○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
各常任委員長、議会運営委員長及び各特別委員長から、6月12日の委員会において、
総務企画委員長 具志 孝助君
同 副委員長 坂井 民二君
経済労働委員長 浦崎 唯昭君
同 副委員長 金城 昌勝君
文教厚生委員長 安次富 修君
同 副委員長 砂川 佳一君
土 木 委員長 高江洲義政君
同 副委員長 前島 明男君
議会運営委員長 小渡 亨君
米軍基地関係特
別 委 員 長 仲里 利信君
同 副委員長 嘉陽 宗吉君
新石垣空港建設
促進特別委員長 上原 吉二君
沖縄振興特 別
委 員 長 安里 進君
同 副委員長 伊波 常洋君
をそれぞれ互選したとの報告がありました。
次に、説明員として出席を求めた技監宮尾博一君は、別用務のため本日の午前の会議に出席できない旨の届け出がありました。
また、地方労働委員会会長垣花豊順君及び人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日から21日まで及び24日から26日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君及び人事委員会事務局長野島拓君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 特別委員の変更の件を議題といたします。
本件については、各派の所属議員数に異動があるため特別委員を変更する必要があります。
よって、お諮りいたします。
委員会条例第4条第2項の規定により新石垣空港建設促進特別委員伊良皆髙吉君を外間盛善君に変更いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、新石垣空港建設促進特別委員伊良皆髙吉君を外間盛善君に変更することに決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第2 諮問第1号を議題といたします。
本件に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
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〔委員会審査報告書(諮問) 巻末に掲載〕
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〔土木委員長 高江洲義政君登壇〕
○土木委員長(高江洲義政) おはようございます。
ただいま議題となりました諮問第1号「港湾施設使用料の督促処分に関する審査請求について」、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、土木建築部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
本案は、沖縄県中部土木事務所長が行った宜野湾港マリーナの港湾施設使用料の督促処分を不服として、沖縄県知事に対して行政不服審査法第5条第1項第1号の規定に基づく審査請求があったので、その裁決に当たり、地方自治法第231条の3第7項の規定により議会に諮問したものである。審査請求人の主な主張は、改定された港湾施設使用料に不服があるため、改定前の使用料の額を供託したにもかかわらず督促が行われたことは違法な処分であるから、督促処分の取り消しを求めるものである。この審査請求人の主張に対する審査庁の見解として、当該供託は供託原因がなく債務の本旨に従った履行とは言えないことから無効であり、督促処分は違法、不当ではないと考えているとの説明がありました。
本案に関し、宜野湾港マリーナの利用者数、空き待ち希望者数、有料及び使用料免除の隻数と理由、今後の整備計画による増加隻数、使用料改定に伴う利用者との話し合いに関する今後の処理方針について質疑がありました。
これに対して、現在の利用隻数は338隻で、空き待ち希望隻数は314隻である。有料隻数は269隻である。使用料免除隻数は69隻であり、青少年の健全育成等を目的とする場合は沖縄県港湾管理条例に基づき使用料を免除している。第2期整備計画で510隻の増を計画している。使用料の改定に際して、今後は早い段階から利用者への説明を行いたいとの答弁がありました。
次に、審査請求に加わらなかったほかの利用者の使用料の納付状況、審査請求人の11名が値上げを不服とした主な理由について質疑がありました。
これに対して、ほかの利用者は改定された使用料を納付している。値上げ幅が現下の経済状況に比べて大きいことが審査請求人の不服の主な理由であるとの答弁がありました。
次に、1隻当たりの管理経費と収入額について質疑がありました。
これに対して、1隻当たりで比べると使用料収入額は年間償還額を賄っていないとの答弁がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、本審査請求は理由がないことから、全会一致で「本件は、これを棄却すべきである。」と答申すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより諮問第1号を採決いたします。
本件に関する委員長の報告は、棄却すべきである旨答申することであります。
お諮りいたします。
本件は、委員長の報告のとおり決定することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
よって、諮問第1号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
本日から21日まで及び24日から26日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第3 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
渡久地 健。
〔渡久地 健君登壇〕
○渡久地 健 自民党を代表して所見を述べながら代表質問を行います。
まず初めに、きのうのワールドカップ、日本とトルコ戦、日本じゅうが本当に興奮のるつぼに、熱狂に包まれましたけれども、すばらしい試合にもかかわらず健闘むなしく敗れて、まことに残念ですけれども、開催国として予選リーグを快進撃で勝ち進み、国民に夢と感動を与えてくれた選手に拍手を送りたいと思います。
そしてまた、昨晩は韓国が死闘の末、イタリアに劇的に勝利し、アジア同胞としてぜひ日本での決勝戦まで勝ち進むよう声援を送りたいと思います。
次に、本県の水事情でございますけれども、6月13日の渇水対策連絡会議で国・県ダムの貯水率が50%以下となり、7月1日から夜間給水を行うことを決定していましたけれども、開催その日から恵みの雨が降り水事情が好転し貯水率も65%に回復したということで、夜間断水を当面見送り、公立学校のプール等の使用が可能になったことは、観光への影響も懸念されている中で今後とも恵みの雨を期待しているところであります。
しかしながら、15日の本島中南部の集中豪雨により沖縄市を中心に床上浸水76世帯の災害等が発生したことは残念であり、被災者の皆さんにお見舞い申し上げますとともに、その原因とされる河川の改修工事を早急に実施し、災害を未然に防ぐことを希望いたします。
それでは質問通告に従って質問を行います。
まず、11月の知事選挙、それに向けて稲嶺知事の2期目の出馬についてお尋ねいたします。
11月の知事選挙に稲嶺知事が出馬し県政を継続してもらいたいとの経済界や各団体からの要望にもかかわらず知事は明確なる態度を保留しており、今議会での知事の答弁は県内各地から注目をされております。
4年前の8月28日に知事が出馬表明し、9月21日に知事選挙に臨む政策発表を行い、その基本姿勢を訴えております。これが政策発表です。(資料を掲示) 知事にお渡ししながら質問します。どうぞもう一回4年前を思い出してください。
この政策の基本姿勢の中でこのように訴えております。「わが国の経済社会は、かつて経験したことのない困難に直面しており、あらゆる面で閉塞感が充満している。経済的には未曾有の不況となり、社会的にはやり切れない事件が多発している。」、「沖縄もまた例外ではなく、一層の閉塞感と不安感に包まれている。基地問題の行き詰まり、不況のひろがり、失業問題のさらなる悪化など、日一日と深刻さは加速している。」、「この深刻な状況に対して、強力な政策的対応が期待されており、具体的な解決見通しを確実にすることが県政最大の課題といえよう。」、「県民の英知と決断を結集して、そのチャンスを活かそうではないか!」、「夢と希望、信頼、思いやり、そして確実な実行力―これが政治に対する私の基本姿勢である。」、「戦争の悲劇を嘆くだけではなく、繰り返さないために、また、沖縄問題を解釈するためではなく、解決するために、そして沖縄県民の夢や希望を語るだけではなく、実現するために」と。
このような姿勢を県民に訴え知事として当選し就任して以来、広く県民の立場に立って経済振興策の策定推進や基地問題の解決に向け着実かつ精力的に知事としての指導力、実行力を発揮し県民の期待にこたえてきました。しかしながら、現在においても基地問題や雇用問題を初め多くの課題が山積しており、特に新たな沖縄振興計画を策定し、その実現に向け一歩一歩沖縄の自立に向けて前進するためには、稲嶺知事の継続を強く望むものであります。
知事、4年前の出馬の基本姿勢の原点に立ち戻り、2期目の出馬に向けて明確なる決意を期待しております。
次に、復帰30周年の節目を迎えました。これまで30年の歴史に対する知事の見解、総括とともに今後の新たなる沖縄づくりに対する知事の決意をお伺いいたします。
(2)番目に、30周年記念式典において、日本政府首脳の沖縄に対する思いが、基地問題や沖縄振興策の件について希薄になっており、県民の気持ちと温度差があるということが一部報道されました。知事としまして、式典に参加しどう感じられたかをお聞きいたします。
(3)番目に、べーカー駐日大使が祝辞の中で、米軍人や軍属家族を受け入れてもらっている恩をアメリカは忘れない。快く迎え入れている沖縄の方々に対し、私たち自身も規則・規律を守り、その一部である共同体に貢献しなければならないことも十分認識しているとの発言に対し、県民からいろんな声がありました。これに対し、知事はどう受けとめているのかをお伺いしたいと思います。
次に、有事法制関連3法案について質問いたします。
有事法制関連法案については、国会で集中論議されるとともに、全国各地で同法案に対する議論が続出し、特に武力攻撃事態対処法案については、有事における対応について法的整備を図る必要があるということで法案が国会に提出されていますけれども、悲惨な地上戦を体験した県民の立場から、市町村議会においても十分な議論が必要であり、慎重審議を求める県民世論の中で知事の対処方針についてお伺いしたいと思います。
次に、去る6月12日に首相官邸において47都道府県知事が招集され意見交換会が開催されたが、その席上、どのように沖縄側の主張、要望を行ったのか。また、それに対する国の反応、態度はどうであったか、今後の地方の意見交換会のあり方を含めてどう感じたかをお伺いしたいと思います。
2番目に、基地問題についてお伺いいたします。
普天間飛行場代替施設の移設について。
昨年12月27日に開催された第8回代替施設協議会において、建設場所については、地元の意向を踏まえリーフ上の案とし、環境面、技術面を考慮して検討する。規模については、軍民共用飛行場を前提に名護市長からの要望もかんがみ、さらなる工夫について検討する。工法については、具体的な建設場所を踏まえた最適な工法を検討する。今後、その方針に基づき防衛庁を中心に関係省庁等の協力をもって検討を行い、本協議会において基本計画案を決定するとの方針が承認されました。その後、国、県、名護市の協議の進展、話し合いはどのように進められたのかを含めて次の項目について質問いたします。
まず初めに、15年使用期限についてどのような進展があったのか。
(2)番目に、代替施設の建設場所、規模についてはどう検討され、決定に向けてどのような段階であるのか。
(3)番目に、軍民共用飛行場については、名護市長からの要望も踏まえてその規模と機能についてどう整合性を図っていくのか。
(4)番目に、工法については建設場所との関連もあるけれども、地元の意見集約はどのように進んでいるのかをお聞きいたします。
(5)、使用協定締結における名護市の動向及びそれに対して県がどうかかわっていくかでございます。
これまで閣議や代替施設協議会、あるいは実務者連絡調整会議においては、国と名護市が協定を結び、県は立ち会うとの方針であったと思いますけれども、6月16日の名護市議会での助役の答弁は、政府と名護市と県の三者で締結するとなっております。
きょうの新聞報道によりますと、県の方も地元の意向を尊重し積極的に関与すると報道されておりましたが、これまでの方針が変更になったのか、それについてお聞きいたします。
次に、下地幹郎衆議院議員が提起した海兵隊普天間飛行場の嘉手納基地への統合案は、これまで国、県、名護市が進めてきた移転先の作業を白紙に戻すことになると思いますけれども、県は同案に対しどう受けとめているのか、お聞きいたします。
次に、日米地位協定の見直しでございます。
知事を初め県議会の決議及び市町村を含め県民挙げての日米地位協定の見直しは、運用改善ではなく改正すべきであると強く要望していますけれども、中国・藩陽の亡命者連行事件で我が国の外交姿勢の腰の定まらぬ脆弱さが露呈したことを考えてみますと、日米交渉にゆだねるこの改正は極めて厳しい状況であると痛感いたします。
基地問題の解決の原点は日米地位協定の改正であり、基地の整理縮小の手法は政党間の温度差はあっても、この地位協定の問題解決には県民の意見が最大公約数集約されるものと思います。国民を巻き込んだ県民挙げての取り組みが必要だと思いますけれども、知事の御見解を賜ります。
次に、沖縄振興計画についてでございます。
沖縄振興の新たな展望を切り開き、その方向と施策のあり方を明確にした沖縄振興計画の県案が5月31日に国に提示されました。私は、次の観点から本計画を高く評価し、その策定作業を推進してきた関係者の御苦労をたたえたいと思います。
まず1つに、自立型経済の構築に向け沖縄の特性を十分発揮されたフロンティア創造型の施策として策定されている。第2に、市町村や各種団体及びインターネットによる県民意見を募集するなど県民の幅広い意見が集約されている。第3に、「参画と責任」、「選択と集中」、「連携と交流」と「基本姿勢」を明確にし、国、県、市町村の各種施策の基本となり、民間においては自発的活動の指針となるものである。第4に、基地問題への対応と「駐留軍用地跡地の利用の促進」について大きく踏み込んだ計画であります。この計画が真に本県の自立的発展の指針となることを期待し質問いたします。
まず第(1)に、沖縄振興特別措置法に基づいて、この枠内で策定された総合計画である同計画県案を知事はどう評価されますか。
第(2)に、県案策定における県内各界各層の意見の集約方法がどのように行われ、その意見が県案にどう反映されたか。
(3)番目に、全会一致で県議会の決議が行われ、6項目にわたる決議の趣旨は県案に包括されていると思いますけれども、次の点について質問いたします。
「海兵隊の海外移転を含む米軍施設・区域の整理縮小を図ること。」が「在沖米軍の移転」に修文されていますけれども、その理由と、海外移転が抜けているけれども、国内移転及び県内移転と限定しているのか、お聞きいたします。
2番目に、「旧軍飛行場用地問題は、地主の意向を踏まえて戦後処理問題の最重要課題として明確に位置づけること。」が、「不発弾処理や旧軍飛行場用地など戦後処理等の諸問題に引き続き取り組む。」と修文されているけれども、旧軍飛行場用地問題については6月17日の沖縄振興審議会で前向きに対処するとの意見もあったと聞くが、どのように位置づけて解決に取り組むのか、お聞きいたします。
そして、戦後処理問題は多くの課題が解決され、あるいはその段階にあると思いますけれども、ほかに解決しなければならない問題があるのかどうか、お聞きいたします。
「基地内の環境保全、返還跡地の有効利用の障害とならないよう日米地位協定を改正すること。」が「米国政府と引き続き協議していく。」と修文され、「日米地位協定」が抜けております。本計画は行政執行計画であり、政治的解決を図るべき課題については本計画に組み入れることに限界があるのか。また、日米地位協定が日米安保条約第6条に規定された法律であるため、その改正について同計画にはなじまないものであるのかをお聞きいたします。
次に、「金融業務特別地区、情報通信産業特別地区、自由貿易地域及び特別自由貿易地域制度については、さらなる税制上の減免措置及びキャプティブ保険制度の導入等を図り、一国二制度的改革を行うこと。」の決議に対し、修文のとおり、企業ニーズを踏まえ、企業立地環境の整備を行うためにはさらなる税制の減免措置が必要でないかと思います。
同計画の「振興の基本方向」で、「地方分権が本格化する中、地方公共団体は、複雑、多様化する住民ニーズにいかに対応し、独創性を発揮するのか、まさに生き残りをかけた自己改革が求められている。 自主性、主体性を発揮した意欲的な取組により、分権時代にふさわしい地域づくりを進めていく必要がある。」と明記しており、思い切った減免、優遇措置が必要であると思うが、それに対する知事の御見解をお聞きいたします。
そして、金融業務特区のキャプティブ保険制度については同特別区の目玉になると思うし、この制度は自社、またはグループ企業のリスクを専属的に引き受ける保険会社で、グループ全体のリスク回避の強化と保険料の軽減が可能となり、また保険料の運用により得られた金融収益についてもグループ内の収益となるメリットがあります。しかし、現在、国内においてキャプティブ保険が認められていないため、日本の大企業及びグループの80社は海外で保険会社を設立しているけれども、アメリカ2000社、イギリス500社と比べて少ない状況であります。リスクマネジメントの重要性が高まる中でキャプティブ保険制度の設立が着実にふえることが予想されております。したがって、この保険制度は同特別区の目玉になることが期待されております。
次に、米軍基地が本県に集中している現実が我が国の国防上一国二制度的存在であれば、沖縄振興の施策が一国二制度的改革として強く要求することは沖縄の立場ではないのかをお聞きいたします。
(4)番目に、国との調整過程で県の意向が十分織り込めなかった項目があるのか。また、最終決定までのスケジュールについてお聞きいたします。
(5)番目に、分野別計画(情報、観光、雇用、農業)の策定時期と本計画との関連及び策定方法についてお聞きいたします。
(6)番目に、第3次振計と比較して今計画の特徴及び優位性についてお聞きいたします。
(7)番目に、大学院大学構想についてでございます。
この構想は昨年6月、尾身沖縄及び北方対策担当大臣が、国際的な自然科学系の最高水準の大学院大学を創設する構想を発表されて以来、県民から大きな期待とともに同構想が世界最高レベルの教授陣をそろえ、世界最高レベルの研究・教育を行う国際的なプロジェクトであるため、雲をつかむような構想であるため理解しにくい面もあるけれども、科学技術の発展と沖縄の振興発展の観点からもその創設が期待されております。
この構想を実現させるためには、知事を先頭に県内の各種団体を網羅する県民挙げての受け入れ体制を確立し、国に強く働きかけることが必要だと思います。7月初めに設立促進県民会議が発足されると聞いておりますけれども、それについて質問いたします。
これまでの経緯と今後の取り組みについて。
沖縄新大学院大学構想検討委員会の役割と取り組みについてでございます。
2番目に、「国際顧問会議」の役割、出席者、検討内容と今後のスケジュールについて。
3番目に、大学院大学の規模、建設費、運営費について。
4番目に、建設場所選定における条件(必要面積、住環境の整備)と決定時期及びどの段階でどの機関が決定するのかをお聞きいたします。
そして、開校までのスケジュールについてお聞きいたします。
(8)番目に、本計画における社会経済要因の目標数値についてであります。
県内総生産が平成12年度の3兆4000億円から平成23年度の4兆5000億円と1兆1000億円の増(32.4%増)の根拠についてお伺いいたします。
我が国の平均成長率を1.2%と見込んでいる中で、県の年間平均成長率を2.6%と高い水準に設定した理由についてもお聞きいたします。
県民所得が218万から270万と52万増、32.9%ふえておりますけれども、全国平均との格差が縮小し完全失業率も低下する設定としているが、それぞれの推移数値についてお伺いいたします。
次に、財政問題でございます。
沖縄県の財政の事情は特に厳しい状況ということは御承知のとおりでございます。県は、平成12年行政システム改革大綱を策定し、効果的かつ効率的な行政運営、財政健全化のための方策を打ち出してきました。
まず初めに、財政健全化のためのこれまでの取り組みとその成果はどうであったのか。そして、今後の方針についてお伺いいたします。
(2)番目に、自主税財源確保についての県の考えと取り組みについてお伺いいたします。これは、各地方自治体が自主的に法定外税をつくることの作業でございますけれども、県の取り組みについてお伺いいたします。
5番目に、バス事業統合問題について質問いたします。
きょうの新聞にもございましたけれども、バス統合準備室がことしの1月に準備室案が提出されました。平成15年のモノレール開業に伴うバス路線網の再編、乗り合いバスの規制緩和も実施され、バス企業を取り巻く環境が厳しい中で、県民の足であるバス企業の経営の安定、合理化は重要な課題であり、特に過疎地におけるバス運行の安定化は県民の足として注目されております。
そこで質問いたします。
統合に向けての作業の進捗状況、そして県の支援についての考え方をお聞きしたいと思います。
6番目に国立組踊劇場ですけれども、正式名称が「国立劇場おきなわ」となっておりますので、訂正し質問いたします。
この劇場の建設が着々と進み、その中身が県民には十分知らされていないという声が芸能関係者からもあります。今後、建設完成後どのように運営され、どのように県民が活用するか。この劇場の誘致運動については知事が先頭になって国に働きかけた経緯からいたしましても、「国立劇場おきなわ」の思いについては一段と強いものが知事にはあると思います。沖縄の伝統文化の拠点として建設されることを期待を込めて質問いたします。
建設に向けての進捗状況と管理運営体制が建設後どのようになっていくのかについてお聞きしたいと思います。
次に、建設後、こけら落とし公演あるいは今後の県内芸能関係者が同劇場でどのような公演を行い、どう管理し活用できるのか、それについてお聞きしたいと思います。
最後になりましたけれども、平成15年度警察官の増員について質問いたします。
本県の治安情勢は、低年齢化が進む少年犯罪の多発、薬物関係事件の一般市民への拡大や新たな形態の犯罪の発生とともに、その内容も凶悪化、粗暴化、集団化、悪質化へと質的変化が進み、治安情勢は年々厳しさを増していると思います。特に、米軍関係者の相次ぐ犯罪の発生は県民の不安感、不信感を一層増長させており、パトロールなどの街頭活動の強化と交番、駐在所の増設と配員体制の強化が求められております。
平成14年度予算で本県は50名の警察官の増員が認められましたが、本県の特殊事情などは増員数に反映されなかったと聞いております。県民からは日常生活の安全・安心のため警察官のさらなる増員という要望が強いけれども、県警はどのように考えているかについてお聞きいたします。
ここ数年の刑法犯認知事件など治安実態はどのようになっているのか。
(2)番目、この実態に対して平成14年度の増員数で十分な数と言えるのか。
(3)番目に、他府県とは異なる加味すべき本県の特殊事情とはどういうものが考えられるか。
(4)番目に、平成15年度はどのような分野に増員が必要と考えているのか、お聞きいたします。
最後に、県民の生命と治安を守る警察官の増員は、単に警察本部だけの問題ではなく、県民全体の希望であり、県民全体の問題であります。知事を初め県議会挙げてその増員の実現に向けて取り組む必要があると思います。
以上、代表質問を行いましたけれども、知事の答弁によりましては再質問させていただきます。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは渡久地健議員の御質問にお答えしたいと思います。
最初は、2期目の出馬についてでございます。
渡久地健議員が触れられましたように、私を支えてくださった多くの方々から11月の知事選に再選出馬するよう要請を受けております。
私も就任以来、全力を尽くして頑張ってまいったつもりですが、これもひとえに私を支えてくださいました皆様のおかげだと感謝をしております。また、実績を評価してくださった上に再選を要請されたことには感謝をいたしておりますが、いましばらく時間を与えてくださるようお願いいたします。
次に、政治姿勢について、30年の総括と今後の新たな沖縄づくりに対する知事の決意についてお答えいたします。
本県は、復帰後3次にわたる沖縄振興開発計画による施策の推進と県民の不断の努力により、各面にわたる本土との格差は次第に縮小され、県民生活も向上するなど総体として発展してまいりました。しかしながら、産業振興、雇用問題、基地問題など今なお解決しなければならない多くの課題を抱えています。
ことしは、本県が復帰30周年の節目を迎えるとともに、沖縄振興特別措置法と、これに基づく沖縄振興計画により新たな展開に向けスタートする重要な年であります。これからの沖縄振興は、沖縄の優位性を十分に生かしたフロンティア創造型の方向で県民と行政が英知を結集し、参画と責任のもと、主体的かつ果敢に取り組んでいく必要があります。
私は、新たな沖縄づくりに向け、民間主導の自立型経済の構築、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成、大学院大学を中心とした世界的水準の知的クラスターの形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造と健康・福祉社会の実現に取り組んでまいりたいと考えています。
また、各分野における多様な人材育成や基地問題の対応を強力に推進してまいりたいと考えています。特に、基地問題については沖縄だけの問題というよりも、我が国の安全保障の問題として国民全体で取り組まなければならない重要な課題であり、私は、国等に対し、その解決に向けあらゆる機会をとらえて訴え続けていきます。
私は、知事就任以来、「問題解決のできる実行型県政の実現」を目指して本県振興のための諸施策に取り組んでまいりました。今後とも、県民とともに一つ一つ着実に課題を解決していきながら、ホスピタリティーにあふれ、美しい自然環境の中で独特の歴史・文化を大切にし、平和で安らぎと活力のある沖縄県の実現に全力で取り組んでまいります。
次に、政治姿勢のうち、復帰30周年式典における政府首脳の発言についての御質問についてお答えをいたします。
沖縄復帰30周年記念式典において、小泉総理大臣は、米軍施設・区域の集中が沖縄の皆様に大きな負担となっていることは、私自身承知しておりますとし、「県民の負担軽減に向けて、関係各位の理解と協力を得ながら、誠意をもって取り組んでまいります。」と述べられており、基地に対する県民の思いは理解していただいていると考えております。
県としては、基地問題は我が国の安全保障の問題として国民全体で取り組むべき重要な課題であり、その解決に向け政府として強力に取り組むよう求めるとともに、基地の負担は全国民が公平に負うべきものであることをあらゆる機会をとらえて訴え続けていきたいと考えております。
次に、ベーカー駐日大使発言についてのお答えでございます。
沖縄復帰30周年記念式典において、べーカー駐日大使からアメリカ政府を代表しての発言がありました。これは、沖縄が基地を負担していることに対し感謝の意を表している旨の発言であると思いますが、沖縄は、戦後57年余も過重な米軍基地を負担してきており、米軍基地から派生した事件・事故などによる県民感情を考えた場合、受け入れることはできないと思います。
このことについて、去る5月20日に来庁されたクリステンソン駐日米国首席公使に対し同趣旨のことを申し上げた次第です。県としては、今後とも基地を抱える本県の実情や県民感情について、米国政府を初め多くの方々に理解してもらえるよう訴え続けていきたいと考えております。
続きまして、武力攻撃事態対処法案についてでございます。
現在国会で審議されている武力攻撃事態対処法案を初めとする関連3法案については、これまで有事における対応について法的な根拠が示されていなかったことから、政府においては法治国家として法的整備を図る必要があるということで同法案を国会に上程されたものと承知しております。同法案の審議に当たっては、直接県民の生命財産を預かる地方自治体に対して国は十分な説明を行い、その意見を尊重するとともに、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて、国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で、単に沖縄という一地域の問題としてとらえるのではなく、国民全体で取り組むべき重要な課題であると考えており、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して要望しております。
このような県の考え方については、九州地方知事会から国へ提出した要望書に盛り込まれており、6月12日の政府と各都道府県知事との意見交換会においても直接政府に申し上げております。
次に、政府との意見交換会についての御質問に対するお答えでございます。
去る6月12日、総理官邸で開催された武力攻撃事態対処法案等に関する各都道府県知事との意見交換会において、本県から次のことを申し上げました。万が一にも有事が発生しないよう、政府においてこれまでにも増して不断の外交努力を行っていただくことが重要である。武力攻撃事態対処法案の審議に当たっては、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて、国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要がある。特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で国民全体で取り組むべき重要な課題であり、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論してもらいたいと。
このような沖縄県の意見に対し、福田官房長官から、沖縄の状況はよく承知している。基地の整理縮小やいろいろな問題があるが、政府としても改善に向けて全力を挙げて取り組みたい旨回答がありました。
なお、意見交換会のあり方については、さらに議論を行うための十分な時間が必要であると考えております。
続いて、15年使用期限の進捗状況についてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。
同問題の解決については、これまでもあらゆる機会に政府に求めてきたところであり、第8回代替施設協議会でも政府に対し早期解決を強く申し入れたところであります。同問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、県としては着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
続きまして、下地衆議院議員の嘉手納飛行場統合案についてお答えいたします。
下地衆議院議員が沖縄の基地問題の解決等に関する報告書をまとめ、その中で、普天間飛行場の代替施設について嘉手納飛行場への統合を提案していることは承知しております。
基地についてはさまざまな考え方や意見がありますが、県は、基地の整理縮小については、SACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場の代替施設については、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法及び具体的建設場所、その他基本計画の策定に必要な事項について協議が行われているところであり、移設に向けた作業が着実に進展しているものと考えております。
続きまして、日米地位協定の見直しの今後の取り組みについてお答えいたします。
県は、平成12年8月、日米両政府に対し11項目の「日米地位協定の見直しに関する要請」を行いました。このような状況の中、昨年7月の衆議院外務委員会において日米地位協定の見直しが決議されたのを初め、同年7月の全国知事会総会において初めて日米地位協定の見直しが要望項目として取り上げられました。また、3月には衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において沖縄振興特別措置法案を可決する際、日米地位協定の見直しの検討などが附帯決議されるなど、国会の場においても従来にない動きが見られます。
日米地位協定の見直しについては、去る6月1日に沖縄振興計画案を国へ提出した際、総理を初め関係大臣に要望したところですが、今後ともあらゆる機会を通して訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
次に、沖縄振興計画の評価についてお答えいたします。
本計画案は、審議会や県議会を初め県民各層からのさまざまな意見を踏まえ、各分野について思い切った施策が盛り込めたと考えております。特に、新計画は「不利性の克服と魅力ある地域特性の発揮」をキーワードに、これまでの本土との格差是正を基調とするキャッチアップ型の振興開発から、沖縄の特性を十分に発揮したフロンティア創造型の振興策への転換の姿勢を打ち出しております。
具体的には、観光振興地域制度、情報特区や金融特区等の積極的な活用による観光・リゾート産業、情報通信関連産業、亜熱帯性気候を生かした農林水産業、地域資源を生かした健康食品産業や環境関連産業の振興など、これまで以上に産業振興策が充実した内容となっております。
また、世界最高水準の大学院大学を核とした科学技術の振興や学術・交流拠点の形成、国際交流の推進及び国際交流・協力拠点の形成、豊かな感性をはぐくむ文化の振興、各分野を支える人材の育成などに強力に取り組んでいく内容となっております。
県民生活については、環境共生型社会の形成や健康・福祉社会の実現など、安らぎと潤いのある生活空間の形成を図る施策を盛り込んでおります。
さらに、新計画において初めて基地問題への対応、駐留軍用地跡地の利用の促進の項目を設け、施策の推進を記述しております。
また、圏域別の振興については地域の課題、特性を踏まえ、より具体的に記述するなど、21世紀における本県の振興への道筋を示すことができたと考えております。
次に、「海兵隊の海外移転」を「在沖米軍の移転」に修正したことについてのお答えでございます。
県議会で決議された「海兵隊の海外移転」について、沖縄振興計画案においては、「在沖米軍の移転を含む米軍基地の整理・縮小に積極的に取り組む」と記述しております。これは、海兵隊のみならず在沖米軍4軍すべてを含めて幅広くとらえて記述したものであります。
また、「在沖米軍の移転」については、基本的には県外への移転を想定したものであります。
次に、旧軍飛行場用地問題の位置づけと解決についてお答えいたします。
県は、旧軍飛行場用地問題について、旧軍による土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業などにさまざまな問題があったと認識しており、未解決の戦後処理問題として国が何らかの措置を講ずる必要があると考えております。
このような考え方に基づき、沖縄振興計画案においては同問題を戦後処理事案として初めて位置づけて国に提出しました。今後とも、同問題の解決に向けて、旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村と連携を密にしながら適切に対応していきたいと考えております。
次に、日米地位協定改正の振興計画への記述について申し上げます。
県議会においては「基地内の環境保全、返還跡地の有効利用の障害とならないよう日米地位協定を改正すること。」との決議をされておりますが、県としては、同決議の趣旨を踏まえ、基地内の環境保全については、いろいろな場を通し問題解決のために幅広く協議する必要があると考え、「米国政府との協議を通じて対策の強化に努める」旨を記述しております。
また、返還跡地の有効利用を図る観点から「駐留軍用地跡地の利用の促進」の項においても「駐留軍の使用に起因する土壌等の汚染の除去などの原状回復措置」について記述しております。
なお、県としては、日米地位協定の見直しについては「施設・区域の環境保全」の条項を新設することを含めて平成12年8月に日米両国政府に対して11項目の見直しを要請したほか、これまで機会あるごとにその実現を求めており、今後ともあらゆる機会を通して訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
次に、「沖縄新大学院大学構想検討会」の役割と取り組み状況についてお答えいたします。
「沖縄新大学院大学構想検討会」は、沖縄に世界最高の研究・教育水準と国際性を有する自然科学系の大学院大学を創設する構想について、必要とされる研究・教育機能のあり方などを検討するために設置されたものであります。これまでに6回の検討会が開催され、新しい大学院大学の理念、研究・教育のあり方、国際的な運営のあり方、施設整備のあり方等についての検討が進められております。
次に、「国際顧問会議」の役割、今後のスケジュールについてでございます。
「国際顧問会議」は、海外の大学・研究所で活躍している一流の研究者が新大学院大学構想についての助言を行う機関として設置され、ノーベル賞受賞者9名を含む22名の海外委員で構成されています。
顧問会議においては、研究・教育分野、トップレベルの教員や学生を引きつけるための条件、最高水準を目指すための施設・設備などについての検討が行われております。第1回会議は、3名のノーベル賞受賞者を含め9名の海外委員と6名の国内委員が出席し、ことし4月に米国ロサンゼルス近郊で開催され、第2回会議は今月末に名護市の万国津梁館で開催される予定になっています。
次に、大学院大学の規模、建設費等についてのお答えでございます。
大学院大学については、現在「沖縄新大学院大学構想検討会」や「国際顧問会議」等で検討が進められております。
大学院大学の規模については、教職員200名、技術・政策スタッフ300名、大学院生500名の計1000名程度、建設費については約800億円、運営費については約200億円と提案されております。
次に、建設場所選定の条件、決定時期及び決定機関についてお答えいたします。
建設場所については、「大学院大学候補地選定の基本方針」において、知的クラスターの将来展開も含めた十分な用地面積の確保ができること、交通アクセスや魅力ある環境に恵まれていること、用地取得及び利用が容易であること等が条件となっております。県としては、多くの市町村等から誘致要請があることを踏まえ、広く各界各層の意見、提言を聞き、候補地を国に推薦していきたいと考えております。
なお、推薦時期、設置場所の決定等については、今後国において検討されるものと考えております。
次に、開校までのスケジュールでございます。
開校までの主なスケジュールは、平成14年度から用地選定、必要な法的整備、キャンパスの基本設計、学長の人選などを行い、平成17年度に研究所として運用開始し、平成18年度の開校を目指すこととされております。
次に、財政健全化についてのお答えでございます。
福祉施設の充実や産業振興を初め県政の重要課題に的確に対応するためには、県財政の健全化を図ることが重要であります。そのため、「沖縄県行政システム改革大綱」に基づき全庁を挙げて財政の健全化に取り組んでまいりました。
まず、歳入においては、産業振興策の推進や徴収率の向上などにより県税収入の確保を図るとともに、使用料及び手数料の見直しなどによる自主財源の確保に努めるほか、県債の発行を抑制してまいりました。
また、歳出においては、県単独事業による大規模な箱物整備の抑制を図るほか、事務・事業の総点検や県単補助金の廃止・縮小等による経費の節減を図ってまいりました。
これらのことにより、地方債残高の圧縮が図られるなど、財政の健全化については一定の成果を上げてきているものと考えております。今後とも、多様な県民ニーズや行政課題に的確に対応するため新たな行政改革大綱を策定し、財政の健全化に努めてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) このたび知事公室長を拝命いたしました新垣良光でございます。よろしくお願いいたします。
それでは御質問にお答えをいたします。
基地問題についてで、代替施設の建設場所と規模についてでございます。お答えします。
代替施設の位置、規模、工法等については、現在、代替施設協議会で協議されているところであります。
昨年12月に開催された第8回代替施設協議会では、3工法8案について名護市等地元の意見も踏まえた県の考え方を報告し、名護市、宜野座村、東村からは地元における意見集約の状況等が報告されました。これらを受け、「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」が了承されました。現在、この方針に基づいて防衛庁を中心に検討が進められており、次回以降の代替施設協議会において基本計画案が協議されるものと考えております。
同じく基地問題でございまして、軍民共用飛行場の規模についてお答えいたします。
代替施設を軍民共用飛行場とすることは知事の公約であり、移設に当たって整備すべき条件の提示、名護市長の受け入れ表明、名護市議会の促進決議、政府の閣議決定やこれまでの代替施設協議会での協議など、軍民共用とすることで意思形成はなされたものと考えています。また、第8回代替施設協議会で名護市長は、北部地域の将来の発展とこれまでの協議の過程を尊重して基本的には軍民共用飛行場が妥当だとの発言をされております。
一方、名護市長は、地元における規模拡大の懸念にこたえるために総体的に規模縮小の検討をしていただきたい旨を要望しております。県としては、第8回代替施設協議会で了承された「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」を踏まえて検討する必要があると考えております。
同じく基地問題についてで、工法についての地元の意見集約についてでございます。お答えします。
昨年6月の第7回代替施設協議会後、3工法8案についての地元説明会が開催され、国からその内容等の説明が行われました。その後、名護市長において地元の意見、要望を取りまとめ、第8回代替施設協議会で位置や規模等についての地元の考えを説明されました。特に工法についての発言はありませんでしたが、県としては、第8回代替施設協議会で承認された「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に沿って自然環境への影響、技術上の課題、工期等総合的に勘案し、より適切な工法が採用されるよう協議していきたいと考えております。
次に、基地問題について、使用協定についての名護市の動向及び県のかかわりについてでございます。お答えします。
使用協定については、名護市の受け入れ条件や閣議決定に表明されていることから、現在、国や名護市で検討しているところであり、今後、実務者連絡調整会議において使用協定の基本的事項等に関し名護市から提案され、協議が進められるものと考えております。県としては、第8回代替施設協議会で政府に対し、基本計画策定時までには使用協定に関する基本的な事項について確認し、地元住民が懸念している諸問題の解決が図られるよう協議を進めていただくことを要望したところであります。今後とも、名護市と連携しながら可能な限り名護市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄振興計画について、意見の集約方法と県案への反映についてお答えいたします。
本計画案の策定に当たっては、県議会を初め沖縄県振興開発審議会及び専門部会、市町村、各種団体はもとより、広く一般県民から意見を求め、それをできる限り反映させました。特に、県議会の決議については各項目すべてにおいてその趣旨を踏まえ、従来にない踏み込んだ記述をいたしました。また、沖縄県振興開発審議会及び専門部会においては、専門的な立場から活発な議論が行われ、多くの意見を取り入れました。53市町村のすべてについてヒアリングを実施するとともに、県内11カ所において県民説明会を開催しました。市町村長や県民から出された意見につきましては、「圏域別振興方向」の中でそれぞれの地域特性を生かした特徴的な施策を盛り込みました。
同じく沖縄振興計画について、ほかに解決すべき戦後処理問題があるのかについてお答えいたします。
戦後処理問題としては、不発弾処理や旧軍飛行場用地問題に加え、地籍の明確化、荒廃原野の復旧、旧市街地の再開発についても取り組んでいく必要があります。
次に、同じく沖縄振興計画について、さらなる税制の減免措置、一国二制度的改革について一括してお答えいたします。
沖縄振興特別措置法には、情報特区、金融特区の創設や特定免税店の空港外展開など沖縄独自の大胆な制度が数多く盛り込まれております。県としては、この制度を積極的に活用するとともに、情報基盤整備等や人材の育成・確保に努め、企業誘致等を着実に推進することが最も重要なことと認識しております。今後、企業誘致を進めていく中で企業ニーズを踏まえ、企業立地の環境整備を促進してまいります。
次に、同じく沖縄振興計画について、キャプティブ保険制度導入についてお答えいたします。
金融業務特別地区制度は、我が国において初めての金融に係る特別な制度であり、県としては、この制度を積極的に活用し企業の誘致に努めることが重要と考えております。キャプティブ保険制度の導入については、現在国において検討がなされているところであります。
次に、同じく沖縄振興計画について、県の意向が盛り込めなかった事項及び最終決定までのスケジュールについてお答えいたします。
沖縄振興計画県案については、行政計画として県民福祉の向上に必要な施策はすべて記述できたものと考えております。事業の熟度等の関係から具体的な事業名について記述されていないものもありますが、それらについては熟度に応じて取り組めるようその方向性を記述しております。スケジュールについては、県案提出後、国においては6月3日及び17日の2日間にわたり沖縄振興審議会を開催し、当計画について審議を行っております。今後、7月4日に予定されている審議会を経て、7月上旬には決定される見込みであります。
次に、同じく沖縄振興計画について、分野別計画の性格、策定時期等についてお答えいたします。
新法に基づく分野別計画は、沖縄振興計画に基づく施策・事業を着実に実施するためのアクションプログラムであり、県知事が決定するものであります。現在、所管部局において計画作成作業を進めているところであり、沖縄振興計画の政府決定の後、国との協議を行い、9月までには同意を得て策定したいと考えております。
次に、同じく沖縄振興計画について、新計画の特徴及び優位性についてお答えいたします。
新計画と3次振計との大きな違いは、基地問題を基本的課題の一つとしてとらえたこと、旧軍飛行場用地などの戦後処理問題について初めて計画の中に明記したこと、駐留軍用地跡地に関して項目立てを行い、取り組みの方向性を示したことなどが挙げられます。内容的にも、産業振興については重点産業を位置づけ取り組むなどこれまで以上に厚く記述するとともに、世界最高水準の大学院大学を中心とした知的クラスターの形成などについても記述しております。
次に、同じく沖縄振興計画について、県内総生産が平成23年度は4兆5000億円で1兆1000億円の増となる根拠についてお答えいたします。
県内総生産については、1975年からの経済データを基礎に本県の経済を予測する計量経済モデルを作成し、これを根拠としております。この経済モデルに観光振興計画に基づく入域観光客数の伸び、マルチメディアアイランド構想に基づく情報通信産業の伸び、さらには農林水産業、製造業の伸びなど政策的要素の高い部門の動向を盛り込んで県内総生産を推計しております。この県内総生産の増加は、主に第3次産業が牽引していくものと見込んでおります。中でも観光収入額、情報通信産業がそれぞれ2000億円超の増加、これらを含め第3次産業全体で約1兆円の増加、また農林水産業で250億円の増加、鉱業・製造業で700億円の増加を見込んでおります。
次に、同じく沖縄振興計画について、県民所得が増となり、全国平均との格差が縮小し完全失業率も低下すると設定しているが、それぞれの推移数値についてお答えいたします。
1人当たり県民所得は、平成12年度の218万円から平成18年度は246万円、平成23年度には270万円を超えるものと見込んでおり、所得格差も名目で平成12年度の72.6%から、平成18年度、平成23年度とも78.7%となる見込みであります。完全失業率は平成12年度の7.9%から、平成18年度には7.7%、平成23年度には4.8%に改善されていくものと見込んでおります。
このように、県内総生産が4兆5000億円になることによって労働力人口の増加を吸収しつつ完全失業率を低下させ、1人当たり県民所得の全国平均との格差も縮小していくことが見込まれます。
以上です。
○総務部長(當銘直通) 財政問題についての自主税財源確保についてお答えいたします。
地方の厳しい財政事情の中で、課税自主権に基づき各地方公共団体が地域の課題に応じて独自の税を検討していくことは、地方税制のあり方として重要だと考えております。現在、本県においては、法定外税として石油価格調整税を導入しているところであります。法定外税の創設に当たりましては、受益と負担の関係、地域経済への影響等多くの課題があり、さらに広く県民の皆様の御理解をいただく必要もありますので、十分に研究を重ねていきたいと考えております。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス事業の統合問題についての御質問にお答えをいたします。
バス統合につきましては、平成14年1月にバス統合準備室が発足し、その代表者のもとで本島バス4社が朝日監査法人に調査を依頼し作成をしました統合案の検証・検討を行いまして、4社との間で統合のあり方について調整を進めているところであります。県としましては、企業の統合は基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題であると考えております。バス統合準備室の具体的な事業計画ができた段階で、国とも密接な連携を図りながら総合的な観点から対応を検討し、県として支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○教育長(津嘉山朝祥) 「国立劇場おきなわ」建設の進捗状況と管理運営体制はどうかとの御質問にお答えをいたします。
「国立劇場おきなわ」は、内閣府の直轄事業として平成15年3月の完成を目指して工事が進められておりますが、現在、若干おくれる可能性があると聞いております。竣工後は舞台スタッフの習熟、設備・機器の調整等に一定期間を要し、その後、開場される予定となっております。
同劇場の管理運営体制につきましては、文化庁では設置主体を特殊法人日本芸術文化振興会とし、その管理運営は、同振興会が沖縄の関係者を中心として設立をされた「国立劇場おきなわ運営財団」に委託されております。劇場の維持費、人件費、伝承者養成及び資料収集等の管理運営費につきましては、国・文化庁から日本芸術文化振興会を通して委託費として同運営財団に交付され、劇場の管理運営等に当たることになります。同運営財団は、平成14年度から事務局長以下9名の専任職員が配置され、開場へ向けて具体的な準備業務に取り組んでいるところであります。
次に、こけら落とし公演等についてはどうかとの御質問にお答えをいたします。
こけら落とし公演については、県教育委員会に設置した公演事業等検討委員会の報告によりますと、1838年、尚育王冊封式典、いわゆる「戌の御冠船」を基本とする「御冠船踊を想定した王朝絵巻」、「沖縄伝統舞踊」、「沖縄民謡と沖縄芝居」、各地の民俗芸能が演じられる「村落の賑わい」等をテーマとする8つのジャンル等が大綱的に示されております。同報告に基づいて現在、「国立劇場おきなわ運営財団」において文化庁、日本芸術文化振興会、県と連携をし具体的な内容の検討を進めているところであります。開場後の公演事業においては、「組踊」を初め琉球舞踊、古典音楽、民謡、沖縄芝居、民俗芸能等の沖縄の伝統芸能はもちろんのこと、本土やアジア・太平洋地域の民俗芸能等の公演も行う予定となっております。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 警察官の増員に関しまして、ここ数年の治安実態についてお答えをいたします。
本県の治安実態を10年前の平成4年と比較しますと、刑法犯の認知件数が約1.9倍、交通事故の発生件数が約1.5倍、少年の検挙補導人員が約1.9倍に増加するなど治安全体が著しく悪化をしております。中でも平成13年中の刑法犯認知件数及び交通事故発生件数は、過去最悪の数字を記録しております。
また、犯罪の内容も殺人、放火などの凶悪犯が増加しているほか、ひったくりなど県民に身近な各種犯罪やDV事案、ストーカー事案など女性や子供などを被害者とする犯罪が増加をしております。
さらに、ハイテク犯罪、産業廃棄物や車両の不法投棄などの環境犯罪など新しい形態の犯罪の出現など質的な変化も来しております。
加えて、米軍関係事案の発生も御案内のとおり後を絶たない状況にあります。
このような治安の悪化を背景として、110番の件数も10年前の平成4年と比べますと約1.7倍に増加し、そのほか警察に寄せられる安全相談の件数も、統計をとり始めた平成7年と比較すると11.7倍と著しく増加をしていることから県民の体感治安の悪化が懸念され、県警としても強い危機感を持っております。
次に、平成14年度の増員数で十分な数と言えるのかということであります。
平成14年度は50人の増員があったのでありますが、先ほど申し上げた事件・事故などの著しい増加や犯罪の質的変化など治安情勢の悪化という状況の中で警察官の絶対数が不足しているというのが実情であります。
もちろん警察職員は、厳しい犯罪情勢の中で昼夜を分かたず懸命の努力を重ねているのでありますが、残念ながら限界があるのも事実であります。県警としましては、これら他府県と共通する諸状況のほかに、米軍基地の存在等本県の特殊事情等からも50人の増員では到底十分とは言いがたいものと考えております。
次に、本県の特殊事情についてお答えをいたします。
本県の特殊事情としましては、1点目は、米軍基地や米軍構成員の存在から派生してくる事件・事故など米軍基地周辺における治安対策が必要であるということであります。
そもそも全国の警察官1人当たりの負担人口を比較する際に、米軍関係者の人員がカウントをされていないという点があり、その上、米軍関係事案の処理に要する時間や手間は通訳を介する必要があるなど、日本人を被疑者または被害者とする事件・事故と比べ、はるかに大きいという問題があります。
2点目は、1日当たり4万5000人に上る観光入域客の存在があるということであります。
これも米軍関係者と同様、警察官の負担人口には入っておりません。本県の人口に米軍構成員等や観光入域客を加えた場合、警察官1人当たりの負担人口は611人となり、全国平均を78人も上回ることになります。
3点目は、本県は東西1000キロ、南北400キロに及ぶ広大な海域に点在する大小160の島々、うち39の有人離島から成る島嶼県であるため、その地理的環境から警察力の分散運用を余儀なくされ、かつ他の都道府県警察からの共助の即応体制が困難であるということもあります。事件・事故の出張捜査にも余分の時間と経費がかかり、また観光客が交通事故または事件の当事者となることもあり、各種調書の作成等も大きな負担となっているという実情があります。
4点目は、本土復帰時約96万人であった人口が、平成14年には133万人に達するなど人口増加率が全国でも極めて高いということであります。現時点の負担もさることながら、観光客の増加予測も含めて今後も負担がますます増加することが予測されます。
以上の4点が治安維持に当たっての他府県にない本県の特殊事情ではないかと考えております。
それではどのような分野に増員が必要かということであります。
平成14年度の増員は、全国的な治安情勢の悪化に対して配分されたものであり、本県は50人の配分でありました。これにつきましては、パトカー、交番の増強など街頭活動の強化のための要員として配置する方針であります。ただし、その一部は北谷町美浜地区における米軍構成員等に係る事件・事故防止対策のための要員として前倒しをして配置をしているところであります。
平成15年度の増員につきましては、その1つは、北谷町美浜以外の米軍基地周辺地域等における治安対策のための警戒警ら要員として、その2つは、天久新都心や豊見城地先など新たな市街地形成に伴う治安対策のための要員として、その3つは、県民の身近な犯罪の検挙など住民不安を解消するための街頭活動を積極的に推進する要員に充当したいと考えております。
県警としましては、他府県に見られない本県の特殊事情と厳しい治安負担を踏まえ、平成15年度も相当数の警察官の増員を要求しているところであります。今後とも議員各位の御支援と御協力を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○渡久地 健 まず、11月の知事選挙における知事の出馬表明について再度質問をしたいと思います。
2月定例会で知事は、振興開発計画に今取り組んでいる大事な時期であるので、それに全力を投球したいという答弁がございました。そして本日の答弁では、もうしばらく待っていただきたいと。
県民としては、11月の知事選挙に向けて、本定例会が終了しますと、あとは9月の定例会でございます。執行部と議会というのは車の両輪ということで、我々県民の代表、そして知事も県民の負託を受けて知事に就任いたします。そういうことを考えますと、今定例会で、そしてまたこの代表質問の中で知事が県政に対する意欲がどんな気持ちで、どの程度踏み込んで出馬の意欲を示すか、これは48名の議員、そして傍聴席、マスコミの注目の的でございます。したがいまして、知事におかれましては、もうこれ以上の突っ込んだ答弁は難しいかもしれませんけれども、経済界あるいは各団体の方が強く要望をしておりますので、一日も早い出馬表明を心から期待して要望といたします。
政治の安定なくして経済の発展はございません。野党の皆さんもそれを強く望んでいるものとお察しいたします。
そして沖縄振興計画でございます。
この一国二制度の問題、いろんな論議がございますけれども、これについては現在、内閣府が総合規制改革会議の中で、規制改革特区構想として国際教育、人材ビジネス、そしてブランド農業、先端医療、レジャーカジノの5特区を具体的に検討しており、規制改革の流れの中で本県の優位性を維持するためには明確に一国二制度を規定し、そして内容の充実が必要だと思います。
沖縄振興審議会の中でも、社会経済状況や実施状況を踏まえて柔軟に施策を見直していくとの提言がございました。今回の振興計画は、沖縄振興特別措置法の土俵の上での計画と思いますけれども、今後それを遂行していく中でぜひとも柔軟な姿勢で内容を優遇性、そして企業が立地しやすい条件を整備していただきたい。それが本来の意味での振興計画となることと期待し、要望し質問を終わります。
○翁長 政俊 それでは自由民主党を代表して質問を行います。
今議会の主要テーマの一つであります知事の2期目出馬、先ほど渡久地議員が要望で終わりましたけれども、私もあえて質問をいたしますので、知事の今の心情を踏み込んだ形で御答弁ができましたら幸いでございますので、よろしくお願いをいたします。
まず初めに、知事の政治姿勢でございます。
沖縄県の本土復帰30年という歴史的な節目に当たり、県民として、また政治に携わる者としての責任の重さを改めて認識をいたしております。
30年にわたる政府の特別の支援は、本土並みの社会資本整備、格差是正を目標に取り組まれ、その成果が着実に上がってきたことに感謝をいたしております。しかしながら一方で、沖縄の独自性、特殊性を生かし切れなかった面も数多く見られました。新しい沖縄県は、こうした反省を踏まえて沖縄らしさを追求し、沖縄の持っているポテンシャルを生かした特徴のある沖縄県を再構築することで、目標としている自立経済の確立がなされるものと確信をいたしております。また、新たにスタートする沖縄振興新法及び振興計画は、一国二制度となる画期的な制度であります。沖縄は、沖縄ならではの県づくりが可能であります。
米軍基地につきましては、沖縄の産業を阻害している要因であり、確実な基地の整理縮小が必要であります。知事におかれては日米安全保障による世界的な貢献、地域の安全確保等、あるいは基地経済の依存体質からの脱却など複雑な事情を抱えているだけに、県政運営におかれても厳しい決断の連続でありますが、30年目の節目に当たり知事の政治姿勢を問うものであります。
次に、稲嶺知事が県知事に就任されてから早くも3年余りが経過をいたしました。あなたは、閉塞感に陥っていた沖縄県の窮状を憂えて、責任感と使命感に燃えて県民党的立場で知事選挙に挑み、多くの県民の良識を結集して見事に当選をされました。そして、知事就任以来今日までまさに縦横無尽の大活躍で政府との信頼関係を回復させ、県民の負託にこたえて選挙における公約を一つ一つ誠実に実施し、多くの実績を上げてこられました。特に九州・沖縄サミットの成功、さらには世界遺産登録等を通して沖縄の心を世界に強く発信したことは極めて大きな意義があります。また、沖縄振興特別措置法の制定、新振興計画による自立的沖縄経済の指針、基地の整理縮小等画期的かつ重要な施策を講じておられます。
これらの業績は多くの県民から高く評価され、今後一層の活躍を期待し新たな沖縄県づくりの夢を託するため稲嶺知事に知事続投の願望が日増しに大きく盛り上がっているところであります。各種経済団体等を初め県医師会等からの出馬要請も報じられておりますが、この県民の声に稲嶺知事はどうこたえていかれるのか、お気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
次に、普天間飛行場移設問題について。
この問題の原点は、普天間飛行場が宜野湾市の市街地の中央に位置して非常に危険な状態にあることから、日米両政府は普天間飛行場返還を初めとする米軍基地の整理縮小等をうたったSACO最終報告を承認しました。しかし、前県政はSACOの最終報告を受け入れず、返還に向けた一連の動きがとんざをいたしました。その後、稲嶺県政が誕生し国との関係を立て直し、普天間飛行場移設問題については閣議決定を経て代替施設協議会が立ち上がりました。同協議会は、これまで8回にわたる議論を積み重ね、国から3工法8案が提示され、「主要事項に係る取扱い方針」が承認されるなど基本計画策定に向けて具体的にまとめられる段階に差しかかったと考えております。
そこで、普天間飛行場はSACO合意から7年の返還が事実上不可能となったが、知事の見解を伺います。
(2)番目、15年使用期限の解決なくして着工は認めないのかとの問いに対し、そうとられても当然との知事発言の真意を伺います。
(3)番目、次の代替施設協議会の開催時期はいつか。また次回協議会で基本計画案が合意されるのか、伺います。
(4)番目、下地衆議院議員の提案する海兵隊訓練のグアム、フィリピンへの移転の可能性について伺います。
次に、日米地位協定の見直し問題については、沖縄のたび重なる改定要求にもかかわらず、政府は運用改善に固執をしてまいりました。まさに米国に対する弱腰外交の見本のような回答であります。沖縄県民にとっては看過することのできない現状であります。
稲嶺知事は、九州や全国知事会等あらゆる機会をとらえて地位協定の改定を訴えておりますが、政府を動かすまでにはまだ至っておりません。政府交渉の厳しい局面でありますが、知事が常々必要性を訴えている全国民的な世論の喚起を味方につける新たな戦略が私は必要だと感じております。抜本的な解決に向けての知事の決意と対応を伺います。
次に、非核三原則は、沖縄返還協定に関連し、衆議院本会議で非核三原則の遵守を盛り込んだ決議を採択し、以来、日本の国是として歴代内閣が堅持を表明してきました。非核三原則の見直し問題は福田官房長官の記者会見で飛び出し、将来の政府としての見直しの可能性を示唆したものと受けとめられ、大問題になっております。
稲嶺知事の非核三原則に対する認識と姿勢を問うものであります。
次、5番目、これは渡久地議員の質問と重複をいたしますので取り下げさせていただきます。
6番目、那覇軍港施設の移設と管理組合について。
現在の那覇港を発展させ、ハブ機能を有する国際流通港湾として整備することが重要であり、このため早期整備を図るための3つの協議会が設置され、軍港移設や跡地利用等を協議する一方、ことし4月に那覇港管理組合が設立され、那覇港湾建設を推進することになりました。
そこで伺います。
(1)つ、「県都那覇市の振興に関する協議会」において那覇市側から提案されております奥武山公園の整備計画は、スポーツ公園として再整備を検討していると聞いておりますが、その計画を示してください。
(2)番目、副管理者人選問題で那覇、浦添市と県の三者は県外・県内双方から起用する方針に転換したとされております。新ポストの設置の経過と県の方針を伺います。
平良市の産業廃棄物最終処分場について伺います。
火災発生当日、公民館へ避難した住民全員の健康相談や発生ガスの調査測定を行い、環境影響調査やダイオキシン類を含めたもろもろの調査を実施したということでございますので、次の事項をお伺いいたします。
宮古地域の産業廃棄物処理施設の実態はどうなっておりますか。
次に、当該地域における地域住民の健康調査の結果はどのようになりましたか。
(3)つ目、当該地域のダイオキシン類調査はどのように行ったか。人体への影響はどうでしょうか、伺います。
次に、文化環境行政について。
沖縄県においては、これまで廃自動車は有価物として流通しておりましたが、処理費用が自己負担となる逆有償化が始まると路上や原野等に放置される自動車が増加をしております。生活環境や観光資源である豊かな自然環境や景観への悪影響が懸念されます。
このような状態を踏まえて、離島における放置自動車の一斉撤去を実施したようでありますが、進捗状況及びその実績と本島における実施計画はどのようになっているか、あわせてお伺いをいたします。
福祉保健行政について。
沖縄県の保育入所児童数は認可外保育施設が多く、その中には多くの待機児童も含まれているものと予測されます。入所待機児童は全国平均を大きく上回り、保育施設の確保が急務となっております。また、保護者の就労形態の多様化に合わせた保育内容の編成が重要となります。よって、本県における待機児童の現状と解決策及び児童の生命にかかわる児童虐待について防止策をどのように取り組んでおられるのかお伺いをいたします。
(2)番目、高齢者になると長年住みなれた地域社会の中で生活していくことを望みますし、またそれが自然の姿であります。住みやすい環境の中で継続して生活していくための自立支援や要介護状態に至ったときの受け入れ施設の充実が重要でありますが、老人福祉施設の整備状況や介護予防策についてお伺いいたします。
(3)番目、県立那覇病院の老朽化に伴い、高度多機能病院の計画にあわせて精神障害者の合併症病棟を最低20床ぜひ併設していただきたいという「沖縄県精神保健・医療・福祉連絡協議会」からの強い要望が出ております。病院管理局と福祉保健部とも精神科病棟の設置の必要性は十分に認識し理解を得られておりますが、病床数については協議の段階では結論が得られず精神科病棟が実現できるか危惧されております。本員もぜひとも病棟設置は必要と考えておりますし、強く要望するものであります。
当局の説明を求めます。
(4)番については取り下げ、國場議員にゆだねます。
農林水産行政について。
(1)、BSEの発生により肉用子牛価格は暴落し、畜産農家を圧迫しております。肉用牛は、本県の目標頭数である8万頭を達成し、我が国の子牛生産の供給基地となっております。しかしながら、県の子牛価格安定制度は雌子牛のみを補てん対象としており、雄子牛に対しては補てん措置が講じられていない現状であります。雄子牛の取引価格も県の保証基準価格27万円を下回っており、県は早急に救済措置を講ずる決定をしたと私は聞いておりましたが、再三の指摘にもかかわらずいまだに実施されておりません。
現状はどうなっているのか、お聞かせください。
(2)番目、10年後の入域観光客を650万人とする観光振興基本計画において地場産業の農水産物類の生産と供給は極めて重要課題と考えています。観光立県を目するも生産物の特性を生かし、その食材を用いた沖縄ならではの料理メニューの開発が必要となり、農水産物の活性化につながるものと思いますが、いかがでございましょうか。
(3)番目、本県のカンショは紅芋を中心にお菓子類の加工原料など健康食品として注目をされており、本土出荷を含む需要拡大が期待をされております。その一方で、生産振興上大きな障害となっている病害虫の防除事業の実情はどうなっておりますか。また、今後のカンショの生産振興計画を示してください。
(4)番目、全国一の生産を誇るモズク、クルマエビの養殖業の技術の向上、関係者の努力等生産量の進展は目をみはるものがあります。その他の養殖魚介類も含めた今後の生産振興において大いに期待するものでありますが、販路の拡大、促進、有望種類の振興策についてお伺いをいたします。
商工労働行政について。
特自貿における賃貸工場の整備について。
特別自由貿易地域への企業の立地は厳しいと言われる中、一定の成果を上げつつあると聞いておりますが、最近における企業の投資行動として沖縄に対する要望や評価など特徴的なものがあれば伺いたい。
次に、賃貸工場は企業立地誘導策としてこれからも効果を発揮するものと考えておられるのか、また工場の増設計画があるのかもあわせて伺います。
沖縄振興計画の県案においては、情報通信関連産業をリーディング産業として位置づけ、企業の振興と立地推進を図るとともに、高度な専門技術を有する人材の確保と育成を促進するとうたっております。県においては具体的な人材育成についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
第19回伝統的工芸品月間国民会議全国大会が沖縄で開催されることは、多くの伝統工芸品を有する我が県としては意義深いものがあります。県民の多くが伝統工芸品に興味を持ち、関心を高め、一層の普及と県内伝統工芸産業の振興を図り、観光産業と連帯して最大の効果を引き出すことが重要であると考えます。
県の今回の開催への取り組み方と、今後の伝統工芸品振興の方針をお聞かせいただきたいと思います。
次に、全国で最も高い完全失業率など沖縄県の雇用環境は構造的なものと言えます。県の試算推計によると、2000年5万人の失業率を、2011年には1万7000人減の3万3000人とする計画になっております。雇用状況の改善には就労人口の増加を上回る就業機会の創出が不可欠となります。その対策案を提示していただきたいと思います。
次に、観光・リゾート振興について。
本年は、国連が定める「国際エコツーリズム年」であることから、国内におけるエコツーリズム先進地として沖縄県の推進事業が注目を集めております。特に、国内外から専門家を招いて環境保全のあり方等を討論する国際エコツーリズム大会は目玉事業であります。その取り組みについて伺います。
次に、沖縄県を世界水準のコンベンションアイランド形成を実現するための具体的な取り組みについて伺いますと同時に、米州開発銀行の2005年総会の沖縄誘致が事実上決定していて、正式決定は来年以降との報道もありますが、県の取り組み、現状と体制はどうなっているのか、伺います。また、開催による経済効果の試算はどうなっておりますか、お聞かせください。
土木建築行政について。
泡瀬地区埋立事業については、去る4月に事業推進を公約に掲げる仲宗根市長が再選され、民意も改めて確認されたことで本格的工事が早期に進められるものと期待をいたしておりますが、その反面気になる幾つかの点を質問いたします。
藻場の移植は移植元、移植先とも環境を悪化させるのか、現在の技術レベルで可能なのでしょうか、移植実験は8割が失敗しているとの報道は事実か否か。
次、本格的な工事着工の時期はどうか伺います。
次、漁業補償交渉において県の当初提示額約10億円と漁協の要求額60億円の開きはなぜか。後に県は10億円から20億円に提示額を増額した根拠は何か、他事業の比較でお答えください。
沖縄県都市モノレール事業は、平成15年度開業に向けて最終の取り組みが行われているものと理解をいたしておりますが、開業後の健全経営を図るためには県民、市民に親しまれ、広く利用されることに尽きます。都市モノレール事業の現状と沿線地域の開発整備はどうなっておりますか。特に、利用促進や需要喚起策は同事業の成否を決定するものと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
最後に、新石垣空港の早期建設は八重山郡民の長年の願いでありますが、環境保全、農政上の課題で地元合意が得られず、25年にわたり実現を見ることができませんでした。稲嶺知事は、これまでの経緯を踏まえて、位置選定に当たっては地元代表による新石垣空港建設位置選定委員会を設置し、カラ岳陸上地域を決定いたしました。
そこで下記の質問をいたします。
新石垣空港のこれからのスケジュールと早期着工に向けての課題について伺います。
次に、今後の事業推進に向けて地元の同意取りつけ作業が始まると聞いておりますが、地権者の動向についてどう集約されているのかお聞かせをいただきたいと存じます。
答弁によって再質問をさせていただきます。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの翁長政俊君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時52分休憩
午後1時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前の翁長政俊君の質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 翁長政俊議員の御質問にお答えいたします。
最初は、復帰30年の節目を迎え県政運営に当たる決意と抱負についてお答えいたします。
私は、知事就任以来、県政運営に当たっては広く県民の立場に立って県民多数の意向が反映できるように努めるとともに、「問題解決のできる実行型県政の実現」を目指して本県振興のための諸施策の推進に取り組んでまいりました。今後ともこの立場に変わりはなく、県民各位との対話を図りながら広く県民の英知を結集し、県勢発展と県民福祉の向上に全力を傾注してまいりたいと考えています。
私は、これからの沖縄振興に向け沖縄振興特別措置法を積極的に活用し、民間主導の自立型経済の構築を図るほか、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成、大学院大学を中心とした世界的水準の知的クラスターの形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造と健康福祉社会の実現に取り組んでまいりたいと考えております。また、各分野における多様な人材育成や基地問題の対応を強力に推進してまいりたいと考えております。
特に、基地問題については沖縄だけの問題というよりも、我が国の安全保障の問題として国民全体で取り組まなければならない重要な課題であり、私は、国等に対しその解決に向けあらゆる機会をとらえて訴え続けていきます。
次に、知事続投要請への対応についてでございますが、先ほど渡久地議員から再登壇して強い要望もございましたし、また翁長政俊議員からも大変強い要望がございました。私としましては、心から感謝申し上げるとともに、大変うれしく思っております。その辺を踏まえましていましばらく時間を与えていただきまして、じっくりと考えさせていただきたいと思っております。
次に、普天間飛行場の7年以内の返還についてのお答えでございます。
県は、普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しており、普天間飛行場の早期返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであります。
普天間飛行場の返還については、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が協議を行った結果、SACO合意に達しましたが、前県政は最終段階において県内移設を拒否したため返還に向けた動きが中断しました。このため私は、普天間飛行場問題を原点に戻し、SACO合意事案を着実に実施していくことが早期の解決に向けての実現可能な方法であると認識して取り組んでまいりました。現在、代替施設協議会において基本計画策定について協議を行っているところであり、移設に向けた作業が着実に進展しているものと考えております。
次に、15年問題が解決されないままの着工についての御質問に対してのお答えでございます。
15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えています。
同問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。15年使用期限問題の解決については、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
次に、下地衆議院議員が提案する海兵隊訓練の海外移転についてでございます。
基地問題については、これまでいろいろな方がそれぞれの立場で提案されておりますが、いずれにしても県は基地の存在及び運用等から派生する諸問題の現状にかんがみ、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減が必要であると考えており、昨年3月、内閣総理大臣を初め関係大臣に対し、「海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減に関する要請」を行ったところであります。
在沖米軍の兵力削減及び訓練の移転については、今後とも県民の基地負担の軽減を図る観点から、日米両政府に対し在沖米軍の兵力削減及び訓練の移転を求めていきたいと考えております。
次に、日米地位協定の改正を国民的課題として認知させることについての御質問のお答えでございます。
県は、平成12年8月、日米両政府に対し11項目の「日米地位協定の見直しに関する要請」を行いました。
このような状況の中、昨年7月の衆議院外務委員会において日米地位協定の見直しが決議されたのを初め、同年7月の全国知事会総会において初めて日米地位協定の見直しが要望項目として取り上げられました。また、3月には衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において沖縄振興特別措置法案を可決する際、「日米地位協定の見直しの検討」などが附帯決議されるなど、国会の場においても従来にない動きが見られます。
日米地位協定の見直しについては、去る6月1日に沖縄振興計画案を国へ提出した際、総理を初め関係大臣に要望したところですが、今後ともあらゆる機会を通して訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
次に、非核三原則見直し発言についてでございます。
私は、世界で唯一原子爆弾の惨禍を受けた被爆国の国民として、また悲惨な太平洋戦争の地上戦を経験した県民として非核三原則を堅持していくべきだと考えております。核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずといういわゆる非核三原則は我が国の国是であり、政府は改めてこれを国会において明言しております。
なお、県においては、あらゆる国による核兵器の実験に対して抗議をするとともに、マスコミを通じてこのことを公表しております。
次に、那覇港の移設と管理組合について、新ポスト設置の経過と方針についてお答えをいたします。
那覇港管理組合の実質的統括者である常勤の副管理者につきましては、港湾行政や海事動向に関する幅広い知見と経験などを有する元世界銀行上級港湾専門家の堤敏郎氏を県、那覇市、浦添市の三者共同で推薦し、去る5月30日に開かれた組合議会の同意を得て選任されたところであります。
御質問の新ポスト設置につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、平良市の産業廃棄物最終処分場に係る問題で、地域住民の健康調査についてお答えいたします。
住民の一般健康診断については、大浦地区住民を対象に平成14年5月10日から11日にかけて、県が中心となり、平良市や国立療養所宮古南静園及び県立宮古病院の医師等の協力を得て、大浦農民研修集会所において実施しました。
受診者は大人83人、子供7人の計90人でした。検診結果については6月12日に受診者あて発送いたしました。また、今回の検診結果の分析や過去のデータ等の比較がまとまり次第、地元において全体説明会を開催する予定です。今後とも大浦地区住民や平良市などと調整しながら、住民の意向を最優先して取り組んでいきたいと考えております。
次に、文化環境行政のうち、離島における放置自動車の撤去実績と沖縄本島における取り組みについてお答えいたします。
本県においては、平成10年末以降、使用済み自動車の処理費を所有者が負担するという逆有償化となったことから放置自動車が増加し、地域の生活環境や自然景観を損ね観光振興にも影響を及ぼしかねない状況にありました。
こうしたことから、県においては平成13年度に離島及び離島を含む23市町村の放置自動車約1万1000台を総事業費1億9800万円で一斉に撤去・処理したところであります。引き続き平成14年度においては、沖縄本島33市町村の放置自動車約7600台を総事業費1億1000万円で撤去・処理することにしております。回収された使用済み自動車は、県内の自動車リサイクル施設において鉄・アルミ製品等の原料として再資源化されております。
次に、農林水産行政について、県産食材の供給と沖縄料理メニューの開発についてお答えいたします。
本県は、亜熱帯の豊かな自然環境や温暖な気候にはぐくまれた食材などがあり、他県にない特色のある食文化を有しております。
特に沖縄の食材は、近年、国民の健康志向の高まりから健康食として注目されており、新たな料理メニューの開発・普及が重要となっております。そのため県としては、健康長寿県にふさわしい食文化の普及を図るため、平成14年度から健康保養食材・メニュー開発事業や各種キャンペーンを実施してまいります。具体的には、1、伝統料理の掘り起こし、2、観光客を対象とした料理メニューの開発、3、機能性成分に着目した新たな需要開拓、4、県産農林水産物を活用した料理フェアの開催などを実施してまいります。
これまでの料理メニューの開発としては、パパイアのカクテルや和洋食、ゴーヤーゼリーなどの実績があります。今後とも観光・リゾート産業との連携による地産地消を推進するとともに、農林水産物の生産・供給体制の強化を図ってまいります。
次に、養殖魚介類の生産振興についてお答えいたします。
本県の養殖漁業は、漁業生産額全体の35%を占めるまでに進展しております。特にモズク、クルマエビ、おきなわスギ等の生産が種苗生産技術の開発や養殖場の基盤整備等により著しく伸びてきております。
また、今後の有望な魚介類としては、ヤイトハタ、トコブシ、シャコガイなどが挙げられます。しかしながら、モズクについては生産量に見合う販路の拡大や新商品の開発などが課題となっております。このため、県内においては消費拡大キャンペーンの実施や各種イベントの開催等を行っております。国内外においては、新たな料理メニューの開発などによる販路開拓を行っているところであります。県としては、今後とも養殖漁業の生産振興を図るとともに、流通対策の強化に努めていく考えであります。
次に、商工労働行政について、賃貸工場の効果と今後の計画についてお答えいたします。
特別自由貿易地域制度は、沖縄振興特別措置法において同地域への企業立地を促進するため35%の所得控除制度を初めとする思い切った税制上の優遇措置が講じられており、本県の産業振興と雇用創出への貢献が大きく期待されております。
県においては、平成11年3月に地域指定された特別自由貿易地域への企業の早期立地を促進するため、国の沖縄特別振興対策調整費を活用して賃貸工場を9棟整備しております。現在、賃貸工場には7社が8棟に入居し、残りの1棟についても入居に向けて具体的な調整を進めているところであります。
入居企業の概要を申し上げますと、特別自由貿易地域の保税機能や各種優遇措置、沖縄の地理的特性等を活用してオートバイのエンジンを組み立てる企業や光ファイバーのコネクターを製造する企業、電子機器のプリント基板の製造装置を製造する企業など、これまで沖縄にない新たな業種が立地しております。また、これら企業の立地がマスコミ等で大きく取り上げられたこともあって同様なビジネス形態の企業から関心が高まり、新たに10数社が賃貸工場への入居に強い関心を示しております。このように賃貸工場は企業立地の促進に大きく貢献しております。
入居企業の中には琉球大学等との連携による研究開発型の企業もあり、県内研究機関の活性化と県内産業への波及効果が大きく期待されております。また、入居企業の多くは今後の事業拡大に伴い分譲地への立地に意欲を示しており、県としては分譲地立地への誘導策の一つとしても賃貸工場の整備は必要であると考えております。今後とも企業のニーズを踏まえつつ、その増設に向けて取り組んでまいります。
次に、IT関連産業の高度人材育成事業についてお答えいたします。
県は、平成10年9月に「沖縄県マルチメディアアイランド構想」を策定し、情報通信産業の振興・集積を図ってまいりました。その結果、コールセンター等情報サービス産業を中心に集積が進むなど大きな成果を上げております。これらの成果を活用しつつさらなる情報通信産業の振興を図るためには、今後コンテンツ制作、ソフトウエア開発等の分野の集積に取り組む必要があります。
これらの分野の産業の集積・振興を図るためには、高度な技術レベルを持った人材を数多く育成することが緊要な課題であります。このような観点から、県としては本年度から新たにIT高度人材育成事業を実施し、県内の高度IT技術者の育成に集中的に取り組んでまいります。
事業内容は、現に情報通信関連産業に従事する技術者を主な対象としてプログラミング、ネットワーク、データベース等の高度な技術を習得できる80の講座を県内の施設で常時開設することにより、年間約500人の高度IT技術者を育成しようとするものであります。県としては、今後、同事業を数年間実施するなど情報通信関連分野の人材の全体的なレベルアップに取り組んでまいります。
次に、「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」についてでございます。
「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」は、国民生活に重要な役割を果たしている伝統的工芸品に対する国民の理解を深め、意識の高揚を図ることを目的として開催されるものであります。今年度は、復帰30周年記念事業の一環として沖縄コンベンションセンターを主会場に、平成14年11月6日水曜日から11月10日日曜日までの5日間の日程で開催します。
同大会では、全国大会式典のほか、「伝統工芸ふれあい広場」、「全国伝統工芸士大会」、「全国伝統工芸士展」等が行われます。また、本県伝統工芸品を紹介する場として「沖縄工芸ふれあい広場」等を同時に開催します。同大会の開催により全国の伝統工芸士との技術交流、情報交換を通した本県の伝統工芸技術・技法の向上が図られます。
本県の国指定伝統的工芸品は13品目で、京都に次ぐ全国2位の品目数を誇り高い評価を受けております。そのすばらしさを内外へアピールするとともに、県民の伝統工芸に対する意識の高揚と一層の普及が図られるものと期待しております。
また、その大会に参加するために国や地方公共団体、産地関係者など約1000人が参加するほか、期間中に県内外から多数の来場者が見込まれることから、本県伝統工芸産業の振興にとどまらず、観光振興にも貢献するものと期待しております。
次に、観光・リゾート振興についての御質問の中で、米州開発銀行年次総会の沖縄誘致開催等についての御質問にお答えいたします。
本県の観光・リゾート産業の振興を図る上で各種コンベンションの誘致は大きな役割を持つものであり、沖縄振興特別措置法においても国際観光振興会による国際会議等の沖縄への誘致促進に関する規定が盛り込まれたところであります。
こうしたことを踏まえ、県においては国、関係機関とも連携を深めるとともに、サミットで蓄積されたノウハウ等を活用し、国際会議等の沖縄開催に向けて積極的に誘致活動を展開しております。ちなみに、平成13年度は県内において沖縄国際長寿会議等32件の国際会議が開催されました。
2005年第46回米州開発銀行年次総会の沖縄開催に向けては、2000年9月、宮澤大蔵大臣がエンリケ・V・イグレシアス総裁あて沖縄開催を要望する書簡を送ったのを皮切りに、去る3月には牧野副知事を団長とする誘致要請団がブラジル・フォルタレザ総会において同総裁に知事親書を手渡しました。また今年5月29日、誘致活動を強化するため「第46回米州開発銀行年次総会沖縄誘致協議会」を立ち上げたところであります。
このような中、6月1日から2日にかけてイグレシアス総裁が来県され、関係者との意見交換やコンベンション施設等の視察を行っております。同総裁は、帰国を前に塩川財務大臣及び川口外務大臣との面談において、沖縄視察は大変満足のいくものだったと述べられており、私は、沖縄開催の可能性は大変高いものと受けとめております。
次に、土木建築行政について、モノレール事業の進捗状況及び需要喚起策についてお答えいたします。
都市モノレール事業の進捗状況は、これまでにモノレール支柱、軌道けたを完了しており、平成14年度に実施する自由通路をもってすべてのインフラ工事が完了いたします。また、沖縄都市モノレール株式会社が行う電気通信設備などの工事も並行して進められており、ことしの11月から全区間の試験運転を行う予定であり、平成15年開業に向けて順調に進捗しております。
都市モノレールの沿線地域の開発につきましては、「沖縄都市モノレール沿線地域開発基本計画」における各種事業の整備が進められており、那覇新都心地区についても大型商業施設や公共公益施設が建設されるなど市街化が進展しております。
また、バスやタクシーとの結節を図るため、おもろまち駅など8駅に交通広場を整備するとともに、利用客の利便性の向上を図るため、那覇空港や市立病院との連絡デッキや壺川駅と奥武山公園を結ぶ歩行者専用橋等の駅周辺施設の整備を進めております。
さらに、だれにでも安全に利用できるよう、各駅においてエレベーターやエスカレーターを整備するなどバリアフリーにも十分配慮しております。
ソフト面の施策につきましては、観光客の利便性に配慮したサイン標識の設置や、モノレール利用促進協議会において提言された事業について関係機関と連携・協力して取り組んでおります。
次に、新石垣空港の今後のスケジュールと課題についてお答えいたします。
新石垣空港の今後のスケジュールにつきましては、今年度、空港基本計画の策定と環境影響評価法に基づく方法書の公告・縦覧手続を実施し、さらにホームページを開設するなど住民の意見を事業に反映させるよう取り組んでおります。また、今年度後半からは平成16年度の国庫補助事業採択に向けて地権者の同意取りつけ作業に入る予定であります。平成15年度以降、石垣市議会や県議会の設置管理の議決を経て国土交通大臣へ設置許可の申請を行い、許可を得て新石垣空港の建設に着手することになります。設置許可を得てから新空港の供用開始までおおむね7年間を予定しております。
次に、新石垣空港早期建設の課題としては、地権者の同意取りつけ作業があります。石垣市、「新石垣空港早期建設を進める郡民の会」と協力し、全員の同意が取りつけられるよう努めてまいります。
もう一つの課題は、空港建設に伴う赤土流出の防止などによる自然環境保全のための環境アセスの実施を適切に行う必要があります。そのため、環境及び建設工法の検討委員会を開催し、各分野の専門の委員から多くの指導・助言をいただいているところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 普天間飛行場移設問題についての次回代替施設協議会の開催時期及び基本計画案の合意についてにお答えいたします。
普天間飛行場代替施設については、現在、第8回代替施設協議会で承認された「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に基づき位置や工法等について検討が進められているところであります。
次回の代替施設協議会の開催時期及び協議内容についてはまだ明らかになっておりませんが、早期に開催されるよう努めてまいりたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 奥武山公園の整備計画についての御質問にお答えいたします。
県立奥武山総合運動場の整備につきましては、県教育委員会では平成13年2月に策定した「沖縄県立社会体育施設整備基本構想」に基づき、年次的な整備に向け関係部局及び関係機関との調整を進めているところであります。
なお、奥武山公園の野球場、陸上競技場及び水泳プール等の各施設に関する那覇市への移管の可能性等につきましては、現在、県教育委員会と関係部局等で検討を進めているところでございます。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 平良市の産業廃棄物最終処分場問題について、宮古地区の産業廃棄物処理施設の実態についてお答えいたします。
宮古地区における産業廃棄物処理施設については、昨年11月末の火災発生等により安定型最終処分場2施設が1施設に、焼却施設4施設が2施設になっております。
これまで、火災のあった施設で処理していた農業用廃プラスチックや、感染性医療廃棄物が沖縄本島の処理施設へ搬送して処理されております。また、既存の最終処分場へ廃棄物の搬入が集中し、宮古地区における最終処分場の埋立容量が逼迫している状況にあります。このようなことから、県としては地元の農業団体、建設業団体及び医療機関などの排出事業者、産業廃棄物処理業者、市町村など関係者の動向を踏まえながら廃棄物処理体制の整備を促進していく考えであります。
同じく平良市の産業廃棄物最終処分場問題について、ダイオキシン類調査についてお答えいたします。
県では、火災のあった平良市の産業廃棄物最終処分場及びその周辺において、火災発生翌日の平成13年11月29日から平成14年3月15日まで計8回にわたって大気、公共用水域の水質・底質、土壌、地下水等の環境調査を実施したところであります。
ダイオキシン類調査については、平成14年4月25日から5月2日に大気、処分場内のコンクリ-ト殻、5月22日から23日に公共用水域の水質・底質、土壌、地下水、その他処分場内のたまり水など計6種類16検体についてサンプリングを実施し、現在分析中であります。
なお、その分析作業には約2カ月要することから、結果の公表については7月中旬ごろを予定しております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉保健行政について、保育所待機児童の解消についてお答えします。
平成14年4月1日現在、保育所入所待機児童は1621人で、待機率は6.4%となっております。また、認可外保育施設を利用している児童のうち約1万2000人が潜在的な待機児童と推計されます。
このことから、待機児童解消策として新規の認可外保育施設認可化促進事業を実施するとともに、保育所の増・改築や保育所の分園の整備を促進することとしております。当面の目標として平成18年度までに保育所を50カ所創設し、認可外保育施設を利用していて認可保育園を希望していると推計される約3500人の待機児童の解消を図ることとしております。
続きまして、児童虐待防止策についてお答えいたします。
本県の平成13年度の児童虐待相談件数は288件で、平成12年度の275件より13件の増となっております。県としましては、これまで児童虐待への対応として児童相談所の児童福祉司の増員や児童虐待対応協力員、児童虐待専門カウンセラー等の嘱託員の配置及び児童養護施設への心理療法士の配置などの整備体制を図ってまいりました。
平成14年度は、被虐待児童及び虐待をした保護者等への援助を充実・強化することを目的として地域におけるさまざまなマンパワーをネットワーク化し、支援体制システムを構築するため「児童虐待防止支援チーム」を中央児童相談所に設置しております。
児童虐待については予防が重要であることから、本県の今後10年間の母子保健活動のビジョンを示す「健やか親子おきなわ2010」で、児童虐待防止を母子保健事業の重要な事業の一つとして位置づけ取り組むこととしております。今後とも、児童虐待については県民への啓発を強化するとともに、住民に密着した市町村単位の関係機関のネットワーク構築を促進し、児童虐待への対応を一層強化していきたいと考えております。
老人福祉施設の整備と介護予防策についてお答えいたします。
高齢者施策は、急速な高齢化によりますます重要となっております。県といたしましては、平成12年6月に沖縄県高齢者保健福祉計画を策定し、介護サービス及び保健福祉サービスの基盤整備に努めているところであります。
介護保険施設は、既に整備目標を達成し、平成13年4月1日現在、介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホームが全国平均の約1.6倍の整備率、介護老人保健施設と介護療養型医療施設は約1.9倍の整備率となっており、全国と比較して本県は高い整備率となっております。
また、介護予防策といたしましては、介護に陥らないための県民の健康づくりが大事であり、健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を策定し積極的に推進しているところであります。
さらに、市町村における国民健康保険法による健康づくりや保健事業、老人保健法によるヘルス事業などの住民の健康づくりを促進するとともに、介護予防・生活支援事業の配食サービス、軽度生活支援事業、生きがい活動支援通所事業などを効果的に組み合わせて住民の介護予防や健康づくりを支援しております。
以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 新那覇病院における精神科病棟の確保についての御質問にお答えいたします。
精神障害者身体合併症の治療につきましては、現在、沖縄本島においては精神症状及び身体症状がともに重症である患者の治療に対応できる医療施設がないことから、県立高度・多機能病院整備基本計画において、精神障害者身体合併症の治療については精神科医を含めたチーム医療の実践を目指すことと位置づけ、その対応策を検討してまいりました。
また、この件につきましては「沖縄県精神保健・医療・福祉連絡協議会」からも、新病院に身体合併症治療のための精神科病棟の設置を求める要望が出されております。このため、県としましては、新病院において精神障害者の身体合併症の治療に対応するため5床の精神科病床と14床の一般病床を合わせた19床の病棟を整備することとし、関係団体等との調整を進めているところであります。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 子牛価格の安定対策についてお答えいたします。
肉用子牛の価格対策については、子牛価格の異常低落に備え、農家の再生産が確保されるよう県和牛子牛価格安定特別対策事業により実施をしております。当該事業は、雌子牛のみを補てん対象としており、雄子牛については対象外となっております。
しかしながら、BSEの発生に伴い、今年の1月から3月までの規格雄子牛の取引価格は、県の保証基準価格の27万円を下回っており厳しい状況にあります。このため、県としては、当該期間のBSEの緊急措置として雄子牛についても子牛価格安定特別対策事業の対象として補てんする措置を講ずることとしております。
次に、カンショの生産振興についてお答えいたします。
カンショは台風、干ばつに強く、本県の気象条件に適した有望な作物で、近年健康食品としての需要の拡大が期待をされております。しかしながら、イモゾウムシ等の発生が生産振興の大きな障害となっております。
このため、県としてはイモゾウムシ、アリモドキゾウムシの根絶を図るため平成2年度から取り組みを開始し、平成11年度から久米島において不妊虫放飼による防除を実施しております。その結果、アリモドキゾウムシについては平成14年1月以来、発生が見られない状況となっております。
現在、条例に基づきカンショなど寄主植物の移動規制を実施しており、平成14年度中に久米島におけるアリモドキゾウムシの根絶を達成する予定であります。また、イモゾウムシについては平成17年度をめどに根絶する計画であります。今後、久米島における事業の成果を踏まえ、県全域に根絶防除を拡大し、計画的に根絶を図る考えであります。
カンショの生産振興につきましては、現在策定中の農林水産業振興計画に戦略品目として位置づけ、生産拡大を図る考えであります。
以上であります。
○商工労働部長(花城順孝) 企業の投資行動における要望や評価についての御質問にお答えします。
県では、平成12年度から東京・大阪事務所に企業誘致対策監、企業誘致推進役を配置し積極的に企業誘致に取り組んでおります。
誘致活動の過程で企業から挙げられた主な要望としましては、特別自由貿易地域における工場用地の賃貸方式の導入、賃貸工場の整備、物流コストの軽減、人材の育成、工業技術センター等研究開発機関の支援などがあります。
本県投資環境等への評価につきましては、特に昨年、賃貸工場に特別自由貿易地域の保税機能を活用したビジネスモデルとなる企業や先端技術型のベンチャー企業が立地し、マスコミ等により全国的に紹介されたことなどから、賃貸工場の活用に新たな関心が集まっているところでございます。また、東南アジア市場をターゲットにできる本県の地理的優位性や他県にはない各種優遇支援策、さらに他県の地方都市に比べて国内各都市及び台湾、韓国、上海等への航空路線網が整備されていることなどがインセンティブとして評価をされております。
県としては、これら企業側からの要望や評価を積極的に生かし、企業ニーズに沿った投資環境の整備を図り、戦略的な企業誘致活動を行ってまいります。
次に、雇用機会の創出を図る施策についての御質問にお答えします。
厳しい状況が続く本県の雇用状況を改善していくためには、既存産業の振興はもとより、企業誘致を初め情報通信産業、観光産業等の振興による新たな雇用の創出と産業を支える人材育成が不可欠であります。
県としては、沖縄振興特別措置法において拡充された各種の制度等を最大限に活用するとともに、沖縄振興計画県案に盛り込まれた施策を積極的に推進していくことが重要であります。現在、「沖縄振興計画」の分野別計画として作成中の「情報通信産業振興計画」や「沖縄産業新生アクションプラン」及び「職業安定計画」等において、産業振興による雇用機会の創出・拡大と人材育成に係る具体的な施策の実施計画を検討しているところであります。
特に、雇用状況が厳しい新規学卒者等の若年者については、「若年者総合雇用支援システム」を早期に具体化し、職業意識の形成等の人材育成から就職支援までの一貫した支援体系を構築する予定でございます。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) こんにちは。
この4月から観光リゾート局長を拝命しております宜名真でございます。本県の経済におきます観光・リゾート産業の重要性に思いをいたしまして、全力で取り組んでまいります。御指導、御鞭撻方よろしくお願いいたします。
それでは翁長政俊議員のエコツーリズム推進事業と国際大会の沖縄開催についてお答えをいたします。
近年、全国的に自然に触れ体験することへの関心が高まっており、県内においても本島北部や西表島等においてエコツーリズムへの取り組みが進められております。県におきましては、全県的なエコツーリズムの推進を図るため、平成14年度から3カ年計画でエコツーリズム情報発信システム構築、それからエコツーリズム推進協議会の設立などを目標にエコツーリズム推進事業を実施することにしております。
また、ことしは国連が定める「国際エコツーリズム年」に当たることから、国内外から専門家を招聘し、島嶼地域における環境保全や推進のあり方などについて討論を行う500人規模のエコツーリズム国際大会を11月に開催することにしております。大会の開催に向けて6月10日に実行委員会を立ち上げ、エコツーリズムによる経済効果、エコツーリズムの活用、資源の保全と活用などをテーマにした会議の内容や、海外からの招聘者の検討を進めているところでございます。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) このたび土木建築部長を拝命いたしました安慶名正行でございます。土木建築行政に一生懸命取り組んでまいりますので、皆さんの御指導をよろしくお願いいたします。
それでは土木建築行政について、藻場の移植問題についてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、本島中部圏東海岸地域の活性化を図るとともに、新港地区の港湾施設を整備することにより特別自由貿易地域への企業立地の促進を支援するため必要な事業であり、県の振興策上極めて重要な事業であります。当該事業の実施に当たっては、開発と環境の調和を図ることが重要であると考えており、環境への影響を低減するため種々の環境保全対策を実施することとしております。
藻場の移植については、埋立区域に生育する藻場を区域外に移植して被度の低い藻場の生育被度を高めることが環境保全上得策であることから実施するものであります。
移植方法については、機械化大規模移植実験に取り組んだ結果、去る2月22日に開催された環境監視・検討委員会において、移植された海草の生育状態はおおむね順調であり、バックホーによる海草の機械化移植は可能であるとの見解が示されたところであります。
また、当委員会からは今後ともモニタリング等を行い、移植技術のさらなる向上を図る必要があるとの意見もあることから、藻場の生育状況については今後とも継続してモニタリングを行い、移植技術の向上に努めるとともに、移植先の環境の変化等についても注視しながら保全対策を適切に講じていくこととしております。
藻場移植の現状についてお答えいたします。
藻場の移植については、現在、一部において生育不十分な箇所が生じておりますが、本年2月に開催された環境監視・検討委員会において、その原因が移植場所の水深や底質によるものであるとの見解が示されたことから、これら条件を考慮することにより、なお一層の移植技術の向上が図られるものと考えております。
本格的工事着工の時期についての御質問にお答えいたします。
泡瀬地区の埋立工事については、国において平成14年3月に第Ⅰ区域を対象として事業推進に向けて取り組むこととし、当面はトカゲハゼの保全に配慮しつつ、可能な範囲での作業を開始するとの方針が示されております。4月から7月までの間はトカゲハゼ保全のため海上での作業は行わないこととしていることから、現在、国においては護岸工事等に向けた石材の調達や測量台設置予定地の選定調査を実施しているところであります。
また、藻場の移植技術のさらなる向上に向けてモニタリング等を引き続き実施しているところであり、海上工事の着工時期については、藻場移植のモニタリング結果や環境監視・検討委員会の意見等を踏まえて関係者間で調整し国において判断するものと考えております。
次に、漁業補償の県の当初提示額と漁業協同組合の要求額60億円の考え方等の違いについてお答えいたします。
漁業を営む者にとって漁業は生活を支える手段であることから、泡瀬地区の補償交渉の場合においては漁場を失うことに対し、漁業組合からは転業等を含む生活再建策としての補償要求が出されました。
一方、公共事業の施行に伴う損失補償基準は、あくまで漁獲高等から評価される漁場の価値を資本とみなし、漁場の消失または価値減少等に対する損失補償を行うことを基本としております。そのため、こうした補償の対象範囲のとらえ方の違いから漁業組合の要求額と事業者側の提示額に開きが生じたものと考えております。
補償交渉においては、漁業協同組合からの要求のうち、補償基準に合致する内容については補償を見直し、転業補償や漁船・漁具改良補償、水産資源の放流育成事業の損失等については、現場条件から補償することが困難であるため十分説明を行い、理解を求める等、約2年の15回に及ぶ粘り強い交渉を重ねて合意したものであります。
漁業補償額を見直した理由と算定の妥当性についてお答えいたします。
漁業補償は、補償額算定の基礎となる漁業実態に関して客観的な資料が限られており、漁民への聞き取り調査に頼らざるを得ないことから、他の補償に比べ実態等を的確に把握することが難しい特殊な補償であります。
泡瀬地区の漁業補償交渉に当たっては、漁業協同組合から転業補償や漁船・漁具改良補償、当該漁場の産卵場としての優位性及び汚濁による影響等を考慮した補償等、多くの要求がありました。事業者である国及び県は、平成9年4月から平成11年3月の約2年間の15回に及ぶ交渉の中で漁業協同組合から要求のあった内容を検討し、公共事業の施行に伴う損失補償基準等にのっとって漁場依存率や工事中の影響補償、人工干潟整備に伴う消滅面積の見直し等を行い、漁業操業実態に合った19億9800万円で合意したものであります。
他の補償事例との比較についてお答えいたします。
補償額の消滅面積に対する単位面積当たりの補償額については、10年程度以前からの他の埋立事例等と比較した場合、泡瀬地区埋立事業の補償額はほぼ平均的な水準となっております。
続きまして、新石垣空港の地権者の同意取りつけ作業の進捗についてお答えいたします。
新空港建設予定地の地積は、平成14年5月現在、現空港の約3倍に当たるおよそ138ヘクタールを予定しております。筆数は363筆で、所有者が258人となっています。
その所有者の内訳は、県内が112人で全体の43.4%、県外が146人で56.6%となっており、県外が県内の約1.3倍となっているのは自然保護団体等が土地の共有をふやしたことによるものです。自然保護団体等が所有する共有地は2筆で、全地積の0.1%に当たる1556平方メートルですが、地主数では全地主の60.5%の156人となっています。共有地主のうち、県外在住者が83.3%を占めています。
平成14年度後半から石垣市と協力して新石垣空港建設事業における地権者の同意取りつけ作業に入ることにしております。ことしの5月までに自然保護団体等が所有する共有地以外の地主に対しましては戸別訪問をし、ほとんどの方々から事業に協力しますとの返事をいただいております。
また、自然保護の立場から反対している共有地主に対しては、これまで石垣市長が数回直接お会いし事業への理解を求めています。さらに、石垣市及び郡民の会は、共有地主全員に新石垣空港建設の必要性などを訴える文書を送り、協力をお願いしているところであり、今後も機会あるごとに地元の声を伝えていくことになっております。
以上でございます。
○翁長 政俊 再質問をさせていただきます。
ことし初めから、知事のいわゆる再出馬への意向の問題については県民の大変関心の高い課題でございました。私自身もことし初め早々、知事が再出馬するということはまだ若干早いんではないかなというふうに思っていました。まだ対立候補も決まらないうちに現職知事が早々と手を上げるというのも何かというふうに私自身もそう思っていました。しかし、この6月議会を迎えるに当たっては、私は、知事の再出馬については県民の代表であるこの県議会の場から第一声があるべきだろうという常識的な実は判断をいたしております。
そういう意味において、今議会においてはマスコミを含めて県民の関心もこの部分に集まっておりまして、ぜひ知事の踏み込んだ答弁が出てくるものだろうというふうに実は御期待をいたしておりました。しかしながら、もうしばらく時間をいただきたいということでありますけれども、私は、次の機会ということになると9月議会ということになるわけですよ。9月議会ということになると余りにも知事選挙に近過ぎて、ある意味では県民が思っているこの県政に対する知事の再出馬という問題がどうなるかというふうな実は不安を持っております。
そこで、ぜひ踏み込んで、これは県民の早い時期での知事の出馬意向を聞きたいという私は一つの大きなテーマでもあると思うんですよ。ぜひこの部分は、一たん答弁をしたものを再度踏み込んで今議会ではできないというニュアンスになるかもしれませんが、私は、一歩踏み込んでそういう答弁があってもいいというふうに思っておりますので、それはひとつよろしくお願いを申し上げます。
もう1点、15年使用期限の問題についてでございますけれども、これは私が着工を認めないのかとの問いに、そうとられても当然だというのは、これは私が言ったわけじゃなくて知事が言っているわけですよ。私自身も15年の問題解決なくして普天間は動かしちゃならぬというふうに私も強い意見を持っております。
ですから、この部分というものは、沖縄が抱えている基地問題の一番かなめの部分ですから、知事もその政治姿勢として15年問題が解決なくして普天間は動かさないというふうに私はとらえておりますけれども、そうとらえていいものなのかどうか、知事の御答弁をお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 再出馬については、大変温かいお言葉で実質的評価の上から強い出馬要請で大変感激しております。
先議会でも申し上げましたように、私は基本的には使命感と責任感でこの3年間走ってまいりました。それから、渡久地議員、翁長議員のお話も十分に頭に入れながら、しばらく時間をいただきたいと思います。(「使命感と責任感は……」と呼ぶ者あり)
はい、それは変わりございません。
それと次の15年問題でございますが、翁長議員が御質問の中で言われたように、そうとられても仕方がないと言ったのは明確に申しました。これはマスコミの2社に対して、おのおの時間は違いますけれども、明確に申し上げました。その基本的な考え方はこれからも変わりございません。
○國場幸之助 通告に従いまして自由民主党を代表し質問します。
1、沖縄振興計画について。
金融特区について。
去る5月、沖縄振興特別委員会のメンバーは、アイルランドの首都ダブリン市の国際金融センターの視察を行いました。沖縄振興特別措置法の目玉の一つであり、金融特区の導入を県に先駆けて行ってきた名護市が、モデルとする国際金融センターを直接調査することによってこれからの県の取り組むべき課題を見つけることが目的でした。
アイルランドの歴史は、イギリスからの迫害や19世紀のジャガイモ飢饉を初め貧困と移民に象徴されていましたが、1980年代後半の国際金融センターのスタートに伴い飛躍的な経済成長を遂げ、1987年には17%あった失業率は、2000年に入り5%前後まで改善され、GDP成長率も90年代後半には10%前後の数値を出すようになっていました。
欧州において、10%の法人税という驚異的な優遇税制を初めとしたアイルランドの成功モデルがそのまま沖縄県に導入できるわけはありません。しかし、国際金融センターの生成過程を見て現場の話を聞きますと多くの点で参考になる点があります。その第1は、人づくりによる国の再建をすべての原点に定めていたことであります。
アイルランドは、1960年代から継続的に教育に重点投資を続けてきました。当時は高度な教育を身につけても国内に働く場がなく、海外への頭脳流出が続出したそうですが、人材こそ最大の経済資源と考える国のスタンスは微動だにしませんでした。そして大学院まで教育費を無料とし、留年は即退学、他の学校に移籍することも許さないという徹底した教育環境で鍛えられた人材が金融センターを支えているのであります。ことしの9月には情報通信技術、ビジネスマネージメントなどの学部を備えた「ナショナル・カレッジ・オブ・アイルランド」がセンター内に開校します。その建設現場も見てきましたが、多国籍の金融企業が集積する中に高等教育機関を立地する計画には、ビジネスマンが働きながら学べる環境づくりを創出する意図を感じました。
金融産業だけでなく、沖縄の戦略産業である情報通信産業、これからの観光産業も知識、知恵、情報、ネットワークこそが最大の経済資源であり、人材こそ戦略の根本に据えるべきであります。県内で論議されているキャプティブ保険の導入や、常時雇用者20人以上の条件を検討することも大切ではありますが、これだけの大事業を担う人材の育成策が今のところ内閣府の金融教育、研修セミナー事業ただ1つしかないことも問題にすべきであります。
今までの沖縄は、制度に関する検証、改正要望の議論が多く、人材に関しては人づくりは大切だというスローガン以上の議論は詳細にはなされていなかったのではないか。制度面における一国二制度とともに、人材育成面での一国二制度を真剣に考え、戦略を検討する時期であると考えます。
以下、質問します。
ア、金融特区設立までのスケジュールとこれからの課題について明らかにしてください。
アイルランドの金融センターが軌道に乗るまで7年の歳月がかかりました。その原因の一つには、制度のみ存在していて、進出したい企業の入居するインテリジェンスビル建設がおくれていたことが指摘されていました。沖縄振興特別措置法は10年間の時限立法です。構想とその具体化のための作業は早急に取りかからなくてはなりません。
また、金融特区は名護市全域を指定する方向で県案がまとまったそうですが、入居希望を収容するインテリジェンスビルの建設とともに、生活環境、子弟の教育環境を含めてだれもが暮らしやすいまちづくりも同時に推進していかなければならないでしょう。
イ、情報収集、企業誘致への取り組み強化策として県庁内部の組織再編成、窓口の強化策等を考えているのでしょうか。
ダブリンの金融センターに数多くの企業が進出した要因に、企業誘致を担うアイルランド政府・産業開発庁の質の高い企業誘致担当者が世界じゅうに派遣されていることが挙げられていました。本県は金融、情報、製造業、あらゆる分野において企業誘致に励んでいますが、現在の体制で十分なんでしょうか。
ウ、金融特区成功への最大の要因は人材でありますが、内閣府の人材育成モデル事業以外の人材育成メニュー、人材育成戦略をどこまで考えているのか。
エ、所得控除制度適用の要件として「現地に新設法人を設けること」とありますが、既存企業の「支店」は新設法人とみなされるのか。
オ、制度の検証を絶えず行い、修正するシステム確立はできないのか。
アイルランドの金融特区の特筆すべきものに1987年に設立されたクレアリング・ハウス委員会があります。これは、金融センターに投資を考える企業のあらゆる障害を検証し、取り除くことを目的に設立されました。現在は2カ月に1回のペースで開催されているようですが、当初はほぼ毎週会議が開かれていたそうです。
金融特区は当初、名護市を中心とした北部の振興という議論からスタートしました。しかし、金融をかつての政府方針のように規制、保護の対象ではなく、恐らく日本で初めて育成産業としてとらえた今回の沖縄振興特別措置法は、日本の金融政策のあり方そのものに新しい境地を切り開く可能性があるわけです。現行の法律でスタートするにせよ常に政府に関心を持たせ、国を巻き込んでいく働きかけは不可欠であります。県のこれからの取り組みを大いに期待します。
(2)、観光振興地域制度の内容について明らかにしてください。
(3)、情報通信産業特別地区制度の内容について明らかにしてほしい。
(4)、旭橋駅周辺再開発計画について。
モノレール旭橋駅周辺地区は、県内初の民間主導による市街地再開発事業であり、「民間主導の自立型経済」の実現を目指す沖縄県の象徴的な構想と言えます。
開発予定地の地権者らで構成する実施主体の「KSP推進協議会」は、ことしの7月にも地権者の同意を取りまとめ、8月には基本計画を策定し、来年3月には都市計画決定、同時期の再開発事業採択を目指す基本方針を確認しました。従来の行政主導による再開発と比べまして約半分のコストとスピードで事業の推進が可能であり、政府も国・地方の財政破綻に瀕する厳しい状況下で「民間都市開発投資促進の緊急措置」で後押しを進めようとしております。
構想の開発理念として、旭橋駅東側約10ヘクタールに駅とバスターミナル機能を連結した利便性の高い町、車中心から歩行者中心の町、水と緑と潤いのある町、国際通りの新しい出発点等のコンセプトがあります。旭橋駅周辺は、風格ある県都那覇市の顔となり得る地域であり、那覇空港から市内に入る観光客が最初に目にする大切なエリアです。他の地域の再開発事業を展開する際に模範となり得るような空間の創出を期待します。
ア、民間主導での再開発事業が進められているが、県はこの事業にどう取り組んでいるのか。
イ、民間のプロジェクトは、スピードとコストが重要であり、事業実施には今年度内の都市計画決定や補助採択が必要と聞いているが、県の対応は可能か。
ウ、当該事業に導入が予定されている市街地再開発事業における県の財政負担はどうなりますか。
エ、旭橋周辺地区の再開発は、全国都市再生事業に該当すると思うが、県はどう取り組んでいるのか。
(5)、特別自由貿易地域の立地企業数と雇用者数を明らかにした上で今後の取り組みを説明してほしい。
(6)、計画の事後評価システムについて説明してほしい。
(7)、戦略産業に対応する県庁内部の人材育成についての考え方と取り組みを明らかにしてほしい。
(8)、計画の仕上げは、沖縄振興計画の担い手は最終的には我々県民であるという自覚を県民一人一人が持った時点であります。県が懸命に手がけてきました新計画の「県案」を「県民案」に高めるためにこれからどのような取り組みをしていくのか。
2、大那覇国際空港の整備について。
去る3月26日、沖縄県議会の場において「那覇空港拡張整備に関する意見書」が可決されました。今まで県議会において数多くの議員が那覇空港の拡張に関する発言、提言をしてきたわけでありますが、議会意思を表明する意見書の採択は初めてのことであり、沖合展開に向けた大きな前進であると考えます。
国土交通省の諮問機関である交通政策審議会航空分科会の場におきましても、現在策定中の第8次空港整備5箇年計画に新千歳、福岡、那覇の3地方都市空港を新たに「主要地域拠点空港」と明記されることが明らかになりました。しかしそのことは、長期的な需要に対応する空港能力確保の検討が必要ということであり、拡張整備が決定したわけではありません。知事を先頭にした要請活動も活発に展開しており、また市町村においても先月の7日には翁長雄志那覇市長を議長とした「那覇空港拡張整備促進市民会議」の設立総会が行われたことは、まことに心強いものがあります。ことしが正念場でありますから、県内各種団体・各層による粘り強い要請活動、促進大会等の運動を展開していきたいものです。
(1)、国土交通省から第5回航空分科会に論点として出された那覇空港の「主要地域拠点空港」としての位置づけに対する知事の見解を聞かせてほしい。
(2)、数々の要請活動を展開する知事に、那覇空港沖合展開の第8次空港整備5箇年計画への位置づけへの見通しについてお尋ねします。
(3)、県庁内部の組織強化も含めて今後の県の取り組み内容、作業スケジュールを説明してほしい。
(4)、那覇空港拡張整備促進連盟は、要請活動に関しては高い評価がありますが、県民への啓蒙活動、研究活動に関しても、今この時期に取り組みへの強化が求められると思うが、連盟会長である知事はどう考えるか。
(5)、国土交通省は、空港建設の過程において住民意思を反映させることを義務づける意向でありますが、県では漁業権や環境調査等地元の合意形成のために今後どのような取り組みを考えていますか。
3、沖縄平和賞について。
沖縄県民が米軍基地とかかわりを持って57年たちました。懸命な取り組みにもかかわらず基地負担の軽減、整理縮小への動きは微々たるものでしかありません。私は、基地問題解決のためには多種多様な切り口からアプローチするべきであり、沖縄平和賞もその一環として取り組む視点があってしかるべきであると考えます。
悲惨な地上戦や米軍施政下の歴史を持つ本県から継続的に平和の発信を続けることは、沖縄の問題は全国民の問題として知事が常々主張していることを、沖縄の基地問題は全世界的な問題として取り組んでいかなければならないという段階に高めることにもつながると信じております。在沖米軍基地の戦略的重要性は、日米両政府を初めアジア・太平洋地域諸国全体から強調されても、そこに生活する沖縄県民の悲痛な叫びを独自に世界に届ける手段がありませんでした。米軍基地の整理縮小が沖縄平和賞の直接の理念、意義ではありませんが、県民全体で平和賞を創設し運営することで平和とは何か、平和を実現するためにはどのような行動が求められるのか、そして沖縄の現状を変えるためにはどうしたらいいのかという県民の平和思想を深める契機になりますし、継続的に世界へ平和創造へのメッセージを発信することで沖縄の基地問題を普遍化する作用をもたらします。
昨年100周年を迎えたノーベル平和賞は、同賞委員会の選考過程や賞のあり方、受賞者の正当性への疑問等々さまざまな議論がいまだに続いております。しかし、依然としてノーベル平和賞が最も権威のある賞の一つであることと、受賞された人物、団体と彼らが取り組んでいる平和創出事業に対し、世界じゅうの目が集まるという現実も否定できません。
平和の定義というものは極めて難しく多岐にわたり、国や時代や民族や宗教や立場が異なればそのとらえ方も当然変わってきます。しかし、歴史をつくってきた思想というものは、現実との対峙、現状を変えようとする格闘の過程、そして理想へ向かう力強い歩みの中から生まれてくるものであります。
沖縄平和賞は、構想の段階から賛否両論いろんな議論を巻き起こしておりますが、沖縄平和賞の挑戦はまだ始まったばかりであります。100年後の歴史家が、沖縄の基地をなくした大きな働きの一つには、平和賞の発信により世界世論を巻き込んだ取り組みがあったからであると記される日が来るように、県民全体で関心を持って育てていきたいものです。
(1)、第1回目の授賞式に向けて現在の事業の進捗状況と今後のスケジュール、授賞式の日程について説明してほしい。
(2)、本賞を今後継続して実施していくためには中立性・公平性の確保が重要であります。そのためにこれまで行ってきたこと、本賞の将来展望について説明してほしい。
4、全国知事会議について。
来月の17日から19日まで万国津梁館、かりゆしビーチリゾートホテル恩納において全国知事会議が開催されます。各都道府県知事及び随行員、総務省関係者等約300人が参加し、政府への提言、要請する施策を全国の知事が審議する場でありますが、復帰30周年目を迎える沖縄で開催される意義にかんがみて本県の抱える諸問題、新たな振興計画等をアピールするまたとない機会でもあります。沖縄の問題を全国民の問題にするためにも県の会議への効果的なかかわりは不可欠であります。
(1)、7月に開催される全国知事会議はどのような性質の会議か。また、準備の状況はどうなっていますか。
(2)、全国知事会議を本県で開催することの意義と、この機会に沖縄県が各都道府県知事に訴えることの内容を明らかにしてください。
5、福祉行政について。
厚生労働省は、2030年には35道県で65歳以上の高齢者人口が3割を超えるという将来推計人口を発表しました。2000年時点で老年人口が3割を超える都道府県はないわけでありますから、日本は世界最速のスピードで高齢社会に突入しつつあり、それに伴い労働人口の減少による日本経済の活力減退や、現役世代が高齢者を支える仕組みそのものが危うい状態になると予想されます。
長く生きるということは、人類が太古の時代から追い求めてきた理想であり、元気で長生きすること以上に価値のあることはありません。今の日本で問題なのは、高齢化が進行することと、そして子供の数が減少しているということであります。
今月発表された厚生労働省の「人口動態統計」によりますと、2001年の合計特殊出生率は1.33人と過去最低を更新しました。本県は、全国に比べて高い出生率を誇ってはいますが、人口増加率の逓減、総人口に占める若年者の割合というものは確実に年々減少しております。
お年寄りや子供や障害者に優しい環境づくりは、すべての人が生活しやすいまちづくりという考え方と合致します。長寿、いやし、健康という本県の優位性を生かすためにも福祉行政のさらなる推進に努めなければなりません。
以下、お尋ねします。
(1)、小児医療について、ア、乳幼児医療費助成事業の対象年齢の引き上げは、県内各市町村の動向、意向を踏まえて判断するとの答弁が以前にありましたが、その調査の状況はどうでしょうか。
イ、県内県立病院小児科医の定数と夜間緊急の小児医療専門医の配置は万全でしょうか。
ウ、小児救急患者のたらい回しをなくすために始められました厚生労働省の「小児救急医療支援事業」を活用している地域は県内にどれだけありますでしょうか。
エ、乳幼児死亡率の高い本県において周産期医療体制の整備状況はどうか。
オ、僻地や離島を多く抱える本県において、病院に搬送される間の救急隊員による応急処置、適切な医療機関に搬送する判断力は不可欠でありますが、救急隊員への教育システムはどうなっていますか。また、搬送された小児患者の診断、治療結果を医師から救急隊へ伝達するシステムは整備されておりますか。
(2)、「新おきなわ子どもプラン」の基本的考え方、施策の展開、サービスの整備目標を明らかにしてほしい。また、前計画の評価と課題は何であったでしょうか。
(3)、介護保険について、ア、本県の介護保険料は全国一高く、来年の保険料見直しでもさらに高騰が予想されておりますが、適正な介護サービスの利用と負担額低減を図るためどのような取り組みがなされておりますか。
イ、設定基準、給付、保険料の平準化で地域間格差をなくすことを目的に設立された「沖縄県介護保険広域連合」の内容を明らかにしてください。
(4)、母子家庭の多い本県にとり、児童扶養手当の減額はさまざまな影響を及ぼすと考えられますが、県は代替の自立支援策をどのように考えておりますか。
(5)、県内県立病院のそれぞれの医療圏で医薬分業はどの程度整備されておりますか。
(6)、長寿立県の維持のためにどのような取り組みがなされていますか。
(7)、「身体障害者補助犬法」が今国会で成立しましたが、県は法の周知徹底のためにどのような取り組みをしていくのか。
6、情報通信産業の振興について。
復帰以降の産業の中で、観光以外に情報通信産業ほど短期間で急成長した業種はなかったのではないでしょうか。製造業を中心とした従来の産業では不利性と考えられていた離島県、島嶼性、狭隘な市場というものとは関係なく対等な条件で他の地域と競争できる分野が情報通信産業の特徴であります。「沖縄振興計画(案)」の中でも明確に戦略産業と位置づけられておりますが、情報通信技術の革新や通信費の低減等非常に変化の激しい分野でもありますから、状況に対応するという受け身の姿勢ではなく状況をつくるという攻めの姿勢で振興に努めていかなければなりません。
(1)、稲嶺知事のトップセールス等で多くの実績を上げておりますが、知事就任以来の情報通信関連企業の立地数、新規雇用数を明らかにしてください。また、沖縄振興計画の最終年次である2011年までに雇用数、生産額、県内総生産における割合の目標値は幾らか。
(2)、沖縄県情報産業ハイウェイ事業の内容と利用企業の実績を明らかにしてほしい。
(3)、人材育成、人材誘致事業について明らかにしてほしい。
(4)、那覇市、沖縄市、宜野湾市の共同利用型インキュベーション施設の整備状況と入居予定の企業を明らかにしてほしい。
(5)、電子県庁構築に対する事業内容、実績、進捗状況について説明してほしい。
7、観光産業の振興について。
昨年の米国同時多発テロは、沖縄観光へのキャンセルを相次いで生じさせました。それに伴う県内に与えた影響力の大きさは観光産業の占める重要性を再認識させ、また本県における観光産業とは何かという問題意識を感じさせたわけであります。
県の努力と県内外からの多くのサポートにより、最近では観光入域数が非常に好調ではありますが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」であってはいけません。沖縄の観光産業振興のかぎは、昨年末の危機感をどれだけ教訓として生かせるかにかかっております。従来の誘客体制、受け入れ体制、人材育成、旅行者の嗜好動向やインフラ整備全般も含めて絶えず検証、改善への取り組みを図り、観光産業の競争優位を高めていかなければなりません。
以下、質問です。
(1)、経済財政諮問会議の「カジノ特区」は見送りになったようですが、今後県は、ゲーミングの導入についてどのように取り組んでいくのか。
(2)、外国人観光客の誘客活動、受け入れ体制への取り組みと入域観光客数の現状と目標値について説明してほしい。
(3)、台湾、韓国、香港、上海便の路線利用率の現状と路線維持への県の取り組み、そしてシンガポール、北京への国際路線開設への取り組みについてそれぞれ具体的に説明してください。
(4)、健康保養型観光の事業内容と今後の作業スケジュールを明らかにしてほしい。
(5)、フィルムオフィス開設への進捗状況とその時期について明らかにしてほしい。
(6)、平成23年の入域観光客数の目標値を650万人に設定しておりますが、実現までの具体的な施策について説明してほしい。
また、目標値算定の判断の中で那覇空港は現行滑走路一本でも離発着回数の増加、機材の大型化、座席利用率の上昇等により、あと約177万人の入域観光客が可能とあったが、この数字を検証した審議会に航空行政、空港行政の専門家は入っておりましたか。
8、教育行政について。
「ゆとり」と「生きる力」をキーワードとした新しい教育制度がこの春からスタートをしております。しかし、どんな崇高な理念であっても具体化へのプロセスと現場での実態を絶えず検証してみなければ改革の成功はあり得ません。特に我が国の子供たちは、みずから学習をする姿勢が他の先進諸国の子供たちより著しく欠如しており、読書時間、自習時間のここ10年間の激減は我々の将来の不安を増大させます。「ゆとり」という名の学力低下は決して招いてはならず、文部科学省の試みが学校教育の現場でどのように児童生徒たちに作用しているのかを把握することの重要性は言うまでもありません。
さらに、新しい沖縄振興計画のスタートに伴い、人づくりの沖縄振興に向けた学校教育、生涯教育の環境整備も地域社会一体となって推進していかなければなりません。
以下、質問です。
(1)、完全学校週5日制への県の取り組みについて説明してほしい。
(2)、スーパーサイエンスハイスクール事業の内容と可能性について県の考え方を聞かせてほしい。
(3)、観光、情報通信、金融等の戦略産業を振興する上で、県の英語教育の理念と諸施策について説明してほしい。
(4)、「総合的な学習の時間」の活用状況と、その理念に照らし合わせて学校教育の現場にどのような課題が生じているのかを明らかにしてください。
(5)、2010年のインターハイ誘致への取り組み状況について明らかにしてください。
(6)、文部科学省の「子どもの読書活動推進法」で、今年度国が投入した130億円が全国の3分の2近い自治体で本の購入に充てられていないことが全国学校図書館協議会の調査で明らかになったが、県内の状況を把握しておりますか。
(7)、経済財政諮問会議等で検討されております「国際教育特区」の内容と県の取り組みについて明らかにしてください。
市町村合併について、(1)、合併に向けた県内市町村の動向と県の取り組みについて明らかにしてください。
(2)、合併は、最終的には各市町村の住民意思が尊重されるべきだが、合併特例措置の延長がないと主張する国のスタンスと、情報提供の甘さが指摘されている県の現状を踏まえて沖縄県はみずからの責任と役割をどのように考えておりますか。
(3)、「市町村合併に関する県民アンケート調査報告書」から読み取れるこれからの課題と展望について説明してください。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 國場幸之助議員の御質問にお答えいたします。
一部聞き取れないところもありましたけれども、事前にちゃんと御質問をいただいておりますので、順を追ってお答えをいたします。
最初は振興計画のうち、金融特区のスケジュール等と県庁内部の組織強化等について一括してお答えをいたします。
金融業務特別地区については、6月17日に国に対し名護市を地区指定するよう申請したところであります。今後は国において沖縄振興審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関の長との協議を経て7月中に地区指定される見込みであります。金融業及びその関連業務の集積を促進するためには、戦略的な企業誘致活動の展開、高度な金融の専門知識を有する人材の育成・確保、情報通信基盤や道路等の企業立地環境の整備が必要であります。県としても、国や名護市と連携を図りながら、部局間の連携を密にして全庁体制で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、旭橋駅周辺地区再開発計画に対する県の取り組みについてお答えいたします。
モノレール旭橋駅周辺地区再開発計画は、民間主導で旭橋駅周辺の老朽化した建築物の更新と土地の高度利用を図るとともに一体的なまちづくりを進めるものであり、今後の都市再生を進める上でモデルとなる重要な事業であると考えております。県としましては、このような民間から提案される優良な再開発に対しては、迅速な対応、適切な誘導を行い、市街地再開発事業等の補助事業を通して積極的に支援していきたいと考えております。
次に、振興計画の計画案を県民案へ高めることについての御質問にお答えをいたします。
本計画案は、全市町村長との意見交換、幅広い分野における関係団体からのヒアリング、沖縄県振興開発審議会における調査・審議を行うとともに、県民フォーラムや県民アンケートを従来以上に実施し、県民各層からのさまざまな意見を反映し作成したものであります。
このことから、計画案そのものが県民案に等しいものであると認識しており、県民と行政が一体となって振興策を推進していきたいと考えております。
次に、大那覇空港の整備について、「主要地域拠点空港」としての位置づけと5箇年計画への位置づけの見通しについてお答えをいたします。一括してお答えを申し上げます。
国の交通政策審議会第5回空港整備部会において、那覇空港、新千歳空港、福岡空港の3空港は、大都市圏拠点空港に次ぐ「主要地域拠点空港」として位置づけられ、長期的な需要に対応する空港能力の確保策について検討することが論点として出されております。那覇空港が「主要地域拠点空港」として検討されることは、那覇空港の沖合展開に関し一歩前進したものと受けとめており、これまでの県の取り組みが一定の成果を上げたものであると考えております。
那覇空港沖合展開の次期空港整備長期計画への位置づけについては、交通政策審議会の議論を待つ必要がありますが、県としましては沖合展開の必要性、緊急性等について理解を深めていただくべく政府・国会関係者等に対し、引き続き強力な要請活動を展開していきたいと考えております。
次に、同じく国際空港の整備についてのうち、組織強化についてお答えをいたします。
国土交通省は、今後の空港整備について、地元合意など条件整備が整ったところから事業着手する方向性を交通政策審議会に論点として打ち出しております。これを受けて県としましては、今後同審議会航空分科会における議論を見守りつつ、位置選定等に関する地元住民、県民の合意形成を図るための組織強化について検討してまいりたいと考えております。
同じく空港拡張の連盟の啓蒙、研究活動についてお答えをいたします。
私は、那覇空港拡張整備促進連盟の会長としてこれまで各方面に要請活動を行ってまいりました。去る6月6日には、連盟を構成する経済団体等とともに扇大臣を初め国土交通省幹部、尾身沖縄担当大臣並びに政府・与党の関係者に要請を行い、御理解を求めてきたところであります。
啓蒙活動としましては、シンポジウムの開催、東京においてのフォ-ラム等を行い、県内外における機運の醸成を図ってまいりました。本年は、国において次期空港整備計画の策定作業が行われる重要な年となっていることから、那覇空港の沖合展開の必要性、沖縄振興に占める重要性を広く関係各位に御理解いただくよう広報活動、研究活動になお一層力を入れていく決意であります。
続いて、地元合意形成のための取り組みについての御質問にお答えいたします。
那覇空港沖合展開の実現のためには、事業実施の必要性や緊急性等に対する関係者の理解を得るとともに、漁業権や環境保全等に対する地元の合意が必要であります。県としましては、今後国や地元自治体とも連携し、早い段階での地元の合意形成に向けた意見集約の場の設定に努めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄平和賞の御質問の中で、本賞の中立性・公平性の確保と将来展望についてお答えをいたします。
沖縄平和賞を継続して実施していくためには中立性・公平性の確保が重要であります。このため、運営母体である沖縄平和賞委員会については、多方面からの意見を反映させるため各界各層を代表する団体の代表者等で構成しております。また、推薦人は「推薦人選定方針」に基づき選定しております。さらに、選考委員会委員には私を初めとする県関係者は入っておりません。このことから、中立性・公平性は十分に確保されているものと考えます。
今後は、本賞のさらなる周知を図りながら県民参加型の仕組み等について検討してまいります。
また、国際平和に貢献する事業を通じて沖縄平和賞の価値を高め、平和を何よりも大切にする県民の心を世界に発信し、本県が恒久平和の発信拠点として国内外から認知されるよう目指していきたいと考えております。
次に、全国知事会議についての御質問の中から、知事会議の性質と準備の状況についてお答えいたします。
全国知事会議は、全国の知事が一堂に会し、主に翌年度の国の施策並びに予算に関する提言、要望事項について審議する会議であります。また近年、開催県のイニシアチブのもと、地方行財政など地方の抱える課題に関するセミナー分科会も実施されており、地方からの政策提言の有力な場となっております。全国知事会議は万国津梁館で開催されますが、県としてはこれらの円滑な運営に向けて、現在庁内に全国知事会議運営委員会を設置し全庁体制で取り組んでいるところであります。
次に、知事会議を開催する意義と各県知事に訴えたいことについてのお答えでございます。
ことしは、本県が復帰30周年の節目を迎えるとともに、沖縄振興特別措置法とこれに基づく沖縄振興計画により新たな展開に向けてスタートする重要な年であります。このような年に全国知事会議を開催し、各都道府県知事に本県の現状を見ていただき、これまでの沖縄振興に対する支援に感謝するとともに、今後とも沖縄の抱える課題の解決について理解と協力をいただくことは大変意義深いものであると考えております。
特に、基地問題については沖縄だけの問題というよりも我が国の安全保障の問題として国民全体で取り組まなければならない重要な課題であることから、各都道府県知事にも国全体の問題として認識していただけるよう訴えていきたいと考えております。
次に、福祉行政のうち、「新おきなわ子どもプラン」の基本的な考え方とサービスの整備目標等についてお答えを申し上げます。
「新おきなわ子どもプラン」は、少子化の一層の進行等子供を取り巻く社会的な背景が大きく変化していることを踏まえ、子育て家庭へのきめ細かな支援や子育てと仕事の両立支援などを施策の基本方向として位置づけ、平成14年度から18年度までの児童育成施策を総合的、横断的に推進するために策定したものであります。5カ年間で達成すべき整備目標としては、保育所の50カ所増設や放課後児童クラブを小学校1校区に1カ所程度、児童館を中学校2校区に1カ所程度などとなっております。 また、企業に取り組んでいただきたい目標として年間総労働時間の短縮などについても数値目標を掲げております。
前計画──これはおきなわ子どもプラン──については、乳児保育や延長保育などで目標を上回り成果を上げましたが、放課後児童クラブや児童館の整備については達成率が約80%となっております。新プランの実施に当たっては、事業実施主体である市町村や関係機関・団体との連携を強化して推進してまいります。
次に、「沖縄県介護保険広域連合」の内容についてお答えいたします。
沖縄県町村会及び沖縄県介護保険広域連合設立準備委員会は、県に対し、広域連合設立に向けての支援を要望しておりました。要請を受け、平成14年4月に設立準備委員会事務局に職員1名を派遣しているところであります。
広域連合は、本島及び本島周辺離島の33町村と豊見城市から組織される予定であります。
設立準備委員会では、規約案等について関係市町村長及び市町村議会議員等への説明を6月7日までに終え、各市町村の議決を経て8月までに設立し、平成15年4月からの業務開始を目指しております。また、県においてはことしの5月に厚生労働省老健局長に対し、介護保険広域化に向けた財政的支援や複数保険料の設定、財政安定化基金の償還期間の延伸等に係る支援を要請したところであります。
なお、広域連合の所管事務は要介護認定、介護保険給付、保険料の賦課等となっております。
次に、長寿立県の維持のためにどのような取り組みがなされているかについてお答えをいたします。
現在、県民の平均寿命は女性は全国1位ですが、男性は4位となっております。また壮年期の死亡率は全国平均より高くなっており、本県の長寿県としての地位も危ういものとなってきております。このため、痴呆や寝たきりにならない状態で生活できる期間、いわゆる健康寿命の延伸、壮年期死亡の減少及び生活の質の向上を目的に県民の健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を本年1月に策定いたしました。また、「健康おきなわ2010」の推進母体として保健医療関係者、住民代表、教育関係、市町村、産業界など健康に関連するさまざまなグル-プで構成する「健康おきなわ2010推進県民会議」を設置しており、去る6月13日に第1回県民会議を開催しております。
今後は、この「健康おきなわ2010」に基づき県民一人一人が主体的に取り組む健康づくりを社会全体で支援し、健康・長寿社会を築くため全県民挙げての健康づくり運動を推進していきたいと考えております。
次に、情報通信産業の振興についてのうち、情報産業ハイウェイの内容と利用企業の実績についてお答えします。
県は、「マルチメディアアイランド構想」に基づき情報通信関連産業の誘致に取り組んでまいりました。そのインセンティブとして平成11年度から3年間、企業の通信回線料金の8割程度を負担する「通信コスト低減化支援事業」を実施してまいりました。
同事業は、これまでコールセンターを中心に22社の企業に利用され、情報通信関連企業の立地、集積に一定の成果を上げてまいりました。このような成果を踏まえ、本年度より情報産業ハイウェイ事業を実施しております。
同事業は、県が沖縄─東京間の高速・大容量の通信回線を確保し、企業に無償で提供するものであります。
情報産業ハイウェイは、十分な容量を確保していることから、大量のデータ通信が必要な企業のニーズにも迅速に対応することが可能となっております。したがって、同事業は従来のコールセンターに加え、今後、集積が期待されるデータセンターやコンテンツ制作・ソフトウエア開発等の情報通信関連産業の誘致のための大きなインセンティブとなることを期待しております。
次に、市町村合併についてのうち、合併に向けた県内市町村の動向と県の取り組みについてお答えいたします。
市町村合併について県内市町村の動きとしては、本年4月1日に具志川村と仲里村が合併し久米島町が誕生したところであります。久米島地域以外では、宮古地域6市町村で各議会の議決を経て法定合併協議会が設置され、具志川・与勝地域においても任意協議会が設置されるなど合併に向けての具体的な協議が行われております。また、宜野湾市周辺5市町村や那覇市、南風原町と周辺離島6村及び八重山地域においては職員による研究会等が発足し、調査・研究が行われております。
このように、県内市町村においては全市町村の48.1%に当たる25市町村が法定または任意協議会や研究会等を設置しているところであります。現在、県においては、合併重点支援地域に指定した宮古地域と具志川・与勝地域及び各研究会等に対し合併支援交付金や補助金を交付するとともに、合併協議会事務局への職員の派遣など重点的かつ積極的な支援を行っているところです。
このほか、他の市町村に対しましても市町村長との意見交換や研修会等への職員の派遣等合併の議論がさらに広がるよう働きかけているところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄振興計画について、人材育成戦略と既存企業の「支店」は新設法人とみなされるのかについて一括してお答えいたします。
金融業及び金融関連業務に必要な人材は、金融に関する専門知識、ITや語学等にすぐれた人材であると考えております。
国においては、金融知識の向上を図るため今年度から3年間、人材育成モデル事業を実施することとなっております。県においては、本年度から5年間、IT高度人材育成事業を実施することとしております。また、県内の大学等においても金融に関する専門コース・講座の開設を促進していきたいと考えております。
既存企業の「支店」は、新設法人には該当しないものと理解しております。
次に、同じく沖縄振興計画について、制度の検証を絶えず行い、修正するシステムの確立はできないのかについてお答えいたします。
金融業務特別地区制度は、我が国において初めての金融に係る特別な制度であります。県としては、この制度を積極的に活用して金融業等の集積を図ることが重要と考えており、今後、企業誘致を進めていく中で企業ニーズを踏まえ、企業立地環境の整備を促進してまいります。
次に、沖縄振興計画について、全国都市再生事業に該当すると思うが、どのように取り組んでいるのかについてお答えいたします。
全国都市再生事業は、「人が集まる交通結節点」における民間の投資を促進する取り組みに対し、事業促進のための予算や制度運用等の調整を図り強力に支援するもので、平成14年4月、内閣官房都市再生本部において決定されたものであります。県としましては、旭橋駅周辺地区再開発計画についてはまさに当該事業に該当するプロジェクトだと考えており、本年5月に指定に向け都市再生本部に応募したところであります。
次に、沖縄振興計画について、計画の事後評価システムについてお答えいたします。
沖縄振興計画については、その実効性を高めるためアクションプログラムとして観光、情報などの法律に基づく同意計画に加えて、その他の分野別計画を定めることとしております。
分野別計画においては、施策・事業について事業効果の検証を容易にするため評価指標を設定し進行管理を行う予定にしております。
次に、情報通信産業の振興について、電子県庁構築についてお答えします。
電子県庁構築については、職員1人1台パソコンの完全配備や本庁LANの拡充・整備及び国、都道府県、市町村と相互接続する総合行政ネットワークの整備など庁内情報通信基盤整備を図るとともに、行政評価システムの開発や住民基本台帳ネットワークシステムなどの整備を進めてまいりました。平成12年度には「沖縄県行政情報化推進計画」を策定し、電子県庁構築に向けた取り組みをより一層強化しております。
本年度は、申請届け出等行政手続のオンライン化、電子入札など県民生活の利便性向上に資するシステムの構築に取り組むとともに、文書管理システムの構築等行政事務の効率化、高度化にも取り組んでいるところであります。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、観光振興地域制度についてお答えをいたします。
観光振興地域は、沖縄振興特別措置法に基づき策定される観光振興計画の中で定めることができることとなっており、今回は既存の9地域に加えて新たに数カ所の地域を定める予定でございます。
制度につきましては、スポーツ・レクリエーション施設、教養文化施設等の特定民間観光関連施設を新・増設する事業者に対し、国税である法人税及び地方税である不動産取得税、固定資産税等の税制上の優遇措置及び沖縄振興開発金融公庫の融資等が受けられる内容となっております。
次に、ゲーミングに関する質問にお答えをいたします。
ゲーミングにつきましては、沖縄県観光振興基本計画において、多様な国民ニーズや観光の国際化に対応しエンターテインメント性の向上を図る観点から、ゲーミングの導入可能性について検討すると位置づけているところであります。
ゲーミングは、現在国内法で規制されていることや県内においてさまざまな意見があることから、海外におけるカジノの設置及び運営の主体、管理体制、経済効果、公序良俗への影響等幅広い事例調査やその内容に関する情報提供等を行いながら、十分な議論を尽くし県民の意見を収れんさせていく考えであります。
次に、外国人観光客誘致活動等についてお答えをいたします。
県におきましては、沖縄県と直行便を有する台湾、香港、ソウル、上海の4地域を中心に国際観光展への参加、旅行会社やマスコミ関係者の招聘事業、商談会の開催などの誘客プロモーションを実施しております。
受け入れ体制への取り組みとしては、国際線ターミナルにおける観光地や宿泊施設などの案内、英語、中国語、韓国語による観光ガイドブックの配布、ホテル等での接遇研修を実施しておりますが、県が昨年実施しました外国人観光客へのアンケート調査では、魅力的な観光施設整備、観光情報誌の充実、出入国手続の簡素化などを求める意見が多いことから、今後関係機関とも調整し、引き続き受け入れ体制の強化に努めてまいります。
なお、平成13年の沖縄への入域観光客数約443万人のうち海外からの観光客数は約20万人で、沖縄県観光振興基本計画の最終年度である平成23年度における外国からの入域観光客数については約60万人を目標にしております。
次に、健康・保養型観光の事業内容と今後のスケジュールについてお答えをいたします。
健康・保養型観光は、近年における国民の健康・保養ニーズに対応すべく本県の温暖な気候や自然、特色ある歴史・文化、健康食材、長寿等の資源を生かした健康・保養プログラムを中心とする健康・保養地づくりを目指すものであります。
平成14年度は、アトピーや糖尿病、高血圧の3疾病に特化した健康・保養の維持増進と観光を組み合わせたモデルツアーを実施し、この結果を医科学的に検証した後、パネルディスカッションを開催するなど健康・保養地沖縄を全国にアピールするものであります。
なお、平成15年度からは「身体に良い観光」として旅行商品化を図ってまいりたいと考えております。
次に、フィルムオフィスについてお答えをいたします。
フィルムオフィスにつきましては、年内をめどに沖縄観光コンベンションビューロー内に準備室を設置することにしております。現在、映像関係者向けのガイドブックの作成や専門職員の配置準備を進めております。準備室設置後は、フィルムオフィスの全国組織である「全国フィルム・コミッション連絡協議会」に加入し、映画やテレビ番組の誘致活動を行うほか、ロケ地の紹介や各種許認可手続を支援し、15年度には正式にフィルムオフィスを立ち上げる考えであります。
650万人実現の具体的施策についてお答えをいたします。
県におきましては、入域観光客数650万人の目標達成に向け、観光振興アクションプランに基づき国際会議等コンベンションの誘致、国内外における誘客キャンペーンの展開、魅力あるイベントの開催を推進するとともに、クルーズ観光の推進など台湾、中国を初めとする外国人観光客の誘致を積極的に進めてまいります。
また、観光人材の育成や観光情報システムの整備を図るとともに、観光振興地域制度や沖縄型特定免税店制度を活用した観光関連施設の集積促進、道路、空港、港湾等観光振興を支えるインフラ整備を進めてまいります。
目標数値の650万人につきましては、今後の観光戦略や那覇空港のキャパシティーに関する調査等を踏まえ設定したものであります。さらに、沖縄観光の新たな魅力となる健康・保養型観光や、エコツーリズムなど地域特性を生かした体験・滞在型観光を積極的に推進してまいります。
なお、観光審議会には委員として運輸行政や航空業界の関係者が入っており、また庁内の那覇空港担当部局との連携も図ってきたところであります。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 情報通信産業特別地区についての御質問にお答えします。
情報通信産業特別地区は、情報通信関連産業集積の牽引力となる企業の立地を促進することを目的として指定するものです。同地区内では、情報通信産業振興地域における税制優遇措置に加え、常時雇用する従業員が20名以上であること等の要件を満たす新規の認定法人については、法人税の35%の所得控除を受けることができます。
優遇措置の対象となる業種は、インターネットエクスチェンジ、インターネット・サービス・プロバイダー及びデータセンターとなっており、これら情報中枢機能の立地を促進することで情報通信関連産業の集積を図ろうとするものでございます。
情報通信産業特別地区の指定につきましては、沖縄振興計画の分野別計画である情報通信産業振興計画の中で地域を定めることとなっており、国の同意を得て指定されます。現在、情報通信産業振興計画の策定について鋭意作業を行っているところでございます。
次に、特別自由貿易地域における立地企業数、雇用者数及び今後の取り組みについてお答えいたします。
特別自由貿易地域における立地企業数は、今年度新たに2社が賃貸工場に立地したことにより6月現在で分譲地に1社、賃貸工場に7社、合計8社となっております。また、雇用者数は、今年度入居した2社を含め合計で115名となっておりますが、それぞれの企業の事業拡大に伴い、今後雇用も増大していくものと期待をしております。
今後の取り組みについては、トップセールスを初めとする企業訪問活動や国内外における企業誘致説明会、マスコミ広報など積極的な企業誘致活動を行うとともに、賃貸工場の増設や工場用地の賃貸方式等の導入など魅力ある投資環境の整備に努め、企業の立地を促進してまいります。
次に、知事の就任以来の情報通信関連企業の立地数及び新規雇用数並びに2011年における目標値についての御質問にお答えいたします。
平成10年12月以降の情報通信関連企業の立地数は29社、新規雇用数は約3000人となっております。また、沖縄振興計画県案(素案)経済社会展望値では、2011年には雇用数約2万2400人、生産額約3600億円、県内総生産に占める割合を7.6%としております。
人材育成、人材誘致事業についての御質問にお答えします。
情報通信関連産業の振興を図る上で重要な人材の育成につきましては、今年度から新たに技術革新に対応していくため情報通信関連産業に従事する技術者を主な対象としてプログラミング、ネットワーク、データベース、コンテンツ制作等の高度な専門知識と技術を有する人材を早期に大量に育成するIT高度人材育成事業を実施していきます。
また、引き続きこれまでの各種研修事業を実施していくほか、コールセンターのニーズに対応できるIT産業等就職支援事業やコールセンタートレーナー養成等を実施していきます。
さらに、県内に整備されている情報通信・放送関連の高度な施設等を活用した情報通信・放送分野の専門技術人材育成事業を実施いたします。
また、人材の誘致につきましては、高度な技術を持った人材のUターンやIターン等を促進していく予定であり、これに関する人材データバンクの構築等に取り組んでいくほか、産学官で連携をして国際的な視野と技術を持った人材の招聘等を実施していきたいと考えております。
次に、那覇市、宜野湾市、沖縄市のインキュベーション施設の整備状況等についての御質問にお答えいたします。
共同利用型インキュベーション施設の整備状況につきましては、現在、那覇市、沖縄市、宜野湾市とも14年度内の完成をめどに準備を進めているところでございます。
入居予定企業につきましては、那覇市、宜野湾市ではソフトウエア開発企業等を中心にしておりまして、沖縄市ではCGコンテンツ制作企業やコールセンター企業等の誘致に向けて取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 沖縄振興計画について、旭橋再開発計画の都市計画決定や補助採択についての御質問にお答えいたします。
都市再生プロジェクトは、スピードとコストが重要であると認識しております。当該計画は民間主導の事業であることから、事業予定者が諸条件を整え、適正な都市計画が提案された場合は那覇市と連携して早期の都市計画決定に取り組む考えであります。
また、補助対策については、事業予定者からの要望を踏まえ、那覇市と連携して事業計画等の審査を行い国との調整を図り、早期の採択に向けて努力していきたいと考えています。
次に、市街地再開発事業における県の財政負担についてお答えいたします。
市街地再開発事業においては、県の補助負担額は市町村が施行者に補助する場合において市町村が補助する額を限度として補助することになります。全国的には補助対象事業に要する費用の3分の1を国、6分の1を市町村、6分の1を県が負担することが一般的であると聞いています。
○総務部長(當銘直通) 沖縄振興計画の中の、県庁内部の人材育成についてお答えいたします。
職員の人材育成については、体系的、総合的に人材を育成するため沖縄県職員人材育成基本方針を平成13年3月に策定し、21世紀の県政を支える人材の育成に取り組んでいるところでございます。
県独自の創造的な施策づくりを進め、簡素で効率的な行政運営を行うためには職員の政策形成能力や管理能力等の向上が特に重要であり、人材の育成に当たっては職員研修、人事管理、職場管理、人材の確保を基本としてそれらを相互に連携させることにより効果的に人材育成を進めていくこととしております。
また、戦略的に振興すべき重点産業に対応するための人材については、国、シンクタンク及び民間企業等へ派遣研修をした職員を観光、情報通信及び流通関係課等に重点的に配置するとともに、今後も必要に応じてベンチャーキャピタルや流通関連の民間企業等へ職員を派遣し、戦略産業の振興に対応できるような人材の育成を図っていきたいと考えております。
以上です。
○知事公室長(新垣良光) 沖縄平和賞についての、平和賞の進捗状況と今後の作業スケジュール、授賞式の日程についてにお答えいたします。
沖縄平和賞委員会の発足以来、設立総会で承認された事業計画に基づきこれまで作業を進めてきたところであります。国内外の1000人の有識者等に受賞候補者の推薦をお願いし、その結果、69の個人・団体の推薦をいただいております。去る6月7日に7名の有識者で構成する選考委員会を発足し、第1回の選考委員会を開催したところであります。今後は、授賞式に向けて選考委員会において引き続き幅広い見地から検討し、本賞にふさわしい受賞者が選考されるものと思います。
なお、授賞式及び受賞記念シンポジウムを8月下旬に実施する予定であります。式典などを通して平和を希求する県民の強い意思を内外に示すとともに、アジアや太平洋地域の平和交流拠点を目指す沖縄を広く発信していきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉行政について、乳幼児医療費助成事業の市町村の調査結果についてお答えします。
年齢引き上げについては、これまでも実施主体である市町村の意向を尊重しながら拡大をしております。
乳幼児医療費助成事業の制度の拡大については、平成14年1月に調査した結果、年齢拡大が必要と回答した市町村は11カ所、必要ないと回答しているところが35市町村、検討中及び回答なしが7市町村となっています。
また、本年度の5月から6月にかけ各市町村の事業担当者にヒアリングをした結果、平成14年で年齢拡大を検討しているところは1カ所で、ほとんどの市町村がまだ実施に向けての検討をしていない状況になっております。
続きまして、小児救急医療支援事業を活用している地区についての御質問にお答えします。
県におきましては、休日、夜間における二次救急医療体制を確保するため病院群輪番制を実施しているところですが、病院群輪番制に参加している8病院には当番日に1名から2名の小児科医が配置されており小児救急に対応しております。
小児救急医療支援事業につきましては、病院群輪番制に参加し、休日、夜間に小児科医を配置している病院を対象として平成13年度から事業を実施しております。13年度には北部・南部・宮古地区の3地区、平成14年度からは新たに那覇地区を加え計4地区で実施しております。
なお、県内の21の救急告示病院における小児科医の数は51名となっており、今後もこれらの病院における同事業の活用を促進し、小児救急医療の確保に努めていきたいと考えております。
続きまして、乳幼児の死亡率の関係で周産期医療体制の整備状況について。
本県では乳幼児死亡率が常に全国より高い状況にあり、その改善を図るため平成11年12月に総合周産期母子医療センター整備に係る基本方針をまとめました。現在、同方針に沿って平成14年4月には中部病院を総合周産期母子医療センターとして指定し、高度で集中的な医療が提供できる体制を整備いたしました。
また、南部地区においては新那覇病院に同様なセンターを整備していくこととしております。また、総合周産期母子医療センターと連携体制を図りながら、比較的高度な医療を提供している中核的な施設を地域周産期母子医療センターとして認定していく調整を進めているところです。今後は、周産期医療情報ネットワーク等の構築についても検討していくこととしております。
介護保険の関係で、適正な介護サービスの利用と負担額低減への取り組みについて。
県においては、適正な介護サービスの確保を図るため介護保険が社会保険制度であることの周知徹底、介護保険施設等の指導監査、介護支援専門員等の質の向上のための研修を、また市町村においては介護報酬点検事務、ケアプランの点検及び苦情処理体制の整備等を実施しているところであります。
さらに、介護給付費の通知や介護に陥らないための健康づくり事業、介護予防・生活支援事業等を積極的に推進していきたいと考えております。これらの事業を実施することによって介護保険制度を円滑に推進し、給付及び負担の適正化を図っていきたいと考えております。
続きまして、児童扶養手当の関係で、母子家庭に対する自立支援策について。
現在、県においては母子家庭等自立促進施策として、就職に向けた各種講座開催や法律専門家等の相談及び介護人派遣等を沖縄県母子寡婦福祉連合会に委託して実施しております。
今回の手当の見直しによる激変を緩和するために減額された額を無利子で貸し付ける特例児童扶養資金制度や就労に関する相談、情報提供及び能力開発講習事業等を行う母子家庭就労支援モデル事業の創設が予定されております。その資金貸し付けや就労支援策の実施を検討し、労働部門や関係機関と連携し母子家庭の自立支援策を進めていきたいと考えております。
続きまして、県内の医薬分業の現状についての御質問にお答えいたします。
本県における全処方せんに占める院外処方せんの割合、いわゆる医薬分業率は平成10年度でおよそ40%、平成13年度上半期には56%と順調に推移しております。ちなみに同期の全国平均は43%で、本県は5位と全国でも上位に位置しております。
また、県立一般病院における平成13年度の医薬分業率は北部病院がおよそ39%、中部病院が72%、那覇病院が41%、南部病院が37%、宮古病院が84%、八重山病院が46%となっております。今後とも医師会や薬剤師会など関係団体と連携し、医薬分業の定着促進に努めてまいります。
「身体障害者補助犬法」の周知についての御質問にお答えします。
県におきましては、身体障害者関係団体と連携しながら補助犬の需要拡大に努め、県の広報誌等を活用し啓発活動に努めてまいります。
県内では、現在6頭の盲導犬が活躍しております。聴導犬――これは聴覚障害者のための聴導犬――それから肢体不自由児(者)のための介助犬は全国でも19頭あるいは26頭と大変少なく、県内では実績はありませんが、今後これらの補助犬の普及に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 福祉行政についての御質問で、県立病院の小児科医の定数と夜間救急の小児医療専門医の配置についての御質問にお答えいたします。
県立病院における小児科医師につきましては、患者数の状況等を勘案して配置しておりまして、現在、北部病院に5名、中部病院に10名、那覇病院に6名、南部病院に2名、宮古病院に4名、八重山病院に4名の計31名を配置いたしております。
県立病院における小児科の救急医療につきましては、中部病院におきましては24時間対応の救命救急医療を行っております。
他の県立病院では、北部病院が常時小児科医が当直し夜間救急に対応いたしております。那覇病院では、他の公立や民間の3病院と輪番制をとっており、当番日には小児科医が当直し夜間救急に対応いたしております。南部病院、宮古病院及び八重山病院においては当直の小児科医が対応いたしておりますが、小児科医が当直していないときには他科の医師の応援と小児科医のオンコール体制で夜間小児救急医療の確保に努めております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 福祉行政について、救急隊員への教育システムと医師から救急隊へ伝達するシステムの整備についてお答えいたします。
救急業務に従事する救急隊員は、医師の指示のもとに救急救命処置を行うことができる救急救命士と、消防学校で救急標準課程等の一定の教育を受けた消防職員が担っております。
これら救急隊員の資質の向上を図るため、救急救命士については病院実習、症例・事例研究等を実施しており、また他の救急隊員についても救急救命士や医師等による職場研修、シンポジウムへの派遣等を行うことにより医学的な知識や技術のレベルアップを図っているところです。
さらに、救急業務の高度化を図り地域の救急体制を充実させるため、消防庁の指導のもとにメディカルコントロール体制の構築を平成15年までに行うこととしております。
なお、医師から救急隊への診断や治療効果の伝達システムについては、プライバシー保護の問題もあり整備されておりません。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 国際航空路線の現状と新規路線の開設についての御質問にお答えいたします。
本県に就航する国際航空路線は、平成14年6月1日現在で台湾、韓国、香港、上海の4路線となっております。
平成13年度における各路線の利用率は、台湾路線が64.7%、韓国路線が67.2%、上海路線が53.4%となっております。沖縄―香港間における利用率につきましては、当該路線が福岡経由で入ってきているために算出が困難ではございますが、沖縄―福岡間を含めた路線全体の利用率、これは64.6%となっております。
新規の国際航空路線の開設につきましては、ことし3月に台湾の航空各社に対しまして沖縄―台湾路線の開設を要請したところであり、去る5月にマンダリン航空が石垣―台北間のチャーター便7便を運航しております。
県としましては、観光振興や国際交流拠点の形成を目指すためには国際航空路線網の維持・拡充が重要であるとの観点から、今後も引き続き関係機関と連携して既存路線の利用促進やシンガポール、北京を含む新規路線の開設を促進していきたいと考えております。
次に、合併についての御質問にお答えをいたします。
合併特例措置の延長はないとする国のスタンスを踏まえた県の責任と役割についてという御質問にお答えいたします。
日常生活圏の拡大、少子・高齢化の進展、情報通信技術の飛躍的な発展や地方分権の推進など広域化、多様化、専門化する行政需要に的確に対応しつつ行政サービスを維持・向上していくためには、市町村の自立性を高め行財政基盤の充実・強化を図る必要があり、市町村合併は避けては通れない大変重要な課題と考えております。
このため、県としましては「市町村の合併の特例に関する法律」の期限である平成17年3月までの間に国や県の支援制度を最大限活用して多くの市町村で合併が実現するよう市町村の自主性、主体性を尊重し、離島市町村を含め本県の地域特性にも十分配慮しながら市町村合併を積極的に支援しているところであります。
また、各市町村においては市町村合併が地域の将来のあり方や住民生活に深くかかわる重要な事項であることから、議会議員、首長がリーダーシップを発揮して住民に対する情報提供を行いながら速やかに合併協議会を設置するなど、合併に関する具体的な議論がさらに広がり深まるよう自主的、主体的に取り組んでいただきたいと思います。
次に、同じく市町村合併の件でございますが、市町村合併に関する県民アンケート調査結果報告書についての御質問にお答えをいたします。
市町村合併に関する県民アンケート調査は、行政サービスや市町村の合併に関し県民及び産業経済分野等各種団体の長の意向や意見を聴取することを目的に、昨年11月から本年3月にかけて実施をいたしまして、去る5月に公表したところであります。
合併の必要性について、「早急に必要」、「いずれは必要」というふうに回答した合計が団体アンケートで69.5%と高い率が示されているのに対しまして、県民アンケートにおいては36.0%にとどまっております。
県としましては、これまで新聞、テレビ等を活用した広報・啓発を行ってきたところでありますが、今後とも県のホームページにおける市町村合併情報の充実など県民に対する幅広い情報提供を行いながら、各地域における合併に向けての取り組みの支援をさらに強化していきたいと考えております。
また、各市町村においては地域の将来ビジョンや合併に関する事項を協議する合併協議会を速やかに設置し、その内容を地域住民に明らかにしながら自主的、主体的な取り組みを進めていただきたいと思います。
このように、県と市町村が一体となって市町村合併に積極的に取り組むことにより、県民の市町村合併に向けての機運がより一層広がっていくものと考えております。
以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、完全学校週5日制への取り組みについての御質問にお答えをいたします。
完全学校週5日制の趣旨につきましては、各学校にあっては教科の指導内容を厳選し、基礎・基本の確実な定着を図ることを前提にいたしまして、子供たちの家庭や地域社会における生活時間の比重を高め、さまざまな体験を通して望ましい人間形成を図ることであります。
特に、ふえた休日の有効な過ごし方が課題となりますが、子供たちが豊かな体験活動を行う場と機会の拡充に努めることが重要であると考えております。
県教育委員会といたしましては、完全学校週5日制についての県の方針を作成し、教育委員会や学校の取り組みを明示するとともに、推進体制の整備を進めております。家庭や地域社会に向けてはチラシを配布し趣旨の周知と情報提供に努めております。
また、文部科学省の体験活動推進事業を活用し、放課後や週末等における子供の体験活動の充実を図っております。
さらに、県立社会教育施設や社会体育施設では、利用手続の簡素化や使用料の減免措置に取り組むとともに、家族単位での利用、親子向けの主催事業の開催など利活用の促進に努めており、自然体験、社会体験、生活体験等の充実に努めているところであります。
次に、スーパーサイエンスハイスクールについての御質問にお答えをいたします。
文部科学省では、スーパーサイエンスハイスクールを全国に26校指定しており、本県では県立開邦高等学校が指定を受けております。スーパーサイエンスハイスクールとは、科学技術、理科・数学教育を重点的に行う学校で、将来有為な科学技術系人材の育成に資することを目的としております。取り組みの大きな柱に理科や数学に重点を置いたカリキュラムの開発、大学や研究機関等と教育現場との連携の推進、創造性や独創性を高める指導方法の研究などがあります。
開邦高等学校では学校独自の理数系科目を設定し、大学の関係学科との連携を図り、生徒が大学で講義を受けたり、大学の研究者が学校で授業を行うことなどを予定をいたしており、現在、創意ある取り組みを進めているところでございます。
県教育委員会としましては、この取り組みを通して将来、理数系大学や大学院等への進学並びに本県の新規産業の創出に資する有為な科学技術系人材の育成を図っていきたいと考えております。
次に、英語教育の理念と施策についての御質問にお答えをいたします。
学校教育の中で、国際化、情報化の進展に対応するため語学力と情報活用能力を兼ね備えた人材の育成は緊急な課題であります。
英語が国際共通語として使用されていることから、英語を通じて言語や文化に対する理解を深め、情報や相手の意向などを理解したり、自分の考えなどを表現したりする実践的コミュニケーション能力を養うことが重要であります。
県教育委員会では、小学校における英語活動を積極的に推進するため、「総合的な学習の時間」等を通して英語への興味・関心を高めております。
また、本県の地域特性を生かし、県内在住のネイティブスピーカーの活用、基地内諸学校との交流、高校生国際フォーラム、沖縄県・ハワイ州高校生交流事業等の実施や高校生の国外留学生派遣事業、沖縄県高校生米国派遣事業等の推進を通して国際性豊かな視野の広い人材の育成に努めております。
さらに、本年度より県立総合教育センターにおいて小・中・高校の教員を対象にオールイングリッシュによるIT語学活用1カ月研修を実施し、指導者の英語運用能力の育成を図っております。今後とも、英語教育を一層重視をし、「聞く、話す、読む、書く」の4技能を関連づけた総合的な英語力の向上を図り、本県の振興開発に有為な人材の育成に努めていく所存でございます。
次に、「総合的な学習の時間」の活用状況についての御質問にお答えをいたします。
「総合的な学習の時間」は、学校が創意工夫を生かし、特色ある教育活動が展開できる時間として創設されております。
平成14年度の「総合的な学習の時間」の活用状況は、小学校が110時間、中学校が80時間程度実施をしているところであります。小学校での学習活動は地域学習が多く、次いで情報、英語活動、環境などとなっており、中学校においても地域学習が多く、次いで職場体験学習などとなっております。全体的には、「総合的な学習の時間」のねらいを踏まえた取り組みが行われております。
課題としては、単なる体験に終わっていることや地域の人材や施設、自然や文化財などの活用が十分でないことが挙げられます。
県教育委員会といたしましては、「総合的な学習の時間」の趣旨とねらいを周知徹底するとともに、地域に根差し、地域で児童生徒を育てるというこれからの学校教育の中核になるよう各学校の取り組みを充実させたいと考えております。
次に、全国高校総体誘致への取り組みについての御質問にお答えをいたします。
全国高等学校総合体育大会の開催に当たっては、多大な経費と全県的な取り組みが必要でありますので、計画的に開催準備を進めなければなりません。そのため、平成12年度に県教育庁内に全国高等学校総合体育大会誘致推進検討委員会を設置をし、平成13年3月と10月に誘致推進検討委員会を開催、推進計画等について検討を進めているところでございます。
さらに、今後の推進計画としましては、平成14年には九州高体連で承認をいただき、平成16年には各競技会場地を選定、平成17年に全国高等学校体育連盟へ誘致申請書を提出、平成18年に開催内定、平成19年に開催決定、平成22年に大会開催となる予定でございます。これからも県高体連や関係機関・団体等と連絡調整を密にし、諸準備を進めていきたいと考えております。
次に、図書購入に係る予算措置状況についてでございます。
県教育委員会においては、読書活動の重要性にかんがみ、学力向上対策の開始当初から各学校における読書活動の充実を促進をしてまいりました。また、読書活動の充実の基盤になる学校図書館の図書整備に向けて、その所要経費の確保について市町村教育委員会に周知を図っているところであります。
平成14年度は、すべての市町村教育委員会において学校図書館の図書の購入について予算が計上されております。ちなみに、地方交付税措置以上の予算を計上している市町村教育委員会は39市町村、75%となっており、学校図書館の図書整備について配慮された結果となってございます。
県教育委員会としましては、子供の人間形成や情操をはぐくむ場としての学校図書館の役割の重要性を踏まえ、今後とも学校図書館の整備と読書活動の充実を促進してまいりたいと考えております。
次に、国際教育特区の内容と取り組みについてお答えをいたします。
国際教育特区は、政府の経済財政諮問会議で検討されている規制改革特区構想の中の一つの例示として挙げられているものでございます。この特区においては、学校法人以外の民間資本やNPOも入った主体が設立、運営を行い、日本の学校教育のカリキュラムにとらわれない教育を可能にするもので、英語による各教科の授業や民間人の知識・技能を活用した授業などができるものだと聞いております。
しかしながら、特区に関しましては現在論議が始まった段階で各界からいろいろな意見があるのが実情であり、今後、経済財政諮問会議等の審議の動向を見守っていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時56分休憩
午後4時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
平良長政君。
〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 私は、護憲ネットワークを代表して代表質問を行います。
私は、稲嶺惠一さんという人をずっと前から尊敬をしてまいりました。知事として期待もしてまいりました。大田知事時代に意味のない空転を繰り返す県議会に心を痛められ、その正常化に向けて裏で動いていたことも知っております。もともと労働組合の全国の委員長だけあってリベラルな方だと思います。
鈴木宗男さんがきょう逮捕の方向へ向かったようであります。私は、鈴木さん個人ではなくて、自民党が逮捕されればいい、そのように思います。しかし自民党の中にも──今いませんが──安里進さんみたいに立派な方もおられますし、自民党の金権体質を逮捕すべきだというふうに訂正をしたいというふうに思います。
自・社・さ政権時代に企業団体献金の全面廃止を法律に打ち込みました。5年後ということでしたが、5年後には自民党政権が復活をしてそれもほごにされたわけであります。鈴木宗男の対極にいるのが、知事、クリーンなあなたであります。
私は、私的なパーティーで知事からいろんなスピーチを聞くことがありましたが、あなたはユーモアがあり、機知に富み、そして人間愛あふれるスピーチには幾度も感銘を受けました。満身の笑みで人間稲嶺惠一ここにありという感じでありました。
しかし、政治家稲嶺惠一はどうでしょうか。この議場でのあなたの顔、再質問にうろたえて、生の声ではなくて、前に答弁した答弁書を探して同じ答弁を繰り返す自信のない声、うつろな顔、パーティーでのあなたの自信に満ちあふれた人間味あふれるあなたはどこに行ったのでしょうか。4年間、公式の約束を一度もキャンセルせずにひたすら走り続けてきた知事に深く敬意を表しますが、今ここにいるあなたは日本政府の顔色をうかがう余り、基地引きかえに幾ばくかの振興策を求める物ごい体質になっています。このままではあなただけでなく、県民も、県民の歴史・文化の誇りや自立への気概も消えうせてしまいます。
あのFTZ導入をめぐる県民の意欲や気概はどこに行ったのでしょうか。あなたは沖縄戦を忘れさせられ、少女暴行事件も忘れさせられ、県民の平和の心を忘れさせられた政治家の悲しい顔になっています。
稲嶺知事、あなたが再び自民党や公明党の肩車に乗って再出馬されるのを見るのは見るに耐えられません。自民党や公明党は、リベラルでクリーンなあなたには似合わないのです。不似合いな自・公からの再出馬はあなたの人間性を壊し、身も心もずたずたにするでしょう。尊敬する稲嶺さんへの友情として私は出馬しない、したくないという勇気を持って発言されることを希望しまして質問に入ります。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、今、国会で審議されている3大法案について知事は明確な反対表明をすべきと思うが、見解を問う。
ア、有事法制3法案について。
イ、メディア規制法案について。
ウ、サラリーマンの医療費の自己負担を2割から3割に引き上げる健康保険法改正案について。
(2)、小泉首相の持論である郵政民営化についての見解。
(3)、福田康夫官房長官の「非核三原則見直し」は、憲法、原子力基本法、核不拡散条約、国会決議に違反しており、罷免させるべきと思うがどうか。
(4)、ブッシュ米大領がイラン、イラク、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の3国を「悪の枢軸」と名指ししていることについての見解と、それに同調している小泉首相に対する見解。
(5)、外務省の機密費問題が国会で審議されました。前回の知事選で多額な機密費が投入されたと報道されましたが、事実か。知事が知らないところであったとしても、もし事実であれば知事の道義的責任は免れないと思うが、どうか。
2、稲嶺県政4年間を振り返って。
(1)、基地問題について。
今日までの沖縄の米軍基地は、布令・布告によって銃剣とブルドーザーによって強制的に接収されたものであるが、今回初めて知事はみずからの意思によって基地の誘致を決断をしました。名護市民投票での海上基地ノーの明確な住民意思を無視し、県民の基地の整理縮小の要求とも反し、普天間基地以上の機能強化された前進基地、辺野古基地であります。果たして市民投票を無視して日米両政府の言いなりになって後世の批判に耐え得ると知事は考えていますか。
(2)、雇用失業問題について。
前回知事選では「県政不況」、「失業率9.2%」などとデマゴギーを駆使して当選なさいましたが、雇用状況はますます悪くなっているのが現状です。すなわち前県政の最後の年、1998年7.7%の失業率が現県政になって99年8.3%、2000年7.9%、2001年8.4%と悪化の一途をたどっているのではありませんか。知事は県民に対してどのように説明されるのか。選挙のときは何を言っても許されると考えているのか。失業率も全国平均の約2倍、県民所得も全国最下位を見るとき、現在も「県政不況」と見ていいのか。
(3)、国からの予算について。
沖縄振興開発事業費では前県政の最後の年1998年が4430億円で、現県政になって99年3563億円、2000年3296億円、2001年3416億円、2002年では当初予算2845億円とこれまた減少の一途をたどっているのはなぜでしょうか。「魚より釣り具を」という知事だが、この予算の推移を見る限り、政府に釣り上げられて釣った魚にえさはやらぬという構図に見えるが、どうか。
(4)、平和行政について。
前県政で平和の礎の建立、平和祈念資料館の建設、国際平和研究所の設立計画など平和行政が大きく前進したが、現県政になると平和の礎の追加刻銘拒否、後に撤回、平和祈念資料館の展示資料改ざん、国際平和研究所の設立取りやめ等平和行政を大きく後退させました。その後退を取り繕うため沖縄平和賞を提案したが、拙速のそしりを免れない。平和賞は実は前県政下でもその是非を検討されたが、国際平和研究所での研究成果を積み上げながら後年実施しようと結論づけられたものです。今回、県民から唐突と受け取られたのも蓄積がないから当然であったでしょう。受賞対象も沖縄から離れて世界に広げたのも、沖縄のアイデンティティー、沖縄発の平和を求める観点からすれば問題でしょう。安保を認め、軍事力による平和を認める現県政下での平和賞を受賞するのはブッシュ大統領が最有力となりはしませんか。平和行政の後退と平和賞についての知事の見解をお伺いいたします。
3、沖縄経済振興について。
(1)、「沖縄振興計画県案」に6項目の施策を追加して盛り込むよう求めた県議会決議が5月10日に全会一致採択され、県民の総意となりましたが、次の4項目については決議に反して国に要求しなかった、あるいは変更したその理由について。
ア、「海兵隊の海外移転」が「在沖米軍」に変更されたのはなぜか。
イ、旧軍飛行場用地問題で「地主の意向を踏まえて」の文字がなぜ消えたか。
ウ、日米地位協定改正がなぜ盛り込まれなかったか。
エ、特区や自貿で、「さらなる税制上の減免措置及びキャプティブ保険制度の導入等を図り、一国二制度的改革を行うこと。」がなぜ消えたか。
(2)、普天間基地の跡利用計画はどこまで進んでいるのか。これからの課題は何か。
(3)、金融特区について。
ア、名護市に予定されている金融特区は今のままでは自貿、特別自貿に引き続いて3度目の失敗となるのではないかと危惧しています。知事のブレーンと言われる識者も含めて言われているのは中途半端であることです。ダブリン並みの優遇措置、すなわち10%の法人税、10年間の固定資産税免除、不動産賃料の損金算入、キャピタルゲインの非課税等をすべきであります。キャプティブ保険制度の導入や日本の金融特区ではなく、アジアの金融特区にするぐらいの一国二制度でなくては東アジアからの企業進出はないでしょう。
復帰30周年記念式典での小泉首相の式辞での、沖縄のさらなる挑戦が我が国全体の挑戦に新風を吹き込むことを期待するとの言辞は何か。挑戦させずに骨抜きにしておきながらよく言うなという感じであります。新風を吹き込む大胆な要求を国にすべきと思いますが、知事の見解を問います。
4、基地問題について。
(1)、普天間基地の辺野古沖移設について。
ア、県内移設は県民、国民から支持されていないが、反対が多くても強行するのか。強行できると考えているのか。辺野古移設賛成は県民19から22%、全国では17から19%でしかありません。
イ、名護市は使用協定の基本的考え方案をまとめました。米軍の裁量には任せず、住宅地上空の飛行、夜間発着訓練、ジェット戦闘機使用禁止、事件・事故の際の自治体による立ち入りなど16項目で協議を進めるといいます。県は、名護市の決意をどのように評価しているか。名護市とともに日米政府に要求していく決意はありますか。
(2)、自民党の下地幹郎衆議院議員の嘉手納統合提案について。
嘉手納統合提案は、SACO合意である普天間基地の辺野古移設を中止し、在沖米海兵隊の訓練をグアム、フィリピンなどに分散実施し、海兵隊の3分の1の6000人が常時海外に出ている状態をつくって嘉手納基地に統合するというものです。移設費用を大幅に削減でき、その費用で那覇─名護間の鉄軌道導入等に充てることを提案しておりますが、知事の見解を問います。
(3)、思いやり予算について。
ア、今年度の思いやり予算額は幾らか。
イ、日本政府が思いやるべき相手はアメリカか沖縄か。
ウ、細川元首相が思いやり予算を全廃すべきと主張したことを知っているか。
エ、思いやり予算のおかげでアメリカは世界で一番心地のよい思いをしています。知事は兵力の削減を求めるのであれば、思いやり予算の大胆な削減を政府に強く求めるのが早道ではありませんか。
5、観光行政について。
(1)、9・11テロの影響で1─3月の低価格設定での誘客が功を奏し、観光客は一定程度戻ったようですが、4月以降も平常価格に戻せない状況が続いております。
ア、それに対する県の対策はどうなっていますか。南フランス・ニースでは今後10年間に観光客数はふやさないで、質を高めて観光収入を倍にする計画といいます。県のリードが必要な時期と思いますが、どうですか。
イ、誘客キャンペーンも継続して行うべきと思いますが、どうですか。
(2)、泡盛のソムリエ制度のようなサービス部門の新たな資格制度の創設や、観光人材に係る認定制度の創設及び認定推進機関の設置がことし5月に策定された「沖縄県観光振興基本計画」の中に盛り込まれました。ぜひ実現させてほしいと思いますが、いつをめどに実施する予定ですか。
(3)、沖縄観光の拠点とも言える国際通りの活性化について。
ア、電柱の地中化、歩道の拡幅や段差解消、ポケットパーク整備はどうなっていますか。
イ、街路樹としてイッペー、ゴールデンシャワー、ホウオウボク、ブーゲンビレア、イジュ等の多種多様な熱帯花木を植栽し、歩いて楽しい町へしたらどうでしょうか。
ウ、月1回の歩行者天国を実施すべきと思いますが、どうですか。
6、国連機関の誘致について。
(1)、新振計県案に「国連機関を含む国際機関等の誘致」が明記され、関係各位の御努力に敬意を表するものでありますが、今後の具体化に向けての取り組み方をお伺いします。
ア、知事を先頭に経済団体、労働団体、学界、教育界、婦人団体、青年団体等各界を網羅した誘致期成会(仮称)を設置して、全県民一丸となって政府に働きかけていくべきではありませんか。
イ、具体的に誘致機関を検討し、政府とすり合わせるべきではありませんか。
ウ、政府はもちろんのこと、アジア諸国、アメリカ、そして国連等への働きかけも必要ではありませんか。
7、尖閣諸島油田の日中共同開発について。
(1)、平成11年度の「本県における鉱物資源について沖縄群島における石油・天然ガス等に関する調査」についての調査結果はどうですか。
(2)、沖縄振興計画でも「可燃性天然ガス・石油等の地下資源については、産業振興に寄与する方向で調査及び開発を促進する。」との記述があり、尖閣にも積極姿勢が見受けられ評価いたしますが、今後どのように調査や開発促進をしようとしていますか。
(3)、以前に尖閣諸島の陸上部での学術調査が琉大によってなされております。今回は海洋部での探査を県が琉大に委託して学術調査として実施したらどうでしょうか。
8、バス統合について。
(1)、公共交通の役割とは何か、改めて問います。
(2)、昨年12月定例会での私の一般質問で、県はなぜ動かないかとの質問に対し、知事は、話し合うべき当事者はだれかが基本。新会社の準備委員会が立ち上がった時点で、全力を尽くして頑張りたいと答弁いたしました。準備委員会はできたが、全力を尽くすどころか、依然として何も動かないのはなぜか。
労使、統合準備室、国会議員、県経済界等は必死に動いているのに県の傍観は考えられません。倒産を待っているのでしょうか。歴史を動かす意欲はありませんか。解決能力のある県政ではなかったのですか。
(3)、統合に必要とされる128億円(朝日監査法人)中、あと24億円が不足と言われていますが、不足額を国と県で投資や融資、支援策等を実施して今月じゅうに統合できるよう力をかすべきと思いますが、どうですか。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
冒頭に友人としてのアドバイスがございました。今晩家に帰ってから、ゆっくり考えさせていただきます。
それでは政治姿勢について、有事法制3法案についてお答えをいたします。
現在、国会で審議されている武力攻撃事態対処法案を初めとする関連3法案については、これまで有事における対応について法的な根拠が示されていなかったことから、政府においては法治国家として法的整備を図る必要があるということで同法案を国会に上程されたものと承知しております。同法案の審議に当たっては、直接県民の生命財産を預かる地方自治体に対して国は十分な説明を行い、その意見を尊重するとともに、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で単に沖縄という一地域の問題としてとらえるのではなく、国民全体で取り組むべき重要な課題であると考えており、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して要望しております。このような県の考え方については、九州地方知事会から国へ提出した要望書に盛り込まれており、また6月12日の政府と各都道府県知事との意見交換会においても直接政府に申し上げております。
次に、非核三原則見直し発言についてお答えいたします。
私は、世界で唯一原子爆弾の惨禍を受けた被爆国の国民として、また悲惨な太平洋戦争の地上戦を経験した県民として非核三原則を堅持していくべきだと考えております。核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずといういわゆる非核三原則は我が国の国是であり、政府は、改めてこれを国会において明言をしております。
次に、知事の政治姿勢についてのうち、「悪の枢軸」発言に対する見解についてお答えいたします。
世界の現状は、冷戦が終結したものの依然として民族や宗教の対立などから数多くの地域紛争が発生しております。また、地球規模の環境破壊や貧困など多くの深刻な課題が存在しています。これらの平和を脅かすさまざまな課題を解決し、平和共存の世界を実現していくためには世界の人々が相互理解に努め、国際連合を中心に連帯して問題の解決に当たることが望ましいと考えております。
次に、政治活動資金についてでございます。
政治活動資金の収支については、政治資金規正法に基づいて沖縄県選挙管理委員会に提出した政治団体の収支に関する報告書で報告したとおりであります。
次に、普天間飛行場の移設は後世の批判に耐え得るかという御質問についてのお答えでございます。
普天間飛行場については、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであります。県としては、SACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場の代替施設の受け入れについては、県民感情に配慮し、基地の固定化を避けるため15年の使用期限を設けるとともに、軍民共用飛行場として将来にわたって地域及び県民の財産となるものであり、北部地域の振興発展につながるものであると考えております。
続きまして、雇用の現状についての御質問のお答えでございます。
私は就任以来、産業の振興と雇用の創出を重要課題の一つと位置づけ、企業誘致や各種の産業振興策を推進するとともに、幅広い職業能力の開発と人材育成に取り組んでまいりました。その結果、企業誘致においては、私が就任以来、情報通信産業を中心に新たに42社が立地し約3200人の雇用が創出されました。また、就業者数も平成10年の56万1000人から、平成13年には57万7000人と1万6000人増加しております。
しかしながら、就業者数の増加を上回る労働力人口の増加や全国的な経済状況の低迷による県外就職の減少等が続いており、県内における雇用機会の確保が一層重要になっております。県としては、沖縄振興特別措置法において措置された各種の制度等を最大限に活用して戦略的な産業の育成や企業誘致を積極的に推進するとともに、現在作成中の「職業安定計画」に基づき産業振興と一体となった雇用の創出に取り組んでまいりたいと考えております。特に、新規学卒者等の若年者については現在検討中の「若年者総合雇用支援システム」を早期に具体化し、職業意識の形成等の人材育成から就職支援までの一貫した支援体系を構築する予定であります。
次に、平和行政と平和賞についての見解についてお答えいたします。
私は、沖縄県平和祈念資料館や平和の礎を積極的に活用し、沖縄戦の実相と教訓を正しく継承するとともに、県民の平和への思いを世界に訴えることは重要であると考えております。特に激動が続く世界情勢の中で、今こそ命と平和のとうとさをとわに伝える平和の礎に込められた県民の普遍な思いと寛容な心を国内外に発信していきたいと思います。このため沖縄平和賞を創設し、礎や資料館と合わせて3つの重要な平和施策として推進していきたいと考えております。
「九州・沖縄サミット」では地元ホストとして大役を果たすことができ、またさまざまな交流や行事等を通して沖縄の姿や平和への思いを世界に発信することができました。沖縄平和賞を通じて、サミットで発信した平和を希求する「沖縄の心」を引き続き国内外に発信することは意義深いことであります。世界の人々とともに平和の構築・維持に携わることで県民の自信にもなり、国内外から評価される財産になると思います。
次に、「海兵隊の海外移転」を「在沖米軍の移転」に修正したことについてのお答えでございます。
県議会で決議された「海兵隊の海外移転」について、沖縄振興計画案においては在沖米軍の移転を含む米軍基地の整理縮小に積極的に取り組むと記述しております。これは、海兵隊のみならず在沖米軍4軍すべてを含めて幅広くとらえて記述したものであります。また「在沖米軍の移転」については、基本的には県外への移転を想定したものであります。
次に、旧軍飛行場用地問題についてです。
県は、旧軍飛行場用地問題について、旧軍による土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業などにさまざまな問題があったと認識しており、未解決の戦後処理問題として国が何らかの措置を講ずる必要があると考えております。このような考え方に基づき沖縄振興計画案においては、同問題を戦後処理事案として初めて位置づけて国に提出しました。今後、同問題の解決に向けては地元の意向を踏まえて行われることが重要であると考えており、県としても旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村の意向も聴取しながら適切に対応していきたいと考えております。
次に、日米地位協定の改正についてお答えをいたします。
県議会においては、「基地内の環境保全、返還跡地の有効利用の障害とならないよう日米地位協定を改正すること。」との決議をされておりますが、県としては同決議の趣旨を踏まえ、基地内の環境保全についてはいろいろな場を通して問題解決のために幅広く協議する必要があると考え、「米国政府との協議を通じて対策の強化に努める」旨を記述しております。また、返還跡地の有効利用を図る観点から「駐留軍用地跡地の利用の促進」の項においても駐留軍の使用に起因する土壌等の汚染の除去などの原状回復措置について記述しております。
なお、県としては、日米地位協定の見直しについては、「施設・区域の環境保全」の条項を新設することを含めて平成12年8月に日米両国政府に対して11項目の見直しを要請したほか、これまで機会あるごとにその実現を求めており、今後ともあらゆる機会を通して訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
次に、基地問題について、県内移設を強行するのかについての御質問についてお答えします。
基地問題についてはさまざまな考え方や意見がありますが、県は、普天間飛行場の返還については、SACO合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しております。
私は、普天間飛行場の返還問題については県内移設を公約として掲げ、県民の支持を得たものであります。その後、県議会や宜野湾市議会、名護市議会における県内移設促進の要請決議等の採択、さらに名護市長の受け入れ表明等もあって多くの県民の理解を得ているものと考えております。県としては、今後とも移設に当たって整備すべき条件や地元名護市の受け入れ条件等を踏まえ、引き続き慎重に取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、下地衆議院議員の嘉手納飛行場統合案についてのお答えでございます。
先ほども申し上げましたように基地問題についてはさまざまな考え方や意見がありますが、県は、基地の整理縮小については、SACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場の代替施設については、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法及び具体的建設場所、その他基本計画の策定に必要な事項について協議が行われているところであり、移設に向けた作業が着実に進展しているものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(當銘直通) 知事の政治姿勢についてのうち、メディア規制法案についてお答えいたします。
現在、国会において審議されております個人情報の保護に関する法律案及び人権擁護法案については、いずれも憲法の保障する表現の自由、報道の自由等の観点からさまざまな意見があり、国会においては十分審議していただきたいと考えております。
なお、青少年有害社会環境対策基本法案はまだ国会に上程されていない状況であります。
次に、稲嶺県政4年間を振り返ってのうち、沖縄振興開発事業費の予算額の推移についてお答えいたします。
議員御提示の平成10年度から平成13年度までの予算額につきましては、当初予算に補正予算を加えた最終予算と承知しております。この最終予算につきましては、各年度の当初予算編成後において措置された緊急経済対策や雇用対策等の補正予算が大きく反映された結果によるものであります。補正予算につきましては、その時々の国の経済情勢や雇用情勢等に対応するため財政状況も勘案して措置され、その内容や規模も異なっております。
ちなみに、各年度の補正予算の状況につきましては、平成10年度は緊急経済対策等で1498億円の大型補正が措置され、また平成11年度は経済新生対策及び緊急雇用対策等で510億円、平成12年度は日本新生のための新発展政策等で173億円、平成13年度では第1次・第2次補正等で281億円が措置されておりますが、これは国全体の施策として取り組まれたものであります。
なお、沖縄振興開発事業費を当初予算ベースで見てみますと、平成10年度は2932億円、前年度比5.7%の減、平成11年度は3053億円、前年度比4.1%の増、平成12年度は3123億円、前年度比2.3%の増、平成13年度は3135億円、前年度比0.4%の増となっております。
また、平成14年度につきましては、国の財政構造改革等により2845億円と前年度比9.2%の減となっておりますが、国の公共投資全体が10.7%削減されているのに対し内閣府沖縄担当部局の公共投資は9.4%の削減にとどまり、全国より配慮された内容となっております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 知事の政治姿勢について、健康保険法の改正案についてお答えします。
政府においては、医療保険制度を将来にわたって持続可能で安定的なものとするため、患者一部負担金の見直しや国民健康保険の財政基盤の強化等の措置を講ずるための健康保険法等の一部を改正する法律(案)を第154回国会に提出し、審議中であります。県といたしましては、国民皆保険制度を基本とし、適正な負担と給付で国民すべてが良質な医療サービスを安心して受けられる医療保険制度の改善がなされるよう国会での審議を見守ってまいりたいと思っております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 郵政民営化についての御質問にお答えをいたします。
郵政民営化につきましては、来年4月の郵政公社発足を規定する日本郵政公社法案と郵便事業への民間参入を認める民間事業者による信書の送達に関する法律案が今国会に提出され、現在審議されているところであります。
本県は多くの離島・過疎地域を抱えており、これらの地域においては郵政3事業と住民生活とは極めて密接な関係にあり、今後とも郵政3事業の安く、あまねく公平なユニバーサルサービスの確保は欠かせないものと考えております。このため公社化に当たっては、離島・過疎地域等の不採算地域における郵便局の撤退など、サービスの低下を来すことがあってはならないものと考えております。同法案につきましては、現在、国会において慎重な審議が行われているところであり、県としては今後の国会審議の推移を注意深く見守っていきたいと考えております。
次に、バス統合についての御質問にお答えをいたします。
公共交通機関の役割についてという御質問でございますが、公共交通とは不特定多数の人が利用できる交通サービスで、陸上交通ではバス、タクシー、モノレール、海上交通では旅客船、航空交通では航空機等があります。公共交通は地域間交流の手段であり、県民の生活や産業基盤を支えるとともに、通勤・通学、買い物等日常生活を支える足として重要な役割を担っております。そのため、県におきましては、生活交通確保の観点から国や関係自治体と共同で公共交通を担っている事業者に対しまして支援を行っているところであります。
次に、バス統合問題についての2つ目、3つ目の御質問にまとめてお答えをいたします。県が動かない理由、それから不足する必要資金に対する国、県の支援についてという御質問でございます。
現在、バス統合準備室において朝日監査法人のスキームによる新会社の事業計画を検証・検討し、4社との間で統合のあり方について調整を進めていると聞いております。県としては、バス企業の統合は基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題であると考えており、バス統合準備室が4社と調整が完了し、具体的な事業計画ができた段階で国とも密接な連携を図りながら総合的な観点から対応を検討し、支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄経済振興について、さらなる税制上の減免措置等一国二制度的な事業についてお答えいたします。
沖縄振興特別措置法には情報特区、金融特区の創設や特定免税店の空港外展開など沖縄独自の大胆な制度が数多く盛り込まれております。県としては、この制度を積極的に活用するとともに、情報基盤整備等や人材の育成・確保に努め、企業誘致等を着実に推進することが最も重要なことと認識しております。計画県案には、県議会の決議の重要性にかんがみ、企業ニーズを踏まえ、企業立地環境の整備等を促進することを記述しております。
次に、普天間基地の跡地利用計画と課題についてお答えいたします。
宜野湾市及び県は、平成13年度から跡地利用計画の策定に向けた具体的取り組みに着手し、3ないし4年後を目途に跡地利用の基本方針を策定することとしております。このため、県は広域的な見地からの中南部都市圏域の調査、宜野湾市は地権者意向調査、都市計画のマスタープラン調査及び文化財調査等を実施しております。今後、これらの調査結果を踏まえて跡地利用計画を策定することになりますが、その策定に当たっては地権者等の合意形成や機能導入の条件整理等が課題となることから、これらの調査を通して課題の解決を図っていきたいと考えております。
次に、金融特区は大胆な要求をすべきと思うがどうかについてお答えいたします。
金融業務特別地区制度は、我が国において初めての金融に係る特別な制度であります。県としては、この制度を積極的に活用して金融業等の集積を図ることが重要と考えており、今後、企業誘致を進めていく中で企業ニーズを踏まえ、企業立地環境の整備を促進してまいります。
次に、国連機関の誘致について、国際機関等の誘致に向け誘致期成会の設置、具体的機関の検討、政府や国連等への働きかけ等の取り組みについて一括してお答えいたします。
国連機関等の誘致については、沖縄振興計画県案に「国連機関を含む国際機関等の誘致の可能性も検討」することを明示しました。これは、沖縄への国連機関の誘致に向け一歩前進したものと考えております。今後、国との連携のもと、調査を進めていく中で具体的な誘致機関について検討を深めていきたいと考えております。
また、誘致期成会の設置や国連等への働きかけについては、今後の検討課題と考えております。
○知事公室長(新垣良光) 基地問題についての、使用協定における名護市と県の決意についてにお答えいたします。
使用協定については、名護市の受け入れ条件や閣議決定に表明されていることから現在国や名護市で検討しているところであり、今後、実務者連絡調整会議において使用協定の基本的事項等に関し、名護市から提案され協議が進められるものと考えております。
県としては、第8回代替施設協議会で政府に対し、基本計画策定時までには使用協定に関する基本的な事項について確認し、地元住民が懸念している諸問題の解決が図られるよう協議を進めていただくことを要望したところであります。今後とも、名護市と連携しながら可能な限り名護市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、基地問題について、今年度の思いやり予算額は幾らか、また日本政府が思いやるべき相手はアメリカか沖縄かについて一括してお答えします。
在日米軍駐留経費負担は、我が国の安全保障の一翼を担っている在日米軍の駐留を円滑かつ安全に行うとの観点から、提供施設の整備費、基地従業員の労務費、光熱水費、訓練移転費の負担に充てられている費用であると承知しております。平成14年度の予算額は、全国ベースで約2500億円と聞いております。
同じく基地問題についてで、細川元首相の思いやり予算に対する主張と思いやり予算の削減を求めることについてに一括してお答えします。
細川元首相が米国の外交問題評議会で出版されている「フォーリン・アフェアーズ」の1998年7・8月号に論文を発表していることについては承知しております。また、在日米軍駐留経費負担については、我が国の安全保障の一翼を担っている在日米軍の駐留を円滑かつ安定的に行うとの観点から、我が国が負担しているものであると理解しております。
いずれにいたしましても、沖縄県には戦後57年余の長期にわたって過重な米軍基地を負担してきた歴史があることから県民は基地の整理縮小を強く望んでおり、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減については、基地の提供責任者である国において米国政府との間で協議していただくよう要請しているところであります。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) それでは観光行政について、まず低価格設定に対する県の対策についてお答えをいたします。
日銀那覇支店の調査によりますと、ことし4月の1人当たり宿泊単価は那覇市内で前年同月比0.6%増、リゾートホテルで2.0%増、全体で1.1%増となっております。また、ホテル旅館生活衛生同業組合の調査によりますと、3月の那覇市内中小ホテル5社の平均売上高は前年同月比2.6%増となっており、観光客数と同様価格についても回復基調にあるものと考えております。
これから夏場に向けて新たな質の高い旅行商品の販売が期待されますが、中小ホテルの中には単価の下落を稼働率の向上でカバーしている状況も見受けられるなど依然として厳しい経営環境に置かれております。県におきましては、今後とも誘客を積極的に展開し入域観光客数の増大に努めていくとともに、市場動向を注意深く見守りつつ、関係団体、旅行社等と連携し、健康・保養型観光、エコツーリズムなど付加価値の高い旅行商品づくりを促進してまいります。
次に、誘客キャンペーンの継続実施についてお答えをいたします。
県では、観光客の誘致を図るため昨年実施した「だいじょうぶさぁ~沖縄」キャンペーンに続き、平成14年度も航空会社や旅行会社等と一体となって「Re沖縄いこうよ!おいでよ!沖縄」キャンペーンを展開しております。
テレビ、新聞、雑誌などマスメディアの活用、東京、大阪、名古屋、福岡などの主要都市における誘客イベントの実施、修学旅行誘致説明会、台湾や香港など沖縄と直行便を有する地域での観光展参加など積極的な誘客活動を実施してまいります。また、現在、本土復帰30周年記念事業として「全国エイサー道ジュネー」を全国主要15都市で順次開催し、観光客の誘致に努めております。
なお、この「全国エイサー道ジュネー」は、昨年の同時多発テロ事件以降の沖縄観光の落ち込みに際し、全国各地の方々から温かい支援をいただいたことに対するお礼の意味も込めて実施しております。
次に、観光人材に係る資格、認定制度等の創設についてでございます。
本県観光が質の高い観光地を目指し評価を高めていくためには、観光客の多様なニ-ズに対応し得る各分野の人材育成・確保は急務の課題であると認識しております。
このことから、今後10年間の本県観光の基本方向を定めた沖縄県観光振興基本計画においても人材の育成・確保について前向きに盛り込んだところであります。今後は、観光関連企業等の従業者に対する接遇研修や語学研修、IT研修、食品衛生管理や水難事故防止などの専門的な分野の能力獲得のための諸施策を同基本計画に沿って実施していく考えであります。
また、観光に関連する部門における歴史ガイドや体験学習指導者、泡盛のソムリエなどいろいろな職種の新たな資格制度や認定制度の創設を目指して関係各機関と連携し、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 観光行政について、国際通りの整備についての御質問にお答えいたします。
国際通りは、県の商業、行政の中心地に位置する重要な幹線街路として平成11年度から総事業費約81億円で整備を進めているところであります。
都市景観及び都市防災機能改善のための電線類地中化工事については、今年度は平成13年度に引き続き松尾交差点からむつみ橋交差点までの区間について工事を実施する予定であります。また、歩道幅員については現況の4メートルから4.75メートルに拡幅するとともに、車道と歩道の段差を解消してバリアフリー化を推進する計画であります。
さらに、「出会い、ふれあい、にぎわい」の場を創出するためのポケットパークの整備については、那覇市、国際通り商店街振興組合連合会と協議を行い、歩行者数、利便性等を勘案し6カ所を選定しております。そのうち、旧国際ショッピングセンター跡地については既に事業化しており、さらに国映館前についても現在都市計画決定の手続を進めているところであります。
次に、国際通りの街路樹の選定についてお答えいたします。
国際通りは、通勤・通学はもちろん、多くの観光客が快適に散策できる歩行空間として整備を行っているところであります。
街路樹の種類についても学識経験者、県、那覇市、同商店街振興組合連合会から成る「国際通り線整備検討委員会」で討議がなされ、歩いて楽しい町、南国らしさを表現する観点から熱帯花木のジャカランダに決定されたところであります。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 観光行政についての、国際通りでの月1回の歩行者天国を実施すべきと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
国際通りにおいては、平成14年1月27日に商店街活性化策の一つとして国際通り歩行者天国フェスタ事業を実施しております。同事業は、「那覇市国際通りトランジットマイル」をテーマに、那覇商工会議所及び那覇市国際通りトランジットマイル実行委員会が国土交通省等の補助を受けて実施したものであります。
当該事業は、国際通りにおける集客力の向上を図るため、慢性的な交通渋滞やそれに起因する環境破壊の緩和、快適な商業環境の創出、買い物客等の利便性の確保等を目的に実施したものですが、約3万人が訪れ活況を呈したところであります。実施の結果、大気環境の改善及び騒音の低減効果が見られ、アンケートにおいても積極的に継続すべきとの声が大半を占めたことが報告をされております。
平成14年度においても国際通り及び周辺地域を対象に引き続き同事業の実施が予定されているところであります。県としても、同事業が商店街の求心力を取り戻す大きな手法として実証されたものと評価し、商店街の活性化及び観光振興という観点から、今後ともこうした中心市街地の活性化に対する取り組みを支援していきたいと考えております。
次に、尖閣諸島油田についての7の(1)の平成11年度の石油、天然ガス等に関する調査の結果、それから7の(2)の今後の調査や開発促進についてどうかという御質問に一括してお答えをいたします。
平成11年度に行った「沖縄群島における石油・天然ガス等に関する調査」では、本県陸域の天然ガスの調査に加え、海域における石油・ガス資源についても情報、課題の整理を行いました。
尖閣諸島周辺海域の石油開発に関しては、石油開発事業は国のエネルギー政策に基づくものであり、領有権問題など複雑な問題が存在するため十分に注意を払う必要があること、今後は本格的な石油開発が行われた場合を想定した取り組みを検討すると同時に、国の動向を注視する必要性があること等が提言されております。県としましては、同調査結果をも踏まえてどのような観点から調査をするべきか検討してまいりたいと考えております。
尖閣諸島周辺海域の鉱物資源の開発については、平成12年8月9日、参議院外交・防衛委員会における審議の中で外務大臣より、中国との間で境界画定が問題となっている水域における試掘については、諸般の事情を勘案して、鉱業法に基づく鉱業権の取得のための出願があった場合において許可または不許可の処分を留保しているという旨の答弁がなされているように、国の許可を受けることは困難な状況にあります。
次に、同じく尖閣諸島周辺海域の学術調査についての御質問にお答えをいたします。
学術調査につきましては、昭和45年からの国の基礎物理調査第4次5カ年計画において沖縄西方海域における調査は既に3度にわたって実施をされております。調査結果につきましては経済産業省において保管され、秩序ある開発を担保するために公開していないとのことであります。
また、2001年2月には日中両国政府の間で、双方が両国の近海における海洋調査を実施する際には相互事前通報を行う旨の口上書を交換するなど国際問題となっており、当面、同海域において学術調査を行うことは厳しい状況にあるものと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 国際通りの歩行者天国についてお答えをいたします。
国際通りの歩行者天国につきましては、周辺道路に与える交通の影響やバスを利用する県民の利便性の問題等から、これまでは実現に至らなかったものであります。
しかしながら、現在都市モノレール開通による定期バス路線の再編や国際通り周辺の市街地中心道路の整備計画等が確実に進捗している状況にあることから、国際通りの歩行者天国について地元住民や関係団体等からの要望及び県民各層の意見を踏まえながら、県民の利益、地域の活性化等の向上に資するものであれば交通の安全と円滑化を前提に歩行者天国、あるいは先般実施されたトランジットマイルの定期的な実施について検討する価値はあるものと考えております。
○平良 長政 ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時23分休憩
午後5時24分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
平良長政君。
〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 たくさんありますが、1つだけ要望と、あと4点質問したいと思います。
今の土木建築部長の国際通りの熱帯花木ですが、私は、季節ごとにやはり咲く花があって、それが通りが楽しいと思いますので、1種類ではなくてぜひ五、六種類ぐらい植栽を要望しておきたいと思います。
質問の第1はバス統合の問題ですが、こちらに公安委員会を代表して比嘉良雄さんがいらっしゃいます。可能性調査室、そして統合準備室と大変ボランティアで御苦労なさっているわけですが、知事は、バス統合の問題は一企業、私企業の問題と考えているのでしょうか。十年一日のごとく同じ答弁を繰り返しているわけですが、質問いたします。
第1点は、知事はバス統合準備室ができてそのメンバーの皆さんと何回お会いになりましたか。局長はどうですか。局長はその会ったとき何を話し合いましたか。
2点目、西銘元知事が中に入って2社統合を進めました。失敗に終わりましたが、しかし出資もしてそして人も送る、専務も送るというふうに決めて進めたわけですが、今の県の立場は当事者が主体的にやるべきと言って、県は関係ないという立場をとっているんですが、その時点で西銘さんがとられたのは間違いだったのですか。そのときはできて、今はできない理由は何ですか。
3点目、県のバス問題の対処は、県が今言っている、きょうも3度ぐらいか知事が言っておりましたが、「問題解決のできる実行型県政」と言えるのですか。
2点目、国からの予算についてですが、総務部長は当初予算の比較をして幾らずつふえているぞと言って、これは大型予算のせいだとこう言っておりますが、恐らく知事のブレーンの一人だと思いますが、琉大の教授の大城常夫さんはこう言っています。「復帰後の沖縄振興策は、日米安保の安定的運用維持装置であり、自立経済構築の装置ではない」、こう言っているわけです。つまり日米安保の安定的運用のために金をつぎ込んだと。だから、知事が基地を認めて基地反対の声を大きくしないと予算はふえないんですよと、こう言っているわけですね。
1998年から2001年までの3年間で1000億円も減額になっているわけですが、北部振興策で100億円を10年で1000億と言っているんですが、1年でこれはもう取り返しているのではないでしょうか。それについても御答弁を求めます。
沖縄平和賞についてです。
知事は先ほど私の質問に対して、平和の礎に込められた沖縄の心を世界に発信するために沖縄平和賞を創設したと言っておりますが、平和の礎に込められた沖縄の心というのは果たしてどういうものでしょうか。23万8408名のみたまは、果たして武力による武力という冷戦型の軍事力行使による平和を望んでいるのでしょうか。沖縄の歴史からは、やはり武器を持つな、基地は要らないという非暴力主義というのが沖縄の心ではないでしょうか。
御答弁を求めます。
最後ですが、有事法制についてです。
憲法29条は財産権の不可侵をうたっています。それを受けて土地収用法というのがあるわけですが、いわゆる公共の福祉に適するか、あるいは適正補償がなされるかというようなことで強制収用が認められているわけですが、いわゆる軍事目的、自衛隊には使用が認められておりません。しかし、今のこの有事法制の中では、いわゆる陣地を構築するときに自衛隊が望めばすぐ陣地構築ができる、土地の強奪ができる。つまり復帰前の布令・布告で強奪したようなことがまかり通るということであるわけですから、大変なことだろうと思います。
実は、沖縄には反戦地主がいて自分の土地を軍隊には使わさないと頑張っている方々がいますが、その米軍用地特別措置法もどんどん改正されたわけですが、1996年の改正のときに衆議院で9割、参議院で8割が賛成したと言われたときに、参議院の参考人質疑で岡崎さんという方がこういうことを言っているわけですね。沖縄も日本丸の一員だ。エンジンルームが近くて熱いからといってエンジンをとめられないというようなことを言って、熱いと言ったら黙れという。こういう日本人、本当に醜い日本人と言えると思いますが、やはり知事はウチナーンチュのそういう心を呈してやはり言うべきことはきちっと言う。先ほど十分な説明を求めたい、慎重な審議を要求しているということを言っておりますが、一歩進めてウチナーンチュはやはりそういう沖縄戦を体験して、75%も基地のある沖縄ではそういうことは許さないという、廃案にしてほしいと。ほかの県の知事も何人か言っていますよね。沖縄県の知事がやはり慎重審議ではなくて、沖縄から言えばだめだということを言うべきではないでしょうか。
御答弁を求めます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時31分休憩
午後5時33分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再質問にお答えいたします。
最初は、バス統合の皆様方と何回お会いしているかということなんですが、実は非常に難しい問題でして、年がら年じゅう、いつでも、しょっちゅう関係者の方とは各所でお会いしております。そのとき、ちらちらとお話をしております。そして最近では、今月──はっきり日にちはわかりませんが──に入ってからもきっちり私の部屋に来られてお話をしてございます。
その内容につきましては、現在最終段階の細かい段階で各関係部署と詰めている段階なので、それがある程度詰まった段階で県としてしっかり受けとめてほしいと、知事としてしっかり受けとめてほしいという要望を受けております。今後とも密接に連携をとりながら進めていきたいと思っております。
次に、平和賞の、平和の礎に込められた心は何かということのお話をしたいと思っております。
私は昨年、済州島の4つの島嶼会議というのに出まして、そこで私は大変印象に残るお話を聞きました。それはこういうことなんです。済州島は、南北朝鮮の騒乱のときにかなり一部のゲリラみたいなのが残りまして、そして最後に残っていたそれを掃討したときに一般の島民の方がかなり犠牲になったそうなんです。そしてその碑をつくろうという話が今出ております。そのときに一番出ましたのは、実は平和の礎というものを大変参考にして、ぜひその精神を盛り込みたいということを言っておられました。
それはどういうことかというと、平和の礎に盛られた、この全く同じように刻銘されている。つまりアメリカ軍人もいわゆる敵も味方も日本軍人も、そしてもちろん一番多かったのは沖縄の県民でございますけれども、それだけではなく、今もって続いている韓国の皆様方というのもあるわけです。つまり多くのそういう民間、軍民にかかわらず、敵、味方にかかわらず寛容の精神をもって命のとうとさ、平和の大事さというものを平和の礎がその中に持っているということに大変高い評価を受けているわけです。
そして外国としても、ドイツのシュミット元首相が平和の礎を訪れたときも、世界にこういうものはほかにないと言うんですね。いわゆる戦没者というのはある特定の対象だけであって、もう全く寛容の心ですべて受け入れる、これこそ本当の平和の精神だということで大変強い印象を受けてお帰りになったとお聞きしています。
その意味で、世界にも大変高い評価を受けているこの平和の礎の心をぜひ平和賞を通じて発信をしたいというふうに考えております。
それから、有事法制のお話がございましたけれども、私は、有事法制についてはかなり実は踏み込んだ意見を申しております。これは先ほども申しました。それはどういうことかと。
有事に対する法制というのは議論をすべきであると。しかし、その有事法制というのが現に法制だけの問題ではなくして、この問題をもっと進んでいくと日米安全保障条約の問題にもなるし、当然基地の問題にもそこまで詰めていってほしいと言っているんです。非常に積極的に言っているんです。そうすると、果たしてこの0.6%の狭い沖縄に過去57年間においてこれだけ多くの基地があっていいもんだろうか。これを徹底した国会の論議を通じて皆さんでもって論議してほしいと。その中からみんなの考え方が出てくるんだと。つまり、その場その場の問題ではなくして、この基本的な問題を解決しない限りは、やはり沖縄の基地問題はないと思っております。
その意味で今後ともこの有事法制については、沖縄は沖縄の考え方として強くそれを主張していきたいと思っております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
準備室ができまして、これは14年の1月29日でございますが、3月に3度、4月に2度、それから5月、6月とその都度いろいろ意見の交換をしてまいっております。
バス統合につきましては、さきの答弁でも御答弁しましたが、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題であります。ただ、バス事業の公共性を踏まえ、県としても国やバス4社の代表者や新たに発足した統合準備室等と意見交換を重ねてきたところであります。
現在、バス統合準備室とバス4社が統合のための諸条件の調整を行っているところであり、この調整が合意に達すれば統合準備室の組織を強化し、新会社設立に向けて事業計画の策定、出資、路線の再編等具体的な作業が進められるものと考えております。その作業の過程において、県に対して相談や要請等があれば総合的な観点から対応を検討し、その事業計画を十分検討した上で国とも密接な連携を図りながら、県が支援できる可能なものについては県としても全力で支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○総務部長(當銘直通) 振興開発事業費の再質問についてお答えいたします。
いわゆる最終予算につきましては、各年度の当初予算編成後において措置された緊急経済対策や雇用対策等の補正予算が大きく反映された結果によるものでありまして、補正予算につきましては、その時々の国の経済情勢や雇用情勢に対応するため財政状況も勘案して措置され、その内容や規模も異なっております。これは、国全体の施策として取り組まれたものでございます。
また、沖縄振興開発計画当初予算ベースで見てみますと、平成10年度は対前年度減となっておりますけれども、11年度以降は増にはなっておりますが、14年度につきましては国の財政構造改革等により対前年度減となりましたが、国の公共投資全体が10.7%削減されているのに対し、内閣府沖縄担当部局の公共投資は9.4%の削減にとどまっているということを申し上げたところでございます。
○平良 長政 休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時42分休憩
午後5時44分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
1つは、今回の大城先生の論を出されましたけれども、私どもが今回の自立に向かって明らかにというのは、そういうものを離れて自分たちでやれるものだということで、自立型経済の今度の新しい振興計画というのはできているわけです。なぜ魚じゃなくして釣り具をというのは、その釣り具というのは自分たちで立てるということです。それを基本ということで今回は振興計画に私どもは出しているわけです。
一国二制度的な制度が随分今回盛られました。これについてははっきり言いまして、今の日本としてはかなり政府としても問題があったし、ほかの各都道府県にしてもどうして沖縄だけにはということで、これはマスコミ等にも書かれておりましたけれども、例えば金融特区等についても相当の強い全国的なプレッシャーがあったわけですね。それをなぜはねのけて、最後まで頑張って頑張って頑張り抜いて新たな振興計画というのがあそこまで盛り込まれたかというと、私どもが、先ほど平良先生が言われたような大城先生の観点、いわゆる自立という自分たちがそういうものを、基地を離れても十分にやっていけるような政策をとっていくんだということで強く自立型のいろいろな政策を盛り込んだわけです。したがってこれから問われるのは、むしろあの政策の中で沖縄側の知恵と、そして努力というのが非常に求められると思います。その意味で積極的にいきたいと、これはまさに「実行型県政」の見本であるというふうに私は思っております。
それと、バス統合につきましても先ほど申しましたように、これは今、統合準備室の方で事細かにしておられます。それができた際に私どもの県政としても十分それについてやれる方向についてはやってほしいという要望がございます。それはきっちり受けまして「実行型県政」の方向により向かって努力をしたいと思います。
○平良 長政 再々質問を行います。
西銘知事時代でのあの努力というのは私も文献でも、その現場にもいてよくわかるわけですが、私が言っているのは、今、皆さん苦労しているんだけれども、県が中に入ればもっと進む解決の道が見えるのに、何で県は関係ないよといって高みの見物をするのか、それが信じられないんですね。
もし統合に失敗して倒産とか何とかうまくいかないとどうなりますか。いつも言っているように県がバスを出したり、県がバスを買って、あるいは運転手を雇ってやるんですか。市町村がやるんですか。もう大変な事態になるのを知りながら傍観をするというこの態度は私は許されないと思いますが、ぜひこういう困難な時期に「実行型県政」として県が中に入ってうんと話を聞いて、しっかりしたバスの統合問題を今月いっぱいに解決できるよう希望して終わりたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明20日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時48分散会