○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案から乙第25号議案まで及び認定第1号から認定第21号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
坂井民二君。
〔坂井民二君登壇〕
○坂井 民二 おはようございます。
きょうの琉球新報、沖縄タイムスを見ますと、「「金融特区」実現へ」と大見出しで掲載されております。これはまさに政府との太いパイプによる稲嶺県政の成果だと思います。まだ正式に来てないとは思いますが、また通告外でもありますが、これに対する知事のコメントをよろしくお願いしたいと思います。
それでは、通告に従いまして一般質問に入らせていただきたいと思います。
質問に入る前に、このたびの雅子様の御出産を心からお祝い申し上げます。敬宮愛子様の御誕生は、21世紀の幕あけの年を象徴する大変おめでたいことであり、国民にとってこれ以上の喜びはありません。そして、国民の心が一層明るく前向きになり、晴れ間の見えない我が国の景気回復のきっかけとなり、活力に満ちた新しい年を迎えたいと切に願うものであります。その願いを込めて質問に入ります。
質問も最終日となりますとダブりが目立ちますが、どうぞ誠意ある答弁をよろしくお願いしたいと思います。
第3回世界のウチナーンチュ大会と人材交流について。
第3回世界のウチナーンチュ大会から1カ月が過ぎましたが、まだその余韻が残っております。
私は、初めて開会式と閉会式に参加しましたが、大変深い感動を覚え終生忘れることのできないすばらしい思い出をつくることができました。彼らウチナーンチュたちの喜びや心意気を目の当たりにして、このすばらしい交流の明かりを絶やしてはならないと強く感じました。幸い、稲嶺知事が5年に一度の開催継続を表明されておりましたが、ぜひそうしていただきたいと思います。
私は、去る8月に約2週間、県議会メンバーの一員として南米各地を訪れ県人会の方たちと親しく交流する機会がありました。アルゼンチンほか4カ国の1世の県人たちとの交流が主でしたが、彼らが一様に言っていたのは、2世、3世など若い世代と沖縄の若者との人材交流の必要性でした。2世、3世と世代が下がるにつれて日本語や生活様式がすっかり現地化し、沖縄ゆかりのものが消えつつあり、このままでは「沖縄の心」がなくなってしまうのではないか。そうなると沖縄が疎遠になってウチナーンチュ大会も開けないのではないか。1世の人たちにとってその不安は切実でした。将来、そうならないためにも若い世代間の相互交流や人材育成が強く求められているのではないでしょうか。
現在、琉大と芸大に県人会の子弟がそれぞれ1名ずつ留学しているとのことです。海外で活躍する県人会の規模からしてこの数字は少な過ぎる気がします。もっと留学生の枠を拡大すべきであります。これらのことを踏まえお尋ねします。
(1)、今回のウチナーンチュ大会についての感想及び今後に向けての知事の考えをお聞かせください。
(2)、海外県人会子弟の県内留学の現状と受け入れ枠の拡大についての県の考えをお聞かせください。
(3)、海外県人会の多い南米各地からはほかにも県人会活動の拠点となる県人会館や地域の道路整備などの面で県からの財政支援の要請があると聞いています。これに対して、県が現在行っている支援内容及び今後の支援方針についてどう考えているか。
(4)、前回9月の定例議会で高嶺善伸議員がボリビアのオキナワ移住地区にある砂ぼこり道路のアスファルト舗装整備について質問したことに対して永山文化環境部長は、国などへの要請を検討したいとの答弁をしておりますが、これについてその後どうなっているのか、お聞かせください。
次に、同時テロによる観光産業対策について。
アメリカで発生した同時テロが観光産業を中心とした県経済を直撃しています。観光産業は、県の基幹産業であるだけにほかの産業に与える影響は余りにも大きいと言わなければなりません。今回の同時テロさえなければ、「ちゅらさん」効果などで観光客は着実に増加していたであろうことは間違いありません。それだけに現在の状況は残念でなりませんし、一日も早い体制の立て直しを行う必要があります。
報じられているところによると、11月末現在において修学旅行客約18万人、一般団体客約7万人、計約25万人で延べ宿泊数45万泊がテロが発生した後、沖縄旅行を取りやめております。沖縄の米軍基地もテロの標的にされる可能性が高いので、そんな危険な地域でとても旅行気分などしていられないというのが大方の理由のようです。全く根も葉もない風評のたぐいであり、沖縄の安全と魅力をどんどんアピールしていくことが重要であると考えます。
その一方で、今回の観光産業の危機は観光業界を初め県民に観光産業や沖縄観光の重要性を再認識させるきっかけにもなったのではないでしょうか。そうだとすれば、これを機会に長期的視点に立った沖縄観光のあり方を再検討し、内容の充実・改善を図っていくことが肝要だと考えます。県にはこの点も含めて対策を検討してもらいたいと思います。
もとより、当面緊急を要することは、風評の一掃に努め、沖縄の安全性をアピールすることは言うまでもありません。また、観光業界にとって事はあすの生活にかかわる緊急事態です。官民挙げて万全の対策を講じていく必要があります。
そこで、テロの影響も含めた今後の観光産業対策についてお尋ねします。
(1)、テロの影響による観光産業に対する県の対応は後手後手だという業界からの批判があるが、これをどう受けとめるか。
(2)、補正予算等を含めた観光産業への対策は十分なされていると考えるか。また、補正予算の効果についてどの程度期待をしているか。
(3)、宮古、石垣、その他の離島への優遇貸付制度等の配慮はなされているか。
(4)、誘客活動を民間だけに任せるのでなく、県みずから観光キャラバンを全国に展開し、知事みずからトップセールスを行い、てこ入れを強化する考えはないか、知事の見解をお伺いしたいと思います。
次に、警察官増員について。
世界のウチナーンチュ大会が円滑に進められたことの要因の一つに県警の要所要所での万全の警備体制を挙げることができると思います。県警が通常業務に加えウチナーンチュ大会の業務に集中することができた背景には、テロ事件との関連で在沖米軍基地の警備のために臨時に派遣されている他県からの機動隊の存在が大きかったと思います。沖縄に具体的なテロの脅威があるわけではありませんが、他県からの応援は県警の通常の業務を補完し県民の安全を図る上で大きな役割を果たしていると考えなければなりません。
それに加えてことし6月に北谷町で起きた米兵による婦女暴行事件の際にも、北谷町を中心として警察官増員の必要性が声高に言われました。
これらのことは、米軍の存在という沖縄の特殊性に起因するものであり、政府に県民の安全を守る意思があるならば警察官の増員の必要性は明らかであり、このことを強く政府に働きかけるべきだと思いますが、知事及び県警本部長の見解をお伺いしたいと思います。
次に、市町村合併について。
県は、このほど宮古の6市町村を含めた3地域を市町村合併重点支援地域に指定しました。3地域における合併に向けた具体的な取り組みが期待されます。宮古6市町村の間でも合併に向けての動きが徐々に広がりつつあります。宮古の6市町村長は、先月上旬、市町村合併協議会をそれぞれ来年3月議会に提案することで合意しました。また、各市町村議会議員の間でも有志議員が呼びかけて県から担当者を招いて勉強会を開くなど、合併機運が出てきております。こうした具体的な動きを今後は住民側にも着実に広めていくことが合併実現への第一歩だと言えます。
そのためには市町村合併がなぜ必要なのか、基本的なところを行政、議会、住民がきちんと押さえる必要があります。現段階ではまだ市町村も議会も住民も理解が不十分です。特に合併後のイメージがいま一つぴんとこないのが実情です。合併するということは、とりもなおさずこれまでの行政区域が大幅に広がるわけですが、それが住民サービスにどうつながっていくのか、住民サービスはよくなるのか、サービス低下を招かないか。
例えば、多良間村の離島住民にとって合併によって身近に役場がなくなることの不安は切実な問題となってきます。これからの地方分権時代においては、福祉や介護、ごみ問題などの面で広域行政の分野がふえ、これを支えるためにはより効率的な人的、財政的な体制の整備を図っていく必要があり、その方策の一つとして市町村合併をとらえることができると考えます。
そこでお伺いします。
(1)、市町村合併重点支援地域とはどういうものか。指定されたら特典があるのか。また、合併への強制力を伴うのか、より具体的に説明をお願いしたいと思います。
(2)、県の合併支援策にはどのようなものがあるのか。
(3)、知事は、市町村合併に夢を描けるような施策を進んで策定し、国に提言・要望していく考えはないか。
次に、県立高校の編成整備計画について。
県教育委員会は、平成14年度から始まる県立学校編成整備計画策定作業を進めていると伺っています。その中で宮古地区の高校も再編・統合の対象になっていることから、地元でも協議会を設けてさまざまな角度から論議がなされております。
そこで、宮古地区における高校の今後のあり方についてどうとらえているか、生徒数の見通し、人材育成、統合・再編案など具体的に示していただきたいと思います。
次に、離島振興について。
宮古・八重山両先島を初めとする離島振興は、私の政治の原点でありライフワークであります。交通の利便性が高まり情報技術の高度な発達によってかつてのような不便さは軽減されました。しかし、離島振興にとっての課題は依然として山積しております。その解決が私に託された使命であると認識しております。
離島格差の例として、例えばリサイクル法に基づく家電製品の業者への引き取り価格の上乗せがあります。また、産業振興上の課題としては農林水産業や公共事業にかわり得る産業をどう育成していくか。地元では観光産業などの3次産業の育成に力を入れて取り組んでいるところですが、そのためのインフラ整備をどう図っていくか、大きな課題を抱えております。そのインフラ整備を支える幾つかのプロジェクトも構想の段階から具体化の段階に移りつつあります。そのいずれも宮古の産業振興の起爆剤となるものばかりでありますので、県当局の御理解を賜りたいと思います。
伊良部架橋についてお伺いします。
今年度予算において1億5000万円の国庫がつきました。20年余の構想実現への第一歩であると郡民挙げて喜んでいるところであります。
そこで、この予算の内容等についてお伺いします。
この予算に基づく調査期間、内容を具体的に説明願います。また、来年度以降も引き続き調査費は計上されるのか、その見通しもあわせてお聞かせください。
次に、県立宮古病院の移転・改築についてお尋ねします。
離島医療にとっての最終目標は、地域完結型の診療体制であります。よほどの難病でない限り住民にとって地元の医療機関で完治してもらえることの精神的・経済的安心感以上の望みはありません。その役割を担うのはやはり公的医療機関であり、県立宮古病院の使命であると考えます。
宮古病院については、施設の老朽化、駐車スペースの狭さ、診療科目の不足などが久しく指摘されており、これらの解消を図るには移転・改築が必要であるというのが宮古郡民の総意であります。稲嶺知事にもその考えを何度も申し上げ、知事もその意を酌んでいただき今年度予算で移転調査費が計上されました。感謝申し上げたいと思います。
そこで質問します。
ア、この調査の目的と内容を説明お願いします。
イ、その結果は公表されるのか。また、それは移転・改築にどのような影響を及ぼすのか。
ウ、この調査に住民の意思は反映されるようになっているのか。
次に、航空大学誘致についてお尋ねします。
下地島空港への航空大学誘致を検討していた航空大学設立基本計画策定検討委員会は、ことし8月に人材育成、経済効果、下地島空港の利用率低下の歯どめ効果などから航空大学誘致を促進する計画案を伊良部町に対して答申しました。第三者機関としての同委員会によって誘致の必要性が認められたことは、実現に弾みがついたとして宮古では大きな期待を寄せております。
答申の後、私は再度視察を兼ね山梨県日本航空学園に梅沢保隆副理事長を訪ね、大学設置についての考えを聞いてきました。その中で梅沢副理事長は、本校としても大学をつくることが目標で、下地島はうってつけの立地環境を有している。本校として誘致に協力できることは惜しみなくやっていきたいと下地島空港での大学設置に強い意欲を示しており、あとは受け皿づくりをどう進めていくかが課題であることを強く感じました。
ア、航空大学誘致基本計画策定検討委員会の答申について、県はどのような認識を持っているのか。
イ、航空大学誘致を新たな沖縄振興策として新たな振計に位置づける考えはないか。
ウ、大学院大学とあわせ航空大学誘致によって沖縄を科学分野の人材育成のメッカにする構想を国に働きかける考えはないか。
次に、琉球朝日放送(QAB)の先島地方への放映についてお尋ねします。
情報化時代と言われて久しい中、先島で民間のテレビ放送が開始されたのはわずか数年前のことであります。NHK一本から複数チャンネルに切りかわったとして地元の喜びはひとしおでありました。情報量はできるだけ多いにこしたことはありません。現在の琉球放送と沖縄テレビに沖縄本島同様琉球朝日放送が加わることを先島の住民は待ち望んでおります。
そこで、琉球朝日放送の先島地区への放映の可能性はないか、今後の見通しについて県の考えをお聞かせください。
宮古における県立公園建設につきましては、昨日の砂川佳一議員が取り上げましたので質問は省きますが、宮古郡民の県立公園建設を求める声は非常に強いものがありますので、ぜひ早期建設できるよう特段の御配慮をお願いしたいと思います。
次に、平良市北市場通りとマクラム通りの拡張整備計画について。
平良市北市場通りについては、さきの6月議会での私の一般質問に対して、整備計画はあるが予算のめどがつかないという趣旨の答弁をしておりますが、ここに来て県は来年度国庫概算要求に予算要求をしているとのことであります。
そこで、予算のめどはついたのか。ついたのであれば具体的な整備のスケジュールについてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
マクラム通りについては、国道としての整備が困難であれば県道に認定がえをした上で整備することも一つの方法であると考えるが、その可能性はどうか。可能な場合、15年度で予算づけするためにはどのような作業が必要か。
平良市の産業廃棄物最終処分場で発生した火災について。
きのうの糸洲朝則議員の質問にもありましたが、私の地元でもありますのであえて質問させてもらいます。
去る11月28日午後に、平良市西原の産業廃棄物最終処分場内で発生した火災によって大量の煙が発生し、大浦地区の83世帯に避難勧告が発せられ住民が避難するという事態が生じました。翌日、避難勧告は解除されましたが、住民は避難場所での不安な夜を過ごし、煙によるのどの痛みなどの被害が生じ、同産業廃棄物処理施設の管理に不安を抱いております。
そこでお尋ねします。
(1)、同産業廃棄物最終処分場に対するこれまでの県の指導状況はどのようになっているか。
また、同施設に対し今後、県はどのような方針を持って指導していくのか。
以上をもちまして一般質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 坂井民二議員の質問にお答えいたします。
最初に金融特区の件がございましたが、これはまだ正式には決まったわけではございませんので、ただ、前向きの方向で進んでおりますので、それに期待をいたしたいと思っております。
さて、第3回世界のウチナーンチュ大会と人材交流についてのうち、今回のウチナーンチュ大会についての感想及び今後に向けての知事の考え方についてお答えをいたします。
4000名を超える海外及び国内からの参加者に、私たち県民は感動し勇気づけられました。海外のウチナーンチュの熱い思いを肌で感じることができました。
参加者の皆様からは、感動的ですばらしい大会であった、世界の恒久平和を発信できた意義ある大会であったことなどの高い評価をいただき、大会を開催して本当によかったと思います。県としては、今後とも各分野における交流を積極的に推進するとともに、沖縄と在住国相互の発展を目指す観点から、世界のウチナーンチュ大会を継続実施していく考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(永山政邦) 第3回世界のウチナーンチュ大会と人材交流についてのうち、海外県人会子弟の県内留学の現状と受け入れ枠の拡大についてお答えします。
海外の移住者子弟の受け入れにつきましては、昭和44年度から移住者子弟留学生受け入れ事業を実施し、平成13年度までにペルー、ボリビア、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、カナダ、アメリカの7カ国から280名を受け入れております。
ここ5年間の年平均留学生受け入れ数は約14名となっており、留学生はそれぞれ琉球大学、県立芸術大学、県立農業大学校、名桜大学において日本語、邦楽、美術、園芸等を学んでおります。留学期間は、県立農業大学校については2年間、その他の大学は1年間となっております。
受け入れ枠の拡大につきましては、県の財政事情が厳しいこともあり、県は九州地方知事会を通して国に政府開発援助(ODA)等を活用した留学生受け入れの支援制度の創設を要請しているところであります。今後とも留学生受け入れ枠の拡大に向けて努力してまいりたいと考えております。
同じく第3回世界のウチナーンチュ大会と人材交流について、海外県人会の多い南米各地で県が現在行っている財政支援の内容及び今後の支援方針についてお答えします。
本県においては、海外移住者の移住先国での生活安定、福祉の増進を図る目的で海外県人会から事業に対する補助の要請がある場合には、事業の趣旨、規模等を勘案して補助を行っています。昭和49年度から平成13年度までに北米、南米の県人会に対して県人会館建設補助事業、施設整備補助事業等として行ってきた補助実績は、件数で30件、金額は8億4382万円となっています。
また、県人会活動を支援する目的で県人会運営費補助を行っており、10県人会に対し昭和47年度から平成13年度までの実績は4181万7000円となっています。平成13年度は8県人会に対して総額140万円を補助いたしました。
県といたしましては、ウチナーネットワークを維持・拡充するためには海外県人会への支援は今後とも継続していく必要があると考えていますが、支援方法については事業の趣旨、県の財政事情を勘案しつつ総合的な観点から検討していきたいと思います。
同じく第3回世界のウチナーンチュ大会と人材交流についての中の、ボリビアのオキナワ移住地でのアスファルト舗装整備について国等への要請についてお答えします。
ボリビア共和国におけるコロニア・オキナワは、琉球政府が主体となり移民を送り出した背景があり、県においては移住者の定着、生活の安定及び福祉の向上を図るため県人会に対して積極的に支援しているところであります。
コロニア・オキナワでのアスファルト舗装整備事業については、現在、コロニア・オキナワにおけるオキナワ日本ボリビア協会がボリビア共和国政府を通じて日本政府外務省に対し、日本政府無償資金協力の要請を行っています。県としましては、コロニア・オキナワにおける県人移住者の生活の安定及び産業の振興を図る観点から、当該事業が早期に実施されるよう外務省及び国際協力事業団に要請を行っていきたいと考えております。
続きまして、平良市の産業廃棄物最終処分場で発生した同処分場に対する県の指導状況と、今後、県はどのような方針を持って指導していくかとの御質問に一括してお答えします。
同処分場に対しては、県はこれまで保健所の職員が立入検査等を行い、搬入された廃棄物の種類、数量、分別作業、地下水の水質測定等について監視・指導を行ってきたところであります。県においては、今後、同処分場に対し施設の維持管理の徹底を指導していくとともに、施設内の巡視の強化、消火器その他の消火設備の設置等火災の発生を防止するための必要な措置を講ずるよう指導強化に努めていきたいと考えています。
以上であります。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 2、同時テロによる観光産業対策についての中の、観光産業に対する県の対応についての業界の批判をどう受けとめるかについてお答えします。
同時多発テロが発生した直後から、県においては沖縄観光コンベンションビューローや観光関連業界との意見交換を行い、緊急に実施すべき対策について協議いたしました。また、沖縄の平常さを訴える知事名の文書を全国の旅行会社や都道府県教育委員会へ発送するとともに、観光リゾート局内には「特別誘客対策班」、商工労働部内には「観光関連業界等に対する緊急経済対策協議会」、全庁的なテロ対策組織としましては「緊急テロ関係連絡会議」を設置し、同時多発テロへの対策を強化してまいりました。
さらに、知事が内閣府、国土交通省、文部科学省の各大臣に対して沖縄の観光振興についての特別な予算措置など県内観光関連業界への支援、大臣の沖縄訪問などを要請するほか、小泉総理に対して沖縄観光へのさらなる支援を要請するなど早急な対策をとってまいりました。
なお、県では国の支援と業界の協力のもとに「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンを実施しているところであり、副知事を中心とする東京、大阪などの主要都市への観光キャラバン隊派遣などさまざまな事業を展開しているところであります。
次に、同じく同時テロによる観光産業対策についての中の、補正予算等を含めた観光産業への対策は十分か、また補正予算の効果についてどの程度期待しているかとの御質問にお答えします。
去る9月11日の同時多発テロ事件により、修学旅行を中心にキャンセルや旅行の手控えが相次ぎ沖縄観光に多大な影響を与えていることから、県及び国においては観光業界との連携のもと、各種キャンペーンを実施しているところであります。
それに伴う費用については、国においては沖縄特別振興対策調整費から約4億円を拠出し、県におきましては10月末の臨時議会において緊急キャンペーン予算として1億4860万円の予算を補正いたしました。
これらの補正予算に加えて既存の予算についても今回の緊急キャンペーン事業に振り向けて実施しております。今回のキャンペーンの実施により、修学旅行のキャンセルが落ちつくなど補正予算の効果が徐々にあらわれてきていると考えております。
次に、同じく同時テロによる観光産業対策についての中の、誘客活動について県もみずから観光キャラバンを全国に展開すべきではないかとの御質問にお答えします。
今回の同時多発テロへの対応策として、現在、県においては国や観光関連業界と連携して「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンを実施しているところであり、全国紙やテレビ、旅行雑誌等を活用しての沖縄PRや修学旅行関係者招聘、副知事を中心とする東京や大阪などの主要都市への観光キャラバン隊派遣などさまざまな事業を展開しているところであります。今後とも知事を先頭にキャンペーン等あらゆる機会を通してトップセールスを実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 同時テロによる観光産業対策についての、宮古、石垣その他の離島への優遇貸付制度等の配慮はなされているかという御質問にお答えをします。
同時多発テロ事件の発生に伴う風評被害により、経営の安定に支障を来している観光関連業等の中小企業者への金融面からの支援策として、既存県単融資制度における金利及び保証料の引き下げや、緊急経営安定支援資金の創設を行ったところであります。
また、政府において、中小企業信用保険法に基づく災害その他突発的事由による地域並びに業種の指定を行い、特例措置による支援策が講じられております。さらに、沖縄振興開発金融公庫においては、ホテル等の大企業に対する緊急の運転資金融資制度も創設されております。
県としては、これらの支援制度が円滑かつ効果的に運用されるよう関係機関との連携のもと宮古・石垣地区においても緊急の説明会を開催し、制度の活用を促進しているところであります。
○知事公室長(親川盛一) 坂井民二議員の警察官増員についての中の、米軍の事件・事故等は沖縄の特殊性に起因し、政府に対し警察官の増員を働きかけるべきだと考えるがどうかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
米軍人等による事件・事故防止につきましては、昨年10月、米軍や国、県、関係市町村及び商工会などの関係団体から構成する「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム」を設置し、基地ゲートにおける泥酔者のチェックや、沖縄市、宜野湾市及び北谷町における上官兵による生活指導巡回など具体的な再発防止対策に取り組んでいるところであります。
また、同ワーキングチームの会議において、北谷町から警察官による夜間パトロール強化のための警察官の増員や新たな交番の設置が必要であるとの強い要望があり、また、その他の基地周辺地域においても事件・事故の未然防止を図る必要があることから、県では去る9月5日及び6日に国家公安委員会委員長、警察庁長官を初め関係大臣に対し、本県の警察官の増員について要請を行ったところであります。
警察庁におきましては、来年度に全国の警察官を5000名増員するため財務省に対し予算を要求していると聞いております。
県としては、米軍人等による事件・事故の再発防止を図るため、今後とも本県の警察官の増員を含め実効性のある具体的な対策に取り組んでいきたいと考えております。
○警察本部長(太田裕之) 警察官の増員を強く政府に働きかけるべきではないかという御質問にお答えします。
まず、先般のウチナーンチュ大会の成功に関しまして、警察の警備及び管区機動隊の評価について高い評価をしていただきましたことについて感謝申し上げます。県警及び管区機動隊で県内の一般治安維持及びテロ防止の万全を期しておりますので、私どもとしましても観光客の方々も安心して来ていただきたいというふうに思っております。
さて、警察庁が平成14年度予算において全国で5000人の地方警察官の増員を要求しております。沖縄県警察でもこの増員要求にあわせ、警察庁に対し強く増員の要望を行っているところであります。
増員要求に当たりましては、1つは米軍構成員等を当事者とする事件・事故、各種トラブル等の発生状況を踏まえまして、米軍基地周辺における犯罪の未然防止対策のための警察官の増員を、2つには、県内の著しい人口増加や新市街地の形成、そして過去最高を更新しております刑法犯認知件数を初め、警察が取り扱う事象が10年前と比べますと3ないし6割増と増加の一途にあることなど、県警の治安の負担が極めて厳しい状況にあることから、街頭における警戒警ら活動に必要な警察官の増員を要望しております。
県警察では、警察官の増員は喫緊の課題であるとの姿勢で、まず私が上京した際に警察庁長官、また人事担当者に増員要請をしたほか、警務部長を上京させまして警察庁の直接の担当者に具体的に説明をしているところであります。
また、去る9月には稲嶺知事みずから県公安委員長とともに警察庁を初め国家公安委員長、総務省、財務省など関係省庁を直接訪ね、警察官の増員を要請いたしました。
そうした中、去る12月3日に来県した村井国家公安委員長は、稲嶺知事との会談の中で、警察官の増員については知事からも強い要望を受けているので、県の申し入れに沿うよう努力する旨の発言をされております。
なお、この要請の結果につきましてはまだ警察庁から総務省等に対し増員要求を行っている段階であり、全体として何人認められるか、そして沖縄県にどのくらいの配分があるのか不明でありますが、今後とも警察庁等に積極的に働きかけを行ってまいります。あわせまして、議員各位の御支援と御協力をよろしくお願い申し上げます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問にお答えをいたします。
まず1番目に、合併重点支援地域についての御質問にお答えをいたします。
県においては、より一層市町村合併を促進するために地域住民の間で合併に向けての機運が盛り上がっている地域や、合併協議会等が設置されている地域等を対象として合併重点支援地域を指定することとしており、去る11月30日に久米島、具志川・与勝、宮古の3地域11市町村を指定したところです。
合併重点支援地域として指定されますと、合併市町村の一体化を促進するための道路や架橋、廃棄物処理施設、地域イントラネット等の事業の優先採択、重点投資等が盛り込まれた国の「市町村合併支援プラン」による支援策が受けられるようになるとともに、県の啓発事業の重点的実施や市町村が行う調査・研究等に対する支援及び合併協議会に対する人的支援などが受けられるようになります。県としましては、市町村の自主性、主体性を尊重し、本県の地域特性にも十分配慮しながら市町村合併を積極的に進めていく中で、順次重点支援地域の指定を行ってまいりたいと考えております。
次に、県の合併支援策についての御質問にお答えをいたします。
県の支援策としましては、従来の合併の機運の醸成を図るための補助金制度に加え、合併協議会の行う合併準備や合併市町村が市町村建設計画に基づき行う事業を支援するための交付金制度があります。同交付金は、法定または任意の合併協議会に対して年間1000万円を上限とし4年度以内で、また合併市町村に対して5年度間で3億円の範囲内で交付するものです。
さらに、本年5月に市町村合併支援本部を設置いたしまして、市町村合併の支援に全庁的に取り組んでいるところであり、第3回支援本部において「久米島町」の新町建設計画事業に対し補助金の優先的配分や重点的な実施を決定したところです。
また、去る11月30日の第4回支援本部では合併重点支援地域の指定を行い、指定地域に対する重点的な支援策及び合併後の市町村に対する支援策を講じたところであります。
次に、市町村合併に夢を描けるような施策を進んで策定し、国に提言・要望していく考えはないかという御質問にお答えをいたします。
地方分権時代の本格的到来を迎えた今日、総合的な行政主体である市町村を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しており、新たな行政課題への対応や自治能力の向上、財政基盤の充実・強化などが求められており、現行市町村の枠を超えた新たな時代にふさわしい地方自治体を築いていくことが必要となっております。
このため、国におきましては合併特例法による支援制度の拡充や各省庁連携による諸施策を活用した合併支援プランの策定などを行っており、また県においては交付金制度の創設や合併重点支援地域の指定及び合併後の市町村に対する支援策など、さまざまな合併支援策を講じたところであります。
県としましては、平成17年3月までの間に国や県の支援制度を最大限活用して多くの市町村で合併が実現し、それぞれの地域の資源を有機的に連携・活用しながら、新たな枠組みの中で新しい発想に立ったまちづくりが行われることにより、個性豊かで活力に満ちた地域社会が実現されるよう市町村合併を積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、離島振興についての中で、航空大学関係の御質問にお答えをいたします。
航空大学設立基本計画検討委員会の答申について県はどのような認識を持っているかという御質問です。
伊良部町では、航空大学設立基本計画等の検討を行うため平成13年2月13日に「航空大学設立基本計画検討委員会」を設置し、町の要請を受けて県も委員として参加し意見を申し上げたところであります。
同検討委員会における3回の審議を経て、8月6日には同検討委員会の委員長から町長に対し平成13年7月31日付をもって「航空大学(仮称)設立基本計画(案)に関する検討結果報告」がなされました。
同報告では、我が国の航空・宇宙産業や観光産業を支えるための航空大学の必要性とその立地場所として下地島が適地であり、さらには航空大学の立地が地域振興の面においても大きな役割を果たすことが確認されたものの、具体的な航空大学の設立・運営方式や資金計画等の課題については、今後、設立主体や関係行政機関等によるより実務的な検討が不可欠であるとして選択肢や検討方法を提示しております。
現在、伊良部町では航空大学設立基本計画を策定中であると承っておりますが、県としては町が同検討委員会からの課題について関係機関と十分に調整を進め円滑に基本計画を策定できるよう引き続き協力していきたいと考えております。
同じく航空大学誘致を新たな沖縄振興策として振計に位置づける考えはないかという御質問にお答えをいたします。
航空大学を下地島に設置することについては、下地島空港及び周辺公有地を活用した地域活性化に大きな可能性を有すると考えておりますが、航空大学設立基本計画検討委員会の検討結果報告において検討を要する多くの課題が提示されており、伊良部町が設置を考えている航空大学の姿がまだ明確にはとらえられない状況にあります。
航空大学誘致を沖縄振興新計画に位置づけることにつきましては、伊良部町の航空大学設立基本計画策定状況を見守りつつ検討してまいりたいと考えております。
次に、大学院大学とあわせ航空大学誘致によって沖縄を科学分野の人材育成のメッカにする構想を国に働きかける考えはないかという御質問にお答えをいたします。
下地島に伊良部町が航空大学を誘致することについては、沖縄県を初め我が国の航空・宇宙・IT産業や観光産業の人材育成に寄与するものと期待されます。現在、伊良部町が進めている航空大学設立基本計画の策定を見守りつつ、引き続き県としてどのような支援が可能かを今後検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 県立高校の編成整備計画について、宮古地区における高校の今後のあり方についてどうとらえているか、生徒数の見通し、人材育成、統合・再編案など具体的にどのようなものかとの御質問にお答えをいたします。
宮古地区におきましては、少子化に伴い今後10年間で高校生が全体で約30%、 900人減少することが予測され、高等学校の小規模化の進行による学校の活力の低下などが懸念されております。同地区における新たな高等学校編成整備計画では、生徒数の大幅な減少という課題へ対応するとともに地域の振興に適合した人材育成を図る視点が必要であります。
特に農業や水産業と連携した観光の振興など同地区が目指す産業の方向性を考えた場合、さまざまな分野の専門家の育成とともに産業をトータルにとらえ生かすことのできる人材育成を図ることが肝要であります。このため、農業、水産、商業に関する教科・科目を総合的に選択し学ぶことのできる新しいタイプの総合実業高校(仮称)を翔南高校と宮古農林高校を発展的に再編・統合して設置することが有意義であると考えております。
また、両校の再編・統合により新しい学校の1学年の学級数は6ないし7学級となり、学校の活性化を図る上で適正な規模となり、教育課程の弾力的な編成による学習内容の充実、資格取得の機会の拡大、文化・スポーツ活動等の活性化が促され、地域の振興を担う多様な人材の育成に資するものと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 離島振興についての中で、伊良部架橋の今年度の予算に基づく調査期間及び内容について、また来年度以降の調査費の計上とその見通しについての御質問にお答えいたします。
伊良部架橋着工準備調査の今年度の内容としましては、橋梁予備設計、環境現況調査、取りつけ道路予備設計を既に実施しているところであり、今後は技術検討委員会、環境影響評価方法書の作成、環境現況補足調査などの実施を予定しております。今年度調査の期間としましては、平成14年3月末完了を予定しております。また、来年度も引き続き技術検討委員会、環境影響評価準備書及び評価書作成などを実施する予定であります。そのため、平成14年度も国に今年度並みの予算要求を行っているところであります。
次に、平良市北市場通りの拡張整備の具体的な整備スケジュールについての御質問にお答えいたします。
北市場通りは、都市計画道路市場通り線のうち、旧宮古警察署前交差点から市道東環状線との交差点までの延長約750メートルの区間であります。
現在、市場通り線整備事業は、市公設市場前から旧宮古警察署前交差点までの延長305メートル、幅員16メートル、事業期間は平成9年度から平成15年度までを目標として整備を進めております。
市場通り線の続きとなっている北市場通り線は、歩行者の安全の確保、生活の向上、観光産業等の振興、地域の活性化を支援する幹線道路として早急に整備する必要があると考えております。このため、平成14年度新規工区として旧宮古警察署前交差点から事業延長約300メートル、幅員16メートル、事業期間が平成14年度から平成20年度までの事業として国に要望をしているところであります。
次に、マクラム通りを県道に認定がえした上での整備の可能性、可能な場合、15年度で予算づけするための必要な作業についての御質問にお答えいたします。
平良市内の国道390号については、交通渋滞の緩和等円滑な交通確保を目的に昭和60年度からバイパス道路の整備を進め、平成11年に全線が完成・供用したところであります。そのため、現道として残されたマクラム通りを国道として拡幅整備することは困難な状況にあります。
しかしながら、当該通りが依然として交通量も多く、一部区間で歩道が未整備であるなど安全で円滑な交通の確保の観点から整備が必要であると認識しており、県道としての整備の可能性について検討を行っているところであります。
当該通りの拡幅整備については、他の道路の進捗状況、市街地整備計画との整合性、費用対効果、整備手法及び都市計画決定の変更などの課題があります。とりわけ、都市計画決定の変更については平良市所管の大原土地区画整理事業と密接に関係することから、平良市と協議しつつ早期整備に向けて検討していきたいと考えております。
○病院管理局長(新田宗一) 離島振興の中の2番目の、県立宮古病院の移転・改築についての御質問で、1点目に、移転調査費の目的と内容を御説明願いたい、2点目に、調査結果を公表されるのか、それは移転・改築にどのような影響を及ぼすのか、3点目に、この調査に住民の意思は反映されるのかとの御質問に一括してお答えいたします。
宮古圏域における医療の現状を把握するため、現在、「宮古圏域における医療需要動向の調査」を実施いたしております。
この調査の主な内容といたしましては、1点目に、宮古圏域における人口動態や受診率及び住民の疾病構造等の把握と分析、2点目に、宮古圏域から圏域外へ流出する患者の状況、3点目に、宮古圏域における他の医療機関の状況などの調査を行うこととしており、同地域の医療実態を把握したいと考えております。
なお、当該調査に際しましては住民アンケートを予定しておりまして、その中で住民の意思を把握し、その結果を報告書に反映させたいと考えております。
また、当該調査資料につきましては、宮古病院の改築に際し規模、機能、役割等を検討するための基礎資料として活用したいと考えております。なお、調査結果は提出があり次第公表したいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 離島振興について、琉球朝日放送の先島地区への放映の可能性はないか、今後の見通しについてお答えいたします。
琉球朝日放送の先島地区への放映の可能性については、費用面において中継伝送路設備及び各中継局への機材設置等多大な費用を要すること、2006年には現行のアナログ設備からデジタル設備への切りかえが予定され、その切りかえ費用において多大な費用を要すること、市町村及び民間放送事業者の経費負担割合等についても十分な検討が必要であること等の課題があります。
県としましては、県内の情報格差の是正という観点から放送実施の必要性を認識しているところでありますが、その実現に向けて民間放送事業者の自助努力を基本として関係機関と連携していきたいと考えております。
○渡久地 健 おはようございます。
質問通告の順序を多少変えまして、6番目の東京開催についてからを質問をしたいと思います。
去る12月4日、県経済団体会議が中心となって開催いたしました「沖縄振興関係税制措置実現東京大会」の開催は、緊急の呼びかけにもかかわらず、沖縄の経済自立の骨格となる9項目の税制特別措置の実現を求め、県内から700名を初め1000名もの皆さんが参加して気勢を上げました。県議会からは伊良皆議長を初め比嘉勝秀議員、安里進議員と私が参加し、その熱意を肌で感じてきました。
本大会で山中貞則氏は、参加人員の熱意を評価し、陳情政治はやめて堂々と要求しなさい、政府がびっくりするような案をつくってきたことはすばらしいと沖縄の要求に理解を示し、私は琉球王朝を侵略した島津藩の出であり、その償いが私の根底にある、命のある限り沖縄に恩返しをすると心に刻むあいさつがあり、また野中広務自民党沖縄振興委員長は、沖縄サミットの決定の最終段階で8県・都市の中で総合的に判断して沖縄が最下位にあったにもかかわらず、沖縄を故小渕総理の政治判断で決定したことを例に出し、本土とは違う沖縄の特性ある県づくりのためともに頑張っていきたいとの力強いあいさつがありました。
今月14日開催の自民党税制調査会において、この税制問題の最終決着をすると言われております。まさに今正念場を迎えている中で、きのう、そしてきょうの新聞によりますと、二転三転しておりますけれども、厳しい壁はあるけれども、政治的決着に対し東京大会の県民の熱意を知事はどのように受けとめたか。また、山中・野中両先生のあいさつにどう期待し、同要求に向けて今後どのような政治行動をとるのかお尋ねしたいと思います。
次に、金融特区についてでございますけれども、これについてはまさに時宜を得た質問だと思っております。
私は、金融業集積促進として金融特区の構想が去る8月に示された内閣府原案に盛り込まれたことは、政府の壁が物すごく高いハードルを乗り越えて県民の要望を政府が重く受けとめたものでの第一ハードルの関門だと認識しております。言うまでもなく金融特区構想の目的は、金融関連産業など新たな産業立地と雇用の拡大であり、そのためには企業立地や雇用の確保、人材育成に結びつく実効性ある制度としての特別税制措置の創設が不可欠であります。
地元名護市でも、ことし6月29日に多くの北部住民が結集し、沖縄国際情報金融特区創設推進市民大会が開催され、また昨日は950名の参加で第2回の推進大会が行われ、市民の期待が一層高まっている状況でございます。
政府・自民党の対応は、新聞報道によると二転三転しており、昨日の朝刊では法人税課税控除は困難である、「金融特区」を「経済特区」とすりかえられる危惧もありました。しかし、夕刊では尾身沖縄担当大臣が「断固実現する」と強い意欲を示し、また本日の朝刊では、先ほど坂井議員が示しましたように自民党税調の最高顧問である山中貞則氏が前向きの姿勢を示し、金融特区構想の実現が確定的となってきたと報道されております。
特に税制措置で目玉でありました法人所得税控除35%を10年間控除できる仕組みとなり、既存の特別自由貿易地域並みの実質26%の課税に抑えられることが実現できれば大きな成果であると思います。
そこで質問いたします。
県として、本県の自立的経済を構築するという観点から、金融特区構想の果たす役割をどう考えているのか。
(2)番目に、県は、その実現を求めて内閣府を初め関係機関へ要請を行っているが、県や名護市の要望がどの程度反映される見通しなのか。そして金融特区構想を実現させるための今後の県の対応と方針についてお伺いいたします。
2番目に、雇用対策についてでございます。
本県にとって雇用問題は基地問題とともに最重要の政治課題であり、今回の緊急地域雇用創出特別事業の内容でも基本的には6カ月の雇用で最長でも1年間であり、終局的には安定した雇用と結びつきにくく、雇用の受け皿である労働集約的産業振興と企業創出誘致が重要であると思います。
そこで、緊急地域雇用創出特別事業についてお伺いいたします。
平成11年度から実施した制度と今回の事業の相違点と特徴についてお伺いいたします。
(2)番目に、同事業実施に伴う雇用創出に果たす目標値についてお伺いいたします。
次に、雇用問題で最も深刻なことは若年層の失業率であり、将来を担う若い者が働く職場がないことは本県の将来にとって活力を失うことであり、それを解決することが緊急課題であると思います。
そこで、次のことをお伺いいたします。
(1)番目に、若年層(30歳以下)の雇用の総合的な相談窓口の設置についてどうお考えなのか。
(2)番目に、9月補正で実施しております「若年者総合雇用支援システム」事業というのはどういうようなねらいで、どういうシステムを考えているのか、お尋ねいたします。
3番目に、観光産業でございます。
これは、本議会において代表質問、一般質問でたびたびいろんな形で出されておりますけれども、視点を変えて私は端的に質問をしたいと思います。
観光は、基幹産業、総合産業と言われていますけれども、まず初めに、県全体の行政機構において十分な組織として位置づけられているのか。そしてまた、観光リゾート局とコンベンションビューローの役割分担について十分機能しているのか、お尋ねいたします。
そして、日常的に他の部署との連携はなされているのか。
観光収入に占める観光関連予算規模は適切であるか。県全体の組織と財政の立場からお伺いいたします。これについては、観光リゾート局長と総務部長にお尋ねいたします。
(2)番目に、民間の活力、知恵、企画を大幅に導入すべきであると思うが、どのような方針であるのか。
(3)番目に、「沖縄観光百人委員会」の機能と役割について。
(4)番目に、アメリカのテロ事件を契機として「特別誘客対策班」が構成されていますが、その構成人員と機能は所期の目的が果たせたのかどうか、お尋ねいたします。
今回の観光の危機を契機として新たな沖縄観光のあり方、新たな魅力の創出が必要であると思いますけれども、将来構想についてお尋ねいたします。
4番目に、医療福祉の関係でございます。
名護市夜間急病診療所の当番医師の安定・確保と休日・夜間診療の今後のあり方についてお尋ねいたします。
平成11年度策定の沖縄県保健医療計画では、「県民が緊急の手当が必要な場合に「いつでも」「どこでも」「より早く」適切な医療が受けられる体制を確立することが行政の重要な責務である。」とうたわれております。
名護市夜間急病診療所は、昭和50年に北部地域の患者の受け入れ先を24時間確保することを目的として県立北部病院、北部地区医師会等医療機関の協力を得て内科、小児科、外科を診療科目として、夜間における一次救急医療機関として1日平均20名の患者を診てきております。
しかし、開設当時と今日では社会情勢、医療需要も異なり医学界の専門細分化が進み、医師の高齢化等により当番医師の確保に苦慮しているのが現状であります。
また、中南部の医療体制の重層的な救急医療体制に比べて北部圏域の現状は極めて貧弱であり、北部地区医師会が循環器科のみ24時間対応しているだけで、その他の診療科目は県立北部病院が24時から18時まで、当診療所では18時から24時まで対応しているにすぎない状況であります。
また、医療設備も貧弱であり、せめて現在の高規格救急車に搭載されている機器と同等以上の装備を希望しているのが現状であります。同診療所事業は恒常的に赤字事業であり、名護市は一般会計から年間777万円余の繰り入れをしており、その存続が危ぶまれております。
そこで、北部地域の救急医療を担っている夜間診療所の当番医の安定・確保と休日・夜間診療の今後のあり方についてお伺いいたします。
(2)番目に、伊江村診療所の離島医療組合への加入について、その協議の進捗状況、今後の見通しについて、これは去る10月に知事が広聴会で伊江村に行って直接要請を受けていると思いますので、知事の方から御答弁をお願いしたいと思います。
県立病院の医師確保については、たくさんの皆さんから質問が出されておりますけれども、要望として子ども病院の開設、あるいはいろんなこれからの需要に応じて医師の確保が大事だと思いますので、ぜひ当局の方で頑張っていただきたいと思います。
5番目に、県職員の給与振り込みが郵便局も活用できる方策について質問いたします。
これは、高嶺議員の方からも質問がありましたけれども、昨年の12月定例会において沖縄郵政管理事務所からの陳情で、県職員のうち、離島地域に勤務する職員に限って利用しております給与の郵便貯金への振り込みを県全域で利用可能となるよう地域限定措置を解除するようにとの趣旨の陳情が全会一致で採択されていますけれども、現在でも実施されておりません。1年たっております。
現在、東京都、岐阜県、三重県、愛知県で導入され、国家公務員はほぼ全体、そして市町村の約7割が郵便局の振り込みが実施されている現状で、本県の島嶼性あるいは地域性を考えて郵便局の果たす役割を含めて考えますと、ぜひとも郵便局も利用できるような方策について希望がありますけれども、それについてお伺いいたします。
答弁によりまして再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 渡久地議員の質問にお答えいたします。
最初は、「沖縄振興関係税制措置実現東京大会」に関する所見についてでございます。
沖縄振興関係税制は、沖縄振興新法の根幹をなすものであり、その実現は本県の振興発展に極めて大きな意義を持つものであります。
「沖縄振興関係税制特別措置実現東京大会」は、平成14年度の税制政府案の取りまとめが大詰めを迎えている中で開催され、時宜を得たものであります。
東京大会には、県内経済団体を中心に県議会、県、市町村長、関係国会議員など総勢1000人を超す参加者が結集し、県民一体となった取り組みと熱意を政府及び国会議員等に示したことは、所要の税制実現に向けて大きな力になったものと考えています。また、来賓として出席された自由民主党の山中税制調査会最高顧問や野中沖縄振興委員長から、厳しい中にも沖縄への熱い思いあふれる御支援のごあいさつをいただくことができ、心強く感じたところであります。
次に、金融特区について、自立的経済の構築という観点から金融特区構想の果たす役割をどう考えているかについてお答えいたします。
金融特区構想は、金融業等の集積促進を図るための制度の創設を求めるものであり、このことにより金融関連産業や情報通信産業、その他の関連産業の集積促進が期待されることから、本県の経済振興に大きく寄与するものと考えております。また、就業の場の確保やまちづくり等の定住条件の整備などを通した地域の活性化にもつながるものと考えております。
同じく金融特区について、金融特区構想についての県や名護市の要望は制度の中でどの程度反映される見通しか、また今後の県の方針と対応についてにお答えいたします。
金融特区構想については、県の要望に基づき「沖縄振興特別措置法(仮称)の検討の基本方向」の内閣府原案において、「金融業等の集積を促進するため、金融業等集積促進地区(仮称)の指定を行い、課税の特例等の措置を講ずる。」とされており、基本的には制度が創設されるものと考えております。
また、名護市の要望については、その内容が個人の所得税の減免や、銀行法の改正など多岐にわたることから、これらすべてが実現することは厳しいものがあると思います。県としましては、同制度が本県の経済振興に大きな役割を果たすことから、効果的な措置が盛り込まれるよう名護市と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
なお、先ほど坂井民二議員が触れられましたように大変厳しい状況ではありますが、前向きの方向で現在進んでおりますので、自民党の税調、そして閣議決定によって一日も早くはっきりとした形でスタートできることを期待しております。
続きまして観光産業について、今回の観光危機を契機とした新たな沖縄観光の将来構想についてお答えいたします。
経済の低迷が続く中で21世紀を迎えた我が国は、高齢化社会、少子化の進行などに伴い本県の観光・リゾート産業を取り巻く市場環境にも変化が生じてきております。
観光・リゾート産業は、本県経済を牽引するリーディング産業であり、県としては、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」においても観光の振興を重要な施策として位置づけ、「総合的な国民保養の場を形成するとともに、コンベンションをいかした観光・リゾート地として、多様なニーズに対応した通年・滞在型の国際的な観光・リゾート地の形成を図る。」こととしております。このため、現在策定が進められております第4次観光振興基本計画の中でこれらの施策を推進するとともに、沖縄振興新法においても税制を中心とする観光関連制度の拡充を求めているところであります。
今回の沖縄観光の危機の経験を踏まえ、今後とも県、業界及び県民一体となって観光の振興を推進してまいる所存であります。
続いて医療福祉について、伊江村立診療所の離島医療組合への加入について、協議の進捗状況と今後の見通しについてお答えいたします。
沖縄県離島医療組合は、県と離島町村が一緒になって必要な医療を確保するためにできたものであり、今後の離島医療対策のモデルになるものと考えております。
平成13年度は、現在の離島医療組合の構成員である仲里村と具志川村の合併に伴い、組合の解散及び財産処分、さらに再設立という手続を経ることとしております。
伊江村の加入については、経費負担等の課題があることから、それらの調整を行いながら早い時期に参画できる方向で検討していきたいと考えております。
なお、伊江村にとって当面の大きな課題は医師確保の問題であることから、現在、医学臨床研修事業で養成しているプライマリーケア医の中から医師1名を確保し支援しているところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 雇用対策について、現在の交付金制度と今回の交付金制度の相違点と特徴についての御質問にお答えします。
平成11年度から実施されました現在の「緊急地域雇用対策特別交付金」と今回新たに実施する「緊急地域雇用創出特別交付金」は、県及び市町村の公的部門において臨時・応急の雇用を創出する点や、原則として民間等への委託方式によって事業を実施するという点では同じであります。
現在実施されている交付金と今回の交付金の相違点は、事業計画全体で事業費に占める人件費の割合がおおむね8割以上であること、事業に従事する全労働者に占める新規雇用の失業者数がおおむね4分の3以上であること等の雇用創出効果を高める要件が新たに加えられたことであります。また、事業実施に当たっては、都道府県は事業計画及び事業実績を公表することとされており、公開性の高い事業実施となります。
同じく雇用対策について、交付金事業の実施に伴う雇用創出の目標値についての御質問にお答えをします。
「緊急地域雇用創出特別交付金」の平成16年度までの全体事業計画については、今月中旬の取りまとめを目途に現在調整を続けているところであります。県全体としての雇用効果については、全体計画を取りまとめた段階で公表することとしておりますが、現時点で試算しますとおおむね7000人を超える雇用規模になるものと考えております。
同じく雇用対策について、若年者の相談窓口の設置についてと、「若年者総合雇用支援システム」のねらいについての御質問に一括してお答えをします。
本県の雇用状況の構造的な特徴の一つに、若年者を中心とした高い失業率があります。その要因として、いわゆる県内志向や公務員志向、就職活動の弱さ等職業意識の課題が指摘されております。また、企業の求人の傾向は、いわゆる即戦力の採用に変わってきていると言われております。
このような課題や傾向に対応し、新規学卒者を中心とする若年者の雇用状況を改善していくことを目的として、9月補正予算に「若年者総合雇用支援システム」構築のための調査費を計上し、現在、具体化に向けた調査を行っているところであります。
この総合支援システムは、3つのシステムから構成されております。
第1段階は、県と専修学校・大学等教育訓練機関を結ぶネットワークを通して職業意識の形成や即戦力となる知識・技術等に関する情報を提供する人材育成システムであります。
第2段階は、就職に必要な資格や企業が求める技術の評価を行う「テストセンター」であります。
第3段階は、このようにして育成された人材を登録し、積極的な求人開拓や今後の企業誘致等に活用する「人材データバンク」であります。
以上の「人材育成」、「スキルの評価」、「その活用」の3つの機能を統合した「総合雇用支援システム」を産業界、教育機関、行政の連携のもとで運用し、若年者の雇用状況の抜本的な改善に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、相談窓口の設置については、このシステムの中でキャリアカウンセリング等を実施することとしており、その中で対応したいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 3、観光産業についての中の、観光に関する組織は県全体の行政機構において十分な組織として位置づけられているかとの御質問にお答えします。
観光に関する組織は、昭和47年5月15日沖縄県発足時に労働商工部観光課として職員15人体制で発足し、以来、数回の組織改革を経て現在の商工労働部観光リゾート局観光企画課及び観光振興課の2課、職員27人体制となっております。
観光関連の行政組織については、多岐にわたる観光行政の組織強化に関する提言・要望があります。
このような中、多様化する観光ニーズに対応するため、特に平成13年度においては体制を強化し局内に「国際会議誘致班」を設置するとともに、今回のテロ事件に対応するため臨時の「特別誘客対策班」を設置しているところであります。観光・リゾート行政は幅広い産業分野に関連があることから、今後増大する多様な観光ニーズや緊急事態にも十分対応できるよう調査・分析、企画・立案、観光に関する総合調整機能など体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、同じく観光産業についての中の、日常的に他の部署との連携はなされているか、また沖縄観光コンベンションビューローとの役割分担はどうなっているかとの御質問にお答えします。
観光・リゾート産業は、旅行業、宿泊業、交通業を中心に幅広い産業に関連しているため、県行政においても他部局との連携が重要であると考えております。
県では、平成6年に副知事を会長とし、各部局長で構成する「沖縄県観光・リゾート・コンベンション推進本部」を設置し、観光・リゾート及びコンベンションに関する連絡調整及び情報交換等を行っております。ことしは既に2回実施しており、8月に「第4次沖縄県観光振興基本計画(素案)」、11月には「同時多発テロ事件による沖縄観光への影響及びこれに対する全庁的な取り組み」について協議し、その対策等について検討いたしました。
また、財団法人沖縄観光コンベンションビューローとの役割分担につきましては、県は観光・リゾートコンベンション振興施策等についての調査・企画を行い、財団は当該施策等に基づき本県への観光客とコンベンションの誘致促進、観光・コンベンション施設の整備等を行うこととしております。今後とも観光・リゾート産業の振興を図るため関連部局との連携を密にするとともに、民間と行政が一体となった取り組みを行っていきたいと考えております。
同じく観光産業について、観光収入に占める観光関連予算規模は適切であるかとの御質問にお答えします。
平成12年の観光収入は4149億円となっており、平成13年度当初予算における観光リゾート局予算は28億529万8000円で、観光収入に占める観光リゾート局予算の割合は約0.7%となっております。
観光・リゾート産業は、本県経済を牽引するリーディング産業でありますことから、観光リゾート局予算の強化を図る必要があると考えております。したがって、次年度における観光関連予算についてもより一層の事業展開を図るべくその拡充に努めてまいりたいと考えております。
同じく観光産業について、民間活力等の導入はどのような方針のもとに行うのかとの御質問にお答えします。
沖縄観光の振興を図る上で民間との一体的な取り組み、推進は必要不可欠であると考えており、県では、その窓口として財団法人沖縄観光コンベンションビューローを設置しております。当ビューローは、賛助会員に航空業界や旅行代理店、宿泊業者、運輸業者等観光関連業界を網羅した組織となっており、幅広く観光関連業務を行っております。
さらに、当ビューローにおきましては「沖縄観光リゾートコンベンション推進協議会」を設置し、その中で誘客プロモーションやイベント等の企画推進についての賛助会員の提案や助言を取り入れるなど、民間活力を導入した取り組みを行っております。今後とも財団法人沖縄観光コンベンションビューローの拡充・強化を図るとともに、民間活力を積極的に導入し本県観光の一層の振興を推進していく考えであります。
同じく観光産業についての中の、「沖縄観光百人委員会」の機能と役割についてお答えします。
「沖縄の観光を考える百人委員会」は、国土交通省の提唱を受け平成12年2月に設立された任意の委員会であります。
その目的は、本県観光・リゾート産業が沖縄県の自立経済の構築に重要な役割を果たし、さらに国際観光が国際社会の平和と繁栄の構築に寄与する意義を再認識するため、九州・沖縄サミット首脳会合の開催を契機に沖縄観光・リゾート産業の国際化を図り、もってアジア・太平洋における国際コンベンション都市の形成を目指すものであります。
委員は、観光を初めとする各界各層の有識者210名で構成されております。
第1回委員会は、平成12年2月「21世紀の沖縄観光」をテーマとしてシンポジウム等が開催されました。百人委員会の委員は、沖縄側だけでなく本土委員も多数含まれておりますことから、沖縄観光に対する指導・助言をいただく重要な役割を担っております。
同じく観光産業についての中の、「特別誘客対策班」の構成人員と、それが機能したかとの御質問にお答えします。
同時多発テロにより修学旅行を中心に沖縄観光への影響が出ていることから、県では10月4日付で観光リゾート局内に沖縄観光コンベンションビューローからの出向者1名と臨時職員2名を含む5名体制の「特別誘客対策班」を設置いたしました。同対策班においては、航空会社や旅行会社など観光関連業界からキャンセル等に関する情報収集を行うとともに、緊急対策についての国や観光業界との調整を行い、全国紙やテレビ等メディアを活用した沖縄PRなどさまざまなキャンペーンを実施しているところであります。
以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 観光産業につきましての、観光に関する組織は県全体の行政機構において十分な組織として位置づけられているのかについてお答えいたします。
観光・リゾート産業は、本県経済を牽引するリーディング産業であり、多岐にわたる経済的波及効果が期待されております。このことから、観光・リゾート及びコンベンションに関する県の組織として部長級の局長が統括する観光リゾート局を設置しているところであります。
しかしながら、観光に関する組織につきましては、観光リゾート局の事業執行体制に関する検討結果を踏まえ、観光・リゾート産業の振興のための施策・事業が迅速かつ効果的に推進できる体制づくりについて検討してまいりたいと考えております。
次に、観光収入に占める観光関連予算規模は適切であるか、県全体の組織と財政の立場から伺いたいについてお答えいたします。
現下の財政状況は、国、地方を問わずかつてない厳しい状況にあります。こうした状況を踏まえ、平成13年度当初予算の編成に当たりましては、「沖縄県行政システム改革大綱」に掲げた改善項目を着実に実施するとともに、限られた財源を産業の振興や雇用の確保はもとより、沖縄振興新法の制定及び沖縄振興新計画の策定に向けた取り組み、人材の育成、医療・福祉の向上、地域・離島の振興等の政策課題に重点的に配分をしているところであります。
平成13年度当初予算における観光関係の予算額は28億529万8000円で、前年度に比較すると10億1360万8000円、56.5%の大幅増となっております。これは万国津梁館施設整備費の計上が増の主な要因ですが、中国誘客キャンペーン事業や国際会議等誘致支援事業等の新規事業に所要額を計上するなど限られた財源の中、本県の観光振興に必要な予算を措置しております。今後とも限られた財源の中で重点的、効果的な予算の配分に努めてまいりたいと考えております。
次に、県職員の給与振り込みが郵便局も活用できる方策についてにお答えいたします。
現在、県職員の給与振り込みについては、郵便局を対象にしているのは、金融機関のない離島公署や金融機関の利用が困難な僻地公署に勤務する職員としております。
今後の郵便局の活用につきましては、平成12年12月の県議会での採択、他の都道府県の動向、また金融機関と関係機関との調整状況を踏まえながら適宜対応していきたいと考えております。
以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 医療福祉について、名護市夜間急病診療所の医師確保と休日・夜間診療のあり方についての御質問にお答えいたします。
名護市夜間急病診療所は、平成12年度の患者数が7750人となっており、北部保健医療圏域における初期救急医療機関として貢献度が高く、また住民に身近な医療の確保を図る市の責務として重要な役割を担っているところであります。
また、当診療所の医師確保につきましては、県立北部病院や関係団体が派遣により支援しているところでありますが、名護市としましては専任の医師確保に向けて検討を進めていると聞いております。
県におきましては、市が行う医師の派遣調整に係る事業及び機器整備に対して国庫補助制度を活用した支援を検討することとしており、今後とも国、県、市町村の役割分担を行いながら、各関係機関の連携による休日・夜間における救急医療の確保・充実に努めていきたいと考えております。
○渡久地 健 今、当局の方から知事を初め答弁いただきまして、再質問ではなしに要望として述べていきたいと思います。
まず、金融特区に関してですけれども、今の新聞報道によると、これ以上のことは知事は踏み込んで述べることは難しいとは思いますけれども、今、東京大会でもありましたように沖縄の自立的発展、経済の自立的発展を行うためにはどうしても金融特区を初め税制の問題が大きな山場になっていると思います。そしてきょうの新聞報道によりますと、13日に具体的に自民党税調の方で発表するということにもなっておりますし、これからが大きな山場を迎えると思います。
そして私が思うには、やはり政府がこれを取り上げてくれたのがまず第一のハードルを乗り越えたと思いますし、それからこの金融特区の創設が認められるということが第二のハードルだと思います。そしてこの内容等につきましてきょうの新聞報道等にありますけれども、例えば法人所得税の控除が例えば雇用者数が20名以上であるとか、最大限20%であるとか、こういう個々の問題が次の第三ハードルとなってくると思います。
したがいまして、この金融特区の問題あるいは税制の問題についてはこれから個々の問題が出てくると思いますので、ぜひとも実効性ある制度にしていただきたいことを希望いたします。
そして観光産業でございますけれども、今議会を聞いて本当に我々沖縄にとって観光産業は基幹産業であるし、総合産業であるにもかかわらず、やはり今回のテロ事件を通して危機感が薄いんじゃないか、そして対応が遅いんじゃないかというのがみんなのそれぞれ議員の皆さんの意見でございます。
例えば、先ほど局長の方から話がありました我々観光リゾート局にとって一番大事なのは、調査・分析能力と企画・立案であります。しかしながら、今回の場合のテロ事件の発生後、どういう被害をこうむって、どういう影響があるかについてのやはり観光リゾート局の統計が遅かった面もあるんじゃないかと。
そして同時に、「特別誘客対策班」が先ほど言いましたように、コンベンションビューローから1人臨時職員を入れて、実は観光リゾート局内部だけの対応でしかないと、5名でしかないと。しかしながら、特別誘客というのを考えてみますと、もう少しやはり全庁的な立場で例えば観光リゾート局の経験者であるとか、そういう人たちを緊急に投入してプロジェクトチームをつくって10名体制、20名体制でやはり対応していかないといけないという状況がその後わかったということで、その辺のあり方について十分やはり検討する必要があるんじゃないかと。
これは全庁的な関係がありますけれども、今、観光リゾート局職員が27名ということなんですけれども、実際にコンベンションビューローとの役割分担もあいまいな面もありますけれども、予算の面においてもやはり民間から考えますとまだまだ弱いと。沖縄の観光を強固にするためには、やはり予算と体制づくり、組織が重要じゃないかと思います。
そして今誘客の問題ですけれども、私は一つのこれは提言でございますけれども、実はサミットの警備に全国から2万人の警察官が沖縄であの暑い中を一生懸命頑張ってまいりました。そしてその人たちは沖縄に数カ月間滞在しております。
今やはり観光の誘客を考える場合に全国的に展開しなきゃいけない。その警察官の皆さんに特別に名称は別にして、サミットの謝恩の招待でもいいんですけれども、何らかの措置で彼らが沖縄にもう一度来られる。そしてその警察官だけではなしに家族あるいは同僚の人たちが一緒に来られるような感じのシステムづくりをやれば、全国的に警察官が沖縄を訪れていますので、そういう意味において沖縄の観光の誘客に大いに役立つんじゃないかと。そしてお帰りになってからまた沖縄のことをそれぞれやはり述べることによって、今キャンペーンを展開しているいろんな形があるんですけれども、せっかく沖縄にサミットで来られた2万人の警察官の、人的な活用と言っちゃ申しわけないんですけれども、それをうんとやはり何らかの措置をやることが大事じゃないかと思いますけれども、その最後の誘客に関しての観光リゾート局長の答弁をいただければと思います。
以上です。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) ただいま渡久地議員から非常に心強い御提言、御提案をいただきまして、どうもありがとうございます。
確かに、私どもも今回のテロにおきまして、テロ事件発生後すぐにいろんな協議、行動等を起こしたつもりではございますが、確かにどうも事態の進展が余りにも目まぐるしく動いていくものですから、そういう意味でのちょっとおくれがあったのかなということは考えておりますが、ただ私どもとしましてはやはり業界との連携のもとに、もちろんビューローも一緒にしまして、どうにか頑張ってきたと思っているし、また今後ともそういうふうにして頑張っていきたいと思います。
それから、ビューローとの関連等についてもいろいろ御指摘等ございましたが、先ほど答弁いたしましたように、私ども局は、今後観光施策の企画・立案あるいは調査・分析等に力を入れて、そして具体的なイベント等におけるいろんなイベントの開催、運営、そういったことについてはやはりビューローに中心になってやっていただくというふうに考えております。
ただ実は、そういうことで一応の基本的な振り分けはしているんですが、どうしてもお互いまた応援体制等でそういうことでどうしても協力し合わなきゃいけないところもございまして、そこら辺またひとつ御理解いただきたいと思います。
それから、また先ほどの予算と体制づくりにつきましては、先ほど総務部長からも心強いお話がございましたので、私ども頑張ってまいりたいと思います。
それから、サミット時の警察官の話ですが、これにつきましては県警本部とも相談しながらいろいろまた企画して頑張ってまいりたいと思います。
どうもありがとうございました。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時45分休憩
午後1時11分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
國場幸之助君。
〔國場幸之助君登壇〕
○國場幸之助 通告に従いまして質問をします。
1、観光問題と新たな観光産業の構築について。
アメリカの同時多発テロは、世界じゅうに大きな衝撃を与えましたが、それに伴う観光客の大幅な減少もだれもが予期できなかったことであり、大きな危機感を我々に与えています。
私が考える今回の問題の本質は、テロによって沖縄観光のあり方そのものがもはや時代に合致しないものになりつつあるということが明らかになったという点であり、この事態から何らかの教訓を得るとすれば、沖縄の独自性を生かした新たな足腰の強い競争力のある沖縄観光を再構築しなければならないということです。今までの沖縄観光客数の伸びは評価できますし、それを支えてきた多くの関係者の方々には敬意を払います。しかし、21世紀を迎えた今日、画一的なマスプロ観光に陥りがちな団体旅行、修学旅行生にターゲットを絞り、本土大手の航空会社、旅行代理店に誘客キャンペーンを依存する傾向に問題はないでしょうか。これからは一人一人の観光客を大切な顧客ととらえて世界じゅうに沖縄のファンをたくさんつくるといった戦略のもとで、県民主導の観光客誘客に転換を図らなければなりません。
(1)、同時多発テロに伴う観光危機について。
ア、観光客の減少と基地とのリンク論が叫ばれていますが、そこを解明する確実な方法は実際にキャンセルをした学校にその理由を直接調査することです。県は、観光客落ち込みの大部分を占める修学旅行生の学校に対し、実際にキャンセルした理由を直接調査し、正確に状況を把握しているのでしょうか。そしてその対策の中身は何でしょうか。
イ、修学旅行生のキャンセルの原因は、学校独自の判断というよりPTAの反発が大きかったと言われております。では、キャンセルを求めた学校の父母に対し直接沖縄の現状を理解させ、不安を解消させる働きを行ったのでしょうか。
ウ、「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーン等の運動も評価できるが、行政には予算措置を伴わない県民全体を巻き込んだ観光危機打破運動をリードする役割もあります。沖縄観光誘客の一環として本土の親戚、友人、知人、取引先に手紙や年賀状を書くことを奨励するといった草の根運動的な取り組みはなされているのか。
(2)、新たな観光産業の構築について。
これからは修学旅行、団体旅行中心のマスプロ観光から、セグメンテーションを行った上で一人一人の観光客の満足度を高めるような目的別観光、体験型観光の充実を図らなくてはなりません。
ア、臨時議会で緊急措置として組まれた観光誘致対策事業費は、本土大手の航空会社、旅行代理店に依存しない県独自の観光客誘致事業費として次年度から当初予算に組み込むべきではないか。
イ、観光が総合産業であり、沖縄振興新計画の中でも最重要産業として位置づけられている以上、観光行政のさらなる強化のため国で行われた省庁再編のように県庁の行政機構そのもののあり方も変容が迫られると考えるがどうか。特に観光リゾート局に関係の深い商工労働部、農林水産部の機構改革は必要だと考えられるがどうか。また、他県の事例も報告していただきたい。
ウ、現在行われているフィルム・コミッション設立に向けた500万円のエンターテインメント可能性調査の進捗状況はどうか。また、フィルム・コミッションの他県の事例をどの程度把握しているのか。県が参考になる事例があれば報告してほしい。フィルム・コミッションを県庁内のどの部局が管轄する考えなのかも明らかにしてほしい。
映画やテレビドラマ等の撮影を誘致するフィルム・コミッションは、観光産業の振興にとどまらず、IT産業、離島振興、そして基地の跡地利用にも大きな可能性を秘めています。沖縄観光が転換期を迎えている今こそ次世代の観光産業の核づくりを行わなくてはなりません。県の積極的なかかわりを強く要望します。
エ、11月12日、13日に開催された沖縄国際長寿会議の結果についての報告と、産業振興公社内にある国際長寿会議の事務局は国内外のメディアへの対応等で存続が不可欠だが、その対応はできているのかについて問います。また、長寿ブランドの確立による沖縄振興の可能性について知事の考え方を教えてください。
オ、バリアフリーダイビングの可能性について。
恩納村で第4回バリアフリーダイビング全国大会が開催されました。県も後援としてかかわっておりますが、ボランティアを初め参加した多くの方々から感激の声が聞こえてきます。障害者と高齢者を対象にした観光誘致策という側面、ダイビングというリピーター率の高い事業であるという点、そして国際競争力のある沖縄の海という観光資源を活用してのバリアフリーダイビングは、沖縄こそメッカになる可能性を秘めています。そのためには、専用の潜水施設や障害者対応のホテル等の整備が不可欠ですが、このことは「健やかでだれもが安心して暮らせる社会づくり」を目指す県の理念と一致します。
そこでお聞きします。
県は、新たな沖縄観光の振興としてバリアフリーダイビングの可能性をどのようにとらえていますか。
2、狂牛病について。
狂牛病の発生に伴い、牛肉消費の落ち込みが続いております。沖縄県は、県内の8万8113頭すべての牛を家畜防疫員が緊急立入調査をした結果、すべての牛が狂牛病の疑いはないと判明しました。県は平成6年以降、狂牛病の感染原因と言われている肉骨粉を乳用牛、肉用牛に飼料として与えていません。しかし、国内で発見された3頭の狂牛病の牛も肉骨粉を食べた形跡は見られていないわけであります。まだ感染経緯の実態には不明な点が多く、県も厳格な安全管理体制が求められます。
以下、質問します。
(1)、牛肉等を原材料とする飲食店の営業状況の実態を把握しているのか。また10月18日の安全宣言後、回復の兆しは見られるのか。
(2)、今回の風評被害に伴い著しい経営不振となった飲食業への特例貸付制度等の対策はなされているのか。また、肉骨粉を製造している県内の2業者への支援措置はあるのか。また、今回の事態に対し行政の責任というものをどの範囲で考えているのか。
(3)、安全宣言をする一方で、小中学校の学校給食に牛肉の使用を控えるのは矛盾しているのではないか、農林水産部長と教育長の見解を問います。
3、失業雇用対策について。
雇用問題の最大の解決策は、デフレ不況からの脱却、景気の回復と産業振興にあることは当然ですが、今の深刻な事態は早急な雇用対策が求められています。そして世界同時不況下で雇用情勢がさらに悪化すると予測されている以上、今回の雇用対策は単発的な予算の消化ではなく、沖縄の新しい産業構造のあるべき姿を想定し、次につながる事業を選択し、速やかに遂行しなければなりません。さらには、事業が有効に行われたかの情報公開も不可欠だと考えます。
そこで以下のことをお尋ねいたします。
(1)、失業率9.4%、9.3%という緊急事態を踏まえた上で、沖縄のリーダーとしての知事に失業対策へのビジョンを問います。
(2)、今までの雇用対策と比較して今回の産業雇用緊急対策の特徴は何でしょうか。
(3)、緊急地域雇用創出特別事業について。
ア、事業の対象範囲は国から推奨事業例が出されていますが、本県の失業率は恒常的な高さを見せているという特殊性にかんがみて、雇用吸収効果の高い事業を判断しなければなりません。その際の判断基準を明確にしてください。また、沖縄独自の事業としてはどのようなものが想定されますでしょうか。
イ、事業に新規に採用する労働者の雇用期間は6カ月未満で、原則として更新は認めないとあるが、期限が切れた後も企業への定着率を高める措置は必要であると考えます。そのためには民間企業からの意見をヒアリングする等の措置が不可欠だが、対策はなされていますでしょうか。
4、情報通信産業の振興とIT教育について。
今、世界じゅうでIT不況が叫ばれていますが、IT革命の本質は人類社会、生活全般の質そのものの変化であり、景気循環の不景気の状態を取り上げてITそのものの可能性を否定するのは間違っています。それはITを独立した分野としてはとらえることができなくなりつつあり、ITが既存産業を初め福祉、医療、教育といった日常生活にも溶け込んでいるからです。
県のIT政策の成功例として引用されておりますコールセンターを代表とした情報通信系の企業誘致は、平成13年度は11月1日時点で4社と伸び悩んでいます。ちなみに県は平成11年度は15社、12年度は10社の誘致に成功しています。最終的にこの分野で生き残るには人材の育成、この一点にあると断言できます。そして、ITの人づくりは膨大な時間とエネルギーがかかるのも認識しなければなりません。だから、今すぐにスタートを切らなければならないわけです。
以下、質問します。
(1)、「e─island宣言」を行うことで沖縄のIT環境は、何がどのように変わるのでしょうか。ソフトピアジャパンやテクノプラザを整備し、平成10年の通信白書で行政による情報化の取り組みで日本一の評価を得た岐阜県の成功は、梶原拓知事のリーダーシップそのものにあるというのは周知の事実であります。私は、稲嶺知事に大いに期待しておりますが、「e─island宣言」そのものも県民にはほとんどインパクトがなかったのではないでしょうか。
(2)、政府は、IT先進モデルをつくる特定情報中枢機能振興地区を沖縄に創設する検討をしておりますが、それは県が沖縄振興新法の中で情報通信産業振興特別地域制度として要望しているものと考えられます。その内容を明らかにしてください。
(3)、会計検査院の調査によりますと、国の補助を受けてコンピューター教室を設置している公立小中学校で、利用状況や授業の内容は学校間で大きな格差が生じているとの結果が出されております。沖縄県の小中学校の実態はどうでしょうか。
(4)、すべての教員が平成16年度までにコンピューター指導できるようにするため、IT教育センターの整備が進められております。その内容を明らかにしてください。
5、大那覇国際空港の整備について。
2000年の国土交通省の統計によりますと、東京─那覇間の旅客数は374万人で全国第4位でありますが、その路線の座席利用率は72.4%と最も高く、那覇空港の利用頻度の高さが明らかになりました。
11月26日にエアーニッポンの航空機と航空自衛隊機が異常接近(ニアミス)をするという事態が起きました。代替輸送手段を持たない沖縄県にとりまして平行滑走路の建設は県民全体の生命線を確保すると言っても過言ではありません。
(1)、平成15年の第8次空港整備計画に向けた進捗状況と平成13年度那覇空港長期展望調査委員会の結果内容を報告してください。
(2)、平成14年3月までの時限措置として着陸料、航行援助施設利用料が6分の1、燃料税が2分の1に軽減されておりますが、軽減措置の延長は可能でありましょうか。また、離島路線、国際路線への適用は可能でしょうか。
6、児童虐待について。
アメリカにおくれること26年にして2000年5月17日、児童虐待防止法が成立しました。介護保険の理念が介護を家族から社会全体で担うようにしたように、この法律によって子供は親個人のものから社会全体の共有財産としてみんなで守り育てていかなければならないものと、考え方は変わったと私は解釈をしております。
(1)、児童虐待に対する行政の責任範囲をどのように考えていますか。
(2)、児童虐待の実態把握はどのように行われていますか。
(3)、虐待を受けた児童のアフターケアはどうなっていますでしょうか。
(4)、早期発見・早期対応より予防の方がはるかに大切でありますが、その対策の中身を教えてください。
(5)、虐待を行う親のケアを制度化する必要があると考えますが、どうでしょうか。
(6)、児童虐待防止ネットワークを県レベルでなく市町村で行うよう働きかけはしていますでしょうか。
(7)、虐待の対応には施設間の連携が大切でありますが、病院はどのような役割を担っていますか。
(8)、児童虐待は犯罪であるという県民への啓蒙はどのようになされていますか。
7、中華圏外交の展開について。
稲嶺知事は、就任から3年がたちました。今日まで本当に御苦労さまでございます。
知事は、経済界にいたとき世界各国を訪問し、グローバルな視野から沖縄経済をリードする経済人として名をはせました。この経験を生かし、サミットや世界のウチナーンチュ大会だけでなく、ダイナミックに世界じゅうに沖縄の存在をアピールしてほしいと思っておりましたが、県政の抱える諸問題に忙殺されてこの3年間はほとんど近隣の国々を回ることはできなかったのではないでしょうか。
私は、知事が東京だけに目を向けるのではなくて東アジア、特に中国と台湾のかけ橋としてこの2つの地域にもっと積極的に足を運んでいただきたいと強く要望します。なぜなら、そのことが基地問題の解決を促し台湾からの企業誘致を初めとした経済交流の進化を進めることになるからです。
本県には在日米軍基地の75%が集中しておりますが、そもそも沖縄に基地を置かざるを得ないような近隣地域の緊迫した情勢があるわけです。もちろん外交・安全保障政策は国の管轄でありますが、沖縄の知事は日本政府の親中国派、親台湾派といった構図に巻き込まれることなく2つの地域のかけ橋となるような両岸を見据えた上での外交を展開してほしいと思います。
かつて我々の先人が、中国と薩摩の間で絶妙な外交バランスを発揮していたように、北京政府の総領事を沖縄に置いて中国と台湾の信頼醸成を沖縄が担う。また、大学院大学等で中国と台湾の若い学生が一緒に学び価値観を共有できる場を沖縄がつくる。私はこういう沖縄の将来像をイメージしています。
21世紀初頭の東アジアの最大の政治課題である中国の動向、中でも中国と台湾の関係を改善することこそ沖縄に基地を置かざるを得ないような前提条件をなくしていき、結果として基地の整理縮小が実現できるのではないでしょうか。
もちろんこの構想は果てしない時間とエネルギーがかかり、稲嶺知事の在任期間で実現できるテーマではありません。そうであれば次の世代、また次の世代へとこの課題を託しても構わないと思います。ただ、確信を持って言えることは、東京ばかりに目を向けるのではなくて、アジアの中の沖縄という視点から沖縄の方向性を描いていかなければならないということです。
地理的な優位性、アジアとの歴史的・文化的なつながりという沖縄の特色をスローガンとしてだけでなく体現していきましょう。日本政府に揺さぶりをかけるくらいアジアの国々を回り、沖縄の可能性を開花させていきたいものです。
そこで、お尋ねします。
知事は、就任して3年近くたちました。今日まで中国、東京、台湾にそれぞれ何回行ったのでしょうか。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 國場幸之助議員の質問にお答えいたします。
観光問題と新たな観光産業の構築についてのうち、沖縄国際長寿会議の結果と長寿ブランドの確立による沖縄振興の可能性についてのお答えでございます。
去る11月12、13の両日に万国津梁館で開催された沖縄国際長寿会議は、14カ国、約250名の参加者を得て成功裏に終了しました。会議では、内外の著名な研究者による講演やディスカッションが行われ、沖縄の健康・長寿が世界へ発信されるなど大きな成果を上げたものと考えます。
ところで、本県は豊かな自然環境や温暖な気候、長寿県沖縄を支えてきた食文化や薬草などのさまざまな資源と健康・長寿のイメージを有しており、本県の産業振興を図る上でこれらの資源を積極的に生かしていくことが重要な課題であると考えております。
健康食品関連産業の育成を図るためには、健康食品の機能性についての科学的な解明を進めるなど産学官連携による研究開発を促進する必要があります。また、国内外の大学、研究機関及び沖縄国際長寿会議等を通じて構築された内外の研究者とのネットワークを強化することが必要であると考えております。
今後、県としましては「沖縄県産業創造アクションプログラム」に基づく「ウェルネスアイランド沖縄」の創造を基本コンセプトに、健康食品ブランドの確立や健康食品業界への支援等を通じてこれまで以上に健康食品関連産業の振興に取り組んでいきたいと考えております。
次は、情報通信産業の振興とIT教育についてのうち、「e―island宣言」を行うことで沖縄のIT環境は何がどう変わるのかについてお答えいたします。
「沖縄e―island宣言」は、本県が全国に先駆けてITを活用した県土づくりを展開し、先端分野に積極的に取り組んでいく決意を内外にアピールしたものです。この宣言のもと、県民生活においては遠隔医療支援情報システムの整備による離島・僻地の医療環境の飛躍的な改善が図られるほか、各種の行政申請手続の電子化等が進められています。
また、産業の分野では共同利用型インキュベート施設の整備や、新たに沖縄―本土間の通信コスト低減を図る「沖縄県情報産業ハイウェイ」の整備等、産業経済活動のIT化による経済的自立と雇用の確保への取り組みが図られています。
さらに、学校教育ではIT教育センター(仮称)の整備等IT教育環境の充実が図られています。
このようなITを活用した取り組みにより、県民生活のあらゆる分野で生活の向上と自立に向けた持続的発展を実感できる魅力あるe―islandの形成に向けて着実に進展しています。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 1、観光問題と新たな観光産業の構築についての中の、修学旅行のキャンセルの理由を調査し把握しているか、またその対策は何かについてお答えします。
現在、県においては修学旅行対策として、修学旅行関係者の沖縄招聘や各学校の保護者説明会への職員の派遣を行っているところでありますが、その際にキャンセルの理由について関係者からの聞き取り調査を実施しております。
調査によりますと、航空機利用に対する不安、沖縄の米軍基地についての一部過剰な報道、一部都道府県教育委員会の通達などが主なキャンセルの理由だとのことでした。
県においては、修学旅行関係者の招聘事業や職員の派遣事業のほか、沖縄の平穏さをアピールする文書の送付、本県での修学旅行を題材としたテレビ番組の制作・放映、広報ビデオの作成・配布、空港における歓迎式の実施やポストカードの配布、実施校に対する礼状送付等を実施しているところであります。
同じく観光問題と新たな観光産業の構築についての中の、沖縄への修学旅行のキャンセルを求めた父母に対しての対応についてにお答えします。
今回の同時多発テロが本県への修学旅行に与えた影響は大きいものがあります。
県といたしましては、その対策として沖縄の平穏さをアピールする文書を旅行社を通じて保護者へ配布するとともに、各地で開催された保護者説明会へ職員を派遣し沖縄の現状について説明を行い、沖縄への修学旅行実施を訴えてまいりました。また、修学旅行関係者招聘事業の一環として保護者の招聘を行い、沖縄の現状に対する理解を求めております。
続きまして、同じく観光問題と新たな観光産業の構築についての中の、予算を伴わない草の根運動的な取り組みについてお答えいたします。
県においては、観光業界を含む経済界に対し県外の顧客に沖縄の安全性と旅行の実施を内容とするはがき等の送付を呼びかけるとともに、さきに開催された産業まつり会場において県民へのポストカードの配布を行い、県民から県外の知人等へのはがきの送付を促したほか、県の広報媒体を活用して県民へアピールしているところであります。
また、近く沖縄総合通信事務所の協力を仰ぎ、県内201郵便局にキャンペーンロゴのスタンプを配置し、県民の皆様に郵便物等に押印して郵送していただくことを計画しているところであります。
さらに、今月20日には「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」臨時大会を開催し、県民一体となった沖縄観光誘客活動を呼びかけてまいりたいと考えております。
同じく観光問題と新たな観光産業の構築についての中の、臨時議会における観光誘致対策事業費については次年度の当初予算に組み込むべきではないかとの御質問にお答えします。
去る9月11日の同時多発テロ事件により、修学旅行を中心にキャンセルや旅行の手控えが相次ぎ、沖縄観光に多大な影響を与えていることから、県におきましては国の支援を得て補正予算を計上し、観光業界とも連携を図りながら各種誘客キャンペーンを実施しているところであります。
なお、テロの影響による誘客キャンペーンなどの支援策に関しましては、今後とも引き続き強化してまいりたいと考えており、次年度における観光誘致対策事業予算についてもより一層の事業展開を図るべくその拡充に努めてまいりたいと考えております。
次に、同じく観光問題と新たな観光産業の構築についての中の、観光に関する県の行政機構のあり方についてお答えします。
観光に関する組織は昭和47年5月15日、沖縄県発足時に労働商工部観光課として職員15人体制で発足し、数回の組織改革を経て現在の商工労働部観光リゾート局観光企画課及び観光振興課の2課、職員27人体制で業務に当たっております。観光関連の行政組織については、多岐にわたる観光行政の組織強化に関する提言・要望があります。
このような中、多様化する観光ニーズに対応するため、特に平成13年度においては組織を強化し、観光振興課内に「国際会議誘致班」を設置するとともに、今回のテロ事件に対応するため臨時の「特別誘客対策班」を設置しているところであります。
観光・リゾート行政は、幅広い産業分野に関連がありますことから、農林水産部、土木建築部、教育庁など関係部局との連携を強化し、今後増大する多様な観光ニーズや緊急事態にも十分対応できるよう体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
続いて同じく観光問題と新たな観光産業の構築についての中の、バリアフリーダイビングの可能性についてお答えします。
現在、バリアフリーダイビングは、大手エージェントが旅行商品化し、高齢者や障害者の皆さんが来県してダイビングを楽しんでおります。また、バリアフリーダイビング全国大会が毎年沖縄で開催され、第4回目となることしもボランティアを含め県外から約150名の方が参加いたしました。
沖縄は、ダイビングに適した美しい海に囲まれ、また高齢者や障害者に優しいホスピタリティーにあふれる県民性により、バリアフリーダイビングは今後有望だと考えております。
県では、高齢者や障害者が安心して生活できる福祉のまちづくりを推進しており、交通機関や観光施設、宿泊施設などのバリアフリー化をさらに進めることにより、バリアフリーダイビングは一層伸びるものと考えております。
以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 観光問題と新たな観光産業の構築についての、観光行政の強化のため県の行政機構そのもののあり方の変容が迫られると考えるがどうか、特に観光リゾート局に関係が深い商工労働部、農林水産部等の機構改革が必要だと考えるがどうか、また他県の事例も報告していただきたいについてお答えいたします。
本県においては、観光・リゾート及びコンベンションに関する組織として観光リゾート局を設置しておりますが、観光に特化した局の設置は本県と和歌山県となっており、ほとんどの県においては商工労働部の中に観光関連の課を設置しております。また、商工部門と農林水産部門を一つの部局としているのは、宮城県ほか3都県となっております。
観光に関する組織につきましては、観光リゾート局の事業執行体制に関する検討結果を踏まえ、観光・リゾート産業の振興のための施策・事業が迅速かつ効果的に推進できる体制づくりについて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 観光問題と新たな観光産業の構築についての、エンターテインメント可能性調査の進捗状況とフィルム・コミッションの所管部局はどこかという御質問にお答えします。
県では、平成13年度においてフィルム・コミッション設立の意義や映像産業誘致の可能性などに関する委託調査を実施しているところであります。
調査に当たっては、まず海外の最新状況の把握に努めるべくアメリカのハリウッドにおける映像産業の実態や、その他の中心都市でのロケーション誘致の実情等について調査を実施しているところであります。
また、国内につきましても既にフィルム・コミッションが設置されている他県の状況の把握に努めているところであります。中でも大阪市、神戸市等の自治体の取り組み等につきましては、フィルム・コミッションの設置形態や活動状況、設置予算等の面から本県が参考とすべき点が多いのではないかと考えております。県では、この調査結果を踏まえ、今後の取り組みについては観光リゾート局や関係機関との調整を図ってまいりたいと考えております。
次に、狂牛病について、飲食店の営業状況の実態を把握しているのか、また安全宣言後、回復の兆しは見られるのかという御質問にお答えします。
牛肉等を食材とする県内の飲食店に対して12月6日から10日の間に実施した調査によりますと、有効回答店舗数70店のうち、10月の売り上げが前年同月に比べて50%以上の減少と回答した店舗が全体の約6割を占める41店舗となっております。また、11月の売り上げについても前年同月に比べて50%以上の減少となっているとする店舗が全体の6割近くを占める40店舗となっております。さらに、今後の見通しについては「現在よりも悪くなる」、「現在とほとんど変わらない」と回答した店舗を合わせまして全体の8割以上の59店舗となっております。
このように牛肉等を扱う県内の飲食店の営業状況は、同時多発テロの風評被害による観光入域客数減少の影響も重なり厳しい状況が続いております。
失業雇用対策について、厳しい雇用情勢を踏まえた雇用対策のビジョンについて聞きたいとの御質問にお答えいたします。
本県の10月の完全失業率は9.3%と、9月の9.4%に引き続き厳しい状況にあります。県としては、現下の雇用・経済状況への適切な対応を当面の最大の課題と位置づけ、去る11月21日に「沖縄県緊急雇用対策本部」を開催し、本年度中に実施する緊急対策と次年度以降取り組む中期的対策を内容とする「沖縄県総合雇用対策」を策定したところであります。
また、現在、沖縄振興新法に基づく「新たな沖縄振興計画」の分野別計画として「雇用に関する5カ年計画」の策定作業を進めており、新たな沖縄振興の理念を踏まえた雇用対策として策定したいと考えております。
本県の雇用状況を抜本的に改善していくためには、産業振興による新たな雇用の創出と産業を支える人材育成が不可欠であり、今後とも企業誘致や新事業・ベンチャー企業支援により新たな雇用の創出を図るとともに、経営革新支援や産学官の共同研究を推進し、産業振興と一体となった雇用の創出と人材育成に取り組んでまいります。
失業雇用対策について、今回の産業雇用緊急対策の特徴は何かという御質問にお答えします。
県が策定した総合雇用対策は、1点目に、現在の雇用状況に即応して本年度中に実施すべき緊急対策として、総合相談窓口の設置や求人企業を活用した新たな職業訓練の実施等きめ細かな対策をまとめております。
2点目に、中期的対策として企業誘致、新事業の創出、産学官の共同研究の推進及び若年者総合雇用支援システムの構築等産業振興による新たな雇用の創出と人材育成に取り組む対策をまとめております。これらの対策を積極的に推進し、本県の雇用状況の改善を図ってまいります。
同じく失業雇用対策について、交付金事業を計画する際の判断基準はどうか、また沖縄独自の事業としてどういうものが想定されるのかという御質問にお答えします。
緊急地域雇用創出特別交付金は、現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえ、県及び市町村の公的部門における臨時的な雇用・就業機会の創出を図ることを目的としております。
また、事業実施に当たっては、原則として民間等への委託によること、事業費に占める人件費の割合が80%以上であること及び新規雇用の失業者の割合が4分の3以上であること等の要件があります。 現在、全体事業計画の取りまとめに向けた調整を進めているところでありますが、こうした実施要件を踏まえた上で交付金事業の直接の目的である雇用効果の高い事業に加えて、産業振興等本県の課題に対応した事業や新たな雇用の受け皿となる分野の事業等についても積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
なお、来年4月の実施に向けて12月補正予算に準備経費を計上している「おきなわ働らコール」センターは、交付金を活用した全国規模の事業として本県のみで実施される事業であります。
このコールセンターは、全国の求職者からの電話照会に応じて再就職支援の各種情報を提供するものであり、本コールセンターに6カ月間従事する臨時的な雇用の創出とあわせて、民間のコールセンター等への就職に向けた実践的な訓練を行うことを目的として県が設置するものであります。
同じく失業雇用対策について、6カ月の雇用期間が切れた後も企業への定着率を高める措置が必要であるが、民間企業からの意見をヒアリングする等の対策はなされているかとの御質問にお答えいたします。
緊急地域雇用創出特別交付金事業は、県及び市町村の公的部門において臨時的な雇用・就業の機会をつくることを目的とし、雇用期間も原則として6カ月未満とされております。したがって、交付金事業の雇用期間が終了した後も引き続き委託先の民間等において継続雇用されることについて多くを期待することは難しい面があると考えております。
なお、民間企業等に対しては事業計画等を説明する機会を設けるとともに、産業振興や雇用の創出等について幅広い意見をいただき、交付金事業の円滑な運営に生かしていきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) BSEについて、風評被害に伴い経営不振となった飲食業への特例貸付制度、肉骨粉製造業者の支援、また今回の事態に対する行政の責任についての御質問にお答えいたします。
食肉販売などを営む経営者が必要な資金として、食肉処理販売等特別資金、セーフティーネット貸付制度、衛生環境激変特別資金の3種類の資金が活用できるようになっております。
貸し付けにつきましては、銀行及び信用金庫等が融資窓口となっております。
また、県内で肉骨粉等の製造を行っている業者への支援については、畜産物レンダリング処理や焼却処分に必要な経費について、「肉骨粉適正処分緊急対策事業」により国が補助することになっております。
なお、BSEの発生に対する行政の責任について、国の責任については言及を差し控えたいと思いますが、県としては今回のBSEによる風評被害を教訓として家畜伝染病予防に万全を期していきたいと考えております。
次に、安全宣言をする一方で学校給食に牛肉使用を控えるのは矛盾してないかとの質問にお答えいたします。
市場に出回る牛肉については、去る10月18日から県の食肉衛生検査所においてBSE検査を実施しております。また、危険部位についてはすべて焼却処分を行っており、その結果、店頭に出回るすべての牛肉は安全であり、安心していただける体制が整っております。県としては、今後とも消費者の信頼回復を図りつつ、教育庁とも連携して学校給食への牛肉消費を関係者に働きかけていく考えであります。
以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) BSEについて、安全宣言をする一方で小中学校の学校給食に牛肉の使用を控えるのは矛盾していないかとの御質問にお答えをいたします。
牛肉の使用については、安全宣言後の10月22日の調査で9市13町17村1事務組合の351校――約80%になりますが――で市町村教育委員会または学校長及び共同調理場の判断により自粛をいたしておりました。12月3日現在の調査でも7市12町11村1事務組合の263校――60%の学校になりますが――で牛肉の自粛をしております。
県教育委員会といたしましては、10月18日の国や県の安全宣言を受け、牛肉の使用については的確な情報に基づき保護者の理解を求めつつ、従前の使用に戻す旨の通知をするとともに、BSEの疑いのない安全な牛肉を届ける仕組みのパンフレットなどで市町村教育委員会に対し的確な情報の提供に努めているところであります。
次に、情報通信産業の振興とIT教育について、会計検査院の調査によると、国の補助を受けている公立小中学校で利用状況や授業の内容は学校間で大きな格差が生じているとの報告がなされている、小中学校におけるコンピューター教室利用実態を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
今年度の会計検査院によるコンピューター教室利用状況等の調査は、県内小学校77校、中学校27校で実施されました。
その調査の結果、小学校のコンピューター教室の利用時間は、1学級当たり年間35時間以上利用している利用率の高い学校、全国は5.6%でございますが、県内は10.4%、利用率の低いいわゆる1時間から9時間の学校が全国34.4%で本県が32.5%であります。
中学校は、利用率の高い年間35時間以上の学校が全国20.7%に対して本県が37%、利用率の低い1から9時間の学校が全国19.7%で本県が7.4%であります。
小中学校ともに全国よりおおむね高い利用率となっておりますが、なお一層の利用率の向上、学校間の格差等に課題が残されております。
県教育委員会としましては、各市町村教育委員会と緊密な連携のもと、教員の指導力の向上を図り、各学校のコンピューター教室利用計画等の作成により各教科等の学習目的に応じた活用がなされるよう促進する考えであります。
同じくIT教育について、すべての教員が平成16年度までにコンピューター指導をできるようにするためIT教育センターの整備が進められているが、その内容はどのようなものかとの御質問にお答えいたします。
IT教育センターは、県内の教育情報ネットワークの拠点として設置をし、進路相談、教育情報の共有化、教材作成等の支援システムを導入し教育の情報化を図ります。
IT教育センターには機能的に高いレベルの機器を整備し、児童生徒へ発展型IT実習を行います。
機器の概要としましては、テレビ会議ができる機能を備えたコンピューター、ビデオやアニメーションなどを作成・編集できるマルチメディア機能を備えたコンピューター等があります。また、ネットワークの技術習得を行うためにネットワークサーバー等を整備をいたします。
さらに、障害のある児童生徒が使えるように音声入力などができるコンピューターや点字用のプリンターなどの機器を整備をいたします。
事業内容の一つには教職員研修があり、わかる授業を実践するための教材ソフト作成の研修、ITを活用した英語によるコミュニケーションの研修があります。
県教育委員会では、全国に先駆けて平成16年度までにすべての教員がコンピューターで指導できることを目指し、IT教育研修を推進してまいります。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 情報通信産業の振興とIT教育について、沖縄県が制度創設を要望している情報通信産業振興特別地域制度は、国において特定情報中枢機能振興地区として検討されているが、その内容についてにお答えいたします。
県においては、情報通信先端分野の企業誘致を目的として情報通信産業振興特別地域制度の創設を国に要望いたしました。これを受けて、国の沖縄振興特別措置法(仮称)の検討の基本方向の中では、特定情報中枢機能振興地区として制度の創設が示されております。
県の要望している制度の内容は、既存の情報通信産業振興地域の一定地域に立地するデータセンター、インターネットエクスチェンジなどを業とする企業を対象とし、法人所得控除等の税制優遇措置を設けるものであります。県としては、具体的要望の内容が反映されるよう国と鋭意調整しているところであります。
次に、大那覇国際空港の整備について、第8次空港整備計画に向けた進捗状況と国の平成13年度那覇空港長期展望調査委員会の内容を報告してほしいにお答えいたします。
那覇空港の沖合展開による平行滑走路新設については、県は国の策定する第8次空港整備五箇年計画への位置づけを目指し、政府・関係機関に対し強く要請を行うとともに、那覇空港周辺地域の現況調査を実施しているところであります。
また、国は、那覇空港の整備基本計画案の策定に必要な基礎資料を得るため那覇空港長期展望調査を実施しており、将来の航空需要予測、必要施設規模や施設配置計画案の検討、概算事業費の算定、費用対効果の分析作業を行っております。
長期展望調査委員会は、国、県の担当者が那覇空港の長期的機能の拡充の方針について協議するため設置されたものであり、長期展望計画について慎重な検討・協議を行っております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 那覇─本土路線における空港使用料、航空機燃料税が時限措置として軽減されているけれども、その軽減措置の延長は可能かという御質問にお答えをいたします。
現在、沖縄振興策の一環として那覇─本土路線における空港使用料及び航空機燃料税が軽減され航空運賃の引き下げが図られておりますが、当該特別措置は平成14年3月までの時限措置となっております。県としては、当該措置が本県の振興に不可欠なものであることから継続されるよう国に対し要請しているところであります。また、あわせて離島路線に係る航空機燃料税及び那覇空港国際路線に係る空港使用料の軽減を要望しております。
ことし8月の内閣府原案では、現行措置である那覇─本土路線に係る特例措置が盛り込まれており、さきの自民党沖縄振興委員会においては、那覇─本土路線に加えて離島─本土路線に係る特例措置が税制改正事項として取り上げられております。しかしながら、離島路線に係る航空機燃料税や国際線に係る空港使用料については厳しい状況にあります。
県としましては、今回要望した事項が沖縄の振興を図る上で重要なものと考えており、今後とも関係機関等と連携を図りながら、その実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
なお、国に対する航空機燃料税の軽減措置の要請については、所要の措置が年末に取りまとめられる税制改正の政府案に盛り込まれるよう県議会、経済団体、市町村長、国会議員等と連携し、全力で取り組んでいるところであります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 児童虐待について、1番目に、児童虐待に対する行政の責任範囲はどのように考えているのか、2つ目の児童虐待の実態把握はどのように行われているのか、3つ目の虐待を受けた児童のアフターケアはどうなっているのか、最後の8番目の質問として、児童虐待防止のための県民への広報・啓発活動について、以上4点についてまとめてお答えいたします。
児童虐待に対する行政の責務としては、児童虐待の早期発見及び被虐待児の迅速かつ適切な保護や児童相談所等関係機関で専門的知識を有した職員を確保し指導に当たらせること、その他関係機関及び民間団体と連携した広報・啓発活動などがあります。
なお、一般県民についても、虐待等による要保護児童を発見した場合には児童相談所等への通告義務が課せられています。
被虐待児童の情報は、家族や近隣知人、学校などから寄せられることが多く、それに対して児童相談所においては、児童福祉司や虐待対応協力員が速やかに対応しております。
なお、休日、夜間等の児童相談所の閉庁時には一時保護所で対応しておりますが、子供家庭110番においても平日、土曜、日曜も電話相談を受けております。
また、虐待を受けた児童のケアについては、児童相談所の児童福祉司、心理判定員・児童虐待対応協力員及び虐待専門カウンセラーが協力し、児童個々のケースに応じて適切に対応しております。
被虐待児童への措置といたしましては、面接による指導が226件、施設入所となったのが35件、里親委託が6件、その他8件となっております。
なお、アフターケアについては、児童養護施設における心理療法士による専門的治療や民間クリニックの活用などを行っております。
続きまして、同じく児童虐待についての4番目の質問、早期発見・早期対応より予防の方が大切だが、その対策は、5番目の虐待を行う親へのケアを制度化する必要があると考えるがどうかと、関連がありますので一括してお答えします。
かつて家庭の中で親から子へ受け継がれた子育てが核家族化等によりそれが伝承されにくくなって、若い親が子育てに苦労している状況があり、社会全体で子育てを支援することが求められています。現在策定作業中の「健やか親子21」や「新こどもプラン」の中で子育て支援のあり方を検討してまいりたいと思います。
なお、虐待の早期発見・早期対応のため「こどもの虐待防止のための手引き」や「医療機関用子ども虐待対策マニュアル」を作成し、県内の学校や保健所、病院、民生委員等関係機関に配布し、その活用により虐待防止を図っております。
虐待する親というのは、夫婦間の問題や経済的な問題、アルコール・薬物依存などさまざまな問題を抱えていることが多く、再発を防止するには保護者へのケアも重要であります。そのため、今年4月から児童相談所に配置した虐待専門カウンセラーを中心に心理判定員、児童福祉司及び保健所の保健婦等が協力し、来所者への適切な対応や訪問による指導に努めております。
同じく児童虐待について、6番目の児童虐待防止ネットワークを市町村で行うよう働きかけているか、7番目の虐待の対応には施設間の連携が大切だが、病院はどのような役割を担っているか、この2点についてお答えいたします。
児童の虐待防止については、早期発見・早期対応が肝要であり、そのためには関係機関、民間団体との連携が重要であります。
児童虐待防止ネットワークは、家庭に最も近い市町村ネットワークと児童相談所管轄区域を単位とする地域ネットワークの構築が必要であり、また、これらを援助したり啓発のための県レベルの中央ネットワークの設置を検討しているところであります。
市町村レベルのネットワークは、那覇市、浦添市、平良市において設置されておりますが、今後とも組織化を働きかけてまいります。
病院の役割としましては、診察の際に虐待が疑われる事例については児童相談所や警察に通告等をすることになっております。
また、虐待には迅速な対応がなされなければならないことから、児童相談所、警察、病院、保健所などの施設間の連携を強化するとともに、県立病院を各地区の虐待対策拠点病院として位置づけて早期対応に努めております。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 國場幸之助議員の中華圏外交の展開についての御質問にお答えいたします。
その内容は、知事は就任して以来今日まで東京、中国、台湾にそれぞれ何回行ったのかという御質問でございます。お答えをいたします。
知事は就任以来今日までに東京へ75回、中国へ2回、台湾へ1回行っておられます。
なお、中華圏外交につきましては、議員御指摘のとおり、知事は沖縄の抱える諸課題解決のために奔走し、その対応のために日程上大変厳しい状況にありますが、日程等の許す限り中国、台湾等アジア地域へも足を運び、友好親善を図り、いろいろな部門で交流を促進していきたいと、このように考えております。
○翁長 政俊 一般質問を行います。
まず最初に行政改革について。
国においては小泉総理大臣の強い決意のもと、行政改革大綱に基づき特殊法人等改革が推進されております。見直しの対象となっている特殊法人は、道路公団や住宅金融公庫など77法人にわたり、中には県民の経済活動や生活に重要な役割を果たしている沖縄振興開発金融公庫も含まれており、事業内容や事業量の確保が心配されているところであります。
また、道路公団等組織の統合、民営化については国において今後も審議されることになっておりますが、現在計画、建設中の高速自動車道事業の中止・凍結については各県の知事から異論が出ております。
行政改革を推進することに伴い国が実施してきた事業の中止地域や国民の受益者負担の導入など、国民負担の増大に対し反対が出るなど総論賛成、各論反対、地方切り捨てなどの批判や、国会においては小泉改革に対する抵抗勢力、いわゆる族議員との攻防などせめぎ合いが激しさを増しております。
一方では、この際、産業構造の転換、規制緩和、財政再建と国の行政のあり方を根底から見直すべきとする改革推進を支持する強い意見も数多くあります。
そこで知事に、小泉総理が進める特殊法人の改革をどう評価しておられるか。また、本県で建設が進む那覇空港自動車道への影響が心配されておりますが、どうなっていくかをお伺いいたします。
(2)、本県においても平成12年3月に「沖縄県行政システム改革大綱」を策定し、公社等外郭団体の事務・事業の必要性や緊急性、効果等について改めて総点検を行い、支援のあり方等について再検討するとしているが、既に目的を達成したと思われるものや、現在でも民間で十分事業の実施が可能なもの、経営の悪化が深刻であり、かつ将来の経営改善の可能性がないものについての早急な対応策の検討が必要な団体など法人組織の解散を含め事業の徹底した見直しを国の特殊法人改革と同様に取り組みを行う時期ではないかと考えております。
そこで、知事の行政改革方針と決意をお伺いしたいと存じます。
(1)、県の出資法人など外郭団体の数、経営状況をどう認識しておられるのか。
(2)、組織を廃止して業務を民間にゆだねる計画はないか。
(3)、県の行政システム改革大綱は平成14年までとなっているが、今後外郭団体の統廃合、経営改善などはどうなっているのか伺います。
(4)、推進に当たって情報を公開し、県議会議員の意見を言う場所が必要と考えているが、知事はどう認識しておられますか。国の特殊法人改革においてもこの分野が問題となっておりますので、御所見を賜りたいと存じます。
2番目、那覇港管理組合の設立に関する懸案事項について伺います。
(1)つ、那覇港管理組合が設立されると那覇港湾施設の返還が促進されることになるが、その跡地利用についてどのように対応されるか伺います。
(2)つ、那覇市が半世紀もの間那覇港湾施設を預かってきた。さらに代替施設ができるまでの間引き続き預かることになる。このことに対する那覇市への対処措置についてどのように考えているのかお伺いをいたします。
(3)つ目、去る11月の8日に締結された「那覇港管理組合の設立に関する覚書」で、浦添埠頭の事業についての条項があり、事業主体となる区域については今後の調査等を踏まえて協議することになっていますが、どのような経緯があってそうなったのか。また、今後どのように進めていくお考えなのか伺います。
(4)つ、那覇港はまだ整備途上にある港湾であります。今後、整備費や管理費等の増嵩が考えられるが、どのように対応されるかお伺いいたします。
3番目、バス統合問題について。
県内バス4社の乗り合い部門統合問題で最大の課題であった退職金の削減問題で4社の労使がそれぞれ合意し、バスの統合は実現に向けて大きく前進をいたしました。しかし、新会社設立に向けて問題は山積をいたしております。特に今回の統合案にある新会社から既存の4社への40億の融資が実現するかどうかが今回の統合案の成否を決定づけると考えられております。
県は、新会社への出資、融資確保等に関与し協力していく考えがありますか。また、どのような協力ができるかを示してください。
さらに、今回の統合では大量の余剰人員が発生し、その雇用確保が最大の課題となります。雇用環境の厳しい県内において再就職は困難をきわめるものと予想されますが、県の対応を伺います。
4番目、観光行政について。
アメリカで発生した中枢同時テロ事件の影響を受けて、県内のホテル・旅館業界では修学旅行を初め団体旅行やグループ旅行のキャンセルが相次ぎ、沖縄観光史上かつてない経営危機に直面をいたしております。この危機的状況を憂慮し、県や政府においては観光客誘客キャンペーンを初め経営支援策、各種会議等の沖縄開催など速やかな対応を実施しているところであるが、風評被害の打撃は大きく、観光客の回復が見込めない状況にあります。
県内ホテル・旅館業界は、この危機を乗り切るために広く県民の協力を得て稼働率を向上させ、業界従事者の雇用確保や関連業界の経営安定に努めるために県民1人1泊運動を展開しているところであります。これまでユイマールの心を大事にする多くの企業や個人から協力要請が多く寄せられていると聞きますが、知事みずからこの運動に参加をし、広く県民に呼びかけて県民運動として取り組んでいかれる考えはないか、知事の決意を伺います。
なお、自由民主党沖縄県連も先日この運動に参加をし全島キャラバンを実施したところであります。多くの県民から激励を受けたところであります。
5、保育行政について。
全国の保育園は民間より公立が多い。ところが本県の保育園の実情は、それが逆転をしていて民間が圧倒的に多いのが現状だ。全県の要保育児童の入所比率は、公立及び認可保育園で45%、認可外保育園に55%の入所となっている。運営費を見てみると、公立及び認可保育園に年間161億8178万円、負担割合にしてみると国は全体の2分の1で80億9089万円、県は4分の1の40億4545万円、市町村は4分の1であります。児童1人当たりの国、県の負担額は54万円、県のみの負担分は年間18万円となっております。
なぜ私がこの数値を示すかと申しますと、認可外保育園の児童は県から年間たった500円の助成しか受けていないからであります。それも国の制度がそうなっているとする理由からであります。しかしながら、本県の次代を担う大切な子供に変わりはないはずであります。待機児童を初め認可外保育園に通園するしかない児童は、親のニーズに合った民間保育園に通わす親の責任と突き放すのか、それとも行政の対応のおくれと責任を感ずるのかでは大きな認識の違いがあると言えます。
児童の権利は、児童福祉法でうたわれているように平等であり守らなければなりません。稲嶺知事が英断した3歳未満児の医療費無料化と同様、強いリーダーシップを発揮して認可外保育園児童に助成している年1回の健康診断をふやし、新たに歯科検診費、ミルク代、賠償責任保険等の助成を県単独事業として新年度に予算化し、経済の稲嶺と同様に福祉の稲嶺と呼ばれるような政策を講ずる考えはないかをお伺いをいたします。
6番目、廃棄物対策について。
県は、これまで廃棄物の不法投棄取り締まり強化のために警察官の配置を行うことを決め、平成13年4月実施を予定していたが、県警と調整が不調に終わり、そのため人員配置がずれ込み今日に至っております。不調の原因を問いただしたところ、給与の折り合いがつかないとのことであります。全くもって主客転倒の対応であります。不法投棄の現場の重要性に目が行っていない。全く遺憾であります。
不法投棄は、年々悪質化している実情に即して全国自治体では既に配置済みで本県のみが唯一未配置であります。私は、このようなことを憂慮して6月定例議会において未配置を強く指摘しましたが、一体どうなっておるのか、しっかりとした答弁を求めます。
7番目、那覇市の浸水対策についてであります。
(1)つ、国場川沿川の古波蔵地域は低地帯のために満潮時に大雨が降ると国場川の水位が上昇し浸水の常襲地帯になっている。また、異常潮位のときには水位の上昇した国場川からの逆流が浸水の原因となっているために、県が管理する水門をその都度開閉し対策を講じておりますが、水門の旧型や老朽化で閉鎖作業が手動で三、四時間もかかり、緊急時の即応体制に特に問題点が指摘されているところであります。いまだに何の対応もとられていない現状であります。このため浸水のたびに被害をこうむっている地域住民のためにも早急に改修工事を行ってもらわなくてはなりません。
よって、改修工事の時期を明確に示してください。鏡原地域についても全く同様であります。
国道330号の地下を横断するボックスカルバートの断面不足によって、大雨が降るたびにのみ口から溢水し、そのために古島1丁目一帯は浸水地域となっております。
また、上流部の石嶺地帯も前記のボックスカルバートの未整備によって河川改修工事に着手できない状況にあります。ここも浸水常襲地帯であります。いずれも県が管理する安謝川改修工事のおくれでこうむっている被害であります。県の対応をお伺いいたします。
答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 翁長政俊議員の質問にお答えいたします。
行政改革について、小泉首相が進める特殊法人改革の評価についての所見でございます。
特殊法人等改革については、すべての特殊法人等の事業及び組織の全般について、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた抜本的見直しを行うものとし、各特殊法人等の事業や組織形態について「特殊法人等整理合理化計画」の策定が進められているところであります。
現在、日本道路公団など先行7法人の改革の方向性について取りまとめが行われるなど、引き続き検討がなされているところでありますが、本県の産業や県民生活にかかわる問題でもあることから、県としてはその動向を見守り適切に対応してまいりたいと考えております。
また、本県においても行政システム改革大綱により公社等外郭団体の見直しを推進しているところであり、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 行政改革についての中の、小泉内閣が進める特殊法人改革による那覇空港自動車道への影響についての御質問にお答えいたします。
那覇空港自動車道は、那覇空港と沖縄自動車道を結ぶ全体計画約20キロメートルの一般国道の自動車専用道路であり、国において整備を推進しております。国が進めております特殊法人改革の中で高速道路のあり方が議論されておりますが、改革の動向によっては当該道路の整備促進への影響が懸念されます。那覇空港自動車道は、本県の地域社会や経済活動を支える重要な道路であることから、早期完成が図られるよう今後とも国に要請していきたいと考えております。
次に、那覇市の浸水対策についての中で、古波蔵地域と鏡原地域の浸水は国場川の水門の老朽化で県の即応体制に問題がある、解決策を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
国場川沿川の古波蔵地域と鏡原地域は低地帯となっており、異常潮位と大潮が重なったときなど、国場川の水位が特に上昇した際には逆流する状況にあるため、県では去る7月から9月の異常潮位の時期に国場川の水門操作を行い被害防止に努めたところであります。しかしながら、一部の水門については老朽化等のため操作に時間を要し、両地域において道路の冠水等がありました。このため、県では、今後の緊急時等に即応できるよう平成14年度から水門の電動化等国庫補助事業で改築を行う予定になっております。
次に、古島地域国道330号の地下ボックスカルバートの断面不足による浸水の解決策についての御質問にお答えいたします。
国道330号古島インター地下のボックスカルバートについては、排水断面が不足しているため、県の管理する2級河川安謝川の河川改修事業により改築を行うことにしております。
安謝川の河川改修事業については下流から順次整備を進めてきており、河口部のてだこ橋から国道ボックス下流の宇久増橋までの約2.3キロメートルについて整備を概成しております。しかしながら、宇久増橋から国道ボックスまでの間において用地取得が難航し、現在まで交渉を続けてきたものの関係地権者の合意が得られず、国道ボックスが改修できない状況にあります。
このため、台風等の豪雨時にはボックス上流の古島1丁目一帯において浸水被害が発生しております。また、上流部の石嶺地域についても浸水被害が発生しておりますが、ボックス等下流側が未改修のため河川改修事業に着手できない状況にあります。
県としましては、安謝川流域の浸水被害を解消するため当該ボックスの改築は緊急の課題と考えており、今後、地元那覇市や地域の協力を得ながら粘り強く用地交渉に取り組み早期改築を図っていきたいと考えております。
○総務部長(當銘直通) 行政改革につきまして、県の出資法人など外郭団体の数、経営状況をどう認識しているのか、組織を廃止して業務を民間にゆだねる計画の団体はあるのか、行政システム改革大綱は平成14年度末までとなっているが、今後の外郭団体の統廃合、経営改善についてはどうか、推進に当たっては情報を公開し県議会議員も意見を言う必要があるがどう考えているかについては、関連しますので一括してお答えいたします。
現在、県が25%以上の出資または人的支援を行っている公社等外郭団体の数は64団体で、その一部の団体は厳しい経営状況にあり、一層の経営改善に努める必要があります。
公社等外郭団体の業務の民営化及び統廃合等につきましては、各団体の事業の内容、効果等を再点検し、公社等外郭団体のあり方や役職員数の見直し、事業の合理化、経営の改善等を進めているところであり、引き続き公社等外郭団体の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
また、公社等外郭団体の見直しを進めるに当たりましては、情報を公開し広く県民や議会の意見を聞くなど県民視点の行政改革に取り組んでいくことが重要であると考えております。
次に6、廃棄物対策について、廃棄物の不法投棄取り締まり強化のための警察官の配置がいまだに実施されていない理由は何かについてお答えいたします。
産業廃棄物の不法投棄につきましては、監視パトロールや行政指導の徹底、悪質事業者の告発等地域住民、行政、警察など関係機関が連携を図り、的確かつ迅速な不法投棄防止対策を行うことが必要であるとともに、悪質な事犯に対応するためには警察職員を配置することが重要であると考えております。
このため、関係機関と鋭意調整を行っているところであり、平成14年度の定期人事異動においては警察職員を配置していく考えであります。
以上であります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港管理組合の設立について、那覇軍港の跡地利用対策への県の対応についてにお答えいたします。
那覇軍港の跡利用については、一義的には那覇市において取り組みがなされるものと考えており、これまでに地主会や那覇市による那覇軍港跡地利用計画調査等が行われております。
県におきましては、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」において、その跡地利用の方向としては、那覇空港、那覇港湾と近接した特性を生かした発展を目指すこととしており、今後の那覇市の取り組みと連携を図りながら跡利用を促進していきたいと考えております。
次に、同じく那覇港管理組合の設立について、那覇市が代替施設ができる間、引き続き港湾を預かることになるが、那覇市への対応措置はどのように考えているかについてお答えいたします。
去る11月に、県都那覇市の振興及び那覇港湾施設の跡地利用を円滑に進めるため、国、県及び那覇市で構成する「県都那覇市の振興に関する協議会」が設置されました。今後、県としては軍港の跡地利用や那覇市の振興について国や那覇市と連携して取り組んでいきたいと考えております。
次に、同じく那覇港管理組合の設立について、覚書で浦添埠頭の事業については協議事項としているが、そうなった経緯と今後の進め方についてお答えいたします。
港湾整備管理運営の方法について、一元管理を主張する那覇市と属地主義を主張する浦添市に意見の食い違いがありました。
県は、那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として重点的に整備し、本県の自立的な経済発展、産業の活性化、県民生活の向上を図るためには、県、那覇市及び浦添市が一体となって一元的に管理することが望ましいと判断したことから三者で協議を重ねてきました。その結果、浦添埠頭において浦添市が事業主体となる区域を設定することを前提に、今後の調査等を踏まえて協議することとしたものであります。浦添市が事業主体となる区域については、国際流通港湾の機能に支障のない範囲とすることを三者で確認しております。
次、同じく那覇港管理組合の設立について、那覇港は整備途上であり、今後、整備費や管理費等の増嵩が考えられるが、どう対応するのかについてお答えいたします。
那覇港の港湾計画改訂に向けた調査として、国は港湾施設計画に資するためのトランシップ貨物の推計及び船舶の航行安全に関する調査を進めており、資金計画についてもその中で検討されるものと考えております。
その整備に当たっては、SACO関連での整備事業、国直轄事業、新たな補助等の制度拡大等について、国の多様な制度的及び財政的な支援を積極的に取り入れながら進めていきたいと考えております。
また、港湾の運営に当たっては、ポートセールス、企業誘致、シップサービスに積極的に取り組みトランシップ貨物の増大を図り、収益の増大を図りたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス統合問題についての御質問にお答えをいたします。
バス4社は、統合の可能性について会計的観点から朝日監査法人に調査を依頼して新たな統合案を作成しております。それによりますと、バス4社は新会社へ営業権譲渡及び資産の売却と新会社からの融資により退職金等の債務を返済し、また新会社はバス4社へ支払う資金を資本金と金融機関からの借り入れで対応することとしております。
県としましては、バス企業の統合は基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題であると考えており、新会社の設立準備委員会が設立され、その代表者のもとで新しい統合案の検証がなされ、具体的な事業計画ができた段階でどのような支援が可能か検討すべきと考えております。
統合に伴う余剰人員対策につきましても、新会社の事業計画が示された段階で新会社設立準備委員会と労働組合等の関係者の協議状況を踏まえ、関係機関等と連携しながら総合的な観点から対応を検討してまいりたいと考えております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 4、観光行政についての中の、県民1人1泊運動を広く県民に呼びかけ、県民運動として取り組んでいく考えはないかとの御質問にお答えします。
県民1人1泊運動は、県ホテル旅館生活衛生同業組合が、今回の同時多発テロによる宿泊施設の経営危機を乗り切るために、県民のユイマールの心で宿泊施設を支援することを目的として展開している県民運動であります。既に経済界を中心に同運動に対する賛同が広まっておりますが、今後は県民一人一人が本県経済をリードする観光・リゾート産業に対する理解を深め支援していくことが必要だと考えております。
なお、県においては年末年始の県内ホテルの積極的利用について県庁全部局に呼びかけを行ったほか、県の広報媒体を活用して広く県民へ広報したところであります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 保育行政について、認可外保育施設を利用している児童への新たな助成策を講じる考えはないかとの御質問にお答えいたします。
現在、認可外保育施設利用児童への支援として、児童の衛生や安全の確保の観点から立入指導や児童の健康診断費を助成しております。今年度に実施した「就学前児童の保育等に関する実態調査」の単純集計結果によりますと、就学前児童の約23%が認可外保育施設を利用しております。
県では、これらの認可外保育施設を利用する児童の福祉の向上を図る観点から、新たな支援策として市町村が実施する歯科検診費などの助成を検討してまいりたいと思います。
○翁長 政俊 5点の再質問を行います。
観光行政について。1人1泊運動については、私は県の財政支援が必要と思いますが、御見解を示してください。
2番目、バス統合案について。バス統合案については県の関与については先日、当議会において慎重ながらも知事から一歩踏み込んだ発言がありました。そこで、新会社設立準備委員会への県の参加は考えていないかどうか。
もう一つは、新会社は公共性を必要とするのであれば、勘案すれば公的資金、いわゆる県資金が入った形態となるのが理想的だと考えますが、県の考えをお聞かせください。
那覇軍港移設に関する使用期限問題について伺います。
浦添市及び那覇市長は今議会において、覚書にはないが重要な問題であるので県と十分に協議していきたいという議会答弁をなさっております。知事は、この新たな提案に対してどうこたえていかれるのか、お聞かせください。
もう一つ、3番目、認可外保育園の新たな助成について。私は、市町村が新たな助成メニューを打ち出せる手助けをする政策を県が行う必要があるだろうというふうに考えております。
那覇市もいろいろ事情を聞いてみますと、歯科診療やミルク代や賠償責任保険ですね、これらを新たにつくろうという動きがあるようであります。市町村においては、支援策はいろいろばらつきがありますけれども、私は、県がこの複数のメニューを予算化してみても3000万から4000万の自己財源があれば可能なんですよ。2万5000人以上のいわゆる認可外に通う児童の健康がこれで守られるんです。私は、そういう意味ではもう一歩踏み込んだ政策を行ってもよろしいのではないか。まさにこれは知事の政治判断にかかっていると思いますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
もう一つ、4番目ですね、行政改革についてでありますけれども、統廃合は今回はないというような答弁でありましたけれども、行政改革はスピードが重要なんですよ。スピードと身内に厳しいというのが私は基本にないといかぬと思っております。そういう意味においては神奈川県や他の都道府県の例をとってみても、住宅供給公社、道路公社、土地開発公社、特に住宅公社については、住宅建設は民間でもできるという観点から、住宅公社は存続そのものを考え直す。第三者機関の検討を経て改めて、いわゆる改廃もあり得るという措置を他府県では行っているんです。
本県の住宅公社の現状を見てみますと、もう分譲住宅の建設から撤退ですよ、不良在庫を抱えていて。これは撤退をやる方向にあります。賃貸住宅の建設管理についても、もう老朽化してこれも撤退です。あと残っている部分が何かといいますと、県営団地の管理運営、管理のみが主たる業務になるわけです。これも民間に任せておけば私は十分やっていけるものだろうと思うんです。そういう意味においては、まさに行政改革の一例として私は申し上げましたけれども、もう一度検討していくという答弁ではなくて、積極的に統廃合を考えてみたらいかがでございますか、御答弁をお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時49分休憩
午後2時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 翁長政俊議員の再質問にお答えします。
バス統合問題については、基本となるのは話し合う当事者がだれになるかということでございますので、準備委員会が立ち上がった時点でできるものに対しては全力を尽くしたいと思います。
なお、具体的な問題については地域・離島振興局長の方からお答えさせたいと思います。
それと認可外保育施設の支援の問題がございました。
現在、認可外保育施設を利用している児童に対しては、保育所が十分整備されるまでの間、児童の健康や安全面を確保する視点から、新たな支援策を次年度から実施する方向で検討しております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 翁長議員の再質問にお答えをいたします。
県としましては、新会社の設立準備委員会が設立されまして具体的な事業計画を出資予定者らに示すことができた段階で、出資等新しい会社に対してどのような支援が可能か検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 再質問のありました県民1泊運動に対する財政支援につきましては、どういった形で対応が可能なのか財政当局とも相談して検討してまいりたいと思っております。
○知事公室長(親川盛一) 翁長政俊議員の再質問にお答えいたします。
移設後の軍港の使用期限問題についての御質問でございます。お答えいたします。
那覇港湾施設の移設に関しては、国が設置した「那覇港湾施設移設に関する協議会」において協議されることになりますが、具体的な協議事項については同協議会で決められることになっております。
那覇港湾施設代替施設の使用期限について浦添市長は、市議会において、国際情勢を見据える中で適切な期間があろうかと思いますが、これは政府の専決事項と考えておりますと述べており、県としては使用期限を設けることは今考えておりません。
なお、那覇市長は、同市議会におきまして、今後建設に向けていろいろ議論されていく中で検討されるものと理解しておりますとこう述べておりまして、那覇市から話があった場合には県の考え方を説明し、理解を求めていきたいと考えております。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 翁長県議の住宅供給公社を民営化にすることを早急に検討したらどうかとの御質問にお答えいたします。
先ほど公社等外郭団体の見直しについては総務部長から答弁したとおりでございますが、公社の現状、そして取り組み状況等について私から説明させていただきます。
沖縄県住宅供給公社は、昭和41年の創立以来今日まで分譲住宅で5779戸、賃貸住宅で1735戸を供給してきており、本県の住宅事情の改善に大きく貢献してきたところであります。
しかしながら、最近は民間の分譲住宅の供給が着実に増加してきたことから、公社の分譲住宅事業については今後一般分譲住宅事業を縮小し、県及び市町村のまちづくり事業と連携した展開を図ることとしております。また、厳しい経営状況にあり、平成11年度に収支の改善、新規事業の展開、組織・機能の再編・強化、事務の改善を柱とする経営改善計画を策定し、その実施に努めているところです。
なお、公社においては今年度に経営環境の分析、公社経営のあり方等経営診断を外部に委託調査をすることとしており、県としましてはその内容や他県の動向を踏まえて公社の今後のあり方について検討していきたいと考えております。
○安次富 修 議長のお許しがありましたので一般質問を行いますが、一般質問もここまで来ますと出尽くされた感がありますので、思い切って重複する部分の3番、4番、9番は省きたいと思います。同じ質問をするから同じ答弁になるんですという知事の冷たいお言葉もありますので、きょうは軽く流したいと思っております。
それでは始めます。
稲嶺知事が就任して4年目に入り任期の最終年度を迎えると、経済の稲嶺を前面に押し出して当選した知事にとってこれから先の1年間は踏ん張りどきであり、正念場であると新聞にも出ておりますし、さらに基地問題の解決は保守・革新を問わずどの県政にとっても困難な課題であります。だからこそ県民党である稲嶺知事が誕生したのであります。
3年前、県民の現状に対する危機意識は、もはや理想主義に走る大田県政の手法をとらず、現実を直視して21世紀へ新たな活路を開くことのできる稲嶺惠一氏を新知事として迎え入れたのではありませんか。
そして普天間基地の問題は大きな争点の一つでありました。稲嶺知事は選挙期間中、こう言い続けました。私は、いつでも泥をかぶる覚悟ができていると。だからこそ北部への軍民共用空港であり、その期限を15年程度とするという県内移設を明確にしたのであります。基地の移設を具現化する過程において、住民のコンセンサスを得るために幾つもの壁にぶつかりながら今日に至っております。
そこで、県民党とはまさに住民合意形成システムであり、泥をかぶるということは県民におもねることではなく、リーダーとして沖縄の確かな未来を展望し、粘り強く県民に理解と協力をお願いすることであります。さらに、県民党とは政府に追従することではなく、積極的に政府にぶつかっていく、提示をしていくことであります。
そういうことからすると、まさに15年問題もそうであります。
戦後57年、本土復帰して30年を迎えようとしている今日、県民の基地に対するぎりぎりの許容範囲が15年ですよと、我慢の限界が15年ですよと、これ以上基地を置くことは許しませんよという明確なシグナルであります。それを政府は何を勘違いしているのか、移設だけを先行させようとしている。全く逆ではないですか。むしろ政府が頭を下げるべきであり、政府が沖縄に感謝すべきではないのか。
かの山中貞則先生も、琉球処分から今日までの沖縄の歴史にかんがみて、償いのつもりで沖縄のために頑張ると言っているじゃないですか。戦後から今日まで基地の過重な負担で御迷惑をおかけしておりますと、日本の安全はまさに沖縄の御苦労のおかげですと、せめてあと15年は基地を使用させてください、いやいや10年でも結構ですと、使用する側が頭を下げてくるべきではないですか。
日米の首脳である小泉総理とブッシュ大統領が、日本の安全保障のためにアジアの平和と安定のためにせめて15年は御協力を賜りたいと、逆にお願いしに来るべきであります。アメリカの常識が世界の常識ではありません。アメリカの正義が世界の正義ではありません。
沖縄問題は極めて国際問題であり、沖縄問題は日本外交の根幹にかかわる問題でありながら、常に一地域の問題としてしかとらえられず、47都道府県の47分の1としかとらえられていないのが残念でなりません。
このような中で、我がふるさと沖縄は今高齢化する軍用地主、安定した職業としての仕事を続けたいという基地従業員、基地経済に依存する地方自治体や商工業者、傾斜配分される防衛庁予算をあてにする自治体、一方、爆音公害や危険に悩まされ続ける周辺住民等々、基地問題はまさに矛盾のるつぼであります。マグマがたまりにたまっているわけです。だからこそ基地問題は、もはや一刻の猶予もできない状況にあることをはっきりと政府に認識させることが県民党としての稲嶺知事の使命であり、きっちりと一つ一つ政府に答えを出させることが残された任期の役割であることを大いに期待し、以下質問に入ります。
1番、テロ事件による観光業界の救済について。ここも質問が重複しないようにしたいと思っております。
県内のホテル業界では、修学旅行を初め団体旅行やグループ旅行のキャンセルが相次ぎ、沖縄観光史上かつてない経営危機に直面していると。しかも観光産業は総合産業であります。
観光リゾート局長、テロ事件の影響によって卵がどれぐらい打撃を受けているかわかりますか、卵。答えられませんか。
北部同盟の一人であります私のお隣の安里進さんのお話によりますと、例えばわかりやすく言うと、名護市だけで観光客のキャンセルが15万人だと聞いております。ということは、ホテルの打撃のみならず観光客の朝食に出てくる卵、この卵が15万個キャンセルされるということであり、おかずについているモズク、モズク産業がまた打撃を受けております。モズクの酢の物が15万食キャンセルされるということであります。このようにして観光バスのキャンセル、タクシーのキャンセル、パートのおばさんのキャンセル、牛肉、割りばし、つまようじ、シーツのクリーニング、運輸、交通、農林、水産、すべてにかかわってくるのが観光産業であります。だからこそ危機感を持って全庁的な取り組みをしなさいと観光議員連盟の渡久地健さんが言ったわけであります。
沖縄全体で45万泊のキャンセルがあるそうです。あらゆる方策をとらなければなりません。そうすると、一体だれがホテルの穴埋めをしてくれるのか、だれが朝の卵を食べてくれるのか。
そこで、例えば先ほどもリゾート局長は言っておりましたけれども、県の職員が7000人と言われております。県の職員がせめてクリスマス、年末年始、その他でどこかで県内に1泊していただければ7000泊が埋まるわけでありまして、当然朝食つきでありますから、朝の卵を1個食べれば7000個、奮発して2個食べれば1万4000個となり、消費拡大に寄与するわけであります。
このようにして沖縄県の危機は沖縄県民みずからが努力をして乗り切っていこうというのが県民1泊運動であり、ぜひとも先ほど答弁がありましたけれども、危機感が感じられない、ホテル業界からの話があるかと思います。財政支援も含めて県の全面的なバックアップ体制を御説明願います。
次に、観光におけるリピート率が最も高いのが修学旅行と言われております。
年々、県内を訪れる修学旅行は、沖縄文化の体験学習や平和学習を目玉に好調に増加してきましたが、アメリカで発生したテロ事件の影響を受けてキャンセルが相次ぎました。
そこで県として修学旅行の誘致対策としての諸施策の展開を御説明ください。
次に、(3)番のかりゆしウエアの普及事業についてですが、県民に定着した感のあるかりゆしウエアのなお一層の普及について、県の取り組みについてお聞かせください。
次に、世界遺産の活用と整備についてでありますが、2000年12月2日、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産として登録されました。その後、各地域でさまざまなイベントやシンポジウム等が開催され、文化財としての保護並びに産業、教育、文化・スポーツなどの振興事業と積極的に連動したグスクの活用というものが地域活性化の目玉となりつつあります。さらに、沖縄の歴史そのものが解明されない部分が多くあり、グスクの成り立ちにおいてもまだまだなぞとロマンに満ちあふれている状況の中で、歴史学習にも積極的に取り入れなければならないという観点から以下の質問をいたします。
各グスクの城跡整備の取り組みについて御説明ください。
私も今帰仁城址、勝連城址、座喜味城址、中城城址と見てまいりましたが、今のままでは整備に相当な時間がかかるのではないかとの思いがあります。各城跡整備の全体計画、スケジュール等はどうなっているのか、お聞かせください。
周辺整備とアクセス道路についてですが、ほとんどが山城ですので道路が狭く、険しいという感じがします。これから観光バスや大型車両等にも対応しなくてはいけないと思いますが、そのアクセス道路についての整備計画等がありましたら御説明願います。
さらに、中城城址公園の整備計画の進捗状況を説明願います。
自動車学校等もあって用地買収や補償など円満に解決されているのかどうか、どこまで進んでいるのか、現状を聞かせてください。
遺産登録から漏れたグスク群にも歴史的価値の高い場所が数多くあると思いますが、その整備についてどうですか、聞かせてください。
首里城は、もうご存じのように沖縄観光の名所であり、お土産品店や駐車場等も整備され充実している感がありますが、首里城以外で首里城に続く歴史遺産群の充実としてどこを整備していくのか、目玉として観光行政の立場から御説明ください。
「古きを訪ねて新しきを知る」、小学、中学、高校の歴史の教育のまさにそこに教材があるわけですから、野外での授業を初め大いに活用できると思いますが、どうでしょうか、御説明願います。
次に、5番の沖縄県国際資料館の創設についてお伺いいたします。
御承知のとおり、現在沖縄県は図書館の整備が整い、いろいろな調査・研究ができるようになりました。さらに、国際化時代の到来に伴い、国際交流の拠点づくりと人的交流に積極的に取り組み、先月の世界のウチナーンチュ大会は大成功をおさめました。世界各地で活躍する県出身者を中心とする人的ネットワークをさらに拡大・発展させ、世界のかけ橋を構築し、経済、文化、教育などあらゆる分野にわたる持続的な交流を促進することにより、相互の発展と活性化に大きく寄与したものと高く評価されております。
そこで、IT時代にふさわしく国際交流拠点、国際コンベンションエリアとしての本県を内外に力強くアピールするために世界に誇れる沖縄県国際資料館の創設を提言するものであります。
その基本的内容といたしましては、世界遺産に登録されたすべてのもののミニチュアを展示する、民族衣装、民具、楽器、伝統工芸などの現物展示、国連加盟国200国余りの社会・産業、経済、暮らし等の各国の実態を紹介し、各国特産品の実物の展示など内外の学者、文化人、学生、ひいては観光客などに広く活用させ、さらに大学院大学と連動させて県勢発展に大いに寄与すべきだと考えますが、県の御所見を賜りたいと思います。
次に、6番、K─1を初めとする格闘技の普及・啓蒙、エンターテインメント産業としての観光などの活用についてですが、県において頭の片隅で結構ですので、ここ数年キックボクシングや新たな格闘技の波が押し寄せてきているということで調査・研究をし、関心を持っていただきたいと思いますが、御所見を賜ります。
次に、7番の体育の授業や課外活動、クラブ活動としてのマリンスポーツの普及・充実についてですが、沖縄コンベンションビューローが沖縄観光客満足度調査の結果、最も訪問者が多かったのがビーチや海浜リゾートであり、ダイビングなどのマリンスポーツは89.8%が満足と答えております。特にダイビング、ウインドサーフィン、シーカヤックなどが人気を博しているようであります。
そこで沖縄の観光産業を支える人材育成の観点から、またいわゆる水辺教育の充実を図ることによってマリンスポーツの一流選手が育成され、指導者の育成になると思いますが、マリンスポーツの普及・充実についてお聞かせください。
さらに、幼いころから水や海になれることが大事だと思いますが、小学校、中学校、高校などで体育の授業としてどう取り扱われているのか、定着しつつありますか。課外活動やクラブ活動などにおいても積極的に取り入れるべきだと思いますが、現状を説明願い、今後の取り組みについてお聞かせください。
宜野湾マリーナは、国体時のヨット競技の目的もあわせて設置されましたが、ヨット種目の充実はどうなっているか、御説明願えればと思っています。
宜野湾高校においては、ヨット同好会という形で頑張っている生徒もいるそうです。大きな励みとなるように教育長として激励をお願いいたします。
さらに8番、ボーイスカウト活動の支援についての県の対応ということでございますが、ボーイスカウト運動は1908年、英国のロバート・ベーデンパウエル卿が青少年をよき社会人、そしてより確かな国際人として育てることを目的として、自然体験や生活体験を活動の基本に置いて世界216カ国で展開されている世界最大の国際的青少年育成団体です。ボーイスカウトは青少年の健全育成に大きく貢献してきました。さらに、現在進められている教育改革においてもボーイスカウト活動が再注目を集めております。
文部科学省を初めとする行政関係者、教育の現場に携わる教育関係者や学齢期の子供たちを育てる保護者の皆さんは、ボーイスカウトに代表されるノン・フォーマル教育、社会教育活動にこれまでにない大きな期待を寄せています。長年にわたって培われてきたボーイスカウトの教育理念や活動方針が見直され、これからの日本の子供たちを立派な社会人として育て上げていく上で重要なかぎがボーイスカウト運動の中にまさに宿っております。
さらに特筆すべきことは、沖縄のボーイスカウトは日本の中で最も国際的な活動をしております。在沖のアメリカボーイスカウトと日常的に交換プログラムを展開しており、海外派遣事業として米国のフィルモント派遣やスイスのカンデルスディッヒ派遣を行い、若いうちから異文化を体験させ国際性を養っています。ボーイスカウト運動で国際性を身につけ、海外でボランティア活動をする者、多才な国際人を輩出しています。
このようにしてボーイスカウト活動を県として積極的に支援することが青少年の健全育成や国際人の人材育成につながるものと確信をしております。現在、毎年県より10万円の補助金をいただいているそうですが、他府県と比べて極端に少ない補助額となっております。静岡県は330万円、北海道は288万円、滋賀県が263万円となっている現状で、沖縄が10万円というのはその社会的貢献度と比べても余りにもかわいそうです。
さらに、沖縄県体育協会会館を現在借用させていただいているそうですが、年間204万円を支払っております。何とか家賃の減免をお願いしているとのことですが、御検討をお願いいたします。
さらに、全国47都道府県中、県知事がボーイスカウト連盟長を務めており、その他の知事が何らかの形で42県で役職を務めております。そこで、県知事の連盟長就任を初めとして知事が先頭に立ってボーイスカウト活動への支援を積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、御所見をお願いいたします。
さて、2001年も押し詰まってまいりましたが、この沖縄県議会におきましても同じ質問に対して同じ答弁に終始いたしましたが、作家の城山三郎氏の代表作である「男子の本懐」という著書の中に、井上準之助の口癖として「ワンシング・ワンス」という言葉が出てきます。2度同じことを言わすなということだそうです。「男というものは、一回一回が勝負だ。」、集中して事に当たれという響きがこもっております。お互いに「ワンシング・ワンス」を努力してよい年が迎えられますよう、一般質問を終わります。
ワンシング・ワンス、メリークリスマス。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの安次富修君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時19分休憩
午後3時50分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
この際、申し上げます。
去る12月7日の愛子内親王殿下御命名の儀に当たり、議長として祝意を表するため、本日、天皇・皇后両陛下並びに皇太子、同妃両殿下に賀詞を奉呈いたしましたので御報告いたします。
──────────────
○議長(伊良皆髙吉) 休憩前の安次富修君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 安次富修議員の御質問にお答えします。
世界遺産の活用・整備について、世界遺産となったグスクの整備状況と全体計画及びスケジュールはどうなっているかについてお答えいたします。
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産に登録されたことについては、琉球独自の文化遺産が顕著な普遍的価値を有するものとして評価されたものであり、県民に自信と誇りを与えるものと思います。同時に、これらの文化遺産を保存・整備・活用していくこともまた県民の重要な役割だと思います。
御質問の世界遺産となった各グスクの保存・整備については、戦後間もないころから多くの関係者の努力のもと実施されてきました。特に復帰後は国の補助を得て本格的な整備を進めてきたところであり、これまで座喜味城跡と首里城跡につきましては既に整備が終了し適切な維持管理や活用が図られているところであります。今帰仁城跡、勝連城跡及び中城城跡については、所在する市町村が中心となって継続して整備を実施しているところでありますが、その全体計画及びスケジュール等については5年スパンで年次的に進められており、現在、今帰仁城跡と勝連城跡が4次、5次整備に、中城城跡が2次整備に入っているところであります。
文化財等の整備については、長期的かつ計画的な取り組みが必要であり、県といたしましても文化庁の支援と指導を受けながらなお一層の保存・整備の促進を図っていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 1、テロ事件による観光業界の救済策についての中の、県民1泊運動についてお答えします。
県民1人1泊運動については、経済界を中心に賛同が広まっておりますが、今後は県民一人一人が本県経済をリードする観光・リゾート産業に対する理解を深め支援していくことが必要だと考えております。
なお、県においては年末年始の県内ホテルの積極的利用について県庁全部局に呼びかけを行ったほか、県の広報媒体を活用して広く県民へ広報したところであります。
また、今月20日に開催されます「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」臨時大会におきましても、県民の皆様に呼びかけを行ってまいりたいと思っております。
なお、県民1泊運動への支援についてはどのような支援が可能か検討した上で、財政当局とも調整していきたいと考えております。
同じくテロ事件による観光業界の救済策についての中の、修学旅行誘致対策についてお答えします。
今回の同時多発テロ事件が本県への修学旅行に与えた影響は大きいものがあり、県では国や観光業界との連携のもと、各種誘客キャンペーンを実施しているところであります。
修学旅行対策としましては、修学旅行関係者の招聘事業や職員の派遣事業のほか、沖縄の平穏さをアピールする文書の送付、本県での修学旅行を題材としたテレビ番組の制作・放映、広報ビデオの作成・配布、空港における歓迎式の実施やポストカードの配布、実施校に対する礼状送付等を実施しているところであります。
同じくテロ事件による観光業界の救済策についての中の、年間を通じてかりゆしウエアをどう普及させるかとの御質問にお答えします。
県では、「めんそーれ沖縄県民運動」の一環として、沖縄カラーを演出するため5月1日の知事のメッセージにより広く県民向けにかりゆしウエアの着用を呼びかけております。着用期間は5月1日から10月末までとなっており、現在、企業、団体、個人を問わず広く着用が普及しております。
年間を通したかりゆしウエアの普及に関しましては、業界の動向等も見守りながらその対応について検討してまいりたいと考えております。
次に2、世界遺産の活用・整備についての中の、周辺整備及びアクセス道路についてお答えします。
本県が国際的な観光・リゾート地として発展していくためには、世界遺産等を観光資源として活用していくことが必要であります。そのため、周辺整備については「世界遺産周辺整備事業」を国庫補助事業として取り組めるよう要望しているところであります。また、世界遺産を訪れるお客様が快適な観光を満喫できるよう、アクセス道路の整備については関係部局と連携を図り、実施可能な制度・施策を活用して整備を進めてまいりたいと考えております。
同じく世界遺産の活用・整備についての中の、首里城跡に続くグスク及び関連遺産群について、今後どこを整備していくかとの御質問にお答えします。
世界遺産に登録された「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は、日本国内ばかりでなく海外からも注目されております。これらの世界遺産につきましては、一般観光ツアーや修学旅行のコースに組み込まれており、既に多くの観光客が訪れております。
首里城跡及び中城城跡周辺整備につきましては、現在整備が進められておりますが、その他の城跡周辺整備については関係部局と連携のもと、実施可能な制度・施策を活用して整備を進めてまいりたいと考えております。
6、エンターテインメント産業としての観光等の活用についての中の、K─1を初めとする格闘技の普及・啓蒙、エンターテインメント産業としての観光等の活用についてお答えします。
本県観光におけるエンターテインメント等集客施設につきましては、他府県に比べて少ない状況にありますことから、その整備促進が望まれているところであります。
御提案のありましたK─1を初めとする格闘技の観光的活用については、多様なエンターテインメント可能性調査の中で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 世界遺産の活用・整備についての中で、中城公園整備事業の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
中城公園は、中城城跡を核に「歴史・自然の調和と文化の創造」をテーマに広域公園に位置づけ、沖縄の歴史・文化・自然を体験・学習できる公園として平成9年度から事業に着手しております。
同公園は、公園面積97.8ヘクタール、総事業費425億円、事業期間は平成9年度から平成18年度までの事業として園路、広場、駐車場等の施設整備を進めており、平成12年度末における事業の進捗状況は、事業費ベースで約62億円、14.7%の進捗率となっております。
なお、自動車練習所の用地補償については、当該事業地が筆界未定であり、また移転に伴う代替地選定等の解決すべき事項が多岐にわたることから、北中城村と連携を図りながら対処していきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 世界遺産の活用と整備について、世界遺産以外のグスクの整備はどうなっているかとの御質問にお答えをいたします。
世界遺産以外のグスクについても文化財保護法や文化財保護条例によって保護され、その維持管理が図られているところであります。
現在、グスクの整備については伊波城跡(石川市)、浦添城跡(浦添市)、糸数城跡(玉城村)、具志川城跡(糸満市・具志川村)、フルスト原遺跡(石垣市)等所在する市町村が中心となって年次的、計画的に進められているところであります。県といたしましては、今後とも各市町村と連携をとりながらグスクの整備を促進していきたいと考えております。
次に、世界遺産を小・中・高の歴史教育の教材として利活用できると思うがどう考えるかとの御質問にお答えいたします。
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の世界遺産登録は、県民に自信と誇りを与えるとともに、その多面的な活用が図られることにより、文化財に対する県民意識の向上によい影響を与えるものと思います。
学校におきましては、地域史学習や「総合的な学習の時間」に世界遺産が取り入れられるなど、野外学習を通してみずから学び考える力を培うとともに、郷土の歴史・文化に誇りを持ち、郷土を愛する心の育成に寄与しております。また、各地域においてはグスクめぐりや文化財についての学習会等が実施され、県民挙げての文化財保護意識の高揚が図られつつあります。
県教育委員会としましては、世界遺産普及事業として世界遺産副読本を小学校高学年生用約4万部、中学生用約6万部、高校生用約6万部を作成し、本年度中に各学校へ配布することにしております。今後とも関係市町村と連携をとりながら、世界遺産の歴史・教育的分野での一層の有効活用を図っていきたいと考えております。
次に、体育授業や課外活動、クラブ活動としてのマリンスポーツの普及・充実について、小学校、中学校、高等学校でどう取り扱われているかとの御質問にお答えをいたします。
学習指導要領の体育の中では、カヌーやヨット、ビーチバレー等の水辺活動をそれぞれの地域や学校の実態に応じて積極的に行うこととなっております。本年度の授業における水辺活動は、小学校で47校、中学校で12校、高等学校では3校で実施されております。
なお、課外活動やクラブ活動でのマリンスポーツは小中学校ではほとんど実施されておりませんが、高等学校では県総合体育大会にカヌー、ヨット競技でおのおの4校、ボート競技で2校が参加しております。県教育委員会としましては、本県の地理的特性等を生かしマリンスポーツの普及・充実に努めていきたいと考えております。
次に、宜野湾マリーナは国体時のヨット競技の目的もあわせて設置されたが、ヨット種目の充実はどうなっているのかとの御質問にお答えいたします。
本県においてヨット競技に取り組んでいる競技者は、小・中・高校生に大学生、一般の競技者を合わせて60名ほどであります。そのうち、ウインドサーフィンの種目を除く約半数の30名が宜野湾マリーナで土・日・祝祭日を利用して練習しております。海洋で行う特殊な競技のため、指導者や競技用艇が限られていることなどにより、宜野湾マリーナを拠点に高等学校と大学、一般の合同練習を行っています。
そのような中で、県民体育大会を初め年四、五回の県内大会が宜野湾マリーナで行われております。また、国民体育大会等に選手を派遣いたしております。
現在、県としましては、マリーナの使用料の減免や艇庫の提供等により活動の支援を行っておりますが、今後、本県の恵まれた地理的特性を生かしヨット競技の普及・充実に努めてまいりたいと思います。
次に、ボーイスカウト活動の支援について、ボーイスカウト沖縄県連盟への県の補助金の増額についてはどうか、同連盟が沖縄県体育協会に支払っている家賃の減免措置が図れないか、知事の同連盟長の就任についてはどうかとの御質問に一括してお答えいたします。
ボーイスカウト沖縄県連盟は、昭和30年の結成以来、自然体験や団体活動を通して規律ある行動と友愛の精神のもと、心身ともに健やかな団員の育成活動を行ってきております。
平成13年度にはボーイスカウト活動において特に顕著な実績が認められて、国内最高位の富士賞が3人の隊員に授与されました。
また、全世界のボーイスカウトのあこがれであるアメリカ・フィルモント野営場への日本からの派遣において、その半数が沖縄県連盟から選抜されました。このような目覚ましい成果を上げられていることは、本県の青少年の健全育成や国際理解に大きく貢献するもので高く評価するものであります。
ことし7月に社会教育法が改正され青少年の社会奉仕体験活動、自然体験活動等が重視される中で、ボーイスカウト沖縄県連盟を初めとする青少年育成団体の果たす役割はますます大きくなってきており、今後のより一層の主体的、積極的な活動に期待するものであります。
なお、団体への補助金につきましては、現在、沖縄県の財政状況が厳しい折、増額については厳しい状況にあります。今後、団体への支援についてどのような方策があるのか検討していきたいと思います。
次に、家賃の減免措置につきましては、体育協会会館の所有者である財団法人沖縄県体育協会とボーイスカウト沖縄県連盟との間で誠意を持って話し合いをしていただきたいと思います。
また、知事のボーイスカウト沖縄県連盟役員への就任等については、御提案として受けとめさせていただきます。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 沖縄県国際資料館(仮称)の創設について、国際化時代に対応するため、沖縄県国際資料館(仮称)を創設することについての御質問にお答えします。
国際化、情報化が急速に進展する今日、各国の歴史・文化等に関する情報を収集し県民に提供することは、国際交流意識の啓発を図る上で重要なことと考えます。
県においては、国際交流・協力事業の拡充を図るため情報サービス、資料展示、図書室、映像ライブラリーを含めた情報ネットワーク機能や交流支援機能等を備えた国際交流情報センター(仮称)の建設基本計画を平成8年度に策定しました。しかしながら、その後の県の財政状況が厳しいことなどから具体的な着手には至っておりません。
御提言のことにつきましては、当該センターの建設計画の見直しの中で今後検討していきたいと考えております。
○金城 勉 こんにちは。
翁長議員や安次富議員の格調高い演説や質問を聞いて、後でやるのはつらいなという感想を持っております。私は、要点を絞って簡潔に質問をしたいと思いますので、御答弁をお願いします。
まず1点目、基地問題についてでございます。
(1)、嘉手納基地爆音被害の公平補償問題について。
先月11月21日、国会の沖縄及び北方問題に関する特別委員会において、我が党の白保衆議院議員の質問に対し防衛施設庁長官は、去る9月に設置された「飛行場周辺における環境整備の在り方に関する懇談会」の皆さんによる嘉手納基地周辺の視察と地域住民の生の声を聞く機会をつくりたいとの答弁をしております。
そこでお尋ねをします。
ア、有識者懇談会が過去2回開催されております。県の方は内容を把握されているでしょうか。おわかりでしたら内容の御説明をお願いをいたします。
イ、嘉手納基地周辺の調査について国に要望する考えはないでしょうか。
ウ、県として、今後この問題についてどのように国と交渉していくのか、御説明をお願いいたします。
(2)、旧日本軍飛行場用地問題についてお尋ねをします。
戦後56年が経過し、関係地主も年々高齢化して一日も早い解決が渇望されております。そのためには県独自の調査を踏まえ、それをもとに沖縄県における戦後処理問題としての位置づけを明確にしてほしい旨の要望が以前から出されております。「旧軍飛行場用地問題解決促進協議会」は、政治的配慮により本土並みの戦後処理を期待しております。
そこで、以下の点について質問をいたします。
ア、県は、席田飛行場(現福岡空港)の調査をしたようですが、どのようなプロセスで土地が地主に返還され今日の状況に至ったのか、御説明をお願いします。
イ、沖縄県においては、米軍が使用した旧軍飛行場用地は、戦後、地主に返還されることなく本土復帰後国有地になっております。一方、米軍が使用しなかった旧軍飛行場用地は地主に返還されております。この事実を知事はどのように受けとめておりますか。
ウ、本問題を戦後処理事案として位置づけてほしい旨の要望が出ておりますが、知事の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
次2、情報化(IT)関連についてでございます。
沖縄県は、本年、「沖縄e―island宣言」、いわゆる沖縄IT宣言を出しました。その宣言には、「本県が情報通信技術(IT)を活用して、県民生活の向上と、自立に向けた持続的発展を目指し、すべての県民が一体となって取り組んでいく決意を県内外に表明することを目的」とし、IT戦略ともしております。主な分野として「人材育成」、「情報通信産業振興の集積」、「情報通信基盤の整備」、「地域の情報化」、「行政の情報化、電子県庁」の5点を挙げております。
そこでお尋ねをいたします。
(1)、県民生活の向上と自立に向けた持続的発展を築いていくためにIT宣言の具体的展開をどのようにしていくのか。
(2)、地方公共団体の組織認証基盤の構築は、県が本年13年度いっぱい、市町村においては平成15年度までに完了することが求められておりますけれども、沖縄県や各市町村の電子自治体への取り組みの進捗状況はどうでしょうか。
3点目に、土木建築行政についてお尋ねします。
(1)、台風災害の後、比謝川河川改修事業についてどのように対応しているのか、お聞かせください。
(2)、沖縄環状線改修事業(松本―美里間)について、沖縄市の市道の改修工事とそれを受ける県の配水管工事の状況はどうでしょうか。
(3)、中部合同庁舎行政棟の早期建設について、進捗状況を御説明ください。
(4)、県道20号線の拡幅整備に向けた都市計画決定のスケジュールはどうなっているでしょうか。
(5)、城前・住吉都市緑地(水辺プラザ)事業の進捗状況はどうでしょうか。
(6)、県道23号線の第5ゲートから沖縄南インターまでの歩道整備計画はどうなっているでしょうか。
(7)、中城湾新港地区の護岸工事について、陸域部分の護岸は40年来ほとんど整備もされないまま放置されております。中城湾新港地区の開発に協力をした具志川市の前原から川田の下原地域、さらには勝連町の浜屋に至るまでの住民の皆さんから、県や国に協力してきたのに何の配慮もないという苦情が寄せられております。早急に護岸や水たたきの整備をすべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
4番目、こどもの国、こども未来館の管理運営についてお尋ねをします。
沖縄こどもの国は、県内唯一の動物園として親しまれております。市内外の子供たちが訪れ、自然体験学習を通し情操をはぐくんできた貴重な場所であります。ただ近年、施設の老朽化に伴い入場客も減少し運営が困窮してまいりました。そのこどもの国が今よみがえろうとしております。島懇事業によりこども未来館を建築し、IT技術を駆使して夢のあるワンダーランドに変身しようとしております。その装いも新たに再出発を図ろうとしているこどもの国、こども未来館の運営についてお伺いします。
(1)、こどもの国とこども未来館の両方を一体化して管理運営主体を設置してはどうか。
(2)、財政負担のあり方を県としてどのように考えているか。
以上の件について御答弁をお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題についてのうち、本問題を戦後処理事案として位置づけてほしい旨の要望があるが、知事はどう考えるか、それから次の、知事は県民の立場に立って国との交渉をし政治決着を図るよう取り組むべきではないか所見を聞きたいと、この2点の御質問に一括してお答えいたします。
戦後56年の長期間にわたって旧日本軍に接収された土地の所有権回復を求めてこられた旧地主の方々の心情と御苦労については、県としても十分に理解しております。また、去る6月県議会において「沖縄県所在旧軍飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が採択されたことを重く受けとめております。
県としては、旧軍飛行場用地問題の解決を国に要請するに当たっては、国の理解が得られる説得力のある論理構築が必要であると考えており、旧軍用地問題解決促進協議会の主張、同問題に関する県の調査結果及び嘉手納基地土地所有権確認訴訟判決を含めたこれまでの経緯等も踏まえつつ、今後、同問題の解決に向けてどのような論理構築ができるのか、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、情報化(IT)関連についてのうち、IT宣言(沖縄e―island)の具体的展開をどのようにしているかについてお答えいたします。
県では、本年7月に「沖縄e―island宣言」を行い、地域の高度情報化及び「沖縄県マルチメディアアイランド構想」に基づく情報通信産業の振興に向け各種施策を強力に推進しております。
産業及び雇用の分野では、共同利用型インキュベート施設の整備、新たに沖縄―本土間の通信コスト低減を図る「沖縄県情報産業ハイウェイ」の整備のほか、ITを活用した若年者総合雇用支援システムの構築等の取り組みを進めております。
また人材育成の分野では、IT教育センター(仮称)の整備を初めIT技術者のスキルアップを図る「高度IT人材育成事業」を推進しています。
さらに、県と市町村においては高速・大容量の行政情報通信網の整備と、それを活用した住民基本台帳ネットワークシステム等電子自治体の構築にも強力に取り組んでおります。今後ともITを生かして持続的発展を目指した県土づくりに積極的に取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 金城勉議員の基地問題についての残りの御質問に順次お答えをいたします。
まず、いわゆる公平補償問題について有識者懇談会が過去2回開催されているが、内容は把握しているのかという点と、嘉手納基地周辺の調査について国に要望する考えはないかという点と、県として今後この問題についてどのように国と交渉していくのかという3つの事項につきましては、関連いたしますので一括してお答えいたします。
県は、嘉手納基地周辺地域に居住し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民も訴訟参加者と同様に受忍限度を超える騒音被害をこうむっていると認識しており、昨年10月20日に那覇防衛施設局に対し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民の受忍限度を超える過去の騒音被害に対し適切な措置を講ずるよう要請をいたしました。
また、この件については、昨年12月に来県されました当時の橋本沖縄開発庁長官や斉藤防衛庁長官に要請を行うとともに、去る8月24日に来県された中谷防衛庁長官に対しても同様な要請を行ったところであります。
国は、米軍の航空機騒音問題に関し今後のとるべき施策を検討するため、部外の有識者による「飛行場周辺における環境整備の在り方に関する懇談会」を設置し、来春を目途に取りまとめることとしており、去る9月28日に第1回が、10月29日には第2回の会合が開催されたと承知しております。
第1回目の会合では、いわゆる公平補償に関する意見交換も行われ、訴訟に参加してないハンセン病患者に対する賠償の法的根拠の参照、地元からの要望に対する防衛施設庁の対応方針、訴訟に対応する予算と訴訟に関係なく対応する予算の整理と確保、訴えていない人の不満解消についての検討の必要性等が話し合われたと承知しております。
なお、第2回目の会合の内容につきましてはまだ公表されておりません。
国が厚木基地周辺で調査を実施したのは、全国で最も多くの戸数があり、その調査結果に基づき全国的な傾向は把握できるものと判断したということでありますので、県としては、新たに嘉手納基地周辺の調査を求めるのではなく、今後の当該懇談会におけるいわゆる公平補償についての審議の動向を見守りたいと考えております。
次に、旧軍飛行場用地問題について、席田飛行場はどのようなプロセスで地主に返還され今日の状況に至ったのかという点と、本県においては米軍が使用した飛行場に限って返還されることなく国有地になっているが、どのように考えるのかという2つの事項について一括してお答えをいたします。
県は、旧地主が指摘している戦後処理問題として取り扱われたとされる他県における旧日本軍接収用地の返還事例について文書による照会を行うとともに、現福岡空港の事例について現地調査を行いました。
調査結果を申し上げますと、他府県において払い下げが行われた旧軍飛行場用地は、昭和20年11月に閣議決定された「緊急開拓事業実施要領」に基づき行われたものや、農地法に基づき農林水産省から耕作者に払い下げられたもの及び旧大蔵省から普通財産の処分が行われたものなどであり、旧地主に土地を返還すること自体を目的として行われた事例は確認できませんでした。
また、現在も空港や自衛隊施設等として利用している施設については、席田飛行場(現福岡空港)のように旧軍関係者の判断により元の地主に接収用地を戻した事例がありましたが、政府における政策決定として所有権を旧地主に戻した事例は確認できませんでした。
また、県内の旧軍飛行場用地については、嘉手納飛行場、那覇飛行場のように戦後米軍が使用した飛行場は現在も国有地として米軍に提供され、または那覇空港として使用されておりますが、旧西原飛行場や旧仲西飛行場(現牧港補給基地)などは、米軍が管理または使用していたにもかかわらず、戦後の米側による所有権の認定作業時に地主の所有権が認められている例があります。
一方、宮古、石垣では、米軍が利用していないにもかかわらず国有地として登記されている土地も存在しております。
このように、旧軍接収用地の現状は、県内においても一様ではない状況にあると認識しております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 情報化関連について、県、市町村の電子自治体への取り組みの進捗状況はどうかについてお答えいたします。
県においては、平成13年3月に策定した「沖縄県行政情報化推進計画」に基づき「電子県庁の構築」を目指した情報化関連施策を推進しているところであります。
その主な事業の進捗状況は、職員1人1台パソコンの整備及び国、県を相互に結ぶ総合行政ネットワークの接続については既に完了しております。
また、庁内ネットワークの拡充・整備については平成14年度中に、住民基本台帳ネットワークシステムについては平成14年8月には整備が完了する予定です。
市町村の取り組み状況については、住民基本台帳ネットワークシステムが平成14年8月の運用開始に向け整備中であり、県・市町村を相互に結ぶ総合行政ネットワークについては平成15年度中の接続に向け整備中となっております。また、電子申請システム等のシステム整備についても検討がなされております。
なお、認証基盤構築については平成13年度中に都道府県で整備することの方向性が国から打ち出されておりますが、現在、国における総合行政ネットワークの中での認証基盤構築の状況を見ながら各自治体は取り組んでいくこととしております。
県としましては、今後とも電子県庁、電子自治体構築に係る諸施策について市町村と連携を図りながら進めていきたいと考えております。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 土木建築行政についての中で、台風災害の後、比謝川河川改修工事についてどのような対応をしたのかとの御質問にお答えいたします。
比謝川河川改修事業については、去る9月の台風16号による災害の後、はんらん被害のあった未改修区間の早期整備に取り組んでいるところであります。
福地橋下流の軍用地内の改修については、用地取得が一部難航しておりますが、取得済み箇所を暫定掘削することにより拡幅し、通水能力の向上を図る予定であり、早期実施に向け関係機関と調整を進めているところであります。
また、平成11年度から用地買収、護岸工事等を進めている知花橋下流のアカギ群落のある区間及び平成13年度から用地買収に着手予定の水辺プラザ区間と国道330号横断暗渠等の改修については、今回の被害の後、沖縄市とともに住民説明会を開催し、地域自治会、住民等に今後の改修計画等を説明するとともに、懸案となっている用地取得等への協力を呼びかけたところであり、市や地域と一体となって早期整備を図る考えであります。
県としましては、比謝川流域の浸水被害を解消するため、今後とも地元沖縄市や地域の協力を得て用地取得に取り組み、早期整備を図りたいと考えております。
次に、沖縄環状線の沖縄市松本及び美里地区における県道及び市道の排水工事の状況についての御質問にお答えいたします。
沖縄市松本及び美里地区における沖縄環状線の排水工事については、路面水を迅速に排除するため車道の両側に側溝を設け、グレーチングや横穴式の排水口を増設するとともに、雨水幹線へ接続する暗渠を追加・設置することとしております。
また、沖縄市の市道については、車道の両側に側溝及びグレーチングを設置し、地域排水を迅速に処理する工事を実施すると聞いております。なお、工事着手については、県、市とも来年1月を予定しております。
次に、県道20号線の拡幅整備に向けた都市計画決定のスケジュールはどうかの御質問にお答えいたします。
県道20号線の胡屋十字路から高原交差点までの区間は、幅員が16メートルの2車線道路であることから、中心市街地へのアクセス機能強化や、今後の中城湾港開発を促進するため4車線道路として早期に拡幅整備するよう地元から強い要請があります。
当該道路の拡幅整備に向けては、都市計画の変更が必要でありますが、現在計画中の国道329号沖縄バイパスとの整合や、地形条件が厳しい区間における円滑な沿道アクセスを考慮した道路構造の検討など多くの課題があり、現在、鋭意、国や沖縄市及び関係機関との協議を進めているところであります。
県としましては、今後、同時に都市計画決定予定である国道329号沖縄バイパスの環境影響評価の状況を踏まえ、平成14年度を目標に都市計画決定の手続を進めているところであります。
次に、城前・住吉都市緑地事業の進捗状況についてお答えいたします。
城前・住吉都市緑地事業は、沖縄市の密集市街地を流れる比謝川の河川改修事業と一体的に整備を行うことにより、浸水被害の解消、親水性の向上、新たな緑の創出等の防災機能と都市環境を改善し、あわせて中心市街地の活性化を図ることを目的としております。同事業は、市施行事業として平成13年6月に都市計画決定し、現在、国庫補助事業による平成14年度新規事業として国へ要望しているところであります。
次に、県道23号線の第5ゲートから沖縄南インターまでの歩道整備についての御質問にお答えいたします。
当該区間の歩道については、延長約600メートルの区間が未整備の状況となっておりますが、その前後は整備済みであり、歩道の連続性等から整備の必要性は認識しております。
しかしながら、当該地域は米軍提供施設内であるため、今後、地権者の同意や軍用地返還等事業化の可能性について検討していきたいと考えております。
次に、中城湾港新港地区の陸地部分の護岸は40年来放置されているが、早急に整備すべきではないかどうかとの御質問にお答えいたします。
中城湾港新港地区の具志川市前原から勝連町南原漁港に至る延長約3580メートルの海岸線については、復帰以前に背後の耕地を保全するため石積み護岸が築造されております。復帰後、一部護岸の改築が行われたものの、築造から相当な年数が経過し、護岸背後の水たたき部においてはギンネム、ススキ等の雑木等が繁茂しております。
一方、当該海岸は、前面に新港地区の開発事業による埋立地が造成されたことから、高潮、波浪等による災害がほとんど発生しない状況となっております。
このような状況から、高潮、波浪対策等の新たな施設整備は必要ないものと考えておりますが、既設護岸の適切な維持管理及び海岸線の有効な利用を図る観点から、護岸背後の水たたき等の再整備を検討していきたいと考えております。
○総務部長(當銘直通) 中部合同庁舎行政棟の早期建設についての進捗状況についてはどうかについてお答えいたします。
県においては、中部地域に分散する出先機関を統合し、地域住民に対する行政サービスの向上を図るため中部合同庁舎の建設を進めているところであります。
中部合同庁舎は、福祉・保健所棟と行政棟との2棟建てを計画しております。そのうち、福祉・保健所棟については、地域保健法上、早急に保健所の広域的機能の強化を図る必要があることから、平成11年度に実施設計を行い、平成12年11月から建設工事が着工されて平成14年2月には竣工する予定となっております。
一方、行政棟の建設につきましては、平成12年度から実施している「沖縄県行政システム改革大綱」の中で、10億円以上のいわゆる県単独事業の大規模な箱物は見合わせることになっており、平成15年度以降、県の財政状況を勘案しながら検討していきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) こどもの国、こども未来館の管理運営について、1番目、両方を一体化し管理運営主体を設置してはどうか、2番目、財政負担のあり方を県としてどのように考えているか、一括してお答えいたします。
県は、財団法人沖縄こどもの国の自己財源だけでは健全な運営確保が困難であることから、設立以来本年度分も含め総額10億3000万円を補助してまいりました。
また、沖縄市においては島懇事業等により「こども未来ゾーン(仮称)整備事業」が平成11年度から18年度まで計画されており、沖縄こどもの国の再生が期待されているところです。
これに伴い、新たな運営管理主体については沖縄市が設置し、県も委員として参画した「こども未来ゾーン(仮称)運営管理主体協議会」で検討されてまいりましたが、平成13年11月に開催された同協議会において新しい財団法人による運営の基本方向が確認されたところであります。
県といたしましては、中核施設であるこども未来館への財政的支援を検討すると回答した経緯がありますので、沖縄市や新財団設立準備委員会の動向等も踏まえ、今後の支援について引き続き検討していきたいと考えております。
○金城 勉 再質問をさせていただきます。
まず1点目、嘉手納基地の爆音被害の公平補償問題についてでございますけれども、今、公室長の答弁で、嘉手納基地周辺での調査は当面考えてない、動向を見守るということですけれども、沖縄・北方特別委員会における防衛施設庁長官の答弁として、この有識者懇談会の皆さんが嘉手納基地周辺の視察をすると、さらにまた地域住民の皆さん方の生の声も聞きたいと、こういう答弁をしております。国がそういう姿勢でありますから、県もそれを積極的に迎えて、具体的に県もかかわりながら地域住民との接点の場も県主催でつくるとか、積極的にかかわるとか、そういうふうな形でこの問題が具体的に前進するような方向にぜひ取り組みをしていただきたいんですけれども、どうでしょうか。
それから次に、旧軍飛行場用地問題についてでございます。
今、公室長の答弁では、県独自に福岡空港(席田飛行場)周辺を調査をした、その結果について御報告をいただきましたけれども、その内容を聞いて非常に残念でなりません。国を説得するための理論構築をしなきゃいけないということなんですけれども、今の調査の結果報告の中に旧日本軍が接収した土地は戦後、「緊急開拓事業実施要領」や農地法に基づいて、あるいはまた大蔵省から普通財産の処分として地主に払い下げられて返還されたと。しかしながら、それは旧地主に土地を返還すること自体を目的としたものではないという説明、さらにはまた現在も空港や自衛隊の施設として利用されている場所については、旧軍関係者の判断によって接収した土地を地主に返した事例はあるけれども、政府における政策決定としての所有権を旧地主に戻した事例は確認できなかったという報告をしております。
この話を聞いて非常に不思議に思うのは、県は一体沖縄県民の立場に立って考えているのか、あるいはまた日本政府の立場に立って沖縄県民を説得しようとしているのか、どちらなのかという疑問がわいてまいります。関係地主や我々県民にとって大事なことは、他府県においては戦後すぐにいろいろな形で地主に返還されたというこの事実、この事実が非常に重いことだと思っております。
県は、その返還事実を踏まえて国との交渉の糸口にすべきではないか、このように考えます。なぜ県が返還自体を目的として行われたのではないとか、あるいはまた政府の政策決定として所有権を地主に戻したのではないというふうな表現でもってこの調査報告をするのか理解ができません。
重ねてお尋ねをいたします。
そういう私から見れば政府の立場に立って県民を説得してあきらめなさいと言わんばかりの今の報告は大変不可解であります。その真意をもう一度お伺いをいたします。
それから、沖縄県においても旧仲西飛行場や西原飛行場のように米軍が継続使用しなかった場所は地主に返されているという、そういう意味では米軍が使用したところは継続使用して復帰の時点で国有地にされてしまった、そのようになっているわけですね。ですから本土他府県の事例のように米軍が使わなかったのは速やかに地主に返還される。沖縄においても米軍が使用しなかったところは返還されている。この事例をこそ踏まえて県は国との交渉に当たるべきではないか、その事実こそ県の理論構築にとって非常に重要なかぎになるんではないか、私はこのように考えるんですけれども、知事の御所見をいただきたいと思います。
それから土木建築関係についてですけれども、(6)の県道23号線の第5ゲートから南インターまでの歩道整備計画、わずか600メートルなんですね。
これは軍用地であるために検討を要するという答弁なんですけれども、いろいろ聞くところによりますと、防衛施設局は積極的に協力をしたいという意向を持っているようであります。沖縄市としても一日も早い整備を望んでいるわけであります。ですから、あとは県が積極的に市やあるいはまた施設局との交渉を重ねる中で、米軍とも交渉をしながら早期整備に努めていただきたいと思うんですけれども、もう一度御答弁をお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時46分休憩
午後4時49分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 金城議員の再質問にお答えをいたします。
旧軍飛行場用地の問題というのは、私どもとしては後ろ向きの形でなくて打開策を求めて調査をしたわけです。そこでやはり一番重要なのは、国に要請するに当たっては国の理解する、説得する論理構築というのが必要であると考えておりますので、今後とも同問題の解決に向かってはしっかりした理論構築ができるように努力をしてまいります。
○知事公室長(親川盛一) 金城勉議員の再質問にお答えをいたします。
公平補償問題についてでございますが、懇談会が嘉手納飛行場内を調査するとしているが、県は積極的にかかわり取り組んでいただきたいがどうかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
さきの国会におきまして、伊藤政府委員がお答えしたのもありますけれども、これによりますと、同懇談会におきましては調査を行うという趣旨ではなく、現地の意見を聞きたいとの趣旨であると理解しておりまして、そして、もし同懇談会等が嘉手納基地等につきまして視察・調査をするに当たりましては、当然のことながら県は一体となってこれにかかわり取り組んでいく所存でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 金城議員の再質問にお答えいたします。
確かに600メートルということで、その前後は歩道が整備されております。車道があって、その区間はすぐフェンスがそばに建っている状況なんですが、県議のおっしゃるとおり防衛施設局あるいは沖縄市ともども関係機関と早急に詰めていきたいと考えております。
○金城 勉 まず、公平補償問題についてですけれども、今、公室長の答弁で安心をしました。ぜひ現地の皆さん方とも連携をとっていただいて、その有識者懇談会の皆さんが来県の折には積極的に橋渡し役、また課題解決に向けた努力をお願いをしたいと思います。
それから、今知事から御答弁をいただきました、理論構築をしていきたいということです。理論構築をするためには、今のような知事公室長から答弁されたような国の立場に立ったような調査の結果報告、つまり返還自体を目的として行われたのではないという表現、あるいはまた政府の政策決定として所有権を地主に戻したのではないというこのような表現を県の報告の中で聞きたくはないですね。
やはり、どうすればこの関係地主の皆さん、県民の皆さんが求めていることを県として積極的にかなえていけるか、国と交渉していけるかと、そういう視点に立っていただかないと突破口は開けていかないんじゃないかとこのように思います。
そこで、この「旧軍飛行場用地問題解決促進協議会」の皆さんは、この問題を戦後処理問題として位置づけてほしいということを強く要望しております。さらにまた、政治的配慮によって解決を図ってもらいたいというふうに要求しております。これは至極当然のことだと思います。裁判の結果が出たとはいえ、国が起こした戦争のために半強制的に土地を接収されて協力をさせられて、一方、本土他府県においてはその土地は速やかに地主に返還されております。
沖縄は、異民族支配下に置かれて27年間も米軍の施政権下にあった。また、復帰のときに整理すべきこの問題もいつの間にか国有地にされてしまったと。要するに結論としていえば、戦争があったがために協力せざるを得なかった、協力したために結果として今日の状態を招いている。明らかに戦後処理問題じゃないですか。
不発弾処理が新しい振興計画の中にも明記されておりますけれども、その不発弾の処理問題と同様にこの問題もきちっと戦後処理の位置づけを明確にして、その上で理論構築をして国に解決を求めると、このような姿勢を求めたいと思うんですけれども、もう一度知事の御所見を賜りたいと思います。
そしてもう一つ、この問題は行政の長としての稲嶺知事じゃなくして、政治家稲嶺県知事としての立場で県民の先頭に立ってこの課題解決にぜひ積極的に取り組んでいただきたい。この知事の決意のほどをお伺いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 県としては、この旧軍飛行場用地の問題の解決を国に要請するに当たっては、やはり国の理解が得られる説得力のある理論構築が必要であると考えているわけです。その意味で私どもは後ろ向きでなく、打開策を求めていろいろ調査をしたわけですけれども、今後この理論構築をしっかり構えまして、そして対応できるように全力を尽くして努力をしたいと思っております。
○前島 明男 ついに私の出番がやってまいりました。代表質問2日間8名、一般質問3日間22名、議員各位も、また執行部の皆さん方も大変お疲れだと思いますが、いましばらくおつき合いをいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
さて、一般質問に入ります前に、この1年間を振り返って所見を述べさせていただきたいと存じます。
新しい世紀の幕あけは平穏でございました。この1年間、いや今世紀が、世界じゅうが戦争のない、相互信頼のできる社会を構築していきたいものだと願っておりました。しかしながら、景気はよくなる兆しどころか冷え込む一方で、国民、県民の心も寒々としているところへ台風16号の襲来、追い打ちをかけるようにあの9月11日のアメリカにおける同時多発テロ、さらに国内では狂牛病の発生と、全く多事多難な将来に大きな不安を残す1年となってしまいました。それらの出来事によって、我が沖縄県では思いもよらぬ被害をこうむることになり、何ともやりきれない気持ちでいっぱいでありました。そこへ、12月1日に全国民待望の皇太子殿下並びに妃殿下の両殿下に内親王様が御誕生になりました。国民の暗い気持ちを吹き飛ばす慶事でまことに喜びにたえない次第でございます。お名前も愛子様と庶民的で余計親しみを感じます。
お健やかな御成長を心から御祈念申し上げる次第でございます。
ところで、ある有名人が言われた言葉に、人ひとりが国も変えるし、世界も変えることができる。そのよい例が元ソ連大統領のゴルバチョフ氏であり、悪い例がアフガニスタンの指導者ビンラディン氏であると、まさしくそのとおりだと同感するものであります。このお二人は、私たち国民、県民に大きな無言の教訓を示してくださったと思います。いかに国民が、県民が賢くならなければいけないか、また強くなければならないかを。
それでは、新しい2002年が私ども沖縄県民にとりまして輝かしい希望のあふれる年になりますように願いを込めまして質問に入ります。
1、福祉行政について伺います。
「歳月人を待たず」、昔から言い伝えられている名言であります。英語では、「Time and tide wait for no man」というそうであります。日本だけでなく世界共通の教訓であります。
幼児教育も全く同じであります。その時々に応じた最高の教育をしてあげるのが行政に課された責任ではないでしょうか。そうであるならば、この認可外保育園問題は避けて通れないはずであります。21世紀のこれからの沖縄を背負って立つ子供たちが同じ星の下に生まれてきていながら、市町村立や認可保育園に入れず、認可外保育園にお世話にならざるを得ない実態は、他府県とは比較にならないほどであります。
これまで行政の恩恵がほとんど受けられず、厳しい経営を強いられてきました。それでも園長さんや保母さんたちは、ワッターガサンネー、ターガスガというボランティア精神と使命感でもって必死になって頑張ってきたのが実情であります。行政が目をつぶってきたところをしっかりと支えてきてくださった関係者の方々に改めて敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
我が沖縄県は、戦後27年間も本土から切り離され、米国の施政権下に置かれたため大きな教育的な格差ができてしまいました。昭和47年本土復帰後、義務教育の環境は見違えるほどの改善がなされました。しかし幼児教育の問題には余りにも行政が光を当てなさ過ぎました。私に言わせれば、これは復帰の積み残し以外の何物でもないと思っております。この問題は、県行政と議会が本腰を入れて取り組まなければ絶対解決しない極めて難しくかつ重要な課題であります。小泉総理になって国もようやく重たい腰を上げ始めました。遅きに失した感は否めませんが、幼児教育の重要性を再認識したという点では大きな意義があります。
そこで次のことについて伺います。
認可外保育園について、ア、実態調査はどのようにして行われたか。また進捗状況はどうか。
イ、調査の分析結果は次年度予算に反映されるのか。また、「新おきなわ子どもプラン」の進捗状況はどうか。
ウ、分析結果にかかわらず、新しい助成事業を考えているのか。あるとすれば、どのような事業か。
エ、認可外保育園の問題は市町村の範疇ではあるけれども、県が積極的にかかわっていかないと解決は難しいと思うが、県の考えはどうか。
オ、国も積極的に取り組む姿勢を見せているが、法律改正を含めてどういう方策をとろうとしているのか、お聞かせ願いたい。また、応急措置として内閣府の沖縄特別振興対策調整費や緊急地域雇用特別交付金の活用について国と調整する考えはないか、伺います。
大きな2番、教育行政について。
養護教育についてお伺いいたします。
この問題については、4年半という長い年月をかけながらいまだに結論が出ておりません。なぜなんでありましょうか。時間をかければよいということでもないはずであります。父母にとりましては不安は募るばかりでございます。寄宿舎ができた当初のころは、交通の便がとても悪いために子供たちや父母の負担を考慮して建てられたわけですが、今日ではそのこともさることながら、障害のある児童生徒が毎日の生活を営みながら生活のリズムをつくるなど生活基盤を整え、自立し社会参加する力を培う重要な場であると役割が大きく変わってまいりました。
また、文部科学省も、老朽化した施設や設備の改善を図るとともに、情報機器の整備等やバリアフリーの推進などを行い、居住環境の向上に十分配慮する必要があると積極的な考え方を示しております。
そこで次のことについてお伺いいたします。
ア、大平養護学校及び宮古養護学校の寄宿舎問題について、平成13年2月の定例議会で当時の教育長は、「庁内で検討を進めている」との御答弁でしたが、進捗状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
イ、閉舎反対の陳情案件が平成9年6月議会において全会一致で採択されていながら今日まで結論が出せないのはなぜか。
ウ、父母の切実な願いを酌み取り、また県議会の決議を尊重して寄宿舎をぜひ存続させてもらいたいがどうか。
3番の観光行政と大きな4番の労働行政につきましては、これまで多くの議員が質問をしてこられました。恐らく答弁も同じであろうというふうに思われますので、3番、4番は割愛いたします。
5番、我が党の代表質問に関連してお伺いいたします。
社会福祉法人等による生計困難者に対する介護保険サービスに係る利用者負担額の減免措置事業は、収入の少ない人が介護サービスを利用しやすいようにとの趣旨で実施されるもので、利用者にとりましては大きな負担の軽減になるありがたい事業であります。
ちなみに、平成12年3月までの1年間に訪問介護を利用したことのある65歳以上の方は当面は3%とし、その後段階的に引き上げ、平成17年度からは当初予定の10%というふうになります。それから、65歳前から障害者施策による訪問介護を利用していた方で65歳になった方、または40歳から64歳までの方で老化が原因とされる病気で訪問介護を利用する方も平成16年度までの間、3%になるわけでございます。さらに、生計の困難な方に対しては、その3%のさらに半分の1.5%に軽減される、そういうありがたい制度でございます。
一人でも多くの方々にこの制度を活用してもらいたいものであります。そのためにはまず、社会福祉法人が手を挙げなければならないわけですが、県が積極的に取り組まなければなかなか利用率が上がらない状況であります。
そこで、県に本腰を入れてもらいたく次のことについてお伺いいたします。
ア、社会福祉法人等による生計困難者に対する介護保険サービスに係る利用者負担額の減免措置事業について、県全体の実施状況はどうなっていますか。
イ、各市町村の取り組みがまちまちで余り浸透していないように聞くが、なぜだとお考えですか。
ウ、県はどう取り組んできたのか。また、今後どう取り組んでいくのか。
エ、生活困難者の認定から漏れたボーダーラインにいる方々に対する対策はどう考えているのか。
緊急地域雇用創出特別交付金についてお伺いします。
ア、我が県のリーディング産業である観光関連企業は、テロの影響をもろに受け、パートの方々はほとんど自宅待機させられている状況でございます。今回の緊急地域雇用創出特別交付金制度がこれらの対策として活用できないものかどうかを伺います。
もしできない場合、政治的な判断によるしかないと思いますが、国と調整する考えはないか、知事のお考えをお伺いいたします。
以上、答弁によっては再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 前島明男議員の御質問にお答えいたします。
福祉行政についてのうち、実態調査はどのように行われたか、また進捗状況について、次の調査の分析結果は次年度予算に反映されるかについて、次の分析結果にかかわらず新しい助成事業を考えているか、3点につきまして一括してお答えをしたいと思います。
「就学前児童の保育等に関する実態調査」については、専門の調査機関に委託して実施し、11月中旬に単純集計結果が出され、現在、具体的な分析を行っているところであります。その結果によりますと、就学前児童の約23%が認可外保育施設を利用しており、そのうち、両親とも就労しているなどいわゆる保育に欠けると思われる児童は約6割となっております。このことから、これらの潜在的需要を含めた待機児童を解消するため早急に保育所を整備し受け入れ児童数の増大を図る必要があります。
保育所の整備につきましては、児童福祉法の定める基準を満たし、認可を受けて運営することが基本であることから、認可外保育施設に対しては認可への移行を促進するための事業を創設したいと考えております。
また、現在、認可外保育施設を利用している児童に対しては、保育所が十分整備されるまでの間、児童の健康や安全面を確保する視点から新たな支援策を次年度から実施する方向で検討しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉行政について、認可外の関係で、エとして質問のありました認可外保育施設の問題解決に対する県の考え方について、もう一つ、法律改正を含めて県はどういう方策をとろうとしているのか、この2点についてあわせてお答えいたします。
国においては、認可外保育施設の届け出制の創設などを内容とする「児童福祉法の一部を改正する法律」が成立し、去る11月30日に公布されたところであります。
その内容は、認可外保育施設に対する監督の強化を図るため認可外保育施設に対する届け出制の導入、運営状況の定期報告の義務づけや提供するサービスに関する情報の公開などとなっております。
県には、当該施設からの届け出や運営状況報告などを受理するとともに、立入調査、指導を強化し、それらの情報を公表することが求められています。今後とも利用児童の健康や安全面を一層確保するために立入調査、指導強化と、保育に従事する職員及び施設長を対象とした研修等の充実を図ってまいりたいと考えております。
それから、「新おきなわ子どもプラン」の進捗状況についての御質問がありました。お答えいたします。
8月に実態調査を実施し、9月、10月に回収、現在、集計分析中でございます。12月にその結果報告を受けまして、その結果と国のエンゼルプラン、それから現在のプランの成果を踏まえ、3月中に新しい「子どもプラン」を策定することとなっております。
それから、5番目の我が党の代表質問に関連して、社会福祉法人等による生計困難者に対する介護保険サービスに係る利用者負担額の減免措置事業の実施状況について、同じ事業の中で各市町村まちまちで浸透していないようだが、その原因について、それに対する県の今後の取り組みについて、それから認定から漏れたボーダーラインにいる方々に対する対策について、以上、一括してお答えいたします。
社会福祉法人等による生計困難者に対する介護保険サービスに係る利用者負担の減免措置については、現在18法人が申し出ております。事業の実施は市町村が要綱を制定して行うこととなっており、今年度中に14市町村が要綱を制定する予定となっております。本事業は制度がスタートしたばかりで市町村の取り組みが十分でないことから、これまでも市町村担当課長会議等で要綱制定を働きかけてまいりました。また、県内の社会福祉法人に対しても取り組むよう依頼をしているところであり、今後とも積極的に実施に向けて推進してまいります。
低所得者に対する利用料減免措置としては、ホームヘルプサービスについての経過措置としての軽減措置及び施設入所者への食費の減免等があります。また、サービスの利用料が高額となった場合、低所得者についてより低い額が設定されている高額介護サービス費があります。
なお、平成13年10月の九州地方知事会議において、低所得の高齢者が安心して適切な介護サービスを利用することができるよう、早急に新たな対策を実施するよう国に対して要望しているところです。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、大平養護学校及び宮古養護学校の寄宿舎問題について進捗状況はどうなっているか、閉舎反対の陳情案件が平成9年6月議会において全会一致で採択されていながら、今日まで結論が出せないのはなぜか、父母の切実な願いを酌み取り、また県議会の決議を尊重して寄宿舎をぜひ存続させてもらいたいがどうかとの御質問に一括をしてお答えをいたします。
大平養護学校と宮古養護学校の寄宿舎につきましては、その存続を求める陳情案件が平成9年6月議会において全会一致で採択されました。そのようなことから、閉舎計画につきましては関係者を初め県民への十分なコンセンサスが得られてないとの判断から、当分の間、閉舎計画を凍結をし、次期編成整備計画にその存続の是非をゆだねることとなりました。以来、寄宿舎に入舎している児童生徒の保護者、PTA、寮母、教職員、学校長等と話し合いを行い意見の交換をしてまいりました。
保護者からは、寄宿舎に入舎した児童生徒の生活態度の変化や、寄宿舎生活を通して友達と楽しく過ごす時間が持てるなど寄宿舎の果たす役割を評価する意見等さまざまな意見が寄せられました。
現在、聴取をいたしました関係者の意向等を踏まえまして、教育庁内に設置をされております教育施策推進委員会におきまして、平成13年度じゅうに新たな県立特殊教育諸学校編成整備計画に位置づけるべく慎重に検討をしているところでございます。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 我が党の代表質問に関連しての、観光関連産業で自宅待機させられているパートタイムの対策として緊急地域雇用創出特別交付金を活用できないか、できない場合、国と調整する考えはないかという御質問にお答えをいたします。一括してお答えします。
交付金事業は、失業者に対して公的部門における臨時的な雇用・就業機会を確保することを目的としており、交付金事業への就業は原則として失業者であることが条件となります。
また、より多くの失業者に対して交付金事業への就業機会を確保することが必要であると考えております。したがいまして、自宅待機中のパートタイムを特定の対象者として交付金事業を実施することは困難であります。
なお、一定の条件のもとに休業手当を支払って従業員を自宅待機させた場合に、事業主に助成される国の雇用調整助成金は、雇用保険の被保険者となっているパートタイムも助成対象となります。
また、今臨時国会で新たに創設をされた「離職者支援資金貸付金」は、雇用保険制度の枠外にいる自営業主等が失業した場合の生活の維持を目的として創設されたものであり、雇用保険の適用を受けないパートタイムも貸し付けの対象とされております。
○前島 明男 再質問をさせていただきます。
まず、福祉行政についてなんですが、この認可外保育園の問題について、先ほど知事の御答弁で23%が認可外保育園を利用しているということなんですが、これは実態を把握していないと思うんですよね。
いろんな方々の調査によりますと、50数%──きょう、どなたか議員も言っておられましたけれども──の児童がこの認可外を利用しているわけですよね。実際は23%じゃないはずなんです。ですから、この調査は私に言わせれば余り信頼できないと言わざるを得ません。
どういうような調査をされたんですか。ただメールを送ってその返事をもらっただけですか。それとも聞き取り調査もされたのかどうか、その辺も御答弁願いたいというふうに思います。
それから、これまで何度か認可外保育園のことについて質問をしているわけなんですが、そのたびに児童福祉法だとか、いや国がどうのこうのということでこれまで市町村にしても県にしてもお互いに責任のなすり合いをやってきたわけですが、これではこの問題の解決にはならないわけなんですよ。せっかく国もやる気を起こしております。その証拠に6月だったか7月だったかちょっと記憶が定かじゃありませんけれども、厚生労働省の桝屋副大臣がわざわざお見えになって認可外保育園の関係者とひざを交えて懇談をしてくださっております。そしていろいろな要望を聞いて帰られました。その後、問題解決のために積極的に取り組んでくださっておられます。
どうですか、福祉保健部長、国が音を上げるぐらいあれもやりたい、これもやりたいと要望を突きつけてみてはいかがですか。県の熱意が見られるならば国はほっておかないと思いますが、いかがですか。
次に、教育行政についてなんですが、先ほどの教育長の御答弁の中で、これまで結論が出ないのは県民の十分なコンセンサスが得られていないという理由も1つあるということなんですが、これは我々県議会が全会一致でこの問題を議決しているわけですけれども、一体そうなりますと我々県議会は何なんですか。県民の代表じゃないですか、我々は。
私は、県議会みんな全会一致でこの問題を決議したわけですから、県民のコンセンサスは十分得られていると理解しておりますが、その点について再度御答弁を願います。
○福祉保健部長(新垣幸子) 「就学前児童の保育等に関する実態調査」について少し説明が舌足らずだったように思いますので、状況を御説明したいと思います。
10月13日現在で集計の結果で5624人から回答をいただいております。その中で、認可外保育施設を利用している世帯が23%あったということでございます。その23%の中で両親とも働いていて、いわゆる保育に欠けると思われる児童が63%あったということになっております。それで待機児童も多いことから、これらの児童の受け皿を準備するために、先ほど来知事が御説明しておりますように、認可を受けて運営するのが基本であることから、認可外保育施設に対しては認可への移行を促進するための事業を創設したいというふうに考えております。また、現在、認可外施設を利用している児童に対しては、その保育所が十分に整備されるまでの間、児童の健康や安全を確保する視点から、新たな支援策を次年度から実施する方向で検討しております。
認可外保育施設については、さまざまな課題があることから、ぜひ先生方の御支援も受けたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○教育長(津嘉山朝祥) 私の説明不足でしょうか、私が答弁をいたしましたのは平成9年6月議会において全会一致で県議会で採択をされましたと、存続を求める決議が採択をされましたと。そのようなことから、関係者を初め県民への十分なコンセンサスが得られてないとの判断から、「当分の間、閉舎計画を凍結をし、次期編成整備計画にその存続の是非をゆだねることとなりました。」と申し上げました。
したがいまして、先生、関係者を初め県民への十分なコンセンサスが得られてないというのは、私どもが閉舎をしようとしている計画が十分なコンセンサスを得られていないと。したがって、凍結をし、次期編成整備計画にゆだねるということの判断からというお話でございますので、先生の解釈のようではなくて、県議会の意向、それから県民への十分なコンセンサスがなかったということでの凍結をし、次期編成整備計画にゆだねたという意味でございますので、そのようにひとつ御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
決算については、11月26日の議会運営委員会において17人から成る決算特別委員会を設置して審議することに意見の一致を見ております。
よって、ただいまの議題のうち、認定第1号から認定第21号までについては、17人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
──────────────
○議長(伊良皆髙吉) 次に、お諮りいたします。
ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付の名簿のとおり指名いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、決算特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
──────────────
〔決算特別委員名簿 巻末に掲載〕
──────────────
○議長(伊良皆髙吉) ただいま決算特別委員会に付託されました決算を除く甲第1号議案及び乙第1号議案から乙第25号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
──────────────
〔議案付託表 巻末に掲載〕
─────◆・・◆─────
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時32分休憩
午後5時33分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
日程第3 陳情第226号の4の付託の件を議題といたします。
お諮りいたします。
本陳情については、沖縄振興特別委員会に付託の上審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
─────◆・・◆─────
○議長(伊良皆髙吉) この際、お諮りいたします。
委員会審査及び議案整理のため、明12月13日から19日までの7日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、明12月13日から19日までの7日間休会とすることに決定いたしました。
──────────────
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、12月20日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時34分散会