平成12年(2000年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 12月12日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案、乙第1号議案から乙第22号議案まで及び認定第1号から認定第20号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂井民二君。
   〔坂井民二君登壇〕
○坂井 民二 6月の代表質問以来半年ぶりの質問ですので、どうぞ当局のいい答弁をよろしくお願いしたいなというふうに思います。
 通告に従い一般質問を行いたいと思いますが、その前にさきの那覇市長選挙の所感を述べてみたいと思います。
 今回の那覇市長選挙は、保守系の翁長さんが勝利し、32年ぶりに革新市政からの奪還をなし遂げました。翁長さんは、政策に今焦点となっている那覇港湾施設の浦添市への移転促進を掲げ当選を果たしました。このことは、今度の選挙結果は、目下その作業に一生懸命取り組んでいる稲嶺県政への一定の信任であるともとらえることができるのではないかと考えます。そういった意味では、稲嶺知事は自信を持って政策遂行に邁進していただきたいと思います。またその勢いをぜひとも年明け早々に行われる浦添市長選挙につなげ、那覇港湾施設の浦添市への移設促進が進展するよう期待したいと思います。
 さて、本題に移りたいと思います。
 森総理は去る6月の地方講演の中で、行政改革の一環として中央省庁の外局を地方に分散する案を検討していることを明らかにし、その中で気象庁の移転先として沖縄を挙げていました。私はとてもいいアイデアであると思います。台風の最も多い沖縄は、ある意味では最も気象庁にお世話になっているとも言えるからです。
 自然災害で最も恐れるのは地震であり台風であります。地震は予知困難であり、ほとんど防ぐすべがありませんが、台風は観測レーダーによってほぼ正確に進路をとらえることができ、高い確率で被害の拡大防止を予防することが可能になっております。ある意味で沖縄は気象庁のお世話になっており、気象庁と沖縄県民は切っても切れない密接な関係にあると言えます。それからしますと沖縄は移転先として適地であり、森総理の案は沖縄県民にとって歓迎すべきことではないかと考えます。
 そこで、気象庁の沖縄移転について国に対して誘致を働きかけてほしいと思いますが、知事の所見をお聞きしたいと思います。
 次に、ポスト3次振計についてお伺いします。
 現行の第3次沖縄振興開発計画、すなわち3次振計は平成13年度でその期間が終了します。今、県においては3次振計にかわる新しい振興開発計画の策定作業を進めているところであると聞いております。
 沖縄の振興開発については、これまで3次にわたる振興開発計画に基づき社会資本整備を中心に約6兆円の国費が投じられたと言われております。確かに道路、農業基盤、学校施設などの分野では整備率で本土に並び計画目標をほぼ達成した事業もあるやに聞いております。
 しかしその一方で、統計を見てもわかるように県民所得の本土との格差はなかなか埋まらないのが現状であります。社会資本整備と県民所得の向上がこれまでの振計の2大柱であったと思います。社会資本の整備はまあまあの水準まできましたが、県民所得の方はといいますと、はかばかしい成果は得られていないような感じを受けます。だとすれば、県民所得の向上を図るための方策が今県に求められていると考えます。この点は、3次振計で目標を達成できなかった分野として十分な点検を行い、その反省に立って次の振興開発計画の策定に当たっては最も力を入れるべき事項であると考えます。
 そこで、次の3点についてお尋ねします。
 3次振計の現時点における成果と課題について。
 ポスト3次振計の基本的な考え方について。
 ポスト3次振計における宮古圏域の方向性について。
 次に、阪神タイガースの下地町でのキャンプ実施についてお尋ねします。
 先日の宮古地元紙によると、阪神タイガース球団が来年の春季キャンプを下地町で行うことを内定したということであります。キャンプは来年2月1日から14日まで、一軍で活躍する投手陣、コーチなど約20人が行う予定で宮古郡民にとっては大きな朗報であります。阪神は、人気球団であるだけに子供から大人までその日が待ち遠しい思いであろうことは想像にかたくありません。今回の内定は、子供たちに夢と希望を与えるとともに、宮古の経済、観光振興にも大きな効果が期待されます。
 一方、キャンプの実施に当たっては、球団側から球場整備やブルペン設置など早急な施設整備を求められております。下地町では、球団側が要望する条件に沿って整備を急ぎ、受け入れ体制に万全を期したいとしております。私としては、下地町と連携をしながら平良市のオリックスキャンプ地と同様、本格的キャンプのできる施設の充実に努めたいと思っております。
 御承知のとおり、現在、県内では6球団がキャンプを実施し、宮古はオリックスのキャンプ地でもあります。またハイサイリーグも県バックアップのもとに行われており、5年前のオリックスの日本一優勝効果も加わってキャンプ地としての沖縄及び宮古の知名度は大きくアップしました。中でも我が宮古は、トライアスロン大会とともにスポーツアイランドとしての地歩を確立することに成功したと思っております。
 オリックスの例でもわかるように、プロ球団のキャンプ実施は経済振興、観光振興、子供たちへの教育効果など多岐にわたり大きな効果をもたらします。これにオリックスに次ぐもう一つのプロ球団として人気球団の阪神タイガースのキャンプ実施が加われば、宮古の振興発展を図る上ではかり知れないものがあると思います。1球団でも多くのプロ球団が沖縄でキャンプを実施するようになれば沖縄の知名度がアップし、観光客の増加につながるものであります。観光立県を目指す本県にとってはプロ球団の県内でのキャンプ実施は大いに歓迎すべきであり、誘致を積極的に推進すべきであると考えます。
 このような観点から、下地町での阪神タイガース球団のキャンプ実施について県として予算面も含めた支援策は考えられないか、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 さて次に、航空大学誘致についてお伺いします。
 この問題については、私は去る6月の代表質問でも取り上げましたが、ここでも再度取り上げていきたいと思います。
 宮古の振興発展を図る上で航空大学の誘致は最も大きな効果が期待されるからであります。とりわけ、1つ、下地島空港及び空港残地の有効活用、2つ、大学の設置による人口流入及び周辺産業の育成、3つ、伊良部架橋とのリンクによる宮古圏域の振興策の起爆剤といった面での効果が大きいと思われます。下地島空港及び空港残地の有効活用については、空港を管理する県にとっても大きなメリットであると考えます。
 宮古では、地元伊良部町のみならず全市町村、経済界、観光協会、青年会議所等の各団体が誘致を決議し、これらの団体を網羅しての誘致期成会もこのほど発足しました。
 また私は参加できませんでしたが、きのう、地元宮古では航空大学誘致郡民大会が開かれ、誘致実現への機運が大いに盛り上がっております。伊良部架橋にも劣らぬ郡民の熱意に、誘致期成会の発起人の一人として意を強くしているところであります。
 ところで、去る9月に私は砂川佳一県議とともに宮古商工会議所会頭を初めとする宮古の重立った経済団体の代表らとともに、山梨県と北海道にある日本航空学園の施設を視察してきました。まさに百聞は一見にしかずで、今度の視察で多くの刺激を受け、誘致実現への意欲が沸いてきました。そして同学園卒業生の高い就職率を見て、航空産業における人材のニーズは高く、航空産業を担う人材の育成はますます重要であるということをメンバー全員が痛感し、ぜひとも航空大学の誘致を実現させたいとの決意を新たにしております。
 応対してくれた日本航空学園の梅沢重雄理事長は、空港に隣接しているという点で伊良部町は立地的に申し分ないと思う。ただ、誘致に当たっては県が誘致の方向性をきちんと示してもらうことが必要であると学園側の考えを説明し、誘致に当たっては県のリーダーシップが必要であることを強調しておりました。
 幸い、こうした私たちの要望にこたえる形で県は去る10月に国、県、伊良部町の3者から成る航空大学設立検討委員会を設置することを決定するとともに、早期に検討委員会メンバーの人選を行い次第、課題等の検討に入りたいとの意向を示しました。
 そこで、次の3点について質問をいたします。
 航空大学設立検討委員会の人選はどうなっているでしょうか。また初会合の時期はいつごろを予定しているのか。
 2、さきのポスト3次振計の質問とも関係しますが、ポスト3次振計における宮古圏域の振興策に航空大学の誘致を盛り込む考えはないか。
 3つ目に、県でも先日、山梨県にある航空大学校を視察してきたと聞いておりますが、視察の内容を含めた感想をお聞かせ願いたい。
 次に、県立宮古病院の移転新築について、私としてはこの問題は今宮古圏域が当面する重要課題の一つでありますので、実現へ向けて機会あるごとに取り上げていきたいと考えております。
 御承知のとおり、この問題では宮古市町村会を初め商工会議所、青年会議所、観光協会及び婦人団体の代表がこれまで再三にわたり知事に対して要請を行ってきたところであります。去る12月1日には、宮古病院移転改築早期実現実行委員会の代表らが3万3526人の署名を添えて要請を行い、稲嶺知事から平成13年度予算で調査費を盛り込むとの明確な回答をいただきました。9月補正予算でのMRI設置費の計上とともに我々の意を酌んでいただいたものとして改めて敬意を表するものであります。
 3万人余の署名に見られますように、設備の老朽化、敷地の狭隘化から一日でも早く移転新築に着手してほしいというのが郡民の総意であり願いであります。12月1日の知事の回答に対して、地元では事業化への一歩として早期実現への期待が大きく膨らんでおりますが、お聞きしたいと思います。
 この調査の目的、内容はどのようなものか。
 予算規模はどれぐらいを見込んでいるか。
 調査後のスケジュールはどうなっているのか、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、平良市大浦湾の赤土流出問題を取り上げたいと思います。
 11月上旬の大雨によって養殖モズクの産地である平良市大浦湾一帯が赤土で汚染され、養殖モズクに被害を与えております。私も現地に行ってきましたが、大量の赤土が流出していてひどい汚れようでした。特に養殖モズクへの被害は大きく、生産者の方たちは一様に落胆を隠せない様子でした。
 現地の人の話などを聞いていろいろ調べてみますと、発生源は湾岸沿いの土地改良区域内からの流出であることが判明しました。この土地改良区域からの排水は、区域内に新しくできたばかりの農業用排水路を経由して大浦湾に注ぐようになっているわけですが、その農業用排水路の工事の際に赤土流出防止策が不十分だったのではないかと思われます。
 これらの工事は県、市町村などが発注する公共工事であり、そうだとすれば行政側に原因があるのではないかということにもなります。いずれにせよ防止対策が不十分であったことが被害拡大につながったものと思われます。
 今回は、県の赤土等流出防止条例が適用されるケースのはずですが、条例に基づいて工事が行われたのかどうかも疑問であります。宮古では、これまで今回のように深刻な赤土流出汚染の例は余り見られなかったせいもあってか、その面の対策がおろそかにされてきたのではないかとも懸念されるところであります。いずれにしましても早急な対策が求められていることははっきりしています。
 そこで、この問題については県も現地を視察し汚染状況を把握していると思いますが、何が原因だと考えているか。また今後どのような防止策を講じていくのか、県の考えをお伺いしたいと思います。
 次に、宮古支庁長の権限強化についてお尋ねしたいと思います。
 宮古・八重山両支庁長職については、平成8年にそれまでの次長級から部長級への格上げが行われ、それに伴って支庁長への大幅な権限委譲が行われたと聞いております。
 これからは地方分権が本格化してきます。地域のことは地域で考え、決定し、地域住民みずから実行していくことが求められてくるわけですが、そうなりますと支庁の果たす役割はますます重要になってきます。とりわけ今後は地域の総合的な調整機能が支庁には求められるのではないか。その機能が十分に発揮されるためには、地域のグランドデザインの策定やそのための予算要求機能が必要であると考えます。
 調整機能という面では、宮古病院の移転改築がよい例であります。宮古病院の基本構想は、宮古圏域全体にかかわる課題であるとして下地宮古支庁長の諮問のもとに6市町村長や関係団体の代表者らが集まって検討を重ね、郡民合意形成が図られ、解決策を示すことができました。支庁長には今後こういった調整機能をもっと発揮してもらいたい。
 一方、地域のグランドデザインを策定するためには地域住民のニーズ等を把握するための調査が必要となってきます。しかし調べてみますと、こうした支庁独自の調査費が今の支庁予算には欠けております。事業化が決定している予算については、所管部局が予算要求して支庁へ分任執行するという制度はやむを得ないにしても、地域固有の課題に迅速かつ柔軟に対応していくためには支庁長が独自に調査や事業を行うための予算枠の確保が重要であると考えます。
 そこで、支庁長の権限強化を図る観点から次の2点についてお尋ねします。
 所管部局経由予算とは別に支庁長予算要求枠を拡大し、例えば地域振興調整費といった予算項目を新たに設けることはできないか。
 2番目に、市町村の手続負担の軽減のためにも支庁長への権限委譲の拡大は考えていないか、お聞かせ願いたいと思います。
 最後になりますが、平良市西辺地区への県営住宅建設についてお尋ねします。
 西辺地区住民からは、若者の著しい人口流出に歯どめをかけようと県営団地の建設を求める強い要望があります。西辺地区にはアパートがなく、市営団地も満杯状態で若者が住もうにもかなわない状況であります。そのため若者の流出はふえる一方で、伝統文化継承者不足、児童生徒の減少といった問題が生じております。住民にとって過疎化により失われつつある地域の活力を何とかして防ぎたいと思うのは人情であります。また行政には、こうした過疎化問題についてさまざまな面からの検討が必要であると考えます。
 そこで、過疎事業の一環として西辺地区に県営団地を建設する考えはないか、お聞かせ願いたいと思います。
 以上で一般質問を終わります。いい答弁をよろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 坂井民二議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、気象庁の沖縄移転についてであります。
 気象庁の移転先として沖縄を挙げているが、国に対して誘致を働きかけてほしいがどうかとの御質問にお答えいたします。
 気象庁が本県に移転することは、台風銀座と言われている本県にとって大きな意義を持つものと考えていますが、中央省庁の地方への移転につきましては全体的な構想の中で今後議論されていくものと思われます。
 御提案の気象庁の本県への誘致の働きかけにつきましては、引き続き関心を持って情報を収集していきたいと考えております。
 次に、ポスト3次振計について、3次振計を総括しての成果や課題について、ポスト3次振計の基本的な考え方についての2点を一括してお答えいたします。
 3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策が推進された結果、社会資本の整備を中心に着実な成果を上げ、各面における本土との格差は次第に縮小するなど本県の経済社会は着実に発展してきております。
 一方、本県経済は、財政に依存した脆弱な経済構造となっており、依然として厳しい状況にあります。
 また、アジア・太平洋地域における協力・交流拠点としての整備も十分ではありません。加えて本県にはなお広大な米軍施設・区域が存在しており、大きな負担を背負っております。
 このようなことを踏まえ、新たな沖縄振興計画の県案策定に向けては民間主導型の経済の構築、アジア・太平洋交流拠点の形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造及びそれぞれの特性を生かした各地域の均衡ある発展などを施策の柱として検討してまいりたいと考えております。
 次に、阪神タイガース球団が下地島での春季キャンプを検討しており、同町でも誘致する方針を示していると、その実現に向け県としても支援策は考えられないかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
温暖な気候に恵まれた本県は、冬場における各種スポーツの合宿・キャンプのメッカとなっており、スポーツコンベンション・アイランドとしても脚光を浴びています。そのようなことから、プロ野球についてはセ・パ両リーグ12球団のうち6球団が本県でのキャンプを実施しているところであります。
プロ野球のキャンプは、本県のスポーツの振興だけでなく、青少年の育成や観光の振興に多大な貢献をしており、県としても今回の下地町での阪神タイガースのキャンプに大きな期待を寄せているところであります。今後、阪神タイガースのキャンプに伴う受け入れに当たっては、県としてどのような支援・協力ができるか検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) ポスト3次振計の中で、ポスト3次振計における宮古圏域の方向性についてお答えいたします。
各圏域の振興については、新たな計画の中でこれまで以上に圏域別の振興方向及び振興策を明確に位置づける必要があると考えております。このため宮古圏域においては、現在、域内市町村及び広域市町村圏事務組合等の意見を踏まえ、同圏域の振興方向及び振興施策の検討を進めているところであります。
なお、県の第3次振計総点検報告書においては、今後の宮古圏域の振興の方向性として全国的なスポーツイベント等を活用した地域づくりを初め、地域特性を生かした農林水産業の振興、長期滞在型、保養型の観光・リゾートの開発、離島架橋の整備などを主要な検討課題としております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 航空大学誘致についての御質問で、県は去る10月に航空大学設立検討委員会(仮称)についてメンバーの人選はどうなっているか、また初会合の時期はいつごろを予定しているかについてお答えをいたします。
 航空大学設立基本計画検討委員会(仮称)については、現在、事務局である伊良部町において設置に向けて取り組んでいるところであります。県においては当該委員会の設置の趣旨、委員会の構成、委員会のスケジュール等について助言を行うほか、下地島空港残地有効利用連絡会議を数度にわたり開催し、意見交換を行う等伊良部町の取り組みを支援しているところであります。現在、伊良部町において人選の検討を行っており、委員の構成としては国、県、宮古圏域の関係行政機関、学識経験者、有識者、宮古圏域の経済団体等の関係者の中から人選する予定であると聞いております。
また、第1回委員会は、伊良部町では平成13年2月中には開催できるよう準備を進めているとの連絡を受けておりますが、県としても伊良部町の意向を踏まえ、早期に開催できるよう支援を行っていきたいと考えております。
 航空大学誘致について、ポスト3次振計における宮古圏域の振興策に航空大学の誘致を盛り込む考えはないかについてお答えをいたします。
 下地島空港及び周辺公有地の利活用については、空港機能と空港周辺公有地を活用した振興開発に大きな期待を寄せ、これまで第2次及び第3次の沖縄振興開発計画に位置づけるとともに、平成10年3月には下地島土地利用基本計画の見直しを行い、伊良部町が実施しているコミュニティーアイランド事業及び都市農村交流施設整備事業、パブリックゴルフ場整備事業等を支援しているところであります。
 下地島空港及び周辺公有地を活用した振興開発については、今後の伊良部架橋建設と相まってはかり知れない可能性を有していることから、新たな沖縄振興計画の主要プロジェクト「下地島空港周辺公有地有効活用促進事業」として位置づけるべく作業に取り組んでいるところであります。
 なお、ポスト3次振計における宮古圏域の振興策に航空大学の誘致を盛り込むことについては、検討を要する多くの課題があることから、現在、伊良部町において設置を進めている航空大学設立基本計画検討委員会(仮称)での検討状況等を見守りながら対応してまいりたいと考えております。
 同じく航空大学誘致についての御質問で、県では先日、山梨県の航空大学校を視察したと聞いているが、視察の内容及びその感想についての御質問でございます。お答えをいたします。
 学校法人日本航空学園については、去る11月30日から12月1日までの2日間、職員2人を派遣して山梨県にある日本航空高等学校、日本航空大学校を視察・調査いたしました。視察・調査では、当学園理事長を初め校長が対応され、入学状況、卒業後の就職状況等の説明を受けるとともに、学校施設を視察させていただきました。
 日本航空高等学校の卒業生は、推薦入学制度を活用してその80%が当学園の日本航空大学校及び北海道にあります日本航空専門学校へ進学している状況にあります。
 また、日本航空大学校については、4年課程の実践教育が高い評価を受けており、卒業生のほとんどが航空整備士及び2級自動車整備士の資格を有していることから、企業にとって即戦力になる人材の供給を長年にわたって担ってきた実績もあって、最近の就職難にあってもほとんどの卒業生が就職しているとの説明がありました。
 本学園は、昭和7年建学以来70年近くの歴史と伝統を誇る空のスペシャリストを養成する教育機関であること、また自由と規律の校風、知識、技術、精神を習得した人間性豊かな人材育成の建学の精神を日々徹底して実践されております。将来においては高校、専門学校、大学の一貫教育の構想を持っており、航空分野の人材育成・教育に対する熱意を感じているところであります。
 次に、宮古支庁長の権限強化についての御質問でございます。
 所管部局経由予算とは別に支庁長予算要求枠を拡大し、新たな予算項目を設けることについてお答えをいたします。
 宮古支庁の予算は、関係各部経由で予算計上したものと支庁独自で予算計上したものから成り立っております。支庁は、沖縄県財務規則第2条で部局扱いになっており、他の出先機関と異なり支庁独自で予算要求することができることになっております。
 宮古支庁においても平成12年度の独自の予算として宮古地域振興事業費1292万円を予算計上し、花の宮古づくり事業及び宮古商工観光振興事業等を実施し、宮古地域の固有な課題に取り組んでいるところであります。今後も引き続き関係各部経由予算も含めて地域の振興につながる事業の予算化に支庁とも連携を図りながら努めていきたいと考えております。
 同じく宮古支庁長の権限強化について、市町村の手続負担軽減の観点から支庁長への権限委譲拡大は考えていないかについてお答えをいたします。
 平成8年度における組織改正により他部の出先機関を支庁に統合し組織を拡充するとともに、支庁長を次長級から部長級に格上げし権限の強化を図っております。また、平成9年度には新築した支庁庁舎へ一堂に入居したことから支庁各課の相互連携が図られ、圏域内の県行政の一体的推進に取り組んでいく基本的な体制が整備されております。
 この体制の中、支庁では圏域に係る行政課題解決への総合調整機能の発揮等により圏域の地域振興に一定の成果を上げているところであります。また支庁の体制が強化されたことに伴い、市町村からは県への行政手続等が円滑に進むようになったとの評価を得ているところであります。今後も地域住民のサービス向上等が図られるものについては支庁長への権限の委譲を推進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 宮古病院の移転改築についての御質問で1点目、来年度予算に予定している調査費の目的、内容はどのようなものか、2点目、予算規模はどのぐらいを見込んでいるか、3点目、調査後のスケジュールはどうなっているかとの3点の御質問ですが、一括してお答えいたします。
 宮古病院は、宮古圏域において一般医療を初め救急医療や離島・僻地医療などさまざまな医療ニーズにこたえながら地域中核病院としての役割を果たしてきたところであります。近年の医療環境の大きな変化の中で医療の高度化、専門化など地域の医療需要にこたえるためには、現在の宮古病院の施設を整備していく必要があると考えております。
 このような状況の中で改築整備に当たっての宮古病院の機能、役割等を判断する基礎資料とするため、平成13年度に「医療環境等の実態を把握する医療需要動向調査費」の予算計上を予定いたしております。
 当該調査の主な内容といたしましては、1点目、宮古圏域における人口構造や住民の疾病構造の分析、2点目、宮古圏域から圏域外病院への患者の受診動向、3点目、宮古圏域における他の医療機関の状況などであります。
 予算額につきましては、当該調査に必要な予算の積算作業を現在しているところでありまして、所要額を計上していきたいと考えております。
 また、調査後のスケジュールとしましては、今後設置予定の「宮古病院改築検討委員会」(仮称)の中で当該調査結果を踏まえながら宮古病院の機能及び規模等について十分な検討を行い、現在検討が進められている南部医療圏における高度多機能病院の建設の進捗状況を勘案しながら早期に着工できるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 平良市大浦湾の赤土流出問題について、11月上旬の大雨で平良市大浦湾一帯が赤土で汚染されモズク養殖に大きな被害が出ました、県では何が原因で赤土が流出したと考えていますか、また今後どのような防止策を講じていくのかとの御質問にお答えします。
 平良市大浦湾の赤土等汚染の原因は、11月5日から6日にかけて123ミリメートルの豪雨があり陸域からの濁水によるものであります。
 県としては、モズクへの被害防止のため応急的対策として汚濁水拡散防止フェンスを設置しております。また現在、県、平良市、漁協、土地改良区で構成する「大浦湾海域赤土等流出防止対策連絡協議会」を設置し防止対策に取り組んでいるところであります。具体的対策としては沈砂池、グリーンベルト等の設置、農地の適正管理、指導の強化、流域の水系調査などを実施する計画であります。
○土木建築部長(銘苅清一) 平良市西辺地区に県営住宅を建設する考えはないかとの御質問にお答えいたします。
 本県の公営住宅の建設については、沖縄県住宅建設五箇年計画に基づきそれぞれの地域の住宅需要に応じて県と市町村が連携して実施してきたところであります。公営住宅の建設については、沖縄県住宅マスタープランの基本理念に基づきそれぞれの地域における住宅事情をきめ細かく把握している各市町村が行うことが望ましく、県営住宅は広域行政の見地からその補完的役割を担うこととしております。
 また、県営住宅整備事業については既存団地の老朽化が著しく狭小な住戸を持つ団地の建てかえが緊急な課題となっていることから、新規団地建設を抑制し建てかえ事業に重点を置くこととしております。宮古地域における公営住宅建設事業は、平成11年度から平成13年度の期間において県営平良団地を180戸に建てかえる計画であります。
 御質問の平良市西辺地区への新規県営住宅建設につきましては、県の財政事情は厳しい状況にありますが、宮古圏域の住宅需要の動向、市営住宅の供給計画等を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○糸洲 朝則 通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。
 まず、基地問題について伺います。
 私は、去る7月29日から8月27日までの約4週間、米国務省のIVP(International Visitor Program)、いわゆる米国務省教育文化局による外国からの視察団のためのプログラムに小渡議員、そして安次富議員とともに参加をいたしました。その所感の一端を申し上げて提案をし、また御質問をいたしたいと思います。
 米国においても軍縮の流れ、国防費の削減、軍事技術の進歩等によって基地の再編に伴う整理縮小、統合による基地閉鎖がこの10年間で80カ所余りに達しております。これらの閉鎖された基地跡地はさまざまな形で開発され、経済振興を初め多くの成果を上げております。
 一方で、基地閉鎖に反対し基地を存続させた地域もあり、これらの地域は基地の存在が地域住民の生活や経済振興に大きな影響を与えていることもあって、基地と地域住民はお互いに理解し認め合う良好な関係にあります。
 さて、沖縄県における基地問題は多くの課題を抱えておりますが、中でも基地の整理縮小、地位協定の見直し、この2つは当面の重要課題であるとこのように考えております。要は、課題解決に当たって中長期的展望を含めたスタンスとその手法が大事であろうかと思います。いわゆる世界情勢の変化、軍事技術の進歩等さまざまな要因で基地の変貌は大いにあり得ることであり、沖縄の基地も例外ではないと考えます。したがって課題解決へ向けた日米両政府の日常的に本音での対話による信頼関係を築くことが重要かと考えます。沖縄県においても外交・防衛問題だからといって国に任せるのではなく、日米両政府を初め両国の各界各層との対話による問題解決に取り組むことが望まれると思います。
 また、地元における米国領事館や米軍関係者との日常的な対話による課題解決を精力的に進めることはできないだろうか。特に地位協定の見直しについてはお互いの理解と信頼関係を築くことができれば公平な協定へと改定できるのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
 日米両国と沖縄県の各界リーダーが国を超え、立場を超えて対話をし、信頼関係を築くことが基地問題を初め山積する多くの課題解決の第一歩であるとの考えを述べまして、知事のこれまでの取り組みと成果について伺います。
 次に、米軍基地の過重負担というマイナス要素を逆手にとりまして英語先進県、英語立県を目指してはどうかと思います。これからの時代は英語ができないというだけで相当なハンディになります。国際化、インターネットの普及等によって仕事や社会生活を送っていく上でますます必要になってきます。しかしながら日本人は英語が下手であると言われております。
 例えば、ある調査によりますと日本人の英語の実力は世界160カ国中150番目、アジア26カ国中二十四、五番目だそうであります。こうした事態を改善するには英語を母国語とする先生による英語教育を小学校から取り入れる以外に方法はないと、こういう多くの指摘もされており、私もそのように感じております。
 さて、そこで沖縄には米軍基地が存在するがゆえに英語を母国語とする人たちが数多くおります。こうした環境を生かした沖縄振興策の一環として、教育面での一国二制度的な英語教育による英語立県を目指してはどうかと御提案を申し上げ、知事の御所見をいただきたいと思います。
 また、そのこととあわせて日米両政府に要請されてはどうかということについても知事に伺っておきます。
 あわせて、先日マスコミで中頭教育事務所管内での在沖米軍関係者等による英語ボランティア拡充の記事が紹介されておりましたが、このような事業を今後さらに拡大していく考えはないかどうかについても伺っておきます。
 2番目に、那覇港湾整備計画について伺います。
 先日、県が進めてきました那覇港湾計画の調査がまとまったとの報道がありましたが、沖縄の将来像に大きな影響を与える重要なインフラ整備事業の一つであるだけに県民の期待も大きいものがあります。
 そこで伺いますが、(1)つ、那覇港国際流通港湾計画調査報告書の概要について御説明をいただきたいと思います。
 (2)つ目に、整備計画決定に至るまでの今後の作業計画及び見通しについて伺います。
 (3)点目に、那覇軍港の移設を視野に入れた整備計画なのか、もし那覇軍港を移設するとすれば今後どのような手順で進められるか、御説明をいただきたいと思います。
 (4)点目に、県、那覇市、浦添市による一部事務組合の設立がおくれているが、その理由及び今後の見通しについて、また整備計画との整合性について伺います。
 3番、文化振興についてお尋ねをいたします。
 かつて庶民の娯楽として親しまれてきた沖縄芝居が低迷をしております。時代の変化の中でさまざまな要因があってのことだろうが、いま一度沖縄芝居を復興させることも沖縄の文化振興の一つであるとの思いから質問をいたします。
 まず(1)つ目に、現状を認識する意味から沖縄芝居の現状を御説明いただいた上で、さらに今後の展望について伺っておきます。
 (2)点目に、沖縄芝居について県はどのように認識をされ、またどのような対応をなされているか、御説明をいただきます。
 (3)点目に、沖縄芝居の復興を推進する観点から、現在行われております県民劇場開催数をもっとふやせないものか。また移動県民劇場についても開催地と提携してもっともっと多くの地域で開催できないか、県の取り組みについてお伺いをいたします。
 (4)点目に、沖縄芝居振興基金(仮称)を創設し、沖縄芝居の復興を促進してはいかがなものかと思います。この点についても御所見を賜りたいと思います。
 4番、教育行政について伺います。
 沖縄のことわざを解説した本の一部を引用させていただきますが、沖縄のことわざに「生まり島ぬ言葉忘ねー、国ん忘ゆん」ということわざがあります。これは、
  「生まれジマの言葉(を)忘れたら、国(を)忘れる。アキサミヨー、シタイヒャー。驚いたとき、うれしいとき、思わず飛び出す言葉がある。それはたいてい生まりジマの言葉であり、自分を育んできたふるさとの表現である。人は親の言葉を通して様々なことを学び、自然や社会を理解していく。親の言葉はシマ(村落)の言葉であり、そこにはその地で暮らしてきた祖先の心が息づいている。だからシマの言葉を忘れると言うことはふるさとを忘れることであり、自分の祖先や親兄弟を捨てたと同然であると言う。幼いころから慣れ親しんできた言葉。それを記憶から消し去ることは普通ありえないもの。この黄金言葉(くがにくとば)の伝承は、そのような事態が生じたことを示している。琉球方言には、方言札などによってその使用を禁止された歴史がある。廃藩置県後、皇民化教育や同化政策、標準語励行運動が激しく展開され、その結果、方言蔑視や郷土否定の風潮を生んだ。「うちなーむのーむる捨てぃれー」。そんな時代がかつてあった。シマの言葉は自分と親兄弟、祖先をむすぶ大切なもの。それを忘れてしまったら、そこにはもう人間性がない。ウチナーンチュの心を捨てたと同じである。だから生まりジマの言葉を忘れてはならない、自分を捨ててはいけないよということ。言葉に対する先人の思いが伺える黄金言葉。ウチナーンチュなのにシマの言葉をばかにして、嫌がって話さないものを批判する場合などに用いられる。」
 こういう解説があります。
 このように島言葉、方言の喪失を戒めておりますが、我々の日常生活の中では余り使われなくなった方言をこのままでよいだろうかと疑問を持つのは私一人ではないと思います。多くの県民が方言のなくなることを心配されているとの思いから質問をいたします。
 (1)つ、沖縄各地の方言について、教育行政の立場からどのように認識されておられるか。また将来、方言はどうあるべきか、またどのようになるのか、お考えを伺いたいと思います。
 (2)点目に、沖縄芝居と方言との関係をどのように考えておられるかについても伺っておきます。
 次に(3)点目には、港川原人遺骨の沖縄への返還についてでございますが、これまで何度か取り上げてきております。したがってこの港川原人遺骨の沖縄返還を含めた保存・研究体制について御説明をいただきます。
 あわせて発掘作業についても御説明をいただきたいと思います。
 5番目に、雇用問題について伺います。
 沖縄の若年層の失業率が高い要因に新規卒業者を採用したときの教育費の問題や、せっかく一人前にしたのに別の会社に引き抜かれるなど定着率の低さも指摘をされております。これらの課題をクリアしてなおかつ若年層の採用を促進するために、沖縄独自の「新規学卒採用企業への助成」制度の創設をしてはどうかと提案をしますが、県の考えを伺います。
 (2)点目に、現在の若年者雇用開発助成制度がありますが、地元企業には活用しにくいという声があります。したがってこのことを改善される県の考えはないのかどうかについても伺っておきます。
 6番目に、離島振興について伺います。
 離島振興及び活性化の要因に若者の定住が挙げられます。そのためには生活の糧となる仕事であり、住宅、娯楽等いろいろございますが、中でも住宅の確保は大変困難であります。仕事もあり、島に戻りたいが住居がない。離島には都市地区のようなアパートもないのが現状であります。
 こうした状況を踏まえ、多良間村では村営住宅を毎年4戸ずつ建設しておりますが、需要に追いつかず現在でも十五、六世帯の待機組がいるとのことであります。離島振興の観点からも、若者を定住させ島を活性化させるためにも住宅の提供は最重要課題であります。
 したがって、村営住宅に加えて県営住宅の建設が要請されておりますが、県は住宅マスタープランの中で既存の県営住宅の建てかえを重点にしているとの理由で離島への新規住宅の建設を拒んできております。いわゆる新たに土地を購入して建設するには財源確保が困難であるとのことですが、離島には空き屋敷も多く、土地代とて都市地区に比べればただ同然の安さであります。
 ちなみに、新多良間空港の用地33万5665.81平方メートルで2億9684万2544円、何と坪単価1万円にも足りない安さであります。したがって土地代云々は理由になりません。
 また、既存の県営住宅のない離島において建てかえ事業が該当せず、この理屈でいきますと県営住宅建設は不可能だとこうなるわけでございます。しかしながら離島振興を促進するためにも住宅の提供、いわゆる県営住宅の建設は当然推進されなければならないと考えますが、いかがでしょうか、地域・離島振興局長の見解を伺います。
 また土木建築部長には、こうした状況を踏まえマスタープランの見直し、あるいは特例措置をもって対応できないか。中でも多良間村における村営住宅4戸に加えて県営住宅6戸程度の建設を次年度から予算化されますよう、村民にかわって強く訴えるものであります。前向きの御答弁をお願いいたします。
 また、離島における県営住宅の現状についてもどうか、御説明をしていただきたいと思います。
 次に、離島における水泳プールの建設についても以前取り上げましたが、教育環境の格差をどう考えられますか。
 また、プールのない離島での水泳指導はどのように実施されておりますか、御説明をいただきたい。
 私は以前、一般質問で取り上げたときも申し上げましたが、多良間小学校の子供たちが修学旅行の折、北谷町の小学校で洋服を着たままプールではしゃいだ話が忘れられません。何とかこの格差を是正し、少しでも平等な教育環境を整えてあげたいと思うのは当然過ぎるほど当然だと思いますが、いかがでしょうか、教育長の御答弁を求めます。
 また、離島振興の立場から、島民の健康管理の観点からプールは必要であります。いわゆる村民みんなで利用できるプールを建設することも一案だと考えますが、いかがでしょうか、地域・離島振興局長の御所見を伺います。
 最後に7番、災害対策について伺いますが、大雨のたびに起きる災害の対策について、県が管理する2級河川のはんらん等による災害対策について伺います。
 (1)つ、これまでの県管理河川の大雨による被害実態及び復旧作業の進捗状況について御説明願います。
 (2)点目に、国場川のはんらんによる仲井真の平和苑の浸水対策について、現在進めている河川の蛇行改修工事が完了すれば解決するのか、それとも別に原因があるのか、具体的にこの解決策について御説明を願います。
 (3)点目に、慢性的となっている漫湖の両側、いわゆる古波蔵及び鏡原一帯の浸水対策として抜本的な取り組みをする必要があると考えますが、どのような対策を考えておられるか、御説明をしていただきたいと思います。
 以上、質問を終わりますが、御答弁によりましては再質問をいたしますので、よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 糸洲朝則議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、基地問題のうち、知事のこれまでの日米両政府を初めとする在沖米軍関係者との交流等の取り組み及び成果について聞きたいという御質問にお答えいたします。
 県は、基地問題の解決に当たっては相互理解と信頼関係を構築することが重要であると考えており、昨年2月、これまで中断していた三者連絡協議会(三者協)を再開したところであります。
 三者協においては、航空機騒音を含む環境問題や米軍人等による事件・事故等県民生活や自然環境へ影響を及ぼす問題について協議するとともに、相互理解と信頼醸成に資する在沖米軍関係者との交流事業についても積極的に議題として取り上げ協議を重ねてまいりました。
 三者協のもとで実施された交流事業の成果としては、本年5月から沖縄本島中部地域の小学校10校においてネイティブ・アシスタントによる英会話指導がスタートしております。また4月には多数の米側及び県側の選手、ボランティアが参加して嘉手納飛行場においてスペシャルオリンピックが開催されるなど、地域住民と米側の交流が着実に実現してきております。
 県としては、県民と米軍関係者の人的交流を含め経済や文化等多面的な交流が促進され、相互理解と信頼関係の構築がなされるよう引き続き三者協等を積極的に活用したいと考えております。
 次に、教育面での一国二制度による英語立県を目指す考えはないか、またそのことを日米両政府に要請されてはどうか所見を聞きたいとのお答えでございます。
 国際社会の中で英語が広くコミュニケーションの手段として使われている実態等を踏まえ、英語による実践的コミュニケーション能力の育成を図るため、学校における英語教育を強化していくことは重要なことであります。特にサミットを契機にコンベンション都市を志向する当県にとっては極めて有意義なことであると考えております。
 一国二制度的な英語立県を目指すという糸洲議員の御提案につきましては、国の教育制度そのものにかかわる大きな問題であると同時に、本県の児童生徒にとっても大変重要な問題であります。したがいまして今後県内各界各層、関係機関等での論議を深めていく必要があると考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(翁長良盛) 糸洲議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、在沖米軍関係者等による英語ボランティア活動を今後さらに拡大していく考えはないかということの御質問にお答えいたします。
 ネイティブ・アシスタントを活用した英語ボランティア活動につきましては、現在、中頭教育事務所管内の小学校10校において学習指導要領の趣旨に沿ってクラブ活動や「総合的な学習の時間」等で英会話指導が実施されております。
 ネイティブ・アシスタントと学級担任等とのチーム・ティーチングを通して、楽しみながら学ぶことで英語に興味・関心を持つ児童がふえてきたとの報告を受けております。次年度は、国頭教育事務所管内の小学校を含め17から18校程度に拡充を図る予定で関係機関と調整しているところであります。
 次に、沖縄各地の方言について教育行政の立場からどのように認識されているか、また将来、方言はどうあるべきかという御質問にお答えいたします。
 方言は、伝統文化の大きな支柱であり、本県の歴史や文化を理解する上で欠くことのできない貴重な文化的遺産であると考えております。方言は、地域によってはまだ日常生活の場で生きておりますが、都市化の進展に伴う過疎化や核家族化などによりその継承がだんだん困難になっております。
 このため、県教育委員会といたしましては、高校生のための郷土の文学の発行や組踊の学校公演などを通して方言による芸術文化の保護育成に努めております。また各学校においては、児童生徒や地域の実態に即して学習発表会などの学校行事、「総合的な学習の時間」などにおいて民謡や方言劇などの方言を生かした教育活動を展開しているところであります。
方言は、時代とともに変化し、消滅することが懸念されております。県教育委員会では、これまでも各地の方言や民話、民謡などの調査を行い、方言の記録保存に努めております。こうした方言の記録保存や研究は、方言の衰退状況をかんがみるとき極めて大事なことだと考えております。
 次に、沖縄芝居と方言の関係をどう考えるかということの御質問にお答えいたします。
 方言は、日常生活の中で生きているものであります。日常生活における方言の衰退は、沖縄芝居への認識や理解に影響が出て、ひいては沖縄芝居の衰退につながります。沖縄芝居と方言の関係はまさに不離一体のものと思われます。
 方言は、伝統文化の重要な要素であり、大きな支柱であります。教育委員会といたしましては、現在、組踊の県内普及公演や児童生徒を対象とした組踊鑑賞を通じて伝統芸能の普及・啓発に努めているところであります。
 また、学校によっては自主的に沖縄芝居を教育活動に取り入れているところがあり、そのことは方言への認識を深める契機になると思います。このような機会の提供は、沖縄芝居や伝統芸能、方言に接する場をふやし、豊かな言語感覚や感性を育成することにつながるものと考えております。
 次に、港川原人遺骨の沖縄への返還及び保存・研究体制についてという御質問にお答えいたします。
 港川人骨は、およそ2万年前の現世人類の化石人骨の一つであり、日本の化石人骨を研究する上で貴重な資料であります。
 港川人骨を含む人骨の調査・保存・研究については、県立埋蔵文化財センターを中心にその推進を図っているところであります。また県立博物館においては、今後、特別展「港川人展(仮称)」及び港川人に関係するシンポジウムや港川フィッシャー遺跡の見学会などの実施を予定しております。
 現在、この展覧会を推進していくため検討会議を開催しているところでありますが、この検討会の委員には港川人の発掘調査に関与した関係者も多数参加しており、港川人の返還のことや保存・研究についての意見の交換等を行っているところであります。さらに現地具志頭村においては村立歴史民俗資料館を建設中であり、その中に港川人の展示コーナを設けるなど港川人の重要性の周知を図る体制も整えつつあります。
 次に、発掘作業についてという御質問にお答えいたします。
 港川人骨の出土した港川フィッシャー遺跡につきましては、平成10年度から文化庁の補助を得て発掘調査を進めているところであります。平成10年度と11年度は、過去に化石人骨が発見されたフィッシャー内の調査を実施いたしました。本年度は、それに加えて周辺部の調査を実施しております。これまでの調査ではイノシシ、シカ、カエル、ヘビなどの化石が発見されておりますが、新たな化石人骨は確認されておりません。
 港川フィッシャー遺跡の発掘調査については、当初3年間の継続調査として実施したところでありますが、港川人骨が出土した唯一の遺跡であることから、今後も継続して調査ができるよう文化庁と調整しているところであります。
 最後に、離島における水泳プールの設置について教育環境の格差をどう考えているか、またプールのない離島での水泳指導はどのように実施されているかという御質問にお答えいたします。
 離島の小中学校の平成12年5月1日現在の設置率は30.2%となっております。これを県全体の設置率60.1%と比べますと約半分の割合であり、離島における水泳プールの整備は本島地区の学校よりかなりおくれている状況となっております。
 プールがない離島の学校の水泳指導については、近隣の公営プールなどを使用して実施しております。また近隣にプールのない学校にあっては、水泳場として適切な海や川などで水泳指導を行っているところであります。
 水泳は、生涯を通して親しむことができるスポーツであり、全身持久力や筋力、心肺機能を高めるなど体力向上を図る上で最適なスポーツであります。
 平成11年度の泳力調査を見ますと、プールのない学校はプールのある学校に比べて泳力の劣ることが結果にあらわれていることから、県教育委員会としましては泳力向上の観点からも学校プールを設置することが望ましいと考えております。そのため今後も小中学校のプールの設置者である市町村と調整を図りながら、年次的、計画的に整備を促進していく考えであります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港湾整備計画の中で、那覇港国際流通港湾計画調査報告書の概要についてお答えいたします。
 那覇港国際流通港湾計画調査は、那覇港を「ハブ機能を有する国際流通港湾」として整備することを主な目的に実施したものであります。
 同報告書では、東アジア地域のコンテナ貨物量、輸送コスト及び航路ネットワーク等を踏まえて推計した結果、那覇港におけるトランシップ貨物の需要は20フィートコンテナ換算で年間84万個予測されております。こうしたトランシップ機能の効果としては、新たな特別自由貿易地域の指定による交易型産業の立地促進、物流拠点を支援する貿易関連産業やシップサービス産業等の新たな産業の展開等が示されております。
 そのため、浦添埠頭地区においては6万トン級大型コンテナ船に対応する大水深岸壁2バースや国際海上コンテナターミナル35ヘクタールの整備及びその背後に特別自由貿易地域70ヘクタールの配置が示されております。また新港埠頭地区においては、新たな国際クルージングに対応した大型旅客船専用岸壁1バース及び背後の旅客ターミナル等を含めた一体的整備が示されております。
 次に、泊埠頭地区は旅客を中心とした観光拠点とし、那覇埠頭は周辺離島拠点としての整備が示されております。そのほかには、浦添埠頭地区において質の高い国際交流空間の形成を目指したコースタルリゾートの整備が示されております。
 次に、同じく那覇港湾整備計画の中で、整備計画決定までの今後の作業計画及び見通しについてお答えいたします。
 整備計画決定までの作業としては、航行安全検討調査や環境影響調査等を実施し、港湾管理者として港湾計画改訂原案を策定する必要があります。その後、地方港湾審議会や中央港湾審議会の議を経て港湾計画が改訂されることとなります。
また、港湾整備計画については、平成15年度から始まる第10次港湾整備五箇年計画に位置づけ早期に整備が図られるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、同じく那覇港湾整備計画の中で、那覇軍港移設と整備計画についてお答えいたします。
 那覇軍港移設については、新たな港湾整備と密接に関連することから、移設が具体化すれば国際流通港湾としての機能や効率的な港湾運営等との整合性について港湾計画改訂作業の中で総合的に検討することになります。
 次に、那覇港湾整備計画の中で、一部事務組合の設立について現状と今後の見通し、また整備計画との整合性についてお答えいたします。
 県は、組合設立に向けて設立許可申請に伴う規約や事前協議書、条例・規則の作成、港湾施設・財産や業務管理の引き継ぎ等の諸準備作業を進めてきたところであります。
 しかしながら、那覇港の整備方針に対する国の支援措置や那覇港湾施設の取り扱い等組合参加の条件について浦添市との合意が整っておらず、組合設立がおくれている状況にあります。今後は港湾管理者である那覇市とも連携を図りながら、浦添市との合意形成に努力していきたいと考えております。
計画改訂に当たっては、原案策定や審議会等への提案は港湾管理者が行うことから、一部事務組合の早期設立による管理体制の確立が極めて重要であります。
○文化国際局長(金城勝子) 文化振興につきまして、1点目に、沖縄芝居の現状と今後の展望について、2点目、沖縄芝居に対する県の認識及び対応について、3点目、県民劇場及び移動県民劇場等の開催回数をふやすことについて、4点目、沖縄芝居振興基金(仮称)の創設についての4点、関連いたしますので一括して答弁いたします。
 沖縄芝居は、明治初期のころから一般大衆の中に浸透し、親しまれてきました。ひところは劇団結成も盛んに行われ、県内巡回公演を行うなど大衆娯楽の一翼を担っていたこともありましたが、近年は映画、テレビ等のマスメディアなどの影響もあり、劇団の活動は低迷している状況にあります。
 一方、方言の苦手な若い世代にも親しめるように工夫しながら、沖縄芝居を継承発展させていく積極的な取り組みも行われており、若い演劇人も育ってきています。沖縄芝居は主に沖縄方言で演じられる舞台芸術であり、演目によって史劇、現代劇、歌劇、喜劇等がありますが、平成元年に琉球歌劇が県無形文化財となるなどその保存・育成が取り組まれるようになってきました。
 また県では、沖縄芝居の活性化と鑑賞の機会を提供することを目的に沖縄芝居を公演する「県民劇場」を開催しております。
 県民劇場は、郷土劇場において年間約14回を実施しており、沖縄芝居を愛好する多くの県民の皆様から好評をいただいております。さらに舞台鑑賞の機会の少ない離島を中心とした地域の皆さんを対象に移動県民劇場を実施しており、平成11年度は伊是名村で、12年度は座間味村の座間味島と阿嘉島で実施いたしました。今後とも沖縄芝居の向上と舞台鑑賞の機会促進を図るため市町村、関係団体等と連携し県民劇場、移動県民劇場の拡充に努めてまいりたいと考えております。
 なお、沖縄芝居振興のための基金創設につきましては、貴重な御提言として承り検討課題としたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(當銘直通) 雇用問題について、沖縄独自の新規学卒採用企業への助成制度の創設について伺いたいについてお答えいたします。
 本県の新規学卒者の就職内定状況は、平成12年3月卒の高校生が56.6%、大学が48.1%となっております。
 新規学卒者の雇用促進につきましては、県内・県外企業合同求人説明会や面接会の実施を初め県外企業における職場体験実習や見学会の実施、学卒就職情報システムを活用した就職情報の提供、大学生等を対象とした就職フォーラムの開催などの対策を講じてきたところでありますが、依然として非常に厳しい状況にあります。県といたしましては、今後とも新規学卒者の雇用対策を強化していく必要があると認識しており、新たな就職促進対策等についても検討してまいりたいと考えております。
 次に、同じく雇用問題についての、若年者雇用開発助成金制度の改善についてにお答えいたします。
 沖縄若年者雇用開発助成金は、本県における若年者の雇用状況を改善するため本県のみを対象として平成9年度に国が創設した制度であります。この制度は、事業主が3人以上、そのうち若年者が50%以上の労働者を雇い入れ、かつ事業所の設置、整備に300万円以上の経費を要した場合に、30歳未満の若年者に支払った賃金の3分の1を最大3年間助成する雇用奨励金及び事業所の設置等に要した経費と雇い入れた人数に応じて一定額を助成する雇用特別奨励金があります。
 国においては、平成12年度に当該助成金の支給対象事業所数を25事業所数から30事業所に拡大するとともに、高校等新規卒業者の助成金の支給対象時期を従来の7月から4月に改善する等制度の拡充を図っております。
 平成9年度から平成11年度までの3年間で72事業所が認定され、1428人、そのうち若年者が1179人の雇用が創出されております。県におきましては、若年者雇用創出対策の柱となっている沖縄若年者雇用開発助成金制度の一層の拡充について国に要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 離島における県営住宅の建設及び水泳プールの建設について、離島振興担当局として一括してお答えをいたします。
 本県の離島振興については、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄県離島振興計画に基づき諸施策が講ぜられ、産業基盤、交通・通信体系、生活環境施設等社会資本の整備を中心に各面にわたり相当の成果を上げてきております。
しかしながら、離島の持つ地理的、自然的条件の不利性などから本島との間には依然として多くの格差があるほか、若者の慢性的な流出や高齢化の進行などなお多くの課題が残されているのが現状であります。
離島地域における生活環境施設の整備については、住民が健康で文化的な生活を営み、若者の定住促進を図る上で極めて重要であり、御質問の離島における公営住宅及び水泳プールの建設については、関係部局及び当該市町村と調整を図りながら促進する必要があると考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) 離島振興について、多良間村への県営住宅の建設についての御質問にお答えいたします。
 本県の公営住宅の建設については、沖縄県住宅建設五箇年計画に基づきそれぞれの地域の住宅需要に応じて県と市町村が連携して実施してきたところであります。公営住宅の建設については、沖縄県住宅マスタープランの基本理念に基づきそれぞれの地域における住宅事情をきめ細かく把握している各市町村が行うことが望ましく、県営住宅は広域行政の見地からその補完的役割を担うこととしております。
 また、県営住宅整備事業については既存団地の老朽化が著しく、狭小な住戸を持つ団地の建てかえが緊急な課題となっており、新規団地建設を抑制し、建てかえ事業に重点を置くこととしております。
 御質問の多良間村における県営住宅の建設につきましては、現在のところ厳しい状況であり、離島の定住促進の観点から、同村の住宅需要の動向や県財政状況等を総合的に勘案して検討していきたいと考えています。
 次に、離島における県営住宅の建設状況は、平成11年度末現在、平良市ほか6市町村で25団地2182戸となっております。
 また、離島における県営、市営住宅を含めた公営住宅の供給割合は9.1%、多良間村では10.9%となっており、全県下の世帯数に対する公営住宅の割合6.5%を上回っております。
 次に、災害対策についてのうち、県管理河川の大雨による被害実態についてと復旧作業の進捗状況については関連しますので、一括してお答えいたします。
 平成12年において台風等の異常気象による県管理河川の被害状況は、河川護岸等の決壊が国場川ほか12河川、17カ所で発生しており、被害額は約3億5000万円となっております。また河川のはんらんによる周辺の被害状況は、国場川ほか8河川において床上浸水170戸、床下浸水72戸となっております。
 県としては、災害の拡大や二次災害の防止のため安里川の護岸決壊等の緊急を要する箇所は応急的な対策を講じてまいりました。また本格的な災害復旧工事は、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づき平成12年9月に国の災害査定を受けた天願川ほか2河川は既に工事発注しております。さらに平成12年12月に第二次災害査定を受け、国場川ほか10河川については現在設計を行っており、年度内に発注し早期完成に努めてまいりたいと考えております。
 同じく国場川のはんらんによる仲井真の住宅地域の浸水対策についての御質問にお答えいたします。
 那覇市仲井真地内の住宅地域においては、平成12年11月9日の集中豪雨により国場川がはんらんしたため床上浸水が2戸、床下浸水が2戸ありました。仲井真地内の国場川のはんらんの原因は、同地域の下流側の現況河川が川幅が狭く、また大きく蛇行しているため通水が阻害され、はんらんしたと考えております。
 県では、仲井真地内の浸水対策として蛇行した現況河川を河道修正するショートカットを行い、川幅を約20メートルに広げる改修工事を進めているところであり、平成12年度完了の予定でございます。この改修工事の完了後は、同地域における河川のはんらんによる浸水被害は解消されると考えております。
 同じく漫湖の両側、古波蔵及び鏡原一帯の浸水対策についての御質問にお答えいたします。
 古波蔵及び鏡原一帯は、埋立造成された低地帯であり、その後の周辺地域の宅地化により当該地域へ流れ込む雨水流出量が増大しております。集中豪雨が満潮時と重なった際には、既設排水路の断面不足等により、時折浸水が発生している状況にあります。
 両地域の浸水対策については、現在、那覇市が公共下水道事業として検討を行っているところであります。
 その中で、古波蔵地域については今年度に浸水対策の基本設計を行うとともに、漫湖公園沿いの既設排水路のしゅんせつ工事を実施することとし、また鏡原地域については平成11年度に分水ルートの基本設計を終え、平成12年度においては実施設計を取りまとめるとともに、国場川へ新たなはけ口を設置して引き続き排水路の整備を進めていくと聞いております。県としても当該事業が円滑に実施できるよう支援していきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時28分休憩
   午前11時29分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 糸洲朝則君。
   〔糸洲朝則君登壇〕
○糸洲 朝則 土建部長に再度お尋ねをいたします。
 多良間村とか離島における県営住宅が厳しいというのは認識している。認識しているからこの場で私は質問しているわけでございますから、とりわけ多良間においては空港の新規事業の着工があるし非常に今島全体として若者を定着させるために絶好の機会なんです。
 そういうときに、県営住宅をつくって初めて離島振興の効果が上がるんであって、厳しいからというふうなこういった答弁じゃとてもじゃないがこれは離島振興策にも何にもならない。ましてや先ほどの答弁の中に平良団地の180戸の話があった。そのうちの10戸を西辺と多良間に割り振ってしまえば簡単なことではないですか。皆さん、ほかの議員もそれが平等だと思うんですよ。そういう工夫をしない、そこら辺をもう一度答弁してください。
 それとプールの件ですが、教育長、整備率の低さというのは離島の困難な状況があるから低いわけなんです。したがってそこを重点的に何が原因なのか、例えば多良間村だったら水の問題がある。じゃそこは海水にできないのか、いろいろこういうふうな工夫をして初めて私はこの整備率の低さをカバーできると思います。
 したがってもう一回多良間村におけるプール、必ずしも今の規格に合ったものじゃなくていいんですよ。規模を縮めて小さくしてもいいんです。要するに子供たちに一日も早くそういう教育環境を整えていただきたい、こういう気持ちから再度お尋ねをしておきますので、よろしくお願いします。
○土木建築部長(銘苅清一) 糸洲議員の再質問にお答えいたします。
 離島の定住促進の観点として県営住宅の必要性は認識しておりますけれども、県の財政事情等もございますので、そういった財政事情あるいは離島の置かれた立場を総合的に勘案しながら、今後検討してまいりたいと思います。
○教育長(翁長良盛) 糸洲議員のプールの件に関連いたします再質問にお答えいたします。
 離島・僻地でプールの設置率が低い要因にはいろいろと考えられることがございます。財政的な問題、児童生徒が少ない、それから周辺に海が近い等々いろんな要因があろうかと思っております。
 県の教育委員会といたしましても、やはり離島・僻地のプールの設置率を上げたいというのが私どもの本心でございますので、規模を縮小して設置できるかどうか、そういうきめ細かいことも踏まえながら今後市町村と調整してまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。
○外間 盛善 一般質問をこれより行いたいと思いますが、先週2日くらい体調を悪くしまして皆さんに御心配をおかけしたことを、この場をかりておわび申し上げます。
 特に通告後でしたので、執行部の皆さん方にはいろんな調整で御不便をおかけしたこともあわせておわびを申し上げ、通告順に従い一般質問を行います。
 まず1番目、本県畜産業の現状と課題についてであります。
 質問に入ります前に、所感の一端を申し述べたいと思います。
 本県の畜産は、本土から遠隔地にあるため流通経費がかさむなど不利な条件にありながら、亜熱帯の温暖な気候条件を生かし順調な発展を遂げ、本県農業の基幹的役割を担っております。平成10年における農業粗生産額を見ると、944億円のうち畜産は358億円と実に全体の38%を占め、さとうきびの2倍となっており、農業収入において大きな比重を占めているところであります。
 しかしながら、近年の畜産を取り巻く環境は貿易の自由化による国際化の進展、さらには産地間競争の激化、高齢化に伴う後継者不足など内外ともに大変厳しい状況にございます。
 一方、経営規模の拡大とともに家畜排せつ物の問題が深刻化しております。家畜排せつ物は利活用が困難になるほど大量に発生しており、その管理についても野積みにされているなど不適切な事業所が増加する傾向にあり、都市化が進んでいる地域住民から悪臭の発生や水質汚濁等に対する苦情が相次ぎ、畜産農家にとりましては深刻な問題を抱えている状況にございます。
 これに追い打ちをかける形で昨年7月には、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律が制定されました。制定後5年間は経過措置として指導期間となっておりますが、平成16年からは罰則規定も適用されるとのことであり、これまでのような畜舎ふん尿の処理のあり方、管理体制では世論に押され経営が困難に陥る懸念がございます。
 冒頭で申し上げましたとおり、畜産は本県農業の柱となっており、環境問題を克服する施設の整備いかんによっては付加価値も高く、本県経済を支える有望産業としてもっと大きな発展が期待されるのでございます。農家任せの状態で放置していては本県の畜産は滅びてしまうのではないかと懸念されます。
 ふん尿処理施設の整備は、個々の農家に対する機械のリース制度や制度資金の活用等の仕組みもありますが、個々の農家の力では経営環境の厳しさに加え、手続的な面からも素人の余りなかなか制度活用に及ばないのが現状ではないかと思われます。畜産と環境問題が今問われているところであり、早急な対策が必要であると思います。
 さらに、5農家以上が組合組織や法人化をすれば国家補助事業の導入も可能であり、これに行政がメスを入れ努力をすれば団体営の立派な家畜ふん尿処理施設の整備が可能となり、堆厩肥の増産にもつながります。施設が整備された暁には、耕種農家と畜産農家が連携した資源循環型のモデル的な施設として利活用され、本県畜産業の振興はもとより農業の発展にも大きく寄与していくものと確信するものであります。
 そこで質問に移ります。
 (1)、本県畜産業の課題と展望についてお聞かせください。
 (2)、経営環境が大変厳しい状況下で畜産がこのように順調に伸びてきた背景にはどのようなことが考えられるか、お聞かせいただきたい。
 (3)、県の一番新しい資料で畜産の粗生産額は県における農業粗生産額全体のどれぐらいのウエートを占めているか、金額とパーセンテージで御説明を賜りたいと思います。
 (4)、畜産と環境問題に係る畜舎ふん尿の処理施設については、国庫補助事業が取りつけられる団体営の施設の整備が重要であるとの観点から、本員は何度かこの場を利用して取り上げてまいりました。県の御理解と御努力でいよいよ平成13年度から15年度までの3年度事業として具志頭村に具志頭地区資源リサイクル畜産環境整備事業がスタートすることになりました。
 質問します。
 ①、その背景と事業化に向けての取り組み状況、事業の目的についてまず御説明を賜りたい。
 ②、次に、その事業の内容と計画概要を御説明いただきたいと思います。
 ③、完成後の事業効果はどのようなことが期待できるのか、御説明を願います。
 (5)、次に畜産の現状と将来計画について承りたいと思います。
 ①、県内に畜産農家は戸数にしてどれぐらいあるのか、またその飼養頭数はどうなっているか、種別ごとに御説明を願います。
 ②、畜産と環境問題に係るふん尿処理施設の整備状況は現在のところどうなっているか、今後の計画もあわせて御説明を願います。
 ③、平成11年7月に制定された家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律第15条によれば厳しい罰則規定もあり、この法律の趣旨に適合するためには県下各地の畜産農家は具志頭村同様の施設の整備が急がれると思われますがどうか、県の御所見をお聞かせください。
 次、2番目、豊見城地先開発事業の関連についてお願いしたいと思います。
 当地先開発事業は、沖縄県知事と豊見城村長及び沖縄県土地開発公社理事長の3者間で昭和63年11月に協定書を締結し、平成元年4月、沖縄県土地開発公社に豊見城地先開発室を設置して本格的に業務が開始されてまいりました。以来、足かけ10年が経過したところでありますが、事業は順調に展開され、去る5月、竣功認可も完了し、平成13年度からはいよいよ販売開始の予定でございます。この部分は第1工事区域だけの話であります。
 埋立第2地域についても、平成13年度じゅうの事業完了を目指しているところであり、精力的に取り組んでおられる県及び公社のこれまでの御努力に対し感謝と敬意を表するものであります。
 豊見城地先開発事業の関連事項については、これまで何度も取り上げてきておりますのでまたかという思いもあるかもしれませんが、二、三教えていただきたいことがありますので明快に御説明をいただきたいと思います。
 同埋立事業に必要な土砂はほとんどが海砂を利用するため、5000トン級の船舶が航海できる航路や仮桟橋が設置されております。せっかくできた航路や仮桟橋も埋立事業が完了すれば原状回復に向けて埋め戻しをするようでありますが、大変残念な話でございます。
 豊見城村は、本島南部の広大な西海岸に面しているが、港湾らしきものがないため建材資材である砂、バラス、セメント等中北部からの運搬はほとんどが陸上輸送でございます。そのためコスト高になっているばかりでなく、交通渋滞や落ちこぼれの土砂など環境悪化の原因に拍車をかけている状況ではないかと思料いたします。
 ところで、村では去る10月の国勢調査の結果、人口も5万人を突破していることから平成14年4月には市昇格に向けて今取り組み中でございます。さらには同埋立地に人口7000人規模の住宅用地も確保されていることから、6万人都市も遠くはないと確信しているところであります。南部の中核都市としての整備を初め那覇空港の沖合展開構想による平行滑走路の増設も急がれており、この事業もやはり豊見城地先しかありません。豊見城村では、市昇格の条件整備事業を初め空港拡張関連の条件整備事業を考えると、振興開発事業はこれから出発すると言っても過言ではありません。そのようなことから港湾ニーズは年々高まってまいります。
 そこで質問に入ります。
 (1)、仮にできた桟橋とはいえ見る限り立派な港であり、港湾として位置づけ整備を図れば豊見城村や南部全体の産業港としての活用が図られるとの期待から、豊見城村及び商工業関係者、あるいは南部の多くの皆様から港湾として整備を進めるよう強い要望がありますが、県の所見をお聞かせいただきたいと思います。
 (2)、このことは、公有水面埋立免許申請の際、跡利用の事業項目に入っておらず、仮にこれから追加し変更申請をした場合、推進中の開発事業にどのような弊害が予想されるのか、またその可能性についての見通しもあわせて御説明を賜りたいと思います。
 (3)、埋立事業の免許申請とは切り離して港湾整備をするとすれば、その見通しはどうか、県の御所見を賜りたい。
 (4)、前(2)項、(3)項の手法や手続では困難だとすれば、この桟橋を引き続き利活用したい場合どのような方法があるか。また水域占用許可を取得すれば個人や法人、あるいは公共団体のいずれでも可能か、御説明を願いたい。
 (5)、水域占用許可を取得するにはクリアすべき事務手続としてどのようなことをすればよいのか、県内における事例を挙げてできるだけ詳細に御説明を願います。
 (6)、質問の趣旨は変わりますが、関連事項でありますのでこの際確認しておきたいと思います。平成14年度には埋立事業の全工程が完了する予定であり、豊見城村では県土地開発公社と連携し埋立地の道路及び上・下水道等のインフラ整備を鋭意推進しているところであります。今後の課題は用地処分が順調にいくかどうか、とりわけ土地利用計画に沿った臨空港型産業用地への企業立地が円滑に展開できるかどうかであります。
 そこで伺いますが、①、臨空港産業用地は第3次沖縄振興開発計画の中で位置づけられたものであり、国、県の強力な連携と協力なしには企業立地の実現は困難と思われます。具体的な方策をお示し願いたいと思います。
 ②、特別自由貿易地域の指定については、中城湾港地区への企業立地の動向を見守りながら検討したいとの説明はこれまで何度か承りましたが、待つにも限度があります。県の所見をお聞かせください。
 大きい3に入りますが、我が党の代表質問に関連してでありますが、渡久地健議員の米軍基地問題の質問に関連してお伺いしたいと思います。
 普天間の移設条件に係る15年問題については、これまで与野党からさまざまな形で質疑が展開されてきましたが、得るものはあったでしょうか。
 本員が思うに、そのことはスタンスが決まらないまま15年とは一体いつごろからいつまでのことなのか、知る人ぞいないような気がいたします。ただ、15年だけが言葉だけひとりで走り過ぎる、そんな思いがしてなりません。そういうことになっているのではないでしょうか。
 けだし、これまで議論の中で非常にはっきりしてきたことが2点ほどあります。1つは、稲嶺知事が打ち出した15年は絶対に譲れないということであります。日米両政府からいかなる抵抗があろうとも沖縄の立場を堅持していくということが明らかにされてきました。
 いま一つは、使用期限が15年であって、準備から着工、竣工、供用開始まで最低10年はかかるということでありますからトータルでは25年ということになります。西暦2001年からすぐ準備に入ったとしても、21世紀の四半世紀進んだ2025年にしか使用期限は満期しないということであります。先の長い話ではありますが、将来にツケを残さないためにも、また歴史にたえ得るためにも使用期限の設定は最も大事にしていく必要があります。
 日米両政府からすると高いハードルをかけられたとの思いでお困りかもしれませんが、説得材料は、知恵は幾らでもございます。自信と誇りを持って知事を初め職員の皆様には頑張っていただきたいと思います。
 この15年間でもし稲嶺知事が使用期限を設定されなかった場合は、我が国の法律で期限の定めのない契約として半永久的を意味し、基地の固定化は避けられないことから、移設先の協力も得られるはずがありません。また期限がないということは満期がないということであり、担保を失ってしまうことでございます。こういう意味からしても知事は大変立派な政治判断をされたものと高く評価をするものでございます。
 質問いたします。
 既存の米軍基地の賃貸借期間は、那覇市が契約拒否、北谷町が5年、その他は全市町村ともに民法604条を適用し契約期間は20年であります。15年問題は固有名詞になるほど質疑があったものと思いますが、なぜ15年か、その根拠をお示しいただきたい。
 最後に、このことについて知事の所見とこれまでの感想をお聞かせ願いたいと思います。
 終わります。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの外間盛善君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時52分休憩
   午後1時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前の外間盛善君の質問及び質疑に対する答弁に入ります前に報告をいたします。
 説明員として出席を求めた出納長比嘉茂政君は、別用務のため本日の午後の会議に出席できない旨の届け出がありました。
 午前の外間盛善君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 外間盛善議員の御質問にお答えいたします。
 本県畜産業の現状と課題についてのうち、本県畜産の課題と展望についてでございます。
 本県の畜産は、温暖な自然条件のもとで3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく諸施策の推進により順調に伸びてきております。
   〔議長退席、副議長着席〕
 肉用牛と乳用牛においては、復帰時に比べて飼養頭数が約3倍、子牛生産頭数と生乳生産量が約9倍の伸びとなっております。特に肉用牛の飼養頭数は第3次振計の目標である8万頭を既に突破し、今後も安定的な伸びが期待されております。
 しかしながら近年、畜産を取り巻く内外の情勢は、国際化の進展による輸入量の増大、価格競争の激化、環境問題などの課題があります。県としては、沖縄県農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムに基づき飼料基盤の整備、家畜の改良・増殖、価格安定対策、環境保全対策等の諸施策を総合的に展開し、畜産振興を強力に推進していく考えでございます。
 続きまして、我が党の代表質問に関連しまして、普天間飛行場の15年使用期限についての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の原点は、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しています。
 15年の使用期限については、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から15年の期限を設けたものであり、その解決を国に強く求めているものであります。県は、基地の提供責任は日本政府にあり、政府が責任を持ってしっかりと沖縄の動向を踏まえ明確な考え方を示すべきであると考えており、引き続きあらゆる機会に強く求めていく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○農林水産部長(小那覇安優) 本県畜産業の現状と課題についてお答えします。
 初めに、経営環境が厳しい中、畜産が順調に伸びてきた背景にはどのようなことが考えられるかという御質問にお答えします。
 本県の畜産が伸びてきた背景には、1つには、生産基盤の整備が進んだこと、2つ目には、ダニ撲滅や豚コレラ等の防疫・衛生体制が整備されたこと、3つ目には、優良種畜の作出・導入等家畜の改良が進んだこと、4つ目には、価格安定制度が整備されたことなどが挙げられます。
 次に、畜産粗生産額は農業粗生産額全体のどれぐらいのウエートを占めているか、それから畜産農家の戸数と飼養頭数について畜種別に説明していただきたいとの御質問は、関連しますので一括してお答えします。
 本県における平成11年の農業粗生産額は953億円、このうち畜産は358億円で、全体に占める割合は約38%となり最も高い地位にあります。
 畜種別の農家数と飼養頭数は、肉用牛が3494戸で8万897頭、乳用牛は153戸で8185頭、豚は511戸で30万3000頭、採卵鶏は541戸で155万3000羽、ブロイラーは21戸で79万3000羽となっております。
 次に、具志頭地区資源リサイクル畜産環境整備事業実施の背景と目的、事業化に向けての取り組み、事業の内容と計画概要、事業効果については関連しますので一括してお答えします。
 雄樋川流域においては、養豚、酪農、肉用牛及び養鶏農家など68戸の畜産農家が営農しております。
 一部の農家においては、家畜ふん尿の野積みや貯留槽の不適切な管理が見られ適切な対応が求められております。このため、具志頭村においては平成13年度から資源リサイクル畜産環境整備事業を実施する予定となっております。
 事業内容は、乳用牛700頭規模のふん尿が処理可能な乾燥・発酵施設及び製品調整施設などの共同堆肥化施設を整備する計画となっております。この堆肥化施設が完成しますと家畜ふん尿が適正に処理され、水質汚濁など畜産環境問題が大幅に改善されるものと考えております。
 また、良質な堆肥が地域の耕種農家に活用されることから、環境に優しい資源循環型農業の展開が期待されます。県としては、関係市町村と連携し畜産環境対策を強力に推進していく考えであります。
 次に、ふん尿処理施設の整備状況と今後の計画についてお答えします。
 平成11年11月から家畜排せつ物法が施行されております。
 法律の対象となる県内の畜産農家は2243戸あります。そのうち既に整備が完了している農家は622戸で、適正なふん尿処理施設の整備を要する農家は1621戸であります。県としては管理基準が適用される平成16年までには緊急を要する688戸を整備し、応急措置を講じて対処可能な933戸は平成20年までに整備する計画であります。
 整備資金の対応としては、資源リサイクル畜産環境整備事業などの国庫補助事業やリース事業、融資事業などの支援対策を活用していく考えであります。
 次に、家畜排せつ物法の趣旨に適合させるため県下各地の畜産環境の整備を進める必要があると思われるが、所見を聞きたいとの御質問にお答えします。
 家畜排せつ物法は、畜産業を営む者が遵守すべき管理基準を定めており、家畜ふん尿を適正に管理することが義務づけられております。このため県としては、沖縄県家畜排せつ物の利用の促進を図るための計画に基づき家畜排せつ物法に適合するふん尿処理施設を計画的に整備していく考えであります。
 施設整備に当たっては、オガコ式豚舎や浄化処理施設、畜舎移転など地域や農家の実情に合わせて推進していきます。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 豊見城地先開発事業の関連について、地域・離島振興局所管についての御質問でございますが、1つ目に、豊見城村商工業関係者から埋立事業でできた仮桟橋等を港湾として整備することができないか、2つ目に、港湾整備について変更申請をした場合、推進中の開発事業にどのような弊害が予想されるか、3つ目に、個人や法人あるいは公共団体いずれでも手続が可能か、4つ目に、水域占用許可を取得するための事務手続はどのようなものかということについて、4件とも埋立地域における既設仮岸壁の活用についての質問であることから一括してお答えをいたします。
 豊見城村地先開発事業については、沖縄振興開発計画の主要プロジェクトとして位置づけ、平成4年3月に沖縄県と豊見城村で共同で策定した豊見城村地先開発基本計画に基づき沖縄県土地開発公社が事業主体となって推進をしております。平成9年6月25日建設大臣認可、同年7月3日に公有水面埋立免許を取得し、同年9月17日起工式を行い、平成12年5月25日には第1区域80ヘクタールが竣功し、現在、第2区域についても平成14年7月竣功を目途に埋立工事も計画どおり進捗しているところであります。
 御質問の仮設岸壁を利活用する場合における弊害についてからまずお答えをいたしますと、1つ目に、開発計画では平成13年度内に仮設岸壁を撤去することが埋立免許の条件となっていること、2つ目に、当岸壁は仮設構造物として設計されており、通常の岸壁として利用することは構造上困難であること、3つ目に、仮設岸壁を残した状態では平成14年7月予定の第2区域の埋立竣功認可が受けられないこと、4つ目に、沖縄県土地開発公社が展開するこれからの分譲計画及び豊見城村が取り組む当該地域開発の各公共事業に多大な影響を及ぼすことから豊見城村の町づくりに大きな障害になりかねないこと、5つ目に、分譲計画が長引くことは資金借り入れに伴う金利がかさむことになり、結果として土地単価の高騰につながり土地の処分に支障が出ること、6つ目に、仮設岸壁利用の港湾建設は良好な住宅環境を創造する町づくりへの障害が予想されることから、埋立申請に係る土地利用計画の変更が予想されること等があります。したがって仮設岸壁を港湾として整備することについては困難であると考えております。
 また、当該開発地域における新規の港湾建設については、豊見城村土地利用計画との整合性及び地域のコンセンサスが必要となり、現埋立免許願書に係る土地利用計画の変更等長期にわたる年月がかかり、現埋立計画への多大な影響が予想されることから、公有水面埋立法または海岸法による申請手続は厳しいものと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) 豊見城地先開発事業の関連につきまして、埋立事業の免許申請と切り離して港湾整備をするとすればその見通しはどうかとの御質問にお答えいたします。
 豊見城地先開発事業で設置された既存の仮設岸壁は、工事用として暫定的使用に耐え得る仮設の構造物であり、一般に供用される通常岸壁としての構造基準や安全率が確保されていない構造物であります。豊見城地先において仮に港湾整備を実施するとすれば、当該水域に新たに港湾法第4条第4項に基づき港湾区域を設定する必要があります。
 港湾区域の設定につきましては、地理的条件や周辺地域の経済的、社会的条件等を踏まえ新たな港湾の必要性、実現可能性、熟度、近隣港湾との機能分担、関係機関との調整など総合的な視点から検討する必要があります。豊見城地先周辺には那覇港、与根漁港及び糸満漁港が隣接しており、これらの港湾との機能分担や将来の港湾貨物の需要等を勘案すると新たに港湾区域を設定し、港湾施設を整備することは困難であると考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(當銘直通) 豊見城村地先開発事業の関連についてのうち、臨空港型産業用地における企業立地の実現に向けての具体的な方策を示していただきたい、また特別自由貿易地域の指定について県の所見を賜りたいにつきまして関連しますので一括してお答えいたします。
 豊見城村地先開発事業の臨空港型産業用地への企業誘致については、県、豊見城村及び事業主体である沖縄県土地開発公社が連携して取り組んでいくこととしております。県としては当面、企業の立地促進に向け誘致インセンティブを高める方策として本年8月に工業等開発地区の指定を受けたところであります。
 また、企業誘致の推進については、国内外で行っている企業誘致説明会や企業訪問等において同地域を新しい立地先として紹介しているところです。
なお、同地域を特別自由貿易地域に指定することについては、立地対象企業が原則として貿易を行う企業に限られることから、同制度による展開がよいか慎重に検討を行う必要があると考えております。
 以上でございます。
○金城  勉 こんにちは。
 通告に従って一般質問をさせていただきます。
 まず第1点目、薬物汚染についてお尋ねをいたします。
 近年、覚せい剤や麻薬、シンナーなど薬物汚染の広がりが大変大きな社会問題になっております。暴力団の資金源となり、乱用者も女性や青少年にも浸透してきて人格が破壊されたり、犯罪に走ったりと家庭や社会をむしばむ大変危険な状況だと報道されております。
 そこで質問いたします。
 (1)、県内で乱用されている薬物にはどんな種類があるか。また人体への影響がどのように出てくるのか。
 (2)、現在、最も多く乱用され危険なものは何か。また覚せい剤など薬物乱用の結果起こった事件にどういうものがあるか。
 (3)、薬物乱用がなくならない理由は何か。
 (4)、近年5年間の薬物乱用、特に覚せい剤事件の検挙者数と押収量はどうなっているか。また他府県と比較して本県の状況はどうか。
 (5)、覚せい剤などの薬物汚染を防止するため県警や教育委員会はどのような取り組みをしているか。特に暴力団対策や青少年への被害防止策について御説明をお願いいたします。
 (6)、今後、薬物根絶のためには何が必要と考えるか。
 (7)、県議会として協力できることはないか。
 2番目に、IT革命に対応した電子自治体の推進についてお伺いをいたします。
 近年、情報通信技術(IT)の飛躍的発展を背景として、行政においても情報化への取り組みが緊急の課題として叫ばれています。政府は、2003年度までに電子政府の基盤を構築するという方針を示しています。それを受けて沖縄県として各市町村も含めて早急な取り組みが必要になってくると思います。
 そこで質問いたします。
 (1)、国における電子政府の実現に向けた取り組みを踏まえ、県としてIT革命に対応していくための課題をどのように考えているか。
 (2)、県として電子自治体への基本計画をどのように策定するか。
 (3)、情報通信技術の発展と企業活動の国際化により電子商取引が拡大している。それに伴って各種証明書や申請、届け出など住民ニーズに対応するため地方自治体における情報化施策も早急に要求されるが、各市町村との連携なども含めてどのように取り組んでいくのか。
 (4)、情報化の進展に伴って地域間の情報格差、世代間の情報格差などの課題が予想されますが、どのように対応するのか。
 (5)、情報化を進めていく上で利便性をもたらす一方、ハッカーやコンピューターウイルスなど不正行為によるデータ破壊や個人情報の外部流出などが懸念されます。コンピューターセキュリティー対策や個人情報保護対策をどのように考えるか。
 (6)、これらの情報化施策を推進するときの予算措置はどうなるのか。
 3、市町村合併についてお尋ねします。
 今日、私たちの日常生活圏はますます拡大し、介護保険やごみ問題、消防行政など住民が必要とするサービスも多様化しています。また厳しい財政状況の中で効率的行政運営が求められており、さらに地方分権の流れを円滑に進めていく上でも行財政基盤の強化が叫ばれています。このような時代の要請に適切に対応していくために市町村の連携や合併が叫ばれております。
 そこで質問いたします。
 (1)、県が進めている市町村合併の推進のための要綱策定の進捗状況はどうか。
 (2)、昭和48年に市町村合併計画を策定していますが、実現したのは旧コザ市と旧美里村が合併してできた沖縄市だけであります。それ以外に実績が出ていないのはなぜか。
 (3)、今後、合併の実効を上げるためにはどのように取り組んでいくのか。
 次4点目、沖縄市東部海浜開発計画についてお伺いいたします。
 (1)、12月4日、埋立申請が出されております。今後、認可までの手順とスケジュールはどうなるのか。また着工までの見通しについてもお伺いいたします。
 (2)、環境保護が心配されています。対策はどのように考えているのか。
 次5、基地問題についてお伺いいたします。
 (1)、嘉手納基地爆音被害の公平補償問題を平成13年度の稲嶺県政の重点施策の中に明記すべきだと思うのですが、知事の所見をお伺いいたします。
 (2)、基地内道路の共同使用についての見通しをお伺いいたします。
 6と7については割愛いたします。
 よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、IT革命に対応した電子自治体の推進についてのうち、国の電子政府構築を踏まえた県のIT革命に対応していくための課題をどう考えるかとの御質問と、県として電子自治体への基本計画をどのように策定するかとの2点を一括してお答えしたいと思います。
 現在、国におきましては、平成15年度までの電子政府実現に向け積極的な取り組みがなされております。
 本県におきましても、それに対応した「電子県庁」の実現を図る考えであります。その実現に向けては情報通信基盤の整備、行政手続の電子化、文書管理システムの導入や情報公開の推進、職員の情報活用能力の向上等が当面の課題であると考えております。
 また、県においては、沖縄県総合行政情報システム基本構想及びその実施計画である沖縄県OA化推進計画が今年度で終了することから、次年度から始まる行政情報化計画の策定作業を進めているところであります。
 御質問の電子自治体への基本計画については、国等における「IT革命」、「電子政府」の構築等の流れを踏まえ、行政情報化計画の中でその方向性を明確にしていきたいと考えております。
 次に、沖縄市東部海浜開発計画について、認可までの手順とスケジュールについての御質問についてお答えいたします。
 中城湾港(泡瀬地区)の公有水面埋立事業は、埋立面積約186ヘクタールのうち、国が約177ヘクタールを、県が約9ヘクタールを埋め立てる内容となっております。事業者である沖縄総合事務局から埋立承認願書が、沖縄県から埋立免許願書がそれぞれ平成12年5月に県知事へ出願されております。
 告示・縦覧の結果や関係行政機関からの意見を勘案し、願書の内容について審査したところ、免許の要件を満たしていると判断したことから県事業について12月4日に運輸大臣へ認可申請いたしました。現在、運輸省で審査が行われており、大臣認可が得られれば速やかに免許したいと考えております。
 また、国事業については、県事業と一体として実施されることから同時に承認したいと考えております。
 次に、同じく沖縄市東部海浜開発計画について、環境保護が心配されている、対策はどのように考えているかについてお答えをいたしたいと思います。
 中城湾港(泡瀬地区)の埋立計画に当たっては、トカゲハゼを含む底生生物の生息地や鳥類の採餌場としての干潟を保全するため、既存陸域から約200メ-トル離した出島方式とする等できる限り環境への配慮を行っております。また、やむを得ず消失する藻場や干潟については、リュウキュウアマモ等の海藻類の移植を行ったり、新たな人工干潟を造成し干潟生物の生息環境を整備する等の環境保全措置を講ずることとされております。
 さらに、工事着手後は沖縄総合事務局において学識経験者や沖縄市民等により構成する「中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会」を設置し、工事着手後の事後調査結果や人工干潟等の新たな環境整備の方法等について検討することとしており、当該委員会での検討結果を踏まえ必要な保全策が講じられることとなっております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(平良健康) 薬物汚染について、県内で乱用されている薬物にはどんな種類があるか、現在最も多く乱用され危険なものは何か、この2つの御質問につきまして一括してお答えいたします。
我が国で乱用されている薬物は、ヘロインやコカイン等の麻薬類と、大麻、向精神薬、覚せい剤、シンナ-等が挙げられます。
薬物乱用の中心は専ら覚せい剤であり、薬物乱用事犯で検挙される人員のうち約92%が覚せい剤事犯で、このような状況から第3次覚せい剤乱用期の到来と言われております。
 本県においても他府県と同様な薬物が乱用されており、平成11年度の薬物事犯の状況では麻薬事犯が4人、大麻事犯が15人、覚せい剤事犯が45人で全体の約70%が覚せい剤事犯であります。これまで大麻事犯が中心でありましたが、ここ数年、覚せい剤事犯が増加の傾向にあります。
薬物の種類によって作用の違いはあるものの、薬物乱用は個人の健康を損なうばかりでなく、幻覚、妄想による殺人事件等を誘発するなど社会に対してもいろいろな弊害をもたらすものであり、いかなる薬物も不正に使用しないことが大事なことであります。
 次に、薬物乱用がなくならない理由は何かとの御質問にお答えいたします。
 薬物乱用をなくすために大切なことは、一人一人が薬物乱用はしない自覚と、乱用させない、乱用される薬物を近づけない社会環境づくりが重要であります。
しかしながら、1つは、薬物乱用のもたらす弊害の恐ろしさが十分に理解されていないこと、2つに、価値観が多様化し社会的規範の低下が見られること、3つに、低年齢層が薬物乱用に簡単に走る傾向にあること、4つに、若者が薬物を一種のファッションととらえる傾向にあること、5つに、薬物の依存性によって自分の意思ではなかなかとめられなくなっていくこと、6つに、暴力団の資金源となっていること等が背景となって薬物乱用の根絶はなかなか困難となっております。
 次に、今後、薬物根絶のためには何が必要と考えるかとの御質問にお答えいたします。
 薬物乱用の根絶を期するためには薬物の密輸、密売など不正な流通の取り締まりの強化と厳正な処分を行い薬物の供給を削減すること、矯正施設や医療施設における薬物乱用者の治療及び薬物乱用を許さない社会環境をつくるための学校における予防教育や地域社会における啓発活動を推進し、薬物の使用をなくすことが重要であります。
 このようなことから、国においては内閣総理大臣を本部長とする薬物乱用対策推進本部において啓発活動の推進、取り締まりの徹底、国際協力、再犯防止対策を内容とした薬物乱用防止5カ年戦略を策定し、第3次覚せい剤乱用期の早期終息に向けて対策を実施しております。
 本県においては、知事を本部長とする沖縄県薬物乱用対策推進地方本部を設置し、国、県、市町村及び財団法人沖縄県薬物等乱用追放協会等関係機関が相互の連携のもとに取り締まりの強化と厳正な処分、薬物乱用を許さない社会環境をつくるための予防教育、啓発活動を実施しております。今後とも関係機関が相互連携を図り、取り締まりの強化と啓発活動のより一層の推進を図っていく必要があると考えております。
 次に、県議会として協力できることはないかとの御質問にお答えいたします。
 薬物乱用問題は、単に個人の問題としてではなく社会全体の問題として取り組む必要があります。特に薬物汚染が低年齢化していることから、次代を担う青少年の薬物汚染対策を早急にかつ強力に推進していく必要があります。そのため官民一体となって取り締まり活動や啓発活動の推進に取り組んでおり、特に予防教育の重要性について県民の御理解をいただきたいと思います。
 県議会におかれましても、薬物乱用を許さない地域環境づくりに向けて議会決議等を通して「ダメ。ゼッタイ。」普及運動を強力に推進していただきたいと願っております。
○警察本部長(西村泰彦) 過去5年間の本県における覚せい剤事件の検挙者数と違法薬物の押収量、また他府県と比較しての本県の薬物汚染の状況についてお答え申し上げます。
 初めに、全国の薬物情勢でありますが、本年上半期における覚せい剤取締法違反による検挙者は1万297人で、昨年の9163人と比較して13.4%増加し、また国民の身近なところに覚せい剤汚染が広がってきております。
 この要因としては、薬物の末端価格が安くなってきていること、インターネットや携帯電話等の普及により密売人や他の薬物乱用者との接触の機会が容易になっていることなどが挙げられます。
 また、東京や大阪などの大都市におきましては繁華街の路上で覚せい剤の密売が行われているような実態がありますが、県内においてはそのような実態は把握されておりません。
 本県の薬物情勢については、他府県と比較すると検挙者はいまだ少ない現状ではありますが、平成4年ごろから覚せい剤事犯が増加傾向を示しております。また検挙される者も、従来は暴力団員を中心にその親交者や風俗営業関係者などによる乱用が大半でありましたが、最近は一般市民も検挙されております。
 県内における過去5年間の覚せい剤事件の検挙者数と押収量を御説明いたします。
 平成8年は60名を検挙し34.27グラムを押収しております。平成9年は31名を検挙し3583.7グラムを押収しております。平成10年は27名を検挙し0.92グラムを押収しております。昨年は45人を検挙し247.35グラムを押収しております。また、ことしは12月11日現在で50名を検挙し、3月には覚せい剤の大量押収事件等もありまして200キロ余の覚せい剤を押収しております。
 次に、薬物汚染を防止するための県警の取り組み状況につきまして御報告申し上げます。
 本県は、覚せい剤等薬物の仕出し国と目される中国、台湾、フィリピン等東南アジア諸国に近いという地理的条件から、過去に沖縄近海において大量の覚せい剤が洋上取引により密輸入された事犯があり、今後も密輸の中継基地として利用されることが予想されます。
 県警では、このような環境下にあることから関係機関と連携を図りながら水際での監視体制を強化しております。また薬物事犯は暴力団の資金源となっているケースが多く、薬物汚染防止の目的からも暴力団に対する取り締まりを強化しているところであります。
 ちなみに、昨年は10名の暴力団員を覚せい剤の密売や所持・使用事犯で検挙しており、本年も現在までに12名の暴力団員を検挙しております。
 次に、青少年の薬物事犯では、そのうち特に覚せい剤事犯で検挙された少年は全国的には平成9年が1596人ということで過去10年間の最高を記録し、本年は10月末までに967人となっております。
 当県では、少年による覚せい剤乱用事犯は、平成7年から平成9年までにかけまして6件6名を検挙し、その後は2年間検挙はありませんでしたが、本年に入りまして2月に2名、9月に1名の計3名の女子中学生を覚せい剤使用で検挙しております。
 覚せい剤等の薬物事犯は、一般的に模倣性、波及性が強いことから一たん広がると歯どめがきかないという危険性があり、県警としては取り締まりを強化するとともに、薬物防止対策として中高校及び関係機関・団体と緊密に連携して諸対策を推進中であります。
 そのうち主なものとしましては、第1は薬物乱用防止教室の開催であります。これは県下の小・中・高校生に対して薬物の危険性、有害性、立ち直りの困難性等を理解させるため警察職員を学校に派遣して開催しているものであります。
 2つは、沖縄県少年育成ネットワークの活動であります。このネットワークは県内の行政機関、民間の関係機関・団体など76の組織により去る11月30日に設立されており、従来の枠を超えた県民総ぐるみによる少年非行防止、少年の健全育成などを目指しており、少年の薬物乱用防止も少年非行防止の中に含めまして今後活動を展開してまいります。
 3つは、広報啓発活動の推進であります。9月の女子中学生の事件を受けて去る12月2日開催された「青少年を覚せい剤や非行から守る県民大会」を初め広く県民に覚せい剤の危険性等を周知させ、県民一丸となって青少年の薬物乱用防止を図るため街頭キャンペーンなどの広報啓発活動を推進中であります。
○教育長(翁長良盛) 薬物汚染を防止するため、教育委員会はどのような取り組みをしているかという金城議員の御質問にお答え申し上げます。
 ことし2月と9月に女子中学生が覚せい剤使用により逮捕されるという事件が発生し、県民に大きな衝撃を与えました。薬物汚染が児童生徒の身近にまで迫っていることに対し、改めて強い危機意識を持っております。このようなことから去る12月2日に県、県教育委員会、県警察本部等が一体となり「青少年を覚せい剤や非行から守る県民大会」を開催したところであります。
 薬物乱用は、使用者の健康のみでなく人格をも変え、犯罪やさまざまな事件に結びつき社会に深刻な影響を与えることや、依存性の強いものであることを児童生徒に正しく指導することが何よりも大切なことであると考えております。
 このため、各学校においては保健体育等の教科の中で指導するとともに、警察、医師、薬剤師等と連携し、薬物乱用は絶対に行わないという態度を身につけさせるため「薬物乱用防止教室」を実施しているところであります。
 また、県教育委員会は、児童生徒の実態を把握するための意識調査を実施し、指導の手引きやビデオ等を配布するとともに、管理者、保健主事、養護教諭等を対象とした研修会を開催し指導者の資質の向上を図っております。
 なお、薬物乱用は社会全体の問題であることから、家庭や地域、青少年育成ネットワ-ク等の関係機関・団体との連携を強化し、児童生徒の薬物乱用防止に努めてまいりたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) IT革命に対応した電子自治体の推進について、各種証明書や申請等住民ニーズに対応する情報化施策にどのように取り組んでいるかについてお答えいたします。
 県としましては、行政手続にかかる県民の利便性の向上や負担軽減の観点から、国等の動向を踏まえインターネット等を利用した電子申請等の実現に向け全庁的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、情報化の進展に伴って地域間の情報格差、世代間の情報格差などの課題が予想されますが、どのように対応するのかについてお答えいたします。
 地域間の情報格差については、県と全市町村等を結ぶ高速・大容量の情報通信網として「沖縄県総合行政情報通信ネットワーク」を構築中であり、また人材育成拠点として「沖縄県マルチメディアセンター」、「八重山マルチメディアセンター」及び来年4月開所予定の「宮古マルチメディアセンター」の整備のほか、親子ネット事業による小・中・高校へのインターネット接続等の事業を行っております。
 世代間の情報格差については、成人を対象とした住民一人一人の情報活用能力の向上を図るため「情報通信技術講習推進事業」を実施することとしており、今後とも地域間、世代間の情報格差の是正を図るため情報関連の各種施策を推進していくこととしております。
 次に、コンピューターセキュリティー対策や個人情報保護対策をどのように考えるかについてお答えいたします。
 県のセキュリティー対策については、これまでも常に最適なネットワーク機器等の導入を行うとともに、ネットワーク構成においても二重三重の防止対策を講じるなど万全を期してきたところであります。しかしながら不正アクセス等については常に新たな技術が開発されていることから継続的な対策の必要があり、今後とも最新の技術動向等に留意しながらネットワークのセキュリティーの確保に努めてまいります。
 また、個人情報保護対策については、「沖縄県個人情報保護条例」第10条の中でコンピューターネットワークを介した個人情報提供の制限が規定されていることから、その条例に沿って個人情報保護対策を図っていきたいと考えております。
 次に、これらの情報化施策を推進するときの予算措置はどうなるのかについてお答えいたします。
 ネットワーク構築等の基盤整備及び行政手続の電子化等の整備に要する財源の確保については、国の財政上の支援措置等を最大限に活用していくなど、効率的かつ効果的な予算措置に努めていきたいと考えております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 市町村合併について要綱策定の進捗状況はどうかについてお答えをいたします。
 地方分権の推進や少子・高齢化の進展、介護保険、廃棄物処理問題及び日常生活圏の拡大など広域化、多様化する行政需要に的確に対応し、行政サービスの向上を図るためには市町村合併の議論は避けて通れない大きな課題であります。
 このため、県では自主的な市町村合併の議論に資するよう「市町村合併の推進のための要綱」の策定作業を進めており、近々県の附属機関である「沖縄県市町村合併促進審議会」に諮問し、同審議会の審議・答申を踏まえ、今年度じゅうに同要綱を策定する予定であります。
 同じく市町村合併で、昭和48年の市町村合併計画の策定以降、沖縄市以外に合併の実績がないのはなぜかについてお答えをいたします。
 県内の市町村合併は、琉球政府による昭和31年の市町村合併促進法の制定、昭和44年に策定した市町村合併計画に基づいて市町村合併を促進したことにより、昭和31年から昭和47年の本土復帰までの間に5件の市町村合併が行われ、市町村数は64から54となっていました。
 復帰後は、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律及び同政令による特別措置及び改めて策定した市町村合併計画に基づき市町村合併を積極的に促進したことにより、昭和49年には沖縄市の合併が実現したところであります。
 その後、昭和52年ごろまでの間に読谷村と嘉手納村、久米島の具志川村と仲里村及び与那城村と勝連村などで合併に向けた検討が行われたものの、住民の合意形成が図られなかったこと、また昭和53年に沖縄の市町村合併に関する復帰特別措置が失効したこともあって合併は実現できませんでした。
 なお、平成7年の市町村合併特例法の改正により創設された住民発議制度を活用し、平成9年には具志川村、仲里村で合併協議会が設置され、平成14年4月の合併実現に向けた取り組みが進められているところであります。
 同じく市町村合併で、今後合併の実効を上げるためにどのように取り組んでいくかについてお答えをいたします。
 県としましては、市町村合併は地域の将来や住民生活に深くかかわる重要な事項であることから広く県民に対して広報活動を展開するとともに、市町村に対して情報の提供や助言などを積極的に行ってまいりたいと考えております。
 また、合併市町村に対する有利な融資制度や新たな財政支援制度の創設を検討するとともに、合併市町村の「市町村建設計画」に対する県事業の重点的な実施等により、合併後の町づくりに積極的にかかわり支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 金城勉議員の基地問題についての御質問にお答えいたします。
 まず、嘉手納基地爆音被害の公平補償問題について、平成13年度の重点施策に明記すべきだと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
嘉手納基地の爆音被害につきましては、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった同地域に居住する住民も同様に受忍限度を超える被害をこうむっていると認識しており、県は去る10月20日、国に対し嘉手納基地の爆音訴訟に加わらなかった住民の受忍限度を超える過去の騒音被害に対しても適切な措置を講じるよう要請したところであります。
 いわゆる公平補償問題の解決を県の平成13年度の重点施策に位置づけることにつきましては、この問題に関する国の対応の動向なども注意深く見守りつつ検討してまいりたいとこのように考えております。
 次に、基地内道路の共同使用について見通しはどうかという御質問にお答えいたします。
 緊急車両の基地内道路の通行につきましては、在日米軍において米軍と地域社会とのよき隣人関係の構築に寄与する取り組みであるとの評価がなされ、すべての在日米軍施設において適用できる枠組みを設定するため、現在、日本政府との間で集中的な協議がなされているところであります。県は、これまで本事項の一日も早い実現を日米両政府に対し強く働きかけてきたところであり、年内にも本事項に係る日米間の合意が得られるものと考えております。
 県としては、本県における基地問題の解決を促進するためにはできるだけ現地で早期に対応することが重要であると考えており、現地司令官の権限を強化するよう引き続き日米両政府に対し働きかけていきたいと思います。
 以上でございます。
○金城  勉 再質問をさせていただきます。
 まず、薬物汚染についてでございます。
 福祉保健部長の方にもう一度お伺いをいたします。
 沖縄県は、先ほどの御答弁で全国に比べて覚せい剤など薬物汚染の状況はまだ進んでいないようですが、しかし安心はできません。年次ごとに増加傾向にあるというお話でございます。お話にありましたように薬物汚染は一たん広がり出すと歯どめがきかないという極めて危険なものであります。
 本土では主婦や青少年にまで被害が広がっているとの報道を聞くとき、沖縄県民はもっと薬物汚染に対する警戒心を喚起すべきではないでしょうか。一般県民に対する広報啓発活動にもっともっと力を入れていくべきだと思うのですが、福祉保健部長、もう一度御答弁をお願いいたします。
 そして2点目には、本県が地理的条件により薬物取引の中継拠点として使われているとの県警本部長の御答弁がありました。薬物汚染の被害防止は、県内に入る前の水際作戦が最も大事である。したがって県警を中心に関係機関との連携を強化しながら薬物汚染から県民を守っていただくよう、また暴力団対策にもしっかり力を入れていただくようお願いを申し上げ、この件は要望といたします。
 それから、電子自治体の推進についてでございます。企画開発部長にお尋ねをいたします。
 この情報技術進展による電子政府、電子自治体への取り組みについては、地方公共団体においてのいわゆる基盤整備については都道府県が平成13年度、また市町村においては平成15年度をめどにその基盤構築を進めていくというふうに伺っているんですけれども、こういう年限のそういうタイムリミットは大丈夫でしょうか、改めてお尋ねをいたします。
 そしてこの電子自治体を推進するに当たっては、人材育成あるいはまた職員の能力開発なども早急に迫られております。しかも県のみならず53市町村を指導する立場にあるわけですから、市町村との連携また指導体制、その基盤構築へ向けての取り組みについてもう一度お尋ねをいたします。
 市町村合併についてでございます。
 合併がなかなか進まない状況の中で、合併のデメリットとして去る9日付の琉球新報では4つの分類に分けてそのデメリットが紹介されております。1つは、「行政サービスの低下・不均衡など」、また2つ目は、「財政・施策への影響」、3つ目は、「地域特性の喪失・平準化」、4つ目は、「共同体意識の喪失・希薄化」、トータルでは51件挙げられているようであります。
 また、紙面には出ておりませんが、首長や議員の定数など合併後の問題、あるいはまた財政支援がどうなるのか等の懸念もあるのではないでしょうか。そういうデメリットについて合併を推進していく県としてどのようにお考えになるか、お尋ねをします。
 それから東部海浜開発計画についてでございます。
 大臣認可が得られ次第、速やかに進めていくということですけれども、この認可承認の具体的なめどについてはどうでしょうか、もう一度お答えいただけないでしょうか、お願いいたします。
 そして5点目、基地問題についてでございます。
 先ほど親川知事公室長からお話がありましたように、去る10月20日、防衛施設局の方にこの公平補償の問題を要請していただきまして、このことについては大変感謝を申し上げ、また高く評価をしたいと思います。
 そういうことについて答弁の中では、この平成13年度の稲嶺県政の重点施策の中に明記することについては検討すると、国の推移を見守るという御答弁ですけれども、これはそういう基地問題、平和の問題を取り上げる稲嶺県政としてこのテーマを具体的に平成13年度の重点施策の中に明記をした上で国に折衝するということは、県民に対する稲嶺県政の基地問題や平和問題についての大変大きなPRの材料にもなろうかと思います。そしてまたその地域住民はそれを待ち望んでいるわけであります。
 ですから、公平補償の実現という直接的な表現になるか、あるいはまたほかの適切な措置というほかの表現を使うか、その辺のところは議論してもいいかと思うんですけれども、この稲嶺県政が具体的にこういう基地問題についてスタンスをとるということを県民にメッセージを送るという意味では、ぜひこれは13年度の重点施策の中に明記した方がより稲嶺県政のPRになるというふうに私は思います。もう一度御答弁をお願いいたします。
 よろしくお願いします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後2時36分休憩
   午後2時43分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の再質問にお答えいたします。
 嘉手納爆音被害の公平補償問題について、平成13年度の重点施策に明記すべきだと思うが所見を聞きたいとのお答えでございます。
 国と調整する面も数多くありますので、今後よく検討させていただきたいと思います。
○福祉保健部長(平良健康) 薬物汚染についての再質問にお答えいたします。
 御質問の趣旨は、一般県民に対する広報啓発活動にもっと力を入れるべきだと思うが、今後の取り組みに対して決意はどうかというふうな趣旨の再質問でございます。
 薬物乱用防止対策につきましては、予防啓発が最も重要であるというふうに認識しております。そのようなことで県民に広く参加をお願いしておりまして、関係機関と連携をとりながらキャンペーンを1年を通して行っております。「不正大麻・けし撲滅運動」、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動、「麻薬、覚せい剤乱用防止運動」等でございまして、全県的にこの防止の広報啓発活動を展開しておりまして、予算は少ないながら最大限の効果を上げるように心がけているところでございます。
 現在の普及活動の体制でございますが、県民の276人のボランティアの方々に薬物乱用防止指導員をお願いしておりまして、それぞれ保健所に事務局を設置して薬物乱用防止指導員地区協議会というものを組織して活動に当たっております。
 また、麻薬中毒者等相談員を11人の方々に委嘱しております。
 また、財団法人沖縄県薬物等乱用追放協会というのがございますが、これは社会悪の根源となっているこの薬物乱用等を追放することを目的として種々の活動を行っております。
 このように個人や団体の御協力のもとで地域や学校等における薬物乱用防止教室をより一層推進してまいりたいと、そして地域に根差した広報啓発活動を推進していくということで決意として持っております。
○地域・離島振興局長(山川一郎) 市町村合併についてのデメリットの報道についての再質問でございますけれども、市町村合併を計画をする場合に市町村合併協議会の方で市町村合併における建設計画を策定をすることになっております。したがいましてその建設計画の中でその地域がどういう町づくりをしていくのか、地域とそれから行政と一体になって議論をする必要があります。
 御指摘のように報道されましたデメリットもいろいろ懸念される事項でありますけれども、合併をすることによっての町づくりはどうなっていくかという議論も自主的に地域とやっていくということでございます。デメリット、メリットにつきましても地域によって恐らく内容が変わってくると思います。
 沖縄県の市町村財政の話を少し申し上げますと、御承知のとおり全国に比べて自主財源が全国の6割ということで県内は小規模市町村、それから離島市町村を抱えておりまして自主財源が非常に厳しいと。
 それからポスト3次振計の問題もあるわけですが、それと過疎法もあと10年で切れると、新しい法律も10年後の計画と、10年までの計画ということになりますと、今後の将来計画がどうなっていくかということを真剣になって地域住民と話し合う必要があると。メリット、デメリット、いろんな議論を地域と話し合って自主的に合併を進めていくということが大事だと思います。
 したがいまして、御指摘のありましたデメリットについても地域によっても変わってくるわけですが、それをどうクリアしていくかが大きな問題だと思いますので、県としても市町村合併に向けて積極的に対応していきたいというふうに思います。
○土木建築部長(銘苅清一) 再質問にお答えいたします。
 東部海浜開発計画について認可着工までの具体的な見通しはどうかとの御質問にお答えいたします。
 県事業については、先ほど知事から御答弁がありましたように現在運輸省で審査中でございます。できるだけ早く認可をお願いしたいわけですけれども、運輸省で審査の大臣認可が得られれば県事業に対する免許、国事業に対する承認を同時に与えまして、その後、漁業権補償の支払いを行い、国事業については平成12年度内に着工予定と、それから県事業につきましてこれは客船埠頭とか防波堤とか緑地等あるいは港湾施設の整備でございますけれども、その分につきましては平成13年度より着工の予定でございます。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 金城議員の再質問にお答えいたします。
 まず、電子自治体は県が平成13年度、市町村が平成15年度に実現する方針だが大丈夫かについてお答えいたします。
 現在、自治省が進めております総合行政情報ネットワーク実験事業に県は今年度から参加することになっております。この実験による構築により市町村は平成15年度から参加することになっておりまして、したがいまして県及び市町村の電子自治体については大丈夫だと考えております。
 次に、県と市町村とのネットワークの構築、連携は大丈夫かについてお答えいたします。
 県と全市町村等を結ぶ高速・大容量の情報通信網として沖縄県総合行政情報通信ネットワークを今年度から工事を進めて構築中でありまして、その構築により県と各市町村との連携は大丈夫だと考えております。
 以上でございます。
○金城  勉 まず薬物汚染についてでございます。
 ただいま福祉保健部長からお話がありましたように、さまざまな取り組みもされているように伺ってはおりますけれども、しかし一般市民の立場から見るとまだまだその危険の割には啓発活動が足りないというふうに受けとめております。
 ですから、これはどんなに強調してもし過ぎない、一たん広がり出すと歯どめがきかないということは先ほどの答弁にもありましたように、ですから今他府県と比べて幸いにまだ低い水準にあるわけですから、それをさらに押し下げてその被害を食いとめる、そのためにはこの啓蒙、広報啓発活動というものは大変重要になってまいりますから、県警や教育委員会あるいはまた福祉保健部、さまざまな関連機関が一致団結をしながら、その防止策、歯どめに向けて取り組みをしていただきたい、このことはお願いをしておきます。
 それから電子自治体への推進についてですけれども、県としてはそういう方向性をもう既に持っているということですからよろしいかと思いますけれども、これは53市町村がネットワーク化して全国的にはそれぞれの自治体が結ばれていくという大変膨大なそういう実験であり、また今後の実施の方向であります。
 ですから、そういう意味ではその推進体制というのは単にその担当部局だけの問題に限らず、沖縄県の県庁全庁的な推進本部なりそういうものも組み立てていかなければ対応が果たして大丈夫かという懸念も非常に強くいたしております。ですからそういう意味でも強力な推進体制を構築しながらこの実現に向けて取り組んでいただきたい、これも要望にいたします。
 それから最後に基地問題についてでございます。
 ただいま知事からも直接答弁がありましたけれども、残念ながら私の意図するところではありません。
 この公平補償の問題というのは非常に慎重になる部分は私も理解しております。どのような形でその地域住民に対して補償という手当てをしていくかということについてはその内容、やり方について議論があることはわかります。しかしながらその向いている方向性というものはやはり何らかの形でそれを措置をしなければならないという、そのことは恐らく知事も同じ認識に立っていただけるんではないかと思います。
 そういう視点から考えるならば、平成13年度、新年度の知事の重点施策の中に具体的にその公平補償について表現のできる範囲で結構ですから、公平補償という問題が沖縄に現にあると。そして地域住民の皆さん方が日常生活で被害をこうむっていると、それについて国に対して適切な措置を求めていかなきゃいかぬという、この辺の具体的なスタンスというものははっきりさせていただきたい。そういうことをすることが稲嶺県政にとってもプラスになると、そのように私は考えるんですけれども、もう一度御答弁をお願いします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後2時56分休憩
   午後2時58分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
  稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) ただいまの金城議員の再々質問にお答えしたいと思います。
 先生が御指摘のようにこの問題は大変重要な問題であり、そして非常に多くの難しい問題を抱えておるわけでございます。そして地域住民の思いというのはよく理解をしております。そしてその意味で私どもとしては、先ほど御答弁いたしましたように国とも調整を図りながら今後よく検討させていただきたいというふうに考えております。
○新垣 哲司 こんにちは。
 新那覇病院の高度多機能病院建設に伴う南部病院の機能再編成についての質問をいたします。
 質問する前に、現在の南部病院の今日までの背景について少しばかり御説明をしたいと思います。
   〔副議長退席、議長着席〕
 ここに「私の歩んだ道」ということで島袋仁栄さん、この方は当時糸満市の税務課長でございました。(資料を掲示) 後に部長を経て収入役をなさり、そして40数年間糸満市の方に勤務されて1993年に退職をしたわけでございます。この島袋仁栄さんの「私の歩んだ道」の本に、地元真栄里であるということで──現在の南部病院の地域でございます──当時、昭和45年3月、琉球政府屋良主席であります。松下電器(株)を訪問され、企業の少ない沖縄へぜひ進出をしていただきたいという旨の要請をされております。
 それに対し、松下電器の当時の社長である松下正治氏は、今次大戦で大きな被害をこうむった沖縄のお役に立てばということで前向きの意思表示をしたわけでございます。そういう意味で、それから時がたってオイルショックということで松下は断念をするわけであります。
 それから、当時の知事やあるいは本市の市長である伊敷喜蔵さんは、ぜひ県の南部病院の構想があるからということで県の方に陳情いたしまして、そしてまたこの敷地が約2万5000坪、そして県の方が60%、糸満市が40%で無償で松下電器から贈呈をされているのが背景であります。したがいまして糸満市と県との、あるいは松下電器との非常に緊密なる提携があります。それはこの本にも詳しく年月日、用地の取得やあるいは協定書、多くのあれがあります。
 当時、病院ができるときは昭和54年に無償提供があって、南部病院ができ上がるのが57年の4月16日に完成しております。そういう背景があるわけでありますので、この南部病院は県と松下と糸満市の緊密な提携があるわけでございますので、簡単に低下をさせてはならぬということを前提に質問をさせていただきます。
 糸満市においては、最近、県立南部病院の規模縮小及び機能低下に反対する住民大会を持ちました。その趣旨は、沖縄県は老朽化した県立南部病院を改築し地域を支援する高度で多機能な病院を建設するため浦添市以南の南部保健医療圏における県立病院、いわゆる那覇病院、南部病院の機能再編を検討しているが、その内容は南部病院の規模縮小及び機能低下につながるものであり、糸満市民を初めとする南部地域の住民としては容認できない。
 県立南部病院は、南部保健医療圏における公立の中核病院として昭和57年4月に開設以来、今日まで18年間の長きにわたり糸満市民を初めとする南部地域住民の医療機関として大きく貢献するとともに、地域住民の生活に定着し親しまれた病院である。
 平成11年度における南部病院の利用状況を見ると、入院利用率が89.9%、外来患者が1日平均513名、年間1万2486人となっています。また救急患者は年間1万1640人となっており、南部地域の医療に大きく寄与し、南部保健医療圏域における公立基幹病院としてなくてはならない存在である。
 沖縄県は、県立南部病院の改築に合わせて県立南部病院の機能再編を打ち出しており、その内容は3つの機能を持った病院にする方針である。1点目には高度総合医療リハビリセンター、2点目には脊損センター、3点目には慢性疾患対応型と、すなわち県立南部病院は機能訓練専門及び長期療養型の病院にするということではないか。
 今、糸満市を初め南部地域住民の一番危惧していることは、県立南部病院の現在実際に行っている内科や外科を初めとする多くの診療部門をどうするかと大変重要な部分であり、また一番知りたい部分であるが、その件については沖縄県は現時点では一切言及しない状況であることから、不安と危惧の念を増幅させているところであります。
 そういうことで南部地域を挙げて12月14日、まず南部市町村を初めとする16人がこの大会であいさつをし、そして糸満市のあらゆる団体105団体がこの大会に出席し、その低下をさせてはならないということで大会が持たれたわけでございます。
 そこで質問をいたしますが、まず1点目に、新那覇病院(高度多機能病院)建設に伴う南部病院の機能再編成問題について。
 (1)、高度総合医療リハビリセンター、脊損センター機能、慢性疾患対応型の3つの機能を掲げているが、現在、県立病院が実際に行っている診療部門及び救急業務について伺いたい。
 また、以下アからウについて御説明を願いたい。
 ア、全廃するのか、イ、一部残すのか、ウ、現状維持するのか。
 (2)番目、南部医療圏内で567床の過剰がある中で、新病院(高度多機能病院)のための病床をふやすことは、その分、県立那覇病院より減少することにならないか。
 (3)番目に、現在の那覇病院の病床数と、新築される新那覇病院の病床数を示していただきたい。
 (4)点目に、医師と看護婦の定数減にならないのか、これもお尋ねをします。
 (5)点目に、那覇病院の医療対象数、また南部病院の医療対象人口を示していただきたい。そして現在の那覇病院の病床数、これから予定している新しい那覇病院の病床数、南部病院の病床数、中部病院の病床数を示していただきたい。
 基地問題は、時間がありませんので次にさせていただきます。せっかく用意されたことかと思いますが、よろしくお願いします。
 次に、我が党の代表質問に関連しての質問をさせていただきます。
 渡久地健議員の質問の中で、農業研修センターが大幅におくれております。4年というおくれをしておりますが、特に4年というおくれた理由について御説明を願います。
 明確なる答弁をお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の知事の政治姿勢について、基地問題について答弁をする予定でございましたが、お取り下げになられましたので、その他の答弁につきましては関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(平良健康) 新那覇病院(高度多機能病院)建設に伴う南部病院の機能再編成問題についての御質問でございます。
 まず、県立南部病院の診療部門及び救急業務を全廃するのかとの御質問、それから一部残すのか、現状維持するのか、3つの御質問につきまして一括してお答えいたします。
 高度多機能病院につきましては、人口の集中する南部保健医療圏において県立病院に求められる役割及び医療ニーズを総合的に把握しつつ、これらのニーズに十分にこたえられる新たな機能を持つ病院として整備することとしております。
 このことから、同一医療圏にあります県立南部病院、県立那覇病院の両方でございますが、これまで果たしてきた救急業務等の医療機能を維持することを基本として、多発する交通事故や脳血管障害等に対応する新たに求められる医学的リハビリテーション機能の実施の可能性につきまして、県民各層の代表者で構成する「地域医療を支援する高度で多機能な病院検討委員会」におきましてただいま検討しているところでございます。引き続き検討作業中でございます。
 次に、高度多機能病院の病床をふやすことにより県立南部病院の病床は減少するのかという御質問、それから現在の県立那覇病院の病床数と改築後の新那覇病院の病床数についての御質問、それから医師と看護婦の定数減にならないのかについての御質問でございますが、一括してお答えいたします。
 高度多機能病院の病床数は、南部保健医療圏域内の県立病院の病床数の枠内で行う必要があることから、南部保健医療圏において県立病院に求められる役割、それから新しい医療ニーズ等を把握しながら現在の県立那覇病院の病床数434床でございますが、これを基本としまして今後「地域医療を支援する高度で多機能な病院検討委員会」で検討していきたいと考えております。
 また、定数につきましては、県立病院全体としての定数枠があることを勘案しながら、南部保健医療圏で県立病院に求められる必要な医療機能などを把握した上で対応していくこととしております。
 次に、県立那覇病院と県立南部病院の対象人口についての御質問にお答えいたします。
 医療法に基づく保健医療計画においては、南部保健医療圏の人口等を勘案して、南部保健医療圏内の全体の病院における必要病床数を算定することになっていることから個別の病院の対象人口としては設定されておりませんが、県立那覇病院と県立南部病院については一体となってこの南部保健医療圏内の地域住民に対して公的な医療の提供を担うということになっております。
 なお、平成11年度の県立那覇病院の外来患者の市町村別内訳を見ますと、那覇市内の患者が75.6%で最も多く、県立南部病院の外来患者につきましては、糸満市内の患者が80.6%を占めているというふうな統計がございます。
○農林水産部長(小那覇安優) 我が党の代表質問に関連しての御質問で、農業試験場の移転がおくれている理由は何かとの御質問にお答えします。
 農業試験場の移転がおくれている理由は、用地取得が難航しているためであります。
 その主な内容は、1つ目に、農業継続を希望している専業農家の代替地条件が厳しくその対策に時間を要していること、2つ目には、土地価格不満や補償額不満の調整に時間を要していること、3点目には、相続問題の処理に時間を要していることなどであります。
 用地取得については、関係者と連携して地権者の理解が得られるように努めています。また、取得した用地については、事業着手に向けた集団化を具体的に検討しているところであります。
 移転整備の年次計画としては、平成13年度に基本設計、14年度に実施設計と試験圃場の整備に着手して、平成17年度の移転完了を目途としております。
 以上でございます。
○新垣 哲司 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時18分休憩
   午後3時18分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 平良健康君登壇〕
○福祉保健部長(平良健康) 県立病院の病床数についての再質問にお答え申し上げますが、南部保健医療圏におきましては那覇病院と南部病院がございますが、那覇病院が434床の病床規模でございます。南部病院が300床の病床規模でございます。
 次に、中部病院は中部保健医療圏でございますけれども、550床の規模でございます。
 なお、現在検討中の新しい病院の規模につきましては、ほぼ現在の那覇病院の病床数の規模でもって議論をしているというところでございます。
○新垣 哲司 知事、先ほどはどうも失礼いたしました。せっかく立っていただきまして……。
 福祉保健部長、私の質問はですね、含めて答弁してあるんですが、全廃するのか、一部残すのか、それとも現状を維持するのかと、それに答えていただきたい、もう一度これは。そういうふうに質問をしていますので、全くもう言っていることが把握できない。
 (2)、(3)、(4)もこれはこれから「地域医療を支援する高度で多機能な病院検討委員会」、あるいはタイムスケジュールでやるというんですが、じゃ今までに検討会、幹事会は何回持ったのか。それでこれから何回持つのか、そしてどういうことをこれから検討されるか、これも述べていただきたいと思います。
 それから先ほどの、ちょっと議長、休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時21分休憩
   午後3時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○新垣 哲司 那覇病院が434床、南部が300床、中部が550床。うわさですがね、これはよくわからないんですが、新しい病院に700床をつくりたいという、あっちこっちからこういう話が聞こえるんですよね。
 そうしたらこれは南部だけじゃない、中部からも持ってこないと那覇だけじゃ足りないですよ、この病床数から見た場合に。その辺が隠れて見えない。それを心配しているんです、実際は。
 ですから糸満市が12月4日に大会を持ったときにも、私は局長と部長にも、もしこれがはっきりするのであれば、そうじゃないということを大会に来て言えば、それなりにああそうですかと理解もできるし、そういう問題も発生もしないですよ。
 今の県のやり方が目に見えない、わからないということでありますので、この辺を今質問した件についてはっきり答弁をいただきたい。
○福祉保健部長(平良健康) 再質問でございますが、お答えいたします。
 まず、南部病院のことにつきまして病床の規模について全廃するのか、一部残すのか、現状維持するのかというような御質問でございます。
 今議論しております新しい病院でございますが、県立病院はこれまで南部保健医療圏において2つの県立病院がございまして、それぞれの地域の医療を担ってきたわけでございます。特に救急医療部門等大変大きな役割を果たしてきております。
 しかしながら一方、子ども病院の設置要望に見られますように、21世紀の県民の医療に対するニーズは大変大きな変化を見せてきております。この県民のニーズにどうこたえるかということが現在の検討委員会の大きなテーマでございます。
 そのようなことで、子ども病院のような機能、それから救急医療の機能、そのようなことを県立病院がこれから担っていくためには、どのような機能を担っていくべきかということで今議論が検討が行われているということでございます。そういう中で南部病院の病床については、規模を特別言及するというようなお話ではございません。
 2番目でございますが、スケジュールでございますが、現在、検討委員会と幹事会と両方ございまして、検討委員会が2度行われております。先般、中間報告が出たわけでございます。幹事会が現在4回行われておりまして、都合幹事会が5回、検討委員会が3回行われた後に、平成13年3月に知事へ報告が行われる予定になっております。
 3つ目のお尋ねでございますが、700床の件でございますが、中部保健医療圏と南部保健医療圏はそれぞれ独立した保健医療圏になっておりまして、保健医療圏間で相互に病床をやりとりすることができません。ですから南部保健医療圏において適正な病床を決めるわけでございますが、保健医療計画の制約のもとでそういうふうな700床の病院をつくるというふうなことは現実的にできないことになっております。
○新垣 哲司 中部病院と南部病院の、南部圏域内とは、これは理解できました。
 それで、今の南部病院の300床ですね、部長、これは絶対動かないという約束できますね。私はそれができればいいと思うんですよ。それができれば内科も外科も動きませんよ。医師も看護婦も。
 そういうことですので、これはそういうふうに受けとめてよろしいですね。これが1点目ですね。
 それから、議長、ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時27分休憩
   午後3時27分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○新垣 哲司 先ほどの農業研究センターの件についてでございますが、3つ4つぐらい部長は挙げていらっしゃいますが、一番大きな原因はですね、専業農家がいる。専業農家がいらっしゃるもんですから、この専業農家の分はどうするかというのが問題だったんですよ。
 そこでこれはようやく県が、私は前からこうしないとなかなか専業農家について代替地はできないよと。新しく県が買い求めた、そこから割り振りしてやればすぐ一発に解決するよということは何回も申し上げたんです。これが今実現できていますよね、ある程度、最近。この方式であれば、その流れでいけばそんなにはおくれなかったんですよ、実際は。
 そういうことですが、その辺の見解と申しますか、その件についてどう伺っていますか、お伺いします。
○農林水産部長(小那覇安優) 農業研究センターに関する御質問で再質問にお答えします。
 先ほど申し上げましたけれども、とにかくおくれた理由はですね、議員おっしゃるように専業農家の代替地要求がかなり厳しい条件で同一地域に求めたということが大きな原因でございました。
 それと同時に、事業着手に向けて、今虫食い状態に用地が取得されておりますので、この状態では移転事業も基盤整備も導入できないという事情もございましたので、今、集団化の方向で要するに専業農家、農業を継続したいという農家については1カ所に集めて基盤整備をして、試験場用地は試験場用地で1カ所に集めた基盤整備をする方向で地元等、それから地権者を含めて説明会等をしております。
 そういうことでは地元の議員の皆さんにもひとつ御協力をいただきたいと思います。
 以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 再質問にお答えいたします。
 県立南部病院の300床の病床規模、それから病院機能、これについて縮小や低下がないということを断言できるかというような御質問でございます。
 先般、糸満市によって住民大会も行われたということで、私もかつて南部病院で仕事をしておりましたので糸満市民の気持ちは大変よくわかります。そういうことで地域住民の意向を十分酌んで対応してまいりたいと思います。
 しかし現在、検討委員会の中では21世紀前半の求められる医療機能について多角的な議論をしておりますので、またその検討委員会の中に糸満市長も委員としてお願いしておりますので、透明性の高い議論の中でいろいろ意見を賜りたいと、こういうふうに考えております。
○新垣 哲司 休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時31分休憩
   午後3時31分再開
○福祉保健部長(平良健康) 再質問の中の300床規模でございますが、検討委員会で検討しているということで、これからの検討課題であるということでお答え申し上げたいと思います。
○新垣 哲司 これから検討委員会内で決定をしていくというようなことでありますが、これは1月、2月ですよね。3月に知事に上げるということですよね。
 それでは部長はできるだけ、先ほどから機能は強化しても低下はさせないということでありますので、病床数も当然受けとめる側は少なくはならぬだろうと、そういうふうにだれしも思うんですよ。しかし最終的には検討委員会というんですが、部長もそのようにして検討委員会の中でも、こういうような私みたいな前向きな発言をしていただきたい。
 そして先ほど失礼しました、知事にもお願いしたいんですが、知事、今部長と質問、答弁のやりとりをしているわけですが、南部ではおじいちゃん、おばあちゃんを初め大変深刻な問題になっています。ですから今部長も低下しないようにということは、これは私はベッド数、病床数は減らないものだというふうに思っておりますので、さらなる知事の御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時34分休憩
   午後3時35分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 平良健康君登壇〕
○福祉保健部長(平良健康) お答えいたします。
 南部病院の規模や機能低下についてのいろいろ地元において懸念があるということでございますが、現在の検討の状況は例えば医学的リハビリテーションとか、非常に新しい最先端の医療の部分でございますけれども、そういうふうな新しい県民の医療ニーズにこたえられるような病院の機能、そういうことも含めて議論が行われております。
 そういうことでございまして、検討委員会においてはそのような包括的な機能や規模等も含めて議論が行われていくということで御理解いただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 私のところには3月に検討委員会の結果が出てまいりますので、それを受けてからということになりますが、いずれにしましても皆様方の真摯ないろんな地域を代表しての御意見等がございますので、検討委員会においては多角的な面からその辺についても十二分に配慮されると思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時37分休憩
   午後4時  再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 比嘉勝秀君。
   〔比嘉勝秀君登壇〕
○比嘉 勝秀 一般質問を行います。
 海洋深層水についてであります。
 これは、沖縄県はことしの6月に久米島の仲里村の方に海洋深層水の研究所が開所したばかりでございまして、この海洋深層水が沖縄は最適地であるということで今回開発庁の予算が組まれておりまして、今調査を行っておるところでございますけれども、国頭村の辺戸岬または糸満市の喜屋武岬、この両方が新聞紙上で場所選定の問題で今大きく争っているような状況でございます。
 この問題について、今回、沖縄開発庁が平成12年度沖縄開発庁委託事業として沖縄における海洋深層水の有効利用に関する調査を実施いたしております。
 海洋深層水は、低温、安定性、富栄養性、清浄性という特性を有した海水でございます。近年、この特性を生かして農業、水産業を初めとして健康食品、化粧品の製造、アトピー治療等への利用に関する研究開発が進められておりまして、一部では事業化が既に行われておるものでございます。
 沖縄県は、今日までの調査の結果、海洋深層水の取水適地であるということと、海洋深層水の利用に関する蓄積を有しておるということと、海洋深層水の利用に関する大きなポテンシャリティーを有しておりまして、海洋深層水の有効利用が沖縄の振興につながるものと大きな期待をされておりまして、今回、沖縄県の特性を踏まえて海洋深層水の有効利用に関する調査を行っておるものでございます。
 調査に当たっては、評価委員会を設けて適宜調査内容の報告等を行い、客観的な評価を受けた上で報告書をまとめるものとしております。したがいまして評価委員会は海洋深層水の研究者、そして国、沖縄県の関係者等によって構成されておりますけれども、その中立的な運営に留意しなければならないと特に注意書きがされてございます。
 その中でも特に海洋深層水利用適地の選定調査におきましては、自然条件、地理・地形条件、社会・産業条件等を調べ適地を選定することはもとより、海底地質、水温、水質、海域、陸域の標高に留意する必要があるとも指摘をされております。
 そこで質問ですが、今回の委託事業の調査機関は平成12年5月1日から平成13年の3月31日までとなっておりまして、この行程計画によりますと平成12年12月──今月です──に中間報告、明けて平成13年の3月中に最終報告がなされることになっております。
 今回のこの調査の進捗状況はどうなっておるのか、まず御説明を求めたいと思います。
 2点目は、この選定作業の中で糸満市の南部海域は実は含まれておりません。これは大田県政時代の報告書でございますけれども、含まれておりません。漏れております。なぜ漏れ落ちたのか、具体的に説明を願いたいと思います。
 私は、そのことを強く指摘をしておかなければならないと思っておるんです。私ども地域を代表する県議会議員は、地域の利益を引き上げるために地域からの声が出てまいりますとこの地域の生の声を取り上げ、吸い上げてこの県政の場に持ち込む仕事が我々の大きな任務の一つでございます。この本会議場に集まっております48人の選良の県議の皆さんは、おのおのの地域の課題をひっ提げてこの場に臨んでおります。各地域の利害をまともにぶっつけるとなると当然のごとく衝突をし、大げんかになることは火を見るよりも明らかであります。
 そこで私どもは、過去において全国植樹祭の場所選定の問題で嫌な経験がございます。当時、西銘県政のもとで場所選定のための検討委員会が設けられ、複数の候補地の中から専門的に検討が加えられ、議論を深める中から名護市の北明治山に決定を見ておりましたけれども、県政が西銘県政から大田革新県政にかわることを起点に名護市北明治山から糸満市の米須に場所が変更され一挙にこの問題が政治問題化し、北部ヤンバル切り捨てのやり方じゃないかと大きく問題が取り上げられたことは御承知のとおりでございます。
 このことは、アメリカの南北戦争をもじって沖縄における北と南の南北戦争だとまで言われて行政が大きく混乱を来した問題でございまして、これはもう御承知のとおりであります。あのときほど知事の強大な権力というものを思い知らされたことはありませんでした。
 同時に、二度とこういった混乱、過ち、あえて過ちと言いたい、過ちはやってはいけないとの感を深くした者は私一人ではないと思います。
 そこで質問でございますけれども、過去の苦い経験を踏まえて最終的には行政の調整にゆだねなければなりませんけれども、特に今回の場所選定のように完全に利害の対立した案件は行政の公平性、継続性の判断が極めて大切だと思いますけれども、知事の御所見を賜りたいと思います。
 また、今回の海洋深層水の問題は北部振興の問題と大きくかかわる問題でございます。私はもう一度北部振興の根底にある問題について行政当局を含めて県議会の先生方にも御理解を再度賜りたいと思います。
 お互いの沖縄県は、戦前戦後を通して苦難の歴史をくぐり抜け、戦後においては27年間も祖国日本から切り離され、施政権が異民族の支配下にゆだねられたことは御承知のとおりであります。高度経済成長をなし遂げた祖国日本は、まさに沖縄県の犠牲の上に繁栄と平和が成り立ったものであったと思いますし、27年間のこの格差を埋めようということで今日まだ沖縄県は汗をかいている状況でございます。
 ところで、本土との格差是正が各面に功を奏しておりますけれども、県内での地域間の格差が生じるという矛盾した面もまた醸し出しております。これは中南部地域と北部地域の格差の問題であります。北部地域の人口動態の問題一つを取り上げてみましても、1920年(大正9年)の国勢調査で沖縄県全体の人口が57万人、そのうち北部ヤンバルの人口は12万人、80年前。80年たった今日、沖縄県の人口が130万3000人、北部ヤンバルは依然として12万人です。80年もの間、なぜ人口が定着しないのか、しっかりした議論と対策というものが今私は求められていると思うのでございます。そのことは、いかにして何ゆえに雇用が確保されないのかという問題に帰着するからでございます。
 若者は、生まれ育ったヤンバルの親元で仕事をし住みたいと思っているに違いございません。働き場所がないがゆえに職を求めて都会に流出していくというこの悪循環は、戦前戦後80年間ちっとも変わっておらないのでございます。ヤンバルは弱い地域であると言われるゆえんもまさにこのことを指しておるのでございます。
 このような状況にさせている大きな要因が沖縄県の振興策の立て方に大きく原因しているのではないかということでございます。今日まで3回にわたって沖縄の振興開発計画を立てて着実な成果を見てまいりましたけれども、今日までややもすると中南部地域に振興策が偏り過ぎている嫌いがあるのじゃないか、これは率直に認めなければならないと思うのでございます。そのことは全国的に今見直しを図られておるところの一極集中からの脱却というのは、今まさに沖縄県に強く求められている課題だと思うのでございます。
 そこで質問でございますけれども、北部振興の問題は今申し述べましたとおりの基本認識を持って臨む必要があると思いますけれども、知事の基本認識を伺いたいと思います。
 この基本認識に立って、今回の場所選定は当然のごとく決まってくるものだと思いますけれども、手を上げることは自由であります。しかし、無理が通って道理が引っ込むということだけは絶対にあってはならないと思います。
 と同時に、弱い地域である北部地域の12市町村が、今日、国頭村の辺戸岬が最適地であるということで地元国頭村においては600人規模の促進大会の開催、せんだっては名桜大学におけるシンポジウムの開催、また話題になっております高知県室戸市にある高知県海洋深層水研究所の視察など、また促進のための署名活動を積極的に取り組んでおるところでございます。願わくは、現在沖縄開発庁が沖縄県も中に入って調査を行っておりますけれども、まだ決定を見ることはできませんけれども、この辺戸岬地域に決定がなされるようにひたすら御高配を賜るものでございます。
 最後になりましたけれども、戦前、陸の孤島と言われた国頭村の辺戸岬から奥、楚洲、安田、安波の地域に直接足を踏み入れて視察してもらいたいと私は6月の定例会でも知事にお願いを申し上げました。知事の答弁は、機会を見つけて必ず行きたいという丁寧な答弁もいただきましたけれども、まだ実現に至っておりません。
 この地域には、農林水産部の管轄下にある牛、豚の畜産団地、また乳用牛の牧場団地がございます。この施設はインフラ整備がしっかりなされておりまして、初期の入植者たちの事業失敗でほとんどの土地が遊休化しておりまして、もったいない施設になっております。私は、農水部長にも日ごろから言い続けておりますけれども、この現場視察をやりなさいと。行ってまず感ずるところから手がけなさいということを言っておりますけれども、まだ農水部長の視察も実現されておりません。
 もう一度知事にお願いしたいわけでございますけれども、海洋深層水の場所選定にも参考になると思いますので、ぜひとも早目に陸の孤島と言われたあの地域を視察してもらいたいことをお願い申し上げまして一般質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 比嘉勝秀議員の北部振興の問題についての御質問にお答えいたします。
 最初は、沖縄開発庁が進めている沖縄における海洋深層水、この場所選定は行政の公平性、継続性の判断が大切だと思うが所見を聞きたいという御質問と、辺戸岬地域に決定がなされるように配慮していただきたいという2つの御質問を一括してお答えいたします。
 沖縄開発庁は、取水適地を検討するため辺戸岬北部地域と糸満市南部地域の2カ所について海底地質、水温・水質、陸域測量調査等を進めているところであります。
 当該調査は、来年度も引き続き行われる予定であり、その中で事業実施の可能性や適地選定についての客観的な判断がなされるものと思います。県としては当該調査に委員として参加しており、適地の選定等に当たっては国と協力して検討してまいりたいと考えております。
 次に、北部の振興問題について、北部振興の問題に対する知事の基本認識を聞きたいとの御質問にお答えをいたします。
 本県の振興については、3次にわたる沖縄振興開発計画に基づきそれぞれの地域特性を生かし、産業基盤や交通基盤等の整備を進めてきました。特に中南部地域においては都市基盤の整備を中心に振興策を進め、北部地域においては農林水産業や観光・リゾート産業の振興を中心に施策を進めてきたところであります。
 しかしながら、北部地域においては中南部地域と比べ産業基盤、生活環境の双方において整備水準が低く、中南部地域や県外への若年層の流出が進み、全体的に人口増加率が停滞するなど地域の活性化や自立的発展への展望を開くまでには至っていない状況にあります。
 こうしたことから、北部地域の振興に当たっては、北部地域の活性化がひいては県土の均衡ある発展につながるものとの認識のもと、地域の創意と工夫を発揮しつつ資源の有効活用を図り、産業の振興による雇用機会の創出や魅力ある生活環境の整備を促進していきたいと考えております。
 次に、国頭村の畜産団地関係で、土地が遊休化しているが、ぜひ現場視察をしてほしいが知事の決意を求めたいとの御質問にお答えします。
 国頭村については、農用地整備公団が事業主体となって昭和52年から昭和54年にかけて畜産基地建設事業山原第一区域で肉用牛と養豚経営の畜産団地を建設いたしました。当初は19戸の農家が入植しましたが、現在は8戸が経営不振により経営を休止し土地が遊休化しております。
 しかし、一部離農している農家の土地については、周辺の健全な農家が土地の取得を行い規模拡大等を行っているのも見られます。私としても、機会をとらえ農林水産部長と一緒に現場視察を行いたいと思っております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部振興の問題について、沖縄開発庁の沖縄における海洋深層水の有効利用に関する調査の進捗状況についてにお答えいたします。
 当該調査については、今月中に同調査の評価委員会に対し中間報告が行われる予定であり、平成13年3月を目途に今年度の調査結果を取りまとめる予定となっております。
 なお、調査報告書の項目の中身を簡単に紹介しますと、まず現地調査、適地選定調査、先進事例調査、沖縄における海洋深層水利用に関する基礎調査、沖縄県における利用分野別可能性調査、産業への展開可能性基礎調査、ケーススタディー、来年度調査への提言等の中身についてそれぞれ詳細に報告されることになっております。
 次に、同じく県の海洋深層水研究所立地選定作業の中で糸満市南部地域は漏れている、なぜ漏らしたのかについてお答えいたします。
 本県における海洋深層水取水適合海域の中で、水深が200メートル以上で離岸距離が5キロメートル以内にあるのは、昭和61年に作成された海洋科学技術センター等の「深層水供給システムに関する調査研究」によりますと、糸満市南部海域を含めて33カ所となっております。
 しかし、海洋深層水の低水温性を活用する施設として整備を行うためには取水深度は600メール前後を確保する必要があり、糸満市南部海域は陸域から水深600メートルに達するまでの距離が5キロメートル以上で遠距離にあり、候補地から漏れたものであります。
○安次富 修 皆さん、こんにちは。
 いよいよ世紀が変わります。沖縄県議会が活性化すれば必ず沖縄県が発展をいたします。20世紀をしっかり締めくくって21世紀へ夢をつないでいきたいと思います。
 それでは、20世紀最終最後の一般質問をいたします。大きな声で誠意ある答弁をお願いいたします。
 まず1番、教育行政について。
 教育委員の任命についてでありますが、今回の12月議会に提出されました乙第22号議案「沖縄県教育委員会委員の任命について」の議案でありますが、お二人の先生が推薦をされておりますが、お二人の先生に対する人格、学識、力量に全く異を唱えるものではありません。それぞれにすばらしい先生方だと思いますが、仮にこのお二人の先生方の案が可決、成立いたしますと、5人の県教育委員の先生方のうち実に4人は那覇市在住だということになります。教育行政の公正公平さや円滑な行政運営からいって、もっと地域バランスに配慮すべきだったのではないでしょうか。
 しかも、知事の提案理由の説明によると、「学校現場の重要性を重く見て」云々の説明がありますが、それならばなおさら地域配分すべきであったと思います。国頭教育事務所、中頭教育事務所、宮古教育事務所、八重山教育事務所等々各教育事務所との連絡を密にする、各地域の学校現場の子供たちの声に耳を傾ける、いや、子供たちの叫びに駆けつけていく、各学校現場の先生方の悩みに適切なアドバイスをする、指導監督をするなど学校現場を重視するというならば、その地域に根差したフットワークのよい県教育委員がいてもいいのではないでしょうか。
 何か学校現場で問題があればすぐに駆けつけることができる、あるいは定期的に学校現場を見て回る、この地域から立派な教育委員の先生が出たということで、その先生の後ろ姿を見ながら仕事をするということは学校現場の先生方の大きな励みになると思いますが、そういう点から考えると今回の教育委員の人事については配慮が足りなかった、もっと気配りがあってもよかったのではないかと思いますが、地域バランスという点で知事の御所見を賜りたいと思います。
 次に、教育委員の役割は、生涯学習時代を迎え、幼児から高齢者に至るまで学校教育のみならず文化、芸能に至るまでその範囲は広く大変な職務を担っていると敬意を表しますが、県教育委員は単なる名誉職ではなく熟慮断行、行動する教育委員も必要かと思います。
 さらに、外部の意見を取り入れ行政の一部を民間人に任せるいわゆるレーマンコントロール制度や民間人の校長起用も盛んに叫ばれております。県教育委員の役割、責務、使命について改めて御説明をお願いいたします。
 学校現場における教師と児童生徒との信頼関係の構築のためには教師の品性の確立が不可欠であります。感情で生徒と接するのではなく、理性で生徒と接していく。私が小さいころは先生にげんこつやびんたを張られても体罰とは思いませんでした。ほうきの柄でたたかれても体罰とは思いませんでした。いや、むしろそれが普通でした。なぜ今はそれが体罰となり暴力となってしまったのでしょうか。教師と家庭との信頼関係、親と子供との愛情、教育委員会と現場の先生方との信頼関係、どこかで歯車が狂ってしまったのでしょうか。県教育庁の真剣な取り組みが望まれますが、教師の悩み、戸惑いなどに対するカウンセリング、心のケアなど教師が自信を持って生き生きと職務に専念できる諸施策の展開についてお聞かせください。
 次に、人材の育成についてでありますが、国費留学内定取り消し問題についてであります。
 那覇市内の女子高校生が国費の米国派遣留学生試験に合格しながら、中学校時代のいじめによる不登校などを理由にその最終内定通知が取り消された問題は、改めて教育関係者に波紋を広げております。本人や家族に与えた精神的なダメージははかり知れず、改めて教育とは何か、人材育成とは何かということを考えざるを得ません。
 さらに、本土出身の父親を持つ女子高生の戸籍条項問題も発生し、県国際交流・人材育成財団の対応や米国留学業務の窓口であるYFU日本国際交流財団の対応に疑問や批判もあるようですが、県教育庁としてどう受けとめ、どう解決を図ったのか。この女子高生たちの未来に明るい光を当てていただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
 知事にも見解を賜りたい。宮里政秋議員は、この女子高生を知事の力で救ってくださいと切々と訴えていたではありませんか。知事の誠意を示してください。
 次に、天久新都心の開発状況について質問いたします。
 去る10月7日から9日まで「那覇新都心街びらき祭」が行われました。平成4年から魅力ある新都心として土地区画整理事業が進められ、21世紀へ向けて夢の広がる町として沖縄県や那覇市の発展を支える新しい拠点として大きな期待が寄せられていますが、人口規模はどの程度になるのか、また今後予定されている公共施設や民間施設の誘致、立地状況について御説明ください。
 さらに、いわゆる一言で言えば「こういう顔の町です」、「こういうにおいのする町です」と表現できたら御説明をお願いいたします。
 次に、モノレールのおもろまち駅、古島駅の乗り入れや駐車場などの問題についてですが、県のこれまでの説明によりますと、交通広場をつくりバスやタクシー乗り場をつくる、自転車の駐輪場をつくるということですが、そうするとマイカーの駐車はできないということなのか。特におもろまち駅は新都心への入り口、あるいは那覇市中心街への入り口としてせめて5000台くらいの駐車場は最低必要ではないでしょうか。日常の通勤者のためのマイカー駐車、そして乗り継ぎという形で確実にモノレールのお客様を確保することがモノレールのスタートにおいては必要ではないかと思いますが、御所見を賜りたいと思います。
 次に、この天久新都心は、かつて191ヘクタールもの米軍基地でありました。返還跡地開発のモデルケースとして214ヘクタールのボリュームで地域整備公団を中心にして、今日まさに完成に近づきつつあります。
 しかし、その過程においてさまざまな困難があったかと思います。地権者との調整、特に減歩の問題、都市計画法、土地区画整理法、公団方式などその開発手法においてどのような反省点があるのか。
 さらに、那覇市との協議、その面における、線におけるつなぎ、アクセスなどさまざまな苦労があったということも聞いておりますが、今後、普天間基地のような広大な土地の返還跡地開発において教訓となるべきものがいっぱいあると思いますが、どう生かしていくのかを御説明願います。つまり天久新都心から何を学ぶべきかということです。
 次に、沖縄県の各県営団地のメンテナンス、補修、進入路の問題など各団地からの要請への対応についてであります。
 現在、沖縄県が経営する県営団地には約1万5000戸、約5万人の県民が生活をしております。当然さまざまな問題は出てくるわけでありまして、そのニーズにこたえていく、その問題を解決していくのは経営者として当然であります。
 また、これらの問題を解決していくためには団地入居者と県との意思疎通が大事であり、今現在、沖縄県県営団地自治会長会が組織されており、各県営団地の自治会長さんが自分の団地のさまざまな悩みや問題を語り合い、自主的に県営団地の管理運営を行い、少しでも快適な団地生活ができるようにと日々努力をしておられます。本来県がやるべき仕事をこの人たちがやっているわけですから本当に頭の下がる思いです。
 そこでお聞きいたします。
 この沖縄県県営団地自治会長会の皆さんと定期的な協議の場を設けて、県と自治会長会が一緒になって団地の住民の皆様の声にこたえていくことが大事だと思いますが、どうお考えかをお聞かせください。
 さらにあえて知事にお聞きいたします。稲嶺知事就任2年を振り返り、知事は公約の約80%は何らかの形で手がけてきた、また実現したものも数多くあると述べておられます。サミットを初め基地問題や振興策の芽出しなどまさに走りに走ってきた知事に心から敬意を表するとともに、その労をねぎらうものであります。
 しかし、足元をしっかり見詰めた県政運営がなされなければなりません。余りにも大きな懸案事項の解決に日々追われる余り、日ごろの住民サービスの低下がいささかもあってはならないと思います。県営団地に入居している県民は5万人もいるんです。県にとっては大事なお客様なんです。そこの社長は稲嶺知事ではありませんか。お客様の声に謙虚に耳を傾け、より高いサービスを提供していくのが社長である知事の責務であると思いますが、その決意をお聞かせください。
 次に、外務省沖縄事務所の役割についてでありますが、外務省沖縄事務所の設置は20年前、30年前から多くの県民が期待し待望したものでありました。日米安保体制の中で沖縄の地理政治学的な重要性、日常的に発生する基地からの事件・事故などの解決を図るために、政府と沖縄県民との良好な関係を築くために設置されたものと認識しております。また、野村大使を初め外務省沖縄事務所の職員に心から感謝をし敬意を表します。
 しかし、日米地位協定の見直しやさまざまな米軍基地との問題がいまだに解決されていないのも事実であります。外務省沖縄事務所が政府や外務省本庁の顔色をうかがい、その意向を伝えるだけの上意下達の組織であってはならないと思います。常に県民の視点に立って、いやむしろ県民の側に立って沖縄の県民はこう思っているんですよと、沖縄県と一緒になって外務省や政府に折衝をしていく、いや、突き上げていくという沖縄のよき応援団になって頑張っていただきたいと思いますが、知事の御所見を賜りたいと思います。
 次に、基地内道路の問題についてのその後なんですが、我が党の渡久地健議員の質問の際に、ことしいっぱいでは解決されますと知事公室長は答弁しておりますが、ことしはあと2週間余りであります。本当に期待していいのでしょうか、お聞かせください。
 さらに、この問題につきましては、私はずっと以前から米軍基地内のすべての道路を調査して通行できる可能性を探れということをずっと言ってきました。
 例えば、午前9時から午後5時までだったらこの道路は通行できる、緊急車両でなくても一般車両でもこの道路だったら通行できるのじゃないかというものを基地対策課で調査をして三者協のテーブルにのせていく、あるいは基地司令官と直接交渉をしていくということをやっていきなさいということを言い続けてきたんです。この問題はどうなっていますか、御説明を願いたいと思います。米軍に対してはしつこく迫っていただきたい。
 最後に、我が党の代表質問との関連についてお聞きいたします。
 SACOの合意についてでありますが、SACO合意を着実に実施することが基地問題の前進につながると再三答弁をしておりますが、それに間違いはないか、お答えください。
 先日12月8日の喜納昌春議員のSACOの見直しについての質問に、SACOの着実な実施云々と知事公室長は答弁しておりますが、しかし1996年12月にまとめられたSACOの最終報告はあくまでも海上施設にほかなりません。SACOを守れば守るほど海上ヘリポートに行き着くわけでありますが、本当にSACOの見直しを求める気はないのか。また、SACOの最終報告と海上ヘリポートを否定した稲嶺県政の公約との矛盾をどう克服するのか、お聞かせください。
 さらに、1996年10月に行われた沖縄政策協議会において当時の吉元副知事は、県内移設は過渡的な措置であると認識しているという発言をしているが、これは当時大田県政は2015年までに基地をゼロにするという基地返還アクションプログラムに沿って、オール・オア・ナッシングではなく計画的、段階的基地の整理縮小という現実的対応をにじませたものでありました。一方においては基地の固定化を避けるという大田県政の至上命題でもあったわけです。
 そこで、過渡的措置の意向に沿う形で、それならば海に浮かべるしかないという海上ヘリポート案がその年の12月にSACOの最終報告という形でまとめられていったわけです。そこから橋本・大田の蜜月時代へと入っていきます。橋本・大田会談が17回も行われ、総理官邸において常に大田知事が満面に笑みを浮かべる姿が大きく新聞やテレビで報道されてきました。
 それじゃ一体、その当時の政府の大田県政に対する評価は何だったのか。稲嶺県政にかわって何が継続され、何が否定され今日に至っているのか。一方の当事者であった橋本さんが大臣として戻ってきました。当然あのときのあれはどうなっている、これはどうなっているのかという検証がなされるはずです。
 そこでお聞きいたします。
 花城政策調整監は、行政の継続性ということで大田県政から稲嶺県政へと重要ポストを任用されてきております。特に国際都市形成構想と基地返還アクションプログラムを柱とした大田県政から現在の稲嶺県政へとかわり、当時のSACO最終報告当時から今日まで振り返り何が継続され、何が否定されてきたのか、その間の事情を説明してください。
 しかも橋本大臣はメガフロートの提唱者であります。海上ヘリポートと県民の財産、撤去可能と軍民共用、2015年の使用期限、幾つかのキーワードを並べていけば何らかの解決策が見えてくるのかもしれません。いずれにしても早く位置と工法をまとめ上げる、そしてジュゴンの保護策をはっきりと明示して、知事の言う自然と開発とのバランス、調和策を県民に示していただきたい。
 普天間返還合意から来年はもう5年目に入るんです。5年から7年ということではなかったですか。宜野湾市民の一人として焦りさえ感じます。
 知事、原点に返ってともかくも動かしていくということを基本に頑張っていただきたい。普天間基地の返還は県民の悲願です。助けてください。よろしくお願いいたします。
 以上、質問を申し上げてまいりましたが、20世紀のアメリカは、1901年に共和党のセオドア・ルーズベルト大統領が就任し幕があけました。日本は、日露戦争によって20世紀が始まりました。まさに激動の世紀が始まったわけです。この1世紀の間に人類は2度にわたる世界規模の戦争を戦い、数千万人にも上る人命を失いました。戦後の50年もまた冷戦という戦いを経験しました。まさに戦争の世紀であったわけです。100年たった今日、この沖縄県は世界の大統領が参加するサミットの会場となるところまで発展してきました。21世紀は、いよいよ沖縄が日本及びアジア・太平洋地域の平和と発展に寄与していかなければなりません。
 県民の負託を受けた我々議会と行政が、基地問題を初め多くの懸案事項を正々堂々とオープンな議論を深めることによって県民の幸せを築いていけることを私は確信をしております。
 皆さんの御健勝を祈念して一般質問を終わります。
 メリークリスマス・アンド・ハッピー・ニュー・イヤー。
 サンキュー。
○知事(稲嶺惠一) 安次富修議員の御質問にお答えいたします。
 最初は教育行政について、教育委員の任命についてお答えします。
 教育委員については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条の規定により、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、知事が、議会の同意を得て、任命することとなっております。
 今回の委員の選任に当たっては、最近の学校現場におけるいじめ、不登校、学級崩壊等の極めて厳しい状況及び学校評議員制度の導入等学校現場改革の方向性を踏まえて教育委員会に現場の声を反映させる必要があるとの認識から、「沖縄県教育委員会委員の推薦要綱」に基づき関係10団体の推薦を受けた者のうちから、直接教育現場で教鞭をとり、学校運営を経験し、さらに教育行政の経験をも有している者を選任することとし提案しているところであります。
 次に、人材の育成について、高校生の国費留学内定取り消し問題についての見解についてお答えいたします。
 今回の女子高校生の国費留学生内定取り消しについては、財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団が当該女子高校生の派遣について関係機関を通して努力したにもかかわらず、結果としてその希望にこたえることができなかったことを残念に思います。しかし当財団では、他の留学あっせん団体を通しての派遣について検討を進めているところであり、その実現に鋭意努力したいと思います。
 次に、沖縄県の各県営団地のメンテナンス、補修、進入路の問題等各団地からの要請への対処についての中から、県営団地の入居者へのより高いサービスを提供するのが知事の責務であると思うが、その決意はどうかについてお答えをしたいと思います。
 公営住宅は、国及び地方公共団体が協力して健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的に建設しております。
 県では、平成12年12月現在127団地、1万6584戸管理しておりますが、御指摘のとおり団地入居者の声に謙虚に耳を傾けることは知事の大きな責務であると認識しております。今後とも団地入居者の要望に可能な限り対処するとともに、公営住宅の整備推進に努めてまいりたいと思います。
 次に、我が党の代表質問との関連につきまして、1つはSACOの合意を着実に実施することが基地問題の前進につながると再三答弁しているが間違いないかという御質問と、次のSACOの最終報告の海上ヘリポート案の見直しを求める気はないのか、またSACOの最終報告と海上ヘリポートを否定した稲嶺県政の公約との矛盾はどう克服したのかという2点の質問に一括してお答え申し上げます。
 SACOの合意事案の着実な実施と申し上げているのは、SACO最終報告の基本的な考え方である県内移設を着実に実施することが基地の整理縮小を行う現実的で実現可能な方法であるということを申し上げているものであります。
 さきに政府から示された海上ヘリポート基本案は、米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなければ撤去されることになります。このため地域の産業振興につながらないことから、新たな普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないことを移設の条件として国に申し入れております。
 県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受けて、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定され、これに基づき代替施設の工法や具体的な場所等の基本計画の策定を協議する代替施設協議会が設置され、現在、具体的な取り組みが進められているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○政策調整監(花城可長) 安次富議員の方から国際都市形成構想や基地返還アクションプログラムを柱とした前県政から稲嶺県政に何が継承され、何が否定されてきたのかという御質問がございます。お答えいたしたいと思います。
 県政の交代があった場合、選挙で選ばれた知事は、みずからの政治理念に基づき県民福祉の実現のため諸施策を強力に推進することが必要であります。
 一方、これまで推進してきた政策を急激に変化させることは県民生活の安定性を欠くことから、行政の継続性を重視することも大事なことでございます。
 前県政における政策の大きな柱でありました「国際都市形成構想」や「基地返還アクションプログラム(素案)」につきましても、新県政において整理検討を行っております。その内容につきましては、これまでも議会において何度か答弁をしてきております。
 「国際都市形成構想」は、3次振計の3つ目の柱であります我が国の発展に寄与する地域特性を生かした特色ある地域としての整備を図るため策定をされたものでございます。
 県におきましては、現在、3次振計後の新たな沖縄振興計画の策定に向け検討を進めているところでございますが、我が国及びアジア・太平洋地域の平和と発展に寄与する国際交流拠点の形成は重要な視点でございます。そういう意味から同構想の必要な部分につきましてはこれに反映させていくことといたしております。
 また、2015年までの基地の全面返還を前提としている、前県政が前提としておりました「基地返還アクションプログラム(素案)」につきましては、現下の国際情勢では現実的ではないということから、基地問題の解決に向けてはトータルな視点から現実的に対応することといたしております。このためSACOの合意事項の着実な実現を図り、さらに地元市町村との協議を踏まえ、県民の理解と協力を得ながら段階的な基地の整理縮小に努めていくこととしているところであります。
 経済の振興につきましては、従来にも増して県政の最重要課題として取り組んでおります。この課題に対しましては、県民の英知と自助努力を結集して実現を図ることも当然でありますが、一方、国との信頼関係を背景とした強力な政策的な対応もまた必要であります。このため21世紀の早い時期に民間主導による自立型経済社会を構築するため、現在、国の理解と支援のもと、沖縄振興新法の制定及び沖縄経済振興21世紀プランを盛り込んだ新たな沖縄振興計画の策定を進めているところであります。
 以上です。
○教育長(翁長良盛) 安次富修議員の御質問にお答えいたします。
 まず、教育委員の役割、責務、使命についてという御質問にお答えいたします。
 教育委員は、教育委員会会議での合議により大所高所から本県における教育の基本方針や重要事項を決定しております。また教育委員は、教育、文化、スポーツなどの幅広い分野において責務を負っており、多様化する県民の意向を的確に把握しながら、地域に根差した教育行政を主体的かつ積極的に推進していくことが期待されているところでございます。
 次に、学校現場での教師の悩み、戸惑いなどに対する指導についてという御質問にお答えいたします。
 体罰は学校教育法でも禁止されており、教師と児童生徒、保護者との信頼関係を損なうことから容認できるものではありません。
 県教育委員会としましては、指導に悩んでいる教師のためにカウンセリングの専門家やPTA代表者などで構成する「生徒指導の指針改訂検討委員会」において児童生徒の人権の尊重、体罰によらない生徒指導のあり方などについて指針の作成をしているところであります。
 また、学校現場の教師で組織する中学校生徒指導連絡協議会、高等学校生徒指導研究会等と連携し、現場の実践的な取り組みを生かした体罰によらない生徒指導に関するリーフレットなどの作成も行っているところであります。
 さらに現在、教員の悩み及び体罰に関するアンケート調査を実施しているところであり、その結果を分析し教員の悩みを的確に把握し、カウンセリングや心のケアなど積極的に支援してまいりたいと考えております。
 次に、高校生の国費留学内定取り消し問題についてどう受けとめ、どう解決を図ったのかという御質問にお答えいたします。
 財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団は、当該女子高校生の留学の夢を実現するため努力を重ねてきております。しかしながら、派遣を委託している財団法人YFU日本国際交流財団の留学派遣要件を満たしていなかったことから、やむなく内定の取り消しを行ったものであります。現在、当該女子高校生の強い留学希望にこたえるため、当財団では他の留学あっせん団体を通して派遣できるよう努力しているところであります。
○土木建築部長(銘苅清一) 天久新都心の開発状況について、人口規模はどの程度になるのか、今後予定されている公共施設や民間施設の誘致・立地状況及び町づくりの考え方についての御質問にお答えいたします。
 那覇新都心開発整備事業は、返還軍用地跡利用のモデル地区として面積約214ヘクタール、総事業費約1100億円で、平成4年度から平成15年度をめどに地域振興整備公団が事業主体となって整備を推進しております。
 当地区の計画人口は約2万1000人であり、町づくりのコンセプトは商業、業務、行政の各種中枢機能、総合公園と一体となった文化機能、高水準の住宅等の複合機能を有する魅力ある新都心の形成を目指し、いわゆる一言で言えば「ときめく未来が見えるまち」をキャッチフレーズにしております。また計画的な土地利用の促進を図るため、地権者の希望を取り入れた申し出換地により、細分化された土地でも共同利用による大規模施設の導入が可能となるような先進的な土地利用方式を採用しております。
 主な公共施設といたしましては、県立那覇国際高等学校、沖縄職業総合庁舎、沖縄振興開発金融公庫等が現在既に立地しており、今後、国の第2合同庁舎や那覇市の行政施設等の立地が予定されております。
 また民間施設については、企業誘致連絡会議が設置され誘致に努めたところ、現在、大型商業施設や民間ビル等が立地しており、今後大規模ショッピングセンターや情報通信関連等の企業立地も予定されております。
 同じくモノレールのおもろまち駅、古島駅の乗り入れ駐車場等の問題についての御質問にお答えいたします。
 沖縄都市モノレールの15駅のうち8駅については、バスベイやタクシーベイなど他交通との結節による利便性を確保するため交通広場を計画しております。おもろまち駅においては約1ヘクタールの交通広場にバスベイ、タクシーベイ、一般乗用車による送迎用の停車スペース及び駐輪場を設置し、また古島駅においてはタクシーベイ、駐輪場を設けることとしております。
 おもろまち駅における自動車からモノレールへ乗りかえるパーク・アンド・ライド駐車場の計画については、広大な用地の確保などの課題があることから困難であります。
 しかしながら、パーク・アンド・ライド駐車場については、モノレールの利用促進を図り市街地の交通量を低減する有効な施策であることから、平成11年度から古島駅、首里駅、赤嶺駅周辺地域における現況把握、整備効果、可能性等の調査を行っているところであり、引き続き検討していきたいと考えております。
 次に、沖縄県の県営団地のメンテナンス、補修、進入路の問題等各団地からの要請への対処についてのうち、県と県営団地連合会との定期的な協議の場を設けることについての御質問にお答えいたします。
 県営住宅の管理戸数は、平成12年12月現在127団地、1万6584戸となっております。団地の管理については沖縄県住宅供給公社に業務委託し、計画的に施設の維持修繕や駐車場等の整備を行っております。住宅供給公社は、それぞれの団地に県が委嘱した管理人や団地入居者が自主的に結成した自治会と情報連絡を図り、団地の住環境の整備に努めております。自治会等からのメンテナンス、補修、進入路等の要請についてはその都度協議を行い、可能なものから一つ一つ改善しておりますが、必ずしも十分とは言えない現状となっております。
 御質問の県と県営団地連合会との定期的な協議会の場を設けることにつきましては、これまで同連合会と適宜意見交換を行ってきたところでありますが、定期的な協議については業務委託をしている住宅供給公社の意見も聞き、検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 天久新都心の開発状況について、基地の返還跡地開発のモデルケースとなっているが、今後の教訓としてどう生かしていくかについてお答えいたします。
 県は、天久新都心地区の開発のあり方等も踏まえ、跡地利用計画、開発手法、事業執行主体、機能導入等について、これまで国及び宜野湾市と役割分担し検討してきたところであります。
 その中で、天久新都心地区の跡地開発の遅延要因については、各種調査着手のおくれによる跡地利用計画等のおくれ、跡地利用計画等に係る関係地権者の合意形成のおくれ、公共公益施設の用地取得のおくれなどが挙げられます。これらの遅延要因に的確に対応し、今後の跡地利用の円滑な推進のための教訓として生かしていきたいと考えております。
 今後は、これらの課題にも留意しつつ、普天間飛行場を含む中南部都市圏の開発整備の基本構想について取りまとめ、平成13年度からは開発整備の方針の策定に向けた調査、広域交通計画等の調査を国、県、市で連携して進めていく考えであります。
○知事公室長(親川盛一) 安次富修議員の外務省沖縄事務所の役割についての御質問にまずお答えをいたします。
 外務省沖縄事務所は、平成8年12月に当時の橋本総理大臣が来県され米軍基地所在市町村との懇談を行った際、現地において米軍に関する関係市町村の意見や要望を聞き処理していく外務省の出先を設置したい旨発言されたのを受けて、平成9年2月に特命全権大使を長とする外務省本省の一部機関として開設されたものであります。同事務所は現在、大使、副所長、事務官2名、会計・文書担当2名の計6名体制で運営されております。
 米軍基地から派生する事件・事故、アメラジアン問題等基地問題が山積する中、同事務所は事件・事故防止のための協力ワーキングチームにおいて事務局を担当するなど、現地における基地問題の解決に向けて在沖米軍と県及び市町村を調整する役割を担って努力しており、今後とも本県の基地問題の解決に一層尽力されることを期待するものであります。
 次に、基地内道路の問題のその後というものの中の、緊急車両の基地内道路の通行について期待してよいか、また一般車両の基地内道路の通行はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
 緊急車両による基地内道路の通行については、在日米軍において米軍と地域社会とのよき隣人関係の構築に寄与する取り組みであるとの評価がなされ、すべての在日米軍施設において適用できる枠組みを設定するため、現在、日本政府との間で集中的な協議がなされているところであります。県は、これまで本事項の一日も早い実現を日米両政府に対し強く働きかけてきたところであり、年内にも本事項に係る日米間の合意が得られるものと考えております。
 また、一般車両による基地内道路の通行については、その実現のためには緊急車両の基地内道路の通行など、まずできるものから着実に前進させることが課題解決への近道だと考えております。
 本事項については、米軍施設・区域の管理、運用上の問題点及び一般車両が基地内道路を通行する具体的な必要性など緊急車両の基地内道路の通行問題以上にクリアすべき課題が多いと考えておりますが、県としては、県民の通勤・通学等生活の利便性の向上や本県の経済活動を推進する観点等から、日米両政府に対しその実現を働きかけていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 決算については、11月24日の議会運営委員会において19人から成る決算特別委員会を設置して審議することに意見の一致を見ております。
 よって、ただいまの議題のうち、認定第1号から認定第20号までについては、19人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 次に、お諮りいたします。
 ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付の名簿のとおり指名いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、決算特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
   〔決算特別委員名簿 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) ただいま決算特別委員会に付託されました決算を除く甲第1号議案、甲第2号議案及び乙第1号議案から乙第22号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   ――――――――――――――
   〔議案付託表 巻末に掲載〕
   ―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時6分休憩
   午後5時7分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。 
 日程第3 陳情第179号の2及び第189号の付託の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの陳情2件については、沖縄振興特別委員会に付託の上審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、陳情第179号の2及び第189号については、沖縄振興特別委員会に付託の上審査することに決定いたしました。
   ―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) この際、お諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明12月13日から19日までの7日間休会といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、明12月13日から19日までの7日間休会とすることに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、12月20日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時8分散会

 
20000405000000