○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案から乙第25号議案まで及び認定第1号から認定第21号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
当山全弘君。
〔当山全弘君登壇〕
○当山 全弘 おはようございます。
遊休化している那覇軍港は、装いも新たにして我が浦添市の方に百年の計を誤らす、今そういった動きがあることに対し怒りを込めて抗議の意を含めて質問いたします。
わかりやすく質問しますので、一括の答弁はお断りを申し上げます。
まず、那覇軍港の移設問題について伺います。
ア、日米両政府が進めてきた復帰以来の拠点集約化であり、軍港移設は米軍にとってメリットの大きな事業である。日本政府の予算で牧港補給基地との一体的な運用ができる新たな港湾施設を建設することにつながりますけれども、知事の所見を伺います。
イ、今回、軍港移設は機能を拡大した本格的な基地の新設が予想されます。知事の所見を伺う。
ウ、振興策を条件に新たに基地建設を認め、牧港補給基地の固定化に確実につながるが、知事の所見を伺う。
エ、基地の新規建設を認めることは浦添にとって重大な問題である。知事の所見を伺う。
オ、軍港の移設の位置、規模はどのようになっているか、知事の所見を伺う。
カ、米軍は復帰前から浦添移設を想定し、牧港補給地区との一体化と大型船の寄港が可能になる点を挙げ、移設推進を促した文書もあり、日米合同委員会の合意事項で規模や寄港船についても何ら制限はない。機能強化を明確に否定できる取り決めはないが、知事の所見を伺います。
キ、沖縄は海兵隊が主力で強襲揚陸艦の寄港が可能で、ホワイト・ビーチとあわせて海兵隊にとって願ってもないコンテナ化とコンピューター化が図られた機能を一新した新しい軍港が浦添に新設されるが、知事の所見を伺う。
ク、米中枢同時テロを受けた軍港の運用活用状況について伺いたい。
ケ、新たに建設する軍港の規模、機能、使用条件もはっきりしない現在、政府の食い逃げを許してはならない。知事の所見を伺う。
コ、新設される基地は、よほどのことがない限り長期継続使用され、21世紀に生きる人々の環境を今知事、両市長は選択していることにつながり、行政の責任者として十分に認識する必要があると思うが、知事の所見を伺う。
サ、那覇軍港内の地主991名が、跡利用が見えず、8割が継続使用を希望しているとマスコミは報じているが、この実態はどうなっているか、所見を伺う。また、どのように対応するか、所見を伺います。
シ、日米両政府、米軍那覇軍港の浦添埠頭移設を合意した背景について伺います。
ス、山口県岩国は、滑走路を沖合に移され拡張されております。返還ではなく移設条件だとすれば、米軍は最新鋭の施設を望むのは当然だし、新しい基地がどんなことになるか、知事の所見を伺います。
セ、岩国は、米軍基地が市の発展を阻害し財政破綻のツケを市民に押しつけている結果につながっているが、所見を伺います。
ソ、浦添市長は空母、戦艦、揚陸艦、潜水艦等の入港は認めないと明言をした。市長の権限の及ばない港湾管理者は知事となることが予想されるが、どのように判断し拒否されるのか、所見を伺う。
タ、儀間浦添市長は振興策を国に要請しているが、軍港移設とリンクするのか、所見を伺う。
チ、振興策の金は一時的で市民は未来永劫に基地の重圧に苦しみ負担を背負うことにつながるが、それでよいと考えるのか、所見を伺います。
ツ、那覇軍港受け入れに関して市民投票の実施を学者、文化人が求めていることに対して知事の所見を伺います。
2、那覇港管理一部事務組合について伺います。
(1)、管理組合の設立目的は何か。
(2)、従来から狭隘で貧弱な那覇港を国際的な港湾に整備することを目指した組合設立だったが、今回も変わらないか。
(3)、核心は、本来アジアのハブ港湾を目指した開発をどう進めるか、管理形態をどうするか、ハブは実現可能かの論議が必要だが、本質が見えにくいが所見を伺います。
(4)、移設軍港は事務組合と関連するのか。
(5)、港湾計画改訂とも関連するのか。
(6)、港湾改訂時期はいつか。
(7)、港湾計画改訂で位置や規模、機能はどうなっているか。
(8)、軍港を含む国の港湾整備方針はどうなっているか。
(9)、那覇港浦添埠頭には日米が米軍那覇軍港を移設することで合意しており、組合設立は移設受け入れの前提となっているが、所見を伺う。
(10)、ハブ港湾としての需要が見込めるのか、那覇港をどんな国、地域と結び、どんなものをどれ
だけ運ぶのか。現行制度のもとで可能かどうかは県民に全く示されていないが、所見を伺います。
(11)、移設先の浦添埠頭で機能が強化されないか、こうした肝心な議論が横に追いやられハブ港湾化、軍港移設ありきで状況が推移しているが、所見を伺います。
(12)、軍港受け入れ表明は浦添市の未来を閉ざす重大な行動であり、キャンプ・キンザーを固定化させ浦添市の自立と繁栄の夢を断ち切ることにもつながるが、所見を伺う。
(13)、那覇港湾施設協議会と那覇港管理一部事務組合の関連について説明してください。
3、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について。
(1)、那覇港の国際流通港湾化構想は那覇軍港の浦添移設を念頭に置いて事業が進捗しているが、どのような方法で整備していくのか、所見を伺う。
(2)、国際流通港湾として那覇港を整備し、国際物流への寄与、経済の自立化、雇用の拡大に取り組むとしているが、どのように取り組むのか。また、ハブ港湾としての物流機能を実現できるのか。また、需要の見通しについてはどうか、所見を伺います。
(3)、今の状況ではハブ港湾の実現はできないと識者は指摘しているが、一国二制度導入でもない限りハブ港湾化の実現は乏しいと考えるが、規制緩和の導入の可能性について所見を伺います。
(4)、県の港湾の総事業費は5500億円で、高率補助を入れても通常予算規模ではないが何を根拠に算出したか。また、国庫補助は幾らか、市の負担分は幾らか。
(5)、港湾の完成年度はいつか。
(6)、県の港湾計画に位置づけされる那覇港湾施設の整備費用は幾らか、国土交通省の予算か、または防衛庁の予算か。
(7)、物流機能の論議が見えない中で、那覇港湾施設の港湾計画の位置づけと絡めた港湾整備との整合性はどう展開するのか、所見を伺う。
(8)、那覇港の港湾計画改訂に向けた那覇港長期整備構想検討委員会での軍港の移設で、その位置を決める議論の中身について伺います。
4番、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について。
(1)、那覇市の債権債務継承について金額は幾らか。那覇市、浦添市、沖縄県の負担額は幾らか。また、納付方法についてはどうなのか。
(2)、組合の議会の定数は平等にすべきではないか。5人、3人、2人とした根拠は何か。
(3)、組合経費の負担割合は県10分の6、那覇市10分の3、浦添市10分の1とあるが、単年度計算した場合幾らの負担になるのか。那覇市は負担軽減、浦添市は新たな負担増につながらないか、所見を伺う。
(4)、覚書に定めのない事項とは那覇軍港を指すのか。もし軍港であるならば、浦添市長が那覇港湾施設協議会と協議し位置決定するのか。決定された後は管理一部事務組合に諮り位置を決定し、一部事務組合が港湾改訂作業を実施するのか、伺います。
(5)、浦添市の独自の事業主体となる部分は幾らの面積か、全体の何%に当たるか、整備費用は国の補助か、または起債か、お伺いします。
5、沖縄の観光危機について
(1)、9月11日に起こった米中枢同時テロ以後、沖縄観光はキャンセルが相次ぎ県内の観光業界は危機に陥っている。キャンセルの実態はどうなのか、またどう対処しているのか、所見を伺う。
(2)、沖縄に集中的に存在する米軍基地がテロの標的になる危険が十分にあり、そのことで政府も450人の警察官を警備のため沖縄に送り出している。沖縄に観光客が来ないのは米軍基地の存在が大きな原因であるのは明らかです。そのことについて所見を伺います。
(3)、警察官を増強してまで基地の警備に当たらせている。テロの標的になる危険性の高いことを物語っているが、そのことをどう認識するのか、所見を伺う。
(4)、観光危機は打開されたでしょうか、悪化の気配はないか、土産品店、観光施設、リゾートホテル、ダイビング店、観光バスなどで解雇者は出ていないか。県内失業率9.3%、過去最悪を更新し悪化する失業率に拍車がかかっております。どう対処するのか、所見を伺う。
(5)、県発展を阻害する基地にかわって県経済の柱として力を入れたのが観光産業であり、ここ数年急激に成長し県民が将来に希望を託していた。今度もまた基地が足を引っ張っている。現在の観光の危機は国の誤った国策によって生じた国策被害であることは明白だが、どのように認識しているのか、所見を伺います。
(6)、知事は基地問題について論議を避けたがる傾向にあります。基地があっての危険イメージを外側に与えないためにも基地の新設はせず、基地の存在を積極的に縮小する取り組みが必要だが、2002年度から10年間の第4次県観光振興計画の中身についてはどうなっているのか、所見を伺います。
(7)、10月の観光客は19%減で、さらに11月31%減の予想とマスコミは報じているが、異常事態であります。どのような危機感を持って対応するのか、お伺いいたします。
最後になります。県単一JA合併構想について。
JA合併構想は、強固な経営基盤を確立するため第16回JA沖縄大会において決議し、同構想を実現するため合併推進本部を設置して鋭意取り組んでいると思うが、平成14年4月の合併に向けて組合員のコンセンサスは得られたでしょうか。代表者だけで短期間で審議し、余りにも急いで事を運び、拙速ではなかったか。
次の点を伺います。
(1)、赤字救済合併に嫌気が差し共倒れを懸念した組合員が多かったのではないか。解決のための取り組みはどうなっているのか。
(2)、経営困難JAの経営改善計画はどうなっているのか。
(3)、合併反対のJAは合併後の経営計画、赤字JAの財務改善ができるかどうか懸念する面が多いがどうか。
(4)、経営が悪化し自己資本比率が何%から業務の抑制措置がとられるのか、幾つのJAか、またどのように経営改善指導を行ってきたか。
(5)、JA合併構想については12月17日合併仮調印、その後、合併するかしないかを決議する臨時総会が開かれるが、それまでにどのように組合員のコンセンサスを得るのか、お伺いいたします。
あとは答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
当山全弘議員の御質問にお答えいたします。
まず最初は我が会派の代表質問との関連についてのうち、振興策を条件とした基地建設は牧港補給基地の固定化につながらないかとの御質問についてのお答えでございます。
県としては、SACO合意事案を着実に実施することが、米軍基地の整理縮小を図るため、より現実的で実現可能な方法であると認識しております。SACO合意事案以外についても国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ、県民の理解と協力を得ながら米軍基地のさらなる整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
次に、代表質問との関連についてのうち、軍港の新規建設は浦添市にとって重大な問題であるがどうかという御質問と、振興策は一時的で、基地の負担を背負うことにならないかという御質問と、事務組合について、軍港受け入れは浦添市の自立の夢を断ち切ることになると思うがどうか、これはいずれも関連をいたしますので一括してお答えいたします。
浦添市長の移設受け入れ表明は、那覇港湾施設の返還を促進するとともに、浦添市西海岸開発を含む那覇港の整備、沖縄西海岸道路等交通体系の整備等の促進につながり、浦添市はもとより本県の産業振興と経済の自立的発展につながっていくものと考えております。
県としては、浦添市長の決断を重く受けとめ、「那覇港湾施設移設受け入れに関する協議会」において、浦添市が要望している振興策等、移設受け入れに係る諸措置の解決に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、同じく代表質問との関連について、新設される基地は長期間使用されることになるが、どう認識するかについてお答えします。
県としては、那覇港湾施設の返還を促進するとともに、那覇港の早期整備を図るため、現在の那覇港湾施設を浦添埠頭地区に移設する必要があると考えております。
また、浦添市の西海岸地区を含む那覇港を国際流通港湾として整備していくことが産業振興や経済の自立的発展にもつながるものであり、さらに那覇港湾施設跡地の有効利用による新たなまちづくりが本県の発展に寄与するものと考えております。今後、国が設置した3つの協議会で那覇港湾施設の移設や移設先の振興策等について協議されるものと考えております。
次に、我が会派の代表質問との関連についてのうち、浦添市長は空母や潜水艦等の入港は認めないと明言した、知事としてどう思うかという御質問と、移設先の浦添埠頭で機能が強化されないかとの2つの御質問は、関連しますので一括してお答えします。
那覇港湾施設の代替施設においては、基本的に現在の那覇港湾施設と同様の機能が維持されるものと理解しております。代替施設の機能に関しては、浦添市長が市議会等において、物資の積みおろしの範囲と考えており、原潜や大型艦船の寄港は認めないとの考えを明らかにしております。県としては、地元自治体や港湾管理者の意向を踏まえ、今後「那覇港湾施設移設に関する協議会」等で代替施設の機能等について協議していきたいと考えております。
次に、同じく代表質問との関連について、浦添市長は振興策を国に要請しているが、軍港移設とリンクするのかとの御質問にお答えします。
浦添市長は、去る11月5日、国に対し那覇港湾施設の移設に係る浦添市の地域振興について要請しております。その中で、那覇港湾施設の浦添市への移設は、浦添市民にとって新たな基地負担を背負うこととなり、市民の負担軽減と民生の安定、地域振興についての特段の措置を講じることが肝要であると述べております。
また、政府は、平成8年12月3日の閣議決定で、SACO最終報告に盛り込まれた措置を的確かつ迅速に実施するため、法制面及び経費面を含め政府全体として十分かつ適切な措置を講ずることとするとしております。浦添市が要請している振興策等、移設受け入れに係る諸措置については、今後「那覇港湾施設移設受け入れに関する協議会」において協議されるものと考えております。
次に、那覇港管理一部事務組合についての御質問のうち、那覇港管理組合の設立目的についてという御質問と、那覇港を国際的な港湾に整備することを目指した組合設立か、関連しますので一括してお答えいたします。
那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として重点的に整備し、本県の自立的な経済発展、産業の活性化、県民生活の向上を図るためには、県、那覇市及び浦添市が一体となって一元的、効率的に管理運営することが極めて重要であります。そのため、那覇港の開発と利用の促進を図るとともに、適正で能率的な管理運営を行うことを目的に那覇港管理組合を設立するものであります。
次に、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書についてのうち、管理組合の議会の議員定数は平等にすべきではないか、5人、3人、2人とした根拠は何かについてお答えします。
那覇港管理組合の議会の議員の定数については、県外の港湾管理組合や県内の一部事務組合等を参考に那覇市及び浦添市と協議し、総数10人が適当であると判断したところであります。その構成割合の算定については、県、那覇市、浦添市に基礎数値として1人ずつ割り振り、残りの7人を6・3・1の割合に比重を置いて案分し、県5人、那覇市3人、浦添市2人としたものであります。
次の沖縄観光について、警察官を増強して警備しているのは、基地がテロの標的になる危険性が高いことを物語っていると思うがどうかについてお答えいたします。
現時点においては、沖縄に具体的なテロの脅威があるとの情報はなく、沖縄は安全であり、不確定な情報や風評により不安が広がったことを残念に思います。また、現在、他府県警察から応援を得て行っている米軍基地周辺での警戒警備については、県警が県民の安全確保を維持するための身近な警察活動を相対的に低下させてはならないとの観点から警察庁と調整を行い、県の公安委員会として応援要請を行ったものだと承知しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 当山全弘議員の我が会派の代表質問との関連について順次お答えをいたします。
まずア、軍港移設は新たな港湾施設の建設につながらないか、それからイ、軍港移設は機能拡大した基地の新設が予想されないかと、キ、海兵隊にとって機能一新した軍港が新設されるのではないかという3つの御質問については、関連しますので一括してお答えをいたします。
先ほど知事が申し上げたように、那覇港湾施設の代替施設においては、基本的に現在の那覇港湾施設と同様の機能が維持されるものであると理解しております。代替施設の機能に関しては、浦添市長が市議会等において、物資の積みおろしの範囲と考えており、原潜や大型艦船の寄港は認めないとの考えを明らかにしております。県としては、地元自治体や港湾管理者の意向を踏まえ、今後「那覇港湾施設移設に関する協議会」等において、代替施設の機能等について協議していきたいと考えております。
次に、軍港移設の位置、規模はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
那覇港湾施設代替施設の所要等については、平成7年5月の日米合同委員会において承認されております。承認された内容は、1点目に、面積約35.3ヘクタールの代替施設が那覇港港湾計画浦添埠頭地区内に移設されること、2点目に、牧港補給地区と新しい港湾施設とを結ぶ進入道路が提供されること、3点目に、新しい港湾施設には隣接する約50メートルの制限水域を含むこととなっております。代替施設の所要等については、これらの合意事項を基本として、今後「那覇港湾施設移設に関する協議会」等において国、県、関係自治体により協議されるものと考えております。
次に、カ、軍港移設について機能強化を否定できる取り決めはないがどうかという点と、ケ、新たな軍港は規模、機能、使用条件もはっきりしないがどうかという点と、ス、米軍は最新鋭の施設を望むと思うがどうかという3点については、関連しますので一括してお答えをいたします。
那覇港湾施設代替施設については、平成7年5月の日米合同委員会において、面積約35.3ヘクタールの代替施設が浦添埠頭地区内に移設されること、牧港補給地区とを結ぶ進入道路が提供されること、隣接する約50メートルの制限水域を含むことが承認されております。
県としては、代替施設については、基本的に現在の那覇港湾施設と同様の機能が維持されるものと理解しております。代替施設の機能に関しては、浦添市長が市議会等において、物資の積みおろしの範囲と考えており、原潜や大型艦船の寄港は認めないとの考えを明らかにしております。県としては、地元自治体や港湾管理者の意向を踏まえ、今後「那覇港湾施設移設に関する協議会」等で代替施設の所要等について協議していきたいと考えております。
次に、米中枢同時テロ後の軍港の運用活用状況について聞きたいという御質問にお答えをいたします。
県は、米中枢同時テロ事件とのかかわりで在沖米軍基地の運用状況等について米軍に照会いたしましたところですが、軍の作戦行動及び基地の運用に関する詳細な情報に関してはコメントできない旨の回答がなされております。
それから次に、那覇軍港の地主が継続使用を希望しているとの報道があるがどうかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
那覇軍用地等地主会が実施した意向調査は、補償期間の延長や区画整理事業の減歩率の軽減等、返還に当たっての9項目の措置について地主の意向を調査したものであり、那覇港湾施設の移設に反対する趣旨ではないと理解しております。
次に、日米両政府が那覇軍港の浦添埠頭移設を合意した背景について聞きたいという御質問にお答えをいたします。
那覇港湾施設については、昭和49年の第15回日米安全保障協議委員会で移設条件つき返還が了承されましたが、具体的な進展が見られなかったことから、県は平成6年に日米両政府に早期返還を要請いたしました。平成7年5月には、浦添埠頭地区への移設を条件として施設の全部を返還するということが日米合同委員会で承認されております。平成8年12月のSACO最終報告において、「浦添埠頭地区への移設と関連して、那覇港湾施設の返還を加速化するため最大限の努力を共同で継続する。」ことが合意されております。
次に、岩国は、米軍基地が市の財政を阻害しているがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
岩国市の基地問題については、基地沖合移設の推進、基地障害の軽減対策、基地周辺対策事業等を積極的に促進することが基本方針であると承知しております。
岩国市の財政が破綻しているとは聞いておりません。
次に、那覇軍港受け入れに関して、市民投票の実施を求める申し入れについてどう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
浦添市在住の学者が浦添市に対して市民投票を要請したとの報道については承知しております。このことについては、浦添市長が市議会において、住民投票を実施する考えはありませんと述べており、市において判断がなされたものと思っております。
次に、那覇港管理一部事務組合についての幾つかの質問に順次お答えいたします。
まず(4)の、移設軍港は事務組合とも関連するのか、(5)の、港湾計画改訂とも関連するのか、(13)の、那覇港湾施設協議会と那覇港管理組合の管理について聞きたいという3つの御質問については、関連いたしますので一括してお答えいたします。
「那覇港湾施設移設に関する協議会」は、那覇港湾施設の移設を円滑に進めることを目的とし、那覇港管理組合は那覇港を一元的に整備、管理運営することを目的としております。那覇港湾施設の代替施設を那覇港港湾計画に位置づけるためには、同協議会において代替施設の位置、形状等具体的な施設所要等について協議し、平成14年4月に設立が予定されている那覇港管理組合と調整する必要があります。
次に、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想についての中の、那覇港湾施設の整備費用は幾らか、国土交通省の予算か、防衛庁の予算かという御質問にお答えいたします。
那覇港湾施設の代替施設の建設は、提供施設として防衛庁が行う事業であります。具体的な施設所要等については今後協議されるものと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港管理一部事務組合について、那覇港の開発をどう進めるか、管理形態をどうするかについてお答えいたします。
那覇港の整備に関しましては、国直轄事業、新たな補助等の制度拡大等国の多様な制度的及び財政的な支援を取り入れながら、那覇港管理組合の目的である那覇港の開発と利用の促進を図るとともに、適正で能率的な管理運営を行うため、三者一体となって一元的にその整備及び管理運営に努めていきたいと考えております。
次に、同じく那覇港管理一部事務組合について、港湾計画改訂時期はいつかについてお答えいたします。
那覇港の港湾計画改訂は、平成14年7月ごろまでに港湾管理者が改訂原案を策定し、平成15年1月の地方港湾審議会への諮問・答申を経て国土交通大臣へ提出します。その後、国土交通大臣が国土交通省交通政策審議会港湾分科会へ諮問し、その答申を経て3月に港湾計画が改訂されることになります。
次に、同じく那覇港管理一部事務組合について、那覇軍港は港湾計画改訂で位置や規模、機能はどうなっているかについてお答えいたします。
那覇港湾施設の移設位置や規模、機能については、今後、国が設置した「那覇港湾施設移設に関する協議会」で協議されるものと考えております。那覇港湾施設の移設位置、規模等が示された段階で港湾管理者が港湾改訂計画との整合性について総合的に検討し、国土交通省とも協議の上、改訂計画に位置づけることとなります。
同じく那覇港管理一部事務組合について、軍港を含む国の港湾整備方針はどうなっているかについてお答えいたします。
国は、「沖縄における新世紀港湾ビジョン」の中で那覇港を本県の経済発展を先導する港湾として位置づけ、浦添埠頭地区において大水深岸壁を有する国際海上コンテナタ-ミナルを整備することとしております。
さらに、那覇港を国際海上輸送網の拠点として、特に重要な港湾として位置づけ航路の誘致を進めていくとともに、国として重点投資を進めるため特定重要港湾への格上げを検討することとしております。これらの方針を踏まえて、県は現在、那覇港の港湾改訂計画に資する調査を実施しているところであります。
なお、軍港施設の整備方針については、「那覇港湾施設移設に関する協議会」において検討されるものと考えております。
次に、那覇港管理一部事務組合について、那覇港管理組合設立は那覇軍港移設受け入れの前提になっているがどうかについてお答えいたします。
那覇港管理組合は、那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として重点的に整備し、本県の自立的発展、産業の活性化、県民生活の向上を図ることを目的に、県、那覇市及び浦添市三者で設立することにしております。また、那覇軍港の移設については、那覇港湾施設を浦添埠頭地区に移設することが米軍基地の整理縮小を図っていく上でより現実的で実現可能な方法であるとのSACOの合意に基づき実施されるものであります。
次に、同じく那覇港管理一部事務組合について、ハブ港湾としての需要、どんな国、地域と結び、どんなものをどれだけ運ぶか、現行制度のもとで可能かについてお答えいたします。
平成11年度に策定した「那覇港国際流通港湾計画」(素案)によると、84万個のトランシップ貨物の需要が推計されております。その大部分の75万個は中国、台湾等と北米間における貨物であり、内容は主に電化製品や日用雑貨等であります。
また、現在、県や国において海上輸送コストの低減化、港湾利用の効率化に係る制度及びそれに伴うトランシップ貨物の需要を含めた検討を行っており、その結果も踏まえ国際競争力を高めるための制度等について国と調整していく考えであります。
次に、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、那覇港の国際流通港湾化構想は那覇軍港の浦添移設を念頭に置いているが、どのような方法で整備していくのかについてお答えいたします。
那覇港の国際流通港湾としての整備は、今後、港湾管理者によって策定される港湾改訂計画の基本方針に基づき実施されることになります。また、那覇軍港の移設に伴い防波堤等関連する港湾施設については、民港である那覇港の整備と代替施設の整備との調整を図ることが必要なことから、今後、国が設置した協議会の結果を踏まえ、SACO関連事業等を取り入れながら進めていきたいと考えております。
次に、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、国際物流への寄与、経済の自立化等にどのように取り組むのか、また需要の見通しについてお答えいたします。
県は、那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備し、国際物流への寄与、経済の自立化、産業の創設、産業の活性化、ひいては雇用の拡大につながるよう積極的に取り組んでいく考えであります。そのため、国際流通港湾として大水深岸壁、コンテナタ-ミナル等の施設整備やEDI化(電子デ-タ交換)の導入、荷役業務の24時間体制等の効果的・効率的タ-ミナル運営を進めることとしております。
また、産業立地を推進するため特別自由貿易地域指定や企業立地に対する優遇措置等について国と調整しているところであります。
さらに、現在、国内外企業の現地ヒアリング調査を実施し、産業導入の可能性についてより詳細な検討を実施しているところであります。
トランシップ貨物については、平成11年度に実施した調査によると、84万個のコンテナ貨物の需要が推計されておりますが、港湾計画改訂に向けて現在、国において国際物流に資するトランシップ貨物の再調査を実施しているところであります。
ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、一国二制度導入でもない限りハブ港湾化の実現は乏しいと考えるが、規制緩和の導入の可能性についてどうかについてお答えいたします。
那覇港のハブ港湾化に向けた規制緩和等については、国有港湾施設の専用貸し付け及び外貿バ-スにおける内貿貨物の取り扱い、特別自由貿易地域指定や企業立地に対する優遇措置等について国と調整しているところであります。
次に、同じくハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、県の港湾の総事業費5500億円で高率補助を入れても通常予算規模ではないが、何を根拠に算出したか、また国庫補助は幾らか、市の負担は幾らかと、港湾の完成年度はいつかについて一括してお答えいたします。
平成11年度に策定された「那覇港国際流通港湾計画」(素案)によりますと、那覇港の整備基本目標として、「アジアと共生し経済の自立化に寄与する中継・加工貿易の拠点としての港づくり」、「世界に開かれた南の国際交流拠点としての港づくり」、「離島県沖縄の生活拠点・地域発展を担う港づくり」、「人と環境に優しく安心・安全を支える港づくり」の4つが示されております。
この基本目標に基づき、那覇埠頭地区で離島フェリー岸壁及び臨港道路空港線等の整備、泊埠頭地区で係留施設及び緑地等の整備、新港埠頭地区で一般公共国際コンテナターミナル及び大型旅客船岸壁等の整備、浦添埠頭地区で高能率国際コンテナターミナル及び防波堤等の整備を計画しております。これらの整備に必要な概算の総事業費が平成11年から平成27年までの17年間で約5500億円と見込まれております。
現行制度の事業で整備された場合の概算費用の内訳としては、国費約3853億円、起債約1485億円、一般財源約159億円となります。
一般的に港湾の整備については、整備された港湾施設が供用され次第、当該施設から生ずる使用料等の収入が計上されることなど運営と平行して行うものであるため、計画的に実施すれば無理なく進めることができるものであります。
また、三者の負担分につきましては、港湾の使用料や土地処分金等の歳入と公債費や管理運営費等の歳出の差額となりますが、現在進めている港湾改訂計画を踏まえた事業規模や各母体との調整の上、算出されるものと考えております。
ちなみに、那覇市の港湾事業特別会計における一般会計からの繰り入れの平成8年度から平成12年度までの5カ年間の平均は、約10億7000万円となっているところであります。
また、那覇港は本県の今後の自立型経済の促進、産業の活性化を図る上で極めて重要な基幹インフラであることから、可能な限り早期の完成を目指して取り組んでいきたいと考えております。
次に、同じくハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、那覇港湾施設の位置づけと港湾整備計画との整合性をどう展開するのかについてお答えいたします。
県は、現在、那覇港の土地利用計画、施設配置計画及び航行安全に関する調査を進め、那覇港港湾改訂計画の取りまとめに向けて取り組んでいるところであります。また、那覇港湾施設は移設の位置、規模等が示された段階で港湾管理者が港湾改訂計画との整合について総合的に検討し、国土交通省とも協議の上、改訂計画に位置づけることとなります。
次に、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、那覇港長期整備構想検討委員会での軍港の位置を決める論議の中身についてお答えいたします。
那覇港長期整備構想検討委員会は、港湾改訂計画を取りまとめるために県が委託した調査機関が設置した委員会であります。また、那覇港湾施設を港湾改訂計画へ位置づけることについては、その移設位置、規模等が決まった時点において、委員会は港湾改訂計画との整合について検討することとしております。
次に、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、那覇市の債権債務の金額は幾らか、那覇市、浦添市、沖縄県の負担は幾らか、また納付方法についてはどうなのかについてお答えいたします。
組合が承継する債権は、那覇港管理組合設立前の平成13年度末時点の港湾使用料等の未収入金や補助事業の繰り越しに伴う国庫支出金等の繰越金があり、現在確定はしておりませんが、平成12年度決算における債権は、合計約2億5700万円であります。また、債務は地方債の元利未償還金があり、平成12年度におけるその残高は約205億6000万円となっております。
地方債の償還については、毎年度歳出予算に公債費として計上し支出するものであり、構成団体からの負担金収入は歳入の一部として計上するものであることから、当該負担金を直接充当するものではありません。
次に、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、経費の負担割合は単年度計算した場合にそれぞれ幾らの負担になるかについてお答えいたします。
三者の負担分につきましては、港湾の使用料や土地処分金等の歳入と公債費や管理運営費等の歳出の差額となりますが、現在進めている港湾改訂計画を踏まえた事業規模や各母体との調整の上、算出されるものと考えております。
ちなみに、那覇市の港湾事業特別会計における一般会計からの繰り入れの平成8年度から平成12年度までの5カ年間の平均は、約10億7000万円となっております。
次に、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、覚書に定めのない事項とは軍港を指すのかについてお答えいたします。
「那覇港管理組合の設立に関する覚書」の第9条は、管理組合の設立に関連して、「今後協議すべき事項」が発生した場合を想定した一般的に設けられる規定であります。
次に、同じく那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、浦添市が事業主体となる部分の面積、整備費用等についてお答えいたします。
浦添埠頭において浦添市が事業主体となる区域については、今後の調査等を踏まえて協議することになりますが、今後、港湾計画改訂を経て港湾背後地の土地利用計画を進める中で確定することとしております。
整備費用については、事業確定後、浦添市が財源措置を判断するものと考えております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 5、沖縄の観光危機についての(1)、キャンセルの実態とその対処についてお答えします。
本県への観光客のキャンセル数は、12月4日現在、修学旅行で834校、18万4688名、一般団体で1243団体、5万773名、合計で2077団体、23万5461名となっております。
また、コンベンションに関しましても「トヨタ世界大会」を含め8件のキャンセルが生じております。
現在、県においては国や観光業界と連携して「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンを展開しているところであり、全国紙やテレビ、旅行雑誌等を活用しての沖縄PRや修学旅行関係者招聘、東京や大阪などの主要都市へのキャラバン隊派遣などさまざまな事業を展開し今回の事態に対処しているところであります。
次に、同じく沖縄の観光危機についての中の、観光客が来ないのは米軍基地の存在が大きな原因ではないか、また観光の危機は国策による被害であると思うがどのように認識しているかについて一括してお答えします。
観光客のキャンセルと米軍基地との関連については一概には否定できませんが、今回のキャンセルの主な要因は、航空機利用による旅行の手控えと一部マスコミの過剰な反応や一部都道府県教育委員会の修学旅行に対する注意文書等に基づく風評被害であると考えております。したがって、その風評被害を克服すべく国、観光業界及び県民一体となって観光客の誘致キャンペーンなどの対策を強化しているところであります。
同じく沖縄の観光危機についての中の、観光危機は打開されたのか、悪化の気配はないかについてお答えします。
現在、県においては国や観光業界と連携して「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンを展開しているところであり、全国紙や旅行雑誌等を活用しての沖縄PRや修学旅行関係者招聘、東京や大阪などの主要都市へのキャラバン隊派遣などさまざまな事業を展開しているところであります。
しかしながら、いまだに予断を許さない状況にあるところから、今後とも国や観光関連業界との連携のもとに積極的な誘客活動を展開してまいりたいと考えております。
続きまして同じく沖縄の観光危機についての中の、第4次沖縄県観光振興基本計画の中身はどうなっているのかについてお答えします。
経済の低迷が続く中で21世紀を迎えた我が国は、高齢化社会、少子化の進行などに伴い、本県の観光・リゾート産業を取り巻く市場環境にも変化が生じてきております。
このような中、県では現在、第4次沖縄県観光振興基本計画の策定作業を進めているところであり、同計画(案)では本県のすぐれた地域特性を最大限に生かし、「多様なニーズに対応した魅力ある観光・リゾートの形成」を基本目標とし、人、環境に優しいホスピタリティーあふれる受け入れ体制づくりを図るとともに、国際的に通用する美しい観光・リゾートづくりやアジア・太平洋地域を中心とした国際観光の振興、コンベンションの推進、また地域経済活性化の牽引力となる観光・リゾート産業の育成を図るなどの基本方向を柱にさまざまな施策を展開することとなっております。
なお、計画の目標フレーム設定につきましては、現在、沖縄県観光審議会に諮問しているところであり、同審議会の論議、答申を踏まえて決定してまいりたいと考えております。
同じく沖縄の観光危機についての中の、観光客の大幅な減少は異常事態だが、どのような危機感を持って対応しているかについてお答えします。
今回の同時多発テロによる沖縄観光への影響は、本県観光産業が過去に経験したことのない非常事態だと認識しております。観光産業はすそ野が広い産業であることから、ホテルなどの観光関連業界のみならず県民生活のあらゆる分野に波及することから、県におきましてはこれまでにない危機感を持って対応しているところであります。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 警察官を増員してまでの米軍基地警戒についてお答えをいたします。
管区機動隊の援助要請の理由についてでありますけれども、米国での同時多発テロを受けた政府の対処方針として国内の米国関連施設などの警戒警備強化がありまして、全国的に警備の強化がなされているところであります。
その後、米国等がアフガニスタン空爆を開始したことにより政府から一層の警戒強化が全国的に指示をされましたことから、県警察では警戒警備活動と県民の身近な安全を確保するための一般治安維持活動を両立させるため、警察庁との調整も行い他府県警察から管区機動隊の派遣を得て警戒警備を実施しているところであります。したがいまして、今回の特別派遣は一般的情勢に基づく米国施設に対するテロの未然防止と県民の安全確保が目的であり、沖縄県が他の地域に比べて特に危険な地域であるという具体的な情報に基づくものではありません。
なお、県警察では観光産業が県経済に重要な位置を占めていることから、警戒警備に当たる警察官にもソフトなイメージで警戒力が保持できるよう、服装、姿勢、警戒要領など細かな点まで配慮を行っているところであります。
○商工労働部長(花城順孝) 沖縄の観光危機についての(4)番目、観光関連施設などで解雇者は出ていないか、失業率の悪化にどう対処するかとの御質問にお答えをいたします。
修学旅行を中心とするキャンセル等による雇用面の影響について、ホテル等宿泊施設に対して11月末現在でアンケ-ト調査を実施したところ、回答のあった68社の合計で正社員については解雇が3名、時間調整を含めた自宅待機等は12名となっております。
パ-トタイムについては、解雇が17名、時間調整を含めた自宅待機等は284名となっております。このことから、ホテル等宿泊施設においては現時点ではパ-トタイムを中心に影響が出ている状況であります。
県としては、現下の雇用・経済状況への適切な対応を当面の最大の課題と位置づけ、去る11月21日に「沖縄県緊急雇用対策本部」を開催し、本年度中に実施する緊急対策と次年度以降に取り組む中期的対策を内容とする「沖縄県総合雇用対策」を策定したところであります。中でも70億円の配分を受けた緊急地域雇用創出特別交付金については、これを最大限に活用し当面の雇用の確保に全力で当たりたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 県単一JA合併構想について、合併に対する懸念や問題解決のための取り組みについての御質問にお答えいたします。
県内のJAは、28JA中8JAが債務超過の状況にあります。
県単一JA合併構想においては、合併に際し「不良債権及び赤字は一切持ち込まない」との基本原則に基づき徹底した財務確認作業等を行ってまいりました。
救済合併による全国支援を受けるためには、徹底した経営改善を行うことが大前提であります。
これまで経営困難JAの赤字処理、合併に向けた財務調整、合併後の経営計画の樹立等に取り組んできたところであります。その結果、去る11月13日の合併推進本部委員会において、合併JAの組織体制、事業運営方針、経営計画などの基本的な事項が合意されております。また、先週末までに多くのJAで合併承認決議がなされており、近日中にはすべてのJAにおいて承認決議が得られるものと考えております。県としましても県単一JA合併の実現に向けて積極的に支援していく考えであります。
次に、経営困難JAの経営改善計画についての御質問にお答えいたします。
債務超過JAについては、農協法に基づき経営改善計画の策定が義務づけられております。経営改善計画については、経営責任と出資者負担を前提に、全国支援等を受けることにより累積債務を解消することとしております。
計画内容については、経営困難JAの赤字経営体質を解消するため、事業利益が計上できる水準まで事業管理費の徹底した削減に取り組むこととなっており、極めて実効性の高い計画となっております。県としても経営改善計画が達成されるよう積極的に指導していく考えであります。
次に、合併後の経営計画に対する懸念にどう対処するかとの御質問にお答えいたします。
県単一JA合併後の経営計画については、計画の実効性が十分確保できるよう既存の集出荷場の統廃合による効率的な運用、効率的かつ効果的な組織の改編、事業管理費の徹底した削減等により、財務の健全化を図ることとしております。
また、赤字JAの財務改善については、経営責任や出資者負担を前提に全国支援を受けて累積債務を解消することとしております。
経営改善計画は、県を初め農林水産省、貯金保険機構等との協議のもとに策定したものであります。県としては、経営改善計画が達成されるよう積極的に支援していく考えであります。
次に、自己資本比率は何%から業務の抑制措置がとられるか、対象JAは幾つか、また経営改善指導を行ってきたかとの御質問にお答えいたします。
平成10年4月から適用された金融機関の早期是正措置については、自己資本比率が4%未満のJAは経営改善命令の対象となります。
本県の場合、平成10年度に9JAが経営改善命令の対象となり、経営改善計画書の策定とその実行に取り組んできたところであります。このうち、7JAは不良債権額が大きく、平成12年度決算において債務超過に至っております。
また、早期是正措置の対象ではなかった19JAのうち2JAについては、平成12年6月の新しい金融検査マニュアルに基づき厳格な資産査定を行った結果、不良債権が顕在化し、新たに債務超過に陥っております。債務超過JAについては、実効性の高い経営改善計画の策定を義務づけ、その実施を指導しているところであります。
次に、合併総会に向けたコンセンサスづくりについての御質問にお答えいたします。
去る11月13日に開催された合併推進本部委員会において、合併経営計画、組織体制、事業運営方針等の基本的な事項が合意されております。現在、合併推進本部において、来る12月17日の合併予備契約の調印に向けて各JAの役職員や組合員に対する説明会を集中的に行っているところであります。
県としましても来年4月の県単一JA合併の実現に向けた支援に全力で取り組んでいく考えであります。
以上でございます。
○当山 全弘 再質問をいたします。
那覇港整備についても、那覇港管理一部事務組合の設立についても基本をなすものは、那覇港管理一部事務組合との関連がありまして、この軍港移設については管理組合のもとで作業が行われているということがはっきりしましたので、再質問いたします。
1、那覇港湾移設に際し同一港湾区域内で面積を縮小した移設であり、規模、内容等周辺に及ぼす影響はないと答弁していたが、その根拠は何なのか。新たな軍港の規模、機能を把握した上での発言なのか。もしそうであるならば、はっきりと説明をしてください。どのような機能を想定しているのか。物資の積みおろしということであるならば、現在、安謝新港埠頭で物資の積みおろしが行われているではありませんか。
2番、米軍、日本政府の軍港に対する規模、機能が拡大する場合は撤回するのか。港湾管理者となるであろう知事がチェック体制はどうするのか、お答えください。
3、移設作業に何年かかるのか、移設されたものはよほどのことがない限り長期的に継続使用されるのは明らかであります。浦添市民を未来永劫に基地に縛りつけるお考えなのか。
4点目、面積35.3ヘクタール、進入道路の提供、50メートルの制限水域が設定された場合、浦添の基地の面積は幾らなのか。進入道路の幅員は幾らか、説明してください。
5番、防衛施設庁は代替施設の規模の増減はあり得ると、規模拡大の可能性のあることを示しているが、知事の所見を伺います。
6点目、県経済の自立化を目指すには、基地の見返りとして財政支出に頼ってきた体質から脱却するため産業の振興でなければならないが、どのように考えていらっしゃいますか。
次に、港湾の背後に工業団地、物を製造する場所がなく、物を運んできても帰りは空コンテナを積んで帰るということにつながらないか、コスト高につながる。そういうことで船が来ると思いますか。
次に、過去に実施した那覇港国際流通港湾可能性調査の結果を整備指針にしているのか、委託先、委託調査費、実効性があると考えるのか、県独自の整備指針はないのか、そういうことで説明を願いたいと思います。
あとはまた答弁によって再質問をいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時10分休憩
午前11時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 当山全弘議員の我が会派の代表質問との関連関係の再質問に順次お答えいたします。
まず1点目は、どのような機能を想定しているのかと、こういう趣旨の御質問にお答えをいたします。
代替施設の機能に関しましては、浦添市長が市議会等においても物資の積みおろしの範囲と考えており、原潜や大型艦船の寄港は認めないとの考え方を明らかにしております。県といたしましては、地方自治体や港湾管理者の意向を踏まえ、今後「那覇港湾施設移設に関する協議会」等において代替施設の機能等について協議していきたいとこのように考えております。
それから、機能を拡大したら撤回するのかという点と、規模拡大の可能性についてどう思うかという点につきまして一括してお答えをいたします。
県としては、まずSACO合意事案を着実に実施することが米軍基地の整理縮小を図るためにより現実的で実現可能な方法であるとこのように考えております。
したがいまして、このSACO合意に基づく範囲、いわゆる先ほどもお答えいたしましたとおり、この物資の積みおろしの範囲と考えており、原潜や大型艦船の寄港は認めないとの浦添市長の考え方もありますので、これを踏まえて「那覇港湾施設移設に関する協議会」の方で具体的に今検討していきたいと、このように考えております。したがいまして、今御質問のこの機能拡大については今のところ考えていないということで、撤回することは考えておりません。
それから次に、移設作業は何年かかるかということでございますけれども、これにつきましては県民の皆さんが理解することによって作業は早まることではありましょうけれども、しかしながらやはり詰めることがいっぱいございます。したがいまして、今ここで何年ということは一応申し上げられないのは残念でございます。
それから次に、35.3ヘクタール、50メートルの制限水域となっているが、浦添市に含まれる面積は幾らか、道路の幅員は幾らかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
先ほども申し上げましたが、那覇港湾施設の代替施設の所要等につきましては平成7年5月の日米合同委員会におきまして承認された内容は、議員御指摘の面積約35.3ヘクタール、それから牧港補給地区と新しい港湾施設とを結ぶ進入道路の提供、それから約50メートルの制限水域を設けるとこういうぐあいになっておりますが、これは総面積として35.3ヘクタールということでございまして、今具体的に議員御指摘の浦添市に含まれるこの道路の幅員とか面積につきましてこれから「那覇港湾施設移設に関する協議会」等で協議されてくるものと、このように理解しております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 再質問のうち、背後地に企業立地等を行って産業の振興により港湾の活性化を図るべきじゃないかという点と、それから空コンテナの発生につながるのではないかということと、それから県独自の整備方針を持つべきじゃないかということについてお答えいたします。
まず、企業立地を行い、産業の振興を行うべきじゃないかにつきましては、港湾施設の背後地につきましてはトランシップ機能以外にフリーゾーンの指定等につきましても積極的に行い、国のフリーゾーン指定の導入を行いながら企業誘致を進めていく方針であります。
それから空コンテナ発生につきましては、将来の国際ハブ機能を有する国際港湾としましては119万個のコンテナのうち約84万個がトランシップ貨物を予想しております。トランシップの場合には近海からフィーダー船で運んできてそこで積みかえして、また北米に送り、さらに北米から来たものを積みかえして近海にフィーダーで送るわけですので、空コンテナは発生しないことになります。
それから、国際流通港湾計画については、これは調査・研究機関でやっているので県独自の整備方針はないじゃないかということについてお答えいたします。
平成11年度に実施しました那覇港国際流通港湾計画調査につきましては、委員会方式を採用しておりまして、大学の先生などの学識経験者、それから産業界代表、それから国の総合事務局、それから県、那覇市、浦添市等あらゆる方々が委員として参加し、さらにそのもとに幹事会も置き、行政の意向も反映させながら計画策定をしておりますので、全く研究機関による整備方針じゃなくて行政の意向も踏まえた整備方針としてとらえております。
以上であります。
○当山 全弘 議長、答弁漏れがあります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時24分休憩
午前11時28分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
企画開発部長。
〔企画開発部長 与儀朝栄君登壇〕
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇軍港が将来機能拡大して移設された場合の組合のチェック機能はどうなるかについてお答えいたします。
那覇港湾施設は、移設の位置、規模等が示された段階で港湾管理者が港湾改訂計画との整合性について総合的に検討し、国土交通省とも協議の上、改訂計画に位置づけることになります。
それから、現在トランシップで安謝新港で行っているのであれば、特に新たなトランシップ機能を有する港湾機能は要らないのではないかという質問に対してお答えいたします。
現在、安謝新港で取り扱われておりますコンテナは一般公共コンテナターミナルとしまして、これは1バース当たりの取り扱い能力が約2万ないし10万TEUということで、国際的な物流ハブ機能に対応し得るには若干問題があります。これに対しまして、現在浦添埠頭で考えておりますものは、高能率コンテナターミナルとしまして1バース当たり取り扱い能力が27万ないし43万TEUのアジアのハブ機能として機能するような大型のターミナルを考えております。
○当山 全弘 再々質問をいたします。
全くわかりませんけれども、浦添のこの軍港機能につきましては、水深が15メートルですよ。これは皆さん方がつくった図面なんですよね。(資料を掲示)これにキャンプ・キンザーとの直結道路が2.9ヘクタール、こういうのがちゃんと出てきているわけですよね。ですから北部の軍民共用だって、国際ハブ港だって、「実現へ高いハードル」ということで、けさの新聞からも政府の高官は言っているではありませんか、皆さん。
県の主張と国の主張と全く相反しているわけですよね。ですから、こういったことについては全く論議をされておりませんけれども、全く実現性がないことについては疑問でありますけれども、答弁をお願いして終わります。
○知事公室長(親川盛一) 当山全弘議員の再質問にお答えいたします。
代替施設の面積等所要等につきましては、今後「那覇港湾施設移設に関する協議会」等において国、県、関係自治体により協議されるものと考えております。したがいまして、今、議員御指摘の国の主張と県の主張とが相反するということはないものとこのように考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時34分休憩
午前11時35分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 先ほどお答えしました件で、ちょっと誤解もあったかと思いますので、はっきり御答弁申し上げますけれども、いわゆる代替施設の所要等につきましては、「那覇港湾施設移設に関する協議会」等が設置されております。ここでやるということで、普天間の代替施設とは関係ありません。那覇軍港、那覇港湾施設のそういった面積等については、そういったところで協議されていきますということでございます。
○糸数 慶子 通告に従いまして一般質問をいたします。
知事の政治姿勢について伺います。
沖縄振興新法の基本方針とポスト3次振計の課題について、9月定例会での県の答弁を踏まえて伺います。
現時点での国との話し合いはどうなっているのか。
県案に対する国の制度・施策の見通しはどうなっているのか。
財政と基地依存の沖縄経済を転換するため新法が旧法と最も違う点は何か。
基地問題について伺います。
普天間飛行場移設問題の現段階と課題について。
建設位置と工法決定のタイムスケジュールについて、9月定例議会での私の質問に対して県はこのように答弁しています。第7回代替施設協議会で報告のあった3工法8案について地元説明を行い、名護市長において地元住民の意見、要望を取りまとめ、次回協議会でその報告を行うとなっておりますが、地元の意見集約が難航している理由は何か。
また、代替協の提案を受け、県案を絞り込みたいとのことであるが、その結果はどうなったのか。
名護市長は、位置、規模、工法の年内決定を表明しているが、県はどう考えるか。また、県庁内部の土木建築部、文化環境部、農林水産部でその後どのような調査がなされ、どう検討してきたか、具体的に示していただきたい。
軍民共用の今日的問題点とその打開策及び展望について。
辺野古区行政委員会は、民間空港を入れると当初の計画の2.2倍の巨大基地になると多数が反対している。知事の公約にある「県民の財産」どころか「負の遺産」になりかねないが、計画から民間機能を除去する考えはないか。
15年使用期限問題の進捗状況について。
日米両政府間の協議は進展しているか。また、知事の公約である15年使用期限問題は守り抜くと確約できるのか。
次に、駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律(軍転特措法)の改正についての県の取り組みについて伺いたい。
軍転特措法の延長についての見通しはどうか。
次に、日米地位協定の見直し問題について。
9月定例会においても質疑をいたしましたが、その後の進捗状況について伺いたい。
政府内で県が要求した11項目について個別に検討は行われているのか。
次に、在沖海兵隊の削減問題について。
演習訓練の移転と事件・事故防止について。
米海兵隊削減と基地の整理縮小についての県の取り組みについて伺います。
次に、雇用失業問題について。
県内の雇用失業の実態はどうなっているか。
98年の夏から秋にかけて、失業率9%を超える沖縄経済の悪化を批判し稲嶺県政は誕生したが、現在、史上最悪の県内失業率をどう見るか。雇用失業の実態はどうなっているか。
今後の雇用の見通しと失業対策について。
稲嶺知事就任以来、雇用対策は何に重点を置いてきたのか、一向に改善されない原因について知事としての責任は感じているのか、今後の雇用の見通しと失業対策について伺います。
次に、旧日本軍飛行場問題について。
基本的な方向性と解決法について。
課題と進捗状況と将来展望について、振興新法への位置づけ、ポスト3次振計での取り組みについて伺います。
次に、県立芸術大学問題について。
1点目、セクシュアルハラスメント問題について。
芸大のセクシュアルハラスメント問題についての新聞報道があるが、県当局はこの問題の経緯について芸大からどのような報告を受けているのか。
文化振興課は、被害者の母親から訴えがあったというが、その取り扱いについてどのように対応したのか。
被害を訴えている学生はいたずら電話等に恐怖心を抱き、警察に通報した。警察は、それに対してどう対応したか。また、相談受理中、警察官に不適切な言動がなかったかどうか、伺います。
県は今後どのようにして学生の学ぶ権利を保障していくのか、知事に伺いたい。
次に、芸大の管理運営について。
12月4日の琉球新報の報道によると、芸大職員の財団資金着服問題が報道されたが、県の監査体制はどうか。
予算は適切に執行されているか。出張旅費、楽器購入費は適正か。
備品の楽器メンテナンスと使用状況についてどのような管理体制がとられているか。
適正規模での学生の入学があるか。学生の定員と入学、退学について5年間の実態はどうなっているか。
芸大教官採用の基準について伺いたい。
教官の中には本土他府県に自宅があり、翌日帰宅のため講義を深夜まで行うこともあると聞いているが、実情はどうか。
学生への奨学資金制度はどのような状況か。
芸大設置後16年になるが、運営管理についてどのような評価がなされたか。その改善点はどうか。
県立芸大の今後のあり方について知事に御見解を伺いたい。
次に、観光振興策について。
観光産業の現状と課題について。
テロの風評被害について改めて伺います。
文部科学省の通達が風評の源と言われているが、県も同じ認識か。
風評被害の発生から今日まで国や県はいかなる対策をとってきたか。
国や県の対策に効果はあらわれたか。今後、どのような効果を予想しているか。
基地被害について。
基地あるがゆえの被害という批判に対して県当局はどう考えているか。
基地の厳戒態勢が県民生活に与える影響について具体的にどう把握しているか。
緊急車両の基地内通行及び基地従業員の勤務状況等に及ぼす影響はどうか。
観光客のキャンセル続出が報じられているが、情報は正確か。
事件発生以降6カ月間──来年3月まで──の月ごとの予約・解約の数及び率はどうなっているか。
キャンセル情報の収集など情報管理体制はどうなっているか。
次に、緊急対策について。
政府の対策として風評を取り除くための具体策はいかなるものか。
支援融資の種類と範囲はどうか。
県の対応策として対応組織の設立と体制について。
対策の具体的実施状況について伺います。
今回のテロ風評被害の救済対象の基準と範囲について伺います。
観光産業の中のホテル業に対してどのような救済及び支援策があるか。
旅行業者に対しての支援策はあるのか。それはいつからいつまでか。
航空会社に対していかなる支援策が考えられるか。
観光・交通各社に対しての支援策はどうか。
関連業者に対してはどうか。その範囲はどこまでか、伺いたい。
対応財源について、政府は沖縄特別振興対策調整費から拠出しますが、県の財源など改めて伺いたい。
今後の課題と将来展望について、風評被害を拡大した米軍基地に対して県は今後どのような政策対応をとるのか。
基地と観光の対立が明確になった今、新基地政策が北部観光に与える影響をどう考えるか。
今回のテロ風評被害の反省は、観光関連産業の拡充・強化にどう生かされるか、伺います。
次に、エコツーリズム、グリーンツーリズム、マリンレジャー等体験・滞在型観光に対応した諸施策について、魅力ある観光・リゾート地の形成について観光振興課、営農推進課、自然保護課、地域・離島課、観光企画課に具体的事業の展開について伺いたい。
次に、カジノ構想について、カジノ導入について知事の御所見を伺いたい。
カジノ導入について県民の合意形成はできていると思うか。
県観光審議会での審議の内容について伺いたい。
本土他府県における公営ギャンブルの経営状況とカジノ導入の動きについて伺います。
次に、泡瀬干潟の埋立問題について伺います。
知事の土地利用計画見直し発言(8月24日)の新聞報道がございますが、再度その真意を伺いたい。
県は、埋立必要理由書によってこの事業を承認しているが、施設ごとの進出状況について個別・具体的に見通しを伺いたい。今、土地利用計画図、こういうのがございますけれども、(資料を掲示)知事の方に差し上げてありますので、個別・具体的に答弁を求めます。
次に、沖縄タイムス、朝日新聞、琉球朝日放送合同による沖縄市民世論調査の結果をどう評価するか。また、千葉県の三番瀬の埋め立て見直しについて稲嶺知事はどう評価するか、御見解を伺います。
行政執行における民意を反映するため、住民投票のあり方について知事の御所見を伺います。
私は、10月15日に海藻・藻場の大規模な機械移植の現場視察をいたしました。海藻をはぎ取る規模は3ヘクタールにも及び、この移植実験が失敗したら藻場の環境破壊を引き起こしてしまうということで、環境省はこの件について県と対応しながら調査していくといいますが、県はどういう調査をして、どう対応していくのか伺います。
次に、新多機能病院(仮称)・子ども病院について伺います。
これは我が会派の代表質問との関連もございますが、まず1点目について、この政策を遂行するに当たっては、病院管理局だけではなく福祉保健部、総務部、農林水産部、企画開発部等の十分な連携が必要と考えますが、新病院建設に対応できる準備室の新たな組織をつくり、知事みずから統括をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
2点目、この子ども病院の件で、まず県の方が提示いたしました1床当たりの面積84平米を94平米にしていただきたいという我が会派の代表質問との関連につきまして、知事は最大限努力をするというふうに答弁をされていますが、最大限努力をするというその中に基本設計に対する反映もなされると理解していいかどうか。
次に、県は新病院における母子総合医療センターのあるべき姿について十分に検討がされないままに基本設計等が、設計費の予算が決定されましたけれども、多くの子供の命を救うためには、使命感を持った優秀な医師を集め、また育てることが必要です。基本計画の中に知事はぜひ医師の確保、どのようにして人材を集めるおつもりか、このお考えもお聞かせいただきたい。
平成10年の12月15日に設置された沖縄県周産期保健医療協議会の専門部会は現在機能していますか。具体的な活動状況について伺います。
次に、DV法施行後の県内のDV被害の実態と防止策及び支援のための取り組みについて伺います。
保護命令が県内で初めて出されたとの報道がありますが、実態はどうですか。
女性相談所など一時保護所で定員を上回った場合、リネン室及び当直室として使用している部屋を整備して対応すると9月定例会で答弁がなされましたが、その後どうなっていますか。
自立支援のための諸取り組みについてどうなっているか、お伺いいたします。
以上、答弁によって再質問を行います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの糸数慶子君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時46分休憩
午後1時11分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前の糸数慶子君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の御質問にお答えをいたします。
最初は知事の政治姿勢についてのうち、沖縄振興新法とポスト3次振計に関する国との話し合いについての御質問と、県案に対する国の制度・施策の見通しについての2つの御質問を一括してお答え申し上げます。
新たな沖縄振興に向けては、県が提示した基本的な考え方を踏まえ、8月に内閣府において新法骨子案が取りまとめられ、これまで国と県が連携して税制や法制の詳細を詰めてきたところであります。
こうした事務レベルでの検討に加え、県や関係団体の要請行動、県議会や県選出国会議員による支援など、県民一体となった取り組みを展開してまいりました。このことにより、年明けに取りまとめられる予定の新法政府案には観光や情報通信等の産業振興のための特別措置、金融業等の集積促進のための税制のほか、高率補助制度、駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化のための特別措置など県の要望項目がほぼ盛り込まれる見通しとなっております。
現在、国等において税制改正の最後の詰めが行われているところですが、税制の根幹にかかわる極めてハードルが高い項目もあることから、県においては、その実現に向け経済団体や国会議員等との連携による取り組みを推進しているところです。
次に、政治姿勢についてのうち、財政と基地依存の沖縄経済を転換するために新法が旧法と最も違う点についての御質問にお答えいたします。
内閣府の新法骨子案が現行の沖縄振興開発特別措置法と最も違う点は、依存型の経済から民間主導による自立型経済への転換を図るため観光振興、情報通信産業振興、沖縄型重要産業分野の中小企業発展支援制度など、産業振興のための特別措置を抜本的に拡充していることです。
また、文化の振興、国際協力及び国際交流の推進など、魅力ある地域特性の発揮のための特別措置や駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化のための特別措置等を新たに盛り込むなど、新たな沖縄振興の方向に沿った取り組みを支援する制度を強化していることも大きな特徴です。
次に、基地問題について、15年使用期限問題の進捗状況についてのお答えでございます。
15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、閣議決定された政府基本方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。このため、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めているところです。
次に、基地問題について、演習訓練の移転と事件・事故防止についてという御質問と、米海兵隊削減と基地の整理縮小についての2つの御質問に一括してお答えいたします。
県としては、基地の存在及び運用等から派生する諸問題の現状にかんがみ、単に基地の面積を減らすということだけでなく、県民の基地負担の軽減を図るため、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減についても基地の提供責任者である国において米国政府との間で協議する必要があると考え、去る3月、関係大臣に対し要請を行ったところであります。県としては、今後の動向を注意深く見守りながら、県民の基地負担の軽減につながるよう適切に対応していきたいと考えております。
次に、雇用失業問題について、今後の雇用の見通しと対策についてはどうかという御質問にお答えいた
します。
本県の雇用状況は、全国的に長引く景気の低迷が本県の製造業やサービス業等幅広い産業分野に影響し、県外への就職も6カ月連続で大幅に減少しており、今後も予断を許さないものと考えております。県としては、現下の雇用・経済状況への適切な対応を当面の最大の課題と位置づけ、去る11月21日に「沖縄県緊急雇用対策本部」を開催し、本年度中に実施する緊急対策と次年度以降取り組む中期的対策を内容とする「沖縄県総合雇用対策」を策定したところであります。
中でも、緊急地域雇用創出特別交付金については、国の特段の配慮により全国枠3500億円の2%に相当する70億円の配分を受けたところであり、これを最大限に活用し、当面の雇用の確保に全力で当たりたいと考えております。今後とも企業誘致や新事業・ベンチャー企業支援による新たな雇用の創出を図るとともに、経営革新支援や産学官の共同研究を推進し、産業振興と一体となった雇用の創出を図ってまいります。
次に、県立芸術大学の今後のあり方についての御質問にお答えをしたいと思います。
沖縄県立芸術大学は、沖縄の豊かな芸術・文化の伝統を受け継ぎ、新しい創造的芸術・文化の形成及び発展を担う人材を育成し、沖縄はもとより我が国の伝統芸術・文化及び汎アジア的芸術・文化の向上・発展に寄与する目的で、昭和61年4月に美術工芸学部と附属研究所の単科大学として開学しました。その後、音楽学部と大学院を設置し、芸術分野の総合大学としての体制を整えてきました。
開学以来16年間に卒業生約1000名を数え、その中から国指定重要無形文化財「組踊」や県指定無形文化財「沖縄伝統舞踊」の伝承者、海外オーケストラの奏者等国内外において活躍する人材を数多く輩出しています。今後とも、建学の目的や理念を生かし、沖縄文化がつくり上げてきた個性の美と人類普遍の美を追究し、さらに汎アジア的芸術・文化の研究に特色を置いた研究教育機関にしていきたいと考えております。
また、建学の精神を踏まえ、学生が修学に専念できる教育環境づくりに努めるとともに、地域に開かれた社会に貢献する大学を目指し、さらに国際化、情報化等が進展する社会で活躍する人材の育成に向け、教育研究体制のより一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、観光振興策について、風評被害を拡大した米軍基地に対して県は今後どのような施策対応をとるのかという御質問と、基地と観光の対立が明確になった今、新基地政策が北部観光に与える影響をどう考えるか聞きたいとの2つの質問を一括してお答えいたします。
風評被害と米軍基地との関連については、一概に否定することはできませんが、県は、本県に所在する米軍基地の整理縮小を着実に推進する必要があると考えており、そのためにはSACO合意事案の着実な実施により計画的、段階的に基地の整理縮小を図ることが重要であると考えています。
次は、泡瀬干潟の埋立問題について、土地利用に関する発言についてのお答えでございます。
泡瀬地区の土地利用計画に対する発言は、土地利用については、時代時代の経済情勢やニ-ズに整合させて柔軟に対応すべきであるとの基本認識を示したものであります。泡瀬地区については、埋立工事が完了し土地利用が開始されるまでには工事着工から7カ年以上を要し、その間には社会経済情勢が変化することも十分に考えられることから、今後とも社会経済情勢の変化等を的確に把握するとともに、環境保全にも配慮しつつ地域のニ-ズに沿った土地利用が図られるよう柔軟に対応していきたいと考えております。
続きまして泡瀬干潟の埋立問題について、マスコミ3社による沖縄市民世論調査の結果をどう評価するか、また三番瀬埋め立て見直しについてどう評価するかという御質問と、住民投票のあり方についての2つの御質問を一括してお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業について、マスコミ3社がアンケ-ト調査を実施したとの報道があったことは承知しております。県としては、今後とも国や沖縄市とも連携しながら事業の重要性、必要性等についてなお一層住民への説明に努め理解を得ていきたいと考えております。
住民投票に関しましては、我が国は議会制民主主義を基本としていることから、住民投票についてはあくまで政策判断上の参考とすべきものであると認識しております。したがって、住民投票が必要か否かの判断は、それぞれの自治体の意思にゆだねられるべきものと理解しております。
また、お尋ねの三番瀬埋立事業については、地域開発事業はおのおのの地域における諸課題を解決するため、その目的に沿って行われるものと考えており、その対応も異なるものと考えております。
次に、代表質問との関連について、子ども病院に関する再質問で最大限の努力をする旨の答弁があったが、基本設計の中で面積も見直すということかということの御質問にお答えいたします。
新病院の整備計画面積につきましては、いろんな点から総合的に検討し決定したところであり、新病院に求められる医療機能に対応できるものと考えております。今後は、基本設計の段階で専門家も交えて機能の配分や施設の配置等を詳細に検討することとしており、新病院に必要な機能を発揮できるよう最大限努力してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○代表監査委員(親泊英夫) 糸数慶子議員の県立芸術大学問題についての中で、芸大職員の財団資金着服問題に対する県の監査体制はどうなっているかについてお答えいたします。
県の出資している法人の監査につきましては、地方自治法第199条第7項の規定に基づく財政的援助団体等監査として、県の出資額が2分の1以上の団体についてはおおむね4年に1回をめどに、また4分の1以上2分の1未満の団体については、必要に応じて監査を実施することとしております。
財団法人沖縄県立芸術大学芸術振興財団に対する県の出資は2分の1を超えていることから、平成3年度、平成5年度、平成11年度にそれぞれ監査を実施しております。監査の結果につきましては、いずれにおいても当財団に対して指摘はありませんでした。
本件につきましては、監査に携わる者としてまことに遺憾に思っております。
なお、これまでも外郭団体等の経費負担については、収支の見直しと自主努力の指導監督を強化し、予算の効果的、効率的な配分及び執行になお一層努める必要があると注意喚起してきたところであります。今後は県にかかわる財政的援助団体等については、所管する部局と連携を密にし、監査の充実を図ってまいりたいと思います。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の基地問題についての御質問に順次お答えをいたします。
まず、建設位置と工法決定のタイムスケジュールについての御質問にお答えをいたします。
次回の普天間飛行場代替施設協議会では、名護市からは地元住民の意見等の報告が行われ、また県からは名護市等地元の意見も踏まえた県の考え方を示すことになっております。これを受けて、代替施設の規模、工法、具体的建設場所等について総合的、具体的な検討をさらに進め、その後に基本計画が策定されるものと考えております。
基本計画の策定を受けて、環境影響評価を国が実施するとともに、その間、米側による施設配置等のマスタープランの策定や民間機能も含めた施設配置等についての具体的な検討がなされた後に、環境影響評価を踏まえ、最終的な位置、場所、規模等が決まってくるものと考えております。
次に、軍民共用の今日的問題点とその打開策及び展望についての御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場の代替施設を軍民共用とすることは公約であり、移設に当たって整備すべき条件の提示、名護市長の受け入れ表明、名護市議会の促進決議、政府の閣議決定やこれまでの代替施設協議会での協議など軍民共用とすることで意思の形成がなされております。
県としては、現在の中南部一極集中から、北部圏域の定住人口の増加を目指した機能拡充を図ることが県土の均衡ある発展を図る上で重要であると考えております。軍民共用飛行場は、その実現を図るための基本インフラとして最も有用な施設であると考えており、同飛行場の機能を生かした移設先の地域振興に全力を注ぐことにより、雇用機会の確保や産業の振興を図るなど地域経済発展の新たな拠点を形成し、北部地域の発展につなげていきたいと考えております。
現在、軍民共用を前提とした普天間飛行場代替施設の基本計画の策定に向け、具体的作業が着実に進展しているところであります。県としては、一日も早く普天間飛行場の返還ができるよう努力していきたいと考えています。
次に、日米地位協定の見直しについて、その後の進捗状況を聞きたいという点と、政府内で県が要求した11項目について個別に検討が行われているのかという2点について、一括してお答えをいたします。
日米地位協定の見直しについては、外務省において県が平成12年度に要請した11項目について検討が行われているものと思いますが、現在、日米両政府間で正式に話し合われている項目として県が承知しているのは、第17条の被疑者の身柄の引き渡しについてであります。県としては、日米両政府において県の要請している環境問題なども含めた11のすべての項目について日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただけるよう、今後ともあらゆる機会をとらえて要請していきたいと考えております。
次に、旧日本軍飛行場問題についての中の、基本的な方向性と解決法について、2つ目に、振興新法へ位置づけることはできないか、3つ目に、ポスト3次振計での取り組みについてはどうなっているかという3点について、関連しますので一括してお答えをいたします。
去る6月29日に作成した「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」の中では、「戦後処理問題への対応を引き続き推進する」こととしております。県としては、旧軍飛行場用地問題の解決を国に要請するに当たっては、国の理解が得られる説得力のある論理構築が必要であると考えており、旧軍用地問題解決促進協議会の主張、同問題に関する県の調査結果及び嘉手納基地土地所有権確認訴訟判決を含めたこれまでの経緯等も踏まえつつ、今後、同問題の解決に向けてどのような論理構築ができるのか引き続き検討してまいりたいと思います。
次に、観光振興策についての中の、基地の厳戒態勢が県民生活に与える影響について具体的にどう把握しているかという御質問にお答えをいたします。
基地の厳戒態勢が県民生活に与える影響として県で把握している内容は、基地ゲートでの厳重な検問の実施に伴う周辺道路での交通混雑、基地内のいわゆる黙認耕作地への立入制限、主要米軍基地上空の航空機進入規制によるウリミバエ不妊虫の放飼作業及び道路、港湾等の公共事業の用に供される航空写真撮影作業への支障等であります。県としては、現時点においてこのような状況は緩和されてきていると承知しております。
いずれにいたしましても、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、県民生活及び観光を初めとする県経済活動に支障が生ずることがないよう関係機関に強く要望しており、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、同じく観光振興策の中の、同時連続テロ事件が緊急車両の基地内通行に及ぼす影響はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
同時連続テロ事件直後は、テロ警備のための基地ゲートにおける車両チェックが1台ずつ行われたことから多くの時間を要しましたが、現在ではランダムチェックになっており、ゲートチェックによる影響は少なくなっていると考えております。消火活動や救急患者の搬送は一刻を争うことから、県は米軍に対し人道的見地から緊急車両の通行が円滑に行われるよう申し入れを行ったところであります。
次に、DV対策についての中の、DV法施行後の県内のDV被害の実態と防止策及び支援のための諸取り組みについて聞きたいという御質問にお答えをいたします。
平成13年10月13日にDV防止法が施行されて以降、女性相談所で受け付けたDV関連の相談件数としては、11月の電話相談が14件、来所相談が19件、一時保護が28人となっております。これを昨年同月と比べますと、電話相談はほぼ同数、来所相談は10件の増加、一時保護は23人の増加となっております。
DVに対する防止策及び支援策といたしましては、女性相談所や福祉事務所等相談機関の相談員等237名に対して研修会を実施し、一般県民722名に対してシンポジウム等を開催いたしました。さらに「社会の風紀環境を浄化する運動」の一環としてポスタ-配布等を行いました。
県といたしましては、DV防止法が公布・施行されたことに伴い、これまでDVの加害者と被害者との関係から、ともすれば黙認・放置されていた暴力の実態が社会的な問題として取り上げられるとともに、相談や一時保護が適切に行われ、さらに裁判所からの保護命令と違反者に対する罰則の適用も行われることから、今後は同法がDV防止及び支援の有効な手段として活用できるものと考えております。
特に、これまでの女性相談所の機能に加えて、医学的または心理学的な指導、保護命令の申し立て書面作成等の業務を実施することにより、被害者への支援を担えるものと考えているところであります。
また、DVが行われる根底には、女性への人権無視や尊厳への軽視等があると思われることから、今後、県内各地で県民各層を対象としたシンポジウムや講習会等の広報・啓発活動を実施して意識改革を推進し、その防止に努めてまいります。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 基地問題について、軍転特措法の改正に向けた県の取り組みについてお答えいたします。
「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」いわゆる軍転特措法の改正について、県は平成11年8月に給付金支給要件の改正、返還実施計画で定める事項の追加、調査・測量の早期実施、国有財産の活用の措置の4項目について国に要請いたしました。
国は、県の要請を受け、平成11年12月に「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」を閣議決定しております。その方針の中で、給付金の支給期間については駐留軍用地跡地の性格等を踏まえ、特例措置を認めることとし、新たな法制の整備により対応することとしており、現在、沖縄振興新法への位置づけの中で調整しているところであります。
また、汚染物質及び不発弾などの調査及び除去については、あらかじめ軍転特措法施行令で返還実施計画に定める事項として明示することとし、調査・測量の早期実施への対応及び国有財産の活用の措置については、跡地利用の促進に向け対応することとしております。県としては、閣議決定された方針が確実に実施されるよう今後とも取り組んでいきたいと考えております。
次に、同じく基地問題について、軍転特措法の延長について、見通しはどうかについてお答えいたします。
去る11月27日及び28日の両日、尾身沖縄担当大臣、中谷防衛庁長官を初め関係各位に軍転特措法の延長を要請してまいりました。要請先においては、本法が基地跡地の円滑な利用や沖縄振興新法に位置づけられる予定の基地跡地の特例措置の根拠法として必要があることについて御理解が得られたことから、延長に取り組んでいただけるものと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 雇用失業問題についての、県内の雇用失業の実態はどうなっているかという御質問にお答えします。
先日発表された労働力調査によると、本県の10月の完全失業率は9.3%で、完全失業者数は5万8000人となっております。労働力人口は62万5000人で、前月に比べて5000人減少し、就業者数は56万7000人で同じく5000人減少しております。非労働力人口は45万2000人で8000人増加し、これらの結果、完全失業者数は1000人の減少となっております。
産業別の就業者数は、製造業、卸売小売業・飲食店等サービス業で減少しております。また、沖縄労働局が発表した「雇用の動き」によりますと、10月の有効求人倍率は0.26倍で前月に比べ0.01ポイント低下し、新規求人倍率も0.44倍と0.02ポイント低下しております。
特に県外からの求人は、前年同月に比べて38.2%のマイナスで5カ月連続で減少し、県外への就職件数も前年同月に比べ42.5%のマイナスと6カ月連続の大幅な減少となっております。
次に、観光振興策について、基地従業員の勤務状況に及ぼす影響についての御質問にお答えをいたします。
基地従業員に対しては、テロ発生直後の台風の影響とも重なって9月12日と13日の2日間出勤停止措置がとられ、その後も米軍の車両検問等の強化により従業員の出勤に影響がありました。現在は時差出勤により当初の混乱が改善され、従業員は通常どおりの業務についております。
また、テロの影響による基地内レストランの売り上げの減少を理由として9人の時給制臨時従業員が出勤を停止させられております。
さらに、日本人警備員の銃携帯については、従来、ホワイト・ビーチ地区、泡瀬通信施設、辺野古弾薬庫、嘉手納弾薬庫の一部の施設に限定して60ないし70人の日本人警備員が銃携帯を義務づけられておりましたが、テロ後の基地警備強化のため10月29日からキャンプ瑞慶覧等海兵隊基地の民間隣接地域の警備員にも追加的に銃携帯が義務づけられております。
同じく観光振興策について、支援融資の種類と範囲はどうかという御質問にお答えします。
同時多発テロ事件の発生に伴う風評被害により、経営の安定に支障を来している観光関連産業の事業者に対する金融面からの支援策として、まず既存県単融資制度における短期運転資金、経営振興資金、小規模企業対策資金及び観光・リゾート振興資金の4資金について、平成13年10月22日付で条件緩和を行ったところであります。次いで、10月末には緊急経営安定支援資金を創設したところであり、さらに国の指定に基づくセーフティーネット保証制度の適用による別枠保証の特例措置も講じられたところであります。
また、政府系金融機関及び地銀3行においてもそれぞれ独自の支援資金を創設し、被害を受けている事業者への支援に取り組んでいるところであります。
各種資金の適用の範囲としては、テロ事件の風評被害により売上高が減少し、直接的に影響を受けた観光関連業等の中小企業者並びに当該企業と取引関係にあり間接的に影響を受けている観光関連の中小企業者となっております。
なお、沖縄振興開発金融公庫においては、ホテル等の大企業に対する緊急の運転資金融資制度も創設され、11月28日付で取り扱いが開始されております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 県立芸術大学についての御質問にお答えいたします。
まず、県立芸大のセクシュアルハラスメント問題の経緯について、芸大からどのような報告を受けているのか、また被害者の母親からの訴えについてどのように対応したか、まとめてお答えいたします。
セクシュアルハラスメント、いわゆるセクハラの被害を受けたという県立芸大の学生とその母親からの訴えが、ことし8月9日にあり、それを受けて担当の文化振興課は、芸大事務局に対し関係者に対する事実の確認等速やかな対応を求めました。その結果、次のような報告を受けております。
当学生が指導教員からセクハラ及び暴力行為の被害を受けた旨の訴えが平成13年7月13日に芸大事務局長にあり、その報告を受けた学長は、学部長に実態調査と今後の対応策を講じるよう指示したこと、訴えた学生は、8月3日に県行政オンブズマン相談室に芸大でセクハラ被害を受けたとの苦情の申し立てを行い、そのことにより8月13日に県行政オンブズマン相談室から県立芸大に対し苦情に関する調査実施の通知があったこと、芸大は、この問題に対処するため学長命により8月21日に「沖縄県立芸術大学セクシュアル・ハラスメント調査委員会」を設置し、現在まで当委員会を13回開催して申し立ての内容について関係人からの事情聴取等事実関係の調査を進めていること。
以上であります。
続きまして、県は今後どのようにして学生の学ぶ権利を保障していくかという御質問にお答えします。
大学は、学生が性別なく個人として尊重され、生き生きと学び研究するためにその能力を最大限に発揮しやすい教育・研究環境を整える責任があると認識しております。
セクハラについても、大学当局は配慮を尽くすことが肝要であります。今回のセクハラの訴えがあったことについては、現在、事実関係等を調査中であります。
県立芸大では、「沖縄県立芸術大学セクシュアル・ハラスメント防止規程」等を制定するなどセクハラ防止に努めているところであります。今後とも、教員と学生が対等・平等な関係で快適に修学することができる教育環境の確保に努めてまいります。
続きまして、予算は適切に執行されているか、出張旅費、楽器購入費は適正かとの御質問にお答えします。
予算の執行に当たっては、法令に適合し合理的かつ健全に行われているか、また財産の取得・管理は適正に行われているかなどに留意して執行しております。
平成12年度の予算執行済み額は、旅費については4659万6000円、楽器購入費については657万6000円となっております。
主な支出内容といたしましては、旅費については学外研究の引率、教育・研究調査や資料の収集等であります。楽器購入費については弦楽器、三味線等の購入であります。いずれも適正な予算執行がなされております。
続きまして、備品の楽器メンテナンスと使用状況についてどのような管理体制がとられているかについてお答えいたします。
授業や演奏会に使用する楽器は、常に良好な状態を保つ必要があります。このため、日常的なメンテナンスのための修繕、調律等、例えばピアノは定期的に年2回、管楽器は随時でございますが調律等を行っております。また、これらの楽器やピアノ、弦・管・打楽器はそれぞれの専攻コースの主任教授のもとで管理がなされております。
次に、適正規模での学生の留学があるか、学生の定員と入学、退学について5年間の実態はどうなっているかについての御質問にお答えいたします。
大学の定員は、文部科学省の大学設置基準により適正規模の定員が定められています。
県立芸術大学の学部定員は、美術工芸学部が65人、音楽学部が40人で両学部合わせて105人となっています。
平成8年度から平成12年度までの5年間における両学部の入学者数及び退学者数は、入学者が546人、退学者が38人となっています。
退学者の推移を見てみますと、平成8年度5人、9年度11人、10年度7人、11年度6人、12年度9人で、年平均では7.6人になっております。
退学の理由としては、進路の変更が19人(50%)と最も多く、次いで経済的な理由が、就職、育児や学業意欲の欠如などとなっております。
続きまして、芸大教官採用の基準についての御質問でございます。
国立・公立大学の教員の採用は、教育公務員特例法第4条において選考により行うこととされております。その選考は、「評議会の議に基づき学長の定める基準により、教授会の議に基づき学長が行う。」こととされております。
県立芸大においては、昭和62年2月19日に制定した「沖縄県立芸術大学教員選考基準」により行っております。この選考基準は、教授、助教授、講師及び助手のそれぞれについて学位、経歴、研究上の業績、特殊技能等の要件が定められておりまして、これに基づいて選考が行われております。
続きまして、教官の中には本土他府県に自宅があり、翌日帰宅のため講義を深夜まで行うこともあると聞いているが、事実はどうかという御質問でございますが、そのような事実は確認されておりません。
続きまして、学生への奨学資金制度はどんな状況かという御質問でございます。
県立芸大の学生が活用している奨学資金としては、沖縄県立芸術大学芸術振興財団奨学金を初め日本育英会の奨学金や沖縄県国際交流・人材育成財団奨学金等があります。最も多く活用しているのは日本育英会の奨学金で、学部においては132名、大学院の修士課程においては20名、博士課程においては1名の学生が活用しております。在学学生数の約28%の学生が日本育英会の奨学金の貸与を受けている状況であります。
続きまして、芸大設置後16年になるが、運営管理についてどんな評価がなされているか、その改善点はどうかという御質問でございます。
県立芸大は、昭和61年の開学以来、大学の目的及び社会的使命を達成するため県内外から優秀な教職員を配置し、施設・設備を整備するなど教育・研究水準の向上及び教育・研究環境の充実・強化を図ってまいりました。
大学は、教育・研究活動等の状況についてみずから点検及び評価を行うことが大学設置基準により定められていることから、県立芸大におきましても開学15年を契機として、ことしの3月にこの間の教育・研究活動の状況についてみずから点検評価を行い、学内外における公開講座等の積極的な拡大と充実、敷地の問題、老朽校舎の改築、進路変更等に対する適切な対応等大学の持つ現状と課題について取りまとめを行ったところであります。県立芸大では、この結果を大学運営に生かしつつ、今後の大学の教育・研究の実績に対する検証を厳正に行い、活力に富み個性豊かな大学づくりに努めることとしております。
続きまして観光振興について、エコツーリズムの具体的な事業の展開についての御質問でございます。
エコツーリズムは、地域の自然及び文化を保全しつつ観光産業の振興を図ることができるため、自然保護の立場からも積極的に推進していきたいと考えています。そのため、自然教育活動や自然観察会、エコツアーなどの自然体験活動において自然の仕組み、自然と人とのかかわりや接し方などについての知識を持った指導者の人材の確保・育成、資質の向上を図ることを目的として「自然体験活動指導者養成事業」を実施しております。平成11年度から本年度まで自然体験活動指導者を71名養成しております。その指導者には、「やんばる自然体験活動憲章」の普及や自然環境を破壊せずに自然や文化を楽しむ、環境との調和を重視した旅行形態の展開に活躍することを期待しております。
以上であります。
○警察本部長(太田裕之) 被害を訴えている学生に警察がどう対応したかについてお答えいたします。
まず、相談受理の状況から御説明いたします。
ことしの10月20日の深夜、女子学生から不審者が家の近くに来ている旨の110番通報があり、交番の警察官2名が現場に急行し女子学生から事情を聞きましたところ、自宅に聞き覚えのない男の声で全く心当たりのない不審な電話があったので怖くなり110番通報したとのことでありました。
警察官が付近を検索しましたが、不審者の発見には至りませんでした。
その際、女子学生は警察官に対し、実は大学でセクハラを受けているので相談をしたい旨の話がありましたので、警察署において当直の女性警察官等が相談に応じました。相談の内容についての詳細は控えさせていただきますが、大学の先生から体をさわられたという趣旨でありました。
このセクハラ行為については、翌日、事件主管課で再度相談することとし、当日は時間的にも遅かったことから相談を打ち切り、警察官が自宅まで送り届けております。
翌日、女子学生が来署いたしましたので、相談担当の係長と刑事課員が相談室において相談を受けております。
セクハラ行為の事件化については、弁護士などと相談をしたいということでございましたので、相談者の意思を尊重いたしまして相談を終了しております。その後、現在に至るまで同人からの相談や訴えはありません。
次に、相談受理中、警察官に不適切な言動がなかったかということでありますが、相談者からは直接の苦情は受けておりません。
糸数議員からの質問通告を受けまして相談状況について事実確認をいたしましたところ、相談を受けた刑事課員は、女子学生が処罰の意思を持ちながらもセクハラ行為の内容について具体的には話そうとしなかったことから、強制わいせつ等犯罪行為があったのかを確認するため具体的行為の状況を聞こうとしたようであります。
刑事課員としては、相談者が精神的に大変不安定であることも十分理解した上でわかりやすく事情を聞いたつもりであったようでありますが、その際に相手に不快感を与えた部分があった可能性はございます。
と申しますのは、性的事案の場合、被害女性は思い出したくないことを警察官に話をしなくてはならないわけでありまして、そのこと自体大変な負担であるからでございます。相談受理に際しては、その点を十分に理解して行うよう努めておりますが、結果として不快を感じさせたとすればまことに残念でございます。今後とも相談者の立場、心情に十分配慮した優しさや温かみのある態度、言葉遣いなどで対応するよう徹底してまいりたいと思います。
○教育長(津嘉山朝祥) 県立芸術大学問題について、芸大職員の財団資金着服問題が報道されたが、県の監査体制はどうかとの御質問にお答えいたします。
沖縄県立芸術大学芸術振興財団は、県立芸術大学の学生や卒業生等への助成事業を通して、沖縄県立芸術大学及び地域社会の芸術・文化の発展に寄与することを目的として昭和62年に設立された公益法人であります。
教育に関する公益法人を所管する県教育委員会では、指導監督の立場から事業計画及び事業報告の提出を義務づけ、必要により事業活動が適正になされているか否かについて検査を実施することといたしております。
また、公益法人に対しては適正な事務執行を確保するため法人内に監事を置き、毎年度監査を実施するよう指導を行っているところでございます。沖縄県立芸術大学芸術振興財団においても監事が置かれ毎年度監査が実施されております。
報道にありました不正は、平成7年5月から平成8年6月にかけて発生したものでございますが、これは当時の財団の監事監査によって指摘、是正が行われたものであります。その後、財団においては会計事務の適正を期するため、審査の強化など事務の改善がなされております。県教育委員会といたしましては、今後、公益法人の指導監督の強化に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 6、観光振興策について、(1)、観光産業の現状と課題についての中の、風評の源について、国や県の対策等について、その効果について、基地があるゆえの被害について、政府の風評除去対策について、県の対応策について、対策の具体的実施状況について、ホテル業に対する支援策について、旅行業者に対する支援策について、航空会社に対する支援策について、観光・交通各社に対する支援策について、観光関連業者に対する支援について、緊急観光キャンペーン予算の財源について、テロ風評被害の反省について、これらの質問につきましては、関連がございますので一括してお答えいたします。
観光客のキャンセルと米軍基地との関連については一概に否定できませんが、今回のキャンセルの主な要因は、一部マスコミの過剰な反応や一部都道府県教育委員会の修学旅行に対する注意文書等にあると考えております。
県においては、沖縄の平常さを訴える知事名の文書を全国の旅行会社や都道府県教育委員会へ発送するとともに、観光リゾート局内に特別誘客対策班を設置し、同時多発テロへの対策を強化してまいりました。さらに、国に対して沖縄の観光振興についての特別な予算措置、県内観光関連業界への支援、大臣の沖縄訪問などを要請いたしました。
現在、県においてはホテル業者、旅行業者、観光・交通各社等への融資を含む支援のほか、国や航空会社等の観光関連業界と連携して、「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンを展開しているところであり、全国紙やテレビ、旅行雑誌等を活用しての沖縄PRや修学旅行関係者招聘、東京や大阪などの主要都市へのキャラバン隊派遣などさまざまな事業を展開し今回の事態に対処しているところであります。
また、国においては本県と連携したキャンペーンを実施しているほか、沖縄観光振興会議、全国観光主管課長会議、政務官会議など各種会議を本県で実施しているところであります。さらに、尾身沖縄担当大臣、扇国土交通大臣、遠山文部科学大臣におかれましては、直接本県を訪問していただき沖縄の安全性をアピールしていただきました。
このようなさまざまな対策を講じた結果、修学旅行においては同時多発テロ発生後11月までに321校、6万7674名が本県への旅行を実施しており、また12月から3月にかけても195校、4万149名が実施する予定となっております。また、キャンペーンの実施を受けて各種団体の沖縄応援ツアーや会議の開催などが行われているところであります。さらに、国際会議を初めとする県外からの各種コンベンションにつきましても、同時多発テロ以降54件の新たな予約がありました。
なお、現在、県が実施しております緊急観光キャンペーン予算の財源としましては、県の一般財源で対応しております。
今回の沖縄観光の危機の経験を踏まえ、今後とも県、観光業界及び県民一体となって観光の振興を推進してまいる所存であります。
次に、同じく観光振興策についての中の、事件発生以降の予約・解約の数及び率はどうか、それからキャンセル情報など情報管理体制についての御質問に一括してお答えします。
特別誘客対策班においては、キャンセル情報等の収集を行っており、毎週1回沖縄への送客を行っている旅行会社に対するアンケート調査や航空会社からの月3回の搭乗実績調査を実施しております。
11月末の調査によりますと、個人旅行及び一般団体旅行の12月から3月までの予約は13万4882名となっております。
次に、9月以降の修学旅行の予約については、9月から11月までの実施済みが321校、6万7674名となっており、12月から3月までの実施予定が195校、4万149名となっております。また、9月から3月までの解約については762校、17万742名となっており、同時期における予約数1278校、27万8565名に対する割合は学校数で59%、人数で61%となっております。
次に、同じく観光振興策についての中の、エコツーリズム等体験・滞在型観光に対応した諸施策についてお答えします。
本県のすぐれた自然環境や独自の歴史・文化等の地域資源を有効に活用したエコツーリズム等の体験・滞在型観光を積極的に推進するため、平成12年度にエコツーリズム推進のためのフィールド調査を実施したところであります。今後は、当該調査を踏まえ魅力あるプログラム作成、インストラクターの確保や育成、ガイドライン等のルールづくり、誘客活動等を積極的に進めていくほか、体験施設や宿泊施設の整備促進に努めていく考えであります。
続きまして同じく観光振興策についての中の、カジノ導入について県民の合意形成はできていると思うか、観光審議会での審議の内容について、他府県における公営ギャンブルの経営状況とカジノ導入の動きについて、関連しますので一括してお答えします。
近年の旅行形態の多様化や国内外における新たなテーマパーク等の建設により、本県観光は一層競争激化する状況にあります。これに打ち勝つためには、多様なエンターテインメント等集客施設の整備促進が急務であり、その可能性等について調査・検討する必要があると考えております。
ゲーミング導入につきましては賛否両論あり、それぞれの団体がアンケート調査を行っておりますが、県においては「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」の県素案に基づき、ゲーミングを含む多様なエンターテインメントについて調査・検討し、これをもとに県民の意見を集約する考えであります。現在、「第4次沖縄県観光振興基本計画」の策定に向け審議会において論議がなされているところでありますが、その中でもショッピング観光とあわせゲーミングを含む多様なエンターテインメントについても本計画に明記することが確認されております。
なお、他府県における公営ギャンブルには競輪、競艇、地方競馬及びオートレースがあり、平成3年度以降売り上げを減少させております。平成12年度は競輪は73団体中22団体が、また競馬については24団体すべてが赤字となっているようであります。
また、国内では東京都や宮崎市、秋田県雄和町、北海道、石川県珠洲市、大分県別府市などにおいてカジノ導入の動きが見られます。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 観光振興策について、体験・滞在型観光に対応して農林水産部での取り組み状況についての御質問にお答えいたします。
本県は、我が国唯一の亜熱帯地域の自然と独自の伝統文化など多様な資源に恵まれております。
県としては、農業・農村の活性化を図るため、地域資源を活用した都市・農村交流事業を推進しているところであります。しかしながら、これらの事業を推進するためには、農山漁村の環境整備を初め宿泊交流施設の整備、人材の育成などが課題となっております。このため、県としては、体験交流宿泊施設等の整備、農家レストラン及び農家民宿などアグリビジネス起業家の養成に努めているところであります。農林水産部営農推進課におきましては、今年度グリーンツーリズム実践者養成講座を各地区において開催し、これまで21回の開催をしております。延べ参加人員は730名となっております。
また、県内での優良事例としては、平成13年度全国農林水産祭「豊かなむらづくり」において、伊平屋村漁業協同組合がはえある農林水産大臣賞を受賞しております。県としては、本県の自然的、歴史的、地域資源を生かした都市と農村の交流を積極的に推進していく考えであります。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 観光振興策についての御質問のうち、エコツーリズム等体験・滞在型観光に対応した諸施策についてお答えをいたします。
地域・離島振興局では、沖縄の特性を生かした滞在型・参加型観光を促進し地域の活性化を図るため、体験・滞在交流促進事業を実施しております。
当事業は、市町村が住民の創意を発揮して作成をしました計画に基づき、地域外の住民が沖縄の恵まれた自然や独自の伝統文化を体験し、地域住民との交流を図ることができるようソフト・ハード両面から成る事業で、平成12年度からの新規事業であります。平成13年度は竹富町、伊良部町、具志頭村の3町村で2カ年にまたがり、体験・滞在プログラムの作成やインストラクターの養成、体験提供施設や宿泊施設等の整備を行うこととしております。また、自然観察ガイドの養成、ガイドブックの作成や特産品の開発、交流イベントの開催など地域資源を活用した観光に取り組んでいる市町村に対して「離島・過疎地域ふるさと活性化推進事業」により支援をしているところであります。
さらに、魅力ある地域づくりに取り組んでいる民間団体等に対しても地域づくりアドバイザーの派遣や人材育成事業等により支援をしているところであります。
以上です。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 泡瀬干潟の埋立問題についての中で、施設ごとの具体的な進出状況についてどうなっているかについての御質問にお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、工事着手後約7カ年の工期を要し、その後、上・下水道のインフラ整備を行い、用地処分は平成22年以降を予定しております。
企業が進出を検討する場合、土地の処分価格や周辺のインフラ整備等の立地条件を十分勘案して決定するものであります。泡瀬地区については、埋立工事がまだ着工していないことや、土地利用開始までに相当な期間もあることから、現時点においては本格的な企業誘致は行っておりません。
企業誘致については、当面は社会経済情勢の変化や企業の動向等の把握に努め、誘致に当たっての具体的な条件提示が可能となり次第、沖縄市とも協力しながら本格的に取り組んでいく考えであります。
また、あわせて人工ビーチ等公共施設等の整備についても、計画に沿って順次進め、企業が進出しやすい魅力ある環境づくりに努めていく考えであります。
同じく藻場の移植について環境省は県と対応しながら調査していくというが、県はどういう調査をしてどう対応していくのかとの御質問にお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業においては、事業の実施により藻場の一部が消滅することから、環境への影響をできる限り低減するため藻場の移植を行うこととしております。
藻場の移植については、これまでの小規模実験の結果から可能であると判断しておりますが、「環境監視・検討委員会」から環境保全対策に万全を期するため、機械化施工による約3ヘクタールの移植実験の提案があったことから、現在、沖縄総合事務局においてその実験を行っているところであります。
なお、去る11月28日に開催された「環境監視・検討委員会」の下部組織である「海草藻類移植・保全ワーキンググループ」において現地調査等を実施した結果、大半は根づいているとの評価が得られております。事業者としては、今後も引き続き「環境監視・検討委員会」の指導・助言を得ながら藻場の移植に取り組んでいく考えであります。
○病院管理局長(新田宗一) 新多機能病院(仮称)・子ども病院についての御質問で、新病院建設に対応できる準備室等の新たな組織をつくり、知事みずからが統括することについての御質問にお答えいたします。
新病院の建設に係る計画につきましては、平成13年4月に病院管理局内にプロジェクトチームを設置し、関係部局等とも調整しながら検討作業を進めてきたところであります。準備室等新たな組織につきましては、新病院計画の推進のため体制の強化は必要であると考えており、今後関係部局と調整の上、組織体制の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。
なお、推進組織を知事みずからが直接統括することは、現実的には対応できないものと考えております。したがいまして、県の他のプロジェクトと同様に担当部局を中心に検討を進めていくことになりますが、関係部局とも連携を図るとともに、建設推進に係る必要な課題につきましては、随時、知事、副知事の判断・指示のもと、推進してまいりたいと考えております。
次に、どのようにして新病院の人材を集めるのかとの御質問にお答えいたします。
新病院の人材確保につきましては、施設・設備だけではなく、病院総体としての医療環境の向上を図る必要があると考えており、このためより高いレベルの医療を提供するとともに、研修機能等の充実を図るなど県立病院全体で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 新多機能病院(仮称)・子ども病院についての御質問の中で、5番目の沖縄県周産期保健医療協議会の専門部会は機能しているのか、具体的な活動状況はとの御質問にお答えいたします。
県におきましては、周産期においてリスクの高い母と子に対し、適切に対応ができる施策を検討するため「沖縄県周産期保健医療協議会」を設置しております。この中で、沖縄県における周産期保健医療のあり方について協議を行い、平成11年7月、同協議会会長から知事へ提言がなされました。その結果を踏まえ、同年12月に「総合周産期母子医療センター整備に係る基本方針」を策定したところであります。
なお、同協議会設置要綱では、協議会に専門的に調査・研究及び検討をさせるため必要な専門部会を置くことができるものとしておりますので、今後その活用も含め子ども病院の課題などに対応していきたいと考えております。
○糸数 慶子 再質問いたします。
4番目の旧日本軍飛行場問題についてなんですが、9月定例会でも私は公室長から、この類似県の調査をするという答弁を受けておりますが、調査結果はどうなったのか、御報告をお願いいたします。
この土地問題は、あくまでも太平洋戦争末期の戦時非常事態に国家の戦争準備に強制的に協力させられたことに根源があります。国家総動員体制下で旧地主が協力した善意を踏みにじったばかりか、戦後も財産権を剥奪し、二重三重の犠牲と苦痛を受け押しつけてきた政府の政治的・道義的責任が問われます。関係地主だけの問題ではなく、県民全体の問題として理解し支援しているということは、県議会や52市町村議会での意見書採択や8名の県選出国会議員が促進協の顧問に就任していることでもわかります。
沖縄復帰30年の節目に戦後処理の重要懸案として、知事は県民世論をバックに先頭に立ってこの問題の解決を図るべきだと考えますが、知事の御決意を伺いたいと思います。
次に、泡瀬干潟の問題について、知事は社会情勢の変化に伴ってこの計画は考えていくということなんですが、社会情勢の変化というのはまさに今ではないでしょうか、再度お尋ねいたします。
それに屋比久土建部長は私の6月定例会の質疑に対しましては、この土地の利用に関してはしっかり売れて採算がとれると断言していらっしゃいましたけれども、再度今の答弁と整合性があるのかどうか、土地利用についてお伺いしたいと思います。現実離れの宿泊者数の想定なども含めて、これまで県が提示したものに対する整合性のある答弁をお願いいたします。
さらに子ども病院の件に関してお伺いいたします。
まず、専門部会の件についてなんですが、検討委員会はプロジェクトチームに反映させるためにも具体的にどのメンバーで、いつごろから立ち上げるか、お伺いしたいと思います。
次に、観光関連について、まずカジノの導入についてお伺いしたいと思いますが、私は2週間前に米国で実際にラスベガスまで出かけましてカジノを見てまいりました。カジノというのはやはりこの沖縄県では、こういう狭隘な島嶼県には私は不向きだと思いました。なぜならば、砂漠の中の隔離された場所で行われているそのアメリカの現実とこの沖縄の現状を考えましたときに、このカジノの導入というのはこの沖縄の観光方針には反するのではないかと思います。再度、観光リゾート局長の答弁をお伺いいたします。
また、カジノの調査をなさるということなんですが、功罪についてもはっきり調べていただきたいと思います。
答弁によって再々質問をいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時26分休憩
午後2時29分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の再質問にお答えします。
1つは、旧軍飛行場用地の問題についてでございます。
戦後56年の長期間にわたった旧日本軍に接収された土地の所有権回復を求めてこられた旧地主の方々の心情と御苦労については、県としても十分に理解しております。また、去る6月県議会において「沖縄県所在旧軍飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が採択されたことを重く受けとめております。
県としては、旧軍飛行場用地問題の解決を国に要請するに当たっては、国の理解が得られる説得力のある論理構築が必要であると考えており、旧軍用地問題解決促進協議会の主張、同問題に関する県の調査結果及び嘉手納基地土地所有権確認訴訟判決を含めたこれまでの経緯等も踏まえつつ、今後同問題の解決に向けてどのような理論構築ができるのか引き続き検討してまいりたいと思います。
なお、先ほど御指摘ございました他府県における旧軍飛行場用地の返還事例調査の結果については、知事公室長から答弁いたします。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の、他府県における旧日本軍飛行場用地問題についての調査結果はどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
県は、旧地主が指摘している戦後処理問題として取り扱われたとされる他県における旧日本軍接収用地の返還事例について文書により照会を行うとともに、現福岡空港の事例について現地調査を行ってまいりました。
調査結果を申し上げますと、他府県において払い下げが行われた旧軍飛行場用地は、昭和20年11月に閣議決定された食糧増産のための「緊急開拓事業実施要領」に基づき行われたものや、農地法に基づき農林水産省から耕作者に払い下げられたもの及び旧大蔵省から普通財産の処分が行われたものなどであり、旧地主に土地を返還すること自体を目的として行われた事例は確認できませんでした。
また、現在も空港や自衛隊施設等として利用している施設については、席田飛行場──現福岡空港でありますが──のように旧軍関係者の判断により接収した用地を旧地主に返還した事例がありましたが、政府における政策決定として所有権を旧地主に戻した事例は確認できませんでした。
一方、県内においては旧西原飛行場、旧仲西飛行場などの旧軍接収用地について、戦後間もなく行われた米側による所有権の認定作業の際に旧地主の所有権が認められた事例があることが確認でき、現在国有地として登記されている旧軍接収用地の地主と比較して公平性を欠く現状があることを認識しております。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 糸数慶子議員の再質問にお答えいたします。
現土地利用計画が先ほど知事からも答弁があったんですが、現時点で計画から大分期間が過ぎているんだけれども、そういった経済状況の変化等がないかどうかという質問だと思いますが、それについてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区の現土地利用計画については、近年の観光産業の動向や沖縄市の地域活性化に沿ったものと考えております。また、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」においても観光が本県のリーディング産業として位置づけられ、「中城湾港泡瀬地区においては、海洋性レクリエーション機能を導入することにより、海に開かれた国際交流リゾート拠点等の形成を図る。」とされていることから、観光産業の動向や県の振興策にも沿ったものとなっております。
また、沖縄市の総合計画においても当該地区の整備が位置づけられており、このことから現土地利用計画は現時点においても地域のニーズに沿ったものと考えております。
それからあと一点の事業の採算性の見通しについてということだと思いますが、お答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業で、国及び県により造成される埋立用地約186ヘクタールのうち、港湾施設等を除く約129ヘクタールについては、沖縄市が約90ヘクタール、県が約39ヘクタールを土地利用計画に基づいてホテルや住宅用地等として民間等に処分する計画になっております。
同事業については、国が行う新港地区の航路しゅんせつ工事において発生する土砂を有効活用して土地を造成することや、上・下水道等のインフラ整備についても国庫補助事業を可能な限り導入することにより極力県及び市の財政負担の軽減を図るよう計画しております。
このようなことから、県及び市は近傍の地価に比べて安価で土地を取得することが可能となり、十分採算はとれるものと考えております。
○病院管理局長(新田宗一) 再質問にお答えいたします。
新病院のプロジェクトチームは、診療部門、病棟部門、子ども部門、管理部門、各部門にそれぞれ三、四人ずつ配置しておりまして、14名で構成いたしております。その内訳は、県立病院の医師9名、看護婦3名、事務職2名となっております。また、必要に応じて外部の関係者も参加いただいております「子ども病院設立推進協議会」の皆さんにも参加いただいております。
なお、そのほかに事務調整の局内検討チームといたしまして福祉保健部と局内職員で構成しております局内検討チームをつくって調整に当たっております。例えば政策医療グループ、計画検討グループ、あり方検討グループ、事務調整グループ等分かれて兼務でいろいろ調整をいたしております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) カジノについての再質問でございますが、カジノは沖縄になじむのか、あるいはまた調査の実施に当たってはデメリット等についても含めて実施してもらいたいとの趣旨の再質問にお答えします。
ゲーミングを含む多様なエンターテインメントの調査の実施に当たりましては、沖縄に適したエンターテインメントとしては何があるのか。その中でも特にゲーミングについての可能性はどうなのか、メリット、デメリットを含めて調査・検討してまいりたいと考えております。
○糸数 慶子 知事公室長にお尋ねいたします。
旧軍飛行場の問題についてなんですが、調査をなさったわけですけれども、これは本当に県民の先頭に立ってこの問題を解決するための意思を持っての調査なのでしょうか、調査のための調査だったのでしょうか、再度お伺いいたします。
知事に対して再度お伺いいたしますが、これだけの52市町村あるいはまた県議会、そして多くの県民の同意を得て当選をしている衆参8名の県の選出国会議員がこの促進協の顧問になってしっかりこの問題に取り組んでいくということを決意しておりますが、その結果からしましてもこれは県民世論になっていると思いますが、再度このチャンスを逃さずに本当に県土としての意識を持ってこの問題に取り組んでいく御決意をお伺いしたいと思います。
そして知事に対しましては、先ほど泡瀬の干潟の埋立問題に関しまして経済状況を見守りながらということなんですが、それでは埋立案に対する公有水面埋立法の27条の精神といいましょうか、それを改めてお伺いしたいと思います。
まず、この泡瀬の埋立問題に関しましては、環境省の自然環境局長の小林局長がこのようなことをおっしゃっていらっしゃいますが、この泡瀬の干潟は水産業にも有効なところで、干潟をつぶすのは国民的な資源を失うことになる。私は絶対に埋め立てちゃいけないとは思っていないが、干潟の持つ価値以上の価値が埋め立てるところにあるかどうかというのが疑問だということをおっしゃっています。そしてこの沖縄の海辺と親しむ観光客を誘致した方が地元のためになるのではないかということなんですが、これまで県のこの各部局においてこれだけの観光施策が提言されているのにもかかわらず、新たな土地を埋め立てて干潟をつぶし大きな観光資源をなくすということは、今のこの時世に反するのではないか、再度お伺いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時41分休憩
午後2時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の再々質問にお答えをいたします。
飛行場の問題について、これは県でも議会でも皆さん方が採択された、そして多くの市町村がこれを決議して、大変重要だという、そういう意識というのは常に持って当たってほしいがどうかということだと思っております。
先ほどもちょっと申し上げたんですが、再度申しますと、6月の県議会において「沖縄県所在旧軍飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が採択されたことを重く受けとめております。県としては、旧軍飛行場用地問題の解決を国に要請するに当たっては、国の理解を得られる説得力のある理論、論理構築というのは必要であると考えておりますので、その意味で旧軍飛行場用地問題解決促進協議会の主張、同問題に関する県の調査結果及び嘉手納基地土地所有権確認訴訟判決を含めたこれまでの経緯等も踏まえ、今後、同問題の解決に向けてどのような理論構築ができるのか、糸数議員が御指摘のように多くの県民が求めているということを強く意識しながらこれの検討に入っていきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 糸数慶子議員の、旧軍飛行場についての他府県における調査は、調査のための調査だったのか、聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
県といたしましては、同問題が戦後処理問題として位置づけられるかどうか判断する必要があるため、これらの用地について調査を行いました。これらの用地と申し上げますと、他府県では241の旧軍飛行場用地について旧地主に返還がなされ、戦後処理が行われたと、この団体の方から主張しておりますので、こういったものを那覇市と連携しながら、文書による照会を行いながら、また現地調査も行ったということでありまして、やはりこの問題について解決を図るために我々は調査を行ったわけでございます。
そして、行政側が行動を起こすに際しては、ただいま知事からお答えしていただきましたとおり、どのような理論構築ができるのか引き続き検討していく所存でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 糸数慶子議員の再々質問にお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、地元沖縄市が市民の要請にこたえ、昭和60年に策定した東部海浜地区埋立構想から始まっており、平成7年11月には港湾計画に位置づけられたものであります。
当該事業は、沖縄市を含む本島中部圏東海岸地域の活性化を図り、県土の均衡ある発展に資するため国際交流・リゾート拠点、海洋性レクリエーション活動拠点、情報・教育・文化の拠点の形成をコンセプトとしております。当該事業の早期実現は、住民沖縄市民の長年にわたる悲願であり、当該地区の開発により各種施設が複合的に立地する拠点地区が形成され、新たな雇用、誘客の場が確保されることから、県としては今後とも国、沖縄市とも連携しながら当該事業の早期実現に取り組んでいく考えであります。したがって、計画時と現在、状況変化等も特にありませんので、現計画どおり進めていきたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時50分休憩
午後2時51分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 屋比久孟尚君登壇〕
○土木建築部長(屋比久孟尚) 27条関係は、埋め立てができて後の土地利用のそういった変更等の絡みだと思いますので、今の計画に沿って私たちは進めていきたいということで、現時点ではまだ見直し等、そういった時期ではないと考えておりますので、そういうことで御理解いただきたいと思います。
○糸数 慶子 今の知事の答弁、土地利用、再度お伺いしたいと思います。もう一度答えてください。
それから、3ヘクタールの藻場移植に関しての実験のための約9000坪移植実験と言っておりますけれども、9000坪の移植実験をするんでしょうか。再度お伺いします。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 糸数慶子議員の再々質問にお答えいたします。
知事の御答弁の中で、土地利用については、時代時代の経済情勢やニーズに整合させて柔軟に対応すべきであるという基本認識を示して発言されたものであります。今の現状からしまして、平成7年に港湾計画に位置づけられてこれまで進めてきているんですが、特に財政あるいは経済情勢等が大きく変化したということは私たちもまだ思っておりません。例えば、観光需要の伸びにしましてもそういった形で平成7年当時と今の現状では大分伸びてきているし、そういった形でこの計画については十分対応できるんではないかなということで考えております。
それから、藻場の移植実験については、3ヘクタール移植実験しまして、それの専門的な検討委員会の中でそれを議論あるいは調査して、それでゴーサインを出すということになっておりますので、今国でやっている実験は0.3ヘクタールは済んでいるんですが、残りの2.7ヘクタールになりますか、それについてもやっていきたいということで考えております。
○前島 明男 議長、ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時56分休憩
午後2時57分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
高嶺善伸君。
〔高嶺善伸君登壇〕
○高嶺 善伸 こんにちは。
それでは一般質問を行います。
まず最初に、我が会派の代表質問との関連について2点お伺いします。
兼城賢次議員の知事の政治姿勢についての質問で、観光客のキャンセルが相次いだことの要因は何かとの質問について知事及び観光リゾート局は、これまでは沖縄の米軍基地の存在との関連を明確にしておりません。一概に否定できないと、むしろ関係ないと言わぬばかりであります。このような認識では政府に対して物が言えないではないかと懸念いたします。
ここに去る11月1日、沖縄タイムスに掲載された香港在住の相原さんというジャーナリストのコラムを御紹介したいと思います。(資料を掲示) 香港は、「軍事的な要素を持たない最強の経済地域であり、平和な観光都市である。」、「観光客独り占めの香港」という見出しがついております。要するに第三者が見る沖縄とはどういうことかということが書かれているような気がいたします。一部御紹介します。
沖縄への観光客が激減しているという。日本が攻撃対象になるときは、沖縄が一番危ない所であ ることは、日本国民ならだれでもよく知っている。この問題は政府に観光産業の不振に対して、支 援を頼むだけでは何も解決しまい。平和な産業、観光産業と人を殺すために存在する基地は共存で きないことを強く認識し、行動を起こすべきである。 沖縄への観光客激減は、沖縄の現状が本来 の観光産業に適していないことを物語っている。
というくだりであります。
つまり、観光客の減少は、基地の提供責任の日本政府の国策被害であります。知事は、観光客キャンセルの要因の一つは米軍基地の存在だと明確に政府に言う立場にあるのではありませんか。知事の明確な御答弁をいただきたい。
次に、基地問題についての質問で、普天間基地代替施設の軍民共用空港はSACO合意事案違反ではないかとの質問に対し、軍民共用空港は知事の公約だから、日米両政府が了承しているからSACO合意事案違反ではないという趣旨の答弁であった。周辺住民の同意がなくても、あるいは民は要らないと言っても知事の公約だからSACO合意の2.2倍の大規模軍民共用空港を日米両政府は認めると解釈できます。
そこで確認したいが、15年使用期限は稲嶺知事の公約であるから、普天間基地の移設に当たって当然整備される条件としてSACO合意違反ではなく、日米両政府に了承される、沖縄では知事の公約が優先と判断しておられるのか、明確な御答弁をいただきます。
それでは質問項目に戻ります。
1、郵政事業活用について。
郵便貯金、郵便小包、簡易保険等で国民に親しまれている郵便局は、民営化が取りざたされております。どんな離島・僻地でも全国津々浦々まで、はがき50円の同一料金で届くユニバーサルサービスは世界に誇れるシステムであります。それは国営だからこそできるのであって、民営化されると不採算部門の廃止は必至で、多くの離島や僻地が切り捨てられるか、あるいは不利益をこうむることは明らかであります。
中央省庁再編基本法によると、2003年度に郵政事業庁は公社へ移行するということになっているが、「聖域なき構造改革」を唱える小泉総理は民営化を視野に入れたままであります。島嶼県である沖縄県としては、断固として民営化に反対すべきだと思料いたしますが、知事の率直なお考えをお聞きしたい。
さらに、郵政省と自治省とが合流して総務省となったことを受けて、「地方公共団体の特定の事務の郵政官署における取扱いに関する法律」、いわゆる「郵政官署事務取扱法」が12月1日施行されたことにより郵便局の窓口で印鑑証明、戸籍謄本、納税証明書の交付などの行政サービスが法的に受けられるようになりました。ぜひ島嶼県である本県であるからこそ、市町村とタイアップしてモデル的な行政サービスを実施してもらいたいものであります。
今、離島住民の切実な声の一つは、県立高校の授業料を払うのに毎月わざわざ船に乗って、町に出て銀行で授業料を振り込むということであります。手数料など県の収入事務が郵便局では収納金融機関としての活用がされていないのです。県内53市町村、各離島地域にある201局の郵便局を利用できるように改善措置を図っていただきたい。これこそ思いやりの政治ではないでしょうか。知事の御所見をお聞かせ願いたい。
(1)、2003年からの国営の郵政公社移行あるいは民営化への見直しの懸念について、知事の御見解をお聞かせ願いたい。
(2)、「郵政官署事務取扱法」により可能となった郵便局を利用した行政サービスの拡充の取り組みをどのように県は考えておられるのか。
(3)、収納代理機関としての位置づけと活用についてどう考えるのか、お聞かせ願いたい。
次に、交通運輸行政でありますが、新石垣空港建設について。
去る11月21日、衆議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会で新石垣空港建設計画のターミナル位置及び増加予算の是非をめぐって議論があったと報道されています。新石垣空港建設場所やターミナル位置は位置選定委員会や地元調整会議で決定され、県議会も同意していることだが、新石垣空港建設を一日千秋の思いで待っている八重山郡民にとってどうなっているのかと気が気でなりません。
また、新聞報道によると一部の地権者に共有持ち分登記の動きがあるとのことであり、今後の取り組みについて以下の点をお聞かせ願いたい。
現在の進捗状況、国との話し合いはどうなっているか。
ターミナル位置選定の経緯と増加予算に懸念があるのかどうか。
環境検討委員会、工法検討委員会での課題はどうなっているのか。
利害関係人の同意取りつけはどうなっているのか。
来年度以降の予算措置などの取り組みはどうなっているか、お聞かせ願いたい。
次に、航空運賃の低減についてであります。
9月11日に起きた米国の同時多発テロ事件以来、沖縄への観光客が激減し、観光関連業界は深刻な危機に見舞われております。修学旅行キャンセルの発端は、文部科学省の不用意な事務連絡であったし、広大な米軍基地があるがゆえの危険への懸念であります。いずれも国策被害と言っても過言ではありません。修学旅行など団体のキャンセルは24万人に上り、八重山においても2万人を超えるキャンセルで観光業界は深刻な打撃で泣いております。
そこで、観光客の落ち込みが回復するまで思い切った航空運賃の低減こそ誘客のポイントであるとの観点から、国に対して公租公課の大幅な軽減による航空運賃の引き下げを要求すべきだと思います。県の説明では、現在、沖縄への航空運賃の低減のため、その公租公課を軽減するために財政支援をしているとのことでしたが、国策被害として残余の航空機燃料譲与税を免除させて県経済の支援を要請すべきではないかと思料します。
先般の臨時議会中の総務企画委員会で観光リゾート局から、11月4日に行われる沖縄観光振興会議で沖縄県の考え方を示したいとの答弁がありましたが、その結果も含めて次の点について知事の御所見をお聞きしたい。
修学旅行、団体旅行を中心とするキャンセルで落ち込んだ観光客回復のためには、思い切った航空運賃の低減が必要だと思うがどうか。
新しい沖縄振興計画における航空運賃低減策をどのように取り組んでいるのか。
次に、文化行政についてお伺いします。
沖縄県は、固有の歴史を背景に独自の文化を形成し、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産に登録され、有形無形の文化財の多さは国内有数であり、県民の誇りとするところであります。
私は、去る11月23日に竹富町の竹富島種取り祭を拝見しましたが、すばらしい文化遺産だと感動いたしました。また、沖縄県最北端の伊是名村、伊平屋村の視察をし、それぞれ琉球国王の生誕の地としての誇りを持ち、島の個性を生かした離島苦の解消に情熱を燃やしておりました。
県下53市町村あるいは地域が継承している祭りや伝統芸能、工芸、民話等伝統的な沖縄の文化が持つ魅力は、小・中・高等学校の教育でも社会教育や観光方面でも影響が大きく、文化による沖縄県の島おこしを提唱したい。
(1)、新しい沖縄振興計画において、文部科学省の支援を得て沖縄全県の歴史的・文化的遺産を調査、指定、整備・活用に強力に取り組んではどうか。
(2)、文化立県の視点から体系的な位置づけで沖縄県の魅力を創出してはどうか。
(3)、有形無形の文化財的な遺産でいまだ手つかずのものが数多く見受けられる。今後の取り組みをどのように計画しているか。また、例えば八重山古典民謡は昭和58年に県の無形文化財に指定されたが、歌・三線と踊りは一つであり、内外から価値の評価が高い八重山古典舞踊の県無形文化財指定についてどのようにお考えなのか、お聞きしたい。
次に、農業行政についてであります。
本県産業の推移は、第3次産業への極度の偏重と第2次産業の低迷、第1次産業の激減という状況にあります。地域の文化や豊かさが生産と結びついていることが大切であることにかんがみ、産業のバランスは重要であります。その中でも素牛生産を中心とする畜産は順調に伸びてきており、国内の高い評価を受けてきました。ところが、イギリスで発生した狂牛病に対する国の対応措置がまずくて日本国内への侵入阻止ができず、懸念されていた国内3頭目の感染が明らかになった。いずれも乳牛でありますが、本県の肉用牛は黒毛和牛であるにもかかわらず風評被害で深刻な危機に見舞われております。畜産農家への支援措置についてお聞きしたい。
(1)、狂牛病の実態と原因究明はどうなっているのか、本県の実情はどうか。
(2)、畜産農家の損害と今後の見通しをどのように考えているか。
(3)、狂牛病による損害や風評被害の原因と国の責任についての県の見解はどうか。
(4)、畜産農家、流通業者の支援策を次の点についてどのように計画しているか。
屠畜牛の検査体制と実態はどうなっているか、農家への支援はどうか。
屠畜牛の全頭検査以前の在庫の実態はどう把握しているか、その取り扱いはどうするか。
肥育牛、肉用子牛経営安定対策としての国及び県の価格差補償、出荷繰り延べに対する補償等農家の救済についてどのように対応していくか。
経営資金の支援についてどのように対応していくか。
県内での肉骨粉の流通の実態はどのようになっているのか、今後の対応についてもお聞かせ願いたい。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 高嶺善伸議員の御質問にお答えいたします。
最初は、我が会派の代表質問との関連について、15年使用期限は知事の公約だから日米両政府に当然受け入れられると判断しているのかということのお答えでございます。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。
15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、閣議決定された政府基本方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。このため、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
次に、農業行政についてのうち、BSEの風評被害に対する農家への支援はどうなっているのか、次の国及び県の価格差補償及び出荷繰り延べ補償等農家の救済について一括してお答えいたします。
国内でBSEが発生したことに伴う風評被害等により、県内の子牛及び牛肉価格が大幅に下落しております。子牛生産農家への支援策としては、肉用子牛生産者補給金等の助成により子牛価格が補償されることになっております。
また、肥育牛農家に対しては、肉用牛肥育経営安定対策事業等により農家所得の確保が図られることとなっております。
ことしの10月18日からBSEの全頭検査が実施されたことに伴い、検査実施前に自粛によって出荷のおくれた牛については、出荷繰り延べ補償としてBSEスクリーニング検査受検促進緊急対策事業等により助成金が交付されることとなっております。県としては、今後とも国及び関係機関との連携を図り、BSEによる畜産農家への影響を最小限にとどめるよう努めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○出納長(嘉数昇明) 高嶺先生に答弁の機会をいただきましてありがとうございました。
郵政事業との関連についての御質問がございました。関連するテーマはほかにもございますが、出納事務局に関連する分野についてお答えをしたいと思います。
収納代理機関としての位置づけと活用についてどう考えるかという趣旨の御質問に対してお答えをいたします。
郵便官署は、昭和63年地方自治法施行令の一部改正により、収納代理郵便官署として指定することによって公金収納事務を取り扱うことができることになっております。
ところで、郵便官署を指定する必要があるかどうかについては、公金収納事務の効率化、住民サービスの向上及び郵便官署を指定することに伴う取扱料金の負担等を総合的に勘案した上で指定することになりますが、現在、県では郵便官署を指定しておりません。
その理由としましては、県公金事務の取扱経費は、指定金融機関との間に交わした「沖縄県公金事務取扱に関する契約」により県は負担しておりませんが、郵便官署を指定した場合は取扱料金を負担しなければならないことから、指定金融機関等とのアンバランスを招くとともに新たな財政負担が生じる問題があること、それから全国出納長会から総務省に対し、取扱料金の改善について現在要請を行っている状況にあることなどによるものでございます。今後は、当該要請に対する国の対応や各県の動向を見きわめた上で対処していきたいと思っております。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 郵政事業との関連についての御質問にお答えをいたします。
まず第1番目の御質問ですが、2003年からの郵政公社移行あるいは民営化への見直しの懸念についての御質問にお答えをいたします。
中央省庁等改革基本法において、郵政事業庁は平成15年度中に新たな公社に移行すること及び郵便事業への民間参入についての具体的条件の検討に入ることとされ、その骨子案が総務大臣の所管する「郵政事業の公社化に関する研究会」におきまして検討されていると聞いております。
地理的条件等からくる不利性を抱える本県の離島・過疎地域におきましては、住民生活と郵便局は極めて密接な関係にあり、郵政3事業の安く、あまねく公平な基礎的サービスは欠かせないものと考えております。公社化に当たっては、郵便事業への民間参入により採算のとれない離島・過疎地域における料金値上げや、サービスの低下を来すことがないよう、あまねく公平なユニバーサルサービスの維持・確保ができるのかどうか懸念を持っているところであります。県としても、国の動きを見ながら今後とも同サービスが維持できるよう適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
次に、「郵政官署事務取扱法」によりまして可能となった郵便局を利用した行政サービスの拡充の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
「地方公共団体の特定の事務の郵政官署における取扱いに関する法律」につきましては、11月16日公布され、本月1日施行されております。この法律により、地方公共団体は議会の議決を経て郵便局長等との協議により規約を定めることで、住民票の写しや印鑑登録証明書等を郵便局でも交付できるようになり、住民の利便性の向上が図られます。
県内におきましても、多数配置され地域住民にとって身近な公的機関である郵便局を利用することにより住民サービスの向上につながることから、市町村における積極的活用が期待されます。県としましては、法の趣旨を踏まえ、市町村に対する周知を図ってまいりたいと考えております。
なお、市町村がその事務を郵政官署において取り扱わせるか否か、取り扱わせる範囲をどのようにするかは、各市町村が地域の実情を踏まえ自主的に判断すべきものと考えております。
次に、交通運輸行政についての御質問にお答えをいたします。
修学旅行、団体旅行を中心とするキャンセルで落ち込んだ観光客回復のために思い切った航空運賃の低減が必要だと思うけれども、どうかという御質問です。
県では、テロ影響対策として沖縄観光緊急キャンペ-ンを観光業界等と一体となって取り組んでいるところであります。航空運賃の軽減については誘客対策として重要であることから、国主催の沖縄観光振興会議等において国及び航空業界に対して、航空運賃引き下げのための公租公課の軽減措置や、航空保険特別料金の配慮及び特割運賃等割引商品の拡充について要請したところであります。
なお、国に対する航空機燃料税の軽減措置の要請については、所要の措置が年末に取りまとめられる税制改正の政府案に盛り込まれるよう県議会、経済団体、市町村長、国会議員等と連携し、全力で取り組んでいるところであります。
同じく交通運輸行政について、新しい沖縄振興計画における航空運賃低減策をどのように取り組んでいるかという御質問です。
南の国際交流拠点の形成及び自立型経済の構築を目指す本県において、経済の持続的発展を図るためには観光・リゾート産業等の振興が極めて重要であり、このような施策の実現を図るためには航空運賃の低減が必要であると考えております。そのため、県では新たな沖縄振興計画において航空運賃の低減に向けた特例措置として、1つ目に、那覇─本土路線に係る空港使用料及び航空機燃料税の軽減措置の継続、2つ目に、那覇空港国際路線に係る空港使用料の軽減、3つ目に、離島路線に係る航空機燃料税の軽減等につきまして国に対し要請しているところであります。
県としましては、今回要望した事項が沖縄の振興を図る上で重要なものと考えており、今後とも関係機関等と連携を図りながらその実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 交通運輸行政の中で、新石垣空港建設問題について、現在の進捗状況と国との話し合いはどうなっているかについての御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設位置については、地元調整会議で最終的な地元合意が得られたことから、現在、平成16年度の国庫補助事業採択に向けた作業を進めているところであり、今年度は環境調査、地形・地質及び地下水調査、空港基本設計を実施しております。
また、現在の石垣空港は滑走路の長さが1500メートルと短く、ターミナルビルも狭いため八重山郡の産業振興の制約要因となっていることなどから、国においても新石垣空港の必要性について十分理解していただいているところであり、具体的計画についての調整を現在重ねているところであります。
なお、これまで環境検討委員会を3回開催するとともに、去る11月30日には第1回建設工法検討委員会を開催したところであり、それぞれの委員会で専門的立場からの指導・助言をいただきながら、新空港建設による環境への負荷をできるだけ少なくするよう対応していく考えであります。今後、あらゆる機会を通じて新空港建設の必要性や事業の進捗状況等を広報し、八重山郡民の理解と協力を得て、八重山郡の振興発展に大きく寄与する新石垣空港の早期建設に取り組んでいきたいと考えております。
次に、ターミナル位置選定の経緯と増加予算に懸念があるかどうかとの御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設位置は、位置選定委員会からの提言を受けてカラ岳陸上地区に決定しました。また、カラ岳陸上地区における新空港の具体的建設位置を確定するため開催した地元調整会議において、位置選定委員会で審議した原案を約180メートル南側に移動した位置に決定したところであります。その後、白保地区からターミナルの位置を東側にするようにとの要請があり、地元調整会議で検討していただきました。
地元調整会議においては、土工量の問題、カラ岳切削の問題、優良農地への影響等を比較検討し、白保地区の地域振興の観点からも検討した結果、ターミナル位置を東側にすることで地元の合意が得られたところであります。
なお、ターミナル位置を東側にすると、西側に比較して搬入土が多く、用地費や取りつけ道路の延長がふえることなどから総事業費の増加が見込まれます。今後の新空港建設計画においては、できるだけ事業費の節減につながるよう建設工法等を検討していく考えであります。
また、これまでの位置選定の経緯等については、その都度国にも報告しているところであり、地元の合意が得られるところで新空港を建設することが早期実現につながるとのことで国の理解も得られていると考えております。
次に、環境検討委員会、工法検討委員会での課題はどうなっているかについての御質問にお答えいたします。
去る11月16日に第3回環境検討委員会を開催し、11月30日に第1回建設工法検討委員会を開催いたしました。環境検討委員会では、現在行っている環境現況調査の春、夏の調査結果の概況報告をいたしました。今後はさらに秋、冬の調査を進めていくとともに、各委員の専門的立場からの指導・助言をいただきながら、平成13年度内に環境影響評価方法書を作成し、公告・縦覧を行っていく予定であります。
建設工法検討委員会においては、現地視察を行った後、空港建設概要を説明いたしました。委員の方からは、できるだけ環境への負荷を少なくする工法の検討及び海域への赤土流出防止対策を十分に行うこと等の意見がございました。今後、各委員の指導・助言をいただきながら、環境への負荷の少ない建設工法を取りまとめるとともに、環境影響評価の手続を適切に進めていく考えであります。
次に、利害関係人の同意取りつけはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設位置がカラ岳陸上地区に決定したことから、新空港建設の必要性や建設位置決定の経緯、新空港建設が八重山郡の振興発展に果たす役割等を説明するためリーフレットを作成し、石垣市、竹富町、与那国町の全戸に配布することにしております。また、インターネットや広報誌を活用して広く郡民に新空港建設についての広報をしていく考えであります。
今後、あらゆる機会を通じて新空港建設の必要性や事業の進捗状況等を郡民に説明するとともに、国土交通省と空港整備基本計画についての調整を進め、平成14年度には地権者の同意取りつけ作業を開始する予定になっております。
このような中で、新空港建設に反対している人たちが新空港建設予定地内の土地の一部を取得し、共有登記をしていることが最近判明しました。新空港の早期建設は八重山郡民の総意であることから、石垣市長が先頭に立ってこれらの地権者に新空港建設の必要性を説明し協力を求めているところです。県としましても石垣市と協力しながら、これらの方々の理解が得られるよう努めていく考えであります。また、このような動きが他に波及しないよう近隣地権者の方々に協力依頼をしているところです。
次に、来年度以降の予算措置等の取り組みはどうなっているかについてお答えいたします。
新石垣空港建設事業の必要な予算については、今年度に引き続き来年度以降も環境調査、空港照明施設基本設計及び赤土対策基本設計等を実施し、その後、環境影響評価準備書及び評価書の作成を行う予定になっております。これらの調査は、平成16年度の国庫補助事業採択に必要な調査となっていることから、予算確保に現在取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 文化行政について、新しい沖縄振興計画において、文部科学省の支援を得て沖縄全県の歴史的・文化的遺産の調査、指定、整備・活用に取り組んではどうかとの御質問にお答えをいたします。
沖縄県においては、新たな沖縄振興計画に位置づけられるよう「沖縄県文化振興計画」を策定中であり、その中で県内の歴史的・文化的遺産の保存・継承や活用を推進する計画を立てております。文化振興計画では、文化財の保護・整備・活用事業、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の普及事業ほか、歴史的・文化的遺産の継承・発展を目指した総合的な事業の推進を図っていく所存でございます。
本県では、これまで文化財及び文化振興に関する高率補助により文化財の調査や保存・修理、伝承、整備・活用事業に取り組んでまいりました。
文化庁には、沖縄振興新法への文化振興計画の位置づけや、文化振興計画に位置づけられた施策を推進するため、現行の高率補助制度が不可欠であることなどを要請してきたところでございます。
本県の文化財の調査、指定、整備・活用への取り組みには、各種文化財の国庫補助事業の活用は欠くことのできないものであり、今後とも文化庁の支援を得ながら文化財の保存と活用に努めていきたいと考えております。
次に、有形無形の文化財的な遺産が数多く見られるが、今後の取り組みはどうか、また八重山古典民謡は県の無形文化財に指定されたが、八重山古典舞踊の県無形文化財指定についてはどうかとの御質問にお答えをいたします。
国や県は、文化財として価値を有するもののうち特に重要なものを指定をし保護しております。現在、沖縄県内の指定文化財は国指定118件と県指定254件を加え合計372件の文化財を指定してまいりました。本県は、琉球王国時代の歴史的な背景や諸外国との文化的交流により、また島嶼県の性格も反映しつつ、各島々ごとに独自の文化的伝統をはぐくんでまいりました。県内には指定・保存すべき有形無形の文化財がまだ数多くあります。県教育委員会では文化財の指定・認定に年次的に取り組んでいるところであり、今後とも多くの文化財を指定・保護できるように努力していきたいと考えております。
御質問の八重山の舞踊についてでありますが、八重山の舞踊は伝統的な農耕儀礼の中ではぐくまれ、島外からの芸能文化の影響を受けつつ様式化され継承されてきたものと伺っております。
文化財の指定・認定につきましては、沖縄県文化財保護審議会の審議を経て行われますが、八重山の舞踊につきましては、現在、基礎的な資料収集を進めているところであり、指定・認定の基準に照らしながらさらに調査・検討を進め、早目に指定ができるよう努力していきたいと考えております。 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 文化行政について、文化立県の視点から体系的な位置づけで沖縄県の魅力を創出してはどうかという御質問にお答えいたします。
本県は、古くから中国、東南アジア諸国等との交易・交流を通して多くの文化を吸収し調和させ、独自の文化をつくり出してきました。そして、さまざまな歴史を経験する中で幾多の困難を克服し、さらに個性豊かな文化を創造してまいりました。
こうした独自性のある沖縄の歴史・文化を基礎に、県民の多様な文化活動を促進し、魅力ある県づくりの諸施策を推進していくことは極めて重要であると考えております。
このようなことから、県においては、これからの本県の芸術・文化振興の指針となる沖縄県文化振興計画の策定を進めているところであります。同計画では、伝統文化の継承・発展、文化交流の促進、文化施設の整備・充実等を初め文化的な生活環境づくりにも配慮した総合的・体系的視点に立った諸施策を盛り込むこととしております。
以上であります。
○農林水産部長(天願貞信) 農業行政について、BSEの実態と原因究明について、また本県の実情についての御質問にお答えいたします。
BSE発生の原因究明については、現在、国においてBSE発生県3つの道県を対象に疫学調査、飼料給与調査等を行っているところであります。しかしながら、現在のところBSE発生の明確な原因究明には至っておりません。
本県においても、国内でのBSE発生後、県内約8万8000頭の牛について全頭検査を実施したところであります。その結果、県外の発生農場からの牛の導入及びBSEを疑うような症状の牛は確認されておりません。県としては、今後とも「BSE対策本部」を中心に県内へのBSE侵入防止に万全を期する考えであります。
次に、畜産農家の損害と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。
国内でBSEが発生した9月以降、県内家畜市場の子牛平均取引価格は、11月現在、対前年比で1頭当たり約2万2000円の下落となっております。また、去勢肥育牛1頭当たりの推定取引価格は、対前年度比同月で約8万1000円の下落となっており、県内の肉用牛価格に影響を及ぼしております。
県内における子牛価格及び枝肉価格は、一時的に回復基調にありましたが、新たにBSE感染牛が発生したことから今後も予断を許さない状況となっております。県としましては、今後とも国及び関係機関との連携を図り、BSEによる畜産農家への影響を最小限にとどめるよう努めていく考えであります。
次に、BSEによる損害や風評被害の原因と国の責任についての県の見解はどうかということについての質問にお答えいたします。
風評被害の原因につきましては、BSEの感染経路及び原因究明がなされていないこと、また情報の混乱が国民に不安を与えていること、さらに消費者に対してBSEに関する正しい情報が伝わっていないことなどが挙げられます。
なお、BSEの発生による国の責任について県が言及することにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
次に、屠畜牛の全頭検査以前の在庫の実態はどうかとの質問にお答えいたします。
国の調査によりますと、BSE検査実施前の国産牛肉の在庫量は全国で約1万3000トンとなっております。これらの牛肉については、消費者の不安解消を図るため全国団体が国の牛肉在庫緊急保管対策事業により、県内分を含めて全量買い上げを行い市場隔離を行うこととなっております。
次に、経営資金の支援についての対応についての御質問にお答えいたします。
BSE発生に伴い畜産農家が経済的影響を受けることに対する支援としては、つなぎ資金として大家畜経営維持資金制度が講じられております。
当該資金の貸付要件としては、出荷販売額が平成13年9月10日以降おおむね2割以上減少していること、貸付期間は平成13年10月5日から12月31日までであります。また、償還期限及び償還方法については1年以内の元利一括払いとなっております。県としては、農家負担の軽減を図るため末端金利1.6%に対し県費1.01%を上乗せし農家の負担率を0.59%とするとともに、各地域での説明会を開催し活用の促進に努めているところであります。
次に、肉骨粉の流通の実態と今後の対応についての御質問にお答えいたします。
肉骨粉等の使用については、平成13年10月1日付の国の通達により飼料工場での肉骨粉等を含む配合飼料の製造及び出荷販売が全面的に禁止されております。
また、肉骨粉の処理については、平成13年10月2日付の国の通達によりまして一般廃棄物としてすべて焼却処理することになっております。したがって、肉骨粉等はすべての家畜の飼料に使用されることはございません。
現在、県内で保管されている肉骨粉等は約1100トンあり、その焼却処理に要する経費につきましても国が助成することになっております。肉骨粉等については年内をめどに焼却を開始する予定であります。
県としては、今後とも県内の飼料工場及び畜産農家への監視体制を強化し、BSEの侵入防止に万全を期することとしております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 農業行政について、屠畜牛の検査体制と実態はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
本県では、中央食肉衛生検査所の職員を国が実施する研修への参加派遣、検査機器・試薬等の整備及び検査体制を確保し、10月18日からすべての牛について狂牛病のスクリーニング検査を実施しております。平成13年11月30日現在、検査頭数が529頭で、検査結果はすべて陰性です。
また、安全性確保の観点から屠畜・解体時にすべての牛の頭蓋(舌、ほお肉を除く)及び脊髄並びに回腸遠位部(盲腸の接続部分から2メートル以上)のいわゆる危険部位をすべて除去し焼却しております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 5、我が会派の代表質問との関連についての中の、観光客キャンセルの要因の一つは、米軍基地の存在だと政府の責任を明確に言う立場にあるのではないかとの質問にお答えします。
観光客のキャンセルと米軍基地との関連については一概には否定できませんが、今回のキャンセルの主な要因は、航空機利用による旅行の手控えと一部マスコミの過剰な反応や一部都道府県教育委員会の修学旅行に対する注意文書等に基づく風評被害であると考えております。したがって、その風評被害を克服すべく国、観光業界及び県民一体となって観光客の誘致キャンペーンなどの対策を強化しているところであります。
○高嶺 善伸 それでは3つ、時間があれば4つお聞きしたいと思います。
まず、代表質問との関連ですが、地方自治のあり方を問う重要な問題だと私は思っております。知事選挙の政策争点で公約が選挙民の投票行動を決するわけですので、県内移設の整備すべき条件として、県民感情から基地の固定化を避けるために使用期限は15年ですよと公約して知事は誕生したのでありますから、知事は基地の提供責任のある日本政府に公約を無視された場合、県内移設同意は撤回すべき、撤回しますと言うべきだと思いますが、政治家稲嶺知事の明確な御答弁をお願いしたいと思います。
次に、郵政事業との関連ですが、郵政事業の民営化を推進してきた諸外国もやはり民営化による国民の不利益の多さに見直しを迫られており、各国その取り組みに至っていると聞いております。
先ほど当局の答弁でもその必要性については国と協議をしていきたいということでありますが、サミットで沖縄県に来られたイギリスのブレア首相は、今、逆に国営化を検討し郵便局を地域おこしのコアにするんだという取り組みを始めたと言っております。
県内の郵便局でも、実は福祉の支援ということで「ひまわりサービス」、例えば郵便物の配達をしながら市町村の社会福祉協議会と協力して生活用品の注文受け付けや配送、あるいはまた、ひとり暮らしのお年寄りたちのお宅に行って配達がてらに励ましの声をかけたり、そういうお手伝いをするなどの「ひまわりサービス」を既に実施している町村もあると聞いていますし、また「地域安全ポストマン」といいまして郵便局の職員が配達の途中でいろいろ見たり聞いたりしたことなどを警察へ情報提供すると、そういうことなどいろいろ201局の職員たちが果たす役割が大きいということで、ぜひ今回の総務省の事業を活用した郵便局の活用をお願いしたい。
そして、今私が申し上げたかったのは、地方自治法施行令の158条などにおいても、収納事務を私人に委託することもできる。そういう僻地・離島における郵便局活用ということで、やはり少なくとも県の手数料、負担金、使用料、そういうものについて委任をする。あるいはまた、今までは収納金融機関として指定はしなかったが、離島のように振り込もうにも振り込めない、県民が負担をしてでも郵便局で扱ってもらいたいという方々に個別にこたえる方法はないのか、そこをぜひ、時代は変わっておりますので御検討をいただく、御答弁をいただきたいと思っております。
次に、新空港問題についてでありますが、当局のかねてからの答弁は、一貫して早目に採択をして着工にこぎつけたいという積極的な姿勢を示しておられて大変八重山郡民としては感謝を申し上げたいと思います。
そこで、これまでさきの国会で議論があった分について大変懸念をしておりましたが、政府の了解もいただきながら進めているという御答弁をいただいてほっとしております。そこで、平成15年から始まる第8次空港整備計画へその新石垣空港を組み入れることができるのかどうか、そういった見通しについては県としてどのように把握して仕事をしておられるのか、お聞きしたいと思いますので、御答弁よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時51分休憩
午後3時52分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 高嶺議員の再質問にお答えいたします。
15年使用問題については、固定化を避けるために期限を設けた、日本政府として明確な答弁を求めることはできるのかということですが、これは先ほども私の方からお話を申し上げましたけれども、15年使用問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。
この問題については、既に県も名護市も条件として出しているわけでして、しかも閣議決定された政府基本方針にもそれが示されておりますので、政府においてしっかり受けとめられたものと考えております。そのため、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
○出納長(嘉数昇明) 高嶺議員の再質問についてお答えをさせていただきます。
基本的な事項につきましては、先ほど申し上げましたように総務省の対応、国の対応、あるいはまた各県の動向を見きわめる必要がございます。各県におきましてもまだ数少ない状況にございますけれども、沖縄県が離島県というそういう地域事情も踏まえつつ、また先ほど申し上げましたように、新たな取扱料金の負担というものが発生してまいりますので、財政との関連もございますので、十分また調整をしながら今後検討していきたいと、こういうふうに思っております。
以上であります。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 新石垣空港建設問題の再質問について、第8次空港整備計画の取り組みについてということの質問だったんですが、今、第8次になるか、どういう名称になるかはまだ定かではないんですが、いずれにしましても次期空港整備計画についての県の取り組み状況についてお答えいたします。
第7次空港整備計画は平成14年度までとなっており、県は現在、平成15年以降の離島空港の新たな整備基本方針の策定に向けた作業を行っているところであります。新石垣空港の整備についてもその中で検討しており、国の次期空港整備計画での位置づけに向けて取り組んでいるところです。
新石垣空港整備の必要性については、国においても十分理解していただいていることから、次期空港整備計画の中で位置づけていただけるものと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時56分休憩
午後4時25分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 通告に従い一般質問を行います。
まず最初に廃油処理についてです。
産業廃棄物処理が現在でも不適正な処理によって環境問題や社会問題になっています。それだけに不法投棄を未然に防ぐためにマニフェスト制度が改正されていますが、県内の実態についてお伺いします。
(1)つ、沖縄県で使用されている食用油及び工業用油のうち、廃油として排出される量は何トンですか。
(2)つ、廃油の処理方法で遠心分離処理が行われておりますが、遠心分離によって排出される残渣物や汚水の処理はどうなっていますか。
(3)つ、廃食油の焼却処分は低温だとダイオキシンが発生します。800度以上の高温処理が義務づけられておりますが、その機械は装置されておりますか。
(4)つ目に、中間処理業者で最終処分終了を確認するE票をつけて報告する業者は何社ですか。
(5)つ、処理された廃油の活用状況はどうなっておりますか。
2つ目に、モノレールの広告特約店推薦について伺います。
バス4社統合と都市モノレールの開通に伴い、県内のバス台数の減車で広告掲載の媒体枠が減少し、広告収入が減少することによる新たなリストラ、解雇、生活不安を招かないように陳情採択に沿った方針で検討されているのかどうか、見解を伺いたい。
3つ目に、比謝川の整備、改修事業についてお伺いします。
取水堰の早期撤去など今後の整備、改修事業の計画について伺います。
(2)つ目に、比謝川流域にはほかにも堰をつくってダムのようにしている場所はありませんか。あるとすれば撤去をし、早期に改修すべきではないですか。
4つ目に、泡瀬の埋立事業の見直しについて伺います。
泡瀬の埋立事業についての世論調査によりますと、同計画が住民に説明されたかどうかとの質問について、「十分説明している」が10%に対し、「不十分」は75%という数字が示しているように、説明そのものが不十分というそのことも問題です。反対の57%の理由は、「財政負担が大きい」、「経済の活性化につながらない」、「干潟が失われるから」となっています。
改めて事業の見直しを求める立場から質問を行います。
(1)つ、埋立後の土地利用計画はバブル時代の計画とはいえ、その埋め立て必要理由書はでたらめでいいかげんな内容になっています。例えば、交流展示施設や業務研究施設等の計画を知事はどう認識しておられるのか、伺いたい。
(2)つ目に、11月7日から埋立予定地で行っていた海藻・藻場移植実験が21日から中断しておりますが、なぜですか。
(3)つ目に、藻場の移植実験と称してやったことが結果的には藻場の破壊、環境破壊になっているのではないですか。現在の移植実験のほか、計画されている全体の藻場移植の中止を求めます。
(4)つ目に、移植実験成功の基準として、どのくらいの期間監視をし、どのくらいの規模で、どれくらいの定着率が達成された場合に移植が成功したとみなされるのか、その基準を示してもらいたい。
5つ目に、那覇国際物流港湾計画についてお伺いします。
港湾の整備は、今後の沖縄県の経済産業構造がどうなっていくかと密接にかかわりがありますだけに、港湾整備計画の大前提として需要見通しが本当に適切か、架空でないか、過大ではないかという検証を徹底してやること、それができているかということだと思います。
そこで質問に入ります。
(1)、9月の定例議会において、84万TEUの貨物の需要予測のうち、75万TEUのコンテナ貨物はアジアと北米の貨物量であり、この値はアジアと北米間の将来トランシップ貨物量の4%程度となっており、このことは沖縄、アジア、北米西海岸の位置関係を考慮しますと、取り扱い可能な貨物量であると予測しているとの答弁でしたが、この量だとまさにおこぼれにあずかろうということであって、寄港するかどうかもわからない、利便性もないではありませんか。この程度の需要でハブ港を建設し、成功した国があれば挙げてください。
(2)つ目に、港湾流通機能の拡充整備調査報告書の中の沖縄の港湾の方向性と課題で、沖縄が想定する対象港湾は、中国の華東地域に関しては経済発展に伴い貨物量の急激な増加が見込まれるが、一方、これに対応した港湾整備のペースが相対的におくれる可能性がある。その結果、中国華東地域を中心とした港湾機能を補完する形で沖縄港湾の対中国トランシップ機能が求められると考えるのは、余りにも中国という国を知らな過ぎます。日本で10年かかるのは中国では5年で完成させる勢いです。しかも、中国各地では今港湾建設が進んでいます。政府が次々と沖縄に基地引きかえの予算を投下することをよいことにして、他の港が手を打たないということを前提にしたハブ港湾建設は大きな借金を残すだけです。その港湾計画調査案を見直すのか、そのまま実施をするのか、方針を示してもらいたい。
(3)つ目に、今検討されているハブ港湾はあくまでも中継です。沖縄や那覇の地元の経済にどんな経済効果があるのか示してもらいたい。
(4)つ目に、皆さんの計画で経済との関係から見て、1バース当たりの取り扱いは平均何トンですか。
(5)つ目に、競争相手のアジアの港湾、韓国及び香港のバース、クレーンの数及び利用状況と日本の7大港と比較をするとどうなっておりますか。
(6)つ目に、北米航路と欧州航路のコンソーシアムの動き、状況を示してもらいたい。
(7)つ、現在の那覇港の利用状況、貨物の取り扱いの計画はどうなっておりますか。13メートルバース、11メートルバースが3つ、それぞれのバースの取扱貨物量の目標がどのくらいで、それに対する実績を示してもらいたい。
6つ目に、新基地建設問題について伺います。
知事が新基地は辺野古沿岸域と決めてからこの11月22日で3年目を迎えました。知事の公約であります軍民共用空港、15年使用期限などいずれもことごとく破綻しました。しかも、新基地建設の工法、場所選考も地元の頭越しにはしないと公言しましたが、場所選考で辺野古でつまずくと最終的には行政が責任を負うと、地元の意向を切り捨てるやり方は、住民の財産と安全を守るという地方自治体の立場ではありません。県民に見えるのは、政府の基地押しつけ政策を実行する代理人の姿です。
知事、これほど道理のない民主主義を否定したやり方はありません。みずから示した条件や言い分が破綻した以上、残された道は新基地建設中止しかありませんが、知事、いかがでしょうか。
それでは質問に入ります。
(1)つ、軍民共用空港は将来にわたって地域及び県民の財産になると打ち出し、基地と引きかえの地域振興策の目玉でした。ところが、牧野副知事は、政策的な支援によってそれが成り立つような形に持っていくと答弁なさいました。ということは、採算性度外視のプロジェクト、こんな空港をつくれば県民の財産どころか県財政の大きな負担、借金をつくることになりませんか。それでも基地を受け入れさせるための方便として軍民共用空港にしがみつくのですか。
(2)つ目に、海上基地建設で潮流がどう変わると予想するのか、埋め立て、ポンツーン、くい式桟橋のいずれの工法でも変化が小さい、ほとんど変化しないなどということでは済まされません。この計算方法と結果を具体的に示してください。
(3)つ目に、波浪についても3つの工法のそれぞれで、どう波の高さが変わり、海浜流に変化が予測されるのか。現在、学会でもまだこの計算方式は確立されたとは言えない状況にあると言われていますが、どういう計算方式を使って、どういう条件のもとでやったのか、示してもらいたい。
7つ目に、我が党の代表質問との関連で質問をいたします。
(1)つ、地元の皆さんは航空機騒音や環境破壊などに対する地元住民の懸念があって、名護市長は受け入れ条件の一つが騒音防止のための使用協定や15年の使用期限など7つの要求を出しています。ところで、アメリカに守らせる保証はありますか。アメリカが守らないことから地位協定の根本的見直しを要求しているのではないですか、答弁してください。
(2)つ目に、工法と建設位置の選定は地元住民の合意が得られない場合は県の判断でやるんですか。
答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
我が党の代表質問との関連について、工法と建設位置の選定は地元住民の合意が得られない場合、県の判断で決めるのかについてお答えします。
次回の代替施設協議会では、名護市からは地元住民の意見等の報告が行われ、また県からは名護市等地元の意見も踏まえた県の考え方を示すことになっています。これを受けて代替施設の規模、工法、具体的建設場所等について総合的、具体的な検討をさらに進めていくこととされています。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(永山政邦) 廃油処理について、沖縄県で使用している食用油及び工業油のうち廃油として排出される量は何トンか、そして処理された廃油の再利用状況はどうなっているか、まとめてお答えいたします。
県内の使用済みの廃油量は、沖縄県産業廃棄物実態調査報告書によると、平成11年度で約8000トンとなっております。その内訳は、レストラン等の食品関係営業施設から排出される廃食用油が3300トン、給油所や自動車整備工場などから排出される廃鉱物油が4700トンとなっております。また、8000トンの廃油のうち約2300トンが工業用ボイラーの燃料や肥料及び飼料の原料として再利用されており、残りの5700トンは焼却処理されております。
続きまして、廃油の処理で遠心分離によって排出される残渣物や汚水の処理はどのようになっているか、また廃油の焼却処分は低温だとダイオキシンが発生するため800度以上の高温処理が義務づけられているが、その機械装置はなされているか、まとめてお答えいたします。
廃油を処理する方法としては、遠心分離を行って再利用する方法や焼却する方法などがあります。
遠心分離によって廃油の処理を行う施設は県内に2施設あり、遠心分離によって生じる残渣物や汚水については焼却などの方法により処理されております。
また、廃油を焼却する産業廃棄物処理施設は7施設あります。これらの施設は廃棄物処理法の構造基準に適合し、摂氏800度以上の高温処理が可能な施設となっており、平成12年度のダイオキシン濃度の測定結果はすべてが排出ガス中のダイオキシン濃度基準を達成しております。
次に、中間処理業者でマニフェストE票をつけて報告している業者は何社かとの御質問にお答えいたします。
廃棄物の排出から中間処理、最終処分までの処理の流れを確認する仕組みでありますマニフェスト制度については、平成10年12月に廃油を含むすべての産業廃棄物の処理にマニフェストの使用が義務づけられたところであります。
排出事業者がみずから排出した産業廃棄物について、最終処分が適正に行われたことを確認するためのマニフェストE票を中間処理業者が排出事業者へ送付する制度は、廃棄物処理法の改正により平成13年4月1日から義務づけられたところでありまして、今後その実施について把握していきたいと考えております。
県としては、同制度についてこれまで関係者に対し文書通知や説明会を行い周知に努めたところでありますが、引き続き廃棄物処理業者や排出事業者に対しマニフェスト制度の遵守を強く指導し、産業廃棄物の適正処理の推進を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) モノレール株式会社広告特約店推薦について、バス4社統合と都市モノレールの開通に伴い、県内のバス台数の減車で広告掲載の媒体枠が減少し、新たなリストラ、解雇、生活不安を招かないように陳情採択に沿った方針で検討されているかどうかについてお答えいたします。
沖縄都市モノレール株式会社においては、会社の健全経営を図る観点から車両及び駅舎内の施設における広告事業を検討しているとのことであります。
当該広告事業については、事業運営の効率化を図るためモノレール施設等における各種広告事業の窓口を一本化し、その管理運営については、広告媒体の公正な割り当てを期するため、県内の広告指定代理店で構成する「沖縄都市モノレール広告事業管理組合(仮称)」に委託する方向で検討しているとのことであります。
陳情者から要望のある広告特約代理店の指定については、当該管理組合とモノレール株式会社の代表者で構成する広告指定代理店資格審査委員会の審査を経て選定される予定であることから、県としましては会社の方針を見守っていきたいと考えております。
次に、比謝川の整備、改修事業について、取水堰の早期撤去など今後の整備、改修事業の計画についてお答えいたします。
比謝川の整備については、去る9月の台風16号による被害にかんがみ、通水を阻害している堆積土砂や倒木等の撤去を進めているところであり、軍用地内の沖縄市大工廻地内にある古い取水堰についても関係機関と調整の上、早期撤去を図りたいと考えております。
河川改修事業については、未改修区間の早期整備に向け取り組んでおり、知花橋下流のアカギ群落のある区間及び国道330号横断暗渠とその下流側の水辺プラザ区間等の改修について沖縄市とともに住民説明会を開催し、地域自治会、住民等に改修計画等を説明するとともに、懸案となっている用地取得等への協力を呼びかけたところであり、市や地域と一体となって早期整備を図る考えであります。
また、福地橋下流の軍用地内の改修については、用地取得済み箇所を暫定掘削することにより拡幅し、通水能力の向上を図る予定であり、早期実施に向け関係機関と調整を進めているところであります。県としては、比謝川流域の浸水被害を解消するため、地元沖縄市や地域の協力を得て用地取得に取り組み早期整備を図っていきたいと考えております。
同じく比謝川流域にはほかにも堰がないか、あるとすれば撤去し、早期に改修すべきではないかとの御質問にお答えいたします。
比謝川の軍用地内には、沖縄市大工廻地内の取水堰のほか、その上流の白川橋と福地橋の間にも現在利用されていない小規模な古い堰跡があります。この堰跡については、早期整備を予定している暫定掘削区間内にあることから、掘削工事の際に撤去することになっております。
次に、泡瀬埋立事業の見直しについて、交流展示施設や業務研究施設等の計画をどう認識しているかとの御質問にお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、沖縄市を中心とする沖縄本島中部圏東海岸地域の活性化を図るため、各種施設が複合的に立地する拠点地区の形成を図ることにしております。
本県は、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」において、「コンベンションをいかした観光・リゾ-ト地の形成」を図ることとしており、また国際交流を推進している沖縄市には交流の核となる施設がないことから、国際交流・リゾ-ト拠点の形成を目的とする当該地区においても交流施設や展示施設の整備は必要であると考えております。
また、当該地区においては、情報・教育・文化の拠点の形成を図るため、業務研究施設を計画しております。これら施設は、情報通信関連産業等の集積、海洋調査・研究の支援、漁業振興及び体験・滞在型観光の推進等の観点から必要であると考えております。
次に、藻場移植実験が中断しているのはなぜかとの御質問にお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業については、環境への影響を低減するため藻場の移植を行うことにしており、本年7月31日に開催された「環境監視・検討委員会」の提案を受けて環境保全対策に万全を期するため、現在、沖縄総合事務局において機械化施工による藻場の大規模移植実験に取り組んでいるところであります。移植作業に当たっては、作業区域の周囲に設置している汚濁防止膜が一部の藻場や底生生物に影響を与えているとの情報があったことから、その調査、確認作業を行うため一時中止を行っているものであります。
同じく藻場の移植実験及び計画されている全体の藻場移植の中止を求めるの御質問にお答えいたします。
藻場の移植については、これまでの小規模実験の結果から可能であると判断しておりますが、「環境監視・検討委員会」から環境保全対策に万全を期するため、機械化施工による約3ヘクタ-ルの移植実験の提案があったことから、現在、沖縄総合事務局において実験を行っているところであります。
去る11月28日に開催された「環境監視・検討委員会」の下部組織である「海草藻類移植・保全ワ-キンググル-プ」において現地調査等を実施した結果、大半は根づいているとの評価が得られております。事業者としましては、今後も引き続き「環境監視・検討委員会」の指導・助言を得ながら藻場の移植に取り組んでいく考えであります。
次に、藻場の移植実験成功の基準を示してもらいたいとの御質問にお答えいたします。
藻場の移植実験の結果については、学識経験者等で構成する「中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会」に示し、当該委員会において検討を行った上で移植実験の成否について判断されるものと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇国際物流港湾計画について、アジアと北米間の将来トランシップ貨物量の4%程度の需要でハブ港を建設し成功した国を挙げてくださいにお答えいたします。
那覇港の将来の需要予測と同程度のトランシップ貨物量約60万TEU──これは97年実績で──ハブ港として機能している港の事例として地中海の島国マルタ共和国のマルサシロク港が挙げられます。
なお、各国のハブ機能を有する国際流通港湾は、おのおのの国や地域の現状や特性によりそれぞれ異なった性格を有しており、一概に評価できるものではないと考えております。
次に、同じく那覇国際物流港湾計画について、港湾流通機能の拡充整備調査報告書の中に示される港湾計画調査案を見直すか、そのまま実施するのか、方針を示してもらいたいにお答えいたします。
港湾計画改訂に向けた調査として、国は港湾施設計画に資するためのトランシップ貨物の推計及び船舶の航行安全に関する調査を進めており、県は港湾全体の施設配置計画や土地利用計画及び交通量調査等を実施しており、これらの調査結果を踏まえて今後港湾計画改訂がなされるものと考えております。
同じく那覇国際物流港湾計画について、ハブ港湾は中継だから沖縄や那覇の地元の経済にどんな経済効果があるのか示してもらいたいにお答えいたします。
いわゆるハブ機能とは、一般的にトランシップ機能、国内貨物集積機能及び基幹港機能を指しており、国際物流を円滑かつ効率的に行う機能と考えられております。
また、トランシップ機能の効果としては、新たなFTZによる交易型産業の立地促進、物流拠点を支援する貿易関連産業やシップサ-ビス産業等新たな産業の展開が想定されます。それにより消費者物価の低減や沖縄特産品の価格競争力及び生産性の向上など、産業振興に大きく寄与することができるものと考えております。
次に、那覇国際物流港湾計画について、計画で経済との関係から見て1バース当たりの取扱平均は何トンかについてお答えいたします。
那覇港国際流通港湾計画(素案)において、浦添埠頭の大水深バースにおけるトランシップの取扱貨物は、総量75万個(TEU)で、1バース当たり年間約38万個、トン換算で約720万トンと推計されております。
同じく那覇国際物流港湾計画について、競争相手のアジアの港湾、韓国及び香港のバース、クレーンの数及び利用状況と日本の7大港と比較するとどうなっていますかについてお答えいたします。
平成11年度の那覇港国際流通港湾計画調査(素案)によりますと、98年度実績で韓国の釜山港は18バース、クレーン44基、取扱コンテナ575万個(TEU)、香港が18バース、クレーン64基、取扱コンテナ1465万個(TEU)となっております。
また、日本における主な港湾のうち、東京港は9バース、クレーン18基、取扱コンテナ240万個(TEU)、神戸港が16バース、クレーン34基、取扱コンテナ199万個(TEU)、博多港が2バース、クレーン4基、取扱コンテナ39万個(TEU)となっております。
次に、同じく那覇国際物流港湾計画について、北米航路と欧米航路のコンソーシアムの動き、状況を示してもらいたいにお答えいたします。
国土交通省港湾局監修の「数字でみる港湾2001」によると、船社が企業連合で就航する状況は北米西岸航路において97年に7グループ18社が、2000年には6グループ15社となっております。また、北米東岸航路は97年に8グループ20社が、2000年には7グループ18社となっております。さらに、欧州航路は97年に10グループ25社が、2000年には8グループ20社となっており、企業連合や船社合併の進展が見られます。
次に、同じく那覇国際物流港湾計画について、現在の那覇港の利用状況、貨物取り扱いの計画はどうなっているか、13メートルバース、11メートルバース3つ、それぞれのバース取扱貨物量の目標がどれぐらいで、それに対して実績を示してもらいたいにお答えいたします。
昭和63年度策定の「那覇港港湾改訂計画」及び平成12年の「那覇港の統計」によりますと、那覇港の取扱貨物量は全体で計画1240万トンに対し、利用実績は980万トンで計画の79%となっております。
次に、新港埠頭地区の13メートルバースについては、計画は111万トンに対し、利用実績は79万トンで計画の71%となっております。また、11メートルバースについては、3バース合計で計画258万トンに対し、利用実績が421万トンで計画の163%となっております。
○知事公室長(親川盛一) 外間久子議員の新基地建設問題についての幾つかの質問に順次お答えいたします。
まず、採算性度外視の空港をつくれば県民の財産どころか県財政の大きな負担にならないかという御質問にお答えをいたします。
代替施設は、普天間飛行場の代替施設として国が建設する飛行場であります。
代替施設は、新たな基地負担を軽減するためにも民間の航空機が就航できるようにするとともに、空港関連産業の育成・誘致及び空港を活用した産業等のための条件整備・検討を進め、具体的な事業展開が図られるようにする必要があると考えております。そのため、県としては、同施設の民間機能を活用して雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の新たな拠点を形成するとともに、移設先周辺地域における振興策や空港活用型の産業振興等について、国の支援を得ながらその実現を図ることにより需要の拡充が見込まれ、採算性は確保されるものと考えております。
次に、海上基地建設で潮流がどう変わると予測するのか、その計算方法と結果を具体的に示してもらいたい、そういう点と、波浪についてもどう波の高さが変わり、海浜流に変化が予測されるのか、どういう計算方式を使って、どういう条件でやったのか、示してもらいたいという2点について一括してお答えをいたします。
国から示された資料によりますと、くい式桟橋工法のリーフ内案では、潮流について、より変化の大きい上げ潮時に代替施設下部の一部及び海岸との間の一部で秒速マイナス0.7センチから0.3センチ以下のわずかな変化が予想されるほか、おおむね秒速プラス・マイナス0.1センチ程度の変化にとどまると予測されております。波浪は、くいの間を透過するため海浜流への影響はないと予測しております。
また、リーフ外案では、潮流について、より変化の大きい下げ潮時にリーフ内ではおおむね秒速プラス・マイナス0.3センチ程度のわずかな変化にとどまるとし、代替施設下部において最大で秒速マイナス2.7センチで、その周辺においておおむね秒速1センチ以下の変化が予測され、海浜流への影響はほとんどないとしております。
ポンツーン工法では、リーフ内の一部及び代替施設とリーフの間において環流が発生すること、流速差については防波堤近傍で秒速マイナス3センチからマイナス2センチ程度、代替施設周辺で秒速マイナス1センチから0.5センチ程度、代替施設下部で秒速マイナス2センチからマイナス0.5センチ程度の変化が予想されるとしております。
埋立工法では、代替施設と陸域の間の仮想物質量の潮流による変化が、現況と代替施設設置後でほぼ同様の傾向を示していることから、現況とほぼ同様に海水交換が行われるとしております。
また、1年確率波による海浜流等の流速変化は、代替施設と陸域の間では海浜流の流速が弱まり底質基盤が安定する傾向となるとしております。
常時波浪については、代替施設と陸域の間において静穏域が生じるとしております。
これらの予測については、平成9年の調査結果や既存のデータをもとに我が国の海洋構造物を設計する際の波浪推算式等を用いたものと聞いております。いずれにしても、普天間飛行場代替施設の建設に当たっては、今後、基本計画が策定された後、閣議決定された政府方針に基づき環境影響評価が実施され、環境への影響を最小限にするよう、より詳細な検討が行われるものと考えております。
次に、我が党の代表質問との関連についての中の、地元住民は航空機騒音や環境破壊などに対する懸念があるが、名護市の受け入れ条件である使用協定に保証はあるかという御質問にお答えをいたします。
名護市が求めている使用協定等については、第7回代替施設協議会において名護市長から引き続き協議を重ねて早期に解決が図られるよう要望があり、県も基本計画策定とあわせて使用協定等の課題についても着実な進展が図られるよう要望したところであります。県としては、今後とも名護市と連携しながら実務者連絡調整会議において協議を行う中で協定の内容についても決まってくるものと考えております。
また、使用協定後の運用段階においても、国は適切な協議機関等を設置し、地域の住民生活に著しい影響を及ぼさないよう取り組むこと、さらに同協議機関において代替施設の使用に関する協定及び環境問題についての定期的なフォローアップを行うこととされております。県は、今後とも名護市と連携して市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時2分休憩
午後5時6分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 まず、今の問題から知事公室長にお伺いしますけれども、その使用協定の問題で、やはりアメリカに守らせる保証はあるのかどうかと聞いていますから、守らせる保証があるんだったらある、なければないというその答弁をしてください。
次に入りますけれども、一般質問との関連で泡瀬の問題ですけれども、1つには、土地利用の問題で交流施設の問題ですけれども、例えば施設1、それから施設2というのがあるんですよ。それを御存じだと思うんですが、土木建築部長は、その利用図を見たらその中で同じような内容のものがある。それが一緒になぜ使えないのかということ。1つは、1は市民向け、2は県民向け、県民向けの使用のあれが40回と。この40回のうち10回を沖縄市民のために使わすためにこの施設1をつくるという。こういう同じような施設を同じところにつくるということ自体がむだな建設やむだ遣いではありませんかというのが1つ。
あと1つは、その管理運営はどこがやるんですかということが質問です。
(2)つ目の問題は、海洋療法施設の運営ですが、これはどこがやるんですか。しかもこれは58万の石川圏内域の皆さん方、観光客に使わすというんですが、この数字もまたきちっと明らかにしてください、根拠。
それから、それを利用する参加率はどこの調査によるものですか。それも明らかにしてください。
それから、複合商業施設というのがあるんですが、これも利用するということになるんですか。
あと1つは、86ページですけれども、施設表の5─8─3ですが、各施設の最近の利用状況、これは全国の例をとって、その利用状況を明らかにしていただきたい。
(2)つ目には、移植の問題ですけれども、3ヘクタール成功したとおっしゃっているんですけれども、実際はこの3ヘクタールやること自体が事業推進の一つじゃありませんか。1つには、バックボーンを載せるために特殊な船を使っているわけでしょう。コストが高いわけですよ。こういうことを使わせて3ヘクタールをさせていること自体が、これはまず一つの事業実施をやることの先行になっているんじゃないか。これについての見解もお伺いしたいと思います。
2つ目には、国際物流の問題ですけれども、やはり私の質問(4)に対して企画開発部長にお答え願いたいんですが、皆さんが出した数字だと現在の経済はどのような伸びになっているのか。この経済の状況から見て実質的に今GDPが3%伸びるよと言われたけれども、97年以降からというのはマイナス成長になっていると。このマイナス成長で計算すると皆さん方の伸び率というのはどうなるのか。この計算を出していただきたいと思います。
2つ目の質問(5)の問題ですけれども、1つには、先ほど皆さんが答弁なさいました。ところがやはり使用の効率がバース、クレーンにしてもシンガポールにしても香港にしても数字を挙げましたけれども、実際、日本の7港に比べても効率的な使用がなされていないんじゃないかと。この件について企画開発部長の御見解を伺いたいと思います。
質問(6)ですけれども、神戸港を初めとして今世界的にもコンテナバースが余っているということはやはり認めますかと。その実態がどうなっているかということを教えていただきたいと思います。
それから2つ目、次の質問ですけれども、12月3日の検討委員会で皆さん方は84万TEUから大幅に68万TEUに下げました。この根拠は、この数値というのはどこから出てきたものか、これを明らかにしてください。
今、専門家の皆さん方だと、大体1バース当たり15万TEUの貨物がなければやはり港をつくる必要はないということを言われているんですけれども、この経済成長と合わせながら今の皆さん方の数字ではどれぐらいになるのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
次に、新基地問題ですけれども、やはり軍民共用の飛行場をつくるという、採算性がとれるとおっしゃいましたけれども、その維持管理の費用はどこが負担するのか。そしてそれは民間でやると採算性は見込めないと思うんですけれども、そのときには国や県や名護市の3者で負担をするのか。
(2)つ目には、9月の議会で副知事は、採算性が保てるような施策の展開をしていきたいと、このようにうちの新垣議員に答弁をしております。ところが、この採算性が保てるような施策の展開というのは、15年間の期限を担保にした、これを前提とした15年間の期間がその政策なのか、それとも未来永劫に採算性とは関係なく、どんな赤字が出ても国策として国が負担するということなのか、この点についてお伺いします。
あと1つ、港湾の問題ですけれども、先ほど朝の質問の中で、やはり119万TEUのうち、87万TEUは中国と台湾のトランシップを当てにしているとおっしゃったんですが、これについて本当に中国や台湾のコスト面で勝てる状況にあるのかどうか。その場合の利用料は、那覇、中国、台湾、それぞれ幾らぐらいの予想値を考えていらっしゃるのか、どれぐらいを設定していらっしゃるのか、この件についてお伺いしたいと思います。
あと1つは、やはり新基地問題ですけれども、代表質問との関連で、先ほどの知事の答弁でおっしゃったんですが、ところが地元においては辺野古の皆さん方はやはり問題だと、民間空港は。それだけにいろんな意見が出てきて、まだ合意が得られてない状態。それだけに名護の市長も、名護の市民の皆さん方への合意を取りつけるためのいろんな話し合いを持っていらっしゃるわけですが、名護の財産にもなるだろうし、県民の財産にもなるとおっしゃっているんであれば、この財産の中身になるものをやはり県議会で明らかにする必要があるんじゃないかと。県議会の皆さん方に議論をさせる必要があるんじゃないか。その意思がおありかどうか、その点をお伺いします。
答弁によって再質問いたします。
○副知事(牧野浩隆) お尋ねの御質問にお答えいたします。
まず1つは、普天間のシュワブの新しくつくられます飛行場は、普天間を移転して、普天間の代替施設としてつくられるということでございます。したがいまして、基本的には普天間が480ヘクタールありますので、その半分以下の200ヘクタールということになりますので、基地の整理縮小につながるということが基本的にあります。
しかしながら、新たにつくられるわけですから、そこには地元の方に新たな御負担をかけるということと、それから安全保障上の大きな貢献をするということがありますので、その2つの視点から地元の面倒は十分見ていく必要があるということで、私どもは閣議決定するように要望して閣議決定させていただいたわけであります。
その閣議決定は、地元において新たな負担を伴うこの普天間飛行場にかかわるということと、その平和と安全への大きな貢献に従って地元の対策をとる必要があるということで、そのとる場合の視点としまして県が提示しました普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興に関する要望、それから沖縄問題についての内閣総理大臣の談話、さらには「沖縄に関する特別行動委員会」の最終報告に盛られた措置を実施するという、そういう趣旨に従ってそこの振興策を進めていくということになるわけでございます。そのために軍民共用の民の部分をやっていくわけでございますけれども、そういう趣旨に従ってそれをやっていくためには、閣議決定にもありますようにそこを実施するためには新たな法制の整備、それからそのために財源の確保もやっていくというようなことであらゆる政策的なものをやることによって、民間空港の部分を活用することによって地域の振興に、さらには北部の振興に役立てていくというようなそういう構図があるわけでございます。
したがいまして、私どもは閣議決定に基づきました移設先及び周辺地域に関する振興策、効果、たくさんありますので、それを目いっぱい活用することによって同地域の振興開発を進めていこうということで進めているわけでございます。そしてその結果、当然のことながら地域の振興ということは地域の財産になるという、そういう方向で努力しているところでございます。
○知事公室長(親川盛一) 外間議員の再質問にお答えをいたします。
使用協定をアメリカに守らすことがあるか、あるならある、ないならないと答えてほしいという御質問にお答えをいたします。
使用協定につきましては、先ほどもお答えいたしましたが、国、県、名護市による実務者連絡調整会議において協議を行っておりますけれども、そこにおいて決まってくるものと思います。当然のことながら、この中では米側との調整等もしながら決まってくるものと考えております。
そして、使用協定後の運用段階においても国は適切な協議機関等を設置し、地域の住民生活に著しい影響を及ぼさないよう取り組むこと、さらに同協議機関において代替施設の使用に関する協定及び環境問題についての定期的なフォローアップを行うこととされております。県は、今後とも名護市と連携して市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えており、その中で地位協定の確保が担保されていくものと考えております。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 外間県議の再質問にお答えいたします。
交流施設1、2、あるいは海洋療法施設、そういった計画等は過大ではないかということの御質問だったと思いますが、今、土地利用計画の見直しの件につきましては、中城湾港泡瀬地区埋立事業については、本年7月31日に開催された「環境監視・検討委員会」において環境保全対策に万全を期するため、当面は機械化施工による広範囲の藻場の移植を行い、埋立工事の着工については移植結果等を踏まえて総合的に判断することに、そういった提案をされております。今、県ではその間を利用して県及び沖縄市においては本格的な埋立工事までの期間を、そういった期間を利用して現計画の今確認作業を行っております。
そういう状況なんですが、今、交流展示施設につきましても、これは沖縄市においては国際交流事業を推進していくため沖縄市の総合計画において国際プラザ計画として交流施設を位置づけており、沖縄市において整備を行うこととしております。 また、この展示施設は新港地区で製造される製品の見本市、国際間の交流、商談など商業や国際交流を支援するための施設であり、整備は現時点において今民間やあるいは第三セクター、こういったことを想定しているんですが、こういった具体化につきましては、今後、沖縄市とも相談しながら取り組んでいきたいということで考えております。
同じく海洋施設の必要性、これの現計画の課題等という形の御質問だと思いますが、海洋研究施設については調査・研究機関にある調査船の当該地区への寄港要請やサンプル等の整備、解析を行うための施設も必要であるとの要請があったことから計画に位置づけたところであり、整備主体は沖縄県の大学やあるいは海洋研究所、機関等を予定しております。 将来に向けてこれらの施設のニーズは高いものと考えておりまして、これにつきましても現在そういった誘致に向けて沖縄市と調整しながら進めていきたいと考えております。
それから、藻場の3ヘクタールについて成功した云々で、またそれについては事業を進める上での、事業着手するためのそういう考え方ではないかという御質問なんですが、この藻場の移植につきましては、「環境監視・検討委員会」から、これの人力による藻場の移植あるいは小規模な機械化移植についてはこれはもう成功したと判断されているんですが、この「環境監視・検討委員会」の中で大規模──これは3ヘクタールを予定しているんですが、そういった移植実験をしなさいということの提案を受けております。
今、そういうことで先ほども説明したんですが、国においてはそういった移植実験を今やっている最中でございます。近々、次期開催される「環境監視・検討委員会」の中でその移植状況等を資料として上げてそこで議論して、検討していただいてやっていきたいということで考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 外間議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目に、日本経済がマイナス成長の中で沖縄の将来を予測しておりますトランシップ貨物の需要増加が見込めるのか、見込めないのではないかという質問にお答えいたします。
これは今沖縄県が進めております港湾の需要計画はアジア地域ということを想定しておりまして、世界的な貿易投資における自由化の中でアジア関連の貿易、アジア域内貿易の輸出が急速に高まっておりまして、過去7年間に7割もアジア関連が増加しております。これは世界全体の6割を占めるまでに成長しております。
それから、コンテナ化、高度情報化、国際分業化の急速な進展や、東アジアの目覚ましい経済発展性から市場メカニズムに対応し、資材、部品の調達から製品の販売まで一貫した物流システムを担うロジスティックセンターが重要視されております。こういったこと等を踏まえまして、あくまでも東アジア地域、それと国際的なトランシップ貨物の輸送の状況、そういったのを踏まえた上での需要予測であります。
それから2点目の、既存のバースが効率的に使われてないのではないかということについて、これは安謝新港を前提に答弁させていただきます。
安謝埠頭地区の13メートルバースにつきましては、平成9年度に供用開始されております。そのうちガントリークレーンが1基平成11年度から供用開始されております。そういった観点からまだ必ずしも13メートルバースとしての十分な稼働がしてない状況で、結果的に計画の71%の達成率になっているかと思っております。
次に、3点目の県計画の84万TEUが64万TEUになっているが、その理由は何かということについてお答えいたします。
84万TEUというのは、県が平成11年度に調査して計画素案として出しました数字であります。64万個(TEU)というのは現在国の方で港湾施設計画に資するためのトランシップ貨物の推計の再調査を行っています。その中での委員会の検討過程の段階で64万TEUという一つの数字が出されておりまして、最終的な結果としては出されておりません。
それから4点目の、119万個(TEU)のうち84万TEUがトランシップ貨物と言っているけれども、相手はどこかということについてお答えいたします。
84万TEUのうち東アジア、北米に関する取扱量は75万TEUを予定しているけれども、主なフィーダー港等につきましては中国沿岸域を中心とする東アジア地域を想定しております。
以上であります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時30分休憩
午後5時32分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
牧野副知事。
〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 外間議員の質問に再答弁いたします。
一番のポイントは、一般の空港とは違って普天間飛行場の移設の代替施設としてつくるということでございます。したがいまして、一般の採算性の問題、一般のいわゆる空港とは性質が違うということが一番のポイントでございます。したがいまして、そのために新たな負担をおかけになる、日本の安全保障への貢献があるということで閣議決定をしまして、そこの代替施設の民の部分の活用を図ることによって地域の振興策をしていこうということがございます。
そのための地域の振興策のものとして閣議決定した内容を若干御紹介させていただきますと、そこの移設先及び周辺地域の振興を図るために閣議決定の内容、空港活用型の産業の育成・誘致を図る、空港の経済波及効果を高めるための道路など周辺の整備を行う、産業の育成・誘致のための条件整備を行う、国際情報特区構想を展開していく、国際交流等の推進を図る、人材の育成を図る、地域の安定と交流を促進するための生活環境施設の整備を図るなどの振興策の方針が示されております。それに従って今もう既に、例えば情報特区構想などを実際に具体的に進めておりますし、周辺地区についてはサイバーファームなどのものも進んでおりますし、いろんな意味での振興策を進めていくということでございます。そうすることによって、先ほどこういう振興策を進めていくためには新たな法制も含め行財政上の問題も含めてという形になっていくわけでございます。
したがいまして、そこがなっていくような形で管理運営主体につきましても県が主導をとって、一番県に有利なような形で進めていくということになっておりますので、そういうような形で我々は努力しているところでございます。
○知事公室長(親川盛一) 外間議員の再質問の中で、使用協定についてアメリカが守らないから地位協定の見直しを要求しているんじゃないかという趣旨の御質問だったかと思いますので、お答えをいたします。
使用協定につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、国において協議機関を設置いたしまして、そこで環境問題についても含めて定期的なフォローアップをしていくということで、県としては名護市と連携しながら名護市の要望が実現されるように取り組んでいくということで申し上げました。
地位協定については、平成12年に県が行った「日米地位協定の見直しに関する要請」においても、使用協定の中に施設及び区域の使用範囲、使用目的、使用条件等を記載する旨地位協定に明記するよう要請しております。そういう形で地位協定の見直しは見直しとしてやる、現実に普天間飛行場の代替施設に係るその周辺地域の使用協定については、それが担保できるように我々も努力していくと、こういう考え方でございます。
○外間 久子 議長、ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時36分休憩
午後5時38分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
牧野副知事。
〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 改めてお答えいたします。
あくまでも私どもやるからには、県民の財産ということはずっと県にとって負担にならないというような意味でございます。そのためにいろんな法制上の問題等あります。例えば1つの例を挙げますと、一般の空港ですと着陸料がびっくりするぐらい高いわけです。1つの例ですけれども、それで一般の空港とは違うと言っているということでございます。そういう意味のもろもろの法制上のものも含めまして、そこがずっと県民にとっての財産になるような振興策を進めていくということでございますから、そういうことでございます。
○外間 久子 1つには、ちょっと土木建築部長にお伺いしますけれども、(資料を掲示) じゃこの理由書はすべて見直す、でたらめだったからこれを全部ほごにするということですか。それを確認したいと思います。
2つ目は、今副知事の答弁ですけれども、ということは、じゃやはり未来永劫に国が持ってくれるということですか。そういうふうに理解していいんでしょうか。
○副知事(牧野浩隆) また改めてお答えいたします。
県民の財産になるように以後の管理運営の仕方についても県が中心になって、県に有利になるようにこれから話を進めていくということになっておりますので、一番我々が望むところは、振興策を進めることによってそういう形を進めていきたいと思っております。
○土木建築部長(屋比久孟尚) それでは再質問にお答え申し上げます。
これはこれまでも知事から御答弁しているんですが、この土地利用については、時代時代の経済情勢やニーズに整合させて柔軟に対応すべきであるという基本姿勢があるんですが、今、土地利用の見直しの時期については、先ほどもちょっとお答えしたんですが、中城湾港泡瀬地区埋立事業については、本年7月31日に開催された「環境監視・検討委員会」、これにおいて環境保全対策に万全を期するため当面は機械化施工による広範囲の藻場の移植を行い、埋立工事の着工については移植結果等を踏まえて総合的に判断することになっております。そのため、県及び沖縄市においては本格的な埋立工事着工までのこの期間を利用して現計画内容の確認作業を今現在行っております。
土地利用の全体的な見直しの検討については、社会経済情勢の変化やあるいは第2工区に育成していますクビレミドロ、これらの移植技術の開発等こういったのがありますので、今後の動向を十分に見きわめる必要があるため現時点において見直すことは考えてないんですが、そういったことを勘案してそういった土地利用については検討していきたいということで考えております。
それで、埋立理由書の全面的な見直しについては考えておりません。
○外間 久子 副知事、だけど今の答弁というのは私の質問に答えてないんじゃないですか。
要するに私が聞いているのは、1つには皆さんの公約でしょう、知事の。民間空港をつくるということが公約。そうであれば民間の空港になると、将来は。財産になるということであれば、将来においてのことはどうなるかというのが県民の心配していることなんですよ。そうであれば、この部分について皆さんがおっしゃるのは15年の担保をとるということだから、15年の期間だけが国が面倒見てくれるのか、それでその後はどうなるのかということで2つの意見を聞いているんです。だからこれについてきちっと答えていただきたいんですけれども、理解していらっしゃらないんですかね。
副知事、どんなですか、答えてください。
○副知事(牧野浩隆) 改めてお答えいたします。
我々は、15年さえ持っていただければいいというようなそういう生易しい考え方でやっているんではありません。あくまでもずっと県民の財産としてやっていけるような形で、振興策を進めていくような体制で取り組んでいるところでございます。
○新垣 米子 通告に従って質問いたします。
まず第1に、我が党の代表質問との関連で基地問題についてです。
(1)つ、地元3区のうち辺野古区と豊原区が受け入れの絶対条件としたリーフ外についてです。なぜこれまで地元がリーフ外を条件として要求したと県は認識していますか、伺います。
〔議長退席、副議長着席〕
(2)つ、頭越しにやらない、地元合意ということはどういうことですか。県の認識を伺います。
県は、環境への影響を極力避ける努力をすると答弁しているが、どの程度の影響があると考えていますか。
県は、キャンプ・シュワブ沖水域について、自然環境の厳正な保護を図る区域として最も評価の高い評価ランクⅠに区分しています。みずからの指針をほごにするのですか。
地元の皆さんは、基地を喜んでつくらせたいと思っている人はだれもいません。しかしどうしても国がつくるというのなら、せめてリーフ外にと、こういう気持ち。どんなことがあっても、自分たちの時代で祖先代々守ってきた辺野古沖の辺野古の豊かな海と幸をつぶすことができない、これが地元の心情です。地元の心情を尊重し代弁することが知事のとるべき立場ではないですか。
(6)つ、受け入れ条件としての地元のリーフ外、名護市の使用協定の締結、県の15年問題そのものが文字どおり地元合意の絶対条件ではなかったのですか。
地元の頭越しにやらない、地元合意と言いながら、実際には頭越しに国の方針を突き通しての実態ではありませんか。
我が党は、条件が守られたら基地建設を容認する立場ではもちろんありません。しかし、受け入れる立場からしてもこの条件、地元合意が保証されない以上、受け入れの根拠が破綻していることは明白です。新基地建設受け入れ表明を撤回することが知事に残された選択だと思います。答弁を求めます。
2つ目、介護保険について。
この10月から満額徴収と同時に、1年以上の保険料の滞納者に対するペナルティー措置が開始されました。高齢者の医療費の負担増に加えて、本県の高齢者に耐えがたい痛みとなっています。年金1万5000円以下の普通徴収の84.6%の徴収率の実態から、全額徴収はますます払えない高齢者をふやすことになるのは明らかです。本県の1万5000円以下の高齢者は4万9700人。65歳以上の高齢者全体18万4797人の実に27%、約3人に1人に当たり、ごく一部の実態ではありません。これまで減免措置の必要性を訴えてきた我が党の要求質問に対して、減免措置をすることは制度上好ましくない、困難であるを繰り返してきました。84%が非課税世帯である本県の高齢者がこの介護保険の負担にどのような思いをしているのか。高齢者のつらさや痛みに対しての共感がこれまでの県当局の答弁から酌み取ることができません。大変残念です。
今、全国的に保険料、利用料の減免措置の自治体がふえています。とりわけ10月から保険料の減免が半年前の139自治体から310自治体に倍増しています。マスコミ各社もこの全国的な事態と関連して現行の制度上に利用者の便宜を損なうものはないか、生活困窮者などへの配慮に欠けている部分はないか、今どのような声が上がっているのか、きちんと見きわめる必要があるのではないかと論評しています。
本県の高齢者の命と暮らしを守る県の責務と施策を明確にする上でも、高齢者の生活実態、介護実態などリアルに把握することが重要です。市町村に対して実態調査を指示する考えはありませんか、お伺いいたします。
3つ目に、医療問題について。
まず最初に看護大学についてです。
11月20日に文教厚生委員会の視察で石川県の看護大学を訪問いたしました。本県より2年おくれての開校ですが、3年次編入定員に10人の枠を最初から組み入れていること、社会人特別選抜枠や県内1校区2人の推薦枠など県内のニーズにこたえる制度になっていることに本県の課題との関係で大いに学ぶことがありました。
我が党は、看護学校を廃止して看護大学を開校するに当たって、看護大学の設立の必要性に異論はないが、看護学校が今後も看護婦の需給との関係と県民の経済的な負担増との関係から、また保健婦や助産婦の養成で就業看護婦の編入制度が果たしてきた役割から、引き続き看護学校の存続は必要であること、そして看護大学に編入制度の措置を講じてほしいと要求してまいりました。
また、離島における保健婦養成と確保のためにも、離島の推薦枠を設けるべきではないかなど質疑をしてきましたが、改めて伺います。
1つ、看護婦の需給計画はどうなっていますか。
現役看護婦の編入受け入れ制度をつくるべきではないか。
社会人の推薦枠の拡大と離島の推薦枠をつくるべきではありませんか、お伺いします。
大学院構想を否定するものではありません。県民のニーズが今どこにあるのか。それにこたえる条件整備が先ではないでしょうか。
次に、久米島公立病院についてです。
昨年4月開院した久米島公立病院の初めての決算が報告されました。赤字か黒字かの病院会計上の問題だけでなく、長年の願いと運動の末実現した病院が久米島の住民に対してどういう役割を果たさなければならないのか、また派遣されている医師を初め病院職員が気概を持って働けているか、今後、島の病院として発展するために必要な対策など深める課題が多いと聞いています。
そこでお伺いします。
病院建設以後の救急体制とヘリ搬送の実態について。
赤字決算になった原因に非常設科の医師の確保の問題を挙げていますが、今後の医師確保の見通しについて、また離島における医師確保問題の対策について伺います。
4番目に、女性と子供の人権問題について。DV問題です。
10月13日に「DV防止法」が施行されました。その直後に相談が寄せられ、かかわることになりましたが、改めてDVを引き起こす家庭的要因、社会的・経済的要因の背景の深刻さとともに、解決する上での相談窓口や緊急保護の受け皿の強化、女性の権利と自立を支援する施策、市町村での相談窓口の設置など県の指導的役割の重要性などを痛感いたしました。
そこで伺います。
(1)つ、DV法施行後の一時保護と相談件数はどうなっていますか。そして警察への相談件数とその対応についても伺います。
(2)つ、一時保護施設の増設は緊急の課題です。どのように対応しますか。
(3)つ、現在、県の自立支援のための施策はどのような施策がありますか。県営住宅の空き部屋の活用など考えられないでしょうか。
次に、児童虐待問題解決の対策についてです。
県内7施設ある児童養護施設が満杯で、一時保護施設も満杯です。これ以上の受け入れ困難の実態とケースの多さと問題の深刻さに職員は心身ともにぎりぎりの状態で奮闘している実態が明らかにされました。
そこで伺いますが、(1)つ、児童相談所の相談件数の推移と内容について。また、一時保護施設と養護施設の受け入れ状況について伺います。
(2)つ、相談体制の強化(児童福祉司の増員)と施設の拡充は切実です。とりわけ、緊急な課題として一時保護施設の増設の必要性から中部児童相談所に設置する考えはありませんか。
(3)つ、児童養護施設に入所している児童のケースに見合った指導方針の確立とそのための専門家によるチーム体制づくりが重要ではないでしょうか。
(4)つ、児童養護施設で育った児童たちが社会でひとり立ちできるよう相談に乗ったり、必要な生活指導を行う「自立支援ホーム」などの施設が必要と考えますが、いかがでしょうか。
5番目に教育問題についてです。
まず最初に高校編成整備計画について。
今回の編成整備計画の特徴である新しいタイプの学校として総合学科、総合実業、総合工芸、情報技術、インターナショナル、中高一貫の6タイプを提示していますが、高校教育の理念は何か。また、過大校の解消や高校中退問題など本県の抱えている深刻な課題解決の展望が見えないというのが率直な感想です。
そこでお伺いします。
(1)つ、今回の編成整備計画の対象高校29校について、中間まとめをされるまでに学校やPTA、卒業生、地域への説明と論議がどれだけ保障されたのでしょうか。
(2)つ、美里高校を沖縄インターナショナル高校に、那覇地区に中高一貫教育校を設置し、通学区域は全県区とする、このことは中南部地域の過大校の解消にはならないのではないでしょうか。エリート高校にしない、この国会附帯決議がありますが、この決議をどう担保するのでしょうか。
(3)つ、北部、中部、南部、離島に立地する高校でありながらすべて全県区にしている理由は何でしょうか。現在の中学区制でもそこしか行けない生徒が通学の不便さや、行きたい学校ではないことが中退の大きな理由になっています。今以上に学校間格差の拡大と通学区域の拡大で地域に根差した学校づくりを困難にし、ますます中退者を生み出す結果になるのではないでしょうか。
次に、首里高校染織デザイン科について、20年前の編成整備計画で廃止の方針が撤回された経緯がありますが、当時どのような論議がなされ存続の決定になったのでしょうか。
(5)つ、高校の編成整備計画は即中学校現場での進路指導に影響します。中学校への説明、意見聴取など実施してきましたでしょうか。
今年度3月末で結論を出すには論議が余りにも不十分ではないでしょうか。学校現場を初め関係者の十分な論議と合意形成の保障のために結論の時期を見直すべきだと考えますが、所見を伺います。
次に、高校授業料引き上げの条例改定についてです。
親が自殺した子供たちの育英資金「あしなが資金」を訴える子供たち、親が自殺しないで済む社会をつくってと小泉首相に訴えた子供たちをマスコミは大きく報道しました。
昨年1年間で3万人の自殺者、本県でも371人です。平成10年233人からこの5年間で138人の増加となっています。大半の理由が失業や倒産による借金などの経済的理由によるもので、40代、50代の一家を支える大黒柱の自殺です。
せんだって現場の高校教師とこのことで話し合う機会がありましたが、高教組が主任手当の拠出金の活用事業として実施している1高校6万円の育英資金が以前は1人か2人の利用だったのが、現在は6人から10人の申し出があり、この6万円を6人から10人で分けることになり、わずかな金額になるのだが、それでも助かりましたと子供と親からお礼の手紙が来るのだと、子供たちの家庭の経済状況の悪化が想像以上に進行していることを話されました。
最近、私の相談事務所にも国保税が払えないために、病気をしているのだが病院に行けないとの相談が寄せられ、その中で高校生の子供が家計のことを心配して学校に行けなくなったことも話されました。高校中退の理由に怠けの怠学も大きな要因に言われていますが、この怠学の背景に本県の経済的な深刻な状況があることを直視すること、負担軽減の施策こそ本県の教育問題の解決にとって重要だと考えます。その立場からも今回の機械的な高校授業料の引き上げは到底容認できません。
(1)つ、国の指導による3年ごとの機械的な引き上げの提案となっていますが、経済の落ち込みで物価も人件費も反対に落ち込んでいるのに、何を根拠にしているのでしょうか。
(2)つ、失業、倒産の増加によって県民の暮らしは深刻になっています。その結果、高校授業料の減免を希望する生徒がふえているのが実態ではありませんか。本県の失業のこの深刻な事態とテロ問題の影響での経済の落ち込みが深刻になっているこの時期に、県民の負担増は納得できません。親の経済的な理由によって子供たちの学ぶ権利を奪うことはできないと思います。条例改定の提案を撤回すべきと考えますが、所見を伺います。
次に、少人数学級についてです。
山形県が6日の県議会本会議で、県内のすべての小中学校で少人数学級を来年度から実施する方針を明らかにしました。これまで低学年だけの実施など実情に応じた実施や検討をしている県は既に11県になっています。今回の山形県の全学年での実施は画期的であり、30人学級の早期実現を求めてきた全国の親や教師を大きく励ますものです。学力の面、生活指導の面でも少人数学級が教育的効果があることは既に証明済みで、国民的・県民的合意も成立しています。国の制度として実施させることが当然重要であると同時に、そのためにも県として独自の努力が不可欠だと考えます。
そこで伺います。
(1)つ、国の緊急地域雇用創出特別事業を受けて今回提案している「小学校低学年多人数学級支援事業」と、「中学校教育サポートワーカー配置事業」の概要について説明をしてください。
(2)つ、「教員の悩みに関する調査結果・体罰(暴力)に関する調査結果」がまとめられ出されました。教師の学習指導、生徒指導に対する悩みと、教師がゆとりを持って生徒と向き合いたいとの切実な要求がこの調査結果は示しています。少人数学級の実施は教育効果のみならず雇用創出事業として実効性があり、県独自の雇用対策として実施が切実に求められていると考えますが、決意をお伺いいたします。
(3)つ目、30人学級の実施について、県の支援があれば前向きに考えたいとの意向が幾つかの市町村から出されています。意向調査をする考えはございませんか、お伺いいたします。
6つ目、次にカジノ誘致問題について。
沖縄を訪れる観光者は沖縄に何を求めてきているのでしょうか。これまでに調査したことがありますか、伺います。
全国の自治体が実施している公営ギャンブルの経営状況の実態について報告をしてください。
最後に、未買収学校用地の買い上げ問題について。
県内の公立の小・中・高校の未買収学校用地の問題は、早期買収を求める関係地主の強い願いにもかかわらず依然として解決されず大きな政治課題になっています。
そこで伺います。
(1)つ、県内の未買収学校用地の現状と関係地主の強い願いである早期解決のためにいつまでに買い上げをするのか、今後の計画についてお伺いいたします。
(2)つ目、与勝中学校用地の一部の土地について、与那城町が20年以上の土地の占有を理由に、土地の時効取得を理由に所有権移転登記手続を求めて訴訟を起こしています。20年余も賃料を払わず使用し、あげくには時効取得とは、沖縄じゅうの未買収学校用地の問題を早期解決どころか大混乱を起こしかねません。特に与勝中学校用地は戦前、米軍が接収し強制使用し、その後、一時期は前原高校が使用した後に与勝中学校が使用するようになったものです。県としても積極的に問題解決のためにかかわり、行政指導を行うべきと考えますが、答弁を求めます。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の御質問にお答えいたします。
医療問題のうち、公立久米島病院の救急体制とヘリ搬送の実態について、次の今後の医師確保の見通し及び離島における医師確保対策について一括して御答弁申し上げます。
平成12年4月20日に開設された公立久米島病院における12年度の救急患者数は2033人で、常勤医師4人により対応していましたが、本年10月からは臨任の医師1名を増員し救急医療体制の充実を図ったところであります。
なお、久米島からのヘリ搬送件数は、病院開設前の平成11年度が119件でありましたが、12年度は66件に減少しており救急医療の効果が出ております。
また、産婦人科医師については、本島内医療機関からの派遣により対応していますが、次年度において常勤医師を確保する方向で関係機関と調整しているところであります。
離島の医師確保については、自治医科大の卒業医やプライマリーケア医等離島で勤務する医師を養成するほか、琉球大学医学部との連携により安定的な医師確保システムづくりに努めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険について、高齢者の生活実態等を把握することが重要であり、市町村に対する実態調査の指示についての御質問にお答えいたします。
現在、市町村においては次期介護保険事業計画策定に向けて高齢者の実態調査が企画されているところであります。県といたしましても、介護保険事業の円滑な推進のため、高齢者の生活実態及び介護サービスの利用状況等について把握する必要があると考えているところです。そのため、市町村と調査項目について調整を行い、高齢者の保険料・利用料等の負担感、介護サービスの利用状況、高齢者の収入の状況等の実態を把握できるようにしていきたいと考えております。
医療問題について、看護婦の需給計画はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
県は、国の通知により平成13年1月に看護職員の計画的かつ安定的な確保を図るために、沖縄県看護職員需給見通しを策定し、平成17年にはおおむね均衡するものと見込みました。しかし、平成13年度に入って那覇高校衛生看護科の廃止等状況が変化しており、看護職員の需給が今後どのように推移するのか今年度じゅうに看護職員需給検討会議を開催し検討する予定にしております。
同じく医療問題について、現役看護婦の編入受け入れ制度をつくるべきではないかとの御質問について。
学校教育法の一部改正により、平成11年度から看護婦等養成所を卒業した者も看護系大学への編入が可能となりました。
なお、沖縄県立看護大学の学則では、収容定員に欠員が生じた場合、編入学が可能となっております。今後の編入学のあり方については、欠員状況や編入学希望者等の動向を踏まえて検討していきたいと考えております。
続きまして、県民のニーズにこたえる条件整備が先で、大学院構想は時期早尚ではないかとの御質問について。
県では、看護分野の研究者の養成や看護大学の教員確保を図る等の必要があることから、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」において大学院等の設置推進を検討していくこととしております。大学院設置については、現在の看護大学に求められている課題を十分に把握し、関係団体と協議をしながら検討を進めてまいります。
女性と子供の人権問題について、1つ目、DV法施行後の一時保護、相談件数について、それと一時保護施設の利用者増への対処について、2つの質問は関連しますので一括してお答えいたします。
DV法施行後の女性相談所における相談、一時保護のうち、DV関係は10月と11月の月平均で電話相談18件、来所相談25件、同伴児を含めた一時保護22人となっております。DV法施行前の今年度9月までの月平均と比べて増加しており、一時保護は今年度に入ってからの増加傾向が続いております。一時保護人員については今後とも増加するものと考えており、一時保護施設の利用者増への緊急的な対応として、既存施設の改修を行い居室増の予定をしております。
なお、女性相談所・うるま婦人寮の施設整備につきましては、現在策定中の「沖縄県社会福祉施設等整備計画」において検討しております。
同じく女性と子供の人権問題について、県の自立支援のための施策はどのようなものがあるのかと。
女性相談所においては、相談員による相談、一時保護、収容保護の決定のほか、自立支援のための嘱託弁護士、精神科医師による専門相談を行っております。
また、職業安定所、各種貸し付け、社会福祉制度、施設や生活保護制度などの情報提供やその申請の際に同行するなどの支援活動を行っております。
被害者支援のための取り組みとして、これまでの女性相談所の役割に加えてDV防止法で配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすことになり、被害者への医学的または心理学的な指導、裁判所へ提出する書面の作成を行う機能等が加わり、被害者保護への女性相談所の役割が重要となってきております。
これらに対しては精神科嘱託医の来所回数の増、心理療法士配置、相談指導員増を検討しております。
女性相談所で一時保護の事由が解消し行き先のない者については、婦人保護施設への入所、母子生活支援施設への入所及び生活保護制度の活用などがあります。
なお、心身障害者、母子世帯、生活保護世帯等の場合は公営住宅への優先入居の対象となっております。
同じく女性と子供の人権問題について、児童相談所の相談件数と養護施設等の受け入れ状況について。
児童相談所は、虐待を受けた子供たちの相談や保護に直接かかわる機関であり、専門的な知識を有する児童福祉司や心理判定員等が配置されその業務に従事しております。
平成12年度の相談受け付け件数は4776件で、その主な内容は養護相談853件、健全育成相談722件、非行相談460件となっております。そのうち虐待に関する相談は275件で、その内訳としては身体的虐待133件、養育拒否等いわゆるネグレクト122件、性的虐待10件、心理的虐待10件となっております。平成12年度に一時保護した児童数は延べ160人、うち虐待は延べ97人となっております。
また、児童養護施設等で受け入れした被虐待児童は35人となっております。
児童相談所の体制強化と一時保護施設の拡充について。
児童相談所の相談体制を強化するため、本年度、児童福祉司等の増員や児童虐待対応協力員、カウンセリングを行う精神科嘱託医の配置を行ったところであります。
さらに、平成13年11月には一時保護所に被虐待児童の心理治療嘱託員を配置しております。
一時保護施設については、現在、中央児童相談所の改築に伴う基本設計を行っており、その中で充実を図っていくこととしております。
児童養護施設の入所児童に見合った指導方針の確立と専門家によるチーム体制づくりが重要ではないかという御質問についてお答えいたします。
児童養護施設に入所する児童は、身体的虐待やネグレクト等の被虐待児童が増加し、これらの児童に対する指導内容も複雑、多様化している状況にあります。そのため、児童相談所と児童福祉施設等が連携を密にし、被虐待児童の個々のケースに応じた処遇や虐待した保護者への心理的治療を行っております。
なお、処遇困難なケース等への助言・指導を行うことを目的に、現在、児童相談所に専門家会議を設置して対応しているところであります。
専門家によるチームの体制づくりについては、貴重な御提言であり今後検討していきたいと考えております。
医療問題について答弁が1つ漏れていたようです。失礼いたしました。
医療問題について、これは看護大学について、社会人の推薦枠の拡大と離島の推薦枠をつくるべきではないかという御質問にお答えいたします。
県立看護大学の入学定員は、一般選抜60名、特別選抜20名で1学年の定員は計80名となっております。特別選抜は、県内高校からの一般推薦入学、保健婦等の確保が困難な離島町村等からの地域推薦入学、社会人特別選抜となっております。今後の社会人特別選抜を含む特別選抜のあり方については、応募者の動向等を踏まえて検討していきたいと思います。
それから、女性と子供の人権の問題について、自立支援ホームなどの施設が必要だと考えるがどうかという御質問についてお答えします。
自立支援ホームは、義務教育終了後、児童養護施設等を退所し就職する児童に対して自立を促進することを目的とする施設であります。
現在、県内には1カ所(定員10名)が設置されておりますが、児童養護施設退所児童が社会的に自立した生活を営むことができるよう援助することは重要であり、今後とも社会福祉法人等と連携を図り、その設置を促進してまいります。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) DV防止法施行後の県警への相談件数と対応についてお答えいたします。
県警に寄せられたDV事案に関する相談は、平成13年10月13日のDV防止法施行から11月末現在で59件となっております。警察では、これらの相談につきまして警察本部と各警察署の警察安全担当者が専門的に対応しております。
相談を受けました59件のうち11件は傷害事件で検挙し、残り48件については相談者の意向を尊重しまして、加害者に対しては厳しい注意・警告を行うとともに、相談者に対しては再被害に遭わないようにきめ細かな防犯指導等を行っております。
さらに、女性相談所とも細かい点まで連絡をとり合うなど関係機関・団体等と連携した再発防止及び相談者の保護対策に努めているところであります。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育問題について、今回の編成整備計画の対象校について、中間まとめまでに学校やPTA、卒業生、地域への説明と論議がどれだけ保障されたかとの御質問にお答えいたします。
県教育委員会では、新たな高等学校編成整備計画の策定に先立ち、県内6地区に設置した編成整備に関する地区協議会での調整や中学校や高校の校長会、PTA関係団体、市町村等の行政機関、産業団体、教職員団体などと意見交換を経てことし9月に高等学校編成整備実施計画の骨子となる「県立高等学校編成整備実施計画中間まとめ」を策定いたしました。この中間まとめを公表した以後は、関係する学校、学校評議員、PTA、学校の同窓会などへ中間まとめの内容についての説明と意見交換を精力的に続けているところであります。
計画の策定に当たっては、県民の理解を得ることが最も重要であり、引き続き関係者等の理解が得られるよう最大限努力してまいりたいと考えております。
次に、美里高校を沖縄インターナショナル高校に、那覇地区に中高一貫教育校を設置し、通学区域は全県区とするは、中南部地域の過大校の解消にならないのではないか、エリート校にしないとの担保は何かとの御質問にお答えをいたします。
平成14年度を初年度とする新たな県立高等学校編成整備計画では、高等学校としての学習環境などよりよい条件を維持・確保するため過大規模校の解消も図っていく必要があると考えております。那覇地区に新たに中等教育学校を設置した場合、過大規模校解消の一助にもなると思いますが、とりわけ大きな規模の高校がある中南部地区においては生徒数の動向、学科の配置状況、生徒の通学の利便性など各地域の実情を考慮し、各高校の入学定員、設置学科、学級数の調整を図りながら中長期的に学校規模の改善を進めてまいります。
また、中高一貫教育導入に当たりましては、平成10年5月22日、衆議院文教委員会においていわゆる「受験エリート校」化などを助長することのないよう十分に配慮することなどの附帯決議がなされております。これを踏まえ、中高一貫教育校においては6年間一貫した一体的な教育を行うことにより、ゆとりある学校生活の中で一人一人の生徒の個性や能力の伸長を目指すなど制度の趣旨を生かしていきたいと考えております。
次に、北部、中部、南部、離島に立地する高校でありながらすべて全県区にしている理由は何か、また学校間格差と通学区域の拡大で地域に根差した学校づくりを困難にし、ますます中退者を生み出す結果にならないかとの御質問にお答えいたします。
「県立高等学校編成整備実施計画中間まとめ」で提示した総合実業高等学校(仮称)など新しいタイプの学校の通学区域については、学校の特色化を一層進め生徒の学校選択や多様な高等学校教育を受ける機会の拡大の観点から、計画の段階においては原則として県全域といたしております。
また、新しいタイプの学校においては、生徒が興味・関心を持ってみずからの能力・適性を生かせる学校、すなわち生徒がみずから意欲を持って行きたいと思うような魅力ある学校づくりを進めていきたいと考えております。
次に、首里高校染織デザイン科について、20年前の編成整備計画で廃止の方針が撤回された経緯があるが、当時どのような論議がなされて存続の決定になったのかとの御質問にお答えいたします。
首里高校染織デザイン科につきましては、昭和52年度に工業高校への再編が検討されました。当時は、教育効果の向上を図る観点から工業高校の中に伝統工芸の学科を置くことの是非について引き続き検討が必要であるとの理由から編成整備計画には位置づけられなかった経緯がございます。しかしながら、今回の新たな編成整備におきましては、本県独自の伝統工芸を保存・継承し発展させていくため総合工芸高校(仮称)を設置し、この中で染織デザイン科を位置づけるという明確な意図のもとに計画を立案いたしております。
次に、高校の編成整備計画は即中学校現場での進路指導に影響するが、中学校への説明、意見聴取など実施しているかとの御質問にお答えをいたします。
県教育委員会が現在進めている新たな県立高等学校編成整備計画の策定の過程においては、さまざまな関係団体等への説明や意見交換を行っておりますが、特に中学校関係ではこれまでに沖縄県中学校校長会、中学校進路担当者会、沖縄県PTA連合会、市町村教育委員会等と話し合いを持っております。
また、今後は県内6地区のすべての中学校、小学校の校長へ編成整備実施計画の説明会を実施することといたしております。
次に、今年度3月末で結論を出すには余りに不十分ではないか、学校現場を初め関係者の十分な論議と合意形成の保障のために結論の時期を見直すべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
現行の県立高校編成整備計画は、平成13年度で計画期間が終了するため平成14年度を初年度とする新たな計画を策定する必要があります。このため県教育委員会においては、新たな県立高等学校編成整備計画の策定に先立ち、さまざまな関係団体等と意見交換を経て、平成12年9月に編成整備の基本方向を定め、またことし9月に全体計画の骨子となる中間まとめを策定をいたしました。現在、計画の策定完了を平成13年度じゅうを目途に作業を進めており、県内6地区に設置した「教育施策に関する地区協議会」や高等学校を初めとする関係団体等と引き続き説明会や意見交換を行っているところであります。
次に、授業料の改定は何を根拠にしているか、条例改定の提案を撤回すべきと考えるがどうかとの御質問に一括してお答えをいたします。
都道府県の財政収入は、その地域の経済活動に左右されますので財政力に格差が生じます。
一方、行政サービスはどの地域においても同一水準で実施する必要があります。そこで国は、各都道府県に行政サービスのバランスを図るため、地方財政運営の指針として地方財政計画を策定し、財源の不足する都道府県に対しその不足額を地方交付税として交付することになっております。県立高等学校の授業料についても、この交付税の算定に当たって地方財政計画の単価に基づき算定されております。
したがいまして、徴収している授業料等が地方財政計画が示した単価より低い場合、その差額分が県の歳入から落ち込み、教育費の予算の確保が困難になることが考えられます。このことから、本県においても各都道府県同様に授業料の改定に当たっては、地方財政計画が示している単価をめどに改定を実施してきたところでございます。
県教育委員会といたしましては、現在の経済状況等については承知をしておりますが、快適な学習環境の整備を図るための学校管理運営費及び図書充実費等の予算を確保し、生徒たちがより充実した環境で学習活動ができるよう努めていく必要があると考えております。
また、授業料等は学校施設の使用料であり、受益と負担の公平性を確保し適正化を図る必要があります。今回の改正案は、保護者負担の軽減を図るため地方財政計画に示された年度は──13年度でございますが──据え置き、翌年、翌々年の2年間で改定するものであります。
なお、各都道府県におきましては、平成12年度に30都道府県で既に条例改定が行われ、13年度中にほとんどの県で改定が予定されております。保護者を初め県民の御理解を賜りたいと思います。
次に、国の緊急地域雇用創出特別事業を受けて、今回提案している小学校低学年支援事業と学校教育補助者配置事業の概要について聞きたいとの御質問にお答えをいたします。
文部科学省は、「学校いきいきプラン」事業の一環として、多様な経験を有する社会人を学校に補助教員として配置する計画をしております。これは社会人の知識・経験を学校教育活動に活用することにより学校教育の一層の活性化と社会全体で学校を支える体制づくりに効果が期待できるものと考えております。そのため、県教育委員会としましては、緊急雇用創出特別交付金を活用して小学校低学年支援事業と学校教育補助者配置事業を推進していくこととしております。
小学校低学年支援事業は、小学校第1学年の児童に対し学習・生活両面における適応支援の充実・強化を図るため、小学校1年生の1クラス36人以上の学校に教員補助者として配置を行う事業であります。
また、学校教育補助者配置事業は、教師の補助などの学校の教育活動をより積極的に推進するため、学校のニーズに応じた人材を配置することにより学校教育の充実及び地域ぐるみの学校づくりに貢献するため7学級以上の中学校へ配置を行う事業であります。
なお、平成14年1月より小学校低学年支援事業に58人、学校教育補助者配置事業に87人、合計145人の配置を予定いたしております。
次に、少人数学級の実施は教育効果のみならず雇用創出事業として実効性があり、県独自の雇用対策として実施が切実に求められていると考えるがどうか、30人学級の実施について県の支援があれば前向きに考えたいとの意向が幾つかの市町村から出されている、意向調査をする考えはないかとの御質問に一括して答弁をいたします。
県教育委員会といたしましては、学級編制の標準は40人を維持しつつ、現在実施されております教職員定数改善計画の趣旨を踏まえ、国語、算数、英語等の基本教科において20人程度の少人数授業を年次的に拡充するとともに、今回の緊急地域雇用創出特別事業を活用して小学校低学年支援事業等を実施していく予定であります。これらのことを通して、児童生徒の個に応じたきめ細かな学習指導と基礎学力の向上を図っていきたいと考えております。
さらに、今年度学級編制基準を弾力化し、多人数学級を解消した学校等の成果を踏まえ、次年度は本県の学級編制基準を小学校1年生に限って、特に必要があると認める場合に柔軟に対応していきたいと考えております。
なお、県独自の雇用対策としての少人数授業を実施することは、県の財政状況から厳しい状況であります。
また、市町村教育委員会は、毎学年、当該市町村の設置する学校の学級編制についてあらかじめ県教育委員会と協議を行うこととなっており、平成14年度からは学級編制の弾力化の実施についても各市町村教育委員会から協議を受けることとしております。したがいまして、市町村の意向については適宜・適切に把握できると考えております。
最後に、未買収学校用地の買い上げ問題について、未買収用地の現状と今後の取り組みについて、与勝中学校用地の訴訟に対する県の行政指導についての御質問に一括して答弁をいたします。
県内公立学校における学校用地面積に対する未買収用地は、平成13年で公立小中学校は全学校用地面積835万平方メートルのうち54万平方メートル、6.4%、また県立学校では478万平方メートルのうち75万平方メートル、15.7%になっております。
未買収用地につきましては、学校設置者である市町村、県において単独事業で取得に努めているところでございます。
なお、与勝事務組合立与勝中学校の学校用地に係る訴訟につきましては、現在、民事事件として係争中であることから、訴訟の推移を見守っていきたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 6、カジノ誘致問題についての中の、沖縄を訪れる観光客は沖縄に何を求めて来ているのか、これまでに調査したことがあるかとの御質問にお答えします。
観光客のニーズに対応した施策を展開するため、県は、沖縄観光コンベンションビューローに委託し、平成11年度において沖縄観光マーケティング調査を、平成12年度において沖縄観光客満足度調査を実施したところであります。調査の結果、観光客は、観光地めぐりや心身のいやし、海浜でのリゾート、ダイビングやゴルフ、エコツアー等の体験学習、コンベンションへの参加、その他祭りやイベントへの参加等を目的に本県を訪れております。
同じくカジノ誘致問題についての中の、全国自治体の公営ギャンブルの経営状況についてとの御質問にお答えします。
他府県における公営ギャンブルには、競輪、競艇、地方競馬、オートレースがあり、平成3年度以降売り上げを減少させております。平成12年度は、競輪は73団体中22団体が、また競馬については24団体すべてが赤字となっております。
○知事公室長(親川盛一) 新垣米子議員の我が党の代表質問との関連について順次お答えをいたします。
まず、なぜこれまで地元がリーフ外を条件として要求したと県は認識しているかという点と、頭越しにやらないとはどういうことかという2点について一括してお答えをいたします。
県といたしましては、これまでの説明会を通じてさまざまな考え方があることは理解しております。
現在、県では、3工法8案について県庁内部で検討を行い、その取りまとめを行っているところであり、名護市等においては地元の意見の取りまとめを行っているところであります。名護市は、辺野古区等行政委員会などの意見や報告を踏まえ、早期に地元の意見を集約する旨明らかにしております。県としては、名護市等と十分調整を図りながら、地元の意見も踏まえた県の考え方を可能な限り早期に取りまとめる考えであります。
次に、環境への影響はどの程度と考えているかという御質問にお答えをいたします。
辺野古周辺海域においては、藻場、サンゴへの影響のほか、潮流の変化や水質への影響、航空機の騒音など生活環境への影響等が考えられます。影響の程度などについては、基本計画策定後に実施される環境影響評価により明らかになるものと考えております。
次に、県はキャンプ・シュワブ沖水域について評価ランクⅠとしているが、みずからの指針をほごにするのかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
県としては、「自然環境の保全に関する指針」の趣旨も踏まえ、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること」を移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れたところであります。県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き要望していきたいと考えております。
次に、辺野古の海を守るべきとの地元の声を尊重し、国に要請すべきでないかとの質問にお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたが、県が移設候補地を選定するに当たっては、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること」を移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れたところであります。
普天間飛行場代替施設の建設に当たっては、今後、基本計画が策定された後、閣議決定された政府方針に基づき環境影響評価が実施され、環境への影響を最小限にするよう、より詳細な検討が行われるものと考えており、県としては自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き要望していきたいと考えております。
次に、リーフ外、使用協定の締結、15年問題が地元合意の絶対条件ではなかったのかという点と、それから条件、地元合意が保障されない以上、受け入れ表明を撤回することが残された選択ではないかという2点について一括してお答えいたします。
15年使用期限問題について、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないものと考えており、引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
また、名護市が求めている使用協定等については、第7回代替施設協議会において名護市長から引き続き協議を重ねて早期に解決が図られるよう要望があり、県も基本計画策定とあわせて使用協定等の課題についても着実な進展が図られるよう要望したところであります。県としては、今後とも名護市と連携しながら実務者連絡調整会議において協議を行う中で協定の内容についても決まってくるものと考えております。
現在、県では、3工法8案について県庁内部で検討を行いその取りまとめを行っているところであり、また名護市等においては地元の意見の取りまとめを行っているところであります。県としては、名護市等と十分調整を図りながら、地元の意見も踏まえた県の考え方を可能な限り早期に取りまとめる考えであります。
以上であります。
○新垣 米子 再質問いたします。
公室長、ランクⅠのこの県の指針を踏まえて、そして地元の意向を踏まえて、影響を極力避けるというけれども、このランクⅠ、そしてそこをⅠに指定した意味は何ですか。保全を義務づけているんです、影響を極力少なくするということではないんですよ。保全を義務づけられているんです。
改めて答弁をお願いします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後6時44分休憩
午後6時45分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 新垣米子議員の再質問にお答えいたします。
ランクⅠを指定した理由、保全を義務づけているのではないかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
辺野古沿岸域につきましては、「自然環境の保全に関する指針」におきまして御指摘のランクⅠに位置づけられております。
同指針は、本県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について、事業を実施する際にはそれぞれの立場で配慮していく性格のものであり、同指針を尊重し適切な利用計画に努める必要があると考えております。県といたしましては、同指針の趣旨も踏まえ、「代替施設の建設については、必要な調査を行い、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすること」を移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に強く申し入れたところであります。
○新里 米吉 一般質問を行います。
最初に、スポーツの振興について質問します。
稲嶺知事、石川前副知事、牧野副知事、與那嶺前総務部長、財政課の皆さんにまずは感謝を申し上げます。
私は、1年前の12月定例会において、競技力向上対策費が九州最下位の中で減り続けていることを指摘し、2010年の全国高校総体に向けて対応することを要望し質問しました。
県三役を初め関係者の御理解と努力で競技力向上対策費が増になり、そのことがスポーツ関係者の励みにもなって国体に向けての練習にも一段と熱がこもり、第56回国民体育大会は昨年の総合46位から35位、とりわけ秋季大会は27位と予想以上の成績を上げ、大きく躍進しました。重量挙げ団体の優勝、ハンドボール少年女子優勝、バスケット成年女子とバレーボール成年男子9人制が準優勝、そのほかにソフトボール成年男子、なぎなた少年女子、弓道少年男子等が活躍し健闘しました。特に、球技の種目は抽選の結果、優勝候補と早い段階で対戦し上位進出は困難と予想されていた中で、その優勝候補に勝利し、次々と強豪をなぎ倒して好成績をおさめただけに健闘をたたえたい気持ちであります。
知事は、県体協会長でもありますが、(1)、第56回国民体育大会における沖縄県選手団の活躍について知事の所見を伺いたい。
次に、奥武山総合運動場の整備について質問します。
昨年の9月定例会においても施設の老朽化が著しいことと、2010年開催予定の全国高等学校総合体育大会に向けて施設の再配置を含めた全面改築が必要なことを述べ、質問しました。その後、平成13年2月に「沖縄県立社会体育施設整備基本構想」が沖縄県教育委員会で決定され、5月に一部改正が行われています。
基本構想の「整備方針」には、「施設の現況及び基本的な考え方を踏まえ、主として奥武山総合運動場の施設と未普及競技施設を整備する。各施設とも全国大会を開催できる施設規模とし、付帯設備を充実する。」と述べられ、「年次的整備の考え方」の項では、「社会体育施設の整備・拡充を推進するに当たっては、多額の費用が必要なことから、必要性、緊急性、競技会の開催時期等、諸条件を考慮し、平成22年度の全国高校総合体育大会までとする。」と述べています。施設の整備に多額の費用が必要なことから、年次的整備の考えを明確にし、県の財政に配慮した現実的な構想であると思います。
全国高校総体の前年にはプレ大会を開催し、競技運営面の総点検をしなければなりませんので、それまでに施設の整備を完了することが望まれます。悠長にできるほど時間的余裕はありません。
次年度から具体的に計画を進めなければならないと思いますが、(2)、奥武山総合運動場の整備について平成14年度は整備計画をどう進めるか。
次に、生涯学習について質問します。
生涯学習については、これまで幾つかの答申、提言等がありました。その中で沖縄県生涯学習審議会の平成12年12月6日の第一次答申、生涯学習振興のための緊急提言と、平成13年9月6日の第二次答申(最終答申)を読むことができました。
私も10年ほど前に教育長期計画の策定に当たって委員として生涯学習の審議にかかわったことがありましたが、今回の答申は少々難しい感じはしますが、体系的、具体的、論理的に整理されていると思いました。
第一次答申の中に、生涯学習推進センター(仮称)の設置について述べられています。
生涯学習推進センターは、生涯学習振興の拠点施設として将来はセンターの建設が必要だと思いますが、現状では県の財政状況や高度多機能病院の建設とその後に続くであろう宮古病院の建設及び奥武山運動公園のスポーツ施設改築等急いで建設しなければならない施設がある中で、当面、県の既存施設を利活用してセンターを設置し、沖縄県の生涯学習を推進することが必要ではないかと考えます。
特に、平成15年11月には全国生涯学習フェスティバルを沖縄県で開催することになっており、生涯学習推進センター(仮称)は早急に設置する必要があると思います。
そこで質問します。
(1)、生涯学習推進センター(仮称)の役割について伺いたい。
(2)、生涯学習推進センターの設置及び将来のセンター建設についての計画を伺いたい。
次に、エコツーリズムについて質問します。
私たち護憲ネットワーク県議団は、11月14日と15日、1泊2日の日程で屋久島を視察しました。調査事項は、1、屋久杉等の自然保護の歴史、2、現状と課題(自然保護と観光の関連も含めて)でありました。
屋久島は、1993年に世界遺産に登録され屋久杉で有名になっていますが、樹齢1000年以上の屋久杉をカタカナでヤクスギといい、1000年未満の屋久杉はカタカナでコスギと呼んで区別していることを知りました。そして樹齢1000年以上の屋久杉を禁伐とし、そのほかにも現在約1万1000ヘクタールについて禁伐として保護されているほか、保護樹帯6000ヘクタール余りについても自然環境の保全に留意して伐採は計画していないとのことでした。
しかし、屋久島の魅力は屋久杉だけではありません。九州最高峰1935メートルの宮之浦岳を初めとする高い山々と、山間部で8000ミリメートルを超す降雨量による豊かな水、気候の多様性による植生の豊かさがあります。海岸に近いところは、西表島を思わせるような自然環境があり、私たちが訪ねたヤクスギランドは1000メートルを超える地点にあって、屋久島森林管理署の署長の説明によると宮城県と同じ気温とのことでした。
ヤクスギランドの1000年以上の杉が林立する中を署長の案内と説明を受けながら視察をし、樹齢3000年と言われる紀元杉も見ましたが、最も有名な縄文杉は日程の都合と往復8時間も山道を歩くことから、私を含め議員各位の体力を考慮し断念しました。エコツーリズムを理解するには少なくとも縄文杉まで行く必要があり、次の課題になってしまいました。
屋久島は人口1万3000人で、観光入域客が年間40万人を超え、観光は島の基幹産業になっています。そして観光はエコツーリズムが中心でありますが、沖縄県内でもヤンバル地域、八重山地域、慶良間諸島等で取り組まれております。
これからの観光はエコツーリズムとマス・ツーリズムの共存が求められるとの指摘もありますが、(1)、沖縄県のエコツーリズムの現状と課題について伺いたい。
次に、失業雇用問題に移ります。
私はタクシーに乗ると、運転手との会話の中で景気について感想を聞いたりします。県内、県外ともことしが最も厳しいと答えています。そのことは完全失業率にあらわれていて、全国、県内ともに高い失業率になっています。
完全失業率が厳しい数字であった大田県政末期の1998年7月から10月までの完全失業率は7.8%、9.2%、8.7%、8.3%でした。ことしの7月から10月の完全失業率は8.9%、9.2%、9.4%、
9.3%です。3年前の知事選のときが9.3%、現在9.3%で、横ばいに抑えているととても言える状況ではあり ませんし、県執行部は現在の失業率をもっと厳しくとらえる必要があると思います。
また、ことし10月の完全失業率は9.3%で9月より改善されたような数字になっていますが、就業者数が5000人も減って、ふえると思われた完全失業率が1000人も減り、その分非労働力人口が8000人も大幅にふえたために起きた数字であり、県民の感覚とかけ離れた失業率になっていると思います。とりわけ、完全失業率9.2%の8月と比較すると就業者が1万4000人も減り、非労働力人口が1万9000人の増となっており、実態は著しく悪化していることを示しています。
失業問題を考えるとき、完全失業率は重要な指標だと思いますが、8月以降、就業者数が大幅に減り続けていることや、非労働力人口が大幅にふえ続けていることを含めて判断することが大切であろうと思います。国の補正予算で緊急地域雇用創出特別交付金3500億円のうち沖縄に70億円が配分され、一定の配慮がなされたと感じています。
しかし、先日の代表質問に対する観光リゾート局長の答弁によると、キャンセルによる観光収入は216億円の減収となっており、特別交付金を少々多く配分した程度では県内の失業雇用問題を打開することは困難で、基金の積み増しを要求すべきだと思います。特にキャンセルの直接的要因が風評や一部県教委の通知であったにせよ、その背景には広大な米軍基地の存在があることは明白であります。県内新聞の社説で、「「基地あるがゆえに」と思いながらも、あえて風評被害と言わざるを得ない複雑な県民の心情を、国は理解しているのだろうか。県民の悲痛な叫びに今、真しに耳を傾け、事態改善に全力を傾けることが、国の責任で招いたこの観光危機で、当然果たすべき義務だと思う。」と述べていますが、県民の心情を代弁していると思います。
ところで、緊急地域雇用創出特別事業を実施するに当たって、極めて高い失業率の若年者に対する施策が重要になると考えます。
また、今回の特別事業は3年間であることから、事業終了後の問題が懸念されます。花城部長は交付金の活用について、できるだけ常勤に結びつくようにしたいと述べ、中長期的な雇用につながる取り組みに意欲を示したと言われています。
そこで質問します。
(1)、完全失業率が9.2%、9.4%、9.3%と3カ月連続9%台と深刻な状況にあるが、高い失業率が続いていることについて知事の所見を伺いたい。
(2)、10月の完全失業率は9.3%となっている。しかし実態は9月より悪化していると思うが、県当局の認識を伺いたい。
(3)、沖縄県は若年者の失業率が極めて高い。緊急地域雇用創出特別事業において若年者雇用対策はどうなっているか。
(4)、中長期的な雇用につながる取り組みについて具体的な説明を伺いたい。
次に、我が会派の代表質問との関連質問をします。
軍民共用空港の民の部分について、地元から反対や疑問の声が出ていることについて我が会派の兼城議員ほか与野党から質問がありました。県の答弁によると北部からの利用者が20万人、1日就航便数が2010年度には関東・中部・関西へ3往復を見込んでいるとのことだが、その根拠を伺いたい。
2つ目に、15年使用期限について。
これまでも与野党の議員から進展していないと指摘されてきました。与党の中から、国内問題としての処理や一時棚上げまで提起されています。我が会派の兼城議員からの質問に対し従来の答弁を繰り返しておりますが、知事は、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと確信を持っておられるのか。確信を持っておられるなら、その根拠も示していただきたい。
以上、答弁によって再質問します。
○副議長(髙良政彦) ただいまの新里米吉君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後7時3分休憩
午後7時53分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
休憩前の新里米吉君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新里米吉議員の御質問にお答えします。
最初はスポーツ振興について、第56回国民体育大会における本県選手団の活躍について所見を聞きたいとのことでございました。
その前に私たちのことを一言、本日初めて若干褒めていただきましてありがとうございます。
それでは早速お答えをしたいと思います。
本県は、冬季・夏季・秋季大会に総勢437名の選手団を編成し、第56回国民体育大会宮城国体に参加をいたしました。大会における本県選手団の活躍は目覚ましく、ウエートリフティング、ハンドボール、なぎなた競技が優勝したのを初め多くの種目で大活躍し、男女総合成績において昨年度の46位を上回る35位と大きく躍進いたしました。このことは、県体育協会を中心に各競技団体がこれまで以上に選手強化に取り組んできた成果であります。本県選手団の活躍は県民に感動と活力を与え、県勢の活性化に貢献したものと高く評価しております。今後とも、競技力向上が図られるよう県としても積極的に支援していきたいと考えております。
次に、失業雇用問題について、高い失業率が続いているが、その所見はどうかということにお答えいたします。
本県の雇用状況は、全国的に長引く景気の低迷が本県の製造業やサービス業等幅広い産業分野に影響し、県外への就職も6カ月連続で大幅に減少しており、今後も予断を許さないものと考えております。県としては、現下の雇用・経済状況への適切な対応を当面の最大の課題と位置づけ、去る11月21日に「沖縄県緊急雇用対策本部」を開催し、本年度中に実施する緊急対策と次年度以降取り組む中期的対策を内容とする「沖縄県総合雇用対策」を策定したところであります。中でも緊急地域雇用創出特別交付金については、国の特段の配慮により70億円の配分を受けたところであり、これを最大限に活用し当面の雇用の確保に全力で当たりたいと考えております。今後とも、企業誘致や新事業・ベンチャー企業支援による新たな雇用の創出を図るとともに、経営革新支援や産学官の共同研究を推進し産業振興と一体となった雇用の創出を図ってまいります。
次に、我が会派の代表質問との関連について、15年使用期限について、知事は着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと確信を持っているのかとの御質問にお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、閣議決定された政府基本方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。このため、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(津嘉山朝祥) スポーツ振興について、奥武山総合運動場の整備について平成14年度は整備計画をどう進めるのかとの御質問にお答えをいたします。
県教育委員会におきましては、平成13年2月に「沖縄県立社会体育施設整備基本構想」を策定し、この構想をもとに関係部局及び関係団体等との調整を行っているところであります。特に、奥武山総合運動場については、平成14年度は平成22年度全国高校総体の本県開催に向けて必要な施設の整備について関係部局との調整を精力的に進めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄県生涯学習推進センターの役割についての御質問にお答えをいたします。
今日の社会は、人生80年時代を迎え、また社会の急激な変化や成熟化などにより人々は絶えず新たな知識・技術を習得していく必要があり、心豊かで充実した人生を送るためにも生涯学習に取り組むことが不可欠であります。このような時代の要請にこたえるため、本県においても県民が生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価される生涯学習社会の実現を図っていくことが重要であります。
沖縄県生涯学習推進センター(仮称)は、生涯学習を一体として総合的に推進する拠点施設として重要な教育機関であります。主な業務としては、生涯学習情報の提供・学習相談事業、指導者・リーダー養成、多様な学習機会の提供などがあります。沖縄県生涯学習推進センターは、市町村、大学、民間教育機関などとの連携のもと、本県の生涯学習を振興していくためにも生涯学習ネットワークの中心施設として果たす役割は重要だと考えております。
同じく生涯学習について、沖縄県生涯学習推進センター(仮称)の設置及び将来のセンター建設計画についての御質問にお答えをいたします。
沖縄県生涯学習推進センター(仮称)は、県民の自主的な学習活動を支援するための事業を集中的、総合的に行う生涯学習推進の拠点となる施設でございます。同センターの設置については、平成6年8月の第一期沖縄県生涯学習審議会の「沖縄県生涯学習振興のための基本構想」の答申、平成13年9月の第三期沖縄県生涯学習審議会の「生涯学習時代における開かれた教育の在り方について」の答申及び沖縄県生涯学習推進本部の策定した「沖縄県生涯学習推進計画」にも早期設置が求められております。
県教育委員会といたしましては、基本構想・基本計画を策定しており早急な設置が望まれますが、本県の財政状況など厳しい中、当面、既存の施設を活用して暫定的に整備して生涯学習推進センターの機能を確保していきたいと考えております。今後、沖縄県生涯学習推進センターの建設に当たっては関係部局と調整していきたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 3、エコツーリズムについての中の、沖縄県のエコツーリズムの現状と課題についてお答えします。
近年、自然に触れ、体験することへの関心が高まる中、本島北部や離島を中心に自然環境と共存し体験するエコツーリズムへの取り組みが進められております。
しかし、その一方で自然環境の保全体制や全県的な推進体制の確立、人材育成等が課題となっておりますことから、県としましては平成12年度に「エコツーリズム推進のためのフィールド調査」を実施したところであり、今後はその結果を踏まえて本県の自然特性に合ったシステムの構築に努めてまいりたいと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 失業雇用問題について、10月の雇用状況は9月より悪化していると思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
本県の10月の完全失業率は9.3%と9月の9.4%に比べて0.1ポイント低下し、完全失業者数も5万9000人から5万8000人と1000人減少しております。これを主な項目で見ると、労働力人口は62万5000人で前月に比べ5000人減少し、就業者数も同じく5000人減少して56万7000人となっております。
一方、非労働力人口は8000人増加しており、これらの結果、完全失業者数は1000人の減少となったものであります。非労働力人口の増加は、今後、完全失業率を押し上げる要因ともなるものであり、その動向を注視していく必要があると考えております。
また、求人・求職の動きを示す有効求人倍率や新規求人倍率も低下する傾向にあり、県外からの求人や県外就職の大幅な減少とあわせて本県の雇用情勢は厳しい状況にあると考えております。
同じく失業雇用問題について、緊急地域雇用創出特別事業において若年者雇用対策はどうなっているかという御質問にお答えします。
交付金事業は、失業者に対して公的部門における臨時的な雇用・就業機会を確保することを目的としており、より多くの失業者に対して交付金事業への就業機会を確保することが必要であると考えております。したがいまして、現在調整中の全体事業計画の策定に当たっては、失業者の約半分を若年者が占める本県の実態を踏まえ、今後の産業振興につながる事業や新たな雇用の受け皿となる分野の事業等についても積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
同じく失業雇用問題について、中長期的な雇用につながる取り組みについて聞きたいという御質問にお答えいたします。
県においては、現下の雇用・経済状況への適切な対応を当面の最大の課題と位置づけ、去る11月21日に「沖縄県緊急雇用対策本部」を開催し、本年度中に実施する緊急対策と次年度以降取り組む中期的対策を内容とする「沖縄県総合雇用対策」を策定したところであります。中期的対策として企業誘致、新事業の創出、産学官の共同研究の推進及び「若年者総合雇用支援システム」の構築等新たな雇用の創出と人材育成に取り組む対策をまとめております。
本県の雇用状況を抜本的に改善していくためには、産業の振興による新たな雇用の創出と人材育成が不可欠であり、これらの諸施策を推進することによって産業振興と一体となった雇用の創出と人材育成に取り組んでまいります。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 新里米吉議員の我が会派の代表質問との関連についての中の、北部からの利用者20万人、2010年度における1日就航便数を関東・中部・関西へ3往復見込んでいる根拠を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
民間航空機の需要につきましては、那覇空港における既存の調査結果や北部地域における航空貨物の実績並びに今後展開される多くの振興策等を勘案しながら、民間機能における潜在的ポテンシャルを求めました。需要の推計は、旧運輸省航空局が行った那覇空港における旅客動態調査結果と県企画開発部が調査した那覇空港における将来航空需要予測結果をもとに行っております。
平成5年度から9年度にかけて旧運輸省航空局が行った那覇空港における旅客動態調査によりますと、那覇空港の1日当たりの国内線旅客数のうち北部地域を出発地あるいは目的地とする旅客は全体の約12.3%で、その内訳は名護市が2.8%、国頭郡が9.5%であります。そのうち地元客の占める割合が名護市で40.8%、国頭郡で7.4%といずれも地元客が少なく、地元客以外の観光客が多くなっております。この率を基本に、北部地域定住人口15万人を考慮した上で県企画開発部が算定しました2010年度の那覇空港における旅客利用者を地域別に算定した場合、北部地域は155万9000人となります。
ここで、代替施設の民間機能の背後圏として那覇空港が沖縄本島南部の那覇市に位置していること、那覇空港から中部圏域への交通ネットワークが充実していること、那覇空港と代替施設の民間機能との航空サービス頻度の格差が大きいことから北部地域に限定いたしました。
北部地域からどれだけの人が民間機能を利用するかという利用率の算定は、北部地域の旅客を地元客と地元客以外に区分し、それぞれの利用者数を推計した後に両者を合算して地域全体に対する割合を算出しております。その結果、北部地域からの利用率は28.3%で、利用者は約44万人となります。ただし、この数字は全国各地の旅客利用者が含まれるため、旅客動態調査の実績に基づき関東、関西、中部等現在就航または計画されている路線別にそれぞれ割り当て、そのうち就航が見込める旅客数を有する路線のみを抽出し、その旅客数を合算しましたのが民間機能における就航見込みに対する潜在的ポテンシャルであります。その結果は約20万人であり、1日の就航予測便数は関東・中部・関西方面に3往復6便となっております。
なお、移設先の地域では名護市のマルチメディア館や国際海洋環境情報センター、宜野座村のサーバーファーム事業など情報産業の集積が進んでいることから、さらなる需要の拡大が期待できるものと考えております。
○新里 米吉 2点再質問をします。
1点目は、生涯学習推進センターですが、関係部局と調整していきたいということですが、ある程度めどはついているのかどうか、お願いします。
それから軍民共用空港の20万人、1日3往復6便で採算がとれると思っているかどうか、お聞きします。
○教育長(津嘉山朝祥) 再質問にお答えいたします。
まず当面、既存の施設を活用して暫定的に整備をして生涯学習推進センターの機能を確保していきたいと考えておりますと、それから今後、沖縄県生涯学習推進センターの建設に当たっては、関係部局と調整していきたいと考えておりますが、そのめどは立っているのかということの御質問にお答えをいたします。
当面、既存の施設を活用して暫定的に整備をして進めたいということにつきましては、既存の施設そのものについては教育委員会として一部の施設はございます。ただ、諸般の事情がございまして、まだ関係部局と十分な詰めはなされておりませんので、その場所が生涯学習推進センターとして得られるのかどうかというのはまだ未定でございます。したがいまして、生涯学習推進センターの意義、そして早期設置が求められておりますので、私どもとしては精力的にこの既存の施設を活用しての生涯学習推進センターの設置に向けて全力で取り組みたいと思っております。
○知事公室長(親川盛一) 新里米吉議員の再質問にお答えいたします。
利用者が20万人で、関東・中部・関西へ3往復6便で採算がとれると思うかと、こういう趣旨の御質問にお答えをいたします。
代替施設は、普天間飛行場の代替施設として建設される飛行場であります。同施設は、新たな基地負担を軽減するためにも民間の航空機が就航できるようにするとともに、航空関連産業の育成・誘致及び空港を活用した産業等のための条件の整備・検討を進め、具体的な事業展開が図られるようにする必要があると考えております。そのため、県としては、同施設の民間機能を活用して雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成するとともに、移設先周辺地域における振興策や空港活用型の産業振興等について国の支援を得ながらその実現を図ることにより、採算性は確保されるものと考えております。
○玉城ノブ子 一般質問を行います。
まず最初に代表質問との関連について。
市や県は、地元の意向を尊重すると言ってきました。しかし8つのメニューを提示して、どちらを選ぶかはあくまでも地元住民の意思だと説明しながら、地元住民がリーフ内、リーフ上は除外すると決めたにもかかわらず、リーフ外は困難と政府の意向を押しつけています。このことの一体どこが地元の意向を尊重するということになるのでしょうか、御所見をお伺いいたします。
辺野古への新たな基地建設の問題は、県民への公約である15年使用期限、使用協定などを全くほごにして強行しようとするものです。岸本市長は、基地受け入れの条件として民間上空、夜間飛行訓練の禁止を求める使用協定を締結するとしています。しかし、いまだに日米両政府からその保証がとれていません。15年使用期限については、米国のブッシュ大統領がみずから日米首脳会談の中で繰り返し困難と表明しており、完全に破綻しています。新たな基地の建設計画は即時中止すべきではありませんか、知事の御所見をお伺いいたします。
狂牛病対策について。
狂牛病の全頭検査で国内3頭目の狂牛病が見つかりました。日本の畜産、酪農、関連産業、消費者に深刻な影響と打撃を与えています。1996年4月のWHO(世界保健機関)勧告をきちんと受けとめ万全の対策をとっていれば狂牛病の侵入は防げたはずであります。さらに、狂牛病の疑いのあった牛を焼却せず、肉骨粉として流通させるなど、その後の政府の不手際が政府に対する不信、不安を招き一層の混乱を広げています。
その後の調査で、狂牛病の原因と見られる肉骨粉の使用禁止を求めたWHO(世界保健機関)の勧告を受けて開かれた農業資材審議会家畜飼料検討委員会で、複数の専門家が日本での肉骨粉の使用禁止を求めたのに対して、農水省の担当課長が拒否してきたことが明らかになっています。専門家の法的規制を迫る意見を黙殺し、今日の狂牛病被害を招いた農水省の責任は極めて重大であります。
政府の失政で深刻な被害を受けているのは肉牛生産農家や酪農家、関係業者です。政府と県の責任で万全な支援と被害補償を急がなければなりません。
次のそれぞれの項目について、政府への具体的な支援策を要求するとともに、県としての対策を求めるものであります。
(1)、消費者の信頼と安心が得られなければ狂牛病問題は解決しません。流通している食肉、食肉製品、食肉関連商品が安全であることが確保されなければなりません。疑わしきものは流通させない万全の対策をとることについて御見解を伺います。
(2)、消費者に対し、検査結果を含む情報の公開を正確かつ迅速に行うとともに、消費者に科学的な情報を積極的に公開し、風評被害を防止することについて御見解を伺います。
狂牛病の感染経路となる肉骨粉の輸入の全面禁止、国内流通の停止は当然の措置であるが、既にある肉骨粉の管理に万全を尽くし、混入が起こらないようにすると同時に、鶏や豚用のえさとしても使用しないような措置を講ずることについて。
屠畜場で全頭検査を円滑に進めるために、検査員の大幅増員を初め検査体制の整備を図ることについて御所見をお伺いいたします。
肉用肥育経営安定化制度について、緊急に加入する農家に対しては生産者積立金相当額を政府が立てかえ払いし、経営が安定するまで支払いを猶予すること。また、政府の基金拠出額を増額し、補てん率をこれまでの8割から10割まで引き上げ、経営支援する。また、支払いを四半期ごとから1カ月ごとにすることについて御所見をお伺いいたします。
初生牛の価格下落対策のために、緊急に肉用子牛生産者補給金制度の対象とすることについて。
狂牛病発生後の子牛価格が過去5年間の平均価格と比べて10月期で5万4814円、11月期で1万 6871円も下落しています。枝肉、子牛、ぬれ子とも価格差に対する補てん対策を行うことについて。
県産牛、子牛価格安定特別対策事業の制度を改善し、雄牛への適用を拡大することについて。
狂牛病関連のつなぎ資金については、その趣旨が十分に生かせるような柔軟な対策を図ることについて御所見をお伺いいたします。
販売不振、出荷繰り延べなどで経営に影響を受けた卸売業者、販売店、飲食業者に対して損失補償を行うことについて。
肉骨粉の使用全面禁止によって経営に打撃を受けるレンダリング業者に対し、国の責任において支援措置をとることについて。
生産農家の既往債務の凍結、猶予の措置を講ずることについて御所見をお伺いいたします。
県に、狂牛病に関する相談窓口を設置し、現場の要望に迅速にこたえる適正な措置を図ることについて御答弁をお願いします。
2、雇用失業対策について。
沖縄観光産業との関連について。
米国同時テロと報復戦争への影響で県内の観光産業は大きな打撃を受け、雇用情勢もさらに一層深刻な事態に直面しています。お土産品などの沖縄産品の卸売業「ゆいまーる沖縄」が取引先など観光関連業者を対象に実施したアンケート調査で、観光客が激減したのは基地の集中が原因で、基地と観光の共存は不可能と考えている人が54%に達していることが明らかになっています。
我が党県議団の調査では、糸満市摩文仁の平和祈念公園やひめゆりの塔周辺での献花やお土産品の売り上げが激減していることがわかりました。朝から夕方まで一日じゅう足を棒にして立ち尽くしても、わずか1束、2束しか売れない。他に働く場所はないし、これから先のことを考えると本当に心配です。お土産品の売り上げも10分の1に激減して、15人の従業員は自宅待機、何とかしてほしいなど悲痛な訴えが相次いでいます。
沖縄労働局がまとめた「米国同時多発テロ等による県内雇用への影響報告」によると、リゾートホテルやお土産品店を中心に既に51人が解雇され、他にホテルの外注業務を担う清掃業者を中心にパート、派遣労働者の自宅待機や賃金、労働条件の切り下げ等が行われていることが明らかになっています。この状況は一部であり、実態はこれよりもっと深刻であると思われるが、県が実施した実態調査の結果についてお答えください。
実態調査の上に立って国に対して具体的な対策を要求すると同時に、県独自に緊急な対策が求められております。どのように考えておられるのか、お答えください。
新緊急地域雇用特別事業について。
失業者の新規雇用の機会を創出する上でどれだけの雇用効果を見込んでおりますか。
99年秋から約2年半、緊急雇用特別対策事業が実施されてきましたが、雇用効果をつくり出す上で改善すべき問題点が指摘されています。例えば、失業者の新規雇用の機会を生じる効果の高い事業を計画すること、雇用期間を1年以上に延長し、同事業に何回でも就労できるようにすること、失業者を吸収しやすい建設・土木事業も事業項目に加えること、委託中心ではなく自治体が直接実施できるものにすること等、事業の目的に沿ってその効果が十分に発揮できるように制度の改善・拡充を政府に求めるとともに、県としての対策について答弁を求めます。
(3)、全国の失業率は5.3%に達し、厚生労働相は緊急事態宣言をしました。沖縄県の失業率は全国の約2倍という厳しい状況に直面しています。国の交付金事業とは別に県独自の雇用対策事業を実施するべきであります。知事の御見解をお伺いいたします。
県費相談員の継続雇用について。
県内の完全失業率は9.3%、失業者数は5万9000人と全国平均の約2倍近い数値を示し一層深刻な雇用実態になっています。そういう状況を反映して雇用問題に対する相談もふえており、県費相談員の果たす役割もますます重要になっています。ところが職安業務が国の管轄下に置かれたことを理由にして、県費相談員を削減することは県内の雇用実態を全く無視するものであります。県費相談員については継続して雇用を図っていくべきであります。御見解をお伺いいたします。
農協合併について。
輸入農産物の増大による農畜産物の価格低迷などで沖縄県の農業粗生産額は2000年度で前年比51億円減の902億円と落ち込みました。さとうきび、野菜、果実などの減収によるものです。これらが農家経営、JAの事業収入に大きな影響を与えていることは明らかです。仮に単一JAが実現したとしても農業の発展、農業生産の拡大と農家経営の抜本的改善が行われない限り農協が債務超過に陥ることは明らかですが、県として農業の発展、農家経営の安定のための具体的施策を明らかにしてください。
農家戸数の減少、農業従事者の高齢化が進み、農業の担い手が不足しているのはどこに原因があるとお考えですか。
県内JAは、1999年度決算で3JAが債務超過に転落しました。そのうち債務超過額の大きい2つのJAが広域合併のJAであります。結局、合併だけでは何も解決しないことは明らかですが、この2つのJAの債務超過の要因はどこにあるのか明らかにしてください。
債務超過JAが県に提出した改善計画の内容についてお答えください。
改善計画は組合員、職員の十分な検証と議論の上に立って策定されたものでしょうか。
単一JAの経営計画を見ると、平成14年度から黒字になる計画のようです。同時に信用事業が事業総利益の39.58%(平成14年)、平成16年で46.46%となっています。つまり、合併により農家の所得確保と経営安定、農家の所得の向上、農家や農業が大事にされるという方針は十分見えてきませんが、この点についてどう考えていますか。
農業所得が落ち込み、100万円台と低迷しています。こうした中で2002年度からのペイオフ解禁が控えていますが、現在の農協預金者の中で農業者のペイオフ解禁に該当する農家はどのくらいですか。
言うまでもなく農協の主人公は組合員である農家です。したがって、合併を最終的に決めるのは組合員でなければなりません。何のための合併なのか、組合員や地域農業にどんな影響があらわれるのか、支所、施設の統廃合、職員配置はどうなるのかなどについて十分に議論を保障して納得した上での結論を出す必要があります。どのように対応してきたのか、答弁を求めます。
海洋深層水の活用について。
海洋深層水研究所の建設について。
御承知のように、海洋深層水は太陽の光が届かない深海にある海水です。この特徴は、年間を通して約9度の低温の安定性、細菌による汚染の極めて少ない清浄性、無機栄養塩を含む富栄養性、ミネラルがバランスよく含まれるミネラル特性、水圧が30気圧以下で長い年月を経た熟成性という特質を持っていると言われています。
久米島の海洋深層水は、日産1万3000トンを取水し、冷温農業や水産業などの研究を進め、県海洋深層水研究所は養殖のクルマエビの母エビ完全養殖に成功したと発表しています。海洋深層水の利活用は、農水産業を初め産業振興にも大きな役割を果たすものと期待されています。沖縄県が策定した「沖縄県水産試験研究推進構想」によると、海洋深層水を利用研究するため海洋深層水研究所は、水産試験場の研究機関と連携し開発を行うとなっています。糸満市は、水産試験場や現在進められている農業研究センターとの連携が進められる糸満市沿岸域への建設を強く要望しています。
以上の点を踏まえて、以下の点について質問いたします。
海洋深層水の利活用状況と今後の計画について答弁を求めます。
「海洋深層水有効利用評価委員会」の役割と、これまでの取り組みについてお答えください。
糸満市沿岸域への海洋深層水研究施設の建設について御見解をお伺いいたします。
沖縄県水産試験場の整備計画について。
糸満市に設置している水産試験場は、水産業振興を目指す諸施策を推進する上で大きな役割を果たしています。ところが、施設が老朽化している上、研究環境の変化によって円滑な業務の遂行に支障を来しています。
沖縄県は、「沖縄県水産試験研究推進構想」において移転整備が必要な状況にあるとし、水産試験場の移転総合整備計画を早急に策定するとなっています。沖縄県水産試験場、水産業改良普及所の糸満市沿岸域への早期移転建設は漁民を初め市民の切実な要求になっています。
糸満市は、県内で唯一の第3種漁港を持ち県内有数の漁業の町として知られ、沖縄県水産業の先駆的役割を果たしてきました。沖縄県の水産振興でさらに大きな役割を果たしていくためには、水産業環境の整備と活性化が求められています。
以上述べた点から水産試験場の移転・改築について、その後の取り組みについて質問します。
沖縄県水産試験場の移転総合整備計画策定について、検討委員会での審議の内容と進捗状況、今後の計画について答弁を求めます。
沖縄県水産試験場の場所選定と移転・改築時期についてお答えください。
以上、答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 玉城ノブ子議員の御質問にお答えいたします。
最初は狂牛病対策について、狂牛病の感染源となる肉骨粉の管理に万全を尽くし、鶏や豚用のえさとしても使用しないような措置についての御質問についてのお答えでございます。
肉骨粉等の使用については、平成13年10月1日付の国の通達により、飼料工場での肉骨粉等を含む配合飼料の製造及び出荷販売が全面的に禁止されております。
また、肉骨粉等の処理については平成13年10月2日付の国の通達により一般廃棄物としてすべて焼却処理することとなっております。したがって、肉骨粉等はすべての家畜の飼料に使用されておりません。現在、県内で保管されている肉骨粉等は約1100トンあり、その焼却処理に要する経費については国が助成することになっております。肉骨粉等については、年内をめどに焼却を開始する予定であります。県としては、今後とも県内の飼料工場及び畜産農家への監視体制を強化し、BSEの進入防止に万全を期しているところであります。
続きまして農協合併について、単一JAに関連して、本県農業の発展、農家経営の安定のための具体的施策についてのお答えでございます。
農業を取り巻く情勢は、農産物の輸入自由化、産地間競争の激化及び担い手の減少等により厳しい状況にあります。このような状況を踏まえ、県においては活力ある農業の振興を図るため、「農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム」に基づき生産基盤の整備を初め、生産・流通対策及び担い手の育成など諸施策・事業を重点的に推進しているところであります。
また、新しい沖縄振興計画においては、本県の地域特性を生かし、持続的な農林水産業の発展を図るため、1、「おきなわブランド」の確立と生産体制の強化、2、総合的な流通・加工対策の強化、3、亜熱帯農林水産技術の開発・普及、4、多面的機能を生かした農山漁村の振興と観光・リゾートとの連携、5、亜熱帯・島嶼型農林水産業基盤の整備などを施策の柱として諸施策・事業を積極的に推進する考えであります。
県単一JA合併については、強固な経営基盤が確立され、組合員への営農指導等のサービス強化、農家所得の向上に大きく貢献するものと考えております。
県としては、合併後の県単一JAの支援を初め、本県農業の振興に努めていく考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 狂牛病対策について、食肉、食肉製品、食肉関連商品が安全であることが確保されなければならない、疑わしきものは流通させない万全の対策をとることについて県の見解を問うとの御質問にお答えいたします。
平成13年10月18日から屠畜場で全頭検査が実施され、安全な牛肉が流通しております。また、狂牛病の危険部位(脳、脊髄、眼、回腸遠位部)は、屠畜場外へ流通しない体制が整っております。
10月18日以前の特定危険部位を含むおそれのある牛由来原材料を使用して製造または加工された食品については、10月5日の厚生労働省通知により全国で関連団体が点検し保健所へ報告されております。県内でも280品目の食品のうち2品目が「特定危険部位を含む」または「不明」で報告がありましたが、すべて11月23日までに自主回収されております。現在流通している食肉、食肉製品、食肉関連商品は安全であると考えております。
同じく狂牛病対策について、消費者に対し検査結果を含む情報の公開を正確かつ迅速に行うとともに、消費者に科学的な情報を積極的に公開し、風評被害を防止することについての御質問にお答えいたします。
厚生労働省は、確定診断の結果、狂牛病とされたものについては判明次第公表し、スクリーニング検査の結果が陰性のものの総数を毎日ホームページで公表しております。
本県は、スクリーニング検査陽性となった場合、検体を神戸検疫所輸入食品・検疫検査センターに送付し、国で狂牛病と確定診断されたものについては国と調整の上、同時に公表したいと考えております。
狂牛病の風評被害を解消するため、県はBSEスクリーニング検査が開始された10月18日に安全宣言を行いました。また、学校給食会、市町村畜産担当者及び畜産関係業者、生活協同組合員及び一般消費者等約550名に対し、それぞれ狂牛病検査体制等の説明を行っております。今後とも、消費者に科学的及び正しい情報を積極的に公開してまいりたいと思います。
屠畜場で全頭検査を円滑に進めるために検査員の大幅増員を初め検査体制の整備を図ることについてお答えいたします。
全頭のBSEスクリーニング検査を円滑に進めるためにプリオン検査に必要なマイクロプレートリーダー、組織・細胞破砕機等の備品の整備をするとともに、検査員の安全が確保できる試験室の増設等検査体制の整備を図っております。また、検査員の増員についても、現在、関係部局において調整を進めているところでございます。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) BSE対策について、肉用牛経営安定化制度の中途加入者に対し、生産者積立金相当額の国の立てかえ、補てん率の引き上げ、また支払いを1カ月ごとにすることなどについての質問にお答えいたします。
肉用牛肥育経営安定対策事業は、国の基金制度により平成13年4月から実施をしております。事業の実施に当たっては、「肉用牛肥育経営安定対策事業実施要領」に基づき国及び生産者の積立金の負担割合や農家への補てん割合などが詳細に定められております。したがいまして、中途加入者に対する立てかえ、補てん率の引き上げ及び1カ月ごとの算定については難しいものと考えております。
しかしながら、今回のBSEの発生に伴い、収益の悪化したすべての肥育経営者に対し、新たな特別対策事業として「BSE対応肉用牛肥育経営特別対策事業」が創設されました。当該事業は、粗収益が生産費を下回った場合、その差額が1カ月ごとに算定され、国が損失相当額の10割を補てんすることとなっております。
続きまして、初生牛を肉用子牛生産者補給金制度の対象とすることについて、またBSE発生後の子牛価格が大きく下落している、枝肉、子牛、初生牛とも価格差の補てん対策を行うことにつきましてお答えいたします。関連しますので一括してお答えいたします。
肉用子牛生産者補給金制度については、国の通達に基づき月齢が6カ月齢以上、12カ月齢未満で販売・保留された肉専用種、乳用種及び交雑種の子牛が対象となっております。したがいまして、生後1カ月齢未満の初生牛については補給金制度の対象外となっております。
しかしながら、国においては初生牛の価格安定対策として、生産者が初生牛を1カ月以上哺育した場合、乳肉複合経営体質強化事業により1頭当たり7000円の奨励金を交付することとなっております。
BSEの発生に伴う肥育牛枝肉の価格対策については、BSE対応肉用牛肥育経営特別対策事業等により補てん金が支払われることとなっております。
また、子牛価格に対しては、肉用牛生産者補給金等の助成により子牛価格が補償されております。
次に、沖縄県和牛子牛価格安定特別対策事業の制度を改善し、雄子牛への適用拡大についての御質問にお答えいたします。
県内の家畜市場における雄子牛価格は、ほぼ全国平均並みの取引価格となっております。しかしながら、雌子牛については雄子牛と比べ9万円程度安く取引されております。そのため、沖縄県和牛子牛価格安定特別対策事業については、平成11年度より雌子牛のみを助成対象とするよう制度の改正を行っております。
BSEの発生後、県内における10月、11月の競り価格は、雌子牛の約25万7000円に対して雄子牛は約32万3000円と県の保証基準価格27万円を大きく上回っていることから、補てんの対象とはなり得ない状況となっております。しかしながら、雄子牛への適用については今後の市場取引価格の推移を見ながら検討していきたいと考えております。
次に、BSE関連のつなぎ資金について、その趣旨が十分に生かせるよう柔軟な対策を図ることについて県の見解を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
BSEの発生に伴い、畜産農家が経済的影響を受けることに対する支援としては、つなぎ資金として大家畜経営維持資金制度が講じられております。当該資金の貸付要件としては、出荷販売額が平成13年9月10日以降、おおむね2割以上減少していること、貸付期間は平成13年10月5日から12月31日までであります。償還期限及び償還方法については、1年以内の元利一括払いとなっております。
県としては、農家負担の軽減を図るため、末端金利1.6%に対して県費1.01%を上乗せし、農家の負担率を0.59%とするとともに、各地域での説明会を開催し活用の促進に努めているところであります。
次に、販売不振、出荷繰り延べなどで経営に影響を受けた卸売業者、販売店、飲食業者に対して損失補償を行うことについて県の見解はどうかということについてお答えいたします。
BSEの発生に伴い食肉処理販売などを営む経営者が、資材等の仕入れや雇用労働費等の経営に必要な資金については食肉処理販売等特別資金が創設されており活用することができます。
貸し付けの要件といたしましては、売り上げが2割以上減少している経営体であること、限度額は食肉処理業、食肉販売業、飲食店営業、総菜製造業及び食肉製品製造業が1000万円、内臓処理販売業及び化成業が4000万円、飲食店営業及び総菜製造業については、食材仕入れ額のうち牛肉仕入れ額の占める割合が50%以上であること、かつ、牛肉仕入れ額のうち国産牛肉の仕入れ額の占める割合が50%以上であることなどとなっております。
貸付利率は1.6%で、償還期間については1年以内の元利一括払いとなっております。貸付期間は平成13年12月31日までとなっております。
なお、損失補償につきましては、現在のところ該当する制度はございません。
次に、肉骨粉の使用禁止によって打撃を受けるレンダリング業者に対しての国の支援措置についての御質問にお答えいたします。
県内にはレンダリング業者が2社あり、食肉センター及び食鶏処理場から廃棄される畜産副産物を原料に肉骨粉等の製造を行っております。しかしながら、肉骨粉等の製造及び出荷販売については、平成13年10月1日付の国の通達により家畜の飼料として使用することは禁止されております。このため、国においては畜産副産物のレンダリング処理及び適正な焼却処分を行うのに必要な経費について、肉骨粉適正処分緊急対策事業により国が全額助成することになっております。
次に、生産農家の既往債務の凍結、猶予の措置を講ずることについて県の見解はどうかということについてお答えいたします。
BSEの発生に伴い、生産農家が制度資金等を借り受け貸付金の償還が著しく困難な農家については、平成13年9月28日付の国の「牛海綿状脳症の発生に伴う農業改良資金の償還猶予の適用について」の通達により、償還の猶予が講じられております。
償還猶予の内容としては、据え置き期間の延長、償還期間の延長、中間据え置き期間の設定及び償還元金の一部繰り上げを行うことが可能となっております。県としては、生産農家や関係機関へ地域ごとに説明会を開催するなどその趣旨を周知し、活用を推進しているところであります。
次に、BSEに関する相談窓口を設置し、現場の要望に迅速にこたえる措置を図ることについての質問にお答えいたします。
BSEに関する相談窓口としては、県畜産課、北部・中央・宮古・八重山の各家畜保健衛生所に設置をしております。また、去る9月27日には県庁ホ-ムペ-ジでBSEに関する広報及び相談窓口を開設し、農家や消費者等の要望に対応しているところでございます。さらに、10月17日には「沖縄県牛海綿状脳症対策本部」を設置し、県関係部局の連絡体制の強化を図っております。今後ともBSEに関する情報提供や県民の要望に対してこたえてまいりたいと考えております。
次に、農協合併について、農家戸数の減少、農業従事者の高齢化が進み担い手が不足している原因についてお答えいたします。
本県農業を取り巻く状況は、担い手の減少、農業者の高齢化など厳しい状況にあります。また、新規就農者についても、近年、70人前後で推移し担い手が不足している状況にあります。
その主な要因については、農産物の輸入自由化や国内外の産地間競争の激化などにより農業所得の低下によるものと考えております。このため、県としては農林水産業の振興を図るため農業生産基盤の整備を初め拠点産地の形成、流通コストの低減、担い手育成等の諸施策に取り組んでいるところであります。特に、新しい時代の農業を担う人材の育成については、農業大学校における実践的な研修教育によるすぐれた農業後継者を育成しているところであります。
また、農業改良普及センターにおいては、他産業からの転職者や新規参入者に対して技術研修や経営等の研修を行うなど、多様な人材の育成・確保に努めているところであります。今後とも農業生産の振興と就農環境の条件整備を進めるとともに、若者に魅力ある農業の振興に努めていく考えであります。
次に、1999年度は3JAが債務超過で、うち2つの広域合併JAがある、2つのJAが債務超過に陥った要因は何かについてお答えいたします。
広域合併した2つのJAが債務超過に陥った主な要因としては、バブル期に貸し付けた債権が融資先の経営不振等により不良債権化したことであります。さらに、長引く景気の低迷で担保の資産価値が低下したこと及び農業者の経営不振による未収金の発生などであります。
次に、債務超過JAが県に提出した改善計画の内容はどうかについてお答えいたします。
債務超過JAについては、農協法に基づき経営改善計画の策定が義務づけられております。
経営改善計画については、経営責任と出資者負担を前提に全国支援等を受けることにより累積債務を解消することとしております。計画内容については、経営困難JAの赤字体質を解消するため事業利益が計上できる水準まで事業管理費の徹底した削減に努めることとしております。県としても、経営改善計画が達成されるよう積極的に指導していく考えであります。
次に、改善計画は組合員、職員の十分な検証と論議の上に立って策定されたかとの御質問にお答えいたします。
債務超過8JAの経営改善計画については、各JAが策定し理事会で決議されることとなっております。8JAについては、平成13年の5月から6月に開催されたJAの理事会で決議されたものであり、役職員及び組合員の合意は得られているものと考えております。
次に、単一JAの経営計画は農家や農業を大事にする方針が十分見えない、これについてどう思うかとの御質問にお答えいたします。
県単一JAの経営計画は、事業の効率化と専門性を重視し、農協本来の役割である農家組合員へのサービスの向上と農家所得の安定向上に資することを目的としております。このため、事業実施に当たっては経済事業、信用事業、共済事業などの事業本部性を設置し、より強固な経営基盤を確立することとしております。
また、地域と組合員のより密接な連携を図るため、市町村単位の53支店と県下5地区に営農センターを設置することとしております。
次に、農協預金者の中で農業者のペイオフ解禁に該当するのはどのくらいかとの質問にお答えします。
県内28JAの組合員は約11万6000人で、そのうち平成14年4月からのペイオフ解禁に伴い影響を受けると思われる個人預金者はおおむね1割程度と考えております。
次に、農協の主人公は組合員である、組合員が納得した上で合併計画を進める必要があるがどうかとの質問にお答えします。
県単一JA合併構想は、県下全JAの組合員代表が参加して開催された第16回JA沖縄大会で決議されたものであります。
合併計画については、全JAの組合長で構成する合併推進本部委員会において計画案を策定し、各JAの理事会の承認を経て総会において決定されるものであります。
現在、合併推進本部においては、来る12月17日の合併予備契約の調印に向けて各JAの役職員及び組合員に対する説明会を集中的に行っているところであります。今後、各JAにおいては1月18日の合併総会において合併計画が決定されるものと考えております。
次に、沖縄県水産試験場の整備計画について、沖縄県水産試験場の移転総合整備計画策定について検討委員会での審議の内容と進捗状況、今後の計画について、それから沖縄県水産試験場の場所選定と移転・改築時期についての質問につきましては、関連しますので一括してお答えします。
水産試験場の移転整備については、移転場所の立地条件及び各水産試験研究機関の役割分担等を内容とする「沖縄県水産試験研究体制整備構想」を今年度中に策定する計画であります。移転整備基本計画については、同体制整備構想を取りまとめた後、水産関係団体、学識経験者等から成る検討委員会を設置し策定したいと考えております。
また、場所選定についても同検討委員会の審議内容を踏まえて選定する予定であります。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 雇用失業対策について、観光産業について県が実施した実態調査の結果はどうかという御質問にお答えいたします。
修学旅行を中心とするキャンセル等による雇用面への影響について、ホテル等宿泊施設に対して11月末現在でアンケ-ト調査を実施したところ、回答のあった68社の合計で正社員については解雇が3名、時間調整を含めた自宅待機は12名となっています。
また、パ-トタイムについては解雇が17名、時間調整を含めた自宅待機等は284名となっております。このことから、現時点においてはパ-トタイムを中心に影響が出ている状況であります。
同じく雇用失業対策について、国に対して具体的な対策を要求することについてはどうか、または県独自の緊急対策についてはどうかの御質問にお答えします。
今回のテロ事件に伴い事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が雇用の維持を図るため、一定の条件のもとで従業員を休業させた場合、国が所管する雇用調整助成金の適用が可能となります。この助成金は、事業主が支払う休業手当に対して中小企業は3分の2、大企業は2分の1の助成を行うものであります。
国においては、最近の雇用情勢の急激な変化を踏まえ、本助成金の適用要件を緩和したところであり、本県においては今回のテロ事件により影響を受けた観光関連産業等の中小企業に対しこの措置が適用されることになります。
対象となる従業員には、雇用保険の被保険者であるパートタイムも含まれます。県としては、観光関連産業の雇用の維持を図るため経営と雇用に関する緊急制度説明会を開催し、当該制度の活用を促進しているところであります。
また、緊急を要する観光関連産業の活性化対策として、12月補正予算においても世界遺産等の観光拠点に旅の案内人を配置する事業、那覇空港において琉球舞踊を公演する事業など4つの観光関連事業を交付金事業として計上しているところであります。
同じく雇用失業対策について、失業者の新規雇用の機会を創出する上でどれだけの雇用効果を見込んでいるかと。
緊急地域雇用創出特別交付金の平成16年度までの全体事業計画については、今月中旬の取りまとめを目途に現在調整を続けているところであります。県全体としての雇用効果については、全体計画を取りまとめた段階で公表することとしておりますが、現時点で試算しますとおおむね7000人を超える雇用規模になるものと考えております。
同じく雇用失業対策について、緊急雇用特別対策事業の制度の改善・拡充と県の対策についての御質問にお答えいたします。
現在実施されている緊急雇用対策特別事業は、雇用期間を6カ月未満とすることや、建設・土木事業を除外すること等の実施要件があります。これは、公的部門における臨時・応急の就業の機会をつくることによってより多くの失業者に臨時的な就業の機会を確保する観点から設けられた要件であります。
今回の交付金においては、このような基本的な考え方を踏まえつつ雇用創出効果を高めるための措置として、事業計画全体で事業費に占める人件費の割合がおおむね8割以上であること、事業に従事する全労働者に占める新規雇用の失業者数がおおむね4分の3以上であること等の要件が新たに加えられたところであります。
県としては、こうした実施要件を踏まえた上で交付金事業の直接の目的である雇用効果の高い事業に加えて、今後の産業振興につながる事業や新たな雇用の受け皿となる分野の事業等についても積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
同じく雇用失業対策について、国の交付金事業とは別に県独自の雇用対策事業を実施すべきと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
県においては、現下の雇用・経済状況への適切な対応を当面の最大の課題と位置づけ、去る11月21日に「沖縄県緊急雇用対策本部」を開催し、本年度中に実施する緊急対策と次年度以降取り組む中期的対策を内容とする「沖縄県総合雇用対策」を策定したところであります。
本年度中に新たに実施する緊急対策として、経営と雇用に関する緊急制度説明会の開催、総合相談窓口となる「労働110番」の設置、民間職業紹介機関と連携した企業説明会の開催、求人企業を活用した新たな職業訓練等を既に実施しております。また、今後、求人規模の大きい産業分野を対象とした企業説明会や公共職業訓練の修了者を対象とした企業説明会等を開催する予定であります。
これらの対策は、県独自の対策として実施するものであります。今後とも国庫支出金の積極的な活用を図りつつ、国の施策と連携した県独自の雇用対策を推進してまいります。
同じく雇用失業対策について、県費相談員は継続して雇用すべきではないかという御質問にお答えします。
公共職業安定所を含む職業安定行政は、平成12年4月1日から施行された地方分権一括法において国の直接執行事務として整理されました。職業安定行政の国への一元化に伴って、これまで都道府県の予算によって公共職業安定所に配置されてきた相談員の見直しが必要となったものであります。
このような経過を踏まえ、県としては平成13年度から平成15年度までの3カ年間で県の予算によって各公共職業安定所に配置されている相談員25人を段階的に国費相談員に移行し、平成16年度の県費相談員の配置を16人とする計画を策定し実施しているところであります。
この計画については、沖縄労働局との調整はもとより、各公共職業安定所に配置されている県費相談員に対しても十分説明した上で実施しております。県としては、公共職業安定所の役割は重要であると考えており、今後とも公共職業安定所のサービス体制の拡充を沖縄労働局に要望してまいりたいと考えております。
なお、県においては、現下の雇用状況に適切に対応するため「沖縄県総合雇用対策」を策定するなど、国の施策と連携した県としての幅広い雇用対策を推進しているところであります。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 海洋深層水の活用について、海洋深層水の利活用状況と今後の計画についてお答えいたします。
海洋深層水研究所における深層水の利活用については、これまで45社の企業に分水を行い、そのうち4社がミネラルウオーター、塩、化粧品などの試作品を完成させ試験販売を行っております。また、水産及び農業分野でクルマエビ母エビの養殖に関する研究や野菜類の培地冷却に関する研究等に活用されております。
今後の計画としましては、水産分野でクルマエビ母エビの完全養殖についてのめどがついており、平成14年度から幼生や受精卵を県内全域の養殖場に供給していくことにしております。
また、農業分野では、花卉や果樹などの開花時期調整技術の開発に取り組んでいくことにしております。
工業分野では、深層水を利用した商品の販路拡大に向けたPR活動を支援するとともに、新たなビジネスの展開に結びつく新商品の開発が促進されるよう民間企業や研究機関との連携を強化してまいりたいと考えております。
次に、同じく海洋深層水の活用について、海洋深層水有効利用評価委員会の役割とこれまでの取り組みについてお答えいたします。
海洋深層水有効利用評価委員会の役割は、国の平成12年度事業である「沖縄における海洋深層水の有効利用に関する調査」の内容について総合的な見地から意見交換や評価を行い、報告書の作成に反映させていくことにあると聞いております。また、これまでの取り組みとして委員会を4回開催し、沖縄における海洋深層水の利用可能性や適地選定などについて審議しております。
なお、同評価委員会は、平成12年度の業務の完了に伴いその目的が達成されたことから廃止されております。
次に、同じく海洋深層水の活用について、糸満市沿岸への海洋深層水研究施設の建設についてお答えいたします。
内閣府は、海洋深層水の利用可能性及び取水適地選定に関する調査について、平成12年度に辺戸岬地域と糸満市南部地域の2カ所を選定し、海底地質、水温・水質等の調査を行っております。
また、平成13年度は利用分野に応じた施設の機能、規模や事業の採算性等に関する調査を実施しており、海洋深層水施設の建設についてはこれらの結果を踏まえ、事業実施の可能性や適地選定についての客観的な判断がなされるものと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 玉城ノブ子議員の我が党の代表質問との関連についての中の、地元がリーフ外と決めたらリーフ外は困難と政府の意向を押しつけている、どこが地元の意向の尊重になるのかと、こういう御質問にお答えいたします。
代替施設の位置等については、現在、名護市等において地元の意見の取りまとめを行っているところであります。県としては、名護市等における地元の意見集約を待って名護市等地元の意見も踏まえた県の考え方を取りまとめることとしております。
リーフ外については、3工法8案の留意事項等に関する検討資料に示されているように、建設の実現に当たり解決しなければならない数多くの課題を有していることから厳しいとの認識を市に伝えたものであります。
次に、同じく我が党の代表質問との関連の中の、使用協定の締結や15年使用期限について困難とされている中での新たな基地の建設計画は即時中止すべきではないかとの質問にお答えをいたします。
15年使用期限問題について、県としては着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないものと考えており、引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
また、名護市が求めている使用協定等については、第7回代替施設協議会において名護市長から引き続き協議を重ねて早期に解決が図られるよう要望があり、県も基本計画策定とあわせて使用協定等の課題についても着実な進展が図られるよう要望したところであります。
県としては、今後とも名護市と連携しながら実務者連絡調整会議において協議を行う中で協定の内容についても決まってくるものと考えております。
○玉城ノブ子 再質問を行います。
代表質問との関連についての基地問題ですけれども、テロが発生をした後、普天間基地はヘリコプターに加えて戦闘機が頻繁に離発着を行っているわけですよ。低空で民間住宅地を旋回する、近くの住民は、騒音だけではなくてエンジン調整の排気ガスで目まいがする。基地に近い小学校では頻繁に授業が中断をする、生徒が授業に集中できない、こういう悲鳴を上げているわけです。これが米軍基地の実態であるわけなんです。どんな条件をつけても基地使用協定が守られるという保証は全くないわけなんです。基地使用協定が守られるという保証がありますか。あるんでしたら、その根拠をお示しください。
15年使用期限について、繰り返し何らの進展もないまま進むことはあり得ないと言っていますけれども、米国の大統領自身が困難だということを表明しているわけなんです。皆さん方が何らの進展もないまま進むことはないと言うのであれば、その根拠を示してください。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後9時13分休憩
午後9時14分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 玉城ノブ子議員の再質問にお答えいたします。
まず第1点目は、基地使用協定が守られる根拠があるのかと、こういう御質問だったと思いますが、お答えいたします。
使用協定後の運用段階につきましても、国は適切な協議機関等を設置し地域の住民生活に著しい影響を及ぼさないよう取り組むこと、さらに同協議機関において代替施設の使用に関する協定及び環境問題についての定期的なフォローアップを行うこととされております。
県は、今後とも名護市と連携しながら市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいとこのように考えております。(「守られるかということを聞いているんですよ。」と呼ぶ者あり) 守られるように我々はフォローアップをしていくということでございます。
15年使用期限の問題でございますが、その問題につきまして、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないものと考えておりまして、引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後9時17分休憩
午後9時17分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
玉城ノブ子君。
〔玉城ノブ子君登壇〕
○玉城ノブ子 防衛庁の提示した3工法8案というのは、市民投票で名護市民からノーの審判を受けた海上ヘリポートの倍の大きさなんです。2600メートルの滑走路を持って200ヘクタールの巨大な海上基地じゃありませんか。ヘリコプターだけではなくて、大型輸送機も戦闘機も使用できるようになるんですよ。これで騒音の心配はない、事故の危険はないと言い切ることができますか。使用協定を現在結んでいる普天間基地でさえもそれが守られていないじゃないですか。守られるという保証はどこにありますか、答弁してください。
使用協定も守られない、15年期限も完全に破綻している、そういう状況であれば建設計画については中止をすべきじゃないですか。これが知事がとるべき姿勢ではないでしょうか。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後9時19分休憩
午後9時19分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一) 再々質問にお答えをいたします。
これはまた使用協定が守られる根拠は何かという御質問でございます。お答えいたします。
使用協定につきましては、国、県、名護市等が参加した実務者連絡調整会議において協議を行う中で決められていくというものでございます。
使用協定後の運用段階におきましても、国は適切な協議機関等を設置し地域の住民生活に著しい影響を及ぼさないよう取り組むこと、さらに同協議機関において代替施設の使用に関する協定及び環境問題についての定期的なフォローアップを行うこととされております。したがいまして、県は今後とも名護市と連携してその実現に取り組んでいきたいとこのように考えております。
○平良 長政 一般質問初日のラストバッターとなりました。もうしばらくの間、おつき合いをお願いしたいと思いますし、執行部の皆さんも再質問を受けないよう誠実な答弁をお願いしたいと思います。
1、基地問題について。
(1)、政府系民間シンクタンク「平和・安全保障研究所」の報告書「アジアの安全保障2001─2002」が発表されました。同報告書は、昨年の「アーミテージ報告」にも触れ、海兵隊の兵力見直しにも言及をしています。この2つの報告書は、日米両政府の在沖米海兵隊削減が近いというサインではありませんか。知事の見解と海兵隊削減への決意をお聞きします。
(2)、テロ事件後の観光客の落ち込み、産業の停滞からして観光と基地は両立しないことが明らかになりました。そうであれば、観光立県を目指す知事としては、基地の整理縮小に加えて新たな基地建設には反対をはっきりと日米両政府に主張すべきと思いますが、どうですか。
(3)、アメリカの4年ごとの国防戦略見直し(QDR)については、海外米基地の縮小を期待いたしましたが、その大転換は不発に終わりました。しかしQDR第4章で、西ヨーロッパと東北アジアに集中している海外プレゼンスの態勢は新しい戦略環境の中で不適切であると明言し、西ヨーロッパと東北アジアを越えて基地や駐屯地を追加することに重点を置いて、世界の重要地域における米軍の柔軟性が増すよう基地システムを開発すると書かれております。アメリカは、沖縄を含め東北アジアでは新たな基地建設は意図していないと読めるが、知事の見解を問います。
2、教育問題について。
(1)、「子どもの権利条約」について。
「子どもの権利条約」が国連で決議されたのが1989年11月、日本が批准したのが94年4月22日、5月22日に発効、世界で158番目の締結国でありました。アメリカはまだ批准をしておりません。日本もアメリカも人権後進国であります。発効して7年が経過いたしましたが、多くの子供たちは中身をほとんど知らされてないのではないかと危惧しています。この条約で、子供の最善の利益の保障、一切の差別の禁止、意見表明権などがうたわれており、いじめや不登校を思うとき、この条約を子供たちに知らせ、討論させることが子供たちを変え、学校を変える大きな働きをすると考えます。
そこで質問、ア、「子どもの権利条約」についての教育長の見解を伺いたい。
イ、学校教育の中で、同条約をどのような形で教育していますか。
ウ、各学年に応じてわかりやすく解説したものを全児童生徒及び保護者に配布すべきと思いますが、どうですか。
エ、1998年、我が国は「国連子どもの権利委員会」から22項目にわたる異例の勧告を受けたということですが、主な項目を示してください。
(2)、障害児教育について。
ア、統合教育についての理念についてどのように考えていますか。
イ、国は、「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の最終報告を受けて、学校教育法施行令、施行規則の改定を進めています。改定されたら、現在普通学級に通っている医療ケアが必要な子供、重複障害を持つ子供、対人関係がうまくとれない子供はどう処遇されるのですか。保護者や子供が普通学級を希望した場合、どのような就学指導がなされますか。普通学校、普通学級を希望、在籍する子供への介助員や校舎のバリアフリー化などの援助については、市町村が独自で対応しているので各校とも苦慮しているようです。県としてどのような支援策を考えておりますか。
3、福祉問題について。
保育所の民間委託について。
那覇市、具志川市、名護市など幾つかの市町村で公立保育所の民間委託化が計画されておりますが、地域や利用者との十分な論議もないまま安易なコスト論からの一方的な民間委託は保育水準を低下させることが懸念されるので慎むべきとの指導を県は市町村に行うべきだと思うがどうか。
(2)、認可外保育所の法人化支援について。
子育てにかかる費用は次世代への投資であり、子供にとっての最善の観点から県がやるべきことは、民間委託化の前に公立保育所の果たしている役割を認識させ、認可保育所を育て、認可外保育所の法人化支援に力を注ぐことではありませんか。認可外保育所へはどのような支援を考えておりますか。
(3)、児童家庭支援センターの設置について。
私は、昨年とことしの2月定例会で質問をしておりますが、その必要性については認められ、設置に向け検討するとの答弁でしたが、その後の進捗状況はどうですか。
(4)、車いすマークのステッカーについて。
100円ショップなどで容易に購入できるため、健常者が車にステッカーを張り、役所や病院、スーパーなどの車いす専用駐車場スペースを占有し障害者からの苦情が相次いでおります。何らかの規制措置──店への指導、駐車スペースの点検など──が必要と思いますが、どうでしょうか。
4、観光問題について。
(1)、誘客支援について。
ア、今後の誘客支援についてどのように考えておられますか。
イ、そのほとんどが団体でなく個人旅行者である県内レンタカー会社にテロ後の影響を聞きますと、10月、11月と20%を超える減少とのことであります。卒業旅行のある来年二、三月期に低料金などの新企画が組めないか。観光客を送り出す旅行社に対する対策をもっと強めてほしい等の要望がありましたが、県はどう考えますか。
ウ、JTB高知支店は、来年1月高知のホテル、旅館に宿泊した客に高知特産のポンカン5キロを2月に宅配するキャンペーンを実施します。キャンペーンの名称は「1がつは高知が1ばん」で、テロの影響で海外旅行を取りやめた観光客を呼び込みたいとの企画です。さて、沖縄はどうするかであります。
去る11月15日、連合沖縄と経営協共催で開かれた県民大会の「緊急雇用対策推進とテロ被害に関する要求アピール」でも、この事態は基地の集中配備に起因していると正しく指摘し、基地の提供者である日本政府は被害に対するあらゆる緊急措置を講ずるべきと要望しております。県はもっと大胆に被害補償として国に誘客支援を含めて求めるべきではありませんか。
5、バス統合問題について。
(1)、可能性調査室の170億の公的財政支援を中心とする4社統合案は不発に終わり、新たに朝日監査法人による統合案が進展をしております。琉球バス労働者は退職金カット14.8%、那覇交通は37.0%のカットと出血しての会社再建への協力であります。退職金を削ってでも公共交通機関を守ろうとの必死の労働者側の努力について知事はどのように評価しておりますか。
(2)、今年じゅうに新会社設立、来年4月運行開始と聞いておりますが、統合案はどこまで進んでおりますか。課題と問題点は何ですか。県の関与はどうなっておりますか。
(3)、出資額は県内15億、県外15億の計30億と聞いておりますが、どのような状況になっていますか。県は当然出資されると思いますが、どれくらいの出資になりますか。県が県内有力企業や市町村への出資の呼びかけをすべきと思いますが、どうですか。県の空と海の交通機関への出資はどうなっておりますか。
(4)、新会社への役員派遣はどのように考えておりますか。
(5)、モノレール株式会社へのバス労働者の採用はどうなっておりますか。採用できる職種はどのようなものがありますか。
6、個別的労使紛争問題について。
経済の長期停滞の中、テロの影響を受けた観光業界の落ち込みなどによるリストラ、企業倒産の増加など雇用情勢は本県はもとより全国的にも厳しい状況にあります。その雇用環境を反映してパートタイム労働者や派遣労働者の増加などによる雇用形態の多様化や能率給の導入などで労働市場の構造や労働者の就業形態も大きく変化し、労働者個人と使用者との間で解雇、賃金引き下げなどの労働条件等に関する紛争がますます増加する傾向にあります。そのため、去る6月の国会においてはこれらの事情を踏まえて労働者個人と使用者間の個別的労使紛争を解決するため「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が制定され、その法律は同時に、地方公共団体にも複線的システムとしての地域の実情に応じてあっせんその他の必要な施策を推進することを求めております。また、都道府県においても個別的労使紛争解決サービスへの取り組みが展開され、既に19県は具体的なあっせん業務を開始し、来年4月までには6割の府県が実施するやに聞いております。本県は他県に比べて経済情勢も厳しく、また脆弱な企業が多いことから労働環境は一層厳しい状況にあり、県としても個別的労使紛争に対し
迅速な対応が求められているのではないでしょうか。
そこで、これらの現状を踏まえ、個別的労使紛争解決に向けての次のことについてお聞きいたします。
(1)、県内での個別的労働関係紛争の状況はどのようになっておりますか。
(2)、本県はいつから取り組みますか。
(3)、取り組むとしてどのような内容及び体制になりますか。
7、雇用問題について。
(1)、テロ発生後の県内雇用情勢はどうなっておりますか。
(2)、大田県政時代の1996年に中長期的施策として「沖縄県における若年者雇用機会創出プログラム」を策定していますが、現在この計画は生かされておりますか。生かされてないとすればなぜですか。
(3)、稲嶺県政になってから雇用創出計画等は策定されましたか。策定されてないとすればなぜですか。
(4)、「(財)雇用開発推進機構」について。
機構は、従来の縦割り行政の反省から、労使、市町村、県が横断的に連携し、産業振興と結びつけて雇用創出を図ろうと1998年に設立されたものでありますが、現在どのように活用されておりますか。
イ、各団体の財政負担や人の派遣はどうなっておりますか。
ウ、設立趣旨に沿って体制を拡充し本県の雇用拡大の拠点として活用すべきと思いますが、どうですか。
(5)、「働らコール」の機能、運営主体、財政、執行体制はどうなっていますか。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の質問にお答えいたします。
最初は基地問題で、「アーミテージ報告」及び「平和・安全保障研究所」報告の2つの報告書は、海兵隊削減が近いとの日米両政府のサインではないかと、知事の見解と海兵隊削減への決意を聞きたいということのお答えでございます。
「アーミテージ報告」では、沖縄県民の基地負担の軽減を図る観点から、在沖米海兵隊のアジア・太平洋地域への分散について提言を行っていること及び「平和・安全保障研究所」の報告では、在沖米軍基地に現在と同じ兵力を将来も維持することに疑問を投げかけていることについては承知しております。
県としては、今後とも海兵隊をめぐる国内外の動向を注視しながら、沖縄県民の基地負担の軽減を図る観点から、海兵隊の訓練の移転及び米軍兵力の削減について、国が日米両政府の協議の中で積極的に取り上げるよう粘り強く求めていきたいと思います。
次に、同じく基地問題について、基地の整理縮小に加えて新たな基地建設反対を両政府に主張すべきと思うがどうかについてお答えいたします。
県としては、本県に所在する米軍基地の整理縮小を着実に推進する必要があると考えており、そのためには、SACO合意事案の着実な実施により計画的、段階的に基地の整理縮小を図ることが重要だと考えております。
同じく基地問題について、アメリカの4年ごとの国防戦略見直し(QDR)によると、アメリカは沖縄を含め東北アジアでは新たな基地建設を意図していないと読めるがどうかについてお答えいたします。
アメリカは4年ごとの国防戦略の見直しの中で、ベンガル湾から日本海にかけて東アジア沿岸は重要であるとし、また東アジア沿岸域の米軍や周辺のインフラは他の重要地域に比べ手薄状態であり、さらなる施設使用許可の取りつけやインフラ整備の合意が重要であると記述しており、必ずしも沖縄を含め東北アジアにおいて新たな基地建設を意図していないと判断することはできないと思います。しかしながら、県としては、本県に所在する米軍基地の整理縮小を着実に推進する必要があると考えており、そのためには、SACO合意事案の着実な実施により計画的、段階的に基地の整理縮小を図ることが重要であると考えております。
次に、個別的労使紛争問題についてのうち、本県はいつから取り組むのか、次の、取り組みとしてどのような内容及び体制になるのかについて一括してお答えいたします。
近年の社会経済情勢の変化の中で、企業組織の再編や個別的労務管理への移行が進み、また労働者の職業意識や就業形態が多様化するなど、労働環境は目まぐるしく変わってきております。これに伴い、個々の労働者と使用者との間の紛争、いわゆる個別労働関係紛争が今後とも増加していくものと思われます。特に、経営基盤が脆弱な中小零細企業の多い本県においては、昨今の厳しい経済・雇用情勢の中、労使関係の安定は重要な課題であり、個別労働関係紛争に対する適切な対応が強く求められております。
県としましては、ことし10月に施行された「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」の趣旨を踏まえ、従来の相談機能に加え、個別労働関係紛争の処理体制を平成14年度からスタートさせたいと考えております。その仕組みについては現在検討中でありますが、公益、労働者及び使用者の三者で構成する地方労働委員会の機能を活用する方向で協議を進めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育問題について、「子どもの権利条約」についての教育長の見解を伺いたいとの御質問にお答えをいたします。
「児童の権利に関する条約」は、世界の多くの児童が今日なお貧困、飢餓などの困難な状況に置かれたり、いじめや虐待等により児童の人権をめぐる深刻な問題が生じていることから、世界の国々が協力をして児童の権利を認め、家族を含めた周りの人たちが児童の健やかな成長を温かく支援していくことを求めております。
なお、同条約の趣旨につきましては、子供の権利を尊重するとともに、子供の全面的かつ調和的発達を保障するものであると理解をいたしております。今後とも一人一人の子供の人格を尊重し、個性の伸長を図るための教育行政を推進していく所存でございます。
次に、教育問題について、学校教育の中で同条約をどのような形で教育をしているのかの御質問にお答えをいたします。
学校においては、「子どもの権利条約」の趣旨に沿って児童生徒の人権に十分配慮し、一人一人のよさや可能性を伸ばすための学校教育活動全体を通じて人権教育を推進しているところでございます。
各教科、中でも社会科、家庭一般等において基本的人権の尊重や人権に関する意義と役割について取り扱われております。また、学校行事、特別活動及び道徳の時間等を通じて、児童の権利とその尊重などについて指導が行われております。県教育委員会といたしましては、「世界人権デー」に合わせた各学校における「人権を考える日」の活動を促進するとともに、「人権ガイドブック」を作成・配布しその活用を図っているところであります。
次に、各学年に応じてわかりやすく解説したものを全児童生徒及び保護者に配布すべきと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。
県教育委員会としましては、同条約の趣旨の啓発のために図入りリーフレット、また各種指導資料等を作成・配布しその活用を図っているところであります。平成9年度には「児童の権利条約」の学習用パンフレットを約1万7000部、保護者用として啓発用リーフレットを約15万部作成・配布するとともに授業等での活用を促進しているところであります。さらに、平成11年度には「人権教育指導資料」、平成12年度には「人権ガイドブック」、平成13年度には教師用教育資料「子どもの人権を守るために」を作成・配布し、子供の権利に基づいた人権意識の高揚を図っているところであります。
次に、1998年、我が国は「国連子どもの権利委員会」から22項目にわたる異例の勧告を受けたということだが、主な項目はどのようなものかとの御質問にお答えをいたします。
我が国が「国連子どもの権利委員会」から受けた主な勧告を示しますと、その1つに、高度に競争的な教育制度並びにそれが児童の身体的及び精神的健康に与える影響にかんがみ、過度なストレスを予防すること、また、人権教育を学校のカリキュラムに体系的な方法で含めるために適切な措置をとること、さらに、体罰及びいじめを除去する目的で学校における暴力を防止するための包括的なプログラムが考案され、その実施が監視されることなど、児童のストレス予防、人権教育、体罰及びいじめの除去等に係る内容が主な勧告となっております。
次に、統合教育の理念についてどのように考えるかとの御質問にお答えをいたします。
統合教育は、障害のある子供と障害のない子供が、可能な限り通常の学級において教育を受けることができる教育を目指すことがその理念となっております。その理念を踏まえ、本県の特殊教育諸学校においても、他の学校の児童生徒や地域の人々とお互いを正しく理解し、ともに助け合う社会性を養うため学校行事、クラブ活動や授業等で活動をともにする交流教育の充実に努めているところであります。
次に、「21世紀の特殊教育の在り方について」の報告がなされたが、普通学級に在籍している障害のある児童生徒の処遇が変わるのか、また就学指導において保護者との意見が異なる場合の対応はどうなるのか、さらに普通学級に在籍する障害のある児童生徒への介助員、校舎のバリアフリー化など県の支援はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
「21世紀の特殊教育の在り方について」の報告によりますと、通常の学級に在籍している障害のある児童生徒の処遇については、特別な教育的支援を積極的にしていく必要があるとされております。また、就学指導について市町村教育委員会と保護者との意見が食い違う場合は、県教育委員会に設置されている就学指導委員会が客観的な立場から助言を行うこととされております。
同報告を受けて、文部科学省においては特殊教育のあり方についての所要の見直しを行うことにしており、県教育委員会ではその動向を踏まえつつ適切に対処していきたいと思います。
次に、小中学校における介助員の支援については、現在、定数法上の規定はございませんが、県内の市町村単独で16人配置がなされております。また、小中学校校舎の新増築、改築事業や大規模改造事業でエレベーター、自動ドア及びスロープ等を設置する場合、その費用は国庫補助の対象になっております。
なお、県内小学校で83校、中学校58校にエレベーターを設置するなどバリアフリー化の対策がなされております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉問題について、公立保育所の民間委託についての御質問にお答えいたします。
保育所を設置しやすくし、待機児童の解消等の課題に柔軟に対応できるようにする観点から、平成12年3月、国において保育所の設置主体制限が撤廃され、企業、NPO等も設置主体となることが可能となっております。また、公立保育所の運営委託についても社会福祉法人以外の企業、NPO等民間への委託ができることとなっており、平成13年7月6日に閣議決定された「仕事と子育ての両立支援策の方針について」においても民間活用を推進しています。
公立保育所の運営業務を委託する場合、児童福祉施設最低基準の遵守義務や入所児童の安全を確保する義務等は市町村にありますので、委託がなされる場合は児童の福祉向上に最大限の配慮がなされるものと考えております。
同じく福祉問題について、認可外保育施設の法人化支援についてお答えいたします。
保育所は、安全で適切な保育を行うため、安定的な運営や質の確保の観点から児童福祉法の定める基準を満たした認可保育所が基本であります。認可外保育施設に対しては、児童福祉法の定める基準を満たし認可を受けて運営するよう指導しており、次年度から認可への移行を促進するための認可支援事業を創設したいと考えております。
児童家庭支援センターの設置について、進捗状況はどうなっているかについてお答えいたします。
児童家庭支援センターは、地域の児童の福祉に関するさまざまな問題について児童、母子家庭や地域住民等に対して相談援助や指導・助言及び児童相談所等との連携を行う施設として児童養護施設等に附置できることになっております。
なお、同センターの設置主体は地方公共団体並びに社会福祉法人等となっております。
児童家庭支援センターについては、那覇市が平成14年度に整備を予定している母子生活支援施設に合わせて整備を行うこととしております。同センターの設置については、今後とも地域のニーズに応じて北部地域や南部地域等への設置を促進してまいります。
同じく福祉問題について、車いす専用駐車スペースへ真に必要でない者の利用を防止するため何らかの規制措置が必要ではないかとの御質問にお答えします。
平成10年4月に「沖縄県福祉のまちづくり条例」が施行されてから、車いす使用者用駐車場を初め障害者や高齢者に優しいバリアフリー施設が着実にふえております。一般によく見られます「車いすマーク」は、国際リハビリテーション協会が採択した国際シンボルマークで、同マークの目的外使用等に対して罰則規定はございません。しかしながら、御指摘のとおり車いすを必要としない者が車いす専用駐車スペースを利用する状況が一部に見受けられます。県としては、引き続きテレビやパンフレットなどあらゆる媒体を活用してモラルの向上のための広報・啓発を行ってまいります。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 4、観光問題についての中の、今後の誘客支援についてどのように考えているかについてお答えします。
現在、県においては、国や観光業界と連携して「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンを展開しているところであり、全国紙やテレビ、旅行雑誌等を活用しての沖縄PRや修学旅行関係者招聘、東京や大阪などの主要都市へのキャラバン隊派遣などさまざまな事業を展開し、今回の事態に対処しているところであります。今後は、国や観光業界と連携のもと、本県の冬場観光の魅力を前面に打ち出すとともに、次年度以降の修学旅行の誘致対策を含め中長期的観点から各種施策を展開していきたいと考えております。
また、昨今の旅行ニーズに即した個人旅行や少グループ旅行等にターゲットを絞った誘客活動並びに本県と航空路線を有する海外からの誘客活動の強化に努めてまいりたいと考えております。
同じく観光問題についての中の、各旅行会社が企画する来年二、三月期の低価格商品への支援強化についてお答えします。
各旅行会社においては、既に県の支援を受け、レンタカープランや観光施設入場料つきプランなどの低価格商品を企画販売しており、冬場の沖縄観光をアピールしております。
同じく観光問題についての中の、被害補償として国に誘客支援を含めて求めるべきではないかとの質問にお答えします。
同時多発テロによる観光産業への影響は多大なものがあり、その他の産業へ及ぼす影響が大きいことから、県においては、国に対して今回の事態への支援を要請したことを受けて、国においては緊急キャンペーン等への財政的支援や各種会議の沖縄開催などさまざまな支援を行っているところであります。しかしながら、いまだに予断を許さない状況にありますところから、今後の観光客の動向を踏まえた上で国に対し誘客支援を求めてまいりたいと考えております。
以上です。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス統合問題についての御質問にお答えをいたします。
まず第1番目に、新たに朝日監査法人による統合案が進展しているが、琉球バス、那覇交通労働者の退職金を削っても公共交通機関を守ろうとの努力についてどのように評価しているかという御質問にお答えをします。
バス4社の統合については、平成13年2月28日に4社の労使間で、公的財政措置約170億円の必要性等が盛り込まれた「バス統合に関する可能性調査報告書」等を踏まえまして、統合の実現を目指すとの基本合意がなされておりました。しかし、平成13年10月23日の労使協議会におきまして同合意書を破棄し、4社が新たに調査依頼した朝日監査法人の「バス乗合事業統合に関する検討結果報告書」に基づく統合案で協議が進められ、11月17日に同報告書に基づく統合の実現を目指すとの確認書が4社の労使間で交わされております。
それに先立ちまして、各社の労使間で退職金の削減交渉が行われ、琉球バスと那覇交通の2社が退職金を削減するとの合意が成立したと聞いております。バス統合を実現するためには労使の協力は不可欠であり、このような両社の労使の御努力に対し敬意を表したいと思います。
次に、今年中に新会社を設立し、来年4月運行開始と聞いているが、統合案はどこまで進んでいるか、課題と問題点は何か、県の関与はどうなっているかという御質問にお答えをします。
バス4社の統合につきましては、平成13年11月17日に朝日監査法人の「バス乗合事業統合に関する検討結果報告書」に基づく統合案で、その実現を目指すとの確認書が4社の労使間で交わされております。この統合案は、バス4社は新会社へ営業権の譲渡及び資産の売却と新会社からの融資により退職金等の債務を返済し、また新会社はバス4社へ支払う資金を資本金と金融機関からの借り入れで対応することとしております。
その実現に向けては、まず1番目に、乗り合い営業用資産、営業権の価格がどのように評価されるのか、2つ目に、新会社が必要な資金の融資及び資本金の調達が可能か、3つ目に、多額の借入金を抱えた新会社が健全経営できる事業計画の立案が可能か、4つ目に、モノレール関連のバス事業活性化資金貸付金の帰属は今後どうなるのか、5つ目に、新会社における賃金体系等の労働条件について労使間の交渉がどうなるのか、6つ目に、予想される余剰人員対策等々の多くの課題があると考えております。現在、4社労使の確認書を受けて新会社設立準備委員会の設立に向けた調整が進められていると聞いております。
バス統合は、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題でありますが、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ、県としても国や4社の代表者と意見交換等を重ねてきたところであります。県としましては、今後、新会社設立準備委員会が設立され、新会社の事業計画等の形が見えた段階で、国を初めとする関係機関とも連携を図りながら総合的な観点から対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、県はどれぐらいの出資になるか、県が県内有力企業や市町村への出資の呼びかけをすべきと思うがどうか、また県の空と海の交通機関への出資はどうなっているか、新会社への役員派遣はどのように考えているかについてお答えをいたします。
朝日監査法人による新しいバス統合案によりますと、新会社に対しては30億円の出資が必要としておりますが、具体的な出資者等につきましては述べられておりません。県としましては、新会社設立準備委員会が設立され、その代表者のもとで具体的な事業計画を出資予定者等に示すことができた段階で、出資及び役員派遣等についてどのような対応が可能か検討すべきと考えております。
また、県の空と海の交通機関への出資につきましては、現在、日本トランスオーシャン航空、エアーニッポン、琉球エアーコミューター、琉球海運に対して出資を行っております。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) バス統合問題について、モノレール株式会社へのバス労働者の採用はどうなっているか、採用できる職種はどのようなものがあるかとの御質問にお答えいたします。
平成15年度のモノレール開業に伴うバス路線再編の実施により、生じることが予想されるバス事業の余剰人員対策は、県としても重要な課題であると認識しております。当該バス事業の余剰人員対策については、学識経験者、行政機関等から成る検討機関を設置してモノレール株式会社を含めた企業等への雇用あっせんに努めるとともに、各種雇用支援制度の活用及び再就職に向けた職業訓練の実施等、県としてもバス事業の余剰人員対策に最善の努力を払っていく所存であります。
また、沖縄都市モノレール株式会社の採用職種としては、総務、経理の事務職を初め運転士や電気機械、土木等の技術職及び役務員の職種を考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 個別的労使紛争問題について、県内での個別労働関係紛争の状況はどうなっているかという御質問にお答えします。
県は、従来から労政事務所において労働相談を実施し、集団的労働紛争、個別的労働紛争の別を問わず労働者、使用者の抱える労働条件、解雇問題等労働に関するあらゆる相談に応じるとともに、適切な情報提供を行い、安定的労使関係の形成を支援してきたところであります。
また、厳しさを増す昨今の雇用情勢に対処するため、総合雇用対策の一環として去る11月26日に「緊急労働110番」を開設したところであります。労働相談の内容は、賃金不払いや最低賃金の問題など個別労働関係にかかわるものが多数を占めており、このような状況からかなりの数の個別労働関係紛争が生じているものと思われます。
なお、昨年度の労働相談件数は74件でありましたが、今年度は12月6日時点で155件にも上っております。特に「緊急労働110番」を開設してから10日間の件数は73件と急増しており、これは広報活動の強化とともにマスコミに大きく取り上げられたことによるものであると思われます。このことから、今後は厳しい雇用労働情勢に対処するためにも広報活動を効果的に行いながら労働相談機能の充実・強化に努めていきたいと考えております。
次に、雇用問題について、テロ事件発生後の県内の雇用情勢はどうなっているかとの御質問にお答えします。
9月11日の同時多発テロ事件以降に発表された本県の完全失業率は9月が9.4%、10月が9.3%と引き続き厳しい状況にあります。これは、全国的に長引く景気の低迷が本県の製造業やサービス業等幅広い産業分野に影響し、就業者数の減少につながっていることや県外就職の大幅な減少が続いていることが大きな要因であると考えております。
なお、テロ事件に伴う観光関連産業の雇用状況を把握するため、県がホテル等宿泊施設を対象に行ったアンケート調査においては、パートタイムを中心に雇用への影響が出ており、今後の見通しについても予断を許さないものと考えております。
同じく雇用問題について、1996年に中長期的な施策として「沖縄県における若年者雇用機会創出プログラム」を策定しているが、現在この計画は生かされているかという御質問にお答えします。
「沖縄県における若年者雇用機会創出プログラム」は、平成8年4月に経済団体や労働団体の代表等で構成する「沖縄県産業・雇用問題懇話会」から知事に対し、若年者の雇用機会の創出・拡大に関する中長期的な施策として提言されたものであります。その内容は、「労働市場政策」、「産業政策」及び「地域づくり政策」の3つの項目についてのプログラムとなっております。県としては、このような提言をも踏まえながら幅広い産業振興と雇用対策を実施しているところであります。
具体的には、「労働分野」では、先日、1700人の学生が参加して開かれた「就職フォーラム」や平成12年度から新たに実施している「大学生等の県外企業におけるインターンシップ」等であります。また、「産業分野」では、グローバル産業人材育成支援事業や沖縄産業支援センターの設置、健康長寿産業創造研究開発センター(仮称)の整備等があります。「地域づくり」の分野では、世界のウチナーンチュ大会の開催やWUBの結成を通した連携の強化等であります。今後とも、産業振興と一体となった雇用対策を推進し、若年者を中心とした雇用状況の改善に取り組んでまいります。
同じく雇用問題について、雇用創出計画等を策定しているか、策定していないとすればなぜかという御質問にお答えします。
本県における雇用に関する計画は、職業安定行政が機関委任事務として位置づけられていた平成11年度に「沖縄県雇用基本計画」が策定をされております。これは、雇用対策法に基づき国が策定する「雇用基本計画」の地方版として策定されたものであります。その後、地方分権一括法の施行に伴い、雇用対策法に基づく「雇用基本計画」は国の直接執行事務として沖縄労働局に移管されております。
このような経過を踏まえ、今後、本県が計画的な雇用対策を推進していく上で県独自の雇用に関する計画を策定することが必要であるとの認識から、平成13年度の当初予算に沖縄県雇用創出5カ年計画策定費を計上し、現在、策定作業を進めているところであります。この5カ年計画は、沖縄振興新法に基づく「沖縄振興新計画」の分野別計画としても位置づけており、新たな沖縄振興の理念を踏まえ、産業振興と一体となった雇用対策として策定したいと考えております。
なお、現下の雇用・経済状況に適切に対応するため、去る11月21日に「沖縄県総合雇用対策」を策定し緊急対策を実施しているところであります。
同じく雇用問題について、1998年に設立された雇用開発推進機構は現在どのように活用されているかという御質問にお答えをいたします。
雇用開発推進機構は、県、市町村、労働団体、経済団体が一体となって雇用問題に取り組む組織として平成9年度に設立され、沖縄特別振興対策調整費等を活用して産業振興と有機的に連携した雇用開発、人材育成等の事業を実施しているところであります。
具体的には、新規創業等のために借り入れた資金の利息の一部を助成する「償還利子補給事業」や情報産業の事業所が専門的な技能や知識を修得させるため、従業員を国内外の先進企業等へ派遣する場合に助成する「情報産業人材育成支援事業」等を行っており、これまでに約3000人の雇用を創出しております。また、コールセンター企業に対応した人材を育成するためテクニカルサポート講座等を開催し、これまでに約4000人が受講しております。平成12年度からは、大学生等の就職支援と職業意識の高揚を図るため「県外企業におけるインターシップ」を実施しており、派遣された学生は109人となっております。
同じく雇用問題について、各団体の財政負担や人の派遣はどうなっているかという御質問にお答えします。
雇用開発推進機構の財政計画は、平成9年度の沖縄特別振興対策調整費により措置された10億円と、平成15年度までに県等関係団体が拠出する約8億円の合計約18億円の計画であります。各団体の分担は、県が4億円、市町村が2億9000万円、労働団体が5000万円、経済団体が5000万円であります。平成12年度末現在の拠出状況は5億6700万円で、計画の71.6%となっております。各団体からの職員派遣状況は、県からの出向職員が5人、金融機関からの出向職員が1人の計6人となっております。
同じく雇用問題について、体制を拡充し雇用拡大の拠点にすべきと思うがどうかという御質問にお答えします。
雇用開発推進機構の今後の活用については、県が策定した「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」において「(財)雇用開発推進機構の雇用開発機能等を充実強化する」と位置づけております。本県の雇用状況を改善していくためには、県、市町村、民間が連携し、産業振興と一体となった雇用対策を機動的に推進していくことが重要であり、今後とも同機構を積極的に活用し雇用開発と人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
同じく雇用問題について、「働らコール」の機能、運営主体、財政、執行体制はどうなっているかという御質問にお答えします。
「おきなわ働らコール」(仮称)は、全国の求職者からの電話照会に応じて再就職支援の各種情報を提供するものであり、本コールセンターに6カ月間従事する臨時的な雇用の創出とあわせて、民間のコールセンター等への就職に向けた実践的な訓練を行うことを目的として県が設置するものであります。本事業は、事業実施期間を平成16年度までの3カ年とし、雇用開発推進機構への委託を予定しております。全体的な運営体制や予算規模については現在検討中でありますが、総事業費をおおむね12億円程度、オペレーターの雇用者数を延べ420人と想定をしております。
以上でございます。
○平良 長政 時間もありませんので、3点だけに絞って再質問をいたします。
まず第1点、観光問題ですが、局長は、これからも国に対して支援を求めていくという発言がありましたので、それはそれでいいんですが、やはり国の支援も受けて低価格の商品を売り出して「だいじょうぶさぁ~沖縄」ということではなくて、「沖縄へ行く、今がチャンス」、「チャンス、沖縄へ行こう」みたいな形を僕はつくるべきではないかと思います。アメリカ・ニューヨークやサンフランシスコなど、今2泊3日、飛行機、ホテルつきで2万円で売り出しているということは皆さん御承知のとおりだと思いますが、そういう形で徹底してやるべきだと思います。
それから質問ですが、局長は、キャンセルの原因を風評被害だということでずっとこの間、この議会で言っているわけですが、経営協と連合沖縄ではっきり確認できているいわゆる基地の集中配備という、基地の影響をゼロと見ているんですか、その辺を再度お願いしたいと思います。
それからバスの統合問題ですが、こちらに公安委員長の比嘉良雄さんがいますが、可能性調査室で統合案が出ましたが不発に終わりました。多額の公的支援という問題あるいは経営者責任がないとかいろんな問題があったと思いますが、私はそれがつぶれた第一の原因は、やはり県が一歩も動かなかったということにあると思います。
今回もさきの答弁で、私企業だから当事者がまずやるべきだというような、形が見えてから県も動くと言っています。私もこの3年間、毎議会取り上げましたが、毎回同じ答弁に終始をしているわけですが、本当にじゃ県の県民の足を守る立場は何もないのか。例えば、都営バスも走っていますし、あちこちで県営バスも全国走っていますが、それはどう見ているんですか。何県ぐらい都道府県バスが走っていますか、お聞かせ願いたいと思います。
そして民間の企業だったらもうどうなってもいいというんだったら、沖縄の雇用問題を問題にする資格はないとまで言いたいと思うんですが、私はもう局長の話は聞き飽きておりますので、知事が県民の足を守るというバスの統合問題についての見解を聞かせてください。
それから最後ですが、個別的労使紛争解決サービスが知事から平成14年度、来年からということで取り組む決意を述べられましたが、平成14年4月ととらえていいんでしょうか。
以上です。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後10時17分休憩
午後10時22分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
観光リゾート局長。
〔観光リゾート局長 糸数昌宏君登壇〕
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 今の再質問で、今がチャンスで安い値ごろ感のものでも売り出して、沖縄を売り出すいいチャンスじゃないかというような趣旨の御質問にお答えします。
今ちょうど旅行各社が沖縄を今値ごろ感で魅力アップということでいろんな形で今売り出しております。これは旅行社名は控えますが、例えば「ちゅら島・沖縄大周遊」とか、あるいは「りっかりっか沖縄」だとか、「ファイナルアンサー南の島リゾート」とか、そういった形で、これはたまたま8日の日経新聞なんですが、(資料を掲示) こういう形で今どんどん売り出しておりまして、私どもとしましても業界といろいろ相談しながらそういうのを促進してまいりたいと思っております。
それからもう一つの風評被害の件でございますが、これにつきましては観光客のキャンセルと米軍基地との関連については一概には否定できませんが、やはり今回のキャンセルの主な要因は、航空機利用による旅行の手控えと、一部マスコミの過剰な反応や一部都道府県教育委員会の修学旅行に対する注意文書等に基づく風評被害であると考えております。
以上です。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 平良先生の再質問にお答えをいたします。
去る11月17日、バス4社は労組側と退職金の削減率及び金融機関と担保権解除等の合意を交わし、近いうちに新会社設立準備委員会を設立していると聞いております。しかし、準備委員会が設立されても事業計画の策定に当たっては準備委員会が主体的に責任を持って朝日監査法人報告書の内容、例えば営業権譲渡の価格、それから資産評価額等の検証を行うこと、それから労働組合との合意事項の適否の整理を既存会社と行う必要があります。具体的な事業計画の策定はまだできてない状況にあります。
県は、バスが本県唯一の大量公共輸送機関として重要な役割を果たしていると認識しており、国を初めバス事業者や労働組合等の関係する機関と意見交換を行ってきたところであります。しかし、県は、バス企業の統合は基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題であり、具体的には新会社設立準備委員会が立ち上がり、新会社の経営主体とその経営が成り立つような事業計画が策定され、それを受けて県としてどのような支援が可能か検討すべきだと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 再質問の個別労働関係紛争の処理体制につきましては、4月1日スタートを目標にして協議を進めてまいりたいと思っています。
○平良 長政 ちょっと休憩願います。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後10時28分休憩
午後10時30分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
平良長政君。
〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 知事は3年前に雇用の問題や沖縄振興とかいろいろ言って知事になられて、私は評価する部分もありますが、しかし部長任せ、局長任せで自分から動かないという面がこの問題にも出ていると思うんですが、沖縄タイムスも各議員への調査があって、リーダーシップはどうかとかいろいろ言っておりますが、そういう意味で、知事、リーダーシップを発揮をして、再質問したら前の答弁を探したり──副知事もそうですが、そういうことはやめて、再質問に対する再答弁は自分の肉声で語るという、そこで我々議会とコミュニケーションが図られるし、本当の県民のためになるんじゃないですか。しっかり答弁をお願いします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後10時31分休憩
午後10時32分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
ただいま現在のところ、新会社の設立準備委員会というのがかなり計画をしております。一番基本なのは、やはり新会社の準備委員会の私どもの話し合うべき具体的な当事者がだれかということがやはり基本でございます。したがって、その準備委員会がしっかり立ち上がった時点で、県としてもその辺は議員御指摘のごとく、これは公共交通というのは大変大事な形でございますから、その場合には私どもとしてはいろんな形でできるものについては当然全力を尽くして頑張りたいと思っております。
○副議長(髙良政彦) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明11日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後10時33分散会