○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
諸般の報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第19号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
新川秀清君。
〔新川秀清君登壇〕
○新川 秀清 おはようございます。
通告に従って一般質問をさせていただきたいと思います。
なお、これまでの代表質問あるいは一般質問の中で重複するような質問については割愛をしていきたいというふうに思います。
まず、知事の政治姿勢についてでございます。
(1)の有事法制3法についてでありますが、せんだって筑紫哲也さんが、「「有事法制」とは何を何から守るのか。実際に何が起きるのか。戦中、戦後にわたる長くて悲痛にも豊かな実例が沖縄の随所にある。」、こういうふうに述べておられます。そして、「備えあれば憂いあり」というふうにも述べているわけであります。
これまで沖縄の状況を考えてみますというと、沖縄は備えがあったために地獄を見た、こういうふうにも言われているわけでありますが、私もそういうことだというふうに思います。
かつて戦中にいろんなことがあった。それは昨日の報道を見ましてもそうでありますし、また過去に戦争を体験された方々の中から多くの証言がなされております。
つい最近、テレビで報じられていたことでありますが、方言を使うことでスパイの容疑を着せられた。さらに物言わぬ男性を拘束をしてスパイの疑いでいろいろ取り調べてみたら、これが聴覚障害者であったと、こういうことがつい最近のテレビで報道されました。
このようなこととあわせて、かつて友軍という言葉があったわけでありますが、その友軍と言われた日本軍に壕から追い出される、こういった惨状もあったということがあるわけでありまして、さきに申し上げましたこういった悲惨な実例というのは枚挙にいとまがないという筑紫哲也さんの述べられたことは、そのとおりであるというふうに思うわけであります。
一方、沖縄は戦争が終わって冷戦構造下においてもそうでありました。常に備えという代物に翻弄されてまいりました。これが異民族支配の27カ年間であります。そして復帰をし、後30年、今また私たちはこの備えによって沖縄は大きな負担を強いられている、これが現実であります。
私は、こういった中で今国会で論議をされているこの有事法制、これについては今まで申し上げてきたようなこの沖縄の悲惨な体験、そしてまた地方自治の、あるいは分権の立場から全国の多くの首長、あるいは全国知事会の知事の方々、そして地方でも多くの議会で反対あるいは慎重審議を求める決議や意見書が採択されております。
このような状況なども考えますときに、県民の世論を二分する平和賞を創設をして平和を沖縄から発信をしたいという決意をなさる稲嶺知事であるならば、今こそ勇気を持ってこの有事法制案に反対だという決意を示すべきではないのか、こういうふうに考えるわけでありますが、知事、いかがでありますか。
(2)番目の沖縄振興策については、さきに平良長政我が会派の代表質問でお答えいただきましたので割愛をさせていただきたいと思います。
(3)番目の「聖域なき構造改革」についてお尋ねをいたしたいと思います。
平成13年の6月定例議会において、知事は、21世紀の我が国の明るい展望が開かれるように期待をすると。さらに、沖縄の諸問題解決に当たっては国政の重要課題として全力を傾けていただくことを期待するというふうにお答えをされました。
あれから1年が経過をいたしました。そして「骨太の方針」案の第2弾も明らかになってまいりました。この間、三方一両損ということも言われてきたわけでありますが、現実には医療保険改革や福祉制度の見直しなどにも見られますように、社会的に弱い立場の人々への痛みと、そして地方に対しては地方交付税率の引き下げや、あるいは最近も報じられましたように補助金などの見直しといったようなことが出てまいりました。これは、地方分権に逆行するのではないかという指摘もあるわけであります。特に依存率の高い本県の財政事情や、また基地問題などを考えますときに、知事は今でもこの「聖域なき構造改革」に明るい展望が持てるというふうにお考えになりますか、お尋ねをしておきたいと思います。
次に、下地幹郎議員が嘉手納基地への統合案について提起をされております。
これについても、これまでお答えがあったわけでありますが、その中で下地衆議院議員が非常に日本の外務省に失望している、そしてもう県民の願いである地位協定の見直しや基地問題の解決にそう期待が持てないんじゃないかというふうなことをおっしゃっているわけであります。
そして、その中で沖縄の基地問題の解決のために訓練の移転・分散ということもあわせて、嘉手納に統合してはどうかというふうなことが提起をされているわけであります。この嘉手納統合案につきましては、かつてこれが浮上してまいりましたときに沖縄市、北谷町、嘉手納町の1市2町でよく言われております三連協でありますが、これを立ち上げて、これ以上嘉手納の基地に基地を統合することは容認できないということで、立場を超えて3自治体が時の橋本総理に直訴をするというふうなことまでやってきた経緯があります。
そしてまた一方では、御案内のように2次にわたる爆音訴訟が行われております。極めて単純とも言えるわけでありますが、戦後この方、嘉手納の爆音に悩まされ続けてきた地域の住民からすれば、静かな夜を返せというのは切実な願いであります。そういった中で私は、この嘉手納への統合ということについて多くの疑問を持つものでありますし、地域に住む一人としてこれを容認するわけにいかない、こういう立場でありますが、これについて知事の御所見を伺っておきたいと思います。
次に、中城湾港泡瀬地区の埋立事業についてお伺いをいたしておきたいと思います。
せんだって新聞に大きく報じられました漁業補償についてであります。
これまでこの泡瀬地区のみならず、中城湾港新港地区あるいは与那原・佐敷地域などを含めていろんな漁業補償というのが行われてきたわけでありますが、特に今回のこの泡瀬地区における漁業補償についてお伺いをしておきたいと思います。
ア、漁業補償交渉の経過についてお伺いします。
それからイの、漁業補償基準について御説明をいただきたいと思います。
それから、漁業補償の算定に当たって大きく左右すると言われておりますこの漁場依存率、これについての御説明をお願いしたいと思います。
次にエでありますが、沖縄市が県の照会に対して妥当とした根拠は何だったのか、これについてもお示しをいただきたいと思います。
それから(2)でありますが、海草類の移植実験の視察については、せんだって推進する立場、あるいはまた干潟を守る会の立場の皆さん方も一緒になって調査が行われてきたということであります。このことについては評価をいたしたいと思います。それで、今後どのようにされていくかということを1点だけお聞かせをいただきたいと思います。
次に3であります。比謝川河川の整備についてでありますが、このことにつきましてもこれまで沖縄市からも再三要望が出されておりますし、また本議会におきましてもこの河川の整備についてお尋ねをしてまいりました。
御案内のように、昨年かつてない多くの被害を出したわけでありますが、去る6月15日、集中豪雨でまたしても浸水被害が発生をしたわけであります。その解消のために県におかれましても鋭意努力されている、こういうことについては私も承知をしておりますし、またその御努力を多といたすわけでありますが、緊急対策としての整備、あるいは進捗状況等についてお伺いをしておきたいと思います。
次に、安慶田、照屋地域の浸水、ここはもう毎回被害が一番大きなところでありますが、ここについてはその原因は明らかであります。国道330号下のボックスが狭隘である、これを改修しなければ、これは解消できないということは明らかなんでありますが、これはどうしてもその水辺プラザ事業と並行してこの改修を進めなくちゃいかぬというふうなことが言われているわけでありますが、このような事態を見ますときに一日も早い改修が望まれるわけでありますが、これについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、軍用地の国有化についてであります。
これも大変ショッキングであります。せんだってそのことが新聞にも大きく報じられております。そしてその中で言われておりますことは、地主が非常に経済的に窮迫している、それから長期的に見て返還をすることが見込まれない地域を買い上げの対象とするというふうなことが、この提供土地等買収要綱によって定められているということがこの記事の中に出ているわけであります。
そういった中で、これほどまでに祖先伝来守り通してきた土地を売り渡さなければいけないという状況にまで沖縄の軍用地主の皆さん方が追い込まれているとすれば、このような状況をつくってきた国の責任は大きいと言わなければならないわけであります。
そういうことと、もう1点は、この記事の中から8カ所が今後の買い上げの対象になるということがあるわけでありますが、この中にある施設を見てみますというと、8カ所のうち7カ所は中部であります。嘉手納基地を初めとして浦添に至る中部の基地は長期的に見て返される見込みがない基地だと、こういうふうなことになるんではありませんか。そういうようなことになってきますというと、今、県のおっしゃっている今後の基地の整理縮小、あるいは返還をされたときの跡利用計画、こういったことを含めて多くの問題が出てくるというふうに心配をしているわけであります。懸念をするわけであります。
そういうことで、この軍用地の国有化についてどのようになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、5番の家畜伝染病予防対策について。
これにつきましても、これまで経済労働委員会、あるいはまた本会議においてもお伺いをしてきたところでありますが、大変このBSEに対する国の対策のおくれ、こういったことが地方を含めて畜産行政に大きな影響を及ぼしました。そして消費者からの不信を招きました。さらに、関連する業界においても多くの問題を噴出させました。まさに畜産行政の大きな失態であるというふうに思うわけでありますが、そういった中で畜産県としての本県の畜産振興のために大変担当者の皆さん方が御苦労されているわけでありますが、その後の状況についてお伺いをしておきたいと思います。
そして、補償、助成等についてもお伺いをします。
ヤギ飼育農家への影響についてもお尋ねをしておきたいと思います。
そして6番の雇用失業問題につきましては、せんだって大型スーパーが閉鎖されるということも報じられました。大変深刻な状況の中で、それに輪をかけるんではないかというふうに思うわけでありますが、それとあわせて新卒者の就労状況について、大学、高校、中学校、そして県内外の就職状況はどうなっているかということをお尋ねをして一般質問を終わりたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは新川議員の御質問にお答えいたします。
最初は有事法制についてのお答えでございます。
現在、国会で審議されている武力攻撃事態対処法案を初めとする関連3法案については、これまで有事における対応について法的な根拠が示されていなかったことから、政府においては法治国家として法的整備を図る必要があるということで同法案を国会に上程されたものと承知しております。
同法案の審議に当たっては、直接県民の生命財産を預かる地方自治体に対して国は十分な説明を行い、その意見を尊重するとともに、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で単に沖縄という一地域の問題としてとらえるのではなく、国民全体で取り組むべき重要な課題であると考えており、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して要望しております。
このような県の考え方については、九州地方知事会から国へ提出した要望書に盛り込まれており、また6月12日の政府と各都道府県知事との意見交換会においても直接政府に申し上げております。
次に、「聖域なき構造改革」の明るい展望についてという御質問に対してのお答えでございます。
政府の進める構造改革については、政府系金融機関の見直しや公共事業の削減等本県においても影響を受けるものも含まれます。
一方、重点的に取り組む課題として掲げている科学技術の振興、人材育成、教育、世界最先端のIT国家の実現などについては、本県が目指す大学院大学を中心とした科学技術の振興と学術研究・交流拠点の形成、情報通信関連産業の集積による国際的な情報通信ハブの実現といった沖縄振興計画県案と方向性が一致するものであります。
このような政府の構造改革が推進されることは、基本的には本県の振興につながるものと期待をしております。
次に、家畜伝染病予防対策についてお答えいたします。
本県の畜産業は、農業粗生産額の約40%を占めるまでに大きく進展しております。
畜産の振興を図るためには、BSEなどの家畜伝染病の予防対策は極めて重要であります。県では、BSEや口蹄疫の予防体制として庁内に「BSE対策本部」と「口蹄疫侵入防止対策本部」を設置するとともに、北部、中南部、宮古、八重山に現地対策本部を設置し、伝染病の予防対策を実施しております。
具体的な防疫対策としては、1、家畜保健衛生所や開業獣医師による巡回指導及び立入検査の実施、2、各地域における侵入防止協議会の開催、3、緊急時の必要資材等の確保などを実施しております。今後とも引き続き家畜伝染病の発生予防及び侵入防止に万全を期していく考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 知事の政治姿勢について、下地衆議院議員の嘉手納基地統合案についてお答えいたします。
基地問題についてはさまざまな考え方や意見がありますが、県は、基地の整理縮小についてはSACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しております。
普天間飛行場の代替施設については、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法及び具体的建設場所、その他基本計画の策定に必要な事項について協議が行われているところであり、移設に向けた作業が着実に進展しているものと考えております。
軍用地の国有化について、軍用地の国有化の実態についてお答えいたします。
那覇防衛施設局に確認したところ、同局が復帰から平成12年度末までに取得した米軍提供施設内の民有地は979筆で、面積にして104万8000平方メートルであるとの回答を得ています。
米軍提供施設内の国有地については、復帰直後の昭和49年度においては8449万平方メートル、平成12年度においては8109万平方メートルとなっており、340万平方メートル減少しております。
県としては、米軍基地の整理縮小については国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ、幅広く県民の理解と協力を得ながらSACOの合意内容の着実な実施に向け前向きに取り組んでいきたいと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 中城湾港泡瀬地区の埋立事業についての漁業補償交渉の経過についてお答えいたします。
泡瀬地区の漁業補償交渉については、平成9年4月から平成11年3月まで約2年間の15回に及ぶ交渉を行っております。
この間、平成9年9月に補償額として約10億円を初めて提示し、同年12月に漁業協同組合から約60億円の要求を受け、翌年の平成10年11月に約16億円を再提示し、最終的に19億9800万円で合意しております。
次に、漁業補償基準についてお答えいたします。
漁業補償額については、「公共用地の取得に伴う損失補償基準」等に基づいて算定しており、漁獲高等から評価される漁場の価値を資本とみなし、漁場の消滅または価値減少等に対する損失補償を行うことを基本としております。
次に、漁場依存率について。
漁場依存率は、操業している漁場全体のうち埋立予定区域に依存している割合を示しているものであります。泡瀬地区においては操業範囲、利用度合い等を地元漁師へヒアリングし、これをもとに漁場の依存割合を算出しております。
沖縄市が県からの照会を妥当とした根拠は何かと。
漁業操業実態等については、県から沖縄市長に意見照会を行い、沖縄市長からは「妥当であると判断する」との回答がありました。その回答に当たっては、沖縄市において検討の上、適切に判断されたものと理解しております。
海草移植実験の現地調査結果と今後の意見交換についてお答えいたします。
藻場の移植実験については、環境保護団体から事業者とともに現地を見る機会を設けることが要請されたことから、去る6月17日に現地調査を実施したところであります。調査後の関係者間での意見交換会においては種々の意見がありましたが、まとまった結論は出ておりません。
事業者としては、このような環境保護団体等との意見交換等については、今後とも必要に応じて対応していく考えであります。
次に、比謝川河川の整備についての、浸水被害解消のための緊急対策と整備の進捗状況についてお答えいたします。
二級河川比謝川の改修については、国道330号から下流の白川地区までの間において重点的に整備する区間を決めて事業を進めております。
事業費としては、平成13年度補正予算と平成14年度当初予算で総額12億円を計上し、浸水被害の早期解消に向けて取り組んでいるところであります。
白川地区においては、緊急対策として軍道橋下流部の堰の撤去と倒木の除去及び堆積土砂のしゅんせつを5月末までに行ったところであります。
また、福地橋下流の軍用地内の区間については、暫定掘削をするため平成14年5月29日に米軍施設用地の返還申請を行っております。さらに、6月19日には現河川内にある倒木の除去や堆積土砂のしゅんせつをするための立入許可を受け工事を進めているところであります。
知花橋下流のアカギ群落のある区間については、本格的な改修工事を進めており、今年度末で知花橋から沖縄自動車道に至る区間は概成する予定となっております。
次に、安慶田、照屋地区の早急な改修についてお答えいたします。
二級河川比謝川の安慶田、照屋地区の浸水被害の解消のためには、国道ボックスの改築とその下流300メートル区間の河川改修が必要であります。
河川改修については、沖縄市の都市緑地事業と連携した水辺プラザ事業として平成13年度から進めており、平成14年5月22日に用地取得等に関する覚書を市と取り交わしたところであります。
また、国道330号ボックスの改築については、現在、国道管理者と費用負担についての協議を進めているところであります。県としては、今後とも国や沖縄市と連携を図り、地域住民の理解と協力を得て浸水被害の早期解消に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 家畜伝染病予防対策についての、子牛価格の補償についてお答えいたします。
肉用子牛の価格対策については、子牛価格の異常低落に備え、農家の再生産が確保されるよう県和牛子牛価格安定特別対策事業により実施しております。当該事業は、雌子牛のみを補てん対象としており、雄子牛については対象外となっております。
しかしながら、BSEの発生に伴い、今年の1月から3月までの規格雄子牛の取引価格は県の保証基準価格の27万円を下回っており、厳しい状況にあります。このため、事業主体である県畜産振興基金公社が、当該期間のBSEの緊急措置として雄子牛についても補償の対象とすることにより、補てんする措置を講ずることとしております。
次に、JA山羊生産部会からの要請に対する対応についてお答えいたします。
JA沖縄山羊部会から要請のあった沖縄県食肉センターの屠畜施設の改善については、現在、新たなヤギ屠畜施設を整備する方向で検討しております。
また、ヤギを奨励家畜として位置づけることにつきましては、畜産業としての採算性や食肉としての需要の拡大などの課題があります。しかしながら、ヤギにつきましては、本県の食文化に寄与していることや飼育が容易なことから有益な家畜と考えております。
以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 答弁に入ります前に、昨日の沖縄全戦没者追悼式への県議の皆さんの御出席を心からお礼申し上げます。滞りなく式典を済ますことができました。ありがとうございました。
それではJA山羊部会からの要請に対し、その後、福祉保健部はどう対応したかとの御質問にお答えいたします。
平成14年4月17日付のJA山羊部会からの要請を受け、福祉保健部では4月22日に厚生労働省へ赴き、沖縄県の状況説明と今後の要望を伝え、検査体制の構築についての協力を求めました。
その後、県においては、国との調整により、国が実施しているヤギの伝染性海綿状脳症の検査に必要な技術研修に職員を派遣し、検査技術の習得に努めているところであります。
今後、検査に必要な試薬、機器等の整備を図り、検査体制を構築し、引き続き消費者に安心・安全なヤギ肉の供給に努めていきたいと思います。
○商工労働部長(花城順孝) 新規学卒者の就職状況についての御質問にお答えします。
平成14年3月卒業の新規学卒者の3月末時点の就職の内定状況でございますが、大学生につきましては就職希望者は2079人、就職内定者は1063人で、内訳は県内就職が784人、県外就職が279人となっており、就職内定率は51.1%となっております。
高校生につきましては、就職希望者数は2236人、就職内定者は1274人で、内訳は県内就職が595人、県外就職が679人となっており、就職の内定率は57.0%となっております。
中学生につきましては、就職希望者は11人で、就職者は県内で1人となっております。
県としては、新規学卒者の就職促進対策としてこれまで実施をしてきた職場体験実習や合同面接会等に加えて、今年度から新たに未就職卒業者等の若年者対策として、民間のノウハウを活用して若年者の就職活動を支援する就職支援特別セミナー事業を実施しております。
また、緊急地域雇用創出特別交付金を活用して、中小企業団体中央会等の事業主団体に求人開拓推進員を配置するとともに、県立高校に就職促進相談員を配置し、求人開拓と就職支援の両面から対策を強化しているところでございます。
以上でございます。
○玉城ノブ子 一般質問を行います。
まず最初に、代表質問との関連について質問いたします。
我が党の代表質問との関連で、企業献金について質問をいたします。
東京地検特捜部は、19日、鈴木宗男衆議院議員をあっせん収賄容疑で逮捕しました。政治腐敗の一掃を求める国民世論が高まっています。
日本共産党は、すべての企業、団体からの政治献金の禁止を要求していますが、今問題になっている公共工事を受注している企業からの企業献金禁止に踏み込むべきだと考えます。ところが、我が党の宮里政秋議員の質問に対し、単に法律の解釈をしただけの答弁になっております。知事の政治姿勢としてお伺いをするものであります。部長答弁ではなく、知事の御所見をお伺いいたします。
雇用失業問題と中小企業対策について。
(1)、ダイエー撤退問題について。
大手スーパーダイエーは、ことし8月中に県内3店舗から撤退することを明らかにしました。雇用失業問題が深刻になっている県経済にさらに大きな影響をもたらすことにもなります。ダイエー糸満店の小売業組合はダイエー進出の際、20年間の契約で糸満店を建設し、3分の2はダイエー、3分の1は小売業協同組合が借りて運営してきました。ダイエーの一方的な撤退は、小売業協同組合を閉鎖に追い込み、企業の社会的責任を放棄することにほかなりません。
さらに、そこで働いている労働者は正職員19人、臨時社員140人で、入居店舗、委託社員を含め296人が働く場を失うことになります。また、スーパーには地元糸満の豆腐やかまぼこなどの食料品も搬入されており、関連業者や地元商店街への影響もはかり知れないものがあります。県の緊急かつ抜本的な救済策を直ちに講ずるよう求め、次の点について質問をいたします。
ア、県は、ダイエーの県内3店舗の閉鎖によって受ける県経済への影響をどう認識していますか。早急に実態を調査し具体的な対策を講ずることについてお答えください。
イ、ダイエー糸満店は、ダイエーの撤退によって小売業協同組合が事業閉鎖に追い込まれることになり、周辺商店街、地域経済に多大な影響を与えることになります。県は、中小企業を支援する立場から抜本的救済策を講ずるべきではないでしょうか。
ウ、ダイエーの一方的な撤退は、企業の社会的責任を放棄することであります。県は、企業の責任を果たすよう要求するとともに、国に対してその責任を果たさせるルールづくりを要求すべきではないでしょうか。
エ、ダイエー糸満店では296人が働いており、社員243人が市内での再就職を希望しております。県は、積極的な対策を講ずるべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。
(2)、県費相談員の削減問題について。
県の雇用失業率は全国平均の約2倍近い数値で、依然として深刻な事態が続いております。
ところが、県はハローワークに配置している県費相談員を職安業務が国の直接執行事務に移行したことを理由にして、2001年から2003年までの3年間で3名ずつ9名削減する計画を実施しています。ハローワークには毎日求職者が殺到し、職員はお茶も飲めない、トイレにも行けないという忙しさだとの訴えが相次いでおります。労働局からも、窓口業務に支障を来すので県費相談員の配置は必要との県知事への要望もあります。働く人たちの生活や権利を保障すべき立場にある県が、一方的に雇用どめを強行して働く人たちを路頭に迷わすことは絶対認めることはできません。
以上申し上げて質問いたします。
ア、沖縄職安では、この2年間に9名の県費相談員を5名に削減しています。相談窓口は雇用悪化で連日求職者が殺到しております。県当局は、この現状をどう認識していますか。お伺いをいたします。
イ、県の雇用失業対策の強化が求められている中で、一方的に相談員の雇用どめを強行するということは県の雇用政策にも反することではありませんか。御所見をお伺いいたします。
ウ、県は、来年度の3名削減を含め、ハローワークに配置している県費相談員の削減計画を見直すべきではありませんか。お答えください。
エ、県の相談員規程によると、県費相談員は最長3年雇用となっていますが、その法的根拠についてお伺いいたします。
オ、相談員を3年で自動的に入れかえるということは、相談窓口の恒常性、継続性からいっても求職者の願いにこたえられません。経験のある相談員の継続配置が必要と考えますが、県はどのように認識しておりますか。
カ、安心して働ける環境づくりこそ今労働行政に求められているのではないでしょうか。県は、労働者の生活と権利を脅かし、何ら法的根拠のない相談員規程は見直すべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。
2、農水産業の振興について。
沖縄経済の振興は、地元経済の足腰を強くすることであります。農業、漁業、地場産業、観光産業の経営の強化と雇用の拡大を図ることが重要になっております。しかし、沖縄農業は輸入農産物の増加と農業生産の衰退で食糧自給率は低下し、農地の荒廃が進んでいます。農業の粗生産額は94年から5年間で4.1%も減り、農業人口もこの10年間で1万6000人余も減少しています。
重大なことは、現状のまま推移すれば21世紀には世界的に食糧不足が避けられなくなると予測されていることであります。沖縄農業を振興させるためには食糧の外国依存をやめ、食糧自給率の向上を目指し県内での生産と消費の拡大に力を入れることであります。
本県における県産野菜の供給量は5万トンで、需要量は12万トンを超えると言われております。県内での消費拡大にもっと力を入れるべきではないでしょうか。
宮古の平良市では地元の産業育成を目指し、宮古産「ワイドーモズク」の学校給食への提供が始まり大好評であり、果実などを含めた地元産の商品活用も検討したいとのことであります。学校給食や観光産業を初め、県内での地元農水産物の活用はますます重要になっております。それと同時に、農業予算を土木中心の大型公共工事優先から、価格保証や所得補償などの農業に役立つ支援策への転換が求められていることを申し上げ質問をいたします。
ア、県内の輸入農水産物の実態はどうなっておりますか。
イ、沖縄の食糧自給率は現在何%ですか。また、全国はどうなっておりますでしょうか。
ウ、沖縄県の食糧自給率の現状について県はどう認識していますか。
エ、県は、食糧自給率を引き上げるために具体的目標を持ち、品目ごとの生産目標を明らかにし、具体的な手だてを講じるべきではありませんか。
オ、亜熱帯地域の特性を生かした野菜、花卉、果樹などの産地化の推進などに力を入れるとともに、安全・安心を求める消費者の声が高まっており、県挙げて有機農業の島づくりをとの提言にもこたえ得る新たな農業振興策を図ることについて御所見をお伺いいたします。
カ、食糧自給率を高めるためには、地元農水産物を学校給食、観光、ホテル・旅館等地元で消費拡大するための生産、流通、販売、消費の連携を図っていくことが重要です。県の対策についてお答えください。
キ、農水産物の保証基準価格の引き上げ、対象品目の拡大、台風時の減収補償など、価格保証制度が確立されてこそ農業の振興を図ることができるのではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
3、農業支援策について。
生産農家の皆さんは農業の未来に希望を持ち、国、県の指導のもと、農業構造改善事業を導入して施設を建設し、野菜、花卉の栽培に取り組んできました。ところが、バブルがはじけ、農産物の輸入自由化などで価格が暴落し、借金が返済できない事態に陥っております。多額の借金を抱え、自殺に追い込まれる生産農家、一家離散さえ生まれております。県は、莫大な借金を抱えて苦しんでいる生産農家に対する支援策として、負債緊急対策利子補給事業を実施することを明らかにしました。この事業が農業を続けたいとの意欲を持って頑張っている生産農家を救済し、農業の振興に結びつく事業として最大限の活用が求められております。
ア、県は、負債緊急対策事業の対象となる農家の実態調査を行っておりますか。また、農協や該当市町村との調整はどうなっておりますか。事業実施の時期についてお伺いいたします。
イ、3年間で90人の利用を見込んでいるとのことですが、90人と想定した根拠についてお伺いいたします。対応できなかった場合の対策についてお答えください。
ウ、農家支援策として、この事業が有効に活用できるよう県は最大の努力を払っていくべきであると考えるが、御所見をお伺いいたします。
4、老朽校舎の改善について。
浦添市立浦添中学校でブロック片が落下し、生徒がけがをするという事故が発生しました。こうした事態は、県内の高校や小中学校の老朽校舎ではどこにおいても同じような事故が起こり得る危険性をはらんでいます。専門家の方も、校舎が建設された1973年ごろは県内での建築工事は塩分を含んだ海砂を使用しているために、塩化物含有率は基準値の6倍ほどに達していた例が多かった、この教室だけではなく校舎全体でコンクリートの剥離の危険がある、安全対策を早急に講ずるべきであると指摘しています。
老朽校舎は、児童生徒の生命・安全にかかわる問題であり、改善を急ぐべきであります。
ア、浦添中学校で起きたブロック片の落下事故について県はどう認識されておりますか。また、改善策について県はどのように指導しておりますか。
イ、県内の高校、小中学校の校舎の安全点検を直ちに実施すべきではありませんか。
ウ、県が老朽校舎と判断している1975年以前に建てられた校舎の実態と整備計画についてお伺いいたします。当面、75年以前に建てられた校舎については早急に整備するよう指導を徹底すべきではありませんか。
エ、沖縄振興新法で高率補助が継続されることになっています。子供たちの安全にかかわる老朽校舎の改善は急ぐべきであります。75年以後に建築された老朽校舎について、その実態と整備計画についてもお伺いいたします。
5、学校給食用食器の改善について。
学校給食の食器に使用されているポリカーボネートからビスフェノールAが熱によって溶け出してくることが明らかになっています。ビスフェノールAは一般には環境ホルモンと呼ばれ、偽りのホルモンが不必要なときに体内に入り込み、体内に必要なホルモンの働きを乱してしまうとされています。バランスが崩された結果、生殖機能に異常を来し、男性の精子は減少し、女性は子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣がん、乳がんがふえていると言われています。
最近の新聞報道によると、国立環境研究所のグループによる研究結果、ラットにビスフェノールAを投与したところ、人間の子供で見られる落ちつきのない行動とよく似た症状を起こす作用があることが判明したとのことであります。注意欠陥多動性障害の原因の一つに環境ホルモンが指摘されていましたが、今回の実験でこの因果関係が示唆されたとのことであります。
ポリカーボネート製食器は、洗浄回数がふえればふえるほどビスフェノールAが溶出するとも言われています。耐用年数は5年で1000回の洗浄程度とも言われております。文部科学省の調査によると、ポリカーボネート製食器を使っている学校は、97年の前回調査より3000校以上も減り、一方、陶磁器を使う学校は前回の13.2%から22.1%に大幅にふえたと報告されております。
学校給食は、かけがえのない子供たちの生命を育てていくことであります。安全な食器を使ってほしいとの父母の強い願いも広がっております。
ア、学校給食用食器に環境ホルモンの一つとされているビスフェノールAが溶け出すおそれがあるポリカーボネート製が使用されていることについて、県はどのように認識されておりますか。
イ、県内の小中学校でポリカーボネート製の食器を使用している学校は何校で、使用年数はどうなっていますか。
ウ、耐用年数を過ぎているが、食器の切りかえを行っていない市町村への指導・改善を行うべきではありませんか。
エ、那覇市では試験的に琉球漆器を導入しているが、安全性、教育的効果、地場産業の育成等から漆器や陶器、強化磁器について導入を検討するよう指導することについて御所見をお伺いいたします。
6、乳幼児医療費の就学前までの無料化について。
我が党は、先月、乳幼児医療費無料化法案を参議院に提出しました。同法案は、国の制度として乳幼児の医療費を小学校入学前まで窓口負担を所得制限なしに実現しようとするものであります。支給にかかる費用は国が2分の1、都道府県と市町村がそれぞれ4分の1ずつ負担し、子供の健やかな成長を国が直接応援し、安心して子育てができる社会を築く大切な一歩となるものであります。
全国の乳幼児医療費無料化の実施状況は、都道府県段階で秋田県が4歳未満から未就学まで、福島県では通院の場合、1歳から未就学まで、さらに入院の場合、3歳未満から未就学まで、東京都は入院、通院のそれぞれ4歳未満から5歳未満までとなっています。10都府県で改善をされております。
また、各自治体ごとに見ると、今年度全自治体で制度が実現し、特に就学前までに改善した自治体が通院で597自治体、入院で1130自治体に達し、国に助成制度を求める意見書も1297自治体に上っております。沖縄県としても早急に実現するよう強く求めるものであります。知事の御答弁を求めます。
前回の答弁では、市町村の意向を踏まえて検討するとのことでありましたが、その後の進捗状況についてもお伺いをいたします。
以上、答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の御質問にお答えいたします。
最初は、代表質問との関連について、企業献金禁止についてお答えいたします。
企業等の政治活動に関する寄附につきましては、政治資金に対する国会での十分な審議を経て政党及び政治資金団体以外のものに対する寄附は禁止されているところであります。企業等の寄附の問題につきましては、政治活動に関する重要な問題でありますので、国民世論の動向を踏まえて国会において判断されるべきだと考えております。
次に、ダイエーの県内3店舗の閉鎖に伴う県経済への影響の認識についてお答えいたします。
ダイエー3店舗は、それぞれの地域住民のニーズにこたえるべく努力されてきたところでありますが、閉鎖に至ったことはまことに残念であります。
大型小売店舗の3店舗が同時期に閉鎖されるということは、そこで働く従業員を初め取引業者やテナント業者等にも重大な影響があることが懸念されます。県としては、閉鎖に伴う影響の把握に努め必要な方策を講ずるとともに、これら3店舗の有効な活用が図られるよう関係者の御努力に期待したいと考えております。
特に、現下の厳しい雇用状況において、3店舗の閉鎖が新たな雇用不安につながらないよう事業主及び沖縄労働局・公共職業安定所と緊密に連携し、従業員の雇用の確保に取り組んでいきたいと考えております。
次に、農水産業の振興について、本県の食糧自給率と農業振興策について、関連いたしますので一括してお答えいたします。
本県における平成12年度の食糧自給率は、県民1人当たりのカロリーベースで試算すると35%、全国平均は40%となっております。
県民への食糧の安定供給と食糧の自給率を高めることは、本県の農林水産業の振興上、極めて重要であります。このため、県としては、沖縄振興計画の県案及び農林水産業振興計画の主要施策として、1、「おきなわブランド」の確立と生産供給体制の強化、2、流通・販売・加工対策の強化、3、環境と調和した農林水産業の推進などを柱とした各種施策・事業を総合的に推進し、本県農林水産業の生産振興と自給率の向上を図っていく考えであります。
次に、地域特性を生かした農業振興策についてお答えをいたします。
本県は、我が国唯一の亜熱帯地域の特性を生かした野菜、花卉、果樹等が多様に生産され、国内の供給産地としても一定の評価を得ております。近年、本県の農水産物は健康・長寿の面から食材として注目されており、その生産拡大が期待されております。
また、消費者においては、食の安全性及び有機農産物へのニーズが高まっており、本県においてもこれらに的確に対応する必要があります。このため、県においては現在策定中の農林水産業振興計画において、1、高品質かつ安全・安心な生産を行う拠点産地の形成、2、HACCP(ハセップ)手法の導入とJAS法に基づく食品表示の適正化、3、堆厩肥等有機質資源を活用した農水産物の生産拡大など、食の安全性に配慮した農林水産物の生産対策を盛り込む考えであります。県としては、これらの施策・事業を総合的に推進し、亜熱帯の地域特性を生かした農林水産業の振興を図る考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) ダイエー店舗の閉鎖により影響を受ける中小企業に対し、救済策を講ずるべきであるという御質問にお答えいたします。
ダイエー糸満店の閉鎖後については、店舗設置者によりダイエーにかわる大型店舗を誘致するため、現在複数の企業と交渉を行っているところであると聞いております。店舗面積が約8000平米と広く1店舗のみで同スペースを埋めることが厳しいことから、複数の大型小売店舗とあわせて小売業以外の例えば情報関連スクールなどの誘致についても検討されております。
なお、現在、糸満小売業協同組合に加盟している中小小売店舗については営業を継続する方向で検討していると聞いております。県としては、その動向を見守りながら関係機関とも連携を図り、中小小売業者に対し制度融資の活用を図るなどの支援を行っていきたいと考えております。
同じくダイエー問題で、企業の社会的責任を果たすルールづくりについての御質問にお答えします。
今回の店舗閉鎖については、長引く景気の低迷による個人消費の落ち込みや競合の激化などにより売り上げが低迷したため、営業継続の可能性を検討してきたものの、早期の収益改善は見込めないものと判断をして3店舗を閉鎖するに至ったものであると聞いております。閉鎖後については、それぞれの店舗設置者が新たな店舗を誘致する方向で検討していると聞いております。大型店同士での競争の激化という厳しい状況の中、県経済及び雇用に与える影響を最小限に抑える企業努力に期待をするものであります。
それから同じくダイエー問題で、従業者の再就職支援についての御質問にお答えします。
店舗閉鎖等に伴い一定規模以上の従業員を解雇する場合、事業主は、雇用対策法第24条の規定に基づいて従業員の再就職に必要な事業主としての支援措置を内容とする「再就職援助計画」を作成し公共職業安定所長に提出し、その認定を受ける必要があります。糸満店を含む3店舗につきましては、7月上旬にも「再就職援助計画」を作成する予定で現在従業員の再就職等の意向調査を行っていると聞いております。県としては、従業員の雇用が確保されるよう沖縄労働局及び所管の公共職業安定所とも連携して「再就職援助計画」を踏まえ、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、公共職業安定所に配置をしている県費相談員の削減計画の見直しと継続配置についての御質問にお答えをいたします。
公共職業安定所を含む職業安定行政は、平成12年4月1日に施行された「地方分権一括法」において、それまでの機関委任事務から国の直接執行事務として国に一元化されたところであります。このような経過を踏まえ、県の予算によって各公共職業安定所に配置されている県費相談員については、毎年3人程度を国費相談員に移行することによって平成12年度の25人から、平成15年度には16人とする削減計画を策定して実施しているところであります。この計画については、沖縄労働局との調整はもとより、各公共職業安定所に配置されている県費相談員に対しても十分説明をした上で実施をしております。また、現下の雇用状況に対応した公共職業安定所のサービス体制の拡充についても沖縄労働局に要望をしてきたところであります。
ちなみに、沖縄公共職業安定所の県費相談員については、この間、県費相談員の委嘱を解かれた4人のうち、自己都合により退職した1人を除き、いずれも国費相談員に移行しております。また、沖縄公共職業安定所の相談員の総数も平成12年度の42人から、平成14年度は46人に増員されていると聞いております。
次に、同じく相談員規程の見直しについての御質問にお答えします。
各ハロ-ワ-クに配置をしている相談員の委嘱期間等については、「沖縄県雇用推進員設置規程」によって委嘱期間は1年以内、更新は原則として2回までとしています。これは、嘱託員の委嘱期間等の統一基準を示した――これは平成9年3月12日総務部長通知でございますが――「嘱託員の委嘱期間及び勤務日数について」に基づいて定めているものであります。
以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 県費相談員の任用期間の法的根拠についてお答えいたします。
嘱託員は、専門的知識、高度で困難な相談や特定分野に係る業務の経験を生かし、臨時的に県の業務に従事する地方公務員法に基づく特別職の職員であります。
嘱託員の委嘱期間につきましては、毎年度の業務量の変動に対応するとともに、その職の設置目的、性格、業務内容及び職員の年齢、健康状態等諸般の事情を考慮し、1年を超えない期間を任期としているところであります。
しかしながら、業務の継続性の確保及び地域における人材確保が困難である場合などに業務に支障がないよう、平成9年に県の基本的な統一基準として各部局長の判断により2回の更新ができることとし、同一の嘱託員の任用は合わせて3年とすることを制度として運用しているところであります。
○農林水産部長(天願貞信) 農水産業の振興について、県内輸入農水産物の実態についてお答えいたします。
本県の農水産物の輸入状況については、平成12年沖縄地区税関統計によると、輸入量で約4万3000トン、金額で約91億6000万円となっております。
その内訳は、野菜で輸入量約1万3000トン、金額で約17億7000万円、果実で輸入量約1万4000トン、金額で約14億7000万円、畜産物で輸入量約1万2000トン、金額で約38億3000万円、水産物で輸入量約4000トン、金額で約20億9000万円となっております。
主な輸入国としては、野菜が中国、果実がフィリピン、畜産物がニュージーランド、水産物が中国などとなっております。
次に、農水産業の振興に関しまして、地元農水産物の生産、流通、販売、消費の連携についてお答えいたします。
県内の農水産物の自給率を高めるには、学校給食やホテルなどにおいても県産農水産物の消費拡大を図ることが極めて重要であります。このため、県としては、観光客を対象とした料理メニューの開発や伝統料理の掘り起こしを初め、マーケティングの充実による市場競争力の強化などに取り組んでおります。
また、県、市町村、農協などで構成する「沖縄県農水産物販売促進協議会」により県内外における県産農水産物の販売促進キャンペーン、各種イベントの開催など農林水産物の消費拡大に努めているところであります。今後とも観光・リゾート産業、消費者サイドとの連携による地産地消を推進するとともに、農林水産物の生産、供給体制の強化を図ってまいります。
次に、農水産物の価格補償についてお答えいたします。
農水産物の価格安定対策は、生産出荷の安定と消費地域の価格安定を図ることを目的として実施をしております。野菜の価格安定対策としては、国庫補助事業として特定野菜等価格安定対策事業、指定野菜価格安定対策事業があります。また、県の単独事業としては重要野菜価格安定対策事業があります。
野菜の価格安定対策の仕組みとしては、国、県、市町村、生産者が資金を造成し、市場価格が保証基準価格を下回った場合、生産者に補給金を交付する制度であります。対象品目の要件は、作付面積、出荷量、共同出荷率等が条件となっております。現在、本県ではサヤインゲンのほか23品目が対象となっており、今後要件が整い次第品目拡大を図っていく考えであります。
また、水産物については、価格安定を図る事業として特定水産物調整保管の制度があり、本県ではモズクが対象となっております。
事業の仕組みとしては、モズクの市場価格があらかじめ設定した最低価格を下回ると予想される場合、生産量の約1割を買い取り保管し、市況が好転した時点で出荷する制度であります。県としては、今後とも農水産業の振興を図るため価格安定対策等に取り組んでいく考えであります。
次に、農家支援策について、負債対策事業についてお答えいたします。
農家負債緊急対策利子補給事業は、農家が営農を継続するため負債整理資金の借り入れに伴う利子補給事業であります。対象農家については、現在、JA沖縄の負債農家再建対策委員会において選定作業を進めているところであります。事業実施に当たっては、JA沖縄及び市町村等の関係機関と調整を進めており、8月をめどに対象農家への支援を講じてまいりたいと考えております。
次に、対象農家についてお答えいたします。
利子補給事業の対象となる農家数については、農業制度資金の借入実績等から算出し推計をしたものであります。資金需要の増加が見込まれる場合の措置につきましては、必要に応じまして適切に対処していく考えであります。
次に、農家負債対策事業の有効活用についてお答えいたします。
農家負債対策については、今年4月、部内に関係各課で構成する負債対策支援チ-ムを立ち上げております。対策支援チ-ムにおいては負債対策資金の活用促進を図るとともに、JA沖縄及び市町村など関係機関との連携により経営改善指導を強化し、農家の経営再建を図っていきたいと考えております。
以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 老朽校舎の改善について、浦添中学校のブロック片落下事件についての御質問にお答えをいたします。
学校は、児童生徒の学習環境を良好に保つと同時に、安心して教育活動ができる十分な防災性能が確保されなければならない施設であり、県教育委員会では、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画において市町村立学校約75万平米、県立学校約30万平米、計105万平米の改築を行い老朽校舎等の解消を図ってまいりました。平成14年度以降においても引き続き重点施策に位置づけ、老朽校舎の解消に取り組んでいるところであります。そのようなさなか、ことし4月12日金曜日に浦添市立浦添中学校――これは昭和48年2月建設部分の建物でございますが――の老朽化による天井コンクリート片が落下する事故が発生をいたしました。県教育委員会では、浦添市教育委員会と協議を重ね、その意向を踏まえ、平成15年度に予定していた浦添中学校の校舎等の改築事業を今年度に繰り上げて実施をするため文部科学省と調整をしているところでございます。
次に、校舎の安全点検の実施についての御質問にお答えをいたします。
平成14年4月に発生した浦添中学校のコンクリート片落下事故を受け、直ちに県立学校及び各市町村教育委員会へ学校施設の総点検を通知をしたところであります。総点検の状況は、県立学校においてはコンクリートの剥離等緊急に対応を要する学校が3校あり、応急措置を講じたところであります。また、小中学校においては、ひさし部分のひび割れ等異常が発見された小中学校が校舎で64校、全小中学校の14.4%、屋内運動場で36校、全小中学校の8.1%となっており、所要の措置が講じられております。県教育委員会としては、安全で快適な学校施設の確保を図るため「学校施設の営繕マニュアル」の活用を徹底させるなど適切に対応をしていくとともに、早期に老朽校舎等の解消が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、昭和50年以前及びそれ以後に建築された老朽校舎の実態と整備についての御質問に一括してお答えをいたします。
児童生徒が安心して学習できる安全で快適な環境の整備が必要であるとの考えから、老朽校舎の解消を県教育委員会の重点施策に掲げ、学習環境の整備に取り組んできたところであります。
平成13年5月1日現在、老朽化が進んでいると思われる昭和50年――これは1975年でございますが――以前に建築をされた校舎が小学校で約14万4000平米、中学校で約7万2000平米、高等学校で約4万7000平米、特殊教育諸学校で約3000平米、合計で約26万6000平米が残っており、その割合は総面積約293万平米の9.1%となっております。県教育委員会では、老朽校舎等を解消するため校舎等改築事業に対する高率補助制度を活用し、県立学校編成整備計画や学科改編等に対応した安全で快適な学習環境づくりに取り組んでおります。
また、各市町村教育委員会では平成24年度までの「学校施設整備事業計画」を作成しており、これまでも市町村教育委員会教育長研修会の場等で機会あるごとに老朽校舎の早期解消を指導してきたところでありますが、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、昭和51年度以降に建築された校舎についても引き続き関係市町村教育委員会及び文部科学省等の関係機関と連携し危険建物等の解消に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校給食用食器の改善について、学校給食用食器にポリカーボネート製が使用されていることについての御質問にお答えをいたします。
文部科学省は、平成11年から12年度にかけてポリカーボネート製食器のビスフェノールA溶出試験を行っております。その結果によりますと、食品衛生法に基づく溶出試験基準値2.5ppmの100分の1程度の検出であったとしており、現時点で直ちに使用禁止等の措置を講ずる必要はないものと考えられると結論づけております。県教育委員会といたしましても、この溶出試験結果により直ちに使用禁止等の措置を講ずる必要はないものと考えております。
なお、児童生徒の健康と安全を守る観点から引き続き学校給食用食器については関心を持ち、適切に対処していきたいと考えております。
次に、ポリカーボネート製食器を使用している学校数及び耐用年数についての御質問にお答えをいたします。
平成14年6月18日の調査によりますと、ポリカーボネート製食器を使用している学校は、公立小中学校445校の26.1%に当たる116校であります。製造メーカーに耐用年数を問い合わせたところ、一般的には5ないし6年程度であるということでございました。現在、7年以上使用している学校の総数は59校であります。
なお、20校で平成14年度中に他の食器への買いかえを予定をいたしております。
次に、耐用年数を過ぎた食器の切りかえについての御質問にお答えをいたします。
県教育委員会としましては、現在、耐用年数を過ぎたポリカーボネート製食器を使用している市町村に対し、ビスフェノールAの溶出検査等の実施や食器の交換をするなど改善を図るよう助言してまいりたいと思います。
次に、給食用食器の導入についての御質問にお答えをいたします。
琉球漆器等県産品の食器を学校給食に使用することは、児童生徒の地場産業への理解も深まり大変有意義なことであると考えております。学校給食の食器については各市町村で確保することになりますが、その選定については安全性、耐久性、経済性、利便性等が求められております。県教育委員会としましては、給食用食器の安全性は極めて重要なことと考えております。各市町村が安全性とあわせて耐久性、経済性等を総合的に判断し選定することが望ましいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 乳幼児医療費の就学前までの無料化についての御質問にお答えします。
乳幼児医療費助成事業は、健康政策の一環として医療にかかる機会が最も多い3歳未満児までを対象に実施しております。就学前までの無料化につきましては、県、市町村とも財源の確保等大きな課題がありますので、実施主体である市町村の意向を踏まえ十分に調整しながら検討していきたいと考えております。
同じく乳幼児医療費助成事業のことで、市町村の取り組みの進捗状況についてお答えいたします。
乳幼児医療費助成事業の年齢拡大については、これまでも実施主体である市町村の意向を踏まえながら検討してまいりました。平成14年1月に実施した市町村長への意向調査や今年度5月から6月に実施した担当者へのヒアリングの結果、年齢拡大について実施に向けて具体的に取り組んでいる市町村は少ない状況にあります。そのため、年齢拡大については、実施主体である市町村と十分に調整を図りながら検討していきたいと考えております。
○玉城ノブ子 ちょっと答弁漏れがあるんですけれども……。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時26分休憩
午前11時29分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
玉城ノブ子君。
〔玉城ノブ子君登壇〕
○玉城ノブ子 再質問を行います。
まず、乳幼児医療費の無料化の問題ですけれども、乳幼児医療費の無料化を就学前まで引き上げるということについては、大事なことは、市町村にそのことを問う前に、県民がその実現を求めているということなんですよ。そして県議会を初め県内の41の市町村議会が全会一致で意見書を採択して、県民世論が就学前まで引き上げてほしいという要求が広がっているということに対して、沖縄県がこれにこたえる姿勢があるかどうかということが今一番求められている問題なんですよ。
知事は、実行型の知事だということを先週からずっと言われ、強調しているじゃないですか。まず、この問題について実行するというこの姿勢を示すことによって県民にその知事の思いが伝わるんじゃないですか。知事のその点についての御所見をお伺いいたします。
次に、さっきの県費相談員の問題なんですけれども、これはそこで働いている皆さん方というのは、本当に生活も働く権利も保障されなくてはいけないはずなんですよ。今、失業問題がこんなに深刻になっていることで、県の足元で労働者の雇用どめをやるということは、働く人たちの権利や生活権を奪うということになるんじゃないですか。県がそういうことをやっていいのかということなんですよ。
知事がこういう深刻な事態になっている、働きたいと願っているこの人たちの首をそれで切っていいのかということなんですよ。知事の御所見をお伺いしたいと思います。
もう一つは、政治献金の問題ですけれども、今度のことで問題なのはやはり公共事業受注業者からの企業献金そのもののわいろ性が問題になっているわけなんですよ。ですから、知事がこの受注業者から政治献金の一切を受け取らないというこの政治姿勢を県民に明らかにするということが大切ではないでしょうか。
そのことについて見解を求めます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時31分休憩
午前11時33分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の再質問にお答えいたします。
企業献金の禁止についてでございます。
企業等の寄附の問題につきましては、政治活動に関する重要な問題でありますので、国民世論の動向を踏まえ国会において判断されるべきものであると考えます。
○総務部長(當銘直通) 嘱託員の委嘱期間についてお答えいたします。
嘱託員の委嘱期間につきましては、毎年度の業務量の変動等に対応するとともに、その職務の設置目的、性格、業務内容及び職員の年齢、健康状態等諸般の事情を考慮し、1年を超えない期間を任期としているところでございます。
しかしながら、業務の継続性の確保及び地域における人材確保が困難である場合などに業務に支障がないよう、平成9年に県の基本的な統一基準として各部局長の判断により2回の更新ができることとし、同一の嘱託員の任用は合わせて3年とすることを制度として運用しているところでございます。
以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 乳幼児医療費助成事業につきましては、当初ゼロ歳児だけで実施しておりましたけれども、平成11年度からそれを3歳未満児まで引き上げてきた経過がございます。この事業は現在、県単独事業という形で実施主体の市町村の意向を受けながら実施をしているという状況がございます。
今回、3歳未満児までの自己負担額が3割から2割になりますけれども、これはすべてまたその1割というのは国民健康保険にかかってくるということで、市町村の国保財政にまたしわ寄せが来るというような状況になっております。
そういうことで、実施主体である市町村の意向を十分に聞きながらしっかり調整してやっていきたいと思っております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時36分休憩
午前11時37分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
伊波洋一君。
〔伊波洋一君登壇〕
○伊波 洋一 通告に従って一般質問を行います。
昨日は「慰霊の日」でした。県民の一番の願いは、何といっても沖縄の地を再び戦場にしないことです。そのことを念頭に置いて沖縄戦の教訓について質問いたします。
なぜ沖縄戦が起こり、20万人を超えるとうとい命が亡くなったのでしょうか。沖縄戦が始まってからの筆舌に尽くせないほどの多くの悲惨な出来事を私たちは知っています。しかし、なぜ沖縄で戦争が起きたのか十分には知られていません。
沖縄戦は突然に始まったように見えますが、沖縄戦に至るまでに15年もの準備期間がありました。始まりは、満州事変の勃発した1931年のこの沖縄県議会における沖縄分遣隊・憲兵隊の設置要望の意見書の採択であります。
戦争の準備の始まりとなった1931年、沖縄県議会意見書の要旨は、沖縄は、奄美大島とともに要塞地帯として指定されているにもかかわらず、1つの軍事施設もないので常設部隊を設置すべきである。同時に、要塞地帯の沖縄を監視するために憲兵隊を設置することは急務であり、将来の国防と県民の国防思想の養成は有事のため、また経済上の利益のためにも施設建設を切望するというものでした。同時に、沖縄県での最初の沖縄県振興15箇年計画の県案がつくられました。最終的には県案どおり、沖縄県振興15箇年計画が1933年に閣議決定されます。翌1934年には陸軍次官に沖縄防備対策が陸軍内部から具申されるのです。稲嶺県政の進める県内移設の推進と、ことしスタートする沖縄振興10年計画、15年問題など、まさに状況はその当時の状況と似ていると言わざるを得ません。
その後の占領地の拡大とともに、1943年9月に皇土防衛すなわち天皇の国土を守るための絶対国防圏の後方に位置する南西諸島と台湾の防備強化、とりわけ沖縄県全体における航空基地建設が計画され直ちに着手されます。住民を根こそぎ動員して飛行場づくりをし、10数カ所もの飛行場がつくられるわけであります。さらに1944年3月には第32軍沖縄守備軍が創設され、続々と部隊が沖縄に結集し、6万人もの部隊がこの沖縄で陣地を構築するわけであります。
そのような中で沖縄で行われていたのは、まさに沖縄を戦場にする準備であります。まさに沖縄を戦場にし、住民を巻き添えにして戦闘を長引かせ、「出血持久作戦」という名目で多くの戦闘が生まれたわけであります。
そこで質問いたします。
戦争は、基本的に軍隊と軍隊が戦うものであり、前線は敵軍の要塞や陣地に沿って移動していくわけであります。沖縄戦は、沖縄防衛のための戦争ではなく、沖縄住民を犠牲とすることを前提に本土防衛のために行われた戦争だったのではないか、知事の見解を伺いたいと思います。
沖縄戦では住民を巻き込んだ戦争が3カ月も続き、12万2000人の沖縄住民を含む20万人余の戦死者が出ました。沖縄に日本軍の駐留がなく陣地の構築がなければこれほどの戦死者を出す沖縄戦にならなかったと考えますが、知事の見解を伺いたい。
1895年以降、実戦部隊のいなかった沖縄県に軍隊を駐屯させる端緒となった1931年の沖縄県議会の意見書について、知事の所見を伺いたい。
沖縄戦の教訓は、軍隊は住民を守らないということと、戦争は軍隊のいるところにやってくるということだろうと思います。知事の所見を伺いたい。
ブッシュ米大統領の先制核攻撃、戦争政策は、米国が敵視する国家や集団が広大な米軍基地のあるこの沖縄を核攻撃することを正当化させるものであります。沖縄県民に壊滅的な被害を与えることになると思うが、知事の見解を伺いたい。
ウルフォウィッツ米国防副長官は、「米軍駐留は「県民に有益」」、「負担を最小限に、利益を最大限にするように、常に努力している」とワシントンでの記者会見で述べていますが、米軍駐留で沖縄県民や自治体、地域が受けている利益が知事としてあると思うならばどのようなものがあるのか挙げていただきたいと思います。
脱基地宣言について質問いたします。
長野県の田中知事は「「脱ダム」宣言」を行ったように、21世紀の沖縄の未来のために沖縄県は脱基地宣言を行うべきだと考えるが、行う考えはありませんか。
沖縄振興特別措置法と普天間基地返還について伺います。
那覇新都心は、公共インフラ整備や公共建築、商業建築、マンション・住宅などの建設ラッシュです。これまで建築確認を受けた建物の総件数及び延べ床面積はどうなっていますか。また、全面積の何%が未利用地になっていますか。
那覇新都心地区の公共インフラ整備にどれだけの予算が投入されてきましたか。また、商業建築や公共建築、マンションなどの建設にどれだけの資金が投入されていますか。工事契約額もしくは建物評価額で明らかにしてもらいたい。
沖縄振興特別措置法は「開発」の文字が消えましたが、沖振法には「駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用」が明確に位置づけられました。特に、大規模跡地については国と県が責任を持って跡地整備の方針を定めなければならなくなりました。今後の沖縄における開発は基地跡地の開発、すなわち基地跡利用にシフトするべきだと考えますが、知事の所見を伺います。
沖縄振興特別措置法は、平成24年3月31日に効力を失う10年の時限立法です。大規模跡地の開発について特別措置法はできたんですけれども、普天間返還が10年以内にできない。以降になるとすれば、釣り具はできたが釣る魚がないということになりかねない、知事の所見を伺いたい。
私は、2005年ごろから2020年ごろまでのこの15カ年は、普天間基地跡地が県内の土木建設業者の事業の中心になるだろうとこのように考えてきました。知事の進める財産づくりの辺野古移設では、2020年ごろにならないと普天間は返還されない。普天間開発が消えるとなれば、この空白の15カ年は県内の土木建設企業にとってほぼ壊滅的なダメージを受けるだろうことは間違いありません。知事の所見を伺いたい。
2年前には移設15年、使用期限15年を合わせて2030年までの海兵隊駐留を主張していた下地衆議院議員が、普天間飛行場の5年以内の早期返還、早期跡利用着手を目指して新基地建設ではなくて、嘉手納基地統合案を打ち出している。知事の所見を伺いたい。
名護市長も海上基地が来ないのならば一番いいと答えているが、知事は県民の財産づくりのために海上基地建設は推進するべきだという考えか。それともつくらずに済むのならばその方がよいと考えるのか。
普天間基地移設のSACO合意期限である1996年から5年ないし7年の期限は来年に迫っています。2月定例会では親川前知事公室長が普天間基地の辺野古沖移設までには15年程度かかると答弁したが、知事の認識も同様か答弁を願います。
知事の言う県民の財産となる軍民共用飛行場というのは、いつから県民の財産になるのでしょうか。軍民共用空港ができたときか、それとも15年期限が過ぎて民間空港になったときか、明確にお答えをいただきたいと思います。
平和賞と平和行政について伺います。
稲嶺県政の平和行政を示すものとして沖縄平和祈念資料館の歴史改ざん問題があったように、軍隊を肯定し基地を維持する姿勢は稲嶺県政の本質であると私は考えております。今回の沖縄平和賞にもそのことが如実にあらわれています。すなわち、稲嶺県政が沖縄平和賞を創設する理由として基本構想で述べているのは、みずからは沖縄の米軍基地の存在を肯定し、平和への努力をせずに沖縄への基地集中がもたらす危険性を緩和してくれるアジア・太平洋地域での平和貢献活動に平和賞を与えるというものであります。既に選考委員も選任され、平和学の視点も強調されていますが、平和祈念資料館の歴史改ざん問題についての知事の釈明と軍隊に対する知事の見解を示していただきたいと思います。
新那覇病院、県立高度・多機能病院、子ども病院について伺います。
病院管理局が現在進めている新那覇病院、県立高度・多機能病院は、19万人の県民署名が建設を求めた子ども病院や、平成12年に県内医療関係者有識者が参加した高度多機能病院検討委員会で答申した高度多機能病院、そして県病院管理局がコンサルタントに依頼して作成させた高度多機能病院基本構想・基本計画のどれからもかけ離れて、高度多機能病院とは名ばかりの県立那覇病院の建てかえにすぎなくなろうとしています。このままでは子ども病院機能も、県人口の過半数の60万人の命を預かる南部医療圏の救命救急も、災害拠点病院機能も、離島医療支援機能も、その他の要望の実現も不十分なままに単なる那覇病院の建てかえになろうとしていることを指摘したいと思います。
稲嶺知事や担当副知事、議会与党の責任は重いと言わざるを得ない。そのことを質問を通して明らかにいたします。
延べ床面積の縮小に伴う困難な問題がたくさんあります。知事としていま一度高度多機能病院、子ども病院建設の原点に立ち戻って、病院管理局はもちろんのこと、福祉保健部や財政担当の総務部に査定の再検討をするよう指示してもらいたいが、知事の所見を伺いたい。
整備基本計画で挙げている6つの新病院の機能とその他の機能で挙げている4つの機能について説明をしてもらいたい。
臨床研修機能について、建設検討委員会では臨床研修のための図書室、病歴室、会議室、研究室、講堂など合わせて867.8平方メートルもとられていたが、5月15日のレイアウトではすべてなくなり、臨床研修機能として挙げられているのは185平方メートルの6階の研修医宿舎に附属する学生控え室だけである。当初3階にあった図書室や会議室、講堂等はどこにいったのか、臨床研修機能と言えるのか説明を求めます。
なくなった講堂については、災害拠点病院としての機能を果たすためにジャンボ機事故での100名から150名の緊急な急患を収容する機能を付与されていたのですが、5月15日のレイアウトでは災害拠点病院としての災害時の緊急な急患収容を行う上ではどこに何名分設定されていますか。
離島医療支援機能については、基本整備計画では重く位置づけられ、建設検討委員会では「離島・へき地遠隔医療支援情報システム」と合わせて180平方メートルが確保されていましたが、5月15日のレイアウトではわずか20平方メートルにすぎません。果たして離島医療支援センターと言えるのでしょうか。
国際医療支援機能について、5月15日のレイアウトではどこに位置づけられていますか。
整備計画で挙げられている「その他機能」のうち、精神障害者身体合併症の診療のためのエリア、重度心身障害者の歯科治療のためのエリア、さらに感染症の患者の診療のための隔離病棟はレイアウトでどのように確保されていますか。
5月15日付の建家レイアウトでは、現県立那覇病院や中部病院との面積比較表が示されていますが、今回建設するのは母子総合医療センター・子ども病院を包含する新たな構想に基づく高度多機能病院であります。新たな高度多機能病院の面積比較は、高度多機能病院検討委員会での検討及び報告書に基づき県病院管理局が依頼した基本構想・基本計画、あるいは子ども病院関係者並びに県立病院の関係者が建設検討委員会を経てでき上がった病院管理局最終案との比較をすべきではありませんか。県の見解を求めます。
病院管理局最終案と5月15日の建家レイアウトの部門別面積の増減を明らかにしてもらいたい。
臨床研修機能としては、平成16年4月からの臨床研修の必修化に対応しながら、医師を確保し、離島医師確保や救命救急センターを円滑にする。救命救急センターは、67万人の南部医療圏の現在実現されていない1日24時間の二次、三次救急を確立します。全離島からの二次、三次救急も対応できます。母子総合医療センター・子ども病院機能及び総合周産期医療機能は、県民の求める子ども病院実現と全国に比して高い乳児死亡率の改善に大きな役割を持つものであります。離島医療支援機能や地域医療支援機能、国際医療協力機能もまたおのおのに重要な役割があります。さらに、災害拠点病院の役割とこれらのものを満たすためにはやはり面積が必要なのであります。これらの面積を確保するためには年額約9000万円の増額で済むのであります。
この病院機能の充実による収益の増と県民が受ける医療利益の増分の方がはるかに何倍も大きくなると思うのだが、知事の見解を伺いたい。
最後に、政治献金について伺います。
稲嶺知事が毎年けた外れの1億円を超える政治献金を集めていることは、沖縄県政にとって大きな問題と思うので伺いたい。
前回知事選挙のとき、稲嶺知事の資金管理団体「沖縄・未来をひらく県民の会」及びいなみね惠一後援会、沖縄政策研究会──現在の資金管理団体であります──の過去4年の毎年の収入とその内訳を明らかにしてもらいたい。
平成10年、11年に企業献金した会社が献金した時点に県と請負契約があればどうなるか。
稲嶺知事関係の特定パーティー届けはどうなっているか。明らかになった5回について、おのおののパーティー券料は幾らか。対価の支払いとはどういうことか。
平成8年及び9年の政治団体の事業収入報告書では、パーティー収入は1人1万円程度の妥当な額だが、稲嶺知事のパーティーは1人5万円以上にもなっている。特定パーティーが企業献金の隠れみのになっているのではないか、県選管の所見を伺いたい。また、企業購入の場合に企業の一括購入かあっせんかどうか、どう見分けるのか。
県と契約関係にある企業でも特定パーティー券の購入をすることができるのか。
前回の知事選挙の法定の選挙費用の限度額と、ことし予定される知事選挙の法定限度額はどの程度になるのか。
稲嶺知事は、毎年1億3000万円もの政治献金をどのように使っているのか、明確にお答え願います。
答弁を聞いて再質問を行います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの伊波洋一君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時53分休憩
午後1時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前の伊波洋一君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波議員の御質問にお答えいたします。
最初は、沖縄戦の教訓についてのうち、ブッシュ大統領の政策についてお答えいたします。
日米安全保障体制は日本全体の問題であり、基地の負担についても全国民が公平に負うべきであると考えていることから、県民の過重な基地負担を軽減するため、政府においては、本県の米軍基地の整理縮小を国民全体で取り組むべき国政の重要課題として推進するよう要請しているところであります。
県としては、政府においてこれまでにも増して我が国やアジア・太平洋地域の平和と安定に向けて外交努力を行っていただきたいと考えております。
続きまして、ウルフォウィッツ米国防副長官の発言についてのお答えでございます。
ウルフォウィッツ米国防副長官の発言は、戦後57年余も過重な米軍基地を負担してきた県民感情を考えた場合、受け入れることはできないと思います。広大かつ過密な米軍基地は、計画的な都市づくり、交通体系の整備、産業用地の確保など本県の振興開発を推進する上で大きな制約となっており、基地に依存した経済から脱却し、民間主導の自立経済の発展を目指す上で一つの阻害要因となっております。
県としては、本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小について今後とも国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら、SACOの合意内容の着実な実施に向けて取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、脱基地宣言についてお答えいたします。
県としては、「平和で安らぎと活力のある沖縄県」の実現を目指し、基地問題については実現可能なものから一つ一つ解決していくことが重要であると考えております。
先ほども申し上げましたように、県としては、本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小について今後とも国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ、幅広く県民の理解と協力を得ながらSACOの合意内容の着実な実施に向け取り組んでいきたいと考えております。
次に、開発の基地跡地へのシフト及び10年後以降の新法の扱いについて一括してお答えを申し上げます。
駐留軍用地跡地は、良好な生活環境の確保、産業の振興、健全な都市形成に向けた貴重な空間であり、その開発整備は本県振興のための重要な課題となっております。今後、県土構造の再編を視野に入れた総合的かつ効率的な有効利用を図るため、跡地利用の促進に重点的に取り組んでいきたいと考えております。
沖縄振興特別措置法においては、今回初めて「駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置」が盛り込まれ、大規模跡地についての指定、国の取り組み方針や県総合整備計画の策定等が規定されております。
普天間飛行場跡地については、同法に基づく制度を活用し国や宜野湾市との密接な連携のもと、地権者等の意向も踏まえつつ跡地利用を進めるとともに、その条件整備に努めていきたいと考えております。
次に、財産づくりのためにも名護市への基地建設を推進すべきかについてお答えをいたします。
普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しており、普天間飛行場の早期返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであります。
県は、普天間飛行場の返還については、SACO合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しております。
次に、普天間飛行場の辺野古沖移設までの期限についてお答えいたします。
現在、代替施設協議会で基本計画について総合的、具体的な検討を進めているところでありますが、その策定時期については現段階では明らかになっておりません。基本計画策定後の環境影響評価に3年から4年要することが予想されますが、工事期間については工法によっても左右されますので、移設の時期について予断をもって申し上げる状況にはありません。
次に、新病院の延べ床面積に係る再検討についてお答えいたします。
高度多機能病院(仮称)の面積については、その機能等を踏まえて種々検討した結果、延べ床面積約3万6400平方メートル、1床当たり約84平方メートルで整備することとしております。
当該面積は、救命救急機能や母子総合医療機能等にも配慮しており、新病院に求められる機能に対応できるものと考えております。現在、計画面積の中で新病院に必要な機能を発揮できるよう、施設の配置等について専門家も交え具体的に基本設計作業を進めているところであり、新病院が南部保健医療圏における公的医療機関として十分な機能を果たせるよう最大限努力してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 沖縄戦の教訓について、1の(1)から1の(4)の沖縄戦等について一括してお答えします。
沖縄戦の実相はさまざまな形で指摘されており、質問の中で取り上げられている事柄についてはそれぞれの解釈、見方があると思いますが、戦争は、人間のとうとい生命を奪うということにおいて人間性に反する行為であり許されるものではありません。戦後57年が経過していますが、一人一人がこの戦争の悲惨さを教訓にして平和を希求していくことが最も大切であると考えております。
沖縄振興特別措置法と普天間基地返還について、普天間飛行場の返還時期についてお答えいたします。
普天間飛行場の返還時期については、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、返還することとされております。移設の時期について予断をもって申し上げる状況にはありませんが、県としては一日も早い返還の実現に取り組んでいるところであります。
下地衆議院議員の嘉手納基地統合案についてお答えいたします。
基地問題についてはさまざまな考え方や意見がありますが、県は、基地の整理縮小についてはSACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場の代替施設については、現在、代替施設協議会において代替施設の規模、工法及び具体的建設場所、その他基本計画の策定に必要な事項について協議が行われているところであり、移設に向けた作業が着実に進展しているものと考えております。
軍民共用飛行場が県民の財産になる時期についてお答えいたします。
県としては、軍民共用飛行場の民間機能を生かし、地域経済発展の新たな拠点を形成して雇用機会の確保や産業振興を図り、北部地域の発展につなげていきたいと考えております。代替施設が軍民共用飛行場として供用開始された時点から地域の振興に寄与するものと考えております。
平和賞と平和行政について、平和祈念資料館の展示問題についてお答えいたします。
平和の礎と一体となって沖縄県平和祈念資料館を積極的に活用し、沖縄戦の実相と教訓を正しく継承するとともに、県民の平和への思いを世界に訴えることが重要であると考えております。特に激動が続く世界情勢の中で、今こそ命と平和のとうとさを永遠に伝える平和の礎に込められた「沖縄のこころ」を国内外に発信していきたいと思います。
地球上に紛争もなくすべての人々が安心して暮らせる社会が人類の究極の理想であると考えております。しかし世界の現状は領土、民族、宗教上の問題などに起因する複雑で多様な地域紛争が発生しております。
これらの平和を脅かすさまざまな課題を解決し平和共存の世界を実現していくためには、世界の人々が相互理解に努め、国際連合を中心に連帯して問題の解決に当たることが望ましいと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 沖縄振興特別措置法と普天間基地返還についての、那覇新都心地区内の建築確認の総件数、延べ床面積及び未利用地についてお答えいたします。
那覇新都心地区の整備面積は214ヘクタールであり、土地利用計画面積の内訳は商業業務施設18ヘクタール、住宅等用地104ヘクタール、公益施設24ヘクタール及び公共用地68ヘクタールとなっております。
現在では土地利用が促進され、那覇国際高校、県営及び市営住宅、那覇新都心メディアビル、大型店舗、個人住宅等が相次いで建設され、魅力ある新都心が形成されつつあります。平成13年度末時点での公共建築物、商業建築物、マンション・住宅などの建築確認等の総件数は約700件で、延べ床面積は約59万平方メートルであります。
また、同時点における道路及び公園を除いた面積に対する未利用地は、造成中箇所も含め約60%であると那覇市から聞いております。
次に、公共インフラ整備の予算投入額及び商業建築、公共建築等について。
平成13年度までの那覇新都心地区の道路及び公園等の公共インフラ整備に関する工事費の実績は約362億円で、県営住宅や那覇国際高校等の公共建築物に関する工事費の実績は約158億円であります。
また、民間の商業建築物及びマンション・住宅などの建物評価額の総額は、那覇市の集計によると約173億円であります。
以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 新那覇病院に関する御質問で、整備基本計画で挙げている新病院の機能についての御質問にお答えいたします。
計画しております新病院の主要な6つの機能について御説明いたします。
まず1点目、救命救急機能につきましては、救命救急センターを設置し救急医療専門のスタッフによる24時間体制での救急診療を行う計画です。診療対象地域は主に南部保健医療圏とし、重篤な患者を中心に高度の救命救急を実施することとしております。
2点目に、母子総合医療機能については、新病院に併設型の母子総合医療センターを設置し、出産前後の母子を対象とする周産期医療及び小児医療を包括的に実施する計画です。
3点目に、離島医療支援機能については、「へき地医療支援機構」と連携し、離島等の診療所に対する代診等の診療支援を行うとともに、「離島・へき地遠隔医療支援情報システム」を活用した医療情報支援等を行う計画です。
4点目に、臨床研修機能については、卒後臨床研修として一般研修のほか、離島診療所の医師養成を目的としたプライマリーケア研修を実施する計画です。
5点目に、地域医療連携機能については、地域医療連携室を設置し、医療情報提供や他医療施設等からの紹介に基づく連絡調整を行い、地域の病院や診療所との連携及び機能分担を進めることとしております。
6点目に、国際医療協力機能については、本県と同様の医療課題を持つ国や地域の医療従事者を受け入れての研修事業等を行う計画です。
以上の6つの主要な機能のほかに、新病院には大規模な自然災害や交通災害等に際し医療の確保等を行う災害拠点病院機能、精神障害者身体合併症の診療を行うための機能、全身麻酔下での重度心身障害児(者)の歯科治療に対応する機能、感染症病床を設置して感染症患者の診療を行う機能を位置づけております。
次に、新病院の基本設計に関する5月15日のレイアウト案における各機能の配置状況について御説明いたします。
御質問の臨床研修機能、災害拠点病院機能、離島医療支援機能、国際医療支援機能、精神障害者身体合併症の診療エリア、重度心身障害児(者)の歯科治療エリア及び感染症患者の隔離病棟の配置については、関連しますので一括してお答えいたします。
新病院の面積につきましては、種々検討した結果、延べ床面積約3万6400平方メートル、1床当たり約84平方メートルと決定されたところであります。
これを受けて、県では平成14年2月に「県立高度・多機能病院(仮称)整備基本計画」を策定し、当該整備計画に基づき現在基本設計の作業を進めているところであります。
5月15日に設計業者から提示された建家レイアウト案については、各部門の配置や動線等の検討調整を行うため整備基本計画の各機能を盛り込んだ案の提示を受けたものであり、この案に新病院の各機能がどのように配置されているか、また今後どう配置していくか、プロジェクトチームにおいて調整を行っているところであります。
御質問の各機能についてもそれぞれ計画しており、この調整の中で面積等も含め具体的な詰めをしていくこととしております。
5月15日の建家レイアウト案と病院管理局案についての御質問にお答えいたします。
病院管理局案との比較及び部門別の面積についての御質問は、関連しますので一括してお答えいたします。
御質問中の病院管理局案は、平成14年度の予算編成時における病院管理局としての概算要求案であり、県としては新病院の機能を踏まえて種々検討した結果、延べ床面積約3万6400平方メートル、1床当たり約84平方メートルと決定し、整備基本計画を策定したところであります。現在、それをもとに基本設計作業を行っているところであり、5月15日のレイアウト案における面積比較表は、新病院の各部門の配置や動線等を検討するため、現に稼働している那覇病院と中部病院の現状を把握し、新病院設計に資するため比較したものであり必要なものであると考えております。
次に、起債償還費の負担増と病院機能についての御質問にお答えいたします。
新病院に計画している諸機能については、医療機関相互の役割分担と機能連携を図りながら必要とされる医療を提供できるよう検討しているところであります。
県立病院は、県民への医療提供においてこれまで大きな役割を担ってきたものと考えますが、医療ニーズの高度化、多様化に対応していくために、今後は民間病院等他の医療機関との役割分担と機能連携を進めていくことが必要であると考えております。新病院計画の今後の作業においても、計画面積の中で必要な機能の配置等について引き続き検討を進めながら、県民医療の向上が図られるように努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○選挙管理委員会委員長(阿波連本伸) 政治献金についての7項目の御質問を賜っております。順次お答えいたします。
まず、稲嶺知事関係政治団体の過去4年間の収入とその内訳についてお答えいたします。
政治資金規正法に基づきそれぞれの政治団体から提出された収支報告書によりますと、平成13年分は、沖縄政策研究会が収入総額約528万円で、その内訳は寄附収入が130万円、その他の収入が約398万円となっております。
いなみね惠一後援会が収入総額約1億256万円で、その内訳は寄附収入が23万円、政治資金パーティー収入が6962万円、その他の収入が約3271万円となっております。
次に、平成12年分については、沖縄政策研究会が収入総額約3718万円で、その内訳は寄附収入が80万円、政治資金パーティー収入が約3112万円、その他の収入が約526万円となっております。
いなみね惠一後援会が収入総額約1億5816万円で、その内訳は寄附収入が200万円、政治資金パーティー収入が約1億673万円、その他の収入が4943万円となっております。
次に、平成11年分について申し上げます。
いなみね惠一後援会が収入総額約1億9336万円、その内訳は寄附収入が約9859万円、政治資金パーティー収入が3477万円、その他の収入が6000万円となっております。
沖縄・未来をひらく県民の会が収入総額約3166万円で、その内訳は寄附収入が3000万円、その他の収入が約166万円となっております。
次に、平成10年度分について申し上げます。
いなみね惠一後援会が収入総額約55万円で、これは事務所等の無償提供による寄附相当分となっております。
沖縄・未来をひらく県民の会が収入総額約5億6641万円で、これはすべて寄附収入となっております。
次に、平成10年、11年に県と請負契約のある会社からの献金についてにお答えします。
公職選挙法第199条第1項の規定により、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては、当該地方公共団体と請負契約の当事者等である者は、当該選挙に関し寄附をしてはならないことになっております。
なお、「選挙に関し」という意味は、選挙に関する事項を「動機」としてという意味であり、いかなる寄附が選挙に関する寄附であるかについては個々の具体的な場合について判断されることになります。
なお、政治資金規正法では、平成11年までは企業等の団体の寄附は、資金管理団体に対して年間50万円を限度として認められておりました。
次に、稲嶺知事関係の特定パーティー届け出等についてお答えします。
稲嶺知事に係る政治団体が実施しております特定パーティーについては、政治資金規正法に基づく政治団体が開催するものであります。届け出等は必要ありませんが、その収支については当該政治団体の収支報告書に記載されることになっております。
個々のパーティー券料が幾らであるかについては、収支報告書への記載事項ではありませんので承知いたしておりません。
対価の支払いとは、政治資金パーティーなどの催し物に参加することの反対給付としての金銭その他財産上の利益の支払いであるとされております。
次に、特定パーティーは企業献金の隠れみのではないか等についてお答えします。
政治資金パーティー券の購入につきましては、対価の支払いで債務の履行として行うものであることから、原則として政治活動に関する寄附には該当しないとされております。パーティーの開催に当たっては、特定の企業等から余りに多額の資金を得ることは問題を生じやすく、その節度ある開催運営を確保することが不可欠であることから、政治資金規正法第22条の8の規定によって、一つの政治資金パーティーにつき同一の者から150万円を超えて対価の支払いをしてはならないこと、支払い者への政治資金パーティーであることの告知の義務、匿名等による対価の支払い及び威迫等による対価のあっせんの禁止についても定められております。
したがいまして、選挙管理委員会としましては、各政治団体の政治資金パーティーは法律にのっとって正しく開催されているものと考えております。
政治資金規正法においては、政治活動が国民の不断の監視と批判のもとに行われるようにするため政治資金の収支の公開を義務づけております。政治資金パーティーの収支につきましても公表しておりますので、その是非につきましては国民により判断されるものであると考えております。
また、パーティー券の購入が企業の一括購入か、あっせんかどうかの件につきましては、その後提出される政治団体収支報告書の中でそれぞれ区別して記載することになっております。
次に、県と契約関係にある企業のパーティー券購入についての御質問にお答えします。
公職選挙法第199条第1項は、地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、選挙に関して寄附することを禁止しております。しかし、政治資金パーティー券の購入は対価の支払いであり、債務の履行として行われるものでありますので、原則として寄附には当たらないとされております。
次に、県知事選挙の法定選挙費用限度額についてお尋ねですのでお答えします。
選挙運動費用に関する支出の限度額につきましては、公職選挙法施行令に基づき当該選挙の選挙人名簿登録者数などによって算出されることになっております。これにより、前回の知事選挙の支出の制限額は3081万8000円でありました。今回の知事選挙については選挙人名簿が確定しておりませんが、仮に平成14年3月2日の選挙人名簿登録者の数で計算しますと3107万7000円となります。
最後に、稲嶺知事の1億3000万円の政治献金の使途についてお尋ねですのでお答えします。
選挙管理委員会に提出された稲嶺知事関係の政治団体の収支報告書によりますと、政治団体の支出につきましては各団体によってそれぞれ違いますが、例えば、いなみね惠一後援会の平成12年分の支出状況で見ますと、支出総額約1億2594万円のうち、人件費、事務所費等の経常経費として約6172万円、大会費、会議費等の組織活動費として約908万円、政治資金パーティーの開催などの事業費として約1808万円、調査・研究費として550万円、他の後援会等政治団体への寄附金として2880万円、その他経費として約276万円となっております。
以上、お答えします。
○伊波 洋一 まず最初に、政治献金についてお伺いします。
パーティーが隠れみのになっているのではないかということは、つまり企業献金ができるときは50万円だったんだけれども、今日、150万。しかし、対価の支払いというからには1人1万円だったら150人来なければいけないんですが、実際、稲嶺知事の5000万円集めるパーティーには1000人しか来ないわけです。
さらに、例えば沖縄電力は150万円、子会社を入れると445万円を1回のパーティーに出しているわけです。こういうものが本当に企業献金の隠れみのではないのか、これはどのようにチェックしているか、お聞かせ願いたいと思います。
それから知事、これだけ多くのお金を使ってあなたの政治活動を行っているということだけれども、なかなか県民は納得しないと思うんですね。毎年1億も企業からお金をもらっている知事が、果たして県民のことをどの程度やっているのか。本当にこのことについて明確にお答えください。
それから、子ども病院ですけれども、さっき病院管理局長は具体的な答弁は何もしていません。しかし知事は、面積はこれでいいんだと言っている。おかしいじゃないですか。いいですか。今のままだと本当に子ども病院とか多機能病院はつぶれてしまいますよ。知事在任中に唯一できるものがつぶれるということを考えていただきたい。いま一度、もう一度本当に考える必要はないのかどうか、しっかりと知事の答弁を求めたいと思います。
それから、基地の問題、戦争の問題についてほとんど答弁にならない答弁をしておりました。これ以上私は聞きませんけれども、先ほど沖縄分遣隊の意見書の話ですが、それは1927年に熊本憲兵隊本部は沖縄を調査したんですよ。そして調査した上で、その上で多くの資料をつくりました。これは現在公文書館にありますけれども、その中に沖縄人の評価──極秘もあるし部外秘もあります──何と書いてあるかといいますと、沖縄の短所を12挙げて、長所が2つです。長所は何か。服従心に富むということですね。第2、従順であると。薄給に耐えて使役しやすい民なりと、このように書いてあるわけです。
短所は何か。まず第1に、皇室・国体に対する観念が徹底されてない。ですから教育をやるべきだと、このように書いてあるんです。さらに優柔不断だとか、意志薄弱者だとか、全くマイナスの評価なんです。その中で着々と沖縄戦が準備されていくわけです。まさに今日、今知事のやっている基地をつくろうとするのは、あのときの状況と似ていますよ。戦争が起これば沖縄はだめなんです。
知事、そのまま基地を強化し続けるつもりですか。
答弁をお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時51分休憩
午後1時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波議員の再質問にお答えします。
最初は、病院の問題でございますけれども、私が申し上げましたのは総トータルの面積でございまして、その内容につきましてはこれから具体的に詰めてまいりたいと思います。
それから次に、政治献金につきましては、政治活動に関する寄附は、寄附者の政治活動の一環としてその自発的な意思に基づいて行われるものであると理解をしております。
次に、基地問題につきましては、これはトータル的な問題としては全員みんな同じ。私も再三ここで申し上げましたけれども、基地のない平和で豊かな島というのが県民みんなの願いでございます。その理想に向かいながら現実的に一歩一歩進んでいきたいと思っております。
○選挙管理委員会委員長(阿波連本伸) お答えします。
先ほども関連して答えは出しておりますが、ただいま補充質問で出たように、御指摘のとおり政治資金規正法22条の8では、一つの政治資金パーティーにつき同一の者から150万円を超えて対価の支払いを受けてはならないと。これは22条の8の第1項です。
それから同じく22条の8の第3項で、何人も政治資金パーティーの対価の支払いをする場合において、一つの政治資金パーティーにつき150万円を超えて対価の支払いをしてはならないと。パーティー券料を買う側、それからそれを受ける側、いずれについても1パーティーにおいて1人150万円の制限を設けております。
ということで、各政治団体、もちろん稲嶺知事関連の政治団体も含めてですが、これらは政治資金パーティーにおいてこの法律にのっとって開催されているものと考え、かつ正しく収支報告書に記載して選挙管理委員会に報告されているものと考えております。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) この際、申し上げます。
説明員として出席を求めた選挙管理委員会委員長阿波連本伸君は、別用務のため本日のこれより以降の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、退場します。
休憩いたします。
午後1時59分休憩
午後1時59分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 知事、ちょっと、質問通告にかみ合った答弁をしていただきたいということで、きちっと答弁していただきたいと思います。
代表質問との関連ですけれども、先ほどの玉城ノブ子議員への答弁も質問の趣旨から外れた答弁をやっていらっしゃいます。私たちが伺っておりますのは、県内公共工事の発注の問題を知事に伺っています。発注者であるのは少なくとも知事であると。その受注業者から献金を受け取るべきではないんじゃないかということ、そのことの知事の政治姿勢を聞いているわけです。ですから、個々の審議をどうこうという、それを見守るということじゃないと思います。質問の趣旨に沿った答弁をひとつよろしくお願いしたいと思います。
それでは一般質問に入ります。
まず初めに市町村合併問題です。
今、地方政治の最大の焦点の一つになっています。自主的な市町村合併と言いながら、実際は国による押しつけ、強力な誘導策であり、地方自治の精神に反するものです。市町村合併が必要かというアンケートに対して、必要と答えた県民は36%にとどまっています。不安や疑問があるからです。国や県が宣伝しておりますメリットについてまず質問をいたします。
(1)つ、市町村合併をめぐって、今、市町村の首長や議員に大変な影響を与えているのが地方交付税の削減の問題です。合併した場合、しない場合でもそれぞれの地域や自治体の財政、住民サービスはどうなりますか。
(2)つ目に、財政力のある自治体づくりや専門職員の配置論などをメリットとして宣伝しておりますが、具体的にはどの程度の財政力が強化されますか。専門職が配置されるのですか。
(3)つ目に、合併特例債がある今のうちに合併すべきだというメリットは、長期の目で検討したときにはどうなりますか。
ちょっと休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時 休憩
午後2時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○外間 久子 泡瀬の問題で質問いたします。
5月の28日、国と沖縄県、泡瀬干潟を守る連絡会との話し合いの中で、海草藻場移植実験について合同調査を行うことが合意され、6月17日に実施されました。そのこと自体は高く評価するものです。合同調査の結果でも明らかなように、ワーキンググループの専門の先生方との間でも海草移植の成否についても意見が分かれ、今後、国と守る会で継続調査に合意したとのことであり、引き続き調査を要求し、以下の質問をいたします。
(1)つ、国が5月に実施いたしましたモニタリング調査によりますと、移植地における評価A(良い)、B(やや良い)の合計が41.2%、C(やや不良)、D(不良)の合計が58.8%になっています。2月に発表したデータA、Bの合計が64%、C、Dの合計36%と大きな変化が出ています。時間がたつに従って移植の塊が悪化していると判断できます。県は、その報告をどう受けとめていらっしゃいますか、見解を伺います。
(2)つ目に、漁業補償の積算基礎になります操業実態調査とは具体的にどんな内容の調査をなさいますか。
(3)つ目に、沖縄県がコンサルタントに依頼いたしました当初の補償額と組合から要求された補償額は幾らですか。
3つ目の質問として旭橋の再開発問題です。
モノレールの旭橋駅周辺地区の再開発地約3万坪の3分の2が県・市有地を主体に計画されています。平成15年12月、モノレール開通にあわせて旭橋駅とバスターミナルのデッキ等を完成させ、平成19年度にかけて主要部分の大半を完成させる予定との説明を受けました。
以下、質問をいたします。
(1)、説明資料によりますと、PFI事業ほか民間活力の積極的活用と言われておりますが、同事業の手法と従来行われてまいりました第三セクターとの違い、実績などについてお答えください。
(2)つ目に、同事業に対する県の評価とかかわり方、出資、負担金、土地評価と提供の形態について伺います。
(3)つ目に、PFI事業は公共工事と違うため受注が事業参加の業者に偏ったり、本来の競争によるコストの縮減の効果は期待できないと言われておりますが、どうでしょうか。
(4)つ目に、同事業は多くの保留床の売却が必要と言われておりますが、計画が予定されております保留床は何%になりますか。また、県が引き受けるものもあるのか。どれぐらいになりますでしょうか。
(5)つ目に、保留床の売れ残りや資金計画の変更によっては追加負担もあるんでしょうか。
次の質問、ベースタクシー問題です。
民間業者のバスが米軍基地と民間地域をピストン運行しているだけではなく、ノーナンバーの軽自動車が基地内と軍人・軍属の住宅を結び、タクシーとして運行しているとの通報があります。日米地位協定ではこのような営業行為はできないことになっておりますが、その実態について質問をいたします。
(1)つ、年間3万6000円払って米軍基地に立ち入りできる認可を関係機関からもらっている実態を県は把握しておりますか。また、基地ごとにベースタクシーは法人、個人を含めて何台でしょうか。
(2)つ目に、米軍基地は日本政府からの施設・区域の提供を受けており、日本政府の財産です。米軍関係機関に立入認可のために金を徴収することはできるのかどうか。法的根拠があるのかどうか示してもらいたい。
(3)つ目に、米軍基地内に入構料を払って運行するベースタクシー以外にも米軍関係機関と契約をしたノーナンバーのタクシーが営業をし、しかも基地間の移動で民間地域の道路でも運行していると言われておりますが、実態はどうなっておりますか。現在、何台が運行し営業しておりますか。ガソリンなどは基地内の無税の燃料を使用しているのではないでしょうか。地位協定、道交法、道路運送法、そして税金問題など法的にはどうなっていますか。お答えください。
(4)つ目に、3月から米軍基地のキャンプ・キンザーやフォスター、ハンセン、シュワブと民間地域の那覇市とまりん、そして北谷町美浜、沖縄市の空港通りを民間業者のバスがピストン運行をし、民間の売り上げが落ちていると言われておりますが、実態はどうなっておりますか。関係法令に照らして問題はないでしょうか。
5つ目の質問として農業試験場跡地利用の問題です。
(1)、農業試験場跡地利用の基本方針についての見解と、計画策定はいつまでに策定するのかお伺いします。
(2)つ目に、農業試験場が平成17年度に糸満市へ移転することが決定されています。この地域は、那覇市にとって最後に残された緑豊かな場所として貴重な地域です。約8万坪もある県有地に地元を初め市民及び南風原町民の意見も取り入れてほしいとの声が出ております。今年度の知事の施政方針は、「安らぎと潤いのある生活空間の創造」でありますと強調され、まず、「豊かな自然と生活環境が調和した社会づくり」だと述べておられます。ぜひ県民の憩いの場としてのジョギングコースがあり、子供と遊べる公園等の地域にすべきではないか、知事の見解をお伺いします。
6つ目に、農連市場の再開発問題です。
那覇市が都市活力再生拠点整備事業の一環で計画を進めております農連市場地区市街地再開発事業は、県有地が大半を占めております。県の方針が事業を左右するだけに積極的に推進すべきだと考えますが、事業の概要と進捗状況について御答弁を求めます。
答弁によって再質問を行いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 外間議員の御質問にお答えいたします。
最初は、合併をめぐる地方交付税の削減と合併による地域、自治体財政、行政サービスについての御質問に対してのお答えでございます。
現在、国の経済財政諮問会議では、地方行財政改革について、地方公共団体の財政力格差を是正することはなお必要とした上で、地方交付税全般についての見直しを進めることとしております。県としましては、県内市町村のように財政力が脆弱な地方公共団体にとっては、現行の地方交付税制度の役割は大変重要であると認識しており、県民に対する行政サービスが今後とも維持・確保できるよう引き続き国に働きかけていきたいと考えております。
さて、合併特例法の期限である平成17年3月までに合併した場合は、市町村建設計画に充てられる合併特例債や普通交付税の算定がえ及び臨時的経費に対する財政措置などさまざまな支援が受けられることとなります。これらの合併支援制度を有効に活用し、合併後のまちづくりを計画的に効率よく進めていくことで地域全体のレベルアップが図られ、財政基盤の充実と住民福祉の向上につながっていくものと期待されております。
次に、農業試験場跡地利用の基本方針と公園地域としての利用についての御質問に一括してお答えを申し上げます。
農業試験場用地の跡地利用については、その有効利用を図る観点から、平成7年度に「農業試験場跡地利用の基本方針」を定めております。当該方針は策定から7年経過しており、策定当時との状況の変化もあることから、今後は試験場移転の進捗状況を勘案しながら、その用途について総合的に検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問のうち、合併によって具体的にどの程度の財政力が強化され、専門職が配置されるかという御質問にお答えをいたします。
市町村合併に伴う一般的な効果といたしましては、広域的な観点からの公共施設の効率的な配置や、合併に伴うスケールメリットによる行政コストの縮減等により経費の節減が可能となるなど、また総務、企画等の重複していた管理部門の効率化が図られることにより相対的にサービス提供や事業部門が手厚くなり、広域化、多様化、専門化する新たな行財政ニーズに的確に対応できることが考えられます。
例えば、従来、採用が困難または十分に確保できなかった社会福祉士や保健婦、女性政策、情報化などに対応できる専門職の配置が可能となることが考えられます。しかしながら、合併市町村における財政力の程度や専門職の配置につきましては、それぞれ個別の合併市町村におけるマスタープランとしての役割を果たす市町村建設計画の計画的かつ効率的な実施や、合理的で健全な行財政運営及び人員配置の適正化等に努めることを通して実現していくものであります。
次に、合併特例債についての御質問にお答えをいたします。
日常生活圏の拡大や少子・高齢化の進展及び情報通信技術の飛躍的な発展や地方分権の推進など広域化、多様化、専門化する行政需要に的確に対応しつつ行政サービスを維持・向上していくためには、市町村の自立性を高め行財政基盤の充実・強化を図る必要があり、市町村合併は避けて通れない大変重要な課題であると考えております。
合併特例債は、市町村建設計画に基づく事業や基金の積み立てに要する経費について、合併後10年度間は地方債を充てることができる特例的な財政支援措置です。この合併特例債を有効に活用することにより、旧市町村間の道路や橋梁の整備及び同一内容の施設の重複を避けて行う施設の整備、介護福祉施設が整備されていない地域への整備並びに自治会活動や伝統文化の伝承に対する助成等を行うことが可能となり、地域全体のレベルアップが図られ、地域住民の生活水準、文化水準を高め、住民福祉の向上が期待されます。
次に、ベースタクシーについての御質問のうち、米軍基地と民間地域のバスの運行についての御質問にお答えいたします。
アメリカ海兵隊外交政策部に問い合わせたところ、平成14年3月から米海兵隊軍人・軍属に対する福利組織である海兵隊コミュニティーサービスが、IDカードを所持している海兵隊員等に限定して那覇市と各基地を結ぶバスを金曜日午後から土・日曜日に有料で運行していましたが、6月7日から運行を停止しているとのことであります。
民間事業者への影響に関しましては、バス事業者、タクシー協会に問い合わせましたが、詳細は把握していないとのことです。
なお、この事例に関する道路運送法の適用に関しては、現在、国土交通省で検討中であるとのことであります。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 泡瀬干潟の公文書公開のあり方及び埋め立て問題について、5月の調査結果について県はどう受けとめているかとの御質問にお答えいたします。
御質問の藻場の生育状況に関する数値は、国への取材をもとに環境保護団体が独自に集計したものとのことであります。藻場の移植につきましては、現在一部において生育不十分なところもありますが、そのことについては本年2月に開催された環境監視・検討委員会において、その原因は移植場所の水深や底質によるものであるとの見解が示されたところであります。これら条件を考慮することによりなお一層の移植技術の向上が図られ、活着率も上がるものと考えております。
次に、操業実態調査の具体的内容についてお答えいたします。
漁業補償は、補償額算定の基礎となる漁業実態に関して客観的な資料が限られており、操業実態について漁民からの聞き取り調査に頼らざるを得ないことから、他の補償に比べ実態等を的確に把握することが難しい特殊な補償であります。操業実態の具体的内容としましては、当該漁場内での操業漁種や操業範囲、利用頻度等となっております。
次に、当初の補償額と組合から請求された補償額は幾らかと。
県がコンサルタントに委託し、成果として出された積算額を精査して当初提示した補償額は約10億円となっております。また、漁業協同組合からは転業補償や漁船・漁具改良補償を含め約60億円の要求がありました。
次に、農連市場再開発問題について、農連市場地区の事業概要と進捗状況についてお答えいたします。
那覇市が計画を進めている農連市場地区市街地再開発事業は、農連市場周辺の約4万5000平方メートルの地区について、商業の活性化と都市防災の向上を図ることを目的として市場、商業施設、住宅、公共公益施設、駐車場及び地区内の道路を整備する計画となっております。平成13年度には、那覇市において都市活力再生拠点整備事業により事業化促進のための調査を実施しており、県、市、県経済連及び地区関係者等参加のもと事業化へ向けた検討を行い、資金計画及び施設計画の案を取りまとめております。また、同年11月には地権者で組織する市街地再開発準備組合が設立されたところであります。
今年度は、那覇市において同計画(案)をもとに市街地再開発事業設立のための要件である保留床処分の見通しや入居テナントの意向調査等、事業計画の作成に必要な条件整備を行う予定であると聞いております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 旭橋駅周辺再開発問題について、同事業の手法と第三セクターとの違い等と同事業に対する県の評価、かかわり方等について一括してお答えいたします。
モノレール旭橋駅周辺地区再開発計画は、民間主導で旭橋駅周辺の老朽化した建築物の更新と土地の高度利用を図るとともに一体的なまちづくりを進めるものであり、今後の都市再生を進める上でモデルとなる重要な事業であると考えております。県としましては、このような民間から提案される優良な再開発に対しては迅速な対応、適切な誘導を行い、市街地再開発事業等の補助事業を通して積極的に支援していきたいと考えております。
当該事業の主体は民間であり、地方公共団体の出資や資産の提供で設立される第三セクターとは異なり、採算性の確保は民間が行うこととなっております。また、民間の市街地再開発事業についての県内における実績は、久茂地1丁目地区の再開発のみでありますが、全国では多くの事業が実施されております。
次に、PFI事業は受注が偏ったり、コスト縮減効果が期待できないことについてお答えいたします。
県は、平成14年1月に沖縄県PFI導入指針を策定したところであります。事業の選定については、その中で公平の原則、透明性の原則のもとに選定することとしておりますが、事業執行の適格性等を踏まえ、県内企業の活用を中心に適切に対応していきたいと考えております。
また、PFI事業導入に当たっては、公共機関が直接事業を実施するより、コストの縮減やサービスの向上が図られることを検証することとしております。
次に、計画の中の保留床と県の引き受け及び計画変更による追加負担について一括してお答えいたします。
モノレール旭橋駅周辺地区再開発事業は、民間の事業であり、保留床処分等を含む事業計画の策定は民間が行うものであります。現在、民間で構成する協議会では、地権者や進出企業の意向を踏まえつつ、計画策定に向け作業を進めているところであります。いずれにせよ、市街地再開発事業は採算性の確保が重要であり、県としましても適切に指導してまいりたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) ベースタクシー問題について、ベースタクシーの実態及びノーナンバータクシーの営業行為に一括してお答えします。
御質問のベースタクシーについて、沖縄エクスチェンジ本部事務所へ確認したところ、6月5日現在で法人タクシー294台、個人タクシー94台の計388台が同事務所と契約して運行しているとの回答がありました。同タクシーは各基地ごとではなく、すべての基地を対象に包括的に契約されていると聞いています。
また、ノーナンバーのタクシーについて沖縄地域調整事務所等に問い合わせましたが、その実態が確認できる報告は得ておりません。
ベースタクシーの基地内通行の法的根拠についてにお答えいたします。
ベースタクシーの基地内への立ち入りについては、希望する法人・個人タクシー業者と米軍の管理下にある沖縄エクスチェンジ本部事務所との契約のもとに行われていると聞いています。米軍が金銭を徴収できる根拠については、現在外務省に問い合わせているところであります。
○外間 久子 ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時26分休憩
午後2時29分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 1つには市町村合併の問題ですけれども、きちっとやはり合併しなくてもしても財政の見通しが立つのかどうか。
それは20年間の財政の推計を出さないことには、財政が豊かになるとか、大変また厳しくなるとかというのはわからないと思うんです。その辺の根拠をきちっと示していただかないことには、財政が豊かになるとはまた言えないんじゃないかと思うんですが、その辺の見解をお伺いしたいと思います。
2つ目は、市町村問題で同じく財政力の、合併すると──さっきも答弁がありましたが──特例債があるから大丈夫だと言ったんですけれども、この特例債などというのは実際は建設事業に中心が置かれている内容ですよね。だからさっきの答弁の中でも公共施設をつくるということをおっしゃったんですが、そうなると公共施設をつくるということでは実際財政が豊かになるのか。それを維持管理費にもっと金がかかってくるんじゃないかと。そういうことがひとつ言えるんじゃないかと思うんですが、その辺はどうでしょうか。
それから答弁の中で、合併すると少子・高齢化もあって大変だということだけれども、本当に財政規模が大きくなることと、あるいは財政力が強くなるということはまた別問題だと思うんだけれども、この辺について見解をお伺いしたいと思います。
それから、福祉士も保健師もたくさん来るということをおっしゃいました。ところが実際、総務省の芳山自治行政局長ですか、この方がおっしゃっているのには、市町村合併というのは行政改革の一環だということで、今3000以上ある市町村が1000ぐらいになると4兆円から5兆円はやはり交付税が削減されるということをおっしゃっているわけです。こんな中で職員も減らされるということがはっきりしているわけです。職員は減らされるのに専門職が来るよと、保健師が来るよと、技術屋が来るよと言ってみたところで、職員は減らされて専門職1人が来て本当に住民から見えるようなサービスができるのかどうか、この辺の見解をお伺いしたいと思います。
3つ目には、やはり合併特例債の基本的な性格というのは建設事業の促進だと思うんですね。そうしますと、さっき申し上げましたように公共工事で大型のいろんなものが建てられるとやはり莫大な維持管理費、今の島田懇みたいな形で合併によって大きな建物ができて維持管理ができなくなる、こういう状態が来るんじゃないかなと思うんですが、こういう御心配はありませんかということが1つ。
あと1つは、やはりそのために国保税が上がる、さらには介護保険料が上がると住民への負担が、そのツケが回ってくるんじゃないですかと。その辺については示していただきたい。
そして皆さん方は、今、全県で市町村合併のためのいろんな催し物をやっていますが、やはり市町村合併をやるための物差しになるもの、それは合併したら住民税がこうなりますよと、国保税がこうなりますよと具体的な数字を示さないことには住民は判断できないと思う。いいものばかり、バラエティーに富んだものばかりを宣伝したんでは市町村合併の問題というのはわからないと思います。ですから本当にその中身というものをきちっと物差しを示していくこと。将来の実際上はどうなるかということを皆さん示していますか。
それから、本当に行政がきちっとしてサービスがよくなるよということを具体的な数字を挙げて示していますか。この辺もひとつ示していくということを、はっきりしていただきたいということをお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。泡瀬の問題ですけれども、1つ、先ほどの新川議員への答弁の中での土木建築部長の答弁は、補償額というのは沖縄市の方が十分検討した上での回答だということを答弁なさいました。ところがその中身というものは、実際に沖縄市で検討されたものじゃないわけですよ。その件について本当に検討した上での答弁だったのかどうか。それは、去年の12月の沖縄市の市議会の中で稲嶺助役の答弁をきちっと皆さんごらんになっているのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
そして、沖縄市で検討した上での答弁だということであれば再度また質問しますけれども、その議事録との関係で事実関係を明らかにしていただきたいということ。
2つ目には、この補償額というのは、あの辺でやっている漁師だけじゃなくて、遠いパヤオなんかに行っていて、ここでは一本釣りもやらない、何もやらない人たちが遠いところで関係のないところでの皆さん方がたくさんの補償額をもらっているんじゃないかと。その辺について実際調査をなさったのかどうか、お伺いしたいと思います。
次に、移植の問題ですけれども、この前、大変いいことで合同調査が行われて、ところが新聞に出ているように専門家の皆さん方も意見が分かれたと。やはり時間の経過を見なければわからないということでおっしゃっているだけに、この問題についても私は具体的にこんな状態の中でこの8月の着工を進めていくのかどうか。本当に移植の問題、これでよしとしているのか、その辺の問題をお伺いしたいと思います。
知事、今知事公舎に住んでいる近くに私も住んでいるんですが、私も小さいころをよく覚えているんだけれども、あそこは本当にすごい農業試験場でした。そのときに皆さん方が真地に引っ越すときの昔の57年の陳情書を今回していますけれども、やはり農民の皆さん方があのとき反対運動をやった。ところがいろんな話し合いの中で、これからの沖縄の農業を考えたときに、やはり後継者を育てる農業の発展のためにも、いろいろあるけれども提供しようやという経過の中で今の真地に農業試験場が引っ越したという経過があるわけです。それだけに今いる皆さん方というのは、子供や孫の時代になっています。親たちから話も聞いているわけです。
そういう点で、あの真地の農業試験場跡に本当にジョギングができる公園が欲しい、子供と遊べる公園が欲しい、こういう要求が今陳情も出されていますんで、ぜひともその立場に立って知事の施政方針の立場から、あそこの分を陳情の趣旨に沿ってひとつ新しい緑豊かな公園をつくってもらいたいということで知事の決意をお伺いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時37分休憩
午後2時41分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の再質問にお答えします。
その前に、外間久子議員の方から1956年でございますから、今から46年前の陳情書を渡されまして読ませていただきまして、多くの人の思いというのを十分に感じました。
それで、今後のこの計画につきましては、先ほどもちょっとお話しましたように、農業試験場跡地利用の基本方針については策定から7年も経過しておりますので、策定当時との当然状況の変化もあることで、今後はいろいろな皆様の思い等を考えながら、試験場移転の進捗状況を勘案しながらその用途について総合的に検討していきたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 合併についての御質問にお答えをいたします。
市町村合併に対する県の基本姿勢につきましては、日常生活圏の拡大、地方分権の推進、そういった広域化、多様化、専門化する行政需要に的確に対応しながら行政サービスの水準を維持していくためには、市町村合併を通して本県市町村の自立性と行財政基盤の充実・強化を図る必要があると考えております。
市町村合併は、地域の将来のあり方や住民生活に深くかかわる重要な事項であることから、市町村や議会、地域住民の方々が十分に議論を行い、決定していくべきものであると考えております。県としましては、平成17年3月までに国や県の支援制度を最大限活用して多くの市町村で合併が実現するよう市町村の自主性、主体性を尊重し、また離島市町村を含め本県の地域特性にも十分配慮しながら市町村合併を積極的に進めているところであります。
御質問の中で、財政力等についての見通しとかいうものもはっきりさせるべきではないかという御質問でございますが、市町村合併に伴う一般的な効果としては先ほども御答弁申し上げたとおりでございます。広域的な観点からの公共施設の効率的な配置、合併に伴うスケールメリット等による行政コストの縮減等により経費の節減が可能、それから重複しているような組織部門、これが効率化されることによって行政サービスの提供、事業部門が手厚くなる結果、多様化、専門化、広域化するような新たな行政ニーズに対応できることが考えられます。
例えばということで例示を申し上げましたが、しかしながら合併市町村における財政力の程度や専門職の配置等につきましては、それぞれ個別の合併市町村の組み合わせ、そして組み合わせによって合併をしようとする団体の将来のその地域の建設構想、それから行財政サービスの重点化、ここらあたりの計画を市町村計画の中で位置づけてまいりますので、個々に一般的な財政力がどうこうということで一般的なことは考えられますが、具体的にどうなるかというのは合併の組み合わせ、それから組み合わせた後の新しい市町村建設計画の中でどのような位置づけで事業を進めるか、その地域をどのような形で建設をしていくか、そういうことによってケースごとに異なるものがあると考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) まず沖縄市からの回答についてですけれども、私どもは妥当であるということで受けとめておりますけれども、ただ沖縄市内部のことなのでこちらではちょっと申し上げられません。
それから第2点目ですけれども、漁業補償について漁の種類などの話がありますけれども、これも我々関係漁協の方、それから漁民の方から聞いてそれを受けとめておりますので、そのことについてもこれ以上のことは、想定した話はできません。
それとお金の方がどこまで行き渡っているかということにつきましても、向こうの内部のことなので調査もしておりません。そういうことです。
それから、今後着工の時期のお話がありますけれども、これにつきましてはまた今回の調査の結果も次の委員会の方に報告いたしまして、そこでいろいろ話し合われた結果をもとに国の方で、また関係機関と話し合いながら着工の時期を決めていくというふうに聞いておりますので、そういうことでございます。
○外間 久子 屋嘉部局長、1つは、特例債は10年間、15年からは返済の期間が来る。こうなると各市町村の財政というのは、そのときには地方交付税も減らされてくる。返済の期限が迫ってくる。財政力は大変になるんじゃないですか、その点はどうお考えでしょうか。
2つ目ですけれども、泡瀬の補償額の問題ですが、今私は沖縄市議会の去年の12月の議事録を持っているんですが、稲嶺助役の答弁では、これはやはり難しくてわからないと。答弁ですよ、読みますか。答弁は、大変短期間の調査で判定は難しいと。だからなかなかこれに回答ができないと。ところがこれは出さなきゃならないということで自分の責任においてやったと。だからそれをやるための実質的な技術もないと、調査する日程もないと、期間もないから県の言うままのこの添付資料に基づいて回答しましたというのがこの答弁なんです。
ですから皆さん方が言うように、要するに工事を進めるために何が何でもやはり漁民をのみ込まそうと、金でもってやろうという形でこの数字でのめというのがこの漁業補償の内容じゃないかということなんですが、その辺について皆さん方の答弁と沖縄市の議事録の内容とがかみ合わないんですが、その点について再度御答弁願いたいと思います。
それからあと1つは、やはり屋嘉部局長にですけれども、1つには行政改革で専門職が来るというけれども、実際職員を行政改革で県だって減らしているわけでしょう。各市町村だって減らしてくるわけでしょう。行政改革の一環の市町村合併だって言うんだったら、その市町村の職員が減らされて1人の専門家で仕事できますか、住民サービスできますか。このことについてもひとつメリットもいいけれども、デメリットもこんな状態ですよということをきちっと明らかにするということを約束していただきたい。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時50分休憩
午後2時51分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 沖縄市の回答の件につきましては、向こうの内部のことなので私の方からはお話できません。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 合併についての再質問にお答えをいたします。合併特例債についてお答えをいたします。
合併後の市町村のまちづくりのための建設事業に対する財政措置として合併特例債というのがあります。
それから、合併後の市町村の振興のための基金造成に対する財政措置というのが合併特例債ということでございます。
起債につきましては原則としてハードのものが対象でございますが、建設事業に対する財政措置としてやっていくものは、対象事業として合併後の市町村の一体性の速やかな確立を図るために行う公共的施設の整備ということで、先ほど御答弁申し上げましたように、合併後の市町村の住民相互が一体感を持つために行われるような施設の整備、例えば運動公園等の整備、それから旧市町村間の交流や連携が円滑に進むような施設の整備として道路、橋梁、それから合併後の市町村の均衡ある発展ということで公共的施設の整備を行う。介護施設、福祉施設等がなければ、ない地区への施設の整備、それから合併市町村の建設を総合的かつ効果的に推進するために行う公的な施設の総合的な整備ということで類似の目的を有する公共的施設を統合するような事業、こういったものが合併特例債のハードの事業として認められて制度として準備されております。
それから基金等につきましては、これは本来起債はハードのものだけが対象でございますが、合併に関しては合併後の市町村が地域住民の連帯の強化または合併関係市町村の区域における地域振興等のために積み立てる基金についても起債ができるようになっております。両方とも充当率はおおむね95%といたしまして、元利償還金の7割につきましては普通交付税で算入することになります。ですから御質問のように、10年以降で償還が始まりましても償還金の7割は普通交付税で制度的に面倒を見てもらえるということになっております。
それから、次の専門職の関連でございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり一般的にはそのように言われております。ただ、個別的にどういった地域の、どういった市町村が合併するかによってその新しい市町村の建設計画の中でどういった専門職が手薄になっているのか、それから今後必要となるような行財政ニーズにこたえるような組織はどうあるべきかというのは新しい市町村計画の中で個別に検討され、そして個別に配置されていくものだと考えております。
これが先生御質問の趣旨、私よくあれですが、専門職が全国的に配置されるということではございません。要するに新しい市町村建設計画を立てるに当たって、これまでなかなか配置したくてもできなかったような専門職が組織の効率化によって配置が可能になるであろうと、こういうような御説明でございます。
以上です。
○兼城 賢次 所見を述べながら質問をいたします。
知事の政治姿勢についてでございます。
ことしは、復帰30年の節目を迎え式典も行われました。その一方で式典への抗議集会もありました。核も基地もない平和な沖縄を求めて復帰運動は進められました。式典に抗議する人たちは、「復帰は沖縄の望みとは相いれないものだ。政府による基地の押し付けで不条理な構造的差別を生んでいるのが現状だ」と強く批判をいたしております。
基地は、アメリカ統治の27年どころか、復帰30年県民の願いとは裏腹に今なお連綿としてあります。いずれのマスコミの世論調査も基地の整理縮小が圧倒的多数ですが、遅々として進みません。外交と防衛は国の専権事項だというが、日本政府の思いやりが基地問題に大きな壁として立ちはだかっています。国の専権事項も一地域の人たちに犠牲を押しつける専権事項に一体どれだけの正義があるというのでしょうか。沖縄戦の実態は決して国が言う専権事項が県民を守るどころか、県民を犠牲のどん底に陥れただけではなかったではないですか。
さて、復帰30年式典でべーカー駐日大使が米軍の受け入れに感謝するという発言があり、県民感情を無視したものだと知事も抗議されました。アメリカではウルフォウィッツ国防副長官が米軍駐留は沖縄に有益であると述べています。知事は昨年、理解と協力を求める目的で訪米いたしました。多くの米国民に会って本県の基地問題に関する理解と協力を求める機会を設けることができたので成功であったと述べております。
そこでお聞きいたします。
1点目は、復帰30年の沖縄の状況についての所見をお聞きいたします。
2点目に、アメリカ政府高官の発言に見られる基地問題に対する認識についてお聞きいたします。
次に、米軍機事故についてお伺いをいたします。
4月8日にF15戦闘機から照明弾が落下。17日、普天間飛行場の滑走路でCH53E大型輸送ヘリコプターの補助燃料タンクが落下。24日、F15戦闘機の風防ガラスが海上に落下。25日には、きわめつけともいうべき嘉手納基地と民間地域上空で燃料漏れを起こした空母艦戦闘機C2輸送機が緊急着陸をいたしております。
記事をメモ風に書き連ねたものですが、一歩間違えれば住民地域に落下し重大な事故になりかねない数々の事故がわずか半月の間によくも発生したものです。県議会、市町村議会も連続発生する落下事故を異常事態として抗議決議をいたしておりますが、たび重なる抗議決議も連続して起こる事故にむなしい思いをし、いら立ちの声があります。
嘉手納町議会を中心に超党派議員抗議集会が安保の丘で行われました。参加者の市議会議員は、「事件・事故の度に抗議決議を繰り返してきているが、毎回、民意が米軍や政府に伝わっているのかという不満を感じ、ジレンマに陥っているのが現状だ」と述べております。米軍はともかく、日本政府にすら県民の抗議の意思が伝わっているだろうかという思いのむなしさは何とも悲しいものです。私たちの政府はこんなものかとの思いは、ウチナーンチュはヤマトゥンチューになる必要はないかもしれないが、なりたくてもなれないようにしているのが政府の沖縄政策ではないか。
沖縄に基地を押しつける地理的優位性が必ずしもそうではないということは、情報公開法などの資料でアメリカと日本政府の考えが明らかになっています。
スティーブス書簡によれば、当初米軍当局も海兵隊の沖縄配備に否定的でありました。1972年1月、サンクレメンテ日米首脳会談で、那覇空港のP3C対潜哨戒機部隊を岩国基地や三沢基地に移転されれば政治的問題を引き起こす。日本本土でなく沖縄の別の基地に移転してほしいと福田赳夫外相がロジャース国務長官に要請したという事実は、基地問題の現状を日本政府がまともに取り組むことを期待し得るものなのか。米軍は、連続して発生した落下事故をF15戦闘機の風防ガラス落下のみを事故としております。事故の事実さえうやむやにしてどうして原因究明し再発防止に役立てることができるというのか、この認識の違いは大きいものがあります。
そこでお聞きいたします。
1点目、事故の取り扱いや説明会をどのように受けとめておられるのか。
2点目、連続して発生する事故に嘉手納町、北谷町、沖縄市の三連協の声明を県はどのように受けとめておられるか。
次に、米軍基地の環境汚染についてお伺いをいたします。
具志川市昆布在米軍貯油施設におけるテトラエチル鉛投棄についてお伺いをいたします。
5月15日の琉球新報によると、1972年7月、具志川市昆布の米陸軍貯油施設・金武湾タンクファーム敷地内で米軍が地中に有毒物質のテトラエチル鉛を投棄されているが、「県は当時、米軍に撤去を求めたが、米軍側が撤去したことを示す記録は見当たらず、現在も汚染物質が地中に放置されている可能性が高い」とされております。
当時、県の調査申し入れに現地米軍に何の権限もないとして拒否し続けておりましたが、政治問題化の動きに米軍も調査を許可し、その結果、鉛の排水基準の1ppmを上回る7.1ppmのテトラエチル鉛が検出されています。別の調査では、この陸軍貯油施設付近の土からは315ppmという大量の鉛が検出されていることも報告されております。米軍は、テトラエチル鉛の埋め立てが発覚して間もなく廃棄場所にカヤを植えカムフラージュを既にやっております。
当時の県の担当者は、どういうわけで草を植えたのかわからないが、毒性の強いものを勝手に廃棄しながらそれを草を植えてごまかすような無神経なやり方にはあきれる。早く調査して実態を明らかにしなければならない。しかし、許可が出ないと手も足も出ないので全く困った話だと嘆いています。
この施設は、1976年9月18日から20日にかけてパイプライン洗浄液の油脂、薬物流出事故で高い鉛の検出で広範囲にかなりの農作物や天願川が汚染されるということも起こっています。
1984年にもBOD3万6400ppmと非常に汚染度の高いジェット燃料洗浄水が天願川に流出する事故が発生いたしております。30年前のことで廃棄場所の特定が難しいとのことですが、当時その場所に立ち会った方々もいますので必ずしも場所の特定は難しいものではないと思います。
そこでお聞きいたします。
1、廃棄されたテトラエチル鉛が実際にどのように処理されたか調査すべきと考えますが、どう対応なさいますか。
2点目に、現在も貯油施設はありますが、テトラエチル鉛はどのような処理がなされているのかお聞かせいただきたいと思います。
次に、キャンプ・コートニーのクレー射撃場の鉛汚染について通告をいたしましたが、6月22日の新聞に質問の趣旨が明らかになっておりますので、通告は取り下げます。「食品衛生上、人の健康に影響を与えるものではない」ということでありますが、米軍は1998年の射撃場の環境汚染調査で周辺の砂浜との比較調査の結果、鉛含有量が25倍もあることを公表しております。水域の鉛が拡散したりヒジキに吸着したものの既に刈り取られていることから、当初の汚染ぐあいが明らかにされることはないと思います。いずれにいたしましても漁民や市民が安全な状態で安心してヒジキ漁が再開できるようにしていただきたいと思います。
県は、防衛施設庁の調査結果についていつ入手されたのか。汚染が問題になったときにヒジキ養殖実験の県の取り組みの話もありましたが、状況がどういう状況なのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、天願川整備についてお伺いいたします。
地域の人たちは、大雨のたびにはんらんし浸水するのではないかとの不安を持っております。特に、昨年の台風16号による被害が大きかっただけにその思いは強いのであります。はんらんが見る見るうちに勢いを増していくので避難する余裕さえなく、危険な状態に置かれるということです。担当部局は、これまでの質問で天願川の整備には15年ぐらいかかるだろうということですが、地域に住む人たちにとっては承知できるものではありません。
強い雨が降り出すとはんらんの心配や不安のある人たちの安心と安全のためにも早急な整備をしなければなりません。遅々として進まぬ整備でありますが、応急措置的なことも進められていることも承知いたしております。現在、天願橋上流で堆積処理工事が進められておりますが、最も肝心なのはそれに続く天願橋のたもと付近の蛇行を整備し米軍の高層住宅に挟まれた部分が拡張されなければ不十分であること。それは天願橋で逆流しはんらんしたことからもわかるように、現在進められている堆積処理と一体的に下流の処理が進められなければスムーズな流れにはならないということであります。
そこでお聞きいたします。
1点目は、堆積処理工事の進め方として天願橋下流も同時に進めるべきではないかということです。
2点目に、天願川重要水防区域に追加されることによってこれまでの整備の進め方とどう違うのか。
3点目に、水位観測センサーが取りつけられていますが、どのように活用されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
次に、我が会派の平良長政議員の代表質問との関連で質問をいたします。
有事法制についてであります。
「備えあれば憂いなし」などともっともらしいことが言われておりますが、これも状況と条件などがあればのことであって、戦争を前提とする武力の備えは相対的なものでエスカレートすることは米ソの冷戦時代を見るまでもありません。戦後57年の平和行政こそ継続し大事にされなければなりません。日本の状況は憲法9条の精神こそ追求すべきであります。有事法制は戦争をするための法律ですから沖縄にとってこれほど理不尽なこともありません。さきの沖縄戦の不発弾の後始末もなされぬうちに戦争をするための法律はいけません。有事法制は慎重審議ではなく、廃案にすべきであります。沖縄の現状からしてこの有事法制に反対すべきと考えますが、知事の所見をお聞きいたします。
次に、沖縄経済振興についてであります。
県議会決議で全会一致された4項目について、決議に反してなぜ国に要求しなかったかとの質問に在沖米軍全体を含むものだという。日米地位協定は環境問題などが盛り込まれているという答弁をいたしておりますが、海兵隊の海外移転は海兵隊が事件・事故が多いこと、海兵隊の訓練を海外へ移転することが目に見える形での削減・縮小になるからであります。地位協定も明記すべきものであります。海外移転の決議の趣旨を勝手に解釈しているのではありませんか。
説明を願います。
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、復帰30年の沖縄の状況についての御質問のお答えでございます。
3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策が推進された結果、社会資本の整備を中心に着実な成果を上げ、各面における本土との格差は次第に縮小するなど本県の経済社会は着実に発展してきています。しかしながら、産業基盤等についてはいまだ整備が十分でない分野が存在しております。また、完全失業率は本土に比べ高い水準で推移しており、県民1人当たりの所得についても全国の中で最下位の状況にあります。
さらに、今後、我が国のアジア・太平洋地域の中で果たす役割を担うためのアジア・太平洋協力・交流拠点の形成についても十分ではありません。加えて、本県にはなお広大な米軍施設・区域が存在しており、本土に復帰して30年を経てもいまだに本土に比べ大きな負担を背負っております。
このようなことから、本県の経済社会は着実に発展してきたものの、なお解決すべき多くの課題を抱えております。
次に、米政府高官の発言についてお答えをいたします。
べーカー駐日大使及びウルフォウィッツ米国防副長官の発言については、戦後57年余も過重な米軍基地を負担してきた県民感情を考えた場合、受け入れることはできないと思います。このことについては去る5月20日に来庁したクリステンソン駐日米国首席公使及び6月13日に来庁したウィリアムズ米国海兵隊副司令官に対し同趣旨のことを申し上げたところです。
県としては、今後とも基地を抱える本県の実情や県民感情について、米国政府を初め多くの方々に理解してもらえるよう訴え続けていきたいと考えております。
次に、三連協の声明についてお答えをいたします。
三連協では、去る5月7日に、最近相次いで発生した米軍航空機関連事故に関して、抗議に対し現状が改善されていない、関連自治体への事故通報が遅いなどの抗議声明を出しております。県としては、このような三連協の意向等を踏まえ、また当該事故が県民に大きな不安を生じさせていたことから、去る5月14日に四軍調整官代理及び橋本沖縄担当大使に呼びかけ、三者による緊急の会合を開催しました。
会合では、県民の不安の解消を図るため小さな航空機事故についても通報を行うこと、また一連の事故原因の徹底究明及び再発防止に努めること、並びに今後の一層の安全管理について万全を期することなどを強く求めました。県としては、県民の生命と財産を守る観点から、今後とも航空機関連事故を初め米軍に起因する事件・事故の再発防止について日米両政府に対し強く働きかけてまいりたいと考えております。
次に、我が会派の代表質問との関連についてのうち、有事法制についてお答えいたします。
現在、国会で審議されている武力攻撃事態対処法案を初めとする関連3法案については、これまで有事における対応について法的な根拠が示されていなかったことから、政府においては法治国家として法的整備を図る必要があるということで同法案を国会に上程されたものと承知しております。同法案の審議に当たっては、直接県民の生命財産を預かる地方自治体に対して国は十分な説明を行い、その意見を尊重するとともに、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で単に沖縄という一地域の問題としてとらえるのではなく、国民全体で取り組むべき重要な課題であると考えており、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して要望しております。
このような県の考え方については、九州地方知事会から国へ提出した要望書にも盛り込まれており、6月12日の政府と各都道府県知事との意見交換会においても直接政府に申し上げております。
次に、沖縄振興計画案への地位協定の明記についてお答えいたします。
県議会においては、「基地内の環境保全、返還跡地の有効利用の障害とならないよう日米地位協定を改正すること。」との決議をされておりますが、県としては、同決議の趣旨を踏まえ基地内の環境保全についてはいろいろな場を通して問題解決のために幅広く協議する必要があると考え、米国政府との協議を通じて対策の強化に努める旨を記述しております。
また、返還跡地の有効利用を図る観点から「駐留軍用地跡地の利用の促進」の項においても、駐留軍の使用に起因する土壌等の汚染の除去などの原状回復措置について記述しております。
なお、県としては、日米地位協定の見直しについては「施設・区域の環境保全等」の条項を新設することを含めて、平成12年8月に日米両国政府に対して11項目の見直しを要請したほか、これまで機会あるごとにその実現を求めており、今後ともあらゆる機会を通して訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 米軍機事故について、事故の取り扱い及び説明会についてお答えいたします。
在日米軍にかかわる事件・事故の通報体制については、日米合同委員会において通報すべき事件・事故や通報経路の確立などについて合意されており、また三者連絡協議会の場で、米軍は日米合同委員会合意の対象とされない米軍施設・区域内で発生した緊急・予防着陸についても、「地元住民に影響を及ぼす可能性があると判断される場合は、好意的通報を行うことを確認。」しております。
しかしながら、米軍においては昨年9月と10月に嘉手納飛行場で発生した航空機の緊急着陸に関して予防着陸であり事故ではないとしており、また最近相次いで発生した米軍航空機関連事故についても米軍と県民との間に認識のずれがあると思われたことから、県は国、米軍、県の三者による緊急の会合を呼びかけ、去る5月14日の同会合の場ですべての航空機事故について通報すべきである旨、申し入れました。
県としては、県民の不安、不満の解消を図るため、これまでに確認されている通報以外の小さな事故についても速やかに情報を提供するよう、三者連絡協議会等を通して強く求めていきたいと考えております。
なお、米軍は一連の航空機関連事故について、去る5月8日及び5月13日に関係機関に対して安全対策、調査手続及び整備等の説明会を開催しておりますが、県としては、当該説明会により周辺自治体や住民の不安が十分に解消されたとはいえないと考えております。
米軍基地の環境汚染について、テトラエチル鉛の処理にお答えいたします。
テトラエチル鉛投棄問題については、昭和47年当時に県が現地調査を実施した結果、投棄場所からテトラエチル鉛が検出されたものの、周辺の川や土壌からは検出されなかったという経緯があります。投棄されたテトラエチル鉛の処理について具志川市及び那覇防衛施設局に照会したところ、具志川市からは、30年以上も前のことであり事実の確認が困難な状況にあるとの回答があり、また那覇防衛施設局からは、事実関係を米軍に照会しているとの回答がありました。
県としては、今後とも情報の収集に努めるとともに、国や具志川市とも連携しながら適切に対処したいと考えております。
また、貯油施設内のテトラエチル鉛の状況については、在沖米陸軍渉外室に照会中であります。
キャンプ・コートニー射撃場鉛汚染問題にお答えいたします。
国においては、平成14年3月9日から29日までの間、米側が実施した調査の結果を踏まえ、補完的調査として、同水域のヒジキについて食品としての安全を確認するためのヒジキの鉛含有量の調査を実施したところでありますが、国は去る6月21日に当該調査結果を発表し、食品衛生上の観点では人の健康に影響はないとしています。
県としては、周辺海域に残存する鉛弾の除去、レンジ跡地の土壌浄化、周辺海域及びビーチにおけるモニタリング調査の継続実施についても早急に取り組んでいただくよう国に働きかけていきたいと考えております。
なお、同水域における漁の再開については、那覇防衛施設局によると、米軍は当該水域における制限を解除することを検討しているとのことであります。
以上です。
○農林水産部長(天願貞信) 米軍基地の環境汚染について、ヒジキの移植試験についてお答えいたします。
キャンプ・コートニークレー射撃場沖の関係海域は、射撃レンジから半径300メートル、面積にして約13.2ヘクタールとなっております。
当該水域を含む宜野座村から具志川市にかけての水域には共同漁業権第7号が設定されており、ヒジキ漁業などが営まれております。平成12年には5名のヒジキ漁業者によって漁獲高22トン、550万円の生産額を上げております。しかしながら、当該水域におけるヒジキ漁業は、米軍側により平成13年1月から操業が規制されている状況にあります。
県においては、地元漁業関係者の要望を受け、ヒジキの移植試験について昨年から水産試験場普及センターにおいて実施をしております。昨年は、予備試験として室内実験による種つけ試験を実施しており、その結果を踏まえて今後は移植先の海域の調査や沖出し試験を継続して実施していく考えであります。
以上であります。
○土木建築部長(安慶名正行) 天願川整備についての、天願川下流の堆積処理工事についてお答えいたします。
天願川における緊急対策としては、昨年の台風16号による浸水被害を踏まえ、下流部の宇堅橋から天願橋上流の赤田地橋までの区間の堆積土砂を除去することにしております。宇堅橋から上流約200メートルの区間と天願橋から赤田地橋の間350メートルについては、6月19日までに堆積土砂を除去しております。
また、天願橋から下流側の米軍施設内の区間については、調査と工事のための立入許可が必要であることから、現在、那覇防衛施設局に申請をしているところであり、許可が得られ次第速やかに工事に着手したいと考えております。
次に、重要水防区域に位置づけた場合の整備についてお答えいたします。
天願川については、昨年の台風16号による浸水被害を踏まえ、平成14年度沖縄県水防計画において重要水防区域に位置づけたところであり、これにより重点的な河川整備が図られることになります。天願川の整備については、平成13年度補正予算で3億円を確保するとともに、平成14年度においても6億円を計上し重点的に整備を進めているところであります。今後とも重点整備を図り、浸水被害の早期解消に努めていきたいと思います。
次に、水位観測センサーの活用について。
天願川における水位観測センサーは、河川情報システム整備の一環として平成10年度に設置しております。河川情報システムは、県内の主要河川に設置した雨量計と水位計のデータを河川管理に使用するとともに、市町村及び地域住民が沖縄県防災情報システムを介して情報を得て地域水防活動に活用するものであります。
以上でございます。
○兼城 賢次 有事法制についてですが、福田官房長官が有事法制特別委員会で答弁して、沖縄は米軍基地がたくさんあることを考えれば、その分の負担は追加的にあると述べております。追加的負担になるというちょっとわけのわからないことを言っているんですが、こういうことを言うということ自体おかしい話ですが、要するに他府県に先駆けて有事の状態、戦争状態になれば標的にされて爆撃されますよということを明確にこれは言っているわけでございます。
多くのさきに質問した方々も、有事法制に関しては、さきの沖縄戦の二の舞になりかねないと、だからこの沖縄の県民を代表する知事は明確にこれは反対すべきだということを表明すべきだと言っているわけです。
我々は、沖縄県民と日本国民の利害を考えた場合に、日本の中の沖縄というけれども、沖縄の立場から物事を考えないと、日本国民と沖縄県民の利害関係は等しくないんですよ。そういう利害関係が明らかに我々県民の立場からすれば被害をこうむるというのであれば、日本国家の立場云々、全国のことを考えるというけれども、きのうの平和の礎の精神からしてもこういうようなことじゃいかないんじゃないのかと。沖縄は沖縄の立場から知事は明確に反対すべきだということを、決意すべきだということを私は申し上げておりますので、その「備えあれば憂いなし」だというようなことではない。しかもソ連とアメリカの冷戦のあの緊張した関係の中でもこういう法律はなかったわけですから、何も慌てて、しかも今の時点でこの有事法制をつくる必要はないんだという明確な反対をすべきだということを申し上げておりますので、知事の再度の決意をお願いしたいと思います。
それと、ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時30分休憩
午後3時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○兼城 賢次 次に、三連協のことですが、綱紀粛正だとか、あるいは再点検をして事故が起こらないようにと、ちゃんとするまで航空機の飛行中止を求めているわけですが、しかしアメリカは、四軍司令官は、もうそういうことは関係なくして飛行再開をすると。こういう抗議やあるいは申し入れを何度繰り返せばいいのかということの思いがあの超党派の議員の抗議集会になっているわけですけれども、こういうことを何度繰り返せばいいのか。知事の、言ったことは言ったんだ、申し入れた申し入れたんだということ、それだけではもうどうしようもないわけですから、その後どうするのかということをひとつ知事の方で明確に、申し入れだけではなくして、今後、これでも聞かなければどうするかということを知事の考えを聞いておきたいと思います。
それと、アメリカの高官の発言ですが、県民感情を無視してきたということを繰り返し述べておりますけれども、知事、先ほどアメリカ訪問についても申し上げましたけれども、沖縄の実情を知らないんじゃなくして、そういうことを嘆くよりも、そのように受け取れるようなことをずっとイメージを与えているんじゃないのか。だからそういうイメージを与えないために、知事、これから対応しなきゃいけないんじゃないのかということを申し上げております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時32分休憩
午後3時38分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の再質問にお答えいたします。
まず、有事法制の関連ですが、これについて沖縄県サイドとしては大変強い要望を出しております。それは、我が国の外交や安全保障のあり方も含めて国民の意見を聴取の上、慎重に議論してくれと。しかも我が国の安全保障を考える上で、単に沖縄という一地域として基地問題をとらえるのではなく、米軍基地の整理縮小を求める県民の意向を踏まえて、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して強く要望しております。今後とも強く要望したいと思います。
次に、海兵隊の海外移転の問題でございます。これについてお答えいたします。
県議会で決議された海兵隊の海外移転について、沖縄振興計画案においては「在沖米軍の移転を含む米軍施設・区域の整理・縮小に積極的に取り組む」と記述しております。これは、海兵隊のみならず在沖米軍4軍すべてを含めて幅広くとらえて記述したものであります。また、「在沖米軍の移転」については、基本的には県外への移転を想定したものであります。
それと最後に、いろいろ事故が起きていると、あるいは米軍の高官の発言等もあると、もっと強くやれという、発言をしろというお話でございます。
これについては、私としても沖縄県民の多くの皆様方の基地の整理縮小、しかも事故の再発防止という強い希望を含めまして今後とも強く求めていきます。
○兼城 賢次 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時40分休憩
午後3時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明25日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後3時46分散会