○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長比嘉良雄君は、別用務のため本日及び2月25日から28日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日、2月25日及び26日の会議に公安委員会委員湖城英知君、2月27日及び28日の会議に同尚弘子君の出席を求めました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
伊波栄徳君。
〔伊波栄徳君登壇〕
○伊波 栄徳 おはようございます。
さわやかで平和憲法をこよなく愛する護憲ネットワークを代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
なお、質問に当たりまして小委員会の申し合わせ事項があるということで、私は基地と平和を中心にしながら、そして後で高嶺議員から経済、そして離島振興等とお互い重複しないような形での質問を進めてまいりたいと思います。
ただ1つだけ、地位協定の問題につきましては、私の視点と後で高嶺さんから質問する趣旨が違いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
昨今、憲法第9条「戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認」、第9条「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という9条を意図的に忘れているのか、あるいはど忘れをしているのかわかりませんけれども、この憲法に私たちが大変心ない解釈や、あるいは改憲という方向に進んでいることを思いましたときに、あえてこの「戦争の放棄」の第9条の大切さを私たちは訴えをし御理解をお願いいたしているわけでございます。
その上で質問を進めてまいりますけれども、御承知のようにウチナーの言葉にこういうことがあります。「意地ヌンジラー手ー引キ 手ーヌンジラー意地引キ」と。「成らぬ堪忍、するが堪忍」。腹が立っても手を出すな、手が出そうになったら怒りを静めよ。糸満の白銀堂の由来にまつわるものでございます。
私たちの沖縄の非暴力を考えましたときに、平和の礎、平和の資料館、そして白銀堂のこの精神、私は3つは大事にしなければならないと。糸満の皆様方もそうだと思いますけれども、本当に今、武力によるところの平和じゃなくして話し合い、そして国際平和によるところの解決をしていかなければならないわけでございますけれども、2001年9月11日のアメリカの同時多発テロと、これに対するアメリカのブッシュ政権も「アフガニスタン戦争」と呼んでおります。そのようにいたしまして、今、あの同時テロにつきましては絶対にこれを許してはなりませんけれども、それをおさめるために多くのまた国民が犠牲になっているということを考えましたときに、私は白銀堂のあの思想は沖縄の非暴力、そして私たちが一番大事にしなければならないあがめ奉る大きな精神文化であろうというふうに思うわけでございます。
そこでお尋ねでございますけれども、人が人を公然と国家の名において殺し合う戦争はもうやめるべきであり、この声を世界の良心的な市民の中にもっともっと理解をさせていかなければならないと思うわけでございます。
そこで、知事の政治姿勢の一つとして、先ほど申し上げましたアフガンの軍事報復戦争、そしてこれに先駆けましてブッシュ大統領の「悪の枢軸論」でますます暴力が激しくなりつつあり、悲惨な戦争体験や戦後の米軍施政下の歴史を通して平和と人権のとうとさを肌身で感じている沖縄県の知事として、軍事力による報復を直ちに中止すべきと。特に基地あるがゆえに沖縄から発信していくと。特に沖縄の知事であればこそこの非暴力、そして米軍に対してもう戦争をするなと、国際平和の中において話し合いで解決をせよということを申し入れるべきであるというふうに思いますけれども、知事の御見解を伺います。
次に、これは「激動八年 屋良朝苗回想録」からのことでございますけれども、こう引用させていただきます。
ヤマト世が幕をあけた1972年5月15日、本土政府主催の沖縄復帰記念式典で山中総務長官が、「「沖縄のみなさん、長い間ほんとうにご苦労さまでした。ひたすらこの日のあることを信じて辛酸に耐えられた県民各位の心情に思いをいたしますとき、まことに感慨胸に迫るものがあります。長い米国の施政権下で沖縄には本土と異なった社会的、経済的実態が形成されており、県民各位には復帰の喜びと同時に不安もありましょう。この上は、復帰してよかったと喜んでいただける条件を整えるべく全力をつくすことが、政府をはじめ沖縄を迎える国民全体の義務であり、せめてもの償いの道であると考えます」と心のこもるあいさつをされた。」。山中長官は口ぐせのように沖縄のために本土側はいかなる償いをしても、し過ぎることはないと言われ、それを実践なされた方でございます。
そこで、私たち復帰30年の節目になってまいりましたけれども、いろいろな社会的な条件整備、ハードの面におけるところの変化が大きく出つつありますけれども、基地の問題としては旧態依然で何ら変化がなくて、私たちの子供たちが凶悪犯罪にさらされているというふうなのが実態でございます。このことについて知事はどのような見解を持って県政運営に当たられているのか、お伺いをいたします。
次に、人が生きるために経済があるのであって、経済のために人は生きているのではありません。私は、経済は一番大事なことではあるがすべてではない。米軍基地を撤去させ、平和で豊かな沖縄を目指すためには一時の経済的痛みに耐えてあすをよくしようと、いわゆる小泉総理が構造改革におけるところの痛みを国民に訴えている「米百俵」の精神こそ、今、県政に課されている知事の政治スタンスでなければならないというふうに思うわけでございます。
今、基地とリンクした振興策、そしていろいろなことがあるわけでございますけれども、これを耐えることによって平和でそして私たちが目指しておりますところの豊かな沖縄県がつくられると思いますけれども、知事の政治スタンスについてお伺いをいたします。
次に、基地問題についてでありますけれども、普天間飛行場代替施設の15年使用期限をめぐってブッシュ大統領は「困難な問題」であると断定をし、そしてブレア米太平洋軍司令官は、期限を設けることは日米に利益があるとは思わないと否定的である。最近のロッドマン国防次官補は、「使用期限を求めるのは間違いだ」と断言をいたしております。
また、最近就任なさいましたところの川口順子外務大臣は、例のごとく、知事及び市長の要請は重く受けとめ、今後とも1999年の閣議決定に従い適切に対処していくと旧態依然の姿勢であり、もはや知事は日本政府の取り組み不足を嘆くことなく、また期待することなく、政治家の生命でありますところの、公約をしておりますところの15年問題については実現不可能であると認めて政治的な責任を明確にすべきだと思いますがいかがなものか、御答弁を求めます。
決して風評被害ではなくして、もはや現実としてこの15年問題は受け入れられないというのが日本政府や米国の立場でございます。
それから幾たびか15年期限問題、そして着工問題につきまして、移設着工につきまして、知事は、県が移設に当たって整備すべき条件とし、名護市が受け入れる7つの条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと議会で幾たびか答弁をしておりますけれども、私は大変気にかかることがございます。7つの条件のうちの1つであるのか、あるいは何かが1つでも進展があれば着工させるというふうなとらえ方にもなるわけでございますので、明確に具体的に何々条件が認められなければ着工はありませんというふうなことを例を挙げて御答弁をお願い申し上げます。
それから次に、日米地位協定の見直しについてでありますけれども、知事はあらゆる機会を通して国民的課題として広く訴え理解を得ることが地位協定の見直しの実現につながるものと考え、粘り強く訴え続けていることの知事の取り組みを多といたします。にもかかわらず、日本政府の弱腰外交に怒りを感ずるものであり抗議をいたします。
幸いにいたしまして県出身の下地、東門両衆議院議員を中心にいたしまして、早くも国の重い腰を国会の中から動かしていこうということで超党派の議員連盟による改定に向けての取り組みがなされておりますが、私たちは大きく評価をいたしておりますけれども、知事におかれてはどのような評価をし、そしてよりそれが現実的になるような支援といいますか、あるいは県民の世論づくりといいますか、そういうことをなさるお考えがあるか、お答えをお願いいたします。
次に、同じく基地問題の(3)番でございますけれども、新聞報道、あるいはまたよく復帰30年にしても米軍人・軍属及び家族等による悪質な事件・事故が多発しております。その実態と対策について説明を求めるわけでございますけれども、ややともすると私たち沖縄県民、あるいは他民族でもいいわけでございますけれども、いろいろ隣人、あるいはよき隣人であるというふうなことをとらえながら、家族やあるいはまた軍人でないからその犯罪は同じ沖縄県民、あるいは日本国民も犯罪があるんじゃないかということの視点があるようでございますけれども、このことは私たちは同じ県民、あるいはおおらかで、そしてお互い沖縄県民が多くの国民と一緒にやろうということを理解しつつも、犯罪者は基地あるがゆえにここに来るわけでございますけれども、そのことの実態と対策についてお伺いをいたします。
それから、幾つか出てまいりましたけれども、北谷町の油状ドラム缶の不法投棄の処理は原因者負担になりますか、それとも犯罪として告発をさせなければならないというふうに思うのでございます。
と申し上げますのは、地位協定で返還後きちっとその跡について公害がないように、あるいは調査をして返すべきでありますけれども、そのことをしないで今、復帰30年の中であのようなことが出てくるということは、私たちには想像もつかないわけでございます。そのことを考え合わせましたときに、私はただ単に地位協定があったからということでなく、私たちの県土を汚しているわけでございますから訴えをし、そして犯罪者として摘発をしてその原因をきちっと解明をさせていかなければならないと。一日も早く、私たちが安心できるような対処をしなければならないと思います。
次に、思いやり予算は基地の整理縮小と国外移設への弊害となっているが、知事の見解をお伺いいたします。
これは、この思いやり予算、御承知のように金丸信防衛庁長官でしたか――が創設したものでございますけれども、17年たって44倍も大幅にその当時からふえているわけでございます。それゆえに「空母艦隊を日本に置くほうが、サンディエゴに置くよりも安くつく」ということが1992年5月、デック・チェイニー国防長官が言明をいたしております。
それから、「日本に軍隊を置くことは米国に置くよりはるかに安くつく」と、93年2月、コリン・パウエル元米統合参謀会議議長が報告をいたしているわけでございます。
一番多くの17年間で77倍のどんどん大幅な思いやり、そして私たちが想像もつかないような体育館や、あるいは娯楽施設を新設をしているわけでございます。その当時の米国の財政事情、今、沖縄、いや日本は大きな景気の後退をしている中におきまして、どんどんそれをして居心地のいいものにしているのは私はこの思いやり予算であると思いますけれども、その弊害について知事の御見解をお伺いいたします。
次に、護憲ネットワーク県議団の対テロ訓練施設の中止を求める要請に対して調査をし、抗議をし、中止の申し入れをしたのか、あるいはこの推移についてお尋ねをいたします。
特にこのことにつきましては、私たち護憲ネットワークで公室長に要請いたしましたときに、時の恩納村長でありましたところの今の副知事が村民、県民の先頭になってそれを阻止したという経緯がありまして、比嘉副知事の知恵をかりて、これは絶対に阻止させるべきだということを申し入れいたしましたけれども、どのような経緯になってまいりましたか、お尋ねをいたします。
次は、振興策についての大まかなことでございますけれども、この沖振計の中で沖縄振興新法の閣議決定を受けて4月には激動する社会情勢を見据えた斬新な発想と思い切った施策が求められると。このことによって県民の夢と希望が広がる計画の構想ができるかと思うわけでございますけれども、新法について知事は常に、釣り具を日本政府から与えられたと、もらったと。これは釣り具ということは制度というふうになるわけでございますけれども、私から、よくやゆされることが、知事は日本政府から釣り具をもらってジュゴンを釣ったのではなかろうかと、あるいはこれからグルクンを釣るのではなかろうかと、あるいはまた魔物であるところの米軍を釣り上げていくのかなというふうに期待や、あるいはまたどういうふうにしてこの釣り具を生かしていくか。あるいは人材育成というふうなことをなされておりますけれども、この施策について県民の夢と希望のあるものになるかどうか、御見解をお伺いいたします。
次に、「魅力ある地域特性の発揮と不利性の克服」が今回強調されているのでありますけれども、米軍基地は有利性と見るのか不利性と見るのか、御見解をお伺いいたします。
次に、旧日本軍の飛行場用地についてでありますけれども、太平洋戦争に起因して国有地にされた土地を旧地主に返還する手法を戦後、復帰処理事案として県は模索すべきだというふうに思うわけでございます。
御承知のように、戦争があったがゆえに当時の国家総動員法的な背景や、あるいは軍事の勝たなければならないということで地主の皆様方は国債にかえたり郵便貯金にかえたりしても、あるいは半強制的な立場で接収されてきたのでございます。その中におきまして、何はさておきましても戦争行為によって、あるいは軍事的な目的によって、そして国民の勝利のためにということでの接収でありました。
そのことを考えましたときに、戦後、敗戦と同時に国有地や米軍にそのまま布令・布告で接収されていくという経緯もありまして、なかなか一地主として、あるいは一市町村としてそれは私のものでありましたということの主張ができなかったわけでございます。そのことを考え合わせますときに、今、戦後の処理やあるいは復帰処理という日本政府に対しての要求ではなくてもいいわけでございますけれども、この問題を解決してあげるのが行政の一つの戦後の処理ではなかろうかと。国の力もかりながら、そして県の行政手法、そして地主の意向等々を踏まえながら、きのうの具志議員の質問に対して認識を深められているわけでございます。そのことに感謝を申し上げながら、決して対立的ではなくしてこの問題がいかにして解決できるのかということを私は模索しなければならないというふうに思います。
そのことでの見解をお伺いするわけでございますけれども、知事としての決意、そしてなお知事公室長におきましては、もう経緯、経過、沖縄におけるところの27年間の異民族支配の中におけるところの事例と本土のそのままの事例、この比較はなし得ないわけでございます。
沖縄がいわゆる本土におけるところの先例や事例がないために苦慮する、ジンブンを出さなければならないというのが沖縄問題の一番大事なところでございます。法律的に当てはまらないのをいかにして県民の正しい要求に対してこたえていくかということが大事でございます。そのために沖縄県旧飛行場用地問題解決促進協議会等々もつくりまして、各市町村、世論喚起をしながら日本政府に訴えている、その心情をお酌み取りくださいまして、知事から特段の重要な施策として位置づけていただきますようにお願いを申し上げ、御見解をお伺いいたします。
平和賞について。
平和賞は、県民の平和を願う強い意思をあらわし、これにより沖縄が世界から知られ、沖縄に対し親和的感情を持つ人がふえていくことは意義深いことであると考えます。私は、この意義を深めるより、平和賞よりは軍事基地を撤去させることがアジアの国から親和的感情を持つ人々がふえてくると思うが、知事の見解をお願いいたします。
なお、平和賞につきましては、遺骨収集、不発弾の完全処理をした後に平和賞を創設することが県民から大きく評価されると。
御承知のように、もう知事、心の中で心配なされていると思いますけれども、24日のいつ爆発するかわからない。私は、職員の勇気は、何も知らない中であれを持ってきた。公務員としての、いや県民に被害があったらというふうな無知なところもあるわけでございますけれども、その行為については私は知らなければならないというふうに思うわけでございます。そういう中において、今、平和賞を創設することはいかがなものかと思うわけでございます。
次に、雇用失業問題について。
中高年者の失業率は。あるいは若年層の失業率は。解雇など非自発的な理由による離職者数は。2002年の失業率が10%を突破するという悲観的な見方もありますけれども、知事の見解をお願いいたします。
よく知事がおっしゃるところの選挙当時、雇用の創出、失業問題でカンフル剤をと言っておりますけれども、このことについてのカンフル剤、雇用についてのカンフル剤はどのように考えておりますか。
公共事業9.9%削減による失業者は、沖縄県においてどのくらいになるか、お尋ねいたします。
市町村合併について。
53市町村を12に組み合わせる市町村合併の基本パターンは、自治体の形成要因には地理的・歴史的・文化的諸条件がこれまでの歴史的過程で形成されてきております。これらの諸要因を無視した行政機能、行政効率中心の合併論は市町村自治体を阻害することになる。12の市町村の組み合わせについて、その面を十分検討された上であるかどうか、お尋ねをいたします。
そして、県独自の支援策を、今度2回目の指針が出て「各都道府県ごとに、合併支援策をまとめた支援プランを策定させる」ことというふうな新指針ですか、それが決まっているようでございますけれども、これは最近でございますけれども、その前に県独自の支援策がありましたらお知らせください。
基本パターンによる合併のメリット、デメリットについて説明をお願いいたします。
農村文化の闘牛についてでございます。
私は、読谷の者でございますけれども、闘牛が大好きでございまして、この前も石川の「古堅モータース若力」と「シャネル号」でしたけれども、熱烈なものを見まして感動して、読谷にありましたところはずっと見ておりますけれども、総合事務局が最近、これを闘牛くじにしようということについて、いささか心ないなと思っております。そのことについての御見解。
次に、闘牛を活性化し観光産業として「屋根つき闘牛場を」と、大賛成でございます。そのことについて、私は読谷が一番最適ではないのかなと提案を申し上げて御検討をお願いいたします。
渇水対策についてでございます。
ことしの年間降雨量についての予測、断水対策についてどのように推移しているのか、お尋ねをいたします。
次に介護保険の財政状況について。
それから保育所待機児童の解消について。
最後に、今度の各都道府県から参りましたところの、多くの警官の支援があったようでございますけれども、今の状況はどうなっているのか。
派遣部隊の派遣状況、都道府県別にどのくらいの人員が派遣されてきたのか。
そして現在、脅威警戒がアルファーか、ブラボーか、チャーリーか、現在はどのような状況に置かれているか。
また、県警でもその実施をするようでございますけれども、どのような方策があるか、お尋ねをして終わりたいと思います。
学校づくりにつきましては割愛をさせていただきたいと思います、お話し合いがつきましたので。
○知事(稲嶺惠一) 伊波栄徳議員の御質問にお答えします。
最初は、米国の報復攻撃の中止申し入れについてのお答えでございます。
世界の現状は、冷戦が終結したものの依然として民族や宗教の対立などから数多くの地域紛争が発生しております。また、地球規模の環境破壊、貧困など多くの深刻な課題が存在しています。
これらの平和を脅かすさまざまな課題を解決し平和共存の世界を実現していくためには、世界の人々が相互の理解に努め、国際連合を中心として連帯して問題の解決に当たることが望ましいと考えております。
次に、復帰30周年を迎えても変わらない基地の現状及び米軍基地の撤去について一括してお答え申し上げます。
本県が負担している過重な米軍基地については、国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境保全、経済振興策等多くの問題が複雑に絡み合っていることから、米軍基地を即時に撤去させることは現実的に困難であると考えており、まずSACOの合意事案を着実に実施し、計画的、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
SACO合意事案については、現在、国と関係自治体との間で話し合いが進められており、普天間飛行場、那覇軍港、その他ほとんどのSACO合意事案は実現に向けて確実に進捗しているものと認識しております。
いずれにしましても、56年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ、県民の理解と協力を得ながらSACOで合意された施設以外についても米軍基地のさらなる整理縮小に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、使用期限問題の明確化及び「何らの進展」とはの御質問に対して一括してお答えいたします。
15年使用期限問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、閣議決定された政府基本方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
同問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
次に、国会議員による日米地位協定改定案についてお答えいたします。
県は、平成12年8月、日米両政府に対し11項目の「日米地位協定の見直しに関する要請」を行いました。
このような状況の中、昨年7月の衆議院外務委員会において、日米地位協定の見直しが決議され、全国知事会においては、平成14年度の国に対する要望の中で日米地位協定の見直しが取り上げられるなど従来にない動きが見られ、また去る2月11日、沖縄県選出の国会議員が中心となって新たな日米地位協定の改正案がまとめられました。
同案では、日本の法令尊重義務や環境保全対策、公務外の事件・事故に関する日米両政府の被害補償、被疑者の起訴前の拘禁の移転などを改善する内容となっており、県の要請がほぼ盛り込まれた形となっていると理解しております。
このような動きが県選出議員のみならず、多くの国会議員に賛同を得られることを期待するとともに、県は今後とも日米地位協定の見直しについて粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
次に、北谷町のドラム缶投棄処理の原因者負担及び告訴についてお答えをいたします。
日米地位協定では、基地返還後に汚染が見つかった場合、米軍の原状回復義務は免除されており、また軍転特措法においても原状回復に関する措置が具体的に規定されておりません。
この問題については、2月11日に、このような状況を一刻も早く改善すべく国が早急に対策をとることを決定した旨の嶋口防衛施設庁長官の発言がありました。これを受けて県は、今後、同様な問題が起こった場合の対応についてルール化しておく必要がある旨、同長官に申し入れるとともに、2月12日に開催された三者協の場においても、今回のような事案が発生した際、米軍も含めた対応についてルールづくりをする必要があると申し入れたところであります。
続きまして、思いやり予算と基地の整理縮小についてお答えいたします。
いわゆる思いやり予算は、我が国の安全保障の一翼を担っている在日米軍の駐留を円滑かつ安定的に行うものとの観点から、我が国が負担しているものであると理解をしております。
次に、沖縄振興計画の構想についてお答えをいたします。
新たな沖縄振興については、従来の本土に追いつくことを目指したキャッチアップの理論から、「魅力ある地域特性の発揮と不利性の克服」により、我が国の経済社会の発展に寄与する地域としての整備という新たな視点で取り組んでまいります。
具体的には、観光・リゾート産業や情報通信関連産業を初め、健康食品産業やバイオ関連産業等の新たな沖縄の可能性を示す産業の振興などにより民間主導の自立型経済の構築を目指します。また、大学院大学を中心とした世界的な科学技術の交流拠点を形成し、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域を形成します。
県民生活については、保健・医療・福祉の連携を強化し、安らぎと潤いのある生活空間が創造できるよう諸施策を推進してまいります。
さらには、持続的発展のための各分野における人づくりと産業基盤を初めとする基盤づくり、地域の均衡ある発展と基地の整理縮小及び跡地利用問題への対応を強化してまいります。
これらの施策に強力に取り組むことで、「平和で安らぎと活力のある沖縄県」の実現を目指してまいります。
次に、旧軍飛行場用地問題への取り組みについてお答えをいたします。
県議会及び県内51市町村議会において、「沖縄県所在旧軍飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が採択されたことを重く受けとめております。県としては、旧日本軍による住民の土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業にはさまざまな問題があったと認識しており、旧軍飛行場用地問題に関し国が何らかの戦後処理を行う必要があるのではないかと考えております。
なお、同問題の検討状況については、知事公室長から答弁させます。
次に、平和賞と軍事基地撤去の問題についてお答えします。
沖縄平和賞は、沖縄と日本の平和がアジア・太平洋地域の平和に密接に関係することから、この地域での平和実現に貢献する方を顕彰するものであります。
アジア・太平洋地域での紛争原因等がなくなれば、おのずと沖縄における米軍基地の存在意義も薄れ、整理縮小につながるものと考えております。県としては、過重な基地負担の軽減を図るため、整理縮小を初めとする本県の基地問題の解決を一つ一つ着実に実施してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 基地問題についての質問事項について順次お答えをいたします。
まず、米軍人等による事件・事故についての御質問にお答えします。
県警が発表した平成13年の米軍構成員等による犯罪の検挙件数は70件で、平成12年の53件に比べ17件増加しておりますが、これは同一人による多数の余罪が発覚したことが件数増加の一つの要因だと考えております。
一方、平成13年の米軍構成員等による犯罪の検挙人数は72人で、前年度の67人に比べ5人の増加となっております。軍人の犯罪検挙人数が50人から39人に減少しているのに比べ、米軍家族の検挙人数は14人から31人へと約2倍に増加している状況にあります。
米軍人等による事件・事故の再発防止を図るため関係機関で組織するワーキングチームにおいて、その対策を真摯に協議し、現在、米軍がゲートにおける飲酒チェックの強化や生活指導巡回を実施し、県警が新任兵士に対する道路交通法及び風俗営業法の講義の実施や基地周辺地域における夜間警らの強化などを行っております。
また、去る2月12日に開催された第22回三者連絡協議会において、県は事件・事故の再発防止について提案し、米側からは、増加する米軍人・軍属の家族による事件の再発防止のための新たな取り組みについての申し出がありました。三者協においては、米軍の新たな提案を含め事件・事故の再発防止について引き続きワーキングチームで検討していくことを確認したところであります。
次に、訓練施設建設中止の要請の対応についての御質問にお答えをいたします。
県は、今回の米陸軍の訓練施設建設についてのマスコミの報道があった12月21日、施設の建設位置、施設の具体的な規模、またその内容、施設を使って行われる訓練の内容などの事実関係を在沖米軍、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局に確認をいたしたところ、外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局からは調査中であるとの回答があり、米軍からは、当該施設は既存の訓練施設の建てかえであり、キャンプ・ハンセン南側に建設する予定である、現時点で提供できる情報は以上であるとの回答がございました。県としては、今後、詳細な情報を把握した上で適切に対応していきたいと考えております。
次に、旧日本軍の飛行場用地問題の検討状況についての御質問にお答えをいたします。
県としては、旧軍飛行場用地問題の解決を国に要請するに当たっては、嘉手納基地土地所有権確認訴訟においては国の所有権を認める判決がなされたが、接収用地の返還を求める協議会の要請を実現するための根拠を何に求めるのか、また那覇空港や嘉手納飛行場のように現に使用している国有財産については、国有財産法での処分は不可能であるがどう考えるのか、また宮古、石垣では既に農地法に基づいて耕作者に払い下げられた土地があり、読谷村では読谷飛行場地域開発整備計画を作成し、農業生産法人を設立するなどして計画を進めようとしているが、それとの整合性をどう図るのかなどの点について整理する必要があると考えており、これらの問題点について、現在、協議会と意見交換を続けているところでございます。
次に、平和賞に関連して、遺骨収集、不発弾の完全処理後に平和賞を創設すべきではないかという御質問にお答えをいたします。
沖縄平和賞は、本県の持つ歴史的・文化的・地理的特性を反映し、恒久平和の創造に貢献するものとして創設したものであります。本賞は、アジア・太平洋地域における平和の構築と維持を促進し、沖縄の平和にもつながるものであり、広く国内外から評価されていくものと考えております。
なお、不発弾の処理対策や遺骨収集については、今後とも強力に推進してまいります。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄振興計画に関して、米軍基地は有利性か不利性かの見解についてお答えいたします。
広大な米軍施設・区域の存在は、県土の有効利用や機能的な都市整備に支障を来すなど、経済発展を図る上で大きな制約となっているものと認識しております。一方、基地内大学への県民の就学を初めとするさまざまな面での交流の役割を果たしているという側面があることも事実であります。
次に、公共事業9.9%削減で失業率は何人増加するかについてお答えいたします。
平成14年度当初予算における投資的経費の補助事業費は、前年度より9.9%、約176億円の減少となっております。この176億円の公共工事の減少が誘発する雇用数を産業連関表を利用して試算すると、計算上はおおむね2300人の減少となります。しかし、実際に失業者が何名増加するかについては、個々の企業の対応や体質等がさまざまであり、試算することは困難であります。
○商工労働部長(花城順孝) 中高年者と若年者の失業率及び非自発的な離職者数についてお答えします。
労働力調査における平成13年平均の年齢階級別の完全失業率は、30歳未満の若年者が15.7%、40歳から54歳が5.8%、55歳以上が4.0%となっております。また、非自発的な離職者は1万2000人となっております。
次に、完全失業率が10%を突破するとの見方についてにお答えをします。
平成13年平均の完全失業率が8.4%と依然として厳しい雇用状況に適切に対応するため、県においては昨年11月に「沖縄県総合雇用対策」を策定し、現在、緊急地域雇用創出特別交付金事業等各種の緊急対策を実施しているところであります。平成14年度平均の完全失業率については、現在作成中の「平成14年度沖縄県経済の見通し」の中で推計することとなっております。
次に、雇用創出のカンフル剤についてお答えします。
県においては、現在「沖縄県総合雇用対策」に基づく各種の緊急対策を実施しております。緊急地域雇用創出特別交付金については、平成16年度までに約7000人の雇用を創出することとしており、現在の雇用・経済状況に対応した雇用創出の対策と考えております。
また、沖縄振興特別措置法(案)において拡充された産業振興のための各種の制度を最大限に活用し、企業誘致を初め情報産業、観光産業等の振興による新たな雇用の創出を図ってまいります。こうした緊急対策及び産業振興による新たな雇用の創出等を着実かつ総合的に推進することによって本県の雇用状況を改善してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問にお答えをいたします。
まず、基本パターンに関する御質問でございます。
地方分権の推進や少子・高齢化の進展に的確に対応しつつ行政サービスの水準を維持していくためには、市町村合併は避けては通れない課題であり、このため県は、各地域において市町村合併の議論が深まり広がるように、そのたたき台として合併推進要綱を策定し公表したところです。
53市町村を12の組み合わせにする基本パターンは、住民の通勤・通学、買い物動向等の日常生活圏のほか、地理的条件、行政機関の設置状況、産業などの各種客観データに基づく数量分析により市町村間の一体性やつながりを把握し、さらに地域の歴史・文化等も考慮しつつ人口規模等に着目した市町村合併の基本的類型を勘案して作成したものであります。県としましては、基本パターンを材料として関係市町村間で議論を広げて深めていっていただきたいと考えているところです。
次に、県独自の支援策についてお答えをいたします。
県では、昨年5月に市町村合併支援本部を設置し、全庁的に市町村合併の支援に取り組んでいるところです。同支援本部において、久米島町の新町建設計画に基づく事業に対し補助金の優先的配分や重点的な実施を決定したほか、合併重点支援地域として3地域11市町村を指定し、啓発事業の重点的実施や調査・研究等に対する支援、合併協議会事務局への職員の派遣など、重点的な支援策を講じたところです。
また、財政的な支援策としては、従来の合併の機運の醸成を図るための補助金制度に加え、合併協議会の行う合併準備や合併市町村が市町村建設計画に基づき行う事業を支援するための交付金制度があります。同交付金は、法定及び任意の合併協議会に対して年間1000万円を上限とし4年度以内で、また合併市町村に対して年間6000万円を上限とし5年度以内で交付するものであります。
次に、基本パターンによる合併のメリット、デメリットについての御質問にお答えいたします。
基本パターンの各組み合わせにおける一般的な合併の効果として、広域的な視点に立った効果的なまちづくりの展開や行政サービスの向上、行財政の効率化と財政基盤の強化などが考えられます。
一方、合併に際しまして周辺部が取り残されるのではないか、住民の意見が反映されにくくなるのではないか、また地域の特徴や個性がなくなるのではないかといった懸念が挙げられますが、これらについては、市町村建設計画の中でバランスある地域の発展を図ることや、旧市町村単位に地域審議会を置くことにより、地域住民の声を施策に反映させることなどで解消されるものと考えております。
個別の組み合わせにおける合併のメリット、デメリットは、関係市町村間で使用料・手数料、国民健康保険税などの住民負担や住民サービスに係る各種制度の取り扱い及び公共施設の配置などの協議を進めていく中で調整されていくものであると考えております。
次に、渇水対策についての御質問にお答えをいたします。
ことしの年間降雨量の予測についてでございます。
平成13年の1月から12月までの水源地域の年間降雨量は2649ミリであり、平年並みとなっております。しかしながら、10月から12月の降雨量を見ると、平成12年は825ミリ、平成13年は381ミリと少雨傾向にあります。
ことしの年間降雨量の予測につきましては、気象台の天気予報には年間降雨量の予報はございませんので年間の予測はできませんが、平成14年2月20日、沖縄気象台の発表によりますと、沖縄地方の3カ月予報ではことしの3月から5月までは平年より少ない降雨量が予測されております。
断水対策についてお答えをいたします。
渇水対策につきましては、沖縄渇水対策連絡協議会において平成12年2月に策定された渇水行動計画マニュアルに基づき節水意識の高揚、自主節水の呼びかけ、海水淡水化施設の生産量の追加等による制限給水の回避等の対策を講じることとしております。
なお、昨年10月以降少雨傾向が続きダムの貯水率が徐々に低下しておりますが、現段階においては直ちに給水制限に入る状況ではありません。当面、県といたしましては、行政機関及び関係外郭団体等に対して節水対策を講じるよう通知したところであります。
また、今後は降雨状況等を見ながら沖縄渇水対策連絡協議会を通して必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 闘牛くじ及び屋根つき闘牛場について一括してお答えします。
闘牛くじの導入については、本県の社会的環境から県民の合意形成を図る必要があり、現段階での実施は困難と考えております。
また、屋根つき闘牛場の整備につきましては、現在総合事務局において進められている闘牛委員会の論議を踏まえて、県としての対応を検討してまいりたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険財政状況についてお答えいたします。
平成12年度は、市町村全体で保険料設定時の見込みを30億円上回る453億9000万円の介護保険給付費の支給がありました。その後も介護保険給付費は増加し続けており、平成13年度は当初の見込みを79億4000万円上回る約558億2000万円、平成14年度も当初の見込みを98億1000万円上回る約595億8000万円が見込まれております。
給付費の増に対する市町村の介護保険財政不足への対応につきましては、介護保険財政安定化基金の拠出率を0.5%から1.5%に引き上げ、基金をふやして対応することとしておりますが、本県の介護保険財政状況は大変厳しいものがございます。
次に、保育所待機児童の解消についてお答えいたします。
「就学前児童の保育等に関する実態調査」の結果、認可外保育施設を利用している就学前児童の55.9%がいわゆる保育に欠ける児童となっております。このことから、潜在的な待機児童を含めた中長期的な解消計画を策定する必要があります。
平成14年度は、新規事業として認可外保育施設の認可化促進事業を実施するため10カ所分の予算計上をしております。
また、現在、部といたしましては、策定中の「新おきなわ子どもプラン」──これは仮称でございますが──の期間である平成14年度から18年度までの5カ年間で50カ所の認可保育所の創設と40カ所の増・改築等の施設整備を行い、約3500人の待機児童の解消を当面の目標として計画を立てていきたいというふうに考えております。
○警察本部長(太田裕之) 特別派遣部隊の派遣状況、派遣人員、派遣警察等についてお答えいたします。
昨年9月11日に発生した米国における同時多発テロを受けて、同年10月8日から本年の2月20日までの間、県外から約450人の管区機動隊の派遣を得て米国関連施設等に対する警戒警備を行ってまいりました。その内訳は、九州管区機動隊を初め関東管区機動隊、近畿管区機動隊及び中部管区機動隊など6管区機動隊、府県別では大阪、京都、愛知、福岡、岡山など21府県警察から総人員約2400名の派遣でありました。これにより県内のテロ発生を完全に防圧するとともに、一般治安維持活動にも的確に対応できたものと考えております。
また、派遣隊員は、非番日等に集団献血やリゾート海浜の清掃などのボランティア活動も行いました。この間、多くの県民の方々から多大な激励、支援をいただきましたことに対しまして厚くお礼を申し上げます。
なお、沖縄県警察では、引き続き情勢に応じて米軍基地周辺における所要の警戒等を実施するとともに、沖縄県内でテロを発生させないため空港保安体制の強化などについても関係機関と連携して継続して実施していくこととしております。
次に、米軍の脅威警戒レベルについてでありますが、米軍の警備上の問題でありますので、県警察としてはお答えを控えさせていただきます。
○伊波 栄徳 15年問題について、日本政府が解決しないときは知事は政治的責任をとりますか。
それから、旧飛行場についてでありますけれども、先ごろ当選いたしました安田慶造村長はこう言っております。「読谷補助飛行場跡地は、現在法律的には国有地。返還された場合は、国から読谷村が一括して受け、その中で旧地主を対象にした土地の処分がベターだと考えている」と。
そのことについて知事として支援をするのかどうか、再度お願いいたします。
なお、村長選挙に当たりましては、名護では負けましたけれども、読谷では9200ぐらい勝ちましたから1勝1敗でございます。
終わります。
○知事(稲嶺惠一) 伊波栄徳議員の再質問にお答えをいたします。
同問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
○伊波 栄徳 議長、休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時5分休憩
午前11時6分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 仮定の問題にはお答えできません。ただ、私は全力を尽くしてやるのみです。
○知事公室長(親川盛一) 旧飛行場用地問題の再質問についてお答えをいたします。
現在、読谷村におきましては開発整備計画を策定いたしまして、それを生産法人を設立するなどして計画を進めておりますけれども、議員御指摘の件についても含めまして協議の中で検討してまいりたいと、このように考えております。
○高嶺 善伸 おはようございます。
伊波栄徳議員に続きまして護憲ネットワーク県議団を代表して質問を申し上げます。知事の明確な御答弁をよろしくお願いします。
まず、知事の政治姿勢についてであります。
(1)つ、日米地位協定の見直しについて。
沖縄は戦後、実に57年も膨大な米軍基地の被害を押しつけられてきました。仮にSACO合意事案の基地が返還されても、依然として在日米軍専用施設の70%が沖縄に存在し続けることになり、憲法で保障されている県民の人権が踏みにじられ続けることについての知事の政治家としての御見解をお聞きしたい。
稲嶺知事は、日米地位協定の見直しを日本政府に要請し、沖縄県議会においても全会一致で見直し要請決議をしましたが、両方とも結果的に無視されております。米軍基地が所在する全国の6都道県での米軍構成員等の刑法犯の検挙者は、平成12年で沖縄県が1位で50名、2位の神奈川は15名、3位の東京が13名で、沖縄がいかにひどい状況か一目瞭然であります。
復帰後の5000件に上る米軍人・軍属の事件・事故、去る1月30日に発覚した北谷町美浜の基地返還跡地から発見された大量の埋設ドラム缶からの廃油汚染事件など、植民地同様無法地帯と化した沖縄の現状はまことに許しがたいものであります。これらは氷山の一角で、事件化されない泣き寝入りレイプ事件や類似の事例を考えたとき、背筋がぞっとします。
韓国では、8000人分の致死量の劇毒物が垂れ流され、地域住民の爆発的な怒りの反発に対し、これまで地位協定改定に否定的であった米国政府は昨年12月、一転して地位協定改定交渉が妥結したといいます。
昨年、衆議院外務委員会で日米地位協定の見直しに関する決議が全会一致で採択され、今年になって県選出の衆議院議員が中心となって超党派で新たな日米地位協定改正案の共同提案を目指す動きなどがあり、心強い限りであります。今年は復帰30周年記念事業が計画されていますが、セレモニーだけでなく、復帰30年今なお日本国憲法のもとの平等を欠く沖縄県民の現状に対し、人権回復のために日米地位協定の見直しこそ復帰30周年事業として位置づけ、期限を設定して日米両政府に見直しを求めるべきであります。聞き入れられなければ、県民一丸となって違憲訴訟及び米軍基地の返上運動をしようではありませんか。
知事の決意をお伺いしたいと思います。
(2)、課税自主権について。
米軍基地の中には飛行場や格納庫、住宅など本来固定資産税の課税客体があるが、固定資産税の代替性格として基地所在市町村に対し基地交付金が交付されております。この基地交付金は基地の受忍担保的な性格であり、その額は平成12年度で全国の市町村交付金合計額は291億円で、そのうち沖縄県は約64億円で、わずか22%にすぎません。基地関係施設が所在することによって土地利用が制約され、騒音被害、事件・事故、公共インフラの維持管理、基地関係渉外事業など財政的、社会的負担があります。沖縄本島の20%を占める米軍基地の存在と空域、海域における制限は、沖縄県が戦後57年を経て今なお経済的な自立をなし得ずにいる最大の阻害要因であります。米軍基地が居座り続けるとしたら、自衛手段として地方自治体の課税自主権を発揮することも憲法で認められた地方自治だと思いますが、知事の御見解をお伺いしたい。
特に、日米地位協定の実施に伴う地方税法の臨時特例法第3条により米軍人・軍属家族に対し地方税を課してはならないとの不平等・不公平きわまりない優遇措置となっていることについて知事の御見解をお聞かせ願いたい。また、この措置による免除額は幾らか、お伺いします。
さらに、臨時特例法第4条第2項では、合衆国軍隊の所有する自動車または軽自動車等のうち、専ら合衆国軍隊以外の者が使用するものについては、その使用者に対して自動車税または軽自動車税を課するとされているにもかかわらず、沖縄県の自動車税の特例に関する条例でみずから自動車税の軽減をしていることについて知事の見解をお聞きしたい。また、この措置による減免額は幾らか、お伺いします。
小泉政権は「聖域なき構造改革」を標榜し、公共投資の大幅削減、地方交付税の削減等をもくろんでいるが、今後、地方自治体は地方分権による自治意識を高め、新たな行政需要に対応する創意工夫による財政運営を余儀なくされています。地方分権整備法の施行により、地方自治体の自主財源確保のために法定外普通税が許可制から同意制になり、法定外目的税の創設も認められました。
そこで私は、沖縄県独自の新税として「基地対策税」の導入を検討することを提案いたします。沖縄本島の20%を占める米軍基地の存在はさまざまな弊害をもたらし、たび重なる事件・事故、危険への不安などの有形無形のリスクを考えたとき、県民の人権を守り、沖縄の自立を担保する行財政需要に対応するために排他的な訓練空域・水域あるいは米軍人・軍属に対して適切な課税措置をすることは極めて正当な要求と考えるが、知事の見解をお聞きしたい。
(3)、地球温暖化防止について。
世界気象機関と国連環境計画が1988年設立した「気候変動に関する政府間パネル」は、2001年の報告書で、このまま何もしないと地球は過去1万年で経験したことがないスピードで温暖化が進むと指摘しています。学者によっては、地球温暖化により今後30年ないし50年内にサンゴ礁は白化現象が進み消滅し、あるいは海面上昇により南太平洋では水没する島が続出するであろうと予測しています。つまり、島嶼県沖縄でも水没する離島が数多く出てくるということであります。
今年9月に開催予定の南アフリカのヨハネスブルク・サミットでは、京都議定書を発効させようと各国が批准を進めています。世界第2位の温室効果ガスの排出国日本は、6%削減への具体的な政策が明確でないと外国から指摘されており、世界第1位のアメリカは批准からの離脱宣言をしております。
日本国内の温暖化防止策の強力な推進について、沖縄県の知事が積極的に主張すべきだと思うが、御所見を伺いたい。
(4)つ、沖縄県の自立について。
2月8日閣議決定された沖縄振興特別措置法案の目的は、「沖縄の置かれた特殊な諸事情にかんがみ、総合的かつ計画的な振興を図り、もって沖縄の自立的発展に資する」とされ、稲嶺知事も平成14年度の主要施策の第1に「民間主導による自立型経済構築」を挙げ、格差是正から21世紀の沖縄の可能性を切り開く姿勢を示しています。しかしどのような自立を目指すのか、メッセージが伝わっていないような気がします。
かつて明治政府は、廃藩置県に当たって琉球王国を琉球藩として日本の版図に組み入れるいわゆる琉球処分を行い、中国との関係を断絶させました。このとき琉球処分反対派は、「経済コスト」、「差別意識」で反対し、賛成派は、「国防」、「海上交通の基地」で推進を主張したと記録にあります。内務省から琉球に派遣された官吏は、「得失を乗除するに其の不経済たるを免れず」と述べ、コスト面から沖縄県として抱えることの経営的困難性を主張したと言われております。自来、海外雄飛と称賛される海外移住や戦後の米軍統治、57年近くも居直る米軍基地の重圧の下で、自立と基地依存という相矛盾する沖縄の存在を露呈しています。
前大田県政では、2015年に米軍基地を撤去する前提で「基地返還アクションプログラム」、「国際都市形成構想」、「産業創造アクションプログラム」等で沖縄の自立像を提言いたしました。一方、稲嶺県政では、基地存在の現実を前提とした沖縄の自立を模索しているような感じが否めません。
稲嶺知事は、復帰30年と今後の展望について、SACO合意事案が実現してもなお70%の米軍基地専用施設を提供し続けることになるが、沖縄の自立に対する政治理念と自立目標の計量値及び実現の具体的な施策をお聞かせ願いたい。
2、沖縄本島南北縦貫鉄軌道整備について。
交通渋滞の緩和や公共交通の利便性を図るため、鉄軌道導入問題は沖縄県総合交通体系基本計画策定の中でさまざまな角度から議論されてきましたが、沖縄振興特別措置法案が閣議決定され、沖縄振興計画の県案がいよいよ取りまとめられる段階になりました。車社会の限界を打開し、高齢者や環境に優しい交通体系のあり方に20万人余の署名が集まった願いに方針を明らかにする時期であります。
同法案第105条及び同条別表の関連も含めて沖縄振興計画での位置づけはどうなるか、お伺いします。
3、経済問題について。
(1)、雇用失業対策について。
「沖縄経済振興21世紀プラン」で本県の雇用情勢は、労働力人口の伸び率は、昭和47年と平成11年とを比較して全国29%に対し沖縄県は64%で、完全失業率は全国平均4.7%の約2倍8.3%になっている。新規学卒就職決定率は高校、短大、大学のいずれも全国の数値を大きく割り込み、年齢階層別完全失業率では15歳から19歳が27.3%、20歳から24歳までが18.8%と際立って高いと分析しています。
今や若年労働者の雇用問題は県政の最大の課題であり、稲嶺県政に大きな期待がかけられていました。しかし、昨年の完全失業率の平均は8.4%と過去最悪を記録し──その半分が若年労働者の失業であります──解決できない沖縄の雇用失業問題に不満の声が続出しています。特に今度卒業予定の就職内定率は、国の調査で全国では沖縄県が最も厳しく5.9%で、2806人の求職者に対し求人数は424人で、内定者はわずか165人といいます。これは去年9月の統計であります。
沖縄県は、若者のふるさと志向が強いことを踏まえ効果的な雇用対策を必要としています。そこで、短期・中長期的な雇用対策と高失業の解消策を伺いたい。
(2)、地場産業の育成について。
沖縄の製造業は、県内総生産に占める比率は復帰時の10.9%から現在は6%を切り全国平均の4分の1程度と低く、物的生産力が低いと言われています。地場産業である沖縄の製造業は沖縄経済の土台であり、着実な雇用問題の解決のためにも既存の地場産業を振興することは地域経済に重要な意味を持ちます。
沖縄県工業連合会の「沖縄の地場産業の発展に関する調査研究」によると、沖縄県の産業連関表を用いて主な業種を中心に経済効果のシミュレーションでは、自給率が3%改善されるだけで生産誘発額374億円、雇用誘発5918人。自給率が9%改善されると生産誘発額1349億円、雇用誘発1万9000人になり、需要が一定でも自給率が変化することによって生産誘発額、雇用誘発が拡大し地域経済に寄与すると述べています。
実現可能な経済施策の大事なポイントだと思いますので、次のことについてお聞きしたい。
(1)つ、県産品、特産品優先使用で自給率を向上させることについての取り組みはどうなっているのか。また、その効果はどうなのか。
(2)、地場産業・製造業育成による雇用の改善、経済自立への取り組みはどうなっているか。また、その効果はどのように考えているのか。
(3)、沖縄振興総合計画での取り組みの方針や具体的な取り組みについてお聞かせ願いたい。
次に、観光産業振興についてであります。
沖縄振興特別措置法案では、沖縄の自立的発展に資するために沖縄の地理的・自然的特性を考慮し、沖縄固有のすぐれた文化的所産の保存・活用が配慮され、観光振興に特別措置がなされております。テロ事件を契機に基地と観光が両立しないことが明らかになり、沖縄の観光産業振興には米軍基地の整理縮小へのダイナミックな提言と取り組みが求められております。
そこで知事にお聞きしたい。
(1)つ、沖縄の自立的発展の戦略産業として観光振興をどのように取り組むか。
(2)つ、米国での同時多発テロ事件発生と同時に修学旅行、団体旅行を中心にキャンセルが相次ぎ、基地の存在が観光振興の阻害要因になることを知らしめたが、今後の沖縄観光振興と基地の存在について知事はどのようにお考えなのか、お聞かせ願いたい。
(3)つ、事件発生以来の観光客の動向はどうなっているか。観光客の誘客で沖縄県の各業者は足元を見られ安売りを余儀なくされていると聞いているが、実態をどのように把握しているか。関連被害額はどのようになっているか、対策はどうか、お聞かせ願いたい。
観光振興計画の中で、今後基地の存在をどのように位置づけて取り扱っていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
次に、農林水産業振興について。
沖縄振興計画に基づき農林水産業振興計画を策定することになるが、沖縄の第1次産業の県内総生産に占める構成比は復帰後低下傾向にあり、どのように取り組むか、お聞かせ願いたい。
さらに、沖縄県単一JAの実現に伴い県の監督責任がますます大きくなると思われるが、どのように支援をしていくか、お伺いしたいと思います。
次に、BSE対策についてであります。
護憲ネットワーク県議団は、先日、畜産農家代表やJA関係者と意見交換をしましたが、畜産関連業界の現状は大変厳しいと実感しました。今や、BSE被害は畜産農家にとって死活問題となっております。行政は畜産農家を死ねと言っているのか、生きる手立てがあるのかと解決策が見えないことにいら立ちを隠せない様子であります。
そこで、具体的な対応についてお聞きしたい。
BSEの感染経路の究明はどうなっているか、今後の対策はどうか。
EUの勧告を無視して対応を怠った国の責任が問われているが、国策被害という評価に対する県の見解はどうか。国策被害として国の責任においてBSE問題の解決を図るべく毅然とした県の方針が必要ではないか。
生産者対策として価格補償の現行制度は不十分であり、例えば子牛取引で各競り市場の前年度平均価格との差額補償について、肥育販売価格を前年度同月価格との差額補償についていずれも措置すべきではないだろうか。
また、出荷を待機し肥育農家で滞留している肥育牛を買い上げることについてもあわせて県の見解をお聞かせ願いたい。
持続的な経営支援のために現行の大家畜経営維持資金等の融資制度について見直し、拡充することが必要だと思うが、県はいかがお考えなのか。
県産牛肉消費拡大について、学校給食の食材として利用することなど、自治体が県産牛を率先して使用することなど支援策をどのように考えているか。
BSE対策言及に関連して、懸念された畜産農家視察研修について質問する予定でありましたが、関係者の話し合いにより予定どおり実施されることになりました。今後とも畜産振興、人材育成に取り組んでいただくように要望しておきます。
4、離島振興について。
3次にわたる沖縄振興開発計画で離島振興に対し約1兆2000億円の公共事業費が投下され、港湾、道路、学校などの社会資本の整備が行われましたが、少子・高齢化や若者の流出などで課題は山積しております。本県、特に離島の産業構造の特徴は、公共事業に関連した建設業への依存度が高く、沖縄総合事務局の試算によれば、公共事業が10%削減されると5000人の失業者がふえるといいます。平成14年度の国の予算は1兆7000億円余の歳出削減で、投資的経費の地方単独事業の10%削減がそのほとんどであります。
稲嶺知事は、平成14年度の施策として離島・過疎地域について「「沖縄県離島振興計画」を策定する」と述べておられますので、方針をお聞きしたい。
また、私ども護憲ネットワーク県議団は、去る2月8日から9日にかけて八重山圏域の行財政視察を行いました。与那国町、竹富町、石垣市の各首長より課題をじかに見聞して市長及び町長からの要請に対し、県政の課題として対応すべきとの認識であわせて知事の御所見を伺いたいと思います。
(1)つ、沖縄振興計画における離島振興についてどのように考えるか。計画策定について具体的な取り組みや内容はどうか。
(2)、離島の産業構造の特徴として公共事業への依存度が高いが、国の公共投資大幅削減や地方交付税の削減は離島へ深刻な打撃を与えるが、どのように対策を考えていかれるか。
(3)、与那国町の要望として、自由貿易地域指定により台湾との交流を通じ自立を図りたいという強い要望と計画があるが、どのように考えておられるか。ラジオなどの難聴解消が課題となっているが、どのように対応していくか。
(4)、竹富町の要望として、波照間島の飲料水確保が深刻な状況にあり、淡水化装置の拡充とともに西表島からの海底送水が課題となっていますが、県の御見解をお聞きしたいと思います。
また、潮位の干満の差が大きく、11港の地方港湾に乗降客の安全性を確保する必要性から浮き桟橋を整備してほしいとの要望があるが、どのように計画していかれるか。
最後に石垣市の要望として、新石垣空港建設の早期建設と石垣港の重要港湾としての拡充・整備があるが、県の対応をお聞きしたい。
また、赤土流出防止対策の実施、有機性の廃棄物の複合処理施設である地域資源循環センター(仮称)を計画しているとのことであるが、県としての対応をお聞きしたいと思います。
答弁により質問を続けたいと思いますので、よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 高嶺議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、日米地位協定に関する違憲訴訟等についてお答えいたします。
県は、平成12年8月、日米両政府に対し11項目の「日米地位協定の見直しに関する要請」を行ったのを初め、これまで機会あるごとに日米地位協定の見直しの必要性を強く訴えてきたところであります。日米地位協定の改正については日米両政府の間で協議されるべき問題であり、県としては、今後とも日米地位協定の見直しの実現について機会あるごとに粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
次に、課税自主権の発揮についてお答えをいたします。
地方の厳しい財政事情の中で、課税自主権に基づき各地方公共団体が地域の課題に応じて独自の税を検討していくことは、地方税制のあり方として重要だと考えております。新税の導入に当たりましては、受益と負担の関係、地域経済への影響等多くの課題があり、さらに広く県民の皆様の御理解をいただく必要もありますので、十分な検討を重ねていきたいと考えております。
次に、自立に対する政治理念と自立目標の計量化及び具体的な施策についての御質問にお答えをいたします。
21世紀初頭における沖縄振興については、「格差是正」から「魅力ある地域特性の発揮と不利性の克服」へと施策の展開方向を順次切りかえることにより自立的発展への歩みを確実なものとし、我が国の社会経済の発展に貢献するという積極的な位置づけを基調に進め、「平和で安らぎと活力のある沖縄県」の実現を目指していきたいと考えております。このことを踏まえ、大胆な発想による沖縄振興計画の策定と、その実効性を新たな枠組みで着実に支える沖縄振興特別措置法の制定に向けて、国と歩調を合わせて取り組んでいるところであります。
また、沖縄振興計画における経済等の展望値については、その位置づけや内容について検討を重ねているところであります。具体的な施策については、民間主導の自立型経済の構築、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造に向けた諸施策の推進や持続的発展のための人づくりと基盤づくり、地域の均衡ある発展と基地問題への対応等を推進してまいります。
次に、若年者の雇用対策についてお答えをいたします。
若年者を含む本県の雇用状況を改善していくためには、企業誘致を初め情報産業、観光産業等の振興による新たな雇用の創出が不可欠であり、各種の産業振興策を推進してまいりました。その結果、これまでに情報通信産業等の企業誘致により4000人余の雇用を創出しており、引き続き戦略的な企業の育成や誘致活動を積極的に推進してまいります。
一方、県内の雇用機会が不足している現状においては、県外にも目を向けた雇用の確保が必要であり、高校や大学の在学中から幅広い職業観を形成することが重要であると考えております。このため、現在実施している県外企業におけるインターンシップに加えて、大学生等の県外就職を支援する「就職の翼」支援事業を新たに実施することとしております。中期的には、現在調査検討中の「若年者総合雇用支援システム」を早期に具体化し、人材育成から就職までの一貫した支援体系を構築してまいりたいと考えております。
次に、観光振興の取り組みについてお答えをいたします。
本県観光の振興に当たっては、「多様なニーズに対応した魅力ある観光・リゾートの形成」を基本目標とし、国際的に通用する美しい観光・リゾートづくりやアジア・太平洋地域を中心とした国際観光の振興、コンベンションの推進、また「琉球王国の歴史遺産群」など本県独自の歴史・文化を積極的に活用した観光の推進を図る考えであります。
さらに、エコツーリズム等の体験・滞在型観光やウェルネス等の健康・いやしをテーマとした観光を推進するとともに、ショッピングモール等の各種施設の整備促進によるエンターテインメント性の向上を図るなどの施策を展開する所存であります。
次に、単一JAに対する支援についてお答えをいたします。
県単一JA合併は、農業を取り巻く社会経済情勢の急激な変化に対応し、強固な経営基盤を確立するため来る4月1日に実現する運びとなっております。県としては、県単一JAを支援するため農協中央会に設置するJA合併支援基金に対し、利子補給による支援を行う計画であります。また、県単一JAの経営健全性を確保するため検査・指導体制の強化に努めてまいります。
検査体制については、平成13年度に検査員を増員したほか、平成14年度からは公認会計士を特別検査員として配置し、より専門性の高い検査体制を構築していく考えであります。
また、指導体制を強化するため、県、市町村、関係機関で構成する県単一JA経営健全化管理委員会(仮称)を設置し、多角的な経営指導に努めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(當銘直通) 米軍人・軍属家族に対する地方税の優遇措置及び減免額についてお答えいたします。
米軍人・軍属家族が合衆国軍隊における勤務等により受ける所得等については、当該米軍人等の日本国内における滞在がその目的から一時的なものであり、またその所得は合衆国において課税されること等の事情から、原則として課税されないこととされております。
なお、減免額については、合衆国軍隊の資産の状況や米軍人等の所得の把握ができないことから算定は困難であります。
次に、自動車税の軽減措置及びその減免額についてお答えいたします。
米軍人等の所有する自動車に対する自動車税の課税については、日米合同委員会で特例税率が合意されており、それを受けて県では、「アメリカ合衆国軍隊の構成員等の所有する自動車に対する自動車税の特例に関する条例」を制定し、それに基づき課税しております。
しかし、現行税率は依然として民間車両と比べ著しく低く不均衡であることから、合衆国軍隊の構成員等の私有車両に対する民間車両並みの引き上げは、不公平の是正及び自主財源の充実の観点から重要な課題であると考えております。
なお、特例税率による減収額は、平成13年度定期賦課で試算すると約7億8800万円となります。
次に、基地対策税の検討についてお答えいたします。
合衆国軍隊が日本国で所有し、もしくは使用する財産またはその移転については、「日米地位協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律」第3条において、法定外普通税及び法定外目的税を課してはならないこととされております。
また、合衆国軍隊の構成員等についても、合衆国軍隊における勤務等により受ける所得等について同様に課税してはならないこととされております。このことから、合衆国軍隊や合衆国軍隊の構成員等に対する新税の導入は困難であるものと考えておりますが、御提案の基地対策税につきましては、貴重な提言とさせていただきます。
以上であります。
○文化環境部長(永山政邦) 地球温暖化防止についてお答えいたします。
米国の京都議定書への批准参加について、国は、米国の参加する共通のルールを構築することが重要との考えから、気候変動に関する日米ハイレベル協議を積極的に継続していくことを表明しており、県としては、日米両政府の協議によるものと理解しております。
また、国内の温暖化防止策について、県は昨年7月、全国知事会を通して国に対し、国内の温室効果ガス削減のための対策を総合的に講ずるよう要請を行ってきたところであります。
なお、国は、京都議定書の今国会での承認に向け、必要な国内対策の基本方針を本年2月13日に決定しております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 沖縄本島南北縦貫鉄軌道整備についての御質問にお答えをいたします。
沖縄振興計画につきましては、現在、県原案の作成作業を進めているところでありますが、平成13年6月に示された「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」では、軌道系を含む新たな交通システムについて調査検討を進めるとしているところであります。
沖縄振興特別措置法第105条及び別表は、道路や港湾など沖縄振興計画に基づく事業について政令で定める経費に対する国の負担、または補助の割合を定めたものであります。
都市モノレールなど、いわゆる道路を利用して整備される軌道系交通システムのインフラ整備に係る補助等につきましては、同法の適用を受けることになりますが、鉄道事業については、道路以外に鉄道敷を確保する必要性から同法の適用外となり、新たな制度の創設が必要となるものと考えております。
離島振興についての御質問のうち、離島振興計画策定の具体的な取り組みや内容についてお答えをいたします。
本県の離島振興については、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画等に基づき諸施策が講じられておりますが、本島との間には依然として多くの格差があるなど、なお多くの課題を抱えております。
県では、現在、沖縄振興計画(案)の策定に向けて検討を進めているところでありますが、離島・過疎地域の振興については、地域の創意工夫のもと、その特性を最大限に生かした産業の振興、交通通信体系の整備、生活環境基盤の整備、保健医療の確保と福祉の向上、教育及び地域文化の振興、自然環境及び県土保全等の各種施策を推進することにより格差の是正に努め、個性豊かな活力ある地域社会の形成を図ることとしております。県では、第3次沖縄県離島振興計画が平成13年度に終了することから、沖縄振興計画との整合性を図りつつ新たな離島振興計画の策定に向けて取り組んでいるところであります。
次に、公共事業や地方交付税の減少の中での離島振興についてお答えをいたします。
離島市町村においては、目ぼしい産業がなく、また自主財源が乏しいことから、公共事業や地方交付税が削減された場合、その及ぼす影響は大きいものがあると考えております。
しかしながら、本県の離島には地理的条件等から来る不利性がある反面、豊かな自然や独自の文化等地域振興を図る上で有力な資源を有していると考えております。このため、今後の離島振興に当たっては、引き続き離島の持つ不利性の克服を図るとともに、住民の創意工夫と地域特性を生かした農林水産業の振興を初め豊かな自然、独特な文化等を活用した個性ある観光・リゾート産業の振興、また観光・リゾートと連携した製造業や伝統工芸産業等特色ある産業の振興を推進していくことが重要であると考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 自給率の向上についてお答えします。
県内の地場産業は、総体として中小企業が多く経営基盤が弱いため移・輸入品との価格競争など厳しい環境にあります。
県は、自給率向上を図るため昭和59年に「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定し、毎年7月を県産品奨励月間と位置づけ、各種要請活動を行うなど県産品の優先使用に取り組んでまいりました。また、生産者の生産意欲の高揚と県民の県産品に対する意識を啓発するため、産業まつりを開催し県産品の普及に努めているところであります。その結果、県の発注する公共工事における主要建設資材の県産品使用状況については90%以上の実績となっております。
次に、地場産業の取り組みと効果についてお答えします。
本県地場産業の育成を図るためには、地域資源を生かした新製品・新技術の開発に積極的に取り組むことが重要な課題であると認識しております。
また、工業技術センターや株式会社トロピカルテクノセンターでは、地域技術の向上のための試験研究、技術支援等を行い多くの成果を上げています。製造業の就業者数を工業統計で見ると、製造業全体としては改善は見られないものの、県が戦略産業として支援してきた泡盛産業と健康食品産業は着実な成果を上げております。
泡盛産業においては、過去5年間で出荷額が19%、従業者数が12%伸びております。健康食品産業においては、過去5年間で売上高が約5倍、従業者数が約2.7倍と飛躍的な成長を遂げております。県としましては、今後とも地域資源を活用した成長の可能性の高い分野を戦略的産業として位置づけ、重点的に支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、沖縄県総合計画での取り組みについてお答えいたします。
沖縄県総合計画(仮称)は、国の計画となる沖縄振興計画をベ-スに県単事業も網羅したものとなる予定で、その期間は3年から5年を想定しております。現在は、国の計画である沖縄振興計画の県案素案を策定中であります。同素案においては、製造業を初めとした既存産業の活性化を図るため、市場ニ-ズへの的確な対応を基本に内外市場における競争力の強化、経営基盤の強化、経営の革新、効率的な流通体制の強化等時代の変化に対応した施策を位置づける予定であります。
沖縄県総合計画(仮称)においては、これらの方針を踏まえたアクションプログラムとして具体的な取り組みを位置づけていきたいと考えております。
次に、与那国町への自由貿易地域の展開についてお答えをします。
県では、自由貿易地域を展開する地域の条件として通関手続が可能な開港や税関空港、工業用水及び電力等の産業基盤、豊富な労働力、企業立地が可能な工業用地の確保等が必要であると考えております。与那国町への自由貿易地域の展開については、港湾及び空港地区への交易型産業の立地可能性に加え、産業インフラ等の条件整備が必要であることから、現状においては課題が多いと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 沖縄観光と基地の存在についてお答えします。
観光客のキャンセルの要因と米軍基地の関連については一概には否定できませんが、県としましては、米軍基地の整理縮小を着実に推進していく一方、本県経済にとって観光産業は重要な産業であることから、観光振興施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。
次に、沖縄観光の動向についてお答えします。
県では、昨年の入域観光客数を9月末で466万人に想定しておりましたが、結果的には約443万人にとどまり、目標を23万人下回りました。
これから試算しますと、観光収入は約209億円の減少が見込まれております。県においては、国や観光関連業界との連携のもと「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンを展開しており、マスコミを活用した沖縄PRや主要都市へのキャラバン隊派遣、修学旅行関係者招聘事業などの対策を講じております。その結果、本県観光は徐々に回復基調が見られますが、引き続き誘客キャンペーンを実施してまいりたいと考えております。
次に、観光振興計画の中の基地の位置づけについてお答えします。
当計画は、本県観光の振興を図ることを目的に向こう10年間の観光・リゾートの基本的な方向性や施策について策定するものであります。
本県における基地については、SACOの合意に基づき計画的に返還が促進されることになっております。したがいまして、返還跡地に関しましてはコンベンション都市、長期滞在型交流都市としての都市機能再整備、国際交流拠点形成を図るなど、観光・リゾート施設の整備の視点から対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 答弁の途中ではありますが、高嶺善伸君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時55分休憩
午後1時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
この際、報告いたします。
説明員として出席を求めた出納長嘉数昇明君は、別用務のため本日のこれより以降午後3時までの会議に出席できない旨の届け出がありました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 午前の高嶺善伸君の質問に対する答弁を続行いたします。
農林水産部長。
〔農林水産部長 天願貞信君登壇〕
○農林水産部長(天願貞信) 農林水産業振興計画についてお答えいたします。
本県の農林水産業が持続的かつ活力あるものとして発展するためには、厳しい社会情勢の変化に適切に対処し、関係者が一体となって農林水産業の振興に取り組むことが重要と考えております。そのため、沖縄振興計画の施策をより実効あるものとして具体的な施策・事業等を盛り込んだ農林水産業振興計画を策定することとしております。
計画の具体的な施策については、「おきなわブランド」の確立と生産体制の強化、総合的な流通・加工対策の強化、多面的機能を生かした農山漁村の振興及び亜熱帯・島嶼型農林水産業基盤の整備などを盛り込む考えであります。県としては、これらの各種施策を強力に推進し、第1次産業における県内総生産の向上を図り、地域特性を生かした持続的農林水産業の振興に努めてまいります。
次に、BSEの感染経路の究明と今後の対策について。
BSEの感染経路の究明については、国において疫学調査、飼料給与実態調査などを行っているところであります。
現在のところ、BSE感染経路の明確な究明には至っていないことから、国に対して引き続き感染経路や原因究明を要望していく考えであります。県としては、今後ともBSE対策本部を中心に県内へのBSE侵入防止に万全を期していく考えであります。
次に、BSE問題の国の責任と解決策について。
今回のBSE風評被害により本県の基幹産業である畜産業への影響は極めて大きいものと考えております。このため、県としては、今後とも国に対して畜産農家への支援対策や消費者の信頼回復等の諸支援措置について万全を期するよう要望してまいります。
なお、BSE問題に対する国の責任について県が言及することは差し控えさせていただきたいと思います。
次に、子牛及び肥育牛の価格補償等について。
子牛及び肥育牛の価格については、肉用子牛価格安定対策事業、BSE対応肉用牛肥育経営特別対策事業などにより価格が補償されております。
しかし、子牛及び肥育牛の昨年同月との価格差補償及び滞留肥育牛の買い上げについては、現在のところ制度上難しいものと考えております。県としては、今後とも畜産振興を図る観点から消費者への広報活動や県産牛肉の販売促進を強化するなど、消費拡大対策を行い肥育牛の滞留の緩和に努めていく考えであります。
次に、大家畜経営維持資金等の見直し、拡充について。
大家畜経営維持資金の融資制度の拡充については、融資の貸付期間が延長されたこと、貸し付けの対象として新たに子牛が追加されたこと、資金の追加借り入れが可能となったことなどの制度見直しが図られ拡充・強化されております。県としては、大家畜経営維持資金等の活用について、関係団体や生産農家に対して地域ごとの説明会等を開催し活用の促進を図っているところであります。
次に、学校給食への県産牛肉の使用について。
学校給食に県産牛肉を使用することについては、児童生徒の県産品への理解が深まることや、地産地消を推進する観点から極めて重要であると考えております。県としては、学校給食への県産牛肉の使用について関係機関に対し積極的に働きかけていく考えであります。
次に、赤土流出防止対策について。
石垣市における水質保全対策事業については、平成14年度は事業費約5億円で圃場勾配の修正、のり面の保護や沈砂池の改修による土砂の除去等を実施していく考えであります。
また、新規事業として流域環境保全農業確立体制整備モデル事業を実施することにしております。事業は、轟川流域をモデル地域として農家を初め関係者が一体となって農地からの流出防止対策を実証し、その結果を踏まえ「赤土対策モデル基本方針」を策定するものであります。
具体的な実証内容としては、裸地対策に効果のある緑肥の栽培、敷き草マルチや地域農業に適応したグリーンベルトの設置等を計画しております。これらの事業の成果を踏まえつつ、地元との協力のもと、より実効性の高い赤土流出防止対策を推進していく考えであります。
次に、地域資源循環センター整備について。
石垣市において計画中の「地域資源循環センター」については、家畜排せつ物、下水汚泥、生ごみ等の有機性廃棄物を適切に処理し、堆肥として農地に還元するために必要な施設であります。県としては、農村地域の環境保全を推進する観点から、平成15年度において農村振興総合整備事業により整備をする方向で市と調整を進めております。
以上であります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 与那国町のラジオなどの難視聴解消についてお答えいたします。
与那国町のテレビ放送については、先島地区民放テレビ放送難視聴解消事業により平成5年12月以降受信障害は解消されております。
ラジオについては、今後、国、放送事業者及び与那国町を含む関係市町村と連携を図りながら受信障害解消に取り組んでいきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 離島の振興について、波照間島の飲料水確保についての御質問にお答えします。
波照間島では、現在、地下水を水源とするかん水淡水化施設と海水淡水化施設の両方により1日最大300立方メ-トルの水道水が給水されております。
昭和63年度に設置したかん水淡水化施設が老朽化していることから、平成14年度に海水淡水化施設として整備する予定になっております。これにより当面は安定給水が図られるものと思われますが、海水淡水化施設は耐用年数が短く、また維持管理に多額の費用を要することから、町としては西表島からの海底送水の可能性について検討しているところであります。
海底送水管については、その延長が約21キロメートルと長く整備に莫大な費用を要すること、また西表島における水源確保などさまざまな課題があるものと思われます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 離島振興関連で竹富町管内の浮き桟橋の整備についてお答えいたします。
浮き桟橋により岸壁と船舶の段差を緩和する港湾施設のバリアフリー化は、高齢化の進む離島住民や観光客の利便性、安全性の向上を図る上で極めて重要であると認識しております。
現在、竹富町管内においては仲間港で浮き桟橋の整備を進めており、引き続き平成14年度要望としまして、竹富東港及び小浜港について沖縄特別振興対策特定開発事業を活用した浮き桟橋の整備を国に要求しております。県としましては、船舶利用客数等港湾の利用状況を踏まえ、投資効果の検証及び整備の優先性を勘案しつつ、浮き桟橋の整備を計画的に推進してまいりたいと考えております。
次に、新石垣空港の早期建設についての御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設事業は、地元合意を得て決定したカラ岳陸上地区において新石垣空港の早期建設に向けた諸作業を進めているところであります。
具体的には、環境影響評価法に基づく環境影響評価方法書を今年度じゅうに作成する予定であり、環境影響評価手続を適正に進めるため、これまで学識経験者で構成する環境検討委員会を4回開催いたしました。また、新空港建設に伴う赤土等流出防止対策及び施工計画等への指導・助言を得るため、学識経験者で構成する建設工法検討委員会を設置し、昨年の11月30日に第1回の委員会を開催いたしました。
なお、新石垣空港の建設位置がカラ岳陸上地区に決定したことから、新空港建設の必要性や建設位置決定の経緯、新空港建設が八重山郡の振興発展に果たす役割等を説明するためリーフレットを作成し、石垣市、竹富町、与那国町の全戸に配布しているところであります。今後ともインターネットや県、市の広報誌を活用して広く郡民に新空港建設についての広報をしていく考えであります。
今後、あらゆる機会を通じて新空港建設の必要性や事業の進捗状況等を郡民に説明し、平成14年度には地権者の同意取りつけ作業を開始するとともに、国土交通省と空港整備基本計画についての調整を進め、平成16年度の国庫補助事業採択に向けて取り組んでいく考えであります。
次に、石垣港の拡充・整備についてお答えいたします。
石垣港の港湾管理者は石垣市でありますが、港湾整備については石垣市と国がそれぞれ分担して事業を実施しているところであります。現在、石垣市においては離島バースの再編整備計画及び新港地区の土地利用計画の見直し等新たな港湾計画の改訂に向けて作業を進めていると聞いております。
石垣港の拡充・整備につきましては、県としましても石垣港港湾計画に基づく着実な施設整備の推進に向けて今後とも協力していきたいと考えております。
○高嶺 善伸 それでは再質問を申し上げます。
まず、日米地位協定の見直しについてでありますが、知事は地位協定の見直しを機会あるごとに粘り強く訴え続けるというんですが、結果はこれまで無視されてきているんです。
そこで、戦略として期限を設けることについて提案しているわけです、今回ですね。かつて廃藩置県後も八重山と宮古島だけに課されていた「人頭税」を廃止するために、宮古島の農民が弾圧を乗り越え、帝国議会に直訴して請願を採択させ悲願を成就したことがございます。時は1903年のことであり、来年は人頭税廃止100年目の記念の年であります。
知事にお聞きいたします。
日米地位協定の見直しに対して、復帰30周年の節目に期限を設けて取り組んでみたらどうでしょうか。
次に、課税自主権についてでありますが、沖縄県の自動車税の特例に関する条例について、自主財源の確保から自動車税の軽減撤廃は当然と考えますが、県として条例改正を提案する考えはないのか。地位協定と地方税法は課税を認めており、日米合同委員会で税率を協議し、都合によって改正しております。地方自治を返上するのですか。ぜひ取り組みをお聞きしたい。
米軍基地の迷惑税ともいうべき基地対策税は、沖縄県の自立を担保する大事なかぎになると思います。また、日米両政府に対する基地問題のカードとしても大きな効果があり、ぜひ導入を検討してほしいがどうか。提言として受けとめるだけでなく、ぜひ検討してもらいたいが、稲嶺知事の率直な決意をお伺いしたいと思います。
次に、沖縄の自立についてでありますが、かつて1994年9月に宝珠山元防衛施設庁長官が来沖し、沖縄は基地と共生すべきと発言して県民の猛反発を買ったことがありますが、沖縄の自立と米軍基地との共存はあり得ないと私は考えます。稲嶺知事にとって基地の段階的な整理縮小を前提に、沖縄の条件として米軍基地の例えば50%整理縮小を目標にすると何年後には実現できると思うか。あるいは何年後にどれくらいの基地の整理縮小をすべきだとお考えなのか。数字的な目標が明らかにされなかった以上、せめて基地に対する目標値などについて率直なお考えをお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
経済問題について、観光産業に触れますが、通告がなかったので答弁が漏れておりますが、改めて申し上げます。
このテロ事件発生以来の観光客の動向について御報告がありましたが、内情を見ますと、沖縄の観光客誘致は足元を見られているような気がいたします。そして厳しい数の達成の中で安売りを余儀なくされている。東京発で沖縄まで2万9800円という数字が横行しております。
このような数だけ見ちゃいけない実質的な実態をどのように把握しておられるのか、これらの対策も含めて改めてお聞きしたいと思います。
それから、水産業振興についてでありますが、先ほど農林水産振興計画についてお聞きしましたが、実は農林水産業振興と密接な関係にあるのが漁業協同組合の取り扱いではないでしょうか。これからの計画策定、水産業振興と同時に県内の漁業協同組合の一本化に向けて、指導・監督の立場にある沖縄県としてはどのように計画しておられるのか、お聞きしたいと思います。
よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時40分休憩
午後1時41分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先輩の大政治家と言われた西銘先生と2度も間違えていただきまして、これからも負けないように努力をしたいと思います。
それでは、地位協定の件についてお答えをしたいと思います。
地位協定につきましては、私どもは着実に一歩一歩進んでいるというふうに見ております。
と申しますのは、既にこれは先ほどの伊波栄徳議員のお答えの中でもございましたように、例えば昨年の外務委員会での地位協定の見直し問題、あるいは全国知事会での見直しというように着実に進んでおります。その意味で今後ともいろいろな意味で機会をとらえてより効果的な時期、方法等を目指しながら、しっかりつかみながら進めていきたいとこう思っております。
○総務部長(當銘直通) 自動車税の軽減措置につきましてですが、自動車税の軽減措置につきましては、現行税率は依然として民間車両と比べ著しく低く不均衡であることから、合衆国軍隊の構成員等の私有車両に対する民間車両並みの引き上げは不公平の是正及び自主財源の充実の観点から重要な課題であると考えており、その改善に取り組んでまいりたいと思います。
次に、御提案の基地対策税につきましては、貴重な提言とさせていただきたいと思います。
以上であります。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 再質問でございますが、業界からの聞き取り等によりますと、本県観光は新聞等でも御案内のように今非常に数の上ではどんどん回復基調にあります。ただ、議員がおっしゃるように確かに緊急キャンペーン等の一環事業等もありまして、低価格のツアーもかなり今あるようでございます。ほぼ4月以降は大体通常価格に戻る傾向にあるのではないかというふうに私どもは見ております。
そしてなお、この復帰30周年事業の一環としまして「全国エイサー道ジュネー」等も計画しておりますので、そういった中で引き続き誘客キャンペーンを強化して観光客数の増大及び消費単価の増額等に努めてまいりたいと思っております。
○農林水産部長(天願貞信) 県内の漁協の合併についてでございますが、漁業を取り巻く厳しい社会経済環境の変化に対応していくためには、県下の漁協は強固な経営基盤を確立する必要があります。このため漁業系統団体におきましては、平成17年度を目標に県単一漁協合併を実現すべく各漁協との調整を進めているところであります。県としても、水産業の振興を図る観点から漁業系統団体が進めている単一漁協合併の早期実現を図るために積極的に指導してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 米軍基地の整理縮小に対する目標値についての御質問にお答えをいたします。
県としては、県民の基地負担の軽減を図るため基地の整理縮小を図っていく所存でありますが、その際、まず日米両政府におきまして、県民の基地負担の軽減を図るために合意に達しましたSACO合意事案を着実に実施し、その後にSACO合意事案以外のものについても一つ一つ計画的、段階的に整理縮小を図っていく考えであります。
したがいまして、議員御指摘の目標値を何年にということにつきましては、それぞれの事案によって、またこの膨大な基地の整理縮小でございますので、そういうできるものから一つ一つ整理縮小を図っていくという考えでございます。
○高嶺 善伸 地位協定の見直し、課税自主権、自立の問題、これを眺めてきて、私は8年前の宝珠山防衛施設庁長官の談話を今もう一度読み返してみたい。「沖縄はアジア世界で戦略的に極めて重要な位置にあることは歴史が証明している。基地を提供する優れた位置にある。これをプラスに転じて基地と共生、共存する方向に変化してほしい」と述べておりました。
それについて稲嶺知事の率直な御感想をお聞きして質問を終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時50分休憩
午後2時51分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 高嶺議員の再々質問にお答えいたします。
今ちょっと時間をとっていましたのは、これは再質問に入るかどうかという問題ではございましたけれども、私の考え方というのを述べたいと思っております。
今の沖縄の基地問題というのは、これは大変重要な問題でございまして、特に県民は基地の整理縮小を着実に望んでおります。したがいまして、私どもはその立場に立って、県民の立場に立って一歩一歩基地の整理縮小に向かって今後とも努力してまいります。
○当山 全弘 社大・結連合を代表いたしまして質問を行います。
まず、平成14年度の県予算について伺います。
世論調査で小泉内閣の支持率が58%に急落し、内閣発足以来最低の支持率を記録した。
アフガニスタンの復興支援会議への非政府組織の参加拒否問題に絡んでの田中前外相の更迭に起因するものが大きい。小泉内閣は構造改革を掲げ取り組む意欲を示したが、雇用情勢の悪化などマイナス面が目立ち、具体性に乏しいものになっている。外務省の改革についても田中前外相に期待した。しかし、外務省改革に道筋をつけようとしたやさきの更迭劇に66%が残念と答え、首相の判断に異を唱える結果となっている。
一方、県の2002年度の予算案については国の地方財政計画がマイナスとなった影響をもろに受けて、一般会計の総額は本年度当初比1.3%、85億8900万円の減の6385億5100万円で、復帰後最大のマイナスとなっている。また、歳入が見込めない中で借金に頼らざるを得なくなり、臨時財政対策債の増加、主要基金の取り崩し等が目立つ苦しい予算編成を余儀なくされている。
自主財源である県税5.5%の減、地方交付税4%の減、国庫支出金も公共事業見直しのあおりを受けて6.8%という大幅な落ち込みである。歳入の三本柱である県税、地方交付税、国庫支出金の前年度予算と比べ軒並みに落ち込み、超緊縮型の予算案となっている。
今回の予算は、第3次振興開発計画の最終年次に当たり、また新たな沖縄振興新法の初年度でもあり、復帰30周年でもある。復帰事業を初め基地、環境、福祉、教育、雇用、観光等県民の暮らしにどう対応していくか行政需要の旺盛な年度として位置づけ、行政改革の強力な推進等課題解決に取り組む必要があります。
そこで次の質問をします。
(1)つ、国の財政構造改革で「改革断行予算」として位置づけた予算の編成方針となっているが、具体的に従来とどう中身が違うのか、知事の所見を伺う。
(2)、平成14年度は自主財源の県税を初め、地方交付税等減収の見込みで県財政はかつてない厳しい状況となっているが、どう認識し予算を編成したか、知事の所見を伺う。
(3)、平成14年度の予算編成に伴い各部局からの要求額は幾らだったか、予算の確定額は何%に相当するか。また、予算の査定対象外となった事業等が多くあると思うが、どう認識し対応したのか所見を伺う。
(4)番、平成14年度、当初の新規事業の概要と3次振計、振興新法との整合性と予算の裏づけはどうなっているか伺いたい。
(5)、復帰30周年記念事業と予算の裏づけはどうなっているか伺いたい。
(6)、地方財政計画の中で国の公共事業費10%の削減については、公共事業に頼っている本県として厳しさが予想される。雇用失業対策を含めて予算の裏づけと対応について伺いたい。
(7)、地方交付税及び県税収入などの減少により本年度122億円よりも多い158億円を基金から取り崩して繰り入れを余儀なくされている。課題が山積しているが、どのように認識し次年度以降に備えるか、所見を伺う。
(8)、県税徴収率の向上は自主財源の確保の面から重点施策に位置づけて取り組む必要がある。新年度で終了する「沖縄県行政システム改革大綱」の実効性について伺う。
(9)番、教育の学校編成整備計画、学力向上対策の節目の年度に当たっているが、施策の展開と予算の裏づけについて伺う。
(10)番、昨年の同時多発テロ事件以来、県内観光産業の打撃は若干持ち直したとはいえ、全国一の失業率など県経済は厳しい状況である。こうした不況を反映して家計の教育費の負担は重くなっており、保護者の失業や収入減少により学費や授業料の支払いが困難な家庭もふえているのではないか。県による奨学金の増額や授業料の猶予・免除等の拡大などの対策が必要であると考えるが、県の教育支援策を伺いたい。
(11)、県は、2005年度までに3学級以上のすべての中学校にスクールカウンセラーを配置する方針であるが、来年度のスクールカウンセラー配置事業は本年度より若干ふえているにすぎない。同規模の予算で全校配置できるのか。予算計画を持っているのか伺いたい。スクールカウンセラーを全校配置するには、臨床心理士などの有資格者を中心にカウンセラーをどう確保するのかが課題と思われる。現在のように1人のカウンセラーが何校もの学校をかけ持ちするのではなく、専任として配置できることが望ましいと考えるが、県としてカウンセラーを養成するための方策はあるのか。
(12)、教育用コンピュータ整備事業は、来年度も3億6800万円余りの予算を計上しているが、これまでの整備の状況と学校におけるコンピューターの活用状況を伺いたい。県の考える学校への整備はどのようなものか。また、物だけでなく指導者の養成事業も継続していく必要があるが、どのような計画を持っているのか。また、コンピューターの日進月歩は目覚ましく、二、三年でコンピューター本体やソフトも古くなる感があるが、最初に整備された学校の機械が古くなると次第に利用が減るのではないか。こうしたリサイクルに対する計画は持っているのか伺いたい。
(13)、去年の米国における同時テロを引き金として沖縄観光はキャンセル等が相次ぎ、観光客の激減、観光施設等に解雇者が続出し、悪化する失業率に拍車がかかった。新年度は観光、雇用など重点的な施策展開が必要と思われるが、予算の裏づけと対応について伺いたい。
(14)番、児童扶養手当の削減案が検討され、12月にも児童扶養手当法の改正案がまとまり、12月にも実施されるということである。改正案では、母親が働けるよう労働市場の開放の政策を打ち出している。しかし、景気は不況で果たしてどれだけの企業が門戸を開くか、また社会的な保育環境が整っていない。このような手当の削減は、多くの母親たちが子供を育てる意欲をなくしかねない。母親が働くには公的な保育支援が必要だが、どのような施策を展開するのか予算の裏づけについて伺います。
2番、基地問題について伺います。
戦争に加担する施設などない方がよい。反面、また新たな基地をつくろうとしている。昔、戦争中、日本兵や銃の前で泣きやまぬ我が子を死なせたり、無実の民間人を惨殺する軍人や人々がいたように、今またその過ちを繰り返そうとしているのではないか。
子供たちや地球の未来を考えた判断と行動が要求されております。目先のことにとらわれ、加害者になってはいけない。新たな基地の建設は、自然の宝を汚す地球の自滅への第一歩です。
「聖域なき構造改革」を叫び、公共事業の削減とは裏腹にSACO最終報告の内容よりも大規模な機能を一新した軍民共用空港や那覇軍港をつくろうとしている。これは決して基地の整理縮小にはつながらず、むしろ基地の機能強化と維持につながるものである。米軍関係の事件や事故も相変わらず発生してとどまるところがない。経済振興と引きかえに基地の受け入れは目先だけの手段であって、沖縄の未来に希望を与えるものではない。
日本に復帰して30年、この間に世界は大きく変化した。しかし、基地の島沖縄の現実は依然として変わらない。米国の言いなりになり続ける日本政府にただ従うのみで、沖縄では基地の整理縮小どころか、もろもろの基地の負担は今後ますます重くのしかかる危険性を含んでいるような気がしてならない。
そこで質問をします。
(1)番、日米両政府が那覇軍港を浦添地先へ移設しようとしているのは専用軍港としての合意である。一部事務組合の設立は、SACO合意に基づく軍港移設を推進する目的であることが明らかになった。那覇港湾計画の改訂作業の中での港湾計画の基本方針、施設計画、施設の配置について説明を求めます。
(2)番、日米政府と県政が進めているSACO合意は、県民が求めた基地の整理縮小ではなく、アメリカの軍事戦略に基づく基地の再編・新設であり、沖縄基地の新たな強化につながるものであるが所見を伺う。また、SACOの中身についても説明を求める。
(3)番、県民の総意は、1995年の悲しい事件を契機にした10・21県民総決起大会であり、二度と悲しい事件を起こさせてはいけないという基地の整理縮小を誓い合った日でもあるが、知事の所見を伺います。
(4)番、米国防総省は、世界じゅうの紛争に対応するために緊急事態が発生したときに大量の軍事物資を素早く輸送できるように海上輸送軍を編成している。その海上輸送軍の中核をなすのが海洋事前集積隊である。那覇軍港は海洋事前集積隊の定期的な寄港地であるが、知事の所見を伺う。
(5)番、アメリカ軍と日本政府が浦添への軍港移設を主張しているのは、原子力空母や原子力潜水艦が寄港でき、大量の軍用物資を素早く輸送できる機能を持つもので、一新した港をつくろうとしている。それでも基地の整理縮小につながると思うのか所見を伺う。
3番、医療費3割負担について。
サラリーマンの医療費自己負担率の2割から3割への引き上げを2003年4月から実施すると報じている。改革案では、サラリーマンはボーナスからも月収と同率の保険料の徴収の導入が決まっている。また、ことし4月からは患者は再診料や予約料及び半年を超える長期入院などに新たに特別料金を徴収されることになる。これに3割負担が加われば医療費に対する家計負担率が5割を突破、負担は相当重くなるとの見通しである。
そこで質問します。
(1)番、政府管掌健康保険の資産で来年4月から3割負担にしなくても総報酬制を導入すれば保険料率を現在の8.5%から8.3%に引き下げても財政的に問題ないと指摘しているが、県の対応と知事の所見を伺う。
(2)番、3割負担への引き上げが不況だけでなく介護保険料などの負担も厳しく、中小企業サラリーマン加入の政府管掌健康保険の保険料率もアップ、高齢者の医療費負担もふえることになると家計をさらに圧迫することにつながる。このような事態をどのように認識して県として対応するのか、知事の所見を伺います。
4番、沖縄振興特別措置法について。
ことし3月で期限が切れる沖縄振興開発特別措置法にかえて、今後新たに10年間の振興策の根拠となる沖縄振興特別措置法案が策定されようとしている。
沖縄振興新法は、3次にわたって沖縄振興開発が目指した「本土との格差是正」から「魅力ある地域特性と不利性の克服」に振興方向を転換している。振興開発の「開発」と「沖縄の復帰に伴い」の言葉が削除され、その目的が「沖縄の自立的発展に資する」という言葉に変わった。
新法は、3次30年にわたる沖縄振興のあり方を反省し、自立的発展への歩みを確実なものにするための振興体系を再構築するもので意味は大きい。
これまでの県経済が基地依存型、財政依存型の経済から脱却し、自立経済に移行できるような法案の骨子となっている。経済の自立化、自立的発展には産業の振興が不可欠な条件だとしている。また、県の主体性を明確にするための独自の総合計画を策定しようとしている。
そこで次の質問をします。
(1)番、2月8日に閣議決定された沖縄振興新法(案)について、「開発」や「沖縄の復帰に伴い」の言葉が削除されているが、その内容についてはどうなっておりますか。これまでの沖振法との違いはどこにあるか。また、振興新法をどう評価するか、知事の所見を伺う。
(2)番、第3次沖縄振興開発後における沖縄の振興については、大胆な発想による新たな振興計画の策定とその実効性を制度面から支える沖縄振興新法の制定により取り組む必要があると県は主張してきた。
イ、新しい沖縄の振興につながる法案となっているか。
ロ、大胆な発想による新たな振興計画の策定の上での法制面で十分だと考えますか。
あるとすれば、国会審議の上で提起し、実現補強されるべきと考えるが、県の所見を求める。
法制定に向けての今後の県の残された取り組みと課題は何か。
5、新たな沖縄振興計画の策定について。
(1)、2001年6月の県議会全員協議会に提起された「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」に係る制度・施策について、その後の推移を通して変更し、補強した課題があるのか伺う。
(2)番、各部局のその準備状況や政府関係省庁とその後の進展はどうなっているのか伺う。
審議会及び各部会の審議状況はどうなっているか。また、県審議会答申は5月下旬、国への提出は6月末となっているが、それまでの今後の取り組みはどうなっているか。
(3)番、県総合計画との整合性はどうなっているか。
雇用失業問題について、これはすぐ質問に移ります。
平成14年度の主要施策についての雇用対策について、「厳しい雇用環境等の改善を図るため、職業安定計画を策定し、」とあるが、具体的にどういうことか。また、その実効性はあると考えるか所見を伺う。
(2)番、知事は所信表明の中で、この間、産業振興については情報通信産業の面で45社、4000人余の雇用創出を実現したと表明したが、そうした成果があってもなお県内雇用状況は厳しいことが現実である。最も新しい県内失業者の実態はどうなっておりますか。その責任を知事はどう考え対処するのか伺う。
(3)、若年者、とりわけ新規高卒者の就職内定状況はどうなっておりますか。
(4)番、県内の雇用失業の厳しい状況からすれば、職業訓練校や訓練大学校などの充実・強化は大幅な予算の投入など体制の強化が必要と考えるが所見を伺う。
(5)、若年労働者などの就職を含めて雇用失業対策の抜本的な施策が必要ですが、所見を伺う。
(6)、70億円の配分を受けた緊急地域雇用創出特別交付金の活用と特別事業市町村配分額25億2000万円の活用方法と雇用の確保と効果について所見を伺います。
あとは答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えいたします。
最初は、14年度予算は従来とどう違うか、またどのような認識のもとに予算を編成したのかについて一括してお答えをいたします。
地方公共団体の予算編成の際の指針となる地方財政計画については、国の「改革断行予算」と歩調を合わせて徹底した見直しと重点的配分を図るとともに、給与関係経費の抑制や地方単独事業費の削減を通じその規模が抑制されたことから、初めて対前年度比マイナスとなったところであります。
その結果、本県においても、1、投資的経費の補助事業の減、2、地方交付税の減などの影響があり、また景気の後退により県税収入が減少したことから、臨時財政対策債の増額や大幅な基金の取り崩しをするなど厳しい予算編成となったところであります。
しかしながら、平成14年度は沖縄振興新法及び沖縄振興新計画に基づき新たな第一歩を踏み出すと同時に、復帰30周年の歴史的節目を迎える意義深い年であります。このため、当初予算の編成に当たっては、限られた財源の中で事業の優先度に十分配慮しつつ、自立型経済の構築や現下の厳しい雇用環境の改善を図るため観光・リゾート産業の振興、情報通信産業の集積、農林水産業の振興、企業の育成、雇用の創出等の政策課題や緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本に編成したところであります。
次に、新規事業の概要と振興新計画との整合性についてお答えをいたします。
平成14年度当初予算の主な新規事業としましては、観光・リゾート産業の振興として世界遺産周辺整備事業、エコツーリズム推進事業、健康保養型観光推進事業を実施することとしております。
情報通信産業の振興として、デジタルアーカイブ(仮称)を整備するほか、沖縄─東京間の高速・大容量通信ネットワークを構築するとともに、高度なIT技術を活用できる人材の育成を進めてまいります。
農林水産業の振興については、流通販売対策として農水産物マーケティング対策事業を実施します。
産業の振興、雇用の拡大に向けた施策として、特別自由貿易地域における管理運営法人の設置や産学官共同研究推進事業の実施など、自立型経済の構築に向けた取り組みを強化するとともに、厳しい雇用環境の改善を図るため緊急地域雇用創出特別事業を実施するほか、新たに若年者就職支援のための特別セミナーを実施します。また、環境共生型地域の形成に向け、本島内における放置自動車対策事業を実施します。
医療・福祉の向上については、認可外保育施設の認可保育所への移行を促進するほか、認可外保育施設利用児童への支援を拡充します。
また、救命救急医療、母子総合医療等の機能を有する県立高度多機能病院の整備に着手します。
地域・離島の振興を図るための新多良間空港ターミナルビルの建設に着手します。
基地問題の解決促進や平和・文化・国際交流事業の推進としてジュニアスタディーツアー事業、在沖米軍基地周辺環境マップ作成事業を実施します。
人材の育成については、県立芸大デジタルアートクリエータ育成事業を実施するとともに、週末等における青少年の奉仕活動や体験活動を推進します。
平成14年度は、かつてない厳しい財政状況のもとでの予算編成でありましたが、21世紀の沖縄の可能性を切り開き、自立型経済の構築に向けた諸政策課題に的確に対応する予算が編成できたものと考えております。
次に、公共事業費10%の削減の影響と雇用失業対策についてお答えいたします。
平成14年度当初予算の投資的経費の補助事業は、国の公共事業費が大きく減となったことに伴い9.9%の減となっておりますが、平成13年度2月補正において国の2次補正に伴う公共事業の追加分を措置しており、これらを合わせると所要の額が確保されていると考えております。
なお、平成14年度予算編成において、自立型経済の構築や現下の厳しい雇用環境の改善を図るために観光・リゾート産業の振興、情報通信産業の集積、農林水産業の振興、企業の育成、雇用の創出等の政策課題に重点配分を行ったところであります。
次に、10・21県民総決起大会と基地の整理縮小についての御質問にお答えをします。
平成7年10月の県民総決起大会は、基地問題に対する国内外の世論をかつてないほどに喚起し、日米両国政府に対し沖縄の過重な基地負担の実態を再認識させ、SACOの合意として実を結ぶ結果になったと考えております。県としては、本県に所在する米軍基地の整理縮小を着実に進めるためには、SACO事案を着実に実施することが重要だと考えております。
しかしながら、SACO合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することになります。県としては、56年余も過重な基地負担を背負ってきた県民にこたえるため、国際情勢を踏まえつつ、国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、さらなる米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
次に、海洋事前集積隊の寄港についてのお答えでございます。
那覇軍港にいかなる米軍部隊が寄港しているかについては、軍の運用上の理由により明らかではありませんが、いずれにいたしましても、県としては、日米安保条約に基づいて我が国の施設・区域を使用している米軍は、その抑止力をもって我が国及び極東の平和と安全の維持に寄与しているものと理解しており、那覇軍港を含む沖縄の米軍基地の機能も同様の機能であると理解をしております。
次に、新法の内容、沖振法との違い、新法の評価についてお答えをいたします。
新法は現行沖振法の終了に伴い、沖縄振興の新たな制度的基盤として制定されたものであり、本県社会経済の一定の発展状況を踏まえ、発展の初期段階をイメージさせる「開発」の文言を法律名から外すとともに、復帰後30年経過したことにより「復帰に伴い」という表現を削除し、21世紀の新しい発展の方向にふさわしい内容に一新されております。
新法の現行沖振法との違いは、情報通信産業特別地区制度や金融業務特別地区制度の創設など産業振興のための特別措置を大幅に拡充したことや、新たに新大学院大学の実現に向けた規定など文化・科学技術の振興及び国際協力等の推進と、駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化のための特別措置を盛り込んだことです。
また、新法案は国の負担または補助の割合の特例を初めとする現行沖振法の特別措置を継承するなど、県の基本的な考え方を十分反映した内容となっており、本県の自立的発展に向けた施策展開を強力に後押しするものと高く評価しています。
次に、職業安定計画の内容と実効性についてお答えいたします。
現在、策定作業を進めている職業安定計画は、沖縄振興計画の分野別実施計画として策定するものであります。
検討中の主な内容は、雇用促進対策として、新規創業や経営拡大を支援し新たな雇用を創出する沖縄特別雇用開発推進事業の実施や、地域雇用開発促進法の特例を活用した雇用開発を推進する予定であります。
人材育成においては、公共職業能力開発の充実に加えて民間企業等を活用した実践的な職業能力の開発を進めるとともに、国内外の先進的な企業や研究所等への派遣研修を拡充し、本県産業を担う多様な人材育成に取り組みたいと考えております。
また、特に雇用状況が厳しい新規学卒者等若年者については、現在、調査検討中の「若年者総合雇用支援システム」を早期に具体化し、人材育成から就職までの一貫した支援体系を構築する予定であります。
なお、職業安定計画は国の同意を得て策定することから、国においても必要な措置が講じられるものであり、国と県の連携によって同計画の実効性が確保されるよう取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(當銘直通) 平成14年度予算の要求額、確定額及び査定対象外事業等についてお答えいたします。
平成14年度予算は、限られた財源の中で施設の維持管理費などの経常的経費については要求枠の設定により縮減を図るとともに、政策的経費については事業の必要性、緊急性、熟度、効果等を総合的に勘案し、新たな政策課題や緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本として編成しました。その結果、一般会計の平成14年度当初予算額は6385億5100万円となっており、要求額6658億7195万1000円に対し95.9%となっております。
次に、4基金の現状及び今後の対応についてお答えいたします。
平成14年度の予算編成に当たっては、地方交付税や県税収入が減少し歳入予算の確保が厳しい中、自立型経済の構築や厳しい雇用環境の改善などの諸政策課題に対応するため、臨時財政対策債の増額や基金の取り崩しなどにより予算を編成したところであります。
しかしながら、厳しい財政環境下にあっても、安定的な財政運営を行うためには主要4基金の維持・確保に努める必要があると考えております。そのためには、行政システム改革大綱に盛り込まれた財政健全化策を着実に推進するとともに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策を推進して税源の涵養を図ってまいりたいと考えております。
次に、行政システム改革大綱における県税徴収率の実効性についてお答えいたします。
県税の徴収率については、行政システム改革大綱において「平成16年度までに徴収率を96%台に引き上げること」を明記し、その目標達成に向けて鋭意取り組んでいるところであります。
平成12年度末の数値目標は94.3%でありましたが、軽油引取税の高額滞納事案が発生したことにより約2ポイント減の92.4%となっております。今後は、各所における徴収執行体制の強化、個人県民税の共同催告や共同滞納整理の拡大、自動車税の滞納整理月間を設定した徴収の強化を図り、その実現に向けて努力していきたいと考えております。
以上であります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 復帰30周年記念事業の予算についてお答えいたします。
復帰30周年記念事業については、新たな世紀を切り開く飛躍のスタートとなるよう22事業を決定しております。
事業内容としては、記念式典、全国知事会議の開催を初め島嶼観光政策フォーラム、沖縄芸術文化祭、かりゆし県民フェスティバル、全国エイサー道ジュネー・大沖縄展などを実施するとともに、県立高度多機能病院(仮称)の建設に着手することとしております。
予算については、平成14年度当初予算案において復帰30周年記念事業関連経費として24億973万円が計上され、今議会で御審議いただくこととなっております。
次に、港湾計画改訂作業の取り組み状況についてお答えいたします。
港湾計画改訂の基本目標としては、「新たな産業としての港湾開発」及び「県民生活・産業経済を支える港湾空間整備」としております。
これを踏まえた方針案としては、国際競争力のある高規格・高能率海上コンテナタ-ミナルの整備、沖縄経済自立に寄与する新たな産業空間の創出、沖縄の生活・物流拠点としての港湾機能の充実、国際クル-ジング基地と海洋リゾ-ト地区の形成等であります。また、現在、トランシップ貨物の推計や企業立地の可能性調査等を踏まえ、基本的な施設配置計画を検討しているところであり、平成14年度においても詳細な土地利用計画及び施設配置計画を検討していくこととしております。
次に、沖縄振興特別措置法案について、新しい沖縄振興につながる法案か、不十分な点があれば国会に提起すべきと考えるがどうかについて一括してお答えいたします。
新法案は、沖縄型特定免税店の空港外展開やエコツーリズムの推進など観光振興の新たな展開、情報特区の創設、金融特区の創設及び産業高度化地域制度の創設など、産業振興のための特別措置を大幅に拡充しております。
また、魅力ある地域特性の発揮のための文化の振興、世界的視野に立脚した科学技術の振興や国際化の推進のための特別措置を盛り込んでおり、ソフト面の施策展開を抜本的に強化しております。
さらに、高率補助制度など現行沖振法の特別措置を継承しており、新法案は新たな沖縄振興につながる内容になっております。このため、県としては、国会における法案審議が円滑に進められるよう期待しているところであります。
次に、今後の取り組みと課題についてお答えいたします。
新法は、去る2月8日の法案閣議決定を経て国会に提出され、審議の上3月末に成立し、4月1日施行の見通しとなっております。県としては、新法施行に向け、現行沖振法から新法への円滑な移行を図るため制度の積極的な活用に向けた準備を進めるとともに、地域住民や県内産業界との密接な連携を図りながら、沖縄振興計画及びこれに基づく観光、情報等の産業分野別計画の策定などに鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
次に、基本的な考え方の変更、補強等についてお答えいたします。
「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」は、県議会における議論や7項目の決議、県振興開発審議会における審議及び県民フォーラムにおける意見聴取等を踏まえて取りまとめたものであります。県においては、その内容が新法に可能な限り盛り込まれるよう国や関係機関との調整に努めてまいりました。その結果、新法案には新たに新大学院大学の実現に向けての規定など科学技術の振興のための措置が盛り込まれています。
また、沖縄観光の海外における宣伝や国際会議の誘致促進等に関する措置、国際協力事業団による研修事業や国際交流基金による交流事業など、沖縄における国際協力・交流推進等の措置が創設されております。さらに、新事業創出促進に向けた沖縄振興開発金融公庫の業務特例、地域特性や環境保全など施策における配慮規定が新たに盛り込まれております。
次に、各部局や関係省庁とのその後の調整状況、今後のスケジュール及び県総合計画との整合性について一括してお答えいたします。
現在、新たな計画に盛り込むべき具体的な施策や主要事業等について部局と調整を進めております。
また、内閣府とは新計画の基本的な構成や体系等について調整を進めており、関係省庁との調整につきましても部局において鋭意行っているところであります。
これらの調整を踏まえ、去る2月15日には沖縄県振興開発審議会を開催し、諮問に先立って沖縄振興計画県案素案の基本的な構成や体系等について委員に説明したところであります。
審議会への県案素案の諮問は、新法成立後の4月初旬を予定しております。その後、5月中旬にかけて各部会において調査・審議を行う予定にしております。あわせて県議会に対しましても県案素案の説明を行うとともに、議員各位の御意見を賜り沖縄振興計画案に反映させたいと考えております。
県総合計画は、沖縄振興計画を踏まえるとともに、各分野の個別計画を網羅し具体的な施策・事業や政策指標を盛り込んだ計画にしたいと考えております。
○教育次長(宮城嗣三) 県立学校編成整備計画及び学力向上対策の施策と予算についてお答えします。
平成14年度を初年度とする新たな県立学校編成整備計画については、今年3月を目途に計画を策定することとしており、次年度以降10年間は同計画を年次的に実施へ移す段階になります。平成14年度においては、同計画案に沿って沖縄水産高校の総合学科の拡充、名護養護学校の施設の充実を図るための校舎改築や伊良部高校へ中高一貫教育を導入するために必要な教諭の配置などを行うこととしており、所要の予算を計上しております。
また、学力向上対策については、平成14年度から平成18年度までの5年間を「新学力向上対策」として位置づけ、すべての子供たちに基礎学力の定着を図ることを目指し、指導資料の作成や基礎学力検査及び達成度テストの実施などの施策に要する所要の経費を計上しております。
次に、県の教育支援策についてお答えします。
県教育委員会としましては、勉学意欲がありながら経済的理由により高等学校での修学が困難な者に対し支援するため、奨学金貸与事業を国の補助により新規事業として平成14年度から実施することにしております。
また、県立高等学校の授業料の減免については、経済的理由等で授業料の納付が著しく困難な者に対し、授業料の免除または減額を行うことにより将来にわたり有為な人材の育成を図るものであり、高等学校授業料等徴収条例施行規則で減免枠を原則として在籍生徒数の8%以内と規定しております。現在の県経済の厳しい状況等を勘案し、学校との連携を図りながら保護者の生計状況の把握に努め、納付の困難な者については徴収の猶予及び減免を行っているところであります。減免枠につきましては、今後も経済動向及び保護者の生計状況等を総合的に勘案し、適切に対応してまいりたいと考えております。
スクールカウンセラーの配置状況と確保についてお答えします。
本県のスクールカウンセラー配置状況は、平成7年度にスクールカウンセラー活用調査研究委託事業として中学校2校、高等学校1校の計3校からスタートし、年度ごとの配置拡充に努めてまいりました。
平成13年度からは、国の動向を見据え、中学校において30校、高等学校6校の計36校に配置してきたところであります。平成14年度は、当初の計画どおり中学校において59校、高等学校6校の計65校に配置する予定であります。
また、臨床心理士等の確保については、県臨床心理士会等との緊密な連携を通して本事業の円滑な実施を図るため計画的な配置に努めているところであります。
次に、教育用コンピューターの整備及び指導者の養成についてお答えします。
県立学校における教育用コンピューターの整備については、レンタル・リース方式により年次的に整備を進めているところであり、平成12年度までに全学校にコンピューター教室における機器の整備を完了しております。
さらに、平成14年度からは国の「教育の情報化」推進計画に基づき平成17年度までに各学校の普通教室に2台、特別教室等に6台の教育用コンピューターの整備を進めることになっております。平成14年度は継続分も含め高等学校に約3800台、特殊教育諸学校に約400台の整備を予定しており、古い機種やソフトについては年次的に更新を進めております。
また、活用状況につきましては、1週間の平均利用時間は授業で16.8時間、放課後に8.7時間であります。授業では、インターネットを利用した調べ学習やプレゼンテーション等の活用、放課後は資料収集、レポート・学級新聞の作成等を行っております。
指導者の養成につきましては、平成16年度までに本県のすべての教職員がコンピューターを活用した教育ができるようにこれまでの研修に加え、新設のIT教育センターを拠点とした広域教育ネットワーク等を活用した研修を実施していきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 新年度の雇用対策予算についてお答えします。
平成14年度の雇用対策の予算については、当面の雇用の確保、若年者対策、新規学卒者対策等の観点から所要の予算を計上しております。緊急地域雇用創出特別交付金事業の本格的な実施経費として25億7700万円を計上したほか、新規事業として民間のノウハウを活用し若年者の就職活動を支援する就職支援特別セミナー事業に2500万円、大学生等の県外就職を支援する就職の翼支援事業に370万円を計上しております。また、情報通信関連産業やホテル等観光産業の人材育成と雇用創出を図る戦略産業人材育成支援事業に6870万円を計上しております。
その他、高校生や大学生等の職業意識の形成や就職促進対策等の継続事業についても所要の予算を計上しており、現下の雇用状況に適切に対応した効果的な事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、最近の雇用状況及び対策についてお答えします。
本県の12月の完全失業率は、前月に比べ0.5ポイント低下し7.2%となっております。就業者数は59万6000人と前月に比べ8000人増加し、完全失業者数は4万6000人と前月に比べ3000人減少しております。しかしながら、県内外の雇用を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあり、引き続き予断を許さない状況であると考えております。
県においては、現在、「沖縄県総合雇用対策」に基づく各種の緊急対策を実施しているところであります。平成14年度においても、緊急地域雇用創出特別交付金事業の本格的な実施や若年者の就職を促進する新たな事業等きめ細かな対策を実施することとしております。
また、沖縄振興特別措置法(案)において拡充された各種の制度を最大限に活用し、企業誘致を初め情報産業、観光産業等の振興による新たな雇用の創出を図ってまいります。これらの短期及び中長期の施策を総合的に推進することによって雇用状況の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、新規学卒者の就職内定状況についてお答えします。
沖縄労働局が発表した本年3月卒業予定者の12月現在の就職内定状況は、高校が29.9%、大学が27.4%、専修学校が32.0%といずれも全国平均を大幅に下回る厳しい状況であります。
次に、職業訓練校などの充実・強化についてお答えします。
県立の職業能力開発校においては、これまでIT化に対応した校内のLAN整備や「情報システム科」の新設など施設や訓練教科の充実に努めるとともに、国の総合雇用対策と連動した民間の教育訓練施設や求人企業等への委託訓練を実施してきたところであります。平成14年度も引き続きこれらの訓練を実施するとともに、施設のバリアフリー化を進め、訓練体制・施設の充実・強化に努めていきたいと考えております。
また、訓練内容の再構築、施設・設備や指導体制の充実・強化などを内容とした県立職業能力開発校の再編整備計画を策定し、ハード・ソフト両面からの整備を年次的に進めてまいります。
なお、沖縄職業能力開発大学校においては、平成14年度に「生産情報システム技術科」を新設し、また沖縄職業能力開発促進センターにおいても事業主団体や企業等と連携したオーダーメード型の在職者訓練を実施しております。
次に、若年者の雇用対策についてお答えします。
若年者を含む本県の雇用状況を改善していくためには、産業振興による新たな雇用の創出が不可欠であり、企業誘致を初め各種の産業振興策を推進してまいりました。これらの産業振興とあわせて、職業能力開発の充実や若年者の就職活動を支援する「就職支援特別セミナー」の実施等きめ細かな対策を講じてまいります。
一方、県内の雇用機会が不足している現状においては、県外にも目を向けた雇用の確保が必要であり、県外企業におけるインターンシップや就職の翼支援事業の実施等県外就職の支援及び求人開拓を強化してまいります。また、現在、調査検討中の「若年者総合雇用支援システム」を早期に具体化し、人材育成から就職までの一貫した支援体系を構築してまいりたいと考えております。
次に、緊急地域雇用創出特別交付金の活用と雇用効果についてお答えします。
緊急地域雇用創出特別交付金は、現下の厳しい雇用状況を踏まえ、構造改革の集中調整期間に対応する平成16年度までの臨時・応急の措置として公的部門における臨時的な雇用を創出するものであります。
県としては、このような交付金の直接の目的である雇用効果の高い事業や今後の産業振興につながる事業及び新たな雇用の受け皿となる分野の事業等の観点から事業計画の検討を進めてまいりました。現在、70億円の全体計画における新規雇用者の延べ人数は県事業で約3400人、市町村事業で約3600人、合計約7000人と計画しております。今後とも、事業の実施状況を確認しながら事業効果を高めるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 観光施策と予算についてお答えします。
平成14年度においては、観光客誘致対策事業や復帰30周年記念事業、世界遺産周辺整備事業、エコツーリズム推進事業、健康保養型観光推進事業、世界帆船大会セイルコリア2002事業、修学旅行対策事業などを中心に各種施策を展開してまいります。
このため、平成14年度における観光リゾート局の当初予算は34億2656万4000円を計上しており、平成13年度当初予算28億529万8000円と比較して6億2126万6000円の増で、対前年度22.1%の増加となっております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 児童扶養手当法案改正に伴う働く母親の保育支援についての御質問にお答えします。
国においては、総合的な母子家庭等の自立支援策として、安心して子育てできるサービスと生活の場を整備するため「必要な時に必ず利用できる保育所や放課後児童クラブ」を挙げ、保育所への優先入所の法定化等の検討をしております。県では、保護者のパートタイム就労等断続的な勤務形態に対応した支援も可能な一時保育や休日保育等の特別保育事業を実施しております。
なお、議員の質問の中に保育所の予算の措置状況のことがございましたが、これは母子家庭だけに対応したものではございませんけれども、保育所対策関係の予算の計上状況を申し上げます。
保育所建設費が4億6805万円、認可外保育施設認可化促進事業、あるいは健やか保育サービス事業を含めまして7898万5000円、それから緊急雇用対策を利用しての保育所への支援事業で4165万5000円、保育所の運営費として45億87万9000円、それから特別保育事業に対する補助金として8億3281万円を計上してございます。
続きまして、医療費の3割負担の財政問題についての御質問にお答えします。
厚生労働省が平成14年2月7日に見直しをした試算によりますと、政府管掌健康保険の均衡保険率8.3%は、総報酬制とした場合に医療費の3割負担実施を平成16年度までは延長できるとしたもので、その後の実施の場合は保険料率を毎年0.1%ずつを上乗せしなければならないとしております。また、医療費の3割負担を導入しない場合は、保険料率を総報酬ベースで現在の7.5%を8.6%に引き上げる必要があると試算しております。
県といたしましては、具体的な制度改正の内容等が明らかでないこともありまして、国の対応を見守っていきたいと考えています。
同じく医療費3割負担の影響についてお答えします。
政府においては、将来にわたり医療制度を持続可能な制度へ再構築するためその構造的改革が求められているとし、政府管掌健康保険の保険料負担についても総報酬制にし、年収ベースで7.5%から8.2%への引き上げと医療費の自己負担3割や高齢者医療制度対象を現在の70歳以上から段階的に75歳以上に引き上げ、自己負担額を定率1割負担とするなどの医療制度改革が検討されています。これが実施された場合、県民に与える影響としては被用者保険の加入者である中小企業等社員の医療費自己負担増が生じること、高齢者の負担増が考えられます。
県といたしましては、具体的な制度改正の内容等が明らかでないこともあり、国の対応を見守ってまいりたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) SACO合意事案と基地機能についての御質問にお答えをいたします。
SACOは、普天間飛行場の全面返還を含む11施設約5002ヘクタールの土地の返還を内容とし、在沖米軍専用施設面積の約21%の土地の返還を初め、県道104号線越え実弾砲撃演習の廃止等沖縄県民の負担軽減を図るため、日米両国政府が協議を行い合意に達したものと理解しております。県は、地域住民の生活や自然環境への影響、県土の有効利用及び地域の均衡ある発展を妨げるおそれがないかなど、県全体の基地の整理縮小を図る観点から総合的に判断していきたいと考えております。
次に、軍港移設は基地の整理縮小につながるかという御質問にお答えをいたします。
那覇港湾施設の代替施設につきましては、基本的に現在の那覇港湾施設の機能が維持されるものであると理解しております。また、那覇港湾施設は現在の約57ヘクタールから約35ヘクタールに縮小して移設するものであり、県民が強く望んでいる基地の整理縮小にもつながるものと考えております。
○当山 全弘 それでは再質問をいたしたいと思います。
まず、那覇港湾施設の問題について公室長に再度お伺いをいたしたいと思っております。
公室長は、移設は基地の整理縮小につながるということで、機能強化でもそういったことはないと。物資の積みおろしとかそういうことで現機能の維持ということを言っておりますけれども、この物資の積みおろしの範囲ですね、それを何の根拠に基づいて言っているのか説明を願いたいと思います。
あと1つは、この集積隊の問題ですけれども、海兵隊の海兵遠征旅団、つまり1万6000人の30日間を支える、これはすべての装備と物資を備えた軍隊なんですよね。それは海兵隊の航空機、大砲、小火器、弾薬数千トン、燃料、食料、水、建設資材、衣料品、これを緊急輸送する部隊なんですよ。こういったものが、寄港地である那覇軍港を浦添に持っていくこと自体基地の整理縮小につながると考えるのか、これを真剣に答弁していただきたいと思います。
もう一つは、振興計画についてですけれども、脱公共事業の道を模索して雇用の促進と人材の育成につなげなければいけない。それは課題が山積しておりますが、振興開発の妨げは米軍基地の整理縮小が進まなかったということに大きく私は起因していると思うんですが、このことについて再度知事の所見を伺いたいと思います。
最後になりますけれども、子供たちの情操教育についてふさわしい施設であるということは、これは47都道府県を見ても美術館がないところは沖縄県だけなんですよ。私は、美術館の芽出しを復帰記念事業の一環として位置づけて、今回の予算にはないけれども、47番目の最後の県であってもよろしいですから、これはぜひ子供たちの情操教育の面から必要な施設だというふうに考えますので、知事の決意をお願い申し上げます。
以上で終わりたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時56分休憩
午後2時59分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
牧野副知事。
〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 振興策が進まなかったのは基地があるからじゃないかということの質問にお答えいたします。
その関係は一概に否定することはできませんけれども、しかしながら復帰したときの県民の総生産が約四、五千億でした。あれから30年たちまして、今、県民所得は3兆四、五千億になっております。復帰したときの沖縄の振興策の柱は、企業誘致をして地元の企業も育成するけれども、企業誘致にかけたのが第1次振興開発計画のものでした。しかしながら、ここまで来まして企業誘致が進まなかったのは非常に残念なことでしたけれども、復帰して2度にわたるオイルショックで低成長、それから合理化ということでなかなか企業誘致が進みませんでした。その後、円高ということでみんな海外に企業が行ったというふうなことがあります。
それと、復帰前後にまた県内の勢力によって企業つぶしがあったこともありました。それからまた石油資本など、あるいはIC産業などには復帰直前に誘致しましたのがいわゆるまだ国の中では自由化品目ではありませんでしたので、すそ野が抑制されたというのがあります。昨今ではバブルなどがありまして、企業誘致にあれだけかけて30年前に済んだわけですけれども、これら5つの要因によってなかなか企業誘致が進まなかったというのが一番大きな問題だと思っています。
しかしながら、ここまで問題になってきましたけれども、しかしそれをカバーするために観光産業がふえた、基地収入も恐らくふえた、公共工事がふえたということで量的にはふえてきましたけれども、今の失業問題、県の依存経済などが残っているわけですから一概に否定できませんけれども、課題がはっきりしているわけです。産業振興、ですから半分は企業誘致にかける、あとは県内の育成にかけるというふうなことでございますから、これからの新しい振興開発計画の中身の柱は民間主導型の自立経済をつくっていくという意味で産業振興の支援措置がたくさん盛られているというような、そういう状況でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 美術館の建設に関する再質問についてお答えいたします。
美術館につきましては、県民の情操を豊かにし、地域に根差した文化の発展に必要な文化施設であると認識しております。
平成8年度に実施した基本設計では、総事業費が約390億円と多額であることから、建設コストの圧縮や運営コストの軽減を基本とし、他県の事例等を参考に現計画の見直しを行っているところであります。
○知事公室長(親川盛一) 那覇港湾施設の機能強化につながるのではないかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
現在の那覇港湾施設は、バースが大型専用と中型専用を合わせまして12バースあり、建築物は事務所、倉庫、作業場、修理場、消防署等となっております。これらの施設や使用状況から現在の那覇港湾施設においては、事務所機能を初め物資の搬出・搬入、保管、仕分け、配送、修理、作業等港湾施設の維持管理や運用等に関する機能が備わっているものと考えられます。なお、那覇港湾施設については弾薬類は取り扱われていないと聞いておりまして、代替施設におきましてもこれらの那覇港湾施設の機能が維持されるものと理解しております。
なお、那覇港湾施設につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、現在の約57ヘクタールから約35ヘクタールに面積的には縮小されるということで、基地の整理縮小には必ずつながるものとこのように理解しております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時5分休憩
午後3時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
大城一馬君。
〔大城一馬君登壇〕
○大城 一馬 沖縄社会大衆党・結の会連合を代表いたしまして質問をさせてもらいたいと思います。
2月18日にブッシュ大統領と小泉首相が東京で会談を行いました。今回のブッシュ大統領のアジア3カ国の訪問は、イラクなどへの対テロ戦争の布石という見方もあると推測されていますが、いずれにしても日米両国の政治的・経済的諸課題の解決に向けても議論があったと思います。沖縄の基地問題につきましても、踏み込んだ議論があって当然と思いましたが、残念ながら普天間代替施設の15年使用期限問題、地位協定の見直し問題に従来の流れを踏襲するだけで進展が見られず会談が終わっています。
稲嶺知事は、18日の日米首脳会談について、沖縄の基地問題の取り扱いについてどのように評価なされていますか。
普天間飛行場返還問題についてでございます。
普天間飛行場代替施設を軍民共用にし、米軍による使用を15年にすると県民に約束してから知事就任はや4年目を迎えました。知事は、15年使用期限問題については相変わらず政府が責任を持って早期に解決すべきもの、県としても着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないなど、県議会の議論の場において同じことを繰り返し述べております。任期最後の平成14年度所信表明でも「その解決を強く求めて」にとどまっています。反面、代替施設協議会では知事の意向とは裏腹に移設作業がどんどんどんどん進められ、さらにまた日米両政府首脳からの発言も否定的発言、拒否発言が相次いでいます。
昨年12月29日に来沖した当時の田中外務大臣は、知事が主張しています15年使用の着工前解決について、「軽率に「はい、分かりました」と言って済む問題ではない」と明言しています。この発言は、政府が知事の主張を事実上拒否したことになると思いますが、知事は田中元外相の発言をどのようにとらえていますか。
ブレア米太平洋軍司令官やロッドマン国防次官補から、15年使用期限の設定を求めるのは間違いだとの報道があります。この発言も米国政府の立場を明確にしたものであると思いますが、知事はどう思われますか。
平成14年度知事所信表明を見ますと、15年使用期限につきまして相変わらず政府に強く求めていくだけに終始し、知事自身の言葉に絶対に譲れないとの気概が見られません。知事は、日本政府の対応や米国側からの発言からして15年使用期限の設定は不可能と思っていませんか。それともいまだに実現の可能性があると見ているのですか。
昨年12月27日、第8回目の代替施設協議会で建設位置をリーフ上とすることに決めましたが、自然環境や生活環境などに与える影響について協議会の中で問題点の議論があったのですか、具体的に示してもらいたいと思います。
次回の代替施設協議会の開催時期についてはどうなっていますか。協議される課題は示されているのですか。
軍民共用空港について、移設先の辺野古区民や宜野座村松田区から騒音被害などに対する根強い危機感がありますが、それらの不安も払拭できないまま頭越しに移設作業が進められています。県の対応を伺いたいと思います。
名護市が提示しています基地使用協定についての政府の対応はどうなっていますか。
1960年に制定された現行の日米地位協定は、冷戦崩壊で国際環境も大きく変わった今日においても一度も改定されることなく不平等協定として残っていることに対し、県民や国民から疑問や批判が出ていることは周知のとおりであります。沖縄の声となっている地位協定の見直しについて超党派の国会議員が動く反面、日本政府や閣僚の発言に積極性と真剣さが見られません。県が一昨年8月に要望しました11項目の地位協定の見直しについての進捗状況はどうなっているのでしょうか。特に、新たに環境条項を設けることについての議論はどのようになっていますか。
去る1月9日、森山法相が、昨年北谷町で発生した米兵による暴行事件の関連で、大きな支障は具体的にはないと発言したことに県民から怒りの声が上がっています。法相の発言は県民の総意をないがしろにしていると言わざるを得ません。知事は、その発言をどうとらえていますか。
地位協定の見直しで超党派による国会議員連盟が立ち上げられるとのことですが、知事の所見を伺いたいと思います。
政府に対する地位協定の見直しは県要請から1年半も経過していますが、今こそ知事の強力な折衝が求められていると思います。知事の決意を伺いたいと思います。
環境汚染問題について質問します。
1月29日、1981年に返還された北谷町美浜の米軍射撃場跡地から、埋没された大量のタール状廃油入りのドラム缶が発見され、地主や地域住民、学校関係者を大きな不安に陥れました。今回の事件で国の対応のおくれが指摘されています。知事は国の対応をどう認識していますか、所見を伺います。
北谷町の独自調査で返還前に米軍が投棄したものであることがほぼ確定されているのにもかかわらず、原因者の特定作業に関して国の消極姿勢が問われています。原因者の特定作業及び費用負担が政府の責任であることを早急に明確にすべきと思いますが、知事の対応をお聞かせください。
地主や周辺地域への補償などの対応策はどのように考えているのでしょうか。
今回の事件でも米軍用地返還の際に原状回復が不十分であったことが判明しました。県は、これまでの返還事例で環境汚染の有無を再調査して公表することを政府に求めるべきと思います。知事の所見を賜りたいと思います。
米本国では、基地跡地は国内法で厳しい浄化処理政策が義務づけられていますが、我が国でも返還前の環境浄化を義務づける国内法の整備を国に求めるべきと思います。知事の所見を伺います。
昨年9月11日、米国での同時多発テロ事件の影響は沖縄の観光関連産業に深刻な事態をもたらしました。基地あるがゆえの被害と関係者は述べています。
昨年12月、キャンプ・ハンセン内に対テロ訓練施設を新たに建設する計画を進めているとのマスコミ報道がありました。今回の計画は、県民や観光業界のさらなる不安を増長させるものであります。今回の対テロ訓練施設計画は新たな基地強化の動きであり、絶対に容認できるものではありません。
以下、質問いたします。
対テロ訓練施設計画の実相について県はどの程度掌握なさっているのですか、説明を求めます。
同訓練施設の建設計画は新たな基地の強化であり、基地の整理縮小に逆行します。知事は明確に反対の意思を表明する考えはありませんか。
次に、海兵隊の撤去削減と訓練移転についてでございます。
平成13年7月5日、沖縄県議会は「海兵隊を含む兵力の削減」を全会一致で決議いたしました。在日米軍専用施設の75%が集中する基地の島沖縄が、たび重なる米軍人等による事件・事故に苦しむ県民の立場を明確に主張した画期的な決議であります。稲嶺知事も平成14年度の所信表明の中で、「海兵隊の訓練を県外へ移転することも含めて、在沖米軍兵力の削減を国に求める」ことを表明いたしました。
県議会米軍基地関係特別委員会の視察がグアム、ハワイ両州で行われた際、両州知事が在沖米軍の受け入れを表明したことが明らかになりましたが、知事は両州知事の意向に対しまして積極的に取り組む姿勢を示すべきと思いますが、どうですか。
その一環として、知事みずからグアム、ハワイ両州知事に直接要請する考えはありませんか、御答弁をお願いしたいと思います。
次に、ジュゴン保護問題について質問いたします。
国連環境計画が2002年2月13日、沖縄周辺海域に生息するジュゴンの保護を求めた報告書を発表いたしました。2000年にも国際自然保護会議で保護の勧告がなされ、ジュゴンは世界的に注目されています。日本政府、県の対応が求められています。
以下、質問いたします。
国連環境計画が沖縄周辺海域でのジュゴン保護区の設定を求めていますが、知事はどのように認識なされていますか。
稲嶺知事は、沖縄周辺海域でのジュゴン保護区の設定を政府に求める考えはありませんか。
ところで、平成14年度沖縄特別振興調査費でジュゴン保護対策事業費1億5200万円が計上されています。環境省は、本島北西沖でジュゴンの生息分布の調査を行うとしていますが、的外れの海域調査と批判されています。県は、今日までの調査で数多く発見されている東海域からの生息分布調査を環境省に求める考えはないでしょうか。
名護市辺野古沖での新基地建設は、ジュゴンの生息体系にどのような影響が出てくると認識していますか。
これまで沖縄海域周辺で確認されたジュゴンの個体数はどうなっていますか。
4番目、教育問題についてであります。
(1)、学校完全5日制について質問いたします。
ことし4月から新学習指導要領の実施で、公立の学校では学校週5日制がスタートいたしますが、教育庁の対応は万全なものになっていますか。
県内私学の実施予定状況はどうなっているのでしょうか。その状況によっては私立と公立学校の学力格差が拡大するのではないかと懸念の声が出ていますが、教育長の御見解をお聞きしたいと思います。
学校5日制に伴い父母の間から学習時間の縮小による学力低下の不安が多く生じているとの声もありますが、その対応策はどうなっているでしょうか。
学校5日制の意義を生かすためには、学校、家庭、地域社会の連携が求められています。県内自治体及び学校現場での取り組み状況はどうなっているでしょうか。
また、共働きの父母が多い中、企業の完全週休2日制も求められています。実態はどうなっていますか。それらに対する今後の対応策について述べていただきたいと思います。
近年、小・中・高校生による暴力行為が激増していると言われています。2000年度文部科学省の調査によりますと、小・中・高校生の暴力行為が4万400件と対前年度比10.4%も増となっています。特にその中でも教師に対する暴力行為が16.2%増と大幅増であります。将来を担う青少年たちは、何ゆえそのような行動に走るのか、考えさせられる深刻な問題であると思います。
そこで以下の質問をいたします。
本県の実態はどうなっているのでしょうか。教育長は、増加する児童生徒の暴力行為の発生についてどのようにとらえていますか。
また、教師に対する暴力行為の発生はどこに原因があると思われますか。そのことを解消するためどのような対応策をとっておられるのでしょうか、御答弁を求めたいと思います。
次に、沖縄県男女共同参画計画についてでございます。
県は、男女共同参画社会の実現のため、県男女共同参画計画の策定を目指していますが、どのような背景から計画策定が取り組まれたのでしょうか。また、計画の策定の意義についてはどうですか。同計画の概要について御説明していただきたいと思います。
また、同計画を実現するための主な具体策はどうなっていますか。計画策定までのスケジュールを示していただきたいと思います。
最後に、新那覇病院いわゆる高度多機能病院について質問いたします。
1床当たりの病床面積について、県議会の場や医療関係機関などから指摘がなされ問題となっていますが、どのような検討経過となっていますか、説明を求めたいと思います。
子ども病院機能に加えて精神科病棟を20床ないし30床設置するようにとの要請が関係機関から出されていますが、どのように検討されていますか。
新那覇病院の建設までのスケジュールを示していただきたいと思います。
よろしく御答弁のほどをお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 大城一馬議員の御質問にお答えいたします。
最初に日米首脳会談についてのお答えでございます。
日米首脳会談において、小泉総理から沖縄の負担を軽減するため閣僚レベルの議論を提案され、ブッシュ大統領はこれにこたえて建設的な議論を行いたい旨述べたと聞いており、日米両首脳の沖縄の米軍基地問題への取り組みの姿勢を評価するとともに、今後、閣僚レベルの議論が積極的に行われることを期待いたします。
次に、15年使用期限に対する田中前外務大臣や米高官発言及びその実現可能性についての御質問に一括してお答えいたします。
県は、沖縄が57年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、県民が許容できる範囲として普天間飛行場の「移設にあたって整備すべき条件」の一つに代替施設の15年使用期限を設けたものです。同問題については、県が「移設にあたって整備すべき条件」とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
続いて地位協定に関する森山法務大臣の発言についてお答えをいたします。
日米地位協定の見直しについて、政府は、日米地位協定については、その時々の問題について、運用の改善により機敏に対応し、これが十分効果的でない場合には日米地位協定の改正も視野に入れていく旨の方針を持っており、森山法務大臣の発言はこの政府方針を踏まえてなされたものと思います。
県としましては、被疑者の起訴前の拘禁を日本側が行えるようにする地位協定第17条の見直しを含め、県が平成12年8月に要請した11項目の地位協定の抜本的な見直しについて、日米両政府は積極的に取り組んでいただくよう、今後ともあらゆる機会をとらえて粘り強く働きかけていきたいと思います。
次に、国会議員による地位協定の改定案及び地位協定見直しへの知事の決意について一括してお答えいたします。
県は、平成12年8月、日米両政府に対し11項目の「日米地位協定の見直しに関する要請」を行いました。
このような状況の中、昨年7月の衆議院外務委員会において日米地位協定の見直しが決議され、全国知事会においては平成14年度の国に対する要望の中で日米地位協定の見直しが取り上げられるなど従来にない動きが見られ、また去る2月11日、沖縄県選出の国会議員が中心となって新たな日米地位協定の改正案がまとめられました。
同案では、日本の法令尊重義務や環境保全対策、公務外の事件・事故に関する日米両政府の被害補償、被疑者の起訴前の拘禁の移転などを改善する内容となっており、県の要請がほぼ盛り込まれた形となっていると理解しております。
このような動きが県選出議員のみならず多くの国会議員の賛同が得られることを期待するとともに、県は今後とも日米地位協定の見直しについて粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
次に、返還跡地で環境汚染の再調査を国に求める件についてお答えいたします。
これまでに返還された土地すべてについて再度環境調査を行うことは、現在、住宅や商業施設等都市整備が進展している状況下においては現実的に困難であると考えます。
県としては、今回の北谷町におけるドラム缶投棄問題に関して、2月11日に嶋口防衛施設庁長官が来県した際に、今後、同様な問題が起こった場合の対応についてルール化しておく必要がある旨申し入れるとともに、2月12日に開催された三者協の場においても、今回のような事案が発生した際、米軍も含めた対応についてルールづくりをする必要があると申し入れたところであります。
次に、返還前の環境浄化を義務づける国内法の整備を求めることについてお答えいたします。
返還合意がなされた施設について、返還前の環境浄化を義務づけることは、近々、現行の軍転特措法施行令が改正され、基地の提供責任者である国の責務として新たに汚染物質の調査及び除去、不発弾の調査及び除去等が規定されるものと承知しております。
なお、県は平成12年8月、日米両政府に対し行った「日米地位協定の見直しに関する要請」の中で、米軍への日本の環境法の適用、返還前の環境調査及び環境浄化等原状回復措置の義務づけ等環境条項を新たに設けることを求めています。今後とも、日米地位協定の抜本的な見直しを粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
次は、ハワイ、グアム両知事の在沖米軍受け入れ及び両知事への要請について一括してお答えいたします。
県としては、基地の存在及び運用等から派生する諸問題の現状にかんがみ、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減についても、基地の提供責任者である国において米国政府との間で協議する必要があると考え、昨年3月、関係大臣に対し要請を行ったところであります。県としては、ハワイ及びグアムの両知事の在沖米軍受け入れの表明を含め今後の動向を注意深く見守りながら、県民の基地負担の軽減につながるよう日米両政府に積極的に働きかけていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 基地問題についての御質問について順次お答えいたします。
まず、代替施設協議会における生活環境等の議論の内容についての御質問にお答えします。
県は、3工法8案について、技術的には現場条件や施工性等からリーフ外は厳しく、環境上からは航空機騒音等の生活環境や藻場等自然環境の保全を図る観点から、リーフ内は厳しいと判断しております。このことから、代替施設の規模、具体的建設場所等については、リーフ上を基本に地元の意向等を踏まえ検討を進めていく必要がある旨述べております。
名護市からは、滑走路の延長線上に住宅地域が存在しないよう配慮を求める意見が、また東村からは、代替施設の具体的検討に当たっては地域の住民生活や自然環境に著しい影響を及ぼさないようにとの意見が、また宜野座村からは、航空機の事故や騒音など生活環境等への影響の懸念を示す意見が出されました。
環境大臣からは、自然環境や生活環境の保全に十分留意する必要があると考えており、環境省としてもこの観点を踏まえた上で必要な助言を行いたい旨の発言がございました。
次に、次回の代替施設協議会の時期と協議課題についての御質問にお答えいたします。
第8回代替施設協議会で合意されました「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に基づき、防衛庁等が中心になってリーフ上案での具体的建設場所や最適な工法等について検討を行うこととなっております。次回は、防衛庁長官からこれらの検討結果の報告を受け、基本計画案の策定に係る協議を行うこととされております。
なお、開催時期につきましては、現時点ではまだ決まっておりません。
次に、松田区等の騒音問題についての御質問にお答えいたします。
さきの代替施設協議会で、県は、代替施設の具体的建設場所等については、リーフ上を基本に地元名護市が提示する案や、宜野座村、東村の意向等を踏まえ検討していく必要があることを述べてまいりました。同協議会において、「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」が決定され、その中で具体的建設場所については地元の意向を踏まえたリーフ上の案とし、環境面、技術面等を考慮し、可能な範囲で極力沖側及び北東側に位置させる方向で検討することになりました。
県としては、代替施設は移設先及び周辺地域の住民生活に著しい影響を与えない施設計画とし、住民生活への配慮や自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に要望していきたいと考えております。
次に、使用協定の政府対応についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の代替施設の使用協定等につきましては、現在、国や名護市で検討しているところであり、今後、使用協定の基本的な事項等について調整が進められるものと考えております。県としても、さきの代替施設協議会で政府に対し、基本計画策定時までには使用協定に関する基本的な事項について確認し、地元住民が懸念している諸問題の解決が図られるよう協議を進めていただくことを要望したところであり、今後とも名護市と連携しながら着実な進展を図っていきたいと考えております。
次に、日米地位協定の見直しの進捗状況についての御質問にお答えいたします。
日米地位協定の見直しにつきましては、県が平成12年に要請した11項目について外務省内部で検討が行われているものと思いますが、現在、日米両政府間で正式に話し合われているのは第17条の被疑者の身柄の引き渡しに関する運用改善についてであると承知しております。県としては、日米両政府において県の要請している環境問題なども含めた11のすべての項目について日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただくよう、今後ともあらゆる機会をとらえて要請していきたいと考えております。
次に、北谷町でのドラム缶投棄問題に関する国の対応のおくれ、また原因者特定作業及び費用負担の政府の責任、さらに被害者及び周辺住民への対応策については一括してお答えをいたします。
ドラム缶に入ったタール状物質が発見された問題について、県は去る1月30日、北谷町や那覇防衛施設局、地主等の関係者と現地確認を行うとともに対策会議に参加し意見交換を行いました。
翌31日には、当該物質投棄の原因者特定に資するため、米軍提供当時の諸資料や情報の提供を那覇防衛施設局に依頼し、あわせて成分分析のためのサンプリングや周辺の土壌、河川・海域、地下水についての環境調査を実施いたしました。
2月1日には、この問題の対応について国として前向きに取り組むよう那覇防衛施設局に申し入れ、また米軍に対しては、米軍基地として使用されていた当時の諸資料や情報の提供について依頼をいたしました。
なお、当該タール状物質の入ったドラム缶等の撤去・移動については、対策会議の結果を踏まえ北谷町が2月5日から作業に着手し、同13日までに完了しております。現在、掘り出された145本のドラム缶及び汚染された約490トンの土壌については、沖縄市の廃棄物処理業者の施設内に適正な管理のもとに一時保管されております。
その後2月6日に、東京で知事が川口外務大臣にお会いした際、国として前向きに取り組んでいただくよう要請を行い、また2月11日に、嶋口防衛施設庁長官が来県した際に、状況を一刻も早く改善すべく国が早急に対策をとるよう要請するとともに、今後、同様な問題が起こった場合の対応についてルール化しておく必要がある旨申し入れました。さらに、2月12日に開催されました三者協の場においても、国が早急に具体的な対応を講ずるよう、また米軍に対しては情報の提供を要請するとともに、今回のような事案が発生した際、米軍も含めた対応についてルールづくりをする必要があると申し入れたところでございます。
国は、県及び北谷町等からの要請を踏まえ、米軍提供当時の諸資料や情報について米軍に照会するとともに、2月11日に嶋口防衛施設庁長官から、状況を一刻も早く改善すべく国が早急に対策をとることを決定した旨の発言がございました。
次に、訓練施設建設の計画の状況及び建設に反対することについての御質問にお答えをいたします。一括してお答えをいたします。
県は、今回の米陸軍の訓練施設建設についてのマスコミの報道があった12月21日、施設の建設位置、施設の具体的な規模、またその内容、施設を使って行われる訓練の内容などの事実関係を在沖米軍、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局に確認したところ、外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局からは調査中であるとの回答があり、米軍からは、当該施設は既存の訓練施設の建てかえであり、キャンプ・ハンセン南側に建設する予定である、現時点で提供できる情報は以上であるとの回答がございました。県としては、今後、詳細な情報を把握した上で適切に対応していきたいと考えております。
次に、男女共同参画計画素案に関連した計画策定の背景と意義についての御質問にお答えをいたします。
平成11年6月に公布・施行されました「男女共同参画社会基本法」では、男女共同参画社会の形成を総合的、計画的に推進するため、国、地方公共団体及び国民に対して計画の策定を含め種々の責務を負わせております。特に、都道府県に対しては、国の基本計画を勘案して地域の実情に合わせた参画計画の策定を義務づけております。
また、平成5年に県独自の取り組みとして策定いたしました「男女共同参画型社会の実現をめざす沖縄県行動計画~DEIGOプラン21~」が平成13年度末で期間満了となります。
このようなことから県といたしましては、今後、県民に対して基本法の周知を図り、男女共同参画社会への理解と協力を求めるため、法定計画である「男女共同参画計画(仮称)」を本年度中に策定して、次年度から計画に基づき男女共同参画行政を総合的かつ計画的に推進していきたいと考えております。
計画の概要と主な具体策についての御質問にお答えいたします。
男女が互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会を実現するため、平成14年度から新たにスタ-トする「男女共同参画計画(仮称)」においては、「男女共同参画社会基本法」に基づき、1つ、男女の人権の尊重、2つ、社会制度・慣行の見直し、3つ、施策、方針決定への共同参画、4つ、家庭生活と他の活動の両立、5つ、国際的協調の5項目を基本的な目標とし諸施策を推進していく予定であります。
なお、具体的な施策につきましては、現在、県内各界各層からの意見を反映するため女性問題懇話会に諮問し、さらに行政関係部局との意見調整を行っているところであり、今後これらの提言や調整結果を具体的施策等に反映させていきたいと考えております。
次に、計画の策定スケジュールについての御質問にお答えをいたします。
「男女共同参画社会基本法」に基づき平成13年度中に策定する「男女共同参画計画(仮称)」につきましては、これまで女性問題懇話会の審議を6回、行政の関係部局との調整会議を2回開催しているところであり、今後、関係各部局からの意見聴取、女性問題懇話会から知事への答申、副知事を本部長とし各部局長等で構成する「女性行政推進本部」の了承等所要の手続を経た後、3月末を目途に公表、実施していく予定であります。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) ジュゴン保護区の設定の認識と政府に求めることについて一括してお答えします。
ジュゴンの保護につきましては、国としてもこれから実施する「ジュゴンと藻場に関する広域的な調査」の結果を踏まえ、漁業関係者を初めとする地元の理解を得つつ、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に規定する国内希少野生動植物種として政令で定めることについて検討していくものと聞いており、今後、生息地等保護区の設定を含む保護対策についても検討されていくものと考えております。県といたしましても、長期的視点に立ってジュゴンの保護対策に取り組むことは重要であると認識しており、できるだけ協力してまいりたいと考えております。
次に、ジュゴンの生息分布調査についてお答えいたします。
環境省においては、ジュゴンの全般的な保護方策を検討するため、「ジュゴンとそのえさとなる海草が生育する藻場に関する広域的な調査」を沖縄周辺海域において実施することとしています。同調査におけるジュゴンの分布調査については、目視情報の多い本島北東部海域を初め、これまで目視確認の少ない本島北西部海域も含め航空機による目視調査、地元住民からの情報収集調査が実施されることとなっております。
次に、新基地建設が及ぼすジュゴンへの影響についてお答えいたします。
代替施設の建設に伴うジュゴンヘの影響としては、藻場の減少、工事中や供用時の騒音、夜間照明による影響や藻場へのアクセス阻害などの影響が考えられます。
次に、ジュゴンの確認数についてお答えいたします。
平成12年11月に防衛施設庁が実施した「ジュゴンの生息状況に係る予備的調査」において、沖縄本島の東側海域で5頭、西側海域で1頭、計6頭のジュゴンが確認されました。これら6頭について個体識別によりますと、5頭は別の個体であることが確認されています。その後、新たな調査報告はありませんが、極めて少ないものと思われます。
○教育次長(宮城嗣三) 完全学校5日制の対応及び県内自治体、学校現場の取り組みについて一括して答弁します。
完全学校5日制の実施は、学校、家庭、地域社会がそれぞれの持つ教育機能を発揮し、相互の連携を深め、総合的に子供の望ましい人間形成を図るためのものであります。そのため、県教育委員会では、「完全学校週5日制実施に関する県の方針」を定め、それを踏まえて青少年教育施設や博物館等における体験活動事業の充実に努めているところであります。
また、新たな事業として、「子ども放課後・週末活動支援事業」及び「学校内外を通じた奉仕活動・体験活動推進事業」を市町村と協力して実施する予定であります。
学校においては、子供たちの生活体験・自然体験などの体験的な学習や問題解決的な学習を行う機会をふやし、みずから学び、みずから考える力を育成することとしております。
市町村教育委員会では、学校開放事業やウイークエンドサークル事業、公民館等における各種事業が計画されており、子供会等の青少年育成団体等とも連携・協力して推進していくことにしております。
なお、完全学校週5日制の充実を図るためには、学校、家庭、地域社会の連携・協力とあわせて企業等の理解を得ていくことも大切だと考えております。
次に、私立と公立の学力格差の懸念についてお答えします。
平成14年度から学校週5日制を実施する県内の私立小学校は3校中2校、中学校は5校中1校、高等学校は4校中1校の予定と聞いております。
新しい学習指導要領では、学力について、知識の量のみでとらえるのではなく、学習指導要領に示す基礎的・基本的内容を確実に身につけさせることはもとより、みずから学び、みずから考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかによってとらえる必要があるとしております。
県教育委員会では、これまで児童生徒一人一人の学力を伸ばすことを目指して学力向上対策に取り組んできました。また、新学習指導要領に対応して、みずから学び、みずから考える力の育成や学び方などを身につける「総合的な学習の時間」、体験的な学習、問題解決的な学習等を積極的に推進しております。このことにより、一人一人の児童生徒にみずから学び、みずから考える力などの「生きる力」をはぐくむことで私立、公立間の学力格差は生じないものと考えております。
次に、公立学校の父母の学力低下の不安についてお答えします。
新しい学習指導要領では、授業時数を縮減する以上に教育内容を厳選しており、そこから生じたゆとりの中で、理解や習熟の程度に応じた個別指導や繰り返し指導等を充実させることによって基礎・基本の徹底を図るようになっております。
各学校においては、新しい学習指導要領の趣旨を生かし、ゆとりを持って読み・書き・計算などの基礎・基本をしっかり習得できるよう、新教育課程の編成実施に向けて全職員で取り組んでいるところであります。
県教育委員会としましては、確かな学力の向上のため教師の専門性を生かした小学校における教科担任制の導入、教員の加配措置等による少人数授業や習熟度別授業など、個に応じたきめ細かな指導を推進し、基礎・基本の確実な定着を図っていきたいと考えております。
次に、児童生徒の暴力行為の現状及び対教師暴力の認識と対応について一括して答弁します。
本県における児童生徒の暴力行為の発生状況は、平成12年度小・中・高校全体で537件発生し、平成11年度に比べ34件、6%の減となっております。また、対教師暴力は15件発生し、前年度に比べ2件の増加となっております。
児童生徒の暴力行為は、他人を思いやる心や物を大事にする心など、人間として基本的な心が十分に育っていない状況が背景にあると考えられます。
また、対教師暴力行為が発生する原因は、人間関係の希薄化により教師への信頼関係の低下等が背景にあり、家庭や社会など子供をめぐるさまざまな要因が複合的に働いていると考えられます。
県教育委員会としましては、暴力行為の防止を図るため、問題行動のある子供一人一人について理解を深め、好ましい人間関係の育成に努めているところであります。また、「信頼に満ちた学校づくり」のリーフレットの活用を図るとともに、学校教育補助者や巡回教育相談員の配置、スクールカウンセラーの配置・拡充など、児童生徒一人一人の状況に応じたきめ細かな指導、支援体制の確立に努めているところであります。
今後とも、学校、家庭、関係機関・団体との緊密な連携を深め、人間の尊厳そのものを大切にした人権教育を基盤とした生徒指導を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 企業の完全週休2日制の実態と対処策についてお答えします。
平成13年7月に沖縄労働局が実施した調査によりますと、県内の従業員31人以上の企業における完全週休2日制導入の割合は58.6%となっております。
県としては、国と連携して労働者福祉の観点から、年間総労働時間1800時間達成に向けて労働時間短縮の促進を行っております。具体的には、労働大学講座や労働問題講習会など県が主催する講演会等で労働時間に関するテーマを取り上げるなど、労働時間の短縮に向けた広報・啓発を実施しております。
以上であります。
○病院管理局長(新田宗一) 県立高度多機能病院(仮称)の病床面積、精神科病棟の設置及び建設までのスケジュールについて一括してお答えいたします。
県立高度多機能病院(仮称)の病床面積につきましては、その機能等を踏まえて種々検討した結果、延べ床面積約3万6400平方メートル、1床当たり約84平方メートルで整備することといたしております。今後は、基本設計作業を進める中で、同病院に求められる機能を発揮できるよう施設の配置等について専門家も交えて検討してまいりたいと考えております。
精神科病棟の設置につきましては、新病院建設プロジェクトチームで検討しているところであります。また、「沖縄県精神保健・医療・福祉連絡協議会」からの要請もあり、現在、同連絡協議会とも調整を行っているところであります。
建設までのスケジュールにつきましては、去る2月19日に設計業務の契約を締結したところであり、平成15年2月までに基本設計・実施設計を終え、同年3月に工事着工すべく作業を進めているところであります。
以上でございます。
○大城 一馬 まず、15年使用期限問題ですけれども、今回の議会でも知事の答弁の前進が見られないというのが率直な感想でございます。
知事、いよいよことし知事の任期を迎えます。あと半年ちょっとでございますけれども、やはりこの問題というのはどうしてもこれは先送りできないと、15年使用期限問題は。
そういう中で、知事は相変わらず着工までに何らの進展もなしに進むことはないとか、いわゆる抽象的にですね、抽象的なんですよね。そういうことでは私はこの15年問題というのはこれ以上前に進まないと、足踏みだというふうに思うんですが、この際、この使用期限の問題につきまして何らかの政府に対して担保保証を求める、ここまで決意をすべき時期ではないかと思いますけれども、いま一度知事の答弁をお願いしたいと思います。
次に、テロ訓練施設の件ですけれども、これは1989年にもありましたね。あのときには県民挙げて反対してこれが撤去をされました。公室長は、いろいろ情報を収集していると。まだ十分に把握していないということなんですけれども、やはりそういう動きが現実にあるんですから、ちゃんと国防予算にのっているんですよね、これは。
私が求めているのは、この動きに対しまして沖縄県は明確に今で反対の意思を表明すべきじゃないかと。これはさきの1月23日の県議会の決算特別委員会でも与野党問わず皆さんから要望があるんですよ。なぜ、いや、こういう施設は反対ですとはっきり言えませんか。言ってください、お願いします。
次に、海兵隊の訓練移転の問題ですけれども、知事、これもせっかく米軍基地関係特別委員会の委員の皆さん方が現地に行って、両州知事からそういう言質を賜ったとあります。私は、やはりこれは政府に言っても今の15年問題、地位協定問題に関しても全く前に進みませんよ。
ですから私はやはり、もちろん外交権はこれは国にあると思います。でも、要請するのは私はできると思うんですよ。
知事、どうですか。早目にこのグアム、ハワイ両州知事とお会いになるお気持ちはありませんか。
御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時24分休憩
午後4時25分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 最初は15年問題ですけれども、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
なお、ハワイとグアムの件でございますが、これはハワイの知事には会って具体的には私はその話はいたしております。しかし、外交と防衛の問題というのは国の問題ですから、その辺の意向を踏まえながら今後とも日本政府に対して強く要望していきたいと思います。
○知事公室長(親川盛一) 米陸軍の訓練施設建設について、なぜ反対であると言えないかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
県といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、米側からは、この当該施設は既存の訓練施設の建てかえであり、キャンプ・ハンセン南側に建設する予定であるということで回答を得ているわけでございます。
と同時に、現時点における提供できる情報は今のところないということですけれども、県としてはこれは詳細な情報を今鋭意把握するために努力しているわけでございまして、その状況が把握されない段階で反対ということはなかなか困難な問題だと思います。だから、その状況が早目に把握され次第、適切に対応してまいりたいとこのように考えているところでございます。
○大城 一馬 対テロ訓練施設の問題ですけれども、建てかえだったら賛成なんですか。もう公室長も任期最後ですから、私の高校の先輩、どうですか、この際、はっきりとこういう施設はだめだと、反対だと明確に言えませんか。お願いします。
○知事公室長(親川盛一) 訓練施設についてお答えをいたします。
どうも先輩、後輩の間柄になりますと、私は大城議員の方がむしろ先輩であると、このように思って鋭意自他叱正を得ているところでございます。
議員御指摘のとおり、やはりこの訓練施設につきましては我々は議員がおっしゃっていることも十分理解しております。しかしながら、現時点でそういった状況がはっきりしないという段階で対応することはできないという、これが少しでも基本的に恩納村に過去にありました都市型訓練施設などのようなことにつきまして、本当にそうなのかどうかという明確にそういったのを把握しつつ、県としては対応していかなきゃならないと。きちっとまたこれは対応していくつもりでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程は、これで終了いたしました。
次会は、2月25日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時30分散会