○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
2月13日から3月13日までに受理いたしました陳情32件は、3月18日に配付いたしました陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
次に、3月26日、國場幸之助君外11人から、議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書の提出がありました。
また、昨日、渡久地健君外12人から、議員提出議案第4号衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関する意見書の提出がありました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 乙第1号議案から乙第7号議案まで、乙第9号議案から乙第11号議案まで及び乙第27号議案から乙第29号議案までを議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
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〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
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〔総務企画委員長 渡久地 健君登壇〕
○総務企画委員長(渡久地 健) おはようございます。
ただいま議題となりました乙第1号議案から乙第7号議案まで、乙第9号議案から乙第11号議案まで及び乙第27号議案から乙第29号議案までについて、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、執行部から総務部長、企画開発部長、地域・離島振興局長、警務部長、交通部長及び関係職員の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、乙第1号議案沖縄県部設置条例の一部を改正する条例は、駐留軍従業員に関する事務は機関委任事務として県知事が行ってきたが、地方分権整備法により平成12年4月1日から国が直接執行する事務となった。この間、経過措置により県が法定受託事務として処理してきたが、平成14年4月1日からは独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構が処理する。このため、沖縄県部設置条例中、商工労働部の分掌事務として定めている「駐留軍従業員に関する事項」を削除するとの説明がありました。
本案に関し、平成13年6月定例会か9月定例会で独立行政法人に係る身分移管人事について、行く方、行きたくない方及び行った後どうなるのか等々について質問をしたが、その後どうなったのかとの質疑がありました。
これに対し、職員の身分移管については、職員個人の了解及び移管先の了解を得てそのもとに派遣する形をとっている。派遣する職員については、一たん県を退職して派遣することになる。なお、派遣した職員については、1年ないし2年の人事ローテーションの中で県に戻すことを派遣先との合意を得て派遣するという形をとっているとの答弁がありました。
そのほか、渉外労務管理事務所の各部署の職員数等に関する質疑がありました。
次に、乙第2号議案沖縄県行政機関設置条例の一部を改正する条例は、平成14年4月1日をもって豊見城村が市に昇格、仲里村と具志川村が合併し「久米島町」となることに伴う改正である。また、沖縄市に設置してある沖縄県労政事務所を那覇市に移すため所要の改正をするとの説明がありました。
次に、乙第3号議案沖縄県職員の勤務時間、休日及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例の1点目は、育児を行う職員の深夜勤務の制限について、適用要件の緩和を図るとともに時間外勤務の制限に係る規定を追加し、1カ月に24時間、1年に150時間の上限を設ける。2点目は、介護を行う職員について、職員以外に介護を行うことができる同居の親族の有無にかかわらず、介護を必要とするものがある場合には深夜勤務の制限及び時間外勤務の制限が適用される。また、介護休暇の期間を現行の3カ月から6カ月に改正するとの説明がありました。
次に、乙第4号議案沖縄県職員定数条例の一部を改正する条例は、駐留軍従業員に関する事務が国の直接執行する事務として、平成14年4月1日から独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構が処理することから、平成13年4月1日現在の実職員数122人を知事部局の職員定数から減ずるものである。また、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律が平成14年4月1日から施行され、最長3年間の育児休業をとることがあり得ることから、現在、定数内となっている育児休業職員を定数外とするとの説明がありました。
本案に関し、労務管理事務所の122名を職員定数から減にしているが、実際に独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構に移った数は39名である。本来ならば、その移管した39名の定数を減にすべきと思料されるがどうかとの質疑がありました。
これに対し、職員の定数は業務量に見合う職員数を枠内で定めており、今回、当該業務が県の業務から法人の業務へと移管することで必然的に122名を減にする。よって、独立行政法人への派遣職員39名は定数外となり、他の83名は現定数の枠内で配置がえを行う。このことは、定年退職者及び勧奨退職者の定数が生じるので、スクラップ・アンド・ビルドで定数の再配置を行い職員配置をするとの答弁がありました。
そのほか、県の職員定数削減計画と合致しているのか等に関する質疑がありました。
次に、乙第5号議案沖縄県職員の育児休業等に関する条例等の一部を改正する条例は、地方公務員の育児休業に関する法律の一部が改正され、育児休業をすることができる期間が1歳から3歳まで延長されたことに伴い、育児休業をすることができる職員の要件を緩和するなど、育児を行う職員の負担を軽減する措置の拡充を図るほか、関係条例の一部を改正するものであるとの説明がありました。
本案に関し、育児休業の権利のある職員で何人(何割)の職員が行使しているか。また、育児休業をする期間が3歳まで延長されるとどれくらいの取得人数になるのかとの質疑がありました。
これに対し、平成10年度は117人、平成11年度は108人、平成12年度は134人である。また、具体的には職員に対しアンケート調査を実施していないが、これまでの経過からすると経年で数が伸びており、しかも男性もとるという傾向にあるのでかなりの数にふえてくると理解しているとの答弁がありました。
次に、乙第6号議案沖縄県職員の再任用に関する条例の一部を改正する条例は、地方公務員等共済組合法の一部改正により、同法の本条文を引用している条例附則第2項の改正を行うものであるとの説明がありました。
次に、乙第7号議案沖縄県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例は、温泉法及び建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部が改正されたこと等に伴い、温泉成分分析機関登録申請手数料等の徴収根拠を定めるほか、所要の改正を行うとの説明がありました。
本案に関し、県内で温泉法の適用を受けているところは何カ所あるか。また、宜野湾市内にマルチ商法で問題になっている八葉物流がホテル建設を予定し、温泉を使用した健康をふれ込んでいるが、申請があるのかとの質疑がありました。
これに対し、温泉法により温泉の掘削許可を受けている事業体は14件あり、そのうち利用許可を受けている事業体は8件で、一般に温泉として供用している事業体は6件である。また、八葉開発から平成13年11月上旬に申請があり、現在、審議会にて審議中であるとの回答がありました。
そのほか、保健医療福祉事業団(総合健康増進センター)で掘削した温泉の未利用の理由等に関する質疑がありました。
次に、乙第9号議案沖縄県情報通信技術講習推進基金条例の一部を改正する条例は、IT講習事業の実施に当たり基金を設置して事業を実施した後、平成13年度末時点で事業費に執行残が生じる場合には残額を国に返還させることであったが、事業費の執行残が見込まれる場合には、交付金の有効活用のため平成14年度までの事業継続を認める通知があり、県では県民の需要にこたえていく観点から基金の有効期限を延長し、平成14年度も引き続きIT講習事業を実施するとの説明がありました。
本案に関し、IT講習事業が平成13年度ですべて終了した県と、本県のように次年度に繰り越す県はあるのか。また、IT講習会の実績(受講者数・金額)及び平成14年度の事業計画についての質疑がありました。
これに対し、事業執行残が発生する県は本県を含めて37県である。また、平成12年1月までの講習実績は、講座数が2822講座、受講者数が4万6402名である。平成13年度の予算状況は6億5066万8000円であり、平成14年度は講座数が170講座、受講予定者は3400名で、予算額は3542万7000円であるとの答弁がありました。
次に、乙第10号議案島尻郡久米島町の設置及び同郡豊見城村の市制施行に伴う関係条例の整理に関する条例は、平成14年4月1日の島尻郡具志川村及び仲里村の合併による「島尻郡久米島町」の設置並びに豊見城村の市制施行に伴い、本県条例において引用している具志川村、仲里村及び豊見城村の名称、その他所要の改正を行う必要があることから、関係条例を一括して整理するものであるとの説明がありました。
本案に関し、市町村合併におけるメリットは何かとの質疑がありました。
これに対し、市町村合併の一般的な効果としては、広域的な視点に立った効果的なまちづくりの展開、行政サービスの向上、行財政の効率化と財政基盤の強化などが考えられるとの答弁がありました。
次に、国や県の支援策として合併特例債があるが、その中で市町村建設計画に基づき地方債を活用した事業ができるとあるが、久米島の10年間ではどのような計画があるのかとの質疑がありました。
これに対し、合併後のまちづくりを着実に進めていくため、合併後10年間に新町や県が実施する事業の位置づけを行い、その財源手当として地方交付税、国・県の補助金、地方債等を見積もった財源計画を作成している。その際、合併特例債等有利な地方債や国庫補助などを活用し、事業実施を通じて地域全体のレベルアップが図られるとの答弁がありました。
そのほか、市町村合併の考え方等に関する質疑がありました。
次に、乙第11号議案沖縄県議会議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定める条例の一部を改正する条例は、豊見城村の市制施行に伴い、公職選挙法及び同施行令の規定に基づき、本県議会議員の選挙区について新たに「豊見城市選挙区」を設け議員定数を定めるとともに、従前の「島尻郡選挙区」について定数を変更する必要がある。具体的には、豊見城市選挙区の議員数を2人と定めるとともに、島尻郡選挙区の議員数を4人と改めるとの説明がありました。
本案に関し、島尻郡区の議員定数は6名であるが、豊見城市に居住する議員は3名である。これは居住要件として豊見城村に住んでいて、同村から移転した場合はどうなるかとの質疑がありました。
これに対し、公職選挙法に規定されているのは、新設された選挙区に住所を有する議員を優先的に配当することになっている。優先的にという解釈であることから、住所を有する議員の数が当該選挙区の定数より多いときはくじによることになっているので、住所を有していなくても6名の中から2と4をくじで配分すべきものであるとの答弁がありました。
そのほか、選挙区の区割り等に関する質疑がありました。
次に、乙第27号議案沖縄県警察の組織に関する条例の一部を改正する条例は、警察法施行令の一部を改正する政令により、内部組織の基準に「情報の公開に関すること。」が追加され、また沖縄県情報公開条例が制定されたことに伴い、公安委員会及び警察本部長が平成14年4月1日をもって実施機関となることから、沖縄県警察の組織に関する条例で規定する警察本部警務部の所掌事務に「情報の公開に関すること。」を加えるものである。また、具志川村及び仲里村の合併、豊見城村の市制施行、その他那覇市内の一部地域における住居表示の実施に伴い、那覇警察署及び豊見城警察署の管轄区域を定めた本条例の一部を改正するものであるとの説明がありました。
次に、乙第28号議案沖縄県警察職員の定員に関する条例の一部を改正する条例は、警察官の定員は警察法の規定により、政令で定める基準に従い条例で定めることとされており、平成14年度には全国で4500人の増員が認められ、増員に伴う政令が改正される予定であるため、本県警察官の定員を2290人から2340人に改める。また、地方公務員等の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律により、育児休業の対象となる子の年齢が1歳未満から3歳未満に引き上げられたことに伴い、育児休業の承認を受けた職員を定数外の職員として取り扱う必要があることから本条例を改正するとの説明がありました。
本案に関し、今回の増員は沖縄県の特殊事情等が配慮されていないと思われる。ついては、本県の警察官1人当たりの負担人口を全国と比較するとどうなっているかとの質疑がありました。
これに対し、沖縄県の警察官1人当たりの負担人口は583人に対し、全国平均の543人を40人上回っており、今回の50人の増員により1人当たりの負担人口は570人となる。また、本県の特徴である米軍構成員等の5万572人及び入域観光客数の約450万人を1日平均すると4万6000人強となり、この分を含めると全国平均より82人上回ることから、今後、増員の要求をしていくとの答弁がありました。
そのほか、女性警察官の現員数、採用状況、北谷町美浜の交番所の設置等に関する質疑がありました。
次に、乙第29号議案沖縄県警察関係手数料条例の一部を改正する条例は、道路交通法の一部を改正する法律により、運転免許の更新に関する規定、第2種運転免許に関する規定等が整備され、運転免許等に関する事務の手数料額の標準を定める道路交通法施行令が改正されたことに伴い、条例に定める道路交通法関係の手数料を改めるほか、運転経歴証明書の交付及び高齢運転者の免許更新時における新たな講習の実施に伴い必要な手数料を新設する。また、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律が制定され、自動車運転代行業の認定の申請等に関する手数料が地方公共団体の手数料の標準に関する政令に規定され、必要な手数料が新設されるとの説明がありました。
以上、委員会における審査の概要を申し上げましたが、審査の結果、乙第1号議案から乙第7号議案まで、乙第9号議案から乙第11号議案まで及び乙第27号議案から乙第29号議案までの13件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第1号議案から乙第7号議案まで、乙第9号議案から乙第11号議案まで及び乙第27号議案から乙第29号議案までの13件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案13件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、乙第1号議案から乙第7号議案まで、乙第9号議案から乙第11号議案まで及び乙第27号議案から乙第29号議案までは、原案のとおり可決されました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第2 乙第18号議案から乙第21号議案までを議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
経済労働委員長。
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〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
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〔経済労働委員長 翁長政俊君登壇〕
○経済労働委員長(翁長政俊) ただいま議題となりました乙第18号議案から乙第21号議案までの議案4件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、農林水産部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、乙第18号議案沖縄県卸売市場条例の一部を改正する条例は、生鮮食料品等の取引の適正化とその生産及び流通の円滑化を図り、もって県民生活の安定に資することを目的に制定されているが、その改正内容は、商法の一部改正に伴い、卸売市場法に会社等の分割制度、いわゆる分割を行う会社がその営業を他の会社に承継させる制度が導入されたことにより、地方卸売市場の法人たる開設者及び卸売業者の会社分割に伴う事業承継の規定を追加するものであるとの説明がありました。
本案に関し、業者を分割するとはどういう意味かとの質疑がありました。
これに対し、会社等の分割制度が導入されたことに伴い、地方卸売市場の法人たる開設者及び卸売業者の分割の規定を定めるということである。分割をする背景は、国際化への対応、業種により好調な部分とそうでない部分があり、会社を分割した方がいい場合があり、商法が改正されたとの答弁がありました。
次に、野菜などが暴落した場合の対応は行っているのかとの質疑がありました。
これに対し、野菜などには価格安定対策事業があり、一定価格より下落したときに補てんする制度があるとの答弁がありました。
次に、県産品の消費対策に取り組んでいるのかとの質疑がありました。
これに対し、次年度4月1日から農林水産部内に「流通政策課」を立ち上げ、県内の生産物を円滑に県内の消費者に行き渡るよう生産・流通・消費に取り組んでいくとの答弁がありました。
次に、卸売市場における外国産野菜の占める比率及び推移はどうなっているのかとの質疑がありました。
これに対し、平成13年の野菜の輸入比率は11%である。平成11年が10.1%、平成12年が11.2%で若干ふえているとの答弁がありました。
そのほか、卸売市場の取扱品目、価格競争の価格を決める野菜の品目、流通経路、セーフガードの発動、学校給食における県産品の使用及び助成策、農業技術者の派遣研修、食品表示の調査などの質疑がありました。
次に、乙第19号議案沖縄県中央卸売市場条例の一部を改正する条例は、沖縄県中央卸売市場の施設の管理運営及び生鮮食料品等の取引の適正化と生産・流通の円滑化を図ることにより、県民生活の安定に資することを目的に制定されているが、その主な改正内容は、住居表示に関する法律第3条第1項及び第2項の規定に基づき、沖縄県中央卸売市場の位置を現行の「浦添市勢理客555番地の27」から「浦添市伊奈武瀬1丁目11番1号」に改めること、商法の一部改正により会社等の分割制度が導入されたことに伴い、中卸業者たる法人の分割について定めることなどであるとの説明がありました。
次に、乙第20号議案沖縄県松くい虫の防除に関する条例は、松くい虫により県木であるリュウキュウマツに重大な被害が発生する状況にかんがみ、松くい虫の防除に関し必要な措置を定め、もって風致景観の保全及び木材資源の確保を図ることを目的として条例を制定するものである。その主な内容は、松くい虫の防除に関して総合的かつ広域的に推進するための県の責務としての規定、松くい虫の防除に対して県が行う施策に協力することなどの事業者及び松林所有者等の責務についての規定、被害拡大を防止するための被害木の移動及び利用に関する届け出規定などを定めるものであるとの説明がありました。
本案に関し、木材資源の利用状況はどうかとの質疑がありました。
これに対し、県内の木材の自給率は18.8%である。リュウキュウマツの全体の需要量は5700立方メートルで、県産材が1125立方メートルであるとの答弁がありました。
次に、米軍施設・区域内の対策、立入検査はどのように進めるのかとの質疑がありました。
これに対し、米軍施設・区域内については、森林病害虫等防除連絡協議会を十分に活用して、基地所在市町村の駆除対策の障害にならないように実施していきたい。従来から防衛施設局が予算措置をし協力的に実施してきている。今後も防衛施設局と連絡をとりながら実施していくとの答弁がありました。
次に、個人所有などの「その他松林」の状況を把握しているか、また対策はどのように行うのかとの質疑がありました。
これに対し、所有者は把握しているが、個々の具体的な被害状況については把握していない。「その他松林」の処理についてはその所有者が処理するが、不十分なときは県単事業を発動しながら市町村と連携して対策を講じていくとの答弁がありました。
次に、防除の具体的なスケジュールはどうなっているのかとの質疑がありました。
これに対し、森林防除法に基づき平成14年から5カ年間の防除計画を作成し、年度ごと被害予測量に見合う予算措置をし処理していくとの答弁がありました。
次に、市町村に対する対応はどうなっているのかとの質疑がありました。
これに対し、条例が成立し規則を制定した後に説明会を開き、県と連動して条例を制定するよう働きかけるとの答弁がありました。
次に、条例を制定しなければならない必要性は何かとの質疑がありました。
これに対し、松くい虫を根絶するための仕組みをつくることである。松林所有者あるいは市町村自治体についても協力して根絶する仕組みをつくる。個人所有の松林「その他松林」についても防除できる仕組みをつくる。根絶した後において被害木の移動規制を行う必要があり、これが条例制定の必要性であるとの答弁がありました。
そのほか、松くい虫の定義、観光資源、米軍との関係、米軍基地内の松林の所有者の定義、リュウキュウマツの植林計画、樹種転換、被害木利用に際しての管理、組織体制、膨大な予算を使って駆除できなかった理由、市町村の責務の規定がない理由などの質疑がありました。
次に、乙第21号議案沖縄県漁港管理条例の一部を改正する条例は、漁港法の規定に基づき、県が管理する漁港の維持管理について必要な事項を定め、水産業の発展に寄与することを目的としているが、その改正内容は、漁港法の改正に伴って法の題名を「漁港法」から「漁港漁場整備法」に改めること、さらに事業の名称を「漁港修築事業」から「特定漁港漁場整備事業」に改めるものであるとの説明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第18号議案から乙第21号議案までの議案4件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
なお、乙第21号議案については、平敷昌一委員外11名から別紙のとおり附帯決議が提出され、全会一致により可決すべきものと決定をいたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第18号議案から乙第21号議案までの4件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案4件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、乙第18号議案から乙第21号議案までは、原案のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第3 乙第12号議案から乙第14号議案まで、乙第16号議案、乙第17号議案及び乙第23号議案から乙第26号議案までを議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
文教厚生委員長。
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〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
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〔文教厚生委員長 平仲善幸君登壇〕
○文教厚生委員長(平仲善幸) ただいま議題となりました乙第12号議案から乙第14号議案まで、乙第16号議案、乙第17号議案及び乙第23号議案から乙第26号議案までの9件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、執行部から文化環境部長、福祉保健部長及び教育長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
乙第12号議案ちゅら島環境美化条例は、空き缶・吸い殻等のごみの散乱防止について、県、県民、事業者及び土地の占有者等の責務を明らかにし、県が実施する環境美化に関する施策について基本的な事項を定め、県において環境美化の施策を推進するための重要な指針とするものである。また、本条例は、全部で16条から構成されており、条例の実効性を担保するため、投棄の禁止に違反した者に対し措置を命じるものとし、これに違反した者に対し2万円以下の罰金を科する内容となっている。なお、条例の名称は環境美化に対する県民の関心が強いことから、親しみやすいものにするため「ちゅら島環境美化条例」にしたとの説明がありました。
本案に関し、本条例を制定しなければならない基本的なものは何かとの質疑がありました。
これに対し、道路、公園等でチューインガム、たばこの吸い殻等が捨てられ非常に環境美化を損ね、各団体等から条例制定の要請があり、県民への環境美化に関する一体的な運動を取り組んでいく必要があることから、条例を制定したとの答弁がありました。
次に、本条例は、ポイ捨ての禁止及び取り締まりの観点からの有効性についての質疑がありました。
これに対し、環境美化に対する県民の意識の向上及びモラルを求めることの意義が大きいとの答弁がありました。
その他、本条例制定後の啓蒙活動、事業者の責務及び市町村の環境美化条例等の制定後の状況等についての質疑がありました。
次に、乙第13号議案沖縄県看護婦等修学資金貸与条例等の一部を改正する条例は、「保健婦助産婦看護婦法」の一部が改正されたことに伴い、保健婦・保健士、助産婦、看護婦・看護士、准看護婦・准看護士の名称をそれぞれ保健師、助産師、看護師、准看護師に改める等、関係条例の所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
次に、乙第14号議案沖縄県立看護学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例は、乙第13号議案と同じく「保健婦助産婦看護婦法」の一部が改正されたことに伴い、看護婦等の名称を改めるとともに、沖縄県立沖縄看護学校が平成14年3月末で廃校になることから、保健学科及び助産学科を廃止し、沖縄県立沖縄看護学校の頁を削除するなど、所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
次に、乙第16号議案沖縄県精神保健福祉審議会条例及び沖縄県立総合精神保健福祉センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例は、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の一部が改正されたことに伴い、入院患者から退院の請求があった場合の審査を行う精神医療審査会の事務や、これまで精神保健福祉審議会の審議事項とされていた通院医療費公費負担申請及び精神障害者保健福祉手帳の申請に係る事務が、沖縄県立総合精神保健福祉センターの業務となったこと等のため関係条例の所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
次に、乙第17号議案理容師法施行条例の一部を改正する条例は、理容師法の一部が改正されたことに伴い、同法の第8条の規定が9条に繰り下がったことから、条例中に当該条文を引用している部分について改正の必要があるため所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
次に、乙第23号議案沖縄県立教育機関設置条例の一部を改正する条例は、現在、沖縄県立教育センターには沖縄県立教育機関組織規則で7課が設置され、そのうち3課は別称情報処理センターなどとしており、また新たに設置するIT教育課(仮称)もIT教育センターの別称を定める予定である。そのため、沖縄県立教育センターを統括的な名称として沖縄県立総合教育センターに改めるほか、IT教育課(仮称)設置に伴い、同センターの設置目的及び所掌事務に係る規定について整理する必要がある。さらに、沖縄県ライフル射撃場は県が管理している施設であるが、その適正な利用を促進し、競技の普及及び競技力向上を図る観点から、県立教育機関の体育施設として設置するため、所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
次に、乙第24号議案義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置条例の一部を改正する条例は、学校教育法の一部改正により、盲・聾・養護学校の寮母の名称が寄宿舎指導員に変更されたことに伴い、所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
次に、乙第25号議案沖縄県学校職員定数条例の一部を改正する条例は、児童生徒数の増減等により学校職員定数を変更する必要がある。改正内容は、学校職員定数について県立高等学校の4673人を4700人に、県立盲学校、聾学校及び養護学校1475人を1498人に、市町村立小学校及び中学校の9309人を9262人に、合計1万5457人を1万5460人に改めるため所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
本案に関し、小・中・高校の定数内臨時的任用職員はそれぞれ何人かとの質疑がありました。
これに対し、定数内の臨時的任用職員は小学校199人、中学校202人、県立高校353人、特殊教育諸学校185人、合計939人であるとの答弁がありました。
次に、少年非行の問題等が多い中、教育現場を改善するため定数内の臨時的任用職員として配置している状況を是正する必要があるのではないかとの質疑がありました。
これに対し、定数内の臨時的任用職員が多いことから、採用計画の平準化を図りながら段階的に減らしていきたいとの答弁がありました。
そのほか、教職員定数の状況、小・中・高校の定年退職者数及び平成14年度採用者数等の質疑がありました。
次に、乙第26号議案沖縄県立教育機関使用料徴収条例の一部を改正する条例は、沖縄県ライフル射撃場の使用料の徴収根拠を定めるため所要の改正を行うものである。改正内容は、専用使用料について、入場料を徴収しない場合は、児童・生徒4時間につき8350円、一般・学生4時間につき1万6700円に定め、入場料を徴収する場合は、入場料を徴収しない場合の当該使用料のほか、最高入場料税込)50人分を加算する。個人練習の使用料については、児童・生徒2時間につき150円、回数券11枚1500円、1年定期券7500円に定め、一般・学生2時間につき300円、回数券11枚3000円、1年定期券1万5000円に定めるものであるとの説明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第12号議案から乙第14号議案まで、乙第16号議案、乙第17号議案及び乙第23号議案から乙第26号議案までの9件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第12号議案から乙第14号議案まで、乙第16号議案、乙第17号議案及び乙第23号議案から乙第26号議案までの9件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案9件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、乙第12号議案から乙第14号議案まで、乙第16号議案、乙第17号議案及び乙第23号議案から乙第26号議案までは、原案のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第4 乙第22号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
――――――――――――――
〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
──────────────
〔土木委員長 池間 淳君登壇〕
○土木委員長(池間 淳) ただいま議題となりました乙第22号議案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、土木建築部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明の概要等について申し上げます。
まず、乙第22号議案沖縄県風致地区内における建築等の規制に関する条例の一部を改正する条例については、特殊法人等の整理合理化等が行われたことに伴い、別表第2の公団等について名称を改めるとともに、漁港法の一部を改正する法律に基づき漁港法が漁港漁場整備法に改正されたことに伴い、別表第3第21項に引用されている法律の題名を改めるため条例を改正するものであるとの説明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第22号議案は、原案のとおり全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第22号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、乙第22号議案は、原案のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第5 乙第32号議案から乙第34号議案までを議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
――――――――――――――
〔委員会審査報告書(議決事件) 巻末に掲載〕
──────────────
〔総務企画委員長 渡久地 健君登壇〕
○総務企画委員長(渡久地 健) ただいま議題となりました乙第32号議案から乙第34号議案までについて、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、執行部から総務部長、警務部長及び関係職員の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、乙第32号議案「交通事故に関する和解等について」は、警察職員の過失による一つの事故で同時に他の2台の車両に損害を与えたいわゆる第一、第二、第三当事者の存在する二重衝突事故である。まず、第二当事者について、平成13年12月18日、県内の安全確保に伴う特別派遣により本県に派遣され公務執行中の警察官の運転する第一当事者車両が、宜野湾市野嵩の国道330号上において、第二当事者車両を自車の右後部に衝突させ損害を与えた。当該事故により破損させた第二当事者車両の所有者に対し、被害額39万4621円を支払うことを内容とする和解であるとの説明がありました。
次に、乙第33号議案「交通事故に関する和解等について」は、乙第32号議案と同一の事故で、第二当事者をしてその後方第一通行帯から進行してきた第三当事者車両を破損せしめ、第三当事者車両の所有者に対し被害額24万6670円を支払うことを内容とする和解であるとの説明がありました。
乙第32号議案、乙第33号議案に関し、損害賠償請求事件は今後も多く発生するものと思料されることから、被害者に対し迅速に補償していく上から、軽微な事故の損害補償は議会に諮らない方法はないのかとの質疑がありました。
これに対し、委任を受けての迅速な処理については財政当局と交渉をしており、迅速な対応について協議しているとの答弁がありました。
そのほか、損害賠償金の支払いは概算あるいは精算払いか、当該警察官へのペナルティー等に関する質疑がありました。
次に、乙第34号議案「包括外部監査契約の締結について」は、平成14年度の包括外部監査契約を締結するため議会の議決を求めるもので、契約金額について1514万3000円を上限とし、契約するものであるとの説明がありました。
本案に関し、包括外部監査の報告が出ているが、監査委員との業務拡充ということを考えているのかとの質疑がありました。
これに対し、県は監査委員とも相協力しながら実施していく。よって、平成14年度についても法に基づいて包括外部監査を実施していくことから、現体制としては現在提案している内容で行っていきたいとの答弁がありました。
そのほか、包括外部監査の制度は何年目か、監査は月何回実施するのか、また監査の内容等に関する質疑がありました。
以上、委員会における審査の概要を申し上げましたが、審査の結果、乙第32号議案から乙第34号議案までの3件は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第32号議案から乙第34号議案までの3件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案3件は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、乙第32号議案から乙第34号議案までは、委員長の報告のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第6 乙第30号議案及び乙第36号議案を議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
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〔委員会審査報告書(議決事件) 巻末に掲載〕
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〔土木委員長 池間 淳君登壇〕
○土木委員長(池間 淳) ただいま議題となりました乙第30号議案及び乙第36号議案の2件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、土木建築部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、乙第30号議案「工事請負契約について」は、県道9号線1号トンネル新設工事に係る請負契約である。本工事の内容は、延長133メートル、幅員11.25メートルのトンネル掘削工事である。契約金額は7億5075万円で、契約の相手方は株式会社東開発及び株式会社大城組の2社で構成する特定建設工事共同企業体であるとの説明がありました。
次に、乙第36号議案「流域下水道の建設事業執行に伴う負担金の徴収について」は、中部流域下水道、中城湾流域下水道及び中城湾南部流域下水道により利益を受ける市町村に対し、当該事業の建設に要する費用の一部を負担させるものである。平成14年度の事業内容は、中部流域下水道の那覇処理区及び伊佐浜処理区、中城湾流域下水道の具志川処理区、中城湾南部流域下水道の西原処理区において施設整備の拡充を図ることとしている。事業費は4処理区合わせて81億6300万円で、そのうち市町村の負担金額は12億450万円となるとの説明がありました。
本案に関し、流域下水道の進捗状況及び人口普及率についての質疑がありました。
これに対して、中部流域下水道及び中城湾流域下水道においては、地域の開発に合わせて処理能力の強化や施設の整備拡充を進め、中城湾南部流域下水道においては平成14年4月10日の供用開始に向け整備を順調に進めている。マリンタウン地区内については、マリンタウン幹線として平成14年度から整備を進める予定である。また、人口普及率は中部流域下水道那覇処理区81%、中部流域下水道伊佐浜処理区83%、中城湾流域下水道の具志川処理区40%であるとの答弁がありました。
次に、宜野湾浄化センターの埋立計画はどうなっているのかとの質疑がありました。
これに対して、現在の敷地では増設できないので、地域住民に環境的な負担をかけない方法、範囲内で宜野湾浄化センター地先海域を埋め立て処理施設の増設を図ることにしている。また、埋立工事については、埋立免許が平成14年2月22日に取得できたことから早期に事業に着手し、埋立工事の期間は3年を予定しているとの答弁がありました。
その他、マリンタウンの公営住宅整備について住宅課と港湾課の計画の違い、那覇広域都市計画の中で今後想定される人口、宜野湾浄化センターの処理能力と今後の見通し等についての質疑がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第30号議案及び乙第36号議案の2件は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第30号議案及び乙第36号議案の2件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案2件は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、乙第30号議案及び乙第36号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第7 甲第1号議案から甲第24号議案までを議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
予算特別委員長。
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〔委員会審査報告書(予算) 巻末に掲載〕
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〔予算特別委員長 新垣哲司君登壇〕
○予算特別委員長(新垣哲司) ただいま議題となりました甲第1号議案から甲第24号議案までの24件について、一括して委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、説明員として関係部局長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における質疑の概要等について申し上げます。
まず、予算編成に当たっての事務・事業の総点検及び県単補助金の整理・統合の実績等についての質疑がありました。
これに対し、事業の効果などを検証し、民間の経済活動との関係で行政が参入すべきものか、国及び市町村との役割分担の中で県が行うべき事業か、さらに県民ニーズがあるか、費用対効果との整合性や沖縄振興開発計画における位置づけはどうなっているか等の総合的な見地から検討し予算を編成している。また、県単補助金については、社会情勢の変化や補助目的の達成及び経費負担のあり方等を検証して見直しを行っている。ちなみに、平成13年度は廃止が48件、縮小が94件で合計142件、節減額は8億8572万円となっている。今後とも、県単補助金については社会経済情勢の変化等に応じて見直していくとの答弁がありました。
次に、小泉内閣の構造改革で地方交付税の削減が打ち出されたが、県財政に与える影響についての質疑がありました。
これに対し、平成14年度の地方交付税はマイナス4%が計画されており、これは地方財政計画に合わせた内容である。ちなみに、地方交付税額は2024億500万円で、平成13年度の2108億8000万円に比べると4%の減である。さらに、県税収入の減少により臨時財源対策債の増額や大幅に基金を取り崩すなど、厳しい予算編成となっているとの答弁がありました。
次に、普天間飛行場の代替施設の使用期限を15年とした知事公約のいきさつ及びこれに係る閣僚発言に対する県の認識についての質疑がありました。
これに対し、公約の中では「一定期間に限定」としているが、平成11年11月に県が代替施設の移設候補地を選定した際、基地の整理縮小を求める県民感情から15年使用期限を設ける必要があるとして条件の一つとしている。また、日米外相会談で川口外相は15年使用期限問題について、米国の立場は承知しているが、普天間飛行場の移設・返還を進めるには引き続き相談していくことが重要だと言及している。県としては、閣議決定された政府基本方針の中でしっかりと受けとめられていると考えるとの答弁がありました。
次に、那覇空港の沖合展開による拡張整備に向けた県のスケジュール及び国への要請活動等についての質疑がありました。
これに対し、国の第8次空港整備五箇年計画は、交通政策審議会の答申を経て平成15年11月を目途に閣議決定されるものと思われる。県は、国との役割分担を図りながら那覇空港周辺地域の現況調査を実施しており、平成14年度も引き続き基礎的調査等所要の調査を行い、国の基本計画に反映させたい。また、政府等の関係機関に対する要請活動を行うとともに、シンポジウムや県民大会等を開催し、県民への周知を図っていきたいとの答弁がありました。
次に、市町村合併に関し、具志川・与勝地域及び宮古地域の状況並びに他の地域での動き等についての質疑がありました。
これに対し、具志川・与勝地域では平成13年12月3日に任意の合併協議会が設置され、県は当協議会の運営等に要する財政支援を行うとともに、合併の効果等に関する分析調査を当協議会と連携して進めている。宮古地域では、6市町村長が法定合併協議会の設置に向けて3月議会で議案を提案することが予定されている。また、宜野湾市、北中城村、中城村、西原町、浦添市においては、職員による連絡会議や研究会等を開催している。さらに、北部3村の国頭村、大宜味村、東村及び離島6村並びに南部具志頭村においては、議員研修会等が開催されるなど機運は徐々に高まっているとの答弁がありました。
次に、平良市の産業廃棄物最終処分場の火災発生に関し、産業廃棄物処理業許可申請の取り扱い及び現在の操業の状況についての質疑がありました。
これに対し、当該業者の産業廃棄物処理業許可期限が平成14年2月6日までとなっていることから、期限前に許可申請が出されているが、火災の完全鎮火や同処分場の施設の改善等を先に実施すべきであることから、現在、産業廃棄物処理業の許可は与えていない。県は、火災発生後、当該業者に対し直ちに産業廃棄物の搬入停止を通知し、現在、搬入は停止されている。一方、宮古保健所及び衛生環境研究所では火災現場の発生ガス、周辺地域の地下水・土壌調査等の生活環境への影響調査を実施してきた。その結果、分別の不徹底、焼却灰の不適正処理、地下水の水質測定が実施されてない等の不適事項があったことから、当該業者に対し平良市の管理型最終処分場への焼却灰の搬入、分別の改善、水質測定の実施などを指導しており、今後とも指導を強化したいとの答弁がありました。
次に、本県における介護保険制度の実施状況及び介護保険事業者の介護サービスの質的向上対策についての質疑がありました。
これに対し、本県は要介護認定者の割合が高く、介護保険施設や在宅サービスの供給体制は十分に整備されており、高齢者の介護環境は大きく改善されている。一方、介護保険給付費が当初見込みより大幅に上回ることから、介護保険財政安定化基金の拠出率を引き上げて対応することになった。また、介護保険事業者が3828指定されているが、同事業者に対して指導監督等を実施するとともに、ケアマネジャーの質の向上を図るため各種の研修等を実施していきたいとの答弁がありました。
次に、高度多機能病院(仮称)における医師の確保についての質疑がありました。
これに対し、高度多機能病院(仮称)において高度医療を実現するためには優秀な医師を確保する必要があり、県立病院の医師の再配置や県立中部病院での臨床研修を初め、琉球大学や県外大学医学部との連携を図るとともに、必要に応じて医師を公募するなど努力していきたいとの答弁がありました。
次に、単一JAに向けての農家救済策、全国支援を受ける条件及び県下JAの経営状況についての質疑がありました。
これに対し、現時点における負債農家の総数は2万3279人いることから、農家対策として農家負債緊急対策利子補給事業を創設し、県、市町村、JAが3分の1ずつ利子補給を行い、平成14年度から平成16年度までの3年間で毎年3億円ずつ融資額を設けて負債の返済がしやすいような対策を考えている。また、全国支援を受ける前提条件としては、破綻金融機関の解消、経営責任の厳格な追及、出資者の責任を明確にすることである。現在、8JAが破綻状況にあり、経営責任については各JAの「経営責任検討委員会」で整理することになっているとの答弁がありました。
次に、中小企業に対するセーフティーネット保証に関し、当該保証制度の実績及び県の取り組みについての質疑がありました。
これに対し、セーフティーネット保証制度の実績は、平成14年2月末現在、件数で19件、保証承諾額が5億5190万円となっている。県としては、県内の中小企業者からセーフティーネット保証制度を活用する際、信用保証協会、金融機関の対応が弱く審査基準も厳しいとの声があることから、関係機関と連携して県内各地で説明会を開催し制度の周知に努めている。また、昨今の厳しい経済状況を踏まえ、個々の事業者の実情に応じて融資が円滑に行われるよう信用保証協会、金融機関を訪問し、弾力的な運用について申し入れているとの答弁がありました。
次に、新しい沖縄振興計画の中に観光産業が重点施策に挙げられているが、国際的な観光・保養地としての多様なニーズに対応するための具体的な施策についての質疑がありました。
これに対し、本県の亜熱帯地域特有の豊かな自然、伝統芸能、歴史的文化遺産等の観光資源を有効に活用した総合的な国民保養の場の形成、コンベンションを生かした観光・リゾート地の形成、魅力ある観光・リゾート施設の基盤整備、ホスピタリティーに満ちた観光客受け入れ体制の整備、ITを活用した観光情報の強化、観光関連団体との連携・強化を具体的な施策として展開することにしているとの答弁がありました。
次に、中城湾港泡瀬地区埋立事業の漁業補償の合意額が当初算定額を大幅に上回ったことについての質疑がありました。
これに対し、漁業補償の算定は国の公共用地の取得に伴う補償基準及び沖縄県の公共事業の施行に伴う補償基準により算定をしている。積算方法は、平年の純利益を資本還元して、これに漁場依存率を乗じて積算している。当初提示の補償額についても、これらの基準で積算をしたものである。その後、漁業権者と交渉する中で漁場の詳細な実態が判明したことから、漁場の実態に合った資料に基づいて再構築し、最終的には19億9800万円で合意したとの答弁がありました。
次に、5月、6月から少雨傾向が続き、平年並みの降雨がなければ給水制限も想定されるが、企業局の給水対策についての質疑がありました。
これに対し、今後、渇水状況が続いた場合の対策として、1点目に、県民に節水を呼びかけること、2点目に、河川管理者と調整して河川の維持流用水を取水すること、3点目に、わき水等を取水することである。そのほか、現在、海水淡水化施設は日量5000トンないし7000トン生産しているが、渇水時にはこれをフル稼働させ4万トンを生産するような対策を考えているとの答弁がありました。
次に、少年非行の現状と取り組み状況についての質疑がありました。
これに対し、平成13年の少年非行は前年比で約30%と大幅に増加しているが、刑法犯少年は全国対比では約6割と少ない。犯罪になる前に深夜徘回、喫煙、飲酒などの段階で補導しているとの答弁がありました。
次に、新年度から実施される完全学校週5日制に関連し、子供たちの過ごし方や土曜日の補習についての質疑がありました。
これに対し、完全学校週5日制の実施は、児童生徒が家庭や地域社会で多様な社会的・自然的体験、文化・スポーツ体験を通して豊かな心、思いやりのある心を培い、総合的に望ましい人間形成を図ることを目指すものである。土曜日の補習については、学びたいという生徒に対しては一律一斉ではなく、学校側のできる範囲内で支援を行うべきと考えるとの答弁がありました。
そのほか、沖縄平和賞、県有地の利活用、入札の透明性の確保、県職員の労働安全衛生対策、米軍の実弾演習による山林火災、石油精製産業の振興、バス会社の統合、モノレールの延伸、知事の選挙資金、読谷補助飛行場の跡利用、IT産業振興施設整備事業の概要、マングース駆除事業の概要、ドクターヘリの状況、放置自動車対策、世界遺産と中城村ごみ焼却場の法的手続問題点、リュウキュウアユの保護対策、国際交流基金の活用対策、県立看護大学の大学院設置検討委員会の発足、乳幼児の医療費負担、農業試験場用地の跡地利用、圃場整備事業の状況、食糧の自給率、林業試験場の移転整備の進捗状況、イモゾウムシ及びアリモドキゾウムシの駆除状況、家畜ふん尿処理方法、子牛生産拡大奨励事業、肉用牛生産者補給金制度、食肉施設整備事業、暴走族対策、高度道路管理システム、交通死亡事故の実態と対策、中城湾港の岸壁の整備状況、特別自由貿易地域への立地企業の状況、福建友好会館の入居状況、中心市街地活性化施策、佐藤工業の倒産に伴う県内企業への影響、観光入域客及び消費額の算出根拠、カジノと観光、お土産品の管理監督、学校におけるバリアフリー化、県内の身体障害者授産施設等の概要、県立高校の授業料の減免措置等についての質疑がありました。
以上が委員会における質疑の概要でありますが、甲第1号議案については護憲ネットワーク、社大・結連合、共産党、自立21所属委員により修正案が提出され、採決に先立ち、自民党所属委員から、修正案に反対し原案に賛成する旨、社大・結連合所属委員から、修正案に賛成し原案に反対する旨の意見表明がありました。
採決の結果、甲第1号議案に対する修正案は、賛成少数で否決されました。
修正案が否決されたことに伴い原案について採決した結果、甲第1号議案は、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、甲第1号議案に対して自民党所属委員から附帯決議の動議があり、採決の結果、全会一致で可決されました。
甲第21号議案については、共産党所属委員から反対する旨、自民党所属委員から賛成する旨の意見表明があり、採決に際して護憲ネットワーク、社大・結連合及び自立21所属委員は退席しました。
採決の結果、甲第21号議案は、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
甲第2号議案から甲第20号議案まで及び甲第22号議案から甲第24号議案までの22件については、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
甲第1号議案に対しては、新里米吉君外17人から修正の動議が提出されております。
この際、提出者の説明を求めます。
新里米吉君。
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〔甲第1号議案平成14年度沖縄県一般会計予算に対する修正案 (巻末に掲載)〕
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〔新里米吉君登壇〕
○新里 米吉 ただいま議題となりました甲第1号議案平成14年度沖縄県一般会計予算に対する修正案を提案いたします。
(款)総務費、(項)総務管理費、(目)諸費の沖縄平和賞負担金5000万円を削除することであります。
「沖縄平和賞基本構想」の「「沖縄平和賞」創設の背景」の中で、「平和を消極的平和として狭く解釈するのではなく、個人・地域・社会が豊かに生活できる状態を含めて積極的に捉えるのであれば、そうした平和の実現・維持は依然として主要先進諸国を含む世界共通の課題であると言える。」と述べています。そのことには私も同感であります。
しかし、沖縄平和賞の創設によって「背景」で述べられていることが実現できるとは思えません。
沖縄平和賞の運営母体は実行委員会となっていますが、委員会の会長は知事、幹事長は知事公室長、経費はすべて県の負担金となっており、実態は県が丸抱えと言っても過言ではありません。
沖縄県が平和賞関連で国内外の現地調査を行ったのが8事例ありますが、その中で県、市等の自治体が関与しているのは2例であります。そのうち「環日本海新潟賞」は平成4年度から実施しましたが、平成12年度に表彰中止になっていますので、現在も続けられているのは「永井隆平和記念・長崎賞」であります。
この賞の対象は、「原子爆弾による被爆者、放射線事故等による被曝者の治療及び調査・研究等の分野において、ヒバクシャ医療の向上・発展、ヒバクシャの福祉の向上を通じ世界平和に貢献し、将来にわたり活躍が期待される国内外の個人又は団体」と原爆関係等に限定されています。また、インターネットの活用等による資料収集分が5事例ありますが、その中で自治体がかかわっているのは「永井隆平和賞」の1事例だけであります。
沖縄平和賞は、対象の幅の広さから考えると、ノーベル財団が実施主体になっているノーベル平和賞に近いと思います。しかし、ノーベル平和賞は与党議員からも指摘されたように受賞者が後世において批判されたり、疑問を持たれたりする事例もあります。そのことからも明らかなように、「永井隆平和記念・長崎賞」のように対象が限定される賞と違って、対象の幅が広い平和賞の選考は中立性・公平性と平和の理念や選考等について常に問題を抱えると思います。そのことは、委員会会長へ知事が就任することについて本会議では「たまたま」と答弁し、予算特別委員会においては「なるべくしてなった」との答弁にもあらわれています。私は、このような平和賞に県が深く関与することに賛成できません。また、広大な米軍基地が存在する中で米軍基地の県内移設を推進し、平和祈念資料館建設で改ざん問題を起こした稲嶺知事の創設する平和賞に対して疑問を持たざるを得ません。
よって、別紙修正案のとおり沖縄平和賞負担金5000万円は削除して予備費に措置すべきものと思慮いたします。
○議長(伊良皆髙吉) これより修正案に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
まず、甲第1号議案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
○安次富 修 ただいま議題となりました甲第1号議案平成14年度沖縄県一般会計予算に対する修正案に反対し、原案に賛成する立場から討論をいたします。
さきの12月議会でも述べてまいりましたが、この沖縄平和賞というものは、沖縄と地理的・歴史的にかかわりの深いアジア・太平洋地域の平和の構築・維持に貢献した個人、団体を顕彰対象としております。
その背景といたしましては、20世紀が激動の世紀と言われ、1世紀の間に人類は2度にわたる世界規模の戦争を戦い、数千万人にも上る人命を失いました。さらにその後にも半世紀にわたる冷戦という戦いも経験し、まさに戦争の世紀と言われるゆえんであります。そしてこの沖縄の地におきましても、去る太平洋戦争で唯一の地上戦が展開され、20万人余のとうとい命と貴重な文化遺産が失われました。そのような悲劇を二度と繰り返してはならないとかたく誓い、沖縄県民は平和の実現を強く求めてきており、歴史の流れの中で今日ほど平和に向けて心を一つに合わせていくという21世紀を迎えたものと確信いたしておりますが、しかしながら世界の現状はなおなお厳しく、昨年の米国同時テロに見られる新たな人類を脅かす問題、イスラエル、PLO問題に見られる民族や宗教の対立から発生する地域紛争、地球規模の環境破壊、そして貧困など多くの深刻な課題が現実に存在していることは残念のきわみであります。
しかし、だからこそ平和運動を一歩も二歩も前に推し進めるべきであり、どんなに大きな壁があってもいささかも停滞してはならないものであります。平和を希求する沖縄の心を世界へ発信するための手段としてこの沖縄平和賞の創設は意義深く、時宜を得たものと思料されます。
さて、こうした沖縄平和賞の理念は、第1に、アジア太平洋地域における平和・非暴力実現の促進であり、第2に、人間の安全保障実現の促進であります。さらに、世界のおのおのの地域の内部で培われてきた多様な文化や考え方を相互尊重することによって平和の実現を図る努力、取り組みを促進するものであります。沖縄平和賞のこうした理念等に県内の各界各層を代表する団体の代表者等が賛同し、沖縄平和賞委員会を設立し本賞を創設したものであります。会長を知事とすることにつきましては、同委員会の総会において全会一致で決定されたものであり、知事が会長を行うことは平和行政の具現化やピースムーブメントが強力に推進されることになります。
また、受賞者の選考に関しては有識者で構成する選考委員会が行うものであり、県の関係者は選考委員会には入らない仕組みになっていることから中立性や公平性は確保されるものと考えます。また、県におきましてはこれまでシンポジウム、地域別説明会の開催やマスメディア等を通した広報に努め県民コンセンサスを図ってきており、アンケート調査においても沖縄平和賞の創設について90%以上の賛成を得ております。
本年は復帰30周年に当たり、このような時期に沖縄平和賞の第1回目の授賞式が挙行されることは本県の歴史に残る大きな出来事であり、県民に自信と誇りを与えるすばらしい事業であると確信いたします。
今回の当初予算で審議されております負担金5000万円は、第1回授賞式及びシンポジウムの開催経費や賞金、選考委員会運営経費等であり、適正な予算措置であります。
また、沖縄平和賞より基地の撤去が先だという声もありますが、それは余りにも短絡的であります。現実を見詰め、一つ一つ着実に基地問題が解決されなければなりません。沖縄における米軍基地のプレゼンスを薄めていくためにも、平和の発信である沖縄平和賞を力強く推進していこうではありませんか。
最後に、平和を希求する沖縄県民のあふれんばかりの熱い思いを引き続き発信し続けるためにも、保守・革新、与党・野党の立場を乗り越えて恒久平和の創造に立ち上がっていくために、何とぞ議員各位の賢明なる御判断をお願いし討論といたします。
よろしくお願い申し上げます。
○玉城 義和 自立21を代表し、ただいま議題となりました修正案に賛成し、原案に反対する立場から討論を行います。
まず第1点は、沖縄平和賞の理念についてであります。
この「沖縄平和賞基本構想」なるものを何度も繰り返し読んでも、何で今沖縄県が沖縄平和賞を創設しなければならないのかということが全く理解できません。しかるに、その理念はこう言っています。「「沖縄平和賞」も平和に対する沖縄の認識・評価を相対化しつつ普遍化した理念に基づくべきである。しかしながら一方で、普遍化された平和哲学・思想は、飽くまで沖縄の価値・意義を反映させた沖縄発の平和哲学・思想に根ざしたものであるべきだと考える。」。つまり、沖縄戦の経験などのようなものは相対化し一般化しなさいとこう言っているわけであります。しかしながら、それはまた一方で沖縄発の平和哲学に根差したものであるべきだとも述べております。明らかに矛盾をしておりますし間違いであります。
沖縄戦のような体験に根差した認識というものは、絶対に相対化してはならないものであります。沖縄や広島、長崎もそれぞれ独自の体験ゆえに平和への強いインパクトを持つものであるからであります。しからば、このような矛盾した理念から導き出される具体的な沖縄平和賞の受賞者はいかようなる人物になるのか。それはすなわち基本構想にも例示するように、文化遺産の保存運動や草の根支持のNGOあるいは人権活動家など、その対象者の功績が一般性、普遍性を持てば持つほど沖縄県民との距離は大きくなります。また、沖縄県の特殊性と近ければ近いほど県民の中でそれに対する賛否が噴出する事態になるということであります。これはこの理念の導き出す当然の帰結であります。
第2に、「「沖縄平和賞」の意義」についてでありますが、その中にこういう文章があります。「沖縄における平和意識の共有・昇華のための知的・実践的営み」、こういう極めて情念的な1項目が入っております。これは次のように述べております。
先ほど私が申し上げた理念に基づいて、
「沖縄平和賞」を創設したとしても、それを実際にどう運営していくかは極めて困難な取り組みになる。そこには価値観と評価が反映されざるを得ないからであり、外部からの批判を受け止めこれを説得できるだけの知的な力が欠かせない。 その意味で、「沖縄平和賞」の運営は沖縄にとって極めて大きな知的挑戦となるが、寧ろ逆に、そうした挑戦に「沖縄平和賞」の意義を見出すべきであると考える。 「沖縄平和賞」の運営過程は、平和についての共通理解・昇華に向けた知的・実践的営みに他ならないと評価できるからである。具体的な平和の実態やそれを実現するための手段については、沖縄の内部に限定しても、決して合意が形成されているわけではない。よって、対外的にも自信を持ち得るように「沖縄平和賞」を運営していくことは、必然的に関係者の平和に対する理解を巡る厳しい議論を伴うことになる。そうした過程を肯定的に評価して、「沖縄平和賞」に取り組むことで、沖縄自身の知的成長・進化につなげていくという決意を表明するものである。
これは、実は私は大変なことを言っているというふうに考えております。
実は私は、沖縄平和賞の本当の目的は、制度の目的はここにあったのかと、こういうふうに思わざるを得ないのであります。すなわち、沖縄戦の体験を持つ沖縄県民には独自の平和観が強くあり、また平和に対する考えはさまざまだと、こういうことです。だから批判もある。しかし、この沖縄平和賞の意義はこのような多様で根強い沖縄独自の平和観を一本の共通理解にまとめていくことなんだ、そして昇華していくことであると。知的・実践的営みということであるとして、そのことが沖縄自身の知的成長と進化──沖縄県民はまだ進化をしてないわけでありますが、論者によると──決意表明までしているわけであります。
このような論理は、2000年3月に出された「沖縄イニシアチブ論」、あるいは牧野副知事ら御三名の著書「沖縄の自己検証」にその論理的根拠を見出すことができます。平和論とは縁もゆかりもない、むしろかつての平和資料館の改ざん問題と根を一つにしている、結果的には沖縄の反戦平和運動を封殺をする役割を担うものであります。
今、稲嶺県政は基地をみずから受け入れ、地域を混乱させています。また、復帰後5000件以上に上る米軍人等による犯罪に県民はおののき、日夜を分かたず米軍機の騒音に悩まされ、413件3133ヘクタールにも及ぶ原野火災に怒りをたぎらせているのであります。この現実から目をそらしてはいけません。難解な言葉をもてあそび、5000万もの血税を投入し、平和学の解釈をしている場合ではないのであります。
沖縄県稲嶺知事が今やるべきは、これら県内の課題の解決を行うことがアジア太平洋の平和につながるとの県の役割を十分に自覚をし、平和賞を創設してアジア太平洋の人々を顕彰するよりも、沖縄県知事みずからがアジア太平洋の人々からまさに平和賞の対象として顕彰されるべく懸命の努力を行うことこそが求められているのであります。
また、手続的にも沖縄平和賞委員会が選考過程で実質的な権能を有しない単なる飾り的なものになっている点、推薦人1000名の氏名や推薦根拠が明らかになってない点、推薦された候補者が別途精査されること、会長、副会長が知事、副知事、幹事会の幹事長が知事公室長であること、及び選考委員会委員を知事が任命することなど中立性、公平性を著しく欠くこと、また100%県が負担するという負担金のあり方等々多くの点で適正さと妥当性を欠くものであります。
私は、以上申し上げた諸点からして、県民の意見が二分されるこのような賞を沖縄県という公共団体が行うべきではないと思料いたします。
よって、議員各位におかれましては、大所高所から御判断をいただきまして修正案に御賛同いただきますようお願い申し上げ、修正案に賛成し、原案に反対する討論を終わります。
よろしくお願い申し上げます。
○伊波 洋一 甲第1号議案平成14年度沖縄県一般会計予算に対する修正案に賛成の立場から社大党・結の会連合を代表して討論します。
今回、すべての野党会派、すなわち護憲ネットワーク、社大党・結の会連合、共産党、自立21が提案している修正案は、沖縄平和賞委員会への負担金5000万円の削除であります。
平成13年12月定例会においても、すべての野党会派は平成13年度の平和賞委員会負担金1000万円を削除する修正案の提案を行いました。そのときの削除の提案説明や討論の主な論点は、平和賞創設に向けた県の取り組みの不透明さ、説明責任の不備、平和賞委員会委員や選考委員の公平性や中立性に問題があること、並びに多額な財政負担を永続させることへの県民合意は形成されていないということでありました。
一般的に、予算提案権のある執行部の提案については、重大な問題がない限り質疑を通して疑義を明らかにして執行部の提案を尊重するというのが議会側の基本姿勢でありますが、今回、2度にわたって沖縄平和賞の創設を進める稲嶺知事の提案に県議会野党全会派が反対し、沖縄平和賞委員会への負担金5000万円の削除を求めていることは、稲嶺県政が進める沖縄平和賞の創設に極めて重大な問題があるということを示しているのであります。そして同時に、稲嶺知事の進める沖縄平和賞の創設は、県議会のみならず県民のコンセンサスを得られてないということを示しているのであります。
なぜ、稲嶺知事の提案している沖縄平和賞が沖縄県民のコンセンサスを得られないものなのかを平和学の視点から明らかにしていきたいと思います。
私は、沖縄から平和を発信することの重要性を認識するものであります。なぜなら、沖縄県民は残酷で凄惨な沖縄戦で多くの肉親を殺され、生き残った県民も全員が捕虜になり、敵国の支配によって土地が奪われ、広大な軍事基地がつくられ、戦争が終わって後も半世紀以上にわたって婦女子が強姦され続けているからであります。伊江島や宜野湾市の伊佐地区のように、戦後何年経て後も強制的に土地を接収され、家や田畑を焼かれつぶされるというように他に類例を見ないほどに軍隊によって支配され続けているからであります。戦後58年目を迎えることしも演習による山火事は相次いで発生し、米軍機の爆音はさらにひどくなり、沖縄での米軍の横暴はますますエスカレートしていることは明らかであります。まさに沖縄からの平和の発信は、沖縄が平和であるから平和を発信するのではなく、軍隊に支配され続けている島であるからこそ平和を取り戻すために基地のない、軍隊のない島にしようというものでなければならないのであります。
沖縄平和賞(仮称)検討委員会議事録によると、検討委員である上智大学の猪口邦子教授が委員会で次のように発言しています。すなわち、沖縄というときに、もちろん基地の問題なくして平和を語ることは非常に偽善的であろうと思いますと言っているのであります。また、「沖縄平和賞シンポジウム」では、国際政治と軍事アナリストである小川和久氏も、沖縄県こそ受賞にふさわしいような働きをすべきだと思っていますと発言しています。
沖縄で平和を語るときに、沖縄戦や米軍基地は避けて通れないものであることは当然のことでありますが、稲嶺県政はさきの2氏のようなアドバイスにもかかわらず、米軍基地の存在を肯定するがゆえに沖縄平和賞の創設を世界に知らせる際にも、沖縄の広大な米軍基地の存在に触れることができない県政なのであります。この「沖縄平和賞」パンフレットには、沖縄に広大な米軍基地が存在することは一言も書かれていません。(資料を掲示) それだけでなく、「沖縄平和賞実施要綱」にも、沖縄平和賞委員会の事業計画や文書にも、「沖縄平和賞基本構想」にすら沖縄の広大な軍事基地を減らそうとする一言の言葉のないことに愕然とせざるを得ないのであります。
「沖縄平和賞基本構想」で示されている基本的な考えは、日本における米軍専用施設が集中している沖縄の現状に異議を唱えず沖縄平和賞を創設するということであり、きわめつきは、基本構想の15ページにあるように、軍事施設の多い沖縄の参考になるとして、アジア太平洋以外の地域の軍事施設でも当該地域に役立っていることを沖縄として沖縄平和賞の対象として評価するに十分値すると考えられると述べているのであります。
数多くの軍事施設を持つ沖縄ですが、一体どのような軍事施設が沖縄平和賞にふさわしいと考えるのでしょうか。
まさに検討委員も指摘するように、沖縄県民の土地を占拠し人権を侵害するだけでなく、ベトナム戦争を初め戦後一番多く世界の各地で戦争や攻撃を繰り返し、多くの無垢の人々や子供たちを殺してきた米軍基地について、稲嶺県政としてみずからは何ら対処することなく沖縄平和賞を創設するのは偽善的であり、欺瞞であると言わざるを得ないのであります。
沖縄平和賞は、選考委員会の委員選定要領で「平和学の視点」を挙げています。
沖縄平和賞の基本理念は、「アジア太平洋地域における平和・非暴力実現の促進」、「人間の安全保障実現の促進」、「内発的多様性を基礎とした平和実現の促進」であります。この3つの理念は極めて崇高な理念であり、平和学の目指す方向性と完全に一致しているものであります。
しかし、稲嶺知事は米軍基地を肯定し新たな基地建設を推進しており、沖縄において平和・非暴力実現の促進を最大限に阻害しているのであって、また決して内発的多様性を守る立場ではなく、日米両国の圧力による中央政府の介入を促進し軍事基地建設を推進しているのですから、稲嶺県政は平和賞の基本理念と平和学の目標から一番外れたところにいるのであります。
では、稲嶺県政の沖縄平和賞の第一の理念、「アジア太平洋地域における平和・非暴力実現の促進」は何のために取り上げられているのか。基本構想の説明を引用すると、「アジア太平洋地域に位置する日本の平和は、同地域全体の安定と平和とも大いに関係している。日本における米軍専用施設が集中している沖縄には特に当てはまる。別言すれば、沖縄にとっての平和は、アジア・太平洋地域の安定と平和が大前提とならざるを得ない。「沖縄平和賞」は、沖縄の平和が依存するアジア太平洋地域の緊張緩和・安定・非暴力の確保・推進を目指し、そうした活動を積極的に評価・支援するものである。」と述べております。
すなわち、基地の集中する沖縄の状況をみずから変えるのではなく、基地集中がもたらす危険を防止せんがためにこの地域の緊張を緩和する活動を支援するということであり、一種の保険のようなものなのであります。しかし、このような稲嶺県政の姿勢は許されるでしょうか。沖縄に米軍基地を集中させ続けることこそ一番戦争への危険を生んでいるのであります。私は、このような稲嶺県政の軍事強化容認の姿勢は世界じゅうの平和を願う人々から、戦争を憎む人々から大きな非難を受けるものであると思うのであります。
平和学に関して、1996年に沖縄国際大学と北アイルランドのアルスター大学及びINCORE(紛争解決民族問題研究所)の共催で「国際平和学シンポジウム」が開催されました。世界各国から著名な平和学研究者が参加しましたが、平和学の創始者で構造的暴力論を提唱した元オスロ国際平和研究所所長のヨハン・ガルトゥング・ヨーロッパ平和大学教授が基調講演を行いました。その中で、平和学とは直接的暴力、構造的暴力、そしてこの2つを正統化する文化的暴力によってもたらされた人間の苦悩をどう緩和するか、また直接的平和、構造的平和、文化的平和の諸条件は何かなどをあわせて研究することであると述べています。そして、平和学は戦争を正統化し文化的暴力に加担する研究である安全保障学と正反対の立場であり、戦争は既に消滅した2つの悪、すなわち奴隷制度と植民地主義と同様に有害であるばかりか不必要であると断じました。
さらに、沖縄から基地をなくすために非暴力による3つのアプローチを提言をしています。
第1に、基地に対してノーと言うこと、第2に、東京とワシントンの政策決定者の門前で抗議行動を実行すること、第3に、沖縄の県民一人一人が基地に対する率直な意見を書ける大きなホワイトブックを公共広場において自由に書き込んでもらうという提言であります。平和学の最終目標は平和であって研究ではないとも言っています。まさに平和学は実践そのものなのであります。
稲嶺知事は、昨年の基地問題の訪米行動での米国政府への文書で、沖縄県として我が国に所在する米軍基地は日米安全保障体制を維持する上で重要な役割を果たし、我が国の安全と極東における国際の平和と安全の維持に寄与しているものと理解しており、本県に所在する米軍基地の重要性についても十分認識しておりますと米軍基地擁護の姿勢を明確に示しました。沖縄への米軍基地の集中に異議を唱えず、米軍基地を認める立場の稲嶺知事は、平和学の視点の看板を掲げて沖縄平和賞を創設すべきではないのであります。
沖縄平和賞の創設は、沖縄の米軍基地の固定化を意図するものであってはなりません。沖縄県民の基地負担を軽減し、沖縄の米軍基地の削減と撤去に結びつくものでなければならないはずであります。
以上、沖縄の米軍基地の現状を肯定し、新たな基地建設を目指す中での沖縄平和賞の創設に反対し、甲第1号議案平成14年度沖縄県一般会計予算案に対する修正案に賛成し、原案に反対する立場の討論といたします。多くの議員の皆さんの御賛同をいただきたいと思います。
○新垣 米子 私は、日本共産党県議団を代表し、甲第1号議案の修正案に賛成し、甲第1号議案原案に反対する立場から討論を行います。
まず第1に、沖縄平和賞の賞金1000万円を含めた沖縄平和賞委員会負担金500万円の予算についてです。
昨年の12月県議会で、平和賞基本構想、平和賞委員会の規約が議会に提案説明されないまま補正予算が提案されたこと、また受け皿となる平和賞委員会の設立がなされていないのに先に予算が提案されたことに関して、我が党の宮里政秋議員が反対の立場から討論しました。
このような執行部のやり方は、議会と議員の審議権を否定するものであり、行政の手続上からも踏み外れた行為であり、多数与党を頼みにした執行部のおごりのあらわれと言わざるを得ません。また、委員会規約で定めた委員長に稲嶺知事、幹事長に知事公室長をもって充てるとしていること。また、どのような人が推薦されるのか、県民にとって大きな関心事なのに推薦人の名前は非公開とする。沖縄平和賞の選考過程は、中立性と公平性を確保すべくと言いながら、推薦人も公表しないとなると、一体、賞の公平性、中立性をどこでだれが担保するのでしょうか。公平性、中立性を著しく侵すものと言わざるを得ません。
また、規約は会長の専決処分を規定しています。すなわち、「会長は、緊急の場合で、総会を招集するいとまがないときは、これを専決処分することができる。」と規定しています。平和賞委員会の運営のあり方を一体どう位置づけているのでしょうか。また、今議会での5000万の負担金も丸ごと県の予算で充てることにも示されているように、知事と県執行部の丸抱えの沖縄平和賞であることが明らかではないでしょうか。
我が党は、沖縄から世界に向けて平和を発信することに反対するものではありません。新基地建設の受け入れを表明しながら、一方では平和賞の創設では県民は心から歓迎する気持ちにはなれないのではないでしょうか。真に県民が心から平和賞を受け入れることができるためにも新基地受け入れを撤回することを強く要求するものです。
次に、原案に反対する次の理由は、基地関係業務費の3858万円の中にSACO合意を促進する立場から、普天間基地、那覇軍港の移設返還事業費として約1058万円の予算が組まれていることにあります。普天間基地の移設に伴って知事が移設条件とした15年使用期限問題や生活環境や自然環境への影響など何一つ明らかにされていないのに、移設のための作業だけは着々と県みずから進めていることは到底容認できるものではありません。
我が党は、これまでもSACO合意の中身は決して県民の要求である基地の整理縮小ではない、新たな米軍基地機能の再編強化、固定化であり、21世紀末まで県民に基地があるゆえの苦しみを背負わすものであることを指摘してまいりました。
昨年9月11日に米国で起こった同時多発テロを契機にブッシュ米大統領は、昨年10月1日に公表した国防戦略見直しや、ことし1月29日の一般教書演説で国土防衛を全面に対テロ戦争の継続・強化を強調し、具体的な地域と基地名には触れずに、東アジアと欧州の重要な基地はハブ(拠点)としての追加的な役割もあり得るとして、アジア重視の姿勢と米軍基地の機能の維持強化を強く示唆しました。
同時に、報復戦争を世界各地で広げることを公言し、イラン、イラク、北朝鮮を名指しで「悪の枢軸」と呼び、これらの国を含めた7カ国に対する核攻撃をも示唆しています。
政府・与党が今通常国会で制定しようとしている有事法制は、アメリカの戦争に自衛隊のみならず国民と地方自治体に有無を言わさず協力を強制するものであり、沖縄戦を体験した県民として憲法9条を踏みにじるような、再び戦争への道に進めようとしていることに大きな怒りを禁じ得ません。米国の世界戦略の拠点づくりとしての沖縄の新たな基地建設を県政みずから受け入れ、県民の予算を計上することは到底認めることはできません。知事が所信表明で示した「平和で安らぎと活力のある沖縄県」にも逆行するものであることを厳しく指摘したいと思います。
第3に、市町村合併推進のために市町村合併支援事業費として1億7543万2000円が計上されていることです。
国は、行政改革の一環として全国的に市町村合併を進めています。しかし、この国の市町村合併推進のねらいは、広域合併によって市町村自治体の財政規模を実態より大きく描き、地方交付金など国の地方への支出を抑えるとともに、大規模な箱物などの建設を推進しようとするものです。このことは予算特別委員会の審議の中で、例えば今進められている具志川市、与那城町、勝連町の合併では国保税や介護保険税などの大幅な引き上げが予想されるのを初め、具志川市が既に進めている大規模な都市再開発のための莫大な費用の負担も明らかになるなど、重大な問題も明らかになっています。また、全国的にも議会や自治体首長の合併反対の決議、態度表明が相次いで行われ、中には合併推進で3年余も学習会を重ねた結果、合併反対を決議した青年会議所の例も生まれています。
このように市町村合併には重大な問題が指摘されており、まだまだ解明すべき問題があり時期尚早と言わざるを得ません。真に県民の立場に立った地方自治体の規模やあり方はどうあるべきか、県民論議も不十分です。市町村合併支援事業費の撤回を強く求めるものです。(発言する者多し)
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時5分休憩
午後0時6分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○新垣 米子 第4に、高校授業料の引き上げに伴う1億1383万7000円の県民負担が組まれていることです。
我が党は、昨年12月県議会に高校授業料引き上げ条例が提案されたとき、長引く不況に追い打ちをかけたテロの影響で県民の暮らしと県経済の落ち込みが深刻なこの時期に県民へ負担増を押しつけることは同意できないことを訴えてまいりました。残念ながら我が党以外の賛成多数で引き上げ条例が可決され、平成14年度予算に9000円から9200円に引き上げられた増加分約1億1400万円が収入増として計上されました。ことしに入ってマスコミは、「学費滞納者が急増」、「教育現場に不況の影」の実態を報じています。授業料滞納が休学や退学の引き金になっている実態が各高校の実態調査は示しています。
ことし1月に県教育委員会は、各県立高校あてに生徒の家庭に授業料減免制度の周知を促す異例の文書を出したことも報じていますが、県教育委員会はこの文書を出した理由に今日の厳しい経済状況と授業料の引き上げの実施を決めたことを挙げています。今回の措置で44名の生徒が減免を受けられたことも報告されましたが、県教育委員会の今回の努力を評価しながらも、それでも5500人の申請に対して3844人、全体の在籍者の7%にすぎません。
減免率を8%内とする根拠について、なぜ8%なのか、いつ決めたのか、このことに関してもこれまで質疑してまいりました。九州各県の実施状況を参考にしたことや、復帰前に決めたことなどが言われましたが、復帰30年たった今日の経済事情が復帰当時と同列に論じられないことは当然であり、また悪化していることは言うまでもありません。九州各県の多くは、必要な生徒がほぼ100%受けられていることからしても8%の枠をはめることに道理がないことは言うまでもありません。経済的理由による中退を1人も出さないためにも必要なすべての生徒が減免制度を活用できるよう県教育委員会の決意を求めるものです。
最後に、介護保険についてです。
介護保険制度がスタートして2年、平成12年度の介護保険給付が県全体で約30億円の赤字決算が報告されました。その穴埋めのために財政安定化基金の負担を現在の0.5%から1.5%に引き上げる必要があり、引き上げによる県の負担分の予算が提案されました。
我が党は、現在の段階ではやむを得ない選択との判断で賛成をしましたが、その引き上げに伴って各市町村、とりわけ赤字を抱える市町村の介護保険料への転嫁で平均でも5120円に一気にはね上がることも質疑で明らかになりました。市町村の今議会での我が党の議員の質疑でほぼ現在の2倍になることが明らかになっています。
我が党は、本県の高齢者の84%が非課税世帯である実態から、低所得者に対する減免措置をあわせて示すことを強く要求してまいりました。県は、減免措置として今後市町村に対して現在の5段階の負担区分を6段階に拡大をし、低所得者の負担軽減を図るよう指導していきたいとの意向を示しました。しかし、市町村が減免措置を行う場合は国の3原則、すなわち全額減免をしない、所得のみに着目した一律の減免をしない、一般財源の繰り入れを行わないを遵守するよう指導していることも明らかにしました。県のこの指導は、減免された分を他の高齢者の保険料へ転嫁される仕組みを押しつけるもので、本県の高齢者の苦しみを根本から解決することにはなりません。県と市町村の独自の財政支援が強く求められています。昨年10月の時点での調査で、保険料の減免措置を実施している自治体が全国で310、利用料の減免の措置が635自治体となっています。
今通常国会で我が党の井上美代参議院議員が、減免措置を実施している自治体への政府の干渉をやめるべきではないかという質問に対して、干渉しないとの答弁をしています。市町村に対する県の3原則の指導を改めるとともに、県独自の支援策を強く要求するものです。
以上、甲第1号議案平成14年度一般会計に対する反対理由と、県民の暮らし、命を守る立場から問題点を指摘し討論を終わりたいと思います。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時11分休憩
午後0時11分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○新垣 米子 平和賞の予算について、私、間違って500万と言ったそうです。賞が1000万、負担金全体で5000万の予算です。
最後に、この修正案に賛成をし、原案に反対する討論を終わります。
○池間 淳 議長、休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時12分休憩
午後0時19分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
以上で甲第1号議案に対する討論は終わりました。
次に、甲第21号議案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 日本共産党を代表して平成14年度沖縄県中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業特別会計予算に反対する立場から討論を行います。
まず第1に、沖縄県、沖縄市は「中城湾港泡瀬地区開発事業の推進に関わる確認作業の結果について」、3月8日に発表いたしましたが、この報告書をもとに工事着工の予算が提案されておりますが、多くの問題点があることを指摘しておきたいと思います。
まず、泡瀬の干潟は環境省の重要湿地指定地であり、沖縄県自然環境保全評価ランクⅠの貴重な干潟であります。その貴重な干潟を埋め立てる理由としてこの報告書は説得力に欠け、お粗末でいいかげんな報告書と言わざるを得ません。
尾身大臣は、2月26日の記者会見で「環境問題では一応めどが立った。後は県側からいろんな計画の需要見通しを聞いた上で、早急に前に進むことにしたい」、需要見通しについて、きちっとした見通しがなくてもそこそこの見通しがつけばいい、基本的にやると決まっていることだなどと発言して工事着工に向けて報告書提出を急がせました。
公有水面埋立事業では公共性、必要性、自然環境への配慮が求められています。そのために多くの市民が泡瀬干潟と自然環境を守れと運動に立ち上がっているのです。埋立事業が一時中断した理由は、これらの点について無視できない事由が生じたためです。埋立予定地の泡瀬干潟は、まさにかけがえのない沖縄における残り少ない貴重な自然であることからも、埋め立てをするからにはしっかりした根拠を示す必要があり、この報告書にはその具体的根拠が全く見られません。
2つ目に、環境問題のめどはまだ立っていないということです。
海藻の移植作業は終わったかもしれませんが、実験としては始まったばかりです。環境監視・検討委員会の報告も、モニタリングが定期的に行われ、その結果が公表されるべきことがワーキンググループによって提案されたとしています。移植はおおむね順調であり移植は可能との評価が得られたとして、海藻移植のめどが立っていると結論づけるのは余りにも早急過ぎます。
3つ目に、環境監視・検討委員会の報告を拡大解釈していることです。
環境監視・検討委員会は、実験は順調であると報告しておりますが、これは移植実験の途中経過を示すものであって結論ではないはずです。
機械の移植についても、海藻が生えているところに、バックホーで移植が可能であるかもしれないとしているにすぎません。環境監視・検討委員会は、生態系の保全の観点から総合的に埋立事業全体を検討することを指摘しています。
また、海藻移植技術以外の問題についてはまだ実験的に論議もされておりません。渡り鳥については、琉球列島最大の飛来地であるにもかかわらず、埋め残された干潟で飛来地としての機能が維持できるかどうかについての科学的な検討はまだ行われておりません。海藻の移植技術だけをとらえ、ほかはすべてうまくいくかのように矮小化して結論を導くことは、生態系を無視し環境監視・検討委員会の報告を故意に歪曲する暴挙であります。
4つ目に、推進団体の署名をもって地元の要請は極めて強いことを再確認したとしていることには無理があります。朝日新聞と沖縄タイムス、琉球朝日放送の世論調査を初めこれまで行われた世論調査はいずれも多くの市民が泡瀬の埋め立てに反対であり、たくさんの疑問を持っていることも明らかにしてきました。しかも、推進団体の署名だけを根拠に体制が整ったとしていますが、この署名の内容でも沖縄市の市長さんさえ沖縄市民だと客観的に証明するものはありません。それを無視して推進団体の署名だけを根拠にして体制が整ったとすることにも無理があります。市民の総意を言うのであれば、住民投票を実施するなどだれもが納得する手法で市民の意思を明らかにすべきです。
5番目に、将来の入域観光客数を616万人というのも観光審議会でもまだ審議中の状況の中で、そのうち10万7000人を泡瀬地区に配分し、1人当たり目標平均滞在日数5.27日を乗じて年間56万人の宿泊の需要としており、1275室の数値目標は科学的な論拠はありません。また、国や県の機関で具体的に決定された数値でもありません。莫大な予算を要するこの計画で努力すればできるとする希望的な数値では市民、県民は納得できません。
6番目に、土地利用においても全体の目標はあいまいでも、第1区分だけの土地利用を満たせばよいということで第1区域の工事が始められることであります。例えば、多目的広場は第2区域に予定されている用地ですが、今回第1区域から工事を始めるとなりますと、当然第1区域にある通信基地の周りには高い建物は建てられないため、第1区域にも多目的広場がつくられることになります。
本事業は、経済効果、需要見通しについても科学的根拠もなく、その上、生態系破壊の問題についても十分検討がなされておりません。この事業を進めることは泡瀬の海の自然を破壊することであり同意できません。
よって、我が党は反対を表明をして討論を終わります。
よろしく御賛同願いたいと思います。
○小渡 亨 ただいま議題となっております甲第21号議案平成14年度沖縄県中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業特別会計予算に賛成をする立場で討論を行います。
沖縄市民の長年の夢であった泡瀬地区埋立事業が平成12年の12月、国及び県により相互に承認・免許され、昨年8月に一時工事は中断したものの、ことしの3月20日には工事が再開されました。これにより国際性、海洋性、市民性を備え、海に開かれた21世紀のまちづくりが本格的に始動します。この事業は、第3次沖縄振興開発計画及び中城湾港港湾計画にも基づいており、特別自由貿易地域に指定された新港地区の整備促進をするため、港湾施設整備に伴って発生するしゅんせつ土砂を活用します。工事再開により沖縄市の振興のみならず、沖縄県全体の活性化が図られ、国際交流リゾートや海洋文化、海洋レクリエーションなどの拠点となる「マリンシティ泡瀬」が誕生します。
また、やむを得ず埋め立てられる沖縄市域干潟全体の18%に当たる藻場や干潟については、移植や新たな人工干潟を造成し、干潟生物の生息環境を整備するとともに、環境保全措置を講ずることになっております。
環境創造への取り組みとしては、干潟や野鳥園の整備によりトントンミーやクビレミドロなど干潟生物の生息環境や野鳥の休息や繁殖の場となる人工でできた比屋根湿地のような湿地生態系を創造するとともに、自然教育の場としても活用されることになっております。
さて、地元沖縄市においては、にわかに出現した干潟を守る会等がこの事業に反対するため続けて2回も住民投票条例の制定を画策しております。しかし、市民の代表である沖縄市議会は、28対7という圧倒的な多数で2回ともこの条例案を否決しております。また、事業推進派は「美ら島を創る市民の会」を組織し、沖縄市民12万人のうち8万5000名余の賛成署名を集めております。さらに、沖縄市以外からは20万人余の県民がこの事業に理解を示し署名をしてくれました。
私は、今定例会の代表質問でも意見として述べましたが、この問題に決着をつけるのは来月21日の沖縄市長選挙だと考えております。反対派の予定候補者が二転三転し無投票になるかもしれないと大変心配しましたが、幸いにもやっとこの事業に真正面から反対する予定候補者があらわれました。正々堂々と市民の信を問うていきたいと思っております。
この事業予算に明確に反対しているのは4名の共産党議員であります。共産党以外の野党の皆さん方は退場することなく議場に残り、みずからの意思を明確にすべきであります。特に、同じようなマリン・タウン・プロジェクト事業を強力に推進している議員、そして新港地区の事業もまだまだであります。特に、前沖縄市長だった沖縄市選出の議員は、市長在任中8年間、沖縄市の単独予算をこの事業にみずからの予算として投入しております。そういうことで退場という消極的な賛成ではなく、議場に残り賛成してほしいものであります。
よろしくお願いをして賛成討論とします。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で甲第21号議案に対する討論は終わりました。
以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
休憩いたします。
午後0時32分休憩
午後0時33分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
これより甲第1号議案から甲第24号議案までの採決に入ります。
議題のうち、まず甲第1号議案を採決いたします。
まず、本案に対する新里米吉君外17人から提出された修正案について採決いたします。
お諮りいたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(伊良皆髙吉) 起立少数であります。
よって、修正案は、否決されました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 次に、原案について採決いたします。
お諮りいたします。
原案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(伊良皆髙吉) 起立多数であります。
よって、甲第1号議案は、原案のとおり可決されました。
――――――――――――――
○高嶺 善伸 議長。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時34分休憩
午後0時39分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
次に、甲第21号議案を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(伊良皆髙吉) 起立多数であります。
よって、甲第21号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時40分休憩
午後0時40分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
次に、甲第2号議案から甲第20号議案まで及び甲第22号議案から甲第24号議案までの22件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案22件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、甲第2号議案から甲第20号議案まで及び甲第22号議案から甲第24号議案までは、原案のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時41分休憩
午後1時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
日程第8 議員提出議案第1号 道路整備の促進と財源確保に関する意見書を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
――――――――――――――
〔委員会審査報告書(意見書) 巻末に掲載〕
──────────────
〔土木委員長 池間 淳君登壇〕
○土木委員長(池間 淳) ただいま議題となりました議員提出議案第1号について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、提案理由の説明を省略し、議員提出代表者及び土木建築部長に対する質疑を行ってまいりました。
以下、審査の過程における質疑の概要等について申し上げます。
本案に関し、本県の歳入予算に道路特定財源としてどのくらい入っているかとの質疑がありました。
これに対して、平成11年度における道路特定財源としての県における税源は軽油引取税、自動車取得税、地方道路譲与税及び石油ガス譲与税の4種類で116億3700万円、市町村における税源は自動車取得税、地方道路譲与税及び自動車重量譲与税の3種類で48億7600万円が入っているとの答弁がありました。
次に、本県における市町村道路6001キロメートルの道路整備率は幾らかとの質疑がありました。
これに対して、本県における人口及び自動車台数当たりの道路整備率は全国平均の6割程度で依然として低く、また道路延長1キロメートル当たりの交通渋滞による損失額は全国第3位と深刻な状況にあり、全国平均並みには整備していきたいとの答弁がありました。
次に、道路特定財源は県道及び市町村道にどのくらいの予算が使われているのか、また市町村道においては何割程度まで事業が進められているのかとの質疑がありました。
これに対して、14年度の予算で直轄国道で3割程度、残りの7割程度が都道府県道、市町村道及び街路に使われている。本県の道路事業費は、国道、県道、市町村道含めて1166億円あり、そのうち市町村道に充当されるのは114億円、1割程度であるとの答弁がありました。
そのほか、本県の道路総延長、ガードレール、歩道及び道路案内標識の整備に要する経費の財源等についての質疑がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、議員提出議案第1号道路整備の促進と財源確保に関する意見書については、原案のとおり賛成多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
本案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
玉城ノブ子君。
〔玉城ノブ子君登壇〕
○玉城ノブ子 日本共産党県議団を代表いたしまして、ただいま提案されました意見書について、当意見書の質疑応答の中で、道路特定財源制度の堅持を初め市町村道路の財源の充実が図られてないことについて反対であり、討論をいたします。
我が党は、国民生活の利便性やつり合いのとれた発展を図るためには、道路、鉄道、航空、海運などさまざまな交通手段の特性を生かし、バランスのとれた交通体系を築くことだと考えております。とりわけ、我が沖縄県においては、57年前の戦争で鉄道は破壊され、その上、土地は米軍に接収されたため都市計画を初め道路計画や道路整備がおくれた大きな要因です。それだけに沖縄県のすべての道路整備は国の責任においてなされて当然ではないでしょうか。
政府は、道路事業への投資に毎年巨額の予算をつぎ込み、モータリゼーションを促進し、そのことが他の公共交通機関の利用者を減らし、その分野での採算を悪化させてきました。今必要なことは、総合的な交通政策とバランスのとれた財政配分です。
道路特定財源制度は、交通行政の一元化の桎梏になっています。我が党は、これを廃止し一般財源化するとともに、道路、港湾、空港など交通関係の特別会計を一元化した総合交通特別会計を創設すべきだと考えております。
我が党のこの主張は、今日決して我が党のみのものではありません。財界団体である経済同友会も98年の6月に提言を発表しております。道路などの特定財源は、極端に社会資本が不足していた時代の発想に基づく仕組みであり、現在では予算配分を硬直化させる原因になっているとして道路特定財源の廃止を主張しています。
1999年1月、経団連の輸送委員会企画部会の懇談会に招かれたNHK解説委員の横島庄治氏は、「幅広く財源を得ることで現在の道路特定財源を拡大し、他の交通モードの整備にも利用できる総合交通特定財源とするという発想はありえよう。」と述べています。
また、98年9月に行われた衆議院の国鉄林野特別委員会における旧国鉄、林野会計の長期債務問題での参考人質疑で、政府税制調査会会長の加藤寛氏は、我が党の総合交通特別会計の提案に対し、道路財源はもっと考えるべきだと述べております。道路、港湾も含めて見直すべきで、提案には賛成だとも述べています。
また、国際的に見ても自動車関係税を道路財源として特定財源化するやり方は異例になっています。ドイツでは、ガソリン、ディーゼル税は一般財源であり、総合交通体系の資金となっています。アメリカ、ドイツ、スウェーデンなどでは鉄道に自動車関係税から資金を振り向けています。日本のように道路特定財源制度にしがみつくやり方は、こうした時代の流れに逆行し、つり合いのとれた国民本位の交通政策を阻害する要因になっております。
私どもは、意見書案が言う「道路網の整備」には同意いたしますが、道路特定財源の堅持には同意できないことを表明し、以上で反対討論といたします。
○小渡 亨 議員提出議案第1号道路整備の促進と財源確保に関する意見書に対する賛成討論を行います。
道路は、陸上交通における人の移動や物の輸送を担う最も基本的な交通手段であるとともに、沿道の土地利用を誘導し、暮らしを支える電気、水道、通信などのライフライン施設の収容空間として、また地域の生活環境及び防災に重要な役割を担い、公共の福祉の増進に大きく寄与しております。
本土に比べ交通手段を道路交通のみに依存している本県において、道路は県民の豊かな暮らしを支え、本県の自立的発展を促進する上で極めて重要な役割を果たしていることは皆さん御案内のとおりであります。
復帰後30年が経過し、重点的に道路整備を行った結果、国道、県道、市町村道の改良率や舗装率、歩道設置率などは全国的にまで至り、着実にその成果を上げてきております。
しかしながら、このように道路整備が進む一方で、急激に成長した経済社会はモータリゼーションの進展を加速させ、道路整備を上回る自動車交通量の増加に伴い、都市部やその周辺地域において円滑な交通の確保が困難となり、都市機能の低下や生活環境の悪化を招いていることもまた事実であります。
一方、地方部においては地域間の連絡や各種公共施設やサービス施設などへのアクセスが不便な地域もあり、県民の多様なニーズに十分こたえているとは言いがたい状況であります。このため、県土の骨格をなす規格の高い国道や地域間の連携や交流を促進する県道、また生活に密着した市町村道などなお一層の体系的な道路整備の促進と質的向上を図る必要があると考えます。
我が小泉内閣において道路特定財源をなくし、一般財源化しようとする動きがあります。戦後、我が国を世界一級の経済大国にまで押し上げてきたもろもろのすばらしい制度が半世紀を経過し、制度疲労を来しております。今後とも我が国が一定の成長を遂げていくためにはどうしても構造改革は必要であると私は思います。
しかしながら、本県の道路整備を推進していくためにはどうしても安定的な財源が必要であり、本県の厳しい財政からしても国による財源確保がこれまでどおり引き続き望まれるところであります。
よって、道路整備に必要な財源をいましばらくの間確保する必要があり、このことを強く訴え、議員提出議案第1号に対する賛成討論とします。
よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより議員提出議案第1号道路整備の促進と財源確保に関する意見書を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(伊良皆髙吉) 起立多数であります。
よって、議員提出議案第1号は、委員長の報告のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第9 議員提出議案第4号 衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関する意見書を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
渡久地 健君。
――――――――――――――
〔議員提出議案第4号 巻末に掲載〕
──────────────
〔渡久地 健君登壇〕
○渡久地 健 ただいま議題となりました議員提出議案第4号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明いたします。
平成12年末、衆議院議員選挙区画定審議会は、衆議院小選挙区比例代表並立制が導入されてから初の10年ごとの国勢調査に基づく区割りの見直しに着手してきた。このことは、1票の格差が最大2.5倍に達している現状を踏まえ、格差2倍未満を目標に検討が行われた。その結果、衆議院議員選挙区画定審議会は、平成13年12月19日、同審議会設置法に基づき衆議院小選挙区選出議員選挙区の改定案の勧告を内閣総理大臣に行っている。ちなみに、同審議会の改定案は、10の道県で定数の増減がある。このうち、沖縄県は小選挙区が1増となり現定数3から4となる。本県選挙区の区割りは、人口規模で小選挙区間の均衡を欠かない、小選挙区での飛び地をつくらない、郡部はなるべく切り離さず、かつ生活圏との一体感を基準としている。
よって、このようなことから、画定審議会の5増5減案は、沖縄県の小選挙区の1増に結びつくことになる。
以上のことなどから、画定審議会の勧告案に基づく選挙区の改定を速やかに行うことを要望するため本案を提出した次第であります。
御参考までに申し上げますと、定数1増が埼玉県、千葉県、神奈川県、滋賀県、沖縄県、定数1減は北海道、山形県、静岡県、島根県、大分県であります。
意見書を朗読いたします。
〔衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関する意見書朗読〕
以上で提案理由の説明は終わりましたが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第4号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、本案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) これより議員提出議案第4号衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第4号は、原案のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第10 議員提出議案第3号 那覇空港拡張整備に関する意見書を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
國場幸之助君。
――――――――――――――
〔議員提出議案第3号 巻末に掲載〕
──────────────
〔國場幸之助君登壇〕
○國場幸之助 ただいまより提出者を代表して議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書の提案理由を述べます。
一国の経済発展、特に島嶼圏においてはその国の空港機能以上のものは望めない、シンガポールの奇跡の復興をなし遂げた建国者リー・クアン・ユーの有名な言葉です。
本県は、復帰30周年、沖縄振興特別措置法に基づく新たな沖縄振興開発計画の始まる節目を迎え、自立経済の実現、アジア・太平洋地域に冠たる地位を占める地域の形成づくりに邁進をしております。
那覇空港の拡張整備は、沖縄の持つ地理的な優位性を最大限に生かしつつ、離島県、島チャビといった不利性を克服することができる極めて重要な事業であります。
冒頭で掲げた空港機能と島嶼経済の成長率は比例するという言葉を引用するまでもなく、代替交通手段を持たない本県において那覇空港は県民の生命線と断言しても過言ではありません。
その那覇空港の現状は、観光客を中心とした旅客数の伸びにより年々離発着回数が増加をしております。しかも、大型のジャンボ機、小型のプロペラ機とさまざまな規模の航空機が使用しているということから空港の過密化が進み、管制パイロットの安全性を脅かしております。平成22年には一本の滑走路容量の限界であります13万回を大幅に上回る14万1400回の数値予測がなされており、平行滑走路建設の緊急性が求められております。
さらに、たびたび生じる事故、トラブルにより滑走路が閉鎖されますと生活物資輸送、観光客、ビジネスマン、急患輸送等への支障が生じることから、代替滑走路の必要性は繰り返し訴えられてきました。自衛隊機との共同使用も政府は沖縄の施政権返還に際し、那覇空港を民間空港として返還するという約束がありましたが、いまだに守られておりません。県民の総意である基地の整理縮小を粘り強く取り組んでいくことは当然のこととして、今、目の前にある那覇空港の過密化に伴う危険性を沖合展開により緩和していくことは県民の生命財産を守る沖縄県議会の第一の責務であります。
知事を会長とし、各種団体で構成される那覇空港拡張整備促進連盟の県民機運を高める啓蒙運動、政府への活発な要請活動は高い評価を得つつあります。沖縄県議会も県民世論を喚起し、要請運動を始める時期が来たと考えます。
平成15年に決定されます第8次空港整備五箇年計画に那覇空港の拡張整備を位置づけるためには、ことしの7月ごろに明らかになります交通政策審議会の中間報告に盛り込まれることが前提となっております。
よって、今定例会が議会決議を行う最後のチャンスであるという状況にかんがみ、意見書の提案理由とさせていただきます。
次に、意見書の朗読をします。
〔那覇空港拡張整備に関する意見書朗読〕
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第3号は、総務企画委員会に付託いたします。
委員会審査のため、暫時休憩いたします。
午後2時10分休憩
午後3時46分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に総務企画委員会に付託いたしました議員提出議案第3号については、先ほど総務企画委員長からお手元に配付の委員会審査報告書が提出されました。
この際、お諮りいたします。
議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書を日程に追加し議題といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第3号を日程に追加し議題とすることに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 議員提出議案第3号 那覇空港拡張整備に関する意見書を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
――――――――――――――
〔委員会審査報告書(意見書) 巻末に掲載〕
──────────────
〔総務企画委員長 渡久地 健君登壇〕
○総務企画委員長(渡久地 健) ただいま議題となりました議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、議案提出代表者に対する質疑を行い慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における質疑の概要等について申し上げます。
本案に関し、那覇空港における民間航空の海外・本土・県内離島及び県内チャーター便並びに自衛隊、米軍の1日及び年間の使用状況の頻度についての質疑がありました。
これに対し、平成12年における那覇空港の離着陸回数については、県内線及び自衛隊を含めた国内線で11万158回で、その比率は97%である。また、国際線では3428回で、その比率は3%となっている。チャーター便の離着陸回数については、航空輸送統計の推計によると、本土便がおおむね7割を占め、県内便は3割となっているとの答弁がありました。
次に、那覇空港内での自衛隊、米軍、民間航空の事故発生件数についての質疑がありました。
これに対し、自衛隊航空機の事故件数は、平成9年は1件、平成10年は4件、平成11年は2件、平成12年は6件、平成13年は2件となっている。また、過去5年間の米軍機及び民間航空機の事故は発生していないとの答弁がありました。
次に、平成22年までに滑走路の処理能力が限界に達するものと意見書では予測している。そのため滑走路の増設が必要としているが、平成22年または今後10年後の観光入域客数の予測状況についての質疑がありました。
これに対し、観光入域客数の目標値の設定については、現在、沖縄県観光審議会に諮問し論議が交わされていることから、同審議会の答申を受けて目標値を設定していくとのことを県から伺っている。
なお、目標年次の入域観光客数については、500万人、600万人、700万人とそれぞれ3つのケースについてシミュレーションを行い、同審議会に提示しているとのこともあわせて県から伺っているとの答弁がありました。
そのほか、自衛隊の緊急発進(スクランブル)の年間回数、嘉手納ラプコンの返還の見通し、沖縄空域の米軍等設定の制限、訓練空域の設定数と空域面積、那覇空港の民間専用化を求める意見書等の全会一致決議及び政府等に対する要請行動の回数等に関する質疑がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、本案は、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
議員提出議案第3号に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
宮里政秋君。
〔宮里政秋君登壇〕
○宮里 政秋 こんにちは。
私は、日本共産党県議団を代表して、議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書に反対する討論を行います。
年間およそ450万人の旅客が出入りする那覇空港を、自衛隊との共同使用を廃止して安全な民間専用空港にしてほしいということは全県民の切実な願いであります。
これまでに本県議会は、那覇空港における民間航空機と自衛隊機との共同使用の危険性を指摘し、軍民共用廃止と民間専用化実現に向けて国に対し5回に及ぶ要請行動を展開しております。
政府も沖縄の施政権返還に当たり那覇空港を民間空港として返還することを約束し、第1次及び第2次沖縄振興開発計画でも民間空港として整備拡充することを明記しました。しかるに、政府は復帰30年に至る今日も那覇空港の民間専用化を実現していません。
1972年復帰の際、那覇空港と沖縄の空域の管制権は日本に返還されることになっていました。ところが、那覇空港は自衛隊との共同使用となり、管制業務は暫定期間の約束が今日なお米国軍隊によって我が国の管制権が握られたままであります。
また、那覇空港の離発着路の北側延長線上には米軍の普天間基地や嘉手納基地への離発着のための空域が設定されるなど、那覇空港の安全確保に重大な脅威をつくり出しているのであります。
嘉手納ラプコンの日本への返還については、平成12年3月16日に「米軍の運用上の所要が満たされることを前提」に協議を行うとされています。施政権返還時の暫定期間が30年も経過していることにかんがみ、「米軍の運用上の所要が満たされる」までとの理由でラプコン返還がずるずると引き延ばされる危険性があります。すなわち、政府は施政権返還の目玉としての県民に約束した重大な事案を履行していないのであります。そのため、那覇空港は米軍の緊急使用や自衛隊の常駐使用で県民と空港利用者の安全確保と利便性に大きな障害を与えています。
那覇空港所属の自衛隊機の事故は頻発しております。特に、昭和58年6月6日、陸上自衛隊第1混成団第101飛行隊所属のヘリコプター107型機が那覇空港で訓練中、墜落炎上するという事故が発生しました。翌年の昭和59年6月21日にはT33ジェット機が那覇空港の滑走路北側にオーバーランして、消波ブロックに激突・炎上する事故が発生しました。さらに、昭和60年5月28日、東京発全日空81便が乗客、乗務員222名を乗せ那覇空港に着陸滑走したところ、自衛隊のMU2救難捜索機が管制官の指示もないのに誘導路に進入して全日空機に接触し、あわや大惨事になる事故を引き起こしたのであります。
本県議会は、これらの事故が起きるたびに次のような意見書を繰り返し採択し政府に要請しています。
1、事故の原因を徹底的に調査・究明し、再びこのような事故が起こらないよう万全の対策を講ずること。
2、那覇空港の自衛隊との共同使用をやめ、同空港を民間専用空港にすること。
同様な意見書が5回に及んでいるのであります。
米軍に制空権が握られているという異常な状況に加え、那覇空港の軍民共用がいかに危険なものであるかは、これまで述べてきた事故でも明白であります。那覇空港を民間空港として整備し定期運航の安全性を確保することは県民への約束であり、30年間も放置してきた政府の責任は極めて重大と言わなければなりません。空の安全性は何よりも優先されなければなりません。
沖縄の空は、米軍のウオーニングエリアという戦闘訓練空域が16カ所も設定されております。沖縄の空の約40%を米軍が独占しています。米軍が管制権を一手に握り、米軍のレーダーで広大な沖縄の空を支配しているのであります。
我が党の調査に対してパイロットは、航空機は構造的にも離陸後はエンジンを全開して一気に上昇し水平飛行に移らなければならないが、米軍優先の嘉手納ラプコンが存在するため、那覇空港を離陸する民間機は高度300メートルという超低空飛行を余儀なくされるのであります。米軍優先体制がしかれ、民間機の安全は著しく脅かされております。これは、戦闘空域から嘉手納基地に帰投する米軍機の着陸を優先しているためでありますと、このように語っています。
嘉手納ラプコンの故障で沖縄の空が閉鎖されるという事態も発生いたしました。民間航空機の円滑な定期運航や安全性の確保を図る観点からも、嘉手納ラプコンの早期返還が実現されなければなりません。
全運輸労働組合が全国の空港管制官を対象に行ったアンケート調査によると、ニアミスあるいはコンフリクションを経験した人が那覇管制部で14人、那覇空港で6人もいることが明らかになっています。特に重大なことは、軍用機とのニアミスもしくはコンフリクションが民間機同士のそれを上回っていることであります。事態は重大と言わなければなりません。
空の事故は自動車事故と違い、一歩間違えば乗客、乗務員全員が死亡という最悪事態を招きかねないものであります。那覇空港の沖合展開は、大那覇国際空港建設構想で自衛隊との共同使用を前提にしたものではないとの保証はありません。那覇空港を沖合に展開すれば自衛隊との共同使用が固定化されかねません。
また、那覇空港沖合展開予定地域(海域)は、那覇以南では残り少ない貴重なサンゴ礁から成り、潮干狩りなど県民の憩いの場であります。同時に、同地域はラムサール条約の指定を受けた漫湖に飛来する野鳥など渡り鳥の採餌場にもなっており、この点からも重大な内容を持つものと指摘せざるを得ません。
さらに、沖縄県観光審議会でも今後の観光客の予想入域客は600万人だが、これでは那覇空港の沖合展開はできないと指摘。また、600万人では無理だから、50年のスパンでの入域予測をとの意見も記録されています。まさに県の関係審議会でさえも数値的根拠が示し得ない、このように指摘しなければなりません。
私たち日本共産党県議団は、沖縄の施政権返還に当たり那覇空港を民間空港として返還することを政府は県民に約束したにもかかわらず、政府が今日まで放置してきたこの責任を厳しく追及するとともに、那覇空港の自衛隊との共同使用を直ちにやめて、同空港を民間専用空港にすること、同時に嘉手納ラプコンの早期返還を強く求め、議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書に反対する討論を終わります。
よろしく御賛同お願いいたします。
○坂井 民二 議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書に対する賛成討論を行います。
沖縄県は、ことし本土復帰30周年の節目を迎えます。第3次沖縄振興開発計画も多くの成果を得て終了することになり、新年度からは沖縄振興特別措置法に基づく新たな沖縄振興計画がスタートします。新たな沖縄振興計画では、「平和で安らぎと活力のある沖縄県」の実現を目指し、自立型経済の構築や我が国及びアジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成などに向けたさまざまな施策の推進が求められております。
那覇空港は、これらの振興計画の施策を推進する上で中核的な基盤インフラであります。国際線はソウル、台北、香港、上海便の定期運航と高雄、シンガポールなどのチャーター便が運航し、国内線は離島7路線、県外26路線が運航しており、拠点空港としての航空ネットワークを有しております。
近年における那覇空港の旅客数は年平均約5%の高い伸びを示しており、旅客の伸びに伴う航空機の離着陸回数は平成12年の実績で約11万3000回となり、平成10年度に県が実施した調査によりますと、平成22年ごろまでには滑走路の処理能力が限界に達すると予想されており、滑走路の増設が急務となっております。また、那覇空港の離着陸回数の約2割が自衛隊機の利用であり、自衛隊との共同利用が空港過密化の要因の一つでもあります。
政府は、沖縄の施政権返還に際し那覇空港を民間空港として返還することを約束しており、民間航空機能の拡充・整備について強力な取り組みが必要と考えられます。島嶼県である我が県にとって航空は唯一の高速交通手段であり、持続的な観光産業の発展や県民のライフラインの確保を図る観点から、その基盤インフラである那覇空港の拡張整備は重要な課題であります。
昨年9月には台湾の貨物船の座礁事故により長時間にわたり滑走路が閉鎖され、多くの旅客が影響を受けたことは記憶に新しいところであります。嘉手納基地に緊急着陸した航空機の乗客は、8時間もの間航空機の中に閉じ込められたままだと聞いております。観光立県を目指す本県に空港の代替性がないということが大きな問題だと思います。これらのことから、那覇空港の平行滑走路新設の必要性、緊急性はより明確なものとなったと思われます。
那覇空港の沖合展開については、沖縄の本土復帰直後から地元経済界を中心に構想が提起され、その実現に向けた取り組みが続けられてきたものであり、県民にとりましてはまさに悲願とも言えるものであります。平成12年5月には地元の経済団体、市民団体及び行政機関など37団体の参画を得た那覇空港拡張整備促進連盟が設立されており、会長の稲嶺知事を中心にさまざまな活動が行われております。
先月13日には、沖縄の声を広く中央の関係者に伝えたいという観点から、東京におきまして那覇空港沖合展開「東京フォーラム―自立沖縄へのゲートウエイ」が開催され大盛況だったと聞いております。これは、那覇空港の沖合展開が東京サイドでも関心が高まりつつあることを物語っていると思います。
那覇空港の拡張整備を現実のものとするためには、平成15年から始まる第8次空港整備五箇年計画に位置づける必要があります。
御承知のとおり、現在、政府は「聖域なき構造改革」を掲げ、公共事業の見直しに着手するなど滑走路新設の事業化に向けて厳しい状況下にあります。特に空港整備事業に至っては、先日、新聞報道にもありましたが、地方空港の整備は終わったとの認識が急速に広まっております。私どもは声を大にして離島県の現状を訴え、那覇空港の拡張整備をかち取らなければならないと思います。
最後に、那覇空港は日本国内の主要な航空ネットワークに位置づけられております。これは、パシフィック・クロスロードの位置づけをハブ化し、国際水準の空港整備を行うことが必然であると信じてやみません。
議員各位の賢明なる御判断をお願いします。
賛成討論といたします。よろしくお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより議員提出議案第3号那覇空港拡張整備に関する意見書を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(伊良皆髙吉) 起立多数であります。
よって、議員提出議案第3号は、委員長の報告のとおり可決されました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第11 陳情6件を議題といたします。
各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
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〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
──────────────
〔総務企画委員長 渡久地 健君登壇〕
○総務企画委員長(渡久地 健) ただいま議題となりました陳情6件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情6件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情6件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第12 陳情8件を議題といたします。
各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
経済労働委員長。
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〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
──────────────
〔経済労働委員長 翁長政俊君登壇〕
○経済労働委員長(翁長政俊) ただいま議題となりました陳情8件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情8件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情8件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第13 陳情10件を議題といたします。
各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
文教厚生委員長。
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〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
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〔文教厚生委員長 平仲善幸君登壇〕
○文教厚生委員長(平仲善幸) ただいま議題となりました陳情10件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情10件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情10件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第14 陳情5件を議題といたします。
各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
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〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
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〔土木委員長 池間 淳君登壇〕
○土木委員長(池間 淳) ただいま議題となりました陳情5件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情5件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情5件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第15 請願1件及び陳情2件を議題といたします。
請願及び各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
米軍基地関係特別委員長。
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〔請願及び陳情審査報告書 巻末に掲載〕
──────────────
〔米軍基地関係特別委員長 宮平永治君登壇〕
○米軍基地関係特別委員長(宮平永治) ただいま議題となりました請願1件及び陳情2件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております請願1件及び陳情2件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
請願及び各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの請願1件及び陳情2件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第16 閉会中の継続審査の件を議題といたします。
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〔閉会中継続審査及び調査申出書 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) 各常任委員長、議会運営委員長及び各特別委員長から、会議規則第82条の規定によりお手元に配付いたしました申出書のとおり閉会中の継続審査の申し出があります。
お諮りいたします。
各委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、各委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日をもって議会は閉会となりますが、議員各位には長い会期中、連日熱心な御審議をいただき、議長として心から感謝申し上げます。
なお、今期定例会における議会活動状況は、後ほど文書をもって報告いたします。
以上をもって本日の会議を閉じます。
これをもって平成14年第1回沖縄県議会(定例会)を閉会いたします。
午後4時14分閉会