平成12年(2000年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 7月 5日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 昨日、宮平永治君外15人から、議員提出議案第1号在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する意見書及び議員提出議案第2号在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する抗議決議の提出がありました。
 次に、本日、知事からお手元に配付いたしました議案3件の提出がありました。
 次に、説明員として出席を求めた公安委員会委員長尚弘子君は、別用務のため本日から7日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び7日の会議に公安委員会委員比嘉良雄君、明日の会議に同湖城英知君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) この際、お諮りいたします。
 昨日、宮平永治君外15人から提出されました議員提出議案第1号在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する意見書及び議員提出議案第2号在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する抗議決議を日程に追加し、一括議題といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号を日程に追加し一括議題とすることに決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 議員提出議案第1号 在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する意見書及び議員提出議案第2号 在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する抗議決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 宮平永治君。
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   〔議員提出議案第1号及び第2号 巻末に掲載〕
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   〔宮平永治君登壇〕
○宮平 永治 ただいま議題となりました議員提出議案第1号及び第2号について、提出者を代表いたしまして一括して提案理由を御説明申し上げます。
 去る7月3日午前4時45分ごろ、沖縄市において米海兵隊普天間基地所属の上等兵が民家に侵入し、就寝中の女子中学生にわいせつな行為を行うという事件が発生し、県民に大きな不安と衝撃を与えております。
 本県においては、米軍による事件・事故が多発し、米軍に対する県民の不信と不満は頂点に達しております。
 私たちは、5年前の女子小学生暴行事件に対し県民総決起大会をすべての立場を超えて成功させ国内外にアピールし、大きな反響を呼び起こすことができました。
 平成10年には米兵による女子高校生ひき逃げ事件が発生し厳重に抗議したにもかかわらず、今回5年前の女子小学生暴行傷害事件を想起させるような事件が発生したことは、怒りを感ずるとともに断じて許されるものではありません。
 以上、申し述べた理由から、今回の住居侵入及び就寝中の女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に対し厳重に抗議するとともに、米軍人の綱紀粛正と米軍人・軍属による犯罪の根絶、兵員に対する徹底した教育、被害者や家族及び県民に対し謝罪を求める必要があるということで両議案を提出した次第であります。
 意見書を朗読いたします。
   〔在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する意見書朗読〕
 次に、抗議決議につきましては、記の4の「県民に対して謝罪すること。」以外は内容が意見書と同じでありますので、あて先だけを申し上げます。
   〔在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する抗議決議のあて先朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、抗議決議のあて先で在日米軍沖縄地域調整官及び在沖米国総領事につきましては、その趣旨を要請するために米軍基地関係特別委員会を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく措置をとっていただきたいとお願い申し上げます。
 以上であります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号及び第2号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) これより議員提出議案第1号在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する意見書及び議員提出議案第2号在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する抗議決議の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号は、原案のとおり可決されました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) ただいま可決されました議員提出議案第2号については、提案理由説明の際提出者から、在日米軍沖縄地域調整官及び在沖米国総領事については、その趣旨を要請するため議員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、お諮りいたします。
 議員提出議案第2号の趣旨を在日米軍沖縄地域調整官及び在沖米国総領事に要請するため議員13人を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第16号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 小波津浩利君。
   〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 おはようございます。
 国頭からやってまいりました新人の小波津浩利でございます。初めての質問ですので要領を得ないところもあると思いますが、先輩議員並びに執行部の皆さん方には、どうか寛大なお気持ちで御答弁くださいますようよろしくお願いいたします。
 私も通告外でありますが、ただいま決議されました沖縄市で起きた事件について一、二質問をさせていただきたいと思います。
 まず、昨日の知事の答弁を聞いておりますと、私は正直申し上げまして県警本部の対応に比べて県当局のこの事件に対する対応に弱さを感じております。
 その1つに、知事はこの強制わいせつ事件について、沖縄市における住居侵入事件という言い方で事件名を挙げておりますが、この意味するところがあるんでしょうか。私にとっては事件の本質をぼかしているような表現で気になるところでありまして、事件の本質は強制わいせつの目的のために住居侵入を行ったのでありまして、これはあくまでも強制わいせつ事件、悪質な凶悪犯罪としてとらえていく必要があると思います。
 2点目に、県当局の対応ですが、なかなか新聞報道にも見えてこない部分がありました。もう一度これまで県当局がとったこの事件に対する一連の抗議行動、いつ、どなたが、どこに、だれに、どういう形での抗議をしてきたか、再度お伺いしたいと思います。
 私は、再び起きたこの種の事件について、思い出したくもありませんが、一人の少女の尊厳を守ることができなかった行政の責任者として深くおわびしますというこの言葉を今改めて、知事はかわれども知事及び県議会を含めてこの姿勢での対応が必要だと思います。その意味でも知事はみずから四軍調整官を呼び出してでも県民を代表しての強い抗議を行うべきではないでしょうか。
 一方、県教育委員会、教育長に突然ですがお伺いいたしますが、子供を預かる学校現場や県教育委員会サイドでのこの事件に対する対応、それから県警本部長にはその後の事件の進展がありましたら、今日までの経過を簡単に御報告お願いしたいと思います。
 さて、通告の質問に入ります。
 まず初めに、米軍スクールバスの本土業者との運行契約問題についてであります。
 米軍スクールバスの運行については、20数年にわたってこれを請け負ってきた琉球バスにかわりまして、本土の業者が運行契約を落札したことが報道されております。このことは、基地内業務の業者発注のあり方、またバス統合への影響の上から問題であると思います。
 そこでお伺いいたします。
 まず(1)点目に、基地の負担、このような基地の負担を負わされている沖縄にとって、基地内業務の発注や契約については当然地元の業者が優先して行われるべきではないでしょうか。
 (2)点目に、これまで契約は車両部門と運行部門とも琉球バスとの間で一括契約でありました。しかしながら、今回からこれが分離発注されるなど契約形態が変更されました。この変更は、当初から琉球バスを契約から外すための意図があったのではないでしょうか。
 (3)点目であります。車両部門については既に昨年9月、本土大手車両会社――これは三菱自動車と聞いておりますが――が落札をしており、県は事前にこの動きを知っていたのではないでしょうか。また琉球バスとの継続契約について米軍等へ県はどのように働きかけてきたでしょうか。
 (4)点目に、直面するバス統合問題では各社の累積赤字の処理が課題になっております。琉球バスにとってこの米軍スクールバス部門の従業員71人、運行収入年間5億5000万円を失うことにより、今後のバス統合の行方に影響を及ぼすことにならないでしょうか。
 (5)点目でありますが、先日落札したという本土の運行会社、これは車両部門ではなくて今度は運転する従業員の部門でありますが、これは本土のセノンという会社のようであります。本土の運行会社は現在、職安を通して大型一種免許でのパート運転手を募集しております。このことは道路運送法上の定め、すなわち人員を輸送するバスについては大型二種であるとする道路運送法上の定めに抵触しないでしょうか。
 (6)点目、県は契約更新まで残された期間、直ちに琉球バスとの契約継続に向けてあらゆる行政努力を行うべきではないでしょうか。契約更新は8月1日、7月末で切れますので8月からと聞いております。
 次に、ドジャータウン誘致の進捗状況についてであります。
 ドジャータウンの沖縄誘致について、質問書には記載してありませんが、昨年2月、知事が那覇市内のホテルでラソーダドジャース球団副社長に誘致要請、昨年8月、副知事と金武町長が訪米しての球団交渉、去る4月、企画開発部長による金武町議会への説明、6月、ラソーダ球団副社長の来県など球団、地元双方に進出、誘致への機運が高まっております。
 そこで質問をいたします。
 (1)点目ですが、ドジャータウン構想の全体的な概要はどうなっているでしょうか。その中身として4点お願いしたいと思います。施設の概要、年間を通した施設の使途計画、その建設費、そこで雇用される人員。
 (2)点目に、県は前年度予算で調査費を計上しておりまして、今日までどのように執行されてきたでしょうか。
 (3)点目、現段階での沖縄進出に対する県の見通しをお伺いいたします。
 (4)点目、このドジャータウン構想は膨大な施設でありますが、建設費はすべて受け入れ側の負担と聞いております。そこで1点目、そのため金武町は島田懇事業での建設を検討しているようですが、国側はこれを了解しているのか、また県の考え方はどうでしょうか。2点目、イ、他の方法での建設費の拠出方法があるでしょうか。
 (5)、建設後の次の問題はつくった後の施設の管理運営、これをどうするかが問われてきますが、この主体はどのように検討されているでしょうか。
 その中身として運営主体の構成に国、県、金武町など公的機関の参加が検討されているでしょうか。
 イ、球団側も参加するとの報道がありますが、参加する場合のドジャース球団の出資割合等は明らかにされているでしょうか。
 ウ、民間企業の参加見通しについてお伺いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 小波津浩利議員の御質問にお答えいたします。
 まず最初に、住居侵入と言ったではないかと。これは実はこの中で申したのです。この質問についてということの中で入れたわけです。7月3日に沖縄市内で発生した米海兵隊員による住居侵入等事件について県はどう対応したかとの御質問にお答えします。と申しますのは、そのときまだ正式な名称がわからなかったんですが、その後、警察の発表によりまして住居侵入と準強制わいせつ事件ということを申しましたので、以降についてはそのような形でずっと述べさせております。
 それから、答えについてはここではきっちりと言っておりますが、県は本件に関し昨日、アール・B・ヘイルストン在日米軍沖縄地域調整官に対し厳重に抗議するとともに、綱紀粛正及び兵員に対する教育の徹底を含む再発防止について万全を期するよう強く要請したところであります。
 要請に対してヘイルストン中将からは、昨日の事件に関してアメリカを代表しておわびをしたい。米軍としては、兵員に対しこれまで教育プログラムを実施してきたが、事件が1件でも起こることは許されないゆゆしきことであり恥ずべきことである。今後とも教育プログラムを徹底して再発防止に努めたい旨の回答がありました。
 また一昨日、在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)並びに容疑者が所属する第36海兵航空群司令官に対し同様な申し入れを行っております。
 県としては、本事件に関し早急に三者協を開催するよう申し入れたいと考えております。この三者協にヘイルストンも当然入っております。四軍調整官も入っております。
 それでは、次に移ります。
 スクールバスの本土業者との運行契約問題について、その質問の中で、基地の負担を負わされている沖縄にとって基地内業務の発注契約については地元業者優先で行われるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
 本県には、依然として広大な米軍施設・区域が存在しており、県民生活への影響のほか、振興開発を進める上で大きな制約となっております。
 県といたしましては、県内企業の育成及び厳しい雇用情勢の改善を図る観点から、基地内業務についても県内企業に優先的発注をしていただくことが望ましいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(當銘直通) 小波津議員の分離発注へと契約形態が変更されたことに関する件にお答えいたします。
 平成11年9月30日、国防総省教育局太平洋地区サービスセンター調達事務所に契約形態の変更についての理由を確認したところ、米国側の経費節減の一環として公募による入札方式が採用されたと聞いております。
 次に、車両部門については既に県外業者が落札し、県は事前に分離発注の動きを知っていたのではないか、また琉球バスとの継続契約について米軍への働きかけについてでございます。
 米軍スクールバスの車両リース、整備業務と運転業務の分離発注について県が情報を入手しましたのは、車両リース、整備業務の落札が発表された後であります。
 そのため、県としましては県内企業の育成及び雇用の場の確保を図る観点から平成11年12月1日及び平成12年5月18日の2回にわたり米国調達事務所に出向き、契約部長に対しまして運転業務の委託について県内企業への配慮方を要請したところであります。
 次に、琉球バスとの継続契約に向けてあらゆる行政努力を行うべきではないかの件でございます。
 米軍スクールバス運転業務につきましては、公募による入札に付され企業の応札価格により落札企業が既に決定されており、琉球バス株式会社への継続契約を働きかけることは困難であると考えております。
 しかし、雇用への影響が予想されることから、県としてどのような措置を講ずることができるかについて検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 米軍スクールバスの運行契約問題で、バス統合問題に影響を及ぼさないかという御質問についてお答えいたします。
 バス4社の統合については、平成11年6月29日にバス4社間で13年度の規制緩和までに乗り合い部門を統合することの合意がなされ、現在、4社統合委員会の中で新会社の組織、資本、財務、事業規模等について具体的な検討が進められております。
 バス統合の課題は、統合後の新会社が健全経営できる事業計画、収支計画のあり方のほか、各社の債務の処理及び統合に伴う余剰人員の対策等であると考えております。今回、琉球バス株式会社が米軍スクールバスの運行契約を落札できなかったことは今後の4社統合に向けて少なからず影響を与えるものと懸念しており、関係部局等と連携して適切に対応していきたいと考えております。
 同じく米軍スクールバスの運行契約問題で、本土の運行会社は大型一種免許でのパート運転手を募集しているようだが、これは道路運送法上の定めに抵触しないかについての御質問にお答えをいたします。
 従来、米軍スクールバスは琉球バス株式会社が車両と運行を一括して請負していたため、道路運送法第43条に基づく特定旅客自動車運送の許可を必要とし、その運転手は道路交通法第86条第1項の大型二種免許の所持が必要でありました。
 しかし今回の契約は車両リース、メンテナンス部門と運転部門が別契約になっており、平成11年8月に車両のリース、メンテナンス部門の入札が行われ、県外企業が落札をしております。
 運転部門の契約に関し、沖縄総合事務局に確認したところ、去る6月に落札した企業が行う業務は大型車両の運転請負であり、道路運送法第2条第3項の旅客自動車運送事業には該当せず、同法には抵触するものではないとのことであります。
○企画開発部長(与儀朝栄) ドジャータウン誘致の進捗状況について、施設の概要、年間を通した使途計画、建設費、雇用人員等ドジャータウン構想の概要がどうなっているのか、また現段階での沖縄進出の見通しはどうかについて一括してお答えいたします。
 いわゆるドジャータウンは、野球場や宿泊施設などを備えた野球をテーマとした複合施設で、ギンバル訓練場返還跡地の有効利用を図りたい金武町側の意向とアジア地域でドジャータウンを展開したいアメリカ大リーグ球団のドジャースの意向が一致したことから、金武町が建設事業主体として検討が進められているものであります。
 なお、この件で当球団のトム・ラソーダ副社長は去る6月12日知事を表敬訪問した際に、「ギンバル訓練場の返還跡地に建設することを前提に、資金や人材を含め運営主体に参加する意思があること」を表明しております。
 次に、同じくドジャータウン誘致の進捗状況について、県は前年度予算で調査費を計上しているがどのように執行されたのかについてお答えいたします。
 県は、平成11年度においてドジャータウン設置に向けた基礎資料を得るために金武町と共同で委託調査を行ったものであります。現在、金武町においては当該報告書を参考に米軍基地所在市町村活性化特別事業の活用を前提とした事業計画策定の準備をしていると伺っております。
 次に、同じく誘致の進捗状況で島田懇事業で建設を検討しているようだが国側は了解しているのか、また県の考え方はどうか、他の拠出方法があるのかについて一括でお答えいたします。
 金武町としては、米軍基地所在市町村活性化特別事業いわゆる島田懇事業で建設すべく検討しており、当該事業を所管している内政審議室沖縄問題担当室と調整を行っております。
 県としては返還跡地の有効利用と観光・スポーツの振興が図られること、特に西海岸側に比べリゾート開発等がおくれている東海岸側の開発という観点から、この事業の推移を注意深く見守っているところであり、円滑な事業実施に向けて協力していきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(西村泰彦) 沖縄市におきます米軍海兵隊員による犯罪につきましてのその後の進展状況ということでございますが、昨日逮捕罪名すなわち住居侵入罪と準強制わいせつ罪の容疑で身柄つきで那覇地方検察庁に事件送致をしております。那覇地方検察庁において今後の身柄措置について適切な対処がなされるものと承知しております。
 県警といたしましては、今後とも捜査を徹底いたしまして本事件の全容解明を図っていきたいと考えております。
○教育長(翁長良盛) 小波津議員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 今回の米軍人の犯罪行為につきまして私どもはコメントすることができませんでした。と申し上げますのは、この短期間の中で県内の児童生徒が加害者となり、また被害者となって大きな問題を醸し出している中で、それを防止しようということで関係機関・団体が一生懸命に今立ち上がっているところでございまして、そういうさなかにこの一報が入ったものですから、私どもは何と申し上げていいか、そういうことでコメントできませんでした。
 さらに加えて数年前の忌まわしい事件を想起するわけでございまして、私どもは厳しい環境にある子供たちをすべていい方向に育てていく必要がございますので、このような行為は絶対あってはならないし許されるものではないと考えておりますので、県の教育委員会といたしましても臨時の県教委を早急に開催いたしましてそのことについて強く抗議行動を展開してまいりたいと、そういうことで進めているところでございます。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 先ほどちょっと1つ抜けておりましたので、失礼いたしまして追加させていただきます。
 同じくドジャータウン誘致の進捗状況について、建設後の施設の管理運営主体はどのように検討されるのか、運営主体の構成に国、県、金武町など公的機関の参加が検討されているのか、球団側も参加するとの報道があるが出資割合等は明らかにされているのか、民間企業の参加見通しはあるか等について一括してお答えいたします。
 この事業の成否は、国内外の球団のキャンプ誘致や野球イベントのノウハウを含め長期的、安定的に運営のできる確固たる管理運営主体の構築ができるかにかかっていると考えております。
 なお、このことについてはドジャース球団を含め国内大手企業の資本参加による管理運営会社の設立を目指しているということは聞いております。
 以上でございます。
○小波津浩利 沖縄市の事件については、答弁、質問外で通告外でありますからもう結構ですが、ただお願いしたいのは私質問もいたしましたが、これは石川副知事が電話で四軍調整官に抗議して済むような問題じゃないと思うんです。ですから言葉はきついんですが、やはり知事が四軍調整官を呼びつけて抗議するほどの意思を表明すべきであると思いまして、それから三者協も結構ですが、今までの三者協の開催を見ておりますと、開催のためにまた時間がかかって本当にこれはいつ開催できるんだろうという時間の問題もありまして、強く申し上げているわけであります。
 さて、米軍スクールバスの問題ですが、なぜ車両と運行を分離して、車両は米軍にリースして米軍所有の形にしておけば基地と民間区域を同じアメリカの子供たちを乗せて通行しているがこの場合は大型一種でいいわけで、以前の場合は大型二種でなければならなかったかというこの理屈がよくわからぬわけであります。これは聞いていてもわからない。
 じゃ例えば、琉球バスの運転手が他社の沖縄バスの車両を借りて運行する形態をとるとするならば、この運転手はみんな大型一種でいいんですか、車両が他人のものであれば。これは米軍がリースして借りているから、運行代行しているから一種でいいというような言い方をしているわけでしょう。きのう来の説明もそう、私の今の答弁もそうですが、ここはもう一度少しわかるように説明をお願いします。
 法的にどこに問題があるか、同じ運行形態には変わりないわけであって、ただ変わったのは車両は米軍にリースしている別会社が変わったというわけであります。運転しているのは会社が変わっても同じ運転形態でありますから。じゃ一種と二種の違い、意義は何なのか。これから考えますと、じゃその子供たちの安全面からすると、この場合では一種でいい、つまり安全の度合いは少し軽視してもいいということになりませんか。
 じゃもしこの方法で民間で、私がさっき言ったような車は他社のもので運転だけを自社でやると、こういう一種での旅客運送が可能になるんでしょうか、そこら含めて再度御答弁をお願いいたします。
 さてそれとの関連であります。どうしても腑に落ちないのは、今回から分離契約したというこの米軍側の意図、これは経費節減と言っておりますが、ちょっとそれとの関連で質問いたします。
 これは思いやり予算で出るんじゃないでしょうか。米軍の単独財源の予算ですか。もし思いやり予算だとすると、この理屈も余り当たらない。こうして契約形態を車両と運行に分離して本土の三菱自動車に落札させる。聞くところによりますと、これは落札額はむしろ琉球バスの方が約5000万ほど安かったという話も聞いております。
 しかし、その裏にまた書類の整備があるんだということも聞いておりますが、一体この書類整備の不備と通常落札額が5000万も琉球バスは低かったとするならば、この落札の意味するものがよくわかりません。そこを含めての御答弁をお願いしたいと思います。
 それから、そもそもこれだけ基地の負担、基地被害を負わされてもう落札契約が決まっているからこれ以上継続契約について困難であるという答弁ですが、私は知事、こういうのがまかり通りますと今後の基地内業務のさまざまな発注関係が単に額だけで争いますと本土の業者がいろんな形で基地内業務に入り込んでくる余地が出てくると思います。
 ここは基地の負担を負わされている沖縄という立場とそれから県内雇用、県内業者を守っていくという立場も加味しながら強い姿勢でやっていただきたいと思います。
 時間ですので以上で終わります。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 小波津議員の再質問についてのお答えをいたします。
 道路運送法第2条第3項によりますと、「「旅客自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、自動車を使用して旅客を運送する」ことというふうになっております。
 今回、米軍がスクールバスを運行する場合の件でありますが、県外企業から車両のリースを受け自己の管理する自動車を自己のために運行するということになりますと、道路運送法上の旅客自動車運送事業には該当しないということでございます。米軍スクールバスは米軍が自己の車両のためと申しましょうか、自己のために運行するいわゆる米軍の自動車、自家用車扱いになりまして、今回の運転分を落札した県外企業はその車両を運転業務を請け負ったということでありまして、この場合も旅客自動車運送業には該当しません。
 したがいまして米軍のスクールバスに限らず一般のスクールバスも同様なことであります。
○商工労働部長(當銘直通) 今回から分離契約したことについてのお尋ね、それから思いやり予算についての件、お答えいたします。
 分離契約をした理由といたしましては、平成11年9月30日、国防総省教育局太平洋地区サービスセンター調達事務所に契約形態の変更についての理由を確認したところ、米国側の経費節減の一環として公募による入札方式が採用されたというふうに聞いております。
 それから予算の形態につきましては、いわゆる米国国防総省予算でございまして、いわゆる思いやり予算ではないと承知しております。
 以上でございます。
○小波津浩利 議長、休憩。答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時59分休憩
   午前11時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 商工労働部長。
   〔商工労働部長 當銘直通君登壇〕
○商工労働部長(當銘直通) 再質問にお答えいたします。
 米軍スクールバス運転業務については、公募による入札に付され企業の応札価格により落札企業が既に決定されており、琉球バス株式会社の継続契約を働きかけることは困難であると考えております。しかし雇用への影響が予想されること、県としてどのような措置を講ずることができるかについて今後努力をしてまいりたいと考えております。
○小波津浩利 議長、休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時2分休憩
   午前11時3分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 平良長政君。
   〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 護憲ネットワークの平良長政です。
 一般質問に入る前に一言申し上げたいと思います。
 またしても米海兵隊員による忌まわしい事件がありました。先ほど意見書、それから抗議決議をしたところですが、その処理をめぐっていろいろあるようです。7月12日の軍特委でいわゆる郵送するか、あるいは本土派遣して手交するかということを決めるということですが、護憲ネットワークとしてはぜひともこれは大変な問題でありますので、サミット前ということで厳しい日程の中でもぜひ本土に派遣をして関係要路にきちっと抗議をすべきだということをまず申し上げたいと思います。
 一般質問に入ります。
 1、国連アジア本部の誘致について。
 平和で豊かな21世紀の沖縄を創造することは県民の願いであり、そのため平和の確保、自立経済の確立、人材の育成は官民こぞって心血を注がなければならない課題であると思います。
 戦後我が国の安全保障政策は、平和憲法のもとで国連重視と日米安保を中心に据えて展開をされてきました。しかしながら、どちらかといえば米国のプレゼンスによる平和、抑止力に依存した安全の確保が重要視され、日米安保を主軸に安全保障政策が展開されてきたと言えましょう。しかしながら、力による平和は相手からの攻撃を触発する可能性があり、国連アジア本部誘致によって力から対話による平和へ徐々に転換していくことが私たち沖縄が目指すべき21世紀の姿だと考えます。
 真の意味で東アジア、ひいては世界に恒久平和をもたらし、日米友好をも強化され、世界に信頼される日本、隣国東アジア諸国からも愛される日本ができ上がり、名実ともに平和を発信する沖縄の誕生となります。
知事は昨年9月定例会における私の質問に対し、東京都、福岡県などの自治体の事例に照らし財政負担を心配しておられましたが、私がここで言っている国連アジア本部は単なる連絡事務所ではなく、国連憲章第9章に規定するところの経済社会理事会と連携関係を有し、本部機能を有する専門機関のことを言っており、紛争処理能力、問題解決能力を持った機関の誘致であり、各機関の集積によりニューヨークやジュネーブに匹敵するアジア本部であります。
 国連の機能強化につながる国連アジア本部でなければ加盟国の賛同は得られません。したがって、各国の分担金に応じて各加盟国が相応の財政負担をしていただくことを前提としており、日本政府にもその点は明確にしておく必要があります。
 ちなみに、国連の年間予算は約1500億円です。思いやり予算が約2700億円、在日米軍の駐留経費の約70%、すなわち約7000億円を日本国民が負担しており、防衛予算が約5兆円であることを考えると、物差しの当て方によっては国連のコストは安全の対価として決して高くないと思料いたします。
 次に、県経済の自立化はどうしても達成しなければなりません。国連アジア本部を誘致することによって国内外の企業誘致がやりやすくなり、また各国の外交官、NGO関係者の出入りが多くなり、観光収入の大幅増も期待されます。国連要員の約7割は地元採用となっており雇用効果が期待でき、基地の跡地利用等効果的な県土の活用が期待できます。何よりも若者に希望を与え、世界に通用する人材の育成が図られます。
 そこで質問をいたします。
 1、昨年9月定例会、ことし2月定例会において国連アジア本部誘致についての私の質問に対し、知事は前向きに検討されるとの御回答をいただきました。また、ことし2月定例会において国連アジア本部の沖縄誘致に関する陳情が全会一致で採択されましたが、国への働きかけを含め県のこれまでの対応と今後どのように取り組まれるのか、御説明ください。
 2、国連改革がサミットの議題の俎上に上っておりますが、沖縄への国連アジア本部の誘致をぜひとも議題に加えるべく知事を先頭に日本政府に働きかけていただきたいと思いますが、いかがですか。
 3、沖縄経済振興21世紀プランに国連アジア本部の沖縄誘致について盛り込むべきだと思いますが、どうでしょうか。
 米軍スクールバス契約変更問題について。
 この契約変更問題が出た直後、昨年の9月定例会で私はこの問題を取り上げ、県の対応をただしました。県の答弁は、「近日中に米軍関係機関に対し入札手続、落札根拠等についての事実確認を行う予定にいたしております。その調査結果を踏まえて適切に対処する考えであります。」でした。
 あれから9カ月が経過し、車両部門に引き続き運転手部門も本土大手業者に渡ってしまうことになります。
 県は今まで何をしてきたのか。雇用状況、経済状況が悪い中、どうして本土業者へ仕事を持っていかれるのを看過するのか。基地は押しつけられ、基地内の仕事まで本土へ持ち逃げされる。知事は、このようなところで政治力を発揮すべきではないか。日米両政府にノーと言える知事を県民は期待しているのであります。今からでも遅くありません。知事は立ち上がるべきです。
 そこで質問をいたします。
 1、米軍バス事業が国際興業より琉球バスに引き継がれてから今日に至るまでの経過を説明してください。
 2、昨年8月、一方的に契約内容が変更され、車両部門と運転手部門が別々に契約されることになったのはなぜか。琉球バス側に大きなトラブルがあったのか。
 3、琉球バスは会社再建12カ年計画の途中にあり、軍輸送部門の業務継続の可否は会社再建の根幹の大問題と考えるがどうか。
 4、軍輸送部門71人の雇用問題について県はどのように考えるのか。
 5、米軍基地は沖縄に押しつけて、仕事は本土大手業者に持っていかせるのは許せない。知事は、日米両政府に毅然とした態度で沖縄の業者(琉球バス)に仕事をさせろと要求すべきと思うがどうか。
 7月20日の嘉手納基地包囲行動について。
 沖縄サミットが開催される7月21日の前日7月20日の午後2時から3時まで、嘉手納基地外周17.4キロを包囲する「基地はいらない 人間の鎖 県民大行動」が行われます。サミット関係者やマスコミなど多くの人々に沖縄基地の現状、沖縄県民の非戦の願いをアピールするこの大行動は、全世界の平和を愛する民衆にアジア・太平洋の軍事拠点の島から平和拠点の島へ、軍事によらない民衆の安全保障、核も戦争もない21世紀を目指す沖縄県民の意思をアピールするものであります。
 この行動に対して知事はどのような所見をお持ちか、お伺いをいたします。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えします。
 国連アジア本部の沖縄誘致について、2月定例会において国連アジア本部の沖縄誘致に関する陳情が採択されたが、これまでの対応と今後の取り組みについて説明してほしいと、次にサミットの議題に沖縄への国連アジア本部の誘致について議題に加えるよう働きかけたらどうか、21世紀プランに国連アジア本部の誘致について盛り込むべきであると思うがどうかとの3つを一括してお答えをしたいと思います。
 国連機関が本県に設置されれば、アジア・太平洋地域の経済発展と平和で安定した国際関係の構築に寄与することができるため、我が国の南における交流拠点の形成を目指す本県にとって大きな意義を持つものと考えております。現在、関係省庁との意見交換や情報収集に努めさせているところであります。
 なお、21世紀プランに盛り込むことについては、21世紀プランの策定が最終段階にあると聞いており極めて困難であるとは考えておりますが、今後とも国連機関の設置の可能性を含め引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、7月20日の嘉手納基地包囲行動についての所見を聞きたいというお尋ねでございます。
 本県に所在する米軍基地に関して県内にはさまざまな意見があり、サミット前日に人間の鎖で嘉手納基地を包囲する行動計画があることについても承知しています。
 なお、その際は嘉手納基地包囲行動をする方々が節度ある整然とした行動をとられることを期待いたしております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(當銘直通) 米軍バス事業が国際興業より琉球バスに引き継がれてから今日に至るまでの経過説明についてでございます。
 米軍スクールバス業務につきましては、昭和51年10月に琉球バス株式会社が国際興業株式会社から引き継いで以来、4年ごとに契約を更新する方式で一括して受注し今年で24年目になります。
 しかし、米国側は経費節減の一環として平成11年に公募による入札方式を採用するとともに、車両リース・整備業務と運転業務を分離して発注する方式とし、琉球バス株式会社を含めた5社の応札により一連の事務手続を進めてきたものであります。その結果、車両リース・整備業務については昨年の8月26日、運転業務については今年6月2日に入札が行われ、県外企業が落札しております。
 次に、一方的に契約内容が変更され、車両部門と運転手部門が別々に契約されることになったのはなぜか、琉球バス側に大きなトラブルがあったのかということでございます。
 平成11年9月30日、国防総省教育局太平洋地区サービスセンター調達事務所に対し契約形態の変更についての理由を確認したところ、米国側の経費節減の一環として公募による入札方式が採用されたと聞いております。
 次に、軍輸送部門71人の雇用問題について県はどのように考えるか、日米両政府に毅然とした態度で要求すべきと思うがどうかについて一括してお答えいたします。
 米軍スクールバス運転業務につきましては公募による入札に付され、企業の応札価格により落札企業が既に決定されており、琉球バス株式会社への継続契約を働きかけることは困難であると考えております。
 従業員の雇用問題につきましては、基本的に企業の責任であると考えておりますが、雇用への影響が懸念されることから、県としてどのような措置を講じることができるかについて検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 米軍スクールバス契約問題についての御質問で、琉球バスは会社再建12カ年計画の途中にあり、会社再建の根幹の大問題と考えるがについての御質問にお答えをいたします。
 琉球バス株式会社は、平成8年1月に那覇地裁で会社整理が決定され、現在、「会社整理12年間収支計画」に基づき平成20年の整理終結を目指して再建に取り組んでいるところであります。今回、琉球バス株式会社が米軍スクールバスの運行契約を落札できなかったことは、収益の減少、軍輸送部門の余剰人員が生ずる等会社整理12年間収支計画の達成に相当影響を与えるものと懸念しております。
 会社再建については、今後の推移を見守りながら関係部局と連携して適切に対応していきたいと考えております。
○平良 長政 まず、国連アジア本部についてですが、答弁は可能性を含め検討するということでありましたが、知事、そういう沖縄の今の状況の中で国連のアジア本部というのがもしいいというのであれば、可能性はきちっと要求する中からできるのであって、可能性が先にあるのではないのではないか。
 聞くところによりますと、外務省も一応耳を傾けているというような状況でありますので、ぜひ可能性を含めということではなくて、要望する中から可能性が出てくるというふうに思いますので、この辺を再度答弁を願いたいと思います。
 琉球バスの問題ですが、まず1番目の歴史的な経緯ですが、国際興業から琉球バスへ業務が移ったのが1976年9月30日ですが、私が聞いているのはその移ったということではなくて、どうして国際興業から琉球バスの会社へ移っていったかというのが大事だろうと思います。
 1971年にいわゆる復帰の前の年から軍の関係労働者の大量の首切りが始まって、当時は全軍労がずっとストライキを打ったりするわけですが、その軍バスもいわゆる第4種の軍雇用員で350人ぐらいいたんですが、どんどん首切りが始まって、それでどうしようもないということで結局184名ぐらいになった時点で琉球バスがそれを、いわゆる過剰人員ですが、すべて184名引き受けてそしてやってきたという経過があるわけです。
 そういうことなので毎年入札ということですが、そういう経過をみんな知っているもんだから琉球バス以外の会社は手を引くというのか、琉球バスに任すと、1社でずっとこれまで23年間やってきたという事実があるわけです。
 だから、そういう歴史的な経緯を無視して契約変更をするというのは大きな問題だろうという意味で歴史的な経緯をお尋ねしたわけなんで、その辺の観点からの答弁を再度お願いをしたいと思います。
 そういう意味では、先ほど小波津さんからもあったんですが、やはり琉球バス外しのために人と車を分離したということではないかというふうに思います。
 実は去年の8月に車の部門で入札が行われましたが、落札をした三菱自動車の入札額は8億7495万3400円、それから琉球バスが8億2166万8749円で、いわゆる琉球バスの方が5300万余り低い価格で入札をしていて、入札制度というのは最低価格の社が落札するというのは当たり前、常識だけれども、それを入札した後から結局却下をするという、不備があったと。これはどういう不備かというと、いわゆる日本文はいいんだけれども、英文が不十分だったと、テクニカルスペックが完全に英訳されてなかった、英文書が不完全だとの2つの理由で却下をされて、入札が済んだ後からですよ。
 もしそういう不十分だったら指摘をして、24年もやってきたわけですから、これが不備だからちゃんともう一回出しなさいと言えばいいわけでしょう。あるいはどうしてもできなければその入札する前に、あなたたちは資格がありませんと言えばいいのに、入札して後からこういうことをしているというのは全くおかしな話で、それは県の見解としてもう一回、なぜ契約変更がなされたのか。あるいは歴史的な経緯から契約変更が妥当であるか。そして却下理由は本当に正当なのかをもう一回答弁を願いたいと思います。
 それから、会社再建の途上にあることは御承知のとおりだと思いますが、いわゆる10%もその軍輸送部門の収入の中で占めているということであれば、再建計画のめどが立たなくなるのではないかと思いますが、これについてはどうでしょうか。
 それから、4社統合問題にも支障が出る、琉球バスが再建できなければ、と思うが、それについても答弁を願いたいと思います。
 それから、いわゆる契約変更で入札について琉球バス会社側は10日以内に不服申し立ての提訴をする、裁判に出すということを言っていますが、それについては承知していますか。
 皆さんは、もう入札も済んだから困難であると言っているけれども、会社側も裁判にも出すと言っているわけであります。それについても答弁を願いたいと思います。
 71人の雇用問題も、結局その会社が再建できなければ800人の全体の雇用問題にも影響するわけで、沖縄の高失業率を考えた場合、一方で首を切って、一方では職安にも6月27日付で時給1000円で、8月1日から来年の7月31日まで1年間の短期雇用ということで職安にも出ておりますし、きのうの新聞にもこういう、「スクールバス運転手募集」ということであるわけです。(資料を掲示)
 考えてみたら、あるでしょう、1000円の時給でパートで雇う会社と、それから常用の会社と入札させたらどこか差が出るのはもう当たり前の話ですが、そういう雇用状況が厳しい中で本当に県はこれをどう考えているのか。
 それから次に、やはり県内企業優先の発注体制をきちっとしないといけない。これは施設局や総合事務局、いわゆる国の事業についてももっと物を言わないといけないと思います。
 大田知事時代にやはり閉塞感があって、稲嶺さんが出て風通しがよくなるという言い方をしているわけですが、しかしその裏でこういうことが起こっているといえば、やはり何も言わない、言えない知事の中で日米両政府はくみしやすしと、なめられているというのではないか。
 そういう意味では、政治力を発揮して今こそやはり骨のあるところを見せてほしいと思いますが、知事の答弁をお願いしたい。
 あと嘉手納基地包囲の問題ですが、県警本部長に、そういう趣旨でやられる、過剰警備ということも心配されておりますので、その辺の御答弁をお願いをしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再質問にお答えします。
 国連アジア本部の問題については、私どもも大変これは毎回申し上げましたように重要な問題だと思っております。国連機関が本県に設置されれば、アジア・太平洋地域の経済発展と、平和で安定した国際関係の構築に寄与することができるため、我が国の南における交流拠点の形成を目指す本県にとって大きな意義を持つものと考えております。
 なお、現在、関係各省庁との意見交換や情報収集に努めているところでありますが、これをもとに検討してまいりたいと考えておりますが、ぜひこれは平良長政議員もおっしゃったように非常に多くの問題がありますけれども、全力を尽くして努力をしたいと思っております。
○商工労働部長(當銘直通) 契約の経過についてでございますけれども、この契約につきましては昨年の8月の件とそれからことしの6月の件、2回に分けて契約が行われております。
 この契約に当たりましては、まず昨年の8月の件でございますが、これは車両整備費用関連の入札でございまして、平成11年8月20日に入札説明会が行われ、平成11年8月26日に入札、同9月15日にその入札結果の通知が行われております。
 なおその際、琉球バスが落札できなかった理由としては、入札条件である技術的な面の説明書等の内容の評価が低かったと聞いております。
 それからことしの6月の件でございますが、米軍スクールバスの運転手等の入札につきましては、入札説明会が平成12年の5月10日、入札が6月2日、入札結果通知が6月26日ということでございます。
 落札できなかった理由につきましては、落札企業に対して相当高額な見積もりであったと伺っております。
 それから、契約の変更につきましては、いわゆる米軍の経費節減の件で契約変更をしたと伺っております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 琉球バスの会社再建問題とそれから統合問題について影響があるんじゃないかという再質問についてお答えをいたします。
 現在、琉球バスは会社整理12年計画を執行中でありますが、その影響が1割程度というような御指摘がありましたが、その件についてどういう影響があるか、今後琉球バスと一緒になってその計画の達成に向けて調整をしていきたいと考えております。
 それから、4社の統合問題は、現在、新会社へ向けて事業計画、収支計画について4社統合委員会、それから専門家を含めた中でその計画を今審査、検討中だというふうに聞いております。
 琉球バスの問題につきましては、バスの4社統合問題とあわせて検討する必要があると思っています。大変に重要な問題でありますから、琉球バス、あわせて県としても十分4社統合に向けての促進ができるように一緒にやっていきたいと思っております。
○警察本部長(西村泰彦) 嘉手納基地包囲行動に関する再質問にお答え申し上げます。
 7月20日に米軍嘉手納基地を人間の鎖で包囲する計画があることは県警としても承知しております。
 県警といたしましては、参加者を含めた通行者の安全確保を図るとともに、包囲行動に伴う各種トラブルの防止など不測の事態に備えるため所要の警戒警備を実施する予定であります。
○平良 長政 答弁漏れがありますので休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時35分休憩
   午前11時39分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再々質問にお答えいたします。
 県といたしましては、県内企業の育成及び厳しい雇用情勢の改善を図る観点から、基地内業務についても県内企業に優先的に発注していくことが望ましいと考えております。
ただいまの問題につきましても、私の方としては今後とも全力を尽くして努力をしたいと思っております。
○商工労働部長(當銘直通) 契約形態の変更理由でございますけれども、米国側の経費節減の一環として公募による入札方式が採用されたと伺っております。
 それから、昨年の8月の入札のときの件でございますが、いわゆる入札は受理されておりますけれども、審査の段階で書類不備ということで却下されたというふうに米側から聞いております。
 それから不服申し立ての件でございますけれども、不服申し立てについては承知をしておりますが、その内容等についてはまだ承知をしている段階ではございません。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 再建ができなくなるんじゃないかという再々質問でございますが、ただいまのこの10%の影響で会社整理12年計画の収支計画がどういう状況かまだ把握をしておりませんので正確にお答えするわけにいきませんが、恐らくその計画の見直しをせざるを得ないんじゃないかというふうに思いますが、今後も県としても再建ができるように努力をしたいと思っております。
○平良 長政 契約変更理由もあるいは却下理由も聞いたんですが、よくわかりません。しかし知事が最後に、全力を尽くすという答弁を聞きましたので、7月31日までぜひ政治力を発揮して、知事も選挙で失業者の解消ということでやっておりますので、よろしくお願いをして期待をして終わりたいと思います。
○高嶺 善伸 こんにちは。
 私は、去る県議選で石垣市区から選出されました高嶺善伸です。稲嶺知事ほか当局の皆さん、同僚議員、県民の皆さんの御指導と御鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。
 また、八重山出身の先輩であります伊良皆議長、御就任おめでとうございます。特に牧野副知事も八重山出身であり、護憲ネットワークの私高嶺も含めて八重山トリオと言われるように元気な八重山、沖縄をつくってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、冒頭で決議いたしました在沖米海兵隊員による女子中学生に対する強制わいせつ事件に怒りを持って抗議を申し上げつつ一般質問を申し上げますので、当局の誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず、空港行政についてであります。
 1つ、新石垣空港建設について。
 新石垣空港建設は八重山郡民の長年の悲願であり、早期着工と一日も早い完成を願うものであります。これまで位置選定をめぐって紆余曲折を経てまいりましたが、学識経験者、地元代表、関係機関代表、合計36名で構成する新石垣空港建設位置選定委員会の選定の結果を踏まえて稲嶺知事は去る4月26日、カラ岳陸上案に決定したと聞いております。石垣市民会館で6月28日開催された新石垣空港全体説明会で地元の石垣市長もその決定を高く評価し早期着工を望んでおられるようであります。御苦労いただいた位置選定委員の皆さん及び関係各位に感謝を申し上げます。
 そこで、カラ岳陸上案についての選定の経緯と知事の御所見をお伺いいたします。
 また、地域住民に対するこれまでの説明会を通して配慮すべき意見はどのような内容であったのか、それへの対応を含めて今後の合意形成の見通しをお伺いいたします。
 次に、県は去る6月30日基本設計を発注いたしましたが、施設規模について住民説明会では滑走路2000メートルで説明していますが、昭和57年運輸省の設置許可の2500メートルで計画すべきだと思いますが、御所見を賜りたい。
 また、既に設置許可をいただいた白保海岸と近接した空域であることを考慮し、空港設置許可申請手続を早め早期着工はできないのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
 次に、位置選定委員会からカラ岳陸上案選定に当たっての条件として白保海域の良好な自然環境の保全措置と周辺の地域振興への配慮が求められておりますが、県はどのように対応する計画なのか、お伺いします。
 2点目、現在の空港整備についてであります。
 まず、現在の石垣空港は第三種空港では旅客、貨物とも全国一の過密空港ですが、滑走路が1500メートルしかなく、ボーイング737─400という150名乗りが就航していますが、天候によって客席や貨物を減らして対応することもあり、安全性の面からも滑走路の改善措置が必要であります。また、滑走路の幅員が狭くUターンにも無理をしている状況でターニングパッドの整備、現滑走路の補強が望まれております。当局の御計画をお伺いしたい。
 また、滑走路の300メートル程度の暫定的な延長措置による安全性の確保と、当面ボーイング767中型ジェット機就航に対応することが当面の旅客・貨物輸送能力の改善に必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 次に、計器着陸誘導装置がないため雨天時や雲が低いときには引き返したり欠航するなど郡民を初め観光客などに多大な御迷惑をおかけし、国際交流による観光・リゾートの振興を図る観点からお粗末だと言わざるを得ません。改善策についてお伺いします。
 次に、利用客の増大と多様化に対応してターミナルビルを増改築してスペースの確保と風雨や炎天下をしのぐ利便性の配慮が急務でありますが、どのようにお考えでしょうか。
 次に、新石垣空港完成後の現空港の跡地利用でありますが、軍事利用への懸念も憶測されることもあり、廃止に伴う跡地利用計画を並行して策定することが地域活性化につながると思いますが、石垣市でも独自に試案を策定した経緯もあり、基本的な県の方針をお聞きしておきたいと思います。
 次に、現空港には解決すべき課題が山積しております。今後の解決策への対応を協議するためにも国、県、市で現空港利活用検討委員会を設置していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、離島住民の利便性として飛行機は必要不可欠な交通手段となっており、与那国空港及び波照間空港の整備は離島苦解消への期待となっており、それぞれ滑走路延長と所要の改善が強く望まれておりますが、御計画についてお伺いいたします。
 次に、八重山圏域における空域の安全性の確保についてであります。
 八重山諸島を東西に二分する格好でFIRという飛行情報区域の境界があり、波照間空港と与那国空港は台北FIR区域になっているため台湾側にフライトプランの許可を受けて離着陸するという状況にあります。
 また、ADIZと言われる防空識別圏の境界が与那国空港を南北に縦断しているため、台湾側からのスクランブル攻撃の危険性と背中合わせの状況にあります。主権国家のはずの日本は、空域の安全性の面で八重山圏域を危険にさらしたままになっています。
 昨年4月26日付の日本乗員組合連絡会議より運輸大臣になされた緊急要請の中に不正常な状態として懸念が表明されております。このような状況をどのように認識しておられるのか、解決への取り組みをお聞かせ願いたいと思います。
 また、飛行情報区域外にある波照間空港と与那国空港には管制通信官がおらず、那覇航空交通管制部による遠隔管制となっており、不測の事態が生じた際の迅速な救難救助活動に問題を生じかねません。地理的な特殊条件を考慮するならば管制通信官の配置が必要だと思いますが、県として政府に実現できるよう取り組んでいただくことを要望しますがいかがでしょうか。
 次に、医療行政についてお伺いします。
 1つ、県立八重山病院について。
 県立八重山病院は、八重山圏域の中核病院として郡民の命と健康を守ってまいりました。近年の観光・リゾート振興、国際交流ゾーンとしての期待から観光客は60万人を突破し流動人口は増加の一途をたどっております。しかし、これまで県立八重山病院では医師不足や設備機能が不備で対応できず、病気を抱えて沖縄本島に通う患者やその家族にとって経済的、肉体的、精神的負担は大変なものがありました。離島だからこそ公的病院を充実して安心して暮らせる医療が必要であります。
 八重山病院では、ことし4月15日から脳外科の医者が2カ月余りも不在となり、沖縄本島の病院に搬送された患者が4人のうち2人は死亡したと聞いております。県の人事にも責任の一端があることを指摘しておきたいと思います。
 また、県立病院の医師不足の原因の一つは、琉球大学医学部の一部の教授が地位を利用し医師派遣を断ったり撤退させたりしていて、このままだと県立病院の医師不足はますます深刻になるという話が聞こえております。琉球大学医学部の建学の経緯からしても、県として県立病院の医師確保の立場から実態を調査してもらいたいと思っております。
 それでは質問に入ります。
 1つ、医療施設としての八重山病院は、増加する一方の患者に対応するため狭隘な病棟をたびたび増築を重ねてきた結果、老朽化と雨漏りで天井はしみをつくったりはげ落ちたり、薬品は水浸しで使えなくなったり、いつ漏電による医療事故が起きないとも限らない状況であります。早急に改築すべきだと思いますが、県立八重山病院の改築計画を示していただきたい。
 次に、離島であるがゆえに患者の病院選択肢は限られており、県立八重山病院への依存度は高く、1日約700名という外来患者と300名を超える入院患者に対応するため医師や看護婦などマンパワースタッフは過労ぎみで、職場条件は劣悪な状況にあります。
 したがって、医師不足が慢性化し、医師定数の半数以上が短期の応援派遣医師という状況にあります。医師確保のためには定数増も含めて抜本的な医師不足解消が急務であります。どのように対応していくか、御所見を賜りたい。
 次に、離島医療で必要不可欠なMRIが未設置です。医療機器も耐用年数が過ぎていたり、必要な器具器材も設置されてない実情で現場は嘆いております。不備な医療機器等の設置計画をお伺いいたします。
 次に、病院予算が少なく、例えば夏場の暑い季節も夜間12時以降はクーラーを停止し、患者や医療スタッフは扇風機を持ち込むという苦情が絶えない状況にあります。それも含めて病院予算の増額措置についてお伺いしたいと思います。 
 次に、離島の診療所等に関する問題であります。
 西表東部の大原診療所は、狭隘で老朽化が激しく診療に支障を来している実情であり、早急に改築が必要です。
 また、小浜島にある診療所の医師住宅は、離島の医療に従事していただく施設としては老朽化も著しく、看護婦宿舎と比べて貧弱で早急に改築が必要です。御計画を賜りたいと思います。
 次に、僻地教育振興についてお伺いします。
 本県の約40%が僻地校と言われておりますが、八重山圏域は離島を抱え、戦後の移民政策の失敗で過疎となっている農村地域の学校はほとんどが複式学級で、児童生徒の適正な人数が確保できずにPTAや教育現場は悩んでおります。小規模校でも地域実情を加味した効果の高い教育を目指して対応が求められております。
 そこでお伺いします。
 1つ、緊急の措置として例えば石垣島北部の伊原間中学校校区、西部の川平・崎枝・富野中学校校区、中部の名蔵中学校校区にそれぞれ県営住宅の建設をしていただきたい。そのことが教員宿舎対応、若者の農村定住を促進し、児童生徒数の確保にも効果大だからであります。
 次に、さらに複式学級の基準は小学校16名、中学校は8名となっていますが、当面基準をクリアできない学校がほとんどです。地域実情を勘案し、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律を沖縄県独自の基準に見直し、複式の解消に取り組んでほしいと思いますがいかがでしょうか。
 そして、段階的な措置として当面複式学級解消のための加配をしてもらいたい。
 次に、学校図書館司書の配置について平成15年より司書教諭の配置が義務づけられますが、どのように配置されるのか、実施方法についてお伺いします。
 ちなみに、定数はその人数分加算されるのか、小中学校への配置は県費負担となるのか、図書館事務員としての司書は今後どのように配置されるのか、お伺いします。
 そして次に、県費負担本務事務職員の完全配置の促進について要望しておきたいと思いますので、御見解を賜ります。
 次に、八重山圏域の振興開発についてであります。
 八重山圏域には、第3次振計の総点検報告書に述べられているように、「我が国の最南西端に位置する地理的条件と貴重な野生動植物を含む優れた自然環境や伝統文化を生かして、農林水産業の振興を図るとともに国際的な観光・リゾート拠点の整備」が必要であるとされております。観光・リゾートの可能性を有望視されていながら、肝心な道路網の整備はおくれており、北部活性化の目玉として開発が予定されている平久保半島の東線の整備、国の観光振興地域指定を受けた川平半島の一周線となる西海岸道路など八重山圏域道路網整備基本計画調査報告書や、八重山地域島おこし計画書でも整備の必要性が報告されております。
 新規事業として早急に整備していただきたいと思いますが、見通しをお聞かせください。
 さらに、新石垣空港と市街地の拠点を結ぶアクセス道路を新設し、新石垣空港建設に先行して整備していただきたいと思います。
 次に、近年、公共工事が八重山において減少傾向にあり、雇用の安定と景気浮揚の動向に離島住民は不安を抱えております。今年度公共工事も一部発注されておりますが、早期発注と地元業者優先発注、それから建設工事における機械、設備等の分離発注に配慮をいただきたいと思います。
 残余は時間の関係で割愛し次回に回したいと思いますが、答弁により補足質問をさせていただきます。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの高嶺善伸君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時59分休憩
   午後1時25分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前の高嶺善伸君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 高嶺善伸議員の御質問にお答えいたします。
 空港行政について、カラ岳陸上案決定についての所見と早期完成への取り組みについての御質問に対するお答えでございます。
 新石垣空港の建設事業は、昭和51年に石垣空港基本計画を策定して以来20年余にわたり合意形成に至りませんでした。
 このような経緯を踏まえ、新石垣空港建設位置選定委員会を設置して検討していただいた結果、カラ岳陸上案が選定され、4月8日に提言がありました。
 位置選定委員会でのカラ岳陸上案選定は、地元の方々が中心となって十分に審議を尽くされた結果であり、地元の合意形成が図られたという意味で大きな意義があると考えています。
 県は、同委員会からの提言を受け、地元の合意が得られる場所で新空港の建設を進めることが早期建設につながるものと判断し、4月26日にカラ岳陸上案を建設位置として決定いたしました。
 今後、空港基本計画を策定し、環境アセスメント等の諸調査を実施するとともに、地権者や地元関係団体の同意取りつけ、市議会及び県議会の議決を経て平成15年度には新空港の設置許可を得、事業着手をして早期建設に努める考えであります。
 次に、自然環境の保全措置と周辺の地域振興への配慮について聞きたいとの御質問に対してのお答えでございます。
 白保海域の良好な自然環境の保全に当たっては、今後、環境検討委員会や工法検討委員会を設置して十分に審議検討していただくとともに、工事着工から完成までの全期間にわたって専門家等による監視体制を組織し、環境保全に万全を期する考えであります。
 また、新空港周辺集落の地域振興については、地元の皆さんの要望も考慮し、石垣市と十分に調整を図りながら検討していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(銘苅清一) 地域説明会での意見の内容とその対応及び今後の合意形成の見通しについての御質問にお答えいたします。
 新石垣空港の建設位置をカラ岳陸上案に決定したことに伴い、建設位置決定までの経緯や今後の調査予定等について地元の皆さんの理解と協力を得るため、これまで地区説明会や石垣市民への全体説明会を行ったところであります。
 説明会での主な質疑は、赤土等流出防止対策やカラ岳切削の問題、新空港周辺の地域振興、道路のつけかえ、事業着手までの調査期間等についてでありました。
 赤土等流出防止対策やカラ岳切削の問題につきましては、環境検討委員会や工法検討委員会を設置して検討する考えであり、新空港周辺の地域振興や道路のつけかえ等については地元の皆さんの要望も十分に考慮しながら対応していきたいと考えております。
 新石垣空港の建設位置は、位置選定委員会での地元の合意形成を踏まえて決定したものであり、今後、同位置でスムーズに事業実施ができるよう地権者を初めとする地元の皆さんの理解と協力を得てその早期建設に努める考えであります。
 次に、施設規模は2500メートルで計画すべきではないか、また空港設置許可申請手続を早めることはできないかとの御質問にお答えいたします。
 新石垣空港の滑走路長については、当面、中型ジェット機が就航可能な2000メートルの滑走路で計画することにしております。
 なお、将来、利用客数や航空貨物量等が大幅に増加した場合、2500メートルの滑走路にすることも検討していきたいと考えております。
 また、空港設置許可申請手続については、航空法に基づいて行うことになり、地権者の同意取りつけ、空港基本計画及び環境アセスメント等の諸調査に3年を要することから、平成15年度事業着手に向けて鋭意努力する所存であります。
 次に、現滑走路でのターニングパッドの整備や滑走路の北側暫定延長についての御質問にお答えいたします。
 石垣空港には、現在ボーイング737型機とエアバス320型機などの小型ジェット機が就航しております。小型ジェット機がUターンするための標準的な幅員は45メートルとなっており、石垣空港ではこの幅員が確保されていることからターニングパッドなしでも安全にUターンが可能となっております。
 また、滑走路両端のオーバーランの強化については、航空会社の要請もあることから平成12年度に実施することにしております。
さらに、滑走路の北側への延長につきましては、空港北側に国指定のフルスト原遺跡があることや小型ジェット機導入の際に空港周辺住民から空港移転を前提とした条件つき同意となった過去の経緯があることなどから困難であると考えております。
県としましては、新空港が整備されるまで現空港の滑走路を可能な限り有効に活用するとともに、石垣空港における航空機の離着陸時の安全性と利便性の一層の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、計器着陸誘導装置の整備についてお答えいたします。
 空港の計器着陸装置には、一般的に電波によって空港の位置情報を伝えるボルドメと呼ばれる無線施設や航空機を着陸コースに誘導するローカライザーなどがあります。現在、石垣空港にはボルドメのみが設置されておりますが、これに加えてローカライザーを設置するためには滑走路の延長方向に約3ヘクタール程度の用地が新たに必要となります。空港周辺の土地利用状況等から、これらの施設整備に伴う新たな用地の確保は困難なことから計器着陸装置の設置は厳しい状況にあります。
 次に、ターミナルビルの増改築による利便性の配慮についてお答えいたします。
 石垣空港のターミナルビルについては、新空港が整備されるまでの間の利便性の向上を図る措置として、石垣市が平成12年度に日本トランスオーシャン航空が使用しているビルとエアーニッポンのビルの間を増築し、スペースを確保した上で到着ロビーを一元化する計画であります。県としましては、石垣空港の利用客増大に伴う混雑解消を図る観点から現有施設の有効利用等について検討していきたいと考えております。
 次に、現空港の跡地利用の方針についてお答えいたします。
 現石垣空港は、新空港が完成し供用が開始される時点で第三種空港を廃止することになります。その跡地の利用につきましては、石垣市において平成12年度中に石垣空港跡地利用基本構想を策定すると聞いております。県といたしましては、今後、石垣市の基本構想を踏まえ、関係機関等との調整も図りながら跡地利用計画について検討してまいりたいと考えております。
 次に、現空港利活用検討委員会の設置についてお答えいたします。
 石垣空港の利活用の課題を協議する組織として、石垣市を初め大阪航空局、沖縄気象台及び航空会社で構成される石垣空港連絡協議会が平成12年5月に設置されております。同協議会は、航空の安全と利用客への利便性向上を図るために必要な対策を協議することを目的としております。県としても今後、この協議会を通して新空港が整備されるまでの石垣空港の安全性確保と利便性の一層の向上等課題解決に努めてまいりたいと考えております。
 次に、与那国空港、波照間空港の滑走路延長への取り組みについてお答えいたします。
 与那国空港につきましては、平成11年7月に滑走路1500メートルでの暫定ジェット化を図ったところでありますが、航空機の離着陸時の安全性の確保と就航率の向上を図る観点から滑走路の延長が必要であると認識しております。
 このため、平成11年度に県単独事業について補正予算を確保し、基本設計や事業効果調査等を行っております。平成12年度は障害物件調査や環境影響調査等を実施しており、現在、滑走路延長の事業化に向けて国等の関係機関と調整を進めているところであります。
 また、波照間空港の整備については、平成11年度に照明施設の更新を行い、平成12年度は場周さく等の整備を実施しているところでありますが、波照間空港の航空旅客数は船舶との競合等から減少傾向で推移しており、整備にかかる投資効果等については厳しい状況であります。
 同空港の滑走路延長整備につきましては、今後、離島振興や地域住民の生活の安定の観点から、航空需要や航空会社の動向等を勘案しながら検討していきたいと考えております。
 次に、僻地教育振興についてのうち、伊原間中学校、名蔵小中学校等各校区に県営住宅を建設することについてお答えいたします。
 本県の公営住宅の建設は、平成8年度を初年度とする沖縄県住宅建設五箇年計画に基づいて実施しており、平成11年度末における公営住宅の建設実績は県営1万7154戸、市町村営1万2707戸で合計2万9861戸となっております。
 本来、公営住宅の建設に当たっては、地方定住及び地域活性化を図る上で、それぞれの地域における住宅事情と地域特性等をきめ細かく把握している各市町村が建設することが望ましいと考えております。
 県営住宅は、原則として広域行政の見地から住宅需要の著しく高い地域において供給することとしております。
 また、これまで建設した県営住宅の中には老朽化のため建てかえを必要とする団地が数多くあり、現在、県ではこれらの団地の建てかえ事業に取り組んでいるところであり、新たな県営住宅の建設計画は厳しい状況にあります。
 次に、八重山圏域の振興開発についてのうち、石垣島平久保半島東線、川平半島一周線、新石垣空港アクセス道路の整備についてお答えいたします。
 市道平久保半島線は、石垣市が管理する延長13.5キロメ-トル、幅員3メ-トルの道路であります。当該道路を県道に昇格することにつきましては、現状のままでは認定条件に合致せず大変厳しい状況にあります。したがいまして市道平久保半島線の整備につきましては、国庫補助の市町村道事業として整備が図られるよう石垣市と協議していきたいと考えております。
 なお、県においては平久保半島地域の活性化を図るため平成元年度から県道平野伊原間線の整備を進めており、地元の協力を得て早期完成を図っていきたいと考えております。
 また、川平半島一周線につきましては、事業の必要性、ル-トの検討、投資効果などの調査を行い、県道認定や整備の可能性について検討していきたいと考えております。
 新石垣空港アクセス道路につきましては、空港基本計画を踏まえてタ-ミナルを初めとする空港施設の配置計画との整合を図り重点的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、公共工事の早期発注と地元業者優先発注及び建築工事における機械等の分離発注についてお答えいたします。
 公共工事の早期発注につきましては、景気対策の観点からできるだけ前倒しで執行する方針であり、平成12年度の土木建築部の上半期目標を78.8%にしております。
 また、地元業者優先発注につきましては、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づいて工事の規模、工種によって入札参加登録業者の中から技術者の適正、手持ち工事の状況、会社の経営及び信用の状況等を勘案した上で、県内企業はもとより地元企業にも配慮し優先的に指名して発注しております。
 公共工事の分離・分割発注につきましては、可能なものについて分離・分割して地元企業への発注機会に配慮しており、分離・分割できない大規模工事につきましても、県外企業と県内企業の共同企業体方式により県内企業の受注機会の確保に努めているところであり、御質問の建築工事における機械、設備等の発注につきましても分離発注しているところであります。今後とも地元企業に配慮した発注をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 航空行政の中で、八重山圏域における空域の安全性の確保として「FIR」、「ADIZ」の解決への取り組みと管制通信官の配置についての御質問にお答えをいたします。
 「FIR(飛行情報区)」、「ADIZ(防空識別圏)」については外交問題であることから、日台関係についての諸般の事情を考慮しつつ適切に対応していきたいと考えております。
 なお、与那国空港及び波照間空港への就航便については、運用面で当該空域における飛行の安全性は確保されていると聞いております。
 また、航空管制通信官の配置につきましては、八重山圏域では航空機がふくそうして離発着する石垣空港に配置されております。
 与那国空港及び波照間空港については、1日1便から2便と運航便数が少ないため、航空管制通信官の配置にかえて、現在は両空港に設置されている遠隔空港対空通信施設を通して那覇空港から航空機の安全運航に必要な飛行情報、気象情報等を提供している状況であります。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 医療行政についての御質問にお答えいたします。
 まず1点目に、八重山病院の改築計画についての御質問でございます。
 県立八重山病院は、八重山圏域において一般医療を初め救急医療、離島・僻地医療などを担い、さまざまな医療ニーズにこたえながら地域の中核病院として圏域住民の医療の確保に努めております。
 同病院は、昭和55年度に本館及び精神病棟を現在地に新築し、さらに昭和59年度に新館を増築し現在に至っております。
 施設の経年状況といたしましては、本館と精神病棟は築後20年、新館は16年でございまして直ちに改築するほどの状況ではないと考えております。そのため、現在の病院機能の維持向上を図るため当面は施設の改良、さらに医療機器の整備拡充に努めていきたいと考えております。
 次に、八重山病院の医師確保のためどのように対応していくのかとの質問にお答えいたします。
 県立八重山病院におきましては、ことし4月から脳神経外科医と小児科医の欠員がありましたが、新たな大学医局との連携構築に努めた結果、7月1日に両科とも医師を確保することができました。
 また、同病院につきましては診療科の業務量を勘案し、平成11年度から産婦人科医の定数を1名増員したところであります。
 さらに、定数のほかに嘱託医師2名及び厚生省派遣医師3名を配置し地域医療に取り組んでいるところでございます。
 県は、今後とも業務量を勘案して医師定数の適正化を図っていくとともに、大学当局との連携の拡充強化や本島病院との人事交流を推進することにより医師の確保を図ってまいりたいと考えております。
 次に、八重山病院のMRI等医療機器の設置計画についての御質問でございます。
 県立病院における医療機器の整備につきましては、医療圏内の各病院の機能や役割を踏まえ、地域医療のニーズに対応して病院間の機能の連携を勘案しながら整備を行っております。
 八重山病院のMRI、これは磁気共鳴断層撮影装置と言っておりますけれども、MRIを含めた未整備の医療機器につきましては、今後、医療ニーズに応じた必要性や機器の優先度合いを考慮に入れながら設置を検討していきたいと考えております。
 次に、病院予算の増額についての御質問でございます。
 県立八重山病院における冷房の稼働につきましては、患者に良質な療養サービスを提供するという観点から適切な運用を図るよう指導しているところであります。
 なお、病院予算につきましては、執行状況等を見ながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、県立大原診療所と小浜診療所医師住宅の改築についてお答えいたします。
 県は、18カ所の県立診療所を設置運営し離島・僻地における医療の確保を図っているところでございます。これらの診療所、医師住宅及び看護婦住宅につきましては年次的に改築整備を行っております。
 八重山・西表の大原診療所と小浜診療所の医師住宅につきましては、来年度(平成13年度)の国庫補助事業として改築整備を進める方向で現在関係機関と調整をしているところでございます。
 以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 高嶺議員の御質問にお答えいたします。
 まず、地域の実情を勘案して県独自の基準見直しで複式学級の解消はできないか、段階的な措置として加配に取り組んでもらいたいという御質問にお答えいたします。
 教職員の学級編制及び教職員定数については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」にのっとり、都道府県の教育委員会が定めた教職員配当定数に従って児童生徒数に即して配置しているところであります。
 複式学級については標準法で定められていることから、これを解消することは現行制度上困難であり、また県単独の加配も財政上厳しい状況にあります。
 学級編制の配置基準については、平成13年度から始まる第7次配置改善計画など国の動向に沿って対応してまいりたいと考えています。
 次に、平成15年の司書教諭配置義務化による定数、予算、配置の計画はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 学校図書館法が平成9年6月に一部改正され、平成15年までに12学級以上の学校に司書教諭を置かなければならないこととなっております。司書教諭は、学校図書館の専門的職務をつかさどるため当該学校の教諭をもって充てるものであり、「当該教諭は、司書教諭の講習を修了した者でなければならない。」こととなっています。
 このことに対応していくためには毎年100人程度の司書教諭の養成が必要であり、琉球大学と沖縄国際大学が開催する図書館司書教諭講習会への受講の促進を図っているところであります。
 配置計画については、各教育事務所ごとの需要に応じた司書教諭有資格者の数を養成しながら計画的に進めてまいりたいと考えています。
 次に、県費負担事務職員の完全配置についてという御質問にお答えいたします。
 県費負担事務職員の配置については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき県単独も加味して行っております。現在、県単独の配置を含めて本県の事務職員の未配置校は6校でありますが、これ以上の県単独の配置は財政上厳しい現状であります。
 以上でございます。
○高嶺 善伸 あと1分少々ありますので、補足質問をさせていただきたいと思います。
 まず、命の重さからいいまして医療行政の県立八重山病院の医師確保の問題についてお聞きします。
 4月15日から脳神経外科の医師が欠員したことによってその患者に対応できずに沖縄本島の病院に搬送されたという事実、その結果2人が既に死亡したということで定数の医師の配置ができなかった責任について当局はどのように考えておられるのか。
 また、これまで八重山病院の医師の定数を考えた場合、代表質問の答弁にもありましたし、また坂井議員の質問にもありましたが、定数どおり配置しているといえども、例えば八重山病院31名中固定医師は半分の15名、16名は何と2カ月から6カ月未満の短期の応援医師なんですよ。これでは例えば産婦人科のある患者は出産までに5名の医者がかわったという事例もあります。
 定数管理の意味では、短期間の応援医師も含めて定数管理しているとは思えないんです。そのような過重な負担が医師の勤続期間を短くして負担になっているんじゃないかと思われます。
 そういうことから、医師の安定した供給確保をするために琉大医学部との連携が必要だと思っておりますが、私冒頭に申し上げたように琉大医学部の医局の問題や医学部の教授の体制、医学部のあり方をめぐっていろいろな話が今聞かれております。ぜひその辺を調査した上で今後の医師の確保も含めた答弁をお願いしたいと思います。
○病院管理局長(新田宗一) 確かにおっしゃるとおり脳神経外科につきましては4月15日から6月30日まで欠員の状態でございました。その間、6名の方が八重山から那覇に搬送されております。
 そういうことで私どもとしてはその欠員の状況につきましては、当初は医学部の方から予定しておりましたんですけれども、これは予定された方がいらっしゃったんですが、急遽御本人の都合で来れないということになりまして4月に入りまして一生懸命医師の確保に奔走したわけでございます。
 その間、八重山には脳神経外科の民間の開業医の方がいらっしゃるものですから、6月に入りましてからその方と嘱託契約を結びまして県の非常勤嘱託医として務めてもらって、八重山病院の施設を利用していただいてその先生に執刀してもらうとか、救急の対応をしていただくとかということで6月を乗り切りまして、その間九州各県あるいは県外の医学部と調整しながら7月1日からはお聞きと思いますけれども山口大学の医学部から派遣していただくということで既に着任いたしております。
 その間、我々としても一生懸命医師の確保に努めてまいったわけでございますが、地域の皆さん方に御迷惑をおかけしたことを重々おわびしたいと思います。今後、一生懸命そういうことがないように努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから医者の短期勤務でございますが、きのうもお答え申し上げましたように、どうしても宮古、八重山の病院の勤務につきましてはなかなかそういうお医者さんが行きたがらないというような事情もございますし、我々としましてはできるだけ定着していただくようにお願いをすると同時に、県内の本島の病院との人事交流ができないものかどうか、今後調整をしていってできるだけ定着するような方法で努力してまいりたいというふうに考えております。
 それと琉大医学部との関係につきましては、我々としましては県立病院に多くの卒業生の医師をお迎えして頑張っていただいております。これからも連携しながら県内の医療に対応してまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いします。
 以上でございます。
○高嶺 善伸 休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後1時59分休憩
   午後2時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほど局長からもお話ございましたように、これは医師の確保というのは大変に重大な問題でございますので、今後この医師の確保につきましては十分に努力をしたいと考えております。
○新里 米吉 こんにちは。
 去る6月の県議会議員選挙で中頭郡区から初当選した護憲ネットワークの新里米吉です。先輩議員の皆様と県当局の御指導、御助言をお願いいたします。議会における質問は初めてで要領を得ないかと思いますが、寛大な御答弁をお願いいたします。
 それでは一般質問を行います。
 私はかつて教師をしているときに、基礎・基本の充実が叫ばれながら教師たちは肥大した教育内容、消化し切れない過密なカリキュラムの中で基礎・基本が子供たちに十分理解されないまま授業を先へ先へと進めていわゆる落ちこぼれと言われる状況がつくられていることを指摘してきました。現実に一部の高校では、小学校の教育内容が理解できないまま高校に進学した生徒たちのために特別に補習を実施しております。
 このような現状から、子供たちにゆとりが必要で基礎・基本を十分に学習させるためには膨大になってきている学習内容の精選が必要だと主張してきました。
 第15期中教審では、「[生きる力]と[ゆとり]」が強調され、「第1部 今後における教育の在り方」の中で次のように述べています。
  我々は、[生きる力]をはぐくんでいくために、これらに共通のものとして、子供たちにも、学校にも、家庭や地域社会を含めた社会全体にも[ゆとり]が重要であると考える。今、子供たちは多忙な生活を送っている。そうした中で[生きる力]を培うことは困難である。子供たちに[ゆとり]を持たせることによって、はじめて子供たちは、自分を見つめ、自分で考え、また、家庭や地域社会で様々な生活体験や社会体験を豊富に積み重ねることが可能となるのである。そのためには、子供たちに家庭や地域社会で過ごす時間、すなわち、子供たちが主体的、自発的に使える時間をできるだけ多く確保することが必要である。そうした[ゆとり]の中で 子供たちは、心の[ゆとり]を持つことができるようになるのである。 また、子供たちに[生きる力]をはぐくんでいくためには、子供たちに[ゆとり]を持たせるだけでなく、社会全体が時間的にも精神的にも[ゆとり]を持つことが必要である。社会全体が[ゆとり]を持つことにより、はじめて、学校でも家庭や地域社会でも、教員や親や地域の大人たちが[ゆとり]を持って子供たちと過ごし、子供たちの成長を見守り、子供たち 一人一人と接することが可能となる。こうした社会全体の[ゆとり]の中で、子供たちに[生きる力]をはぐくんでいくことができるのである。
 このような中教審のゆとりの提唱については、私は一定の評価ができると考えています。
 また、ゆとりの創出のために近い将来における完全学校週5日制に向けた教育内容の重点化や厳選が打ち出されています。
 ただし、先日の新聞で報道されているような歴史の教科書から沖縄戦や侵略戦争等に関する記述が大幅に削減されるのは好ましいことではありません。
 日本の将来を担う子供たちが近隣諸国、アジア諸国との信頼と友好の関係を確立していくためには過去の加害について学ぶことが重要であります。また、沖縄戦を学ぶことで沖縄に対する理解が深まると同時に、悲惨で残忍な戦争の本質を理解し、平和を愛する国民に育っていくからであります。
 したがって、削減できる内容としっかり指導すべき内容を系統的に精選することが大切であると考えますが、総体として教育内容の削減は必要だと思います。
 そこで質問します。
 中教審答申の子供たちにゆとりを持たせるための教育内容削減について、学力低下につながるとか総論賛成、各論反対のような抵抗もあると聞いていますが、教育内容の厳選について所見をお聞かせください。
 次に、16期中教審の中高一貫教育について質問します。
 中高一貫校については、1970年代に深刻になりつつあった受験競争激化の中で受験競争から解放し、ゆとりある人間形成のために打ち出されたのが本来の趣旨だと思います。しかし、残念ながらその後も全国的に高校の学区拡大や序列化が進み、受験競争が一層深刻な状況になりました。かつて中教審の委員の中から受験競争が危険水域を超えたとの発言もありました。
 このような中で16期中教審は中高一貫教育の選択的導入を答申しています。しかし中高一貫校は、入学の選抜方法や運用によっては進学エリート校になる懸念もあり、受験競争に拍車がかかる心配もあります。さらに受験競争の低年齢化につながることも予想されます。
 そこで質問します。
 ア、中高一貫校は受験競争の低年齢化につながらないようにすべきだと思いますが、どのように考えていますか。
 イ、沖縄県でも中高一貫校を検討していますか。
 以上、よろしく答弁をお願いします。
○教育長(翁長良盛) 新里議員の御質問にお答えいたします。
 まず、15期中教審答申に関連いたしまして教育内容の厳選について所見を伺いたいという御質問にお答えいたします。
 中央教育審議会第1次答申においては、これからの学校教育は社会の変化や子供たちの生活実態、教育の諸課題の克服等を踏まえゆとりのある教育環境の中で個性を生かす教育を充実し、「生きる力」を育成することが大切であると提言しております。そのためには教育内容を厳選し、基礎的・基本的内容が確実に身につくことができるようにするとともに、ゆとりの中で学び方、物の考え方、問題解決能力を養うことが重要だと強調しております。
 これまでも学習内容の精選が求められてきましたが、その取り組みが十分でないことから、今回厳選という言葉を用い精選の徹底を図ることをねらいとしたものと理解しております。
 教育内容の厳選は、単なる完全学校週5日制への対応にとどまるものではなく、社会生活を営む上で必要な基礎的・基本的な内容をそのゆとりの中で繰り返し学習したり、作業的、体験的な活動、問題解決的な学習や自分の興味、関心等に応じた学習にじっくりと創意工夫しながら取り組むことができるものと考えます。
 このようなことから、これからの変化の激しい社会の中でゆとりの中で「生きる力」をはぐくんでいくため教育内容の厳選は極めて重要なことだと考えています。
 次に、16期中教審答申に関連いたしまして中高一貫校は受験競争の低年齢化につながらないようにすべきだと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 中央教育審議会の第2次答申において子供の個性、能力をゆとりある教育の中ではぐくむことなどを目指し、中学校教育と高校教育を接続し6年間の一貫した中高一貫教育の選択的導入が提言されたところであります。
 中高一貫教育は、先進校の取り組みから次のような意義があるものと考えております。
 高等学校入学者選抜の影響を受けずにゆとりある学校生活が送れること、6年間の計画的、継続的な教育指導が展開でき効果的な一貫教育が可能であること、異年齢集団による活動が行われることにより社会性や豊かな人間性を一層育成できること、6年間を通じて自己のあり方、生き方や将来の進路に関する学習を系統的、計画的に実施することにより進路選択が円滑に行われること、中高間の教員の交流が促進されることにより学校の活性化が期待できること、以上のことから中高一貫教育の導入により学校教育全体の活性化につながることが期待でき、また児童生徒がゆとりある学校生活を送ることを可能にするものと考えております。
 次に、本県でも一貫校を検討しているのかという御質問にお答えいたします。
 中高一貫教育は、学校間の接続を改善することによって個に応じた教育を一層進めるため、教育制度面における多様かつ柔軟な対応として提言されたものであります。
 また、生徒や保護者のニーズなどに応じて適切に対応できるよう中等教育学校、併設型の中学校・高等学校、連携型の中学校・高等学校の3つの実施形態が示されております。
 本県における中高一貫教育の導入を検討するため県立嘉手納高等学校、嘉手納町立嘉手納中学校、読谷村立古堅中学校を指定し研究を進めてまいりました。今年度は中高一貫教育推進校として県立伊良部高等学校、伊良部町立伊良部中学校、伊良部町立佐良浜中学校を指定しております。
 県教育委員会といたしましては、これらの中高一貫教育推進校の実践研究の成果を踏まえるとともに、地域の要望等を勘案し県立高等学校編成整備計画を策定する中で、中高一貫教育の導入について検討してまいりたいと考えています。
 以上でございます。
○新里 米吉 中高一貫教育、中高一貫校について先ほど答弁の中でその意義が述べられていました。
 それと同時に中教審答申の中で次のような記述もあります。「中高一貫教育については、その導入が過度の受験競争に一層の拍車をかけるおそれがあるとする指摘がある。過度の受験競争の問題が、今日取り組むべき最も重要な教育上の課題の一つとなっていることを踏まえると、中高一貫教育の導入に当たって、こうした懸念が払拭されるような具体的な取組が必要」云々となっております。
 そこで、これから県内でも高校総合編成整備計画の中で検討されるようですが、県内での中高一貫校導入については職員団体、地域、関係者とよく協議をして慎重に進められることを要望して終わります。
○玉城ノブ子 日本共産党の玉城ノブ子でございます。県議会議員として最初の一般質問を通告表に準じて行います。
 まず最初に、大項目1点目の農業問題についてでございます。
 日本共産党は、ミバエやイモゾウムシの根絶事業などについて昨年度も新垣米子議員が質問を行うなど幾度となく取り上げてまいりました。ミバエ類の根絶はゴーヤー、マンゴーなど沖縄を代表する農産物の生産と県外出荷にとり極めて重要になってきたことは御承知のとおりであります。
 沖縄県は、まだミバエ類が根絶していない東南アジア諸国と隣接しています。また近年、人的、物的交流が盛んであるために再侵入、再発生の確率が高いと言われてまいりました。ミカンコミバエが根絶したと言われる86年2月から9月までに西表で発見されました。翌年には八重山の6カ所で発見されるなど、毎年のように警戒用トラップで発見されております。
 先日、糸満市の農家の方から、ニガウリにウリミバエによると思われる被害が出ているとの相談がありました。急ぎ農業改良普及所にも連絡をとっていただきました。農家の方々の間でウリミバエによる被害などの不安が生まれております。
 この件でその後の対策はどうなったのか。
 2点目に、防除対策の強化が求められているが、現在どのような防除対策を実施しているのか。
 3点目に、ミバエ対策事業の果たしている役割に照らして体制が強化されるべきですが、実態は逆になっているのではないでしょうか。93年以後のミバエ対策事業の予算と人員は年度ごとにどうなっているのか。また県ミバエ対策事業所の体制、再侵入を食いとめるための放飼体制はどうなっているのかなどについて伺います。
 ミバエ類の根絶の研究成果を学ぼうと外国人の研修、視察の受け入れは、県の答弁によると平成2年度から10年度まで466名となっているようであります。この事業の果たす役割から見て国際協力・貢献は大事なことであります。しかし研修の受け入れはあるが、ミバエ対策事業所の職員は平成5年から昨年度までに5名も削減されております。これでは国際協力もミバエ対策事業もおろそかになります。体制を強化する必要があると思うが、この件についての答弁を求めます。
 ミバエ類の根絶宣言をした翌年の94年にミバエ類の再侵入防止事業とあわせてイモゾウムシ等の根絶事業がスタートしております。イリムサーが根絶されるとサツマイモは沖縄において20数億円市場と言われており、沖縄農業の発展の可能性を秘めているとさえ言われております。イリムサー根絶の研究体制はどうなっているのか。
 また、根絶の見通しはどうなっているのか、答弁を求めます。
 大項目2点目の教育問題について。
 現在、県内の小中学校、県立高校などで雨漏りがひどい、コンクリート片が落下して危険、壁が剥離して鉄筋がむき出しになっている、トイレや床の剥離がひどい、窓が壊れて開かないため夏場は蒸しぶろ状態、戸の桟が折れて生徒がけがをするなど数え上げれば切りがないほど老朽校舎の実態が明らかになっています。
 日本国憲法は、教育を受ける権利を定め、「国連子どもの権利条約」は、子供に関するすべての活動において、子供の最善の利益が第一義的に考慮されるとうたい、また我が国の児童憲章は、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境のなかで育てられる。」とうたっています。ところが、学校現場の実態はこれらに全く相反する現状です。子供たちの安全にかかわる問題であり、早急な改善が求められております。
 小中学校、高校、養護学校の老朽校舎の実態はどうなっているのか。
 2点目に、整備計画はどうなっているのでしょうか。
 3点目に、危険度の高い老朽校舎については、高率補助のある2001年度までに整備を進める必要があると思うが、どうでしょうか。
 4点目に、平成8年から平成12年までの学校施設整備費の予算の状況はどうなっているのか、答弁を求めます。
 次に、小中学校、県立高校の空調設備と作動について質問をいたします。
 小中学校で運輸省の騒音対策として空調設備を設置している学校があります。これらの学校への空調設備の設置は、那覇空港に離着陸する航空機の騒音が児童生徒への教育に影響を与えることから、運輸省が騒音調査を踏まえ騒音防止対策事業として実施をしております。
 これらの学校などでは、学校建設時に防音工事によって窓の通気が制約を受け、ほとんど風通しのないつくりになっている教室もあります。ところが空調設備が作動されないために児童生徒は蒸しぶろ状態の中で授業を余儀なくされ、授業に集中できないとの声が多数出されております。冷房機、換気設備を設置しているが、一度も作動していないためにさびついて、中には使用できない学校もあります。
 糸満市の「子ども議会」で次のような訴えがありました。私たちの学校にはクーラーの設備があります。そのためか教室や廊下の窓ガラスは片側しか開くことができません。ところがそのクーラーは、一度も動いたことがありません。どんなに暑いときでも動かないのです。窓ガラスも片側しか開けることができないので、その暑さといったら言葉にすることができないぐらいです。私たちのこの夏の苦しみをどの程度御存じなんでしょうか。クーラーの設備は、いつ、だれが、何のためにつくって、どうして動かさないのでしょうか。お願いです。このクーラーを動くようにしてください。
 実に道理ある厳しい指摘がなされております。
 それと同時に児童生徒の教育環境がどれほど劣悪になっているかということも明白であります。市町村では、電気料金が通常の2倍から3倍になるために冷房施設が作動できないとのことであります。
 いずれにしても、児童生徒の教育環境にかかわる問題であり放置することはできません。
 1点目に、小中学校で運輸省補助を受けて建設された学校が何校ありますか。
 そして実際に冷房施設が使用されている学校は何校ありますか。
 冷房施設の作動についてどのように指導なされているのでしょうか、答弁を求めます。
 県として電気料金の補助について国に申し入れを行うことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。 
 5点目に、県としても助成策を講ずるべきであると思うがいかがでしょうか。
 6点目に、県立高校、養護学校の空調設備はどうなっているのかについても答弁を求めます。
 大項目3点目の我が党の外間久子議員の代表質問との関連で介護保険制度について質問をいたします。
 介護保険の発足直後から市町村に多くの苦情が寄せられております。厚生省の調査によると、4月1日の1週間で全国の自治体に寄せられた苦情は報告にあっただけでも1557件に上っております。
 内容の第1位は、利用者負担問題で289件、サービス不足関係が同数の289件で並び、続いて要介護認定関係が243件、ケアプランのおくれが232件の順となっております。利用料負担の重さとサービス不足に関する苦情が目立っているのが特徴です。
 県内においても、利用料が高く週3回のデイケアを1回に減らした、特別養護老人ホームに入所を申し込んでも入れない、もう私たち年寄りは長生きをするなということなのかね、国保税が高くて払えないのにさらに介護保険料まで上乗せされたら、どうして生活していけばよいのでしょうかなどといった悲痛な声が出されております。
 お年寄りの保険料は、全国平均2900円に対し県内は3400円となり、自治体によっては5000円を超えるところもあります。
 県民所得は、全国平均の70%を割る事態となっております。それだけに介護保険の保険料、利用料金の新たな負担は、県民生活に深刻な影響を及ぼしております。
 沖縄県は、全国一の長寿県であります。お年寄りの皆さんは、あの悲惨な沖縄戦を生き抜き、過酷な米軍支配をくぐり抜け、今日の沖縄県の発展に大きく貢献してまいりました。こうしたお年寄りの皆さんが老後をお金の心配もなく安心して暮らせるようにすることは、国と自治体の当然の責務ではないでしょうか。
 日本共産党は、最小限、次の是正・改善を強く求めます。
 1番目に、特養ホーム、在宅サービスなどの基盤整備に全力を挙げることであります。
 厚生省の全国調査で特別養護老人ホームの待機者は、在宅だけでも4万7000人に上り、市町村のデイサービスの供給率は全国平均でも72%、50%未満が370市町村もあります。
 介護保険制度が開始されても、少なくないお年寄りが特別養護老人ホームに入所できずに待機をしております。県は市町村を督励するとともに、基盤整備事業に全力を尽くすことが求められております。
 2番目に、県は不服審査を迅速に行うとともに、利用者の苦情相談窓口を市町村に開設するよう指導を行い、その人件費などを県が支援することが必要ではないでしょうか。
 3番目に、市町村の保険料減免制度創設を支援すること。また国の負担率を25%からもとの50%に戻すよう要求すること。全国150の自治体で単独の減免制度が創設されております。県は当初、申請者を2万7656人と見込んだが、実際には見込みを1180人上回る2万8836人となり、市町村では初年度から赤字が予想されるところも出ております。市町村の減免制度創設を促す上でも県、国の実効ある支援を要求いたします。
 介護保険料は国保税に上乗せされ、しかも一括して支払う仕組みがとられているために中小零細業者などの国保加入者にとって減免制度の創設は切実な要求となっております。国保税を支払うことができない人がふえているもとで、介護保険料が新たに加算されたら医療にもかかれない、介護も受けられない世帯がふえることは明白です。
 国、県の財政支援による実効ある減免制度の創設を強く求めるものであります。
 4番目に、低所得者の利用料に減免制度を設けるように市町村を支援すること。
 介護保険は、サービスを受けるとかかった費用の約10%が自己負担となります。利用料が払えないために必要なサービスが受けられない、サービスを辞退するといった事例が相次いでおります。訪問介護だけでなくデイサービス、デイケア、訪問入浴、訪問介護などすべての在宅サービスについて10%の利用料金を3%に軽減する緊急対策を講じるよう市町村に対する県の支援策を具体化するよう求めます。
 5番目に、離島市町村に対する支援を強化すること。
 6番目に、県の長寿社会対策室の体制を強化すること。
 以上についての県当局の答弁を求めます。
 答弁を受けて再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 玉城ノブ子議員の御質問にお答えします。
 農業問題について、ミバエ類の再侵入防除対策の強化が求められているが、どのような対策を実施しているのかとのお尋ねでございます。
 本県におけるミバエ類の根絶は、平成5年10月の八重山群島を最後に県全域からの根絶を達成しました。
 しかしながら、台湾や東南アジア地域の国々には多くのミバエ類が発生しており、再侵入のおそれがあります。
 ミバエ類の再侵入警戒対策としては、再侵入を早期に発見するためのトラップ調査及び寄主果実調査を定期的に実施しております。
 また、侵入防除対策としては、ウリミバエの不妊虫放飼と誘殺板によるミカンコミバエ防除を継続して実施しております。
 次のイリムサー根絶の研究体制はどうなっているのか、その根絶の見通しはどうなっているのかについてお答えします。
 カンショの害虫であるイモゾウムシ、アリモドキゾウムシ根絶防除の研究は、ミバエ対策事業所と農業試験場で実施しております。ゾウムシ類の根絶事業は世界的にも先駆的な事例であり、多くの解決すべき課題が残されています。
 農業試験場においては、病虫部の3研究室が連携し、ゾウムシ類の生態解明、防除技術、天敵微生物等に関する研究を実施しております。
 また、ミバエ対策事業所においては、ゾウムシ類の人工飼料の開発や大量増殖、不妊化技術等に関する研究を実施しております。
 これまでの研究の結果、根絶に向けて久米島で実施しているイモゾウムシ、アリモドキゾウムシ根絶実証事業は、密度抑圧、大量増殖、不妊虫放飼技術など国際的にも評価される一定の成果を得ております。
 特に、アリモドキゾウムシは、野生寄主植物調査において平成12年3月から寄生ゼロの確認がなされており、平成13年度には久米島からの根絶達成を目指しております。
 今後は、久米島における成果を踏まえて計画的に県全域からのゾウムシ類の根絶防除を進めていく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○農林水産部長(小那覇安優) 農業問題について、糸満市の農家からニガウリにウリミバエによると思われる被害が出ているとの相談があったが、その後の対策はどうなっているかとの御質問にお答えします。
 6月30日に持ち込まれたニガウリとヘチマについては、現在、ミバエ対策事業所で保管管理しウリミバエかどうか経過を観察中であります。結果については約2週間で判明するものと思われます。
 なお、糸満地域での侵入警戒トラップ調査ではウリミバエは確認されておりません。
 次に、93年以降のミバエ対策事業所の予算と人員は年度ごとにどうなっているか、再侵入を食いとめるための放飼体制はどうなっているか、ミバエ対策事業所の職員は平成5年から昨年までに5名も削減されている、体制を強化する必要があると思うがどうかとの御質問は、関連しますので一括してお答えします。
 ミバエ対策事業所の職員数は、平成5年度の18名が、県全域からのウリミバエ根絶達成に伴い平成6年度には13名となり現在に至っております。
 特殊病害虫特別防除事業予算額につきましては、平成5年度が10億9433万円、6年度9億5782万円、今年度が9億8368万円となっております。
 ウリミバエの再侵入を防止するための不妊虫放飼は、ミバエ対策事業所で生産した不妊虫を沖縄本島中南部地域、宮古群島、八重山群島において航空及び地上放飼を民間委託して実施しております。
 ミバエ類の再侵入防止体制については、市町村・農協等関係機関と連携を密にしてミバエ類のトラップ調査などの侵入警戒調査及び再侵入を防止するための侵入防止防除を実施しております。
 今後は、特殊病害虫防除対策本部の活動を強化しながら、関係機関と一体となってミバエ類の再侵入対策に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 玉城議員の御質問にお答えいたします。
 まず、小中学校、高校、養護学校の老朽校舎の実態はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 本県においては、昭和50年度以前に建築された校舎等が、その当時の建設資材の制約等から老朽化が著しいため危険建物改築事業の対象とみなし、耐力度調査を実施しその改築を推進しているところであります。
 いわゆる老朽校舎等とみなされる昭和50年度以前の建物面積は、平成11年5月1日現在の調査で小中学校で約26万5000平方メートル、高校、養護学校等の県立学校で約7万5000平方メートルとなっており、それぞれ総保有面積に占める割合は小中学校で13.1%、県立学校で8.6%となっております。
 次に、老朽校舎の整備計画はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 老朽校舎等の改築については、これまでの県や市町村の整備実績によりますと毎年約5万平方メートルから6万平方メートルの事業規模で実施してきております。昭和50年度以前の改築を要する建物が、県、市町村合わせてまだ約34万平方メートルあることから、整備を完了するにはあと6年から7年程度要すると見込まれております。
 次に、危険度の高い老朽校舎については、高率補助のある2001年度までに整備を進める必要があると思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 昭和50年度以前の改築を要する校舎等は、平成11年5月1日現在で約34万平方メートル残っておりますが、2001年度までに整備を完了することは昨今の県及び市町村の財政事情等から極めて困難な状況にあると考えます。今後、現行の高率補助制度の存続を国及び関係機関等に要請するとともに、市町村教育委員会と連携しながらその整備を促進していきたいと考えております。
 次に、平成8年から12年までの学校施設整備費の予算状況はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 公立小中学校及び県立学校の施設整備費の予算状況について当初予算額、国庫支出金ベースでお答えいたします。
 平成8年度から12年度までの5年間の国庫予算総額は約642億7200万円で、うち危険改築事業費は378億5500万円であります。これを1年当たりの予算で見ますと国庫予算額は約128億5400万円で、うち改築事業費は75億7100万円となっています。
 次に、小中学校で運輸省の騒音対策事業の補助を受けて空調整備がなされた学校が何校あるか、また実際に冷房施設が使用されている学校は何校あるかという御質問に一括してお答えいたします。
 運輸省の騒音対策事業は、公共用飛行場周辺における航空機の騒音により生じる障害の防止とそれに伴う空調整備に対し補助を行うことを目的としております。この運輸省補助を受けて設置された学校は小学校6校、中学校4校となっております。そのうち実際に冷房施設が使用されている学校は小学校2校、中学校3校となっております。
 次に、冷房施設の作動についてどのように指導しているのかという御質問にお答えいたします。
 冷房施設を活用していない学校が小学校4校、中学校1校ありますが、これは電気料金等の維持費負担が当該市町村の財政状況を圧迫しやむを得ず運転休止となっているものであります。県としましては、児童生徒の快適な学習環境を確保する観点から、また整備された施設の有効活用を図る上から指導してまいりたいと考えております。
 次に、県として電気料金の補助について国に申し入れを行うことが必要であると思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 運輸省所管の騒音防止対策事業につきましては、空調設備は補助事業で整備がなされておりますが、電気料金については補助制度がございません。
 しかしながら、本県の亜熱帯の気候条件から快適な学習環境の整備を図ることは極めて重要であり、空調整備に伴う電気料金の確保は大きな課題であると考えております。このため、県としても関係市町村と連携し電気料金の確保の方策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、県としても助成措置を講ずるべきであると思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 学校の管理につきましては、その設置者が経費を負担することが基本であり、当該市町村が主体的に対応することが必要であると考えております。したがいまして、御提言の県が助成措置を講ずることは困難であります。
 次に、県立高校、養護学校の空調設備はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 県立学校の空調整備につきましては、基地周辺地区を対象とする防衛防音事業、宮古、石垣空港周辺地区を対象とする離島空港騒音対策事業及びその他の学校を対象とする文部省補助事業により整備を行っています。
 現在、県立学校78校のうち30校が整備済みで、その内訳は防衛防音事業18校、文部省補助事業10校、離島空港騒音対策事業1校及び県単独事業1校となっております。未整備校につきましては、今後これらの補助事業等を活用し年次的に整備を進めていく計画でございます。
 以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 我が党の代表質問に関連しまして、介護保険の改善・充実を求める緊急申し入れについての御質問が6点にわたりましてございます。順次お答えいたします。
 第1点目、特養ホーム、在宅サービスなど基盤整備に全力を挙げることの御質問にお答えいたします。
 特別養護老人ホームにつきましては、平成12年3月末現在54カ所、4065床が整備されておりまして、全国的にも高い水準の整備状況となっております。
 県においては先月、沖縄県高齢者保健福祉計画を策定したところでありますが、市町村における特別養護老人ホームの平成16年度における利用見込み数を集計しましたところ3933床となっておりまして、現在整備されている施設数で十分対応できる状況となっております。今後は、高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らしを続けることができるよう、在宅サービスの基盤整備の充実に努めるよう市町村を指導してまいりたいと考えております。
 第2点目、不服審査を迅速に行うとともに、利用者の相談窓口を市町村に開設することの御質問にお答えいたします。
 利用者等からの苦情処理につきまして、既に幾つかの市町村において介護保険苦情処理窓口を設置して積極的に対応しているところであります。全市町村に苦情処理窓口を設置するよう指導を強化してまいりたいと考えております。
 また、介護認定に対する不服審査請求につきましては、利用者の立場に立ってできる限り迅速な処理に努めてまいりたいと思います。
 3点目、市町村の保険料減免制度創設を支援すること、また国の負担率を25%からもとの50%に戻すよう要求することについての御質問にお答えいたします。
 保険料につきましては、それぞれの市町村における介護保険施設や在宅サービスの基盤整備の状況等を反映して設定される仕組みとなっております。県としましては、国や他県の状況等を踏まえながら何らかの対応が必要かどうかについて市町村の意見等も十分聴取しながら検討していきたいと考えています。
 第4点目、低所得者の利用料に減免制度を設けるよう市町村を支援することについての質問にお答えします。
 介護保険制度では、1割の自己負担が一定の上限額を超えます場合は、超えた分が払い戻される高額介護サービス費の制度があります。低所得者については負担の上限額をさらに低くすることとなっています。
 また、低所得者で法施行時に訪問介護サービスを利用していた高齢者に対しては、その利用料を当面3年間は3%、その後段階的に引き上げ、平成17年度から10%とすることになっています。市町村の減免制度については、他県の状況等も踏まえ市町村の意見等も十分聴取しながら検討していきたいと考えています。
 第5点目、離島市町村への支援を強化することにつきましてお答えします。
 離島小規模町村におきましては、利用者に限りがあることから事業者の参入が困難な状況にあります。
 県としましては、事業者の参入を促進するために市町村が離島への交通費や宿泊費等の助成を事業者に対し行った場合にこれに対する適切な財政措置が必要であると考えておりまして、先般、九州各県・政令指定都市担当部局長会議におきまして当県から提案をいたしまして国に助成を要請しているところであります。
 第6点目、県の長寿社会対策室の体制を強化することにつきましてお答えいたします。
 他県においては、介護保険課の設置等単独の組織としているところが多く見られるところであります。今後、積極的に体制の強化を図りたいと考えております。
○玉城ノブ子 再質問を行います。
 教育問題についてでございますけれども、先ほど当局の答弁で、老朽校舎ということで改築の対象にしているのが昭和50年以前につくられた建物だということで報告がありました。糸満ではそれ以前、要するに築年数がもう既に32年だとか29年、28年の建物が残されているわけなんです。それについては私も実態調査をずっと何度もやっていますけれども、写真も撮ってきておりますので、ぜひ後で教育委員長、教育長もごらんになっていただきたいんですけれども、実態としては非常に危険な校舎になっているわけなんですよ。これをそのまま皆さん方の整備計画によるとあと6年間をかけて50年以前につくられた建物についても改築をするという計画のようなんですけれども、そういう悠長なことを言っていられない状況だと。現場の実態は、そういう実態ではないですよということを私は皆さんに申し上げたいわけであります。
 予算を見ても、平成10年度から11年度にかけては7億余りの予算がふえておりますけれども、ところが11年度から12年度にかけてはわずか4000万余りしか予算がふえてないんですよね、危険改築事業費が。これで本当に果たして今の危険な校舎の改築を進めることができるんでしょうかということを私は言いたいわけなんですよ。ですからぜひ現場の実態がどうなっているかということを、市町村任せにするんではなくて県としてもやはり現場の状況を認識なされて、それにふさわしいような改築を急ぐべきだということを私は強く要望しておきたいというふうに思います。
 ぜひこれについて改めて教育長の答弁を求めたいと思います。
 もう一点は、介護保険制度の問題なんですけれども、私は今度の介護保険制度の問題は何が一番大きな問題になっているかというと、1つは、利用料金が高過ぎる、保険料が高過ぎる。それで介護サービスを減らさざるを得ないような状況が生まれているということがありますけれども、それと同時にもう一つは介護保険基盤整備がおくれているというふうな問題があるわけなんです。それでぜひ皆さん、特別養護老人ホームについては、いやもう待機者はいないということをおっしゃっておられますけれども、ところが実際はそうではないわけなんですよね。糸満でも特別養護老人ホームに入りたくても入れない人たちが100名以上にも上っているというそういう実態があるということなんですよ。それをまず認識をしていただきたいということであります。
 それについて一体どうなさるつもりなのかということで答弁を求めたいと思います。
 それと介護保険料、利用料金が高過ぎるというこの事態を、それで介護サービスが受けられない。お年寄りの皆さん方がサービスを減らさざるを得ないような窮地に立たされているというこの事態を知事としてどう認識なされているかということについて答弁を願いたいと思います。
○教育長(翁長良盛) 玉城議員の再質問にお答え申し上げたいと思います。
 市町村の老朽校舎の実態、それからその改築等についての件でございますけれども、県といたしましても3次振計の期限が刻々と迫ってきておりますので、市町村教育委員会の所管する学校の全面改築、そういうことを大変気にしているところでございます。
 私どもの立場といたしましては、速やかに改築できるよう市町村教育委員会に働きかけているところでございます。しかしながら、市町村教育委員会といたしましても財政上の事情がございましてなかなか計画どおり進まないのが実態ではないのかと、このように理解しておりますけれども、今後とも市町村教育委員会と連携を密にしながら老朽校舎の改築について努力してまいりたいと、かように考えております。
○福祉保健部長(平良健康) 再質問にお答えいたします。
 4月1日から介護保険制度が走っておりますが、その実績につきましてはただいまよく調査をしている最中でございます。
 利用料、保険料のことでございますが、第1点目、これは保険者である市町村が第一義的には決める問題ではございますけれども、市町村の実情について引き続きよく検討してまいりたいと思います。市町村の意向を十分酌んで対応したいと思います。
 第2点目の基盤整備のおくれのことでございますが、平成12年から平成16年までの基盤整備については高齢者保健福祉計画としてこのたび策定しておりまして、これに沿って今後整備をしてまいりたいと、このように考えております。
○玉城ノブ子 ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時  休憩
   午後3時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 県におきましては、先月、沖縄県高齢者保健福祉計画を作成したところであります。今後、これに沿った形で進めていきたいと、全力を尽くしたいとこう思っております。
○玉城ノブ子 私は、学校教育問題も介護保険の問題もこれは国や市町村だけの問題ではないということを強調したいと思います。県の大事な問題でもあるというふうに思うんです。地方自治体の大事な仕事は地方自治法で明確になっているけれども、県民の安全や健康を守ることということであるわけですから、その安全や健康をどう守るかということに県としても責任を持って最大限努力をすべきだということを要求いたしまして質問を終わります。
○伊波 洋一 私は、米国が沖縄占領によって沖縄県民の人権を抑圧しながら60カ字もの古くからの集落を基地建設のために強制的に接収して県民の土地を奪い、地域社会を破壊して広大な米軍基地を建設し、沖縄返還後28年もたつ今日まで半世紀以上も居座り続け、米軍機の航空機爆音や山林火災などの演習被害、環境破壊、航空機墜落事故、交通事故等に加え、絶えることのない米軍人による犯罪被害によって沖縄県民が苦しめられていることに抗議するとともに、サミットで来県するクリントン米国大統領が沖縄県民に謝罪することを求めます。
 沖縄の主人公は沖縄県民であって、日本政府でも米軍でも米国政府でもありません。冷戦が終了し、米軍兵力と米国防予算が3分の1も削減される中で県民の願いに逆行して在沖米軍基地がますます強化されており、日米両政府が沖縄県民を無視して21世紀中も沖縄を米軍の軍事拠点にしていこうとしていることを許すわけにはいきません。
 私は、一日も早く米軍基地を沖縄から撤去させ、真に平和で豊かな沖縄を実現するために有権者の信任によって与えられた向こう4年間の2期目の県議の任期を精いっぱい頑張ることを表明し、通告に従って一般質問を行います。
 知事の政治姿勢について伺います。
 知事は6月13日、14日の金大中韓国大統領と金正日朝鮮民主主義人民共和国総書記の劇的な首脳会談をどのように評価するのですか。
 新たな基地建設を現実的とする知事の主張は、朝鮮半島情勢のように劇的に変化する可能性のある東アジアの現実を無視し、米軍や日本政府の言うがままに建設10年、使用15年、計25年間も沖縄に現状の米軍基地を固定して、沖縄県民の願う米軍基地問題の解決を放棄することではないですか。
 知事には、朝鮮半島での劇的な緊張緩和の進展を沖縄の米軍基地の縮小につなげようという考えはありませんか。サミットで来沖するクリントン大統領と会うときに、在沖米軍基地と駐留兵力の一層の縮小を求める考えはありませんか。
 一坪反戦地主を県の公職から追放する陳情を県議会与党は2月定例会で採択したが、明確な憲法違反であります。
 信条による差別についての最高裁判例として昭和48年11月12日の三菱樹脂事件の大法廷判決があり、最高裁判決は憲法第14条「法の下の平等」と第19条の「思想及び良心の自由」を、その他の自由権的基本権の保障規定と同じく、国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的自由と平等を保障する目的に出たもので、国または公共団体と個人との関係を規律するものであるとし、国や地方公共団体は法のもとの平等により信条による公務員採用での差別をしてはならないことを明確にしています。
 知事は、一坪反戦地主であることをもって県の公職及び県関係機関から排除していくことは、日本国憲法が保障する「法の下の平等」及び「思想及び良心の自由」に反すると考えますか、それとも憲法は一坪反戦地主を排除することを認めていると考えますか、明確な答弁を求めます。
 米軍基地問題について伺います。
 6月30日に外務省の発表で在日米軍基地内に440トン以上のPCB廃棄物が保管されていることが明らかになりました。20トンを保管していると米軍が発表していた神奈川の相模原補給廠には150トンも保管されていることが明らかになりました。これまで米軍が発表してきたことがうそだったことになります。
 沖縄でもPCB問題が取り上げられるたびに米軍は繰り返し否定してきておりますが、これらはすべてうそだった可能性が大きいわけであります。残り300トン近くのPCBの多く、あるいはもっと多くが沖縄に保管されている疑いがあります。
 県内の米軍PCB廃棄物の保管状況はどうなっていますか。
 知事は、県内での米軍PCB廃棄物保管について相模原補給廠と同様に明確な報告を国に求めるべきだと思いますが、求める考えはありますか。
 1990年以降の10年間、米軍は県内米軍基地内のPCBについて県やマスコミにどのような報告をしてきたのかも明らかにしてください。
 数年以前に劣化ウラン弾の薬きょうが民間に払い下げられていたことに関し、米軍が県内の鳥島以外の地域で劣化ウランを使用していたことがないか、調査する考えはありませんか。
 嘉手納基地包囲行動について伺います。
 沖縄の米軍基地問題を世界に訴えるために多くの県民が参加する3度目の嘉手納基地包囲行動がサミット開催に合わせて7月20日に行われることになりますが、県知事の基地包囲行動に対する見解を伺いたいと思います。
 県民参加の嘉手納基地包囲行動に対して過剰警備にならないよう他府県から参加の警備陣にも周知を徹底してもらいたいが、県警本部長の見解を伺います。
 教育環境の改善について。
 教育現場で多くの問題が噴出しています。少年犯罪、いじめ、不登校、金銭せびり、深夜徘回、不純交遊、学級崩壊など児童生徒の問題だけでなく教師の暴力的体罰などもあり、児童生徒だけでなく教師の側にも問題があることが明らかになりました。このことは学校教育の現場が極めて深刻な状況にあることを示しています。
 県教育委員会としてこのような沖縄県教育現場の状況をどのように認識していますか。またどのような対処をしていくことによって現状を改善しようとしていますか、県教育委員長の見解を求めます。
 現在の教育現場は子供たちが切れるだけでなく、教師まで切れる状況になっています。すなわち、子供たちも教師も耐えられないほどのストレスをため込んでいるようであります。学校でのストレスを子供たちは家庭で父母にぶつけていることも多いし、家庭でのストレスを学校で発散したり、非行に結びついているわけでもあります。
 私は、学校現場を沖縄が持つ豊かさであるゆとりと優しさに満ちたいやしの場に変えていくことを提案したいと思います。
 その一つのステップとして、沖縄の学校の特色であるコンクリート壁をぬくもりのある木にかえていく考えはありませんか。
 県内小中学校でもオープン教室が導入されていますが、その評判は必ずしもよくありません。中でもオープン化によって他のクラスのざわめきが別のクラスまで聞こえ、授業への集中力を損なっているという指摘が一部あります。オープン教室の吸音、防音対策はどうなっていますか。本県の学校のほとんどがコンクリート建築なので壁がむき出しのコンクリートになり、ワイワイ、ガヤガヤが反響して増幅していることはありませんか。
 学校の建築設計の段階で反響音の解消、吸音、防音対策に取り組むべきだと考えますが、教育長の見解を伺いたいと思います。
 深刻な学校の状況であるにもかかわらず、沖縄県では国が定めている教師の標準定数に対して小・中・高の総計で1000名以上が不足する状況にあり、臨時的任用教師を充てています。各学校ではさらに病休代替や産休、育児休暇代替、その他の臨時教師が多数いるので教師の多忙化も招いており、各学校において全体としてその力量が低下する原因になっていませんか。
 沖縄県の教職員定数と国の標準定数との比較はどうなっていますか。臨時的任用教師配置の実態はどうなっていますか。九州各県の臨時的任用教師の状況はどうなっていますか。
 またこれらの改善策を今後どうするつもりですか。
 県立中部病院の業務委託の実態について伺います。
 病院管理局は、委託業務について平成3年3月29日付環管第790─2号「委託業務にかかる業務請負契約書等の標準化について」を通知しています。
 その中で、業務請負見積書を示し、基本給や超勤手当、期末手当、会社負担の社会保険料などの人件費や福利厚生費に加えて一般管理費を加える形で見積もりを出させています。さらに、一般管理費は業務にかかる経費の8%とし、宮古、八重山は10%としています。
 業務委託についてその方針に変更はありませんか。
 中部病院の主な業務委託は現在2社となされ、114名の職員の賃金実態は、22日出勤1日8時間の基本給が地域最低賃金時給595円の月額に当たる10万4720円にも満たない基本給の職員が11人もいます。特に医療業務では9万円から9万7000円までに10名が集中しています。これらの職員には最低賃金との差額が職務手当として支給され、ぴったし10万4720円になるようになっています。また、時給支払いの職員の中には最低賃金より2円しか高くない597円の職員が6名もいます。
 ほとんどの職員の基本給が10万円、11万円、12万円台の低賃金であり、ことし3月まで数年勤めても賃上げもなかった者がほとんどであります。
 病院管理局は、契約に当たって給食従事者には調理師免許、医事業務従事者には医療事務教育機関での医事業務教育の履修と資格認定を取得した者としていますが、このような最低賃金に近い雇用実態を想定していましたか、委託先の賃金実態を承知していますか、明確に御答弁願いたい。
 委託労組の資料によると、1999年度の中部病院の2社の委託料総額は3億1800万円で、給与や会社負担の人件費などを差し引いた一般管理費は7600万円にもなり、総経費の24%にもなっています。県の示している8%の3倍もの一般管理費となっていますが、現在の契約を締結したときに委託業者が提出した人件費総額と一般管理費の額の比率を説明してもらいたいと思います。
 県立北部病院では委託業者が一般管理費を10%と定め、そのとおりに実施しているようだが承知していますか。
 中部病院委託業務での一般管理費の肥大化に対して病院管理局はどのような措置をとるつもりですか。現在の契約を見直す考えはありますか。
 また、他の県立病院での委託実態についても実態調査をする必要があると考えますが、実態調査を行う考えはありますか。
 県の民間委託の考え方について伺います。
 沖縄県行政システム改革大綱において、民間活力の導入や民間委託のさらなる推進を掲げて、県立福祉施設や県立病院の給食業務等の民間委託化を進めるとしていますが、中部病院の業務委託の例のように民間委託は県民を最低賃金すれすれで使うためのものにはなりませんか。県の言う民間活力の導入を説明してもらいたいと思います。
 現在の委託業務について現行の最低金額入札方式を見直す考えはありませんか。委託業務について賃金水準を設定して一般管理費の比率制限と実績報告を義務づける考えはありませんか。
 現在、県が行っている委託業務でも最低賃金以下で働かされている可能性が大きいわけであります。民間委託を推進する前に、県の労働派遣的な委託業務の実態調査を行うべきだと考えますが、調査する考えはありますか。
 宜野湾バイパスの開通に伴う信号機の設置について。
 宜野湾バイパスが開通して沖縄コンベンションセンターへの行き来が飛躍的に便利になりました。国道バイパスとして従来に比べて何倍もの交通量が増加しております。これまでは右折帯のある箇所でも信号機なしに右折できたわけでありますが、バイパスの開通で飛躍的に交通量が増加した結果、信号機のない右折が危険になっています。
 県内でも首相が泊まることができるラグナガーデンホテル地域から反対車線に出る箇所は、右折帯がありながら唯一信号機が設置されてない箇所となっており、多くの観光客のレンタカーや県民右折時の事故の不安を与えています。信号機を早期に設置すべきだと思いますが、県警本部の見解を伺いたいと思います。
 水産高校の実習船のサミット海上警戒への利用について伺います。
 サミットの海上警備のために県立水産高校の実習船に警察を乗り込ませて警備に当たるというのは事実ですか。事実であれば、教育的目的の実習船のサミット警備利用の根拠を明らかにしてもらいたいと思います。
 サミットと道路の管理について。
 4年前から県道の歩道を県民が通れるようにするべきだと歩道管理の徹底を求めてきましたが、この時期になると多くの地域で道路が草に覆われて通れなくなります。サミットのために多くの金をかけて美観をよくする前に、県民が歩道を通れるようにするべきであると思いますが、知事はそのことを承知していますか。
 我が会派の代表質問との関連について伺います。
 代表質問の米軍基地、劣化ウラン弾問題についての質問で、基地内の有害物質、廃棄物の実態の情報開示について県は引き続き国や米軍に求めていくと答弁していますが、米国の情報公開制度も利用して情報開示を行うべきではないかと思います。県として基地問題解決のために米国の情報公開制度を利用していく考えはありませんか。
 ことしもまた科学技術庁が鳥島の劣化ウランを調査していますが、米国の報告書にも書かれているように鳥島が劣化ウランによって汚染されていることから毎年調査をしているわけでありますが、県として鳥島が劣化ウランによって汚染されているという認識はありますか。
 以上、答弁によって再質問をいたします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの伊波洋一君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時16分休憩
   午後3時41分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前の伊波洋一君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の御質問にお答えします。
 最初は、知事の政治姿勢について、朝鮮半島における首脳会談をどのように評価するのかという御質問と、朝鮮半島の緊張緩和を沖縄の米軍基地の縮小につなげようと思うかどうか、来沖するクリントン大統領と会うときには在沖米軍基地と駐留兵力の一層の縮小を求める考えはないかとの御質問にお答えします。2つを一括してお答えいたします。
 朝鮮半島における首脳会談で両首脳が南北の統一を目指し、和解と協力の新たな時代へ向けて合意したことは画期的なことであり、今後、南北間の対話が継続されることにより朝鮮半島の緊張緩和の進展が期待されます。南北間の対話は一歩踏み出したばかりでありますので、県としてはこれからの朝鮮半島情勢の推移を見守っていきたいと考えています。
 いずれにしましても、県としては県民の願いである基地の整理縮小を一歩一歩着実に推進していきたいと考えております。
 なお、クリントン大統領と私がどういう形でお会いできるかわかりませんが、もし機会があればこのような県民の気持ちを何らかの形で伝えたいと思います。
 次に、知事の政治姿勢について、新たな基地建設を現実的とする知事は、劇的に変化する東アジアの現実を無視して現状の米軍基地を固定して、米軍基地問題の解決を放棄するのかと、見解を伺いたいとのお尋ねでございます。
 普天間飛行場については、宜野湾市の市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできました。普天間飛行場の県内移設は、一日でも早い解決を図るための選択であり、現在、移設に向けて作業が進められているところであります。
 県としては、実現可能なものから確実に一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を着実に進める現実的な方法であり、米軍基地問題の解決を促進するものであると考えております。
 なお、南北首脳会談で両首脳が南北の統一を目指し和解と協力の新たな時代へ向けて合意したことは画期的なことであり、今後、南北間の対話が継続されることにより朝鮮半島の緊張緩和の進展が期待されます。南北間の対話は一歩踏み出したばかりでありますので、県としてはこれからの朝鮮半島情勢の推移を見守っていきたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢について、一坪反戦地主であることをもって県の公職、関係機関から排除していくことは、日本国憲法が保障する「法の下の平等」及び「思想及び良心の自由」に反すると考えるか、それとも憲法は一坪反戦地主を排除することを認めていると考えるか、明確な答弁を求めるということでございます。
 沖縄県の外郭団体などあらゆる県の機関から一坪反戦地主などを役員から排除することを求める陳情は、平成12年3月30日の2月定例会最終本会議において採択されたものであり、議会が本陳情を採択されたことについては、県議会の権能の範囲内であると理解しております。
 なお、御質問の憲法判断について答弁することは差し控えたいと思います。
いずれにいたしましても、県としては憲法に規定する「法の下の平等」の理念に基づいて行政を運営してきたところであり、外郭団体の役員につきましては今後とも公正公平を基本として適切な選任に努める考えであります。
 次に、嘉手納基地の包囲行動が7月20日に行われるが、それに対する見解を聞きたいというお尋ねでございます。
 本県に所在する米軍基地に関して県内にはさまざまな意見があり、サミット前日に人間の鎖で嘉手納基地を包囲する行動計画があることについても承知しています。
 なお、その際は嘉手納基地包囲行動をする方々が節度ある整然とした行動をとられることを期待します。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の米軍基地問題についての質問にお答えをしていきたいと思いますが、第1点目に、米軍のPCB廃棄物の保管状況はどうなっているかという点と、県内での米軍PCB廃棄物保管について報告を国に求める考えはないかという点と、基地内のPCBについて県やマスコミにどのような報告をしてきたかという3点について一括してお答えをいたします。
 在日米軍相模原補給廠から移送されたPCB含有廃棄物がカナダ及び米国での陸揚げを拒否され横浜港に逆送された問題に関して、県では4月19日に私が那覇防衛施設局及び在日米軍沖縄調整事務所を訪ね、相模原補給廠から移送されたPCB含有廃棄物の中に在沖米軍基地から搬出されたものがあるかどうか。その場合、その廃棄物の種類、数量及び移送元の基地はどこなのか、また現在、在沖米軍基地内に保管されているPCB含有廃棄物の種類、保管量、保管場所、保管方法及びこれまでの処理状況等について情報公開を求めたところであります。
これに対し、在日米軍沖縄調整事務所長は、在沖米軍基地内に保管されているものを含め在日米軍基地内に保管されているPCB含有廃棄物については、現在政府レベルの調査申し入れがあるので、その政府レベルでの調査結果を待って回答したいとの答えがありました。
 県は、米軍基地内から派生するPCBを含む廃棄物問題についてこれまでたびたび立入調査や情報公開を求めてきたところでありますが、その要請は容易に認められず、その詳細が把握できない状況にあります。
 県としては、PCB含有廃棄物問題を含め基地問題の解決のため、在日米軍施設運用の法的根拠となっている日米地位協定について米軍施設・区域への緊急時の即時立入調査を可能にする旨を第3条に明記することや、同協定に環境影響評価やモニタリングの実施及びその結果の公表を規定するなどの環境条項を新設することなど、日米地位協定の見直しを今後日米両政府に求めていく考えであります。
 次に、同じく米軍基地問題に関する質問事項の中の、米軍が県内の鳥島以外の地域で劣化ウランを使用したことがないかどうか調査する考えはないかという御質問にお答えをいたします。
 劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関して、県は去る6月2日、在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)に対し遺憾の意を表明するとともに、今回の薬きょうの流出経路や劣化ウラン弾の使用場所など事実関係の調査及びその公表を行うよう要請したところであります。
 また、同要請の中で劣化ウラン弾の薬きょうなど県民に不安を抱かせるようなものについては民間地域へ流出させることがないよう、米軍において管理の徹底及び適切な処理を講じるようあわせて求めております。
 その際、米軍からは事実関係等について調査し通知する旨回答がございました。
 さらに、流出時期について、業者が六、七年ほど前に国防再利用売却事務所いわゆるDRMOから購入したと話していることから、6月8日にDRMOを訪ね事実関係について確認しましたが、DRMOでは、販売データは2年間しか保管していないので確認できない旨回答がありました。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から、劣化ウラン弾の薬きょうが民間業者へ流出した事実関係の調査及びその公表を引き続き求めていきたいと考えております。
 それから、我が会派の代表質問との関連についての中の、米軍の有害廃棄物の実態について情報公開法を利用して入手する考えはないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関して、県は事実関係の調査やその公表等を米軍に対し要請してきたところであり、米軍からは事実関係等について調査し通知する旨回答がございました。県としては、今後、米軍の回答を踏まえ、必要があれば情報公開法を利用することも検討したいと考えております。
 次に、同じく我が会派の代表質問との関連の中の、米軍の資料で鳥島には劣化ウランによる重大な汚染があると書かれている、県としてはどのように認識しているかという質問にお答えをいたします。
 鳥島で誤使用された劣化ウラン弾に関する調査につきましては、平成9年度から鳥島の陸域及び海域について環境調査が実施されております。
 その調査結果によりますと、平成9年度は劣化ウラン弾が回収された地点の土壌で高いウラン濃度が検出され、発見された劣化ウラン弾はすべて回収されたとの報告を受けております。
 平成10年度及び平成11年度は高いウラン濃度は検出されず、鳥島の周辺環境への劣化ウランによる影響は無視できるとの報告を受けており、県ではこの報告を尊重してまいりたいと考えております。
 しかしながら、鳥島射爆撃場で誤使用された1520発の劣化ウラン弾の回収状況につきましては、平成12年4月現在247個が回収されたとの報告を受けており、回収率は20%にも満たないため、地域住民の不安の解消を図る観点から県は引き続き回収を行うよう国に対して要請しているところでございます。
 以上でございます。
○警察本部長(西村泰彦) まず、嘉手納基地包囲行動についての御質問にお答え申し上げます。
 7月20日に米軍嘉手納基地を人間の鎖で包囲する計画があることは県警としても承知しております。
 県警といたしましては、過去の嘉手納基地包囲行動に対処したのと同様、同行動への参加者を含めた通行者の安全確保と包囲行動に伴う各種トラブルの防止等不測の事態に備えるため適切、妥当に所要の警戒警備を実施したいと考えております。
 また、かかる基本的な対応方針につきましては、御指摘の他府県からの特別派遣部隊を含め全部隊員に徹底してまいります。
 次に、宜野湾バイパスへの信号機の設置についての御質問にお答え申し上げます。
 信号機の設置につきましては、交通事故の発生状況、交通量、道路形態及び市町村、地域住民など道路利用者の意見、要望等を総合的に検討して危険性や必要性の高い場所から計画的に整備しているところであります。
 御指摘のように、宜野湾バイパスは全線開通により交通量は増加し交通状況も変化しておりますので、御指摘の箇所につきまして現場調査等を早期に実施し、信号機設置の方向で検討してまいりたいと考えております。
○教育委員会委員長(砂川朝信) 伊波先生から委員長へとわざわざ御指名いただきまして感謝しております。
 教育問題は、国民が生きていく上で基本的ベースの上に立たなければならない重要な問題であります。したがいまして、この議会においても全議員が教育問題について関心を持ち努力していただく、そして教育委員会に提案していただくことをお願いしておきたいと思っております。
 さて、1枚の紙には裏と表があるといいます。したがいまして教育についてもその裏と表があるだろうと思います。また、一人の体についても見える部分と見えない部分があります。ここに質問されているのは見えない部分から出てきたところの見える部分へと移っているものだと思っております。
 その質問といいますのは、少年犯罪や不登校、暴力行為、いじめなど児童生徒の問題、教師による体罰など学校現場の深刻な状況をどのように認識しているかということ、またどのように対処し改善しようとしているか、委員長の見解を伺いたいということであります。
 そのことについてですが、少年犯罪とかこの不登校問題とかというふうなことについては大変深刻に受けとめております。したがいましてこれを危機感を持って対応していかなければならないと強く感じているところであります。
 それから、教育委員会といたしましては、すべての児童生徒が、教育は夢を語るものであると言います。あるいは希望を語るものだということも言われております。そういう意味では児童生徒に夢や希望が持てる学校づくりを目指さなければならないと、そう確信しております。そういうものに基づいて進路指導とか、あるいは生活指導とか生徒指導とかと、こういうものの充実を図って少年犯罪あるいは不登校の問題等に対してこれをなくすような努力をしているところであります。
 また、体罰の根絶については全教職員に配布した「人権ガイドブック」というのがあります。その「人権ガイドブック」を活用し、学校における、先ほども教育長から答弁がありましたように「人権を考える日」の設定など人権教育の徹底を図っていきたいと、このように考えております。
 さらに、地域人材の活用、保護者や地域の人々の意見を幅広く校長が聞く学校評議員の導入、さらに単位PTAにおける家庭教育支援会議などを設置して開かれた学校づくりを推進し、家庭や地域、関係機関・団体等と一体となって地域ぐるみで学校づくりに邁進したいと思っているところです。
 最後に、これは私見ですけれども、この問題はおととしあたりから問題になっている心の教育の問題が出てきております。したがいまして、どうして心の教育の問題が出てきたかというと、心とは何かということが大変難しい問題が出てきておりますけれども、実は「故きを温ねて新しきを知らば、以て師と為る可し」という孔子の教えがあります。その中に「四端」というのがあります。すなわちそれは、仁・義・礼・智であります。この四端の教育をこれから徹底していく必要があります。それは、沖縄が守礼の邦であるからであります。
 以上、答弁しておきたいと思います。
○教育長(翁長良盛) 伊波議員の御質問にお答えいたします。
 沖縄の学校の特色であるコンクリート壁をぬくもりのある木にかえていく考えはないかという御質問にお答えいたします。
 本県においては、住宅を初めとして学校建築など多くの建築物が台風、シロアリに強い鉄筋コンクリートづくりの建築物が一般に普及しております。
 しかしながら、教室などは児童生徒の学習の場であると同時に、1日の大半を過ごす生活の場でもあることから、木材の感触のやわらかさ、温かみ、高い吸湿性などのすぐれた性質を生かした潤いのある環境づくりが必要であると思っております。
 これらのことから、県としましても学校建築において今後、木の活用が図られるよう市町村教育委員会と連携して対処してまいりたいと考えております。
 次に、オープン教室の吸音、防音対策はどうなっているか、設計の段階から対策に取り組むべきだと考えるがどうかという御質問にお答えいたします。
 オープン教室は、個性や能力に応じた学習指導の場として教育上有効であり、県内には平成12年3月現在155校設置されております。オープン教室の吸音、防音対策につきましては、県といたしましても実情の把握に努めてまいりたいと考えております。
 次に、補充問題と定数問題につきまして、県の教職員定数と国の標準定数との比較はどうなっているか、臨時的任用教員配置の実態はどうなっているか、また九州各県の臨時的任用教員の状況はどうなっているか、その改善策はどうするのかという御質問に一括してお答えしたいと思います。
 教職員の定数につきましては、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」及び「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」にのっとり沖縄県の基準を定めております。
 沖縄県の教員配当定数は、国が定めた基準の範囲内で配置をしております。
本県の臨時的任用教員数は、初任研加配、指導法改善加配も含めて平成11年度は小学校217人、中学校349人、高校174人、特殊学校108人の合計848人となっております。
 九州各県の臨時的任用教員数については、鹿児島県が878人と一番多く、佐賀県が154人と一番少ない数となっております。九州の臨時的任用教員の平均は523人であります。
 九州各県の臨時的任用教員数については、初任研加配、指導方法改善加配等を含めてない県もあり一概に比較ができないものと考えています。
 学校における教職員の臨時的任用職員については、児童生徒数の増減に伴う教職員定数の変動や特色ある教育課程の実施への対応とともに、新規採用者の中長期的な展望に立った採用計画及び職員の年齢構成の適正化などを図る上から、一定の臨時的任用措置をやむを得ず行っているところでございます。
 今後とも臨時的任用職員の削減に努め適正配置を図り、本務職員の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、サミットの海上警備に水産高校の実習船を利用させる根拠を明らかにしてもらいたいという御質問にお答えいたします。
 九州・沖縄サミット首脳会合の海上警備に万全を期するため、沖縄県警察本部より水産高校の実習船の利用についての使用申請がございました。
 このことについて、県教育委員会といたしましては関係法令上問題はないか、実習船の運航計画や生徒の実習教育に支障はないか、乗組員の安全確保がなされているかなどについて慎重に検討してまいりました。
 その結果、特に問題がないことが確認できたこと、また県民挙げて九州・沖縄サミット首脳会合を成功させる必要があることから、沖縄県公有財産規則第29条の規定に基づき使用を許可したところでございます。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 中部病院の業務委託に関しまして何点か御質問がございますので、順次お答えいたしたいと思います。
 まず1点目、平成3年の業務委託にかかる通知の方針に変更はないのかという御質問でございますが、病院の業務委託につきましては、平成3年3月29日付の「委託業務にかかる業務請負契約書等の標準化について」という通知を出しておりますが、それに準拠して実施いたしておりますが、一般管理費につきましては平成7年度から全病院について10%として運用いたしております。
 それから、業務委託契約に当たっては最低賃金に近い雇用状態を想定していたのか、委託先の賃金実態を承知していたかとの御質問にお答えします。
 医事業務等にかかる予算につきましては、業務の質の確保と円滑な遂行のため、県の事務嘱託員報酬等を基礎に県内の最低賃金の伸び率などを考慮し所要額の予算措置をいたしているところでございます。
 それから、県が実施しております医事業務等の委託契約は、業者との間の契約で業務の遂行により報酬を支払ういわゆる請負契約でありまして、委託業者の個々の職員の給与につきましては会社との関係でもありますし、また個人の給与の情報でもありますので県としては特に調べておりません。
 それから、現在の契約における人件費総額と一般管理費の額と比率を説明してもらいたい、次に北部病院は一般管理費を10%と定めているが承知しているか、3点目に、一般管理費の肥大化に対して病院管理局はどのような措置をとるのか、現在の契約を見直す考えはあるか、他の県立病院の実態調査を行う考えがあるかとの御質問ですが、関連しておりますので一括してお答えします。
 平成12年度の中部病院の業務委託にかかる契約総額は3億3555万5000円で、人件費総額は3億505万円、一般管理費は3050万5000円で人件費総額の10%となっております。
 それから、北部病院の業務委託で一般管理費が10%ということにつきましては承知しております。
 次に、中部病院の一般管理費が肥大化しているとのことでございますけれども、先ほど説明いたしましたように中部病院につきましても一般管理費は人件費総額の10%となっておりまして、特に肥大化している状況ではないと考えております。したがって、契約につきましても見直す必要はないと考えております。
 なお、他の県立病院につきましても調査をいたしましたが、一般管理費は人件費総額の10%となっております。
 以上でございます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 県の民間委託の考え方について、沖縄県行政システム改革大綱の民間活力の導入についてお答えいたします。
 県を取り巻く行財政環境が非常に厳しい中、これからの行政は国や市町村、民間との役割分担を明確にし、それぞれが連携して住民の福祉の向上に努めるとともに、コスト意識を持って行政運営を行っていく必要があると考えております。そのため県では平成12年度を初年度とする行政システム改革を推進する中で民間で対応できるものは民間に任すという考えから、PFI導入の検討や委託化、民営化の推進、NPOやボランティアとの連携等民間活力の導入を図っていく考えでございます。
 次の委託業務について現行の最低金額入札方式を見直す考えはないか、一般管理費の比率制限と実績報告につきましてお答えいたします。
 地方公共団体の契約については、地方自治法第234条第3項において競争入札に付する場合においては、「契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもつて申込みをした者を契約の相手方とするものとする。」と規定されております。
 なお、地方自治法施行令第167条の10第2項においては、工事または製造の請負を競争入札により締結する場合に限り、当該履行の確保を図るため例外的に最低制限価格を設けることができることとされておりますが、委託業務等の契約については最低制限価格を設けて競争入札に付すべき性格の契約には当たらないと理解しております。
 県の委託業務の契約に当たっては、こうした地方自治法の規定に基づき最少の経費で最大の効果を上げることを基本にして財務規則に基づきまして契約の目的となる物件、または役務について取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、契約数量の多少、履行期間の長短等を考慮して予定価格を設定し適正な価格での発注に努めているところでございます。
 また、県の業務委託については民間活力を積極的に導入することによって県民サービスの向上と行政の効率化を図ることを目的としており、委託契約の履行に当たっては受託者の責任と内部努力により適正に行われているものと考えております。
 次に、県の委託業務の実態調査につきましてお答えいたします。
 県は、これまで民間へ業務を委託する場合は地方自治法、財務規則等に沿った基準により委託料を積算するとともに、委託業者の選定についても関連法令に適合した業者を選定してまいりました。今後とも県の業務を民間に委託するに当たっては、これらの考え方に基づき適正に対処していく考えでございます。
 また、委託契約の履行に当たっては受託者の責任と内部努力により適正に行われているものと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) サミットと道路の管理について、道路が草に覆われ通れなくなっている、サミットのために美観をよくする前に県民が歩道を通れるようにすべきではないかとの御質問にお答えいたします。
 県が管理する道路は147路線で延長が約1133キロメートルあります。道路の維持管理についてはこれまで交通の安全の確保はもとより、景観の向上、快適な道路空間の確保を図るため効率的な管理の方法の改善に取り組んでいるところであります。
 一方、道路の改築により年々増大する道路施設の建設に伴い道路植栽も増大しているが、その維持管理に必要な予算は県の財政事情もあって必ずしも十分ではないのが実情であります。
 このため、道路の植栽のあり方について検討するとともに、地域のシルバー団体、ボランティア団体を活用し地域住民と一体となった道路管理を進めているところであります。今後は地域の生活環境に配慮した維持管理に努めるとともに、御指摘のように雑草で歩道が歩けなくなる箇所も含めて具体的な対策として雑草の育成を抑制するための防草シートを活用し、道路利用者に対して良好な歩行空間の確保を図るため効率的な管理に努める考えであります。
 なお、平成12年度についてはサミット首脳会合が開かれることから、主会場や主要観光地へアクセスするサミット関連道路において修景美化事業等を重点的に実施してきたところであり、現在はサミットの成功に向け道路の維持管理に鋭意取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○伊波 洋一 再質問をいたします。
 まず、朝鮮半島の劇的な緊張緩和があるわけでありますけれども、今普天間移設をめぐる25年という期間は余りにも長過ぎるのではないかと私はそう思うんですが、ここ沖縄の中で25年が当たり前に議論になっているわけですけれども、そのことについて知事はどのように考えますか。
 あと1つ、一坪排除の問題ですけれども、憲法判断は差し控えたいと言いますけれども、最高裁判例がそもそも示されているわけでありますので、なぜ差し控えるのですか。
 嘉手納基地包囲について伺いますが、節度ある行動という表現をしましたけれども、私が求めているのはこの沖縄県民が基地をなくする、基地問題を解決させる、あるいはアピールをするというためにこの嘉手納基地包囲行動をしているんだけれども、そのことについて知事はどのように考えておられるのかということであります。
 それから県警本部、前回同様にという趣旨で答弁なされましたけれども、まさにそのとおりですね。そのような形でやっていただきたいし、他府県の県警の皆さんにもそのように指導いただきたいとこのように思います。
 それからPCBの問題でありますけれども、地位協定の見直しを求めていくという答弁をしましたが、PCBの保管状況を求める考えはないかということを私は問うておりますので、国に対して沖縄県内のPCBの保管状況を求める考えはないかという問いを再度答えていただきたいと思います。
 それから劣化ウランの問題については、汚染されているという認識をきちんとやはり持たないといけないと思うんですね。そのことをぜひ答弁いいですけれども取り組んでいただきたいと。
 それから、情報公開の利用について県として必要があれば検討するということですから、もう必要な状況が来ていると思うんですね、情報がほとんど出てきませんので。ですから今後は情報公開法を使うと、このことをぜひやっていただきたいと、このように思っております。
 サミット警備の問題ですが、なぜ沖縄県の水産高校の実習船まで使わなきゃいけないのか、このことについての明確な判断がわからないんですけれども、本来国がやるべきことではないのかと思うんですが、答弁願いたいと思います。
 それから病院の問題ですけれども、病院管理局長は10%だからと言っておりますが、それは業者が出した報告書じゃありませんか。そのことをまず明確にしていただきたいと思います。
 それから労働組合ができていまして、全部の給与明細書があります。(資料を掲示) この累積があるんですね。これは中部病院にも提出されております、保管管理状況を含めてですね。それで私が書いてあるような7600万というお金が出ているわけで、実際24%も一般管理費になっているわけですよ。そのことを、それが事実であるならば見直しをする考えがあるのかどうか、答弁を願いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の再質問にお答えいたします。
 最初は、25年というのはというお話でございましたけれども、私が常に申し上げているのは使用期限が15年ということでございまして、昨日申し上げたのは先方の記者がそういう質問に対してお答えをしたということでございます。
 それから次に、憲法判断について差し控えたいとの答弁の意味は何かということのお答えでございます。
 地方自治法においては、議会は議決機関として、また知事は執行機関として個別の権能を有しており、相互の関係は対等の立場にあり、それぞれにおいて内部運営が保障されております。
 県議会がこうした個別の権能と内部運営のもとで採択された陳情に関して知事の立場から憲法判断に言及することは適切ではなく、知事は、執行権限をみずからの責任と判断に基づいて行使する個々の具体的な行為をなす場合には憲法判断を踏まえるべきものと理解をしております。
 次に、嘉手納基地の包囲につきましてはこれは県内にさまざまな意見があるということを十分に承知しております。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の再質問にお答えをいたします。
 まず1点目のPCB保管状況を国に対して求める考えはないかということでございますけれども、過去に国の機関との事務調整の段階でこの保管状況について把握しているのであれば県に提供してほしいとこういう形で申し入れたこともございますけれども、その際には米軍の基地内の運用の中でなかなか十分把握できないというようなことがございましたけれども、しかしながら県としては先ほどもお答えしましたとおり米側にもその保管状況あるいは保管量、保管場所等々について照会しておりますし、今後とも国にもその旨求めていきたいとこのように考えております。
 それから情報公開法を使ってほしいと思っているがと、議員御指摘のとおり我々はできるだけそういうことを含めて検討していきたいと、こういうぐあいに思っております。
 以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 伊波議員の再質問の件でお答えしたいと思います。
 サミット警備に水産高校の実習船の目的外使用を許可いたしました。その件は先ほどもお答えいたしましたとおり、私どもは申請があって、これが本来の業務に支障がない、それからその他の関係法令等にも支障がないと、それから先ほど申し上げたとおり九州・沖縄サミットの首脳会合は県民挙げて成功させる必要があると、そういうようなことから規定にのっとって許可したと、そういうことでございます。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 再質問にお答えします。
 病院の契約につきましては、おっしゃるとおり契約に当たった業者から見積もり積算書を提出させておりますので、それから見ますと価格設定積算書の中で10%の一般管理費が計上されているということでございます。 
 おっしゃるように個々の給与の問題との関連で御質問されていると思いますけれども、個々の給与につきましては私どもは業者と会社と契約をいたしておりまして、その個々の職員がどれだけの給与で雇用されているか等につきましては個々の職員と会社の労使間の問題ということもありまして、そういうことで見直しをするというのは厳しいんじゃないかというふうに考えております。
○伊波 洋一 一般管理費の問題ですけれども、10%と見積もりを出させて二十四、五%あるいは28%のところもあるわけですから、こういうことは総務部長が言った効率よいというのは業者のためだけの効率のよいものになっているんじゃないですか。実態は違うということが明確になったら、これはやはり対処しなきゃいけないと思います。
 職員は、最低賃金で働かされているわけです。就業員規則法では9万5000円というのを打っておきながら、実際は9万円なんですね。(資料を掲示) そういう実態もきちんと知らないと、県がやっていくと最低賃金で県民を働かせることになりますよと、そういうことになるのでこれはやはり調べていただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時29分休憩
   午後4時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 病院管理局長。
   〔病院管理局長 新田宗一君登壇〕
○病院管理局長(新田宗一) 先ほども御説明しましたように、私どもは会社と契約をいたしておりまして、個々の職員がどれだけの給与を取って、そしてもしその給与がどれだけだったときにはどうしなさいということができるのかどうか、労使間の問題の解決についてはそれぞれのところで解決すべき機関があるんじゃないかというふうに考えております。
○新垣 米子 質問に入る前に、一昨日未明起きた米兵の事件に対して子供を持つ母親として、女性として怒りの抗議を表明して質問に入ります。
 まず最初に、代表質問との関連です。
 知事の15年使用期限の公約について。
 知事が昨年の11月に普天間のかわりの新たな基地を受け入れ表明をして以来、受け入れの前提条件の公約の15年が本当に保証できるのか、果たして保証できるのか、このことが一番の問題としてこの間論議されてまいりました。
 半年間のこの県議会での質疑を通して、また日米両政府の発言や対応を見てもこの15年が保証ができるということはどこをつついても何一つ出てこなかったというのがはっきりしているんですね。それでも要求し続けるからいいんだと、受け入れの作業を進めるのだとこう言っています。あとは日米両政府の外交問題、日本政府の国内問題だと知事は、県はあずかり知らぬと言わんばかりの答弁をきのうしました。実行できない公約を何とかごまかして言い繕って新基地を受け入れようとする稲嶺知事の姿勢が明らかになったと思います。
 そこで2つ質問いたします。
 SACOの合意では、新基地は運用は40年以上を日米両政府は既に合意しています。だからこの15年の期限をつけられることは米国にとってはこのSACOの合意に反することであるから、拒否をしているというこの理由は明確なんですね。SACOの合意の着実な実行を言っている知事がこの15年と矛盾をしないかという質問に対して、知事は40年合意というのは海上基地に関する合意だときのう答弁しました。
 知事、SACOの合意は海上基地なのか、陸上なのか、埋め立てなのかというこの形態を問題にしているのではないんです。どのような形態であっても米軍が要求する機能を定めたものであり、この内部文書でも40年以上とするこの期日というのは後から追加された条件ではなく、最初から明記されていることでも明らかなように40年は米軍の譲れない、アメリカの譲れない絶対条件である。だからこそ強い拒否発言をしているんです。
 米国が15年を認めないと言明している以上、この15年が実現不可能だということが明確になった以上、県民への公約に照らして受け入れないときっぱり県政の強い意思を示してこそ15年を認めさせる保証ではないか。私たちは15年であっても認める立場ではありませんが、少なくとも知事自身の県民への公約です。再度その立場から知事の見解を伺います。
 2つ目は、重大な問題はこの15年問題で比嘉政策参与が5月1日にワシントンのジョンズ・ホプキンス大学で米国防総省関係者らを前に講演した内容です。翌日の5月2日の読売の夕刊ではこう報道しています。「稲嶺知事が米軍普天間飛行場の代替施設の米軍使用期限を15年に設定するよう求めている問題について、日本政府と沖縄県との間で合意ができればよく、米政府に使用期限の確約を求める必要はないとの見解を明らかにした。」。
 皆さん、この新しい基地をつくった後15年たったら今後どうするかは日本政府の国内問題として対処してもらえればいいと、米国に対して沖縄は15年問題は固執しないから安心していいですよと県民だましの手口をアメリカまで行って発言した知事のこの政策ブレーンの発言、知事の考えと一緒ですか、明確にお答えください。もしそうなら明確な公約違反であり、政策変更となるが、明確にお答えください。
 次2番目に、さとうきび問題についてです。
 去る5月26日国会で糖価安定法が改正されました。新農業基本法に基づく市場原理の導入で、市価の変動率でさとうきび価格と国産糖価格をゆだねることを決定しました。
 価格補償の政府の法的責任を事実上廃止した今回の改正は、沖縄の基幹農業であるさとうきび生産の土台を切り崩すものであり、共産党として反対の立場を改めて表明するものです。
 今年度産のさとうきび総生産量は96万トン、前年度比2.8%減です。原因としては昨年9月の台風の影響が挙げられておりますが、根本的には生産費も償えない低価格を押しつけられていることが最大の原因であり、生産減少と後継者不足に歯どめをかけるために再生産可能な価格補償であることは明白です。 
 サミット参加国の8カ国の中で食糧自給率が40%を割っている国は日本だけです。ほかの国は、自国の食糧を自国の農業で確保する当たり前のルールと努力をしているのです。その土台が生産農家が安心して農業を営めるための価格補償です。
 政府が国民の安全な食糧と農業を守る責任を放棄したことは、21世紀の将来に大きな禍根を残すもので容認できません。政府の今回の事態で沖縄のさとうきびを守るために県当局の姿勢が改めて問われることになります。
 その立場から質問します。
 イ、きび価格を現在のパリティー指数を基準とした方式から新しい算定方式──現行価格を基準に国産糖の落札価格等の変動率及び生産コスト等の変動率を反映させて算定する──というこの新しい算定方式に変わるわけですが、この算定方式では単純計算すると毎年さとうきび価格の値下げが自動的になるのですが、どのように認識をしているのか、お伺いいたします。
 ロ、現在の農家の手取り最低価格を補償するとの政府の国会答弁だが、価格決定に当たって今まで以上に不安定要因が加わり農家が安心して生産できない事態となるのは明らかです。きび離れと生産量の低迷に歯どめをかけることができるでしょうか、お伺いします。
 ハ、算定の状況によっては激変緩和措置をとるとしているが、どのようなときに発動されるのか、基準があるのか、政府からどのように説明をされていますか、お伺いします。
 ニ、国産糖の卸価格を当面キロ当たり20円、中長期的にはキロ30円引き下げを目指し、そのために国産糖の価格決定に入札を導入し、コスト削減を至上命令で国産糖企業の再編合理化を強要するものであり、県内の資本力の弱い製糖工場が経営危機に追い込まれることは必至です。製糖工場の閉鎖、リストラが進めば沖縄の離島を初め地域経済、関係者の暮らしにはかり知れない打撃を与えることになると思うが、どう認識していますか。また、このような事態になったときに県としてどう対処するお考えですか、お答えください。
 ホ、集中脱葉施設の導入がなされましたが、活用状況はどうでしょうか。使用料に対して農家から高いとの声が上がっています。省力化で増産を目指す機械導入が反対に負担が重くなっては使用したくても利用できないというのが農家の声です。県としても農家の声を集約して国に対して利用料低減措置の要請をすべきではないでしょうか、決意をお伺いします。
 次に3番目に、県立病院の医師暫定手当廃止問題についてお伺いします。
 県が医師暫定手当の3年以内での廃止計画を公務員医師会の要請を無視して断行いたしました。その結果、医療現場はどうなっているでしょうか。多数の離島を抱える本県の医療を支えてきた県立病院は他府県に例を見ない離島医療や救急医療、高度医療、特殊医療の役割を果たしてきたこと、県民の命を守る医師としての使命感と不眠不休の奮闘に支えられてきたと言っても過言ではありません。
 今回の県当局の措置は、県立病院の役割を根底から切り崩すものであり、県民の立場からも容認できません。
 3月末、中部病院の小児科医師が過労で倒れ、6月いっぱいで退職することになったために中部病院の小児科外来の患者受け付けを制限する事態になったこと。同医師の年間の時間外勤務が1275時間に及んだことがマスコミでも大きく報道されました。
 この医師の過労労働は、小児科だけの問題ではなく県立病院の医師全体の実態であること、この実態はもはや放置できない事態になっていることが図らずも今回の小児科医師の過労、退職が示しました。
 文字どおり身を、命を削って県民の命と健康を守って奮闘している医師の働き過ぎの実態を医師の責任に転嫁する県当局の今回の措置は、道義上からも許されません。
 また、当事者である公務員医師会、そして組合との納得できる話し合いも保障しないで、合意もないままで決定を一方的に押しつけるやり方は、民主的な行政手法からも外れていると言わざるを得ません。
 公務員医師会が知事に対して今回要望書を提出していますが、知事は要望を深く受けとめ誠実に対処していただきたいと思います。その立場から質問します。
 イ、本県の医師の労働生産性(働きぐあい)は全国と比較してどうですか。患者数と診療収入についてお伺いします。
 ロ、本県の医師の平均超過勤務時間はどれだけでしょうか。全国との比較ではどうですか。
 ハ、本県の医師の働きぐあいと超過労勤務の実態をどう認識、評価していますか。
 ニ、6月29日の新聞によると、中医協調査で全国開業医の平均月収が237万円とあります。高いと言われている本県の医師の平均月収はどれだけなんですか。
 ホ、平成10年度病院事業特別会計で初めて前年度比患者減となった大きな理由にベテラン医師の辞職に伴う患者減との報告がなされました。暫定手当の一方的な廃止が中堅、ベテラン医師の頑張る気力を喪失させ、さらに辞職を余儀なくさせる最大の要因と考えますが、どう認識していますか。
 ヘ、県病院事業経営健全化計画では、経営健全化の具体的方策として患者の確保を挙げています。安定した医師の確保と能力が発揮できる体制、すなわち労働条件があってこそと考えます。診療の一番の担い手である医師に痛みを押しつけて目標が達成できると思いますか。
 ト、他府県以上に離島医療や救急医療などの不採算部門を抱えている本県の一般会計からの繰り入れが全国平均の40%でしかないことこそ問題です。赤字問題を医師にのみ責任転嫁するようなやり方は片手落ちではありませんか。一般会計の全国平均並みの繰り入れをやるべきではありませんか。
 チ、現場の声を無視した今回の措置をストップして、公務員医師会、医師労働組合の要請を受け話し合うべきと思いますが、その意思はおありですか。
 4番目に、高校授業料の減免制度の拡充について伺います。
 長引く不況の影響で家庭を支えている世帯主の失業、倒産が生活苦のため銀行の貸し渋りや公的資金が利用できないため、事業資金のやりくりのためにサラ金に頼らざるを得ない。その結果、自己破産に追い込まれるケースが急増しています。
 私は、豊見城村で3年前から無料相談所を設置してまいりましたが、昨年1年間だけでも延べ500件の相談が寄せられました。その6割がサラ金の被害の相談です。
 そのような中で、親の家庭の経済的事情で大学や高校の入学金や授業料が納められずやめる子供たちがふえています。学ぶ権利が奪われている実態が沖縄だけでなく全国的にもふえていることが実態として報告されています。
 そこで質問をいたします。
 イ、納入期日までに授業料を納入できない生徒が増加していると言われておりますが、実態はどうでしょうか。
 ロ、中退の中で経済的理由はどれぐらいですか。
 ハ、授業料の減免の申請者と承認者の数と予算はどうなっておりますか。平成9年度から3年間の比較、推移を示してください。
 ニ、減免枠を在籍生徒数の100分の8以内とするとあるが、その根拠は何ですか。県民所得70%以下、失業率が高い、その上母子家庭が多い実態を、沖縄の経済的なこの実態を根拠にすべきではないでしょうか。減免基準に生計困難な母子、父子家庭を明記すべきではありませんか。減免枠をふやすべきではありませんか。
 ホ、申請しても1000人以上の生徒が受けられていないのが実態です。申請に必要な要件、基準を満たしても予算がないからと切られております。当面、現行の減免枠の8%以内の最大の予算を組んでこの要求にこたえるべきではありませんか。
 教育長の決意をお伺いします。
 最後に、県内企業の優先発注問題について朝から質疑がなされておりますが、基地内スクールバス運行業務の入札を初め琉球大学の附属病院での清掃業務にかかわる入札で本土業者が落札したことがこの間大きな問題となっております。
 自由競争だから仕方がない、法的に手続上問題ないからどうしようもないというこの今の県の姿勢では、本当に県民の雇用や暮らしを守ることができません。
 今後、県としてこの問題にどう対処していくかということの改めて明確な態度、決意を伺います。
 答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の御質問にお答えいたします。
 最初は代表質問との関連で政治姿勢についてで、公約との関係で15年使用について伺いたいと、SACO合意自体既に40年使用では矛盾しているのではないか、また比嘉政策参与が米国で15年問題は国内問題であると発言しているが、知事の見解を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
 県としては、SACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると考えております。
 運用年数40年というのは、撤去可能な海上へリポートに関するものであると理解しています。海上ヘリポート案については、県民の財産にならないことから政府に見直しを求めたところであります。
 普天間飛行場の移設に当たっては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
 また、基地の提供責任は日本政府にあるということを述べてきました。戦後、日本の平和と経済繁栄の陰で、沖縄が55年間担ってきた負担について政府が日本国民に説明し、沖縄の過重な基地負担について全国民で議論していただきたいということも言い続けております。
使用期限問題については、国は、沖縄県知事及び名護市長からの要請を重く受けとめ、同問題を米国政府との話し合いの場で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応しながら米国政府と協議していくとの閣議決定を受け、去る日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられております。引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えております。
比嘉政策参与の発言については、個人の立場で訪米し、個人の見解を述べたものであります。
 続いて県内企業の優先発注問題についてお答えします。
 基地内スクールバスの運行業務を初め琉球大学の清掃業務に関する入札で本土業者となった、県として今後どう対処していくかについてのお答えでございます。
 県は、県内需要の創出による経済の活性化を促進するため、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき県内企業への優先発注を推進しております。特に国の出先機関や市町村、公社・公団、県内大学等に対しましては本方針に準じた積極的な対応を要請してまいりました。
 また、昨年7月には基本方針の趣旨を踏まえ、県内企業への優先発注などを柱とする沖縄県県産品奨励宣言を行ったところであります。
 県としましては、今後とも関係機関との連携を密にし、本方針の効率的な推進を図ってまいりたいと考えております。
○農林水産部長(小那覇安優) さとうきび問題について、新しいきび価格の算定方式では毎年さとうきび価格の値下げが自動的になるが、どう認識しているかとの御質問にお答えします。
 さとうきびの価格は、これまで「砂糖の価格安定等に関する法律」に基づく最低生産者価格制度により決定されてきました。同法は、平成12年6月に「砂糖の価格調整に関する法律」に改正されていますが、最低生産者価格制度そのものは堅持されています。
 最低生産者価格の算定方式は、従来のパリティー方式を改め、生産費その他の生産条件、砂糖の需給状況等を参酌し再生産を確保する仕組みになっております。
 算定に当たっては、国産糖の落札価格の乱高下防止措置を講ずること、為替や輸入価格など外的変動要因を除くこと、生産コスト等について変動を緩和することが検討されております。したがいまして新たな算定方式で算定される最低生産者価格は、さとうきび作の再生産を確保する価格水準を前提としていることから現行価格を大きく下回ることはないものと考えております。
 次に、さとうきび価格決定に当たって、今まで以上に不安定要因が加わりきび離れと生産量の低迷に歯どめをかけることができるのかとの御質問にお答えします。
 新たな最低生産者価格の算定方式は、国産糖価格の変動率と生産コストの変動率を基礎に算定されます。県としては、今後とも適正な農業所得を確保し、再生産が可能な水準に生産者価格が設定されるよう国に対し強く要請する考えであります。
 また、さとうきびの生産性向上を図るためかんがい施設等生産基盤の整備を初め機械化の促進、優良種苗の増殖普及、担い手の育成等諸施策を総合的に推進しているところであります。
 特に、さとうきび作の担い手となる借地型大規模経営体の育成については関係者が一体となって取り組んでいるところであります。現在、既に8法人が設立されており、さらに伊是名村、読谷村、伊良部町等で5法人の設立が予定され、平成15年度までには46法人を育成する計画であります。
 次に、激変緩和措置はどのようなときに発動されるのか、基準があるのかとの御質問にお答えします。
 国は、最低生産者価格の算定に当たって新制度への円滑な移行、生産者の所得と再生産を確保するため算定の状況によっては激変緩和措置を講ずることができるとしていますが、現時点で基準等は具体的に示されておりません。
 次に、国産糖の卸売価格の引き下げは製糖工場や地域経済、関係者に打撃を与えると思うが、県としてどう対処するかとの御質問にお答えします。
 御指摘のとおり、砂糖卸売価格の引き下げは、生産者及び国産糖企業に影響することが懸念されます。このため、県としては加糖調製品の国境措置と国産糖企業の安定対策を要請してまいりました。その結果、新たな砂糖・甘味資源作物政策大綱には、加糖調製品対策に積極的に取り組む必要性が明記されています。
 また、砂糖卸売価格の引き下げによる国産糖企業への支援策として砂糖生産振興資金が活用されることになっております。
 今後とも、さとうきびの再生産が確保される生産者価格を強く求めるとともに、国産糖企業の経営実態等を勘案した新制度への移行と国の支援策を強く要請していく考えであります。
 次に、集中脱葉施設の活用状況はどうか、利用料金低減措置の要請を国にすべきではないかとの御質問にお答えします。
 集中脱葉施設については、現在、18工場のうち6工場に導入されており、その平均利用率は66.1%となっております。
 集中脱葉施設の整備については、さとうきび生産総合対策事業で80%の高率補助が講じられており事業主体の負担軽減が図られております。
 なお、利用料金など施設の運営費については、補助事業の運用上、補助対象にすることは困難と考えております。
 集中脱葉施設は、利用率が高くなると利用料金は低くなります。
 また、集中脱葉施設の利用は、収穫作業の大幅な省力化、低コスト化が図られるとともに、製糖歩どまりが向上しさとうきびの生産振興に大きく貢献します。
 県としては、さとうきびの生産拡大を図るとともに、関係者が一体となって集中脱葉施設と連携した収穫体系の普及・啓蒙に努め利用料金の低減化を図っていく考えであります。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 県立病院の医師暫定手当の廃止問題に関しまして何点かの御質問がありますので、お答えいたしたいと思います。
 まず1点目に、本県の医師の労働生産性は全国と比較してどうか、2点目に、本県医師の平均超過勤務時間はどれだけか、全国との比較はどうか、3点目に、本県医師の働きぐあいと超過勤務の実態をどう評価しているか、4点目に、本県医師の平均月収はどれぐらいか、以上4点関連いたしておりますので、一括してお答えいたします。
 平成10年度地方公営企業年鑑によりますと、県立病院の医師1人当たりの入院患者数は本県は12.6人、全国平均は8.0人でございます。
 それから、外来患者数は本県15.7人、全国11.5人でございます。
 医師1日当たりの診療収入は、本県48万8193円、全国36万5846円でございます。
 超勤時間数につきましては、時間での全国比較のデータがございませんので、金額での月当たりの平均超勤額で比較いたしますと本県27万839円、全国 8万8494円でございます。
 これらの評価につきましては、生産性を示す諸指標が全国より高い状況にあることは、本県が県立病院依存型の医療供給体制になっていることや、中部病院の救命救急を初めとする各県立病院とも救急医療を担っていることなどを反映した結果であると考えております。
 また、本県の公務員医師の平均月収は151万1000円となっております。
 次に、医師暫定手当の廃止が中堅、ベテラン医師の辞職を余儀なくさせている最大の要因と考えるが、どう認識しているかという質問にお答えいたします。
 確かに県立病院といたしましては、中堅、ベテラン医師の退職は病院事業に大きな影響がありますので、そのようなことがないように努めてまいりたいと考えているところでございます。
 平成10年度で患者減の原因となりました医師の退職は、民間病院からの勧誘、招聘と申しますか──による転出が理由であると聞いております。
 それから、県立病院経営健全化計画では患者の確保を挙げているが、医師に痛みを押しつけて目標が達成できると思うかという質問にお答えいたします。
 県立病院につきましては、大変厳しい経営状況にあることから病院事業経営健全化計画を進めているところでございます。その一環といたしまして収入を確保する観点から患者の確保を推進しているところでございます。
 病院事業の安定経営と適正な医療サービスを提供するためにも、県立病院の経営健全化に全員で取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
 それから7番目に、一般会計からの繰り入れについての御質問でございます。
 一般会計からの繰入金は、毎年度、自治省通知で示される一般会計繰出基準に基づきまして事業ごと、経費ごとに算定された経費について一般会計における地方交付税の措置状況等を勘案して措置されております。
 病院事業といたしましては、厳しい経営環境のもと経営の合理化、効率化などより一層経営健全化を推進するとともに、救急医療、高度・特殊医療及び離島・僻地医療などの不採算部門につきましては、適正な繰入額の確保に努めていきたいと考えております。
 以上であります。
○総務部長(與那嶺恒雄) 医師暫定手当の廃止に関し、公務員医師会と話し合う意思はないかについてお答えいたします。
 県は、給与制度の適正化を図る観点から職員全体を対象に特殊勤務手当や給料の調整額の見直しを行っており、その一環として医師の給与についても医師暫定手当の見直しを行いました。
 医師暫定手当は昭和47年、医師の確保を図る観点から、当時の琉球政府における公務員医師の給与水準を当分の間制度的に保障するという趣旨で設けられた手当でございます。
 同手当につきましては、1点目に、県内の国立病院に勤務する医師については平成9年12月末日をもって廃止されたこと、2点目に、平成10年度の人事委員会報告においても国の取り扱い等を踏まえて適切な見直しを行う必要がある旨報告があったことなどから平成12年1月から経過措置を設け、平成14年3月末日をもって廃止することにしております。
 同手当を廃止することにつきましては、これまで10数回にわたり説明会等を行うなど所要の手続を経て人事委員会規則を改正し、既に実施しているところでございます。
 以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 高校授業料の免除制度の拡充についてという新垣米子議員の御質問にお答えいたします。
 まず、納入期日までに授業料を納入できない生徒が増加していると言われているが、実態はどうかという御質問にお答えいたします。
授業料につきましては毎月徴収しており、主に口座引き落としの方法によって行っております。
 御質問の授業料の期限内納付は、平成9年度で87.11%、平成10年度で86.93%、平成11年度で86.95%となっております。
 この期限内納付に係る未納の主な理由は、預金口座残高不足や納付期日を忘れたことなどによるものであります。
 なお、年間を通しての未納者はおりません。
 次に、昨年県内で経済的理由によって高校中退者が何名出たのかという御質問にお答えいたします。
 平成11年度における県立高等学校中途退学者数は1686人で、経済的理由による中途退学者は67名であります。そのうち授業料滞納による中途退学者は30名であります。
 なお、そのほとんどの生徒が学業成績不振で出席状況が悪く、退学の要因として沖縄県立高等学校学則第33条4項3号の「出席が常でない者」という条項もあわせて適用されております。
 次に、授業料の減免の申請者と承認者の数と予算はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 授業料減免の申請者及び承認者の数は、平成9年度は申請者数4876名に対し免除者3757名でその承認率は77.05%、平成10年度の申請者数が4889名に対し免除した者は3753名でその承認率は76.76%、平成11年度は申請者の数5329名に対し免除した者は3813名でその承認率は71.55%となっております。
 授業料減免に伴う歳入予算への影響額は、平成9年度は3億8055万7200円、平成10年度は3億8282万7600円、平成11年度は3億9394万8600円となっております。
 次に、減免枠を在籍生徒数の100分の8以内とするとあるが、その根拠は何かという御質問にお答えいたします。
 授業料の減免枠につきましては、沖縄県立高等学校授業料等徴収条例施行規則第5条により「原則として在籍生徒数の100分の8以内とする」となっております。
 この減免枠につきましては、授業料の減免措置が原則として授業料の納付が著しく困難な者を対象としていることを踏まえ、他府県の減免率を参考にするとともに、本県の所得水準などを勘案し設定しております。
 次に、県民所得70%、失業率が高い、母子家庭が多い実態を根拠にすべきではないか、減免基準に生計困難な母子、父子家庭を明記すべきではないか、減免枠をふやすべきではないかという御質問にお答えいたします。
 授業料減免の承認に当たっては、沖縄県立高等学校授業料等徴収条例施行規則等に基づき生活保護受給世帯またはこれに準ずると認められる世帯及び災害、傷病、失業、営業不振などによる生活困窮世帯などの生徒を対象にしております。
 このようなことから、御質問の母子家庭及び父子家庭等につきましては考慮しているものと考えております。
 次に、申請しても1000人以上の生徒が受けられていない、申請に必要な要件、基準を満たしても予算がないからと打ち切られている、現行の減免枠の8%以内の最大の予算を組んでこたえるべきではないかという御質問にお答えいたします。
 高校授業料の減免措置については、原則として経済的理由により授業料の納付が著しく困難な者を対象としていることを踏まえ、生徒の生計状況などを勘案し今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
 なお、平成10年度の全国の授業料減免は、在籍生徒数279万3582人に対し減免者数は12万2177人で減免率は4.37%となっており、これに対し本県は7.06%と高くなっております。
 以上でございます。
○新垣 米子 再質問いたします。
 知事は、政策参与のこの講演は個人的な責任でやったんだというふうなことをおっしゃっていたんですが、報道ではそういうふうに書いてないんですね。「稲嶺県政が7月の沖縄サミット後に本格化する使用期限問題の打開に向け、従来の方針の見直しに動き始めたことをうかがわせる。」と。少なくとも稲嶺知事の側近で政策ブレーンでもある比嘉政策参与がこういう公的な場所での講演ですよ。
 そこでもう一度言いますけれども、知事の意向を受けた形でそこが発言されたというふうに私たちは見ております。ですから重大な発言だと思いますので、改めて、そうではないと、方針変更ではないというふうなことであればきちっと明確にはっきり言ってください。
 もう一つ総務部長の方に、ベテラン医師が今回こういう問題が出されて1人、私知り合いですが、やめております。これは暫定手当、これまで頑張ってきて働いたこの分が将来に対する生活設計を組んでいるわけですよね。それが成り立たない状況になっている。だから今医師会の皆さんは、それにかわるもう少し長期的なきちっと将来の生活設計の見直しができる、こういう猶予を与えてくれというふうなことを一つの条件に入れています。
 改めて話し合う機会を持っていただきたいというふうに思って、決意を伺って終わります。
○知事(稲嶺惠一) 比嘉政策参与につきましては、先般の訪米は、休暇をとりまして研究機関の一員として行ったのでございます。御報告しておきます。
 そういうことで、政策参与の立場ではございません。研究機関のメンバーとして訪米いたしております。
○総務部長(與那嶺恒雄) 医師暫定手当につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、県内の国立病院に勤務する医師の当該手当が廃止になったこと、さらに平成10年度に人事委員会の報告でこれを見直す必要があるという旨の報告があったこと等を勘案して、平成12年の1月から経過措置を設けて平成14年3月末日をもって廃止することにしております。その間、公務員医師会を初め10数回にわたりまして説明会等を行ってまいりました。
 なお、話し合いといいますより、この廃止に至った経緯等内容等につきまして公務員医師会等から説明をやってくれというふうな申し出がありましたら、その説明には赴きたいというふうに考えております。
○新垣 米子 ちょっと休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時15分休憩
   午後5時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) ただいまのお話は個人の立場の見解を述べたものでございます。(「政策の変更かと聞いている」と呼ぶ者あり) 政策の変更はありません。
○当山 全弘 一般質問に入ります前にきのうの代表質問等との関連で、米兵が起こしました事件・事故等について事の重大さがありますので、ここで知事のコメントを求めていきたいと思います。
 7月3日未明に米海兵隊員によりますよき隣人と言われております女子中学生に襲いかかるというわいせつ事件が発生しました。そのことは、過去の不幸な事件を思い起こします。米兵にとって沖縄はどういうところでしょうか。米国でも同じことができるのでしょうか。沖縄を特別視しているのではないでしょうか。真夜中に就寝している善良な市民の住宅に押し入り、女性を襲うなど言語道断、許せない極めて悪質な行為であります。
 ファクス、電話での対応は生ぬるい。県は抗議をしたということを言っておりますけれども、関係省庁への抗議行動等についても早急にやるべきであると思います。沖縄市長も即刻行動をいたしました。県議会も特別委員会等を開いて関係省庁に行動すべき議決をしております。県知事のこのことについてのコメントを最初に求めたいと思います。
 それでは平成12年第2回沖縄県議会定例会に際し一般質問を行います。
 1番目に、先進国首脳会合と米軍基地についてお伺いいたします。
 20世紀は戦争の世紀とも言われる。各国は競って侵略し戦争を繰り返した。特に沖縄県は、今次大戦において本土防衛の最前線基地として初の地上戦が行われ、20万人余りのとうとい人命が失われました。東西冷戦が終結した今も民族、宗教などの違いから紛争が絶えません。
 サミットのメンバーであるロシア、ドイツといい、つい最近までいがみ合い対立してきました。しかも先般、南北に分断された朝鮮半島の韓国、北朝鮮のトップが握手により激しい対立の構造が解消される方向で動いております。
 沖縄サミットの議題である、より繁栄した21世紀に、そういうふうな前提となるのはやはり平和であります。世界に平和を発信し、実り豊かな収穫があったと評価される取り組みが要求されます。韓国と北朝鮮の南北首脳会談の結果は、その進展によって東アジア地域の情勢が著しく変化する可能性が出てまいりました。朝鮮半島の緊張関係が緩和すると、冷戦構造が維持されている沖縄にも平和の配当が期待されます。両国間の平和統一に向けた協議で在韓米軍撤退問題が出てまいります。それと並行して在沖米軍基地の削減につながる可能性があります。
 次の質問をいたします。
 1、基地問題について。
 1番、沖縄の米軍基地の実態はいかに大きな荷物を背負わされているかを如実に示すものであるが、どのように対処するつもりですか。
 2番、変わる北朝鮮の認識と内外情勢にどう対処するつもりですか。
 3番、在韓米軍撤退を考える時期(米上院外交委員長)発言についてお伺いいたします。
 4番、在沖米軍基地の強化については、反対の立場を貫いてほしいですよ、いかがですか。
 5番、普天間基地の代替施設の15年使用期限問題については、政府の対応は依然としてあいまいで当事者の米政府は期限を明確に否定しております。政府は対米折衝をする意思があるのか、知事は政府にどう臨み対米折衝を要請するのですか。
 6番、政府は普天間飛行場を県外、国外に移設できない理由を挙げております。つまり、在沖米海兵隊の機能は分散移転できないと言っております。だからといって米軍基地の75%が沖縄に集中してよいということにはならないと思うが、知事の所見を伺います。
 7番、基地内のごみ処理の実態について、これは燃えるごみ、燃えないごみ、不燃物、埋め立て等についてその実態はどうなっているか、お聞かせください。
 8番、基地周辺水域の環境調査についてはどのようになっているか、説明をしてください。
 2、サミット関連についてお伺いします。
 1番、沖縄戦の教訓を生かした平和のとうとさと戦争の愚かさを世界に発信してほしいが、そのことについて知事の所見を伺います。
 2番、クリントン大統領に直接訴えることの内容について伺います。
 3番、県民は交通規制や警備に不安を抱いているが、どのように対処するか、お伺いいたします。
 3、全戦没者追悼式について。
 世界平和の創造を誓う戦後55年目の慰霊の日の6月23日を迎えました。20万余りのとうとい犠牲者を出した激烈な沖縄戦も終結から55年、20世紀最後の第43回沖縄全戦没者追悼式が厳かにとり行われました。
 次に質問をいたします。
 総理大臣のあいさつは、県民の最大公約数的な意思に反していないかどうか。これは基地問題についてであります。つまり沖縄の痛みは日本全体で分かち合って考えるべきであるという文言等が抜けておりましたけれども、そのことについてお伺いいたします。
 平和の礎の建立の意義についてお伺いいたします。
 敵味方が刻まれていることについては評価が二分されますけれども、今回のサミットで来県するクリントン大統領が南部戦跡において基地の提供等に対するお礼という形で述べるようでございますが、戦争の犠牲になった礎の建立の趣旨からこれは妥当ではないというふうに考えますけれども、改めて平和の礎の建立等についてお伺いいたしたいと思います。
 3番、平和祈念資料館が開館(4月)から初の慰霊祭を迎えたが、成果と今後の取り組みについてであります。
 これは昨年、平和祈念資料館の改ざん等の問題でいろいろ問題がありましたけれども、立派なものができたと思っております。入館者も10数万人を超えているというふうに聞いております。特に今後、平和教育に内容を充実して立派なものにしていただきたいという立場でこの3番の質問をしておりますので、よろしくお願いします。
 4番、恒久平和の誓いを新たにした慰霊の日にキャンプ・ハンセン内で演習による山火事が発生したが、どのように対処したか。
 5番、平和祈念公園でロープを張りめぐらし入り口を1カ所にしてアーチ型の金属探知器を設置して参列者一人一人をチェックする物々しい警備をしておりましたけれども、「慰霊の日」になじむ行為であったか、真意を伺いたいと思います。
 私も遺族会の一員でございまして、普通は糸満小学校から10.2キロの道のりを行進しますけれども、今回に限って途中まで歩いて式場に臨みましたけれども、物々しい警備体制に遭いまして、これは慰霊祭になじむかどうか大変疑問に思いましたので、知事の御所見を伺いたいと思います。慰霊の日になじむ行為であったかどうか、真意を伺いたい。
 6番、在日四軍調整官が軍服姿で招待されたが、その真意を伺いたい。また県民の反発はなかったのか、それにどう対応したか。
 これは17年前にも日の丸等が掲げられた事例がありますし、またこれは戦争を風化させてはいけないけれども、ますます軍事色が強まって日米軍事同盟的な色合いを濃くしているなという感も受けますので、絶対このようなことはしてはならないという立場から質問をいたしております。
 4、教師の体罰、暴言、暴行及び少年犯罪についてお伺いいたします。
 教育の荒廃、学級崩壊が問題になっている学校現場で体育教諭が殴る、けるの暴行を加えた事件は大きな社会問題になっております。社会に与えた衝撃ははかり知れません。このような教育環境の中で生徒と教師との正常な関係が成り立つわけがありません。お互いの信頼関係を確立するためにも体罰の禁止を徹底すべきであるというふうに考えております。
 次の質問をいたします。
 1番、浦添市立港川中学校の男子生徒を殴打するなど大けがを負わせた事件について任命権者、これは県の教育庁だと思いますので、その対応と学校管理規則、服務に関する規程で監督責任はどこにあるのか。よろしくお願いします。
 2番、少年犯罪について。
 那覇市の少年殺害事件、女子高生による集団暴行、宜野湾市内での少年恐喝事件等々について警察の対応についてお伺いします。
 5、次期沖縄振興開発計画の内容について。
 1次、2次の振興開発については多くの分野で本土との格差是正が次第に縮小されました。沖縄の独自性を生かし、自立的発展の基礎条件を整備することを目的とした企業誘致は、バブル崩壊後の景気低迷、国内景気の低成長に伴い寂しい状況で自立的経済の展望が開けない状況が続いております。そのために2002年に期限が来る第3次振計の延長策が沖縄にとって最も重要な課題であるというふうに考えます。
 次の質問をいたします。
 1番、北部地域振興策の内容、2番、普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興策の内容、3番、駐留軍用地など跡利用の促進及び円滑化などに関する内容、4番、県民要求である基地の整理縮小を求める意思は集約されておりますかどうか。
 これについては、県民世論は県内移設反対が45%、賛成が32%というふうな世論からしましても普天間の県内移設等について振興策が図られるということ自体は慎重に考えなくちゃいけないと思う立場で質問しておりますので、このことについてよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 あとは時間がありますので、再質問をいたします。よろしくお願いします。
○渡久地 健 議長、休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時31分休憩
   午後5時32分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えいたします。
 最初に代表質問との関連で、米海兵隊員による住居侵入及び準強制わいせつ事件についてどう対応したかについて。
 この事件についてはまことに遺憾であると思っております。そして県は本件に関し昨日、アール・B・ヘイルストン在日米軍沖縄地域調整官に対し厳重に抗議するとともに、綱紀粛正及び兵員に対する教育の徹底を含む再発防止について万全を期するよう強く要請したところであります。
 要請に対し、ヘイルストン中将からは、昨日の事件に関してアメリカを代表しておわびしたい。米軍としては兵員に対しこれまで教育プログラムを実施してきたが、事件が1件でも起こることは許されないゆゆしきことであり、恥ずべきことである。今後とも教育プログラムを徹底して再発防止に努めたい旨の回答がありました。
 また一昨日、在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)並びに容疑者が所属する第36海兵航空群司令官に対し同様な申し入れを行っております。
 県としては、本事件に関し早急に三者協を開催するよう申し入れたいと考えております。
 なお、明日、県副知事を初めとして先方に抗議の申し入れをしたく現在議会に申し入れをしているところでございます。
 それでは通告に従いましてお答えしたいと思います。
 まず、主要国首脳会合と米軍基地についての中で、沖縄の米軍基地の実態はいかに大きな荷物を背負わされているかを示すものであるが、どう対処するつもりかということの御質問に対するお答えでございます。
 来るサミットでは、各国の首脳を初め政府関係者並びに世界各地から来県する多くの報道関係者が沖縄県民の長年にわたる過重な基地負担の現状をありのままに見ていただき、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることを知っていただくよい機会であると考えています。
 また、県では沖縄でのサミット開催を契機に沖縄の基地問題が日本全体の問題であるということを多くの国民が認識していただく機会になってほしいと考えています。そのことが、本県の基地問題の解決を促進する上で大きな力になるものと確信をしております。
 続いて同じく主要国首脳会合と米軍基地についてのうち、1つ、変わる北朝鮮の認識と内外情勢にどう対処するつもりかということと、米上院外交委員長の在韓米軍撤退を考える時期発言についてどう考えるかと、次の、在沖米軍基地の強化については反対の立場を貫いてほしいがどうかという3つの御質問に一括してお答えをしたいと思います。
 朝鮮半島における首脳会談で両首脳が南北の統一を目指し、和解と協力の新たな時代へ向けて合意したことは画期的なことであり、今後、南北間の対話が継続されることにより朝鮮半島の緊張緩和の進展が期待されます。
 また、ヘルムズ米上院外交委員長が、朝鮮半島においてもし緊張緩和が事実となれば在韓米軍を撤退させる計画に着手しなければならないとの発言があったことは承知しております。
 南北間の対話は一歩踏み出したばかりでありますので、県としてはこれからの朝鮮半島情勢の推移を見守っていきたいと考えています。
 いずれにしましても、県としては県民の願いである基地の整理縮小を一歩一歩着実に推進していきたいと考えております。
 次に、同じくサミットと米軍基地についての御質問についてのお答えでございます。
 御質問は、15年使用期限について政府の対応はあいまいで、米政府は期限を明確に否定していると、政府にどう臨み対米折衝を要請するのかという御質問にお答えいたします。
 県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
 また、基地の提供責任は日本政府にあるということを述べてきました。戦後、日本の平和と経済繁栄の陰で沖縄が55年間担ってきた負担について政府が日本国民に説明し、沖縄の過重な基地負担について全国民で議論していただきたいということも言い続けております。
使用期限問題については、国は、沖縄県知事及び名護市長からの要請を重く受けとめ、同問題を米国政府との話し合いの場で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応しながら米国政府と協議していくとの閣議決定を受け、去る日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられております。引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
 県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し、一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えております。
 次に、政府は普天間飛行場を県外、国外に海兵隊の機能が分散できないことを挙げている、基地が沖縄に集中してよいということにならないと思うが知事の所見を聞きたいという御質問のお答えでございます。
 普天間飛行場については、宜野湾市の市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできました。
 普天間飛行場の移設問題については、国外、県外への移設等さまざまな意見や考え方があったことは承知しておりますが、一日も早い解決を図るため苦渋の選択肢として県内移設を選択したものです。
 県としては、実現可能なものから確実に一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を着実に進める現実的な方法であり、米軍基地問題の解決を促進するものであると考えております。
 次に、同じくサミットと米軍基地について、沖縄戦の教訓を生かした平和のとうとさと戦争の愚かさを世界に発信してほしいがどうかという御質問に対するお答えでございます。
  私としては、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを後世に伝えることはもとより、広く世界に目を向けた平和の発信が重要であると考えております。
 沖縄県には、このような平和を希求する県民の願いをあらわすものとして平和の礎があります。したがって私はサミットで来県する各国の首脳や夫人、政府関係者及び報道関係者に平和の礎をぜひ訪れていただきたいと考えています。
 その他、米軍基地を初めありのままの沖縄の現状を見ていただいたり、できるだけ多くの県民の代表の方々と触れ合っていただくなどの交流を通じて沖縄県民の平和を希求する願いを実感していただき、沖縄県民の長年にわたる過重な基地負担の現状や県民が基地の整理縮小を強く望んでいることを知っていただきたいと考えています。
また、サミット期間中には平和祈念公園を訪問していただくプレスツアーや、住民の視点から米軍基地を視察していただくプレスツアーなども実施する予定であるほか、さまざまなメディアを駆使した情報発信事業を展開しているところです。これらのことが本県の基地問題の解決を促進する上で大きな力になるものと確信をしております。
 次に、クリントン大統領に直接訴えることの内容についてという御質問についてです。
 県では、サミットで本県を訪れる方々に沖縄の基地の現状を肌身で感じていただき、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることを知っていただきたいと考えております。
なお、クリントン大統領と私がどういう形でお目にかかることができるかわかりませんが、もし機会があれば何らかの形でこうした県民の気持ちをお伝えしたいと思います。
 次に、全戦没者追悼式において総理大臣のあいさつは県民の最大公約数的な意思に反していないかとの御質問に対するお答えでございます。
 平成12年沖縄全戦没者追悼式典での森内閣総理大臣及び昨年の同式典での野中内閣総理大臣臨時代理のあいさつは、いずれも本県の抱える基地問題について県民の負担を軽減するため県民の理解と協力のもと、米軍施設・区域の整理・統合・縮小に向けてSACO最終報告を着実に実施するという政府の姿勢を示したものであり、基地の整理縮小を求める県民の意向を踏まえた本県の基地問題に取り組む政府の姿勢に変わりはないものと理解しております。
 なお、去る4月5日の森内閣初閣議後における青木官房長官の記者会見では、小渕前首相の沖縄に対する情熱を内閣全体でしっかり引き継ぎ、政府一体となって取り組む旨の発言がなされており、去る6月23日の沖縄全戦没者追悼式典へ森総理大臣がじきじき出席されたことは、森総理の沖縄問題に取り組む強い意欲を示したものだと考えております。
 次に、次期沖縄振興開発計画の内容について、県民要求である基地の整理縮小を求める意思は集約されているかとの御質問にお答えします。
 次期沖縄振興開発計画においては、県民の総意である米軍基地の整理縮小の推進を位置づけるとともに、都市計画や産業振興の推進など経済の自立化に向けた振興開発を図る観点から、返還された米軍基地跡地の有効利用について同計画の中で位置づける方向で検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○警察本部長(西村泰彦) まず、サミット関連の御質問についてお答え申し上げます。
 サミット警備につきましては、主要国首脳等の身辺の安全確保並びに首脳会議及び関連行事の円滑な進行の確保とあわせて県民生活の安全と平穏の確保を基本方針に諸対策を推進してきたところであります。
 サミットをめぐりましては、米軍横田基地においてゲリラ容疑事件が発生するなど大変厳しい情勢の中での警備になっておりますが、このような大規模警備におきましては県民の皆様の御理解と御協力を得なければ成功は期しがたいとの認識で、機会あるごとにそのような御理解や御協力をいただくよう努力をしてきたところでありますし、今後も努力してまいりたいと思います。
 特に県民の皆様が最も関心の高い交通規制につきましては、早い段階からサミット期間中の交通総量抑制への御協力を繰り返しお願いするとともに、交通規制につきましても規制の内容を可能な限り事前に県民の皆様にお知らせするなどしてまいりましたが、首脳等の日程が未確定な部分が多く、したがいまして交通規制も未確定の部分が多いのが実情であります。
 今後、首脳等の日程が確定次第、より詳細な交通規制計画を速やかに県民の皆様にお知らせしてまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
 次に、少年犯罪についての御質問にお答え申し上げます。
 全国的に少年による凶悪事件が多発しておりますが、本県におきましてもつい最近、少年による殺人事件等の悪質な犯罪が発生するなど少年問題は極めて憂慮すべき状況にあります。
 県警におきましては、これら悪質な少年犯罪に歯どめをかけるため少年警察当面の緊急課題としてその防止対策に取り組んでいるところであります。
 本県における一連の少年犯罪の傾向について見ますと、無抵抗の弱者を集団によって所構わず殴る、けるの暴行を加えて殺害、あるいは瀕死の重傷を負わせるなどの暴力事件が多発傾向にあり、その犯罪の動機が警察に通報された、あるいは生意気だなど利己的でかつ短絡的であるなど少年犯罪は悪質かつ集団化しているとともに、少年の規範意識が希薄化している現状にあります。
 その防止対策について御説明申し上げます。
 第1は、少年の重大非行の前兆となる問題行動の把握と、それに対する適切な措置であります。学校やPTAなどの関係機関・団体との連携強化によって不良グループを解明しその解体を図るとともに、家出、長期怠学等の問題行動少年やいじめに遭っている少年の早期発見に努めて適切な補導措置を行っているところであります。
 第2は、少年相談業務の充実強化であります。
 少年サポートセンターの少年相談業務「ヤングテレホン」を初めとして各警察署の相談業務における受理体制の強化を図って被害者、保護者などからのSOSをしっかり把握する体制を整備し、どんな小さな兆候でも見逃すことなく適切に指導助言を行うようにしております。
 第3は、少年の深夜徘回防止対策についてであります。
 本県の少年犯罪は、深夜徘回と深くかかわって発生していることから、県警といたしましては少年の深夜徘回防止を図るため関係機関・団体と連携して街頭補導活動を強化するとともに、シンデレラタイムの普及運動を推進し少年の深夜徘回をしない、させないための機運醸成を図っているところであります。
 県警といたしましては、少年非行総合対策を本年の県警の活動重点の一つに定め取り組みを強めておりますが、今後とも教育庁等の関係機関、関係団体等と連携して少年犯罪の防止にさらなる努力をしてまいる所存であります。
○文化国際局長(金城勝子) 平和の礎の建立の意義についてお答えをいたします。
 平和の礎には、国籍を問わず軍人や民間人の別なく沖縄戦などで亡くなられたすべての人々に哀悼の意をあらわすとともに、世界の恒久平和を願いその氏名が刻銘されております。この礎には民族や文化、宗教、イデオロギーを乗り越えて恒久平和の実現を祈る県民の思いが込められているものであります。
 次に、平和祈念資料館開館後の効果と今後の取り組みでございます。
 平和祈念資料館は、4月の開館から6月までの3カ月間で常設展示室の観覧者が約14万5000名となっております。
 現在、資料館では常設展示のほか、県内外の多くの方々から寄贈、寄託をいただいた遺品等の資料を展示する「企画展」、それと同時に全県下の児童生徒から募集した平和に関する絵画や作文、詩を展示する「児童・生徒の平和メッセージ展」、またミニ企画展「子どもたちと沖縄戦」を開催しております。
 教育活動の一環として当館を訪れる県内の児童生徒については、常設展示の観覧料を免除しているところですが、開館後3カ月で県内、県外の小中高校合わせて294校、3万2700名余の児童生徒が教育活動の一環として団体観覧を行うとともに、子ども・プロセス展示室においては41校、2700名余の小学生が当館の学芸担当職員の指導のもと平和学習を行いました。
 また、施設利用としましては多目的ホールや会議室など順調に利用されているところであります。
 今後とも企画展の開催やさまざまな取り組みを行いながら、平和学習と平和発信の拠点施設として充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 全戦没者追悼式についての質問事項のうち、「慰霊の日」にキャンプ・ハンセン内で演習による山火事が発生したがどう対処したかという御質問にお答えをいたします。
 御案内のとおり、慰霊の日は沖縄戦で亡くなられたすべての人々に追悼の意を表するとともに、戦争による惨禍が再び起こることがないよう世界の恒久平和を願うという沖縄県民にとって特別な意義のある日であります。
 このような日に米軍が実弾射撃訓練を行い原野火災を発生させたことは、県民の心情に対する配慮を欠いたもので遺憾であります。
 県は去る6月27日、在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部(G5)に対し、演習等に起因する原野火災の再発防止等に万全を期するとともに、慰霊の日のような県民及び地域住民にとって特別な意義のある日については実弾演習、訓練を自粛するよう申し入れたところであります。
○福祉保健部長(平良健康) 全戦没者追悼式について2つの御質問がございますので順次お答えいたします。
 まず、金属探知器を設置する等の警備をしていたが、真意を伺いたいとの質問にお答えいたします。
 森総理大臣の追悼式参列が決定したことに伴い、県警察本部から式典会場の安全管理について対策をとるよう要請がありました。
 主管部としましては式典を厳かに、しかも円滑に進めるためと参列者の安全を確保する観点から、平成7年に当時の村山総理大臣が参列された際の例に倣い、同等の安全措置を講じ参列者に協力をいただいたものであります。
 なお、会場内外の警備については県警の協力がありました。
 次に、四軍調整官が軍服で招待されたが真意を伺いたい、反発等はなかったかとの御質問にお答えいたします。
 沖縄全戦没者追悼式は、さきの大戦でとうとい生命を失った人々について国籍、立場を超えすべてのみたまを慰霊・追悼するとともに、世界の恒久平和を願う趣旨で開催されてきました。
 沖縄戦では、多くの米軍人・軍属及び民間人も命を失ったことから、これまで米国関係者として在沖米国総領事夫妻を招待しております。今回、四軍調整官を招待したのは、参列していただき県民の平和を求める心をぜひ肌で感じ取ってほしいとの考えからであります。
 服装については、参列者の意向を尊重しております。
 なお、6月21日に1団体が来庁し、四軍調整官出席の取り消しを求める要請がありました。
 追悼式当日には、実施本部に対し反対を表明した個人及び団体はありませんでした。
○教育長(翁長良盛) 当山議員の御質問にお答えいたします。
 浦添市立港川中学校の男子生徒を殴打するなど大けがを負わせた事件について、任命権者の対応、学校管理規則、服務に関する規程で監督責任はどこにあるのかという御質問にお答えいたします。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律により県費負担教職員、いわゆる小中学校の先生方の服務は学校の設置者である市町村教育委員会が監督することになっております。
 県教育委員会は、任命権者として当該教諭からの事情聴取等事実関係の調査を行い、教諭を6カ月の停職、校長を監督不行き届きにより戒告の懲戒処分を行ったところであります。 
 今後とも教職員一人一人がその職責を十分に自覚し、全体の奉仕者として職務に専念するよう服務監督権者である市町村教育委員会と一体となってその指導に努めてまいりたいと考えています。
○企画開発部長(与儀朝栄) 次期沖縄振興開発計画に関する北部振興策の内容についての質問にお答えいたします。
 北部地域の振興については、国、県及び北部12市町村で構成する北部振興協議会で決定される沖縄県北部地域振興事業の推進に関する基本方針に基づき具体的な振興事業が推進されることとなっています。
基本方針の策定に向けては、地元地域の創意と工夫が重要であるとの観点から、北部12市町村において県との連携を図りつつ北部地域振興に係る基本的考え方を取りまとめ、去る5月に国に提示しています。
 北部地域から提示された基本的考え方においては、産業の振興による雇用の確保と定住条件の整備を柱に、北部地域の持続的発展を目指すこととし、観光・リゾート産業、農林水産業、商工業、情報通信産業、健康・福祉関連産業を重点産業として位置づけています。
 次に、同じく次期沖縄振興開発計画に関する普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興策の内容についての質問にお答えいたします。
 普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興については、国、県及び地元地域自治体で構成する移設先及び周辺地域振興協議会で決定される普天間飛行場移設先及び周辺地域振興事業の推進に関する基本方針に基づき、今後、振興事業が具体化されることとなっています。現在、地元名護市、東村及び宜野座村の3市村が共同で基本的考え方を取りまとめているところであります。
 次に、同じく次期沖縄振興開発計画に関する駐留軍用地など跡利用の促進及び円滑化などに関する内容についての質問にお答えいたします。
 国は昨年12月、駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針を閣議決定しております。
 その方針の中で、跡地利用計画の策定及びその具体化の促進に向けた国、県及び関係市町村間の総合調整機能を果たす調整機関を設置することとしています。
 また、汚染物質及び不発弾などの調査及び除去については、返還実施計画で明記することについて政令で定めることとしております。
 さらに、再開発に相当の困難が予想される大規模駐留軍用地跡地の利用を促進するため、行財政上の措置や事業執行主体に係る業務の特例、給付金支給に係る特例措置について新たな法制の整備により対応することとしております。
そのほか、駐留軍従業員の雇用の安定確保に向け最大限の努力を行うとしております。
 以上でございます。
○当山 全弘 再質問をいたします。
 全戦没者追悼式から、(1)番の総理大臣のあいさつの中から基地問題だけとってのあいさつが、平成11年の野中広務大臣のときのものと比べまして、「沖縄の痛みは、本来、国民全体で分かち合わなければならないものであります。」というふうな文言が消えているわけなんですよ。ですからこのことについて県民への最大公約数的な普天間基地の県内移設を初めとする世論調査の結果等から見て、この県民の最大公約数的なものに反してないかどうかを質問しておりますので、知事から答弁を願いたいと思います。
 次に、平和祈念資料館については大変な効果があったと、そしてまた平和教育に資していることから考えてもすばらしい平和祈念資料館だと思っておりますので、今後の取り組みをぜひ強力にやっていただきたいと思います。
 次に、(5)番の金属探知器による物々しい警備については、これは総理大臣以外のときにはこんなことはしないんですか。総理大臣が来るときに金属探知器なんですか。そこら辺を、私はこれはなじむ行為ではないというふうに考えておりますので、厳粛なる慰霊の日にこんなことをすると戦争で犠牲になった遺族を初めとても悲しい思いがするんですよね。なぜだろうかということでありますのでね。もう少し真剣に検討していただきたいなと思っております。
 (6)番の在日四軍調整官の軍服姿についても、これはなじむものではないというふうに考えます。厳かであるべきところの神聖なる慰霊の日に兵隊さんがここに来るということ自体なじむものではありませんので、このことについてももう一度答弁願いたいと思っております。
 それから教育の問題について、浦添市立港川中学校の男子生徒を殴打した教師のことについてでありますけれども、市町村教育委員会に監督責任はあるというふうになっておりますけれども、これは市町村教育委員会に対する、これは県教委でございますので、県費から給料等は出ておりますので、任命権者の県も市町村教育委員会に対する監督責任が私はあろうかと思いますので、そこら辺については再度答弁を願いたいと思っております。
 それから、次期振興開発計画についてでありますけれども、いろいろ基地の押しつけ等の問題からこれは大変問題があるなと思っております。
 使用期限15年の確たる担保もとらないうちから、大小の1000億円の振興策だけが強調されているような感じを受けますので、これは恐らく基地の新設、移設に名をかりた近代化の要塞化されました基地の押しつけがますます強調されるようなことになってはいけない立場で質問しておりますので、このことについて再度答弁願いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の再質問にお答えします。
 全戦没者追悼式について、総理大臣のあいさつはというお話がございました。これについてのお答えをもう一度いたします。
 4月5日の森内閣初閣議後における青木官房長官の記者会見では、小渕前首相の沖縄に対する情熱を内閣全体でしっかり引き継ぎ、政府一体となって取り組む旨の発言がなされておりました。
 それを受けて去る6月23日の沖縄全戦没者追悼式典へ森総理大臣がじきじきに出席されたことは、森総理の沖縄問題に取り組む強い意欲を示したものだと考えております。
○福祉保健部長(平良健康) 全戦没者追悼式典関連の再質問でございますが、まず金属探知器等のことでございますが、先ほど答弁で申し上げましたように平成7年の村山総理大臣の事例がございます。今回もこのようなことでございますけれども、安全を確保するという意味で大変意味があったというふうに理解しております。
 次に、四軍調整官の軍服の件でございます。
 御招待申し上げるわけでございますが、それぞれのお立場でございます。参列者の服装につきましては、参列者の意向を尊重しているということで御理解いただきたいと思います。
○教育長(翁長良盛) 当山議員の再質問にお答え申し上げたいと思います。
 県の教育委員会は、市町村教育委員会に対する監督責任があるのではないかという御質問でございますけれども、市町村教育委員会と県の教育委員会は平たく申し上げれば全く対等な関係でございまして、ただ県の教育委員会は広域な地方公共団体として市町村に対しまして指導助言する機能を有しているわけでございますけれども、監督責任はないものと私どもは考えております。
 しかしながら、本県の教育をしっかり見据え振興を図るためには市町村教育委員会と県の教育委員会が一体となって進めることが極めて大事なことでございますので、そういう点を踏まえながらこれから教育行政を進めてまいりたいとかように考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 再質問にお答えいたします。
 北部振興策につきましては、去年の11年12月2日に出されました北部地域の振興に関する要望書の中で、本県の北部地域は豊かな自然に恵まれ、これからの発展のポテンシャルの大きな地域であるが中南部地域の発展に比べてその振興がおくれており、県全体の均衡ある発展を目指す上で北部地域における定住条件を整備し、活力ある地域として振興を図ることは北部地域の発展のみならず、同時に過密が著しい中南部地域の居住環境の改善にもつながるものとして沖縄県及び北部12市町村から出されました要望につきまして国の方から北部振興策として出されたものであります。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後6時15分休憩
   午後6時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 宮里政秋君。
   〔宮里政秋君登壇〕
○宮里 政秋 質問に入る前に知事に要望しておきたいと思います。
 米海兵隊員の強制わいせつ事件について、海兵隊の責任者を知事室に呼んで厳重に抗議し県民への謝罪を要求すべきだと思います。御検討ください。
 それでは通告に基づいて質問に入ります。
 まず教育問題。
 少年による凶悪犯罪が激増し、最近那覇市内でも15歳と17歳の少年による殺人事件が発生しました。現場調査いたしましたが、まことに痛ましい事件であります。なぜこのような痛ましい事件が発生するのか、その背景にはいろいろな要因が考えられますが、社会の病理現象の反映と教育のあり方の根本が問われていると思います。いじめや不登校など子供の教育をめぐる深刻な事態をどう打開するか、まさに国民的な取り組みが求められています。
 文部省の委託調査では、子供が不安に感ずる原因は進学、進路が不安、授業がわからない、時間的ゆとりがない、この3点に集中しています。塾通いは小学校6年で43%、中学校3年で64%、塾から帰宅する時間が夜10時以降という生徒が中学校3年で61%に上ります。このような事態は、もはや子供の成長と発達に中心を置いた教育とは言えません。
 日本の受験中心の詰め込み教育は、国連からも勧告されている事態に立ち至っています。国連の子ども権利委員会は日本政府への勧告の中で、極度に競争的な教育制度のため子供が発達のゆがみにさらされている、このように異例の警告を発しています。
 教育で最も大事なことは、自然と社会の仕組みを理解し、身体を鍛え、人間の命の大切さ、尊厳、暴力やうそ、ごまかしを許さない勇気など市民道徳を身につけさせることであります。
 同時に、大人の社会的道義の確立が今求められています。政治家の汚職、腐敗、企業献金などが後を絶ちません。社会が汚職や腐敗にまみれたままで子供の社会だけが健全に育つはずがありません。まさに大人の社会のモラルが今問われているのであります。
 日本ほど戦争賛美や暴力シーン、ポルノなど人間を粗末にする映像、出版物があふれ、子供が無防備にさらされている国はありません。
 そこで教育長に質問をいたします。
 第1点目、現在の学校教育は受験中心の詰め込み教育、競争教育が基本になっていてそれが高校、中学校から小学校に至るまで支配的な流れになっています。この受験中心の教育が学校を荒廃させる要因と指摘されています。受験のための詰め込み教育の重荷から子供たちを解放すべきだと考えます。
教育長の御答弁を求めます。
 2点目に、子供たちを社会的な退廃から守るために特にテレビや雑誌など文化面で自己規律を確立することが求められています。教育長の御見解を承りたい。
 3点目、児童生徒の減少を教育職員の削減の理由にするのではなくて、30人学級への接近にこの新しい条件を生かし行き届いた教育を実現する機会にすべきであります。県の550人に上る教職員削減はやめるべきだと考えますが、教育長、いかがですか。
 4点目、本県における不登校の実態、校内暴力の発生件数は他県に比較してどうか、お伺いいたします。この問題については警察本部長の答弁もあわせて求めるものであります。
 次に、規制緩和の問題。
 現在、政府の規制緩和推進3カ年計画が進行中です。タクシーの需給調整規制を廃止し、タクシーの台数を各社が全面的に自由にふやせることができ、新規参入も自由、運賃も一定ゾーンの中で各社の自由の設定に任せるというもので、遅くとも2001年までに需給調整規制を廃止するとしています。
 酒類──お酒ですね──は免許がなければ販売できません。これまで小売店舗間の距離や人口当たりの店舗数が制限されてきましたが、9月1日からこれはすべて廃止になります。医薬品販売も資格者なしで自由に販売ができ、必要に応じて引き続き見直すとされています。理容師、美容師、これも業務独占資格と呼ばれるものを中心に競争の活性化などと称して公的資格制度を廃止しようというものであります。
 我が党は、このような規制緩和に反対して地域で貢献されている薬店、薬局、理容業者、タクシー業者の営業と暮らしを守るために奮闘しているところであります。大型店の出店で既存の商店が廃業に追い込まれ事態は今深刻です。その上にこれらの業種の規制緩和が完全実施されたら、本土の大手資本の参入で沖縄の零細業者は廃業に追い込まれることは明白であります。
 そこで質問いたします。
 これらの中小零細業者の営業を守るため県はどのような対策をとっているのか、お伺いしたい。
 次に、PCB廃棄物について質問いたします。
 在日米軍基地に有害物質のPCBを含む廃棄物が貯蔵保管されていることが大きな懸念を呼んでいます。日本国内にはいまだに120トンの廃棄物が残っていることが我が党の質問で明らかになりました。
 在日米軍は、PCB廃棄物については種類や量、保存状況など地方自治体の問い合わせに一切答えないばかりか、廃棄物搬出入の情報すら米軍は提供しない態度をとっています。72年国会でPCBの追放を決議、74年にはPCBの製造禁止が決議されました。国内法に違反するこれらの有害物質は即時撤去されるべきであります。
 本県の米軍基地内におけるPCBの貯蔵量や保管、処理状況などについて実態を詳しく明らかにする必要があります。米軍は調査して報告するとこういう回答をしたとの答弁でしたが、いつまでこの回答ができるのか、明らかにしていただきたい。
 次は、劣化ウラン弾について。
 米海兵隊報道部は6月2日、現地沖縄タイムス紙の取材に対して、94年以降は使用済みの薬きょうを含む鉄くず販売はしていないと回答しています。米軍はそれ以外に使用していないとしてきましたが、ところが鳥島で使用された劣化ウラン弾以外のものである可能性が新たに浮かび上がっています。その実態を調べて公表すべきだと思うがどうか。
 最後に、代表質問との関連について質問いたします。
 我が党の外間久子議員の15年期限問題で知事は次のように答弁されました。それを要約しますと、1つ、15年期限は移設条件の一つ、今後も国に強く申し入れる、2つ目に、基地提供の責任は政府であるから国に強く訴えていく、アメリカとの交渉の責任は政府の責任、3番目は、15年問題は私の選挙公約ですから今後も解決できるよう強く求めていく──これがこれまでの知事の答弁の私が要約したもの──と答弁されました。
 さて、15年期限問題というのははっきり言って現在も何の裏づけもない、こういうことが今明瞭になったと私は思います。
 日米両政府は、1996年11月に、新しくつくる基地は耐用年数は40年以上という合意文書を取り交わしていることが我が党の志位書記局長の予算委員会での質問で明らかにされました。この問題で瓦前防衛庁長官は、これは非公式の文書ですのでコメントできません、このように答弁いたしました。いわゆる非公開の合意文書の存在は否定しなかったのであります。
 御承知のように、知事選挙では自民党は、稲嶺知事候補の15年問題を了解の上県民に稲嶺候補の支持を呼びかけました。したがってこの15年の期限問題は単に稲嶺知事だけの公約ではありません。政府・自民党の県民に対する公約でもあるのであります。
 政府はアメリカとは40年の合意を取り交わしておきながら、知事選挙では県民に対し15年を公約するというのでは県民を欺くものと言わなければなりません。知事の御見解を承りたいと思います。
 御存じのように、日米安保条約で基地を提供しているのは国・政府です。基地提供者の政府が40年と合意している以上、知事の15年問題は何らの裏づけもないことになるではありませんか。知事は耐用年数40年以上の合意書の存在について政府にただしたことがありますか、お伺いいたします。
 森首相も河野外相も瓦前防衛庁長官も、15年問題を外交の日程に上らせたことは一度もありません。それは耐用年数は40年以上という非公開の日米合意がなされているからではありませんか。
 そこで、そこまで事態がはっきりしたんだったら、知事のとるべき態度は明瞭だと思います。すなわち公約は裏づけがないことがはっきりした以上、新基地建設はきっぱり中止するというのが公約に忠実な道ではありませんか。知事は15年使用期限は言い続ける、しかしアメリカと交渉するのは政府の責任と言っているが、これ以上無責任な発言とこう言わなければなりません。中止を要求するのかしないのか、はっきりした答弁を求めるものであります。
 基地の県内移設があたかも現実的な対応とよく言われます。しかし、これは一見現実的なように見えて非現実的です。那覇軍港は20数年たっても動きません。無条件に撤去せよというところで県民が大同団結してこそ問題の突破口を切り開くことができるのであります。
 御承知のように、朝鮮半島の情勢は劇的な変化を遂げつつあります。南北分断から55年、朝鮮戦争から50年、対立の時代から平和共存に向けて大きな転換が切り開かれつつあります。地元マスコミの社説でも「歴史に残る大きな握手 沖縄から”和平への一歩”を祈る」と熱い平和のメッセージを送っています。
 名護につくられる新基地は北朝鮮に矛先が向けられることは間違いありません。東アジアの平和に貢献する道は新基地をつくらさないことではありませんか、知事の御答弁を求めます。
 以上、知事の御答弁によって再質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 宮里政秋議員の御質問にお答えします。
 まず、我が党の代表質問との関連についてということで、政府はアメリカとは40年の合意を取り交わしておきながら、知事選挙では県民に対し15年を公約するという政府の態度は県民を欺くと、知事の見解と、それから知事は40年使用の合意書の存在について政府にただしたことがあるかという御質問と、新基地建設はきっぱり中止するというのが公約に忠実ではないかと、知事の答弁を求めるという3点について一括してお答えいたします。
 運用年数40年というのは撤去可能な海上ヘリポートに関するものであると理解しています。海上へリポート案については県民の財産とならないことなどから、政府に見直しを求めたところであります。
 県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を求める必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
 また、基地の提供責任は日本政府にあるということを述べてきました。戦後、日本の平和と経済繁栄の陰で沖縄が55年間担ってきた負担について政府が日本国民に説明し、沖縄の過重な基地負担について全国民で議論していただきたいということも言い続けております。
 使用期限問題については、国は、沖縄県知事及び名護市長からの要請を重く受けとめ、同問題を米国政府との話し合いの場で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応しながら米国政府と協議していくとの閣議決定を受け、去る日米の防衛首脳会談や外相会談において取り上げられております。引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
 県としては、基地の整理縮小を願う県民の要望を踏まえ、政府が明確な見解を示し一日も早く解決されるよう強く訴えていきたいと考えております。
 次に、同じく我が党の代表質問との関連について、東アジアの平和に貢献する道は新基地をつくらせないことではないか、知事の答弁を求めるという御質問にお答えします。
 南北首脳会談で両首脳が南北の統一を目指し和解と協力の新たな時代へ向けて合意したことは画期的なことであり、今後南北間の対話が継続されることにより朝鮮半島の緊張緩和の進展が期待されます。南北間の対話は一歩踏み出したばかりでありますので、県としてはこれからの朝鮮半島情勢の推移を見守っていきたいと考えております。
 普天間飛行場については、宜野湾市の市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできました。普天間飛行場の県内移設は一日でも早い解決を図るための選択であり、現在移設に向けた作業が進められているところであります。
 県としては、実現可能なものから確実に一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を着実に進める現実的な方法であり、米軍基地問題の解決を促進するものであると考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(翁長良盛) 宮里議員の教育問題についてという御質問にお答えいたします。
 まず、受験中心の教育が学校を荒廃させる要因と指摘されている、受験のための詰め込み教育の重荷から子供たちを解放すべきと考えるがどうかという御質問にお答えいたします。
 受験のための多くの知識を教え込む教育や過度の塾通いは、児童生徒の生活を多忙なものにし、心のゆとりを奪うことにつながるなどさまざまな弊害が指摘されてきたところであります。
 このような受験競争などの弊害を改善するため第15期中央教育審議会答申は、現在の子供たちのゆとりのない生活、社会性の不足や自立のおくれ、家庭、地域社会の教育力の低下、週休2日制など社会の動向などを踏まえ、ゆとりのある教育活動を展開する中で子供たちに「生きる力」を育成することを提言しています。
 本答申の理念に立って、今年度から幼稚園教育要領が施行され、平成14年度から小中学校学習指導要領、平成15年度から高等学校学習指導要領に基づいた新教育課程が実施されます。
 県教育委員会といたしましては、今後とも学校、家庭、地域社会との連携を図りつつ、児童生徒にゆとりの中で「生きる力」をはぐくむことをねらいとした新学習指導要領の趣旨が各学校に浸透し、定着するよう努力してまいりたいと考えています。
 次に、子供たちを社会的な荒廃から守るために特にテレビや雑誌などの文化面で自己規律を確立することが求められているが、見解を賜りたいということにお答え申し上げます。
 今日、テレビや雑誌などのマスメディアは私たちの日常生活や社会生活、子供たちの教育に欠かせない重要なものとなっております。しかしながら、一部の雑誌やテレビ番組の中には子供たちにとって好ましくない内容のものもあり、日本PTA全国協議会がテレビ番組の全国的なモニタリング調査を行って改善に向けた努力をしております。また、本県においても青少年保護育成審議会が定期的に有害図書指定を公表し県民に情報を提供しております。
 今後は、マルチメディアの普及などますます進展する情報化社会の中で、一人一人の子供たちが情報選択能力を身につけ質のよい情報、正しい情報を選び活用する自己規律の確立が大切であると考えます。このため家庭においては幼児期からのテレビの見方、雑誌の選び方などのしつけやルールづくりが重要だと考えます。
 学校教育においては、インターネットなど新しい時代の情報活用能力を習得させるとともに、有害情報の排除については家庭、学校、地域、行政がきめ細かな連携を図っていきたいと考えます。
 次に、児童生徒の減少を教職員削減の理由にするのではなく、30人学級での行き届いた教育を実現すべきだと考えるがどうかという御質問にお答えいたします。
 平成12年3月に策定された沖縄県行政システム改革大綱では、学校の教職員及び教育庁の一般行政職員の数について、平成12年度から平成16年度までにおおむね560人程度を計画的に削減することとしております。
 県教育委員会といたしましては、教育水準の維持向上のため法律で定められた教職員定数を基本に教育施策上必要不可欠な定数を確保していくとともに、行政改革の趣旨を踏まえ職員数の抑制にも最大限努力し県民の理解を得てまいりたいと考えております。このため、教育庁や学校における事務・事業の見直し改善を一層推進しつつ、県負担の教職員及び一般行政職員の適正な配置を進めてまいります。
 また今後、児童生徒の減少に伴い「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」などで定める教職員数の減が見込まれることから、平成12年度から平成16年度までの行革期間における職員数の削減目標をおおむね560人と設定いたしました。
 なお、基礎学力の向上を図り、学校でのきめ細かな指導を実現する観点からの学級編制及び教職員配置のあり方については、今後国の動向を見守りながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 最後に、本県における不登校の実態、校内暴力の発生件数は他県に比較してどうかという御質問にお答えいたします。
 公立学校の不登校児童生徒は、平成10年度小学校404人で在籍に占める比率は0.36%、全国は0.34%、中学校1531人で在籍に占める比率は2.52%、全国は2.29%となっており、小中学校とも全国比率より若干高くなっております。
 校内外を問わず、児童生徒による対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物破損を含めて暴力行為としており、児童生徒1000人当たりの発生件数は小学校0.59件、全国0.22件、中学校6.59件、全国6.52件、高等学校1.02件、全国2.26件となっており、小・中・高等学校の合計は2.27件、全国2.39件で全国より低い状況でございます。
 県教育委員会としましては、スクールカウンセラー等の配置、適応指導教室の充実及び道徳教育を通して望ましい人間関係の育成を図るため「心の教育」の充実に努め学校や家庭、地域社会及び関係機関が一体となった問題への取り組みが必要であると考えております。
 以上でございます。また今後、児童生徒の減少に伴い「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律」などで定める教職員数の減が見込まれることから、平成12年度から平成16年度までの行革期間における職員数の削減目標をおおむね560人と設定いたしました。
 なお、基礎学力の向上を図り、学校でのきめ細かな指導を実現する観点からの学級編成及び教職員配置のあり方については、今後国の動向を見守りながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 最後に、本県における不登校の実態、校内暴力の発生件数は他県に比較してどうかという御質問にお答えいたします。
 公立学校の不登校児童生徒は、平成10年度小学校404人で在籍に占める比率は0.36%、全国は0.34%、中学校1531人で在籍に占める比率は2.52%、全国は2.29%となっており、小中学校とも全国比率より若干高くなっております。
 校内外を問わず、児童生徒による対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物破損を含めて暴力行為としており、児童生徒1000人当たりの発生件数は小学校0.59件、全国0.22件、中学校6.59件、全国6.52件、高等学校1.02件、全国2.26件となっており、小、中、高等学校の合計は2.27件、全国2.39件で全国より低い状況でございます。
 県教育委員会としましては、スクールカウンセラー等の配置、適応指導教室の充実及び道徳教育を通して望ましい人間関係の育成を図るため「心の教育」の充実に努め学校や家庭、地域社会及び関係機関が一体となった問題への取り組みが必要であると考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(西村泰彦) 県内の不登校の実態、校内暴力事件に関しての御質問にお答えを申し上げます
 不登校の実態につきましては、県警としては把握しておりませんので御理解をいただきたいと思います。
 本県の平成11年中における校内暴力事件として警察が認知した件数は2件であります。
 これを中高校生数の同規模県と比較してみますと長崎県の9件、三重県の13件を下回っております。
 ちなみに、全国平均は15件、九州各県平均は7件、これと比較しましても校内暴力事件の認知件数は下回っております。
 この種事案につきましては、校内の平穏を確保し、少年の健全育成を図る観点からも適時かつ適切に対応することが必要であると認識しておりまして、引き続き学校、警察との連絡協議会において前兆事案を早期に把握して適切な措置に努めてまいる所存であります。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 規制緩和の完全実施に伴いタクシー業者の営業と暮らしを守るため、県はどのような対策をとっているかについての御質問にお答えをいたします。
 タクシーは、大量輸送機関としてのバスの補完的役割を果たすとともに、目的、必要に応じて気軽に利用できる身近な交通手段として広く県民に定着しております。
 また、タクシーは本来、個々の利用者のニーズに対応したきめ細かい多様なサービスを提供することが可能であり、平成13年度の規制緩和の実施は公正かつ自由な競争を促進することにより事業者の創意工夫を発揮させ、サービスの向上と事業の活性化を図ろうとするものであります。これにより利用者にとってよりよいサービスが提供され、タクシーの利用が促進されることが期待されているところであります。
 しかしながら、供給が著しく過剰となり輸送の安全や利用者の利便が確保できなくなるおそれのある場合には、地域を指定し新規参入及び増車を停止するという緊急調整措置も講じられております。県といたしましては、規制緩和に伴う状況を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
○商工労働部長(當銘直通) 規制緩和の完全実施に伴い、酒販売店の営業を守るため県はどのような対策をとっているのかについてお答えいたします。
国におきましては、経済の構造改革を通じて市場原理を基本とした自由で公正な経済社会をつくることを目的として「規制緩和推進3ヶ年計画」に基づき規制の撤廃・緩和策を計画的に推進することとしております。
酒類小売業免許に係る需給調整規制につきましては、距離規制を平成12年9月1日に廃止し、また各年度の免許枠を平成15年9月1日までに廃止することとなっております。これらの規制緩和の実施によって事業者間の競争が拡大することが予想されますので、特に中小事業者におきましては消費者ニーズを的確に把握し、徹底した顧客サービスの展開を図るなどのきめ細かな対応策が必要になってくるものと思われます。
県といたしましては、専門家による経営診断指導、情報提供事業や各種制度資金などの各種支援制度を活用し中小零細事業者を支援してきているところであります。今後とも、推移を見ながら関係機関と連携して適切に対応してまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 規制緩和について、薬店、理容・美容師の営業を守るため県はどのような対策をとっているのかとの御質問にお答えいたします。
 医薬品の販売規制緩和につきましては、中央薬事審議会でビタミン含有保健剤など15の製品群について既に医薬部外品の扱いをするということで実施されているところでありますが、同審議会においては、解熱鎮痛薬等の副作用が強いものについては規制緩和は適当でないとの意見であり、新たな規制緩和は示されておりません。
 また、理容・美容師の資格制度の規制緩和につきましては、国の行政改革推進本部規制改革委員会で検討することとなっておりますが、具体的にまだ検討されておらず、その改革案も示されていない状況にあります。
 県としましては、環境衛生関係営業の健全育成を図るため、財団法人沖縄県環境衛生営業指導センターを通じた経営指導、施設の改善指導、税務相談や各種融資制度のあっせん等を推進しているところでありますが、今後とも規制緩和の動向を見守っていきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 宮里政秋議員の在沖米軍基地内のPCB廃棄物について県はどう対処してきたかということと、いつまでに調査し回答するか明らかにされたいという趣旨の御質問にお答えをいたします。
 県は、米軍基地内から派生するPCBを含む廃棄物問題について、これまでたびたび立入調査や情報公開を求めてきたところでありますが、その要請は容易に認められずその詳細が把握できない状況にあります。
 県としては、PCB含有廃棄物問題を含め基地問題の解決のため、在日米軍施設運用の法的根拠となっている日米地位協定について米軍施設・区域への「緊急時の即時立入調査」を可能にする旨を明記することや、同協定に環境影響評価やモニタリングの実施及びその結果の公表を規定するなどの環境条項を新設することなど、日米地位協定の見直しを今後日米両政府に求めていく考えであります。
 また、在日米軍沖縄調整事務所長が、在沖米軍基地内に保管されているものを含む在日米軍基地内に保管されているPCB含有廃棄物については、現在、政府レベルの調査申し入れがあり、その政府レベルでの調査結果をまって回答したい旨の答えがありましたので、我々はそれを待っている段階でありますが、時期については未定でございます。
 以上でございます。
○宮里 政秋 再質問を行います。
 先ほど、我が党の新垣米子議員がSACO合意の問題について、15年の問題について再質問しましたけれども、今知事の答弁では撤去可能なということで海上ヘリポートの話をしました。
 いわゆる知事は、40年合意は海上基地に関する合意だと、こういうことを答弁されて、今さきも大体同様の答弁です。
 いわゆるこれは撤去して、軍民共用の基地をつくって15年すれば返してもらうと、県民の財産、こういうことを知事はよくおっしゃる。
 ところがですね、このSACO合意というのは、私はここに現物を持っていますよ、これ。(資料を掲示) この文書、これは陸上案か海上案か埋め立ての案なのか、形態のことは問題にしてない。いわゆるアメリカの国防総省の意見は、意向は形態は問題にしてない。40年の問題が絶対条件なんです。
 それは稲嶺知事が、海上よりも陸上につくって軍民共用にして返してもらう、県民の財産にする。これはあなたの希望的観測です。それはそれとしていいでしょう。ところが政府はそうじゃない。アメリカ国防総省はそうじゃない。
 私、自分でつくり話をしているんじゃありませんよ。1月の6日に新年早々ですよ、瓦前防衛庁長官が渡米しました。それで会談は8日に行われた。そのときに沖縄の側に15年の声がありますよと。このことを言ったら、コーエン国防長官は、沖縄の米軍基地をあらかじめ期限を設定することはできませんと明確に拒否した。
 ところがこれを日本政府は伏せたんです。県民に国民に知らせない。これは新聞で発表されたんです。私はこれをメモしたんです、手帳に。
 いわゆるこの問題は明確なんですよ。40年ということは日米両政府で合意されている。それを稲嶺知事さんや岸本市長さんがそう言っているよということを言ったら、コーエン国防長官は即座に、そんな沖縄の基地問題を期限を設定することはできませんと明確に拒否しているのに、日本政府はこれを伏せている。あたかも外交努力をしているかのような装いをする。まさにここにも県民、国民を欺く二重外交じゃありませんか。
 私は、正直言って基地のない平和な沖縄を21世紀に生きる子や孫に引き継ぐ、このことが今日に生きる我々大人の使命じゃありませんか。
 稲嶺知事、あなたと私はあの名護で一緒に勉強したじゃありませんか。我がふるさと名護に基地をつくるということ、私は本当に忍びない。だから基地と引きかえの振興策ではなく、基地をなくすることこそ沖縄県民に対する最大の償いだということを政府に強く要求してほしい。
 以上、要望をして私の質問を終わります。
 知事、稲嶺知事、よろしく。
○知事(稲嶺惠一) 宮里政秋議員の再質問にお答えします。
 それから15年問題に、政府が県民に公約したものではないということは、これははっきりしておきたいと思います。これは私自身が県民に公約し、信を問うたものでございます。
 それから日米の話し合い、今40年がございましたけれども、これには関係なく県政の立場としては県民の立場からあくまでも15年を主張してまいります。
○知事公室長(親川盛一) どうも最後だと思っているところにまた私が飛び出してきてまことに申しわけありませんが、答弁漏れでございますのでお答えさせていただきます。
 劣化ウラン弾についての質問事項で、鳥島で使用された劣化ウラン弾以外のものである可能性が浮かび上がっているが、その実態を調べて公表すべきだと思うがどうかとこういう御質問ですが、お答えをいたします。
 劣化ウラン弾の薬きょうの流出問題に関して、県は去る6月2日、在日米軍沖縄調整事務所及び在沖米海兵隊外交政策部に対し遺憾の意を表明するとともに、今回の薬きょうの流出経路や劣化ウラン弾の使用場所など事実関係の調査及びその公表を行うよう要請したところであります。
 また同要請の中で、劣化ウラン弾の薬きょうなど県民に不安を抱かせるようなものについては、民間地域へ流出させることがないよう米軍において管理の徹底及び適切な処理を講じるようあわせて求めております。その際、米軍からは、事実関係等について調査し通知する旨回答がありました。
 さらに、流出時期について業者が六、七年ほど前に国防再利用売却事務所(DRMO)から購入したと話していることから、6月8日にDRMOを訪ね事実関係について確認しましたが、DRMOでは販売データは2年間しか保管していないので確認できない旨回答がありました。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から、劣化ウラン弾の薬きょうが民間業者へ流出した事実関係の調査及びその公表を引き続き求めていきたいと、このように考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明6日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
    午後7時1分散会

 
20000203000000