○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第34号議案まで及び乙第1号議案から乙第36号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
金城昌勝君。
〔金城昌勝君登壇〕
○金城 昌勝 おはようございます。
一般質問を行いますけれども、通告の順に従っていたしますが、簡潔に質問いたしますので、簡潔な御答弁をお願いいたします。
まず1番目に、金融特区、情報特区などの優遇措置によりどれほどの経済効果を予想しているかについてであります。
新たな沖縄振興特別措置法に金融業務特別地区、いわゆる金融特区制度、特定情報中枢機能振興地区、いわゆる情報特区制度など産業振興を促す優遇措置が盛り込まれ今国会に提出され、4月から適用されることになっていると思います。ここに至るまでの稲嶺知事を初め執行部の皆様方の御苦労に対し深甚なる感謝と敬意を表するものであります。
特に、このような一国二制度的な特別措置が盛り込まれたのは、本土の方々の沖縄に対する深い思いやりと、知事の持っておられる忌憚のない政財界との太いパイプのたまものであることは県民がひとしく認め高く評価しているところであります。
今後10年間に限らず、未来の沖縄の姿に胸をときめかしている、そして展望している者の一人としてお伺いいたします。
知事の理念として沖縄の50年後、100年後はどのように展望しておられるかについてお伺いいたします。
次に、これらの新たな特別措置によって今後10年間で新たにどのような産業が形成されていくのか、目に見える形で御説明を賜りたい。
新たな特別措置関連で沖縄に落ちる金額は幾らになるか。それに伴う経済効果、雇用効果はどれだけのものと予想しているのか。また、それらは県経済の何割に相当するのかについてシミュレーションした結果を簡単に説明し、県民に沖縄の希望に満ちた明るい未来の展望について知事の決意をお伺いいたします。
2番目に、既存産業の特別措置についてであります。
新たな沖縄振興特別措置法に基づいてさまざまな新たな産業が興り、企業誘致がなされると思慮されますが、特に金融特区やIT産業、情報産業等は世界経済の好・不況に左右されやすいものではないかと思っております。
そこで、私は、本県の経済を真に力強くするためには、これまでの伝統技術に裏打ちされた地場産業をより一層育成することが重要な施策の一つではないかと考えております。
そこで質問いたします。
(1)番目、平成7年の製造業自給率が32.6%と聞いておりますが、これは県内で1万円の買い物をしたとすると3300円が地元に残る産業構造になっており、残り6700円については県外に流出していることになります。この3300円を4000円、5000円と地元に残る構造にするための施策として、新産業創出に対し制度的に支援する金融特区及び情報特区観光関連の特別措置があると理解しますが、これと同様に既存の地場産業の振興に対してはどのような施策を講じられるか、お伺いいたします。
(2)番目に、特に現在の沖縄の地場産業として全国的な展開をしているものには何があるのか、お伺いします。
(3)番目、また今後10年間でどのような地場産業が伸びていくと想定しているのか、お伺いいたします。
(4)番目に、さらに地場産業を振興することは、域内の需要は域内で供給するという自給率を高めることが域内経済の循環を高め、地域経済の活性化に大きく寄与すると思うが、移入・輸入品を抑えて自給率を高めることは経済効果及び雇用効果はどのようになると予想しているかについてお伺いいたします。
次に、新年度予算における基地のない市町村に対する均衡ある発展のためどのような措置をされているかについてお伺いします。
平成12年9月議会において、知事から、県土の均衡ある発展は基地の存在にかかわらず、それぞれの特性を生かした役割・機能を発揮して活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興が図られるよう、これまで以上に新たな沖縄振興計画の中で圏域別振興策が展開できるよう検討していくとの御答弁がありました。また、昨年2月議会では、基地所在市町村に対する財政措置は平成11年度決算で総額305億8100万円、住民1人当たり約2万8000円になるとの御答弁がありました。
これらの答弁からは、平成14年度予算において当然基地のない市町村に対する格差是正のための手当てが考慮されていると考えますが、どのような措置をなされておりますか。知事の前向きかつ具体的な御答弁をお願いいたします。
4番目に、南部振興会との行政懇談会における要望事項の進捗状況についてお伺いします。
昨年8月17日に県と南部市町村会並びに南部地区市町村議長会との行政懇談会が開催され、約半年が過ぎました。南部市町村からは17の要望事項があったと聞いております。
その中で、南部地域への大学等の誘致については、県としては「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」において、琉球大学における理工系学部の拡充の促進や、時代のニーズに対応した学部・学科の新設や大学院の設置促進、並びに県立芸術大学におけるデザイン工学分野等の学部設置等を検討していくと。さらに3に、ヘルシーリゾート計画の支援については、同計画の推進方法についてはどのような支援が可能か、引き続き関係町村と調整を重ねてまいりたいと。13に、情報通信関連産業の振興県においては、今後策定する予定の沖縄国際情報特区整備計画──これは仮称であります──の中で南部圏域の情報通信産業の振興、IT人材の育成及び情報通信インフラの整備を検討していくとの処理方針を示されたようでありますが、その後の処理経過、現在の状況あるいはまた今後の見通しについて具体的に御答弁をお願いいたします。
5番目に、ヘルシーリゾート構想についてであります。
特にヘルシーリゾート構想は長寿と観光を組み合わせ、南部地区が構想している事業につきましても1つぐらいは県が主体的に観光振興計画に位置づけていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
東北地方の山形県酒田市からは、毎年沖縄に観光団が訪れてことしで25年になります。この間、沖縄を訪れた酒田市民は延べ1250人になるようであります。また、平成14年度予算には地域の多様な資源を活用したエコツーリズム推進事業、健康保養型観光推進事業など量の重視から環境負荷、環境容量に配慮した新たな観光分野開拓への取り組みの予算も計上されております。
さらに、厚生労働省の外郭団体である「日本ウェルネス協会」を中心に健康・保養を核とした長期滞在型観光を確立しようと沖縄ウェルネス推進委員会が発足し、沖縄の長寿の秘訣を学ぶことを目的に東北・北海道の高齢者を中心に沖縄に長期滞在してもらう「沖縄ウェルネス計画」の実施に向け基盤整備を進めることを確認したようでありますが、その中で本島南部のヘルシーリゾート計画に関する調査結果が既に出ていることから、これからはどう実行に移すかを検討したいという発表もあった等々、ヘルシーリゾート構想に対するもろもろの機運の盛り上がりがあります。
この件に関しては、いつまでも検討という言葉で引き延ばすことなく、緑豊かな南部地区に長寿と観光を組み合わせた保養施設を整備し、全国の方々に、特にお年寄りを伴った御家族でゆったりと、いわゆるヌチグスイを堪能できる方策をぜひこれは身を入れて実現に向けた取り組みをしていただきたいと思うのであります。
次に、農林水産業の振興についてであります。
「知事提案説明要旨」において、「農林水産業については、農林水産業振興計画を策定し、環境と調和しつつ、亜熱帯の自然条件や地域の特性を活かした、積極的な振興施策を推進してまいります。」とありますが、農林水産業振興計画の主要な施策を具体的に御説明をお願いいたします。
また、特に畜産業については危機管理及び県民に安全な食品を提供する観点から、BSE(牛海綿状脳症)対策について、同計画においてどう取り組もうとしているかについても説明をお願いします。
次に、危機管理体制についてであります。
瀬長島近くの海底から不発弾3発を車に乗せて県庁舎に搬入したとの報道に接し、大変驚いております。戦争を体験した我々の世代の感覚では全くあり得ないことであります。世代交代のずれによるものであるのか、いつ爆発するかもしれない艦砲弾を大勢の人間がいる場所に持ってきたことは、危機管理に対する根本的な意識の欠如があると嘆くしかないのであります。
また、このような場所で執務を続けさせている感覚は、これもまた危機管理意識の問題としていかがなものかと考えさせられる事件であります。たまたま運よく惨事に至らなかったと済ましてはいけないわけでありまして、常日ごろからいかに危機管理をしていくのかを真摯に考え、県民を危機から遠ざけ、起こった災害を最小限に抑え込む行政としての根本的な体制の確立を願うものであります。さような観点から今回の件をただの事件として忘れ去ることなく、県の危機管理体制をいかに実効あるものに整えるか、知事の御所見及び現状の危機管理体制についてお伺いいたします。
8番目に、ペイオフの解禁に向けてであります。
4月1日からのペイオフ解禁によって預金者の自己責任の時代が到来いたします。金融機関が破綻した場合、基本的に1000万円を超える預金の一部は返ってこないことを前提に預金先を選ばなければならないわけであります。県の公金運用も例外ではないわけでありまして、公金預金といえども金融機関が破綻すれば全額保護は保証されないことになるかと思います。
そこで、現在県の資金運用についてはどのように行っているのか、銀行預金はいかほどであるのか、そのうち定期は幾らかをお聞かせいただきたいと思います。
また、ペイオフによって公金預金が失われるようなことになれば、一般県民の生活にも大きな影響が及ぶことは必定でありますが、ペイオフ対策についてはどのような方針基準で臨まれるのかお伺いいたします。
9番目に、沖縄の将来を担う人づくりについてであります。
これまで3次にわたる沖縄振興開発計画がもたらした多くの実績と残された課題を踏まえ、より一層県民生活の基盤を盤石なものにすることを目指し、県は昨年7月に「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」を取りまとめて国に提案されています。現在、国はこの考えを踏まえて今国会に振興特別措置法案を提出しているところであり、将来の沖縄県の基盤づくりが着々と進んでいることを実感しております。
「知事提案説明要旨」において、「本県は、「沖縄振興特別措置法」を基礎に「平和で安らぎと活力のある沖縄県」づくりに乗り出すことになりますが、その際、国際化の進展する中での沖縄県という広い視野と、変革へ果敢に挑戦する姿勢を持つことが重要である」という認識については私も全く同様な認識でございます。しかしながら、「今後は、これを十分に使いこなす人を育てることなどが急務であり、また、私たち沖縄県民の知恵と努力が問われる正念場にあるといえましょう」という認識は、これまでそのような人材育成のための施策が不十分であったことを露呈していることになるのではないでしょうか。
したがって、新たな沖縄振興計画が終了する10年後においても、このような反省がないように一刻も早く充実した人材育成のための施策を展開し、沖縄の将来を担う人材育成をしていくのがさきに生まれてきた者としての役割であり義務であると考えております。
そこで質問いたします。
(1)番目に、沖縄県振興計画県案における人材育成については、現段階ではどのような施策の記述となっていますか。
(2)番目に、沖縄の将来にとってどのような人材が必要だと考えておりますか。
(3)番目に、新たな沖縄振興計画が終了する10年後どのような人材が育っていると思いますか。
(4)番目に、人材を育成する場合に、それを育成する人材、つまり教師に高い資質と発想の転換、さらにははぐくむ愛情を持って「生きる力」を身につけさせる教師が必要だと思うが、そのための具体的な施策はどのようになっていますか。
(5)番目に、人材育成には長い時間がかかることから、新たな沖縄振興計画が終了する10年後というのは、中学1年生が大学を卒業し、やっとその後社会に貢献できることになります。しかしながら、中学の3年間で社会に出る人、高校の3年間で社会に出る人もいることから、そのような人材育成についてはどのような取り組みを考えていますか、お伺いいたします。
最後に、15年使用期限の問題についてであります。
ことしの11月には知事選挙があります。この15年使用期限問題の解決に向けた知事の姿勢が問われることになると思います。「知事提案説明要旨」において、「特に、普天間飛行場の代替施設については、軍民共用飛行場として民間の航空機が就航できるようにするとともに、米軍による同施設の使用については、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民の立場から15年の使用期限を設けたものであり、その解決を強く求めてまいります。」とありますが、知事選挙までの間、具体的にどのように解決を求めていく考えですか。
私は、普天間代替基地の15年使用期限問題については、日米双方が自国の立場だけを主張し続ける限り前進はないと思っています。代替基地の供用開始までには基本設計、実施設計、環境アセスメント等に3年、工事完成までに10年かかるとされております。さらに使用期限の15年を合わせますと28年になります。したがって、確かなる信頼関係のもとに20年後、30年後の我が国を初めアジア地域の繁栄と安全保障の大きな立場に立って、過去の歴史に学びながら日米両国政府が英知を出し合って15年使用期限問題の解決を早目に図って解決していただきたいと思いますが、知事の御所見を伺います。
以上でありますけれども、御答弁の内容によっては再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 金城昌勝議員の御質問にお答えをいたします。
金融特区、情報特区などの優遇措置による経済効果のうち、50年後、100年後の展望についてお答えをいたしたいと思います。
厳しい現実はさておき、夢を語るという視点からお答えをいたします。
21世紀後半の沖縄は、主要空港の国際ハブ空港化、那覇港の国際ハブ港湾化、国際的な通信インフラの結節点としての整備等により活力みなぎる産業が展開する国際ビジネス都市、アジア・太平洋地域と活発に交流する国際平和都市、科学技術の振興を担う多様な人材が活躍する国際科学技術都市、薫り高い伝統文化や豊かな自然を背景とした国際観光・リゾート地になっていることを期待しております。
また、困難な課題は山積しておりますが、このような県民が生き生きと暮らす21世紀後半の「平和で安らぎと活力のある沖縄県」の実現に向けて、次世代に引き継げるよう政策を一つ一つ着実に実現させていきたいと考えております。
続いて経済・雇用効果と知事の決意についてのお答えでございます。
経済効果等の数値見通しについては、新法制の具体的な展開を図るための沖縄振興計画やこれに基づく観光、情報等の産業分野別計画の策定作業とあわせて検討を進めているところであり、今後、審議会等における意見を踏まえ展望数値を詰めていきたいと考えています。
21世紀初頭における沖縄振興については、「格差是正」から「魅力ある地域特性の発揮と不利性の克服」へと施策の展開方向を順次切りかえることにより自立的発展の歩みを確実なものとし、我が国社会経済の発展に貢献するという積極的な位置づけを基調に進め、「平和で安らぎと活力ある沖縄県」の実現を目指します。
続きまして15年使用期限問題について、使用期限問題の具体的解決及び日米両国政府の英知による解決についての御質問に一括してお答えいたします。
15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題については、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。県としては、引き続き政府に対し強く求めてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○出納長(嘉数昇明) 金城昌勝議員から、ペイオフ解禁について2点の質問をいただいております。まず最初に、資金運用状況についてお答えをいたしたいと思います。
現在、県における資金は出納長の保管する歳計現金、歳入歳出外現金及び基金に属する現金について運用を行っております。具体的な運用に当たっては、安全確実であること、有利であること、支払い準備金に支障を来さないことを基本方針として、県政への貢献度及び地元金融機関の育成等を勘案し資金の運用先を決定しております。平成14年1月末現在における金融機関の預金合計は約1043億円となっており、そのうち定期預金は約939億円となっております。
次に、ペイオフ対策の方針基準についてお答えをいたします。
本県におけるペイオフ対策の基本的な対応方針は、公金の管理・運用に当たり、公金預金に損失が生じ県の財政運営に支障を来すことがないよう安全性及び確実性を最優先することと、対応方策の実施により県民生活や地域経済に極力影響を与えることのないよう配慮することとしております。
具体的な対応方策としては、現行の県公金の資金管理制度を踏まえ検討しているところであります。現在検討している例としては、1つ、金融機関の経営指標等の経営分析手法を確立し、金融機関の安全度を把握する、2つ、保険事故が発生した場合、預金債権と借入金債務とを相殺することなどであります。
以上であります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 今後10年で形成される産業についてお答えいたします。
新たな特別措置等の活用により本県産業は大きく発展するものと考えております。
観光・リゾート産業については、沖縄型特定免税店の空港外展開により国際級のショッピング施設を核に飲食・宿泊施設等の集積が促進されるほか、環境保全型自然体験活動の推進措置により、豊かな自然環境や地域資源を生かしたエコツーリズムの展開が図られるなど、一層の発展が見込まれます。
情報通信産業については、情報通信産業特別地区制度によりデータセンター等の情報中枢業務の立地が促進され、これを牽引力に魅力ある地域特性を生かしたコンテンツ制作やソフトウエア開発業務の立地が進むことにより一大拠点の形成が見込まれます。
また、自由貿易地域管理運営法人の設置により立地企業の支援体制が強化され、東アジア等を視野に入れた加工交易型企業の立地・集積の促進が期待されます。
さらに、金融業務特別地区制度により金融業や保険業の事務処理センター等の立地が促進され、これを核に関連産業の集積が進展するものと考えております。
また、科学技術の振興措置により卓越した大学院大学の設置等が図られ、これに伴い関係研究機関や関連企業の立地集積が進展し、バイオやITなど科学技術関連産業の形成が期待されます。
さらに、産業高度化地域制度、中小企業の振興措置及び沖縄公庫の業務特例等により、中小企業の積極的な事業展開や産学官連携による新事業創出が促進され、健康食品など地域産業の高度化と新たな展開が図られるものと考えております。
次に、基地のない市町村の振興についてお答えいたします。
地域の振興施策の展開に当たっては、県土の均衡ある発展を目指す観点から、地域が持つそれぞれの課題を踏まえながら広域的、独創的な発想により地域資源を活用した施策・事業に取り組んでいく必要があると考えております。
これらを踏まえた上で、圏域別振興計画の中では基地所在の有無にかかわらず各圏域の振興の基本方向を示すとともに、活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興が図られるよう、できるだけ具体的な施策・事業を盛り込んでいきたいと考えております。
南部振興会との行政懇談会における処理経過についてお答えいたします。
南部地域への大学等の誘致及びヘルシーリゾート計画については、行政懇談会以降特段の進捗はございませんが、いずれも地元の主体的な取り組みが不可欠であり、事業計画、事業主体、収支計画等の具体的な提案がなされた段階で検討してまいりたいと考えております。
また、情報通信関連産業の振興については、新たな沖縄振興計画の中で南部における情報通信関連産業の振興について位置づけを行うこととしております。
次に、ヘルシーリゾート構想の観光振興計画への位置づけ、南部地区への保養施設の整備について一括してお答えいたします。
ヘルシーリゾート構想については、事業規模、事業主体、管理運営主体等に関する熟度が十分でないことから、現在、島尻地域振興開発推進協議会において今後の方向性を検討していると伺っており、観光振興計画への位置づけについては、その結論を待って関係部局とも協議の上、適切に対応してまいりたいと考えております。
南部地区の東海岸地域については、農業や工芸産業などとの有機的連携、海洋レジャー等施設の整備を推進するとともに、ウェルネス等の健康・保養をテーマとした観光を推進していきたいと考えております。これらのことから、保養施設の整備については既存の沖縄厚生年金休暇センターや民間宿泊施設の稼働状況、ヘルシーリゾート構想の検討結果等を踏まえ、関係市町村と連携して検討してまいりたいと考えております。
次に、新たな振興計画県案における人材育成に関連する質問について一括してお答えいたします。
本県が持続的に発展していくためには、本県の自立経済を支える多様な産業人材や福祉、医療、教育、文化等各分野を支える人材の育成が不可欠であると考えております。そのため、新たな沖縄振興計画(県案)においては、初等中等教育や高等教育のあり方、産業や地域社会を支える人材の育成など、時代のニーズに的確に対応した人材を育成するための基本方向や施策を位置づけるべく検討を進めているところであります。
また、10年後にはグローバルに展開する社会経済情勢に対応し得る国際的な知見と行動力を備えた人材が各分野に育っているものと考えております。
以上であります。
○商工労働部長(花城順孝) 地場産業の振興に関する特別措置についてお答えします。
製造業を初めとする地域産業については、市場競争力の強化を促進することを基本に、効果的な支援策を展開していくことにより活力ある産業として振興していく必要があります。このため、ITを活用した生産設備の高度化、国際基準ISOの取得や食品衛生管理の国際基準であるHACCP方式の導入等により既存産業の振興を図ってまいります。
さらに、国内外市場への参入可能性が高い健康食品、食品・飲料関連産業、バイオ関連産業等の事業分野を沖縄型重要産業分野と位置づけ、沖縄振興特別措置法案に税制措置が講じられております。同法案においては中小企業経営革新支援法の特例が設けられており、設備投資に対する控除率、繰越期間等の拡充が認められております。
また、産学官共同研究等を推進することにより、沖縄の有する地域資源を活用した独創的な新技術・新製品の開発など、新規事業の創出やベンチャー企業の創出を図っていく考えであります。
地場産業の全国展開についてお答えします。
地域産業の中で県外出荷割合が50%を超えるものは塩、もろみ酢、砂糖などで、25%を超えるものは健康食品、肉製品、織物、野菜・果実缶詰、農産保存食料品であります。とりわけ薬草、天然の塩、もろみ酢等沖縄のイメージを生かした健康食品分野の県外出荷が増加傾向にあります。
また、泡盛の県外出荷割合は、昭和50年度の2.8%から平成12年度の8.6%へと着実に増加しております。
なお、平成14年1月の県外わしたショップの売れ筋商品にはウコン、もろみ酢等の健康食品や月桃、パパイアを原料とした化粧品などがあります。
地場産業の今後の伸びについてお答えします。
現在策定中の沖縄振興計画県案素案の中で、国内外市場への参入可能性が高い分野として健康食品、食品・飲料関連産業、土産品製造業、バイオ関連産業等を沖縄型重要産業と位置づけております。また、リーディング産業である観光・リゾート産業、情報通信産業、沖縄の地理的優位性を生かして展開する加工交易型産業なども今後伸びていく産業として位置づけ、重点的に振興策を展開していく考えであります。
次に、県産品自給率の向上による経済効果と雇用効果についてお答えします。
県工業連合会の「沖縄の地場産業の発展に関する調査研究」によると、最終需要が一定でも自給率が向上すれば生産、雇用をふやすことができると試算されております。
このため、県におきましては、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定して県産品の優先使用に取り組むとともに、産業まつりを開催するなど県産品の普及に努めているところであります。今後は、より一層の自給率向上のために付加価値の高い製品づくりに対応した物づくり基盤の高度化、消費者ニ-ズに的確に対応した売れる商品づくり等の取り組みを強化するとともに、県外への販路開拓を積極的に推し進め、生産と雇用の拡大を図っていきたいと考えております。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 基地のない市町村に対する予算措置についての御質問にお答えをいたします。
県内市町村の振興につきましては、県土の均衡ある発展の観点から、基地所在の有無にかかわらずそれぞれの地域特性を生かした役割・機能を発揮して、個性豊かな活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興が図られる必要があると考えております。
このことから、いわゆる基地のない市町村に対する財政支援策等につきましては、地域経済の振興等につながる事業の仕組みについて町村会等と協議を重ね検討してきたところであります。県としましては、関係団体等と今後も引き続き協議検討してまいりたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農林水産業の振興に関して、農林水産業振興計画の主要な施策についてお答えいたします。
農林水産業振興計画は、マスタープランである「沖縄振興計画」の農林水産分野を推進する実行計画として位置づけております。
主要な施策としては、野菜、花卉、果樹、肉用牛、養殖魚介類などの産地の育成、流通システムの整備や多様な流通チャンネルの開拓など輸送コスト低減対策の推進、観光関連産業との連携や地産地消の推進など販売対策の強化、多様な担い手の育成・確保、観光・リゾート産業と連携したグリーンツーリズム等の推進、国際基準の食品管理HACCP方式に対応した食肉処理施設等の整備、畑地かんがい施設、防風施設、漁港、漁場などの基盤の整備などを織り込む考えであります。県としては、これらの施策・事業を総合的に推進し、地域特性を生かした持続的な農林水産業の振興に努めていく考えであります。
次に、BSE対策を農林水産業振興計画にどう取り組むかにつきましてお答えいたします。
近年、食品の安全性などに対する消費者の関心の高まりを背景に、安心で安全な農畜産物の安定供給を図ることは極めて重要なことであります。
食の安全性を確保する観点から「農林水産業振興計画」の策定に当たっては、農水産物の適正な取引のための産地及び品質表示の徹底、畜産農家におけるサーベイランス検査の強化、消費者からのクレーム処理体制の確立、国際基準の食品管理HACCP方式に対応した食肉処理施設の整備などの具体的な施策・事業を計画の中に盛り込んで推進をしていく考えであります。県としては、今後とも消費者からの信頼性を確保するとともに、食の安全対策に取り組んでいく考えであります。
以上であります。
○文化環境部長(永山政邦) 不発弾の危機管理についてお答えいたします。
県においては、不発弾等を発見した場合は最寄りの交番または警察署に通報する等の基本的な不発弾の取り扱いや処理体制について「沖縄県地域防災計画」に定め、これまでも職員への周知を図ってきたところです。また、広く県民に対しては国、県、市町村及び関係団体で構成する「沖縄不発弾等対策協議会」が作成した同様な趣旨のパンフレットを配布するなど周知を図ってきております。
今回の件については、発見現場における基本的な対応が不十分であったとの反省から、直ちに2月18日に総務担当課長会議を開催し、不発弾の取扱マニュアルの職員への周知徹底を図ったところであります。今後とも新規採用時における職員研修等の機会を通して、不発弾の危険性とその取り扱いについての周知を図っていきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 教師の資質向上のための施策についての御質問にお答えをいたします。
教育の問題は、最終的には教師の問題にたどり着くと言われますように、教師にふさわしい人材の確保と教師の資質・力量等の向上が極めて重要だと考えております。
県教育委員会といたしましては、教員採用において人物重視の選考を行うなど多面的な人物評価を一層重視する方向で選考方法の改善を図っているところであります。
また、教育公務員特例法において、教員は「その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」旨明記をされ、任命権者は計画的にその実施に努めなければならないこととされております。本県においても初任者研修を初め5年、10年等教師の経験年数に応じて専門職としての職務遂行に必要な知識・技能等の向上を図るために研修を実施し、豊かな人間性や実践的な指導力の向上を目指して取り組んでいるところであります。
また、専門性を高めるための大学院等への長期派遣研修や、視野を広げ知見を深めるための民間企業研修、さらに各学校においても年間研修計画などに基づく校内研修等の充実を図り、教師の資質・能力の向上に努めているところでございます。
次に、10年後の社会に貢献できる人材の育成についての御質問にお答えをいたします。
これからの社会を担う児童生徒が主体的、創造的に生きていくためには、一人一人の児童生徒に確かな学力を身につけさせることが重要であります。
県教育委員会としましては、豊かな心を持ち、たくましく生きる人材を育成するため知・徳・体の調和のとれた豊かな人間性の育成を目指し、心の教育の充実、学力向上対策等々の推進を図り、個性の尊重や地域に開かれた学校づくりに努めているところであります。
また、平成14年度を初年度とする新たな教育長期計画及び県立学校編成整備計画等を策定し、その中でグローバル化、情報化に対応した国際性豊かな広い視野を持ち、郷土を愛し伝統文化の継承・発展に寄与する人材の育成を図ることといたしております。
さらに、将来のスペシャリストとして必要とされる専門能力の向上の促進に努めることといたしております。このため、異文化を理解し相互交流できる多様な資質や能力の育成、コンピューターやインターネットを利活用できる情報活用能力の育成など、社会の変化に主体的に対応できる教育の推進を図っていきたいと考えております。
以上でございます。 これからの社会を担う児童生徒が主体的、創造的に生きていくためには、一人一人の児童生徒に「確かな学力」を身に付けさせることが重要であります。
県教育委員会としましては、豊かな心をもち、たくましく生きる人材を育成するため、知・徳・体の調和のとれた豊かな人間性の育成を目指し、心の教育の充実、学力向上対策等の推進を図り、個性の尊重や地域に開かれた学校づくりに努めているところであります。
また、平成14年度を初年度とする新たな教育長期計画及び県立学校編成整備計画等を策定し、その中で、グローバル化、情報化に対応した国際性豊かな広い視野を持ち、郷土を愛し、伝統文化の継承・発展に寄与する人材の育成を図ることとしております。
さらに、将来のスペシャリストとして必要とされる専門能力の向上の促進に努めます。
このため、異文化を理解し相互交流できる多様な資質や能力の育成、コンピュータやインターネットを利活用できる情報活用能力の育成など、社会の変化に主体的に対応できる教育の推進を図っていきたいと考えております。
○伊波 常洋 おはようございます。
もう一般質問もしんがりの方になると、代表質問、さっきの御質問等がありまして大分重複しますけれども、できる限り重複する質問は避けて質問をいたします。
稲嶺県政になって3年余り、問題提起ではなく問題解決を唱えて誕生しただけに、新石垣空港の用地選定・決定、国・政府との信頼回復、沖縄サミット開催等次々と公約を実行してきました行政手腕を高く評価します。
余りにも一生懸命走り続けたせいでしょうか、健康を危惧する質疑がきのうありましたけれども、私、心配で、早速その後確かめたところ、健康に全く支障はないそうです。大変よかったと思っております。
稲嶺知事はよく言っておりますけれども、就任以来、体調が悪くてスケジュールを変更したことは一度もないそうです。それもそのはず、毎朝、目が覚めると法子夫人特製の健康ドリンクを毎日いただいていることもあって、さらには責任の重さゆえか大変健康管理には御自身コントロールしているそうで何よりでございます。どうぞこれからも健康を維持なされ、11月以降もずっと健康で県政を担っていただきますよう期待をいたします。
そこで、今回、私は一般質問としてこれまでの稲嶺県政の3年余の実績と今後の課題及びその課題の解決策について質問をいたします。
まず、基地問題についてです。
ことし4月から自立に向けての沖縄振興新法がスタートをいたします。今まで私たちの沖縄はあの太平洋戦争、そして復帰以前の米国施政等もありまして、戦後処理としての国の責任のもとに、あるいは復帰後もその間の米国施政下における社会資本のおくれ等もまた国の責任で復帰特別措置としてこれまで振興策がとられてまいりました。
この4月からの向こう10年間の特別措置をもって、もう沖縄の復帰特別措置もそろそろ終わりにしようかという声が政府や国会内にもあります。しかし私に言わせれば、沖縄への特別の措置は、私は安保がある限り沖縄への特別の措置は除いてはいけないと思っております。
戦後の我が国政府は、日本の戦後の平和と繁栄は安保条約があったからだということを歴代の内閣が言っておりますし、私もそう思っております。しかし、その安保の一番実効たらしめている基地提供、その施設の75%を沖縄が担っているというか、担わされているんですから、私はその措置として新たに沖縄は胸を張ってお願いするのではなく、権利として安保の特別措置なるものを今後県としては国に堂々と要求していくべきではないかと思っています。
そこで、まず基地問題について、県・稲嶺知事が就任して以来、特に公約としての普天間基地移設、そしてSACO合意の着実な実行などと公約に掲げましたけれども、その普天間基地移設、そしてSACO合意の着実な実行など、これまで稲嶺県政としては順調に進捗していると思いますか、お聞きいたします。
また、これまで基地行政を進めてきた中でなかなか思いどおりにはいかなかった、あるいはいかないという点があるとすればどういうところですか。
私も県議になりまして2年、軍特委員であります。そして議会があるたびにその事件・事故に対し四軍司令官を初め関係機関に軍特委のメンバーとして抗議やあるいは要請等の折衝に行くんですけれども、結局最後は、県議会の皆様の声は真摯に受けとめますが、しかしこれは国と国との問題ですということで条約上の壁の厚さを抗議に行くたびに感じます。多分、知事もそういう面でもどかしさを感じているところがあると思いますので、これをお聞きいたします。
それから2点目に、2月4日から私たち軍特委員会はハワイ及びグアムの基地視察及び議会関係者と基地問題について意見交換等をしてきました。ハワイもグアムも、知事も議会も沖縄の基地一部受け入れには大変歓迎です。ハワイはもう基地の能力といいますか、面積的なキャパシティーからしてもこれ以上の基地受け入れというのはやや困難だと私は判断していますけれども、しかしグアムについては知事も議会も大変受け入れに歓迎です。地元商工会議所は州議会に対して沖縄の基地を一部誘致するようにと要請文も出しているくらいです。
私たちがグアムを視察し、沖縄の基地の一部をグアムが受け入れてほしいという目的も、ちゃんと地元紙「パシフィック・デーリー・ニュース」という新聞に私たちが訪問したこと、そして訪問目的等もちゃんと新聞にうたっております。
そしてこの地図に(資料を掲示)、ちょっと見えにくいかもしれませんけれども、グアム島は北部、そして中部、南部と主にこの3地区に基地が配置されておりまして、特に北部地域は私たちも見たんですけれども、広大であるにもかかわらず遊んでいる、遊休化している基地が大部分です。ですからそういうところをグアム自体が抱えているものですから、グアムとしては地域の基地依存といえばおかしいかもしれませんけれども、基地収入、基地関連の経済がどうしても欲しいということで大歓迎でした。ですからグアムは受け入れたい、私たち沖縄は基地の整理縮小のために県外移設をしたい。私たち両島の利害が全く一致しているんですから、私はこれが進まないわけはないと思うし、これがもしも進まないとなれば、やはりこれは日本と米国の国のエゴじゃないかと僕は思います。
ですから、稲嶺知事が当然グアムやあるいはハワイ、あるいは日本国、米国にこのことを当然強く要求すべきだし、また同時にグアムの議会関係者、あるいは基地関係者等を沖縄に招き、沖縄の現状、沖縄の基地の重圧を見ていただいて、その上でさらにグアム関係者に沖縄の我々、米国が沖縄に負担をかけているんだということを、彼らも米国人ですから感じてもらい、なおさら彼らに沖縄の基地を受け入れてもいいという雰囲気をつくっていただいたらどうか、お聞きいたします。
基地問題3点目に地位協定の見直しですけれども、外務省は相変わらず運用改善の一点張りで、ちっとも沖縄が要求する見直しにはまるで耳を傾けないような情けない状態が続いております。そこで、やっと県選出の国会議員の皆様が超党派でこの見直しに向かって当たることになっておりますけれども、これを機会に県がとるべき新たなる見直しについて打開策があればお聞きをいたします。
(2)点目に、経済問題についてお聞きいたします。
1番目、県政誕生してからこれまでの企業誘致の実績、また雇用者数を初めその雇用効果をお聞きします。
それから、今後、振興新法でできます金融特区、情報特区、大学院大学による雇用効果、あるいは経済の波及効果予測が出ておればお聞きいたします。
3点目に、やはり我が県の基幹産業は観光です。今回の私たちのハワイ、グアムの視察においても、特にハワイにおける世界有数の観光地を自負するだけにその受け入れ体制、環境の整備は目を見張るものがあります。
それに引きかえ私たち沖縄も日本一の観光立県といいながらも、余りにも環境の美化がなってない、受け入れ体制もなってない。国に要求、頼るだけではなく、私たちが観光立県というのであるならば、また我が県自身の努力も当然それは必要だと思います。
特にハワイを見て感じまして、まず1点目に、沖縄はもちろん暑い島です。夏場になると、だれでも陰が欲しくなる。がしかし、沖縄の街路樹を見ますと、その陰をつくるような大木もそんなにないし、それとちっとも統一性が見られない。沖縄の空港におり立って南から北まで観光バス等が行くんですけれども、バスの道中でも退屈しないような、涼しさをあらわすような計画的な緑化ができないものかどうか、お聞きいたします。
沖縄は台風もあるし、雨の事情等もありまして、ハワイのようには植物の成長が思わしくないかもしれませんが、いずれにしろ統一された計画的な街路計画ができないものかどうか、お聞きいたします。
それと、私たちが今言うハワイ、グアム視察中に「ちゅら島環境美化条例」の説明会があったようで大変私は結構なことだと思うんです。やっとできたのかなという思いもします。私はそれを知らずに自分では「ポイ捨て禁止条例」と書いたつもりですが、今議会に「ちゅら島環境美化条例」として上程されていることを大変うれしく思います。
まず、この禁止条例が今回上程されました経過、それから県よりいち早く具志川市を初め各市町村でもその条例が定められているところがあるんですけれども、既にポイ捨て禁止条例を定めたところでの市町村の効果のほどはどのようにあらわれているか、お調べであればお聞きいたします。
そして、今回制定する「ちゅら島環境美化条例」によってそれを実際に実効あらしめる方策はどのようなものを考えているか、お聞きいたします。
(3)点目に、医療・福祉問題について。
新那覇病院の特に子ども病院について、病院関係者からいろんな要求があります。もちろん理想的な形を目指した上での要求ですけれども、限られた予算の中、県も対応に大変四苦八苦しているところではございますが、これまでの基本設計、やりましたような特に子ども病院についての病床数あるいは面積にその後計画の変更はあったのか、あるいは今後、将来を見越しての変更もあり得るのか、お聞きいたします。
また、この病院の高度多機能化によって現在より当然医師の数はふえると思いますけれども、何名ほどふえるのか。また、そのふえる分の医師の確保のめどはどのように立てられておるのか、お聞きいたします。
それから次に、介護保険についてお聞きいたします。
今、日本の医療費は年間約1兆円ずつふえていっておりまして、高齢化のピークを迎える2025年には何と我が国医療費は81兆円、今の国家予算と同規模になるような膨大な数字が予測されております。その中で2年前にスタートいたしました介護保険についても、特に財政安定化基金の拠出率が各市町村0.5%が見込み違いによって1.5%に引き上げられると。平成15年度以降もこの拠出金の引き上げがあるのかどうか、お聞きいたします。
待機児童対策についてはもうたくさん質問、質疑、答弁が出ましたので割愛をいたします。
教育問題について。
少人数学級、私は文厚委員として何度も30人学級の実現を質疑いたしましたけれども、相変わらず文部科学省は集団生活の習得というんですか、40人学級にあくまでもこだわる。少子化がどんどん進行し、子供の数は減る、学級数は減る、教員定数は減らさない。なおさら私は前から言いました30人学級の達成にちょうど都合のいい今、少子化の状況だと思うんですけれども、なぜそれが遅々として進まないのか。加配だの何のというこそくな手段で、あくまでも文部科学省は30人学級を認めない。県として今までどう取り組んでいるのか、お聞きいたします。
特に、さらに私は一番やってほしいのが習熟度別授業ということです。つまり能力に応じた主要科目、基礎学力を要する科目については、能力別の学級をぜひ授業を編制すべきだと私はずっと訴えてまいりました。特に今、これは新聞報道にありますけれども、広島県ではことしの4月よりすべての公立中学校1年生の英・数・国の授業でこの能力別学級を実施すると。教師数が足りなければ非常勤講師で対応するという大変前向きな能力別学級を広島県はすべての公立学校で導入します。特に子供たちのいじめの問題発生は中学1年から顕著にふえるそうで、この対策にもなると広島県は能力別学級の導入の理由を言っております。
県の取り組み、これまで、それからこれからどうするつもりかお聞きをいたします。
続きまして、中高一貫教育、組み合わせややり方にいろいろなパターンがありますけれども、これまでの取り組んできた研究の成果、そしてこの研究成果を生かして今後どのように進めていくのか、お聞きいたします。
それから高校再編成のこれまでの経過については、これもさきの代表質問等にありましたので、高校再編成については割愛をいたします。
次に、平和行政について。
1、沖縄平和賞のはえある第1回の表彰はいつごろを予定していますか。
また、この選考によく言われるようにいろいろ問題があると言われている方もいるんですが、この声に対して選考の公平性はどのように保つのか、お聞きをいたします。
続きまして、対馬丸記念館、まだ仮称としておきます。3000万の設計予算が執行できないようです。この事業を運営する運営主体の受け入れ体制は今整っていないような気がいたします。
そこでお聞きいたしますけれども、この記念館の事業内容、それから運営方法、そして県は、我々県議会の附帯意見もありまして財政的な支援、支出は一切やらないことになっているんですけれども、財政以外の支援策があればお聞きをいたします。
交通行政についてもたくさんの方が質問いたしましたので、割愛いたします。
行財政改革について。
財団、公社等の見直し、廃止について。
これまでの10年間でその実績があればお聞きをいたします。
これらの財団、外郭団体に対してその事業計画、予算等について県はどうかかわっているか、お聞きいたします。
地方分権について。
国から県へ権限移譲された主なものを教えてください。そして県から市町村へ権限移譲された主なものを教えてください。
それから市町村合併について、県は市町村に積極的に合併を働きかけているのか。またその場合、市町村と県との合併についての協議機関はあるのかどうか、お聞きをいたします。
終わります。
○知事(稲嶺惠一) 伊波常洋議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、基地及び訓練の移設に関し、グアム関係者を招聘することについてのお答えでございます。
県としては、基地の存在及び運用等から派生する諸問題の現状にかんがみ、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減についても、基地の提供責任者である国において米国政府との間で協議する必要があると考え、昨年3月、関係大臣に対し要請を行ったところであります。
また、去る2月4日から2月9日に行った米軍基地関係特別委員会の海外視察では、これらの問題は連邦政府の所管事項であるとしながらも、ハワイ州知事からは、沖縄の人々の過重な基地負担については理解しています、在沖米軍のハワイへの基地の受け入れを歓迎しますとの意見があり、またグアムの知事及び議会議長からは、在沖米軍基地に係る沖縄県の過重な基地負担を考え、グアムに在沖米軍を受け入れる用意があるとの積極的な意見があったと聞いております。県としては、今後とも在沖米軍の兵力削減及び訓練の移転について、県民の基地負担の軽減につながるよう日米両政府に積極的に働きかけていきたいと考えております。
次に、地位協定見直しの打開策についてお答えをいたします。
県は、平成12年8月、日米両政府に対し、11項目の「日米地位協定の見直しに関する要請」を行いました。このような状況の中、昨年7月の衆議院外務委員会において日米地位協定の見直しが決議され、全国知事会においては平成14年度の国に対する要望の中で日米地位協定の見直しが取り上げられるなど従来にない動きが見られ、また去る2月11日、沖縄県選出の国会議員が中心となって新たな日米地位協定の改正案がまとめられました。同案では、日本の法令尊重義務や環境保全対策、公務外の事件・事故に関する日米両政府の被害補償、被疑者の起訴前の拘禁の移転などを改善する内容となっており、県の要請がほぼ盛り込まれた形となっていると理解しております。
このような動きが県選出議員のみならず多くの国会議員の賛同を得られることを期待するとともに、県は今後とも日米地位協定の見直しについて粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 稲嶺県政3年余の実績と今後の課題解決策の中の、SACO合意事案等の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
SACO合意事案のうち、安波訓練場につきましては返還が実現しております。
また、普天間飛行場の移設につきましては代替施設を軍民共用飛行場とすること、規模については安全及び環境に十分配慮し必要最小限とすること、建設場所についてはリーフ上の案とすることなどを基本とし、具体的な基本計画の策定に向けた作業が進められているところでございます。
さらに、那覇港湾施設の移設につきましては、平成13年11月16日に国、県、地元自治体で構成する3つの協議会が国により設置され、現在、移設に係る諸問題や振興策等について協議しているところでございます。
その他の事案につきましては、平成13年1月に北部訓練場環境調査の結果が公表され、特記すべき種が多数確認されたことに伴い、国は移設場所の選定に関し継続して調査を実施しているところでございます。また、読谷補助飛行場で行われていたパラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転が完了したほか、米軍住宅統合や楚辺通信所の移設、海軍病院の移設、瀬名波通信施設の移設など幾つかの事案については移設先の自治体の受け入れ表明がなされるなど、SACO合意事案の実施が着実に進捗しているものと認識しております。特に、住宅統合につきましては、キャンプ瑞慶覧に高層住宅2棟136戸及び関連施設の建設が昨日完了いたしたと聞いております。
なお、ギンバル訓練場の返還につきましては、ブルービーチ訓練場への移設が条件となっておりますが、地元金武町は、ブルービーチは町の振興開発の拠点であるとしてキャンプ・ハンセンに移すことを国に求めております。ギンバル訓練場の返還に係る問題については、国においても地元の要望を踏まえながら柔軟に対応するとしており、県としては、日米間での話し合いの状況を見守りつつ、地元金武町と連携を図りながら適切に対応していきたいと考えております。
次に、平和賞の第1回表彰式と選考についての御質問にお答えをいたします。
沖縄平和賞につきましては、現在、国内外の1000人の推薦人に対して候補者の推薦をお願いしているところでございます。
推薦人は、沖縄平和賞委員会総会において決定されました「推薦人選定方針」に基づき一般に公開された人名録データベース等を活用し、「平和」に加えて「アジア」、「国際関係」など、本賞と関連のあるキーワードにより事務局が機械的に検索・抽出し、会長が選定したものでございます。
また、受賞者の選考に関しては、沖縄平和賞委員会総会で決定されました「選考委員会の委員選定要領」並びに「実施要綱」に基づき選考委員会が実質的に行うものであります。
なお、選考委員には知事を初めとする県関係者は入っておりません。受賞者の選考はこのような方法で進められることから、中立性・公平性が確保されるものと考えております。
以上のような手続を経て受賞者を決定し、ことし8月ごろを目途に第1回授賞式を実施していきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 企業誘致の実績、雇用効果についてお答えします。
企業誘致につきましては、産業の振興と雇用の創出を県政の重要課題の一つとして取り組んできたところです。その結果、情報通信産業については平成11年度から実施した通信コストの低減化支援事業等によりコールセンターを初めコンテンツ制作企業やソフトウエア開発事業等の立地が相次ぎ、情報通信産業の集積が進んできております。
また、製造業についても特別自由貿易地域に医療機器用半導体製造企業、光ファイバー関連デバイス製造企業等の先端技術型の製造企業や、ベトナムなどのアジア諸国をマーケットとするオートバイエンジンの製造企業が立地するなど、これまで沖縄にはなかった新たな分野の企業が進出しており、加工交易型産業の振興が図られつつあります。
これらの企業が立地した結果、45社が立地し、約4000名の雇用が発生し、本県の雇用失業対策に寄与しているものだと考えております。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 統一的、計画的な街路樹の植栽についてお答えいたします。
県の管理する道路の植栽については、平成9年4月に策定した「沖縄県道路緑化基本計画」に基づき、豊かな緑陰に覆われた人に優しい道路空間の創出及び観光振興を支援する道路緑化を推進しております。その結果、本県の道路緑化は幹線道路を中心に一定の成果を上げてきており、特に平成12年7月に行われた九州・沖縄サミットを契機として観光振興を支援する道路としての効果を発揮してきております。
今後とも計画的に都市部の道路や観光地、名所旧跡等にアクセスする道路の整備拡充を図るとともに、緑陰と花に満ちた潤いのある快適で魅力ある豊かな「美ら島沖縄」づくりに積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) 「ちゅら島環境美化条例」の制定の経緯についてお答えいたします。
「ちゅら島環境美化条例」の制定については、平成12年7月の県行政オンブズマンによる意見表明、同年12月の県議会での条例制定を求める請願の採択や、平成13年1月に沖縄経済同友会による条例制定の要請等を踏まえ、空き缶、吸い殻等のごみの散乱状況や全県的なごみの散乱防止を図る必要性等にかんがみ、同年3月庁内に関係課長による連絡会議を設置し、条例の基本的な考えとなる骨子案について検討を行ってまいりました。その結果、7月に骨子案を沖縄県環境審議会に諮問するとともに、11月に環境美化に関するシンポジウムを開催し、県民各界各層からの意見、提言等を踏まえ、12月に同審議会から骨子の答申を受けております。答申を踏まえまして関係機関と法令等の整合性を図るために必要な調整を行い、本定例会に条例案を提出したところであります。
市町村における条例制定の効果についてお答えいたします。
県内では、那覇市ほか14の市町村が空き缶等の散乱を防止するための条例を制定しております。これら市町村に対して実施した条例の運用状況に関する調査によりますと、住民の環境美化に対する意識の向上、通り会やボランティア団体による清掃活動や緑化の自主的な取り組みの活発化や空き缶等の散乱が減少するなど一定の効果が見られる結果となっております。
続きまして、実効性を確保するための方策についてお答えいたします。
条例の実効性の確保を図るためには、県民が一丸となって環境美化の全県的な運動を展開するための推進体制を整備することが非常に重要であると考えております。そのため市町村、観光関係団体、清涼飲料協会やたばこ等の関係業界、婦人会、青年会等の市民、地域団体で構成する推進体制を構築することとしております。
また、ごみの散乱防止の抑止効果を図るため罰金を設けており、今後市町村と連携し、関係機関・団体の協力を得るとともに、県警察本部とも調整しながら条例の効果的な運用に努めていきたいと考えております。
以上です。
○企画開発部長(与儀朝栄) 金融特区等による雇用効果、経済効果の予測についてお答えいたします。
金融特区、情報特区及び大学院大学については、指定区域の面積や施設規模などの予測に必要な具体的内容が確定していない段階で雇用効果や経済効果を見通すことは困難でありますが、これらの制度等の効果が十分発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。
○病院管理局長(新田宗一) 高度多機能病院の子ども病院部分の病床数、面積に変更はあるか、また新病院の医師の数及びその確保についての御質問にお答えいたします。
高度多機能病院(仮称)につきましては、全体計画としまして病床数434床、延べ床面積約3万6400平方メートルで整備することといたしております。このうち、母子総合医療センター、いわゆる子ども病院部分につきましては病床数120床程度で整備することといたしておりまして、計画に変更はございません。
なお、機能等につきましては、県周産期協議会の部会で関係者と協議をしているところでございます。
医師の数につきましては、現時点での試算では現那覇病院より23人程度増員し、69人程度になると見込んでおります。これら医師の確保につきましては、県立病院の医師の再配置、中部病院での臨床研修修了医、琉球大学等大学医学部との連携など県内外から広く優秀な人材を求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険財政安定化基金の拠出率の引き上げについての御質問にお答えします。
平成15年度からの次期事業運営期間に向け、給付実績に基づいた保険料の見直しが平成14年度に行われます。その際には、今期のような大きな見込み違いは生じないものと考えております。また、次期事業運営期間においては平成13・14年度に基金から市町村へ貸し付けた資金の償還が行われます。
このようなことから、次期運営期間の拠出率は引き下げる方向で見直しがなされるものと考えております。
対馬丸記念館の事業内容、運営方法、支援方策についてお答えいたします。
同記念館の事業内容としては、対馬丸遭難遺族に対する慰藉を通じた高齢者福祉の向上、対馬丸関連資料の展示と平和祈念、地域住民の交流の場、戦争体験の継承による児童の健全育成等となっております。
管理運営は、同記念館の整備主体である財団法人対馬丸記念会が行うことになっており、その運営方法及び具体的な事業については、今後財団法人に設置される予定の企画運営検討委員会で検討されることになっております。県といたしましては、同記念館の供用開始後、安定的な運営ができるよう指導を行うとともに、国への支援を求めていきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 少人数学級編制の本県の現状と今後の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
都道府県教育委員会が定める学級編制基準は、学級編制の標準を定める義務標準法に定める1学級の児童または生徒の数40人を標準として定めることとしており、本県における学級編制基準は1学級の児童生徒の数を40人を基準としております。
また、同標準法の改正を受け都道府県教育委員会は、児童生徒の実態を考慮して特に必要があると認められるときは、特例的に学級編制の弾力化が実施できることとなっております。
いわゆる少人数の学級編制につきましては、今年度小学校1年生の1学級の人数が40人に近い4校に学級編制の弾力化を試行的に実施をいたしました。平成14年度は、それらの学校の成果を踏まえ、本県の学級編制基準を改正して小学校1年生に限って特に必要があると認められる場合について県単独の定数と法定数を工面をし、学級編制の弾力化を実施し、その充実を期していきたいと考えております。
次に、習熟度別指導の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
学校においては、学習内容を確実に身につけさせるため児童生徒一人一人の学習内容の理解や定着の状況を把握し、その習熟の程度に応じた指導方法や教材等を工夫し、個に応じたきめ細かな指導に努めることが極めて重要であります。
本県においては、習熟の程度に応じた指導を実施している学校が小学校180校、中学校91校あり、複数の教師の指導により1学級を2つ以上に分ける形態で多くの学校で取り組みがなされております。また、実施教科については小学校では算数や国語、体育、中学校では数学や英語などがあります。
習熟の程度に応じた指導を実施することにより、一人一人の児童生徒にきめ細かな指導ができ、学習意欲の高揚、苦手教科の克服、理解力の向上等の多くの成果が報告されております。県教育委員会としましては、今後とも習熟度別指導等個に応じた学習指導の工夫・改善を促進していきたいと考えております。
次に、中高一貫教育の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
中高一貫教育は、高等学校入学者選抜の影響を受けずにゆとりある安定的な学校生活が送れることや、6年間を通じて計画的、継続的な教育指導が展開できるなどの特色があります。本県の中高一貫教育の取り組みにつきましては、平成10・11年度に嘉手納地域で研究推進校を指定し、中高一貫教育のあり方について研究を進めてまいりました。平成12・13年度は伊良部地域、平成13・14年度は本部地域で実践研究を進めております。その中で異年齢生徒の交流学習等により学校の活性化が図られ、中・高校の相互の理解が深まり協力体制がより緊密となり、地域の学校に対する期待が一層高まっております。
なお、課題といたしましては、教育課程の調整や教師の持ち時数の調整、非常勤講師の確保等々が挙げられております。
県教育委員会といたしましては、中高一貫教育の趣旨を生かし、保護者や地域の支援を得て地域の実情や学校の実態にマッチした中高一貫教育を推進していきたいと考えております。
また、今後の取り組みとしまして「沖縄県立高等学校編成整備実施計画」の中で平成14年度に伊良部地域で引き続き連携型の中高一貫教育を、平成15年以降においては本部地域、久米島地域、与勝地域及び那覇地区で中高一貫教育校の設置について計画をいたしております。
以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 財団、公社等の見直し、廃止及び指導についてお答えいたします。
公社等外郭団体の整理統合については、これまで19団体を対象に統合6件、廃止1件、解散1件及び事務局統合1件が実施されたところであります。最近の事例としては、平成12年度に沖縄県人材育成財団と沖縄県国際交流財団の統合、平成11年度に第三セクター・株式会社沖縄マリンジェット観光の解散等があります。
公社等外郭団体の指導監督については、県が人的支援や財政的支援を行っている団体の事務・事業の必要性や緊急性、効果等を点検し、役職員数の見直し等による組織体制の簡素効率化、事業の合理化、経営の改善等の指導を行っているところであります。
次に、権限移譲の主なものについて答弁いたします。
地方分権を推進するため国から県へ権限移譲された事務は、森林法に基づく保安林の指定・解除、水産資源保護法に基づく保護水面の指定・解除事務、下水道法に基づく公共下水道事業計画の認可等11項目があります。
また、県から市町村へ権限移譲した事務としては、狂犬病予防法に基づく犬の登録・鑑札の交付、注射済み票の交付事務、母子寡婦福祉関係各種書類の受理・交付、県知事への送付事務、知的障害者短期入所の措置に関する事務やメジロ及びホオジロに係る捕獲許可証の発行等の事務など30項目があります。
市町村への権限移譲を円滑に推進するため、平成13年8月に県と市町村の事務分担に関する連絡調整協議会を設置し、同協議会において市町村への事務移譲に係る基本方針を取りまとめたところであります。同基本方針に基づき具体的な事務について庁内各部局との調整及び各市町村の意向調査等を実施しているところであり、今後とも市町村への権限移譲を進めていきたいと考えております。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併について、県から市町村への働きかけについての御質問にお答えをいたします。
県は、昨年5月から8月にかけて市町村の助役及び職員を対象とした地域別説明会を実施するとともに、関係市町村長との意見交換会を行ってきました。また、市町村による各種研究会や住民説明会、市町村議会議員研修会などにも職員を派遣し、平成17年3月までの間に多くの市町村で自主的な合併が実現できるよう、あらゆる機会をとらえ積極的に働きかけているところです。県と市町村会等関係団体との協議機関は特に設置しておりませんが、知事を本部長とする市町村合併支援本部を設置し、県の各部・関係機関が一体となって市町村合併の促進を図っているところです。
市町村合併は、地域の将来のあり方や住民生活に深くかかわる重要な事項であることから、関係市町村において合併協議会が設置され、合併についての具体的な議論が深められるよう引き続き働きかけてまいりたいと考えています。
以上です。
○伊波 常洋 答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時40分休憩
午前11時40分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 先ほどの御答弁の中で抽象論として入っているんですが、そういう点を含めまして今後検討させていただきたいと思います。
○前島 明男 それでは通告に従いまして一般質問を行います。
まず初めに、日米首脳会談について伺います。
日本を初めて公式訪問されたブッシュ米大統領と小泉純一郎首相との首脳会談が18日都内で行われ、国際テロ、経済、地球規模の課題などあらゆる分野で対話を深められ、同盟関係の一層の強化を確認するものとなった。予想されていたとはいえ、この日米首脳会談では沖縄問題についての進展は見られなかった。日米両政府からすると、普天間飛行場の移設などを盛り込んだ日米特別行動委員会(SACO)最終報告で沖縄の基地問題対策は終わったとの認識であろうか。その後の日米交渉ではSACOの着実な実施を再確認するのにとどまっている。残念なことに今回の首脳会談もその域を出ていない。
そこで次のことについて伺います。
知事は、ブッシュ大統領が訪日された大きな目的は一体何だったとお考えですか。
日米間において沖縄の基地問題は最も重要であるはずなのに、突っ込んだ話し合いが持たれなかったのはまことに残念に思う。このことについて知事の御所見を賜りたい。
小泉首相は会談の中で、在日米軍基地の7割が沖縄に集中していると発言されたが、実際には75%である。沖縄の基地に対する認識が薄い証拠だと思うが、知事の御所見を賜りたい。
次に、知事の所信表明について伺います。
稲嶺知事は御就任以来、公約の実現に向けて全力で取り組み、多くの成果を上げられたことはひとしく県民が認め、高く評価をしているところであります。平成14年度は、知事就任1期目の総仕上げとして沖縄振興特別措置法に基づく振興計画の策定を初め自立経済への取り組み、雇用、人材育成、芸術・文化振興等各種施策を推進し、基地問題についても15年使用期限や地位協定の見直し等について取り組まれ、並々ならぬ意欲が感じられるのは力強い限りであります。
そこで次のことについて伺います。
工業用水について、今回の知事の所信表明から漏れているのであえて質問をいたします。
企業局も上水道ばかりに力を注ぎ、工業用水道にまでは余力がなかったように思います。それも過去の水事情を考えれば無理からぬことかもしれません。
しかし私は、工業用水の問題は極めて重要な課題の一つであると思っております。現に浦添市内だけでも工業用水を大量に必要とする企業が数社あります。私の顔を見るたびに何とかならぬのか、考えてくれよと苦情とも取れるような相談を受けます。特に物を製造したり、加工したりする工場ではどうしても水を大量に使います。企業を誘致する上でも不可欠な条件の一つではないでしょうか。
そこで次のことについて伺います。
需要は満たされていますか。
近年、需要について実態調査をしたことがありますか。あれば具体的に説明してください。
向こう5年間の本管工事の計画と将来計画はどうなっていますか。
次に、平和の礎の刻銘について伺います。
平成5年10月26日に平和の礎に係る刻銘の基本方針が決定されております。この刻銘事業は広島や長崎の原爆記念碑事業にまさるとも劣らない立派なものであると誇りにさえ思います。しかし、あれだけの大事業を実施した割には詳細にわたっての運用規定がないために基本方針の大枠から漏れた関係者を救い上げる道がありません。本県の戦没関係者は優遇されておりますが、他都道府県者は厳しく制限されているため関係者から苦情が寄せられております。
戦争の犠牲者は県出身者であろうが本土出身者であろうが皆同じであります。何も区別する必要はないはずです。そこで、基本方針に沿ったよりきめ細やかな運用規定をつくって一人も刻銘から漏れることがないように対処してもらいたいと思います。
そこで次のことについて伺います。
戦時中に発病し、戦後亡くなられた他都道府県の方々の扱いはどうなっていますか。
そういう方々の関係者からの要望は、どのぐらいありますか。また似たような事例はありませんか。
今後どう取り扱う考えですか。
次に、教育行政について伺います。
質問に入ります前に一言お礼を申し上げたいと思います。
廃舎が検討され、生徒や父母から強い要望がありました大平養護学校と宮古養護学校の寄宿舎が改築して存続されることになり、さらに八重山養護学校にも新しく設置されることになり、二重の喜びに沸いております。教育長並びに関係者に心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。父母の方々も大変喜んでおられ、機会をつくってお礼に伺いたいと申しておられました。
さて、平成14年度は新たな教育長期計画、県立学校編成整備計画、学力向上対策が開始されるほか、小中学校における新学習計画指導要領の全面実施及び完全学校週5日制がスタートするなど節目の年であります。私の手元に平成14年度の教育主要施策の冊子が届きました。教育の目標をしっかり立てて、元気で何事にも意欲のある幼児・児童生徒を育成するためには、家庭、学校、地域社会はどうあらねばならないかなど、きめ細かにわかりやすくまとめられた立派なものであります。
その中から二、三質問をいたします。
完全学校週5日制について伺います。
特に低学年の幼児・児童生徒の土曜日の対策はどうなっているか、具体的に御説明ください。
障害を持つ幼児・児童生徒についてはどうか。
地域社会との具体的な取り組みはどうか。
教諭はどう対応するのか。
青少年健全育成について伺います。
平成14年度「教育主要施策」の中に「健やかな青少年を育む地域活動・体験活動の拡充」とあるが、どのような活動を想定しているのか、具体的に御説明ください。
次に、社会教育の充実について伺います。
子供教育の3本柱の一つである「地域の子どもは地域で育てる」という立場から「家庭教育支援会議」の設置を促進するとあるが、具体的に御説明ください。
次に、文化の振興について。
平成14年度の主な事業等の中に「復帰30周年記念事業「高校生国際文化交流フェスティバル」開催」とあるが、具体的に御説明ください。
次に、福祉保健行政について伺います。
1995年8月18日、「世界長寿地域宣言」が高らかに行われた。その宣言文の一部を引用させてもらいますと、
我々は、この長寿地域の達成が県民の努力と保健医療関係者の熱意の賜であり、その根底には恵 まれた温暖な気候、先人の英知の結晶である伝統的食生活や文化があることと思う。また、自然と 共生し、異国文化を尊重し、社会的弱者とも共に助け合っていく「共生」の生き方、方言で「ユイ マール」といわれる相互扶助の習慣や、兄弟のように分け隔てなく付き合う「イチャリバチョー デー」の県民性がある。さらに戦禍の教訓として「命どぅ宝」という平和を希求する沖縄のこころ があり、その心に支えられた長寿地域であることを改めて思い起こす必要がある。
とあります。まさしくそのとおりであります。
宣言当時は、確かに日本一の長寿県であります。しかし、2位の長野県との差はほとんどありません。平均寿命で見ますと男性は長野県が1位で、我が沖縄県は4位であります。逆に女性は沖縄が1位で、長野県が4位であります。さらに熊本県あたりが接近してきております。このままだといつ立場が逆転するかわかりません。せっかくつかみ取った世界一の座をみすみす明け渡すわけにはまいりません。「世界長寿地域宣言」は、世界各地からの観光客を誘致する上で大きな、そして最も効果のあるキャッチフレーズになるからであります。
そこで次のことについて伺います。
世界一の長寿社会について、我が県と他府県を比較してどういう状況にあるのか。
今後も世界一を維持していくには、食生活の改善と予防医学にもっと力を入れるべきだと考えるが、そのほかにどのような課題があるのか。
世界一長寿社会をアピールするために、昨年11月に開催された「世界長寿会議」を一過性のまま終わらすのではなく、今後は県が引き取って3年もしくは5年置きに企画する考えはないか。
次に、認可外保育園について伺います。
私は、この問題を代表質問や一般質問の中で何度も取り上げてまいりました。第2次世界大戦で一木一草に至るまで焼き尽くされた灰じんの中から、ゼロからの出発であります。その上、27年間もの長い間、アメリカの施政権下に置かれたためにあらゆる面において本土との大きな格差ができました。特に教育の面での格差は余りにも大き過ぎました。本土から切り離されてなければ、そのようなことにはならなかったはずであります。私に言わせれば、認可外保育園は戦後と本土復帰の積み残し以外の何物でもないと思っております。何回も何回も同じことをくどくど申し上げても仕方がありませんので、ずばり県の責任において国に何を求めるかを問うものであります。
そこで次のことについて伺います。
「就学前児童の保育等に関する実態調査」の具体的な分析結果が出ていると思いますので、次のことについて伺います。
規模の面や財政面から、将来的にも認可園に持っていくのは厳しいと思われる園は何割で、何園か。もし、今回の調査項目の中に入ってなかったのであれば、近い将来、より具体的な調査をする必要があると思うがどうか。
そのような園に対して、今後どのような支援をしていく考えか。
今後、国に対してどのような支援を求めていくのか。
次に、環境行政について伺います。
我が県の重要なリーディング産業の一つに観光関連産業があります。年間450万から460万人の観光客が我が県を訪れます。その経済効果は4500億から4600億円と推定されており、県経済に与える影響は非常に大きいものがあります。本土と異なったすばらしい芸術・文化とイチャリバチョーデーの人をもてなす温かい心、そして青い海、青い空、かけがえのない観光資源があるからであります。
しかしながら、心ない人々によってこの美しい島々が、陸も海も空き缶やごみで汚され、人の心までもむなしくさせるような状況になってきております。今、県民がこぞって立ち上がらなければ、いつまでたってもこの問題は進展しないでありましょう。今がそのときであります。
そこで次のことについて伺います。
「ちゅら島環境美化条例」について、実効あらしめるためには何が最も重要だとお考えですか。
学校教育の中での位置づけはどうなっているか。
県警との連携はどうなっておりますか。
次に、基地跡油汚染について伺います。
逃げ得、ごね得なんていう言葉がありますが、いずれもよからぬときに使うものであります。まさしく今回の事件にピッタリではありませんか。
145本余りの大量のドラム缶を埋めさせたわけですから、かなり地位の高い指揮官で、当然日米地位協定の中身を熟知している人間のしわざだと思われるので余計許せないのであります。何ですか。どんな違法行為をしても返還後は罪を問われないなんて、そんなばかな協定がどこにありますか。
軍人・軍属があれだけいろいろな事件・事故を起こして、しかも日米地位協定を悪用していながら、のらりくらりでみずから究明しようとしない態度には本当に腹が立ちます。また、アメリカ追従の日本政府にも腹が立って仕方がありません。
一連の米軍の問題は、地位協定の改定以外に解決の方法はないと考えますが、議員の皆さん、いかがですか。運用云々でだまされるほどばかな県民ではありません。
それでは質問に入ります。
元基地従業員の証言から、ほぼ米陸軍が埋めたものに間違いないと思われますが、犯人は特定できたか。まだできてないなら、なぜそんなに時間がかかっているのか、御説明ください。
新聞報道によると、「タール状物質の中の、六価クロムやベンゼンなど20項目の有害物質の測定は「技術的に不可能」とコメント。物質そのものの成分構成についても「分からない。難しい」とし、特定が困難との見方を示した。」とあるが、何ゆえ不可能なのか、何ゆえ難しいのか、御説明願いたい。
この問題に関して日米両政府の動きがよく見えないが、どうなっていますか。
次に、観光行政について伺います。
昨年9月11日に起きた米国中枢同時多発テロによって沖縄の観光関連産業は大きな打撃を受け、今なお立ち直れずに倒産寸前まで追い込まれている業者が少なくありません。ただでさえ失業率の高い沖縄です。倒産を防ぎ、失業者をこれ以上出さないようにしなければなりません。そのためには県行政を初め公庫、市中銀行、県保証協会の理解と協力がぜひとも必要であります。
さて、県の平成14年度の予算概要を見ますと税収が相当落ち込んでおります。旺盛な財政需要を見ました場合、少しでも税収をふやす努力をしなければなりません。私は、現在の不景気の状況では公共工事の増による雇用の拡大と観光客の増に頼る以外に望めないのではないかと考えます。そうであるならば、もっと公共工事と観光関連に予算を使うべきだと考えるが、平成14年度の予算配分では必ずしもそのようにはなっていない。観光関連産業が沖縄のリーディング産業の一つであるというのであれば、観光関連による経済効果は先ほど申し上げましたように4500億から4600億円と推定されているので、せめてそのたった1%である45億ないし46億円程度は当然投入すべきではないかと考えます。離れていったものは呼び戻すのに数倍の力を要すると言われております。そして対策を立てるには現状を把握することが最も重要だと考えます。
そこで次のことについて伺います。
テロ以後の観光入域客の推移について、修学旅行生徒はどうか。
一般旅行客はどうか。
海外の特に台湾の旅行客はどうか。
今後の誘客活動をどう展開していくのか。
昨年の同時多発テロ事件により影響を受けた観光の誘客対策費などは、前年度当初予算と比較してどうなっているのか。
また、沖縄コンベンションセンター展示棟の雨漏り改修工事費などのハード面を除いたソフト面だけの比較ではどうなっているか。
次に、第11回全国ハーブサミットの沖縄開催について伺います。
ハーブは、地中海生まれの植物で香りを中心に楽しむもの。フランス料理から伝えられたものだが、近年、女性を中心にブームが広がり、嗜好品としての需要が広がっています。
また、地域特産品目にしようと全国でハーブづくりが進んでおります。亜熱帯性気候の沖縄は、本土と違って年じゅう青々とした生のハーブが取れる特色があり、本土の端境期をねらって出荷すればかなり有望な特産品になり得ると考えます。何といってもハーブは生が一番であります。
現在、日本には約300種のハーブがあると言われており、そのうち主なものは約20種に絞られ、中でも特に人気の高いハーブはバジル、ミント、チャイブ、チャービル、マーシュ、ロケットなどの五、六種類に集中している。また、山梨県の河口湖町では町長が中心になってハーブの里づくりを進めており、毎年開かれるハーブフェスティバルは約38万人の観光客でにぎわい、今年で10回目を迎えるそうであります。
そこで、次のことについて伺います。
那覇市の主催で今年の11月に開催される予定だと聞いているが、どういう内容で、どの程度の規模か。
県外からも多数来県されると思うが、県はどのような支援を考えているのか。
冬場のイベントの一つとしてハーブフェスティバルを開催する考えはないか。
次に、我が党の代表質問に関連してJリーグ参加への支援について伺います。
今から約7年前に私どもの白保代議士が提唱したときは、全く雲をつかむような話で、だれ一人信用せず笑っておりましたが、いよいよ実現の可能性が高まってまいりました。チームの組織力、技術力、そして総合力を見ましても飛躍的な発展をしてきており、県内外のサッカー関係者から高い評価を受けております。これまでの御尽力に対し、関係者に心から敬意を表するものであります。
問題は、支援体制と専用サッカー場だけであります。せんだっての津嘉山教育長の御答弁は、県も検討はするけれども、市町村が主体となってやるべきだと思うという趣旨の御説明だったと理解をいたしております。
しかし私どもが申し上げたいのは、市町村ももちろん協力していただきますが、到底そのレベルの支援では沖縄からJリーグの誕生は無理でありますよと。そこで県が中心となって市町村行政、民間企業、その他あらゆる団体、個人の協力を得て初めて達成が可能になってくると思うからであります。ぜひ全県民の理解と協力を得てワッターウチナーヌJリーグを誕生させようではありませんか。もう手の届くところまで来ているんです。早ければ2年後には沖縄初のJリーグ入りが実現する運びとなります。
知事、いかがですか。先頭に立って旗を振るお考えはありませんか。知事さえその気になっていただければJリーグ誕生は間違いないと確信いたしますが、知事の御答弁をお願いいたします。
以上です。よろしく御答弁をお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの前島明男君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時2分休憩
午後1時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
答弁に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた副知事牧野浩隆君は、別用務のため本日午後の会議に出席できない旨の届け出がありました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 午前の前島明男君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 前島議員の御質問にお答えをいたします。
ブッシュ大統領の訪日目的、日米首脳会談及び小泉首相の基地問題に対する認識について一括してお答えいたします。
報道等によりますと、今回のブッシュ大統領の訪日は日米関係の重要性の確認、テロ問題に関する日本の協力へのお礼と今後の協力の確認及び日本の経済復興への今後の取り組み等を話し合うこと等が主要な目的であったと承知しております。
日米首脳会談において、小泉総理から沖縄の負担を軽減するため閣僚レベルの議論を提案され、ブッシュ大統領はこれにこたえて建設的な議論を行いたい旨述べたと聞いており、日米両首脳の沖縄の米軍基地問題への取り組みの姿勢を評価するとともに、今後、閣僚レベルの議論が積極的に行われることを期待するものであります。
次に、平和の礎への他県の方の刻銘についての御質問に一括してお答えいたします。
平和の礎は、国籍を問わず沖縄戦で亡くなられたすべての人々を刻銘することを基本方針としております。県としては、命と平和のとうとさを伝える平和の礎の理念に基づいて戦没者の刻銘を実施してきたところであります。現在、他県出身者で戦時中発病し沖縄戦終了後に亡くなられた方の刻銘申請が1件ありますが、この方は刻銘方針に合致しないため刻銘対象外となっております。
その他にも、他県の戦没者の中で刻銘対象外となっている方々の御遺族から刻銘についての要望があり、現在その実態把握に努めているところであります。今後は、礎の理念を踏まえ、刻銘対象期間外などの取り扱いについては前向きに検討していきたいと考えております。
次に、環境行政のうち、実効性の確保及び学校教育の位置づけについてお答えいたします。一括してお答えをいたします。
県民が一丸となって環境美化の全県的な運動を展開し、条例の実効性を確保するための推進体制の整備が非常に重要と考えております。
また、環境美化については小学校における低学年からの取り組みが重要であることから、市町村や教育機関と連携し、環境美化を含めた総合的な環境教育を強化していきたいと考えております。
次に、我が党の代表質問との関連についてということで、Jリーグへの参加支援についてお答えいたします。
本県からJリーグチームが誕生することは、青少年に夢と希望を与えることはもとより、県民にも大きな自信になるものと考えております。県内のフットボールクラブが九州リーグに昇格するなど、Jリーグ入りを目指し活躍していることは承知しており、早期のJリーグ昇格を期待するものであります。県としましては、これらの状況を見守りつつ、どのような支援が可能か、他県の動向も踏まえ支援方策について検討してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企業局長(與那嶺恒雄) 工業用水の需要とその実態調査及び将来計画について一括してお答えいたします。
本県の工業用水道事業は、金武湾地区及び中城湾地区に石油精製、アルミ精製、造船、機械工業等の企業立地を想定し、1日当たり10万5000立方メートルを供給することを目的として昭和47年に計画し、水源開発及び施設の建設を進めてまいりました。その結果、水源については6万3600立方メートル、浄水場等の基幹施設については計画のほぼ全部が完成しております。しかし、その後の産業構造の変化により用水多消費型の産業の立地が実現しなかったため、工業用水の契約水量は平成14年1月末現在で日量2万547立方メートルにとどまっており、未利用水を抱え経営的に厳しい状況にありますが、給水事業所は過去10年間で34社から70社へと大幅に増加しております。
また、平成12年度において、製造業の中で水道用水を使用している事業所を調査したところ、日量100立方メートル以上の事業所は10社で、合計で日量約3300立方メートルの需要があるということを確認しております。このため、これらの企業への給水計画については、今後、事業所の集積や事業拡大の状況、工業用水道事業の採算性等を総合的に勘案しながら検討していきたいと考えております。
さらに、向こう5年間の本管工事については、平成12年度に名護市西海岸地区工業用水道整備事業として1日当たり4100立方メートルの需要を見込み配水管布設工事に着手し、平成17年度の給水開始を目標に事業を進めております。
なお、今後の工業用水道整備事業の将来計画につきましては、産業振興施策と連携を図りつつ検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 完全学校週5日制の実施に伴う対策等々について一括してお答えをいたします。
完全学校週5日制は、子供たちを家庭や地域に帰し、ゆとりの中でさまざまな生活体験・自然体験等を通して豊かな人間形成を図り、健やかな成長を目指すものであります。
県教育委員会では、少年自然の家、青年の家、博物館等において低学年の幼児・児童生徒から中学生、高校生、親子、子供会等を対象としたさまざまな体験活動等の事業を推進をいたしております。
また、新たな事業として子ども放課後・週末活動推進事業及び学校内外を通じた奉仕活動・体験活動推進事業を市町村と協力して実施をしてまいります。
市町村教育委員会では、PTAや地域子供会、ボーイスカウト、ガールスカウト等の青少年育成団体等と連携・協力を図るとともに、公民館等の社会教育施設において子供たちの活動の場や機会の拡充に努めております。
また、学校週5日制の実施に当たっては、幼稚園、小学校低学年で土曜日に保護者が家庭にいない幼児・児童や、盲学校、聾学校及び養護学校等の児童等で保護者が希望する者などに対しては、必要に応じて遊び、スポーツ・文化活動等の場や機会の提供などを積極的に実施するよう市町村教育委員会に通知をし、その取り組み方をお願いをしているところであります。特に障害のある幼児・児童生徒については、保護者、教職員及びボランティア等の協力を得て地域の行事や市町村の社会教育施設及び児童館等の福祉施設、文化施設等におけるさまざまな活動への参加促進を図ってまいります。
なお、教職員においてはその専門性を生かし、地域住民の一員として地域の行事・活動に進んでかかわっていくよう求めてまいりたいと思っております。
次に、健やかな青少年をはぐくむ地域活動、体験活動の拡充についてでございます。
青少年に社会性や思いやりの心など豊かな人間性をはぐくむためには、ボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動などを経験させることが重要であります。
平成13年7月の社会教育法の改正により、これら体験活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励を県及び市町村教育委員会の事務として明記されております。県教育委員会としては、子供放送局や子供センターの設置を促進し、体験活動に関する情報を提供するとともに、「子どもゆめ基金」の活用により体験活動の場と機会の拡大に努めております。また、少年団体指導者研修会を実施をし、指導者の資質の向上や養成・確保に努めております。
青少年教育施設では、親子マリンキャンプや地域の自然体験等の主催事業の充実を図り、地域子供会等と連携してその利用を促進し、自然の中における豊かな体験活動を進めてまいります。
市町村においては、スポーツ施設や多目的広場、キャンプ場等を整備するとともに、離島キャンプや親子文化財めぐり、通学合宿等の地域特性を生かした事業を行っております。
さらに、新たな事業として平成14年度から県と市町村が連携し青少年体験活動推進事業を実施し、地域における推進体制の整備と地域教育力・スポーツ活動活性化モデル事業に取り組み、青少年の体験活動の充実に努めていく所存であります。
次に、家庭教育支援会議の設置促進についての御質問にお答えをいたします。
家庭教育支援会議は、各学校PTA関係者、学校職員、校区の自治会長、民生児童委員、警察関係者などで構成をされております。その機能としては、情報交換や意見交換を行い、家庭教育のあり方等に悩みを抱える保護者や児童生徒へ直接働きかけ助言・支援を行う家庭教育支援チームを編成し、必要に応じて専門機関への橋渡しを行うなど、家庭教育に悩む保護者や児童生徒を支援していこうとするものであります。
県教育委員会では、「地域の子どもは地域で育てる」という立場から、地域で積極的支援を行う家庭教育支援会議を県PTA連合会、県高等学校PTA連合会の協力を得て各学校PTA単位でその設置を促進しているところであります。平成13年7月現在の家庭教育支援会議等の設置状況は、小学校53%、中学校63%、高等学校54%となっており、引き続き設置促進に努めていきたいと考えております。
次に、高校生国際文化交流フェスティバルについての御質問にお答えをいたします。
本県は、かつてみずからの強い意思でアジア諸国の人々と親しく交流をし、現在の基礎となる豊かな文化をつくってまいりました。
県教育委員会としましては、そのような本県のアイデンティティーを発揮し、世界に目を向け21世紀を担う高校生が文化や平和を創造・発信し、国際社会の中で活躍できる人材の育成を目指し、高校生国際文化交流事業を平成4年度から推進をしているところであります。
平成14年度は復帰30周年の節目を迎え、これまで交流のあったシンガポール、中国などアジア諸国の高校生を交え、さらには今年度本県で開催予定の「九州地区高等学校文化連盟美術・工芸、書道、写真展沖縄大会」と併催することによって招聘国、九州各県及び本県高校生が本県に一堂に会し、より一層の交流の輪を広げていくことを目的に、この高校生国際文化交流フェスティバルを開催するものであります。
フェスティバルの内容につきましては、高校生の美術・工芸、書道、写真等の作品の展示会を開催し、その鑑賞会を行う中での交流、また絵画部門でのスケッチ大会、書道部門での揮毫大会、写真部門での撮影大会などを行い、高校生同士の交流を行う予定となっております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 世界一の長寿社会について、我が県と他府県の比較をしてどのような状況にあるのかとの御質問にお答えします。
厚生労働省が発表した100歳以上長寿者に関する調査によると、平成13年9月1日現在、人口10万人当たり100歳以上長寿者の比率は、全国平均が12.19人に対し本県は34.67人で全国1位となっており、復帰後連続1位の地位を保っております。また、厚生労働省人口動態統計によりますと、平成7年の都道府県別平均寿命上位3県は、女性が1位沖縄県、以下熊本県、島根県となっており、男性は1位が長野県、2位福井県、3位熊本県、沖縄県は4位となっております。
続きまして、今後も世界一を維持していくにはどのような課題があるのかとの御質問にお答えします。
近年、人口の急速な高齢化やライフスタイルの変化に伴い生活習慣病が増加しています。本県は、高齢者の平均余命は全国でもトップクラスにありますが、女性に比べ男性の壮年期の死亡率が全国平均よりも高くなっており、この傾向が続くと長寿県としての地位も危ういものになります。また、要介護者等の割合は全国が12.2%に対し本県は16.1%と高くなっており、今後の課題となっております。
このため、県では、痴呆や寝たきりにならない状態で生活できる期間、健康・長寿の延伸、壮年期死亡の減少等を目的として県民健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を策定いたしました。今後、この「健康おきなわ2010」に基づき健康・長寿社会を築いていきたいと考えております。
続きまして、世界長寿会議なる国際的イベントを企画する考えはないかとの御質問にお答えいたします。
県においては、WHO等海外も含めた保健・医療関係者等専門家により、沖縄県の長寿の検証と世界長寿地域であることの認証を行い、平成7年8月に「世界長寿地域宣言」を行いました。長寿の要因については、温暖な気候、伝統的な食材や生活習慣などさまざまな評価があり、それぞれの専門家等が集い、議論を重ねていくことは非常に有意義なことと考えております。
世界長寿会議の開催については、県のかかわり方、関係機関・団体との調整や財政面などのもろもろの課題があるため、今後とも検討していきたいと考えております。
それから、認可外保育施設の実態と支援について。
平成10年度から12年度までの認可外保育施設立入調査結果によりますと、保育に従事する者の数や有資格者数、保育室の面積など認可外保育施設に対する当面の指導基準をすべて満たした施設は、308カ所のうち18カ所で約6%となっております。
認可外保育施設の状況につきましては、児童福祉法の改正により本年10月1日から届け出制が実施されることになっていますので、今後、基本的な事項が十分に把握できるものと考えております。
認可外保育施設への支援としては、平成14年度新規事業で緊急地域雇用創出特別交付金を活用して地域の保育士や子育て経験者を臨時的に雇い上げ、認可外保育施設の保育環境を改善するための支援・指導を行う事業を予定しております。
また、認可外保育施設を利用している児童に対しては、県単独事業として健康診断費、歯科検診費、3歳未満児へのミルク代及び調理職員の検便にかかる経費の助成について予算を計上し、子供たちの健やかな育成を図りたいと考えております。
同じく認可外について、国へ支援を求めることについての御質問にお答えします。
国は、平成14年度予算要求において、保育所の待機児童ゼロ作戦の推進を図るため、保育所緊急整備等による保育所の受け入れ児童数の増大、認可外保育施設の認可保育所への移行準備を支援する事業の創設などの予算を計上し、都道府県に対し積極的かつ計画的な取り組みを求めております。
県といたしましては、これらを活用することとし、平成14年度の新規事業として10カ所の認可外保育施設の認可化を促進するための予算を計上したところであり、今後とも国と連携し待機児童解消に向けて取り組みを強化していきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 環境行政について、県警との連携についてお答えいたします。
「ちゅら島環境美化条例」には、空き缶・吸い殻等のごみの散乱の抑止効果を図るため罰則規定として罰金を設けております。条例の効果的な運用を図るため、今後、市町村と連携し、関係機関・団体の協力を得るとともに、県警察本部とも調整しながら、ごみの散乱防止のための推進体制を整備していきたいと考えております。
同じく環境行政について、20項目の測定が不可能及び物質の特定が困難な理由についてお答えいたします。
県では現在、タ-ル状物質中に人の健康に害を与える物質として国で定めた28項目の有害物質が含まれているかの分析を行っております。今回の分析に当たっては、国により定められた方法がないため一般的な分析方法である酸添加加熱法、吸着剤法、有機溶媒添加法を行いました。その結果、PCB等6項目の物質については分析ができました。六価クロム、ベンゼン等20項目の物質については、抽出分離ができず分析ができない状況であります。
なお、当該タ-ル状物質が特定できないのは、その成分を分析する際に必要な標準品がないことによるものであります。
以上であります。
○知事公室長(親川盛一) 環境行政についての中の、北谷町のドラム缶投棄問題に関する原因者の特定及び日米両政府の動向につきまして一括してお答えをいたしたいと思います。
ドラム缶に入ったタール状物質が発見された問題について、県は去る1月30日、北谷町や那覇防衛施設局、地主等の関係者と現地確認を行うとともに、対策会議に参加し意見交換を行いました。
2月1日には、この問題の対応について国として前向きに取り組むよう那覇防衛施設局に申し入れ、また米軍に対しては、米軍基地として使用されていた当時の諸資料や情報の提供について依頼をいたしました。
その後、2月6日に東京で知事が川口外務大臣にお会いした際、国として前向きに取り組んでいただくよう要請を行い、また2月11日に嶋口防衛施設庁長官が来県した際に、状況を一刻も早く改善すべく国が早期に対策をとるよう要請するとともに、今後、同様な問題が起こった場合の対応についてルール化しておく必要がある旨申し入れをいたしました。
さらに、2月12日に開催された三者協の場においても、国が早急に具体的な対応を講ずるよう、また米軍に対しては情報の提供を要請するとともに、今回のような事案が発生した際、米軍も含めた対応についてルールづくりをする必要があると申し入れたところであります。
なお、昨日、那覇防衛施設局長が定例記者懇談会で、この問題について国の責任で対処する旨を発表しております。県としては、今後の状況の進展を踏まえつつ適切に対応してまいりたいと考えております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 修学旅行及び一般旅行客、外国人旅行客の入り込み状況について一括してお答えします。
同時多発テロが発生しました昨年9月からことし1月までの修学旅行の入り込み状況は399校、8万5791人で、対前年同期比で学校数が40%、人数で41%となっております。
また、一般旅行客につきましては148万1000人で、対前年同期比94%となっております。
外国人観光客につきましては6万3800名で、対前年同期比96%となっております。外国人観光客のうち、台湾からの入域観光客数につきましては5万5500人で、対前年同期比96%となっております。
今後の誘客活動についてお答えします。
今後の誘客活動につきましては、昨今の旅行ニーズに即した個人旅行や少グループ旅行、国際会議を初めとする各種コンベンション等に重点を置いた誘客活動や新たな修学旅行市場の開拓、さらに本県と航空路線を有する海外からの誘客活動の強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、平成14年度観光リゾート局予算の前年度比較について。
平成14年度における観光リゾート局の予算は34億2656万4000円となっており、そのうち誘客キャンペーン関連予算は7億5005万6000円で、前年度比較1億1375万3000円、約18%の増となっております。
また、全体予算から沖縄コンベンションセンター施設整備等に係るハード事業を除いて前年度予算額と比較しますと、約38%の増加となっております。
全国ハーブサミットの内容と規模についてお答えします。
第11回全国ハーブサミットは、那覇市及び全国ハーブサミット連絡協議会の主催で、ハーブの持つ多種多様な効能を活用してまちづくりに取り組む自治体及び関係団体が一堂に集い、相互の情報交換やネットワークを確立することにより生活・文化の振興、産業振興、エコツーリズムの開発に資することを趣旨に開催されるものであります。規模については、全国自治体関係者を中心に500名の参加が予定されております。
次に、全国ハーブサミットに対する県の支援についてお答えします。
第11回全国ハーブサミットには県外から約400名の参加が予定されております。県としてどのような支援が可能か、検討してまいりたいと思います。
続きましてハーブフェスティバルの開催について。
ハーブフェスティバルにつきましては、国内先進地の取り組み状況や開催方法等を参考に、今後、関係部局と調整の上、検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○嘉陽 宗吉 一般質問に入ります前にまず苦言を呈しておきたいと思っております。
先日、県庁職員によって県庁内に持ち込まれた艦砲弾3発のうち、1発が不発弾だったということで大騒ぎになった問題については、去る24日に前代未聞の県庁10階で無事処理され、ほっとしたところでございます。その処理に当たっていただきました自衛隊並びに警察の皆さんに対して心から感謝を申し上げる次第でございます。
県庁職員として、今回の対応については余りにも不見識な適切さを欠いた対応だったと言わざるを得ません。はた迷惑も甚だしい事態でございます。
最近、不発弾が数多く処理されておりますが、これを契機に今後の危機管理体制のあり方について再確認をし、決してこのようなイージーミス、本当にイージーミスでございますけれども、これを惹起してはならないことを厳しく指摘をしておきたいと思います。
それでは、通告をしてありますとおり順を追って一般質問を行いますので、当局の誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げます。
まず1番目に、基地問題でございます。
全国の米軍基地、施設・区域の実に75%を占め恒常的に基地の重圧を強いられ、他府県には見られない米軍・軍属による事件・事故等が多発する問題を初め、実に多くの基地問題を抱えて苦悩しているのが沖縄の実態でございます。かかる課題を一身に受けて問題解決に日夜腐心、御苦労いただいている稲嶺知事に対し深甚なる敬意を表したいと存じます。
そこで、次の諸点についてお尋ねをいたします。
(1)、普天間飛行場の代替施設の建設についてでございますが、2月3日執行されました名護市長選挙の最大の争点は、同建設に対する市民の賛否を問う選挙として県内外から注目されましたが、岸本市長が圧勝し、代替施設の建設が容認される結果となりました。その評価と今後の取り組みに対する知事の決意のほどを伺います。
(2)、使用期限問題については、日米地位協定の見直しも含めて米国の厚い壁を打破するのは極めて困難と思われるが、着々と進行する建設計画を踏まえて知事はどのような形で、どのような時点で政治決断をなさるのか、お伺いをいたします。
(3)、爆音被害公平補償の問題については、知事はあらゆる機会を通してその実現方に向けて御尽力いただいているわけでありますが、その進捗状況と今後、具体的な解決策として知事を先頭に関係者による関係省庁への要請行動を展開する必要があると考えますが、知事の御所見を賜ります。
(4)、住宅防音工事対策として全室防音化と対象区域の拡大、見直しについて伺います。
基地周辺住宅防音対策については、環境整備法の成立以降30年が経過した今日でも旧態依然の騒音対策が実施をされているのが現状でございます。工事対象居室は家族構成によって設定されているわけでございますが、現行では5室未満となっております。出産等により子供がふえた場合であれ、居室がフルに使用できるような対象居室を全室防音化に拡大、見直しをする必要があると思うがどうでしょうか。あわせて、防音対象区域の拡大についても検討の時期に来ていると思いますが、いかがでしょうか。
(5)、キャンプ・ハンセン内での特殊部隊の対テロ訓練施設の建設計画についての最近の情報はどのように把握されておりますか。また、そのことが事実だとすれば沖縄の現状に逆行することであり断固反対すべきと思うが、知事の御所見を賜ります。
(6)、北谷の返還基地跡地で見つかったドラム缶の油状の物質による土壌汚染問題は、今後の基地返還に向けて環境浄化の責任の明確化ときちんとした法整備が急務の課題と考えますが、その対応策についてどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
(7)、軍転法の10年延長については、閣法として延長する方針であるが、土地連は給付金支給期間を現行の3年から7年に延長する制度拡充を求めているが、この点についてはどう措置されるのか、その見通しについてお尋ねをいたします。
次、2番目に、農林行政についてお伺いをいたします。
(1)、県単一JA合併の実現に伴う今後の課題と支援策についてでございます。
一時心配されました県単一JAの合併については、最終的にJA真和志の参加により県内27JAの足並みがそろい、いよいよ4月1日をめどに新生県単一JAとして船出をすることになりました。
近年、農協や農業を取り巻く環境は大変厳しく、中には黒字経営のJAもありますが、相対的には財務悪化の状況の中で27JAの平成13年度の財務状況では累積赤字処理額は、何と348億に上るようでございます。このような危機的状況を打開し沖縄の農業を守る視点から、このたびの単一JA合併による全国支援を主軸に関係者の理解と協力のもと、JAの再構築を目指すことは21世紀に向けた県農業の変革のチャンスと位置づけたいものでございます。
JAの今後の経営のあり方については、これまでの経営体質を真剣に反省すべきは反省し、JAを取り巻く厳しい環境を乗り越えるための再建計画を明確に示し、真に沖縄農業の振興と農家に信頼される農家のためのJAの確立を目指すことが緊急の課題と考えます。
そこで、次の件についてお尋ねをいたします。
(1)つ、JA全体の債務超過総額はおおむね270億と言われてきましたが、最近の新聞報道では実に348億となっております。なぜこのような累積赤字を抱えるようになったのか、その原因について県民に明らかにするとともに経営責任を明確にすべきものと考えるが、御見解を賜りたい。
次に、単一JAの果たす役割は、沖縄農業経済の振興と農家所得の向上を図り、サラリーマンとの所得格差をどう是正していくか重要な課題でございます。新生県単一JAの姿勢として、農家に信頼される農家のための健全な農協を目指すため、今後の経営計画と財務計画について県はどのような指導・助言を行っていくのか、伺いたい。
次、単一JAの使命と経営の健全化を推進していくためには思い切った改革も必要と考えます。今後、職員の雇用問題が焦点になってくると思うが、この取り組みの方向性について伺いたいと思います。
次に、出荷農産物に対する農家手数料が生産費の中でかなりの高いウエートを占め、農家収益を圧迫していると言われておりますが、その実態と改善策について伺います。
次、単一JAの今後の経営基盤の確立を図っていく上で県はどのようにかかわっていくのか、また具体的な支援策についてお尋ねをいたします。
(2)でございます。松くい虫根絶5カ年計画の実施と実効性についてお尋ねいたします。
松くい虫の駆除対策については、これまでおよそ3億円程度の予算で実施されてきましたが、具体的な成果が期待できず、毎年申しわけ程度の施策が展開され、まるでイタチごっこを演じている状況で、その実効性が問われてきました。
今次大戦で焦土と化した沖縄の緑化については、今日までさまざまな形で推進をされてきました。緑の羽募金で象徴される県民緑化推進事業や修景緑化、CGG運動、県民一鉢運動等々の県民ぐるみの取り組みが今日の緑を守り育ててきました。しかしながら、観光立県を目指す視点から県木であるリュウキュウマツの無残な枯れ木の姿を見るにつけ、それを皮肉ってある観光団はこのように言っております。沖縄の松は真夏に見事に紅葉するんですねと、こういうふうにやゆしてございます。この情景は、まさしく県民の心の荒廃をさらけ出しているのにひとしく、観光立県としてまことに嘆かわしい状況で、その対策が強く求められてきました。
新年度から5カ年計画でリュウキュウマツを保全する目的で「松くい虫ゼロ大作戦」を画期的に実施されることに賛意を表するとともに、この際、徹底的に大作戦を展開し、真に実効性のあるものにしていただきたく強く訴えるものでございます。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
ア、これまで松くい虫の防除対策については年間3億円程度の予算で関係市町村に助成し実施されてきましたが、その効果はほとんど期待できず恒常的悪循環を繰り返し、決定打を放つことはできなかった。これまでの反省を踏まえ、きちっとした実施計画、目標を立てて精力的に取り組む必要があると考えます。
そこで、次のものもお尋ねをいたします。
イ、5カ年で15億を投じて画期的な「松くい虫ゼロ大作戦」を展開するわけでありますが、関係市町村に対する予算配分と市町村の負担金についてどのように考えていますか。
ウ、実効性あらしめるための基地関係者を含めた松くい虫対策推進協議会なるものを設置してはいかがでしょうか。
エ、県木であるリュウキュウマツを保全し観光立県を目指す立場から、松くい虫の根絶を実現すれば百年の大計としてリュウキュウマツを計画植樹した蔡温のような第2の蔡温が誕生することになると思うが、農林水産部長、ひとつ元気を出して決意のほどを伺いたいと思います。
そこで、実は今、緑の羽の募金運動の期間中でございますけれども、実は私、先ほど自分の席にこの緑の羽が置かれてございました。こう見てまいりますと、ほとんどの皆さんがこれをつけておりません。そういう意味からしますと、これは期間中はぜひつけていただいて県民に対するアピールをしていただかないと困る、こういうふうに思うわけでございます。知事、いかがでしょうか。
次は3番目でございますが、市町村合併の促進と支援策についてお伺いをいたします。
国や県は市町村の行財政基盤を強化し、地方分権を担う受け皿として整備する観点から市町村合併が推進されてきました。合併の必要性とメリット、デメリットについての住民の認知度と、行政や議会がどう本腰を入れて取り組むか、合併促進の大きなかぎを握ることになるのではないでしょうか。4月にはいよいよ具志川・仲里両村が合併をして新生久米島町が誕生することになり、本県では久しくなかった合併が現実のものとなってまいります。
これらに呼応するかのように、合併問題は各地域で真剣に議論されるようになってきており、地方分権が進む中、また地方財政の厳しさと相まって住民サービスの維持向上を図るためには避けて通れない行政課題であると受けとめる市町村がふえてきております。市町村合併の特例に関する法律の期限である平成17年度までには多くの市町村の合併が実現するよう願うものでございます。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
市町村合併を促進する意義と、県は具体的にどのような取り組みをしているのか。
(2)、久米島両村の合併に当たってはどのような支援を行ってきたのか。
(3)、市町村合併に向けた任意協議会の運営費についてはどのように助成しているのか。
(4)、合併特例法による合併市町村への支援措置はどのようなものがあるか。
(5)、合併特例法の期限の平成17年3月まであと3年しかなく、期限以内の達成を目指すためには県の積極的な支援策として協議会への県職員の派遣が急務と考えますが、いかがでしょうか。
次は、環金武湾問題でございます。
金武湾を取り巻く市町村は6市町村でございまして、健康・長寿をテーマに県内では初めての広域的なまちづくり構想を策定してその実現に向けて取り組んでおります。国は、同構想に強い関心を示して第2次補正予算でその拠点施設である沖縄健康バイオ開発拠点の整備のための建設費として27億円を計上して具志川市に建設することになっております。このたびの国、県の特段の御配慮に対し感謝を申し上げたいと存じます。
世界的に注目をされる沖縄の健康・長寿を研究するとともに、これらを培ってきた県内の薬草等の資源を活用して産学官が連携して薬品、食品等の高付加価値商品の開発や産業振興による雇用拡大が大きく期待できるまさに地方分権にふさわしい地域振興型のプロジェクトであると私は考えます。
そこでお尋ねをいたします。
同構想に対する県の評価と支援策について伺います。
(2)、健康バイオ研究開発拠点整備事業の建設場所については、金武湾に面した宇堅ビーチ周辺が最も適地であると考えますが、どこを予定しているのか。また規模、事業、内容等について御説明をいただきたい。
(3)、環金武湾振興プロジェクト構想と健康バイオ研究開発拠点整備事業との整合性についてどのように考えているか。
(4)、健康バイオ研究開発拠点事業の今後のスケジュール、設置主体、運営体制はどのように考えていますか。
(5)、同構想の実現に向けてはどうしても国、県の支援体制が不可欠であり、次期振興計画に確実に盛り込んで年次計画で同構想を着実に推進できる方向性を確立していただきたいと考えますが、知事の御所見を賜ります。
次は、ペイオフ解禁についてでございます。時間の関係で質問事項だけを申し上げます。
(1)つ、県は、ペイオフ解禁に伴う対応策についてどのような自己防衛策を講じていますか。
(2)、県内市町村のペイオフ対策についてどのような手法を講じているのか、その実態把握はされていますか。
(3)、ペイオフ解禁対策についての研究班を設置して調査・研究、情報収集等を行い、徹底的に分析をして公金の安全性を確保することが急務であると考えますが、いかがでしょうか。
(4)、預金者の犠牲を防止するための情報開示についてはどう対処されますか、お伺いします。
次は6点として、緊急地域雇用創出特別交付金事業の円滑な実施と実効性についてでございます。
まず(1)点目に、当該事業の実施について全庁的な取り組みをしていると思うが、13年度は1月から3月までの短期間ではあるが、どの程度の雇用効果を予測しているのか。また、県と各市町村別の対応はどのようになっていますか。
(2)、新年度における同事業の予算はおおむね45億となっているが、県、市町村別の雇用創出の効果はどう予測しているのか。また、職種別にはどうなっていますか。
(3)、同事業費の総額は70億であるが、実効性のある雇用対策を綿密に計画し、バランスよく県民がその恩恵に浴するような取り組みを展開していただきたいと思うが、その方策について伺います。
(4)点目に、実効性のある予算執行の今後のスケジュールについて御説明をいただきたいと思います。
以上でございます。
よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽議員の御質問にお答えします。
最初は、名護市長選挙の評価と今後の取り組みについてでございます。
普天間飛行場の移設問題については、名護市長は普天間飛行場の代替施設の受け入れを決断され、今回、同施設の建設位置、規模についての考え方を明確にして当選されており、県としては岸本市長の当選を喜ぶとともに、今後とも連携を密にしていきたいと考えております。
代替施設の移設に係る基本計画の策定については、「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に基づき早期に基本計画の策定がなされるよう、名護市等とも連携を図り取り組んでまいります。また、15年使用期限問題や名護市が求めている使用協定など、県の移設に当たって整備すべき条件や名護市の受け入れ条件については、今後とも名護市長と連携し一体となってその実現に向け努力していく考えであります。
続いて、使用期限問題の決断についてお答えをいたします。
15年使用期限問題については、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
次に、環境浄化責任を明確にした法整備等への取り組みについてお答えをいたします。
返還合意がなされた施設について返還前の環境浄化を義務づけることは、近々、現行の軍転特措法施行令が改正され、基地の提供責任者である国の責務として新たに汚染物質の調査及び除去、不発弾の調査及び除去等が規定されるものと承知しております。
なお、県は平成12年8月、日米両政府に対し行った日米地位協定の見直しに関する要請の中で、米軍への日本の環境法の適用、返還前の環境調査及び環境浄化等原状回復措置の義務づけ等環境条項を新たに設けることを求めています。今後とも日米地位協定の抜本的な見直しを粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
次に、農林行政について、県単一JAの経営基盤の確立に関する支援についてお答えをいたします。
県においては、地域農業の発展と農家所得の向上を図る観点から、県単一JAを支援し経営基盤の強化を図る考えであります。具体的には、農協中央会に設置する「JA合併支援基金」に対し利子補給による支援を行う計画であります。
また、県、市町村及び関係機関で構成する「県単一JA経営健全化管理委員会」(仮称)を設置し、県単一JAの経営基盤の強化に向けて支援する考えであります。
さらに、県単一JAが策定した「JA沖縄農業戦略」の実現に向けて、関係市町村とも連携して、
1、担い手育成と営農指導の強化、2、生産体制の強化、3、生産資材・流通コストの低減等を図り、農家組合員へのサービスの向上と農家経営の安定・向上に取り組んでいく考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○出納長(嘉数昇明) 嘉陽宗吉議員からペイオフ解禁への対応策について4点の御質問をいただいておりますが、そのうちの2点について私よりお答えさせていただきます。
まず、ペイオフ解禁に伴う自己防衛策及び公的資金の安全性の確保についての2つの御質問に一括してお答えをいたします。
県の公金は、公共の福祉を実現するための県民全体の共有財産であることから、ペイオフ解禁への対策としては金融機関の経営状況を的確に把握しながら公金の安全かつ確実な管理・運用に努める必要があります。そのため、県においては平成13年10月、庁内に「ペイオフ解禁対応方策研究会」を設置し、昨年3月、総務省が取りまとめた「地方公共団体におけるペイオフ解禁への対応方策研究会」の検討内容や他の都道府県の対応状況等を参考にしながら鋭意検討を行っております。
本県におけるペイオフ対策の基本は、公金の管理・運用に当たり公金預金に損失が生じ、県の財政運営に支障を来すことがないよう安全性及び確実性を最優先することと、対応方策の実施により県民生活や地域経済に重大な影響を与えることのないよう配慮することとしております。
具体的には、現行の県公金の資金管理制度を踏まえ、1つ、金融機関の経営指標等に基づく経営分析手法を確立し、情報収集等を適時・的確に行いながら金融機関の安全度を把握する。また、体制整備として金融機関の知識を有する人材の育成・確保を図る。2つ、保険事故が発生した場合には預金債権と借入金債務とを相殺することなどについて対応方策を検討しているところであります。
金融機関の経営状況の悪化次第では、より安全度の高い金融機関に公金を預けがえすることも考えられますが、そのこと自体が他の預金者の預金流出などで金融機関の経営破綻を招き、地域経済や県民生活に重大な影響を与える可能性もあり、慎重な対応が必要であると考えております。
以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 基地問題についての3つの質問事項について順次お答えいたします。
まず、公平補償問題に関する関係省庁への要請行動についての御質問でございます。お答えいたします。
県は、嘉手納基地周辺地域に居住し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民も訴訟参加者と同様に受忍限度を超える騒音被害をこうむっていると認識しており、平成12年10月20日、那覇防衛施設局に対し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民の受忍限度を超える過去の騒音被害に対し適切な措置を講じるよう要請をいたしました。
また、この件については、平成12年12月に来県された当時の橋本沖縄開発庁長官や斉藤防衛庁長官に要請を行うとともに、昨年8月24日に来県された中谷防衛庁長官に対しても同様な要請を行ったところであります。
国は、今後のとるべき施策を検討するため部外の有識者による「飛行場周辺における環境整備の在り方に関する懇談会」を設置し、ことし春を目途に取りまとめることとしており、昨年9月28日の第1回会合以来、現在までに5回の会合が開催されたと承知しております。会合では、いわゆる公平補償に関する議論も行われ、公平補償問題とハンセン病訴訟判決等との整理、訴訟に対応する予算と訴訟に関係なく対応する予算の整理と確保、訴えていない人の不満解消についての検討の必要性等が話し合われたと承知しております。
なお、けさ、当該懇談会の座長以下3名の委員が来庁され公平補償問題について意見交換を行いましたが、県はその際、嘉手納基地周辺住民の騒音被害の状況、広大かつ過密な米軍基地が集中する沖縄県においては、航空機騒音の影響を受けずに居住できる地域が限られ、居住地選択の余地が少なく、基地周辺に居住せざるを得ない人々が多数いるという沖縄の特殊事情等について説明をし、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民の受忍限度を超える過去の騒音被害に対する適切な措置の必要性を強く申し上げたところでございます。
次に、全住宅防音化及び対象区域の拡大についての御質問にお答えをいたします。
米軍基地に起因する航空機騒音は、周辺地域における住民生活に多大な影響を与えていることから、県としても騒音対策の充実・強化は重要な課題であるとの認識に立って、平成12年10月20日に防音工事区域の拡大及び空調機器の維持管理費の全額国庫負担を、同年11月21日には騒音指定区域の見直し等を那覇防衛施設局に対してそれぞれ要請をしたところであります。県としては、今後とも防音工事区域の拡大や空調機器の維持管理費補助の拡大など、渉外知事会や軍転協の要請等あらゆる機会を通して国に強く求めていきたいと考えております。
防衛施設庁は、平成14年度予算に住宅防音工事を実施した生活保護世帯のエアコンの稼働電力費を太陽光発電によって賄うため、試験的に嘉手納飛行場周辺の約400世帯の生活保護世帯に電力を供給する事業や、騒音区域指定告示後に建設された住宅への防音工事の助成などの事業を概算要求していることを確認しております。
次に、米陸軍の訓練施設建設計画についての御質問にお答えいたします。
県は、今回の米陸軍の訓練施設建設についてのマスコミの報道があった12月21日、施設の建設位置、施設の具体的な規模、またその内容、施設を使って行われる訓練の内容などの事実関係を在沖米軍、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局に確認をいたしたところ、外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局からは調査中であるとの回答があり、米軍からは、当該施設は既存の訓練施設の建てかえであり、キャンプ・ハンセン南側に建設する予定である、現時点で提供できる情報は以上であるとの回答がございました。県としては、今後、さきに照会している事項の詳細を把握した時点、あるいは同施設が県民生活及び産業経済に影響を与えることが明らかになれば、その時点で厳しく対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 給付金支給期間の7年延長についてお答えいたします。
軍転特措法は、閣法として10年延長されますが、単純延長となるため給付金の支給期間は現行どおり3年となります。土地連の求める支給期間の延長については、沖縄振興特別措置法(案)において大規模跡地及び特定跡地についてそれぞれ3年を超えて特例措置として延長されることになっておりますが、具体的な延長期間については政令で定めることになっております。
次に、環金武湾振興プロジェクト構想について一括してお答えいたします。
みずからの地域の活性化を図るため関係6市町村が連携しプロジェクト構想に取り組んでいることは、大きな意義があるものと考えております。同構想は、今後関係市町村において基本計画、実施計画が作成される中で具体的な施策・事業、実施主体など検討すべき多くの課題が示されるものと考えております。
今後、これらの課題が早期に整理されるよう地域とも連携を図りながら、圏域別振興への位置づけについて検討していきたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農林行政に関して、JAの債務超過の原因と経営責任についてお答えいたします。
県内の9JAが債務超過に陥った主な要因としては、バブル期に貸し付けた債権が不良債権化したこと、長引く景気低迷による担保資産価値が低下したこと、農業者の経営不振による未収金の発生等が挙げられます。債務超過JAにおける経営責任については、弁護士や組合員代表で構成する「経営責任検討委員会」において事案ごとに刑事、民事及び道義的責任について明らかにしていくこととしております。
次に、JAの経営計画、財務計画に対する指導・助言についてお答えいたします。
県単一JAの経営計画においては、事業の効率化と専門性を重視し、農協本来の役割である組合員へのサービスの向上と農家所得の安定・向上に資することとしております。このため、事業実施に当たっては、経済事業、信用事業などの組織体制を整備し、効率的な事業運営を行うこととしております。また、地域と組合員のより密接な連携を図るため、市町村単位の53支店と県下5地区に営農センターを設置することとしております。県としては、県単一JA経営健全化管理委員会(仮称)の設置を通して多面的な経営指導に努めていきたいと考えております。
次に、JA職員の雇用問題についてお答えいたします。
県単一JAの経営計画においては、27JAの職員約2800名が県単一JAに引き継がれることとなっております。
合併後の要員計画については、Aコープなどが独立した会社になること等によりまして約380名が外部へ移籍するほか、約220名が定年退職や勧奨退職等によりまして減員となります。
県単一JAの雇用対策については、JAの自主性を尊重しつつ、農家・組合員のためのJAという基本理念に立って労使が協調して事業運営に取り組めるよう指導してまいりたいと考えております。
次に、農産物の農協手数料の実態と改善についてお答えいたします。
県単一JAの経営計画においては、農産物の一元出荷・多元販売やコスト削減など事業の効率化を図ることとしております。
農協及び連合会の販売手数料においては、現在、県外出荷が5.3%、県内出荷が3.3%程度となっております。県単一JAの実現によって集荷・販売システムの効率化が図られコスト低減が可能となることから、販売手数料を引き下げ、組合員へのメリット還元を図る計画となっております。
次に、松くい虫防除対策の取り組み、市町村に対する予算措置、松くい虫対策推進協議会の設置について一括してお答えさせていただきます。
県においては、松くい虫の根絶を図るため「沖縄県松くい虫の防除に関する条例」を制定し、全県的に取り組んでまいりたいと考えております。本条例では、松くい虫の防除に関して総合的かつ広域的な施策の推進に関する県の責務を規定するとともに、自主防除に関する松林所有者等の責務、さらに被害拡大の防止を図るため移動や利用の制限に関する規定を定めております。
また、平成14年度から「沖縄県松くい虫被害対策事業推進計画」に基づき防除を実施してまいります。計画の主な内容は、高度公益機能森林、地区保全森林、「その他松林」ごとの防除計画、松林ごとの防除方法に関する計画、米軍施設・区域内などの防除に関する事項などであります。
松くい虫の根絶に当たっては、被害の状況に応じて所要の予算を確保し、市町村と連携をして徹底防除を行うことが必要不可欠であります。
市町村が実施する地区保全森林については、国庫補助事業により防除してまいります。
「その他松林」については、緊急地域雇用創出特別事業等を活用して支援を行っていく考えであります。
また、基地内での松くい虫防除については、従来から米軍及び那覇防衛施設局において予算措置がなされ、県と連携して実施をしているところであります。県としては、今後、国、市町村、米軍、関係団体等で構成する実施本部を設置し、県民参加の「松くい虫ゼロ大作戦」を展開していく考えであります。
次に、松くい虫根絶への決意についてお答えいたします。
琉球王朝時代から植林されました貴重な松林を守ることは、私たちの使命であると考えております。今後とも、県木であるリュウキュウマツを保全し沖縄らしい景観を維持するとともに、県土の緑化に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問にお答えをいたします。
まず第1番目に、市町村合併を促進する意義と県の取り組みについてという御質問にお答えをいたします。
地方分権の推進や少子・高齢化の進展等に的確に対応しつつ、行政サービスの水準を維持していくためには、市町村合併を通して本県市町村の自立性と行財政基盤の充実・強化を図る必要があると考えております。
県では、昨年5月に市町村合併支援本部を設置し全庁的な支援体制を整えるとともに、合併重点支援地域を指定し、これらの地域において速やかに合併についての具体的な議論が深められるよう支援措置を講じたところであります。また、関係市町村長との意見交換会の実施や民間団体が実施する合併の機運づくりのための取り組みへの助成、市町村議会議員の研修会等にも職員を派遣し説明を行うなど、地域における合併の議論が深まり広がるよう積極的に働きかけているところであります。
次に、久米島両村の合併に対する支援についてお答えをいたします。
県においては、これまで具志川村・仲里村合併協議会に対し、運営費、活動費の補助や委員の派遣などを行ってまいりました。また、県の合併支援本部において補助金の優先的配分や重点的な実施を決定したほか、合併重点支援地域に指定し、国の「市町村合併支援プラン」が受けられるようにするとともに、合併後の支援策も決定したところです。
さらに、条例・規則の制定や予算編成方針、電算システムの統合、選挙事務などについて県と両村との合同調整会議を行うなど、両村の合併が円滑に進むようあらゆる支援を行ってきたところであります。
次に、任意協議会の運営に対する助成についてお答えをいたします。
任意の合併協議会に対する県の支援策としては、啓発事業の重点的実施、調査・研究等に対する支援、合併協議会への参画などのほか、合併の準備に係る事業に対する交付金制度があります。現在、具志川・与勝地域において任意の合併協議会が設置されており、県は当協議会の行う住民への啓発活動や運営に要する経費等を支援するため合併支援交付金を交付したところであります。また、3市町の具体的な合併の効果や課題等についての分析・調査も当協議会と連携しながら実施しているところであります。
次に、合併特例法による合併市町村への支援措置についてお答えをいたします。
平成11年7月に「市町村の合併の特例に関する法律」、いわゆる合併特例法の一部が改正され、財政上、制度上のさまざまな支援策が拡充されています。
具体的には、市町村建設計画に基づく一定の事業に要する経費及び一定の基金の積み立てに要する経費について合併後10年度間は地方債を充当し、元利償還金の70%が普通交付税で措置される合併特例債があります。また、合併後10年度間は合併しなかった場合の普通交付税額を保障し、その後5年度は激減緩和措置を行う合併算定がえの特例等があります。
制度的な支援策としては、旧市町村単位に設置する地域審議会や議会議員の定数及び在任特例並びに退職年金に関する特例などがあります。
次に、協議会への県職員の派遣についてお答えいたします。
県は、合併支援本部において合併の実現が円滑に進められるよう、また速やかに合併協議会が設置され合併についての具体的な議論が深められるよう合併重点支援地域の指定を行い、合併協議会事務局への職員の派遣等について決定したところです。現在、重点支援地域に指定した3地域との間で職員の派遣方法等について調整を行っているところであります。
次に、ペイオフ解禁による対応策についてお答えをいたします。市町村のペイオフ対策でございます。
県としましては、ペイオフの解禁が市町村に及ぼす影響が大きいと考えられることから、これまで各種の説明会等において国の対応方策等の検討状況を説明するとともに、各市町村においても検討を行い、地域や市町村の実情に応じ適切に対応するよう助言等を行ってきたところであります。
なお、平成14年2月に実施した調査によりますと、市町村においては定期預金から普通預金への切りかえや預け入れ金融機関の分散、預金債権と借入金債務との相殺等が検討されており、引き続き適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 健康バイオ研究開発拠点整備事業の建設場所、規模、事業内容についてお答えをします。
健康バイオ研究開発拠点整備事業は、健康食品・バイオ関連産業のさらなる振興を図るため、健康食品等の機能性に関する科学的な裏づけや研究開発による商品の高付加価値化、新商品開発を支援していくことを目的としております。具体的には、健康食品やバイオ関連企業が入居して研究開発や実証開発を行うインキュベート施設として整備していきたいと考えております。
設置場所については、同事業が国において現在の厳しい経済への即効性が高く、早期執行が可能な事業として採択されたものであることから、現況において使用可能な用地である必要があります。
また、沖縄県工業技術センターや株式会社トロピカルテクノセンターとの連携を図る必要があることから、具志川市の中城湾港新港地区内とする方向で調整を進めております。
なお、規模や具体的な内容等については、現在、健康食品関連企業や学識経験者等から成る整備検討チームを設置して検討を進めているところであります。
次に、環金武湾振興プロジェクト構想との整合性についての御質問にお答えします。
県は、平成9年に「沖縄県産業創造アクションプログラム」を策定し、その基本コンセプトである「ウェルネスアイランド沖縄」の実現を図るため健康食品産業を本県の中核産業の一つとして位置づけ、その振興を重点的に促進してまいりました。
健康バイオ研究開発拠点整備事業は、このような流れを踏まえ、健康バイオ関連産業の一層の発展を促進するための研究開発支援施設として整備し、同分野における実証的研究開発等を支援することによって産業クラスターの形成を促進しようとするものであります。
また、同研究開発拠点の整備と沖縄県工業技術センター、株式会社トロピカルテクノセンター等との有機的な連携を図ることにより、研究開発拠点の集積の効果が期待できるものと考えております。
一方、「環金武湾振興QOLプロジェクト構想」は、金武湾を取り巻く6市町村が健康・長寿をテーマとした研究、開発、実践、情報、交流の5つのクラスター形成を推進することにより、地域を活性化させようという地域振興計画であると認識しております。このことから、環金武湾構想が目指す方向性と、今回県が進める健康バイオ研究開発拠点整備事業の位置づけ、目的は、基本的には一致するものであると考えております。
次に、今後のスケジュール、設置主体、運営体制についてお答えします。
今後のスケジュールにつきましては、2月補正予算成立後、設計を発注し、次年度の早い時期に建設工事に着手したいと考えております。竣工は、平成15年3月末を目途としております。なお、設置主体は沖縄県となります。
運営体制につきましては、同施設の機能、運営方法、入居する企業の利便性等を勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、ペイオフ解禁関連で預金者保護に係る情報開示についてお答えします。
金融機関の財務内容等の透明性の確保については、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」において資産の査定の報告及び公表が義務づけられております。県内の各金融機関においては、ディスクロージャー誌の作成による情報開示、顧客訪問や各地域での説明会等を積極的に実施し、ペイオフ解禁に伴う混乱が生じないよう万全の対策に取り組んでいるところであります。
次に、緊急地域雇用創出特別事業の平成13年度及び平成14年度の雇用効果と職種別の状況についての御質問にお答えします。
平成13年度12月補正分として本年度実施をする交付金事業は、県分が3億6172万7000円で新規雇用者数は536名、市町村分が1億210万9000円で新規雇用者数は205名、合計4億6383万6000円で新規雇用者数は741名となっております。主な職種は、環境美化事業や松くい虫防除事業等への就労で325人、教員補助者等小中学校への配置で145人、交通安全指導員等治安・防災関係で94人となっております。
また、平成14年度は県分が14億6192万3000円で新規雇用者数は1070名、市町村分が11億1542万9000円で新規雇用者数は1333名、合計で25億7735万2000円で新規雇用者数は2403名となっております。主な職種は環境美化事業等への就労で713人、教員補助者等の配置で354人、治安・防災関係で92人となっております。
次に、同じく緊急地域雇用創出特別事業関係で、バランスのよい事業計画の策定と実効性のある予算執行についての御質問にお答えします。
緊急地域雇用創出特別交付金事業は、現下の厳しい雇用状況から公的部門において臨時・応急の雇用機会を創出することを目的として実施されるものであり、より多くの失業者の就業機会を確保する観点から、地域の実情に応じた多様な事業を実施することが重要であると考えております。
このため、平成14年度においても地域振興、教育、福祉、環境、治安・防災等の分野で184の事業を計画しているところであります。事業実施に当たっては、県、市町村合同の面接会を各地域において開催するとともに、四半期ごとに事業の実施状況を確認し、事業効果をより高めるよう努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○嘉陽 宗吉 議長、休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時50分休憩
午後2時52分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
嘉陽宗吉君。
〔嘉陽宗吉君登壇〕
○嘉陽 宗吉 ちょっと時間がございますので再質問をいたします。
親川知事公室長、全室防音化でございますけれども、御承知のように今世帯人数の構成によって部屋の防音が違うということなんですね。
これはある面では、1人の場合が2室、2人の場合が3、3人の場合が4、4人以上が5室未満ということになっているわけですから、これはある面では人数プラス室数ということなんですね。それからすると4人以上もぜひ全室お願いしたいということなんです。
終わります。
○知事公室長(親川盛一) ただいまの再質問にお答えいたします。
その点も含めまして防衛施設局と今後詰めていきたいということでございます。
○平仲 善幸 今議会の一般質問のしんがりであります。しばらくの間、おつき合いのほどをよろしくお願いを申し上げたいと思います。
それでは県知事に敬意を表し一般質問を行いたいと思います。
まず、道路行政のあり方について質問をいたします。
昭和47年本土復帰以来、3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく各種施策が強力に推進されたことにより本県の社会資本は着実に整備され、県民生活の向上に大きく寄与してきたことは各方面から評価されているところであります。特に、道路整備は国道58号に見られるように県道や市町村道を含めて延長、植栽など質を含めてその整備は毎年充実されてきております。
また、高速道路が空港へとつながり、モノレールも開通が間もなくであります。国道58号は「名護マガイ」もなくなり、ロード・パークとして充実した整備がなされております。
1次から3次にわたる沖縄振興開発計画を着実に実行してきた国の施策と、これを推進してきた県や市町村の担当者の御努力を大いに評価をするものであります。「すべての道はローマに通ず」ということわざがあります。道路は人間社会の動脈であり、生活、産業、文化の交流の源であると認識をして、また皆さん方に頑張っていただくことをお願いをしたいと思います。
そこで、これまでの道路づくりを多とし評価するものでありますが、ここで一歩踏みとどまって道路行政のこれからについて一考をお願いしたいのであります。沖縄県のこれまでの道路行政は格差是正、本土水準への追いつき、それが行政のその中身であり、同時にそれは自動車のための道路づくりであったであろうと思います。モータリゼーションの進歩に合わせて、そこに比重を置いた道路行政が展開をされてきたのであります。
これまでの行政のあり方から大きく転換をし、人間が歩く道路づくり、歩きやすい道路、つまり歩行者のための空間を道路行政の上で思い切り確保する、このことがこれからの道路行政に求められている施策であると考えるからであります。21世紀は、人間性の復権に向けた施策が強く求められているところであります。環境政策の一環として、健康づくりの一環として、また快適なまちづくりと都市計画の観点からも歩行者のための空間づくりが総合的なプログラムを策定して進められるべきだと考えます。
このような視点で町の中を歩いてみたら、いろんな事実に遭遇する点があります。例えば、朝の通勤時に町の中を歩いてみたら、歩いている人はほとんどいない。皆、車に乗っているのであります。車に乗る理由はそれぞれ合理的な理由があるでしょうが、それにしても町の中を歩いている人が驚くほど少ないのであります。車の方が安全で快適で、しかも早く目的地に着ける等の理由は当然にうかがい知るのであります。行政が環境、保健、まちづくりという観点から人々を道路に呼び戻す施策が今必要であると考えるからであります。
問題は、道路行政が人々を路上に呼び戻す努力を怠っていることを指摘せざるを得ません。
例えば、去る日曜日、沖縄タイムス朝刊には、作文コンクールで最優秀賞を受賞した佐久間さんは、その表彰式に千葉県から車いすで出席をしたようであります。沖縄について感想を聞かれますと、沖縄の道路はでこぼこが多くて歩きにくいという感想の記事が掲載されております。この佐久間さんならずとも私どものすぐ近くを検証すると実に歩きにくい歩道ばかりであります。
県庁横の開南小学校との間、ハーバービューホテルに抜ける道路は、デイゴの根元がすり上がり、つまずく危険を避けるためここを歩く人たちは全員がうつむきかげんに歩いております。
また、那覇高等学校から那覇バスセンターに通ずる道路の歩道を歩いてみますと、歩道の真ん中にはクバの木が植えられ、側溝のふたはがたがた音を立てて路面のでこぼこを歩いている状況であります。
さらにもう一つ指摘をしますと、県警本部の東角レインボーホテルの向かいの歩道にオブジェが置いてあります。ここの歩道は落盤がひどく、つまずき、転ぶ歩行者が後を絶たないということであります。ひどい段差は放置されたまま二、三年がたちます。これが車道ならばすぐに補修されているはずでありますが、歩道であるがゆえに残念ながら修復されずにほったらかされている状態であります。本当に人に優しい行政のスローガンが色あせるわけであります。
このように、県議会の周辺を検証するだけでも歩行者が安心して歩ける、真っすぐ前を見て歩ける、車いすでもすいすい通れる歩道でなければいかないと思います。
道路行政を担当する職員や関係者は、歩道がいかに未整備のまま放置されているかをみずから歩いて検証するべきだと思います。これでは人々は車に頼らざるを得ません。歩こうと思っても、歩きにくい歩道を無理に歩く気にはならないのであります。その結果が今歩かない県民像へとつながっているのであります。
そこで質問をするのでありますが、歩いて暮らせる町、安心して歩ける歩道、車いすがすいすい通れるバリアフリーの道路空間づくりについて新計画、そして新法ではどのように位置づけ、実行メニュー化しようとしているのか、計画をお聞かせ願いたいと思います。
質問の2点目でありますが、自転車道についてであります。
首里を起点とする「アガリウマーイ」の自転車道を計画し、事業をスタートさせてから10年以上になると覚えております。この事業は、親子がともに汗を流す施設となり、若者に健全なレクリエーションの場を提供する場所として、そしてまた何よりも健康を提供し、若者には友情ときずなが育つ施設の提供になるものとして大いに期待をしているところであります。また、乗り捨てができるレンタルサイクルの制度やロード・パーク施設と連結させることで憩いの場の提供にもつながる施設として早期の開設が期待されるのであります。
そこで進捗状況、完成予定年度などをお聞かせください。
また、自転車道は首里を起点とする「アガリウマーイ」だけではなくて、これ以外にも事業が予定されるべきだと考えますが、本県でほかに自転車道を予定している事業箇所があるかどうかについてあわせてお聞かせください。
次に、狂牛病問題についてお尋ねをいたします。
今回の狂牛病は、1996年に英国で起きた狂牛病の発生原因が肉骨粉にあるとして日本の学者は輸入禁止を強く主張し、農林水産省も輸入禁止通達は出したが、的確な指導取り締まりは行わず放置したことが行政への不信となってあらわれているわけであります。
そこで、提案と質問を提起するのでありますが、行政への不信を主張し、声高に叫んでみても取り返しのつかない結果と被害は、専ら生産者が一手に引き受けなければならないような状況にあります。O157、あのカイワレダイコン騒動でも今回の狂牛病問題でも被害を受けたのは生産者であり、これにかかわる流通業者であり、また地域経済でありました。
ここで私が主張し提案したいのは危機管理体制の確立であります。台風被害や病害虫の被害、自然災害や農畜産物の価格変動には不十分ながら保険や予算が用意されているようでありますが、今回のような行政による風評による生産農家への直接被害に対する危機管理方策はとられておりません。
例えば、北海道では今回の教訓に学び、子牛が生まれた時点で採取した皮膚片などをDNA分析をして登録し、店頭の牛肉表示に偽装のないチェックができるようにする道独自のモデル事業を2002年から実施をするようであります。
長野県では、食肉処理時に採取したサンプルと店頭の牛肉のDNAを照合する抜き取り検査をしているようであります。
特に、広島県神石郡の畜産農家では畜産農家がみずから集まり、子牛の誕生から枝肉出荷までの各段階で、飼料などの安全性を生産者がみずから検査する独自組織を3月2日に設立し事業をスタートさせるようであります。この組織は「神石牛を考える会」で12人の家畜農家が170件の家畜農家に呼びかけて設立し、郡内の3町1村の協力を得たいとして準備をしているようであります。
この会は、飼料などへの肉骨粉混入の有無を検査する技術を研究し、子牛生産農家で生まれた子牛を郡内の肥育農家が育てる一貫生産体制を整え、誕生から屠畜までに与えた飼料などを一元的に把握管理する構想で作業を始めたようであります。将来的には組織を「神石牛認証制度機構」に改めるようであります。
このように、生産者は今や行政に頼ることなく、みずからの創意で消費者の信頼をかち取る動きを始めているようであります。北海道や長野及び広島県での農家の例に見られるように、自発的で自助への胎動は動き始めているわけであります。先進的な農家の取り組みであります。これは行政への不信が自助への情熱となって動き始めているのであります。
沖縄県も、ただいま指摘しました先進県の取り組みに学び、危機管理への自主的な対応を考えるべきであると考えます。銘柄牛づくりで懸命に努力している家畜農家、またこれを支えている畜産試験場の担当者の努力を無にしないように沖縄県独自の危機管理が必要であると考えますが、農林水産部の御見解をお聞かせください。
また、農業者や農業者団体が独自の危機管理を考えている事例があったらお聞かせを願いたいと思います。
また、今回の狂牛病対応で補助金等の支出額とその効果などについてお聞かせを願いたいと思います。
次に、我が会派の代表質問との関連についてお聞きしたいと思います。
那覇港管理組合の副管理者の人選については、港湾行政に明るい人を県内外から人選を進めるとの答弁がありましたが、聞くところによりますと副管理者はもう既に決まっているとの話が聞こえます。後押しをしているのが某国会議員であるやに聞いております。これが事実であればゆゆしき問題であります。県益を守るために副管理者は県内から選出すべきだと考えます。
また、港湾行政に権威ある先生方を顧問に県内外から選出すべきだと考えますが、この件についてお答えを願いたいと思います。
終わります。
○知事(稲嶺惠一) 平仲議員の道路行政のバリアフリー歩行空間の新振計での位置づけについてお答えします。
その前に、御指摘のことは大変耳の痛いことでありまして、心に銘じてその改善に努めてまいりたいと思います。ということでお答えをしたいと思います。
バリアフリー歩行空間の整備については、平成12年11月に施行された「交通バリアフリー法」において2メートル以上の広い歩道の確保、段差の改善、勾配を緩くする等道路の構造基準が示されており、現在、これに準じて整備をしております。
また、「沖縄振興計画」においては、安全で快適な道路交通環境の充実を図るためバリアフリー化を推進することを位置づけることにしております。今後とも身体障害者及び高齢者を含め、だれもが安全で安心して歩ける歩道の整備に努めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 御質問に答える前に、先ほど県議から御指摘がありました県庁周辺の歩道環境につきまして知事からも御答弁があったんですが、県庁と開南小学校のところの歩道については、これは私の通勤コースにもなっておりましてよく知っております。そこについての道路管理者は那覇市になっておりますので、那覇市にも十分またそういったお話をしていきたいと思っております。
それから県警庁舎のコーナー、これも市道と県道が交差するところのオブジェがある付近の歩道なんですが、管理している南部土木事務所に聞きますと、施工当時と今ではやはり段差が大きくなっているということで近々補修するようにしていくということでやっておりますので、ひとつよろしくお願いします。
それでは、自転車道整備事業についての進捗状況及び完成年度と他の自転車道整備についてお答えいたします。
県が実施している「沖縄のみち自転車道整備事業」は、自転車道交通の安全を確保し、あわせて心身の健全な発達や歴史・文化教育、地域活性化、観光振興等のために整備をしているものであります。当自転車道事業については、玉城村前川を起点に知念村、佐敷町、大里村、与那原町、南風原町を経由し那覇市首里を終点とする延長33.5キロメートルで、平成13年度末現在の進捗率は39.4%で、平成17年度完成を目指し鋭意取り組んでいるところであります。そのうち、玉城村及び佐敷町の概成した箇所については平成14年度の早期供用に向けて努めているところであります。
また、他の自転車道整備については、現在のところ計画しているところはありませんが、国道507号津嘉山バイパスや那覇糸満線等において自転車及び歩行者が通行可能な幅の広い歩道を道路の改築事業等で整備推進しているところであります。
○農林水産部長(天願貞信) 「食」の安全性の危機管理についてお答えいたします。
近年、食品の安全性等に対する消費者の関心の高まりを背景に、安心・安全な農畜産物を安定的に供給することは極めて重要であると考えております。その対策としては畜産農家への巡回指導、牛の飼料給与状況の立入検査及びサーベイランス検査の強化等を行っているところであります。
また、牛肉の安全性を確保するため、去る2月25日から県内すべての牛の耳に識別標を装着する家畜個体識別のシステム化に取り組んでいるところであります。このシステムにより県内すべての牛の情報が一元的に把握され、家畜伝染病や移動歴及び所在等が明確になります。県としては、今後とも牛肉の安全性を確保する観点から、他県におけるチェックシステム等についても調査を行い、より効果的な対策について取り組んでいく考えであります。
次に、BSE被害に対する補助金についてお答えいたします。
BSEの発生に伴う畜産農家への支援としては、子牛の価格対策やBSE対応の肥育経営特別対策等によりまして再生産のための価格を保証しております。価格保証については、今年1月現在の取引価格で試算すると、子牛生産農家に対しては1頭当たり約9万円の交付が見込まれ県の保証基準価格27万円を上回ることから、畜産農家の再生産が確保されるものと考えております。
また、肥育農家に対しては、1頭当たり25万5000円が交付されることになっております。
小売業者等への支援としては、食肉処理販売等を営む経営者が経営等に必要な資金として食肉処理販売等特別資金等を活用することができます。県としては、今後とも畜産農家の被害軽減を図るため効果的な支援策を講じていく考えであります。
以上であります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港管理組合の常勤副管理者の選任についてお答えいたします。
那覇港は、県民生活、産業経済を支える基幹インフラとしての役割に加えて、全国でも事例の少ないトランシップ貨物を取り扱う産業港湾として成り立つ港湾を目指すものであり、東アジア諸国のトランシップ港との国際競争力が問われ、その管理運営は極めて重要であります。
このようなことから、管理組合の常勤の副管理者については、日本の港湾行政、世界の海運、港運などの海事動向、港湾経営、港湾振興等に関する幅広い知見と経験が必要なことから、県内外を問わず広く人材を求める必要があるものと考えております。
なお、人選については、これらを踏まえ那覇市、浦添市とも連携しながら総合的に検討していきたいと考えております。
○平仲 善幸 企画開発部長が言うのはよくわかるんですよ。よくわかった上で、我々はやはり、ちまたでいろんな意味で県益を守るためには副管理者は沖縄県から出すべきだと。もちろんそれを支える、そういうような見識の広い方々に支えてもらう。そしてまたその上に顧問も問うておりますが、それについては触れてないですね。むしろそういうところまでやれば、何も問題なくできていくということだと私は理解していますがね。どうもやはりうわさがまかり通っているというようなことがこの人事は先行しているような感がしてならないわけであります。
そういう意味から、ぜひこの問題はあと一度、私が先ほど言った権威ある先生方の、こういうような皆さん方も含めて組織を置いていかれるのか、お答え願いたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時23分休憩
午後3時24分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平仲議員の御質問にお答えいたします。
私が管理者になる予定でございます。私はそういううわさを実はまだ聞いておりません。恐らくいろいろな話があるかもしれません。具体的には話はありません。その意味でこれからも那覇市長、そして浦添市長とよく綿密に相談をいたしまして、沖縄県にとって、沖縄県の玄関となる那覇港湾にとって最もベターな人を副管理者に選ぼうと思っております。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
予算については、2月8日の議会運営委員会において22人から成る予算特別委員会を設置して審議することに意見の一致を見ております。
よって、ただいま議題となっております議案のうち、甲第1号議案から甲第34号議案までについては、22人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 次に、お諮りいたします。
ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付の名簿のとおり指名いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、予算特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
――――――――――――――
〔予算特別委員名簿 巻末に掲載〕
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) ただいま予算特別委員会に付託されました予算を除く乙第1号議案から乙第36号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
――――――――――――――
〔議案付託表 巻末に掲載〕
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第3 乙第29号議案の訂正の件を議題といたします。
知事から訂正の理由の説明を求めます。
稲嶺知事。
――――――――――――――
〔議案訂正申し出 巻末に掲載〕
――――――――――――――
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) ただいま議題となりました乙第29号議案について訂正の理由を御説明申し上げます。
平成14年2月15日に提出いたしました乙第29号議案沖縄県警察関係手数料条例の一部を改正する条例のうち、手数料を徴収すべき事務として新たに条例で規定するチャレンジ講習については、その事務の根拠を道路交通法施行令第37条の6の2として提案したものでございますが、その後、当該講習については道路交通法の規定を根拠として実施することとされたため根拠法令名の訂正を行うものであります。
以上、乙第29号議案の訂正の理由について御説明いたしました。
よろしくお取り計らいくださるようお願い申し上げます。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております乙第29号議案の訂正の件は、承認することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、乙第29号議案の訂正の件は、承認することに決定いたしました。
休憩いたします。
午後3時29分休憩
午後3時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
この際、お諮りいたします。
委員会審査及び議案整理のため、明3月2日から6日までの5日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、明3月2日から6日までの5日間休会とすることに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、3月7日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後3時31分散会