○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
11月29日から12月6日までに受理いたしました請願1件及び陳情25件は、お手元に配付の請願文書表及び陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案、乙第1号議案から乙第22号議案まで及び認定第1号から認定第20号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
玉城ノブ子君。
〔玉城ノブ子君登壇〕
○玉城ノブ子 おはようございます。
一般質問を行います。
まず最初に、中小企業対策についてでございます。
長引く不況のもとで中小業者の営業と暮らしは、かつてないほどの危機に直面しています。昨年1年間の自殺者は前年比0.6%増の3万3048人で、初めて3万人を突破したことが警察庁のまとめで明らかになっています。
負債や失業など経済、生活問題を苦にした働き盛りの30代から50代の自殺がふえ続けており、長引く不況とそれに伴うリストラなどの影響が一層深刻化しています
中小業者の多くが資金が回らない、仕事がない、生活が苦しいという大変な苦境に陥っています。必要な事業資金などの供給を目的とする開発金融公庫や県、市町村の制度融資が中小業者等に対する金融円滑化のための信用保証制度の真髄を発揮することが今緊急に求められています。
また、銀行の貸し渋り対策と政府の責任でつくった金融安定化特別保証制度は、自治体の融資制度と同じように国の制度融資そのものであります。第三者保証なしで5000万円までの融資保証を行うなど資金繰りに苦しむ中小業者にとっては待望の制度であり、多くの中小企業を倒産から救ってまいりました。今、中小金融機関の破綻や銀行の一層の厳しい貸し渋りの中でこの制度の充実・強化が求められています。
次の点について実効ある措置を要求し質問いたします。
(1)、制度融資の趣旨に基づき自治体の制度融資として銀行の貸し渋りや保証協会の保証渋りをやめさせるよう指導し、中小業者が借りやすい制度にすることが大切であります。
(2)、小規模企業対策資金の受付窓口をすべての市町村に設置し、審査についても行政が責任を持って対応することであります。
(3)、融資利率の引き下げ、保証料負担の軽減、利子補給を実現するとともに、返済期間を運転7年、設備10年にすること。
(4)、サラ金、日掛け被害者の多重債務者に対しても無担保・無保証人融資を実現するとともに、借りかえ融資を認めること。
(5)、創業者支援資金の条件を見直し、手続の簡素化を図ること。
(6)、小規模企業対策資金の1年以上の経験となっている借入条件を半年に引き下げること。
(7)、中小業者のための手続が簡素で借り入れができる小口緊急融資、つなぎ資金の制度を実現すること。
(8)、金融安定化特別保証制度は国の融資制度であります。銀行の貸し渋り等で困っているすべての中小零細業者が利用できるように特別保証制度の趣旨や運用を市町村窓口、金融機関に対し再度徹底することが大切であります。
(9)、安定化特別保証制度を恒常的制度にするよう国に働きかけること。
(10)、安定化特別保証制度の返済期間を10年に延長すること。
(11)、安定化特別保証制度の返済条件を変更した場合に、県の信用保証協会は、新たに融資を受けるときの条件については柔軟な運用を行うことが大切であります。
(12)、安定化特別保証制度は、代表者以外の第三者の保証人は徴求しない制度になっているにもかかわらず、第三者の保証人徴求が義務づけられている件もあります。第三者保証人は徴求しないようにすること。
大項目2点目の農産物問題についてであります。
95年にWTO農業協定が発効し、政府が米国の輸入自由化を強行して価格政策を次々に放棄する中、物づくり経済を支える農林漁業の危機がますます深刻化しています。生産コストが安い海外からの輸入野菜の急増は、国内産野菜の価格暴落の大きな要因の一つとなっています。沖縄でも海外野菜の大量輸入が生産農家に大きな打撃を与えています。このままでは農産物の安定供給を図ってきた農家の生産意欲は著しく減退し、生産の縮小、離農を余儀なくされ、農業は衰退せざるを得ない危機的な状況に直面しています。
そこで質問をいたします。
(1)、輸入農産物問題について。
①、県内でもニンジン、スイートコーン、カボチャ、タマネギ、キャベツ等の外国からの輸入野菜が急増し、生産農家が大きな打撃を受けています。糸満市のニンジン生産農家では、五、六年前までは1箱10キログラム2000円前後だったニンジンが今では1000円から1200円で、箱代を差し引いて手取り900円になるときもあります。これでは農業が続けられないとの悲痛な訴えが相次いでいます。
県内における輸入農産物の実態を把握していますか。輸入品との因果関係の調査、損害額の算定を実行すべきであると考えますが、どうでしょうか。
②、県として生産者及び産地に対する具体的な支援策を講じるべきであると思いますが、どのような対策をお考えでしょうか。
③、WTOの協定では、特定産品の輸入急増によって国内産業が大きな被害を受け、また受けるおそれがあることが政府の調査によって明らかになったとき、緊急輸入制限を発動させることができると規定されています。WTO協定に基づき、緊急輸入制限の措置を速やかに行うよう国に働きかけるべきだと考えますが、どうでしょうか。
④点目に、農産物の輸入が急増しているもと、安全、安心の農産物確保がますます求められています。輸入農産物の残留農薬の監視結果や原産国表示の徹底状況についてどのように把握なされているでしょうか、答弁を求めます。
(2)、病害虫の防除対策についてであります。
沖縄の果実を代表するマンゴーがタマバエ被害で深刻な事態に直面しています。県としての緊急対策が求められていますが、防除対策と研究体制はどうなっているでしょうか。
また、タマバエが新種の病害虫であることが確認されていますが、国に対して対策のための特別の要請が求められていると思いますが、どうなっていますか。
大項目3点目、多機能病院構想について。
沖縄県は、老朽化した県立那覇病院を改築し、地域を支援する高度で多機能な病院を建築する計画と同時に、県立病院の機能再編を検討しています。その内容は、南部病院の規模縮小及び機能低下につながるものであり、地域住民の間から大きな不安の声が上がっています。
去る12月4日には800名余の住民が参加し、県立南部病院の規模縮小及び機能低下に反対する住民大会も行われました。南部病院は、南部保健医療圏域における公立医療機関としてなくてはならない存在になっています。南部病院の機能を縮小して多機能病院を建設することは、現在の南部圏の医療供給体制を大幅に変更するものであり、県民の同意を得ることはできないということを明確に申し上げて質問を行います。
(1)、「地域医療を支援する高度で多機能な病院検討委員会」の中間報告で、高度多機能病院と関係機関との役割分担ということで高度多機能病院、琉球大学医学部附属病院、那覇市立病院、民間病院の役割分担を明確にしているが、南部病院の役割分担が明確になっていないのはなぜでしょうか。
(2)、また、中間報告では県立病院が担う医療の負担と市町村が担う医療の負担に大きな差があることから、住民の健康保持を担う市町村の責務の充実が望まれるとなっていますが、市町村の責務とは具体的にどういうことを指しているのでしょうか。
(3)、県立南部病院は、南部保健医療圏域における公立の中核病院として糸満市民を初め南部地域住民の安全と健康を守る上で大きな役割を担ってきました。平成11年度における利用状況は入院利用率が89.9%、外来患者数は1日平均513人で年間12万4846人、救急患者は年間2642人となっており、南部保健医療圏域における公立医療機関としてなくてはならない存在となっているが、そのことについて県はどのような認識を持っておられるのでしょうか。
(4)、県立南部病院を高度総合医療リハビリセンター、脊損センター、慢性疾患対応型病院に機能再編しようとしていますが、これまで南部病院が担ってきた内科、外科等を初め多くの診療部門についてその機能、規模の縮小につながるのではないかと思うが、どのようにお考えでしょうか。
(5)、5年前の基幹病院構想において病院管理局の検討委員会が出した構想案では、基幹病院の規模は病床数で700床、1日外来患者数は1500人から2000人を考えていました。病院管理局が考えている基幹病院では、これらのことが必須条件でした。なぜならば、このような条件でなければ患者の確保ができませんし、研修や研究のための症例が集まりません。また経営的にも成り立ちません。これらの条件で建設したとしても、創業期の年間赤字は10億円に達するというのが当時の病院管理研究協会の試算でありました。
ところが、今回の多機能病院構想については財政計画が全く明確になっておりません。病床数は一体何床で、外来患者は1日何名を想定していますか。採算性についてはどのように考えていますか。また、多機能病院構想の財政的裏づけはどうなっていますか。
(6)、本県の医療供給体制は、県立病院が二次医療機関の中核病院として機能し、その周辺を民間医療機関が担い、また離島・僻地を県立病院が担い非常にすぐれた機能を発揮しています。法的にも地方自治法第2条には、病院機能は基本的には都道府県の事務と明記されております。離島県で財政基盤が脆弱な本県の市町村においてはなおさらのことであります。県の認識をお伺いいたします。
最後に、我が党の代表質問に関連してお伺いいたします。
我が党の新垣米子県議の代表質問で、ヤンバルに計画しているヘリパッド建設を中止させ、ヤンバルの貴重な自然を世界自然遺産に登録するために声を上げるべきだとの質問に、ヘリパッド建設計画の推進を前提にしながら環境庁の調査を積極的に支援協力し、地元の協力を得てまず国立公園化を促進する世界遺産登録はその後の課題にしたいと答弁しています。
ヘリパッド建設計画を進めるということは、ヤンバルの貴重な自然を破壊するということであり、国立公園化を促進するということと矛盾することではないでしょうか。ヤンバルの自然を守り将来的には世界遺産登録をも目指すというのであれば、ヘリパッド建設計画は直ちに中止させるべきではありませんか。知事の御所見をお伺いいたします。
以上、答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 玉城ノブ子議員の御質問にお答えいたします。
最初の中小企業対策についてのうち、制度融資の趣旨に基づき自治体の制度融資として銀行の貸し渋りや保証協会の保証渋りをやめさせるよう指導し、中小企業が借りやすい制度にするべきではないかとの御質問についてのお答えでございます。
制度融資につきましては、中小企業施策の主要な柱の一つとして県におきましても中小企業者の信用力を補完し、その融資の円滑化と経営の安定に資するという目的に基づき事業の推進に努めているところであります。
このような観点から、金融機関に対しましては効果的な事業の促進について協力を要請するとともに、信用保証協会に対しましては迅速かつ適切な保証の付与を指導しているところであります。その結果、地元3行の融資残高の推移を見ますと、平成11年10月以降、対前年同月比が11カ月連続でプラスとなっておりますことや、中小企業団体などからの報告におきましても県内中小企業者の資金調達環境はかなり改善されてきているものと考えております。
本県経済の中心的な担い手であります中小企業者の振興を図る上から、中小企業対策につきましては引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、同じく中小企業対策について、安定化特別保証制度を恒常的制度にするよう国に働きかけるべきではないかという御質問にお答えします。
貸し渋り対策として実施されております中小企業金融安定化特別保証制度は、当初予定の平成12年3月末から13年3月末までと1年間延長された経緯があります。
平成13年4月以降は、特別保証終了後の円滑な資金供給のための信用補完制度を充実させる対策として一般保証制度の無担保保証の限度枠を5000万円から8000万円に引き上げるとともに、経営の安定化に支障を生じる中小企業に対する特例保証の対象範囲を拡大するなど制度の見直しが行われたところであります。今後とも信用補完制度の充実・強化が図られ、中小企業者向けの資金供給がなお一層円滑に推進されますよう期待しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(當銘直通) 中小企業対策についての、小規模企業対策資金の受付窓口をすべての市町村に設置し、審査についても行政が責任を持って対応することについてお答えいたします。
小規模企業対策資金の受け付け・あっせんは、制度の効率的な実施を図るため市町村、商工会、商工会議所で受け付けております。
なお、市町村につきましては地域中小企業者の振興と利便性確保の観点から当該資金の申し込み・あっせんについて協力をいただいているところであります。
審査につきましては、県の制度融資が金融機関との協調融資であることや信用保証協会の保証つきを原則としていることから、金融機関及び保証協会において実施することになっております。
次に、融資利率の引き下げ、保証料負担の軽減、利子補給を実現するとともに、返済期間を運転7年、設備10年とすることについてお答えいたします。
県制度融資は、金融機関との協調融資である関係上、その利率設定につきましては金融機関の理解と協力が必要でありますが、中小企業者の負担軽減の観点から市中金利よりも全体として低く設定しております。特にニーズの高い小規模企業対策資金の平成12年度融資利率は2.25%と制度融資の中でも低く設定しております。
また、保証料率につきましても県制度融資分については一般保証料率の1.0%よりすべての資金において引き下げており、例えば平成12年度の小規模企業対策資金の保証料率は0.7%となっております。
利子補給につきましては、財団法人雇用開発推進機構で償還利子補給事業を行っており、県単制度融資の活用に際しましても従業員の新規採用や企業規模の拡大等一定の条件を満たす場合には同制度の適用が可能となります。
なお、返済期間につきましては融資条件緩和の観点から適宜見直しを行っているところであり、平成12年度におきましては3種の資金で返済期間を延長したところであります。
次に、サラ金、日掛け被害者の多重債務者に対しても無担保・無保証人融資を実現するとともに、借りかえ融資を認めることについてお答えいたします。
中小企業金融安定化特別保証制度等では、高利借り入れにつきましても返済が見込まれ、かつ今後の事業継続が可能である等一定の条件を満たす場合には融資対象になります。
また、借りかえにつきましても中小企業者にとってメリットがあると判断され、申込者、金融機関、信用保証協会で合意がある場合は融資可能であります。
次に、創業者支援資金の条件を見直し、手続の簡素化を図ることについてお答えいたします。
創業者支援資金の見直しにつきましては、平成10年度に融資限度額を従前の750万円から1000万円へ引き上げる改正を行いました。
また、平成11年度には利用者の利便性の観点から、従前の企業診断受診の条件づけを廃止するなど融資条件の緩和を行ったところであります。
次に、小規模企業対策資金の1年以上の経験となっている借入条件を半年に引き下げることについてお答えいたします。
小規模企業対策資金の特別小口につきましては、1年以上の営業実績が必要となっております。これは、中小企業信用保険法における保険付与の要件であるために設けております。
なお、営業実績1年未満の中小企業者につきましては創業者支援資金を活用することができます。
次に、中小業者のための手続が簡素で借り入れができる小口緊急融資、つなぎ融資の制度を実現することについてお答えいたします。
県の制度融資は、金融機関との協調融資であることや信用保証協会の保証つきを原則としていることから基本的な審査は必要であります。
なお、中小企業者のニーズにタイムリーにこたえるため今後とも迅速かつ適正な審査に努めるよう指導してまいります。
次に、金融安定化特別保証制度の趣旨、運用を市町村窓口、金融機関に対し再度徹底することについてお答えいたします。
中小企業金融安定化特別保証制度は、貸し渋り対策として国が制度化したものであります。当該制度が適正に運営され、中小企業者の資金ニーズに的確にこたえられるよう市町村窓口、金融機関等に対し周知方に努めてまいりたいと考えております。
次に、安定化特別保証制度の返済期間を10年に延長することについてお答えいたします。
中小企業金融安定化特別保証制度を利用した中小企業者が返済に困難を来した場合には、償還期限の延長等返済条件の緩和につきまして保証協会において個々の案件ごとに柔軟に対応しているところでございます。
次に、安定化特別保証制度の返済条件を変更した場合、信用保証協会は新たに融資を受けるときの条件について柔軟な運用を行うことについてお答えいたします。
中小企業者が返済に困難を来している場合には、保証協会において条件変更に応じる等柔軟に対応しております。そのような案件における新たな融資の審査においても、償還能力の観点から適正に行うよう努めているところであります。
次に、安定化特別保証制度において第三者保証人を徴求しないよう求めるが、これについて伺いたいについてお答えいたします。
中小企業金融安定化特別保証制度は、原則として第三者保証人は徴求しないことになっております。しかし法人の場合には法人代表者を保証人とし、必要に応じ会社役員、事業承継予定者等を保証人とし、また個人の場合にも事業承継予定者を保証人とすることができるようになっております。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 農産物問題についてお答えします。
まず1つ目の、県内における輸入農産物の実態を把握していますか、輸入品との因果関係の調査、損害額の算定を実行すべきと考えるがどうかとの御質問にお答えします。
沖縄県中央卸売市場における平成11年度の野菜取扱量は約6万7000トンであります。そのうち輸入量は6700トンで全体の10%を占めております。
主な品目はタマネギ3600トン、カボチャ900トン、ニンジン600トン、ブロッコリー400トン、ゴボウ400トンとなっております。
輸入農産物の増加に対する国内農業への影響については、特定品目における輸入動向、販売、生産、損益などの変化を数値で示す必要があります。このため農林水産省においては、現在、各都道府県の協力のもとで実態把握に取り組んでいるところであります。県としても国と連携を図りながら情報収集に努めていく考えであります。
次に、生産者及び産地に対する具体的支援策はどうなっているかとの御質問にお答えします。
県においては、国際化に対応するため沖縄県農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムを策定し、活力ある農林水産業の振興に努めているところであります。同ビジョン・アクションプログラムにおいては、スイートコーン、カボチャなど戦略品目を選定し、ハウスや集出荷場等の近代化施設の整備、かんがい施設の整備など各種生産振興対策を講じているところであります。
さらに、野菜については農家の再生産の確保と経営の安定を図るため、市場価格の低落時に価格補てんを行う価格安定対策事業を行っております。具体的にはニンジン、トマト、ピーマンなどを対象に指定野菜価格安定対策事業、スイートコーン、カボチャ、キャベツ等を対象に重要野菜価格安定対策事業を実施しております。県としては、引き続き生産対策、価格安定対策等を積極的に推進していく考えであります。
次に、WTO協定に基づき緊急輸入制限の措置を速やかに行うよう国に働きかけるべきだと考えるがどうかとの御質問にお答えします。
輸入野菜の急増による国産野菜価格の低迷は、全国的にも大きな課題となっております。WTO協定に基づく緊急輸入制限措置の発動を求める声が高まっております。
このため、県においても九州地方知事会を通して平成12年7月と10月の2度にわたり、輸入野菜の緊急な増加を防止するための調整措置を講じるよう国に要請しているところであります。また、年内にも九州地方知事会会長名で緊急輸入制限措置の早期発動を国へ要請することになっております。
次に、原産国表示の現状についてお答えします。
生鮮食料品の原産地表示については、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に基づき国産品は産地名、輸入品は原産国名を表示することになっております。
その実施状況については、農林水産省が本年7月に全国約1000店舗の百貨店、スーパーマーケット等を対象に調査を行っております。
調査結果によりますと、生鮮食料品のうち野菜、果実及び肉類は約8割、水産物は約7割の店舗で原産地表示がなされております。今後、県においては実態把握に努め、関係機関との連携を図り、原産地表示の徹底を指導していく考えであります。
次に、マンゴーのタマバエ被害の防除対策と研究体制はどうなっているか、また国に対し対策のための要請を考えているのかとの御質問にお答えします。
玉城村において平成12年11月上旬、マンゴーの若葉に新しい害虫による被害が発生しております。
この害虫は、国内未発生の害虫である可能性が高いことから、九州大学の専門家に分類を依頼した結果、タマバエの一種と判明しました。タマバエは、マンゴーの若葉に幼虫が寄生し、着果不良をもたらすおそれがあります。
発生状況を調査した結果、沖縄本島南部と宮古島の一部で発生が確認されております。
このため、生産農家に対しては広報用のリーフレットを作成し被害対策を啓発するとともに、未発生地域への蔓延防止について注意を呼びかけているところであります。現在、県は国とも連携しながら本害虫の生態に関する調査、有効な薬剤の選定を緊急に実施するなど全力を挙げて防除対策に取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 農産物問題についての御質問についてのうち、輸入農産物の残留農薬の監視結果についての御質問にお答えいたします。
食品等農産物を輸入しようとする者は、食品衛生法第16条の規定により厚生大臣に食品等輸入届け出書を提出しなければなりません。その農産物の残留農薬の監視は、検疫所において輸入食品の検査の一環として行われており、厚生省において平成6年度から毎年集計結果が公表されております。
厚生省の輸入食品監視統計によりますと、平成11年度は5216件について残留農薬の検査が実施され、食品衛生法に基づく残留農薬に係る基準に適合しないものが30件であり、当該農産物については積み戻し等の措置が講じられた旨公表されております。
次に、多機能病院構想についての御質問でございます。
3の(1)、多機能病院構想における南部病院の役割分担について、3の(5)、多機能病院の病床数、外来患者数、採算性、財政的裏づけについての御質問につきまして、関連がありますので一括してお答えいたします。
高度多機能病院の整備構想については、高度化、専門化、多様化する医療ニーズにこたえるため国立や市立、民間病院との役割分担や連携のあり方を明確にする必要があります。
同構想は、南部保健医療圏に計画されることから、県立那覇病院と県立南部病院について将来的な県立病院に対する総合的な医療ニーズを把握した上でその役割分担について今後検討していくこととしております。同構想における病院規模は、現在の県立那覇病院の病床数を基本とし、外来患者数や採算性、財政的裏づけについては、求められる政策的医療の内容を十分に把握しつつ病院経営計画の中で検討していくこととしております。
次に、中間報告で言う市町村の責務について、それから本県の医療供給体制に対する県の認識について、3の(2)と3の(6)でございますが、関連がありますので一括してお答えいたします。
医療提供については、医療法第1条の3により国及び県、市町村は、地域住民に対して良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保する責務があります。
このことから、本県においては広域的な住民を対象とした県立病院や無医地区における診療所の整備、離島町村と連携した離島医療組合の安定的運営を支援する等、本県医療の確保を行ってきたところであります。
しかしながら、全国に比して県立の病院数は2.5倍、県立の診療所数が7倍の設置率である中で、市町村立の医療機関は病院数が6分の1、診療所数が2分の1の設置率にすぎず、公的医療の大部分を県が担っている状況があります。今後、健康・長寿県としての推進を図り、医療の高度化、多様化等新たな医療課題に対応し、かつきめ細かな医療を展開するためには地域住民の健康の保持・増進を担う市町村との連携による医療の確保を行うことが重要であると考えております。
次に、3の(3)、県立南部病院の存在に対する認識について、3の(4)、県立南部病院の機能再編が診療部門の機能、規模の縮小につながるのではないかとの御質問につきまして、関連がありますので一括してお答えいたします。
県立南部病院については、これまで南部保健医療圏で果たしてきた役割を踏まえ、現状の機能を維持することを基本に規模についても同医療圏内での県立病院に求められる医療ニーズを総合的に把握した上で検討することとしております。
また今後、医療ニーズが高度化、多様化する中で、多発する交通外傷や脳血管障害等に対応する医学的リハビリテーション等の新たに求められる機能の必要性については、「地域医療を支援する高度で多機能な病院検討委員会」で十分に検討していただきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 玉城ノブ子議員の我が党の代表質問との関連についての中の、ヤンバルの国立公園化、将来の世界遺産への登録という考えはヘリパッド建設計画と矛盾する、建設計画を中止すべきと思うがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設につきましては、防衛施設庁がヘリパッド建設予定地等の環境影響調査を実施し、現在、調査結果の整理を行っているところでありますので、国の調査結果が出た段階で関係する市町村の意向や自然保護団体等の意見も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定が行われるよう適切に対応したいと考えております。
いずれにしましても、県としては具体的な調査結果が示された際、国立公園化や世界遺産の登録など、今後の課題に十分配慮しながら対応していきたいと考えております。
○玉城ノブ子 再質問を行います。
高度多機能病院の件でございますけれども、財政問題が全然議論されてないということでありますけれども、財政計画は一体どこの場でいつから議論をしていつまでに結論を出すという予定でございましょうか、答弁願います。
それと、5年前に起きたあの基幹病院構想と今回の多機能病院構想とは、その位置づけや性格や規模等や機能においてどこがどういうふうに違っているのか、答弁を願います。
それと、母子医療センター、すなわち子ども病院の早期建設は県民みんなの要求であります。私は、多機能病院の建設計画とは切り離して子ども病院そのものについては早急に建設を進めるという考えで進めていく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、御所見をお伺いいたします。
それと、市町村の責務の問題でありますけれども、要するに皆さん方の中間報告が出ておりますけれども、ここでも県立病院の設置数は人口10万人対で全国よりも約2.6倍多いと。病床数においても県立病院は人口10万人対で全国より約2.5倍多いと。ところが、そのかわりに市町村立は病院数で全国の6分の1の設置数で、病床数でも3分の1の設置数であるということでございましたけれども、これからすると要するに南部病院については今は県立病院ですけれども、市町村に移していこうと。一部事務組合方式でその任務を市町村にもさせようということなのかどうかということであります。これについて答弁を求めます。
○福祉保健部長(平良健康) 高度多機能病院に関連しまして4点の御質問がございます。再質問にお答えいたします。
1点目の財政的問題でございますが、現在、検討委員会に検討をお願いしておりますのは、県立那覇病院が老朽化しておりまして、これをただ建てかえるだけではなくて、将来の県民のニーズにどうこたえていったらいいかというふうな部分の問題を集中的に検討をお願いしております。引き続き財政問題、病院管理局等の所管のもございますけれども、将来的な課題となるかと思います。
2点目でございます。基幹病院という従来構想されておりましたのとどう異なるかということでございますが、沖縄県保健医療計画がつくられる前の段階でこういう基幹病院構想というのがございました。しかし現在、沖縄県保健医療計画としまして中部保健医療圏、南部保健医療圏それぞれに整備目標を掲げまして、県立病院の整備を、中核病院としての整備を行っているところでございます。そういう意味で法律的背景が異なってきているということを申し上げたいと思います。
3点目に、子ども病院のことでございますが、新しい時代の県民の医療へのニーズというふうに受けとめております。しかしながらこれも沖縄県保健医療計画との整合性の問題がございまして、新しく病院をつくるということが大変困難な状況でございますので、現在の県立病院の新しい機能を担っていくという視点で検討委員会での検討をお願いしているところでございます。
4点目でございますが、市町村の責務ということでございますが、医療といいますのは一義的には市町村の一次医療の部分がございます。県の役割は広域的な事務の部分でございますが、市町村と連携しながら沖縄県の離島医療等特殊な事情がございますので、担ってまいりたいと考えております。
南部病院につきまして、市町村への一部事務組合のお話等については一度も議論されておりません。
○玉城ノブ子 多機能病院構想の問題ですけれども、財政問題がここでほとんど議論をされてないと。今後の問題だということをおっしゃっておられますけれども、私は前の基幹病院構想が出たときに、最初の質問でもお話しましたけれども、結局、財政問題が議論になったら結果的には現在の皆さん方が考えている那覇病院の病床数でも、那覇病院のそのままの病床数の規模でやっていくということをおっしゃっておられますけれども、ところが財政問題を議論する時点で5年前の基幹病院構想のときでも議論になっているのは、結果的には基幹病院の規模は病床数で700床、1日の患者数は1500人から2000人でなければ採算が合わない、経営的にも成り立たないし、基幹病院としての機能も果たせないということを皆さん方はおっしゃっておられるわけですね。
そうすると、この構想ができ上がってもその後の財政問題が議論になったときに、結果的には採算性の問題でそういうところに行かざるを得ないんじゃないかということなんですよ。
ですから私は、この問題について再度皆さん方が財政問題をもっと明確にしていただきたいと。そして南部病院の機能が、本当に機能の再編はないんだということを明確に皆さん方の考えを聞いておきたいと思います。
○福祉保健部長(平良健康) 再質問にお答えいたします。
県立病院の新しい建設に当たっての財政問題ということでございます。
大変重要な課題というふうに認識しておりますが、現在、まだそこまで議論の段階に至っておりませんが、引き続きこれは病院管理局の所管する部分もございますので、この問題については勉強してまいりたいとこのように考えております。
○平良 長政 護憲ネットワークの平良長政です。一般質問を行います。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、沖縄県民は、物的豊かさより精神的豊かさを大切にし、開発優先より自然保護を大切に考えていると思いますが、知事として県民のこのような価値観をどう評価していますか。また、県政運営にどのように生かしていますか。
2、基地問題について。
(1)、「日米関係─成熟したパートナーシップの前進のために」という報告書が10月11日に発表されました。アーミテージ、ナイ、キャンベル、モチヅキ、グリーン氏らアメリカの対日政策に大きな影響力を持つ有力グループの提言であります。超党派による21世紀初頭における対日新政策と言えるでしょう。日本に対しては日米安保の成熟化、集団的自衛権の行使を求める一方で、在沖米海兵隊のアジア・太平洋地域への分散配置による負担軽減を言及しています。
そこで、なぜ新政策を打ち出したかであります。私は2つあると思います。1つは、朝鮮半島での安定、統一への道が早く、沖縄に過大な海兵隊基地は要らなくなるということ、もう一つは、沖縄県民の反基地運動、感情の存在だと思います。なぜこのような提言が今日出てきたか、知事の見解を問います。
そして、SACOにかかわった米要人が基地の分散配置を言っているのですから、知事も遠慮することなく県外移設を堂々と訴えるべきと思いますが、どうでしょうか。
(2)、普天間基地の辺野古への移設は、住民の反対運動や環境問題からすれば建設完了までに10年はかかるでしょう。朝鮮半島情勢からしても建設途中で海兵隊撤退となるとどうなるか。県は、世界やアメリカの状況変化を的確に把握して打つべき手をきちんと打つべきだと思います。
アメリカは、海兵隊の沖縄駐留が必要ないと見れば県民の意向に関係なく引き揚げるでしょう。大混乱が生じます。今、県がやるべきことは、そのことを想定して跡利用計画とそのための新法の準備に全力を挙げることではないでしょうか、知事の見解を問います。
3、環境問題について。
(1)、10月11日、ヨルダンで開かれた国際自然保護連合(IUCN)の総会は、ジュゴンとヤンバルの森の環境調査と保護策を日米両政府に勧告する決議案を全会一致で採択しました。
IUCNは78カ国、112政府機関、735非政府組織(NGO)が加盟する世界最大の自然保護連合体であります。勧告された国の天然記念物であるジュゴン、ヤンバルの森に生息するノグチゲラやヤンバルクイナ等が世界的に失ってはならない貴重な生物であることを改めて国際的に認知させたということであります。これからは辺野古の海とヤンバルの森に世界中の目が注がれます。自然保護の課題をクリアできなければ事業に着手できなくなりました。
ア、IUCNの勧告をどのように受けとめていますか。
イ、今、国は「ジュゴンの生息状況に係る予備的調査」を実施中だが、基本計画の策定前に徹底した環境アセスメントをやるよう国に求める考えはありませんか。
ウ、勧告されたジュゴンの保全計画をどのように早急につくり上げますか。
(2)、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」9カ所の世界遺産登録が決定をしました。大変すばらしいことでうれしく思います。IUCN総会は、ヤンバルの世界自然遺産への指名を検討することを日本政府へ要請勧告いたしております。これが実現すると自然と文化の2つの世界遺産が沖縄に誕生することになります。
IUCN総会はまた、ヘリパッド7カ所とそれらを結ぶ軍用道路の建設が、残されている最も重要な自然林地域において固有種の生息地の劣化を引き起こす可能性があることも指摘しております。
ア、ヘリパッド移設地の環境調査結果はどうなりましたか。
イ、世界自然遺産登録のためには国立公園化が担保として必要だが、どこまで進んでいますか。
ウ、ヘリパッドや取りつけ道路が建設され、生息地が劣化すれば世界自然遺産登録は不可能となるのではないですか。
エ、勧告された「ヤンバルの生物学特性と絶滅のおそれのある種の保全計画」をどのように早急につくり上げますか。
4、情報通信産業支援策について。
(1)、本県の島嶼性を考えると、情報通信関連企業の誘致に際しては思い切った支援策が必要です。現在、実施している通信コスト低減化支援事業は重要な事業の一つと考え評価しています。平成13年度までの時限支援事業と聞いておりますが、平成14年度以降も引き続き支援すべきと思いますがどうですか。進出企業は一、二年前に計画するので早目に決めて恩恵があることをPRすべきと思います。
(2)、その他の支援策の現状と効果、今後の展開──新規支援策を含めて──を具体的に示してください。
5、第三セクター事業とPFI事業について。
(1)、第三セクター事業とPFI事業の違いはどこにありますか。
(2)、本県で実施された第三セクター事業の現状、評価、展望を各案件ごとに御説明してください。
(3)、私は、平成10年2月定例会及び平成12年9月定例会でPFI事業導入を要請しましたが、庁内で議論を進めたいとの答弁でした。その後、どこまで準備、検討が進んでおりますか。
(4)、PFI導入の際は地元企業を圧迫せず、むしろプラスにさせるためのルールづくりなど具体的整備も急ぐべきと考えますが、どうですか。
6、バス統合問題について。
(1)、来年度は需給調整撤廃の規制緩和──参入・撤退の自由──もあるためバス4社の統合を早急に実現させなければ県民の足は守れないと思います。新会社設立までのタイムスケジュールを県はおおむねどのように考えていますか。
(2)、設立準備室はいつ、だれが設置しますか。県がリードすべきと思いますがどうですか。
(3)、「バス統合に関する可能性調査室」の報告書について。
ア、全体的にどのように評価していますか。
イ、株主構成は4社のみでなく県、市町村、公庫、県内主要企業も入れてオール沖縄で構成するのが望ましいとの提言ですがどうですか。県は、出資及び役員派遣をすべきと思いますがどうですか。
ウ、4社が公共交通機関として県民の足を確保すべく赤字路線を今日まで継続運行してきた背景を考慮し、鉄軌道のない沖縄県において県民の足として公共交通機関のバス事業を統合し継続させるには約170億円の公的財政措置が必要で、それがなければ統合は不可能であると述べております。国鉄の恩恵も受けていない沖縄県にとって国からの財政支援は当然と思うが、どうですか。
(4)、統合後の労働者対策について。
ア、現在のバス労働者の低賃金実態──25歳運転手で他県と比較して2万3000円低く、県内他産業と比較して5万円低い──からして最低限でも現行賃金水準を統合後も保持すべきと思いますが、どうですか。
イ、統合による余剰人員は、新規事業による吸収やモノレール会社、自治体、民間企業への就職あっせん等雇用対策に万全を期するべきと思いますが、どうですか。
7、電磁波の安全性について。
(1)、携帯電話等の電磁波による人体への影響がかなり以前から問題視されてきました。国連のWHO(世界保健機構)でも携帯電話の使用に関する安全性に関する調査をしていますが、結果はまだ出てないようです。イギリスでは、WHOの結果を待たずに16歳以下の子供には携帯電話を使用しないよう指導をしているようです。安全性が確認されてないものは使用しないという考え方です。携帯電話の使用に関する我が国の監督官庁は郵政省ですが、イギリスのような考え方はまだ示されておりません。
ことし5月、オーストリアのザルツブルク市の主催で世界初の携帯電話に関する国際会議が開かれ、基地局から発信する高周波の合計総量を0.1マイクロワットパー平方センチメートルにすべきと勧告する「ザルツブルク宣言」が採択され、これは我が国の基準の1万分の1という厳しい数値とのことです。
県民、とりわけ子供の命と健康を守る立場から、県として電磁波による人体への影響等を調査・研究する考えはありませんか。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
最初は知事の政治姿勢について、物的豊かさより精神的豊かさ、開発優先より自然保護が大切という県民の価値観をどう評価し、県政運営に生かしていくかとの御質問にお答えをいたします。
私は、人と自然、人と社会が調和する地域社会を県民とともにつくっていきたいと考えております。本年4月に制定した沖縄県環境基本条例及び今議会に提出している環境影響評価条例も、環境への負荷の少ない持続的に発展可能な社会を構築するための施策の一つであります。物か心か、開発か自然保護かという二者択一ではなく、それぞれがバランスのとれた施策を推進し、環境共生型のエコ・アイランド、健康で快適な島としてのウェルネス・アイランドを目指したいと考えております。
次に、基地問題についてのうち、日米安保の成熟化及び在沖米海兵隊のアジア・太平洋地域への分散に言及する提言が今なぜ出てきたのか知事の見解を聞きたいと、また県外移設を訴えるべきではないかということの御質問に対してお答えをします。
このような提言が出てきた背景については、いろいろな見方があると思いますが、いずれにしましても県としては在沖米軍基地について米本国内にも新しい動きが出ていることに注目しているところであります。
また、これらの提言は、国防専門家としての立場から行われたものでありますので、県としては、アメリカの新政権の中でこれらの提言がどのような形で政策に反映されていくのか、今後の動向を注意深く見守りながら、県民の基地負担の軽減を図る観点から適切に対応していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 基地問題について、県がやるべきことは、基地の返還を想定して跡地利用計画とそのための新法の準備に全力を挙げることと思うがどうかについてお答えいたします。
国は、駐留軍用地の跡地利用に係る新たな制度へ対応を図るため、昨年12月に「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」を閣議決定しております。その中で大規模駐留軍用地における行財政上の措置、跡地整備事業等を担当する事業実施主体の明確化、給付金支給などについては新たな法制の整備により対応することとしております。
現在、跡地利用の促進及び円滑化等の確実な実施を図るため国、県、宜野湾市による「跡地対策準備協議会」を設置し、跡地利用計画策定、文化財関係、再開発事業関係など11の取り組み分野ごとの課題について検討し、制度の確立に向け取り組んでいるところであります。
次に、情報通信産業支援策について、通信コスト低減化支援事業は13年度までの時限支援事業と聞いているが、14年度以降も引き続き実施する必要があると思うがどうか、また早目に事業継続を決定しPRを行うべきと思うがどうかについてお答えいたします。
通信コストは近年、競争や技術革新によって低下してきており、距離によるハンディが近い将来なくなると見込まれていることから、県が実施している通信コスト低減化支援事業は平成11年度から3年間を事業期間としたものであります。
平成14年度以降の施策につきましては、技術の進展等による情報通信環境の変化を勘案しつつ鋭意検討を進めているところであります。
同じく情報通信産業支援策について、その他の支援策の現状と効果、今後の展開を具体的に示せについてお答えいたします。
産業振興に係る支援策として若年者雇用開発助成金があり、平成9年度から平成11年度までに72社が認定され、このうち27件が情報関連企業に適用されております。
また、情報産業人材育成支援事業はこれまでに109社、430人が対象となっております。さらに「テレビジネス産業人材育成支援事業」においては10月末現在、2081人が受講しております。
税制上の優遇措置としては、沖縄振興開発特別措置法に基づく投資減税等の優遇措置を実施する情報通信産業振興地域制度が県内23市町村に適用され、企業立地の大きなインセンティブになっております。
以上のような支援策の効果として、これまでに情報通信関連企業33社が新規に立地し約2700人の雇用が発生しております。
今後の企業に対する支援につきましては、これまでの事業を継続しつつ、情報通信産業の新分野に対応する施策を検討していきたいと考えております。
次に、第三セクター事業とPFI事業について、第三セクター事業とPFI事業の違いはどこにあるかについて答弁いたします。
第三セクター事業とPFI事業は、いずれも公共性のある事業を実施する際に民間活力を導入するという視点は同じでありますが、事業を実施する際の手法に違いがあります。
第三セクターによる事業方式は、公共部門と民間が共同出資による会社法人を設立し実施する手法であるのに対し、PFIによる事業方式は、これまで公共が対応してきた社会資本の整備や公共サービスの提供について民間の資金やすぐれた経営能力、技術的能力を活用して民間事業として実施し、公共部門あるいは受益者は相応の費用を負担することによって効率的かつ効果的に公共サービスを提供していこうとするものであります。
同じく第三セクターとPFI事業について、PFI事業導入を要請したが、その後どこまで準備、検討が進んでいるか、またPFI導入の際は、地元企業を圧迫しないルールづくりなど具体的整備を急ぐべきではないかについて一括してお答えいたします。
PFI事業の導入に当たっては、公共サービスの水準を確保しつつ、事業採択の透明性の確保、責任分担の明確化、事業を担う企業体の独立性の確保など検討すべき課題も多く、他府県の事例などを収集し調査・研究を進めているところであります。また地元企業については、県内企業の優先発注の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 平良長政議員の環境問題についての質問事項について順次お答えしていきたいと思います。
まず、IUCNの勧告をどう受けとめているかという点と、勧告された「ジュゴンの保全計画」をどう早急につくり上げるのかという2点について一括してお答えをいたします。
去る10月11日、国際自然保護連合の世界自然保護会議においてジュゴン等の保護に関する決議が採択されました。
県は、普天間飛行場代替施設の移設候補地を選定した際、代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活と自然環境への配慮を国に強く申し入れております。これを受け国においては、昨年末の閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との安全・環境対策の方針を示し、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」としております。
第2回代替施設協議会において、環境影響評価とは別に、防衛庁が環境庁の技術的な助言を得てジュゴンの生息状況の予備的調査を実施することになり、去る10月末から調査が開始されております。
また、第3回代替施設協議会において県は、住民生活への配慮や自然環境への影響を検討する必要があることなどから、サンゴと藻場について補足調査を要望し実施されることになりました。
県としては、代替施設の建設に当たって、この方針に基づき環境影響評価が実施され、政府において適切な措置がなされるものと考えておりますが、引き続き自然環境への影響を極力少なくするよう要望していきたいと考えております。
次に、国はジュゴンの生息状況に係る予備的調査を実施しているが、基本計画の策定前に徹底した環境アセスメントをやるよう国に求める考えはないかという御質問にお答えをいたします。
国は、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」において、普天間飛行場の代替施設については「自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」こととしており、代替施設の建設に当たっては環境影響評価を実施することとしております。
ジュゴンについては、去る10月末から、防衛庁が環境庁の技術的な助言を得てジュゴンの生息状況の予備的調査を実施しております。本調査は、環境影響評価に先立って行う予備的調査であり、その分布及び生態に関する知見や資料が少ないジュゴンについて資料を収集し、ジュゴンの生息等の状況について確認するものと聞いております。
次に、ヘリパッド移設地の環境調査結果はどうなったかという御質問にお答えをいたします。
北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設については、ヘリパッドの移設場所及び進入路等支援施設の整備に関して防衛施設庁は、平成10年12月から平成12年3月までの間、約1年余の期間を通して環境影響調査を実施し、現在、調査結果の整理を行っているところであると承知しております。
県は、ヘリパッドの移設場所の決定に際しては、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう国に申し入れたところであり、国の調査結果が出た段階で関係する市町村の意向や自然保護団体等の意見も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定が行われるよう適切に対応したいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 環境問題に関する御質問のうち、ヤンバル地域の国立公園化はどこまで進んでいるのか、それからヘリパッドや取りつけ道路が建設され生息地が劣化すれば、世界自然遺産登録は不可能となるのではないかという御質問に一括してお答えします。
環境庁では、北部訓練場返還後の国立公園の指定を念頭に置き、平成10年度から3カ年計画で専門家、地元3村、関係機関及び団体で構成する「やんばる地域保全活用方策調査検討委員会」を設置し、これまでに4回の委員会を開催してきました。その中で地元3村の既存整備計画やヤンバル地域の観光の現状と課題、ゾーニングの必要性の確認等を行ってきました。また平成13年度以降につきましても引き続き検討することとしております。
なお、世界自然遺産の登録については、世界遺産選定基準が示されておりまして、そのうちヤンバル地域に該当する基準は、「学術上、あるいは保全上の観点から見て、顕著で普遍的な価値をもつ、絶滅のおそれのある種を含む、野生状態における生物の多様性の保全にとって、最も重要な自然の生息・生育地を含むこと。」に該当すると思われます。いずれにしましても県としてはまず「やんばる地域の国立公園化」を促進し、世界遺産の登録についてはその後の課題としていきたいと考えております。
続きまして、勧告された「ヤンバルの生物学特性と絶滅のおそれのある種の保全計画」をどうつくり上げるのかという御質問にお答えします。
ヤンバル地域の自然環境の保全については、これまで国においては、レッドデータブックにおいてノグチゲラやヤンバルクイナなどを絶滅危惧種として指定を行い、さらにやんばる野生生物保護センターなどを整備し、保護増殖事業や調査・研究、普及・啓発等の活動を推進しております。
また、県においては、本県に生息する動植物種に着目した「県版レッドデータブックおきなわ」を策定し、さらに「沖縄県自然環境の保全に関する指針」を策定するなど自然環境の保全に努めているところであります。今後とも国、関係機関と連携を図り、ヤンバル地域の豊かな自然環境の保全に努めてまいりたいと考えております。
○総務部長(與那嶺恒雄) 第三セクター事業とPFI事業についての、第三セクター事業の現状と評価等につきましてお答えいたします。
第三セクターは、県や市町村と民間企業が共同で出資し、収益事業と公益事業を行うことを目的に設立されたものでございます。本県が25%以上を出資し、または人的支援を行っている団体は60団体でございます。
そのうち、株式会社9社について御説明いたしますと、都市モノレールや琉球エアーコミューター、空港ターミナルビル等の運輸関係が5社、沖縄県産業振興センター及び沖縄県物産公社の商工関係が2社、観光・レジャー関係としてブセナリゾート、情報処理関係としてトロピカルテクノセンターがございます。その9社の平成11年度の経営状況は、黒字計上が6社、赤字計上が3社となっております。
なお、9社のうち7社が累積欠損金を有し、合計は約16億8000万円となっております。その大半を占める琉球エアーコミューター株式会社は、離島空港の整備や機材の大型化に伴い、安定的運航が確保されたことなどにより累積欠損金が減少してきております。
また、都市モノレール株式会社や産業振興センターが事業開始に至っていないこと、及び那覇空港ビルディングや久米島空港ターミナルについては開業間もないことなどから厳しい経営を余儀なくされているものであり、今後の経営改善努力が必要であるというふうに考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) バス統合問題についての御質問でございます。
新会社設立までのタイムスケジュールを県はどのように考えているかについてお答えをいたします。
平成11年6月、沖縄本島バス4社間においては、当面、乗り合い部門を統合することで関係者間で調整を進めるとの合意がなされており、それを踏まえて4社統合委員会でバス統合の検討が進められているところであります。
県としては、4社の統合に向けてこれまでバス4社の代表者及び沖縄総合事務局と意見交換を重ねてきたところであり、平成13年度の乗り合いバス事業の規制緩和に向け、統合が実現するよう積極的に努力してまいりたいと考えております。
バス統合問題で設立準備室はいつ、だれが設置しますか、県がリードすべきと思うがどうかについてお答えをいたします。
バス統合については、現在、4社統合委員会において新会社の組織、資本、財務、事業等について、弁護士や公認会計士等の助言も受けながら乗り合い部門の統合に向けて検討を進めているところであり、新会社の設立準備室を設置する段階には至っておりません。
また、バス統合については、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題でありますが、バス企業の公共性や厳しい現状を踏まえ、県としてもその検討結果を受けてバス4社の代表者と意見交換等を重ね、統合が早期に実現するよう引き続き努力してまいりたいと考えております。
同じくバス統合問題で、可能性調査室の報告書の評価、それから株主構成は県、市町村、公庫、県内企業も入れての構成が望ましいとの提言について、県の出資、役員派遣について、それから170億円の公的財政支援について、それから国からの財政支援は当然と思うがどうかについての御質問にお答えをいたします。
3件とも調査報告書に関することでありますので、一括してお答えをいたします。
平成12年8月に設立された「バス統合に関する可能性調査室」は、県内の金融機関からの出向者等で編成され、第三者的な立場から本島バス4社の乗り合い部門の統合の可能性について同年10月末に調査報告書をまとめ、関係者に内容を説明した後、解散しております。同報告書は、バス4社の乗り合い部門を統合する新会社設立について一つの方向性を示したものとして一定の評価をしているところであります。
一方、統合の当事者である4社統合委員会においては乗り合い部門の統合に向けて検討を進めているところであります。県としては、その検討結果を受けて、今回の調査報告書の株主構成、出資及び公的財政措置等も含めて県としてどのような対応が可能か、国と緊密な連携を図りながら総合的な観点から検討してまいりたいと考えております。
バス統合問題についての、現在のバス労働者の低賃金の実態からして最低限でも現行賃金水準を統合後も保持すべきと思うがどうかについての御質問にお答えいたします。
バス統合については、現在、バス4社統合委員会において乗り合い部門の統合に向けて検討を進めているところでありますが、統合が実現した場合の賃金については新会社で対応すべきものと考えております。
バス統合問題について、統合による余剰人員は新規事業による吸収やモノレール会社、自治体、民間企業への就職あっせんなど雇用対策に万全を期するべきと思うがどうかについてお答えをいたします。
バス4社の統合に伴う余剰人員対策は、バス統合の大きな課題の一つであります。現在、労使間でバス4社の統合を促進するための労使協議委員会が設置されているところであり、その協議状況を踏まえつつ、関係機関等と連携しながら総合的な観点から対応を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 電磁波の安全性について、県として電磁波による人体への影響等を調査・研究する考えはないかとの御質問にお答えいたします。
最近、携帯電話等の電化製品から出る有害な電磁波の身体に及ぼす影響がいろいろ問題視されています。
郵政省においては、WHO(世界保健機構)の呼びかけに応じて、携帯電話から出る電磁波と脳腫瘍との因果関係の有無を解明するため2000年秋から疫学調査を実施することを決定しました。また2001年夏を目途に、携帯電話から出る電磁波の頭部吸収量について法的な基準等を設ける等電波法の関係規則を改正することとしております。
携帯電話等の電磁波が人体にどのような影響を及ぼすのか、まだ結論が出ているわけではありませんが、外国では慎重な回避という動きもあり子供の利用を最小限にとどめるよう指導しております。
本県においては、国の調査結果等により健康への影響がどのようになるかという点につきまして慎重に見守って対応したいと考えております。
○平良 長政 再質問を行います。
政治姿勢についてでありますが、実は知事、これはことしの11月に発表された第5回県民選好度調査概要というのがあります。(資料を掲示)
去年の11月調査ですが、それに「県民の価値観」ということで「精神的豊かさと物質的豊かさ」が出ていて、精神的豊かさが77%というふうになっています。それから自然保護については76%というふうになっていて、やはりそういう県民の価値観とか、そういうものにのっとって県政運営をしていくべきだというふうに思います。
知事は公選であるし、地方自治というのを今憲法で大事にしている、明治憲法との違いですから、やはり出張所長ではないわけです、国のですね。任命制でもないし、やはり県民の意向を県政に生かすという、そういうことできちっとしてほしいと思います。
基地についてですが、米大統領選も混迷を深めておりますが、答弁ではそういう提言が新しい大統領に政権にどうやっていくかというのを注目しているという言い方であります。
この動きは、新しい動き、超党派での動きはありますが、例えばアーミテージとかマイク・モチヅキあるいはジョセフ・ナイとかずっともう数年前から出ておりまして、「朝日」の96年ですから4年前にはアーミテージは、沖縄米海兵隊は朝鮮半島の情勢が変化すれば少数の機関要員を残して撤退すべきだとか、そういうのがずっと出ているわけです。でも今回そういう超党派で出ているわけですから、知事が来年訪米されるということですから、その辺はきちっとしてやはり県民世論をきちっと伝える、あるいは朝鮮半島が変化すればやはり撤退すべきというそういうことで知事も訪米の際にぜひ言うべきだとそう思いますが、どうでしょうか。
あと朝鮮半島が動いているということで、やはりいつ沖縄から引き揚げるかも知れないということがあるというふうに思っております。
基地と振興策のリンクも完全に政府はしているわけですから、米海兵隊が撤退して75%ぐらいですか、なくなれば沖縄振興策など見向きもしないというのがやはり国の方策となる可能性が強いわけで、やはりこの際、個々の振興策、水産振興策も大事でしょうが、やはり魚ではなく釣り具と前に知事がおっしゃったように制度をきちっととるという、そういうことが必要ではないかというふうに思います。
これは琉球新報11月17日に「移設先決定から1年」というものがありました。森総理が就任9日目にいわゆるレクチャーを受けるために沖縄関係者を呼んでやったら、「君たちはどうして、できもしないことを約束したのだ。」とどなったと、15年問題でこう言っている。そういう政府に対して、我々県民があるいは知事がどう対応するかというのは、やはり県民意思をきちっと伝えていく、県民意思をバックにして不退転の決意をすべきではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
あと環境問題ですが、先ほど答弁を見ているとちょっといろいろ不安というか不満もあります。まず、ジュゴンやヤンバルの森の保全計画をすべきだということに対してどうするかと問うているわけですが、それについて明確な答えがありません。保全に努めるとかあるいは国に要望すると言っているけれども、これはもちろん保全計画、日米両政府がつくるべきだと言っているわけですが、やはりきちっと我が県から物申してつくらせていくというのが大事ではないかというふうに思います。
今やはり大事なことは、知事の姿勢として国に対してゲーしないでというんですか、反発しないでこうやっていくというのは卑屈に見えるわけです。やはり堂々と県民意思を述べていくということでも環境問題でも大事だというふうに思います。
75メートル四方、4メートルの道路を取りつけして、どうして自然の世界遺産ができるのでしょうか。本当にそういうことを可能と思っているのか。何というか、移設場所を国の調査の結果選定してくれ、選定するのではなくて、これではだめだと、そういうことをしたらせっかくの世界遺産もできなくなると知事は国に対して言うべきではないでしょうか、ぜひ御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時36分休憩
午前11時37分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再質問にお答えします。
最初の政治姿勢の中で、県知事としては県民の意向を十分に反映しながらいくべきであるという御質問でございますが、これは当然でございます。
私としても県民の立場に立って、県民の気持ちでもって進めていきたいと思っております。しかし行政の立場というのは必ず1つということでは、二者択一ではなく、非常にバランスがとれた施策というのは大変重要でございます。現実に立脚してその辺を十分に注意しながら対応していきたいと思っております。
それから次の御質問で、超党派のグループがいろいろな動きがあると、その辺を対応しながら今回の訪米等についても十分に沖縄の立場を要請してほしいというお話がございましたけれども、私は先般、大変短い時間の中でもクリントン大統領を平和の礎に御案内した段階でも、全部沖縄サイドの言うべきことはきっちりと基地の整理縮小についても、あるいは使用期限の問題についても地位協定の見直しの問題につきましても、あるいは軍紀粛正についてもはっきり申し上げております。
したがいまして、今回の訪米についてもそれは実施時期その他は効果的なものを考えておりますが、その中ではっきりと沖縄県民の立場を主張してまいります。
○文化環境部長(宮城光男) 保全計画をどうするのかという御質問に対してお答えいたします。
現在いろんな形で、先ほど申し上げましたように調査をしている段階でございますので、保全計画をどうするのか、つくるのかつくらないのかも含めましてこれは国、関係機関と十分今後話し合いをしていきたいというふうに思います。
それから、ヘリパッドがこんなに大きなものができるのにそれで世界遺産登録も可能なのかという御質問でございますが、これは先ほど知事公室長からも申し上げましたように今調査をしている段階でございまして、その調査結果の整理を行っているということでございますので、その国の調査結果が出た段階で我々自然環境を預かる立場としても、その調査の結果を見てその自然が保護されるような意見等を十分申し上げていきたいというふうに思います。
○平良 長政 議長、ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時41分休憩
午前11時44分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
牧野副知事。
〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 平良県議の基地と振興策の問題についてお答えいたします。
今私ども振興策は、沖縄県でやろうとしているのは7つあります。
1つは、沖縄振興開発計画、来年終わりますのでこれも新たにつくっていくことになります。2つ目は、その振興開発計画を支えています今の沖縄振興開発特別措置法、これを新法に持っていこうということもこれも今、来年やることになります。それから3つ目は、沖縄の本土復帰に伴う特別措置に関する過渡的な法律、この扱いもどうするかということもやっていきます。それから沖縄経済振興21世紀プランも既にスタートしていますし、具体的に進めていきます。それから沖縄県北部地域の振興に関する方針、これも12市町村の北部振興策を進めていきます。それともう一つは、「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」、大規模な軍用地が返ってきますのでその開発のあり方もやっていきます。それから7つ目には、今、普天間移設先及び周辺地域の振興開発をやっていくということで、今申し上げましたように沖縄の21世紀の基礎を築いていくための7つの政策、開発計画を今、これから来年にかけてつくっていくという形になります。
そこを見ますと一番大きな問題は、今の3次振計の後のものでございますけれども、これは過去10年間格差是正だとか自立の基盤整備だとか、あるいはアジア諸国との国際交流拠点だとかいうようなことをやってきましたけれども、これにつきましては新たなものはもちろん格差是正もありますけれども、むしろ東南アジア諸国との中継拠点あるいは沖縄が発展することによって日本全体の経済社会に貢献するような地域になってつくっていく。それを支えるための新法、それから特別措置に関する問題、それから21世紀プラン、北部振興なども全く基地とは関係なく、沖縄の位置づけ、日本全体の位置づけ、東南アジア諸国の中で沖縄が活用するような形でやっていくということで、これは国の中でも全総の中でも沖縄はアジアパシフィック・クロスロードと位置づけられておりますように基地とは関係なく積極的な意味で進めていくということでございますので、我々はそれは基地とは関係なく来年中には全部それをぴしゃっとやるような形でやっていくような意気込みでやっております。
それから普天間基地跡の大規模な軍用地が返ってきますのも、施政方針に従って基地とは関係なく、基地というのは政府のそういうようなものでやられましたので、その開発計画は国策のバックアップでもってやっていくということでございますから、これについては全く懸念はないと思います。
もちろん御懸念の1つは、シュワブ周辺の移設先ということはこれは移設先ということですから、これだけは一般の地域開発の論理とは違って移設先を持っていくわけですから、そこに多大な御負担をかける、それから移設することによって日本の安全保障に対する大きな貢献があるという意味がありますので、これは別の論理で御迷惑をおかけするという形でやっていきますので、いずれにしましても7つを我々は抱えていますので、これは全く基地がどうのこうのではなくて、積極的な意味で沖縄の位置づけということで鋭意やっていきたいと思います。
そういう状況にあるのが今の沖縄の状況だと思います。
○外間 久子 一般質問を行います。
中城湾港埋立地(泡瀬地区)における埋立事業及び環境問題について質問を行います。
我が党は、さきの国会で事業目的が定かでない、採算が度外視、環境破壊の危険性など重大な欠陥が指摘されながら、巨額の税金がつぎ込まれている公共工事について、欧米では当たり前になっている住民参加の事業評価制度を確立し一定規模以上の公共事業を総点検することを提起しました。
中城湾港(泡瀬地区)公有水面埋立事業東部海浜開発計画についてもこの角度からの十分な吟味が必要だと考えます。このことは中城湾港(新港地区)の用地利用状況、沖縄市へのホテルの進出の失敗で地元住民や自然環境の保全、保護団体や漁民などが多くの問題点を指摘していることからも明らかであります。
この計画は、10数年眠っていた状況でしたが、98年の4月、隣地の中城湾港(新港地区)の特別自由貿易地域への指定へ向け港湾整備に伴うしゅんせつ土砂の捨て場が必要となり、国が事業への参画を申し出たことで急遽土砂の処分場としての埋立計画に早変わりしたにすぎません。しかも十分な環境調査もなされないまま認可申請がなされていますが、埋立事業がまだ着手されてない今こそ埋立面積の規模と埋立後の土地の利用計画の見直しを改めて求めるものであります。
その上、評価書では干潟の生態系についてはトカゲハゼと鳥類、藻場や生態系についてはリュウキュウアマモ、ボウバアマモ等の海藻類を代表的な注目種として種の保全対策として生物の多様性や自然環境の多様性が確保されるとみなしていますが、改めて検討すべき問題が挙げられています。しかも県文化環境部は、絶滅危惧種のクビレミドロや藻場の保全に留意し、追加調査を条件とするなど慎重に進めるよう注文をつけています。
そこで質問いたします。
(1)、藻場の移植の実験は成功し保全にめどがついたという根拠を示してください。
クビレミドロは移植実験中だが、移植技術の確立に努めるということですが、国内で成功した例がありますか。並行保全できるというなら、移植が失敗したらだれが責任をとるのか、お答えください。
(3)つ、追加調査を条件にしていますが、その結果は評価書に載せ、工事の見直しをするのですか。
(4)つ、埋立地計画はバブル期に策定されたもので、その跡地利用計画も10年前のもの、しかも車で25分の西原・与那原地区にも類似の計画で成功する根拠を示してください。
(5)つ、市内の東海岸沿いには使用していないホテルもあり、その上、西海岸のリゾートホテルと競合しませんか。
(6)つ、沖縄市の市民の中では、埋立完了後は市や県に無償で譲渡されると思っている人がいますが、184億円で買い取り、その上、インフラ整備に120億円も要するとなると、今の深刻な財政状況のもと埋立事業の借金はふえ、21世紀の少子・高齢化の時代、市民の暮らし、福祉に大きなしわ寄せは確実です。沖縄市民にとって重い負担になりませんか。借金はつくらない、沖縄市の財政には負担をかけないと明言できるのか、お答えください。
(7)つ、計画では4つのホテル用地が確保されておりますが、どこのホテルが進出するのですか。
(8)つ、進出予定企業が37社から現在どの程度ふえたのか、どこの企業が進出するのか、お答えください。
(9)つ、東部海浜開発埋立事業に伴う漁業補償額の19億円余の積算根拠を示してもらいたい。
次に、教育問題について質問をいたします。
我が党は第22回党大会で、学校教育の改革、大人社会の道義の確立、子供を有害な情報から守るという3つの角度からの国民的取り組みを呼びかけました。それはすべての子供に主権者として必要な基礎学力、体力、情操、市民道徳を身につけさせる教育への改革を図るということです。
学校教育の改革では、「受験中心のつめこみ教育、競争教育、ふるいわけ教育から子どもたちを解放し、一人ひとりの子どもの成長と発達を中心においた教育への改革をはかる」ことを提起いたしました。
今、子供たちの中に学力の危機とも言うべき深刻な実態が広がっています。
文部省の学校教育に関する意識調査でも授業がよくわかっているという子供は、小学校で4人に1人、中学校では21人に1人、高校では30人に1人となっています。また各種の調査で学校で嫌いなもののトップに勉強が挙げられ、中でも嫌いな教科のトップが数学、理科となっていることも重大です。
国立教育研究所の報告によりますと、中学校2年生の国際比較では、数学を嫌いと答えた子供が39カ国中第2位、理科を嫌いと答えた子供が21カ国中第1位となっています。これは自民党政府・文部省が長年続けてきた競争主義、管理主義の強化という教育政策がつくり出した危機であります。
この間、文部省が学習指導要領などによって教育現場に押しつけてきたことは、基礎学力のために必要な授業時間を削減しながら詰め込みを続け、競争によって子供をふるい分けたことであります。
72年実施の学習指導要領とこの2002年実施の学習指導要領を比較いたしますと、小学校6年間で4教科、国語、社会、算数、理科の授業時間数は3941時間から2941時間にと1000時間も減ってまいります。学校の勉強だけではわからない、塾通いをしなければわからないというのが当たり前という異常な事態は、学習内容が系統性を欠いた断片的知識を棒暗記させるというゆがみを持っていることとともに、基礎的な科目に必要な授業時間を保障してないことも大きな原因の一つになっています。
すべての子供に基礎的な学力を保障することは、国民の根本的な教育要求であり、憲法と教育基本法が要請しております学校教育の基本任務であります。学習内容を子供の発達段階に即した系統的なものにするとともに、真に基礎・基本的な事項については十分な授業時間をとって、すべての子供がわかるまで教える教育への改革が必要ではありませんか。それを保障するためにも30人学級の実現であり、教員の増員と教育予算の増額、学校の民主的運営が大切であります。入試の改善など受験中心の教育の改革も重要です。
今、学校では教師が教師本来の仕事として子供たちと向き合うことができず、一般の会社と違わなくなったと言われています。教師は雑務に追われ、ゆっくりと考えるゆとりがなくなったと言っています。もっと丁寧に子供たちに接したいと思いながら、つい言葉が荒くなったり、荒っぽい対応になってしまって、「しまった」と思うことがよくあると私の周りの教師はこう言っています。
また、子供は教師の言うことを素直に聞いてくれないとこぼしています。物の見方、考え方でもすれ違いが起こっているようです。
こういう状況の中で教師として誠実であることは大変だろうと思います。誠実な教師ほど悩み、苦しみ、病気になり、退職をせざるを得ないところに追い込まれているのではないでしょうか。
今、親と教師が一緒になって子供を育てる教育を創造する、こういう環境をつくってやるのが県教委であり、そのためには教育現場の実態、教師の悩みなどを吸い上げる手だてを早急に立てることを求めるものであります。
そこで質問をいたします。
(1)、教師の多忙化傾向やそれに伴って生じる身体的、精神的な疲弊が沖縄の場合はどのようにあらわれておりますか。
(2)、なぜ体罰が頻発するのか。県教育委員会はどのように考えておりますか。
(3)つ、部活動の行き過ぎと体罰の関係が見えてくるように思います。このことは県教委はどう考えておりますか。
(4)つ、県教育庁は全国に先駆けて体罰に処分基準を決めたようですが、これで納得のいく教育ができますか。
(5)つ、学校内でのカウンセラーはどんな位置づけになっておりますか。学級担任との連携はどんな仕組みになっているでしょうか。
(6)つ、中学校に入学した新1年生に夢を持たせる教育をなさっていると思いますが、この入学後の2カ月後に子供たちの感想を聞いたことがありますか。どんな意見や感想が寄せられておりますか。
(7)つ、30人学級実施の見通しに期待を持ってよいでしょうか。
次に、バス問題について質問をいたします。
新会社発足に伴う必要資金及び退職金の費用等については、公的財政措置を国に求めてはどうでしょうか。
4つ目に、沖縄市の倉浜衛生施設の前事務局長と特定業者間で収賄罪の疑いがあり、県警本部も業者への事情聴取を行った結果、何らかの容疑があったことを認めました。なぜ県警は捜査を打ち切ったのでしょうか。
5つ目に、我が党の代表質問との関連についてお伺いします。
ジュゴンの調査を国任せではなく、県が主体的に調査内容を改善すべきだと、これを国に求めるべきだということを新垣議員は質問をいたしました。これに対する執行部の答弁というのは、皆さん、基本計画の策定後に実施をすると言ってみたり、さらには国に対しては調査内容を改善する考えはないと、これを求める考えはないとこのように答弁をなさいました。
ところが、今県民が望んでいることは、やはりジュゴンと基地が両立するのだろうかと、このことを県民に明らかにしてもらいたいというのが県民の要求です。それだけにこの基本計画の策定の調査というのは基地がつくられてからでは遅いのではないでしょうか、これにお答え願いたい。
(2)つ目に、県はジュゴンに対するどんな資料を持っているのですか、この資料を示していただきたいと思います。そして県独自でも調査すべきだと思いますが、これについてどのようなお考えでしょうか。
以上、答弁によってまた再質問をいたします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの外間久子君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時 休憩
午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前の外間久子君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業及び環境問題について、藻場の移植実験は成功し保全にめどがついたという科学的根拠を示してほしいという御質問にお答えします。
中城湾港(泡瀬地区)の埋立事業は、沖縄市を中心とする中部圏東海岸地域の活性化を図るための拠点として「マリンシティ泡瀬」の整備を図るものであり、埋立面積約186ヘクタールのうち国が約177ヘクタールを埋め立て、県は約9ヘクタールの埋め立てを行う予定であります。
当該事業に当たっては、計画段階から市民や専門家等の要請や提案等を取り入れてできる限り環境へ配慮する等出島方式としております。泡瀬海域には藻場が約353ヘクタ-ルあり、そのうち埋め立てによって約79ヘクタ-ルが消失することとなることから、生育被度50%以上の区域については埋立計画地近傍の藻場疎生域に移植し保全する計画であります。
平成10年7月から沖縄総合事務局において、移植予定地でこれまでの県内事例を参考にしながら当該海域で生育しているリュウキュウアマモ、ボウバアマモ等について移植実験を実施しております。
移植実験の結果、平成12年2月までの約1年7カ月後、移植時の株数が2.2倍と良好に生育していることから移植は可能と考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(銘苅清一) 中城湾港(泡瀬地区)埋立事業及び環境問題についてのうち、クビレミドロの移植について国内に成功した例はあるか、また移植が失敗したときの責任についての御質問にお答えいたします。
クビレミドロは、1属1種から成る藻の一種で、文献等によると国内では沖縄本島のみで生育が確認されていることから、本県以外での移植事例はありません。現在、屋慶名海域で約106ヘクタ-ル、恩納村太田海岸で約2ヘクタ-ル、泡瀬海域で約1.7ヘクタ-ルの分布域が確認されております。
泡瀬地区におけるクビレミドロの生育については、平成12年1月に確認した後、海生生物の専門家の指導・助言を得て屋慶名地区と勝連地区で沖縄総合事務局において移植実験を実施しております。
その結果、クビレミドロが広く分布している屋慶名地区においても、またこれまでクビレミドロが生育していなかった勝連地区においても、移植した藻体の活着と成長が確認されていることから、クビレミドロの移植は技術的に可能であると考えております。事業の実施に当たっては引き続き調査を行うとともに、慎重を期するため学識経験者等で構成する「中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会」において詳細な調査結果を検討し、より確実な移植技術の確立に努めていきたいと考えております。
同じく、追加調査を条件にしているが、その結果は評価書に載せ工事の見直しをするかとの御質問にお答えいたします。
追加調査は、環境影響評価準備書に対する事業実施前に専門家の指導・助言を得て干潟生物の詳細な調査を実施すること、またその結果は県に報告することとの知事意見に基づき、事業者である沖縄総合事務局が実施しているものであります。
調査は、干潟の底生生物について詳細な出現目録を作成し、今後の学術研究に資することや今後の事後調査において工事着手前と着手後との比較用のデータとして活用することを目的に実施しております。
追加調査のうち、クビレミドロについては確認調査を行い、専門家等の指導・助言を得て、その対応について環境影響評価書に記載されたいとの港湾管理者の長の意見に基づき、調査結果と保全対策を環境影響評価書に取りまとめ公告・縦覧を行っております。
また、モニタリングのデ-タ等として使用するその他の底生生物の調査結果については、県の環境部局へ報告しております。
同じく、土地利用計画は10年前のもので、西原・与那原地区と類似の計画で成功するかとの御質問にお答えいたします。
泡瀬地区及び西原・与那原地区の計画は、それぞれの基本コンセプトをもとに計画されております。
泡瀬地区につきましては、「国際交流リゾート拠点、海洋性レクリエーション活動拠点、情報・教育・文化拠点の形成」を基本コンセプトとしており、平成7年に港湾計画に位置づけられたところであります。当該地区の開発により国際交流リゾート関連施設、海洋性レクリエーション関連施設等が複合的に立地する中部圏東海岸の拠点地区が形成され、新たな雇用の場の確保及び誘客の場の確保とともに余暇、文化、交流などの拠点性の高い機能の集積が図られ、本県第2の都市である沖縄市を中心とする中部圏経済の活性化に資するものと考えております。
一方、西原・与那原地区につきましては、「中城湾港南部の拠点都市として海辺のアメニティー豊かな活力と潤いのあるみなとまちの形成」を基本コンセプトとしており、主な土地利用計画は住宅用地、官公庁用地及び県道用地等であり、狭小過密化している西原・与那原地域において定住基盤を拡充し地域の活性化を図ることを目的としております。
したがいまして、泡瀬地区及び西原・与那原地区の開発計画は、それぞれの地域のニーズに沿ったコンセプトに基づく計画であり、競合するものではないと考えております。
同じく、市内の東海岸沿いには使用していないホテルもある、また西海岸のリゾートホテルと競合しないかとの御質問にお答えいたします。
沖縄市を含む本島中部圏東海岸地域は活力の低下が見られることから、これら地域の活性化を図るため雇用の場や誘客の場としての拠点地区開発が必要となっております。そのため、大型クル-ズ客船の寄港促進を図るための客船埠頭や交流施設、展示施設、ホテル等の誘客施設を一体的に整備し、地域特性を生かした「国際交流リゾ-ト拠点、海洋性レクリエーション活動拠点、情報・教育・文化拠点の形成」を図ることとしており、観光・リゾ-ト産業を戦略的基幹産業とする本県の施策に沿ったものとなっております。
当該拠点地区開発は、中部圏東海岸地域の活性化のみならず本県の観光・リゾ-ト産業の振興に寄与するものと考えております。
同じく、沖縄市は埋立用地の購入費184億円とインフラ整備費120億円を要するが、市財政に重い負担はかけないと明言できるかとの御質問にお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業により造成される埋立用地約186ヘクタールのうち、沖縄市に処分される土地は約89.7ヘクタールが予定されております。
泡瀬地区埋立事業は、工事着手後約7年かけて造成するものであり、その後国から土地の処分を受けることとしております。
インフラ整備については、市の負担を軽減するため上・下水道事業、雨水排水施設整備事業、区画道路整備事業等に国庫補助事業をできるだけ導入して段階的に整備を行うものであります。
なお、沖縄市からは、当該事業の収支についてはできるだけ市の財政負担にならないように計画されており、国から譲り受けた土地処分の収入により採算は十分にとれる計画となっていると聞いております。
同じく、計画では4つのホテル用地が確保されているが、どこの企業が進出してくるのか、それから進出予定企業が37社から現在どの程度にふえたのかとの御質問は、関連しますので一括してお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業については、埋立免許取得及び承認後着工し7カ年後に埋立工事を完成する予定であります。その後、臨港道路、上・下水道、雨水排水施設、区画道路等のインフラ整備を行い企業誘致を行っていくこととしております。
企業誘致については、沖縄市が中心となって平成5年度と平成8年度に進出意向調査が実施されており、ホテル用地、複合商業施設用地等への進出意向の回答を寄せた企業は約20社となっております。しかし埋立事業もまだ始まっていない現時点では進出を確定した企業はありません。今後の企業誘致については、平成20年度からの土地処分に向けて県、市、関係機関で連携し協力して行うこととしております。
同じく、漁業補償額の積算根拠についての御質問にお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業に伴い、漁業補償を行うこととしております。今回の補償区域については、中城湾港(泡瀬地区)埋立事業に伴い、漁業権の一部が消滅する共同漁業権第9号の一部及び特定区画漁業権第141号の全部を対象としております。
泡瀬地区の漁業補償については、その積算根拠は運輸省の「公共用地取得に伴う損失補償基準」及び「公共用地取得に伴う損失補償基準の運用方針」並びに「沖縄県の公共事業の施工に伴う損失補償基準」に基づいて漁業補償額を算定しております。
なお、中城湾港(泡瀬地区)埋立事業における漁業補償費約20億円の根拠については、当該事業の施行により漁場が消滅する区域を消滅補償、漁業の操業に支障が生じ漁場としての価値が低下する区域を価値減少補償、また工事期間中に制約を受ける区域を漁労制限補償、工事による影響を受ける区域を影響補償等として漁業補償額を積算しております。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 外間議員の御質問にお答えいたします。
まず、教師の多忙化傾向やそれに伴って生じる身体的、精神的な疲弊が沖縄の場合どのようにあらわれていますかという御質問にお答えいたします。
本県の教職員の病気休職者の数は、平成9年度が210人、平成10年度が242人、平成11年度が223人であり、このうち精神性疾患が平成9年度50人、平成10年度50人、平成11年度は56人となっております。
この要因として、社会の変化とともに児童生徒、保護者の意識の変化や多様化など、教育環境の急激な変化に伴い教職員が人間関係のストレスや健康管理、生徒指導、学級経営等で悩んでいることなどが考えられます。
現在、県教育委員会としましては、教職員の悩みについてアンケート調査を実施しているところであり、その結果を分析し教職員の悩みを的確に把握し、相談体制の強化など教職員の悩みの解消に積極的に対応していきたいと考えております。
次に、なぜ体罰が頻発するのか、県教育委員会はどのように考えているのかという御質問にお答えいたします。
体罰が行われる要因といたしましては、これまでの伝統的な力関係による指導が許容される風潮が残っているのではないかということ、家庭でなされるべき指導も学校が抱え込み過ぎている状況があること、教育相談的配慮が不十分であるなどさまざまな状況があるのではないかと考えております。
その一方で、体罰は許されないとする人権意識も高まっており、こうした事情が結果的に体罰の顕在化につながっているのではないかと考えております。
県教育委員会では、体罰の禁止について資料の配布や校長会等あらゆる機会を通じて繰り返し注意を喚起するとともに、一部の教員による抱え込み意識を改め全職員が一体となった生徒指導体制の確立を図っていきたいと考えております。
次に、部活動の行き過ぎと体罰の関係が見えてくるが、このことは県教育委員会はどう考えているかという御質問にお答えいたします。
学校における部活動は、児童生徒の心身の調和のとれた発達と個性の伸長や体力の向上、社会性の育成等を図る上で極めて重要な教育活動であります。
県教育委員会においては、平成10年4月24日付で「部活動における指導のあり方について」を、各小・中・高等学校や関係機関あて通知しております。その中で児童生徒と教師の信頼関係を基本とし、校長の学校経営方針のもと組織的、計画的に部活動を推進し責任体制の確立を図るとともに、父母及び部活動育成会等と連携を深め、その信頼を得るよう指導しているところであります。
特に運動部活動については指導者研修会等を開催するとともに、中学校体育連盟、高等学校体育連盟等の関係団体とも連携して部活動指導者の資質の向上に努めているところであります。今後とも校長のリーダーシップのもと、適切な部活動の運営が図られるよう指導していきたいと考えております。
次に、県教育庁は全国に先駆けて体罰に処分基準を決めたようですが、これで納得のいく教育ができますかという御質問にお答えいたします。
今回、「体罰等服務規律違反行為に対する懲戒処分等の基準」を定めたのは、懲戒処分の公平さを保つことや基準の内容を教職員に周知徹底することによりこれまでの生徒指導のあり方を見直し、いま一度体罰によらない生徒指導のあり方を検討し、教師による抱え込み意識を改めること等により体罰をなくすことをねらいとしております。
県教育委員会といたしましては、今後とも児童生徒や地域、父母からの信頼関係に基づいた魅力ある教育活動を展開し、体罰のない教育環境づくりに努力していきたいと考えております。
次に、学校内でのカウンセラーはどんな位置づけになっているか、学級担任との連携はどんな仕組みになっているかという御質問にお答えいたします。
スクールカウンセラーは、専門的な知識を有する臨床心理士、大学教授等に委嘱して週に2日程度の助言・援助などを行っております。この制度は平成7年より導入され、現在、小学校5校、中学校17校、高校11校に配置しております。各学校におけるスクールカウンセラーは、校長の指揮監督のもとに生徒指導委員会等に参加しての情報交換と指導・助言、学級担任、養護教諭等の要請による相談活動、生徒の自主来談、教師、保護者への相談活動等に当たっております。
県教育委員会といたしましては、児童生徒に対する相談活動の中核は学級担任であることから、スクールカウンセラー任せにすることのないよう児童生徒の学校生活の状況や面談結果の共有等を通して今後の指導の方向性など日常的な情報交換等より積極的に行うよう指導しているところであります。
次に、中学校に入学した新1年生に夢を持たせる教育をしていると思うが、2カ月後に子供たちの感想を聞いたことがあるか、どんな意見や感想が寄せられているかという御質問にお答えいたします。
各学校においては、学期の節目等に教育相談週間等を実施し、児童生徒理解に基づいた児童生徒一人一人を大切にする教育相談体制の確立を図っているところであります。
各中学校においては、ほとんどの学校が1学期の中ごろに生活アンケート等を実施し、生徒一人一人の生活環境や学習環境が大きく変化したことによる不安や不満を把握しているところであります。その主なものは教科担任制への不安、部活動や友人関係の悩み、授業や校則への不満等となっております。
各学校においては、そうした生徒の声を校内の企画委員会や生徒指導委員会、生徒会等で取り上げ、指導方法や学校行事を改善し中学校生活に早くなじめるようきめ細かな指導に努めているところであります。
次に、30人学級実施の見通しに期待をしてよいかという御質問にお答えいたします。
平成12年9月、学級編制及び教職員配置等についての「第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画」が国から示されました。この計画は、平成13年度から17年度まで年次的に教職員定数の改善を図るものであります。
教職員定数の改善については、学級編制の標準は40人を維持しつつ、基礎学力の向上を図りきめ細かな学習指導を実現するため教員1人当たり児童生徒数を欧米並みの水準にすることとしております。
また、小中学校とも平成13年度からの年次計画で、教科によっては20人程度の学習集団による小人数授業が可能となるよう、学校の具体的な取り組みを支援することとしております。
県教育委員会といたしましては、第7次教職員配置改善計画の趣旨を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) バス問題についての御質問で、新会社発足に伴う必要資金及び退職金費用等について公的財政措置を国に求めてはどうかについてお答えをいたします。
バス統合については、現在、バス4社統合委員会において新会社の組織、資本、財務、事業等について弁護士や公認会計士等の助言も受けながら乗り合い部門の統合に向けて検討を進めているところであり、県としてはその検討結果を受けて国と緊密な連携を図りながら対応を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(西村泰彦) 沖縄市の衛生施設組合に係る贈収賄容疑事件について、なぜ県警は捜査を打ち切ったのかとの御質問にお答えいたします。
御質問の件につきましては、中部にあります衛生施設組合の事務局長を本年9月3日、贈収賄事件の関係者として任意に事情聴取し、その翌日の4日、同局長が自宅にて自殺された事案であると思われます。
本件は、関係者が亡くなられたことにより事実上真実の究明が困難となったものであります。
○知事公室長(親川盛一) 外間久子議員の我が党の代表質問との関連についての中の、今、県民の願いはジュゴンと基地が両立するかを明らかにすることである、基本計画の策定の調査というのは基地がつくられてからでは遅いのではないかという点と、県が独自に調査を行うべきではないかというこの2点について一括してお答えいたします。
国は、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」において、普天間飛行場の代替施設については「自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」こととしており、代替施設の建設に当たっては環境影響評価を実施することとしております。
県は、第3回代替施設協議会において、住民生活や自然環境への影響を検討する必要があることなどからサンゴと藻場について補足調査の実施を要望したところであります。これを受け、国においてはサンゴと藻場について改めて調査を実施することになりました。
また、環境影響評価とは別に、防衛庁が環境庁の技術的な助言を得てジュゴンの生息状況の予備的調査を実施しておりますので、県独自の調査を行う予定はありません。
これらの調査結果については代替施設協議会において協議され、協議内容については公開されることとなっております。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 県は、ジュゴン関連のどんな資料を持っているかという御質問にお答えします。
まず、ジュゴンネットワーク沖縄及び名桜大学ジュゴン研究会の調査資料を持っております。
それから平成2年県で実施した藻場の干潟調査、それから平成9年11月、防衛庁の実施したシュワブ沖調査結果報告書、その他マスコミ関係資料でございます。
それと、ジュゴンに関する一般的な資料としては、環境庁が関係各国から収集し作成した文献調査等リストを持っております。
○外間 久子 中城湾の藻場についてですけれども、平成12年に確認されたという今の答弁ですけれども、平成12年に確認して、それを移植してまだ1年もたたないのにこれが成功したという根拠があるんでしょうか。藻場自身が屋慶名の藻場とそれから泡瀬の藻場というのが区別して育っていることが確認できますか。これについて答弁願います。
あと1つは、石川副知事は、私たちが10月6日に今の土地の利用の見直しの件で申し入れをいたしましたら、そのときの我が党に対する回答は、土地の利用計画の見直しの可能性を示唆いたしました。そしてこれから長いことかけて埋め立てやるから、沖縄市とも土地の利用については考え直さなきゃならないんじゃないかということもほのめかしました。そういう発言というのは、改めて今の中城湾港の埋め立ての事業計画そのものが破綻しているのではないかと思います。そういう立場から改めてこの埋め立ての規模を見直すべきではないかと思いますので、石川副知事にお伺いします。
あと1つは、総務部長にお伺いしたいんですが、そこには今箱物をつくるということで海洋開発センター、今説明がありました文化施設などがつくられるということですが、今箱物への批判が出ております。箱物をつくって後の管理や運営経費が必要だと思いますけれども、これに対して総務部として将来的に財政負担になるのではないかと思うんですが、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。
次に、教育問題ですけれども、先ほどの教師の疲労の問題ですけれども、私はそこに精神的な部分で50人いらっしゃるし、それから入院した方も病休をとっていらっしゃる方も多いんですが、まさに精神的な疲弊というのは今の八重山の小学校の校長の自殺に象徴されていると思うんですね。ああいう八重山の西表のしかも50人そこそこの学校で校長が自殺をするところまで追い込まれているということ、そのこと自体が問題だと思うんです。ですからその対応はどうなさったのか。すぐ教育委員会が開かれたのか、その経過を説明願いたいと思います。
あと1つは、やはり学校教育における部活動の位置づけの問題ですけれども、今、成績主義に陥っているんじゃないかと思うんです。特に成績を上げたところ、優勝させたところの指導者に対する一定の権力があって、そういう生徒との関係の権力が出てきての体罰の問題あるいは高校入試の問題、大学入試への不正の問題という形があらわれているんじゃないかと思います。その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
4つ目の、体罰の基準を設けたということで、今の答弁ではいろいろと学校の指導上必要だったという答弁だったんですが、その設けるに当たって、1つには弁護士や裁判所や刑法の関係者やあるいは心理判定員の皆さん方の御意見を聞いた上でのこの処分の基準を決めたんでしょうか。まさに今この処分の基準を決めたということは、教師への脅しであり、見せつけであり、教員を管理する、統制するという何物でもないと思うんです。そういう意味からは私はこの基準の撤廃を求めますが、そのお考えはないかどうか、お伺いしたいと思います。
それから6番目の問題ですけれども、2カ月後にいろいろアンケートをとってみたと。やはり校則の問題、いろんな問題が出てきたということがなされましたけれども、改めてこの校則の問題につきましては、1つには子供たちとゆっくり本当に話し合いをする、校則の問題でも話し合いをすると。とりわけ今の権利条約に照らしてこの校則の問題を見直すべきだと思うんです。そしてその件についての見解と、あと1つ、改めて提起なんですが、子供たちも含めて、親も含めて、教師も、校則問題での公開のシンポジウムを開いてみたらどうかと、こういうことを提起したいんですが、そのことをお伺いしたいと思います。
それからちょっと前後しますが、5つ目の質問の中で、カウンセラーの位置づけなんですが、問題を学校全体で共有することができないという悩みがあります。これはやはり全体的に問題をひとつ学級担任とカウンセラーと学校全体のものにして位置づける、問題を共有するというそういうふうな仕組みをつくっていかなきゃならないと思うんで、特にカウンセラーの相談や心の相談員などの皆さん方が相談を受けた内容をもっと教師全体に明らかにする必要があるんじゃないかというふうに思います。
最後になりますが、40人学級の問題ですけれども、改めて私は条件整備をするのが教育行政の大きな仕事だと思うんです。本当に今40人を1人の教師が見切れるかと、把握できるかということについて再度問いたいと思います。それについて本当に40人見切れるのか。見切れなかったら見切れないときちっと答えていただきたい。そのためにも改めて30人学級を進めていくということを再度提起したいと思いますので、御答弁願いたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時58分休憩
午後1時59分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
石川副知事。
〔副知事 石川秀雄君登壇〕
○副知事(石川秀雄) 中城湾港の埋立事業についての土地見直しについての御質問にお答えいたします。
先ほど土木建築部長から御説明がありましたように、泡瀬地区についての基本的な考え方については、国際交流リゾート拠点、海洋性レクリエーション活動拠点等々の基本コンセプトを持ってこの計画がなされております。そういう意味では、これからの計画には土地利用も含めて沖縄市議会の議決を経てそして提案がされてきております。
したがいまして、現時点では計画どおりの当該拠点地区開発は中部圏東海岸地域の活性化のみならず、本県の観光・リゾート産業の振興に寄与するものと考えまして今回の埋立事業について認可をしていきたいと思っております。したがいましてこの工事は着工して7年間で完了する予定でございますので、本格的な土地利用は土地造成後であり、現時点では土地利用を見直す考えは持っておりません。
以上であります。
○土木建築部長(銘苅清一) ちょっと確認させていただきますけれども、さっき先生がおっしゃっていた藻場じゃなくてクビレミドロのことですね。じゃ、それについてお答えいたします。
クビレミドロにつきましては、先ほども御説明したんですけれども、現在、屋慶名海域で106ヘクタール、それから恩納村太田海岸で2ヘクタール、それから泡瀬海域で約1.7ヘクタールの分布が確認されておりまして、それについては泡瀬埋立事業工事着手前から完了までおおむね7年ほどを要します。
工事につきましては2つに分けておりまして、クビレミドロが生育していない地域を第1区域から施行していくことにしておりまして、その間に専門家等の指導・助言を得ながら移植実験、あるいは室内増殖技術開発試験等を実施してより確実な移植技術確立に努めているところでございます。
それから、クビレミドロが生育している第2区域の施行に当たりましては、当該試験結果やあるいは中城湾埋立地区環境監視検討委員会での検討結果を踏まえるとともに、県の環境部局に環境保全上の意見を聞くこととしておりまして、適切に保全策を講じながら慎重に対応していくことにしております。
以上でございます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 中城湾港(泡瀬地区)埋立事業の箱物整備についてお答えいたします。
去る3月に策定いたしました沖縄県行政システム改革大綱に基づきまして、「県単独事業により整備する、いわゆる大規模なハコ物(事業費が概ね10億円以上のもの)については、この大綱に基づく行政改革の実施期間中においては、原則として設計や建設に着手することを見合わせるものとする。」というふうになっております。したがいまして平成12年から平成14年までは県単の箱物は抑制することになっております。
その後、この中城湾港(泡瀬地区)埋立事業に関連いたしまして、県立の施設を建設する場合にはその事業費とその財源、それから維持管理費等のランニングコスト、そういったことを総合的に検討することになると思います。
○教育長(翁長良盛) 外間議員の再質問にお答え申し上げます。
まず、八重山の大原中学校の校長先生が亡くなられた件でございますが、私も大変衝撃を受けているところでございます。早速、翌日、担当課長が現地に行きまして事実関係の掌握に努めたところでございます。その原因についてはまだはっきりしておりませんけれども、いろんな悩みがあったということが届いております。
それを受けまして、竹富町の教育委員会といたしましても校長会を開くなどの対応をとっているところでございまして、管理職等の悩みが教育委員会などに連携されまして、それの解消に努めていけるようなルートを今後強化してまいりたいとこのように考えているところでございます。
それから部活動のあり方についてでございますが、一部には大変行き過ぎているんじゃないかということも言われているわけでございます。部活動でありましても、これはあくまでも学校教育活動の一環としてなされるべきものでございますので、そういう観点から学校における教育活動が行われるべきだという話し合いを先ほど申し上げました中体連、高体連ともその話し合いを重ねているところでございます。そういう方向に向けまして行政といたしましても努力してまいりたいと思っております。
それから体罰の基準の件でございますが、これは私どもはこれまでは事例を全部積み上げまして、それから全国の事例も参考資料とさせてもらいながら判断してまいっているわけでございますけれども、学校の先生方の一部にはそういう仕組みが十分理解されてない部分があると私どもは考えたものですから、やはりその仕組みはしっかりと学校の先生方も御理解をしていただきたいと、そういうことで設けたわけでございまして、それを懲罰を強めるとか、そういう意図で設けられたものではございません。そういう仕組みを十分御理解の中で教育活動に当たっていただいて、体罰ではなくてやはり教育的な中で生徒指導等に対応していただきたいと、そういう趣旨で設けたものでございます。したがいまして撤廃するつもりはございません。
それから校則の件でございますが、このことについても四、五年来随分いろんな意見が出たところでございます。この件については、各学校で努力の跡が見られているんじゃないかと私どもは考えております。この中には生徒の意見もある程度反映されてまいっておりますので、このことについて各学校でさらに状況に応じて児童生徒の声、保護者の声を取り入れながら校則のあり方について学校で深めていただきたいとこのように考えております。
それからカウンセラーの件でございますが、やはり学校の職員は学校長のもとに全職員が考え方なり意思は同じように持っていただいて、そのことによって教育活動を行うことが大事でございます。したがいましてカウンセラーも同じような立場から学校全体として、学校の職員の一員としてその業務に励んでいただきたいとこのように考えております。
最後でございますが、40人学級につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり基本的には40人学級は残るようでございますが、教科によりまして小人数でなされるという計画でございます。したがいまして40人学級のあり方については、国の動向を見きわめながら対応させていただきたいとこのように考えております。
以上でございます。
○外間 久子 土木建築部長、クビレミドロの件ですが、専門家ということをおっしゃったんですが、その専門家のお名前を言ってください。
以上です。
○土木建築部長(銘苅清一) 専門家の名前をということでございますけれども、今、専門家に相談しているところでありますけれども、こういうところで具体的に名前を申し上げるのは差し控えさせていただきます。
○糸数 慶子 通告に従い一般質問を行います。
今回の質問は、大半が前回の質問と同じ項目を通告いたしました。理由は、執行部の答弁が質問にかみ合ってないからです。議事録を見ればわかることですが、最近の議会答弁は、はぐらかしと繰り返しでいたずらに時間消化をするだけ、議会の場で本来の目的である事実の解明や問題解決のための議論からほど遠いというのが実態であります。地方自治法第179条によりますと、議会は住民の代表機関として地方公共団体の行政の執行に対して監督する立場にあり、行政に対し批判・監督、統制を行い、住民の権利利益を擁護する機能を有するとあります。
そのことを踏まえて稲嶺県政は、議会への説明責任を現在果たしていると言えるでしょうか。同時に県民の「知る権利」にこたえていると言えるのでしょうか。
そこで今回は、次のように答弁についての質問から始めていきたいと思いますので、政策課題への質問については前回の答弁を踏まえた形で御答弁をお願いいたします。
まず、知事の政治姿勢について伺います。
稲嶺県政の議会答弁について。
議会の質疑、討論の意義について知事の御見解を賜りたい。
この2年間の答弁は、議会への説明責任、県民の「知る権利」に十分こたえられていると思われますか、知事の率直な御見解をお聞かせください。
(2)点目に、普天間基地の県内移設問題に関して、①点目、昨年12月末の閣議決定の中で言う「国際情勢の変化」とは何を意味するのか。
南北朝鮮の緊張緩和、中国のWTO加盟等はこの情勢の変化に該当するのか。
同閣議決定の「重く受け止め」は、政府が条件として受けとめたということですか。
名護市長は、条件次第で撤回もあるとおっしゃいますが、知事の条件に撤回はありますか。
建設位置は、県民の財産になるなら陸上、沿岸埋め立て、海上でもよいのですか。
この①から⑤までの質問は、実は前回の質問と同じです。①と②については、安保共同宣言や閣議決定で在沖米軍基地や配備兵力の問題は、国際情勢の変化に応じて検討するとあるため、沖縄の米軍基地のあり方に重大な影響を与える「国際情勢の変化」とは何かと、急速に進展する南北朝鮮の和解の動きや国際社会に進出する中国の動向への知事の見解を尋ねたのですが、公室長が、外交・防衛問題等の国際情勢の判断は国においてなされるものと答弁していらっしゃいます。これなど主体性のない典型的な論点外しの答弁ではありませんか。
知事の主体性や人間性が反映された御答弁をお願いいたします。
また、③と④では、「重く受け止め」は条件として受けとめたのか。名護市長は撤回もあり得るというが、知事もそうですかという質問に対して答弁は、真摯に受けとめられていると理解している、名護市長と連携を密にして対応するとしており、これもまた的を外した答弁です。条件としてか、撤回もあり得るか、明快にお答えください。
さらに、⑤の建設位置は、県民の財産になるなら陸上や沿岸埋め立て、海上のどちらでもいいのですかと知事の見解を尋ねたのですが、規模、工法、場所は協議会で決定されるとピント外れの答弁が返ってきました。これが今の議会の県民への対応の実態です。これは別の問題でも一緒です。
日米地位協定の見直しについて。
①、稲嶺県政の地位協定の見直し要求は現実的対応と言えますか。
②、昨年12月、閣議決定では運用改善に誠意云々とありますが、それとの整合性は。
③、条文改正が政府に拒否されたら基地問題での協力を知事は拒否するのですかと、このように①から③の質問に対する執行部の答弁も的を得た答弁とは言えません。
知事は、米軍基地の県外移設や兵力削減問題は日米両政府が聞く耳を持たずその実現を云々することは現実的ではなく、そのため日米両政府が提案している県内移設を選択することがベストではなくベターな現実的対応であるとおっしゃいました。
しかし、地位協定の見直し問題では、逆に日米両政府が真っ向から否定する条文改正というベストの方法をあえて選択しています。その理由は、運用改善の後も事件や事故は減らないからというのですが、それでは兵力削減を要求せず、基地の県内移設を容認しておいて基地被害が軽減されると本気で考えていらっしゃるのですか。
この問題に対するその後の対応も含め、改めて稲嶺県政の地位協定の見直し要求、つまり条文改正は現実的対応と言えるのか。またこの条文改正が拒否されたら基地問題での協力を断固拒否なさるのか、再度御答弁お願いいたします。
ちなみに、日米地位協定よりもさらに不平等性の強い韓米地位協定の改定協議は交渉決裂の危機にあります。その主な原因が、韓米協定が改定されると日本や他の国からの要求が強まることや、莫大な経費の増加を恐れる米国の姿勢にあるというのですから、日米地位協定の条文の改正は相当な強い覚悟と姿勢が必要です。例えば、改正を認めなければ基地の県内移設は反対するというそういう覚悟ができていますでしょうか。
兵力の削減や基地の県外移設による事実上の地位協定の空洞化を図る方がより現実的と言えるかもしれないことを申し添えて、基地内道路の通行問題について伺います。
この問題のその後の推移とどのような対策を講じられたのか。
また、年末解決が予定されていますが、沖縄で先行実施をするのか、全国同時決着の見通しなのか、お尋ねします。
これに関しては本年4月、現地レベルの米軍側と実施についておおむねの了解が得られていたにもかかわらず、その後、在日米軍において本事項の実施は、米軍側と地域社会とのよき隣人関係の構築に寄与するよい取り組みであるとの評価がなされ、すべての在日米軍施設においても適用できる枠組みを設定するために一時棚上げになっていましたが、この年末にも実現可能との答弁がありましたが、その後の対応と確かな見通しをお伺いいたします。
この問題では、緊急車両は当然のこと、一般車両の通行を含めた基地内道路の全面開放の方がはるかにその効果は大きいのであります。その結果、一般道路の慢性的な交通渋滞が解消されれば沖縄の産業経済社会に与える影響ははかり知れないものがあります。
基地内道路の通行問題は、県単位の現地レベルというよりも、さらに小さな施設単位の現地レベルでの交渉ということも可能ではないでしょうか。可能なところから基地の問題を解決していく積極性が求められています。
次に、子ども病院について伺います。
私は、この問題は、もはやもう啓蒙の時期は過ぎていると前議会でも伺いました。この件に関して平良部長はこのように答弁していらっしゃいます。「県では、リスクの高い母と子に対して適切な対応ができるよう、沖縄県周産期保健医療協議会からの提言を踏まえて、改築中の中部病院に総合周産期母子医療センターを整備しているところであります。この施設は中・北部地区を広域的に連携する機能を持つものとしております。
また、同提言は南部地区においても総合周産期母子医療センターを整備するものとしております。この施設は宮古、八重山地区及び離島も含めて広域的に連携する機能を持つものとしております。」と答えていらっしゃいます。そしてこの改築が予定されている那覇病院において高度多機能病院構想が検討される中で、広く関係者の意見を聴取しているところでありますとこのように御答弁をされていらっしゃいますが、これを踏まえて改めてお伺いいたします。
子ども病院の具体的な建設計画と機能についてですが、改築中の中部病院に中・北部を対象とし、新しい那覇病院には那覇・南部・離島向けという2つの子ども病院の建設計画があるのでしょうか。
また、独立、併設を問わず全県を対象に1カ所で施設充実、人材育成を図ることが先決ではないでしょうか。
また、子ども病院の将来のビジョンなんですが、中部病院や那覇病院での暫定措置後の独立子ども病院の構想はないのでしょうか。
県立南部病院の規模縮小を懸念する住民の不安を払拭するためにも新那覇病院を母子総合医療センター、高度総合リハビリセンター、脊損センターを併設した総合医療センターにする構想はないでしょうか。
子ども病院の財政を特別会計ではなく一般会計で解決する構想はないのでしょうか。
次に、児童虐待についてはほかの議員が聞いておりますので、このことは取り下げます。
次に、末期医療についてお尋ねいたします。
ホスピスに対する県の考え方、末期医療に関する病床計画はどうなっているのか、お伺いいたします。
次に、環境行政についてですが、沖縄県環境影響評価条例制定の意義と実効性についてでございます。
②と③については、次の機会にお伺いいたします。
最後に、沖縄市泡瀬地区臨海部土地造成事業についてであります。
私は、この問題を前議会でも取り上げました。特に前議会で強調したのは次の点です。
ことしの4月の地方分権統一法の施行で海を埋め立てる場合、その許認可権は国が埋め立てる場合でも知事にあり、知事の責任は以前に比べはるかに重大になっていること、次に世界的な渡り性水鳥の保護、全国的な干潟保全や利用、財政赤字の拡大等それに伴う公共事業見直しなどの社会的な流れの中で用地余りや環境問題などを残したままで埋立事業計画だけがどんどん進められていくことは極めて重大な問題であります。
このことを強く指摘いたしましたが、これが何ら問題が解明されないにもかかわらず県当局は先週初め、県の埋立分について運輸省に免許申請をいたしました。沖縄県は、免許交付を待って沖縄総合事務局が港湾管理者の県に提出している国の埋め立ての部分とあわせて承認する予定だと報道されています。まことに憂慮すべき事態であります。
県は、平成12年、ことし沖縄県環境基本条例を選定し、また今議会に沖縄県環境影響評価条例を提案しているのです。
一方では環境問題を重要視する行政姿勢を示しつつ、片方では環境破壊を平気で実践する県の行政行為はまさに時代に逆行する矛盾そのものであります。
そこでお伺いいたします。
中城湾港地域(泡瀬地区を除く)の土地造成の利用状況について、復帰後に当該地域で埋立造成された土地の利用状況、当造成地の活用と未活用の財政負担はどうなっているのか、お伺いいたします。
泡瀬地区臨海部の土地造成事業について、当該事業の必然性及び緊急性、基地への提供や既存市街地への影響等についてどうなっているのか。
公共工事見直しや環境保全論と当事業推進論を比較して、知事の御所見を賜りたいと思います。
前回このように伺ったところ、答弁は(1)についても、造成地の利用状況ではなく、造成と分譲の状況でした。(2)の事業の必然性と緊急性についても、沖縄市の市街の約36%が米軍基地になっているからというとんでもない理由を挙げられました。それならば基地の返還運動をやるべきであり、在沖米軍基地が諸悪の根源であることを露呈した答弁でした。
それで今回もあえて質問通告をしておりますが、今回申し上げておりますこの質問に対して真摯な知事の御見解をお尋ねいたします。
答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の御質問にお答えいたします。
最初は知事の政治姿勢について、1つは、議会の質疑・討論の意義についての見解と、次に2年間の答弁は議会への説明責任、県民の「知る権利」にこたえているかと、2つの御質問を一括してお答えをしたいと思います。
県民に選ばれた議員で構成される県議会は、県政の基本的かつ重要な事項について意思決定を行うとともに、県の執行機関を監視する役割を担っております。
県議会の場で行われる議員の真摯な質疑・討論は、県政運営に対する貴重な提言や批判として真剣に受けとめております。このため県議会での答弁に当たっては、開かれた県政を確保する観点から県民にもわかりやすく、的確かつできるだけ具体的に説明するよう努めてまいりました。今後とも県議会における質疑・討論を踏まえ、県民の意思が十分に反映されるよう県政の運営に当たっていきたいと考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢について、名護市長は条件次第で撤回もあると言うが、知事の条件にも撤回はあるのかとの御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場の移設候補地を国に提示した際、地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることなど4項目の移設に当たって整備すべき条件を申し入れました。県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、昨年末「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されました。それを受けて代替施設協議会が設置され、基本計画策定に向けた具体的な作業が進められております。
県としては、移設に当たって整備すべき条件や名護市が受け入れ条件としたことについて今後とも早期解決に向け取り組んでいきたいと考えております。
次に、知事の政治姿勢についてのうち、県の地位協定の見直し要請は現実的対応と言えるのかという御質問と、昨年12月の閣議決定で国は運用改善に誠意を持って取り組むとしていることとの整合性はあるのかとの2点の御質問にお答えをいたします。
県の日米地位協定の見直し要請に対して、国は昨年12月28日の閣議決定やその後の国会答弁などにおいて、運用の改善に誠意を持って取り組む旨の方針をたびたび表明されていることは御承知のとおりであります。
しかし、SACO最終報告によって地位協定の運用の改善が行われた後も、米軍基地に起因する事件・事故や環境問題などの諸課題が山積しているため、県民は運用の改善だけでは不十分であると考えております。県としては、このような県民の意向を体して日米両政府に対し日米地位協定の見直しを強く求めているところであります。
ドイツにおいては、ボン補足協定が1959年の締結以降3度も改正されていること及び国においても「地位協定の改正が本筋である」との基本認識を持っていることが国会答弁で確認できることから、県としては日米地位協定の抜本的な見直しは実現可能であると考えており、本件に関して粘り強く訴えていくことは現実的対応であると考えております。
次に、知事の政治姿勢について、条文改正の部分が国に拒否されたら基地問題での協力を拒否するのか、次にその後の対応も含めて答弁していただきたいと、この2点について一括してお答えいたします。
県では、去る8月に日米地位協定の見直しに関する要請を行った後、9月13日に開催された政府主催の全国知事会議において、日米地位協定の見直しを要請した経緯や要請内容などについて理解を深めていただくため改めて発言をいたしました。
また、先月から今月にかけて石原東京都知事や神奈川県基地関係県市連絡協議会、東京弁護士会の方々が来県した際にも、日米地位協定の見直しに関する県の考え方を説明し理解と協力をお願いいたしました。
県としては、広く各界各層の理解と協力を得ることが日米地位協定の見直しを求める全国的な動きにつながるものと考えており、今後ともあらゆる機会を通して国民世論の形成に努めるとともに、日米両政府に対しその実現を粘り強く求めていきたいと考えております。
次に、環境行政について、沖縄県環境影響評価条例制定の意義と実効性についてお答えをいたします。
県独自の環境影響評価については、これまで沖縄県環境影響評価規程に基づき告示による行政指導で行われているため強制力がなく事業者の任意の協力により実施されてきましたが、条例制定後は義務として位置づけられることになります。
また、条例では、本県の島嶼性としての特性を考慮して対象事業等を設定し環境影響評価が行われることから、本県の自然環境の保全に資することができると考えております。
本条例においては、環境影響評価の結果を事業の許認可等に反映させる規定を設けており、また広く一般県民等の意見を聴取する等の外部手続を従来の制度より拡充するとともに、事業着手後の事後調査の実施を義務づけております。さらに評価書の内容と異なる内容で事業を実施した場合等には勧告、公表ができることとなっております。
このような規定により本条例の実効性は確保され、事業の実施に当たっての環境保全上の配慮が適切になされるものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の知事の政治姿勢についての質問事項のうち、昨年12月閣議決定の使用期限問題の「国際情勢の変化」とは何を意味するのかという点と、南北朝鮮の緊張緩和、中国のWTO加盟、米国の最恵国待遇等は該当するかという御質問に一括してお答えをいたします。
冷戦終結に伴い、東西の軍事的対立の構造は消滅しましたが、各地域には領土、民族、宗教上の問題などに起因する複雑で多様な地域紛争が発生している状況があります。このような中でアジア・太平洋地域においては南北首脳会談や日朝国交正常化交渉、米朝協議などの外交努力を含む安定化に向けたさまざまな努力が重ねられております。このような国際情勢についてはさまざまな評価があると思いますが、国家間の外交や防衛に係る情勢の判断については国においてなされるものであると理解しております。
なお、県としては、朝鮮半島における緊張緩和等我が国を取り巻く環境が平和的、安定的な状況に変化することを期待するものであります。
次に、同じく知事の政治姿勢の中の、閣議決定の「重く受け止め」とは、要請を条件として受けとめたということかという御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場は、市街地の中心部に位置し市民生活に深刻な影響を与えていることから、その返還を早期に実現するためやむを得ず県内移設という苦渋の選択をしたものであります。県の移設候補地選定や名護市における移設受け入れの表明を受け、国においては昨年末に「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しております。
代替施設の15年の使用期限については、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設け、国に強く求めているものです。
県としては、15年の使用期限についてこれまでもあらゆる機会に要請してきたところであります。最近でも全国知事会や代替施設協議会等で国に要望してきたところであり、それに対して政府からは、要請を重く受けとめ、昨年末の閣議決定に従い適切に対処してまいる所存であるとの回答が示されており、何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないと考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢の中の、建設位置は、県民の財産になるなら陸上、沿岸埋め立て、海上でもよいのかという御質問にお答えをいたします。
県は、代替施設については「民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること」を「移設にあたって整備すべき条件」の一つとして国に申し入れております。県としては、代替施設の軍民共用化により、同施設を地域産業の拡大や新たな産業の創出につなげ、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興を図っていきたいと考えております。
代替施設の規模、工法及び具体的な建設場所等については、代替施設協議会において協議されることとなります。
次に、同じく知事の政治姿勢の中の、基地内道路の通行問題のその後の推移は、どのような対策を講じたかという点と、解決策の見通しはどうか、沖縄で先行実施するのか、全国同時決着の見通しか聞きたいという御質問に一括してお答えいたします。
緊急車両の基地内道路の通行については、在日米軍において米軍と地域社会とのよき隣人関係の構築に寄与する取り組みであるとの評価がなされ、すべての在日米軍施設において適用できる枠組みを設定するため現在、日本政府との間で集中的な協議がなされているところであります。県は、本事項の一日も早い実現を図るべく継続して国及び米軍に対し強く働きかけてきたところであり、年内にも本事項に係る日米間の合意が得られるものと考えております。
県としては、本県における基地問題の解決を促進するためには、できるだけ現地で早期に対応することが重要であると考えており、現地司令官の権限を強化するよう引き続き日米両政府に対し働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 医療と福祉行政について、まず新中部病院は中・北部対象とし、新那覇病院には那覇・南部向けの2病院建設かという趣旨の御質問、それから県立、併設を問わず全県対象に1カ所で施設充実、人材確保が先ではないかとの御趣旨の2つの質問につきまして関連がございますので、一括してお答えいたします。
県では、リスクの高い母と子に対して適切な対応ができるよう、沖縄県周産期保健医療協議会からの提言を踏まえて改築中の中部病院に総合周産期母子医療センターを整備しているところであります。この施設は、中・北部地区を広域的に連携する機能を持つものとしております。
また、同提言は、南部地区においても総合周産期母子医療センターを整備するものとしており、この施設は宮古、八重山地区及び離島も含めて広域的に連携する機能を持つものとしております。
なお、子ども病院機能については、周産期医療から新生児、乳幼児医療及び小児高度医療を包括するものであり、周産期医療はその中の一機能と考えております。現在、改築が予定されている那覇病院については、「地域医療を支援する高度で多機能な病院検討委員会」において子ども病院機能を併設型として検討が行われており、規模や人材確保等について広く関係者の意見を聴取しているところであります。
次に、中部病院や那覇病院での暫定措置後の「独立・子ども病院」構想ビジョンはないかとの御趣旨の御質問、それから子ども病院の財政問題を一般会計から特別会計に移して解決する構想はないかとの御質問の2つについて関連がございますので、一括してお答えいたします。
現在、中部病院に総合周産期母子医療センターを整備中であります。また那覇病院改築後の高度多機能病院構想の中で、同様の周産期母子医療センターの設置が検討されているところであります。これは暫定的措置ではなく、沖縄県周産期保健医療協議会からの提言を踏まえて母子総合医療(子ども病院)の機能を整備するものであります。
これに関して、現在、高度多機能病院検討委員会において整備されるべき母子総合医療、救命救急医療等について検討を行っております。その中で子ども病院機能の部門については、財政運営上の諸課題等についても関係者の意見を聴取しているところであります。
次に、医療と福祉行政についての中で、ホスピスに対する県の考え方について伺いたいとの御質問にお答えいたします。
平成11年の人口動態統計によりますと、本県の死亡数は7880人で、そのうち悪性新生物、いわゆるがんでありますが、これで亡くなった方が2101人と最も多く全死亡数の26.7%を占めています。また、がんで亡くなる方は年々増加し、昭和52年以来、常に死亡順位の第1位を占めています。
このような状況の中で、適切な終末期医療が受けられるよう希望する患者さんがふえており、今後もふえるものと予想されます。このため、がん等の病気が進行し終末期にある患者さんの苦痛を和らげ、自然に人生を全うできるよう支援するとともに、ケアを行うホスピスの整備は必要と考えております。
次に、末期医療に関する病床計画はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
終末期医療を行う緩和ケア病床、いわゆるホスピスにつきましては、本年10月現在、全国では79施設1461床、本県では1施設15床の届け出・承認がなされております。医療ニーズが多様化していく中で緩和ケア病床の需要はふえることが予想されることから、今後は中部と南部保健医療圏において緩和ケア病床の整備充実を検討していくこととしております。
なお、緩和ケア病床の整備につきましては、現在、中部・南部保健医療圏とも保健医療計画に定める必要病床数を超えて一般病床が整備されている病床過剰圏域であることから、既存病床からの転用による整備を促進しているところであります。
○商工労働部長(當銘直通) 4番の中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成の利用状況についてのうち、復帰後に当該地区で埋立造成された土地の利用状況はどうなっていますか、それから当該地区の活用地と未活用地の財政負担について関連しますので、一括してお答えいたします。
中城湾港(新港地区)の土地用途は、大きく分けて港湾関連用地、一般工業用地、住宅用地、特別自由貿易地域の用途となっております。このうち住宅用地につきましては、平成元年度から平成6年度までの間にすべて売り払っております。
一般工業用地につきましては、平成元年度から現在までの間に79社に分譲し、分譲率は約86%となっております。
特別自由貿易地域は、平成11年3月の地域指定とともに一部分譲を開始し、現在1社の企業の立地と賃貸工場に2社が立地し操業をしております。当地域は、上・下水道や道路等の基本インフラの未整備区域も残っており、これらを整備しながら引き続き企業の誘致活動を進めていく予定です。
なお、中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業の特別会計は平成21年度の終了を目途としており、計画的に事業が推進できるよう努力を重ねていきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) 中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成の利用状況についてのうち、当該事業の必然性及び緊急性、既存市街地への影響等についての御質問にお答えいたします。
沖縄市を含む本島中部圏東海岸地域は活力の低下が見られることから、これら地域の活性化を図るため雇用の場や誘客の場としての拠点地区開発が必要となっております。しかし沖縄市は、既存陸域に開発可能なまとまった土地がないことから、当該埋立事業が拠点地区開発の事業として位置づけられたところであります。
沖縄市新総合計画においては、「国際文化観光都市」を将来像に、田園福祉地区、文化地区、交流地区、臨海回遊地区の4つのゾ-ンでそれぞれ特徴を持った振興を図ることとしており、当埋立計画地区域は、新たな生活空間を創造する臨海回遊地区として位置づけられております。また既存市街地と新たな開発地区とはネットワ-ク化を図り、相互の活性化を推進し地域経済の発展を図ることとしております。
当該事業は、沖縄市民の15年にわたる長年の悲願であり市民の期待は強く、平成7年10月、平成10年11月、去る平成12年10月にも約2000人規模の早期実現市民総決起大会が開催されました。
また、沖縄市議会においては平成元年と平成7年に全会一致で早期整備促進の決議がされており、平成12年6月には埋立同意の議決がなされております。このことは、市民の早期実現に対する切実な願いのあらわれと受けとめ、県としては地元の強い要望にこたえるよう早期実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
同じく公共工事見直しや環境保全論と当事業推進論を比較して再度所見を伺いたいとの御質問にお答えいたします。
本県の快適で豊かな生活や産業活動を支える社会資本の整備については、3次にわたる沖縄振興開発計画に基づき道路、港湾、空港等の整備が進められ、着実な成果を上げてきました。
しかしながら、これらの社会資本の整備についても本土と比べまだ十分でない面が存在していることから、来る21世紀に向けて県民の生活や産業活動を支援するために必要な事業については、自然環境との調和を図りながら今後とも引き続き整備推進する必要があると考えております。
また、本県の豊かな亜熱帯の自然環境は重要な観光資源であるとともに、我が国にとっても貴重な資産であることから自然環境の保全・回復を図ることも重要な課題であります。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業については、その海域は干潟等豊かな自然環境が保全されていることから、計画段階から市民や専門家等の要請や提案等を受け入れ、多くの検討を重ね、現在の出島方式の計画となったものであります。
当事業の早期実現は、沖縄市民の長年の悲願であり、中部圏東海岸地域の活性化に必要な事業であることから、可能な限り自然環境に配慮しつつ事業を推進し、沖縄市民の期待にこたえていきたいと考えております。
以上でございます。
○糸数 慶子 答弁漏れです、休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時51分休憩
午後2時53分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
商工労働部長。
〔商工労働部長 當銘直通君登壇〕
○商工労働部長(當銘直通) お答えいたします。
先ほど答弁いたしましたが、分譲状況についてということでお答えしたんではなくて、土地利用の、土地用途の使用の状況が先ほど答弁いたしました内容で利用されているというふうなことでお答えをした趣旨でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時54分休憩
午後2時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
糸数慶子君。
〔糸数慶子君登壇〕
○糸数 慶子 再質問いたします。
まず、知事の政治姿勢について伺いますが、先ほどの15年使用期限の問題についての答弁の中で、あらゆる機会に主張し続けるとこれまで繰り返して述べてこられましたけれども、今回の代表質問の答弁やこれまでの答弁の中で、政府が責任を持ち明確な考え方を示すべきと考える、県はあらゆる機会に強く求めており政府内の認識も深まっている、施設の着工までに何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないと答弁をしていらっしゃいますが、それでは政府内の認識も深まっているというその知事の判断はどういう根拠に基づいて判断されたのか。施設の着工までは全く棚上げにされたままで進むことはあり得ないと断定されていますけれども、その断定された理由と根拠についてお伺いしたいと思います。
それから、泡瀬地区の臨海部土地造成事業について再度お伺いいたしますが、今至るところでこの埋め立てた土地が売れない状況になっている、本土各地でこういう状況がありますけれども、当該土地造成事業の採算性について知事は確信が持てますでしょうか、そしてそれはその保証がされますでしょうか。
この件は、財政を預かる県総務部の方は沖縄市と県の土建部に計画の見直しを指示したとのその報道があるわけですが、中城湾港のマリン・タウン・プロジェクトの土地利用計画の見直しの話も現在出ておりますけれども、それでもこの計画をごり押しをなさるのか。
それから、市街地域が軍用地に取られているという理由で自然破壊が懸念されているこの海の埋め立てが正当化されると思っているのでしょうか、これは知事の御所見をぜひお伺いいたします。
そして、本年度制定された県の環境基本条例は、環境影響評価条例とともに沖縄の環境を大事にしていこうという条例ですが、当該土地造成事業は環境保全に万全を期したと確信されているのでしょうか。
それから、現在の海岸から200ないし300メートル離れた場所に巨大な人工島を造成して本当に自然環境、そして干潟が守られるという保証があるのでしょうか。もしあるのでしたら、その確信を裏づけるシミュレーション等のデータを提示してください。
稲嶺知事は、当該の埋立地(泡瀬地区)を視察されたことがあるのでしょうか。もし、まだごらんになっていないようでしたら、視察される予定や意思はあるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時58分休憩
午後3時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の再質問にお答えをいたします。
最初は15年使用期限について、政府内においてより認識が深まってきているものと考えているがというのは、それはどこからそういう言い方ができるのかというような、受けとめているかというお話、御質問に対してお答えいたします。
私は、これまでも代替施設の15年使用期限についてはありとあらゆる機会に要請をするということをお話をしております。公的には最近でも全国知事会あるいは代替施設協議会等で国に要望しておりますが、それ以外にも公式、非公式を問わずありとあらゆる機会をとらえまして政府関係者に強く要望をしております。その結果、政府内においてもこの15年問題というのは大変非常に重要な問題であるという認識が深まっていると、私のこれは感触でございます。明らかにはっきりそれは自信を持って言えます。
次にもう一つは、15年使用期限について何らの進展なしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないということについての御質問がございました。
これは私どもは、当初からこの普天間移設の条件として強くこれは15年の使用期限について求めているところでございます。そして基地の提供責任というのは日本政府にあるわけですから、政府が責任を持ってしっかりと沖縄の動向を踏まえて明確な考え方を示すべきだと考えておるということを強く主張しております。政府もそれを重く受けとめるという発言をしておりますし、既に閣議決定においても十分重く受けとめると言っております。私は、この問題は棚上げされたままで進むということはあり得ないと思っております。
それからもう一つございました。泡瀬の埋め立ての問題について、その埋立予定地に行ったことがあるかと。
まだ行っておりません。今後機会をとらえて行ける機会があれば参りたいと思っております。
○土木建築部長(銘苅清一) 糸数議員の再質問にお答えいたします。
まず採算性でございますけれども、中城湾港(泡瀬地区)埋立事業につきましては、公営企業債による事業のため地方財政法第6条に基づきまして特別会計を設置し、常に経営の適正化と事業の円滑な推進を図ることといたしております。
同特別会計の将来にわたる収支計算におきましては、平成12年度に事業が開始した場合は起債の返還を平成21年度に終了する予定でありまして、総事業費で約514億円の歳出が見込まれております。また、造成された土地の処分等が完了した時点でおおむね537億円の歳入が見込まれております。したがって収支のバランスはとれるものと考えております。
それから、シミュレーションの結果を提供していただきたいという御質問だったと思うんですけれども、その趣旨の質問にお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)の埋立事業につきましては、沖縄市を中心とする中部圏東海岸域の活性化を図るための拠点としてマリンシティー泡瀬を整備するものでございまして、また一方、干潟は生物の多様性に富んだ場所でもあり、渡り鳥の採餌場としての役割あるいは水質浄化等の諸機能を有していることから、その保全は重要であると認識いたしております。
したがいまして、当該埋め立てに当たりましては、埋め立てによる環境への影響をできるだけ低減させ、1つには貴重種であるトカゲハゼの生息地を外した埋立計画、2つ目には鳥類等の採餌場としての干拓を守るため既存陸域から約200メートル以上離した位置に計画しております。3点目に、埋立計画区域内のリュウキュウアマモ等の藻の一部については移植を行い、また人工干潟の造成により干潟生物の新たな生息環境を整備することにしておりまして、このことは海岸環境が保全され海水の流れも良好であることから、環境は相当程度保全できるものと考えております。
また、潮流シミュレーションの結果につきましては環境影響評価書に載っておりますけれども、後ほど資料提供させていただきます。
以上でございます。
○糸数 慶子 知事の政治姿勢について先ほどお伺いいたしましたのは、政府の方も認識も深まっているというその知事の判断はどういう根拠に基づいてそう判断されたのかと伺ったんですが、その感触で判断なさるんでしょうか。
それから、棚上げされるということはあり得ないというふうにおっしゃっているわけですが、断定されているその根拠を承りたいと申し上げたわけです。それについてももう一度お答えをいただきたいと思います。
ちょっと休憩お願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時10分休憩
午後3時10分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○糸数 慶子 先ほどもお伺いしたわけですけれども、泡瀬地区の埋立問題についてはぜひ知事が現地を調査していただくことを強く希望いたしまして、ただ公共事業が今いろんなところで全く見直されていくというその状況の中にあって、なぜ沖縄県だけがあえてこのすばらしい自然景観を保全せずに、それを利活用せずに埋め立てていこうとしているのか、再度お伺いしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) その認識が深まっているという感触だけで言うのかというお話でございますけれども、実は先ほども申しましたようにありとあらゆる機会にお話をしてございます。そのときに、先方の対応が明らかに当時よりか私どもが機会をとらえて要望しているたびにその受けとめ方といいますか、向こうの受けとめ方がずっと変わってきております。これは明らかに政府内においてもより認識が深まったものと考えております。
○糸数 慶子 今の答弁で明確な根拠が示されたとはとても思えませんけれども、まあきょうのところは一応これで終わりますが、いずれにしましてもこの15年使用期限については着工前の解決を明言されたわけですから、今後は着工前とはいつかという問題が生じてまいります。それは位置工法検討委員会で基本計画が決定されたときか、それとも基本計画に基づく実施設計が策定され文字どおり着工寸前のことか、これから具体的な答弁が要求されますので、あえて2月議会にお聞きすることを予告しておきます。
最後に、泡瀬地区の埋立問題についてはぜひ稲嶺知事に現地を視察していただきまして、再度この埋め立ての状況を見直していただくことを強く要望いたしまして終わります。
○高良 政彦 それでは通告に従って一般質問を行います。
稲嶺知事におかれましては、知事御就任2周年という節目を迎えました。無我夢中の2年だったと思います。心から労をねぎらうとともに、新しい世紀、21世紀に入ってもさらなる前進を続け、我が県の直面している諸課題の解決のためにともに頑張っていくことを決意いたしたいと思います。
我が県が直面している課題は、日米両政府のはざまにあってもろもろの制約の中で思い切った対応策がとれないことにあります。
我が県は、基地問題もさることながら失業問題が常に大きな政治的課題となっております。また県民の価値観も多様化しており、もはや保守か革新かあるいはイデオロギー先行の手法では適切な対応はできない状況にあります。
特に、米軍基地問題の15年問題や日米地位協定の問題等は米国政府を相手にしながら、伝統的とも言える日本政府の対米弱腰外交のせいもあって日本政府との交渉に多くの労力を割かなければならず、我が県は長い間このような状況のもとで呻吟をしてまいりました。この状況はまだまだ続くと思いますが、米軍基地問題は知事一人の責任にするのではなく、全県民がベストではないがベターの積み上げで一歩一歩解決の方向へ粘り強く進めていくという理解と心構えが最も重要かと考えます。
さて、それではその15年問題について最初に質問をいたしたいと思います。
普天間飛行場の代替施設の15年使用期限について、米側は軍事戦略上現実的ではないとする考えをよく表明しております。このような考えに同調するかのように、日本政府の閣僚の中にも同様の発言をする人がおりますが、政府はこのことについて極めて消極的な姿勢に終始をしております。今後、15年使用期限をどのようにいつまでに決着をつけるのか、なかなか県民の前には見えてこない、そういうような印象を受けております。
2番目に、米国も日本も契約社会であります。たとえ日米の安保条約に基づく代替施設の提供であったとしても契約なしには成立しないはずであります。そしていかなる契約にも期限の設定があり、使用期限を設定するのは当然であります。期限を明記しない契約というのは法治国家ではあり得ません。結局は政府が本気になって米側に強く主張するかどうか、この点にかかっていると思います。そうでないと15年使用期限問題は、うやむやのうちに基地の移設のみが先行しかねない。15年使用期限を明確にさせる何らかの方策を講ずべきではないか。
なお、知事は米国の関係機関へ要請するとのことでありますが、どのような機関及び要人にいつごろ要請をなさるのか、具体的に県民の前に明らかにしていただきたいと思います。あるいは、そのときには米国も新しい大統領が誕生していると思いますけれども、そういう新しい大統領にもお会いする機会があるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
日米地位協定の見直しについても政府は一貫して運用改善による対応が適切であるとの発言がたびたびありますが、この日米地位協定についても政府は本気になって米側との交渉の中で主張すれば必ずできると考えます。このような片務協定、不平等協定はドイツ等では既に改善され、対等な立場での協定となっております。結局は政府の弱腰にすべて原因があると考えます。当事者の沖縄から常に強く突き上げるように主張していかないとなかなか政府は重い腰を上げてくれない。そういう意味では知事はもっと強力に訴えるべきではないか、この辺についての知事の御答弁をお願いいたします。
名護市辺野古海域での生息が確認されておりますジュゴンに対し、国際自然保護連合総会で保全勧告決議が出ておりますが、普天間基地の移設による影響はどう考えていらっしゃるのか。
また、基地移設に反対をしている自然保護団体にどう対応するのか、またどのような接触があったのか、御答弁をお願いいたします。
次に、浦添市の宮城市長は那覇軍港の一部機能の移設を容認するとの従来の方針を撤回しましたが、浦添市の西海岸の開発及び那覇軍港跡地の21世紀に向けてのハブ港湾構想と密接な関係がありますが、県はどう対応するのか。またそのことについて浦添市長と何らかの話し合いはあったのか。
また、翁長那覇新市長は那覇軍港を浦添地先に移し、那覇軍港から浦添地先一帯を浦添市と協力して開発を進めるとの、いわゆる一大ハブ港湾として開発を進めるとのそういう構想で新市長になりましたが、県、那覇市、浦添市の3者の今後の調整が必要と思いますが、この点については具体的にそういう話し合いがあったのかどうか、また今後そういう予定があるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
サミット後の我が県の観光の動向について質問をいたします。
サミット開催前及び開催中は安全確保のためさまざまな規制がしかれ観光客も減少しましたが、サミット後の観光客の増減の状況はどうなっておりますでしょうか。
国際会議あるいは全国規模の会議等の県内開催はどうなっているのか。
次に、サミット開催後沖縄がリゾート地及び国際会議の開催地として内外に強くアピールできたと思いますが、これを契機に今後コンベンションアイランド構想にどうつなげていくかが重要な課題と考えますが、このことについての今後の対策あるいは構想等を明らかにしていただきたいと思います。
県内主要ホテルの国際会議に対応できるIT化はサミット後どの程度整備されたか、御答弁をお願いいたします。
本員は、サミット開催前に主要な50の県内のホテルについてのいわゆるインターネットの整備状況を問いただしたことがありますけれども、それを契機に急速に整備をされつつあるという報告がありましたけれども、サミット後の状況はどうなのか、御説明をお願いいたします。
さて、観光産業は我が県の最重要産業であります。しかし、観光を重視する割には全県的に環境美化が非常におくれているという印象を受けます。県道、国道を問わず雑草がひどい、このことについては多くの議員がたびたび指摘をし、もっともっと予算を組んでそういうところに意を払うべきではないかというのが委員会でもよく指摘をされ提言もされてまいりましたけれども、一向によくなっている様子はありません。サミット前は大分よくなりましたけれども、その後が問題であります。
沖縄は、年じゅう温暖なので四季を通じて花を咲かせることができます。もっともっと思い切った予算を組んでああいう雑草を取り払って、全県的に四季を通じて花がどこでも観光客が見られる、また県民も楽しめるという四季を通じて花が咲いているのが当たり前、沖縄ではそれが当たり前とするようなそういうような状況まで持っていくべきではないでしょうか。
我々は、県外視察でよく宮崎県だとか長崎県を視察しますけれども、やはりそういう点は非常に進んでいるなという印象を受けます。沖縄も観光立県を標榜するのであれば、そういうところにもっともっと意を払い、予算も思い切ってふやすべきではないでしょうか。これは必ず観光収入の増によって見返りはあると本員は考えますが、どうでしょうか。
毎年、夏の観光シーズンに台風のために数百人の観光客が空港で足どめを食ってしまいます。そういうニュースがよく流れてまいります。せっかくの沖縄観光も台なしであります。自然のなせるわざとはいえ観光客が気の毒で申しわけないような気持ちであります。恐らく県民みんな同じ気持ちであろうかと思います。何らかの対策を立てるべきではないでしょうか。もちろん足どめをされた観光客に空いた部屋のあるホテルを紹介したり、関係当局が一生懸命努力していることは承知をしております。しかし、ホテルの空き部屋の紹介だけでは不十分と言わざるを得ません。
1つの提案でありますけれども、幸い新空港は拡張されてスペースも相当広くなっており、またじゅうたん等も敷かれ空調設備も完備をしております。台風時には空港内のロビーや搭乗待合室等に折り畳み式の簡易ベッド等を観光客の仮眠用として何とか一晩、台風がしのげるようなそういうような仮眠用の折り畳み式のベッドですか、シーツとかそういうのをちょっとクリーニング代ぐらいをもらうような形で何とか利用して、あの大変疲れの伴うようなああいう過ごし方を何とか少しでも軽くできるような工夫ができないものかどうか。恐らく数百台分のそういう簡易ベッドが置けるものと思います。通常は折り畳んで倉庫に保管をしておけばよいと思います。
あるいは、近隣のいわゆる民家への一晩のホームステイ等何らかの方法を講ずるべきではないかと思います。せっかく沖縄観光を楽しんだのに、あいにく台風に遭ってしまって疲労こんぱいで帰ってしまう。もう沖縄は二度とこりごりだというような印象を与えたのでは、大変将来の観光産業にもマイナスになりかねません。
次に、高齢者福祉について質問をいたします。特に宅老所についてお伺いいたします。
自分の親が介護が必要になり、仕事をやめなければならない。どうせ自分の親の面倒を見るのであれば、昼間、息子や娘たちが仕事に出てひとりぼっちでいる隣近所のお年寄りの面倒も一緒に見てあげたい、また見てあげることができる、このような発想、思いから宅老所がオープンしております。介護保険施設や老健施設を利用しようにもどうも適切ではない等の高齢者福祉のすき間に位置するお年寄りが最近非常にふえております。
このような一人で家にいるお年寄りの身近なコミュニケーションの場として、また気心の知れた隣近所のお年寄りが小グループで介護に関する何らかのサービスが受けられる、このようなグループホーム的な宅老所のニーズが強くなってきております。たまたま新聞で県内へ6カ所目の宅老所がオープンと報じられておりましたが、県内には相当のニーズがあるものと思います。
そこで質問をしますが、介護保険との関係、すなわちサービス提供者としての指定は受けられるのか、また経営者の資格要件はどうなっているのか、宅老所の基準はどうなのか、許認可事項はどうなっているのか、あるいはお預かりしたお年寄りの事故、けが、病気等のときはどうなのか、いわゆる法的な位置づけの問題点はないのかどうか、御説明をお願いいたします。
次に、児童虐待について質問いたします。
児童虐待が大変深刻化しております。全国で児童相談所関与後に5名が死亡、また児童相談所から親に引き取られた後に父母の暴行で死亡という大変痛ましい事件が発生しており、しかもその後も頻繁に起こっております。
県内では死亡事故はないと言われておりますけれども、相談件数237件、そして前年度124件のほぼ倍、一時保護の施設入所は71件で前年の1.5倍に増加と報じられております。国は、児童虐待防止法施行を受けて関係機関の取り組みを強化すると、こうあります。
そこで質問いたしますけれども、なぜ児童虐待が増加しているのか、その社会的背景は何か、児童虐待の内容はどうか、児童虐待防止法によってどのような効果が期待できるのか、従来と違う点は何か、児童相談所に一時保護はされるが、その後の処置はどうしているのか。いわゆる親元に帰したけれども父母の虐待で死亡するというケースがあり、一時預かりの後、家に帰せないという状況が多いようで、それはどうなのか。
次に、台風、大雨のときの水害について。
8月7日の台風、11月9日の大雨のとき、全県的に多くの地域でしかも広範囲にわたって床下・床上浸水、あるいは道路の冠水による車の故障等が出ました。従来、床下・床上浸水や排水路から水があふれ出ることがなかった地域の水害がふえております。しかもそれが恒常化しております。
その原因は、1つの排水路に流れ込む受水地域の宅地化、開発化が進み、アスファルトとコンクリートによって地面が固められ雨水が地面にしみ込まずそのまま表層水となって側溝に流れ込んでいるそういう状況を見ることができます。北部地域から南部地域の広範囲でこの現象が起こっており、県は一度市町村と協力して全県的に調査をし、排水路の拡張等一度根本的に全県的に見直しをし、対策をする必要があると思いますがどうか。
次の質問は割愛させていただきます。いわゆる雨水を吸い込むアスファルトの問題ですけれども、これは調べてみますと、地面に水を吸い込むんじゃなくて、吸い込んだように見えるけれども、それはそのまま側溝へ流すようなものであって、決して地面に吸い込むようなアスファルトではないということがわかりましたので、これは取り下げをして答弁は必要ありません。
以上、御答弁よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの高良政彦君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時31分休憩
午後3時56分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の高良政彦君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 高良政彦議員の御質問にお答えいたします。
まず、米軍基地問題についてのうち、普天間飛行場代替施設の15年使用期限について、今後どのように、いつまでに決着をつけるのかとの御質問と、15年使用期限を明確にさせる何らかの方策を講ずるべきではないか、なお訪米するとのことだが、どのような機関及び要人にいつごろ要請するのか、また新大統領にも会うのかとの御質問にお答えします。2つを一括してお答えします。
15年の使用期限問題については、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設け、国に強く求めているものです。県としては、代替施設の15年使用期限についてこれまでもあらゆる機会に要請してきたところであります。最近でも全国知事会や代替施設協議会等で国に要望しており、政府内においてもより認識が深まってきているものと考えています。
県は、基地の提供責任は日本政府にあり、政府が責任を持ってしっかりと沖縄の動向を踏まえ明確な考え方を示すべきであると考えており、15年使用期限問題については何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないと考えております。
なお、訪米の際には、基地の整理縮小や日米地位協定の見直しを含め本県が抱えている基地問題について米国政府等に要請するとともに、シンクタンクから依頼のある講演や企業誘致活動も行いたいと考えております。
また、訪米の時期、要請先については来年1月20日に新大統領の就任式があり、その後、連邦政府や連邦議会の主要ポストも決まりますので、そのあたりも見きわめつつ県内外の情勢も考慮しながら最も効果的な実施時期や要請先を判断したいと考えております。
次に、同じく基地問題のうち、日米地位協定の見直しについて国は運用の改善による対応が適切であるとしているが、知事はもっと強力に訴えるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
去る11月1日の衆議院外務委員会や11月10日の参議院本会議において河野外務大臣は、地位協定の改正が本筋であるとしつつも、運用の改善によりその時々の問題に機敏に対応していくことが合理的であり、地位協定の運用の改善に誠意を持って取り組む旨の答弁をされております。
しかし、SACO最終報告によって地位協定の運用の改善が行われた後も米軍基地に起因する事件・事故や環境問題などの諸課題が山積していることから、県民は運用の改善だけでは不十分であると考えており、日米地位協定の抜本的な見直しを求めることが県民の総意であります。県としては、このような県民の意向を体して今後ともあらゆる機会を通して日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを粘り強く訴えていきたいと考えております。
次に、同じく基地問題について、宮城浦添市長が方針を撤回したが、移設と西海岸開発は密接な関係がある、市長との話し合いはあったのか、県はどう対応するのか、また那覇市長選挙で翁長氏が当選した、今後3者の調整が必要と思うがどうかとの御質問にお答えいたします。
宮城浦添市長が浦添市長選挙に臨む考え方を表明し、那覇軍港の一部機能の移設を容認する考え方については撤回すると述べこれまでの方針を変更しましたが、このことについて県は直接説明を受けておりません。県としては、産業振興や経済の自立的発展を図るためには浦添市西海岸地区を含む那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備することが重要であると考えております。
また、26年間返還が実現されなかった那覇港湾施設の返還を促進するためにも、改訂される港湾計画の中で浦添埠頭地区に位置づけ、早期に港湾整備事業が実施できるよう条件整備を図っていきたいと考えております。
今後、那覇港湾施設の移設に関し基本的な考え方が一致している那覇市長と連携しながら、浦添市との合意形成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、児童虐待について、児童虐待防止法によってどのような効果が期待できるか、従来と違う点は何かについてお答えをいたしたいと思います。
児童虐待の対応については、従来より児童福祉法及びこれに基づく児童相談所運営指針、子ども虐待対応の手引き等により児童虐待の早期発見、早期対応及び被虐待児童の保護が図られてきたところであります。
今回の児童虐待防止法の施行により、早期発見や子供の保護を一段と強化するための強制措置等が可能となりました。
例えば、1、学校や児童福祉施設その他児童の福祉に職務上関係のある者が児童虐待を発見しやすい立場にあることから早期発見に努め児童相談所への通告を義務づけ、通告しても守秘義務違反を問われないこと、2、児童相談所の職員等は虐待のおそれがある場合、児童の自宅などを立入調査し必要に応じて警察官の援助を求められること、3、虐待を行った保護者について指導の措置がとられた場合は当該指導を受ける義務があること、4、児童相談所長または施設の長は面会や通信を制限できること、5、民法上の「親権の一時停止」に相当する行為ができること等が盛り込まれております。
これにより、児童虐待の防止等が一層図られるものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 高良政彦議員の米軍基地問題についての質問事項のうち、名護市辺野古海域での生息が確認されているジュゴンに対し、国際自然保護連合総会で保全勧告決議が出ているが、普天間基地の移設による影響はどう考えているのか、また自然保護団体にどう対応するのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
県としては、普天間飛行場代替施設の移設候補地を選定した際、代替施設の建設については必要な調査を行い、地域住民の生活と自然環境への配慮を国に強く申し入れております。
国においては、環境影響評価とは別に、防衛庁が環境庁の技術的な助言を得て去る10月末からジュゴンの生息状況の予備的調査を実施しております。
さらに、サンゴと藻場についても近々補足調査を実施することになっております。
国は、昨年末の閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の配慮を行う」との安全・環境対策の方針を示しており、これに基づき政府において適切な措置がなされるものと考えております。
なお、ジュゴンの予備的調査やサンゴ・藻場の補足調査結果については代替施設協議会に報告され協議されることとなっており、その内容は公開されることになっております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) サミット後の我が県の観光の動向についての中で6件の御質問がございますので、順次お答え申し上げます。
まず、サミット後の観光客の増減はどうなっているのかとの質問でございます。
サミット後の観光客につきましては、8月期には上旬の長雨や歴代3位を記録した4個の台風襲来といった悪天候により、入域観光客数は前年同月比で4.9%減の49万6800人となりましたが、9月期には5.2%増の39万2900人、10月期には0.7%増の37万6300人と2カ月連続のプラスとなり、両月とも月間における過去最高を記録しております。
次に、国際会議あるいは全国規模の会議等の県内開催は増加しているかについてお答え申し上げます。
県内における国際会議等の開催状況を見ると、万国津梁館での国際会議等の実施及び予約状況は平成12年12月11日現在で国際会議21件、国内会議73件の合計94件となっております。
また、沖縄コンベンションセンターにおける国際会議と国内会議についてそれぞれ本年度と昨年度の4月から11月までの状況を見ますと、国際会議が本年度が8件で、昨年度の4件に対し4件増の2倍となっており、国内会議についても本年度115件で、昨年度の40件に対し75件、187%の増加となっております。
次に、サミット開催を契機に今後コンベンションアイランド構想にどうつなげていくのかとの御質問にお答えします。
本県においては、九州・沖縄サミット首脳会合の開催を契機としてサミット受け入れのノウハウを生かし国等との連携のもと、国際会議等の誘致に取り組んでいるところであります。
また、温暖な気候に恵まれました本県は、冬場における各種スポーツの合宿・キャンプのメッカとなっており、スポーツコンベンションアイランドとしても脚光を浴びております。
県としましては、今後国際会議等の受け入れ体制をさらに充実・強化するとともに、美しい町並みの景観等ハード・ソフト両面に沖縄カラーを演出して国際コンベンションアイランドの形成を図ってまいりたいと考えております。
次に、県内主要ホテルのサミット開催後のIT化の整備状況についてお答えします。
九州・沖縄サミットの開催を契機に、本県においてはホテル等の情報インフラの整備、従業員の研修等ハード・ソフト両面においてその受け入れ体制が推進されたところであります。
インターネット等情報通信設備を持ったホテルの状況について、サミット開催前の平成12年2月に沖縄本島、宮古、八重山地域の主要なホテル50社について調査しましたところ、40%の20社がインターネットへの接続が可能となっておりましたが、九州・沖縄サミットに向けてその整備が図られた結果、平成12年12月7日現在、50社のうち62%の31社がインターネットへの接続が可能となっております。
県としましては、沖縄県ホテル旅館事業協同組合及び関係機関等と連携を図り、今後ともホテルのIT化について促進してまいりたいと考えております。
次に、全県的に四季を通じて花いっぱい運動を継続させて、四季を通じて花が咲いているのを当たり前とすべきと考えるがどうかとの御質問にお答えします。
美しい自然と豊かな伝統文化にはぐくまれた本県は、リゾートアイランド、コンベンションアイランドとして県内外から大きく注目をされておりますことから、県においては観光客を快適な環境で迎えるため、めんそーれ沖縄県民運動推進協議会を設置し、その受け入れ体制を推進しているところであります。
御提案のあります花いっぱい運動、すなわちフラワーアイランドの推進につきましては、同協議会の活動を中心に花木の植栽、プランターや鉢の設置、花の苗木、種子の配布、観光地の美化・緑化等の事業を実施しているところであります。
本県は、四季を通じて亜熱帯の花が咲くことからその特性を生かした観光地づくりが必要だと考えております。県としましては、今後ともサミットで高まりを見せた美化・浄化、フラワーアイランドの推進を図り、リゾートアイランドにふさわしい観光地の形成に向け取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、台風時に那覇空港内のロビーや待合室に折り畳み式の簡易ベッドを設置し観光客への便宜を図ることについてお答えします。
本県は、亜熱帯気候に属し、美しい自然に恵まれていることから多くの観光客が沖縄に訪れますが、一方、台風常襲地帯であることから、台風時における観光客対策が観光振興を図る上で重要な課題となっております。
このようなことから、台風時において県は現在、空港ターミナルビル内に観光案内所を設けホテルのあっせんを行うほか、ホテルの空室状況、料金等のボードの設置、台風対策の小冊子の配布、ビデオの放映により情報提供を行うとともに台風時の宿泊割引料金の実施等の対策を行っているところであります。
また、やむを得ず空港内での宿泊を余儀なくされた観光客には、空港内の会議室やロビーにござを敷き詰め宿泊場所として提供しているところであります。
観光客への毛布の提供についても現在検討しているところであり、御提案のあります折り畳み式の簡易ベッドの設置については今後検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 高齢者福祉について、宅老所について、介護保険事業者としてのサービス提供者の指定が受けられるか、経営者としての資格要件はあるか、宅老所の基準はどうなっているか、許認可はどうなのか、事故、けが、病気等のときはどうなるか、法的な位置づけの問題点はないかについての御質問にお答えいたします。
宅老所は、現在、制度化されてないため経営者の資格要件や設置基準等は示されてなく個人やボランティア団体等によって運営されており、そのサービス形態も365日対応しているところ、24時間対応等多種多様であります。利用者は個人契約によってサービスを受け、利用料についても地域や事業所によってまちまちであります。宅老所を介護保険法によるサービス事業所として指定することは認められていませんが、宅老所に付随する事業として通所介護事業(デイサービス)や居宅介護支援事業など居宅介護サービス事業の指定基準を満たせば、これらの事業について介護保険事業者となることは可能であります。
また、介護保険事業以外の事業で市町村が実施する生きがい対応型デイサービスや、配食サービス等の介護予防・生活支援事業について市町村の委託事業として宅老所も実施できるようになっています。ちなみに現在、県内で開設されている宅老所は6カ所となっております。
次に、児童虐待について、1つは、なぜ児童虐待が増加しているのか、2番目に、児童虐待の内容についての御質問でございます。一括してお答えいたします。
全国の児童相談所が取り扱った児童虐待の相談件数は、平成11年度は1万1631件で、平成10年度6932件の1.7倍となっております。
本県においては、平成11年度は237件で、平成10年度124件の1.9倍となっております。
国によると、児童虐待絡みの事件・事故がふえ、虐待防止の広報・啓発の取り組みが広がり社会の関心が高まっており、これまで埋もれていた事例が掘り起こされ、児童相談所での相談へとたどり着く件数がふえたと背景を分析しております。
本県の場合も全国と同様であると考えておりますが、それに加え、関係機関等による虐待防止地域ネットワーク化を図るとともに、講演会を開催するなど虐待防止の周知を積極的に推進していることもその要因であると考えております。
児童虐待の内容は、保護の怠慢ないし拒否が122件で最も多く全体の51.5%、次いで身体的虐待が77件で32.5%、性的虐待は25件で10.5%、心理的虐待は13件で5.5%となっております。虐待したのは実母が53.2%と最も高く、次いで実父が32.1%となっております。
次に、一時保護した後はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
一時保護児童については、保護中の行動観察、心理テスト等を行い児童の状況を把握するとともに、家庭等育成環境の調査及び保護者の面接指導等を行い、その結果を総合的に判断し施設入所、里親委託、家庭復帰の処遇を行っています。
家庭に帰した児童については、児童福祉司の訪問指導、保護者及び児童の通所による心理判定員等のカウンセリングの実施、地域の保健婦、保健士及び児童委員による家庭訪問等で関係機関が連携して援助を行っています。
平成11年度に虐待ケースで一時保護した児童は94名となっており、処遇内容は児童福祉施設入所66名、里親委託6名、家庭復帰22名となっております。
○土木建築部長(銘苅清一) 台風、大雨時の水害について、床上浸水や道路冠水等の水害に対処するため市町村と協力して調査を実施し、排水路の拡張等根本的な対策を講ずるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
ことし8月7日の台風8号及び11月9日の集中豪雨においては、本島北部及び南部地域を中心とした浸水被害が発生いたしました。その浸水の被害は、集中的な豪雨と満潮時が重なったこと等の気象の条件、低地盤等の地形的な条件、排水施設の未整備等多岐にわたる要因があると考えております。
議員御指摘のとおり、都市部においては近年の宅地化の進行等に伴い雨水の地下浸透が減少して床上浸水等が増加する傾向にあることから、総合的な浸水対策が必要と考えております。
このため、地域の排水対策につきましては、当該市町村において計画的な排水施設の整備が進められているところであります。
このような状況から、県といたしましても引き続き市町村と連携しながら浸水箇所の原因把握を行い、道路排水施設の適切な維持管理に努めるとともに、県管理河川のしゅんせつ及び整備推進に取り組み、市町村の公共下水道の雨水排水施設の整備が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○上原 吉二 一般質問を行います。
まず初めに、嘉手納、普天間飛行場周辺地域の住宅防音助成についてでございますが、嘉手納、普天間飛行場周辺の住宅防音家屋空調施設維持費助成について新東京国際空港周辺市町村と対比をしながらこれまで取り上げてきましたが、県も前向きに対処され、去る10月20日には親川知事公室長が那覇防衛施設局に申し入れを行って迅速なる行動を展開されたことは高く評価されるところでございます。ついては、そのときの話し合いの内容等を御説明をお願いいたします。
次に、空調機器等の助成金交付についての条文は明確化されておらず、拡大解釈が幾らでもできます。よって、前議会でも明らかになったように課題は財源確保が問題になっているようでございますが、県として今後どのような取り組みをなされますか。
次に、嘉手納、普天間飛行場周辺関係市町村で防音工事の拡大、空調機器等の助成を求める決議をした市町村はどこがありますか。
また、騒音問題の解決を最重要課題とし県や議会に陳情書が出されていることについてどのような御見解をお持ちですか、知事の御所見を賜りたいと思います。
次に2番目、浜比嘉島地内要川原の浸食防止対策についてでございますが、去る2月定例会でも取り上げましたが、勝連町議会でも再三再四取り上げられており、町当局もその対策事業について古くは昭和50年ごろから県に陳情要請も行われておりますが、浸食が始まるまでは畑であり、作目はトマト、ピーマン、ニンジン、スイカ、メロン、季節野菜などの優良な農作物の生産の場であり、園芸生産組合もあり、検査の厳しいと言われている米軍PXと契約出荷も行っていたが、近年では特に浸食が激しくなっており、背後地もひび割れがひどく、どんどん変化が著しい状況下にあります。
また、浸食された泥土がこれまで放置された期間海に流出し、漁場やサンゴ礁の自然環境まで汚染が広がり、住民が相当心配をしております。どうなっておりますか、現状を詳しく説明してください。このことについて今後どう対処しますか、県のお考えをお聞かせください。
以上です。答弁により再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 上原吉二議員の御質問にお答えいたします。
嘉手納、普天間飛行場地域の住宅防音助成について、県が10月20日に行った住宅防音工事に伴い設置された空調機器の維持管理費の全額国庫負担要請の内容について聞きたいとの御質問にお答えいたします。
県は、米軍の航空機騒音による住民負担の軽減を図る観点から、去る10月20日に那覇防衛施設局に対して、防音工事に伴い設置された空調機器の維持管理費の全額国庫負担を要請したところであります。
その際、施設局からは、現在行われている生活保護世帯に対する空調機器の維持管理費助成を一般住宅まで拡大して行うことは財政的、制度的に大変難しいという趣旨の発言がありました。県としては、住宅防音工事に伴い設置された空調機器の維持管理費については、日米安全保障条約及び日米地位協定の締結当事者である国が負担すべきものと考えており、今後とも引き続き国に維持管理費の全額国庫負担を求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 上原吉二議員の嘉手納、普天間飛行場地域の住宅防音助成についての質問事項のうち、基地周辺における騒音対策については財源の確保が問題になっているようであるが、県は今後どのように取り組むかという御質問にお答えをいたします。
さきの9月議会の答弁で、成田空港周辺地域の航空機騒音防止対策の実情を説明し、その中で、成田空港周辺地域においては「新東京国際空港財団」から同空港の周辺市町村等に新東京国際空港周辺対策交付金が交付されており、同交付金を財源として設立された「成田空港周辺地域共生財団」の趣旨、目的や基金100億円を活用した助成措置が行われていることを申し上げました。
このように、成田空港周辺地域において地域独自の制度として実施されている助成措置は、同空港周辺市町村等の独自財源ではなく、同空港の着陸料収入を原資として行われております。
また、米軍基地から派生する航空機騒音対策の費用については、本来、日米安全保障条約及び日米地位協定の締結当事者である国が負担すべきものと考えております。したがいまして、県としては防音工事区域の拡大や空調機器の維持管理費補助の拡大など、基地周辺市町村の要望が実現されるよう渉外知事会や軍転協の要請等あらゆる機会を通して国に求めていきたいと考えております。
次に、同じく嘉手納、普天間飛行場地域の住宅防音助成についての質問事項のうち、これまでに防音工事区域の拡大及び空調機器などの助成を求める決議をした市町村はどこか、またこれらの市町村から意見書や陳情書が提出されていることについてどう考えるかという御質問にお答えをいたします。
住宅防音工事区域の拡大及び空調機器の維持管理費補助の拡大については、これまで宜野湾市、具志川市、北谷町、読谷村、北中城村、中城村の各議会において意見書の決議がなされており、そのうち具志川市、北中城村、中城村議会からは県に対して意見書が提出されております。
米軍基地に起因する航空機騒音は、周辺地域における住民生活に多大な影響を与えていることから、県としても騒音対策の充実・強化は重要な課題であるとの認識に立って、去る10月20日、那覇防衛施設局に対して防音工事区域の拡大及び空調機器の維持管理費の全額国庫負担を要請したところであります。
県としては、今後とも防音工事区域の拡大及び空調機器の維持管理費補助の拡大について基地周辺市町村の意向が十分反映されるよう引き続き国に求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) 浜比嘉島浜地内浸食防止対策について。浜比嘉島浜地内の浸食による漁場等の汚染防止について今後どう対処するのか、また町当局からその対策について県に要請を行っているようだが、どうなっているかとの御質問にお答えいたします。
勝連町浜比嘉島の浜地内要川原の海岸線は、島尻泥岩層の上に琉球石灰岩層が重なっている急峻な地形の自然海岸であり、背後地は農地や保安林及び原野となっております。
当海岸は、このような地形及び地質特性のため波浪によって浸食されている状況にあり、町当局からもその整備について要請があります。このため、海岸保全と海域の環境保全の観点から浸食防止対策を講じる必要があると考えております。
県としましては、当海岸の浸食防止と環境保全を図るため平成13年度において県単独費による現況調査等を行う予定であり、その結果を踏まえ勝連町及び関係機関と協議をし、整備方針について検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○上原 吉二 空調機器等の補助金助成の問題についてでございますけれども、先ほど知事の方から制度上、生活保護者と公共施設のみであり、一般住宅まで助成するのは財政上厳しいという国からの答弁をいただいたらしいけれども、この問題は、もちろん条文にないということはやるなということになるわけでございますけれども、運輸省所管の成田空港周辺市町村では空港公団からの着陸料を原資に空調機器等の助成が行われている。それと、さきの議会でも明らかになったように、防衛施設局関係市町村でも基地交付金等からの財源でもって同じような事例があるということがさきの議会でも述べられているわけですよね。
そういったことからすると、先ほどの制度上できないと言っていること自体が矛盾はしないのかなということを私はそう考えますけれども、このことについてどうですか、もう一度お答えを願いたいと思います。
そういったことからいたしますと、先ほど知事公室長も言っておりましたけれども、財源確保がどうなるかということでございますが、この嘉手納飛行場と新東京国際空港周辺関係市町村に対する基地交付金と成田空港公団からの着陸料を比較してみますと、嘉手納基地周辺関係市町村への直近3年間の基地交付金等は実績は約113億ぐらいあるわけでございますが、成田空港関係市町村の直近3年間の着陸料、平成10年度決算ベースで見ますと約36億4000万円を交付されているわけでございます。これを短絡的に計算をいたしますと109億円になるわけでございます。そうすると成田の方と嘉手納の方は余りこの交付金については差がないということがわかってくるわけですよね。
そういたしますと、この嘉手納周辺の防音工事の対象戸数はといいますと約4万戸、成田空港の場合は4918戸、面積はといいますと、これもまた成田の嘉手納の場合は約2倍ぐらいあるわけですよね。そして基地被害、歴史的な背景等も含めますと成田空港周辺市町村ではこういったような制度上できないと言いながら、交付金を着陸料という中で公団を通して市町村に交付金が着陸料としてあるということは、これは制度上できないんじゃなく、同じ国から、公団は国の機関でございますので、通して交付がなされているということからすると、これはできるということですね。これは成田でございます。
また、防衛施設局周辺についても事例があるということは前議会でも言っていたわけですよね。そういったところからするとおかしいんじゃないのということでございますので、これは強く国に県の方が働きかけをしていくことによってできるものと私は解釈をしているわけでございます。これについてもお答えください。
12月7日のタイムスの「人物地帯」に、広島県の君田村長藤原清隆さんが、保守系の首長でございますけれども、先ほど電話で確認をさせてもらいましたけれども、
この秋も、りょう線をかすめて飛来する米軍機が村にごう音を響かせた。 「放ってはおけない実態がある。願望だった全国組織の発足をステップに、静かで平和な空を取り戻したい」在日米軍の戦闘機が続ける低空飛行訓練の被害に悩む地域は、列島各地に及ぶ。相次ぐ墜落事故や部品落下、そして爆音被害。被害地の自治体と、民間団体がつくった「米軍機低空飛行問題全国ネットワーク検討会」の代表に就いた。」。 「被害が出ていた県北部の自治体や民間団体を束ね、国や県に低空飛行の実態を訴え始めた。訓練中止を求めて署名運動の先頭にも立った。 とはいえ日米安保条約が根にあるこの問題で、自治体と革新系の民間団体とをまとめるのはたやすくはなかった。「だれが言おうと、ええものはええ。住民の不安を取り除くのに保守も革新もない」。持論をぶつけても、及び腰の首長が少なくない実情は、全国ネットの課題でもある。 「地域ごとの運動には限界も感じている。住民ではなく、米国の方を向いている国に対して物が言えるように、運動の輪を広げたい」。
ということを保守系の首長さえこういうように問題を提起しているわけですよね。
それを我が沖縄県も一番この被害を受けている地域でございますので、どうぞ知事に強く再度の国への働きかけをしていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
次に、勝連町の要川原の件でございますけれども、土木建築部長の方からは所管部長、部局といたしましてこの問題を平成13年度現地調査を予算化していきたいということを言っておりましたが、今これぐらいの面積しかない浜比嘉島の状況の中で、もうこの要川原のただ答弁では見えないわけでございますけれども、どういった状況下になっているかと言いますとですね、知事、見てください。(資料を掲示)
このようにして平成元年にも事の深刻さからいたしまして、勝連町から県の方に要請書が出ております。先ほど中身についても一応述べていただきたいという思いで当局に言ったわけでございますけれども、この状況がまだ部長の方からは答弁されておりませんでしたけれども、どうなって陳情されているかということをひとつお答えを願いたいと思います。
そういったことで私もこのようにして現地を踏査したわけでございますが、海がこのようにして汚れているわけでございます。そしてこのような中で海の中でくわを入れて耕すこともできるという状況からすると、これが約60メートル、先ほどの写真の状況から削られた約50メートル、60メートルぐらいの付近でございますけれども、こういうふうにしてくわで耕せるということは、もともと陸地であったというあかしでございます。
そういうふうにしてヘドロが海に流れ出していって二次災害の状況まで含んでいるわけでございます。これはぜひ知事も御検討していただきたいと思います。
ちょっと休憩お願いします。(資料を提示)
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時45分休憩
午後4時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○上原 吉二 そういったことで、この浸食された面積は約どれぐらいなのか。
そして背後地がどれぐらいの影響を受けているのか、坪数、幾らなのか、お答えをお願いいたします。
それと、これは先ほど土木建築部長の答弁でございますけれども、この問題は海に、浸食された農地から出た泥土が海に流れ出たということからいたしまして相当のここまで長年海に流れてきたこの泥土というものが相当の影響を来しているという状況からいたしまして、海に流出した泥土によって漁業に何らかの影響があると思われますが、またサンゴ等の自然環境に影響があると思われますが、どうですか。
これは一応農林水産部も関係しますのでお答えを願いたいと思います。これは朝、ちゃんとこういった問題も提起しますよということで伝えております。
それと海中道路と何らかの関係があるのではないかということも含めまして御答弁を願いたいと思います。
答弁を聞いて再度質問したいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時46分休憩
午後4時46分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 上原吉二議員の再質問にお答えします。
上原吉二議員が住宅防音工事に伴う問題につきまして、かねてから積極的に取り組んでおられることには敬意を表したいと思っております。
県といたしましても先ほども申し上げましたが、今後とも住宅防音工事に伴い設置された空調機器の維持管理費については、日米安全保障条約及び日米地位協定の締結当事者である国が負担すべきものと考えており、今後とも引き続き国に維持管理費の全額国庫負担を求めていきたいと考えております。
○土木建築部長(銘苅清一) 再質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、当地区は前の議会でも回答したと思うんですけれども、調べてみますと過去地元から昭和54年以降その要請を3回受けておりまして、これは要川原でございますけれども、その他の地区につきましても59年度に浜地区、比嘉地区からの要請、陳情等もありまして、浜比嘉地区につきましては海岸護岸あるいは道路護岸で既に整備しているところもございまして、浜集落前の海岸については今年度で整備は完了する予定にしております。
その環境の破壊状況でございますけれども、要川原の海岸につきましては勝連町の担当課とも現地の調査を行いましてその浸食状況については概略確認してございます。
それから、背後地の地積面積等具体的な件につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり平成13年度に県単による予算要求をしましてこの実態把握に努めたいと思っております。
現時点で勝連町に確認したところ、漁場への影響は地元からの報告を受けてないとのことでございました。
以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 浜比嘉島の海岸の浸食流出は、台風時に島の西側で起きていると聞いております。
モズク養殖等は、浸食現場とは反対側の島の東側と北側でやっております。そういうことで現在のところ被害はないが、浸食流出が進行し養殖場まで流出土の影響が及ぶことも懸念されます。
それと同時に、背後地には農地保安林等があり、漁場への影響についても実態の把握に努め、関係部局とも連携しながら対処したいというふうに考えております。
○上原 吉二 答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時53分休憩
午後4時53分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 銘苅清一君登壇〕
○土木建築部長(銘苅清一) 再質問にお答えいたします。
影響がないというのは、漁場への影響ということでこれは地元からの報告でございますけれども、具体的には先ほど申し上げましたとおり13年度予算で具体的な調査をしてまいりたいと。
それから、土量とか面積につきましても今後その調査で具体的な面積なり量なりを調査して整備方針についても検討してまいりたいと。
さっき、ちょっと答弁漏れましたけれども、海中道路との関係につきましても来年度13年度予算で調査してまいりたいと思っています。
以上でございます。
○上原 吉二 浜比嘉の件でございますけれども、土木建築部長さんの方の答弁を聞きますと、実態は本当は調査していないんじゃないかということでこういうような再度の質問もしなければならぬ状態でございますが、これは地元、私も現地に行きまして見ましたら約3000坪ぐらいがこれまで流出しているわけですね。
これからいたしますと、この3000坪の泥土がどこに消えたかということですね。だからそういったものがあの海の中で、先ほど見せたようにくわでも入れるような状況になっているよということからすると、これぐらいの泥土が海に流れたからには影響がないということ自体が、これは子供でも影響があることはわかりますよ。
そういった答弁をすること自体が、現地に行っていないんじゃないかということを目の当たりにさらけ出しているということではないでしょうか。もう一度、我々もこの前、向こうに行っていろいろ踏査した結果、大変だなというぐらいでございますので、ぜひ行って見ていただきたいと思います。
そういったことからすると、大変深刻な状況ということで議会でも再三再四取り上げられており、そして町の方から問題がありますよということで議会で取り上げていただきたいということで私の方もこの議場で皆さんに訴えているわけでございますので、どうぞ深追いはしませんけれども、机上の空論じゃなく、現地を踏んでいただきたいということを要望いたしまして終わります。
○安里 進 一般質問をいたします。
まず1点目に、北部振興策に関連した農林水産業分野の取り組みについてでございます。
昨年12月に県と北部12市町村の連名で行われた「沖縄県北部地域の振興についての要望」を契機に北部振興策の具体化が図られてまいりました。今年の8月に開催された北部振興協議会において「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」が決定されたことに伴い、北部振興策もいよいよ具体化の段階に入ったものと考えております。
このような動きに対応して、地元においても北部振興策の具体化、特に振興事業の進め方について積極的な検討が行われてきておりますが、この振興事業を北部地域の真の活性化につなげるための努力は、まさにこれからが正念場を迎えるものと認識しております。
この点で特に重要なことは、地元の意向を最大限くみ上げる努力を惜しまないことであります。またそれとあわせてくみ上げた要望を具体化するために何をなすべきか、これも大きな課題であります。
このような観点から、北部振興策の具体化へ向けた取り組みを見ますと先駆的な取り組みが農林水産業の分野で行われております。また国からも地方分権を体現した地元主導型の取り組みとして積極的な評価を受けたとも聞いております。
そこで、具体的な事業として推進される北部振興策をさらに実り多いものにするとの観点から、以下の点について質問をしたいと思います。
(1)、北部振興策の推進に関して特に農林水産業分野においては国、県、地元関係者が広く連携し積極的な取り組みが行われているが、これまでの経緯はどのようなものか。
(2)、関係者の合意に基づき「明日を拓く北部の農林水産業振興ビジョン」が取りまとめられているが、その概要と今後の農林水産業関連の振興策はどうなっているか。
(3)、北部振興策の推進に当たっては、農林水産業分野で行われていたような積極的な取り組みを各分野でも推進する必要があると考えるが、どうか。
(4)番、県内における耕作放棄地は、農業センサスによると昭和60年913ヘクタール、平成7年は1628ヘクタールと10年間で715ヘクタール増加しているが、その対策はどうなっているか。
(5)、健康食品業界の売り上げが100億円の大台を突破して、その基礎となる原料としての薬用植物の品質、安全な見える原料生産体制の確立が重要であります。また農業面からの取り組みの強化が「沖縄ブランド」のかぎを握り、農作物としての位置づけが重要と思われるが、その対策はどうなっているか。
「あるある大事典」の番組でウコンなどが大変宣伝されました。品不足の状態があった去年であります。昨夜のテレビで大宜味村のシークヮーサーが「あるある大事典」で取り上げられまして、これまた糖尿病に非常に効くということでこれも大きな販路が見出せるのではないかというふうに思っておりますが、そのことについてもお伺いいたします。
(6)番、近年の農業・農村を取り巻く環境は、高齢化、農業就業者の減少、産地競争の激化等、農地の休耕地、農作物の栽培選定にも影響を及ぼしている。その打開策としてグリーンツーリズム(農林漁業体験)の推進と観光農園の整備等により農家所得、就業機会の確保及び活力ある地域づくりの推進ができると思うが、県の取り組みについてお伺いいたしたいと思います。
次に、農地法の緩和でヤンバルの活性化はできないものかということについてお伺いいたしたいと思います。
時間の関係で農地法それ自体には触れませんが、実例の一つとして申し上げます。
山林、原野だったところが、周りの農家の人たちに哀願されて土地改良したところ、那覇から通って農業をすることには限界が生じました。そこで農業をするために家を建設しようとしたところ、農地法で制限されてしまい、その後は放置されたままになっている。息子や娘に宅地分の農地を分けて近くに住居をつくらそうとしても制限されて住宅がつくれない。宅地を購入しようとしたら、地方で宅地を求める金額に少し上乗せして名護市内で建て売りを買った方がよい。子供たちの塾など教育にもよいから、旧名護町に人口が集中する傾向にあります。北部全体では大正時代から人口の変化はなく、旧名護町に集中し、旧名護町だけが2000人増加している状況にあります。
地域に残った父母が年をとり、農業ができなくなると農地は放置されたままで、後は老人ホームのお世話になる。このことは農業の生産性向上、老人介護などの福祉、介護保険料の負担増、過疎化の進展など大きな問題を含んでおります。
土地の所有者が自分たちの土地をある程度自由に使えないというのは理不尽なこととまでは言いませんが、もっと自由に使えるようにしなければ県が目指している15万人の北部はなかなかできないのではないかと思慮されます。
土地が自由に使えないために起こった過疎化、農業放棄の事例は産業革命以前のイギリスのエンクロージャー(囲い込み)運動を持ち出すまでもないでしょう。とにかく農地改良して15年過ぎたところは、一部住宅を許可するなどいろいろな方法があると思うが、県の考え方をお伺いいたしたいと思います。
次に、リュウキュウアユの蘇生状況とその対策についてお伺いします。
平成3年にリュウキュウアユの種苗センターが設立され、順調にアユの放流を続けてきております。また北部ダム事務所の所長のOBの方々も東京へ帰ってアユを蘇生させる東京支部を組織し、沖縄へ支援活動を行っております。県は、アユを蘇生させるためにどのような取り組みをしているのか、お伺いいたします。
(2)、源河川の河口の見直しについて土木建築部長は昨年の12月の定例会での私の質問に、「背後地への影響、投入した砂の流出に対する技術的な検討課題等もありますので、」今後国へ要望していくとの答弁があったが、この1年どういうふうな対策をしてきたか、お伺いします。
次に、第3回世界のウチナーンチュ大会のイベントの一つとしてカナダの国技であるアイスホッケーの親善交流会の開催についてお伺いします。
先般、カナダの沖縄県人移民100周年記念式典に参加のため石川副知事一行とクリントンシューズがよく似合う伊良皆議長を団長とする県議団一行、8月21日から9月7日までハワイ、ロサンゼルス、ワシントン、ニューヨーク、カナダと「三線」片手に北米で県人との交流を深めました。私はそのとき、初めて三線という楽器に天・地・人という政治哲学が込められていることを議長から教わりました。特に無形文化財の指定を受けた議長の「トゥバルマー」は、県人会の方々もふるさとを思い、涙して感激していたところであります。
一行の歓迎会において、カナダの県人会長より要請があったアイスホッケーの親善交流会を第3回世界のウチナーンチュ大会のイベントの一つとして開催してもらいたいとの要請が口頭でありました。今回11月23日にカナダの4支部の県人会との申し合わせにより正式文書で要請がありましたが、このことについては国際交流はもとより、沖縄の青少年のアイスホッケーの技術向上にも大いに貢献できると思うが、県の計画についてお伺いいたします。
我が党の渡久地県議の北部振興に関連して、沖縄県食肉センター名護分工場の改善整備について若干聞きたいと思います。
沖縄県食肉センター名護分工場は、昭和47年に北部養豚場、北部地区市町村及び北部地区農協系統が出資して設立した株式会社沖縄県北部食肉センターが、北部地区の畜産振興と食肉流通の発展のため食肉処理販売の流通拠点施設として運営してきた施設であるが、昭和63年、厳しい畜産情勢から同社の経営が破綻したことにより、同年、系統農協が沖縄県協同食肉株式会社を設立して同施設を取得し、食肉処理販売事業を運営してきております。
その後、同社については、系統農協で同一の機能を持つ会社が2社独立して併存することは不合理であるとのことから平成7年10月、株式会社沖縄県食肉センターと合併し、以来、同施設は株式会社沖縄県食肉センターの名護分工場として事業の集約化、合理化を図り、食肉処理販売機能を強化して現在に至っております。
このように、県内の屠畜場が再編整備される中、平成9年4月1日施行の「と畜場法施行規則の一部を改正する厚生省令(平成8年第73号)」により大動物は平成12年3月まで、小動物は平成14年3月までに屠畜場の遵守すべき施設の衛生保持及び衛生措置について施設の改善整備を行うよう通達が出され、これに向けて取り組みがなされているが、名護分工場の施設については老朽化がひどく多額の設備投資が必要で、施設改善に要する資金を投入すると過剰投資となって経営が成り立たない状況にあります。
しかしながら、北部地域において食肉処理販売の流通拠点施設を維持し屠畜事業を継続して行うことは、同地域の畜産振興と雇用確保を図る上から極めて重要な課題であります。
今回名護市では、北部振興策の非公共部門の事業として取り上げ、去る11月の北部振興協議会で採択され喜んでいるところでございます。
そこで次のことについてお伺いします。
改善されたとして牛などの大動物の処理は認められていないと聞くが、どういう理由なのか。北部は肉用牛の産地でもあるが、これについて県の考え方をお伺いします。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 安里進議員の御質問にお答えいたします。
最初は、北部振興と農林水産業の取り組みについて、農林水産業分野の取り組み経緯はどのようなものかについてお答えいたします。
北部市町村会では、農林水産業の将来ビジョンと振興策について、関係者の意向を広く集約するため「明日を拓く北部の農林水産業を考える検討会」を設置しております。第1回の検討会は、農林水産大臣と事務次官にも御出席をいただき、平成12年2月に開催されました。
また、検討会の下には県、市町村、関係団体の実務者で構成する専門部会が設置されております。この専門部会の検討を踏まえて、4月に開催された第2回の検討会では「北部の農林水産業振興策骨子」が取りまとめられました。この骨子の内容は、8月に決定された「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」の中に盛り込まれています。さらに10月には第3回検討会が開催され、「明日を拓く北部の農林水産業振興ビジョン」が取りまとめられております。
次に、同じく北部振興と農林水産業の取り組みについてのうち、「明日を拓く北部の農林水産業振興ビジョン」の概要と今後の振興策はどうなっているのかとの御質問にお答えいたします。
「明日を拓く北部の農林水産業振興ビジョン」には、3つの振興方向が示されております。
第1は、「地域特性を生かした亜熱帯農林水産業の振興」であります。その内容は、地域特性を生かした拠点産地の形成や付加価値を高めるための食肉処理と農産加工等の推進となっております。
第2は、「担い手育成と亜熱帯農林水産技術開発の推進」であります。このうち技術開発については、新たな研究交流センターを北部に設置することが提案されております。
第3は、「観光・リゾートとの連携のための農山漁村環境の保全と交流拠点施設等の整備」であります。ここでは、亜熱帯花木の植栽による景観改善など観光・リゾート産業の振興に寄与する施策の強化を掲げております。同ビジョンは、地元関係者の意向を幅広く集約したものであり、県としても今後の振興事業に反映されるよう努めていく考えであります。
次は、同じく北部振興と農林水産業の取り組みについて、北部振興策の推進に当たっては農林水産業分野で行われていたような積極的な取り組みを各分野でも推進する必要があると考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。
北部地域の振興に向けては、農林水産業の分野において取り組みが強化されておりますが、観光・リゾート産業、情報通信産業、商工業等の分野においても積極的に取り組むことが重要であります。
こうした観点から、県においても今年度の北部振興事業として北部地域リゾート・コンベンション形成推進調査事業や北部地域雇用能力開発総合調査事業を実施することとしております。
さらに、去る10月に地元市町村と県を構成員として設置された北部振興推進連絡会議を活用して雇用機会の創出などにつながる各分野の振興事業の推進に向け、今後とも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○農林水産部長(小那覇安優) 北部振興と農林水産業の取り組みについてお答えします。
初めに、県内における耕作放棄地は昭和60年からの10年間で715ヘクタール増加しているが、その対策はどうなっているかとの御質問にお答えします。
県内における耕作放棄地は、農業従事者の減少や高齢化、農産物価格の低迷、農地の資産的保有などにより増加しております。
県においては、耕作放棄地を解消するため市町村など関係機関と連携し「農地流動化1000ha運動」を推進するとともに、集落ごとに農地流動化推進員約770名を配置し農地の貸し借りなどの掘り起こし活動を行い、農地流動化に取り組んでいるところであります。特にさとうきび作における生産法人の設立は、耕作放棄地の解消に大きな効果を上げています。
現在、さとうきび生産法人については14法人が設立されており、これらの法人に約255ヘクタールの農地が利用集積されております。県としては今後とも関係機関と連携し、さとうきび生産法人の育成を強力に推進し耕作放棄地の解消に努めていく考えであります。
次に、薬用作物の原料生産体制の確立が重要であると考えるが、その対策はどうなっているかとの御質問にお答えします。
本県における薬用作物は、健康志向の高まりによりウコン、アロエベラ、ボタンボウフウなどの生産拡大が期待されています。このため、生産対策としては薬用作物の栽培指針の策定やモデル展示圃を設置して生産振興に努めてきたところであります。また加工対策としてはウコン、アロエベラ等の製品化についての支援を行っております。
県としては、薬用作物を「農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム」の中で戦略品目として位置づけ、生産、流通、加工対策等を積極的に推進しているところであります。
次に、グリーンツーリズムの推進等により活力ある地域づくりができると思うが、県の取り組みはどうかとの御質問にお答えします。
グリーンツーリズムは、農村に安らぎを求めに来る都市住民と農山漁村の人々との交流を通して農林水産物の消費拡大、就業機会の確保等を促進するとともに、地域の活性化を図ることを目的にしております。
県内におけるグリーンツーリズムは、東村のふれあい農園、マングローブの観察、下地町の宮古豆腐づくり体験、小浜島のきび刈り援農クラブや伊平屋村の海の学校における漁業体験など各地で多様な活動が芽生えています。
県としては、農山漁村の自然や伝統文化を案内するインストラクターの養成、各地域の農林漁業体験情報誌による広報・宣伝などを行っております。また受け入れ体制を充実するため宿泊交流施設、観光農園施設、農林水産物加工・直売施設等を整備しております。今後ともグリーンツーリズムの推進に努め、農山漁村の活性化を図っていく考えであります。
次に、土地改良した農地であっても15年経過後は住宅建築等への利用を認めてもよいと思うが、県の考えはどうかとの御質問にお答えします。
土地改良された農地については、農業振興地域の整備に関する法律と農地法で農業振興を図るための優良農地として位置づけております。そのため、原則として農家住宅の建築など農業外の利用はできないことになっております。
しかしながら例外的に、1つ目には、土地改良事業等の工事が完了してから8年を経過した土地であること、2つ目には、農用地の集団化や農作業の効率化等に支障を及ぼすおそれがないこと、3点目には、農用地区域以外に代替すべき土地がないこと、4点目には、土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがないこと、この4つの要件をすべて満たした場合、適正な手続後に農家住宅用地として利用することが可能になります。
次に、リュウキュウアユの蘇生状況とその対策について、県はアユを蘇生させるためにどのような取り組みをしているかとの御質問にお答えします。
リュウキュウアユ種苗センターでは、平成4年以降アユを源河川及び北部のダムに放流しております。その結果、平成6年と7年には源河川及びその周辺河川でアユの稚魚の遡上が見られております。福地ダム、安波ダム、辺野喜ダム、普久川ダムの4ダムにおいてはアユの定着に成功しております。
県としては、沖縄県内水面漁場管理委員会指示で名護市以北の河川及びダムからのアユの採捕を禁止しております。また、啓発活動として採捕禁止の表示板の設置などを行っております。
次に、我が党の代表質問との関連について、沖縄県食肉センター名護分工場の改善整備において牛等大動物の処理は認められていないと聞くが、どういう理由かとの御質問にお答えします。
北部地域における牛の処理施設については、多額の費用がかかる中で、県内における牛等大動物処理の稼働率が低い状況から新たな整備は困難と考えております。
その主な理由としては1つ目に、県食肉センター本工場の稼働率は38%と低く国から稼働率改善を指摘されていること、2点目には、県食肉センターは13年度において約9億円の事業費で施設整備を計画していること、3点目には、名護分工場の11年度の処理実績は371頭で1日当たり1ないし2頭程度の処理規模では採算がとれないことなどが挙げられます。
以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) リュウキュウアユの蘇生状況とその対策について、源河川の河口部見直しの国への要望についての御質問にお答えいたします。
源河川河口部の護岸及び消波ブロック施設は、昭和62年度に国道58号の源河橋かけかえ工事で設置された道路施設で、北側約130メートル、南側約150メートルであります。
同施設の砂浜への見直しにつきましては、背後地への越波の影響等技術的な検討課題やリュウキュウアユの生息、生育場としての観点から平成12年3月に北部国道事務所に対して要望してきたところであります。今後とも県は、河川管理者の立場として同国道事務所とリュウキュウアユの生息、生育環境に配慮した海岸線や河口域等の望ましいあり方について、専門家や地元名護市の意見も聞きながら話し合いをしていきたいと考えております。
以上でございます。
○文化国際局長(金城勝子) 第3回世界のウチナーンチュ大会のイベントについてでございます。
カナダの県人会の会長から、第3回世界のウチナーンチュ大会のイベントの一つとしてアイスホッケーの親善交流会を開催してもらいたいとの要請があったが、県の計画はどうかという御質問でございます。
第3回世界のウチナーンチュ大会の開催に向けては、県民挙げて取り組むため去る8月1日に県内各界代表で構成する大会実行委員会が発足し、同日付で事務局を設置して現在諸準備業務を進めているところであります。
今大会は、4つの開催方針を掲げております。1つ目に、海外との持続的交流及び相互の発展に資する、2つ目に、ウチナーンチュのアイデンティティーの確実な継承、3つ目に、海外参加者と県民及び参加者相互の交流の促進、4つ目に、九州・沖縄サミットで世界から注目された沖縄を世界に一層アピールする機会とするであります。それを踏まえまして、内外の県系人と県民が幅広く交流できる多彩なイベントの実施を検討しております。
今大会はサミットの開催の効果もあり、先般実施いたしましたアンケート調査の結果を見ても内外の県系人の関心も非常に高いものがあります。またイベントについても大勢の皆さんから多様な御要望、御提案が寄せられております。
御質問のカナダとのアイスホッケー親善交流会につきましても検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○具志 孝助 皆さん、こんばんは。
一般質問2日目のしんがりを務めることになりました。よろしくお願いをいたします。
私は、今回の一般質問を1点に絞らせていただきました。旧飛行場用地問題について知事に質問を行います。
旧飛行場問題は、もう既に議員各位、そして執行部の皆さんもよく理解していることと思っておりますが、この問題は去る太平洋戦争末期のころ、すなわち昭和18年から19年にかけて戦況が大変不利の中、起死回生を図るべく日本軍が緊急に沖縄本島あるいは先島において野戦飛行場を建設することによって起こるわけであります。
今回この問題が、今日まだ問題として未処理になっている飛行場が現在の嘉手納飛行場、そして読谷飛行場、もう1件は那覇飛行場であります。
今回の議会でも20世紀で起きた問題は20世紀のうちに解決を図るべきだとこういうような主張があったわけでありますが、まさに戦後処理問題としていまだに県において手がつけられない唯一の問題ではないだろうかと思っております。
私は、本件については平成8年、大田県政時代にも取り上げて解決に向けての御努力をお願いをいたしました。私はあの当時、3つの飛行場の問題の中でも那覇飛行場を中心に取り上げましたので、当該市町村の那覇市の意向も聞いてみたいとこういうような答弁でありました。
そういうようなことがあって那覇市から、昨年、平成11年の2月24日に那覇市長名でこれは稲嶺知事に対して「那覇飛行場用地として収用された土地について(要請)」という文書が正式に出されております。(資料を掲示) いわゆる内容は、「国家総動員法にもとづく、民間所有土地及び家屋の収用の事実関係について」、2点目に、「昭和16年から19年にかけて収用された那覇飛行場用地の土地代金の具体的な支払い方法について」、国の方に何とか調査、それを取り計らってもらいたいとこういうような内容の要請を親泊市長が県知事に対して出されているんです。
そういうような経緯がありまして、嘉手納、読谷、那覇飛行場においてはいまだこの問題について何とか一日も早く解決をしてもらいたいと、このように訴え続けているわけであります。
問題の若干の概要を申し上げますと、県は実はこの問題について昭和51年の8月から52年の6月にかけて時間をかけて調査をなさっております。これが県の調査報告書です。(資料を掲示) 「昭和53年3月 沖縄県総務部総務課」というような報告書があるわけですが、これをちょっと、この方に触れた方が早いと思いますので申し上げますが、「1 調査の概要 (1) 調査の目的 この調査は、第二次世界大戦中に旧日本軍が国土防衛に必要な飛行場・兵舎・砲台等の用地に使用するため接収し、現在国有地となっている土地について、接収時の状況や経過並びに終戦後の取扱い等について明らかにするために実施したものである。」とあって、2点目に「調査の内容」、3点目に「調査の時期」──調査の時期が昭和51年8月から先ほど言った52年6月までに実施した──とこうありまして、あと「調査の方法」、「回答の状況」等もあって、「調査結果の概要」というのがあってこの中に2番目に「接収の方法」とあるんです。
これは、「当時は全て軍事優先の時代であり、土地取得に際して民法上の売買、双務契約に基づく取得とは言えず、旧日本軍による威圧的、強制的命令により接収したものであることは、元第32軍参謀陸軍中佐神直道氏の証言でも明らかである。 更に、土地代や補償金の額の算定についても当時住民の間で一般的に認められていた時価額とは程遠く旧日本軍によって一方的に決定されたものである。 また、法的手続については、所有権の移転手続が済んだと言われる宮古・八重山地域を除いて、殆んどの地域でなされておらず、旧地主達も法的手続のことは知らない者が多く、所有権の移転を認めていない。」。
これは県の調査結果の概要を私は申し上げたんです。地主が言っているんです。県の調査を言っているわけです。
4番目として「土地代・補償金の受領状況」というのがあるんです。「土地代の受領状況や補償金の受領状況については地域によってまちまちであり、更に同一地域でも地主によってそれぞれ差違がある。即ち、全額受領した地域と一部受領した地域、全然受領していない地域があり、また同一地域でも全額受領した者と一部受領した者、全然受領していない者がいる。」とこうあるんです。
さらに続けて、「土地代金や補償金を受領した人達でも、戦時資金調達に協力せよと言って強制的に貯金や国債購入をさせられ、その挙句が敗戦で貯金通帳や債権の紛失、焼失、更に米軍による払い戻しの凍結があったとのことで、結局、旧地主に残ったものは何もないという惨めな状態となっている。」とこういうぐあいに調査の結果は言っているんです。
ここにあります「戦時資金調達に協力せよ」と言って、土地代価として受け取った者もそのお金は国債でもって、この国債を渡されたとこういうことなんです。これは当時、臨時資金調整法というのがあって、この中にきちっと定められているんですね。
それから時間がありませんので先に進みますが、そして「戦後の経過」についても述べておりまして、結局戦後1951年に米国民政府によって土地所有権の調査を実施し、個々の土地について所有権を決定して証明書を発行したんです。そのときに、今言う旧地主の皆さん方は所有権の申請を同時にやったわけです。そうしたら、「旧日本軍の接収用地については、沖縄民政府の指導により、土地所有者の申請は提出しないように言われ、たとえ申請しても受付けられなかったり、受付けされたものでも保留になったりして結局所有権は認められなかった。」とこういうことです。
戦後1951年の所有権申請のときに、地主は申請に行ったけれども結局は認めてもらえなかったと、全く権利主張をしなかったんじゃないんですね。
そういうような経過を踏まえて今日では、昭和47年の復帰の際に、米国民政府の管理下から日本政府に移管されて国有地として台帳に登載されたというのが今日の状況であります。
当時復帰前に、特に嘉手納の飛行場権利獲得期成会では、日本政府に対して何とかいわゆる1951年の所有権認定の申請を断られたものですから、日本政府からアメリカ民政府の方に何とか受け付けるように働きかけてもらいたいというような要請をやったわけでありますが、当時の政府はもうこの問題は施政権が及ばない。したがって沖縄が復帰しないことには解決はできませんと、こういうことで復帰後にしかこの解決はできないとこういうことであったそうなんです。
そこで復帰後、さらに日本政府に対して特に大蔵省に所有権の返還を要請してきたわけですが、一向に事態は進展しなかったとこういうことです。
そこで、昭和52年に結局嘉手納の地主会は那覇地裁の方に所有権の確認の訴訟を提起するわけです。しかしこの裁判も結局のところ証拠不十分、今の証拠主義の司法の場においては証拠を示すことができなかったということ等もあって1951年に提訴をして以来、最終的には平成7年に最高裁で結局敗訴になった。
しかし、控訴審のときに福岡高裁那覇支部において一たん和解勧告がされるんです。和解勧告書が私の手元にコピーであるんですが、(資料を掲示) ここでは和解の内容が、「国は、本件係争地の所有権が控訴人らにあることを認める。」、つまり控訴人らは──地主らはですよ──「1、和解成立時までの賃料相当損害金等請求権を放棄する。」、「2、国のため賃借権を設定し、占有の回復は求めない。」とこういうことで、これまでの借地料は請求しないよと、放棄するよと、国に対しても所有権は我々に返ったんだからもう返せとは言わないと。賃借権を設定してそのまま飛行場用地として貸していくんだと、こういうような条件で和解したらどうかというような和解案が勧告をされるわけですが、国側がこれを受け入れないとこういうことなんです。
和解案を示した裁判官側は、その後更迭されて実は裁判官の交代があって新しい裁判官吏は、国の訴訟局というのは、要するに国が被告になって訴えられた裁判については訴訟局がいわゆる相手になって国側の弁護士の立場にあります。そういうような大阪訴訟局の局長が裁判長にかわって、その裁判長のもとに結局は棄却されるというようなことで、裁判が国の力によって指揮されてしまったとこういうような経緯があって、結局はこういうような訴訟はどうしても国側に勝てない。結局地主会は無念の思いでこの敗訴を見ることになるわけですが、やはりあきらめがつかないわけなんです。
当時のあの戦時中、昭和19年の前後、特にここに国が唯一証拠書類として提出されたのが「土地代価ノ支払ニ関スル件通牒」というのがあるんですよ。(資料を掲示) 土地代価をこのように支払いなさいということで昭和19年の10月11日付のこの日本軍から各市町村にいわゆる通知された通牒書というのがあるんです。
この中に幾つかあって、最後に「土地ノ代価ハ臨時資金調整法ニ依リ国債ノ購入又ハ長期据置貯金ヲ実施セシメ現金ノ交付ハ負債整理等特別ノ必要アル者ニ限定スルコト」と。
これはどういうことかといいますと、土地代金は臨時資金調整法によって国債で渡しなさいと。そして長期据置貯金を実施させなさいというようなことなんだ。どうしても現金をというような人は、負債のために負債整理をしなければならないという特別な事情がある人に限ってはやむを得ない、現金で渡していいけれども、そうでない人は全部国債を持たすんだとこういうようなことで、結局は仮に売買があったといって百歩譲ってこれを認めても実際の土地代価は受け取っていないとこういうことなんです。この証拠書類は大蔵省が出した証拠書類なんです。これによって売買があったんだと、唯一の証拠として売買は確かにあったんだと。ただ、代金を実際に受け取ったかどうかはまた別の次元の問題だと、こういうようなことなわけなんです。
こんなような経緯からすれば、これは地主にとってはあきらめられない。むしろ今ごろそういうのを訴訟をすると、おまえたちはユクーだなと、実際もらったのにもらってないと言っているんじゃないかというようなことで逆に悪者扱いされて大変に無念の思いでいるわけなんです。そうこうやっているうちに20年の月日が経過をして、もう40名余りの関係地主が亡くなってしまったと、こういうようなことなわけです。
そこで、あきらめがつかないわけですから、ことしの10月に嘉手納の地主会、読谷の地主会、そして那覇・小禄の地主会、この3地主会でもってこの問題の解決促進協議会を結成したんです。そこの協議会の中に8名の全国会議員が顧問として名を連ね、これの解決に努力をしていきたい、こう言っている。
そこで、結成をして大会でこの問題の解決に当たる決議書を採択をしている。これは内容を見ると、「関係地主の総意により、政府に対して本問題を本県における未解決の戦後処理事案として、旧地主の所有権回復について政治的な配慮により、本土同様に早急な解決を求めるものであります。」と、こういうぐあいにあるわけなんです。
そこで質問をいたします。
(1)、本件に対する政治姿勢について。
ア、嘉手納飛行場の所有権確認訴訟を初め同問題を抱える地主たちの心情について知事はどのように考えますか。
イ、県選出の国会議員が旧飛行場問題解決促進協議会の顧問として支援することになっているが、それに対する知事の所見を伺います。
ウ、本件は、民事上の問題であるので行政がかかわる問題ではないとお考えですか。
(2)、戦後処理問題について。
ア、戦後処理問題について見解を伺いたい。
イ、戦後処理問題の事案について説明を願いたい。
(3)番目に、今後の対応について。
ア、政府において本件についての客観的調査を早急に実施してもらいたい。
イ、本件を戦後処理問題として位置づけ、政治的に解決を図る決意を表明せよということにいたします。
議会に対しても請願が出されて29名の議員が紹介議員として名前を連ねました。私たちは、これから所管委員会で議論をするわけでありますが、できるだけ議会としても全議員の賛同をいただいて意見書採択を早い時期にして、議会としても要請行動ができればと、このように本員は考えております。
どうぞ地主の心情も考えながら、ぜひとも解決に一汗も二汗もかいていただきたいことをお願いを申し上げまして質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 具志孝助議員の御質問にお答えいたします。
旧飛行場用地問題について、1の嘉手納飛行場の所有権確認訴訟を初め同問題を抱える地主の心情についてどう考えるか、次の県選出の国会議員全員が旧軍飛行場用地問題解決促進協議会の顧問として支援しているが、それに対する所見を聞きたい、次の本件は民事上の問題であるので行政がかかわる問題ではないと考えているのかどうか、この3つの御質問を一括してお答えいたしたいと思います。
戦後55年の長期間にわたって旧日本軍に接収された土地の所有権回復を求めてこられた旧地主の方々の心情と御苦労については、県としても十分に理解し認識しております。
また、今回全県的な団体として沖縄県旧軍飛行場用地問題解決促進協議会が結成され、県選出の国会議員全員が協議会の顧問に就任されていることについては県としても重く受けとめております。
県としては、旧地主の方々及び県民の意向並びにこれまでの経緯を踏まえ、この問題に関して今後どのような対応ができるのか検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 具志孝助議員の旧飛行場用地問題についてのまず1点目の、戦後処理問題について見解を聞きたいという点と、戦後処理問題の事案について聞きたいと、この2点について一括してお答えをいたします。
いわゆる「戦後処理問題」とは、第2次世界大戦を原因として生じた諸問題を一般的に指し示す言葉として用いられていると理解しております。
また、本県における「戦後処理問題」の事案としては、八重山地域マラリア死没者慰藉事業、対馬丸遭難学童の遺族に対する特別支出金の支給及び戦没者洋上慰霊祭、厚生年金の格差是正、不発弾処理事業等が挙げられると理解しております。
次に、同じく旧飛行場用地問題についての中の、国に対し本件に関する客観的調査を早急に実施するよう求めてはどうかという点と、本件を戦後処理問題として位置づけて政治的に解決を図る決意を表明してほしいがどうかという2点について一括してお答えいたします。
先ほど知事が答弁されたとおり、県としては旧地主の方々及び県民の意向並びにこれまでの経緯を踏まえ、この問題に関して今後どのような対応ができるのか検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明12日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時48分散会