○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
昨日、知事から、お手元に配付いたしました議案1件の提出がありました。
次に、6月10日から20日までに受理いたしました陳情9件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第19号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
新垣米子君。
〔新垣米子君登壇〕
○新垣 米子 ちょっと休憩お願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前10時1分休憩
午前10時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○新垣 米子 最初に、我が党の代表質問との関連で質問をします。
「象のオリ」移設問題で、移設先の施設は楚辺通信施設と同じ性能と任務を持つのかとの我が党の宮里議員の質問に対し、米軍運用上の問題で公表できないとの施設局の回答と答弁をしました。機能がどうなるのか明らかになっていないのに、どうして縮小と言えるのか。米軍や施設局の言いなりでいいのか。通信施設は、湾岸戦争の例を引用するまでもなく軍事戦略上、目、耳であり、先制攻撃とテロの優先的目標です。県民の安全を守るためにも日米両政府に確認し、中止を求めるべきではありませんか。改めて答弁を求めます。
それでは通告に従って質問を行います。
まず1つ、県民の命と健康を守る課題について。
(1)、医療制度改悪についてです。
自民、公明、保守の与党3党は、21日の衆院本会議で、サラリーマン本人の医療費自己負担の3割への引き上げなど、年間1兆5000億円もの負担増を押しつける医療改悪法案を強行可決しました。2600万人、国民の5人に1人の署名に示された医療改悪反対の切実な声を無視した暴挙に怒りの抗議を表明するものです。
今回の医療改悪は、県民と高齢者に深刻な打撃を与えるものです。この影響についてどう認識されていますか。知事の所見を伺います。
国民の負担増なしに医療制度の本来の精神を取り戻し、真に持続可能で安定的な医療制度にするために我が党は3つの提案をしています。第1に、削られた医療保険への国庫負担の割合を計画的に戻すこと、第2に、不当に高い薬価を欧米並みに引き下げること、第3に、窓口負担の軽減、保健師の増員などで早期発見、早期治療の体制を確立することです。この提案についての知事の所見を伺います。
我が党は、日本の医療をゆがめている問題の一つに異常な高薬価を指摘し、その是正を求めてきました。国民と医療機関に痛みを押しつけながら、独占的高薬価で莫大な利益を得ている大手製薬企業に対して何らメスを入れていません。欧米諸国と比べて2倍から4倍も高い薬価を欧米並みに引き下げるだけでも全体で2兆円から3兆円節約でき、国民に負担増を押しつける必要はないのです。
今月10日に厚生労働省は、全国の国立病院に対して安い後発の医薬品を積極的に使うよう通知を出しました。県立病院における薬剤購入費を抑え、患者負担を軽減するためにも高い新薬から薬効が変わらない「後発品」に変更する考えはありませんか。病院会計における薬剤購入費と支出の中の割合はどうか。その中の新薬はどれくらいか。「後発品」に切りかえるとどれだけの節約になるか、お伺いします。
ある民間病院の4月の外来で「短期証」の患者延べ件数が500件、前年度と比較しても異常な件数であるとの報告を受けました。今回の医療改悪は、ますます保険料の滞納世帯の増加、「短期証」の増大に拍車をかけることになるのは明らかです。その実態について、また何が原因と考えるか伺います。
19市町村が国保の3割自己負担の軽減措置を実施している長野県は、1人当たりの老人医療費は全国最下位です。窓口での負担軽減が早期発見、早期治療で医療費全体の軽減につながっているのです。長野県の教訓を学んで積極的に市町村への助言と助成をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
(2)つ目に、介護保険についてです。
来年度から保険料が県平均で約5200円との試算が示されました。全国でも一番高い現在の保険料にさらに2000円の引き上げです。本県の高齢者がこの高負担に耐えられると考えていますか。高負担に対して市町村から意見が出ていませんか。県として調査していますか。
県は、低所得者に対する負担軽減措置を今後指導していくとの方針を示しました。市町村への指導はどうなっていますか。
県下35市町村を網羅した広域連合結成が予定されていますが、広域の中における参加市町村の減免措置が担保できるよう指導・助言すべきと考えますがどうか。
地方分権の立場からも減免措置に対する国の3原則押しつけをやめるべきではありませんか。
市町村における介護予防、生活支援、生きがい支援事業の実施状況についてと、今後どう促進していくのか。
介護保険制度の改善と高齢者の負担軽減のために県としての独自の事業・施策は不可欠です。どのような施策を検討しているか伺います。
2つ目に、県民の暮らしを守る課題について。
児童扶養手当削減問題です。
月7万円に満たない収入で家族3人が細々と暮らしている私たちにとって、死の宣告を受けたにひとしいと新聞に投書された女性の悲痛な訴えは、本県のすべての母子家庭の声ではないでしょうか。先に手当の削減ありきで、弱者切り捨ての政治に対する大きな疑問と怒りが沸き起こっています。
影響を受ける母子家庭の実態について。
また、母子家庭の出現率が全国の2倍以上の本県として独自の支援策を講ずるべきだと考えますが、どのような対策をとるお考えか、お伺いします。
(2)つ目に、サラ金被害についてです。
多重債務で苦しんでいる県民が特定調停手続を申し立てた件数が昨年1年間だけでも1万8717件、前年度比で8293件の増加。東京、大阪に次いで実数で全国3位、人口規模で全国一です。20代、30代の若年層の被害が急増し、40代から70代までと全世代に広がっています。自己破産件数も少し減少したとはいえ、1518件。業者からの支払い督促の訴えで裁判所から呼び出しを受けた県民が1万人を超しました。この数は氷山の一角です。貸金業者が県内で貸し付けている金額が実に1000億円。県民の4人に1人がサラ金を利用している実態は決して個人の問題ではない。県民生活の中心問題であり、県政の課題であると考えます。
県民生活センターでもサラ金問題の相談が前年度より53%も増加している実態が報告されているように、突然の解雇、減収で生活費のためにサラ金に頼らざるを得ない事態に追い込まれている深刻な県民の生活実態と、日掛け業者、やみ金融によって県民がターゲットにされ、二重、三重に苦しめられている実態を直視し、被害から県民を守り、暮らしを守る対策と実効ある失業対策が緊急に求められています。
そこで伺います。
やみ金融の被害が急増していることは、県の相談窓口の実態からも明らかになりましたが、県の相談窓口に業者の違法行為に対して指導要求しても改善されないとの訴えがふえています。相談件数と指導改善件数について。また、体制はどうなっているか。体制上、十分な対応が困難ということであれば体制を強化すべきではないか。
本県の日掛け業者の数は、本県を除いた九州全体より多いという異常さです。違法行為をした業者に対しては免許取り消し等の行政処分の強い姿勢で臨むべきではありませんか。
県知事許可の登録業者リストを県政のホームページからインターネットで引き出せるように便宜を図り、県民の負担を軽減していただきたいと思います。
3つ目に、平良市産業廃棄物処分場問題についてです。
昨年11月28日、火災発生から7カ月になろうとしています。この問題に対する県の対応は余りにもずさんで誠意が見られません。被害を受け、不安な生活を強いられている地元住民の県に対する不信感はいまだに払拭されていません。平良市議会の異例の抗議決議がこのことを示しています。
5月10日の平良市調査委員会は、処分場から排出した水をためた池から基準の2倍の2ピコグラムの高濃度のダイオキシンが検出されたとの調査委員会独自の調査結果を公表しました。県が3月27日に実施した環境調査に肝心なダイオキシン類の調査を外したことが地元の怒りを呼んだ直後だけに、大きな衝撃となっています。
産業廃棄物処理場の火災と一般の火災と同列に論ずることは決して許されません。なぜ、このような重大な火災が起こったのか。それを究明するためにも、私は1月の時点でも資料を要求しました。また、4月16日の文教厚生委員会の視察時にも保健所の指導内容についての具体的な資料を要求しました。
さらに、共産党県議団として5月13日に正式に文書で要請し早急に回答を求めましたが、再三の請求にもかかわらず、回答があったのは1カ月後の6月13日です。このことでも明らかなように、地元のみならず県議会に対してもこのような態度は許されるものではありません。県民無視の県政として厳しく指摘をし質問をします。
5カ月間で74回の県の指導経過の内容は、果たして実効ある行政指導がなされてきたのかという疑問を裏づける結果となっています。改めて業者の法遵守の義務、行政の指導責任を果たしてきたと言えるのか、明確にお答えください。
火災発生状況について、現場検証と業者、従業員への聞き取りの内容について消防署と警察署の報告を求めます。
これまで消火のために水をかけながらの掘り起こし作業と撤去作業が結果的にガス発生と悪臭をまき散らし、住民への二次被害を引き起こしてきました。環境拡散防止対策をとるためにも火災現場の地質や地下水、埋められた内容物を特定するためのボーリング調査、そして地下水汚染の懸念のある断層などの測量の実施の許可を平良市調査委員会は県に求め続けています。業者の判断にゆだねられているものとの県の認識だが、これだけ重大な火災を起こした業者に対して業者任せの県の姿勢は問題と言わざるを得ません。調査が実施できないのは業者が反対をしているのか。県として調査は必要ないとの認識なのか、その理由についてもお答えください。
住民の健康調査のダイオキシン血中濃度測定について、測定の結果によって起きるさまざまな影響など住民からの不安の声が出されています。測定に当たっては、住民の意見を踏まえてインフォームド・コンセントの体制をきちっととるなど慎重に対応すべきだと考えますが、伺います。
次に、小中学校におけるクーラー設置と維持経費問題についてです。
平成10年度から普通教室へのクーラー設置が国庫補助の対象になりましたが、維持費は対象外となっているために全面的な整備・普及に至っていないのが現状です。沖縄の子供たちの快適な学習環境を整備する切実な課題を実現する上でもこの維持費の財政負担をどう解決するかという方向性について、2月那覇市議会で我が党の渡久地議員の集中的な質疑を受けて、国に対して「亜熱帯補正」として地方交付税等の財政措置を求める意見書が全会一致で採択されました。この意見書を受けて、那覇市はこの6月議会で向こう5カ年間ですべての学校へのクーラー設置の計画を示しました。この問題は、これまで本県議会でも論議されてきた問題だけに沖縄振興計画に盛り込むべき課題であったと思います。
県内の小中学校のクーラー設置の状況はどうか。
県として那覇市議会の意見書を受けて、また那覇市の全面設置に向けた計画策定を受けとめ、市町村とともに国に要請する考えはありませんか、お伺いします。
最後に、就学援助金制度の拡充と改善についてです。
学校納付金の滞納を理由に卒業式当日まで卒業アルバムが渡されなかった豊見城の中学生。式はとうに終わっているのに帰ってこないと心配したお母さんが相談に駆け込んでこられました。
名護市から転居した母子家庭のお母さんからは、給食費の滞納を理由に転校手続に必要な在校証明書を発行してもらえないでいること。分割納入の努力と約束をお願いしたのに、新学期が始まる4月になっても返事がないと相談に来られました。
この2件の相談について、豊見城の教育委員会と県教育庁を通して名護市教育委員会に折衝して何とか解決することができました。この場をおかりして教育長にお礼を申し上げます。
しかし、この2件の相談は、一体、教育現場と教育行政は憲法と教育基本法の精神をどう受けとめているのかを厳しく問うています。憲法26条は義務教育の無償を、教育基本法3条は教育を受ける権利と機会均等をうたい、経済的理由で教育を受ける権利を否定してはならないと。また、学校教育法25条は、「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」と明確にしています。
就学援助金制度の精神は、この不況下で苦しんでいる家庭や子供たち、この沖縄でこそ生かされなければならないと思います。実態がどうなっているのかを踏まえ、拡充のために一層の努力を要請し、質問をします。
給食費の滞納状況について。
滞納世帯、児童に対する納入指導に行き過ぎた事例や、この相談の2件とも就学援助を受けたいと担任に相談したが受け付けてもらえなかったことも訴えられています。就学援助金制度について、市町村教育委員会と学校現場に対する指導はどうなっていますか。
本県の平均受給率は県民の生活実態から見て低いと思うが、どうか。九州と全国との比較ではどうか。
必要な児童が受けられるために、制限している予算枠の撤回と適用基準を所得基準で統一することや申し込みを教育委員会への直接申請にするなどの改善をすべきではないでしょうか。この学校現場の多忙さを軽減するためにも必要だと考えます。御見解をお伺いいたします。
答弁により再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは新垣議員の御質問にお答えいたします。
平良市産業廃棄物処分場問題について、住民のダイオキシン血中濃度測定についてお答えいたします。
血中ダイオキシン濃度の検査について、県としては実施する方向で6月4日に大浦地区自治会及び平良市と話し合いを持ちましたが、大浦地区自治会では6月6日の自治会総会で話し合いの上、検査を受けない旨の決議をしております。
検査の実施については、今後とも住民の意向を尊重して取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 県民の命と健康を守る課題について、医療制度改革と医療制度に関する提案について一括してお答えいたします。
政府においては、医療保険制度を将来にわたって持続可能で安定的なものとするため、患者一部負担金の見直しや、国民健康保険の財政基盤の強化等の措置を講ずるための「健康保険法等の一部を改正する法律(案)」を第154回国会に提出し、衆議院を通過したところです。
当該法案には給付率の統一や高齢者の1割自己負担の導入のほか、老人保険への公費負担割合の引き上げ、国保の財政基盤の強化などが盛り込まれています。県といたしましては、国民皆保険制度を基本とし、適正な負担と給付で国民すべてが良質な医療サービスを安心して受けられるような、医療保険制度の改善がなされるよう国会での審議を見守ってまいりたいと考えております。
同じく国保税の滞納と短期被保険者証について。
長引く不況等の影響などにより全国的に国保税の納付率が低下しています。県内の市町村は、各市町村の国民健康保険条例に基づき有効期限が1年となっている一般の国民健康保険被保険者証にかえて、有効期間が短い短期の被保険者証を滞納世帯に発行し、引き続き医療給付を行いながら国保税の納税に向けた相談を行っております。
続いて窓口での医療費の自己負担軽減措置について。
高齢化の進展や医療の高度化等により医療費は年々増加の傾向にあります。窓口での負担の軽減が医療費に及ぼす影響についてはいろいろな意見があり、慎重に検討していく必要があります。
県では、医療費の軽減に向けて住民の健康の保持・増進を図るため市町村が行う各種健康教育や相談、寝たきり老人防止等の高齢者対策、体力増進、心の健康づくり等の保健事業を支援しているところです。今後とも関係機関と連携しながら県民の健康づくりに努めてまいりたいと思います。
続きまして、高齢者が高負担に耐えられるか、高負担に対する市町村の意見は県として調査をしているかとの御質問にお答えいたします。
介護保険制度は、要介護者等を社会全体で支えることを目的として負担と介護の関係を明確にする社会保険方式であることから、保険料については給付に応じて負担することになっております。
また、保険料は所得に応じて5段階の所得段階別に徴収され、低所得者についてはその中で低い保険料が適用されています。現在、平成13年度の実績をもとに平成15年度からの介護サービス量や費用及び保険料等の見込みの調査を実施しており、最終の調査を10月に実施する予定であります。
なお、平成14年度県・市町村行政連絡会議において、急増する介護保険給付に対する特別措置または介護財政基盤の脆弱な市町村に対しての要望があることから、県はことし5月に厚生労働省老健局長に対し、財政安定化基金貸付金の償還期間の延伸等を要請したところであります。
同じく介護保険の関係で、6段階設定について市町村への指導はどうなっているのかと。
第1号被保険者の保険料率は、その所得分布状況等を踏まえて算定することになっており、負担能力に応じて負担を求めていく観点から所得段階別に5段階の保険料率が採用されています。これにより低所得者の負担は軽減されております。
本県では、平成14年3月末で第1段階が8013人、4.2%、第2段階が8万6527人、45.2%となっております。1段階の保険料は基準額──これは3段階が基準額になっております──基準額の2分の1、2段階の保険料は4分の3と軽減されております。
なお、低所得者に対する負担軽減措置については、保険料の場合は6段階設定や国の3原則に沿った独自減免がありますが、それぞれ市町村の実情に応じた措置を検討するよう市町村福祉主管課長会議等において助言しているところであります。
また、6月の市町村ヒアリング時において6段階設定の実施を検討している市町村はございませんでした。
広域連合参加市町村の負担軽減措置について。
介護保険事業の広域化は、1、財政規模が大きくなることにより保険財政の安定化が図られる、2、サービス提供事業者のサービス圏域と保険者の圏域がほぼ同一になることから、関係団体との調整がより効果的となりサービスの平準化が促進される、3、広域化により保険者機能の強化が図られ給付の適正化が促進されるなどのメリットがあることから、県といたしましては広域化を支援しております。
本県の介護保険給付につきましては、当初見込みを大幅に超過していることから、次期事業運営期間の保険料の引き上げが見込まれております。
なお、広域連合の設立に当たっては、低所得者に対する負担軽減措置についても積極的に取り組むよう助言を行っております。
3原則押しつけはやめるべきではないかという御質問にお答えします。
介護保険制度は、要介護者を社会全体で支えることを目的として負担と給付の関係を明確にする社会保険方式であるため、1、保険料の全額免除、2、収入のみに着目した一律の減免、3、保険料減免分に対する一般財源の繰り入れは、次の理由から適当ではないということになっております。
1点目として、介護保険は40歳以上の国民が皆で助け合う制度であり、64歳以下の現役世代がすべて保険料を支払っている中で、一部とはいえ高齢者が保険料を全く支払わないということは、支え合いの精神に反することになります。
2点目として、高齢者の保険料については低所得者にも配慮して設定されており、さらに正確な負担能力を個々に判断しないまま一律に減免を行うことは不公平となります。
3点目に、介護保険の費用は高齢者の保険料が17%、市町村の一般財源が12.5%と負担割合が決められており、保険料を減免し、その分を定められた負担割合を超えて他に転嫁することは支え合いの精神も否定することになります。
続きまして、市町村の介護予防・生活支援事業とその促進についてお答えいたします。
平成13年度の市町村における介護予防・生活支援事業の実施状況は、生活支援事業として配食サービスを43市町村、軽度生活支援事業を33市町村が実施するなど、高齢者が住みなれた地域社会で引き続き自立した生活ができるよう実施しております。
また、介護予防・生きがい支援事業として転倒骨折予防教室等を11の市町村、生きがいデイサービス等を48市町村が実施するなど、高齢者の生きがいと社会参加を促進するとともに、社会的孤立感の解消、自立生活の助長及び要介護状態になることの予防を図っております。
県といたしましては、介護に陥らないために県民の健康づくりが一番大事だと考え、市町村における国保による保健事業、老人保健法によるヘルス事業を促進するとともに、これらの事業と介護予防・生活支援事業などを効果的にうまく組み合わせて住民の健康づくりを支援しております。
続きまして、介護保険制度の改善と高齢者負担軽減策について。
今年度は、12年度に策定いたしました沖縄県高齢者保健福祉計画の実績を踏まえて平成15年度からの第2期計画の策定を行う予定であります。この計画は、適正なサービスを提供することのほか、介護に陥らないように壮年期からの健康づくりや介護予防事業等を一層推進することが重要であると考えております。そのため、保健・医療・福祉の専門家、被保険者、住民代表等で構成される委員に意見を求め、これを踏まえて計画を策定するとともに、県としましての施策の検討をしていきたいと考えております。
なお、小規模離島町村においては介護サービスの提供が不十分であることから、平成13年度に「沖縄県離島における介護サービスの実態調査」を実施しており、現在、調査結果を受けて支援のあり方について検討しているところでございます。
母子家庭の関係の御質問にお答えします。影響を受ける母子家庭の実態について。
平成14年5月24日現在で見直しの──これは児童扶養手当であります──見直しの対象者が1万8687人について今回の見直しの影響を試算いたしましたところ、変動なしが1万4509人、77.6%、増額が見込まれる者が539人、2.9%、減額が見込まれる者が3639人、19.5%となっております。
今回の改正では、手当額が全部支給から一部支給へ減額になる場合と、一部支給の中での減額の場合の二通りがあります。
母親と子供1人の場合、各種控除を行う前の収入ベースで見ると、全部支給から一部支給に減額される人の平均収入は197万円であります。この場合の手当額は改正前が4万2370円で、改正後が3万6760円となり、年額にして約6万7000円の減となります。
また、一部支給者の中で減額される人の平均収入は278万円であります。この場合の手当額は改正前が2万8350円で、改正後が2万1670円となります。年額にして約8万円の減となります。
県としての対策についてお答えします。
現在、県におきましては、母子家庭等自立促進施策として就職に向けた各種講座開催や法律専門家等の相談及び介護人派遣等を沖縄県母子寡婦福祉連合会に委託して実施しております。
今回の見直しにより影響を受ける世帯への配慮として、減額された額を無利子で貸し付ける特例児童扶養資金制度や就労に関する相談、情報提供及び能力開発講習会事業等を行う母子家庭就労支援モデル事業の創設が予定されております。
その資金貸し付けを円滑に行うとともに、就労支援策を実施し、労働部門や関係機関と連携して母子家庭の自立支援策を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 県立病院における医薬品の「後発品」への切りかえ等についての御質問にお答えいたします。
平成13年度の県立病院における薬剤購入費は65億3424万円で、その割合は病院事業費用の15.1%となっております。そのうち、新薬及び「後発品」に分類されない血液や試薬等を除いた新薬の購入金額は55億8661万円で、薬品費に占める割合は約85.5%であります。
また、「後発品」に切りかえることによる薬品費の節約については、「後発品」が一部の薬品に限られることや、同じ効き目で単価の違う「後発品」が多数あること等から明確な積算は難しいのですが、一般的に「後発品」は新薬の4割から8割の価格と言われております。県立病院において、新薬から「後発品」へ変更することにつきましては、薬品の品質に対する医師の全面的な信頼を得る必要があることや、供給体制が不安定な薬品もあること等から「後発品」への切りかえが進んでないのが現状であります。
しかしながら、「後発品」の採用を拡大していくことにつきましては、経費の節減や患者負担の軽減の観点からも有効であると思われますので、今後とも各病院の医師や薬剤師との調整を図りながら引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 県民の暮らしを守る課題について、貸金業者に関する相談件数や事務体制等についてお答えいたします。
県の貸金業苦情相談室に寄せられた法令違反等に係る相談件数は、平成12年度の267件に対し、平成13年度は423件と増加しております。県では、県知事登録貸金業者に対する苦情相談については速やかに事実関係を確認し、口頭及び文書による行政指導を行うなど積極的に対応しております。
県においては、貸金業の登録、苦情相談、立入検査等に係る事務を処理するために貸金業調査員を含め6名の職員を配置しております。また、弁護士による無料法律相談を毎月2回実施しております。今後とも、貸金業者に対し立入検査及び法令研修会等あらゆる機会を通して法令の遵守指導を強化していきたいと考えております。
続きまして、違法行為をした業者に対する姿勢についてお答えいたします。
県においては、日賦貸金業者を初め県知事登録貸金業者約900業者に対し、二、三年に1回の定期立入検査を実施するとともに、苦情相談を受けての立入検査等も随時行っております。法令違反業者に対しては口頭で厳重注意を行うとともに、必要に応じて業務改善の文書勧告を行っております。県としては、業務改善が見られない業者に対しては警察等関係機関との連携を図り、厳正に対処していきたいと考えております。
次に、登録業者リストの県ホームページ上での公開についてお答えいたします。
県知事登録貸金業者名簿については、「貸金業の規制等に関する法律」に基づき希望者は自由に見ることができます。同名簿の県ホームページ上での公開については、県民のニーズ等を見ながら今後検討してまいりたいと考えております。
次に、平良市産業廃棄物処分場問題について、業者の法遵守義務、行政の監督責任についてお答えいたします。
産業廃棄物については、その産業廃棄物を事業活動に伴って生じた事業者が処理責任を有しており、事業者及び都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者が処理基準等に基づいてその処理を行っています。
県においては、処理業者等が廃棄物を適正に処理するよう立入検査等の監視指導を実施しております。
火災のあった処分場に対してはこれまで保健所が立入検査を行い、廃棄物の分別、焼却灰の適正処理、水質測定の実施等について指導するとともに、不適事項の改善について当該業者を数回にわたり保健所に呼び出し強く指導してきております。その結果、管理型最終処分場への焼却灰の搬入、分別の改善、水質測定の実施などの改善がされております。
当該業者に対する行政措置として、同処分場への廃棄物の搬入停止の通知及び焼却施設の使用停止命令を行っており、現在、当該施設は閉鎖状態にあります。
県においては、廃棄物処理施設等への監視指導体制の強化を図るため、ことし4月に福祉保健所へ9名の職員を増員し、また県警察本部より県環境整備課へ警部1名を配置して廃棄物の適正処理を推進しているところであります。
次に、火災発生状況についての聞き取り内容についてお答えいたします。
平成13年11月28日、平良市の産業廃棄物最終処分場で火災が発生、同日13時11分に通報を受けた宮古広域消防組合は消防車両14台、消防職・団員77名で直ちに消火活動に当たるとともに、現場調査並びに従業員から事情聴取を行っております。
同消防組合では、火災の発生状況や出火原因等を調査するため当日の従業員5名から出火時期、出火場所、火気の取り扱い、タバコ等の不始末、火災原因、初期消火の状況、燃焼物の種類等について聞き取りを行ったとのことです。
なお、同消防組合より平成14年1月22日付で原因不明との火災報告を受けております。
次に、県としてボーリング調査は必要ないとの認識なのか、その理由についてお答えいたします。
県においては、当該処分場内の地熱を把握するため、火災発生後から今日まで地熱の測定を実施してきております。これまでの測定の結果、地熱は全体的に低くなってきておりますが、一部の箇所においてまだ地熱が高い状態にあります。
このような状態の中で処分場内を掘削することについては、作業上の安全確保や二次的な環境への影響が懸念されますので、当面、掘削作業は困難であると考えております。
県としては、地熱がおさまった時点で当該事業者に対し埋め立てした廃棄物を掘り起こして内容物を確認し、燃え殻等を速やかに適正処理するよう指導していく考えであります。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 火災発生時の対応状況について御説明いたします。
宮古警察署では、本件火災発生の確知と同時に、署長指揮のもと、刑事課員や地域警察官など18名と車両8台を出動させ、消防署員と協力をしながら現場付近の交通整理、平良市大浦集落の住民の避難誘導、無人となった集落における窃盗事犯防止のための防犯警戒を実施するとともに、火災発生の原因を究明するために聞き込みなど所要の捜査を開始しております。
火災鎮火後、同廃棄物処理場の代表者を初め従業員全員から火災発生時の状況、火気の取り扱い状況、たばこ等の不始末、自然発火の可能性等について詳細に事情聴取を行っておりますが、その内容につきましては現在も捜査を継続中でありますので、答弁は控えさせていただきます。
また、火災鎮火後、現場において実況検分を実施しておりますが、消火活動時における多量の散水、覆土、重機での掘り起こしなどによって出火時の現況が残されておらず鑑識活動に困難をきわめていることから、現在までのところ出火原因の特定には至っていない状況であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 小中学校におけるクーラー設置と維持経費問題について、小中学校のクーラー設置状況についての御質問にお答えをいたします。
公立小中学校の普通教室への空調整備については、防衛施設局が実施する米軍基地等周辺の騒音対策事業、国土交通省が実施する空港周辺の騒音対策事業及び平成10年度から沖縄県のみに適用される文部科学省が実施する空調整備事業があり、平成14年5月1日現在、小学校90校、32.1%、中学校53校、32.1%の学校の普通教室に空調が整備されております。県教育委員会では、学習環境の向上を図るため設置者である市町村及び関係機関と連携しながら空調整備を促進していきたいと考えております。
次に、就学援助金制度の拡充と改善について、給食費の滞納状況についての御質問にお答えをいたします。
県教育委員会が平成13年度に実施した調査によりますと、平成12年度、小中学校における学校給食費の未納額は約2億2000万円であります。この金額は、学校給食費全体の3.4%であります。
なお、5カ月以上未納している長期未納者数は5091名で全児童生徒の3.3%となっております。
次に、就学援助金制度の拡充と改善についての、児童生徒援助費の市町村教育委員会等に対する指導についての御質問にお答えをいたします。
要保護及び準要保護児童生徒援助費補助金は、経済的理由によって就学困難と認められる児童及び生徒の保護者に対し、学用品費、医療費及び学校給食費等必要な援助を与え、就学援助事業を行う市町村に国が予算の範囲内においてその経費の2分の1を補助する制度であります。県教育委員会といたしましては、この制度の趣旨の徹底について文書及び市町村教育委員会財務事務担当者研修会等を開催し、指導の徹底方に努めているところであります。
次に、同じく就学援助金制度の拡充と改善についての受給率の全国と九州との比較についての御質問にお答えいたします。
本県の平成13年度要保護及び準要保護児童生徒の受給率は11.46%であります。九州の平均は10.09%、全国の平均は9.97%であり、本県の受給率は九州平均を1.37%、全国平均を1.49%上回っております。
次に、就学援助制度の改善についての御質問にお答えをいたします。
要保護及び準要保護児童生徒に対する就学援助については、国の「要保護及び準要保護児童生徒に対する就学援助費に係る事務処理要領」に基づき実施をいたしております。
第1点目の市町村の予算措置については、市町村で対象者を的確に把握した上で所要額が措置されているものと理解をいたしております。
2点目の適用基準については、就学困難を来す経済的な事情は単に所得額のみで一律にはかれるものではなく、保護者の経済状況や児童生徒の家庭の諸事情等を勘案し、総合的に判断することによってより実情に即した認定となるものと考えております。
3点目の、申請先については、市町村教育委員会は学校長等が就学援助を必要とすると認める者について教育的立場からの学校長の意見に基づき認定することとなっており、より児童生徒の状況を把握している学校長を経由して申請することが望ましいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 小中学校におけるクーラー設置と維持経費にかかる「亜熱帯補正」の創設についての御質問にお答えをいたします。
地方交付税を算定する際、各地方公共団体の基準財政需要額を割り増し、割り落としをする手法といたしまして補正係数が用いられております。寒冷に伴う暖房経費や積雪に伴う除雪経費の増加については、「寒冷度及び積雪度の補正」により基準財政需要額に算入されておりますが、いわゆる「亜熱帯補正」など酷暑等を理由とした割り増し措置はありません。
県としましては、小中学校を初め各公共施設の冷房稼働経費や道路・公園の除草経費等については、本県が我が国唯一の亜熱帯性気候地域であることから他県より多くの経費を要していると考えております。このため、平成11年度の算定に当たって亜熱帯補正の創設を国へ要望いたしましたが採択されておりません。今後とも、亜熱帯補正の創設について引き続き国に働きかけていきたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 我が党の代表質問との関連について、楚辺通信施設の安全性についてお答えいたします。
那覇防衛施設局に確認したところ、移設される楚辺通信施設は受信専用の施設であり、電波障害や電磁障害などの懸念はないとの回答を得ており、また現在当該施設が設置されている地域においてこれまでに電波障害等があった事例は聞いてないとの報告を受けております。
移設工事に当たっては、赤土流出防止対策を行うなど環境に十分配慮した工事を実施するとの説明を受けたところでありますが、県としては環境保全に万全を期するとともに、関係町村及び地元住民との調整を図り、地域の理解が得られるよう那覇防衛施設局に申し入れております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前10時53分休憩
午前10時58分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
那覇防衛施設局に確認したところ、機能はそのままにして規模等を縮小するとの報告を受けております。
○新垣 米子 再質問を行います。
まず福祉保健部長、介護保険の制度の仕組みを私は聞いたんじゃないんです。この制度がどれだけ欠陥のものであるかということを、この矛盾は明らかになっていて、現実に沖縄の5200円の膨れ上がった高負担が本当に沖縄県民、お年寄りに耐えられるのかと、このことを聞いています。改めて答弁ください。
そして教育長、この改善の問題で、学校現場の学校長の意見ということを言いました。学校現場、一番子供の身近にいる学校現場でこういう事態が起こったからこそこの問題を言っているんです。改めて答弁を求めます。
次に永山部長、この皆さんの資料の中身、5年間の74回の指導の実態について資料をもらいました。これが皆さんが法に照らして指導してきたかということが本当に疑わしいんです。800度以上のダイオキシン発生を抑えるための一番の目安をする温度計も設置されていない。そして焼却灰もきちんと保管されてふたもしてない。そして分別も12年、13年、毎年のようにこの分別徹底もされないできている。それでいて皆さん、一定の改善がされたというふうな認識をしているんです。
私は前に言いましたけれども、もう一回言います。これが火事の前の実態です。(資料を掲示) これで本当に分別が改善されたということが言えるのかどうかですね。そして資料もほとんど保管されてない。改めて皆さんが「産業廃棄物に関する立入検査及び指導の強化について」に基づいて指導したというのであれば、実際に本当に指導したのかどうか。そして指導の中身の立入調査に対する2番目の実証、そして立入検査等の措置についてちょっと読み上げていただいて、実際にそのとおりやってきたかどうかということを再度お答え願いたいと思います。
そして、なぜ文書指導をしてこなかったのか、なぜ改善命令、行政処分の措置をとってこなかったのか、それをきちっとしておけばこういう事態にならなかったということなんです。改めて伺います。
県警にです。今回の事案で産業廃棄物処理法の適用を考えていないか、お伺いしたいと思います。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時1分休憩
午前11時3分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
福祉保健部長。
〔福祉保健部長 新垣幸子君登壇〕
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険の仕組みについては先ほど来何度もお話申し上げておりますように、負担と給付の相関関係において成り立っているものでございます。
本県においては、なぜ保険料が高いかということはこれまでもたびたび御説明申し上げました。施設整備率等々の問題もありましてかなり高額になっているということ、それから在宅の方々の使用についてもかなり他県に比べてよく利用されているというようなことでもって高額の負担になっております。これはすべて保険財源にはね返ってきて保険料あるいは市町村、そういうところで法律に基づいた分担に応じて負担をすることになっております。そういうことがあってよく使われている場合は、結果として保険料にはね返ってくるというような仕組みになっております。
そういうことの中で我々が今市町村にお願いしていますことは、国が示している3原則を守る形での負担軽減を図ってもらいたいということと、それから利用料につきましては社会福祉法人等の社会的な使命に基づき実施されている利用料の減免措置を充実してほしいというようなことをお願いしてございます。それについては今後広域連合ができてくる中で十分に機能してくるんではないかというふうに思っております。
○教育長(津嘉山朝祥) 就学援助金制度の中で、申し込みを教育委員会へ直接申請するなどの改善等についての再質問にお答えをいたします。
先ほど答弁いたしましたように、国の「要保護及び準要保護児童生徒に対する就学援助費に係る事務処理要領」に基づき手続を進めさせていただいております。したがって、その中で教育的立場からの学校長の意見に基づき認定することとなっており、より児童生徒の状況を把握している学校長を経由して申請することが望ましいというふうに考えております。
なお、危惧されるべきことにつきましては、十分に学校現場あるいは市町村教育委員会を指導しその趣旨の徹底方に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○文化環境部長(永山政邦) 廃棄物処理場に対します指導の徹底についての再質問についてお答えいたします。
同処分場に対しましては、これまで保健所の職員が廃棄物処理法第19条第1項の規定に基づき立入検査を行っております。搬入された廃棄物の種類、数量、分別作業、地下水の水質測定状況等について月1回の監視指導を行ってきたところでございます。立入検査の結果、改善すべき事項を指示する場合には廃棄物処理法第19条の規定に基づき立入検査指導表を交付して指導してございます。
なお、立入検査の結果、分別の不徹底や焼却灰の不適正処理、地下水の水質測定などが実施されていないなどの不適事項があり、当該業者を数回にわたり保健所に呼び出してその改善を行うよう指導を重ねております。
管理型最終処分場での焼却灰の搬入、分別の改善、水質測定の実施などに一定の改善がされてございます。主な指導内容といたしましては、安定型以外の品目の埋め立ての禁止、搬入された廃棄物の分別の徹底、地下水・浸透水の水質検査の実施、焼却灰の適正な処理、焼却炉の維持管理基準の遵守等々でございます。
以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 廃棄物処理法の適用についての御質問にお答えします。
県警察では、捜査の過程におきまして廃棄物処理法等の法令に照らし、当該処分場に係る重大な違法行為が認められた場合には県当局にも告発を促すなどして厳正に対処してまいる所存であります。
○新垣 米子 議長、答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時9分休憩
午前11時11分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
文化環境部長。
〔文化環境部長 永山政邦君登壇〕
○文化環境部長(永山政邦) 御質問にお答えします。
先ほどもお答えいたしましたけれども、立入検査指導表を交付してと。この立入検査指導表がこの指導でございます。その立入検査指導表に具体的に廃棄物の適正な処理をしなさいとかそういうことが書かれてございまして、それを交付しながら指導したということでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時12分休憩
午前11時13分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○文化環境部長(永山政邦) 先ほど70数回にわたり指導したということがございましたけれども、指導内容、焼却炉の設置許可を受けること、無許可で焼却施設を設置していたこととか、焼却灰の適正処理、焼却灰は平良市の最終処分場へ搬入すること、燃え殻を埋めてはならないこと、焼却灰は野ざらしにしないこと、適正に保管すること。維持管理基準の遵守でございますが、焼却炉等入り口のふたを改善すること、木くずの焼却炉での廃プラ焼却禁止、焼却処分を適正に行うこと等々でございます。
○大城 一馬 こんにちは。
野党のしんがりを務めさせてもらいます。社大・結連合の大城でございます。
まず1点目、知事の政治姿勢、有事法制について質問をさせていただきます。
有事関連3法案には、我が国が武力攻撃の事態となった際、自衛隊や米軍に行動の自由を与えるために国民の基本的人権に制限を加えることを目的にしたものと言われ、地方公共団体への首相指示権、国民の協力・努力規定、陣地構築時の土地収用などの私権制限、医療従事者や輸送業者などに業務従事命令を発し、従わないと刑罰に処せられる。このようなことは、さきの大戦や沖縄戦をほうふつさせ、とりわけ沖縄県では軍隊は住民を守らないことを生々しく体験し、27年間に及ぶ米軍施政権下においては強引な土地接収や思想、言論の統制など軍事優先の有事体制を経験しています。冷戦崩壊後、今求められているのは有事への備えではなく、平和外交の努力ではないでしょうか。
質問いたします。
稲嶺知事の有事法制に対する所見を伺いたいと思います。
有事法が制定されますと、沖縄及び県民に与える影響ははかり知れないものがあると思いますが、知事の御答弁を求めます。
沖縄戦の経験や在日米軍施設の75%が集中する沖縄の現状を見据えた場合、沖縄県知事として明確に廃案、反対の意思表示をすべきと思いますが、知事の決意をいただきたいと思います。
次に、べーカー発言についてでございます。
去る5月19日、復帰30周年記念式典が初めて政府と県の共催でとり行われました。
有事法制の問題や普天間飛行場代替基地の県内移設問題などでの政府、県の共催の式典には釈然としないまま出席いたしましたが、案の定、ベーカー駐日大使は、続発する県内での米軍機事故や米軍人の事件など県民が基地の重圧に苦しんでいる現状には一切触れず、逆に米軍基地の重要性を述べ、さらに事もあろうか軍隊を受け入れてくれてありがとうの発言に至る始末に、何のためにだれのための記念式典かと思わざるを得ませんでした。
質問いたします。
沖縄県民は、決して米軍基地の存在に感謝や恩義は持っておりません。式典の中でのベーカー駐日大使発言について、知事はどのような視点で受けとめましたか。
ベーカー発言に対しましては、各界各層から批判の声が出ましたが、那覇市議会でも6月10日抗議決議がなされております。稲嶺知事も駐日米首席公使に、「沖縄は感謝されることを望んでいない」と言及したとされていますが、沖縄県知事として直接ベーカー大使へのしかるべき抗議をすべきと考えますが、いかがなものですか。
次に、普天間基地問題についてでございます。
最初に、普天間飛行場移設問題についてであります。
知事公約の移設に当たって整備すべき条件の一つの15年使用期限について、政府の対応はどの程度進捗しているのですか。
知事の任期まで残り5カ月となりましたが、政府が解決に真剣に取り組んでいるならば、稲嶺知事の公約ですから常識的には15年問題の決着の時期に来ているはずでありますが、知事は任期までに15年使用期限問題は決着できると確信を持っているのですか。それとも15年問題を棚上げして再出馬なさるお考えですか、御答弁を賜りたいと思います。
名護市は、使用協定で機種の制限、飛行時間制限、戦闘機の訓練制限など極めてハードルの高い基本的な考え方をまとめていますが、県は同案を名護市と共同歩調で政府に要請なさるのですか。
5月19日の復帰30周年記念式典で小泉首相は、15年使用期限について一言も触れませんでした。知事の所感をお聞かせ願いたいと思います。
キャンベル元国防次官補代理は、沖縄の基地問題について、「沖縄からの声も緊急性がなく、米議会を動かすような力になっていない。そのため、普天間移設問題を解決に向けて動かそうというエネルギーが欠け、進展はないと思う。」と発言し、また15年使用期限問題についても「大きな進展はないだろう」と論評していますが、知事の所感を伺いたいと思います。
マスコミによる復帰30年世論調査では、県民の69%が基地の県内移設に反対を表明していますが、知事はこの結果をどのように受けとめていますか。
知事、この際県民の声を率直に受け入れ普天間基地の県内移設に反対するお考えはありませんか。
次に、日米地位協定についてでございます。
平成12年8月に県が政府に要請いたしました11項目の地位協定の見直しは、日米両政府間でどの程度の論議がなされているのですか。
小泉首相は、復帰30周年記念式典におきまして地位協定見直しに一言も触れずに式典後の記者会見において、「当面は運用改善で対処する」と述べていますが、県や県民の意思に逆行するものです。小泉首相の発言に対する知事の所見を求めたいと思います。
去る5月10日の臨時県議会におきまして、新振計の県案に日米地位協定の改定を盛り込むよう求める決議を全会一致で可決しましたが、県案には改正の明記がなされていません。何ゆえでしょうか。
次に、海兵隊の海外移転についてであります。
平成13年7月5日の県議会におきまして「海兵隊を含む兵力の削減」を求める決議から今日まで県として海兵隊削減問題につきまして政府にどのような対応を求めましたか。
新振計の県案に県議会の全会一致の要求、「海兵隊の海外移転を含む」を修正表記されましたが、その理由をお聞かせ願いたいと思います。
次に、大学院大学構想についてでございます。
尾身内閣府沖縄担当相が2001年6月、沖縄への大学院大学設置の公式表明以来、内閣予算や沖縄振興特別措置法に盛り込まれ、4月28日にはロサンゼルスにおきまして第1回国際顧問会議がノーベル賞受賞者を含む研究者の参加のもと開かれております。
ところで、同構想は当初教授陣50人、研究生200人、建設費150ないし200億円、運営費20億ないし30億円を想定していたとのことらしいが、最近では教授陣500人、学生500人、建設費800億円、運営費は200億円とも言われ、同構想はとてつもなく大きく膨らみ、県民の間に期待の声の反面、戸惑いが生じています。
質問いたします。
世界最高水準の自然科学系大学院大学と言われていますが、県民の間にいまだにぴんとこない面があるために設置に対する盛り上がりが足りないと思われますので、構想の概略や沖縄振興への役割につきまして県民にわかりやすく説明していただきたいと思います。
尾身沖縄相の提唱からわずか5年後の2006年9月開学を目指していますが、用地選定、教授陣・学生の確保、建設費、運営費について多くの難題があると思いますが、開学までの具体的スケジュールは立案されていますか。
ところで、6月3日の第6回沖縄新大学院大学構想検討委員会におきまして、世界最高水準の大学院大学を実現するために最も適切な敷地を選定するとして基本指針が示され、用地面積は大学院大学及びこれを核とした知的クラスターの将来展開のために十分な面積が確保できることとしていますが、具体的にどの程度の面積ですか。
敷地は大学院大学と研究機関や住居、企業等集積地も含まれた一体的なものですか。それとも関連施設は複数の自治体にまたがることもあり得るのですか。
用地の利便性、環境の項目で交通アクセスがよいとはどのような条件でしょうか。また、研究環境がすぐれているとはどのようなことですか。
ところで、南部振興会では大学院大学の南部への誘致について平成13年6月24日、尾身沖縄相への要請を皮切りに同年4月29日には三たび政府への要請行動を行っています。このことは大学院大学の誘致への南部全体の熱意のあらわれと思いますが、知事はどう受けとめていますか。
次に、障害を持つ児童生徒の普通学校への就学についてであります。
ノーマライゼーションの理念の浸透や障害のある子もない子もともに学ぶ教育の確立が高まる中、心身に障害があっても普通の学校で学びたいと願う子供たちや保護者は県内に数多くいますが、ことし2002年4月の学校教育法施行令の改正、すなわち小中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情が認められる場合には就学させることができる方針を出しました。それを受けまして那覇市の教育委員会では県内で初めて受け入れるための指針が策定されましたが、県教育委員会の同指針に対する所見を求めたいと思います。
障害があっても普通学校へ進みたい子供たちや保護者は、那覇市だけではなく他の市町村にも数多くいますが、教育の機会均等からすると全市町村学校間において格差があってはならないと思います。
県教育委員会としては、全市町村教育委員会に受け入れるための指針策定に向けての助言・指導の対応が求められると思いますが、どうですか。お答え願いたいと思います。
那覇市の「障害を有する幼児児童生徒の普通学校における学校教育実施検討委員会」の報告によりますと、障害児教育支援ネットワークの設置や専門的指導者を派遣する認定就学者等指導者派遣事業などの提言や受け入れのための加配教諭やヘルパーの派遣、そしてスロープやトイレ、エレベーターなどバリアフリーの整備の必要性を訴えていますが、県教育委員会の支援策につきまして伺いたいと思います。
(4)、県内における障害を持つ児童生徒の普通学校への就学希望者の実態把握につきましてはどうなっておりますか。
次に、南部周辺海域の堆積土砂の除去について質問いたします。
農地改良や開発事業などによる赤土や土砂流出は全県的な問題となっておりますが、私は今回は南部周辺海域の堆積土砂につきまして県の対応を伺いたいと思います。
南部周辺海域は、近年、多量の土砂が堆積し漁民には深刻な状況となっており、特に知念村や久米島海域では数年前までは浅瀬で収穫できたモズクが現在では沖合での生産を強いられています。知念漁協組合の話では、浅瀬のモズク養殖は毎年失敗し、漁民1人当たりの収穫量も数年前では約50トン、今では約20トン程度に落ち込んでいると話していました。また、久米島でも現在のモズク収穫は沖合で潜水でしか収穫できない状況と言われています。
質問いたします。
南部周辺海域の土砂堆積の実態調査はどうなっておりますか。
知念村や久米島でのモズク漁業などへの被害状況についてはどうですか。
南部周辺海域の堆積土砂を早急に取り除く必要があると思いますが、対応策をお聞かせ願いたいと思います。
後でまた再質問をいたします。よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 大城議員の御質問にお答えをいたします。
最初は政治姿勢についての中で、有事法制についての御質問について一括してお答えをいたします。
現在、国会で審議されている武力攻撃事態対処法案を初めとする関連3法案については、これまで有事における対応について法的な根拠が示されていなかったことから、政府においては法治国家として法的整備を図る必要があるということで同法案を国会に上程されたものと承知しております。同法案の審議に当たっては、直接県民の生命財産を預かる地方自治体に対して国は十分な説明を行い、その意見を尊重するとともに、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で単に沖縄という一地域の問題としてとらえるのではなく、国民全体で取り組むべき重要な課題であると考えており、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して要望しております。
このような県の考え方については、九州地方知事会から国へ提出した要望書に盛り込まれており、6月12日の政府と各都道府県知事との意見交換会においても直接政府に申し上げております。
なお、同法案等の詳細な内容、解釈及び運用等については現時点では明らかにされていないため、今後の国会における議論を注意深く見守りたいと考えております。
次に、ベーカー駐日大使発言について一括してお答えをいたします。
べーカー駐日大使発言は、戦後57年余も過重な米軍基地を負担してきた県民感情を考えた場合、受け入れることはできないと思います。このことについて、去る5月20日に来庁したクリステンソン駐日米国首席公使に対し同趣旨のことを申し上げた次第です。県としては、今後とも基地を抱える本県の実情や県民感情について米国政府を初め多くの方々に理解してもらえるよう訴え続けていきたいと考えております。
次に、15年使用期限問題の進捗についてお答えをいたします。
15年使用期限問題の解決については、これまでもあらゆる機会に政府に求めてきたところであり、第8回代替施設協議会でも政府に対し早期解決を強く申し入れたところであります。また川口外務大臣は、本年2月26日の衆議院沖縄特別委員会及び安全保障委員会で、「我が国の平和と安全のため、沖縄県の方々が背負ってきた多大な負担は十分認識している」と所信を表明しています。さらに、6月12日の日米外相会談において川口外務大臣は、普天間飛行場の移設について、「使用期限についての日米双方の立場はあるも、引き続き努力して早期実現を目指したい」と述べ、同問題の解決について積極的に取り組む姿勢を示されていることから、県や名護市の要請については政府においてしっかりと受けとめられているものと考えております。
次に、15年使用期限問題の任期中の解決及び復帰30周年式典における小泉首相の同問題に関する発言について一括してお答えを申し上げます。
先ほども申し上げましたように、川口外務大臣が所信表明やさきの日米外相会談等でも15年使用期限問題の解決については積極的に取り組む姿勢を示されていることから、県や名護市の要請については政府においてしっかりと受けとめられているものと考えております。
次に、キャンベル元国防次官補代理の発言についてお答えをいたします。
沖縄は、戦後57年余も過重な米軍基地を抱え、県民の大きな負担となっております。基地の整理縮小は県民の総意であり、その解決を図るためには県民各界各層の力を結集して基地を抱える本県の実情や県民感情についての理解が得られるよう努める必要があると考えています。今後ともあらゆる機会を通して強く訴え続けていきます
次に、復帰30周年世論調査についてのお答えでございます。
先般、県内の新聞社が実施した世論調査の結果は、戦後57年余も過重な基地を負担してきた県民の米軍基地の整理縮小を求める強い意向のあらわれであると理解しております。県としては、県民の基地負担を軽減する観点からSACOの合意事案を着実に実施するとともに、海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減についても日米両政府に訴え続けていきたいと考えております。
続きまして、地位協定の協議についてお答えをいたします。
日米地位協定の運用の見直しについては、外務省において県が要請した11項目について検討が行われているものと思いますが、現在、日米両政府間で正式に話し合われている項目として県が承知しているのは第17条の被疑者の身柄の引き渡しについてであります。
また、去る6月13日にカナダのウィスラーで開催された日米外相会談において川口外務大臣から、「沖縄の問題は極めて重要である」と述べた上で「日米地位協定の運用改善が緊要である」旨の発言があり、これに対してパウエル国務長官からも「できる限り努力していきたい」旨の発言があったと聞いております。
いずれにしましても、県としては日米両政府間で県の要請している環境問題なども含めた11のすべての項目について、日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただけるよう今後ともあらゆる機会をとらえて要請していきたいと考えております。
次の、総理の地位協定に関する発言についてお答えいたします。
日米地位協定の見直しについて政府は、日米地位協定については、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応し、これが十分効果的でない場合には、日米地位協定の改正も視野に入れていく旨の方針を持っており、小泉総理大臣の発言はこの政府方針を踏まえてなされたものと思います。県としましては、平成12年8月に要請した11項目の地位協定の抜本的な見直しについて、日米両政府において積極的に取り組んでいただくよう今後ともあらゆる機会をとらえて粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、地位協定改正の振興計画への記述についてお答えいたします。
県議会においては、「基地内の環境保全、返還跡地の有効利用の障害とならないよう日米地位協定を改正すること。」との決議をされておりますが、県としては、同決議の趣旨を踏まえ、基地内の環境保全についてはいろいろな場を通し問題解決のために幅広く協議する必要があると考え、米国政府との協議を通じて対策の強化に努める旨を記述しております。
また、返還跡地の有効利用を図る観点から、「駐留軍用地跡地の利用の促進」の項においても駐留軍の使用に起因する土壌等の汚染の除去などの原状回復措置について記述しております。
なお、県としては、日米地位協定の見直しについては、施設・区域の環境保全等の条項を新設することを含めて平成12年8月に日米両国政府に対して11項目の見直しを要請したほか、これまで機会あるごとにその実現を求めており、今後ともあらゆる機会を通して訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
次に、海兵隊削減問題についてお答えをいたします。
県は、基地の存在及び運用等から派生する諸問題の現状にかんがみ、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減については、基地の提供責任者である国において米国政府との間で協議する必要があると考えており、本年2月に来庁した嶋口防衛施設庁長官と3月に来庁した川口外務大臣に対しそれぞれ要請するとともに、去る6月13日に来庁したウィリアムズ米国海兵隊副総司令官に対し、日本政府に要請したことの説明を行い理解を求めました。県としては、県民の基地負担の軽減を図る観点から、今後とも在沖米軍の兵力削減及び訓練の移転を求めていきたいと考えております。
次に、振興計画案における海兵隊の海外移転についてのお答えでございます。
県議会で決議された「海兵隊の海外移転を含む」について、沖縄振興計画案においては「在沖米軍の移転を含む」と記述しております。これは、海兵隊のみならず在沖米軍4軍すべてを含めて幅広くとらえて記述したものであります。また、「在沖米軍の移転」については基本的には県外への移転を想定したものであります。
続きまして大学院大学の構想について、大学院大学の概念や沖縄振興での役割についてお答えをいたします。
沖縄新大学院大学は、世界最高水準の研究と教育を実践するため国際性と柔軟性を持った組織、運営を行うこととしております。また、研究分野については生命システムに焦点を当て、生物学、物理、化学、工学等が融合するバランスのとれた研究・教育を行う方向で検討が進められております。大学院大学の立地は、大学周辺への企業・研究機関等の集積による地域経済の活性化、最先端の科学技術の開発に伴う新たな産業の創設、世界的レベルの研究者、学生等による知的交流の活発化及び人材の質的向上など本県の振興・発展に大きく貢献するものと考えております。
次に、開校に向けた具体的スケジュールについてお答えをいたします。
開校までの主なスケジュールは、平成14年度から用地選定、必要な法的整備、キャンパスの基本設計、学長等の人選などを行い、平成17年度に研究所として運用開始し、平成18年度の開校を目指すこととされております。
次に、大学院大学の面積や関連施設の配置について一括してお答えいたします。
大学院大学の本体や住居、研究所等の集積用地の面積、関連施設の配置などについては、「沖縄新大学院大学構想検討会」や「国際顧問会議」における論議を踏まえ、国において検討されるものと考えております。
次に、交通アクセス及びすぐれた研究環境についてお答えします。
世界トップレベルの人材を本県に引きつけるためには、航空ネットワークや道路交通網の充実、教育や医療の充実など安心で快適な暮らしのできる環境づくりが重要であると考えております。また、魅力的な立地環境やすぐれたキャンパス、最高の機能を備えたコンピューター設備等の研究施設の整備も不可欠の要素であると考えております。
次に、南部振興会の要請についてお答えいたします。
大学院大学の設置については多くの市町村等から誘致要請があり、県民の期待も相当に高まっております。県としては、「大学院大学候補地選定の基本方針」を踏まえ、広く各界各層の意見、提言を聞き、候補地についての県の考え方を取りまとめて国に推薦したいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 基地問題について、県は名護市の「基本的な考え方」案を政府に共同歩調で要請するのかにお答えいたします。
使用協定については、名護市の受け入れ条件や閣議決定に表明されていることから、現在国や名護市で検討しているところであり、今後、実務者連絡調整会議において使用協定の基本的事項等に関し名護市から提案され協議が進められるものと考えております。県としては、第8回代替施設協議会で政府に対し、基本計画策定時までには使用協定に関する基本的な事項について確認し、地元住民が懸念している諸問題の解決が図られるよう協議を進めていただくことを要望したところであります。
今後とも名護市と連携しながら、可能な限り名護市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 障害を持つ児童生徒の普通学校への就学について、那覇市教育委員会の指針に対する所見及び市町村教育委員会への指導についての御質問にお答えをいたします。2つ一括して答弁をいたします。
平成14年4月24日付の学校教育法施行令の一部改正については、障害のある児童生徒一人一人の特別な教育的ニーズに応じた適切な教育が行われるよう就学指導のあり方を見直すものであり、盲・聾・養護学校への就学を基本としながら、国が定める就学手続を弾力化し、市町村教育委員会が専門性の高い教員の配置やスロープ、エレベーターの施設の整備等で障害のある児童生徒が適切な教育を受けることができる特別な事情があると認める者については「認定就学者」として小中学校に就学させることができるようになっています。那覇市教育委員会も政令改正の趣旨を踏まえて就学についての指針の策定を行ったものと考えております。
県教育委員会としましては、新たに設置した県適正就学指導課題検討委員会の報告に基づき就学指導についての考え方をまとめ、7月開催の市町村等就学指導担当者研修会、8月開催の障害児就学指導地方研究協議会でその趣旨を市町村教育委員会に説明をし、適正に就学指導が進められるよう指導助言を行っていきたいと考えております。
次に、受け入れのための支援策についての御質問にお答えをいたします。
普通学校における教職員の配置については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に定める学級編制の標準を踏まえ、県の定める学級編制の基準にのっとって編制をした各学級ごとの学級数等に基づき教職員の配当がなされることとなっております。したがいまして、障害を持つ児童生徒の普通学校への就学に際しては、特別の教職員の加配等の措置は現行制度上ではなされておりません。そのため、県教育委員会としましては、平成13年度から実施をしております学校教育補助者配置事業及び定数内非常勤講師を補助者として活用し、可能な範囲で支援するとともに、今後、国の教職員定数改善措置等も踏まえて適切に対処していきたいと考えております。
また、ヘルパー等の配置については、那覇市のほか11市町村、26校で独自で配置がなされております。
施設のバリアフリー化については、沖縄県福祉のまちづくり条例において県の責務として教育文化施設について市町村と連携し、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう整備を進めること、市町村の責務として県の施設と相まって、地域の実情に応じた整備を進めること等が定められており、県教育委員会においては、条例の趣旨に基づき市町村教育委員会と連携を図りながら公立小中学校施設のバリアフリー化の促進に努めてきたところであります。障害者に優しい開かれた学校を実現するため、今後とも市町村教育委員会と連携のもと、積極的にバリアフリーの整備促進に努めていきたいと考えております。
次に、就学希望者の実態把握についての御質問にお答えをいたします。
今学年度、市町村教育委員会の適正就学指導委員会において盲・聾・養護学校に該当すると判断されたが、保護者の希望により小中学校へ入学した児童生徒数は小学校に12人、中学校に4人の計16人であります。
なお、学校教育法施行規則第31条により、市町村教育委員会における就学手続は毎年10月1日の学齢簿作成をもって開始となります。したがいまして、来年度の小中学校への就学希望者の実態につきましては、これからの市町村教育委員会における適正就学指導委員会の判定を見て把握をしたいと思います。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 南部周辺海域の堆積土砂の除去について、土砂堆積の実態及び漁業への被害について一括してお答えいたします。
南部海域における赤土流出による汚染の実態については、平成13年度沖縄県環境白書においてサンゴ礁への被害や漁業への影響などが報告されております。汚染された海域においては、荒天時の波浪により周辺海域への拡散が起こるなど漁業振興上の大きな課題となっております。漁業が盛んな知念村海域や久米島海域においては、モズク養殖場に流入した土砂がモズクへ付着するなど、刺し網漁業にも被害がたびたび発生している状況にあります。
続きまして、堆積土砂の除去についてお答えいたします。
県においては、平成4年度から平成8年度までの5年間、恩納村屋嘉田潟原海域において、赤土堆積漁場機能回復事業により堆積土砂の除去についての実験事業を実施してまいりました。その結果、周辺漁場への2次汚染や膨大な費用を要することなど事業化には課題があります。このことから、赤土防止対策については発生源対策が最も重要であると考えており、今後とも効果的な防止対策を講じてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時53分休憩
午前11時54分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 一括してお答えしたんですが、その中で個別に多分御指摘になっているのは、任期までに15年問題が決着できるのか、棚上げして再出馬するのかという御質問だと思うんですが、まだ再出馬は全く表明をしておりません。任期中、全力を尽くして15年問題の解決に努力いたします。
○大城 一馬 まず有事法制の問題ですけれども、知事、慎重審議ということを盛んに繰り返されて答弁しておりますけれども、やはり私は唯一の地上戦、そしてまた27年間の米国支配の体験を考えると沖縄県知事として私は明確に反対、あるいは廃案と言っても何も憶することはないと思うんですよ。
もう一度知事の決意をお願いしたいと思います。
次に、普天間飛行場の問題ですけれども、残念ながら私どもはこの15年問題、一向に前進は見てないと。先ほど川口大臣の話もやりましたけれども、あれもただ話をしただけであって、実際じゃどうするんだと、そういうことが見えてきておりません。ですから私は、いわゆる知事の再選出馬につきまして、本当にこの15年問題、どう決着をつけることができるか、これをやはり核にして聞いているわけでありますが、せんだっての護憲ネットワークの平良長政議員の代表質問の答弁の中で、一晩考えると。もう5日目でございますけれども、一体どこまで考えは進行しているのか、あわせて御答弁をお願いしたいと思います。
そして、マスコミによる復帰30年の世論調査ですけれども、県民の69%が基地の県内移設は反対している。よいとしたのが、たったの19%なんですよ。知事は、盛んにこの基地問題につきましては、絶えずいわゆる現実的対応、この言葉を発しておりますけれども、私はこの現実的対応というのは、現実の実態に即して事を処理する、時代の変化や社会情勢を踏まえて対応する、これがいわゆる現実的対応ではないかと思います。
したがいまして、今、県民は69%が普天間基地を含む県内移設に反対をしているわけです。これが今現実なんです、知事。したがいまして、知事、やはり知事が現実的対応とおっしゃるならば、この際はっきりと民意に沿いまして県内移設は反対だという表明をやっていただきたいと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの大城一馬君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時 休憩
午後1時30分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
議長にかわって私がかわりますので、よろしくお願いします。
午前の大城一馬君の再質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) それでは大城議員の再質問に対してお答えをいたします。
最初は有事法制の問題でございますが、これは私の方からも申し上げましたように、我が国の外交や安全保障のあり方を含めて、国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
特に、沖縄については非常に米軍基地が集中しているわけですから、この問題については国民全体で取り組むべき重要な課題であり、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえて、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に要望しております。
次に、15年使用期限問題の解決及び現実的対応についてでございますが、15年使用期限問題については、私どもとしては名護市と連携をともにしながら、着工までに政府から一定の方向性が示されなければならないと強く主張しております。政府が責任を持って早期に解決すべきであると思います。
次に、現実的対応についてでございますが、平和で基地がない豊かな島というのはこれは私どもの理想であります。県としては、基地の整理縮小についてはSACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しており、その方向に向かって全力を尽くしたいと思います。
○大城 一馬 15年問題ですけれども、いわゆる着工前の話じゃなくて、私は、この15年問題を棚上げにして再出馬するお考えですかどうかということで再質問をしたつもりでございます。やはりこれは何といっても知事が出馬する、あるいは出馬しない、この判断の基軸になると思うんですよ、これは知事の選挙なわけですから。ですから、その点につきましていま一度知事の考えを聞かせてください。お願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 再出馬の問題については、一切表明はいたしておりません。任期中、全力を尽くして15年問題の解決に頑張ります。
○金城 勉 こんにちは。
では、一般質問をさせていただきます。
まず第1点目、基地問題についてでございます。
(1)、旧日本軍飛行場用地問題についてお伺いします。
このたび、旧日本軍飛行場用地問題を新しい沖縄振興計画に未解決の戦後処理問題として明記できたことは極めて意義深いことであり、知事を初めとして関係者の皆さんの努力に対し敬意を表するものであります。提示した県案が政府においてそのまま採択されることを期待しております。
そこで、今後の取り組みについてどのように国との交渉をしていくのか、県の考え方をお聞かせください。
次に、この問題を今後施政方針の重点施策として明記するようにお願いを申し上げたいんですが、いかがでしょうか。
それから次、(2)点目、嘉手納基地爆音被害公平補償問題についてでございます。
去る5月の9日に防衛施設局からの招きで「嘉手納基地爆音被害公平補償を求める会」の皆さんと一緒に防衛施設庁に行ってまいりました。有識者懇談会の皆さんとの意見交換をし、地域住民の生の声を届けることができました。住民の皆さんの思いが答申に反映されるよう期待しているのですが、有識者懇談会のその後の協議状況について県は把握されているでしょうか。また、今後の県の取り組みについてお伺いをいたします。
嘉手納ラプコンについては取り下げます。
次、福祉問題についてでございます。
「新おきなわ子どもプラン」、その中の待機児童解消の取り組みとして、平成18年までに50カ所の保育所を新設整備して3500人の待機児童を受け入れる計画になっているのですが、認可外の保育園の認可化促進事業の進捗状況など保育所の設置についての考え方と、それでもなお潜在的待機児童が多数残るわけですが、その対応策についてどのようにお考えでしょうか。
そして今日、夫婦共働きの家庭が多いのですが、そういう中で幼稚園児や小学校低学年児の学童保育の現状と今後の取り組みについて御説明をお願いいたします。
次に、乳幼児医療費無料化の件についてお尋ねをします。
乳幼児医療費無料化の拡充への取り組みについて。
今回、医療制度改革で3歳未満児の医療費の自己負担が3割から2割に軽減されることになりました。このことは、少子化の流れの中で子育ての経済負担を軽減し、長期的視点に立った少子化対策の観点から実施されるものと聞いております。
そこで、この制度が実施された場合、これまでの実績に当てはめて計算すると年間で幾らの軽減になるのか、お答えをいただきたいと思います。
また、この軽減分の1割の財源は、制度の趣旨からしても乳幼児医療費無料化の拡充に充てるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
次、長寿県についてお伺いします。
沖縄は、日本一の長寿県として名をはせているのですが、最近では男性の平均寿命は4位に落ちているようであります。長寿県沖縄のキャッチフレーズは観光産業や地場産業にも大きく貢献しているはずであります。しかし、最近ではその地位が危うくなっているとのことです。県として、そのことをどのようにとらえているのか。また、今後も長寿県としての地位を維持していくためどのように取り組んでいくのか、御説明をお願いいたします。
(4)は取り下げます。
次、情報化への取り組みについてお尋ねをします。
(1)、電子投票への取り組みについて伺います。
去る23日に岡山県新見市の市長・議員同日選挙がございました。そこで、日本で初めて電子投票が実施されたとのことであります。銀行のATMみたいなタッチパネル方式の非常に簡単な操作になっていたようであります。電子投票分の開票事務がわずか22分で終わったと報道されました。
我が沖縄県としては、電子投票について今後どのように取り組んでいくのか、御説明をお願いいたします。
(2)、SOHO、いわゆるスモールオフィスあるいはホームオフィスのことですが、IT社会での新しい就業形態として注目されてきております。IT先進県を目指し、マルチメディアアイランド構想も推進する沖縄県として、新しい就業形態であるこのSOHOに対し今後どのように取り組んでいくのか、県の考え方をお聞かせください。
次(3)、電子政府、電子自治体を目指す流れの中で横須賀方式とも言われる電子入札制度が注目されております。このことは単に公共工事の入札制度だけにとどまらず、自治体の業務形態の抜本改革を促す内容を含んでいるようであります。県としての考え方を御説明ください。
次、4番目、土建行政についてお尋ねをします。
比謝川河川工事の進捗状況について。
1、昨年の台風16号のときに比謝川河川の整備不良により甚大な被害が出ました。結果を踏まえて各種対策が立てられましたが、去る15日の集中豪雨で沖縄市においても河川のはんらん、床上・床下浸水の被害がありました。その原因について御説明ください。
2、比謝川の基地内を通る部分について工事の進捗状況、米軍側との交渉の内容について御説明をお願いします。
国道330号の暗渠部分や水辺プラザ事業の進捗と今後の見通しについて御説明をお願いいたします。
(2)は取り下げます。
(3)、中城湾港護岸工事について。
12月議会でも取り上げました。そのときの土建部長の答弁は、有効利用のため再整備を考えていきたいとのことでした。地域の皆さんが大きな期待を寄せております。早期の実施が求められているのですが、整備に向けての今後のスケジュールをお聞かせください。
(4)、県道20号線の都市計画決定の進捗状況について御説明ください。
(5)、国道329号バイパスの都市計画決定の進捗状況について御説明をお願いいたします。
1回目終わります。
○知事(稲嶺惠一) 金城議員の御質問にお答えいたします。
基地問題で、旧軍飛行場用地問題の取り組み及び重点施策への位置づけについて一括してお答えをいたします。
県は、旧軍飛行場用地問題について、旧軍による土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業などにさまざまな問題があったと認識しており、未解決の戦後処理問題として国が何らかの措置を講ずる必要があると考えております。
このような考え方に基づき、沖縄振興計画案においては同問題を戦後処理事案として初めて位置づけて国に提出しました。今後とも、同問題の解決に向けて旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村と連携を密にしながら適切に対応していきたいと考えております。
県の重点施策への位置づけについては、沖縄振興計画案に戦後処理問題として位置づけた趣旨等を勘案し検討していきたいと考えております。
次に、長寿県維持のための施策についてお答えいたします。
現在、県民の平均寿命は女性は全国1位ですが、男性は4位となっております。また、壮年期死亡率は全国平均より高くなっており、本県の長寿県としての地位も危うくなっております。このため、痴呆や寝たきりにならない状態で生活できる期間、いわゆる健康寿命の延伸、壮年期死亡の減少及び生活の質の向上を目的に県民の健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を本年1月に策定しました。
また、「健康おきなわ2010」の推進母体として保健・医療関係者、住民代表、教育機関、市町村、産業界などさまざまなグル-プで構成する「健康おきなわ2010推進県民会議」を設置しており、去る6月13日に第1回県民会議を開催しました。
今後は、この「健康おきなわ2010」に基づき県民一人一人が主体的に取り組む健康づくりを社会全体で支援し、健康・長寿社会を築くため全県民挙げての健康づくり運動を推進していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 基地問題について、公平補償問題の協議状況及び今後の取り組みに一括してお答えします。
県は、嘉手納基地周辺地域に居住し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民も訴訟参加者と同様に受忍限度を超える騒音被害をこうむっていると認識しており、平成12年10月20日、那覇防衛施設局に対し、嘉手納基地爆音訴訟に加わらなかった住民の受忍限度を超える過去の騒音被害に対し適切な措置を講じるよう要請しました。この件については、昨年8月24日に来県された中谷防衛庁長官に対して同様な要請を行ったところであります。
国が設置した「飛行場周辺における環境整備の在り方に関する懇談会」は、昨年9月28日の第1回会合以来、6回の会合を開催し、現在、取りまとめ作業を行っていると聞いております。同会合では、公平補償問題とハンセン病訴訟判決等との整理、訴訟に対応する予算と訴訟に関係なく対応する予算の整理と確保、訴えていない人の不満解消についての検討の必要性等が話し合われたとのことであります。
県は、去る3月1日に行われた県と懇談会委員との意見交換の際、地元住民の意見及び県の考え方等を伝え理解を求めております。また、5月9日には同懇談会と公平補償を求める地元の団体との話し合いが東京で行われたと聞いており、今後の当該懇談会における審議の状況を見ながら、県としても適切に対応していきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉問題について、待機児童解消の取り組みについてお答えいたします。
県は、昨年度実施した「就学前児童の保育等に関する実態調査」の結果、潜在的な待機児童を約1万2000人と推計しました。このことから、待機児童解消策として新規の認可外保育施設認可化促進事業を実施するとともに、保育所の増・改築や保育所分園の整備などを促進することとしています。
当面の目標として、「新おきなわ子どもプラン」の最終年であります平成18年度までに保育所を50カ所創設し、認可外保育施設を利用していて認可保育所を希望していると推計される3500人の待機児童の解消を図ることとしております。
なお、今年度2カ所の保育所から施設整備をして認可を受けるという申し出と、5カ所の保育所から認可化促進事業を活用して3年以内の認可を目指すという実施計画書が出されております。
幼稚園児の午後の保育の現状と対策について。
本県においては、保護者の就労等により保育に欠ける児童であっても、5歳になるとほとんどの場合、幼稚園に入園するため午後の保育に課題があります。このことから、教育分野においても幼稚園での預かり保育を推進していますが、実施する園が十分でなく、幼稚園児が認可外保育施設や小学校低学年を対象とする放課後児童クラブを利用している実態があります。
認可外保育施設を利用している児童に対しては、健康診断費等の助成を行っており、一定の基準を満たした放課後児童クラブが幼稚園児を受け入れている場合には運営費補助の加算対象としております。
「新おきなわ子どもプラン」では、平成18年度までに放課後児童クラブについては小学校1校区に1カ所程度の280カ所、公立幼稚園における預かり保育については80カ所で実施する目標を掲げておりますので、実施主体である市町村と一層連携をし拡充を図ってまいります。
乳幼児医療費助成制度の拡充について。
平成14年10月から改正される3歳未満児の医療費の自己負担分が3割から2割になった場合、約8000万円の減額が見込まれますが、試算した額には高額療養費や医療費の伸び率などの影響を受けるため変動する可能性があるものと考えられます。
年齢拡大については、市町村の財源負担の課題もありますので、十分に調整を図りながら検討していきたいと考えております。
以上です。
○教育長(津嘉山朝祥) 福祉問題について、幼稚園児の預かり保育の現状と対策についての御質問にお答えをいたします。
県内における平成13年度の預かり保育の実施状況は、公立幼稚園においては246園中23園、9.3%、私立幼稚園では38園中32園、84.2%となっております。
県教育委員会としましては、平成11・12年度に預かり保育推進事業の研究地域を指定し実践研究を行い、その成果の共有化に努めております。
また、県教育委員会に「幼稚園教育の充実を図る推進委員会」を設置をし、預かり保育等の調査・研究を行い、実施に向けての具体的な取り組みや課題を明確にするとともに、各市町村において幼児教育に関する政策プログラムの中に預かり保育の実施を盛り込むよう勧めているところであります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 電子投票の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
電子投票制度につきましては、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」が平成14年2月1日から施行され、地方公共団体が条例の定めるところにより、当該地方公共団体の選挙にいわゆる電子投票機を用いて投票を行うことができるようになりました。
県としましては、これまで同制度導入に関する情報の収集に努め、市町村選挙管理委員会等に対しては文書による通知や説明会などを開催するなどしてその周知を図ってきたところであります。電子投票制度につきましては、開票事務を効率的及び迅速に行える等の利点がある反面、全国的にも実績がほとんどないこと、電子投票機の購入等に多大な費用がかかること、不在者投票等は従来の投票方法によることなど幾つかの課題も指摘されております。
本県における同制度の導入につきましては、他の都道府県の状況や県内の市町村の動向等を踏まえながら調査検討していきたいと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) SOHO、いわゆるスモールオフィス・ホームオフィスについての県の取り組みについての御質問にお答えします。
SOHOについては、新しい就業形態として今後発展していく分野であると認識しており、沖縄振興計画の県案においてもその導入を促進することとしております。県内においても、最近、電子地図製造等を業務としている県外の企業が立地して在宅の契約社員を採用する計画があるなど、SOHOに関する新たな動きが出ております。
本県は、高速回線の整備等を初め、SOHOの環境が整っていると関係者から評価されており、県としてもこうした環境を踏まえ、SOHOの新たな就業形態としての可能性について情報収集等を行っているところでございます。今後も引き続き産業振興公社等の関係機関と連携して専門家による講演会の開催や先進地域調査等を実施し、SOHOという新しい就業形態の普及のためにどのような支援ができるか検討していきたいと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 情報化への取り組みの電子入札制度の取り組みについてにお答えいたします。
電子入札制度は、公共事業に係る競争性の向上、コスト縮減及び事務の迅速化等の効果が期待できることから、その導入については県としても積極的に取り組む考えであります。
沖縄県内では、「公共事業支援統合情報システム」、すなわち「CALS/EC」の導入を図ることを目的に、沖縄総合事務局や沖縄県等の関係機関及び関係団体から成る「沖縄CALS/EC推進連絡協議会」が平成13年11月に設置されております。その協議会の中で、沖縄県の公共事業における電子入札の導入は平成19年度を目途としております。県としては、本年度、沖縄県CALS/ECの基本計画及びアクションプログラムを作成する予定であり、平成19年度からの電子入札の円滑な実施に向け取り組んでいきたいと考えております。
次に、土建行政について、比謝川における6月15日の浸水被害の原因と事業の進捗状況についてにお答えいたします。
去る6月15日の集中豪雨による被害については、白川地区で2件、照屋・安慶田地区で42件の床上浸水が発生しました。これは、当日の午後4時から6時ごろにかけて時間雨量60ミリメートル、連続3時間雨量で143ミリメートルの集中豪雨があり、一部未改修区間において通水断面が不足したことにより発生したものと思われます。
県としては、昨年の台風16号による浸水被害を踏まえて、比謝川の米軍施設内を通る部分について暫定掘削をするため、平成14年5月29日に米軍施設用地の返還申請を行っております。
また、緊急対策として、軍道橋下流部については、現河川内の堰の撤去や倒木の除去及び堆積土砂のしゅんせつを5月末までに完了しており、現在、福地橋から軍道橋までの区間において工事を進めております。
国道330号ボックスとその下流の水辺プラザ事業については、国や沖縄市と連携して整備を進めることとしており、水辺プラザ事業については平成14年5月22日に用地取得等に関する覚書を市と取り交わしております。
また、国道330号ボックスの改築については、現在、国道管理者と費用負担についての協議を進めており、今後とも国や沖縄市と連携を図り、地域住民の理解と協力を得て浸水被害の早期解消に努めていきたいと考えております。
次に、中城湾港護岸工事について。
中城湾港の具志川市前原から勝連町南原漁港に至る既設の護岸は、築造から相当な年数が経過していることからかなり老朽化が進んでおります。また、その護岸背後は宅地化が進み地域住民の憩いの場としての海岸域の利用が望まれております。
このようなことから、県としては護岸の改修を行うとともに、地域住民が水辺に親しみ快適に散策等ができるよう水たたき兼用遊歩道や植栽等の整備が必要であると考えており、現在、海岸環境整備事業として早期事業化に向け取り組んでいるところであります。
次に、県道20号線及び国道329号バイパスの都市計画決定の進捗状況について一括してお答えいたします。
県道20号線の拡幅整備は、国道との交差点協議や地形条件が厳しい区間における円滑な沿道アクセスを考慮した道路構造の検討など多くの課題があり、現在、国や沖縄市など関係機関との協議を進めているところであります。
また、国道329号沖縄バイパスは、国の直轄事業で整備する計画ですが、環境影響評価の準備書作成において調査項目の追加等があり時間を要しているところであります。
これらの道路は密接に関連していることから、同時都市計画決定を予定しており、今後とも鋭意関係機関との協議や環境影響評価の手続を進め、早期の都市計画決定を目指す考えであります。
以上でございます。
○金城 勉 再質問をさせていただきます。
まず、旧軍飛行場用地問題についてですけれども、答弁にありました旧軍飛行場用地問題解決促進協議会に加盟しているのは4地域の皆さんでございます。それで、その状況は4地域ともそれぞれ違う事情がありまして、今後の取り組みが非常に大事になってくるわけですけれども、県としてこの4地域の違う事情をどのように認識されているのか。
また、それぞれの違うそういう状況を踏まえながらどのように国と交渉していかれるお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
そしてもう一つ知事にお尋ねしたいんですが、この問題を考えるときに、私、非常に怒りが込み上げてくるんですね。国策で戦争をし、そして半強制的に土地を接収をしてきた。戦後は、他府県においては「緊急開拓事業実施要領」などに基づいて素早くこれが払い下げ返還されて地主に戻った。しかしながら一方、沖縄においては米軍の施政権下に置かれたために住民の意思とは関係なく、その継続使用がされてしまった。そして人権の保障もままならない時代を経て本土に復帰するわけです。
その本土復帰の時点で整備すべきこともできずに、30年たった今日なお未解決で推移していると。そういうことを考えた場合、やはり基地問題全体がそうなんですけれども、特にこの問題についても、この旧軍飛行場用地問題というフィルターを通して日本政府というものを見たときに、非常に沖縄に対する政府の差別といいますか、そういうものが浮かび上がってくるような気がいたします。
きょうの新聞に、嘉手納町の議会の模様が載っておりますけれども、宮城町長も議会答弁でこのように答えているんですね。「国に理不尽に土地を強奪された思いがある。旧地主の言い分は当を得たもの。戦後米軍が使わなかったら(旧地主に)返還されていた。権利関係の手続きに大きな瑕疵(かし)がある。あらためて国が調べ直し、取り扱いを慎重にしてほしい」という怒りを込めた答弁をされております。
そういうことでこの問題については、やはり怒りというものが根底にあってその理不尽な日本政府のあり方、法律的にはいろいろ最高裁判所の判決などもあるわけですけれども、しかし県民の立場から見ると、やはりこれは理不尽なそういう今日の結果になっていると言わざるを得ないと思うんですね。ですからそういう意味で、知事のこの問題についての率直な御感想をお聞かせいただければと思います。
次に福祉問題についてですけれども、乳幼児医療費の無料化について福祉保健部長から答弁がありました。市町村との調整をする中で今後検討していきたいということです。そして、その減額になる数字として8000万円の負担減になるということですけれども、私は、那覇市議会の状況を聞きましたら、那覇市議会においては九千数百万の軽減ができるという答弁があったようです。那覇市だけで9000万以上の軽減ができる状況の中で、沖縄県として8000万というのは数字が少ないのではないかという気がいたします。計算の方法はいろいろ複雑な計算方法のようになっているようですけれども、改めてこの件については計算をし直していただきたいと。那覇市の数字が間違っているのか、県の数字に誤差があるのか、原因は後で検討していただきたいと思います。
そういう中で那覇市としては、この今回の医療制度改革による軽減分を乳幼児医療費の枠の拡大に充てたいという答弁があったようです。ですから、単独でもやりたいという答弁があったようですから、その辺、そういう市の状況も踏まえながら、今後検討していただくよう要望を申し上げておきたいと思います。
以上です。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後2時8分休憩
午後2時11分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 金城議員の再質問にお答えをいたします。
旧軍飛行場用地の問題というのは非常に重要な問題でありますが、同時に、議員御指摘のように4地域の状況がすべて異なるという非常に複雑な問題がございます。
その中で、県として今回多くの方の要望を取り入れて初めて振興計画の中に取り組んだということは、これは県としてははっきり前向きに進むという姿勢の打ち出しでございます。その意味で今後とも旧軍飛行場用地問題解決促進協議会とか関係市町村と一緒になりながら、できるだけ早くプロジェクトチームを立ち上げまして、非常に困難な問題でございますが、しっかりと受けとめて進んでいきたいと思っております。
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
先生がおっしゃるとおりそれぞれの協議会の事情が違いますので、今後とも同問題の解決に向けて旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村と連携を密にしながら適切に対応していきたいと考えております。
○仲里 利信 皆さん、大変お疲れさまでございます。元気を出して頑張りましょう。
質問の前に、通告してありました4番目の行政改革の一環として県の庁舎内での飲酒を禁ずる件の見直しについては、賛否激しく対立をいたしておりまして、今回は関係上、残念ながら取り下げをいたしまして、改めて前向きな議論をしたいと思います。
それでは通告に従いまして一般質問を行います。
1、沖縄振興新法に基づく振興計画について。
(1)、南部圏域に対する振興策について。
ポスト3次振計となる沖縄振興特別措置法も去る4月1日施行され、その新法に基づく振興計画も来月、国により決定され施行される運びとなった。圏域別の振興策を図る上で1次・2次振計では南部、中部、北部、宮古、八重山の5圏域のところ、3次振計では南部・中部圏域を統合して中南部圏域となりました。
本員は、経済圏の異なる南部、中部を同一線上で振興策を講ずることは得策ではないとの提言をし、新しい振計では南部と中部を分離し新たに5圏域として振興策を講ずることとなりました。中南部圏域を分離するねらいは、基地のある市町村に対する振興策はメジロ押しであるが、基地のない南部島尻地域への振興策が具体的な形で示されてなかった。新しい振計では、県土の均衡ある発展を図るため圏域の分離がなされました。新しい振計において南部圏域に対する具体的な振興策を明らかにしていただきたい。
2番目、新大学院大学の設置について。
昨年2月定例会で自民党を代表いたしまして、基地のない市町村に対する振興策の一環として、国立による世界超一流の理工科系大学(例えば米国のマサチューセッツ工科大学 MIT)並みの大学を設置すること、教授陣も世界の著名なノーベル賞受賞学者を招聘し、事業費や運営費は政府開発援助資金(ODA)を利用することを提案をいたしました。
県の答弁は、新たな国立大学の設置は厳しいものがあるとの答弁でありました。その後、昨年6月20日の新聞報道で、ポスト3次振計の目玉事業として政府の科学技術開発と大学院改革など国家的政策の具体化と経済自立化に向けた沖縄振興と連動し、我が国の南の交流拠点形成の具体的な施策として大学院大学構想が位置づけられました。
本員の提案をいたしました超一流の理工科系大学案と、これまでに例のない世界最高水準の大学院大学構想が時を同じくして発表されたことに驚きと感激の念を禁じ得ません。このことは、まさに私の提案をいたしましたことが採用されたものだと、このように認識をいたしております。
我が県の不利性と言われました本土市場との遠隔性、島嶼性ゆえ大きな産業の立地は極めて困難な状況の中にあって、逆に不利性を克服をいたしまして有利な条件とするためには、沖縄県の置かれた状況を十二分に活用することであると思っております。その最も重要なことがアジア・太平洋地域に近く、気候も温暖で歴史的にもアジア地域との交流が盛んで、県民は国際性にすぐれ、またさきの大戦で沖縄県が大変な被害を受けたことをアジアの皆さんはよく承知しており、アジアとの交流は日本のどの地域よりも優位にあると言っても過言ではございません。
我が県の亜熱帯地域としての特性は、バイオ技術、地球環境科学、エネルギー工学、熱帯・亜熱帯地域の風土病や遺伝子の研究、大量に陸揚げされている光ファイバー網を駆使したIT産業の振興等無限の可能性を秘めております。
世界の著名なノーベル賞受賞学者が来県することにより我が県の知名度アップにつながり、観光産業への波及効果ははかり知れず、教授や研究者などの子弟教育の場の整備、大学ができることにより近隣には企業による研究施設や附帯設備、あるいは工場などの立地が予想され、筆舌に尽くしがたいほど大きな可能性を秘めております。
大学の規模は、新聞報道によると総事業費800億円、年間運営費200億円、教授陣200名、事務職員300名、学生500名で、2005年度は研究所としてスタートし、2006年度から非公務員型の新しい大学法人として正式に開学するとのことであります。
当面の課題といたしまして、1、自前の運営資金200億円の確保をどうするか。
2番目に、ノーベル賞受賞者級の教授陣の確保と優秀な学生の確保をどうするか。
3点目、その家族や子弟のための外国語で学べる小・中・高校の整備をどうするか。
4点目に、外国語で話せる医療、その他地元側での英語による対応はどうか等々、問題は多岐にわたっております。
また、優秀な人材を集めるには研究設備の完備、人的支援体制、研究費の保証、高給の確保、あわせてすぐれた同僚、研究者仲間、学生と議論をしながら研究できる環境整備が必要と思われます。
最も急を要するのが建設場所をどこにするかでありましょう。新聞報道によりますと、敷地面積が100ヘクタール程度で空港や都心への距離が20分以内という制約と、将来的にはさらなる拡張可能な地域で用地取得が容易であること等が挙げられております。
以上のことを踏まえまして当局の対応をお伺いいたします。
(1)、県土の均衡ある発展と交通アクセスの利便性、広範な敷地の確保が可能な南部島尻地域に大学院大学を設置していただきたい。
(2)、新大学院大学は、独立行政法人型の先行モデルとして導入されますが、県はどのようにかかわりますか。
(3)、家族や子弟の教育は、小・中・高校ともすべて外国語となるが、その対応はいかがでしょうか。
(4)、その他開学に向けての課題があればお示しいただきたい。
3番目、産業振興について。
(1)、地場産業育成策について伺います。
公立学校で使用している県外産スチール製学習机を県産材使用の机に切りかえることについてであります。
昨年6月に発表された県工業連合会による「沖縄の地場産業の発展に関する調査研究」報告書によると、1、食料品、2、繊維製品、3、木製品・家具、4、印刷・出版、5、鉄鋼製品、6、金属製品の6業種で、県内で生産されている製品の使用割合、すなわち自給率を3%上げるだけで新たに5900名の雇用と375億円の経済波及効果が生まれるとの注目すべき報告がなされております。
このことは、私ども県民一人一人が常日ごろから県産品の優先使用を心がけ、従来使用しまたは購入している商品を再チェックし、意識的に県外品にかえてわずか3%の県産品を購入いただけるならば、さきに述べたとおり5900名の新たな雇用と大きな経済効果をもたらすことにつながります。
御承知のとおり、最近、県内で製造されている産品も品質、価格の点で県外産と遜色がなく、逆に県外への出荷がふえていることは心強い限りでございます。県外産品を購入すればその資金は即県外へ流出し、県内の経済効果はゼロに等しいものがあります。いわゆる本県経済がざる経済だと言われるゆえんであろうかと思います。県内で生産される産品を購入いただけるならば、雇用の場の確保や資金は県内で環流するので経済効果は生産額の数倍の効果があると言われております。
県当局では、県内における高失業率の改善と製造業における生産額の増大を目的に、県外より企業誘致を積極的に推進していることは大いに評価をいたしたいと思います。
しかし、その実績は必ずしも期待したほど上がってはおらず、これまで本県にはコールセンターなどIT関連企業、その他が新たに立地をいたしましたけれども、新たな雇用はせいぜい4000名程度となっております。したがって、新たな企業誘致に加えて県工連が提言している県産品をあと3%県外品にかえて御使用いただく運動を行政みずから積極的に推進すべきであると思います。
そこで、本員は、県産品の自給率を上げるために県独自で何かできることはないか検討した結果、現在、県内小・中・高校で使用している県外産スチール製学習机、腰かけを県産松材を使用した純然たる県産品に切りかえれば新たな雇用の場ができ、大きな事業が展開できることに着目をいたしました。
向陽高校は、開学以来9年になります。県産松材使用の学習机が導入されているとの情報に接しまして、早速同校を訪ね学校当局の御意見を拝聴いたしました。同校では、入学から卒業まで同じ机、腰かけを使用させております。その結果、生徒たちが物を大事にする心が生まれ、9年間使用しても新品同然で現在まで補充もほとんどなく、生徒たちにも喜んでもらっているとの話でありました。
以上のことを踏まえまして、以下、県外産スチール製と県産松材利用学習机、腰かけの利点と欠点を申し上げて参考に資したいと思います。
まず、本土産スチール、ベニヤ張りの場合。
利点1、軽く持ち運びが容易である。2、単価が約8000円と安い。
欠点、耐用年数が約5カ年と短い(溶接部分から剥離を起こす)と言われております。現在、補充のために毎年2億5000万円程度予算化されていると聞いております。
2点目、リサイクルが困難であるということです。
次に、県産松材を使用する場合。
利点として、1、耐用年数が20年程度見込めること。向陽高校の実績から古いほど光沢を増し、さらに9年間補充は一切ないとのことでありました。
鉄くぎ等を使用していないために分解して再利用ができます。
燃料やおがこなどへの資源として再利用が可能であります。
メーカーからパーツとして購入し、学生みずから組み立てることにより教材として利用価値があります。
5点目、高さの上げ下げができるので低学年から高学年まで共通に利用が可能であります。
6点目、木材の乾燥技術も確立され、変形等の心配は一切ありません。
7点目、松くい虫被害木でも利用可能であります。従来はすべて焼却処分をいたしておりました。
8点目、端材は粉砕しておがことして利用できます。
9点目、新たな産業と雇用の場の創出につながる。
10点目、県内林業の発展につながる。
欠点として、スチール製に比べ重たい。ただし5キロ程度で1人で移動が可能であります。
2点目、単価が約1万6000円とスチール製より高い。同品質の製品が本土に移出されておりますが、本土市場価格は2万3000円から2万5000円で販売されているとのことであります。
以上、県外産スチール製と県産松材製と比較して明らかなように、県産品の方が使い心地、外観、耐久性や環境に優しく、かつ費用対効果の点ですぐれていることが立証されました。
ちなみに、公立幼稚園児から高校生までの生徒数は22万6380余名であります。学校現場で使用している県外産スチール製学習机を、県産の松材を使用した高さ調節可能な学習机に変更することによる経済効果は40億円産業と言われ、木工部門だけで新たな雇用が50名以上見込めるとのことでありました。
県工連の調査報告に述べられているように、県産品の自給率は30%前後で低迷をいたしております。低迷している自給率を上げるためには県民の意識改革はもとより、行政みずから率先して県産品使用の実証を県民に知らしめる責務があると思っております。
学習机、腰かけを県産品の自給率改善の一助とするべく県産材使用の学習机、腰かけにぜひ切りかえていただくことを提言いたします。このことについて県教育長、商工労働部長、農林水産部長の決意をお伺いいたします。
参考までに、4階ロビーに向陽高校で使用中の学習机と上げ下げ可能な新製品を展示してありますので、ぜひごらんいただきますようお願いを申し上げまして質問を終わります。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) それでは仲里議員の御質問にお答えをいたします。
新大学院大学の設置についてでございますが、まだこの構想が全く表に出ない時点で仲里議員が既に理工系ということで提唱されたということは、先見の明があったということで敬意を表しながらお答えに入ります。
南部島尻地域への大学院大学の設置について。
大学院大学の設置に向けては多くの市町村等から誘致要請があり、県民の期待も相当に高まっております。県としては、「大学院大学候補地選定の基本方針」を踏まえ、広く各界各層の意見、提言を聞き、候補地についての県の考え方を取りまとめ国に推薦したいと考えております。
続きまして、新大学院大学への県のかかわりについてお答えいたします。
沖縄新大学院大学は、国設民営方式の運営が想定されておりますが、その法人組織形態については今後「沖縄新大学院大学構想検討会」や「国際顧問会議」において検討されていくものと考えています。県のかかわりについては、法人組織形態のあり方等が国において明確にされた段階で関係機関とも連携しながら検討していきたいと考えております。
次に、その大学院大学の問題で、外国語教育への対応、その他の課題等について一括してお答えいたします。
教授陣、研究者等の家族生活の支援は、世界トップレベルの人材を引きつけるために不可欠な条件であると考えています。そのためには、よい環境の中での良質な住居の整備、子供への英語教育プログラムの提供、安心して医療を受けられる医療機関との連携など、安全で快適な暮らしのできる生活環境等の整備が重要であると考えており、関係機関と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄振興新法に基づく振興計画についての南部圏域に対する振興策についてお答えいたします。
南部圏域については、その特性を踏まえ都市問題に対処するとともに、農村及び離島地域においてその特性を生かした活力ある地域づくりを推進します。
那覇市や浦添市を中心とする都市地域においては、都市機能の再編・再整備を推進することとし、西海岸における国際物流拠点の形成を図ります。
豊見城市から糸満市にかけては、臨空港型産業や製造業、情報通信関連産業等の誘致・集積を図るとともに、園芸農作物の拠点産地の形成や水産業の振興を図ります。
与那原町から知念半島に至る東海岸地域においては、農林水産業の振興と健康・保養や歴史散策等を中心とした観光を推進します。
南風原町、東風平町等においては、都市近郊型農業を振興するとともに、良好な住宅市街地の形成に向けた整備を進めます。
離島地域においては、体験・滞在型観光の推進と農林水産業の拠点産地化を促進します。
特に産業の振興については、西海岸や東海岸地域におけるコースタルリゾートなど、海洋レクリエーション基地の形成により観光・リゾート産業の振興を図ることとしております。
情報通信関連産業については、情報通信産業振興地域制度等を活用し企業の集積を図ることとしております。
物流・製造業については、那覇空港や那覇港に隣接する利点を生かし、空港・港湾活用型産業の集積を図ることとしております。
農林水産業については、地下ダム等水源の確保に努め、園芸品目等の拠点産地の形成を図ってまいります。また、都市近郊型農業や資源循環型農業を促進するとともに、漁港施設、増養殖場の整備及び流通・加工機能の充実を図ってまいります。
○教育長(津嘉山朝祥) 産業振興について、県産松材等を使用した学習机、腰かけに変更することについての御質問にお答えをいたします。
学校現場に県産の松材等を使用した学習机、腰かけを普及させることは、県内の林業、木製品産業の振興及び児童生徒への情操教育に役立つものと思われます。
県産松材を使用した学習机、腰かけは、スチ-ル製品と比較して価格差が大きく、予算上の対応が現在厳しい状況にございます。県教育委員会といたしましては、学習机等に県産松材を使用した製品を導入することについては、厳しい財政状況の中でどのような導入方策があるか引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 学校での学習机等の県産材使用についての御質問にお答えします。
県経済の活性化及び雇用の拡大を図るためには、県産品の優先使用が重要な課題であります。そのため県は、昭和59年に「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定し、毎年7月を県産品奨励月間と位置づけ各種要請活動を行うなど、県産品優先使用の普及・啓発に努めております。
学習机等の県産材使用につきましては、同方針の趣旨に沿うものであり、県内の林業及び木工業界の振興を図る上で積極的に進めるべきであると考えます。
また、商工労働部としても工芸指導所において木工の加工・技術に関しての指導を行っているところでございます。
○農林水産部長(天願貞信) 産業振興について、学校での学習机等の県産材使用についてお答えいたします。
リュウキュウマツ等の県産材は、乾燥、加工技術が確立されたことにより集成材や内装材、家具材などの付加価値の高い利用が促進されております。しかしながら、リュウキュウマツ等県産材を使った学習机、腰かけはスチール製品と比較して割高という課題があり、普及していない状況にあります。このため、木工製品の規格の統一化や量産化による製品コストの低減に取り組んでいるところであります。
木材は、ぬくもりや特有の木目の美しさや色合いを持ち、人に心地よさを与えるなど児童生徒の情操教育に役立つものと考えております。今後とも森林組合、木工業界など関係機関と連携をし、学校での学習机等の県産材使用について普及を図り、県産品の自給率の向上に取り組んでいく考えであります。
以上であります。
○池間 淳 皆さん、こんにちは。
一番しんがりになりました池間淳です。所見を交えながら一般質問をさせていただきます。
安慶名部長、新垣公室長、宜名真局長が誕生いたしまして、本議会から新しい執行部がスタートいたしました。3部長の皆さん、おめでとうございます。
稲嶺知事の任期も残り少なくなりましたが、新執行部の皆さんをごらんください。この短期間でも稲嶺知事の2期目のスタートにふさわしい揺るぎない基礎づくりができるんだというふうな顔づくりをしてございます。すばらしいメンバーがそろったと思います。
新執行部の皆さん、どうぞ稲嶺知事をしっかりサポートして頑張っていただきたいと思います。
それでは我が党の代表質問との関連について知事の2期目の出馬についてお伺いいたします。
稲嶺知事は3年半前知事に就任以来、御承知のとおり責任感が強く使命感に燃えて公約の実現に向けて全力投球してまいりました。ほとんどの公約は実現を見ておりますし、また九州・沖縄サミットの成功、昨年9月11日の米国での同時多発テロによって心配された世界のウチナーンチュ大会の成功、グスク群の世界遺産登録、沖縄復帰30周年記念式典等々、知事の実績は数え上げれば枚挙にいとまがありません。
稲嶺知事はこのような実績を踏まえ、21世紀の沖縄は自立する沖縄県に生まれ変わらなければならないと常々言っておられます。自立する沖縄県を構築するには魚より釣り具が必要であるということで、沖縄振興特別措置法という立派な釣り具を手にすることができました。この法律に基づいて沖縄振興計画が策定されておりますが、稲嶺知事の任期があと6カ月しか残っておりません。
このようなすばらしい沖縄振興計画を実現するためには残された6カ月間では短過ぎます。せっかく立派な釣り具を手中にし計画を策定しておりますので、自立する沖縄県の確立を実現するためには稲嶺惠一知事以外にはいないということで、続投を多くの県民や各種団体から強い要請がなされております。そして本議会においても多くの議員から再出馬が要請されております。
知事、前回の出馬表明は一県民稲嶺惠一であったと思います。しかし今回は違います。政治家稲嶺惠一であります。政治家稲嶺惠一の実績を多くの県民が高く評価し出馬を要請しているわけでありますから、表明の場としてはこの本会議場がふさわしいと私は思っております。どうぞこの本会議場で出馬表明をしていただきたいと思いますが、知事の決意をお聞かせください。
2番、浦添市西海岸開発と那覇港湾の整備について。
(1)、那覇港は、沖縄県の生活水準の向上と本土及び近隣諸国を結ぶ港湾として整備され、以来、県民の生活や産業の活動を支える拠点として重要な役割を果たしてきました。ところが自立経済の確立を目指す沖縄県にとっては産業の振興や雇用の確保が必要になってきますが、現在の那覇港湾の機能では国内外の企業を誘致することは無理があり、どうしても港湾を拡大して整備する必要性に迫られております。昭和63年には港湾を浦添地先まで拡大した改訂が行われております。当時、浦添地先に港湾が整備されるということで那覇市と浦添市の合意のもと管理は分離・分割方式で管理することが確認されておりました。ところが運輸省(現国土交通省)から、1つの港湾で分割した管理はよくないという見解が出されたため両市で一部事務組合を設立して管理することを確認し、一部事務組合には県の参加も働きかけていくという覚書を締結しスタートしておりますが、数回にわたる事務調整でも県との合意が不調に終わっております。以来、那覇港湾管理者である那覇市は広大な港湾整備には莫大な財政が必要なため、那覇市の財政では無理であるということでこの事業は遅々として進展しておりませんでした。
ところが、県がようやく重い腰を上げ、いろいろ紆余曲折はありましたが、課題解決をしてようやくことし4月1日に那覇港管理組合がスタートをいたしました。知事の公約であるSACOで合意された那覇港湾施設が大きく動き出します。港湾整備と浦添市西海岸開発についての知事の抱負をお伺いいたします。
(2)、鉄軌道を持たない本県においては、人はもちろん物資の輸送は車に頼らざるを得ません。他府県とは比べものにならないくらい沖縄県では道路の整備がいかに大事かということは国も十分承知のはずであります。本県、特に本島の物資輸送は広域幹線道路である国道58号であるということは言うまでもありません。ところがこの国道58号、特に浦添地内の交通渋滞といえば大変ないら立ちを覚えます。このような慢性化した渋滞混雑時の平均速度は実に全国でもワースト2に入っており、この渋滞による経済損失は何と年間1600億円とも言われております。全国平均の70%の所得しかない沖縄県にこのような経済損失は県経済にも大きなダメージであります。一日も早くこのような苦しみから抜け出すためにも早急に国道58号の交通渋滞を解決できるような道路を建設しなければなりません。
従来、この必要性を十分認識しつつもどうにもならない原因があったと思いますが、その原因をようやく取り除くめどがつきました。それは那覇港管理組合の設立スタートであります。糸満から読谷まで約50キロメートルを沖縄西海岸道路として国が整備を進めております。いろいろと要因はあろうかと思いますが、那覇北道路約2.2キロメートルが中止路線に位置づけられ事業が中止されております。この那覇北道路と浦添地先の宜野湾までの区間が整備されなければ国道58号の交通渋滞の解消はできないと思いますので、早急に事業の再開を要請していただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
(3)、那覇港管理組合が設立されスタートしておりますので、那覇港湾の浦添地先の整備と浦添西海岸開発は大きく動いていくと思います。この事業がスムーズに進展するためにも沖縄西海岸道路の浦添市と宜野湾市間の整備は早急に整備しなければならないと思いますが、国に対する要請についてお伺いいたします。
3番、伊良部架橋の早期着工について。
(1)、島嶼県である沖縄県では離島の発展なくして沖縄県の発展はないと思います。国や県の発展の大きなバロメーターになるのは交通機関がどのくらい整備されているかによると思いますが、我が沖縄県には他県のような鉄軌道がありません。交通機関といえば空港、港湾、道路であります。このようなインフラの整備こそが沖縄県の発展に大きくつながっていくと思いますが、知事を先頭に土建部長を初め土建部の職員の皆さんが一生懸命頑張っていることに敬意を表したいと思います。
ところで、伊良部架橋については県道平良下地島空港線として整備することになっておりますが、平成13年度までに橋梁部分については橋梁予備設計、取りつけ道路予備設計、環境現況調査などは既に実施されております。平成14年度以降は環境影響評価等の調査を沖縄県環境影響評価条例に基づいて実施していると思いますが、これらの調査の進捗状況と平成15年度以降の国への予算要求等を含めた今後の事業化に向けたスケジュールについて詳しく御説明ください。
(2)、平良下地島空港線の架橋に取りつけする平良市側と伊良部側の道路を早急に整備することが伊良部架橋早期着工に大きく前進すると思います。知事の伊良部架橋についての並々ならぬ取り組みと熱意については大変感謝をしております。ぜひ架橋部分と同時並行で取りつけ道路を進めていただきたいと思いますが、知事の御見解を賜りたいと思います。
教育行政について。
全国的に雇用対策や失業率解消の問題は大きな政治課題であります。我が沖縄県においても全国平均を大きく上回る失業率となっておりますので、ともどもに雇用対策のために取り組んでいかなければなりません。
文部科学省においては、「学校いきいきプラン」事業の一環として多様な経験を有する社会人を学校に補助教員として配置する計画が出されております。県教育委員会ではこの計画に基づいて緊急雇用創出特別交付金を活用してこの事業を推進していく計画を立ててスタートしております。失業率の高い沖縄県においては雇用創出のためにもこの交付金制度をフルに活用し、一人でも多くの補助教員を採用すべきだと思います。
私は、新しく採用される教員についても学校現場の教壇に立つ前に民間企業での研修を一定期間──できれば半年から1年間──経験させるべきだと思います。民間から採用される補助教員が学校現場に配置されることにより一層活性化した学校づくりができると思いますので、一日も早く多くの補助教員を採用していただきたいと思います。教育委員会では平成14年度からこの事業をスタートさせていると思いますが、現在の採用状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
福祉行政について。
去る6月23日の「慰霊の日」の戦没者追悼式典で手話通訳が取り入れられておりました。式典での手話通訳導入により耳の不自由な方々の参加は多くなっていると思います。健常者との参加の機会を多く持つことにより、より一層の理解や感銘を共通することが福祉の向上につながっていきます。どうぞ今後県が主催するイベント等においてはぜひ手話通訳を取り入れていただきたいと思います。
障害には、耳の不自由な方だけでなくいろいろな障害のある方がいらっしゃいます。県の施設においてはバリアフリー化等に取り組んで障害のある方々が日々充実した生活が送れるように頑張っていることは御承知のとおりであり、感謝をしております。今後とも障害のある方々が楽しく、気がかりなく、スムーズに社会参加ができるような環境づくりをしていただきたいと思います。
さて、私の昨年12月議会での質問に対して、耳の不自由な方々に対して総合案内所での対応は筆談で対応しているとのことであります。ぜひ手話通訳の導入をしていただきたいと提言いたしましたが、部長の答弁では前向きに検討したいとの考えを示していただきました。
総合案内所での手話通訳導入についての現状説明と今後の取り組みについてお伺いいたします。
よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 池間議員の質問にお答えいたします。
最初は代表質問との関連でございますが、今回再選出馬するようにということで大変温かい評価をしていただきまして、心から感謝を申し上げます。
渡久地議員、翁長議員、宮城議員からもそれぞれお話がございましたけれども、私自身、一生懸命全力を尽くしてきたかいがあったなということで大変感謝を申し上げたいと思っております。ただ、これから大変重要な問題でございますので、心から感謝をしておりますけれども、今しばらくじっくり時間を与えていただきたいと思います。
続きまして、浦添市の西海岸と那覇港湾の整備についてお答えをいたします。
池間議員におかれては、那覇港管理組合の議会議長としてこれから御指導をよろしくお願いをしたいと思っております。その上でお答えをいたします。
港湾整備と浦添市西海岸開発についてのお答えは、那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備し国際競争力を高めるためには、国直轄事業、SACO関連事業、新たな補助等の制度拡大及び規制緩和等国の多様な制度の導入に加えて県などの組合構成母体の支援が必要であります。
那覇港の整備については、今後那覇港管理組合が進めてまいりますが、県としては那覇市及び浦添市と連携を図りながら、那覇港が国際的なトランシップ港湾として機能し、本県の経済自立化の中核を担うよう積極的に支援していく所存であります。
また、浦添市西海岸開発については、SACO合意事案の着実な実施を図る上からも重要であると考えております。
なお、その事業内容及び範囲については、今後の港湾改訂計画策定作業の中で浦添市の意向を踏まえ議論されるものと考えております。
次に、伊良部架橋の早期着工について、事業化に向けた調査の進捗状況と今後の取り組み及びスケジュールについてお答えいたします。
伊良部架橋事業化に向けた着工準備調査につきましては、円滑な事業執行環境を整えることを目的として平成13年度に着手したところであります。
調査の進捗状況としましては、平成13年度から平成14年度にかけて橋梁の基本設計、環境影響評価に関する調査及び技術検討委員会などを実施しているところであります。今後のスケジュールとしましては、引き続き環境影響評価に関する調査などを実施することとしており、順調に進めば着工準備調査は平成15年度で完了する予定であります。
県としましては、伊良部架橋は伊良部町の医療・教育・福祉の向上を図り、宮古圏域の産業振興などを支援する観点から重要なプロジェクトであると認識しており、今後とも関係機関との調整や地元との連携を図りながら、早期に事業着手できるよう努力していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(安慶名正行) 答弁に入る前に、池間議員、励ましの言葉、大変ありがとうございました。これからまた土木行政を頑張っていきますんで、よろしくお願いいたします。
それではお答えいたします。
まず浦添市西海岸開発と那覇港の整備についての、那覇北道路の事業再開及び浦添地先の建設の早期実現要請について、この2つを一括してお答えいたします。
沖縄西海岸道路は、読谷村から糸満市に至る延長約50キロメートルの地域高規格道路であり、交通渋滞の緩和はもとより、本県の振興開発と地域の発展を図る上で極めて重要な路線であります。
そのうち那覇北道路は、那覇市曙から若狭に至る延長約2.2キロメートルの道路であります。当該道路は、那覇港の港湾施設用地内を通過することなどから港湾計画の改訂が必要になっておりますが、そのめどが立たないことから平成12年度の公共事業の見直しの中で中止路線に位置づけられたものであります。国においては、港湾計画改訂の進捗状況を踏まえつつ、再事業化に向け引き続き準備を進めていると聞いております。
次に、浦添地区の早期実現要請についてでありますが、当該区間の延長約7キロメートルのうち、宜野湾市宇地泊の宜野湾バイパスから浦添市港川に至る約2キロメートルが平成10年12月に調査区間の指定を受け、国において必要な調査を実施しているところであります。
また、港川から那覇市曙に至る残り約5キロメートルについては、港湾計画改訂の進捗状況を踏まえつつ、調査区間の指定に向けた準備を進めていると聞いております。県としても港湾計画改訂が速やかに行われるよう支援するとともに、沖縄西海岸道路の整備が促進されるよう今後とも国に要請していきたいと考えております。
次に、伊良部架橋の早期着工についての取りつけ道路の整備計画についてお答えいたします。
県では、平成13年3月に平良市久貝を起点とし、伊良部町佐和田を終点とする海上部を含めた延長14.4キロメートルの区間を平良下地島空港線として県道認定しております。そのうち、海上部の4.4キロメートルと平良市側取りつけ道路部の1.6キロメートルを当面の整備区間と考えております。
伊良部町長山から下地島空港までの8.4キロメートルについてはほとんど改良済みでありますが、緊急性のある箇所については調査を行い、整備に向けて検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 福祉行政について、手話通訳導入についての現状と今後の取り組みについてお答えいたします。
現在、本庁舎1階の総合案内所では4名の嘱託員を配置して電話による問い合わせや相談、庁舎案内などの業務を行っております。総合案内所における手話通訳については、平成14年4月から手話通訳のできる嘱託員1名を配置して耳の不自由な方に対し、手話による会話ができるよう改善を図ったところであります。
今後とも、総合案内所においては迅速丁寧な対応を図り、県民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、緊急雇用対策としての補助教員採用の現状と今後の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
平成13年度より、緊急雇用創出特別交付金を活用いたしまして小学校低学年支援事業と学校補助者配置事業を実施をいたしております。平成14年度における小学校低学年支援事業は、小学校1年生の36人以上の学級を持つ学校に58人の教員補助者を配置をし、児童の集団生活への適応指導及び学習指導の補助を行い、学級経営の充実・強化を図っております。
また、学校教育補助者配置事業は、17学級以上の中学校に51人の教員補助者を配置をし、教科や特別活動、「総合的な学習の時間」等における教師の補助を行い、学校の多様な教育活動をより積極的に推進をいたしております。今後、平成16年度まで今年度並みの雇用者数を確保していく予定でございます。
以上でございます。
○池間 淳 知事、伊良部架橋についての取り組み、本当にありがとうございます。
着工準備調査も15年で終わって、16年度からは実施設計に移っていくというふうなスケジュールになっているようでありますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
それから、総合窓口での手話通訳について4月1日からスタートしようという前向きの検討をしたいというふうなことであったんですが、私の調査違いで大変申しわけないんですが、4月1日からスタートしているというふうな部長の答弁がありましたんで、ぜひこの事業がずっと継続していきますようにお願いをしておきたいと思います。
それから、教育行政については、昨年の12月時点で補助教員配置は約四、五百名になるんじゃないかなというふうなことで雇用対策にも大きな貢献があるなというふうに思っておったんですが──ことしは計109名しか配置されてないようなんですが──この400名ないし500名の配置をするまでにはこの事業の計画年度があったのかどうか。あるいはこの事業は何年度まで続くのか。あるいはこれからずっと続いていくのかについて、この1点だけを聞かせていただいて質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政についての、緊急雇用対策としての補助教員採用の現状と今後の取り組みについての再質問にお答えをいたします。
まず、この緊急雇用対策の事業がいつまで続くのかということでございますが、これは平成16年度まで事業が継続をいたす予定でございます。
それから、先ほどこの両事業、小学校低学年支援事業と学校補助者配置事業につきまして、さきに説明した数が違うのではないかという御指摘がございましたが、そのとおりでございまして、計画の時点ではこの数、もっと多数でございました。実質予算を獲得し、事業を実施する段階でこのような数になっておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
以上でございます。
○副議長(髙良政彦) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明26日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後3時8分散会