○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた地方労働委員会会長屋宜正一君は、所用のため本日から29日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日から29日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長新垣良光君の出席を求めました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
本日から29日までの4日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定された質問要綱に従って行うことにいたします。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
高江洲義政君。
〔高江洲義政君登壇〕
○高江洲義政 おはようございます。
自由民主党を代表いたしまして代表質問をさせていただきます。
9月15日、オリンピック開会式のときの入場行進をテレビで見たとき、長い間民族の分断を乗り越えて半島の地図を描いたコリアの旗を見たとき、感動の涙を浮かべたものであります。その感動から連鎖的にアジアに平和が訪れることもそう遠い将来のことではないと直感したものでございます。
南北の選手たちが互いに手をとり合い、笑顔で行進するまでの両国の水面下の作業も並々ならぬものがあったと聞いております。東南アジア、極東アジアに平和が訪れる可能性が生まれたときに、沖縄の普天間基地の15年問題も一気に前進するものだと思いました。それが解決すると稲嶺知事もオリンピックのように金メダルを県民から与えられるものであります。世界平和はまさしくスポーツからであります。
さて、ポスト3次振計について伺います。
沖縄県は、昭和47年に第1次の振興開発計画を策定し、第2次、第3次と30年にわたり振興開発を推進してきております。いよいよ来年は第3次の振興開発計画の終了年次でございます。第1次と第2次の振興開発計画の目標は、本土との格差是正と経済の自立的発展の基礎条件を整備し、平和で明るい沖縄県を実現することを目標とすることでございました。開発の基本方向においては角度の差はかなりあるものの、目標はほぼ同じでございました。
私は、開発の目標に大きな変化が見られたのは第3次振興開発計画からであると思っております。すなわち「世界に開かれた個性豊かで文化の薫り高い地域社会の形成を目指して、」となります。アジアの交流拠点としての沖縄が形成されつつあると認識しております。
第3次振計後の沖縄県は、新たな時代に向けた沖縄振興のための新たな法律をつくり、ポスト3次振計を検討するとしております。新たな産業振興策も97項目にわたる提案を21世紀プランとしてポスト3次振計の中に位置づけていくということでございます。
知事は先月、「新たな沖縄振興に関する要望書」を政府に出されました。基本的には3項目から成る要望になっております。
そこでお伺いいたします。
新たな沖縄振興開発計画策定のスケジュールについてお示し願いたい。
新沖縄振興計画策定の検討と同時に、沖縄振興法の制定に向けたスケジュールも進むと思いますが、そのスケジュールもお示しください。
沖縄開発庁組織改革により両方のスケジュールがおくれることはないですか。
新たな沖縄振興開発計画のもとで21世紀プランが反映されるということでございますが、米軍施設・区域が存在しない市町村を含め、沖縄県の均衡ある発展についてどうお考えですか、具体的考えがあれば示してください。
次に、基地問題についてお伺いいたします。
日米地位協定は、締結されて40年が経過しておりますが、一度も改正されておりません。しかも締結当時は施政権も米側にあったわけであります。今や県民挙げてその改正については当然のこととして要求が高まっております。県や軍転協も要請活動をし、県民の代表である議会も要請活動を行ったところでございます。私は、この問題は粘り強く行動し、現状を政府並びに合衆国政府に理解をしてもらうことが大事だと理解をしております。
日本政府が弱腰なら、知事みずから訪米要請をなさるおつもりはございませんか。
15年問題や日米共同使用の直訴も含め訪米されるとしたら、大統領選の前ですか、後ですか。
普天間飛行場移設に関しては、それぞれ4つの協議会が先月設置されました。それぞれの協議会の今後のスケジュールはどうなっておりますか。
4番目に、基地周辺住民が爆音被害について国を相手に訴訟を起こし、原告団が勝訴いたしました。地域では今、この原告団に加わらなかった人たちが公平公正を求める組織をつくっております。その件について国に要請するつもりはございませんか。
次に、産業振興についてお伺いいたします。
健康食品産業は比較的若い企業が多いものの、全国的な健康ブームの波に乗ってその分野での成長は著しいものがございます。沖縄はまさに健康アイランドであり、薬草の宝庫であります。その分野ではまだまだ未知の世界があり、これからも数倍の成長の余地があると見ております。
製造業を取り巻く環境は大きく変わりつつあり、新製品の開発には設備の近代化や先進的な技術の導入のほかに、品質管理はぜひ必要でございます。
また、沖縄の有効薬草に東南アジアから輸入した安く栽培できる薬草をまぜ合わせたら商品は安くなります。しかし、東南アジアにおける薬草栽培は、日本の法律の適用は受けません。
特産品における前臨床試験とは、商品の安全性を動物試験(ラット、マウス)をして厚生省の食品添加物及び飲料水等の承認を受けるためのものでございます。
次に挙げてあります質問の(2)と(3)は、前臨床試験についての質問でございますが、私と県当局担当の前臨床試験に対する考え方がかみ合いませんので(2)と(3)は省きますが、県においても前臨床についてもっと詳しくお調べになっておいてください。
まず、質問の(1)番目、沖縄の特産物を全国あるいは世界に送り出すためには、単なる民間薬としての昔からの言い伝えではなく、科学的に安全性と有効性を確認し認可される方向で指導しておりますか。
次に、アクションプログラムの中に革新的技術の開発は、その(Ⅰ)に振興目標として薬用作物ウコンが入っておりますが、その他の薬草も戦略品目の対象となっているか、お伺いいたします。
県内における耕作放棄地の最近の推移と原因と対策について伺いたい。
次に、サミットで世界に知れた泡盛でございますが、世界に泡盛が出ていくためにはISO認証取得が必要と思われるが、その指導はなされていますか。ISOとは、国際標準化機構のことであります。
次に、沖縄県での農工業の発展の一助として本土企業の進出希望、打診が多数あります。県として総合的な受け入れ相談窓口及び受け入れ体制はどうなっているか、お伺いいたします。聞くところによると総合窓口、ワンポイントサービス等ができる可能性があると聞いております。
次に、県内企業の育成について伺います。
県内企業は過小資本で経営基盤の脆弱な企業が多く、長引く不況や移・輸入品との競争激化等極めて厳しい経営環境にあります。
このような中で、県においては県内企業の育成強化を図るため、県内企業への優先発注基本方針に基づき分離・分割発注の工夫等をすることによって、平成11年度において発注が件数で95.4%、金額で88.6%の実績を上げてきております。
他方、総合事務局と那覇防衛施設局の平成10年度の公共工事発注状況を見てみますと、両方合わせて県内企業への発注が件数では78.2%でありますが、金額では55.5%であります。金額にして県外企業が44.5%も受注していることになります。
そこで質問いたします。
県は、これら国の機関に対して発注規模もできるものは細分化してもっと県内企業に受注機会を与え、発注金額の割合を高めるように積極的に働きかけるべきだと思うがどうか。
次に、観光振興についてお伺いいたします。
21世紀プラン最終報告にも盛り込まれているように、沖縄県は、「極めて高い失業率に示される沖縄県経済全体の厳しい状況にかんがみた場合、観光・リゾート産業がさらにダイナミックに発展し、県経済全体を牽引していくことが強く求められるところである。」としております。
沖縄が魅力ある観光・リゾート地として発展するためには、観光客が観光地沖縄を満喫し再度の来訪や友人・知人への観光地沖縄の好印象が伝わるような観光客の受け入れ体制づくりが求められていると、こうあります。
そこで、豪華客船スターアクエリアスの問題とも関連しながら質問をいたします。
報道によりますと、那覇新港が常に混雑し、入港から出港まで岸壁を確保するのが困難で、入港した後に沖合に移動することも何度もある。出入りのたびに650万円もの余計な経費がかかると報道されております。
(1)、豪華客船スターアクエリアスの問題について県当局はどのように認識しておりますか。
(2)、その受け入れ体制の改善策をお示しください。その豪華客船の乗客の県内での年間消費額は20億円とも言われており、また沖縄―上海間の航空路線開設でこれから中国からの観光客が大幅にふえることが見込まれます。
台湾や中国からの観光客は、沖縄で電化製品を買うことも大きく期待していると聞いております。ですから、例えば秋葉原に見られるように総合電化製品の専門店を県内に設置するとか、当然ボルトを即外国に持っていっても使えるように変えておく、こういうことも必要かと思いますが、そのあたりも研究していただくようにお願いをしておきます。この電化製品専門店の設置については答弁は要りません。
次に、医療問題でございます。
第4次医療法が改正され、介護人員の配置が現行の入院患者4名に対して看護婦1名が、改正後は患者3名に対して看護婦1名となることが予想されます。この秋に改正されるようでありますが、最近大きな社会問題となっている医療過誤を防止するためにも看護婦の不足ということは大きな社会問題になりかねません。
平成14年3月の県立沖縄看護学校の廃校に伴い、沖縄県における看護婦の絶対数が不足すると言われております。
そこで質問いたします。
将来の看護婦不足が確実視される中、今のうちに中部に看護学校の新設を予定されてはどうでしょうか。
次に、今、社会問題化しております子ども病院問題が大きくクローズアップされておりますが、その設立のめどはありますか。検討されておりますか、お答えいただきたい。
次に、がん病院の設立についてはどう思われますか。
(4)番目に、県立那覇病院建設について懇話会はいつ、何回持たれたか。
それを受けて検討委員会は何回持たれたか。また何回持つ予定ですか。
さらに、検討委員会の下部組織として幹事会をつくるということであります。これは昨日の新聞報道にもございました。幹事会は何回持つ予定ですか。
それぞれ検討委員会、幹事会を通しての最終結論は、報道によりますと来年2月ということでございますが、その結論はいつごろになりますか。
次に、行政、医師の代表以外に県民代表を懇話会、検討委員会、幹事会に参加させる意思はございませんか。報道では幹事会には県民代表は入っていないようであります。
次に、各会合へのマスコミ参加を含めて新病院づくりに向けては情報公開の必要があると思うが、どうですか。
次に、新病院開業後は目的どおりの機能を果たしているか等を確認できる運営委員会を設置すべきと思うが、どう思いますか。
次に、福祉問題についてお伺いいたします。
ことしの2月2日のタイムス、新報両紙の朝刊に知的障害者の3級ヘルパー免許取得の報道が写真入りでなされました。あれは沖縄市の私の事務所で撮影されたものであります。
9月は、障害者雇用促進特別月間であります。地域社会が少し努力すると障害者の大きな雇用の場が生まれます。
自由民主党では、平成11年に打ち出した介護要員40万人から50万人と、福祉産業、雇用創出の政策をとってまいりました。私も民間企業や沖縄市役所に対し知的障害者の雇用をお願いし、この数年多くの方々が就職することができました。雇用していただいた方々に心から感謝しているところでございます。
そこで質問いたします。
介護保険制度のスタートにより知的障害者の雇用創出のため家事援助ができる3級ヘルパー養成事業が10月から滋賀県で始まります。沖縄県ではそのような事業の計画はありませんか。
次に、県内での障害者の雇用状況を示していただきたいと思います。
(3)番目に、県内企業での法定雇用率の状況を示してください。
(4)番目であります。精神障害を持っている方の社会復帰はどのように進めておりますか。
これに関連しまして少し、原稿にはありませんが触れますと、先日、沖縄市で50名ほどの3級ヘルパーの養成講座があるということで、精神障害が回復した方がそれを受けたいということで私のところに頼みに来まして、市役所の担当にお願いしたら、あくまでも抽選だということで選に漏れてしまいました。そういうことではいけないと思い、私はこの質問をしたわけでございます。障害者に対するヘルパー養成事業、これは重大なことだと認識しております。
次に、教育問題についてお伺いいたします。
我が国の将来を担う青少年の心の荒廃は、今、深刻な社会問題となっております。知事の平成12年度の重点施策の中にもありますが、「児童生徒が心豊かでたくましく育つよう、魅力ある学校づくりや個性を生かす教育の推進及び教職員の資質向上に努めるとともに、不登校児童生徒に対する適応指導や中途退学対策を進める、さらにいじめや非行など児童生徒の心の問題にも強く取り組む」とあります。
人間がこの世に生まれ落ちたときの最初の偉大な教師は親であります。「三つ子の魂百まで」とよく言われます。幼児期のときの子供はどんなに親にたたかれても、泣きながら両手を広げて親に抱きついてくる光景をよく見かけるものであります。あれは親が師であり、愛情を注いでくれ、感動を与えてくれる一番身近な存在だからであります。この件についてはプロローグとしてもっと語りたいんでありますが、質問に入ります。
(1)、学級崩壊とか教師の質の問題とか、教師の暴力とか常に世間の目は学校側に向けられております。教える側の悩みは余り語られておりません。教師の悩みで当局はアンケート調査等をしたことがございますか。
私は、先日も小禄高校ですか、暴力行為があったと報道されましたが、先生が子供に対して、学生に対して道をあけなさいと言うときに、あけてどうぞ先生という方がまともな子供であると見ております。通れるでしょうということで先生に反発するような教育しかやられてない。そういうことで私は先生にも同情するものであります。
次に(2)番目です。本部町備瀬に八洲学園という学校法人ができております。先日9月3日、日曜日でありましたが、私は教頭先生に会う機会がありました。学校法人ができておりますが、高校中退者や高卒の資格を取りたい人のための通信制学校で、現在生徒数139名で、そのうち沖縄県の学生が50名、残りは他府県で、北海道出身者も1人はおります。将来は全国から5000人の生徒数を目指しているそうであります。
教育長は、八洲学園を御視察したことがございますか。
次に、感動を与える教育、道徳的精神を培う教育はどのようにやっておられますか。
(4)番目、ボーイスカウト活動は子供たちに感謝の心、思いやりの心、助け合う精神を与えてくれます。教育長はボーイスカウト活動をどのように評価しておりますか。
私は、数年前に次の(5)番目に関連して質問したことがございますが、ボーイスカウト連盟やガールスカウト連盟に県はどれだけの補助金を出しておりますか。増額の考えはないか、検討したことはないか、お尋ねいたします。
さらに、先生方の教育に対する情熱と努力を大いに評価するものでございます。
高校中退率の減少の報道もございました。その推移と他府県との比較を示してください。
次に、人権教育と生徒指導にかかわる取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
家庭教育支援会と子育てダイヤル、子どもホットラインについて説明をしてください。
次に、子育てダイヤルと子どもホットラインの利用状況もお伺いいたします。
次に、東部海浜開発についてお伺いいたします。
(1)番目に、埋立承認願書の提出から5カ月近くになろうとしております。また、沖縄市議会の議決から4カ月近くも経過しております。通常、埋立規模の差はあれ認可申請の手続から8カ月で免許取得ができると聞いておりますが、年内に免許を取得するには県のスケジュールがあると思いますが、そのスケジュールを示してください。
次に、東部海浜開発の早期実現に向けて市民団体が自主的に企画している市民総決起大会についてどう思われますか。
次に、免許取得するまでの今後の県の対応についてお伺いしたいと思います。
次に、外形標準課税の件についてお伺いいたします。
先日、全国知事会より平成13年度税制改正に関する要望が自由民主党本部に出されております。その中の外形標準課税についてお伺いいたします。
すなわち、公平な税負担を確保するため、2番目に経済の活性化、経済構造改革の促進のため、受益に応じた薄く広い税負担をお願いするため、4番目に地方分権を支える安定的な地方税の確立のため、こういうことで自民党本部に要望が出されております。
そこでお伺いいたします。
この件については、本当は10項目以上の質問をしたいことがありますが、とりあえず最重要な6項目についてお伺いしたいと思います。
法人事業税への外形標準課税の導入がクローズアップされている中で、外形標準課税の導入は増税にはなりませんか。
本県は零細企業が多いが、赤字法人への課税は問題ではないか。
(3)番目に、外形標準課税を導入すると基盤の弱い中小企業の税負担が増大すると思うがどうですか。
(4)番目に、8月30日の新聞報道によると、軽油引取税で高額の滞納が発生しておりますが、その理由と脱税をした仕組みについてお聞かせ願いたい。
(5)番目に、軽油引取税の高額滞納者に対してこれまでどのような処分を行ったか、またその未済額は幾らになりますか。
このような高額滞納事案への対策はどのようになさいますか、お示しいただきたいと思います。
サミットについて質問いたします。
(1)番目に、県知事のサミット成功に対する総合評価をお聞かせください。
サミット後の沖縄は観光の面のみならずいろいろな面で変わっていくと思いますが、どのように沖縄県は変わっていくと思いますか、認識しておりますか。
(3)番目に、万国津梁館を活用した国際会議等の事業はどうなっていくか、お示しいただきたいと思います。
次に、今後の万国津梁館運営には年間経費が相当かかると思いますが、どのぐらい見込んでおりますか。
(5)番目に、警察の警備も大変御苦労さまでありました。警備に当たっての苦労話とよい思い出話を県警本部長より聞かせてください。
次に、交通問題について伺います。
国においては、ことしの交通事故死亡者を9000人以下に抑えたい(これは国の方針、総理府)、県内のそれは69人以下に抑えたいとしておりますが、その対策を推進するための手順も市町村、警察機関等との緊密な連携による計画の策定や関係団体、関係機関等との広範な連携等が挙げられております。
そこでお伺いいたします。
(1)番目に、各市町村に交通安全対策課を設置させたらどうか。
自動二輪車の交通事故対策についてはどのようにやっておりますか。
次に、道路標識の管理責任についてどうなっておりますか。
次に、松くい虫対策についてお伺いいたします。
松くい虫被害については、各市町村において大変深刻な問題であります。
(1)、県は、松くい虫防除事業をどのようにやっておりますか。
(2)、県内各市町村や団体(例えば北部林業組合)への補助金の推移を教えてください。
(3)番目に、松林にユーカリの木を植えると松くい虫が発生しないと聞いております。それについて御存じですか。また実験事業をやるおつもりはありませんか。ユーカリを植えることによって虫がつかないということであります。
以上、質問をいたしまして、まだ残っておりますので答弁によっては再質問するかもしれません。
御清聴ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは、高江洲義政議員の御質問にお答えいたします。
まず最初はポスト3次振計について、新たな沖縄振興計画策定のスケジュールの中から、「沖縄振興新法」制定のスケジュールについてと、沖縄開発庁組織改革によりスケジュールがおくれることはないかについて、この2点について一括してお答えいたします。
新たな沖縄振興計画の策定に向けて、第3次沖縄振興開発計画の総点検を実施するとともに、平成12年6月に総点検に対する沖縄県振興開発審議会からの意見をいただきました。
このことを踏まえ、去る8月に国に対し、新たな沖縄振興に関し要望したところであります。
県としては、政府との連絡調整を密にし、今後のスケジュールを詰めていきたいと考えておりますが、平成13年3月までに各界各層からの意見を求めながら、新たな沖縄振興計画の策定に向けた県の基本的な考え方を取りまとめたいと考えております。
また、沖縄振興新法の制定についての政府のスケジュールは、平成14年1月に召集される通常国会に法案を提出し審議されることになっております。
現在、新法に盛り込む制度・施策等について関係機関と調整を進めておりますが、県としては平成13年3月までに県の基本案を整理し、沖縄県振興開発審議会を初め広く各界各層の意見を求めた上で県の基本的な考え方を取りまとめ、その後国に対して要望していきたいと考えております。
また、中央省庁等の再編に伴い、沖縄開発庁は平成13年1月に内閣府の沖縄担当部局として発足することになっております。
新たに発足する組織は、沖縄担当大臣のもとに沖縄振興局が設置されるとともに、企画立案、総合調整等の業務を担当する政策統括官が設けられることから、沖縄振興の推進体制がより強化されるものと期待しております。したがいまして、新たな沖縄振興計画策定及び沖縄振興新法制定のスケジュールがおくれることはないものと考えます。
次に、同じくポスト3次振計について、新たな沖縄振興計画のもとで米軍施設・区域が所在しない市町村を含めて均衡ある発展についてどう具体的に考えているかという御質問に対するお答えでございます。
米軍施設・区域が存在しない市町村などを含めた県土の均衡ある発展につきましては、それぞれの地域特性を生かした役割、機能を発揮して、個性豊かな活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興が図られるよう、これまで以上に新たな沖縄振興計画の中で圏域別振興策が展開できるよう検討してまいりたいと考えております。
次に、基地問題について、日米地位協定の見直しで知事みずから訪米する予定はないか、訪米するとしたら大統領選挙の前か後かとの御質問のお答えでございます。一括してお答えいたします。
県では、日米地位協定については、環境問題を含め県民の生活と人権を守る観点から抜本的に見直す必要があると考えており、去る8月29日、30日には日本政府を初め駐日米国大使や在日米軍司令官に対しても日米地位協定の見直しの要請を行ったところであります。
本県の場合、基地の多くが県民の住宅地域に近接しており、これらの米軍基地から派生する事件・事故や環境問題、米軍人等による犯罪等が県民生活に多大な影響を及ぼしていることから、日米地位協定の見直しは基地の整理縮小とあわせて県政の最も重要な課題であり、地元の声を米国政府等に伝えることは重要だと考えております。
訪米については、米国のシンクタンクから私に対する講演依頼がありますので、この機会をとらえ、訪米の際には日米地位協定の見直しを含め本県が抱えている基地問題等について米国政府等に訴えていきたいと考えております。
なお、訪米の時期については、ことしの11月にアメリカの大統領選挙がありますので、その動向を見守りながら現政権、新政権いずれの政権下で行くのが効果的なのか、一番効果的な時期を探りながら決定していきたいと考えております。
次に、基地問題について、普天間飛行場の移設に対して協議会が設置されたけれども、今後のスケジュールはどうなっているかということについてお答えいたします。
4つの協議会のうち「代替施設協議会」については、去る8月25日に普天間飛行場代替施設の規模、工法及び具体的建設場所並びにその他代替施設の基本計画の策定に必要な事項について協議する代替施設協議会が設置されました。
本協議会においては、「基本計画の策定に必要な事項について、逐次協議を進めること。」としており、10月の早い時期に開催が予定されている第2回協議会では、軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについて沖縄県から説明することになっております。
次に、北部振興協議会並びに移設先及び周辺地域振興協議会開催に向けては、去る8月の第2回の合同会議における「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」や、平成12年度振興事業の一部決定を踏まえ、残った12年度事業や平成13年度事業の採択に向けた検討を進めているところであります。
協議会の開催については、今後とも事業の熟度等に応じて開催していくこととなっております。
なお、次回の協議会については10月の早い時期の開催を予定しております。
また、跡地対策準備協議会については、第2回の準備協議会で取りまとめられた取り組み分野ごとの課題についての中間的な整理の具体化に向けて国、県及び宜野湾市で連携・協力を図りながら検討を進めているところであります。
なお、次期協議会の開催時期については、今後、進捗状況に応じて開催することとなっており、来年春以降できるだけ早い時期に一定の取りまとめができるよう取り組んでいきたいと考えております。
次に、基地周辺住民による国を相手にした爆音訴訟につき、原告団に加わらなかった人たちが公平公正を求める組織をつくっていると、その件について国に要請するつもりはあるかとの御質問にお答えいたします。
米軍基地の爆音被害に係る補償制度の問題については、昨年8月3日の衆議院安全保障委員会において当時の防衛庁長官が、訴訟に勝った者だけが補償されるという繰り返しでは困る。過去の騒音等に対する損害というものが認定できるならば、裁判を起こさない方を救済する何らかの措置はないか検討したい旨の答弁をしております。
国は、本年度、航空機騒音被害に対する周辺住民の負担の公平化に向けた取り組みなど、国による騒音対策の充実化が求められているとして厚木飛行場周辺において航空機騒音に関する実態調査、住民の意向調査等を行うための説明会を関係6市に対し実施しております。
国が、当該調査結果を踏まえた施策をどのように展開していくのかということもありますが、県としては、本県の厳しい米軍基地の航空機騒音の状況を勘案して御提案の趣旨も踏まえ、今後国に働きかけていきたいと考えております。
次に、産業振興についての御質問、ウコン以外の薬草で今後振興策を講ずる作物、ウコンだけが戦略品目になっているがという御質問に対するお答えでございます。
県においては、「農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム」に基づき活力ある農林水産業の振興を図っているところであります。
その中で、市場競争力の強化により生産拡大が図り得る品目については戦略品目として位置づけ、拠点産地の形成とともに生産・流通・加工対策、技術開発等に積極的に取り組んでおります。
薬用作物の戦略品目としてはウコンが位置づけられております。
新たな有望品目としてはアロエベラ、ボタンボウフウ、クミスクチンなどがあり、これらの品目についても市場競争力等の条件が整い次第、戦略品目としての位置づけを検討していく考えであります。
次に、医療問題について、子ども病院の設立についてどのように検討されているかとのお答えでございます。
最近、小児医療の向上を求める県民の関心が高くなっていることを認識しております。
県としては、これまで子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを推進しており、乳幼児医療費助成事業を3歳未満児まで拡大しております。
また、低体重児、未熟児等の出生率が高いことから出生前後の適切な母子保健指導に努めているところであります。
当面は県立中部病院に母体・胎児、新生児のための総合周産期母子医療センターを整備し、リスクの高い母と子の医療に対応したいと考えております。当該施設は来年6月竣工予定であり、医師及び看護婦の医療要員を確保して周産期母子医療の充実を図っていきたいと考えております。
今後とも、既存の医療資源の有効活用を図るとともに、改築される那覇病院の高度多機能病院構想の中で周産期医療及び小児総合医療等に関して広く関係者の意見を聴取する等、検討を行っているところであります。
続いて福祉問題について、県内での障害者の雇用状況について、県内企業での法定雇用率の状況についての御質問に一括してお答えいたします。
平成11年6月1日現在の民間企業における障害者の雇用状況を見ると、常用労働者数56人以上規模の障害者雇用義務のある466社において1134人の障害者が雇用されており、実雇用率は1.56%で、平成8年度以降4年連続で改善傾向にあります。これは全国平均の1.49%と比べても0.07ポイント上回っているところです。
しかしながら、依然として法定雇用率の1.8%を下回っており、法定雇用率未達成企業も全体の58.6%を占めております。
このため国、県においては障害者の就職を促進するため毎年9月を「障害者雇用促進月間」と位置づけ、障害者雇用面接相談会や障害者雇用優良事業所の表彰などを行っております。
また、職場適応訓練制度や特定求職者雇用開発助成金の活用促進に加え、雇用推進員、手話協力員の配置など障害者のための雇用対策の充実強化を図っているところであります。
次に、東部海浜開発について、東部海浜開発の早期実現に向けた市民総決起大会についてどう思うかということの御質問へのお答えでございます。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、昭和62年3月に地元沖縄市民の要請にこたえ、本島中部圏東海岸地域の活性化を図るため沖縄市が策定した「東部海浜地区埋立構想」から始まっております。
その後平成7年10月、平成10年11月には早期実現市民総決起大会等が開催され、また去る6月の沖縄市議会において埋め立て同意の議決がなされております。さらに今回、早期実現市民総決起大会が開催されることは、15年にわたる長年の悲願であり、中城湾港泡瀬地区埋立事業の早期実現に対する市民の切実な願いのあらわれと受けとめております。県としては、地元の熱い要望にこたえるよう早期実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、外形標準課税についての御質問のうち、法人事業税への外形標準課税の導入が大きくクローズアップされているが、外形標準課税は増税になるのかとの御質問にお答えしたいと思います。
法人事業税への外形標準課税の導入は、応益課税としての税の性格の明確化、税負担の公平性の確保及び安定的な税源の確保等の観点から行うものであります。
外形標準課税については、現在、国において具体案の検討が進められているところであり、今の時点で個々の法人の税負担の変動について申し上げることはできませんが、一般的に、欠損法人についても税を払っていただくことになる一方、収益力の高い法人については減税になるケースが多いものと言われております。
全体の税収は、課税標準や税率をどうするかによって決まってきますので今の時点では具体的に申し上げられませんが、外形標準課税の導入が増税を目的とするものではなく、地方分権を支える安定的な地方税源の確立を目指すものであります。
次に、同じく外形標準課税についての御質問のうち、本県は零細企業が多いが、赤字法人への課税は問題ではないのかという御質問と、外形標準課税を導入すると基盤の弱い中小企業への税負担が増大すると思うがどうかと、2つの御質問に一括してお答えいたします。
法人は、事業を行うに当たって道路、港湾などの社会資本を利用することはもちろん、勤労者・家族に対する福祉、教育、医療など企業活動を維持する上で必要不可欠な地方公共団体の行政サービスの提供を受けています。
しかしながら、現行の所得課税では全法人の約半数の欠損法人が行政サービスの受益を受けているにもかかわらずそのコストを負担していないことになり、税負担の公平性の面から問題があるとされているところであります。
外形標準課税の導入により、すべての法人がその受益に応じて薄く広く法人事業税の負担を分担する仕組みに改革していくことが税負担の公平の観点から重要であると言われております。
政府税制調査会の平成12年7月の中期答申において、導入に際しては所得基準による課税と外形基準による課税とを併用し適切な経過措置を講じるほか、薄く広い税負担を実現するためにその担税力を十分考慮し中小法人に対する一定の配慮を行うことが必要であることとされております。
特に本県においては、中小法人の割合が高いことから、導入においては中小法人に対して十分な配慮をするよう要望しているところであります。
次に、サミットに関しての御質問について、総合評価についてのお答えでございます。
今回のサミットの運営や受け入れ体制については、各国首脳を初め各界から高い評価をいただいており、大きな成果を残して成功裏に終えることができたものと考えております。これもひとえに県民の皆様の各面における多大なる御協力のたまものと感謝いたしております。
21世紀への橋渡しとなる今回のサミットでは、その成果が「G8コミュニケ・沖縄2000」や「グローバルな情報社会に関する沖縄憲章(IT憲章)」として世界に発信されており、沖縄が新たな世紀を臨む記念すべきサミットの開催地として世界の歴史にその名を残すことになりました。
また、各国首脳を初め政府代表団や報道関係者と県民との触れ合いや交流が各地で深められましたが、特に各国首脳と県民との触れ合いが実現したことは、従来のサミットにない沖縄開催の特筆すべきことであります。
まず、アメリカのクリントン大統領が平和の礎を訪れた際には、平和の礎建立に込められた沖縄県民の恒久平和への願いをお話しするとともに、県民の基地の整理縮小への願いを申し上げ理解を求めることができました。
また、市町村においては、ドイツのシュレーダー首相が宮古島、カナダのクレティエン首相が南風原町を訪れる等各地の歓迎事業に参加していただいており、地域住民との触れ合い、交流がなされました。
その他、首脳歓迎レセプションでは各国首脳と県民代表との交流が持てたほか、首里城での芸能の披露を含め沖縄のすばらしい文化を世界に紹介することができ、日本の多様性を世界に発信することができたものと考えております。
プレス対応としては、サミット開催前の情報発信事業に引き続き期間中もプレスツアー等を実施しており、基地の現状を初め沖縄のありのままの姿を見てもらえたものと考えています。
今回のサミットの沖縄開催は、行政はもとより、県民やホテル、輸送・交通を初めとするサミット支援にかかわる県内の各界各層にとって最高の国際会議の受け入れという貴重な経験を得る機会となり、このノウハウの蓄積は、今後、国際コンベンションアイランドの形成を目指す本県にとって大きな財産になるものと考えております。
続いてサミットに関して、サミット後の沖縄のこれからはどのように変わっていくと考えているかについてのお答えでございます。
サミット開催に伴う世界各国のマスコミ報道によって、沖縄の美しい自然や独特の文化、歴史などが世界に紹介され、本県の魅力が国内外に発信され知名度が広がったと考えております。
今回のサミットの開催は、行政はもとより県民にとっても最高の国際会議の受け入れという貴重な経験を得る機会となったと考えております。特に小中学生サミット、G8高校生サミットの開催や、各市町村での各国首脳と子供たちとの直接の触れ合いなどの貴重な経験は、21世紀を担う青少年の健全育成の面で大きな効果があったと思います。
また、サミットに関連して整備された情報通信基盤等を活用したIT産業の進展も期待されるところであります。
今後は、サミットで蓄積されたノウハウや施設等の一層の充実を図りながら、人、物、情報等の結節点となる県土づくりを推進し、「太平洋・平和の交流拠点」の実現を目指したいと考えております。
具体的には、世界の人々が集い、交流するコンベンション・アイランド、多様なネットワークで世界とつながるメディア・アイランド、環境に優しく自然と共生するエコ・アイランド、健康で豊かに人々が支え合うウェルネス・アイランドを形成していく上で大きな力になっていくものと考えられます。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(平良健康) 産業振興について、沖縄で生産される健康食品の安全性等についての御質問にお答えいたします。
健康食品は、法的根拠を持つ食品ではないが、消費者の健康志向に積極的に訴えることによって販売されている食品であり、通常の食品より強い意味での保健、健康維持増進などの目的を持った食品として定着しております。その規制や取り締まりは食品衛生法、薬事法等によって行っております。
健康食品の規格基準は、財団法人日本健康食品協会が自主的に設定し、健康食品の適正な製造、販売に関する指導や消費者に対する健康食品の正しい知識の普及に努めることになっております。
食品、添加物等は安全でなければならず、その安全性の判断は常に最新の科学水準のもとで厳密な科学的な見地からなされる必要があるため国において食品衛生調査会を設置し、食品等の毒性、安全性等について学識経験者により専門的立場から調査審議をしております。その調査審議の結果は厚生大臣あて答申され、食品衛生法上の適正な措置がとられることになっております。
次に、医療問題について、中部への看護学校の新設についての御質問にお答えいたします。
平成3年に県が策定した沖縄県看護職員需給見通しでは、平成13年度には看護職員の需給バランスがとれると予測しております。しかし介護保険制度の導入に伴う在宅看護の増大等に加え、看護職員の活動する範囲がさらに拡大していくことが予想され、看護職員の需給見通しの見直しが求められる状況になっております。
このため、国は需給見通しを見直すこととしており、平成12年度に「新看護職員需給見通し指針」を示しております。県においても、国の指針と県が実施した実態調査の結果等を踏まえ見直し作業を進めており、今後は医師会等の関係団体と意見交換しながら看護職員の養成について検討していきたいと考えております。
次に、同じく医療問題についての中で、がん病院の設立についての御質問にお答えいたします。
がん等悪性新生物に対する診断及び治療については、平成10年度に実施した医療機能調査によると県内の国立、県立及び民間病院において一通りの対応が可能となっております。今後、より高度で特殊・先端のがん治療ができるよう琉球大学等との連携を深めながら検討していきたいと考えております。
また、がん等悪性新生物による死亡率は本県死因の1位であることから、40歳以上を対象としたがん検診の充実を行う等早期発見、早期治療に努めるとともに、特に禁煙教育等の予防活動の充実を図っていきたいと考えております。
次に、同じく医療問題についての中で、県立那覇病院改築の検討委員会は何回持つ予定か、幹事会は何回持つ予定か、検討委員会等での最終結論はいつごろになるのか、検討委員会等での県民代表参加について、検討委員会等での情報公開についての御質問につきましては一括してお答えいたします。
県立那覇病院につきましては、老朽化が著しく早急な改築が必要でありますが、ただ単に建てかえるのではなく、人口の集中している南部保健医療圏等における救命救急医療や総合母子医療及び離島医療支援などの県民医療ニーズにこたえられる高度で多機能な病院として整備するよう検討することとしております。そのため、県民各層の委員から構成される検討委員会を去る9月20日に設置したところであります。同検討委員会は来年の3月までに4回、幹事会は6回程度行う予定であります。
なお、検討委員会の事前調整のために懇談会を2回行っております。最終的には、来年の2月の中旬ごろに幹事会で取りまとめ、2月下旬には委員会で最終の協議を行い、3月には検討した結果を基本構想としてまとめていくこととしております。
検討委員会は、医療関係者として各地区医師会等、受療者代表として沖縄県市長会、沖縄県町村会、沖縄県離島振興協議会、沖縄県婦人連合会、有識者として琉球大学や民間企業の経営者の方々により構成されております。
なお、検討委員会を開催する折にはマスコミ等への情報公開を行ってまいりたいと考えております。
福祉問題について、知的障害者の雇用創設のため3級ヘルパー養成事業を実施する計画があるかとの御質問にお答えいたします。
滋賀県においては、緊急地域雇用特別交付金を活用したモデル事業として知的障害者の3級ヘルパー養成研修を実施すると聞いております。
本県では、当該養成研修事業を実施するに当たり、研修を実施する機関の選定や講師の確保等解決を要する課題があり実施に至っておりません。今後県としては、現在実施されておりますホームヘルパー養成事業所に対し、知的障害者の方々の受講を積極的に受け入れるよう協力を依頼してまいりたいと思います。
次に、福祉問題についての中で、精神障害を持っている方の社会復帰はどのように進めているかとの御質問にお答えいたします。
精神障害者の社会復帰、自立と社会経済活動への参加を促進するためには精神障害者に対する誤解・偏見の解消や公的サービス等の社会資源の充実、さらには障害者がこれらを有効に活用できる支援体制が整備される必要があります。
これらのことから、県におきましては精神保健福祉普及月間等の啓発・広報活動を行うとともに、沖縄県障害者プランに基づき社会復帰施設の整備、精神科救急医療システムの整備、グループホーム・小規模作業所への運営補助を行うなど社会資源の充実に努めております。これらの事業は、障害者の回復状況に合わせて実施されており、就労訓練では小規模作業所や授産施設における作業訓練、地域事業所での作業訓練を行う通院患者リハビリテーション事業を実施しております。
また、地域に住む障害者が安心して暮らせるよう夜間・休日における精神科救急医療システムや、日常生活支援・相談などを行う地域生活支援センターを整備するなどその条件整備に努めているところであります。
○商工労働部長(當銘直通) 産業振興について、沖縄の特産物(健康食品)の科学的な有効性についての質問にお答えいたします。
沖縄の特産物のうち、健康食品産業については、沖縄県産業創造アクションプログラムの中で中核産業として位置づけ、健康食品産業の育成のための各種事業を実施しているところでございます。
健康食品の機能性の評価、製品加工技術等に関する研究開発については、県内の健康食品関連企業及び沖縄県工業技術センター、琉球大学、株式会社トロピカルテクノセンター等の参加のもとで産・官・学連携による地域コンソーシアム研究開発事業を実施しております。平成11年度には「健康・長寿研究センター」を沖縄県産業振興公社に位置づけ、薬草等と健康との関連性の解明に関する研究を進めております。
県といたしましては、引き続き沖縄の健康食品の有効性について研究開発に努め、健康食品産業の振興を図っていきたいと考えております。
次に、産業振興について、世界に泡盛が出ていくためにはISO認証取得が必要と思われるが、その指導はしているかということでの質問にお答えします。
企業がISOの認証を取得することは、製品の統一的な品質管理を可能にするとともに、国際的な評価を受け海外との取引が容易になるなどの効果があります。
しかしながら、県内企業の認証取得は他県に比べると低い状況にあるため、県では平成11年度からISOの認証取得を目指す県内中小企業を対象に講習会を開催しており、これまでに延べ105社が参加しております。
泡盛業界は、沖縄国税事務所主催の泡盛鑑評会やモンドセレクション国際品評会での受賞などにより品質の向上や国際的な評価がなされています。県としましては、国際規格であるISOの認証取得により製品の品質向上のみならず経営改善を図る必要があると考えております。今後とも泡盛業界を初めすべての製造業に対し、ISO認証取得に向けた普及・啓発を行ってまいります。
次に、同じく産業振興について、本土企業の進出希望や打診に対する県の総合的な受け入れ相談窓口及び体制はどうなっているかについてお答えします。
県は、特別自由貿易地域等への企業誘致を積極的に推進していくため、国内外における企業誘致説明会の開催や企業訪問などを積極的に行っているところであります。
本土企業の進出希望や打診については、立地相談から進出、操業後の支援まで一貫して対応する企業誘致の総合窓口として昨年4月、商工労働部に企業立地推進課を設置しております。
また、本年4月には、企業が集中する東京や大阪において積極的な企業訪問を行うとともに、沖縄に関心を持つ企業等に対し迅速かつ的確な情報提供を行うため東京事務所に2名、大阪事務所に1名の企業誘致対策監を配置し企業誘致体制を強化しております。県としましては、これらの企業誘致推進体制を活用して、今後とも特別自由貿易地域等への企業の立地を促進するため国内外の企業に対し沖縄への進出を積極的に呼びかけてまいります。
次に、建設業の育成について、国の機関に対し、もっと県内業者に受注機会を与えるように積極的に働きかけるべきだと思うがどうかという質問にお答えします。
県は、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、県の公共工事については分離・分割発注の工夫を行うことなどにより県内企業への優先発注を推進しております。
また、これまで国や市町村などに対し、毎年、県産品奨励月間の7月に本方針に準じた対応を要請してまいりました。県としましては、県内産業育成の観点から今後とも引き続き国等に対しその対応を強く要請していきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 産業振興について、県内における耕作放棄地の最近の推移と原因及び対策はどのようになっているかとの御質問にお答えします。
県内における耕作放棄地は、農業センサスによると昭和60年913ヘクタール、平成2年1110ヘクタール、平成7年1628ヘクタールで、この10年間で715ヘクタール増加しております。
その主な要因は、農業従事者の高齢化や後継者不足、農産物価格の低迷等による農業従事者の減少、都市周辺部における農地の資産的な保有などが考えられます。
県においては、耕作放棄地を解消するため市町村など関係機関と連携し「農地流動化1・1・1の1000ha運動」を推進するとともに、集落ごとに農地流動化推進員約770名を配置し農地の貸し借り等掘り起こし活動を行い、農地流動化に取り組んでいるところであります。
特に、さとうきび作における農用地の利用集積や農作業の受委託を推進するため、借地型大規模経営体のさとうきび生産法人等を積極的に育成し耕作放棄地の解消に努めているところであります。現在、さとうきび生産法人については沖縄本島に6法人、久米島6法人、南大東1法人、宮古1法人、計14法人が設立されており、これらの法人に現在約204ヘクタールの農地が利用集積されております。
また、多くの市町村でも法人設立に向けた取り組みが行われており、関係機関と連携し農地流動化による耕作放棄地の解消に努めていく考えであります。
次に、松くい虫対策について、松くい虫被害はどのような対策をとっているかとの御質問にお答えします。
森林病害虫等防除法においては、保安林等の公益的機能の高い松林を高度公益機能森林、地域の重要な松林を地区保全森林として指定し松くい虫被害対策を講じております。
具体的な対策としては、高度公益機能森林は県、地区保全森林は市町村が事業主体となって国庫2分の1の補助事業により実施しております。
また、「その他の松林」の対策については市町村や地主等の自主防除のほか、緊急雇用対策基金を活用して被害木の伐倒駆除等を実施しております。
さらに、米軍施設内については那覇防衛施設局等が被害対策を講じております。
県としては、国を初め市町村、森林組合等関係機関との連携を密にし、今後とも松くい虫被害の終息に向けて鋭意取り組んでいく考えであります。
次に、補助金の推移についてお答えいたします。ここでは、地区保全松林についての補助金のみを申し上げます。
平成10年5085万円、平成11年6187万円、平成12年5386万円で、平成12年度においては9月補正で約1000万円ほどの補正を要求しております。
次に、ユーカリが松くい虫被害防止に効果があるということを知っているか、この問題を林業試験場で試験してはどうかとの御質問にお答えします。
ユーカリの松くい虫被害防止効果については、昭和57年に静岡県林業試験場において研究がなされており、森林病害虫防除に関する研究誌に報告されております。
その研究によりますと、ユーカリの抽出成分の一部にマツノマダラカミキリに対し忌避効果があることが検証されております。しかしながら忌避成分を松林に散布した試験では、成分が空気中に早く放散するため松の枯損防止効果は見出せなかったということになっております。今のところ有効な防除方法には至っていないようであります。
なお、県内でもユーカリ造林が行われておりますので、松くい虫被害の防止効果について調査を実施したいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 観光振興について、豪華客船スターアクエリアスの問題について県当局はどのように認識しているか、またその受け入れ体制の改善策はどうなっているかとの御質問に対して一括してお答えいたします。
スタークルーズ社のスターアクエリアス号は、台湾の基隆を起点に、石垣港、那覇港を寄港地として台湾─沖縄間のクルーズを行っております。
当初、スターアクエリアス号は沖縄市に寄港しておりましたが、那覇市での買い物アクセスに1時間以上を要し、往復のタクシー料金も高くなることなどクルーズ船の利用客から苦情が絶えなかったことから、那覇市に寄港地を変更したものであります。しかしながら那覇港には国際旅客船専用のバースがないことから、貨物と旅客が混在するバースを利用せざるを得ずクルーズ船の利用客に不便を与えております。
また、台湾─沖縄間のクルーズにつきましては運営が厳しいことから、スタークルーズ社から県に対しまして岸壁使用料などの免除要請がなされております。
スターアクエリアス号の受け入れにつきましては、現在、那覇市においてバースや駐車場の確保、新港埠頭7号岸壁の環境整備等に取り組んでいるところでありますが、本格的な国際旅客船専用のバースやクルーズ船ターミナル等の整備につきましては今後の那覇港全体の整備計画の中で検討されるものと考えております。
なお、岸壁使用料などの減免につきましても、港湾管理者である那覇市の方で現在検討がなされているところであります。県としては、今後那覇市を初め関係機関との連携を図り、スターアクエリアス号の受け入れ体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
続きましてサミットについて、万国津梁館を活用した今後の国際会議及び国内会議の予定はどうなっているか、万国津梁館の予約状況、運営状況について伺いたい、今後の万国津梁館の年間運営経費はどの程度を見込んでいるかとの2つの御質問について一括してお答えいたします。
本県においては、九州・沖縄サミット首脳会合が開催され、本県が国際コンベンション都市として広く世界に発信されたことを契機として、サミット受け入れのノウハウを生かした国際会議等各種会議の誘致に努めているところであります。
万国津梁館の年間運営費については、現在約1億3900万円が見込まれているところでありますが、県といたしましては今後とも国際会議等の誘致を図り県の持ち出しを少なくするよう努力してまいりたいと考えております。
なお、万国津梁館における国際会議等の予約状況は、平成12年9月22日現在で国際会議17件、国内会議57件の合計74件であります。
以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 医療問題に関する御質問で(9)項目めの新病院開業後、運営委員会等を設置するべきと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
県は、県立病院のあり方、役割等統一的な運営方針を確立するため、民間の有識者等を含めた「県立病院経営健全化対策検討委員会」を設置し県立病院事業の経営健全化等に関し検討していただいているところであります。
一方、病院現場におきましては、各県立病院ごとに病院運営会議や薬事委員会等の各種委員会が設置されております。
新病院に係る運営委員会等の設置につきましては、今後検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 教育問題につきまして高江洲議員の御質問にお答えいたします。
まず、教師の悩みなどについてアンケートをとったことはあるかという御質問にお答えいたします。
教師の悩み等につきましては、県教育委員会では個々の教師に対しアンケートは実施しておりませんが、県立教育センターの「こころの電話」による教職員の悩みの相談結果等から人間関係のストレスや健康管理、生徒指導、学級経営等で悩みを訴える教師がふえてきているものと認識しております。
その背景には、時代の変化とともに児童生徒・保護者の意識の変化や多様化など教育環境が大きく変容したことも一因と考えられます。
このため、各学校においては快適な職場環境づくりを推進するとともに、校長、教頭、養護教諭、カウンセラーを初め教職員が相互に気兼ねなく悩みを打ち明けたり相談したりすることのできる豊かな人間関係づくりに努めるよう指導しているところであります。今後は教職員の悩み等について定期的にアンケートを実施し、教職員の悩み等に対応していきたいと考えております。
次に、本部町備瀬に八洲学園という学校法人ができているが、教育長は視察をしたことはあるかという御質問にお答えいたします。
八洲学園国際高等学校は、中学校卒業者や高等学校中途退学者、進路変更しようとする者を対象とした通信制の高等学校であると承知しております。当学園については、担当者が直接訪問するなどその概要の掌握に努めているところでありますが、現在、本県の出身者は中学校新卒者21名、転入生22名など50名程度在籍しております。
本県におきましては、同様な通信制課程が泊高等学校に設置されておりますが、地理的条件等から中北部地域の生徒に十分に対応できてない状況があると考えております。そのために県教育委員会といたしましては、生徒の利便性を考慮して既存の学校を再編する中で中北部に新たな通信制課程の高等学校の設置を検討していきたいと考えております。
次に、感動を与える教育、道徳的精神を培う教育はどう進めているかという御質問にお答えいたします。
心豊かな幼児・児童生徒の育成には、美しいものや自然に感動する心、他人を思いやる心、感謝する心などの感性や道徳的価値を大切にする「心の教育」を関係機関等と連携して幼児期から行うことが重要であると考えております。道徳的な心情や判断力、実践意欲と態度などの道徳性の育成のため社会体験、自然体験を重視し、学校の教育活動全体を通じて道徳教育を推進していくことが大切であると考えております。
現在、各学校においては、花いっぱい運動やあいさつ運動、ボランティア活動などの豊かな体験活動を推進しているところであります。
また、地域においては、学校と連携しハーリーへの参加、サバニで島一周等地域の伝統行事への参加を通して道徳性を養う体験活動に取り組んでいるところであります。県教育委員会としましても感動体験を味わう集団宿泊学習の促進、「子どもフォーラム」等の実施を通して心の教育の充実に努めているところでありますが、今後ともこれらの施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、教育長はボーイスカウト活動をどのように評価しているかという御質問にお答えいたします。
今日、子供たちを取り巻く環境は大きく変化し、青少年の自然体験、生活体験、社会体験等の体験活動の不足や異年齢の子供同士で交流する機会が少なくなってきていると指摘されております。
このような状況の中、ボーイスカウトは、3つの誓いと8つのおきての実践を基盤に、野外活動や奉仕活動を通して人を思いやる心、自然を大切にする心、自立心や社会性を養うなどバランスのとれた人間形成を図る活動をしております。
国の生涯学習審議会の答申においても、自然体験、生活体験、社会体験の重要性が指摘されており、このようなボーイスカウト運動は、青少年の健全育成を図る上で極めて有意義なことだと考えております。
日本ボーイスカウト沖縄県連盟、ガールスカウト日本連盟沖縄県支部に対し、県はどれだけの補助金を出しているかという御質問にお答えいたします。
県教育委員会といたしましては、日本ボーイスカウト沖縄県連盟、ガールスカウト日本連盟沖縄県支部を社会教育関係団体として位置づけており、指導者の養成や行事の後援、補助金の交付等を通して青少年育成活動を支援しております。
平成12年度は厳しい財政状況の中、それぞれの団体に10万円の補助金を交付しております。なお今後、行政システム改革大綱の動向を勘案しながら補助金の予算措置に努力してまいりたいと考えております。
次に、高校中退率減少との報道があったが、その推移と他府県との比較について伺いたいという御質問にお答えいたします。
本県の平成11年度の高等学校中途退学者の数は1715人で前年度より125人減り、全生徒数に占める中退者の割合(中退率)は3.0%となっており、前年度より0.3ポイント減少しております。
中途退学率は、全国的に増加傾向にあり、本県も平成7年度から増加に転じておりましたが、平成11年度は5年ぶりに減少しており、過去10年間で3番目に低い数値となっております。
本県と全国の中途退学率を比較してみますと、平成4年度に2.0ポイントあった差が年々縮まり、平成11年度には全国ワーストワンを返上し0.5ポイントまで近づいております。これは、各学校におけるきめ細かな取り組みによるものであり、今後ともその改善に向けて諸施策を推進してまいりたいと考えております。
次に、人権教育と生徒指導にかかわる取り組みについてという御質問にお答えいたします。
近年、本県におきましても青少年等による暴力事件が発生するなど児童生徒の問題行動が多発傾向にあります。
その要因といたしましては、さまざまな社会的要因による教育環境の悪化等が考えられますが、特にいじめや暴力行為などは人権意識の弱さや他人に対する思いやりの心の欠如等が大きく影響しているものと思われます。
県教育委員会といたしましては、児童生徒、教師が日常の学校生活の中で身近な問題として人権について考えるよう「人権を考える日」の設定を指導しているところであります。さらに各学校に人権委員会の設置、人権教育担当者の校務分掌への位置づけなど人権教育の指導の強化を図っております。
また、家庭は子供の基本的な生活習慣や倫理観、自制心、自立心等の基礎的な資質や能力を育成する場であり、家庭の教育力向上が最も重要であると考えております。
このようなことから、日々家庭教育を行う親への支援や教育相談を一層強化し、人権教育、生徒指導の充実を目指して取り組みの強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、家庭教育支援会議について伺いたいという御質問にお答えいたします。
家庭教育を取り巻く社会の大きな変化の中で、家庭教育を支える地域社会の連帯感が薄れており、過保護や過干渉、子育てへの自信喪失など家庭教育に苦慮している状況がございます。
このような中で、地域の子供は地域で育てるという立場から、学校、地域などが積極的に協力し家庭教育を支援していくことは極めて大事なことであると考えております。
県教育委員会といたしましては、県PTA連合会、県高等学校PTA連合会の協力を得て、家庭教育支援会議設置についての基本的な考え方を策定し、各学校単位PTAを中心に家庭教育支援会議の設置を促進し児童生徒の健全育成を図りたいと考えております。
最後に、子育てダイヤルと子どもホットラインの利用状況等について伺いたいという御質問にお答えいたします。
保護者や子供たちが気軽に悩みを相談できるように子育てダイヤル、子どもホットラインの電話相談事業を平成11年8月から24時間体制で実施してまいっております。
子育てダイヤルの相談件数は、平成11年度は914件、平成12年度は8月現在で449件となっております。
また、子どもホットラインの相談件数は、平成11年度は125件、平成12年度は8月現在で123件と著しく増加してきております。
なお、主な相談内容は、子育てダイヤルがしつけ、教育方法、家庭、地域とのかかわりの問題、健康問題となっております。子どもホットラインは友人関係、性の問題、家族の悩みとなっています。
児童生徒や保護者が一人で悩みや不安を抱え込まず、気軽に相談し問題の解決に役立ててほしいと考えています。
以上でございます。
○土木建築部次長(金城英男) 東部海浜開発についてお答えいたします。
まず、認可申請の提出から2カ月で免許取得ができると聞いているが今後のスケジュールについて、また免許取得までの今後の県の対応についての2つの御質問に一括してお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区の公有水面埋立承認願書及び免許願書は、事業者である沖縄総合事務局並びに沖縄県からそれぞれ平成12年5月10日に県知事へ出願されております。現在、告示・縦覧を終え、関係行政機関等に意見を照会しているところであります。
このうち、地元沖縄市長、沖縄地区税関長及び中城海上保安署長からは、特に異議のない旨の回答を得ており、その他の関係行政機関については回答を待っているところであります。
今後は、関係行政機関の意見をいただいた後、これらの意見も勘案しながら審査基準に基づき適正に審査し、国、県それぞれの出願に対し本年じゅうを目途に承認及び免許について判断したいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 10番の外形標準課税についての中の軽油引取税で高額の滞納が発生しているが、その理由と脱税をした仕組みについてお答えいたします。
軽油引取税の高額滞納事案として、特別徴収義務者の申告不納入事案と輸入業者の申告不納付事案があります。
軽油引取税の特別徴収義務者の申告不納入事案は、大阪府の特約業者が当初から滞納を意図して経営規模以上に軽油の販売を行うとともに、本県に課税権が発生するよう画策した高額滞納事案でございます。
また、輸入業者の申告不納付事案は、大阪府の軽油輸入元業者が石油販売の実績のない経営基盤の脆弱な本県の石油販売業者に保税地域内で転売して納税義務者に仕立てた高額滞納事案でございます。
この2つの事案は、当初から軽油引取税の脱税を意図してなされたものと思われます。
次に、軽油引取税の高額滞納者に対してどのような処分を行ったか、その未済額は幾らかについてお答えします。
軽油引取税の高額滞納事案については、滞納法人の財産調査を実施し、土地、建物及び預金差し押さえを執行したところでございます。また、特約業者の指定については本県が所管の大阪府に指定取り消しの要請を行い、平成11年10月8日付で指定取り消しが行われております。
これらの高額滞納法人は、当初から脱税を意図した資力のない小規模法人であることから、租税債権を確保するに至っておりません。
なお、これらの業者による滞納状況は、調定額が25億9391万6000円に対し滞納処分等による徴収額は4億5810万6000円で、平成12年5月末現在における滞納額は21億3581万円となっております。
このような高額滞納事案への対策についてお答えいたします。
軽油引取税の高額滞納事案は、県税の徴収率を低下させるだけでなく地方交付税の算定にも大きな影響を及ぼし、特に財政基盤が弱い本県にとっては財政運営に支障を来すことが懸念されます。
今後の滞納防止策として、石油製品の販売業者から営業開始届けの提出があった時点で営業計画等の事情聴取を行い、名義貸しによる高額不納付事案が懸念されるものについては徹底した指導を行っていきたいと考えております。
また、同様な事案が全国的に多発している状況を踏まえて、国においては輸入業者について当該業者が輸入申告をし、許可を受けるまでの段階で申告納付するように改め、納税しなければ輸入許可が得られないような新たな制度を創設する方針を固め、地方税法の改正案が検討されております。
また、特約業者については現行制度を維持し、当該業者の資格を厳格にすることが検討されております。
なお、既に発生した事案については、関係県及び関係機関との連携をとりながら滞納処分の強化を図るとともに、告発を視野に入れた犯則調査を検討していきたいと考えております。
○警察本部長(西村泰彦) サミットについての御質問のうち、警備に当たっての苦労話、よき思い出などという御質問にお答え申し上げます。
九州・沖縄サミット開催に伴う警備に際しましては、皆様方を初め多くの県民各層の格別の御理解、御協力と御支援によりまして無事に警備を完遂することができ、心から厚く感謝申し上げます。
今回のサミットにつきましては、我が国初の地方分離開催で、警察にとりましても前例のない初めての経験であったことに加え、極左暴力集団による反サミット闘争を初め国際テロリスト、右翼等によるテロ行為も懸念されるなど極めて厳しい情勢の中での警備でありました。
特に極左暴力集団は、7月3日深夜、米軍横田基地に対してロケット弾によるゲリラ攻撃を敢行し、その犯行声明の中で、本戦闘は沖縄サミット爆砕の革命的第一弾である、万国津梁館を真紅の炎で爆砕するなど本県におけるゲリラ攻撃を強く示唆しておりました。
そこで県警といたしましては、再度万国津梁館、首脳宿泊ホテルあるいは警護路線の沿道等の検索、点検を継続して行いましたが、一体彼らはどこで、どのような形で攻撃を仕掛けてくるのかを考え続けた最も緊張した日々でありました。
県警におきましては、こうした厳しい情勢下でサミットに向けて各国首脳の身辺の安全確保、サミット公式行事及び関連行事の平穏、円滑な進行並びに県民生活の安全と平穏の確保を基本方針に、全国警察から派遣された職員と本県警察職員を合わせて2万2000人の職員が、サミット警備の成功は21世紀の沖縄の発展に向けて大きなステップになるという県民の期待と願いにこたえるべく各種警察活動を推進してまいったところであります。
猛暑の中での警戒は、沖縄の暑さになれない警察官には本当に大変な苦労でありました。
ホテルの警戒を命令され、ホテル内で冷房がきいてラッキーだと思ったのもつかの間、非常階段での警戒を命ぜられ、非常階段がいかに暑いところかというのを身をもって体験した。一晩徹夜で警戒した後、宿舎でシャツを絞ると汗が滴り落ちるんですとの報告を聞いたこともありました。
また夜間、部瀬名周辺で巡視中に暗やみの中から、異常ありませんと声をかけられ、東北地方の部隊員でありましたが、色白の顔が真っ黒に日焼けして、またあんな真っ暗やみの中でハブの脅威あるいはヤブカの猛威にさらされながら黙々と警戒を続ける警察官の姿に本当に頭の下がる思いがいたしました。
こうした沖縄サミットの成功に向け真摯に努力する警察官に対しまして、県内各地におきまして沖縄サミット地域安全県民協力会、各地区の地域安全協力会を初めとする多くの県民の方々から数多くの激励が寄せられ、警戒員は厳しい勤務の中でのこれら心温まる激励、沖縄の皆様のチムグクルに大変感激し警備に集中でき、全員無事に帰任することができたとの報告も受けております。
例えば警戒に当たっている警察官へ近所のおばあさんがスイカを一切れ持ってきていただいたものに始まりまして、汗まみれになり、あるいはどしゃ降りの雨の中で警戒している警察官に、あんた、ずぶぬれになってかわいそうね、家でふろに入っていかないかと声をかけていただいたなど本当に心温まるエピソードがたくさんございまして、私も胸が熱くなることがしばしばでありました。
7月23日午後7時33分、最後の首脳カナダのクレティエン首相搭乗機が那覇空港を離陸したときの感激は今も忘れられません。総合警備本部内に拍手が沸き起こり、お互いに握手をし合う職員の目には涙がたまっておりました。1年3カ月間に及ぶ苦労が報われた、警備を完遂することができた喜びが職員皆の顔に満ちあふれておりました。
また先日、北谷町長が来訪され、北谷町における子供たちとブレア首相の交流状況のビデオをいただきました。そのビデオを拝見し、子供たちが生き生きとブレア首相と交流する姿を拝見して本当に胸が熱くなりました。
ここに改めて沖縄サミット警備に御支援、御協力いただいた県民の皆様に心からお礼を申し上げますとともに、県警といたしましては県民の皆様から寄せられた多くの御支援、激励に対しまして今後とも全職員が一丸となって治安維持に邁進することによって県民の皆様の負託にこたえてまいりたいと思いますので、皆様方の御支援を切にお願い申し上げます。
次に、自動二輪車の交通事故対策についてお答え申し上げます。
本年の県内における交通死亡事故は、9月25日現在57件発生し58人が亡くなっており、前年比プラス10人と大変厳しい情勢であります。そのうち、二輪車関連の死亡事故は18件で19人が死亡しており、昨年同期と比較しますと7人、58.3%もの増加であります。
二輪車関連の交通死亡事故の特徴を見ますと、16歳から24歳のいわゆる若年者の事故が13件、これは全体の72.2%であります。夜間の事故が12件、週末の事故が8件、速度超過などいわゆる交通三悪による事故が12件であります。
これらの事故の特徴を踏まえまして県警といたしましては、事故多発路線、特に北部におけるツーリング中の事故が多発傾向にあることから、白バイを集中的に北部に投入しているほか、中南部における暴走族取り締まりを強化するとともに、「ウイークエンドナイト作戦」と銘打って週末の夜間における指導取り締まり、若年者、特に高校生を中心に二輪車の実技指導、各高校における交通安全教育等を強化しているところであります。
また、6月から8月までの3カ月間を沖縄県二輪車普及協会と連携して二輪車無事故・無違反コンクールを実施して交通安全意識の高揚を図ったところであります。
今後とも、関係機関と連携して交通事故実態に応じて真に効果の上がる諸対策を推進し、交通死亡事故の抑止に努めていきたいと考えております。
最後に、道路標識の管理責任についての御質問にお答え申し上げます。
道路標識は、道路法による道路管理者が設置する案内標識、警戒標識等と公安委員会が設置する規制標識等に分かれておりまして、それぞれ設置者において維持管理しているところでございます。
御質問の公安委員会が設置する規制標識等につきましては、各警察署交通課または警察本部交通規制課が窓口になり、道路管理者が設置する標識につきましては国、県及び市町村がそれぞれ管理しております。
これら道路標識にかかる各種相談につきましては、警察の窓口に寄せられた相談につきましては迅速に対処することとしておりまして、かつ道路管理者の設置する標識につきましては当該道路管理者へ通報しているところであります。
なお、県警ではホームページで「標識BOX」を開設して標識に関する県民の御意見を広くいただいているところでありまして、今後とも県民の皆様の御要望を踏まえ的確に対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○文化環境部長(宮城光男) 交通問題に関する質問のうち、各市町村における交通安全対策課の設置に関する御質問にお答えします。
交通事故から県民の生命財産を守ることは重要な施策であり、交通安全啓発、安全思想の向上を図るため市町村、関係団体等と連携し推進しているところであります。
交通事故防止は、一人一人が交通ルールを遵守するとともに、交通マナーを守って事故を起こさないという自覚が何よりも肝要だと思います。
現在、市町村における交通安全対策は総務課やそれから生活課等で取り扱っておりますが、部署がわかりにくいという状況にございます。市町村民が主管課をより一層周知できるような広報を図るよう働きかけていきたいというふうに考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時54分休憩
午後1時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
比嘉勝秀君。
〔比嘉勝秀君登壇〕
○比嘉 勝秀 自由民主党を代表して稲嶺知事に県政の抱える時局の問題を含めて幾つかの点を質問をさせていただきます。
私は、今回の代表質問をするに当たって、前知事の大田昌秀知事が2期8年間の県政にかかわった思いを込めて、こういった「沖縄の決断」という本にしっかりと書いてございます。(資料を掲示) これを読ませていただきました。
せんだって知事とお会いしたときに、知事ももう既にお読みになっているようでございまして、私はこの普天間の問題について特に論議が深まっていくものだと期待をいたしております。
また、稲嶺知事が2カ年前の知事選挙に立候補した際に、この普天間の問題に大田前知事より極めてハードルが高い軍民共用、そして使用期限15年という具体的に打って県民に明確に約束をしておりまして、前知事、現在の稲嶺知事の普天間空港に対する取り組みの入り口につきましては全くこの2つの本、冊子を読む中では同じ気持ちで入っているなと、私も同感をするものでございます。
この問題は、沖縄県の一般の基地行政に対する例えば基地の整理縮小、跡利用の問題、そういった問題とは違って極めてこの危険な地域からこの普天間空港を取り除こうと、命にかかわる私は極めて大切な問題でありますので、冒頭にこの問題をちょっとばかり触れさせていただきたいと思います。
あの地域は15の小中学校がひしめいている地域でございまして、特に普天間第二小学校などはこの真ん前に位置づけをされておりまして、極めて危険な場所であることは御承知のとおりであります。
大田前知事は、この普天間空港の南側の進入路の真下に住んでおりまして、もう本当に普天間空港の危険性というものを手にとるように熟知をしていると。この本から見てもそう察するわけでございます。
またもう一つは、大田前知事がこれを一般の基地行政とは別個に、これはもう命にかかわることだから緊急避難的にこれを取り除こうと決意したときの知事の思いの中で、石川市の宮森小学校のジェット機の墜落事故がございます。
大田前知事は健児隊で学徒出陣をされて、命からがら戦争を終えて石川市の隣の屋嘉の捕虜収容所に収容されていきますが、それからしばらくして石川に移って、石川で一時期お住まいの時期がございます。
その中で宮森小学校で教鞭をとった経緯がございまして、大田前知事の教え子も石川にたくさんいらっしゃいます。そういう感情もあって大田前知事は、これは緊急避難的にこの普天間を移そうというかたい決意でスタートしたはずでございます。ところが、この大田前知事を取り巻くいろんな形のものが影響を受けて、御承知のとおり結局凍結をしていくという感じでございます。
私は、私たちの稲嶺知事がハードルをしっかり高く持って臨んでおりますので安心はしておりますけれども、大田前知事のように迷路に入ってわけのわからぬようなところに行かせたんじゃこれは困りますので、そこで稲嶺知事にもう一度、これは命にかかわる問題ですよということを再確認するためにちょっとばかり宮森小学校のこのジェット機の墜落事故について私自身が体験しましたので、これを話をさせてください。聞いてください。
これは、1959年の午前10時40分に起こった戦後最大の惨事であります。ちょうど私は、戦後小学校の5年に石川に来まして、宮森小学校を卒業しました。私の母校です。
この事故があったときには高等学校の3年生で、ちょうど午前の授業が終わる間際でございましたけれども、今でも本当に思い出すわけですが、このジェット機事故が起こるというときのその前の学校の授業を終わろうとするときの状況というのは、本当に不気味なぐらいしーんと静まり返っておりまして、そして本をかばんに入れていよいよ昼食時間に行こうとしますと外の方で行き来する動きが激しくなってくる。静かに遠いところから石川市内に大きな事故があったということで我々はこれを聞きまして、もう午後の授業もほったらかしてかばんを持って一気に石川市内におりていったんです。
私の友人約5名ほどと一緒に足早に行ったわけですが、ちょうどその中に今沖縄タイムスの常務取締役をやっております金城秀恒という同期生がおりますけれども、彼が、約2.5キロぐらい市内から高校はありますけれども、この丘を登り切ったところは一面石川市が見えるわけです。そうするとずっと北の方に大きな煙が立っておりまして、彼は非常に冗談、ユーモアの好きな方でございまして、煙がアガトーシェー、勝秀、イッターヤーヌトゥクマーアラニと、こう言う。
私は、アラン、ワッターヤーヤ真ん中ルドーと、イッターヤーヌトゥクマーアラニと、こんな調子でそんなに危機感を持っていない、こういう冗談をし合いながら、しかし何かが起こっているということで足早に行ったんです。
そうすると、しばらくするとこの金城君が自分の持っているかばんをなげうって、もう一目散に走っていくんです。私は、彼が投げたかばんを持ち直して同期生と一緒に走っていったんです。
そうしますと、宮森小学校の約200メートル先からジェット機が根こそぎ民家を引っ張り、もう全く形もない状況になっておりまして、金城君の家そのものに実はジェット機が墜落をしたと。お母さんが即死です。もう本当に金城君は半狂乱の状態になりまして、我々同期生も彼をどうにかして落ちつかそうということでやっておりましたが、もう大変な状況になっていた。
私もしばらく金城君を介抱して落ちつかす形にしておりましたら、親戚の方々も多くいらっしゃって、そして市民もたくさん来たものですから、私は自分の弟が実は宮森小学校におりまして、弟のことを思い出して学校現場へ行ったんです。そうすると恩師、先生方が血みどろになって遺体を収容する米軍の担架が持ち込まれ、もうすさまじい状況が実はそこであったわけであります。
御承知のとおり、17名の死傷者、200名の負傷者を出した大惨事であります。私はその現場を見るときに、やはりこれは基地の整理縮小とかそういうことじゃなくして、とにかく命を救おうと、革新の諸君がよく言うように「命ドゥ宝」というこの言葉を私はそういったところから出てこないと、私はうそだと思っているんです。そういうことで大田前知事も決断をして、とにかく最優先して普天間だけは返してくださいと。
時の社会党の総理であった温厚誠実な村山総理に強く申し上げて、そして普天間問題が重く受けとめられてやっとスタートしたんです。村山総理はまじめな方ですから外務省、防衛庁の官僚に手配をするんです。沖縄側の痛みを解決するためにとにかく解決策を積み上げてくれと。
ところが、この官僚というものは優秀である割に時間が本当にかかるんです。時間がかかって解決策というのは具体的に出し切れない。そして結局村山さんが退陣をする。大田さんとの約束が果たされない、その思いがあったものですから、村山総理は後を託した自由民主党の橋本総理・総裁にその普天間のことだけはぜひ頼むということで託して官邸を去るんです。
橋本さんは、村山さんと違って官僚を相手にしないんです。このことだけは日米の首脳会談に持ち込んで政治的な決着以外にないということでだれにも話をしないで、官僚に話をしたら、官僚はこれはもう格好よく段取りだけをして全然解決策は出てこないわけですから、そういうことをよく熟知している橋本龍太郎総理はクリントン大統領との初会合でこのことを強く求めて、促して、そしてお帰りになって電話でも何度もやりとりしながら決断をするんです。そしてモンデール大使を呼んで総理官邸から大田前知事にこの普天間を返せると、そのときの大田さんの気持ちというものは本当によかったと思って率直に私はとったと思っております。
ところが何と申しますか、この本は弁解じみたことも書いてありますけれども、ざっと読んでみますと、やはり一貫した、決断したくてもできない状況に結局なってこの問題が宙に浮いてしまったと、こういうことでございます。
私は、稲嶺知事がこの問題について大田さんのような結末に向かわすわけにはまいりませんので、私はそこらをもう一度知事の普天間移設に対する基本的な認識と、普天間を動かすという決意をもう一度承りたいと思います。
そしてまた2点目は、革新県政のときの基地問題の進め方、これも15年問題、6月の定例会でも一生懸命革新の方々がやっておりますが、非常にこれも民主的な、民主主義の議論の府ですからこれは大いに結構でございますけれども、私はこれで議論が深まって本当に納得いった形で稲嶺知事を激励なさるのかなとじっくり聞いているんですが、なかなかそうはいかないと思うんです。
なぜかといいますと、基地問題に対する革新の方々、大田前知事も含めてなんですが、明確な理念と申しますか、思想と申しますか、その考え方がございます。これは、日米安保条約に対して戦後55年平和で本当に日本を支えてきた条約を私どもは稲嶺知事も含めてこれを積極的に評価をして認めております。
ところが、大田先生を初め革新の諸君は、これは安保条約を破棄する立場なんです、否定する立場なんです。
そしてまた、国の主権を守るために本当に国防という国の根幹をなす重要な問題であるこの基地を、日本国の一員であるならば応分の負担を担っていくのはこれはもう当然のごとく当然でございまして、ところが平和主義とか何とか抽象的なことを言って、1坪たりとも基地を認めないというのが皆さんの考え方であります。そして現実に基地の対応というものは、このごろは大田前知事は言っていませんけれども、即時、無条件、全面返還。即時、もうすぐだと。稲嶺知事のように条件をつけて、とにかく振興策のすべてを出し合っていわゆるやり取りはしないと、無条件と、全面返還だと、こういう考えの方々の議論というのは私は深まるはずはないと思っております。
そういうことでこの15年問題、期限問題を中心に論議を本当に深めて理解が得られるものであるかどうか、知事の御所見を賜りたいと思います。
そして3点目に、これはもう稲嶺知事に強く申し上げたいんですが、知事公約というものは、この4年の任期中に原則として実現をしなければならないと、私は基本的にそう思っております。
ところが、知事を取り巻く、大田前知事も取り巻きが大き過ぎて市民団体から、ああいうみじめな形になったんですが、稲嶺知事は本当にすかっとした方ですからそうはならないと思うけれども、新聞からちらほら聞くところによると、普天間問題は三、四年かかってやっていいんじゃないのと。知事、ゆっくりゆっくり、こういう方々が周辺にいらっしゃると、これはもう極めて県民に私の知事4年中に明確にめどづけをしますよということをやって当選したわけですからね。これはタイムリミットというのは当然あってしかるべきでございまして、普天間問題に決着をつけるこの時期をどの時期であるのか、非常に答えにくいと思うんですけれども、この辺をしっかりとひとつお答えをしていただきたいと思います。
そこで、次に15年問題についてでございます。
稲嶺知事は普天間基地の代替施設について使用期限15年、軍民共用空港とみずからに高いハードルを課して県民に理解を求め明確に公約をして知事に就任をなさいました。すごいことを約束したものだと私は思っているんです。革新の諸君は勝つための単なるジェスチャーじゃないのと、またはごまかしではないのかと、こういう言い方を常になさっております。そういう認識が前提に立っているものが根底にあるということでございます。
私たちも正直申し上げて、当初は知事の真意が、本当にこんな高いハードルでいいのかなということを読み取れませんでした。
ところが、知事の就任と同時にあらゆる機会をとらえて真剣に訴える知事の姿勢そのものが実って、昨年の平成11年12月28日、15年の使用問題を政府の方針として取り入れられ閣議決定までこぎつけ、この重い腰の日本政府をしてアメリカ政府に交渉をさせる糸口をつくったわけであります。道筋を整理して粘り強く訴えることは極めて大切なことでありまして、今後ともこの姿勢だけは堅持をしてほしいと思うものでございます。
また、地元名護市の岸本市長もある面、新聞紙上からすると稲嶺知事よりも強い姿勢で臨んでいるような感じもいたします。最大限にその岸本市長の姿勢も尊重しなければならないと思っております。
私は、稲嶺知事、岸本市長の15年問題に対する基本姿勢を高く評価をいたすものでございます。名護市、沖縄県の2人のトップリーダーのこの感覚、この姿勢の中からしか解決の糸口は見つけることはできないと思っております。
大田前知事が普天間問題で宜野湾市の比嘉盛光市長を同行させて、これは最後の知事訪米でございますけれども、ペンタゴンでの折衝の中で比嘉市長が、とにかく早目に普天間空港を返還してほしいと要請したのに対し、当時のキャンベル国防副次官補は、アメリカ政府に言うのではなくして大田知事、その方に言ったらどうかと、非常に激高してちょっと冷静さを失って怒ったと言われております。このキャンベル前国防副次官補が退官されてキャンベル論文を発表をいたしております。
このキャンベル論文も、これはしっかりした形で認識をしておりまして、本当に激高して怒ったキャンベルかなと思うぐらい、小さなかごに多くの卵を積み過ぎていると、この基地の重さにこたえて軍事体制、人数も合わせて、また訓練体制も新しくし直すというしっかりした論文が出ておりまして、社大党などは非常にこれに反応をすぐぽんと示して、島袋さんも書記長も一緒に、これはもう返すべきじゃないかとこう言うわけですが、こんな簡単な問題ではないと私は思うんですが、この論文の後ろは、これは極東体制の大変なことが書いてあるんですよ。この辺は私とちょっと違うところでありますけれども、どっちみちジョーンズ海兵隊総司令官の海兵隊演習、訓練のグアム移転検討、これなども稲嶺知事の普天間問題に取り組む強い姿勢の中にアメリカ側が反応し出してきたと、動き出したと見て取ってよいものだと私は思っているんです。
使用期限15年問題、地位協定の見直し、軍民共用問題、これらの基地問題に取り組む具体的な提起があって、この機会をとらえて稲嶺知事は常に訴える、日米首脳に訴える、衆参の責任ある立場の方々に訴える、全国知事会でもしっかり訴えてもらう、こういった地道な行動がアメリカの反応、行動となってきていると思うのであります。日本政府も閣議決定を見て、閣議決定というのは国の最終的な意思として後退は許されない状況になっております。
ところで、沖縄県と日本政府との間で普天間問題でやっと協議会もスタートを切ったばかりであります。まだまだこの協議会の中身は具体的に決まったわけではありません。ちゃんとした形に仕上がらない段階で代替施設の使用期限15年問題だけがひとり歩きして前に進むことは、見方によっては極めて危険な状況と言わなければなりません。この協議会の中身の問題と使用期限15年問題は、車の両輪のごとく歩調を合わせて着実に歩みを進めることこそが私は極めて大切なものだと思っております。
そこで質問を行いますけれども、一歩踏み込んで名護市の岸本市長が主張するように代替施設協議会と15年の使用期限問題の結論は同時決着を見る形で解決を図るべきであると思いますけれども、知事の御所見を賜りたいと思います。
ところで、せんだって9月11日に開かれました外交防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で県が強く求めた代替施設15年使用期限の問題については、今後緊密に協議することを再確認しただけで、代替施設の協議だけが先行して15年使用問題は事実上棚上げをされた形になっております。
稲嶺知事は、8月25日の代替施設協議会において15年使用期限の問題について、代替施設の使用期限については本協議会本来の協議事項である基本計画の策定という事項には入らないけれども、「県としては、戦後50年余にわたって担ってきた過重な基地負担や、基地の固定化を避け、基地の整理・縮小を求める県民感情から、15年の使用期限を設ける必要があると考えており、政府におかれましては、県民の強い要望を理解いただき、代替施設の15年使用期限問題の一日も早い解決に向け、積極的に取り組んで」いただくように改めてお願いをしております。
また、岸本市長も基地使用協定、使用期限、既存の米軍施設等の改善は極めて重要な課題であり、別途に協議してほしいと強く政府に迫っております。
名護市の9月定例会の一般質問に答えて、米軍普天間飛行場の代替基地の使用期限15年問題や使用協定について防衛庁、外務省、県、市で構成する新たな協議機関設置を政府に求め、8月25日に発足した工法、規模、場所選定など基本計画を策定する代替施設協議会とは別途機関となる新しいシステムづくりを強く望んでおります。
そこで質問を行いますけれども、この際、15年問題は閣議決定を確認するだけではなく、さらに前進させるために代替施設協議と並行して別途に協議をして結論を得る努力を傾ける必要があると私は思います。名護市の意を体して新しい協議機関の設置をむしろ沖縄県が主導して国に働きかけてみてはどうかと思いますが、知事の御所見を賜りたいと思います。
日米地位協定の改善についてでございます。
これはもう本当にしっかりした提言でございまして、NATO駐留米軍の地位協定に準拠したものであって、これは決して過度の要求でもないわけであります。したがいまして、あくまでもこれは根本的な見直しを私は求めていく必要があろうかと思うのでございます。
そこで、運用の改善ではなくして地位協定の条文そのものを改正する必要があると思いますけれども、知事の御所見を賜りたいと思います。
4点目に、さきの日米安全保障協議委員会(2プラス2)において再開させることになった普天間実施委員会、これと代替施設協議会がどのような役割を分担するのか。日米間、沖縄県、名護市の意向が対立した場合はどうなのか、この調整をどうするのか、知事にお聞きをしたいと思います。
基地問題に絞って質問をさせて終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 比嘉勝秀議員の御質問にお答えいたします。
最初は普天間飛行場の移設について、知事の普天間移設に対する基本認識と、普天間を動かす決意と所見についてのお答えでございます。
普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しております。
県は、普天間飛行場の県内移設について県政の重要課題として取り組んでまいりました。
県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、昨年末「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されました。これに基づき、去る2月には「移設先及び周辺地域振興協議会」、また5月には「跡地対策準備協議会」が設置され、具体的な作業が進められております。
去る8月25日には「代替施設協議会」が設置され、代替施設の工法及び具体的建設場所、その他基本計画策定に必要な事項についての協議が開始されたところです。
県としては、移設に当たって整備すべき条件や地元名護市が受け入れ条件としたことについて、一日も早い解決に向け取り組んでいきたいと考えております。
次に、同じく普天間飛行場の問題について、15年使用期限の問題で論議を深めて理解を得られると思うかということのお答えでございます。
我が国に所在する米軍基地は、日米安全保障体制を維持する上で重要な役割を果たし、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与しているものと理解しています。
県としては、普天間飛行場を含め、本県が過重に負担している米軍基地についてはSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から15年の使用期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
使用期限問題については、閣議決定を受け、これまで日米防衛首脳会談、外相会談、日米首脳会談、日米安全保障協議委員会においても取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
次に、同じく普天間飛行場の移設について、普天間問題に決着をつけるのはどの時期だと認識しているかということと、次の閣議決定の趣旨に従い、政府と沖縄県の間で15年問題を決着することは可能であると思うがということで、それに対する御質問に対して一括してお答えいたします。
普天間飛行場の県内移設については、昨年末に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき協議会が設置され、それぞれ具体的に取り組みが進められているところであります。15年の使用期限問題についてはこれまで日米間で取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
また、さきに来県したクリントン大統領やジョーンズ米海兵隊総司令官にも、代替施設の使用期限については日本政府に対して強く要望しているということを申し上げ、沖縄の実情について理解を求めてきたところであります。
県では、代替施設の15年使用期限問題について、全国知事会や代替施設協議会の場でも政府に対し、県民の意向を酌み取り、早期に解決するよう特段の配慮を要望したところであります。
県としては、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急に解決策を示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
次に、日米地位協定の見直しについてでございまして、運用の改善ではなく、地位協定の条文そのものを改正する必要があるとしているが、改めてその決意を聞きたいという御質問に対するお答えでございます。
日米地位協定の見直しについては、去る8月29日及び30日、日米両政府に対し要請したところであります。その際、中川内閣官房長官を初め政府関係者からは、「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との発言がありました。
特に、環境問題については、日米安全保障協議委員会(2プラス2)において協議がなされる旨の発言がありました。県としては、9月11日の2プラス2において環境問題が取り上げられたことは一定の前進であると考えております。
しかし、平成8年のSACO最終報告によって地位協定の運用の改善が行われた後も米軍基地に起因する事件・事故や環境問題など諸課題が山積している本県の現状をかんがみると、運用の改善ではなく、抜本的な見直しが必要であると考えております。
国家間の条約である日米地位協定を見直すことは容易ではないことは十分に承知しておりますが、今回の「日米地位協定の見直しに関する要請」に盛り込まれた内容は、55年間も過重な米軍基地を負担してきた県民の総意であり、環境問題や人権問題などの今日的課題について、米軍基地周辺に居住する地域住民の視点から日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考えております。
県では、9月13日の全国知事会議においても森総理に対し、日米地位協定の見直しについて特段の御配慮をお願いいたしましたが、今後とも県選出国会議員の方々に国会において取り上げていただくなど広く全国民のコンセンサスを得ることができるよう訴えていくとともに、渉外知事会の要請などあらゆる機会を通して日米両政府に対しその実現を粘り強く求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 比嘉勝秀議員の普天間実施委員会と代替施設協議会の役割分担に関する質問にお答えをいたします。
代替施設協議会は、代替施設の規模、工法、具体的建設場所及びその他基本計画策定に必要な事項について国、県及び名護市等地元市町村が協議を行うものであります。
普天間実施委員会(FIG)は、代替施設の基本計画策定に必要な米軍の運用所要等について日米間の協議を行うものと承知しております。
代替施設に係る基本計画の策定に当たっては、代替施設協議会における協議と並行して日米両政府間で緊密に協議がなされていくものと考えております。県としては、今後とも名護市等と十分に連携を図りながら普天間飛行場の移設作業の推進に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時10分休憩
午後2時10分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
金城昌勝君。
〔金城昌勝君登壇〕
○金城 昌勝 このたび島尻郡区から参りました金城昌勝と申します。1期生の議員であります。最初の代表質問でありまして、不手際等がありましたら後でまた御指導をお願いいたしたいと思います。
なお、時間の制約があるようでございまして、通告いたしました3番目の雇用・失業対策について、そしてまた最後の6番目の那覇空港拡張整備計画と航空ネットワークの拡大については取り下げいたしまして、次の機会に質問あるいは論議等をさせていただきます。
では、自由民主党を代表いたしまして質問をいたします。
まず、ポスト3次振計と21世紀プラン最終報告についてであります。
21世紀に向けて沖縄県が自立型経済の構築を図るためには、特別自由貿易地域等を活用した加工交易型産業や亜熱帯の特性を生かした農林水産業の振興を進めるとともに、サミットの開催をきっかけになお一層の飛躍が期待される観光・リゾート産業や、最近県外からの企業立地が目立ってきた情報関連産業など、21世紀において本県経済のリーディング産業としての発展が期待される戦略的な産業の振興を図ることが最も重要であると私は思います。
さらに、これらの産業振興のためにはそれぞれの産業分野において必要とされる人材の育成・確保、地域企業の育成・強化、そして国内外からの企業誘致などを進めるとともに、空港、港湾など離島県である本県にとって極めて重要な産業基盤の整備を重点的に推進することが必要であると考えております。
私は、この中でも特に産業振興の根幹である理工系の人材の育成に政策の重点を置くべきであり、本県の将来を見据えて理工系の大学を設置することが最も効果的な人材育成の方策ではないかと考えております。
理工系大学の設置は、健康食品等本県の特色ある製造業や情報通信産業等の振興に大きなインパクトを与え、そのすそ野の広がりをもたらし、地域の活性化はもちろん、アジアなどからの留学生をも受け入れることにより技術による国際貢献にも大きく役立つものと確信しております。
私のこの考え方は、実は8年ほど前に新聞紙上で提言したことがございますが、偶然にも時を同じくして稲嶺知事御自身が県の経営者協会会長をなさっていた当時、新聞の「日曜論評」のコラム中で理工系大学の新設の必要性を強調され、人材の育成、とりわけ最も不足している理工系人材の養成は沖縄の将来の発展にとって最も重要な課題の一つとなるとして情報、バイオ、新エネルギーなど沖縄の地域特性を織り込んだ理工系大学の設立が熱望されております。
現在、知事を先頭に新たな沖縄振興計画の策定に向け鋭意検討を行っているものと推察いたしますが、ポスト3次振計期間中においても21世紀プランの施策を着実に推進していく必要があるものと私は思います。
そこでお伺いします。
まず、ポスト3次振計について、新たな沖縄振興開発計画の策定に向けた取り組みの現状と今後のスケジュールはどうなっているか。
2番目に、21世紀プラン最終報告についてであります。
最終報告について知事はどのように評価しているか。
また、特別自由貿易地域における企業の立地状況、インフラ整備の進捗及び管理運営主体の現状はどうなっておりますか。
また、特別自由貿易地域の活性化のために21世紀プランにおいてどのような施策に取り組んでいくか。
特別自由貿易地域を初め中城湾港新港地区及び豊見城地先地区における企業誘致体制はどうなっているか。
次に、沖縄国際情報特区構想の実現など、情報通信産業の育成を図るためどのような施策に取り組んでいるか。
情報通信産業における人材育成を図るためには理工系大学等の高等教育機関の創設または拡充が必要と考えます。21世紀プランではどのような方策が示されているか。
21世紀プランは、ポスト3次振計においてどのように推進していくかについてであります。
次に、基地のない市町村への財政支援についてであります。
我が沖縄県は、面積において全国44番目の小さな県土に在日米軍基地の75%という巨大な基地が存在し、いろいろな基地被害が出ている現状にあります。また、基地あるがゆえの閉塞感は当然沖縄全体に及んでいます。
また、基地被害は基地のあるなしにかかわらず軍用車両の交通事故等による被害や軍用機騒音、特に西原町の劣化ウラン弾の薬きょうの問題に象徴されるように、陸海空が一連のものとしてどこの市町村でも基地被害が起こる可能性があります。
その中で、基地の所在する市町村には被害軽減のための基地交付金、基地関連補助事業や基地所在市町村振興等国の財政援助がなされており、それらは当然のことでありますが、一方、基地の所在しない市町村は多かれ少なかれ基地被害があるにもかかわらず基地関連の振興対策がなされないため両者の間には格差が生じており、その格差が拡大する状況が出てきております。
すなわち、市町村の財政状況、社会資本整備、地域の産業振興や雇用の確保など住民福祉の面での格差が目に見えて大きくなっております。そのため、該当市町村からは基地周辺整備資金や基地交付金の地域拡大の要望があり、また市町村の当面する諸事業の採択についても強い要望があります。
そこで質問します。
これらのことについては県当局も十分把握し対応を検討していると伺っておりますが、どのような対策を考えておられるか、御提示をお願いいたします。
次に、「基地のない市町村」という表現でありますけれども、とても適切とは思えない名称であると私は思っています。名は体をあらわすと言われておりますけれども、例えば「基地関連市町村振興策」とでも表現するなど適切な名称をつけるべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
3番目に、この問題については県関係各部課あるいは該当市町村の協議、連携を密にして、当面する諸事業の実施に対する支援と基地周辺対策制度の拡大適用という2つの面からの御検討と、国に対して強く要請を願いたいがどうでしょうか。
これらの施策により該当市町村の振興を図り、本県の均衡ある発展を推進していくためには重要な課題だと考えるので、県は強力にその実現に取り組んでいくべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いします。
次に、離島振興についてであります。
離島県である沖縄におきましては、53市町村のうち24が離島の市町村であります。それぞれの離島市町村が地理的な制約を受け、住民生活において大きなハンディキャップを背負っております。そのため国や県当局におかれましては離島振興に力を入れ、住民福祉の向上にかなりの成果を上げてこられたことを高く評価するものであります。
しかし、今なお離島苦は続いており、住民生活や産業基盤の整備など本島に比べて立ちおくれており、県土の均衡ある発展を図るためには経済効率の面からでなく、離島に住む住民の福祉の向上のため県としてやるべき振興策はたくさんあります。その中から離島市町村の当面する幾つかの問題についてその支援策、対処方策をお伺いいたします。
1番目に、離島交通の充実・強化についてであります。
それには離島航路の問題、離島航空の整備充実の問題がございます。そしてまた離島航空路線の運賃低減でございますが、離島航空路線は今や広く離島住民の生活路線として、また産業振興のために極めて重要な交通手段となっております。
生活福祉、産業振興等離島振興を図る上で運賃の割高設定を余儀なくされている離島航空路線運賃の低減について、執行当局も懸命に取り組んでいらっしゃいますが、なお一層の低減化が必要と考えますが、どのような方策をとられておりますか、お伺いします。
架橋の建設促進であります。
地理的・自然的不利性から悪天候時における救急患者の発生、生活物資の調達等離島住民の不安ははかり知れないものがあります。架橋の建設実現により隔絶性が解消され、人的・物的交流を盛んに推進し離島住民の生活の安定と産業振興を図る必要があるので、離島架橋の建設促進を積極的に推進すべきだと考えております。知事の所見を伺います。
次に、離島医療・保健の充実・強化についてであります。
県民の生命を守る立場でなお一層の沖縄県離島医療組合の充実・強化を図る必要があると思いますが、知事の御所見を伺います。
医師等確保対策について。
離島の特殊事情を十分勘案し離島に勤務する医療従事者を積極的に確保し、医師の複数体制の確立をするための支援策を伺います。
保健婦活動の充実・強化について、そして医療情報システムの充実・強化についてでありますけれども、離島の地域特性にかんがみ、医師の診断、治療、研修等を強化するため実施した厚生省の「へき地遠隔医療システム開発事業」のモデル事業は、離島住民の医療に対するノウハウの収集蓄積、遠隔画像診断、遠隔医療相談等効率的な診療業務の推進や離島医療のサービス向上に大きく貢献しております。離島地域における医療行政の円滑な推進を図るため引き続き支援の必要があります。その取り組み状況をお伺いします。
それから生活福祉の整備・充実についてであります。
介護保険事業の支援について。
高齢化の進行に加え介護基盤の未整備の多い離島・過疎地域においては、この制度の円滑な導入と安定的な運営を図ることは極めて困難であると言われております。介護サービス施設の整備、介護サービス事業の有資格者の離島派遣サービスに係る経費支援──交通費等であります──介護サービス基盤の整備促進等、県民がどこに住んでも等しく法定のサービスが受けられるよう環境整備が必要であるが、御所見を賜りたい。
生活環境の整備・充実についてであります。
廃棄物処理施設の整備・充実についてでありますが、その整備は緊急課題であり、また財源確保も大きな課題となっているため、財政的にも脆弱な離島・過疎地域に対し財政支援をする考えがあるかどうか、お伺いします。
海水淡水化施設の整備・充実についてであります。
海水淡水化施設については多額の財源が必要で、財政的にも脆弱な離島地域に対し財政支援を図るべきと思います。
次に、廃棄車両の放置対策事業についてもお伺いします。
それから(5)になりますけれども、離島市町村合同学生宿舎の設置についてであります。
離島においては高等教育機関がなく、中学校卒業後子供たちは本島に出て就学しなければならず、親の経済的負担が大きくますます離島ゆえの閉塞感を増大させております。
また、家庭によっては母親が子供の世話をするため子供と一緒に本島に出て生活している場合もあり、極端な場合には子供の後を追うように一家挙げて島を捨てて本島に移転するという例もあると聞いております。
離島の子供たちが安心して学業に専念できるよう離島市町村の合同学生宿舎の整備と県による管理運営の支援策が必要だと考えるが、県はどのように考えているか。
あと少しですから続けさせていただきます。
河川の整備とラムサール条約の遵守と水鳥湿地センターについてであります。
河川整備について。
漫湖に流入する国場川、饒波川、長堂川は2級河川として復帰後県の積極的な事業執行で国場川61.8%、饒波川75.8%、長堂川73.5%の進捗状況であります。昨年9月の台風では豊見城村の真玉橋、長堂川の金良橋、南風原町の山川橋、兼城の石原橋付近の大田病院等の低地帯では床上浸水があり、また低地帯に駐車した車もかなり被害を受けたと地域住民からの報告があります。
その原因として、河川整備はかなり進捗しているが、川の中にできた中州と護岸に繁茂する草や木が流水を妨げている。2番目、マングローブの植栽による川床の上昇で浅くなったため、3、戦前の漫湖の3分の2が埋め立てられたため流水面積が縮小し水位が上昇したこと、4、戦前の河口は奥武山公園を中心にして北明治橋、南明治橋があったが、現在は明治橋だけになったため、5番目に、河口である明治橋近くにモノレール駅の埋め立て、公園側から親水護岸の建設で川幅がかなり狭くなった、漫湖水域の河川整備と架橋は50年確率の雨量で24時間に360ミリ計画雨量で設計されているようだが、地域住民や専門家は低地帯の浸水は時間の問題だと言われております。
そこで質問します。
漫湖水域の河川整備は現行計画のままでよいか。
マングローブの対策はどうするか。
定期的なしゅんせつ計画はあるか。
(2)番目に、ラムサール条約の遵守と水鳥センターの建設について。
平成11年5月に漫湖をラムサール条約に登録し、水鳥、特に渡り鳥の生息地として重要な湿地として保全することになったが、前に述べたようにマングローブの人工的な植栽でマングースのえさ場になり、鳥の飛来が少なくなっています。したがって、ラムサール条約を遵守するためにもマングローブの撤去は不可欠であります。
漫湖のラムサール条約登録に伴い、漫湖水鳥センター設置について豊見城村長から要請があったと思いますが、県はどのような対策をしているか、お伺いしたいと思います。
以上であります。
○知事(稲嶺惠一) 金城昌勝議員の御質問にお答えいたします。
最初は、ポスト3次振計と21世紀プラン最終報告について、新たな沖縄振興計画策定に向けた取り組みの現状と今後のスケジュールについてお答えいたします。
新たな沖縄振興計画の策定に向けて、第3次沖縄振興開発計画の総点検を実施するとともに、平成12年6月に総点検に対する沖縄県振興開発審議会からの意見をいただきました。このことを踏まえ、去る8月に国に対し、新たな沖縄振興に関し要望したところであります。
県としては、政府との連絡調整を密にし今後のスケジュールを詰めていきたいと考えておりますが、平成13年3月までに各界各層からの意見を求めながら、新たな沖縄振興計画の策定に向けた県の基本的な考え方を取りまとめたいと考えております。
次に、同じくポスト3次振計と21世紀プランの中で、最終報告について知事はどのように評価しているかということのお答えでございます。
21世紀プラン最終報告においては、本県経済の現状と課題を踏まえ、加工交易型産業の振興、観光・リゾート産業の新たな展開、情報通信産業の育成及び農林水産業の新たな展開の方策が示されております。
また、「産業振興のための横断的な取組」として、「新規事業の創出支援体制の充実」、「研究開発と国際交流の促進」、「人材の育成と雇用の確保」等の方策が示され、施策項目数は合わせて97となっています。
これらの施策には、中間報告で検討課題とされた「沖縄国際情報特区」構想、「新規事業創出支援体制の総合的検討」及び「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想等を推進する新たな16の施策項目が盛り込まれる等一層充実した内容となっており、本県経済の自立的発展に大きく寄与するものと評価しています。県としては、最終報告で示された諸施策を積極的に推進し、自立型経済の構築を図るため国との連携・協力はもとより、市町村、産業界、県民が一体となった取り組みを推進していきたいと考えております。
次に、同じくポスト3次振計と21世紀プラン最終報告についての御質問の中から、特別自由貿易地域の活性化のために21世紀プランにおいてどのような施策に取り組んでいくかについてお答えをいたします。
政府は、沖縄経済振興21世紀プランにおいて、本県の主要分野における産業の振興の中に加工交易型産業の振興を位置づけ、特別自由貿易地域の活性化を図っていくこととしております。
具体的な施策としては、1、特別自由貿易地域への立地促進のための受け皿施設の整備、2、管理運営主体のあり方等に関する検討、3、企業誘致の促進、4、立地企業の活動を支援するためのインフラ整備などが去る8月に決定した最終報告に盛り込まれております。
県としては、これらの施策を受け、管理運営主体の創設に必要な支援措置が得られるよう引き続き国に要望し、その早期創設に努めるとともに、企業立地促進のための受け皿施設として賃貸工場の拡充について検討していきたいと考えております。
また、アクセス道路等の関連インフラの整備に適切に対処して企業立地のための条件整備を行うとともに、関係機関と連携して企業誘致活動を積極的に展開し特別自由貿易地域の活性化に取り組んでまいります。
同じくポスト3次振計と21世紀プラン最終報告についての中から、21世紀プランはポスト3次振計においてどのように推進していくかについてお答えいたします。
21世紀プランは、本県経済の現状と課題を踏まえ、経済の自立的発展に向けた具体的な施策を盛り込んだ実践的な経済振興プランであり、ポスト3次振計においても着実に推進する必要があると考えております。
このため、県としては21世紀プランを沖縄振興新法に明確に位置づけ、その実効性を確保するよう国に要望しているところであります。この結果、最終報告においては、沖縄振興「新法に基づき策定される新たな沖縄振興計画のもとで、新たな産業振興に係る計画を策定することも含めて、本プランの内容が反映されるよう前向きに検討する」との方針が示されております。
次に、基地のない市町村への財政支援についての中で、まず(1)の基地のない市町村への振興策、財政支援について、(2)の「基地のない市町村」の表現について、(3)、基地のない市町村への振興策、財政支援についての国に対する要請について、(4)の米軍基地のない市町村を含めた本県の均衡ある発展を推進していくことについて、この4つの御質問につきまして一括してお答えを申し上げます。
基地所在市町村においては、基地交付金等の基地関連収入があり、また米軍基地が所在することによる閉塞感を緩和するための米軍基地所在市町村活性化特別事業(島懇事業)などにより地域の振興策が実施されております。
また、米軍施設・区域が存在しない市町村などを含めた県土の均衡ある発展につきましては、それぞれの地域特性を生かした役割・機能を発揮して個性豊かな活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興が図られるよう、これまで以上に新たな沖縄振興計画の中で圏域別振興策が展開できるよう検討してまいりたいと考えております。
なお、御質問の名称については、圏域別振興策を検討していく中で1つの検討課題として留意しておきたいと考えております。
次に、離島振興についての御質問のうち、医療情報システムの充実・強化についてお答えをいたします。
本県は多くの離島を抱えており、その地域住民に対する保健医療の提供は重要な課題であります。
県では、離島住民に対する医療提供の質の向上を目指すとともに、離島に勤務する医師を支援してその確保・定着を図るため「沖縄県離島・へき地遠隔医療支援情報システム」を平成12年4月1日から運用しております。このシステムにより7つの県立病院と18の附属診療所及び与那国町立診療所、伊江村立診療所においてはインターネット等で最新の医学情報の収集が可能になるとともに、各施設間で診療相談等ができるようになりました。
また、伊江村立診療所、県立宮古病院、県立八重山病院では遠隔画像診断により、中部病院等にいる専門医の意見を聞くことができるようになるなど離島における医療支援がより効果的に行えるようになりました。今後とも本システムを効果的に活用し、本県の離島医療対策を充実させていきたいと考えております。
同じく離島振興について、海水淡水化施設の整備・充実についてでございます。
本県においては、水源に恵まれない北大東村、南大東村、渡名喜村、竹富町波照間島において飲料水や生活用水を安定的に確保するために海水淡水化施設を整備しております。
海水淡水化施設は、海水の使用による腐食や高圧ポンプを使用することなどから老朽化しやすく、また電気料金と逆浸透膜の取りかえに多額の経費を要していることから運用コストが高くなっております。このようなことから国庫補助制度を活用するとともに、水道事業体の負担の一部を県費で補助して施設整備を図っております。
平成12年度においては、整備後10年以上を経過して老朽化し機能低下の著しい南大東村、北大東村の海水淡水化施設の改良を行う予定であります。今後とも老朽化した施設につきましては、順次改良を行い施設の整備・充実を図っていく考えであります。
次に、河川の整備とラムサール条約の遵守及び水鳥湿地センターについての御質問の中から、漫湖水鳥湿地センターの設置について県はどのような対応をしているかについてお答えいたします。
漫湖については、ラムサール条約に登録されたことにより今後積極的に保全と利活用を図っていくことになります。同条約の基本原則である「賢明な利用」の一つとして環境庁においては湿地や水鳥類の保護と管理を目的とし、あわせて環境教育に資することができる拠点施設として「漫湖水鳥湿地センター」を平成12年度からおおむね3年間で整備する方針であります。
センターの建設予定地については、那覇市及び豊見城村双方からそれぞれ建設候補地が挙げられましたが、検討の結果、県としては豊見城地先の河川敷が適地であるとし、去る3月に環境庁に推薦したところであります。
なお、現在、県では8月に環境庁より「漫湖水鳥湿地センター整備事業」の施行委任を受け、当該候補地の河川敷の廃止について沖縄総合事務局等の関係機関と調整を進めており、協議が整い次第基本設計に取りかかることにしております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(當銘直通) ポスト3次振計と21世紀プラン最終報告についての質問のうち、特別自由貿易地域における企業立地の状況、インフラ整備の進捗及び管理運営主体の現状についてどうなっているかという御質問にお答えいたします。
特別自由貿易地域への企業立地については、国内外での誘致説明会の開催や企業訪問を実施するなど積極的な誘致活動を展開しております。その結果、医療機器用半導体を製造する企業が立地したほか、賃貸工場にEMプラントを製造する企業やタイルの卸・加工を行う企業2社の合計3社が立地しております。
特別自由貿易地域のインフラ整備については、平成11年度から4カ年計画で上・下水道や区画道路などのインフラ整備を計画的に進めているところであり、計画面積122ヘクタールのうち約30ヘクタールが整備済みであります。
県としては、特別自由貿易地域の展開に当たり本地域を一体的に管理運営するとともに、土地、工場等の賃貸や立地手続、創業支援など企業ニーズに機動的に対応できる権限と財政力を有する管理運営主体の創設が不可欠であると考えております。管理運営主体の創設のためには一定の権限の付与、財政支援及び税制面において国による法的、制度的な担保が必要であり、現在検討されている新たな沖縄振興法で支援策等が措置されるよう強く要望していきたいと考えております。
次に、同じくポスト3次振計と21世紀プラン最終報告について、特別自由貿易地域を初め中城湾港新港地区及び豊見城地先地区における企業誘致体制はどうなっているかと。
県は、特別自由貿易地域等への企業誘致を積極的に推進していくため、国内外における企業誘致説明会の開催や企業訪問などを積極的に行っているところであります。
企業誘致活動の推進に当たりましては、副知事を本部長として関係8部局長で構成する企業誘致推進本部を設置し、諸課題への取り組みを含め全庁的な取り組みを進めております。
また、企業誘致の総合窓口として昨年4月に企業立地推進課を設置したほか、本年4月には企業が集中する東京や大阪において積極的な企業訪問を行うとともに、沖縄に関心を持つ企業等に対し迅速かつ的確な情報提供を行うため東京事務所に2名、大阪事務所に1名の企業誘致対策監を配置し企業誘致体制を強化しております。
特別自由貿易地域における企業誘致につきましては、地元3市町村と連携を図りながら推進しているところであり、また豊見城地先地区につきましては去る8月に工業等開発地区の指定を受けるなど条件整備を進めており、今後、埋立事業の進捗状況を踏まえ、豊見城村等との連携を図りながら誘致活動に取り組んでまいります。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) ポスト3次振計と21世紀プラン最終報告について、「沖縄国際情報特区」構想の実現など情報通信産業の育成を図るためどのような施策に取り組んでいるかについてお答えいたします。
沖縄経済振興21世紀プラン最終報告に掲げられた「沖縄国際情報特区」構想におきましては、情報通信技術等に明るい人材の早期・大量育成等新たな5つの方策が示されており、今後、構想に基づく施策の具体化に向け国と十分調整をしていくこととしております。
県におきましては、これまで沖縄県マルチメディアアイランド構想に基づき企業に対する助成として本土─沖縄間の通信コストを軽減するための通信コスト低減化支援事業や若年者雇用開発助成事業の活用等を行ってまいりました。施設面では、デジタルメディアセンターの設置や沖縄市テレワークセンター整備補助事業等を実施いたしました。
また、人材の面ではコールセンターに働く要員を養成する「テレビジネス人材育成事業」の実施やネットワーク技術者等の養成に対する支援を行っております。
さらに、東京等において企業誘致・プロモーション事業を実施しております。
そのほか、国や市町村においても各種の施設整備等が行われております。
以上のような情報通信産業振興策の成果として平成12年8月末現在、情報通信関連企業29社が新たに立地し、約2300人の雇用を生み出しております。
次に、同じくポスト3次振計と21世紀プラン最終報告について、情報通信産業等における人材育成を図るためには理工系大学等の高等教育機関の創設または拡充が必要と考えるが、21世紀プランではどのような方策が示されているかについてお答えいたします。
沖縄経済振興21世紀プラン最終報告において人材育成は情報通信関連企業進出のための必須条件と位置づけられています。
その中の「沖縄国際情報特区」構想の推進においては、情報通信技術等に明るい人材の早期・大量育成の方向性が示され、マルチメディア大学院大学等の高等教育機関の整備促進が掲げられております。さらに産業形態のレベルアップに即応した人材育成、大学機能の充実強化がうたわれています。
県としては、このような方策に沿って国と連携しつつ検討を進めていきたいと考えています。
○土木建築部次長(金城英男) 離島振興についての質問のうち、離島港湾の整備計画はどうなっているかについてお答えいたします。
離島の港湾につきましては、復帰以降逐次整備を推進してきており、現在、平成8年度を初年度とする第9次港湾整備七箇年計画に基づき整備を実施しております。
県管理港湾につきましては、これまで伊是名村の内花港など3港の整備が完了し、平成12年度は伊平屋村の前泊港を初め14港について整備推進中であります。
また、伊是名村の仲田港につきましては、港内静穏度の向上を図るための防波堤等の整備について平成13年度の新規国庫補助事業として予算要求を行っているところであります。
市管理の平良港及び石垣港についても、それぞれの港湾管理者である平良市及び石垣市において施設の整備充実を図っているところであります。
県としましては、今後とも海上交通の安全性、安定性を初め船舶の大型化、フェリー化及び港湾施設のバリアフリー化等地域の多様な要請にこたえるべく港湾施設の整備を積極的に推進していきたいと考えております。
次に、離島空港の整備・拡充についてお答えいたします。
島嶼県である沖縄県においては、航空は離島住民の重要な交通手段であると認識しております。
このため、離島空港の整備については、平成8年度を初年度とする第7次空港整備七箇年計画に基づいて重点的に整備を推進しております。平成11年度までに久米島空港、宮古空港、南大東空港、北大東空港の4空港の整備を完了するとともに、新たに新多良間空港の整備に着手しているところであります。
与那国空港については、平成11年度に暫定ジェット化を実現したところでありますが、さらに本格的なジェット化空港として整備を図るため平成13年度国庫補助事業として滑走路延長整備に着手するための予算を要求しているところであります。
また、新石垣空港については、建設位置の確定作業を進めるとともに諸調査を実施し、地元関係者や関係機関等と調整するなど早期着工に向けて取り組んでいるところであります。
今後とも、離島住民の生活の安定と福祉の向上及び地域振興を支援する立場から、航空需要や地元の受け入れ体制及び航空会社の機材導入等を勘案しながら離島空港の整備拡充に取り組んでいきたいと考えております。
次に、架橋の建設促進についてお答えいたします。
離島架橋については、離島の隔絶性を解消し生活圏を一体化する社会基盤であり、離島振興を図る観点からその必要性は十分認識しております。このため県においては、復帰以来3次にわたる沖縄振興開発計画の中で瀬底大橋、池間大橋を初め12カ所の離島架橋を整備してきたところであります。現在、古宇利大橋、野甫大橋を整備中であり、伊良部架橋については事業化に向けて積極的に取り組んでおります。
今後とも、離島架橋の建設につきましては、住民生活の安定及び各島々の産業振興に資するため積極的に推進する方針であります。
なお、離島架橋は、一般的に事業規模が大きいため事業化に当たりましては事業効果、地域開発計画との整合性、膨大な事業費の確保、建設技術及び環境問題、漁業権や渡船への影響等多くの課題があり、地元と役割分担をしながらこれらの課題を解決していく必要があると考えております。
次に、河川の整備とラムサール条約の遵守及び水鳥湿地センターについての質問の中で、漫湖水域の河川整備は現行計画のままでよいかについての質問にお答えいたします。
漫湖に流入する国場川水系の国場川、饒波川、長堂川の整備につきましては、流域の治水対策としてそれぞれ河川改修計画を策定し、建設大臣の認可を得て整備を進めているところであります。
御指摘のとおり、昨年9月の台風18号は、24時間雨量477ミリメートルという国場川水系河川改修計画の50年確率雨量を超える記録的な豪雨をもたらしました。しかしながら河川改修計画に基づいて整備を完了した沿川地域においては河川のはんらんによる浸水被害はありませんでしたが、上流部の未整備区間においては現況河川の川幅が狭く、橋梁の通水断面が小さいことなどから浸水被害が発生したものであります。
したがいまして、漫湖水域の河川整備につきましては、現行の河川改修計画に基づき環境に配慮しながら整備を推進していきたいと考えております。
次に、マングローブ対策はどうするかとの質問にお答えいたします。
漫湖水域のマングローブについては、治水上支障となるものは環境に配慮しながら必要に応じ除去することにしております。現在の饒波川河口部の石火矢橋下流からとよみ大橋の間において、治水上支障となるマングローブの除去を行っております。今後とも関係機関と調整を図りながら、必要に応じてマングローブの除去等を行い治水対策に努める考えであります。
次に、定期的にしゅんせつする計画はあるかとの質問にお答えいたします。
国場川水系においては、洪水による浸水被害の防止と河川環境の保全を図るため堆積土砂のしゅんせつや除草等を行っております。
国場川については、昨年9月に浸水被害が発生した上流部において平成11年度から堆積土砂のしゅんせつを実施しており、今年度中に完了する予定であります。
饒波川については、石火矢橋下流からとよみ大橋までの堆積土砂のしゅんせつについてマングローブの除去とあわせて今年度から実施しているところであり、平成14年度までに完了する予定であります。また石火矢橋上流の堆積土砂についても平成11年度からしゅんせつを行っており、引き続き今年度も実施する予定であります。
長堂川についても、平成11年度から堆積土砂のしゅんせつを行っており、引き続き今年度も実施しております。今後とも土砂の堆積状況に応じてしゅんせつを行う考えであります。
以上であります。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 離島振興のうち、離島航空路線の運賃低減についての御質問にお答えをいたします。
離島航空路線は、離島住民の生活や産業活動にとって極めて重要な交通手段となっておりますが、一般的に運航距離が短く採算性の面等で課題を抱えているほか、近年の航空業界を取り巻く環境の変化により路線の維持も厳しい状況にあります。
このため、国は航空機購入に対する補助や空港使用料の軽減など従来の支援措置に加え、昨年度から運航費補助制度を新たに創設するとともに、離島航空路線に係る航空機燃料税、着陸料等の軽減措置の拡充などの支援方策を講じたところであります。
県は、国の支援方策への協調補助はもちろんのこと、特に運航費補助制度については国庫補助から外れた路線についても単独補助を行っているほか、県管理空港使用料の軽減措置を行っております。これらの支援方策により、日本トランスオーシャン航空、エアーニッポン及び琉球エアーコミューターにおいては、離島住民の福祉の向上を図る観点から、離島住民に対して26%から30%の割引運賃を実施しております。
県としては、これまで離島航空路線の運航費欠損補助、空港使用料及び航空機燃料税等の減免等を骨子とする離島空路整備法(仮称)の制定を国に対し要請してまいりましたが、引き続き関係道県と連携して要請活動を強化していきたいと考えております。
○福祉保健部長(平良健康) 離島振興について、離島医療体制の整備・強化についての御質問にお答えいたします。
本県は、多くの離島・僻地を有しており、当該地域の総合的な保健医療体制の整備を図るため沖縄県保健医療計画を策定しております。
具体的な対策としては、1つに、離島の県立病院及び附属診療所や町村立診療所を高率の国庫補助により整備するとともに、離島の診療所での対応が困難な患者をヘリコプター等により本島等の救急病院へ搬送しています。
2つに、無医地区等においては定期的に医科及び歯科の巡回診療を行っています。
3つ目に、県離島医療組合については平成9年4月に設立し、平成12年4月に公立久米島病院の運営を開始しております。
地域住民の生命と健康を守る立場から、医療の確保につきましては第一義的には市町村の責務とされていますが、離島においては医師確保が特に困難なこと等から、県と離島村が一緒になって医療を確保していくという枠組みができたところであり、大きく期待されるものであります。今後とも県離島医療組合の安定的運営を図るとともに、離島における医療施設の整備を充実させる等医療体制の整備強化に努めていきたいと考えています。
次に、離島振興について、医師等確保対策についての御質問にお答えいたします。
多くの離島や僻地を抱える本県にあって医師の確保は重要課題であり、毎年2名の学生を自治医科大学へ送り出して、卒業後離島等の診療所に配置しており、さらに医学臨床研修事業を実施し、その中で離島・僻地医療等を担うプライマリーケア医の養成を行う等離島医師の養成・確保に努めております。それでも地域の医療需要に十分にこたえられない状況にあり、医師確保に大きな課題が残されていることから、今後、医学臨床研修事業の活用及び琉球大学との連携等により安定的医師確保のシステムづくりに努めていきたいと考えております。
次に、離島振興について、保健婦活動の充実・強化についての質問にお答えいたします。
沖縄県は、保健婦の確保定着が町村独自の努力だけで困難な町村22カ所を特定し、保健婦、保健士人材確保支援計画を定め、保健婦の確保と資質の向上を支援しています。
1つには、保健婦の確保対策としては、県立看護大学及び県立看護学校への推薦入学制度の活用、県内の学生に対する採用説明会等を行っています。
2つに、しかし採用しても地理的、社会的要因により多くが1ないし2年で退職していく状況にあり、安定確保、定着は厳しい状況にあります。
3つ目ですが、そのような状況の中でも保健婦が複数設置されている町村においては比較的定着がよいことから、複数設置が促進されることにより改善が図られるものと考えます。
4つ目に、また特定町村保健婦定着のため現任教育及び資質向上のための研修を実施しています。
特に、採用された新任保健婦の多くは活動の経験がなく、地域保健活動を円滑に進めるため実務を通じた先輩保健婦等による現任訓練を必要としており、県におきましては離島を管轄する4保健所に計6人の保健婦を配置し支援を行っています。今後は、離島の保健婦を支援するため情報ネットワークシステムも活用し課題解決を図ってまいります。
次に、離島振興についての中で、介護保険事業の支援についての質問にお答えいたします。
離島町村における介護保険基盤整備については、施設整備面では小規模特別養護老人ホーム(定員30人)が伊江村、伊良部町、仲里村、伊是名村、竹富町、粟国村、与那国町など計7カ所設置されており、また小規模特養ホームの設置が困難な離島地域については、在宅サービス機能をあわせ持つ施設として高齢者生活福祉センターを伊平屋村、渡嘉敷村、多良間村、南大東村に計4カ所が設置されております。
また、在宅サービス面については、社会福祉協議会が事業所指定を受けて訪問介護サービスや通所介護サービス等を実施しており、県立診療所においても訪問介護サービスや居宅療養管理指導等のサービスが実施されています。
県としては、離島におけるホームヘルパーの養成事業を平成11年度から実施しており、これまでに400人を養成しています。引き続き離島に対する支援を強化していきたいと考えています。
○文化環境部長(宮城光男) 離島における廃棄物処理施設の整備・充実に関する御質問にお答えします。
平成12年8月末現在、県内の離島地域24市町村のうち21市町村でごみ焼却施設が18施設整備されており、未整備町村の竹富町、北大東村、伊江村の3町村では本年度から平成18年度にかけて整備する計画であります。また、遮水工や浸出水処理設備等を備えた適正な最終処分場は7市町村で5施設しかなく、不適正な処分場を有する13町村及び未整備の4町村については本年度以降整備する予定であります。
離島地域の廃棄物処理施設の整備に当たっては、関係市町村と十分な調整を図りながら国庫補助制度を活用して計画的に促進していきたいと考えております。
次に、離島における廃棄車両の放置防止対策に関する御質問にお答えします。
県では、離島における資源廃棄物の適正処理の促進と環境保全を図るため平成7年度から廃棄物資源化対策事業を実施し、離島市町村が収集した廃自動車を含む資源廃棄物を船舶輸送する経費についてその2分の1を助成することにより平成11年度までに廃自動車5937台、6049.8トンを本島に輸送し資源化を促進しております。
当該事業については市町村の要望も多く、資源化に当たって離島地域を支援する必要があることから今後とも継続していきたいと考えております。
さらに、他県の離島自治体が条例を制定して廃自動車の適正処理に取り組んでいる事例を参考にしつつ、県内離島市町村においても抜本的対策の一環として同様な対策の検討を進めるよう促しております。
一方、廃自動車対策は全国的な課題であり、製造者責任を強化して廃自動車の回収、リサイクルを進めるなど抜本的な対策が必要であります。
このようなことから、県としては知事会等を通して製造者責任の強化や放置防止の新たな制度の創設などを国に対して要望しているところであります。
○教育長(翁長良盛) 離島市町村合同学生宿舎の設置についてお答え申し上げます。
離島出身の高校生などのために離島市町村合同学生宿舎を設置することは、保護者の経済的負担を軽減するとともに、高校生が規則正しい生活を行い、有意義な学校生活を送ることに大きく寄与するものと考えております。
しかしながら、県教育委員会が文部省の定める高等学校設置基準に基づいて設置し管理運営することにつきましては、極めて困難であると考えております。
○伊波 栄徳 こんにちは。
重厚でさわやかな護憲ネットワーク県議団を代表して質問をいたします。
大型で強い台風14号は、本島を直撃し各地に大きな被害をもたらした。被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
では、通告に従いまして知事の政治姿勢についてお尋ねをいたします。
地元紙の囲み記事でございましたけれども、最近稲嶺知事は、「事務方が用意したペーパーには目もくれずに対応することが目立ってきた。政府との関係に気を使い、用意された文書を読み上げることが大半だったが、自らの言葉で沖縄の実情を訴えかける最近の姿は、ニュー稲嶺登場の観も。」。一方、「基地問題は普天間飛行場の代替施設などをめぐり、反対世論が根強い中で、これからが正念場。県議会での知事答弁ではなお答弁書の棒読みが目立ち、昨年の移設先選定で約束した名護市民との直接対話も不発のまま。知事が反対派の要請を直接受けたことは一度もない。「知事自ら県民各層との対話を重ね、理解を得る機会が必要だ」」、「「県民との対話」をどう実践するかという課題は残されている。」との指摘があり、全く同感であります。
稲嶺知事は就任して以来15年期限問題では政府との意見はかみ合わなかったが、あくまでも主張していく、多くの条件の一つとして出した。私としては提示したときに出した条件を引き続き求めていくと求め主張してきましたが、マスコミ報道では、15年使用期限問題は知事の思いとは裏腹に日米両政府の考え方については破綻寸前の15年問題、15年問題への言及は不適当、普天間15年問題も先送り、15年問題先送り鮮明に、使用期限を先送りしたことについて現状ではあれしか言えない。正式議題にならない、議題ではないがその都度発言いただければ我々も真剣に聞かせていただく。協議会で取り上げる議題ではないが誠意を持って対応する、15年問題事実上棚上げ、期限設定は困難との考えが明らかになった上、どのような条件が整えば知事の心情を変更できるだろうか、15年でとんざの可能性など見出しであります。
なお、9月20日報道、コーエン米国防長官は19日のインタビューで、沖縄の米軍普天間飛行場の代替施設の15年期限問題については、そのときどきの安全保障の必要性に基づき米軍の駐留、兵力構成を分析し続けると述べ、特定の使用期限受け入れは困難であるとの立場を明言しております。
これ以上知事が粘り強く求め、主張するとするならば、沖縄問題を求め主張するだけの稲嶺県政であり、一方、沖縄問題を重く受けとめるだけの自公保政権であると断定し、県民から強く批判されるでありましょう。
朝刊や夕刊をめくるたびにマスコミ報道に触れ、不安が募り、忍従の限度さえ超え怒りに変わりつつあります。これ以上知事が15年使用期限問題を求め主張しても実現性がないような気がするわけでございます。
この際、強い決意と勇気を持って白紙に戻す考えはありませんか、御答弁を求めます。
次に、第27回夏季オリンピック・シドニー大会では、今大会から新種目の女子重量挙げ53キロ級で県出身の仲嘉真理選手が出場し、見事7位入賞を果たしました。おめでとうございます。女子選手としては県内初となりました。あわせて吉本久也、宮城ナナ選手の健闘をたたえるものであります。
今回のシドニー大会は、戦争や民族紛争など揺れた世紀から新たな融和の世紀を目指すかのごとく、韓国と朝鮮民主主義人民共和国の合同の入場行進は多くの人たちに感動を与えたと報じております。
朝鮮半島の緊張緩和の進展と思うが、知事の御感想をお伺いいたします。
3点目に、沖縄平和賞について伺います。
広く世界に目を向け恒久平和の創設に先導的な取り組みを行っている人を顕彰したいとして、今年度は基本構想を策定する方針でありますが、その構想を明らかにしてください。
また、沖縄県民にも該当者が予想されますか、お尋ねをいたします。
次に、九州・沖縄サミット首脳会合についてであります。
我が国初めて地方開催となった九州・沖縄サミット首脳会合が7月21日から23日まで行われました。天候にも恵まれ大きな混乱もなく閉幕することができ、稲嶺知事を初め関係各位の御苦労に対し率直に敬意を表するものであります。
稲嶺知事は新たな世紀に臨むに当たり、サミットの開催地として歴史にその名を刻むことができ、世界の人々に沖縄の美しい自然や豊かな伝統文化を紹介するとともに、平和と友好の沖縄の心をさまざまな出会い、触れ合いを通じ伝えることができたと評価をいたしております。まことに御苦労さまでございました。
民主団体では、在日米軍基地の75%が集中し、私たちはその異常、重圧からの解放に熱い期待を寄せておりましたが、その願いは届かなかった。だが、それでも参加国首脳や世界のメディアに基地の島の厳しい現実に目を向けさせ、基地の固定化は許さない県民の意思を確実に伝えてきました。いわゆる人間の鎖の闘いを継続し強めていく自信となりました。
以下、県の取り組みと評価について説明を願いたいと思います。
1、基地問題、どう発信したのか。県民の協力体制はどのようにあったのか。市町村の協力体制、経済効果、平和への発信をどのようになされたのか。人権問題について訴えがあったのかどうか。サミットの評価と反省を県政にどのように反映をさせていかれるお考えであるか。
次に、クリントン大統領が平和の礎の演説で、1879年琉球王朝最後の王の尚泰王が首里城を出るとき、最後に将来への希望を託した歌を詠みました。いわゆる命ドゥ宝の文言であります。
なお、尚泰王が詠まれた歌であるとクリントン大統領は断定をしておりますけれども、県内の識者から異論があります。このことについては明快に歴史の批判に耐え得るような答弁を求めてまいります。
次に、基地問題についてお尋ねをいたします。
普天間飛行場については、隣接する住宅や公共施設への騒音、重大事故の危険性から一日も早く回避すべきとの主張であります。一日も早い移設と跡利用計画の実現のためには移設問題においては地元住民との合意形成が必要であり、長期間が予想されます。跡利用についても地質調査、そして環境調査、文化財調査等さまざまな調査が必要であります。
知事答弁の重大事故からの回避のため、一日も早く県外や国外に移設する案を日米両政府にその間訴える考えはありませんか。
また、10月14日から開かれる国際自然保護連合の総会で、移設先と予定しておりますところの名護市辺野古沿岸の周辺海域を回遊するジュゴンの保護と沖縄本島北部に生息するノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を求める勧告案が提出される予定が明らかになっておりますが、自然保護の問題を解決しなければなりません。
そこで国際自然保護連合の勧告について、知事はどのような所見をお持ちか、お尋ねをいたします。
地位協定の問題でございます。
基地がもたらす人権侵害、航空事故、演習による火災、基地公害や女性、子供の人権侵害など県民の生活権、幸福権、環境権を侵している地位協定の見直し要請に対する両政府の姿勢、考え方についてどのような御見解を持たれておるか、お尋ねをいたします。
嘉手納爆音訴訟についてであります。
嘉手納基地周辺には嘉手納基地を初めとする広大な基地があり、住民は残された狭隘な土地にひしめき合うように居住している。また基地が存在するために地域開発も阻害され、そのことだけでも劣悪な住環境下での生活を余儀なくされている。その上、嘉手納基地を離発着する航空機による爆音や航空機の墜落の危険等によって一層劣悪な環境のもとで生活が強いられている。
これらのことによって住民は身体的、精神的被害あるいは日常全般にわたる生活妨害など深刻かつ多様な被害をこうむっており、快適な環境で人間として平和にかつ文化的な生活を営む権利いわゆる人格権、環境権、平和生存権を著しく侵害されているとして爆音訴訟が行われ、控訴審判決で危険への接近が排除され、本県の特殊事情が考慮されて防音工事の対象が拡大されてまいりました。
このことについて知事の評価はどのようになされているか、お尋ねをいたします。
次に、沖縄経済振興21世紀プランについてでありますけれども、今後の取り組みについて、またポスト3次振計と21世紀プランとの相違点について御説明を求めます。
それから北部振興でございますけれども、沖縄の言葉に慶良間見ユシガ、睫毛見ランということがございます。そのことに視点を置いてお尋ねをいたします。
先ごろ宮崎を訪れる機会がありまして、このような報道がなされております。宮崎日日新聞でございましたけれども、「米軍普天間飛行場移設に伴い、昨年末に閣議決定された沖縄県北部振興事業が本格的に動きだした。今後約10年間で1000億円が投入される予定だが、基地受け入れの見返りに過疎化解消を狙う北部市町村は、いまだに全体の振興ビジョンが描けない状態。早くも「税金の無駄遣いとの批判だけは避けたい」という声も漏れ始めた。」、「協議会ではほぼ地元案通りに中長期的な振興基本方針を決定。「国際海洋環境情報センター(仮称)」の誘致(18億9000万円)など12事業が採択された。 だが、採択された事業は道路や港湾、護岸工事などインフラ整備が大半。年内には本年度の追加事業と来年度事業も決まる予定だ。 土木事業中心の振興策に、関係者の一人は「北部の将来を一体どうしたいのか、だれにも明確なビジョンがない」と批判。」、「しかし昨年末以来、各地域への予算配分や公共工事費の地元負担の軽減問題を優先、北部の将来像を模索する議論はなおざりにされてきた。 金融機関への優遇税制を図る「金融特区」構想も名護市で浮上しているが、大蔵省は「意図的な課税逃れになりかねない有害税制」と繰り返し反対を表明。実現のめどは立たない。 「自分の実績作りをしたい首長もいるし、北部全体の振興という目的が薄らぎ始めている。このままでは単なる予算消化で終わってしまうのでは」と北部市町村関係者の一人は不安を漏らす。」。
このように宮崎県の地元紙は、沖縄県北部振興事業について「ビジョンないまま始動 「単なる予算消化」も懸念」との実態が報じられております。
先ほど申し上げましたように、慶良間見ユシガ、睫毛見ランというときに、私はこのことは、私たちに警鐘を鳴らしているかもしれないという、その実態をきちっと御答弁願いたいと思います。
同じ観光振興についてでありますけれども、同じく宮崎の日日新聞でございますけれども──の報道によりますと、宮崎県の県旅館環境衛生同業組合の江渕理事長は、観光浮揚策としてカジノ法制化を求めております。その談話の中に、観光業界は厳しい時代であり、沖縄、北海道、東京ではカジノ構想が動いており、本県も乗りおくれないよう手を挙げるべきと知事や市長に要望しております。
沖縄県振興開発審議会でのカジノ構想は、どのように検討をされておりますか、具体的な構想と県とのかかわりについて説明をしてください。私はカジノ、スロットマシンやルーレット、カードなどのばくち場を中心とした娯楽施設には反対すべきであると思うのであります。
次に、雇用・失業対策についてであります。
これは週間レキオ9月21日の記事の中から引用させていただきます。「一昨年の県知事選の際、稲嶺知事は沖縄の高い失業率を県政不況が原因と話していました。つまり大田前知事の政策に問題があったからというわけですが、自ら状況の改善を訴え知事の座についた現在も、数字にあまり変化は見られません。」、「失業者の数が減らない理由─。それは沖縄の社会構造に問題があります。 まず、スーパーやレストランなどのサービス業=第3次産業の充実ぶりとは対照的に、工業=第2次産業の弱さがあげられます。他府県から遠く離れた沖縄では、輸送コストの面から県内企業はもとより、本土系大型工場の進出は期待できません。」、このようなことを囲み記事で言っております。
そこでお尋ねをいたします。
雇用の拡大と安定した仕事の確保というのは雇用対策の柱にならなければならないと思いますが、知事の見解をお尋ねいたします。
また、東急ホテル、琉球バス、真玉橋食肉センター等の失業対策について県としてどのような方策をとられておるか、お尋ねいたします。
次に、青少年の健全育成についてであります。
次代を担う青少年は、心身ともに健やかに成長するよう配慮されなければなりません。予想困難な社会変化の中、青少年がみずから学び、考え、主体的に判断をし、人生を切り開いていけるよう支援をし育成することは大人の責務であります。
幸いにいたしまして、「おきなわ青少年育成プラン~育て!ジンブナー21~」の中で、家庭、学校、地域社会、企業、行政の果たすべき役割について具体的に御提示願いたいと思います。
次に、多発する医療事故防止策について。
医療が高度化する中、我が国では正しいチーム医療が根づいていないとの指摘がある。複数の医師、看護婦・(士)らが同じ患者に接しながら、日ごろからの意思疎通が不十分で患者の情報を共有していないという。まず医師、看護婦・(士)らの労働条件の改善、思い込みをなくし、緊張感を保つ姿勢は医療現場には当然求められる。また、人間はミスを犯すという考えに立った二重三重の事故防止システムづくりも高度医療になればなるほど必要であります。防止対策を立てるだけではなく、不断の努力が関係者に求められますが、どのような指導をしておりますか、お聞きをいたします。
また、沖縄県の医師の数は全国平均の89.1%であり、県当局は医師確保のためどのような施策を講じておられるのか、説明を求めます。
あわせまして当県も琉球大学医学部の医師不足解消についての御説明を、どのように努力なされているか、お尋ねをいたします。
次に戦後問題、あるいは復帰問題とも言われておりますところの旧飛行場用地についてお尋ねをいたします。
太平洋戦争末期の昭和18年以降、旧陸海軍は本土防衛のため航空前線基地として沖縄本島に旧嘉手納飛行場、旧読谷飛行場を建設し、旧那覇飛行場を拡張しました。
これらの飛行場用地は、戦時という異常事態のもとで国家総動員法を背景として軍が強制的に接収したものであります。当該土地の接収に際して当時の軍関係者は、戦争が終結した暁には土地は地主に返還すると約束しております。本土の現福岡空港でなされたように終戦の時点で旧地主に返還すべきであったと思う。
さらに言えば、この用地接収は戦争遂行という行政目的に基づくものであり、それらは終戦と同時に終了しております。
本土では、戦後このような土地は旧所有者に返還する措置がなされております。したがって本県が日本政府の施政権下にあったのであれば、嘉手納、読谷、那覇の旧軍飛行場用地について同様な措置がなされたはずであります。
ところが、本県は戦後27年、米軍の直接支配下に置かれたため各旧飛行場用地は戦後処理がなされず、本県の祖国復帰に際しても旧飛行場用地として具体的な調査が実施されないまま国の所有地とされたのであります。このようなことは県民として到底納得できるものではありません。
旧軍飛行場用地の旧地主は、それぞれが地主会をこれまで結成をし所有権回復の運動を進めてまいりましたが、戦後55年、復帰28年を経過した今日、いまだに事態は一向に進展しておりません。そこで、3地主会が大同団結をして旧飛行場用地問題を戦後処理の観点から政治的配慮によって解決するよう、政府や県に要請することになっております。
そこで、沖縄県旧飛行場用地問題解決促進協議会――1156人でございますが――が結成されているのでありますけれども、県として旧飛行場用地問題は沖縄における未解決の戦後処理事案であるとともに、さらに復帰処理事案であると認識をして、旧日本軍による強制接収された所有権の回復について県として具体的に調査を行い、政治的に行政の立場から問題解決に取り組む考えはありませんか、お尋ねをいたします。
最後に、鉄軌道導入について、これまでの県の取り組みについてよりわかりやすく御説明をお願いいたします。
以上で質問を終わりますが、答弁によりまして再質問をいたします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの伊波栄徳君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時35分休憩
午後4時 再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の伊波栄徳君の質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波栄徳議員の御質問にお答えいたします。
最初は知事の政治姿勢について、15年使用期限の公約を撤回する考えはないかという御質問にお答えします。
県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして普天間飛行場の代替施設については15年の使用期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
使用期限問題については、閣議決定を受け、これまで日米防衛首脳会談、外相会談、日米首脳会談、日米安全保障協議委員会においても取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
また、私はクリントン大統領や森総理大臣に対し、使用期限問題について直接申し上げたほか、先月の代替施設協議会においても、使用期限問題については一日も早い解決に向け積極的に取り組んでいただくよう改めて要望したところであります。
戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたって担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急に解決策が示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
続きまして政治姿勢について、シドニー・オリンピック大会における韓国と朝鮮民主主義人民共和国の合同入場行進についての感想を伺いたいということのお答えでございます。
韓国と朝鮮民主主義人民共和国選手団の合同入場行進は、南北分断以来初めてのことであり、統一旗を先頭に両国の選手たちが手を握り合って行進する光景に、私も両国を訪れ多くの人と接した経験があり、感無量の思いでありました。今回の合同入場行進を初めより多くの分野で社会体制の異なる両国の交流の場がふえ、朝鮮半島の緊張緩和、ひいては国際平和の進展が図られることを期待するものであります。
次に、同じく知事の政治姿勢について、沖縄平和賞の基本構想を策定し受賞者の選考や授与を行うとのことであるが、どうなっているかということの御質問に対してのお答えでございます。
私は、世界の恒久平和を実現するためには民族や宗教等の壁を乗り越えて相互理解をすることが最も大切であり、沖縄から平和の創造・発信に努めていくことが重要であると考えております。
また、7月に開催された九州・沖縄サミットを通して世界に向けて発信した平和を希求する沖縄の心を引き続き発信するためにも、沖縄平和賞(仮称)を創設することは大変意義があると考えています。
御質問のことにつきましては、平成12年度に基本構想を策定し、平成13年度以降その具体化を進めていきたいと考えております。
私としては、受賞対象者は広く世界に目を向けて恒久平和の創造に先導的な取り組みを行っている国内外の人を顕彰するものにしたいと考えております。
続いて九州・沖縄サミットについての御質問で、サミットを通して県は基地の整理縮小を初め基地問題をどのようにアピールしたかという御質問と、サミットにおいてどのような手法で世界に向けて平和を発信してきたか、プレスツアーで基地視察をしているが、これも含めてどのような方法を講じてきたかとの2つの御質問に一括してお答えします。
県では、サミット開催の機会に平和を希求する沖縄県民の心をさまざまな機会にさまざまな手法で訴えてまいりました。
まず、事前の広報活動としてホームページを作成し、インターネットを活用し情報発信を行いました。
ちょっとこれに触れますと、ホームページのアクセス数というのは驚異的でございまして、実は100万件にほとんど近い約98万件のアクセスがございました。
また、東京外国特派員協会における講演などにより海外の報道関係者に平和や基地の問題などについて訴えてまいりました。
サミット開催期間中は、クリントン大統領から平和の礎で平和を求める沖縄の心を高く評価する内容のスピーチがあり、その模様は世界に発信されました。
また、基地問題については、より多くの人々に本県の現状を知っていただくことが本県の基地問題の解決を促進する上で大きな力になるとの考えから、報道関係者を初めサミットなどで本県を訪れた方々に沖縄の米軍基地に関する英語及び日本語版のパンフレットを配布するとともに、国内外の数多くのメディアからのインタビュー等を通して沖縄の基地問題について訴えてまいりました。
さらに、サミットを挟んで7月19日から24日までの間、国内外の報道関係者を対象に普天間飛行場及び嘉手納飛行場について、基地が県民生活に及ぼす影響などを現地で説明するプレスツアーを実施したところ、多くの報道関係者の参加がありました。
県としては、報道関係者を初めサミットで本県を訪れた方々が県民の平和を希求する心や長年にわたる過重な基地負担の現状、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることなど沖縄の現状を肌身で感じていただき、広く国内外に発信できたものと考えております。
次に、同じくサミットについて、サミット開催に向けて県民はどのような協力をしたのかについてお答えします。
サミット開催に際し、県は行政と民間が一体となった沖縄県サミット推進県民会議を中心に県民参加型のサミットの実現を目指して各種の取り組みを進めてまいりました。県民の方々にはそうした県民会議の趣旨に沿ってさまざまな分野で多大な御協力をいただきました。
まず、県民会議の募金活動への協力を初めクリーンアップ事業や飾花・緑化等の環境美化事業、通訳、接遇等の各種ボランティアや地域安全協力会の活動などに積極的に参加・協力をしていただきました。
また、開催期間中における警戒警備活動や交通総量抑制、交通規制に対しても多くの県民の方々の理解と協力が得られ大きな効果を上げることができました。
さらに、沿道での首脳の車列の歓迎を初め各国代表団やプレス、警備陣などサミット関係者への親切な対応等を通して沖縄の温かいホスピタリティーを遺憾なく発揮していただいています。
こうした県民の方々の各面にわたる御支援、御協力なくして今回のサミットの成功はなかったものと思っており、今改めて感謝いたしているところであります。
次に、同じくサミットについて、その開催に向けた市町村の取り組みと実績についてということの御質問のお答えでございます。
サミット開催に向けた市町村の取り組みは、県と同様に政府のサミット運営への支援・協力とあわせて、サミットを契機に国際化や振興発展を図る観点で進められてきたと認識しております。
このための組織体制としては、名護市や那覇市を初め20の市町村が住民と一体となったサミット推進組織を設置したほか、既存組織での対応を含め全市町村がサミット関連業務を担当する組織を指定して各種の取り組みを進めてきました。
サミット運営への支援・協力という点では、特に会場や空港、代表団宿舎のある市町村を中心に住民の協力を得ながら受け入れのための諸条件の整備や空港、宿舎等における歓迎行事への対応等に取り組んでいただきました。
また、市町村の国際化等につながる首脳等との交流事業について具体的に申し上げますと、ドイツのシュレーダー首相が宮古島、イギリスのブレア首相が北谷町、カナダのクレティエン首相が南風原町、イタリアのアマート首相が宜野座村、ロシアのプーチン大統領が具志川市、EUのプローディ委員長夫人が読谷村を訪れております。また森総理は名護市で市民との交流を行っております。
このような市町村の取り組みがサミットの成功に大きく貢献したものと評価しております。
続いて、同じくサミットについての経済効果についての御質問に対するお答えでございます。
サミットの経済効果としては、道路、植栽等の整備によって生じた投資効果などがありますが、何よりも世界各国のマスコミ報道により本県の魅力が世界に紹介されたことにより、観光客のさらなる増加と国際会議や国際イベントの誘致が期待できる中長期的な効果が重要だと考えております。
また、国際会議の開催ノウハウの蓄積や県民のホスピタリティーの向上など国際化に対応できる人材の育成に寄与できたのではないかと考えています。
県としては、このようなサミットの経済効果を確実なものとし、本県の産業振興につなげていくため国内外の観光客の誘致、今回整備された情報関連インフラの有効活用、企業の誘致などにも努めていく考えです。
特に、観光関連についてはポストサミットとして国際会議等の積極的な誘致促進を図るため、8月に国際会議等誘致プロジェクトチームを県庁内に発足し国と連携を図りながら本格的な誘致活動を展開しているところです。
なお、万国津梁館を利用した国際会議、国内会議の予約状況は平成13年12月末までに既に74件となっており、今後とも当施設の積極的な利用を図っていきたいと考えております。
次に、同じくサミットについての御質問の中で、開催後の評価と反省をどのように県政に反映するのかについてお答えしたいと思います。
今回のサミットは、多くの成果を残して成功裏に終えることができたと考えています。
まず、会議が支障なく運営され、「G8コミュニケ・沖縄2000」の採択を初め幾つかの重要事項が採択、確認され無事終了できたことであります。これにより、沖縄は新たな世紀に臨む記念すべきサミットの開催地として世界の歴史にその名を残すことになりました。
また、国内外から来県された各国首脳を初め政府代表団や報道関係者と県民との触れ合いや交流が各地で深められるなど県民参加型サミットが推進されたほか、沖縄のありのままの姿と沖縄の心を世界へ発信することができたものと考えています。
特に、各国首脳と県民との触れ合いが実現したことは、従来のサミットにない沖縄開催の特徴であり大変意義深いものであります。
今回のサミットの沖縄開催は、行政はもとより県民やホテル、輸送・交通を初めとするサミット支援にかかわる県内の各界各層にとって最高の国際会議の受け入れという貴重な経験を得る機会となっており、このノウハウの蓄積は今後国際コンベンションアイランドの形成を目指す本県にとって大きな財産であります。
他方、今回のサミットの開催に伴い県民の実生活面や経済活動に種々の御迷惑や御辛抱をお願いしましたが、今後、国際会議の経験をさらに積み重ねていくことによりより効率的で自然体での受け入れ体制が図られるものと考えております。
今後は、このサミットで蓄積されたノウハウや施設等の一層の充実を図りながら、国際コンベンションアイランドの形成に向け各種施策を展開してまいりたいと考えております。
次に、基地問題について、跡地利用の早期実現のためとりあえず県外や国外への移設を日米両政府に要請する考えはないかとのお答えでございます。
県としては、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であるとの認識から総合的に判断し、普天間飛行場の移設候補地を選定したものであります。
普天間飛行場の移設については、昨年末に閣議決定された普天間飛行場の移設に係る政府方針に基づき協議会が設置され、具体的な取り組みが開始されております。県としては、早期に普天間飛行場の返還が実現するよう全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
次に、基地問題についての中で、地位協定の見直し要請に対して日米両政府の対応はどのようなものであったか、また県はそれをどのように受けとめ、今後どう対応していくのかとの御質問にお答えしたいと思います。
日米地位協定の見直しについては、去る8月29日及び30日、日米両政府に対し要請したところであります。その際、中川内閣官房長官を初め政府関係者からは、「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との発言がありました。特に、環境問題については日米安全保障協議委員会(2プラス2)において協議がなされる旨の発言がありました。
県としては、9月11日の2プラス2において環境問題が取り上げられたことは一定の前進であると考えております。
しかし、平成8年のSACO最終報告によって地位協定の運用の改善が行われた後も米軍基地に起因する事件・事故や環境問題など諸課題が山積している本県の現状にかんがみると、運用の改善ではなく抜本的な見直しが必要であると考えております。
国家間の条約である日米地位協定を見直すことは容易でないことは十分に承知しておりますが、今回の日米地位協定の見直しに関する要請に盛り込まれた内容は55年間も過重な米軍基地を負担してきた県民の総意であり、環境問題や人権問題などの今日的課題について米軍基地周辺に居住する地域住民の視点から日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考えております。
県では、9月13日の全国知事会議においても森総理に対し日米地位協定の見直しについて特段の御配慮をお願いいたしましたが、今後とも県選出国会議員の方々に国会において取り上げていただくなど広く全国民のコンセンサスを得ることができるよう訴えていくとともに、渉外知事会の要請などあらゆる機会を通して日米両政府に対しその実現を粘り強く求めていきたいと考えております。
次に、基地問題について、嘉手納爆音訴訟の控訴審判決で危険への接近の法理が排除されるなど沖縄の特殊事情を考慮して、防衛施設庁は防音工事の対象枠拡大を決定しているが、どのように評価しますかということの御質問へのお答えでございます。
県は、防衛施設庁が本県の狭隘な県土における住宅事情を勘案し、嘉手納飛行場の第1種区域告示日後に建築された家屋に対しても住宅防音工事の対象とすべく平成13年度予算の概算要求をしていることについては、基地周辺住民の負担の軽減を図る上での一定の前進であると受けとめております。
県は、これまで防音工事対象区域の指定・拡大に当たっては、騒音被害の実態、住宅分布状況、地形等を考慮するよう国に要請してきたところであり、今後とも関係市町村住民の意向が反映されるよう求めていきたいと考えております。
次に、沖縄経済振興21世紀プランについて、新聞報道では沖縄県北部振興事業にビジョンのないまま始動、単なる予算消化との懸念を報じているが、実態はどのようになっているかとの御質問についてのお答えでございます。
北部地域の振興については、去る8月に第2回の北部振興協議会が開催され、産業の振興による雇用機会の創出及び定住条件の整備を基本とした「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」が決定されております。
この基本方針の策定に当たっては、沖縄県北部地方拠点都市地域基本計画などをもとに地元で策定された「北部地域振興に係る基本的な考え方」が最大限に尊重されており、北部地域の持続的発展に向けた地元の創意工夫が反映された内容になっているものと考えております。
北部地域の振興事業については、産業の振興及び雇用の拡大、定住人口の増加につながる事業等を中心に地元において検討が進められ、平成12年度事業としては25事業が国に対して要望されております。そのうち12事業が既に採択され、残りの事業についても採択に向け鋭意検討が進められているところであります。
次に、雇用・失業対策について、雇用の拡大と安定した仕事の確保は雇用政策の柱にすべきであるがどうか、また東急ホテル等の失業対策についてどう取り組むかとの御質問のお答えでございます。
県においては、雇用対策を最重要課題の一つとして位置づけ各種の施策を実施してきたところですが、今後とも沖縄経済振興21世紀プランに盛り込まれた各種の経済振興策を推進するとともに、労働者の職業能力の開発や企業に対する雇用支援制度の活用促進等により雇用の拡大と安定に努めてまいりたいと考えております。
御質問の企業倒産等に伴う失業問題については、公共職業安定所と連携し職業紹介、職業相談、求人開拓等を強化するとともに、特定求職者雇用開発助成金等の雇用支援制度の活用を図り、離職者の再就職の促進に努めることとしております。
また、再就職に必要な職業能力の開発、向上を図るため県立職業能力開発校等において各種の職業訓練を実施しております。今後とも沖縄労働局等関係機関との連携を強化し、離職者の再就職が円滑に促進されるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、青少年の健全育成についてで、「おきなわ青少年育成プラン~育て!ジンブナー21~」に基づく社会の各領域での具体的な取り組みについての御質問に対するお答えでございます。
この青少年育成プランは、青少年を取り巻く社会環境や生活条件が大きく変化する状況の中で、心身ともに健やかで思いやりがあり、困難な場面を乗り越えて人生をたくましく生きる青少年の育成を図るため中長期的展望に立った施策を総合的に推進することを目的に策定されております。
計画期間は、平成12年度から平成21年度までの10カ年間と設定されております。
この青少年育成プランに基づいて、県としては市町村、関係行政機関、育成関係団体との連携を密にし、創意工夫を図りながら家庭、学校、地域社会など各領域で積極的かつ効果的に家庭教育を支援する地域づくりを推進していきます。
また、家庭や地域社会とともに子供たちを育てていくという視点に立った学校経営の促進を図ります。
さらに、青少年が多様な人々との交流や自然体験、社会体験を通して生きる知恵と社会性を身につけることができる新たな地域コミュニティーの形成を図ります。それとともに、青少年の生活を生きがいある豊かなものにするため企業・雇用者等の積極的支援など青少年育成の諸施策を推進していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○警察本部長(西村泰彦) サミットに関しまして、人権問題について訴えがあったのかどうかとの御質問にお答え申し上げます。
サミット警備に関しまして、人権問題について県警への訴えは1件もございませんでした。
なお、サミット警備に従事している現場警察官に対しまして、あるいは110番通報によりまして車両検問や交通規制に関する苦情、警戒場所やヘリコプターの騒音に対する苦情などが合計で55件寄せられております。
これらはいずれも現場において、また電話などによりましてその趣旨を説明したところ、御納得あるいは御理解をいただいたものと承知をしております。
また反面、交通総量抑制、交通規制など県民生活に少なからぬ影響を与え御不便をおかけしたにもかかわらず、先ほど高江洲議員の御質問にお答えしたとおり警察官に対する県民の皆様からの温かい物心両面にわたる激励を賜り、本当に力づけられました。その数は私が承知しているだけでも3547件に及んでおります。
このような県民の皆様の絶大な御支援と御協力に対しまして心から感謝を申し上げる次第であります。
○教育長(翁長良盛) クリントン大統領の演説の中で、尚泰王が詠んだという歌の中に「命ドゥ宝」という言葉があったということであるが、尚泰王が確かに命ドゥ宝と詠まれたのかお聞かせ願いたいという御質問にお答えいたします。
御質問の命ドゥ宝の文言を含む歌につきましては、戦前の昭和7年に山里永吉氏作の戯曲「那覇四町昔気質」が上演され、その芝居の中の登場人物である尚泰王が詠んだ歌として知られております。その後、喜納緑村著の「琉歌註釈」におさめられたことなどから尚泰王の作として一般に普及したと考えられております。
したがいまして、現在のところ尚泰王が詠んだという確かな歴史的記録は確認されていないようでありますが、教育的観点からは命ドゥ宝に含まれている生きていることそのものが宝であるという考えは、沖縄の人々に伝統的に受け継がれてきた大切な心であり、貴重な理念と考えております。
○知事公室長(親川盛一) 伊波栄徳議員の基地問題に関する質問事項のうち、国際自然保護連合総会への提案についての見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
国際自然保護連合の総会において、沖縄の米軍基地の移設等に係る勧告案が提出されることについては聞いております。
普天間飛行場移設につきましては、県の考え方を国に提示した際に、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること。」を移設に当たって整備すべき条件の一つとして申し入れております。
国は、昨年末の閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との安全・環境対策の方針を示し、「代替施設については、安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とする。」、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしております。県としては、先月開催されました代替施設協議会においても、自然環境への影響を極力少なくするよう改めて要望したところであります。
また、北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設については、防衛施設庁が平成10年12月から平成12年3月までの間、約1年余の期間を通してヘリパッド移設予定地等の環境影響調査を実施し、現在、調査結果の整理を行っているところであります。
県は、ヘリパッドの移設場所の決定に際しては、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう国に申し入れたところであり、国の調査結果が出た段階で関係する市町村の意向や自然保護団体等の意見も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定について適切に対応したいと考えております。
それから、旧日本軍による強制接収された所有権の回復について県として具体的に調査を行い、政治的に問題解決に取り組む考えはないかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
県では、去る3月21日及び4月7日に本件を所管する沖縄総合事務局財務部長と面談し、旧日本軍接収用地問題に関して国による説明の場を設け、旧地主の納得が得られるよう努めてほしいとの要請をいたしました。
その際、国においては、積極的に話し合って国の立場を説明したいとの意向を示しており、県としても話し合いの実現に向けて関係市町村との調整を行っているところであります。
県としては、9月20日に結成されました「沖縄県旧軍飛行場用地問題解決促進協議会」の今後の要請内容などを見きわめながら適切に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄経済振興21世紀プランについて、ポスト3次振計と21世紀プランの相違点についてお答えいたします。
21世紀プランは、厳しい雇用状況や財政依存度の高い本県経済の現状と課題を踏まえ、沖縄振興開発計画の枠組みとは別に、自立型経済に向けた政策の基本的な考え方と具体的な施策を示す実践的プランとして昨年4月に提出した県の基本的考え方に基づき、国において体系的に取りまとめられたものであります。
一方、ポスト3次振計は、沖縄振興新法に基づく新たな沖縄振興計画として経済振興はもとより、教育・福祉や社会資本の整備、圏域別の振興等を含む沖縄振興の総合的な計画として検討されているところであります。
県としては、21世紀プランの実効性を確保するため沖縄振興新法に明確に位置づけるよう国に要望したところです。この結果、最終報告においては、沖縄振興「新法に基づき策定される新たな沖縄振興計画のもとで、新たな産業振興に係る計画を策定することも含めて、本プランの内容が反映されるよう前向きに検討する」との方針が示されております。
次に、観光振興について、沖縄県振興開発審議会でのカジノ構想はどのように検討されているか、また具体的構想と県とのかかわりについてにお答えいたします。
カジノ構想については、沖縄県振興開発審議会において検討する必要があるという意見が出されており、民間の団体においても調査検討がなされていることは承知しております。
県としては、新たな振興計画の策定と新たな沖縄振興法の制定に向けて、カジノ構想についても沖縄県振興開発審議会の意見を踏まえ、広く各界各層の御意見を賜りながら検討してまいりたいと考えております。
○福祉保健部長(平良健康) 多発する医療事故防止策について、医療関係者にどのように指導しているかとの御質問にお答えいたします。
最近、医療事故が大きな社会問題となっているところですが、県といたしましては、厚生省からの通知や事故防止に関する検討会報告書等を医療機関に周知するとともに、医療事故防止の取り組み強化を呼びかけているところであります。
さらに、今年度は各保健所が実施する医療監視の中で、病院等における医療事故防止体制に関する実態調査を行い、立入検査を通じて事故防止体制に関する啓発・指導を行うこととしております。
医療の現場は、絶えず医療事故が発生するリスクを抱える職場となっており、発生した事故を教訓にして予防対策に生かしていくことが重要と考えております。
なお、県立病院におきましては、独自の医療事故予防対策についての基本指針に基づき医療事故等の防止策を講じているところであり、各病院ごとに医療事故予防対策委員会を設置するとともに、職員研修を行い医療の安全性の向上に努めているところであります。
次に、沖縄県の医師確保等改善措置をどのように講じているかとの御質問にお答えいたします。
本県の医師確保につきましては、琉球大学医学部が開設され、毎年約100名の卒業生を送り出していることから年々改善を見ており、平成10年12月末現在の医師数は2298名となっております。
しかしながら、都市部に集中する地域偏在があり、特に離島においては依然として医師確保が厳しい状況にあります。県としましては、医師の安定的確保と定着を図るため医学臨床研修事業を実施しているところであり、その中で各専門医や離島・僻地医療を担うプライマリーケア医の養成確保に努めております。
また、県内で確保困難な離島・僻地の専門医につきましては、厚生省派遣医師制度を活用し、その確保に努めております。
さらには、自治医科大学に毎年2名の学生を送り出しています。それでも地域の需要に十分にこたえられない状況にあり、医師確保に大きな課題を残していることから、今後、医学臨床研修事業の活用及び琉球大学との連携等により安定的医師確保のシステムづくりに努めていきたいと考えております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 鉄軌道導入について県の取り組みはどうかについての御質問にお答えをいたします。
県では、これまで昭和50年度に国鉄による大量輸送機関の導入に関する調査及び国鉄による大量輸送機関の導入に関するアンケート調査を行っております。
これらの調査研究を踏まえ、昭和53年7月には本県の総合交通体系のあり方として主要都市間交通、また那覇圏内の集中的な交通需要に対処するため新しい交通機関として都市モノレールなどの軌道交通システムの導入を促進する必要性を取りまとめました。
鉄道導入につきましては、昭和56年9月に策定された「沖縄県総合交通体系基本計画」では、「超長期的展望において北部圏の成長と都市機能の成熟が広域的展開を必要とする段階で検討すること」としております。
今回、総合交通体系基本計画の見直しに当たって、新たな鉄軌道等の整備によって発生する課題や問題等を検討し、沖縄本島を南北に縦貫する公共交通として長期的、広域的視点に立った新たな交通システムのあり方を検討するための基礎的資料を得るため鉄軌道導入可能性調査を行うものであります。
○伊波 栄徳 再質問をいたします。
戦世ンシマチ 弥勒世ンヤガティ
嘆クナヨ臣下 命ドゥ宝
20世紀を振り返り、21世紀への言葉や思想やそして思いを託したこの言葉を私は世界の人たちに発信すべきだろうというふうに思っております。
そして詠み人を今県内の識者の皆様方が文献もない、あるいは歌ったというあれがないという中に、一国の大統領がここでどの人が詠んだのかな、あるいは山里さんかな、だれかなというふうなときに、歴史に介入する、そして、いや私が素人なものですから申し上げますと、大統領府には文献が残っているということで断定をしたというふうに私は思っているわけでございます。一国の大統領がこの小さい島のこんな大きな言葉に対して断定をするには証拠が、あるいは文献があると思いますので、県として大統領府に対してそういう文献があれば、どなたが歌ってもいいわけです、どなたか名前があればいいわけですけれども、詠み人がどなたかなと模索をし、研究をしている中で、いわゆる戦後もありましたので、文献をそのまま持っていかれたかもしれませんし、あるかもしれません。そういうことで一度大統領府に照会をしていただいて、あるのかどうかやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
2点目に、普天間の移設については、知事、こういう考え、沖縄のわかりやすい言葉で申し上げますと、例えば私が家をつくろうとするときには、一時的にはアパートを借りてまいります。県庁をつくるときに壺川団地を借りてまいりました。そしたらそこで工事はどんどんどんどん進んでいくわけです。一日も早く、大きな重大事故からも外れるし、そして跡地利用するにも多くの時間と多くの調査が必要であるわけです。そういう発想を沖縄の狭隘、キャンベルさんもおっしゃっているように小さい島に大きなものを入れてしまった。そのためならば一時的にはここを移って、そしてこれは完成するのかどうか、受け入れるかどうか長年かかると思いますので、その論議を踏まえてするためにあの大きな事故を、先ほど比嘉さんもおっしゃっておりましたようにいつ起こるかわからない、一日も早く。また知事も一日も早くと言っているわけですから、1000日のうちの1日であるのか、2000日のうちの1日であるのか、あした、あさっての1日であるのかということを考えましたときに、重大事故というのを考えましたら、そういう面からも沖縄の狭隘な土地利用、沖縄の基地の重圧というのは私は図られるべきだというふうに思いますが、その点について、ウチナーの本当に狭隘なところということでひとつ原稿の棒読みではなくして、知事のお言葉から御発想をお聞かせください。
それから、北部振興事業について。
この前、実は監査委員で宮崎に出張に参りました。新聞を見ておりましたら、冷ややかなことがあったわけでございます。これについては、私も先ほど申し上げましたように、私たちが知らないこと、いわゆる慶良間見ユシガ、睫毛見ランという、第三者から見たときにはああいう表現しかできぬのかなと。また、ああいう取り組みにしか全国民の皆さんは見られていないのかなと。ただ予算の消化のためというふうなこともありますけれども、その点についてもう一度きちっと皆さんも再点検をし、そして知事も渉外知事会議で全国民の理解を得たいというふうな発想は、沖縄の重圧というのは全国民が理解をしなければならないけれども、こういう冷ややかな論調があるということも残念でもありますし、きちっとこれについては県民が自信を持てるように、あるいはまたその地域の人々の不安にならないように答弁をしていただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 伊波議員の御質問にお答えをいたしたいと思います。
最初は基地の問題でございまして、大変危険なところをこれは一日も早くというのは当然のことでございます。その意味で私は一番重要なのはやはりどう基地の整理縮小を一日も早く行うかということがこれは大前提でございまして、それがやはり一日も早く、この沖縄の基地の県民が願っている整理縮小でございますから、それの最もベストな選択がない以上、ベターな選択としてその中で考え得る最短の道を進みたいと思っております。
ただ、最終的に言いますと、これは私も何回も議場で申し上げますけれども、これは最終的には、長期的には基地のない平和で豊かな島というのはこれは全県民の願いでございますので、将来のその一つの方向に向かいながら一歩一歩着実に進めていきたいと思っております。
次に、北部の問題につきまして御指摘のようにまだまだ若干全国民的な理解が得られないところでございます。沖縄の振興については、どうしても予算消化、その他とられている向きがあると。
ただ、北部地域の振興に当たっては、各市町村もみんな一致して一つの方向づけというのは、先ほど私の説明の中にも申し上げましたけれども、北部地域の振興については基本的には皆様一致して産業の振興及び雇用の拡大と、そして定住人口の増加につながる事業を、これを中心に据えて進めたいというのは基本的な考えの一致でございます。
だから、ぜひその辺をひとつきっちりと早くまとめまして、今検討中のものも多くありますけれども、早くまとめまして、そしてそれをきっちりとした形で出して、多くの全国民の皆様に御理解がいただけるように努力をしていきたいと思っております。
○教育長(翁長良盛) クリントン大統領の演説において尚泰王が詠んだという歌が引用されているが、米国側へ根拠資料について正式に照会すべきではないかという再質問にお答え申し上げたいと思います。
命ドゥ宝という文言を含む琉歌を尚泰王が詠んだかどうかということにつきましては、先ほどお答えいたしましたとおり歴史的事実に関しまして多くの意見がございますので、今後の琉歌や歴史研究の進展の中で解決されるべきものと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 伊波栄徳君。
休憩いたします。
午後4時54分休憩
午後4時59分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
教育長。
〔教育長 翁長良盛君登壇〕
○教育長(翁長良盛) 再々質問にお答え申し上げます。
米国側へ照会するかどうかということでございますけれども、照会できるよう努力してまいりたいとかように考えております。
○伊波 栄徳 次の議会までにはきちっと答弁して、資料も整えていただきたいと思います。
以上、終わります。
○伊波 洋一 沖縄社会大衆党・結の会連合を代表して代表質問を行います。
まず、米軍兵力削減・海兵隊の削減・撤退について伺います。
沖縄への米軍兵力集中配置に伴うさまざまな問題は、沖縄現地だけではなく、日米間の問題になってきています。小さな島の中で住民地域と隣り合う米軍基地の存在は、航空機爆音被害などの演習被害や米軍による事件・事故、環境問題、アメラジアン問題など数多くの問題を惹起させてきました。これらの問題のほとんどが兵力の削減や、沖縄からの撤退なくしては解決されないことは明らかであります。
今日、これらの問題が日米間の政府間協議の場にまで持ち出されるに至り、米国及び米軍は在沖米軍について見直しを開始しようとしています。
在沖米軍兵力の約6割の主力を占めている米海兵隊のジェームズ・ジョーンズ総司令官も9月18日の稲嶺知事との会談で、グアムはよい訓練場だ、現実的な訓練実施が最優先で、グアムで一部を行うことを検討していると述べ、在沖海兵隊のグアムでの訓練実施を明らかにしました。
また、1995年からことし4月まで米国防総省の沖縄米軍基地問題を担当してきたカート・キャンベル前米国防副次官補が、米シンクタンク・戦略国際問題研究所上級副所長として今月1日に発行された同研究所季刊誌で、沖縄の米軍基地集中を分散すべきだと提言しました。
キャンベル論文は、日米の安全保障同盟の重要性を指摘しつつも、沖縄への一極集中は今後の日米安全保障関係に危険信号を点滅させる原因になっていると指摘しています。
キャンベル前米国防副次官補は、現在進行中の沖縄本島中北部地域へのさらなる米軍基地集中であるSACO合意の米国の当事者でありますが、南北朝鮮の劇的な首脳会談及び統一合意による朝鮮半島情勢の緊張緩和と、SACO合意後4年もたつにもかかわらずますます県内移設反対の声が高まっていく沖縄県内の状況を踏まえた上で、沖縄から基地や兵力を削減しようとする180度転換した提案であります。
このキャンベル提案が今後の米軍戦略に与える影響は極めて大きいと言わなければなりません。なぜならば、キャンベル前国防副次官補が上級副所長を務める戦略国際問題研究所(CSIS)は、約140名ものスタッフを抱え、国際問題で連邦議会に大きな影響力のあるシンクタンクであります。
同研究所のホームページによると、連邦議会議員の150名以上が同研究所の活動にかかわり、多くの連邦議員が研究委メンバーとしてかかわっています。今回のキャンベル提案が米国の国防戦略に与える影響の大きさがわかるわけであります。
9月19日に韓国で記者会見したコーエン米国防長官も、「「今後数年間、状況を判断し続ける」と語り、将来の海兵隊撤退の可能性などは含みを持たせた。」と報じられております。
CSISは、連邦議会の公聴会での証言も多く、99年去年は15回、ことしも9月21日までに既に13回も公聴会で証言を求められております。
以下にキャンベル論文の少し要点を紹介をします。
今後も引き続き米軍の駐留を維持するため、現在の訓練のあり方を改めるべきである。アジアにおける米軍展開は、余りにも小さなかごに多くの卵を詰め過ぎている。北東アジアに偏っている米軍駐留体制から、東南アジアやオーストラリアを含めたアジア全体への多様な配備や訓練体制を求めていく戦略に重点を移すべきだ。多様な配備とは、シンガポールでの新基地の完成、フィリピンやタイでの新たな訓練の追求、オーストラリアへの陸上配備を含む同盟強化などである。これらは、朝鮮半島情勢の変化だけではなく、日本における幾つかの駐留地域、とりわけ明らかに過大な負担を背負わされている沖縄において起こりつつある住民感情に対処するためである。米軍の運用戦略は、大規模駐留方式から小規模な長期駐留へ改定されなければならない。結局、米軍の力と意思は、陸軍兵士や海軍兵士、海兵隊員の合計の数ではなくて、実際の軍事能力に注目しなければならないと言っているわけであります。
すなわちキャンベル論文は、沖縄に米軍基地が集中している現状に危機感を持って大胆に兵力を削減すべきだと提言しているわけであります。
ジョーンズ海兵隊総司令官のグアム移転検討やキャンベル論文は、ここ10年にわたって続いてきた沖縄での米軍強化がターニングポイントを迎えたことを示しています。
前大田県政は、海兵隊の撤退要求を求め、グアム知事も約3000名の受け入れを歓迎する意向を示した経過があることを肝に銘ずるべきであります。
質問いたします。
朝鮮半島が南北首脳会談実現によって劇的に緊張緩和に向かっている中で、沖縄での基地押しつけに反対する県民の声に敏感に反応して、米軍中枢部からも沖縄への集中配備の是正提案がなされている中で、知事はキャンベル提案のように海兵隊など部隊の撤退・削減を求めるべきだと考えますが、知事の見解を伺いたい。
あわせてキャンベル論文に対する知事の所見を伺いたい。
今後も知事はこれまでの答弁のように、外交の当事者である日米両政府が現下の国際情勢では在沖米軍の兵力削減は困難であるとし、普天間飛行場を県内に移設する方針を堅持していることから、海兵隊削減や基地の国外、県外移設は現実的でないと考えていますと答え続けるのですか。
知事は、ジョーンズ総司令官の海兵隊の訓練のグアム移転及びキャンベル前国防副次官補の沖縄での米軍大規模駐留を見直し、オーストラリアへの駐留やシンガポールでの新基地の活用による沖縄の過重負担を軽減する提案を非現実的な提案だと考えるのか、知事の見解を伺いたい。
私たちは、過重な負担を半世紀以上も背負わされている沖縄の県民には、米軍基地の撤去を求める正当な権利があると宣言をします。小さなかごにさらに多くの卵を詰め込もうとするのがSACO合意による本島北部地域への基地移設であります。地方分権、民主主義の時代に地域の住民投票の結果を踏みにじって権力と金の力で米軍基地を押しつけようとすることこそ非現実的であり、決して実現するものではありません。
キャンベル前国防副次官補も、日本での米軍駐留と米軍訓練に対する不安の高まりは、この先は危険だと知らせる炭坑のガス爆発の危険を知らせるカナリアの鳴き声とみなさなければならない。米軍駐留の一面は、混迷する日本政治システムの中で、とりわけ沖縄問題において県内に限らず深刻な対立となってきていると指摘しているように、沖縄での基地押しつけに反対する県民の声の大きさに米軍関係者も米軍駐留への危険信号を感じているのであります。
沖縄だけでなくて、夜間離発着訓練の強行に抗議して米海軍との友好中断を決めた青森県三沢市の鈴木市長が今月21日に、日本を植民地扱いしているのではないかと議会で米軍を批判しておりますし、神奈川の大和市も夜間訓練に抗議をして友好中断を表明しました。
まさに全国的に米軍の横暴にイエローカードが突きつけられて、米軍はいつかレッドカードになることを心配し始めているのであります。
基地の県内移設について伺います。
8月3日から3日間行われたサミット世論調査結果によると、昨年11月と6月の世論調査で県内移設について多数だった容認・賛成が大きく後退して、県内移設反対が大きく上回りました。反対は55%、賛成は39%。さらに賛成のうち64.7%は15年使用期限が約束されることを賛成の条件にしていることがわかっているわけであります。
このようにサミット世論調査結果で県内移設賛成が大きく後退し、移設反対が過半数を上回ったことに対する知事の見解を伺いたい。
普天間基地の辺野古沿岸域への移設についての協議が始まりましたが、名護市長は7つの受け入れ条件が整わなければ受け入れ撤回もあり得るとしています。稲嶺県知事の受け入れ条件はどうなっていますか。
15年期限や軍民共用空港、環境など知事の受け入れ条件を明確に説明してもらいたい。
知事は、15年期限が認められなければ、移設受け入れを撤回するのか。
知事は、軍民共用空港でなければ、移設受け入れを撤回するのか。
知事は、基地移設によって住民への騒音被害や自然環境への影響がある場合は、移設受け入れを撤回するのか。
特に埋め立て賛成派は、辺野古区全体を山側に移設し新しい町をつくれと主張していますが、移設反対住民は決してそのような移設計画を容認しないから埋立案は事実上実現しないものと考えますが、知事の所見を伺いたいと思います。
知事は、辺野古区住民が騒音被害を受けないためには、住民地域から滑走路が何キロ離れていなければならないと考えるのか、伺いたいと思います。
辺野古沿岸域は、県内有数の藻場地域であり、本島沿岸魚類の産卵、稚魚の生育場であります。
さらに国際保護鳥獣であるジュゴンのえさ場であり、生息地域でもあります。来月10月4日、ヨルダンのアンマンで開かれます国際自然保護連合(IUCN)の総会では、辺野古沿岸域のジュゴンの保護のための調査と軍事基地建設計画の見直しと再検討、変更要請の日本政府への勧告案が出されることになっています。
国際的なNGOが沖縄の貴重な動植物の保護のために全体総会で決議することについて知事はどう考えていますか。
国際的なNGOであるIUCN(国際自然保護連合)が辺野古沿岸域の環境保護のために海上ヘリ基地建設見直し勧告を行うことになれば、海上ヘリ基地建設が自然環境に大きな影響を与えることを国際NGO機関も認めたことになります。そうなれば名護市長が受け入れ条件として示した自然環境への影響を小さくする施設計画ではないことになると考えますが、知事の見解を伺いたい。
21世紀プラン、北部振興策について伺います。
稲嶺県政の目玉になるはずの21世紀プランが発表されました。内容を読んで失望しました。97項目もの項目立てがなされていますが、多くは現在進行中の諸事業を書き出したものにすぎません。特別自由貿易地域と自由貿易地域那覇地区に関する7つの項目は、「特別自由貿易地域等の整備・推進」ぐらいでいいはずですが、なぜ「特別自由貿易地域管理主体の在り方に関する検討」が21世紀プランの1項目なのか。
公表された21世紀プランには、21世紀の沖縄のビジョンも経済振興のダイナミクスも全く見えてきません。21世紀プランの位置づけについて説明をしていただきたい。
21世紀プランと比較して、前県政のときに示された沖縄国際都市形成構想基本計画の推進基本方針は、21世紀の沖縄のビジョンとダイナミックに変化する経済に対応していこうというチャレンジ精神があふれるものでした。稲嶺県政は、基地跡地利用を包含する国際都市形成構想を放棄するのですか。
北部振興策に関する基本方針が明らかになりましたが、その第3章に「移設先及び周辺地域振興の基本的考え方」が示されています。北部振興策は、基地の県内移設とリンクされたものと理解してよいか、知事の見解を伺いたい。
中部地域においては、基地は地域住民に甚大な基地被害をもたらすだけでなく、経済振興の阻害要因であります。北部地域への新たな基地の建設は、北部の地域振興の妨げになると思うが、知事の見解を伺いたい。
母子総合医療センター(子ども病院)の早期建設について。
沖縄県に母子総合医療センター(子ども病院)を設立しようという声が日増しに高まっています。全国心臓病の子どもたちを守る会沖縄県支部など難病や重症の子供たちの父母の会など多くの関係者に加えて、県小児科学会など医療関係者を含めた声となっています。
関係団体が設立した母子総合医療センター(子ども病院)設立推進協議会が6月16日から開始した子ども病院実現を求める10万人署名運動は、目標を大幅に超えて19万人分もの署名が集まり、要請書とともに9月21日に知事に届けられました。
沖縄は高齢者も全国一多いが、子供人口も全国トップであります。18歳未満の人口が全体の26%を占め、未就学児童も9%と他府県に比べて格段に多いわけであります。
出生率全国一である一方、乳児・新生児死亡率全国2位であり、重症の心臓病児や難病児、小児がんなどの子供たちは県外の専門病院で手術や治療を受けているのが現状であり、子供たちのための医療体制の確保が求められています。
さらに県外での手術や治療には家族に大きな経済的、精神的な負担を強いており、早期に対策が求められています。
新生児死亡率と乳児死亡率のここ5年間の状況はどうなっていますか。
また死亡原因はどのように分析されていますか。
県内では低体重児出生率が高いとされていますが、そのとおりですか。
これらの高い乳児・新生児死亡率は周産期医療の充実で改善し得るものではないですか。
また県立病院の小児科部門では、子ども病院のように専門スタッフを抱えられない中で医療スタッフの過重勤務につながり、医師が過労で勤務を継続できない状態も出現しています。県内の小児医療体制は確立されているのですか。
県は、県立那覇病院の移転改築に際して、同病院を「高度多機能病院」にしていくために検討会が9月20日に発足したと報じられています。6月定例会の文教厚生委員会の答弁でも平良健康福祉保健部長は、那覇病院の改築計画では子ども病院の機能を含めることを明らかにしたが、高度多機能病院の概要と建設に向けた今後のスケジュールを伺いたい。
医療にお金もかかることは確かですが、子ども病院の運営には一定の赤字も覚悟しなければなりません。子ども病院建設を求める19万人分の署名が寄せられたことは、子ども病院の必要性と建設に向けた県民のコンセンサスが得られたものと考えます。県は、早急に県内の子供たちの医療体制を確立するためにも子ども病院を建設することを決断すべきだと考えますが、知事の決意を伺いたい。
また子ども病院が建設されるまでの間は、ぜひ県立病院の小児医療体制を充実させてもらいたいが、どのように取り組む考えか。
アメラジアン問題について伺います。
半世紀もの在沖米軍基地の存在と大規模駐留によって、米軍構成員と沖縄県民との間で、婚姻によりもしくは未婚のまま生まれた子供たち、いわゆる国際児の中で十分な教育機会や養育扶助を受けられない場合があります。県内アメラジアンスクール関係者の訴えと運動により、これらのことがアメラジアン問題として駐留米軍の問題として日米両政府間の協議の場にまで取り上げられ、在沖米軍でもアメラジアン対応の窓口をつくることになりました。
日本政府は、沖縄県内のアメラジアン問題への対応として宜野湾市を窓口にした島懇事業で約2億5000万円の事業補助をすることを明らかにしましたが、今回の事業補助がアメラジアン問題の対策のためなのか、特定のアメラジアンスクール支援のためなのか、必ずしも明らかではありません。
県も、アメラジアンスクール・イン・オキナワへの支援として嘱託指導員2名を派遣することや、宜野湾市役所と北谷町役場で相談会を定期的に行うことになりました。県は、宜野湾市が行うアメラジアン事業にどのようにかかわっているのか。
また県としては同事業の性格をどのようにとらえているのか。
県は、平成11年度に米軍基地から派生する女性の諸問題調査事業を実施しました。その報告書によると、米軍基地から派生する女性の問題、子供たちの問題は、国際児の国籍問題や結婚、離婚、養育費、教育など多岐にわたるものであり、アメラジアンスクールもその中に含まれます。調査で判明したことなど報告書の概要を伺いたい。
国際児などの相談は、1998年まで主に国際福祉相談所で行われてきました。国際福祉相談所は1958年に発足をしましたが、1958年から1998年3月に閉鎖されるまでの40年間に2万4563件の相談をとり行いました。実に年平均で614件であります。
1995年までの新規相談受け付けが、多くの年度で400件を超える状況であり、公的補助や民間の助成金の減少で94年に3年の経過期間を置いて閉鎖を決定したわけでありますけれども、今日「てぃるる」の相談室の中で「国際女性相談」が開設され、今日まで継続されています。しかし一般相談の電話相談と並行して行われ、国際相談所のようにケースワークは不十分と指摘されているわけであります。
今回、政府が島田懇談会事業として宜野湾市を窓口にして2億5000万円の補助事業を行うのは、アメラジアンスクール問題を含めて国際児の扶養義務問題や米軍基地から派生する女性の諸問題の解決につなげるものになるべきと考えますが、県としてどのように考えていますか。
島田懇談会事業の窓口となった宜野湾市では、宜野湾市人材育成交流センター事業を見る限り、宜野湾市に所在するアメラジアンスクール・イン・オキナワへの施設面での支援事業のみとなっています。
私は、むしろアメラジアン問題など米軍基地から派生する女性問題を取り組む拠点としてアメラジアンスクール・イン・オキナワへの施設面での十分な支援事業に加えて、国際福祉相談所や県内の国際児の交流の場になり得る交流センターを併設して、国の支援のもとで県と関係市町村が運営できるようにするべきだと考えますが、県として宜野湾市と話し合っていく考えはありませんか、答弁を求めます。
答弁により再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の質問にお答えいたします。
最初は米軍兵力削減・海兵隊の削減・撤退について、1つはキャンベル提案のように海兵隊など部隊の撤退・削減を求めるべきだと考えるが、見解を聞きたいと、あわせてキャンベル論文に対する所見、2点目は、これまでの答弁のように海兵隊削減や基地の国外、県外移設は現実的でないと答え続けるのかということ、3つ目のジョーンズ総司令官やキャンベル前国防副次官補の提案を非現実的な提案と考えるのかと、この3つの御質問に対して一括して答えたいと思います。
県としては、50年余の過重な基地負担を軽減するという観点から海兵隊を含む米軍の削減を願うところでありますが、基地問題についてはいろいろな方がいろいろな発言や主張をなされておりますので、今後の動向を見守っていきたいと考えております。
キャンベル氏の論文については、同氏は現在、米国防副次官補の職を退いた方であり、研究者の立場で書かれたものだと理解しております。
また、報道によりますとその論文についてコーエン米国防長官は、勤務していた当時に私に示した見解ではなく驚きを感じる、将来に向けては現在の枠組みを継続すべきだと否定的な見解を示しております。
いずれにしましても、県としては、日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
一方、米海兵隊のトップであるジョーンズ総司令官は私との会談の際、沖縄の不公平な位置づけを考慮した負担の軽減については今後も継続的に努力を重ね、でき得る限り訓練を他のいろいろな場所で実施するよう努めたいと発言されておりますので、県としては今後県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
次に、サミットの世論調査結果での移設反対が過半数を上回ったことに対する見解を伺いたいということのお答えでございます。
普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しています。
このため、県としては、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であるとの認識から、総合的に判断し、普天間飛行場の移設候補地を選定したものであります。
基地問題については、県民の間にさまざまな考え方があることは承知しており、県としては早期に普天間飛行場の返還が実現するよう取り組んでいるところです。
次に、15年期限や軍民共用空港、環境など知事の受け入れ条件を明確に説明してもらいたいとの御質問にお答えをいたします。
昨年、県が移設候補地を選定した際、移設に当たって整備すべき条件として国に申し入れたのは次の4項目であります。
第1点目に、「普天間飛行場の移設先及びその周辺地域の振興、並びに跡地利用については、実施体制の整備、行財政上の措置について立法等を含め特別な対策を講じること」、第2点目に、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること」、第3点目に、「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること」、第4点目に、「米軍による施設の使用については、15年の期限を設けることが、基地の整理・縮小を求める県民感情からして必要であることであります。」。
県としては、移設に当たって整備すべき条件の実現に向けて全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
次に、同じく基地の問題についてで、15年期限が認められなければ移設受け入れを撤回するのかとの御質問のお答えでございます。
県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして、普天間飛行場の代替施設については15年の使用期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れております。
また、使用期限問題については、これまで日米間で取り上げられております。
私は、クリントン大統領や森総理大臣に対し使用期限問題について直接申し上げたほか、先月の代替施設協議会においても、使用期限問題については一日も早い解決に向け積極的に取り組んでいただくよう改めて要望したところであります。
戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたって担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の使用期限問題については政府の責任において早急に解決策が示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
次に、同じく基地の県内移設について、軍民共用でなければ移設受け入れを撤回するのかとのお答えでございます。
昨年末の閣議決定の中で、普天間飛行場の代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議機関を設置し、代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行うこととしております。
これを受け、去る8月25日に代替施設協議会が設置され、具体的な取り組みが開始されたところであります。
県としては、軍民共用飛行場の民間機能を活用し、北部地域の自立的発展と地域振興につなげていく必要があると考えております。
同じく県内移設についてで、移設に当たって住民への騒音被害や自然環境への影響がある場合は移設受け入れを撤回するのかとの御質問のお答えでございます。
国は、昨年末閣議決定した「普天間飛行場の移設に係る政府方針」の中で、住民生活及び自然環境の配慮については、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行うものとする。」との安全・環境対策の基本方針を示し、代替施設については、「安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とする。」、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしています。
また、先月開催された第1回代替施設協議会においても、「移設先及び周辺地域の住民生活に著しい影響を与えない施設計画とし、住民生活への配慮や自然環境への影響を極力少なくするように取り組んでいく必要がある」ことを改めて要望しております。
同じく基地の県内移設についての中で、埋め立て賛成派は、辺野古区全体を山側に移設し新しい町をつくれと主張しているが、移設反対住民は計画を容認しないから埋立案は事実上実現しないと考えるがどうかという御質問と、辺野古住民が騒音被害を受けないためには滑走路が何キロ離れていなければならないと考えるかとの2つの御質問、一括してお答えいたします。
代替施設の規模、工法及び具体的な建設場所等については、去る8月25日に設置された代替施設協議会において代替施設の基本計画策定の中で協議されることとなっております。
次に、北部振興策について、21世紀プランの位置づけについて説明してほしいということのお答えでございます。
21世紀プランは、厳しい雇用状況や財政依存度の高い本県経済の現状と課題を踏まえ、沖縄振興開発計画の枠組みとは別に自立型経済に向けた政策の基本的な考え方と具体的な施策を示す実践的プランとして、昨年4月に提出した県の基本的考え方に基づき国において体系的に取りまとめられたものであります。
県としては、21世紀プランの諸施策をポスト3次振計においても着実に推進するため沖縄振興新法に21世紀プランを明確に位置づけ、その実効性を確保するよう国に要望したところであります。
この結果、最終報告においては、沖縄振興「新法に基づき策定される新たな沖縄振興計画のもとで、新たな産業振興に係る計画を策定することも含めて、本プランの内容が反映されるよう前向きに検討する」との方針が示されております。
次に、同じく21世紀プラン、北部振興策についてで、基地跡地利用を包含する国際都市形成構想を放棄するのかとの御質問のお答えでございます。
国際都市形成構想は、3次振計においてこれまでの基本目標に新たに加わった我が国の発展に寄与する地域特性を生かした特色ある地域としての整備を図るため、個性豊かな国際都市として整備し、我が国の南の交流拠点を形成するとの国の沖縄振興開発の政策的方向を踏まえ策定されたものであります。
現在、県では3次振計後の新たな沖縄振興計画の策定に向け21世紀の新たな沖縄像の検討をしているところでありますが、我が国及びアジア・太平洋地域の平和と発展に寄与する国際交流拠点の形成は重要な視点であり、国際都市形成構想はこれに反映させていきたいと考えております。
また、基地跡地の円滑な利用は県土の有効利用や産業振興に極めて重要な課題であり、着実に推進していくため新たな法制のもとに位置づけられるよう努めていきたいと考えております。
その具体化に向けては、現在、跡地利用準備協議会において国、県、市町村が連携して検討を進めているところであります。
同じく21世紀プラン、北部振興策などについてで、北部振興策に関する基本方針の第3章に「移設先及び周辺地域振興の基本的考え方」が示されていると、北部振興は基地の県内移設とリンクされたものと理解してよいかとのお答えでございます。
8月24日に決定された「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」は、北部振興に関する基本方針の一部として移設先及び周辺地域の振興に関する基本方針を定めたものではなく、北部振興と移設先及び周辺地域振興のそれぞれについて別々に定めたものであります。
北部地域の振興については、地元の強い要望に基づき北部地域の活性化が県土の均衡ある発展を図る上で重要であるとの観点から、また移設先及び周辺地域の振興については、新たな負担を伴う代替施設建設による地元地域の平和と安全への大きな貢献にこたえるという観点から実施されるものであると理解をしております。
同じく21世紀プラン、北部振興策について、北部地域への基地建設は地域振興の妨げにならないかとの御質問に対してのお答えでございます。
普天間飛行場の代替施設の建設については、軍民共用空港として臨空型産業の誘致等を図り地域の振興につなげていく必要があると考えています。特に新たな負担を受け入れる移設先及び周辺地域については、地域住民の生活に十分に配慮し、自然環境への影響を極力少なくする等最大限の配慮が必要であると認識しております。
北部地域並びに移設先及び周辺地域の振興については、昨年12月の閣議決定を踏まえ、国、県及び地元が連携し全力を挙げて取り組むことにより地域の振興が図られるものと考えます。
次に、母子総合医療センター(子ども病院)の早期建設について、子ども病院建設を求める19万人分の署名が寄せられたが、決意を伺いたいとの御質問のお答えでございます。
このたびの子ども病院設立に向けての署名が19万人を超える数になったことについては、それだけ県民の関心が高いものと認識しております。
県としては、これまで子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを推進しており、乳幼児医療費助成事業を3歳未満児まで拡大しております。 また、低体重児、未熟児等の出生率が高いことから、出生前後の適切な母子保健指導に努めているところであります。
当面は県立中部病院に母体・胎児、新生児のための総合周産期母子医療センターを整備し、リスクの高い母と子の医療に対応したいと考えております。当該施設は来年6月に竣工予定であり、医師及び看護婦の医療要員を確保して周産期母子医療の充実を図っていきたいと考えております。
今後とも、既存の医療資源の有効活用を図るとともに、改築される那覇病院の高度多機能病院構想の中で周産期医療及び小児総合医療等に関して、現在広く関係者を集めて意見を聴取する等検討を行っているところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の基地の県内移設に関する質問事項のうち、NGOが沖縄の貴重な動植物の保護のために全体総会で決議することについてどう考えているかという点と、国際自然保護連合が勧告を行うこととなった場合、受け入れ条件として示した自然環境への影響を小さくする施設計画ではないこととなるが、見解を伺いたいということに関して一括してお答えをいたします。
国際自然保護連合の総会において、沖縄の米軍基地の移設等に係る勧告案が提出されることについては聞いております。
県としては、普天間飛行場移設についての考え方を国に提示した際に、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること。」を移設に当たって整備すべき条件の一つとして申し入れています。
国は、昨年末の閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との安全・環境対策の方針を示し、代替施設については「安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とする。」、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしております。
県としては、先月開催されました代替施設協議会においても自然環境への影響を極力少なくするよう改めて要望したところでございます。
次に、アメラジアン問題について逐次お答えをいたしたいと思います。
まず1点目の宜野湾市が行うアメラジアン事業と県とのかかわり並びに同事業に対する県の考え方についての御質問にお答えをいたします。
宜野湾市は、アメラジアン事業としてスク-ルの施設整備に取り組んでおります。
県は、平成11年度に実施した米軍基地から派生する女性の諸問題調査事業結果を踏まえ、宜野湾市と北谷町の協力を得て平成12年9月から出張相談を開始いたしました。
なお、指導員についてはその派遣について検討を進めているところでございます。
また、アメラジアン事業は、米軍基地から派生する女性の諸問題の解決に向けた事業の一環として実施されるものであると考えております。
次に、2点目に、米軍基地から派生する女性の諸問題調査事業の概要についてお答えをいたします。
本調査は、米軍基地から派生する女性に関する諸問題の中で、米軍人・軍属等と日本人女性の婚姻関係等から生じる問題の実態を把握し、具体的な問題や課題を明らかにして取り組むべき方策等を考えることを目的に実施いたしました。
平成11年度の調査では、対象者数の把握、児童扶養手当受給者へのアンケート調査、移動相談による聞き取り調査及び県内各相談機関や県外の米軍基地を抱える自治体への文書照会を実施したところであります。
これら調査のうち、児童扶養手当を受給している母子家庭へのアンケート調査では84名の対象者から回答を得ました。対象者が現在抱えている悩みで多かった回答は、経済的な問題、次に子供の国籍取得などの法律・制度の問題及び子供の日本語習得等の教育問題となっております。
また、沖縄市、宜野湾市で昨年11月、12月に4日間実施いたしました移動相談では合計92件の相談が寄せられ、相談内容で多かったのは国籍に関するもの、続いて離婚、父親への養育費請求となっております。
なお、平成12年度の米軍基地から派生する女性の諸問題調査事業の内容は、1つ目に相談員の増員と出張相談の開設、相談機関へのヒアリングの実施、パンフレットの作成、それから異文化理解講座の実施等でございます。
次に、同じくアメラジアン問題に関する3点目の質問事項でございますが、アメラジアン事業に対する県の考え方についてお答えいたします。
宜野湾市が実施するアメラジアン事業は、米軍基地から派生する女性の諸問題解決に向けた事業の一環として実施されるものと考えております。
県といたしましては、米軍基地から発生する女性の諸問題の解決が着実に進展するよう相談員の増員と出張相談の開設、異文化理解講座の実施、パンフレット作成等の諸事業を実施いたします。
次に、同じくアメラジアン問題の中の、国際福祉相談所や県内の国際児の交流センターの設置についての御質問にお答えをいたします。
国際女性相談につきましては、平成10年4月から県女性総合センタ-において実施しております。
また、県内の国際児の交流センタ-につきましては、女性総合センタ-等既存施設を活用することにより交流することができるものと思われますので、今のところ新たな施設の設置は考えておりません。
県といたしましては、アメラジアン母子を初め米軍基地から派生する女性問題については、関係市町村と連携しつつ取り組んでいきたいとこのように考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(當銘直通) 21世紀プラン、北部振興策などについての項目のうち、「特別自由貿易地域管理主体の在り方等に関する検討」を21世紀プランで項目立てする理由は何かについてお答えいたします。
特別自由貿易地域は、加工交易型産業の振興を通して沖縄における貿易の振興及び雇用の確保を図るため県の要望を踏まえて設置されたものであります。
当該地域を新たな産業創出及び自由で活力のある事業活動が展開できる経済交流の拠点とするためには、ワンストップサービスの実現など地域内での事業活動を円滑にする管理運営主体の創設が不可欠であります。管理運営主体の創設のためには一定の権限の付与、財政支援及び税制面において国による法的、制度的な担保が必要であります。
このため県は、管理運営主体の早期創設が同プランに位置づけられるよう要望してきたところであります。これを受け政府の最終報告で、「県での検討と連携をとりつつ、設置形態や機能など管理運営主体の在り方等について検討する。」との位置づけがなされたことは重要な意義を持つものと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 母子総合医療センター(子ども病院)の早期建設について6点にわたる御質問がございますので、順次お答えいたします。
まず、新生児死亡率と乳児死亡率のここ5年間の状況はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
過去5年間の新生児死亡率、乳児死亡率を全国平均と比較しますと常に高い状況にあります。新生児死亡率を出生1000人当たりで見ますと平成6年は3.2、平成7年は3.6、平成8年は3.0、平成9年は2.9、平成10年は2.6で、2.0から3.6の間を推移し、わずかではありますが年々減少傾向にあります。 また、乳児死亡については、平成6年出生1000人当たり5.5、平成7年5.0、平成8年5.1、平成9年は5.4、平成10年は5.6と、5.0人から5.6人の間を推移しほぼ横ばいの状況にあります。
次に、新生児死亡と乳児死亡の原因はどのように分析されているかとの質問にお答えいたします。
本県の平成10年1年間における乳児死亡は95人で、その原因を見ますと先天異常が最も多く32人、2位が出生時の未熟性に起因する障害で24人、3位が乳幼児突然死症候群による死亡で12人となっており、順位については全国平均と同様の状況にあります。
新生児死亡は44人で、その原因は1位が出生時の未熟性による死亡で22人、2位が先天異常で18人となっております。
次に、県内では低体重児の出生率が高いとされているが、そのとおりかとの御質問にお答えいたします。
低体重児出生率は、平成10年の全国平均8.1%に比較して、本県は10.3%で高い状況にあります。沖縄県の平成10年の出生数は1万6928人で、そのうち1739人が低出生体重児となっております。
そのため、県におきましては平成10年に低体重児の出生要因の実態調査を行い、その結果、妊娠中の喫煙、妊娠中毒症罹患、母子健康手帳交付時に保健指導を受けてないこと等がその要因として明らかになりました。このことから、妊娠期間中の母体の健康管理が重要であることが改めて確認できましたので、特に妊娠届けによる母子健康手帳交付時の保健指導について、その体制の充実・強化を推進しているところであります。
次に、新生児死亡率と乳児死亡率は、周産期医療の充実で改善し得るものではないのかとの御質問にお答えいたします。
本県の新生児死亡率、乳児死亡率は全国平均を常に上回っており、母子保健対策の充実が課題となっております。高度な医療を施すことにより、従来救命できなかった児を救命できることから、国においては平成8年5月に周産期医療システム整備指針を盛り込んだ総合的な周産期医療対策整備事業を創設しております。
死亡原因として児の未熟性に起因する障害が多いことから、市町村における妊娠中の母体の健康管理を図り、低体重児出生の防止策に努めているところです。あわせて、問題の多い妊婦及び新生児に対応できる高度医療を提供するため、改築中の中部病院に総合周産期母子医療センターを整備しているところであり、平成13年6月に竣工予定となっております。
次に、県内の小児医療体制は確立されているのかとの御質問にお答えいたします。
小児の心臓疾患やがんなどについて、平成11年度の育成医療及び小児慢性特定疾患医療給付事業の実績を見ますと2891件ですが、そのうち県外の医療機関での治療は128件となっております。
このようなことから、96%が県立中部病院、那覇病院及び琉球大学附属病院等で治療を受けているわけであり、必ずしも十分とは言えないまでも県内の医療機関で対応しているところであります。
なお、現在、ハイリスクの母と子の医療に対応するため、県立中部病院の改築にあわせて総合周産期母子医療センターの整備を進めており、来年6月竣工の予定であります。
今後とも、既存の医療資源の有効活用を図るとともに、さらに救命救急医療及び小児総合医療等の高度で多機能を有する那覇病院の改築について、現在、広く関係者を集め意見を聴取する等検討を行っているところであります。
次に、高度多機能病院の概要と建設に向けた今後のスケジュールについての御質問にお答えいたします。
高度多機能病院については、県立那覇病院の改築を視野に入れて、特に人口の集中している南部保健医療圏等における医療の課題を解消するため高度医療や救命救急医療、総合母子医療等の提供を行うとともに、離島・僻地医療の支援や医療従事者の研修及び国際医療協力を担う高度で多機能な病院として検討することとしております。
そのための検討組織として医療関係者や受療代表者及び有識者で構成される検討委員会を去る9月20日に設置したところであり、平成12年度中に高度多機能病院に関する基本構想を策定していくこととしております。同構想の策定後、建設に向けた具体的な対応を早急に図れるよう推進していくこととしています。
○病院管理局長(新田宗一) 母子総合医療センター(子ども病院)の早期建設に関連しまして、子ども病院が建設されるまでの間は県立病院の小児科医療体制を充実させてもらいたいが、どのように取り組むかという御質問にお答えいたします。
県立病院は、地域の中核病院として精和病院を除く6つの県立病院で小児科を開設し、平成12年9月1日現在で24名の小児科医を配置して小児医療の確保に努めております。
各県立病院における小児医療の充実のため、民間病院や診療所との連携強化、小児科医の勤務条件の改善や小児科医の確保に現在全力を挙げて取り組んでいるところであります。
また、来年6月に竣工予定で改築中の県立中部病院にリスクの高い妊産婦、胎児、新生児のための総合周産期母子医療センターを整備し、小児科医、産婦人科医及び看護婦の増員や高度医療機器を導入するなど小児医療の充実を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○伊波 洋一 まず、要望であります。
子ども病院については19万人の署名が届いているわけでありますから、ぜひ県民の声にこたえるような結論を今年度じゅうにでもお願いしたいと思います。
次に、アメラジアン問題ですけれども、島懇事業として2億5000万程度のお金が出るわけでありますが、これはもう二度とは出ないでしょう。そうしますとこの問題がアメラジアンスクールだけの問題としてではなくて、アメラジアン事業全体の問題としてやはりとらえ直す必要があるのではないか。県として宜野湾市との話し合いをしていただきたいと思いますが、答弁を願いたいと思います。
最後に、撤退の問題ですけれども、きょうの新聞にもウィンブッシュさんという米国防総省政策諮問委員会議長であった方が書いたインタビューがあります。「在日米軍に対する撤退要求は日本で強まり、米国内からも予算上の理由を挙げて撤退圧力が表面化する。」だろうと、このように言っています。
知事、撤退ということについて、撤退するなとは言わないでいただきたい。ぜひそのことも視野に入れて県政を進めていただきたいと思いますが、答弁をお願いしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 最初のはこれは御要望ということで、特にそれに対する答えということではなかったわけですけれども、先般要望に来られた代表の方が言われたのは、これほど19万人の署名が来たのはサミットの次ではないかと、非常に大変なことだと強く受けとめてほしいということを言っております。その辺は十分に心に受けとめながら、県としてはでき得る範囲において努力をしたいと思っております。
それから海兵隊、その他の問題についてですけれども、先般海兵隊の司令官が来られたときに私はお話をしたんですけれども、私どもは基地の整理縮小という観点は何も面積だけではございません。ありとあらゆるケースにおいて基地の整理縮小を求めておりますということをはっきり明言をしております。その意味で今後もこの基地の整理縮小、これは単に面積だけの話でなくて、ありとあらゆる問題について私どもとしてはできるだけのものは求めていきたいと思っております。
○知事公室長(親川盛一) アメラジアン事業についての再質問にお答えいたします。
県としては、やはりこの問題は大変重要な事項だと考えておりますので、国や宜野湾市とも当然連携を図りながら取り組んでいきたいと、このように考えております。
○玉城ノブ子 私は、日本共産党県議団を代表して質問を行います。
まず最初に、基地問題についてお伺いをいたします。
沖縄サミットにおける平和の礎の演説で、クリントン大統領は平和の礎に刻まれた思想をねじ曲げ、軍事力による平和と沖縄基地の役割を語った上で、沖縄が担ってきた米戦略上の死活的な役割を強調し、引き続き県民に米軍基地の押しつけを迫りました。
普天間基地にかわる最新鋭基地建設を推進するための代替施設協議会を25日開催するとの報道を受け、我が党は稲嶺知事に次のような申し入れを行いました。
同協議会の設置は、名護への新基地建設を進めようとするものであり、協議会の設置自体が認められないと指摘しました。しかも、稲嶺知事が公約している新基地の15年使用期限など基地建設を受け入れる条件を棚上げしたまま協議会を設置しようとするもので、県民を欺くもの、県民への公約が成り立たないものである以上、名護市への新基地受け入れを撤回すべきと強調しました。
代替施設協議会の初会合が25日開かれました。同協議会の発足は、我が党が指摘したとおり稲嶺知事の公約である15年使用期限問題を棚上げされたまま新たな基地押しつけの策動がいよいよ本格化されることになりました。
9月12日、ニューヨークで開かれた日米両政府の外交防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)では、15年使用期限については全く触れられなかったと報道されております。
15年期限問題がアメリカとの間で何の決着もつかないままに普天間基地の移設について協議機関をつくることは、稲嶺知事の公約にも反することは明瞭であります。このようなもとで基地の工法、規模、建設場所などの基本計画を推し進めるなら、これはまさに「沖縄の心」を知事みずから踏みにじることになります。
クリントン米政権の国防副次官補を務めたカート・キャンベル氏が今月発表した論文は、余りに小さなかごに多くの卵を入れ過ぎている、米軍のアジア駐留体制についてこう指摘し、フィリピン、シンガポール、グアム、オーストラリアへの分散を検討すべきだと指摘し、その理由を日本、特に沖縄での不平等な基地負担に対する感情にこたえるためと強調して、在沖海兵隊の訓練の一部移転の可能性を示唆しています。
また、私は親米派と自称する三井物産戦略研究所所長の寺島氏は、先月の毎日新聞紙上で日米の「相互敬愛のためにも米軍基地の段階的縮小・撤退を実現すべき」と主張し、「独立国に長期間にわたり外国の軍隊が駐留することは異常なこと」、「この先何十年もこの国に外国の軍隊が駐留し続けても平気だとする国が、世界で一人前の大人の国と認識されるはずがない。」と米軍基地の愚かさに言及しています。
アジアでは今、新しい歴史の流れ、平和への激動が形となってあらわれています。21日に再開された日朝政府間交渉、9月初めに開かれた国連ミレ・サミットなど一連の重要な外交交渉が展開されました。新しいアジアの流れとは、諸国間の問題や紛争を軍事力の行使やおどしによって解決するのではなく、平和的な話し合いによって解決する立場であります。稲嶺知事の新基地建設容認は、まさにこの新しいアジアの流れに反するものであります。
以下の事項について知事に質問いたしますので、お答えください。
まず(1)点目に、比嘉良彦氏は沖縄県政策参与の肩書で7月15日付読売紙上で沖縄サミットに言及し、米軍基地は「アジア太平洋地域全体の安定に寄与している」とし、「県民の多くはこれまで、「非武装の思想」で安全保障観を形成してきた。ところが、国際社会は「平和は軍事力で保障される」というのが常識だ。」として、サミット沖縄開催の決め手は国際社会の常識を共有し、県民の安全保障観に一大転換を迫ることと主張しています。
同氏は、沖縄県民の頭を基地受け入れの頭にするということですが、知事も比嘉良彦沖縄県政策参与と同じ考えなのですか。
(2)点目に、知事は米軍基地の整理縮小を県民に公約しているが、比嘉沖縄県政策参与の主張は公約と矛盾するのではないでしょうか。
(3)点目に、国際自然保護連合が来る10月の総会で北部ヤンバルの森とジュゴンの調査の保護を求める勧告案が提案され採択される可能性があると大きく報道されています。勧告案は、普天間飛行場の代替空港が新たに建設され、辺野古沿岸のサンゴ礁と海藻・藻場が破壊されれば日本唯一のジュゴンの生息地に大きな脅威を与えると勧告し、建設計画や軍事演習の再検討、変更を求めています。知事、それでも新しい基地建設を認めるのですか。
(4)点目に、15年使用期限問題は主張し続けるのではなく、知事は名護への新基地建設受け入れを撤回すべきであります。
(5)点目に、日米地位協定の見直しの決議が各市町村で行われるよう各首長に要請すべきだと考えますが、知事の御見解を伺います。
2、北部振興策について伺います。
今回の沖縄北部振興策は、普天間基地の移設受け入れと引きかえに北部振興を図ろうというものであります。我が党の調査で明らかになったことは、SACO合意に基づく基地移設を急ぐ政府の思惑が先行した結果、地元の意見が尊重されていないということであります。
報道によれば、国、県のペースに飲み込まれては地元の意向を十分に反映させた振興策ができない。いきなり10年の計画は出せない、年間100億円の公共工事を上乗せするのは難しいとの不満の声が出されております。
このような状況下で名護市の岸本市長は、沖縄国際海洋環境情報センターの予算議案を取り下げるという事態になっています。地元の意見を十分に聞かずに国主導の強引なやり方が地元との矛盾を深刻なものにしています。中南部に比べ開発がおくれている北部地域の振興策は、本県基地問題とは関係なく政府の責任で進められるべきであります。
(1)、北部12市町村の年間の公共事業費は100億円と言われているが、それに50億円も上乗せされたら北部市町村は対応できるのでしょうか。
(2)点目に、県が独自に行う北部の公共事業は、北部市町村の要求に基づくものですか、伺います。
(3)点目に、これらの公共事業は北部12市町村の意見を十分尊重して対処すべきであります。知事の御見解をお伺いいたします。
介護保険について質問をいたします。
介護保険が始まって約半年が経過しました。最大の問題は、必要な介護が受けられなくなったという人が大量に生まれていることです。特に利用料が重いためにこれまで受けていた介護サービスを後退せざるを得ない深刻な事態が生まれております。
在宅支援センター泉崎の調査で、介護保険で利用できるサービス限度額に対しての利用率の平均は58%です。サービスの後退は高齢者の生活と健康の悪化、引きこもり現象を生み出し家庭介護への逆行が起こっております。
さらに、65歳以上の高齢者に対する介護保険料徴収が10月から始まります。65歳以上の保険料は基準額が全国平均で月額2900円で、沖縄県は月額平均3470円です。高齢者の7割は年金額が月4万円台です。こんなに低い年金から数千円の保険料を差し引かれてはどうやって生活しろというのでしょうかとの悲痛な声が上がっています。
沖縄県は、高齢者の8割以上が本人または世帯として住民税非課税です。そのお年寄りからも保険料を取り立てることは、生存権をも否定するのとひとしいものであります。
そこでお伺いいたします。
(1)点目に、10月から1号被保険者の保険料徴収が始まるが、事前の啓蒙活動はなされているのか。
(2)点目に、市町村に対する指導はどうなっていますか。
(3)点目に、苦情や相談がさらに殺到することが考えられますが、市町村の相談体制はとられていますか。
(4)点目に、地元紙の調査によると、要介護者のうち「利用なし」が15.9%に上ったことが明らかになっております。その主な理由が利用料を負担できないということです。県としてその実態をつかんでいますか。介護サービスの利用率と利用低下の理由とその対策について伺います。
介護サービス不足は依然として深刻です。介護保険基盤整備に全力を尽くすことが求められております。整備状況と対策はどうなっていますか。
苦情処理窓口を設置している市町村の実態とその内容、人件費の県支援策について御答弁願います。
日本共産党は、利用料、保険料の免除、軽減措置を緊急につくること、サービスの提供に当たっては民間任せではなく公的責任を明確にすること、こうした制度改善のない状況においては保険料徴収は延期にし、最小限の見直しを先行させるよう国に要求しています。保険料の徴収延期を国に申し入れるべきであると思いますが、御所見を伺います。
市町村が実施しやすいような誘導効果が出るような対策が必要であります。県の実効ある支援策を早急に具体化するよう求めます。
次に、雇用・失業問題について質問いたします。
(1)点目に、本県における企業の倒産、失業問題は深刻な状況にあります。稲嶺県政誕生後、山形屋、宝グループ等企業倒産が相次いでいます。東急ホテルも11月には閉館すると言われています。県はどのように対処しているのか、お伺いいたします。
(2)点目に、真玉橋食肉センターが来年3月までの会社解散を決めたことで、下請労働者を含めた約100人の雇用確保の問題が大きな社会問題になっています。真玉橋食肉センター従業員労働組合は、雇用の確保、養豚農家の経営を守る立場からあらゆる努力を払うよう会社側に求めてきました。
現在、北部に食肉加工所の建設が予定されています。その建設に向けて設置される予定になっている事業協同組合に真玉橋食肉センターが参加できるよう努力していただきたい。
(3)点目に、北部に新設が予定されている食肉加工所への雇用は、真玉橋食肉センターの従業員を優先的に雇用あっせんをすること。
(4)点目に、食肉センターの従業員のうち25人は養護学校の出身であり、障害者の雇用の確保はとりわけ重視をしていただきたい。
以上、それぞれの質問事項について答弁願います。
5点目に、乳幼児医療費無料化制度について伺います。
本県の出生率は全国一ですが、乳児、新生児死亡率も高い状況にあります。このような状況の中で女性たちが安心して子供を産み育てる環境づくりは緊急な課題になっています。乳幼児医療費の無料化制度を就学前まで引き上げることについて知事の御所見をお伺いいたします。
以上、答弁を受けて再質問を行います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの玉城ノブ子君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後6時14分休憩
午後6時40分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の玉城ノブ子君の質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城ノブ子議員の質問にお答えいたします。
最初は基地問題について、政策参与は沖縄県民の意識を基地受け入れにするということを主張しているが、知事も同じ考えなのかということと、知事は米軍基地の整理縮小を県民に公約しているが、政策参与の主張は公約と矛盾するのではないかとの2つの御質問に一括してお答えいたします。
日米安全保障条約は、我が国の平和と安全を守るため、現在の極東情勢を踏まえ国際社会のルールにのっとって構築された現実的な安全保障体制であると理解しております。
そのような意味で、本県に所在する米軍基地は日米安全保障体制を維持する上で重要な役割を果たし、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与しているものと考えています。
しかしながら、本県には広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、県民は基地の整理縮小を強く望んでいます。
私は、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため日米両国政府が真摯に協議を行い合意したSACOの事案を着実に実施することにより、基地の整理縮小を初めとする本県の基地問題の解決を一つ一つ着実に実施していきたいと考えております。
比嘉政策参与においても、今私が申し上げました立場と同じ考えであると理解をしております。
次に、基地問題について、15年使用期限問題は主張し続けるのではなく、名護への新基地建設受け入れを撤回すべきと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しています。
15年の使用期限問題については、これまで日米間で取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
また、さきに来県したクリントン大統領やジョーンズ米海兵隊総司令官にも、代替施設の使用期限については日本政府に対して強く要望しているということを申し上げ、沖縄の実情について理解を求めてきたところであります。
県では、代替施設の15年使用期限問題について、全国知事会や代替施設協議会の場でも政府に対し、県民の意向を酌み取り早期に解決するよう特段の配慮を要望したところであります。
県としては、戦後日本の平和と経済繁栄の中で沖縄が55年間にわたり担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急に解決策を示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
次に、基地問題について、日米地位協定の見直し決議が各市町村で行われるよう各首長に要請すべきと考えるが、見解を聞きたいとのお答えでございます。
県では、日米地位協定の見直しに関する要請内容の検討に際しては、市町村に対する県案の説明会を開催し市町村の意見等を踏まえながら要請内容の取りまとめ作業を行ってまいりました。
また、日米両政府に対する要請に当たっては、基地の所在する市町村等で組織する沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)と県の合同で要請活動を行い、当該要請内容は県民の総意であることを日米両政府にお伝えし特段の配慮をお願いいたしました。
一方、市町村においては9月に入り宜野湾市議会、浦添市議会、沖縄市議会が日米地位協定の見直しに関する意見書を可決しておりますが、県としては他の市町村においても同様の意見書が議会において議決され、市町村としての要請活動が行われるなど日米地位協定の見直しを求める動きが全県民的に広がることを期待しております。
次に、北部振興策について、北部12市町村の年間の公共事業費は100億円と言われているが、50億円も上乗せされたら対応できるのかという御質問のお答えでございます。
北部振興事業における公共事業の実施主体は、広域的観点から市町村以外に県等が実施主体となる事業も多くあります。
また、振興事業の財源確保については、地元市町村の強い要望に基づき「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」において「地元地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないように適切に対処する。」と示されており、北部市町村における対応は可能と考えております。
次は、同じく北部振興策について、1つは、県が独自に行う北部の公共事業は北部市町村の要求に基づくものかという御質問と、これらの公共事業は北部12市町村の意見を十分尊重して対処すべきであると思うがどうかとの御質問に一括してお答えいたします。
8月に開催された第2回北部振興協議会並びに移設先及び周辺地域振興協議会においては、平成12年度事業として景観形成等に資する海岸整備事業5事業、観光客等の利便性向上に資する施設整備事業3事業、産業振興に資する施設整備事業3事業の合計11の公共事業が採択されております。そのうち6事業が県事業でありますが、すべて地元市町村の要望に基づく事業であります。県としましては、今後とも地元の意向を踏まえつつ地域の創意と工夫が反映されるような施策・事業の展開を図っていきたいと考えております。
次は、介護保険について、10月から1号被保険者の保険料徴収が始まるが、事前の啓蒙活動はなされているのかということと、次の市町村に対する指導はどうなっているか、この2つの御質問に一括してお答えいたします。
介護保険制度の県民への周知については、平成11年度から県と市町村が負担金を出し合い介護広報共同事業を行っていますが、10月から始まる第1号被保険者の保険料の徴収についてもテレビ、ラジオ、新聞掲載などを活用した広報活動を実施しているところであります。
また、市町村においてはチラシやパンフレットの配布、広報誌への掲載等によるほか、住民説明会を実施して制度の周知を図っているところであります。
市町村に対する指導については、厚生省が作成したポスターを配布するとともに、保険料の納付について事前に十分説明し理解を深めた上で納付通知を行うよう指導しているところであります。
次に、同じく介護保険について、介護保険基盤の整備状況とその対策はどうなっているかとの御質問についてお答えをいたしたいと思います。
介護保険基盤整備については、沖縄県高齢者保健福祉計画に基づいて圏域ごとにその整備を推進しているところであります。平成12年3月末の施設の整備状況は、介護老人福祉施設が4065床、介護老人保健施設が3732床、介護療養型医療施設が1857床の合計で9654床となっており、全圏域とも整備目標が達成されております。これを65歳以上人口当たりで見ると全国の2倍の整備状況となっております。
在宅サービスの基盤整備については、20%から60%の整備状況となっていますが、県は平成12年度に北部地区にデイサービスセンター、ショートステイ、在宅介護支援センターを一つにした在宅複合施設を、中南部地区にデイサービスセンター2カ所、在宅介護支援センターを3カ所、八重山地区にデイサービスセンター及び在宅介護支援センターをそれぞれ1カ所を整備する予定で予算計上されております。
介護保険制度では、民間事業者など多様な主体がサービスを提供できるようになっていますので、民間事業者の参入を促進するとともに、引き続き在宅介護基盤整備を推進してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 玉城ノブ子議員の基地問題に関する質問事項のうち、国際自然保護連合は普天間飛行場の代替空港の建設計画や軍事演習の再検討、変更を求めている、それでも新しい基地建設を認めるのかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
国際自然保護連合総会において、沖縄の米軍基地の移設等に係る勧告案が提出されると聞いております。
普天間飛行場の移設につきましては、県の考え方を国に提示した際に、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること。」を申し入れました。
国は昨年末の閣議決定において、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との安全・環境対策の方針を示し、代替施設については「安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とする。」、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしております。
県としては、先月開催されました代替施設協議会においても自然環境への影響を極力少なくするよう改めて要望したところでございます。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 介護保険について、苦情や相談がさらに殺到することが予想されるが、市町村の相談体制はとられているのかとの御質問にお答えいたします。
苦情処理体制については、各市町村の担当課に相談窓口を設けて被保険者からのさまざまな質問に対応できるよう厚生省から示された「高齢者の保険料関係Q&A」を各市町村へ配布して周知徹底を図り、保険料納付についての理解を深めることとしています。
次に、介護保険について、県としてサービスを利用しない者の実態をつかんでいるのか、また介護サービスの利用率と利用低下の理由とその対策について伺いたいとの2つの質問に一括してお答えいたします。
市町村からの介護保険事業状況報告によると、平成12年4月末現在、要支援を含めた要介護認定者数は2万5705人となっており、そのうち居宅サービスの受給者数は9207人、施設サービス受給者数は7841人、合計1万7046人となっています。
10市町村が国保連合会から送付された給付請求書の整理が行われていないために実数の報告がされていない状況にあり、これらの市町村分について認定者数をサービス受給者数とみなした場合は2万3033人がサービスを受けていることになり、したがってサービス未受給者は2672人で10.4%となります。
なお、要介護認定を受けサービスを受給していない理由は、病院に入院中で退院後利用したいと答えた者が約半分で、今のところサービスを利用しなくても大丈夫だが、いざとなったときにすぐサービス利用できるため、また家族介護で間に合っている、試しに認定を受けた等々となっています。今後、サービス未受給者については、その理由を把握した上で県としての対応を検討したいと考えています。
次に、介護保険について、苦情処理窓口を設置している市町村の実態とその内容、人件費の県支援策についての御質問にお答えいたします。
介護保険を利用するに当たって、サービスに不満がある場合、まず各事業者に苦情を申し立てることができます。各事業者では、苦情を受け付ける窓口を設置し適切に対応することになっています。
また、市町村では相談窓口を設け苦情に対する相談を受け付けており、内容に応じて事業者等に指導助言を行います。現在、4市町村で苦情相談の専用窓口を設置していますが、その他の市町村では介護保険担当課で対応しております。
専用窓口の未設置市町村については、介護保険事務説明会を通して設置するよう指導していますが、介護保険事業の実施主体が市町村であることから人件費について県からの助成措置はありません。
なお、サービスの内容などに関する苦情処理については、沖縄県国民健康保険団体連合会が当たることになっており、国保連合会に対しては県から補助金を出して苦情処理体制を整えております。
また、指導基準等の違反になるような重大な苦情に対しては県で直接調査を行うことになっています。
次に、介護保険について、保険料の徴収延期を国に申し入れるべきであると思うが、所見を伺いたいとの御質問にお答えいたします。
介護保険制度は、40歳以上の被保険者が納める保険料と国、県、市町村の税金で支える制度となっております。
65歳以上第1号被保険者の保険料につきましては、国の特別対策により施行後9月までは全額国の負担で賄ってきましたが、平成12年10月から1年間は本来の保険料の半額徴収が始まります。また13年10月から本来の保険料の全額徴収となります。
介護保険料の徴収は、介護保険法に基づいて行われるものでありますが、徴収延期の申し入れについては各都道府県の動向等を踏まえながら検討したいと思います。
次に、介護保険について、市町村が実施しやすいような県の支援策についてはどうかという御質問にお答えいたします。
本県は、地理的特性から離島が多く、特に1島1村を中心とした離島町村においては人口規模が小さく民間事業者の参入が期待できない状況にあることから、事業者の参入を促進するために離島への交通費、宿泊費等の助成について国へ要望しているところであり、九州ブロック部局長会議においても同様の要望を国に対して行っているところであります。
次に、乳幼児医療費無料化制度について、乳幼児医療費の無料化制度を就学前まで引き上げることについての御質問にお答えいたします。
乳幼児医療費助成事業は、少子化対策の一環として県が単独事業により子育て支援策を強化し、次代を担う子供たちが、より健やかに生まれ育つための環境づくりを積極的に支援するものであります。
本事業は、平成6年度から実施し、平成11年度からは対象年齢をこれまでの1歳未満児から医療を必要とする機会の最も多い3歳未満児までに拡充し、市町村が行う乳幼児医療費助成事業に対し補助金を交付しております。当事業にかかる費用は、平成12年度は17億円が見込まれており、その半分の約8億4000万円を県が補助する予定であります。
助成対象年齢を6歳未満児まで引き上げた場合には県の補助金交付額は約15億円となることが推計され、財政負担が極めて大きいことから市町村の意向も踏まえた上で十分な検討が必要であります。
○商工労働部長(當銘直通) 雇用・失業問題について、山形屋等企業倒産が相次いでいるが、県はどのように対処しているかについてお答えいたします。
企業倒産等に伴う失業問題については、公共職業安定所と連携し職業紹介、職業相談、求人開拓等を強化するとともに、特定求職者雇用開発助成金等の雇用支援制度の活用を図り、離職者の再就職の促進に努めることとしております。
また、再就職に必要な職業能力の開発、向上を図るため県立職業能力開発校等において各種の職業訓練を実施しております。今後とも、沖縄労働局等関係機関との連携を強化し離職者の再就職が円滑に促進されるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、同じく雇用・失業問題の方で、真玉橋食肉センターに働く従業員の雇用確保に最大の努力を払うこと、その際、北部に新設が予定されている食肉加工所への雇用は真玉橋食肉センターの従業員を優先的に雇用あっせんすることについてお答えいたします。
株式会社真玉橋食肉センターの解散については、現下の厳しい雇用情勢の中、大量の離職者が出ることが懸念され、県として大きな関心を持っているところであります。同社は現在、他の企業への就職あっせん等従業員の離職者対策に積極的に取り組んでいると聞いております。
県としては、企業の対応を見守りつつ再就職に向けた取り組み等について沖縄労働局と協議し、適切な対応をしていきたいと考えております。
なお、北部で計画が進められている食肉加工施設への就職あっせんにつきましては、新たな雇用が発生するのかどうか等を見きわめた上で対処していきたいと考えております。
次に、同じく雇用・失業問題の食肉センターの従業員のうち25人は養護学校の出身であり、障害者の雇用の確保はとりわけ重視していただきたいについてお答えいたします。
障害者の雇用につきましては、「障害者の雇用の促進等に関する法律」において民間企業、国、地方公共団体は障害者雇用に係る社会連帯の理念に基づき法定雇用率に相当する数以上の障害者の雇用を義務づけているところであり、県としても法定雇用率の達成等障害者の雇用の確保に努めているところであります。
障害者の雇用の確保については、雇用を前提として事業所において一定期間訓練を行う職場適応訓練制度の活用や、障害者を雇用した事業主に賃金助成を行う特定求職者雇用開発助成金等各種支援制度の活用促進を図るなど、円滑に雇用が促進されるよう沖縄労働局・公共職業安定所と連携を密にして対処してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 雇用・失業問題について、北部の食肉加工所の建設に向け設置予定となっている協業組合に真玉橋食肉センターが参加できるよう努力していただきたいとの御質問にお答えします。
本島内の食肉処理施設は、株式会社沖縄県食肉センターの本工場と名護分工場、株式会社中部食肉センター及び株式会社真玉橋食肉センターの4つがあります。
名護分工場は、施設の老朽化等から「と畜場法施行令」の一部改正に伴う衛生基準をクリアできず平成14年4月には閉鎖せざるを得ない状況にあります。
しかしながら、農業団体を初め名護分工場食肉処理組合及び地元世富慶区からは施設整備・存続の強い要請があります。
名護市においては、北部振興事業により整備する方向で計画を進めているところであります。
また、施設の整備は名護市が事業主体となって実施することとなっております。施設の運営体には北部の関係団体及び中部食肉センターが主体となって進めることになっております。
このため、施設の利用、協業組合への参画については名護市及び地元の関係者等が判断することになります。
○玉城ノブ子 再質問を行います。
まず1点目に米軍基地問題についてでございますけれども、最初に代替施設協議会の内容を明らかにしていただきたいと思います。
2点目に、報道によりますと同協議会で知事は15年使用期限問題を主張されたとされています。ところが同協議会で15年問題を取り上げないことに同意したと言われておりますけれども、その報道は事実でしょうか。
15年使用期限問題を代替施設協議会で取り上げないというなら、一体どこで取り上げるのでしょうか。
北部振興策についてですけれども、北部振興策は年間100億円と言われておりますけれども、12市町村では対応費が出せないと言っております。知事はどう対応されますか。特段の配慮を求めるということでありますけれども、その保証はあるのでしょうか。
不足する事業費については各市町村に負担を押しつけるつもりなのでしょうか、答弁を願います。
○知事(稲嶺惠一) 代替施設協議会の設置要綱についてはこういうことになっております。つまり協議会では、次の事項について協議するということです。
これは先般も虎島防衛庁長官もおっしゃったように技術的な問題を論議するということで、「1、代替施設の規模、工法及び具体的建設場所」、「2、その他代替施設の基本計画の策定に必要な事項」ということでございます。
私のそれではそのあいさつはどういうことを申し上げたかということを……
○玉城ノブ子 質問に答えてください。
○知事(稲嶺惠一) いや違うんです。先ほど代替施設協議会で何と言ったかという、そこでのあいさつです。そこでの話をお答えをしているわけです。それを読み上げます。
「代替施設の使用期限については、本協議会本来の協議事項である基本計画の策定という事項には入りませんが、この場を借りて改めて要望申し上げます。県としては、戦後50年余にわたって担ってきた過重な基地負担や、基地の固定化を避け、基地の整理・縮小を求める県民感情から、15年の使用期限を設ける必要があると考えており、政府におかれましては、県民の強い要望を理解いただき、代替施設の15年使用期限問題の一日も早い解決に向け、積極的に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。」と申し上げたわけです。
その後総理を初め機会を設けて私の方から15年使用問題については強く申し入れているところであります。(発言する者あり)
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後7時14分休憩
午後7時15分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほど申し上げましたように、今回の問題についてはこの協議内容については技術的な問題ということで同意とか、同意したとか、しないとかという問題ではございません。そういう発言は一切いたしておりません。(「議長、休憩」と呼ぶ者あり)
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後7時16分休憩
午後7時17分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
企画開発部長。
〔企画開発部長 与儀朝栄君登壇〕
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部振興の年間100億円の執行は可能かということと市町村の負担はどうかということについてお答えいたします。
北部振興の事業につきましては、ほぼ10年間で1000億円の事業を予算化されているという形でありまして、毎年毎年100億掛ける10年の1000億という形ではなっておりません。
それと、このうち非公共につきまして平成10年度には、現在、北部12市町村から計画されている事業につきましては14事業で、総事業費55億円が計上されております。それと裏負担につきましては、先ほど述べましたように「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」において、「地元地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないよう適切に対処する。」ということが示されておりますので、それをこれから再度詰めていきながら市町村の裏負担についても検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○外間 久子 議長、休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後7時19分休憩
午後7時24分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) まず最初に、問題なんですけれども、要するに協議というのはこの先ほどについて協議するということなんです。
それで、じゃどこで取り上げるのかと。これはありとあらゆるところで私の方は取り上げることにしております。先ほど申し上げましたようにありとあらゆる機会、総理にも申し上げました。今後ともありとあらゆる機会に申し上げます。
というのはこれは政策的な問題でございますから、私は事務的な問題ではないわけでございますから、この辺私は全力を尽くして今後とも強く政府に対して当たっていく所存であります。
○玉城ノブ子 今の知事の答弁なんですけれども、実際に本当に正確な答弁になってないんですけれども、ありとあらゆる場所というんですが、そういう抽象的なものでは答弁にはならないと思うんですよね。
正式にやはり協議機関が必要だと思うんですよ。一体、じゃどこで、どの機関で、だれと協議をするのか、そこを明確にしていただきたいというふうに思います。
それと北部振興策についても、これはですね、皆さん方は特段の配慮を求めるということなんですけれども、その担保がないんですよね。それを保証する担保があるんでしたら、それを示していただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 最初の問題ですが、どこの場でと。
既にその後に際しても、例えば先般の知事会議においても総理大臣に対して私の方から強く要望をしております。
その他のしかもですね、私どもは今回の移設の問題について整備すべき条件として政府に強く申し入れていますから、今後あらゆる機会をとらえて私の方は強く申し上げてまいります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 8月24日の北部振興協議会及び移設先及び周辺地域振興協議会の方で発表されております「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」の中で、今後の進み方としまして「北部地域に関する振興事業は、平成12年度を初年度とし、おおむね10年間を当面の事業執行期間とする。」という形であります。したがいまして先ほど申し上げましたようにその公共、非公共を入れて毎年100億円の10年間で1000億ということではなく、10年間でおおむね1000億を予算計上するという形にとられております。
それと裏負担等につきましては、先ほど申し上げましたようにこれも基本方針に出ておりますけれども、「地元地方公共団体の財源運営に支障が生じることのないよう適切に対処する。」ということが示されておりますので、それにのっとって地元市町村とも協議しながらやっていきたいと思っております。
○宮城 國男 県民の会を代表して質問を行います。
まず最初に、九州・沖縄サミットについて質問をいたします。
我が国のみならず、世界が注目する中で開催されたことし7月の主要国首脳会合いわゆる沖縄サミットは、「世界の目を沖縄へ 沖縄の心を世界へ」と標語、言葉が示すように私たち沖縄県民が願う平和の心を世界の人々に届けることが実現し、成功裏のうちに無事終了しました。県知事を初め執行部の皆さんには、県民の先頭に立って何かと御苦労され、改めてこの場をかりてその労を多とし、サミット成功をともに喜びたいと思います。
また、政府のサイドにあっては、沖縄サミット開催に特段の御配慮を賜った故小渕恵三前総理や森総理ら関係各位の御努力に対しまして、県民の一人として衷心より感謝の気持ちを申し上げたいと考えます。
さて、沖縄サミットが沖縄県民に何をもたらし、今後にどのような課題を残したのでしょうか。我が国で唯一太平洋戦争の地上戦に巻き込まれ、20万人以上と言われる犠牲者を出した一地方の本県で世界をリードする主要8カ国の首脳が一堂に会し、国際間の各種課題を協議した点は、それだけでも大きな意義があったものと評価に値します。
会議に参加した各国の指導者や、取材に訪れた数千人のマスコミ関係者は、沖縄独特の文化と歴史に触れ、自然の美しさや県民の温かい心のもてなしに感動して帰国されたものと信ずるものであります。
また、アメリカのクリントン大統領を初めとしてドイツ、カナダ、ロシアの各国首脳らと市町村住民との交流は何物にもかえがたいきずなを県民にもたらし、特に次の世代を担う子供たちの心に国際社会への関心の高まりを生み出し、大きな夢と希望を与えたものとして県民に深い感銘を持って受けとめられました。
このように県民の大多数は、警備面でも万全を期した沖縄サミットを成功として評価しており、基地問題の解決を願う県民の心は、沖縄の平和の心として世界の首脳とマスコミに強く印象づけられました。県内マスコミの世論調査でも70%近い県民がサミットを成功と評価していますが、全国で初の地方開催県となった沖縄県においては、沖縄サミットのどこに意義を見出し、いかなる面で成果が得られたとお考えですか、お伺いをします。
一方で観光面やその他の経済面はどうだったでしょうか。まだ終了したばかりの時点でサミットがもたらした直接、間接の経済効果をはじき出すのは早計かもしれませんが、観光産業のホテルや航空機などの業種によっては売り上げ減等マイナス面が指摘され、今後のポストサミットに期待をかけるしかないというのが実情のようです。
主会場になった万国津梁館に関しては、国際会議の誘致等県と政府が協力したプロジェクトがあるようですが、実態はどのようになっていますか。
沖縄サミットでは、21世紀の画期的な産業革命の引き金となる情報技術に関するIT沖縄憲章が採択されています。長期的な経済発展に向けて県はIT産業をどのように展開していくのか、基本的な考えをお聞かせください。
さらに、地域の各市町村では沖縄サミットを機会に継続性のある国際交流を望む動きがありますが、これらの市町村の動きについて県はどのように認識して対応策をとられるのか。サミットの成果を踏まえてこれからの本県振興のためにどのような施策展開をしていくのか、お尋ねをいたします。
次に、米軍基地問題について質問をいたします。
日米両国政府で構成する沖縄に関する日米特別行動委員会(通称SACO)は、1996年12月の最終報告で普天間飛行場等米軍基地の11施設・区域の返還に関して合意を見ました。返還が合意された11施設・区域の中には那覇軍港の57ヘクタールや浦添牧港補給地区、キャンプ・キンザーの3ヘクタール等が含まれています。
いずれの基地も、沖縄基地の整理縮小を大前提に沖縄県や基地を抱える地元市町村などからの返還要望が強い施設・区域であって住民の生活と安全、そして地域振興の上からも早期に解決が求められている施設・区域であります。
現在、私たちは最重要課題の普天間飛行場の移設返還問題にどうしても目が向きがちですが、日米両政府が日ごろ強調するSACO合意の着実な推進という点にも十分な注意を払わなければならないと考えます。
4年前に返還合意された米軍の施設・区域の実際の進捗状況はどうなっておりますか。
条件のついた県内移設の調整などはどうですか。
普天間飛行場以外の施設・区域について具体的な進捗状況をお尋ねします。
以上の事項を指摘した上でさらに普天間飛行場の移設問題を取り上げます。
日本政府と沖縄県に加えて移設先に決まった名護市の3者は、ことし8月に代替施設協議会を発足させました。この代替施設協議会は、名護市に設置される代替施設の規模や工法、または正確な建設場所を決定する大変重要な機関であると認識しています。SACO合意は、普天間飛行場に関しては5年ないし7年以内に代替施設が完成した後に普天間飛行場を返還する、代替施設は撤去可能な海上施設とする等の内容になっているはずです。つまりSACO合意は海上施設を明記しただけで、代替施設の工法等には具体的に言及していないと解釈できます。
そこで質問ですが、政府内に新たに設置された代替施設協議会とSACO合意との関連性はどうなっているか、お尋ねいたします。
また、代替施設協議会の結論が出るのはいつごろになりますか。年内なのかなどめどづけなりともお答え願いたいと思います。
また代替施設の15年使用期限に関して、日米両政府の考え方はかなりの隔たりがあるように見受けられます。米国防総省の国防副次官補を務めたキャンベル氏は、最近、新聞のインタビューに対して、15年問題については不適切であると15年の使用期限を否定的にとらえる発言をしています。
キャンベル氏は、SACOの合意事項をまとめた責任者と言われています。そのような米責任者の率直な発言を私たちはどう受けとめればいいのでしょうか。
基地の提供をめぐって常に賛否両論がある沖縄では、15年使用問題は稲嶺知事の主張であり決して譲れない一線だろうと考えますが、実際のところ日本側と米国政府との間に認識の違いがあるのではないでしょうか。使用期限問題に関し、日本政府と米国政府の姿勢に対する認識についてお伺いをします。
関連しますが、キャンベル氏や米海兵隊のジョーンズ総司令官は、海兵隊の訓練についてグアム等海外の基地で分散実施してもいいのではないかと言明をしています。キャンベル氏やジョーンズ総司令官の発言を県はどう受けとめているのか、お答えください。
3番目に、沖縄県の振興開発計画について伺います。
3次振計については、県が5月に、開発庁が6月に同計画の総点検結果をまとめた報告書を公表しています。両報告書では、各課題の評価や展望で具体的、抽象的な違いがあっても、内容はほぼ同一かと思います。総点検では、3次振計の目標に関し、格差是正は一定の成果を上げているものの、経済の自立的発展及び特色ある地域としての役割には課題を残している。また3次振計で示されている基本方向では、現状と課題を明らかにしています。
県は、このような開発庁等の報告を踏まえ、3次振計をどのように評価していますか。
また、ポスト3次振計に向け基本的課題についてお聞かせください。
県振興開発審議会は、県の3次振計総点検報告に対する意見書の中で、21世紀プランを新たな振興計画で産業計画の下位計画として位置づけるよう要望しております。知事も21世紀プランのポスト3次振計への法的位置づけを要請されたようですが、その見直しについて伺います。
3次振計は2001年度末で期限を迎えますが、ポスト3次振計のスケジュールはどうなっていますか。
4番目に、公共事業の見直しについて伺います。
政権与党は、事業採択後5年以上未着工等の公共事業中止の4基準を設定し、その基準に該当する事業については原則として中止するよう政府に勧告しました。建設省も独自の基準により34事業の見直しをしています。中止勧告した事業については、与党勧告分233事業中24事業名を、建設省所管分136事業については全事業が公表されました。
政府は、勧告に基づいて今後事業見直し作業を進め、年末の予算編成までに中止事業を決定するようですが、勧告リストに載った事業について該当事業を抱える自治体に連絡することになっております。
そこで伺いますが、政権与党等が打ち出している中止対象の公共事業のうち、県内における対象事業数、その理由、事業費等はどうなっていますか。
与党勧告24事業中には、新石垣空港建設事業や沖縄西海岸道路那覇北道路等が含まれています。新石垣空港については開発庁も白保地区での中止勧告であり、石垣空港自体は否定されたとは理解していない。新石垣空港は必要と考えていると話し、建設に向けて取り組む姿勢を見せています。
那覇北道路については、沖縄西海岸道路糸満から読谷までの約50キロの一区間であり、西海岸道路が中北部へアクセスし、人、物、情報の交流範囲の拡大による経済活動の活発化、地域の活性化をもたらす役割を考慮するとき、その区間の整備は必要であります。21世紀プランの最終報告でも沖縄西海岸道路の整備推進を明記しております重要な計画となっています。
西海岸那覇北道路を含む中止勧告対象事業中、どれぐらいの事業が必要不可欠なものであると考え、またその復活のためにどのように対処されるか、伺います。
最後に、市町村合併についてでございます。
全国的に市町村合併の論議が高まり、広がりを見せています。背景には戦後50年市町村を取り巻く環境が変化し、数多くの多岐にわたる課題に的確に対応し、新しい時代にふさわしい地方自治体の確立が要請されているからであります。
本県におきましても久米島の具志川村、仲里村が2002年の4月に合併に合意したようですが、魅力的で暮らしやすい地方自治体の実現を期待いたします。
そこで伺いますが、県内における住民や市町村の合併の動向はどうなっていますか。
また、県は具体的にどのようなことを行っていますか、県の取り組み状況について伺います。
以上で終わります。
○知事(稲嶺惠一) 宮城國男議員の御質問にお答えいたします。
最初は九州・沖縄サミットについて、本県の場の意義をどのように発揮し、いかなる成果が得られたと評価しているかということの御質問に対するお答えでございます。
今回のサミットの成果としては、まず国内外から来県された各国首脳を初め政府代表団や報道関係者と県民との触れ合いや交流が各地で深められるなど県民参加型サミットが推進されたほか、沖縄のありのままの姿と沖縄の心を世界へ発信することができたことであります。
特に、各国首脳と県民との触れ合いが実現したことは、従来のサミットにない沖縄開催の特徴であり、県民と首脳との交流を通して沖縄の独特の歴史や文化が紹介され、世界に日本の多様性を理解していただく機会となったものと考えています。
また、海外から来県した報道関係者を対象に普天間基地や嘉手納基地、平和の礎などを視察するプレスツアーを実施しており、平和を求める沖縄の心を世界に発信できたものと考えています。
その他、空港、ホテルでのインフォメーションデスクや各種歓迎行事などを通して沖縄の物産や観光の情報提供も行っており、それらについても世界に発信できたものと考えています。
今回のサミットの沖縄開催は行政はもとより、県民やホテル、輸送・交通を初めとするサミット支援にかかわる県内の各界各層にとって最高の国際会議の受け入れという貴重な経験を得る機会となりました。今回得たノウハウの蓄積は、今後国際コンベンションアイランドの形成を目指す本県にとって大きな財産となるものであります。
このように各面で所期の目的を達成し、大きな成果を残しており、サミットを成功裏に終えることができたものと考えております。
次に、基地問題について、SACOで返還や移設が合意された11施設・区域の中、普天間飛行場を除く他の施設・区域の進捗状況はどうなっているかとの御質問にお答えいたしたいと思います。
普天間飛行場以外のSACOの合意事案については、現在、国と関係自治体との間で話し合いが進められており、その幾つかの事案について移設先の自治体の受け入れ表明がなされるなど、SACOの合意事案の実施が着実に進捗しているものと認識しています。
その具体例を申し上げますと、読谷補助飛行場で行われていたパラシュート降下訓練が伊江村へ移転完了したほか、キャンプ桑江及びキャンプ瑞慶覧における米軍住宅統合の北谷町及び北中城村の受け入れや楚辺通信所の金武町の受け入れ、さらにキャンプ桑江の返還に伴う海軍病院の移設についての宜野湾市の受け入れなど、SACOの合意事案の実現に向けた地元市町村の新しい動きが見られます。
これにより、読谷補助飛行場や楚辺通信所の全面返還及びキャンプ瑞慶覧などの一部返還への道筋がつけられ、基地の整理縮小が着実に進展することが期待されます。
県としては、地元市町村がSACOの趣旨について御理解を示され、苦渋の選択をしたものと重く受けとめており、その実施に当たっては、基地の移設先である地域住民の生活に著しい影響を及ぼさないよう基地運用に伴う安全の確保や地元市町村が要望する振興策の実現など、地元の意向に沿った取り組みがなされるよう国に働きかけていきたいと考えております。
なお、那覇港湾施設の移設については、現在、浦添市の理解が得られておりません。県としては、26年間返還が実現しなかった那覇港湾施設の移設を促進するためにも合意形成に向けて引き続き浦添市に理解を求めていきたいと考えております。
次に、米軍基地問題について、普天間飛行場の移設については、代替施設協議会で工法、規模、建設場所等内容を協議することになっているが、SACO合意との関連はどうなっているかという点についてお答えいたします。
普天間飛行場は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできました。
県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、政府は昨年末、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しております。閣議決定を受けて、先月設置された代替施設協議会で代替施設の基本計画が策定されることになっており、その中で代替施設の工法や具体的な建設場所等が協議されることになっております。
なお、さきに政府から示された海上ヘリポート基本案については、同基地が米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることになるため地域の産業振興につながらないことから見直しを求めてきたところであります。
今後、代替施設協議会での協議が進められることなどにより普天間飛行場の移設作業が着実に実施され、SACO合意に沿った普天間飛行場の全面返還が実現するものと考えております。
次に、使用期限問題に関し、日本政府や米国政府の姿勢に対する認識について伺いたいということのお答えでございます。
県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情からして15年の期限を設ける必要があると考えており、移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れております。
使用期限問題については、これまで日米間で取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
また、さきに来県したクリントン大統領やジョーンズ米海兵隊総司令官にも、代替施設の使用期限については日本政府に対して強く要望しているということを申し上げ、沖縄の実情について理解を求めてきたところであります。
県では、代替施設の15年使用期限問題について全国知事会や代替施設協議会の場でも政府に対し、県民の意向を酌み取り、早期に解決するよう特段の配慮を要望したところであります。
県としては、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題について政府の責任において早急に解決策を示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
同じく米軍基地問題について、最近の前米国防副次官補の論文や海兵隊総司令官の発言をどのように受けとめているかとの御質問に対するお答えでございます。
県としては、50年余の過重な基地負担を軽減するという観点から海兵隊を含む米軍の削減を願うところでありますが、基地問題についてはいろいろな方がいろいろな発言や主張をなされておりますので、今後の動向を見守っていきたいと考えております。
キャンベル氏の論文については、同氏は現在、米国防副次官補の職を退いた方であり、研究者の立場で書かれたものだと理解しております。
また、報道によりますとその論文についてコーエン米国防長官は、勤務していた当時に私に示した見解ではなく驚きを感じる、将来に向けては現在の枠組みを継続すべきだと否定的な見解を示しております。
いずれにしても、県としては、日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
一方、米海兵隊のトップであるジョーンズ総司令官は私との会談の際、沖縄の不公平な位置づけを考慮した負担の軽減については今後も継続的に努力を重ね、でき得る限り訓練を他のいろいろな場所で実施するよう努めたいと発言されておりますので、県としては今後県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
次に、沖縄県の振興開発計画について、3次振計について県及び開発庁は総点検報告書を出しているが、同振計をどのように評価しているのか、基本的課題は何かとの質問にお答えします。
3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策が推進された結果、社会資本の整備を中心に着実な成果を上げ、各面における本土との格差は次第に縮小するなど本県の経済社会は着実に発展してきており、高く評価しております。
一方、今後の本県振興の基本的課題としては財政に依存した経済構造が続いており、自立的経済発展が厳しい状況にあります。
また、完全失業率は本土に比べ高い水準で推移しており、県民1人当たりの所得についても全国の中で最下位の状況にあります。
さらに今後、我が国のアジア・太平洋地域の中で果たす役割を担うためのアジア・太平洋協力・交流拠点の形成についても十分でありません。
加えて、本県にはなお広大な米軍施設・区域が存在しており、本土に復帰して28年を経てもいまだに本土に比べ大きな負担を背負っております。
なお、新たな沖縄振興計画は、このような課題解決に向けた諸施策を盛り込んだものとして策定されるよう県の基本的な考え方を国に示していきたいと考えております。
次に、同じく振興開発計画の中で、沖縄経済振興21世紀プランのポスト3次振計への位置づけとその内容はどのように反映されるかについてお答えいたします。
21世紀プランは、沖縄経済の自立的発展に向け具体的な施策を盛り込んだ実践的な経済振興プランとして、昨年4月に提出した県の基本的な考え方に基づき国において体系的に取りまとめられたものであります。
一方、ポスト3次振計いわゆる新たな沖縄振興計画は、沖縄振興新法に基づく新たな沖縄振興計画として経済振興はもとより、教育、福祉や社会資本の整備、圏域別の振興等を含む沖縄振興の総合的な計画として策定されるものと考えております。
県としては、21世紀プランの実効性を確保するため、沖縄振興新法に明確に位置づけるよう国に要望したところであります。この結果、最終報告においては、沖縄振興「新法に基づき策定される新たな沖縄振興計画のもとで、新たな産業振興に係る計画を策定することも含めて、本プランの内容が反映されるよう前向きに検討する」との方針が示されております。
次に、同じく振興開発計画の中で、ポスト3次振計策定のスケジュールはどうなっているのかについてお答えします。
新たな沖縄振興計画の策定に向けて第3次沖縄振興開発計画の総点検を実施するとともに、平成12年6月に総点検に対する沖縄県振興開発審議会からの意見をいただきました。
このことを踏まえ、去る8月に国に対し新たな沖縄振興に関し要望したところであります。
県としては、政府との連絡調整を密にし今後のスケジュールを詰めていきたいと考えておりますが、平成13年3月までに各界各層からの意見を求めながら、新たな沖縄振興計画の策定に向けた県の基本的な考え方を取りまとめたいと考えております。
次に、市町村合併について、住民の意識や市町村の動向はどうなっているかについてお答えをいたします。
地方分権への対応や、少子・高齢化の進展、介護保険及びごみ処理問題など市町村には広域的な行政体制の整備が強く求められているところです。県におきましては、現在、市町村合併の推進のための要綱を策定中であり、県民の生活動向やすべての市町村長及び議会議長を対象としたアンケート調査を実施しているところでありますが、住民意識についても今後調査していきたいと考えております。
また、市町村の動向につきましては、具志川村、仲里村において住民説明会等を行いながら、平成14年4月を目途に合併後の建設計画について協議が進められております。
このほか、具志川、与那城、勝連の地域でも合併への機運が見受けられます。
さらに、あす9月27日には那覇市において「市町村合併をともに考える全国リレーシンポジウムin沖縄」が開催されます。
市町村合併は、地域の将来や住民生活に深くかかわる重要な事項ですので、県としましては広く県民に対して積極的な情報の提供等に努めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 九州・沖縄サミットについて、サミットの成果を本県振興のために具体的にどのように施策展開していくかについてお答えいたします。
県では、サミット開催に伴う世界各国のマスコミ報道により、沖縄の美しい自然や独特の文化、歴史などさまざまなものが世界に紹介され、本県の知名度と魅力が国内外に広がったと考えています。
今回のサミットの開催は、行政はもとより、ホテル業、交通運輸業を初めとする関係業界や県民にとっても最高の国際会議の受け入れという貴重な経験を得る機会となりました。
県においては、このようなサミットの成果を生かして国際会議などの誘致を進めるとともに、受け入れ体制を強化し、さらに今回整備された情報通信関連インフラの有効活用、企業の誘致などに努め、コンベンション・アイランドやメディア・アイランド等の形成に向けて各種施策を展開してまいりたいと考えております。
特に、国際会議等の積極的な誘致を促進するため8月に「国際会議等誘致プロジェクトチーム」を県庁内に発足させ、国と連携を図りながら本格的な誘致活動を展開しているところです。
以上でございます。
○土木建築部次長(金城英男) 公共事業の見直しについてお答えします。
まず中止勧告対象事業数、その理由、事業費はどうなっているか、また対象事業中の必要な事業とその対応について2つの御質問に一括してお答えいたします。
去る8月28日に公表された「公共事業の抜本的見直しに関する三党合意」の中止勧告の事業は全国で233事業となっており、またこのほかに建設省など34件が独自の見直しで追加をされております。このうち、沖縄関係は国直轄事業1件、那覇市所管事業1件、沖縄県事業7件の合計9事業が対象事業となっております。
その中止勧告の理由は、経済情勢の変化、関係機関等との調整、ダム計画地点の地質の関係、重点化投資等により採択後5年以上経過してまだ着工していない事業として4件、現在、休止(凍結)されている事業として5件となっており、これらの総事業費は約1170億円となっています。
また、今回公表された対象事業につきましては、本県における総合交通体系の整備、水資源の開発、市街地の再開発等の観点から県民生活に必要な事業と考えておりますが、政府・与党の見直し基準により中止勧告を受けたものであります。
したがって、県としましては当該事業が中止になった場合、今後どのような影響があるかを含めて、来月初旬に開催予定の沖縄県公共事業評価監視委員会の意見や地元の意見も聴取しながら、それぞれの状況に応じて検討し対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 市町村合併の県の取り組み状況はどうなっているかについての御質問にお答えをいたします。
本県は離島や小規模な町村が多く、また市町村の財政基盤が脆弱なことから、広域的な課題に適切に対応しつつ行政サービスの一層の向上を図るためには市町村合併は避けて通れない大きな課題と考えます。
そのため、県はこれまで市町村の行財政説明会や地方分権に関する説明会等の中で市町村合併の必要性を説明し、行政体制の整備に向けての助言や情報提供に努めてまいりました。
県におきましては現在、市町村合併の推進のための要綱の策定に向けて作業を進めているところであり、去る9月1日に立ち上げた沖縄県市町村合併促進審議会に諮って年内に具体的な合併パターンを示していきたいと考えております。
一方、去る6月22日には、県と具志川・仲里両村の実務担当者による合併に際しての協議事項に関する合同会議を開催したところであり、今後も適宜開催していく予定であります。
また、8月30日には、合併の機運の醸成を図るために県と具志川市、与那城町、勝連町の3首長との意見交換会を開催したところであり、今後も宮古地区を初め各地で同様の意見交換会を開催し、引き続き市町村合併の促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後8時11分休憩
午後8時12分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
金城 勉君。
〔金城 勉君登壇〕
○金城 勉 しんがりであります。もうしばらくおつき合いをお願いしたいと思います。
公明党・県民会議を代表して質問をさせていただきます。
まず、第1の嘉手納基地爆音被害の公平補償についてお尋ねをいたします。
16年という長期の裁判の結果、爆音が地域住民の受忍限度を超えると認定され、国は損害賠償をせよとの判決が出されたのは2年前であります。906人の原告団のうち867人に対し総額13億7300万円余が支払われております。
一方、同じ地域に住む裁判に参加しなかった他の多くの住民に対しては、今日なお何の補償もなされておりません。じっと我慢している声なき民を見捨てることは絶対に許されないと思います。
誤解のないように申し上げますが、公平補償を求める会の皆さんは、個々人に金銭の支払いをせよと主張しているのではありません。同じ地域に住む住民に対しては公平に対処せよと訴えているのであります。その問題解決のためには県民の代表である知事が先頭に立って国との交渉に当たっていただきたいと思います。
そこで質問をいたします。
(1)、の質問は割愛いたします。
(2)、平成11年12月に嘉手納基地爆音被害公平補償を求める会から仲宗根沖縄市長の副申とともに協力要請書が届けられていると思うのですが、知事はその要請書をごらんになっているでしょうか。ごらんになっていましたらどのように受けとめられたか、お聞かせをいただきたいと思います。
(3)、ここに神奈川新聞をきょうは持ってまいりました。(資料を掲示) 昨年99年、ちょうど1年前のきょう9月26日の新聞でございます。ここに、内容は、国が爆音被害のある基地周辺自治体や自治会に対して救済制度を創設するために防衛施設庁が1億6000万円を新規事業費として計上し、大蔵省との折衝に入ったとの記事であります。名目は、「騒音被害防止などのための調査研究事業費」としたようでありますが、使途に制限をつけない事実上の補償金という位置づけとなっており、1億6000万円は厚木基地周辺の関係地域、自治会に配分するという報道内容であります。
つまり、国として何らかの形で公平補償を実施しなければならないという考え方があることの証明であります。残念ながら大蔵省との調整がつかず、平成12年度の予算には計上されませんでしたが、公平補償について国は前向きになってきたということであります。このチャンスを生かさなくてはいけません。平成13年度には予算化できるようにするためにも、沖縄県の後押しが大事だと思います。
それから、私の調べたところでは1400万円予算のついた地域住民の意識調査事業はまだ実施されておりません。この機会をとらえて沖縄県の方から国に対し、意識調査の速やかな実施と調査方法について、嘉手納基地周辺も調査対象にせよとか具体的に提案を出しながら公平補償実現に向けて行動してはどうかと思います。どうでしょうか。
また、どういうタイミングで要請行動をとった方がより効果的か、県の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
それから2点目、日米地位協定の見直しについてでございます。
知事を先頭にした県当局や米軍基地関係特別委員会の全会派の要請行動にも政府、特に外務省の対応は厳しいものでありました。今後、見直し実現に向けて粘り強い取り組みをさらに進めていきたい。また知事にもお願いをしたいと思います。これは要望として終わりたいと思います。
3点目、国連アジア本部の誘致についてお尋ねをいたします。
この問題は再三取り上げられてきております。これまで本県に国連機関が設置されることは大きな意義があるとの認識を示しておりますが、国連の関連機関の集積がないなどの理由で厳しい状況にあるとの答弁でございました。実績があれば苦労はないと思います。前例がないとの理由で難しいということにしてはならないと思います。平和の発信の地沖縄をつくっていくためにも実現に向けて外務省とも連携をし、継続的に取り組んでいくべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
次4点目、沖縄21世紀プラン最終報告についてお尋ねをいたします。
まず最初に(1)、加工交易型産業の振興についてお尋ねをいたします。
①、3年前、自由貿易論議の中で全県型か地域限定型かという議論が県民を巻き込んで大きな渦を起こしました。その結果、中城湾港の中に特別自由貿易地域の指定がなされ、122ヘクタールの敷地に賃貸工場も建てられております。沖縄の自立経済振興の大きな役割を担うとして多くの県民の期待が集まっております。企業誘致の成果は、けさの答弁によりますと現在3社とのことでありましたが、遅いように感じられます。予定のスケジュールと比べて進捗状況はどうでしょうか。
次に、那覇の自由貿易地域は不自由貿易地域とも酷評されました。その反省は、中城湾の特別自由貿易地域の中でどのように生かされているでしょうか。
21世紀プラン最終報告には、税制の優遇措置や選択課税制度の導入など他に前例のない税制改正をしたと誇らかにうたわれておりますけれども、果たして企業が大きなメリットを感じるような実質的内容になっているでしょうか。法人所得の35%控除は、アジア諸国の範囲で考えた場合どのようになるでしょうか。
また、選択課税制度における対象品目は、メリットを出せるような柔軟性は確保されているでしょうか。あるいは進出企業の初期投資の負担はメリットを感じさせるような軽減措置になっているでしょうか。那覇の自由貿易地域の二の舞にならないか、非常に心配であります。
県としてどのように考えているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、管理運営主体がいまだはっきりしてないようでありますが、どうしてでしょうか。国がその中に入るか否かによって企業誘致活動の進捗にも大きな影響が出てくると思うのですが、いかがでしょうか。
あわせてワンストップサービスの窓口の設置も重要だと思うのですが、どのように考えているか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、情報通信産業の育成の項目についてお尋ねをします。
島嶼県の沖縄を情報通信拠点として形成していくには、通信コストの継続的低廉化は非常に重要な要素になります。そのための実効ある対策をどのようにお考えでしょうか。
次②、人材の育成、供給という視点から学校現場における教師、指導者の育成は緊急の課題であると思いますが、今後の具体的取り組み、目標値、方法、スケジュール等についてお答えをいただきたいと思います。
③、インターネットの学校現場での活用は大きな教育効果が期待されております。現在の教育現場への接続状況はどうか。何十台というパソコンは稼働しているか、また今後の取り組みについてお答えをいただきたいと思います。
次④、マルチメディアアイランド構想の中にあるマルチメディア関連の高等教育機関の設置について質問いたします。
マルチメディアアイランド構想には重点分野として、1、コンテンツ制作、2、ソフトウエア開発、3、情報サービスの3つの分野が挙げられております。
その構想に基づく企業誘致の成果として、今日、コールセンターやソフト制作の企業が沖縄に多く進出してまいりました。ただ、県の構想の中には非常に重要な部分が欠落しているのではないかと思います。それは、情報と通信とを結ぶ中間の分野のメンテナンス技術についてであります。この分野の役割がどれほど重要なことか調査研究をしていただきたい。
例えば、1カ所のコールセンターには何百台という電話やパソコンが配置され情報のやりとりが行われております。この膨大な量の情報の交信をさばいていくには高度な通信技術が不可欠であります。これらのメンテナンス技術は、情報産業が集積されればされるほどその需要は大きくなっていくわけです。この分野は、技術が特殊な世界ゆえに日本としてもおくれており、アメリカの技術に頼っているとのことであります。沖縄が日本のみならずアジアの中の情報産業の集積地、ハブ拠点を目指していればこそこの分野のビジネスとしての可能性は甚大なものがあるということであります。5年先、10年先を考えたとき、人材の誘致、人材の育成、人材の集積は非常に重要な要件であります。
そこで、高等教育機関についての考え方であります。
IT関連の分野は、世界の中でアメリカがぬきんでていることは周知のことであります。今後、マルチメディア関連の高等教育機関の設置を検討する際、ストレートにアメリカとの提携を考えてはどうか。最先端の情報教育のカリキュラムや人材をアメリカから直輸入する。東京経由ではなく沖縄が独自にアメリカと提携する。マルチメディア関連の高等教育機関の設置は、このような大胆な発想が必要だと考えます。
戦後55年間、基地問題という負の遺産が目立っているのですが、沖縄とアメリカの関係は、一方ではこうした建設的提案について協力し合える関係にもあると思います。このことを知事が訪米する際にアメリカ側に提案してみてはどうでしょうか、県の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
次5、沖縄市東部海浜開発計画についてお尋ねをします。
(1)、昭和62年の最初の構想策定から13年が経過しております。本9月議会にこの沖縄市東部海浜開発計画の特別会計の条例案や予算案が提案され非常に喜んでおります。沖縄市を中心とする中部地域の市民、県民の熱い思いがいよいよ実現に向けて動き出すという実感であります。
本年5月10日に埋立願書が県に提出されておりますが、埋立承認までの今後の見通しについてお聞かせください。
(2)、環境保護についてにわかに注目を集めております。本事業は、一部で指摘があるようないいかげんな行政手続や環境対策など自然環境を破壊するのみの開発行為なんでしょうか。その点について県はどのようにお考えでしょうか。
(3)、本事業は桑江市政から新川市政、そして今日の仲宗根市政へと受け継がれてきた事業であります。保革を問わず沖縄市を中心とする多くの市民、県民の皆さんの夢であり願望であります。観光立県を目指し将来的には1000万人観光も視野に入れた遠大な構想にすべきであると思います。来月10月17日には、市内34団体が主催する早期実現市民総決起大会が予定されております。県からも知事を初め多くの職員に参加をしていただきたいのですが、いかがお考えでしょうか。
次6、こども未来館事業についてお尋ねします。
「沖縄こどもの国」の中に島田懇談会事業としてこども未来館の建設が着々と進められております。それとあわせてこどもの国もリニューアルされます。県内唯一の動物園であります。完成後、県としても運営主体の一翼を担うべきだと考えるのですが、いかがでしょうか。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えします。
最初は、嘉手納基地爆音被害公平補償を求める会から仲宗根沖縄市長の副申とともに協力要請書が届いていると思うが、その要請書を見たか、どのように受けとめたかという御質問についてお答えいたします。
嘉手納基地爆音被害公平補償を求める会からの要請書につきましては、昨年12月16日に受理しております。県としては、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民についても、訴訟参加者と同様の受忍限度を超える被害をこうむっていると認識しております。
米軍基地の爆音被害に係る補償制度の問題については、昨年8月3日の衆議院安全保障委員会において当時の防衛庁長官が、訴訟に勝った者だけが補償されるという繰り返しでは困る、過去の騒音等に対する損害というものが認定できるなら、裁判を起こさない方を救済する何らかの措置はないか検討したい旨の答弁をしており、本年度、国においては厚木飛行場周辺において航空機騒音に関する実態調査、住民の意向調査等を実施しております。
国が当該調査結果を踏まえた施策をどのように展開していくのかということもありますが、県としては本県の厳しい米軍基地の航空機騒音の状況を勘案して、御提案の趣旨も踏まえ今後国に働きかけていきたいと考えております。
次に、日米地位協定につきましては、御要望ということになっておりますけれども、この地位協定の見直しについては大変重要な問題だと考えておりますので、今後とも県選出の国会議員の方々において取り上げ、あるいは広く全国民のコンセンサスを得ることができるよう訴えると同時に、渉外知事会の要請などあらゆる機会を通して日米両政府に対してその実現を強く求めていきたいと考えております。
次に、沖縄21世紀プランの最終報告の中で、中城湾港の特別自由貿易地域及び賃貸工場に対する企業誘致の進捗状況についての御質問に対するお答えでございます。
企業誘致活動の推進に当たりましては、計画的かつ効果的な企業誘致活動を実施するため企業誘致基本方針等に基づき企業誘致説明会や企業訪問等に取り組んでおります。
また、企業誘致活動はトップセールスが重要でありますので、私みずから企業誘致説明会等において企業の皆様に対し本県への進出をお願いするなど積極的な企業誘致活動を行っております。
その結果、平成11年度は特別自由貿易地域に医療機器用半導体の製造企業が進出したほか、同地域内に整備しました賃貸工場にも2社が入居しました。
平成12年度におきましては東京、大阪事務所に企業誘致対策監を配置するなど企業誘致体制を強化したところであり、今後とも新たな産業の創出と雇用の拡大を図るため国内外の企業に対する積極的な企業誘致活動を実施してまいります。
なお、去る9月6日に東京で、8日に大阪で開催いたしました企業誘致説明会には昨年にも増して多くの企業の出席があり、関東地区企業誘致説明会には私が、関西地区企業誘致説明会には牧野副知事が出向き、企業の皆様に沖縄への進出を強く呼びかけたところであります。
次に、沖縄市東部海浜開発計画(泡瀬地区)についての御質問の中で、10月17日の早期実現市民総決起大会に県知事や県職員も参加したらどうかとの御質問についてのお答えでございます。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、昭和62年3月に地元沖縄市民の要請にこたえ、本島中部圏東海岸地域の活性化を図るため沖縄市が策定した東部海浜地区埋立構想から始まっております。
その後平成7年10月、平成10年11月には早期実現市民総決起大会等が開催され、また去る6月の沖縄市議会において「埋立同意」の議決がなされております。さらに今回、早期実現市民総決起大会が開催されることは早期実現に対する市民の切実な願いのあらわれと考えておりますが、現在、免許審査を行っているところであり、大会への参加については控えさせていただきたいと思います。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 金城勉議員の嘉手納基地爆音被害の公平補償についての質問事項の中の、平成12年度防衛庁予算で地域住民の意識調査費1400万円が計上されているが、県は調査内容、調査方法、調査時期等を知っているか、またそのことについて要望する考えはないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
防衛施設庁は、現行の騒音対策事業では対応が困難な周辺住民の方々の障害の緩和に資するより効果的な航空機騒音対策の検討を進める目的で住民の意識調査を実施しております。
調査内容は、1つに、厚木飛行場周辺の関係自治体職員及び自治会役員の航空機騒音問題に対する意向調査、2つ目に、当該意向調査を踏まえ周辺住民に対するアンケート調査を行い、アンケート調査結果をもとに商工会、婦人会及び地元自治体職員から成る懇談会において討議し、地域特性を含めた新たな地元ニーズを模索する内容となっております。
調査方法といたしましては、対面調査及びアンケート調査による方法でございます。
また、調査時期につきましては、平成12年度の事業として現在、調査のための関係者等への説明会を行っているところでございます。
国が、当該調査結果を踏まえた施策をどのように展開していくのかということもありますが、先ほど知事からお答えいたしましたとおり県といたしましては本県の厳しい米軍基地の航空機騒音の状況を勘案して、御提案の趣旨も踏まえ、今後国に働きかけていきたいと、このように考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 国連アジア本部の誘致についてこれまで再三取り上げられてきたが、県としてどのような調査研究をやってきたのか、その調査結果からの課題についてにお答えいたします。
県においては、国連機関の概況並びに誘致する際の地元の負担等について調査を行ってまいりました。
それによりますと、スイスのジュネーブには世界労働機関、世界保健機関、世界気象機関などの国連機関が多数集積し、これらの機関の連絡調整や共同利用施設の提供という必要性からジュネーブに事務局、いわゆる欧州本部が設置されております。
このような事情を勘案した場合に、国連機関の集積のない本県に直ちにアジア本部の誘致が可能なものかどうか大きな課題であると考えております。
また、平成9年に福岡県が国連人間居住センター(ハビタット)福岡事務所を誘致していますが、その際、福岡県としては年間約2億円の地元負担をしており、他の国連機関の誘致においても同様な地元負担があります。これらのことから、国連アジア本部の誘致においては財政負担も課題となるものと考えております。
同じく国連アジア本部の誘致について、外務省との相談、要請などはやってきたかについてお答えいたします。
国連機関の誘致については、外務省と意見交換を行っております。
意見交換の中で、国連自体が組織、定員とも整理縮小という流れの中で、新たな機関設置について加盟各国の理解をどう得るかなど課題も多々あることの示唆を得ております。今後とも国と連携を密にして誘致の可能性について検討してまいりたいと考えております。
それから、沖縄21世紀プラン最終報告について、島嶼県の沖縄を情報通信拠点として形成していくには、通信コストの継続的低廉化は非常に重要な要素になります、そのための実効ある対策をどのようにお考えでしょうかについてお答えいたします。
通信コスト低減化の支援については、県内に立地する産業の振興、雇用の拡大を目的とし、平成11年度より本土―沖縄間の通信コストを軽減するための通信コスト低減化支援事業を実施しております。利用企業は現在19社に達し、雇用の面でも約1400名と大きな成果を上げています。
通信コストの低減化支援は、引き続き企業進出のインセンティブとして大きな役割を果たしており、さらに通信需要の拡大が見込まれる状況もあります。
一方では、通信料金は引き下げられていく傾向にあるほか、新しい技術により通信距離にかかわらず料金が一定額の通信サービスの普及も予測されております。これらの状況を十分に勘案した上で今後の新たな支援のあり方を検討していきたいと考えております。
次に、マルチメディア高等教育機関(大学院大学)の設置についてお答えいたします。
県では、沖縄県マルチメディアアイランド構想を策定し人材育成に取り組んでいるところであり、マルチメディア関連の大学院大学設置の可能性についても県内教育機関における情報通信分野の教育プログラムの実施状況を調査しており、さらに他県での実施状況の調査、県内各大学関係者との意見交換等を検討しております。
なお、アメリカのマルチメディア教育カリキュラム等については、マルチメディア関連の大学院大学設置の可能性について検討する中で参考にしていきたいと考えております。
○商工労働部長(當銘直通) 21世紀プラン最終報告について、自由貿易地域那覇地区の反省は特別自由貿易地域の中でどのように生かされているのか、その仕組みとして改善される点は何かについてお答えいたします。
自由貿易地域那覇地区は、関税法上の保税制度に一定の税制・金融上の優遇措置を加味した保税地域にすぎないとの反省を踏まえ、県では自由貿易地域制度の拡充・強化や法人税の軽減等の税制上の優遇措置について国に要望いたしました。
これを受け、国においては平成10年3月に沖縄振興開発特別措置法を改正し、これまでの自由貿易地域制度に関する優遇措置に加え、35%の所得控除制度や関税の課税の選択制の創設などを内容とする特別自由貿易地域制度が創設され、一定の前進がありました。
しかしながら、関税上の制度面に関しては関税の選択制が認められたものの対象外品目が多く、実質的に同制度のメリットを受ける品目が限られているなど必ずしも十分ではありません。したがいまして、県としては引き続き自由貿易地域制度の拡充・強化について国に要望してまいります。
次に、沖縄21世紀プラン最終報告について、管理運営主体、ワンストップサービスの窓口などはどのようになるかについてお答えいたします。
特別自由貿易地域の展開に当たっては、本地域の一体的な管理運営に加え、ワンストップサービスや工場及び用地の賃貸といった企業ニーズに機動的に対応できるよう権限及び財政力を有する管理運営主体の創設が不可欠であります。
このため、県では政府が策定した沖縄経済振興21世紀プランを受け、管理運営主体の機能、組織形態などについて検討し、その結果、沖縄振興開発特別措置法の趣旨をも踏まえ、権限や財政力を有する管理運営主体の早期創設を国に対し要望してきたところであります。
管理運営主体の創設のためには一定の権限の付与、財政支援及び税制面において国による法的、制度的担保が必要でありますので、県としては、現在検討されている新たな沖縄振興法で支援策等が措置されるよう強く要望していきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 沖縄21世紀プラン最終報告に関連いたしまして、学校現場における指導者の育成は緊急の課題であると思いますが、今後の具体的取り組み、目標値、方法、スケジュール等についてお答えくださいという御質問にお答えいたします。
本県の学校における情報教育の実態は、平成12年3月31日現在、教員がコンピューターを操作できる割合は60.3%、全国が66.1%、それからコンピューターで指導できる割合は27.3%、全国31.8%で、全国平均に比較いたしますと幾分低い状況にあります。
高度情報通信社会に対応するためには、学校におけるハード面の整備はもとより教員の指導力向上を図る情報教育研修を一層充実することが重要であると考えております。
このため、県教育委員会としては、平成11年に「情報教育推進計画」を策定し、この中で平成13年度までに全教員がコンピューターを操作できる、また全教員の5割がコンピューターで指導できることを目標に県立教育センターや各教育事務所単位の研修及び校内研修を継続して実施しているところであります。
次に、インターネットの学校現場での活用は大きな教育効果が期待されております、現在の教育現場への接続状況、また今後の取り組みについてお答えくださいという御質問にお答えいたします。
本県の小・中・高・特殊教育諸学校のインターネット接続状況は、文部省の平成12年3月31日現在の調査によると小学校が71.3%、全国が48.7%、中学校84.8%、全国67.8%、高等学校67.7%、全国80.1%、特殊教育諸学校が87.5%、全国59.9%であり、高等学校を除く他の校種で全国平均を上回っている状況にあります。
県教育委員会では、平成11年に「情報教育推進計画」を策定し、この中ですべての公立学校が平成13年度までにインターネット接続を行うよう強く推進しているところであります。
インターネットの教育利用は、学習の深化と広がりを可能にし、情報の収集や選択によって新しい情報を創造するなど、情報活用能力の育成に大きな役割を果たしております。
今後とも、インターネット環境の整備と教育利用の促進に努め情報教育の一層の充実を図っていく考えであります。
○土木建築部次長(金城英男) 沖縄市東部海浜開発計画(泡瀬地区)について、埋立承認までの今後の見通しについての御質問にお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区の公有水面埋立承認願書及び免許願書は、事業者である沖縄総合事務局並びに沖縄県からそれぞれ平成12年5月10日に県知事へ出願されております。
現在、告示・縦覧を終え、関係行政機関に意見を照会しているところであり、今後はこれらの意見を踏まえ、審査基準に基づき適正に審査し、国、県それぞれの出願に対し本年中をめどに承認及び免許について判断したいと考えております。
次に、環境保護及びその手順について県はどのように考えるかについてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区の埋立計画に当たっては、トカゲハゼを含む底生生物の生息地や鳥類の採餌場としての干潟の保全のため、既存陸域から約200メ-トル離した出島方式とするなど、できる限り環境への配慮を行っております。
また、やむを得ず消失する藻場及び干潟については、リュウキュウアマモ等の大型海草類の移植や、新たな人工干潟の造成により干潟生物の生息環境を創造する等の環境保全措置を講ずることとしております。
環境影響評価に係る手続については、環境影響評価法や沖縄県環境影響評価規程等に基づき実施しており、環境影響評価準備書に係る住民説明会、公告・縦覧等を行い住民意見聴取を終えております。
また、泡瀬海域にクビレミドロが生育しているとの意見に対しては、海洋生物の専門家等の協力を得て補足調査を実施し、その生育範囲を確認しております。
その後、これらの保全対策や住民意見に対する事業者の見解等を環境影響評価書に取りまとめ、平成12年4月下旬に公告・縦覧を終えております。
さらに、工事着手後においても事後調査を行い環境影響評価を検証するとともに、必要な保全策については専門家の指導助言を得ながら対応していくこととしております。
以上であります。
○文化環境部長(宮城光男) こども未来館事業について、県としても運営主体の一翼を担うべきではないかという御質問にお答えいたします。
県は、「県立児童・青少年総合施設建設基本構想」を平成8年度に策定いたしましたが、その際、那覇市、沖縄市など5市町村から誘致要請がございました。
一方、沖縄市が沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業、いわゆる島田懇事業の提示プロジェクトに「こども未来館」を掲げ、当該事業が国により採択されたことに伴い、県の基本構想を実現していきたい旨の申し入れがあり、県も了解をしております。それを受けて、管理運営について県の全面的な財政支援要請があり、それに対し県は、県立児童・青少年総合施設建設基本構想の理念が沖縄市こども未来館に生かされ広域的施設となる場合、施設の管理運営に対して財政的支援を検討すると回答した経緯がありますので、引き続き検討していきたいと考えております。
なお、県と沖縄市との間で確認されている県の財政支援の対象範囲は、こども未来館の分野であると理解しておりますが、その後、沖縄市の構想は、その「こども未来ゾーン(仮称)基本計画」においてこどもの国の周辺施設整備にまで拡大するなど当初計画とは異なる内容も盛り込まれてきていることから、今後沖縄市とは十分話し合っていきたいというふうに考えております。
○金城 勉 1点だけ再質問をいたします。
先ほど神奈川新聞を紹介いたしました。ここにこのようにございます。(資料を掲示) 防衛庁としては、そういう住民の意向に沿って措置をしたいという意向を具体的に持って、そして去年のその予算要求の中で大蔵省との折衝に臨んでおります。ですからそういう意味でも防衛庁に追い風を送るためにも沖縄県からタイミングよくその要請行動をしていただきたい。それがひいては具体的なそういう公平補償の実現に結びつくというふうに考えております。
その件について、そのタイミング、来年度平成13年度予算に盛り込むためのそういうタイミングがあるかと思います。ぜひその件をよろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 金城議員の御提案に基づきまして早速前向きに取り組みます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明27日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後8時55分散会