○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
昨日、翁長政俊君外13人から、議員提出議案第1号平成12年産及び13年産さとうきび生産者価格並びに生産振興対策等に関する意見書の提出がありました。
次に、説明員として出席を求めた公安委員会委員長湖城英知君は、別用務のため本日及び29日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に公安委員会委員比嘉良雄君、29日の会議に同尚弘子君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 議員提出議案第1号 平成12年産及び13年産さとうきび生産者価格並びに生産振興対策等に関する意見書を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
翁長政俊君。
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〔議員提出議案第1号 巻末に掲載〕
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〔翁長政俊君登壇〕
○翁長 政俊 ただいま議題となりました議員提出議案第1号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
さとうきびは、本県の農業粗生産額の20.7%、栽培面積で47.4%を占めており、農業経済及び地域経済を支える重要な基幹作物となっております。
島嶼県である本県の中で、特に離島地域においては産業基盤が脆弱で雇用機会が少ないことからさとうきびへの依存度が高く、地域社会を維持存続する上で極めて重要な役割を担っており、地域経済を支える重要な作物としてさとうきびの経済的波及効果は高く雇用にも貢献をいたしております。
しかしながら、常襲的な干ばつや台風による被害、病害虫の周年発生、農業従事者の高齢化など生産環境の厳しさに加え、土地基盤整備を初めとする生産条件の整備のおくれなどにより生産は伸び悩んでおります。
今後、さとうきびの生産に歯どめをかけ生産の活性化を図るためには、機械化一貫作業体系の確立・普及、優良種苗の増殖技術の確立・普及、干ばつ対策等生産性及び製品向上対策の推進、さとうきび・糖業ルネッサンス計画を継続して推進する必要があります。
以上のことから、さとうきびの生産農家が意欲を持ってさとうきび生産に取り組み、経営安定、所得の確保が図られるように政府に要請する必要があるということで本議案を提出した次第であります。
意見書を朗読いたします。
〔平成12年産及び13年産さとうきび生産者価格並びに生産振興対策等に関する意見書朗読〕
以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
なお、本件につきましては、その趣旨を関係要路に要請するため議会代表を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようお願い申し上げまして提案理由の説明を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第1号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) これより議員提出議案第1号平成12年産及び13年産さとうきび生産者価格並びに生産振興対策等に関する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第1号は、原案のとおり可決されました。
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○議長(伊良皆髙吉) ただいま可決されました議員提出議案第1号については、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため議員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
よって、お諮りいたします。
議員提出議案第1号の趣旨を関係要路に要請するため議員5人を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定されました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第2及び日程第3を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第5号議案まで、乙第1号議案から乙第22号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
新垣米子君。
〔新垣米子君登壇〕
○新垣 米子 おはようございます。
トップバッターの初めての質問でちょっと緊張しておりますが、頑張っていきます。
まず、質問に入る前に昨日の我が党の代表質問に関連して質問いたします。
代替施設協議会の初会合で知事は、15年期限の実現を求めながら、15年問題を議題としないまま基本計画策定に入ることを容認したと報道されています。
きのう、我が党の玉城ノブ子議員の代表質問でこの報道は事実かどうか質問いたしました。知事の明快な答弁がありませんでした。
そこで再度お伺いいたします。
代替施設協議会で取り上げないことを容認したという報道は事実ですか、知事の明確な答弁をお願いします。
次に、昨日の答弁で知事は、あらゆるところで取り上げると答弁しました。
そこで質問しますが、あらゆるところで取り上げるということは、今後代替施設協議会の場で15年使用期限問題を取り上げる、正式な協議議題にのせると理解してよろしいですね。いかがですか、明確にお答えいただきたい。
それでは通告に従って質問いたします。
1つ、県の介護保険事業計画についてです。
介護保険法が施行されてから6カ月になりました。介護保険ができてよかったという声はほとんど聞こえません。反対に要介護者や介護に当たっている人たちから多くの苦情や問題点が全国で出されています。
我が党は、これまで毎定例県議会で本県の高齢者が安心して保険料や使用料を納めることができ必要な介護を受けられるために、県に対し県独自の助成措置をとるべきではないかと要求し質疑してまいりました。しかし県の姿勢は、低所得者への減免措置は国の法定基準があるのでそれで十分対応できるとの答弁に終始してまいりました。改めて本県の高齢者の実態を直視したとき、国の基準では救えないこと、県や市町村の独自の施策、支援がどうしても必要であること、その立場から再度質問したいと思います。
まず(1)つ目、在宅サービスの基盤整備についてです。
厚生省は、全国で基盤整備率3割で介護保険がスタートしたと発表しました。本県もほぼ全国水準並みです。平成16年度の計画でさえ通所サービスが6割台で、あとは3割から4割の整備率です。この整備率の実態は、厚生省が主張している介護保険の契約主義の原則からしても被保険者に対して契約の義務を最初から果たしていません。契約の義務を果たしてこそ保険料の徴収ができるのではありませんか。基盤整備を緊急に行うことは国や地方自治体の義務であると同時に、そうであれば基盤整備ができるまでは地方自治法及び老人福祉法の精神で実施すべきと考えますが、どうですか。
(2)つ目、介護施設サービスについてです。
介護保険事業計画では、施設入所者が平成12年度は入所率5.2%の9356人と見込み、平成16年度には入所率4.3%の9038人と推計し318人減らす計画がされていますが、その根拠が何か、その根拠が全く示されていません。
介護保険が施行される以前には施設入所希望者が全国で10万人余、本県でも千数百人いると言われていました。介護保険施行後、本県の施設入所希望者が多くなっているのが実態です。施設入所者の入所理由、また入所者が退所できない大きな理由は、核家族化と経済的理由により家庭で介護する人がいないということです。厚生省もこの点では夫婦のみの家族の増加、ひとり暮らしの高齢者の増加、少子化、小家族化の進行等が介護問題の大きな要因と指摘しています。また、厚生省の研究でも今後寝たきり、痴呆性、虚弱高齢者が増加の一途だと報告しています。
それに加えて経済的な理由で共働き家庭が全国一多い本県の状況から見ても、施設入所希望者はふえても減りはしないのが実態ではありませんか。この点からも在宅重視の介護の名目で入所率を減らそうとする本県の計画は実態に合わない非現実的と言わざるを得ません。実態に即した計画にすべきではありませんか。
(3)番目、保険料と利用料について。
本県の第1号被保険者の保険料平均は3474円で全国平均の3割高です。平成12年度版厚生白書の数字から、高齢者1人当たりの年間所得は平均で170万円、本県の高齢者の95年度の年金受給額は平均で61万円。
これは古い資料ですが、平成2年の本県の高齢者の平均就労所得は年間約20万円、年金受給額と合わせても約80万円。100万足らずです。全国平均の約半分。生活保護基準の支給額の約半分です。所得は半分しかないのに保険料は3割高。この上1割の利用料の負担。
県が実施した要介護者の実態調査で要介護者の84%が非課税世帯であり、10月からの保険料の年金からの天引き徴収が実施されればますます本県の高齢者が必要なサービスを受けることができない、生活そのものが維持できないことは明白ではありませんか。
国は、契約主義だからと生活保護者からも保険料を徴収することにし、生活保護基準額に介護保険料を上乗せして支給することになりましたが、この国の考えに準じても住民税非課税世帯の高齢者の保険料は当然国と地方自治体が負担すべきと考えます。保険料の大幅な減額助成と利用料の減免措置を行ってこそ、本県の高齢者が安心して介護サービスを受けることができるのではありませんか。
現在、全国で150市町村が保険料の対策、247市町村が利用料の対策で低所得者への何らかの減免措置を講じるなど住民の苦情や要望にこたえる努力が行われています。ところが厚生省は10月からの保険料徴収を前に、自治体に対して独自の減免措置をやめるように文書通知をしたことは、本来なら低所得者への減免措置は政府がやるべきものなのに自治体任せにしておいて、今度は自治体の独自の減免措置に横やりを入れようとするのは二重三重に無責任であり、介護保険が自治事務という性格からいっても国が介入することは絶対許されません。
県が本県の高齢者を守る立場からも、国に対して当面10月からの徴収を延期するよう、また負担を軽減するための財政措置を国に要請するとともに、各市町村に対する県の助成措置を講ずるべきと思いますが、改めて所見と決意を伺います。
2番目に、母子総合医療センター(子ども病院)の問題についてです。
この問題については、設立に対する要求と意義については、これまでも多くの県民の論議がされてまいりましたのでここでは論じることはしないで、早速質問に入ります。
(1)つ、子ども病院の建設を求める署名が10万人署名を大幅に上回る19万人になりました。今回の議会の中にも提案されております。県民のコンセンサスが必要と言ってきた県は、この19万人の署名をどう受けとめていますか、所見を伺います。
(2)つ目、県は、中部病院で来年度スタートさせる30床の周産期母子医療センターと、南部における多機能病院設立構想の中での体制でこの要求を満たせると考えているのですか、伺います。
(3)番目に、母子医療を担う小児専門医の育成と確保が不可欠です。県立病院の小児科医師の超勤務による過労、退職で現在でさえ定員割れし、今県民の医療要求にこたえることができておりません。この問題をどう対策をとるおつもりですか。
(4)番目に、離島県である本県の母子医療の実態は、救急医療や離島医療とあわせて他府県にはない県の比重と責務があります。民間病院では担えない責務です。しかし県行政システム改革大綱の中で、医師のもろもろの手当のカットで県立病院の役割を担ってきた体制をみずから切り崩しています。子ども病院の設立と母子医療の充実を願う県民の要求にこたえるためにも、生きがいを持って働ける条件づくりこそ県がやるべきことではありませんか、お伺いします。
3点目に、アメラジアンの問題についてです。
これは昨日の代表質問の中で質問が重複しておりますので、(4)番と(6)番、(7)番は質問の取り消しをしたいと思います。
アメラジアンに教育権をと声を上げた父母たちの運動から2年が経過しました。重国籍児の県内公立小中学校の学籍が保障されたことは、この間の父母の粘り強い運動と専門家らの支援、そして県教育庁や宜野湾市や浦添市などの行政の前向きの姿勢が教育権保障を前進させてきたと言えます。
そこで伺います。
(1)つ、アメラジアンスクールを卒業した児童が県立那覇国際高校の国際クラスに帰国子女同様に受け入れる用意(体制)がありますか。
(2)つ、県教育庁が19日に発表した県立高校編成整備の基本方向で打ち出した新たな高校設置に沖縄インターナショナル高校の設置が盛り込まれていますが、どのような内容を考えておりますか。
(3)番目、6月末にスクールへの日本語教師派遣支援について内閣内政審議室沖縄担当、県、宜野湾市、アメラジアンスクール側4者で話し合いがされておりますが、その後、進展がないと聞いております。どうなっているでしょうか。
(5)番目、米軍人・軍属の父親に置き去りにされた沖縄の母と子を救おうと無償で相談に乗ってきた弁護士アネット・キャラゲーンさんの活動をサポートする国際恋愛・結婚に関する法律相談所が2月17日から沖縄の3人の弁護士、大学関係者の協力でスタートしております。養育費の請求に関する二国間協定の必要性と日本国籍、米国国籍がないために必要な教育が保障されない状態に置かれてきた国際児の必要な国籍再取得のための法的手続、地位協定の見直しの必要性など問題の所在と解決方向が明確になってきたと言えます。
今回の地位協定の見直し要請に養育費の請求に関する二国間協定の締結を盛り込んだことは大きな前進であり、県当局の努力に敬意を表するものでございますが、この問題に加えて国籍再取得に関する手続の見直しなど今後日本政府に強く要求すべきであると考えます。所見と決意を伺います。
4番目に、豊見城団地再開発問題について。
県住宅供給公社は、平成13年度実施予定の豊見城団地の再開発事業を平成14年から15年度に先送りすることを決定しましたが、先送りせざるを得なかった理由は、今後の差し迫った老朽化した公営住宅の建てかえや再開発のあり方に一石を投じるものと考えております。
そこで質問いたします。
(1)つ、先送りした理由は何でしょうか。
(2)つ、基本計画の大幅な見直しもありますか。
(3)番目、村営住宅の建設の必要性は以前から言われてきたことですが、公社が団地自治会を通して村当局に要請させている借り上げ方式は、村にとってどのような財政上のメリットがありますか。
(4)番目、県営住宅に入居したいとの県民の要求はますます強くなっています。全体1300戸の中で県営住宅はわずか100戸です。県は、県営住宅の増設の要求にこたえるべきではないでしょうか。
(5)番目、渡橋名県営団地の建てかえ事業が平成13年度から始まりますが、完了するまでの期間を村内の県営住宅の空き家に受け入れるとの方針です。約100世帯を受け入れる体制がありますか。
また、豊見城団地のこの再開発は18年間の計画で、その間の代替の住まいの対応をどうされるのでしょうか。
以上です。答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の質問にお答えいたします。
最初は、昨日の我が党の代表質問との関連についてということで、1つは、代替施設協議会で取り上げないことに同意したという報道は事実かということと、次の取り上げるということは、今後代替施設協議会の場で15年使用期限問題を取り上げると理解してよいかとの2点についてお答えをしておきます。
まず、この代替施設協議会の内容については、昨年末の閣議決定の中で、普天間飛行場の代替施設について軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議機関を設置し、代替施設の工法及び具体的な建設場所を含めて基本計画の策定を行うということとしているわけです。それに基づきまして去る8月25日に代替施設協議会が設置され、代替施設の工法及び具体的建設場所、その他基本計画策定に必要な事項についての協議が開始されたところであります。
そこで、私は協議会においては、代替施設の使用期限については、本協議会本来の協議事項である基本計画の策定という事項には入りませんが、県としては、戦後50年余にわたって担ってきた沖縄の過重な基地負担や、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、15年の使用期限を設ける必要があると考えており、政府においては、県民の強い要望を理解し、代替施設の使用期限問題の一日も早い解決に向け、積極的に取り組んでいただくよう改めて要望したところであります。
今後とも協議会の場においても要望するほか、あらゆる機会に政府の責任において早急に解決策が示されるよう、引き続き強く求めていく考えであります。
次に、母子総合医療センター問題で、19万人の署名をどう受けとめるか、所見を伺いたいということにお答えいたします。
このたびの子ども病院設立に向けての署名が19万人を超える数になったことについては、それだけ県民の関心が高いものと認識しております。
県としては、これまで子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを推進しており、乳幼児医療費助成事業を3歳未満児まで拡大しております。
また、低体重児、未熟児の出生率が高いことから出生前後の適切な母子保健指導に努めているところであります。
当面は、県立中部病院に母体・胎児、新生児のための総合周産期母子医療センターを整備し、リスクの高い母と子の医療に対応したいと考えております。当該施設は来年6月の竣工予定であり、医師及び看護婦の医療要員の充実を図っていきたいと考えています。
今後とも既存の医療資源の有効活用を図るとともに、改築される那覇病院の高度多機能病院構想の中で周産期医療及び小児総合医療等に関して、現在、広く関係者を集めて意見を聴取する等検討を行っているところであります。
次に、同じく母子総合医療センター問題についてで、中部病院で来年度スタートさせる30床の周産期母子医療センターと南部における多機能病院設立構想の中での体制で要求(需要)を満たせるのかとの御質問にお答えいたします。
県では、沖縄県周産期保健医療協議会からの提言等を踏まえて「総合周産期母子医療センター整備に係る基本方針」を策定し、それに沿って中部病院の総合周産期母子医療センターに社会保険適用新生児集中治療管理室(NICU)12床と後方病床18床の計30床の整備を進めているところであります。
また、同基本方針では、南部地区にも総合周産期母子医療センターを整備するものとしております。この計画については、改築される那覇病院の高度多機能病院構想の中に母子総合医療機能等とあわせて検討されることになります。
なお、本県の周産期医療に必要な社会保険適用新生児集中管理室(NICU)の必要病床数については、厚生省の周産期医療研究班の試算によると46床となっております。
このようなことから、同構想の中で整備すべき病床について検討していきたいと考えております。
来る21世紀には、本県の母子総合医療の充実・強化を図り、小児総合医療体制が整備されるよう努めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(平良健康) 県の介護保険事業計画についての質問の中で、在宅サービスの基盤整備ができるまでは地方自治法及び老人福祉法の精神で実施すべきと考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。
介護を要する方々が必要なサービスが受けられるよう介護基盤の整備を図ることが重要であります。本県は、介護老人福祉施設等の施設整備については全国的にも高い水準で整備されていますが、在宅サービスの基盤整備については20%から60%の整備状況となっています。
県においては、「沖縄県老人保健福祉計画」に基づいてデイサービスセンター、ショートステイ、在宅介護支援センター等を年次的に整備しているところであります。
介護保険制度では、民間事業者など多様な主体がサービスを提供できるようになっていますので、民間事業者の参入を促進するとともに、引き続き在宅介護基盤整備を推進してまいりたいと考えています。
次に、同じく県の介護保険事業計画の質問との関連でございますが2つの質問、1つは、施設入所者については平成16年度の推計値が12年度に比べて318人減少して計画されているがその根拠は何か、また在宅重視の介護の名目で施設入所率を減らそうとする本県の計画は実態に合わない非現実的で、実態に即した計画にすべきではないかとの2つの御質問につきまして一括してお答えいたします。
県の介護保険事業支援計画は、保険者である市町村の高齢者実態調査に基づいて策定された「市町村介護保険事業計画」の介護保険サービスを種類ごとに見込み量を積み上げ、それを根拠に数値目標を設定してあります。
市町村は、介護保険事業計画の策定に当たってはそれぞれの地域における要介護者等の人数やサービス利用意向等を勘案して見込み量を算出しているものであり、また計画策定委員の中に地域住民を加える等地域住民の意見を十分反映させることとなっています。
なお、計画は平成12年度から16年度までの5カ年計画となっていますが、3年ごとに見直しが行われることとなっています。
次に、保険料の年金天引き(徴収)の延期と利用料の負担を軽減するための財政措置について国に要請し、県は各市町村に対する助成措置を講ずるべきと思うがどうかとの御質問につきましてお答えいたします。
介護保険料につきましては、所得に応じ5段階の所得段階別で徴収する仕組みとなっています。低所得者については、その中で最も低い保険料額が適用されます。また災害や失業の特別の理由がある場合には、保険料の減免や徴収が延期されることになっております。
介護保険料の徴収は、介護保険法に基づいて行われるものであります。徴収延期の申し入れにつきましては、各都道府県の動向等を踏まえながら検討したいと思います。
財政負担の要請については、九州ブロック部局長会議において、「介護保険制度の実施に伴う長期安定的制度の確立と財源の確保について」の国への要望が提出されています。
また、本県は離島県であることから、特に小規模離島町村に対する助成等について県から直接厚生省へ要望しているところであります。
各市町村に対する県の助成措置については、今後国の動向を見ながら検討してまいります。
○病院管理局長(新田宗一) 母子総合医療センター(子ども病院)問題に関連いたしまして、2点ほど質問がございますのでお答えいたします。
まず1点目、県立病院の小児科医師が定員割れをしている、どう対策をとるのか、2点目、小児科医が生きがいを持って働ける条件づくりをやるべきではないかとの御質問ですが、関連しておりますので一括して答弁いたします。
県立病院は、地域の中核病院として6つの県立病院で小児科を開設し、現在24名の小児科医を配置し小児医療の確保に努めております。
医師の確保につきましては、全国的に小児科医の不足が言われる中、特に年度途中での専門医を確保することは困難であると思われますが、現在、全国自治体病院協議会への医師確保の依頼、琉球大学や他の大学病院、国立病院に対する要請など医師確保に全力で取り組んでいるところであります。
また、各県立病院における小児医療の充実のため、民間病院や診療所と協力・連携した初診紹介制の導入などにより小児科医の業務の軽減化を図る一方、医師のアメリカでの長期専門研修など研修機会の拡充と勤務条件の改善に努めているところであります。
さらに来年、中部病院に開設される総合周産期母子医療センターに向けて小児科医、産婦人科医及び看護婦の増員や高度医療機器を導入するなど小児医療体制の充実・強化を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) アメラジアン問題に関しまして、アメラジアンスクールを卒業した児童を県立那覇国際高校の国際クラスに帰国子女同様に受け入れる用意(体制)があるかという御質問にお答えいたします。
県立高等学校入学者選抜におきましては、アメラジアンスクール・イン・オキナワなどの民間施設に通う不登校の生徒で、在籍する中学校において卒業が認められた者については帰国子女と同様に選抜の方法、学力検査等について可能な限り配慮しております。
次に、入学後の学習についてでありますが、那覇国際高校における授業は学習指導要領に基づいて行っており、帰国子女等についても現在10名の生徒が在籍し、同一の教育課程のもとで学習しております。したがいまして、入学が許可された重国籍児等についても帰国子女と同様の学習を行うことになっており、授業で十分理解できない点については放課後の時間を利用して個別に学習指導するなどの配慮を行っているところであります。
次に、19日に発表した県立高校編成整備の基本方向で打ち出した新たな高校設置に「沖縄インターナショナル高校」の設置が盛り込まれているが、どのような内容を考えているのかという御質問にお答えいたします。
本県は、新しい全国総合開発計画の中で「太平洋・平和の交流拠点」として位置づけられ、「アジア・太平洋における人、物、情報の結節点となる広域国際交流圏の形成を図る。」こととされております。
また、沖縄経済振興21世紀プランにおいてもこうした国際交流拠点としての位置づけを沖縄の振興に生かしていくことが求められております。
このため、高等学校段階において国際社会で活躍できる人材育成の一層の充実を図るとともに、帰国子女等の受け入れや異文化・異言語の生徒にも開かれ、外国の学校との積極的な交流教育等を実現する沖縄インターナショナル高校(仮称)を既設の高等学校の再編によって設置することとしております。
内容につきましては、今後、地域関係団体等の意見を聴取しながら編成整備実施計画策定作業の中で検討を進めていきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 新垣米子議員のアメラジアン問題についてお答えをいたしたいと思います。
まず、アメラジアンスクールへの教師派遣支援の進捗状況についてお答えをいたします。
アメラジアンスク-ルへの支援問題につきましては、平成12年6月28日に国、県、宜野湾市及びアメラジアンスク-ル関係者の4者で話し合いを行いました。
その際、県が行う支援措置として平成11年度に実施した米軍基地から派生する女性の諸問題調査事業の結果を踏まえ、宜野湾市と北谷町の協力を得て平成12年9月から出張相談を開始することを説明いたしました。また、指導員の派遣につきましては、人員の確保及び予算措置とのかかわりから13年度初めごろの実施をめどに検討したい旨説明をいたしました。
県といたしましては、これらの調整結果に基づき出張相談につきましては9月7日から開始したところであり、指導員の派遣につきましては現在検討を進めているところでございます。
次に、国際児の国籍取得についてどうなっているか、またこの件について要請する考えはないかという御質問にお答えをいたします。
県は、平成11年度に米軍基地から派生する女性に関する諸問題調査事業を実施いたしました。当該事業の各調査のうち児童扶養手当を受給している母子家庭へのアンケ-ト調査では、現在抱えている悩みで多かったものとして経済的な問題、子供の国籍取得等の法律・制度の問題、子供の日本語習得等の教育問題がございました。
このうち、日米地位協定の適用を受ける米軍人等に係る子供の養育費請求につきましては、せんだって日米両政府に対しその改定を要請したところでございます。
このほか、子供の国籍取得等の法律・制度の問題につきましては、米軍基地から派生する女性の諸問題の解決の一環として国に対し要請等を今後検討していきたいとこのように考えております。
以上でございます。
○土木建築部次長(金城英男) 豊見城団地再開発問題について、平成13年度から平成14年度に着工を先送りした理由は何かについてお答えいたします。
豊見城団地再生計画は、「風と水と緑のガーデンタウン」をテーマに、環境共生の町づくりを目標として住宅公社、県、豊見城村、民間事業者による多様な住宅の供給を計画しています。
当該再生計画においては、平成12年度に実施設計、平成13年度に着工、平成30年度に完了する予定でありました。
住宅公社では、現在の団地入居者の約8割が低所得者で公営住宅の入居対象であること、またアンケート調査の結果によると再入居希望者が7割を超えることなどから、現入居者の再入居のためには公営住宅の整備は必要と認識しており、そのため平成11年度から現在に至るまで豊見城村と協議してきたところであります。
しかしながら、豊見城村から必要戸数や整備の時期について明確な方針が示されてないこと、また県、豊見城村、住宅公社による事業分担の調整に期間を要したこと等により事業スケジュールが延びることになったものであります。
次に、基本計画の大幅な見直しもあるのかについてお答えいたします。
住宅公社は、平成10年度に団地自治会を含む検討委員会を設置して豊見城団地再生計画を策定しております。本計画においては、公営住宅及び関連する公共施設の整備について豊見城村及び県と調整を進めているところであり、現時点で大幅な見直しはないと考えております。
次に、借り上げ方式の財政上のメリットについてお答えいたします。
公営住宅の供給方法には、地方公共団体が直接建設する方式、民間賃貸住宅を買い取る方式及び借り上げる方式があります。直接建設方式及び買い取り方式の場合は、用地取得造成費や建設工事費に高額な初期投資が必要になります。
一方、借り上げ方式では低額な初期投資で済むメリットがあり、また借り上げ費用については入居者からの家賃と国の家賃対象補助金を充てることができます。
さらに、これまで公営住宅を供給した実績がない市町村については、借り上げ方式により容易に公営住宅の供給が可能となるメリットもあります。
次に、県営住宅に入居したいとの県民の要求はますます強くなっているが、増設の要求にこたえるべきではないかについてお答えいたします。
公営住宅は、住宅に困窮する低所得者のために供給されており、県民の根強い要望があることは承知しております。
県では、豊見城村内において県営豊見城団地の100戸を初めとする6団地1033戸の県営住宅を供給しているところであります。当該県営住宅の中では身障者世帯や母子世帯、高齢者世帯等の優先入居を実施してまいりました。
御質問の県営住宅の増設につきましては、県民の多様な要求にこたえるよう今後の住宅建設五箇年計画の中でその必要戸数について検討してまいりたいと考えております。
次に、県営渡橋名団地の建てかえ事業のための空き家はあるのか、また豊見城団地再開発の代替の住まいの対応をどうするのかについてお答えいたします。
県営渡橋名団地の建てかえ事業は3期に分けて実施する計画であり、当該建てかえ事業に必要な仮住居は最大で68戸となります。現在豊見城村内の翁長団地ほか4団地で県営住宅の空き家を41戸確保しており、残りの27戸については建てかえ事業の着手までには確保する予定であります。
また、住宅公社の豊見城団地再開発事業に伴う仮住宅につきましては、団地内の空き家、近隣の民間賃貸住宅及び仮住まいに必要な住宅を新たに建設して対応することとしております。
以上でございます。
○新垣 米子 知事の答弁に再質問いたします。
今知事は、この代替施設協議会の性格そのものが15年問題を論議する協議会ではないということでさらっと流されました。
私はきのうからの論議もそうなんですが、知事がこのありとあらゆる場で取り上げると、そしてこれまでもこの問題を受け入れの表明をしてからこの間1年近くなりますが、主張し続けると繰り返してきたこの知事の答弁が、この姿勢が本物なのかどうかということがこの問題で問われていると思うんですよ。
これまで日本政府に対して要求してきたと。だけれども、日本政府はアメリカに対して何一つ話をしてこなかったし、議題にものせようとしなかった。知事がどんなに叫んでも犬の遠ぼえのようにしか見えない。蚊帳の外に置かれて知事自身もむなしい思いをしてきたんじゃないでしょうか。
今回の代替施設協議会というのは、当事者である知事や名護市長が正式な構成メンバーとして地元の意見を反映できる一番のこれまでにない、ありとあらゆるという抽象的なものじゃなくて、はっきりした地元の構成メンバーの入った会議ですよ、施設ですよ。この場で地元の意見を要求し、そこをきちっと通して認められないという、反映させることができないという、こういうことが今問われているんです。だから、訴えはしたけれども、あいさつに行ったけれども、正式な議題になっていないと。それを容認したのかどうかということが今知事に問われているんですよね。
それじゃここでその議題にしないというのであれば、一体県民の声を、名護市長の声を、地元の声をどこで具体的に論議をするのですかということはきのうの再質問でも言っていますが、それに対しても答えていません。改めてこのことに答えてください。
そしてきのう、名護市議会で名護市長の決意が示されております。協議会にこれは知事以上に7つの地元の要求を満たせるものでなかったら、この協議会そのものに議題にならなかったら参加しないつもりだと、不退転の決意もあると。そして新たな協議をするための協議会の設置を求めると、この決意を述べています。
これは本当に県民から見てわかりやすいんです。改めて名護市長のこの決意に見られるように、県民に対してこの協議会で議題にならなかったら参加しない、そしてそうでなかったらこの新たな協議会をつくるという問題について知事の県民に対する明確な答弁をお願いいたします。
また、再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 新垣議員の再質問にお答えをいたします。
今回の代替施設協議会につきましては、これは先ほど申し上げましたけれども、昨年の閣議決定の中で軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議機関を設置し、代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行うということとなっているわけです。
これとは別個に「使用期限問題」、「政府としては、代替施設の使用期限については、国際情勢もあり厳しい問題があるとの認識を有しているが、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」ということで技術的な問題と政策的な問題を分けておるわけです。
その意味で、私どもはありとあらゆる場所でその辺を政策的な問題として強く要望をしているところであります。
昨日も申し上げましたけれども、さきに来県したクリントン大統領やジョーンズ米海兵隊総司令官にも代替施設の使用期限については、日本政府に対して強く要望しているということを申し上げました。沖縄の実情について理解を求めているところであります。
県としては、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたって担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急な解決策が示されるよう今後とも強く求めていく考えであります。
それと、先ほど名護市議会においての岸本市長の発言について知事はどう思うかということにお答えします。
今回の発言は、名護市が求めている基地の使用協定等について早期に解決を図るための市長の意思のあらわれと考えております。県としては、移設に当たって整備すべき条件として4つの項目を国に対し申し入れ、その実現のため全力を挙げ、取り組んでいるところであります。
国は閣議決定において、「政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、政府関係当局と名護市との間で協定を締結し、沖縄県が立ち会う」との方針を示しており、今後それに沿った作業が進められるものと考えております。
県としては、名護市が求めている使用協定等については、名護市の意向も踏まえ一日も早い解決に向けて取り組んでいきたいと考えております。
○新垣 米子 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時3分休憩
午前11時5分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
新垣米子君。
〔新垣米子君登壇〕
○新垣 米子 知事、例えば自分のおうちをほかの人に土地を貸して建てさせるといって15年約束をやっているのに、守れないで具体的な設計の話などということを応じることが、こういう場を設定されること自身がおかしいと思いませんか。
まず、自分たちのきちっとした要求が満たされなかったら認めないと、その協議会そのものも入らないと。それが本当に15年の知事の県民に対する公約を守る一番の方法じゃないですか。それがなかったら県民だましだということを言わざるを得ないですよ。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の再々質問にお答えします。
今後とも協議会の場においても、要望そのほかあらゆる機会に政府の責任において早急に解決策が示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
○平良 長政 基地問題、経済問題、バス問題の3点について質問をいたします。
まず第1は、基地問題についてです。
(1)、普天間基地の辺野古移設のスケジュールを示してください。
(2)、「15年問題」は単なる要望か。日米両政府が認めなければ、基地受け入れを拒否する条件なのか。15年問題で名護市長との違いはあるか。
(3)、知事は、地元の辺野古住民や名護市民が辺野古への新基地建設に反対しても強行するつもりか。地元住民が反対しても基地建設は可能と考えているか。
(4)、IUCN(国際自然保護連合)は10月4日から開かれる総会で、辺野古周辺海域のジュゴンの保護と北部のノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を求める勧告案が提案され、採択される見通しとのことであります。この勧告案には米軍施設の建設及び演習の再検討と変更も求めており、採択されると国際世論も高まり、米政府も新基地建設を断念せざるを得なくなると思うがどうか。
(5)、ことし4月まで米国防副次官補を務めたキャンベル氏は、余りに小さなかごに余りに多くの卵を入れていると指摘し、沖縄の現状を念頭に入れて基地の分散や兵力構成の見直しを提言した。また海兵隊のジョーンズ総司令官も在沖米海兵隊の訓練をもっとグアムで行うべきと述べています。
アメリカ高官でさえこのような動きを示している中で、知事は基地の県外移設や演習の県外実施を求めるべきではないですか。
(6)、沖縄サミットで沖縄からの平和発信はできたか。沖縄基地問題の解決へ前進したか。
(7)、米大統領選でゴア氏(民主党)が勝った場合とブッシュ氏(共和党)が勝った場合、在沖米軍基地をめぐる状況の変化はあるか。
(8)、琉大3教授が提起した「沖縄イニシアチブ」について知事の評価はどうか。稲嶺県政の政策への影響はどうか。
2番目の質問は、沖縄経済の自立化に向けての展望についてです。
(1)、「一国二制度」について、ア、自立型経済に向けて一国二制度を県はどのように考えているか。
イ、21世紀プランでの一国二制度の施策はどのようなものがあるか。
(2)、尖閣諸島油田の日中共同開発について。
名実ともに我が国の領土であり、石垣市登野城2390から93番地の地番もついている尖閣諸島が脚光を浴びてきたのは1968年、エカフェ(国連極東経済委員会)が東シナ海にペルシャ湾に匹敵する石油が埋蔵されていると報告してからであります。
中国は、その2年後1970年に領有権を主張、1978年には鄧小平は尖閣諸島の領有権問題の解決は次の世代にゆだね、共同で資源開発をと提案、またことし9月にも朱鎔基首相は、境界の画定を一時棚上げし日中が共同開発すべきと提案しています。
中国の最近の主張は、領有権には触れない、中国は大陸棚を主張せず、日本は中間線を主張しない、権益は50%対50%、台湾のことは中国に任せよであり、共同開発の条件は整いつつあります。
なお、共同開発の事例としては福田内閣のときに日韓での共同開発があります。
しかし日本側が領有権にこだわって、いまだ共同開発は実現しておりません。両国互いに領有権を主張し、もし武力衝突を起こせばどうなるか。戦争はもうこりごりです。
我々は、中国とは子々孫々まで友好を保っていかなければなりません。日中間の紛争の要因となり得る尖閣領有権問題の火種は取り除くべきであり、アジアの平和のためにも日中共同開発は意義があると考えます。
昨年訪中した故小渕首相も、日中間の海を対立の場としてはならないと朱鎔基首相に述べております。
また、日本の石油は中東へ過度の依存を深めており、日本経済の安全保障の面からも供給源の分散化は至上命題でもあり、尖閣の共同開発は重要と考えます。
稲嶺知事の父である故稲嶺一郎参議院議員は、尖閣には並々ならぬ情熱を持たれ、経営協や県工連など経済団体や電力や銀行など有力企業を網羅して沖縄近海及び尖閣列島海域石油資源開発推進委員会を組織し、尖閣は沖縄の手で開発しようとの思いを強く持っておられたようです。尖閣海域の開発ができれば沖縄の経済自立、大発展を築くことができ、県民は大きな恩恵を受けることができます。
雇用問題も大きく前進できるでしょう。
稲嶺知事、父の遺志を引き継ぎ、どうか日本政府を動かして歴史的な仕事をやり遂げてほしいと思います。
質問です。
ア、尖閣諸島の我が国の領有権を認めるものであるが、中国も領有権を主張して譲らない。領有権問題に固執して戦争ともなれば、互いに失うものはあっても得るものはないし、貴重な油田は眠ったままとなる。そこで領有権を一時棚上げして、油田の日中共同開発をすべきと思うがどうか。
イ、油田が開発されれば何百億もの県税が入ってくる。県経済自立のためにも県として政府に日中の民間による共同開発を要請する考えはないか。
ウ、領有権問題の相手の中国・台湾が共同開発を呼びかけた場合、県はどう対応するか。日中間の政府間協定がなければ県は動かないのか。政府の内諾があれば開発は可能と思うが、どうか。
エ、石油開発には莫大な資金が必要となることは承知しているが、開発の方法はいろいろあるので、せめて沖縄の人がかかわる鉱区は自立型経済発展のため沖縄側が主導的立場で開発すべきと考えるが、どうか。
(3)、PFI推進について。
PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)法は、昨年9月に施行された法律で、民間が資金も調達して公共施設を建設し、運営まで民間にゆだねる事業を推進するものです。地方自治体の財政状況が悪化する中で沖縄県が早急に活用すべき事業と考え、以下質問をいたします。
ア、PFIに対する県の考え方について。
イ、全国の自治体のPFI導入状況について。
ウ、県の導入計画について。
第3の質問は、バス問題についてです。
ア、「バス統合に関する可能性調査室」の評価について。
イ、来年10月予定の乗り合いバス事業の需給調整撤廃までに統合は可能か。統合までのスケジュールを示してください。
ウ、統合までの県の役割は何か。
エ、新会社はバス4社だけでなく、県、市町村、銀行、県内有力企業なども参加させ、オール沖縄でいくべきと思うが、どうか。
オ、雇用対策は万全か。
(2)、需給調整撤廃(自由化)による影響と対策について。
ア、今年2月の貸し切りバス事業の自由化による県内への影響はどうか。
イ、来年10月の乗り合いバス事業の自由化の影響をどう考えているか。その対策はどうか。
ウ、運輸省は、自由化による赤字路線維持の補助金を地方自治体に負担させようとしているが、県はどう考えているか。
エ、地域協議会の早期立ち上げと、協議会への労働者代表参加をどう考えるか。
(3)、モノレール導入に伴うバス問題について。
ア、バス路線再編の基本的考え方とスケジュールについて。
イ、バス路線再編はモノレールへの集客ではなく、利用者の利便性を第一に考えるべきと思うがどうか。
ウ、再編原案の県民への公表と、県民の意見集約はどのように実施するのか。
エ、交通広場はどうなっているか。バスベイやタクシーベイはどうか。
オ、バス労働者の雇用対策はどうなっているか。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題についてで、15年問題は単なる要望か、日米両政府が認めなければ、基地受け入れを拒否する条件か、名護市長との違いはあるかとの御質問に対するお答えでございます。
県としては、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から15年の使用期限を設ける必要があると考えております。
また、昨年末の閣議決定を受け、これまで日米間でも取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。県としては、名護市と連携を図りながら代替施設の使用期限問題については、政府の責任において早急に解決策が示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
続いてキャンベル氏の提言や海兵隊ジョーンズ総司令官の発言が、このような動きを示している中で、基地の県外移設や演習の県外実施を求めるべきではないかとの御質問でございます。
県としては、50年余の過重な基地負担を軽減するという観点から海兵隊を含む米軍の削減を願うところでありますが、基地問題についてはいろいろな方がいろいろな発言や主張をなされておりますので、今後の動向を見守っていきたいと考えております。
キャンベル氏の論文については、同氏は現在米国防副次官補の職を退いた方であり、研究者の立場で書かれたものだと理解しております。
また、報道によりますとその論文についてコーエン米国防長官は、勤務していた当時に私に示した見解ではなく驚きを感じる、将来に向けては現在の枠組みを継続すべきだと否定的な見解を示しております。
いずれにしましても、県としては日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
一方、米海兵隊のトップであるジョーンズ総司令官は私との会談の際、沖縄の不公平な位置づけを考慮した負担の軽減については今後も継続的に努力を重ね、でき得る限り訓練を他のいろいろな場所で実施するよう努めたいと発言されておりますので、県としては、今後県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
次に、同じく基地問題で、米大統領選でゴア氏が勝った場合とブッシュ氏が勝った場合、在沖米軍基地をめぐる状況に変化はあるかとの御質問にお答えします。
本県は、広大な米軍基地を抱えていることから、県としてもアメリカ大統領選挙の動向を注意深く見守っていきたいと考えております。
しかしながら、在沖米軍基地についての両候補の考え方は現時点においては必ずしも明らかでありません。いずれにしましても、県としては県民の願いである基地の整理縮小が着実に実現できるよう日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
次に、琉大3教授が提起した「沖縄イニシアチブ」についての評価はどうかということのお答えでございます。
いわゆる沖縄イニシアチブは、21世紀を迎えるに当たって、沖縄が日本の一員として積極的な役割を果たすべきことを提言したものであると理解しております。
なお、沖縄イニシアチブを初めいろいろな方がそれぞれのお立場で沖縄の基地問題等について発言されることについて個別にコメントすることは控えたいと思います。
次に、沖縄経済の自立化に向けての展望についてのお尋ねです。自立型経済に向けて「一国二制度」を県はどのように考えているかということでございます。
本県の振興開発に資するため、沖縄振興開発特別措置法等においてさまざまな特別措置が講じられておりますが、特別自由貿易地域制度と土産用輸入物品の関税を免除する沖縄型特定免税店制度はその中でも特に本県独自の制度であると認識しております。
県では現在、3次振計後の沖縄振興新法及び新たな沖縄振興計画の検討を行っているところですが、本県の地域資源や特性を生かした活力ある民間主導の自立型経済の構築を図るため、これまでの特別の制度に加え、より充実した新たな制度が盛り込まれるよう努めていきたいと考えております。
次に、バス問題について路線再編の基本的な考え方とスケジュールについてお答えいたします。
バス路線再編については、平成6年1月26日に沖縄県、那覇市、バス事業4社で締結された協定によりモノレール開業の2年前を目途に実施案を策定することが合意されております。
このバス協定の締結を受けて平成11年3月には「沖縄都市モノレール・バス路線再編実施案検討委員会」を設置し、これまで3回委員会を開催して沖縄県の交通の現状、バス路線再編の基本的考え方等について審議が行われてきております。
当該バス路線の再編に当たっては、モノレールとバスとの合理的な機能分担を図り、利用者の利便性を踏まえたわかりやすいバス路線の再編を基本方針としております。
今後のスケジュールについては、平成12年度内に系統別のバス路線再編等について審議し、平成13年度は県民の意見を反映しながら実施案を策定することとしております。
同じくバス問題についてで、バス路線再編はモノレールへの集客ではなく、利用者の利便性を第一に考えるべきと思うがどうかということでございます。
沖縄都市モノレールは、那覇都市圏の交通対策及び都市機能の再生を促す基盤交通として位置づけされており、都市交通の定時・定速性を確保するためモノレールとバス、タクシー等との効率的な交通ネットワークの形成を図る必要があります。
以上のことを踏まえ、バス路線の再編に当たってはモノレールとバスの利用者の利便性を考慮した再編案の策定に努めてまいります。
次に、同じくバス問題で、再編原案の県民への公表と、県民の意見集約はどのように実施するのかということのお答えでございます。
バス路線再編原案の公表に当たっては、県民に対し十分な説明と意見集約が図られるようその方法について検討しているところであります。
なお、県民から寄せられた意見については、検討委員会において当該再編案に反映させていくことといたします。
次に、バス労働者の雇用対策はどうなっているかということですが、平成15年度のバス路線再編の実施に伴いバス事業においては余剰人員が生じることが予想されます。
当該余剰人員の対策については、バス事業者との協定書及びバス路線再編検討委員会の審議状況を踏まえ、行政機関、学識経験者等で構成する検討機関を設置し対処していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 平良長政議員の基地問題について答弁していきたいと思います。
まず第1に、普天間基地の辺野古移設のスケジュールはどうなっているかという御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場の県内移設について県政の重要課題として取り組んでまいりました。
県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、昨年末「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されました。これに基づき去る2月には移設先及び周辺地域振興協議会、また5月には跡地対策準備協議会が設置され、具体的な作業が進められております。
去る8月25日には代替施設協議会が設置され、代替施設の工法及び具体的建設場所、その他基本計画策定に必要な事項についての協議が開始されたところでございます。
また、10月の早い時期に開催が予定されている第2回代替施設協議会では、軍民共用飛行場として民間機能の位置づけについて沖縄県から説明することになっております。県としては、普天間飛行場の移設について一日も早い解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、地元の辺野古住民や名護市民が辺野古への新基地建設に反対しても強行するつもりかと、基地建設は可能と考えているのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しております。県といたしましては、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であるとの認識から総合的に判断し、普天間飛行場の移設候補地を選定したものであります。
基地問題については、県民の間にさまざまな考え方があることは承知しております。県としては、早期に普天間飛行場の返還が実現するよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、国際自然保護連合は勧告案を採択する見通しであるが、同勧告案には米軍施設の建設及び演習の再検討と変更も求めており、採択されると米政府も新基地建設を断念せざるを得なくなると思うがどうかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
国際自然保護連合の総会において、沖縄の米軍基地の移設等に係る勧告案が提出されることについては聞いております。
普天間飛行場移設につきましては、県の考え方を国に提示した際に、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること」を移設に当たって整備すべき条件の一つとして申し入れています。
国は、昨年末の閣議決定において、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との安全・環境対策の方針を示し、代替施設については「安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とする。」、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしています。県としては、先月開催された代替施設協議会においても自然環境への影響を極力少なくするよう改めて要望したところであります。
また、北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設については、防衛施設庁が平成10年12月から平成12年3月までの間、約1年余の期間を通してヘリパッド移設予定地等の環境影響調査を実施し、現在、調査結果の整理を行っているところであります。
県は、ヘリパッドの移設場所の決定に際しては、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう国に申し入れたところであり、国の調査結果が出た段階で関係する市町村の意向や自然保護団体等の意見も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定について適切に対応したいと考えております。
次に、沖縄サミットで沖縄からの平和発信はできたか、沖縄の基地問題は解決へ前進したかという御質問にお答えいたします。
県では、サミット開催の機会に平和を希求する沖縄県民の心をさまざまな機会にさまざまな方法で訴えてまいりました。
まず、事前の広報活動としてホームページを作成し、インターネットを活用し情報発信を行いました。
また、東京外国特派員協会における講演などにより海外の報道関係者に平和や基地の問題などについて訴えてまいりました。
サミット開催期間中は、クリントン大統領から平和の礎で平和を求める沖縄の心を高く評価する内容のスピーチがあり、その模様は世界に発信されました。
また、基地問題については、より多くの人々に本県の現状を知っていただくことが、本県の基地問題の解決を促進する上で大きな力になるとの考えから、報道関係者を初めサミットなどで本県を訪れた方々に沖縄の米軍基地に関する英語及び日本語版のパンフレットを配布するとともに、国内外の数多くのメディアからのインタビュー等を通して沖縄の基地問題について訴えてまいりました。
さらに、サミットを挟んで7月19日から24日までの間、国内外の報道関係者を対象に普天間飛行場及び嘉手納飛行場について、基地が県民生活に及ぼす影響などを現地で説明するプレスツアーを実施したところ、多くの報道関係者の参加がありました。
県としては、報道関係者を初めサミットで本県を訪れた方々が、県民の平和を希求する心や長年にわたる過重な基地負担の現状、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることなど、沖縄の現状を肌身で感じていただき、広く国内外に発信できたものと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄経済の自立化に向けての展望について、21世紀プランでの一国二制度の施策はどのようなものがあるかについてお答えいたします。
21世紀プランは、本県経済の現状と課題を踏まえ、自立型経済に向けた具体的な施策を示す実践的プランとして国において体系的に取りまとめられたものであり、新たな制度は盛り込まれておりません。
しかしながら、21世紀プランに関連して、平成10年の沖振法改正により先行的に創設された特別自由貿易地域制度、観光振興地域制度、情報通信産業振興地域制度及び沖縄型特定免税店制度等本県独自の制度を活用して国内外からの企業誘致や観光客の増大等本県経済の振興につなげる施策等が盛り込まれています。
具体的には、賃貸型工場の整備、航空運賃の引き下げに係る措置、査証手続等の緩和措置、国際ショッピングモール構想の推進及び沖縄国際情報特区構想の推進等の施策が示されており、本県経済の自立的発展に寄与するものと考えております。
次に、同じく沖縄経済の自立化に向けての展望について、PFIに対する県の考え方はどうか、全国の自治体のPFI導入状況はどうか、県の導入計画はどうかについて一括してお答えいたします。
全国の自治体のPFI導入状況については、神奈川県が全国に先駆けてPFIの活用指針を策定するなど具体的な取り組みが行われています。その内容は、水道や駐車場などの運営収入が見込める事業や鉄道など自治体単独では財政負担が大きい事業などの分野が主なものとなっております。
県としましては、PFI活用の環境整備や先進事例を踏まえ、その導入について庁内で議論を深めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(當銘直通) 沖縄経済の自立化に向けての展望についてのうち、尖閣諸島について領有権を一時棚上げして油田の日中共同開発をすべきと思うがどうか、県として政府に日中の民間による共同開発を要請する考えはないか、日中間の政府間協定がなければ県は動かないのか、自立型経済発展のため沖縄側が主導的立場で開発すべきと考えるがどうかにつきまして、関連しますので一括してお答えいたします。
国は、昭和44年及び45年の2度にわたり尖閣諸島周辺海域の学術調査を行い、有望な鉱物資源が埋蔵されている可能性が高いとの調査結果を報告しております。このような調査結果を背景に尖閣諸島周辺海域においてこれまで数社が国に対し鉱業権の出願を行いましたが、領有権問題等の関係もあり鉱業権の設定には至っていないと聞いております。
県としては、尖閣諸島周辺海域の鉱物資源の重要性について十分認識しており、引き続き関係省庁からの情報収集に努めてまいりたいと考えております。
しかしながら、現段階では日中両政府間の領有権問題等の推移を見守らなければならない状況にあるので、本件については慎重に対応してまいりたいと考えております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) バス問題についての御質問で、「バス統合に関する可能性調査室」の評価についてお答えをいたします。
沖縄本島バス4社の乗り合い部門を統合し、新会社の設立の可能性を検討するため平成12年8月5日に「バス統合に関する可能性調査室」が設立されております。
バス4社の統合につきましては、バス利用者の減少、平成13年度の乗り合い部門の規制緩和及び平成15年度の都市モノレールの開業等バス企業を取り巻く厳しい環境等からその必要性は十分認識しており、今回の「バス統合に関する可能性調査室」の設置によりバス4社統合が前進するものと期待をしております。
同じくバス問題についての御質問でございます。
イ、来年10月予定の乗り合いバス事業の需給調整撤廃までに統合は可能か、統合までのスケジュールを示してください、ウ、統合までの県の役割は何か、エ、新会社はバス4社だけでなく、県、市町村、銀行、県内有力企業なども参加させ、オール沖縄でいくべきと思うがどうかについての御質問でございます。一括してお答えをいたします。
沖縄本島バス4社は、平成11年6月29日に平成13年度の乗り合いバス事業の規制緩和実施までに乗り合い部門を統合することを目途として関係者間で調整を進めるとの合意がなされております。
それを踏まえて、4社の代表者で構成される「4社統合委員会」でバス統合の検討が進められてきたところであります。また「バス統合に関する可能性調査室」が設立され、第三者的な立場から新会社の可能性について調査検討が進められております。
県としては、これまで沖縄総合事務局及びバス4社の代表者と数度にわたり協議をしてきたところであります。今後、4社統合委員会や可能性調査室の調査結果等を踏まえて、国と緊密な連携を図りながら積極的に取り組んでいきたいと考えております。
同じくバス問題でございます。バス4社統合に伴う雇用対策は万全かにお答えをいたします。
バス4社の統合に伴う余剰人員対策は、バス統合の大きな課題の一つであります。現在、労使間でバス4社の統合を促進するための労使協議会が設置されているところであり、その協議状況を踏まえつつ関係機関等と連携しながら総合的な観点から対応を検討していきたいと考えております。
同じくバス問題についての御質問で、ことし2月の貸し切りバス事業の自由化による県内の影響はどうかについてお答えをいたします。
貸し切りバス事業は、平成12年2月1日から道路運送法の一部を改正する法律が施行され、事業参入については需給調整規制を前提とした免許制を廃止して許可制とし、また事業の休止または廃止については許可制から事後届け出制とする規制緩和が実施されたところであります。
貸し切りバス事業の規制緩和が施行されて以来、現在までのところ事業者の新規参入が1社ありますが、同社のバス保有台数は3台であると聞いており、大きな影響はないものと考えられます。今後も事業参入が容易になることから、公正かつ自由な競争を通じて業界の活性化、効率化が図られるとともに、利用者のニーズに的確に対応した運輸サービスが提供されるものと考えます。
同じくバス問題でございます。来年10月の乗り合いバス事業の自由化の影響をどう考えているか、その対策はどうかについてお答えいたします。
乗り合いバス事業については、平成12年5月に「道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律」が成立し、平成13年度中に施行されることになっております。
改正の主な内容は、需給調整規制を廃止し免許制から許可制に移行するとともに、6カ月前の事前届け出により事業・路線の休止または廃止ができることとなっております。この規制緩和により不採算路線の休止や廃止が予想され、通勤・通学や高齢者等のいわゆる交通弱者の日常生活に大きな影響を与えることが懸念されます。
県としましては、関係市町村、国、バス事業者等で構成する地域協議会を設置し交通手段の確保について話し合うこととしており、去る7月に沖縄総合事務局とともに全市町村へ説明を行うなど現在設置に向けた作業を行っているところであります。
同じくバス問題でございます。運輸省は、自由化による赤字路線維持の補助金を地方自治体に負担させようとしているが、県はどう考えているかについてお答えをいたします。
現在、赤字不採算路線については、地方バス路線維持費補助事業により国、県、市町村が補助金を支出してバス路線を維持しており、県及び市町村の負担については国庫補助事業、単独事業にかかわらず地方交付税により一部財源措置されております。
国庫補助制度については、平成13年度の規制緩和の実施に伴い国庫補助対象の要件が見直されることになっておりますが、国庫補助対象外となった場合においても、地域住民の生活路線を確保するために地方公共団体が負担した額については地方交付税で一部財源措置されることになっております。
同じくバス問題でございます。地域協議会の早期立ち上げと、協議会への労働者代表参加をどう考えるかについてお答えをいたします。
地域協議会の設置については、去る6月29日に運輸省の考え方が示され、沖縄総合事務局との調整や全市町村への説明等を経て、現在、平成13年3月ごろの設立をめどに設置要綱等の策定作業を進めているところであります。
地域協議会は、地域のバス路線が休・廃止になる場合など、具体的な代替手段の確保等を検討する場として設置されるものであり、関係する地方公共団体が中心となりますが、状況に応じて労働者代表など他の関係者の出席を求めることも考えております。
以上でございます。
○土木建築部次長(金城英男) バス問題についての御質問のうち、交通広場はどうなっているか、バスベイやタクシーベイはどうかについてお答えいたします。
沖縄都市モノレールは15駅を計画しており、そのうち8駅についてはバス、タクシーなど他交通との結節による利便性を確保するため交通広場を整備いたします。
そのうち、おもろまち駅及び赤嶺駅の2駅の交通広場内にはバスベイ、タクシーベイ及び一般乗用車の乗り場、駐輪場を計画しております。また、旭橋駅等6駅の交通広場内にはタクシーベイや駐輪場などを設置し隣接する道路敷にバスベイを計画しております。
なお、交通広場を設けない7駅についても、バスやタクシーとの乗り継ぎ結節ができるように駅に隣接して道路敷等にバスベイやタクシーベイを設ける計画であります。
以上でございます。
○平良 長政 再質問をいたします。
まず、基地問題で15年問題ですが、この間ずっと各定例会を見ていて私どもも県民も一向いらいらしているわけです、知事の答弁で。
これは、私どもが言っているのは、もし15年問題で日米両政府に強く求めて、それがだめだったらどうするかと、こう言っているわけです。だめだったら例えば遺憾表明をして容認するのか、それとも知事職を投げ出す覚悟で受け入れを拒否するのか、名護市長はそう言っているわけですが、そういうことを聞いているわけですが、知事はずっと強く求めていくという、日本語が通じないというそんな気もしますので、だめだったらどうするのかということをぜひお答えを願いたいというふうに思います。
それから、キャンベル、ジョーンズの発言についてですが、ジョーンズの言っている演習の分散については今答弁がありましてそういう要求をしていこうということですが、基地の分散、いわゆる県外移設については相変わらず県内移設ということです。新聞記事で知事は、例えばキャンベル氏の発言についていろんな意見があるので一喜一憂せずとか、あるいはきょうはまたコーエン国防長官が否定的な見解を示しているとかということを言っているわけですが、そうではなくて、例えば15年問題もあるわけですから、やはり15年がだめだったら我々は県内ではなくて県外に求めるぞという強くやはり知事は言うべきだと思うんですが、それについてはどうでしょうか。
沖縄イニシアチブについてですが、私は3教授、2人でしょうか──は知事ブレーンで知事の政策も選挙でつくったとこう聞いているわけで、重要にしているわけです。この沖縄イニシアチブを読みますと、要約するとこういうことを言っていますね。新しい日本に帰属しつつ自己責任を果たす核を持つべきだと、こう言っているわけです。結局どういうことかというと、21世紀まで沖縄県民は米軍基地と共存共栄すべきだというのが要約すればそういうことになるわけです。
基地との共存共栄といえば、細川内閣時代に宝珠山という施設庁長官がおりまして、彼が沖縄に来て、長官として初来沖して、そのときに共存共栄すべきだと言って県民の総スカンを食った、総反撃を食らったわけです。
我が党は社会党でしたが、当時、細川内閣で連立を組んでいたので、いわゆる首を取らないと本部との関係を絶つということで一切本部との関係を絶ってというそういう思い出もあるわけですが、やはりヤマトゥンチューが今まで基地との共存共栄を言うわけですが、琉大の先生が基地と共存共栄すべきだというのは驚きで、そういう影響が県政にもあるのかという、知事は基地の整理縮小と言っていますから共存共栄とは言ってないわけですが、そういうことで質問していますので、再度答弁を求めたいと思います。
あとは尖閣列島ですが、簡単な答弁ですが、領有権があるから慎重にというのもそのとおりであります。この質問をしたら、どこの部局が担当するのかということで県も騒いでいたということを聞きましたが、結局、担当部局も決めて、これは慎重にでもちろんいいんでしょうが、本当に自立経済ができるかどうかにもかかわるぐらい莫大な県税も入ってくるわけですから、ぜひ部局を決めて検討をすると。今すぐ政府に申し入れるというわけにはいかないでしょうが、検討を始めるということでぜひ再答弁をお願いしたいと思います。
PFIについては県の動きが弱いと思います。各県は検討委員会をつくって進んでおります。さっき神奈川の例もあったんですが、神奈川では近代美術館の新館の工事をするということでもう決まっておりまして、これはBOT方式で、ビルト・オペレーション・トランスファー、この方式で30年間民間がつくって経営をして、30年後には県に引き渡すという方式でやります。茨城でも港のコンテナターミナルをPFI方式でやります。各地で始まっているわけで、県はお金がないから箱物をつくらぬぞと、こう言っていますが、それで美術館も今ストップしています。そういう意味ではやはりPFIで民間のノウハウも使ってできるわけですから、やろうというところもあると思いますので、ぜひそれを早目に検討委員会を部局につくって始めてほしいと思います。
あとバス問題ですが、スケジュールで言えば私は来年10月あるいは再来年の3月までですかわかりませんが、来年10月と言われている規制緩和までにはぜひ統合を完成しないと、結局赤字路線から撤退して一番困るのは県民で、県も大変なことになるというそういう認識が県には何か不足しているのではないかというふうに思われますので、こちらに比嘉良雄さんも来ていますが、可能性調査室で本当に頑張っておりますので、県もしっかりして本当に県の問題だということで頑張ってほしいというふうに思って再度決意も聞きたいと思いますし、雇用問題でも全力を挙げてほしいと思います。
以上です。よろしく答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時59分休憩
午後0時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再質問にお答えいたします。
最初は、キャンベル発言についてのお答えでございますが、私はあくまでもいろいろな方がいろいろな発言や主張をなされておりますので、これは今後の動向を見守っていきたいと思っております。
いずれにしましても、県としては日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。今後は、県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
次に、使用期限の問題、受け入れられない場合は撤退をするのかと、どうかということでございますが、15年の使用期限問題については閣議決定を受け、これまで日米間で取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
また、さきに来県したクリントン大統領やジョーンズ米海兵隊総司令官にも、代替施設の使用期限については日米政府に対し強く要望しているということを申し上げ、沖縄の実情について理解を求めてきたところであります。
県では、代替施設の15年使用期限問題については全国知事会や代替施設協議会の場でも政府に対し、県民の意向を酌み取り早期に解決するよう特段の配慮を要望したところであります。
県としては、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急に解決策を示されるよう粘り強く求めていく考えであります。
続いて、沖縄イニシアチブについてでございますけれども、沖縄イニシアチブを初めとしていろいろな方がそれぞれのお立場で沖縄の基地問題について発言されることについては、個別にコメントすることは差し控えたいと思います。
○商工労働部長(當銘直通) 尖閣諸島の油田調査の件でございますけれども、県といたしましては引き続き関係省庁からの情報収集に努め、また現段階では日中両政府間の領有権問題の推移を見守らなきゃならない状況にございますので、お申し込みの点も含めて慎重に対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○企画開発部長(与儀朝栄) 平良議員のPFIにおける再質問についてお答えいたします。
PFIは、その運営収入が見込める事業や自治体単独では財政負担が大きい事業などの分野が主なものとなっておりまして、参加する民間企業にとっては市場性や採算性が大きな課題となります。したがいまして県としましては、PFI活用の環境整備や先進事例を踏まえてその導入について庁内で議論を深めてまいりたいと考えております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) バス統合に関する決意の再質問でございますけれども、バス4社の統合問題は大変重要な問題だと認識をしております。来年実施される規制緩和に向け、県も積極的に取り組んでいきたいと思います。
○平良 長政 議長、ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時6分休憩
午後0時7分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
企画開発部長。
〔企画開発部長 与儀朝栄君登壇〕
○企画開発部長(与儀朝栄) 再々質問にお答えいたします。
美術館のような個々の具体的な事業等につきましては、今後その導入の可能性等についてさらに検討を進めていきたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時8分休憩
午後1時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
小波津浩利君。
〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 一般質問を行います。
まず1点目に、普天間ヘリ基地の移設問題について。
その(1)、軍民共用空港の概念と形態について。
ア、軍民共用空港とはいかなるものか、その法的根拠及び取り決め根拠は何ですか。また共用空港とすることについて、どの機関で手続を行いますか。
イ、他の米軍専用基地との違いは何ですか。
ウ、この空港基地の管理運営権は文字どおり官民双方にありますか。それとも米軍専用ですか。
エ、この「共用」とは、実質的に米軍専用基地であって、その機能と運用に支障を来さない範囲内で民間使用を認めるというものですか。
(2)点目、15年使用期限問題について。
ア、まず、15年使用問題で日本政府は消極的、米国は事実上拒否しております。これについてマスコミ論調の多くは15年問題は棚上げしたまま着工か、あるいは破綻寸前の15年問題などとその形骸化を指摘しております。知事は、このような論評をどのように受けとめておりますか。
イ、代替施設協議会が発足しましたが、建設場所、規模、工法の基本計画を策定する場であって、使用期限、使用協定を協議する場にはなりませんか。
ウ、15年使用期限問題が同協議会の議題にならないとするなら、岸本名護市長が要求している別途協議の場を設けていきますか。それとも知事は、どういう場で協議されるべきだと考えておりますか。
エ、15年問題の決着時期はいつの時点と考えておりますか。建設場所、規模、工法の決着と同時か、それよりも先送りにされるということですか。
オ、15年問題があいまいのまま建設着工に入ることもあり得ますか。
カ、岸本名護市長は15年問題は受け入れの前提条件であり、これが話し合いの中で問題にならなければ受け入れ撤回もあり得ることを示唆しておりますが、知事はこれをどういうふうに受けとめておりますか。この場合、知事も公約を守る立場から受け入れ撤回を表明すべきだと思いますが、どうですか。
(3)点目、環境問題及び基地使用協定について。
ア、まず、10月4日からの国際自然保護連合総会で辺野古海域のジュゴンを保護するため、米軍施設建設の変更を求める決議が採択される可能性が高いと言われております。さて、採択されたら知事はどう対応するおつもりですか。環境保護より基地建設を優先していくつもりでありますか。
イ、名護市が要求している使用協定について県は傍観的に見えますが、共同で対処していく考えはありませんか。
ウ、同協定の策定作業、その協議はどの場で行われますか。いつまでに締結される見通しですか。
(4)点目に、その他についてであります。
ア、代替施設協議会に宜野座、東両村が入っておりますが、両村は移設容認の立場に立っておりますか。だとしますならば、その態度決定はいつなされたでしょうか。
イ、知事は、15年使用期限、使用協定等の重要事項について名護市長と統一対応をしていきますか。それとも異なる対応もあり得ますか。
2点目、北部振興についてであります。
北部振興は基地問題とリンクされることなく、中南部と北部との格差を解消し県土の均衡ある発展を図るために必要であります。
(1)、そこで、去る8月25日の北部振興協議会で採択された事業は、ア、何件で、イ、事業費は幾らになりますか。
ウ、ほとんどの非公共事業が不採択となりましたが、その原因は何でしょうか。今後の追加採択はどうなりますか。
(2)、唯一採択された非公共事業は、科学技術庁の国際海洋情報センター(18億円)であります。これについて国の施設を北部振興予算でつくろうとするものとの批判が地元で高まっております。このように国事業を押しつけて北部振興予算を横取りしようとするのは問題ではありませんか。
(3)、また、県は市町村ごとのいわゆる分捕り合戦にならないよう二、三の複数市町村ごとに広域事業を提起させるべきではないでしょうか。
(4)番目は割愛します。
3、鉄軌道の導入についてであります。
(1)、知事は、沖縄にも鉄道をとかつてないほど高まりつつある県民世論をどう受けとめておりますか。
(2)、車交通と都市モノレールだけで将来の交通問題は解決されると思いますか。
(3)、3次振計の総点検報告書で、「モノレールの路線延伸や新たな交通システムの導入を検討する。」と提起しておりますが、モノレール延伸は北伸か南伸か、どう描いておりますか。また、新たな交通システムとは具体的に何を想定しておりますか。
(4)、中長期的視点に立って、新たな振興開発計画及び新交通体系の中に鉄道導入を明確に位置づけていくべきではないでしょうか。
(5)、さて、今補正予算に調査費を計上されました。ア、その調査委託先、イ、調査内容はどうなっておりますか、概略を御説明お願いいたします。
ウ、調査の主眼が、初めに採算ありきや性急なルート設定であってはならないと思いますが、どうですか。
また、調査は人的輸送に限定せず、物流の効率化、産業活動の活性化の面から産業界や市町村等の意向調査も含めるべきではないでしょうか。
4、最後に海兵隊の国外移転についてであります。
(1)、米海兵隊ジョーンズ総司令官は、在沖海兵隊のグアムなどでの海外訓練を検討すると言明しておりますが、知事は同発言をどう受けとめておりますか。
(2)、ジョーンズ発言やキャンベル論文を傍観せず、知事は海兵隊の実弾射撃訓練、――現在もなお行われておりますが――ヘリ訓練、パラシュート訓練などの海外移転を積極的に提起すべきではないでしょうか。
(3)、この際、基地の整理縮小の立場から、在沖米軍の大半を占め事件・事故の元凶でもある海兵隊の国外移転を要求すべきではありませんか。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 小波津浩利議員の御質問にお答えします。
最初は普天間ヘリ基地の移設問題について、15年使用問題で日本政府は消極的であり、米軍は事実上拒否していると、マスコミ論調は形骸化を指摘していると、どのような認識かという点にお答えいたします。
15年使用期限問題については、昨年末の閣議決定に基づきこれまで日米間で取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
県としては、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急に解決策を示されるよう粘り強く求めていく考えであります。
次に、同じく普天間ヘリ基地の移設問題について、代替施設協議会の性格、協議事項の範囲、建設位置、規模、工法の基本計画を策定する場であって、使用期限、使用協定を協議する場にはならないか、15年使用期限問題が同協議会の議題にならないとするならばどういう場で協議されるべきだと考えるかと、この2つの御質問に一括してお答えいたします。
代替施設協議会は、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき、普天間飛行場代替施設の基本計画の策定に当たって政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議する目的で設置されたものであります。
代替施設協議会における協議内容は、1点目に、「代替施設の規模、工法及び具体的建設場所」、2点目に、「その他代替施設の基本計画の策定に必要な事項」となっております。
使用期限の問題については、本協議会本来の協議事項である基本計画の策定という事項には入らないと考えておりますが、県としては、戦後50年余にわたって担ってきた沖縄の過重な基地負担や基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から本協議会の場でも改めて要請したところであります。
今後とも協議会の場においても要望するほか、あらゆる機会に政府の責任において早急に解決策が示されるよう引き続き粘り強く求めていく考えであります。
次に、同じく普天間ヘリ基地の移設について、15年問題の決着時期はいつの時点と考えるか、位置、規模、工法の決着と同時か、先かという問題と、15年問題があいまいのまま建設着工に入ることもあり得るかということと、名護市長は15年問題が問題にならなければ受け入れ撤回もあり得るとしているが、知事はどう思うかと、この3つに一括してお答えします。
普天間飛行場の県内移設については、昨年末に閣議決定された普天間飛行場の移設に係る政府方針に基づき協議会が設置され、それぞれ具体的に取り組みが進められているところであります。
15年の使用期限問題については、これまで日米間で取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。県では、代替施設の15年使用期限問題について全国知事会や代替施設協議会の場でも政府に対し、県民の意向を酌み取り早期に解決するよう特段の配慮を要望したところであります。
県としては、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急に解決策を示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
次に、15年使用期限、使用協定案の重要事項について名護市長と統一対応をしていくのか、異なる対応もあり得るのかという御質問にお答えします。
代替施設の15年使用期限問題については、県として、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたって担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、政府の責任において早急に解決策を示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
また、使用協定については、名護市長は代替施設の受け入れ表明の際に、「基本的には、住民生活に著しい影響を及ぼさないことであり、それを保証するものとして日本政府と名護市が、基地の使用協定を締結すること」を求めました。
それに対して国は、昨年末の閣議決定において、「政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、政府関係当局と名護市との間で協定を締結」するとの方針を示していることから、県としては同協定の中で名護市の要望が実現されるよう努力してまいります。
次に、鉄軌道の導入についての県民世論の高まりをどう受けとめるかということのお答えでございます。
21世紀における本県の経済振興や産業振興、県民生活の安定を図っていくためには、交通網の総合的な整備推進は極めて重要であり、都市モノレールや道路網等の整備を推進しているところであります。
このような中にあって、沖縄本島に鉄軌道の導入を求める「NPO・沖縄南北縦貫鉄道を実現する会」や「沖縄県議会鉄軌道導入促進議員連盟」の設立等県民の皆様の声は十分認識しております。
鉄道など軌道系交通につきましては、交通需要や採算性など検討すべき課題が多岐にわたることから、県としましては今回、総合交通体系基本計画の見直しに当たっての基礎的な資料を得るための調査を行うこととしております。
次に、海兵隊の国外移転について、ジョーンズ総司令官は在沖海兵隊のグアムなどでの海外訓練を検討すると言明しているが、どう受けとめるか。これを傍観せずに海兵隊の実弾射撃訓練やその他の訓練についての海外移転を積極的に提起すべきではないかということと、この際、基地の整理縮小の立場から海兵隊の国外移転を要求すべきではないかとの3つの御質問に一括してお答えをいたします。
米海兵隊のトップであるジョーンズ総司令官は、私との会談の際、沖縄の不公平な位置づけを考慮した負担の軽減については今後も継続的に努力を重ね、でき得る限り訓練を他のいろいろな場所で実施するよう努めたいと発言されております。
県としては、今後、県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
一方、海兵隊の国外移転の件については、県としては日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識をしております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 小波津浩利議員の普天間ヘリ基地の移設問題について順次お答えをいたします。
まず、軍民共用空港とはいかなるものか、その法的根拠及び取り決め根拠は何か、どの機関で手続を行うのかという点と、他の米軍専用基地との違いは何かという2点について一括してお答えいたします。
一般に軍民共用空港という定義はございませんが、民間空港または米軍飛行場において民間機と米軍機が滑走路等の基本施設やその他の空港施設を共同で使用するものだと考えております。米軍飛行場を共同使用する場合の使用形態につきましては、日米地位協定第2条第4項の規定に基づき日米合同委員会を通じて両政府間で取り決められるものであると考えております。
普天間飛行場の代替施設は、国において建設され、日米安全保障条約第6条及び日米地位協定第2条の規定により米軍へ提供されるものと考えております。
また、全国には米軍専用飛行場として横田飛行場、嘉手納飛行場及び普天間飛行場の3カ所がありますが、いずれも日米地位協定第2条第1項の規定に基づいて提供された施設・区域であり、民間航空機の就航は認められておりません。
次に、この空港基地の管理運営権は官民双方にあるのか、米軍専用かという点と、「共用」とは実質的に米軍専用基地であって、その機能と運用に支障を来さない範囲内で民間使用を認めるということかという点について一括してお答えをいたします。
普天間飛行場の代替施設の管理運営につきましては一義的に米側が行うものと考えておりますが、代替施設は国において軍民共用飛行場を念頭に整備を図ることとされていることから、民間機能として設置されるターミナル等空港施設の管理運営については各種の態様が想定されます。
県としては、民間機能の位置づけを検討する中で、これらの管理運営のあり方についても国及び地元地方公共団体と協議していきたいと考えております。
なお、民間機能の運用に当たっては、十分な安全が確保され、軍民双方の円滑な運用が図られるよう協議、調整していきたいと考えております。
次に、国際自然保護連合総会で米軍施設建設の変更を求める決議が採択される可能性が高いという、採択されたらどう対応するか、環境保護より基地建設を優先していくのかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
国際自然保護連合の総会において、沖縄の米軍基地の移設等に係る勧告案が提出されることについては聞いております。
県としては、普天間飛行場移設についての考え方を国に提示した際に、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること」を移設に当たって整備すべき条件の一つとして申し入れております。
国は昨年末の閣議決定において、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との安全・環境対策の方針を示し、代替施設については「安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とする。」こと、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」こととしております。
県としては、先月開催された代替施設協議会においても自然環境への影響を極力少なくするよう改めて要望したところであります。
次に、名護市が要求している使用協定について県は傍観的に見えるが、共同で対処していく考えかという点と、協定の策定作業協議はどの場で行われるのか、いつまでに締結される見通しかという点について一括してお答えいたします。
名護市長は代替施設の受け入れ表明の際に、「基本的には、住民生活に著しい影響を及ぼさないことであり、それを保証するものとして日本政府と名護市が、基地の使用協定を締結すること」を求めました。
それに対し、国は昨年末の閣議決定において、「政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、政府関係当局と名護市との間で協定を締結し、沖縄県が立ち会う」との方針を示しており、今後それに沿って作業が進められていくものと考えております。
県としては、名護市が求めている使用協定等について市と連携して名護市の要望が実現できるよう努力していきたいと考えております。
次に、代替施設協議会に宜野座、東両村が入っているが、両村は移設容認の立場か、その決定はされているのかという御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場の代替施設の基本計画を策定するため、代替施設協議会が去る8月25日に設置されました。
同協議会は、昨年末に閣議決定された普天間飛行場の移設に係る政府方針に基づき移設先及び周辺地域の住民生活に著しい影響を与えない施設計画となるよう代替施設の工法及び具体的な建設場所等について協議されることになっており、国、沖縄県、移設先の名護市のほか周辺地域の自治体として東村、宜野座村がその構成員となっているものであります。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部振興策について、去る8月24日の国、県、北部市町村による北部振興協議会で採択された事業は何件か、事業費は幾らか、ほとんどの非公共事業が不採択となったがその原因は何か、今後の追加採択はどうなるかについて一括してお答えいたします。
去る8月24日の北部振興協議会並びに移設先及び周辺地域振興協議会では、平成12年度事業として地元が要望した25事業のうち公共事業11事業、非公共事業1事業、計12事業が採択されております。総事業費は約24億5000万円で、そのうち約22億円が国庫支出金となっております。
また、残りの事業については不採択ということではなく、事業の熟度を勘案しつつ、追加採択に向け国、県及び地元市町村で鋭意調整を進めているところであります。
次に、同じく北部振興策について、国際海洋環境情報センターについて地元では雇用効果も少ないなどとの批判があるが、このような国事業の押しつけ、北部振興予算の横取りは問題ではないかについてお答えいたします。
北部振興事業における情報通信関連産業の推進については、基本方針の中でも産業振興の大きな柱として位置づけられており、国際情報特区構想の新たな展開を図るためにもその具体化に向けた取り組みが強く求められております。
今回採択された名護市におけるIT産業等集積基盤整備事業については、国際海洋環境情報センター(仮称)の誘致を図るための施設整備とマルチメディア館の増設を内容とし、基本方針に沿ったものであると考えております。
当該事業により設置される国際海洋環境情報センターは、相当程度の直接的な雇用効果が見込まれるほか、情報処理技術の高度化による人材育成、深海6500のビデオ画像の電子化や海流、海水温変化の画像化等コンテンツ産業の集積などの効果が期待できるものと考えております。
同じく北部振興について、県は北部振興事業の採択基準を踏まえ要望事業の策定に当たってどのように指導しているか、産業、雇用、定住等の視点から広域事業を提起させるべきではないかについてお答えいたします。
北部振興事業は、産業の振興、雇用の拡大、定住人口の増加につながる事業分野において、広域的な事業効果が期待できる事業や複数の事業の連携により相乗効果が期待できる事業を地元市町村が主体となって実施することを基本としております。
県としては、地元市町村と連携を図り、効果的な事業の実施に向け取り組んでいるところであります。
なお、平成12年度において基本方針に基づく「山との共生ゾーン」、「広域都市拠点ゾーン」、「余暇・交流ゾーン」及び「島の共生ゾーン」の4つのゾーンの特性を踏まえつつ、それぞれのゾーンの持つ地域資源を活用した北部振興事業のあり方について広域的な視点から調査を行うこととしております。その結果を踏まえ、より具体的で効果的な広域事業を実施していくこととなっております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 鉄軌道の導入についての御質問で、車交通と都市モノレールだけで将来の交通問題は解決されるのかについてお答えいたします。
本県の都市圏では、国道などの主要道路において交通渋滞が恒常化している現状にあります。
県は、このような状況に対応するため、地域高規格道路を初めとする幹線道路や都市モノレールの整備、交差点の改良等を推進すると同時に、モノレールとバス等公共交通の結節性の向上を図り、効率的、機能的な交通の維持・確保を目指して努力しているところであります。
また、交通の安全性や機能性の向上を図るため、公共車両優先システムや交通情報の提供システムなどIT技術を生かしたソフト施策についても整備、推進を図っているところであります。
このように、将来の望ましい交通の確立に向けては、公共交通の維持・整備に加え、道路網等必要なハード整備、ITを生かしたソフト施策の実施、さらには有機的な交通の結節など総合的な交通施策を推進していくことが必要であると考えております。
同じく鉄軌道で、モノレール延伸は北伸か、南伸か、また新たな交通システムとは具体的に何を想定しているかについてお答えいたします。
モノレールの延伸につきましては、現在検討されておりますモノレール関連のバス網の再編やモノレール開業後の需要の動向、さらには県民のニーズ、地域開発の方向性等を踏まえ、今後引き続き検討すべき課題であると考えております。
また、新たな交通システムとは、都市モノレールを初めとする軌道系交通システムやバスロケーションシステム、パーク・アンド・ライドシステムなど交通需要のマネジメントや高度道路交通システム、いわゆるITSの推進などソフト施策もあわせた交通システムを考えております。
同じく鉄軌道の導入についての御質問で、新たな振興開発計画及び新交通体系の中に鉄軌道導入を位置づけていくべきではないかについてお答えをいたします。
新たな振興開発計画及び新たな交通体系基本計画に鉄軌道の導入を位置づけることにつきましては、関連する調査を行うとともに県民世論、各圏域の開発整備の方向性など多角的な視点からの検討が必要であります。
県といたしましても、21世紀の本県を支える総合的な交通体系を構築していくことは極めて重要であると考えているところであり、各方面における専門家や多くの方々の御意見を賜りながら、引き続き十分な議論と検討を行っていくことが必要であると考えております。
鉄軌道の導入について、調査の委託先はどこかについてお答えをいたします。
今回の調査の委託先につきましては、補正予算成立後に検討してまいりたいと考えております。
鉄軌道の導入について、調査の内容はどうなっているかについてお答えをいたします。
調査の主な内容につきましては、1つ目に、鉄軌道導入対象区間及び需要予測のための複数の暫定ルートを検討します。2つ目に、各ルートの概算事業費を算出します。3つ目に、鉄軌道の概略の交通需要を把握するため起点・終点の交通量を検討します。4つ目に、鉄軌道サービス条件の検討と条件を加味した鉄軌道利用者を推計します。5つ目に、概略推計した鉄軌道利用者と概算事業費から概略的な採算性を検討します。6つ目に、近年の鉄軌道整備の事例から計画の過程や整備までの課題を検討します。7つ目に、鉄軌道の整備課題、問題等を検討します。
以上の調査により、鉄軌道についての基礎的資料を得てまいりたいと考えております。
同じく鉄軌道の導入についての御質問で、調査の主眼が採算性や性急なルート設定であってはならないと思うがどうか、また通勤・通学等の人的輸送に限定せず物流効率化、産業の活性化の面から市町村等の意向調査も含めるべきではないかについてお答えをいたします。
今回の調査は、事業の採算性及び需要予測のためのルートの設定等を実施する予定でありますが、鉄軌道の基礎的調査として事業の概略的な採算性を調査、検討することは重要なことであります。
ルートにつきましては、多様な地域間交通流動があることから、鉄軌道需要の予測を行うために概略的な位置を複数設定するものであります。
また、鉄軌道は人、物の輸送手段として大量かつ高速輸送という機能性や特性から多面における整備効果が期待されるところでありますが、多角的な視点から市町村や関係機関、関係事業者の意向など調査、検討を進めていくことは重要なことであると考えております。
以上でございます。
○小波津浩利 議長、ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時10分休憩
午後2時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
小波津浩利君。
〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 再質問を行います。
要点は1回目の質問と同じで、その中からのポイントだけ取り上げますので答弁の方は聞いていることについてお答えを願いたいと思います。
まず1点目ですが、軍民共用空港の概念と形態との関連で、これは地位協定2条4項に基づいて提供する基地だと言われました。さて、2条4項は(a)、(b)があると思いますが、これは(a)ですか、(b)ですか、どっちの方ですか、お答え願いたいと思います。それはなぜその(a)なのか、(b)なのかをお答え願いたいと思います。
それから名護市長は、使用期限問題や使用協定が代替施設協議会の中で議論にならないとするなら、外務、防衛、沖縄県、名護市の4者で協議会を持つ、つまり別途協議会を持って議論していくべきだというふうに提起をしておりますが、これについて知事の考え方を明確にしていただきたいと思います。その4者の別途協議会は必要と考えているのか、必要でないと考えているのか、そのことについてのみお答え願いたいと思います。
それから15年問題の決着との関連で、代替施設協議会が発足して場所、規模、工法についての話し合いが始まりますが、次回の10月3日の協議会で県は空港の民間機能について県の考え方を説明すると答弁しておりましたが、その際、県が提起する民間機能の内容についてその概要を明らかにしていただきたいと思います。
次に、15年使用期限問題で、このまま推移して15年使用問題が決着しない場合、15年使用が受け入れられない場合知事はどのような決断を行うかどうか、明確にお答え願いたいと思います。
それから(4)のイのところで、知事は15年使用期限、使用協定等の重要事項について名護市長と統一対応をしていくか、それとも異なる対応もあり得るかというふうに聞きました。そこも不明でありました。
知事、一番重要なものは15年問題と、一方、名護市が提起している使用協定の問題が重要事項として浮かび上がっておりますが、このことについて名護市と異なった対応もあり得るのか、それとも共同歩調をとっていく決意かどうか、明確にお答え願いたいと思います。
それから、IUCN(国際自然保護連合)総会のこの決議文は単にジュゴンを保護するという内容にとどまらず、ジュゴンを保護するために米軍施設建設の変更を求める決議文になっております。
もちろんこの決議が採択されるかどうかはまだ未定ではありますが、その可能性が高いということで質問を提起しておりますが、さてこの決議が採択された場合国際的な反響あるいは関心は高まってきますが、この決議が採択された場合知事はどう対応するつもりか、そのことについてお答え願いたいと思います。
それから企画開発部長、国際海洋情報センターについては、私はその内容は聞いていません。
国際海洋情報センターに見られるように、名護市議会でも指摘されているように本来国の施設であるべきものを北部振興予算を使ってつくることについての、いわゆる北部振興予算の国による横取り的なやり方はいかがなものかということを聞いているわけでありますので、そのことについての県の態度を明らかにしていただきたいと思います。
それから海兵隊との関連ですね、知事。
私がお伺いしているのはですね、この機会こそとらえて海兵隊の国外移転を求めるべきではないかどうかということをお聞きしているわけでありまして、SACOの着実な実行を求めることが現実的だという立場なんですか。
つまりSACOの着実な実行というのは、ジョーンズ発言とかキャンベル論文とかとは時間的にも違いましてこれは新たな動きでありまして、この米国内の状況の変化をとらえて積極的に海兵隊の国外移転を提起すべきではないかというふうに聞いているわけであります。
したがって、そんなことはお構いありませんと、依然としてSACOの着実な実行のみ求めていくという立場ならそれはそれで結構ですが、そのことの違いをこの際明らかにしていただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 小波津議員の再質問にお答えをいたします。
最初は、名護市長の協議の場を持つということについてどう思うかということのお答えでございます。
名護市が求めている基地の使用協定等については、早期に解決を図るための市長の意思のあらわれであると考えております。県としても移設に当たって整備すべき条件として4つの項目を国に対し申し入れ、その実現のため全力を挙げ取り組んでいるところであります。
国は閣議決定において、「政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、政府関係当局と名護市との間で協定を締結し、沖縄県が立ち会う」との方針を示しており、今後それに沿って作業が進められるものと考えております。
県としては、名護市が求めている使用協定等について、名護市の意向も踏まえ一日も早い解決に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、15年問題についてはただいま鋭意努力しているところでございます。引き続き強く求めてまいります。
次に、名護市長と統一対応をするのか、異なった対応をするのかという点についてお答えいたします。
使用協定等について名護市長は代替施設の受け入れ表明の際に、「基本的には、住民生活に著しい影響を及ぼさないことであり、それを保証するものとして日本政府と名護市が、基地の使用協定を締結すること」を求めました。
これに対し国は、昨年末の閣議決定において、「政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、政府関係当局と名護市との間で協定を締結」するとの方針を示していることから、県としては同協定の中で名護市の要望が実現されるよう努力してまいります。
○知事公室長(親川盛一) 再質問にお答えをいたします。
まず第1点目は、軍民共用空港は2条4項(a)項か、(b)項か、そうであればなぜAかBかと、こういう御質問だったかと思いますのでお答えをいたします。
軍民共用空港につきましては、その使用形態につきましては日米合同委員会を通じて両政府間で決められるものであると考えております。いろいろ一部共用、一部使用なのか、あるいは共同使用なのかということ等を含めまして日米両政府の合同委員会で決められるものと考えております。
それから、民間機能につきましてはどうかと。10月3日予定されている協議会に説明するということだけれども、その内容についてはどうかという趣旨の質問だったかと思いますけれども、旅客、あるいは貨物等についてそういったいろいろな機能について現在鋭意検討しているところでございます。
それから、IUCN(国際自然保護連合)総会において採択されたらどうするかという話でございますけれども、採択されてないものをされたらとこういうことになりますというと、ちょっと仮定についてはお答えできませんが、いずれにしましても県としては先月開催されました代替施設協議会におきまして自然環境への影響を極力少なくするように求めておりますので、その点でまた協議がなされるものとこのように考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部振興策について、国の事業も北部振興予算で実施するのかという再質問についてお答えいたします。
北部振興策に係る基本方針の中で、「産業振興に向けた主要施策」として「活力ある地域経済を目指す産業の振興」として観光・リゾート以下いろいろな産業が挙げられております。
その中で「情報通信関連産業」につきまして、「マルチメディアコンテンツ制作、ソフトウエア開発等に係る環境整備」、これにつきましては「マルチメディアコンテンツの制作、ソフトウエアの開発等を促進するため、最先端の機能を備えた施設の整備・拡充に努めるとともに参入への支援を推進する。」と。
さらに人材育成面におきましても、「情報通信産業の振興を図るため、これを支える専門的な知識及び技能を有する人材の育成を促進し、人材供給の円滑化を図る。」等の事業が位置づけされております。
したがいまして、事業の採択に当たっての判断基準につきましても産業振興に向けた主要施策に掲げる事業分野に属するような例えば今言う産業の振興及び雇用の拡大につながるものについても採択になります。したがいまして先ほど申し上げました国際海洋環境情報センターは、これに照らし合わせまして相当程度の直接的な雇用効果が見込まれるほか、情報処理技術の高度化による人材育成、深海6500のビデオ画像の電子化や海流、海水温変化の画像化等コンテンツ産業の集積などの効果が期待できるものと名護市が判断し、要望したものと理解しております。
以上でございます。
○小波津浩利 議長。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時36分休憩
午後2時38分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほどいろいろな意見が出ているけれども、この際というお話がございましたんで、それについてお答えをしたいと思います。海兵隊の撤退を求める考えはないかと。
いろいろな方がいろいろと基地問題について発言や主張をなされておりますので、今後の動向を見守っていきたいと考えております。
しかし県としては、今後県民の負担軽減を図る観点から海兵隊の訓練の一部移転については、実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
○小波津浩利 15年問題、使用協定を含めていずれ県あるいは市との間での意見の違い、あるいは政府、米国等を含めた意見の違いが出てくるという感じを受けます。
さて、あと1点だけ、代替施設協議会と日米で構成している普天間実施委員会があります。両協議会・委員会は同じ機能を持っていると思いますが、さて建設場所、工法、規模などについて日米で構成する普天間実施委員会で異なる態度を決めた場合は、県はどう対応していきますか。
代替施設協議会の意見が、協議内容がすべて最終決定のものというふうに理解できますか。普天間実施委員会の方が上位機関でありますから、その方が優先されるのではありませんか。
どうですか。
○知事公室長(親川盛一) 代替施設協議会と実施委員会との間の問題でございますけれども、いわゆるそごはないかと。もし意見の違いがあった場合はこの上位である実施委員会が優先されるんじゃないかと、こういう御質問だったかと思いますけれども、代替施設協議会におきましては建設場所とか、あるいは工法、基本的な事項について協議する場でございますけれども、その協議を踏まえまして日米間でこの実施委員会におきまして協議をしていきますので、そこにおいてはそごはないとこのように考えております。
○外間 久子 こんにちは。
質問に入ります前に、きょうの夕刊を見ますと、また米兵の北谷における車にバッテリーを投げつけて財布を奪ったという事件が起きておりますが、まさに米兵の事件・事故というのが後を絶ちません。満身の怒りを込めて抗議をするとともに、ぜひとも県及び県警本部に適切な対応を求めるものです。
質問に入ります前に、ぜひとも三役の皆さん、メモをとって答弁をお願いしたいと思います。
それでは質問に入りたいと思います。
1つには、代表質問との関連です。
私たちは、昨日の代表質問の中でも、代替施設協議会の初会合で知事は15年の期限の実現を求めながら、15年の問題を協議しないまま基本計画策定に入ることを容認したと新聞は報道されています。昨日我が党の代表質問でもこの報道は事実ですかという質問をいたしました。知事の明快な答弁がありませんでしたが、このことについてはっきりした答弁を求めます。
2つ目に、答弁で知事は15年問題をありとあらゆるところで取り上げると答弁をされました。今後の代替施設協議会でこの15年問題を議題として取り上げさせますと県民に表明してください。明確な答弁を求めます。
3つ目に、15年問題が議題として取り上げられなければ、同協議会への不参加も辞さないとする名護市長の立場に賛意を表明し、共同歩調をとるおつもりはありませんか、答弁を求めるものです。
それでは一般質問に入ります。
中城湾港について伺います。
公共工事の中でも多額な予算を投ずるのが港湾施設であります。全国的には遊休化している港湾がありますだけに中城湾港の実態についてお伺いします。
(1)、中城湾港を定期的に利用している海運業者は何社ありますか。
(2)、中城湾港の開港のときには何社と契約を結んでいましたか。
(3)、港湾経営というのは独立採算制が原則になっていますが、現在の貨物の取り扱いの推移から赤字経営だと思いますが、今後の経営方針を示してください。
2つ目に、沖縄の海岸線についてお伺いします。
本県特有のすぐれた自然環境、特に県内の海岸線が人工の手が加わって自然なままの海岸線が少なくなりました。将来の沖縄観光を展望したときに、今ある自然海岸線は保全すべきだという所見を述べて質問をいたします。
(1)、沖縄県内の離島を含めて海岸線の総延長はどれだけですか。10年前に比べてどれだけふえていますか。
(2)、現在、埋め立てや護岸工事など人工の手が加わっていない自然海岸線は全体の何%で、半自然海岸線は何%ですか。
(3)、人工海岸線のうち、埋め立てによってできたものはどれだけですか。
(4)、自然海岸線が残っている市町村名を挙げてください。全体のどれだけになりますか。
人間による自然破壊の一例ではないでしょうか。
3つ目の質問として中城湾港(西原・与那原地区)についてお伺いします。
西原・与那原地区の土地造成後の課題としてどう企業誘致をするか、そのためにはどう組織的に取り組むか等も含めて海浜緑地、マリーナの管理、施設整備の運営があります。特に西原町の埋め立ては、竣功に向けて基盤整備も行われようとしています。関連事業として国道バイパスや県道事業が見えないだけに埋立地内に十分なアクセスの確立がなければ埋立地の使用ができない大きな問題が残されていることを指摘し、以下の質問を行います。
(1)、中城湾港(西原・与那原地区)の埋立事業は竣功前に、土地利用については平成13年に予定されている港湾計画改訂に適宜反映させるために実質的な見直し検討が行われております。改めて泡瀬地区の埋め立ての規模及び用途についての見直しを図るべきではないですか。
(2)、沖縄県においては、中城湾港(西原・与那原地区)の土地利用等については、あらゆる情勢の変化が生じて土地利用の計画を見直すべき時期に来ているということで検討会が設けられたようですが、どういう情勢の変化ですか。
このことは中城湾港(泡瀬地区)にも当てはまりますか。
(4)、与那原町にとっては、ホテル用地の見直しはあっても、当初の計画どおりの高層県営住宅の建築は進めてもらわないと住宅用地の売却が困難になり、132億円の土地代やインフラ整備の100億円が借金になり町民に大きな負担を押しつけかねないという危惧を持っています。見解を伺います。
(5)、地元与那原町では、県所有の土地の用途の見直しだけではなくて、地元についても目配りと援助を求めています。日本共産党県議団として、土木建築部の中に横断的に有機的な機能調整をする窓口を設置してもらえないか。
4つ目の大きな柱として、中城湾港(泡瀬地区)についてお伺いします。
今、中城湾港(泡瀬地区)埋立事業は、環境破壊と住民不在で進められておりますが、この開発事業は中城湾を囲む4町村にまたがるマリン・タウン・プロジェクト開発と類似した開発内容です。しかもこの計画地一帯というのは、沖縄でも有数の干潟と藻場を抱え、貴重な干潟保全の世論が広がっております。現在、調査に対し厳しい批判の声が上がり環境アセスのやり直しを求める運動も起こっています。開発すれば企業がやってきて町は発展するというのは全国で失敗し破綻をしている開発の手法を繰り返してはなりません。改めて大胆な見直しを求める立場から質問をいたします。
(1)、政府や県が環境アセスに応じられない理由は何ですか。
(2)、東部海浜開発では、米軍の泡瀬通信基地の制限水域も埋立予定地となっています。埋め立てた土地を新たに米軍に提供することは基地の強化につながりませんか。
(3)、開発に当たって環境アセスを行っておりますが、極めてずさんなものだと言われています。沖縄市は莫大な資金を投じて追加調査をさせました。なぜ評価書の中に反映されないまま行政上の手続をなさる予定ですか。
(4)、地方自治体の起債で進められている埋立開発は、用地の遊休化に伴う起債償還不能から一般会計からの繰り入れという悪循環を招き、自治体財政を圧迫しませんか。
(5)、中城湾港埋立開発に当たっては、沖縄市を初め中部市町村がどのような都市づくりを目指すのか。それに港湾がどのようにかかわるのか、その積み上げが県総合計画に反映させた中城湾港になっていますか。
中城湾港(泡瀬地区)と西原・与那原地区は車で25分ほどのところに同じ内容の事業計画は余りにも機械的で、一方が成功したら一方には例えば大店舗は来ないというこんな状況が出てきませんか。泡瀬地区においては、これから許可申請をするだけに規模を初めとする事業内容も見直すべきだと思いますが、見解を伺います。
(6)、海浜緑地の造成においても県は起債事業を導入して対応するが、今後の負担が問題だと言われておりますだけに泡瀬地区も同じことが考えられるのではないですか。
(7)、沖縄市議会で開発局長の答弁は、財政計画は二の次で、まずは免許を取得し、そのうち処分価格や処分時期とかそういうことも加味して財政計画を検討したいということですが、途方もない財政破綻の計画を土木建築部はよしとするのですか。
(8)、中城湾港の埋立計画はバブル期の最盛期の計画ですが、どの程度の企業がそこに来るのか、雇用の創出ではどれくらいの雇用人数を見込んでいるのですか。
(9)、土砂でもって埋め立てるその場所の土地というのはそのままでは使用できず、特別の工法ペーパードレーン、地盤改良をしなければ使用できないということであります。そのとおりですか。その工法を取り入れるのですか。その費用は県が負担するのですか。予算規模はどれだけになりますか。
(10)、全国的にも埋立開発で用地の売れ残りが問題になっておりますが、沖縄県ではどうなっているのですか。
(11)、西原・与那原地区の関係者からは、町づくりのテーマが見えない中でホテル計画は得策ではないという意見も出されておりますが、県の港湾計画そのものが問題ではありませんか。
(12)、土地利用及び海洋文化施設に対する課題は需要面での不確実性があり、これが今後の事業推進の方向性に不安を与えていると検討会で言われておりますだけに泡瀬地区でも検討すべきではないですか。
5つ目の大きな柱として、ドメスティック・バイオレンスの問題についてお伺いいたします。
女性への暴力はこの間、女性たちの勇気ある告発や運動によって関心が高まり、調査、対策も検討されました。ところがまだプライバシーの問題として受けとめる風潮が根強く表にあらわれにくい状況にあります。
平成10年度の沖縄県の家庭裁判所の資料によりますと、夫婦関係の調停で妻の側の申し出の中で総数492件中248件が夫の暴力によるものです。
この暴力の背景には、社会全体が男性優位、女性の人権軽視という差別意識とともに、政治の堕落と腐敗、経済の深刻な行き詰まり、長引く不況のもとでリストラによる解雇、失業の広がり、長時間過密労働など仕事上のストレスなどが要因になっています。
そこで質問をいたします。
ドメスティック・バイオレンスという耳なれない言葉がマスコミで報道されておりますが、知事はこの問題は個人のキャラクターの問題として受けとめておられるのですか、御見解を伺います。
2つ目に、知事は、家庭内であっても暴力は犯罪だという御認識を持っていますか。それが社会的に確立されていると御認識をなさっているのでしょうか。
3つ目に、被害女性支援のための総合窓口はどこになっていますか。そこで取り扱った件数及び警察本部で扱った相談件数のうちDVに関するものはどれくらいの割合になっていますか。
4つ目に、夫や恋人の暴力から逃げてくる女性の避難場所は24時間の受け入れ体制になっておりますか。
5つ、一時的緊急保護の後も一定期間のケアを要し、すぐには働くことができず安全を確認できる住まい探し、生活のめどはどのように立てておりますか。
6つ、この問題は加害者あっての被害者が存在するところから、加害者への有効な取り組みが実施されて初めて暴力が減少へと向かいます。男性への取り組みはどうなっておりますか。
7つ、99年12月の警察庁からの通達の周知徹底について県警本部は具体的にどのように図ったんでしょうか。
8つ、婦人相談員の人員配置は児童福祉司のように人口比配置の基準がありませんが、対応は十分にできているんでしょうか。今日まで現場で女性への援助の第一線に立ってきた婦人相談員の機能や経験を生かし、婦人相談員の位置づけの明確化、非常勤相談員の労働条件の改善と身分の保障、専門性の確立、研修、トレーニングの実施は行われておりますか。
9つ、宮古、八重山から緊急一時保護の相談があっても、移送費がないために再び夫の暴力を受ける羽目になっていますが、移送費を予算化するお考えはありませんか。
答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
最初は、我が党会派の代表質問との関連でということで、代替施設協議会で15年使用問題を取り上げないことに同意したのかということなんです。何か公表ということで、私も全部これは取り寄せたんですけれども、そこにはちょっとないんですけれども、実はけさ方も説明したんですけれども、取り上げるとか取り上げられないとかという問題は、取り上げないことに同意したという事実はございません。
というのは、再度申し上げます。昨年末の閣議決定の中で、普天間飛行場の代替施設については軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の間で協議機関を設置し、代替施設の工法及び具体的な建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行うということで決まっているわけです。それに基づいて代替施設協議会が設置され、代替施設の工法及び具体的建設場所、その他基本計画策定に必要な事項についての協議が開始されたところです。
そこで私は、その中に入っておりませんが、あえて協議会において非常に重要問題ということで、代替施設の使用期限については、本協議会本来の協議事項である基本計画の策定という事項には入りませんが、戦後50年余にわたって担ってきた沖縄の過重な基地負担や、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、15年の使用期限を設ける必要があると考えており、政府においては、県民の強い要望を理解し、代替施設の使用期限問題の一日も早い解決に向け、積極的に取り組んでいただくよう改めて要望したところであります。
今後とも協議会の場において要望するほか、あらゆる機会に政府の責任において早急に解決策が示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
それから、名護市との対応の問題でございます。
また、使用協定については、名護市長は代替施設の受け入れ表明の際に、「基本的には、住民生活に著しい影響を及ぼさないことであり、それを保証するものとして日本政府と名護市が、基地の使用協定を締結すること」を求めました。
それに対し、国は昨年末の閣議決定において、「政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、政府関係当局と名護市との間で協定を締結」するとの方針を示していることから、県としては同協定の中で名護市の要望が実現されるよう努力してまいります。
いずれにいたしましても、名護市長とは連携を密にしながら対応していきたいと考えております。
次に、中城湾港(西原・与那原地区)の実施については、土木建築部の中に横断的に有機的な機能調整をする部署を設置してほしいという要望についてお答えいたします。
マリン・タウン・プロジェクトの埋立事業は、埋立竣功後、道路、上・下水道等関連事業の基盤整備が必要であることから、各事業者による協議調整は重要であります。
御提案の趣旨と同様な調整機関については、昨年11月に土木建築部港湾課が窓口となり、部内関係課及び地元町で構成する中城湾港(西原・与那原地区)整備事業関連事業者連絡調整会議を設置し、同年12月には第1回連絡調整会議を開催しております。また、ことし1月には国を含めた道路事業者による調整会議を開催し、道路整備に向けた協議調整を行ったところであります。
今後とも当該連絡調整会議等を通して各種事業の計画及び実施について協議調整を行い、事業の円滑な推進を図っていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部次長(金城英男) 中城湾港について、中城湾港を定期的に利用している海運業者は何社か、また中城湾港の開港時には何社と契約を結んでいたか、それから中城湾港新港地区の今後の経営方針について、この3点は関連いたしますので一括してお答えいたします。
中城湾港新港地区の岸壁は、公共施設であるため特定業者と契約を締結しておりません。
現在、供用開始している中城湾港新港地区西埠頭は、計画取扱貨物量約198万トンに対応するよう計画されており、平成12年8月末現在、海運業者で9社、砂利採取組合等で12社、計21社が定期的に利用しております。
同地区の平成11年度における決算を見ますと、歳出は約6億5719万円で、主な内訳は港湾管理費が約7322万円、建設費が約1億87万円、元利償還が約4億8303万円となっております。
一方、歳入は施設使用料が約1億1465万円、県債が約2億1900万円であることから一般会計から約2億9035万円を繰り入れております。
機能施設の整備に係る資金は、平成39年をめどに償還する予定であり、その時点では約80億3700万円の資産が形成されることになります。
同地区は、本県における物資の円滑な流通を確保するための流通拠点として整備しており、今後、荷さばき施設等の機能施設の充実や管理体制の強化とあわせて関係者等へのポートセールス等に取り組み、収入の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、中城湾港(西原・与那原地区)について、泡瀬地区の規模及び用途についても見直しを図るべきではないか、また西原・与那原地区の土地利用について検討会が設けられたようだがどういう情勢の変化ですか、それからこのことは泡瀬地区にも当てはまりますかと、この3点は関連いたしますので一括してお答えいたします。
西原・与那原地区の土地利用計画については、平成2年の港湾計画への位置づけから10年が経過しております。
西原・与那原地区での土地利用の見直し検討を行った理由は、埋立造成が概成し土地処分の手続を始める必要があったことから、現状での土地処分の見通しの確認及び今後の新たな土地需要の考え方等を踏まえた土地利用の方向性を検討するためであります。
一方、泡瀬地区につきましては平成7年に港湾計画に位置づけられ、埋め立ての規模及び用途について沖縄市の要請等を踏まえ、本年5月に埋立免許が出願されたところでありますので、西原・与那原地区の場合とは異なるものと考えております。
次に、同じく中城湾港(西原・与那原地区)について、高層県営住宅の建築について見解を伺いたいということについてお答えいたします。
与那原町が分譲を予定している住宅用地面積は15.7ヘクタールあり、用地の分譲は平成14年度から高層住宅整備時期より先行して分譲される予定であります。
一方、高層住宅用地の面積は10.4ヘクタールあり、その用地造成は平成14年度完了を予定しています。高層住宅の整備については平成15年度以降になる計画であることから、事業実施に向けて今後与那原町や関係機関と調整を進めていきたいと考えております。
次に、中城湾港(泡瀬地区)についてでございます。環境アセスのやり直しに応じられない理由は何かについてお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業については、環境影響評価法や沖縄県環境影響評価規程等に基づき、環境影響評価準備書の公告・縦覧や住民説明会を平成11年4月から5月に行い、住民からの意見聴取等を終えております。
その後、住民意見等を踏まえて環境影響評価書を作成し、公告・縦覧を経て公有水面埋立願書を平成12年5月10日に出願したところであります。
また、当該事業に係る環境影響評価調査については、埋立地及びその周辺地域の底生生物や鳥類等の調査を四季を通じて実施しており、当該区域に生息する生物の分布傾向や貴重種の出現状況等についてはおおむね把握できたものと考えております。
なお、工事着手後は、事後調査等を実施しながら専門家等の指導助言を得て適切な保全措置を講じていくこととしております。
同じく泡瀬地区についてであります。追加調査を評価書の中に反映させないまま行政上の手続をするのかについてお答えいたします。
追加調査は、環境影響評価準備書に対する事業実施前に専門家の指導助言を得て干潟生物の詳細な調査を実施すること、またその結果は県に報告することとの知事意見に基づき事業者である沖縄総合事務局が実施したものであり、地元沖縄市が調査したものではありません。
調査は、海生生物について詳細な出現目録を作成し、今後の学術研究に資することや工事着手前と着手後との比較用のデ-タとして活用することを目的に実施しております。
追加調査は、平成11年12月から平成12年3月に冬季調査を終え、その結果を県の環境部局へ報告しており、引き続き夏季から秋季にかけて実施しているところであります。調査終了後は、当該結果を取りまとめて県の環境部局へ報告し公表することとしております。
また、追加調査や事後調査等において環境影響評価書に記載されていない貴重種等が確認された場合は、県知事意見に基づき関係機関に報告し、必要があれば専門家等の指導助言を得て今後適切な保全措置を講じていくこととしております。
同じく泡瀬地区について、起債償還不能から一般会計繰り入れという悪循環を招き自治体財政を圧迫しないか、また沖縄市の財政破綻の計画を県はよしとするのかについて、一括してお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業は、公営企業債による事業のため地方財政法第6条に基づき特別会計を設置し、常に経理の適正化と事業の円滑な推進を図ることとしております。
同特別会計の将来にわたる収支計算においては、平成12年度に事業開始した場合は起債の償還を平成21年度に終了する予定であり、総事業費で約514億円の歳出が見込まれます。
また、造成された土地の処分等が完了した時点でおおむね537億円の歳入が見込まれております。このことから収支のバランスはとれるものと考えております。
なお、同埋立事業で造成された土地については、県と沖縄市において活用されることになりますが、その内訳は県が約3割、沖縄市が約7割となっております。
沖縄市における事業計画については、収支のバランスに配慮した計画が策定されるものと考えております。
同じく泡瀬地区についてでございます。中部市町村がどのような都市づくりを目指すのか、港湾がどのようにかかわるのか、その積み上げが県総合計画に反映されたかについてお答えいたします。
平成8年3月に国から承認を受けた「沖縄県中部地方拠点都市地域基本計画」は、沖縄本島中部の12市町村で構成され、その整備理念は「若さと活力に満ち、国際色豊かな交流都市圏“CHUBU”」を形成することとしております。
同計画における重点的に推進すべき公共施設の整備に関する事項のうち、中城湾港については、中城湾港新港地区やマリン・タウン・プロジェクトの早期整備、中城湾港(泡瀬地区)開発の早期実現が明記されており、中部市町村の目指す都市づくりの一環として中城湾港の埋立開発が位置づけられております。
また、平成9年3月に沖縄振興開発審議会により作成された第3次沖縄振興開発計画後期展望においても、「交通通信体系の整備」の一環として「泡瀬地区の整備を検討する。」と位置づけられております。
今後、新たに策定される沖縄振興開発計画において泡瀬地区の整備が位置づけられるよう努力してまいります。
同じく泡瀬地区についてであります。中城湾港の泡瀬地区については西原・与那原地区の計画と似ており、規模を初め事業内容も見直すべきだと思うが見解を伺いたいについてお答えいたします。
中城湾港の新港地区については、生産機能と流通機能をあわせ持つ流通加工港湾としての整備、西原・与那原地区については、中城湾港南部の拠点都市としてマリーナ、人工海浜を中心とする海辺のアメニティー豊かな活力と潤いのある港町の形成が基本コンセプトであり、それぞれの方針に基づいた整備を行っているところであります。
泡瀬地区については、国際交流リゾート拠点、海洋性レクリエーション活動拠点、情報・教育・文化拠点の形成をコンセプトとし、その方針に基づき事業者である沖縄総合事務局及び沖縄県が平成12年5月10日付で公有水面埋立承認願書及び公有水面埋立免許願書を港湾管理者へ出願しているところであり、現計画に基づき泡瀬地区の整備を推進していく考えであります。
同じく泡瀬地区についてであります。泡瀬地区の海浜緑地造成についてお答えします。
中城湾港(西原・与那原地区)の海浜緑地造成は、国庫補助事業である港湾環境整備事業と県債事業である港湾緑地一体整備促進事業で整備しております。
泡瀬地区の海浜緑地整備事業は、港湾環境整備事業で整備する計画で国へ要請を行い、極力県の負担が少なくなるような方法で整備促進を図っていきたいと考えております。
同じく泡瀬地区についてでございます。中城湾港(泡瀬地区)にはどの程度の企業が来るのか、雇用創出ではどのくらいの雇用人数を見込んでいるのかについてお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)の埋立事業は、平成7年11月に港湾審議会第156回計画部会において承認された計画であります。
泡瀬地区へ立地する企業数は、観光業、サービス業、情報産業など約50社程度を見込んでおります。
雇用者数については、具体的に立地する企業により異なりますので、今後都市基盤施設の整備計画を策定する中で具体的に検討したいと考えております。
中城湾港(泡瀬地区)についてでございます。地盤改良の工法及び費用はどのくらいかについてお答えします。
当該地区の埋め立ては、コスト縮減の観点から新港地区の航路・泊地をポンプしゅんせつ船によりしゅんせつを行い、排砂管で直接埋立地に投入する工法を検討しております。埋立土砂は粘性土であるため地盤改良が必要であります。
御質問の地盤改良については、ペ-パ-ドレ-ン工法により県が施工する予定であり、その施工面積は約128ヘクタールで、工事費用としては約42億円を見込んでおります。
同じく泡瀬地区について、埋立開発で用地の売れ残りが問題となっているが、沖縄県ではどうなっているのかについてお答えいたします。
沖縄県が実施している臨海部土地造成事業の処分状況は、平成12年9月現在で次のとおりでございます。
宜野湾港埋立整備事業については、臨海部土地造成地の竣功面積が約11万平方メートルで、そのうち約9万5000平方メートルが処分済みであり、約85%の処分率となっております。
中城湾港マリン・タウン・プロジェクト西原・与那原地区については、現在竣功している第1期臨海部土地造成地の竣功面積が約41万平方メートルで、そのうち約32万平方メートルが処分済みであり、約77%の処分率となっております。
中城湾港新港地区埋立整備事業については、臨海部土地造成地の分譲可能面積が約151万平方メートルで、そのうち約110万平方メートルが処分済みであり、約73%の処分率となっております。今後とも用地の処分促進に努めてまいりたいと考えております。
中城湾港(泡瀬地区)について、ホテル計画は得策ではないという意見があるが、県の港湾計画に問題はないかについてお答えいたします。
中城湾港の主要プロジェクトである泡瀬地区の整備の基本コンセプトは、国際交流リゾート拠点、海洋性レクリエーション活動拠点、情報・教育・文化の拠点の形成であり、また地元沖縄市は緑の風と光あふれる国際文化観光都市をメーンコンセプトとして沖縄市新総合計画第3次基本計画を策定しており、その中で「海に開かれたまちづくり」として泡瀬地区も位置づけております。県は、平成7年の港湾計画において地元の要請を踏まえ、埠頭用地を初め宿泊用地を含む都市機能用地等を位置づけております。
県としましては、沖縄市から土地利用見直しの要望もないことから、沖縄市総合計画と整合のとれた形で本港湾計画を推進していく考えであります。
同じく泡瀬地区についてであります。土地利用及び海洋文化施設については見直しのための検討をすべきではないかについてお答えいたします。
西原・与那原地区での土地利用の見直し検討を行った理由は、埋立造成が概成し土地処分の手続を始める必要があったことから、現状での土地処分の見通しの確認及び今後の新たな土地需要の考え方等を踏まえた土地利用の方向性を検討するためであります。
一方、泡瀬地区につきましては平成7年に港湾計画の位置づけがなされ、平成12年5月から埋立免許取得等所定の手続を進めているところであります。
当該地区については、本格的な土地利用開始は埋立工事着手後7年目以降であり、現時点において土地利用の見直し等について地元沖縄市からの要望はなく、県としましても現時点での土地利用の見直しは想定しておりません。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 沖縄の海岸線について、沖縄県内の離島を含めた海岸線の総延長はどれだけか、10年前に比べてどれだけふえたかとの御質問にお答えします。
海岸事業は建設省、運輸省、農林水産省及び水産庁の4省庁で所管しております。
沖縄県の海岸線の総延長は、海岸統計によりますと昭和63年度は1736キロメートル、平成10年度は1748キロメートルで10年間に12キロメートルふえております。
次に、現在、埋め立てや護岸工事など人工の手が加わってない自然海岸は全体の何%で、人工海岸線はどれだけですかとの御質問にお答えします。
平成10年度の海岸線の総延長は1748キロメートル、そのうち自然海岸線は1352キロメートルで全体の約80%となっております。
なお、人工海岸線は396キロメートルであります。
次に、人工海岸線のうち埋め立てによってできたのはどれだけかとの御質問にお答えします。
埋め立てする事業主体は国、県、市町村並びに公社など多岐にわたるため埋め立てによって整備された人工海岸線は現在把握しておりません。今後、関係機関と調整の上、調査を検討してまいりたいと考えております。
次に、離島を除く本島内で自然海岸線が残っている市町村名を挙げてください、全体のどれだけになるかとの御質問にお答えします。
沖縄本島内の海岸に面している30市町村のうち、国頭村のほか25市町村に自然海岸線が残っております。
次に、人間による自然破壊の一例ではないかとの御質問にお答えします。
海岸事業は津波、高潮、波浪による被害から海岸を防護し、もって国土の保全に資することを目的にしております。
事業の実施に当たっては、これまでも生態系や自然景観に配慮しながら整備してまいりましたが、今後とも良好な自然環境は積極的に保全し、自然との共生に配慮しつつ整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 外間久子議員の中城湾港(泡瀬地区)についての質問事項のうち、東部海浜開発では米軍の泡瀬通信基地の制限水域も埋立予定地となっており、埋め立てた土地を新たに米軍に提供することは基地の強化につながらないかという御質問にお答えいたします。
昨年9月の日米合同委員会で、泡瀬通信施設に係る提供水域内の一部埋立地について、従来制限水域として米軍が排他的に使用していた専用区域を共同使用することが合意されました。この合意によって地元沖縄市が大きな期待を寄せている中城湾港(泡瀬地区)埋立事業がスタートし、地域の産業振興や県民のレクリエーションの場として有効利用できることから、基地の整理縮小において一つの前進だと考えております。
次に、ドメスティック・バイオレンス問題についてお答えをいたします。
まず、ドメスティック・バイオレンスは個人のキャラクターの問題かという見解についてお聞きしたいという御質問にお答えいたします。
ドメスティック・バイオレンスは家庭的、社会的なさまざまな要素が複雑に絡み合って引き起こされるものであり、一概に個人のキャラクタ-、いわゆる人格または性格の問題として結論づけることはできませんが、そういうことはあってはいけないことだとこのように考えております。
次に、同じくドメスティック・バイオレンス問題の中の家庭内暴力に対する認識についての御質問にお答えいたします。
家庭内における夫から妻に対する身体的、心理的暴力の中には医師の治療を必要とするものなど重大なものもあります。
家庭内暴力は犯罪であるという認識は、最近社会的に高まりつつありますが、女性の人権を否定するこのような身体的暴力は、たとえ家庭内暴力であっても犯罪行為ではないかと考えております。またこのことは社会的にも深く認識されつつあるものと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) ドメスティック・バイオレンス問題について5つの御質問がございます。順次お答えいたします。
まず、被害女性支援のための総合窓口はどこか、取り扱った件数についての御質問にお答えいたします。
女性に対する異性からのさまざまな形の暴力については、警察、司法関係機関、女性関係機関、人権擁護機関及び福祉関係機関のほか、医療機関等でも相談が受け付けられているものと理解しております。
売春防止法に基づく相談機関である女性相談所は、売春は女性に対する性暴力でもあるととらえ、これまでも相談支援事業を行ってきたところでありますが、平成11年に売春のおそれのある者だけでなく広く保護援助に応じるよう厚生省から通知があり、夫等の暴力の被害に対する相談や緊急一時保護等の支援にも対応しているところであります。
平成10年度の全相談件数345件のうち暴力等の相談は71件となっており、平成11年度は274件のうち52件となっています。
次に、一時保護所等は24時間の受け入れ体制になっているか、また加害者への取り組みはどうなっているかとの2つの御質問につきましては関連しますので一括してお答えします。
婦人保護制度の面から活用できる緊急一時保護としては、女性相談所における一時保護と県立うるま婦人寮における緊急保護があります。ともに売春防止法に基づく対応であることから、女性の暴力被害を重点に対応するには限界があります。また、現行の職員配置基準等では安全面や夜間、休日の対応等相談体制、緊急保護体制ともに限界があります。
なお、女性相談所の常勤職員は庶務部門を含め9人体制であり、現状では24時間の相談体制をとることは困難な状況にあります。
また、夫等への助言指導等については、女性の同意等条件が整う場合には女性相談所等で個別に対応しております。
次に、一時的緊急保護の後のケアはどうしているのかとの御質問にお答えいたします。
県立うるま婦人寮は、緊急保護を行った後、当面の生活の確保や精神的なケアを行う場としても活用できる施設とされております。
また、児童福祉法に基づく母子生活支援施設の活用も可能であり、本県では2つの施設があります。
次に、婦人相談員の人員配置は十分かとの御質問にお答えいたします。
売春防止法第35条において、婦人相談員は非常勤とし、都道府県知事は、社会的信望があり、かつ要保護女子の早期発見に努め、相談に応じ、必要な指導を行い、及びこれらに付随する業務を行うに必要な熱意と識見を持っている者のうちから委嘱するものとすると定めております。
本県は、沖縄県婦人相談員設置規程の中でその身分、服務、委嘱、報酬、勤務条件等の規定に基づき委嘱しております。
なお、婦人相談員の配置基準は国の示した国庫補助の基準に基づいたものであり、本県は非常勤の相談員を5名配置しております。これは、九州では福岡県の9名に次いで2番目の配置数となっております。
また、相談員の資質の向上を図るため職場内研修の実施や県内外の研修等に派遣しております。
次に、宮古、八重山からの緊急一時保護の対応についての御質問にお答えいたします。
入所者の移送費については、国庫補助交付要綱に基づいて支給しておりますが、離島地区の場合、現地で婦人相談員による緊急一時保護の相談を受け、かつ女性相談所長の措置決定がされた場合は移送費の支給が可能であります。
○警察本部長(西村泰彦) 県警で扱ったドメスティック・バイオレンス事案につきましてお答え申し上げます。
県警では過去5年間、ドメスティック・バイオレンス事案を106件検挙しております。
年別に見ますと平成8年13件、平成9年22件、平成10年15件、平成11年26件、平成12年――これは8月末までの数字でございますが――30件となっております。
罪種別に見ますと、殺人──これは未遂を含めてでありますが――が12件、傷害致死が4件、傷害が70件、逮捕監禁が3件、暴行が10件、脅迫が6件、強盗致死傷が1件であります。
次に、全体に占めるこのDV事案の割合についてのお尋ねでありますが、今申し上げた犯罪は人の身体に対する犯罪でありますので、私ども警察では身体犯というくくりをしております。
そこで、検挙した身体犯全体に占める割合、つまり身体犯全体に占めるドメスティック・バイオレンス事案の割合をこれから申し上げます。
平成8年は全体の3.3%、平成9年は5.7%、平成10年は3.5%、平成11年は6.0%、平成12年8月末までで7.7%となっております。
次に、99年12月の警察庁からの通達を県警は具体的にどのように周知徹底を図っているのかとの御質問にお答え申し上げます。
お尋ねの件は女性、子供を守る施策実施要綱のことでありまして、本要綱は近年、女性や子供を被害者とする凶悪な犯罪が発生し社会問題となったことから制定されたものであります。
また、この種問題への警察の対応が十分でなかったことから重大事件に発展したことなどを踏まえまして、適切な対応について警察組織全体に浸透させる必要があるとの認識で現在取り組みをしているところであります。
まず、警察本部では各警察署に対しまして女性、子供を守る対策の推進について通達を発出して浸透を図っているほか、警察署長会議や課長会議等におきましても女性、子供を守る施策や相談事案に対する適切な対応を指示しているところであります。
また、すべての交番、駐在所に対して「ザ・交番所長」と題する部内資料で相談者に対して、相手の立場に立った親身な対応を行うよう具体的な対応要領を指示しております。
さらに、交番や駐在所においてその適切な対応がなされているかどうかについて、警察署幹部が直接巡視をしてその対応状況を確認し必要な指導をしているところであります。
各警察署においては、各種相談事案に対する対応結果を警察署長まで報告することとしておりまして適切に対応していると認識しておりますが、引き続きこの種事案に対する適切な対応の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○外間 久子 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時40分休憩
午後3時43分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 知事は、代替施設協議会の中では、その協議会で15年問題を求めたけれども、この基本計画の策定に入ることについて、その基本計画の、その協議会というのは工法とかいろんな技術面をやると、政策のところはどこでやるかという部分が問われてくると思うんです。
だから今、15年の問題ということについてきちっと、皆さんこれは、この部分では私は容認したということであれば、これが新聞で報道されているんですから、県内の新聞でも報道されているんだから、この新聞をよしとするのか、それを認めるのかどうか、きちっと答えていただきたいと思うんですよ。
それから2つ目は、この15年問題をありとあらゆるところで取り上げますということをおっしゃっているんであれば、ありとあらゆるところのその一角が代替協議会の施設、その協議会そのものでもあると思うんです。知事がおっしゃるところのもっと抽象的なところもあるかもしれない。ところが今私の質問は、代替協議会の中できちっと答えてもらいたいと、それができますかということを聞いているわけですよ。それを取り上げることができますかということを聞いているんですよ。これに答えていただきたいということ。
3つ目は、この15年問題で市長との関係で、名護の市長さんがやっているんだから本当にその態度をきちっと県民の前に明らかにしていただきたいということの質問ですから、いやもう名護の市長とは同調できないよというんだったら同調できないと、私は協議会のものでいきますということであればいきますという形の答弁を求めています。
あと一つ、ちょっとまた関係のものですけれども、港湾問題ですけれども1つ、さっき知事の答弁の中で、横断的に持っていますよということの答弁だったんですが、やはり横断的に持っているというのであれば、西原・与那原地区においての土地の見直しが行われていると。ところがそれは県有地に関しての見直しが行われていて、与那原のものに関しては県がやったから与那原は慌てふためいて、そこで人の流れをつくることができず、県は土地の見直しをやっているのに与那原がやらないわけにいかないという形で慌てて与那原は与那原なりのまた検討会も知恵出し会をやったと思うんですよ。
だからそういう点では、私はやはり県が設けているんであれば、最初から与那原も西原も含めた部分の見直しのものがあってしかるべきじゃないか。だから自分たちの県庁内の窓口でやるんじゃなくて、そこには市町村もきちっと入れる中身でのものが出てこないことには今のような矛盾点が出てくるんじゃないかなと思います。その点で今後の課題ですけれども、きちっと入れるということをやっていただきたい。
あと一つですけれども、やはり今のバイオレンスの問題ですが、予算を措置費でやっていますという福祉保健部長の答弁ですが、これはきちっと予算化されて、宮古、八重山からのこんな相談があったときにはいつでもできるように予算化されているんですか。そのことをひとつお伺いしたいと思います。
あと一つですけれども、同じバイオレンスの問題ですが、やはり関係機関ときちっと連携をとらないと、生活の問題をやるときに福祉事務所関係の皆さん方がよくわからなくて、生活保護は大変おくれてみたりということも出てくる。あるいは司法の分野は今うんと協力関係ができてきたというんですが、やはり調停が長引いてくるということも出てくる。その辺の関連をきちっとなさっていないことには、ちゃんとしたケアができないんだけれども、この分についての部分をひとつ検討していただきたい。この部分がどうなっているかということを答えてください。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の再質問にお答えします。
私、申し上げたんですが、取り上げないことに同意したということは、そういうことはそこでなかったわけです。
というのは再三申し上げますように、再三申し上げますが、ないんです。なぜないかというと、この普天間飛行場移設に係る政府方針の中で、これを分けているんです、中身を。だからないんです。だからそこではもう工法だけの問題です。それを私が細かく言い過ぎたんで、かえってあれかもしれません。
それで次の、じゃ今度はいろんなところで要望を取り上げていくのかということですが、協議会は、先ほど技術的な問題なんですが、私はありとあらゆるところでと言っておりますので、今後とも協議会の中で要望するとともに、その他のあらゆる機会をとらえて、先回も全国知事会議の中で知事の皆さんにも全国的な問題として要望したわけですが、今後とも積極的に取り上げていきたいと思っております。
それから3番目の名護との問題ですが、これは名護市長とは連携を今後とも密にしながら進めていきたいと思っております。
○福祉保健部長(平良健康) 再質問にお答えいたします。
まず宮古、八重山等の離島からの問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように相談があって、なおその措置決定が相談所長の権限で行われた場合につきましては制度的に担保されているということでございます、移送費が担保されているということでございます。
2番目の各行政機関の連携の問題でございますが、これは県庁内にもそういうふうな連携組織ができておりまして御相談申し上げているわけでございますが、ただこの女性のドメスティック・バイオレンス全体の問題につきましては、やはり行政としましてもまだ連携の制度的な不十分さがあることは確かでありまして、けさの新聞にもそういうことで男女共同参画審議会から、女性への暴力に総合的に対応する新たな法制度を早急に検討するよう首相への提言があったとこういうようなこともありまして、この連携については引き続き課題として取り組んでいきたいとそういうふうに思っております。
○土木建築部次長(金城英男) 西原・与那原両地区の土地利用についての再質問にお答えします。
現在西原町、与那原町ともども一緒になって会議を持っておりまして、今後ともしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時53分休憩
午後4時17分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
高嶺善伸君。
〔高嶺善伸君登壇〕
○高嶺 善伸 こんにちは。
白熱した基地問題の議論も大事ですが、離島問題というのも大事な県政の課題でありますので、政策の角度を変えてこれから一般質問を申し上げたいと思います。
八重山圏域の振興開発、水産行政、医療行政、公共事業の見直し、以上4点について質問申し上げますので、知事及び関係部局長の御答弁をお願いいたします。
1、八重山圏域の振興開発について。
政府は、新しい全国総合開発計画において、沖縄県を「太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)」と位置づけており、学術・文化、経済面での交流拠点として観光・リゾート産業、情報通信産業等の各分野の振興が期待されております。特に八重山圏域は、「第3次沖縄県離島振興計画」で、「我が国の最南西端に位置する地理的条件と豊かな自然や伝統文化を生かした多彩な活動の場の形成を図ることを基本に、恵まれた自然環境を生かして農林水産業の振興を図るとともに、国際的な観光・リゾート拠点及び学術文化の交流の場としての整備を進める。」と位置づけられております。しかし、目標年度は来年であり課題は山積しております。今後、ポスト第3次振計を展望して具体的な施策を盛り込んでいく必要があります。
そこで八重山圏域における国際交流の基本的な条件整備についてお伺いします。
まず、国際交流と人材育成及び産業振興についてでありますが、八重山圏域には公的な数多くの学術研究機関があります。例えば国際農林水産業研究センター、水産庁の西海区水産研究所、日本栽培漁業協会八重山事業場、環境庁の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター、サンゴ礁保護研究センター、琉球大学熱帯生物圏研究センター、それに沖縄県の水産試験場八重山支場等々があり、それぞれの分野で研究が進められており、毎年世界10数カ国からの研究生が来ております。これらの研究機関が相互に協力し合えば人材育成、学術・文化の交流、産業振興に貢献できます。
そこで、既に国際交流の基盤ができつつある八重山圏域を東南アジアの人材育成の交流拠点として重点整備し、国際貢献と八重山圏域振興の施策を展開できないか、御所見を賜りたい。
ア、各研究機関の地域の人材育成、産業振興への貢献の現状はどうなっているのか。
イ、今後、八重山圏域を国際交流ゾーンとして位置づけ、地域の人材育成、産業振興へリンクさせて積極的な施策を講じてほしい。
次に、石垣空港への国際線乗り入れについてでありますが、ア、台湾経由の国際交流の展開として石垣─台北間航空路線の開設にどのように取り組んでこられたのか、また今後の計画をお伺いします。
イ、国際線が就航するために法律上の制約、航空会社、ハンドリング、CIQ配置等どのような問題があるか、また問題解決に県としてどのようにお考えなのか、お伺いします。
次に、石垣港活用と整備についてでありますが、ア、石垣港は国の重要港湾であり、国内外海上輸送網の拠点、その他国の政策的な要請に対応できる港湾となっており、現在の状況はヤードが狭隘でコンテナと貨物集積が混在したり、旅客が錯綜し改善が必要であります。また、大型クルーズ船の寄港にも暫定的な対応を余儀なくされております。しかし、国内貨物の推移だけでは大胆な港湾計画の見直しができません。
そこで新たな沖縄振興開発計画で、将来の船舶の大型化に対応する物流機能を強化できるように県当局の積極的な位置づけと対応をお願いしたい。
イ、現在、石垣港は開港として中国・台湾の三角貿易のためにクリアランス船が寄港しており、平成11年度では1760隻が通関しこの5年間で2倍の伸び、とん税及びとん譲与税は約2億円に上ります。今後、さらに国際貿易の拡充をどのように位置づけて支援していくか、御所見を賜りたい。
2、水産行政について。
沖縄は、離島県で四方八方海に囲まれ、黒潮の影響下で回遊魚の好漁場を形成し、サンゴ礁海域を活用した資源管理型漁業等可能性は大きいものの生産量は3万トン台の低迷を続けております。今後、漁業環境が厳しさを増す中で水産業振興に力を注いでほしいと思います。
特に、県内でもウエートの大きい八重山漁業協同組合は、経営の健全化を図るため平成10年度に再建整備計画を策定して役職員一体となって再建に取り組んできました。ところが、再建整備計画事業の大きな柱であったクルマエビ養殖が2年連続ウイルスでへい死し赤字を抱えてしまっており、さらに金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律により緊急措置として信用事業を県信漁連へ譲渡することになっております。しかし譲渡に当たっては新たな資金調達が必要で、同漁協は財政基盤や担保力が弱く地方自治体に緊急支援を要請しており、県内のほかの漁業協同組合も同様に苦しんでおられることを耳にしております。
そこでお伺いしたい。
ア、今後、沖縄県の水産業振興をどのように講じていくか。
イ、タイムリミットを目前にした八重山漁協の再建整備及び財務改善に監督官庁としてぜひ支援措置をしていただきたいが、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
次に、教育行政に関連しますが、離島である八重山圏域は海洋資源の活用こそ産業創出の道であり、雇用効果の期待できる分野でもあります。そのためには人材育成、技術指導をどうするかが大きな課題であることは言うまでもありません。
そこでお伺いします。
ア、沖縄県は県立高等学校編成整備計画を策定中ですが、八重山圏域にある県立の高等学校等に水産科コースを設置し、高校教育の一環として人材育成に取り組んではいかがでしょうか。
イ、地元に専修学校石垣リゾート海洋専門学校があり、自然環境学科、海洋ビジネス学科等のカリキュラムを持って潜水士、ダイビングインストラクター、船舶操縦士等の資格者養成をしており、高校生や社会人を対象にしてこのような学校を活用した研修制度や教育システムはできないか、御所見を賜りたい。
3、医療行政について。
今度発注される沖縄県総合行政情報通信ネットワーク整備事業では、県内53市町村を網羅して21世紀の高度情報通信社会に対応する高速大容量の情報通信網として構築されることになっていますが、「離島・へき地遠隔医療支援情報システム」にどのような改善取り組みができるか、お聞かせ願いたい。
次に、沖縄県の医者の数は全国平均の89.1%で離島を初めとする僻地地域医療での医師不足は慢性的であり、県内唯一の琉球大学医学部に医者不足解消の期待が集まるのは当然のことであります。しかし同大学の一部の教授は、地域医療、特に離島の公立病院を軽視し関連している医者を途中で撤退させていると聞いています。最近の県立八重山病院、宮古病院、南部病院の医者の撤退の事例がそれであり、このてんまつは琉球大学教授職員会専門委員会ニュース第4号、5号に報告されています。これが事実としたら、建学の精神にかんがみ許されることではありません。
そこでお伺いしますが、ア、県当局は一連の実態をどのように把握しておられるのか。
イ、八重山病院の医師撤退による死亡事例を再発させないためにも文部省高等教育局局長に改善措置を申し入れてもらいたい。
次に、石垣島徳洲会病院は、24時間体制の救急病院として期待され、建設に当たっては2万5700名余の署名運動があり、平成10年1月23日に沖縄県より開設許可がおりましたが、今なお着工、開業に至っておりません。
理由は、保険医療機関の指定が受けられないためだと聞いており、県として国の社会保険事務局と協議して解決をつけるべきだと思いますが、次の点をお聞きしたい。
ア、八重山圏域では実質的に49病床不足だが、なぜ保険医療機関の指定が受けられないのか。
イ、県当局は開設許可をした以上、関係機関と協議し指定を受けられるような対応をすべきではないか、今後の取り組みをお聞きしたい。
4、公共事業見直しについて。
先般、政府・与党3党は、公共事業見直し基準により政府に対して233事業の公共事業中止を申し入れました。沖縄県関係は9件で、うち5件は八重山関連と聞いており、対応についてお伺いしたいと思います。
1つ、新石垣空港建設事業に関して運輸省は白保海上案で空港設置許可をしましたが、今回中止勧告事業となっており新石垣空港建設の今後の推進に支障はないか、国とどのような協議になっているのか、お伺いします。
2つ、白水ダム建設工事は現在休止事業となっているが、石垣市議会からも工事再開の要請があり、今後の八重山圏域における水資源開発のかぎを握る重要なプロジェクトでもあります。今回、中止勧告事業となっていますが、新聞報道によりますと総合事務局において調査費を確保していると言われ、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
3つ、竹富東港の整備、小浜港の整備、船浦港の整備の各工事は、沖縄県公共事業評価監視委員会で平成10年から休止事業になったことが今回の中止勧告を受けた理由になっています。同地区での今後の事業継続をどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
残余は当局の答弁により再質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 高嶺善伸議員の御質問にお答えします。
水産行政について、沖縄県の水産業振興をどのように講じていくかとのお答えでございます。
沖縄県の水産業は、漁港、沿岸漁場等の漁業生産基盤の整備が進み、海面養殖やパヤオ漁業の展開など明るい展望が開かれつつあります。
しかしながら、生産基盤や流通体制の整備のおくれ、漁業就業者の高齢化、漁業協同組合の経営基盤の脆弱性などの課題があります。
このため県としては、漁港、沿岸漁場など漁業生産基盤の整備を初め、つくり育てる漁業としての栽培漁業や養殖業と資源管理型漁業を推進してまいります。また水産物流通の合理化、円滑化を図るため水産物流通総合センターや冷蔵施設などの水産業関連施設の整備を図ってまいります。
さらに、漁業協同組合等の育成強化を図るため経営基盤の強化と事業の統廃合、漁協の合併を促進するとともに、漁業後継者の育成など各種施策を総合的に講じていく考えであります。
次に、医療行政について、沖縄県総合行政情報通信ネットワーク整備事業における「離島・へき地遠隔医療支援情報システム」の活用についてお答えいたします。
県では、離島住民に対する医療提供の質の向上を目指すとともに、離島に勤務する医師を支援してその確保、定着を図るため「沖縄県離島・へき地遠隔医療支援情報システム」を平成12年4月1日から運用しております。
このシステムで、離島の県立病院や附属診療所でもインターネット等で最新の医学情報の収集や各施設間での診療相談等が可能になりました。また伊江村立診療所、県立宮古病院、県立八重山病院では遠隔画像診断により中部病院等にいる専門医の意見を聞くことができるようになりました。
さらに今後、沖縄県総合行政情報通信ネットワークが整備され、そのネットワークを活用することにより通信費が低減され、また回線が大容量になることで、医師の生涯教育を目的とした遠隔講義システム等の準動画像を活用した新たなシステムの開発と運用が可能になるなど離島における医療支援がより効果的に行えるようになると期待しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 八重山圏域の振興開発について、各研究機関の国際貢献や地域の人材育成、産業振興への貢献等の現状はどうなっているかについてお答えいたします。
八重山圏域における学術研究関連機関については、現在県が2機関、国が6機関、民間等が3機関の計11の機関が設置されております。
このうち、県立の農業試験場八重山支場においてはサトウキビ、水稲の品種改良及び栽培改善等の試験研究を行い、水産試験場八重山支場においてはシャコガイ類、ヤイトハタの種苗量産及び養殖の技術開発を行うなど同地域の農水産業振興に貢献しております。
また、国立国際農林水産業研究センター沖縄支所においては、1992年から国際共同研究科が設置され、本年度は開発途上国から10名の海外研究者を招聘して先端的な共同研究が実施されており、国際交流・協力の分野で貢献しております。
さらに、国立西表野生生物保護センターは、同圏域の豊かな生物資源の研究・保護及び自然保護思想の普及啓発拠点施設として自然観察会等を通した人材育成や地域観光資源としての役割も担っております。
同圏域における学術研究機関は、今後とも国際交流・協力、地域の人材育成及び産業振興のための技術開発等に果たす役割がますます重要になるものと考えております。
次に、同じく八重山圏域の振興開発について、今後、国際交流ゾーンとして位置づけ、地域の人材育成、産業振興へリンクして積極的な施策を講じてはどうかについてお答えいたします。
八重山圏域の振興開発につきましては、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画における圏域別の振興方向に基づき各種の振興策を講じてきたところであります。今後の八重山圏域の振興につきましては、我が国の最南西端に位置する地理的条件と貴重な野生動植物を含むすぐれた自然環境や伝統文化を生かした農林水産業の振興と国際的な観光・リゾート拠点の整備を引き続き推進する必要があるものと考えております。
御質問の八重山圏域を国際交流ゾーンとして位置づけ、人材育成や産業振興につながる諸施策を講ずることにつきましては、新たな沖縄振興計画の中で地域の特性を生かした圏域別振興策が展開できるよう検討してまいりたいと考えております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 八重山圏域の振興開発の中で、石垣─台北間路線の開設にこれまでどのように取り組んでこられたのか、また今後の計画についての御質問でございます。お答えをいたします。
石垣-台北間路線開設については、平成5年7月に台湾・復興航空が、チャーター便の就航及び定期路線開設の意欲の表明を端緒として地元での取り組みが本格化しました。県は、石垣市など地元からの路線開設の要請を受け、これまで関係機関に理解と協力を働きかけてまいりました。昨年は、復興航空によるチャーター便の就航が認可され、12月には8便が運航しました。
日台間の航空路線の開設は、国交がないこと等による難しい面がありますが、まずは地元経済界と観光関係者を中心にしてチャーター実績を積み重ねることによる需要の確保が重要であると思っております。県としても同路線の開設を日台間の航空協議事項としていただけるよう、引き続き関係機関に働きかけていきたいと考えております。
同じく八重山圏域の振興開発の中で、石垣空港に国際線が就航するために法律上の制約、航空会社、ハンドリング、CIQ配置などどのような問題があるか、また問題解決に県としてどのようにお考えかについての御質問でございます。お答えをいたします。
国際航空路線の開設のためには、通常は政府間協議による二国間航空協定を締結する必要があります。しかしながら我が国と台湾との航空路線については、国交がないため日本側の「財団法人交流協会」と台湾側の「亜東関係協会」の民間レベルで結ばれている「民間航空業務の維持に関する取り決め」の中で航空路線、航空企業、輸送力等の航空権益が取り決められております。したがって石垣-台湾路線の定期航空路線開設のためには、同取り決めの見直しを両協会で協議の上、合意する必要があります。
石垣空港における税関、出入国管理、検疫のいわゆるCIQ体制については、関税法など関係法令による指定飛行場として要員体制やターミナル内における施設の整備が必要になります。また、ハンドリング等についても日本側の資格やノウハウを有した委託業者の選定が認可に当たっての要件になります。
県としては、今後、関係機関及び航空会社等と連携を図りながら、石垣-台湾路線の開設に向けて引き続き国や交流協会に働きかけ、これらの課題の解決に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部次長(金城英男) 八重山圏域の振興開発についての質問のうち、ポスト第3次沖縄振興開発計画における石垣港の港湾整備計画の見直しと国内外の物流機能の強化についてお答えいたします。
石垣港につきましては、港湾管理者である石垣市において、船舶の大型化及び物流需要の変化に対応する国内外の物流機能の強化等を基本方針として平成17年を目標年次とした石垣港港湾計画が策定されております。現在、石垣港の整備は本港地区で水深9メートル岸壁1バース、新港地区で水深7.5メートル岸壁1バースが国の直轄事業として進められております。
石垣港のさらなる物流機能の強化の必要性につきましては、今後港湾管理者である石垣市において検討されるものと考えております。県といたしましても、石垣市の検討内容や八重山圏域の社会情勢、経済活動の動向及び港湾取扱貨物量の推移等を踏まえ、石垣市とともに関係機関と調整を図りながら対応してまいりたいと考えております。
次に、公共事業見直しについてでございます。
新石垣空港建設事業の白保海上案は今回中止勧告事業となっているが、新石垣空港建設の今後の推進に支障はないか、また現在、県は国とどのような協議をしているかについてお答えいたします。
新石垣空港の整備事業は、昭和57年3月12日に白保地区において飛行場設置許可を得、同年3月25日に第3種空港として政令指定されております。しかし、白保海域のアオサンゴ群落を保全しようという国際的な自然環境保護運動の高まりにより平成3年度以降休止しています。
今回の与党3党の合意による公共事業の見直し基準によると、白保地区での新石垣空港整備事業は「現在、休止(凍結)されている事業」に該当するとなっており、中止勧告の対象事業として発表されております。
白保地区における新石垣空港の建設は、事実上不可能な状況であり、最終的には同地区における事業の中止決定に至ってもやむを得ないものと考えています。しかし、旺盛な需要が見込まれる新石垣空港の必要性は国においても十分理解していただいているところであり、今回の公共事業の見直しはあくまでも白保地区を対象としたものであって、新石垣空港整備事業そのものに支障はないと考えています。
現在、新空港の建設位置として県が決定したカラ岳陸上案の位置を確定するため地元調整会議を開催したところであり、今後、空港基本計画の策定や環境現況調査等の諸調査を実施し、国と協議をしながら新空港の早期建設に取り組んでいく考えであります。
同じく公共事業見直しについて、白水ダムは中止勧告事業になっているが、国が調査費を確保したとも言われており、県はどう取り組んでいくのかについてお答えいたします。
石垣市に計画する白水ダムは、治水・利水の機能を有する多目的ダムでありますが、「公共事業の見直し」基準の「現在、休止(凍結)されている事業」に該当しているため中止対象ダムとなっております。
その主な理由は、地元の自然保護団体との合意形成ができないことや、河川整備が進み治水対策が講じられてダム建設の緊急性が低くなったこと等であります。県といたしましては、同ダムに係る公共事業の見直しに対して地元石垣市と協議を進めているところであります。今後は、来月初旬に開催予定の沖縄県公共事業評価監視委員会の意見も聴取しながらその対応策を検討していきたいと考えております。
なお、地元石垣市においては将来の水需給問題を検討しているところでありますが、国においても「沖縄における水需給計画検討調査」を平成12年度に実施する予定であります。県といたしましては、当該調査を参考にしながら地元石垣市が策定する利水計画について協力していきたいと考えております。
同じく公共事業見直しについて、竹富東港、小浜港及び船浦港の各整備事業の中止勧告と今後の事業継続についてお答えいたします。
竹富東港、小浜港及び船浦港の物揚げ場、防波堤等の整備事業は、「公共工事の見直し」基準の「現在、休止とされている事業」に該当しているため中止対象事業となっております。
県としましては、今後、当該3港湾の観光入域客等の推移及び港湾利用状況を把握し、これら休止している物揚げ場、防波堤等の施設及びバリアフリー化に対応する浮き桟橋、旅客待合施設等の取り扱いについて、来月初旬開催予定の沖縄県公共事業評価監視委員会の意見や地元の意見等も聴取しながら検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(當銘直通) 八重山圏域の振興開発についてのうち、石垣港での国際貿易の拡充をどのように位置づけて支援していくのかについてお答えいたします。
県では現在、那覇新港や中城湾港の自由貿易地域を中心に貿易機能の強化や中継貿易の振興を図っているところであります。石垣港を拠点とする国際貿易の可能性につきましては、地元石垣市や関係団体の意見を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○農林水産部長(小那覇安優) 水産行政について、八重山漁協の再建整備及び財務改善に監督官庁としてぜひ支援措置をしていただきたいとの御質問にお答えします。
八重山漁業協同組合は、平成14年4月1日のペイオフ、すなわち経営が破綻した場合に金融機関にかわって預金者を保護する制度との関連から平成12年度中に信用事業を沖縄県信用漁業協同組合連合会に譲渡せざるを得ない状況にあります。このため八重山漁協は、沖縄県漁業協同組合連合会に設置されている組織強化推進室の指導のもとに財務改善計画の策定作業に取り組んでおります。
県としては、八重山漁協の財務改善計画の内容、実施体制等を精査した上で、地元市町村や系統団体と連携し信用事業の譲渡及び経営の改善が図られるような対策を検討してまいりたいと考えております。
○教育長(翁長良盛) 水産行政についてという御質問に関連いたしまして、八重山圏域にある県立の高等学校に水産科コースを設置し高校教育の一環として人材育成に取り組んではいかがでしょうかという高嶺議員の御質問にお答えいたします。
新たな「県立学校編成整備計画」では、国の教育改革や本県の振興計画等を踏まえながら、地域の実態に即した特色ある学校づくりをさらに推進していくこととしております。
八重山地区の高等学校への水産学科コース等の設置については、現在「県立学校編成整備に関する八重山地区協議会」において普通学科や他の専門学科とともに必要性等について協議を続けているところであります。今後は協議結果を踏まえ、八重山地域の振興や生徒、父母の意向などを総合的に考慮し、編成整備実施計画の策定作業の中で検討してまいりたいと考えております。
次に、地元の専修学校を活用した高校生や社会人を対象とする研修制度や教育システムはできないか所見を伺いたいという御質問にお答えいたします。
県教育委員会におきましては、学習の選択幅を拡大するとともに、生涯にわたる学習の基礎を培う観点から、平成11年3月に「沖縄県における高等学校の生徒の学校外における学修の単位認定に関するガイドライン」を制定し各高等学校で学校外における学修を推進しているところであります。
専修学校における学修の成果については、専修学校の高等課程における学修及び専門課程における科目履修生または聴講生としての学修により校長の判断で単位を認定することができるようになっております。
したがいまして、御質問の件につきましてはこのような制度を生かし、学校や生徒の実態を踏まえ、学校長で具体的に検討していただきたいと考えております。
○病院管理局長(新田宗一) 医療行政についての御質問で、1点目に、琉球大学医学部の一部の教授は、離島の公立病院を軽視し、医者を契約途中で撤退させていると聞いているが実態を把握しているか、2点目に、八重山病院の医師撤退による死亡事例を再発させないためにも文部省に改善措置を申し入れてもらいたいとの御質問ですが、関連しておりますので一括してお答えいたします。
恐らくこの件は、八重山病院の脳神経外科の件かと思いますけれども、県立八重山病院の脳神経外科の医師につきましては、これまで琉球大学医局から1年のローテーションで派遣を受けていましたが、今年度は同医局の医局員数の都合がありまして後任が派遣できないこととなったものであります。そのため県といたしましては、他の大学医局から派遣してもらうよう調整をし了解を得ていたところでありますが、予定した医師が急遽派遣できなくなったことにより欠員が生じたものであります。
なお、この脳神経外科の医師につきましては、7月1日付で山口大学医局から派遣を受け、補充をいたしております。
八重山病院を初めとする離島勤務の医師の確保につきましては、医療技術が目覚ましく進歩する今日では、臨床事例や研修機会が少ない等のため敬遠される傾向にあります。
しかしながら、このような中にあって琉球大学医学部は、地元唯一の医師養成機関として県立宮古病院と八重山病院に対し現在30名の医師を送り出すなど離島を含む地域医療の確保に大きな役割を果たしております。県は、今後とも琉球大学に対して離島医療への理解と医師派遣を引き続き要請することによって離島に勤務する医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 医療行政について、八重山圏域では実質的に49病床不足だが、なぜ保険医療機関の指定が受けられないのかとの御質問にお答えいたします。
八重山保健医療圏では、必要病床数432床に対して既存病床数が493床となっており、61床が病床過剰となっております。この既存病床数493床の中には、過去に開設許可を与えたものの、保険医療機関の指定を受けられない問題等を抱え工事に着手できない開設予定の病院が含まれております。
保険医療機関の指定につきましては、健康保険法に基づき厚生大臣が行うことになっており、必要病床数を満たしている地域や病床過剰地域になると見込まれる地域において医療法に基づく計画中止等の県知事の勧告がある場合は、厚生大臣は指定を行わないことになっております。
次に、同じく医療行政について、県当局は開設許可をした以上、関係機関と協議し指定を受けられるような対応をすべきではないか、今後の取り組みを聞きたいとの質問にお答えいたします。
病院の開設許可につきましては、申請者の開設計画や業務開始の意思を確認して許可を与えており、許可を受けた病院は早期に病院開設に向けて努力する義務があると考えております。
保険医療機関の指定については、関係法律等に基づき国が行うこととなっており、県が医療審議会に諮って計画中止の勧告を行った病院に関して国と協議することはできません。
しかしながら、保健医療計画で定めた必要病床数については、地域で実際に利用できる病床として整備が求められていることから、今後、医療関係機関等の意見も聞きながら八重山地域の医療提供体制の整備充実に向けて調整を進めていきたいと考えております。
○高嶺 善伸 それでは若干再質問を申し上げます。
まず、八重山圏域の振興開発については、これまでの計画立案、実施パターンを見てきても夢がない。それで私たち八重山圏域の振興開発を望む者にとっては、沖縄経済振興21世紀プランの最終報告に盛られているものプラス新しい沖縄振興開発にどのような施策を盛り込んでいくかという県の積極的な姿勢がほしいんですよ。ただいまの答弁を聞いていてですね、全くその熱意がないのを大変残念に思っております。
というのは、まず国際交流ゾーンとして位置づけてほしいと言っているのは、既に国を初め県、多くの学術研究機関があるんですよ。海外から10数カ国の研究生が来ているんです、毎年。その蓄積に立って、どういうリンクの仕方をすれば八重山振興の拠点になり得るか。そういうソフト面のものも含めて取り組みが明確であれば、お互いに連携し合って人材育成、産業振興という地元への貢献はもちろんですが、現在の国際交流をさらに進めることができる。そういう延長線にこの国際路線の就航、あるいはまたクリアランス船が現在堅調でありますので、八重山圏域を国際交流推進の拠点にしてもらいたいという思いがあるわけですよね。
この最終報告書を見ても、やはり「政策の具体化の方向と今後の取組」というところで「産業振興のための横断的な取組」という項目の中には既に八重山圏域で位置づけてもいいと思われる事業、方向性などが見えるんですよ。
だとしたら、圏域別の八重山の振興の方向の中できちんとした位置づけをもっと踏み込んで答弁をしてもらいたい。それが最終報告を踏まえたポスト第3次振計への県の振興開発に対する姿勢だと、答弁に必要な。私はそういうふうに思っておりますので、もう一歩踏み込んだ答弁をいただきたいと思います。
それから、クリアランス船の入港というものが背後地の問題等を含めた石垣港の港湾計画に十分数字としてあらわれてないわけです。そういう意味で今の貨物だけの通関というよりも、もっとさらに踏み込んだ石垣港が重要港湾として果たせる役割を位置づけるためにはポートセールスも含めた対台湾、対中国への県としてこのようなクリアランス船を中心とした石垣港の実績を踏まえて、今後どのような需要が見込めるのか。その中で今の石垣港の国内の貨物だけでは港湾計画の見直しができない数字程度なんですよ。
県がゾーニングすることによって国から新たな事業を引き出すきっかけになるんじゃないかと。そういう思いが新たな沖縄振興開発に期待されているわけでありますので、クリアランス船の寄港に伴う今後の国際貿易の拡充を石垣の港湾管理者のいかんを踏まえただけじゃなくしてですね、県としての踏み込んだ位置づけをお願いしたいと思うんですよ。
その辺をお聞きしたいと思います。
それから琉大医学部の問題ですが、私は去る6月の定例会でもこういう問題があるので調査してほしいということを申し上げてから質問に入ったんですよ。
その後、専門委員会のニュース4号、5号などについてはごらんになったのかどうか、こういう内容が実際にあるのかどうか。そういう実態の把握を踏まえないと、連携をするにしても医局内の的確な人事の内容がわからない、連携の仕方がわからない。そういう意味でこの専門委員会ニュースの事実関係、調べておられるかどうか。それを踏まえてもし問題があるとしたら文部省に改善措置を申し入れてもらいたいという質問ですので、それにお答えいただきたいと思います。
誠意ある御答弁をお願いしまして質問を終わります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 再質問にお答えいたします。
八重山圏域の開発の方向につきましては、これまで第3次沖縄振興開発計画総点検報告書の中で、現在、県の方で考え得る次期振計の方向性として4つの方向を出してあります。その中の1つに、それぞれの圏域の地域特性を生かした圏域別の地域の発展という一つの方向を持っております。
したがいまして、現在県の方では平成13年3月までに各界各層からの意見を求めながら、新たな沖縄振興計画の策定に向けて今現在県の基本的な考え方を取りまとめている段階でございます。その中で、今言った形も含めてより詳細な振興開発計画について詰めていきたいということで、今現在作業の過程中だということでございます。
○病院管理局長(新田宗一) 再質問にお答えいたします。
確かにおっしゃるニュースは私も読ませていただきました。しかしこのことにつきまして医局の内部の事情に立ち入って県が調査することは困難かと思います。
○糸数 慶子 通告に従い一般質問を行います。
今回の私の質問は、大きく4つの点についてお伺いいたします。
まず第1点は、知事の政治姿勢であります。
ここでは普天間基地の県内移設、日米地位協定、基地内道路の通行問題など基地問題に絞って稲嶺知事の政治姿勢についてお尋ねいたします。
第2に、子ども病院の問題です。この問題は最近マスコミ等でも取り上げられ、一般にも広く知られるようになりましたが、実情はかなり深刻で緊急を要する問題です。一般論ではなく、建設スケジュールや病院の機能といった具体策をお尋ねいたしますので、御答弁を具体的にお願いいたします。
第3は、中城湾港(泡瀬地区)における臨海部の埋立事業についてであります。
公共事業の見直しの声や自然環境の保全問題がクローズアップされている現在、かけがえのない自然を犠牲にしてまで売れない土地、使い道のない土地をこれ以上ふやす必要性があるのか、当局の見解をお尋ねいたします。
最後に、女性・福祉行政についてお伺いいたします。
それでは最初に普天間基地の県内移設についてお伺いいたします。特に15年問題についてお尋ねいたします。
この問題では、知事は粘り強く主張する、政府は閣議決定に従って誠意を持って取り組む、アメリカは安保共同宣言に基づいて対処するということを繰り返すのみで、今や完全に閉塞状況に陥っています。この問題では、過去の経過や今後の見通し及び取り組む決意といった問題解決のための決断は全く見えず、意味のある答弁がこれまでなされていません。
そこで、質問の角度を変えて、知事や日米両政府が金科玉条にしている昨年12月の閣議決定や、96年4月の日米安保共同宣言の中で使用されている「国際情勢の変化」という言葉を知事がどのように認識されていらっしゃるのか、その解釈をただすことをまず箇条書きにしてありますので、知事は、この問題に対する答弁も一括してなどとおっしゃらずに、個別具体的にお答えいただきたいと思います。
まず、昨年の12月、閣議決定の中で、使用期限問題については、「国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」となっています。この国際情勢の変化とは何を意味するのでしょうか、稲嶺知事の御見解を伺いたい。
そして、知事はこの意味を日米両政府に照会したことがありますか。あるいは今後そのことを問い合わせたり確認したりする気持ちがありますでしょうか。
また、昨今の南北朝鮮の緊張緩和や中国のWTO加盟及び米国が中国へ与える最恵国待遇等の動きは、ポスト冷戦時代の重要な国際情勢の変化に該当するものではないでしょうか。そのようなことのほかに米国政府と協議していくための国際情勢の変化とは何が想定されるのか、知事の御見解をお伺いいたします。
さらに、このことと関連して、閣議決定には、沖縄県知事や名護市長の要請を重く受けとめるとの文言もあります。このことは知事や市長の要請が条件として受けとめられたと理解されていますか。
また、名護市長は状況次第では撤回もあり得ると言われておりますが、知事はどうなんでしょうか。知事の出した条件と市長の条件には重いあるいは軽いの差があるのでしょうか。
知事は建設位置については、将来県民の財産になるなら陸上でも沿岸部の埋め立てでも海上でもどちらでもよいと考えておられるのか、知事の御見解をお尋ねいたします。
次に、日米地位協定の見直しの問題についてお尋ねいたします。
去る13日の新聞紙上で、県の比嘉政策参与は、「稲嶺県政は対政府折衝で、できるかどうか分からない目標は掲げない。交渉がとん挫し、現状維持されるのでは、県民のためにならない」と述べています。
稲嶺県政としては、今度の日米両政府に対する地位協定の見直し要求についてはどの程度に実現性の高い現実的な対応と認識されているのでしょうか、まず稲嶺知事の現状認識から伺いたいと思います。
また、昨年12月の閣議決定には、日米地位協定については、その運用の改善に云々とありますが、このことは逆に条文の改正には一切応じないという政府のかたくなな姿勢のあらわれと思われますが、理想を追求するのではなく、現実的に対応するという稲嶺県政の政治姿勢との整合性はどうなのか、知事の御見解をお伺いいたします。
さらに、条文の改正が政府に拒否されたら、今度は知事が基地問題での協力を断固拒否するほどの不退転の決意で地位協定の見直しに臨んでおられるのか、稲嶺知事の御決意のほどを県民の前に明らかにしていただきたい。
次に、政治姿勢についての最後に、基地内道路の通行問題についてお尋ねいたします。
この問題は、県と国、在沖米軍が現地レベルで基地問題の解決策を探る三者連絡協議会で、緊急車両の基地内通行がほぼ合意されていたにもかかわらず、中央レベルにおいて在日米軍すべてに適用可能な枠組みを検討しているとの理由で現地での合意や実施が先送りされたというものであります。
三者協は、現地レベルでの解決を重視するために議題設定の段階から県と国及び在沖米軍の間で綿密な調整が行われていると理解しておりますが、今度の事例はいかなる理由でこのような結果になったのか、ここに至る経過を県民の前に御説明をお願いいたします。
その後、県としてどのような対策を講じたか、それも明らかにしていただきたい。
さらに今度の場合、在日米軍司令部の本音が、国内基地全体への波及を懸念したものであったにしても、建前の上では理由として在日米軍基地のすべてに適用可能な枠組みを検討するためということであれば、沖縄県として座して日米合同委員会の結論を待つのではなく、沖縄が率先してその枠組みづくりに資するためのパイロット事業として沖縄で先行実施してみることを提案するなど積極的に局面打開に動くべきだと思いますが、知事の御見解を賜りたいと思います。
基地問題で我が党の代表質問に関連して伺います。
知事は、先日の我が党会派の代表質問の伊波洋一議員の質問に関して、基地の整理縮小の立場から在沖米軍の大半を占め事件・事故の元凶でもある海兵隊の演習が今グアムやあるいはオーストラリアで演習がされるというふうに言われておりますが、現在この海兵隊の国外への移転を知事は県民の立場に立って基地の整理縮小あるいは事件・事故を少しでも軽減するというのであれば要求すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
次に、子ども病院の早期実現について。
子ども病院の重要性やその設立の必要性及び緊急性については、この間の関係者による粘り強い訴えやその支援者による広範な署名活動等の運動、それを伝えるマスコミ報道等で最近は広く県民の間にも知られるようになりました。今回の定例会でも多くの同僚議員が取り上げておりますが、もはや子ども病院の問題は啓蒙の時代を過ぎて実行の段階にあると思います。そこで実行の稲嶺県政がその実行力を十分に発揮することを期待いたしまして、以下の質問をいたします。
独立した子ども病院の建設に至る当面のスケジュールと小児医療体制の機能の充実・強化についてまずお尋ねいたします。
現在改築中の中部病院に併設予定の子ども病院、正確には総合周産期母子医療センターと申しますが、この施設の開所時期と機能等について再度お伺いいたします。
また、現在改築が検討されている那覇病院に関し、高度多機能病院構想が検討されているとのことですが、子ども病院との関係や開設時期、その機能についてお伺いいたします。
さらに、中部病院の総合周産期母子医療センターと那覇病院の高度多機能病院との関係はどのように理解すればよいのでしょうか、御説明をお願いいたします。
次に、中部病院や那覇病院での併設施設は暫定措置として、将来は独立した子ども病院が必要であると思われますが、そのような将来構想はどうなっていますか。また、21世紀に向けた稲嶺県政の医療ビジョンがあればあわせてお伺いいたします。
次に、中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業についてお伺いいたします。
今、沖縄市泡瀬地区の臨海部土地造成事業、いわゆる埋め立てが環境保護に関心を抱く県内外の人々や中城湾沿岸漁協の人々の間でも大きな問題になっています。またこうした埋め立て批判の声に刺激されてか、埋め立て推進派の人々の動きも活発になりつつあります。
何事にも両面があることを全く否定するものではありませんが、この泡瀬地区臨海部土地造成事業につきましては理解に苦しむことばかりです。
この埋め立ては185ヘクタール、ほぼ津堅島の大きさに匹敵し、およそ487億円の税金が注ぎ込まれます。また中城湾港工事の土砂処分場、正確に言えばしゅんせつ土砂の捨て場にされようとしているのです。そのために優良なモズク養殖場や良好な自然環境を示す藻場を埋め立てようとしています。
この土地には、リゾートホテルや栽培漁場施設やその他建設される計画もあるようですが、土地利用者や事業主体が未定のまま埋立事業が開始されようとしています。この近隣地域には、沖縄県が事業主体になっている中城湾港新港地区工業団地の分譲対象面積201.3ヘクタールがあり、そのうち分譲残地面積が115.5ヘクタールもあり、埋立用地は余っている状態であります。
4月の地方分権統一法の施行で海を埋め立てる場合、その許認可権は国が埋め立てる場合でも県知事にあります。県知事の責任は以前に比べてはるかに重大であります。
世界的な渡り性水鳥の保護、全国的な干潟保全や利用、財政赤字の拡大等それに伴う公共事業の見直しなどの社会的な流れの中で、用地余りや環境問題などを残したまま埋め立ての事業計画だけが進められていくことは極めて重大な問題であります。
そこで、以下の点についてお伺いいたします。
1点目、中城湾港地域、これは泡瀬地区を除く土地の造成状況についてでありますが、復帰後に当該地域で埋め立てにより造成された土地の総面積は幾らですか。
当該造成地の活用地(企業、住宅、公共用地等)と未活用地の比率は幾らでしょうか。
次に、泡瀬地区臨海部土地造成事業について。
当該事業の必然性及び緊急性について担当部長の具体的な説明を求めます。
次に、公共工事見直しや環境保全論と当事業推進論を比較して知事の所見を賜ります。
次に、女性・福祉行政についてお伺いいたします。
暴力は、その対象の性別を問わず許されるべきものではありません。暴力は人権の軽視のあらわれであり、女性に対する暴力は当事者だけの問題ではなく、社会的な問題としてとらえるべきであります。
さきほど外間久子議員の方からもかなり質問がありましたので、私は通告をしている中の4点目と5点目についてお伺いしたいと思います。
女性相談所と福祉事務所、あるいは警察、司法関係等との連携は、この女性に対する暴力の点でどのように連携がなされているのか。また離島などについて問題点はないかどうか、伺います。特に移送費についてお伺いいたします。
5番目の女性相談所併設の一時保護所の防災対策は十分でしょうか。今年度の防災実施状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
最後に、母子・寡婦福祉問題について。
本県は離婚率、母子世帯の割合が全国平均よりはるかに高く推移しています。県の福祉保健部の平成10年度のひとり親世帯の実態調査によりますと、母子世帯数が2万262世帯であると報告されています。長引く不況の中で母子世帯の平均月収は一般世帯に比較すると格段の差があり、家庭が困窮状態である世帯が多いことも調査結果で明らかになっています。
しかしながら、本県においては母子生活支援施設は沖縄市に13世帯、浦添市に20世帯しか設置されておりません。平成7年の国勢調査によりますと、那覇市の母子世帯数は4000世帯だと推測されております。総世帯数に占める割合は約5%だと言われております。
県母子寡婦福祉連合会を訪れる若年母子の中には夫が失業したり、暴力により離婚に至るケースが大変多く、子供たちを抱え基本的な援助を求めている現状があり、このような母子世帯の健全な家庭を築くためには積極的な生活支援が急務であります。つきましては、那覇市に母子福祉の原点である母子生活支援施設の設置を早急に実現していただきたいのですが、いかがでしょうか。
平成10年11月に県が5年ごとに実施している母子家庭、父子家庭、寡婦の実態調査の結果が発表されましたが、寡婦に対する調査の結果、母子世帯の母親より入院、通院、病気がちであるということがわかりました。寡婦の中には60歳の定年を迎えて65歳の年金が受給できるまでの5年間のことを考えますと、もし病気になった場合、医療費をどうするのかとても不安があると訴えております。
年金が受給されるまでの間、再就職をすることも考えなければならない状況にありますが、子供たちに負担をかけず暮らしていくためにもぜひ寡婦の医療費助成の枠の拡大を図っていただきたいという訴えがありますが、いかがでしょうか。
また、他府県の実態はどうなっているか、お伺いいたします。
答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の御質問にお答えいたします。
最初は、知事の政治姿勢についてのうち、名護市長は条件次第で撤回もあるというが、知事と市長の条件に軽重があるかという御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際、「地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること」など4項目の移設に当たって整備すべき条件を申し入れました。
また、名護市は受け入れの条件として、住民生活に著しい影響を及ぼさないこと、自然環境への影響をできるだけ小さくすること、移設にかかわる地元地域とその周辺地域及び北部地域の振興について政府と県が責任を持って支援していくことなど7項目の基本条件を提示しております。
県としては、移設に当たって整備すべき条件や名護市が受け入れ条件としたことについて、今後とも市と連携して一日も早い解決に向け取り組んでいきたいと考えております。いずれにいたしましても、名護市長とは連携を密にしながら対応していきたいと思います。
次に、同じく政治姿勢についてのうち、県の地位協定の見直し要請は現実的対応と言えるかという御質問と、12月の閣議決定で国は運用改善に誠意を持って取り組むとしていることを県は承知の上かという2つの御質問に一括してお答えいたします。
平成11年12月28日の閣議において「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との方針を国が決定していることについては県としても承知しております。
しかし、平成8年のSACO最終報告によって地位協定の運用の改善が行われた後も、米軍基地に起因する事件・事故や環境問題など諸課題が山積している本県の現状にかんがみると、運用の改善ではなく日米地位協定の条文そのものを見直す必要があると考えております。
国家間の条約である日米地位協定を見直すことは容易でないことは十分に承知しておりますが、今回の要請内容の検討に際して参考にしたドイツのボン補足協定は1959年の締結以降3度も改正されております。ボン補足協定も日米地位協定と同様に米国政府が一方の締結当事者であり、ボン補足協定と同趣旨の内容の日米地位協定の見直しを求める県の要請を実現することは可能であると考えております。
次に、同じく政治姿勢のうち、地位協定の条文改正を国に拒否されたら基地問題での協力を知事は拒否するのかとの御質問にお答えいたします。
県としては、国家間の条約である日米地位協定を見直すことは容易ではないことは十分に承知しておりますが、今回の「日米地位協定の見直しに関する要請」に盛り込まれた内容は、55年間も過重な米軍基地を負担してきた県民の総意であり、環境問題や人権問題などの今日的課題について、米軍基地周辺に居住する地域住民の視点から日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考えております。
県では、去る8月29日及び30日に日米両政府に対し要請したほか、9月13日の全国知事会議においても、森総理に対し、日米地位協定の見直しについて特段の御配慮をお願いいたしましたが、今後とも県選出国会議員の方々に国会においても取り上げていただくなど広く全国民のコンセンサスを得ることができるよう訴えていくとともに、渉外知事会の要請などあらゆる機会を通して日米両政府に対しその実現を粘り強く求めていきたいと考えております。
次に、我が会派の代表質問との関連についてということで、伊波洋一議員の代表質問で、海兵隊の撤退について知事の見解を求めたが、明確な答弁がなかったので、海兵隊の撤退について再度知事の見解を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
県としては、50年余の過重な基地負担を軽減するという観点から、海兵隊を含む米軍の削減を願うところでありますが、基地問題についてはいろいろな方がいろいろな発言や主張をなされておりますので、今後の動向を見守っていきたいと考えております。
キャンベル氏の論文については、同氏は現在米国防副次官補の職を退いた方であり、研究者の立場で書かれたものだと理解しております。
いずれにしましても、県としては日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACO合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
一方、米海兵隊のトップであるジョーンズ総司令官は、私との会談の際、沖縄の不公平な位置づけを考慮した負担の軽減については今後も継続的に努力を重ね、でき得る限り訓練を他のいろいろな場所で実施するよう努めたいと発言されておりますので、県としては、今後、県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
次に、子ども病院の早期建設についてのうち、新中部病院に併設予定の子ども病院の開設時期とその機能について伺いたいということと、新那覇病院に併設予定の子ども病院の開設時期とその機能について伺いたいとの2点につきましては、関連がございますので、一括してお答え申し上げたいと思います。
本県においては、乳幼児死亡率や低体重児出生率などが全国平均より高いことから、リスクの高い母と子への適切な医療が提供できるよう中部病院の改築にあわせて総合周産期母子医療センターの整備を進めているところであります。当該施設は、来年6月竣工予定であります。
また、改築が予定されている那覇病院については高度多機能病院構想が検討されており、その機能については周産期医療及び小児総合医療等に関して広く関係者の意見を聴取しているところであります。
なお、構想策定後、建設に向けた具体的な対応を早急に図られるよう推進していくこととしております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の知事の政治姿勢についての御質問に順次お答えしたいと思います。
まず第1に、昨年12月の閣議決定の「国際情勢の変化」とは何を意味するかという点と、知事はこの意味を日米両政府に求めたことがあるか、あるいは今後求める考えがあるかという御質問に一括してお答えをいたします。
冷戦終結に伴い、東西間の軍事的対立の構造は消滅いたしましたが、各地域には領土、民族、宗教上の問題などに起因する複雑で多様な地域紛争が発生している状況があります。
このような国際情勢につきましてはいろいろな見方があると思いますが、国家間の外交や防衛に係る情勢の判断につきましては国においてなされるものであると理解しております。
次に、南北朝鮮の緊張緩和、中国のWTO加盟、米国の最恵国待遇等は該当するかという点と、米国政府と協議していくための国際情勢の変化に何が想定されるかという点について、一括してお答えいたします。
県としては、朝鮮半島における緊張緩和を期待するものでありますが、外交・防衛等の観点からの国際情勢の判断につきましては国においてなされるものであると理解しております。
次に、閣議決定の「重く受け止め」というのは、要請を条件として受けとめたということかという御質問にお答えいたします。
普天間飛行場は、市街地の中心部に位置し市民生活に深刻な影響を与えていることから、その返還を早期に実現するためやむを得ず県内移設という苦渋の選択をしたものであります。
県の移設候補地選定や名護市における移設受け入れ表明を受け、国においては昨年末に普天間飛行場の移設に係る政府方針を閣議決定しております。
その中で、「沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」とされており、県や名護市の考え方等については国は真摯に受けとめられているものと理解しております。
次に、代替施設の建設位置は、県民の財産になるなら陸上・沿岸埋め立て・海上でもよいのかという御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場の移設先としてキャンプ・シュワブ水域内辺野古沿岸域を選定したところであり、代替施設の規模、工法及び具体的な建設場所等については、去る8月25日に設置された代替施設協議会において代替施設の基本計画策定の中で協議されることとなっております。
次に、緊急車両の基地内道路の通行についてこれまでの経過を聞きたいという点と、その実現に向けて県はどのような対応策を講ずるのかという点と、沖縄からパイロット事業としてやる意思はないかという3点について一括してお答えいたします。
緊急車両による基地内道路の通行につきましては、昨年9月の第18回三者連絡協議会、いわゆる三者協において県が議題として提案いたしました。三者協での協議結果を踏まえ、昨年11月に米側及び県の関係者によるワーキングチームが設置され、緊急自動車へのステッカーの貼付、米側への事前通報、米軍車両による先導など実施に向けた具体的な方法や条件について現地レベルで協議が重ねられてきました。その結果、本年4月、米側との間で本事項の実施についておおむねの了解が得られました。
その後、在日米軍において、本事項の実施は米軍と地域社会とのよき隣人関係の構築に寄与するよい取り組みであるとの評価がなされ、すべての在日米軍施設において適用できる枠組みを設定するため現在日本政府との間で検討が進められているところであります。
県としては、本県における基地問題の解決を促進するためには、現地レベルで解決できるものについてはできるだけ現地で解決することが重要であると考えており、本件の早期実施と現地司令官の権限の強化を日米両政府に対し求めているところであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 子ども病院の早期建設についての中で、中部病院の総合周産期母子医療センターと那覇の高度多機能病院構想の関係についての御質問、それから中部病院や那覇病院での経過措置後の「独立・子ども病院」構想のビジョンはないかとの御質問は、関連がございますので一括してお答えいたします。
県では、リスクの高い母と子に対して適切な対応ができるよう、沖縄県周産期保健医療協議会からの提言を踏まえて、改築中の中部病院に総合周産期母子医療センターを整備しているところであります。この施設は中・北部地区を広域的に連携する機能を持つものとしております。
また、同提言は南部地区においても総合周産期母子医療センターを整備するものとしており、この施設は宮古、八重山地区及び離島も含めて広域的に連携する機能を持つものとしております。
このことについては、改築が予定されている那覇病院において高度多機能病院構想が検討される中で周産期医療、小児総合医療――いわゆる子ども病院機能でありますが――等に関して広く関係者の意見を聴取しているところであります。この構想に基づいて母子総合医療の充実・強化に努めていく考えであります。
次に、女性・福祉行政について、女性相談所と福祉事務所、警察、司法関係等との連携はどうか、また離島の状況はどうかとの御質問にお答えいたします。
女性相談所の平成11年度の来所相談件数274件について見ますと、本人からの相談が83%と最も多く、警察関係、法務関係、福祉事務所等を経由した相談もあり、個別のケ-スを通した連携がなされております。
また、県では関係部局長で構成する売春防止対策本部を設置し、その幹事会には警察関係者、法務関係者、福祉関係者、女性相談所等が加わっており、毎年幹事会を開催し情報や意見の交換を行っているほか、適宜連携を深めることを申し合わせております。
宮古、八重山の各支庁福祉課には婦人相談員を配置し直接婦人保護等の相談に対応しているほか、管内の関係機関との連携に努めております。
なお、離島からの移送費については制度的に可能となっております。
次に、一時保護所の防災対策は十分か、地域防災計画の実施状況はどうかとの御質問にお答えいたします。
一時保護所の防災対策については、沖縄県女性相談所・一時保護所消防計画を定め、入所者及び職員の防災教育を年2回実施することとしております。また年1回の消防設備等の安全点検も行っており、平成12年度の点検結果においては整備を必要とする箇所があり、対応を検討しております。
また、災害時における入所者の安全確保については地域社会との連携、地域住民の協力を得ること等充実・強化を図ってまいります。
次に、同じく女性・福祉行政の中で母子生活支援施設建設についての御質問にお答えいたします。
本県における母子生活支援施設は沖縄市に1カ所、定員13世帯、浦添市に1カ所、定員20世帯となっております。
平成10年度に実施した沖縄県ひとり親世帯等実態調査の母子世帯数2万262世帯からすると、本県の施設数が不足の状態にあるため市町村との連携により建設促進に努めてまいります。
次に、同じく女性・福祉行政の中で医療費の助成の必要性についての御質問にお答えいたします。
平成6年度より実施された母子及び父子家庭等医療費助成事業は、母子家庭や父子家庭等の保護者と児童の医療費を助成することにより、当該家庭の保健の向上と福祉の増進を図ることを目的としております。
寡婦に対する医療費助成制度については、全国で福井県ほか3県が実施しております。寡婦については、他県の状況の推移を見守りながら検討してまいります。
○土木建築部次長(金城英男) 中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業について、復帰後の埋立造成面積について、また造成地の活用状況について関連いたしますので一括してお答えいたします。
復帰後、中城湾港港湾区域内における土地造成面積は、平成12年8月末現在で新港地区で約362.1ヘクタール、西原・与那原地区で約52.7ヘクタール、知念地区で約10.2ヘクタール、その他7地区で約21.1ヘクタール、合計約446.1ヘクタールとなっております。
このうち、埠頭用地、緑地、道路、護岸等の公共用地及び分譲のため整備中の用地を除く分譲可能面積は、西原・与那原地区、新港地区の両地区で約191.2ヘクタールとなっており約141.7ヘクタールを分譲していることから、分譲率は74.1%となっております。
同じく中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業について、当該事業の必然性及び緊急性について、また環境保全論と当事業推進論を比較しての見解を問うについての御質問については、関連いたしますので一括してお答えいたします。
沖縄市を含む本島中部圏東海岸地域は、経済活力の低下が見られることから、これら地域の活性化を図るため雇用の場や誘客の場としての拠点地区開発が必要となっております。しかし沖縄市は市域の約36%が米軍基地となっており、既存陸域に開発可能なまとまった土地がないことから、埋め立てにより拠点地区開発として当該事業が位置づけられたものであります。
当該事業は、計画段階から市民や専門家等の要請や提案等を取り入れ多くの検討を重ねてきた結果、当初陸域で340ヘクタ-ルであった埋め立てが186ヘクタ-ルの出島方式の計画となったものであります。当該事業に対する市民の期待は強く、平成7年10月、平成10年11月には早期実現市民総決起大会等が開催され、来る10月にも開催される予定であります。
また、去る6月の沖縄市議会においては「埋立同意」の議決がなされており、中部圏域の振興のために緊急に必要な事業であると考えております。
中部圏地域の活性化は非常に重要な課題であり、また同時に自然環境の保全も極めて重要なものであると認識しております。このため、可能な限り環境への配慮を行い事業を推進していく必要があると考えております。
以上でございます。
○糸数 慶子 再質問いたします。
母子生活支援センターについてお伺いしたいと思います。
先ほど平良部長は、那覇市にその母子生活支援施設の建設推進に努めていくとおっしゃいましたが、具体的なスケジュールについてお伺いしたいと思います。
それと女性相談所の件なんですが、外間久子議員の質疑のときにも答えていらっしゃいましたけれども、離島の方から駆け込んできた女性たちの移送費の助成がきちんとされているというふうにお答えになっていらっしゃいますが、実際には駆け込まれたときに離島の職員が移送費がないために御自身のポケットマネーで職員合わせて送り出したという現実もございますので、その辺の再調査について。
それともう1点、防災施設に関しましては、今回火災報知器など実際に現在稼働すべきものが全く稼働してない状況になっておりまして、24時間体制を整えておくべきはずの場所が、そういう避難器具すら、あるいは防災施設すらきちんと整ってないという現状にありますが、その件に関しての予算措置についてお伺いしたいと思います。
○福祉保健部長(平良健康) 再質問にお答えいたします。
母子生活支援施設の建設についてでございますが、これは相手が那覇市が主体でございますので、那覇市と十分協議を重ねながら対応してまいりたいと思います。
2番目の移送費の件でございますが、制度的には一応可能なものでございますけれども、この制度そのものがもともと売春防止法に基づく仕組みでありまして、現在の新しい社会情勢といいますか、家庭内暴力への体制としては不十分なものは確かにあると思います。したがいまして、これは国の女性参画についての総理への提言がけさの新聞にも載っておりますけれども、新しい法体制が今模索されておりまして、その中で総合的な行政としてこれは取り組むべきものであろうというふうに考えております。しかし現実にはそういうことで利用できるものを利用して対応してまいりたいと、こういうことでございます。
3つ目の防災のことでございますが、非常に老朽化した建物でございますので、細かに点検しながら大切に使って防災に努めてまいりたいと、このように思います。
予算的には早く対応できるように努力したいと思います。
○兼城 賢次 通告に従いまして質問をいたします。
まず、基地問題についてお伺いをいたします。
沖縄の基地のあり方がこれまでもいろいろな形で論議されてきましたが、ここへきてアメリカの軍人や前米国防副次官補の発言がクローズアップされております。南北朝鮮の歴史的な会談を受けての緊張緩和は、沖縄の基地問題にも大きなものがあります。
沖縄の基地がなぜ50年余も変わらずにあり続けるのか。知事が幾ら米軍基地は国の安全保障にかかわるものであり、その負担についても日本国民がひとしく引き受けるべきものであり、沖縄が抱える基地問題については国民的課題として取り組まれる必要があると言ってみても、政府と国民には普天間移設が特別調整資金や北部振興策が基地とバーターし、国民的課題だという基地問題も実は沖縄自体がまさに今問われているのではないでしょうか。
米海兵隊トップは、沖縄の海兵隊の訓練をグアムや日本国内の他基地に移動してやってもいいというのであります。沖縄の過重な負担にも考慮してのことだというのであります。
これまでの海兵隊の本土への訓練の移動を訴えても、海兵隊の訓練の性格上、本土での移動訓練は不可能だとのことでありました。これまでも海兵隊の施設は県外移転させることが可能だということは以前にもありました。政府系シンクタンクNIRAの委託を受けた研究所が、沖縄の海兵隊のほとんどの機能を北海道の苫小牧東部に移転させるということでありました。
これまでもアメリカの議会調査局も、普天間飛行場を含めた沖縄の海兵隊の機能移転は可能としておりますが、政府は陸海空の3施設が一体として機能しているから県外移設は困難だというものでありました。しかし今回の海兵隊のトップの発言は、県外での訓練に何ら支障がないということを示しました。県外移設をいかにも困難視し、沖縄に基地をとどめておく根拠も言うほどのことではないことが明らかになりました。
政府が困難視するのは移設先での反対運動が予想されることであり、政治的問題を生むことを恐れて政府が避けているのが本音と言われます。沖縄の人々の痛みを国民全体で分かち合うべきだという元総理の発言もむなしいものであります。
そこでお伺いをいたします。
アメリカの軍人、前高官の海兵隊の県外、国外での訓練発言は基地機能、兵力などと海兵隊の県外、国外での訓練と陸海空一体論も含めて戦略的アプローチをすべきと思いますが、どうでしょうか。
次に、普天間移設の15年使用期限問題がうやむやにされながら作業が次々と進められております。そもそも移設先の決定にしても政府の沖縄の米軍基地問題の今後の取り進め方、オペレーションプランを見せられた者としては、織り込み済みの作業にも見えます。
その地域は、国際自然保護連合の総会に回遊するジュゴンの保護と北部に生息するノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を求める勧告案が提案されるとのことであります。県の自然環境保全審議会の答申でも、現状のままでの保全すべき地域として1位にランクづけされた場所であります。選定経過もなぜ辺野古に決まったのかの根拠もあいまいにされてきました。いずれにしても辺野古沿岸、北部の山野は環境保全の問題として国際的にも関心を持たれるようになりました。
さて、米軍基地の存在理由もソ連の脅威論から崩壊後は北朝鮮脅威論が振りまかれ、今にも難民が押し寄せて何をしでかすかわからない北朝鮮のイメージでありました。南北朝鮮の友好的首脳会談が脅威論を払拭しました。次は中国脅威論でありましょうか。
コーエン米国防長官は、アジア・太平洋地域の安定のため日本、中国も含めた平和維持活動など多国間共同演習の構想を明らかにいたしたとのことであります。
今、移設に1兆円の経費と10年はかかると言われる中で、しかも深刻な財政危機のもとで巨費を投じての基地建設が可能だろうか。国民を説得できるのでしょうか。
さきにも申し上げましたが、海兵隊の戦略的位置づけを問う時期ではなかろうか。沖縄でなくとも演習可能なのですから、知事は15年使用期限で移設条件として主張し続けるだけですか。工法、場所決定され作業が進められた場合、期限があいまいのままの状態にどう対応されるのか、お聞かせいただきたい。
次に、沖縄サミットについてお伺いいたします。
沖縄サミット開催が決まったとき、驚きと何らかの期待感もありました。それが近づくにつれて思惑を持って期待していたものが薄れていったというのが実感ではないでしょうか。わずか2カ月前のことがかなり以前の出来事のように思えるのもサミットのこのようなことと無関係ではないと思われます。サミットの地方開催ということで激しい誘致合戦も繰り広げられ、最も不利と言われた沖縄に決定したとき言われたことは、政府の沖縄へのプレゼントには必ず難解な、厄介な条件がついてくる、今回のその条件とは米軍基地の固定化、より具体的には普天間飛行場の移設先を辺野古など県内にすることの受諾だということでありました。
サミットに政府の政治的背景を見るのでありますが、普天間飛行場の辺野古への移設とリンクしていることは否定しようがありません。なぜ過ぎ去ったことをくどくど述べるのか。沖縄のためのサミットのごとく言われるが、それほどのことではないということであります。サミットのプレゼントが、言われるような普天間飛行場の移設推進に利用されるごときは許されるべきことではないのであります。ともあれG8の首脳が一堂に会するサミットでありますから、外国のメディアに乗って沖縄が海外に発信されたことの意義はともかく、市町村と各国首脳の交流は大事に受けとめたいと思います。少女わいせつ事件での緊急県民大会、7月20日の嘉手納基地包囲には県民の基地に対する反応が報道されております。
そこでお伺いいたします。
知事は、沖縄をどのようにアピールされ、どのような反応を実感しておられるか、所見をお伺いしたい。
2点目に、嘉手納基地包囲は外国のメディアが大きな関心を持って発信されました。平和の発信と基地に対する県民の思いのあらわれと見ますけれども、知事の所見をお伺いいたします。
次に、ポスト3次振興計画についてお伺いいたします。
1次、2次、3次と取り組まれてきました振興開発計画も平成13年度が一応の区切りとなります。県は、3次振計の総点検報告書も発表されております。いまだに他府県に比べて格差は是正されず、計画や目標も達成に至らず、自立的経済に向けてあがいているという状況であります。
3次振計が掲げた本土との格差是正、自立的発展の基礎条件の整備、我が国の経済社会及び文化の発展に寄与する特色ある地域としての整備も道半ばであります。政府も今なお沖縄は物的生産部門の弱さや厳しい雇用情勢、財政に大きく依存する体質、広大な米軍施設の存在などの課題を抱えていることを挙げております。
沖縄振興開発特別措置法が目指しているものがいまだに達成が見られないのでありますが、当然政府の責任においてポスト3次振計は取り組まれるものと考えます。政府は、ポスト3次振計は継続されるものと理解をいたしますが、閣議決定はあるものの、その後の振興計画の経過や作業がどのようになされているのか。平成13年度を区切りとするポスト3次振計に取り組み作業をするにはそれほど時間的余裕があるのでしょうか。それとも国の計画に乗っかっていくだけという思いであるのでしょうか。21世紀を展望する大事なポスト3次振計でございますので、あえて申し上げたいと思います。
県は、3次にわたる沖縄振興開発計画によっても特異な歴史経過の中で形成された本県の経済構造を変えるまでには至っておらず、復帰時における産業振興に関する課題は解決されないまま現在に至っていると総括されております。厳しい雇用情勢、財政依存はどれも経済的自立が前提でありますが、その基礎となる産業が脆弱な状況は厳しいものがありますが、問題点も課題も承知しておられるわけですから、解決に向けての取り組みも可能なはずであります。
そこでお伺いいたします。
あたふたとした取り組みを避けるためにもポスト3次振計に取り組むべきと考えるが、所見を賜りたいと思います。
それとあわせて、閣議決定後の作業についてもお聞かせいただきたいと思います。
次に、松くい虫被害の対策についてお伺いをいたします。
中南部が特に被害が多いようであります。松はここ数年で絶滅するのではないかと心配されるほどであります。青い空、青い海、青い松が沖縄の風景だと言われております。松枯れが目立ち始めて市民からは何とかならないものかと相談もあります。保全松林、その他松林は私有林で個人任せの状態で被害駆除率も21%といいます。手のつけようがない。これだけの被害に至ると伐倒駆除では市町村でも対応ができないのではないでしょうか。被害は広がるばかりであります。予算不足でこのまま来年度に持ち込ませれば被害を拡大させるだけです。
法律的にはともかく、その他松林も含め県の緑化計画の面からも松くい虫被害対策にどのような対応をなされるか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、金武湾港天願地区の港湾整備についてお伺いをいたします。
広大な金武湾港も年々整備が進んでおりますが、一度は整備したものの利用状況に追いつかなくなり、改めて整備しなければならない時期にあるのが天願地区港湾であります。
かつての組合員数や漁船はそれなりにおさまっていたのでありますが、かつてはですね、今日ではそれぞれがかなりの規模になり港湾は狭隘化し、また大型船は係留にも困難であります。台風による浮き桟橋の破損には操業も難しく、天願川からのホテイアオイの流入など漁業に邪魔になるなど港湾全体の整備が必要であります。組合員、漁船ともふえ、後継者も育ちつつあり、生産高も順調に伸びております。整備による波及効果は大きいものがあります。
早急に天願地区港湾整備がなされるべきと考えますが、整備計画についてどのように考えておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの兼城賢次君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後6時5分休憩
午後6時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の兼城賢次君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えをいたします。
最初は基地問題について、アメリカの軍人、前高官の海兵隊の県外、国外での訓練発言は基地機能、兵力などと海兵隊の県外での訓練と陸海空一体論も含めて戦略的アプローチをすべきと思うがどうかとの御質問のお答えでございます。
県としては、50年余の過重な基地負担を軽減するという観点から、海兵隊を含む米軍の削減を願うところでありますが、基地問題についてはいろいろな方がいろいろな発言や主張をなされておりますので、今後の動向を見守っていきたいと考えています。
キャンベル氏の論文については、同氏は現在、米国防副次官補の職を退いた方であり、研究者の立場で書かれたものだと理解しております。
いずれにしましても、県としては日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
一方、米海兵隊のトップであるジョーンズ総司令官は私との会談の際、沖縄の不公平な位置づけを考慮した負担の軽減については今後も継続的に努力を重ね、でき得る限り訓練を他のいろいろな場所で実施するよう努めたいと発言されておりますので、県としては今後県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
同じく基地問題について、15年使用期限は条件として主張し続けるだけか、工法、場所が決定されて工事が進められた場合、期限があいまいのときどう対応するのかということのお答えでございます。
普天間飛行場の県内移設については、昨年末に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき協議会が設置され、それぞれ具体的に取り組みが進められているところであります。
15年の使用期限問題については、これまで日米間で取り上げられており、引き続き日米両政府において解決に向けた協議がなされるものと考えております。
また、さきに来県したクリントン大統領やジョーンズ米海兵隊総司令官にも、代替施設の使用期限については日本政府に対して強く要望しているということを申し上げ、沖縄の実情について理解を求めてきたところであります。
県では、代替施設の15年使用期限問題について、全国知事会や代替施設協議会の場でも政府に対して、県民の意向を酌み取り早期に解決するよう特段の配慮を要望したところであります。
県としては、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたって担ってきた過重な基地負担について我が国全体の問題として考え、代替施設の15年使用期限問題については政府の責任において早急に解決策を示されるよう引き続き強く求めていく考えであります。
次に、サミットについて、沖縄をどのようにアピールしたのか、その反応についてという御質問のお答えでございます。
県では、サミット開催の機会に沖縄の米軍基地の現状や平和を希求する県民の心を初め沖縄のすばらしい文化や自然、観光・リゾート地としての魅力などを世界に発信しました。
まず、インターネットの活用や東京外国特派員協会における講演などにより、海外の報道関係者に事前の広報活動を行いました。
サミット開催期間中は、クリントン大統領に平和の礎でスピーチしていただくとともに、平和の礎建立に込められた沖縄県民の恒久平和への願いや県民が基地の整理縮小を求めていることを申し上げ理解を得ることができました。
また、海外から来県した報道関係者を対象に普天間基地及び嘉手納基地、平和の礎、観光施設などを視察するプレスツアーを実施しました。さらに、歓迎レセプションや首里城での夕食会で沖縄の伝統芸能なども披露しました。
サミットの状況は、各種メディアを通じて世界じゅうに報道されましたが、その中では開催地沖縄のさまざまな情報が伝えられました。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員のサミットについての質問事項の中の、嘉手納包囲は外国メディアが大きな関心を持って発信されたが、所見を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
基地問題については、より多くの人々に本県の現状を知っていただくことが本県の基地問題の解決を促進する上で大きな力になるものと考えております。
今回の嘉手納包囲についても、基地問題に対する県民の意思表示の一つの方法として見ていただけたものと理解しております。
県としては、報道関係者を初めサミットで本県を訪れた方々が、県民の平和を希求する心や長年にわたる過重な基地負担の現状、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることなど、沖縄の現状を肌身で感じていただき広く国内外に発信できたものと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) ポスト3次振計について、閣議決定後の振興計画の経過や作業をどのように取り組んだかについてお答えいたします。
政府は昨年末、新たな時代に向けた沖縄振興新法の実現を目指すとともに、ポスト3次振計の検討について閣議決定をしたところです。
県としては、新たな沖縄振興計画の策定に向けて第3次沖縄振興開発計画の総点検を実施するとともに、平成12年6月に総点検に対する沖縄県振興開発審議会からの意見をいただきました。
また、このことを踏まえ、去る8月国に対し、新たな沖縄振興に関し要望したところであります。
県としましては、平成13年3月までに各界各層からの意見を求めながら、新たな沖縄振興計画の策定に向けた県の基本的な考え方を取りまとめたいと考えています。
以上です。
○農林水産部長(小那覇安優) 松くい虫対策について、県緑化計画の面からも松くい虫被害対策にどのように対応しようとしているかとの御質問にお答えします。
松くい虫被害対策については、県総合緑化基本計画の推進、緑資源の保全等の面からも大変重要であると考えております。そのため、被害対策については森林病害虫等防除法に基づいて、保安林等の「高度公益機能森林」と地域の重要な松林「地区保全森林」を「保全すべき松林」として地域指定を行い、国庫補助による防除事業を実施しているところであります。
また、補助対象外の「その他松林」については、森林所有者の自主防除を基本として市町村や所有者の協力を得ながら緊急雇用対策基金を活用した防除を進めております。さらに、防除事業を強化するため9月補正予算に約4000万円を計上しているところであります。
今後とも、松くい虫被害の終息に向け、国の支援を得ながら市町村、森林組合等関係機関と緊密な連携を図り、防除体制の一層の強化と所要の予算確保に努めてまいります。
また、長期的には抵抗性松の育成など新技術の開発に取り組み、地域の被害状況に即した的確で、かつ効果的な防除対策を推進してまいりたいと考えております。
○土木建築部次長(金城英男) 金武湾港天願地区について、金武湾港天願地区の改修整備計画についてお答えいたします。
金武湾港天願地区は、漁船及び遊漁船対策として物揚げ場や船揚げ場等を整備しておりますが、防波堤については、当該箇所が軟弱地盤であることから経済性、施工性を考慮して消波ブロックを積み上げた透過構造となっております。このため、荒天時には天願川からの濁水が防波堤を透過して船だまり内に流入し土砂堆積が起きる状況にあるため、その対策として平成10年度に県単独費で港内しゅんせつを実施しておりますが、再度堆積している状況であります。
県としましては、防波堤構造の改善や平面配置計画の変更等が必要と考えており、港湾計画変更の手続を経て次期港湾整備五箇年計画で事業化が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○兼城 賢次 まず1点目に、知事はいろんな人が発言をされておって、今後この発言の動向を見守っていきたいということでございますけれども、これが沖縄の県知事でなければそういうことで見守るということもいいかもしれませんけれども、今現実になぜ大上段に戦略的アプローチとかというようなことを申し上げるかというと、この今現実に進められているわけですから、この基地移転問題はですね。その移転していく海兵隊というのがどういうような戦略的位置づけがなされているかということを、やはりこれはもういろんな形で議論されているわけです。
そういう立場から、今まではこの移転問題を議論するというと、陸海空一緒であるからもうだめだと、そういうようなことでいつも逃げておった。ところが実際にやっている人たちが、それは移転可能だということを言っているわけですから、ここはやはりもう海兵隊というのは見直していい時期に来ているだろうと。
しかもこういう指摘もあるわけですね。この海兵隊というのはもう米国本土でもそうですが、日本でも専門家からよく言われておりますのは、歩兵装甲車両の部隊、そういう第3師団としての戦闘部隊としてはほとんどその役目はないと、別に沖縄でなくてもいいということも以前から指摘されているわけですから、それはお互いだけで議論しているんじゃなくて、そういう立場にある人たちもそうなんだから、何も知事が見守るとかいうことではなくして、当然こういう海兵隊であればもうここにつくる必要はないということで議論すべきだと思うわけです。
それと実は新聞によりますと、県の方が、これは事実かどうか確認させてもらいたいんですが、毎日新聞の方にこの「軍民共用空港の滑走路の長さを大規模な2500メートル級とする案を県の第1案として固めた。」という報道がありますけれども、これはその報道が事実なのかどうか、ひとつ教えていただきたいと思います。
それと2点目の15年問題ですね。日米間で取り上げられたとおっしゃいました、先ほど。取り上げられたというけれども、これまでのいろんな質問をしている内容は日米間の議論がまともになされてない。だからどうするのかということを聞いているんであって、日米間で取り上げられているからどのように話し合われているかわからぬけれども、そういうような日米間で話がなされているんだというような認識では、これは15年問題、いつまでも主張し続ければいいというものじゃないわけでしょう。
実際に先ほど指摘したように、作業が進んでいるのに見守ります見守りますということではもう歯どめにならぬわけですよ。どこかでこれは歯どめをかけなきゃいけないんだ。それを日米間で話し合っているからいいという話でもないわけですし、主張すればそれでいいというものでもないから、ここらでちゃんと歯どめになるような、あるいは担保になるようなものが必要だということを申し上げているわけですから、それをひとつ答弁していただきたいと思います。
それと松くい虫についてですが、農林水産部長の答弁を聞きますというと非常に楽観的といいますか、何か対応が対策が進められるかなと思っているんですが、実は具志川市の状況は大変厳しいものがございまして、現在松くい虫の被害に遭った松がことしの予算で処理するにしても12%程度しかできないと。実際にそういうような状況であるわけですから、もう部長がおっしゃっているような形ではとても対応できませんよと。これはもう緑化計画の中で、マーチェー、チャーナティンシムンナーというんだったらそれでいいかもしれないけれども、そうじゃない沖縄の文化的なそういう風景としてあるから、そういうことを申し上げておりますので、もうちょっと取り組み方を強化してもらいたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 最初の兼城賢次議員の再質問にお答えします。
最初の問題について、見守るというのは沖縄の知事の立場として弱いのではないかという御指摘がございましたけれども、私が申し上げているのは消極的な意味でございませんで、あくまでも基地の整理縮小を図るという意味で、それを前提にしながら見守りたいと思っております。そしてこの海兵隊の問題についても、今後まず県民の負担軽減を図る観点から海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に強く働きかけていきたいと考えております。
次に、2番目に毎日新聞の報道についてのお答えをいたします。
普天間飛行場代替施設について滑走路と軍民共用飛行場の計画案が報道されているがどうかということの御質問に対するお答えでございます。
普天間飛行場の移設に関しては、去る8月25日に代替施設協議会が設置され、代替施設の規模、工法及び具体的建設場所、その他基本計画の策定に必要な事項について国、県及び名護市等地元市町村による協議が開始されたところであります。
県は、昨年移設候補地を選定した際、移設に当たって整備すべき条件の一つとして「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること」を提示しております。
国においても、代替施設は軍民共用飛行場を念頭に整備を図ることとされていることから、今後代替施設協議会の場で滑走路等の基本施設やその他の空港施設等基本計画策定に必要な事項について協議がなされるものであります。
県としては、全くそれには県案で固めたという報道については事実ではございません。
次に、15年問題についてですが、日米で協議をするということでございますが、基地の提供責任はあくまでも日本政府にありますので、私たちはあくまでも国の責任においてこの問題を解決するよう強く求めているところでございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 松くい虫について再度お答えします。
松くい虫は、4月の下旬ごろからマツノマダラカミキリという虫がマツノザイセンチュウというセンチュウを伝播して松を枯らすわけなんですけれども、この松を枯らすマツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリというのは4月下旬ごろから羽化して成虫になって飛び出します。それが8月いっぱい飛び出します。
そういうことで防除についてもその発生の初期である4月の下旬と、それからピークになる大体6月の中旬ごろに薬剤を散布して防除します。大体これは防除費の2割ぐらいをここで投じます。そして最終的には発生が確認される9月以降に最終的な確認ができますので、その時期に防除します。
ですから、今中部地域でも実際上、保全松林についてはほぼ100%の防除をしています。保全松林というのは高度公益松林と地区保全松林、これは高度公益松林については県が実施します。地区保全松林というのは国が2分の1、市町村が4分の1、県が4分の1の補助でやっています。これは100%やられています。
ただし、その他松林というのは本来これは個人が地権者の責任でやるべきですけれども、これについても緊急雇用対策関係でこれから防除をするということで、ただし全体を防除する予算はございませんので、緊急かつ重要な場所から防除をしていきたいということで予算確保も含めまして、沖縄の重要な資源であります松保全には全力をかけて頑張りたいと考えております。
以上です。
○当山 全弘 夜間の本会議、本当に御苦労さんでございます。しんがりを務めますので、しばらくの間よろしくお願いを申し上げます。
平成12年第3回沖縄県議会に際し一般質問を行いますので、誠意ある答弁をお願いを申し上げます。
基地問題について。
米海兵隊にとって沖縄は演習場が狭い上に民間と隣接し制約が余りにも多い。基地被害に対する住民の反応も厳しい。よって演習地としての沖縄は魅力を失いつつあり、訓練維持は難しくなりつつある。米国防副次官補を務めた米戦略国際問題研究所のキャンベル副所長が論文を掲載し、米軍のアジア駐留態勢や日本国内での訓練を見直すよう提言をしました。また、「東南アジア諸国やオーストラリアに米軍基地や演習場を分散し、日本国内で実施している軍事訓練についても、その一部をフィリピンやグアムなどで行うことを検討すべきだと提言」している。
さらに海兵隊のジョーンズ総司令官も8月31日付の「星条旗」で、「在沖米海兵隊の訓練をもっとグアムで行うべき」だと述べております。
次の質問をいたします。
1つ、海兵隊と訓練分散について。
①、米軍のアジア駐留態勢や日本国内での訓練を見直すべきだ。つまり「東南アジア諸国やオーストラリアに米軍基地や演習場を分散し、日本国内で実施している軍事訓練についても、その一部をフィリピンやグアムなどで行うことを検討すべきだと提言」しているが、知事の所見を伺いたい。また海兵隊のジョーンズ総司令官も8月31日付の「星条旗」で、「在沖米海兵隊の訓練をもっとグアムで行うべき」と提言しておりますけれども、そのことについても知事の所見を伺いたい。
②、負担軽減のため沖縄での訓練を見直すべきだと言っている。朝鮮半島の緊張緩和によって、なぜ沖縄に1万7000人にも及ぶ海兵隊が必要なのか疑問は消えないが、知事の所見を伺いたい。
③、SACOの合意の中身については、在沖米軍基地の過重負担の解消にはつながらないと思うが、知事の所見を伺います。
④、老朽化した普天間基地にかえて最新ハイテク機能を備えた基地の建設は、空中給油すれば中国、北朝鮮に攻撃可能なMVオスプレイを配備すれば、北朝鮮、韓国の歴史的な和解が平和ムードである中において、中国や北朝鮮、ロシアの対抗的軍事強化を引き起こすことは明白でありますけれども、そのことについてアジアの軍事情勢が変わっていくことが予想されます。知事の所見を伺います。
⑤、国際自然保護連合のことにつきましては同じ答弁が繰り返されておりますので、私はここで知事にこれは最小限に住民に被害を及ぼすことについては日本政府の方に申し上げているということでありますけれども、この保護連合が出している勧告案が10月にもう採択される予定ですので、この勧告案が出次第私どもの方にこの資料を公開をしていただきたい、そのことを申し上げておきます。
2番、台風被害と対応について。
ことし発生した台風は16個で、そのうち8個の台風が沖縄地方に接近しました。のろのろ台風と呼ばれた8月7日の台風8号に続き、台風14号は9月13日から14日まで31時間暴風域に巻き込みました。
台風は長時間にわたって本島地方に居座り、強風と激しい雨により大きな被害を残しました。各地で停電、電話不通、道路の浸水決壊、がけ崩れなど県民生活が大きな混乱を生じました。
台風14号の被害と対応についてお伺いいたします。
①、農作物の被害状況はどうだったのか。
②、土砂崩れ、道路冠水、決壊についてはどうだったでしょうか。
③の河川のはんらんについてはないということが明らかになりましたのでこれは省略いたします。
④、復旧状況はどうなっているか。また被害農作物については補償の対象になり得るのか。
3番、災害関連復旧工事についてお伺いいたします。
最近、特に宅地の開発造成が進み、道路などがアスファルト舗装され、大雨のたびに雨水が地下浸透せず、河川のはんらんや土砂崩れなどによって宅地が地すべり現象を起こし家屋などの倒壊が至るところで発生している。宅地造成や開発のときに雨水などの対策を十分に考慮する必要が大ではないでしょうか。
次に、(1)番の牧港川改修の進捗状況と台風18号による影響については、前進的な取り組みがわかりましたので、これは質問を取り下げます。
(2)番の大平地すべり防止災害復旧工事等についても、進捗状況と前向きな対応が示されましたので、この問題についても取り下げたいと思います。
(3)、都市計画法により県の開発行為の許可を得て開発された地域の建物倒壊についてお伺いいたします。
都市計画法による県の開発許可を得て開発された地域の建物が平成10年10月の豪雨により地すべりが発生し、擁壁の倒壊などにより建物が傾斜するなどの被害が生じております。
また、二次災害として平成12年9月15日、長雨の影響を受けて地盤が沈下し、土砂が流出し建物が傾き倒壊の被害が生じております。さらに被害はふえそうであります。早急な対策が必要だと思います。
そこでお伺いいたします。
①、開発行為の許可条件について。
②、開発許可と特定行政庁──これは市役所でございます──の関係について。
③、開発業者、設計者、工事施工者の責任分担について。
④、固定資産としての価値、あるいはこれはたしかローン等がついていると思いますので、ローンの返済等についてどのような方法があるのか、わかっている範囲内でお答え願いたいと思います。
4番、母子、寡婦福祉についてお伺いいたします。
これは母子及び寡婦福祉法の基本理念と地方公共団体の責務の関係に基づいて質問をいたします。
長引く不況と不安定な雇用状況、多様化する社会環境のもとで母子家庭の生活は大変厳しいものがあります。配偶者のない女子で児童を扶養し、仕事も厳しく母子家庭の仕事が常にパートとか臨時雇用のため、一般家庭の月収の8割から4割弱の低賃金で不安定な生活を余儀なくされております。安定した職場につくことが母と子の幸せづくりと子供たちの健全育成につながります。
また、高齢化社会の到来とともに介護保険制度が実施されました。その基盤整備は行政の早急な課題であります。
次の質問をいたします。
母子及び寡婦福祉法第16条、17条関連。公共施設内に母子売店、自動販売機、食堂の設置を促進してほしいが、実態はいかがですか。
(2)、母子家庭、寡婦の雇用促進と自立できる職場への優先雇用を促進してほしいけれども、これは母子及び寡婦福祉法第19条関連です。
(3)番、母子家庭の公営住宅への優先入居拡大を図ってほしい。これは母子及び寡婦福祉法の第18条関連。
(4)番、寡婦に対する医療助成制度を図ってほしい。
(5)番、公立保育園の時間延長と夜間保育所及び学童保育所の増設を図っていただきたい。これは母子及び寡婦福祉法の第2条から第3条でございます。
次に5番、介護保険について。
社会全体でお年寄りを支え合う介護保険は、制度が依然として浸透してなく、基礎的な疑問を残したまま本年4月にスタートしました。要支援、要介護と認定されながら、利用料の1割自己負担が払えない、家族で対応できるなどの理由でサービスを受けない人が相当数いるとマスコミは報じております。
介護保険の第二の山場として65歳以上の高齢者から介護保険料の半額徴収が10月から始まります。納入通知書を送った自治体に問い合わせや苦情が殺到しているという。
次の質問をいたします。
(1)、介護保険サービスの利用状況、要支援、要介護者数及び利用率。
(2)、利用していない人がいるとすれば何が原因か。
(3)、第1号被保険者及び第2号被保険者の保険料納付の対応について。
(4)番、介護保険制度発足から半年になるが、その実態について。
(5)番、要介護で4月からの自己負担分(1割負担)の状況について。
次に6番、国際交流と情報センター建設予定地についてお伺いいたします。
当該地域は、浦添市前田にあって市有地でありました。沖縄国際センターの立地のため浦添市が県に売却した土地であります。国際センターと相乗り効果を高めるため多種多様な交流・情報機能を持つ拠点施設としての整備を図り、国際交流・協力に資する諸機能を集積した国際交流ゾーンの形成を促進するとして、国際交流情報センターの建設場所として位置づけされております。
次の質問をいたします。
(1)、経緯と現状及び建設基本計画はどうなっているか。
(2)番、沖縄国際南北センターの建設構想と機能について。
(3)番、基本設計、実施設計など事業の見通しについて。
(4)、長い間遊休化しているが、事業採択の見通しがつくまで、約1万5000平米と記憶しておりますけれども、これは浦添市民の方にスポーツ広場として一時的に使用させる計画はないかどうか。
国際センターの立地のために浦添市が譲った土地でございますので、今度は県の方でユイマール精神を持ってぜひ浦添市の方に使わせていただきたい。
(5)番、海外の友好(姉妹)都市締結の状況と交流の状況についてお伺いいたします。
(6)番、カナダ移民100年を記念してレスブリッジ市と姉妹都市を結ぶ計画はないか。
私どもは、カナダ移住100周年行事に参加し、県人会との交流と県人追悼法要に参加しました。特にすばらしい活躍ぶりに対して何らかの支援策あるいはまた情報の交換等が必要じゃないかなと思っておりますので、その立場から質問をしておりますのでよろしくお願いします。
7番、街路3、4、24号パイプラインの改良工事について。
復帰後の自動車の急速な増加、産業経済活動の多様化、生活圏の広域化の中で道路の整備が県民の日常生活に与える影響は極めて大きい。パイプラインも市道として整備されておりましたけれども、増大する交通量に対応できず交通渋滞の原因になっており、県道に昇格させての整備がベターとの選択となっております。
次の質問をいたします。
平成11年浦添市から移管されて後の進捗状況について整備率と用地買収件数、物件補償等、あと何年ぐらいかかるかですね、お答えを願いたいと思います。
8番、学校評議員制度について。
いじめや不登校などの問題の多い教育の現状を改革するために家庭と地域と連携した地域住民や保護者が学校運営についてアドバイスし、地域に開かれた学校づくりが進められている中において文部省令改正で地域住民の学校運営参加が位置づけされました。これによって地方分権の視点からも学校運営への住民参加の意義は大きいものがあります。
次の質問をいたします。
(1)、学校評議員制度の内容について。
(2)、懇話会設置の状況について。
(3)、PTAと学校評議員制度について。
(4)点、学校評議員の研究校に指定されている先行実施の事例についてお伺いいたします。
最後に、我が会派の代表質問との関連についてお伺いいたします。
8月25日、普天間基地の県内移設を前提とした代替施設協議会が発足しました。その内容は、基地の工法や規模等技術的問題の討議が主であると聞いております。その中で15年使用期限が論議されるかされないかは大きな焦点になりますけれども、その中で最も大事である政治的課題、つまり15年期限問題が直接議題にならないとか、いろいろな問題がありますので、この15年使用期限について知事の公約である以上、この立場からお答え願いたいと思っております。
2番、使用期限が設けられれば辺野古に基地をつくっていいというものではないと思うけれども、8月3日、サミット後の世論調査によると県内移設について多数だった賛成派が大きく後退し、反対が大きく上回っております。そのことについても県民世論を重視することについて知事の答弁を求めたいと思います。
あとは答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題についてで、キャンベル論文及びジョーンズ総司令官の発言についての所見を聞きたいとのお答えでございます。
県としては、50年余の過重な基地負担を軽減するという観点から海兵隊を含む米軍の削減を願うところでありますが、基地問題についてはいろいろな方がいろいろな発言や主張をなさっておりますので、今後の動向を見守っていきたいと考えております。
キャンベル氏の論文については、同氏は現在、米国防副次官補の職を退いた方であり、研究者の立場で書かれたものだと理解しております。
いずれにしましても県としては、日米両国政府が沖縄県民の基地負担の軽減を図るため合意したSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
一方、米海兵隊のトップであるジョーンズ総司令官は私との会談の際、沖縄の不公平な位置づけを考慮した負担の軽減については今後も継続的に努力を重ね、でき得る限り訓練を他のいろいろな場所で実施するよう努めたいと発言されておりますので、県としては、今後県民の負担軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の一部移転については実現に向けて日米両国政府に働きかけていきたいと考えております。
次に、同じく基地問題で、朝鮮半島の緊張緩和によってなぜ沖縄に1万7000人にも及ぶ海兵隊が必要なのか、所見を聞きたいということのお答えでございます。
朝鮮半島情勢については、南北間の対話が一歩踏み出したばかりでありますので、県としては、これからの朝鮮半島情勢の推移を注意深く見守り適切に対応していきたいと考えております。
次に、SACO合意の中身については、在沖米軍基地の過重負担の解消にはつながらないと思うが所見を聞きたいということのお答えでございます。
SACOは、米軍の運用面における県民の負担軽減のほか、普天間飛行場の全面返還を含む11施設、約5002ヘクタールの土地の返還を内容とするなど、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため日米両国政府が真摯に協議を行い合意に達したものと理解しております。SACO合意事案の返還がすべて実現すれば、1972年の日本復帰後これまでに返還された土地面積を上回る在沖米軍専用施設面積の約21%の土地が返還されることになります。
SACOの実施は、本県の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、県民の希望する基地の整理縮小につながるものと考えています。
しかしながら、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することから、50年余も過重な基地を負担してきた県民の意向にこたえるためSACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の計画的、段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
次は国際交流の問題で、海外の友好(姉妹)都市締結の状況と交流の状況についてという御質問と、カナダ移民100年記念としてレスブリッジ市との姉妹都市を結ぶ計画はないかとの2つの御質問を一括してお答えします。
県は、文化、経済等幅広い分野における交流を促進し、相互理解に資することを目的に、1、アメリカ合衆国ハワイ州、2、ブラジル連邦共和国南マットグロッソ州、3、ボリビア共和国サンタクルス州及び4、中華人民共和国福建省と姉妹提携を結んでおります。
現在、姉妹提携の主な事業として留学生や研修員の受け入れ及び派遣などの人的交流を行っております。
カナダとの交流については、去る7月に開催された九州・沖縄サミットに際して、南風原町の要請に基づいてクレティエン・カナダ首相が同町を訪れ、町民との触れ合いやスポーツを通しての交流を行っています。
また、去る9月2日に開催された沖縄県人カナダ移住100周年記念式典に際しては、本県から石川副知事を団長とする訪問団が出席し多くの方々との交流を深めてまいりました。
姉妹提携については、このようなカナダとの交流を踏まえ、市町村における姉妹提携の促進を図りつつ県としても検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 当山全弘議員の基地問題に関する質問事項のうち、老朽化した普天間基地にかえて、最新ハイテク機能を備えた基地にMVオスプレイを配備すれば東アジアの軍事情勢は変わるのではないか、所見を聞きたいという御質問にお答えいたします。
オスプレイの配備について、河野外務大臣は昨年12月8日の参議院予算委員会で、米国政府から現時点において何ら具体的な配備予定はないとの回答を得ている旨答弁しております。また現時点においても日本政府から県に対して、オスプレイの配備計画及びオスプレイの詳細について正式な通知または説明はございません。
次に、同じく基地問題について、国際自然保護連合総会における勧告案が出次第資料提供方を願いたいということでございますけれども、勧告案が提供され次第議員の皆さんに提供したいとこのように考えております。
それから、我が会派の代表質問との関連についての中で、使用期限が設けられても県民の総意ではないのではないか、世論調査でも反対55%、賛成39%で前回の調査と逆転している、所見を伺いたいと、こういう御質問かと思いますが、お答えをいたします。
普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しております。このため県としては、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であるとの認識から総合的に判断し、普天間飛行場の移設候補地を選定したものであります。
基地問題については、県民の間にさまざまな考え方があることは承知しております。県としては、早期に普天間飛行場の返還が実現するよう取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 台風14号の被害対応についての御質問で、農作物の被害状況について、それから土砂崩れ、道路冠水、決壊について、次に復旧状況はどうなっているか、また被害作物の補償はどうなっているかとの御質問で、農林水産部所管について一括してお答えします。
台風14号による農作物の被害は、県全域で6億3500万円となっております。
作物別には、さとうきび2億9600万円、野菜1億5900万円、花卉1億2600万円、果樹その他で5400万円となっております。
また、農業用施設の被害は農道、水路等で2億700万円、林道が5700万円の被害となっております。
農作物被害に対する補償につきましては、さとうきび共済、園芸施設共済などの農業共済制度があります。
また、被害を受けた農家に対しては低利資金の融資や借入金の償還条件の緩和などの支援措置がありますので、適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
農業用施設等の被害につきましては、土砂の撤去などの応急的な対策を講じており、所定の手続を踏まえ早期に災害復旧を行ってまいりたいと思います。
以上でございます。
○土木建築部次長(金城英男) 台風14号の被害と対応について土砂崩れ、道路冠水、決壊について、また復旧状況についての土木建築部所管について一括してお答えいたします。
沖縄本島を9月12日通過した台風14号は、北部地区を中心に被害をもたらしました。
今回の台風による公共土木施設の被害状況といたしましては、河川、道路等の決壊が16件であり、被害額は約2億5700万円となっております。
被害の内訳は、河川護岸等の決壊が8件、道路の路肩及びのり面崩壊等が7件、その他公園施設の災害は1件となっております。
県といたしましては、災害発生と同時に緊急体制を整え、災害の拡大や二次災害の防止のため緊急を要する箇所は応急的な措置を講ずるなど対策を実施してまいりました。現在のところ、「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」に基づく災害復旧事業の採択に向け諸事務手続を進めているところであり、早期に本格的災害復旧工事の実施に努めてまいりたいと考えております。
なお、市町村の公共土木施設災害につきましては、名護市ほか6町村から19件、被害額は約2億3200万円との報告を受けております。
県といたしましては、今後市町村の災害復旧事業が早期に採択できるよう市町村を指導してまいりたいと考えております。
災害関連復旧工事について、開発行為の許可条件についてお答えいたします。
御質問の建物倒壊事故を起こした浦添市経塚地区の開発許可につきましては、都市計画法第33条、同法施行細則及び開発指導要綱等の技術基準に基づいて審査され、適合していたので許可したものであります。
また、開発区域内の排水については、区域の規模、形状及び土地の地形等を勘案し、当該地域における降水量に基づいて排水施設の規模、構造及び性能を定め適正に配置されており、基準に適合したものであります。
同じく災害関連復旧工事について、開発許可と特定行政庁の関係についてお答えいたします。
都市計画区域内で一定の土地の区画形質の変更を伴う開発行為は、知事の許可を受ける必要があります。
また、特定行政庁は、建築主事を置いて建築基準法に基づく建築確認事務を行わせるものであります。
開発許可と特定行政庁との関係につきましては、開発許可は知事が許可するものであり、建築確認は特定行政庁である浦添市の建築主事が行うものであります。
次に、災害関連復旧工事の開発業者、設計者、工事施工者の責任分担についてお答えいたします。
浦添市経塚地区の開発行為にかかわる関係人は、1、事業主である民間宅地開発業者、2、造成設計を担当したコンサルタント、3、建築設計を担当した建築士事務所、4、造成工事を請け負った施工業者、5、建築工事を請け負った施工業者などであります。
御質問の責任分担につきましては、現在、被害を受けた建築主が開発業者と造成の工事を請け負った施工業者の双方に対して損害賠償の訴訟が提起されており、民事裁判の推移を見守っていきたいと思います。
次に、同じく災害復旧関連について、固定資産としての価値、ローン返済などについての御質問にお答えします。
災害を受けた土地の固定資産としての価値は、通常の更地価格に比較してその価値は低減されるものと思われます。
また、建物の固定資産としての価値は、復旧に要する費用に応じてその価値が低減されるものと思われます。
次に、ローン返済につきましては、金融機関と借入人との契約の中で定められるものでありますが、一般的に火災、地震、台風等の災害に対しては事前に各種の保険に加入して対応すべきものと考えております。
次に、母子、寡婦福祉について、母子家庭の公共住宅への優先入居拡大を図ってほしいとの御質問にお答えいたします。
平成12年3月末現在の県営住宅の管理戸数は、1万6593戸であります。そのうち母子世帯の入居状況は、全入居者1万5513戸中2143戸で、入居割合は13.8%となっております。
母子世帯の県営住宅への優先入居については、沖縄県営住宅の設置及び管理に関する条例第9条第6項において生活保護世帯、老人世帯、身障者世帯等を含めて「優先的に選考して入居させることができる。」と規定していることから、現在、一般応募者の1.5倍となるよう戸数割り当てを行っているところであります。
なお、母子世帯等への入居枠をさらに拡大することについては前向きに検討していきたいと考えております。
次に、街路3、4、24号パイプライン改良工事について、平成10年浦添市から移管されて後、進捗状況について整備率、用地買収件数、物件補償などについてお答えいたします。
街路3、4、24号パイプライン線は、一般県道153号線から那覇・浦添市境界に至る3.48キロメートルの幹線道路であります。当路線は浦添市道となっていましたが、近年、那覇都市圏と中南部都市圏を結ぶ路線としての重要性が高まっているため平成10年度から県道に昇格して整備することになったものであります。
そのうち、一般県道153号線から後原バス停付近までの間2.77キロメートルについては、市事業の街路事業及び区画整理事業で既に概成しています。
残る後原バス停付近から那覇・浦添市境界までの約710メートルの間については、平成2年度から9年度まで市の街路事業として整備が進められ、整備率は事業費ベースで約77%となっております。
その後、県が引き継いでから平成12年8月までに用地買収が34筆中4筆、物件補償が31件中3件が解決し、整備率は約81%となっております。
県としましては、当路線の残事業にこれまで用地交渉が難航した物件が残されていることから、地元浦添市及び地権者の協力を求め、平成13年度の完成に向けて努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 母子、寡婦福祉について、公共施設内の母子売店、自動販売機、食堂の設置についての御質問にお答えいたします。
公共施設内の売店等の設置については、母子及び寡婦福祉法において「国又は地方公共団体の設置した事務所その他の公共的施設の管理者は、配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの又は母子福祉団体からの申請があつたときは、その公共的施設内において、新聞、雑誌、たばこ、事務用品、食料品その他の物品を販売し、又は理容業、美容業等の業務を行なうために、売店又は理容所、美容所等の施設を設置することを許すように努めなければならない。」と規定しております。
県としましては、県の施設内において母子寡婦福祉団体に自動販売機等の設置を許可し母子寡婦福祉の推進を図っております。
なお、平成12年4月末現在の設置数は74件となっております。
また、市町村等への設置推進も依頼しており、11年度末の自動販売機の設置数は59件となっております。
次に、寡婦に対する医療費助成制度についての御質問にお答えいたします。
平成6年度より実施された母子及び父子家庭等医療費助成事業は、母子家庭や父子家庭等の保護者と児童の医療費を助成することにより、当該家庭の保健の向上と福祉の増進を図ることを目的としております。
寡婦に対する医療費助成制度は、全国で福井県ほか3県が実施しております。寡婦については、他県の状況の推移を見守りながら検討してまいります。
次に、公立保育園の時間延長と夜間保育所及び学童保育所の増設についての御質問にお答えいたします。
女性の就労の増大や都市化、核家族化及び就労形態の多様化等に伴う保育ニーズに対応するための延長保育、障害児保育に加え、母親の子育て不安等の相談に応ずる地域子育て支援センター等の特別保育事業を実施しております。
本年度は、これまで試行事業であった夜間保育サービスモデル事業が夜間保育所として事業を開始したところであり、さらに次年度に向けて1カ所整備中であります。
また、昼間保護者のいない小学校低学年の放課後児童対策については、「放課後児童クラブ」を設置し児童の健全育成を図っております。本年度は21市町村107クラブに助成しております。
県としては、今後とも市町村と連携を図り、児童の福祉の向上に努めてまいります。
次に、介護保険について5つの質問がございますので、順次お答えいたします。
まず、介護保険サービスの利用状況、要支援、要介護者数及び利用率はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
市町村からの介護保険事業状況報告によると、平成12年4月末現在、要支援を含めた要介護認定者数は2万5705人となっており、そのうち居宅サービスの受給者数は9207人、施設サービス受給者数は7841人、合計1万7048人となっています。
10の市町村が国保連合会から送付された給付請求書の整理が行われていないために実数の報告がなされていない状況にあり、これらの市町村分については認定者数をサービス受給者数とみなした場合は2万3033人がサービスを受けていることになり、利用率としては89.1%となります。
介護サービスを利用していない人がいるとすれば何が原因かとの質問にお答えいたします。
要介護認定を受けサービスを受給していない理由は、病院に入院中で退院後利用したいと答えた者が約半分で、今のところサービスを利用しなくても大丈夫だが、いざとなったときにすぐサービス利用できるため、あるいは家族介護で間に合っている、また試しに認定を受けた等々となっています。
今後、サービス未受給者については、その理由を把握した上で県としての対応を検討したいと考えています。
次に、第1号被保険者及び第2号被保険者の保険料納付の対応についてはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
介護保険制度は、40歳以上の被保険者が納める保険料と国、県、市町村の税金で支える制度となっております。
40歳から64歳までの第2号被保険者の保険料の納付については、4月から既に実施されております。65歳以上の第1号被保険者の保険料につきましては、国の特別対策により施行後9月までは全額国の負担で賄ってきましたが、平成12年10月から1年間は本来の保険料の半額徴収が始まります。また、13年10月から本来の保険料の全額徴収となります。
介護保険制度の県民への周知については、平成11年度から県と市町村が負担金を出し合い介護広報共同事業を行っています。10月から始まる第1号被保険者の保険料の徴収についてもテレビ、ラジオ、新聞掲載などを活用した広報活動を実施しているところであります。
また、市町村においてはチラシやパンフレットの配布、広報誌への掲載等によるほか、住民説明会を実施して制度の周知を図っているところです。
市町村に対する指導については、厚生省が作成したポスターを配布するとともに、保険料の納付について事前に十分説明し理解を深めた上で納付通知を行うよう指導しているところであります。
次に、介護保険制度が発足してから半年になるが、実態についてはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
介護保険制度がスタートして半年が経過しましたが、保険者である市町村の御尽力により今のところ大きな混乱もなく実施されております。
要介護認定については、県全体で5つの広域事務組合と15の市町村、合計20の要介護認定審査会があり、医療、保健、福祉の各分野から認定審査会委員は483人となっております。
平成12年4月末現在、要介護認定は申請見込み数の2万7656人を上回り、そのうち認定調査が終了したのが95.8%、認定審査会の終了が90.4%、結果通知の終了が89.3%となっております。
介護保険サービスを提供する事業者は、平成12年9月現在、1913事業所が指定を受けています。県におきましては、市町村に対する介護保険事務指導、サービス事業者に対する集団指導、実地指導を実施しております。
人材の確保については、平成12年3月末現在、認定調査員が495人、介護支援専門員が1573人となっております。今後、介護保険の円滑な実施に向けて介護支援専門員の研修、主治医の研修、認定調査員等の研修を強化してまいりたいと考えております。
次に、要介護で4月からの自己負担分の状況についてはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
介護サービスを利用する人は、原則としてサービスにかかった費用の1割を負担します。利用者は、費用の1割に当たる金額をサービス事業者や施設に直接支払うことになります。施設に入っている場合は、そのほかに食費を負担していただきます。
利用者負担の上限が一般で3万7200円、さらに市町村民税非課税者で2万4600円、老齢福祉年金受給者で1万5000円を超える場合、申請により市町村が認めたときは超えた分が高額介護サービス費として払い戻し支給されます。
平成12年4月分の実績で見ますと、1人当たりの介護給付費は12万8319円で、そのうち一部負担金は1万2831円となっています。
○商工労働部長(當銘直通) 母子、寡婦福祉についての母子家庭、寡婦の雇用促進と自立できる職場への優先雇用を促進してほしいという質問に対してお答えいたします。
母子家庭及び寡婦の雇用促進については、沖縄県女性就業援助センター等公共職業能力開発施設において各種の職業訓練及び就業相談等を行っているところです。
平成11年度は、県立職業能力開発校10人、沖縄県女性就業援助センター55人、沖縄職業能力開発促進センター22人の計87人の母子家庭及び寡婦が訓練を受け、うち63人が就職しています。
受講した科目としてはワープロ・パソコン科、OAビジネス科、タクシードライバー養成科など多岐にわたっております。
訓練期間中の経済的負担を軽減するため、県立職業能力開発校及び沖縄職業能力開発促進センターでは公共職業訓練手当を、沖縄県女性就業援助センターでは受講旅費の支給を行っています。
また、公共職業安定所においては職業相談や職業紹介を初め、母子家庭及び寡婦を雇用した事業主に対して賃金の一部を助成する特定求職者雇用開発助成金制度で支援を行っています。
県としましては、今後とも沖縄労働局・公共職業安定所と連携し、母子家庭及び寡婦の職業能力開発の充実・強化を図り、雇用の促進に努めていきたいと考えております。
以上です。
○文化国際局長(金城勝子) 国際交流と情報センター建設予定地についてでございます。
まず、経緯と現状及び建設基本計画はどうなっているか、また基本設計、実施設計など事業の見通しについてのお尋ねでございます。一括してお答えいたします。
国際交流情報センター(仮称)については、平成5年度に基本構想を策定し、平成7年度は基本計画調査を行い、平成8年度は建設基本計画の策定及び公開設計競技を実施いたしました。
建設基本計画は、情報ネットワーク、研修、研究、交流支援、啓発及び宿泊機能を備えた内容となっております。
しかしながら、平成9年度以降、県財政の厳しい状況や他のプロジェクトとの調整等が必要なことから事業が進捗していない状況にあります。県といたしましては、今後とも財政状況等を勘案しながら本事業の推進を検討してまいりたいと考えております。
同じく、国際交流と情報センター建設予定地についてでございますが、長い間遊休化しているが、事業採択の見通しがつくまで浦添市民にスポーツ広場として使用させることについてのお尋ねでございます。
国際交流情報センター(仮称)の建設予定地は、隣接しております沖縄国際センターと連携することにより相乗効果を高め、国際交流ゾーンの形成を促進するために確保した土地であり、当センターの建設に向けて事業の推進を図る上から他の用途に供することは適当ではないと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 国際交流と情報センター建設予定地についての中の沖縄国際南北センターの建設構想と機能についてにお答えいたします。
本県は、新全国総合開発計画において「太平洋・平和の交流拠点」として位置づけられております。
その具体化を図るための方策の一つとして、県は、沖縄国際南北センターを現在アジア・太平洋研究交流センター(仮称)に名称を改め、同センターを太平洋・平和の交流拠点を担う学術研究・交流の核として設置していきたいと考えており、今後そのための調査研究を進めていきたいと考えております。
同センターについては、広く世界各国から研究者、専門家を集め調査研究を行い、その成果を情報発信していくことを目的とした国際的な研究機関として想定しております。
なお、平成12年度は、同センターのあり方や研究内容などについての具体的な調査を行うこととしております。
○教育長(翁長良盛) 学校評議員制度についてという御質問にお答えいたします。
まず、学校評議員制度の内容についてという御質問でございますけれども、学校評議員制度は、学校が保護者や地域の方々の信頼にこたえ、家庭や地域社会と連携協力して一体となって児童生徒の健やかな成長を図るとともに、より一層地域に開かれた学校づくりを推進していくために学校長が保護者や地域の方々に学校の活動状況等を説明し、意見を幅広く聞くための制度的な仕組みであります。
本県は、平成12年9月20日に「沖縄県立学校学校評議員設置要綱」を定めました。
内容といたしましては、各学校の学校評議員の人数は5人以内とし、保護者や地域住民等の中から教育に関する理解や識見を有する方を校長が推薦し、沖縄県教育委員会が委嘱することになっております。
学校評議員による会議は、学期に少なくとも1回行うこととし、学校評議員は校長の求めに応じて学校の教育目標や計画、教育活動の実施、学校と地域の連携の進め方などについて学校評議員一人一人がそれぞれの責任において意見を述べるものであります。
また、学校評議員は、学校運営の意思決定の過程に関与したり、地域の方々の意思形成や調整等を行ったり、答申や建議を行うものではなく、あくまでも校長の求めに応じて意見を述べるもので、校長のアドバイザーでありサポーターであると言えます。
次に、懇話会設置の状況についてという御質問にお答えいたします。
県内の有識者の方々から、沖縄県立学校評議員について意見を聴取するため「沖縄県立学校学校評議員に関する懇話会」をことし8月に設置いたしました。
懇話会は、学識経験者、県PTA連合会長、県高等学校PTA連合会長、小・中・高校長会長、職員団体代表者等の15名の委員で構成されています。これまで2回にわたり懇話会を開催し、「沖縄県立学校学校評議員設置要綱(案)」、「沖縄県立学校学校評議員運用上の留意事項(案)」等の審議において貴重な御意見をいただきました。
県教育委員会といたしましては、懇話会における指導助言をもとに平成12年9月20日、「沖縄県立学校学校評議員設置要綱」、「沖縄県立学校学校評議員運用上の留意事項」を策定いたしました。
次に、PTAと学校評議員制度についてという御質問にお答えいたします。
PTAは、保護者と教師が家庭教育や学校教育について学習し実践する社会教育団体であり、学校組織とは独立した民間の組織であります。
学校評議員制度は、法令上、学校の組織の一部として位置づけられたものであります。
PTAと学校評議員とは性格や役割を異にするものであり、従来どおりの活動に何ら支障はないと思われます。
学校評議員の推薦要件は、保護者や地域住民などの中から教育に関する理解や識見を有する者となっており、PTA会長が保護者の一員として選任されることもあり得ることであります。
次に、学校評議員の研究校に指定されている先行実施の事例についてという御質問にお答えいたします。
県立学校への学校評議員制度の導入は、平成13年度の実施を目指しております。そのことから、研究実践校として県立那覇商業高等学校、平良市立狩俣小学校、同じく狩俣中学校を指定し先行的な実践をお願いしているところであります。
各学校の具体的取り組みは9月から始まったところであり、御質問の先行実施の事例についてはこれから積み上げていくところであります。
○当山 全弘 時間がありませんので、軍民共用空港について再質問いたします。
この軍民共用空港について、日米地位協定の2条の1(a)に該当をするという立場から質問いたします。
軍民共用空港は、那覇空港の滑走路増設との関連についてはどのように整合性があるか、答弁願いたいと思います。
それから、民間の需要がどれぐらいなのか、採算がとれるか、最低限の基本的な資料等があると思います。これはたしか10月3日に2回目の協議がございますので、もう資料は出ていると思いますので、ぜひこの問題についてお答え願いたいと思っております。
それから起業者である国は、これは民事上の契約が出てくると思うんですけれども、空港建設については使用協定の前に契約条項が確かに出てくると思うんですよ、その内容ですね。
それから、代替施設の協議会の構成メンバー、沖縄県はその立場を主張することができるのか等々について質問をいたしますので、よろしくお願いします。
軍民共用空港の耐用年数等についても質問をいたします。
それから、ジュゴンの生息地の環境破壊、油の流出、土壌汚染等海洋汚染等についても問題はないかどうか質問いたしますので、答弁を願いたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後7時56分休憩
午後7時58分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明28日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後7時59分散会