政にかかわってきた実績があり、今後の国会での御活躍に期待しております。これからは、県民の代表として国政の場から沖縄の振興開発のため御尽力いただきたいと思います。
 普天間飛行場の県内移設については、県政の重要課題として取り組んでまいりました。県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、国においては昨年末、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月に北部振興協議会及び移設先及び周辺地域振興協議会が、また5月には跡地対策準備協議会が設置され具体的な作業が開始されております。
 県としては、今後とも県選出国会議員の皆様の御理解と御支援を賜るとともに、地域の皆様の御理解を得ながら一歩一歩着実に作業を進め基地の整理縮小を願う県民の要望にこたえていきたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢についての中、一坪反戦地主を県のあらゆる外郭団体、機関の役員から排除する陳情が採択されたことに関してという中で幾つかございます。まず、事の発端となった陳情は何か、執行部の処理方針はどうなっているか、陳情を採択した意味と波紋の大きさをどう考えるか、陳情採択を受けて処理方針を変えるつもりか、与党会派から処理方針の変更を求められたか、処理方針の変更を求められたらどうするかという質問に一括してお答えを申し上げたいと思います。
 一坪反戦地主を県のあらゆる外郭団体、機関の役員から排除することを求める陳情は、平成12年3月30日の2月定例会最終本会議において採択されたものであります。
 採択の翌日に議長から、2月定例会で採択されました他の陳情とあわせて陳情の処理の経過と結果報告の請求がありました。それに対して、所管する外郭団体の役員の選任については適正な選任に努めたい旨文書で報告したところであります。
 また、議会が本陳情を採択いたしましたことについては、県議会の権能の範囲内であると理解しておりますが、陳情の採択後、幾つかの団体から、陳情の採択にかかわらず公正公平な人事配置等をされたい旨の申し入れがあったところであります。
 外郭団体の役員につきましては、今後とも公正公平を基本として適切な選任に努める考えであります。
 続きまして同じく知事の政治姿勢の中で、南北朝鮮の歴史的首脳会談をどう評価しているかということと、この会談は在沖米軍の沖縄駐留に大きな変化をもたらすのではないかと、それから3つ目に南北朝鮮の民主的、自主的統一は、本県の基地問題の解決のためにも早期実現が望まれると考えるがどうかというこの南北会談の問題について一括してお答えをしたいと思います。
 首脳会談で両首脳が南北の統一を目指し、和解と協力の新たな時代へ向けて合意したことは画期的なことであり、今後、南北間の対話が継続されることにより朝鮮半島の緊張緩和の進展が期待されます。南北間の対話は一歩踏み出したばかりでありますので、県としてはこれからの朝鮮半島情勢の推移を見守っていきたいと考えております。
 いずれにしましても、県としては県民の願いである基地の整理縮小を一歩一歩着実に推進していきたいと考えております。
 次に、同じく政治姿勢についてで、沖縄の基地問題の解決を早める上でも知事の北朝鮮訪問による積極的な努力も意義あることと考えるがどうかという御質問にお答えいたします。
 県は、朝鮮半島における南北統一の早期実現を期待するものでありますが、外交防衛に関する事項については国において取り組むべき問題であると認識しており、日朝間の外交問題についても国家間での話し合いを継続的に行い解決がなされていくべきものだと考えます。
 なお、北朝鮮に限らず近隣諸国との交流については今後とも積極的に努力をしていきたいと考えております。
 次に、普天間飛行場の返還は5ないし7年後めどづけをするという1996年12月のSACOの日米合意の進展状況はどうなっているかとの御質問にお答えします。
 普天間飛行場の返還については県政の重要課題であり、その解決のために誠心誠意取り組んでいるところであります。私は、これまで移設候補地を選定するなど一歩一歩着実にその作業を進めてまいりました。
 昨年末、国においては、新たな法整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進に向けて全力で取り組むことが閣議決定されました。
 去る2月に北部振興協議会及び移設先及び周辺地域振興協議会が、また5月には跡地対策準備協議会が設置され具体的な作業が開始されております。今後、代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めた基本計画が政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で設置される協議機関において検討されることになります。県としては、名護市の意向も踏まえながら普天間飛行場の早期移設、返還に向け取り組んでいきたいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題で、普天間飛行場の代替地の15年使用期限は今でも知事の公約で絶対条件かという御質問と、15年使用問題での日米両政府の今日に至るまでの話し合い及び交渉の状況はどうなっているかという2つの御質問に一括してお答えいたします。
 県としては基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れました。
 また、基地の提供責任は日本政府にあるということを述べてきました。戦後、日本の平和と経済繁栄の陰で沖縄が55年間担ってきた負担について政府が日本国民に説明し、沖縄の過重な基地負担について全国民で議論していただきたいということも言い続けております。
使用期限問題については、国は、沖縄県知事及び名護市長からの要請を重く受けとめ、同問題を米国政府との話し合いの場で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応しながら米国政府と協議していくとの閣議決定を受け、去る日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられております。引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
 県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題についての中で、東京の講演において実質25年が使用期限だと知事の口から出された意味は重く、公約違反ないしは変更と考えるが見解を求めるということ、また建設期間10年という数字の根拠は何か説明を求めると、これについてのお答えでございます。
 去る3月24日の日本外国特派員協会において記者との質疑応答があり、記者からというのはこれは記者の発言でございます。普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題はそれほど重要なものなのでしょうか、建設に10年かかり、さらに15年の使用期限となると代替施設が返還されるのは20年から30年になる、そのころには国際情勢から見てもう基地は要らなくなっているのではないでしょうか、日米関係に困難な問題を突きつけて15年問題にこだわるのは無意味ではないでしょうかという質問を受けての発言であります。
 そこで、15年の使用期限については、戦後既に55年が経過し、建設に10年というのは質問の中にあったわけです。建設に10年、さらに15年をプラスすると80年にわたり基地を提供することになるということから基地の永久固定化を恐れ、県民として要求すべき最低の線であるという趣旨のことを述べたものであります。使用期限25年ということを述べたものではありません。
 そして私が、記者の方から建設期間10年ということを向こうの質問の中にあったわけですけれども、また建設期間10年間というのは一般的な認識を述べたものであります。
 次に、沖縄県警内部の不祥事問題について、県情報公開条例の対象に県警察本部も入れることについての知事の見解を聞きたいと。
 警察行政については、犯罪捜査に関する情報等秘密の保持が強く求められているものが多く一般行政とは異なった取り扱いを必要とすることから、県公安委員会は現行条例において情報公開の対象実施機関となっておりません。
 しかしながら、平成13年4月1日から施行される情報公開法では国家公安委員会及び警察庁を対象行政機関としていることから、同法の趣旨を踏まえ本県条例においても県公安委員会を対象に加えることについて同委員会と調整を図りながら検討していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 喜納昌春議員の米軍基地問題についてお答えしていきたいと思います。
 まず、移設先海域はジュゴンの生息海域であるだけに当然ジュゴンの生息、生態系調査を実施すべきであると考えるけれども、県の見解を求めるということと、調査は受け入れの絶対条件だと考えるが明確な見解を求めるという御質問にお答えをいたします。
 県は、移設についての考え方を国に提示した際に、代替施設の建設については必要な調査を行い地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを国に対し申し入れました。これを受け国は昨年末の閣議決定において、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との「安全・環境対策」の方針を示し、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしております。県としては引き続き自然環境への影響を極力少なくするよう申し入れていきたいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題についての質問事項のうち、1つ目は劣化ウラン弾薬きょう流出に関して県はどう考え、どう対応したかということと、2つ目の劣化ウラン弾の薬きょうの流出経路はどうなっているかということと、3つ目の劣化ウラン弾の薬きょうはどこで使用されたものなのかという3つを一括してお答えさせていただきます。
 劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関して県はマスコミ報道があった5月31日、職員を現場確認のため現地に派遣するとともに、米軍及び国に対し放射線調査を行うよう申し入れを行いました。
 また、翌6月1日に外務省、科学技術庁、防衛施設庁から成る調査チームが劣化ウラン弾の薬きょう等の調査を実施した際にも地元市町村等と同調査に立ち会っております。
 さらに、6月2日には在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)に対し遺憾の意を表明するとともに、今回の薬きょうの流出経路や使用場所など事実関係の調査及びその公表等について要請してきたところであり、その際米軍から事実関係等について調査する旨回答がありました。
 また、流出時期について業者が6ないし7年ほど前に国防再利用売却事務所いわゆるDRMOから購入したと話していることから、6月8日にDRMOを訪ね事実関係について確認しましたが、DRMOでは販売データは2年間しか保管せず確認できない旨回答がありました。
 次に、米軍基地問題についての質問事項のうち、劣化ウラン弾の薬きょうについて事実関係を明らかにさせ、基地内の有害廃棄物の実態を情報の開示として求めていくべきと考えるが見解を求めるという御質問にお答えをいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、今回の劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関して、県は事実関係の調査やその公表等を米軍に対し要請してきたところであります。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から劣化ウラン弾の薬きょうが民間業者へ流出した事実関係の調査及びその公表を求めるとともに、劣化ウラン弾の薬きょうなど県民に不安を抱かせるようなものについては民間地域に流出させることがないよう米軍において管理の徹底及び適切な処理を講ずるよう日米両政府に対し引き続き働きかけていきたいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題についての質問事項のうち、西原町民の怒りと不安除去のため地域の環境調査や住民の健康診断等も必要と考えるが、西原町との連携や県の対応はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
 劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関し、県は去る5月31日に地元西原町とともに現場確認をしており、また翌6月1日の外務省、科学技術庁、防衛施設庁から成る調査チームが劣化ウラン弾の薬きょう等の調査を実施した際にも西原町を初め関係市町村とともに同調査に立ち会っております。
 同調査では、空間放射線量率測定や薬きょうが入ったドラム缶、薬きょう、周辺の土壌の表面汚染検査を実施しており、また表層土の採取を行い分析しております。これらの調査分析の結果、放射線量に異常はなく劣化ウランの影響は認められないとされており、県としては国の調査結果を尊重したいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項のうち、第18航空団のジェームス・スミス司令官が嘉手納弾薬庫内に劣化ウラン弾を貯蔵していると発表したことについてどう対応してきたかという御質問にお答えをいたします。
 5月24日、第18航空団のジェームス・スミス司令官が嘉手納弾薬庫内に劣化ウラン弾を保管していることを明らかにした件につきましては、5月31日に私が第18航空団のブライアン・ホーイ広報局長に面会して保管理由や保管管理方法等について尋ねましたが、同局長からは在日米軍の指示を得て後日回答する旨の答えがありました。
 県としましては、鳥島での劣化ウラン弾の誤使用事件以来県民の間に劣化ウラン弾に対する根強い不安があることから、米軍からの回答を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項のうち、1点目は鳥島射爆撃場からの劣化ウラン弾の早期回収を県議会決議で強く求めてきたがその状況はどうなっているかという点と、2つ目の5月19日国の立ち会いのもと米軍が鳥島陸域の環境調査を実施したようだが、海域での調査及びその報告はどうなっているかという2点について一括してお答えをいたします。
 鳥島射爆撃場で誤使用された1520発の劣化ウラン弾の回収状況につきましては、平成9年233個、平成10年12個、平成11年2個の合計247個が回収をされたとの報告を受けております。しかしながら、回収率は20%にも満たないため地域住民の不安の解消を図る観点から県は引き続き回収を行うよう要請しているところであります。
 また、5月19日の米軍による鳥島陸域での調査につきましては、同日午後調査に同行した科学技術庁職員から放射能測定器により鳥島の土壌表面の調査を実施した結果、劣化ウラン弾は発見できなかったとの報告を受けております。
 鳥島周辺海域での調査につきましては、国から平成12年度は調査を行わないとの通知を受けておりますが、県としては引き続き鳥島周辺海域での調査を実施するよう要請するとともに、従来から要望している久米島住民に対する健康調査の実施及びすべての環境調査結果の地元への説明をあわせて要望したところであります。
 なお、久米島における今年度の環境調査はサミット終了後に行う予定であると聞いております。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項のうち、1995年11月の日米地位協定の見直し要請と今回の要請案との違いはあるかという御質問にお答えをいたします。
 平成7年11月の要請事項と今回の要請案との主な相違点について申し上げますと、前回の要請では米軍基地の環境問題について、航空機騒音及び環境保護に関して国内法を適用する旨の要請を行いました。
 今回の要請案では環境問題について、1つ目に、日米地位協定の中に環境保全に関する条項を新たに設け米国は環境保全に関する日本国内法を遵守すること、2つ目に、環境影響評価(アセスメント)やモニタリングの実施及び環境汚染が明らかになった場合の環境浄化を実施することとしたほか、3つ目に、施設及び区域を返還する際には日米両政府が共同で環境調査を行い原状回復措置等を実施する旨明記することを検討しております。
 また、新たな要請事項といたしまして1つ目に、米軍人等に支払われる給料等に対して日本の裁判所の強制執行ができるようにすること、2つ目に、施設及び区域内における事件・事故が発生した際の速やかな情報の提供及び演習、訓練等の実施に対して日本国内法を適用することなどについて検討しております。
 次に、同じく米軍基地問題についての質問事項のうち、1995年11月に出した地位協定見直し要請文に沿って稲嶺県政として国と交渉したことはあるかという御質問にお答えをいたします。
 県では平成7年11月、10項目の日米地位協定の見直しに関する要請を行いましたが、日米両政府は本県の要請に対し真摯な御検討を重ねられ、平成8年12月のSACO最終報告などにおいて日米地位協定の運用の改善を示しております。しかし、日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員または軍属たる被疑者の起訴前の拘禁、公務外の米軍人等が起こした事件・事故の被害者に対する法的補償、環境保護に関する国内法の適用等については県の要望は満たされておりません。
 県では、これまで機会あるごとに国に対し日米地位協定の見直しを求めてきたほか、昨年11月、普天間飛行場の移設候補地の選定を国に提示するに際しても県の要望が満たされていない事項等について日米地位協定の見直しを要請いたしました。県としては、県民の生活と人権を守り、県民の福祉の向上を図る観点から改めて日米地位協定の各条を全体的に検討し、市町村からの意見等を踏まえながら要請案の取りまとめ作業を行っているところであり、サミット終了後できるだけ早い機会に日米両政府に対し日米地位協定の見直しを要請したいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項のうち、1995年11月の要請では地位協定第6条に関連し那覇空港の進入管制業務の日本への移管について日米間で協議することとあったが、今回の要請では消えているが、この日米間の話し合いはどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
 県では、昨年11月11日に発生した嘉手納飛行場の進入管制レーダーの故障事故に際して那覇空港の進入管制業務の日本側への移管について日米両政府に対し要請したところであります。
 日米両政府においては、去る3月16日河野外務大臣とコーエン国防長官が会談し、コーエン国防長官から嘉手納ラプコンについて「米軍の運用上の所要が満たされることを前提に返還する」旨の発言がありました。
 また、6月14日の政府発表によりますと、日米合同委員会のもとの民間航空分科委員会に特別作業部会を設け、同部会における協議に基づき運輸省の航空管制官を嘉手納ラプコンへ派遣することが了承されております。
 県としては那覇空港の進入管制業務の円滑な移管に向けて実質的な協議が進展しているものと理解しております。
 また、那覇空港の進入管制業務については、本土復帰時の日米合同委員会の合意に基づき暫定的に米国によって実施されており、県としては進入管制業務の日本側への移管の実現に向けて日米地位協定の見直しとは別途に要請等の働きかけを行っているところであります。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項のうち、今回の地位協定見直し要請で、「合衆国軍隊の演習、訓練等の実施に対して、航空法等の日本国内法を適用する」とあるが、具体的にどのような演習をどう見直していくのかという御質問にお答えをいたします。
 航空法第81条及び同法施行規則第174条によりますと、航空機は、人または家屋の密集している地域の上空にあっては300メートルの高度、人または家屋のない地域及び広い水面の上空にあっては150メートル以上の距離を保って飛行することのできる高度以下で飛行してはならないことになっております。 また、航空法第80条及び同法施行規則第173条には、航空機の飛行を全面的に禁止する区域や一定の条件のもとに禁止する区域が規定されています。
 県としては、地上及び水上の人命、財産の安全を図るためには米軍の航空機の演習、訓練等に対しても我が国の航空法を原則として適用し、最低安全高度や飛行禁止区域等に関する事項を遵守してもらうことが必要であると考えております。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項のうち、基地の環境問題の実態はどうなっているのか、今回の見直し要請でいかなる改善を期待しているのか、県環境基本条例の米軍施設・区域に対する考え方との関係はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
 県では赤土、油、汚水等の流出やPCB等有害廃棄物の処理等の環境問題が発生するたびに米軍基地への立ち入りを要請してきましたが、県の希望する速やかな立ち入りは容易に実現していないため、基地内における環境汚染の実態や廃棄物の処理等については十分に実態を把握できない状況にあります。
 今回の日米地位協定の見直し要請案においては、地方公共団体による速やかな基地内への立ち入りの実現を求めているほか、米国は環境保全に関する日本国内法を遵守すること、環境影響評価(アセスメント)やモニタリングの実施及び環境汚染が明らかになった場合の環境浄化を実施することとしており、これらの事項の実現を通して米軍基地内の環境汚染の実態把握及び環境保全責任の明確化が図られるものと期待しております。
 また、米国が遵守すべき日本国内法の中には法律、政令、規則のほか条例も含まれると理解しており、日米地位協定の中に環境保全に関する日本国内法の遵守が盛り込まれれば国内法である県の環境基本条例についても米国は遵守すべきものになると考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時34分休憩
   午後5時35分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 警察本部長。
   〔警察本部長 西村泰彦君登壇〕
○警察本部長(西村泰彦) 飲酒運転取り締まりに用いる検知管の数値を変造した疑いで警察官が逮捕された事件に関しまして、事件の経過についての御質問にお答え申し上げます。
 本件は、県警本部自動車警ら隊の警察官ら3名が本年3月27日沖縄警察署中央交番において、さきに検挙した酒気帯び運転の証拠である飲酒検知管について口臭予防スプレーを使用してそのアルコールの程度の数値を上げ、もって他人の刑事事件に関する証拠を変造したものであります。
 県警本部では、本年4月10日に本件を認知した後、直ちに関係者を取り調べるなどの捜査を行って事実関係を確認し、4月20日当該警察官3名を懲戒免職処分とし同日逮捕したものであります。3名は5月11日に起訴され、6月22日に開かれた公判において1名に懲役10月、2名に懲役8月が求刑されております。
 また、県警本部では本件に関し、本件変造の現場に居合わせた警察官を減給、沖縄警察署長、沖縄警察署地域課長、県警本部地域課長及び自動車警ら隊長を本部長訓戒とするなど関係者の処分を行っております。
 本件は、県民の警察に対する信頼を裏切るものであり、県民の皆様に対しまして改めておわび申し上げます。
 次に、どうしてこんな事件が起きたと考えているかとの御質問にお答えいたします。
 今回の事件は、当該警察官において警察官として必要な職務倫理が欠如していたこと及び証拠品の取り扱いについての教養が不十分であったことがその原因であったと考えております。
 次に、神奈川県警等の事案後、警察庁からいかなる指導があって、沖縄県警としてはいかなる努力と対応をしてきたのかとの御質問にお答えいたします。
 神奈川県警等の不祥事案の後、警察庁からは幹部による平素からの的確な業務管理、職員個々に対する高い倫理観を備えさせる職務倫理教養の徹底、国民からの要望に対する真摯な対応等について指導を受けております。
 県警本部としてはこれらの指導を受け、不祥事案防止に関する通達を数次にわたり発出するとともに、署長会議等において不祥事案防止について指示を行ってきたところであります。
 また、これらの指示が徹底されているかどうかを検証するため数回にわたり県下警察署に対して随時監察を実施してきたところであります。
 このような取り組みにもかかわらず本件事件が発生したことはまことに残念であり、県警本部では5月9日に開催した署長会議において不祥事案の再発防止について改めて指示を行ったところであります。
 次に、本件事件の背景に取り締まりの成果を上げるためのノルマの問題があったのではないか、それに対する見解はどうか、さらに県民の不信と疑惑に対して今後どう対応していくかとの御質問にお答え申し上げます。
 本件事件の背景に厳しいノルマがあったのではないかとの御指摘についてでございますが、交通違反取り締まりに関して警察署ごとに一定の取り締まりの管理目標を設定していることは事実であります。しかしながら、本件発覚後の調査の結果、個々の警察官にいわゆるノルマを課していたという事実は確認できませんでした。
 次に、今後の対応についてでありますが、飲酒検知の手続及び証拠品の取り扱いについて教養を徹底するとともに、幹部による業務管理が的確に行われるよう各警察署を指導していくことにしております。
 また、飲酒検知の手続に関しまして、検知後の検知管を違反者の面前において飲酒検知管収納袋に収納し封をした上で押印をするなど変造の防止のための改善を行い、既に6月1日から実施しております。
 県警といたしましては、県民の信頼回復に向けて私を初め職員一人一人が襟を正し、県民のための警察活動を推進するという原点に立ち返り、県民から負託された仕事に前向きに取り組み着実に成果を上げることにより県民の信頼の回復に努めてまいりたいと考えております。
 次に、今回の不祥事に対し県公安委員会はいかなる議論をし対応してきたのかとの御質問にお答え申し上げます。
 今回の不祥事案につきまして県公安委員会へ報告いたしましたところ、委員の方々から本件事案は県民の警察に対する信頼を裏切る重大な行為であり厳しく対応すべきだとの御指摘があり、さらに今後の不祥事案再発防止の観点から警察職員一人一人に対する職務倫理教養の徹底、各級幹部のきめ細かい業務管理の徹底、監察の強化など県民の信頼回復に向けて職員一丸となって全力を尽くすようにとの指導をいただいたところであります。
 県警といたしましては、その公安委員会の指導内容を先ほど申し上げました5月初めの署長会議等において全署長に指示するとともに、再発防止のための各種施策を鋭意推進しているところであります。
 次に、公安委員会・警察が情報公開条例の実施機関に加わるべきではないかとの御質問にお答え申し上げます。
 警察行政の円滑な運営のためには県民の理解と協力が不可欠であり、より開かれた警察行政の推進が重要であります。したがいまして県警察が情報公開条例の実施機関に加わることについて前向きに検討を進めたいと考えております。
 しかしながら、警察は犯罪の予防、捜査に関する情報や個人のプライバシーに関する情報など秘密の保持が強く求められる情報を多数保有し、さらに警察業務は全国的に斉一性を求められるという特殊性があります。
 したがいまして、県公安委員会・警察が情報公開条例の実施機関に加えられる場合には県民の安全と安心の確保に支障が生じない制度であることが必要でありますので、今後さまざまな条件整備に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○喜納 昌春 再質問をさせていただきます。
 15年問題ですが、知事、知事が閣議決定を信頼するのも結構だと思います。知事の要請、名護市長の要請を受けて政府が真摯にやるだろうと期待するのも結構だと思うんですが、実際はさきの兼城議員からもあったようにハードル高いんですよね。
 日本政府が米国政府とやったときの例えばクリントン大統領と河野さんが会ったのが2月18日の段階、これは2月定例会でも言ったんですが、メッセンジャーでほとんど沖縄県民の立場の15年問題は触れてないんですよ、先送りされたというのがあるんです、これは2月18日。それから5月6日、森総理が誕生してクリントンさんと会ったときには、そのときにも触れてないんですよ。
 ところが、行く場合は当然知事は期待して触れるだろうと、ある意味で森総理大臣を含めて河野外務大臣も言うだろうという雰囲気で行ったんですが、触れてないんです。逆にオルブライト国務長官は河野さんに日米安保共同宣言を踏まえて協議したいとか、あるいはコーエン国防長官も厳しいことを言っている。
 責任者はそう言いながら、逆にこちらにリチャード・アーミテージ元国防次官補もそうですが、リチャード・ダンジグ米海軍長官とか、それからフォーリー駐日大使も沖縄に来て逆に厳しいことを言っているんですよ。
 であるだけに我々野党として、稲嶺知事の決意はわかりますよ。わかるだけに15年問題、もしクリアされないときにどうされるかということを問われますよということなんです。
 ですから、あらゆる機会にこの決意をしておかないと、語調を強めてやるんだということを何度もおっしゃった経過がありますけれども、実際はハードルが高い。信頼しているけれども、日米政府はサミット後も触れない可能性がある。逆に5月31日のワシントン共同で米政府当局者は、これ以上新しいあれは出さぬと言っているんですよ、15年問題を含めてね。そういうこともあるものだから、知事の決意を我々は相当迫っているんです、15年問題をどうするんですかと、公約ですかと。
 そういう意味での再度の決意をぜひお願いしたい。
 それからラプコン問題は、もし出口があるならば、実際は移管の問題でもそうですが、運輸省なのか自衛隊なのか問われていますよ。本当に民間の意向に安全な格好でラプコンは返っていくのかどうかは決まってないだけに、私はそうであれば6条のやつもちゃんと要請として入れておくべきじゃないのかなということがあるものだから、解決はもう大丈夫だというのであれば別ですけれども、そうでないのならばぜひ6条の問題は、ラプコンの問題は今回の要請にも入れておくべきじゃないのかなということを考えていますので、知事の見解を聞かせてください。
○知事(稲嶺惠一) 基地の提供責任は、安保条約上日本政府にあるとあります。したがいまして県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ政府が明確な見解を示し、一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 喜納昌春議員の再質問の事項の中のラプコンについては、今回の地位協定の見直し案に入れるべきじゃないかと、こういう御質問かと思いますが、ラプコンにつきましては日本政府も米国政府もともに日本側に移管するということを発表しておりまして、ただこの条件整備を今やっているわけでございまして、そのもとに今運輸省に属するのか、あるいは防衛庁に属するのかというのは、これを詰める中も、これも見ながら対応していかないといけないものですから、これは別途の形で要請をしていきたいと、このように考えております。
○糸洲 朝則 第8回の県議選を終えての最初の議会でございます。激戦の選挙を勝ち抜いてこられた議員諸公の皆様に敬意を表します。
 また、県民の負託にこたえる責任を担うべく全力を挙げて一緒に取り組みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私ども公明党もこのたびの選挙で4議席を与えていただきました。選挙後に稲嶺知事との間に政策協定を結びまして県政与党としてスタートいたしました。基本的には県政を支えてまいりますが、健全与党として是は是、非は非として県民の側に立った議論を展開し、県民本位の政策の実現に取り組む所存でございます。
 それでは、通告に従いまして代表質問をいたします。
 まず第1点目に、国連アジア本部の誘致についてでございますが、国連アジア本部の沖縄への設置についてはこれまで本会議で四たび取り上げさせていただきました。また、県議選挙や衆議院議員総選挙におきましても最も多く県民に訴えさせていただき、多くの県民の賛同を得たものと思っております。
 21世紀を生命の世紀、人権の世紀へと構築していくことが戦争の世紀と言われた20世紀を生き抜いた民衆の英知であり願望であります。とりわけ世界で唯一の被爆国である我が国、国内で地上戦による多くの犠牲をこうむった我が県民にとって、ただ単に戦争がないというだけの平和にとどまらず、世界の民衆の人権が保障された平和で豊かな暮らしが保障されなければならないと考えます。その実現に向けては国連を中心にした取り組みが望まれ、国連システムを活用した人道支援及び人権保障の確立が必要であります。
 こうした視点に立って考えるとき、世界の人口の半数以上を有し発展途上国の多いアジアへの人道支援こそ新しい21世紀を開く最重要課題であると考えます。したがって、アジア・太平洋諸国及び地域を視野に入れた国連アジア本部を沖縄に誘致し、平和発信の拠点として位置づけるとともに、平和憲法を世界へ宣揚することが我が国、我が県の使命と役割であると考えます。
 幸いにも今月21日、22日、23日に行われます九州・沖縄サミットにおける中心議題も平和、安全、そして人間の安全保障であります。まさに沖縄サミットにふさわしい議題であり、時宜を得た議題であります。我が国は議長国としてサミットを運営する側にあることを考えますと、今回の九州・沖縄サミットを通した国連アジア本部の誘致は千載一遇のチャンスであると言っても過言ではありません。
 さて、政治は民衆の生活をよくする戦いであり、民衆の苦悩を救う戦いであります。また希望を現実に変えていく戦い、それが政治であろうと考えます。したがって、沖縄県民の平和を希求する心を世界へ発信し、アジア・太平洋地域の一員として、地球市民の一員として世界へ貢献していくシステムづくりの一環として国連アジア本部の誘致を強く訴え、知事に質問をいたします。
 (1)、国連中心の人道支援の拠点を沖縄に設置することが沖縄の平和発信地としての役割を果たすとともに、平和憲法の具体的な実践の一つであると考えるがどうか。
 (2)、今後、沖縄振興の方向性の一つとして人、物、情報、学術・文化、平和の交流・協力拠点を構築し、アジア・太平洋地域の発展に寄与する特色ある地域の形成を目指すことがうたわれておりますが、これらの中心軸に国連アジア本部を位置づける考えはないかどうか、伺います。
 (3)、国連アジア本部を中心にした国際機関の誘致による拠点づくり、いわゆる東洋のジュネーブを目指す考えはないか。また、今後の誘致計画及び構想立案にスイスのジュネーブを参考にする考えはないか。そのための視察計画を立てられないかどうか、伺います。
 (4)、九州・沖縄サミットに国連アジア本部の誘致を知事みずから、あるいは政府を通して働きかける考えはないかどうか、伺います。
 (5)、国連アジア本部の誘致効果について知事はどのように考えておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
 (6)、最後に、これまでの取り組みについてどのように取り組んでこられたか、御説明をいただきたいと思います。
 次に、九州・沖縄サミットについて。
 20世紀最後の年に開かれる沖縄サミットは、それだけでも大きなインパクトを持つものでありますが、沖縄が我が国における国際会議が開かれる地方都市として位置づけられ、サミット後の国際会議をいかに沖縄に誘致するか。また沖縄がサミットアイランドとして、コンベンションシティーとして世界に認知され定着していくかは、サミット後の取り組みにかかっていることは言うまでもありません。
 幸いにも政府は、去る6月20日の閣議での了解を受けて、29日に総理府において各省庁間の連絡会議が行われており、来年1月以降5年程度の開催計画の策定や沖縄開催に係る政府の支援策などを今後協議検討していくとのことであります。
 こうした政府の支援策とタイアップして取り組むと同時に、県として各国各地域への働きかけと同時に、民間団体や各企業等への国際会議の誘致運動は今後重要な課題であると考え、サミット後の国際会議等の誘致計画や取り組みについて、将来展望等について知事の御所見を伺います。
 次に、サミットで各国の首脳を初め多くの関係者が来県し県民との交流も盛んに行われます。また世界へ沖縄のことが発信されます。私たち県民は、沖縄サミットを県民共有の財産として大事にし、あらゆる面で世界との交流発展につなげていくことが重要であります。地方自治体レベルの交流を初め民間交流、学術・文化、教育等幅広く展開できることを期待いたします。
 しかしながら、国と国との関係がある以上、国や県において一定の方向性を示していただかなければせっかくの機運も空回りしかねない面も考えられます。したがって県は、サミット後の国際交流が大きく展開されるよう国との連携を密にしながら進めていただきたいのであります。中でも未来を託す青少年の育成に当たっては、サミットを機会に大きく世界に視野を広げていくことができたと言われるような施策を示していただきたいのであります。
 こうしたことを踏まえ、サミット後の各国の地方自治体における姉妹交流や文化・学術、教育交流等の考えや計画について伺います。
 3番目に、普天間飛行場の移設について伺います。
 普天間飛行場の移設については、まず市街地の真ん中にある危険な飛行場は早目に移設することが望ましいことは県民だれしもが認めるところであります。要は移設先をどこにするか、跡地利用はどうなるのか、移設するまでのプロセスはどう考えているか等々多くの課題があることはこれまで指摘してきたとおりであります。
 とりわけ移設先については県外、国外も含めて検討すべきであると我が党は主張してきましたが、稲嶺知事は県内移設を示されました。そうであるならば、私どもがこれまで主張してきましたように県民合意形成の作業に最大限の努力をなさるべきであると考えます。中でも移設先の地域住民との対話は重要であり、対話による合意形成が大事であると考えます。この普天間飛行場の移設問題については、余りにも多くの課題があるだけに県民や地域住民への説明は幾らやってもやり足りないぐらいの姿勢で取り組んでいただきたいと考えます。
 これまでも申し上げてきましたように、移設作業のプロセス、工法、環境問題、地域対策、地域住民の生活及び安全の確保、跡地利用計画、これらが保障される法的整備等々すべての情報公開を県民に示した上で、県民に説明をして県民的議論を喚起し、県民合意の方向性を見出すことを努力すべきであると考えます。知事の所見を伺います。
 (1)、まず、情報公開についてどのように考えておられるか。
 (2)点目に、情報公開をした上で一定期間県民的議論を喚起し、県民が冷静な判断ができるよう県民に考える時間を与えてはどうか。
 (3)点目に、県民や地域住民との合意形成に向けた知事の今後の取り組みについて伺います。
 大きい4番、那覇港の整備とそれに伴う那覇軍港の移設について伺います。
 このことについてもこれまで何度も取り上げ多くの議論がなされてきました。那覇軍港の返還については、移設条件つきとはいえ返還合意から29年が経過しておりますが、いまだ実現しておりません。これまで多くの時間を保革の対立の中で県内移設賛成、反対で議論をしてきた。しかしながらその間に冷戦の崩壊、経済のグローバル化等情勢の変化に地元浦添市商工会議所を初め多くの提案がなされてきました。いわゆる那覇港浦添西海岸の開発であり、それに伴う軍港の移設であります。
 このことは、時代の変化により県民意識はかなり変化しているものと考えます。いわゆる沖縄の自立経済確立のため数々の施策を実現していく上でハブ機能を持つ空港、港湾の建設が必要要件であるということ、これらのプロジェクトはグローバルな視点に立った国の重要課題の一つであり、国の制度及び財源支援が必要と考えられます。したがって、現在の那覇港管理を那覇市だけに任すのではなく、国、県、那覇市、浦添市が一体となって開発していくとの方向性で取り組んできたわけであります。
 こうしたことを踏まえ、知事は普天間飛行場問題と同様に、否それ以上に今、力を入れて取り組む必要性を訴え、次のことを質問いたします。
 (1)、那覇港管理一部事務組合設立に向けた県の取り組みについて、現状説明と今後の展望について伺います。あわせて浦添市との合意形成を困難にしている要因はどういうことか等についてもお聞かせいただければ幸いでございます。
 (2)、那覇港港湾計画の見直し時期は2000年となっていると思うが、ハブ港湾構想と計画見直しについてどのように考え、どのように取り組んでおられるか、伺います。
 (3)、港湾整備に伴う軍港の移設計画についての考えについても伺っておきます。
 (4)、軍港跡地利用の計画についての取り組みについても御説明を賜りたいと思います。
 次に、経済振興について伺います。
 経済振興について質問いたしますが、これまでの私の質問とのかかわり、また各党代表の質問とも重複いたしますが、要は、沖縄が今後自立していくための経済政策を確立することが求められております。
 我が党は、これまで一国二制度的な思い切った制度の導入による自立経済の確立を主張してきました。国や県におかれましても、21世紀プランの策定や沖縄振興新法の策定など取り組んでおられます。沖縄が新しい世紀を迎えるに当たって経済振興策も新しい展開を求められておりますが、それに対する県民の不安があることも現実であります。したがって、県民に安心していただくためにも今後の経済振興策について知事の所見を伺います。
 (1)、3次振計の総括と評価。ポスト3次振計の構想について。
 (2)、自立経済確立へ向けたシステムづくり。例えば経済特区構想、マルチメディアアイランド構想、入域観光客1000万人構想等について伺います。
 (3)、これらの施策実現へ向けてのインフラ整備構想についてもお聞かせ願います。
 (4)、新たな制度及び法的根拠の策定についても伺っておきます。
 6番目に、環境行政についてでございますが、政府は今年度を「循環型社会」元年と位置づけ、循環型社会形成推進基本法の制定を初め関連法を成立させました。文明の急速な発展は、人類に便利な生活を提供しましたが、大量生産、大量消費、大量廃棄型の使い捨て社会を生み出し、大自然の生態系にまで悪影響を及ぼすようになりました。
 こうした現状に歯どめをかけ、生産から廃棄への一方通行型の社会ではなく「ごみ・ゼロ」を目指し、資源を有効に再利用しながら持続的発展を可能にする循環型社会への仕組みづくりがスタートしたわけであります。
 環境問題というとグローバル・アンド・ローカリーの言葉が示すとおり地球規模で考え、我が地域から取り組むことが大事であります。したがって、県におかれましてもこのことを踏まえ具体的な取り組みが求められます。まして既にごみリサイクル関連法等も成立しており、次年度完全施行の予定であります。県の取り組みについて伺います。
 7点目、福祉行政についてでございますが、介護保険制度がスタートしましたが、制度導入に至るまで十分時間がなかったこと等もありまして、今後実施していく中でよりよい制度へ改善していく必要があると考えます。したがって、制度導入による現状と今後の課題等について御説明をいただきたいと思います。
 最後8番目に、離島振興について伺います。
 多くの離島を抱える本県における離島振興対策は大変重要な課題であることは言うまでもありません。多くの離島であるがゆえのハンディの克服と、島の特性を生かした施策の実施が求められます。ハンディ克服の代表的なものとして交通・通信、医療福祉、教育等ハード、ソフト両面にわたる課題が多々ありますが、その中から次のことについて質問をいたします。
 離島医療の深刻な現状については、先ほど坂井議員が述べていたとおりであります。中でも宮古病院の新築移転計画については、これまでも本議会で何度となく取り上げられております。また、地元における宮古病院将来構想検討委員会でも新築移転の必要性を決定して県に要請しております。したがってこの本議会においても何度でも訴え要請をいたしますが、せめて検討委員会を設置して取り組まれますよう一歩踏み込んだ答弁を期待し、答弁を求めるものでございます。
 新石垣空港の建設については、議会ごとに取り上げられておりますが、本議会においても質問されておりますように、そしてまた知事の答弁をおおむね了といたしますが、あえて伺いますが、加えて建設場所及び先ほど知事が答弁された今後の計画変更はないものと認識してよいものかどうかについても伺っておきます。
 あと、新多良間空港、そして離島センターについては通告されておりますが、また後ほど次の機会に聞かせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの糸洲朝則君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後6時5分休憩
   午後6時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前の糸洲朝則君の質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸洲朝則議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、国連アジア本部の誘致について、国連中心の人道支援拠点の沖縄への設置は平和の発信地としての役割を果たすとともに、平和憲法の具体的な実践の一つであると考えるがどうかとの質問にお答えします。
私は、今日の国際政治の現実を見た場合、世界の平和と秩序の維持には国際連合が重要な役割を果たしていると認識しております。このようなことからこれらの拠点施設が本県に設置されるとすれば、平和の発信拠点を目指す本県にとって大きな意義を持つものであり、また平和憲法の求める世界の平和に貢献するものと考えています。
 次に、同じく国連アジア本部の誘致について、アジア・太平洋地域の発展に寄与する特色ある地域の形成を目指すと言われているが、中心軸に国連アジア本部を位置づける考えはないかについてお答えいたします。
本県は、新全国総合開発計画において太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)と位置づけられ、「アジア・太平洋地域における人、物、情報の結節点となる広域国際交流圏の形成を図る。」こととされていることから、国連機関が本県に設置されることは大きな意義を持つものであると考えております。
 次に、同じく国連アジア本部の誘致についての中で、サミットで国連アジア本部の誘致を知事みずから、あるいは政府を通して働きかける考えはないか、国連アジア本部の誘致効果についてどのように考えているかという2点について一括してお答えいたします。
 国連機関が本県に設置されれば、アジア・太平洋地域の経済発展と平和で安定した国際関係の構築に寄与することができるため、我が国の南における交流拠点の形成を目指す本県にとって大きな意義を持つものと考えております。
 なお、現在関係省庁との意見交換や情報収集に努めさせているところであり、これらをもとに検討してまいりたいと考えております。
 次に、九州・沖縄サミットについて、サミット後の国際会議等の誘致計画についてお答えいたします。
 九州・沖縄サミット首脳会合が沖縄県で開催され、本県が国際コンベンション都市として世界に広く発信されることとなります。今後は、これを契機に国際会議等各種会議の誘致を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 国においては、国際会議等各種会議の沖縄開催について民間への協力要請を含め、今後必要な支援を行うため去る6月20日の閣議で国際会議等各種会議の沖縄開催の推進について了解し、沖縄開発庁のもとに各省庁の部局長クラスから成る各省庁連絡会議が設立されたところであります。
 県は、これまで沖縄観光コンベンションビューローや国際観光振興会等と連携して国際会議等各種会議の誘致に努めてきましたが、今後は政府等との緊密な連携をさらに強化するため国際会議等誘致支援プロジェクトチームの設置等受け入れ体制を整備し、国際会議等各種会議の誘致を推進してまいりたいと考えております。
 次は、普天間飛行場の移設について、情報公開について、次に一定期間、県民的議論を喚起してはどうかという御質問と、それから次に合意形成に向けた今後の手法についてという3つの御質問に一括してお答えしたいと思います。
 普天間飛行場の移設については県政の重要課題であり、その解決のために誠心誠意取り組んでいるところであります。
 基地問題は大変困難な問題であり、県民の間に複雑な感情やさまざまな意見があることから、県民の理解と協力を得る必要があると考えています。
移設候補地の選定作業については、候補地に挙げられた地域に与える影響が考えられることから慎重に作業を進め、候補地選定後には選定理由と県の基本的な考え方を名護市長に説明するとともに、選定作業に関する資料を県議会等へ提示してまいりました。
 県の移設候補地の選定や市の受け入れ表明を受け、国においては昨年末、新たな法制度の整備を含め移設先及び周辺地域の振興発展、駐留軍跡地利用の促進等に向けて全力で取り組むことが閣議決定され、去る2月に北部振興協議会及び移設先及び周辺地域振興協議会が、また5月には跡地対策準備協議会が設置され、具体的な作業が開始されております。
 今後、閣議決定に沿って代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めた基本計画が政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で設置される協議機関において検討されることになります。
 軍民共用空港を念頭に協議機関の中では基本計画のほか、安全・環境対策や代替施設の使用に関する協定などが検討されますので、県としては名護市の意向も踏まえながら普天間飛行場の早期移設、返還に向け対処していきたいと考えております。
 次に、那覇港の整備とそれに伴う那覇軍港の移設について、港湾整備に伴う軍港の移設計画についての御質問にお答えいたします。
 浦添市の西海岸開発を含む那覇港の整備は、沖縄の産業振興や経済の自立的発展を図るための重要なプロジェクトであります。このため、県としては国際流通港湾化を目指した港湾計画の改訂を促進するとともに、SACOの合意事案に基づく那覇港湾施設の移設について取り組んでいるところであります。
 那覇港湾施設については、現在の那覇港湾施設を浦添埠頭地区に移設し改訂される港湾計画に位置づけたいと考えておりますが、那覇港の整備方針や那覇港湾施設の移設の取り扱いについて浦添市との合意に至っておりません。
 那覇港のハブ機能を有する国際流通港湾としての整備については、国の制度的、財政的な支援が不可欠であり、那覇港の整備計画と那覇港湾施設の移設はあわせて検討する必要があると考えております。
 このため、港湾整備や港湾計画策定の主体となる那覇港管理一部事務組合を早期に設立する必要があり、県としては引き続き合意形成に努めるとともに、今後、那覇港の国際流通港湾化に向けた計画の中で那覇港湾施設の移設について総合的に検討していきたいと考えております。
 次は経済振興について、第3次沖縄振興開発計画の総括と評価、そして新たな沖縄振興計画の構想についてお答えをいたします。
 3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策が推進された結果、社会資本の整備を中心に着実な成果を上げ、各面における本土との格差は次第に縮小するなど本県の経済社会は着実に発展してきています。
 しかしながら、産業基盤等についてはいまだ整備が十分でない分野が存在しております。
 また、完全失業率は本土に比べ高い水準で推移しており、県民1人当たりの所得についても全国の中で最下位の状況にあります。
 さらに今後、我が国のアジア・太平洋地域の中で果たす役割を担うためのアジア・太平洋協力・交流拠点の形成についても十分ではありません。
 加えて、本県にはなお広大な米軍施設・区域が存在しており、本土に復帰して28年を経てもいまだに本土に比べ大きな負担を背負っております。
 このようなことから、本県の経済社会は着実に発展してきたものの、なお解決すべき多くの課題を抱えています。
 また、新たな沖縄振興計画の策定に向けての県の考え方の取りまとめに当たっては民間主導型経済の構築、アジア・太平洋交流拠点の形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造及びそれぞれの特性を生かした各地域の均衡ある発展などを目標に今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、経済振興について、新たな制度及び根拠法の策定についての御質問にお答えします。
新たな沖縄振興法は、経済のグローバル化及び情報化の進展、少子・高齢化社会の到来など国内外の情勢に的確に対応しつつ、民間主導の自立型経済社会の構築や返還基地跡地の円滑な利用等を着実に推進していけるような法制度にする必要があると考えております。
 次に、環境行政についての御質問でございます。
 政府は今年度を「循環型社会」元年と位置づけ、循環型社会形成推進基本法の制定を初め関連法を成立させたと、これらの関連法は2001年度完全施行予定だが、これを受けての取り組みについて伺いたいとのお尋ねでございます。
 我が国の廃棄物の発生量の増大、リサイクルの一層の推進の必要性、廃棄物処理施設の立地の困難性、不法投棄の増加等の課題に対処するため本年5月、循環型社会形成推進基本法を初め建設工事資材再資源化法等のリサイクル関連法が制定されました。
 今後、これらの法律に基づいて循環型社会形成推進基本計画等が策定され具体的な施策が示される予定であり、県としてはこれらを踏まえて循環型社会の形成に努めてまいります。
 なお、県は、これまで沖縄県廃棄物減量化・再生利用推進計画や沖縄県農業用廃プラスチック処理基本方針等を策定してリサイクルの啓発指導を推進するとともに、県みずからも一事業者、一消費者として沖縄県環境保全率先実行計画や土木建築部建設リサイクルガイドライン等を策定して廃棄物の減量化、リサイクルの推進に努めてきたところであります。
 さらに、今後はゼロエミッション・アイランド沖縄構想に基づき、本県の自然的、社会的条件に応じた持続可能な循環型社会の形成に向けて一層取り組みを強化してまいりたいと考えております。
 次に、福祉行政について、介護保険制度のスタートに当たり、現状の説明と今後の課題についてのお答えでございます。
 介護保険制度が4月からスタートしましたが、保険者である市町村や関係者等の御努力により特に大きな問題等もなく施行されているところであります。
 要介護認定の申請については平成11年10月から開始され、12年4月末現在、申請受付数は当初の申請見込み数を上回り2万8836人となっております。そのうち96%に当たる2万7499人が認定調査を終え、91%に当たる2万5129人に認定結果の通知が行われております。
 介護保険サービスの基盤整備については、施設の整備は全国的にも高い水準の整備状況となっていますが、在宅サービスの供給体制が不十分な市町村があり、今後、在宅サービスの基盤整備を強化していく必要があります。とりわけ離島等小規模町村においては民間事業者の参入が困難となっており、離島等における介護サービスの充実強化を図る必要があると認識しております。
 次に、離島振興について、新石垣空港の建設について、建設場所の変更はないか、また今後の変更はないかとの御質問にお答えいたします。
 先ほど坂井議員の御質問にもお答えしましたように、新空港の建設位置は地元の合意形成を踏まえてカラ岳陸上案に決定したものであり、今後同位置でスムーズに事業実施ができるよう地元の理解と協力を得ていきたいと考えています。
 また、今後の計画につきましても空港基本計画を策定し、環境アセスメント等の諸調査を実施するとともに、地権者や地元関係団体の同意取りつけ、市議会及び県議会の議決を経て平成15年度には新空港の設置許可を得、事業着手をして早期建設に努める考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) それでは国連アジア本部の誘致について、国連機関の誘致による拠点づくりを目指す考えはないか、また今後の誘致計画及び構想立案にスイスのジュネーブを参考にする考えはないか、そのための視察計画を立てられないか、それからこれまでの取り組みについて御説明をいただきたいということについて一括してお答えいたします。
 国連機関の誘致につきましては、現在外務省と事務段階の意見交換や情報収集に努めているところであります。それによりますとジュネーブには世界労働機関、世界保健機関、世界気象機関などのほか多数の国連機関が集積し、また国連教育科学文化機関などの国連機関の多くがヨーロッパに設置されていることを背景にこれらの機関の連絡調整や共同利用施設の提供という必要性からジュネーブに事務局、いわゆる欧州本部が設置されております。
 このような事情を勘案した場合に、国連機関の集積のない本県に直ちにアジア本部の誘致が可能なものかどうかを含め、国連機関の誘致について引き続き検討してまいりたいと考えております。
 それから次に、那覇港の整備とそれに伴う那覇軍港の移設について、一部事務組合設立に向けた県の取り組みについての質問にお答えいたします。
那覇港については、貨物のコンテナ化、船舶の大型化等に対応した港湾施設の整備や効率的な管理運営を推進するため一部事務組合の早期設立が必要であると考えております。
 このため県、那覇市、浦添市3者協力のもと、設立許可申請に向けた事前協議書、協定書案の作成や組合に必要な条例・規則等の作成を行うとともに、港湾施設財産の移管手続等の諸準備作業を進めてきたところであります。
 今後、引き続き諸準備作業を進めるとともに、港湾計画改訂や港湾整備に係る諸課題の解決を図り、一部事務組合の早期設立を目指していきたいと考えております。
 それから同じく那覇港の整備とそれに伴う那覇軍港の移設について、那覇港港湾計画の見直し時期は2000年となっていると思うが、ハブ港湾構想と計画見直しについての質問にお答えいたします。
 那覇港の計画改訂に向けた素案策定に当たっては、産業経済活動のグロ-バル化、貨物のコンテナ化、船舶の大型化に対応した国際流通港湾として総合的に検討してきたところであります。
 具体的には、経済の自立に寄与する中継加工貿易の拠点として浦添埠頭地区において6万トン級大型コンテナ船に対応する大水深岸壁や国際海上コンテナタ-ミナル、その背後に特別FTZ用地を計画しております。
 また、新港埠頭地区においては4万トン級大型コンテナ船に対応する大水深岸壁や国際海上コンテナタ-ミナル等が位置づけられており、両埠頭で国際物流に対応する配置計画となっております。
 今後は、同素案をもとに新たな改訂計画を策定し、平成15年度から始まる次期港湾整備5カ年計画に位置づけられるよう取り組んでいく考えであります。
 同じく那覇港の整備とそれに伴う那覇軍港の移設について、軍港跡地利用計画についての質問にお答えいたします。
 那覇軍港跡地に係る港湾施設については、平成11度に実施した那覇港国際流通港湾計画調査を踏まえ、旅客船バースやマリーナ等の施設を港湾計画に位置づけて整備する計画であります。
 また、その背後地については那覇市と那覇軍用地等地主会で平成8年に策定した那覇軍港跡地利用計画をベースに利用開発が図られるよう条件整備を進めていく考えであります。
 それから次に経済振興について、自立経済に向けたシステムづくりについて、及びこれらの施策実現へのインフラ整備構想についての質問につきまして一括してお答えいたします。
自立経済の確立を図るためには競争力、持続力のある民間主導型経済を構築することが重要だと考えております。
 このため、産業振興については比較的優位な競争力を持つ観光・リゾート産業、国際通信ハブとして発展が期待される情報通信産業、特別自由貿易地域制度等を活用した加工交易型産業、地域特性を生かした製造業や農林水産業及び雇用の確保や市場規模の拡大が期待されるバイオテクノロジー、環境関連等新規産業に重点を置く分野として戦略的な振興策を講ずる必要があります。
 また、これらの産業振興を支える各種基盤については、研究開発や人材育成を推進するとともに、特別自由貿易地域の関連インフラの整備、観光基盤整備施策を活用した観光拠点の整備、情報通信分野の振興を図るためのインフラ整備など、これまで以上に目的志向型の戦略的、重点的な整備を図る必要があると考えております。
また、質の高い公共交通サービスの実現や各地域間を結ぶ道路網の整備等総合交通体系全体の改善整備が必要であると考えております。
 以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 九州・沖縄サミットについて、サミット後の各国の州や都市との姉妹交流、文化交流等の計画についてお答えをいたします。
 県では、我が国の南における国際交流の拠点の形成を目指し地理的条件、歴史的背景を生かした国際交流や国際協力事業等を行っているところでございます。
 今回のサミット開催に伴いまして、国との共催でG8各国の主要都市に琉球舞踊等の芸能団を派遣し本県の伝統文化の紹介と交流を行ってまいりました。またサミット期間中にもサミット参加国と県内市町村との交流が計画されております。
 県といたしましては、今後ともサミット参加国の州や都市との交流を促進し文化・学術、教育、経済等各分野の交流の実績を重ねて姉妹交流に発展させていきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 糸洲議員のサミット後の各国の州や都市との学術・教育交流等の計画についてという御質問にお答えいたします。
 県教育委員会は、県サミット推進会議のもとで九州・沖縄サミットのプレ事業として「サミット子どもフェスティバル」、「小中学生サミット」、「G8高校生サミット」などの取り組みを行ってまいりました。また、各市町村教育委員会におきましても独自のサミット事業計画を企画し、積極的な交流事業を推進しているところであります。
 このような事業は国際理解教育を深め、国際化に向けた教育の充実を一層促進するものと期待しております。
 九州・沖縄サミットで培った諸成果を今後の児童生徒の国際交流事業等に積極的に生かすことは極めて重要なことであると考えておりますので、今後県全体として検討してまいりたいと思います。
○病院管理局長(新田宗一) 宮古病院の移転改築について県の考え方を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
 宮古病院の改築につきましては、老朽化の状況などを踏まえながら県としての基本方針を早急に取りまとめる必要があると考えております。そのため、現在建物や設備の老朽度調査の準備を進めているところでございます。
 今後、同調査の結果や宮古圏域における医療ニーズ及び県立病院としての機能、役割、さらには地元の意向等を勘案しながら同病院の整備に係る基本方針を策定していきたいと考えております。
 以上でございます。
○外間 久子 代表質問に入ります前に緊急に質問をさせていただきます。
 去る3日明け方、就寝中の女子中学生が海兵隊員に襲われるという事件は、95年の米兵による少女暴行事件を思い起こさせました。最も安全なはずの自宅での事件だけに県民に与えた衝撃は大きなものがあります。かかる蛮行は絶対に許せません。
 県警本部長に質問通告はしてありませんが、次の2点について御答弁をいただければと思います。
 1つ、現行犯逮捕したとの答弁でしたが、身柄はどうなっていますか。
 2つ、米軍から身柄引き渡しの要求はありましたか。
 以上、2つの質問をいたしまして次の代表質問に移ります。 
 今議会は、県議会議員選挙と総選挙を受けて、しかも直後にサミットが開催されますだけに多くの県民が注目をしています。
 まず、サミットに向かって何をなすべきかという問題です。
 県当局が県民を対象に行った意向調査では、「サミットに当たって世界に最も訴えたいこと」という質問の回答の第1位は、群を抜いて「米軍基地問題」、44.6%であり、第2位は「県民の平和を愛する心」、33.2%です。
 ところが、基地の過重負担を訴えながら新しい基地の建設を容認する稲嶺知事の態度には外国人記者は不可解な印象を抱いています。
 サミット期間中、知事はクリントン米大統領との会談の機会を望んでおられるようですが、その際に15年の使用期限問題についてどのように訴えますか。
 ただ、その希望を伝えるだけなのですか。あるいは15年の期限は守れないというアメリカ側の意思表示が続いている以上、新しい基地はつくらすことはできないと、そう言わざるを得ないほど沖縄の米軍基地は県民にとって過重負担だと発言なされるのか。これもまだ不明確です。
 日本共産党は2月の16日、「沖縄の米軍基地問題を世界に訴えます」という報告と訴えの英語版を世界の120の国の政府と海外のマスコミ90社に届けました。
 朝鮮半島での対話による平和解決の方向に見られますように、世界はアメリカの覇権主義に批判の目を向けています。
 アジアの2つの米軍基地、韓国と沖縄の米軍基地は、朝鮮半島の平和的統一にとって障害物になりつつあるという議論も巻き起こっております。沖縄の米軍基地は、外国の米軍基地の実情に照らしても異常だと認識せざるを得ない事態を県民はどのように考えているのか、しっかりと訴えるべきです。
 そこで質問に入ります。
 知事は、サミットで世界に沖縄の米軍基地の問題をどう訴えるお考えですか。少なくともその内容として基地建設の歴史的経過と実態、県民生活への影響について明らかにすべきだと思いますが、御見解を伺いたい。
 2つ、クリントン大統領が「平和の礎」で県民に米軍駐留に協力していることに対して謝意を述べる予定ということに対して、県民感情からして中止を申し入れるべきだと思いますが、御見解を賜りたい。
 3つ、普天間基地の移設問題で15年の期限は知事の公約です。しかしそれは実現不可能であることがますます明らかになっています。
 我が党は、かねてから指摘してまいりましたようにSACOの合意は運用年数40年以上であります。それだけに15年の期限、そのことがSACOの合意に反すると米政府の高官や米軍幹部が繰り返し主張し拒否発言をしているではありませんか。
 知事は、日米両政府に、とりわけサミットで来県するクリントン米大統領に対し40年の合意の撤回を迫るべきです。この際、15年の期限の実現の見通しがないことがはっきりしたわけですから、移設は受け入れられないことを明確に訴えるべきだと思いますが、いかがですか。
 4つ、外国のマスコミから、新基地を受け入れておきながら、基地の整理縮小を叫ぶのは矛盾していると指摘されていますが、どう考えますか。
 5つ、北部の訓練場のヘリパッド移設での進入路建設のほかに既存の道路改修も行われる予定で環境保護に重大な影響を与えることが懸念されます。その中止を求めるべきだと思いますが、決意のほどを伺います。
 6つ、放射性物質である劣化ウラン弾が嘉手納の弾薬庫に貯蔵されている問題は、県民無視の米軍の態度は許されません。その即時撤去を求めるべきです。御見解を伺いたい。
 また、劣化ウラン弾の薬きょうが放置されていた問題は、県民に衝撃を与えましたが、どこでの演習で使用したものか、明らかにしてください。あわせて取り組み状況を報告してください。
 次に、去る「慰霊の日」は、日本は天皇を中心とする神の国であるという発言をして国民から抗議をされた森首相が、今度は、心から政府を代表して英霊のみたまに哀悼の意をささげてまいりましたと名古屋で演説をしています。
 英霊は、名誉の戦死者である日本兵を指して使われたものであり、あの戦争での犠牲者に対する重大な冒涜であります。英霊発言に対する知事の御見解を伺いたい。
 次に、全戦没者追悼式に在沖米軍トップの四軍調整官が知事の招待で軍服姿のままで参列をした問題は、多くの遺族や県民から怒りの声が出されております。
 そこでお伺いします。
 1つ、なぜ米軍のトップを追悼式に招待したのか、真意のほどをお聞かせください。
 2つ、軍服姿での参列は県民感情や常識からしても異常だと思いますが、御見解を賜りたい。
 3つ、来年からは米軍のトップを招待することはやめるべきだと思いますが、いかがでしょう。
 次に、沖縄経済の振興問題についてであります。
 第3次振計の期限が間近に迫っている中で、今後の方針を打ち出す上で第3次振計の総点検は極めて重要な意義を持つものです。このたび発表されました「沖縄振興開発の現状と課題及び展望」は、各界からさまざまな意見が出されています。
 県振興開発審議会は、計画が達成されなかった原因、検証が不十分、新たな理念に向けた論議が必要だと指摘をしております。
 そもそも沖縄振興開発特別措置法は、あの戦争で焼き尽くされた沖縄の復興と27年間に及ぶアメリカの全面占領の結果つくり出された本土との格差を是正することを目的に、政府が償いの心で振興を図る目的で制定されました。
 ところが、県民所得は全国平均の69%に落ち込み、全国一の失業問題も解決されておりません。その原因についても明らかにされておりません。その原因の究明の中でしか課題と展望も出てまいりません。この際、広く県民の中で議論を巻き起こすべきだと考えます。
 我が党は、沖縄経済の振興は、地元経済の足腰を強くすることこそ重要だと提起をしてまいりました。
 その第1の柱は、農業、水産業の振興を図る問題です。
 これは規制緩和の推進で農畜産物の輸入自由化が進められたことが農水産業に大きな打撃になっています。この際、沖縄の基幹産業と地場産業の振興に光を当てて取り組むべきだと思います。そして米軍基地との引きかえではない振興策を求めていくべきです。沖縄県民に対する最大の償いの心は、基地をなくすることではありませんか。
 そこで質問をいたします。
 1つ、沖縄の食糧自給率と全国平均は幾らになっていますか。
 2つ、食糧自給率を全国平均に引き上げるためにはどれだけの生産が必要になりますか。
 3つ、現在食糧生産をしている農家の平均の生産高で計算をしますと農業人口は幾らふえなければなりませんか。
 4つ、食糧の自給率を50%にしたときの就業者数は幾らになりますか。
 5つ、食糧の自給率を高めるためには生産、流通、販売、消費とそれぞれの連携が重要です。そして生産費の価格補償制度の確立が不可欠の要件です。そのためには規制緩和の野放しをやめて、規制を強化して保護策を抜本的に強化すべきだと考えますが、それぞれに対する御見解を賜りたい。
 6つ、農水産業、地場産業などの振興を図る上で特殊病害虫の対策、研究機関の充実、人材育成が重要ですが、その実態と強化策についてお伺いいたします。
 7つ、さとうきびの価格補償制度が廃止され沖縄農業に壊滅的打撃を与えることが予想されますが、対策はありますか。
 8つ、第3次振計の終了から、どのような振興法を制定させるかは県政の重要な課題です。総括をきちっとした上で、あくまで沖振法に基づく計画を策定し、その内容について広く県民の声を集約してまとめていくべきだと思いますが、御見解を賜りたい。
 9つ、県財界を中心に沖縄経済の自立と結びつけてカジノ構想を沖振法の中で位置づけるべきだという主張がありますが、知事の見解を賜りたい。
 次の質問は、介護保険の問題です。
我が党は、これまでも県当局に介護保険の問題について申し入れを行ってまいりました。介護保険が実施されてから2カ月余が経過しましたが、全国的に矛盾が噴き出しております。利用料が高くてサービスが受けられない方や、在宅介護の問題もホームヘルパーの派遣が困難になっているなど深刻な事態が出ています。
 そこでお伺いします。
 1、介護保険の実施に伴う問題点の掌握をどのように行っていますか。その実態を報告してください。
 2つ、利用料が高くて従来のサービスを受けていない実数は掌握していますか。その改善のための方策は検討されておりますか。
 3つ目に、介護認定に対する不服の実態はどうなっていますか。改善はなされておりますか。
 4つ目、介護報酬の請求が行われても支払いがなされずにトラブルが発生し事業者が窮地に立たされるという事態がありましたが、その原因と対策について伺いたい。
 5つ、無年金者の介護保険料の支払いはどうなっておりますか。県の対策はありますか。
 6つ、我が党が申し入れた「介護保険の改善・充実を求める緊急申し入れ」6点に対する回答を求めます。
 最後の質問は、違法・無法選挙についてであります。
 選挙は民主主義の基本です。
 ところが、今回の県議会議員選挙、総選挙は、政策論争を避けた大規模な謀略違法選挙が展開されました。県議選挙では、浦添市の我が党の証紙つきのポスター約50枚の上に「沖縄の共産党、反対だけが実績です」というビラが張りつけられた事態がありました。また総選挙本番に公明党候補の写真入りのビラを配布している運動員2人を捕らえましたら、沖縄電力の社員で上司からの業務命令で「21世紀 未来をひらく会」の動員で配布していた事実を確認しています。
 そこで質問です。
 この件で我が党は、それぞれ那覇署や浦添署に告発・告訴をしていますが、どう対処なされたのか、明らかにしてください。
 違法・無法選挙だと言われた今回の事態について知事、選管委員長、警察本部長の御見解を伺います。
 後で再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
 最初は米軍基地問題について、サミットで知事は米軍基地問題をどう訴える考えか、県民生活への影響等について明らかにすべきと思うがどうかとの質問にお答えをいたします。
 県では、報道関係者を初めサミットで本県を訪れる方々に沖縄の基地の現状を肌身で感じていただき、沖縄県民の長年にわたる過重な基地負担の現状や県民が基地の整理縮小を強く望んでいることを知っていただきたいと考えております。そのことが本県の基地問題の解決を促進する上で大きな力になるものと確信しております。
 このようなことから、県では、サミットに向けて沖縄の基地問題について理解を深めてもらうためインターネットによる情報の発信を行うとともに、米軍基地建設の歴史的経過や米軍基地が県民生活へ及ぼす影響などを含め沖縄の米軍基地を説明した英文及び日本文のパンフレットを作成しているところであります。
 また、7月19日から24日までの間には、報道関係者を対象に普天間飛行場及び嘉手納飛行場について、基地が県民生活に及ぼす影響を住民の視点に立って見ていただくためのプレスツアーを計画しております。
 次に、クリントン大統領は「平和の礎」で県民に謝意を述べる予定とのことだが、中止を申し入れるべきと思うがどうかとの御質問へのお答えでございます。
 私としては、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを後世に伝えることはもとより、広く世界に目を向けた平和の発信が重要であると考えており、このことを通じて世界の平和、安定に寄与していくことが沖縄の役割であると思っております。
 沖縄県には、このような平和を希求する県民の願いをあらわすものとして平和の礎があります。したがって、私はサミットで来県する各国の首脳や夫人、政府関係者及び報道関係者にぜひ平和の礎を訪問していただきたいと考えています。
 なお、クリントン大統領の沖縄における日程は現時点ではまだ決まっていないと承知していますが、私としては、クリントン大統領にも機会があればぜひ平和の礎を訪ねていただきたいと思います。
 次に、米軍基地問題について、知事は日米両政府に40年合意の撤回を迫るべきではないか、15年期限の実現の見通しがないことがはっきりしたわけであり移設反対を明確にすべきと考えるがどうかとの御質問へのお答えでございます。
運用年数40年というのは、撤去可能な海上ヘリポートに関するものであると理解しています。海上ヘリポート案については、県民の財産とならないことなどから政府に見直しを求めたところであります。
県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
 また、基地の提供責任は日本政府にあるということを述べてきました。戦後、日本の平和と経済繁栄の陰で沖縄が55年間担ってきた負担について政府が日本国民に説明し、沖縄の過重な基地負担について全国民で議論していただきたいということも言い続けております。
使用期限問題については、国は、沖縄県知事及び名護市長からの要請を重く受けとめ同問題を米国政府との話し合いの場で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応しながら米国政府と協議していくとの閣議決定を受け、去る日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられております。引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えています。
 県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えています。
 次に、外国のマスコミからは、新基地建設を受け入れておきながら、基地の整理縮小を叫ぶのは矛盾していると指摘されているがどうかということでございます。
 普天間飛行場の移設先についての県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから沖縄の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
 次に、知事の政治姿勢についてで、森総理の「英霊」発言に対する所見を伺いたいということへのお答えでございます。
「英霊」という言葉が、特別な意味を込めて使われた歴史があることは私も承知しております。
 森首相は、沖縄全戦没者追悼式の来賓あいさつの中で、「先の大戦で犠牲となられた沖縄県民を始めとする戦没者の方々の御霊に対し、謹んで哀悼の意を表します。」と述べられています。これは、沖縄戦で亡くなられた20万余の全戦没者に対し追悼されたものと理解しています。
 次に、同じく知事の政治姿勢についてで、戦没者追悼式になぜ米軍のトップを招待したのか、次に軍服姿での参列は異常だと思うがどうか、来年は米軍のトップを招待することはやめるべきではないかと、この3つの御質問、関連いたしますので一括してお答えします。
沖縄全戦没者追悼式は、さきの大戦でとうとい命を落とされた人々について国籍、立場を超え、すべてのみたまを慰霊、追悼するとともに、世界の恒久平和を願う趣旨で開催してきました。
沖縄戦では、多くの米軍人・軍属及び民間人も命を失ったことから、これまで米国関係者として在沖米国総領事夫妻を招待しております。今回、四軍調整官を招待したのは、参列していただき、県民の平和を求める心をぜひ肌で感じ取ってほしいと思ったからです。
 服装については、参列者の意向を尊重しております。
 次に、沖縄経済の振興問題について、さとうきびの価格補償制度が廃止され、沖縄農業に壊滅的打撃を与えることが予想される、対策はあるのかとのお尋ねでございます。
 さとうきびの価格については、これまで「砂糖の価格安定等に関する法律」に基づく最低生産者価格制度により決定されてきました。同法は、平成12年6月に「砂糖の価格調整に関する法律」に改正されていますが、最低生産者価格制度そのものは堅持されています。
 同法の改正に伴う最低生産者価格の算定方式は、従来のパリティー方式を改め、生産費その他の生産条件、砂糖の需給状況等を参酌し再生産を確保する仕組みになっております。県としては、今後とも適正な農業所得を確保し、再生産が可能な水準に生産者価格が設定されるよう国に対し強く要請する考えであります。
 また、さとうきびの生産性の向上を図るためかんがい施設等生産基盤の整備を初め機械化の促進、優良種苗の増殖普及、担い手の育成等諸施策を総合的に推進しているところであります。
 特に、さとうきび作の担い手となる借地型大規模経営体の育成については関係者が一体となって取り組んでおります。現在、沖縄本島に2法人、離島に6法人が設立されており、平成15年度までに46法人を育成する計画であります。
 次に、沖縄経済の振興問題について、総括をきちんとした上であくまで沖振法に基づく計画を策定し、その内容については広く県民の声を集約してまとめるべきだと思うがどうかとのお尋ねでございます。
 本県は、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく施策の総合的な展開により着実に発展してきました。
 しかしながら、厳しい雇用情勢、財政依存度の高い経済構造、広大な米軍施設・区域の存在など依然として解決すべき多くの課題を抱えております。
 本県が財政依存の経済構造から脱却し、21世紀の早い時期に自立型経済を構築するとともに、基地跡地の円滑な利用等を促進するためには沖縄振興開発特別措置法の延長では限界があります。このため新たな沖縄振興法の策定に当たっては、沖縄振興開発特別措置法における特別措置のうち必要なものを承継するとともに、新たな時代に対応した新たな理念、施策を盛り込んでいく必要があると考えております。
 また、新たな沖縄振興計画に盛り込む内容については、広く各界各層の意見を求め、県の基本的な考え方を取りまとめた上で政府に対して要望していきたいと考えております。
 次に、県財界を中心に沖縄経済の自立と結びつけてカジノ構想を沖振法の中で位置づけるべきだという主張があるが、見解を伺いたいというお尋ねでございます。
 カジノ構想につきましては、民間団体等において研究、検討がなされていることは承知しております。また、沖縄県振興開発審議会の意見書においても検討するよう意見が出ております。
 県といたしましては、現在のところカジノ設置に向けた検討は行っておりませんが、新たな振興計画の策定と新たな沖縄振興法の制定に向けてカジノ構想についても沖縄県振興開発審議会の意見も踏まえ広く各界各層の御意見を賜りながら、検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 外間久子議員の米軍基地問題に関する質問事項のうち、北部訓練場のヘリパッド移設で進入路建設のほかに既存道路の改修も行われる予定で環境に重大な影響を与えることが懸念されるが、中止を求めるべきだと思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
 北部訓練場については、ヘリコプター着陸帯を返還される区域から北部訓練場の残余の部分に移設することを条件にSACOで返還が合意されております。
 また、返還に際しては進入路等支援施設を整備することも条件とされており、この支援施設の整備には既存道路の改修も含まれております。
 ヘリパッドの移設場所及び進入路等支援施設の整備に関して防衛施設庁は、平成10年12月から平成12年3月までの間、約1年余の期間を通して環境影響調査を実施しております。現在、調査結果を取りまとめているところであり、報告書がまとまり次第、公表されることになっております。
 また、既存道路の改修については、既存道路を現状のままヘリパッドの移設工事等に係る工事車両の通行に使用すると赤土流出により環境に影響を及ぼすおそれがあることから、必要な部分について道路改修工事を行うものであるとの説明を受けております。なお、幅員についても拡張を行わず既存の幅員で対応するとの説明がありました。
 県としては、国の調査報告書が公表され次第、当該報告書を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項のうち、嘉手納弾薬庫に貯蔵されている劣化ウラン弾の即時撤去を求めるべきではないか、また薬きょうが放置されていた問題は県民に衝撃を与えたが、どこの演習で使用したものか明らかにすべきであるが、その取り組み状況を報告していただきたいという御質問にお答えをいたします。
 5月24日、第18航空団のジェームス・スミス司令官が嘉手納弾薬庫内に劣化ウラン弾を保管していることを明らかにした件につきましては、去る5月31日に私が第18航空団のブライアン・ホーイ広報局長に面会し、保管理由や保管管理方法等について尋ねましたが、同局長からは、在日米軍の指示を得て後日回答する旨の答えがありました。県としましては、鳥島での劣化ウラン弾の誤使用事件以来、県民の間に劣化ウラン弾に対する根強い不安があることから、米軍からの回答を踏まえて適切に対応してまいりたいと思います。
 劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関して、県はマスコミ報道があった5月31日職員を現場確認のため現地に派遣するとともに、米軍及び国に対し放射線調査を行うよう申し入れを行いました。
 また、翌6月1日に外務省、科学技術庁、防衛施設庁から成る調査チームが劣化ウラン弾の薬きょう等の調査を実施した際にも地元市町村等と同調査に立ち会っております。
 さらに、6月2日には在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)に対し遺憾の意を表明するとともに、今回の薬きょうの流出経路や使用場所など事実関係の調査及びその公表等について要請してきたところであり、その際米軍から事実関係等について調査する旨回答がございました。
 また、流出時期について業者が六、七年ほど前に国防再利用売却事務所いわゆるDRMOから購入したと話していることから、6月8日にDRMOを訪ね事実関係について確認しましたが、DRMOでは販売データは2年間しか保管せず確認できない旨返答がございました。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今回の劣化ウラン弾の薬きょうが民間業者へ流出した事実関係の調査及びその公表を求めるとともに、劣化ウラン弾の薬きょうなど県民に不安を抱かせるようなものについては民間地域へ流出させることがないよう米軍において管理の徹底及び適切な処理を講じるよう日米両国政府に対し働きかけていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 沖縄経済の振興問題についての御質問の1つ、沖縄の食糧自給率は幾らか、全国平均は幾らか、2つ、食糧自給率を全国平均に引き上げるためにはどれだけの生産が必要か、3つ、現在の食糧生産をしている農家の平均の生産高で計算すると農業人口は幾らふえなければならないか、4つ、食糧の自給率を50%にしたときの就業者数は幾らかとの御質問に関連しますので一括してお答えします。
 農林水産省の試算によります平成9年の沖縄県のカロリーベースの食糧自給率は35%、全国平均は41%となっております。カロリーベースの食糧自給率の試算は、県内で生産された農水産物のカロリー総量を県民が消費するカロリー総量で除したものであります。このため花卉、葉たばこ等の生産はカロリーベースの食糧自給率向上に寄与しないことになり、本県の自給率は低くならざるを得ない面を持っております。
 そこで基幹作物であるさとうきびに置きかえて自給率を全国平均の41%まで引き上げるために必要なさとうきびの増産量を試算しますと、平成9年産実績に対し約2割、19万トンの増産が必要になります。また、1戸当たり平均規模が現状のまま変わらないと仮定してさとうきびの増産に見合う就業人口の増加を試算しますと、自給率41%では7000人、50%では1万7000人の就業人口の増加となります。しかしながら、現在の零細規模のままでさとうきび就業人口をふやすことは極めて困難な状況にあります。
 このことから、さとうきびの増産対策としては効率的に機械が利用できる適正規模の経営体を育成することが重要であると考えております。
 次に、食糧の自給率を高めるためには生産費の価格補償制度の確立が不可欠の要件であり、規制緩和をやめて保護策を抜本的に強化すべきではないかとの御質問にお答えします。
 食糧自給率の向上を図るためには、担い手の育成・確保や技術の開発、普及などの生産対策を初め適正な栄養、食生活に関する知識の普及など生産から消費までの総合的な対策が必要であります。
 また、国内農業生産の拡大による自給率の向上を図るためには価格対策など一定の保護措置を講ずる必要があると考えております。
 しかしながら、WTO農業交渉に見られるように農産物貿易を取り巻く国際環境は国内保護措置の削減や自由化の一層の推進などが大きな流れとなっております。
 県としては、国際化に対応した活力ある農林水産業の形成を目指して、今後重点的に振興を図るべき安定品目と戦略品目を位置づけた沖縄県農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムを策定しました。さとうきび等の安定品目については保護措置の継続を求めつつ、借地型農業生産法人の育成等生産体制を強化し生産振興に努めております。
 また、野菜、花卉等の戦略品目については拠点産地を育成し市場競争力の強化を図っているところであります。
 次に、特殊病害虫の対策、研究機関の充実、人材育成の実態と強化についてお答えします。
 本県農林水産業の振興を図るには、試験研究機関の充実強化と人材育成は極めて重要であります。試験研究機関の充実強化については、21世紀を展望した特色ある亜熱帯農業の技術開発を目指して農業研究センターの移転整備を計画的に進めているところであります。
 また、人材育成については高度な専門知識を有した人材の確保とともに、国内外の研究機関への派遣研修を積極的に実施しているところであります。
 さらに、特殊病害虫対策として久米島で実施しているアリモドキゾウムシ、イモゾウムシの根絶実証事業では密度抑圧、大量増殖、不妊虫放飼技術など国際的にも評価される一定の成果を得ております。特にアリモドキゾウムシは、野生寄生植物調査において平成12年3月から寄生ゼロの確認がされており、平成13年度には久米島からの根絶達成を目指して取り組んでおります。
 今後の研究体制については、根絶事業の進捗状況を考慮しながら体制強化を検討していく考えであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険の問題につきまして6点御質問ございます。順次お答えいたします。
 介護保険の実施に伴う問題点の把握をどのように行っているか、その実態を報告してくださいという御質問にお答えいたします。
 介護保険制度の実施状況等に関する意見交換会が厚生省において毎月開催されております。
 県においては、各市町村から施行後の状況等について報告を求め、それをまとめて意見交換会で本県における実施後の状況説明を行っています。
 6月上旬までに各市町村から問題点等として報告された主なものを申し上げます。
 まず第1点でございますが、利用者等からの苦情としまして身体障害者に対するサービスでは個人負担がないのに介護では経済的負担がふえた、あるいは要介護認定の結果、他人のそれと比べて不満がある、それから介護療養型医療施設の利用者から契約書の詳しい内容が説明されないまま印鑑を出すように言われたなどがございます。
 第2点目の制度上の問題点でございますが、加算の適用について国保連合会との調整不足で連合会のシステムに情報が反映されない事業所がある、あるいは連合会のシステムが細かくてエラーによる返戻が多く出てくるなどであります。
 第3点目にその他の問題点でございますが、一部の居宅サービス事業者において利用料を減免するなどと称して勧誘している、それから訪問系のサービス事業者から路上駐車許可が得られないため効率的なサービス提供に支障を来している等々が報告されています。
 次に、利用料が高くて従来のサービスを受けていない実数を把握しているのか、その改善のための方策はあるのかとの御質問にお答えいたします。
 介護保険制度のもとでは、要介護度に応じて必要なサービス提供がなされ、利用者はサービスに要した費用の1割を負担することとなっています。利用者から利用料の負担がふえ、サービス提供時間が減ったというケースの報告があります。
 利用料が高くて従来のサービスを受けていないという実態は現在のところ把握されていないので、市町村からさらに詳細な報告を求める等実数把握に努めてまいりたいと考えています。
 次に、要介護認定に対する不服の実態はどうなっているのか、改善はしているのかとの御質問にお答えいたします。
 要介護認定に対する不服については、県に設置されている介護保険審査会に審査請求を行うことができるようになっています。
 平成12年6月末現在、要介護認定に対する不服申し立ては8件ありましたが、そのうち6件については申請者から取り下げがありました。残る2件のうち1件については痴呆があるにもかかわらず要介護度が低く判定されたことに対する不服で、5月30日の第1回介護認定審査会において審査の結果、申し立てが認容されました。残る1件についても同様な内容のケースで7月上旬に2回目の介護保険審査会を予定しています。
 次に、介護報酬の請求が行われても支払われずにトラブルが発生し事業者が窮地に立たされた事態があったが、その原因と対策について伺いたいとの御質問にお答えいたします。
 介護報酬の請求に当たって国保連合会のコンピューターソフトのトラブル等により、4月分の介護報酬が一部の事業者に支払われなくなる事態が生じました。県としましては事業者が窮地に立たされ、今後の事業経営に大きな影響が予想されることから、市長会・町村会長に協力を依頼するとともに、国保連合会に対し概算払い等の要請を行い、また金融機関に対して事業者への短期融資の要請をいたしました。
 国保連合会としても事態の重要性を認識され、緊急的な措置として50万円以上の差し戻しがあった事業者に対して請求の9割分を無利息で貸し付けして次回の支払い額から控除して精算することとしています。
 なお、貸し付けに要する資金は国保連合会が金融機関から借り入れて実施することになっています。
 次に、無年金者の介護保険料の支払いはどうなるのか、県の対策を伺いたいとの御質問にお答えいたします。
 高齢者の保険料については、それぞれの負担能力に応じて徴収されることになっており、年金受給者については年金額が月額1万5000円以上の場合年金から天引きされることとなっています。無年金者についてはそれぞれの市町村に直接支払いすることとなります。
 なお、無年金者等で介護保険料の支払いが困難な者に対しては生活保護法による生活扶助等で対応できるようになっております。
 次に、我が党が申し入れた「介護保険の改善・充実を求める緊急申し入れ」に対する回答を求めたいとの御質問にお答えいたします。
 申し入れのありました事項につきましては、今後とも検討してまいりたいと考えております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 違法・無法選挙についての県議選挙で我が党の証紙つきのポスター約50枚の上にビラが張りつけられた、また総選挙本番に沖縄電力の社員2人が公明党候補の写真入りのビラを配布していた、この事実を確認しているかについての御質問でございます。
 地域・離島振興局の中で選挙事務を担当する市町村課を所管している担当局長としてお答えをいたします。
 本件については、県選挙管理委員会等において処理されるものと考えておりますが、県としてはすべての選挙運動が常に明るく、正しく行われるべきものであると考えております。
 以上でございます。
○選挙管理委員会委員長(川崎正剛) 山川局長からもただいま答弁がございましたけれども、補足いたします。
 外間久子先生の御質問は、去る県議会議員選挙、それから衆議院選挙において違法・無法の選挙があったと、その一つは浦添市でのことでありますが、県選管の証紙つきのポスター約50枚の上に「沖縄の共産党、反対だけが実績です」というビラが張られた、これは公職選挙法に違反するや否や見解を伺いたいということでございます。その2つ目は、総選挙本番に公明党候補の写真入りビラを「21世紀 未来をひらく会」の動員で沖縄電力会社の社員2人がビラを配布していたと。この事実は公職選挙法に違反するや否やということでありまして、その点についての所見を述べて、意見を聞かせてくれということでございます。
 そこで、選挙の際の文書図画の頒布、掲示につきましては、県選挙管理委員会といたしましては候補者説明会などでこれを適法に行うように呼びかけてきたところであります。
 また、選挙期日の告示及び公示後に県議会議員選挙につきましては1政党──政党名を明らかにしませんけれども──61名の候補者に対しまして、また衆議院議員総選挙におきましては6つの政党、1つの団体、12名の候補者に対しまして違法文書の撤去命令を出したところであります。
 御質問のポスターの上にビラが張られた件ですが、当該行為が選挙に関してなされたものであればもちろん公職選挙法第225条第2号に規定される「選挙の自由妨害罪」、また選挙運動員がビラを配布した件につきましてはこれは公職選挙法の第146条に規定される「文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限」に抵触するおそれがあります。
 ちなみに自由妨害罪、225条の所定するところはこれの罰則規定がありまして、4年以下の懲役または禁錮、100万円以下の罰金とこういうように規定されております。
 以上であります。
○警察本部長(西村泰彦) まず、米軍犯罪の身柄の状況についての御質問にお答え申し上げます。
 昨日逮捕いたしました米軍人につきましては、本日、住居侵入と準強制わいせつの容疑で那覇地方検察庁に身柄つきで事件を送致しております。
 なお、この際に拘留請求を求める意見を付しておりますので、那覇地方検察庁におきまして今後の身柄につきましては適切に対処していただけるものと考えております。
 それから、米軍からの身柄引き渡しの要求についてはございません。
 続きまして、県議選でのポスターのビラ貼付事案、それから総選挙におきますビラ配布事案に関しまして告訴をしているがどう対処しているかという御質問と、それから違法・無法選挙と言われた事態についての県警の見解を問うという御質問に対しましてお答え申し上げます。
 警察におきましては選挙の自由と公正を確保するため、県議会議員選挙につきましては5月29日、衆議院議員総選挙につきましては6月3日にそれぞれ警察本部と警察署に選挙違反取り締まり本部を設置し、厳正かつ公正な違反取り締まりを実施したところであります。その結果、県議会議員選挙に関しましては現金買収2事件、供応接待1事件等について5人を逮捕し17人を任意送致したところであります。
 また、文書掲示違反、文書頒布違反等の行為に対し県議会議員選挙関係で226件、衆議院議員総選挙関係で137件の警告を発しております。
 御質問の件に関しまして、県議選におけるポスターへのビラの貼付の件につきましては浦添警察署において告訴を受理し、現在所要の捜査を行っているところであります。
 また、御質問の衆議院議員選挙立候補者の写真入りのビラの頒布の件につきましては、110番通報を受けて事案を認知したものでございますが、所要の事実確認を行った後公職選挙法違反と認め警告を発しております。
 本件についての告訴・告発を受理した事実はございません。
 なお、本件とは異なる事案で同候補者の選挙運動用ビラの頒布事案につきまして那覇警察署において告発を受理し、現在所要の捜査を行っているところであります。
 選挙違反の取り締まりを通じて選挙の自由と公正の確保に寄与することは警察の責務であります。警察といたしましては今後も選挙の自由と公正の確保に寄与するため、不偏不党、厳正公正な違反取り締まりを行う所存であります。
○外間 久子 答弁漏れです、休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後7時53分休憩
   午後7時56分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩いたします。
   午後7時56分休憩
   午後7時57分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 商工労働部長。
   〔商工労働部長 當銘直通君登壇〕
○商工労働部長(當銘直通) 沖縄経済の振興問題についてということで、地場産業などの振興を図る上で研究機関の充実、人材育成が重要であるが、その実態と強化策についてお伺いしますということについてお答えします。
 近年、農水産業と地場産業とが密接に連携している健康食品産業が健康志向の高まりを背景に県外出荷を中心として著しい成長を見せております。これは琉球大学、沖縄県工業技術センター、トロピカルテクノセンター等の研究機関において亜熱帯資源としての農林水産物の高度利用による研究が進められ、その成果をもとに付加価値の高い商品としてウコン、モズク、アロエ等が健康食品として商品化されています。
 沖縄県の産業創造アクションプログラムにおいても将来の中核産業として食品産業を位置づけており、今後食品産業の高度化を進め地域の資源を活用した特色のある産業を振興していくために亜熱帯生物資源の有用物質の分析、抽出技術の確立に向け工業技術センターやトロピカルテクノセンターの機能の強化を図ってまいります。
 研究機関の充実につきましては、移転拡充された工業技術センターの施設を最大限に活用し、地域技術振興の中核としての機能を発揮するため研究員の増員、招聘嘱託研究員の人材の確保及び地域コンソーシアム研究事業等の産・学・官の連携により研究開発体制を強化してまいります。
 以上でございます。
○外間 久子 15年の問題なんですけれども、知事がいろいろ主張なさるのは結構なんですが、これまでの経過からしますとこの15年の問題の裏づけとか返還のめどというのはやはりたっていないわけですよね。そんな中で新しい基地をつくらせるということですか。それはあなた自身、知事自身の公約とはどんなふうな関係になるんですか。
 あと1点、さとうきびの問題ですけれども、先ほどいろいろと大丈夫だという知事の答弁なんですが、やはり今度法改正されたもので沖縄が来年度のさとうきびの価格は現行よりも上がるのか下がるのか、計算してください。
○知事(稲嶺惠一) ただいま矛盾してないかというお話がございましたけれども、それについてお答えいたします。
 普天間飛行場の移設先について県の考え方は、既存の米軍施設・区域内に移設するものであり、また施設の規模においても縮小されることから、沖縄の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、基地の整理縮小を着実に進めることができるものと考えております。
○農林水産部長(小那覇安優) 再質問にお答えします。
 「砂糖の価格調整に関する法律」に改正されまして、算定式は、まずは前年産価格にそれに国産糖価格の変動率にある係数を掛けて、0.5という係数を掛けて、生産コストの変動率に0.5の係数を掛けて算出することになります。
 次年度の価格を算定する前年度産というのは、ことしは最低生産者価格2万140円に高品質安定生産推進費の290円を加えた2万430円に先ほどの係数を掛けていくという算定式になります。
 ですから、ことしの価格は最低生産者価格を2万160円にパリティー指数の係数を掛けてきたわけです。ですから、価格それ自体はさほど変動しないようなものになるというふうに理解しております。
 ただ、あくまでも現時点での試算でございますので、具体的に国が示す価格は我々としては当然再生産が確保される価格になるよう要請をしていきます。
○知事(稲嶺惠一) 再質問にお答えします。
 県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
 基地の提供責任は日本政府にあるということから、県としては基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えております。
○外間 久子 知事、国が言うのは当然ですよ。国の方針はわかった。だけどあなた自身の、知事自身が15年の公約を掲げたんですけど、それは国の責任にするんだと、今の答弁だと政策の変更になるんですか。それが1つ。
 あと1つ、それから農林水産部長、やはりこれは国に対して要請するというけれども、今の法改正では大変困難な問題。どんな形で沖縄のきび作農家を救済するんですか。県としてやるのかどうか。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後8時8分休憩
   午後8時9分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の再々質問にお答えをいたします。
 15年の問題につきましては私の選挙公約ですから、今後とも15年期限つきを移設に当たっての整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れておりますので、今後とも解決できるよう強く求めてまいります。
○農林水産部長(小那覇安優) 再々質問に対してお答えします。
 まず、「砂糖の価格安定等に関する法律」第21条では、農業パリティー指数に基づき算出される価格を基準とし、物価その他の経済事情を参酌してさとうきびの再生産を確保することを旨として定めるとなっているんです。
 そして、新しい「砂糖の価格調整に関する法律」第20条で、さとうきび生産費その他の生産条件、砂糖の需給事情及び物価、その他の経済事情を参酌し、さとうきびの再生産を確保することを旨として定めるということで、算定される基礎になるのはまずは前年度産糖価格ですね、さとうきび価格、それから国産糖価格の変動率、それから生産コストの変動率、この3つのファクターが価格算定の基礎になります。
 それで、先ほども申し上げましたけれども、平成12年―13年産は、要するに2万430円を基礎に出発します。ことしの農家手取り額は前年度産になしますということで、去年の末の価格要請のときに決定されておりますので。
 そして、国産糖価格の変動率については、為替や輸入価格等の変動等の外的要因を除いて算定しますという条件がつきます。
 それから生産コスト等の変動率、これについては変動を緩和しますと。
 それから、家族労働費の動向については、家族労働費が生産費のうちで大きな部分を占めていることなどの実態を考慮し、その変動を緩和するようにしますと。
 それから、災害等の影響を除くというふうなことで現実的に大きな変動がある場合は、ある一定の条件を参酌するという条件は旧法でも新しい法律でも変わりません。基本は、要するに再生産を確保する最低生産者価格を維持するということには変わりないというふうに理解しております。
 以上でございます。
○外間 久子 知事、いずれにしても県民は知事の公約の15年というのはみんなが知っていますから、やはりこの15年というのをきちっとどう守らすかというのが一つあなたの課題だと思うので、ひとつやっていただきたい。
 さとうきびの問題、やはり私たちの計算では405円来年は安くなります、沖縄のきび価格は。
 そうするとどこで救済するかということで価格、いろんな国産品の入札の問題だけれども、これをやったらますますさとうきびは安くなるような方式になっているんですが、あとは一般質問に引き継ぎますけれども、本当に沖縄の基幹産業のさとうきび問題をどうするかというのが一つ課題になってきますから、前向きにきちっと答弁していただきたいと思います。
 要望して終わります。
○平敷 昌一 代表質問の締めくくり、アンカーの役を県民の会が務めます。時間も随分遅くなっておりますし、軍特が控えているそうでありますので、質問は簡潔明瞭にして有終の美を飾りたいと思います。
 1番目、21世紀の選択と言われた県議選挙及び衆議院議員選挙について質問をいたします。
 戦後50年余が過ぎ21世紀を目前にして我が国は大変な時代、大変革の時代を迎えていると思います。すなわち戦後、我が国が積み上げてきたさまざまな常識、やり方、シナリオをこれ以上続けていたら、我が国は破局への道を進むのではないか、また我々の生活が破滅するのではないかと思われる出来事が次々と起こってまいりました。
 例えば、強い日本の象徴とも言えた証券、銀行が崩れ、銀行不倒の神話も崩壊し、一方また少子・高齢化の進行で年金も危うい等々、ここに来て経済だけでなく政治、社会のすべてのシステムが50年余を経て制度疲労を起こし、抱えてきた矛盾が表面化してきたとしか思えない現象が出ております。
 それに対し、政治、行政は直面するこうしたさまざまな危機に適切に対処する明確な処方せんを示し得ず、またリードする能力を発揮できずに混迷から脱却できないまま引きずってきたのではないかと思います。
 中でも、このところの中央政界の動向はただ人脈によって離合集散を繰り返し、分裂と結合を繰り返すだけで、政党の機軸を明確に示し得ていないために国民の政治不信を招いた大きな要因になっているのではないかと思えてなりません。
 さて、このような状況の中、今世紀最後の県議会議員選挙と衆議院総選挙が先月行われました。このたびの県議選挙は21世紀初頭の我が県の政治路線を占うことになりますが、その焦点は、1つに、稲嶺県政誕生後の初めての選挙であり、稲嶺県政評価となること、2点目、与野党の勢力分野が逆転するかどうか、この2点が大きな焦点となるものとマスコミも論評されてきたわけであります。その21世紀の選択である県民の審判は下されました。結果は御案内のとおりであります。
 さて、そこで質問ですが、(1)番目、国政では安定多数、県政では絶対安定多数の政治潮流となりましたが、そのことに対する知事の御所見をお聞かせください。
 (2)点目、選挙結果を受けた後の県内政党枠組みについて知事の御所見を承りたいと思います。
 次に、ここで我が会派「県民の会」のスタンスを明確にしておきたいと思います。
 県民の会所属議員は、もちろん特定政党に属しておりません。したがって党則なり綱領なりを持たないフリーハンドの集団であります。ただ一つ判断基準、行動基準は、会派の名称のとおり県民の視点で判断し行動するということであります。県民の利益を守り、県民の権利を擁護することを優先するという基本理念は堅持していきたいと考えております。
 ところで、我が国の政党政治に明確な形で変革をもたらし今日の混迷状態の要因をつくったのは、93年の細川政権の誕生とそれに続く村山内閣であったと思います。すなわち、一方の極に自由社会を守るという理念を掲げた政党と、他方、社会主義国家を目指すことを精神とした政党、すなわち自民と社会両党の対立を軸とするいわゆる55年体制が崩壊し、まさかと思われた水と油の関係が結合してしまったわけであります。その結果、対立軸は目標を失い分裂と結合を繰り返すのみで、明確な政党枠を見出し得ないまま間もなく20世紀が終わろうとしているわけであります。
 したがって、私はイデオロギー対立、保革対立、与野党対立という伝統的な政治構図や過去の意識構造はもはや遺物でしかなく、否定されつつある過去ははっきりと乗り越えるべきであると考えます。
 我々無所属議員は、今年1月に施行された政治資金規正法の改正の結果、選挙に際し政治資金の調達に不利となり、政党所属議員がうらやましい限りでありますが、ただそれだけのことで現在の既成政党政治の惰性に甘えられず、あえて有権者の過半数を超えた無党派層が存在する現実と、フリーハンドを確保したいため無所属の立場を通しているわけであります。
 そして、県議会においては稲嶺県政の政治姿勢を了として、県政を支える基本的立場はとりつつも、是々非々で県政運営を県民の視点からチェックしていく姿勢を貫いていきたいと考えております。
 こうした県民の会のスタンスについて明らかにしてまいりましたが、知事、何か御所見があればお聞かせを願いたいと思います。
 2点目、基地問題であります。
 次に、基地問題を取り上げてみたいと思います。
 復帰後歴代の県政は、基地問題を最重要課題としてその解決に努力をしてこられました。しかし、目に見える形での解決は見られなかったのもまた事実であります。
 そのような中で日米両政府が努力し、次善の策としてSACOで11施設の返還が合意され、基地の整理縮小を求める県民の願いに合致するものと評価されました。しかし、施設・区域が返還されただけで基地問題が解決したことにはならないのであります。
 すなわち、基地返還に伴って、1つ、軍用地主の生活保障をどうするのか、2つ、返還跡地の利用促進をどうするのか、3つ、基地従業員の再雇用を含めた生活保障をどうするか、以上の3点が同時並行して解決しなければ基地問題が解決したことにはならないと思います。基地の整理縮小を進める場合、私はこの3点セットの解決が必要条件と考えております。
 そこで、以下質問をいたします。
 (1)つ、SACOの合意の着実な実現を図るという場合、さきに申し上げた3点同時並行の取り組みが必要となりますが、そのことについて基本的な考え方をお示しください。
 (2)点目、普天間飛行場は密集市街地に隣接しており、県民の暮らしと安全を守る責任ある立場からキャンプ・シュワブ水域内辺野古沿岸域を移設候補地として選定し国に提示をされました。その判断は理解をいたしております。
 さて、そこで普天間以外のSACO合意施設についても、県は返還促進を図る立場から普天間同様に積極的にかかわり、県の意思として国に提示していかれるかどうか、その考え方を明らかにしてください。
 3番目に、日米地位協定の見直しであります。
 地位協定の見直しについては、知事の選挙公約でもあり、また米軍基地に起因する事件・事故が発生するたびに県及び県議会の要請で幾度となく地位協定の見直しを求めてまいりました。
 これまで論議の的となった問題点の多くが、1960年安保条約と在日米軍基地協定の制定後、およそ40カ年を経過した今日もなお未解決のままであるということであります。
 その間、特に問題となったのが1995年9月に発生した米軍人による児童暴行事件を契機として、同年10月21日に開催された米軍人による少女暴行事件を糾弾し日米地位協定の見直しを要求する県民総決起大会における地位協定の見直しを求める大会決議であります。
 その大会決議を受けて同年11月4日付で当時の村山富市内閣総理大臣あてに地位協定見直し要請として提出をされております。その後、若干の運用見直しはあったものの、県民の求める見直しはなされておりません。
 そのような経緯を経て稲嶺知事は、NATO軍とドイツ国内法の適用を基調とする地位協定、いわゆるボン補足協定を参考に日米地位協定の改正案をまとめ、近く日米両政府に要請されるようでありますが、そこで以下質問をいたします。
 (1)点目、95年県民大会で決議され、当時の大田知事が要請された内容と今回の改正案とどこがどう違うのか、説明をお願いします。
 (2)点目、今回の要請を実効あらしめるためにどのような手法、アクションをとっていかれるかを説明を願います。
 (3)番目、今回の地位協定の見直し要求は長年の懸案であり、県民要求であります。何としても実現させなければなりません。そのことについて知事要請だけにとどまらず、県議会においても県民意思として意見書なり何らかのアクションをとるべきだと私は考えますが、今回の改正要請について知事の決意と見通しのほどをお聞きいたしまして質問を終わります。
 ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 平敷昌一議員の御質問にお答えいたします。
 最初の21世紀の選択と評された今回の選挙結果についてで、このたびの選挙で国政、県政ともに安定多数と評されたことに対する所見についてのお答えでございます。
 このたびの衆議院議員選挙において、県内では県出身国会議員が前回選挙で獲得した6議席を引き続き確保することができたことは喜ばしいことであります。
 全国的に見ると、自民・公明・保守の連立3党が過半数を上回る議席を確保して連立政権が継続されることになり、直前に迫った九州・沖縄サミット首脳会合の開催や沖縄振興開発について政府が引き続き強力に取り組んでいただけるものと考えております。
 また、県議選においては私の政策を支持していただける方が数多く当選したことは心強い限りであります。
 続いて、同じく今回の選挙結果について、県議選後の県内政党の枠組みについての所見の御質問に対するお答えでございます。
 今回の県議選後、自民党、県民の会及び公明党の皆様には県政与党としてともに政策の実現に取り組んでいただくこととなりました。
 県政を進める上で県議会と執行部は車の両輪のようなものであり、今後とも県議会与野党の皆様の御協力を得て自立型経済社会の形成、米軍基地問題など県政の諸課題の解決に向けて全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 続いて、県民の会のスタンスについての所見を聞きたいとのお尋ねでございます。
 県民の会の判断基準、行動基準は「県民の視点」ということであり、これまでもこのような視点から是々非々主義の姿勢で御指摘や御提言をいただいてきたところであります。今後とも県民の会には県政の諸課題の解決のために御指導、御協力を賜りたいと思います。
 続きまして基地問題について、施設・区域の返還に伴って軍用地主の生活保障、返還跡地の利用促進、基地従業員の再雇用をどうするかの3点が同時並行して解決されなければならないけれども、基本的な考えを聞きたいとのお尋ねでございます。
 基地問題の解決に向けては、国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境の保全、経済振興策等を検討したトータルな視点から現実的に対応していきたいと考えております。
 国においては、昨年12月28日の閣議で沖縄県における米軍施設・区域の整理・統合・縮小を着実に推進するに当たって跡地利用の促進及び円滑化のための措置、法制の整備、駐留軍従業員の雇用の安定の確保についての方針を決定しております。現在、閣議決定の具体化に向けて国や県、関係市町村の間で協議検討が行われているところであり、県としては今後国を初め関係市町村等とも連携しながら閣議決定された方針が具体化されるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題について、普天間飛行場の移設について県は主体的に移設候補地を選定し国に提示したが、SACO合意のほかの返還施設についても普天間同様に積極的にかかわっていくのかとの御質問のお答えでございます。
 県では、本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、まずSACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。県としては、今後、普天間飛行場以外のSACO合意事案についても国や関係市町村とも連携を密にし、その実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、日米地位協定について、今回の改正要請を実効あらしめるためにどのような手法、アクションをとっていくのか、次の、日米地位協定の見直しは県民の長年の要求であり、その実現についての決意と見通しについて聞きたいとの2つの御質問に一括してお答えいたします。
 県としては、日米地位協定の見直しに関する要請案を取りまとめるに当たっては、広く県内市町村の意見も参考にする必要があると考え、去る6月14日に市町村に対し県の要請案についての説明会を開催いたしました。
その際、県の要請案に対する市町村の意見の提出を依頼し、現在その取りまとめ作業を行っているところであります。
 県としては、これらの意見等を踏まえながら庁議を経た上で要請案を決定し、サミット終了後できるだけ早い機会に日米両政府に対し要請したいと考えております。
 その際は、県議会や県選出国会議員の皆様方を初めとする関係各位の御理解と御協力を得ながら取り組んでいきたいと考えております。
 また、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)においても同様の内容で日米地位協定の見直し要請を行う予定であります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 平敷昌一議員の日米地位協定についての質問事項のうち、95年県民大会で決議され、当時の大田知事が要請した内容と今回の要請案と異なる点は何かという御質問にお答えをいたします。
 平成7年11月の要請事項と今回の要請案との主な相違点について申し上げますと、前回の要請では、米軍基地の環境問題について航空機騒音及び環境保護に関して国内法を適用する旨の要請を行いました。
 今回の要請案では、環境問題について日米地位協定の中に環境保全に関する条項を新たに設け、米国は環境保全に関する日本国内法を遵守すること、環境影響評価(アセスメント)やモニタリングの実施及び環境汚染が明らかになった場合の環境浄化を実施することとしたほか、施設及び区域を返還する際には日米両政府が共同で環境調査を行い、原状回復措置等を実施する旨明記することを検討しております。
 また、新たな要請事項として、米軍人等に支払われる給料等に対して日本の裁判所の強制執行ができるようにすること、施設及び区域内における事件・事故が発生した際の速やかな情報の提供及び演習、訓練等の実施に対して日本国内法を適用することなどについて検討しているところでございます。
 以上でございます。
○前島 明男 議長、ちょっと休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後8時36分休憩
   午後8時37分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明5日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後8時37分散会

 
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