○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長比嘉良雄君は、別用務のため本日から4日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に公安委員会委員湖城英知君、明日及び4日の会議に同尚弘子君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第4号議案まで、乙第1号議案から乙第16号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
小波津浩利君。
〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 おはようございます。
一般質問を行います。
1、米国の報復攻撃に伴う沖縄の安全確保について。
その(1)、米国での事件数日前に米国大使館から警察庁へ「在日・在韓米軍基地がテロ攻撃の危険にある」などの通報があったとのことですが、県及び県警はこの通報を受けましたか。そしてどのように対応されましたか。
(2)、現時点での在沖米軍の出動状況はどうなっていますか。米軍、政府からの通報はありますか。
(3)、各地のゲート前での車両検問のため出勤時の周辺国道での交通渋滞がひどくなっております。これに対し県警はどのように対応しておりますか。この渋滞はいつまで続く見通しでありますか。
(4)、沖縄への観光取り消しが相次ぎ観光客が減少しておりますが、その実情はどうなっておりますか。対策はどうとっておりますか。また、基地と観光産業は両立すると考えておりますか。
(5)、知事は、戦闘が激化し新ガイドライン等に基づいて米軍、自衛隊に対し空港、港湾、病院等公共施設の使用要請が来た場合、これを拒否しますか、応ずるのでありますか。
(6)、沖縄平和賞を提唱している知事であれば国際テロを非難するだけでなく、県民の生命と安全を守るため米国への戦争協力を拒否し、全世界へ向けて沖縄基地の不使用宣言を発すべきではありませんか。
2、普天間代替基地建設問題について。
(1)、知事は、報復攻撃の渦の中で果たして15年使用期限問題が今後の日米交渉で合意できると思っているのですか。もうこの問題はどこかに吹っ飛んでしまったのではありませんか。
(2)、15年問題を国内問題とし、政府の何らかの言明だけで処理する、あるいは政府、県、名護市の三者覚書で処理するという提案は、米国との合意が不可能であり15年問題が挫折したことを物語っていると思いませんか。
(3)、3工法8案はすべてが海上に建設されるものであり、知事公約の「陸上案」と異なりますがどうしますか。県民に通用しない詭弁を使わないで潔く「陸上案」の公約破綻を認めるべきではありませんか。
(4)、県民の財産として残すということは、文字どおり県有財産になるということですか。
(5)、民間空港部門の旅客ターミナル、駐機場等の施設はどこの負担で建設しますか。経営主体は県ですか、民間ですか。
(6)、一部団体が騒音から逃れるため辺野古集落の集団移転を要請しているようでありますが、これに対する県、国の態度はどうなっておりますか。
(7)、次回代替協議会では3工法8案について知事から県としての考え方を伺うことになっておりますが、知事は移設条件である「15年使用期限」や「使用協定」を棚上げにしたまま工法等の選定を表明するつもりでありますか。その選定に向けて名護市とどのような調整を行っておりますか。
3、北部振興の展開について。
(1)、この2年の実績を見ますと、市町村単位の事業が多く予算の分捕り合戦になっておりませんか。北部全体の発展につながる広域事業を実施していく立場から、県は積極的に指導・助言すべきではありませんか。また「北部振興基本構想」にこの考え方を反映させてはどうでしょうか。
(2)、公共事業は採択基準、補助率とも現行制度と変わりがなく、市町村にとってメリットがないという不満が強いです。この改善を国に働きかけるべきではありませんか。
(3)、北部は水供給地でありながら、今後の北部振興を考えますと特に東海岸地帯の水事情は不備であります。新たな浄水場建設など供給体制を急ぐ必要があるのではありませんか。
(4)、振興策で人口15万人目標を掲げておりますが、県営住宅が中南部に集中したのでは人口増になりません。北部の県営住宅の建設計画はどうなっておりますか。
(5)、離島の船舶経営は赤字で運賃も高く地域活性化の妨げになっており、運賃補助を改善すべきではありませんか。
4、松くい虫対策について。
(1)、現在の被害状況を明らかにしていただきたいと思います。
(2)、松林の種類ごとに実際の防除作業はどのような方法で行っておりますか。
(3)、農林水産部長は、5年以内に根絶できると言明しましたが、その確証はありますか。被害ゼロになるまでの年次計画を明らかにされたい。
5、農産物輸送に対する助成措置について。
(1)、沖縄農業の有望作物として花卉、果実、野菜類が成長しておりますが、本土への輸送コストが生産農家の大きな負担となっております。そこで要望の強い出荷量(額)に対する一定割合の直接補助が制度化できませんか。
(2)、県が実施している実証調査事業はどういう仕組みのものですか。この事業は暫定的なものと聞いておりますが、将来どのような助成事業を考えておりますか。
(3)、この事業の対象は、JA系統などの3出荷団体に限定しており公平さを欠くと思います。地域の中小規模出荷団体も事業対象に入れるべきではありませんか。そして同時に、対象品目の花卉類を拡大できませんか。
6、異常潮位による浸水被害対策について。
(1)、去る8月、全県的に異常な潮位上昇が発生、北部地区では、ア、大宜味村塩屋湾内の各集落はほとんど海抜ゼロメートル地帯のため湾内からの高潮が家屋、道路に浸水しましたが、その被害状況は。
イ、本部町渡久地の本部中学校前の道路は、満名川の排水溝からの逆流で一帯が冠水し道路が不使用となりましたが、その被害状況は。あわせて渡久地港の冠水も含めて被害状況を明らかにしていただきたいと思います。
(2)、いずれも護岸、排水溝、道路構造の不備のための災害であり、早急に改良すべきではありませんか。
7、一般廃棄物最終処理場建設について。
(1)、97年の厚生省調査によって県内の22自治体の一般廃棄物処理場が「不適格」となったこともあり、現在多くの市町村で建てかえ計画中でありますが、その実態はどうなっておりますか。
(2)、そのうち建設をめぐって地域住民から異議が申し立てられているのはどこどこですか。
(3)、国頭村辺戸区における建設問題について。
ア、県は、建設申請受理に際して、予定地に辺戸区民の入会権が存在することについてどう認識しておりましたか。
イ、建設に際して予定地住民との合意形成は必要ないと考えているんですか。県は、今からでも辺戸区民と村当局との話し合いを指導・助言すべきではありませんか。
ウ、その間、強引な着工をやめさせてはどうですか。
以上。
○知事(稲嶺惠一) 小波津浩利議員の御質問にお答えいたします。
最初は、米国の報復攻撃に伴う沖縄の安全確保についてのうち、ガイドライン等に基づいて米軍、自衛隊に対し空港、港湾、病院等公共施設の使用要請が来た場合、拒否するのか、応ずるのかとの御質問に対してお答えします。
周辺事態法における「周辺事態」とは、「我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」であり、事態の性質に着目したもので地理的なものではないというのが政府の統一見解であります。
今回のテロ事件に関連して、今後、米国がいかなる具体的な行動をとるかは明らかにされてなく、また我が国も具体的な支援等について国会で審議中でありますので、今国会の論議を見守りたいと考えます。いずれにしましても、県としては県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めてまいりたいと思います。
次に、普天間代替基地建設問題について、15年使用期限問題が今後の日米交渉で合意できると思っているかとの御質問にお答えします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
次に、同じく普天間代替基地建設問題について、15年問題は米国との合意が不可能であることから挫折したとは思わないかについてお答えいたします。
繰り返し申し上げますが、普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題の解決については、御指摘のことを含めそれぞれの立場でさまざまな考えがあると承知しておりますが、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。県としては、今後とも引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
次に、同じく普天間代替基地建設問題について、「15年使用期限」、「使用協定」を棚上げしたまま工法等の選定を表明するのか、名護市と調整を行っているのかについてお答えします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題及び使用協定については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、名護市と連携しながら政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。
また、名護市が求めている使用協定については、実務者連絡調整会議において話し合いが進められておりますが、基本計画策定の協議とあわせて着実な進展が図られるよう代替施設協議会において国に申し入れたところであります。県としては、今後とも市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 小波津浩利議員の御質問に逐次お答えをいたします。
まず、米国の報復攻撃に伴う沖縄の安全確保についての中の、米国におけるテロ事件について米国大使館から警察庁へ通報があったと聞いているが、県は通報を受けたか、そしてどのような対応をしたかという御質問にお答えをいたします。
県は、テロ活動に関する事前の情報について米国大使館からも国からも通報は受けておりません。県は、テロ事件発生後、同事件に関する情報等の提供を関係機関に強く要望しているところであります。
次に、現時点での在沖米軍の部隊等の出動状況はどうなっているか、米軍、日本政府からの通報はあるか聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
県は、米国で発生した同時多発テロ事件及びその後の日米両政府の対応等に関し、外務省沖縄事務所を介して情報収集に努めてまいりました。
他方、在沖米軍が実施しているテロ対策や訓練等について直接米軍に照会するなど、在沖米軍の動向把握に努めてまいりました。在沖米軍基地の現在の警備体制の状況については把握しておりますが、米軍の作戦行動及び運用に関する詳細な情報の収集は困難な状況にあります。県としては、今後とも今回の事件に関連して県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めてまいりたいと思います。
次に、同じく米国の報復攻撃に伴う沖縄の安全確保についての中の、米国への戦争協力を拒否し、全世界へ向けて沖縄の基地の不使用宣言をすべきではないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じております。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす行為であり、とりわけ今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず国際社会全体に対する新たな脅威であると考えております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
次に、普天間代替基地建設問題についての中の、3工法8案はすべてが海上に建設されるものであり、知事公約の「陸上案」と異なるがどうか、「陸上案」の公約破綻を認めるべきではないかという御質問にお答えいたします。
第7回の代替施設協議会では、くい式桟橋工法、ポンツーン工法、埋立工法の3工法についてそれぞれ2案、1案、5案の合計8案について説明がありました。新たな普天間飛行場の代替施設は軍民共用飛行場とすることが合意されており、県としては将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものとの観点から、同協議会において基本計画策定のための協議を進めているところであります。
なお、公約における普天間飛行場の代替案は、政府の示した撤去可能な海上ヘリポート案である海上案に対して陸上案と述べたものでございます。
次に、同じく普天間代替基地建設問題についての中の、県民の財産として残るということは文字どおり県有財産になるということか、また庁内論議の一致した考えかという趣旨の御質問にお答えいたします。
普天間飛行場代替施設は国が代替施設として建設するものであり、軍民共用飛行場として建設されることが合意されております。代替施設の民間機能を活用し雇用機会の確保や産業の振興を図り地域経済発展の拠点を形成することにより、地域及び県民が活用できる資源となるという意味で県民の財産として残ると述べたものであります。
次に、同じく普天間代替基地建設問題の中の、民間空港部門の旅客ターミナル、駐機場等の施設はどこの負担で建設するのか、経営主体は県か、民間か、航空業界と話し合いを行っているのかという御質問にお答えいたします。
代替施設は、普天間飛行場の代替施設として建設されるものであります。現在、代替施設協議会において基本計画策定に向けて協議が進められているところであり、代替施設の民間機能に係る施設整備については、今後国において検討されるものと考えております。
また、民間機能として代替施設に設置される飛行場施設の管理運営のあり方については、今後、国及び地元地方公共団体と相談の上、県民にとって望ましいものになるよう検討を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 米国からのテロ情報通報に対する県警の対応についてお答えをいたします。
9月6日、米国から警察庁に対し、米国圏域に対するテロのおそれがある旨の情報の提供がなされました。提供された情報の内容は一般的な未確認情報であり、日本国内においてテロリストが一般人の出入りが比較的容易な点に着目し、米軍施設、米軍人などの出入りする場所をターゲットとしてテロを引き起こそうとしているというものでありました。
当県警には同日9月6日、警察庁から情報の提供の内容とあわせて米国関係施設の警戒強化とテロ関連情報の収集について指示がありました。県警では、この指示に基づき直ちに各警察署等に対し所要の措置を講じるよう指示をいたしました。
なお、テロ発生後は体制を段階的に強化し、9月23日には警察本部長を長とする警戒警備対策本部を設置し、県内の米軍基地、米総領事館などの米国関連施設や那覇空港などの重要防護施設の警戒を強化しているところであります。
また、現在のところ県内におけるテロに関する具体的な情報はありませんが、関係機関と連携を密にしながらハイジャック防止対策、テロ関連情報の収集など鋭意推進しているところであります。
次に、米軍基地周辺における交通渋滞に関する質問にお答えいたします。
テロ事件発生後、米軍各基地においては厳重な警戒警備を実施しており、その一環として基地に入る米軍人・軍属及び日本人基地従業員などの身分証明書の確認と車両の点検確認を慎重に行っております。そのため従前に比べ時間を要し、チェック待ちの車両が一般道路に滞留し一般交通にも支障を来している状況でありました。特に嘉手納空軍基地の各ゲート、北谷町のキャンプ・フォスター、金武町のキャンプ・ハンセンゲートなどでは、基地ゲート周辺での交通渋滞が著しい状況でありました。
そこで、所轄警察署を通じ米軍基地の責任者に対し、チェックがスムーズに行われるようチェック体制の強化を申し入れるとともに、交通情報センターにおいても交通渋滞状況を広く県民に広報しているところであります。
その結果、13日以降、米軍基地に入る車両の滞留による一般交通への支障は順次緩和され、嘉手納空軍基地第1・第2ゲート周辺で滞留車両が見られるものの、現時点においては一般交通への支障は従前より少なくなっております。今後とも米軍基地警戒警備の情勢の推移を注意深く見ながら、必要に応じ米軍に対し一般交通の流れに影響を生じせしめないよう申し入れるなど、県民生活に支障がないよう適切に対処してまいる所存であります。
なお、交通渋滞の解消の時期でありますが、テロ事件発生後、米軍各基地において厳重な警戒警備が実施されていることなどから、テロに対する警戒警備の緩和もしくは解除がなされない限り全く渋滞がなくなるということは難しいのではないかと考えております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 米国の報復攻撃に伴う沖縄の安全確保についての中の、沖縄への観光客が減少しているというが、その実情と対策はどうなっているか、また基地と観光産業は両立すると考えているかとの御質問にお答えします。
去る9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件の影響により、世界的に航空機利用や海外旅行を手控える動きが出ており、国内においても米国を中心としたツアーの中止やキャンセルが発生しております。本県への旅行についても修学旅行を中心に影響が出ておりますが、一方、海外旅行を取りやめて本県への旅行に変更するという動きも見られます。
県におきましては、観光客の皆様の不安を解消するために各都道府県教育委員会や航空会社、旅行業者等に対し、県民生活も平常どおりで各種イベントも通常どおり各地で行われている旨を内容とした文書を発送するとともに、主要都市に職員を派遣し理解を求めたところであります。
さらに、本日、行政と観光関連団体で組織する対策会議を開催し、情報の的確な把握に努め、今後の対策を検討することにしております。
観光産業の振興につきましては、基地の存在にかかわりなく今後とも重要な施策として取り組んでまいりたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部振興の展開について、広域事業について県は積極的に指導・助言をすべきではないか、また北部基本構想にこの考え方を反映させてはどうかにお答えいたします。
北部振興事業は、地元市町村が主体となって実施することを基本としておりますが、複数市町村にまたがる事業については広域市町村圏事務組合や県が事業主体となって取り組むこととしております。県においては、平成12年度から広域市町村圏事務組合に1名、さらに平成13年度からは企画調整室北部駐在に2名を派遣し、地元市町村と連携を図りながら北部振興策の着実な推進に向けて取り組んでおります。
現在、地元市町村においては、「基本方針」に基づき4つの広域的なゾーンにおける振興事業のあり方について昨年度に引き続き調査を行っております。県としましても、より効果的な広域事業が実施できるよう地元市町村とも意見交換を行っており、今後とも地元市町村の意向を尊重しつつ、連携を図りながら積極的に取り組んでいきたいと考えております。
次に、同じく北部振興の展開について、公共事業は採択基準、補助率とも現行制度と変わりがなく、市町村にとってメリットがないという不満が強い、この改善を国に働きかけるべきではないかについてお答えいたします。
北部振興事業の公共事業については、沖縄振興開発特別措置法等に基づく高率補助で実施されており、補助率のかさ上げ及び補助対象事業の拡大等の新たな制度を国に求めることは厳しい状況にあります。
しかしながら、地元市町村から財政負担の軽減が求められていることから、県としても地元市町村と連携を図りながら財政負担の軽減や採択要件の緩和等に向けてどのような方策があるかを検討しているところでありますが、財政状況が厳しい市町村については個別案件ごとに国に働きかけていきたいと考えております。
○企業局長(與那嶺恒雄) 北部振興の展開についての東海岸地帯の水事情につきましてお答えいたします。
県は、市町村からの要請に基づき施設供給能力の範囲内で水道用水を供給しております。
御指摘の地域は、名護市辺野古地区と東村であると思われますが、いずれも自己水源を使って給水している地域でございます。両地域の水道については、施設の老朽化や水質が悪化していることから、県に対して名護市及び東村から水道用水を供給してもらいたい旨の打診があり、現在、市、村と協議を進めているところでございます。
なお、県の名護浄水場は、現在1日当たり2万7000立方メートルの施設能力に対しまして稼働率は約60%の状況にございます。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 同じく北部振興の展開について、振興策で人口15万人の目標を掲げているが、北部の定住人口をふやすための県営住宅の建設計画はどうなっているかについてお答えいたします。
公営住宅の建設については、「沖縄県住宅マスタープラン」の基本理念に基づき、それぞれの地域における住宅事情をきめ細かく把握している各市町村が行うことが望ましく、県営住宅は広域行政の見地からその補完的役割を担うこととしております。
県営住宅整備事業は、既存団地の老朽化が著しく、狭小な住戸を持つ団地の建てかえが緊急な課題となっていることから、新規団地建設を抑制し、県においては建てかえ事業に重点を置いて整備をしているところであります。現在のところ北部地区での県営住宅の建設計画はありませんが、今後、北部圏域の住宅需要の動向及び市町村営住宅の供給計画等を踏まえ検討していきたいと思います。
次に、異常潮位による浸水被害対策について、本部町渡久地の本部中学校前の道路及び渡久地港の被害状況についてお答えいたします。
去る8月の異常潮位による道路冠水は、本部町道で9カ所と聞いております。また、渡久地港においては8月19日から21日にかけて満潮時における異常潮位により、最高潮位時に海水が物揚げ場の天端を越え流入するという状況がありましたが、港湾施設については被害は発生しておりません。
次に、護岸、排水溝、道路構造の不備のための災害であり、早急に改修すべきではないかの御質問にお答えいたします。
土木構造物を設計する場合は、それぞれの構造物の設計基準があり、構造物の機能、重要性、周辺地域の状況及び経済性等を勘案して計画・設計を行っております。
今回は、異常潮位により通常の満潮高より潮位が上がり、海水が道路の横断暗渠を逆流し陸地側の排水溝からあふれ浸水したものと思われます。そのような箇所については、フラップゲート等逆流防止策等を検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 北部振興の展開についての御質問の中で、離島航路運賃補助についての御質問にお答えをいたします。
旅客等の運賃につきましては、平成12年10月1日から改正海上運送法が施行され、航路事業者は上限認可運賃のもとで届け出により自由に運賃を設定できることになっております。
離島航路は、離島住民の生活の足、物資の輸送手段として離島の振興を推進する上で大きな役割を果たしていると認識をしております。離島航路事業者は過疎化の進行、人件費等の諸経費の高騰など近年の厳しい社会経済情勢の中で苦しい経営を強いられており、事業の継続も困難な状況にあります。
県といたしましては、離島航路の維持・確保を図るため、航路事業により生じた実績欠損額から国の補助額を差し引いた額全額を補助しているところであります。今後とも、引き続き離島航路の実情を踏まえ、離島航路事業者の自主努力を促しながらその支援に努めていきたいと考えております。
以上です。
○農林水産部長(天願貞信) 松くい虫対策について、現在の被害状況について、それから松林の種類(区分)ごとの防除作業について、関連しますので一括してお答えいたします。
平成13年度の松くい虫による被害木は、13年9月15日現在の調査で約1万6000立方メートルとなっております。被害の内訳は、公益的機能の高い「保全松林」で約7000立方メートル、私有林等「その他松林」で約9000立方メートルとなっております。
松くい虫の防除作業としましては、薬剤の樹幹注入、地上散布、被害木の伐倒駆除等を実施しております。
続きまして、同じく松くい虫対策でございますが、松くい虫被害を5年で根絶できる確証はあるか、またその年次計画についてお答えをいたします。
リュウキュウマツが枯れる被害の原因については、これまでの試験研究の成果から、樹木内にマツノザイセンチュウが爆発的に増殖することにより松の生理・生態に異常を来すことが確認されております。このセンチュウとマツノマダラカミキリは共生関係にあり、カミキリが松を食害することによりザイセンチュウを媒介し被害が拡大するものであります。
松くい虫の根絶計画は、マツノマダラカミキリの生態メカニズムに即した方法に基づき効果的な防除を実施いたします。
具体的な防除方法は、マツノマダラカミキリが羽化する4月から6月にかけて薬剤防除を行います。また、産卵時期の5月から9月にかけまして被害木に対しまして伐倒駆除を実施いたします。
松くい虫の根絶計画については、平成14年度以降年次的に所要の予算措置を行い、被害木の徹底駆除を実施する考えであります。
なお、他府県におきましても松くい虫の被害木を徹底駆除することにより根絶化された事例もございます。
次に、農産物輸送に対する助成措置について、野菜、花卉、果樹の出荷量(額)に対する一定割合の直接補助が制度化できないかということについてお答えいたします。
農産物の輸送コスト低減は、市場競争力の強化と県外市場への出荷拡大を図る上で大きな課題となっています。しかしながら、輸送コスト低減のための直接補助については、国の行政改革や財政事情等から厳しいものと考えております。
県としては、新たな輸送ルート開拓のため菊、ゴーヤーなどの品目を対象に、鹿児島航路の船舶とJR貨物を活用した低コスト輸送体系確立事業を実施してまいります。
また、物流システム効率化を図るため生産から販売までの情報の集約化、「ゆうパック」や宅配などの多様な流通チャネルの開拓のための調査事業について取り組んでまいります。今後、これらの実証事業や物流システム調査事業の成果を踏まえまして輸送コストの低減化に努めていく考えであります。
同じく農産物輸送に対する助成措置について、実証調査事業はどういう仕組みか、また将来はどのような助成事業を考えているかということについてお答えいたします。
低コスト輸送体系確立事業は、菊などの戦略品目を対象に低コストで連日出荷が可能な新たな輸送ルートの開拓を図っていくものであります。
事業の仕組みとしては、鹿児島航路の船舶とJR貨物を活用した鮮度保持技術や積載方法などを調査し、低コスト輸送体系の確立を図るものであります。今後、実証事業の成果を踏まえまして航空輸送から船舶輸送への移行を促進し、低コスト輸送の確立を図るとともに、農業生産総合対策事業によりましてクールコンテナなど流通施設の整備を進めていく考えであります。
同じく農産物輸送に対する助成措置についてでございますが、中小規模出荷団体も事業対象にすべきではないか、また花卉類の対象品目を拡大する考えはないかということについてお答えいたします。
低コスト輸送体系確立事業は、新たな低コスト輸送を実証するためのモデル事業であります。
事業の対象としては、現在のところ菊、ゴーヤーなどの品目の一定量を計画的に生産、出荷できる出荷団体としております。また、花卉の輸送対象品目の拡大につきましては、平成13年度の事業成果を踏まえまして検討してまいりたいと考えています。今後、この実証事業で得られた成果は、各出荷団体が独自の取り組みとして活用していくものと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 異常潮位による浸水被害対策につきまして、大宜味村塩屋湾の集落の被害状況についてお答えいたします。
去る8月の異常潮位については、沖縄気象台の発表によりますと、沖縄本島において8月20日午前7時37分、平常潮位を26センチメートル上回る144センチメートルを記録し、県内13市町村で被害が報告されております。大宜味村においては床下浸水3棟、道路冠水6件の被害が出ております。
続きまして、一般廃棄物最終処理場建設について、厚生省調査によって県内にも多数の一般廃棄物処理場が「不適格」となっているが、現在、その建てかえ計画の実態についてはどうかという御質問にお答えいたします。
環境省(当時の厚生省)においては、市町村の一般廃棄物最終処理場に遮水工や水処理設備がない不適正な処理場が見られることから、平成10年1月に全国一斉の実態調査を行い不適正な処理場を公表するとともに、市町村に対して速やかに改善するよう通知したところであります。
県内の市町村における一般廃棄物最終処理場は現在31カ所あり、そのうち廃棄物処理法に基づく適正な処分場は10カ所であります。その他の21カ所は不適正な処理場となっております。
県では、こうした経緯を踏まえて市町村助役会議などにおいて不適正な処分場の改善や適正な処分場の確保を指導してきたところであります。
市町村においては、漸次、施設整備を計画し、平成11年には石垣市や粟国村で最終処分場が整備されております。現在、多良間村や渡嘉敷村等において施設整備が進められており、残る19市町村においても今後平成19年度までに年次的に施設を整備することとしております。
同じく一般廃棄物処理場建設について、建設をめぐって地域住民から異議申し立てがあるところはどこかという御質問にお答えいたします。
家庭などから出る一般廃棄物の処理については、市町村の固有事務となっており、適正な処理施設の整備は地域の生活環境を保全していく上で必要不可欠となっております。その整備に当たっては地域との合意形成が重要となっておりますが、幾つかの市町村においては建設予定地の地域住民との合意形成に向けての話し合いを進めているところがあります。
国頭村におきましては、最終処分場建設予定地の住民から那覇地方裁判所に建設禁止を求める仮処分申請が提出されております。
また、ごみ焼却施設等の整備について地域との合意形成を進めている市町村としては、那覇市南風原町ごみ処理施設事務組合、中部北環境施設組合及び中城村北中城村清掃事務組合などがあります。
同じく一般廃棄物処理場建設につきまして、県は申請受理に際して予定地に入会権が存在することについてどう認識していたか、村と区民との話し合いを指導・助言すべきではないか、話し合いの間、強引な着工をやめさせてはどうかとの御質問にお答えいたします。
家庭などから出る一般廃棄物の処理については、日常生活に最も密着した行政サービスであることから市町村の固有事務となっており、廃棄物処理施設の整備は地域の生活環境を保全していく上で必要不可欠であります。
このようなことから、廃棄物処理法においては市町村からの処理施設の設置届け出については、技術上の見地から処理施設の構造や排水の処理方法等について確認することになっておりますが、設置場所の土地の所有権等の確認までは求められておりません。こうしたことから、県においては国頭村から提出された一般廃棄物最終処分場の設置の届け出について廃棄物処理法に基づく技術上の基準に適合していることを確認し、通知したところであります。
なお、入会権に関しては辺戸区から那覇地方裁判所に仮処分申請書が提出されておりまして、その動向を注目しているところであります。
県と国頭村の意見交換の場において仮処分申請が決定されるまでの間は、工事を差し控えることについて話し合いがなされております。
以上であります。
○知事公室長(親川盛一) 小波津議員の質問についての答弁漏れがございましたのでお答えいたします。
普天間代替基地建設問題についての中の、一部団体が辺野古集落の集団移転を要請しているようだが、これに対する県、国の態度はどうかという御質問にお答えをいたします。
去る7月18日に辺野古活性化協議会より普天間飛行場の移設に伴う工法、位置及び部落の集団移転についての要請を文書として受けております。代替施設の規模、工法、具体的建設場所等については地元においてさまざまな意見があるものと考えており、辺野古活性化協議会からの要請についても地元での意見の一つであると理解しております。
以上でございます。どうも失礼いたしました。
○小波津浩利 議長、答弁漏れがあります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前10時53分休憩
午前11時 再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
小波津浩利君。
〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 再質問を行います。
1点目、県警は通報があったということですが、なぜ知事部局はそれを知ってないんですか。
それで県民の安全が守られるという考え方ですか。一体どういう情報を収集しているんですか、お答えください。これは県警の方にもお願いいたします。県警は、なぜ知事部局の方に連絡しなかったか。
2点目、一生懸命情報収集をしているというふうに答弁されているんですが、それではせめて在沖米軍の兵力あるいは部隊の移動についてはどうなっていますか。最小限兵力、部隊等の移動、出撃についてお答えください。
3点目、観光取り消しとの関連で……。
県警本部長は、今後本土からの警備要員の応援部隊の来県が予定されているということでしたか。
さて、この応援部隊の来県は、知事部局、観光取り消しの要因につながりませんか。それは、それぞれ相互にお答え願いたいと思います。
4、さっきの問題。私は、あえてテロを批判するだけでなくと言っているのです。そこで県民の安全を守る立場から米軍基地の75%を抱える沖縄県の知事として、かつ「沖縄平和賞」を提唱している知事としてこの際沖縄基地の使用をやめさせるなど意思表示を、沖縄基地の不使用宣言を発すべきではありませんか。
5点目ですか、ちょっと答弁が不明なところもありましたから再質問をさせてください。
15年問題を国内問題として処理するという議論がなされておりますが、この方法はあたかも米国との合意なしに基地の使用期限がつけられるような考え方だと思いますが、知事も同様な考え方ですか。
次に、代替基地についての知事の2つの公約、陸上案と15年使用はもう破綻していると思います。知事はこれを認め、ギブアップすべきではありませんか。
7点目、知事公室長、あなたは3月の予算特別委員会で財産登録について、これは伊波栄徳議員も取り上げられましたが、財産登録についてという前に、県民の財産として残す、残るということについて、それは財産登録として位置づけるんですかという私の質問に、あなたは財産登録について、その後、これは15年後という意味です。15年後はきちっと整理されて県の方に位置づける、財産登録して。こういう答弁をなさいました。きょうの答弁はそれと違いますが、これは3月の予算特別委員会での発言の撤回になるんですか。
その際、当時の総務部長は、今の時点で県有財産になるかどうかについての庁議での議論はしておりませんという言い方でした。そこに食い違いがあったんです。再度お答えください。
次に、次回代替協議会はいつごろ開かれる予定ですか。
また、前回協議会の集約の中で知事は3工法8案について、名護市長による取りまとめの作業、知事による名護、東、宜野座との意見調整を進めて県の考え方をまとめて提案したいとこう知事は発言しておりますが、その作業はどうなっておりますか。
それから昨日、今、県内部で検討を進めているという答弁もありましたが、県内部でどういう取りまとめ作業を行い、さっき申し上げた移設先関係自治体との意見調整はどのように行われておりますか。
次に、松くい虫。
農林水産部長、意気込みは大変わかるんですが、そこで具体的にちょっとお聞きします。
私の目からは非常に被害の目立つ地域、具志川市の栄野比、これは具体的に担当者に申し上げてあります。栄野比は、私が見る限り、ここ1年近く何の駆除作業も行われている形跡が見られません。そこはどうなっておりますか。5年間で根絶していきたいという決意はわかるんですが、どうも私たちの目に映ってこないので、あえて具体的に質問をいたします。
最後に、一般廃棄物処理場の問題で文化環境部長は、私はこの問題を取り間違えると各地に波及していくんではないかということで心配もしながら質問をしているわけです。
そこで県は、工法等技術上の確認だけの立場だけではなくて、補助金申請を国に対して行っている以上、予定地が地域住民との合意形成がなされているかどうか、これはちゃんと確認すべきじゃないですか。予定地地域住民との合意形成もなされていないのに、どうして国に補助金申請ができるんですか。基礎から間違えているんじゃないですか。地域住民との合意形成は必要ないという考えですか。そこをはっきりお答えください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時8分休憩
午前11時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 小波津議員の再質問にお答えいたします。
先ほど知事公室長からお答えした件ですけれども、全世界へ向けて沖縄の基地の不使用宣言をすべきではないかとのお答えでございます。
今回のテロ事件に関しまして、このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
続いて申し上げますと、15年の使用期限の問題についての国内問題にということでの、それに再度ということでございますが、繰り返し申し上げますが、普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。
○警察本部長(太田裕之) 警察が今回のテロ情報をなぜ県に通報しなかったかという再質問でございますけれども、今回の情報につきましては、先ほども触れましたとおり未確認かつ一般的なものであったこと、及びこの種情報につきましては、提供側である相手との信頼関係に基づき提供を受けるものでありますことから、今後の情報提供を受けることの観点から直ちに情報を流すということは妥当ではないと判断をして連絡はしておりません。
なお、先ほど申し上げましたとおり県警内部において十分な体制をとって対処したところでございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 警備要員の増員は、観光客の取り消しにつながらないかとの趣旨の再質問にお答えします。
県におきましては、観光客の皆様の不安を解消するために各都道府県教育委員会や航空会社、旅行業者等に対し、県民生活も平常どおりで、各種イベントも通常どおり各地で行われている旨を内容とした文書を発送するとともに、主要な都市に職員を派遣し理解を求めたところであります。
さらに、行政と観光関連団体で組織する対策会議を開催し、情報の的確な把握に努め今後の対策を検討することにしております。観光産業の振興につきましては、基地の存在にかかわりなく今後とも重要な施策として取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○農林水産部長(天願貞信) 松くい虫の補助についての再質問にお答えいたします。
御指摘の具志川市栄野比地区の松くい虫被害の防除につきましては、当地域が「その他松林」ということでございますので、今後具志川市の方で県の補助事業によって実施をするというふうな計画でございます。
議員の御指摘のことでございますが、根絶するためにはやはり仕組みが必要でございます。まず、防除するための予算措置が必要でありますし、それから被害木を移動するとか、拡大を防止するような制限措置であるとか、あるいは森林所有者の守るべき義務とか、こういうふうなことを条例にうたってやっていくというふうな仕組みをつくる必要があると思います。
沖縄県でどうして松くい虫が根絶できないかという最大の要因は、「その他松林」、要するに個人の松であるとか、あるいは財政上、なかなか市町村で足並みがそろわずにどうしても被害木の除去が残っていると。ことしの調査によりますと1万6000立方ですか、そのうちに50%以上が「その他松林」で防除されなくて残っていると。このこと自体がまたもとに戻るというふうなことになるわけでございます。
したがいまして、根絶する仕組みとしてはまず予算措置をするための何といいますか、補助規定といいますかね、それから被害木を移動する規制であるとか、規定、それから義務規定、こういう形で条例等でこれから検討していくところでございますが、こういう仕組みをつくって年次計画をしていけば他府県の例からしましてもおおむね5年では十分防除できると。他府県の例もございますので、そういう意気込みで根絶を図ってまいりたいということでございます。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 市町村が設置します一般廃棄物処理施設のいわゆる手続の過程でございますが、先ほど申し上げましたようにこれは市町村固有の事務ということでございまして、廃棄物処理法にも届け出ということになっておりまして、市町村の段階においてそういったものがきれいに整理されたという段階で上がってくるものだということでございます。
○知事公室長(親川盛一) 小波津浩利議員の再質問に逐次お答えをいたします。
まず、テロ事件に関する情報がなぜ得られなかったかということでございますけれども、県は、そのテロ活動に関する事前情報について米国大使館を初め米国関係者、米国の機関、あるいは国からも通報は受けておりません。県としては情報を得るべく努力したわけでございますけれども、同事件に関する情報の提供は得られておりません。
それから次に、兵力、部隊の移動はどうなっているかということでございますけれども、在沖米軍基地の現在の警備体制の状況につきましては把握しておりますけれども、米軍の作戦行動及び運用に関する詳細な情報の収集は困難な状況にあり、議員御指摘の兵力、部隊等の移動については把握できない状況でございます。
次に、代替施設の知事公約は破綻しているんじゃないかということでございますけれども、普天間飛行場の返還に伴う代替施設の建設につきましては、知事公約に基づいて着々と進めておりまして、県民の理解と協力を得てぜひ県民の願いである普天間飛行場の返還にこぎつけていきたいと、このように考えておりますので、破綻ではないとこのように考えております。
それから財産登録、財産関係についてですが、代替施設の財産について3月議会で答弁したのと、きょう答弁したものと食い違っているんじゃないかという趣旨の話でございますけれども、代替施設は国が整備することになっておりますが、同施設は15年後も地域及び県民の財産として活用されるものと考えております。
15年後の代替施設の所有権を含め空港としての管理のあり方については、今後協議されていくものと考えております。これにつきましては3月議会だったと思いますけれども、ちゃんとこれは県が主体となって国とも調整をしながら協議をしていくものであるとこう思いますし、また前回の答弁でも協議をしていくということになるものと思いますと、こういうぐあいに答弁をしております。
それから、次回代替施設協議会はいつ開かれるかということでございますけれども、現在、第7回代替施設協議会を終えまして、次回には名護市が地域の意見等をまとめて次回協議会に報告することになっており、県は県としての考え方をまとめて次回協議会に報告するということになっておりますが、現在、これの作業を進めている段階でございまして、いつ開かれるということについては明確に今お答えすることはできない状況であります。
それと、知事による地元名護、東、宜野座の意向を、こういうまとめて報告するのかということでございますけれども、地元の意見集約につきましてはただいまお答えいたしましたとおり、名護市の方で集約をして報告するということでございます。県は、名護市と調整を図りながら県の案をまとめて次回代替施設協議会に報告するということになります。県におきましては、現在、関係部局において国から示された3工法8案について今鋭意その問題点等について検討をしてもらっているところでございます。
以上でございます。
○小波津浩利 代替施設についての2つの公約、陸上案と15年使用問題ですが、とりわけ15年使用問題については与党内からさえ──私は、日米合意が大変厳しくなったので国内問題として処理する方法の案が出ているところにこの問題の難しさがあると思います。
時間ですので、以上提起をして質問を終わります。どうもありがとうございました。
○平良 長政 一般質問を行います。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、アメリカへの同時テロについて。
9月11日、アメリカの中枢をねらい撃ちした同時テロは世界じゅうを震撼させました。まず、6000人余の犠牲者と家族の皆さんに心から哀悼の意を表したいと思います。
テロで政治が動くと国会も国連も必要なくなり、民主主義も死滅します。どのような理由があれ許されるべきではなく、前代未聞の蛮行に対して断固糾弾するものであります。早目に犯人を確定し、テロ犯罪への国際的裁判と処罰を毅然として行い、二度と再びこのようなテロ行為が行われないよう強く望むものであります。
ただ心配なのは、今アメリカがやろうとしている武力による報復であります。これは必ず次の報復テロを生み際限なき報復合戦となります。東洋最大の米空軍基地を持つ嘉手納ですが、我が県もテロの標的にされる可能性もあることは、米軍のゲートでの厳重な異常なまでのチェック体制を見ればわかることでありますし、また観光客の相次ぐキャンセルを見てもわかることであります。知事は県民の不安を真剣に受けとめ、アメリカに対しても日本政府に対しても武力による報復はすべきでないことを申し入れるべきだと思います。
もう一つは、日本政府の態度についてであります。
アメリカがパキスタンへ経済制裁をやめれば日本もやめる。哀れなほどの対米従属、対米追従の姿勢の小泉政権は、憲法や安保条約、そして周辺事態法もかなぐり捨てて自衛隊を中東に、インド洋に派遣しようとしております。
日本国憲法は、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とうたっております。国際紛争を解決する手段として武力の行使は行わないとはっきり国の方針を決めているわけであります。後方支援と称して戦争に参加する、参戦することはできないはずであります。
自衛隊は専守防衛が任務であります。日本が今やるべきことは、アメリカには中東政策の見直しを求め、戦争という暴力的手段だけを用いてはいけないとアメリカに忠告することではないでしょうか。
日本は武器輸出もせず中東からは評価をされていると思います。アメリカと一緒になって戦争に加担するのではなく、誠実な仲介者となることではないでしょうか。
以下、質問いたします。
ア、なぜアメリカはテロに見舞われたと思うか。
イ、武力による報復は新たな報復テロを生むだけであり、別の手段によって解決すべきと思うがどうか。
ウ、今回、在沖米軍は中東へ出動しているか。どの部隊から何人が出動しているのか。
エ、出動しているとすれば、沖縄の米軍基地は報復テロのターゲットになる可能性があると考えるが、どうか。米軍のいる島には安全も安心もないと改めて米軍基地の怖さを感じたが、知事はどうか。
オ、国際紛争を解決する手段として武力を行使しないとの憲法からして、今回の自衛隊の海外派遣についてどう考えるか。周辺事態法で規定されている「周辺」に中東も含まれると考えるか。
カ、テロ事件の影響として沖縄は怖いということでトヨタ世界大会や修学旅行等でキャンセルが出ているようだが、沖縄観光への影響とその対策はどうなっていますか。
(2)、普天間基地の辺野古移設について。
ア、米国のQDRの発表がおくれているようだが、なぜか。いつになると思うか。アジアの米兵力はどうなる予想か。
イ、3工法8案、いずれの工法にしてもジュゴンへの影響があると説明されている。改めて本格的な環境アセスメントを国に求めるべきと思うがどうか。
(3)、「損害賠償法」の制定について。
米兵やその家族による事件・事故が後を絶たず発生しているが、その補償は日米両政府の一方的裁量権によってなされ、被害者救援のための法的整備が求められています。「米軍人・軍属による事件被害者の会」からも今議会に請願書も提出されていますが、県としても「日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の構成員等による損害賠償法」の制定を国に対して働きかけるべきと思うがどうか。
(4)、新しい沖縄振興策について。
ア、3次にわたる振計で6兆円もの資金を投入しながら県経済の自立が図られなかったのはなぜか。
イ、沖縄タイムス8月31日から9月2日に掲載された松島泰勝氏の「島嶼の可能性、一国二制度への提言」の中で、西太平洋島嶼貿易圏の形成については拝聴に値する提言と思うが、国に積極的に要望してはどうか。
この提言は3つぐらい提言されています。いわゆる1つは、ヨーロッパ連合(EU)がフィジーやソロモン諸島などに対してロメ協定というのを結んでいることが紹介され、またオーストラリア、ニュージーランドがこれまたフィジーやサモアなど南太平洋地域貿易経済協定(スパーテカ)という、それからもう一つはアメリカとミクロネシア連邦、マーシャル諸島と結ばれているコンパクトという自由連盟です。これは数量の無制限、関税の免除などでいわゆる商品を輸出するアメリカとかEUはその商品を買い入れするというそういう協定ですが、大変貴重な提言だというふうに考えております。
(5)、第19回参院選の結果について。
ア、大田昌秀前知事の当選をどう見るか。
イ、県内政党の比例得票率で社民党が34.56%で全国1位、自民党は23.22%で全国最下位という結果をどう見ておりますか。
2、バス問題について。
(1)、バス4社統合による新会社発足に向けた取り組みの進捗状況について。
ア、需給調整撤廃で参入も撤退も自由となる規制緩和を目前に控え、県民の足を守るためバスの健全化は大きな行政課題であり、放置すると社会問題化する。県の責務は重く積極的に関与すべきと思うが、県の認識を改めて問います。
イ、「バス統合に関する可能性調査室」の報告書に基づいた170億円の公的財政支援を中心とした統合案はどうなりましたか。
ウ、それにかわる新しい動きが出ているようですが、どこまで進んでおりますか。課題と問題点は何ですか。
(2)、都市モノレールとの関連について。
ア、モノレール開業2年前、ことしの12月になりますが、バス路線再編案が出ることになっておりますが、進捗状況はどうですか。
イ、モノレール開業後のバス事業への影響をどのように予測していますか。その補償問題へはどのように対処されますか。
ウ、モノレール開業による余剰労働者対策は今から進めていかなければ間に合わないと思います。県の対策は万全ですか。
エ、モノレール延伸問題はどうなりましたか。
3、尖閣諸島油田の日中共同開発について。
(1)、ことし県議会6月定例会で「尖閣油田の民間による日中共同開発に関する陳情」が全会一致で採択されたことを県は重く受けとめ、その陳情趣旨に従って最大限の努力をすべきと思うが、どうですか。
(2)、情報収集を含め県の取り組みの進捗状況はどうですか。
(3)、中国側としては日本とではなく、琉球(沖縄県)との共同開発を望んでいるとの情報がありますが、県は調査し確認をすべきだと思いますが、どうですか。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの平良長政君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時42分休憩
午後1時10分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
答弁に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた出納長嘉数昇明君は、別用務のため本日の午後から明日までの会議に出席できない旨の届け出がありました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 午前の平良長政君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えします。
最初は知事の政治姿勢についてのうち、なぜアメリカはテロに見舞われたと思うかということと、武力による報復は新たな報復テロを生むだけであり、別の手段によって解決すべきであると思うがどうかという御質問に一括してお答えいたします。
テロ行為は、世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、とりわけ今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず世界に対する挑戦であり、決して許すことはできません。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
なお、その背景等について言及することは複雑かつ多岐にわたり困難であると考えております。
次に、政治姿勢についてのうち、憲法から今回の自衛隊の海外派遣についてどう思うか、あるいは周辺事態法で規定される「周辺」に中東も含まれると考えるかどうかについてお答えします。
周辺事態法における「周辺事態」とは、「我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」であり、事態の性質に着目したもので、地理的なものではないというのが政府の統一見解であります。
今回のテロ事件に関して、自衛隊の海外派遣問題が現在国会で議論されているところであり、国政レベルでこの問題の整理がなされるものと考えます。いずれにしましても、県としては、県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めたいと思います。
次に、同じく政治姿勢についてのうち、米国のQDRの発表がおくれているのはなぜか、いつになるか、アジアの兵力はどう予想されるか聞きたいという点にお答えします。
米国のQDR(四年期の国防見直し)については、10月1日に国防総省が公表したと聞いております。その詳細な内容については現時点ではまだ把握しておりませんが、2001年の米国国防報告書によると、昨年まで明記されていた東アジア・太平洋地域の米軍兵力に関する10万人の数字が削除されており、QDRの検討に際してもこの報告書の内容が反映されるものと考えております。
県としては、先般の訪米で県民の過重な基地負担の軽減について連邦政府関係者に理解と協力を求めたところであり、QDRの中で県民の意向が反映されることを期待いたします。
次に同じく政治姿勢について、大田昌秀前知事の当選をどう見るかということであります。
大田昌秀氏がこのたび参議院議員に当選されたことに祝意を表します。
なお、先般、さとうきびの陳情の際にも私は大田議員のお部屋に参りましていろいろ状況説明、ごあいさつをしてきたところでございます。今後の国会での御活躍に期待をしております。
次に、さきの参議院選の比例得票の県内での結果をどう見るかと。
去る参議院比例代表選挙での各政党の全国比較では御指摘の結果になっていることは承知しております。県においては、政党の得票要因については分析いたしておりません。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 平良長政議員の知事の政治姿勢についての質問事項について順次お答えをいたします。
まず、今回、在沖米軍は中東へ出動しているか、どの部隊から何人出動しているか聞きたいという御質問にお答えをいたします。
県は、米国で発生した同時多発テロ事件及びその後の日米両政府の対応等に関し、外務省沖縄事務所を介して情報収集に努めてまいりました。
他方、在沖米軍が実施しているテロ対策や訓練等について直接米軍に照会するなど、在沖米軍の動向把握に努めてまいりました。在沖米軍基地の現在の警備体制の状況につきましては把握しておりますが、米軍の作戦行動及び運用に関する詳細な情報の収集は困難な状況にあります。県としては、今後とも今回の事件に関連して県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄の米軍基地は報復テロのターゲットになる可能性があると考えるか、また今回のテロ事件で米軍基地の怖さを感じたがどうかという御質問にお答えいたします。
今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じております。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、決して許すことはできません。県としては、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今回の事件が県民生活及び県民の人権に支障を及ぼすことがないよう関係機関に強く要請しています。
また、日米合同委員会で合意された事件・事故の通報体制等を最大限に活用し、米国で発生した同時多発テロ事件及びその後の日米両政府の対応等に関し、外務省沖縄事務所等を介して情報収集に努めているところであります。
次に、いずれの工法にしてもジュゴンへの影響があると説明されている、本格的な環境アセスメントを国に求めるべきだと思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
今後、基本計画が策定された後、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる」との政府方針に基づき環境影響評価が実施され、環境への影響を最小限にするよう、より詳細な検討が行われるものと考えております。県としては、ジュゴンを含め自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き要望していきたいと考えております。
なお、事業者が行う環境影響評価とは別に、環境省において全般的なジュゴンの保護対策を検討するためジュゴン及び藻場の広域的な調査を実施することになっており、県としても可能な協力をしていきたいと考えております。
次に、「日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の構成員等による損害賠償法」の制定を国に対して働きかけるべきだと思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
米軍人等が公務外で起こした事件・事故等の被害者に対する補償につきましては、平成8年のSACO最終報告によって慰謝料や見舞金の支払い手続、前払いの請求、無利子融資制度等に関する日米地位協定の運用の見直しが示され、一定の前進が図られたものと考えています。
しかし、この日米地位協定の運用の見直しにおいても、被害者に対する日米両政府による支払いについて法的義務として認めたものではなく、「支払いを行うよう努力する。」ことにとどまっております。
また、同様に、前払いの請求手続や被害者に対する無利子融資制度についても法的制度として確立したものではありません。したがって、県としては、米軍人等により被害を受けた者の迅速かつ十分な補償を図るためには、国内法の整備を含め日米両政府の法的責任で被害者の損害を迅速に補てんする制度を設け、被害者の補償を受ける権利を法律上明確に規定する必要があると考えており、そのような観点から昨年8月、日米両政府に対し「日米地位協定の見直しに関する要請」を行ったところであります。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 知事の政治姿勢についての中の、テロ事件の影響として国際会議や修学旅行等でキャンセルが出ているようだが、沖縄観光への影響と対策はどうなっているかの御質問にお答えします。
去る9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件の影響により、世界的に航空機利用や海外旅行を手控える動きが出ており、国内においても米国を中心としたツアーの中止やキャンセルが発生しております。本県への旅行につきましても、修学旅行を中心に影響が出ており、またコンベンションに関しましても一部キャンセルが出ております。一方、海外旅行を取りやめて本県への旅行に変更するという動きも見られます。
県におきましては、観光客の皆様の不安を解消するために各都道府県教育委員会や航空会社、旅行業者等に対し、県民生活も平常どおりで、各種イベントも通常どおり各地で行われている旨を内容とした文書を発送するとともに、主要都市に職員を派遣し理解を求めたところであります。
さらに、本日、行政と観光関連団体で組織する対策会議を開催し、情報の的確な把握に努め、今後の対策を検討することになっております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 知事の政治姿勢について、3次にわたる振計で6兆円もの資金を投入しながら県経済の自立が図られなかったのはなぜかについてお答えいたします。
これまでの各種施策の推進により、自立的発展の基礎条件である社会資本は着実に整備され、今後の産業の振興につながるものと考えております。しかしながら、本土市場との遠隔性、技術・資本蓄積の不足、企業規模の零細等本県経済の条件に加え、2度にわたるオイルショックや円高不況、近年のバブル経済崩壊等内外の厳しい経済情勢の変化により企業誘致が期待どおり進展しなかったことなどが大きく影響し、民間主導による自立型経済の構築に至らなかったものと考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢について、「西太平洋島嶼貿易圏の形成」の提言について国に積極的に要望してみてはどうかにお答えいたします。
島嶼県である本県の自立的発展を図るためには、本県独自の大胆な制度の導入やアジア・太平洋交流・協力拠点の形成に向けた経済・学術・文化等の分野における多様な交流を推進することが重要です。
内閣府が示した新法骨子案には、このような県の考え方を踏まえ、特別自由貿易地域制度の拡充など産業振興のための特別措置や国際協力及び国際交流の推進のための措置等が盛り込まれております。
マリアナ諸島やパラオ諸島など西太平洋島嶼地域を含む貿易圏の構想については、経済構造等の違いなどから制度的な手当てだけでは厳しい面もあり、また経済交流の実績も乏しい状況にあることから、民間企業レベルでの交流の積み重ねやニーズなど実態に即した検討が必要だと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス問題についての御質問のうち、バスの健全化についての御質問にお答えをいたします。
乗り合いバス事業につきましては、需給調整規制を廃止し競争を促進するとともに、利便性が高く安全で安心なサービスの提供を図り、事業の活性化と発展を図る目的で道路運送法が一部改正され平成14年2月から施行されます。
バス統合については、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題でありますが、今後、新しい制度により経営環境の変化が予想されることやバス事業の公共性を踏まえ、県といたしましても国やバス4社の代表者と意見交換等を重ねてきたところであります。県としては、今後とも当事者の真剣な協議を十分に確認をしていきながら国と密接な連携を図り、総合的な観点から対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、「バス統合に関する可能性調査室」の報告書に基づきました170億円の公的財政支援を中心とした統合案のその後の状況と、それから新しい動きにつきまして一括してお答えをいたします。
バス統合につきましては、さきに平成12年10月に「バス統合に関する可能性調査室」による報告書があります。それを受けて現在、バス4社は新会社設立準備委員会の設立に向けて調整がなされており、その中で具体的な事業計画を見直すため東京の監査法人に調査を依頼し新たな統合案を模索していると聞いております。
バス統合の課題は、各社の債務の処理、統合に伴う余剰人員対策及び労使協調による問題解決等のほか、乗り合い部門を統合する新しい会社が健全経営できる事業計画の立案が課題であると考えております。
以上です。
○土木建築部長(屋比久孟尚) バス問題について、モノレール開業2年前にバス路線再編案が出ることになっているが、その進捗状況はどうかについてお答えいたします。
バス路線再編については、平成6年1月26日に沖縄県、那覇市、バス事業4社で締結された協定書により、モノレール開業2年前を目途に実施案を策定することが合意されております。
このバス協定の締結を受けて、平成11年3月には「沖縄都市モノレール・バス路線再編実施案検討委員会」を設置し、これまで沖縄県の交通の現状、バス路線再編の基本的考え方等について審議が行われてきております。平成13年度には各駅におけるバスとの交通結節を踏まえた系統別のバス路線再編等について審議するとともに、県民の意見を集約しながら実施案を策定することとしております。
次に、モノレール開業後のバス事業への影響をどのように予測しているか、その補償問題へはどのように対処するのか、モノレール開業に伴う余剰労働者対策は今から進めていかなければ間に合わない、県の対策は万全か、一括してお答えいたします。
バス路線再編に伴うバス事業者への影響措置は、バス事業者との協定書に基づき実施することとしております。その影響措置内容は、バス事業の運営に著しい減益が生じた場合の減益措置、余剰人員対策及び余剰車両・余剰施設対策となっております。
当該バス事業への影響措置については、バス路線再編の状況を踏まえながら関係行政機関、学識経験者及びバス事業者等から成る検討委員会を設置して検討することとしております。中でも、バス路線再編により生じることが予想されるバス事業の余剰人員対策は、県としても重要な課題であると認識しております。
当該余剰人員対策としては、モノレール株式会社を含めた企業等への雇用あっせんに努めるとともに、各種雇用支援制度の活用及び再就職に向けた職業訓練の実施等県としてもバス事業の余剰人員対策に最善の努力を払っていく所存であります。
同じくバス問題についてのモノレール延伸問題はどうなったかについてお答えいたします。
沖縄都市モノレ-ルは、採算性の確保を勘案しつつ早期実現が可能な区間及び交通網の再整備が緊急に必要な区域など総合的な観点から事業化を図っており、現在、那覇空港から首里駅までの13.1キロメ-トルで整備を推進し、平成15年末の開業に向け順調に進捗しております。
石嶺自治会や那覇市議会議長などから要請のあります石嶺地区への延伸につきましては、首里駅以北の沿線の開発計画、都市計画道路の決定状況、当該地域の区画整理事業の状況、市道石嶺線街路事業の進捗状況及び事業費の確保など多くの課題があります。
さらに、現在整備中の区間を延伸するに当たっては、中部地域を含めて広域的な事業区間を検討することが必要であり、モノレ-ル開業後の需要動向や中南部圏域の地域形成の方向など多角的、長期的な視点から検討していくべき課題であると考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 3の尖閣諸島油田の日中共同開発について、(1)、「尖閣油田の民間による日中共同開発に関する陳情」の採択を受けて努力をすべきと思うがどうか、(2)の情報収集を含めて取り組みの進捗状況について、(3)、中国側が日本とではなく琉球との共同開発を望んでいるとの情報があるがどうかという御質問に、関連しますので一括してお答えをいたします。
県としましては、尖閣諸島周辺海域の鉱物資源の重要性については十分認識しており、関係省庁等からの情報収集に努めているところでありますが、新聞報道によれば鹿児島近海における中国調査船の調査活動が行われていることは承知をしております。しかしながら、現段階では鉱業権設定の許可を行うと外国との間で紛争等が生じるおそれがある海域の区域における出願につきましては慎重な対応が求められているところであり、本件につきましても事態の推移を見守る必要があると考えております。
なお、県としましては、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」の中で、「可燃性天然ガス等の地下資源については、本県の産業振興に寄与する方向で調査及び開発を促進する。」と位置づけております。
以上であります。
○平良 長政 答弁漏れというのか、少しはっきりしてないのがありますので、3点、まずそれからやりたいと思います。
テロに関してですが、武力による報復は新たな報復テロを生むだけであり、別の手段によって解決すべきだと思うがどうかについて答弁がありませんでしたのでお願いします。
それからバスの関係で、新しい動きが出ているがどこまで進んでいますかの後ですね、課題と問題点は何ですかというところは、新しい動きの課題と問題点なので、全体の意味ではありませんので、それのお答えを願いたいと思います。
それから油田開発の件で(3)番目の、中国側が日本ではなくて琉球と共同開発を望んでいるということに関して調査確認すべきだということで一括しての答弁なので、それもはっきりしていませんので、これも改めてお聞きしたいと思います。
再質問です。
損害賠償の件は、県も法律の制定の必要性はあるようですので、ぜひ国に働きかけてその法律の制定をお願いして、これは要望しておきたいと思います。
振興策についてですが、実はこれは琉球新報「21世紀 沖縄のかたち 見えてきた新法」という連載があって、その中で内閣府の幹部がということで紹介があります。
知事が魚ではなくて釣り具をとあちこちで要望しているのをこういう言い方をしているんですね。「釣りざおといってもいろいろな種類がある。川釣りがしたいのか、いそ釣りか、トローリングなのか。川釣りにトローリング用のさおと針では魚は釣れない」とかですね。
あと、「もらった釣り具で、どこで何を釣るのか」という本当にばかにしたというのか、やゆしている、こういうことは本当に許せないと思います。やはりしっかりした釣り具を私たちはこのポスト3次振計ですね、新しい振興策の中でしっかりとらないといけない。12月までぜひ頑張ってほしいと思いますし、今のやり方では少し難しいというのか、やはり難しい問題については県民運動というのか、やはりしっかりやらないと10年に一遍の振興策、法律もありますので、しっかりやってほしいというふうに思いますし、松島氏のこの提言の中で、私たちは今、部長答弁にありましたが、もちろん今すぐできる話ではありませんが、その精神というのをしっかりとってフリーゾーン問題や、あるいは生産と消費を結びつけるというのか、注文生産みたいなものですよね。どういうのをつくってくれと、そしてそれは我々が売るからという、そういうものをぜひ御検討を願いたいというふうに思います。
バス問題ですが、僕は去年の2月からですから連続7回ぐらいバス問題をずっとやっていますけれども、ほとんど恐らく前の答弁をそのままという形でもう答弁に聞き飽きたというのか、県のやる気のなさにうんざりしているというのが今の実感です。4社は結局つぶれればいいんでしょうか。4社のつぶれるのを待つということなのか。つぶれたら恐らくまた新たなヤマトの企業が入ってくるでしょう。参入も自由ですからね。本当にそういうことでいいのか。
そしてつぶれたら、結局もう6カ月前に事前に通告すれば廃止することができるわけですから、そうなると村営バスをつくってというのか、バスを買って運転手を雇って、そうせざるを得ない。そういうことで本当に学生やお年寄り、通勤・通学ができない。車を持っていない人が本当に困るというそういう状況を見て、それでも県は動こうとしないですね。本当に公共交通の役割というのをわからない。社会認識もないという本当に残念でなりません。
そういうことで本当にやる気を出して、その統合の中で力がついて赤字路線もそこでやっていくことができるわけですから、再度答弁を求めて、やる気のある答弁を求めていきたいというふうに思います。
最後に、油田の関係ではやはり今はテロもあるし、そういう国際的な問題はさわれないと思いますが、いずれにしても調査をきちっとする中で再度次の機会にしっかりその問題をやっていきたいというふうに思います。
○副知事(牧野浩隆) ちょっと休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時43分休憩
午後1時46分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 私の回答の中で明確に答えてないというテロに対する政治姿勢についての御意見がございましたけれども、私のメッセージとしてお答えの中でもう一度読み上げます。
このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていくことが必要であると考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
新しい動きが出ており、その課題と問題点ということでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、東京の監査法人に調査を依頼いたしまして新たな統合案を模索しているということで御答弁申し上げましたが、監査法人の調査内容でございますが、調査内容は財務状況の調査について「バス統合に関する可能性調査室」によります報告書をベースにいたしまして時点修正を行い、また資産につきましては路線価格及び使用可能年月で算定をし直した結果、ほぼ「バス統合に関する可能性調査室」による報告書の数字に近いものとなっていると聞いております。
監査法人は統合案といたしまして、新会社が営業権を旧会社より買い取ること、新会社が旧会社より引き継ぐ資産を買い取ること、新会社は同額を融資で対応することとし、旧会社はその原資をもとに事業を整理することとの案が示されているとのことであります。
また、監査法人の案によりますと、新会社設立によりまして一たん解雇する従業員退職金につきましては、営業権の売却と金融機関からの協力を前提に新会社が旧会社より引き継ぐ資産売却で処理したとしてもまだ不足額が生じており、その対策が今後の課題として残っているというふうに聞いております。
県といたしましては、このバス統合につきましては基本的には当事者が主体的に取り組むべき課題だと認識をしております。しかしながらバスの公共性ということを考えまして、県といたしましても今後、当事者の真剣な協議を今後の動きを十分確認しながらなお一層国と密接な連携を図り、総合的な観点から対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○商工労働部長(花城順孝) 中国側が琉球との共同開発を望んでいるとの情報につきましては、国等に確認したところでもそのような情報はまだ確認されていないと聞いております。
しかしながら、本件につきましては引き続き情報の確認、情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
○新川 秀清 通告に従いまして一般質問をさせていただきたいと思います。
去る9月11日に同時多発テロ事件が発生いたしまして、先ほどからお話もありますように、80カ国に及ぶ国の人々を巻き込んだ多くの犠牲が出ました。まず、犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、地球上からこのような無差別の殺人テロや戦争という悲惨な状態がなくなることを切に願うものであります。そういったことでこれからの質問とも関連をするわけでありますが、知事の御答弁をいただきたいと思っております。
まず、知事の政治姿勢について、通告いたしてありますように同時多発テロ事件と基地の返還・整理縮小への影響についてであります。
これまで沖縄の基地につきましては、半島、あるいは中国との関係、そのほか東南アジアの国々との関係において沖縄の基地の重要性が強調されてまいりました。そういったことを考えますときに、今回の同時多発テロ事件というのが今まで進めてきた沖縄の基地の返還・整理縮小、こういったことに大きく影響を与えるのではないかと、こういうふうに考えているわけであります。そういうことで今回の事件とこれからの基地の整理縮小に対する知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
(2)点目に、地位協定の見直しについてでありますが、御案内のように本議会におきましても全会一致での決議が採択されました。さらにこれは海兵隊の兵力削減を含めた縮小ということとも相関連するわけでありますが、県民の総意というふうに言えるんでありますが、こういったことを受けてこれまで知事は国に対してその都度要請をしていくということをおっしゃられたわけであります。そしてまた、さきに訪米をされた折にも米国に対してそのことを訴えてこられたということを言われました。
しかしながら、報道などを見ておりますと、米国においても政権がかわり、そして我が国においても森内閣から小泉内閣にかわりました。特にそういった中で米国とのトップ会談も行われているわけでありますが、どうもそういった中で私たち県民の総意であるこの地位協定の見直しということについて運用の改善というふうなことに変わってきている、こういう感じを受けるわけであります。
そういうことでもういろいろなことを申し上げるまでもなく、今後の沖縄の抱えている諸問題を考えますときに、どうしてもこの地位協定の見直しというのは避けて通れない大きな課題の一つであります。そういうことでこれまでの経過と、それから知事の今後の取り組みについてお伺いをいたしておきたいと思います。
(3)点目、その他の基地問題についてでありますが、これまで事件や事故が起こりますたびに綱紀粛正、あるいは兵員の教育ということが言われてまいりました。またつい最近におきましては、ワーキングチームを立ち上げて事故を防止するように努めていきたいというふうなことも伺ってまいりました。その後の具体的な取り組みについてお伺いをしておきたいと思います。
次に、基地内基幹道路の開放──共同使用も含めてでありますが──これも基地所在市町村から軍転協において再三要望として出されている事項があります。1つには、沖縄市の第2ゲートから第1ゲート、さらに第3から第5ゲートに通ずる道路の共同使用でありますし、さらに中部市町村会から出されておりますところの石平から国道58号に通ずる道路の共同使用であります。さらに北中城村の役場に通ずる道路についても軍転協の中で再三これが取り上げられてきていたと思います。そのことについての交渉の経過と進捗状況についてお伺いをいたしたいと思います。
次に、緊急車両の基地内通過についてであります。
軍特委員会の中でもこれまで公室長からも再三そのことについての説明を受けてまいりました。その後、市町村との協定がどういうふうになっておりますか。
また、これはただいま申し上げました基地内基幹道路の開放とも相まって、こういったことを着実に進める中でこういった開放に結びつけることが可能だというふうな御説明もあったように思っておりますが、その後どういうふうになっておりますか、お伺いいたします。
次に、平和賞の創設についてであります。
この件につきましては私は6月議会の代表質問の中でも触れておきました。
ついせんだって、これは9月20日の新聞でありますが、沖縄平和賞についての答申が検討委員会から出されたということであります。この記事によりますと、知事は、委員の真剣な討議に加えてシンポジウムなどを開いて広く県民の意見を取り上げ、これは県民の総意であるというふうにとらえることができるというふうにおっしゃったということであります。
しかしながら、この平和賞というものは非常に難しい課題を抱えている賞だと思っております。
ついせんだっての新聞記事に、かつて日本の総理を経験された方に対するノーベル平和賞、これについていろんな疑問が出されたという記事が出ておりました。また私のところに、ある離島の首長を経験された大変すばらしい方でありますが、お手紙をいただきました。その方が宇宙よりも重いこの平和について、今沖縄の中で賞をつくるということがどういう意味を持つのかということを投げかけているわけであります。そしてその中に資料としてこれも添付されているんでありますが、今までノーベル賞という世界的に権威ある賞の中で一番大きく評価の分かれるのが平和賞であると。
ただいま申し上げました日本の総理を経験されたこの方の場合もいろんな評価があるようでありますが、またアメリカにおける──もうお名前を申し上げませんけれども──この著名な方に対する平和賞についてもいろんな議論が出ていると。
こういうことからすると、今の沖縄の現状の中においてこういう賞をつくるということは非常に疑問が残ると。しかもこれを行政の中に抱え込むことが行く行く大きな荷物を背負うことになるんではないかということをおっしゃっているわけであります。
そのようなこともありまして、私は沖縄から平和を発信するというんであれば、この構想の中にもあるわけでありますけれども、本当に小さな暴力から戦争に至るそういったものを否定をする。こういう立場に立って考えますときに、今私たちがやるべきことは県民に向かってくるところのこの基地の存在、そしてそこから起こってくるさまざまな事件・事故、こういったものをなくする努力を重ねていって、東南アジアの国々と、あるいは長い交流・交易の歴史のある中国、こういったところとの交流を積み重ねていく。そして沖縄の基地の不安をなくしていくという努力の上に立ってこそ本当の意味の平和賞の価値が出てくるんじゃないのか、こういうふうに思っているわけであります。
そういうことで、いま一度通告してあります3点について知事のお考えを伺っておきたいと思います。
(1)つ目に、平和に対する知事の理念と憲法の平和主義についてであります。
(2)点目に、公平性、中立性をどう確保するか。これは答申の中でも言われているようでありますけれども、このことも非常に至難なことだと思っております。そういうことについてどのように確保されようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
(3)点目に、基地容認と新たな基地の建設はアジア・太平洋地域における平和・非暴力実現に矛盾する。県民の合意形成は不可能ではないかということの3点であります。
それから、次の質問に入ります前に、議長、ちょっと休憩していただけますか。(資料を提示)
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時1分休憩
午後2時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○新川 秀清 それじゃ次に、比謝川水系の河川整備についてお伺いいたしたいと思いますが、去る台風16号で沖縄市を初め多くの被害が出たことにつきましては御案内のとおりであります。
これにつきましては、県の御配慮で災害救助法の適用がなされましたこと、それからその水害が起こりました翌日日曜日、8日でありますが、私は早い時間にその現場を見てきました。そういった中でぜひ県の土木の方々にも現場を見ておいていただきたいと、こういうことで中部土木事務所に電話をいたしました。日曜日でありましたけれども対応していただきまして、そしてもう既にそういった被害の出ている地域に職員が出向いているというふうな大変素早い対応をしていただいているということを伺いまして、そのことについてはその御苦労に感謝をしたいというふうに思います。
そこで、ただいま知事に私がその地域から託されました写真をお見せしているわけでありますが、このように沖縄環状線が全くこの写真にありますような状態になりました。それから安慶田・照屋地域、ここも繰り返し被害が出た箇所でありますが、そういったところの床上、そして床下、さらに家財等に対する被害もこれまでなかった状況であります。
そういうようなことで私はすべてとは申し上げませんけれども、この繰り返される水害の原因というのが比謝川河川にあるということで、ぜひこの整備についてこれまでの経過とこれからの取り組みについてお伺いをしておきたいと思います。
もちろん用地の交渉、あるいは県下でも最も長い河川でありますから、これが一挙にできるというふうなことは難しいわけでありますけれども、ぜひ年次的に河川の整備をしていただいて水害をなくする努力をお願いをしておきたいというふうに思っているところであります。
そして国道330号のボックスの改修についてもこれまた沖縄市や議会からも再三要望が出ているところでございますので、そのことについての取り組みをお聞きをしておきたいと思います。
次に、農林水産業についてであります。
狂牛病対策について。
もうこれも経済労働委員会の中でお伺いをしてまいりました。また、農林水産省の対応のまずさが今日のような大変混乱を引き起こしているということも事実であります。そういったことでこれについての県の対応をお伺いをしておきたいと思います。
いろいろ資料も調べているわけでありますが、何と申しましてもこれまでの対応のまずさが今日の混乱を引き起こしているということは間違いないわけでありますから、そのことについてお伺いをしておきたいと思います。
松くい虫対策についてもお伺いをしておきたいと思います。
大変至難なことだと思うんでありますが、県木であるリュウキュウマツの防除の対策を今後どのようにしていかれるか、お伺いをします。
台風被害については飛ばしたいと思います。
こどもの国とこども未来館に対する支援につきましては、こどもの国についてこれまで特段の御配慮もいただいているわけでありますが、大変その運営に苦慮しているこどもの国に対する今後の支援策と、さらに子供たちの夢をはぐくむこの未来館に対する支援についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、治安対策についてであります。
同時多発テロ事件と治安維持については、これまで本部長からの御答弁もあったわけでありますが、今沖縄の県警の方、大変外人に関する事件等含めて御苦労されていると思うんでありますが、特に基地の所在する市町村における交番所の設置とそれから人員の配置についてどうなっているか、お伺いをいたします。
せんだって知事は、これを警察庁や公安委員会にも要請をしているというふうな御答弁があったわけでありますが、特に5万人にも及ぶ米軍人・軍属がおりますこの沖縄において、その関係の事件もこれは大変なものがあるわけでありまして、そういったことが十分加味された人員配置になっているかどうかということをお伺いをしておきたいと思います。
さらに、美浜地域における交番所の設置についてはいろんな取り組みがあるようでありますけれども、地域の不安を解消する、そして地域の安全を確保するためにぜひ全力を挙げて取り組みをしていただきたいと思うんでありますが、その状況についてお聞かせをいただきたいと思います。さらに、同地域における事件防止の具体策についてもお伺いをしておきたいと思います。
それから7番目に、介護保険財政と今後の対策についてであります。
いよいよ10月から保険料の全額徴収が始まりました。そういった中で、低所得者層の多い本県においてこれまでこの制度についてはいろんな混乱もあったかと思うんでありますが、中央紙の調査などを見ますとかなりの市町村において減額などの措置がとられる状況にあるということを報じておるわけであります。
本県におけるこれからの見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
我が会派の代表質問との関連で1点だけお聞かせをいただきたいと思います。けさも出ておったわけでありますが、この15年期限についてであります。
私は、これまでいろんな状況を考えますときに、もうとても越えることのできないハードルができてしまったというふうに思っております。そういうようなことで知事は繰り返しそのことについては努力をするということをおっしゃっているわけでありますし、それから先ほど知事公室長は着々と努力をしているということを御答弁の中でおっしゃっておったんでありますけれども、どうも6月からの知事の御答弁を聞いておりますと全く同じことの繰り返しであります。これはもう議事録を見ても明らかでありまして、そういったことで着々と進んでいない、こういうふうに思うわけであります。
そういうことでいま一度この15年使用期限問題についてお聞かせをいただきたいと思います。
以上で質問を終わらせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 新川秀清議員の御質問にお答えいたします。
最初は知事の政治姿勢について、同時多発テロ事件と基地の返還・整理縮小への影響について聞きたいにお答えいたします。
今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じています。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、決して許すことはできません。
SACO合意は、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため11施設の返還等を日米両政府が合意したものであり、今回のテロ事件によってSACO合意の実施が影響を受けることはないものと考えております。
次に、知事の政治姿勢についてのうち、地位協定について政府は運用改善で対応することとしているが、県議会で見直し決議していることも踏まえて聞きたいという御質問にお答えします。
県は、昨年8月、日米両政府に対し日米地位協定の見直しに関する要請を行ったのを初め、これまで機会あるごとに日米地位協定の見直しの必要性を強く訴えてきたところであります。
このような状況の中、去る6月北谷町で発生した事件を契機に日米地位協定の見直し問題が大きくクローズアップされ、7月の衆議院外務委員会において「日米地位協定の見直しに関する件」が決議されました。また、全国知事会において、平成14年度の国に対する要望の中で日米地位協定の見直しが取り上げられるなど従来にない動きが出てきており、県の要請がその実現に向けて一歩ずつ前進しているものと認識しております。
一方、政府は、日米地位協定については運用の改善を進め、これが十分効果的でない場合には地位協定の改正も視野に入れていくとしております。県としては、米軍基地から派生する事件・事故や環境問題など、県民の生命財産を守るためには日米地位協定の抜本的な見直しは不可欠であり、今後とも政府において日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただけるようあらゆる機会をとらえて要請していきたいと考えております。
次に、沖縄平和賞の創設について、平和に対する知事の理念と憲法の平和主義についての御質問にお答えいたします。
日本国憲法の平和主義は、国民主権及び基本的人権の尊重とともに憲法の基本原理として我が国の平和と安定に大きな役割を果たしてきました。
私は、これまで世界数十カ国の国々を実際に見てきており、今もなお紛争が絶えない地域や貧困、難民、環境問題など数多くの要因によって命を落としていく人々がいる現実を厳しく受けとめております。こうした人間の生命や基本的権利を脅かす課題を解決し恒久平和を実現するためには、世界の人々が相互理解に努め一層協調していかなければなりません。
沖縄県民は、悲惨な戦争体験や戦後の米軍施政下の歴史を通して平和と人権のとうとさを肌身で感じており、この事実と教訓を正しく継承するとともに、恒久平和の創造に努めることは私たちの責務であります。
以上のことから、沖縄平和賞を創設するなどして恒久平和の創造に貢献していきたいと考えております。
次に、同じく平和賞で、公平性、中立性をどう確保するのかについてお答えします。
現在策定中の基本構想は、これまでシンポジウムや地域説明会の開催、アンケート調査の実施など多くの機会を通して広く県民の意見を聞き、そうした声も踏まえて取りまとめているもので、去る9月20日に検討委員会から検討の結果を基本構想案という形で御報告いただいたところです。
基本構想案では、中立性、公平性を確保するために「運営母体の市民・民間団体を中心とする広範な参画の確保」、「運営母体とは独立した選考委員会の設置」及び「選考委員としての県の関与の回避」がうたわれております。県としては、基本構想のこうした考え方に沿って中立性、公平性の確保に努めてまいります。
次に、同じく平和賞について、基地の容認はアジア・太平洋地域などの平和・非暴力実現に矛盾すると、県民の合意形成は不可能ではないかについてお答えいたします。
本県に所在する米軍基地は、日米安保体制を維持する上で重要な役割を果たし、我が国の安全及び極東における平和と安全の維持に寄与しているものと理解しています。
しかしながら、本県には広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、県民は米軍基地の整理縮小を強く望んでおります。県としては、基地の過重負担の軽減を図るため、整理縮小を初めとする本県の基地問題の解決を一つ一つ着実に実施してまいります。
一方、現在策定中の沖縄平和賞基本構想においては、沖縄の平和がアジア・太平洋地域の安定・平和と密接に関係することから、当該地域の緊張緩和・安定・非暴力に貢献した者を顕彰することとしております。このような活動を促進することによってアジア・太平洋地域での紛争等が抑制できれば沖縄における米軍基地の存在意義も薄れ、基地の整理縮小につながるものと考えます。
次に、農林水産業について、松くい虫の被害が蔓延しているが、抜本的な対策は何かについてお答えをいたします。
リュウキュウマツは、沖縄らしい景観を形成するとともに貴重な木材資源であります。
県においては、県木であるリュウキュウマツを松くい虫被害から守るため、これまで防除対策を講じてきました。しかしながら、現在でも中北部を中心に被害が蔓延している状況にあります。
その主な要因は、自主防除が基本となっている私有林等「その他松林」の防除が十分ではなかったことによるものであります。このため市町村を初め関係機関と連携し、私有林等「その他松林」の防除対策を強化する考えであります。
県としましては、県木であるリュウキュウマツを保全するための条例の制定と予算の確保に努める考えであります。さらに、松くい虫の根絶を図るため平成14年度から5カ年計画で県民参加の「松くい虫ゼロ大作戦」を実施してまいります。
続きまして、我が会派の代表質問との関連について、15年使用期限について県としてはどのように対処するかについてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 新川秀清議員の知事の政治姿勢についての質問事項に順次お答えをいたします。
まず、米軍人等による事件・事故防止について、具体的な取り組み状況についてお答えをいたします。
米軍人等による事件・事故防止について現在実施されている具体的な取り組みといたしましては、米軍による基地ゲートにおける泥酔者のチェックや、沖縄市、宜野湾市及び北谷町における生活指導巡回があり、また県警による基地周辺地域における夜間パトロールの強化や移動交番の設置、米海兵隊教育プログラムにおける新兵に対する風営法及び道路交通法に関する講習などがあります。
県は、北谷町から警察官による夜間パトロールの強化や新たな交番の設置に関する要望を受け、去る9月5日及び6日に国家公安委員会委員長、警察庁長官を初め関係大臣に対し本県の警察官の増員要請を行ったところであり、今後とも実効性ある再発防止に取り組んでいきたいと考えております。
次に、基地内道路の一般車両の通行について取り組みの状況を聞きたいという御質問にお答えいたします。
軍転協においては、一般車両の基地内通行の実現に向けて、去る8月27日に県内の関係機関に、また同28日及び29日には総理大臣を初め在京の関係機関に対しその実現方を要請したところであります。
しかしながら、一般車両の基地内通行については、基地内を通行する際の米軍施設・区域の管理・運用上の問題点など、緊急車両の基地内通行に比べクリアすべき問題が多いと考えております。県としては、基地周辺地域の生活の利便性の向上や経済活動の円滑化を推進する観点から、一つ一つ問題点を検討・整理し、日米両政府に対しその実現を働きかけていきたいと考えております。
次に、緊急車両の基地内通行について、市町村の協定の締結状況はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
緊急車両の基地内通行については、4月17日に浦添市長と在沖海兵隊基地司令官との間で牧港補給地区内の通行に関する現地実施協定が締結されたのに続き、7月13日にトリイ通信施設に関し読谷村長と第10地域支援群司令官との間で、また7月26日にホワイト・ビーチ地区に関し与勝事務組合消防本部長と在沖米艦隊活動司令部司令官との間でそれぞれ協定が締結されております。
それ以外の市町村等では、那覇市、宜野湾市、名護市、嘉手納町、北谷町、中城北中城消防組合、国頭地区消防組合が現地実施協定の締結に向け手続を行っているところであります。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 比謝川水系の河川整備について、比謝川の拡張工事についてどうなっているかについてお答え申し上げます。
比謝川の改修につきましては、現在、第9次治水事業7カ年計画に基づき中流部の与那原川との合流点付近から最上流部の国道330号暗渠までの約5.9キロメートルについて鋭意整備を進めているところであります。
しかしながら、今回被害のあった地区には未改修部分もあり通水断面が確保されてないため、今回の台風16号による時間最大雨量101ミリメートルという異常降雨によってはんらんし、被害が発生しております。
県では現在、この未改修区間の整備に取り組んでいるところであり、知花橋下流のアカギ群落のある区間については鋭意用地取得と護岸整備等を、福地橋下流の軍用地内については用地取得を進めているところであり、関係機関と調整を図りながら早期整備を図る考えであります。
また、知花橋下流の堆積土砂等については既に撤去作業に着手しており、早期に完了したいと考えております。県としましては、比謝川流域の浸水被害を解消するため地元沖縄市や地域の協力を得て用地取得を図り、早期整備に取り組んでいく考えであります。
同じく国道330号暗渠の改修計画についてお答えいたします。
国道330号暗渠の改修につきましては、国道管理者と県で連携して整備することにしており、平成13年度には国道管理者において実施設計を行う予定であります。
また、国道暗渠の下流側約300メートル区間についても通水断面が確保されてないことから、水辺プラザとして県の河川改修事業と沖縄市の公園事業が連携して整備することにしております。県は平成13年度から、市は平成14年度から用地買収に着手する予定であり、国道暗渠の改築に早期に着手するため国道側から用地買収を行うこととしております。
県としましては、当該地域の浸水被害を解消するため国道管理者や沖縄市と連携を図るとともに、地権者や地域の協力を得て用地取得に取り組み、できるだけ早期に国道暗渠及び水辺プラザの整備を図りたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農林水産業について、狂牛病対策についてお答えいたします。
牛海綿状脳症、いわゆるBSEについては今年9月12日に千葉県で発生が確認されております。
県におきましては、本県の乳用牛、肉用牛の清浄性を確認するため9月の13日から30日までに肉骨粉を含む飼料の牛への給与状況、千葉県や北海道からの牛の導入状況、BSE臨床症状などについて実態調査を実施したところであります。その結果、これまでのところ疑いのある肉骨粉飼料の牛への給与は行われておりません。また、千葉県など発生農場からの牛の導入事例やBSEを疑うような症状の牛は確認されておりません。
県としましては、今後とも県内へのBSEなどの家畜法定伝染病の侵入を防止するため関係農家と連携をして防疫体制を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 沖縄こどもの国とこども未来館に対する支援策についてお答えいたします。
沖縄こどもの国は、県内唯一の大型動物等を飼育・観覧できる施設で、子供たちの夢をはぐくみ、知識と情操を豊かにし、児童の健全育成に大きく寄与していると考えております。
県は、当財団の自己財源だけでは健全な運営確保が困難であることから、設立以来、本年度分も含めて総額約10億3000万円を補助してきております。
また、沖縄市の「沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業」等により総額約70億円をかけて「こども未来ゾーン(仮称)整備事業」が平成11年度から18年度まで計画されており、沖縄こどもの国の再生が期待されているところです。これに伴い、新たな運営管理主体について、現在、事業主体である沖縄市の「こども未来ゾーン(仮称)運営管理主体協議会」において県も委員として参加し、今後の方針を検討しているところであります。
県といたしましては、中核施設であるこども未来館への財政的支援を検討すると回答した経緯がありますので、沖縄市や沖縄こどもの国の動向等も踏まえ、今後の支援について引き続き検討していきたいと考えております。
続きまして、介護保険財政と今後の対策についてということで、介護保険は課題も多く来月から保険料も全額徴収となるが、どのように指導していくのか、また今後の高齢者の対策はどのように考えているのかという御質問にお答えいたします。
第1号被保険者の保険料は、国の特別対策により平成12年4月から9月までの半年間は徴収せず、平成12年10月から平成13年9月までは本来額の半額を徴収してまいりました。本年10月からは本来額の徴収が始まることから、各市町村において地域ごとの説明会を開催するなどの広報活動が行われています。また、県も市町村と負担金を出し合い、介護保険広報共同事業としてテレビ、ラジオ、新聞等を利用した広報活動を行い、制度の周知を図っております。
なお、今後の高齢者の対策といたしましては、健康づくりや生きがいづくりを積極的に進めるとともに、高齢者が介護に陥らないように予防する介護予防・生活支援事業等を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○警察本部長(太田裕之) まず、米軍基地を抱えているという特殊事情に配慮して交番が設置されているか、人員もそれらを加味して配置されているのかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
交番の設置につきましては、それぞれの地域環境や取り扱う警察事象も異なりますことから、画一的基準で判断するのではなく、さまざまな要素を加味して判断しているところであります。
一般的に申し上げますと、当該地域における治安の確保と住民保護の見地から隣接する交番との距離や負担状況、受け持ち面積、人口や世帯数、事件・事故の発生状況はどうかなどにつきまして、治安情勢を総合的に判断して設置をしております。このような判断基準のもとに、現在設置されている交番においても管轄区域に米軍基地を抱えているとか、基地に付随して飲食店街が所在するかなどが考慮されております。
また、人員の配置につきましても、警察官の絶対数が不足している現状から十分とはいえないまでも、それらを考慮した配置を行っているところであります。
なお、現在、警察庁に対し、米軍構成員等の数を警察官1人当たりの負担人口として算出し、また米軍構成員等の動態に見合った警察官の必要性など、本県の特殊事情を加味した警察官の増員を要請しているところであり、県議会議員各位の皆様にも御支援と御協力をよろしくお願い申し上げます。
次に、北谷町美浜地域における交番設置についての取り組みについてお答えいたします。
この件につきましては、地元北谷町長から平成11年と平成13年7月に地元警察署長に対し交番の設置の要請があったところであります。
美浜地区の特徴といたしまして、週末及び夜間に人出が多く、事件・事故の発生も週末、夜間がほとんどという実態から、米兵による婦女暴行事件が発生した6月下旬以降、週末、夜間における事件・事故の防止対策として美浜地区の中心部の一角に警察車両を配置し、移動交番所として設置いたしました。専従の警察官による警戒活動を強化しているところであります。
当面は、現在の警戒態勢を維持しつつ、北谷町が美浜地区に建設を予定している施設の一部を警察官立ち寄り所として確保し、夜間及び週末警戒の拠点とするとともに、本部執行隊の分駐所としても活用できるような施設とする方向で調整中であり、早ければ新年度には設置することが可能と考えております。なお、警察官立ち寄り所から交番への切りかえにつきましては、警察官立ち寄り所の運用効果や他の多くの地域からの交番設置要請なども含めた優先順位及び要員確保の問題等総合的観点から検討をしているところであります。
なお、さきにもお答え申し上げましたとおり、警察各般の業務が増加している中で増員がなければ交番の設置は現実の問題として非常に厳しい状況にありますことから、国など関係機関に増員をお願いしているところであります。
次に、北谷町美浜における事件防止の具体策についてお答えします。
美浜地区におきましては、事件発生以来、今日に至るまで移動交番所を設置し事件・事故の防止に努めております。
御案内のとおり、県内における犯罪情勢は厳しく、第一線の現場ではより多くの警察官を必要としておりますが、美浜の事件を重く受けとめ、他警察署より優先してことしの8月末に地元沖縄警察署員を増員し警戒態勢を強化いたしました。
また、警察本部自動車警ら隊、機動捜査隊などの連携を密にし事件・事故の未然防止を図っております。
さらに、米軍人の事件・事故防止対策として、着任間もない沖縄になれていない米兵に対し、道路交通法や飲酒に関する法律の解説を中心とした講習会を定期的に実施しております。
そのほか、美浜地区を安全で安心な地域にするために地域住民の協力が不可欠であることから、地元警察署では地区防犯協会や北谷町、その他地域の事業所や関係機関などと連携し、8月15日、美浜アメリカンビレッジ事業所防犯連絡会を立ち上げてこの種事件の再発防止に努めており、また8月22日には地域住民が集まって北谷町西海岸地域安全パトロール会を結成し、それぞれ地域安全活動の強化を図っているところであります。
○当山 全弘 通告に従いまして一般質問を行います。
まず1番目の米中枢の同時テロ事件と沖縄について。
在沖米軍が湾岸戦争でもなかった最高レベルの警戒態勢「デルタ」に格上げされ、9月11日午後11時30分ごろから臨戦態勢に入った。全国の75%の米軍基地が集中する沖縄であるがゆえに常にねらわれているという危険性をはらみ、テロ波及のおそれが十分にあると認識しなければならない。
極東最大の嘉手納基地は厳戒態勢に入り厳しいチェックが続き、沖縄駐留の海兵隊の軍事報復への参加、嘉手納基地所属のF15戦闘機が嘉手納基地を離陸、9月17日には那覇軍港で在沖海兵隊攻撃ヘリの高速艇への搭載などに慌ただしい動きを見せております。
また、政府は、報復行動に対する自衛隊後方支援をするための新しい法律が準備されようとしております。
米国は、戦後からこれまでベトナム、湾岸、ユーゴなど各地で戦争や紛争に介入しております。アメリカを快く思わない人々が数多く存在することも認識が必要であります。それを物語るかのように、暴力でなりふり構わず破壊するテロ行為は決して容認できるものではありません。
ハイジャックされた4機が米国の経済、軍事拠点の中心である世界貿易センター及びペンタゴンに突っ込んだ無差別自爆テロは許しがたい犯行であります。テロそのものは凶悪犯罪であり、法の裁きは当然であります。また、犯人は、法と正義のもと国際法廷で裁くべきであって、武力による報復は新たな報復を生むものではないか。沖縄も危険と隣り合わせの基地があり、決して対岸の火事ではない。
次の質問をいたします。
(1)番、米国が軍事報復に出た場合、沖縄基地が出撃に使用され、攻撃の対象になるおそれはないか。
(2)番、米国が軍事報復に出た場合、一般市民を巻き込み被害を拡大し、新たな憎悪と報復を生む結果につながらないか。
(3)番、米国が軍事報復に出た場合、小泉政権の周辺事態法拡大の懸念が心配されております。そのことについてお伺いいたします。
2点目、小泉首相が報復攻撃への支持を表明したことについてお伺いいたします。
米国のテロ行為に対する報復を全面的に支持したら、テロが日本に向かってくることが予想されます。にもかかわらず、首相は9月12日、米中枢同時テロで米政府がテログループへの報復攻撃を検討していることについて、当然だとして同盟国の立場から支持する考えを表明した。米国は、これまで国内の経済的、政治的な矛盾の解消のため中東に対し戦争や紛争をやってきている。米軍基地を抱える沖縄は常にテロの目標にさらされている。報復攻撃の拠点となり、被害と加害の両方を押しつけられることにつながる。湾岸戦争が1991年1月17日に開戦し、43日間にわたって戦争が繰り広げられた。米国は、攻撃で軍事施設を攻撃するので住民には攻撃を加えていないと宣伝したが、住民が生活できないように社会基盤を徹底的に破壊した。湾岸戦争では、たくさんの子供を初め多くの住民が殺され、今もなお戦争の傷跡は消えておりません。武力行使は憎しみにしかつながらない。アメリカがどこかで軍事行動を起こす場合には、重要な拠点になるのも沖縄である。軍事拠点の中心である沖縄は最も危険な状況に置かれております。
次の質問をします。
(1)番、軍事行動に訴えるものではなく、外交的な努力を要請すべきと思いますが、所見を伺う。
(2)番、憲法9条は、戦争や武力行使の放棄を定めている。海外での武力行使は認めていないが、所見を伺う。
(3)番、テロ報復を前提にした軍事面の協力を前面に掲げた行動と思われるが、所見を伺います。
3点目、基地整理縮小に逆行する懸念について。
9月11日起きた米中枢同時テロを受け、県内の米軍基地も終日警戒態勢がとられ、米国の有事と直結した沖縄基地の位置づけを浮き彫りにした。事前に米国政府が沖縄など在日米軍基地にテロの脅威が迫っているとの警告を在日米大使館や警察庁などに伝えたことも報道されております。不測の事態に備え、全世界に出動できる部隊の設置場所として沖縄が再び照らし出される可能性が高く、県民が高く望んでいる基地の整理縮小に逆行すると懸念されております。
米軍が展開する世界じゅうの軍事施設がことごとく照準となる。サウジアラビアの米軍基地が攻撃されたこともあり、80年代には西ドイツの基地も照準となった。日本が聖域ではなく沖縄がねらわれることも想定しておく必要があります。
次の質問をします。
(1)番、テロ脅威の通報は県にあったか。どのように対応したか。
(2)点目、在沖米軍基地もテロの目標になる可能性があり、危機感と不安、緊張が基地周辺の市町村長を初め住民の間に起こっておりますが、どう認識し、またどう対処しておりますか。
(3)番、中東への報復攻撃とともに沖縄の基地整理縮小に逆行すると懸念されるが、その認識と対応についてお伺いいたします。
4点目、松くい虫根絶対策について。
松くい虫の被害状況は広がるばかりで、中北部の山林のリュウキュウマツは無残な様相を呈しております。年間3億円余りの事業費をつぎ込んでいるのに被害は増大、拡大するばかりであるという。まるで真っ赤になった枯れたリュウキュウマツを目にし、県木の行く末に危機感を抱くものです。毎年同じ光景で被害が繰り返される悪循環を断ち切る必要があります。
次の質問をします。
(1)番、2002年度から5カ年計画で根絶を目指して取り組もうとしているが、その決意と計画、そして対応について伺います。
(2)点目、全県的な取り組みが必要だと思うが、どうですか。
(3)点目、自然を大切にはぐくんだ300年前の蔡温の偉業である県木リュウキュウマツを繁茂させたいものだが、決意をお伺いいたします。
(4)点目、防除方法として被害木の伐倒焼却が主体と聞くが、もっとほかに有効な防除方法(薬剤散布など)はないのか、その対応について伺います。
(5)番、米軍基地内も同時並行に防除しなければならないが、現状と対策はどうなっていますか、お伺いいたします。
5点目、台風16号の被害状況と対策について。
熱帯低気圧に変わるはずだった台風16号は、9月7日未明、急速に発達し、急襲、停滞、Uターンを繰り返しながら約10日間沖縄に居座り、ようやく9月16日沖縄から遠ざかったが、中部(沖縄市、具志川市など)や久米島、渡名喜村、渡嘉敷村を中心に農作物に対する被害を初め床上浸水、車両水没、道路決壊、冠水が発生し、住民生活を直撃し大きな被害をもたらした。
次の質問をいたします。
(1)番については割愛いたします。
(2)番についても割愛をいたします。
(3)番、床上浸水、車両水没など甚大な被害が明らかになったが、その原因は何なのか、その対応について伺います。
(4)点目、これについても聞きましたので割愛します。
(5)点目、災害救助法の適用は一時的な救済であるという趣旨にかんがみ、災害原因を突きとめ、災害対策を急ぎ再発を防止する必要があると思うが、県知事の決意を伺いたい。
(6)点目、心配されている被災した人々の生活はどうなっているか。
(7)点目、全壊、倒壊した建物の中には文化財指定の建物はないか。もしあるとすれば補助制度はあるのか。また低利による公庫利用も可能か。
6点目、沖縄観光について。
那覇市中小ホテルの売り上げは、昨年1年間の月平均に比べて17%減少しているという。県観光は伸びているというが、業績は落ち込んでいると懸念されております。特に昨年のサミットにより好調に推移したが、前年同月比30%の減となっております。
業績不振の要因にさらに追い打ちをかけるように、9月11日にアメリカ本土で同時テロ事件が発生し、世界貿易センターと国防総省が攻撃された。米国務省は、日本と韓国の米軍施設などに対する脅威の可能性があるとの情報を発しております。米軍だけが厳戒態勢で沖縄県への情報はなかったという。米海兵隊も中東方面に向かい、嘉手納基地所属の戦闘機も中東に向かった。
基地があるゆえにテロの脅威にさらされる沖縄に頭の痛い事態が発生しております。それは観光立県をみずから提唱し観光客を伸ばしていこうと試みる県観光に、テロ後に厳戒態勢を強め慌ただしい動きを見せる在日米軍基地が集中する沖縄の現状を目の当たりにして相次ぐ観光キャンセルが続いているというが、早急に対策する必要があります。
次の質問をします。
(1)番、10月からの修学旅行シーズンが目の前に迫り、業界の危機感も大きい。沖縄の安全性の面からキャンセルが相次いでいるようだが、実情と対応について伺います。
(2)点目、9月11日の米同時テロ発生後、修学旅行など沖縄観光のキャンセルが相次いでいる。その対策について伺います。
(3)点目、今回の事態は外からの要因が大きく作用しております。効果的な対策はあるのか、所見を伺います。
(4)点目、9月11日の米中枢同時テロを受けて米国の報復への動きが高まるにつれ、県内米軍基地周辺が緊迫度を増し報復への波及を懸念し、観光バスのキャンセルが相次ぎ県民生活を直撃しているが、どのように認識し対応するのか、お伺いいたします。
7点目、県単一JA合併構想について。
今回の県単一JA合併構想は、直接組合員からの要請ではなく、上から指導された合併構想で、組合員の理解が得られないまま2002年4月を迎えようとしております。農協、農業を取り巻く環境は厳しく、農業生産は減少し、頼りの信用事業も金融機関との競争が激しく組織の存亡の危機に陥っている農協もあります。
これら厳しい状況を打開するために28農協を一つにする構想が進められている。県単一農協構想に向けては、債務超過農協に対し国、県の公的資金の支援を考えているとのことである。合併構想が赤字JAを救済するだけのもので、将来の経営見通しなどが明確でなく、単に赤字JA救済のためだけに合併してもJA組織の体質が変わらなければ健全経営はおぼつかないとの厳しい指摘があります。赤字JAが経営責任を明確にし、合併後の財務改善方針を確立した上でないと黒字JAの組合員の理解は得られないと、これまた厳しい指摘があります。
合併に向けての組合員間の徹底した議論不足と、合併後の財務健全化計画が示されていない面もあり、JAの不安要因の一つになっております。
次の質問をいたします。
(1)番、2002年4月に県内の農協を一つの農協に統合するJA構想実現に向けた作業の進状況についてお伺いいたします。
(2)、未来のため今一つにと県内農協では県単一農協構想が推進されているが、過去広域合併した農協の実態と成果について伺います。
(3)、現在の28農協を5つの農協にする構想があったが、構想は計画どおりに進まなかった。その理由は何だったのか、お伺いいたします。
(4)番、県内農協の財務状況及び赤字や不良債権の状況についてお伺いいたします。
(5)、債務超過農協に対しては、その経営責任及び改善策を明確にしなければ県民の理解は得られないと思うが、所見を伺います。
(6)点、合併で赤字や不良債権を持ち込まないという契約条項になることが予想される。不健全農協を救済するための救済合併にならないか、お伺いいたします。
(7)点目、今回の合併は組合員からの直接要請ではなく、組合員そっちのけの上から指導された合併構想ではないのか、所見を伺います。
(8)点、単一JAの他府県の状況と黒字JAはどこか。
(9)点目、合併計画に不安ということで独自合併が検討されているJAがあるとマスコミは報じているが、どこどこか。また合併反対の理由は何ですか、お伺いいたします。
(10)点目、JA与那国町の手形不祥事はどうなっているか。単一JA構想から外すのか。そのほかにも合併に不安を抱いているJAが幾つかあると聞いている。そうなると空白地域ができ、構想そのものが破綻につながらないか、所見をお伺いいたします。
(11)点目、220億円の赤字補てんの財源として国、県の担保はあるのか、お伺いいたします。
8番、「100の指標からみた沖縄県のすがた」から。
「沖縄県対米請求権事業協会」が沖縄の経済社会分野を全国と比較した100の指標から見た沖縄の姿をまとめている。それによると、全国一基地の島は生産性、所得とも低い。県土面積に占める米軍基地は全国1位と突出し、県民所得は全国最下位、完全失業率全国1位と21世紀の門出に立った今も復帰以来課題は続いております。
製造業の停滞、それに比べて観光産業を中心とする第3次産業は全国1位、産業構造は物的生産性の低さを示し、公共事業主導の県経済の体質を浮き彫りにしている。県の自主財源も最下位、基地問題を筆頭に行政、産業分野の厳しい現状となっている。1986年の最初から今回まで変わっていない。戦後56年を経てなお残る本土との格差、沖縄のひずみを浮き彫りにしている。改善すべき課題が多過ぎる。
次の質問をします。
(1)、指標の3分の1が全国1位か最下位、この数値を知事はどう思うか、所見を伺う。
(2)、この数値を見て改善すべき課題が山積しているようだが、知事はどのように認識し、対応するのか、所見を伺います。
次に、我が会派の代表質問との関連について。
那覇軍港移設問題について。
(1)番、浦添市長は、軍港移設と引きかえに浦添市に振興策を政府に求めています。所見を伺います。
次、振興策なるものは、政府にとって基地建設とその安定的使用の確保が目的であるが、所見を伺います。
次、軍港移設と引きかえに振興策なる一時金を手にし、キャンプ・キンザーを固定化し、市民生活向上のために活用することを永久に断念し放棄することにつながり、市民に将来にわたる損失を残す結果につながると思うが、所見を伺います。
次に、アメリカで同時テロが発生、対米テロの標的となり得る基地(軍港)を受け入れ建設するということか。また、市民の生命と財産はどういうふうに考えるか、所見を伺います。
次に、新軍港の建設は単なる移転ではなく、浅い水深、対岸は民港で補給基地とは離れた使い勝手の悪い現那覇軍港、それにかわる最新式の軍港建設を米軍が求めたことに端を発しておりますけれども、所見を伺います。
以上で質問を終わりますけれども、答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、米中枢の同時テロ事件と沖縄についてのうち、米国が軍事報復に出た場合、周辺事態法の拡大が懸念されるが、どう考えるかについてお答えいたします。
周辺事態法における「周辺事態」とは、「我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」であり、事態の性質に着目したもので地理的なものではないというのが政府の統一見解であります。今回のテロ事件に関連して、今後米国がいかなる具体的な行動をとるかは明らかにされてなく、また我が国も具体的な支援等について国会で審議中でありますので、今国会の論議を見守りたいと考えます。
いずれにしましても、県としては、県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めたいと思います。
続いて、小泉首相がアメリカへの支持を表明したことに対しての御質問の中で、1番は、軍事行動に訴えるものではなく、外向的な努力を要請すべきと思うがどうか、2、憲法9条は海外での武力行使は認めていないが、どう考えているか、3の米国に対する軍事面の協力を前面に掲げた行動と思われるがどう考えているのか聞きたいと、この3つの御質問に一括してお答えいたします。
日本国憲法は、平和主義、国民主権及び基本的人権の尊重を基本原理としており、我が国の平和と安定に大きな役割を果たしてきました。今回のテロ事件については多くの国が非難しており、このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
なお、テロ事件に係る一連の法案については、国会において憲法の精神に沿って論議されるものと理解しております。
次に、基地整理縮小に逆行する懸念について、中東への報復攻撃とともに沖縄の基地整理縮小に逆行すると懸念されるが、その認識と対応について聞きたいということのお答えでございます。
今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じています。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、決して許すことはできません。SACOの合意は、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため11施設の返還等を日米両政府が合意したものであり、今回のテロ事件によってSACO合意の実施が影響を受けることはないものと考えております。
次に、松くい虫根絶対策について、その1つが、5年計画で根絶を目指して取り組もうとしているが、決意と計画と対応はどうかということと、2番目の全県的な取り組みが必要と思うがどうかと、3番の蔡温の偉業でもある県木リュウキュウマツを繁茂させたいが決意はどうかと、この3つの御質問を一括してお答えをしたいと思います。
リュウキュウマツは、沖縄らしい景観を形成するとともに、貴重な木材資源であります。県においては、県木であるリュウキュウマツを松くい虫の被害から守るためこれまで防除対策を講じてきました。しかしながら、私有林等「その他松林」は自主防除が基本となっていることから、資金、労働力等の面から十分な駆除ができない状況にあります。
このため、市町村等と連携し、私有林等「その他松林」の防除対策を強化する考えであります。県としては、県木であるリュウキュウマツを保全するための条例の制定と予算の確保に努める考えであります。
さらに、松くい虫の根絶を図るため平成14年度から5カ年計画で県民参加の「松くい虫ゼロ大作戦」を実施してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 当山全弘議員の米中枢の同時テロ事件と沖縄についての質問事項についてお答えをいたします。
まず、米国が報復した場合、沖縄の基地が出撃に使用され攻撃の対象になるおそれはないかという御質問にお答えをいたします。
今回のテロ事件に関連して、今後米国政府がいかなる具体的な行動をとるかは明らかではなく、また県として現時点でこれに関連する情報も有しておりません。いずれにしましても、県としては、県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めてまいりたいと考えております。
次に、同じく米中枢テロ関係の質問事項のうち、米国が報復した場合、新たな憎悪と報復を生む結果につながらないかという御質問にお答えをいたします。
今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じております。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす行為であり、とりわけ今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず国際社会全体に対する新たな脅威であると考えております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
次に、基地整理縮小に逆行する懸念についての質問事項のうち、テロの脅威の通報は県にあったか、あったとしたらどのように対処したかという御質問にお答えをいたします。
県は、テロ活動に関する事前の情報については米国大使館からも国からも通報は受けておりません。県は、テロ事件発生後、同事件に関する情報等の提供を関係機関に強く要望しているところであります。
次に、同じく基地整理縮小関係の中の、在沖米軍基地もテロの目標になる可能性についてどう認識し、どう対応するのかという御質問にお答えをいたします。
県としては、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今回の事件が県民生活及び県民の人権に支障を及ぼすことがないよう関係機関に強く要請するとともに、日米合同委員会で合意された事件・事故の通報体制等を最大限に活用し、米軍等との連絡及び情報収集に努め、あわせて警察及び消防等との連絡の緊密化を図っているところであります。
我が会派の代表質問との関連について逐次お答えをいたします。
浦添市長は、軍港移設と引きかえに浦添市の振興策を政府に求めているが、所見を聞きたいとの御質問にお答えをいたします。
那覇港湾施設の移設に関しては、県に対して、去る7月10日に浦添市長から、移設作業の促進、移設に関する話し合いの場の設置、移設受け入れに伴う政府の振興策等について要望がありました。また、浦添市長は、直接政府に対し移設受け入れに伴う振興策について要望しております。これらは浦添市の振興発展を思う市長の姿勢のあらわれであると考えております。
次に、振興策は政府にとって基地建設とその安定的使用の確保が目的であるが、所見を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
国においては、平成8年12月3日、SACOの最終報告に盛り込まれた措置を的確かつ迅速に実施するため法制面及び経費面を含め、政府全体として十分かつ適切な措置を講じることについて閣議決定を行っております。那覇港湾施設については、浦添埠頭地区への移設がSACOで合意されており、その実施に当たっては国において適切な措置が講じられるものと考えております。
次に、軍港移設と引きかえに振興策を手にし、将来にわたり市民に損失を残す結果になるが、所見を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
浦添市の西海岸地区を含む那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備していくことが、浦添市はもとより本県の産業振興や経済の自立的発展にもつながるものと考えております。
次に、テロの標的となり得る基地を受け入れて建設するということか、また市民の生命と財産をどう考えているのか所見を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
県としては、SACO合意に基づき那覇港湾施設の移設を着実に実施していくことが基地の整理縮小を進める上でより現実的な方法であると認識しております。
なお、新たな提供施設につきましては、地域住民の生活の安全や自然環境への影響、県土の有効利用及び地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなどを総合的に判断し、基地の整理縮小を着実に図る観点から適切に対応していきたいと考えております。
次に、新軍港の建設は、現那覇軍港にかわる最新式の軍港を米軍が求めたことに端を発しているが、所見を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
先ほども申し上げたように、米軍基地の整理縮小を具体的に進めるためには、まずSACOの合意事案を着実に実施していくことがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。那覇港湾施設は、現在の約57ヘクタールから約35ヘクタールに縮小して移設するものであり、県民が強く望んでいる基地の整理縮小につながるものと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 松くい虫根絶対策について、防除方法として被害木の伐倒焼却が主体と聞くが、もっとほかに有効な防除方法はないかという御質問にお答えいたします。
伐倒駆除以外の松くい虫の有効な防除方法としては、薬剤の空中散布、地上散布及びマツノザイセンチュウの侵入を防ぐ樹幹注入の方法がございます。空中散布は効果の高い方法でありますが、松林周辺の水源地、人家、畜舎等への影響から実施が困難であります。現在、水源地等への影響の少ない松林を区域設定し地上散布を行うとともに、貴重な松に対しては樹幹注入を実施しております。
続きまして、米軍基地内も同時並行に防除しなければならないが、現状と対策についてという質問でございます。
基地内の松くい虫被害対策につきましては、これまで米軍及び那覇防衛施設局が県と連携して防除事業を実施しております。平成12年度の基地内の被害対策は約2億4000万円の予算措置がなされ、約1万3000本の被害木の駆除を実施しております。今後とも引き続き松くい虫の根絶に向けて、関係者が一体となった防除を実施してまいりたいと考えております。
次に、県単一JA合併構想について、県単一JA構想の進捗状況はどうか、それから不健全農協を救済するための救済合併にならないか、今回の合併は上から指導された合併構想ではないか、また独自合併が検討されているJAはどこか、合併反対の理由は何かということでございますが、関連しますので一括してお答えいたします。
県単一JA合併構想は、農業を取り巻く厳しい社会経済環境の変化に対応し、強固な経営基盤を確立するため平成13年3月の第16回JA沖縄大会において決議されたものであります。
JA沖縄グループでは、同構想を実現するため県下全JAの代表者等で構成する合併推進本部委員会を設置しております。現在、同本部委員会のもとで経営困難JAの赤字処理、合併に向けた財務調整、合併後の経営計画の樹立等の課題解決に向けた取り組みが行われているところであります。
特に、経営困難JAの赤字処理については、平成14年4月のペイオフ解禁までに救済合併を行うことが全国支援を受ける上で必要となります。このため、県としては同構想の実現を支援するため単一JA合併支援対策班を設置し、経営困難JAの経営改善計画について指導を行っているところであります。こうした中、一部のJAにおいて合併参加を見送るとの動きが見られます。
その主な理由としては、合併後の経営計画及び赤字JAの財務改善の実効性に対する懸念などが考えられます。現在、合併推進本部においては、こうした懸念に十分こたえられるよう合併後の経営計画の策定に取り組むとともに、経営困難JAの救済合併対策を進めているところであります。
また、合併に向けた合意形成を図るため理事や組合員にも経営計画を示し、粘り強く議論を尽くして理解を求めていきたいとしております。救済合併が困難になれば債務超過JAは解散、職員は解雇になるなど社会的混乱が予想されるほか、地域農業にも大きな影響が懸念されます。
一方、健全JAにおいてもペイオフ解禁後は厳しい経営環境が予想され、経営基盤の強化を図る上でも県単一JAの実現は極めて重要な意義を持つものと考えております。このため、県としても地域農業の振興と農家経営の安定のため県内全JAが結束し、JA合併構想が実現するよう合併の合意形成に向けて積極的に支援していきたいと考えております。
続きまして、過去広域合併した農協の実態と成果はどうかということの質問でございますが、JA沖縄グループにおいては、平成3年に決定した8JA構想に基づき本島北部、中南部、八重山地域で、JAやんばるほか6つの広域合併JAが設立されました。
しかし、この広域合併が進められた平成6年は、バブルの崩壊等もあって不良債権が増大した年でもございます。このため、広域合併JAにおいても当初から多額の不良債権を抱えたほか、その後の厳しい農業環境の中で合併JAの経営健全化が図られなかったと認識しております。
これらの状況に対応して、経営の合理化を進めるため職員の削減や支所・出張所の統廃合を進めてきたところであります。厳しい経営環境の中にあって、当時の広域合併構想は、組合員へのサービス向上については必ずしも期待に十分こたえることができなかったものと考えております。
続きまして、5JA構想が計画どおり進まなかった理由は何かということでございますが、平成10年に決議されました5JA構想の背景には、厳しい農業環境と金融システムの大改革に耐え得る経営基盤の強化が求められた結果だと考えております。この構想に基づき圏域別合併に向けた合併事務局の設置等の取り組みを行ってきたところであります。しかしながら、バブル崩壊後に増大した不良債権と離島・農村部JAが抱える繰越欠損金により債務超過に陥るJAが生じる事態となりました。このようなことから、5JA合併構想のままでは強固な経営基盤の確立は困難と判断され、県単一JA合併構想に移行したものと考えております。
続きまして、県内農協の財務状況及び赤字や不良債権の状況はどうかということでございますが、県単一JA合併推進本部においては、合併に向けて県下28JAの財務確認作業を終えております。
その結果によりますと、財務の健全なJAが11JA、経営不振のJAが8JA、債務超過で経営困難なJAが9JAとなっております。県単一JAの合併に際しましては、赤字や不良債権を持ち込まないことが条件になっております。経営困難JAにおいては多額の赤字を抱え、自己処理が困難なことから、平成14年4月のペイオフ解禁までに救済合併を行うことが全国支援を受ける上で必要であります。
このため、県としては、県単一JA合併構想の実現を支援するため単一JA合併支援対策班を設置し、経営困難JAの経営改善計画について指導を行っているところであります。
続きまして、債務超過農協(損失金組合)に対して、その経営責任及び改善策を明確にしなければ県民の理解が得られないと思うがどうか、それから赤字補てんの財源として国、県の担保はあるかというふうな御質問でございますが、関連しますので一括してお答えいたします。
現在、県下全JAの代表者等で構成する合併推進本部において、全国支援による経営困難JAの赤字処理等の課題解決に向けた取り組みが行われているところであります。
経営困難JAの赤字処理については、全国相互援助制度及び貯金保険機構からの資金援助を要請することになります。全国支援を受けるためには救済合併を進めるとともに、経営責任、それから組合員負担が求められることとなります。
なお、支援要請額については、県による財務確認検査を踏まえ、今後具体的に検討することになります。県としても、県単一JA合併構想が実現するよう公的支援も含めて合併の合意形成に向けて積極的に支援していきたいと考えております。
次に、県単一JAの他府県の状況と黒字JAはどこかというふうな御質問でございますが、国内で県単一JAを実現したのは「JAならけん」のみであります。当該JAの平成12年度の決算状況は、貯金残高の大幅な伸び等にも支えられまして黒字となっております。
次に、JA与那国町の手形不祥事はどうなっているか、単一JA合併構想から外すのか、合併に不安を抱いているJAがあると聞いており、構想が破綻につながらないかというふうな質問でございますが、お答えいたします。
JA与那国町においては白地手形の無断発行問題が生じております。JA与那国町では、手形を詐取した相手方を県警へ告訴しております。県においては、JA与那国町の業務運営に関して現執行体制では適切な業務運営が困難と認め、去る9月14日に「農水産業協同組合貯金保険法」に基づきまして「管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分」を行ったところであります。今後、同JAの業務運営は管理人によって行われることになりますが、信用事業、経済事業等の各事業については上部団体等に譲渡されるものと考えております。
同JAの県単一JAへの合併については手形リスクが大きな障害となっております。しかし、県単一JA発足後は与那国町にも新たな支店が設置され、組合員の営農を支援するものと考えております。県としても、地域農業の発展と農家経営の安定を図るため、県単一JA合併構想が実現できるよう積極的に支援をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 台風16号の被害状況と対策について、床上浸水、車両水没など甚大な被害が明らかになったが、その原因は何なのか、その対応についてにお答えいたします。
今回の台風16号による被害は、時間最大雨量101ミリメートルが観測されており、河川や雨水幹線等土木施設の設計条件を超えた異常気象による豪雨であったこと、また周辺地域の大規模な宅地開発や急速な宅地化が進む中、能力以上の雨水が排水施設に流れ込んできたことや、土木施設が未整備あるいは整備途中であったこと等、複数の要因が重なり合って発生したと考えられます。
県では、今回の被害にかんがみ、被害のあった地域を流れる比謝川、天願川の未整備区間について地域や地権者の協力を得て早期整備に取り組んでいく考えであります。
また、下水道事業における雨水排水施設の整備にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。あわせて、道路については路面水をスムーズに排水するため道路側溝等の増・改築を行い、さらに路面清掃等適切な維持管理に努めていきたいと考えております。県としては、今回の災害を教訓として今後ともこれら土木施設の整備推進を図るとともに、適切な設計・施工及び管理に努めていきたいと考えております。
次に、災害原因を突きとめ、災害対策を急ぎ再発防止をする必要があるが、その決意はどうかについてお答え申し上げます。
今回の台風16号により沖縄本島中南部や南部周辺の離島に大きな被害が発生しました。その原因は、記録的な集中豪雨と河川の整備段階における流下能力の不足や、都市化の進展に伴う流出量の増大等さまざまな要因が考えられます。
県としては、これらの要因を踏まえ、台風や集中豪雨等の自然災害から県民の生命と財産を守るため河川改修、砂防、地すべり対策、急傾斜地崩壊対策事業等を進めているところであります。今後とも引き続き関係市町村と連携を図り、地域の協力を得ながら河川改修等の治山・治水事業を積極的に推進し、自然災害の軽減に努めていく考えであります。
○文化環境部長(永山政邦) 台風16号の被害状況と対策について、心配されている被災された方々の生活はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
被害が甚大であった渡名喜村においては、住居が全壊した8世帯20名の方々が今も避難所生活を余儀なくされておりますが、同8世帯については10月20日の入居をめどに仮設住宅の設置を進めているところであります。
その他の全壊世帯については、身内に身を寄せるなどして住居を確保し、半壊、床上浸水世帯についてはボランティアの活動等もあり、既に自宅に戻ってふだんの生活を取り戻しつつあります。
また、その他の市町村に被災した方々の生活について確認したところ、全壊した被災者は身内に身を寄せたり、民間住宅を借用して入居するなどして住居を確保しており、床上浸水の被災世帯については既に自宅での生活に戻っているとの報告を受けております。
○教育長(津嘉山朝祥) 台風16号の被害状況と対策について、全壊、倒壊した建物の中には文化財指定の建物はないか、もしあるとすれば補助制度はあるのか、また低利による公庫利用も可能かの御質問にお答えをいたします。
渡名喜村渡名喜島は平成12年5月25日、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定をされました。渡名喜の約280棟のうち、伝統的建造物群に特定される建物は104棟あります。今回の台風16号により被害を受けた建物のうち、全壊11棟、半壊17棟、家屋の一部被害26棟、合計54棟が重要伝統的建造物群の保存物件となっております。
重要伝統的建造物群に関しましては、文化財保存事業の国庫補助要項による補助制度がございます。通常は80%の補助率でございますが、災害復旧に当たっては5%の上乗せによる上限率85%の補助が可能でありますので、災害復旧事業として取り組んでもらえるよう文化庁と調整中でございます。
台風16号の災害復旧につきましては、特に文化財指定ということでの金融公庫の融資制度はありませんが、通常の住宅としては低利の災害復興住宅融資制度がございます。
重要伝統的建造物群保存物件につきましては、文化庁の災害復旧国庫補助制度と公庫の災害復興住宅融資制度をあわせて利用することができます。県教育委員会といたしましては、所有者の意向を踏まえながら伝統的建造物の災害復旧事業が早期に着手できるよう対応していく所存でございます。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 沖縄観光について、(1)、修学旅行のキャンセルが相次いでいるようだが、実情と対応について、(2)、その対策について、(3)、今回の事態は外からの要因が大きく作用しているが、効果的な対策について、(4)、観光バスのキャンセルが相次ぎ県民生活を直撃しているが、その認識と対応について一括してお答えします。
去る9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件の影響により世界的に航空機利用や海外旅行を手控える動きが出ており、国内においても米国を中心としたツアーの中止やキャンセルが発生しております。本県への旅行につきましても修学旅行を中心に影響が出ており、貸し切りバスについても相当数のキャンセルが生じております。
一方、海外旅行を取りやめて本県への旅行に変更するという動きも見られます。
県におきましては、観光客の皆様の不安を解消するために各都道府県教育委員会や航空会社、旅行業者等に対し、県民生活も平常どおりで、各種イベントも通常どおり各地で行われている旨を内容とした文書を発送するとともに、主要都市に職員を派遣し理解を求めたところであります。
さらに本日、県、航空会社、旅行業者、県バス協会等の観光関連団体で組織する対策会議を開催し、情報の的確な把握に努め今後の対策を検討することになっております。
以上です。
○企画開発部長(与儀朝栄) 「100の指標からみた沖縄県のすがた」について、指標の3分の1が全国1位か最下位、この数値をどう思うか、またこの数値を見て改善すべき課題が山積しているが、どのように認識し対応するのかについて一括してお答えいたします。
100の指標において示されている全国の順位は、便宜的に数値の大きい順に整理したものであります。
本県が全国1位または最下位が多いことは、本県の自然環境、人口動態及び経済構造など他県とは違う本県の特徴がよくあらわれているものと考えております。特に1人当たり県民所得が最下位であること、県面積に占める米軍施設面積、県民総支出に占める公的支出の割合や完全失業率が高い順位にあることなどは、厳しい雇用情勢、財政依存度の高い経済構造、広大な米軍施設の存在など本県が抱えている課題が指標であらわされているものと認識しております。
県としては、これら諸課題の解決のため沖縄振興新計画に基づき沖縄の特性の発揮と不利性の克服を図り、民間主導による自立型経済の構築等に向け県民と一体となって取り組んでまいりたいと思っております。
○当山 全弘 再質問いたします。
観光リゾート局長にお伺いいたします。
アメリカを変更して沖縄へ来た旅客数は幾らなのか。
そしてまた、JA合併推進本部長の知事にお伺いいたします。
経済連の経営状況ですね、21の子会社の中身についてお伺いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時32分休憩
午後3時32分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
観光リゾート局長。
〔観光リゾート局長 糸数昌宏君登壇〕
○観光リゾート局長(糸数昌宏) ただいま当山議員からアメリカをキャンセルしてという再質問でございますが、私どもの今つかんでおりますのは、あくまでもこれは9月26日現在でございまして、これはアメリカというよりは全体的に海外から沖縄へということで今のところ118件でございます。
○当山 全弘 118件、何名ですか。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 118人です。これはしょっちゅう変動しておりまして、9月26日現在ではそういうふうな数字でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 経済連の関連会社の経営状況ということでございますが、これから単一JA合併に向けて当然のことながら経済連の関連会社も関連するわけでございますが、現在のところおのおのの関連会社についてはまだ整理中でございまして、県単一JAの動きの中では現在論議はされておりません。ということで、今お尋ねの経営状況についてはまた後ほど御報告させていただきたいということでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時34分休憩
午後4時 再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
新垣米子君。
〔新垣米子君登壇〕
○新垣 米子 通告に従い一般質問を行いたいと思いますが、代表質問との関連で知事に再質問したいと思います。そのために時間の都合上で、通告いたしました3の質問を取り下げます。用意された執行部の皆さんには申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。
それでは、我が党の代表質問と関連して、テロ問題及び安保・基地問題についてお伺いします。
我が党の外間久子県議の代表質問で、テロ問題に関連して沖縄県内における在沖米軍基地の危険な動きについて指摘をし、県民の暮らしと生命を守るためにもアメリカに報復攻撃のための軍事作戦の中止を申し入れるよう知事に求めました。しかし、知事からは明快な答弁はありませんでした。これは極めて重大なことであり、改めてこの問題で質問します。
第1に、米軍の報復戦争が始まればこの沖縄の米軍基地が報復攻撃の拠点となることは明らかです。
第2に、今回のテロ直前にもアメリカから在沖米軍基地へのテロ攻撃情報があったように県内の米軍基地が報復テロの対象となり、この報復戦争に県民を巻き込む危険性は大と言わざるを得ません。しかも報復戦争がまだ始まらない中でも沖縄への修学旅行の中止や交通渋滞の問題、救急車両の基地内通過への影響、黙認耕作地への立入規制、警備ヘリによる住民地域での探索灯を照射しての県民追跡・監視が行われており、県民生活と県経済に大きな影響を与えています。
第3に、国連難民高等弁務官事務所によれば、米軍の報復攻撃が始まればアフガン国内では罪のない多くの国民が軍事攻撃と食糧危機による悲惨な犠牲を強いられることは明らかです。去る沖縄戦で悲惨な戦争体験を強いられた沖縄県の知事としてこうした事態を容認するのですか。アメリカに対し報復軍事作戦の中止を求めるべきではありませんか、知事の見解を伺います。
2つ目に、小泉内閣の医療改悪から県民と高齢者の命と暮らしを守る課題についてお伺いします。
9月25日に厚生労働省から2002年度の「医療制度改革試案」が示されました。我が党は、この小泉内閣の構造改革の大きな柱にしている医療制度の改悪はますます暮らしと将来への不安を増大させ、今日の深刻な不況を解決するどころか、これまで経験したことのない痛みを国民・県民に押しつけるもので断固反対の立場を主張してきました。
来年度予算の2800億円の医療関係予算削減を前提にしたその中身は、社会保険本人の3割負担増、高齢者医療の対象を70歳から75歳に引き上げ、ことし1月から引き上げたばかりの1割負担を一気に2割、3割負担にする、75歳以上の高齢者に対しても外来負担の上限を廃止し、定率1割負担というものです。
さらに、介護保険が導入され高い保険料、利用料の負担に悲鳴を上げているのに、今後、介護保険同様すべての高齢者から保険料を取る「高齢者医療保険制度」を創設することも視野に入れることも明らかにされているように、高齢者をターゲットにしたこの医療改悪が本県の高齢者を直撃することは火を見るよりも明らかではありませんか。97年の橋本内閣のもとで行われた9兆円の国民への大増税が暮らしを直撃し、病気になっても病院に行けないという県民の深刻な事態を進行させています。
ある民間病院の調べで、救急車で搬送され手おくれでその日で亡くなる件数が10年前は年間数例だったのが、99年は月2件、昨年は月3件、ことしは6月時点で4件と急増していることが救急外来の実態から明らかになっています。この「医療制度改革試案」が全国最下位の県民所得のこの沖縄県民と高齢者に与える影響について、まず最初に知事の認識と見解を伺いたいと思います。
そこでお伺いします。国民健康保険についてです。
国保加入者は自営業や低所得者、高齢者が多く深刻な不況による営業不振や失業、倒産の増加、保険料の相次ぐ引き上げ、そこへ介護保険料の上乗せによる負担増が多くの滞納者を生み、収納率の低下に結びついています。さらに今回の医療費の負担増は、これまで以上に滞納者の増加を加速させることは明らかです。
ここでお伺いしますが、全国で370万世帯が滞納している実態が明らかになっておりますが、本県についてお伺いします。
本県の国保加入世帯と加入率、国保加入世帯の平均所得額、県内の国保の平均世帯額について。また、滞納世帯はどれだけか、国保加入世帯の何%に当たるか、伺います。
2000年4月施行の国保法改定に伴い滞納者に対する保険証取り上げなどの制裁が強まり、短期証、資格証の発行についても特別の事情を配慮するとしているが、有無を言わさず機械的に措置をしている実態も私たちに持ち込まれた相談の中で浮き彫りになっています。短期証、資格証、未交付の実態はどうか。短期証の交付期限はどうなっていますか、伺います。
滞納者のほとんどが払えるのに払わない悪質滞納者ではありません。減免、分納などの窓口での住民の立場に立った親身な対応が求められています。機械的な制裁措置を行わないよう県として実態を掌握して必要な改善の指導をする必要があると思いますが、いかがですか。
高い国保税にしたのは国が国庫負担を減らしたことに大きな原因があります。国に対して負担をもとに戻せとの要求とあわせて、県下53市町村の国保会計の運営負担と住民の保険税負担を軽減させるために県として独自の財政支援をすべきではありませんか、伺います。
次に、介護保険についてです。
昨年10月から半額とはいえ年金からの保険料徴収が沖縄の高齢者をどういう事態に追い込んでいるでしょうか。保険料が天引きされ、削られた分の生活費を補うために空き缶を集めている高齢者がふえています。この10月から満額徴収されたら一体どうして暮らせというのか、長生きすることがつらい、このような悲痛な声が寄せられています。本県の高齢者の85%は非課税世帯です。収入も全国平均の半分、それでいて全国平均より30%高い介護保険料となっています。本県の高齢者の実態から県独自の支援策の必要性を毎定例議会で訴えてまいりました。介護保険がスタートして県のまとめた1年の実施状況を踏まえて以下の質問をいたします。
普通徴収率80%台をどう見ていますか。年金1万5000円以下と無年金者の数はどれだけですか。
平成12年度平均の介護度ごとの利用状況はどうですか。とりわけ要介護3から5の利用が50%そこらということは、介護の絶対必要性や緊急性から見ても深刻な事態ではないでしょうか。どこに原因があると考えますか。
ケアマネジャーが介護度に沿ってサービスのメニュー(ケアプラン)を提示しても、これだけしか負担できないのでその範囲でメニューをつくりかえてほしいと要求されると。必要なサービスが選択できるとのうたい文句とはほど遠い実態であることを告発しています。平均利用額はどれだけでしょうか。
この実態は、本県の高齢者にとって保険料と利用料の負担が重過ぎることが原因ではありませんか。知事の所見を改めて伺います。また、この実態調査をすべきだと思いますがいかがですか。
介護老人福祉施設と老人保健施設などへの入所希望者が介護保険実施前より増加していることが私たちの聞き取り調査での実感です。入所待機者はどれだけでしょうか。
平成13年4月の施設サービス受給者平均が9377人。県の介護事業計画では平成16年度の入所率を4.3%の9038人と300人余減少すると推計していますが、実態は減少するどころか増加しています。県は、その対策として入所から在宅に指導するとしていますが、現に今でも介護度の軽い人は後回しにされているのが実態です。待機者の解消のためにも実態に見合った施設建設の計画の見直しが求められていると思いますが、いかがですか。
介護保険の見込みが当初予想より増加し、33市町村が赤字と報告されています。なぜふえたかの分析が必要だと思います。医療費の負担増による受診抑制での病気の悪化、重症化で入院、介護が必要との事態に追い込まれているのが沖縄県の高齢者の実態ではないでしょうか。在宅介護の負担の重さが必要なサービスを受けることができず重症化させ、その結果、病院や施設入所を余儀なくされることが今後さらに増加することが予想されます。病状が軽いうちに治療でき、必要な介護が安心して受けられ、重症化を防ぐことが一番の対策ではありませんか。スムーズな介護保険運営の課題と対策からしても保険料、利用料の減免が重要と考えますが、県が市町村とタイアップして実施する考えはありませんか、お伺いします。
厚生労働省が地方の担当課長を集めた28日の全国会議の中で、2003年4月の見直しに当たって料金の引き上げを示唆しています。また、自治体が独自に低所得者への減免措置を実施していることに対して批判をしていますが、介護サービスの基盤整備のおくれを放置したままスタートさせ、国の予算を2500億円も削減し、高齢者と国民に負担を押しつけた国の責任は大きいと言わざるを得ません。国民と県民の暮らしを守り、この厳しい不況を打開する政治の方向は、国庫負担を減らし国民に負担増を押しつける小泉流改革を根本から改めること、国と地方を合わせて年間公共事業に50兆円、社会保障に20兆円という財政のゆがみを正せば、社会保障に占める国庫負担の割合をもとに戻すことが可能であることを改めて強調したいと思います。
9月15日の「敬老の日」の新聞に、71歳の方の切実な声が読者欄に寄せられました。この声は、本県の高齢者のひとしい声ではないでしょうか。長寿をとうとび喜ぶことができなくなる今回の医療改悪に対して反対の意思表明をすべきではありませんか、知事の決意を伺います。
次に、少子化対策について。
1つ、乳幼児医療無料化制度について。
上野村では小学校卒業まで、城辺町は5歳未満児まで実施しています。今回すべての自治体が実施し全国的にも6歳未満児までの実現が広がっています。県内でも入学前までの無料化を求める声が大きな世論となっていますが、段階的に実施する考えはありませんか。
また、住んでいるところによって無料化の恩恵の差別を解消するために国の制度として要求する考えはありませんか、お伺いします。
2つ目、待機児童解消のための保育所問題について。
実態調査の実施状況と結果について。
待機児童解消の県の計画はどうですか。
認可外保育所に対する評価と具体的な支援策に対して伺います。
3つ目に、30人学級実現について。
せめて1年生からの実施をと切実な要求です。実施に必要な教員数はどれだけでしょうか。
平良市のある小学校では2学期から30人学級を実施するとの報告を受けました。市町村の独自の努力を促進させる上でも県教育委員会の積極的な姿勢は不可欠です。今後どのような方針で臨みますか。市町村とタイアップして促進する考えはございませんか、お伺いします。
次に、台風16号の被害救済と防災対策についてです。
台風16号は沖縄本島を2回も通過し、沖縄近海に約2週間も停滞・迷走し家屋の倒壊、河川のはんらん、浸水、道路の陥没、農作物の被害など甚大な被害とつめ跡を残しました。今、甚大な被害を受けた県民からは、災害救助法や特別交付金の支給など国、県の諸制度の全面的な発動などによる救済を求める声が上がっています。また、500件近くの床上浸水の被害を受けた沖縄市では、県管理の2級河川比謝川の整備、県道85号線の雨水・排水側溝の改良整備による抜本的な解決策を求めています。
以下、具体的な項目について質問します。
1つ、沖縄市、久米島・具志川村、仲里村、渡嘉敷村、座間味村、渡名喜村などの被害に対する具体的な救済措置について答弁してください。
沖縄市安慶田地域の浸水対策には国道330号下の暗渠の拡幅が緊急に求められています。この問題ではこれまで嘉陽前県議が取り上げてまいりましたが、これまでの国との交渉と見通しについて答弁してください。
県道85号線沿いの浸水は、ことしだけでも床上浸水が既に3回以上も発生しています。購入してわずか1週間とか1カ月、あるいは2カ月の車が水没し、だめになるなどの被害も出ています。もし県道の排水溝に起因する被害なら特別の補償も必要ではないですか。
また、浸水の抜本的解決策をどのように考えているのか、答弁を求めます。
村民に正確な台風情報が全く提供されなかったことが台風対策のおくれにつながり、復帰後経験したことのない甚大な被害をこうむった渡名喜村から切実な願いとして気象測候所、観測所等の設置の要求が出されています。仮設住宅の建設など災害救助法などの適用範囲を超える問題への速やかな対処についても答弁を求めたいと思います。
次に、県営住宅問題についてです。
この長引く不況の反映で県営住宅に入りたいとの要求が後を絶ちません。空き家募集に何度申し込みしてもなかなか当たらない。空いている部屋があるのにとの苦情の声も多数寄せられています。
そこでお伺いします。
県営団地の空きの状況について。
募集戸数に載せていない空きの戸数について、そして何年くらいの空きの実態か。
空きの状態で放置している損失はどれくらいか。
全部の空き部屋の改修費用はどれくらいかかるか。
県民の入居要求にこたえるためにも、県民の収入財産を確保する上でも抜本的で大幅な改修予算を組むべきではありませんか、お伺いします。
空き部屋募集改善についてです。
空きの状況がありながら年1回の募集を待たざるを得ない実態です。せめて半年に1回、あるいは実情に見合った募集ができないものでしょうか。
また、応募回数を考慮すべきではありませんかなど、県民のニーズにこたえた要綱の改善を求めるものです。
最後に、青葉苑問題について。
中城村と北中城村の一部事務組合のごみ焼却炉「青葉苑」の建てかえが地元6自治会の反対を押して強行されています。法的には問題ないとの姿勢で地元の合意形成無視の行政のあり方に対して県はどのような指導をしましたか。
この建てかえ場所は、世界遺産登録された中城城跡を保護するバッファーゾーンの中にあります。建てかえ問題が出たのは世界遺産登録後です。世界遺産としての景観を保全する責任を負っている県教育委員会としてこの問題にどういう態度で臨んだのか、お伺いしたいと思います。
以上で終わります。
答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の質問にお答えいたします。
最初は、我が党の代表質問との関連についてということで、去る沖縄戦で悲惨な戦争体験を強いられた沖縄県の知事としてこうした事態を容認するのですか、アメリカに対して報復軍事作戦の中止を求めるべきではないかということのお答えでございます。
今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じています。テロ行為は、世界の平和を脅かす行為であり、とりわけ今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず世界に対する挑戦であり、決して許すことはできません。
今回のテロ事件については多くの国が非難しており、また去る9月12日に開催された国連安全保障理事会において、テロ行為者を法の裁きにかけるための決議が全会一致で採択されました。これに基づいて世界的な合意形成が図られつつあると理解しております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていると理解をしております。
続きまして少子化対策についての乳児医療の中で、入学前までの無料化を段階的に実施する考え方についての御質問にお答えいたします。
本県の乳幼児医療費助成事業は、県単の補助事業として平成6年10月1日から1歳未満児を対象にして入院、通院ともに保護者の負担等を課さずに開始しております。
また、平成11年10月からは健康政策の一環としてこれまでの1歳未満児から医療を受ける機会が多い3歳未満児まで拡大し、全市町村において実施しているところであります。今ではその制度も県民に浸透しつつあり年々受給件数もふえており、平成12年度の受給延べ実績は54万1463件で、助成額は8億7501万円となっております。
本事業の対象年齢を段階的に拡大していくことについては、事業の実施主体となっている53市町村が同じ条件で実施されることが最も望ましいと思っておりますので、市町村の意向を十分に尊重しながら検討したいと思います。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 小泉内閣の医療改悪から県民と高齢者の命と暮らしを守る課題について、質問1の(1)、「医療制度改革試案」が全国最下位の県民所得の県民と高齢者に与える影響について知事の認識と見解を聞きたい、それとあわせて1の(2)のク、今回の医療改革に対して反対の意思表明をすべきではないか、関連しますのであわせてお答えいたします。
今回の「医療制度改革試案」は、少子・高齢社会に対応した医療制度の構築を目指して医療技術の進歩など医療を取り巻く環境の変化に対応できるよう保健・医療システム、診療報酬体系、医療・保険制度といった医療制度を構成する各システムの改革を行うものであります。特に急速な少子・高齢化、低迷する経済状況の中で保険財政が逼迫し深刻な状態になっていることから、世代間の公平な負担の考えで厚生労働省が9月25日に公表したものであります。この試案は、今後広く国民の論議に供することになっており、県といたしましては医療保険制度が安定的に運営されるよう国の作業の推移等を見守っていきたいと思います。
続きまして1の(1)のア、国民健康保険の関係で、本県の国保加入世帯と加入率、国保加入世帯の平均所得、県内の国保の平均世帯額、滞納世帯、その割合についての御質問にお答えします。
本県の国民健康保険の保険者は、53市町村と1国保組合の計54保険者から成っています。
一方、国保加入世帯は平成13年3月末現在、25万1141世帯で加入者は59万4004人で、加入率は44.5%となっております。また、平成13年6月1日現在の調査では国民健康保険世帯の平均所得は年額104万2000円で、国保税の1世帯平均額は12万7640円となっております。
保険料については、1期分の滞納まで含めた滞納世帯が6万3061世帯で、国保加入世帯の24.86%に当たります。
同じく国保の関係で、短期証、資格証、未交付等の実態はどうか、短期証の交付期限はどうなっているかの御質問にお答えします。
一般の国民健康保険被保険者証は、各市町村の国民健康保険条例に基づき有効期限が1年となっていますが、国保税を滞納している世帯に対しては、納付相談の機会をふやすことにより税の納付につなげることを目的に有効期限が短い保険証、いわゆる短期証を発行して対応しています。その発行件数は、平成13年6月1日現在で44市町村1万9385件となっております。
なお、災害等やむを得ない事情がないにもかかわらず、1年以上保険税を滞納している世帯に対しては平成12年度から資格証の発行が義務づけられています。平成13年6月1日現在の発行件数は6市村で29件となっております。また、保険証の交付が保留されている未交付の件数は6月1日現在、46市町村1万8453件となっております。
なお、短期証の交付期限は市町村の実施要領等により異なっておりますが、1週間から1年の間で交付されております。
同じく国保に関する御質問で、国保税の滞納の実態を把握し必要な改善を指導する必要があると思うがどうかの御質問にお答えいたします。
国保制度については、県民の理解を得て事業の安定運営が図られるよう県及び市町村が共同で広報事業を推進しているところであり、 国保税の自主納付も年々増加しつつあります。収納率についても向上してきておりますが、いまだ全国平均を下回っている現状にあります。
本県の国保税滞納者は平成13年6月1日現在、1期分滞納者まで含め6万3061世帯となっており、国保加入世帯の24.86%を占めております。前年同月と比較しますと8809世帯、4.5%減少しております。
天災その他特別な事由により納期内に納めることが困難な世帯に対しては、状況に応じて納付期限の延長や減免の指導を実施しております。ちなみに平成12年度の減免は15市町村で実施しており、減免世帯数は2143世帯、減免額は1億7609万5000円となっております。
同じく国保の関係で、国庫負担をもとに戻し、市町村の国保会計の運営負担と住民の保険税負担を軽減させるため独自の財政支援をすべきではないかについてお答えします。
国保財政の安定化につきましては、平成13年7月の全国知事会等あらゆる機会をとらえて国へ要請を続けております。県といたしましては、平成13年度当初予算において市町村に対し、低所得者の保険料軽減のための保険基盤財政安定負担金として13億8518万7000円、また1件当たり80万円以上の高額医療費に対する保険者負担を軽減するための高額医療費共同事業補助金として9億1952万7000円等合計で23億547万9000円を計上しております。
次は、介護保険の問題で1の(2)のア、普通徴収率84.6%の中身をどう見ているか、年金1万5000円以下と無年金の高齢者はどれだけいるかと。
平成12年度の第1号保険料徴収額は約17億9000万円で、徴収率は96.9%です。そのうち年金天引き以外の普通徴収の額は約3億1000万円で徴収率は84.6%です。
全国107市町村の徴収率の平均は98.6%で、普通徴収では92.8%ですので本県の徴収率はやや低くなっております。
市町村ごとの徴収率は、広報活動等の取り組みなどから格差が出てきております。
年金額が月額1万5000円未満の方が対象である第1号保険料を普通徴収される人数については、平成13年3月31日現在で約4万9700人となっております。
なお、無年金者の人数については、平成11年度から年金関係の事務が国に移管されましたので、沖縄社会保険事務局に照会しましたところ、正確な人数は把握されていないという回答がありました。
続きまして1の(2)のイ、平成12年度平均の介護度ごとの利用状況が2割台から5割台となっているが、どこに原因があるかの御質問についてです。
平成12年度の居宅サービスの平均利用額は、居宅サービス受給者全体で月額9万6055円でした。介護保険の支給限度額は、高齢者夫婦世帯で片方が寝たきりあるいは痴呆の場合でも在宅介護が可能な高い水準を想定して設定されており、利用者はその範囲の中で個々のニーズに応じて利用をしております。
本県の支給限度額に対する利用割合は要介護度によって差がありますが、2割から5割の範囲となっております。全国106市町村の支給限度額に対する居宅サービスの利用割合は4割から5割となっており、全国に比べて本県の利用割合は低くなっております。本県は施設整備率が高く、その結果、在宅サービスの利用が全国よりも低くなっている、それが主な原因と考えられます。
続きまして介護保険の関係で1の(2)のウ、ケアマネジャーが介護度に沿ってサービスのメニューを提示しても負担ができずサービスが受けられない実態がある、同じく続きまして、エのこの実態は保険料と利用料が高過ぎることが原因ではないかの御質問にお答えします。
介護支援専門員は、要介護者等の自立支援のために利用者の身体状況、生活環境や家族の介護力等さまざまな状況についてアセスメントをし、それぞれの利用者や家族の希望を入れてケアプランを作成し介護サービスの提供を行っているところであります。 介護保険が実施されて1年半が経過しており、介護サービス利用者の実態については今後県としても把握する必要があると考えております。
続きまして、介護老人福祉施設と介護老人保健施設への入所待機者はどれぐらいか、それとあわせて(2)のカ、県の介護保険事業計画で300人余りが減少すると推計しているが根拠は何か、また建設計画の見直しが求められていると思うがどうか、一括してお答えいたします。
入所待機者については、介護老人福祉施設への入所申込者の中には、現在入院中であるにもかかわらず申し込みをしている者や、1人で複数の施設に申し込みをしているなどの状況があり、実数の把握は十分ではありません。
県の介護保険事業支援計画では、平成12年度の介護保険施設の入所者数は9356人で、平成16年度は9038人と推計され318人の減となっております。これは、介護保険制度の導入に向けて市町村が在宅介護を重視する基本理念を踏まえて策定いたしました事業計画に基づき積み上げたものであります。
計画の推進に当たっては、在宅福祉事業等の実施状況や高齢者ニーズに対応する必要があることから、今後計画の見直しについても検討を行うこととしております。
同じく介護保険(2)のキについて、スムーズな介護保険運営の対策と課題からしても保険料、利用料の減免が重要と考えるがとの御質問にお答えいたします。
介護保険制度は、介護を社会全体で支えることを目的として40歳以上の国民は保険料を納めることになっており、第1号保険料は所得に応じて5段階に額が設定されております。また、災害や失業などの特別な理由がある場合は、保険料の減免や徴収が猶予されることになっております。各市町村が独自に保険料の減免を行うことは制度の趣旨から適当ではないと国から示されているところであり、現在のところ助成策については検討しておりません。
保険料の減免につきましては、今後、国や他県の状況を踏まえて対応してまいります。
現在、低所得者に対する負担軽減措置といたしましては、社会福祉法人の事業者による利用料の減免、施設の食事の負担額の軽減、ホームヘルプサービスの利用者負担の軽減などさまざまな施策が講じられており、軽減措置を実施した市町村に対しては国や県が財政援助を行っております。
少子化対策について、乳幼児医療費助成事業の関係で国に対して制度として要求することについてお答えいたします。
少子化が進行していく中で、次の世代を担う子供たちが安心して医療が受けられる環境づくりは、健康政策の一環として重要なことと認識しております。
乳幼児医療費助成事業については年々医療費が増加傾向にあり、県及び市町村の負担も大きくなっております。そのため、毎年九州地方知事会において、少子化対策の一環として全国の都道府県すべてが実施している乳幼児医療費助成事業に対する国庫補助事業化を要請しており、平成13年6月に行われました九州地方知事会において九州・山口地方の重点施策として国に要望しております。
同じく少子化対策について、これは保育所の関係で実態調査の結果についてということで、「就学前児童の保育等に関する実態調査」につきましては9月にアンケート調査を終え、現在集計と分析を行っているところであります。当初のスケジュールでは7月から8月前半にかけて調査が終了する予定でありましたが、回収率が低調であったことから、市町村への広報依頼やマスコミの協力を得て回収率の向上に努めてまいりました。なお、11月上旬には中間報告を行い、12月には最終報告の予定となっております。
同じく少子化対策について、待機児童解消の県の計画はどうかについてお答えいたします。
県では、保育所入所待機児童解消のため、保育の実施主体である市町村が策定した保育所入所待機児童解消計画に基づき保育所の創設、保育所分園の設置、改築の際の定員増や最低基準を遵守する範囲内での定員の弾力化を図り、入所児童の受け入れ増を促進するよう指導しております。
去る7月には、待機児童や認可外保育施設の利用児童の多い市町村を対象とした待機児童解消連絡会を、また8月には福祉保健行政に係る市町村助役会議を開催し、市町村のさらなる取り組みの強化を依頼したところであります。
なお、今後の市町村の取り組みや実態調査の結果などを踏まえ、待機児童の解消に向け計画的に取り組んでまいります。
少子化対策について、認可外保育所に対する評価と具体的な支援策はどうなっているかについてお答えいたします。
認可外保育施設は、保育時間、保育料、児童の送迎の利便性及び集団保育を目的として利用されている現状があります。
県は、認可外保育施設を利用している児童の福祉の向上を図る観点から、立入調査指導や保育に従事する職員及び施設長を対象とした研修を行い、さらに児童の健康診断料を助成する市町村への補助を通して認可外保育施設に対する支援を行っております。
今回の「就学前児童の保育等に関する実態調査」の結果を踏まえ、認可外保育施設の認可保育所への移行を支援するための施策などについて検討してまいります。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 少子化対策について、小学校1年生から30人学級を実施した場合に必要な教員数はどれだけか、30人学級実施について県教育委員会は今後どのような方針で臨むのかの御質問にお答えをいたします。
現在の40人学級を基準として行われている学級編制を県内の小学校1年生のみについて30人学級で編制した場合には学級数はおよそ160学級増となり、教員も170人余必要となります。現在、本県の1年生の1学級当たりの児童数は31.4人でございますが、30人学級にした場合には24.3名となります。
なお、県教育委員会といたしましては、2学期より平良市を含む4地区の4小学校の1年生につきまして40人学級を緩和するための学級編制の弾力化を図りました。今後は、「第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画」の趣旨を踏まえて引き続き少人数授業の拡充に努めますとともに、小学校1年生等の多人数学級につきましては、学校生活への早期の適応や望ましい学習習慣が形成される大事な学年でありますことから、引き続き学級編制の弾力化に取り組んでいきたいと考えております。
次に、台風16号の被害救済と防災対策について、教育委員会所管に係る台風16号の被害に対する救済措置についての御質問にお答えをいたします。
教育委員会所管に係る台風16号の被害は、公立学校施設関係が42施設、約2億800万円となっております。また、渡名喜村の重要伝統的建造物群の被害につきましては、速報段階で全壊11棟、半壊17棟、一部被害26棟、計54棟でありますが、その額は現在調査中でございます。
公立学校施設関係の災害復旧対策といたしましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法に定める法定額以上の災害につきましては、文部科学省への災害復旧事業の申請手続を迅速に進めており、特に渡名喜村の緊急を要する一部事業にあっては事前着工承認を得る等早期に災害復旧事業に着手ができる見込みでございます。また、法定額未満の災害につきましては、国庫災害復旧事業と並行して県及び市町村において災害復旧事業債等を活用して単独事業により対応することになります。
次に、渡名喜村の重要伝統的建造物群の54棟に係る災害復旧対策といたしましては、所有者の意向を踏まえながら文化財保存国庫事業を活用できるよう文化庁と調整中でございます。
次に、青葉苑問題について、世界遺産として景観を保全する責任を負っている県教育委員会としてこの問題にどういう態度で臨んだのかの御質問にお答えをいたします。
世界遺産にはコア──指定地と申しますが──とバッファーゾーン(緩衝地帯)があり、コアについては現状変更や開発行為等が文化財保護法によって厳しく規制をされております。
バッファーゾーンは、中城城跡の資産の良好な自然環境の確保を目的に中城村当局が地域住民等の理解を得て「中城村自然環境の確保に関する条例」を制定し、歴史的文化的景観保護地区としている地域であります。
ごみ消却施設の青葉苑は昭和54年に整備され、築22年を経過し老朽化が著しいことから建てかえが計画され、その建設に向けて平成11年12月から平成13年1月にかけ住民説明会等を実施しながら計画が進められ、その計画の中で世界遺産の保全と保護についても十分に配慮をし、城跡の石積みや周辺の植生にも影響はないとの報告を受けております。
県教育委員会といたしましては、村教育委員会に対し、青葉苑の改築計画を進めるに当たって世界遺産の価値が損なわれることがないようその保全・保護に関し十分な配慮が必要であることについて指導・助言を行ってきたところであります。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 台風16号の被害救済と防災対策について、被害に対する具体的な救済措置、特に住家の被害についての救済措置ということでお答えいたします。
災害救助法が適用された沖縄市、渡名喜村の被災世帯に対しては、生活必需物資や児童生徒に対する学用品の給与等災害救助法による応急救助を実施いたしました。
特に渡名喜村については、村からの求めに応じ県は自衛隊の派遣を要請し、飲料水や排水ポンプのほか、県の災害対策用備蓄物資の中から毛布、下着類及び食器セットなど、さらに上・下水道、電気、電話等の復旧のための作業員及び資材を空輸し早期復旧を図ったところであります。また、村から要望のありました8世帯分の仮設住宅の設置に向け作業を進めているところであります。
住家被害の支援制度につきましては、沖縄市、渡名喜村の全壊または全壊と同等の被害を受けた被災世帯に対して、被災者生活再建支援法に基づき年収等に応じて50万円から最高100万円を限度に支援金が支給されます。また、被害を受けた25市町村の被災世帯を対象に、全壊及び半壊世帯に対しては県独自の制度として2万円から5万円の災害見舞金が支給されます。
さらに、住宅や家財等の被害状況により災害援護資金の貸し付けの対象となるほか、沖縄振興開発金融公庫においては災害復旧住宅資金融資制度による住宅の建設、購入、補修等の資金融資も行っております。
続きまして同じく台風16号関係で、渡名喜村から切実な願いとして求められている気象観測所などの設置、仮設住宅の建設、災害救助法などの適用範囲を超える問題への速やかな対処についての御質問にお答えいたします。
台風16号は、11日間の長時間にわたり記録的豪雨を伴って本県区域内を迷走し、25の市町村が大きな被害を受けました。特に渡名喜村においては、停電の中で的確な台風情報がつかめないまま村民は約40時間も過ごすことになりました。
気象観測所等の設置については、9月18日に県及び関係機関の職員による現地調査の際にも渡名喜村から沖縄気象台への要望があったところでございますが、県としてもその実現について気象庁へ要望するとともに、停電時における離島や局地への台風情報のあり方について関係機関と調整を図っていきたいと思います。また、仮設住宅の設置につきましては被災者や渡名喜村からの要望に基づき8世帯分について10月20日の入居をめどに作業が進められているところであります。
災害救助法の適用基準については、避難所の設置期間の延長、仮設住宅の設置単価の特別枠の設定など可能な限り柔軟な対応を行っていきたいと考えております。
続きまして青葉苑問題について、中城村・北中城村清掃事務組合のごみ焼却炉の建てかえが地元6自治会の反対を押し切って強行されているが、県はどのように指導したかについてお答えいたします。
家庭などから出る一般廃棄物の処理については市町村の固有事務となっており、適正な処理施設の整備は地域の生活環境を保全していく上で必要不可欠となっております。 県においては、廃棄物処理施設の整備に関して地域の理解を得ることが重要なことから、市町村等に対し、市町村・一部事務組合廃棄物主管課長会議や施設整備に係る担当者間の事務調整などにおいて、地域との合意形成の重要性について説明をしてきたところであります。
中城村・北中城村清掃事務組合(青葉苑)のごみ処理施設の整備につきましては、環境省所管の国庫補助事業ではありませんが、今後とも住民の理解を得る努力を行うよう同清掃事務組合に対して助言をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 台風16号の被害救済と防災対策について、農作物及び農道等の被害に対する救済措置についてでございます。
台風16号による農作物の被害額の合計は、9月25日現在で7億円となっております。
作物別の内訳としましては、さとうきび3億2300万円、野菜1億3600万円、花卉2億1700万円、果樹が2400万円となっております。 また、農道、林道等の基盤施設の被害額の合計は17億600万円となっております。
具体的な救済措置につきましては、農作物については畑作物共済による補償及び低利融資の活用などで対応してまいりたいと考えています。また、農道、林道等の基盤施設につきましては災害復旧事業等で対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 台風16号の被害救済と防災対策について、道路災害の実態と復旧対策についての御質問にお答えいたします。
今回の台風16号の豪雨により本島中南部や久米島・具志川村、渡嘉敷村等の南部周辺離島を中心に大きな被害が発生しました。
県道及び市町村道の被害状況といたしましては、道路決壊やのり面の崩壊等が55件で、被害額は約9億400万円となっております。内訳としましては、県道の被害が伊計平良川線等10件で、被害額は約2億円となっており、市町村道の被害は渡嘉敷村の村道阿波連線等45件で、被害額が約7億400万円となっております。
これらの道路被害で村道阿波連線等の緊急を要する箇所では、災害の二次被害の防止のため応急的な措置を講ずる等、対策をしているところであります。県においては、現在「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」に基づく災害復旧事業の採択に向け諸手続を進めているところであり、今後早急に復旧工事の実施に努めてまいりたいと考えております。
次に、国道330号暗渠の拡幅について、国との交渉とその見通しはどうなっているかについてお答えいたします。
国道330号暗渠の拡幅につきましては、国道管理者と県で連携して整備することにしており、平成13年度には国道管理者において実施設計を行う予定であります。また、国道暗渠の下流側約300メートル区間についても通水断面が確保されてないことから、水辺プラザとして県の河川改修事業と沖縄市の公園事業が連携して整備することにしており、県は平成13年度から、市は平成14年度から用地買収に着手する予定であります。
県としましては、安慶田地域の浸水被害を解消するため国道管理者や沖縄市と連携を図るとともに、地権者や地域の協力を得て用地取得に取り組み、できるだけ早期に水辺プラザ及び国道暗渠の整備を図りたいと考えております。
次に、県道85号線の排水溝に起因する被害について、浸水の抜本的解決についてお答えいたします。
道路における排水溝については、道路面に降った雨水や道路隣接地から流入する水を処理する表面排水施設として計画しております。また、周辺地域の雨水を処理する施設として市町村管理の下水道施設がありますが、場所によっては土地を有効に活用するため道路地下空間を利用して排水施設が布設されております。
今回の県道85号線周辺の沖縄市松本地域における浸水については、台風16号による1時間に101ミリメートルという土木施設の設計条件を超えた集中豪雨によって周辺地域から流れ出た雨水が同地区に集中し、道路や下水道施設による排水が円滑に行われず浸水被害への発生につながったものと思われます。
道路管理者の県といたしましては、路面水を迅速に排除するため道路側溝等の増・改築を行うととともに、路面清掃など適切な維持管理に努めていきたいと考えております。また、沖縄市においても、雨水が円滑に下水道施設へ排除できるよう市道の側溝等を改築し早期の浸水解消に努めると聞いております。
次に、県営住宅問題について、県営住宅の空きの状況はどうなっているか、募集戸数に載せていない戸数はどうなっているか、空き部屋募集についての改善をどうするのか、3つの御質問に一括してお答えいたします。
平成13年3月31日現在、県営住宅の管理戸数は128団地1万6875戸で、空き家戸数は619戸となっております。管理戸数に対する空き家の割合は3.7%で、前年度と比較して1%減少しております。
御質問の募集戸数に載せていない戸数ということについては、平成12年度の空き家待ち募集から応募者全員に入居順位の番号を付し、空きが発生し次第、その順位に従って入居させています。したがいまして、御指摘のような戸数はございません。
また、平成13年度の11月からは、応募者が募集戸数に達しない団地については随時受け付けを行い、入居させることとして空き家の解消に努めているところであります。
なお、応募回数での優遇措置等については、応募状況が毎回多数で需要が旺盛であり、まだまだ供給が追いつかないことから、当分の間、現状で対応していきたいと考えております。
次に、空きの状態で放置している損失はどれくらいか、空き部屋の改修費用はどれくらいか、県民の入居要求にこたえるためにも抜本的で大幅な改修予算を組むべきではないかとの3点の御質問にお答えいたします。
空き家対策につきましては、毎年実施している一斉募集、臨時募集を行うとともに、駐車場整備や老朽化した団地の建てかえ事業等を実施し空き家の解消に努めているところであります。平成13年3月31日現在の空き家戸数は619戸で、うち399戸は入居者が退去時において負担すべき修繕費や公共料金を未払いのまま退去したため空き家となっており入居がおくれている状況となっているものであります。この未払い空き家にすべて入居したと仮定した場合の年間総家賃収入はおよそ9200万円となり、また修繕に要する費用はおよそ8800万円になると推計されます。
県といたしましては、当該未払い空き家となっているものについて退去者本人への戸別訪問等による督促強化及び連帯保証人への催促強化、また徴収嘱託員の増員等の対策を講じて粘り強く未払い分の修繕費や公共料金等の徴収に努力しているところであります。
なお、需要度と緊急性を考慮して必要な予算を確保し計画的に修繕を行い、空き家待ちの入居者が早期に入居できるよう一層努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○新垣 米子 休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時1分休憩
午後5時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
新垣米子君。
〔新垣米子君登壇〕
○新垣 米子 再質問いたします。
知事の無差別テロを許さないという国際世論の、これは知事もおっしゃったように一致した国際世論です。けれども、これを解決するために軍事報復するのか、それとも法の裁きで国連憲章や国際法に基づいて裁きをきちっとやるかというこのことの方法については一致してないんですよ。今、アメリカと小泉首相が軍事報復ありきで突っ走っている。そのことに対して、今米軍基地を抱えている沖縄がその報復の対象となるということで県民の不安が大きい。現に今大きな影響を与えて心配している。
ここで今知事のコメントは本当に他人事です。改めてこの報復、軍事行動があるのか、あると考えているのかどうか。あるいはそうであれば県民が巻き込まれることもやむなしと考えているのかどうか、お尋ねいたします。
○知事(稲嶺惠一) ただいまの、テロ行為については世界的な合意形成が図られつつあると理解しております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていると理解しております。
○新垣 米子 議長、ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時5分休憩
午後5時6分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
高嶺善伸君。
〔高嶺善伸君登壇〕
○高嶺 善伸 こんにちは。
それでは通告に従って質問を行います。知事の御答弁をよろしくお願いします。
まず最初に、我が会派の護憲ネットワークの友寄信助議員の代表質問に関連して海外移民についてお伺いします。
私も中南米派遣議員団の一人としてブラジル、アルゼンチン、ボリビア、メキシコで活躍しておられる各沖縄県人会と交流をしてまいりました。明治32年に始まった沖縄からの海外移民の苦難の歴史、さらに戦後、米軍基地建設のために強制的に土地を接収され、苦渋の選択として移民をなされた方々などその筆舌に尽くしがたい御苦労に敬意を表するとともに、今後の御繁栄をお祈りするものであります。
また、終始誠意を持って出迎え、対応していただきました各県人会の皆さんに感謝を申し上げます。
さて、各県人会でウチナーンチュとしての生き方、2世、3世の教育の問題などさまざまな固有な課題をお聞きしました。またそれぞれ懸案事業、課題などを持っていることもお聞きしました。第3回世界のウチナーンチュ大会を目前にしたこの機会に、知事の御所見を伺っておきたい
(1)つ、知事は、海外移民に対し母県として今後どのような関係を重視していかれるか、お聞かせ願いたい。
(2)つ、今後の母県としての支援の方法でありますが、まずボリビアのオキナワ移住地区でコトカという町から移住地区までの約70キロメートルの砂ぼこり道路のアスファルト舗装整備をお願いしているが、なかなか実現しないということ。隣接するグランデ川の洪水対策として防波堤整備をボリビア政府に要望しているが、なかなか実現しないということ。この件につきまして私は直接お話を承って、政府開発援助資金(ODA)によって支援することが可能ではないかと思われます。
知事は、世界のウチナーンチュ大会を目前にした機会でもありますので、ぜひ日本政府に対して要請をしていただきたいと、こういうふうに持ち帰ってきましたので、よろしくお願いします。
それでは質問事項について続けます。
1、基地問題について。
アメリカにおける同時多発テロ事件に関連してお伺いします。
私は去る5月に訪米した際、世界貿易センターの屋上に上ってニューヨーク・マンハッタンの町を見おろしました。あの110階410メートルの高層ビルがテロによる航空機の激突事件で跡形もなく崩れ落ち、6000名余の死傷者及び行方不明者が出たことは信じがたい事件であり、今回死亡された多くの方々の御冥福をお祈りすると同時に、テロ行為に心からの憤りを禁じ得ません。
さて、私は八重山と那覇間を年に100回以上も飛行機に乗っております。私だけでなく多くの県民が身の危険を感じるのは、沖縄の米軍基地がテロの標的にされる可能性が極めて高いということについてであります。現実に今、沖縄への修学旅行、団体旅行等のキャンセルが相次いでおり、新聞報道では1万4700人のキャンセルに上るとのことであります。
沖縄は、外国から見て軍事上どのように評価されているだろうか、今回の一連のテロ事件との今後のかかわりはないだろうか。我々は、県民の命と暮らしを守るため責任を果たさなければなりません。
そこで知事の御所見をお聞きします。
(1)、テロの危険性が米軍基地に起因するものである以上、国内で最もリスクの大きいのは沖縄であり、この件に関し知事は政府に対しどのような要請をしているのか。
(2)、普天間基地の県内移設は危険との同居を意味するものであり、SACO合意事案が実現されても5%減るだけで、なお日本国内米軍専用施設の約70%の米軍基地が沖縄に残ることから危険の解消にならず、この際知事は基地の整理縮小・撤去のためのSACO合意の見直し、すなわち「SACOⅡ」を日米両政府に提案すべきではないか。
2、赤土対策についてお伺いします。
第1次から3次にわたる振興開発と環境の保全との関係でどのように対応されてきたか検証することは大事なことであります。赤土の流出は第1次産業の自殺行為であり、さらには本県自立のための戦略産業として位置づけている観光・リゾートの資源をも破壊することになります。今、結果的に美しい河川、海岸線が赤土で汚染されている状況を見たとき、目を覆いたくなるような深刻な状況にあります。この間、赤土対策の数々の調査もなされてきたようだが、行政にどのように反映されているのか、お聞きしたい。
(1)、これまでの国や県による赤土等の流出に対する調査がなされているが、内容はどうなっているか。調査結果を踏まえ、どのような有効な施策がなされているか。
(2)、赤土等土砂の流出防止対策の現状及び課題はどのようになっているか。
(3)、今後、国の支援も含めて抜本的な対策を講じてもらいたいが、どうお考えか。
次に、川平湾の堆積土砂の撤去についてお伺いします。
石垣島の川平湾は、風光明媚な景勝地で全国に知られ、沖縄観光に大きな役割を果たしています。1998年、国の無形文化財・名勝に指定され、あわせて国内唯一の黒真珠の養殖が行われ、沖縄を代表する特産品の生産地でもあります。
ところが近年、赤土の流入などによる汚染が心配されており、漁場機能の回復を訴えております。事の発端は、1970年9月、台風が襲来した際、工事中であった於茂登林道工事現場から大量の土砂が流出し、その赤土が川平湾にも流入しました。以来、川平湾周辺の公共工事や農地開発、家庭雑排水等で年々汚染が進行しているという実情にあります。調査してみると、川平湾の中央部で20メートルの水深があったところが、現在、約15メートル程度までに土砂が堆積し、おまけに湾の入り口部分が狭いので潮の流れが悪く自然の浄化作用が機能しておりません。
そこでお聞きします。
(1)、県当局は、その汚染の実態をどのように把握しておられるのか。
(2)、今後の漁場機能回復及び再生浄化の対策をどう考えているか。堆積した土砂の撤去をモデル事業として取り組んでみてはどうでしょうか。
次に、交通運輸行政について。
まず、生活路線バス問題についてでありますが、改正道路運送法により平成14年2月1日以降はバス会社の経営上、乗車率の悪い不採算路線の廃止が可能となり、今年4月26日時点で37路線が廃止される予定だという。関係市町村においてもバス会社からの廃止予告通知を受け、バス対策会議を設置し対応策を協議しており、バス路線が廃止になるのではないかと利用者は不安を感じております。
作業手続がおくれているようにも感じられるが、当局の対応についてお伺いしたい。
(1)つ、規制緩和に伴う廃止路線、存続路線に対する国や県の支援施策はどのようになっているか。
(2)、生活路線の存続・確保についてバス会社、市町村、県当局の協議はどうなっているか。そして今後の見通しはどうか。
次に、鉄軌道導入についてであります。
鉄軌道導入問題については、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」において「軌道系を含む新たな交通システムについて調査検討する。」と明文化されており、私もそのことを高く評価しています。今後は、2020年を目標とする総合交通体系基本計画にどのように盛り込むかであります。先進都市の公共交通システム等も比較検討し、歴史の評価に値する21世紀のグランドデザインを期待いたします。
ただ気になるのは、さきの「鉄軌道導入可能性基礎調査」の結果だけでは採算性が厳しいとの結論を前提とした需要予測数値が示され、県民に誤解を与えたまま先送りされる危険性があります。ぜひ県民参加の議論を経て20年先、50年先の沖縄の未来をつくりたいものです。
そこでお伺いします。
(1)、軌道系を含む新たな交通システムの調査はいつごろ行う予定なのか。
(2)、総合交通体系基本計画で軌道系を含む新たな交通システムはどのように組み入れられることになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
4、農業行政について。
本県農業の懸案の1つは、畜産における牛のピロプラズマという病気を媒介するオウシマダニの駆除でありました。その根絶事業は国の支援、県当局並びに関係者の御尽力により成功し、今や我が県の畜産業は400億円産業となり、畜産立県として全国的にも注目されております。
ただ、懸案の他の1つは、ミバエにより果樹、野菜などの農産物が植物防疫法により本土への移動が制限され農業振興の障害となり、本土市場への販路が拡大できなかったことであります。
そこで、沖縄県全域のミカンコミバエ、ウリミバエの根絶事業が国の支援を得て実施がなされ、1991年完了したこのウリミバエ根絶事業には170億円という膨大な予算と、延べ31万8000人が投入されたということであります。これこそ魚より釣り道具のねらいどおり、ミカンコミバエ、ウリミバエの根絶こそは沖縄の自立を担う戦略的な農林水産業振興のかぎを握るものと期待されていたのに、現実は必ずしも期待どおりの成果を上げていません。
八重山での県民フォーラムで島田長政さんという農家の提言によると、同じ亜熱帯農業地域としてミバエのいる台湾と比較して沖縄県は完熟で、かつ植防法の制限なく本土市場に出荷できる果樹、野菜の供給基地として絶対的な優位性があり、それを発揮できるよう施策を計画することが提言されました。亜熱帯農業の課題であったミバエの根絶が実現した以上、結果について大きな期待があるわけです。
そこでお聞きします。
(1)、ミバエ根絶前と根絶後の農業振興の実情はどうなっているか。目標の達成度はどうなっているか。アクションプログラムの進状況はどうなっているか。
(2)、市町村計画、県民フォーラムでの園芸振興への要望や提案の活用は今後どのようになっているか。
(3)、熱帯果樹研究機関設置及び技術普及など人材育成等の拡充についてどのように取り組むか、お伺いいたします。
次に、農協合併についてであります。
県内JA合併に向けて慌ただしい日程になっているが、28JAの財務状態がいろいろあることもあって合併に反対を表明するJAもあると聞いています。組合員あってのJAであり、十分な説明や議論もないままになぜ合併かとの不満も聞かれます。今こそ知事の指導力と本県農業及びJA経営の明確なビジョンが必要であり、財務改善と健全経営計画を示し理解と協力を得る必要があります。
一方、知事は去る9月14日、与那国町農協に公的管理人を設置しました。これは農林水産協同組合法による同農協の経営破綻を意味するものと言われます。全県単一JAに向けて合併作業が進行中とのことであり、組合員を初め与那国町を震撼させる重大事件であり、協同組合の監督責任は県にあり、その対応が注目されております。
そこでお伺いします。
(1)つ、合併作業の進状況はどうか。合併に反対しているJAは現時点で何カ所か。その対策はどうか。
(2)、合併に向けての取り組みで各JAの解決すべき課題は何か。解決の見通しはどうか。
(3)、合併後の元JA単位の組合員や職員はどうなるか。業務はどういう形になるのか。
(4)、JA与那国町の公的管理人設置については適切な措置であったのか。経緯はどうなっているか。
(5)、JA与那国町は合併から除外するとの方針のようだが、他のJAとの取り扱いはどのように違うのか。
(6)、JA与那国町の今後の組合員への支援、経済事業や農業振興対策はどうするか、お聞かせ願いたいと思います。
最後に、教育行政についてであります。
ことしは高校生の全国大会での大活躍が目覚ましく、文化及びスポーツ各面でのはつらつとした快挙が県民に喜びと感動を与えてくれました。関係各位に心から感謝を申し上げます。特に沖縄県立西原高校のマーチングバンドは、7月、オランダで開かれた音楽のオリンピックと言われる世界音楽コンクールで優勝し、ドイツでの世界選手権でも優勝し世界一となったことをお祝い申し上げます。
若者たちの活躍は沖縄の誇りであり未来であります。御指導に当たった先生方や支えていただいた御家族に感謝申し上げます。
そこで、西原高校の世界一の偉業に対する教育長並びに知事の御感想をお聞かせ願いたい。
答弁により質問を続けさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 高嶺善伸議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題で、基地の整理縮小・撤去のため「SACOⅡ」を日米両政府に提案すべきではないかとの御質問にお答えします。
県民は、戦後56年間にわたってこのような広大な基地の存在及び運用等に伴う過重な基地負担を背負ってきており、基地の整理縮小を強く望んでおります。
県としては、県民の意向を踏まえ、本県に所在する米軍基地の整理縮小を着実に推進する必要があると考えており、そのためにはSACO合意事案の着実な実施により、計画的、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると考えており、現在、その実現に向けて国と連携を図りながら取り組んでいるところであります。
なお、SACO合意事案がすべて実現されたとしても沖縄県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%が存在することから、SACO合意事案以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
次に、農業行政についてのうち、農協合併の進捗状況、合併反対JAの数とその対策はどうかという御質問と、合併の取り組み状況と各JAの課題、解決の見通しはどうかについてお答えいたします。関連しますので一括してお答えします。
県単一JA合併構想は、農業を取り巻く厳しい社会経済環境の変化に対応し、強固な経営基盤を確立するため平成13年3月の第16回JA沖縄大会において決議されたものであります。JA沖縄グループでは、同構想を実現するため県下全JAの代表者等で構成する合併推進本部委員会を設置しております。現在、同本部委員会のもとで経営困難JAの赤字処理、合併に向けた財務調整、合併後の経営計画の樹立等の課題解決に向けた取り組みが行われているところであります。
こうした中、一部のJAにおいて合併参加を見送るとの動きが見られます。こうした動きに対し、経営困難JAの経営改善計画を示し粘り強く議論を尽くして理解を求めていきたいと考えております。
各JAの課題については、合併に向けた赤字処理と合意形成であります。特に経営困難JAの赤字処理については、平成14年4月のペイオフ解禁までに救済合併を行うことが全国支援を受ける上で必要となります。県としては、県単一JA合併構想が実現できるよう合併の合意形成に向けて積極的に支援していきたいと考えております。
なお、教育行政についてでございまして、西原高等学校マーチングバンドの世界音楽コンクール、世界選手権大会の2大会で世界一になったことについての感想を聞きたいということのお答えでございます。
音楽のオリンピックと言われる「世界音楽コンクール」と「世界選手権大会・世界マーチングフェスティバル」の2大会において西原高等学校マーチングバンド部が世界の高校生と競い合い、それぞれ金賞、1位の栄誉に輝いたことは児童生徒に希望と自信を与え、県民に大きな感動をもたらしました。このことは21世紀を担う本県の青少年の健全育成に大きく貢献し、県の将来に明るい展望を開くものと確信しています。今回の輝かしい快挙が刺激となり、マーチングはもとより、さまざまな分野で多くの青少年の皆さんがいろいろなことにチャレンジし、大きく世界へ羽ばたいていくことを期待します。
なお、今回の西原高等学校のすばらしい活躍に対しその栄誉をたたえ、沖縄県児童生徒等特別表彰を授与し、県民とともに喜びを分かち合いたいと思います。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 高嶺善伸議員の基地問題についての質問事項の中の、国内でテロの危険性によるリスクが大きいのは沖縄であり、このことに関し政府にどのようなことを要請しているかという御質問にお答えいたします。
県は、米国で発生した同時多発テロ事件及びその後の日米両政府の対応等に関し、外務省沖縄事務所を介して情報収集に努めてまいりました。
他方、在沖米軍が実施しているテロ対策や訓練等について直接米軍に照会するなど、在沖米軍の動向把握に努めてまいりました。在沖米軍基地の現在の警備体制の状況につきましては把握しておりますが、米軍の作戦行動及び運用に関する詳細な情報の収集は困難な状況にあります。県としては、今後とも今回の事件に関連して県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めてまいりたいと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) まず、我が会派の代表質問との関連について、グランデ川の堤防の整備、コトカまでの道路の整備について一括して答弁をいたします。
グランデ川のはんらんにより、オキナワ移住地の農業者並びに周辺住民が多大な被害を受けていることについては承知をしております。このことについて、県は平成11年にオキナワ移住地オキナワ村村長ほか2名の連名による「グランデ川の治水事業要請について」の陳情を受け、国及び国際協力事業団に対し、グランデ川のはんらん対策及び治水事業への支援等を要請してまいりました。事業団においては、サンタクルス北部地域洪水対策計画調査を平成11年度に終了しております。今後、ボリビア国から開発調査案件として「リオ・グランデ川洪水対策・流域管理計画」の要請があった場合には検討することになっていると伺っております。
県においては、今後とも国及び国際協力事業団に対し、早期の対策等が講じられるよう要請を行っていきたいと考えております。コトカまでの道路の整備については、これまで県人会等からの県に対する要望はございませんが、今後、県人会等から情報収集を行い、調整の上、国等への要請を検討してまいりたいと考えております。
続きまして赤土対策について、これまでの国や県による調査の内容と調査結果を踏まえてどんな有効な施策がなされているかということについての答弁を申し上げます。
本県の美しい海を保全し、水産業及び観光産業の振興を図っていく上で赤土等流出防止対策は重要な課題であることから、県においては国と連携してこれまでに赤土等の流出に関する諸調査を行ってまいりました。
その主要なものとして、赤土流出源の実態に関する調査、赤土流出のメカニズムに関する調査及び赤土流出防止技術の実効性に関する調査等に基づいて、開発事業においては切り土、盛り土面の種子吹きつけ緑化、赤土凝集剤の滴下装置を組み合わせた沈殿池の設置による河川・海域への流出防止対策が行われております。
また農地においては、圃場勾配の3%以下への修正や沈殿池の設置などを行っております。月桃などのグリーンベルトを農地周辺に設置する実証調査によって赤土の流出が約60%減少することが確認されております。県は、これら諸調査に基づく成果の導入について農家への普及・啓発を推進しているところであります。今後とも赤土流出防止に向けた調査・研究を行い、施策として導入を図っていくことにしております。
同じく赤土対策につきまして、赤土等土砂の流出防止対策の現状及び課題はどのようになっているかという御質問でございます。
県は、平成6年10月「沖縄県赤土等流出防止条例」を制定し、平成7年10月から施行して赤土対策に取り組んでいるところであります。条例施行後、土地改良事業、区画整理事業等の公共事業や民間の開発事業においては沈殿池の設置、裸地表面のシート被覆や植生緑化等の対策が行われるようになったことにより、赤土等の流出量が条例施行前の約5分の1まで減少しております。
しかしながら、降雨時には依然として農地等の既存発生源からの赤土等の流出があります。現在、赤土等の流出は既存農地からの流出量が県全体の赤土流出量の約70%を占めており、既存農地からの赤土等の流出対策が大きな課題となっております。
同じく赤土対策につきまして、今後国の支援も含めて抜本的な対策を講じてもらいたいと考えるがどうかという御質問にお答えします。
赤土流出防止対策は本県の重要な課題であり、国と連携して各部局において対策を実施しております。
農林水産部におきましては、水質保全対策事業による圃場勾配の修正、排水施設や沈砂池の整備等の対策を進めるとともに、グリーンベルト、マルチング等の営農対策の農家への普及に努めているところであります。また、流域において効果的な営農対策を試行し、その費用、労力、技術等の課題を明らかにし、流域関係者による支援体制の構築など持続的に取り組める仕組みを検討することとしております。
文化環境部におきましては、国の委託事業で土壌の団粒化、心土破砕及び暗渠排水を施すことによる赤土等流出抑制効果及び作物の生育への影響調査を実施しており、農家負担の軽減を図り、作物の収量増をもたらすことによって普及が促進されるような流出防止対策を調査しております。今後とも農地からの赤土流出防止対策については国の支援を受けながら種々の対策を講じていきたいと考えております。
同じく赤土対策につきまして、川平湾の汚染の実態、今後の漁場機能回復、再生浄化の対策等について一括してお答えいたします。
八重山保健所におきましては、石垣島沿岸の赤土の流出状況を把握するため昭和63年とことし6月に52カ所の潮間帯で赤土の堆積状況を調査しております。この調査によりますと、昭和63年と比較してことしは32カ所において赤土の堆積状況が改善されており、20カ所が悪化しております。川平湾に流入する河川の河口域も調査地点となっておりまして、調査の結果、昭和63年は底質1立方メートル当たり赤土等の含有量が41.9キログラムでありましたが、ことしは33.8キログラムであり、8.1キログラムの減少となっております。
なお、川平湾の漁場機能回復及び再生浄化の対策については、水産振興や環境保全の視点から、今後諸課題について所管する部局などと検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 交通運輸行政についての御質問のうち、規制緩和に伴う廃止路線、存続路線に対する国の支援施策についてお答えをいたします。
道路運送法の一部改正により平成14年2月から乗り合いバスの規制緩和が施行され、新規参入が原則自由になる一方、路線の廃止が届け出により行われることになります。これに対応してバス路線に対する補助制度も改定され、国においてはナショナルミニマムの観点から維持することが適切であると考えられる広域的・幹線的路線を支援することになっております。具体的には、複数市町村にまたがり、路線長が10キロメートル以上、1日の運行回数が3回以上で輸送量が15人から150人の中心都市等にアクセスする路線に対し、国と県が協調して補助することとしております。
なお、国が補助を行う広域・幹線以外のバス路線で採算の確保が困難な離島・過疎地域を中心に地域の生活に欠くことのできないバス路線については、県単独の補助制度として県と市町村で協調して補助することにしております。
次に、同じく交通運輸行政の御質問のうち、生活路線の存続・確保についてバス会社、市町村、県当局の協議はどのようになっているか、今後の見通しについてという御質問でございます。
生活バス路線の維持確保につきましては、国、県、市町村、バス事業者で構成する沖縄県生活交通確保協議会において対策を検討しているところであります。現在の状況は、4月末の本協議会においてバス事業者の廃止予定路線の表明を受け、県内5地区に設置している地区協議会及び各市町村で設置しているバス対策会議で具体的な路線の維持方策を協議している段階であります。今後は10月末に第3回の地区協議会を開催し、地域の足として必要な生活路線を内定した上で国、県及び関係市町村がそれぞれ所要の予算措置を講じることになります。
次に、軌道系を含む新たな交通システムの調査、これはいつごろ行うかという御質問にお答えをいたします。
軌道系を含む新たな交通システムにつきましては、地域特性や需要特性に応じた柔軟なシステム運用のあり方など多様な視点から検討する必要があります。このため、平成12年度に実施した「鉄軌道導入可能性基礎調査」で得られた整備効果や課題を踏まえながら本県に適した公共交通システムを目指し、現在策定を進めている「沖縄県総合交通体系基本計画」の中で検討するとともに、平成14年度からスタートする「沖縄振興新計画」の中で引き続き調査・検討を進めることが重要であると考えております。
次に、総合交通体系基本計画で軌道系を含む新たな交通システムはどのように組み入れられるかという御質問にお答えをいたします。
軌道系を含む新たな交通システムにつきましては、平成12年度に取りまとめた「沖縄県総合交通体系基本計画」(素案)の中の「第3章 総合交通体系21世紀ビジョン」の中で、(軌道系交通システムや幹線バスシステム等の導入検討)などの形で記述をされております。同素案をもとにいたしまして、総合交通体系基本計画の策定に向けて現在学識経験者、運輸事業者、利用者代表等で構成されます「沖縄県総合交通体系整備調査委員会」及び庁内の部局長等で構成する「沖縄県総合交通体系推進委員会」での検討が進められているところであります。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 農業行政について、ミバエ根絶前後の農業振興の実情と目標の達成度及びアクションプログラムの進捗状況についてお答えいたします。
本県農業は、野菜、花卉、果樹等の農産物の供給産地として期待されております。平成5年のミバエ類根絶後は、ゴーヤー等の野菜の生産に加えてマンゴー、パパイア等の熱帯果樹の生産が拡大しております。
ミバエ類根絶後の野菜生産については大幅な伸びを見込んでおりましたが、国内外との産地間競争の激化等により期待どおりの成果には至っていない状況であります。
県としましては、園芸作物の生産振興を図るため「沖縄県農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム」を策定し、インゲン、ゴーヤー、マンゴー等の拠点産地形成等の各種施策を推進しているところであります。その結果、拠点産地協議会が野菜で29カ所、果樹で10カ所を設立されるとともに、平張り防災施設等の整備によりまして生産性の向上が図られております。今後とも生産対策、販売対策等により園芸作物の生産拡大に努めていく考えであります。
次に、県民フォーラム等での園芸振興への要望や提案の活用についてでございますが、園芸作物の振興を図るためには「おきなわブランド」の確立や輸送コストの軽減、販売対策などが重要な課題となっております。そのため、県としては有望作目であるゴーヤー、マンゴー等を戦略品目として位置づけ、拠点産地の形成や販売戦略の強化、輸送コスト低減対策を実施しております。
また、御提言の課題等については、今後「沖縄県農林水産業振興計画」の策定の中で具体的に施策を盛り込み推進していく考えであります。
続きまして、熱帯果樹研究機関の設置及び技術普及等人材育成等の拡充についてでございますが、八重山地域における県民フォーラムにおいて熱帯果樹研究機関の設置に関する提言がなされたことにつきましては承知をしております。
本県の農業試験場における熱帯果樹研究については、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツなどの熱帯果樹を含め、より地域に密着した技術開発研究に取り組んでいるところであります。県としましては、今後とも農業試験場における試験研究について生産現場との連携を強化し、効率的な技術開発・実証及び新規有望作目の開発・研究に取り組んでまいります。
また、農業技術者の人材育成については、農業改良普及員等に対し大学等への派遣研修、海外研修及び国内の先進地研修等を行うなど農業技術者の技術向上に努めているところであります。今後とも農業技術の向上と新しい技術の開発・普及に積極的に取り組み、すぐれた人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、県単一JA合併についてでございます。合併後の組合員や職員、業務はどうなるかという質問でございますが、農協合併に伴い、各JAの組合員と職員については県単一JAに引き継がれるものと考えております。合併後の県単一JAの組織は、管理、信用、経済、共済の4事業本部と市町村ごとに設置される53支店で構成されるほか、圏域別に営農センターの設置が計画されております。このため、これまで各JAで行われていました業務は各支店に継承されるものとなります。
次に、JA与那国町の公的管理人設置は適切であったか、経緯はどうか、それから合併から除外するようだが取り扱いはどうなるか、それからJA与那国町の組合員への支援、経済事業や農業振興策はどうするかというような質問でございますが、関連しますので一括してお答えいたします。
JA与那国町は、平成12年度決算で債務超過となり、自助努力のみでは事業の継続が困難な状態となっております。こうした中、白地手形の無断発行問題が生じております。JA与那国町においては、8月30日付で県に対し管理人による管理を要請しております。県においては同JAからの要請を受け、農水産業協同組合貯金保険法第83条に基づき「管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分」を行ったところであります。
今後、同JAの業務運営は管理人によって行われることになりますが、信用事業、経済事業等の各事業につきましては上部団体等に譲渡されるものと考えております。
同JAの県単一JAへの合併につきましては、手形リスクが大きな障害となっております。しかし県単一JA発足後は与那国町にも新たな支店が設置され、組合員の営農を支援することになるわけでございます。県としましても、地域農業の発展と農家経営の安定を図るため県単一JA合併構想が実現できるよう積極的に支援をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 西原高等学校マーチングバンドの世界音楽コンクール、世界選手権大会の2大会で世界一になったことについて教育長の感想を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
西原高等学校マーチングバンド部が世界の高校生と競い合い、金賞、1位の栄誉に輝いたことは県民にとって大きな喜びであり、児童生徒に希望と自信を与えました。
西原高等学校マーチングバンド部は、これまでにもマーチングバンド・バトントワリング全国大会2年連続日本一や、ハワイ沖縄県人移住100周年祭参加等国内外での活躍は目をみはるものがありました。今回の輝かしい活躍は、諸先輩たちが築き上げた伝統の上に生徒たちの日々の努力が実った成果であります。その裏には、卓越した指導力と惜しみない情熱を持って指導に当たられた先生方や学校関係者、保護者の協力、地域社会の御理解のたまものであり、深く敬意を表するものであります。これを契機に本県の青少年が何事にもチャレンジ精神を持ち、広く世界へ目を向け、あすを担う有為な人材として成長することを期待してやみません。
以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 先ほどの高嶺議員の御質問のうち、我が会派の代表質問との関連について、移民に対する歴史的認識についてが抜けておりましたので答弁させていただきます。
本県は全国でも有数の移民県であり、戦前・戦後を通じて多くの県人が海外へ移住しております。県人の海外移住は、1900年(明治33年)の26人のハワイ移民に始まり、平成5年までに約9万3000人がハワイ、北米、南米、東南アジアに移住しております。
移住者の方々は、ふなれな土地で幾多の困難を克服しつつ現在の安定を築いておりますが、この間、みずからの労苦を顧みず戦前・戦後の沖縄の発展に多大な貢献をしてまいりました。現在、海外在住県系人は30万人余に達し、本県との間に築かれた海外県系人とのネットワークは沖縄の発展にとって非常に大きな人的財産になっております。
県としましては、県系人の海外雄飛の精神と歴史を後世に継承していくとともに、本県と県系人社会の発展を図るため、ウチナーネットワークを活用した相互交流を積極的に推進していきたいと考えております。
なお、個人的に言えば私の祖父もペルー移民でございまして、1923年に現地で亡くなっております。
○高嶺 善伸 SACOの合意事案と関連しますが、1995年9月の少女暴行事件を契機に国内外の沖縄の米軍基地に対する世論をバックにSACOの設置及び合意事案ができたわけです。
今、沖縄は基地があるゆえに大きな問題に直面している。それは今、観光客の減少という問題です。
そこで観光リゾート局長、観光客の減少について私は数字を述べましたけれども、局の調査内容を聞かせてもらいたい。これは数、金額、どれぐらいの損失をこうむっているか。
この厳しさゆえに私は、改めて合意事案のさらなる見直しをしてもらいたいということを申し上げたんですよ。一連の局長の今までの答弁は、基地があるゆえの県民の不安、損失について全然触れてないんです。これをぜひお聞かせ願いたい。これは私の質問の冒頭で説明いたしましたので、御説明をいただきたいと思います。
それから農協合併についてでありますが、この債務超過分の解消をどうするか、経営の新たな計画をどうするかということが黒字JAに対する説得力なんです。そういう意味で、まず赤字を持ち込まない、じゃ、どのようにするかということについて組合員責任、役員責任、県域の責任、それを詳しく説明していただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時55分休憩
午後5時57分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
農林水産部長。
〔農林水産部長 天願貞信君登壇〕
○農林水産部長(天願貞信) 再質問にお答えいたします。
県内28JAを単一JAへと現在作業を進めているわけでございますが、御案内のとおりでございますけれども、いわゆる経営困難JA、それから不振JA、それから健全JAということで大体28を3等分したような格好になります。ですから現在の9JA経営困難、それを19JAと一緒に合併するというふうなことになります。
合併の条件としましては、これはどこの例でもそうでございますけれども、不振JAを健全JAが吸収合併するというふうな形が全国的な例でございます。したがいまして今回、これまでの経過もございますが、以前に5JA構想もありましたし、それからそれが現在の社会経済情勢の変化によりまして、いわゆる5JA構想でも御承知のとおり八重山地域であるとか、あるいは北部地域であるとか、農業をむしろ中心とするところがなかなか立ち行かなくなるというふうな試算も出ておりまして、そういう経過を踏まえまして今回の単一JA合併にJA全体でそういうことも合意をしたわけでございます。
したがいまして段階的合併の話もございますが、御承知のとおり来年4月以降のペイオフ解禁に、それ以降になりますと今考えていることが計画が破綻すると。申し上げておりますように、不振JAは解散、職員は解雇ということになるわけでございますので、この辺は行政側も一緒になってこういう状況を乗り越えるためにも健全なJAをつくり上げるといいますか、というふうなことで現在やっておりますので、御理解いただけるものだと思っております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時58分休憩
午後6時 再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
農林水産部長。
〔農林水産部長 天願貞信君登壇〕
○農林水産部長(天願貞信) お答えいたします。
今、議員がおっしゃった内容で現在進めているわけでございます。いわゆる経営責任、それの追及といいますか、そういうことによって当然のことながら不振JAにおいても経営責任が追及され、県全体でいわゆるどのぐらいの支援ができるかというふうなことを出して、破綻処理分のトータルを出して、まさしく赤字を持ち込まないという条件をつくるわけでございますから、赤字分をゼロにするための支援という形が要するに全国支援と。
それと、額になると幾らになるかわかりませんが、例えば県側からしますと、これは財政上の問題もございますので申し上げにくいわけでございますが、いわゆる利子補給分であるとか、そういう形で県の側でもある程度の支援をしていかなきゃいかぬのじゃないかというふうに考えておりますが、そういう内容でよろしいでしょうか。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) ただいまの高嶺議員の再質問でございますが、先ほどから申し上げておりますとおり、去る9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件の影響によりまして世界的にもかなり観光業界に対して影響が生じておりますし、本県についてもかなりの影響が出ております。
9月26日現在の数字でいきますと、一般旅行者で6967名、修学旅行で54校で9252名の計1万6219名のキャンセルが出ております。それからコンベンションにつきましては3件キャンセルになっております。観光バス、貸し切りバスにつきましては185件の418台のキャンセルが出ております。この数字につきましては私どもが業界からヒアリングでまとめた数字であります。
私どもとしましては、こういった状況にあるものですから、観光業界や旅行者の不安を解消するために各都道府県の教育委員会とかあるいは航空会社、旅行業者等に対して県民生活や観光施設の営業は通常どおりやっていますよという旨を内容とした文書を発送し、また関東地区、関西地区、それから九州・福岡地区に対しまして県あるいは観光コンベンションビューロー、県内宿泊施設、観光施設の職員等で構成するミッションを派遣したところであります。
○高嶺 善伸 金額は……。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 金額は今把握できません。金額につきましては、現在のところ正確に把握しておりません。
○高嶺 善伸 これは知事にお聞きします。
今、局長の答弁で約1万6000人余のキャンセルがあると。平成10年度の観光客1人当たりの消費額は10万6000円余ですよね。それを掛けると単純に見ても17億円の損失だということになります。
基地の提供責任は国にあるんだと、知事は再三答弁してきています。我々は、基地と共存するために今回の事件の今ほんの氷山の一角ですけれども、17億円余りも経済的な損失をこうむるんです。これについて知事は、この損失補償は基地を提供する責任のある国が補償せよというのか、それとも基地の整理縮小について新たな事案を要求するというのか、どちらか、この機会に知事は明確な県民の声を日米両政府に届けるべきだと思うんですが、知事の御見解を伺いたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後6時7分休憩
午後6時14分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほどの事件に対する影響でございますが、これは世界的に航空機利用や海外旅行を手控える動きが出ており、国内においても米国を中心にしたツアーの中止やキャンセルが発生しております。本県においても修学旅行を中心に影響が出ております。
県においては、観光客の皆様の不安を解消するため各都道府県教育委員会や航空会社、旅行業者等に対し県民生活も平常どおり、各種イベントも通常どおり各地で行われている旨を内容とした文書を発送するとともに、主要都市に職員を派遣し理解を求めたところであります。本県からの要請に対し、他府県の教育委員会等では沖縄に担当者を派遣し中止の見直しを行いたいとの発言がかなりありました。一度手控えている旅行を再度復活してもらうよう今後とも努力をしたいと思っております。
なお、基地の整理縮小については、これは県民のすべての願いでございますので、それについては全力を尽くして進めていきたいと思います。
○玉城ノブ子 一般質問を行います。
まず最初に、我が党の代表質問との関連についてであります。
緊急雇用対策について。
県内の雇用失業問題は最悪の失業率に加え、リストラ、人減らしが横行し、ただ働き、サービス残業も後を絶たず大きな社会問題になっています。さらにその上に最低賃金制度さえも守られず、労働局に申し入れてもきちんと対応してもらえない等県内の雇用失業問題は大変深刻な事態に直面しています。県は、サービス残業や労働者の雇用の実態を初め最低賃金さえも守られないこの実態を掌握していますか。
(2)、実態掌握のための調査を実施すべきであると思うがいかがでしょうか。
(3)、県の緊急雇用対策本部ではどういうことが議論され、計画推進されているでしょうか。県独自の緊急雇用対策事業を実施すべきであります。御見解をお伺いいたします。
緊急雇用対策事業について。
長引く不況のもとで雇用危機が深刻です。全国の7月の完全失業率は5%、完全失業は330万人に上りました。沖縄県の統計課の労働力調査によると、8月の県内失業率は9.2%と過去最悪となった1998年8月と並びました。完全失業者数は5万9000人に上っています。大企業の引き続く大規模なリストラの強行と、政府が進める不良債権の最終処理がもたらす中小零細企業の大倒産によってさらなる大量失業が生み出されることは必至です。
今、政府と自治体に求められていることは、解雇規制法を制定してリストラに歯どめをかけ、サービス残業を根絶して雇用全体の底上げを図るとともに、大量の失業者に対して臨時・応急の公的な就労の機会を保障していくことであります。
政府は、雇用失業情勢の悪化の中で99年秋から2002年3月までの約2年半、臨時・応急の措置として緊急雇用対策特別事業を創設しました。この事業は、各都道府県に雇用対策のための交付金を出すことにより各地域の実情に応じて各地方公共団体の創意工夫に基づき緊急に対応すべき事業を実施し、雇用就労機会の創出を図ることを目的としています。
(1)、沖縄県は、99年から2001年の間に25億7200万円が交付され、教育用コンピューター活用支援事業、松くい虫防除事業等の事業を実施していますが、失業者の新規雇用の機会を創出する上でどのような効果をつくり出しているか、答弁を求めます。
県事業に16億4600万余、各市町村に9億2500万余が配分されているが、市町村では500万から600万余の交付金では十分に雇用効果をつくり出すための事業が実施できないとの訴えがあります。また、制度の拡充や改善を求める声も上がっています。
例えば、失業者の新規雇用の機会を生じる効果の高い事業を計画すること、雇用期間を1年以上に延長し同事業に何回でも就労できるようにすること、失業者を吸収しやすい建設・土木事業も事業項目に加えること、委託中心ではなく自治体が直接実施できるものにすること等事業の目的に沿ってその効果が十分に発揮できるように予算の増額と制度の拡充・改善を政府に求めることについて答弁を願います。
この事業は、2001年度で終了することになっているが、雇用情勢がますます厳しくなっているもとで制度の継続が求められております。政府に制度の延長を求めるべきであると思うが、御見解をお伺いいたします。
沖縄県の失業率は全国の約2倍という厳しい状況に直面しております。県独自の雇用対策事業を実施することが重要だと思うが、知事の御見解をお伺いいたします。
2、県産品の優先使用について。
沖縄県の産業振興を図っていく上で農業、水産業、地場産業の振興は重要な位置を占めています。しかし沖縄県の農業、水産業に従事する人口は毎年減少し続け、その結果食糧自給率も低下しています。農業、水産業の衰退に歯どめをかけ振興を図っていくためには、農水産物の輸入を規制し、価格保証制度や台風時の災害補償制度の確立など農漁業の将来に展望が持てるような制度の充実が求められています。それと同時に、農水産物地場産業の販路拡大に力を入れること、学校給食やホテル、旅館での積極的活用など県産品の県内での新たな市場拡大に本腰を入れることが大切です。
県工業連合会の「沖縄の地場産業の発展に関する調査研究」によると、食料品、繊維製品、木製品・家具、印刷・出版、鉄鋼製品、金属製品の6業種で県産品の使用割合自給率が9%向上すると、自給率を高めることで雇用を生み出せるとして自給率向上、製造業振興の必要性を明らかにしています。
報告書によると、6業種の自給率が向上した場合、3%向上の場合生産誘発額が374億8400万円、就業者誘発数は7635人、雇用誘発者数は5918人、9%では生産誘発額が1348億9300万円、就業者誘発数は2万4479人、雇用誘発者数は1万8922人となっています。県産品の使用が生産と雇用の拡大につながることは明らかです。御見解をお伺いいたします。
沖縄県が策定した県産品の優先使用基本方針では、学校、病院、福祉施設や各市町村、公社・公団等の県産品活用状況を掌握し、指導、促進するとなっています。実施状況についてお答えください。
農水産物地場産業の積極的な活用を進めるためには、生産、流通、販売、消費の連携がとれるようなシステムづくりと供給体制の確立が求められています。県としてどのように指導、促進を図っているか、お答えください。
(4)、県産品の販路拡大については啓蒙宣伝活動も重要であります。ITやインターネットも活用した幅広い啓蒙活動を行い、積極的に販路拡大を進めていくことが重要ですが、御見解をお伺いいたします。
県内の小中学校の学校給食に陶器、漆器等の地場産業の食器を活用することについて御見解をお伺いいたします。
3、狂牛病対策について。
狂牛病の日本での発生は、県内の畜産農家に大きなショックを与え、消費者にも不安を与えています。しかも新たに欧州産からの感染も認定されています。
狂牛病は、ウイルスより小さな異常プリオンが感染原因とされ、感染した牛の脳、脊髄、リンパ組織などを含む飼料の摂取で経口感染すると言われています。原因は、感染した肉骨粉と言われているが、県内で使用する飼料はすべて安全だと言い切れるのか。狂牛病は潜伏期間が2年から8年と言われています。
(1)、過去8年間の飼料の県内への入荷についてのデータを公表する必要があります。答弁を求めます。
厚生労働省の対応が問題になっていますが、防疫検査体制について厚生労働省に体制の強化、データの公表を求めることが必要だと考えますが、答弁を求めます。
農協合併問題について。
農業で生活していけない、子供たちに農業を継いでほしいということが言えない、これが農家の率直な声ではないでしょうか。総合事務局の農業統計資料によると、農家の農業所得は年々低下し昨年は99万7000円となっています。
20回農協大会では、農家の所得確保と経営安定に取り組むことを強調しています。しかし農協合併の論議の中には営農支援対策の観点が不十分であります。組合員が農協に期待しているのは営農対策であります。それがこれまでどうであったのか、農協合併を推進することによって強化されるのか、農家の要望にこたえられるような価格保証制度の充実や災害補償制度の確立、輸送コストの低減化を図るなどの支援事業を積極的に行い、農業の未来に希望を持てるような施策を推進していくことができるかということであります。同時に今大事なことは、沖縄の農業、農協がなぜうまくいかなくなったのか。農協の目的、理念に照らして検証し、問題点を明らかにすることが必要であります。
その上に立って以下の点について質問をいたします。
(1)、県内JAの2000年度決算で債務超過に陥っている単協数と債務超過額についてお答えください。
このような事態になった原因と問題点についてどのように認識をされているのか、県の指導・監督・責任をどのように考えているのか、今後の対応策について答弁を求めます。
(3)、沖縄県のJA構想に対する県内JAの財務状況について、農林水産省から厳しい指摘を受けたとされているが、その内容についてお答えください。
農林水産省の指摘に対して、県としてどのような対策を考えておられるのか、お聞かせください。
(5)、現在幾つかの農協が合併に不参加を決定し、その他の農協からも不安の声が出されています。このような事態になった原因と問題点についてどのように認識をされているのか。
(6)、各JAの赤字、経営改善問題と合併問題は切り離して対策を講じていくべきであると思うが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
(7)、債務処理について、農水産業貯金保険機構の支援を求めていくことについてどう検討されているのか、お答えください。
(8)、農協合併は、組合員である農家の十分な議論と民主的な組織運営が保障されるべきであります。県単の1JA合併について性急に事を運ぶべきではないと思うが、御見解をお伺いします。
糸満漁港南地区の整備について。
糸満漁港南地区は1987年に完成をしています。ところが同漁港の漁船係留施設能力は約40隻で、大半の漁船が防波堤への係留を余儀なくされています。そのため漁船に損傷を与えるような事故がたびたび発生をしております。応急措置がとられているもののそれだけでは十分とは言えず、漁業に支障を来すような事態になっています。漁民が安心して利用できる安全な漁港の整備が求められております。
係留施設の増設、外防波堤の延長などの整備について御見解をお伺いいたします。
糸満市米須、大度の農作物の冠水被害について。
糸満市米須と大度地域の畑で水が噴出し、畑周辺一帯が冠水し、農作物が流失するなどの被害が発生しています。農家の方は土が流され、ニンジンや芋が根腐れし水浸しで畑に入ることもできず、さとうきびの植えつけもできない。このようなことは地下ダムが始まってからだと、米須で建設中の米須地区地下ダム工事の影響だと訴えています。
県は、このような実情をどのように認識されておりますか。
この地域では、2年前にも同じような被害が発生をいたしました。しかし、今回は2年前のときよりも被害が一層拡大をしています。その原因についてどのように考えておりますか。
地下ダム工事の影響が多方面から指摘されているが、県は国と一体となってその原因を明らかにするとともに、抜本的な解決策を図っていくことが求められていると思うが、答弁を求めます。
環境行政について。
国頭村廃棄物最終処分場の建設問題は、国頭村が辺戸区へ強制着工したことで重大な局面となっています。もちろん廃棄物最終処分場の建設は行政の重要課題の一つであります。だからこそ環境保全、情報公開、ごみ減量化などを含む住民参加の取り組みが必要ではないでしょうか。
今回の国頭村における問題は、95年の段階で候補地に挙がった複数の地域で住民の同意がありながらもアクセス道路の問題で断念したと言われています。今回の辺戸区の予定地では生活環境調査については行ったものの、動植物の環境評価を行っていないなどの問題点も明らかになっています。
以下質問をし、答弁を求めます。
最終処分場の建設に当たっては、国の補助事業として採択してもらうためには県の指導・助言は大きいと思いますが、この間の経過についてお答えください。
辺戸区の廃棄物処分場の予定地は動植物の環境評価が行われていません。同地域一帯ではノグチゲラの営巣木も見つかり、ヤンバルクイナの鳴き声が聞こえ、1キロ先の砂浜はウミガメの産卵場となっており、まさに貴重な動植物の生息する地域であります。また、国定公園や環境保護区にもランクされています。
こうした状況について県は認識をしていますか。その上で廃棄物処分場を建設することに問題はないのか、答弁を求めます。
地域住民は、工事差しとめを求め那覇地裁に提訴しました。住民合意や新たな建設地などの進展が見られるまで工事の一時中止など県が行政指導などを行うべきであると考えます。県として今後のかかわり、この点での対応について答弁を求めます。
答弁によって再質問を行います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの玉城ノブ子君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後6時31分休憩
午後7時17分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の玉城ノブ子君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城ノブ子議員の農協合併問題についてのうち、経営改善問題と合併は切り離すべきではないか、貯金保険機構の支援について、次の単一合併を性急に運ぶべきではないと思うがどうかと、この3つの御質問は関連いたしますので一括してお答えをいたします。
県単一JA合併構想は、農業を取り巻く厳しい社会経済環境の変化に対応し、強固な経営基盤を確立するため平成13年3月の第16回JA沖縄大会において決議されたものであります。
JA沖縄グループでは、同構想を実現するため県下全JAの代表者等で構成する合併推進本部委員会を設置しております。現在、同本部委員会のもとで経営困難JAの赤字処理、合併に向けた財務調整、合併後の経営計画の樹立等の課題解決に向けた取り組みが行われているところであります。
特に、経営困難JAの赤字処理については、全国相互援助制度及び貯金保険機構からの資金援助を要請することになります。
また、この全国支援に当たっては、平成14年4月のペイオフ解禁までに救済合併を行うことが必要であります。県としては、本県農業と農家経営の安定のため、平成14年4月の県単一JA合併構想が実現できるよう合併の合意形成に向けて積極的に支援していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 我が党の代表質問との関連についての御質問で、アとして県はサービス残業や最低賃金が守られない実態を把握しているか、イ、実態把握のための調査を実施すべきではないかという御質問に一括してお答えをいたします。
県は、賃金、労働時間及びその他の労働条件等を把握し、労働行政の基礎資料とするため県内の民間事業所を対象に労働条件実態調査を実施しております。この調査は、年度ごとにテーマを定めて実施しているもので、これまでの調査内容は、賃金、労働時間を初めパート労働の状況や育児・介護休業の取得状況、男女雇用機会均等法の普及状況などとなっており、当該調査において最低賃金を下回る結果が一部の事業所に見られます。
一方、労働相談においては賃金不払いや最低賃金の違反に関する相談も寄せられております。
県は、労働相談の事例については相談者への適切な助言等を通して改善を促し、また必要に応じて事業主等に遵守指導を行っております。今後とも労働条件の実態把握のための調査を実施するとともに、労働相談体制の強化に努めたいと考えております。
なお、「当面の緊急雇用・経済対策」においては、離転職者・求職者のあらゆる相談に応じるため雇用労働総合相談窓口の設置を決定したところであります。
次に、同じく我が党の代表質問との関連についてのウです。緊急雇用対策本部の議論、計画推進についての御質問でございます。
沖縄県緊急雇用対策本部は、雇用開発、雇用の安定等の対策を産業振興施策、地域振興施策等との連携のもとに総合的に推進するため知事を本部長とし、関係部局長を委員として設置しているものであります。これまで、平成10年6月の国の緊急雇用開発プログラムへの対応や平成11年8月に沖縄県緊急雇用対策特別事業の実施等について協議をし、雇用対策を全庁的に推進してまいりました。
県としては、現下の厳しい雇用状況に的確に対応するため、今後の国の補正予算等に対応した県としての総合的な雇用対策の取りまとめに向けた具体的な検討を進めることとしており、去る9月20日及び昨日10月1日に緊急雇用対策本部の幹事会を開催したところであります。
同じく我が党の代表質問との関連についてのエでございます。県独自の緊急雇用対策事業を実施すべきだがどうかという御質問でございます。
県においては、雇用状況の改善を最も重要な課題の一つとして位置づけ、企業誘致や各種の産業振興策を推進するとともに、幅広い職業能力の開発等技術・技能のミスマッチの解消に取り組んでおります。
また、当面の雇用状況に対応するため、今回の補正予算に計上した雇用開発事業や人材育成事業等に加えて、新たに緊急職業能力開発事業の実施や求職者に対する支援体制の整備及び総合的な相談体制の拡充等の緊急雇用対策を去る9月28日に取りまとめたところであり、9月補正予算成立後、早急に実施してまいります。さらに、今後の国の補正予算等、経済雇用対策に対応した県としての総合的な雇用対策の取りまとめに向けた具体的な検討を進めてまいります。
次に、1の緊急雇用対策事業について、(1)、緊急雇用対策特別事業は新規雇用の機会をつくり出す上でどのような効果があるかという御質問にお答えをいたします。
緊急雇用対策特別事業は、国から交付された25億6000万円の交付金を財源とし、平成11年度から13年度までの3年間、県と市町村において雇用就業機会の確保に結びつく事業を実施するものであります。県の事業としては、テレビジネス産業等人材育成事業や森林病害虫防除事業等28事業、市町村事業としては環境美化事業やホームヘルパー養成事業等が53市町村で実施されております。これらの事業により約2500人の新規雇用と約7000人の研修受講を見込んでおります。
同じく緊急雇用対策事業について、(2)の緊急雇用対策特別事業の予算の増額と制度の拡充・改善を政府に求めることについて、(3)、緊急雇用対策特別事業の継続を政府に求めることについて、(4)、県独自の緊急雇用対策特別事業を実施することについて一括してお答えをいたします。
緊急雇用対策特別事業は、雇用期間が6カ月未満に限定されていることや、対象事業から建設・土木事業が除外されていること等の制約はありますが、現下の雇用状況に臨時応急に対応するため引き続き必要な事業であり、本県を初め各都道府県が事業の継続を要望してまいりました。
9月20日に国が発表した「総合雇用対策」においては、「現行の「緊急地域雇用特別交付金」を真に雇用創出効果の高い事業に重点化し、新たな緊急地域雇用特別交付金を創設する」ことが示されております。具体的には学校への教員補助者や警察支援要員、環境保全のための森林作業員等公的部門における緊急かつ臨時的な雇用の創出が検討されていると聞いております。
県としては、国において検討されている新たな緊急地域雇用特別交付金を積極的に活用し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、2の県産品の優先使用について、(1)、県工業連合会の沖縄の地場産業の発展に関する調査研究についての意見を聞きたいという御質問でございます。
本県の自立的発展のためには、農林水産業や本県産業を支えている既存産業の一層の振興を図ることを基本に加工交易型産業、観光・リゾート関連産業、情報通信関連産業などの振興に加え、新規産業創出による雇用機会の確保を図るなどバランスのとれた産業政策を推進する必要があります。県としても自給率を上げることが県内産業の振興と雇用拡大に大きな効果を発揮するということは、十分認識しております。このため県は、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定し、県産品の優先使用について国等に要請するなど積極的に取り組んでいるところであります。
同じく県産品の優先使用について、(2)の学校、病院、福祉施設や各市町村、公社・公団等の県産品活用状況についての御質問にお答えをいたします。
「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」では、主要な建設資材11品目については県の公共工事を行う業者に使用状況報告書を添付させることになっており、県産品の使用状況を把握しております。しかしながら、御質問の学校、病院、福祉施設等の公共機関、その他庁用物品における県産品使用状況についてその詳細を把握することは極めて困難であることから、当該公共機関等に対しては県産品を優先して使用するようその普及・啓発に努めているところであります。
県としましては、毎年7月の県産品奨励月間に国、市町村、公社・公団等約400カ所に基本方針に準じた積極的な対応をするよう文書で要請しているところであり、今後とも関係機関等との連携を密にし、県産品の優先使用について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
同じく県産品の優先使用について(3)のイ、地場産業の活用についての御質問にお答えいたします。
県内市場が狭隘で、かつ離島県である本県において地場産業の振興を図るためには、県産品の市場競争力の強化と県外市場への拡大が重要な課題であります。そのためには物流コストの低減を図る必要があることから、現在、県では集荷から仕分け、配送までの物の流れを一元的に管理する仕組みであるロジスティックシステムの構築を検討しているところであります。システムの構築に当たっては、県内関連業界の意向を踏まえるとともに、その予想される効果等について事前の周知を図ることでシステムの活用方への理解を広く求めていく考えであります。
同じく県産品の優先使用について(4)、インターネット等を活用した啓蒙活動や積極的に販路拡大を進めていくことへの見解を聞きたいとの御質問であります。
近年、ITに象徴される情報化が進展しており、流通の分野においても従来の販売方法に加え、ITの効果的な活用が求められています。県内外の民間会社においては、インターネット上で本県の観光情報や音楽情報などと県産品の宣伝販売を組み合わせたEコマースなどITを活用した販売戦略が展開されております。県の出資する株式会社沖縄県物産公社においても、本土における物産展の開催や「わしたショップ」の展開を行っているほか、コールセンターを利用した通信販売を手がけるととともに、ホームページの充実を図り県産品の宣伝紹介に努めています。
また、県としては優良県産品や物産展情報を県のホームページやパンフレット等で県内外に紹介しております。今後、従来の宣伝紹介をさらに充実させるとともに、民間の宣伝媒体への情報提供や物産公社が行う宣伝販売の多チャンネル化を積極的に支援してまいりたいと考えております。
以上であります。
○農林水産部長(天願貞信) 県産品の優先使用について、農産物の積極的な活用を進めるために県はどのように指導、促進を図っているかという質問についてお答えいたします。
県産農水産物の消費拡大を図るためには、県民はもとより、県内の観光客などに対し積極的な販売促進を行うことが重要であると考えております。このため県としては、平成8年に県、市町村や農協など91団体で構成する「沖縄県農水産物販売促進協議会」を設立し、県産農水産物の試食販売などの各種キャンペーンを実施しております。
具体的には、調理師等を対象としたパパイア食材開発試食会の開催、観光客を対象としたモズクやトウガンなどの沖縄産食材料理フェア、学校給食への活用のための県産果実調理実習、「ゴーヤーの日」や「マンゴーの日」キャンペーンなどを実施しております。今後とも県産農水産物のよさを積極的にアピールするとともに、県内での地産地消を推進し販売拡大に努めていく考えであります。
次に、狂牛病対策について、過去8年間の飼料の県内への入荷についてでございますが、県内で使用されている家畜配合飼料は年間約28万7000トンとなっております。このうち県内生産量は65%に当たる約18万8000トンで、残りの35%は県外産であります。
畜種別の飼料は、豚が16万8000トン、鶏が7万2000トン、牛が4万7000トンとなっております。
牛用配合飼料の肉骨粉の使用状況については、平成13年から過去8年間にさかのぼって調査した結果、県内で流通している牛用配合飼料には肉骨粉は入っておりません。県としては、今後とも県内への牛海綿状脳症等の家畜法定伝染病の進入を防止するため、家畜配合飼料の監視及び防疫体制等を強化してまいりたいと考えております。
次に、農協合併問題について、2000年度決算における債務超過JA数と債務超過額はどうか、それから債務超過に至った原因と問題点は何か、県の指導・監督・責任と対応策について、関連しますので一括してお答えいたします。
2000年度決算において債務超過に陥ったJAは9JAであります。また、債務超過額は合計で約166億円となっております。
債務超過に至った主な原因としては、都市部のJAではバブル崩壊による不良債権の増加などによるものであります。また、離島農村部のJAにおいては、厳しい農業環境の中で経済事業の未収金等が増加していることによるものと考えております。県としては、農協検査等により財務改善について指導を行ってきたところでありますが、社会経済情勢の変化等もありまして十分な改善が図られなかったものと考えております。
債務超過JAが抱える赤字につきましては、自己処理が困難であるため平成14年4月のペイオフ解禁までに救済合併を行い、全国支援を受けることで処理していく計画であります。
また、債務超過JAの赤字体質を改善するため実効性のある経営改善計画を策定するとともに、合併までに改善努力を行うよう指導していきたいと考えております。
次に、沖縄県のJA合併構想及び財務状況について、農林水産省の指摘内容は何か、それから農林水産省の指摘にどう対応するかという質問でございますが、一括してお答えいたします。
農林水産省からは、ペイオフ解禁までに債務超過JAを処理するためにも、県単一JAを実現することは極めて重要との指摘を受けております。また、全国支援と自助努力により県単一JAの経営が健全化されることを具体的に示すように求められております。
さらに、全国支援を受けるための3つの要件として、債務超過JAは存続させない、債務超過に至った経営責任の究明と応分の負担、組合員の協力負担を遵守する必要があるとの指摘を受けております。県としては、これらの指摘を重く受けとめ、債務超過JAの経営改善や合併に向けた合意形成について積極的に支援していきたいと考えております。
同じく農協合併問題でございますが、一部の農協から合併不参加が表明されたが、その原因と問題点についてどう認識しているかという質問でございますが、県単一JA合併構想は、農業を取り巻く厳しい社会経済環境の中にあって強固な経営基盤を強化するため、平成13年3月の第16回JA沖縄大会において決議されたものであります。
しかしながら、一部のJAにおいて合併参加を見送るとの動きが見られます。その主な理由としましては、合併後の経営計画及び赤字JAの財務改善の実効性に対する懸念などが考えられます。現在、合併推進本部においては、こうした懸念に十分こたえられるように合併後の経営計画の策定に取り組むとともに、経営困難JAの救済合併対策を進めているところでございます。救済合併が困難となれば債務超過JAは解散、職員は解雇になるなどの社会的混乱が予想されるほか、地域農業にも大きな影響が懸念されます。
一方、健全JAにおいてもペイオフ解禁後は厳しい経営環境が予想され、経営基盤の強化を図る上で県単一JAの実現は極めて重要な意義を持つものと考えております。このため、県としても県内の全JAが結束し、県単一JA合併構想が実現されるよう合併の合意形成に向けて積極的に支援をしていきたいと考えております。
次に、糸満漁港南地区の整備について、糸満漁港南地区の係留施設の増設と外防波堤の延長などの整備についてでございますが、糸満漁港の南地区は、現在、船揚げ場160メートル、物揚げ場118メートル、防波堤772メートルなどが整備され、52隻の漁船と50隻程度の遊漁船が利用しております。
遊漁船対策としては、北地区の外海側で整備中のフイッシャーリーナで対応する計画であります。
南地区の今後の整備計画につきましては、平成14年度に漁船の係留施設である浮き桟橋50メートルを増設する予定でございます。
また、外防波堤の整備につきましては、平成13年度に完成を予定しております沖防波堤による港内静穏度の状況を見た上で整備について検討をしていきたいと考えております。
次に、糸満市米須、大度の農作物の冠水被害について、糸満市米須、大度地域の冠水被害について県はどのように認識しているか、それから2年前より被害が拡大しているが原因は何か、それから地下ダム工事の影響が指摘されているが、その原因と抜本的な解決策はどうかということでございますが、関連しますので一括してお答えいたします。
糸満市米須、大度地区の低地帯においては、台風16号の豪雨により、さとうきび、花卉、野菜等が冠水の被害を受けております。原因等につきましては、地下ダム建設や地形条件等多様な要因があると考えられております。国におきましては、緊急の排水対策として本年度内に排水路等の施設を整備する予定であります。県におきましても国と連携して抜本的な排水対策を来年度から実施する考えであります。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 県産品の優先使用について、県内の小中学校の学校給食に陶器、漆器等の地場産業の食器を活用することについてどのように考えるかとの御質問にお答えいたします。
県産品の食器を学校給食に使用することは、児童生徒の地場産業への理解も深まり大変有意義なことであると考えます。
学校給食の食器につきましては、各市町村で確保することになりますが、その選定については安全性、耐久性、経済性、利便性等が求められております。現在、県工芸指導所、県工業技術センターで高耐久性等につきまして調査・研究に取り組んでいると伺っており、その成果に期待しているところでございます。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 3、狂牛病対策について、(2)、検査体制の強化とデータの公表についてお答えいたします。
本県は、牛を処理できる屠畜場が離島に3カ所──これは宮古、八重山と久米島でございます──本島に1カ所の計4カ所ありますが、狂牛病の精密検査については中央食肉衛生検査所で行うこととしております。
検査対象は、1つ、24カ月齢以上の牛で、生体検査において運動障害、知覚障害、反射または意識障害等の神経症状が疑われるもの及び全身症状を示す牛、2つ、神経症状が疑われない場合であっても30カ月齢以上のすべての牛であります。
検査については、国は、職員研修及び試薬の配布等を行い各都道府県の検査体制の準備を進めており、検査体制が確保され次第10月中に全国一斉に実施することとしております。なお、検査体制が整備されるまでの間の牛の屠殺については30カ月齢以上の牛の搬入自粛の指導を行っております。
厚生労働省では、検査の結果について当分の間、週単位で集計・公表し、厚生労働省のホームページにも掲載するとのことであります。
○文化環境部長(永山政邦) 環境行政について、最終処分場整備に当たって国庫補助として採択するには国の指導・助言は大きいと思うがその経過はどうか、工事の一時中止など行政指導すべきと思うがということに一括してお答えいたします。
国頭村では、平成9年度から最終処分場の整備に取り組んできておりますが、県においては、地域住民との合意形成の重要性について最終処分場の施設整備に係る事務調整の過程において適宜助言をしてきたところであります。同村では、平成11年1月に最終処分場検討委員会が建設予定地を辺戸区に決定した後、住民への説明会や先進地視察を行うなど合意形成に努める一方で、生活環境影響調査の広告・縦覧を実施してきております。平成13年3月には、平成12年度国庫補助金交付申請に当たって、国頭村から出された補助金申請につきまして県は事業計画書の説明書、事業費の積算資料、あるいは歳入歳出等に関する資料等を検討し確認し国へ提出し、3月末に交付決定されております。現在、入会権に関して辺戸区から那覇地方裁判所へ仮処分申請が提出されているところでありまして、県ではその動向を注目しているところであります。
なお、県と同村との意見交換の場において、仮処分申請が決定されるまでの間は工事を差し控えることについて話し合いがされております。
続きまして環境行政について、辺戸区の最終処分場予定地は動植物の環境評価が行われてなく、同地域一帯ではノグチゲラの営巣木も見つかり、また貴重な動植物の生息する地域で国定公園や環境保護区にもランクされている、県はどう認識しているかという御質問にお答えします。
ヤンバルの森林地域は、野生鳥獣の積極的な保護・増殖を図るための鳥獣保護区の設定や、すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進等を図るための自然公園が指定されており、自然保護の上から重要な地域であると認識しております。
なお、今回、国頭村が建設を計画している一般廃棄物最終処分場の予定地は、鳥獣保護区域や自然公園の地域指定外となっております。
また、沖縄県環境影響評価規程における廃棄物を埋め立てる区域の面積が10ヘクタール以上となっておりますが、当該事業規模は0.45ヘクタールであることから対象事業とはなっておりません。県としましては、施設整備に当たって自然生態系に十分配慮していく観点から、国頭村に対し、予定地及びその周辺の自然環境の保全について十分配慮するよう求めているところであります。
○玉城ノブ子 ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後7時53分休憩
午後7時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
牧野副知事。
〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 玉城県議の御質問、実は先生たちにも御理解と御支援をいただきたいと思いますので、改めて私の方から実情とその趣旨を説明させていただきます。
今、県内には28のJAがございます。これまで御説明申し上げてきましたように、そのうちの9JAが債務超過の状態に陥っております。しかしながら、金融政策の進行によりまして来年の4月からペイオフ政策がとられることになります。
これはどういうことかと申しますと、農協の健全化ということで、債務超過というのはどういうことかといいますと、例えば例を申し上げますと、私が300万円の自己資本を持って、700万円を公庫から借りて1000万円の家をつくったとしたら資産価値は1000万円、私の借金は700万円ですが資産が多いわけです。そういうのは健全ですけれども、つくった後の資産が例えば今回の豪雨だとか、そういうことで半壊したり、その資産価値が、ばあーと下がって300万円の値打ちしかなくなった場合は借金は700万円ですけれども、資産価値は300万円しかない。そういうような状態を債務超過と申し上げるわけですけれども、自由化政策が進められまして来年度からそういう信用力のないものの農協に対しましては、ペイオフという制度がとられます。
このペイオフとは何かと申しますと、負債、債務に対して自己資本が例えば4%以下のもの、資産価値に対して4%の自己資本がなければ、その単協は信用力がないということで営業停止かもしくは営業を制限され、あるいは倒産という形の措置がとられていくのが来年の4月から、そのまま今の債務超過のJAをほっておきますとそういう憂き目に遭うことが避けられなくなります。
しかしながらそういうことをしますと、従業員の解雇、あるいは預金者への支払い不能などで農協だけではなくて社会的にも混乱が起こりますので、我々はそういう混乱を起こさないようにこれを救済しようと思っているわけです。救済するためにはもちろん自力だけではできませんので、救済するために今我々がとられていますのは、国の御指導もありまして預金保険機構だとか、いわゆる公的資金を投下するということになります。
公的資金を投下するわけですけれども、公的資金を投下する以上、公的資金を投下してもとれないような農協に公的資金は投下することはできません。ですから、あくまでも公的資金を投下したら健全経営になっていけるような体制にならないと公的資金は投下できませんので、いわゆる赤字、経営不振の農協を健全な農協と合併することによって、いわゆる協同組合ですから協同組合の精神にのっとって全県の黒字も経営不振も統合しますと健全なものになりますから、そういう健全なものにした上で、いわゆるこれまでの公的資金を投下するというわけですから、これが単一JAの趣旨でございます。
そういう大きな流れで見ていただきますと、確かに経営のいいところは、悪いところをどうして吸収するかという御不満な面もミクロ的にはございますけれども、マクロ的に見た場合はむしろ公的資金を投下して沖縄全体の農協を救済していくということでございますので、そういう意味の大きな流れを御理解いただきたいと思います。
また、単一農協にすることによって今お話申し上げましたように公的資金を投下して体力が強化されます。そうするとまた単一になることによって規模の利益が働いていくことになります。それから単一農協にすることによって、今経営の合理化、近代化などを進めておりますので、今のばらばらの28があるよりも1つのものに固まることによって体力強化するための公的資金を投下して、いわゆるほっておけば解散だとか、解雇だとか、預金の払い戻し不能だとか、そういうことを避けたいというような意味で、大きな視点から単一農協にやろうということでその大きな流れを御理解いただきまして、関係者が去る3月に総会を開いてそういう形で進めていることでございます。
ですから、個々ばらばらですとそれぞれの利害があるかと思いますけれども、大きな流れで沖縄全体の農協関係を救っていく、そうすることによって農家経営も完全になるし、農協経営、信連、経済連などもという形でやっていこうということでございますので、そういうような大きな流れを御理解いただいて、御指導いただければと思います。
言うなれば、公的資金を投下するための措置、そうすることによって結果的に単一JAになることによって沖縄の関係機関が強化されるというようなことでございますので、御理解いただきたいと思います。ですから、合併を性急にするなというような御指摘でございましたけれども、来年の4月までにそれをしないと経営不振の債務超過の関係機関は倒産ないし解雇だとかという形になりますので、私どもが急いでいますのは、いわゆる金融政策の柱として来年の4月から、ペイオフということはどういうことかといいますと、自己資本が4%以下のものは農協ですと……(発言する者あり) ですからそういう意味で健全なものをつくっていこうということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○玉城ノブ子 まず最初に、県産品の優先使用についてなんですけれども、県の方は要するに県内企業への県産品の優先使用基本方針というものを持っていまして、皆さん方は市町村や公社・公団や病院、福祉施設、そういうところの実態の掌握に努めて効果的な推進を図るという方針を持っていらっしゃるわけですよ。ですから実態を把握するのは難しいということについては、ちょっとそれは皆さん方の責任としてはおかしいんじゃないかというふうに思うわけです。ですからその実態を掌握するための調査を、掌握してなかったら調査をなさって掌握する必要があるんじゃないですか。そのことを聞いておりますが、答えてください。
例えば、学校の給食センターにおいて使用されている食材の何%が県産品を使用されているのか、輸入食材がどれぐらい使われているのか、そういうことを皆さん方が掌握して初めて地元の農水産物を給食センターの中の比率を高めていくというそういう指導ができるんじゃないでしょうか。それについてお答えください。
農協合併についてなんですけれども、我が党が関係者からの調査を行ったところによりますと、県は農協を通じて組合に対して残高100万円未満の小口債務者に対して徹底した回収努力を義務づけるだとか、破綻懸念先か債務者には原則として貸し出しや売り掛けを中止するだとか、負債農家で経営改善が見込めるものに対しては改善計画の策定や特別約定書の提出を求める、必要最小限度の売り掛けのみに限る。また農協に対しては経常経費が黒字となる水準まで要員削減を行う。支所・出張所の統廃合に取り組む、農協経営責任も問うと。組合員に対しては1口1000円を除いた全額減資をすると。職員に対しても職員責任の方針を明確にする等の指導を行っているということですけれども、それは事実ですか。事実だとするならばそれを行った、それにかかわる指導文書を提出してください。
それと、辺戸区の環境問題ですけれども、辺戸区の廃棄物処理場建設問題については、入会権をめぐって今住民が訴訟をする事態に発展しているわけなんです。住民合意を得ないまま工事を着工したということが重大な問題であります。ですから県は、国の補助事業を受けて建設する施設については届け出要件がすべてクリアされているかどうかも確認して必要な指導・助言をするというのが県の果たすべき責任ではないでしょうか。
さっきの答弁にもありましたけれども、この地域は自然環境上非常に重要な地域であるということで県も認識なさっていらっしゃるわけですよ。そういうところに対する施設の建設についてはやはり慎重にやると、住民合意をとるということについてきちっとした指導責任を果たすべきじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。答弁願います。
○商工労働部長(花城順孝) 県内企業への優先発注基本方針は、官公需対策として2つありまして、1つは県の発注する公共工事で使われる県産の建設資材については鉄筋とかセメントとか11品目に限って使用状況をチェックすることになっています。
一方、学校、病院とか福祉施設等での庁用物品につきましては、一般的に県産品を優先使用してもらいたいと、こういう打ち方をしております。
こういう区分をしたのは、県産品奨励運動を総括しているのは商工労働部でございます。ただ、その優先使用の実績をチェックすることにつきましては、特に公共施設について事務的な煩雑さとか、現場の業務負担増といいますか、そういったことが伴うことが予想されるので各公共機関での取り組みや判断にゆだねているわけです。
一方、県の発注する公共工事の県産建設資材11品目のチェックについては、費用対効果等を勘案して実施しているということで分けて使用状況をとっているものと、一般的な県産品の奨励を各機関にお願いしているものと分けてやっております。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 再質問にお答えいたします。
単一JA合併に向けて、来年4月に向けて現在作業を進めているわけでございますから、御案内のとおり来年4月に向けて合併に向けたお互いに足並みをそろえなければいかぬと。
1つは、いわゆる自助努力をおのおののJAがしなきゃいかぬと。先ほど議員がおっしゃっていたように、来年4月に向けて合併するのに、いわゆる貸し出し等についてもある程度それなりの制限であるとか、そういうことは当然のことながらこれはお互いの協議事項の中で決めていることでございます。いわゆる県が指導しているということ以前の問題として、御承知のとおり合併推進局というのが、各JAの代表者の集まりで合併推進局をつくっているわけです。その中で来年4月に向けたお互いに守るべき事項についてやっているわけです。
今議員がおっしゃったように、例えば貸し出しについても貸し出し条件の当然制約があるわけですね。そういうことで、今おっしゃっていることにつきましては県が指導しているということじゃなくて、おのおのの1JAに移行するための各JAの代表者が集まって決めていることでございますので、県が押しつけているということではございませんで、ただ基本的に自助努力はしなきゃいかぬということでございますので、ぜひひとつ御理解いただきたいと思います。
それから、農産物の県内の学校給食への補給等につきましては、日ごろから御案内のとおりでございまして牛乳であるとか、あるいはモズクであるとか、その他県産品につきましては日ごろから学校給食に参入することについては日夜努力しているつもりでございます。
何%やっているかにつきましては、今手持ちの資料がございませんが、先生がおっしゃるようなことにつきましては一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 辺戸区の最終処分場予定地についての再質問でございますが、ヤンバルの森林地域が自然保護の上から重要な地域であるということは認識をしております。そのとおりでございます。
ただ、今回国頭村が建設している場所は、鳥獣保護区域や自然公園の指定地域外となっているということがまず1点でございます。
それからまた同村においてこの事業計画を進めるに当たりましては、数年来ずっといろんな調査をしておりまして、同村のまた議会等で一定の手続をしております。そしてこの廃棄物処理の事務というのが固有の市町村の事務ですよということで、県におきましては届け出という市町村がやる事務となっておるということで、廃棄物処理法に基づいて処理したということでございます。
○玉城ノブ子 議長、休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後8時12分休憩
午後8時15分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
伊波洋一君。
〔伊波洋一君登壇〕
○伊波 洋一 一般質問を行います。
まず最初に、米国同時テロ事件に係る知事の政治姿勢について伺います。
今回の国際テロ事件について、テロは憎むべき行為でありますけれども、米国が計画している報復戦争には反対であります。日本も報復戦争に加担してはならないと思います。なぜなら、戦争の名のもとでは沖縄戦がそうであったように一般住民を巻き込む無差別な攻撃やあらゆる残虐行為が正当化されてしまうからであります。
私たちは、米国が戦争の名のもとにベトナムやイラクで行ったような非人道的な攻撃をアフガニスタンに行うことに反対しなければなりません。戦争ではテロを撲滅することはできません。なぜならば、米政府や米軍への国際テロを生む原因は人々の心に宿る米国への憎悪であり、米国が報復戦争を行えばさらに多くの人々の心に憎しみの種をまき、イスラム過激派テロリストたちがイスラムの人々に呼びかけるジハード(聖戦)の口実を与えかねないのであります。国際テロを起こした犯罪者たちは、報復戦争によってではなくて国際刑事裁判所で裁かれるべきであります。
国際刑事裁判所設立条約は、既に139カ国が署名し、ヨーロッパを含め37カ国が批准をしております。60カ国が批准すれば発効するわけでありますが、米国は米兵が訴追されることを恐れて批准していないし、米国に追随する日本は批准どころか署名もしていないのであります。日本政府は、報復戦争に加担するのではなく、国際刑事裁判所を設立する条約への署名・批准こそ優先するべきではないでしょうか。
米国の情報操作にも気をつけなければなりません。モハメッド・クルディ駐日サウジアラビア大使が9月30日の朝日新聞に寄せた論文によりますと、米国が乗っ取り犯人としたうち、2人は生きて普通に働いており、容疑者リストのうち既に5人は無関係と判明したということであります。米国は、オサマ・ビンラディンが首謀者だという証拠をまだ明らかにしておりません。
以上を述べて質問いたします。
米国の進める報復戦争は、アフガニスタンに住む民衆に新たな数多くの戦争犠牲者を生む可能性があります。悲惨な沖縄戦を体験した沖縄県民の立場から報復戦争に反対するべきであります。今回、米国が計画している報復戦争に対する知事の所見を伺いたい。
国際法上、米国と戦争状態にある国は出撃・補給拠点である在沖米軍基地を攻撃する権利を有すると考えるが、知事の所見を伺いたい。
在沖米軍基地は、テロ攻撃に備えたこれまでにない厳重な警備体制がしかれているが、このような基地内の警備体制と沖縄の米軍基地が報復されるおそれについての知事の所見を伺いたい。
住民に接近する普天間基地周辺道路を機関銃を構えた装甲車が常時パトロールしており、基地周辺住民に大きな不安を与えている。このような厳重な警戒をしているのは米軍がテロ攻撃の可能性を真剣に考えているからだが、沖縄県知事に対し、米軍や日本政府からテロ攻撃情報や警戒情報は伝達されているのか。住民生活に重大な影響を及ぼしかねない原潜寄港についてこれまでどおりに公表するべきだと考えるが、知事の所見を伺いたい。
知事は、在沖米軍基地の存在は沖縄の平和に貢献していると考えるか、それとも繰り返される米兵犯罪を含めて沖縄の平和には貢献していないと考えるのか、知事の所見を伺いたい。
米軍基地の存在によるテロ攻撃のおそれなどによる理由で、沖縄観光がキャンセルされていると報道されている。もう既に1万6219名がキャンセルされているという答弁もある。実際に米国が報復戦争を行えばさらに大きな影響が出ることが予想されるが、知事はどう対処する考えか。
海兵隊の削減・撤退について伺います。
米海兵隊はグアムに新たな訓練基地を要求しているが、在沖海兵隊の移転につながるよう知事としても強く働きかけるべきではないか。
米国が進める報復戦争は、アフガニスタンだけでなく世界的に広範囲に長期的に取り組むことをブッシュ大統領は宣言している。そのために訓練のために6カ月ローテーションで沖縄に来ていた部隊も他地域に派遣されるため、沖縄の海兵隊は1万人近く減るとも言われている。この際、そのまま海兵隊の駐留を削減するよう求めてはどうか。
北谷町での米兵による婦女暴行事件について。
今回の事件では、多くの目撃証言と現場に残された指紋など物的証拠に基づいて沖縄県警が裁判所に逮捕状を請求したにもかかわらず、容疑者米兵の人権を盾に米国防総省が引き渡しを5日間も拒んだことについて、地位協定の見直しの必要性を含め県警本部長及び県知事の見解を伺いたい。
今回の事件で米側は、日本の警察や検察は米兵容疑者の人権を守らない取り調べをしているような印象を与えており、米週刊誌「タイム」の8月20日号では、黒人差別に基づく冤罪だと言わんばかりの記事になっているが、県警の捜査及び取り調べは適法・公正に行われ、決して黒人だからという理由で逮捕状を請求したものではないと思うが、県警本部長の見解を伺いたい。
被害者の沖縄女性は、世界最大の軍隊を抱える米国防総省を先頭に国内だけでなく「タイム」のような世界的雑誌にまで痛めつけられている。米軍基地あるがゆえの事件で、このように被害者が事件後も痛めつけられる状況を知事としてどう歯どめし、被害者の人権を守る考えか。
普天間基地の航空機騒音について伺います。
普天間基地周辺の航空機騒音が著しく増大していることが県による平成12年度の航空機騒音測定結果で明らかになった。特に上大謝名地域の1日当たりの騒音発生回数が平成11年度の63回から、12年度98.1回へと1.5倍以上になっている。平成10年度が41.5回だったから、稲嶺県政になって1日当たりの騒音発生回数が2.4倍にも増加したことになる。1日の平均回数は土日を含む平均回数であり、訓練の集中する火・水・木曜日は1日当たり150回もの平均騒音発生回数にもなっている。
さらに、最高騒音が120デシベル、最大騒音が114デシベルを超えた月は9カ月に達した。嘉手納基地周辺で最大の騒音地区である砂辺地区の最高騒音119.3デシベル、最大騒音が114デシベルを超える月数は5カ月である。それに比較しても普天間基地の上大謝名地域の騒音被害がはるかに甚大だということがわかる。
以上、普天間飛行場に係る航空機騒音測定結果に間違いないかどうか、平成12年度航空機騒音測定結果の報告を求める。
稲嶺県政になって1日当たりの騒音発生回数が2.4倍と著しく増加しているのはなぜか。知事が米軍基地を容認する姿勢を崩さず、基地被害の根絶を求める県民の声を米軍や日本政府に伝え切れないからではないか。知事の明確な答弁を求める。
平成13年度はさらに騒音が増加している可能性がある。知事はこのまま普天間飛行場を放置するのか。米軍航空機の飛行制限を求めながら、同時に20年前の騒音指定区域の見直しを早急に実施し、宜野湾市全域を地域指定するとともに、NHK受信料の軽減措置など嘉手納基地の周辺同様の措置を早急に実施するべきだと考えるが、知事の今後の取り組みを伺いたい。
稲嶺県政のもとでは当面の全面返還の見通しがつかなくなっているので、市民みずからが甚大な騒音被害を食いとめるしかないとして普天間爆音訴訟団結成が準備されていることについて知事の所見を求める。
県営住宅のバリアフリー化について伺います。
県営天久高層は1棟地上12階、地下1階であるが、全戸数141戸のうち身障者用として4戸が1階部分に位置づけられている。身障者用とは、主に車いすで生活ができるようになっていることを指している。なぜ4戸かというと、身障者の比率を3%と見て141戸の3%で4戸とのことである。間取りについてはほとんど同じである。違うのは次の4点、すなわち玄関の段差、ベランダとの段差、ふろ・トイレの間取りと設備、キッチンの換気扇とライトのスイッチの位置だけである。
以上の調査結果を踏まえて次の質問をする。
人間は高齢化すれば多くが身障者となる。ことしの県内新100歳の4割は寝たきりであるように、高齢化は運動機能障害を引き起こす。さらに働き盛りの40代、50代にも脳梗塞の病気が多く、先天的な疾患に加えて乳幼児期の病気やさまざまな病気や事故によって神経や運動機能に障害を持つ県民が多くなっている。沖縄県において何らかのバリアフリー対策をする必要のある高齢者、身障者を家族に含む世帯の比率はどうなっているか。
次に、県営住宅の建設に当たってのバリアフリーの基準が車いすに重点が置かれているようだが、高齢化社会への対応が県営住宅建設でも求められている。車いすの視点で3%の身障者用住宅を備えつければよいとする県営住宅建設方針をそのままでよいと障害福祉担当部でも考えているのか、担当部の見解を伺いたい。
玄関の段差、ベランダの段差を構造上でなくすには、床コンクリート構造の変更やサッシの暴風時の雨水対策など多くのコストがかかるようだが、新規の建設で1戸当たりどの程度余計にかかるのか、示してもらいたい。
全戸が無理ならば、必要に応じて取り外しのできる玄関への傾斜床の設置やベランダへの傾斜板の設置を対応できるようにできないか。
今後の県営住宅建設では、室内におけるキッチンのスイッチを車いすの手の届く高さにしておくことと、ふろ場、トイレを身障者用タイプに準じたものにしておけば、簡易な傾斜床設置で今後に建設される県営住宅はどの部屋でもバリアフリー住宅になると考えるが、検討できないか。
現在の県営住宅でバリアフリー化された住宅の戸数と全体に占める比率、身障者用住宅への応募状況と空き家待ちの待機者数を示してもらいたい。
来年度から宜野湾市にある志真志県営団地の建てかえが予定されている。志真志県営団地では居住者の高齢化も進んでいる。ぜひ全戸をバリアフリー化できるように取り組んでもらいたい。現在の3%ではなく、家族の一人が障害を持つようになっても容易に全戸をバリアフリー化できるよう建設してもらいたいが、知事の見解を伺いたい。
また現在、志真志団地に入居している方々の支障を最小限にするため建てかえに向けた県の取り組みを示していただきたい。
既に入居している世帯に身障者が出た場合、県としても積極的にバリアフリー化の手助けをすること及びバリアフリー化の基準を定め、基準に準じてバリアフリー化したものについて原状回復を求めないことにすることはできないか。
県道歩道の維持管理について。
県道の歩道を1年間を通して歩ける状態にするためにこれまで何度も取り上げてきた。その結果、高木を低木の植樹帯に植える形態から高木だけを植栽することになり、雑草の繁茂する既存の植樹帯は防草シートで覆ったり、アスファルトやコンクリートを埋めるなどの取り組みがなされるようになった。議論は尽くした感がするが、予算が十分でなく実効性のある対策はとられず、1年のうち二、三カ月は通れなくなる歩道はまだ数多くある。
ことしも2週間前に中部土木事務所に行き、琉大南口側一帯の県道34号線の歩道が大人の背丈ほどのギンネムが多数繁茂して通学することができなくなっている。このことを指摘をして早速除草してもらった。しかしまた来年もこのギンネムや雑草が繁茂し通れなくなるだろう。
これらの地域は、植樹帯をアスファルトで埋めてある地域であるけれども、アスファルトの裂け目から雑草だけでなく、背丈ほどのギンネムが数多く繁茂する。なぜかというと現在の除草方法は機械除草といって除草機具で草を刈る方法であり、ギンネムなどの雑木ものこぎりで切るので、年々成長して握りこぶしほどになった根は残ったままであり、やがて新たな枝が伸び出す。このような根がわずか500メートルの区間で365本も残っています。(資料を掲示) これは先週の金曜日に取ったものでありますけれども、このようなものが歩道にまだ残っているわけです。前回刈ったものがもう芽が生えています。これがわずか500メートルのところに365本もあるわけでありますから、また来年も同じようにこれらが繁茂するのは明らかであります。
このような高木だけの歩道では、機械除草ではなく根を抜く抜根除草を実施するべきだと思うが、県の見解を伺いたい。
また、以前は抜根除草をしていたと思うが、いつから機械除草だけになったのか。
特に、県道34号線宜野湾西原線の琉大南口一帯の歩道はアスファルトの間から雑草や雑木が生えており、抜根除草と同時に歩道の補修が必要だと考えるが、担当部の見解を伺いたい。
沖縄県物産公社について伺います。
6月定例議会における私の沖縄県物産公社に関する質問の答弁で、設立趣旨に沿った適切な事業運営を行っていけるような経営者が必要、物産公社の所期の目的が達成されるような新しい経営体制を期待していると答弁しているが、これまでの物産公社運営のどこが適切でなかったと考えているのか。新体制で物産公社がどのような事業運営をすることを期待しているのか、わかりやすく説明してもらいたい。
同じく6月議会の答弁で、県として物産公社を支援してまいりたいと答弁したが、累積赤字を解消して単年度黒字を計上している物産公社に対して今後も多くの補助を行うということか。
現在、常務等の給与分を含めて補助をしているはずだけれども、どのような補助金を年額補助しているのか。前専務は県からの出向も補助金も要らないという考えだったが、現体制は補助金は必要という考えか。
さて、宮城宏岩氏は、7月12日付で新会社「株式会社沖縄物産企業連合」を設立し8月から事業を開始した。初年度7億円、数年後には50億円の売り上げの事業計画を掲げており、沖縄物産を全国や海外に売り出すエンジンが物産公社以外にもできたことは大変に喜ばしいことだと考える。
知事は、6月議会の答弁で宮城宏岩氏について、「沖縄の産業振興のために活躍されることを期待しております。」と述べたが、今回の「株式会社沖縄物産企業連合」の設立及び事業開始に対して知事としてエールを送るべきだと考えるが、知事の所見を伺いたい。
物産公社の新体制の報告と今後の取り組み並びに今年度の売り上げ見通しについて、社長に就任した牧野副知事から抱負を含めて伺いたい。
国民年金業務の国移管に伴う各市町村で国民年金業務に従事する嘱託職員の雇用確保、活用について伺います。
(1)、国民年金業務の国移管の手順はどうなっているか。
また、これまで市町村で国民年金の普及相談業務に従事してきた嘱託職員等の身分・雇用関係はどうなるのか。特に母子世帯の方々が多いので県としても雇用維持に重点を置いて国に働きかけてもらいたいが、どうなっているか。
国民年金加入率が特に悪いと言われる沖縄で市町村で給付業務だけになっていけば、国民年金納付率が極端に悪化し将来の無年金者をたくさん生み出しかねない。県や市町村においてこれまで年金普及・相談業務に従事してきた嘱託職員を活用していくべきではないか。
我が会派の代表質問との関連で、普天間基地の全面返還の見通しについて伺いたい。
普天間基地の全面返還の時期は10年後か15年後か、あるいは20年後か、はたまた返ってこないのか、稲嶺県政の見通しを示してもらいたい。
普天間飛行場の全面返還の時期は、1996年12月のSACO最終報告で5年ないし7年後と明記されたのではなかったか。すなわち2001年から2003年には全面返還をするというのが合意ではなかったか、明確に答弁してもらいたい。
普天間飛行場の全面返還をおくらせているのは、民間共用空港をつくろうとする知事の政策判断の誤りにあるのではないか、知事の明確な答弁を求める。
知事は、米軍が喜ぶ基地強化策にすぎない軍民共用空港などという公約を打ち出し、普天間飛行場の全面返還を葬り去った責任は極めて重大と言わなければならない。普天間基地の全面返還がおくれている原因をつくり出した知事の責任をどうとるつもりか、県民に対して明らかにしてもらいたい。
台風時の公立学校の対応について。
公立学校の台風時の対応について各学校長、教育委員会に判断を求めるかのような教育長の答弁は適切ではない、間違ってないだろうか。
以上、答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、テロ事件に係る知事の政治姿勢についてのうち、米国が計画している一連の対応に対する知事の意見を聞きたいについてお答えいたします。
今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じております。テロ行為は、世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、とりわけ今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず世界に対する挑戦であり、決して許すことができません。
今回のテロ事件については多くの国が非難しており、このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
続いて同じく政治姿勢のうち、在沖米軍基地は沖縄の平和に貢献していると考えるか、あるいは米兵犯罪を含め沖縄の平和には貢献していないと考えるか所見を聞きたいということのお答えでございます。
我が国に所在する米軍基地は、日米安全保障体制を維持する上で重要な役割を果たし、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与していると理解しており、在日米軍基地の大部分を占める沖縄の米軍基地の存在は本県を含めた我が国の平和に貢献していると認識しております。
次に、海兵隊の削減についてのうち、米海兵隊はグアムに新たな訓練基地を要求しているが、在沖海兵隊の移転につながるよう知事としても強く働きかけるべきではないか、次の、今回沖縄の海兵隊が1万人近く減るとも言われている、その際、そのまま海兵隊の駐留を削減するよう求めてはどうかと、2点の御質問に一括してお答えいたします。
去る9月21日、米海兵隊司令部は、グアムの米空軍アンダーソン基地の一部を太平洋に展開している部隊の都市型戦闘訓練施設にするため海兵隊に移管するよう空軍に求めたことを公表しました。県としては、今回の海兵隊の要求が今後米国防総省の中でどのように検討され、県が要請した在沖米海兵隊の訓練の移転や兵力の削減が具体的に取り上げられるのかどうか、今後の動向を注意深く見守りながら県民の基地負担の軽減につながるよう適切に対応していきたいと思います。
しかし、いずれにしても海兵隊を含む米軍兵力の削減については、これはかねてから県が強く要望している事項でございます。今後ともその辺につきましては強く要望し続けていきたいと思っております。
次に、北谷町での米兵による暴行事件についてのうち、被害者の女性は米誌「タイム」に掲載されるなど痛めつけられている状況をどう歯どめし被害者の人権を守るのか、考えを聞きたいという点のお答えでございます。
今回の事件は、人権をじゅうりんした凶悪な犯罪であり、県民の生命財産、人権を預かる行政の責任者として極めて遺憾であります。県は、今回の事件に際しても米軍を初め日米両政府の関係機関に対し、米軍人等による事件・事故の再発防止及び日米地位協定の抜本的な見直しを強く要請してきたところであります。
事件後、一部の新聞や雑誌が行った本事件に関する報道の中で、被害者の人権を侵害する記事が掲載されたことは遺憾に思います。マスコミの取材及び報道の自由は尊重されるべきものであると理解しておりますが、報道する側は報道される側の人権に配慮し、過剰な取材や報道による人権の侵害がないよう十分に留意していただきたいと考えております。
続いて沖縄県物産公社について、新会社の設立に対しエールを送らないかと。
県としては、本県の製造業を今後さらに発展させ地場産業の振興を図っていくためには県産品の積極的な販路開拓が必要であると考えております。新会社におかれては、企業としての社会的使命を十分に自覚され、沖縄の産業振興に寄与することを期待しております。
なお、新会社の宮城代表は、先般、私のところに参りまして細かい会社の設立の経緯、あるいは今後の状況等について事細かにお話がございました。私としては、第三セクターは第三セクターの物産公社、また民間企業はそれなりのおのおのの分野があるので県産品を大きく伸ばしていくために努力をしようというエールを送ってございます。なお、そのためには県の物産公社とも連携を密にしていただきたいと申し上げたところでございます。
次に、我が会派の代表質問との関連についてのうち、普天間飛行場の返還をおくらせているのは知事ではないのか、その責任をどうとるかということに一括してお答えします。
代替施設を軍民共用とすることについては、基地の固定化や米軍専用施設に対する県民感情への配慮から15年の使用期限を設け、さらに新たな基地負担を担う移設先及びその周辺地域の振興開発を図る施策として飛行場機能を活用するとの観点から軍民共用を公約として掲げ、県民の支持を得たものであります。県としては、現在の普天間飛行場の移設に係る協議を着実に進めることが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
次に、同じく代表質問との関連について、普天間飛行場の早期返還を明確にせずに15年期限を追及するのは間違っているのではないかという御質問にお答えします。
代替施設の15年使用期限については、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が56年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、県民が許容できる範囲として普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして設けたものであります。
15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。
県としては、SACO合意に基づき県内移設を実現していくことが普天間飛行場の早期返還を実現する方法であると認識しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(牧野浩隆) 伊波洋一議員の沖縄県物産公社について、同公社の新体制、今後の取り組み、今年度の売り上げ見通しなどについて抱負を含めて聞きたいとの問いにお答えいたします。
去る6月29日の株主総会後に開催されました取締役会におきまして、私が代表取締役社長に、宮城春一氏が代表取締役専務に、金城秀雄氏が代表取締役常務に選任されました。その新体制のもとに社内の事業推進体制を再編強化して、これまで以上の成果を上げるため社員一丸となって取り組んでいるところであります。
物産公社は、本土市場における県産品の販路拡大を図るため総合産地問屋の機能を担っております。特に県外市場の情報収集・提供、商品開発による県内企業の競争力の強化などの公益的機能もあわせ持ち、県の産業振興施策の重要な役割を担っております。今後、沖縄県物産公社といたしましては、県産品の販路拡大を強力に推進し、これまで以上に県内企業の競争力の強化等県内経済の活性化に寄与してまいりたいと考えております。
なお、公社の今年度4月から7月までの総取扱高は25億3500万円で、前年同期に比べまして127%の水準となっており、今年度の売り上げは順調に推移していくものと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の米国同時テロ事件に係る知事の政治姿勢についての質問事項の中のまず1番目に、国際法上、米国と戦争状態にある国は在沖米軍基地を攻撃する権利を有すると考えるが所見を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
国連憲章におきましては、国連自体による制裁措置及び加盟国の集団的または個別的自衛権の行使以外の武力行使は禁じられております。また、その自衛権も安全保障理事会が必要な措置をとるまでの間と限定されております。
自衛権の行使につきましては、一般国際法上、他の措置をとることができない緊急やむを得ない場合にのみ発動することができ、また自衛のためにとられる措置は攻撃を排除するために必要かつ最小限のものでなければならないと解釈されております。したがって、全くの仮定の問題として米国と第三国との間に武力紛争状態が生じたとしても、相手国が当然に在沖米軍基地を攻撃する権利を有するわけではございません。
次に、同じく米国同時テロ事件に関する質問事項の中の、在沖米軍基地内の厳重な警備体制と報復されるおそれについて所見を聞きたいという御質問にお答えいたします。
県は、米国で発生した同時多発テロ事件及びその後の日米両政府の対応等に関し、外務省沖縄事務所を介して情報収集に努めてまいりました。
他方、在沖米軍が実施しているテロ対策や訓練等について直接米軍に照会するなど、在沖米軍の動向把握に努めてまいりました。在沖米軍基地の現在の警備体制の状況については把握しておりますが、米軍の作戦行動及び運用に関する詳細な情報の収集は困難な状況にあります。県としては、今後とも今回の事件に関連して県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めてまいりたいと考えております。
次に、同じく米国同時テロ事件関係の質問事項の中の、米軍や日米両政府からテロ攻撃情報や警戒情報は伝達されているか聞きたいという御質問にお答えいたします。
県は、テロ活動に関する事前の情報について米国大使館からも国からも通報を受けておりません。県は、テロ事件発生後、同事件に関する情報等の提供を関係機関に強く要望しているところであります。
次に、同じく米国同時テロ事件関係の質問事項の中の、住民生活に重大な影響を及ぼしかねない原潜寄港についてこれまでどおりに公表するべきだと考えるが所見を聞きたいという御質問にお答えいたします。
県は、去る9月20日、外務省沖縄事務所を通じて国から、米国で発生した同時多発テロへの対応に関して、9月19日に小泉総理大臣が発表した今次事件への我が国の対応措置の中で、我が国における米軍施設・区域の警備強化が課題となっていること及び米側から要請を受けたことを踏まえ、現在の事態が続いている当面の間、原子力潜水艦の24時間前の寄港通知について公表を差し控えていただきたい旨の要請を受けました。県としては現在、具体的な脅威に関する情報を有しているわけではありませんが、県民の間に混乱を生じさせないためにも国の要請を体して原子力潜水艦の24時間前の寄港通知については、当面、公表を差し控えることにしました。しかしながら、地元勝連町及び沖縄県水産業中央会には従前どおり24時間前通知を行うとともに、原子力潜水艦の入港時及び出港時等の放射能測定調査を実施し、その結果についても従前どおり地元勝連町を初めマスコミ等へ公表したいと思います。県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から県民生活に影響を及ぼすおそれのある事案については情報収集と公表に努めていきたいと考えております。
次に、北谷町での米兵による婦女暴行事件についての質問事項のうち、容疑者米兵の人権を盾に米国防総省が5日間も引き渡しを拒んだことについて、地位協定の見直しの必要性に対する見解を聞きたいという御質問にお答えいたします。
去る6月に北谷町で発生した事件は、地域住民を初め県民に大きな不安と衝撃を与えており、県としても大変遺憾に思います。
今回の事件は、県警察本部が7月2日に逮捕状の発付を受け、外務省を通して身柄の引き渡しを米国政府に要請してきたところでありますが、結論を得るまでに5日間も期間を要したことは、速やかな被疑者の身柄の引き渡しを強く求めてきた県民の心情にかんがみると大変遺憾に思います。県は、今回の事件で日米地位協定については運用改善により対応することの限界が明らかになったと考えており、起訴前の被疑者の身柄の引き渡しを含め、県の要請している11項目のすべてについて日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただけるようあらゆる機会をとらえて日米両政府に粘り強く要請していきたいと考えております。
次に、普天間基地の航空機騒音についての質問事項のうち、1日当たりの騒音発生回数が著しく増加しているのは、基地被害の根絶を求める県民の声を米軍や日米両政府に伝え切れないからだと考えるが見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場周辺における平成12年度の1日平均騒音発生回数が増加しているのは、飛行場東南側にある上大謝名、我如古、宜野湾の測定地点であり、逆に飛行場西側にある新城、大山、真志喜では減少しております。飛行場東南側が増加しているのは、平成12年度は主に飛行場南側を離発着し南東側を旋回する飛行形態をとっていたため、滑走路延長直下にある上大謝名で騒音回数が増加したと考えられます。
なお、著しく増加したのは上大謝名の測定地点だけであり、飛行場西側は逆に減少していること、また総発生回数は平成11年度とほぼ同様であることから、普天間飛行場の騒音発生回数が増加傾向にあるかどうかについては今後の推移を見守る必要があると考えております。しかしながら、平成12年度の測定結果では、普天間飛行場周辺で9測定地点中、4地点で依然としてうるささ指数が環境基準値を超えている状況にあります。
県としては、騒音防止対策の推進について国に申し入れを行うとともに、三者協における協議や渉外知事会、軍転協を通し騒音の軽減及び騒音対策の強化を日米両政府に要請してきましたが、今後とも関係市町村等と連携を図りながら日米両政府に対して粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、同じく普天間基地の航空機騒音についての質問事項のうち、米軍航空機の飛行制限を求めながら騒音指定区域の見直しを早急に実施するとともに、NHK受信料の軽減措置など早急に実施すべきだと考えるが見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
住宅防音工事区域の拡大につきましては、これまで宜野湾市ほか5市町村の議会で意見書の決議がなされており、県としても騒音対策の充実・強化は重要な課題であるとの認識に立って、昨年11月に那覇防衛施設局に対して騒音指定区域の見直し等について要請を行っております。
また、NHK受信料の減額措置については、NHKが基地周辺地域の住民に対し受信料の減額措置をした場合に防衛施設庁が放送受信障害対策補助金交付要綱に基づきNHKに対して減額分の補助金を交付することができることになっており、県内では嘉手納飛行場及び伊江島補助飛行場の周辺地域が適用対象となっております。
県では、これまで渉外知事会を通してNHK受信料の助成対象区域を拡大するよう政府に要請してきております。県としては、基地周辺地域住民の意向が十分反映されるよう引き続き国に求めていきたいと考えております。
次に、同じく普天間基地の航空機騒音の中の、普天間飛行場の航空機騒音被害に対する爆音訴訟の準備が進められているが、そのことについて所見を聞きたいという御質問にお答えいたします。
航空機騒音被害を訴える民事訴訟を起こすため、宜野湾市民を中心に普天間爆音訴訟団結成の準備が進められていることは報道等により承知しております。
米軍基地に起因する航空機騒音は、周辺地域における住民生活に多大な影響を与えていることから、県としてはこれまで三者協における協議及び渉外知事会や軍転協を通し騒音の軽減及び騒音対策の強化について日米両政府に申し入れを行ってきましたが、今後とも関係市町村と連携を図りながら日米両政府に対して粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、我が会派の代表質問との関連についての事項の中の1つ目に、普天間基地の返還の時期はいつかという点と、2つ目の普天間飛行場の返還の時期はSACOの最終報告で明記され合意されたのではなかったかという御質問に一括してお答えをいたします。
SACO報告の中では、普天間飛行場は5年ないし7年以内に十分な代替施設が完成し、運用可能になった後返還すること、代替施設は海上施設の建設を追求し、普天間飛行場のヘリコプター運用機能のほとんどを吸収すること等について合意されております。それを受け平成9年11月、政府から海上へリポート基本案が提示されましたが、前知事時代の平成10年2月の反対表明により同案は否定され、普天間飛行場返還の道は閉ざされました。現在進められている普天間飛行場代替施設については、県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき代替施設協議会が設置され、基本計画策定に向け具体的な作業が着実に進展しているところであります。
普天間飛行場の返還時期については、十分な代替施設が完成し運用可能になった後返還することとされており、県としては一日も早い返還の実現に取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 米国同時テロ事件に係る知事の政治姿勢についての中の、事態の進展によって沖縄観光に大きな影響が出ると予想されるが、知事はどう対処するのかとの質問にお答えします。
今回の同時多発テロ事件により世界的に航空機利用や旅行を手控える動きが出ている中で、沖縄観光にも影響が出ております。現在、県におきましては観光客の皆様の不安を解消するために所要の対策を講じているところでありますが、今後とも観光関連団体との連携のもと、事態の推移を見きわめながら的確に対処してまいりたいと考えております。
○警察本部長(太田裕之) 北谷町における婦女暴行事件に関し、米兵被疑者の引き渡しと地位協定の見直しについての見解についてお答えいたします。
去る6月29日に発生しました米兵による婦女暴行事件につきましては、7月2日、被疑者に対する逮捕状の発付を得、その後、日米合同委員会における協議の結果、5日後の7月6日、被疑者の起訴前の身柄の引き渡しがなされたものであります。
被疑者の身柄の引き渡しに時間を要した理由については、日米政府間の協議にかかわるものであり県警として詳細は承知しておりませんが、協議の中では被疑者の人権、取り調べに際しての弁護士や通訳の同席等が米側から指摘されたと承知しております。
この件に関して県警察としては、被疑者の取り調べ時の弁護士の立ち会いについては日本国の刑事訴訟法上権利としては認められておらず、他の被疑者に比べ、あえて米軍人に対してのみ取り調べ時の弁護士の立ち会いを認めることは妥当でないと理解しております。
さらに、米国側の指定する通訳の使用につきましては、県警には英語の語学能力堪能な一般職の渉外官が7名いるほか、英語担当の国際捜査専門官も2名おり、これら警察職員が米軍構成員等被疑者の取り調べを行ったり通訳を担当しているところであり、これまで取り調べによる問題は全く起きていないことから、米側の指定する通訳を使用する必要はないものと承知しております。
地位協定の見直しに関しましては、県警としてコメントする立場にございませんので答弁を差し控えさせていただきます。
次に、捜査に関し被疑者が黒人だからという理由で逮捕状を請求したものではないと思うがという質問にお答えをいたします。
被疑者の逮捕につきましては、刑事訴訟法等の法令にのっとり逮捕状による逮捕の要件である逮捕の理由、つまり被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由及び被疑者の逃走、証拠隠滅などの逮捕の必要性について十分な捜査をなし、妥当性も含めて慎重に吟味した上で逮捕状の請求を行っているところであり、被疑者の人種、国籍などによって逮捕状の請求を考慮するということは全くありません。仮にそのようなことを言う者があるとすれば、それは全くの認識不足であり極めて遺憾であります。
○文化環境部長(永山政邦) 普天間基地の航空機騒音についての中の、普天間飛行場に係る航空機騒音測定結果に間違いがないかどうか、平成12年度航空機騒音測定結果の報告を求めるについてお答えいたします。
県が平成12年度に実施した普天間飛行場に係る航空機騒音測定については、宜野湾市、浦添市と協力し9地点において航空機騒音の監視測定を行っていますが、上大謝名局、野嵩局、新城局、真志喜局の4地点で環境基準を超過しており、うるささ指数は滑走路延長上にある上大謝名局で84.0と最も高くなっています。日平均騒音発生回数も上大謝名局における98.1回が最も高くなっています。
平成12年度は上大謝名局で騒音発生回数が増加していますが、逆に減少している局もあります。総合的に判断しますと普天間飛行場周辺の航空機騒音は平成11年度とほぼ同じ結果であり、周辺の生活環境に大きな影響を与えています。
なお、上大謝名局の騒音発生回数、騒音レベル等については御指摘のとおりであります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 県営住宅のバリアフリー化について、1番目に、バリアフリー対策を必要とする高齢者、身障者の世帯の比率はどうなっているのか、2番目の車いすの視点で身障者用住宅が3%でよいというのか、一括してお答えいたします。
身体障害者手帳交付者数や寝たきり老人数の基礎的数値はございますが、いわゆるバリアフリー対策を必要とする世帯に関する統計資料はございません。
本県におきましては、「沖縄県障害者福祉長期行動計画」及び「沖縄県高齢者保健福祉計画」を策定し、高齢者や障害者の社会参加を目標に福祉・保健・医療及び住宅環境の整備等諸施策を推進しているところであります。平成9年3月に策定した「沖縄県福祉のまちづくり条例」においては、「住宅を供給する者は、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう配慮された住宅の供給に努めなければならない。」と規定しておりますが、車いす利用者を含めた障害者の多種多様なバリアフリーのニーズがあることから画一的な整備基準は定めておりません。県営住宅においては、他の模範となることから、入居希望者のニーズに対応したバリアフリー住戸を供給することの意義は大きいと考えております。
それから8番目の国民年金業務に従事する嘱託員の雇用確保、活用について、(1)つ、国民年金業務の国移管の手順について、(2)番目の嘱託員の身分、雇用関係及び雇用維持について、(3)番目の嘱託員の活用についてあわせてお答えいたします。
平成12年4月から「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」が施行されたことに伴い、国民年金に関する事務については、市町村の機関委任事務とされていた各種届け書の受理事務等が法定受託事務になりました。
このうち、保険料の納付については現在市町村において印紙を購入する形で保険料を市町村へ納付していますが、平成14年4月から金融機関を通じて直接国へ納付することになっています。これにより市町村が行っている納付指導、戸別訪問、電話による納入督励等の事務は社会保険事務局で行われることになります。したがいまして、これまで市町村が納付指導等の事務執行のために置いていた嘱託員については直接社会保険事務局が確保していくことになります。
社会保険事務局においては、保険料の納付を促進するために現在の嘱託員の活用を初め、簡易郵便局でも保険料を取り扱うことができるよう取扱金融機関の窓口拡大等により納付率の向上に努めていくことで準備が進められていると聞いております。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 県営住宅のバリアフリー化について、玄関の段差等をなくすには1戸当たりどの程度余計に費用がかかるか、また玄関等への傾斜床等の設置を対応可能なようにできないのか、今後の県営住宅建設では身障者タイプに準じたものにしておくことを検討できないかについてお答えいたします。
公営住宅整備基準により高齢化対応バリアフリー化をした県営天久高層住宅の3LDKで一般住戸と車いす対応住戸を比較検討したところ、玄関扉の相違、玄関、ベランダの段差解消及び浴室、流し台等の相違で1戸当たりおおむね160万円の費用増が見込まれます。
なお、スイッチの設置位置及び傾斜床等の設置につきましては対応可能なものにしたいと考えております。またふろ場、トイレを身障者タイプにすることは所要面積がふえることになり他のスペースへの影響もあることと、先ほど申し上げました費用増の面からも全戸を同タイプにすることは考えておりません。
次に、バリアフリー化された住宅の戸数と全体に占める比率、身障者用住宅への応募状況と空き家待ちの待機者数を示してもらいたいについてお答えいたします。
平成3年度に公営住宅建設基準が改正され、高齢者対応のバリアフリ-化に加え、車いす対応住戸の整備も進めているところであります。その時点から平成12年度までに車いす対応住戸を取り入れた県営住宅として21団地2423戸整備しており、そのうち車いす対応住戸は90戸で3.7%の割合となっております。また、平成3年度以前も含めた県営住宅全戸数に対する車いす対応住戸の割合は0.5%となっております。
過去3年間の車いす対応住戸の応募状況は、募集戸数32戸に対し70件の応募があり、応募倍率は約2.2倍となっております。
なお、車いす対応住戸の空き家はほとんど発生しないことから、身障者も一般住戸で募集をし入居させております。
次に、建てかえが予定されている県営志真志団地では居住者の高齢化も進んでいる、全戸をバリアフリー化できるように建設してもらいたい、また建てかえに向けた県の取り組みを示してもらいたいについてお答えいたします。
県営志真志団地の建てかえ工事を来年度から実施する予定であることから、現在は設計を行っているところであります。全戸のバリアフリー化につきましては、先ほど御説明しましたとおり考えておりません。
なお、車いす対応住戸については必要戸数を確保するとともに、一般住戸についても傾斜床等が設置可能なよう検討していきたいと思います。
また、建てかえに向けた県の取り組みとして宜野湾市との調整、団地入居者への説明と意見の聴取及び仮住居移転先の確保等を行い、団地入居者に対してできるだけ支障が出ないよう努めていきたいと考えております。
次に、入居者によりバリアフリー化されたものについて原状回復を求めないことにすることはできないかについてお答えいたします。
現在、入居者もしくは同居者が病気等によって日常生活に身体の機能上の制限を受けているような場合、本人の申し出に基づき医師の診断書等を添付させて高層階から低層階への住みかえの承認、原状回復を条件とした住戸内への手すり設置や段差解消工事等の模様がえの承認をしております。原状回復をさせるかどうかの判断につきましては、御指摘の件も踏まえ入居者の負担が軽減されるよう検討してまいりたいと考えております。
次に、県道の歩道の維持管理について、機械除草ではなく抜根除草を実施すべきだと思うがどうか、また以前は抜根除草もしていたと思うがいつから機械除草になったのかについてお答えいたします。
県管理道路の除草については、これまで維持管理面を考慮して植樹帯を升化するとともに、経済性、施工性、効率性を考慮し機械除草を基本としておりますが、障害物等で機械除草ができない箇所については、かまによる人力施工、低木等によりかま施工もできない箇所については人力による抜根除草を実施しており、場所の状況で除草の使い分けをしているところでございます。
次に、宜野湾西原線の歩道は抜根除草と同時に補修が必要だと考えるが、どうかについてお答えいたします。
宜野湾西原線の琉球大学南口一帯の歩道については、機械除草後にギンネム等の切り株が多く残っており、歩行者通行の安全の確保と雑草防止対策のため歩道舗装が必要な箇所については抜根除草を含めて検討していきたいと考えております。
以上です。
○商工労働部長(花城順孝) 沖縄県物産公社についての(1)、これまでの物産公社運営のどこが適切でなかったと考えているのか、また新体制で物産公社がどのような事業運営をすることを期待しているのかの御質問にお答えいたします。
沖縄県物産公社は、本土市場における県産品の販路拡大を図るため総合産地問屋機能を担っています。特に県外市場の情報収集・提供、商品開発による県内企業の競争力の強化などの第三セクターとしての公益的機能をもあわせ持ち、県の産業振興施策の重要な役割を担っております。県としましては、沖縄県物産公社がその設立の趣旨や県の経済施策を踏まえ、行政や関係諸団体との一層の協調体制のもとに全県的視野に立った事業運営を図っていくことを期待しております。
次に、同じく沖縄県物産公社について、今後も多くの補助を行うということか、どのような補助金を年額幾ら補助しているのか、現経営体制は補助金は必要という考えかという御質問にお答えをいたします。
沖縄県物産公社は、県外における県産品の販路拡大を図るため総合産地問屋機能を担うとともに、県の産業振興施策の重要な役割を担っております。このため、県としては第三セクターとしての公社が担っている公的役割に対して支援をする観点から同公社に対し補助金を交付しています。
平成12年度は、優良県産品卸取引拡大事業補助金として1113万4000円、海外事業部運営補助金として180万円の計1293万4000円を交付しました。平成13年度は優良県産品卸取引拡大事業補助金1108万円を交付決定しています。県としては、沖縄県物産公社が第三セクターとしての役割が十分果たせるよう今後とも必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 我が会派の代表質問との関連についての台風時の対応について、各学校長、教育委員会に判断を求めるかのような教育長の答弁は間違っていないかということの御質問にお答えをいたします。
学校の臨時休業につきましては、学校教育法施行規則第48条により「非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は、臨時に授業を行わないことができる。」と規定されております。また、市町村立及び県立学校管理規則においても同様に校長が臨時休業を行うことができる旨規定されております。
県の通知文──暴風警報等発令時における学校の休業並びに園児・児童生徒の安全確保について──におきましても、暴風警報発令に伴う臨時休業につきましては、学校長の判断により児童生徒の安全確保を図る上から臨時休業を行うことができるといたしております。その上で市町村教育委員会との申し合わせにより県教育委員会はテレビ、ラジオを通じ臨時休業を伝え便宜を図っているところでございます。
しかしながら、今回の台風16号は台風接近時における児童生徒の登・下校の対応や授業再開のあり方などさまざまな課題を浮き彫りにいたしました。これらの課題を解決するためには、これまでの一律一斉型の対応を改め、各地域や学校の実情に応じた柔軟な対応が必要であると考えております。
今後、市町村教育委員会や各学校段階において対応マニュアル等を作成するなどの対策の整備、保護者や児童生徒への周知徹底について市町村教育委員会や学校長と十分に意見を交換し、県通知文書のあり方など抜本的に見直す方向で検討を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○伊波 洋一 まず最初に、国際法によれば攻撃されるのではないかということに対する知事公室長の答弁ですが、いわゆる国連憲章に基づく戦争の規定を引用しておりますけれども、もしそういうことであれば今米国が行おうとしている報復戦争について県としては認められないということだと思いますけれども、確認をしたいと思います。
次に1番目の方ですけれども、知事は報復戦争を支持するのですか、それともしないのですか、これについてもお答え願いたいと思います。
それから普天間飛行場の全面返還の見通しについて、答弁はあいまいであります。国は3工法を提示しており、私は、5年なのか10年なのか、あるいは15年なのか20年なのか、あるいは返ってこないのか、こう聞いているわけでありまして、ぜひどうなんだということを明確に述べていただきたいと思います。
それから普天間飛行場の爆音は、騒音は物すごく激化しております。それの状況を見てという言い方は、まさに僕は宜野湾市民に対する大変失礼な言い方だとこのように思うんですけれども、知事としてはこの普天間飛行場の現状について申しわけないという考えはないのでしょうか。
それから県営住宅のバリアフリー化に関してですけれども、進展するというふうに考えておりますので、ぜひ両部局で前進をさせていただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後9時20分休憩
午後9時42分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の伊波洋一君の再質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波洋一議員の再質問にお答えをいたします。
今回の米軍の報復についての意見を聞きたいということでございますが、私が一貫してお答えしておりますのは、今回のテロ事件は世界の市民を巻き込んだものでございます。したがって多くの国が非難しておりまして、このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
次に、普天間の騒音の問題でございますが、これは普天間の問題の原点というのは、前県政時において普天間は非常に騒音のみならず市民生活に多大な影響を与えていることから、これを一日も早く解決するためにということで提起されたわけでございます。
私もその意味では、この問題につきましては最重要課題として常に心がけておりまして、それで一番重要なのは、やはりこの普天間問題を一日も早く解決するということが市民にとっても大変重要な問題だと思います。今後とも全力を尽くしていきたいと思っております。
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の再質問にお答えをいたします。
まず、国際法上、今回米国が行おうとしているのは認められるかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
先ほどもお答えいたしましたとおり、自衛権の行使につきましては、一般国際法上、他の措置をとることができない緊急やむを得ない場合にのみ発動することができ、また自衛のためにとられる措置は、攻撃を排除するために必要かつ最小限のものでなければならないと解釈されております。
現在、米国が行おうとしている具体的行動が明らかでない現段階でその行動が国際法上許されるか、許されないかの判断につきましてはお答えいたしかねますので、御了解をお願いいたしたいと思います。
次に、普天間飛行場の返還の時期はいつかということについてお答えをいたします。
普天間飛行場代替施設の移設につきましては、現在、代替施設協議会におきまして代替施設の規模、工法、具体的建設場所等基本計画策定に向けて協議が進められております。基本計画の策定を受け、環境影響評価や実施設計等一連の作業がなされるものと考えておりますが、具体的な返還の時期等につきましては現段階で申し上げられる状況にはございません。いずれにいたしましても、一日も早く返還できるよう努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○伊波 洋一 知事は一日も早く、一日も早くと言っていますが、実際にやっているのは30年以上も沖縄の基地を固定化するという、こういう仕事であります。
私は、後世の歴史家は、稲嶺県政が沖縄に米軍基地を固定した原因だとこのように書くと思いますけれども、そのことについてどう考えますか。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後9時48分休憩
午後9時49分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 伊波洋一議員の再質問にお答えをいたします。
普天間飛行場の返還時期はいつかということにお答えいたします。
SACO報告の中で、普天間飛行場は5年ないし7年以内に十分な代替施設が完成し、運用可能になった後返還すること、代替施設は海上施設の建設を追求し、普天間飛行場のへリコプター運用機能のほとんどを吸収すること等について合意されております。それを受けまして平成9年11月、政府から海上ヘリポート基本案が提示されましたが、前知事時代の平成10年2月の反対表明により同案は否定され、普天間飛行場返還の道は閉ざされました。現在進められている普天間飛行場代替施設につきましては、県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき代替施設協議会が設置され、基本計画策定に向け鋭意作業が進められているところであります。
普天間飛行場の返還時期につきましては、十分な代替施設が完成し運用可能になった後返還することとされており、県としては一日も早い返還実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
○伊波 洋一 議長、ちょっと休憩を願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後9時51分休憩
午後9時52分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 次の世代で稲嶺が固定をしたというお話でございますが、私は大変難しい時代に稲嶺は微力ながらよく一生懸命基地問題の整理縮小に向かって頑張っていると評価されるよう頑張りたいと思います。
○糸数 慶子 通告に従い一般質問を行います。
まず、知事の政治姿勢について伺います。
(1)点目、沖縄振興新法の基本方針について。
知事は、去る6月県議会で私の質問に対して、「本県の依存型経済構造を転換するためには、民間主導の自立型経済を構築し、経済に占める民間部門の割合を拡大していく必要があります。 このため、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方(案)」においては、経済活動を支える基盤整備の推進に加え、主要産業の振興を図るため産業振興計画の策定を国に求めるとともに、観光振興地域制度や特別自由貿易地域制度等の拡充と新たに部門別計画の作成を盛り込んでいます。また、情報通信産業振興特別地域制度や国際的金融情報拠点形成のための支援措置の創設及び基地跡地利用円滑化のための特別措置などを盛り込んだ」と答弁されております。
さきのこの知事答弁を踏まえて今回質問をいたします。
つまり、沖縄の振興策はいずれも特別措置とか沖縄特例といった一国二制度的な国策を前提に組み立てられておりますが、こうした特別措置は国内規制緩和の流れや昨今のグローバルスタンダードとの関係でどれぐらいの期間、どの程度の効果が見込まれるのか、お尋ねしております。
そして、そのようなことは一般論や抽象論ではなかなか理解しがたいものです。名護の「金融特区構想」や中城湾港泡瀬地区の「特別自由貿易地域」とか、今話題の「カジノ構想」や「大学院大学構想」等の振興策について特例措置としての一国二制度と国内規制緩和の流れ、グローバルスタンダードとの関連についてその効果のほどを御説明をお願いいたします。
また、これらのプロジェクトはこれからの話でありますが、既にこの沖縄で一国二制度的な機能を持って存在しているのが米軍基地であります。この一国二制度的な米軍基地の存在は、自立経済とは正反対の依存経済の原因であります。こうした矛盾について知事の御所見を賜りたい。
次に、知事の政治姿勢の(2)番目、ポスト3次振計の課題について伺います。
来年は復帰30年の節目を迎えます。1次、2次、3次と30年間続いた沖縄振興開発計画も来年度からは新たな展開が期待されているわけです。この節目に当たって、過去30年をいかに総括して将来に備えようとしているのか、基本的な点をお伺いいたします。
まず、対本土格差の根本原因は何であったと思われますか。是正した格差と克服できない格差とは何か、これは過去をどう総括しているかということです。
次に、沖縄経済における有利性、不利性とは何か、不利性は克服が可能か不可能か。特性を拡充し、不利性を克服するというが、具体的目標を何に置いているのか。これは将来展望をどう描いているかということです。明確に御答弁をお願いいたします。
次に、基地問題について伺います。
普天間飛行場移設問題の現段階の状況と課題について。
(1)点目、建設位置と工法決定のタイムスケジュールについて。
(2)点目、軍民共用の今日的問題点とその打開策及び展望について。
(3)点目、15年使用期限問題の進状況について。
次に、日米地位協定の見直し問題について伺います。
(1)点目、抜本的改正について県と国の立場はどのようなスタンスの違いがあるのか。
運用改善は、日米両政府の立場ではどうか。
終局的には協定破棄が望まれますが、日米安保の関連ではどうなっているか、伺います。
次に、米軍人などによる事件・事故及び損害賠償問題について。
県内において、駐留米軍の構成員及びその家族による事件・事故は後を絶ちません。特にその公務外不法行為による被害者に対する補償は、いまだに日米両政府の一方的な裁量権に基づくため不十分なものとなっています。1996年から2000年までの事件・事故の被害者補償の実態はどうなっているのか、お伺いいたします。
また、駐留米軍の家族の不法行為による被害については、その損害を賠償する制度は何もないのが現状であり、日米地位協定下では被害者は権利として補償を受けることができないのです。
県は、2000年8月に日米地位協定見直し要望書を提出しておりますが、現在の国内法として「日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の構成員等による損害賠償法」の制定を国に積極的に働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
3番目、環境問題について。
(1)点目、泡瀬干潟の埋立問題について。
8月9日の尾身大臣発言の土地利用は国に迷惑をかけないようにしてほしいとの意味をどのように受けとめていますか。
8月24日、稲嶺知事は土地利用計画見直しを発言しておりますが、その真意と論理について伺います。
環境問題の(2)点目、行政計画と住民意思反映の問題について伺います。
大宜味村の塩屋海岸部の埋立計画について、環境問題、そのアセスメントはどうなっているのか、お伺いいたします。
次に、国頭村辺戸地区最終処分場の建設計画について、建設申請受理に際して入会権が存在することは認識しなかったのかどうか。
村当局と区民との話し合いについての行政指導はどうしたのですか、お伺いしたいと思います。
4点目、旧日本軍の飛行場問題について6月議会でも質問いたしましたけれども、再度お伺いいたします。
(1)点目、基本的な方向性と解決方法について。
戦後処理の対応姿勢について。
旧地主と耕作者への対応についてお伺いいたします。
(2)点目、課題の進状況と将来展望について。
振興新法への位置づけ、そしてポスト3次振計での取り組みについてお伺いしたいと思います。
5番目の女性と人権問題についてお伺いいたします。
その(1)点目、米軍人・軍属への養育費請求問題について。
離婚や未婚、父親の遺棄や行方不明などの理由で養育費が支払われていないアメラジアン母子の生きる権利を守ろうと県内の弁護士や大学助教授らが中心になってボランティアで法律相談を開始しています。これに呼応してテキサス州から関係者が支援のために本県を訪れていますが、この件に関する米国内の新しい動きと県とテキサス州の連携についてお伺いいたします。
(2)点目、国内の制度障害と県内NPOの実績についてお伺いします。
女性・人権問題の2点目に、女性の政策決定過程への参画問題について、現在、県内自治体の女性登用の現状と課題についてお伺いします。
(2)点目、稲嶺県政の三役に女性登用がない理由についてお伺いしたいと思います。
6番目、福祉・医療行政についてお伺いいたします。
まず、福祉行政の(1)点目、10月の13日にDV法が施行されます。ことしの4月に制定されましたDV法、被害者をいかにして保護するのかというのがこのDV法の趣旨になっています。4月の法制定後の女性相談所での一時保護、相談件数は何件ありますか、お伺いいたします。
一時保護で定員を上回った場合の日数は何日か、その対策はどうとられているのか、お伺いいたします。
次に、介護サービスについて1年間の実績と今後の取り組みについてお伺いいたします。
福祉・医療問題について、終末期医療についてお伺いいたします。
近年、本県におきましても終末期医療に対する県民の意識啓発のための「ホスピスの会」が結成され、講演会などが開催されております。現在、全国には89の緩和ケアがあると聞いておりますが、本県における終末期の行政対応について、そして今後の課題についてお伺いいたします。
あわせて、尊厳死にどう対応するかについてもお伺いしたいと思います。
次に7番目、教育・文化問題について。
その(1)、教育問題の大学院大学の構想についてお伺いいたします。
尾身大臣が構想を提唱し、世界最高水準の自然科学系の大学院大学を沖縄県に設置するということで検討が始まったと伺っております。
そこで知事にお伺いいたします。大学院大学はどういう目的で設置されるのでしょうか。
大学院大学が本県に設置される背景、理由は何でしょうか。
どういう内容の大学院大学になるのですか。
立地場所については、市町村の誘致合戦の様相を呈していますが、知事として立地場所をどう考えていらっしゃいますか。
本県の産業振興にどのような効果があるとお考えでしょうか、お伺いいたします。
次に、県立高校再編計画について中間報告が出たようですが、現時点での課題についてお伺いいたします。
次に、文化行政についてお伺いいたします。
私は、去る8月14日から29日まで、伊良皆議長を団長とする南米4カ国視察団の一員として、南米4カ国を訪問いたしました。南米各地での県人の活躍には目をみはるものがあり、20世紀初頭に我が先人たちがあらゆる困難を克服し、子弟を教育し、日系社会の中での県人の確固たる地位を築き上げてきたことには、改めてその御労苦には頭が下がる思いがいたしました。
本県の今日の繁栄につながる先人たちの功績を考えますと、未知の国で望みをかなえないまま異国の土になった方々を初め先人たちの苦難の足跡、移民の長い道のりを風化させることなく後世に伝えていくことが大切だと考えます。特に1世の方々の高齢化が進んでいる状況下、早急に世界に羽ばたいているウチナーンチュの移民資料を調査・収集する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
また、移民の方々との多角的な文化交流についてもお伺いしたいと思います。
最後に、我が会派の代表質問との関連についてお伺いいたします。
ポスト3次振計の振興新法の制定に関して「カジノ構想」についてお伺いいたします。
観光リゾート局長は、観光振興のためゲーミングを含む多くのエンターテインメントの可能性について、先進地の状況や県内各界の意向について慎重に調査・検討していきたいとの答弁がありました。ゲーミングを含む多様なエンターテインメントとは、具体的にどういうものでしょうか。
また、県内各界の意向について経済界以外に県民のどのような声が上がっておりますか、お伺いいたします。
以上、答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題について、15年使用期限問題の進状況について聞きたいとのお答えでございます。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題の解決については、これまでもあらゆる機会に政府に求めてきたところであり、さきの第7回代替施設協議会においても政府に対し早期解決を強く申し入れたところであります。
15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。
次に、同じく基地問題について、終局的には協定破棄が望まれるが、日米安保の関連ではどうなるかという御質問のお答えでございます。
日米安全保障条約は、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たしていると認識しております。しかし、日米安全保障体制のもとで米軍基地を維持し、円滑な運用を図るためには地域住民の理解と協力が必要であり、米軍基地から派生する事件・事故や環境問題などから県民の生命財産を守るためには、日米地位協定の抜本的な見直しは不可欠であると考えております。
次に、環境問題について、尾身大臣の発言をどう受けとめているかについてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、本島中部圏東海岸地域の活性化を図ることを目的に地元沖縄市を中心に環境保全策も含めて長年検討や調整が行われ、今日に至っている事業であります。今回の尾身大臣の発言は、土地利用については、本事業の目的に沿って地元の活性化に役立つよう県と沖縄市が責任を持って利用してもらいたいという趣旨で発言されたものと理解をしております。県としては、新たに創出される貴重な都市空間が地域の活性化に十分有効活用されるよう地元沖縄市と協力して本事業に取り組んでいきたいと考えております。
次に、知事の土地利用に関する発言の真意と論理についてお答えをいたします。
8月24日の定例記者懇談会の際、泡瀬地区の土地利用計画についての質問に対する発言は、土地利用については、当初計画に固執せず、時代時代の経済情勢やニ-ズに整合させて柔軟に対応すべきであるとの基本認識を示したものであります。
現土地利用計画については、観光産業の動向や沖縄市の地域活性化策に沿ったものとなっており、現時点においては見直す考えはありません。しかし埋立工事が完了し土地利用が開始されるまでには工事着工から7カ年以上を要し、この間には社会経済情勢が変化することも十分に考えられることから、今後とも社会経済情勢の変化等を的確に把握するとともに、環境保全にも配慮しつつ地域のニ-ズに沿った土地利用が図られるよう柔軟に対応していきたいと考えております。
続きまして女性・人権問題について、三役に女性登用がない理由についてという御質問のお答えでございます。
副知事及び出納長は、知事の補助機関として一体となって知事を補佐する極めて重要な職責を有するものであり、その選任に当たっては、男女を問わず、その職責を全うできる人物について慎重に人選し、県議会の同意を得て任命しているところであります。三役人事に当たりましては、あらゆる角度から総合的に検討した上で選任しているものであります。
次に、教育・文化問題で大学院大学の設置目的、背景、内容、立地場所、波及効果はどうなっているかについてお答えをいたします。
政府は、今年3月に閣議決定した科学技術基本計画において「科学技術創造立国」を目指して科学技術政策を推進していくこととしております。このような背景を踏まえ、大学改革及び沖縄の新たな発展に向けて新しい発想を持った国際性のある最高水準の自然科学系の大学院大学を沖縄に設置することを目指すものであり、その結果として各種研究機関やベンチャー企業の集積が予想され、本県の自立的発展にも大きく貢献するものと期待しております。
また、研究内容については、ITを初めバイオロジー、環境科学、ライフサイエンスが有望だと言われております。
さらに、立地場所については、今後開催される「沖縄新大学院大学構想検討会」の議論の中で立地環境、立地条件等が明らかになっていくものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 知事の政治姿勢について、沖縄特例と国内規制緩和、グローバルスタンダードとの関係はどうなっているかについてお答えいたします。
県は、産業振興のための特別措置など新たな沖縄振興に必要な制度・施策の導入を国に求めてきたところであります。これを受けた内閣府の新法骨子案等には情報通信産業振興地域制度、金融業等集積促進地区制度及び特別自由貿易地域制度など本県独自の制度・施策が多く盛り込まれています。
これらの沖縄特例は、本県の抱える特殊事情に配慮したものでありますが、この中には初期投資の負担軽減、行政手続の簡素化、航空運賃の軽減、これまでにない非公務員型の大学院大学の設置検討など高コスト構造からの転換や教育改革など我が国の構造改革を先行的に実施する内容も含まれており、規制緩和の流れに沿うものと認識しております。
なお、グローバルスタンダードは一般的に企業活動の分野について言われることが多く、沖縄特例と一概に比較することは困難であります。
次に、同じく知事の政治姿勢について、基地依存経済は一国二制度ではないかについてお答えいたします。
本県の県民総支出に占める基地関連収入の比率は、昭和47年の15.6%から平成10年度は5.2%となっておりますが、その比率が特に一国二制度としての概念ではないと考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢について、是正した格差と克服できない格差とはどういうものがあるのか、対本土格差の根本原因は何かについてお答えいたします。
本県は、30年間の振興策を進めてきた結果、産業基盤施設や生活環境基盤施設、保健・医療・福祉及び教育施設などの社会資本の整備が積極的に進められ、小中学校の校舎整備率や病院の病床数、老人福祉施設、上・下水道の普及率、道路の改良率など全国水準に近いもの、あるいは全国平均を上回る分野も出てきております。しかしながら、産業振興の面では農林水産業や製造業が伸び悩んだことから、所得や失業率など依然として解決されない格差も残されております。
格差の原因については、本県の離島性などの地理的条件や歴史的・文化的条件など数多くあるものと考えていますが、例えば所得格差については本土市場からの遠隔性や市場の狭小性、資本、技術の蓄積不足等企業活動の不利性に加え、全国1位の人口増加率など経済成長を上回る人口増加もその要因の一つと考えられます。したがって、格差の根本的な原因はそれぞれの格差のとらえ方によっていろいろな側面があるため、一言で申し上げることは難しいものと考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢について、沖縄経済の有利性、不利性とは何か、特性の拡充と不利性克服の具体的目標は何かについてお答えいたします。
本県の亜熱帯・海洋性の豊かな自然環境、独自の歴史的・文化的特性、東アジアの中心に位置する地理的特性等については、観光・リゾート産業、情報通信産業の振興を図る面で有利性につながるものと考えております。
一方で、多くの離島から成る島嶼性による狭小な市場規模や基盤整備の非効率性、また本土市場からの遠隔性、資本、技術の蓄積不足等が経済面での不利性となっております。
新たな沖縄振興を進めるに当たっては、本県の豊かな自然環境や歴史・文化等の特性を生かして観光・リゾート産業の振興を初め国民の保養・リフレッシュの場の形成を目指して取り組んでまいります。
また、地理的な特性を生かして国際的なコンベンション・リゾート地の形成を初め情報通信産業及び加工交易型産業等の戦略的な振興を図り、アジア・太平洋地域の情報、物流、文化等の交流拠点を形成するとともに、島嶼性を生かした循環型社会を目指します。また、基地問題の解決や戦後処理問題への対応及び都市地域と離島・過疎地域との地域間格差の是正など特殊事情に基づく不利性の克服を図るため全力で取り組みます。
次に、旧日本軍飛行場問題について読谷補助飛行場における耕作者への対応についてお答えいたします。
読谷補助飛行場における耕作者への対応については、国、県、読谷村で設置した読谷飛行場跡地利用促進連絡協議会において平成11年6月に読谷飛行場内黙認耕作問題解決要綱が策定され、黙認耕作問題の解決を図ることとしております。この要綱では、黙認耕作の解消を図る交渉は読谷村が行うことになっており、地域の問題として村が耕作者とよく話し合って解決していただきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の基地問題についての質問に順次お答えをいたします。
まず、普天間代替施設の建設位置と工法決定のタイムスケジュールについて聞きたいという御質問にお答えいたします。
第7回代替施設協議会で報告のあった3工法8案につきましては地元説明を行ったところであります。今後、名護市長において地元住民の意見、要望を取りまとめ、次回協議会でその報告を行うこととされております。県としては、国から示された案について県内部において検討を進めているところであり、地元の意向も踏まえながら総合的に検討していきたいと考えております。今後のスケジュールにつきましては、代替施設協議会において協議する中で定まるものと考えております。
次に、軍民共用の問題点とその打開策及び展望について聞きたいという御質問にお答えをいたします。
代替施設につきましては、軍民共用とし、滑走路長は2000メートルとすることが代替施設協議会及び日米間の協議において合意されております。県としては、これらの機能とあわせて空港関連産業の育成・誘致及び空港を活用した産業等のための条件の整備・検討を進め、具体的な事業展開が図られるようにする必要があると考えております。そのため、県としては同施設の民間機能を活用して雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成するとともに、移設先周辺地域における振興策や空港活用型の産業振興等について国の支援を得ながらその実現を図っていきたいと考えております。
次に、日米地位協定の抜本的改正について県と国の立場はどのようなスタンスの違いがあるかという御質問にお答えをいたします。
政府においては、日米地位協定については運用の改善を進め、これが十分効果的でない場合には地位協定の改正も視野に入れていくとしております。県としては、運用の改善では根本的な解決にはならないと考えており、今後とも政府において日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただけるようあらゆる機会をとらえて要請していきたいと考えております。
次に、運用改善で日米両政府の立場にはどのようなスタンスの違いがあるかという御質問にお答えをいたします。
去る9月9日のサンフランシスコで行われた田中外務大臣とパウエル米国務長官との会談において、外務大臣から日米地位協定の運用改善の協議を進めたい旨の発言があり、これに答えてパウエル国務長官も協議を進めていきたい旨の発言があったと聞いております。また、ことし3月の日米合同委員会で、刑事事件の容疑者となった米兵の起訴前身柄引き渡しについて平成7年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意における「その他の特定の場合」の明確化を図ることが確認され、8月23日までに2回目の専門家協議が開かれたと承知しております。協議の中では被疑者の人権問題、すなわち取り調べに際しての弁護士や通訳の同席、代用監獄制度など日本の司法制度における問題点が米側から指摘されたと聞いております。
次に、米軍人等による事件・事故の被害者補償について、1996年から2000年までの補償費などの支払い状況はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
米軍人等による事件・事故の補償業務を担当している那覇防衛施設局の資料によれば、本県で発生した米軍人等による公務上の事故の補償費の支払いの状況は平成8年度132件で4645万円、平成9年度は179件で4155万1000円、平成10年度は120件で4137万9000円、平成11年度は152件で1億888万3000円、平成12年度は92件で9112万3000円であり、合計では675件で3億2938万6000円となっております。
なお、公務外の事故につきましては、両当事者間の示談により支払われることが多いことから、支払いの実態を把握することは困難であると聞いております。
次に、被害者救済のための法的整備と地位協定の見直しについてどう考えるかという御質問にお答えをいたします。
米軍人等が公務外で起こした事件・事故等の被害者に対する補償につきましては、平成8年のSACO最終報告によって慰謝料や見舞金の支払い手続、前払いの請求、無利子融資制度等に関する日米地位協定の運用の見直しが示され、一定の前進が図られたものと考えております。しかし、この日米地位協定の運用の見直しにおいても被害者に対する日米両政府による支払いについて法的義務として認めたものではなく、「支払いを行うよう努力する。」ことにとどまっております。
また同様に、前払いの請求手続や被害者に対する無利子融資制度につきましても法的制度として確立したものではございません。したがって、県としては、米軍人等により被害を受けた者の迅速かつ十分な補償を図るためには、国内法の整備を含め日米両政府の法的責任で被害者の損害を迅速に補てんする制度を設け、被害者の補償を受ける権利を法律上明確に規定する必要があると考えており、そのような観点から昨年8月、日米両政府に対し「日米地位協定の見直しに関する要請」を行ったところであります。
次に、旧日本軍飛行場問題についてお答えをいたします。
まず、読谷補助飛行場の旧軍用地問題を戦後処理の一環として位置づける考えはないかという点と、旧地主に対する県の対応を聞きたいという点と、振興新法への位置づけはできないのかという点と、ポスト3次振計に取り入れることはできないかという点を一括してお答えをいたします。
戦後56年の長期間にわたって旧日本軍に接収された土地の所有権回復を求めてこられた旧地主の方々の心情と御苦労については、県としても十分に理解しております。また、去る6月県議会において「沖縄県所在旧軍飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が採択されたことを重く受けとめております。
県は、現在、旧地主が指摘している戦後処理問題として取り扱われたとされる他県における旧日本軍接収用地の返還事例について那覇市と連携して関係自治体に対して照会しているところであり、また同事例のうち、現在も空港や米軍施設として利用されている土地について直接現地に赴き、当時の処理状況等を調査する予定であります。県としては、その調査結果等を踏まえ、本県における旧日本軍接収用地問題を戦後処理問題として位置づけることが可能かどうか検討したいと考えております。
次に、女性・人権問題について逐次お答えをいたします。
まず、米軍人・軍属への養育費請求問題についての米国内の新しい動きと県と州の連帯についての御質問にお答えをいたします。
米国には、各州に公的機関としてチャイルド・サポート・オフィスがあり、また養育費支払い不履行に対処するための必要な調査等を行う民間組織として全米養育費履行強制協会(NCSEA)があります。
昨年5月とことし6月にテキサス州副司法長官兼全米養育費履行強制協会副会長が来庁し、米軍人・軍属の父親から遺棄された子供に対する養育費の支払いを父親に強制させる手だてを講じるため、テキサス州と県が協力して取り組むことを求める提案がございました。同提案を検討した結果、我が国の現行制度では父親の確定や養育費支払い義務の確定、また養育費支払い義務履行の確保について行政として関与することが困難であると考えております。県としては、そのことをお伝えするとともに、今後どのような協力ができるか、引き続き検討していきたいと考えております。
次に、米軍人・軍属への養育費請求問題についての国内の制度障害と県内NPOの実績についての質問にお答えをいたします。
我が国では、離婚の際の親権者の決定や養育費支払いの取り決め等は当事者の意思、協議、または裁判所の調停結果等に基づいて行われることから行政の関与が難しく、養育費を強制的に取り立てるということが現行法上できない状況であります。
県内においては、イーシー外国法事務弁護士事務所の弁護士が中心になって米軍人・軍属と離婚し、または遺棄される等で生活費に困窮して養育費を求めている母子からの相談に対してボランティアで活動をしております。同弁護士によりますと、ことし6月までの相談実績は88件で、うち養育費の取り立てに成功した事例が15件、額にして13万ドル余、約1500万円となっているようでございます。
次に、県内自治体の女性登用の現状と課題についての質問にお答えをいたします。
平成13年4月1日現在の県の女性登用状況は、審議会等における女性委員の登用率が対前年比0.7ポイント減の25.6%、女性のいる審議会等の割合が前年比2.1ポイント増の90.8%となっております。
県職員の女性登用状況を割合で見ると、係長職以上は対前年比0.7ポイント増の29.6%、課長職以上は対前年比0.8ポイント減の6.9%となっております。ちなみに内閣府の資料によりますと、本県の管理職の登用率は47都道府県中、東京都に次いで第2位となっております。
また、市町村の審議会等における女性委員の登用率は、対前年比0.9ポイント減の21.2%、女性のいる審議会等の割合が前年比1.5ポイント増の66.6%となっております。市町村職員の女性登用状況を割合で見ると、係長職以上は前年比1.4ポイント増の15.6%、課長職以上は0.4ポイント増の4.7%となっております。
今後の課題としましては、医師、法律家、自然科学分野等での人材を必要とする審議会等で女性の登用率を高めることが必要であると考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 環境問題について、大宜味村塩屋地先における埋立計画について環境面からどのように住民意思を反映させるかの御質問にお答えいたします。
大宜味村塩屋地先における公有水面埋立事業は、その埋立面積が39.7ヘクタールで沖縄県環境影響評価規程の対象事業となることから、同規程に基づき環境影響評価の手続を行っているところであります。
環境影響評価の手続において、事業者は平成13年3月26日に環境影響評価準備書を公告し4月25日まで縦覧するとともに、4月5日と6日に住民説明会も開催しております。関係地域住民は、当該準備書に対し環境の保全の見地からの意見を述べることができることになっており、事業者である村に対して30名から意見が提出されております。事業者は、これらの意見の概要を5月21日に県に提出しております。
県は、これらの住民意見と、別途聴取した村の意見も踏まえて平成13年8月14日付で同準備書に対する知事意見を事業者に対して述べたところであります。当事業者は、当該意見を勘案して環境影響評価書を作成することになり、その中で住民意見及び知事意見への事業者の見解を示すことになっております。
以上のことから、当該事業に対する環境の保全に対する住民意思は当該事業計画に反映されるものと考えております。
同じく環境問題について、県は設置届け出の受理に際し入会権をどのように認識していたか、また村と辺戸区との話し合いについて行政指導を行ってはどうかという御質問にお答えいたします。
家庭などから出る一般廃棄物の処理については、日常生活に最も密着した行政サービスであることから市町村の固有事務となっており、廃棄物処理施設の整備は地域の生活環境を保全していく上で必要不可欠であります。
このようなことから、廃棄物処理法においては、市町村からの処理施設の設置届け出について県は技術上の見地から処理施設の構造や排水の処理方法等について確認することになっておりますが、設置場所の土地の所有権等の確認までは求められておりません。こうしたことから、県においては国頭村から提出された一般廃棄物最終処分場の設置届け出について、廃棄物処理法に基づく技術上の基準に適合していることを確認し通知したところであります。
なお、入会権に関しては辺戸区から那覇地方裁判所に仮処分申請が提出されており、その動向を注目しております。県と国頭村との意見交換の場において、仮処分申請が決定されるまでの間は工事を差し控えることについて話し合いがされております。
続きまして教育・文化について、県は移住者の皆さんに沖縄を紹介するイベント、例えば写真展等の多角的な面からの開催を検討すべきではないかとの御質問にお答えします。
県は、これまでにブラジル・アルゼンチン沖縄県人移住90周年記念式典、沖縄県人ハワイ移住100周年記念式典等において琉球舞踊公演や地域民俗芸能公演等を実施し、移住地の皆さんとの交流を図ってまいりました。今後とも、これらの公演とあわせて母県沖縄を紹介する記録写真展や絵画展等の多角的な面からの開催を検討するなど、より一層相互の交流を深めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 環境問題について、大宜味村塩屋地先の埋め立ての免許に際しどのように住民意思を反映させるかについてお答えいたします。
公有水面埋立免許につきましては、県知事は公有水面埋立法第3条第1項により出願事項を告示し、告示の日から3週間縦覧するとともに、地元の市町村長及び議会の意見を聞くことが規定され、その中で住民意思が反映されることになっております。
大宜味村の塩屋地先の埋立計画につきましては、現在、事業者である大宜味村が埋立願書出願に向け関係図書の作成作業等を実施していると聞いておりますが、免許に際しましては、公有水面埋立法等の関係法令に照らし、公益上の観点から総合的に判断していきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉・医療問題について、DV法制定後の女性相談所での一時保護、相談件数についての御質問にお答えいたします。
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、いわゆるDV防止法は平成13年4月6日に成立し、施行日は平成13年10月13日となっております。なお、配偶者暴力相談支援センターに関する事項については、施行日は平成14年4月1日となっております。
平成13年4月から8月までの女性相談所での相談件数は、電話相談が260件、うちDV関係が73件で28.0%、来所相談が232件、うちDV関係は91件で39.2%となっており、平成12年同時期に比べますと電話相談は昨年と同程度、来所相談が71件、44%の増となっております。
一時保護は231人で、平成12年同時期に比べますと97人、72.4%の増となっております。
同じく福祉・医療問題で、一時保護で定員を上回った日数について、またその対策についてお答えいたします。
女性相談所の一時保護所の定員は20人でありますが、平成13年4月から8月までの間に定員を上回って一時保護をした日数は58日となっており、1日当たり平均保護人員は17.8人となっております。なお、過去において定員を上回ったことは平成13年1月の2日間のみでありました。
また、定員を上回った場合は婦人保護施設を活用しており、現在、リネン室及び当直室として使用している部屋を今後居室として整備して対応する予定であります。
同じく福祉・医療問題について、ウ、この1年間の介護保険サービス利用状況はどうか、また介護保険は赤字であるが、今後財政的にどのように取り組むかとの御質問にお答えいたします。
平成12年度の介護保険サービスの受給者数は、施設サービスでは施設の入所定員の関係上、ほぼ9300人前後で一定して推移しています。
一方、在宅サービスの受給者数については平成12年4月は8648人でしたが、平成13年2月は1万2264人となっています。
また、平成11年度と比較して平成12年度の在宅サービス利用回数は、訪問介護や通所介護、通所リハビリサービスが大幅に伸びました。平成12年度においては、当初の見込みより保険給付費が増加した市町村も、平成13年度の第1号保険料軽減措置に充てる介護保険円滑導入基金を前倒しして取り崩すなどの対応がされたため財政不足は生じておりません。
本年度において財政不足が生じる市町村については、県に設置してある介護保険財政安定化基金からの貸し付けを行う予定です。
また、長期的な取り組みについては、今後、県内各市町村の意見を聞きながら検討してまいりたいと思います。
同じく福祉・医療問題について、終末期医療に対する考え方について。
平成12年度の人口動態統計によりますと、本県の死亡者数は7946人となっております。そのうち、がんで亡くなった方が2194人と最も多く全死亡者数の27.6%を占めており、昭和52年以降、常に死亡順位の1位となっております。
このような状況の中で適切な終末期医療が受けられるよう希望する患者がふえてくるものと予想されます。このことから、終末期にある患者の苦痛を和らげ自然に人生を全うできるよう支援するとともに、終末期医療を行う緩和ケア病棟の整備は必要と考えております。
なお、本県は各圏域でおおむね病床過剰地域となっていることから、新たな緩和ケア病棟の整備については既存病床の活用を中心として整備を促進していきたいと考えております。
それから、尊厳死の考え方についてお答えいたします。
尊厳死は、回復の見込みのない病気で死期が迫ったとき、患者が延命目的の医療を断り、人間的な尊厳を保つため自発的に選ぶ死と言われております。このような尊厳死の基準については医学的な意見のみならず宗教や倫理、法律等各方面での検討が必要とされ、我が国においてはその尊厳死への賛否が分かれていることもあり、法制化がなされておりません。したがって、尊厳死への対応については国レベルでの検討の推移を見守る必要があると考えております。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育・文化問題について、県立高校編成整備計画の中間のまとめが公表されたが、その内容と今後の進め方、課題等について聞きたいとの御質問にお答えいたします。
県教育委員会では、平成14年度を初年度とする新たな「県立学校編成整備計画」の策定に先立ち、昨年9月に「県立高等学校編成整備の基本方向」を定め、またことし9月に全体計画の骨子となる「県立高等学校編成整備実施計画中間まとめ」を公表したところであります。
新たな編成整備計画では、国の文教施策の動向も踏まえ国際化、情報化など社会の変化に対応し生徒の能力や個性を一層伸ばす学校づくりを進めてまいります。
また、本県の自立に向けた持続的発展を担う人材育成の視点も取り入れ、既存の学校を再編統合する中で──いずれも仮称でございますが──「総合実業高等学校」、「総合工芸高等学校」、「沖縄インターナショナル高等学校」、「情報技術高等学校」など新しいタイプの学校を設置することといたしております。
これまでの計画策定の過程においては、校長会、PTA関係団体、産業団体、教職員団体などと広く意見交換をしてきましたが、引き続き各地域に設置した「教育施策に関する地区協議会」や関係団体等と調整を図りながら計画の策定完了を平成13年度中を目途に作業を進めてまいります。
なお、当面の課題といたしましては、学校、地域、父母等のコンセンサスを得て計画策定を図るかが当面の課題でございます。
次に、教育・文化問題について、移民に関する文書や写真等について資料を収集し、歴史的、体系的に保存すべきと考えるがどういう状況か、県の対応はどうかとの御質問にお答えいたします。
沖縄移民が多い南米やハワイ、北米地域などにありましては移民に関する資料が残されております。移民関係者は、地域によっては1世から2世へ、また2世から3世へと世代交代が進んでおりますことから、資料の収集や記録の作成等は急がれるべき課題と認識しております。また、移民関係資料の体系的な収集は、沖縄県の歴史を跡づける上でも大変重要なことと考えております。
県教育委員会では、これまでに県立博物館で移民関係の展示会を企画する中で、ハワイや北米における移民関係の写真や資料等を収集してまいりました。また、県教育委員会が沖縄県文化振興会に委託し実施しております新沖縄県史編集事業において移民に関するビジュアル版や資料編の編集が計画されており、現在は南洋移民関係史料の収集を精力的に行っているところでございます。移民関係資料の体系的な収集は大切な視点と考えますので、関係機関と連携を図りながらなお一層推進していきたいと思います。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 我が党の代表質問との関連について、多様なエンターテインメントにはどのようなものがあるか、エンターテインメントにはカジノが含まれているかとの2点の御質問に一括してお答えいたします。
近年、観光ニーズが多様化、目的化する中で本県観光を今後とも持続的に発展させていくためには、多様な観光ニーズに的確に対応した新たな観光資源の展開が必要とされております。そのため、エンターテインメントの充実によるナイトライフ、アフターコンベンション等の魅力の向上を図る必要があります。
多様なエンターテインメントとしましては、映画、演劇、音楽会、遊技場、郷土芸能演舞、エンターテインメント性を充実させたライブ、グルメレストラン及びナイトクルージング等が考えられます。
カジノ、いわゆるゲーミングも多様なエンターテインメントの一つとして認識しております。
次に、同じく我が党の代表質問との関連についての中での、経済界以外にどのような団体から意見があるかとの趣旨の御質問にお答えします。
ゲーミングを含む多様なエンターテインメントにつきましては、産業界や女性団体、青年団体等からさまざまな意見があります。したがいまして、先進地の状況や県内各界の意向等について慎重に調査・検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○糸数 慶子 再質問いたします。
まず、振興新法の基本方針についてなんですが、ここでは新法で位置づける各種の税制優遇措置の内容や軽減率などが最大の問題点だと考えるんですが、その件についてお尋ねいたします。
まず1点目、沖縄県の要望に対して政府が実現を困難視している一国二制度的措置にどんなものがあるのでしょうか。また困難視する理由は何でしょうか、お伺いいたします。
新法に盛り込まれる新たな一国二制度的措置には具体的には何があるのですか、お尋ねいたします。
その効果はどのように見込まれているんでしょうか。
次に、基地問題について、普天間飛行場の移設問題の位置、工法問題についてですが、答弁は国から示された案について県内部で検討を進めているところという答弁がありましたが、県内部とは具体的に言うとどこでしょうか。そこでどんな基準で何が検討されているのか、お伺いいたします。
次に、環境問題について、泡瀬干潟の埋立問題についてなんですが、知事の土地利用計画見直し発言のことについて、土地利用については、当初計画に固執せず、時代時代の経済情勢やニーズに整合させて柔軟に対応すべきとおっしゃっていらっしゃいます。しかし、現時点においてはこれまでの答弁をお聞きいたしますと見直す考えはないと言っておりますが、知事のその経営感覚でバブル期に作成された現土地利用計画が長期不況期の今日でも経済情勢やニーズに整合性があるということでしょうか。経済の稲嶺と言われた知事の御見解を賜りたいと思います。ちなみに現在進出企業は2社になっています。
それから、この埋立事業は第1区域、第2区域の2つの区域に分かれて実施されていますが、第2区域がまず実施不可能となった場合、現土地利用計画は当初埋立計画と整合性があると言えますでしょうか。これは仮定の話ではなくて第2区域の着工見通しがある場合初めて第1区域の着工にも整合性があると思うのですが、いかがでしょうか、お答えください。
それから旧日本軍の飛行場跡地についてですが、これは6月議会でも同じように調整中という答弁をいただいたんですけれども、これについては新法に戦後処理として盛り込まれなければチャンスを失すると思います。タイムリミットも含めてこの問題に対して知事はどのように対処されるのか、御決意のほどをお伺いしたいと思います。
次に、女性・人権問題について、アメラジアンの養育費請求問題についてなんですが、現行制度がなければ新たな制度をつくって請求をしていくというその運動が必要ではないでしょうか、再度答弁をお願いいたします。
最後に、知事の公約にもありますが、女性の積極的な登用というのは知事の公約にも出ております。もちろん現三役はやはり適材適所で頑張っていらっしゃるすばらしい三役ですが、大田前県政ではアファーマティブアクションで政策的に女性の登用をやっておりました。意識的に女性の登用を配慮していただきたいと思いますけれども、知事の先ほどの御答弁を伺いましたら、「あらゆる角度から総合的に検討した」とおっしゃっていらっしゃいますけれども、男女共同参画の視点からは検討されなかったのでしょうか、再度御答弁をお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後10時57分休憩
午後11時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 泡瀬の問題について、当時の契約について経済人として逆にという御質問がございましたけれども、もう一遍同じ問題を発表しますと、今回の一番重要な問題は、沖縄市の地元が大変強い要望を出していると。しかも現在でもその地域活性化ということを大変に重要視しているということは大変重要なことだと思います。
そして、観光産業の動向というのも現実には一時的な問題がありますけれども、長期的にはそのまま伸びる方向にあると。大きなポイントでございます。したがって、現土地利用計画については観光産業の動向や沖縄市の地域活性化策に沿ったものとなっており、現時点においては見直す考えはありません。
しかし、埋立工事が完了し土地利用が開始されるまでには工事着工から7カ年以上を要し、この間には社会経済情勢が変化することも十分に考えられることから、今後とも社会経済情勢の変化等的確に把握するとともに、環境保全に配慮しつつ地域のニーズに沿った土地利用が図られるよう柔軟に対処したいと考えております。
それと女性の三役登用についてでございますが、私は以前からどちらかというと、自分のことを言うのも個人的な話ですけれども、経済人時代も女性の登用については私が一番早かったと多分言われていたと思います。したがいまして、いろいろな三役の登用に当たっても、これは男女あるいは年齢、あるいは最もその時代時代にふさわしい人を、もちろんそれは女性を登用するという観点は私は大変に重要な視野だと思っておりますが、そういたしますと現時点、私の今抱えている問題というのは当面の基地問題、そして経済の新たなる21世紀の沖縄を目指す振興策、そして経済新法等、そういう対応から三役をということで、そういう形で県議会の皆様に推薦させていただきましたので御理解を賜りたいと思います。
○企画開発部長(与儀朝栄) 糸数議員の再質問のうち、県が要望したもので国から認められた税制優遇措置にはどういったものがあるか、それから困難なものにどういったものがあるかについてお答えいたします。
平成13年8月に内閣府原案として示されました平成14年度沖縄振興関係税制改正要綱案によりますと、まず観光の振興のための税制としまして本土―沖縄本島路線に係る航空機燃料税の軽減措置の延長、それから空港外への展開等沖縄型特定免税店制度を拡充するため所要の税制措置を講ずると。それから情報通信産業の振興のための税制として主なものは、特定情報中枢機能振興地区(仮称)制度を創設するため所要の税制措置を講ずると。それから金融業等の集積促進のための税制としまして、金融業等集積促進地区(仮称)制度を創設するため所要の税制措置を講ずると。
これは、中身につきましては県の方も具体的な制度も要望してありますけれども、これにつきましては来年の法案提出に向けて国とこれから具体的中身を詰めていくことになっております。
それから、県が要望したものでできなかったものにつきましては、項目としまして航空機燃料税軽減措置の離島路線への拡充があります。これができなかった理由としましては、航空運賃の自由化等の状況変化に伴い軽減分が直接運賃の値下げに反映されるかどうかの判断が困難ということで取り上げられておりません。
以上であります。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 再質問にお答えいたします。
泡瀬埋立区域には1工区、2工区、県議の質問の趣旨は2工区と整合しない限り1工区に着工できないのではないかという質問だと思いますのでお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業については、本年7月31日に開催された中城湾港環境監視・検討委員会において、環境保全対策に万全を期すため当面は機械化施行による広範囲の藻場の移植を行い、埋立工事の着工については移植結果等を踏まえて総合的に判断することということで言われております。
この広範囲といいますと、1工区に藻場がありますので、そこの3ヘクタール、広範囲、その3ヘクタールのまず移植をして、その結果を見て判断して、それが移植が十分できるということになれば1工区から着工していきたいということで考えております。1工区から判断すれば着工しながら、2工区についても今クビレミドロの移植実験等についてやっていきたいということで考えております。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の再質問にお答えいたします。
まず、基地問題について、代替施設協議会に向けて県内部で検討しているというが、県内部とはどこなのか、また何が検討されているかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
県内部といいますのは、県庁内部の関係部局として意見交換を行っているということでございまして、土木建築部、文化環境部、農林水産部でございます。
土木建築部では現在、これまでの県内での施工実績等を踏まえた課題等技術的観点から、それから文化環境部におきましては藻場やサンゴへの影響など自然環境への保全や騒音等の生活環境の保全の観点から、それから農林水産部では漁業への影響等についてそれぞれ3工法8案について検討しているところでございます。
次に、旧日本軍飛行場問題についての戦後処理問題について、振興新法への位置づけはできないのかという御質問にお答えをいたします。
去る6月29日に作成いたしました「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」の中では、戦後処理問題への対応を引き続き推進することとしておりますので、この旧軍飛行場用地問題についても調査の結果、戦後処理問題として位置づけられるのであれば新振計での対応は可能であると考えております。
次に、アメラジアン問題について、法制度がないからといってできないというのではなく、法制度をつくって対処することは考えられないかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
アメラジアンに係る養育費問題につきましては、地位協定の問題とそれからチャイルドサポート制度、こういった2点の面から対処していかなきゃならないとこのように思っております。そういう意味で昨年の8月には地位協定の抜本的な見直し11項目の中にそれを改正していただくということで要請をしております。そしてチャイルドサポート制度につきましても、今後これを国とも調整しながら検討していきたいと、このように考えております。
○糸数 慶子 ただいまの再質問に対する答弁、すべて納得というわけではありませんけれども、また12月議会につなげていきたいと思います。
あと1分43秒ありますけれども、これはまた12月議会につなげていきます。
知事を初め皆さん、本当にお疲れさまでした。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明3日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後11時12分散会