○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
諸般の報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第35号議案まで及び乙第1号議案から乙第33号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
小波津浩利君。
〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 おはようございます。
新会派「自立21」の小波津でございます。少人数ではありますが、きらりと輝く存在感のある活動で、文字どおり21世紀の沖縄が自立する方向へ玉城議員とともに頑張っていきたいと思いますので、皆様方の御支援と御理解をよろしくお願いいたします。
できますならば、昨日の代表質問の中で発言できますように大会派の皆さん方の御配慮もお願いし、一般質問のトップから始めていきます。
大きい1、普天間基地移設問題について。
その(1)、先月の第5回代替施設協議会で3つの工法が示されましたが、いずれも名護市民投票で否決された海上基地ではありませんか。知事は市民投票の結果が無視されているとは思いませんか。
(2)、3工法とも、建設可能な場所は水深25メートル程度と説明されておりますが、この場所は1997年政府案の集落より沖合1.5キロ(昨年案では最短1.1キロ)の範囲内に位置しますか。また地元容認派が主張する3キロとの整合性はとれますかどうか。
(3)、それぞれの工法の場合、国際自然保護連合総会決議でも勧告された以下の影響はどうなりますか。騒音被害、藻場、サンゴ、漁場、海洋生物、潮流への影響。
(4)、工法、場所及び規模を含む基本計画策定の時期はいつの見通しか。「夏の参院選前まで」という報道がありますが、そうなりますか。
(5)、県または政府が想定する今後のスケジュールはどうなっていますか。概要でも明らかにしていただきたいと思います。
(6)、15年使用期限問題を棚上げにしたまま、移設作業だけが急ピッチで進んでいますが、15年問題はその後、県と政府間、日米間などでどう進展していますか。
(7)、15年問題の決着時期について知事は「着工前」、名護市長は「基本計画策定前」として両者間にずれが生じておりますが、なぜ知事はおくらせておりますか。地元の意向尊重なら少なくとも名護市長と同一歩調をとるべきではありませんか。
(8)、名護市長は、基本計画と使用協定は同時に策定されるべきものと主張しておりますが、今までどのような協定内容が検討されてきましたか。一方、1997年政府案では飛行回数、飛行時間等は米側と詳細に調整を行う必要があるとされておりますが、米側との調整はいつ、だれが行いますか。
(9)、代替基地建設は、米新政権の東アジア政策や「米軍の兵力構成の包括的な見直し」の影響を受けるのではありませんか。したがいまして、移設作業を急ぐべきではないと思いますが、どうですか。
(10)、県民の苦悩をよそに、埋め立て派と海上浮体式派に分かれて中央政界、大手ゼネコンを巻き込んだ利益争奪合戦が展開されていると言われております。その報道もありますが事実ですか。県にその種の売り込みが来ているんでしょうか。
大きい2であります。北部訓練場のヘリパッド移設問題について。
(1)、北部訓練場返還に伴うヘリパッド移設候補地に希少動植物145種が確認されましたが、今後の継続調査はどうなりますか。県も環境アセス条例等に基づいて独自の調査を行うべきではありませんか。
(2)、全体の約半分が返還されるのに、22カ所のヘリパッドは移設させても維持しようとしたのでは騒音被害は増大するばかりであります。返還部分の7カ所は移設ではなく撤去させるべきではありませんか。
(3)、宮城東村長は、同地域を含む北部森林地域の国立公園化を提唱しておりますが、県は環境省と連携して同構想を進める考えはありませんか。
大きい3、海兵隊削減についてであります。
(1)、安保・基地容認の稲嶺県政のもとで海兵隊削減決議が行われたことは特段の意義があると思いますが、知事はどのように受けとめておりますか。
(2)は、これまでの知事答弁を少し評価しまして表現を少し変えさせてください。「基地の整理縮小の中には、海兵隊削減も含まれている」との知事発言はややわかりにくいです。堂々と要求されていただきたいと思います。
(3)、昨年のジョーンズ海兵隊総司令官の「グアムでの訓練移転」発言に続き、先月、グアム知事は在沖海兵隊3000人の受け入れを表明しております。これにどう対応しますか。海兵隊の海外移転を求めることこそ知事の政治姿勢である現実的対応ではありませんか。
(4)、米新大統領は国防長官に対し、「米軍の兵力構成の包括的な見直し」を指示しました。海兵隊削減が具体化する可能性は十分にあると考えます。これらの動きに取り残されることなく主体的に対応し、むしろ跡地利用制度の確立、基地労働者の雇用確保に備えたらどうでしょうか。
大きい4、米軍人の県行事・学校教育への参加について。
(1)、一連の事件・事故、県民感情を考慮し、6・23慰霊の日式典などの県行事への米軍幹部の招待・参加を見合わせるべきではありませんか。
(2)、小学生英語教育の講師に米軍人・軍属を迎えているようですが、その現状と今後の方針はどうなっていますか。英語教育は推進すべきですが、教育的見地から民間人の外人に切りかえてはどうですか。
大きい5、日米地位協定の改定についてであります。
(1)、四軍調整官は、知事の身柄引き渡し要求に対し同感とか何ら支障ないと答えていたにもかかわらず、その結果はどうなりましたか。またしてもその場しのぎの言い逃れになったのではありませんか。厳重に抗議すべきだと思いますがどうですか。
(2)、「改定」ではなく「運用改善」として、凶悪犯罪は起訴前でも身柄引き渡しに好意的配慮を払うことが合意されましたが、この運用改善は県内で適用されたケースがありますか。
(3)、改定に向けた昨年夏以降の政府交渉の結果はどうなっていますか。また外務大臣は、運用改善でうまくいかないなら改定も視野に入れてよいと言われたようですが、それこそ再度改定要求を強力に提起すべきではありませんか。
(4)、米韓地位協定見直し交渉では、米軍は韓国の環境法令を尊重することを合意したと伝えられておりますが、これも風穴に活用すべきではありませんか。
(5)、日米両政府を動かすためには超党派の県民運動を起こすべきだと思います。そのため県民への啓蒙、全市町村での決議、署名運動、県民大会などを背景に対政府交渉を展開すべきだと思いますが、どうですか。
大きい6、シークヮーサー病害虫の駆除対策についてであります。
(1)、シークヮーサーにはがん抑制、糖尿病予防効果があると紹介されたこともあって、対応できないほど全国から注文が殺到していると言われております。その一方で病害虫が異常発生し収穫量が半減する事態になっております。病害虫名、発生原因、駆除方法など究明されているでしょうか。
(2)、大宜味村では独自の駆除を始めたと言われておりますが、被害拡大を防ぎヤンバル特産物を守るためにも予算措置を含めた県の支援、駆除対策を急いでいただきたいと思いますが、どうなっておりますか。
最後に、県立病院等の医療体制についてであります。
(1)、中部病院嘱託医の過労死問題が起こり、労災補償申請が出されると報道されております。同医師の勤務実態はどうなっておりましたか。県はどう対応する考えでありますか。
(2)、中部病院などの医師、看護婦の勤務実態は過酷になっておりませんか。これはもちろん県立病院のことでありますが、問題があれば早急に増員を図るべきではありませんか。
(3)、医療現場の声がなかなか県当局に届かないという意見があります。病院管理局と各病院長、事務部長や県公務員医師会などとの定期的な話し合いは行われておりますか。現場からは主にどのような要望が出され、どう改善しておりますか。
最後に、久米島病院視察で最も要望の強かったのは産婦人科の設置でありました。同科設置に向けた県の計画はどうなっておりますか。
以上、よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 小波津浩利議員の御質問にお答えいたします。
最初は、普天間基地移設問題についてのうち、15年問題はその後、県と政府間、日米間などでどう進展しているかとの御質問にお答えいたします。
15年使用期限については、政府において解決に向け努力されていることを承知しておりますが、県は、基地の提供責任は日本政府にあることから、過重な基地負担を担ってきた県民の意向を踏まえ、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。代替施設の15年使用期限問題については県が移設に当たって整備すべき条件としており、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないものと考えております。今後ともあらゆる機会に強く求めていく考えであります。
次に、同じく普天間基地移設問題について、15年問題の決着時期について知事は「着工前」、名護市長は「基本計画策定前」と両者にずれが生じているが、名護市長と歩調をそろえるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
先ほども申し上げましたように、15年使用期限については、基地の提供責任は日本政府にあることから政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。
去る1月16日の第5回代替施設協議会において、名護市長は、使用期限問題については基本計画の策定と並行的に進めてほしいとの要望をしております。名護市長の発言については、政府に対し使用期限の解決を早期に図ってもらいたいとの強い思いを述べたものであると認識しております。県としては、今後とも名護市と連携を密にしつつ、あらゆる機会に強く求めていく考えであります。
次に、普天間基地移設問題について、代替基地建設は米新政権の東アジア政策の影響を受けるのではないかと、したがって移設作業は急ぐべきではないと思うがどうかという御質問のお答えでございます。
県としては、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行い合意に達したSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しております。
普天間飛行場の移設については、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法、具体的建設場所等基本計画策定に向けて協議が進められているところであります。県としては、関係市町村と連携を図りながら普天間飛行場の早期移設・返還の実現に取り組むとともに、返還跡地については都市基盤の整備など21世紀の振興の拠点となるよう努力していきたいと考えております。
次に、海兵隊削減について、海兵隊削減決議が行われたことは特段の意義があるが、どう受けとめているかという御質問と、それから堂々と要求すべきではないかとの2つの質問に一括してお答えいたします。
代表質問でもお答えしましたように、在沖海兵隊の削減については、昨年のジョーンズ米海兵隊総司令官の発言や超党派の国防専門家グループのレポートで、沖縄県民の基地負担の軽減を図る立場から、海兵隊の訓練の移転や兵力の削減について提言が行われるなど米本国内にも新しい動きが出てきていることに県としても注目してきたところであります。また日本国内においては、自民党の古賀誠幹事長が「三党として方向付けしたい」旨発言しております。さらに県内においては、県議会及び多くの市町村議会が海兵隊を含む米軍兵力の削減などを求める意見書等を採択しております。
このような状況から、県としては海兵隊をめぐる国内外の動向を見た場合、在沖米軍兵力の削減は一つの方向性を持った新しい流れになりつつあると認識しております。
また、日米両政府間においてもパウエル国務長官が、米軍が沖縄の人々にとって最小限の妨げとなるようにしたい旨発言しております。県としては日米安保体制を容認する立場ではありますが、長い間にわたる県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から基地の整理縮小を強く求めてきたところであります。
県としては、在沖米軍を取り巻くこのような状況を踏まえ、海兵隊を含む米軍兵力の削減についても県民の意向を明確にするため、基地の提供責任者である日本政府において、日米両政府間の協議の中で取り上げるよう国に対し求めていきたいと考えております。
なお、去る2月25日に河野外務大臣が来県された際にも海兵隊を含む兵力削減を強く求めたところであります。
次に、海兵隊総司令官の発言に続きグアム知事の受け入れ表明にどう対応するか、海兵隊の海外移転を求めることこそ現実的対応ではないかとの御質問にお答えいたします。
沖縄の基地及び訓練等のグアムへの移転についてはこれまでも何度か報道されておりますが、県としては、今回のグアム州知事の考え方がブッシュ新政権の中でどのような形で政策に具体的に取り上げられていくのか、今後の動向を注意深く見守りながら県民の基地負担の軽減につながるよう適切に対応していきたいと考えております。県としては、日米安保体制を容認する立場ではありますが、長い間にわたる県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から基地の整理縮小を強く求めてきたところであります。
県としては、在沖米軍を取り巻くこのような状況を踏まえ、海兵隊を含む米軍兵力の削減についても県民の意向を明確にするため、基地の提供責任者である日本政府において、日米両政府間の協議の中で取り上げるよう国に対し求めていきたいと考えております。
次に、海兵隊削減について、基地労働者の雇用確保に備えたらどうかとの御質問にお答えをしたいと思います。
本県の駐留軍労働者は、近年8500名前後の安定した数で推移しております。しかし最近の海兵隊をめぐる国内外の動向を見た場合、在沖米軍兵力の削減は一つの方向性を持った新しい流れになりつつあると認識しており、その流れの中で駐留軍労働者の雇用環境にどのような影響が出るか見守る必要があると考えております。
県としては、駐留軍労働者の雇用対策につきましては、基地の整理縮小を進めていく上で極めて重要な課題と認識しており、今後とも国の方針に示されたSACO関連施設従業員の技能教育訓練事業を進めるとともに、雇用環境の変化に適切に対応していきたいと考えております。
次に、日米地位協定の改定について、(1)の昨年8月以降の政府交渉の結果はどうなっているか、再度改定要求を提起すべきではないかと、それから日米政府を動かすためには超党派の活動を行い対政府交渉をすべきではないかとの2つの御質問を一括してお答えいたします。
県では、日米地位協定の見直しを求めることは県民の総意であると考え、このような県民の意向を体して昨年8月、日米両政府に対し日米地位協定の見直しに関する要請を行ったほか、これまであらゆる機会を通してその実現を求めてきました。
また、私は去る2月14日、今回の放火事件に関連して被疑者の即時引き渡しと日米地位協定の見直しなどを関係大臣に要請しました。
その際、河野外務大臣から、平成7年10月の日米合同委員会で合意された身柄引き渡しに係る「特定の場合」を例示してもうまくいかないときは日米地位協定の見直しも検討しなければならない旨の発言があり、また2月15日の衆議院予算委員会においても、日米地位協定の見直しも視野に入れてよいと思っている旨の答弁がありました。さらに2月21日には福田官房長官が県議会の要請団に対し、日米地位協定の問題を含め沖縄の問題に前向きに取り組む考えを表明しております。また2月25日、河野外務大臣が来県され県庁で懇談した際にも大臣から、基地問題に絡んで県議会や市町村議会でさまざまな決議がなされたことは重要であり、日米地位協定について運用の改善で問題が改善されなければ地位協定の改定を視野に入れて米側と話をしなければならない旨の発言がありました。
政府関係者のこれらの発言は、日米地位協定の見直しを求める県民の熱意が国の前向きな対応を促進しつつあるあかしであると考えており、県としては、今後とも日米地位協定の見直しを早急に協議するようあらゆる機会を通して日米両政府に対し強く求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 小波津浩利議員の普天間基地移設問題についての質問に順次お答えをいたします。
まず、代替施設協議会で3つの工法が示されたが、いずれも名護市民投票で否決された海上基地で市民投票の結果が無視されていないかどうかという御質問にお答えいたします。
第5回の代替施設協議会では、防衛庁よりくい式桟橋工法、ポンツーン工法、埋立工法について工法の特徴、施工事例、施工上の特性等各工法の概要について説明がなされました。県としては、新たな普天間飛行場の代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないと考えております。
代替施設の工法、具体的な建設場所等については代替施設協議会において協議されているところであります。
名護市民投票で否決された海上案は、政府の海上ヘリポート基本案であると認識しております。
県としては、同案については代替施設が米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることとなるため、地域の産業振興や振興開発につながらないことから同案について反対したものであります。
次に、3工法とも建設可能場所は水深25メートル程度と説明されているが、この場所は97年政府案の集落より沖合1.5キロの範囲内に位置するかと、また地元容認派が主張する3キロとの整合性はどうかという御質問にお答えいたします。
第3回の代替施設協議会における防衛庁の説明では、辺野古集落前の海域の地形は、辺野古漁港から約1500メートルの距離にあるリーフまでは水深0メートルから3メートルの平たんとなっております。さらにその先は急勾配で水深約30メートルから40メートルに至り、約2800メートルの地点で一たん水深約27メートルまで盛り上がった後、さらに深くなっております。
代替施設の工法及び具体的な建設場所等については、代替施設協議会において協議されているところであります。
次に、それぞれの工法の場合、国際自然保護連合総会決議で勧告された住民の騒音被害等の影響はどうなるかという御質問にお答えをいたします。
工法については、総合的、具体的な検討に用いる資料を入手するため、現在、部外団体へ生活環境や自然環境に与える影響、安全対策、維持管理を含むコスト、工期等について作業依頼を行っているところであり、今後、資料がまとまった段階で協議会に報告されるものと考えております。
次に、工法、場所、規模を含む基本計画策定の時期はいつか、夏の参議院選前までという報道があるがどうかという御質問にお答えをいたします。
基本計画の策定については、現在、協議会において逐次協議が進められており、その時期については協議の中で定まってくるものと考えております。
なお、御質問の報道については承知しておりません。
次に、県または政府が想定する今後のスケジュールはどのようになっているか、概要でも明らかにされたいという御質問にお答えをいたします。
現在、工法について総合的、具体的な検討に用いる資料を入手するため部外団体へ作業依頼を行うなど基本計画の策定について協議を行っているところであり、今後のスケジュールについては基本計画の策定の中で定まるものと考えております。
なお、使用協定と15年使用期限問題については、代替施設協議会の本来の趣旨であります基本計画策定についての協議とは別途に取り扱うべきものと理解しております。
使用協定については、政府が名護市との間で締結するものであり、その内容等については実務者連絡調整会議の中で協議されております。県としては名護市と連携し、市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
15年使用期限問題については、県が移設に当たって整備すべき条件としており、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないものと考えております。
次に、名護市長は、基本計画と使用協定は同時に策定されるべきとしているが、どのような協定内容が検討されてきたか、米側との調整はいつ、だれが行うのかという御質問にお答えいたします。
代替施設の使用に関する協定及び名護市内の既存の米軍施設・区域に係る事項については、名護市長の要望を踏まえて国により実務者連絡調整会議が設置され、実務者レベル間で名護市内の既存の米軍施設に係る問題等について話し合いが進められているところであります。
また、平成11年の閣議決定において、地域の安全対策や代替施設から発生する諸問題の対策等については、政府は誠意を持って米国政府と協議を行うとされていることから、米側との調整については国において地元の意向が反映されるよう取り組んでいかれるものと考えております。県としては、名護市が求めている使用協定等について市と連携して名護市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
次に、埋め立て派と海上浮体式派に分かれて利益争奪合戦が展開されていると言われているが、事実か、また県に売り込みが来ているのかという御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場代替施設については、現在、代替施設協議会において工法及び具体的建設場所等基本計画策定についての協議が進められており、協議の内容については名護市から地元3区に説明されております。
工法及び具体的建設場所等については、代替施設協議会において協議を重ねていく中で決められるものと考えております。県としては、名護市及び東村、宜野座村と連携し取り組んでいきたいと考えております。
なお、御指摘のことについては承知しておりません。
次に、北部訓練場のヘリパッド移設問題に関連して、まず1つ目にヘリパッド移設候補地に希少動植物が確認されたが、今後の継続調査はどうなるか、県も環境アセス条例等に基づいて独自の調査を行うべきではないかという点と、返還部分の7カ所は移設ではなく撤去させるべきではないかという御質問について一括してお答えいたします。
県は、これまで国に対し北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設場所の決定に際しては、ヤンバルの貴重な自然への配慮を求めるとともに、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう申し入れてきたところであります。
先般、平成10年12月から平成12年3月までの間、国が実施してきた「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設に係る環境調査」の結果が公表され、移設候補地一帯で多数の貴重な動植物が確認されております。国においては、自然環境に与える影響を最小限にとどめる観点から引き続き環境調査を実施するとのことであります。
県としては、国において慎重な環境調査が継続して行われるものと理解していることから県独自の調査は予定しておりません。今後、国による継続調査の結果や関係する市町村の意向及び自然保護団体の意見等も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定がなされるよう適切に対応したいと考えております。
次に、日米地位協定の改定に関連して、四軍調整官が知事の身柄引き渡し要求に対し支障ないと答えたが、その結果はどうなったか、抗議すべきではないかという御質問にお答えをいたします。
去る2月13日、今回の放火事件に関してヘイルストン中将が謝罪に来た際、知事から被疑者の身柄を起訴前に引き渡すよう求めたことに対し、ヘイルストン中将は自分が障害になることはない旨の発言をしましたが、2月16日、当該被疑者は起訴によって日本側に身柄が移転されました。
県としては、結果的には県が求めていた被疑者の起訴前の身柄の移転が実現しなかったことは残念に思いますが、今後とも11項目の日米地位協定の見直しを日米両政府に対し粘り強く訴えていきたいと考えております。
次に、同じく日米地位協定の改定の中の、日米合同委員会で凶悪な犯罪の場合身柄の引き渡しに好意的考慮を払うことが合意されたが、県内で適用されたケースはあるかという御質問にお答えをいたします。
県内においては、平成7年10月の日米合同委員会合意の手続にのっとり、被疑者の身柄を日本側に移転した事例はありません。
次に、同じく日米地位協定の改定の中の、米韓地位協定見直し交渉で米軍は韓国の環境法令を尊重することが合意されたが、これを風穴に活用すべきではないかという御質問にお答えいたします。
去る1月18日、在韓米軍地位協定及びその附属文書の改正が米国と韓国との間で合意されました。
その合意内容は、在韓米軍は韓国の環境法令を尊重すること及び殺人、婦女暴行などの重要犯罪を米軍人等が犯した場合、米側から韓国側への被疑者の身柄の引き渡し時期を従来の裁判の確定時点から起訴時点に繰り上げることなどとなっております。県としては、今回の在韓米軍地位協定及びその附属文書の改正内容は、現行の日米地位協定よりも前進した内容にまでは至っていないと認識しております。
ドイツのボン補足協定では、原則として受け入れ国の国内法を適用することが明記されているほか、環境保全を目的とする詳細な規定が設けられており、県としてはボン補足協定の内容に倣い、環境問題や人権問題など米軍基地周辺に居住する地域住民の視点から、日米地位協定を抜本的に見直すよう日米両政府に対し粘り強く求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 北部訓練場地域を含む北部森林地域について、県は環境省と連携して国立公園化構想を進める考えはないかという御質問にお答えします。
北部訓練場を含むヤンバル一帯は、イタジイに代表される亜熱帯の自然林に広く覆われ、ヤンバルクイナなど多くの固有種が生息する貴重な地域であります。
環境省では、国立公園の指定を念頭に置いて北部訓練場返還後の同地域の保全活用構想の策定を進めており、平成10年度から3カ年計画で専門家、地元3村、関係機関及び団体で構成する「やんばる地域保全活用方策調査検討委員会」を設置し、保全や活用方策等の調査を実施しており、さらに平成15年度までの予定で保全整備計画の策定に向けた経費を平成13年度の概算要求に盛り込んでおります。
県としましては、これらのことを踏まえ、国の調査等を積極的に支援・協力し、地元3村、森林組合、林野庁及び関係機関等の協力を得ながらヤンバル地域の国立公園化を促進していきたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 海兵隊削減について、跡地利用制度の確立に備えたらどうかについてお答えいたします。
平成11年12月に閣議決定された「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」の中で、大規模駐留軍用地跡地における行財政上の措置、跡地整備事業等を担当する事業実施主体の明確化、給付金支給などについては新たな法制の整備により対応することとしております。現在、「跡地対策準備協議会」において再開発事業関係、自治体財政関係などの課題について検討し、制度の確立に向け取り組んでいるところであります。
また県は、このような取り組みを踏まえ、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」の中で返還跡地の利用に係る具体的な措置について検討しているところであります。
○福祉保健部長(平良健康) 米軍人の県行事への参加についての御質問のうち、慰霊の日式典などへの米軍幹部の招待・参加を見合わせるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
沖縄全戦没者追悼式は、さきの大戦でとうとい生命を失った20万余の軍人・軍属、民間人を含む人々について国籍や立場を超え、すべてのみたまを慰霊・追悼するとともに世界の恒久平和を願う趣旨で開催されてきました。
平成12年度の追悼式典において、在沖米軍四軍調整官を招待したのは、参列してもらうことによって平和を求める沖縄の心をぜひ肌で感じ取ってもらいたいとの願いからであります。今後の対応については諸般の状況を考慮して対処してまいります。
次に、県立病院等の医療体制についての御質問のうち、久米島病院の産婦人科への対応についての御質問にお答えいたします。
久米島病院の産婦人科につきましては、開院間もないころから常勤医師の確保が困難となり、県立病院からの医師派遣による月2回の診療体制をとっているところです。現在、産婦人科医については県立病院からの長期派遣は困難な状況にあり、このため離島医療組合において募集事務を進めていますが、適任者がいないために採用には至っておりません。
久米島病院の開設により当該地域の医療体制は大きな前進を見ておりますが、医師確保に大きな課題が残されております。今後、琉球大学との連携や卒後医学臨床研修事業の活用等により安定的医師確保システムの構築が重要と考えており、引き続き診療体制の充実が図られるよう努力してまいります。
○教育長(翁長良盛) 小学生英語教育の講師に米軍人・軍属を迎えているようだが、その現状と今後の方針はどうなっているか、英語教育は推進すべきだが、教育的見地から民間人(外国人)に切りかえてはどうかという小波津議員の御質問にお答えいたします。
ネイティブ・アシスタントを活用した英語ボランティア活動につきましては、第17回の三者連絡協議会で米国側からの申し出により県教育委員会として検討いたしました結果、現在、中頭教育事務所管内の小学校10校において学習指導要領の趣旨に沿ってクラブ活動や「総合的な学習の時間」等で英会話指導が実施されております。ネイティブ・アシスタントと学級担任等とのチーム・ティーチングを通して楽しみながら学ぶことで英語に興味・関心を持つ児童がふえてきたとの報告を受けております。
ネイティブ・アシスタントの選任等につきましては、英語を指導することに興味・関心があり、日本の学校教育について理解し協力できる者、教師としての意識を持ち、服装等にも留意し指導できる者等の資格条件を事前に提示し、さらに学校への派遣に際しましては事前研修会等で教師としての資質や指導方法等について学習会を開催しており、現在のところ指導はスムーズに行われていると考えております。
平成13年度は、国頭教育事務所管内の小学校を含め実施学校数の拡充を図る予定であり、関係機関と調整しているところであります。
また、早期英語教育の一環として小学校の英会話指導等を推進するため、平成13年度は非常勤職員として県内在住の民間人のネイティブ・スピーカーを活用することとしており、今後とも本県の恵まれた英語環境を有効に生かし、積極的に早期英語教育を推進していきたいと考えております。
○農林水産部長(小那覇安優) シークヮーサー病害虫の駆除対策について、シークヮーサーの収穫が半減する事態について原因と駆除方法の究明がなされているか、それから県の支援、駆除対策はどうなっているかとの御質問は、関連しますので一括してお答えします。
本県におけるシークヮーサーの生産量は、平成9年には1300トン、10年に420トン、11年に1420トンと隔年ごとに増減を繰り返しています。
シーク ワーサーの減収については、関係者で現地調査を実施した結果、施肥・防除などの栽培管理が不十分であること、枝ごと収穫する事例もあり樹勢を弱めていること、樹勢が衰えた樹木にゴマダラカミキリが寄生し枯死に至っていることなどが原因と考えられています。
このことから、県としてはゴマダラカミキリの共同防除や肥培管理の徹底などを指導していく考えであります。
○病院管理局長(新田宗一) 県立病院等の医療体制についての御質問で、まず1点目に、中部病院の嘱託医が亡くなったことに関しまして、同医師の勤務実態はどうなっていたか、県はどう対応する考えかについてお答えいたします。
去る1月10日に中部病院に勤務する耳鼻咽喉科の嘱託医師が亡くなられたことに対し、今後の御活躍が期待されていただけに残念であり、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
中部病院耳鼻咽喉科の同嘱託医は、平成12年4月に中部病院での臨床研修を修了し、同年5月から嘱託医として勤務をしておりました。
中部病院耳鼻咽喉科の診療体制は、指導医である部長医師と専門医を目指す嘱託医という2人体制となっておりました。
耳鼻咽喉科の勤務状況は、基本的には平日は午前8時ごろに出勤し、両医師で病棟回診、外来診療及び手術を行い、午後7時前後に退庁しておりました。また土曜日の病棟回診は両医師で診ておりましたが、日曜日及び休日は嘱託医が対応し2時間前後の病棟回診を行っておりました。
なお、耳鼻咽喉科は宿直等は行っておりませんでした。
年末年始の勤務状況については、午前中に10人前後の入院患者の病棟回診を行い、休日で外来はありませんでしたが、1日当たり1人前後──6日間で4人の患者がおりましたが──の救急患者の対応があったとのことであります。
また、今後の労災補償等につきましては関係機関の判断を見守っていきたいと考えております。
それから中部病院の医師、看護婦の勤務実態は過酷になっていないか、問題があれば早急に増員を図るべきではないかにお答えいたします。
中部病院の医師の勤務状況につきましては、通常午前7時半ごろに出勤し、カンファレンスに参加した後、病棟回診、外来診療を行っております。
医師1人1日当たりの入院・外来患者数は、平成10年度の自治省決算統計で比較しますと全国平均は19.4人、本県の県立病院は28.3人、中部病院は約24.7人となっております。
超過勤務の状況は、各診療科によってばらつきはありますが、平成11年度の年間1人当たりの平均時間数で約620時間となっております。しかし産婦人科、小児科及び麻酔科等の特定の診療科につきましては約1000時間となっております。
なお、これらの時間数には診療科によって違いはありますが、一月3回から7回の割り当てのある土曜日、日曜日及び祝日における日直勤務並びに夜間における宿直勤務に係る超過勤務時間数も含まれております。
県は、新病院の開院に伴う新たな医療ニーズに対応するとともに、特に勤務状況が厳しい診療科の業務を緩和するため平成13年度に医師10人、看護婦7人の増員を図っていきたいと考えております。
引き続き、病院管理局と各病院長、事務部長や県公務員医師会などとの定期的な話し合いは行われているか、現場からは主にどんな要望が出され、どう改善しているかにお答えいたします。
病院事業が抱える諸課題の解決を図り、県民に適切な医療を提供するため病院管理局では各県立病院と定期的に会議を開催しております。
主な会議としましては、病院管理局と病院長、事務部長及び看護部長で構成し、病院経営等について総合的に議論する「病院運営協議会」の開催や、個別の課題等に応じて開催する職種部門別の会議等を年2回から3回程度開催しているところであります。また県公務員医師会とは必要に応じ協議しております。
次に、病院現場からの主な要望といたしましては、勤務状況の改善や施設・設備の整備など医療体制の確保に関するものがあります。このような諸課題について各会議等で議論し、事務・事業の見直しや職員の配置など業務改善に努めているところであります。今後も県民に適切な医療を提供するため病院現場と意思疎通を図りつつ、関係機関等と協議しながら円滑な病院事業を推進していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前10時57分休憩
午前10時59分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 先ほどもお答えをいたしましたが、これは政府が誠意を持って米国政府と協議を行うこととされておりますということでお答えをしてあります。
以上でございます。
○小波津浩利 ちょっと上の方からいきます。政府案は市民投票では否決されたんだと言われておりますが、その政府案というのは2つの工法で海に浮かべるポンツーンと、海にくいを打つくい式方式だったんでしょう。同じじゃないですか。だからどこが違うんですか。そこをはっきり答えてください。
撤去可能なという言葉がよく出てきますけれども、このポンツーンだって海に浮かべるものであって、くい打ちだって海にくいを打って上に鉄板をのせるだけであって、これは撤去可能なんです。どこが違うんですか、はっきり言ってください。
それから次、水深25メートルの関連で言いますと、したがってこの3つの工法ともリーフ内ですか。リーフなら、あなた方一番環境保護との関連で問題になるのは全部リーフ内でしょう。そこを想定するんですか。ここもはっきり、さっきの環境への被害と関連しますのでお答え願いたいと思います。
それから15年問題ですが、知事、第4回、第5回の議事録を見せてもらいましたが、知事の要請の実態はこんなことですね。協議会が終了します。それで座長が大臣が、終了しますが、ほかに御意見はありませんかと聞いたら、知事が手を挙げて、議題外ではございますが、わざわざですよ、議題外ではございますが、最後に15年問題が進展するように重ねて要望いたしますと、たった一言ですね。
こんなことを過去4回繰り返してきて、これがあなたの言う協議会でも取り上げてきていますという意味ですか。こんな取り上げ方で15年問題が進展すると思っているんですか。これは本気でそう思っているんですか。いつまでこれを繰り返すんでしょうか。私は、これでは進展しないと思いますので、本格的にこの問題だけで政府交渉を首相、外務大臣との正式な交渉をこの1点だけでやるべきじゃないですかと前回から申し上げているんです。そのことを含めてお願いいたします。
それから15年の決着時期の問題ですが、知事、前回名護市長が、基本計画策定前ではないで、基本計画策定と並行してという言葉は僕も知っているんです。これはほぼ同じなんですよ。知事と違うのは、知事は着工前まで何らかの進展がないのは考えられない、あり得ないということを言われているわけであって、名護市長はですね、基本計画策定だけが先行することは問題だと。だから基本計画策定と並行して同時並行で進めるべきではないかと言っているんです。
お二人の間には、時期について完全なずれがあるんですよ。なぜ知事がおくらせるかというんです、15年問題の決着を。ここをわかるように御説明お願いします。
それから知事、きょうも言われました。政府の責任論。私はこれは発想が全然違うと思うんですね。宮里議員にも答えておりましたが、政府の責任は、安保に基づく基地を提供しているのは政府の責任であります。しかしながらそれに基づいて普天間代替施設の15年使用期限を提案しているのは政府ではなくて、沖縄県知事の稲嶺知事なのであります。
これが守られるかどうかは、提案している知事自身の責任であって、知事はそのことにこそ政治生命をかけるべきではありませんか。そのことは、15年使用期限の決着については、私が政治生命をかけて責任を持って解決すべきだとこう言われるのが筋合いだと思いますが、そこの違いを再度お答え願いたいと思います。
それからもう一つ、知事、ところで知事は選挙公約で「軍民共用」と同時に、その場所については陸上案と言われました。陸上に建設しますと。さて陸上案はどうなったんでしょうか。
とりあえず以上お願いします。
○副知事(石川秀雄) 休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時5分休憩
午前11時8分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 小波津浩利議員の再質問にお答えをいたします。
最初は、議題外ではあるがということを言っておって、これで進展をするかということですが、私は、あの協議会の中では当初から議題ではないということで議題外ということで申し上げたわけで、ありとあらゆる機会をとらえてきっちりと申し上げております。去る2月25日に河野外務大臣が来県された際もこの辺については強く申し上げております。
それから次に、15年の決着時期については、これは先ほど申し上げたように15年使用期限については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものであると考えているということで、早期にということを強く申し上げているわけでございます。
次に、15年問題を政府に求めているが、知事がみずから言い出したことではないかと。
当然でございまして、私みずからその実現を求めて全力を尽くしております。
それから陸上案については、これは前の12年第2回県議会でもお答えをいたしたのですが、政府の示した海上ヘリポート案は、米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなければ撤去されることから反対したものであります。県としては、普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないということを述べたものであります。
○知事公室長(親川盛一) 小波津浩利議員の再質問にお答えをいたします。
まず1点目は、市民投票で言う政府基本案とどう違うかとこういうことでございますけれども、まず市民投票に関する有権解釈権はこれは名護市の方にございまして、岸本名護市長の議会における答弁によりますというと、名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票に関する条例の第1条の目的では、「この条例は、名護市字辺野古地先の公有水面に建設計画されている米軍の普天間基地の返還に伴う代替ヘリポート基地の建設について、市民の賛否の意思を明らかにし、」と規定されております。私は、建設計画されている米軍の代替ヘリポートとは、SACOの最終報告にあります撤去可能な海上施設であると認識しておりますと、こういう答弁がございます。
これに対し県は、新たな普天間飛行場の代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものでなければならないということでございます。
そういうことで、いわゆるこの政府基本案は、撤去可能な飛行場だということと同時に、撤去されて後は財産として残らぬと。財産として残るか残らないか、そういうことと同時に、軍民共用空港としてこれを活用していくと、こういう相違があるということでございます。
次に、3工法とも水深25メートル程度と説明されているが、これはリーフ内かという御質問でございますけれども、現在、これについてはリーフ内にするかリーフ外にするか、建設場所、工法等については代替施設協議会において鋭意検討しているところでございますので、その結果を踏まえてでないと明確に答えられないということでございます。そういうことでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時14分休憩
午前11時15分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 私は、陸上案というのは、当時の政府が示した海上ヘリポート案は、米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されること、これを海上案と言っておりましたので、私は、それに対比して県民の財産となり、その地域の産業にという意味で、海上に対比した意味で陸上案と申し上げたものです。
○小波津浩利 1点目に、いずれにしても陸上案はどうなったか、そこはわかりやすく御説明ください。3つの工法ともこれは海上案なのであります。
それから公室長、市民投票で否決された解釈、これは公有水面上。これはどれだって公有水面上です。
どこが違うかとちょっと考えてみますと、撤去可能かどうかということにこだわっているようですが、とりわけこの2つの工法、当時2つしかありませんでしたが、海に浮かべるポンツーンとくい式はこの図面で見てみますとほとんど当時のものとそっくりそのままですよ。どちらも撤去可能なんです。これは撤去不可能と言っているんですか。そこは余り逃げないできちんとお答えください。
それから、予定する軍民共用の規模面積について御説明ください。
政府案では滑走路1300メートル、皆さん方は2000メートル程度。
それから政府案、当時幅は45メートルありました。皆さん方の案では横幅を含めてどれぐらいの想定をしているか、そこをお答えください。(発言する者あり)
私は質問の範囲内で言っているんです。普天間基地の範囲内で。
それから知事、着工前までに何も進展なしに進むことはあり得ないということを言われましたが、これはややこしいんですが、着工までに決着させるというふうに受けとめていいですか、逆に言いますと。この点ですね。
それから海兵隊削減に関してです。
訓練移転というふうにきのうから報じられて、きょうの答弁もありました。言葉をよく聞いておりますと、訓練の移転ということと、兵力の削減という2つの言葉が出てきますが、知事は兵力の削減、つまり部隊の削減を伴うグアムへの訓練移転ということとして受けとめていいですね。兵力、部隊の削減の伴わない単に訓練の移転だけではなく、兵力削減、部隊削減を伴う訓練移転というふうに受けとめていいですね。
以上お願いします。
○副知事(石川秀雄) ちょっと休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時20分休憩
午前11時24分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほどもお話したんですが、陸上案はどうなったのかと。
私が陸上案と申しましたのは、政府の示した撤去可能な海上ヘリポート案というものに対比して陸上案と申し上げたわけでございまして、政府の示した撤去可能な海上ヘリポート案ではなくて、私どもが新たに出したのは、軍民共用として将来にわたって県民の財産となる空港ということで申し上げたわけです。対比した意味で申し上げたわけでございます。
次に、それでは着工までに何ら進展がないということは、それでは弱いんではないかということですが、私どもが申し上げましたのは、何らの進展もなしにあり得ないという前にですね、この問題については一日も早く早期にということを、解決するよう政府に強く求めていると言っておりますので、今後とも早期に決まるよう全力を尽くしていきたいと思っております。
○知事公室長(親川盛一) 小波津浩利議員の再々質問にお答えをいたします。
まず、軍民共用空港の規模についてどれぐらいを想定しているかとこういうことでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、建設場所、工法、規模等については現在代替施設協議会において協議がなされているということを申し上げましたけれども、その中で県としては、中型ジェット機が就航可能な規模にしてほしいと、そして軍民共用空港にしてほしいと、こういう考え方で申し上げているわけでございます。
それから、市民投票条例に言うヘリポート案、2案も、3工法とも撤去可能であるんじゃないかと。2案、3案ですね。そういうことでございますけれども、市民投票条例におきましては先ほども申し上げましたとおり、政府基本案がA案、B案ということで示されております。そして特定の場所にポンツーン工法とくい式工法ということで2案示されたわけでございますけれども、これについて名護市民投票条例ではこれの賛否について問うたわけでございますけれども、現在進められております普天間代替施設のことについてはこれから規模、場所、工法について決めていくわけでございます。
もちろん、この政府基本案も現在協議されております協議の中で説明があります3工法ともこれは撤去してしまえば何もないわけでございますけれども、しかし我々は今現在協議しておりますこの3工法につきましてはあくまで軍民共用空港とし、地域及び県民の財産としてつくっていくと。だから市民投票で示されたものは、先ほど知事からも話がございましたとおり、これは軍専用の空港としての位置づけでございまして、今回の我々のこの代替施設につきましては軍民共用空港として地域の振興開発の拠点にしていくと、こういう違いがあるわけでございます。
そういう意味合いでは、この埋め立てあるいはくい式、ポンツーンといろいろ今出ておりますけれども、これは代替施設協議会においてそういったものを含めて協議されるものとこのように理解しております。
○外間 久子 通告に従い一般質問を行いますが、まず最初に、我が党の代表質問との関連について、新基地建設についてお伺いしたいと思います。
国防総省から2000年の3月15日に「海外環境基本指針文書」が出されていますが、知っておられますか。
絶滅危惧種として国際的な保護運動が高まっているジュゴンの保護を米国防総省自身がこの文書で明記しています。ジュゴンの生息が確認されている辺野古海域に新基地建設を計画している米海兵隊にも同種の保護を重視し、新基地建設に当たっては注意を払うよう求めていることがわかりました。
(1)、アメリカがこうした環境基準を採用しているのであれば、新基地建設は撤回すべきであり、県も撤回を求めるべきではないか。
次に、北部訓練場移設問題についてお伺いします。
沖縄県として、防衛施設庁が調査をしたヤンバルの森の環境調査の結果をどう受けとめているのか。県としても調査をする考えはないか。
(2)つ目に、防衛施設庁は沖縄県と調整して内容、調査場所を検討していくとのことですが、ヤンバルの森のたかが300平方キロメートルの狭い森林にヘリパッド基地建設の場所があると思いますか。あるとしたらどの地域になりますか。
(3)つ目に、新たに7カ所のヘリパッドを結ぶ軍用道路が建設されますが、そこは重要な自然林地域です。固有種の生息地の劣化を引き起こす可能性はないと見ているのですか。
(4)つ目に、さらに頻繁に行われます軍事訓練がノグチゲラやヤンバルクイナなど貴重な野生生物種に影響を与え、この地域において絶滅のおそれを高めることになりませんか。
(5)つ、「東洋のガラパゴス」と言われているのはどういう背景があってのことですか。そこではどんな研究成果が出ているのですか。そこで発達した亜熱帯降雨林とはどんなものがありますか。
(6)つ、島嶼性はどんな環境を好んでいますか。ヤンバルの森の世界遺産への登録や国立公園化等の声が上がっておりますが、どういう理由からでしょうか。
(7)つ目に、連続植生というのはどういう状態のことを指しているのですか。そういう場所はほかにもありますか。
それでは一般質問を通告に従い行います。
市町村問題ですけれども、質問の(1)と(5)の項目は取り下げたいと思います。
我が国の21世紀は膨大な借金を背負ってスタートしました。明治維新、戦後改革に次ぐ第3の改革の旗を揚げて中央省庁は1府12省庁に編成されました。改革の次の標的が市町村合併をワンステップにした道州制だと言われています。
今回の合併の特徴は、強権的発動でなし遂げた昭和の大合併の教訓に学んで、国が前面に出るのではなくて都道府県を仲立ちさせたことにあります。国は、地方交付税制度の操作や補助金による手当てなどむちとあめの誘導策で合併を強制するというシナリオであります。しかも666兆円の債務を出した原因と責任、その真の対策には触れておりません。ただ財政危機、少子・高齢化、社会経済圏の拡大、広域行政の限界などをそれなりに理論化し合併の必然性と効果を羅列し、人口規模別の合併パターンを例示し、デメリットはいずれ解決できるという骨子で構成されております。
合併は、住民と自治体の自主性にゆだねると言いながら、実質的には有無を言わさないやり方は必ず破綻をします。
合併は、どのような手だてを講じようと住民と自治体との政治的距離を拡大するものだという所見を述べて質問に入ります。
(1)つ、合併の目的の行財政制度の効率化、集中化は、形式的には行財政力を大きくしても実質的には地域の持続的な発展の力を失うことになり、地域の荒廃といびつな地域をつくりませんか。
(2)つ、本来、地方分権と市町村合併は別物ではないでしょうか。事務にしても財源をきちっと保障するならば、規模の小さな市町村に委譲することは可能ではないですか。広域的な仕事は現在の制度にある一部事務組合によっても処理できますし、できなければ県が処理することも考えられますが、見解を伺いたい。
(3)つ目に、今回の合併は基本的には住民の声に基づくものではなく、「分権」の名による地方制度の再編成が検討されているのではないですか。
(4)つ、合併15年後には国の合併特例法の措置が解け、同規模の人口の市から予想すると合併以前と比べると交付税はふえるのですか、減るのですか。予算規模、職員数はどうなるのか。なぜこの点を合併要綱に記載しなかったのですか。
(5)つ、国の答申でも、市町村の合併については地方主導で地域の実情に基づき関係市町村や住民の意向が十分尊重されて行われるべきであり、市町村の合併の意義や効果を住民がよく理解した上で合併を選択できるようにしていく必要があると、建前は自主性が基本であるという言葉は言っておりますが、自主性を損なうような露骨な財政的誘導措置とあわせて2005年の3月という期限を決め、乗りおくれてはいけないという状況をつくり、落ちついて議論する時間を保証していませんが、県の計画及び基本的な考え方を示してください。
(6)つ、広域行政の必要性と行政区画の広域化は別のものではないですか。現在の地方自治法では広域行政処理制度として広域連合、事務組合などがあり、広域行政処理制度を多様に使っていくことを重視する姿勢が望ましいと考えますが、見解をお伺いしたい。
(7)つ、合併問題では改めて自治体とは何かが問われています。基本的な視点として地方自治とは何か、あるいは自治体の存在意義、役割について知事の見解をお伺いしたい。
2つ目の大きな柱として売春問題です。
売春に関しては政府の実態調査の例もなく、その全体の実数については全く明らかではありませんが、売春防止法が沖縄県で施行された直後の1972年には7300人前後の女性がおりましたが、その後減少しています。しかしこの減少は、決して売春そのものの人数が減少したものではないことは性風俗産業の肥大化、半ば公然たる売買春の実態を見ると明らかではないでしょうか。
それでは質問に入ります。
(1)つ、ここ一、二年の女性相談所への相談件数及び一時保護の状況について。
(2)つ、売買春に関する事犯に未成年者を含む若年層が巻き込まれておりますが、この問題を知事及び県教委はどう受けとめておりますか。
(3)つ、私は4日間にわたって中南部の売春地域を調査してまいりました。
売春ツアーではないでしょうが、ホテルから観光客を乗せたタクシーは、それらの地域のスナックに案内すると若い女性と連れ立ってホテルに行くカップルと、道路わきのいすに腰かけている中年女性や呼び込みの男性に観光客を引き渡すとスナックへ案内され、若い女性と連れ立ってホテルに行くカップルとスナックの奥にある個室に行く客に分かれます。ホテルに行く客からは五、六万円、タクシーの運転手への謝礼金が3000円から5000円で、経営者にも5000円、スナックの奥の部屋を利用いたしますと30分から50分で1万5000円から2万円だと言っておりました。旅館の看板がある地域は、沖縄の人を相手にする売春地域は昼から仕事をしています。15分で5000円です。
この道で働いている女性のほとんどが貧困のため、日掛けの貸し金業者から金を借りている人や、サラ金から金を借りたのが引き金になりその道に入ってしまったら、今度は経営者によって日掛けの金貸し業から金を借りるように追い込まれ借金は雪だるま式に膨れ上がり、管理売春で性的自由を搾取されている女性が今なお決して少なくないこと、復帰前後の状況を思い出しました。
この実態を県警及び知事は知っておられますか、こういう状況を県警及び知事はどう認識しておられるのか、見解を伺いたい。
(4)つ、売春関係事犯の検挙数は減少していますが、性風俗産業の肥大化は半ば公然たる売買春の実態を見ると明らかです。法の規制にもかかわらず売買春が公然化しているのは、女性の性を商品として売買することは女性の性を軽んじ、人権を侵害するものであるという社会的認識がまだまだ希薄であるということになりませんか。県警や知事の見解をお伺いしたい。
(5)つ目に、県警は━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━捜査の摘発に消極的になっていませんか。
(6)つ、冬場の沖縄観光は本来の目的から外れて売春ツアーという声も聞こえますが、その実態は把握しておりますか。観光のあり方そのものが問われていませんか。こういう観光も金が落ちるということでよしとするのか、見解をお伺いしたい。
(7)つ、未成年者や高校、中学生、若者の売買春が大きく報道されましたが、満たされない何かを満たそうとする物心両面における貧困、それは家庭の経済問題や貧困とも絡んで学力不振等の問題もあるかと思いますが、その面からの分析等も実施なさいましたか。今後の指導の中心はどこに置きますか。
(8)つ、今、女性や若者をターゲットにしたサラ金CMの増加が目立っています。中・高校生の中にはカードで買い物をしてみたいと思っている生徒が多いのを知っておりますか。それだけに学校現場でサラ金に陥るケースのビデオを視聴させたり、サラ金の仕組みやサラ金二法、さらには金利の問題を教材にし適正な利子を考えさせるなど、また自己破産の意味、家計簿の意味なども教え、人生で必要な物の見方、生き方、消費者教育を考える家庭科教育であってほしいと願っております。県教委の見解をお伺いしたい。
3つ目の大きな柱として博物館・美術館建設についてお伺いします。
我が党は、復帰後から博物館や美術館建設の申し入れ活動を初め、議会においては代表質問を初め一般質問でも取り上げてまいりました。現在の博物館では沖縄の歴史や芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料の分量が多いため資料室を初め展示室が狭隘なためその資料を十分に活用できず、狭い資料室でほこりをかぶって積まれているのは宝物を捨てているのと同じではありませんか。それだけに移転、新築についても提起をし前向きの答弁もいただきましたが、改めて県の方針をお伺いしたい。
(2)つ目に、芸術・文化は県民の知的な創造を豊かにしてくれるものであります。とりわけ最近の芸術・文化の創造運動の発展を見ましても県立美術館建設は急がなければなりません。現在の計画進行状況、見通し、決意のほどを知事にお伺いします。
4つ目の大きな柱として沖縄県の公共工事の発注問題について伺います。
(1)つ、発注の標準となる公共工事の請負金額が1977年来変化がないのはなぜですか。
(2)つ目に、教育庁関係や県営住宅については分離・分割発注が行われておりますが、土建部の道路、港湾、河川等の大型公共工事については細分化ができないのはなぜですか。
5つ目の柱として、中城湾港埋立問題として平成11年度の決算特別委員会において、新港地区が完成した時点の年間の貨物量について質問をしましたら、既に供用されている西埠頭においては穀物、スクラップ及び砂、砂利等であり、整備中の東埠頭においてはスクラップ、鋼材原料及び中古自動車等を想定しているとのことですが、これが自由貿易地域の貨物の対象でしょうか、お答えください。
(2)つ目に、国が直轄事業で造成する埋立地については、民間への処分を国の責任で実施する方法はないですか。
以上ですが、答弁によっては再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
市町村合併問題についての県のスケジュール及び基本的な考えを示してほしいとのお答えでございます。
地方分権の推進や少子・高齢化の進展、介護保険、廃棄物処理問題及び日常生活圏の拡大など広域化、多様化する行政需要に的確に対応しつつ行政サービスの水準を維持していくためには、市町村合併を通して行政区域を拡大し基礎的自治体としての自立性と行財政基盤の充実・強化を図る必要があると考えております。
県では現在、市町村合併の推進のための要綱を策定中でありますが、要綱策定後は広く県民に公表し、当面は財政上、制度上のさまざまな支援策が盛り込まれた市町村の合併の特例に関する法律の期限である平成17年3月末までの間に多くの市町村で合併が実現するよう必要な助言と情報提供を行いながら、市町村合併の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
同じく市町村合併問題について、合併問題では自治体とは何かが問われている、基本的な視点として地方自治とは何か、あるいは自治体の存在意義、役割について見解を問うとの御質問についてのお答えでございます。
地方自治とは、一定の地域を基礎としてそこに住む人々がみずからの意思のもと、国の意思からの独立性を確保しつつ、その地域内の諸問題の処理に当たり、その結果の責任をも負う体制とその営みを言うものであると認識しております。
また地方自治体は、住民の福祉の増進を図ることを基本とし、自主性及び自立性を十分発揮しながら、地方自治の本旨を踏まえ地域における行政を総合的に実施する役割を広く担うものであります。
同じく市町村合併問題について、本来、地方分権と市町村合併は別のものではないかとの御質問にお答えします。
市町村の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るためには住民の立場に立って地方分権を進めていく必要があると考えています。
一方、少子・高齢化の進展、介護保険、廃棄物処理問題及び日常生活圏の拡大など広域化、多様化する行政需要に的確に対応するためには市町村合併は避けて通れない課題であると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育委員会委員長(照屋義実) 議員の皆様、おはようございます。
初めて答弁の機会をいただきましたので、一言だけごあいさつを申し上げます。
1月の5日付で県教育委員会委員長に就任をいたしました照屋義実でございます。何とぞお見知りおきをいただきまして、任期中、御指導と御支援、御鞭撻を賜りますようによろしくお願いいたします。
それでは外間久子議員の御質問にお答えをいたします。
売買春に関する事犯に未成年者を含む若年層が巻き込まれていますが、この問題を県教委はどう受けとめるかというふうな御質問でございました。お答えをいたします。
社会の変化により、性に対する意識や価値観も多様化しています。有害情報等のはんらんは、成長過程にある青少年の性意識や性行動に悪影響を与え、性や人格の尊厳を軽視する傾向があり危惧しているところであります。
売買春に関する事犯に未成年者を含む若年層が巻き込まれていることについては、非常に残念でなりません。最近の売買春に関する事犯で、いわゆる普通の生徒が罪の意識を深く感じることなく、そのような行動をしたということについては大きな衝撃であり深刻に受けとめております。学校教育はもとより、家庭、地域社会、あらゆる関係機関・団体が連携して問題の防止と教育に取り組む必要があると考えます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併問題についての御質問にお答えをいたします。
答弁の順序が違うのかも知れませんけれども、順次御答弁をいたします。
まず、地域での合併協議の進め方として的確な論点を示さないまま拙速に促進することのないようにしてもらいたいという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
地方分権の推進や少子・高齢化の進展、介護保険、廃棄物処理問題及び日常生活圏の拡大など広域化、多様化する行政需要に的確に対応するためには市町村合併は避けて通れない課題であると考えております。
地域での合併協議の進め方は、地域の現状や将来像などそういったものについて十分な議論を行い、地域住民の御理解、御協力を得ながら自主的、主体的に取り組む必要があると考えております。県といたしましては、このような市町村の取り組みに対しまして適宜助言と情報提供に努めてまいりたいと考えております。
次に、広域行政の必要性と行政区画の広域化というのは別のものではないかという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
近年、道路交通網の整備や情報通信手段の発達に伴い、住民の日常生活圏が拡大し行政需要は広域化しており、地域の総合的かつ一体的な公共施設の整備による効率的な行政サービスが求められているところであります。
市町村は、住民に最も身近な地方自治体としてその行政区域内の住民の福祉の増進を図ることを基本としていることから、行政単位としての区域は住民の日常生活圏と一致することが望ましいものと考えております。
広域行政については、一部事務組合等によりごみ処理や消防、救急等の事務を共同処理する方法もありますが、迅速な意思決定や責任の所在の明確化などの観点から、市町村合併により総合的な行政主体として単一の団体による意思決定や事業実施を行うことがより効果的であると考えております。
次に、市町村を合併させることによって規模を拡大し事務や権限を委譲できる受け皿をまずつくるということかという御趣旨の御質問です。お答えをします。
社会経済情勢の変化等に伴い広域化、多様化する行政需要に的確に対応するためには、市町村合併を通して行政区域を拡大し、基礎的自治体としての自立性と行財政基盤の充実・強化を図る必要があると考えております。
一方、市町村が自主性、自立性を十分に発揮し地域における行政を総合的に実施していくためには、住民に最も身近な市町村に権限が委譲されることは必要なことであると考えております。
次に、今回の合併は住民の声に基づくものではなく、分権の名による地方制度の再編成が検討されているのではないかというふうな御趣旨の御質問にお答えをいたします。
地方分権は、自己決定・自己責任の原則に基づき個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを理念とし、国と地方公共団体の関係を対等・協力の関係に変え、中央集権型の画一的な行政システムから、住民主導による個性的で総合的な行政システムへ変革していくものであります。
一方、少子・高齢化の進展、介護保険、廃棄物処理問題及び日常生活圏の拡大など広域化、多様化する行政需要に的確に対応するためには市町村合併は避けて通れない課題であると考えております。
次に、合併特例法の措置が切れる15年後は交付税はどうなるのか、それと予算規模、職員数はどうなるのか、なぜ要綱に記載しなかったのかという御趣旨の御質問にお答えします。
地方交付税は、国民すべてがひとしく一定の水準の行政サービスが受けられるよう地方団体間における財政力の格差を解消し、計画的な行政運営を可能にするため地方団体に対し交付されるものであります。
市町村は、合併することによって一定の水準の行政サービスの提供に要する経費の節約が可能であると考えられますので、一般的には必要となる地方交付税の額は合併前に比べて少なくなると考えられます。しかしながら合併当初は経費の節約も困難な面があることから、市町村の合併の特例に関する法律により15年度間にわたり地方交付税の額の算定の特例措置が講じられることになります。
また、合併後の市町村の予算規模や職員数は、合併に取り組む市町村が合併協議や市町村建設計画を進める中で自主的、主体的な判断で定めていくものであると考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの外間久子君の質問及び質疑に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時58分休憩
午後1時12分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
外間久子君から発言の申し出がありますので、これを許可します。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 私の午前中の発言に不適切な表現があったようですので、議長におきまして削除されますようよろしくお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの外間久子君の申し出の件は、議長において後刻速記を調査の上、適切な措置を講ずることといたします。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 午前の外間久子君の質問及び質疑に対する答弁を継続いたします。
福祉保健部長。
〔福祉保健部長 平良健康君登壇〕
○福祉保健部長(平良健康) 売買春問題について2つの御質問のうち、女性相談所への相談件数及び一時保護の状況についての御質問にお答えいたします。
平成11年度の女性相談所の相談件数は、来所相談274件、電話相談751件の1025件となっており、そのうち売春に関する相談は6件となっております。平成12年度は、13年1月末現在で来所相談384件、電話相談527件の911件で、そのうち売春に関する相談は12件となっております。
一時保護の入所人員は、平成11年度は要保護女子等71名、同伴児童31名の102名となっており、そのうち売春に関係のある者は2名となっております。平成12年度は、13年1月末現在で要保護女子等164名、同伴児童118名の282名となっており、そのうち売春に関係のある者は12名となっております。
次に、管理売春の状況を知っているか、どう認識しているかとの御質問にお答えいたします。
本土復帰により売春防止法が適用され、女性相談所、婦人保護施設、売春防止対策本部等が設置され、啓発、保護、取り締まりの各面からの取り組みがなされました。
当時の相談は、前借金問題による管理売春がほとんどでありましたが、昭和51年以降減少してきました。しかし近年における社会情勢や性に対する意識の変化などを背景として売買春の形態は多様化し、手段、方法ともに巧妙化している現状があります。
今回の管理売春の実態を重く受けとめ、緊急に売春防止対策本部幹事会を開催し、今後の対策及び連携について関係機関と協議を行いました。今後とも社会の風紀環境を浄化する諸施策を推進していきたいと考えております。
○文化環境部長(宮城光男) 売買春に関する事犯に未成年者を含む若年層が巻き込まれているが、この問題をどう受けとめているかという御質問にお答えします。
昨年9月から10月ごろにかけまして県内中部の女子中学生を被害者とする売春防止法違反事件が発生したことは大変残念に思います。すべての県民が、青少年が健全に育成されるように努め、これを阻害するおそれのある行為または環境から青少年を保護しなければならない立場にありますが、その大人が自己の利益のみを考え、女子中学生に売春をさせた行為はとても許しがたいものだと考えております。
さらに、今回の事件はこれまでと違い、普通に学校に通っていた子が小遣い欲しさに売春をしていたということであり、極めて深刻な問題だと認識しております。
県としましては、これまで青少年育成県民運動や立入調査員によるゲームセンター等対象施設への立入指導など青少年の健全育成に取り組んでまいりましたけれども、今後さらに関係機関・団体等と連携を強化しつつ青少年の健全育成を推進し、再びこのようなことが起こらないように努めてまいりたいと考えております。
次に、我が党の代表質問との関連で、「東洋のガラパゴス」と言われている由来は何かという御質問にお答えします。
南米エクアドルのガラパゴス諸島は、大陸から隔絶された多くの島々から成り、ガラパゴスゾウガメが生息するなど特異な生態系が形成されております。
沖縄県も小さな島々から成り隔離されている特性を有し、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコ等の固有種や、遺存種と考えられる動物種が数多く生息する等島嶼生態系として我が国の生物多様性上重要な位置を占めていることから東洋のガラパゴスというふうに呼ばれております。
次に、亜熱帯降雨林とは何かという御質問にお答えいたします。
亜熱帯降雨林とは、亜熱帯地域に属し、アジア・太平洋地域の高温多湿な亜熱帯地域に広がる常緑広葉樹林であり、地球上で最も種の多様性に富んだ生態系を有していると言われております。
次に、ヤンバルの森の世界遺産登録の背景は何かという御質問にお答えします。
ヤンバル地域は、植生としてイタジイを中心とする常緑広葉樹林が広がり、ヤンバルクイナ、ノグチゲラなどの多くの固有種が生息するなど豊かで多様な自然環境を形成しており、人類共通の貴重な財産として世界遺産登録にふさわしい地域だというふうに考えております。
次に、連続植生と言われるのはほかにもあるのかという御質問にお答えします。
植生は、陸上における生態系を大まかにあらわす指標になります。植生が豊かに広がっている地域として北海道地方がございますが、ヤンバル地域もイタジイを中心とする植生が連なるすぐれた植生を有しております。さらにほかには西表島にも同様の豊かな植生が残されております。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 売春の実態についてどう認識しているのかということについてお答えをいたします。
議員御指摘の状況等につきましては、これまでの検挙事例でありますとか、現在進めている捜査の過程などにおきまして警察としても把握をしております。法で規制されている管理売春等につきましては、今後とも厳しく取り締まってまいる所存であります。
次に、半ば公然化している売買春に対する見解ということでございます。
県警といたしましては、女性や児童等の性を食い物にする犯罪に対しましては、関係機関との緊密な連携を図りつつ取り締まりを徹底することによりその実態を明らかにし、この種犯罪の悪質性を社会に示していきたいと考えております。
次に、売春の摘発に消極的になっていないかということでありますが、売春事犯につきましては県警は強い姿勢で臨んでいると考えています。最近では平成12年11月に宜野湾市真栄原の通称「新町」における売春事件、また同月に那覇市辻町のソープランドにおける売春事件、さらにことしに入りまして平成13年1月には宜野湾市における女子中学生に対する児童買春事件、さらに平成13年2月には沖縄市吉原における中学生売春事件を検挙しています。
県警といたしましては、今後ともこの種事案に対する取り締まりを強力に推進してまいる所存であります。
○知事公室長(親川盛一) 外間久子議員の売春問題に関連して、売買春が公然化しているのは女性の人権を侵害するという社会的認識がまだ希薄であるということにならないかという御質問にお答えいたします。
女性の人権を尊重するということは、憲法で定める基本的人権の尊重と法のもとの平等につながるものであり、民主主義社会の基本になるものであります。人権の尊重は、男女がお互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を図るためにも重要であると認識しております。
売買春が行われる根底には、女性の人権に対する認識のなさがあるものと思われることから、その防止を図るためにも女性の人権を尊重するための広報・啓発活動は大切であると考えております。県では、このような基本的な認識に基づき女性の人権に関する広報・啓発のための講習会等の開催を通じて社会的認識の徹底に努めていきたいと考えております。
次に、我が党の代表質問との関連の中の、米国防総省が出している「海外環境基本指針文書」にジュゴンの保護が明記されている、米国自体が保護を明記している場所での代替施設建設は無理ではないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の移設に向けて、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法、具体的建設場所等基本計画策定に向けて協議が進められており、その中で防衛庁が環境省の技術的な助言を得てジュゴンの生息状況の予備的調査を実施し、その調査結果は代替施設協議会に報告することになっております。
また、代替施設の建設に当たって「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」との政府方針が示されており、適切な措置がなされるものと考えております。県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き要望していきたいと考えております。
次に、同じく我が党の代表質問との関連の中の1つ目に、国が出したヘリパッド調査報告についてどう受けとめているかということと、国は県と調整して場所等を検討すると言っているが、どういう場所があると考えるかということ、それからヘリパッドに関連した軍用道路が建設されると森林が破壊されヤンバルの自然環境に影響を与えるのではないかという点と、訓練がノグチゲラやヤンバルクイナにどんな影響を与えるか、ヤンバルの固有種が絶滅することが予想されるがどうかという4点について一括してお答えをいたします。
県は、これまで国に対し北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設場所の決定に際しては、ヤンバルの貴重な自然への配慮を求めるとともに、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう申し入れてきたところであります。
先般、平成10年12月から平成12年3月までの間、ヘリコプター着陸帯移設候補地、それらへの進入路候補地、関連既存進入路及びそれらの周辺地域に関して国が実施してきた「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設に係る環境調査」の結果が公表され、移設候補地一帯で多数の貴重な動植物が確認されております。国においては自然環境に与える影響を最小限にとどめる観点から、ヘリコプター着陸帯の運用が動植物に与える影響を含め引き続き環境調査を実施するとのことであり、個々のヘリコプター着陸帯の移設の可否については継続調査の結果も踏まえ総合的に判断されるものと考えております。
県としては、国による継続調査の結果や関係する市町村の意向及び自然保護団体の意見等も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定がなされるよう適切に対応したいと考えております。
なお、来年度以降も国による継続調査が行われることから、実質的には平成14年度末の返還が困難となる可能性が高くなったものと思いますが、一日も早い返還とあわせて貴重な自然への配慮も優先されるべきものであると考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 売買春問題についての中の、売春ツアーの実態把握及び観光のあり方についてお答えします。
温暖な気候に恵まれた本県は、冬場のイベントとしてサントピア沖縄や花のカーニバルを開催し、冬でも暖かい沖縄を全国に発信し観光客の誘致に努めているところであります。
県は、観光客が安全で快適な旅行ができるようタクシー従業員等観光関連施設の従業員に対する接遇講習会の開催、観光客等の苦情相談窓口の設置、旅行業者への立入検査等を行い、観光道徳の高揚及び啓発等に努めているところであります。
御質問の売春ツアーについては情報収集に努めておりますが、その実態の確認には至っておりません。県としましては、今後とも「沖縄県売春防止対策本部」等を通して警察本部及び観光関連業界との連携・協力のもと、売春防止の諸施策を推進し、安全で快適な観光地沖縄の形成に努めてまいります。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 外間議員の御質問にお答えいたします。
まず、若者の売買春が大きく報道されましたが、満たされない何かを満たそうとする物心両面における貧困、それは家庭の経済問題や貧困とも絡んで学力不振等の問題もあるかと思いますが、その面からの分析等も実施なさいましたか、今後の指導の中心はどこに置きますかという御質問にお答えいたします。
未成年者における売買春は、社会全体の性意識の変化、性モラルの低下等さまざまな要因が考えられると思います。県教育委員会では、平成10年度に児童生徒の性に関する意識を把握するため小・中・高等学校においてアンケートを実施いたしました。調査の中から、中・高校生の3割程度がいわゆる「援助交際」に対して否定しない考え方を持っているという結果が出ております。このことは、性に対するモラルの低下のあらわれであり憂慮すべき状況にあると考えております。
県教育委員会といたしましては、これまで学校において取り組んできた性教育、人権教育を強化するとともに、家庭教育の充実を図り、医療機関など関係機関・団体が連携して性に対する正しい理解と人間としてのあり方についての指導をさらに充実させてまいりたいと考えております。
次に、中・高生の消費者教育について伺いたいという御質問にお答えいたします。
児童生徒が経済活動に関心を深め、健全な金銭観や勤労観を身につけることは大切なことであると考えております。
本県の中・高校においては、社会科の公民的分野や家庭科の授業を通して金銭を計画的に使うことの大切さや、消費者としての権利及び責任等についての学習を行っております。また税金や貯蓄の意義についての理解を深め、物や金銭を大切にする心、勤労をとうとぶ態度を育成するため、沖縄県納税貯蓄組合連合会等による「税の作文」や「貯蓄の作文」の取り組みが展開されております。
さらに、沖縄県貯蓄広報委員会から委嘱された金銭教育研究校の成果の普及を通して本県児童生徒の正しい金銭観、物に対する正しい価値観の育成に努めているところであります。
次に、県立博物館の移転新築について伺いたいという御質問にお答えいたします。
県立博物館は、本県の自然、歴史・文化について調査・研究、収集・保存、展示をする総合博物館として昭和41年に建設されました。老朽化が進み、かつ狭隘なため平成3年度には移転新築に向けて「沖縄県立博物館基本構想」ができ上がりました。その後、平成6年度に「沖縄県立博物館新館建設基本計画」を策定し、平成8年度には美術館との複合施設として基本設計が完了しております。当初計画では平成9年度に実施設計を行い、平成10年度に着工し、平成12年度の開館を目指しておりましたが、県の厳しい財政事情により平成9年度以降進展していない状況にあります。
現在の博物館は、築後34年が経過し建物の老朽化が著しく、展示施設や収蔵庫等も狭隘なため貴重な収蔵品の保管に支障を来している状況にあります。県立博物館新館建設については、今後、財政状況を見ながら早期建設に向けて努力してまいりたいと考えております。
○文化国際局長(金城勝子) 博物館・美術館建設問題についてのうち、県立美術館の計画、進行状況、見通しについてのお尋ねでございます。お答えいたします。
県立美術館の建設については、平成6年度に「県立美術館基本構想」、翌平成7年度には「沖縄県立現代美術館(仮称)建設基本計画」を策定いたしました。平成8年度には全国公開設計競技により設計者を選定し基本設計を行いました。その後、県の厳しい財政状況等により平成9年度以降、建設計画が進展していない状況にあります。
県立美術館は、県民の情操豊かな人間性を涵養し地域に根差した文化の発展を図る上で必要な文化施設であるだけでなく、新たな国内外の芸術・文化の交流の拠点として、また本県の観光の振興にも大きく貢献するものと考えております。今後とも現計画の見直しを行うなど条件整備を図り、早期実現に向け努力してまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(銘苅清一) 沖縄県の公共工事の発注問題についてのうち、発注の標準となる公共工事請負金額が1977年来変化がないのはなぜかとの御質問にお答えいたします。
発注標準は、適切な施工を確保するため発注件数や発注高が大きい土木、建築、電気、管、舗装の5業種について施工能力や経営力等に応じ等級ごとに定めている発注の基準であります。この基準は工事規模、技術特性等に対応した建設業者を選定する基本的な基準であり、良質な住宅、社会資本の整備を担保するものであります。
本県の公共事業の諸状況を勘案し1977年に定められた発注標準は、現在なお工事規模に応じての発注に際し十分にその機能を果たしているため、現時点での見直しについては考えておりません。また2年ごとに審査を行い、技術力、経営力の向上により上位の発注標準に対応できると認められる建設業者については上位の等級に格付してきたところであります。
同じく公共工事の発注問題についてのうち、道路、港湾等の大型公共工事の細分化についての御質問にお答えいたします。
土木建築部が執行する工事におきましては、中小企業の育成や県内経済の活性化の立場から道路、河川、公園、下水道、港湾工事等においては工事の内容や規模、技術的難易度、現場条件等も勘案し、工種別または延長や規模を工区割りするなど分離・分割発注を行っているところであります。
御質問の大型工事の細分化については、現場管理、品質管理、工程管理、安全管理上等の立場から一定の工事規模を確保する必要があります。
また、高度な技術を要するダム、トンネル、橋梁工事、切り土や盛り土のバランスが必要な道路改良工事、厳しい気象条件下での防波堤工事、交通量の多い市街地での下水道工事等につきましても一定の工事規模の確保が必要であります。県としては中小企業への指名参加の機会の拡充に配慮しながら、今後とも地元優先、分離・分割を行いランクごとのバランスある工事発注に努めていく考えであります。
次に、中城湾港(新港地区)泡瀬埋立地の問題についてのうち、東埠頭においてスクラップ、鋼材原料及び中古自動車等を想定しているとのことだが、これが自由貿易地域の貨物の対象かとの御質問にお答えいたします。
港湾計画における中城湾港(新港地区)の取扱貨物は、西埠頭の港湾施設において飼料原料、肥料原料、鋼材原料及び砂・砂利等について約111万トンを扱うことを想定しており、平成12年実績は約110万トンを見込んでおります。
東埠頭の港湾施設においては、自動車、配合飼料、金属機械製品、化学工業品、軽工業品、鋼材原料等の貨物の取り扱いを計画しております。
東埠頭地区は、特別自由貿易地域とそれ以外の地域から成っており、決算特別委員会で取扱貨物として例示したスクラップ、鋼材原料は特別自由貿易地域で計画している鉄鋼業の関連貨物として取り扱われ、また中古自動車については東埠頭の特別自由貿易地域以外の地域での本土からの移入貨物として取り扱われる計画であります。
同じく、国が直轄事業で造成する埋立地については、民間への処分を国の責任で実施する方法はないかとの御質問にお答えいたします。
中城湾港(泡瀬地区)埋立事業については、沖縄市の地域特性を生かした国際交流リゾ-ト拠点等を形成し、本島中部圏東海岸地域の活性化を図るため計画されたものであります。
その整備に当たっては、当初、県と沖縄市において実施することとしておりましたが、国が実施する新港地区の航路、泊地から発生するしゅんせつ土砂を本地区の埋立土砂として有効活用するものであります。
港湾区域における埋立地の土地利用については、その整合性を図るため港湾計画を策定した港湾管理者や地元市町村が主体となることが必要であります。泡瀬地区埋立事業についても国が埋め立てる約177ヘクタールは土砂を吹き込み、覆砂を施す粗造成までとなっております。その後、土地を処分するためには道路、緑地、上・下水道等の整備が必要でありますが、これらインフラ整備については県及び市が行うこととしていることから、埋立造成後の土地処分については県と地元沖縄市において協力して行うこととしております。
以上でございます。
○外間 久子 休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時42分休憩
午後1時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) それでは、先ほど一応御答弁は申し上げたつもりでありますけれども、補足して答弁をさせていただきます。
1点目は、いわゆる米国自体が保護を明記している場所での代替施設建設は無理ではないかと、こういうことでございますけれども、そのために環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限にとめるための適切な対策を講ずるということでの調査をしているわけでございまして、その調査結果を踏まえながら、先ほど申し上げましたとおり関係市町村やあるいは自然保護団体等の意見等も踏まえながら適切に対応していきたいと、こういうことでございます。
それから2点目の、県としての調査の有無でございますけれども、これにつきましては先ほども申し上げましたけれども、県としての調査をする考えは今のところございませんということでございます。
それと、それ以外の場所はないかということでございますけれども、これは1番目の質問とも関連しますけれども、先ほど申し上げましたとおり、現在国において調査をし、またこれから継続して調査をしてまいりますので、その調査も踏まえながら当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定が必要でございますので、それも見ながら適切に対応したいと、このように考えているわけでございます。
○外間 久子 環境に影響を与えない場所があるかどうかを聞いている。
○知事公室長(親川盛一) それ以外の場所ですか。わかりました。これは沖縄全体の環境はすばらしい環境でございますので、大なり小なりあるわけでございますが、極力、自然環境に影響が少ないようなところに検討してもらわないといかぬと、そこら辺を見きわめながら適切に対応したいと、こういうことでございます。
○外間 久子 公室長、今の新しい場所の選定は、先ほどの宮城部長からも答弁がありましたように国立公園化の話も出ているやさきで、やはりこういう300平方キロメートルというんでしょう。狭いところにこんなヘリパッドの基地ができるところがあるかどうかを聞いているんで、それについて答弁をしていただきたいと思います。
あと1つは、こういう新しいヘリパッドができるところで軍用道路ができると、固有種の生息地が劣化するんじゃないかと、これについてはどうですかと聞いていますから、これに答えてください。
それに、訓練が頻繁に行われるとヤンバルクイナやノグチゲラなんかが絶滅するおそれがあるんじゃないかと。これについて県はどういう見解を持っているかと、ちゃんと答えていただきたいと思います。
あと1つは、中城湾港の問題で商工労働部に聞きますけれども、商工労働部はこういうふうなところでこれからどんな貨物がどこから入ってくる予定ですか。それをひとつお答え願いたいと思います。
それから売春問題ですけれども、今の婦人相談所というのは、私も最初いましたからわかるけれども、30年になって老朽化しています。それで満杯です。その施設をいつつくる予定なのか、その年度をどれくらいをめどにしていらっしゃるのか、聞きたいと思います。
それからあと1つは、私も4日間かけて、金もかかりました、正直なところ。それだけの実態調査をやっているんですが、県警も行政もこの調査をやる意思があるのかどうか、その決意のほどを伺いたい。
同時に、復帰後にそういう女性たちを更生させるための更生資金というのがありましたけれども、今借金で雪だるま式で大変なんです。ここから足を洗おうにも洗えない状態です。それだけにこの更生資金を復活させるお考えはないかどうかということを福祉保健部の方にお聞きしたいと思います。
もう一つは公共工事の問題ですけれども、先ほど見直す考えはないという答弁でしたけれども、知事の所信表明との関連で、建設業界全体の発展のために県はどのようなランク別の発注計画を持っているのか、それを明らかにしていただきたいと思います。
2つ目は、現行の請負工事の金額の設定の根拠は何かということをはっきりさせてください。
それから、今陳情が出されている中小企業の要望どおりに見直すことができない問題点というのはどういうところにあるのか、もっと具体的に教えていただきたいと思います。
4点目は、分離・分割発注を徹底するということですが、Aランク以下の業者に元請の機会を拡大すべきだと思いますが、改善する余地がないのか、改善できないのはどういうことで改善ができないのか、この4点を再度お伺いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時51分休憩
午後1時52分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 外間久子議員の再質問にお答えをいたします。
まず1点目は、新しい場所への移設が可能な場所があるかと。いわゆる狭隘な場所にヘリコプター着陸帯をつくることはできるかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
この北部訓練場の返還につきましては、これは平成14年度末を目途に同訓練場の過半にそのヘリコプターの着陸帯7着陸帯を移設することによってこれを返還しようと、こういうことで決まっているわけでございますが、この面積は3987ヘクタールということでございますけれども、今調査を行っているのは、その過半に移設をするに当たって自然環境への影響を極力少なくするような場所に移していこうということで今国は再調査をするということでございます。
当初、SACOで決められた場所も調査をいたしましたけれども、その結果は、前に報告いたしましたとおり貴重な動植物が発見されたということでの再調査でございます。そういう意味合いから調査をした上でそれを示してきますので、それは先ほど申し上げましたとおり関係市町村や自然保護団体等の意見等も聞きながら適切に対応していきたいと、こういうことでございます。
それから2点目のヤンバルクイナ、ノグチゲラのいわゆる固有種が絶滅することが予想されるがどうかと、こういうことでございますけれども、これにつきましても現在でもこれはすんでおるわけでございまして、今22のヘリコプターの着陸帯がありますけれども、そこでもすんでいると。しかしながらこれを7つまた過半に移すことによってヘリコプターの着陸帯がふえるので、そこにこういった絶滅のおそれがないかという危惧でございますけれども、そういうことがないようにするためにきちっと環境調査をしてもらわないといかぬということでございます。それを見ながら検討していかなきゃならぬと、こういうことでございますので御理解願いたいと思います。
○福祉保健部長(平良健康) 再質問でございますが、婦人相談所、一時保護所が老朽化しているが、改築はどうなっているかとの御質問でございます。
両施設とも大変老朽化して御案内のとおりでございますが、防災上の問題もいろいろございますけれども、2つの施設は関連はあるけれどもそれぞれ目的が少し違うということで、これを合築にするのか、あるいは別々の施設として整備するか検討を重ねてきているところでございます。そういうことで改築の予定整備年度についてはまだ未定でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時56分休憩
午後1時56分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
商工労働部長。
〔商工労働部長 當銘直通君登壇〕
○商工労働部長(當銘直通) 中城湾港(新港地区)埋立地問題についての特別自貿地域の取扱貨物の件についてお答えいたします。
平成11年3月策定の特別自由貿易地域中城湾港(新港地区)基本計画において、同地区には電気機械製造業、鉄工業、衣類、その他繊維製品製造業、倉庫業、賃貸工場などの土地利用を想定しております。
これらの土地利用と関連して取扱貨物は機械製品、金属類、電気部品、鋼材原料、飲料原料、清涼飲料水等の原材料貨物や製品貨物を想定しております。県といたしましては、これら関連企業が早期に立地するよう努力してまいります。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 売春実態の調査をするのかということでございますけれども、警察としましては取り締まりに際しての情報収集やこれまでの検挙事例、また現在進めております捜査の過程等において売春実態の把握を行っております。
○土木建築部長(銘苅清一) 再質問にお答えいたします。
まず1点目のランク別の発注状況でございますけれども、平成12年今年度の1月までの実績で申し上げますと全体で541件で、その内訳としましては特Aが106件、これは全体の19.6%でございます。それからその他Aクラス以下で435件で80.4%でございます。
それから2点目の、現行請負金額の積算の根拠はということでございますけれども、これにつきましては県で今策定しております土木積算基準とか積算の単価等で一定の積み上げで設計書を積み上げ、それに基づいて予定価格を設定して発注している状況でございます。
それから3点目の、ランクごとの発注計画の改善できない問題点は何かということでございますけれども、県では年度当初におきまして特A、A、それからBということで年度のそれぞれの地域に限定されない社会的・経済的な多くの要素とか、あるいは特Aクラスの従業員数とかあるいは技術者数、経営規模等の実績も勘案しながら特A、Aでどのぐらいの予定が必要かということで予定の目標を立てておりまして、それに基づいて工事の分離・分割をするということでございます。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 要保護女子に対する生活更生資金についての再質問でございます。お答えいたします。
昭和47年から昭和52年までの間に沖縄県婦人更生資金貸付事業というものが実施されておりました。これは転落防止と保護更生を図るというのが目的でございます。経済的自立を促すということでございます。
しかしながら昭和48年、国におきましては貸付対象である要保護女子からの申請が非常に少ないということと、それからこれらの要保護女子に対する差別につながるおそれがあるというふうなこと、それから制度的に母子及び寡婦福祉資金等の世帯更生資金が制度的に整備されてきたということで、以上のような理由でこの制度が廃止になったわけでございます。
そういうことで、県としてはこれを再び始めるというふうな制度的な背景がございませんので、御理解をいただきたいと思います。
○外間 久子 先ほど宮城部長も国立公園化したいと。あんなところに基地はできないと思うんですけれども、適切な場所をということを今公室長はおっしゃったんですが、適切な場所があるのかどうか。適切な場所があるのかどうかの問題、もう一回ちゃんと答えていただきたい。
適切でないというのであれば、市町村に求めているということじゃなくて、県がもっとリーダーシップを発揮して沖縄の宝であるヤンバルの森をどう守るかというのが今問われていると思うんですよ。そうすると県がもっとリーダーシップを発揮するということが求められているのに、防衛施設庁からは沖縄県とも調整をしてということに、調整するときには沖縄県はこれに協力するわけでしょう、防衛施設庁には。これには協力するのに、ヤンバルの森を守るための独自のリーダーシップをここで発揮すべきだと思うんですが、なぜ発揮ができないんですか。これが1点。
あと土木建築部長にですけれども、私は、知事の所信表明との関連の中で沖縄県の建設業界全体の発展のために今大きく問われていると思うんですよ、特Aだけじゃなくて。今本当にみんな死活問題、心中もやりかねないと、こういう状態に追い込まれています。こういうことを考えたときに、県全体のことを考えたときに、今見直す考えはないということは私は問題だと思うんです。
改めて知事の所信表明に立ち返って、沖縄の建設業界発展のためにどうあらねばならないかが問われていると思いますので、その観点からの答弁をお願いしたいと思います。
○知事公室長(親川盛一) ヤンバルの森を守るためにヘリコプターの着陸帯の適切な設置場所があるかどうかということと、リーダーシップを発揮すべきじゃないかと、こういう趣旨の御質問だったかと思いますけれども、適切な場所があるかどうかも含めて環境調査をしていくわけでございますので、やはり北部の訓練場のあの3900ヘクタール余の返還をどうしても確保していかなければならないと、こういう必要がございますので、適切な場所を探せるように、また環境調査をしっかりとやっていただかなければならぬということと、今、外間議員御指摘のとおりヤンバルの森というのはお互いの宝でございますので、これを守るために我々はこれからも精いっぱいまた頑張っていきたいと、このように思っております。
○土木建築部長(銘苅清一) 再々質問にお答えいたします。
本県では、本土との格差是正のためこれまで3次にわたる振興開発計画に基づきましてこれまで良質な住宅、社会資本の整備を鋭意推進してきたところであります。本県の自立経済及び産業振興を図るための公共工事の実施に当たりましては、地元建設業の技術力の向上・育成を図ることは最も重要であります。
県では、県内企業の施工可能な工事につきましては、基本的には分離・分割し県内企業に優先的に発注する考えであります。今後とも中小企業育成の立場から分離・分割可能な分については実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○外間 久子 ちょっと公室長に再度お伺いしますけれども、防衛施設庁が新たに沖縄県と調整をしていきたいと、ヤンバルの森を調査するために。沖縄県と調整していくときに、この調整には加わりますか。加わるかどうか。加わるんだったらまた次の質問がありますから……
あと1点、建設業界の問題でございますけれども、私はランク別に発注計画を持つことが必要だと思うんです。それについて土木建築部長にもう一回答弁をお願いしたいと思います。
○知事公室長(親川盛一) 防衛施設庁は県と調整していくということであるけれども、県も調整に加わるかということでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、環境調査につきましてはこれは県はありませんということでお答えしましたけれども、その後いろんな、先ほども関係市町村や自然保護団体等の意見等も考慮しながら今後適切に対応していくということですので、防衛施設局からこういった調整に来る場合には当然県としてもそれに加わり、やはり県民の立場に立って言うべきことはきちっと言うと、その中から適切な場所を探していただこうと、こういうことでございます。
○土木建築部長(銘苅清一) お答えいたします。
工事執行に当たりましては、年度当初に先ほど申し上げました5業種についてランク別、地域ごとにバランスのとれた発注計画となるよう会社の規模、技術者、従業員の数、工事受注実績等を勘案いたしまして発注計画を策定し、その目標をもとに毎年執行に取り組んでいるところでございます。
ちなみに平成11年度の実績を申し上げますと、道路、河川、港湾等の一般土木での契約件数が特Aクラスが175件、これは16.3%になっております。その他Aクラス以下で899件、全体の83.7%となっております。特に近年は公共工事の伸び悩む中で業者の数が増加傾向にありまして、Aクラス以下の業者の増加が著しいということもありまして厳しい需給環境の要因ともなっております。
これらの中小企業の技術力の向上、経営の改善が求められているところでございますけれども、県としては工事の内容、規模、技術的難易度、現場条件を勘案して可能な限り中小企業育成のために分離・分割を行い、さらに地元優先に配慮しながらバランスのとれた工事発注に努めてまいりたいと考えております。
○外間 久子 知事にお伺いしたいんですけれども、今答弁をお聞きになってヤンバルの森がやはり沖縄の宝の森だということがそれぞれの部長からの御発言がありました。
今度訪米なさるときに、ぜひとも知事として世界遺産の登録も出ていると、国立公園化の話も出ていると。こういうことをやはりアメリカの大統領にきちっと提案をして、その協力方を求める御意思はございませんか。その知事の決意のほどをお伺いしたいと思います。
これで終わります。
○知事(稲嶺惠一) 外間議員の再々質問にお答えを申し上げます。
ただいま調査中でございますので、この辺を十二分に踏まえて先方に強く言うべきことは言うし、申し上げるべきことは申し上げたいとこう考えております。
○友寄 信助 久しぶりの質問であります。知事におかれては、連日大変お疲れだと思いますが、率直かつ積極的な御答弁をお願いしたいと思います。
それでは質問通告に従い一般質問を行います。
まず第1点目は、我が会派の代表質問との関連についてであります。
日米地位協定の見直しや米海兵隊の削減問題は、当面する基地問題の基本をなす重要課題であり、また県民の総意であります。
新聞報道によると、25日に来県した河野外相は稲嶺知事と会談し、日米地位協定の見直しについて運用改善ができなければ改定を視野に入れたいと考えていると述べております。このことは14日に外務省を訪れた稲嶺知事に、地位協定の改定も場合によっては検討しなければならないと初めて地位協定の改定に言及したことより後退したものとなっております。
この機会を逸すると地位協定の改定はまたもや先送りにされ、運用改善で糊塗されかねません。知事の毅然たる対応が求められていると思います。知事の御所見をお伺いしたいと思います。
次に、ポスト3次振計についてであります。
第1点目には、沖縄振興新法の基本理念と政策手段についてであります。
県は現在、3次振計の総点検報告を踏まえて経済、福祉・医療など各種団体との意見交換をして要望を聴取し、また県庁内の担当部局の要望施策40項目をまとめるなど新法振興計画原案の枠組みづくりを進めております。しかし、これらの施策項目の裏づけとなる法的措置、制度などの政策手段と理念が一向に見えてきておりません。新法の基本精神となる理念、すなわち将来の沖縄像をどう描いていくかという大きなビジョンが不明確であります。
知事は所信表明の中で、沖縄振興開発計画等の終了に伴い、新たな制度の創設等が必要であり、その取り組みいかんが21世紀初頭の本県の持続的発展を左右すると言っても過言ではないと強調しておりますように、今後10年の沖縄振興ビジョンをどういう内容にするかは極めて重要であり、本県の将来展望を県民の前に指し示す内容でなければならないと思います。
私は、これからの新法の理念は「平和・共生・自立」を基本に、沖縄の心である平和、基地経済からの脱却を目指す基地問題の解決の方向を示す将来像を描く理念をきちっと新法の中に位置づけることであると思います。
そこで知事にお尋ねいたします。
米軍基地の整理縮小、兵力の削減を含めた本県の基地のない将来像を沖縄振興新法、沖縄振興計画の中にどう位置づけるお考えか。
また、新法の重点施策と諸施策の裏づけとなる政策手段はどう考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
(2)点目には、沖縄振興新法への施策の位置づけについてであります。
その1つとして都市計画の見直しについてお聞きをしたい。
復帰後の本県の都市計画は、南部広域圏計画、コザ広域計画と名護市を中心とした北部広域圏に地域区分され、広大な米軍基地を避けて計画され事業が展開されてきました。そのため、基地周辺の市街地は雑然として自然発生的ないびつな形での市街地形成を余儀なくされてきました。そこで普天間飛行場の返還予定地域と将来返還されるであろう既存の米軍施設・区域を含めたこれらの返還跡地利用計画と整合性のある総合的な計画を策定する必要があると考えます。
かかる観点から、現存の広域圏都市計画の見直しが求められていると思います。また、これまでの年度ごとに限られた都市計画事業予算の枠では、広大な面積の軍用地跡地の都市計画事業の遂行は困難であり、特別な制度確立が必要だと思います。知事の御所見をお聞きしたいと思います。
次に、IT化、都市の再開発等に備えて電柱の地中化、いわゆるミニ共同溝事業の推進についてであります。
電線類等の地中化は、安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止、情報通信ネットワークの信頼性の向上や地域活性化の観点から事業の積極的な推進が求められております。
また県は、21世紀プランの中で「沖縄県マルチメディアアイランド構想」の策定や「沖縄国際情報特区構想」などの推進を打ち出しておりますが、これからの情報化社会に対応するインフラ整備を図る立場から電柱類の地中化、いわゆるミニ共同溝の建設は必要であります。とりわけ返還軍用地跡地、都市再開発地区を中心に整備を図ってはどうか。
本県における地中化の進捗状況は、これまでわずかに20キロが完了したのみで、2003年までに50キロを計画しているようだが、何しろ電柱による配電線路に比較して20倍の多額の設備費用が必要なことから事業が進んでいないのが現状であります。したがって振興新法、振興計画の中に位置づけて事業の推進をしていってはどうかと思います。知事の御所見をお聞きしたいと思います。
(3)点目には、駐留軍従業員の今後の雇用対策についてであります。
まず、国の直接執行事務への移管についてお聞きをいたします。
これまで駐留軍従業員の労務管理に関する事務は、機関委任事務としてそれぞれの都道府県で行ってきました。これが地方分権推進関連法に基づいて平成14年の4月1日から国の直接執行事務として国の特別法人組織に移管されることになりますが、従業員と労務管理事務所職員の取り扱いはどうなりますか、お聞かせ願いたいと思います。
次に、今後の基地労働の変動についてであります。
最近の基地を取り巻く情勢は変化の兆しを示しております。1月20日に就任したばかりのブッシュ米大統領はラムズフェルド国防長官に対して「米軍兵力の包括的な見直し」を指示し、またパウエル米国務長官は河野外務大臣との会談で沖縄の人々の生活の妨げを最小限にしたいと語り、米国は4年に一度の国防計画の見直しを打ち出しております。
そこで知事にお尋ねをいたしますが、米国のブッシュ大統領の就任に伴い在沖海兵隊の兵力削減の動きが予想されますが、今後の東アジア情勢、とりわけ在沖米軍の基地労働の動向などをどう受けとめておられるのか、御所見をお聞きしたいと思います。
次に、ポスト3次振計の中に「駐留軍雇用対策」の位置づけについてであります。
復帰後四、五年間はかなりの数に上る解雇者が発生しておりましたが、最近は比較的小康状態を保っております。現在、在沖米軍基地には4軍で8500人(MLC、IHA)の従業員が働いており、その他の間接雇用を含めると1万5000人余になるのではないかと推測されます。
基地労働は、米軍の戦略、政策の変更によってはいつ大量解雇が発生するかもしれない不安定雇用であります。今、基地従業員にとっては「駐留軍関係者離職者等臨時措置法」が唯一の離職後の対策、措置制度で、内容は2年間を限度に離職者促進手当の支給を柱としたもので、必ずしも再就職につながっていないのが現状であります。
全駐労は、1970年6月に米軍の大量解雇攻勢に対して、駐留軍労働者の生活防衛の立場から雇用安定法案を国会に提出した経緯があります。その内容は、米軍が一方的に解雇を通告しても、日本政府の責任で再就職が保障されるまで解雇措置をとらず、その間の賃金を保障するという趣旨のもので、いわば解雇制限法的な画期的な法の制度として当時は労働界から注目されました。この雇用安定法案は実現には至りませんでしたが、そのかわりに駐留軍関係者離職者等臨時措置法の内容改善措置がなされ、現在に至っているのであります。
こうした対応は、米軍側が45日という短期間予告で大量解雇を強行してきた措置に何とか歯どめをかけ、駐留軍従業員の雇用安定を図ろうと意図したものであります。
一方、日米地位協定では施設・区域と労務の提供は日本政府の責任で措置されており、軍用地返還に当たって軍用地主に対しては駐留軍用地の返還に伴う特別措置法で3年間の給付金が支給されており、現在はさらに7年間の延長を求めて取り組みが展開されているところであります。
一方、基地従業員に対しては駐留軍離職者等臨時措置法のみで大量解雇に対応できる制度が確立されておらず、海兵隊の削減・撤退によってはパニック状態になりかねません。海兵隊関係の職場には、諸機関関係の従業員を含めると3500人余が就労をしております。米国では1施設から50人以上の解雇は「重大解雇」として定義しており、基地閉鎖に伴う解雇に当たっては長期の予告期間を置いて慎重に綿密に再就職計画が実施されているとのことであります。
今月の20日に全駐労地本は、5項目にわたる米軍基地の返還に備えて「駐留軍労働者雇用対策プログラム」の制定に関する要請書を知事あてに提出しております。県としてこの要請事項をどう受けておられるのか。
また、駐留軍従業員の雇用対策を沖縄振興新法、振興計画の中に明確に位置づけて具体的な対策を講ずるべきだと思います。知事の御所見をお聞きしたいと思います。
3点目に、ペイオフ解禁に伴う県の対応についてであります。
まず、県経済に占める金融機関資産の状況についてであります。
本県において、金融機関は本土の第一勧銀を除いて市中銀行3行に農協系列や信金などがあり、沖縄経済振興の面から沖縄振興開発金融公庫が資金を供給しております。ペイオフの解禁に伴い金融機関の資金流動化が起きることが予想されますが、現在の県経済の県民総生産額は約3兆円と言われておりますが、金融公庫を除く金融資産はどの程度あるのか。
次に、ペイオフ解禁による本県経済と金融機関に与える影響についてであります。
平成14年4月1日以降、ペイオフの解禁によってこれまでの全額保証から、預金保護は元本1000万円とその利子のみとなります。それに伴い預金者の資金がより安定した金融機関や国債、証券、株などに流出していくことが予想されます。ペイオフ解禁によって本県経済と金融機関にどのような影響が予測されるのか。
また、経済のグローバル化、金融の自由化によって金融を取り巻く環境は非常に厳しくなっており、県内の銀行3行の再編・合併も予想されるのか、県のお考えをお聞かせください。
また、JA沖縄グループは、現在の28JAとJA沖縄信連、JA沖縄経済連を合併した県単一JAの実現に向けて具体的に動き出しております。その理由としてペイオフの解禁、金融の自由化、金融機関の相次ぐ合併や新農業基本法策定などに対応するためと言っております。農協系列の信用事業の運営状況はどうなっているのか。
また、単一JA合併に対して県はどのような指導と対応をしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
関連しまして地方自治体の対応についてであります。
また、ペイオフ解禁によって地方公共団体の公金についても元本1000万円とその利息を超える部分に保護措置はなく、県を含めた地方公共団体は自己責任による対応が求められます。今後のペイオフに対応した運用方法の検討、金融機関の経営状況の把握方策などどのように対応していくお考えか、知事の御所見をお聞きしたいと思います。
4点目には、米原子力潜水艦の衝突事故との関連についてお聞きをいたします。
まず(1)点目は、ホワイト・ビーチの米原子力潜水艦の入港についてであります。
「グリーンビル」潜水艦は、過去ホワイト・ビーチ、横須賀、佐世保の港に5回入港しております。今回の「グリーンビル」の実習船「えひめ丸」に対する衝突事故で、いかに米原子力潜水艦の訓練、入港が危険であるかが証明されました。
そこでお尋ねをいたします。
復帰後ホワイト・ビーチへの米原子力潜水艦の入港回数と「グリーンビル」潜水艦は何回入港しているのか。
また、入港の際の事前通告、放射能調査等安全対策は十分なされているのか。
(3)点目には、今回の「グリーンビル」の衝突事故の原因が究明されるまで、ホワイト・ビーチ地区への米原子力潜水艦の入港中止と、ハワイ沖での実習船との衝突事故に見られるように今後の再発防止のため新たな防止対策を申し入れるべきではないのか、知事の御見解をお聞かせください。
また、国際条約に基づく「海上衝突予防法」は、日本の海域においては米軍艦船にも適用されるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
最後に、水産高校実習船の安全対策についてであります。
ハワイ・オアフ島沖で宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が米原子力潜水艦と衝突し、実習生4人を含む9人が行方不明になった未曾有の大惨事は内外に大きな衝撃を与えました。将来性のある高校生たちの実習期間中の事故だけに痛ましい限りで、沖縄水産高校の実習船を持つ本県においても今回の事故は対岸の火事視のできない重視すべき事件として受けとめなければならない。
手元の資料によると、我が国の水産科がある高校は全国47校、実習船は計40隻あって、そのうち約30校が実習にハワイ沖に出ており、現在も20隻が同地域で実習中のようであります。
そこで教育長にお尋ねをいたします。
通常、遠洋航海に出航する場合、どのような安全航海指導がなされているのか。
(2)点目、また実習船の航海、実習操業海域は特定されているのか。
ハワイ沖海域も実習の対象海域のようだが、同海域での実習の目的と利点は何なのか。
また同島には軍港があり、周辺海域では絶えず米艦船の訓練、演習が実施されております。同海域での実習には特段の注意と安全対策が必要と思うがどうか。
さらに、国際条約に基づく海上衝突予防法で衝突を避けるための規則が定められているが、航海上特に遵守しなければならないことは何なのか、またこの規則は周知徹底されているか、御所見をお聞きしたいと思います。
以上で終わります。
○知事(稲嶺惠一) 友寄信助議員の御質問にお答えいたします。
最初は、我が会派の代表質問との関連についてということで、河野外務大臣は地位協定の運用の改善で済まそうとしているが、知事は強力に地位協定の改定を求めていくべきではないかとの御質問にお答えをしたいと思います。
県では、日米地位協定の見直しを求めることは県民の総意であると考え、このような県民の意向を体して昨年8月、日米両政府に対し日米地位協定の見直しに関する要請を行ったほか、これまであらゆる機会を通してその実現を求めてきました。
また、私は去る2月14日、今回の放火事件に関連して被疑者の即時引き渡しと日米地位協定の見直しなどを関係大臣に要請しました。
その際、河野外務大臣から、平成7年10月の日米合同委員会で合意された身柄引き渡しに係る「特定の場合」を例示してもうまくいかないときは日米地位協定の見直しも検討しなければならない旨の発言があり、また2月15日の衆議院予算委員会において、日米地位協定の見直しも視野に入れてよいと思っている旨の答弁がありました。さらに2月21日には福田官房長官が県議会の要請団に対し、日米地位協定の問題を含め沖縄の問題に前向きに取り組む考えを表明しております。また2月25日、河野外務大臣が来県され県庁で懇談した際にも大臣から、基地問題に絡んで県議会や市町村議会でさまざまな決議がなされたことは重要であり、日米地位協定について運用の改善で問題が改善されなければ地位協定の改定を視野に入れて米側と話をしなければならない旨の発言がありました。
政府関係者のこれらの発言は、日米地位協定の見直しを求める県民の熱意が国の前向きな対応を促進しつつあるあかしであると考えており、県としては、今後とも日米地位協定の見直しを早急に協議するようあらゆる機会を通して日米両政府に対し強く求めていきたいと考えております。
次に、ポスト3次振計について、沖縄振興新法の基本理念と政策手段についての御質問のお答えでございます。
県では現在、「新たな沖縄振興に向けた県の基本的な考え方」の取りまとめを進めているところでありますが、沖縄振興新法の理念、目的等についてもその中で検討しているところであります。
沖縄振興新計画においては、基地の整理縮小と基地跡地の有効利用を初め活力みなぎる産業が展開する民間主導型の経済社会の構築、アジア・太平洋地域と活発に交流・協力する地域社会の形成、次代を担う多様な人材の育成、安らぎと潤いのある環境と共生した社会の形成などを進めるため新たな時代に対応した新たな理念、施策を盛り込んだ振興策が必要であると考えております。新法にはこれらの施策が着実に実施されるよう基地跡地の有効利用、民間の経済活動等の支援や社会基盤整備等の推進に必要な特別措置が盛り込まれるよう努めてまいりたいと考えております。
同じくポスト3次振計についてのうち、今後の基地労働の変動をどうとらえているかという御質問と、ポスト3次振計の中に駐留軍雇用対策を位置づけることについての御質問について一括してお答えします。
駐留軍労働者の雇用対策については、基地の整理縮小を進めていく上で極めて重要な課題であると認識しております。
県としては、駐留軍労働者の継続雇用等総合的な雇用対策を国に要請してきたところであり、国としても普天間飛行場等の移設に係る政府方針の中で雇用の継続を図ることを基本とすること、知識、技能習得のための職業訓練の強化を図ることを決定しております。県では、今年度からSACO関連施設従業員の技能教育訓練を実施しているところであります。
一方、最近の海兵隊をめぐる国内外の動向を見た場合、在沖米軍兵力の削減は一つの方向性を持った新しい流れになりつつあると認識しており、その流れの中で駐留軍労働者の雇用環境にどのような影響が出るか見守る必要があると考えております。県としては、今後、海兵隊を含む米軍兵力の削減を日米両政府間の協議の中で取り上げるよう国に対して求めていきたいと考えておりますが、御提案の駐留軍労働者の雇用対策を沖縄振興新法等に盛り込むことにつきましては、その推移を踏まえながら検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○出納長(比嘉茂政) ペイオフ凍結解禁に伴う県の対応についての中の、地方自治体の対応策についてお答えいたします。
地方公共団体の公金は地域住民の共有財産であり、これを喪失した場合、住民生活に大きな影響を与えることになります。このため地方公共団体においては、金融機関の経営状況を的確に把握し公金の安全確実な管理に注意を払う必要があるのは当然であります。
ペイオフ解禁に向けた地方公共団体の対応策については、昨年11月1日、総務省──当時の自治省でありますが──を中心に学識経験者、金融機関等関係者による研究会が発足しております。この中で歳計現金、歳計外現金等に係る預金の保護方策、各種基金等に係る預金の運用方法、金融機関の経営状況の開示などについて検討が進められているところであります。
県では、全国や九州ブロックの出納長会議のほか、去る2月16日初めて開催した53市町村の収入役連絡会議の中などで対応策を検討してきたところであります。引き続き地方公共団体間との連携を図るとともに、国の対応策等も視野に入れながら取り組んでいきたいと考えております。
○土木建築部長(銘苅清一) ポスト3次振計についてのうち、今後の普天間飛行場等の大規模な軍用地返還を考慮して広域圏都市計画の見直しが求められていると思うがどうかの御質問にお答えいたします。
本県の都市計画は、本島中南部圏域において那覇広域やコザ広域など広域的な観点から都市計画区域を定め、総合的、一体的な土地利用や交通体系及び市街地整備を計画的に推進しているところであります。
このような中、今後普天間飛行場等の大規模な軍用地が返還された場合、周辺市街地の土地利用や交通体系等に及ぼす影響が大きいことから、中南部都市圏全体を含め広域的観点から都市計画の検討が求められております。そのため普天間飛行場等の跡地整備に当たっては、返還跡地等を含めた中南部都市圏の将来の土地利用計画を踏まえ適切な時期に都市計画を見直し、都市計画事業の実施に向け取り組んでいく考えであります。
同じくIT化、都市の再開発等に備えて電柱の地中化事業の推進についての御質問にお答えいたします。
電線類の地中化については、歩行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止等を目的に道路管理者と電線管理者の合意のもと、これまで中心市街地や返還軍用地跡地を中心に整備を進めているところであります。
電線類地中化事業のうち、道路管理者と電線管理者の費用負担により整備する電線共同溝本体については、平成11年度からスタートした新電線類地中化計画では、構造を簡素化し技術的な改良も加えたことから電線管理者の負担額はかなり軽減されております。
しかし御指摘のとおり、電線管理者が独自で整備するケーブルや変圧器等の施設については、電柱配電に比べ多額の費用を要するため事業推進上のネックとなっております。このことについては、占用者である電線管理者サイドの課題でもありますが、事業推進を図る上から、今後、沖縄振興新法での位置づけの可能性について関係機関とも調整の上検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) ポスト3次振計について、軍用地跡地の整備のための特別な制度の確立が必要だと思うがどうかについてお答えいたします。
平成11年12月に閣議決定された「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」の中で、大規模駐留軍用地跡地における行財政上の措置、跡地整備事業等を担当する事業実施主体の明確化などについては、新たな法制の整備により対応することとしております。現在、跡地対策準備協議会において再開発事業関係、自治体財政関係などの課題について検討し、制度の確立に向け取り組んでいるところであります。
また、県はこのような取り組みを踏まえ、新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方の中で返還跡地の利用に係る具体的な措置について検討しているところであります。
○商工労働部長(當銘直通) ポスト3次振計の中についてのうち、従業員の取り扱いについてはどうなるかについてお答えいたします。
駐留軍労働者に関する労務管理事務につきましては、平成14年4月から独立行政法人駐留軍労働者等労務管理機構が行うことになっております。同機構へ業務移管した後も駐留軍労働者の福利厚生、サービスの現状は維持されるものと考えております。
次に、ペイオフ凍結解禁に伴う県の対応についてのうち、県経済に占める金融資産の状況についてお答えいたします。
沖縄振興開発金融公庫を除いた県内の地方銀行、信用金庫、農業協同組合、郵便局などの平成12年3月末の預貯金などの金融資産はおよそ5兆5375億円となっております。
同じくペイオフ凍結解禁に伴う県の対応についてのうち、ペイオフ解禁により本県経済と金融機関にどのような影響が予測されるか、また県内3行の再編・合併も予想されるのかについてお答えいたします。
県内の各金融機関においては、ペイオフ解禁への対策として既に経営基盤の充実・強化や経営の効率化を推進するとともに、預金者に対するペイオフ内容の周知活動、経営内容の積極的な開示などにも努めているところであり、また国としても全国の地方銀行に対しペイオフ解禁に備えた危機管理計画の策定について要請したと聞いております。このようなことから、県としては総じて大きな混乱は生じないものと考えております。
なお、県内金融機関の再編・合併につきましては、信用金庫においてことし10月を目途に合併が合意されているところでありますが、地方銀行3行においては現在のところそのような動きはないと聞いております。
以上でございます。
○総務部長(與那嶺恒雄) 労務管理事務職員の取り扱いについてお答えいたします。
県は、駐留軍従業員の雇用の安定等を図るため渉外労務課、那覇渉外労務管理事務所、コザ渉外労務管理事務所に128人の職員を配置して労務管理事務に取り組んでいるところでございます。この事務は平成14年4月から国の事務となり、独立行政法人に移管されることになります。県としましては、労務管理事務が独立行政法人に移管された後も駐留軍従業員の安定した労務管理を図るためには、これまで労務管理事務を担い業務に精通している県職員の果たす役割は大きなものがあると考えております。
このようなことから、国に対して県職員を独立行政法人へ割愛採用するよう要望するとともに、職員の意向予備調査を実施するなど検討をしているところでございます。
○農林水産部長(小那覇安優) ペイオフ凍結解禁に伴う県の対応についての御質問の中の、農協の信用事業の現状及び合併に対する県の指導と対応はどうなっているかとの御質問にお答えします。
県内JAの信用事業については、近年の長引く経済不況や低金利政策等により収益力が著しく低下しています。このような中で早期是正措置やペイオフ解禁などの金融改革を乗り切っていくためには、全県を単一JAとする抜本的な体力の強化が必要であります。全県を単一JAとして組織再編することは、経営基盤の強化、信用力の向上、農家組合員へのサービスの増進などが図られ、農家所得の向上や農業の振興に大きく貢献するものと期待しています。
県としては、地域農業の発展と農家経営の安定向上を図る観点からJAの組織再編に対し積極的に協力する考えであります。
○知事公室長(親川盛一) 友寄信助議員の米原子力潜水艦の衝突事故の関連についての中の、ホワイト・ビーチへの米原子力潜水艦の入港回数と潜水艦グリーンビルの入港回数を聞きたいという御質問にお答えいたします。
原子力潜水艦のホワイト・ビーチへの入港は、沖合での漂泊を含め復帰後これまで通算して166回となっております。そのうちグリーンビルの入港は平成10年12月20日入港の1回でございます。
次に、同じく米原子力潜水艦の衝突事故の関連の中の、入港の際の事前通告、放射能調査等安全対策は十分かという御質問にお答えをいたします。
原子力潜水艦が寄港する際は事前に国から通報があり、それに基づき県は直ちに勝連町、水産業中央会など関係者に対しその旨連絡を行い周知に努めております。また、寄港地周辺住民の安全を確保するため「原子力軍艦放射能調査指針大綱」に基づき国と協力して入出港時及び寄港中の放射能調査を実施しております。
次に、同じく米原子力潜水艦の衝突事故関連で、ホワイト・ビーチへの米原子力潜水艦の入港中止と衝突防止策を申し入れるべきではないか、また、海上衝突予防法は日本の海域においては米軍艦船にも適用されるかという御質問にお答えをいたします。
我が国への原子力潜水鑑の寄港については、昭和39年8月28日、政府が米国の通常の原子力潜水艦が我が国に寄港することに同意することを決定しております。県としては、日米安全保障体制を認める立場から、原子力潜水艦の寄港については政府の方針に基づき寄港を容認するものではありますが、日米両政府においては原子力潜水艦の安全性の確保に万全を期していただきたいと考えております。
また、米軍艦船が我が国の海域を移動する場合は海上衝突予防法が適用されますが、提供区域、いわゆる水域内においては地位協定第3条第1項の規定により同法は適用されません。ただし、この場合においても地位協定第16条の規定により日本国の法令を尊重する義務を負っております。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 水産高校の実習船衝突事故に関連いたしまして、友寄議員の御質問にお答えいたします。
まず、遠洋航海に出航する場合、どのような安全航海指導がなされているかという御質問にお答えいたします。
遠洋航海時における実習生の安全指導については、日ごろの授業の中でも取り扱っております。また、乗船実習に際しては実習船の指導教官による事前指導を行い、乗船実習中における心得や禁止行為などの安全指導を行っております。さらに乗船後は、早い時期に乗組員や実習生に対して非常時における防火・防水操練と救命艇操練等を行うなど安全指導を最優先に行っております。
次に、実習船の航海、実習操業海域は特定されているのか、またハワイ沖海域での実習の目的と利点は何かとの御質問にお答えいたします。
全国の実習船の操業海域につきましては、漁業資源調査の海域や民間船との漁場の競合を避けるため、毎年全国の水産高校から提出される申請書に基づき水産庁が操業海域の調整をしております。
また、本県の翔南丸三世を含め多くの水産高校の実習船がハワイ周辺海域で乗船実習を実施しておりますのは、ハワイ周辺海域が比較的穏やかで好漁場であること、操業海域がハワイまで比較的近距離であるため緊急時に対応しやすいこと、燃料や食糧の補給に適した港湾施設が整っていることなどの理由によるものであります。
次に、米艦船の訓練実施によりハワイ沖海域での実習には特段の注意と安全対策が必要と思うがどうかという御質問にお答えいたします。
米軍艦船がハワイ周辺海域で訓練、演習を行う場合は、事前に米国沿岸警備隊から水路通報として訓練海域、日時、訓練内容などが告示されます。実習船は、それらの情報を収集・分析して訓練海域に近づかないよう航海計画を立てるなど航海の安全に万全を期しております。
次に、国際条約に基づく海上衝突予防法の中で衝突を避けるため航海上特に遵守しなければならないことは何か、またこのことは周知徹底されているのかという御質問にお答えいたします。
海上衝突予防法は、船舶交通の安全を図るため船舶の遵守すべき航法、表示すべき灯火、形象物、信号等に関し必要な事項を定めております。
船舶の安全を確保するためには、関係法令全体を遵守しなければその目的を達成することができないと考えますが、御質問の特に遵守しなければならないことは、同法令の第5条、船舶は、視覚、聴覚及びその時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしなければならないことであると考えております。
なお、航海中の見張りは、船舶の安全航海を確保するために最も重要な業務であることから当直者により厳重に行われております。
また、実習船の乗組員は、毎年開催されます全国水産高等学校実習船運営協会による研修会や危機管理についての事例研究を通して法令遵守の周知徹底を図っております。
以上でございます。
○玉城ノブ子 一般質問を行います。
まず最初に、我が党の代表質問との関連について、基地問題について質問をいたします。
ヘイルストン発言について。
県議会は、全会一致でヘイルストン発言に抗議し猛省を求めました。各市町村議会では罷免を要求しています。抗議しなかった知事に県民は納得していません。抗議しなかった知事の対応は適切だったと思いますか、答弁を願います。
知事は、我が党の宮里政秋県議の15年使用期限問題についての質問に対し、県は移設整備条件として、基地は移設受け入れ条件として15年使用期限を求めている条件を棚上げにしたまま着工することはあり得ないと答弁されました。条件を棚上げにしたまま着工することはあり得ないとする具体的根拠をお示しください。
基地の提供責任は確かに日本政府にあります。しかし、さきの知事選挙で稲嶺知事は、県民に対し15年の使用期限を公約し日本政府はそれを支持いたしました。日本政府も知事も県民に対してその公約を守る責任があるはずです。しかし、知事に就任して2年が過ぎようとする今日においても15年使用期限問題についての明確な合意が得られておりません。15年使用期限が守られないということであれば、県民に対する責任として移設受け入れを撤回すべきではありませんか。知事の答弁を求めます。
我が党の宮里政秋県議の、復帰後県警が米軍の凶悪犯罪について逮捕同意請求をした事件は何件か、そのうち何件米軍は拒否したのかとの質問に対し、県警本部長は、復帰後、殺人罪、強盗罪、強姦罪、放火罪について逮捕同意請求を行ったのは本件を含めて19件あり、18件は拒否されておりますと答弁されました。
1972年の本土復帰以降、沖縄で発生した米兵による犯罪は4953件に上り、凶悪犯罪、殺人、強姦、強盗、放火は523件です。しかし日本側が起訴前に身柄の引き渡しを請求したのは凶悪犯罪のうちわずか19件にしかすぎません。ところが、米軍は起訴前の犯人逮捕をことごとく拒否しているのであります。運用改善では限界があります。運用改善で明示的に放火罪を入れたとしても起訴前逮捕はアメリカの好意的配慮にすがるしかない。そこに限界があることを県警本部長の答弁は明確に示しているのではありませんか。
河野外務大臣は知事との会談で、当面は改定に踏み込まず、協定の運用改善を目指す考えを表明しています。到底納得できるものではありません。日米地位協定の見直し以外にないということを強く申し上げ、知事の答弁を求めます。
日米地位協定の見直し、米海兵隊の削減は県議会全会一致の要求であり、県民世論の大きな流れになっています。稲嶺知事が海兵隊の削減を求めたことは非常に大きな意義があります。95年の県民大会を思い起こし、県知事を先頭に県議会、各種団体、県民が一体となって県民大会を開き、署名活動を広げるなど県民世論を大きく盛り上げていくことが求められております。そしてその県民世論を背景に伊良皆議長と県知事が一緒になって訪米し、直接アメリカ政府に対し日米地位協定の見直し、米海兵隊の削減を堂々と要求することであります。
知事の御決意をお伺いいたします。
鉄軌道導入について質問いたします。
沖縄本島一周鉄軌道の早期実現について質問いたします。
我が党県議団は、私が議席を持つ以前までほとんど毎定例会本会議、予算特別委員会において鉄道導入の問題を取り上げてまいりました。
それは今日のスピードの時代にモータリゼーションの激化による交通渋滞、交通地獄、そして排気ガスによる環境破壊からもたらされる経済的損失、県民所得の喪失を早急に打開していかなければならないからであります。
また、我が党は、復帰前の国政選挙でいち早く瀬長さんが糸満─名護間の沖縄本島縦貫鉄道の建設を打ち出し、県民世論の結集を呼びかけました。これを受けて復帰直後の県議会で1974年3月29日、「国鉄の導入に関する意見書」を全会一致で採択し、県民意思を確定して高らかに宣言いたしました。
1976年、復帰後2期目の県政を担当なさった平良知事は、県民意思を実現すべく2000万円ほどの国鉄導入調査委託費を計上いたしました。ところがその後、鉄道導入は超長期的展望に追いやられ、いまだに実現の日の目を見ることができず県民は莫大な経済的損失を強いられています。
しかし、我が県議会における県民意思決定はさらに発展して、最近では九州市議会議長会は沖縄本島一周鉄道の早期実現を求める決議を全会一致で採択しております。県も沖縄本島への鉄軌道導入の可能性調査費800万円を計上しました。
琉球新報社の首長アンケートでも沖縄本島の首長は100%といっていいほど賛意をはっきりと表明しています。
さらに、ことしに入ってつい先日、沖縄南北縦貫鉄道を実現する会は、20万5000人の署名を添えて稲嶺知事、伊良皆県議会議長に要請・請願を行っております。署名は県内24団体の協力を得て展開されたようですが、昨年9月からわずか5カ月そこそこの短い期間ということもあって全県的に広がったとは言えないでしょうけれども、しかし必ず県民の賛同を得ることができるということを申し上げて質問に入ります。
1点目に、知事は、沖縄南北縦貫鉄道を実現する会の皆さんに20万人の思いを感じるとおっしゃりながら、総合的観点から検討していきたいと答えたと報道されております。意思決定機関で確定し、全会一致による県民意思は直ちにこれを執行していくのが執行機関の役目であるということは憲法、地方自治法が厳格に定めている地方自治の本旨、議会制民主主義の本道です。県民意思にこたえる措置を直ちに執行するよう求めるものであります。お答え願います。
2点目に、沖縄振興開発特別措置法の3度目の延長とその抜本的拡充・強化を国に迫り、第2章の高率補助、第3章の産業振興のための特別措置、第5章電気事業振興のための特別措置、第6章の職業安定のための特別措置とともに、交通の安定のための特別措置を沖振法の5大特別措置に据え、第5章第2節同様沖縄本島縦貫鉄道もしくは沖縄本島一周鉄道──いずれも辺戸岬─喜屋武岬を結ぶ──の1節を設けることが何よりも必要です。
復帰30年を迎えようとする今日なお、全国の米軍基地を沖縄に集中させ、毎日毎日のごとく県民の安全を脅かし、莫大な経済的損失を押しつけ、主権国家の国民、県民の尊厳を辱め米軍に基地を提供している国は、これまでの数倍を超える償いの心をもって沖縄県民に当たらなければならないということを申し上げ、答弁を求めます。
次に、水産業問題について。
日本が1996年に締結した海洋法条約は、これまで領海に限られていた沿岸国の主権を排他的水域として200海里まで認められました。条約に基づいて認定された200海里水域は世界有数の広さを持っています。食糧不足が予測されている21世紀に国民の食糧を確保する上で海洋資源を生かすことがますます重要になっており、自然環境との共存、伝統文化や地域の特徴ある食文化の伝承、集落の維持などを重視しながら漁業を産業として発展させることが重要になっております。本県は全国有数の広大な海域に恵まれ、周辺海域はサンゴ礁漁場、沖合は多くのそね漁場があり、また黒潮の影響を受け回遊魚の好漁場になっております。この地理的自然条件を生かして沿岸漁業が営まれ、地場産業として重要な役割を担ってきました。
しかし、最近の漁業環境は漁場の荒廃、縮小や資源枯渇による漁獲量の減少、輸入の急増と不況の影響による魚価の下落、船の建造、維持費や漁網などの資産費の増加等で漁業経営がますます深刻化しています。このことは沖縄の漁業の将来にとって極めて重大な事態であります。漁民、漁業関係者はさまざまな努力をしていますが、それだけでは解決できないものであります。
沖縄県の産業振興の重要な位置を占める漁業の振興について抜本的な対策を求め、次の点について質問いたします。
(1)、輸入水産物について。
①、生産コストが安い海外からの輸入水産物の急増は、国内産水産物の価格暴落の大きな要因になっています。沖縄県の水産業もイカ、マグロ、マチ、モズク等の外国からの水産物の急増によって大きな影響を受けています。糸満市のイカ釣り漁は11月から6月に出漁し、そのほとんどが県外出荷されています。ところが、これまでキロ700円から1000円の価格を維持していたのが、海外からモンゴーイカが急増したため今ではキロ500円から550円に下落し、漁家経営に大きな打撃を与えています。農林水産省はワカメ、ウナギ、カツオ3品目を監視対象品目に選定したとのことですが、輸入水産物の実態を把握していますか。
②、輸入魚との因果関係について調査を実施すべきであります。
③、WTO協定に基づき緊急輸入制度の措置を速やかに行うよう国に働きかけるべきであると考えます。
(2)、安心して漁業に従事でき、努力が報いられる条件づくりが求められています。県の漁業振興策として価格暴落時の経営の継続、安定に役立つ価格安定対策を進めること。
(3)、加工、直売など付加価値をつけるために自治体の援助、販路の確保、地場流通の拡大を強めること、特に学校給食、ホテル等への地場産業の活用に取り組むこと。
(4)、漁業を維持発展させるためには多くの漁業経営、従事者を確保することが重要です。後継者育成事業を拡充・強化すること。
(5)、経営安定対策を強化するため低利融資制度の拡充と融資条件の緩和、安価な資材、燃油の供給と保険制度の拡充。
(6)、漁業、水産技術、漁家経営や漁業行政指導などの専門技術職の充実、栽培漁業、養殖漁業等の振興を図るため水産改良普及所、水産試験場など研究機関の拡充を図ること。
次に、学校教育施設の整備について。
(1)、危険校舎は、児童生徒の生命や安全にかかわる問題であり、早急に改善が求められています。県が危険建物改築事業の対象とみなしている昭和50年度以前に建築された校舎が、平成12年5月1日現在の調査で高校、養護学校で5万8056平方メートル、小中学校で24万6576平方メートルとなっています。それぞれ総保有面積に占める割合が県立学校で6.6%、小中学校で12.1%となっていますが、県の計画によると、毎年5万平方メートルから6万平方メートルの事業規模で今後5年ないし6年程度要することになります。それでは遅過ぎます。危険校舎改善のための予算を大幅にふやして整備を早めることについて答弁を求めます。
(2)、県立高校、養護学校、小中学校の昭和50年以後の校舎についても老朽化が進み危険であります。実態調査を早急に実施すること。
(3)、2001年から学校トイレの改修費、PCBを使った照明器具の交換の費用について、400万円を超えれば単独でも補助の対象にすることが明らかになっているが、小規模改修についても積極的に整備を進めていくこと。
(4)、国の責任による高率補助制度を新しい沖振法の中で充実・発展させるよう国に要請すること。
次に、中小企業対策について。
(1)、金融問題について。
信用保証協会の役割は、金融機関から融資を受けることが困難な中小企業者に対して必要な事業資金等の供給を目的とすることにあります。信用保証協会法第1条は、「この法律は、中小企業者等が銀行その他の金融機関から貸付等を受けるについてその貸付金等の債務を保証することを主たる業務とする信用保証協会の制度を確立し、もつて中小企業者等に対する金融の円滑化を図ることを目的とする。」となっています。
ところが、信用保証協会の審査要件が必要以上に厳しくなり、保証渋りがひどくなっているとの指摘があります。保証協会が親切で丁寧な対応、的確な相談、指導に当たることが求められています。
以上、申し上げて次の点について質問いたします。
①、信用保証協会法第1条の目的、理念に沿って中小業者の繁栄、育成、地域社会の発展に貢献する立場で中小業者の融資要求に積極的に取り組むこと。
②、特別保証制度や自治体の制度融資などの無担保・無保証人の活用が依然として厳しくされています。要件どおりの申し込みがあれば速やかに実現し、保証人の強要はやめること。
③、中小業者団体の要求にもなっています保証協会を通さない県独自の貸付制度を創設すること。
④、金融安定化特別保証制度の返済開始時期を繰り延べ、返済期間を延長するよう国に要請すること。
(2)、国、県が発注する公共事業の県内業者への分離・分割発注について質問いたします。
大企業優遇の大型公共事業から、県民の要求にこたえる老朽校舎の改善、老人ホームの建設等生活密着型公共事業に切りかえることについて。
昭和47年の復帰からこれまで28年間が経過しているが、沖縄開発庁による公共事業は約6兆円に達していると言われているが、そのうち本土企業と地元企業の受注額はどうなっているでしょうか。
県の平成11年度公共工事の実績調べによると、契約金額で国や道路公団の県企業への発注率は総合事務局が46%、防衛施設局が60.8%、日本道路公団に至っては26.9%です。中小企業団体の要求にもあるようにダム、モノレール、空港等の大型事業においては一部の特殊な施工技術を除くと地元企業の人材及び技術で十分施工可能であります。公共事業は、JV工事も含め地元企業優先に発注できるよう国に働きかけることについて。
多くの地元中小企業に公共事業の受注を保証するため分離・分割発注を進めること。
公共事業における資材については、県内業者に優先発注する。そのためには契約の段階で特記事項を設けること。
これから工事着工される西海岸道路等の建設については、県内業者優先の発注を進めるよう国に働きかけることについて答弁を求めます。
以上、答弁によって再質問を行います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの玉城ノブ子君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時18分休憩
午後3時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の玉城ノブ子君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城ノブ子議員の御質問にお答えいたします。
通告のありました内容について同時にお答えをしたいと思っております。
我が党の代表質問との関連について、15年使用期限問題についての具体的根拠を示してほしいと、もし示せないのであれば撤回すべきではないかとの御質問に一括してお答えいたします。
15年使用期限については、政府において解決に向け努力されていることを承知しておりますが、県は、基地の提供責任は日本政府にあることから、過重な基地負担を担ってきた県民の意向を踏まえ、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。代替施設の15年使用期限問題については県が移設に当たって整備すべき条件としており、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないものと考えております。
普天間飛行場の移設については、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法、具体的建設場所等基本計画策定に向けて協議が進められているところであります。県としては、普天間飛行場の一日も早い返還に取り組んでいるところでございます。
次に、同じく我が党の代表質問との関連について、日米地位協定の見直しについては運用の改善ではだめであり、協定そのものの見直しを求めていくべきではないかとの御質問にお答えいたします。
県では、日米地位協定の見直しを求めることは県民の総意であると考え、このような県民の意向を体して昨年8月、日米両政府に対し日米地位協定の見直しに関する要請を行ったほか、これまであらゆる機会を通してその実現を求めてきました。
また、私は去る2月14日、今回の放火事件に関連して被疑者の即時引き渡しと日米地位協定の見直しなどを関係大臣に要請しました。
その際、河野外務大臣から、平成7年10月の日米合同委員会で合意された身柄引き渡しに係る「特定の場合」を例示してもうまくいかないときは日米地位協定の見直しも検討しなければならない旨の発言があり、また2月15日の衆議院予算委員会において、日米地位協定の見直しも視野に入れてよいと思っている旨の答弁がありました。さらに2月21日には福田官房長官が県議会の要請団に対し、日米地位協定の問題を含め沖縄の問題に前向きに取り組む考えを表明しております。また2月25日、河野外務大臣が来県され県庁で懇談した際にも大臣から、基地問題に絡んで県議会や市町村議会でさまざまな決議がなされたことは重要であり、日米地位協定について運用の改善で問題が改善されなければ地位協定の改定を視野に入れて米側と話をしなければならない旨のお話がありました。
政府関係者のこれらの発言は、日米地位協定の見直しを求める県民の熱意が国の前向きな対応を促進しつつあるあかしであると考えており、県としては、今後とも日米地位協定の見直しを早急に協議するようあらゆる機会を通して日米両政府に対し強く求めていきたいと考えております。
次に、鉄軌道の導入について、南北縦貫鉄軌道を実現する会に対して総合的観点から検討していきたいと答えたと報道されているが、意思決定機関で確定した県民意思にこたえる措置を直ちに執行するよう求めるがどうかとの御質問に対するお答えでございます。
「NPO・沖縄南北縦貫鉄道を実現する会」に寄せられました鉄軌道導入を求める20万5000人にも及ぶ皆様の思いを十分に受けとめております。
鉄道や軌道系交通につきましては、交通需要や採算性、地域形成、住民生活に与える影響など検討すべき課題が多岐にわたることから、県としましては、今回「総合交通体系基本計画」の見直しに当たっての基礎的な資料を得るための調査を進めているところであります。平成13年度には学識経験者、市町村、運輸事業者等で構成する「総合交通体系基本計画策定委員会」の中で新たな振興開発計画との整合を図りつつ引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、水産業問題についてでございます。
漁業従事者を確保するための後継者育成事業の拡充・強化についてどう考えるかというお答えでございます。
意欲と経営感覚にすぐれた漁業後継者の育成は、漁業の持続的発展を図る上で重要な課題であります。県としては、担い手育成対策として青壮年漁業者を対象とした現地巡回指導、技術交流会等を実施しております。また、すぐれた漁業経営を実践している漁業者を「漁業士」として認定し後継者の育成を促進しているところであります。今後とも意欲と経営感覚にすぐれた漁業後継者の育成に積極的に取り組んでいく考えであります。
次に、中小企業対策について、中小企業の融資要求に積極的に取り組むべきだと思うがどうかとのお答えでございます。
信用保証協会は、健全なる経営に努力し企業の発展を図ろうとする中小企業者に対し、適切な信用を与えることによって金融機関からの資金調達の円滑化を図ることをその大きな目的としています。
県としましては、この目的に沿い中小企業者への信用の付与が積極的に推進されるよう信用保証協会への出捐や貸し付け、運営面への指導等を行い、同協会の経営基盤強化の促進並びに資金調達環境の整備に努めているところであります。今後ともこのような信用保証協会の機能が十分に発揮され、中小企業者の資金調達ニーズに的確に対応できるよう指導してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 鉄軌道導入についての御質問の中で、交通の安定のための特別措置を沖振法の5大特別措置に据えて、沖縄本島縦貫鉄道もしくは沖縄本島一周鉄道の1節を設けることが何よりも必要と思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
21世紀における本県の経済振興や産業振興、県民生活の安定を図っていくためには交通網の総合的な整備推進は極めて重要であると考えます。鉄道など軌道系交通につきましては交通需要や採算性、地域形成、住民生活に与える影響など検討すべき課題が多岐にわたることから、県といたしましては「総合交通体系基本計画」の見直しに当たっての基礎資料を得るための調査を現在進めております。平成13年度には学識経験者、市町村、運輸事業者等で構成する「総合交通体系基本計画策定委員会」の中で新たな振興開発計画等との整合を図りつつ引き続き検討してまいりたいと考えております。
○農林水産部長(小那覇安優) 水産業問題についての御質問にお答えします。
まず初めに、県は県内における輸入水産物の実態を把握しているかとの御質問にお答えします。
県内における平成11年度の水産物輸入量は、沖縄地区税関の資料によりますと4380トンで、県内生産量4万3700トンの10%を占めております。輸入相手国は台湾、中国、ベトナム及びインドネシア等で、輸入品目はウナギ、カニ、エビなど生鮮・冷凍の魚介類が中心となっております。
次に、価格の暴落と輸入魚との因果関係について調査を実施すべきであると思うがどうかとの御質問にお答えします。
輸入水産物の増大による魚価への影響については、国が監視対象品目を指定し輸入の動向、生産・販売の状況、損益などについて調査を実施することとなっております。この調査は都道府県、関係団体及び流通関係者の協力のもとに実施されるものであります。県としては、国と連携しながら情報の収集に努めていく考えであります。
次に、WTO協定に基づき緊急輸入制限の措置を速やかに行うよう国に働きかけるべきと考えるがどうかとの御質問にお答えします。
輸入水産物の増大による国内水産物価格の低迷は全国的にも大きな課題となっており、輸入規制の措置を求める声が高まっております。このため、県としては九州水産振興開発協議会を通して「秩序ある輸入体制の確立を図ること」を国へ要望してきたところであります。今後とも「秩序ある輸入体制の確立」について国へ要望していく考えであります。
次に、県の漁業振興策として価格安定対策を進めるべきと考えるがどうかとの御質問にお答えします。
水産物の生産は、気象、海象に左右されやすく好不漁の波があり、これに対応して価格も変動する状況にあります。
水産物の価格安定対策は、水産業の振興を図る上で重要であると考えております。そのため沿岸漁業の基幹作目であるモズクについては、価格暴落時に備えて特定水産物調整保管事業を導入しております。またソデイカなどの水産物については、価格安定対策の一環として一元集荷に必要な資金に係る利子補給を行うなど共販体制の強化を図り価格の安定に努めているところであります。
次に、加工、直売など付加価値をつけるために自治体の支援、販路の確保、地場流通の拡大を強化すべきと考えるがどうかとの御質問にお答えします。
水産物の付加価値の向上と販路の確保は消費の拡大を図る上で重要であると考えております。県としては、これまで水産物の加工及び販売の円滑化を図るため水産業構造改善事業による加工施設の整備や直売のための展示販売施設の整備を進めております。またトビウオ、カツオ、カジキ、シイラなどを原料とした地域特産物の開発に対する助成を行っております。さらにモズク、マグロ等を原料とした加工品の学校給食への採用についても、加工関係者と連携しつつ取り組んでおります。
今後とも、水産物の付加価値の向上及び販路の確保を図り水産物消費の拡大に努めていく考えであります。
次に、漁業者への低利融資制度の拡充と融資条件の緩和及び保険制度の充実はどうなっているかとの御質問にお答えします。
本県における漁業者の経営安定対策のための低利融資制度については、漁業者の要望を踏まえ融資制度の拡充と融資条件の緩和について取り組んできたところであります。
沿岸漁業改善資金においては、10ワット無線機が貸し付け対象に加えられ、対象漁船トン数も10トン未満から20トン未満へ引き上げられております。
近代化資金においては、貸し付け対象魚種にクルマエビ養殖とおきなわスギが認められております。
漁業共済制度においては、ノリ養殖共済制度の中にモズク養殖が追加され制度が拡充されております。
また、漁業者の負担軽減を図るため県単独事業として共済掛金の助成も行っております。今後とも、関係機関と連携しながら制度の拡充に取り組んでいく考えであります。
次に、水産業改良普及所、水産試験場など研究機関の拡充はどうなっているかとの御質問にお答えします。
水産試験場等の研究機関及び水産業改良普及所の役割は、水産業の振興を図る上から重要だと考えております。このため、平成7年度の水産試験場八重山支場の施設整備を初め、平成12年度には栽培漁業センターの施設拡張などを行っております。平成13年度には生産現場の技術ニーズや水産業振興策に対応した技術開発と漁業現場への技術普及の有機的連携を図るため、水産試験場と水産業改良普及所の統合を計画しております。
組織体制としては、水産試験場本場における魚病担当者、栽培漁業センターへの嘱託員3名の配置などを計画しております。
研究体制については、試験研究機関の機能分担を明確にする「水産試験研究体制整備構想」の策定に向けて取り組んでおります。
以上でございます。
○教育長(翁長良盛) 学校教育施設の整備に関連しての御質問にお答え申し上げたいと思います。
まず、危険校舎の早急な改善についてという御質問にお答えいたします。
本県においては、昭和50年度以前に建築された校舎等が、当時の建築資材の制約等から老朽化が著しいため危険建物改築事業の対象とみなし、耐力度調査を実施しその改築を進めているところであります。県立学校の校舎等については、今後とも実態に応じて耐力度調査を実施し改築を推進していきたいと考えております。
なお、公立小中学校の校舎等については、これまで市町村教育長研修会等あらゆる機会を通して積極的に改築事業の実施に取り組むよう働きかけてきたところであり、県といたしましては今後も国庫予算の所要額の確保を図り、市町村との連携をとりながら老朽校舎等の解消に努めていく考えであります。
次に、昭和50年度以降に整備された校舎の老朽化等実態調査についてという御質問にお答えいたします。
県立学校については、昭和50年度以降に建築された校舎等についても昭和50年度以前と同様に老朽化の状況が見られることから既に実態調査を進めております。平成12年度は、今後の改築計画の資料とするため北部、中部、南部、宮古、八重山の各地区から昭和51年度及び52年度に建築された校舎等を抽出して耐力度調査を実施しているところであります。
また、公立小中学校については、市町村教育委員会において老朽化や破損等の状況を常に点検し、その状況に応じて改築や補修等の適切な対応を行うようお願いしているところであります。
次に、小規模改修の積極的な実施についてという御質問にお答えいたします。
児童生徒が快適で安全な学校生活を送るためには、危険建物改築事業や大規模改造事業だけでなく、改装、改修及び修繕等施設の営繕も必要不可欠であると考えております。県立学校施設については毎年度防水工事、トイレ修理、消防設備などの機器修繕等の改修を実施しており、今後も良好な学校施設を維持するため適切な改修を実施していきたいと考えております。
次に、高率補助制度を新しい沖振法の中で充実・発展させるよう国に要請することという御質問にお答えいたします。
公立学校施設については、沖縄振興開発計画に基づき高率補助制度により校舎等の整備を推進しているところであります。
老朽校舎等の改築促進など学校施設の整備充実を図るには、現行の高率補助制度の存続が必要と考えており、沖縄振興新法の中で制度の継続が図られるよう国及び関係機関等に要請するとともに、市町村教育委員会と連携しながら学校施設の整備を推進していきたいと思います。
以上でございます。
○商工労働部長(當銘直通) 中小企業対策についてのうち、無担保・無保証制度の活用については要件どおりの申し込みがあれば速やかに実現することについてお答えいたします。
無担保・無保証人制度につきましては、県では小規模企業対策資金の中で運用しており、要件として従業員数要件、納税要件、他に保証協会の保証を受けていない等の条件があります。
当該制度は、平成4年の創設以降、融資枠の撤廃や保証限度額の引き上げ等中小企業者のニーズを勘案し改善を図ってきたところであり、貸し付けに当たっては企業の経営状況、事業計画等を審査し、要件を満たす企業には適正な貸し付けを行っているところであります。
次に、同じく中小企業対策について、保証協会を通さない県独自の貸付制度の創設についてお答えいたします。
県単融資制度につきましては、十分な融資枠を確保するため金融機関との協調融資としております。
御提案の保証をつけない県独自の貸付制度は、貸し倒れ等のリスク負担の問題や取扱金融機関の理解の上から困難であると考えております。
同じく中小企業対策について、金融安定化特別保証制度の返済開始時期を繰り延べ、返済期間を延長するよう国に要請することについてお答えします。
中小企業金融安定化特別保証制度の保証期間は、運転資金が5年、設備資金が7年、据置期間はそれぞれ1年となっております。しかし、当該特別保証制度を利用した中小企業者が返済に困難を来した場合には、償還期限の延長等返済条件の緩和について保証協会において個々の案件ごとに柔軟に対応しているところであります。
次に、同じく中小企業対策について、国発注公共工事における県内企業と県外企業の受注割合についてにお答えいたします。
国発注公共工事における県内企業への発注金額の割合は、県として把握しているデータによると、平成8年度が45%、9年度が54%、10年度が55%、11年度が54%となっており、4年間の平均で52%となっております。ちなみに発注件数の割合は4年間の平均で78%となっております。
一方、県発注公共工事における県内企業への発注金額の割合は、平成8年度が92%、9年度が91%、10年度が89%、11年度が89%となっており、4年間の平均で90%となっております。ちなみに発注件数の割合は4年間の平均で96%となっております。
次に、公共事業については県内企業優先を国に働きかけること、西海岸道路等建設工事については県内企業優先を国に働きかけることについてお答えいたします。一括してお答えいたします。
県は、県内需要の創出による経済の活性化を促進するため公共工事の円滑な執行を図るとともに、厳しい経営環境にある県内企業の育成・強化を図ることを目的に「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定し、その推進に努めているところであります。
本方針に基づき、県が発注する公共工事については分離・分割発注を行うことなどにより県内企業への優先発注や資材等についての県産品優先使用を推進しているところであります。国に対しましても、本方針のさらなる実効を期するために県内企業への優先発注を積極的に推進するよう引き続き要請していきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 中小企業対策について、大企業優遇の大型公共事業から、県民の要求にこたえる老朽校舎の改善、老人ホームの建設等生活密着型公共事業に切りかえることについてお答えいたします。
県では、第3次沖縄振興開発計画が平成13年度に計画期間を終了することから、これまでの沖縄振興開発計画の成果と反省を踏まえつつ、県民が将来に夢と希望を持てる社会の形成を図るため、沖縄振興新計画の策定に向けた取り組みとして新たな沖縄振興のあり方についての基本的な考え方を取りまとめているところであります。
この基本的な考え方を取りまとめるに当たっては、少子・高齢化や環境問題等21世紀の社会情勢の変化に的確に対応することが肝要であると認識しており、今後の本県の振興の目標として健やかでだれもが安心して暮らせる社会づくり、豊かな自然と生活環境が調和した社会づくりなど、県民生活に密着した施策についても検討する必要があると考えております。
○土木建築部長(銘苅清一) 中小企業対策についてのうち、地元中小企業に対し分離・分割発注を進めることについての御質問にお答えいたします。
公共工事の発注につきましては、県が策定した「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき地元企業への優先発注を行っているところであります。工事の執行に当たっては年度当初にランク別、地域別にバランスのとれた発注となるよう会社の規模や技術者、従業員の数、工事受注実績等を勘案して発注計画を策定し、その計画に基づいて実施しているところであります。
御質問の工事の分離・分割発注に当たっては、工事の内容や規模、技術的難易度、現場条件等を勘案して可能な限り分離・分割を行い中小企業への発注に配慮しているところであります。県としては、中小企業への指名参加の機会の拡充に配慮しながら、今後とも地元優先、分離・分割を行いバランスある工事発注に努めていく考えであります。
同じく公共工事における資材の県内業者優先発注のための契約段階での特記事項を設けることについての御質問にお答えいたします。
県が発注する公共工事は、建設工事請負契約約款において図面及び仕様書に従い履行することとなっております。
県産建設資材については、特記仕様書において工事に使用する資材等のうち沖縄県内で生産、製造され、かつ規格、品質、価格等が適正である場合はこれを優先して使用すると明記し積極的な活用を進めているところであります。
県産資材のうち主要建設資材であるセメント、鉄筋、アルミサッシ等11品目については、工事における使用状況の報告を義務づけ、その結果を確認しているところであります。
以上でございます。
○玉城ノブ子 休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時15分休憩
午後4時17分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 実は通告になかったものですけれども、再質問でございましたので、もう一遍誠意を持ってお話します。
最初のヘイルストン四軍調整官については、去る2月8日にヘイルストン中将が直接県庁に来て、私や伊良皆県議会議長を含め関係者及び県民に対し謝罪した際にも強く遺憾の意を表明するとともに、在沖米軍の責任者としての発言には県民の心を理解し、十分注意を払うよう重ねて申し入れたところであります。
次に、訪米の際に削減や地位協定の見直しを米政府に求めるべきではないかとの御質問のお答えでございます。
県としては、基地問題は国の外交・防衛にかかわる問題であると認識しており、その解決に向けてはまず国家間で話し合いがなされるべきであると考えておりますが、訪米の際には海兵隊を含む米軍兵力の削減など基地の整理縮小や日米地位協定の見直し及び普天間飛行場の代替施設の15年使用期限の設定など、本県が抱えている基地問題の解決を日本政府に求めていることを米国政府や連邦議会等の関係機関に伝え、理解と協力を要請したいと考えております。
○玉城ノブ子 知事、今の私の質問に対して正確に答弁してないというふうに思うんですけれども、ヘイルストン発言について、県議会においても全会一致でヘイルストン発言に対して猛省を求めているわけです。各市町村議会でも罷免を要求しているという状況があるわけなんですよね。県民はこの問題について非常に怒っているわけなんです。これについて知事の対応が、抗議をしなかったというのは適切だったかということを私は聞いているんですけれども、きちんと答弁をいただきたいというふうに思います。
それと15年使用期限問題についても、私は具体的に根拠をお示しくださいということを聞いております。ところが、これにも知事は答えておりませんけれども、具体的な根拠を示すことができないというのであれば移設受け入れを撤回すべきではないですか。そのことを聞いているんです。これについてもっと正確にちゃんと答弁を求めたいと思います。
あと、公共事業の分離・分割発注の問題ですけれども、政府は沖縄の振興策として多くの公共事業を実施してきました。ところが、その受注額の5割以上は本土企業に占められてきているわけです。利益は、沖縄から本土の本社へと流出して地域経済の発展に生かされていないわけであります。経済活動の成果が本当に本土の大企業に吸い上げられてしまうということでは沖縄経済の力にはならないと思うんですけれども、知事の御認識はいかがでしょうか。
このような状況を打開するためにどのような効果的方策を考えておられるのか、知事の御答弁を求めます。
○知事(稲嶺惠一) 先ほども申し上げましたが、私は、謝罪した際に強い遺憾の意を表明するというのは、これは抗議でしたということでございます。
それから、15年使用期限問題については、具体的な根拠というのは、私は実現することが具体的な根拠だと思っております。そのために全力を尽くします。
○商工労働部長(當銘直通) 公共事業についての質問にお答えいたします。
先ほどお答えしましたが、いわゆる県は、県内需要の創出による経済の活性化を促進するため公共工事の円滑な執行を図るとともに、厳しい経営環境にある県内企業の育成・強化を図ることを目的に「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定し、その推進に努めているところであります。
また、県が発注する公共工事については、分離・分割発注を行うことなどにより県内企業への優先発注や資材等についての県産品優先使用を推進しているところであります。国に対しましても、本方針のさらなる実効を期するために県内企業への優先発注を積極的に推進するよう引き続き要請していきたいと考えております。
以上でございます。
○伊波 洋一 県議会による全会一致の海兵隊削減決議を受けて米軍人による事件・事故の続発に対処するために、稲嶺知事が海兵隊の削減とグアムへの演習の移転を日米両政府に求めることを表明したことを歓迎いたします。
米国内で沖縄の海兵隊を分散するべきだとする米政府関係者の声が挙がっている今こそ沖縄の基地問題を抜本的に解決するチャンスであります。
稲嶺知事は、米国の動きを含め情勢を見きわめながら県民の声を受けとめ、沖縄基地問題の解決の流れを見失ってはいけません。
それでは通告に従い一般質問を行います。
海兵隊の事件続発と米四軍調整官の中傷メールについて伺います。
知事や両副知事がそれぞれどのようなことを言ったためにヘイルストン中将の誤解を招くことになったのか、所見を伺いたいと思います。
次に、在沖米軍トップであるヘイルストン中将の中傷メールには知事への暴言以外に、在沖米軍司令官としての海兵隊へのいら立ちと本音があらわれており、その内容は海兵隊の実態を明らかにするものであります。
すなわち、なぜ運転免許を剥奪されてもなお運転する人間がいるのか、なぜわいせつ行為をするような人間が歩き回っているのか、なぜ飲み屋や警察で問題を起こすような軍曹や兵曹がいるのか、なぜ下士官や将校が飲酒運転をするのか、5%の人間の行為をとめろと書き、綱紀粛正や教育プログラムではとめられない海兵隊によって続発する事件へのいら立ちを部下の司令官にぶつけているわけであります。
5%の行為をとめろと司令官が命令している在沖海兵隊の実態に関して、県知事の見解を伺います。
県議会は、米兵による事件・事故をなくすためにはもはや海兵隊の削減しかないとして全会一致で決議を行ったわけですが、県知事は県議会の行った決議をどのように評価しているのか、明らかにしてもらいたいと思います。
県議会米軍基地関係特別委員会は、1月30日と31日に北部訓練場とキャンプ・シュワブの視察を行い、2月6日には青森県三沢基地の調査を行いました。
北部訓練場では、米軍の責任者が現在はジャングル戦闘訓練センターと名称変更され、米軍唯一のジャングル戦闘訓練センターとなっていると説明しておりました。
海兵隊地上部隊のすべての海兵隊員は、ジャングル戦闘訓練を受けなければならず、パナマにあった陸軍のジャングル戦闘訓練センターが1998年にパナマに返還されたので、その後は北部訓練場で訓練を受けることになっているとの説明でありました。
さらに、キャンプ・シュワブでは約3000名の中で固定しているのは1200名程度で、残りの海兵隊員は部隊配備計画(UDP)で6カ月ごとに移動してくるローテーション部隊となっているとのことでした。
軍事研究者の梅林宏道氏の「情報公開でとらえた沖縄の米軍」によりますと、1992年時点で第三海兵師団の52.7%はローテーション部隊であります。さらに普天間基地にいる第一海兵航空団のCH53重ヘリコプター中隊、CH46中ヘリコプター中隊、AH1W攻撃ヘリ等軽攻撃ヘリコプター中隊などこれらもすべてローテーション部隊であります。
一方、三沢基地の司令官の説明によりますと、三沢の兵員はUDPではなく、3年任期で家族を伴って赴任し個々人が20年以上は軍務に従事するつもりなので、米軍人による事件・事故は年間数件の交通事故を除けばほとんど起きていないと説明しておりました。
沖縄の海兵隊基地には、18歳から23歳までを中心に6カ月ごとに違う部隊が送り込まれるわけで、教育プログラムや綱紀粛正策には限界があると言わざるを得ないわけであります。
すべての海兵隊員が訓練のために送られてくるシステムを断ち切るためには海兵隊の削減をしなければならないと考えますが、海兵隊削減についての知事の所見を伺いたいと思います。
米軍人による事件の続発は、米軍が夜間0時から午前5時まで禁じていた酒類販売店舗への立ち入りをことし1月5日に解除したことと無関係ではありません。現状の海兵隊の状況では米兵の夜間外出禁止を求めることは県民の声であると考えます。
今回、沖縄市議会や北谷町議会が米兵の夜間外出禁止を決議したことについて知事の所見を伺いたいと思います。また、県としても夜間外出禁止を求める考えはありませんか。
ヘイルストン四軍調整官はメールの最後に、5%の海兵隊員の行為をとめろと強く書いています。海兵隊の5%は何名になるのですか。現状ではすべての海兵隊員が沖縄に6カ月ローテーションで訓練のためにやってくる。県としてはこのような現状をどのように変えていく考えでありますか。
県の進める普天間基地の辺野古移設実施後は、本島北部に駐留する海兵隊員の人数は現在のままではおよそ何名になるのか、伺います。人口過疎地域に多くの海兵隊員を駐留させることは必然的に米軍人・軍属による事件・事故をふやすことになるが、それでいいのですか。
海兵隊の削減は、最終的に海兵隊の撤退につなげなければならないと考えますが、知事の所見を伺いたいと思います。
知事の訪米予定はどうなっていますか。その際に海兵隊の削減を求める考えはありますか。
普天間基地の危険性と普天間基地の撤去について伺います。
普天間基地の周辺は、住宅地上空を頻繁に欠陥ヘリが飛び交い、いつ何どき悲惨な墜落事故が起きてもおかしくないほど危険な状態であります。さらに、予定されているオスプレイの配備は騒音と墜落の危険を高めることは明らかであります。一日も早く危険を取り除くように取り組むことが県知事の責任だと思います。
そこで質問いたします。
知事の進める県内移設では、普天間基地は何年後に閉鎖され返還されるのですか。
SACO合意では、普天間基地は2001年から2003年までの間に返還されなければなりません。日米の約束は守られますか。県としては約束を守るように求めていますか。
県は、危険な飛行場を一日でも早く動かすためには現実的で実現可能な方法を選択することが重要であり、SACOで合意された事案を着実に実現することだとしていますが、普天間基地の返還に関するSACO合意を知事自身が否定しているのではありませんか、知事の所見を伺います。
米国内の基地閉鎖では、閉鎖の公表から2年から6年までには閉鎖されております。米国内での基地閉鎖までの期間を含めたプロセスについて伺います。
知事は、普天間飛行場は市街地の中心に位置し、非常に危険な状況にあることなどから早期返還を図る必要がありますと議会で繰り返し繰り返し答弁していますが、どのように非常に危険なのか、具体的に明らかにしてもらいたいと思います。
知事は、普天間飛行場の非常に危険な状況をなくすために米軍に対して具体的なアクションを行ったのか、また行っていくのか、明らかにしてもらいたいと思います。
普天間基地の周辺でのヘリや米軍機の飛行状況はどうなっているか。稲嶺県政になって米軍機の騒音測定調査結果などどう推移しているのか、伺います。
海兵隊の航空機の事故率は空軍の2倍以上で、普天間基地に13機配備されている軽攻撃ヘリは特に事故率が高く、昨年は4機の回転翼(ローター)にひび割れが確認され、交換まで飛行が停止され、同じく普天間基地に13機が配備されているCH53大型ヘリも昨年8月に米国で同機種が墜落事故を起こし調査したところ、回転翼にひび割れが見つかり、10月末までの2カ月間にわたり飛行が停止、危険なままで普天間基地の周辺を飛び続けていたことになります。
今回さらに普天間基地に24機配備されているCH46中型ヘリが老朽化し、ローター軸のひび割れのチェックをこれまで飛行時間24時間ごとにチェックしていたものを10時間ごとにチェックすることになりました。最大25名の乗員も12名に制限しているということであります。こんな危険な状態のままで県民の住宅地の上空を我が物顔で飛ばし続けていいのか。
市街地の中心にあり、密集した住宅地が周辺に広がる普天間飛行場でこのような危険な欠陥のある米軍ヘリの飛行をいつまで続けさせる考えか、知事の明快な答弁を伺いたい。
グアムの州知事が3000名程度の海兵隊部隊の受け入れを表明しています。グアムの空軍基地はがらあきであります。米海兵隊トップのジェームズ・ジョーンズ海兵隊総司令官も沖縄から訓練の一部を移すことを検討していることを認めています。この際、知事として普天間基地をグアムに移転させる考えはありませんか。
SACO合意の返還予定基地の進捗状況について伺います。
SACO合意事案11施設の返還はほとんどが予定どおりには進んでいません。
そこで質問します。
SACO合意の11施設の返還に向けた進捗状況を伺いたい。予定どおり返還されるものとおくれているものとを明確にして、おくれている理由も含めて明らかにしていただきたい。
SACO合意事案で返還や移設がおくれている中で、環境問題がおくれている原因になっているものはどれとどれか。該当する環境問題を詳しく説明してもらいたい。
北部訓練場での新たなヘリパッド建設については、建設予定地でノグチゲラなど天然記念物を含めた固有種7種、絶滅危惧種68種など1208種もの動物の生息が確認されており、建設すべきではありません。
軍特委の北部訓練場調査でも米軍の責任者は、ヘリパッドの使用は月に1度ぐらいと説明しており、既存のヘリパッドを利用すれば足りるはずであります。県として北部訓練場での新たなヘリパッド建設に反対する考えはありませんか。
普天間飛行場でのレーダー照射施設タカンの事故もあり、楚辺通信所と瀬名波通信施設の移転については、移設先周辺地域への電波障害や人体への電波の被害は起きないかという不安を地域住民に与えています。県として両電波施設の周辺地域への電波障害や人体への影響についてどう考えていますか。
米軍基地の跡利用について伺います。
21世紀の沖縄の発展は、米軍基地の跡利用にかかっていると言っても過言ではありません。広大な米軍基地の民生利用こそ沖縄が発展していく道であります。
1996年4月12日に日米両政府が普天間基地の全面返還を合意したとき、宜野湾市では軍用地主を含めて全市民が喜びました。宜野湾市では、桃原正賢市長のリーダーシップのもとで1990年から全面返還に向けた跡利用計画の準備が軍用地主の参加のもとに進められ、95年5月15日には普天間飛行場跡地利用計画基本構想が策定されました。引き続き基本計画検討が開始され、96年4月の日米の全面返還合意をもろ手を挙げて歓迎し、97年3月には分厚い基本計画ができているのです。しかし県内の他の基地では跡利用計画は検討されておらず、そのまま返還されると戸惑う地主が多いのではありませんか。
そこで質問いたします。
嘉手納基地やキャンプ・ハンセンなどを含めてすべての米軍基地を抱える市町村は、それぞれの跡利用計画を準備するべきだと考えますが、県として指導していく考えはありませんか。
21世紀の県政の最重要課題は米軍基地の跡利用だと考えますが、県知事の所見を伺いたいと思います。
普天間基地を含めた大規模基地跡利用のための特別立法の進状況を明らかにしてもらいたいと思います。
次に、県行政システム改革大綱と県の業務委託について伺います。
県行政システム改革大綱では、「民間委託化のさらなる推進」を掲げて民間活力を積極的に導入していく、本県の高失業率の状況を踏まえると民間活力の導入は雇用対策の面からも有効であるとしています。
しかし、実際の委託業務の現状は最低賃金ぎりぎりの雇用ではありませんか。最低賃金の雇用をふやすことがどのように雇用対策になるのか、説明をしていただきたい。
むしろ、家族を養うことができない最低賃金では、もう一人が仕事を得なければ生活が維持できないから、求職者をふやし失業率を高めることになると考えるが、県の所見を伺いたいと思います。
公契約における労働条項を定めるILO94号条約は、工事、製造、労務の遂行・提供などの公契約の中に、当該地方の関係ある職業・産業における同一性質の労働に対して労働協約、法令などに定められているものに劣らない有利な賃金、労働時間、その他労働条件を含まなければならないと定めていることを県としてはどう考えていますか、所見を伺いたいと思います。
県立病院の委託契約では、県が想定している人件費ではなく、多くが最低賃金程度しか支給されていない委託労働者の給与実態が明らかになっています。県は、このことを放置して行政システム改革大綱に掲げた民間への業務委託を進める考えなのですか。
沖縄のように失業率の高いところでは、事業者は最低賃金で雇用することを前提にして業務委託の入札に参加するので、そうならないよう生活給賃金を想定して委託雇用労働者の賃金基準をあらかじめ定めることはできませんか。
県の労働者派遣的な業務委託契約においては、派遣労働者の給与を報告させて委託契約金額の妥当性を確認できるようにするべきだと考えますが、取り組む考えはありませんか。
本県の乳幼児を保育する保育所は、公立と認可保育所が占める割合が保育所数、入所乳幼児数ともに50%に満たない状況であります。全国的には公立及び認可保育所の割合が92%を占めていることと比較すると著しく少ないわけであります。本来ならば保育行政が担うべきものを担っているのがいわゆる無認可保育所であります。
県及び市町村は、これまで無認可保育所に対応せず保育行政を進めてきた嫌いがあります。少子化時代への保育行政の対応として進めるエンゼルプランなどが県や市町村で策定されておりますけれども、現実に約2万4000人もの乳幼児を保育する認可外の保育所の存在を無視しているのではありませんか。
県として、今後の保育行政に取り組むに当たって認可外の保育所の存在と役割を重視して取り組むべきだと考えますが、県の考えを伺いたいと思います。
現在の保育行政は、保育に欠ける乳幼児への行政の責任として取り組まれておりますが、今後は乳幼児保育自体の重要性、母親への子育て支援、母親や保護者の社会参加の支援の観点から多様な保育ニーズにこたえるものになっていくものと考えます。県として今後の保育行政の向かうべき方向性をどのように考えていますか。
次に、教育委員会について伺います。
照屋義実教育委員長、御就任おめでとうございます。
就任早々の仕事が米兵による高校生へのわいせつ事件の関係機関への抗議行動でした。若い照屋教育委員長と行動する教育委員会を強く印象づけるスタートでした。
さて、前任の砂川朝信委員長が退任後のあいさつで、教育委員会とは何ぞやと自問自答しておりました。本来ならば地方分権法によって法律条文、規則以外の国の通達などは一切強制力がなくなりましたから、教育委員会でも本当は裁量の幅が大きく広がっているのであります。すばらしい教育を実現することもできるはずです。
そこで質問をいたします。
照屋教育委員長に伺いたいんですが、今回委員数を5名から6名にするからにはその役割がなくてはなりません。教育庁の上にある教育委員会の権能、役割は何か。あわせて委員長就任の抱負を伺いたいと思います。
県教育委員会では、これまで県教育庁の事務方の提案でなく、教育委員会委員の提案によって開かれたことはありますか。具体的な事例を挙げていただきたいと思います。
昨年1年間の教育委員会の開催回数、日数、延べ時間はどうなっていますか。
教育委員は素顔の学校を訪問したり、現場の教師との意見交換をしていますか。昨年1年間の取り組みを挙げてもらいたいと思います。
教育委員会では、フリーな教育問題の議論もなされるようになっていますか。
次に、翁長教育長になって教育問題が一層深刻になったこともありますが、教育庁全体が教育問題に真正面から取り組むことになったことを強く感じているところです。翁長教育長がことし沖教組や高教組の新年旗開きに初めて参加し、教育問題の解決のために胸襟を開いて語った姿勢にも敬意を表します。今年度限りと聞き残念ですが、ぜひ次の教育長にもその気風が継承されることを強く要望いたします。
さて、養護学校の寄宿舎について質問いたします。
1997年の焦点になった大平養護学校の寄宿舎問題は、平成13年度までに再検討となり継続されています。当時、養護学校における寄宿舎体験が子供たちの自立心を大きく育てるという父母や教師の声に対して、一度決めた決定を守ることに教育庁は終始しました。しかし最終的に寄宿舎存続の世論に動かされて継続したわけですが、ことしは再検討の期限になっています。
そこで質問いたします。
養護学校における寄宿舎の役割を国も評価するようになっています。県立養護学校の寄宿舎について今後も継続して存続・整備していく考えはありますか。
我が会派の代表質問との関連について伺います。
一日も早く危険を取り除きたいと言っておきながら、普天間基地の返還の見通しを示されないでおります。昨年11月7日の国の衆議院安全保障委員会の答弁で大森防衛施設庁長官が、環境調査には三、四年かかる、建設にしても場所、工法によりますが、岩国の沖合移設でも約10年かかりますと答弁しているように、つまり、知事が進めている県内移設で普天間基地が返還されるのは早くても2015年以降になるのではないですか、明確な答弁を伺います。
昨年、同じ委員会で下地幹郎衆議院議員が、調査・建設の15年と使用期限の15年を合わせた今後30年、2030年までの海兵隊駐留を認めるから、その5年前の2025年にその後の駐留を再協議しようと提案をいたしました。知事は、2030年まで沖縄に海兵隊を駐留させることに賛成ですか、それとも反対ですか。
復帰後28年だけで実に171名ものとうとい人命が米軍駐留で失われております。あと30年駐留させることは、さらに171名の犠牲者を招くことになりますが、そのことを知事はどう考えますか。
沖縄県が求めている地位協定の見直し要求は、5年前にも同様なことを言ったのであり、凶悪犯の引き渡しだけでなく、基地内の環境汚染の浄化や立入調査権を含めた県民要求であります。強く見直しを求めるべきだと思いますが、知事の見解を伺います。
以上、答弁で再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の御質問にお答えいたします。
最初は、海兵隊の事件続発と米四軍調整官のメールについてのうち、知事や副知事がどのようなことを言ったためにヘイルストン中将の誤解を招くことになったのか聞きたいとの御質問にお答えいたします。
ヘイルストン中将の発言が具体的に何を指しているかは承知しておりませんが、県は、米側がよき隣人関係構築のため取り組んできたスペシャルオリンピックや英会話ボランティア、さらには去る1月に日米合同委員会で合意された緊急車両の基地内道路の通行など、さまざまな活動についてはこれまでも評価してきたところであります。
一方、米軍人等による事件・事故が1件でも起きれば県民の強い反発や抗議を招き、ヘイルストン中将を初め米軍人等がこれまでよき隣人関係構築のため行ってきたさまざまな努力が無に帰することになると申し上げたところであります。
いずれにしましても、ヘイルストン中将は、米軍基地に関する沖縄の歴史的背景や県民の心、及び議会制民主主義における知事等の執行部と議会が独立して機能するという両者の関係について十分に理解していなかったことから、あのような発言に至ったのではないかと思います。
次に、同じく海兵隊の事件続発と四軍調整官のメールについての御質問のうち、県議会の行った決議をどのように評価しているのか、次の海兵隊削減についての知事の所見を聞きたいと、次は海兵隊の削減は最終的に海兵隊の撤退につなげなければならないと考えるが、その所見を聞きたいと、3点の御質問を一括してお答えいたします。
代表質問でもお答えいたしましたように、在沖海兵隊の削減については、昨年の米海兵隊総司令官の発言や超党派の国防専門家グループのレポートで、沖縄県民の基地負担の軽減を図る立場から、海兵隊の訓練の移転や兵力の削減について提言が行われるなど、米本国内にも新しい動きが出てきていることに県としても注目してきたところであります。また、日本国内においては自民党の古賀誠幹事長が「三党として方向付けしたい」旨発言しております。さらに、県内においては県議会及び多くの市町村議会が海兵隊を含む米軍兵力の削減などを求める意見書等を採択しております。
このような状況から、県としては、海兵隊をめぐる国内外の動向を見た場合、在沖米軍兵力の削減は一つの方向性を持った新しい流れになりつつあると認識しております。また、日米両政府間においてもパウエル国務長官が、米軍が沖縄の人々にとって最小限の妨げとなるようにしたい旨発言しております。県としては日米安保体制を容認する立場ではありますが、長い間にわたる県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から基地の整理縮小を強く求めてきたところであります。
県としては、在沖米軍を取り巻くこのような状況を踏まえ、海兵隊を含む米軍兵力の削減についても県民の意向を明確にするため基地の提供責任者である日本政府において、日米両政府間の協議の中で取り上げるよう国に対し求めていきたいと考えております。
なお、現時点では、海兵隊の撤退よりも海兵隊を含む米軍兵力の削減を求めることが適切であると考えております。
次に、同じく海兵隊の事件続発と中傷メールについてのうち、すべての海兵隊員が沖縄に6カ月ローテーションで訓練のために来るが、このような現状をどう変えていくのかという点についてお答えします。
沖縄に配備される海兵隊の一部は、部隊配備計画(UDP)に基づき米本国、沖縄の基地及び洋上に展開している米艦隊に6カ月のローテーションで配備されていると聞いております。県としては、ジョーンズ米海兵隊総司令官が下地衆議院議員との会談で、訓練の一部を沖縄からグアムに移すよう検討を指示した旨発言しておりますので、沖縄県民の基地負担の軽減を図る観点から6カ月のローテーション訓練のグアムへの移転についてもその可能性があるかどうか、政府を通じて打診しているところであります。
次に、同じく海兵隊の事件続発と米四軍調整官の中傷メールについての御質問のうち、知事訪米の予定はどうなっているか、その際に海兵隊の削減を求める考えはあるのかとの御質問にお答えいたします。
知事訪米については、できる限り早目の実施を模索しておりますが、ブッシュ新政権のスタッフがまだ固まっておりませんので、そのあたりも見きわめつつ、県内外の情勢も踏まえて最も効果的な実施時期を判断する必要があると考えております。
県としては、基地問題は国の外交・防衛にかかわる問題であると認識しており、その解決に向けてはまず国家間で話し合いがなされるべきであると考えておりますが、訪米の際には、海兵隊を含む米軍兵力の削減など基地の整理縮小や日米地位協定の見直し及び普天間飛行場の代替施設の15年使用期限の設定など、本県が抱えている基地問題の解決を日本政府に求めていることを米国政府や連邦議会等の関係機関に伝え、理解と協力を要請したいと考えております。
また訪米に際しては、米国の代表的なシンクタンクの一つである外交問題評議会から依頼のある講演や企業誘致活動も行いたいと考えております。
次に、普天間基地の危険性と普天間基地の撤去についての御質問のうち、知事として普天間飛行場をグアムに移転させる考えはないかとの御質問にお答えいたします。
普天間飛行場については、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできました。県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が協議を行い合意に達したSACOの合意事案を着実に実施するため、県としては実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識をしております。
次に、米軍基地の跡利用について、21世紀の県政の最重要課題は米軍基地の跡利用だと考えるがどうかという御質問についてお答えいたします。
21世紀の県政において、米軍基地跡地の有効利用を図ることは、沖縄の将来発展のため極めて重要であります。基地跡地については、県としても有効利用の促進について要請してきたところでありますが、政府において平成11年末の閣議決定で「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」を示しており、その中で大規模駐留軍用地跡地の利用の促進に関しては新たな法制の整備により対応することとなっております。このことを踏まえ、米軍施設・区域の整理縮小と跡地の有効利用について、都市計画と産業振興の推進などを図る観点から沖縄振興新計画の中で位置づける方向で検討しているところであります。
続きまして認可外保育所への行政対応について、今後の認可外保育所への取り組みについてお答えをいたします。
保育所は、子供たちに安全で適切な保育を行うため安定的な運営、質の確保から認可保育所が基本となるものであります。認可外保育施設の児童についても同様に安全で適切な保育が提供される必要があります。県では、指導監督要綱に基づき立入調査を行い必要な是正改善を求めております。また、利用児童の健康診断料の助成、施設職員に対する研修を実施しております。
なお、平成13年度の「就学前児童の保育等に関する実態調査」の結果を踏まえて、子育て支援についての検討をしていきたいと考えております。
次に、我が会派の代表質問との関連について、県内移設で普天間基地が返還されるのは早くても2015年以降になるのではないかとの御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場の返還につきましては、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法、具体的建設場所等基本計画策定に向けて協議が進められております。基本計画の策定を受け、環境影響評価や実施設計等一連の作業がなされるものと考えておりますが、具体的な返還時期等について現段階で申し上げられる状況にはありません。 県としては、普天間飛行場の一日も早い返還に取り組んでいるところです。
同じく我が会派の代表質問との関連についてで、2030年まで沖縄に海兵隊を駐留させることに賛成か反対かということのお答えでございます。
普天間飛行場代替施設については、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が56年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、県民が許容できる範囲として供用開始後15年の使用期限を設けているものであり、使用期限については今後ともあらゆる機会に強く求めていく考えであります。
次に、同じく我が会派の代表質問との関連についてのうちで、凶悪犯の引き渡しだけでなく、環境浄化や立入調査を含めて強く地位協定の見直しを求めるべきだと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
県では、日米地位協定の見直しを求めることは県民の総意であると考え、このような県民の意向を体して昨年8月、日米両政府に対し日米地位協定の見直しに関する要請を行ったほか、これまであらゆる機会を通してその実現を求めてきました。また去る2月25日、河野外務大臣が来県され県庁で懇談した際にも、被疑者の引き渡し問題だけではなく、環境問題、人権問題などを含めた日米地位協定の抜本的な見直しを強く要請したところであります。県としては、今後とも昨年8月に要請した11項目すべてについて日米地位協定の見直しを早急に協議するようあらゆる機会を通して日米両政府に対して粘り強く求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育委員会委員長(照屋義実) 教育委員会とは何かについて5点にわたる御質問をいただきました。そのうちの最初の御質問、教育庁の上にある県教育委員会の機能、役割は何か、あわせて私の委員長就任の抱負についてのお尋ねについてお答えしたいと思います。
教育委員会は、教育の政治的中立性と安定性を確保するために一般行政から独立して設置されている合議制の執行機関であります。
県教育委員会の機能としましては、県内の教育、学術・文化、スポーツ等に関する事務のうち、知事や国、市町村の所管する事務を除くすべての事務を管理・執行することにあります。
また、その役割としましては、県民の意向や多様な価値観を踏まえながら、教育委員会の会議を通じて学校教育及び社会教育の基本方針や重要事項を決定し教育行政に反映させることにあります。
ところで、就任の抱負ということでございますので、一言抱負を述べさせていただきます。
私は、中小企業の一経営者として「人をつくり地域に尽くす」ことを経営理念に掲げ、人間尊重を基本に置いた人づくりに取り組んでまいりました。この経験の上に立って、今の子供たちを取り巻く環境に心を痛めている父母、教職員、住民を初め地域で子供と教育にかかわっているさまざまな人たちとの新しい連携と協働の場を築きながら、委員長としての職務に精励していく所存でございます。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の海兵隊の事件続発と米四軍調整官の中傷メールに関連した質問について順次お答えをいたします。
まず、5%の人間の行為をとめろと司令官が命令している在沖海兵隊の実態に関して見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
金武町での強制わいせつ事件を初め米軍人等による事件が相次いで発生していることは、米軍の綱紀粛正策の実効性の確保や教育プログラムの中での人権教育等の徹底が十分に図られていないのではないかと認識しております。県としては、今後とも米軍を初め関係機関に対し、米軍人等による事件・事故の防止を図るため実効性のある措置を講じるよう強く求めるとともに、三者協やワーキングチームにおいて協議・調整するなど米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
次に、沖縄市議会等が米兵の夜間外出禁止を決議したことについて所見を聞きたい、また、県としても夜間外出禁止を求める考えはあるかという御質問にお答えをいたします。
金武町での強制わいせつ事件や北谷町での放火事件等頻発する米軍人等による事件に対し、沖縄市及び北谷町議会において米軍人の夜間外出禁止が決議されたことは承知しております。県としても、去る2月20日のワーキングチーム会合において飲酒及び徘回目的の外出並びに未成年者の深夜の外出について何らかの規制を検討するよう提案したところであります。
次に、海兵隊の5%は何名になるのかという御質問にお答えをいたします。
平成12年6月30日現在の在沖米海兵隊員数は1万5364人で、その5%に当たる人数は768人であります。
次に、普天間基地の移設後、北部に駐留する海兵隊員数は現在のままではおよそ何名になるのか、過疎地域に多くの海兵隊員を駐留させることは事件・事故をふやすことになるがどうかという御質問にお答えをいたします。
駐留する海兵隊員の人数は、ローテーションで移動することもあり、固定的にとらえることは非常に困難でありますが、普天間飛行場に駐留する約3200人を含めますと、北部に駐留する海兵隊員はおおむね1万1000人程度になるものと理解しております。
他方、どのような地域社会においても事件・事故は1件たりともあってはならず、県としてもこれまで米軍人等による事件・事故が発生するたびに米軍を初め関係機関に対し再発防止を強く求めてきたところであり、今後とも隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を求めていきたいと考えております。
また、あわせて三者協やワーキングチームにおいて協議・調整するなど米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
次に、普天間基地の危険性と普天間基地の撤去についての質問に順次お答えをいたします。
まず、県内移設では普天間基地は何年後に閉鎖され、返還されるのかという御質問にお答えいたします。
普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しており、そのため県は普天間飛行場の早期移設・返還を県政の重要課題として取り組んできました。
普天間飛行場代替施設の移設については、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法、具体的建設場所等基本計画策定に向けて協議が進められております。基本計画の策定を受け環境影響評価や実施設計等一連の作業がなされるものと考えておりますが、具体的な返還時期等について現段階で申し上げられる状況にはございません。いずれにしても一日も早く返還できるよう努力したいと考えております。
次に、SACO合意では普天間基地は2001年から2003年までに返還されなければならない、日米の約束は守られるか、県は守るよう求めているかという点と、SACO合意を否定しているのではないかという2点について一括してお答えいたします。
SACOの合意事案を着実に実施するため、県としては実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しております。
SACO報告の中では、普天間飛行場の移設に関し5年ないし7年以内に十分な代替施設が完成し運用可能になった後全面的に返還すること、代替施設として海上施設を沖縄本島東海岸沖に建設すること等について合意されております。それを受け平成9年11月、政府から海上へリポート基本案が提示されましたが、結果として受け入れられませんでした。現在進められている普天間飛行場代替施設については、県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき代替施設協議会が設置され、基本計画策定に向けた具体的な作業の段階にあります。県としては、普天間飛行場の一日も早い返還の実現に取り組んでいるところであります。
次に、米国内の基地閉鎖の公表から基地閉鎖までの期間を含めたプロセスについて聞きたいという御質問にお答えいたします。
国防総省が定めた基地再利用実施マニュアルによれば、米国内における基地閉鎖及び再編成の手順は3段階に分かれております。
まず第1段階は、基地全体の再利用計画の立案で、基地の閉鎖が承認された日に始まり、再利用計画が準備され当該基地の所属する軍部省に提出され終了します。第2段階は、当該軍部省による資産の処分決定と地域再開発公社による再利用計画の最終的な決定です。第3段階は、各軍部省による資産の処分及び再利用計画の実施となっております。閉鎖に関する最終期限は、基地再編閉鎖軍事施設に関する法律に基づき、大統領の基地閉鎖承認後2年以内に閉鎖及び再利用事業が開始され、承認後6年以内に完了することとなっております。
次に、普天間飛行場の危険性について、どうして危険なのか具体的に明らかにしてもらいたいという御質問にお答えいたします。
普天間飛行場は、同飛行場が市街地の中心部に位置し、地域の振興開発を妨げているだけでなく、航空機騒音により住民生活や教育環境に深刻な影響を与えております。また、航空機の離発着訓練や民間地域上空でのヘリコプターの旋回訓練が行われるなど、常に航空機事故の発生が危惧される状況を述べたものでございます。
次に、危険な状況をなくすために米軍に対して具体的なアクションを行ったのか、また行っていくのかという点と、欠陥のある米軍ヘリの飛行をいつまで続けさせる考えかという2点について一括してお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたように、普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えている同飛行場を一日も早く返還させることであると認識しております。そのため、県は普天間飛行場の早期移設・返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであり、現在、代替施設協議会において普天間飛行場代替施設の基本計画策定に向け協議が進められております。
次に、普天間基地周辺での米軍機の飛行状況はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場においては、固定翼機15機、ヘリコプター56機が常駐しており、通常、固定翼機の場合は主に飛行場東側の中城、北中城上空を旋回し、ヘリコプターの場合は飛行場周辺の宜野湾市街地の上空を旋回する飛行コースをとっているようであります。
航空機の機種ごとの飛行回数、飛行高度等については把握できていない状況にありますが、県が実施した平成11年度航空機騒音測定結果の騒音発生回数から航空機の飛行状況を推測いたしますと、平成10年度に比べ宜野湾市新城、宜野湾、真志喜上空での飛行回数は減少しておりますが、上大謝名での飛行回数は増加している状況にあります。
次に、SACO合意の返還予定基地の進捗状況に関する質問について順次お答えいたします。
まず、SACO合意の11施設の返還に向けた進捗状況を聞きたい、予定どおり返還されるものとおくれているものを明確にし、おくれている理由も含めて明らかにしてほしいという御質問にお答えをいたします。
SACO合意事案の実施に当たっては地元の理解と協力を得ることが基本であり、各事案について現在国と関係自治体との間で話し合いが進められており、基地の整理縮小に向けたSACOの実施が着実に進展しているものと認識しております。
御承知のとおり、SACO合意事案のうち安波訓練場については平成10年12月に返還が実現しております。
また、普天間飛行場については、県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、閣議決定された普天間飛行場の移設に係る政府方針に基づき代替施設協議会が設置され、基本計画策定に向けた具体的な作業が進められております。
さらに、那覇港湾施設の移設については、港湾整備の主体となる那覇港管理一部事務組合を早期に立ち上げるための推進協議会の設置について県、那覇市、浦添市の3者で合意したところであり、今後、移設に係る諸問題の解決について3者で連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
その他の事案については、読谷補助飛行場で行われていたパラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転が完了したほか、キャンプ桑江及びキャンプ瑞慶覧における米軍住宅統合や楚辺通信所の移設、海軍病院の移設、瀬名波通信施設の移設など幾つかの事案について移設先の自治体の受け入れ表明がなされるなど、SACO合意事案の実施が着実に進捗しているものと認識しております。これにより読谷補助飛行場や楚辺通信所の全面返還及びキャンプ瑞慶覧などの一部返還への道筋がつけられ、基地の整理縮小が着実に進展することが期待されます。
県としては、地元市町村がSACOの趣旨について理解を示され苦渋の選択をしたものと重く受けとめており、その実施に当たっては、基地の移設先である地域住民の生活に著しい影響を及ぼさないよう基地運用に伴う安全の確保や地元市町村が要望する振興策の実現など、地元の意向に沿った取り組みがなされるよう国に働きかけていきたいと考えております。
なお、ギンバル訓練場の返還については、ヘリコプター着陸帯のブルー・ビーチ訓練場への移設が条件となっており、地元金武町はブルー・ビーチは町の振興開発の拠点であるので、苦渋の選択としてキャンプ・ハンセンに移すことを国に求めていきたいとの意向を示しております。この問題については、国においても地元の要望を踏まえながら柔軟に対応するとしており、今後、県としては日米間での話し合いの状況を見守りつつ、地元金武町と連携を図りながら適切に対応していきたいと考えております。
次に、SACO合意事案で返還や移設がおくれている中で、環境問題がおくれている原因になっているものはどれか、該当する環境問題を詳しく説明してほしいという点と、北部訓練場での新たなヘリパッド建設に反対する考えはあるかという2点について一括してお答えいたします。
SACO合意事案のうち、いわゆる環境問題で移設作業がおくれている事案として県としては北部訓練場の返還があると考えております。県は、これまで国に対し北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設場所の決定に際してはヤンバルの貴重な自然への配慮を求めるとともに、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう申し入れてきたところであります。
先般、平成10年12月から平成12年3月までの間、国が実施してきた北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設に係る環境調査の結果が公表され、移設候補地一帯で多数の貴重な動植物が確認されております。国においては、自然環境に与える影響を最小限にとどめる観点から引き続き環境調査を実施するとのことであります。
県としては、国による継続調査の結果や関係する市町村の意向及び自然保護団体の意見等も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定がなされるよう適切に対応したいと考えております。
なお、来年度以降も国による継続調査が行われることから、実質的には平成14年度末の返還が困難となる可能性が高くなったものと思いますが、一日も早い返還とあわせて貴重な自然への配慮も優先されるべきものであると考えております。
次に、SACO合意の返還予定基地の進捗状況についての質問事項について順次お答えいたします。
楚辺通信所及び普天間通信施設からの電波障害や電波の人体に与える影響についてどう思うかという御質問にお答えをいたします。
楚辺通信所及び瀬名波通信施設の両施設とも軍事通信を受信する施設であり、これまで電波による人体への被害や電波障害などに関する周辺住民からの報告は聞いておりませんので、両施設からの電波障害や人体に与える影響はないものと今のところ考えております。
次に、我が会派の代表質問との関連についてお答えをいたします。
まず、復帰後28年で171名もの人命が失われている、あと30年駐留させることはさらに171名の犠牲者を招くこととなるが、そのことをどう思うかという御質問にお答えをいたします。
先ほども申し上げましたが、県としてはどのような地域社会においても事件・事故は1件たりともあってはならず、これまで米軍人等による事件・事故が発生するたびに米軍を初め関係機関に対し再発防止を強く求めてきたところであり、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めていきたいと考えております。
また、あわせて三者協やワーキングチームにおいて協議・調整するなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 稲嶺県政になって普天間基地の米軍機の騒音測定調査結果はどうなっているかという御質問にお答えします。
普天間飛行場周辺の航空機騒音については、関係市町村と協力して監視測定を行っております。
そのうち、平成9年度から継続して測定を実施している7測定局の測定結果を見ると、環境基準を達成しているのは平成9年度で7測定局中4局、平成10年度、平成11年度で7測定局中3局となっており、環境基準の達成率は低下しております。
また、7測定局の1日当たりの騒音発生回数の平均値は平成9年度が43.5回、10年度は37.2回、11年度は36.2回となっており、各測定局の平均騒音発生回数は減少しております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 米軍基地の跡利用について、米軍基地を抱える市町村はそれぞれの跡利用計画を準備するべきだと考えるが、県として指導していく考えはないかについてお答えいたします。
現在、県内の米軍施設は38施設、25市町村にまたがっておりますが、そのうち14施設については既に跡地利用計画が策定され、11施設については現在策定中であります。県は、市町村が設置する跡地利用に関する委員会等への参画を通して跡地利用計画策定へ向けての支援を行っているところであります。
跡地利用計画の策定については、基本的には米軍基地を抱える市町村の判断にゆだねることになりますが、県としても関係市町村と連携して積極的にかかわっていきたいと考えております。
次に、同じく米軍基地の跡利用について、普天間基地を含めた大規模基地跡地利用のための特別立法の進捗状況を明らかにしてもらいたいにお答えいたします。
大規模駐留軍用地跡地の利用に係る法制の整備については、跡地対策準備協議会において再開発事業関係、自治体財政関係などの課題について検討し制度の確立に向け取り組んでいるところであります。県は、現在新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方の中で、大規模駐留軍用地跡地の利用に係る具体的な措置について検討しているところであります。
○総務部長(與那嶺恒雄) 県行政システム改革大綱と県の業務委託についての、民間委託がなぜ雇用対策になるのかについてお答えいたします。
地方公共団体は、事務を処理するに当たって最小の経費で最大の効果を上げるとともに、常に組織及び運営の合理化に努めなければなりません。そのため県では、県が直接実施するよりも民間の効率的な経営手法により実施した方が効果的かつ効率的である業務については積極的に民間委託化を進める方針でございます。このことは民間の業務を拡大することになり、雇用の機会をふやすことにつながる面もあると考えております。
次に、業務委託契約において給与報告をさせることについてお答えいたします。
県の業務委託については、民間活力を積極的に導入することによって県民サービスの向上と行政の効率化を図ることを目的として行っており、委託契約に当たっては地方自治法、財務規則等に基づき契約の目的となる物件または役務について取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、契約数量の多少、履行期間の長短等を考慮して予定価格を設定し、適正な価格での発注に努めているところでございます。
また、委託契約の履行に当たっては、各種法令の遵守等受託者の責任と内部努力によって適正に行われているものと考えております。
○商工労働部長(當銘直通) 県行政システム改革大綱と県の業務委託についてのうち、ILO94号条約で公契約における労働条項を定めていることを県としてどう考えているか、また5の(4)として、生活給賃金を想定して委託雇用労働者の賃金基準をあらかじめ定めることはできないかについてお答えいたします。一括してお答えします。
ILO94号条約については、政府は平成12年11月16日の国会答弁において、公契約のもとにおける労働であるか否かにかかわらず、民間部門における賃金等の労働条件は、労働基準法等に定める法定労働条件に反しない限り、個々の労使当事者が自主的に取り組むべきものであり、これに政府が介入するということは適当でないとの見解に立っており、批准されてないと承知しております。
また最低賃金法では、「最低賃金は、労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。」と規定しております。
御質問の委託業務等における雇用労働者の賃金基準を定めることについては、これらの趣旨を踏まえ、おのおのの当事者で判断されるべきものであると考えております。
以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 県行政システム改革大綱と県の業務委託についての御質問で、県立病院の民間への業務委託を進める考えなのかという御質問にお答えいたします。
県立病院の委託契約に当たっては、民間の専門性や効率性を生かしながら、財務規則等に基づき契約の目的となる業務の内容及び資格条件等を考慮して委託料を積算し、予定価格を設定して適正な価格での発注に努めているところであります。
病院事業は、今後とも事務・事業の効率化及び民間活力の積極的活用を図る観点から、沖縄県行政システム改革大綱及び病院事業経営健全化計画を踏まえ、医療サービスを維持しながら経費節減につながる委託可能な業務については民間委託化を推進していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(平良健康) 認可外保育所への行政対応について、今後の保育行政の向かうべき方向性についての御質問にお答えいたします。
保育サービスは、安定的な運営、質の確保から認可保育所が基本となるものであります。
保育の実施主体である市町村においては、待機児童数を初め人口、就学前児童数、地域の現状及び動向を踏まえ、多様な保育サービスに対する需要や将来の保育需要の推計をもとに保育対策を推進することとなっております。県においてもこれらの分析及び推計を踏まえ、保育所設置認可への対応をすることとしております。
また、多様な保育ニーズに対応するため延長保育、一時保育、障害児保育に加え、母親の子育て不安等の相談に応ずるために地域子育て支援センター事業等の特別保育事業の充実を図ってまいります。さらに平成13年度の実態調査を踏まえ、今後の子育て支援のあり方について検討していきたいと考えております。
○教育長(翁長良盛) 伊波議員の御質問にお答えいたします。
まず、県の教育委員会ではこれまでに県教育庁の事務方の提案ではなく、教育委員会委員の提案によって開かれたことはあるか、具体的に事例を挙げていただきたいという御質問にお答えいたします。
教育委員会会議への議案の提案は、普通、事務局の事務を統括する教育長が行っておりますが、教育委員も議案の提案を行えることになっております。教育委員会委員の提案による最近の事例といたしましては、事案の緊急性等にかんがみ、臨時会において教育長の選任の件や在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件への対応についての協議などが行われております。
次に、昨年1年間の教育委員会の開催回数、日数、延べ時間数はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
教育委員会の会議については、沖縄県教育委員会会議規則に定められており、毎月1回の定例会と必要に応じて開催する臨時会があります。昨年の教育委員会会議の開催回数は18回で、開催日数は同じく18日となっております。また、会議の延べ時間数は約31時間で、1会議当たり約2時間となっております。
次に、教育委員は素顔の学校を訪問したり、現場の教師との意見交換をしているか、昨年1年間の取り組みを挙げてもらいたいという御質問にお答えいたします。
教育委員会では、本県が抱える教育上の課題などの理解を深めるため県内外の学校、少年自然の家などの社会教育施設、埋蔵文化財センターなどの文化施設を初め、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」などの文化財の視察を計画的に実施しております。
昨年は、県内外を含め小学校1校、中学校1校、高等学校3校、特殊教育諸学校1校、文化施設3施設、その他2施設の計11施設を訪問いたしております。特に県内の学校においては日ごろの学校運営、小学校における英語の体験学習、高等学校における環境整備や保育実習、視覚障害児の学習活動などの取り組みについて、教育委員と教職員との間で活発な意見交換ができ大変有意義であったと考えております。
次に、教育委員会ではフリーな教育問題論議がなされるようになっているかという御質問にお答えいたします。
教育委員会会議では、教育、文化、スポーツ等に関する事項について大所高所から自由で活発な議論が行われ、教育の基本方針や重要事項を決定していただいております。
また、毎月1回開催される定例会などとは別に、本県が抱える重要な教育課題等についての理解を深めるため定期的に委員勉強会を開催しております。勉強会においては県立学校の編成整備計画、教育主要施策等、その他教育の根幹にかかわる重要なテーマについて活発な議論が行われております。
事務局側といたしましては、今後とも教育委員が大局的立場に立って教育行政の基本方針や重要事項を自由に議論することにより、本県施策の推進が一層図られることを期待しております。
最後に、養護学校における寄宿舎の役割について国も評価するようになっている、県立養護学校の寄宿舎について今後も継続して存続・整備していく考えはあるかという御質問にお答えいたします。
寄宿舎の整備等につきましては、「21世紀の特殊教育の在り方について」の最終報告の中で寄宿舎の役割について触れていることは承知しております。本県における県立特殊教育諸学校の寄宿舎については、児童生徒の通学困難を軽減するため今後とも整備を進めていく考えであります。
なお、大平養護学校と宮古養護学校の寄宿舎の存続の問題については、これまでの経緯もありますので、保護者を初め関係者との話し合いを重ねて次期編成整備計画に位置づけられるよう庁内で検討を進めているところであります。
以上でございます。
○伊波 洋一 休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時38分休憩
午後5時42分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 2030年までというのは下地議員がおっしゃったことでございまして、私どもとしては賛成とか反対とか言えるものではございません。
県としては、いずれにしましてもこの使用開始後の15年の使用期限について強く求めてまいります。
○知事公室長(親川盛一) SACO合意の11施設の返還に向けて、先ほどSACOの実施が着実に進展しているものと認識しているということを申し上げましたのは、これは確かに議員御指摘のとおり、これはSACOで合意した期限までには至ってないのもございます。しかしながら先ほども申し上げましたとおり、その受け入れ市町村の合意を得たりということで、そういう意味で着実に進展しているということを申し上げているわけでございます。
それから、環境問題がおくれていることは、先ほど北部訓練場のこれを申し上げましたけれども、この環境問題につきましては、例えばキャンプ・フォスターとか牧港とかいろいろございます。その中で一つ一つこれを解決すべく鋭意努力しております。
そういうことでございまして、環境問題は何も北部訓練場だけに限らず米軍施設全体としてこれからいろんなPCBの問題とかああいったものも含めまして、全部きちっと情報交換しながら前向きに対応していきたいと、そのように考えているところでございます。
○伊波 洋一 知事、10年の建設期間と15年の期限、合わせれば2025年になりますが、2025年までは海兵隊の駐留を認めるつもりですか、明確に答弁願います。
あと1つ、沖縄での海兵隊訓練の廃止を求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。
パウエルの発言は、沖縄からの海兵隊撤退を意味するものと思いますが、知事の見解を伺います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時45分休憩
午後5時49分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の御質問にお答えします。
3点ありまして、最初は15年プラス10年で25年というようなことをおっしゃったわけですが、建設期間等についてはまだ検討中なので、この辺についてははっきりしておりませんので、私どもはあくまでも使用期限の15年を求めてまいります。
次に、海兵隊の訓練の廃止を求めるべきだと。私どもは、先般申し上げましたように、ただいまグアムへの訓練の移転の話がございますので、それについて政府に対してただいま情報の提供を求めているところでございます。
続いてパウエル発言につきましては、これはパウエル国務長官が、米軍が沖縄の人々にとって最小限の妨げとなりたいという発言をしておりますので、これは一つの新しい動きということで注目をしているところでございます。
○兼城 賢次 所信を述べながら質問をいたします。
知事の議案説明に先立つ県政運営に当たっての所信を聞きながら、先に触れるべきことがあるのではないかとの思いをしながら聞いたのであります。四軍調整官の侮辱的な発言が取りざたされている中でのこれら事件・事故に触れぬことにありますが、知事自身の名誉と県民へのアピールのためにもそう思うのであります。
具志川市のキャンプ・コートニーでの実弾射撃の報道がありました。県も事実関係を確認されておられますか。復帰30年近くたっても基地内で何があるのか知らないことがあります。実弾射撃の事実関係はどうなっているのか、確認されていることがあれば明らかにしてください。
地元具志川市長は、防衛施設局に周辺海域の環境調査を申し入れておりますが、県も市をバックアップしていただきたい。同時に県も調査をしていただきたいと思います。
さて、米軍人による事件・事故がこれだけ頻繁に起こると綱紀粛正も再発防止も県民はその場を取り繕う、その場しのぎのうつろなものとしか受けとめておりません。県議会や市町村議会が頻発する事件・事故に日米政府に対して意見書や抗議をし、綱紀粛正や教育の徹底、再発防止の申し入れを何度もやってきました。
事件に抗議した県PTAの役員は、綱紀粛正をさらにお願いするが、歯どめがきかなければ打つ手がないと嘆いております。一連の事件・事故の動きの中での司令官発言についてお聞きいたします。
「腰抜け」、「頭の悪い弱虫」発言について知事の立場で所見をお聞かせください。
県議会の海兵隊削減の決議は、事件・事故への現実的対応と思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
日米地位協定の改定についてでございます。
昨年12月からわずか一月の間によくも米軍人に係る事件・事故が発生するものです。昨年12月28日、与那城町役場近くへの不時着、一歩間違えれば民家に墜落してしまう状況に、町長は、大きな事故にこそならなかったが怒り心頭だと抗議をしております。
12月29日にキャンプ・ハンセンでは実弾演習による火災が発生し、約56万平方メートルを焼いております。1月9日の強制わいせつ事件、19日未明の放火事件、このような状況での県議会の海兵隊削減抗議決議がなされましたが、事もあろうに四軍調整官のメールによる「腰抜けの頭の悪い弱虫」発言が浴びせられました。頻発することの異常さ、日米安全保障条約のもととはいえ、事件・事故に対する日本政府の対応は承知しがたいところがあります。犯人逮捕、事故調査の障害となっている日米地位協定に県民のいら立ちがあり、不満は事件・事故の処理にあります。
ところが、最近は事件・事故の取り扱いだけではなく、地位協定がいろいろな面で障害になってきました。今のままでは基地返還後も大きな影響が出てくることが明らかになってきました。先日の県主催の「基地と環境を考えるシンポジウム」でも指摘されているように、基地内の環境問題への立入調査や汚染が懸念される浄化問題など日米政府のどこが責任を持って対処するのか、大きな問題があります。放火事件での起訴前の身柄引き渡しについても主権国家として当然のことであり、県民感情からしても早急に対処すべきことであります。
一方で、被害者の賠償問題はどうなっているのか。地位協定との直接的なかかわりはなくとも頻発する事件・事故に地位協定では対処できないことも起こっています。
例えば、公務外での米軍人の事件・事故の損害賠償で帰国した米兵の所在不明により判決文が宙に浮き損害賠償の実効性がなかったり、長期化したりします。公務外とはいえ安保条約に基づいて駐留する米兵の行為による被害者の早期救済も日米で確認されているところであります。政府も民事訴訟手続の原則論で片づけずに、事件・事故の多発と沖縄の実情を認識しなければなりません。日本政府は、地位協定の改定見直しを訴えても運用改善で十分との返事がこれまで繰り返されてきました。しかし運用改善ではどうにもならないことは事件・事故、環境汚染が起こるたびに指摘されてきました。ボン補足協定の例もあります。
そこでお聞きをいたします。
地位協定の改定は、日本政府のやる気があるかどうかであるが、知事は実効性をどう担保されるのか。改定を求めても聞く耳を持たない日本政府にどう切り込むのか、知事の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
航空機騒音協定についてお伺いいたします。
昨年9月に中部6市町村の住民5500人余の人たちが日米政府を相手取って米軍機の夜間、早朝の飛行差しとめの新嘉手納爆音差しとめ訴訟がなされました。爆音による聴力障害や騒音に日常生活が侵され、爆音による子供たちへの悪影響を心配する親たち、静かな夜を過ごさせてほしいとの思いで多くの人たちが訴訟に参加しています。
参加者の声が紹介されておりますが、すさまじい爆音に内臓まで締めつけられ、破壊するんじゃないかと思うような衝撃を訴えるお年寄りや、さきに爆音の違法性が認められたにもかかわらず何ら状況は変わらず、むしろ爆音が激しくなるばかりだと訴えている人もいます。1996年3月に結ばれた普天間、嘉手納両飛行場の騒音防止協定は、要望が十分に満たされたものではないにしても、爆音被害への一歩前進とのことでした。
県文化環境部の97年度の騒音測定調査では、協定締結前よりもうるささ指数を上回る地点があり、騒音被害が悪化していることが指摘されておりました。99年度の騒音測定結果は、両飛行場のうるささ指数発生回数は改善もされず、環境基準を大きく上回っていることが報告されております。これまでの公室長の答弁は、両飛行場の周辺のうるささ指数の軽減が見られ、深夜、早朝にかけての騒音発生も総じて減少傾向にあるとのことであります。
そこでお伺いいたします。
新嘉手納爆音訴訟についての感想をお聞きしたい。
文化環境部にお尋ねいたします。騒音防止協定に照らして両飛行場の航空機騒音測定結果についてどのような所見を持っておられるのか、お聞かせください。
普天間飛行場移設についてお伺いいたします。
沖縄の将来にとっていろいろな意味での大きな影響を持つ普天間飛行場移設が、頻発する米軍人の事件・事故にかすんで目くらましに遭ったような状況であります。
最近では、日米の最大の外交問題である15年使用期限について知事周辺では国内問題のごとくシグナルを発している節があります。15年使用期限については、私は基地の固定化につながりかねないものと基本的には15年使用期限には反対であります。しかし政治家たる稲嶺知事は、選挙で公約された15年使用期限問題であり、また県民感情の許容範囲という政治家の公約たるものは譲ってはならない絶対的条件ではありませんか。しかるに最近の代替施設協議会は、最も肝心な15年使用問題を置き去りにして政府のシナリオでどんどん進められています。
基地を取り巻く状況もこの一、二年の間に激変しました。朝鮮半島やアメリカでは知日グループの動きがあり、国際自然保護連合は辺野古地域のジュゴンの保全を勧告しております。状況は確実に変化しました。辺野古に施設が必要なのかという根本を問うべきではありませんか。
今だからこそ慎重に対応すべきであります。ヤンバル地域の自然環境と産業経済の生産性、構造からして軍民共用空港の需給との整合性、ヤンバルに空港の必然性はありません。自然環境こそ沖縄の財産だと経済の専門家は指摘しています。日本政府の振興策にがんじがらめにされ、15年使用期限問題は棚上げされております。だからといって公約をないがしろにしたり沖縄の将来に悔いを残すことは許されません。
そこでお伺いいたします。
アメリカ抜きに日本政府と県との間で15年使用期限を処理するつもりなのかどうか、お聞かせください。
県立中部病院嘱託医の過労死についてお伺いいたします。
日ごろは中部病院に対して地域住民は感謝の気持ちでございます。今進められている改築には大きな期待をいたしております。
さて、先日、中部市町村会の呼びかけで「沖縄県立中部病院を主体とした公的医療体制の安定促進に向けて」の懇談会がありました。「県立中部病院の嘱託医師が激務で過労死」の報道を受けて、中部市町村会は地域にかかわる問題として中部地区医師会、公務員医師会、それに関係する県議会議員等、医師の過酷な勤務体制の改善に取り組んでいく趣旨のもとに集まりました。
さきの6月定例会で県立中部病院の小児科外来診療制限について質問しました。小児科の先生が過労で倒れ補充ができない状態で診療制限になったわけでございます。そのときに時間外勤務が1275時間、日数にして53日に及んでいること、そして同僚の医師が「論壇」に過酷な勤務体制の改善を訴えております。それは、次の犠牲者が出ぬとも限らぬと懸念をしながら、県立病院の過酷な勤務体制を改善することが最重要課題と訴えておりました。それが痛ましい過労死という事態に至っております。上司も労務災害の申請がなされれば対応するとのことです。二度とこのようなことがあってはならないのでありますが、さきの小児科医師の過労で倒れたときに指摘された次の犠牲者を出さぬようにとの声もあだになりました。過労に至る勤務体制の改善を早急に進めなければなりません。
さきに、このことにつきましては小波津議員の質問と同趣旨でございます。
勤務状況の説明はございましたけれども、山城医師の勤務状況については、死亡する2週間前の勤務状況をお聞きしたいと思います。
次に2点目に、中部病院では過重勤務の訴えがありますが、どう対応されたか、お聞かせください。
雇用失業対策についてお伺いをいたします。
稲嶺知事誕生に最も期待したのは、緊急的な不況対策を実行すること、大田県政は高失業率、経済不況など変化する時代への対応が適切ではなく、雇用問題や企業誘致は経済のわかる稲嶺でないと無理であり、ここは経済がわかる稲嶺で雇用不況は解決されるとアピールをいたしました。マスコミも稲嶺知事の当選の理由の一つは経済不況からの脱却、高い失業率への緊急対策を求めての選択であり、景気回復と失業問題の解決は稲嶺県政に求められた緊急課題だとのことでした。
知事は、沖縄の諸問題を解釈するためだけでなく解決するために立候補しました。基地問題を初め問題が山積する沖縄です。解決する実行型の知事の政治姿勢は、正直なところよく見えません。いまだに失業率は厳しく不況からの脱却もままなりません。
沖縄の若年者雇用対策の若年者雇用開発助成金の見直しがありますが、沖縄にとってますます厳しい状況にあります。中小零細対策、雇用失業対策はどのように進められているのでしょうか。
そこでお聞きをいたします。
新卒者の就職状況はどうなっているのか。若年者の失業率も含めてお聞きいたします。
若年者雇用開発助成金の果たした役割についてもお聞かせいただきたいと思います。
通告はしてありましたけれども、農業振興については次の機会にいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題について、四軍調整官の発言について所見を聞きたいにお答えをいたします。
今回のEメールは、ヘイルストン中将が配下の各部隊司令官に対し、事件・事故の再発防止に向けてさらなる綱紀粛正の強化を求めるために発せられた私的な内部文書であると理解しております。
しかしながら、その内容は議会制民主主義における知事等の執行部と議会が独立して機能するという両者の関係について正しく理解しておらず、また、米軍基地に関する沖縄の歴史的背景や県民の思いに対する配慮が欠けていると言わざるを得ない部分が含まれており、極めて遺憾であります。
今回の件に係るマスコミ報道があった去る2月6日、私は、同問題に関するコメントを発表しヘイルストン中将の認識不足を指摘し、不快である旨表明しました。
また、去る2月8日にヘイルストン中将が直接県庁に来て、私や伊良皆県議会議長を含め関係者及び県民に対し謝罪した際にも強い遺憾の意を表明するとともに、在沖米軍の責任者としての発言には県民の心を理解し十分注意を払うよう重ねて強く申し入れたところであります。
県としては、今後ともヘイルストン中将を初め米軍人等が戦後の沖縄の歴史的背景や県民の心をよく理解し、事件・事故の防止を初め県民の基地負担の軽減を図るため積極的に取り組むよう強く求めるとともに、三者協やワーキングチーム等の枠組みを通して関係者が相協力して基地問題の解決促進に努力したいと考えております。
同じく基地問題について、県議会の海兵隊削減の決議は米軍人の事件・事故への現実的対応と思うが、知事の所見を聞きたいということへのお答えでございます。
代表質問でもお答えしましたように、在沖海兵隊の削減については、昨年のジョーンズ米海兵隊総司令官の発言や超党派の国防専門家グループのレポートで、沖縄県民の基地負担の軽減を図る立場から、海兵隊の訓練の移転や兵力の削減について提言が行われるなど、米本国内にも新しい動きが出てきていることに県としても注目してきたところであります。また、日本国内においては自民党の古賀誠幹事長が「三党として方向付けしたい」旨発言しております。さらに、県内においては県議会及び多くの市町村議会が海兵隊を含む米軍兵力の削減などを求める意見書等を採択しております。
このような状況から、県としては海兵隊をめぐる国内外の動向を見た場合、在沖米軍兵力の削減は一つの方向性を持った新しい動きになりつつあると認識しております。
また、日米両政府間においても、パウエル国務長官が、米軍が沖縄の人々にとって最小限の妨げとなるようにしたい旨発言しております。県としては日米安保体制を容認する立場ではありますが、長い間にわたる県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から基地の整理縮小を強く求めてきたところであります。
県としては、在沖米軍を取り巻くこのような状況を踏まえ、海兵隊を含む米軍兵力の削減についても県民の意向を明確にするため、基地の提供責任者である日本政府において、日米両政府間の協議の中で取り上げるよう国に対し求めていきたいと考えております。
次に、同じく基地問題について、地位協定の改定は日本政府にやる気があるかどうかであり、知事としても実行あるのみであると考えるがどうかについてお答えをいたします。
県では、日米地位協定の見直しを求めることは県民の総意であると考え、このような県民の意向を体して昨年8月、日米両政府に対し日米地位協定の見直しに関する要請を行ったほか、これまであらゆる機会を通してその実現を求めてきました。
また、私は去る2月14日、今回の放火事件に関連して被疑者の即時引き渡しと日米地位協定の見直しなどを関係大臣に要請しました。
その際、河野外務大臣から、平成7年10月の日米合同委員会で合意された身柄引き渡しに係る「特定の場合」を例示してもうまくいかないときは日米地位協定の見直しも検討しなければならない旨の発言があり、また2月15日の衆議院予算委員会において、日米地位協定の見直しも視野に入れてよいと思っている旨の答弁がありました。さらに、2月21日には福田官房長官が県議会の要請団に対し、日米地位協定の問題を含め沖縄の問題に前向きに取り組む考えを表明しております。また2月25日、河野外務大臣が来県され県庁で懇談した際にも大臣から、基地問題に絡んで県議会や市町村議会でさまざまな決議がなされたことは重要であり、日米地位協定について運用の改善で問題が改善されなければ地位協定の改定を視野に入れて米側と話をしなければならない旨の発言がありました。
政府関係者のこれらの発言は、日米地位協定の見直しを求める県民の熱意が国の前向きな対応を促進しつつあるあかしであると考えており、県としては、今後とも日米地位協定の見直しを早急に協議するようあらゆる機会を通して日米両政府に対し強く求めていきたいと考えております。
同じく基地問題について、普天間飛行場移設については、アメリカ抜きに日本政府と県との間で15年使用期限を処理するつもりなのかとの御質問にお答えいたします。
15年使用期限については、政府において解決に向け努力されていることを承知しておりますが、県は、基地の提供責任は日本政府にあることから、過重な基地負担を担ってきた県民の意向を踏まえ、政府が責任を持って早急に解決すべきものと考えております。
代替施設の15年使用期限問題については、県が移設に当たって整備すべき条件としており、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないと考えております。今後ともあらゆる機会に強く求めていく考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員の基地問題についての御質問にお答えをいたします。
通告されているもの以外に、通告外のものでありますけれども、最初にキャンプ・コートニーで実弾射撃を行っていたとの報道があったが、事実関係等県が現在確認していることを明らかにしていただきたいとの御質問にお答えをいたします。
キャンプ・コートニーでのクレー射撃問題について、県はマスコミ報道がなされている事項を含め詳細な事実関係等について現在米軍を初め関係機関に対し照会しているところであります。
現在のところ確認できた情報では、同レンジは99年に閉鎖されるまで35年間使用されており、射撃は軍としての訓練ではなくレクリエーションとして行われていたこと、また、同レンジは海兵隊福利厚生部が管理運営していたこと、さらに具体的な日時は確認できておりませんが、米軍は同レンジのあった土壌やレンジ北側の浜辺の砂を検査するなど環境調査を実施しており、調査の結果、鉛が検出されているが、基準値内であったこと、また、昨日から沖合の影響区域に存在する鉛のレベルを測定するためのサンプリング採取が行われていると聞いております。
以上が現在確認できている主な情報でありますが、今後さらに事実関係等を把握した上、適切に対応していきたいと考えております。
次に、同じく基地問題の中の新嘉手納爆音差しとめ訴訟についての所見を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
本訴訟は、昨年3月27日、原告団5542名が米国政府に対し早朝、夜間の飛行差しとめと昼間の爆音の制限を、日本政府に対し早朝、夜間の飛行差し止めと昼間の爆音の制限、過去及び将来の損害賠償を求めて那覇地裁沖縄支部に提訴したものであると承知しております。本訴訟は、現在係争中であることからコメントについては差し控えさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○文化環境部長(宮城光男) 航空機騒音測定結果に関する御質問にお答えいたします。
現在、県は関係市町村の協力を得て嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺において航空機騒音の測定を実施しております。
そのうち、航空機騒音規制措置合意前の平成7年度から継続して測定を実施している嘉手納飛行場周辺4地点、普天間飛行場周辺1地点について合意前と合意後を比較すると、うるささ指数については合意後1測定局で増加しておりますが、その他の測定局では横ばいかわずかながら減少しております。
しかしながら、環境基準については合意前同様、全測定局で基準値をクリアできておりません。また、夜間の騒音発生回数については両飛行場で減少しております。
以上の結果から、両飛行場において環境基準の達成状況については改善が見られないが、夜間の騒音発生回数は減少していることから、航空機騒音防止規制措置について一定の効果はあらわれているのではないかというふうに考えております。
○病院管理局長(新田宗一) 中部病院嘱託医であった山城氏の2週間の勤務状況についての御質問がありますので、お答えいたします。
年末から1月9日までの勤務状況ということになりますが、年末年始の勤務状況につきましては、午前中に10人前後の入院患者の病棟回診を行っております。休日でありますので外来診療はございませんでしたが、6日間で4人程度の救急患者があり、その対応を行っております。また、1月4日からは部長医師と2人で通常の勤務についておりまして、病棟回診及び外来診療を行い、午後7時ごろまでの勤務を終えております。
それから、中部病院の医師の勤務状況についての御質問がありますので、お答えいたします。
中部病院の医師の勤務状況につきまして調査しましたところ、通常午前7時半ごろからのカンファレンスに参加した後、病棟回診、外来診療を行っております。
医師1人当たりの入院、外来の患者数につきましては、平成11年度の収益年報によりますと、およそ20人程度となっております。
超過勤務の状況につきましては、各診療科によってばらつきはありますが、平成11年度の年間1人当たりの平均時間数で約620時間となっております。例えば産婦人科、小児科、麻酔科等の特定の診療科につきましては約1000時間となっております。
なお、これらの時間数には診療科によって違いはございますが、一月3回から7回の割り当てのあります土曜日、日曜日及び祝日における日直勤務並びに夜間における宿直勤務に係る超過勤務時間数も含まれております。
県は、新病院の開院に伴う新たな医療ニーズに対応するとともに、特に勤務状況が厳しい診療科の業務を緩和するため平成13年度に医師10人、看護婦7人の増員を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(當銘直通) 雇用失業対策等についてのうち、新卒者の就職状況及び若年者の失業率についてお答えいたします。
今春3月に卒業予定の新規学卒者の平成12年12月現在の就職内定状況は、大学が31.1%、短大が11.7%、専修学校等が36.8%、高校が38.1%となっており、全国平均を大きく下回る厳しい状況となっております。また、15歳から29歳までの若年者の失業率は、平成12年平均で14.3%で前年に比べ1.1ポイント改善されたものの、依然として高い失業率となっております。
県においては、これまでの対策に加え、今年度は大学生等の県外企業へのインターンシップ事業の実施や県立高校24校に就職促進相談員を配置する等対策を強化しているところであり、引き続き新規学卒者の就職対策に取り組んでまいります。
次に、同じく雇用失業対策等についてのうち、若年者雇用開発助成金の果たした役割についてはどうかについてお答えいたします。
沖縄若年者雇用開発助成金は平成9年度の制度創設以来、産業振興を通した若年者の雇用創出に大きく寄与しており、平成11年度までの3年間で情報産業、製造業等の72の事業所が助成金の対象として認定され、若年者の雇用実績は1179人となっております。
現在、国においては全体的な助成金の見直しを行うとの方針が示され、沖縄若年者雇用開発助成金についても助成期間の短縮等の見直しが検討されていると聞いております。
しかしながら、この助成金は県内企業及び新たに立地する多くの企業に活用されており、引き続きその活用を促進していく必要があると考えており、国に対し現行の助成期間の維持等について要請したところであります。
以上でございます。
○兼城 賢次 知事、ヘイルストン司令官のメール発言を、議会と執行部を正しく理解していないという答弁を繰り返しておりますけれども、司令官は議会制民主主義を理解してないほど勉強してないとは思いません。
司令官は、私信であるがゆえに安保を容認する与党多数と知事の関係を想定した上の発言だったと思っております。私信とはいえ、相手にそのようなことを言わしめたということです。こういうことを言わしめないように知事として日ごろからの対応と態度が必要だと考えるわけです。これは県民として、また先ほど申し上げましたように、知事のプライドという面からしても私はこれはぜひ申し上げておきたいと思います。
次に、議会の削減決議についてでありますけれども、知事は日米両政府が現下の情勢下で沖縄の兵力削減は困難であり、海兵隊の削減や基地の国外、県外移設は現実的でないとこれまで述べてまいりました。しかし先日の河野外務大臣との会談では、海兵隊削減やグアムなどへの県外移設が県民の総意であり、知事もそのことを踏まえて発言をされました。私も県民の立場からこれを評価したいと思います。ぜひ実現のための県政の姿勢を見せていただきたいと思いますが、あえて知事の決意をお聞かせください。
実は、嘉手納爆音訴訟について感想をお聞きしたいと申し上げましたのは、裁判中だからということではなくして、なぜ裁判に至ったかということを含めてこれはお聞きしたかったわけでございます。現在、70デシベルが騒音基準として設置されております。
ところが、先ほど文化環境部の部長は、夜間、早朝は少なくなって騒音協定が効果を示したかのごとく言っておられますけれども、ところが実際には70デシベル、1から5、これは削減はないけれども、早朝、夜間のそういうものが減ったというものの、回数にしてわずか四、五回でしょう、減ったとしても。だからこういうものが実際には僅少差の数字をもって減ったよと、減少しましたよというようなことではどうしようもないわけですよ。これは言葉の上からは何か減少したということになるとかなり改善されたかのごとく聞こえますけれども、決してそういう状況ではないものだから新嘉手納爆音訴訟が提起されたということで申し上げているわけです。
ですから、実際に騒音防止協定というのは守られない状態であるから、これをやはり県がバックアップしてもっと地域住民の訴えに耳を傾けてもらいたいということでこのことを申し上げておりますので、ひとつ御見解をお聞かせ願いたいと思います。
それから15年使用問題についてですが、アメリカ抜きに日本政府と県との15年使用期限を処理するつもりですかと申し上げたのは、15年使用期限の当事者は当然アメリカであります。アメリカ側が承知しないのを日本政府と県が地元と話し合いをし、そういう合意に至ったかのようなことをしないでいただきたいということを申し上げているわけです。外交問題は国の責任でということでありますけれども、日本の外交問題であるけれども、しかし午前中の小波津議員も指摘しましたけれども、15年使用問題というのは県知事の公約ですから、そしてまた県民の総意ですから、これは外交問題ではあるけれども、その外交問題の相手はアメリカであるので、日本政府と県の合意ではなくして、確実にアメリカと日本政府との合意を前提にしなければいけませんよということを申し上げておりますので、ぜひこのことを外交問題は国の責任で云々かんぬんではなくして、日本政府の責任でもってやりますよということをこれは一つの条件としていただきたいということを申し上げておきます。
中部病院の問題につきましては、平均すればこうだということですけれども、やはり犠牲者が出たわけでございますので、多く出勤している、あるいは過剰勤務だというところについては個別的に対応すべきだということを申し上げたいわけでございます。ですから現場の声を聞かれていますかと。平均してどうではなくして、そういう具体的な問題が提起されているわけですから、ひとつそういう具体的な問題について対応していただきたいと。平均の問題は聞いておりませんので、よろしくお願いします。
それから中小企業の問題ですが、これは今まで若年者雇用開発助成金というのは非常に大きな役割を果たしたということを今部長はおっしゃっているわけですから、これが非常に厳しくなると。それと貸し渋り対策特別措置法もこれが3月に制限が切れます。
そういうこれまで沖縄にとって非常に役立っていたものがなくなりますので、この制度にかわるものが実施されるかどうか、こういうことをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員から、基地問題について河野大臣にいろいろお話をしたんですが、その姿勢でもって今度しっかりやれと、そして再度その決意を聞きたいという御質問がございましたので、お答えいたします。
県としては、日米安保体制を容認する立場ではありますが、長い間にわたる県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から基地の整理縮小を強く求めてきたところであります。県としては、在沖米軍を取り巻くこのような状況を踏まえ、海兵隊を含む米軍兵力の削減についても県民の意向を明確にするため基地の提供責任者である日本政府において、日米両政府間の協議の中で取り上げるよう国に対し求めていきたいと考えております。
去る25日、河野外相来沖の際も、海兵隊を含む米軍兵力の削減などの基地の整理縮小、日米地位協定の見直し及び普天間飛行場の代替施設の15年使用の設定など、本県が抱えている基地問題について強く申し上げましたが、訪米の際にもただいま申し上げました事項を、基地問題の解決を日本政府に求めていることを米国政府や連邦議会等の関係機関に伝え、理解と協力を要請したいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員の嘉手納爆音訴訟についての再質問にお答えをいたします。
5542名の方々が原告団となって提訴しているわけですけれども、これにつきましては先ほども申し上げましたとおり、早朝、夜間の飛行差しとめ、それから昼間の爆音の制限、それから日本政府に対する早朝、夜間の飛行差しとめと昼間の爆音の制限、過去の損害補償と、こういう形で項目が分かれておりますけれども、確かに県としましても嘉手納あるいは普天間地域におきましては騒音防止協定に基づく測定地点を設けて測定をしているわけでございますけれども、やはり完全に守られてないということから地域住民にとってはそれがもとで提訴したのではないかと、このように思っております。今後ともこの騒音防止協定に基づいて基準達成できるよう我々は測定をきちっとし、米側とも調整を図りながらやっていきたいと。
いずれにしましても、この訴訟につきましては地域住民のこのようなことから提訴したのじゃないかなと、こういうぐあいに思っているところでございます。
○病院管理局長(新田宗一) 中部病院につきましては、おっしゃるとおり厳しい診療科につきましては個別的に調査を実施いたしておりまして、新年度から手当てをしてまいりたいというふうに申し上げているわけでございまして、例えば小児科、産婦人科、整形外科、耳鼻科、それから麻酔化、脳神経外科等につきまして厳しい状況にありましたんで、合計10人の医師の増員をしていきたいというふうに考えております。
○商工労働部長(當銘直通) 沖縄若年者雇用開発助成金制度につきましては、これまで県内企業及び新たに立地する多くの企業に活用されており、引き続きその活用を促進していく必要があると考えており、国に対し現行の助成期間の維持等について要請したところであります。
なお、中小企業金融安定化特別保証制度については、平成13年3月までの時限的な制度であるというふうに承知しております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明28日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時37分散会