平成14年(2002年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 2月21日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた教育長津嘉山朝祥君は、所用のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育次長宮城嗣三君の出席を求めました。
 また、地方労働委員会会長垣花豊順君及び人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日、明日及び2月25日から3月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君及び人事委員会事務局長新垣良光君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
 本日、明日及び2月25日から3月1日までの7日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 安里 進君。
   〔安里 進君登壇〕
○安里  進 おはようございます。
 県民の目線で活動する政党として、沖縄県の抱える諸課題に全力を投球する自民党を代表いたしまして質問をいたします。
 その前に、2002年、ことしの名護の名護城の桜はいつになく満開でありました。名護城の森を濃いピンク色に染めてくれました。また、ことし初めの市長選挙もかつてない票差で岸本市長が勝ち、喜びも満開でございました。
 それぞれの立場で名護に応援に来られた与野党の県議の皆様に対し、心からお礼を申し上げます。それぞれの立場で御支援を賜りました皆さんに心からお礼を申し上げ質問をいたします。
 まず1番目に、「沖縄が本土に復帰して30年の節目の年を迎えて」についてでありますが、昭和47年5月15日に沖縄返還協定が発効し、沖縄の祖国復帰は戦後27年目に完全に達成され、沖縄県が日本の47番目の県として誕生いたしました。そして、沖縄・北方開発庁にかわって沖縄開発庁が発足いたしました。
 復帰の日からドルと円の通貨交換が開始され、閣議で沖縄物価安定緊急対策が決定され、また沖縄の本土復帰を記念して摩文仁で植樹祭が挙行され、沖縄振興開発計画が決定されたのも復帰の年でありました。翌48年には復帰記念沖縄特別国民体育大会(若夏国体)が開催される一方、昭和50年には国際海洋博覧会が開催されました。
 戦後、沖縄は車両の右側通行が実施されてきたが、復帰時点で特別措置法の特例としてこれを継続してきたが、6年間の準備期間を置いて昭和53年7月30日、いわゆる「730」と言われた道路交通取締法が適用されることになり、左側通行に改められました。これは沖縄全島にわたっての一大出来事でありました。
 沖縄振興特別措置法も第1次、第2次、第3次と延長され、ことし3月で切れる特別措置法も次の新たな振興計画に向けて今国会に期待するところであります。
 このような国の積極的な支援と県民挙げての努力が相まって道路、港湾、空港などの社会資本の整備を初め県民生活全般にわたって目覚ましい発展を遂げてまいりました。また、2000年7月21日に我が国で開催されたサミットは、東京以外の地方都市で開催されることになり、沖縄県を含む8つの自治体が誘致に名乗りを上げてまいりました。沖縄県の場合、ほかの自治体に比べ誘致のおくれ、警備上の問題や施設関係等から一番最後の県に位置していたが、県政が稲嶺知事にかわってから政府との信頼関係の構築のもと、懸命な努力により小渕総理は政治的決断を下し沖縄開催が決定されました。
 サミットの開催は、沖縄県を訪れる世界の首脳やマスコミの方々にありのままの沖縄を見てもらい、県民の平和を愛する心やホスピタリティー、沖縄の独特の文化や歴史、そして自然などを世界に広くアピールする絶好の機会となり見事にサミットの成功をおさめたことは、復帰30年でも歴史に残る出来事であります。
 さて、ことしはいよいよ第1次、第2次、第3次の振興開発計画の成果を踏まえ、新たな振興開発計画をスタートさせる年であります。この計画において本県が我が国のみならず世界に貢献すべき役割をしっかりと見据え、21世紀を展望した文字どおり自立的発展を遂げるために盤石の基礎づくりを目指さなければなりません。
 そこで知事にお伺いします。
 ことしは、沖縄が本土に復帰してから30年の歴史的節目の年を迎える意義深い年であるが、知事の復帰30年の歩みと評価についてお伺いいたします。
 また、復帰30年記念行事は、あるいは事業はどういうことを予定しているのか、お伺いします。
 次に2番目、稲嶺知事3年間の総括と自己評価、そして2期目の出馬についてお伺いいたします。
 4年前の平成10年、沖縄県は閉塞感に満ちた中で稲嶺惠一氏が知事に立候補を決意され、全力疾走され3万7500票の圧倒的差をもって見事当選を果たされました。稲嶺氏が知事に就任されて沖縄県に明るさが戻る中で着実に成果を上げてこられました。この3年間、広く県民の立場に立って卓越した指導力、実行力で沖縄県経済の振興や米軍基地にかかわる問題を着実かつ精力的に推進し、県民の期待にこたえてこられました。
 例を挙げると、知事就任と同時に沖縄政策協議会を再開し、「沖縄経済振興21世紀プラン」を取りまとめました。そして北部振興協議会等国、県、市町村で構成する4つの協議機関や那覇港湾施設に関する3つの協議機関の設置を実現させました。
 平成12年には、故小渕元総理の沖縄に対する熱い思いから九州・沖縄サミットが実現しました。また、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産に登録され、県民やウチナーンチュに自信と誇りを与えました。
 企業誘致については、知事としてトップセールスを行い、情報通信産業を中心に新たに45社が立地し約4000人余の雇用創出に結びつきました。また、選挙公約である沖縄振興新法や大学院大学構想もその実現に向けて着々と準備が進められつつあることは実に頼もしい限りであります。
 さて、いよいよ新しい世紀の幕あけになりましたが、国際社会は数多くの課題を抱えております。稲嶺知事におかれましては、くれぐれも体に十分留意され、将来に夢の持てる21世紀の沖縄県の発展を目指して一層の御活躍を心から願うものであります。
 そこで、知事の3年間の総括と評価をお伺いし、あわせて2期目に向けての抱負と出馬の決意をお願いいたします。
 3番、名護市長選挙は全国的な注目を集めたが、その結果をどう評価しているか、お伺いいたします。
 去る2月3日の名護市長選挙は、1999年、稲嶺知事が移設先をキャンプ・シュワブ水域内の同市辺野古沿岸域に決定したのを受け、「基地の国内分散移設の可能性は全くないというのが現状」と発言、基地の整理縮小を進める上で苦渋の選択として名護市を受諾した。それを受けて岸本名護市長は、昨年12月27日の「普天間飛行場代替施設に関する協議会」で施設の位置や規模を提示、懇談会でも「私自身の責任で判断していく。これからもその信念は曲げない」と述べ、移設問題に対する岸本市長自身の立場を明確にしております。
 一方、相手候補の宮城氏は、「名護市民は市民投票で基地建設の問題は結論を出している」とし、海上ヘリ基地建設反対が多数を占めた住民投票が民意であると再三主張してきました。「危険な普天間飛行場返還のためとはいえ、過重に基地負担を抱える県内に新たな基地を建設することは沖縄の利益にならない」と断言し、移設撤回を訴えました。また、市立保育所の民営化問題等も今回の選挙の大きな争点でありました。
 選挙の結果は、今回の選挙の投票率が77.66%と前回より4.69ポイントも下がっているものの、私どもの予想をはるかに超える9208票差で名護市民は岸本市長を選択いたしました。しかし、圧勝したからといって政府の言いなりになるのではなく、岸本市長は、7つの条件を実施できる方向で稲嶺県知事と共同歩調をとりながら、これらの条件を実現していく方向で受け入れを認めていく形にすると言っているが、名護市長選の結果を踏まえて知事は移設問題をどう進めていくか、知事の御所見をお伺いいたします。
 4番、基地問題についてであります。
 普天間飛行場代替施設の建設位置と規模で去年の12月27日、国と県、名護市が基本合意する中、同日開催の代替施設協議会関連協議会も検討協議の節目を迎えた跡地対策準備協議会では、普天間の跡地利用に向けた取り組み方針が2年間の検討を経て全部で9分野106項目が出そろい、北部と移設先周辺地域の活性化構想を仕上げる調査費を配分し、普天間移設を推進する環境整備も整いつつあります。
 今回、跡地協は、新たな方針として日米合同委員会による返還合意後なら実際の返還前であっても必要な調査を実施し、跡地利用計画や都市計画(環境影響評価も含む)が立てられるなど、従来になかった事業着手までの迅速な再開発事業の具体的手順について合意しております。
 従来、米軍基地内と想定した都市計画決定は返還後も行っており、既存の跡地は返還から再開発の事業着手までおおむね7年から10年かかってきたが、土地が返ってくるまで何もできないとの固定観念のほか、返還までは防衛庁が面倒を見ても、返還されれば地主や市町村の責任とのスタンスを国はとってきたことも事業着手のおくれた要因だと思います。
 今、問題になっている北谷町美浜の米軍射撃場跡の工事現場でタール状の廃油ドラム缶が発見されているが、これは恐らく環境影響調査をしないまま返還されたのがあのような結果になったのではなかろうかと思うがどうだろう。
 さて、去年の12月27日の協議会を終えて稲嶺知事は、軍民共用空港の必要性、位置、規模は地元の意向を尊重する。工法は、新たに移す場所で最適な工法を検討すると主張。特に建設位置に関してジュゴンのえさ場となっている藻場への環境を懸念、自然環境への配慮を求めリーフ上が基本との考えを明確にいたしました。
 また岸本市長は、「今後は使用協定の締結に向け、受け入れの際に示した7条件を実現していくよう、一生懸命、政府、県と調整していきたい」と言っているが、知事の所見と次のことについてお伺いいたします。
 (1)、普天間飛行場代替移設問題で、15年使用期限が未解決のまま建設位置について政府、県、名護市が基本合意したそのままを進めるのか、米側の拒絶で何の進展もないがどうなのか。
 (2)番、12月27日の代替施設協議会で岸本市長は、リーフ上を容認しつつ軍民共用化による規模拡大に対する地元の不安から規模縮小の方向で合意したが、それについて知事の見解はどうなのか。
 (3)番、田中眞紀子前外相は去年の12月28日来訪、29日の記者会見で知事の求める着工前解決は困難と明言し波紋を広げたが、それについてはどう思うか。
 (4)番、岸本名護市長は、今のところ国の時期に合わせることは考えていないと、また解決時期を後退させることも考えていないとも強調しているが、県はどうなのか。
 (5)番、条件の履行が図られない場合、移設撤回もあり得るのか、提供責任者である国の努力をと繰り返してきた従来型の主張で県民感情を納得させるのは厳しいと思うが、知事の見解はどうなのか。
 (6)番、日米地位協定の見直しについては、森山法務大臣は運用改善が現実的方法だと述べ、見直しに否定的考えを明らかにしました。衆院外務委員会が、「日米地位協定の見直しをも早急に検討し、事態の抜本的改善に取り組むべきである。」と異例の決議をしているが、県はどう取り組もうとしているのか。
 (7)番、去る18日の日米首脳会談で小泉首相は、沖縄問題は「閣僚レベルで論議をさせたい」とし、ブッシュ大統領は、沖縄については建設的な議論を行い閣僚間で話をさせ、この問題についても緊密に協議していきたいと一応は前向きの姿勢を示しているものの、15年使用期限や日米地位協定の見直しの問題については特に言及がなくこれまでの枠を超えていないが、知事の見解とこれからの取り組みについてお伺いいたします。
 次に5番目に、雇用問題についてお伺いします。
 長引く経済不況に米中枢同時テロの影響が加わり、県内の雇用は大変厳しいものがあります。昨年9月の失業率は9.4%と全国の約2倍を示している。11月には1.6ポイント改善と過去最大級の下げ幅を見せたが、これは一時的なものとの見方が強く、雇用情勢が大きく改善されたとは言えないのが実態であります。11月は毎年失業率が低く出る傾向があるようで、平成12年の11月も前月より0.9ポイント改善された後に、12月には再び0.8ポイント上昇しております。
 さて、沖縄の緊急雇用特別事業が2001年で終わり新たに70億円が投下され、緊急雇用創出特別事業が一部前倒しを含めて次年度から始まるが、県内の雇用情勢はどうなっているか、お伺いいたします。
 (1)つ、失業率が全国の2倍もある我が県の雇用問題はどうなっているか。
 (2)番、平成14年はどのような事業があるのか。
 (3)番、雇用対策の切り札としてワークシェアリングが議論されるようになったが、沖縄特有の雇用・経済基盤がワークシェアリング導入に適していると思うがどうなのか。
 (4)番に、自治体業務の一部民間委託や自治体職員の時間外労働分をシェアするなど、公務員の職域からワークシェアリング導入を検討してはどうなのか、お伺いします。
 次に6番であります。環境問題についてお伺いします。
 地域における定住環境を整備し、快適で潤いのある自然と調和したまちづくりを進め、特に低コストエネルギー化を将来的に導入していくため、新エネルギーの開発を初め風力発電、太陽光利用等自然エネルギーの活用研究を支援する必要があります。
 深刻なごみ問題については、環境負荷の少ない資源循環型社会の構築も図るため、「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想に基づき廃棄物の減量化・資源化を促進し、またダイオキシン、PCB等有害物質対策やリサイクル法の導入に伴い廃棄物処理施設の整備を促進し、地域の生活環境や自然環境を保全するため放置自動車対策など廃棄物の不法投棄防止対策を強化する必要があると思います。
 そこで質問します。
 (1)、一般廃棄物について。
 ①、ごみ処理施設の今の整備状況はどうなっているか。
 ②、ごみ焼却施設のダイオキシン類排出濃度測定状況によると、県内市町村の31施設のうち8施設について平成14年12月からの新基準値を超えるおそれがあるが、その対策はどうなっているか。
 次に、産業廃棄物について。
 ①、第3次県産業廃棄物処理計画は、平成14年(ことし)の3月31日で終了するが、第4次処理計画は策定されているのか。
 ②、1月6日、北谷町の廃車火災は150台が爆発音を発して燃え住民に恐怖を与えた事故は、県の管理する土地のようだが、一体これはどうなっているのか。
 ③、県内にこのような廃車集積所が多く見受けられるが、調査したことがあるのか。また、その指導取り締まりはどうなっているか。離島における廃車問題はどのような進捗状況になっているのか、お伺いします。
 ④、道路沿いや原野等に放置自動車が見受けられるが、放置自動車についての取り組みはどうなっているか。
 (3)、次にごみの資源化についてであります。
 米国エネルギー省から依頼されたマサチューセッツ工科大学の教授陣により開発された「プラズマ拡張溶融システム」を導入する考えはないか。これは、我々文教厚生委員会の委員長が招集してやったときのあの勉強会で習ったようなものであります。
 7番目に、農林水産業の振興についてお伺いします。
 北部地域は、沖縄本島の中でも植物層に富み、国頭山地を中心にした北部の広域に分布しております。イタジイ、イジュ、オキナワウラジロガシ、マテバシイなどの高木層、ホルトノキなどの中木層、アデクやクチナシなどの低木層に構成され、一つの独特な植物分布を示しております。その植物層を詳しく観察する中でハンノキ、俗称タイワンハンノキと言われているハンノキの下に単子菌類のシメジがよく発生しているのに気づき、広範囲にわたるハンノキの自生地を調査したところ、共通性があることを確認し、シメジはキノコの一種で雑菌を嫌う性質が強いので、ハンノキには抗菌物質が含まれていることを確信し研究を続けた方がこの名護にいらっしゃるわけでありますが、その結果、次のすぐれた効果があり、人畜無害であることが判明したので、それぞれ商品化に踏み切っております。そして特許も取っているわけであります。この商品を使った菊づくり農家が去る2月17日に行われた「園芸フェアおきなわ2002」の表彰式で金賞を受賞しているわけであります。
 まず、農作物の立ち枯れ病や土壌雑菌などに効果があるので、農薬、つまり化学薬品にかわる抗菌剤、これは「オキモント」と称していますけれども、「オキモント」として商品化しているわけであります。
 豆腐での抗菌テストに5日経過しても豆腐がにおわないことがわかり、消臭液を開発しております。また、抗菌と消臭の両方の効果を兼ね備えた商品「エコフェアリー」を製造することにも成功しております。また、現在、生きクルマエビ、これを本土に出荷しているわけです。この生きクルマエビの出荷の包装に現在は杉のおがくずを使っているが、軽くて無害のハンノキのおがくずが最適であると評判であります。
 次に、開発した商品の特徴でございますが、1番目には、この抗菌剤の「オキモント」は、土壌を無菌状態に保持する性質が顕著であり、菊などの苗木を挿し木する苗床に散布するだけで農薬より効果がある。従来の苗床は高温で蒸気洗浄をやり、土壌中の雑菌を処理していたが、この場合は施設費用がかかるなど農家の経済的負担が大きかった。また、農薬の場合、有毒であり土壌消毒を実施する場合には周りで農作業ができなかったが、この「オキモント」使用中でも作業ができるなどの利点があります。
 消臭剤は人畜無害なので部屋の中や食事中でも使用ができます。どんなにおいにも効くので商品の多様化が望めるわけであります。
 抗菌と消臭を兼ね備えた化粧品、果物の鮮度保持、化学薬品での防腐剤にかわるものとして活用できるなど多種多様の商品開発が可能であります。
 以上申し上げましたが、これらを商品化することによって荒蕪地に繁茂しているタイワンハンノキを有効利用し、林業者や農家所得の増強に確実に貢献できると確信しますが、県知事や農林水産部長に対し次のことをお伺いします。
 (1)つ、林業振興策でタイワンハンノキを活用した商品化について、今さき申し上げましたようにどう考えているか。
 それから(2)番目、植物抽出液の特許製造による工場建設――今それをやろうとしているわけですが――に対する県の助成についてどう考えているか。
 (3)番、ハンノキの栽培普及、これは林業農家も、それから普通の農家も大変これは助かるわけでありますから、そのハンノキの栽培普及についてはどう考えているか。
 このハンノキというのは7年から10年でもうできるわけですよ。だからどんどんどんどん栽培ができるわけですからね、非常にいいと思います。
 それから、北部の林業家の農家所得を向上させるためには、県の金がなければ北部振興策等でこれをさせるという県からのいろいろパイプがないものか、それを取り上げることはできないのかどうか、これについてもお伺いいたします。
 次に8番、医療・福祉問題についてであります。
 3次にわたる振興計画は、医療分野においても本土に追いつき追い越せで大量の補助金行政がなされております。ただし、これらは公的病院が主体であり、その欠点の一つとして民間活動がそがれ、ある面で民間病院の疲弊を生み出したのも事実であります。
 昨今の医療費の効率的な運用という一つの命題は、種々の厚生労働省の施策を生み出す源となっているが、平成元年から決定された地域保健医療計画はその最たるものであります。つまり、地域保健医療計画こそが本県の5年ごとの青写真となっており、近未来の医療の指標を示しております。しかし、各医療圏ごとにきめ細かい決定が本計画の中に示されているかといえば必ずしもそうとは言えないわけであります。
 一方、最近では多くの議論を持ち衆知の中ででき上がった高度多機能病院は、南部医療圏の中核をなす病院として位置づけを持ち、それなりの期待感がありました。しかし、制約の多い中で病院機能は示せたものの、南部医療圏や離島・僻地医療への将来ビジョンは示し得ず重い課題を残したままになっているわけであります。
 国策への中核をなす医療制度は、受益と負担というこれからも数多く議論され地域住民の合意が必要な健康施策であるが、その中身を知り得ている人は少ない。知らしめる材料も乏しい。温暖な自然環境、広大な海域に散在する数多くの島、国際交流が盛んな歴史的背景、食や相互扶助社会を中心とした文化的特性、沖縄社会の少子・高齢化の特徴などには健康福祉立県づくりの土台が既に備わっております。長寿社会を生かす健康福祉立県こそ多額の補助を要さず独自の歩みができるのであります。
 沖縄の改革は、制度改革、コスト改革が表立って叫ばれているが、これからは情報改革とともに住民の意識改革が大切で、この意識改革の中心をなすものが健康理念であります。健康なくして地域発展はなく、予防なくして健康はない。
 そこでお伺いします。
 (1)、沖縄県医師会は、住みよい活力ある社会を目指して「健康福祉立県構想」を打ち立てて県に要請したと思うが、沖縄振興新法にどう生かされているか、お伺いします。
 (2)番目に、振興新法のどこの章のどの欄にその医療問題が書かれているか、位置づけられているか、お伺いします。
 (3)番目に、ICカード普及等によるIT装備研究事業に係る北部離島への電子カルテ等の配備についてであります。
 ことしから北部地区医師会病院を中心とした新しい地域医療サービスが開始されます。この医療サービスは、沖縄県北部地区の大きな病院と診療所が連携し、これまでにないサービスを提供するものであります。サービス提供に伴い、手元の診療券がICカードを利用した新しい共通診察券に生まれ変わるのであります。
 そこで、今回の事業は、民間医療機関とのネットワークを結び実証実験を行う絶好のチャンスと思うが、県は国の補助金による離島医療ネットワークとの関連で医師会研究事業への参画は難しい状況にあるようであるが、いま一度県の前向きの答弁をお願いし、質問いたします。
 ①、伊是名診療所、伊平屋診療所へ電子カルテ、医事システムを配備することへの許可について、これは機器及びソフトの費用についてはICカードの普及等によるIT装備年研究事業の予算で実施する。これは要するに経済産業省の予算でこれを実施するわけであります。これについてはどうなのか。
 本実証実験に参加していくことへの了承をしてくれないかどうか、これについてお伺いします。
 (4)番目に、北部の救急医療体制についてお伺いします。これは名護市の夜間急病診療所のことについてであります。
 沖縄県の保健医療計画、目標年次平成15年度に示す救急医療体制とは、県民が緊急の手当てが必要な場合に、いつでも、どこでも、より早く適切な医療が受けられる体制を確立することが行政の重要な責務であるとあります。
 しかし、県中南部医療圏域の重層的な救急医療体制に比べ、北部圏域の現状は極めて貧弱で、北部地区医師会が循環器科に限って24時間対応しているだけで、その他の診療科目は主に県立北部病院──これは24時から18時──か、あるいはまたこの当診療所──18時から24時まで──で対応しているにすぎません。
 北部地域の住民は、時間帯によっては設備等の十分でない当診療所の患者として来院しても、当番医師の専門外であるなどの理由から県立北部病院に患者を移送せざるを得ないのであります。また、健康保険制度上、病院より診療所の初診料、それから再診料は高く、加えて専ら夜間に診療する当診療所はさらに高く設定されております。その結果、北部地域に在住する患者は他の圏域の患者より負担増になっています。当診療所の救急医療設備を見ると、せめて現在の高規格救急車に搭載されている機器と同等以上の設備は必要じゃないかと思うが、県の特段の支援をお願いしたいが、県知事の決意をお願いします。
 (5)番、周産期科(産婦人科)医療、小児科医療の採算性の悪さから空洞化が進んでいる中で、県はどのような対策を検討しているか、お伺いします。
 9番、次に教育行政についてお伺いします。
 本県が真に活力ある地域として発展していくためには、物の豊かさだけでなく、心身ともに充実する心の豊かさを大切にする教育のあり方を考えなければなりません。特に、学校教育において学力の向上はもとより、創造性豊かで個性にあふれ、世界に通用する多様な人材育成が重要であり、ボランティア活動、レクリエーション活動の充実、平和学習、道徳教育の実施、介護体験、保育体験学習の実施や沖縄の文化・歴史、伝統のとうとさを学ぶ教育が必要であり、また国際性豊かな人材育成のためのIT立県を目指し、低学年からパソコン学習の導入、低学年からの英語教育、中高学年から第二外国語教育の導入、海外ホームステイ等青少年交歓交流事業の促進をさらに進める必要があると思います。
 そこで、次のことについて教育長にお伺いします。
 (1)、教育改革の目玉である新学習指導要領についてお伺いします。
 今年4月から公立の小中学校で週休2日制がスタートいたします。新学習指導要領は小中学校で2002年度から、高校では2003年度から本格的に実施されるようであります。
 この教育改革は、学校の完全5日制、ゆとりを持たせ週末の余暇を有効に活用し、子供たちに多くの体験をしてもらうねらいがあるといいます。しかし今、教科の学習時間、内容の削減が問題になっております。一部私学では授業時数を減らさない独自のカリキュラムで親の学力不安にこたえ、現状の学力維持を保障していくとして学校完全週5日制の導入を見送る学校もあり、また公立で進学率の高い一部高校では現在の60分授業を50分にし、教科は減らさず、1日6校時を7校時にする方法も考えている学校もあると聞くが、どうなっているか、教育長の取り組みと見解についてお伺いいたします。
 次に、30人学級の早期実現についてであります。
 2001年度を初年度とする「第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画」が実施に移され、都道府県教育委員会の判断で国の標準を下回る学級編制が可能になりました。しかし、学級編制の標準は従来どおり40人であり、今日の学校が抱える諸問題の解決のための定数改善にはなっていない状況にあります。
 このようなことから、子供一人一人に行き届いた教育を保障し、ゆとりのある学校教育の推進を行うには、学級規模を30人以下とすることが喫緊の課題となっているが、県教育委員会はどう対応しようとしているのか、お伺いします。
 (3)番、子供読書推進法について。
 国や地方自治体に対して「子供の読書活動や推進基本計画」策定と国会報告を義務づけ、地方自治体にも同様の計画策定を要望しているが、県の対応はどうなっているか。
 次に、特殊学級の新設についてであります。
 名護市立真喜屋幼稚園に在園する知的障害を持つ子供が、平成14年度就学に関してまさにわらにもすがる思いで真喜屋小学校に入学・就学をさせてくれと保護者から強い要請が学校長に来ておるわけであります。
 校長としては、率直でかたくななその心情を尊重したいようだが、他の児童の教科学習にかなりの影響を及ぼすことになるということで、やはり特殊学級の新設が必要だと要請を受けているが、県教育長の前向きな決意を聞かせてください。
 (5)番、浦添市内の中学校で教諭を出刃包丁で脅迫した事件についてお伺いしたいと思います。
 昨年の8月に浦添市内で、中学校3年の男子生徒がLPガスを吸引して死亡した事件がありました。それがあったばかりなのにことしに入って1月28日、また浦添市内中学校で教諭からの注意を恨み、自宅から出刃包丁を持ち込み教諭を脅したとして同校中学3年生が現行犯逮捕されているが、教育現場は一体どうなっているのか、その状況についてお伺いします。
 きのうの新聞にもまた集団暴行事件があります。
 また、この事件の概要について県警本部長にもお伺いいたします。
 10番目に、県内の治安についてお伺いいたします。
 沖縄県警察本部は、「守ります 美ら島沖縄 県民とともに」をスローガンに、日夜県民の生命財産を守り頑張っている太田県警本部長以下役職員に心から敬意を表します。
 さて、このたび平成12年の犯罪統計書が県警本部の刑事部捜査第一課から発行されていますが、これをよくよく読んでみると、重要犯罪が平成11年より40%も増加し過去10年間で最高の数値となっているが、その要因は何なのか、お伺いいたします。
 それから、県内の平成12年度の刑法犯の認知件数が2万1491件と前年比2913件で15.7%の増加になっていて過去最高となっているが、13年はどうか、その要因と対策についてお伺いします。
 (2)番目に、少年問題について平成13年中の刑法犯少年のまとめでは、1369人で対前年度比では25.3%の増と過去10年間で最悪となっているが、その理由を説明願いたい。
 (3)番目に、刑法犯認知件数の推移と全国との比較について。
 平成3年を100として平成12年は全国が143.1、九州が149、沖縄県は161.8と全国よりも18.7ポイント、九州よりも12.8ポイントも高い。過去最高の数値を示しているが、平成13年度はどうなっているか、お伺いします。
 次に、信号機の新設についてであります。
 ふえ続ける交通事故に歯どめをかけようと2001年度に全国の4011カ所に信号機を新設するようだが、沖縄県は何基の計画か、お伺いします。
 最後に、11番、県営住宅の家賃の長期滞納問題についてお伺いいたします。
 地方住宅供給公社は、「住宅の不足の著しい地域において、住宅を必要とする勤労者の資金を受け入れ、これをその他の資金とあわせて活用して、これらの者に居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する住宅を供給し、もつて住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的」に昭和41年9月に琉球土地住宅公社として設立されました。あれから40年の年月が経過、多くの県民に住環境を提供してきました。しかし、現在の状況は家賃滞納が億単位を超え、包括外部監査を受け、次のことが包括外部監査人から意見されております。
 住宅分譲事業の抜本的見直しを検討する必要がある、住宅不足については設立当初と事情が変わり充足されている、全国的にも公社による分譲は縮小ないし廃止の方向にあるとしている。
 そこで質問します。
 (1)、沖縄県住宅供給公社について。
 平成13年度までの法的措置を講じた件数とその金額は。
 平成13年度の訴訟費用及び強制執行費、弁護士要請費、強制執行裁判所予納金は幾らか。
 現行の条例の規定では、公営住宅の管理は沖縄県住宅供給公社及び市町村に対し委託できることになっている。しかし、地方自治法では収入事務に関しては委託は可能であるが、強制的な徴収法的な措置はできないとなっているが、家賃徴収を民間委託する抜本的な徴収方法は考えられないのか。また、保証人制度はしっかりと機能しているかどうか、お伺いします。
 沖縄県土地開発公社と沖縄県住宅供給公社の合併の際、民営化に向けて改めて改革した方がいいと思うが、県の改革についてお聞かせ願いたいと思います。
 以上でございますが、このような「不発弾処理のため議会庁舎への立入禁止について」というのがあります。(資料を掲示) これは県当局はもう少し緊張感を持ってやらなければいけません。緩んでいる証拠だと思います。答弁についても緊張感を持って答弁して、確実に正確に答弁していただきますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 安里進議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、復帰30年の歩みと評価についてでございます。
 昭和47年本土に復帰した本県は、本土との各面にわたる格差を是正し、自立的発展の基礎条件の整備を図ることによって「平和で明るい豊かな沖縄県」を実現することを目指してスタートしました。
 第1次振計期間中には、国際海洋博覧会の開催に向けて社会資本の整備が集中的に行われたことや、観光収入の大幅な増加に支えられ、本県経済は相対的に順調に推移しました。一方、この時期は2度にわたるオイルショックと重なったこともあり、新規企業の誘致による製造業の振興については所期の目的を達成するには至りませんでした。
 第2次振計期間中においては、大型リゾートホテルの新設や海邦国体開催等による観光収入の伸びに支えられ、本県経済は比較的順調に推移しました。 
 第3次振計期間中においては、バブル経済が崩壊して全国的に景気が低迷する中、本県経済は公共投資や全国植樹祭の開催等による観光収入の増加があったものの、民間企業設備投資や石油製品移・輸出が低迷したことなどによって低い経済成長となりました。一方、サミット首脳会合が本県において開催されたことや、グスク及び関連遺産群が世界遺産に登録されたことは、県民に大きな自信と誇りを与えたものと考えております。
 さらに、SACO最終合意によって、長年の課題でありました基地の整理縮小の方向性が示されております。
 以上述べましたように、復帰後各面にわたる施策が推進されたことによって社会資本の整備が進み、医療・福祉、教育面での県民生活も向上するなど、本県の社会経済は着実に進展してきております。これは、本土との各面の格差を是正するとともに、自立的発展に向けた基礎条件の整備を目指し、県民を初め、国、県、市町村等が一体となって取り組んできた成果であります。
 また、世論調査における県民の本土復帰に対する高い評価は、この間の振興開発の成果に対する県民の認識を反映したものであると考えております。
 次に、知事3年間の総括と自己評価についてということと、2期目の出馬についてということで、これは原稿はございませんので私の言葉でお話をしたいと思っております。
 今、この3年間の総括のお話が大ざっぱに30周年の中でお話をいたしましたけれども、自己評価というのはこれは毎回ここでも何回かお話してございますけれども、少なくとも私の実力からいえば120%と申し上げたんですが、本当はもっと高い評価を自分なりにしております。
 というのは、全力を尽くしてともかく休日もなしに、精神的にはもう既にすべての使命感をなげうって、一生懸命休みなしに走り回ってきたなということをつくづく感じております。そして今一生懸命やはり走っている状況でございますので、そこで非常にさらに先の問題になりますと、私としてはまず当面やるべきこと、というのは、ことしは新たなるスタートの年と位置づけております。それにはスタートダッシュということが大変大事でございますので、この新たなる振興計画あるいは新法を初めとして、ことし新たなるスタートをまずどのように早く飛び出すかということが大変スタートダッシュで重要でございますので、今、頭はそれでいっぱいでございますので、今後多くの皆様のお話をお聞きしながら、私の立場をどのような形でするかということをさせていただきたいとこう考えております。
 それでは次に移ります。名護市長選挙の結果に対する評価についてでございます。
 名護市にとって基地問題は重要な問題の一つであります。名護市長は普天間飛行場代替施設の受け入れを決断され、今回、同施設の建設位置、規模についての考え方を明確にして当選されました。岸本市長の再選は、これまで4年間の実績や「小さな世界都市名護」をつくろうという施策が多くの市民に理解、支持された結果だと理解をしております。
 次に、基地問題について、15年問題の解決と基本計画策定作業についてのお答えでございます。
 15年使用期限問題については、さきの第8回代替施設協議会の協議の中で、政府に対し、沖縄の米軍基地問題を国民全体としてどのように分担していくことがひとしく負担することになるのか真剣に考えてもらいたいこと、過重な基地負担をしている沖縄の状況を理解して、基地の提供責任者として、この15年使用期限問題の早期解決に向けて努力してもらいたいことを強く要望したところであります。同問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 次に、代替施設の規模縮小についてのお答えでございます。
 軍民共用飛行場は、現在の中南部一極集中から、北部圏域の定住人口の増加を目指した機能拡充を図り、県土の均衡ある発展を図るための基本インフラとして最も有用な施設であると考えております。
 滑走路長を2000メートルとした同飛行場の民間機能を、雇用機会の確保や産業振興を図るなどの地域経済発展の新たな拠点形成と北部地域の発展につなげていくこととしております。
 代替施設の規模については、安全及び環境に十分配慮した必要最小限の規模とする必要があると考えております。
 次に、田中前外相の発言についてのお答えでございます。
 県は、沖縄が57年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、県民が許容できる範囲として、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つに代替施設の15年使用期限を設けたものです。県としては、同問題について着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないとの考えを明確にしております。
 次に、使用期限問題等の解決時期についてでございます。
 名護市長は当選後の記者会見で、名護市が求めている移設受け入れの7つの条件について、県と共同歩調をとりながら実現に向けて進めていきたいとしております。
 15年使用期限については、県が移設に当たって整備すべき条件としており、名護市も移設受け入れの条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、同問題を早期に解決することについては、県も名護市も基本的に同じ考えであると思っております。
 また、名護市が求めている使用協定についても、基本計画策定時までには同協定に関する基本的な事項を確認するなど、国との協議が進むよう求めたところであります。県としては、15年使用期限や使用協定の問題が着実に進展するよう、今後とも名護市と密接に連携して取り組んでいきたいと考えております。
 次に、条件の履行が図られない場合、移設撤回もあり得るのかということをお答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、15年使用期限問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 次に、地位協定に関する森山法務大臣の発言についてお答えいたします。
 日米地位協定の見直しについて、政府は、日米地位協定については、そのときどきの問題について運用の改善により機敏に対応し、これが十分効果的でない場合には、日米地位協定の改正も視野に入れていく旨の方針を持っており、森山法務大臣の発言はこの政府方針を踏まえてなされたものであると思います。
 県としましては、被疑者の起訴前の拘禁を日本側が行えるようにする地位協定第17条の見直しを含め、県が平成12年8月に要請した11項目の地位協定の抜本的な見直しについて、日米両政府は積極的に取り組んでいただくよう、今後ともあらゆる機会をとらえて粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 復帰30周年記念事業についてお答えいたします。
 復帰30周年記念事業については、新たな世紀を切り開く飛躍のスタートとなるよう22事業を決定しております。
 事業内容としては、記念式典、全国知事会議の開催を初め島嶼観光政策フォーラム、沖縄芸術文化祭、かりゆし県民フェスティバル、全国エイサー道ジュネー・大沖縄展などを実施するとともに、県立高度多機能病院(仮称)の建設に着手することとしております。
○商工労働部長(花城順孝) 本県の雇用状況及び14年度の事業計画についてお答えをいたします。
 本県の平成13年平均の完全失業率は8.4%と全国平均の5.0%に比べて高い水準となっており、また有効求人倍率も0.26倍と全国平均の0.59倍を大幅に下回るなど雇用情勢は引き続き厳しい状況にあります。特に、30歳未満の若年者の失業率は15.7%と全国平均8.0%の約2倍と厳しい状況であります。
 県としては、このような雇用状況への適切な対応を当面の最大の課題と位置づけ、昨年11月に「沖縄県総合雇用対策」を策定し各種の緊急対策を実施しているところであります。平成14年度は、これまでの事業に加えて25億7700万円を計上した「緊急地域雇用創出特別交付金事業」を本格的に実施するほか、民間のノウハウを活用し若年者の就職活動を支援する「就職支援特別セミナー事業」や、大学生等の県外就職を支援する「就職の翼支援事業」を新たに実施する等きめ細かな雇用対策を推進してまいります。
 次に、ワークシェアリングの導入についてお答えをいたします。
 最近注目を集めているいわゆるワークシェアリングは、その目的や実施形態等さまざまであり、労使双方の合意形成はもとより、実施内容によっては国の制度的な条件整備も必要であります。国においては、昨年、「政労使ワークシェアリング検討会議」を設置し、実務者レベルによる検討が進められております。また、県内でも沖縄県経営者協会や連合沖縄がそれぞれ検討を始めていると聞いております。県としても、こうした県内外の動きを踏まえ、本県に適したワークシェアリングのあり方や課題等について重要な検討課題として調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 公務のワークシェア導入についてお答えいたします。
県庁内におけるワークシェアリングの導入については、県内外の民間企業の動向や他都道府県における導入状況等を踏まえながら今後とも調査・研究していきたいと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) 環境問題について、ごみ処理施設の整備状況についてお答えいたします。
 平成14年1月末現在、市町村の廃棄物処理施設の整備状況は、ごみ焼却施設が50市町村で31施設が整備されており、未整備は3町村となっております。
 また、最終処分場は16市町村で10施設が整備されております。まだ最終処分場を整備していない17市町村や、水処理施設等のない不適正な最終処分場を使用している20市町村では最終処分場25施設の整備が必要でございますが、平成19年度までに19施設が整備される計画となっております。
 続いて、ごみ焼却施設のダイオキシン類対策についてお答えいたします。
 現在、県内にある31施設のごみ焼却施設のうち、新基準に適合しないおそれのある8施設の町村や一部事務組合に対し県は施設の改善等について指導してきたところであります。この結果、3施設が建てかえ、4施設が設備の一部改造、1施設が廃止することになっており、平成14年12月までにはダイオキシン類の新基準に対応できることとなっております。
 続いて、新たな沖縄県廃棄物処理計画についてお答えいたします。
 平成12年6月に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が改正され、県は、従来の産業廃棄物処理計画に一般廃棄物を含めた総合的な計画を作成することになっております。現在、平成13年度から平成17年度を計画期間とする「沖縄県廃棄物処理計画」の策定作業を進めております。
 廃自動車問題についてお答えいたします。
 不法に廃自動車を集積している箇所は、平成13年12月末の調査によると104カ所で、そのうち離島は16カ所となっております。
 県においては、沖縄本島及び離島における自動車解体業者等に対し、廃棄物処理業の許可の取得や適正処理について指導を行うとともに、自動車販売協会など関係団体との意見交換を行ってきたところであります。また、平成13年10月に「廃自動車等の無許可及び不適正処理に係る対応方針」を策定し、違反業者には警告書を発するなど監視・指導の徹底に努めているところであります。
 放置自動車対策についてお答えいたします。
 離島市町村においては、放置自動車の発生を防止するための市町村条例等を制定し、今年度中には現在放置されている廃自動車約1万台を撤去することになっております。
 沖縄本島においては、平成14年度に離島と同様に条例を制定し、放置自動車約7600台を一斉に撤去することにしております。
 次に、「プラズマ拡張溶融システム」の導入についてお答えいたします。
 新技術の廃棄物処理施設の導入に当たっては、設置者みずからの判断で機種を選定し、廃棄物処理施設の性能に関する信頼性等について十分確認することとなっております。「プラズマ拡張溶融システム」はこれまで国内で導入された事例が少なく、県としては事業者から廃棄物処理施設の許可申請があった場合、国の技術的指導を得ながら、廃棄物処理法に基づく構造基準や維持管理基準に照らして適正に審査することとしております。
 以上であります。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 環境問題について、北谷町の廃車火災があった県管理の土地についての御質問にお答えいたします。
 北谷町宮城の同土地につきましては、昭和41年に琉球政府から、約60ヘクタールの埋立免許を取得した出願人が免許区域外に約2.5ヘクタールを不法に埋め立てたため無願埋立地となったものであります。同埋立地につきましては、旧建設省所管の行政財産として県が管理しているため、用途廃止して国に引き継ぐこととして出願人と調整していましたが、昭和60年及び平成4年の2度にわたって出願人から提訴され同土地の所有権等が争われ、平成10年4月の最高裁判決により国有地であることが確定しました。その間、同土地は廃棄自動車の解体所や資材置き場等として複数人に占拠されているのが現状であります。
 県としましては、同土地が国有地であることが確定したことに伴い、占拠者に対し文書による撤去勧告や個別面談等による撤去指導を行ってきましたが、訴訟等による所有権の確定までに長期を要したことから、無願埋立者と占拠者間の複雑な権利関係もあり問題解決が難航している状況であります。同土地につきましては、今後とも国及び地元北谷町と連携を密にしながら、早期の問題解決に向け一層の努力をしていきたいと考えております。
 次に、県営住宅の家賃の長期滞納問題について、平成13年度までの法的措置件数と平成13年度の訴訟費用等及び家賃徴収の民間委託についての御質問に一括してお答えいたします。
 昭和62年度から平成12年度までに県営住宅の明け渡し訴訟に係る法的措置を講じた件数は368件を処理し、その金額は9108万5000円となっております。平成13年度は訴訟件数120件で、建物明け渡し訴訟弁護士費用として2394万円、強制執行申立弁護士費用として567万円、強制執行裁判所予納金として450万円、合計3411万円となっております。
 県営住宅の管理に関しては、県営住宅の設置及び管理に関する条例第61条で沖縄県住宅供給公社または市町村に委託することができると規定しております。家賃徴収業務を民間に委託した場合、入居者の個人情報の保護についての課題等もあることから、他の都道府県の動向も勘案しながら対応していきたいと考えております。
 連帯保証人については、現在のところ連帯保証人に対する法的措置は行っておりませんが、今後は法的措置を含めまして連帯保証人制度の積極的活用について検討していきたいと考えております。
 同じく県営住宅関連で、両公社の民営化についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県住宅供給公社の民営化については、国における地方住宅供給公社検討委員会や他県の動向を踏まえながら、住宅供給公社の今後のあり方を検討する中で民営化についても検討していきたいと考えております。
 また、沖縄県土地開発公社については、現在、豊見城村地先開発事業、国、県からの委託による公有地取得事業等、本来地方公共団体がなすべき業務を公社がかわって行うなど公益性が極めて高く、また設立の趣旨、業務内容等から民営化は困難であると考えております。
 しかしながら、両公社の経営は今後とも厳しい状況が予想されることから、当面、平成10年の事務局統合を効果あらしめるために両公社の類似業務、組織の統廃合等を積極的に進め、効率的な公社経営の確立を目指してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 答弁に先立ちましておわびを申し上げます。
 今回の不発弾処理の不適切な対応によりまして、多くの県民の皆様に多大な御迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます。今後、二度とこのようなことが起きないよう関係職員に対しまして不発弾処理のマニュアルを周知徹底してまいりたいと考えております。重ねておわび申し上げます。
 それでは御質問にお答えいたします。
 農林水産業の振興につきまして、タイワンハンノキの商品化についてお答えいたします。
 タイワンハンノキを活用した商品化については、現在県内において抗菌剤、消臭剤、化粧品及びクルマエビの包装用オガ粉等が開発されております。その中で、クルマエビ包装用のオガ粉の生産施設については、平成14年度に林業構造改革事業により整備をする計画であります。
また、木材の加工、乾燥技術の向上に伴い、軽量で成長が早いという特性を生かして学童机や家具・小木工等についても利活用が期待されているところであります。今後とも素材特性を生かしたタイワンハンノキの利活用について推進していく考えであります。
 次に、特許製造工場の建設助成についてお答えします。
 タイワンハンノキを活用した特許製造施設の助成については、商品化の可能性、市場性の確保などを総合的に調査をし、関係者とも調整の上、補助事業の導入について検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、タイワンハンノキなど熱帯性早生樹種の造林について一括してお答えいたします。
 熱帯性早生樹種のタイワンハンノキは、板材や薪炭材として昭和50年代までに約130ヘクタールが造林され、その後、自然繁殖により面積が拡大し、現在約250ヘクタールの面積となっております。
 また、近年、新たな早生樹種としてモルッカネムとウラジロエノキが有望であることから、県では平成14年度より造林事業を実施することにしております。これらの早生樹種は、従来の造林樹種と比べ成長が早く10年程度で利活用ができ、また軽量で加工が容易であることから今後積極的に造林を推進していきたいと考えております。
 次に、北部振興策との関連でございますが、タイワンハンノキを活用した事業を北部振興策として実施するためには北部振興事業基本構想に位置づける必要があります。県としては、関係市町村等の意見を踏まえまして事業実現に向けて調整を図っていく考えであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 「健康福祉立県構想」と沖縄振興新法の関連についての2つの御質問に一括してお答えいたします。
 沖縄振興特別措置法案において、沖縄振興計画の内容として「福祉の増進及び医療の確保に関する事項」を定める旨の規定があるほか、「無医地区における医療の確保」、「離島の地域における高齢者の福祉の増進」についての規定及び施設整備に対する「国の負担割合の特例等」の規定が沖縄振興開発特別措置法に引き続き位置づけられております。県医師会から要請のあった健康福祉立県については、今後策定を予定している計画の県案にその趣旨を生かしてまいります。
 また、既存の補助事業・施策等を活用し、健康づくりや保健医療体制の整備を推進することにより健康福祉社会の実現に努めてまいります。このことが県医師会の提唱する健康福祉立県につながるものと考えております。
 名護市夜間急病診療所等の救急体制についての御質問にお答えします。
本県の救急医療体制は、各保健医療圏において外来治療を行う初期救急医療機関と入院治療を行う県立病院等の二次救急医療機関で構成されております。
 名護市夜間急病診療所については、平成12年度の患者数が7750人となっており、北部保健医療圏における初期救急医療機関として貢献度が高く、また住民に身近な医療の確保を図る自治体の責務として重要な役割を担っているところであります。本県においては、平成14年度に名護市が行う医療機器整備等に対して国庫補助制度を活用した支援を行うこととしており、今後とも国、県、市町村の役割分担を行いながら、各関係機関の連携による救急医療の確保・充実に努めていきたいと考えております。
 周産期医療、小児医療に関する県の対策についてお答えいたします。
 周産期医療については、平成11年12月に示されました「総合周産期母子医療センター整備に係る基本方針」の中で県内2カ所の整備目標が示され、現在、中北部地区の拠点として中部病院で整備を進めております。今後は県立高度多機能病院(仮称)に宮古、八重山、南部地区の拠点を整備するとともに、全県を対象にした高度な小児専門医療機能をもあわせ持つこととしております。
 また、小児医療につきましては全国的にも問題となっており、医療制度改革や「健やか親子21」の計画策定の中でも論議されておりますが、本県においても全国衛生部長会を通し、国に対して小児救急の診療報酬の引き上げなど、小児科医の待遇改善等について必要な財政措置を図るよう要請しているところであります。
○病院管理局長(新田宗一) 県立伊是名・伊平屋診療所をICカードを利用した実証実験へ参加させることについてお答えいたします。
北部地区医師会立病院を中核として進められているICカードを利用した医療情報ネットワーク実証実験につきましては、県としてもその成果に注目しております。
 一方、沖縄県においては、同様に経済産業省の補助による「病診連携支援型広域電子カルテ事業」を県立中部病院を中心に地域の医療機関や県立診療所も参加して進めており、病院、診療所等の連携による医療情報ネットワーク構築の実証実験を現在行っております。このことから、北部地区医師会が進めている事業への県立診療所の参加については、県の事業との整合を図る必要があること、また同事業が北部地区医師会会員の病院、診療所を対象にしたものであること等検討課題があり、今後関係機関と十分に調整をしてまいりたいと考えております。
○教育次長(宮城嗣三) 教育次長の宮城でございます。
 津嘉山教育長が所用のため本日と明日まで本会議に出席できません。そういうことでございまして、その間、私が答弁させていただくことになりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは新学習指導要領の実施に伴う取り組みについてお答えします。
 新学習指導要領の基本的なねらいは、完全学校週5日制のもと、教育内容を厳選し、基礎的・基本的な事項の定着を図ることと、ゆとりの中で「生きる力」を育成することにあります。しかし、そのことが学力低下につながるのではないかとの懸念から、一部私立学校においては従前どおり隔週土曜日に授業を行う予定になっております。
 県教育委員会としましては、学力を知識の量のみではなく、ゆとりの中で体験的・問題解決的な学習を通して得られる思考力、判断力等を含めた総合的な力、すなわち「生きる力」としてとらえております。したがって、学校週5日制の趣旨を踏まえ、土曜日は体験活動や親子の触れ合いなどさまざまな活動をすることが望ましいと考えております。
 なお、完全学校週5日制の実施に伴う年間授業時数の確保等につきましては、学習指導要領を踏まえ、各学校の実情や生徒の実態に応じて十分な学習活動が展開できるよう取り組んでいるところでございます。
 次に、30人学級の早期実現についてお答えします。
学級編制及び教職員定数については、「第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画」において学級編制の標準は40人を維持しつつ、基礎学力の向上を図り、きめ細かな学習指導を実現するため教員1人当たり児童生徒数を欧米並みの水準とすることとしております。
 また、公立小中学校において国語、算数等の基本教科で20人程度の少人数授業が可能となるよう学校の具体的な取り組みを支援しているところであります。県教育委員会としましては、同計画の趣旨を踏まえて少人数授業を年次的に拡充してまいりたいと考えております。
 学級編制につきましては、今年度小学校1年生の1学級の人数が40人に近い4校に学級編制の弾力化を試行的に実施しました。平成14年度は、それらの学校の成果を踏まえまして学級編制基準を改正しまして、小学校1年生に限って特に必要があると認められる場合について県単独の予算と法定数の範囲内で学級編制の弾力化を実施していきたいと考えております。
 子供読書活動推進計画の策定についてお答えします。
 「子どもの読書活動の推進に関する法律」が、平成13年12月12日から施行されております。この法律は、子供の読書活動の推進に関し基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、子供の読書活動の推進に関することなどを総合的かつ計画的に推進し、子供の健やかな成長に資することを目的としております。
 子供の読書活動は、子供が言葉を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであります。
 県教育委員会としましては、今後、国が策定する「子ども読書活動推進基本計画」を受けまして、県の「子ども読書活動推進計画」を策定することにしております。また、子供の読書活動の推進に関する施策が円滑に実施できるよう学校、図書館、その他の関係機関及び民間団体と連携し、子供の読書活動の環境整備に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、特殊学級の設置(新設)についてお答えします。
特殊学級の設置(新設)につきましては、特殊学級設置要綱等に基づき障害児童生徒数、就学前障害児童数、地域の特殊学級の設置状況及び小学校、中学校における特殊教育の継続性等を考慮して設置しております。県教育委員会としましては、市町村教育委員会の特殊学級設置計画を十分に検討し、積極的に個々の児童生徒の障害に応じた教育を進めていきたいと考えております。
 次に、生徒による教師への威嚇等に対する対応についてお答えします。
 学校は、児童生徒と教師の信頼関係のもと、児童生徒がみずからの夢と希望の実現を目指して心身ともに安定して学び合うところと考えております。
本件につきまして、学校は当該生徒に対しましてこれまで家庭訪問や個別指導、全職員による声かけを行うとともに、保護司や青少年センターとの連携による指導などに努めてきたところであります。しかしながら、このような事件が起きましたことについてはまことに残念であります。県教育委員会としましては、このような事件の再発防止を図るため自他を思いやる心の教育や人権教育の徹底を推進するとともに、学校教育補助者や巡回教育相談員の配置、スクールカウンセラーの配置拡充など、児童生徒一人一人の状況に応じたきめ細かな指導・支援体制の確立に引き続き努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) まず、冒頭、県警に対しまして温かいエールをいただきましてありがとうございます。
 それではお答えいたします。
 少年が包丁で教師を脅迫した事件の概要についてであります。
 事件は、平成14年の1月28日午前9時半ごろ、浦添市内の中学校から、生徒が包丁を所持しているようだという通報を受けまして、現場に駆けつけました警察官が包丁を所持して校門から出てくる少年を発見し、銃刀法違反の現行犯として逮捕をした事案でございます。少年は、その後の調べで、先生を脅すために持っていたと、別に傷つけるつもりはなかったと供述をしているところであります。
 次に、昨年の刑法犯認知件数と過去最悪となった要因と対策についてお答えします。
 県内の平成13年の刑法犯罪は、認知件数が2万3426件、前年比で1935件の増、9.0%の増加と過去最悪の数値となっております。とりわけ器物損壊事件、傷害事件、窃盗事件等のいわゆる県民に身近な犯罪が増加をしております。
 刑法犯認知件数増加の要因といたしましては、社会全体の規範意識が低下したこと、地域社会の連帯感の希薄化により犯罪抑止機能が低下したこと、また、これまで警察に解決を求めなかった比較的小さな事案についても警察に持ち込む傾向が強くなったことなどがあろうかと思われます。
 このような情勢を踏まえ、県警としては初動捜査体制及び科学捜査力の強化、地域及び関係機関との連携強化による犯罪実態の早期把握、警察官個々の捜査能力の向上などに努めるとともに、制服警察官を可能な限り街頭に出すことにより犯罪の発生を抑止していくことにしております。
 さらに、警察官の増員についても努力しているところで、平成14年度については警察官50人の増員が警察庁から示されております。
 次に、刑法犯少年の増加についてお答えします。
 平成13年中の刑法犯少年の数が過去10年間で最も多くなったのは、その要因として、1つは、少年の非行防止及び健全育成を目的とした沖縄県少年育成ネットワークが平成12年11月に設立され、関係機関・団体が緊密に連絡をとり合うようになったことから、これまで警察に届けられていなかった事件情報や相談事案が寄せられるようになり、これを端緒として事件化が図られるようになったこと、また、これまで現場指導でとどめることの多かった万引き事犯について、再犯性が高いことから厳しく対処するようになったことなどが原因であります。
 次に、沖縄県における平成13年の刑法犯認知件数の伸び率と全国との比較についてであります。
 平成3年の刑法犯の認知件数を100とした場合、平成13年は全国が160.2、九州は153.7、沖縄は176.3と全国よりも16.1ポイント、九州よりも22.6ポイント高く、過去最高の認知件数となっております。
 沖縄県の伸び率が全国または九州より増加している原因といたしましては、人口増加率が全国有数であること、入域客が大きく増加をしていること、また窃盗、傷害、器物損壊事件等身近な犯罪が大幅に増加したことなどがあろうかと思われます。
 最後に、交通信号機の設置についてであります。
 平成13年度第2次補正予算の決定を受けて交通信号機50基の新設を計画しており、現在、各警察署と連携をいたしまして設置予定箇所の最終的な調査検討を行っているところであります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時35分休憩
   午後1時10分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前に引き続き代表質問を行います。
 小渡 亨君。
   〔小渡 亨君登壇〕
○小渡  亨 こんにちは。
 傍聴席には多数の沖縄市民が詰めかけております。大変ありがとうございます。
 それでは緊張感を持ちながら楽しく代表質問を行います。
 会議規則にのっとり、自由民主党会派を代表して知事に質問します。
 自由民主党という政党は、名前のとおり自由と民主主義を希望する者であればだれでも自由に入会し、また退会するのも自由であります。共産党や一部の政党のように絶対に守らなければならないもの、あるいは統一された価値観はありません。よって、会派所属議員の物事に対する考え方も千差万別であります。このことから政党・会派としての意見は、皆の意見が一部分は入った最大公約数的なものにしかなりません。決して統一された意見にまとまることはありません。
 よって、私の以下の質問は、自民党の最大公約数的な意見を踏まえつつ、あくまで個人の意見であるということをまず申し述べておきます。
 なお、質問者は、質問に関しては推敲を重ねながら質問項目を決めていますので、答弁に当たっては一括した、まとめた答弁はやめてもらいたい。
 1番目、沖縄振興特別措置法案について。
 ほんの4年前までは大田県政下で、2015年までに沖縄の米軍基地を全部なくすという「基地返還アクションプログラム」があり、その返還跡地を有効利用するということでつじつま合わせの「国際都市形成構想」がありました。県議会においても絵にかいたもちであるこの「国際都市形成構想」について意味もなく討議を重ねたものであります。
 しかし、稲嶺知事が誕生しまして、知事は、魚より釣りざおが欲しいと政府に要求し続け、その結果、4年ほどかかって政府は沖縄の特殊事情にかんがみ沖縄振興特別措置法案ができました。この沖縄の特殊事情、つまり在沖米軍の存在であります。「災いを転じて福となす」の例えのように、全国では沖縄だけに適用される超優遇政策ができたわけであります。
 大田県政下の絵にかいたもちは、絵自体はよく見えていました。しかし、今回のこの沖振特措法は法的な裏づけ、予算等もついてきてはおりますが、おいしそうなもちはまだ見えません。30年間ひたすら追い続けてきた本土との格差是正を目標とすることはやめ、一気にこの10年間で本格的な沖縄県の自立を図る振興新法であります。沖縄県だけに適用されるこの制度は、県や経済界のみならず、県民一人一人が参画と責任の主体性を持つことを求めており、他人任せでは何も生じないというふうに言われております。
 そこで、私もこの制度自体よくわかりません。具体的に今までの1次から3次までの沖振特措法との違いがどこにあるのか説明してください。そして県民がそれに対しどのようにかかわり、また努力することができるのか、県民の目線で例を示しての説明を求めます。
 特に沖縄県は中小企業がほとんどであります。その中小企業の振興については詳しく説明を求めます。
 さらに、この制度によるいわゆる特区構想、これは基地所在市町村、特に沖縄本島北部地区に集中しているようであります。県全域で均衡ある発展を図ることからすると、基地のない市町村については何かそれに見合うような施策は盛り込まれているのか、あわせて説明を求めます。
 県は、「沖縄経済振興21世紀プラン」等を策定し、沖縄の振興法を国に要求したはずであります。10年後の沖縄のあるべき姿を描きながら、10年間でそれに至るための法整備等を国に要求したはずであります。県民にわかりやすい説明を求めます。
 2番目に、第1回沖縄国際長寿会議について。
 第1回沖縄国際長寿会議が昨年の11月に万国津梁館で開催されております。会議の中で、「沖縄が世界の長寿先進国である」と宣言し、世界一の長寿地域沖縄をアピールしております。
 1回限りの人生で万人共通の願いとは健康・長寿であります。戦後、日本が世界に誇れるものは科学技術、自動車や電化製品、あるいは在外資産が世界一であるというような物質的なものはよく目につきます。しかし、本当に誇れるのは世界一の長寿国になり得たということだと私は思います。そしてその日本の中でも沖縄が一番であります。
 向こう10年間で沖縄の自立を決める沖縄振興特措法案の中に4つの柱があります。その1つに観光振興計画があり、エコツーリズムの推進が目玉としてあります。しかし、ここで言われている沖縄観光の魅力とは青い海、青い空、豊かな自然であります。この青い海、青い空、豊かな自然は何も沖縄だけではありません。グアム、サイパン、ハワイ、オーストラリア、東南アジアも同じものを持っております。そして沖縄が世界一だという国際的な評価はありません。
 それともう一つのポイントと言われている平和学習、この平和学習についても私は世界の常識と現実にはとても耐えられないというふうに思います。世界を相手に自立を図るのであるならば、私は万人共通の願いである健康・長寿、世界一の長寿地域沖縄を出すべきであります。
 「病は気から」ということわざがあります。沖縄に1月滞在すれば1年は長生きできる。1年滞在すれば10年は長生きできるというぐらい、強気でアピールできるぐらいその裏づけをしっかり調査・研究し、そして県民みずからも実践していけるようなシステムづくりが大事だと思います。幸い、沖縄県医師会も沖縄県の自立のために「健康福祉立県構想」を打ち出しております。
 そこで、第1回国際長寿会議を沖縄で開催した意義を県はどのように考えているのか説明を求めます。
 また、向こう10年間で沖縄の自立に向けた施策、沖縄振興計画に長寿世界一ということをどう反映させるのか、そしてどう行動計画を作成する予定なのか説明してください。
 さらに、沖縄県医師会が提唱している「健康福祉立県構想」、これの具体的な内容と振興新法との関連性を説明してください。
 先ほど安里県議の質問にもあったんですが、簡単に流しました。詳しくお願いします。
 3番目、在沖米軍基地について。
 日米安全保障条約を完全に容認しているという点では知事と私は全く同意見であります。しかし、在沖米軍基地の存在についての認識には若干の隔たりがあるようであります。
 昨年、内閣府が行った「沖縄県民の意識に関する世論調査」では、米軍基地容認の意見が基地否定の意見を上回っております。基地をあこがれの職場として年間300人前後の採用枠に対して1万人近い県民が殺到し、履歴書をコザ労管あるいは那覇労管に提出しております。絶対的に雇用の場の少ない本県において約8400人の雇用を確保し、年間300人近く採用している米軍基地は、経済的に見ても県内最大級の産業と見ることもできます。ここでは知事の言う基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情はみじんもありません。必死でわずかな可能性に向けて就職活動を続けております。
 また、基地を抱えている私の住んでいる沖縄市を初め、中北部の自治体で基地関連の税収がなければ自治体の運営そのものが成り立たないというのも現実であります。
 米兵による特に県民が被害者となる犯罪行為、これは絶対に許せません。法に従って厳格に処罰すべきであります。しかし、これに関連して知事は米兵の夜間外出禁止を求めておりますが、私はこれに対しては反対です。極めて一部の犯罪者に対し善良な大多数に規制を加えるというのはいかがなものかと思います。
 また、基地の外、つまり我々県民とともに県民の住宅地においてアパートや戸建て住宅を借りて基地に通勤している米軍人もかなりおります。その実数を市町村別にまず説明してください。
 夜間外出ができなくなれば24時間体制の勤務に支障を来し、ひいては日米安保の抑止力の維持にも影響を与えかねません。
 また、今回、北谷町でのドラム缶投棄事件については重大な環境汚染問題だと思います。一日も早い原因究明、そして責任の所在、事後対策を求めたいと思います。そこで、現在までにわかっていることを説明してください。
 普天間代替基地に使用期限を設定することについて、私は軍事的常識からして反対であります。東西冷戦がソ連の内部からの崩壊で終了し、緊張緩和に向かうと思われていた世界が、ソ連というたがが外れたために地域紛争、そして宗教対立、独立運動等が続発し、かつての冷戦時より不安定にさえなってきております。そして昨年、新たな国際テロリストによるテロ戦争も起こっているこの現実社会において、軍事基地に使用期限を設定することはいかがなものかと思います。
 知事は、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、県民が許容し得る限度として設けたものと説明しております。県民が許容し得る限度を何らかの手段で調査・分析し、明快に15年という期限を設定しているわけであります。ここでは15年問題は取り上げません。
 ただ、この15年問題の前提条件となっている基地の整理縮小を求める県民感情、これについて、知事は県民が求めている基地の整理縮小の容認し得る範囲は具体的にどの程度だと考えておりますか。これらの返還跡地は振興新法とも密接に関係してきます。答弁を求めます。期限を確定できるのであるならばその範囲も確定できるはずです。
 私は、在沖米軍関係をマグマの上にいるなどと対立構造でとらえるのではなく、もっとしたたかな精神で基地を資源として利用、活用するべきだと思います。振興新法で目指しているアジア・太平洋地域の発展に寄与するためにも、日常的に5万人も隣に住んでいる米国人と県民が身構えずに、肩を張らずに接することが重要だと思います。そうすることにより米国人よりさらに価値観の異なるその他の外国人ともつき合うことができます。国際性豊かなしたたかな県民性が育っていくものと確信しております。
 次4番に、沖縄の伝統文化空手について。
 沖縄の空手は14世紀に中国より伝わってきて以来、琉球王朝にあって独自の発展を遂げ、琉球独特の拳法としての形態を整えてきたものと思われます。沖縄を発祥の地とした空手は、19世紀の廃藩置県とともに日本本土に伝わり、第2次世界大戦後は世界各地へ急速に広がっております。そして現在、愛好者の数は世界各地に130カ国5000万人もいると言われております。数の上では柔道、剣道をはるかに超えております。
 我が国で武道を正課にしている大学は国際武道大学、そして国士舘大学武道科等がありますが、そのどちらの大学とも剣道や柔道が正課であります。空手は余技と言われております。しかし、今この2つの大学において空手を空手道として正課にしようという運動が始まっていると聞いております。沖縄で生まれ、世界に誇れる伝統文化としては琉球古典音楽、そして琉球舞踊、紅型、陶芸等がありますが、沖縄で生まれ、世界各地にまで広まり、人種、国籍を問わず愛好者がいるのは唯一空手のみであります。空手以外の伝統文化は県立芸大等で学ぶことができますが、空手の発祥の地と言われながら、体育格技としても武道文化としても研究がなされてなく、まことに残念な状況であります。このままでは空手道を学ぶために本土の大学へ進学することにもなりかねません。
 今、本土の大学で空手を正課にしようという動きを見るならば、本県がやらなければならないことはわかるはずです。
 本県には県独自の県立芸術大学がございます。この大学に武道文化としての空手道科もしくは武道科を新設し、空手の体育格技、武道文化としての学問を研究し確立することはできないものか、沖縄伝統空手道の元会長である稲嶺知事にお尋ねします。
 さらに、県外あるいは国外から本場沖縄空手を学びたいということで多数の愛好者が我が県を訪れております。しかし、現実は経済的な理由により片手間にしかできない狭い個人経営の道場で寝起きをして、結果的には本場沖縄空手にがっかりして帰っていく空手愛好家も少なくないと聞いております。
 そこで、世界各地に5000万人余も愛好者がいると言われている空手を沖縄自立のための一つの資源としてとらえ、振興新法で活用策を見つけることはできないものか、知事にお尋ねします。
 次に、県内の小・中・高校の体育の選択科目の中に空手を取り入れ、沖縄が世界に誇れる伝統文化空手を青少年の健全育成、そして文化の継承に、そして人材育成に取り組むべきだと思いますが、現在は十分に教えられてないと聞いております。その理由を説明してください。
 5番目、新石垣空港建設について。
 知事は、この4年間の大きな成果の一つに20数年間もかかってきた新石垣空港建設の問題解決を挙げております。確かに前県政のきょうの少数はあすの多数と言ってはばからず、独断専行で決めた宮良牧中案とは違い、地元八重山郡民を中心とした適地選考委員会を設置し、カラ岳陸上地区に民主的手法により位置を決定しました。大変すばらしい行政成果だと私は思います。我々議会においても知事の政策を支援し、八重山郡民のために新石垣空港建設促進特別委員会を設置し、不肖私が委員長を務めさせていただいております。
 ところが、順調に進むと思われていたこの建設事業に、米軍基地における一坪反戦地主のごとくトラスト運動を展開する空港建設反対派が発生してきました。このことは世界日報社の新聞記事にも詳しく記載されております。現在は2筆471坪に24名が共有名義としておりますが、人体をむしばむがん細胞のごとく増殖していくことは間違いありません。
 一方、国土交通省は、建設が行き詰まり一部しか供用開始ができていない成田国際空港でもわかるように、空港建設に当たっては100%地権者の同意という民主主義の原則である多数決を無視したような全体主義的な手法で空港建設を進めております。この方針が堅持されるのであれば、当該土地は滑走路と誘導路の間にありますから新石垣空港の建設は不可能となります。この件に関して国の方針に何らかの変化があるのか、説明してください。
 さらに、トラスト運動を展開している人たちの人格を調べてみますと、空港建設を妨害し建設そのものを中止に追い込むことが最終目標であります。彼らの土地を話し合いにより、説得により使用することは不可能だと私は思います。土地収用法に基づくいわゆる強制収用しか使用できる方策はないと考えますが、知事の見解を示してください。
 20数年にも及ぶ八重山郡民の空港建設にかける期待と苦悩を考えるとき、あいまいな態度でこのトラスト運動を見過ごし、数年先になる用地取得時まで問題を先送りすることは許されないと私は思います。知事の断固たる方針を期待しております。
 6番目、公共マリーナについて。
 昨年の平成13年6月のこの県議会において、「沖縄県港湾管理条例」が改正されました。そこで、宜野湾港マリーナの使用料が20から26%値上げされました。当初、議会に提出された当局の改定案では県内あるいは県外、そして民間・公共マリーナの使用料金等を勘案して40%の改定案が望ましいということで提出されておりました。しかし、議会が急激な値上げは利用者にとって好ましくないという判断をして20から26%に抑え修正して改正したわけであります。ところが、一部の利用者が不当な値上げを認めないとして県条例で定められた使用料金を納めておりません。
 宜野湾マリーナは、沖縄県のマリンスポーツの振興を図る目的で県が設置した公共マリーナであります。そして現在、さらに3倍程度にまで拡張する工事も行っております。現在でも公共マリーナの使用料は県内民間マリーナの使用料の半分程度しかなく、利用客を奪われた民間マリーナでしにせと言われていた佐敷マリーナが昨年、経営が行き詰まり保管業務から撤退しております。沖縄市にある沖縄マリーナにおいてもかつての半分以下にまで利用客が激減し、経営は大変厳しいそうであります。
 このような状況の中で、今回の料金改定を不当な値上げとして使用料を納めない利用者がいるとはとんでもないことであります。県は、使用許可を取り消し船艇等を撤去させる等厳正な対応をとるべきであります。県の見解を示してください。
 次に、県は今後、公共マリーナを与那原のマリン・タウン・プロジェクト地区内、そして中城湾港泡瀬地区にも計画しております。マリンスポーツの振興を図るという意味では大変結構なことで必要な施策だと私は思います。しかし、使用料金で競合する民間マリーナは確実に倒産に追い込まれます。民間企業育成も県にとっては大事な責務であります。倒産させてはいけません。
 そこで、公設民営、PFI法というのができております。これを活用した民間あるいは公営の共存策を今後模索する必要があると思いますが、知事の見解を求めます。
 次に7番目、行政サービスを提供する公共施設について。
 沖縄県の失業率は全国平均の2倍近くあり、失業者が職を求めて集まってくるのは公共職業安定所・ハローワークであります。沖縄市の住吉1丁目に沖縄労働総合庁舎があり、1階・2階がハローワークで3階は沖縄労働基準監督署になっております。
 この不況下、毎日毎日たくさんの県民がこの地を訪れております。しかし、猫の額ほどしかない駐車場に車をとめることは不可能であります。この周辺は終戦後、自然発生的に住宅地が形成されていったため、当然歩道などはありません。一方通行道路しかありません。このため、地域住民もこの公共施設があるがために大変迷惑をしているということも聞いております。労働行政は確かに国の行政でありますが、不便を余儀なくされているのは沖縄県民であります。この状況を知事はどう把握され理解しておりますか、答弁を求めます。
 また、中部地区は県の出先機関がばらばらに位置しており、一日も早く中部合同庁舎の建設が望まれております。用地は既に美里地区内に確保されておりますが、庁舎建設の予定はどうなっておりますか。南部合同庁舎あるいは北部合同庁舎、宮古・八重山合同庁舎ができた今、ないのは中部合同庁舎だけであります。県民ひとしく行政サービスを受けるためには、県立美術館あるいは博物館より私は優先度は高いと思っております。中部合同庁舎の優先度と建設計画を説明してください。
 8番目、中城湾港泡瀬地区事業について。
 沖縄市において再度この事業の是非を問うということで市民投票条例案が市議会に提出されました。しかし、圧倒的な数で否決されております。
 県内マスコミは、この問題が来る4月21日の沖縄市長選挙の争点にもなるというふうに論じておりました。この事業に賛成し推進する立場の現職の仲宗根正和市長が再出馬の表明をし準備を始めたにもかかわらず、事業に反対する側からの立候補の動きはまだありません。
 この問題で続けて2回も市民投票条例を画策し、国会においては沖縄市民の7割が反対していると発言し、各種シンポジウムを開催し絶対にこの事業は沖縄市民のためにならないと主張し続けている「泡瀬の干潟で遊ぶ会」、共産党員、一部社民党系市議、そして6名の県議会議員、東門代議士、その他県内マスコミの記者等はだれでも自由に立候補できる市長選に予定候補者を立てておりません。これは敵前逃亡であります。市民に事業の是非を賛成者の多い沖縄市議会に頼らずに直接問える最大のチャンスをみずから放棄しているものであります。全く無責任な態度と私は思います。あれだけ県内マスコミとともに沖縄市民を騒がせた責任をどう考えているのか、単なる自己主張であるのか、あるいは反対のための反対なのか、私には理解できません。本当に沖縄市民の7割が反対しているのであれば、楽に市長に通るはずです。
 さらに、沖縄タイムス社の世論調査では、事業に反対している市民は過半数の57%というふうに論じております。そして賛成者はわずかに24%という数字であります。立候補すれば確実に通ります。
 ところで知事、この事業、中城湾港泡瀬地区事業は、かねてから国や県が工事を推進してきた沖縄市海邦町、そして具志川市州崎の中城湾港新港地区でのしゅんせつ土砂の処分に困り土砂処分場として出てきたものであります。以前から沖縄市が考えていた東部海浜地区をしゅんせつ土砂処分場として活用する一石二鳥、あるいは一石三鳥と言われているすばらしい計画であります。そして、埋立許可を出して受けたのも国と県であります。さらに、現在30億円余の工事を発注しているのも同じく国と県であります。決して沖縄市の単独事業ではありません。沖縄市がかかわってくるのは埋立事業が完了した7年から10年後であります。国は、埋立許可を出し工事を発注しておきながら、わずか数カ月後には工事を途中で中止をしております。
 沖縄市選出社民党の東門代議士が衆議院において、沖縄市民の7割がこの事業に反対しているという発言が中止の原因とも聞いております。そこで、この市民の7割が反対している、この7割という数字は一体どういう性格の数字なのか、説明を求めます。
 また、中止しているこの事業を早期に再開させるため、沖縄市民は「美ら島を創る市民の会」という市民団体を結成し、昨年11月には泡瀬公民館において1500名余の市民が集まり事業早期再開決起集会を持ちました。事業の当事者であり工事発注者の知事にも出席を要請しましたが、出席しておりません。事業主の県からはだれ一人として出席しておりません。当事者意識に欠けているのではないかと私は思います。知事の見解を説明してください。
 この事業が20億円近くの漁業補償費を支払いながら仮に完全中止となった場合、事業主の県が受ける損失を中城湾港新港地区の整備、特に知事が強く推進しているFTZの関係から説明してください。さらに、工事の再開時期はどうなっておりますか、説明を求めます。
 9番目、知事選について。
 名護市長選挙は岸本建男市長が圧勝再選され、続く沖縄市、具志川市の両市長選挙の態勢も大変有利に展開しております。一つ一つ知事選への機運が高まりつつあります。問題山積のこの沖縄問題に取り組み解決の糸口へと導けるのは、私は稲嶺知事が最適任だと思います。しかし、知事はいまだに出るとも出ないともみずからの意思を発言されておりません。
 数年前の沖縄市長選挙で、これは保守系の候補者でありましたが、出馬すれば確実に当選という方がおりました。しかし、何らかの理由で立候補表明がおくれて投票日の2カ月を切ってしまいました。結果的には準備不足、不完全燃焼で新川秀清市長に惜敗しました。
 何が言いたいのかといいますと、選挙戦を勝ち抜くためには現職、挑戦者を問わず十分な時間をかけて有権者に訴え選挙態勢を構築する必要があるわけであります。知事自身が再選を望んでおられるのであれば、対戦相手がまだ見えていない現段階において次回の定例会、あるいはその後の出馬表明でも4年前のあの態勢を再構築するだけですから、私は十分と思います。
 しかし、知事の心の中に激動する沖縄県政のかじ取りはもう疲れた、もう休みたいという気持ちがあるのであれば、速やかに表明すべきであります。私は、今定例会が万が一不出馬の場合のタイムリミットではないかなと思います。最適任である稲嶺知事が出ない場合、次の適任者を選出し必勝態勢をつくっていく時間は余り残されておりません。
 そこで知事、私は知事を支える県民の声を代弁しているだけであります。今席での答弁は要りません。知事、必死で考えてください。よろしくお願いします。
 1回目終わります。
○知事(稲嶺惠一) 小渡亨議員の御質問にお答えいたします。
 沖振法との具体的な違いについてという件についてお答えします。
 沖縄振興特別措置法案の現行沖振法との違いは、情報通信産業特別地区制度や金融業務特別地区制度の創設及び観光、情報、農林、雇用の分野別計画の作成など、産業振興のための特別措置が大幅に拡充されていることであります。
 また、新たに新大学院大学の実現に向けた規定など文化・科学技術の振興及び国際協力等の推進のための規定や駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化のための特別措置が盛り込まれております。
 さらに、沖縄の地域特性の活用や環境の保全など施策における配慮規定や復帰特別措置法及び駐留軍用地返還特措法の延長に係る規定が盛り込まれたほか、条文数が現行の58条から120条に倍増したことも新法の特徴となっております。
 続きまして、新法と県民のかかわりについてお答えいたします。
 沖縄振興特別措置法に盛り込まれた制度を活用し、法律の目的である沖縄の自立的発展と豊かな住民生活の実現を担う主役は、産業界を初めとする県民一人一人であります。このことから、今後の沖縄振興計画の策定やこれに基づく観光、情報等の産業分野別計画の作成に県民各層の意見を十分反映するとともに、エコツーリズムの推進、環境の保全、良好な景観の形成及び国際交流・協力など施策の立案及び実施に地域住民が深くかかわっていくことが重要であります。
 また、産業界においては、観光振興地域、情報通信産業振興地域及び産業高度化地域等における優遇税制や経営革新及び経営基盤の強化に係る課税の特例措置等を活用し、積極的な事業展開を図るなど県経済の発展に主体的な役割を果たすことが重要であります。
 次に、中小企業の振興についてお答えいたします。
 沖縄振興特別措置法においては、中小企業経営革新支援法の特例及び経営基盤強化の支援制度が設けられております。
 今回創設される沖縄特例では、沖縄の地域特性を踏まえた「沖縄経営革新指針」を国が定め、経営革新を行うことが県経済の振興に資すると認められる業種のうち、政令で定めるものが支援対象となります。業種については国と調整中ですが、健康食品、健康飲料、観光土産品、伝統工芸品等の製造業のほか、卸売業を初めとする関連サービス業等が指定されるよう働きかけているところであります。
 これらの業種に属する中小企業者等が行う設備投資に対しては、対象設備や控除率、繰越期間等の拡充が認められております。
 なお、補助金、融資、信用保証の特例等の各優遇措置については、本法と同様の支援措置が認められております。また、経営基盤強化の支援は、経営基盤の強化が県経済の振興に資する業種を政令で指定し、固定資産の特別償却等税制面の支援を行うものであります。
 次に、県の均衡ある発展のための施策についての御質問にお答えいたします。
 新法案には、産業振興の分野においてエコツーリズムの推進など地域の創意工夫を生かした施策展開や県全域を視野に入れた観光、情報、農林水産業等の分野別計画の作成など、本県の均衡ある発展に寄与する措置が盛り込まれております。
 また、沖縄振興計画の中に離島の振興に関する事項及び圏域別の振興を明確に位置づけるほか、沖縄の均衡ある発展のための特別措置が盛り込まれております。この中には、無医地区における医療の確保、離島地域における高齢者の福祉の増進、離島地域の小規模校における教育の充実及び離島の旅館業に係る課税の特例措置があります。
 さらに、交通の確保として住民生活の利便性の向上及び産業振興を図るため、海上、航空及び陸上交通の総合的・安定的な確保及び充実に関する規定が拡充して盛り込まれています。
 次は、基地の整理縮小の許容範囲はどの程度かについてお答えいたします。
 県は、全国の米軍専用施設面積の約75%が本県に集中する不公平な事態を少しでも是正し、可能な限り米軍基地を整理縮小することが必要であると認識しておりますが、一方、本県に所在する米軍基地が我が国の安全及び極東における平和と安全の維持に寄与していることも事実であり、許容し得る範囲をお答えすることは困難であります。県としては、国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境の保全、返還跡地の有効利用、経済振興等総合的な視点に立って現実的に対応し、段階的に基地の整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、空手道科の設置についてお答えいたします。
 沖縄県立芸術大学は、設立の趣旨に沿って現在、美術工芸学部と音楽学部の2つの学部に3つの学科を設置し、美術・工芸、音楽・芸能等の伝統芸術の教育・研究体制の充実・強化に取り組んでいるところであります。
 空手道科の設置につきましては、空手道の振興の重要性に関する貴重な御提言として承っておきます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 国際長寿会議開催の意義についてお答えします。
 去る11月12、13日の両日に万国津梁館で開催された沖縄国際長寿会議は、14カ国、約250名の参加者を得て成功裏に終了いたしました。会議では、内外の著名な研究者による講演やディスカッションが行われ、沖縄の健康・長寿が国内外へ発信されました。
 同会議における沖縄の健康・長寿の情報発信は、沖縄が有する温暖な気候、伝統的食文化や生活環境の豊かさを証明するとともに、観光関連産業や健康食品を中心とする健康関連産業の振興を図る上で極めて意義あるものであると考えております。
 次に、沖縄市にある公共職業安定所の状況についてお答えいたします。
 沖縄公共職業安定所は、平成12年度における月平均の有効求職者数が9921人と多くの求職者が利用しております。しかしながら、幹線道路からのアクセスの不便さによる慢性的な交通渋滞や駐車スペースが十分に確保できないこと等、利用者や近隣住民から改善の要望があると聞いております。
 現在、沖縄労働局において沖縄公共職業安定所の近隣に附属施設を新たに設置し、利用者の分散化とサービス向上を図る具体的な改善策を検討していると聞いており、県としても早期の改善方を申し入れたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 長寿世界一の計画への反映及び「健康福祉立県構想」と振興新法についてのお尋ねについて、一括してお答えいたします。
 県医師会が提唱している「健康福祉立県構想」とは、長寿県である我が県が健康福祉立県を確立し、我が国の健康・長寿社会達成の牽引者的役割を発揮するという内容であり、具体的には新那覇病院の整備、予防医療・健康教育の普及、さらに県外の高齢者が長期滞在できる制度・設備の整備などがその内容となっております。
 沖縄振興特別措置法案には、施設整備に対する国の負担割合の特例等の規定のほか、沖縄振興計画の内容として福祉の増進及び医療の確保に関する事項を定める旨の規定があります。「健康福祉立県構想」については、今後策定される県案にその趣旨を生かしてまいります。
○知事公室長(親川盛一) 在沖米軍基地についての2件の御質問にお答えいたします。
 まず、市町村別の米軍人等基地外居住者数についての御質問でございます。お答えいたします。
 本県には、平成13年9月末現在で軍人2万4587人、軍属1355人、家族2万3337人の合計4万9279人が駐留していると承知しておりますが、軍人・軍属及びその家族が日米地位協定により外国人登録の適用除外となっていることから、市町村別の基地外居住者数を把握することは困難な状況であります。
 次に、北谷町のドラム缶投棄問題の経過についてお答えいたします。
 ドラム缶に入ったタール状物質が発見された問題について、県は去る1月30日、北谷町や那覇防衛施設局、地主等の関係者と現地確認を行うとともに対策会議に参加し意見交換を行いました。
 翌31日には、当該物質投棄の原因者特定に資するため、米軍提供当時の諸資料や情報の提供を那覇防衛施設局に依頼し、あわせて成分分析のためのサンプリングや周辺の土壌、河川・海域、地下水についての環境調査を実施いたしました。
 2月1日には、この問題の対応について国として前向きに取り組むよう那覇防衛施設局に申し入れ、また米軍に対しては、米軍基地として使用されていた当時の諸資料や情報の提供について依頼をいたしました。
 なお、当該タール状物質の入ったドラム缶等の撤去・移動につきましては、対策会議の結果を踏まえ、北谷町が2月5日から作業に着手し、13日までに完了しております。現在、掘り出された145本のドラム缶及び汚染された約490トンの土壌については、沖縄市の廃棄物処理業者の施設内に適正な管理のもと、一時保管されております。
 その後、2月6日に東京で知事が川口外務大臣にお会いした際、国として前向きに取り組んでいただくよう要請を行い、また2月11日に嶋口防衛施設庁長官が来県した際に、状況を一刻も早く改善すべく国が早急に対策をとるよう要請するとともに、今後、同様な問題が起こった場合の対応についてルール化しておく必要がある旨、申し入れました。
 さらに、2月12日に開催された三者協の場においても、国が早急に具体的な対応を講ずるよう、また米軍に対しては情報の提供を要請するとともに、今回のような事案が発生した際、米軍も含めた対応についてルールづくりをする必要があると申し入れたところであります。
 県は、2月15日には、当該タール状物質等に関して、環境基準に定められた項目の分析結果について中間報告を行いましたが、現時点での分析結果からは有害物質は検出されておりません。今後は、分析検査の結果及び原因者特定のための情報収集等の状況の進展を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) 沖縄県立芸術大学の空手道科の設置についてお答えいたします。
 空手は沖縄の誇るべき伝統文化の一つであり、御提言のことは空手道の振興の上から貴重なものと考えております。現在、県立芸術大学には美術学科、デザイン工芸学科及び音楽学科を設置し、教育・研究体制の充実に努めておりますが、なお施設の整備及び学科の充実面において取り組むべき課題があります。
 当面は、建学の精神に基づく学科の充実と施設の整備を図っていくことが重要であると考えております。
○教育次長(宮城嗣三) 空手を沖縄県の振興に活用できないかについてお答えします。
 沖縄を発祥の地とする空手・古武道は、心身を鍛練する武道として世界各国に普及・発展しております。
本県におきましては、平成9年に世界50カ国から1700人余の参加を得て「沖縄空手・古武道世界大会」を開催し、国内外から高い評価をいただきました。
 その成果を受けて県教育委員会は、県内空手界の協力を得まして、沖縄空手・古武道の保存・継承と普及・発展を目指し、平成14年度に沖縄空手・古武道国際セミナー──現在のところ仮称でございますが──を開催する準備を進めているところでございます。これを契機に本県の空手界が結束し、世界に誇れる沖縄空手の拠点づくりを進め、沖縄の振興に役立てたいと考えております。
 次に、体育の選択科目に空手が十分取り入れられない理由についてにお答えします。
 県教育委員会では、本県の伝統文化である空手道を「学校教育における指導の努力点」の中に位置づけるとともに、「学校における空手指導の手引き」を作成し、積極的に体育授業や学校行事等で取り扱うよう努めております。中・高等学校における武道の授業の中で空手道が選択できるようになっており、現在中学校では166校中65校、高等学校では62校中27校で空手道を実施しております。
 今後とも、空手道実技講習会や認定講習会等を実施し、郷土の伝統文化である空手道の普及・発展に努めていきたいと考えております。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 新石垣空港建設について、地権者の100%同意という国の方針に変化はあるかとの御質問にお答えいたします。
 飛行場を建設するに当たっては国土交通大臣の設置許可が必要であります。その設置許可申請に当たっては地権者の同意を得る必要があります。地権者の同意は、航空法第39条第1項第5号の「申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること。」との規定に基づいて求められるものであり、「所有権その他の使用の権原を確実に取得することができると認められる」ためには、できるだけ100%の地権者の同意が望ましいとの国の方針に変わりはないものと考えております。
 次に、土地収用法を適用する覚悟はあるかについてお答えいたします。
 カラ岳陸上地区における新石垣空港建設に反対する人たちが新空港建設予定地内の土地を取得し、共有登記をしている事実があります。共有登記をされている土地は2筆、計1556平方メートルであり、24名の共有になっております。
 共有登記者の内訳は、県外在住者が11名、沖縄本島在住者が6名、石垣市在住者が7名となっています。
 新石垣空港の早期建設は八重山郡民の総意であることから、石垣市が先頭に立ってこれらの地権者に新空港建設の必要性を説明し、協力を求めているところです。県としても、石垣市と協力しながら、これらの方々の理解が得られるよう引き続き努めていく考えであります。
 土地収用法の適用については、新空港の設置許可を得た後、用地交渉において反対地権者の理解を得ることが不可能となった場合には検討も必要になると思いますが、現時点においては新空港建設に向けて十分な環境保全対策を実施するとともに、八重山郡民の悲願である新石垣空港の早期建設に対する理解と協力を求める努力が必要であると考えております。
 次に、公共マリーナについて、宜野湾港マリーナの使用料を納めない利用者への対処についてお答えいたします。
 平成13年6月議会において「沖縄県港湾管理条例」が改正され、宜野湾港マリーナの使用料について、平成13年9月1日以降の使用許可に係る分から新料金が適用されております。ところが、一部の利用者において条例で定められた使用料を納付せず、改定前の使用料の額を供託するケースが生じております。
 宜野湾港マリーナの使用料は、「港湾法」及び「沖縄県港湾管理条例」に根拠を置く使用許可に基づくものでありますが、供託者は事実と異なる賃貸借契約に基づく賃借料として供託を行っていること、また供託された額は条例で定められた額ではなく改定前の使用料の額であるため、債務の本旨に従った履行ではないことから、県としてはこれらの供託につきましては無効と考えております。したがいまして、供託者に対しては使用料の納付がなされていないものとして督促を行っているところであります。
 また、督促してもなお相当期間内に使用料が納付されない場合には使用許可を取り消し、退去させることとしております。
 次に、公共マリーナの運営を公設民営、PFI法を活用する可能性についてお答えいたします。
 PFIは、社会資本整備や公共サービスの提供を民間が主導となる事業手法であり、民間の持つ経営能力や技術的能力などを活用するため、公共側の関与を必要最小限にとどめ、民間の創意工夫を積極的に導き出す事業となっております。現在、公共マリーナの整備に当たっては、防波堤、物揚げ場等の整備については、補助事業を導入することによって可能な限り使用料を安価にし公共性の確保に努めているところであります。
 県においては、PFIを総合的に調整、推進するためPFI推進会議を設置し、平成14年1月に「沖縄県PFI導入指針」を策定しております。今後、ワーキンググループとしてPFI推進チームを設置し、公共マリーナのPFIの活用による公共性の確保と質の高いサービスの提供等が可能かどうか検討していきたいと考えております。
 次に、中城湾港泡瀬地区事業について、事業反対が7割と報道されている実態についてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業は、沖縄市を含む本島中部圏東海岸地域の活性化を図るための事業であり、当該事業について平成13年3月から4月にかけて意識調査を実施したとの新聞報道等があったことは承知しております。
 当該調査は、「沖縄環境ネットワ-ク」が調査表を郵送する方法で、沖縄市の有権者約8万8000人の3.3%に当たる2912人に対して行い、そのうち回答を得たのは609人、回答率は20.9%となっております。その結果、必要と思わないと答えたのが68%となっております。
 当該事業に関する賛否については、調査方法によりさまざまな結果が考えられ、今回のアンケ-ト調査も一つの結果であると受けとめております。しかし、平成13年9月から12月にかけて「美ら島を創る市民の会」が実施した早期整備を求める署名運動においては、沖縄市民だけで市民の7割に相当する8万5000人もの賛意が得られたことから、当該事業に対する地元の要請は極めて強いことを再確認したところであります。
 同じく事業者としての県の意識についてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業の早期実現は、中部圏経済の活性化に資するのみならず、県の主要施策である特別自由貿易地域を支援する新港地区の港湾整備とも密接な関連があることから、県の施策上も極めて重要であると考えております。そのため、当該事業の早期実現に向けて県としても国や沖縄市とも連携の上、全力を傾注していく考えであります。
 同じくこの事業が中止となった場合、県が受ける損失は何かについてお答えをいたします。
 中城湾港新港地区の特別自由貿易地域は、本県の自立経済確立のため極めて重要な施策であり、各種優遇措置の拡充と並行して港湾整備を進めているところであります。
 特別自由貿易地域への企業の集積を図るためには、物流アクセスの利便性を高め、企業立地インセンティブの拡大につながる港湾整備は必要であり、県の振興策上極めて重要であると考えております。
 新港地区の港湾整備に当たっては、大量のしゅんせつ土砂が発生することから、近隣の泡瀬地区において埋立資材として有効活用し、経済的かつ効率的な事業の推進を図ることとしており、県としては、今後とも泡瀬地区と新港地区の双方の事業について連携をとって進めることが重要であると考えております。
 同じく工事再開の時期についての御質問にお答えいたします。
 埋立工事への着手時期については、藻場の移植結果等について「中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会」で検討を行い、その結果等を踏まえて国において総合的に判断していくこととしております。県としましても、事業推進の観点から早期着工に向けて国に要請していく考えであります。
 以上です。
○総務部長(當銘直通) 中部合同庁舎行政棟の建設についてお答えいたします。
 中部合同庁舎行政棟の建設につきましては、平成15年度以降、県の財政状況等を総合的に勘案しながら検討していきたいと考えておりますが、その場合は優先的に建設されるよう検討していきたいと考えております。
 以上です。
○小渡  亨 3点ほど再質問します。
 まず1点目、国際長寿会議に関して答弁を最初したのは商工労働部長でした、長寿沖縄は世界一だと。しかし、それをどう使うかということで答えたのは福祉保健部長と。そういう関係から、せっかくの沖縄が世界一というのを連携が余りなされてない気がします。
 私が聞いたのは、この長寿世界一というのを今後向こう10年間で沖縄県の自立に向けてどう使うのかと、振興新法でどう活用していくのかということを聞いたんですが、非常にあいまいに一括して答えられましたので、もう一度2の(2)を答えてください。
 それから次に、宜野湾マリーナ、料金が高いということで納めていません。その宜野湾マリーナよりさらに安い公共的な施設があるはずなんです。これを説明してください。
 それから、基地の外で生活している米軍人の数は知らないと。とんでもないですよ、これは。もし夜間外出禁止になった場合には、仕事を終わって自分の家に帰りたいと、帰れないんですよ、ゲートを閉められますから。あるいは勤務したいと、仕事に入れないわけですよ。そういった実態をわからずに安易に外出禁止とはいかがなものかなと。
 私の家の周りにもかなりいます。本当に朝、昼ないんですね。朝は3時、4時ごろから出勤していきます。帰ってくるのもそうでしょう。そういったのもありますから、その辺をしっかり調べてから言うならいいんだけれども、わからずに外出禁止というのはとんでもないという気がします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時18分休憩
   午後2時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 新垣幸子君登壇〕
○福祉保健部長(新垣幸子) 県医師会から提案のありました「健康福祉立県構想」については、法の中には具体的に位置づけられておりませんけれども、今後とも県のこれから策定を予定しております新しい計画の中の県案の中に、この部分を審議会等の意見を踏まえて盛り込んでいきたいというふうに思っておりますし、それと先ほど商工労働部との連携という話もありましたけれども、計画策定の中で関係機関あるいはまた医師会等の団体とも連携しながら、この計画の中に盛り込んでいきたいというふうに思っております。
○知事公室長(親川盛一) 小渡議員の米軍人等の基地外居住者数がなぜ把握できないかという趣旨の再質問にお答えをいたします。
 在沖米軍及び市町村に照会をいたしましたところ、米軍からは軍の運用上公表できない旨の回答を得、また市町村からは、先ほど申し上げましたように外国人登録がなされていないことから人数が把握できない旨の回答を得ております。
 以上です。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 小渡議員の再質問にお答えいたします。
 宜野湾港よりも安いマリーナがあるのは知っているかということなんですが、漁港サイドでマリーナ的な性格のそういう漁港があるということは聞いております。これは今港湾課長に聞きますと、改定前の料金よりは高いんですが、今現在実施している改定後の料金よりは安いということで聞いております。
○小渡  亨 米軍人等の民間地域で住んでいるのは、それで役所がわからなければ貸住宅協会というのがあるんですよ、外人に専門に貸している。そこに当たれば一発なんですよね、何名通ったかということ。そういったのもやらずに安易に外出禁止となると、さっきも言ったように勤務に非常に支障を来すと、私は考えます。
 さっきも言ったように、私の家の周りでYナンバーの車はもう本当に深夜でも通っています。恐らく彼らは遊びじゃないんですよね。彼らは勤務に行くための、あるいは勤務に入るための車なんです。日米安保が重要だというならばそれが抑止力になっていると、そういうことを考えて外出禁止云々は言ってほしいと思います。
○具志 孝助 自由民主党を代表して質問を行います。
 私は、若干の所見を述べながら平成14年度当初予算を初め、振興新法や基地問題、そして産業振興等について時間の範囲内で質問を行います。
 1998年11月15日、稲嶺惠一知事が誕生してから早くも4年目を迎え、感慨無量なる思いであります。
 御存じのとおり、前回の知事選挙は、95年の米兵による暴行事件により沖縄の基地問題が全国の注目を集め、人気絶頂となった大田現職知事と新人の稲嶺氏が対決をいたしました。
 選挙戦は、経済振興策と普天間飛行場移設問題が最大の争点となって展開され、熾烈をきわめました。投票率も前回を14ポイント上回る76.54%と高く、空前絶後の選挙戦となったのであります。投票結果は、稲嶺惠一37万4833票、大田昌秀33万7369票、又吉光雄2649票でありました。新人の稲嶺惠一氏が現職の大田知事に3万7464票の大差をつけて初当選を果たしました。
 知事は所信表明で述べられたように、就任以来、一意専心、県民の福祉向上に取り組み、特に経済の振興と米軍基地の整理縮小に心血を注ぎ、これらの問題を着実に進展させました。また、ポスト沖振法及び3次振計として振興新法の制定と新しい振興計画に道筋をつけることになりました。さらに、自民党と公明党の協力による県内の政治の安定は稲嶺知事の大きな実績として高く評価するものであります。
 ことしは選挙の当たり年であります。27の首長と42の市町村議員の選挙が予定されており、そのトップバッターとして去る2月3日に名護市長選挙が行われました。
 私ども自由民主党県連は、名護市長選挙を知事選挙と同等に対応することを決定し、連日遊説活動を行ってまいりました。それは同市長選挙の最大の争点が代替施設建設の是非でありまして、まさに稲嶺県政の課題が同時に問われたからであります。
 そこで、岸本名護市長の再選について若干お尋ねをいたしたいと思います。
 まず、現職岸本建男氏の大勝について、知事はどのようにお考えであるのか。
 あの選挙が投票率77.66%、かなりの有権者が投票をやったということになります。結果、岸本建男氏が2万356票、宮城康博氏が1万1148票、又吉光雄氏が80票。代替施設建設に反対を唱えて選挙戦を戦った宮城氏に岸本市長が実に9208票の差、これは宮城さんの得票のおよそ倍に近い得票差をつけて大勝をされたわけであります。この大勝の勝因をどのように分析されておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 そして基地論争いわゆる移設論争でありますが、この移設論争に一定の結論が示されたんではないか、こういうことであります。
 それは、普天間基地の移設問題は1996年12月のSACO合意の最終報告で、移設先を沖縄本島東海岸沖に海上基地を建設するというような決定をなされてから、移設問題がいわゆる惹起をするわけであります。その後、この移設決定をされた翌年でありますが、1997年12月に代替施設建設の是非を問う市民投票が行われ、反対派が過半数を獲得しました。これが移設問題の第1回目の市民の審判だったと思っております。
 市民投票が行われました。そして比嘉現職市長は、やはり自分の政治信念をかけて北部の振興をするためには苦渋の選択として受け入れはやむを得ないという受け入れ表明をしてみずから辞職をされたわけであります。そのために市長選挙が行われることになって、市長選挙が2月8日と決まりました。比嘉鉄也市長は、当時の助役である岸本建男氏を後継指名をし、自分の意思を伝えるわけなんです。そこで選挙戦が展開されたわけでありますが、この市長選挙の2日前に、すなわち98年2月6日に大田知事は住民投票の結果を尊重して基地建設反対を初めてここで表明されました。ところが市長選挙は、2日後に行われた2月8日の市長選挙は、受け入れ表明をして辞任した比嘉鉄也さんが後継指名をした岸本氏が当選をするんです。すなわち、市民投票の結果を覆すような形で市長選挙には誘致容認の立場をとる岸本氏が当選をされるんです。その後、その同じ年の98年11月15日に稲嶺知事が選挙戦をして先ほどのとおり大田現職知事に圧勝されたんです。もちろん、基地移設の問題と振興策の問題が問われた選挙でありました。そしてその後、県は99年11月22日に移設先候補地として名護市辺野古沿岸域を決定する。その県が決定した翌月の99年12月21日に岸本市長がいわゆる名護市に移設受け入れを表明されるんです。そして閣議決定がその翌日になされた。2000年は沖縄サミットの開催であります。そして昨年、すなわち2001年12月27日に代替施設協議会が開かれ、岸本市長の意向を尊重して建設位置を辺野古沖合リーフ上に決定をされたわけであります。
 そういうような大きなみずからの決断をして、移設位置をリーフ上に決定をするということを明言をされて、選挙民の審判を仰ぐという堂々たる基地建設に対するみずからの態度を表明して有権者に審判を仰いだのが去る2月3日の市長選挙であったんです。この市長選挙が私は名護市民におけるいわゆる基地移設問題の3回目の審判だと言っているわけであります。その結果が先ほど申し上げたとおりでありまして、この移設問題についてはもう既に3回の審判を得られていると。
 そこで私はこの基地問題、移設論争について一定の結論に達したとこのように理解するけれども、知事はどうお考えであられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
 代替施設建設問題は、市長と知事が一体となって進めたことであり、そのことが大多数の有権者に認められたことだと思っております。それがすなわち去る名護市長選挙だったと思っております。
 そこで私は、知事みずからも、私たちもそのように取り組んでまいりました。今回の名護市長選挙においてみずからも私は審判を仰ぐ選挙だったと思っているんです。来る11月の知事選挙に私は大きな弾みになったとこういうぐあいに考えますけれども、知事はどう認識されるか、お尋ねをいたしたいと思います。
 そこで、稲嶺知事の知事選再出馬についてこの機会にお尋ねをいたしたいと存じます。
 岸本氏は、当選直後の記者会見で次のように述べております。すなわち、「7つの条件を実現できる方向で知事と共同歩調を取りながら、これらの条件を実現していく方向で受け入れを認めていく形になると思う」と。これは当選して直後のインタビューであります。
 大事なことは、私は当選したけれども、しっかりと7つの条件を実現してもらわぬといけませんよと。そのことは、知事と共同歩調をとりながら、一体となってその実現に取り組んでいきたいと。その上で移設受け入れをするんだとこういうぐあいに述べているわけであります。
 代替施設問題は、岸本市長と稲嶺知事の共同責任で解決すべき問題であると考えます。知事の御所見を賜ります。
 (2)点目は、稲嶺県政の最大の課題は基地の整理縮小問題と経済振興であると私は思います。
 基地の整理縮小は、代替施設の建設位置が決定されたことで大きく進展したと私は申し上げました。しかし、いまだ道半ばには変わりはないと思っております。稲嶺県政の最大の課題としてこの問題、すなわち基地の整理縮小と経済振興策に対して最大のみずからの課題として位置づけ、身命を賭して解決まで頑張ってほしい、こういうようなことを申し上げたいわけであります。
 かつて、一内閣・一プロジェクトということが言われました。終戦間もないころに岸内閣がありました。1960年、「安保改定」をやりました。池田総理大臣は「所得倍増」をやりました。佐藤内閣は「沖縄返還」をなし遂げました。そして田中角栄内閣は「日中国交正常化」をなされたんです。それぞれ自分の内閣において大きい問題を1つ解決するんだというような意気込みで私はその重責に当たる者、これがトップリーダーの責任だと思っている。私は、まさしく稲嶺県知事は生まれるときから基地移設問題を抱えて誕生したわけでありますから、これらにきちっとみずからの責任において道筋をつけなければならない最大の課題として御認識をし、ぜひともこれらの問題を解決していくためにはみずからの生命を賭するぐらいの覚悟が大事ではないだろうか。そしてこそ歴史に名を残す県知事であったと思っております。
 私は、かつて大田県知事があのSACO合意をある程度受け入れようとして、当時の橋本内閣総理大臣とずっと水面下で当時の副知事吉元さんを間に挟んでやってきた。ところが3期目の選挙を──私はそう思っている──意識をし始めてからぶれてきたんです。あの当時、恐らく経済界のトップにあった稲嶺知事も大田さんの姿勢を私は支持しておったとそのように考えたんです。ところが揺らいだんです。そこで、けつまずいて今の結果になった。そういうような過去の歴史も振り返りながら、知事はしかと自分の責任は何であるかということを心して、私はまさしくこの移設問題に道筋をつける、そして岸本さんと運命共同体、一蓮託生の責任を負って事に当たるという覚悟が大事ではないでしょうか。まさしく岸本さんがこれだけ堂々と基地問題を前面に掲げて選挙戦で大勝した、そして知事と共同歩調で事に当たりたいとおっしゃっているわけでありますが、知事はここで岸本と一緒に問題の解決に当たるんだというような新たなる決意を表明する絶好のタイミングだと私は思っております。
 どうぞ知事、初志貫徹、公約実現、そして130万県民のために再出馬の決意を示していただきたい、このようにお願いを申し上げる次第であります。
 質問の3項目目は、平成14年度当初予算についてであります。
 予算については、予算特別委員会において集中審議がなされますので、ここでは知事に対して予算編成に当たっての基本的な考え方と、関係部長には主要事業の概括について質問を行います。
 平成14年度は沖縄振興特別措置法が制定され、これに基づく新しい振興計画がスタートする年であります。加えて復帰30周年の記念すべき節目の年でもあります。
 一方、政府においては、新しい21世紀が夢と希望に満ちた時代であるように、長期経済不況と巨額の国債問題を解決すべく「聖域なき構造改革」を断行すると言っております。この「聖域なき構造改革」は、自主財源が乏しく財政の大半を国庫支出金や地方交付税の依存財源に頼る本県にとって最も厳しい影響をもたらすものと思慮されます。
 そこで、国の「聖域なき構造改革」が地方財政及び本県の財政に与える影響についてどのように認識されておりますか、お尋ねをいたします。
 次に、振興新法、振興新計画のスタートの年でもあり、また復帰30周年を迎える年でもある。こうした意義深い年である平成14年度予算の特徴は何であるのか。
 平成14年度は、行政システム改革大綱──後ほどお伺いします──の最終年度に当たる。平成14年度当初予算における財政健全化の取り組み状況はどうなっているか。
 (4)点目は、財源の確保についてであります。
 県税の確保について、当初予算で県税が対前年度比マイナスとなっているが、自主財源の柱である県税を今後どう確保し、ふやしていくのか。
 そして、徴収率はどうなっているのか。また、今後どのような取り組みを行って徴収率アップを図っていくのか。
 続いて使用料・手数料について伺います。
 行政サービスの対価である使用料・手数料について、そのコストに応じ定期的な見直しが必要だと思うが、どうなっているのか。
 県債について、後年度の財政負担を減らすためには適正な水準の発行が求められると思うが、平成14年度当初予算における県債の発行予定はどうなっているのか。
 そして、公債費比率、県債残高の状況もどうなっているのか、伺います。
 遊休県有財産の利活用についてお尋ねをいたします。
 普通財産として管財課及び各部局が管理しているものがどの程度あるのか。
 今後、どういうような利活用、あるいは処分を行おうとしているのか。
 そして、エキスポ跡地の処分はどの程度予定をしているのか。
 さらに、公共用地先行取得特別会計において先行取得した用地のうち、事業着手の見通しがつかないいわゆる塩漬け土地があるのかどうか、お尋ねをいたします。
 基金の状況について、財政調整基金等の主要4基金の平成14年度当初予算における取り崩し額、残高見込み及び今後の確保の方策について聞きたい。
 平成14年度当初予算が県経済に及ぼす影響についてでありますが、県予算が4年ぶりにマイナスとなり、特に投資的経費が減となっているが、雇用状況や景気が厳しい中で県経済に及ぼす影響が出てこないか、お伺いをします。
 予算の最後は、離島市町村の財政硬直化についての問題であります。
 離島市町村の財政硬直化の現状とこれからの課題について御説明を求めます。
 4項目目の質問は、行政システム改革についてであります。
 行政システム改革大綱に基づくこれまでの成果についてお尋ねをいたします。
 そして、評価システムの検討状況はどうなっているのか。
 組織構造の見直しについてもお伺いをいたします。これは、公社等外郭団体の現状と今後の見直しについてであります。
 職員定数の管理についてお尋ねをいたします。職員定数、出向職員の状況について、現状と今後の計画をただします。
 補助金の適正化については、県単補助金の現状はどうなっているのか。
 今後、零細補助金等を初めとしてどのような整理統合を行おうとしているのか、お尋ねをいたします。
 項目5点目、沖縄振興特別措置法(案)について。
 2月8日に沖縄新法が閣議決定をされました。今の通常国会に提案をされておりますから、時間の問題で立法実現するものと思っております。今回の振興新法は、これまでの「格差の是正」から「経済の自立」にシフトをするんだと。そして条文も従来の倍増の条文になっていると、こういうようなことになっておりますが、知事は、同法案をどのように評価をされているのか、まずお尋ねをいたします。
 そして、これまでの特別自由貿易地域、一国二制度に対してさらに3つの大胆な一国二制度が盛り込まれました。その1点目の金融業務特別地区制度についてお尋ねをいたします。
 今回の税制特例、すなわち法人税の軽減がうたわれているわけでありますが、これだけでは十分機能をしないのではないかと、こういうような意見がありますが、お伺いをします。
 そして、金融特区においてどのような業務ができるのか。また、どういうような企業を誘致されようとしているのか。
 さらには、この金融特区内でいわゆる特権を与えて企業誘致をするわけでありますが、これらのことは県内の既存の金融機関に影響を与えることにならないのか、その件についてもお尋ねをいたします。
 一国二制度の(2)点目は、情報通信産業特別区についてであります。
 情報通信産業特別区制度というのはどういうものであるのか。具体的にどこを想定しているのか。
 企業誘致を今後一層進めるためには人材の育成が重要であるが、その現状と今後の取り組みについて伺います。
 (3)点目の制度は、沖縄型特定免税店制度であります。いわゆるDFSについてであります。
 沖縄型免税店の空港外展開の取り組み状況はどうなっているのか。間違いなく企業は立地するのか。
 そして、当初予定しておったこのDFSにおける消費税の免税が実現をしませんでした。これは、私は大変重要な部分だと思っている。あきらめずに引き続き特定免税店における消費税の免税はぜひとも実現されるべきものと思っております。引き続き要請行動を行うべきだと思っておりますので、御見解を賜ります。
 (3)点目は、県内産業の振興と雇用の確保についてであります。通して質問をいたします。
 1、産業高度化地区制度は、従来の工業等開発地区と比較してどう拡充されたか。
 2、産業高度化地区制度は、具体的にどこを想定しているのか。
 3、中小企業の振興のための特別措置は、具体的にどういう制度か。
 4、新規事業創出のための特別措置にはどのようなものがあるのか。
 5、これは新規になりますが、職業安定計画はどのような項目に重点を置いて作成する予定なのか。
 (4)点目は、地域特性の発揮のための特別措置について。
 大学院大学構想についての取り組み状況を説明願いたい。尾身沖縄担当大臣が大変力を注いでおられます。大変心強く期待をいたしておりますが、状況の説明を願いたいと思っております。
 もう1点は、国際交流事業の推進にどのように取り組んでいかれるか、お尋ねをいたします。
 この項の最後になりますが、新法で沖縄の自立は可能かということでお尋ねをいたします。
 質問項目6項目目であります。新振興計画について。
 ポスト3次振計として6月の末から7月にはその原案を作成したいと説明を受けておりますが、新振興計画の特徴は何になるのか。
 そして、県民意見公聴会ですか、意見交換会ですか、これをブロック別に開きました。そこで各地区でどういうような特徴的な意見が出てきたのか。そして振興計画の策定スケジュールもこの際御説明をいただきます。
 沖縄振興計画と、この下位計画として分野別計画があるようですが、その違いの説明を求めます。
 そして、分野別計画の計画期間と策定スケジュールについての若干の説明をいただきます。
 7項目目は、基地問題についてであります。
 名護の市長選挙は、私は先ほども申し上げましたように、知事や市長に対する名護市民の信頼とこれからの期待に対する結果だと思っているんです。それは、これまでの厳しい条件をしっかりとクリアしてもらわなければならぬというようなことだと思っている。
 そこで知事にお伺いをしますが、知事は、名護市長選挙の大勝を盾に代替施設建設の前提条件をさらに厳しく要求する姿勢、決意をこの際示すべきだと考えます。
 そして(2)点目は、米軍基地の整理縮小についてでありますが、1、SACO事案の実施状況──11事案あったかと思いますが──普天間、那覇以外にどういうぐあいに進捗しているのか。
 そして2点目は、これをしっかり答えていただきたいなと思っているんですが、知事は、SACO事案だけじゃなくてその他についても可能な限り整理縮小を要求していきたいと機会あるたびに申されております。
 そこで、市町村においてSACO事案以外の返還要求についてはどういうぐあいになっているのか、御説明を賜ります。
 それから3点目は、先般、本県議会の軍特委の皆さんが海外視察・調査としてハワイ、グアムに行かれました。そこのトップの方々が沖縄における基地の移設だとか訓練、これを受け入れてもいいと、こういうような積極的な姿勢が見えたと、こういうようなことでありますが、そのことに知事は今後どのように処されていかれるのか、お尋ねをいたします。
 基地問題の(3)点目は、地位協定の見直しについてであります。
 1、国会議員有志による日米地位協定の改定案についての所見を伺います。これは知事に答弁していただきたいと思います。
 そして2点目は、森山法務大臣発言に対しては知事公室長、これは協定見直しの中身が大きく言えば損害賠償といわゆる被疑者の身柄引き渡し、これは県警本部長の方に、そして環境浄化の問題は文化環境部長の方にそれぞれ所見を求めます。
 そして、特に県警本部長にお伺いをしたいわけでありますが、今申し上げました国会議員有志によってこの地位協定の改定素案が今提案されております。この中で、起訴前の被疑者の身柄引き渡しを認めるかわりに、取り調べ時の弁護士の立ち会いを認めると、こういうような条項が入っているということであります。そのことに対する警察本部長、いわゆる捜査権を担当する本部長に対して御所見を賜ります。
 基地問題3点目、航空機騒音被害の公平補償問題、今どういう状況になっているか、御説明を賜ります。
 基地問題の最後は、代替施設協議会についてであります。
 代替施設協議会は、これまで第1回が一昨年の8月25日に開かれ、そして前回が第8回、昨年の12月27日に開かれております。すなわち、1年半で8回開かれた。2カ月に1回ぐらいのペースであります。次回はいつ開催され、そして次回はどういうような協議内容になるのか。
 私は、これは知事の11月の任期を考えますときに、どこまでこの問題を現任期のうちに進めようとされているのかと。こういった意味合いで余りゆっくりもしておれないと。こういうような考え方に基づいて知事はどのように考えているのか、お尋ねをしたいわけであります。
 8項目目は、観光産業の振興についてであります。
 テロの影響の回復の見込みについてであります。
 同時多発テロによる影響については、国、県を初め関係団体の努力により年末から年始にかけての入り込み客はほぼもとに戻っていると聞いていますが、この際、誘客キャンペーン事業等緊急措置として対応されたことについて説明を願います。
 また、修学旅行を中心にしたこの先の予約状況も順調に回復しているのか否か、お伺いをいたします。
 第4次観光振興基本計画の重点施策についてであります。
 県は、平成14年度を起点に10年間にわたる第4次観光振興基本計画を実施することになっている。そこで計画の中で入域客数の目標がどうなっているのか。その際、入域客数だけにとらわれずエンターテインメント等による多様な魅力あるオプションにも取り組み、1人当たりの消費額をいかにふやすかということも極めて重要なことだと考えるがどうか。
 そして、平成14年度予算及び組織体制強化の中身について伺います。
 県がテロ発生時に直ちに特別誘客対策班を立ち上げて対応したことは高く評価をされております。今回の事件を契機に本県における観光産業が県経済に与える影響がいかに大きいかということが実感として認識されたことと思います。
 そこで、新年度の予算では観光リゾート局がさらに強化すべく対前年度比で22%増の予算要求が出されておりますが、その内容についてお伺いをいたします。
 (4)点目は、世界遺産周辺整備事業についてお尋ねをいたします。
 平成12年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産登録されました。県では、この遺産群を観光資源として有効活用するため、平成14年度当初予算において世界遺産周辺整備事業を計上されているが、その内容について御説明を願いたい。
 観光土産品店についてお尋ねをいたします。
 1点目は、沖縄県の観光土産品が地元製造でなく県外あるいは国外製品であることが多々あると言われているが、問題意識を提起するためにも製造元実態調査を実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 2点目は、県産品の自給率向上を図れと、こういうようなことを申し上げます。
 県内の観光土産品店で販売されているシーサー、人形等の観光土産品の多くは県外、国外で製造されたものであると言われております。また、かりゆしウエアを商品化する場合、デザイン、生地の製造、プリント、裁断、縫製というプロセスがあるが、現在これらの工程のうちデザイン、裁断、縫製は主に県内で行われ、生地の製造、プリントは主に県外で行われていると聞いている。県産品の自給率の向上、雇用効果を高めるためにはこれらの作業がすべて県内で行われるように支援していくべきではないだろうか、お尋ねをいたします。
 9項目目、雇用失業問題についてであります。
 本県の失業率は常に全国の2倍の悪さで推移している。昨年9月のアメリカにおける同時多発テロ発生の8月、9月、10月は3カ月連続9%台を超し、10%の大台に達するのは時間の問題かと危惧されました。特に、学校を卒業した若い人たちや世帯主の失業は深刻であり、抜本的な対策が待たれるのであります。
 そこでお尋ねいたします。
 県内の失業者数やこれに占める若年者の状況等失業の実態はどうなっているのか。
 (2)点目、若年者や非自発的離職者に対する国、県の雇用対策の効果はどうか。また、企業に対する対策は講じられているのか。
 (3)点目は、県は、緊急地域雇用創出特別交付金により70億円の基金を設置し緊急対策を実施しているが、その効果をどう見ているのか。
 昨年9月に発生した同時多発テロ事件以降の観光関連産業の雇用はどうなっているのか。
 項目10点目、融資事業についてお尋ねします。
 県内中小企業者の中からは、信用保証協会の審査基準が厳しく、保証渋りではないかとの話が聞かれます。これは代位弁済が増加して信用保証協会の経営基盤の悪化を招いていることに一因があると思いますが、保証渋りがあるとすればその実態についてお伺いをします。
 また、県としてどのように対応しているのかお尋ねをいたします。
 項目11、農業問題について。
 (1)、JA合併支援対策について。
 平成13年3月の第16回JA沖縄大会で決議した県単一JA合併基本構想に基づき、去る1月18日に26JAが単一JAへの参加を決定、2月8日にはJA真和志が多くの組合員の賛同により合併参加を決定しました。来る4月1日には県全域を事業区域とする新生沖縄県農業協同組合が発足し、農産物の生産・販売や営農指導等生産・販売体制が強化され、JA本来の使命である農家組合員へのサービスの向上と農家所得の安定向上に大いに貢献するものと期待をされております。しかしながら、一部において合併に伴う事務所や集荷場の統廃合、要員削減によって組合員へのサービス低下を懸念する声があります。
 そこで、JA合併支援対策と今後の経営計画についてお伺いをします。
 1点目は、県支援に際して前提条件は何か。
 2点目、具体的な支援策の内容と効果について。
 3、単一JAの地域農業振興策とこれに対する県の対応について。
 4、合併に伴う組合員へのサービス低下の懸念についてをお伺いいたします。
 農業問題の(2)点目は、イモゾウムシ及びアリモドキゾウムシの根絶防除事業についてであります。
 本県は、カンショの害虫イリムサー、すなわちイモゾウムシとアリモドキゾウムシの発生地域であり、両害虫による被害は生産振興の大きな妨げとなっております。
 また、イモゾウムシ、アリモドキゾウムシは植物防疫法により移動規制の対象害虫ということで、現在、紅芋などのカンショについてはそのままの状態では県外に自由に持ち出すことはできません。
 昭和61年度のミカンコミバエ根絶、平成5年度のウリミバエ根絶が果実・果菜類に対する直接的被害の解消のほか、法的な移動規制が解除され、マンゴーやゴーヤーなどの県外出荷を可能とするなど、本県の農業振興を図る上で大きな功績を上げていることは周知の事実であります。
 特産である紅芋などカンショ生産振興の観点からイモゾウムシ、アリモドキゾウムシの根絶を図る必要があると思いますが、県の考え方と対応をお伺いします。
 1、本県における防除対策の経緯について、2、駆除の方法について、3、予算の状況と今後のスケジュールについてお尋ねいたします。
 (3)点目は、本県農林水産物の販売促進対策についてであります。
 本県は、我が国唯一の亜熱帯に属する地域特性を生かした冬春期を中心とした野菜や花卉、熱帯果樹を初め肉用牛やモズクの生産などが多様に展開され、全国的な供給産地として一定の地位を確保しているものと考えます。
 しかしながら、最近における農林水産業を取り巻く環境は輸入農産物の増加、産地間競争の激化など一段と厳しい状況にあります。特に、本県は大消費地から遠隔地に位置することから、農林水産物の輸送コスト低減は大きな課題となっております。
 こうした状況の中で、国内外との産地間競争に打ち勝つためには、つくったものを売るから、売れるものづくりへの転換はもちろんのこと、流通対策、価格安定対策を相互に連携して推進することが重要であると考えます。
 そこで質問をします。
 1、農林水産物の販売促進対策、2、輸送コストの低減対策、3、野菜の価格安定対策について県の取り組みをお聞きいたします。
 12項目目、福祉・医療行政について。
 (1)、介護保険制度について。
 1、介護保険制度が実施されて2年が経過しようとしているが、本県における実施状況と評価について伺いたい。
 2、介護保険財政安定化基金条例の改正案が今議会に提出され、拠出金を0.5%から1.5%へ大幅に改正したいとあるが、どういうことであるのか。
 3、介護保険サービスは自由化され、多種多様の事業者が参入しているが、一定の高齢者ケアサービスの質の確保のための指導はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
 保育行政についてお尋ねします。
 認可外保育施設対策についてでありますが、認可外保育施設に対する支援はどうなっているか。そして認可外保育施設を利用する児童への支援はどうなっているか。
 保育所の民間委託についてもお伺いします。
 公立保育園を民間に委託することは公の責任を放棄することにならないか。民間委託によって保育の質は低下しないか。そして、保育所待機児童解消のための年次計画についてもお尋ねをいたしておきます。
 離島医療の確保については、離島医療の現状と対策、そして今後の取り組みについて御説明を賜ります。
 13項目目、市町村合併について。
 地方分権の推進や少子・高齢化の発展、国、地方を通じる財政の著しい悪化など、市町村を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しており、新たな行政課題への対応や自治能力の向上、財政基盤の充実・強化が求められていることから市町村合併は必要だと考えております。
 国においては、基礎的自治体である市町村の行政サービスを維持・向上させていくために、市町村の合併の特例に関する法律の期限である平成17年3月までに十分な成果が上げられるよう地方財政措置や市町村合併支援プランなどの各種支援策が講じられております。
 県においては、昨年、「市町村合併推進要綱」を策定し、各地での説明会や合併重点支援地域の指定など市町村合併を促進しているが、推進体制をさらに強化して積極的に進めるべきではないかと考えます。
 そこでお尋ねをしますが、合併重点支援地域における現在の状況はどうなっているのか。
 私は、特に南部市町村などは合併の効果が期待できる地域と思慮いたしますが、どう考えますか。
 (3)点目は、都市と離島町村の合併構想について説明を求めます。
 項目14番、都市モノレール事業について伺います。
 沖縄都市モノレールの進捗状況については、平成15年に向けて順調に進んでいると思うが、御説明をいただきます。
 そして、需要予測と収支計算について、平成7年度の特許申請から現在まで状況が変わると思うが、いかがでありましょうか。
 (3)点目は、駅周辺の整備計画とモノレールの利用促進について伺いたい。
 1つ目に、PFI、モノレール旭橋駅周辺地区再開発による利用促進効果をどの程度見込んでいるのか。
 2点目、交通広場や駅近くに自転車からモノレールへ乗りかえるための駐車場──いわゆるパーク・アンド・ライドであります──や駐輪場を整備する計画はないか。
 3点目は、モノレールの利用促進にどのように取り組んでいるか。
 そして、今あちこちから言われております事業区間の延伸について、今どういうような考え方であるか、改めてお尋ねをいたします。
 モノレールの(5)点目、モノレールと関連してバス企業の統合の問題が同時に作業が進んでおります。バス会社統合についてお尋ねをします。
 バス会社統合問題の現状と県の対応について説明を求めます。
 新聞によりますと、1月29日、バス4社、乗り合い部門の統合についてバス統合準備室が発足をいたしました。きょう、本会議場に公安委員として出席されている比嘉良雄氏がその準備室長に当たられるわけでありますが、県はどういうぐあいに対応されているのかお尋ねをいたしたいと思います。
 質問15項目目、モノレール旭橋駅周辺地区再開発について。
 先日、稲嶺知事、翁長那覇市長の立ち会いのもと、民間企業で構成されるKSP推進協議会からモノレール旭橋駅周辺の再開発構想について発表がありました。時間がないようでありますから、少しばかり割愛をして申し上げますが、この同地区でのPFI等を含めた県の取り組み状況はどうなっているのか。
 今後、どのような事業でPFIを活用していくのか。
 (3)点目は、PFI事業は資金力の乏しい県内企業のみの構成では難しいと私は思いますが、PFI事業については県外、国外の企業も対象に含めて考えていく、こういうようなことでよろしいのかどうか、お尋ねをいたします。
 16項目目、那覇空港、那覇港湾の整備についてであります。
 那覇空港沖合展開について。
 1、去る2月13日の那覇空港沖合展開東京フォーラムの感想を伺います。
 2点目は、空港整備連盟の今後の取り組みと第8次空港整備五箇年計画採択までのスケジュールについてお尋ねいたします。
 (2)点目は、那覇港湾整備と管理組合についてであります。
 1、那覇港国際流通港湾実現化方策委員会からの提言について、知事の所見を伺います。
 2点目、4月設立予定の那覇港管理組合の常勤副管理者はどのように選任されるのか。地元出身者を充てるべきだと思いますが、どのように考えますか。
 これは私は大変大事な問題だと思っております。本県にとっての大きなプロジェクトであります。ポートセールスという大変特殊ないわゆるノウハウというんですか、技能を持ったいわゆるエキスパートの登用が必要であると。そのために、あるいは国からの出向を充てたいというような考え方があるやに仄聞をいたしておりますが、これだけ大きなプロジェクトを、一部組合の管理者は知事といえども現場における常勤管理者、これがやはり実権を握るわけでありますから、そこのトップを県外の方が当たられるということは県民にとっては大変不安というんですか、何かすっきりしないものを感ずるものがあると思っております。エキスパートはエキスパートとして私は対応の仕方があると思いますので、ぜひ御配慮を賜りたい。お尋ねをいたしたいと思っております。
 17項目目は、戦後処理問題であります。
 不発弾処理事業の市町村支援事業について。
 去る大戦で生じた不発弾は戦後処理問題の一つであり、県議会においてもたびたび取り上げられ、県民の生命財産を守るためにその早期処理を強く求めてきたところであり、平成14年度から不発弾処理のために新規に市町村支援事業が実施されるとのことであるが、これまでの不発弾処理の実態と今後の処理見通しについて伺いたい。
 また、新規事業である市町村支援事業の事業内容はどういうものか伺いたい。
 (2)点目、旧軍飛行場用地問題についてであります。
 この問題に関し、平成13年度中に52市町村と県議会において「沖縄県所在旧飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が決議されております。知事は、関係者の高齢化等にも配慮し、未解決の戦後処理問題として早急に取り組む決意を新たに示してもらいたいと、こういうことであります。これは少しばかり申し上げたいと思っております。
 県は、戦後処理問題として厚生年金の格差是正の問題と八重山におけるマラリア問題、そしてこれまで不発弾処理問題、これらの問題を取り上げて取り組んできたわけですが、前段の2つは解決されて、今、戦後処理問題として皆さんが挙げるのは不発弾処理の問題だけなんです。重点事業の中にも入ってこない。去年1年間に、わずかの間に県下52の市町村の議会と我が県議会においても戦後処理問題として早急な解決を迫っているわけなんです。52市町村で1カ所だけ残っているのはどこかというと、石垣なんです。石垣は、あそこはもう飛行場はありませんので、国有財産が農地法によって小作人の方に払い下げをしてくれという議会が特別に過去に決議をした、そういうような経緯があるので、ちょっとやりにくいと。こういうようなことで石垣市だけやってないという事情であって、沖縄県下全部で戦後処理問題として解決をやってもらいたいという強い要求がある。
 さらに、沖縄県選出の与野党超えての国会議員の先生方がこの促進協議会の顧問を引き受けて一生懸命になってこの問題の解決に当たろうと、こう言っている。中央では、県知事が出てこないことには、県知事からこの問題を出してこないことには正式に課題として上げられないんじゃないかと、こういうことなんです。そこが問題なんです。
 まず、この旧飛行場用地問題は、いわゆる一部民間の問題というようなとらえ方であってはいけないんです。これの経緯を私が今さら説明するまでもないんですが、あの戦時中にいわゆる国家総動員法のもとで、戦争がたけなわになって軍命によって強制接収された、その作業を受けたのはまさしく軍命を受けて県の吏員であったし、市町村の吏員が強制接収の手続をやった。そしてそのままの状態で国家財産になり、終戦、アメリカに占領されて米軍の管理下に置かれた。そのときに全部所有権が消滅しておりますから、所有権の認定作業が市町村で行われた。しかし、そのときに米軍は旧軍飛行場用地問題については受け付けるなという布令を発するんです。その布令のために県はまたこの作業にストップをかけた、市町村に。受け付けるなよとストップをかけた。
 さらに、復帰のときに積み残された問題として、昭和47年の5月15日の復帰時点できちっと沖縄の積み残された問題としてこれを俎上にのせておけば、今ごろこの問題は何らかの形で解決になったんです。しかしそれもやってないと。二重三重の瑕疵があるんです。まさしく県政の大きなこれは取り残しなんです。
 だから私がここで知事に決意を改めてと言っていることは、大きな県政の課題であるという認識をまず示すこと、そして問題は個々別々にいろいろあるという説明も受けております。嘉手納飛行場、那覇飛行場、読谷の飛行場、石垣の飛行場、それぞれはそれぞれで中において個別・具体的に対応の仕方があろうかと思っている。大事なことは、県政の問題であるという認識を示すことだと思っておりますから、そういう意味でお願いをしたいと思っております。
 質問の最後は、復帰30周年記念事業であります。
 ほとんどがソフト事業だが、美術館・博物館新館建設事業はどうなっているのか。
 復帰30周年記念事業については、平成13年5月に国の2事業を含め20事業が発表され、さらに今回2事業が追加され、22事業となったところであるが、ソフト事業がその大半で、ハード事業は県立高度多機能病院(仮称)建設事業が位置づけられているだけであります。
 県立美術館・博物館新館建設事業については、県民からの要望も多いところであるが、県の財政状況が厳しい折、その位置づけは困難であると思慮します。今後、建設計画の抜本的な見直しを含めて検討することを考えてはどうか、お尋ねをいたして質問を終わるわけでありますが、知事の再出馬の決意については、私は原稿を離れ、私も率直にみずからの心情を吐露いたしました。
 どうぞ知事、原稿をお読みになるんじゃなくて、岸本市長が共同して事に当たりたいと決意を述べているわけでありますから、みずからの政治家の身命を賭して当たるというような決意の表明をいただきますことを心からお願いを申し上げまして質問を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの具志孝助君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時24分休憩
   午後3時51分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前の具志孝助君の質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 具志孝助議員の御質問にお答えいたします。
 最初は名護市長の再選で、岸本氏の勝因について、基地論争に一定の結論が示されたか、知事再選に弾みがついたか、一括してお答えいたします。
 名護市にとって基地問題は重要な問題の一つであり、岸本市長は普天間飛行場代替施設の受け入れを決断され、今回の市長選出馬に当たっては同施設の建設位置、規模についての考え方を明確にして当選されました。岸本市長の再選は、これまで4年間の実績や「小さな世界都市・名護」をつくろうという施策が多くの市民に理解、支持された結果だと理解しております。
 私と岸本市長は多くの問題で考え方が一致しており、岸本市長の当選を喜ぶとともに、今後とも連携を密にしていきたいと考えております。
 次に、代替施設問題は共同責任で解決すべきとの御質問にお答えします。
 代替施設の移設に係る基本計画の策定については、「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に基づき、早期に基本計画の策定がなされるよう名護市等とも連携を図り取り組んでまいります。
 また、15年使用期限問題や名護市が求めている使用協定など、県の移設に当たって整備すべき条件や名護市の受け入れ条件については、今後とも名護市長と連携し一体となってその実現に向け努力していく考えであります。
 次に、県政の最大課題についてお答えをいたします。
 私は、知事就任以来、県民の視点に立って沖縄の自立的な発展を目指し、経済振興策の強化や基地の整理縮小などの基地問題の解決、政府との信頼関係の強化等を基本施策として掲げ、公約の実現と県民福祉の向上のため誠心誠意取り組んでまいりました。この間、県民の皆様はもとより国や県議会、各界各層の多大な御支援、御協力により私なりに多くの成果を上げ、沖縄県の新たな発展の基礎をつくることができたと考えております。
 しかしながら、本県は、経済の自立化や広大な米軍基地の存在など今なお解決しなければならない多くの課題を抱えております。平成14年度は、「沖縄振興特別措置法」の制定による新たな施策をもって新たな沖縄の創造に乗り出すスタートの年であります。私は、県民とともに将来に向けてしっかりした目標や希望を持ち、誇りと自信に満ちて生活できる住みよい沖縄の創造を目指し全力で取り組む決意であり、県民の創造的エネルギーを結集してまいりたいと考えております。
 次に、再出馬の件について自分の言葉で答えろというのでお答えします。
 けさほども安里議員の御質問にお答えをいたしましたように、私は今お話したように、沖縄は新たなスタートの年でございます。これに向かっての諸課題に全力を尽くして頑張りたいというふうに考えております。
 ただ、先ほど小渡議員等からございまして若干御懸念の点もいろいろあるので、一言だけ加えさせていただきたいのは、私としては非常に従来、本当にプライベートなしに、すべて一つの使命感と責任感だけはしっかり持っておるつもりでございます。その辺を十分にいろいろ勘案しながらはっきりした対応を皆様と御相談をしながら、4年前の私の出馬表明は8月26日でございましたけれども、いろいろ状況等を勘案しながら考えさせていただきたいとこう考えております。
 続いて当初予算の特色についてでございます。
 平成14年度は、国、地方を通じて厳しい財政環境下にありますが、本県においては沖縄振興新法及び沖縄振興新計画に基づき新たな第一歩を踏み出すと同時に、復帰30周年の歴史的節目を迎える意義深い年であります。このため、平成14年度当初予算の編成に当たっては、限られた財源の中で事業の優先度に十分配慮しつつ、新たな政策課題や緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本に編成したところであります。
 具体的には、観光・リゾート産業の振興として、修学旅行対策等の観光誘致対策経費の拡充を図るとともに、新たに世界遺産周辺整備事業、エコツーリズム推進事業、健康保養型観光推進事業を実施することとしております。
 情報通信産業の振興として、デジタルアーカイブ(仮称)を整備するほか、沖縄―東京間の高速・大容量通信ネットワークを構築するとともに、高度なIT技術を活用できる人材の育成を進めてまいります。
 農林水産業の振興については、流通販売対策として農水産物マーケティング対策事業、低コスト輸送体系確立事業を実施するほか、農業研究センターを整備するとともに、県単一JAの経営基盤強化を促進してまいります。
 産業の振興、雇用の拡大に向けた施策として、特別自由貿易地域における管理運営法人の設置や産学官共同研究推進事業の実施など、自立型経済の構築に向けた取り組みを強化するとともに、厳しい雇用環境の改善を図るため緊急地域雇用創出特別事業を実施するほか、新たに若年者就職支援のための特別セミナーを実施します。
 また、環境共生型地域の形成に向け、本島内における放置自動車の撤去や県版レッドデータブックの改訂を行います。
 医療福祉の向上については、介護保険制度の円滑な実施が図られるよう措置するとともに、認可外保育施設の認可保育所への移行を促進するほか、認可外保育施設利用児童への支援を拡充します。
また、救命救急医療、母子総合医療等の機能を有する県立高度多機能病院の整備に着手します。
 地域・離島の振興を図るため、新多良間空港ターミナルビルを建設するとともに、引き続き体験滞在交流促進事業を実施します。
 基地問題の解決促進や平和・文化・国際交流事業の推進として沖縄平和賞を授与するほか、ジュニアスタディーツアー事業、在沖米軍基地周辺環境マップ作成事業を実施します。
 人材の育成については、県立芸大デジタルアートクリエーター育成事業を実施するとともに、週末等における青少年の奉仕活動や体験活動を推進します。
 さらに、復帰30周年記念事業として記念式典、全国知事会の開催を初め島嶼観光政策フォーラム、沖縄芸術文化祭などを実施いたします。
 平成14年度は、かつてない厳しい財政状況のもとでの予算編成でありましたが、21世紀の沖縄の可能性を切り開き、自立型経済の構築に向けた諸政策課題に的確に対応する予算が編成できたものと考えております。
 次に、当初予算における財政健全化の取り組みについて。
平成14年度当初予算の編成に当たっては、「沖縄県行政システム改革大綱」に基づき県税や使用料及び手数料等の自主財源の確保に努めるとともに、歳出においては事務・事業の見直しや補助金の廃止・縮小等により経費の節減を図ったほか、大型箱物施設整備の凍結等による県単独事業の抑制を図っております。平成14年度は行政システム改革大綱の最終年度となっていることから、同大綱に掲げた改善項目を着実かつ確実に実施してまいりたいと考えております。
 次に、予算が景気や雇用に及ぼす影響についてお答えいたします。
平成14年度当初予算の投資的経費の補助事業は、国の公共事業費が大きく減となったことに伴い9.9%の減となっておりますが、平成13年度2月補正において国の2次補正に伴う公共事業の追加分を措置しており、これらを合わせますと所要の額が確保されていると考えております。
 なお、平成14年度予算編成において、自立型経済の構築や現下の厳しい雇用環境の改善を図るため観光・リゾート産業の振興、情報通信産業の集積、農林水産業の振興、企業の育成、雇用の創出等の政策課題に重点配分を行ったところであります。
 次に、行政システム改革大綱の成果についてお答えいたします。
平成12年度の大綱の実施状況については、行政評価システムの導入、かりゆし行政サービス運動の実施、県財政の中期見通し、バランスシートの公表、危機管理ハンドブックの作成及び事務・事業の見直しなどの改善を行ってきております。これを率で申し上げますと、本文に掲げられている改善項目で94%、事務・事業の見直しで62%の実施率となっております。平成13年度においても引き続き行政評価システムの導入、財政の健全化等改革項目に取り組んでいるところであり、現在、その実施状況について取りまとめを行っているところであります。
 次に、沖縄振興特別措置法(案)の評価についてお答えいたします。
 新法案は、産業振興のための特別措置の大幅な拡充を初め、新たに文化・科学技術の振興及び国際協力等の推進や駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化のための特別措置を盛り込んでおります。また、国の負担または補助の割合の特例を初めとする現行沖振法の特別措置を継承するなど、県の基本的な考え方を十分反映した内容になっており、本県の自立的発展に向けた施策展開を強力に後押しするものと高く評価しております。
 次に、金融特区の税制の特例についてお答えいたします。
 金融業務特別地区制度については、税制の特例を設けることは厳しいという意見もある中で、実質的な法人税の軽減を含め制度化されることは大いに評価できるものであります。また、税制の特例に加えて金融関連人材の育成や誘致の基盤整備も重要であると認識しております。
 このようなことから、国においては平成14年度に金融に係る人材育成モデル事業や金融関連業務誘致の基盤整備調査事業を実施することとしております。今後は当該制度を有効に活用し、企業の集積が図られるよう全力で取り組んでいく必要があると考えております。
 次に、産業高度化地域制度についてお答えします。
 産業高度化地域制度は、従来の工業等開発地区制度を発展的に解消して、製造業等とあわせて産業高度化事業の集積を図るものであります。
 現行制度と比較して拡充される点で大きなものは、優遇措置の対象業種が従来の工業等5業種に加え総合リース業、産業用機械器具賃貸業、自然科学研究所等の産業高度化事業が追加されることです。また、設備の新・増設を行った場合の税制上の優遇措置の対象として現行制度では「機械及び装置」、「建物及びその付属設備」が認められていますが、それに「器具及び備品」が追加されます。加えて、新たに事業所税の非課税措置が認められます。
 次に、職業安定計画の重点項目についてお答えをいたします。
 現在、策定作業を進めている「職業安定計画」においては、雇用の促進及び人材育成を重点項目として位置づけております。
雇用促進対策として、新規創業や経営拡大を支援し新たな雇用を創出する沖縄特別雇用開発推進事業の実施や、地域雇用開発促進法の特例を活用した雇用開発を推進する予定であります。
 人材育成においては、公共職業能力開発の充実に加えて民間企業等を活用した実践的な職業能力の開発を進めるとともに、国内外の先進的な企業や研究所等への派遣研修を拡充し、本県の産業を担う多様な人材育成に取り組みたいと考えております。
 また、特に雇用状況が厳しい新規学卒者等若年者については、現在、調査検討中の「若年者総合雇用支援システム」を早期に具体化し、人材育成から就職までの一貫した支援体系を構築する予定でございます。
 続いて大学院大学構想についてお答えします。
 大学院大学につきましては、内閣府に設置されている「沖縄新大学院大学構想検討会」に県からも参加し、その中で理念、研究・教育内容、管理運営、施設整備、立地環境、事業の規模等の基本的事項についての検討を進めており、3月末までに中間取りまとめを目指すことにしております。
 なお、県としては今後、体制を強化し取り組んでいくこととしております。
 次に、国際交流事業の推進について。
 本県においては、地理的特性や国際性豊かな歴史的特性などを積極的に生かし、アジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点の形成を図っていきたいと考えています。
 施策といたしましては、1、海外留学生・研修生受け入れ事業等開発途上地域の発展に貢献する人材の育成を初め、2、ワールド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション(WUB)等の活動を促進し、世界各地とのネットワークの拡充・発展に努めます。3、また沖縄国際センターとの連携・強化を図り、亜熱帯農業、医療、保健衛生等における技術協力を行うなど人材育成、経済、学術・文化等のさまざまな分野における国際交流・協力事業を推進してまいりたいと考えております。
 続いて沖縄新法との関連で、自立は可能かとの御質問にお答えします。
 新法案には、本県の自立的発展に必要な各種特別措置が盛り込まれておりますが、制度だけで自立が達成できるものではなく、これを今後どう活用していくかが県民に与えられた課題であると考えております。
 自立に向けては、空港、港湾等の基盤整備に加えて産業界が各種の優遇税制等を活用し、積極的な事業展開を図るなど主体的な役割を果たすことが重要であります。県としては、沖縄振興を担う多方面にわたる人材育成に重点的に取り組むとともに、制度の周知徹底を図り、企業誘致や県内産業の振興に全力で取り組む考えであります。
 また、県民や産業界の意向を十分酌み取り、各種施策のよりどころとなる新計画やこれに基づく観光、情報等の産業分野別計画を早急に策定し、着実に実行していくことにより自立的な発展が図られるものと考えております。
 次に、代替施設建設の前提条件についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件については、移設先及び周辺地域の振興策が進められるなど一定の成果を見たところでありますが、15年使用期限問題など残された課題については着実に前進が図られるよう政府に対し強く求めていきたいと考えております。
 続きまして、ハワイ、グアム等への基地移設と訓練移転についてお答えいたします。
 県としては、基地の存在及び運用等から派生する諸問題の現状にかんがみ、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減についても、基地の提供責任者である国において米国政府との間で協議する必要があると考え、昨年3月、関係大臣に対し要請を行ったところであります。
 また、去る2月4日から2月9日に行った米軍基地関係特別委員会の海外視察では、これらの問題は連邦政府の所管事項であるとしながらも、ハワイ州知事からは、沖縄の人々の過重な基地負担については理解しています、在沖米軍のハワイへの基地の受け入れを歓迎しますとの意見があり、またグアムの知事及び議会議長からは、在沖米軍基地に係る沖縄県の過重な基地負担を考え、グアムに在沖米軍を受け入れる用意があるとの積極的な意見があったと聞いております。県としては、今後とも在沖米軍の兵力削減及び訓練の移転について、県民の基地負担の軽減につながるよう日米両政府に積極的に働きかけていきたいと考えております。
 次に、国会議員による地位協定の改定案についてお答えします。
 県は、平成12年8月、日米両政府に対し11項目の「日米地位協定の見直しに関する要請」を行いました。
 このような状況の中、昨年7月の衆議院外務委員会において日米地位協定の見直しが決議され、全国知事会においては、平成14年度の国に対する要望の中で日米地位協定の見直しが取り上げられるなど従来にない動きが見られ、また去る2月11日、沖縄県選出の国会議員が中心となって新たな日米地位協定の改正案がまとめられました。同案では、日本の法令尊重義務や環境保全対策、公務外の事件・事故に関する日米両政府の被害補償、被疑者の起訴前の拘禁の移転などを改善する内容となっており、県の要請がほぼ盛り込まれた形となっていると理解しております。
 このような動きが県選出議員のみならず多くの国会議員に賛同を得られることを期待するとともに、県は今後とも日米地位協定の見直しについて粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
 次に、第4次観光振興基本計画についてお答えいたします。
 観光入域客数の目標値については、現在観光審議会に諮問し論議が行われているところであります。県としましては、同審議会の答申を受けて目標値設定をしていく考えであります。
 重点施策としましては、「多様なニーズに対応した魅力ある観光・リゾートの形成」を目指し、国際的に通用する美しい観光・リゾートづくりやアジア・太平洋地域を中心とした国際観光の振興、コンベンションの推進、また琉球王国の歴史遺産群など本県独自の歴史・文化を積極的に活用した観光の推進を図る考えであります。
 さらに、エコツーリズム等の体験・滞在型観光やウェルネス等の健康・いやしをテーマとした観光を推進するとともに、ショッピングモール等の各種施設の整備促進によるエンターテインメント性の向上を図るなどの施策を展開する考えであります。
 次に、県単一JAに対する県支援の前提条件と支援内容について一括してお答えいたします。
 県単一JA合併は、農業を取り巻く社会経済情勢の急激な変化に対応し、強固な経営基盤を確立するため来る4月1日に実現する運びとなっております。県としては、県単一JAを支援するため、農協中央会に設置する「JA合併支援基金」に対し利子補給による支援を行う計画であります。支援に際しては、合併後の県単一JAに対し最大限の自助努力を求めるとともに、1、債務超過JAは存続させない、2、経営責任の明確化、3、出資者の負担等を条件としております。
 県単一JAの実現により経営基盤が抜本的に強化されることから、農家組合員へのサービスの向上と農家経営の安定・向上に大きく寄与するものと考えております。県としては、地域農業の発展と農家所得の向上を図る観点から県単一JAを支援し、各種施策の推進に積極的に取り組んでいく考えでございます。
 次に、介護保険制度の実施状況と評価についてお答えします。
 これまでの実施状況を見ると、本県は要介護認定者の割合が高いこと、施設や在宅サービスの供給体制が十分整備され、またその利用も進んでいること等から高齢者の介護環境は大幅に向上しております。
 一方、介護保険財政を見ると、介護給付費は当初の見込みを大幅に上回る結果となり、県に設置された財政安定化基金の拠出率を引き上げざるを得ない状況となっております。今後は保険者である市町村と連携しながら、それぞれの介護度に応じた適正サービスの利用や事業者の指導監督を実施する中で、介護保険制度の円滑な運営に努める必要があると考えております。
 次に、認可外保育施設と利用児童の支援について一括してお答えをいたします。
 平成14年度の新規事業として認可外保育施設に対し認可を促進する事業を実施することとし、10カ所分の予算を計上しております。また、緊急地域雇用創出特別交付金を活用して地域の保育士や子育て経験者を臨時的に雇い上げ、認可外保育施設の保育環境を改善するための支援・指導を行う事業を予定しております。
 認可外保育施設を利用している児童に対しては、県単独事業として年2回の健康診断費、年1回の治療検診費、3歳未満児へのミルク代及び調理職員の検便にかかる経費の助成について予算を計上し、子供たちの健やかな育成に寄与してまいります。
 次に、都市モノレール事業の進捗状況についてお答えします。
 沖縄都市モノレ-ル事業のインフラ部につきましては、平成13年度で支柱及び軌道けたが完成し、事業費ベ-スで約97%の進捗になります。平成14年度は、歩道と駅舎を結ぶ自由通路と駅舎の建設をもってすべて完了させる予定になっております。
 一方、沖縄都市モノレ-ル株式会社が行うインフラ外部につきましては、電車線路や変電所などの整備を進めております。平成13年度は整備の終了した那覇空港駅から小禄駅間において、昨年12月からことし1月にかけて試験運転を行ったところであります。平成14年度は引き続き小禄駅から首里駅間を完成させ、11月から全区間において試験運転を行う予定であります。
 このように沖縄都市モノレ-ル事業は、当初計画どおり平成15年開業に向けて順調に進捗しております。
 次に、那覇空港沖合展開東京フォーラムの感想について申し上げます。
 那覇空港沖合展開東京フォーラムは、平成15年度から始まる国の第8次空港整備五箇年計画への平行滑走路新設事業の位置づけを目指して那覇空港拡張整備促進連盟が開催したものです。
 今回のフォーラムでは、政府・国会関係者のほか、航空・観光業界の関係者など予定を上回る約350名の参加があり、また尾身内閣府沖縄担当大臣を初め野中自民党沖縄振興委員長、山崎自民党幹事長、二階保守党幹事長など政府・与党の皆様から応援のお言葉をいただきました。
 以上のようなことから、今回のフォーラムは政府・国会関係者を初め中央の多くの皆様に平行滑走路新設の必要性を御理解いただく機会となったことで一定の成果が得られたものと考えております。
 次に、旧軍飛行場用地問題への取り組みについてお答えいたします。
 県議会及び県内51市町村議会において、「沖縄県所在旧軍飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が採択されたことを重く受けとめております。県としては、旧日本軍による住民の土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業にはさまざまな問題があったと認識しており、旧軍飛行場用地問題に関し国が何らかの戦後処理を行う必要があるのではないかと考えております。
 なお、同問題の検討状況については知事公室長から答弁させます。
 続きまして、美術館等の復帰30周年記念事業の位置づけについてお答えいたします。
 美術館・博物館は、県民の情操を豊かにし、地域に根差した文化の発展に必要な文化施設であると考えております。平成8年度に実施した基本設計では、総事業費が約390億円と多額であることから、建設コストの圧縮や運営コストの軽減を基本とし、他県の事例等を参考に現計画の見直しを行っているところであります。課題が整理された段階で復帰30周年記念事業の位置づけを検討することとしております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(當銘直通) 「聖域なき構造改革」が与える影響についてお答えいたします。
 地方公共団体の予算編成の際の指針となる地方財政計画につきましては、国の「改革断行予算」と歩調を合わせて徹底した見直しと重点的配分を図るとともに、給与関係経費の抑制や地方単独事業費の削減を通じその規模が抑制されたことから、初めて対前年度比マイナスとなったところであります。その結果、本県においても投資的経費の補助事業の減、地方交付税の減などの影響があり、また景気の後退により県税収入が減少したことから、臨時財政対策債の増額や大幅な基金の取り崩しをするなど厳しい予算編成となったところであります。
 県税の確保について答弁いたします。
 平成14年度の県税は、長引く景気の低迷により、主要税目である法人事業税や地方消費税で大幅な減収が見込まれ、さらに平成13年度において増加した県民税利子割についても高金利時代の郵便貯金の満期がピークを終えたことから大幅な減収を見込んでおります。また、平成12年度末の徴収率は92.4%であります。
 県税の確保につきましては、適正な課税をすることはもとより、広報活動による自主納税の推進、国及び市町村と連携した効率的な滞納整理、さらなる内部執行体制の強化等により県税収入の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、使用料の見直し等についてお答えいたします。
 「沖縄県行政システム改革大綱」において、使用料及び手数料については、その適正化を図るため「原則として3年ごとに見直しを行うこととする。」としております。
 この考え方を踏まえ、平成14年度一般会計当初予算においては、県立芸術大学授業料など15項目について金額を改定し、フロン類回収業者登録手数料など24項目について新たに設定したところであります。これによる増収見込み額は2億7800万円となっております。今後とも定期的な見直しを行い、使用料及び手数料の適正化に努めてまいります。
 次に、県債の発行予定額等についてお答えいたします。
 平成14年度一般会計当初予算における県債は596億500万円で、臨時財政対策債の増により前年度当初予算に比べ127億4300万円、27.2%の増加となっております。また、平成14年度末の県債残高見込み額は5998億円となっており、平成12年度の公債費比率は12.4%となっております。
 「沖縄県行政システム改革大綱」において、公債費の増大を抑制する見地から、一般会計の県債発行額は国の経済対策や地方財政対策等に基づくものを除きおおむね250億円程度に抑制することとしており、平成14年度当初予算では231億9400万円となっております。
 今後とも、公債費の動向に留意しつつ県債発行の抑制に努めたいと考えております。
 次に、普通財産の状況及び利活用について一括してお答えいたします。
 県が保有する普通財産は、平成13年3月31日現在で1568万平米となっており、そのうち管財課所管が105万平米、各部局所管が1463万平米となっております。
 管財課が所管する普通財産の内訳は、民間等への貸付地が76万平米、残る29万平米が貸付地以外となっております。
管財課所管の貸付地以外の内訳は、今後、利活用が見込まれ行政上保有する必要があるものが7万平米、行政上保有する必要がなく処分可能なものが5万平米、がけ地や狭少地等処分困難なものが17万平米となっております。
普通財産については、将来的にも県として保有する必要がないと判断されるもので処分可能なものについては年次計画的に処分を行っており、毎年度約10億円売却しております。今後とも、県有地有効利用基本計画に基づいて積極的に売り払い等を進め、県の財源の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、エキスポ跡地の処分について申し上げます。
 エキスポ跡地は、海洋博記念公園に隣接した県として将来的にも利用計画がない更地の県有地であります。
 本部町は、地域の観光振興、活性化を図る観点から、同町が出資する地元民間企業のリゾートホテル建設事業計画を支援・推進するため、平成13年11月に当該跡地の買い受けを県に申請してきております。県としては、海洋博公園地域は観光振興地域として国の指定を受けていることから、観光振興の観点からも民間活力を活用した地元の事業計画を促進することが適当と考え、本部町の申請に基づき今回2万1000平米を処分する予定であります。
 次に、先行取得用地の事業着手見通しについてお答えいたします。
 公共用地先行取得事業特別会計において取得した用地は、平成13年度末見込みでは55.4ヘクタールとなっております。そのうち50.7ヘクタールが農業研究センター用地であり、同センターについては平成13年度から既に事業着手しているところであります。その他のものについても計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、主要4基金の現状と確保についてお答えいたします。
 平成14年度当初予算における財政調整基金、減債基金、退職手当基金、県有施設整備基金の主要4基金の取り崩し額は157億6900万円で、前年度当初予算と比較して35億1800万円増加しており、平成14年度末の主要4基金の残高は244億9682万5000円となる見込みであります。
 平成14年度の予算編成に当たっては、地方交付税や県税収入が減少し歳入予算の確保が厳しい中、自立型経済の構築や厳しい雇用環境の改善などの諸政策課題に対応するため、臨時財政対策債の増額や基金の取り崩しなどにより予算を編成したところであります。
 しかしながら、厳しい財政環境にあっても安定的な財政運営を行うためには主要4基金の維持・確保に努める必要があると考えております。そのためには、「沖縄県行政システム改革大綱」に盛り込まれた財政健全化策を着実に推進するとともに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興策を推進して税源の涵養を図ってまいりたいと考えております。
 次に、行政評価システムの検討状況についてお答えいたします。
 平成12年度から導入を開始した行政評価システムは、本年度で知事部局、教育庁の本庁のすべての課・室において導入を終えております。この評価システムの導入により、仕事の目的や手段が明確になり、事務・事業の効果を検証・評価し、その結果を反映した見直しを行っていくという仕組みづくりができるとともに、職員の意識の改革や開かれた県政の推進に資することができるものと考えております。
 次に、公社等外郭団体について申し上げます。
 現在、県が25%以上の出資または人的支援を行っている公社等外郭団体の数は64団体で、その一部の団体は厳しい経営状況にあり、一層の経営改善に努める必要があります。
 公社等外郭団体の見直しについては、各団体の事業の内容、効果等を再点検し、公社等外郭団体のあり方や役職員数の見直し、事業の合理化、経営の改善等を進めているところであり、引き続き民営化や統廃合等を含め公社等外郭団体の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、職員定数、出向職員の状況について申し上げます。
 知事部局の一般行政の職員数は4447人であり、また公社等外郭団体等へ出向している職員は290人となっております。
 県では、組織の簡素合理化、各種事業の進捗や地方分権の進展の状況を踏まえ、平成12年度から16年度までに知事部局の一般行政職員530人程度を削減する計画であります。今後とも組織の簡素合理化を図るとともに、スクラップ・アンド・ビルドを一層徹底し、職員数の適正な管理に当たっていきたいと考えております。
 次に、県単補助金の現状と整理統合について一括してお答えいたします。
 平成14年度当初予算に計上している県単補助金の総額は98億5362万3000円となっております。
 県単補助金については、社会経済情勢の変化、補助目的等の達成状況、行政の責任分野、経費負担のあり方、行政効果等を精査の上、廃止・縮小、終期設定等により見直しを行っているところであります。平成14年度当初予算においては、124件の補助金の見直しを行い、18億8021万6000円の節減を図ったところであります。今後とも県単補助金については、社会経済情勢の変化等に応じた見直しを行ってまいります。
 以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 離島市町村の財政硬直化の現状と課題についてお答えをいたします。
 財政の硬直化を示す指標となる経常収支比率は、本島市町村が84.9%、離島市町村が86.3%で離島市町村が1.4ポイント高い状況にあります。
 経常収支比率の上昇は財政の硬直化につながることから、税収入等の一般財源の確保とともに職員定数の削減や給与の見直し等による人件費の縮減、繰り上げ償還や借りかえ等による公債費の圧縮、事務・事業の見直しによる補助費等の縮減など財政の健全化に積極的に取り組む必要があります。
 また、地方分権の時代にふさわしい簡素で効率的な行政システムを確立していく必要があると考えております。県としましては、このような観点から引き続き適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
 次に、市町村合併について、合併重点支援地域の現在の状況についてお答えをいたします。
 県では、昨年11月に合併支援本部において久米島、それから具志川・与勝及び宮古の3地域11市町村を合併重点支援地域として指定したところです。
 久米島地域は、12月県議会の議決を経て廃置分合の知事決定を行い、去る1月24日には総務大臣告示が行われたことから、4月1日に「久米島町」が誕生することとなっております。
 具志川・与勝地域では、昨年12月3日に「具志川市・勝連町・与那城町3市町の合併を考える任意協議会」が設置され、地域住民や議会への説明を行いながら、法定合併協議会への年内移行を目指しております。
 また、宮古地域におきましては、6市町村長の合意に基づき、法定合併協議会の設置に向けて取り組みがなされているところであります。
 次に、南部市町村などは合併の効果が期待できると思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 那覇市を除く本島南部市町村は、狭小な面積の中に多くの市町村が連なっていることから、スケールメリットが働き広域的な視点に立った効果的なまちづくりなど、市町村合併の効果が期待される地域であると考えております。
 このため、県は、これらの地域について3回に分けて地域別説明会を行うなど合併の促進を図ってきたところ、個別の職員研修会や民間団体主催の講演会が開催されるなど徐々に動きは出てきております。県としては、これらの地域において、住民への情報提供や関係市町村間における議論がさらに深まるよう重点的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、都市部と離島町村の合併構想についてお答えいたします。
 県は、昨年3月に策定・公表した「沖縄県市町村合併推進要綱」の中で、離島町村と本島側の拠点となる都市部との組み合わせを示したところであります。これは、今後、離島が単独で広域的な課題に対応していけるかという点について非常に厳しいものがあると考え、本島と離島が連携し互いの地域特性を生かすことにより、離島における福祉・医療・衛生等の行政サービスの向上や、離島を含めた一般廃棄物処理施設の効率的な配置等及び離島航路の総合的な整備などの合併効果が期待できると考えたものであります。
 市町村合併は、関係市町村が自主的、主体的に取り組んでいくべきものであると考えておりますが、広大な海域に点在する離島町村については、地域の実情や意向を踏まえた特別な配慮や支援が必要ではないかと考えているところであります。
 次に、モノレールの事業区間の延伸についてお答えをいたします。
 現在策定を進めております新たな「沖縄県総合交通体系基本計画」では、軌道系交通システムを含めモノレールの延伸について検討を進めることが必要であるとしております。今後は、パーク・アンド・ライドシステムやITSなどの関連ソフト施策、基地跡地利用等中南部圏の発展の方向、人口や市街地開発の動向、モノレール開業後の需要特性等を踏まえ、沖縄振興開発計画の中で調査検討を進めることが重要であると考えております。
 バス会社の統合問題の現状と県の対応についてお答えをいたします。
 バス統合については、平成14年1月に「バス統合準備室」が発足し、その代表者のもとで本島バス4社が朝日監査法人に調査を依頼して作成しました統合案の検証を行い、出資者等の理解が得られる案の作成を目指していると聞いております。県としましては、バス企業の統合は基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題であると考えており、「バス統合準備室」において新会社の事業計画が明らかになった段階で、県として支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 金融特区内の業務、企業誘致、県内金融機関への影響について一括してお答えいたします。
 金融業務特別地区内において期待できる業務としては、主として情報通信インフラを活用し、かつ本社からの業務分離が可能な業務が想定されます。したがって、金融業や保険業などのバックオフィス的業務を担う企業等の立地の可能性が高いものと考えております。このようなことから、預貯金を直接取り扱う県内金融機関との業務の競合は基本的にはないものと考えております。
 次に、情報通信産業特別地区の内容と地区指定についてお答えいたします。
 沖縄振興特別措置法において、情報通信産業振興地域のうち、特定情報通信事業を実施する企業の立地を促進する地区として情報通信産業特別地区が創設されることになっております。この地区において、データセンターなど情報通信産業の集積を特に促進する特定情報通信事業を営むため、新たに設立された法人について課税の特例の適用があるとされております。
 地区指定については、今後必要な要件を政令で定めることになっており、これを踏まえて具体的な検討がなされることになります。
 人材育成の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。
 情報通信産業関連の人材育成につきましては、平成11年度からコールセンター要員の育成を1000人規模で実施していますが、あわせてデータベース、ネットワーク等のソフト開発分野に係る人材育成やCG、アニメなどのコンテンツ分野の人材育成にも取り組んでいます。
 今後の人材育成への取り組みにつきましては、昨年7月に策定した「情報通信関連分野の人材育成に関する基本方針」に基づき、情報通信産業の高度化と集積を図るとともに、地域経済社会の発展に寄与するため高度IT技術を活用できる人材層の形成を早期に図っていきたいと考えています。そのため、平成14年度から新規事業としてデータベース技術者などを育成するIT高度人材育成事業や通信・放送分野等専門技術者人材育成事業を実施することとしております。
 次に、振興計画の特徴や策定スケジュールについてお答えいたします。
 沖縄振興計画(県案)は、従来の本土に追いつくことを目指したキャッチアップの理論から、「魅力ある地域特性の発揮」と「不利性の克服」により、民間主導の自立型経済社会の構築に向けて「沖縄経済振興21世紀プラン」を反映させるとともに、我が国及びアジア・太平洋地域の経済社会文化の発展に寄与する地域の形成を目指すという新たな視点で作成してまいります。
 従来の3次振計との違いとして、情報通信の高度化など産業の振興に関してより重点的に盛り込むほか、科学技術の振興や国際協力・交流の推進、さらには基地の跡地利用についても新たに盛り込まれております。関連して観光振興計画等の分野別計画も策定されることとなっております。
 沖縄振興計画の策定スケジュールについては、4月上旬に県案の素案を沖縄県振興開発審議会に諮問し、調査・審議を経て5月下旬に答申を受けます。また、県議会においては4月中旬に県案の素案を説明し、5月には全員協議会等で議論していただく予定であります。このような審議・議論の結果を反映させて県案を策定し5月末に国に提出いたします。
 なお、国においては県案提出を受け、国の沖縄振興審議会に諮問し、答申を経て7月上旬には沖縄振興計画を決定する予定と伺っております。
 次に、県民意見交換会についてお答えいたします。
 沖縄振興計画素案に広く県民の意見を反映させるため、今月4日から14日にかけて県内11カ所で県民意見交換会を開催いたしました。県民の御意見は多岐にわたっておりますが、特に共通した意見として道路整備や自然環境の保全、生活環境の整備、さらに基地の跡地利用に関するものが多くありました。また、離島においては福祉・医療の確保や農林水産業の振興及び物流対策に関する意見が多く出ております。
 次に、振興計画と分野別計画の違いや策定スケジュールについてお答えいたします。
 沖縄振興計画は、本県の振興に向けて取り組むべき施策の基本方向を示す総合計画であり、県知事が案を作成し、内閣総理大臣が決定することとなっております。
 一方、分野別計画は、産業の振興を図るため、沖縄振興計画を踏まえ、具体的な施策・事業を盛り込んだアクションプランとして観光、情報通信産業、農林水産業及び職業安定等の各分野について県知事が策定し、主務大臣の同意を得ることとなっております。
 分野別計画の策定スケジュールについては、4月下旬に県計画の素案を主務大臣に仮提出し、6月中旬までに関係省庁と所要の調整を完了させ、6月末に県案を提出いたします。その後、関係部局と関係省庁の協議を行い、国において沖縄振興開発審議会への諮問・答申を経て、9月上旬には主務大臣の分野別計画の同意を得ることになります。
 次に、PFI等を含めた県の取り組みとその活用について一括してお答えいたします。
 モノレール旭橋駅周辺地区再開発構想は、民間施行による市街地再開発事業等の導入が予定され、今後の都市再生を進める上でモデル事業となるものであり、県としても構想の実現に向けて積極的に協力していく考えであります。また、PFI事業については、公共施設等を対象に「沖縄県PFI導入指針」に基づき県庁内に設置されたPFI推進会議、PFI検討チーム等で導入事業について検討していきたいと考えております。
 同じくPFI事業は、県外・国外企業も対象かについてお答えいたします。
 PFI事業については、「公平性の原則」、「透明性の原則」に基づいて事業者の選定を行うこととしておりますが、事業執行の適格性等を踏まえ県内企業の活用を中心に適切に対応していきたいと考えております。
 次に、那覇空港関係の今後の取り組みと第8次空整の日程についてお答えいたします。
 那覇空港の平行滑走路新設の早期実現に向けた促進連盟の今後の取り組みとしては、広報活動を通した地元の機運醸成や政府・国会関係者等に対する要請を行うなど、促進活動を強力に展開してまいりたいと考えております。また、第8次空港整備五箇年計画は、従来どおりの日程で進められるとしますと本年3月ごろから交通政策審議会において検討作業が開始され、その検討結果を踏まえ、平成15年11月ごろ答申を経て閣議決定されることになります。
 次に、那覇港湾関係の実現化方策検討委員会からの提言についてお答えいたします。
「那覇港国際流通港湾実現化方策検討委員会」からの提言の内容は、沖縄の地理的優位性を生かし国際トランシップ港湾の早期実現を目指すこと、地域経済の育成・発展に資すること、実現に向けてアクションプランを作成し直ちに取り組むこと等であります。県としても本県の自立的な経済発展、産業の活性化、県民生活の向上を図るためには那覇港を「ハブ機能を有する国際流通港湾」として整備することが重要と考えております。そのことから、今回の提言は県が取り組んでいる那覇港の国際流通港湾実現化に向けて、より具体的な取り組みが示されたものと考えております。
 次に、常勤の副管理者の人選についてお答えいたします。
 那覇港は、県民生活、産業経済を支える基幹インフラとしての役割に加えてトランシップ貨物を取り扱う新たな産業としての港湾開発を目指すものであり、その管理運営は極めて重要であります。
 このようなことから、管理組合の実質的な統括者である常勤の副管理者については、日本の港湾行政に関する幅広い知見と経験、世界の海運、港運などの海事動向に関する幅広い知見と経験、港湾経営面、港湾振興面に関する幅広い知見と経験等の視点から人材を求める必要があるものと考えております。
 人選については、これらを踏まえ那覇市、浦添市とも連携しながら総合的に検討していきたいと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 沖縄型特定免税店の空港外展開の取り組み状況についてお答えをします。
 沖縄型特定免税店の空港外展開については、その実現を図るべく、国が実施した「沖縄商業集積基本構想調査」をもとに平成12年度に宜野湾市において「沖縄国際ショッピングモール基本構想」を策定したところであります。宜野湾市においては、現在、事業予定者との間で事業規模、用地の確保など立地に向けた諸条件の整備について調整を行っているところであります。県としても、本県産業の活性化を図る立場から、宜野湾市における取り組みに対する支援を引き続き行っていきたいと考えております。
 次に、産業高度化地域の指定についてお答えをします。
 県としては、産業高度化地域制度が工業等開発地区制度を発展的に解消して創設されることから、基本的には現在、工業等開発地区に指定されている市町村については指定をされるよう取り組んでまいります。それに加えて人口、事業所等が集積し、今後、産業高度化事業の集積が見込まれる市町村が指定の対象となると考えています。
 次に、中小企業の振興についてお答えします。
 沖縄振興特別措置法においては、中小企業経営革新支援法の特例及び経営基盤強化の支援制度が設けられております。今回創設される沖縄特例では、沖縄の地域特性を踏まえた沖縄経営革新指針を国が定め、経営革新を行うことが県経済の振興に資すると認められる業種のうち、政令で定めるものが支援対象となります。業種については国と調整中ですが、健康食品、健康飲料、観光土産品、伝統工芸品等の製造業のほか、卸売業を初めとする関連サービス業等が指定されるよう働きかけているところであります。これらの業種に属する中小企業者等が行う設備投資に対しては対象設備や控除率、繰り越し期間等の拡充が認められております。
 なお、補助金、融資、信用保証の特例等の各優遇措置については、本法と同様の支援措置が認められております。
 また、経営基盤強化の支援は、経営基盤の強化が県経済の振興に資する業種を政令で指定し、固定資産の特別償却等税制面の支援を行うものであります。
 次に、新規事業創出の特別措置についてお答えします。
 新事業創出に向けた特例措置としましては、沖縄公庫における新規創業や新事業分野を開拓する企業等に対する出資制度の創設があります。本制度の創設により、すぐれた技術やアイデアを持ち、成長が期待される企業等に対して円滑な資金供給を行うことで特色ある企業の創業や新事業の展開、並びに県外ベンチャー企業の立地等を促進することが大きく期待されるところであります。本県経済が中長期的に自立的発展を遂げていくためには、経済の活性化につながるような新たな産業や企業の創出が極めて重要であることから、県としましても沖縄公庫と連携を図りながら新規事業の創出、ベンチャー企業の育成を図っていきたいと考えております。
 次に、観光土産品の自給率向上についてお答えします。
 観光土産品については、観光客や一般消費者に県産品であることを明示することが重要であると考えております。そのため、県においては産業工芸品の証の貼付等を奨励し、一方、民間においては沖縄県工業連合会が県内で製造・加工された県産品に沖縄県産品マークを表示するよう奨励しております。また、観光土産品における県産品の自給率の向上を図るためには、質の高いオリジナリティーのある製品を開発することが課題であると考えております。
 県としては、このような観点から地域資源を活用した生産体制を確立し、新商品やデザインの開発及び品質向上を促進し、製造業等地域産業の競争力の強化を図っていきたいと考えております。
 次に、県内の雇用状況についてお答えします。
 本県の平成13年平均の完全失業者数は5万3000人で前年に比べ3000人増加し、完全失業率は8.4%と前年に比べ0.5ポイント悪化しております。また、30歳未満の若年者の完全失業者数は2万6000人で前年に比べ2000人増加し、完全失業率は15.7%と前年に比べ1.4ポイントの悪化となっております。失業者数に占める若年者の割合は49%となっております。
 次に、若年者や非自発的離職者に対する雇用対策の効果及び企業に対する対策についてお答えをします。
 若年者の雇用対策については、コールセンター等情報通信産業に向けた講座の開設等多様な職業能力の開発や沖縄若年者雇用開発助成金等を活用した雇用促進を図っており、沖縄若年者雇用開発助成金による平成12年度の雇用は299人となっております。
 また、非自発的離職者の早期の再就職を支援する対策としては、非自発的離職者を雇用した事業主に対して緊急雇用創出特別奨励金及び新規・成長分野雇用創出特別奨励金による助成が行われており、両助成金による平成12年度の雇用は363人となっております。
 企業に対する対策としては、雇用を維持する事業主に対して助成する雇用調整助成金等各種の雇用支援制度があります。
 次に、緊急地域雇用創出特別交付金による雇用効果についてお答えをします。
 国から70億円の交付を受けた緊急地域雇用創出特別交付金事業による新規の雇用者数は、約7000人と計画をしております。
 なお、平成14年度は県事業として14億6192万3000円、市町村事業として11億1542万9000円、合計25億7735万2000円を予算計上しているところであり、これによる新規の雇用者数は2403人と見込んでおります。
 次に、テロ事件以降の観光関連産業の雇用についてお答えをします。
 雇用面の影響について、ホテル等宿泊施設に対して1月末現在でアンケ-ト調査を実施したところ、解雇については正社員が2社で3名、パ-トタイムは9社で23名となっております。
 自宅待機等については、正社員の自宅待機等はないものの、パ-トタイムについては時間調整を含めた自宅待機等が40名となっています。このことから、パ-トタイムを中心に雇用調整が行われている状況であります。
 次に、保証渋りの実態と県の対応についてお答えします。
 県内中小企業者の中からは、各種金融支援制度の活用に際して信用保証協会の審査基準が厳しいとの指摘がありますが、今年度の保証承諾実績を見ると平成13年12月末現在で件数が3725件、金額が566億992万円、保証承諾率は件数ベースで82.3%となっております。
 信用保証協会によると、今後とも緊急の金融支援やセーフティーネット保証制度等を推進し、中小企業者の資金調達環境の改善を支援していきたいと考えているところである。しかしながら、保証承諾に当たっては原則として要件の適格性、返済能力、事業の継続性が求められるとの考え方が述べられております。県としては、経済労働委員会と信用保証協会の意見交換をも踏まえ、信用保証協会及び金融機関を訪問し、中小企業者を取り巻く昨今の厳しい経済状況を踏まえ、個々の事業者の実情に応じた弾力的な運用により融資の円滑化が図られるよう直接申し入れを行ったところであります。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 沖縄型特定免税店制度の消費税免税についてお答えします。
 沖縄型特定免税店制度の消費税免税については、昨年6月、政府等に対して提案を行い要請してまいりましたが、昨年12月の「平成14年度税制改正大綱」には盛り込まれませんでした。県としましては、当該制度の実施状況を見きわめつつ、本県ショッピング観光のさらなる魅力の増大を図ってまいりたいと考えております。
 次に、米同時多発テロ事件の影響についてお答えします。
県においては、緊急誘客キャンペーンとして新聞や雑誌、テレビ等のマスメディアを活用して沖縄観光をアピールするとともに、主要都市へキャラバン隊派遣等の事業を実施しております。また、修学旅行対策として各学校における保護者説明会への職員派遣や、各都道府県教育委員会関係者と修学旅行担当者の招聘事業を実施しております。こうした取り組みや全国からの応援ツアーの実施などにより沖縄観光は徐々に回復基調が見られます。4月以降の修学旅行の実施予定につきましては現時点で約1280校となっており、昨年の倍、一昨年の約90%となっております。
 なお、この場をおかりいたしまして県議会を初め関係団体の取り組みに対し心から御礼を申し上げます。
 次に、観光リゾート局の予算と組織体制についてお答えします。
 平成14年度における観光リゾート局の予算は、観光客誘客活動費や復帰30周年記念事業、世界遺産周辺整備事業、エコツーリズム推進事業、健康保養型観光推進事業、世界帆船大会セイルコリア2002事業などを中心に34億2656万4000円を計上しております。
 また、観光リゾート局の組織につきましては観光産業に関する調査・分析、観光客の誘客活動及び受け入れ体制を中心に強化していく考えであります。
 次に、世界遺産周辺整備事業についてお答えします。
 当該事業につきましては、観光案内板設置、道路修復工事、駐車場整備、休憩所整備、観光パンフレット作成等を実施することとしており、事業主体は那覇市、浦添市、中城村、読谷村及び勝連町であります。
 次に、観光土産品の製造元実態調査についてお答えします。
 御指摘のとおり、観光土産品につきましては県産品以外の商品も販売されていることは承知しております。県におきましては、現在、土産品に関して観光客や販売店、製造業者を対象にアンケート調査を実施しているところであります。
 以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 基地問題についての御質問にお答えをいたします。
 まず、SACOの実施状況についてのお答えでございます。
 SACO合意事案のうち、安波訓練場については返還が実現しております。
 また、普天間飛行場の移設については、代替施設を軍民共用飛行場とすること、規模については安全及び環境に十分配慮し必要最小限とすること、建設場所についてはリーフ上の案とすることなどを基本として具体的な基本計画の策定に向けた作業が進められているところであります。
 さらに、那覇港湾施設の移設につきましては、平成13年11月16日、国、県、地元自治体で構成する3つの協議会が国により設置され、現在、移設に係る諸問題や振興策等について協議しているところであります。
 その他の事案につきましては、平成13年1月に北部訓練場環境調査の結果が公表され、特記すべき種が多数確認されたことに伴い、国は移設場所の選定に関し継続して調査を実施しております。また、読谷補助飛行場で行われていたパラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転が完了したほか、米軍住宅統合や楚辺通信所の移設、海軍病院の移設、瀬名波通信施設の移設など幾つかの事案について移設先の自治体の受け入れ表明がなされるなど、SACO合意事案の実施が着実に進捗しているものと認識しています。特に、住宅統合につきましては、キャンプ瑞慶覧内に高層住宅2棟136戸及び関連施設の移設・整備が本年2月に建設が完了する予定であると聞いております。
 なお、ギンバル訓練場の返還につきましては、ブルービーチ訓練場への移設が条件となっておりますが、地元金武町では、ブルービーチは町の振興開発の拠点であるとしてキャンプ・ハンセンに移すことを国に求めております。ギンバル訓練場の返還に係る問題については、国においても地元の要望を踏まえながら柔軟に対応するとしており、県としては、日米間での話し合いの状況を見守りつつ、地元金武町と連携を図りながら適切に対応していきたいと考えております。
 次に、SACO事案以外の返還要求についての御質問にお答えいたします。
 SACO合意以前に県内の基地所在市町村が行った施設等の返還要請につきましては、平成2年6月19日の日米合同委員会で返還に向けて調整・手続を進めていくことが確認されたものが23事案あります。そのうち北部訓練場の一部、牧港補給地区補助施設等の17事案については既に返還済みであり、泡瀬ゴルフ場、キャンプ桑江の58号沿いの北側部分等5事案については現在返還に向けた作業が進行中であります。
 23事案以外で、金武町からブルービーチ訓練場、具志川市からは天願桟橋の返還要請が出ておりますが、これらの事案については、今後、地元の意向を踏まえつつ、国との緊密な連携のもとに返還に向けて日米両政府に働きかけていきたいと考えております。
 次に、地位協定に関する森山法務大臣の発言についての御質問にお答えいたします。
 日米地位協定の見直しについて、政府は、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応し、これが十分効果的でない場合には日米地位協定の改正も視野に入れていく旨の方針を持っており、森山法務大臣の発言はこの政府方針を踏まえてなされたものと思います。県としては、被疑者の起訴前の拘禁を日本側が行えるようにする地位協定第17条の見直しを含め、県が平成12年8月に要請した11項目の地位協定の抜本的な見直しについて、日米両政府は積極的に取り組んでいただくよう今後ともあらゆる機会をとらえて粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、公平補償問題の取り組み状況についての御質問にお答えいたします。
県は、嘉手納基地周辺地域に居住し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民も訴訟参加者と同様に受忍限度を超える騒音被害をこうむっていると認識しており、平成12年10月20日、那覇防衛施設局に対し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民の受忍限度を超える過去の騒音被害に対し適切な措置を講じるよう要請いたしました。また、この件については、平成12年12月に来県された当時の橋本沖縄開発庁長官や斉藤防衛庁長官に要請を行うとともに、昨年8月24日に来県された中谷防衛庁長官に対しても同様な要請を行ったところであります。
国は、今後のとるべき施策を検討するため部外の有識者による「飛行場周辺における環境整備の在り方に関する懇談会」を設置し、今年春を目途に取りまとめることとしており、昨年9月28日の第1回会合以来、現在までに4回の会合が開催されたと承知しております。
会合では、いわゆる公平補償に関する議論も行われ、公平補償問題とハンセン病訴訟判決等との整理、訴訟に対応する予算と訴訟に関係なく対応する予算の整理と確保、訴えていない人の不満解消についての検討の必要性等が話し合われたと承知しております。県としては、今後とも当該懇談会における審議の状況を見守るとともに、来る3月に予定されている懇談会委員による本県での視察の際には、地元住民等の意見等を伝えるよい機会でありますので、積極的に協力し理解を求めていきたいと考えております。
 次に、次回の代替施設協議会の開催時期と協議内容についての御質問にお答えいたします。
 第8回代替施設協議会で合意された「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に基づき、防衛庁等が中心になってリーフ上案での具体的建設場所や最適な工法等について検討を行うこととなっております。次回は、防衛庁長官から、これらの検討結果の報告を受け、基本計画案の策定に係る協議を行うこととされております。
 なお、開催時期については現時点では決まっておりませんが、普天間飛行場の早期返還にこぎつけるためにも一日も早く同協議会が開催されることを願っております。
 次に、戦後処理問題についての中の旧軍飛行場用地問題の検討状況についての御質問にお答えいたします。
 県としては、旧軍飛行場用地問題の解決を国に要請するに当たっては、1つ目に、嘉手納基地土地所有権確認訴訟においては国の所有権を認める判決がなされたが、接収用地の返還を求める協議会の要請を実現するための根拠を何に求めるのか。2つ目に、那覇空港や嘉手納飛行場のように現に使用している国有財産については国有財産法での処分は不可能であるが、どう考えるのか。3つ目に、宮古、石垣では既に農地法に基づいて耕作者に払い下げられた土地があり、また4つ目の、読谷村では読谷飛行場地域開発整備計画を作成し、農業生産法人を設立するなどして計画を進めようとしているが、それとの整合性をどう図るのかなどの点について整理する必要があると考えており、これらの問題点について現在協議会と意見交換を続けているところであります。
○警察本部長(太田裕之) 地位協定改定の問題についてお答えいたします。
 地位協定の改定の問題については、県警察として意見を言う立場にはございませんので所見については控えさせていただきますが、被疑者取り調べ時の弁護人の立ち会いについては一般論として申し上げれば、我が国の法令上そのようなことは権利として認められていないことに加え、被疑者取り調べによる事案の真相解明を図る上で十分慎重に検討されるべき問題であると考えております。
○文化環境部長(永山政邦) 基地問題の地位協定の見直しについてお答えします。
 米軍基地から派生する環境問題については、油や汚水の流出、航空機騒音、PCB等有害廃棄物の処理等の問題があり、県民の生命財産の安全に直結しております。文化環境部としましては、環境保全の立場から環境汚染が発生した際の立入調査及び浄化対策等を実施すること等の制度を確立するためにも地位協定の見直しは必要であると考えております。
 次に、不発弾処理状況と新規事業についてお答えいたします。
 県内における不発弾等処理事業には、県民の情報に基づく埋没不発弾の探査と国、県、市町村が公共事業を実施する際に行う不発弾探査があり、復帰以来平成12年度までに約1500トン、年平均約52トンの不発弾が発見・処理されてきております。なお、不発弾はまだ相当数量あるものと推定され、その処理にはかなりの期間を要するものと見込まれております。
 平成14年度から新規に実施する市町村支援事業は、市町村が単独公共工事を行う際の不発弾探査に対する補助事業で1億9088万3000円の予算を計上しております。同事業の国の補助率は10分の9で、残り10分の1は県、市町村の負担となっております。
○農林水産部長(天願貞信) 単一JAの農業振興策と合併に伴うサービスについて一括してお答えいたします。
 県単一JAの農業振興策については、昨今の農業・農村をめぐる環境変化に対応するため「JA沖縄農業戦略」が策定されております。その主な柱は、地区ごとに設置する「地区営農センター」を中心に担い手育成と営農指導の強化、販売戦略に基づく生産誘導への転換、生産資材・流通コストの低減化等を図り、農業経営の安定・向上に努めることとしております。
 県単一JAの実現により経営基盤が強化されることから、組合員への各種サービスは拡充・強化されるものと考えております。県としても、県単一JAと連携を強化し、各種施策の推進に積極的に取り組んでいく考えであります。
 次に、イモゾウムシ等の防除対策の経緯、防除方法、予算の状況及び今後のスケジュールにつきましては一括してお答えいたします。
 イモゾウムシ、アリモドキゾウムシの防除対策の経緯については、平成2年度から国庫補助事業により生態及び分布などの基礎的調査と試験を実施しております。平成6年度からは性フェロモンを利用した密度抑圧防除及び不妊虫放飼など本格的防除に向けた実証試験を実施し、今年度からは久米島において本格的な根絶防除に取り組んでおります。
 根絶の方法については、ガンマ線照射による不妊化を行い、不妊虫放飼によって次世代の子孫を減少させ根絶する防除法をとっております。
 平成14年度の防除対策関係予算につきましては所要額が確保される見込みであります。
 今後の防除スケジュールとしては、平成14年度中に久米島におけるアリモドキゾウムシの根絶を達成し、イモゾウムシについては平成17年度をめどに根絶する計画であります。
 また、久米島における根絶達成の成果を踏まえて、県全域に防除事業を拡大し計画的に根絶を図る考えであります。
 次に、農林水産物の販売促進対策について。
 本県の農林水産業が国内外産地との競争に対応するためには、市場ニーズを的確に把握するとともに、生産と連携した販売対策を強化することが重要であります。このため、販売対策としては、現在、県内外での販売促進キャンペーンや東京駐在員による市場情報の収集・提供などを実施しております。
 また、県としては、一貫性のある効果的な販売戦略の構築や、「おきなわブランド」の確立、地産地消の推進など総合的な販売対策の強化を図っていく考えであります。
 次に、輸送コストの低減対策について。
 農林水産物の輸送コスト低減は、市場競争力の強化と県外市場への出荷拡大を図る上で重要な課題であります。そのため、県としては、低コスト輸送ルートの開拓として、平成13年度から戦略品目を対象に連日出荷が可能な船舶とJR貨物を活用した本格的な実証輸送を実施しております。
 また、平成14年度からは、県内農産物の効率的な集荷を初め生産から販売までの情報の集約化や、「ゆうパック」など多様な流通チャンネルを活用した地域農産物物流効率化のための調査事業を実施する計画であります。今後、これらの事業の成果を踏まえ、低コスト輸送体系の確立や産地集荷の合理化などにより輸送コストの低減に努めていく考えであります。
 次に、野菜の価格安定対策について。
 野菜の価格安定対策としては、現在、サヤインゲン、ゴーヤーなど22品目を対象に、市場価格が基準価格を下回った場合、生産者に補給金を交付することとしております。ここ10年間の実績は、約6万3000トンを対象に約17億7000万円の交付を行い、農家経営の安定に大きく寄与しております。今後とも農家の経営の安定化を図るため、対象品目の拡大等価格安定対策の充実・強化に努めていく考えであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険財政安定化基金条例の改正についての御質問にお答えします。
 本県の平成12年度から14年度までの事業運営期間の市町村介護保険給付費は、当初見込みを約207億円上回ることが予測され、45の市町村が県に設置されている財政安定化基金から借り入れを予定しています。
 市町村への貸し付けと交付に必要な額は34億8000万円となり、現在の基金の積立額21億円では13億8000万円の不足が生じる見通しとなっております。そのため、沖縄県介護保険財政安定化基金条例に定める国、県、市町村の拠出率を0.5%から1.5%へ引き上げ、基金への積立額を3倍にすることにより介護保険財政の安定化を図ることとしています。
 高齢者ケアサービスの質の確保のための指導についてお答えします。
県内には3814の事業所が指定されており、平成12年度は200事業所において実施指導を行いました。平成13年度は、1月末で340事業所において実施しております。
制度が実施され間もないことから、特に利用者等からの苦情のある事業所については優先的に指導・監査を行っております。
 適正な事業運営に積極的に取り組んでいる事業者等がある一方で、過誤請求の事例や指定基準違反の不正請求等もあり、これまで49の事業者から約1億6000万円の介護給付費の自主返還の指示を行っております。今後は、利用者に対し適正な介護サービスを提供するため、ケアプランの作成に当たるケアマネジャーの資質の向上を図るとともに、事業者に対する指導監査をさらに強化し、厳正に対応してまいりたいと思います。
 公立保育所の民間委託と保育の質の確保について一括してお答えいたします。
 市町村は、保育に欠ける児童を保育所に入所させることにより保育の実施責任を果たしております。
 市町村立の保育所の民間委託につきましても、保育所の運営業務を委託するもので、保育所についての児童福祉施設最低基準の遵守や保育所に係る安全配慮義務は設置者たる市町村にあり、その責任を放棄するものではなく、保育の質も確保されるものと考えております。
 なお、市町村においては、待機児童の解消と多様な保育ニーズに対応した保育サービスの整備が課題であり、民間委託はこれらのニーズに対応するための有効な方策であると理解しております。
 保育所待機児童解消のための年次計画について。
 「就学前児童の保育等に関する実態調査」の結果、認可外保育施設を利用している就学前児童の55.9%がいわゆる保育に欠ける児童となっております。このことから、潜在的な待機児童を含めた中長期的な解消計画を策定する必要があります。
 現在、部といたしましては、策定中の「新おきなわ子どもプラン」──仮称でございますけれども──この期間である平成14年度から平成18年度までの5年間で50カ所の認可保育所の創設と40カ所の増改築等の施設整備を行い、約3500人の待機児童の解消を当面の目標として計画を立てていきたいと考えております。
 離島医療について。
 県といたしましては、医師の安定的確保と定着を図るため医学臨床研修事業を実施しているところであり、専門医や離島・僻地医療を担うプライマリーケア医師の養成・確保に努めております。
 また、離島・僻地の専門医が県内で確保が困難な科目につきましては厚生労働省派遣医師制度を活用し、その確保に努めております。
 さらに、自治医科大学に毎年2名ないし3名の学生を送り出し、卒業後、離島等の診療所に配置しております。
 また、離島・僻地における医療環境を改善するため、情報機器等を利用した「沖縄県離島・へき地遠隔医療支援情報システム」を運用し、離島の医療支援に努めております。
 今後の取り組みとしては、「へき地医療支援機構」を設置するなど、本県の離島・僻地における保健・医療施策を充実・強化していくこととしております。
 以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 都市モノレール事業関連で、需要予測と収支計画について御説明いたします。
 沖縄都市モノレールは、平成15年の開業時の利用客数を1日当たり約3万5000人と見込んでおります。これはパーソントリップ調査やバス利用実態調査等を踏まえて予測したものであります。これに基づく収支計画については、損益ベースでは単年度で開業後10年目、累積では開業後25年目に好転するものと見込んでいるところであります。
 平成7年度の特許申請時において、モノレールの初乗り運賃は開業時の市内バス運賃と同程度ということで設定しておりましたが、当時、上昇を見込んでいた市内バスの運賃は、特許申請時からほぼ横ばいで推移している状況にあります。
 モノレールの初乗り運賃をこの水準で設定した場合は、収支的にはマイナス要因となりますが、特許申請時に見込んでいた借入金利息の大幅な低下や経営の効率化による経費の縮減などのプラス要因が大きく寄与することから、長期的には会社経営に支障はないものと考えております。
 旭橋駅周辺地区再開発による利用促進効果についてお答えいたします。
 旭橋の再開発構想は、総面積は約10ヘクタールで総事業費は約500億円が見込まれており、再開発による新たな雇用創出は約2000人以上と聞いております。モノレールの利用促進効果としては、市街地の高度利用や駅を中心とした新たなまちづくりが考えられており、モノレール利用客の確保に大きく寄与することが期待されます。
 次に、駐車場や駐輪場の整備についてお答えいたします。
 沖縄都市モノレールでは、バス、タクシーなど他交通との結節による利便性を確保するため、おもろまち駅及び赤嶺駅等の8駅で交通広場の整備を進めています。
 また、自転車の駐輪場については、駅周辺からの手軽な交通手段としての利用が期待されるため、各駅に専用の駐輪場の整備を計画しております。
 パーク・アンド・ライド駐車場については、自動車からモノレールへの交通転換を図り、都心部に流入する車の交通量を低減する有効な施策であると認識しておりますが、那覇都心部の駅近傍においては、用地の確保や費用対効果など解決すべき多くの課題がありますので、県としては、駅周辺の民間商業施設等の駐車場の利活用を含めて検討していきたいと考えております。
 同じく利用促進への取り組みについてお答えいたします。
 開業後の健全経営を図るためには、県民・市民に親しまれ、広く利用されることが必要であります。モノレールの利用促進を図るため、駅前交通広場の整備や駅と那覇空港ターミナルビル、那覇市立病院とを結ぶ連絡デッキ、壺川駅と奥武山公園とを結ぶ歩行者専用橋等の駅周辺施設の整備を進めています。
 各駅においては、利用者の利便性を図るためエレベーターやエスカレーター等の施設整備に取り組んでいるところであります。
 また、昨年10月には、広く県民及び関係機関から利用促進策についての意見・提言を聞く場として「沖縄都市モノレール利用促進協議会」を設置したところであります。同協議会において、周辺商業施設との利用セット券、乗り継ぎ運賃割引制度の導入、特色ある駅の整備や沿線の緑化等、モノレールの利用促進策につながる施策の具体化及び実施に向けた検討を行っているところであります。
 モノレール利用促進策の実施については、沖縄都市モノレール株式会社や民間を含めた関係機関等と連携・協力して取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程は、これで終了いたしました。
 次会は、明22日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時38分散会

 
20020102000000