○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた出納長嘉数昇明君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
また、地方労働委員会会長垣花豊順君及び人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日、30日及び10月1日から4日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君及び人事委員会事務局長野島拓君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
本日、30日及び10月1日から4日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
比嘉勝秀君。
〔比嘉勝秀君登壇〕
○比嘉 勝秀 おはようございます。
私は、自由民主党を代表いたしまして、県政の抱える幾つかの問題について稲嶺知事に御質問を申し上げます。
9月の17日、日本の歴代総理の中で初めて小泉総理が北朝鮮を訪問され、歴史的な会談が行われました。拉致疑惑で生存の安否が気遣われたこの会談、関係者の御家族の皆さんはもとより、国民が生存の期待を込めてかたずをのんで見守った会談でもありました。結果は、8人の死亡、4人の生存という極めてショッキングな発表となりました。何というむごいことでしょうか。これは、これだけの文明が進んだ現代社会においてこのようなことがあってよいものかどうか、極めて深刻で極めて憂慮すべき事態だと私は受けとめております。
沖縄県にとりましても、歴史的にも御縁の深い国であります。このことを対岸の火としないという強い姿勢が特に政治の衝にある者に強く求められてしかるべきであります。今さらながら自由のとうとさ、平和のとうとさ、民主主義のとうとさという人類普遍の崇高な理念をいま一度国民、そして全県民が深くかみしめ、深く認識をする必要があると思います。
稲嶺知事にお伺いいたします。
(1)点目、今回の小泉総理の北朝鮮訪問について知事の率直な感想を述べてください。
(2)点目、今回の訪朝は、大きな犠牲が伴った会談ではありましたけれども、これを乗り越えなければ前進しないという日朝間の不幸な歴史に終止符を打つ意味からも高く評価しなければならないと思っております。知事の御所見を賜りたいと思います。
そして、日朝間の国交正常化の問題、北東アジアの緊張緩和が解けて沖縄に、特に基地問題に大きな影響が及ぶと考えておられるのか、知事の御所見を賜りたい。
(4)点目、拉致疑惑を含めて相当数の日本国民が北朝鮮に入っているとのことであります。この数は全国的な広がりを持っているとも言われております。沖縄関係者もこれに含まれていないかどうか大変危惧するところでございます。外交ルートを通して調査をする必要があると思いますけれども、県御当局の見解を賜りたいと思います。
さて、時あたかも沖縄県は復帰30周年の節目を迎えました。第4回目の新しい振興計画も今度こそは経済の自立を図るんだと、こういう強い意思が込められた力強いスタートになっております。
この重大な局面を前にして行われます今回の知事選挙は、21世紀初頭の県政運営の道筋を決定づけ、沖縄の針路を左右する極めて重要な選挙であり、県民にとりましても沖縄の顔ともいうべきトップリーダーを決める厳粛な行事でもございます。
稲嶺知事は、みずからの責任と使命を認識されて、ここに新たな決意で知事選挙への再出馬を決断なさいました。4年の任期期間中、県勢発展のためにそれこそ全力疾走、走って走って走り抜いて今日まで頑張ってこられた稲嶺知事、よく頑張ったと思っております。私は、党を代表いたしまして心からの敬意とこの御労苦に対し感謝を申し上げたいと思います。
我々は過去に学び、未来に夢と希望を抱きながら現在に生きています。人類の歴史は、危機に瀕したときに初めて人を求めるとも言われております。だれもが知らない、だれもが気づかない、片隅に置かれている人を、時代の要請としてその人を一挙に表に出す、世に出すとも言われております。英国のチャーチル、フランスのドゴール、日本の吉田茂がそうであります。
4年前、稲嶺惠一という一民間の人を沖縄県の知事に引っ張り出した経緯は、まさに時代の要請であったと私は思っております。リーダーの誕生というのはこのようにして生まれるものかなあと、この誕生の不思議さを感じるのは私一人ではないと思っております。
そこで、稲嶺知事、過去4年間の県政運営を振り返ってのあなたの思いと、そしてまた沖縄県の21世紀の未来像をどう確立していこうとお考えになっておられるのか、知事の決意のほどをお伺いいたします。
(3)点目、さて、大田県政当時に副知事をお務めになられた吉元政矩さんが、9月24日に知事選挙への出馬を表明なさいました。共産党も独自の候補を立てるようでございます。非常にいいことであります。基本政策も近く発表されることを受けまして本格的な選挙戦が展開されるわけでございますけれども、4年に一度の厳粛なこの行事、お互いの掲げる政策を県民にしっかり示し、説明をし、競って理解を深めていく中から立派な選挙戦になりますことを心から念じております。
今回の選挙戦の争点について、幾つかの課題について私なりの所見を申し上げ、知事との認識の一致を見出してみたいと思っております。
まず、第1点目は平和行政です。
大田県政の時代に築かれました平和の礎は、国籍や軍人・非軍人の区別なく沖縄戦で亡くなったすべての人々の氏名を刻んだ記念碑でございます。戦没者名を刻むことで戦争の悲惨さが訴えられ、新しい世代に平和の動きを伝えていく。また、沖縄サミットの際には稲嶺知事がクリントン大統領をエスコートして世界の恒久平和を願ったあの名場面が思い出されます。大田県政時代の金字塔はこの平和の礎であったと私は高く評価をいたしております。知事の御所見を賜りたいと思います。
また、8月30日に行われました沖縄平和賞の第1回目受賞者に、「中村哲を支援するペシャワール会」が選ばれ、厳粛な中で第1回目の授賞式が行われました。
内戦、社会不安など言語に絶する環境の中、だれもが行かないところに行く、他人のやりたがらないことをやるという信念を持って非暴力を旨として幾多の困難を乗り越えて無私の奉仕を続けている中村哲医師の言葉に私どもは深い感銘を覚えたものでございます。
沖縄平和賞設立から今日まで御苦労をされました関係者の皆さんに心からの感謝を申し上げたいと思います。そして、この創設された沖縄平和賞、この賞を今後どのように構築していくおつもりであるのか、知事の決意のほどを賜りたいと思います。
そして、私、ちょっとばかり吉元さんについてお話をさせていただきたいと思います。せっかくの選挙戦でございますので、民主主義の構築発展のためにも私はいい選挙になることを祈っておりますけれども、触れさせていただきたいと思います。
戦後の米ソが大きく対立した冷戦時に、日本の政治体制は自由民主党と日本社会党が主導した55年体制のもとで激しく対立した時代が長い期間続きました。もちろん沖縄の政治状況もこの影響下にあったことは御承知のとおりであります。時代は、冷戦構造が崩壊してソビエト連邦もなくなりました。日本政治の55年体制も解消されて久しくなります。
ところが、沖縄の政党──失礼ですが──特に革新の政党は依然として55年体制を引きずっている状況下にあります。日本社会党党首の村山内閣のときに、国の安全保障の根幹をなす日米安全保障条約を容認し、当然自衛隊も認めました。論争のあった国旗・国歌の問題でも、日の丸を国旗、君が代を国歌として大胆に認めるという政策の大転換を行ったのでございます。
ところで、沖縄の革新政党はこの点が今もって不明確であります。吉元さんは社民党の方であり、吉元さん自身この55年体制に深くかかわってきた人だけに、この際、この点を明確にさせる必要があると思いますけれども、知事の友人というかもしれませんけれども、この辺はしっかりひとつ知事の認識を承りたいと思っております。
また、この基本認識が整理されて初めて沖縄問題は対日本政府、対アメリカ政府との力強い交渉になり、結果として沖縄の基地問題の前進があると思うのでありますけれども、知事の御所見を賜りたいと思います。
さて、日米特別行動委員会(SACO)についてでございます。これも吉元さんと深いかかわりがございます。
米軍基地の整理縮小を目的として、基地問題に関する日米間の既存の日米安全保障協議委員会(2プラス2)のもとに新しい協議機関として設置されたのが日米特別行動委員会(SACO)でございます。しかも、この仕組みを積極的に推し進めたのが吉元さんと関係の深い親しい間柄の当時の村山富市首相であったわけであります。いいですか。平成7年(1995年)11月20日の村山・ゴア会談──アメリカの副大統領──村山・ゴア会談でこのSACOの設置が合意され、大田知事(当時)、吉元副知事もこの作業に積極的に協力をしたはずでございます。SACO協議の実施によって普天間飛行場と楚辺通信所の全面返還や、県道104号線越え実弾射撃演習の廃止などが盛り込まれて解決に向かったことは御承知のとおりであり、ただ那覇軍港の移設と普天間飛行場の移設を当初は進めようとしたけれども、支持母体の革新政党の反対に遭って進まなかったというのが実情であります。そう思うときに吉元さん自身自家撞着に陥って矛盾を来しているのではないか、現在も私はそう思っておられるのではないか、大変気になることでございます。
そこで、SACO合意事案11関連施設の進捗状況と、その中でも特に普天間飛行場の移設と跡利用、那覇軍港の移設と那覇市、浦添市の振興策についての進捗状況について御説明を求めたいと思います。
次に、15年使用期限の問題と革新県政当時の基地返還アクションプログラムについて御質問を申し上げます。
15年使用期限の問題と基地返還アクションプログラムの問題は、稲嶺県政、大田県政において基地問題に取り組む具体的な提起としてきわだってユニークな提案であったと思います。基地返還アクションプログラムは、国際都市形成構想を実現するためのプランとして2001年、2010年、2015年の3段階に分けて返還を求めていく計画であります。このプログラムは現実的には実現不可能だと、話にもならないと当時からそういう強い指摘がございました。4年前に稲嶺知事が出馬する際に指摘をされました、沖縄問題を解釈するのではなく、解決するために取り組むんだと、その言葉を思い出します。まさにこのアクションプログラムの提起が象徴的な事例だと私は思い浮かべるわけでございます。
これに引きかえ、稲嶺知事が4年前の知事選挙で公約した15年使用期限の問題は、普天間空港の県内移設はベストではないけれどもベターな方法として名護市のキャンプ・シュワブの地に移すことを決めた折に県民の許容範囲として使用期限を15年とすると決めたわけでございます。軍事基地の固定化につながるとする革新政党の指摘こそ全くの詭弁であり、むしろハードルを高くし過ぎてはいないか大変な心配もしているところでございます。しかし、知事の粘り強い対日本政府との話し合いの中で、1999年の12月28日の閣議決定でもって、代替施設の使用期限については沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受けとめ、米国政府との話し合いの中でこれを取り上げて協議をしていくこととするとの日本政府の最終意思を取りつけております。
閣議決定という国の最終意思は極めて重いものがございます。私は、この15年問題は一歩も二歩も前進した取り組みだと評価をいたしております。15年使用期限の問題は、キャンプ・シュワブにおける代替施設の建設着工前に何らかの進展がない限り普天間空港は動かないと県議会の本会議場において再々知事は答弁なさいました。知事の並々ならぬ決意のほどが伝わってまいります。
そうなりますと知事の腹は固まっております。閣議決定も取りつけ、外堀も埋まっております。最後にはアメリカ政府の同意をどう取りつけるか、これだけが残されております。ところで、米政府との交渉に向かう日本政府の姿勢に大きな問題があることも私たちはまたこの際気づいておかなければなりません。
沖縄問題についての対アメリカ政府との対応の弱さが伝統的に軟弱外交のそしりを免れないという現実はしっかり認識をしておく必要がございます。
従来、私たちはまず日本政府にお願いをする。そして外交権を持った日本政府が沖縄側の意向を踏まえて責任を持ってアメリカ政府に臨むべきところを外務省はそうはしないのでございます。思い余ってアメリカに直訴をするという悪い循環、このパターンが繰り返されておるのみでございます。
このような無理な話を何度繰り返しても私は無意味だと思っております。知事、満腹している牛に水を飲めというのと全く一緒であります。
そこで知事にお聞きをいたします。
15年使用期限の問題については、知事の努力で国の最終意思である「閣議」まで取りつけました。この閣議決定をもう一歩踏み込んで政府と沖縄県の間でまず覚書を締結してみてはどうか。閣議決定を受けて沖縄県と合意するということは、この問題を前進させるために大きな手だてになるものだと私は確信をいたしております。日本政府もアメリカ政府に対しこの覚書を根拠に強く出ていける素地がつくられるものだと思っております。沖縄県にとりましても日本政府はもとよりアメリカ政府に強く訴えることができると思うのであります。そこまで使用期限の問題を進展させることができましたら県民及び各政党の合意を取りつけ、知事みずからアメリカ・ワシントンに乗り込んでアメリカと直談判をする、この気概をこの際示してほしいと思います。その強い姿勢の中から大きな山は動くものだと私は確信をするものであります。
今回、知事は知事選への再出馬表明に際し、15年使用期限問題解決のために私は再び出馬するんだとの強い決意が表明されました。知事のこの問題に対するかたい決意のほどを聞いて私たちは意を強くしたものでございます。県民代表の議会の場でいま一度知事の決意のほどを県民に示してほしいと思います。
また、基地返還アクションプログラムについての知事の御見解も承りたいと思います。
稲嶺知事は、昨年5月にアメリカ合衆国を訪問し、戦後56年の長きにわたって過重な基地負担をしてきた県民の基地問題の解決を強く求める心、この心をアメリカ政府等に伝え理解と協力を求めてまいりました。
また、本年6月23日の全戦没者慰霊祭に昨年に引き続き小泉総理が御来県なさいました。ごあいさつの中で、沖縄の基地問題の諸課題は内閣の重要課題であると表明もされました。
衆議院外務委員会においては日米地位協定の見直しが決議されました。全国知事会においても同様の決議がなされました。超党派の勉強会も行われるなど沖縄の基地問題が国政レベルで論議がなされ、国民的な課題として徐々にではございますけれども、論議が深まっていく兆しが出ております。
ところで、稲嶺知事が三者協を再開してどんなに基地問題を訴えても、基地から派生する事件・事故は後を絶つ状況にはありません。沖縄県議会での抗議決議が繰り返されるだけで、むなしさを感じるのみであります。このことは日米地位協定の改定問題について政府が強い姿勢で取り組む形になっていないところに大きく起因していると言わざるを得ないのであります。
私は、この際、基地問題の根底をなしている日米地位協定の根本的な見直し、兵力の削減、基地から派生する事件・事故、米軍人による事件・事故、基地の整理縮小等の問題解決のために知事を団長にして訪米直訴をし、沖縄選出全国会議員、全県議会議員で構成するこのやり方で私は訴える必要があると思いますけれども、知事の御所見を賜りたいと思います。
7点目、都市型訓練施設と象のオリ問題についてでございます。
9月21日の新聞報道によりますと、在沖米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)がキャンプ・ハンセン内に新たな都市型戦闘訓練施設の建設計画を進めており、その施設をレンジ8射撃場に建設することを明らかにしたと報道されております。
都市型戦闘訓練施設の建設問題につきましては、1990年、恩納村近くのレンジ21に都市型戦闘訓練施設を建設した折に、施設に隣接する地元住民から猛烈な反対が起こり、比嘉副知事──当時の恩納村長──を先頭に1992年に撤去された経緯がございます。
現在においても、本県における狭い訓練施設の中での米軍の訓練には地域住民は不安を抱いており、この上、新たな訓練施設が建設されるということは米軍の訓練の過密化と恒常化につながるだけでなく、米軍演習の海外移転を進める県の立場からしても相反するものでございます。
このような米軍の新たな都市型戦闘訓練施設の建設計画についてどのように知事は対処なさろうとしておりますか、御見解を賜りたい。
そしてまた、象のオリ移設問題についても現状はどうなっているか、御見解を賜りたいと思います。
最後に、新しい振興計画は今までの沖縄振興の計画の立て方を根本的に見直した形になっております。沖縄の自立型経済構想案として、地域戦略として、例えば県都那覇市を核とする中南部地域を商業、業務及び工業集積地域として位置づけをする、本島面積の3分の2を占める広大な北部地域を名護市を核として観光・リゾート、学術、新産業創設地域として位置づけをする両眼構想案をこの際明確にして展開してみる必要があると思いますけれども、御見解を賜りたいと思います。
(2)点目、戦後、国鉄の恩恵を受けなかった全国唯一の沖縄県に鉄軌道を導入してもよいのではないかとの声が政府の内部にあると聞いております。沖縄県議会においても幾度となく鉄軌道導入を決議いたしました。現在、県議会においても超党派の鉄軌道導入促進議員連盟もつくって県民のニーズにこたえていく体制を整えております。行政が一向に前向きの取り組みになっていない。これにいら立たしさを感じております。新しい振興計画がスタートする時期に県民がひとしく待ち望んでおりますこのプロジェクトに思い切って手をつけ、人口の移動分散化を促してみてはどうかとの声がございますけれども、知事の率直な御所見を賜りたいと思います。
それから、普天間空港移設の軍民共用空港の建設についてでございます。
現在の論議は軍民共用の中の軍の部分に比重が置かれた議論になっております。地域住民はもとより、県民に理解を求めにくい構図になっております。その考えをちょっと変えまして、民の部分に比重を移した議論になると願ってもない民間空港をつくることになることから、私どもは空港建設誘致の運動をむしろ展開してよいのではないか、そう考えております。
したがいまして、将来において観光客が500万人体制から1000万人体制に移っていくという状況の中で、那覇空港だけでは対応できなくなる時代が到来することを見据えて、那覇空港同様の第2国際空港建設を目指して取り組む必要があると思いますけれども、知事の御所見を賜りたいと思います。
そしてまた、名護─本部間に重要港湾の地域指定を受けて将来に備えてみたらどうか、これにもお答えください。
現在進行している高規格道路の許田から川上間、さらに今帰仁・本部まで延ばし、右に大宜味村まで延ばし北部振興開発道路として延長を図り、新たな計画として宜野座村から旧久志、東村を経て大宜味村につなぐ高規格道路を思い切って計画してみたらどうか、知事の御所見を賜りたいと思います。
それから、北部3村──国頭村、大宜味村、東村──の自然の原生林を生かしたフォーレスト構想がございます。これを早急に実施してみてはどうか、御所見を賜りたいと思います。
次に、大学院大学の設置についてでございます。
大学院大学の設置構想は、沖縄をアジア・太平洋地域の先端頭脳集積地域として発展させ、その経済的自立を実現しようとの観点から尾身沖縄担当大臣によって提案され、今回この進展を見ておるのでございます。
大学院大学の設置は、本県における大学院大学に関連した企業や研究機関等の集積により、県経済の活性化や世界的な研究者や学生等の知的交流による人材の質的向上等、本県における振興発展に大きく貢献するものだと考えております。
しかしながら、離島県である本県に設置することについて学者や専門家の間ではその地理的特殊性から、歓迎する声もありますけれども、その反面、厳しい指摘をする声も聞こえてまいります。
そこで伺います。
第(1)点、大学院大学を設置し、開学の理念を実現するため克服すべき課題、問題点は何か。
(2)点目、世界的一流の研究者の招聘について、沖縄の地理的不利性は克服可能かどうか。
(3)点目、県内学生が将来受講できるような環境整備、すなわち語学力の向上等の教育環境の整備対策はどうか。
(4)点目、設置場所の選定と今後の取り組みについてもお伺いを申し上げます。
次に、北部振興でございますけれども、北部振興をスピードアップを図って確実なものにするため、例えば風光明媚な大宜味村の塩屋のあの地域でも結構です、一大イベント、例えば緑、海、科学をテーマとした国際博覧会を開催する計画を立ててスピードをつける必要がないかどうか、知事の御所見を賜りたいと思います。
次に、新しい振興計画の実効性を高める方策についてであります。
新沖縄振計は策定されました。その目標が実現されるかどうかはまさにその実効性にかかっております。計画の政策評価につながる行動計画としての個別計画を11分野にわたって策定し、そしてその中で4分野について国の同意を得たとのことでございます。
個別計画の計画期間は3年間となっているようだが、その間の新計画の事業の実効性を高める方策として具体的にどのようにお考えになっているのか、お答え願います。
それから、国関係の工事の地元への発注割合80%の達成率は必要だと考えますけれども、それもお答え願いたいと思います。
ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは比嘉勝秀議員の御質問にお答えいたします。
最初は、小泉総理の北朝鮮訪問について感想と評価という問題について一括してお答えいたします。
日朝間においては多くの懸案事項を抱えておりますが、小泉総理の訪朝時に発表された共同宣言は、日本と朝鮮民主主義人民共和国との相互の信頼関係に基づいて誠意を持って国交正常化の実現に向けて取り組むことや、国際法を遵守し互いの安全を脅かす行動をとらないこと及び北東アジア地域の平和と安定を維持強化するため、互いに協力していくこと等が明記されております。日本と朝鮮民主主義人民共和国とは、戦後、長期間にわたり国交のない異常な状態が続いており、今回の日朝首脳会談は国交正常化に向けて両国間の対話の端緒を開いたという意味で評価しております。
しかし、懸案である拉致問題に関して北朝鮮側から発表された拉致被害者の安否情報に大きな衝撃を受けました。被害者や家族の方々の心中を思うと痛恨のきわみであります。一日も早く事実関係が究明されるよう強く望んでおります。
次に、日朝国交正常化と沖縄の基地への影響についてお答えいたします。
今回の日朝首脳会談において国交正常化交渉を再開することが確認できたことは、朝鮮半島の緊張緩和を図る上でも有意義なことだと考えております。また、これまでの敵対関係から協調関係を確立するため、北東アジアに関する安全保障協議を立ち上げることが確認されたことは重要なことであり、今後、北東アジア地区における緊張緩和の進展が図られ、ひいては沖縄の基地問題を取り巻く諸情勢が好転することが期待されます。
日朝間の話し合いは一歩踏み出したばかりでありますが、県としては外交努力を含む正常化に向けた取り組みが重ねられ、今後、日朝間が平和的かつ安定的な状況へ変化することを強く期待しております。
続きまして、知事の再選出馬に向けての新たな決意についてという御質問にお答えします。
県民の夢や希望を語るだけではなく、いかにすれば確実に実現できるか、4年前、県民の負託を受けて知事に就任して以来、私の根底にあったのはこのテーマでした。4年近くの歳月が過ぎた現在、沖縄を取り巻く状況は大幅に好転しました。政府との信頼関係を回復させ、沖縄問題は日本全体の問題であると考える共通認識が形成されつつあります。この信頼関係を基盤にして、私は21世紀沖縄のスタートラインとなる新たな沖縄振興計画を初めとする多くのプロジェクトの立ち上げを実現させました。
経済の動向はまだ予断を許しませんが、4年前の閉塞的状況に比べると前途に光明が見えるまでに改善されました。県政最大の課題の一つである基地問題の解決は困難をきわめますが、確実な一歩を踏み出したと思います。基地の整理縮小を求める県民のコンセンサスを土台にしながら、具体的、個別的にその解決に努めなければなりませんが、沖縄振興計画に基地の整理縮小や返還跡地問題、未解決の戦後処理問題を初めて位置づけることができたのは大きな前進だったと考えております。
私は、「問題解決のできる実行型県政の実現」を目指し、4年前に掲げた公約のほとんどについて着手しており、21世紀に向かって沖縄が力強くスタートできるレールを敷いたと自負しております。
しかし、21世紀という新たな時代に向かって沖縄はまだスタートをしたばかりにすぎません。産業経済の振興、雇用の創出、基地の整理縮小など課題は今なお山積しております。眼前に横たわるこれらの課題を直視したとき、県民とともにより豊かで、より活力に満ちた沖縄を一歩一歩実現するための仕事が今なお自分に課せられているのだと強く自覚した次第です。県民党としての立場を一貫して堅持し、向こう4年間の県政を担当する覚悟で来る11月の県知事選に再び出馬することを決意いたしました。
出馬に際して、新しい振興計画が目指すより豊かでより活力に満ちた沖縄県を築くために次の7つの政策ビジョンを掲げました。すなわち、1、世界に誇れる文化を基調とした平和の発信地沖縄、2、環境を守り・育て、持続可能な美ら島・沖縄、3、女性と若者の知恵と力を生かした一人一人が輝く沖縄、4、健康長寿の生活文化豊かないやしの島沖縄、5、国際化時代を担う多様な人材を育成し、世界のかけ橋となる沖縄、6、基地の整理縮小を実現し、跡地を新たな沖縄づくりのための拠点とする、7、自立経済と雇用の場が創出された均衡ある県土沖縄、このような沖縄の実現に向けて努力してまいります。
言うまでもなく沖縄問題を真に解決できる主役は県民自身です。県民とともに沖縄の発展をより確かなものとし、その成果を子々孫々に引き継ぐことができるよう一生懸命努力していきたいと思います。
次に、平和の礎の評価と沖縄平和賞についてお答えいたします。
私は、沖縄戦などで亡くなられたすべての人々を刻銘する平和の礎については、平和と命のとうとさを永遠に伝える県民の普遍な思いと寛容な心をあらわしており、高く評価しております。
また、沖縄平和賞はアジア・太平洋地域における平和・非暴力実現の促進等に貢献する個人または団体を顕彰するものであります。第1回受賞者のぺシャワール会現地代表中村哲氏は、沖縄だからこそ発信できるこの賞の受賞を一番うれしく思うと述べており、本賞を通じて沖縄の心を世界に向けて発信することは意義深く、アジア・太平洋地域の平和交流拠点を目指す本県の新たな一歩をしるすことができたものと確信しております。今後、継続して実施していくことにより、世界の人々とともに平和の構築・維持にかかわることで県民の自信にもつながることから、県民参加型の仕組みづくりに努めてまいります。
次に、安保条約、自衛隊、国旗及び国歌に対する認識についてお答えいたします。
米ソ冷戦構造の終えん後、社会情勢は大きく変化しており、グローバル化が進展する今日の国際社会において、政策課題の解決を図っていくためには柔軟な発想を持って社会情勢の変化に的確に対応していく必要があると考えております。
我が国におきましては、日の丸及び君が代が国旗及び国歌として広く国民の間に定着しており、平成11年度に制定された国旗及び国歌に関する法律はこれに法的根拠を与えたものであり、また自衛隊は我が国の平和と安全の維持だけではなく、災害派遣など国民の生命財産を守ることに寄与しているものと理解をしております。
日米安全保障条約は、国際連合下の安全保障体制及びアジア情勢などから見て、我が国及び極東における平和と安全のため必要であるということは今日の国際政治の現実であり、本県に所在する米軍基地は日米安保体制を維持する上で重要な役割を果たしているものと認識しております。
しかしながら、本県には広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えており、戦後57年間にわたって過重に基地負担をしてきた県民は、基地の整理縮小を強く望んでおります。県としては、沖縄の米軍基地問題の解決を図るためには、日米安全保障体制下における現状を直視しつつ、現実的で実現可能な方法を模索していく必要があると認識しております。
続きまして、普天間飛行場移設と跡利用及び那覇軍港移設と振興策の進捗状況についてお答えいたします。
普天間飛行場については、平成11年、県の移設候補地選定や名護市長の移設受け入れ表明を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されました。その後、平成12年8月に設置された代替施設協議会での9回にわたる協議を経て、本年7月29日、代替施設の規模、工法、具体的建設場所及び環境対策を定めた基本計画が決定されたところであります。
今後は、国が環境影響評価を実施することから、地域の住民生活や自然環境に著しい影響を及ぼさないよう対応してまいりたいと考えております。また、普天間飛行場の跡利用については、宜野湾市及び県は平成13年度から跡地利用計画の策定に向けた取り組みに着手しており、三、四年後を目途に跡地利用の基本方針を策定することにしております。
那覇港湾施設の移設については、平成13年11月に「那覇港湾施設移設に関する協議会」、「那覇港湾施設移設受け入れに関する協議会」及び「県都那覇市の振興に関する協議会」の3つの協議会が設置されました。これらの協議会において、移設に関連する諸措置や浦添市の振興策及び那覇港湾施設の跡地利用等について協議し、那覇港湾施設の移設が円滑に促進されるよう取り組んでいるところであります。
これまでに浦添市の振興策として、平成13年度からSACO交付金及びSACO補助金を活用して牧港児童センター整備事業、教育文化施設整備事業等が取り組まれております。那覇市、浦添市において計画中の振興策については、今後関係機関が緊密に調整を行いながら進めていくことにしております。
次に、15年使用期限問題と基地返還アクションプログラムについてお答えいたします。
前県政の基地返還アクションプログラム素案は、2015年を目途に本県に所在するすべての米軍基地を段階的に返還させようというものでありました。
これに対し、現在取り組んでいる普天間飛行場の返還については、日米両国政府の合意に基づくものであり、県としてはSACO合意を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場代替施設の15年使用期限については、沖縄県が57年間にわたり過重な基地負担をしている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設けたものであり、政府においてしっかり受けとめられていると考えています。
今般の知事選挙再出馬に当たり基本政策として、「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しました。このことは、同問題の解決について着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないとする政府に対する強いメッセージであり、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
なお、御提言のことにつきましては、貴重な御意見であり、何らかの形で明確なものにしていかなければならないと思っております。
続きまして、知事訪米についてお答えいたします。
基地問題について、戦後57年間過重な基地負担をしてきた県民は、基地問題の解決を強く求めていることから昨年5月に訪米し、パウエル国務長官を初め米国政府関係者に対し米軍基地の整理縮小、普天間飛行場の移設条件の整備、海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減、日米地位協定の見直し及び事件・事故の未然防止などについて要請したところであります。
県としては、基地問題の解決促進を図るためにはあらゆる機会を通じて日米両政府に訴える必要があると認識しており、御提案の件については総合的な観点から検討してまいりたいと考えております。
続きまして沖縄振興計画について、軍民共用空港を第2国際空港とすることについてとの御質問にお答えします。
県としては、現在中南部一極集中から北部圏域の定住人口の増加を目指した機能拡充を図ることが県土の均衡ある発展を図る上で重要であると考えております。軍民共用飛行場は、その実現を図るための基本インフラとして有用な施設であると考えており、同飛行場の民間機能を生かして雇用機会の確保や産業の振興を図るなど、地域経済発展の新たな拠点を形成し北部地域の発展につなげていきたいと考えております。
軍民共用飛行場については、平成11年11月の閣議決定で、代替施設については軍民共用空港を念頭に整備を図るとされており、また先般策定された沖縄振興計画においても「軍民共用空港を念頭に置いた普天間飛行場代替施設及び民間航空関連施設の整備を図る。」こと並びに同空港を活用した空港活用産業の誘致・育成を図ることがうたわれております。
県としては、今後、北部振興の拠点となるような民間機能の拡充に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、大学院大学の理念の実現、課題及び地理的不利性の克服についてお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
大学院大学は、世界最高水準の研究と教育を実践するため、国際性と柔軟性を有し世界的連携、産学連携を図ることを基本理念としております。こうした大学院大学の設置については、経営管理体制が既存の我が国の大学と大きく異なるものであり、教育・研究分野についても最先端の領域を対象とするものであることから、その整備を推進するに当たっては新たな仕組みづくりが課題となっております。
なお、県としましては、世界のトップレベルの人材を本県に引きつけるための魅力ある環境づくりに向け、国際航空ネットワークの拡充や道路交通網の充実、居住環境や教育、医療施設の充実など関係機関と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
次に、県内学生の語学力向上対策についてお答えいたします。
大学院大学を中心とした世界的水準の知的クラスターを形成していくためには、語学力の向上が重要であると認識しております。そのため、県としましても早期英語教育の実施や県内大学における外国語による講義の充実など、本県における語学力の向上に向け関係機関との連携を強化しながら取り組んでいきたいと考えております。
次に、大学院大学の設置場所の選定と今後の取り組みについてお答えをいたします。
候補地の選定につきましては、本年6月3日の沖縄新大学院大学構想検討会において決定された大学院大学候補地選定の基本方針を踏まえつつ、国において決定されることになっております。
県としましては、国の意向を踏まえ、市町村の誘致や立地環境等種々の条件を調査検討し、世界最高水準の大学院大学の設置場所にふさわしい場所を推薦していきたいと考えております。そのため、客観的かつ専門的な立場からの候補地について検討し、国へ推薦するための大学院大学候補地の推薦に関する検討会を去る9月19日に発足したところであります。
候補地の選定についての今後の取り組みとしましては、現地調査と4回程度の検討会の開催を実施し、11月末ごろには候補地を選定したいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○警察本部長(髙橋清孝) 8月23日付で警察本部長を命ぜられました髙橋でございます。
県民の安全と安心の確保のために最善を尽くしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
比嘉議員の質問にお答えいたします。
沖縄関係者の北朝鮮拉致疑惑調査についてでございますけれども、沖縄県に関係する拉致容疑事案は、現在までのところ認知しておりません。
今後、そのような可能性のある事案がありますれば、警察庁と連携をとりながら関連情報の収集など所要の措置を進める所存でございます。
○知事公室長(新垣良光) SACOの進捗状況についてお答えいたします。
SACOの合意事案の進捗状況については、平成10年12月に安波訓練場の共同使用が解除され返還が実現しております。
残り10事案のうち主な施設について申し上げますと、北部訓練場については移設条件であるヘリパッド移設候補地の選定に関し、環境調査のための検討書が那覇防衛施設局から縦覧されたところであり、今後、具体的な移設候補地の選定に向けての取り組みがなされるものと考えております。
読谷補助飛行場については、平成11年3月に伊江村がパラシュート降下訓練の受け入れを正式に表明しましたが、楚辺通信所の移設と連動することから、読谷補助飛行場の返還も楚辺通信所の返還と同時期になる予定であります。
楚辺通信所の移設については、金武町が平成11年4月に受け入れ表明をし、現在建設に向けての造成工事が実施されているところであります。
また、キャンプ桑江の海軍病院の移設については、移設先の宜野湾市が平成12年7月、キャンプ瑞慶覧内の普天間地区への受け入れを表明しております。
キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧に係る住宅統合については、キャンプ瑞慶覧内のゴルフレンジ地区の高層住宅2棟136戸に関し、去る6月13日の日米合同委員会で米側に提供されることが合意されるなど、SACO合意事案は着実に進捗しております。
都市型訓練施設計画及び楚辺通信所の移設の進捗状況についてにお答えします。
都市型戦闘訓練施設については、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、第10地域支援群に対し計画内容に関する照会を行っておりますが、明確な回答がないため早急に回答するように申し入れているところであります。
県としては、県民の基地負担を軽減し基地の整理縮小を求める立場から、基地の固定化につながるような施設、あるいは周辺住民の生命財産や生活に著しい影響を及ぼすような施設の建設については反対であります。同問題については、今後とも当該計画に関する正確な情報の収集に努め、関係町村とも連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
また、楚辺通信所の移設については、現在、アンテナ施設及び管理施設建設の造成工事を行っており、地元から要望のあるアンテナ施設のり面への植栽も含め順調に進捗しているとの報告を那覇防衛施設局から受けております。
県としては、移設工事に当たっては、今後とも引き続き環境保全に万全を期するとともに、関係町村及び地元住民との調整を図り、地域の理解を得るべく誠意を持って対応するよう那覇防衛施設局に申し入れております。
以上です。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄振興計画について、那覇市と名護市を中核とした振興策についてお答えいたします。
沖縄振興計画では、県内の各地域がそれぞれの特色を生かした地域づくりを行うとともに、こうした取り組みの連携、波及を通じて県土の均衡ある発展を図ることとしております。このようなことから、沖縄本島においては北部、中部、南部の圏域に分け、その特性に応じた地域振興を図ってまいります。
なお、那覇市及び名護市については、南部地域、北部地域それぞれの中心都市として経済、交通等の高次都市機能の整備等を進めてまいります。
次に、北部振興策に係る一大イベントの開催についてお答えいたします。
北部地域の振興については、平成13年度には北部12市町村の事業の要望を取りまとめた推進計画となる北部振興事業基本構想が策定され、同構想に基づき着実に事業が実施されているところであります。
北部振興策のスピードアップを図る一大イベントの開催については、観光産業の振興など北部地域の活性化に寄与するものであり、貴重な提言と受けとめております。今後、振興事業の推進や施設整備等の状況を見守りつつ、地元市町村の意向を踏まえながら検討していきたいと考えております。
次に、沖縄振興計画の実効性についてお答えいたします。
分野別計画では、沖縄振興計画の実施計画として施策全体の目指すべき成果を指標として掲げるとともに、3年間で実施すべき具体的な施策・事業を盛り込んでおります。
計画の実効性を高めるよう国及び県は施策・事業実施の所要額を確保し、県民の活動を支える環境整備に努め、それに加え、みずから活路を開いていく県民の主体的な取り組みが必要となってまいります。
また、地元発注割合目標値80%達成については、沖縄振興計画において「地元中小・中堅建設業者の受注機会の増大に積極的に取り組む」とされており、それに沿って実施されるものと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 鉄軌道の導入についてお答えをいたします。
軌道系交通システムにつきましては、沖縄振興計画の中で「軌道系を含む交通システムについて調査、検討する。」とこういうことで位置づけられております。
軌道系を含む交通システムの導入に当たりましては、交通サービスの改善、都市構造の誘導、地域振興、環境負荷の軽減、経済活動の活性化等これからの沖縄の発展に大きく寄与することが整備効果として期待されます。
一方、都市計画を初め圏域全体の諸計画等との整合、生活交通に対する影響、将来交通需要等検討すべき課題が多岐にわたります。
このようなことから、軌道系交通システムの技術の動向、地域特性や需要特性に応じた柔軟なシステム運用など多様な視点から段階的に調査検討を進めることが重要であると考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 名護─本部間への重要港湾指定についての御質問にお答えいたします。
重要港湾は、港湾法において「国際海上輸送網又は国内海上輸送網の拠点となる港湾その他の、国の利害に重大な関係を有する港湾」として規定されており、本県における重要港湾は那覇港を初め6港湾が指定されております。
名護─本部間に新たに重要港湾を設定するには港湾法の規定を踏まえ、重要港湾としての地理的条件、経済的条件、港湾の必要性、実現可能性、熟度、運天港、本部港など既存の近隣港湾との機能分担、関係機関との調整等総合的な観点から検討する必要があると考えております。
なお、北部地域の拠点となる港湾整備のあり方について、今後関係市町村と調整を図りながら検討してまいりたいと考えております。
次に、名護東道路の今帰仁、本部、大宜味村までの延長と宜野座村から旧久志、東村を経て大宜味村につなぐ新たな高規格道路の計画についてにお答えいたします。
北部振興開発道路は、沖縄県広域道路基本計画において沖縄自動車道と一体的に機能する広域幹線道路の検討区間として位置づけられております。そのうち、沖縄自動車道許田インターチェンジから名護市大北に至る延長約8キロメートルの名護東道路は、地域高規格道路として現在国において整備を進めているところであります。
名護市から今帰仁村、本部町及び大宜味村方面への延伸については、今後地域の開発プロジェクトの進展等を踏まえつつ慎重に検討していく必要があります。
また、宜野座村、旧久志、東村を経て大宜味村に至る新たな高規格道路の計画については、現状の交通量が極めて少ないことから、今後地域の開発プロジェクトの進展等を踏まえつつ慎重に検討する必要があります。
なお、北部地域の振興開発は国としても重要な課題と認識しており、そのための道路整備について今後とも検討していきたいとのことであります。県としても、今後とも国と連携を図りながら北部地域の振興を支援する道路ネットワークの形成に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 沖縄振興計画についての、フォーレスト構想についてお答えいたします。
農林水産業振興計画では、亜熱帯の豊かな森林資源を活用した森林ツーリズム事業を推進し、都市との交流を通して農山村の活性化を図ることとしております。
国頭村、大宜味村、東村のフォーレストパーク構想は、森林空間を活用したツーリズムを推進し、ヤンバルの森林と観光産業をリンクさせた体験型・交流型の新たな地域振興構想であります。
事業内容については、森林遊歩道、自然観察小屋、バンガロー、ヤンバル特産品即売場、駐車場等の施設を整備する計画となっております。
事業の実施に当たっては、北部3村の緊密な連携が必要であることから、関係者及び関係機関と実現に向けて調整を進めているところでございます。
以上であります。
○高江洲義政 久しぶりに代表質問をさせていただきます。
稲嶺知事は、去る9月10日に2期目に向けての出馬を正式に表明されました。そして9月19日に政策発表を行っております。
その席で知事は、4年近くの経験と実績を踏まえ県民とともにこのチャンスを確実に実現し、その成果を子々孫々に引き継ぐことができるよう懸命に努力したいと考え、11月の知事選に再び出馬することを決意したとこう述べております。この決意を聞いて私は、実に晴れ晴れとしたものを感じたものでございます。
といいますのは、4年前の知事選に際し稲嶺知事は、沖縄問題を考えるとき県民の夢や希望を語るのではなく、いかにすれば一歩一歩それを確実に実現できるかを根底のテーマとし、そして沖縄問題を解釈し批評してみせるのではなく、問題を常に具体的にとらえ、その解決に心血を注ぐこと、そのような基本姿勢を県政の中に打ち立てたいとの一念から出馬を決意したと述べております。そしてこの4年間で知事は一貫してその姿勢を貫き多くの種をまき、そして根づかせてきました。
その中でも新沖縄振興計画については、今までの3次にわたる沖縄振興開発計画が本土との格差是正を基調にした計画であったものが、今回の新沖縄振興計画は沖縄経済の自立的発展へを基調とするものとなっております。21世紀におけるこれからの10年間の沖縄の振興計画を推進していく重要な計画でございます。
この意味で今回の知事選は、この4年間でまいた種をこれから着実に根づかせ、咲かせることができるかどうかを占う重要な選挙であります。稲嶺知事の「問題解決のできる実行型県政」を継続し、まいた種を自分で咲かせるとの決意に私は晴れ晴れと感じたのであります。
しかしながら、最近の情勢は異常なことも多いような気がいたします。
本来、1月に咲くべき桜の花が時期外れに咲き乱れてみたり、4月末に山原の野山を飾るイジュの花(ヒメツバキ)が狂い咲きをしております。北朝鮮の問題、高校教師や大学教師、医者等々の少女買春問題、まさに異常な感じのする昨今であり、不吉な予感さえいたします。
さて、沖縄振興計画もスタートし、それに基づいて4つの分野にわたる個別計画もでき上がりました。国の同意も得たとのことであります。観光振興計画、情報通信産業振興計画、農林水産業振興計画、職業安定計画であります。
これら4分野の個別計画が策定された目的は、振興計画の施策の実効性を高めることにつながるのであります。過去3次の振興開発計画がいわゆるつくりっぱなしとの指摘も多かったことから、その反省から事業の実施検証や評価、見直しを促すために個別計画が策定されたのであります。また、この4分野とは別に県独自の計画として7つの分野の個別計画も9月じゅうには策定されるとのことであります。
このように個別計画は新沖縄振興計画の施策をより具現化するためのものであることから、4つの計画の一体性が図られることが必要であります。すなわち、それぞれの個別計画がいかに立派な内容であっても、計画の単独の推進では本来の効果は期待できないものと思うのであります。個別計画は単なる個別の計画ではなく、それぞれに関連した一体性を持った計画でなくてはならないものと考えます。
新沖縄振興計画は、「民間主導の自立型経済の構築」という大きな目標を掲げております。そしてこの計画を真に実現する主人公は、まさに県民であるということを忘れてはならないと思うのであります。
そこで伺います。
まず新沖縄振興計画についてでありますが、同計画については他の議員も質問をしておりますので、重複を避ける意味で個別計画のうち職業安定計画について若干伺います。
本県の失業率は依然高い状態にあり、全国平均の約2倍と言われております。県が策定した職業安定計画によれば、平成16年に2万人の雇用創出があるとのことであるが、その見通しについて伺います。
次に、障害者の雇用創出についてであります。
2万人雇用創出のうち500人の障害者の雇用創出がありますが、障害者の雇用問題については関係者より強い関心が寄せられております。障害のある人がその持てる能力と個性を発揮し、社会の一員として快適に生活していけるような、果敢な挑戦ができるようなすばらしい計画にしていただきたいと考えております。現在、知的障害者授産施設は入所施設が7カ所、360人、通所施設が12カ所、490人、計850人の方々が施設を利用しているとのことでございます。その費用総額も年間10数億円と聞いております。また、それが就労につながっているのはわずか1%に満たないとも聞いております。
そこで伺います。
授産施設は就職のための職業訓練を行った上で就職を支援すべきと思うのでありますが、行政の支援はどのように行っておりますか、詳しく説明してください。
(2)番目に、職業安定計画の中の障害者の雇用創出を500人としておりますが、具体的な説明をお願いいたします。
(3)、知的障害者のホームヘルパー養成の計画があったら説明をお願いいたします。
次に、介護保険についてであります。
私が先般8月に、琉球新報カルチャースクールの3級ホームヘルパー養成講座がわずか2万9650円で72時間の講座があるので20名程度受けさせたらどうかと県に提案いたしました。
それに関連して、1、介護保険制度がスタートして2年半になりますが、本県の現状と問題について説明してください。
2番目、去る8月12日、第2期介護保険事業運営期間の介護保険料の見込み額(中間値)が発表されました。それによると、現在の県平均保険料3618円に比べ約1.5倍の5324円と全国一高い保険料になる見込みと報道されております。
このように高騰した原因は何でありますか。
県はどのような対策を考えておりますか。
介護保険制度がスタートして雇用面への影響はどうなっているか。
(4)番目、制度のスタートによるよい面と悪い面を挙げてください。
次に、おきなわ長寿会について伺います。
本来、介護老人福祉施設は入所者に対し入浴、排せつ、食事等の介護や日常生活上の世話、機能別訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設でございます。
しかしながら、高額補助のある社会福祉法人を悪用するおきなわ長寿会のような問題は残念であります。あってはならないことでございます。
おきなわ長寿会は平成9年5月21日、書類審査をされ補助金1728万円が内定され、平成10年2月24日付で沖縄市から県へ施設創設についての意見書が出されており、事務上の審査は既にその時点で行われていたわけでございます。当初、設立申請のときの理事長が沖縄市内でいかがわしい店を経営していたことは有名であります。なぜ、このような人が社会福祉法人の理事として人格的にすぐれていたとの評価をしたのか、不可解であります。
そこで伺います。
おきなわ長寿会が不正受給した8200万円について説明をしてください。
(2)番目、引き継ぎ者の福祉に対する崇高な思いはマスコミ等に批判されることのないように県の対応はできておりますか。
次に、少子・高齢化社会の到来と待機児童対策について伺います。
(1)番目、厚生労働省は認可外保育所の県への届け出をこの10月から義務づけることにしております。
そこで、沖縄県は認可外保育所の現状を把握しておられますか。
その数と児童数を示してください。
関係者への制度の周知は十分に行われておりますか。
県は、「新おきなわ子どもプラン」を発表し、認可保育園の大幅増設で待機児童の解消を目指すとしております。同プランの進捗状況はどうなっておりますか。また、発表後の4カ月間の経過も示してください。
次に、放課後学童クラブも280カ所増設するとしております。現状はどうなっておりますか。
次に、看護学校の新設問題について伺います。
看護師の県内における充足率については県医師会と福祉保健部の推計が若干違っておりましたが、県立沖縄看護学校の閉校、国立愛楽園附属準看護学校の閉校、県立那覇高等学校衛生看護科の学科廃止等により平成10年の890名から平成15年には650名と240名の入学定員の減少になります。
現在、県内には5校の看護師養成所がありますが、南部医療圏に4校、北部医療圏に1校、中部医療圏には1校もございません。しかも、北部医師会立名護看護学校への入学者は全定員の51%余が中部地域の17の高等学校からの卒業生であり、その方々が入学しております。県内における看護師の不足数は平成17年には120名ほどと予測されております。
そこで伺います。
仮称中部看護学校設置については中部地区医師会とどの程度の話し合いがなされておりますか。
(2)番目に、開校目標年次の話し合いもしておりますか。また、県は開校目標年次をいつごろとしておりますか。
看護学校における指導者養成等の計画はどうなっておりますか。
次に、中城湾港(泡瀬地区)埋立事業について伺います。
藻場移植実験の結果と海上工事着工の時期はどうなっておりますか。
今後、国との調整はどうなるか、伺います。
次に、教育関係についてであります。
まず、全国高等学校総合体育大会についてでございますが、高校総体については前県政時代、財政難を理由に沖縄県開催決定後返上されたいきさつがあります。そのときは、高校総体に目標を定め苦しい練習を重ねてきた教師や生徒の落胆は大変なものがありました。今回の誘致決定は教育関係者だけでなく、県民挙げて喜んでいるところでございます。
そこで伺います。
誘致決定までの経過を説明してください。
次に、今後どのような課題等がありますか、説明してください。
次に、少女買春事件について伺います。
明るい質問の次に暗い質問をするのはつらいものでありますが、冒頭でも触れましたが、良識ある大人たちによる少女買春については最近とみにマスコミに毎日のように報道され、事件として社会問題化しております。
ここで私見をちょっと述べたいと思いますが、私が35歳のとき、羽田で前の方を歩いている国会議員が箱を持っておりました。日本航空の職員が、箱をあけて確認させてください、金属探知器にかかりましたと言ったら、よく見たらこの人は代議士である。しかも自民党の代議士である。私はじっと事の成り行きを見ておりました。飛んでいって何かを言おうかと思ったんですが、私の友人が、おまえは来年市会議員に出る可能性があるよと。こんなことをしたらつぶされるよ、この人に。じっと見ておりましたが、バッジを見なさい、私は政務次官だよと、上司を呼べ、こういうけんまくでございます。上司が来てわびてその方は通って行ったんでありますが、私はすぐさまその職員のところに行き、あなたがやっていたことを一部始終見ておりました。同じ沖縄の県民として恥ずかしい思いがしました。勇気を持って職務に忠実で今後も頑張りなさい、沖縄の人間は決してそういう人ばかりじゃないと激励をしました。涙が一粒二粒落ちました。
その後3年ぐらいして、私がある道路を子供たち3名と通っておりましたら、前のマイクロバスが何々幼稚園、何々小学校と書いたバスに、恐らく中に入って乗られておったのは先生方でありましょう、27年ほど前です。バナナとミカンの皮を捨てるのです、原野に、バスの窓から。私は次の信号で横に車をつけ、あなた方は先生かと、そうだと。15名ほどが車が傾かんばかりに私の乗用車をにらみつけました。あなた方は先生の資格はない。今何をしたか反省してごらんと言いましたら、我々が何をしたかと。私は具体的に言いました。済みませんとバスが発車しました。この先生方が恐らく現在でも教鞭をとっておられるなら、もう管理職になっておられるかもわかりません。この議事録を見て、私もそうだったという先生がおられるかもわかりません。
昨日、沖縄県の臨時校長会が開かれております。その時代はそういう大人たちが指導者だったのかなと思ったら、この時代がこういうふうに流れてきたのも無理はない、こんな感じがいたします。
そこで伺います。
少女買春の実態を示してください。
今後の防止策も示してください。
次に、平良市の産業廃棄物処分場の火災問題でございます。
昨年11月の火災発生から現在までの経過と県の対応について説明を願いたい。
平良市の火災事件の対応及びダイオキシン類等検査機器を整備して今後に備えるべきと思うが、どうですか。県の具体的な考えを示していただきたい。
検査機器をそろえるとしたらどの程度の予算が必要になりますか。
平良市の問題が解決しない最中、今度は具志川市で最終処分場の火災が発生いたしました。まことに残念であります。具志川市で発生した火災の状況と県の対応を聞かせてください。
次に、暴走族の問題でございます。
新しく着任した県警本部長髙橋本部長にお伺いしたいと思います。離任された前任の太田本部長も立派な方でございました。新本部長も人格温厚で、警察行政に秀でた大変立派な方であると伺っております。これから行う質問に対し、御答弁によってはなお一層その評価が高くなると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
沖縄県警も日夜暴走族取り締まりに尽力されており、大変な御苦労をしておられますが、先日は取り締まり中の沖縄署員が暴走族に暴行され骨折までしております。残念でなりません。
暴走族を取り締まると同時にサポーターも取り締まらなければいけないと思いますし、またこのサポーターが暴徒化してフーリガンになるケースもあります。国道側に駐車していた車が4台ほどパンクさせられた例も最近ございます。
そういうことでお伺いしますが、本県の暴走族の現状について伺います。
暴走行為をする年齢層はどのようになっておりますか。
暴走行為が行われている主な地域について示してください。
暴走行為をする主な時間帯について伺います。
また、県内にはどれぐらいの暴走族グループがおりますか。
暴走族取り締まりの現状についてお聞かせください。
今後の対策についてもお伺いいたします。
暴走族の暴走行為中の爆音というものが何デシベルあるか、お伺いいたします。
県の基地対策室は、嘉手納町屋良に航空機騒音等の測定器を設置しております。
そこでお伺いいたします。
暴走行為が行われている地域で一番うるさい時間帯──恐らく午前3時、4時ごろです──に測定して県民に明らかにしていただきたいと思います。
基地に対する爆音訴訟はあるが、仮に暴走行為が行われている地域住民から被害補償を訴えられたら県はどのように対応するか。
参考までに申し上げますが、騒音の人体に与える影響で100デシベルから130デシベルを長期に聞かされると難聴になると言われております。平成13年2月の嘉手納町での調査をちょっと私も基地対策室に行って調べてきましたが、FA18ホーネット、これが昨年の2月に離陸時に2回ほど101.4デシベル、それを47秒記録しているだけであります。大型トラックの通過時とパチンコ屋が90デシベルと言われており、嘉手納基地の騒音はほとんど80デシベル以下でございました。
次に、土木建築関係についてお伺いします。
土木建築行政については、特に公平公正に仕事が分配されているということであり、特に不公平感を持っていた中部の業界も県の土木行政には感謝しているようでございます。今後とも引き続き公平公正な行政運営をお願いするものであります。いささか苦言を呈すれば、国道や県道の掃除等除草については観光立県に恥じないような配慮がほしいと思います。
また、県営住宅の駐車場問題も1戸1台の駐車スペースを確保するような配慮をお願いするものであります。
そこで、県営住宅の民間への管理委託について伺います。
(1)、東京都品川区役所と宅地建物取引業協会が区民マンション等の管理委託をして成功している例があります。沖縄県も県営住宅の管理を宅建協会等に委託してはどうかと思います、いかがですか。
県営住宅の入居者に対する年間何件の建物明け渡し請求等の提訴があるか、この5年間の数字を示していただきたい。また、その裁判に要した費用を明らかにしてください。さらに、提訴により明け渡しに成功した率を示してください。
今回の乙第10号議案にもありますが、長期家賃滞納者に対して建物明け渡し等の裁判の必要もなくなるのではないですか。
次に、私は前の議会でも松くい虫対策について伺い、「中部の山 若者に似て茶髪かな」という歌を披露いたしました。本年度は、県において松くい虫防除条例もできて今年度から5カ年間かけて松くい虫を根絶をする計画であります。県民が大変関心を寄せているところであります。先日は、元県議の嘉陽さんが新発明をしたと報道にもありました。
知事が議長になる県民連絡会議をスタートさせ、ゼロ作戦県民大会を開催されております。連絡会議に初めて在沖海兵隊の基地司令官も参加したようであります。
そこで伺います。
沖縄には自衛隊基地もありますが、自衛隊の責任者も連絡会議に参加させてはどうですか。
市議会時代にも故桑江朝幸先生に、県議になってからも大田知事に対して、すべての基地内の松くい虫被害木は米軍基地は米軍が、自衛隊基地は自衛隊が、ヘリコプターによる訓練を兼ねて伐採してもらったらどうかという提案をしたことがあります。山奥に業者が入っていくのも大変であり、100%伐採は不可能と思います。すべての基地の被害木を米軍と自衛隊に協力を依頼すれば効果的と考えるが、どうか。
仮に山奥の伐採を業者に委託した場合、山奥にある切り株の根っこの処理状況まで県職員が確認できますか。
現在、県の被害木はどれぐらいありますか。
今後の被害木対策で予算はどれぐらい投入いたしますか。
以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 高江洲議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、沖縄振興計画について、職業安定計画における2万人の新規雇用の見通しについてお答えいたします。
沖縄県職業安定計画においては、平成14年度から平成16年度までの3年間の新規雇用者数の目標を2万人と設定しております。これは、地域雇用開発促進助成金や沖縄若年者雇用開発助成金等の各種助成金の活用促進や緊急地域雇用創出特別交付金事業による雇用者数等をもとに算定しているものであります。この目標を達成するため沖縄振興計画に基づく産業振興対策と雇用対策を一体的に推進してまいります。
次に、福祉関係について、介護保険の本県の実情と課題、雇用への影響、制度実施に伴うよい面、悪い面についてお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
本県は、介護サービスがよく利用されており、要介護者や家族にとって大いに役立っているということは喜ばしいことです。
その反面、施設サービス、在宅サービスとも高齢者1人当たりの給付額が全国一位となっております。このことから、平成13年度は40市町村において当初見込み額を超過する状況になり、赤字が生じたため介護保険財政安定化基金から約27億円の貸し付けを行っております。
介護保険制度の円滑な運営を図るため、介護サービスの適正化や低所得者対策及び小規模離島町村における介護サービス基盤の整備と介護保険財政の安定化等、課題解決に向けての取り組みを早急に進める必要があると考えております。
なお、本島を中心とした34市町村から成る沖縄県介護保険広域連合が設置され、介護保険事業を広域的に取り組むことにより介護保険財政の安定化やサービスの平準化等が推進されることになりました。
また、介護保険制度が施行されたことを雇用の面から見ると、介護保険指定事業所は平成14年9月現在3799カ所設置され、1万3600人が従事しており雇用状況の改善に寄与しております。
続いて同じく福祉関係で、本県の保険料が高騰した原因と対策についてお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
本県では、全国に比べ要介護認定者も多くサービスの利用状況も高いことから、高齢者1人当たりの介護給付費は全国一となっております。介護保険制度は、給付がふえれば負担がふえるという仕組みとなっており、次期介護保険事業運営期間においては高齢者人口の増加や在宅介護サービスの利用増が見込まれていることから、それに見合った保険料が算出されております。
次期介護保険料の軽減策として、介護保険財政安定化基金への償還によって保険料が上昇する保険者に対しては償還期限の延長を実施することとしております。
さらに、低所得者に配慮した保険料の基準額に対する割合変更や、6段階保険料の設定及び保険料や利用料の減免策について9月12日に市町村助役会議等を開催し、その必要性について周知徹底を行ったところであります。今後、市町村には介護報酬点検事務、ケアプランの点検、介護給付費の通知等や介護に陥らないための介護予防・生活支援事業等の実施を強力に働きかけていきたいと考えております。
県においては、引き続き適正な介護サービスの確保を図るため介護保険施設等に対する指導や介護支援専門員の質の向上のための研修等を実施するとともに、介護保険制度の安定的運営のための方策を検討してまいります。
さらに、「健康おきなわ2010」計画を策定し、県民のライフステージごとの健康づくりを積極的に推進することにより健康・長寿の実現を図っていきたいと考えております。
次に、同じく福祉関係で、「新おきなわ子どもプラン」における保育所創設計画の進捗状況についてお答えを申し上げます。
「新おきなわ子どもプラン」における保育所の整備目標では、平成14年度から平成18年度までに認可保育所を50カ所創設し、待機児童の解消を図っていくこととしております。
平成14年度は、豊見城市2カ所、沖縄市1カ所、石垣市1カ所、西原町1カ所及び北谷町1カ所の合わせて6カ所の創設を予定しており、そのうち5カ所が認可外保育施設からの移行となっています。そのほか定員増を伴う増・改築があり、合わせて450人の待機児童の解消を図ることにしております。
平成15年度は17カ所の創設を目標としておりますが、現在までに那覇市5カ所、糸満市1カ所、浦添市1カ所及び東風平町1カ所の合わせて8カ所の整備計画が挙がっており、そのうち5カ所が認可外保育施設からの移行予定となっております。今後とも実施主体である市町村に対し、保育所創設の取り組みを強力に求めていきたいと考えております。
次に、中城港湾の埋立事業のうち、藻場移植実験結果と海上工事の時期及び国との調整について一括してお答えを申し上げます。
藻場の移植については、国において平成10年7月の手植えによる移植実験からスタ-トし、その後機械化施工による広域移植実験を行ってきたところであります。その結果、手植えにより移植した海草は移植後4年経過した現在においても順調に生育しております。また、機械化施工による移植実験の結果からは水深や底質、台風等の波による外力等移植適地の条件についておおむね把握できたところであります。今後は、台風等による影響をできる限り低減するための対策等機械化移植の適用性を高めるための工法試験を行っていくこととしております。
海上工事への着手については、環境監視・検討委員会の検討結果を踏まえ、国が県や沖縄市とも調整の上判断するものと考えております。県としては、泡瀬地区埋立事業は地元沖縄市の強い要請に基づく事業であること、また県の振興策上も重要な事業であることから、環境保全にも十分配慮しつつ国や市とも協力・調整しながら早期着工が図られるよう取り組んでいきたいと考えております。
次に、松くい虫防除対策のうち、連絡会議への自衛隊の参加と基地内の被害木の防除協力について一括してお答えを申し上げます。
松くい虫防除県民連絡会議の組織は、松林を所有または管理する国、県、市町村及び米軍など関係団体の代表者で構成しております。自衛隊については、施設を管理している那覇防衛施設局が代表として参加しております。また、米軍基地内の被害木の防除については、基本的には松林を所有または管理する者が実施するという観点から、那覇防衛施設局及び米軍が実施しているところであります。
県としては、県民と一体となって松くい虫被害の終息に向けて積極的に取り組んでいきます。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 沖縄振興計画について、授産施設での行政の支援についてお答えします。
知的障害者授産施設は、障害者で雇用されることが困難な者を入所させて自活に必要な訓練を行うとともに、職業を与えて自活させることを目的とする施設であります。
施設での訓練としては、園芸や手工芸等の授産作業、公共施設での植栽や公園の清掃等の受託作業等があります。また、その他に特別事業として知的障害者自活訓練事業があります。これは、入所者に6カ月間の個別訓練を行うことにより地域社会での就労自立を図るものであります。
なお、今年度は6施設、20人が予定されております。
続きまして、おきなわ長寿会の不正受給についてお答えします。
社会福祉法人おきなわ長寿会が特別養護老人ホーム等の整備に当たり、施設整備の設置者負担金に充当される予定の寄附について、寄附者からの寄附行為が履行されないことを承知の上で県に虚偽の施設整備計画書を提出しております。
さらに、工事費を水増しした契約書を作成して実績報告を行い、国、県の補助金約8200万円を不正に受給したものであります。
続きまして、同じく長寿会の関係で施設引き継ぎ者への対応について。
当法人の旧経営陣が平成13年4月25日に理事会を開き、理事全員が4月29日の任期満了をもって辞任するとの決議を行いました。
県としては、理事不在の状況が続きますと法人運営が困難になることを初め施設経営にも支障を来すことが予想されましたので、知事が職権をもって6人の仮理事を選任し平成13年4月30日付で委嘱いたしました。 仮理事会では、同法人を早目に再建し入所者やその家族等の不安を取り除きたいと申し込んできた4団体を公正・中立に検討し、7月11日に新理事を選定し、8月22日に県の立ち会いのもとで引き継ぎを行い、現在、新理事会により適切な施設運営がなされております。
同じく福祉関係で、認可外保育施設の現状把握等についてお答えいたします。届け出制について一括してお答えいたします。
平成14年10月1日から、児童福祉法の改正に伴い認可外保育施設の届け出制が実施されます。
届け出制のねらいは、施設の実態を適切に把握し、その情報を保護者等へ提供して保護者の適切な施設選択を可能にすることによって保育環境の向上を図ろうとするものです。
届け出制の背景には、施設での事故等があったことから、指導監督と保護者への情報提供を強化して児童の衛生や安全の確保に努めるということがあります。このことから、事業者には「施設の名称及び所在地」等について県知事に届け出ることとあわせて、サービス内容を利用者の見やすい場所に掲示すること、契約内容等の書面を交付することなどが義務づけられています。
市町村からの報告によりますと、平成14年4月1日現在、認可外保育施設の数は524カ所で2万1312人の就学前児童が利用しています。届け出対象は、乳幼児が6人以上の施設となっておりますので、約500カ所から届け出があると考えております。
同じく認可外保育施設の届け出制の関係者への周知について。
認可外保育施設の届け出制については、平成14年7月7日に開催しました「認可外保育施設長研修会」において具体的に説明をしております。また、県の広報誌「美ら島沖縄」や新聞の「県民サロン」及びテレビの「うまんちゅ広場」や「ラジオ県民室」などを活用して周知を図っております。さらに、平成14年9月4日には市町村主管課長等説明会を開催し、届け出制実施に当たっての取り組みと周知方について協力を求めたところであります。
市町村においても、管内の認可外保育施設に対する説明会などを実施し周知を図っているところであります。
続きまして、放課後児童クラブの現状についてお答えいたします。
放課後児童クラブについては、「新おきなわ子どもプラン」の最終年度である平成18年度までに小学校1校区に1カ所程度の280カ所の設置を目標に取り組んでいるところです。 平成13年度末現在、19市町村で110カ所、児童数4888人でしたが、平成14年8月31日現在、22の市町村で128カ所、児童数5659人となっており、18カ所、児童数で771人の増加となっております。今後とも実施主体である市町村と連携し、目標の達成に努めたいと思います。
続きまして福祉関係で、中部地区の看護学校について3つの御質問について一括してお答えいたします。
看護学校の新設に向けた進捗状況及び看護学校指導者養成等の計画について。
中部地区医師会では、平成17年4月の看護師養成所開設を目指し、14年4月に設置準備室を開設して作業を進めているところです。現在、県におきましては設置に向けて助言等を行っておりますが、新たに養成所として指定等を受けることが必要となることから、今後は国とも調整をしながら進めていきたいと考えております。
また、看護教員の確保も必要となることから、15年度に看護教員養成講習会を県で実施することを検討しております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 障害者の職業訓練等の就職支援とホームヘルパーの養成訓練について一括して答弁をいたします。
障害者の職業訓練につきましては、県立職業能力開発校における製図科やOA事務科の訓練のほか、国の外郭団体である沖縄障害者職業センターにおいても職業準備訓練を実施しております。また、就職支援対策として職場適応訓練やトライアル雇用によって企業とのマッチングを図るとともに、雇用支援制度の活用促進や毎年9月の「障害者雇用促進月間」における各種の広報・啓発事業に取り組んでおります。
知的障害者を対象としたホームヘルパー養成訓練につきましては、今回の補正予算に計上しております職業訓練の拡充経費1億5500万円を活用してNPO法人への委託事業として実施したいと考えております。
次に、職業安定計画における障害者雇用についてお答えをいたします。
沖縄県職業安定計画におきましては、平成14年度から16年度までの計画期間中における障害者の新規雇用者数を500人と設定をしております。この目標を達成するため、障害者等を雇用した事業主を支援する特定求職者雇用開発助成金の活用促進や職場適応訓練から雇用への移行を促進します。
また、地域の関係機関が連携して障害者の就業・生活支援を行う「障害者就業・生活支援センター」につきましても、平成13年4月に北部地区におけるセンターとして名護学院を指定したところでありますが、今後、中部地区及び南部地区のセンター設置に向けて関係機関と調整を進めてまいりたいと考えております。
職業能力開発につきましては、これまでの県立職業能力開発校における訓練に加えてNPO法人等民間を活用した多様な職業能力開発を実施してまいります。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育関係につきまして、まず少女買春事件の今後の防止策等についてから先にお答えをいたします。
昨今の子供たちの人権を否定する性に関する一連の事件には心が痛み、激しい憤りを禁じ得ません。
また、本来、子供たちを守り育て、模範となるべき立場にある教師が相次いで逮捕されるなどの未曾有の事態は、生徒を含めた県民の教育に対する信頼を大きく損ない、その影響ははかり知れないものがあり、県教育長として県民に深くおわびを申し上げます。
人間としての尊厳を揺るがす一連の性に関する事件は、児童生徒の健やかな成長を図る上からも極めて憂慮すべき状況にあると考えております。事件の背景には教師を含めた大人社会のモラルの低下、倫理観の欠如によるせつな主義、拝金主義の横行など、さらには人間関係の希薄化や他者への思い、自制心の欠如などが複雑に絡み合っており、その防止については家庭、地域社会、学校を含めた社会全体の共通の課題として取り組む必要があると考えております。
県教育委員会としましては、今日の憂慮すべき状況を踏まえてすべての保護者や学校関係者、大人及び子供たちに「県教育委員会緊急メッセージ」を9月18日に発したところであります。また、県PTA連合会や県市町村教育長協会等で組織された四者連絡協議会、臨時校長会や社会教育関係団体等緊急連絡会議などを通して事件の再発防止に向け継続性や実効性のある運動の展開について検討をしてまいりました。
また、教職員に対しては、自浄作用のある職場環境づくりと教職員一人一人の自覚と自己啓発に努めるとともに、校長の教職員への個人指導の徹底、各種研修会を通しての意識の高揚及び実践力の向上を図ってまいります。
学校教育においては、性に関する全県一斉の特設授業の実施を含め、これまでの教育活動の全体を見直し、夢と希望を持ち目的意識の高揚を図る進路指導等の改善を図りますとともに、緊急メッセージを活用した生徒みずからのフォーラム等を開催する予定であります。
学校、家庭、地域社会においては、子供たちを守り、健全に育てていくのは大人としての責任であるとの自覚のもとに、家庭教育支援会議や地域懇談会等を通して家庭教育支援の充実・強化を図り、PTAや地域社会と一体となった有害環境の浄化運動等を展開する予定であります。
今日の状況は、教育行政のみではもはや解決困難な状況にあり、関係機関・団体、マスコミ等を含めた県民的運動を展開をしていきたいと考えております。
次に、全国高等学校総合体育大会誘致決定までの経過についての御質問にお答えをいたします。
全国高等学校総合体育大会は、高校教育の一環として高校生に広くスポーツ実践の機会を与え、技能の向上とスポーツ精神の高揚を図り、心身ともに健全な高校生を育成するとともに、高校生相互の親睦を図る目的で開催されます。
大会の主管となる県高等学校体育連盟は、平成12年12月1日に県市長会を初め関係団体の同意書を添え、平成22年度全国高等学校総合体育大会の沖縄県誘致・開催要望書を知事及び議会議長等に提出をいたしました。
県教育委員会では、平成12年度に教育庁内に誘致・開催検討委員会を設置するとともに、先催県調査を行い誘致・開催について検討を進めてまいりました。
このような経過を経て、平成14年8月27日、県教育委員会会議において全国一巡の最後となる平成22年に全国高等学校総合体育大会の沖縄県誘致を決議するとともに、全県的な取り組みが必要なことから同日、知事が誘致・開催についての記者発表を行ったところであります。今後は、大会開催基準要項に基づき全国高等学校体育連盟に対し、平成17年度に誘致申請書を、平成18年度には開催申請書を提出し正式決定される運びとなります。
次に、高校総体の誘致開催についてどのような課題等があるのかとの御質問にお答えをいたします。
全国高等学校総合体育大会は、28競技32種目が実施され、選手、監督、競技役員等を含めると約5万8000人規模の大会となります。
本県開催に向け今後の主な課題としましては、大会運営費などの開催経費を確保する必要があります。競技施設につきましては県及び市町村等の既存施設を可能な限り有効に活用をいたしますが、開催年を見通し必要に応じ改築・改修したいと考えております。また、数多くの競技を実施することから、競技種目別会場地については市町村を初め関係団体・機関の意向調査を行い、決定する必要があります。
さらに、本県選手の活躍が期待されることから中長期的な選手の強化・育成を図るとともに、競技役員等の養成を行う必要があります。今後、沖縄県らしい大会が開催できるよう県民の機運を高めるとともに、関係機関・団体等と連携を密にして誘致開催に向け諸課題に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 答弁の途中でありますが、高江洲義政君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時2分休憩
午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前の高江洲義政君の質問に対する答弁を続行いたします。
警察本部長。
〔警察本部長 髙橋清孝君登壇〕
○警察本部長(髙橋清孝) 少女買春の実態についてお答えいたします。
本年に入りまして、昨日9月26日までの児童買春事件の検挙は27件で、そのうちテレホンクラブ等を利用した事件は19件となっております。
児童買春の特徴は何点かありまして、次の点が挙げられます。
1、被害児童は24人で、そのうち中学生が16人と最も多く、そのほとんどがテレクラを利用し、遊ぶ金欲しさから買春した相手から現金を受け取っている。2、被疑者の職業は地方公務員、医師、会社員、自営業等さまざまな職種となっており、年齢は20代後半から60代と幅広くなっている。3、児童買春の際にやりとりされた現金は平均して1万5000円で、その行為のほとんどがラブホテルで行われている。4、買春が行われている時間帯は休日は昼間、平日は午後8時から午後11時ぐらいまでとなっており、学校が休みのとき及び学校の授業が終了した後であるということでございます。
この種事案は、被害児童が援助交際と称して現金を受け取り、安易に大人と性行為を持つなど潜在化しているのが実態でございます。
次に、県内の暴走族の現状と実態について一括してお答えいたします。
県内の暴走族は、暴走志向の強いおおむね15歳から18歳の高校生、有職、無職の少年等が出身中学校単位にグループを構成し、期待族の集まる那覇市在久茂地交差点付近の国道58号、浦添市港川在ユアサハイム付近の国道58号、沖縄市在胡屋交差点から山里交差点の間の国道330号等で暴走を敢行しております。
これら暴走行為は、以前は七夕やクリスマス、初日の出など記念日暴走が中心でありましたが、現在は週末の深夜から未明にかけて敢行しているのが現状であります。
現在県内で活動している暴走族は、本年8月末現在、およそ30グループ200人を把握しておりますが、そのほかにこれら暴走族に追随して暴走行為に参加する者が多数存在しております。
また、本年における暴走族の特徴は、暴走族取り締まり中の警察官やパトカー等に対し、所携の鉄パイプ、金属バット等を使用した公務執行妨害、器物損壊事案が16件発生し、24人が逮捕されるなど一段と悪質・凶悪化しております。
次に、暴走族取り締まりの現状についてでありますが、警察ではこれまで暴走行為多発地域において所轄警察署と警察本部の暴走族対策主管課、機動隊、自動車警ら隊、機動捜査隊が連携を図りながら取り締まりを実施しております。とりわけ週末には集中取り締まりを実施しておりまして、ちなみに昨日までに16グループ133人を検挙し、うち111人を逮捕しております。今後も暴走行為多発地域における週末の取り締まりにつきましては、警察本部から取り締まり要員を継続派遣するとともに、暴走族取り締まり専従捜査班を増強し、取り締まりを強化していく所存でございます。
次に、今後の暴走族対策についてであります。
県警察では、これまで暴走族対策を当面の重要課題としてとらえ、1、暴走族の実態を把握し、個別的な指導、補導を行うとともに、オートバイに乗車中の旗振り行為等を新たに違反行為として、改正された沖縄県道路交通法施行規則などあらゆる法令を駆使して悪質な暴走族グループの徹底検挙と解体、2、暴走行為を許さないための環境づくりとして地域住民や関係機関と連携した沖縄市諸見里一帯国道330号の中央分離帯の改良、3、暴走族対策推進員による暴走族構成員の個別指導や、沖縄県少年育成ネットワークによる少年対策、4、住民総決起大会等の開催による地域ぐるみの暴走族排除運動の盛り上げなどの対策を県警の総力を挙げて推進しております。
暴走族対策につきましては、暴走行為をあおったり助長したりする期待族が大きな問題であり、その対策として、暴走族を見に行かない、行かせない環境づくり、地域、学校、関係機関と連携した街頭補導の強化、他府県では期待族対策の内容を盛り込んだ条例を制定して効果を上げている事例があり、これらを参考とした対策の検討など総合的な対策を推し進める所存でございます。
最後に、うるさい時間帯と爆音被害訴訟問題についてでございますが、本年9月22日午前2時45分ごろ、沖縄市久保田在の国道330号において、二輪車等約40台の爆音暴走中の騒音を測定しましたところ、およそ100デシベルでありました。県警察としましては、今後も暴走族対策、暴走族取り締まりとあわせて各種対策を強力に推進して暴走族の根絶に向けて、安全で快適な交通社会の実現を目指す所存でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 平良市の産業廃棄物最終処分場火災問題について、火災発生の経緯と県の対応についてお答えいたします。
昨年11月28日に火災発生のあった同処分場については、宮古広域消防本部等の消火活動により翌朝には鎮火しております。
また、県においては、火災発生の翌日から去る5月まで計13回にわたり延べ39地点、480項目について大気、公共用水域、土壌等の環境調査を実施し、その結果を公表してきております。
特に、周辺地域における大気、公共用水域等のダイオキシン類の調査結果については、環境基準を下回っていることを地元住民に説明し不安の解消に努めてきたところであります。
同処分場に対しては、昨年12月に廃棄物の搬入停止の通知、本年1月には焼却施設の使用停止命令を行っており、現在、同施設は閉鎖状態にあります。
また、処分場内にあった焼却施設や農業用廃プラスチック類については、解体及び撤去処理を行うよう改善命令を発しており、農業用廃プラスチック類は沖縄本島の処理施設へすべて搬送され適正に処理されております。焼却施設の解体・撤去については、関係機関の指導のもとに撤去することになっております。
処分場内を掘削し燃え殻を撤去することについては、地熱がおさまった時点で燃え殻を適正に処理するよう事業者へ指導しております。
住民の健康調査につきましては、県では火災発生当日から平良市と連携して健康相談を実施するとともに、去る5月には宮古南静園及び宮古病院の協力を得て問診、血液検査、皮膚科及び内科診察等を実施し、8月には地元において健診結果の説明会を開催しております。
今後の対応としましては、環境調査を引き続き実施するとともに、処分場からの地下水等への影響を把握するため地質調査を実施することにしております。また、健康調査についても再度実施し、経過観察をしていくことにしております。
次に、ダイオキシン類検査体制の整備等について一括してお答えいたします。
県では、ダイオキシン類測定に必要な施設等の整備がなされていないため、今回のような火災等突発的な事故に係るダイオキシン類調査は民間分析機関に委託しており、分析結果が判明するまで2カ月以上の期間を要しております。
また、県は、焼却炉等ダイオキシン類の発生施設に立ち入り、ダイオキシン類の排出状況を調査測定し、その結果に基づき適切な改善指導を行う必要があります。
このようなことから、県においてはダイオキシン類の分析技術者の養成を初め、測定施設・測定機器の整備について検討しているところであります。その整備には約2億円の所要経費が見込まれております。
次に、具志川市で発生した火災の状況と県の対応についてお答えいたします。
去る9月19日22時過ぎから23時の間に具志川市昆布の産業廃棄物処分場で火災が発生し、焼却処分のために一時保管してあった廃棄物約160トンの表層部が燃えました。
同日の23時に通報を受けた具志川市消防本部は、23時12分に現場到着し、6台の消防車両で消火活動を行い、翌20日の午前1時35分に鎮火しております。
火災の原因につきましては、9月24日に具志川市消防本部、具志川署、県警科学捜査研究所の三者が合同で調査を行っておりますが、現時点では火災の原因を特定するに至っていないため引き続き原因究明に努めているところであります。
県においては、9月20日午前、中部福祉保健所や本庁の関係課職員が現場に出向き、実地調査や聞き取り調査を行っております。
また、同日、関係課や保健所の担当者が同火災に係る対策連絡会議を開き、調査結果の確認や環境測定、同処分場に対する今後の対応策について話し合っております。
なお、最終処分場における火災の再発防止のため、処理業者及び関係団体に対し施設の維持管理及び防災対策について万全を期すよう文書により注意喚起を求めております。
次に、県内の暴走族の現状について、暴走族の爆音被害についてお答えいたします。
県におきましては、交通安全活動を推進するため知事を会長とする沖縄県交通安全推進協議会を設置し、シーズンごとの交通安全運動や高校生を対象とした免許取得前の交通安全教室等を開催し、県民の交通安全意識の啓発と高揚に努めております。
御質問のことでございますが、仮定のことでございますので、答弁することは差し控えさせていただきます。
県としましては、県警を初め関係機関・団体及び地域住民と一体となって暴走行為をしない、させない、見に行かないことを広く県民に浸透を図るため、交通安全フェアにおける高校生の二輪ライディングスクールや関係機関との連絡会議等を開催し、暴走行為を許さない環境づくりに取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 県営住宅の管理を県宅建協会へ委託すること及び民間委託と明け渡し訴訟の関係についての御質問に一括してお答えします。
東京都品川区が管理している公的住宅には、区民住宅と区営住宅があります。
区民住宅とは、「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づく中堅所得者に対する良質な住宅で、国と地方公共団体からの補助により供給されるいわゆる特定公共賃貸住宅であります。
その管理については、第三セクターである株式会社品川都市整備公社に委託しておりますが、同公社はさらに社団法人東京都宅地建物取引業協会品川区支部と協定を締結し、同宅建協会が運営する株式会社品川宅建管理センターに管理を再委託しております。
また、区営住宅とは、「公営住宅法」に基づく低額所得者対象の公営住宅であり、東京都住宅供給公社に管理を委託しております。本県の県営住宅については、品川区が管理している区営住宅に当たるものであります。
県営住宅の管理委託については、「沖縄県営住宅の設置及び管理に関する条例」第61条で、市町村または沖縄県住宅供給公社に委託できる旨規定されております。
また、現時点で公営住宅の管理を民間に委託している都道府県がないことから、民間への委託については、今後とも他の自治体の動向も勘案しながら、明け渡し訴訟との関係も含め調査検討してまいりたいと考えております。
次に、この5年間の明け渡し請求訴訟件数とその経費及びその成果についてお答えいたします。
平成13年度までのこの5年間の訴訟実績としては269件を提訴し、105件が判決等により解決しておりますが、現在のところ124件が裁判係争中であります。残りの40件につきましては、提訴後に和解したものや滞納額の一括払いによる取り下げを行った件数となっております。
また、訴訟に要した経費としては、5年間で6754万221円となっております。
なお、提訴後、和解や滞納解消による取り下げを除けば、県が請求している内容はすべて勝訴しており、明け渡しによる退去が完了しております。
以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 松くい虫防除対策について、伐採木処理の確認、現在推定される被害量及び今後の被害対策予算について一括してお答えいたします。
松くい虫被害木の処理後の確認は、被害の蔓延を防止する観点から極めて重要であります。
このため、県では業務検査要領に基づき処理現場において切り株の確認、被害木や枝の放置がないか、また焼却が適切に行われているか等の検査を実施をしております。
平成14年度の松くい虫被害量については、現在、被害調査結果を取りまとめているところでありますが、被害量はおおむね前年度並みと推定をしております。
また、今後5年間で予想される被害量及び経費につきましては、被害量約11万本、県予算額で約15億円程度と試算をしております。
松くい虫の被害の終息に向けては、被害の蔓延につながる被害木を徹底して処理することが重要であります。今後とも、関係機関と連携をし、徹底した防除を実施していく考えであります。
以上であります。
○金城 昌勝 休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時42分休憩
午後1時43分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○金城 昌勝 自由民主党を代表して代表質問を行います。
まず初めに、稲嶺県政1期4カ年の実績とその評価についてであります。
稲嶺県政が誕生してはや4年になろうとしております。就任以来、本県振興に獅子奮迅の活躍をしてきた稲嶺知事の実績は県民のすべてが認めているところであると思います。
政権発足の翌日、早速、普天間基地移設に係る問題に絡み前知事と国との確執から約1年間も中断されていた沖縄政策協議会を再開させ、小渕総理から100億円の沖縄振興特別調整費を計上していただき、今日さまざまな施策が展開されております。
また、緊急経済対策として特別自由貿易地域への立地を促進するための受け皿施設整備、北部振興のための高速道路料金値下げ、通信産業支援のため通信コストの低減、航空運賃の値下げ、国立高等専門学校の具体化、ソフト機能を持つ産業振興拠点整備、「沖縄経済振興21世紀プラン」の策定を求め、これらはすべてこの4年間のうちに実現されました。
さらに、平成11年7月には、これも前知事の呼びかけにもかかわらず凍結されていた三者連絡協議会が再開され、国や米軍とのより良好な関係が回復され、現地レベルでの基地問題の解決の展望が図られております。
ここでひとつ県民に誤解がないようにつけ加えますが、前知事は米軍から派生するさまざまな問題を研究者の先鋭な視点で見事にとらえ、顕在化させた功績は大であることは私も大いに評価しているところであります。しかし、残念ながら前知事は問題提起は行いましたものの、問題解決することはできなかったのであります。
平成11年8月には日米地位協定見直しについて国に要請をいたしました。そのような働きかけもあり、平成13年7月には衆議院外務委員会においては政府に日米地位協定の見直しの検討を求める決議を全会一致で可決しております。この件は去る8月に本県で開催された全国知事会議でも決議されております。
次に、産業面におきましては情報関連産業等の新たな分野における新規雇用の実現、観光産業の進展に加え、特別自由貿易地域における企業立地の進展等経済の稲嶺の面目躍如たるものがあり、これに加えて沖縄振興新法を制定させ、情報特区、金融特区、観光振興地域の拡充等自立経済構築に向けた一国二制度的な新たな制度を実現いたしました。
インフラ整備の面では、那覇港一部事務組合を設立させ、那覇港湾の整備に展望を開くとともに、那覇空港の平行滑走路増設に向けた強力な取り組みも評価されるものであります。
また、沖縄振興特別法に基づく沖縄振興計画では、基地の移転や旧軍飛行場問題を位置づけるなど基地問題に対する強い意欲も示されました。主要国首脳会議(サミット)を成功裏に誘致したことも特筆すべき功績の一つであります。
その他にも高度多機能病院の着工、沖縄平和賞の創設等々数え切れないほどの業績を積み上げております。
私は、この4年間で公約のほとんどが芽出しされたと思います。知事御自身でこの4年間の実績の御披露と評価をお願いいたします。
2期目出馬に当たってであります。
悲惨な沖縄戦から半世紀余、米軍支配から解放されてはや30年、新たな沖縄振興特別措置法とそれに基づく沖縄振興計画が策定され、いかにして21世紀初頭の郷土と次代を担う人をつくっていくのか、これからが正念場であります。
さきの議会におきまして、稲嶺知事に沖縄の50年後、100年後の展望をお聞きしました際、「困難な問題は山積しておりますが、県民が生き生きと暮らす21世紀後半の「平和で安らぎと活力のある沖縄県」の実現に向けて、次世代に引き継げるよう政策を一つ一つ着実に実現させていきたいと考えております。」との御答弁がありました。夢を抱きつつもしっかりと事を進めるその心意気、さすが知事になられる大器であると私は感服いたしております。
普天間飛行場の移設に係る15年問題等これから取り組まなければならない難しいこともたくさんあります。しかし、だれかが先頭に立って沖縄の将来を切り開いていかなければなりません。
いにしえより、「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉もございます。その意味で、今回知事が再選出馬の決意を固めたことは県民にとって大変喜ばしいことであります。
また、これまでの選挙戦においても知事の推薦する首長は皆当選しており、特に9月8日の石川市長選、22日の豊見城市長選挙と見事に勝利をいたしました。この事実は知事に対する県民の期待のあらわれであり、解釈より解決をのもとに県政を進めてきた知事への県民の高い評価であると私は思っております。
知事、2期目出馬に当たっての御決意をこの場から広く県民の方々に表明をお願いいたします。
3、振興計画について。
1次振計、2次振計では本土との格差是正を図り、自立的発展の基礎条件の整備を図ることを計画目標に諸施策が総合的に講じられ、社会基盤等においては本土との格差も次第に縮小するなど着実にその成果を上げました。
3次振計においては、これまでの振計の計画目標である格差是正と自立的発展の基礎条件に加え、我が国の経済社会及び文化の発展に寄与する特色ある地域としての整備を図るという新たな目標が掲げられ、これら3次にわたる振興計画の実施の結果、道路、港湾、空港などの社会基盤の整備が進み、医療・福祉の向上など県民生活の向上にも一定の成果が見られましたが、県民1人当たり所得はなお全国平均の70%にとどまり、雇用情勢も依然厳しいものがあります。
そこは何が原因であったのか、また解決策はあるのか、簡明にお答えいただきたい。
今回初めて観光振興、情報通信産業の振興、農林水産業の振興、職業安定の4つの法定分野別計画を決定し、さらにそれ以外の分野別計画を策定することとなっているようでありますけれども、各分野別計画の性格と主要な目標数値はどうなっているか。また、具体的にどのような施策・事業を展開していくのか。
今回の分野別計画で幾つかの地域指定が行われましたが、どのような地域制度をどこに指定したのか。その地域を指定した根拠・理由は何なのか、お答えをお願いいたします。
魚より釣り具をくれと、釣り具を手に入れたわけでありますけれども、グルクンを釣るのかマグロを釣るのか、はたまた食える魚を釣り切れるのか。今までの反省を踏まえて、今後は特に成功させるべく真剣に実施していく必要があり、今度はぜひおいしい魚を釣り上げて成功させてもらいたいと考えております。郷土づくりに対する知事の御決意の御表明をお願いいたします。
4番目に沖縄新大学院大学について。
大学院大学は、世界最高水準の研究・教育を行う機関として構想されているようでありますが、釣り具の理論から見てとてつもなく大きな鯨を釣り上げたようなものであります。今後、どう育て養うかが大きな課題であります。
そこでお伺いします。
大学院大学の目指している基本理念、研究・教育内容、管理運営はどのようなものでしょうか。
次に、研究者もさることながら、学生も世界の中から一流の者が集い、大学院大学が世界に貢献していくであろうことは推察できますが、本県子弟ないし本県へのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
世界の一流教授、一流の研究者が安心して快適に赴任できる研究環境を整えなければなりません。そのためには財源の確保と大学院大学をサポートする財団が必要となってくると思います。それらの果たす役割は大きいと思いますが、その財源のめどはどのようになっているか。
また、研究から得られた成果は沖縄にメリットを還元できるように仕組んでいけるのでしょうか、お伺いいたします。
大学院大学の立地場所については、各地域が売り込みをしておりますけれども、糸満市喜屋武が最適であることは明らかであります。太平洋と東シナ海が同時に眺望できるリゾート環境を備えた約100ヘクタールの用地、空港へ近い交通アクセスの利便性、水産試験場や移転予定の農業研究センターなど各種研究機関との連携、県都那覇市に近いという生活の利便性すべてが整っております。
先日、糸満市において沖縄新大学院大学糸満市誘致実現南部地区住民大会が開催されました。南部18市町村を初め島尻各地域から3600人余の人たちがはせ参じ誘致実現に向け邁進することを誓った大会宣言を全会一致で採択し、また「沖縄新大学院大学の南部地域への誘致に関する要請決議」を決議し、総理、沖縄担当大臣、文部科学大臣へ要請いたしました。その熱気は大変なものがあり、大会終了後も熱い雰囲気が残り、沖縄新大学院大学は南部地区が最適だと参加者が口々に言っておりました。
もろもろの施設や施策、指定地域がSACOとの関連で北部に創設されております。県土の均衡ある発展を名実ともに実現していくためには、県として南部への設置を政治的に決断すべきと考えますが、知事、いかがお考えでしょうか。
5番目に、本県における法科大学院の設立についてであります。
国は、司法制度の改革を推し進め、現在約2万1000人余りの法曹人口を平成30年ごろまでに5万人規模にし、司法試験の合格者を段階的に年3000人ふやし、法曹の質を低下させないように法科大学院を平成16年に開校し、修了者対象の新司法試験を導入することになっているようであります。
全国の大学が法科大学院の設立に奔走し、本県においても琉球大学が手を挙げていますが、法科大学院の設立は激しい競争になることが予想されております。
ことし3月、法曹関係者や財界人により琉球大学法科大学院設立推進協議会が設立され、県民一丸となって取り組む体制が整いつつあることはうれしい限りであります。既に秋田経法大学におきましては、裁判官などの法曹養成を専門とする法科大学院を平成16年4月をめどに新設すると発表しております。
本県に法科大学院が設立されることにより得られる効果は、本県子弟の法曹養成の核となるだけでなく、広く行政改革や経済構造改革で変貌する21世紀の社会を支える人材育成の基盤となるものであり、ぜひとも本県に設立しなければならないと考えます。
そこでお伺いします。
(1)、本県の法曹人口の現状は、年齢構成を含めどのような状況にありますか。仮に本県に法科大学院の設置がなされなかった場合、本県は法曹の過疎地となる可能性はありませんか。
(2)番目に、設置決定はどのように行われるのでしょうか。本県への設置に向けた県の取り組みはどのようになっておりますか。
(3)番目に、沖縄新大学院大学に比べて県の子弟への直接のメリットが高いわけであり、万が一にも県の熱意がなく沖縄への設立はありませんと言われないように、早急に沖縄新大学院大学プロジェクトチーム以上の組織体制を整えるべきと考えますが、知事、いかがお考えでしょうか。
6番目、人材育成について。
新たな沖縄振興計画における人材育成は、「人づくりは、百年の大計といわれる。21世紀の沖縄が、自立に向けて持続的に発展し、世界に開かれた交流拠点を形成していくためには、産業、福祉、医療、学術、文化等各分野を担う高度多様な人材育成が不可欠であり、各分野における施策と併せて横断的な取組を展開する。」としております。
これまで3次にわたり沖縄振興計画の課題の一つとして人材育成が挙げられ、施策の展開がなされてきました。前述のとおり新たな沖縄振興計画においても継続的に展開されようとしております。
先ほど述べましたように、これではまた10年後も同じような結果を招くのではないかと大いに懸念しております。
つまり、この人材育成という施策が他の施策と同様並列的な施策として位置づけられている点に大変問題があるのではないかと私は認識しております。人材育成という施策は最優先されるべき根源的な施策であると考えるからであります。
沖縄振興計画の目標では、「沖縄の特性を積極的に生かしつつ、自立的発展の基礎条件を整備し、豊かな地域社会を形成するとともに、我が国ひいてはアジア・太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与する特色ある地域として整備を図り、平和で安らぎと活力のある沖縄県を実現する」とあります。
一体だれが沖縄の特性を生かし、だれが基礎条件を整備し、だれが豊かな地域社会を形成し、だれが我が国の社会経済及び文化の発展に寄与する地域として整備を図るのですか。それは沖縄県の職員であり、市町村の職員であり、各分野における沖縄県民という人材以外にはないと思います。
沖縄振興計画のすべての施策が十分展開され目指す目標を達成できるかどうかは、まさしく行政も含めた各分野における人材にかかっており、そしてその根底をなす教育における人材に尽きるのであります。
昨今、ゆとり教育とか総合学習など問題が取りざたされております。しかしながら、これから訪れる社会経済の環境というものがますます激しさを増した競争社会であることはだれの目にも明らかであります。沖縄県民が望むと望まざるとにかかわらずやってくる社会であります。
このような状況において競争させないゆとり教育というのは、立ち向かう競争社会に対して無力であり矛盾しているのではないだろうか。将来を夢見ている子供たちから羽をもぎ取るようなものではないか。さきに生まれた者としてその責任を放棄していることになると思うがどうでしょうか。
競争に生き残る、あるいは競争に勝つということは、競争相手との比較において優位性を保ち、その優位性を発揮することであります。つまり、子供たち一人一人に内在している能力を自覚させ、十分発揮できるようにはぐくむことであります。まさに沖縄振興計画の目標としている理念に合致する考え方であります。
そこで、知事が不退転の決意でリーダーシップを発揮し、人材育成の施策を実効あらしめることが沖縄振興開発計画の成就を通して着実に県民の理想とする沖縄へ近づくものであり、後世、県民から高く評価される知事となり得るものと私は確信をしております。
そこで知事に質問いたします。
(1)番目、人材育成に対してどのような理念を持っておられますか。
次に、3次にわたる振興計画の猛反省を踏まえ、人材育成を実効あらしめるためにどのような具体的な方策をお考えでしょうか。
これまでのような行政内部における進行管理だけでは十分な成果は上げられません。そこで、人材育成については客観的に成果を評価するための第三者的管理機関を創設すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
(4)番目に、機関を組織する場合において客観性を担保するためには、リーダーとして教育における人材育成の専門家を外部から登用すべきと考えますが、知事はどうお考えでしょうか。
(5)番目に、学校現場の教員に対して人材育成の重要性をどのように認識させておりますか。
次に、学校週5日制のゆとり教育で、今後の競争社会を生き残り、あるいは競争に勝つ子供たちが本当に沖縄に育つと思いますか。
次に、学校の学習時間及び内容において、諸外国との比較で日本がどのような状況になっていますか。その分析結果について、日本における本県の状況分析を結果も含め知事の所見をお伺いします。
(8)番目、比較優位性を発揮するためには学習時間や内容において諸外国と同等以上に子供を教育しなければなりませんが、今後どのように教育していきますか、具体的な方策があればお伺いいたします。
(9)番目、子供の能力を伸ばすためには、第一義的には教員の資質が問われますが、教員の資質というものをどう考えていますか。
次に、今後ますます教員の資質が問われてくると思いますが、どのような教員の資質の向上を図っていきますか、具体的な方策を伺います。
(11)番目に、子供たちに現実の社会を感じてもらうために、現役や退職された民間の社会人の方々の生きがいとなるような、そして少ない予算でボランティア的に学校現場へ登用する仕組みづくりをするお考えはありませんか。
8番目、米軍・基地問題について。
日米安全保障条約を軸に我が国の独立と安全を図っていくべきであると考える者の一人でありますけれども、米軍から派生する事件・事故については厳しく糾弾し、互恵互譲の精神にのっとり取り組むことが当然であると明言し、米軍並びに基地問題をお尋ねいたします。
(1)番目に、旧軍飛行場用地の問題について。
さきの議会におきまして、旧軍飛行場用地問題についてはできるだけ早くプロジェクトチームを立ち上げ、しっかりと受けとめて進んでいきたいとの答弁がございましたけれども、組織体制はどのような状況になっておりますか。
この問題は何度か議会において問題提起され、また県でも全地主に対して聞き取り調査もされているかと思いますが、かつて調査をした旧地主の数は何人ですか。
旧軍接収用地問題は、未買収道路用地や旧平得飛行場のように解決を見たものもありますけれども、まだまだ戦後は続いているのであり、戦後の土地問題を総合的に取り扱う体制の持続的継続が必要であると考えます。知事、いかがでしょうか。
(2)番目に、嘉手納ラプコンの返還について。
嘉手納ラプコンについては、平成12年3月、河野外務大臣とコーエン国防長官が返還を表明して2年半になろうとしているわけでありますが、その後、進捗は具体的にどのような状況ですか。
また、沖縄へ新たに航空管制官の配置増員が必要だと考えますが、所管省庁との意見交換や国への要望は行っているのでしょうか。
9番目、観光振興についてであります。
国頭村にある観光施設「金剛石林山」が県から自然公園法に基づく原状回復命令を受け、観光客が激減し村民大会が開かれ、過疎化、高齢化が進む中、観光産業を推進し雇用の場を創出する必要がある。また、県に対し沖縄海岸国定公園特別保護地区の地域指定を見直す要望もしたようですが、自然が学術的に貴重であるからクローズアップするのではなく、うまく自然保護と地域振興を並行してやるべきだと思いますが、今回の事件については、そのてんまつと今後同様な問題が起こらないようにするための方針をどのように整えたか、御説明ください。
私は、かねてより活力ある社会経済活動の前提として官の関与は最低限であるべきと考えております。今回、観光振興計画で新たな資格認定・登録制度の創設などが行われるとのことでありますが、どのような資格認定・登録制度の創設が行われるのか。また、それは規制緩和の観点から見て適切であるか、御答弁お願いします。
10、農業振興について。
ウイルコック教授が書いた沖縄プログラムでも紹介されたように、沖縄の食文化が長寿食として世界に認められつつあります。本県農業は、これらの潮流を踏まえ沖縄の特色を生かした振興を図っていくことが重要であります。そのためには沖縄の特色を強調すると同時に、食の安全を図り安定的に質の高い農林水産物の供給体制づくりが問われています。
そこで伺います。
(1)、沖縄ブランドの確立をどう図っていきますか。
(2)、安全な食糧の供給にどう取り組んでいるでしょうか。
(3)、基幹作物であるさとうきびの振興を図るには、生産者及び甘蔗糖企業の生産性の向上を図ることが肝要であると考えております。生産の向上のためにどのように取り組んでいきますか、お伺いします。
次に、那覇空港の平行滑走路について。
アジア・太平洋地域の交流拠点形成に向けてさまざまな取り組みがなされておりますが、やはり重要なのは交流を支える那覇空港の拡充・強化が重要であります。
既に御承知のとおり、那覇空港は近年、航空需要の急速な進展に伴い著しく過密化が進みつつあり、満杯に近い状態であります。また、昨年の那覇港沖での貨物船座礁事故の例に見られるようにちょっとしたアクシデントでも運航に支障が生じる状況にあります。本県が今後とも交流を盛んにし、アジア・太平洋地域と連携を深めていくためには、那覇空港を拡張整備し国際航空路線での直行便などの航空ネットワークを拡充するとともに、名実ともに24時間運用の国際空港にしていくのが必要であります。特に国連機関の誘致や大学院大学に優秀な教授を招聘する場合とか、金融特区でのビジネス展開においては世界との交通アクセスは重要な要素となると思われます。ぜひ那覇空港拡張整備促進連盟の活動を強化して、沖合展開による平行滑走路の早期実現を図っていただきたいと思います。
そこでお尋ねいたします。
平行滑走路建設に向けての取り組みはどのようになっていますか。
(2)番目、国の次期空港整備長期計画における位置づけはどうなっているのでしょうか。
14番、平和行政について。
稲嶺知事は、平和を希求する沖縄の心を世界に発信し、国際平和の実現を願う沖縄平和賞を創設し、内外から強い関心と高い評価の中で第1回授与式も行いました。また、平和行政推進の観点からも重要な世界最高水準の大学院大学の誘致についても、稲嶺知事と尾身沖縄担当大臣とのパートナーシップのもとに現実のものとなりつつあります。このように国際平和の実現に向け知事の進める平和行政は着実に進展しており高く評価しております。
また、国連機関の誘致も沖縄が世界の平和に貢献できる拠点性を高めるものであり、今後とも強力に取り組んでいただきたいと思います。
国連アジア本部や世界レベルの頭脳と超一流の学問や科学技術が集積する新沖縄大学院大学が誘致されることにより、本県自体の安全と平和の維持が確保されることにつながると思っております。
そこで、国連機関の誘致について知事はどのようにお考えでしょうか。
あと1項目ありますけれども、これで終わります。
○知事(稲嶺惠一) 金城昌勝議員の御質問にお答えいたします。
最初は、県政4年間の実績と評価についてお答えいたします。
私は、就任以来これまで「問題解決のできる実行型県政の実現」を目指して経済振興や基地問題の解決、県民福祉の向上など県勢発展のために誠心誠意取り組んでまいりました。
まず、就任早々沖縄政策協議会を再開させるなど政府との信頼関係を構築し、「沖縄経済振興21世紀プラン」に基づく大きなプロジェクトを始動させたほか、北部振興協議会を設置するなど県経済の閉塞感を打破しました。
産業振興については、通信コストの低減により多くの情報通信関連産業を誘致して4000人を超える雇用を実現したほか、特別自由貿易地域の賃貸工場も大きな効果を上げています。また、産業人材育成事業の展開やビジネスオンリーワン賞の創設、国立沖縄工業高等専門学校の設置、沖縄産業支援センターの開所、沖縄職業能力開発大学校の開校などの施策を展開しました。
さらに、那覇港管理組合を設立し、那覇港の国際流通港湾実現化に向けた取り組みをスタートしました。
九州・沖縄サミットの首脳会合の開催を実現して沖縄の魅力を発信し、それに続く国際会議を誘致しました。
県民福祉の向上については、3歳未満児の乳幼児医療無料制度を創設したほか、総合福祉センターを建設中であります。
文化の振興については、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の世界遺産登録を実現させたほか、「国立劇場おきなわ」を着工し来年度開場を予定しております。
県民の平和を希求する心を国内外に発信するとともに、世界平和の実現に貢献するため沖縄平和賞を創設しました。
基地問題については、普天間飛行場の早期返還に向け代替施設の基本計画を決定するとともに、那覇港湾施設の移設に関する三者協議会を設置し協議を進めております。また、跡地対策協議会を設置し、跡地利用の促進に向け取り組んでおります。
日米地位協定の抜本的な見直しについては、全国知事会議での決議等全国的な課題に据えるとともに、強力に国に求め続けています。
新たな沖縄振興に向け情報特区、金融特区、大学院大学の設置など大胆な制度を盛り込んだ沖縄振興特別措置法が4月から施行され、7月には同法に基づく新たな沖縄振興計画がスタートしました。これにより、今後10年間の沖縄振興の道筋を示すことができたと考えており、21世紀にふさわしい沖縄を創造していくためのレールを敷いたと自負しております。
次に、2期目の出馬に当たっての決意についてお答えいたします。
さきの比嘉勝秀議員の御質問にもお答えしましたように、私は「問題解決のできる実行型県政の実現」を目指し、4年前に掲げた公約のほとんどについて着手して、21世紀に向かって沖縄が力強くスタートできるレールを敷いたと自負しております。
しかし、産業経済の振興、雇用の創出、基地の整理縮小などの県政の大きな課題が今なお山積しており、それらの課題を解決してより豊かで、より活力に満ちた沖縄を一歩一歩実現するためにさらに4年間県民とともに一生懸命努力したいと考えております。
次に、振興計画について、所得格差、厳しい雇用情勢の原因及び解決策についてお答えをいたします。
所得格差や厳しい雇用情勢が依然として存在している要因としては、内外の厳しい経済環境に加え、県外における雇用環境の悪化等が大きく影響しているものと考えております。
また、最近における情報通信関連産業を中心とした新規雇用者数の増加はあるものの、それを上回る労働力人口の伸びが存在したこともその要因の一つと考えられます。
沖縄振興計画では、本県の持つ優位性を最大限に発揮した産業振興に向け、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、健康バイオ産業、環境関連産業など発展可能性の高い産業領域を戦略的に振興するとともに、他の産業分野との連携を通じて民間主導の自立型経済の構築を図っていきたいと考えております。
次に、郷土づくりに対する知事の決意についての御質問にお答えいたします。
私は、新たな沖縄づくりに向け「民間主導の自立型経済の構築」のため観光・リゾート産業や情報通信関連産業等の集積を図るとともに、地域特性を生かした農林水産業や健康食品産業等の振興に取り組みます。
また、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成、世界最高水準の大学院大学を中心とした知的クラスターの形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造と県民が健康・長寿を維持し、だれもが安全で安心して暮らせる健康・福祉社会の実現に向け取り組みます。
さらに、それぞれの特性に応じた地域づくりを進め県土の均衡ある発展を図るとともに、米軍施設・区域の整理縮小について積極的に取り組んでまいります。今後とも、県民とともに一つ一つ着実に課題を解決していきながら、ホスピタリティーにあふれ美しい自然環境の中で独特の歴史・文化を大切にし、平和で安らぎと活力のある沖縄県の実現に全力で取り組みます。
次は、新大学院大学についての基本理念、教育・研究内容、管理運営についての御質問にお答えいたします。
大学院大学は、世界最高水準の研究と教育を実践するため、国際性と柔軟性を有し世界的連携、産学連携を図ることを基本理念としております。
研究・教育分野については、生命システムを中心として生物学、物理学、化学、計算科学、ナノテクノロジーなどを融合した領域が検討されています。
管理運営については、国設民営型の新しい大学法人形態で、講義は英語で行い、教職員500人程度、学生500人程度の規模を想定し、その半数以上を諸外国から受け入れることとしております。
続いて本県へのメリット、人材育成に関するメリットについてお答えいたします。
大学院大学の立地によるメリットとしては、大学周辺への先端的な研究機関、民間企業等の集積及び最先端の科学技術の利活用による新たな産業の創設などが促進され、本県経済の活性化が図られるものと考えています。また、直接・間接的な設備投資による経済波及効果や雇用機会の増大など、地域経済の発展にも大きな影響を及ぼすものと考えております。
人材育成に関するメリットとしては、世界的レベルの研究者、教育者及び学生との交流を通じて知的関心の高まりや学力の向上等が図られるものと期待しております。
次に、研究環境整備とサポート財団財源の目途についてお答えいたします。
大学院大学については、国設民営型の新しい大学法人形態として設置を目指していることから、大学の施設等の整備は国が財政的に支援することとなっております。
大学院大学をサポートする財団については、国において平成15年度に設置予定の大学院大学設立準備のための財団法人の動向を踏まえ、沖縄側としての協力・支援体制について検討していきたいと考えております。
次に、研究成果の沖縄への還元方策についてお答えいたします。
大学院大学で実践される先端的技術の研究開発は、「民間主導の自立型経済の構築」を目指す本県の社会経済を発展させる大きな原動力になるものと期待されております。県としては、大学院大学のメリットを最大限に活用する観点から、大学院大学周辺への先端的な研究機関、民間企業等の集積に取り組み、新たな産業の創出につなげていきたいと考えております。
次に、立地場所については、南部への設置を決断すべきだがどうかという御質問にお答えします。
大学院大学の設置に向けては、多くの市町村等から誘致要請があり、県民の期待も相当高まっております。
建設場所については、「大学院大学候補地選定の基本方針」に基づき、知的クラスターの将来展開も含めた十分な用地面積の確保ができること、交通アクセスや魅力ある環境に恵まれていること等を条件に国において決定されることとなっております。
県としては、こうした国の意向を踏まえ、去る9月19日に大学院大学候補地の推薦に関する検討会を設置し、世界最高水準の大学院大学の立地にふさわしい候補地の選定をお願いしたところであります。今後、検討会の提言を受け、県としての候補地を数カ所選定し国に対し推薦したいと考えております。
次に、人材育成についてどのような理念を持っているかについてお答えいたします。
21世紀を担う人材の育成については、学校教育の果たす役割は極めて大きいものがあり、子供たちが人間性豊かで能力と個性が十分発揮できるよう、基礎学力の向上を基本に早期英語教育を初め環境、情報など時代のニーズに対応した教育を積極的に推進していく必要があると考えております。
また、沖縄が持続的に発展しさらに飛躍していくためには、産業、福祉、学術・文化等の幅広い分野において高度な技術や専門知識を有する意欲あふれる人材の育成・確保が重要であり、初等・中等教育や専修学校、大学等の高等教育機関、行政、企業等がそれぞれの役割に応じた教育訓練を実施するとともに連携・協力していく必要があると考えております。
次に、人材育成について学習内容における具体的な方策についての御質問にお答えいたします。
人づくりは百年の大計であり、21世紀の沖縄が自立に向けて持続的に発展し、世界に開かれた交流拠点を形成するためには、本県の特性を生かしながら国際化・情報化社会に有為な人材を育成することが大切であると考えております。
そのためには、早期英語教育を積極的に導入することが必要であると考えております。現在、本県の地理的・歴史的な特性を生かした本県独自の教育課程の編成による教育特区の実現に向けてその可能性を検討中であります。
また、実践的コミュニケーション能力の育成を図るため、外国青年招致事業や高校生の国外留学生派遣事業等のなお一層の充実に向けた支援策を講じていきたいと考えております。
さらに、県立高等学校編成整備計画において、国際化・情報化に対応した新しいタイプの学校として沖縄インターナショナル高等学校(仮称)や情報技術高等学校(仮称)等を設置することとしており、現在、具体的な準備を推進しているところであります。本県としては、これらの教育施策を積極的に支援し、21世紀の沖縄県を支える人材育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、農業振興について、「おきなわブランド」の確立をどう図っていくかについてお答えいたします。
本県においては、農林水産業の振興を図るため、農林水産業振興計画に基づき高品質かつ安全で安心な農林水産物を消費者や市場に安定的に供給することのできる「おきなわブランド」を確立することとしております。このため、市場競争力の強化による生産拡大が期待されるゴーヤー、サヤインゲン、マンゴー、菊、養殖魚介類等を戦略品目として位置づけております。
戦略品目の生産に当たっては、定時・定量・定質の出荷が可能な拠点産地を育成していく考えであります。また、資源循環システムの推進による環境保全型農業の確立、品質表示の徹底、農林水産物の認証制度の創設などを推進し「おきなわブランド」の確立を図っていく考えであります。
次に、安全な食料の供給についてお答えを申し上げます。
近年、食の安全に対する消費者の意識が高まっており、安全で安心な食料の供給が求められております。
県としては、JAS法に基づく品質表示の徹底を図るため、量販店等を対象に品質表示に関するパンフレットの配布や定期的な巡回指導を実施しております。また、ことし5月に食品表示110番を設置し、食品表示に関する情報収集や調査に努めているところであります。特に、畜産については、屠畜場におけるBSE全頭検査を初め牛の生産履歴の把握に取り組んでおります。
農作物については、天敵や性フェロモンを活用した環境保全型農業を推進しているところであります。
今後とも、環境に配慮した生産対策を初め品質表示の徹底、消費者から顔の見える産地を育成し、ブランド化に向けた安全で安心な農林水産物の供給体制の強化を図っていく考えであります。
次に、那覇空港の平行滑走路について、平行滑走路建設に向けての取り組みと次期空港整備長期計画における位置づけについて一括してお答えを申し上げます。
国の次期空港整備長期計画は、現在、国土交通省の交通政策審議会航空分科会において審議中であり、最終答申は本年12月となる見込みであります。
去る8月23日に発表された中間取りまとめでは、那覇空港、新千歳空港、福岡空港の3空港を大都市圏拠点空港に次ぐ主要地域拠点空港として位置づけ、将来にわたって拠点性を発揮し得るよう空港能力向上策等の調査のあり方について検討するとされております。那覇空港が主要地域拠点空港として位置づけられたことは、那覇空港の滑走路増設の実現に向けて大きく前進したものと受けとめており、これまでの県及び那覇空港拡張整備促進連盟の要請活動等の取り組みが成果を上げたものであると考えております。
しかしながら、今回の中間取りまとめにおいては、那覇空港の滑走路増設に関する具体的な表現がないことから、県としましては最終答申に滑走路増設が明記されるよう政府・国会関係者等に対し、連盟と連携して引き続き強力な要請活動を展開していきたいと考えております。
次に、国連機関の誘致についての決意についてお答えいたします。
国連機関を誘致することは、アジア・太平洋地域との交流・協力を推進し、我が国のみならずアジア・太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与する地域の形成を目指す本県にとって大きな意義を持つものであると考えております。国連機関等の誘致については、関係機関からの情報収集など調査検討を進めてまいりましたが、今後とも国との連携のもと具体的な誘致機関の検討などを深めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) それでは観光振興計画の性格と目標数値、具体的な施策・事業について一括してお答えいたします。
観光振興計画は、沖縄振興計画における観光分野のアクションプランとして沖縄振興特別措置法第6条に基づき知事が作成したものであり、主務大臣の同意を得ております。
主な目標値として、平成16年における入域観光客数を510万人、観光収入を4800億円に設定しております。
主な施策として、地域特性を生かした健康・保養型観光やエコツーリズム等体験・滞在型観光の推進、国際会議等の誘致、魅力的なイベントの開催や国内外における誘客キャンペーン等を展開してまいります。また、観光産業を担う人材育成システムの構築、観光情報の受発信機能を強化するための沖縄観光共通プラットホームの整備、経済波及効果の拡大を目指した観光土産品対策事業等を推進いたします。
さらに、観光振興地域における利便施設等の整備、クルーズ観光に対応した那覇港大型旅客船バースの整備等観光振興のためのインフラ整備、道路の緑化等良好な景観の形成、観光客の利便性を高める道路標識や観光案内板の整備等を推進いたします。
次に、観光振興地域の指定についてお答えいたします。
観光振興地域については、旧沖縄振興開発特別措置法において本部町の海洋博公園地域等9つの地域が指定されていましたが、今回の観光振興計画ではこれに加えて那覇市の那覇新都心地域、読谷村の読谷ニライ・カナイリゾート地域、宜野座村の宜野座サンライズリゾート地域、久米島町の久米島イーフリゾート地域、恩納村の恩納海岸リゾート地域の5つの地域が新たに指定されたところであります。
地域指定に当たりましては、すぐれた自然の風景地、文化財等の観光資源を有する地域であること、自然的・社会的条件から見て一体として観光関連施設の整備を図ることが相当と認められる地域であること、観光関連施設の用に供する土地の確保が容易であること、観光関連施設の整備が確実と見込まれる地域であること等が要件となっております。
次に、人材育成に係る資格認定・登録制度についてお答えをいたします。
県におきましては、観光関連産業の各分野における体系的な研修はもとより、観光人材に関する新たな認定制度の創設及び認定推進機関の設置等を柱とする観光人材育成システムの構築を計画しているところであります。これは1つには、観光・リゾート産業従事者の資質や意欲の向上を図るため個々の能力に正しい評価を与え、その社会的地位の向上を高めること、2つには、観光客の信頼感や満足度を高めることなどを目的としております。この制度は、認定を受けなければ案内業務等に従事できないということではなく、したがって規制につながるものではないと認識しております。
なお、資格認定制度の内容等につきましては、今後関係機関、観光業界等と連携をとりながら検討していく考えであります。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 情報通信産業振興計画の性格と主要な数値目標及び具体的な施策・事業について一括してお答えをいたします。
沖縄県情報通信産業振興計画は、沖縄振興計画の分野別計画として情報通信関連産業の集積・振興を図るためのアクションプログラムであります。
主な数値目標としましては、平成16年度までの3年間に情報通信関連産業に係る雇用者数を約2500人増の1万2000人に、生産額を3年間で約430億円増の1970億円としております。
振興を図るべき重点分野は、情報サービス分野、コンテンツ制作分野、ソフトウエア開発分野としております。
そのための具体的な施策・事業として、情報通信産業特別地区制度等の税の優遇制度や本土─沖縄間の通信コストの低減化支援事業、IT共同利用型インキュベート施設整備事業やIT高度人材育成事業、情報通信関連産業誘致・活性化事業等を実施することとしております。これにより国内外情報通信関連産業の誘致を図るとともに、県内情報通信関連産業の振興に努めてまいります。
次に、職業安定計画における主な目標数値と施策等について一括してお答えします。
沖縄県職業安定計画は、本県の新たな産業振興の方向性を踏まえた雇用の促進、人材の育成及びその他の職業の安定を図る施策について沖縄振興計画の分野別実施計画として策定をしたものであります。
主な目標数値と施策としましては、まず第1に、雇用機会の創出・拡大を図るため計画期間中における新規雇用者数を2万人と設定し、地域雇用開発促進法の特例の活用や沖縄特別雇用開発推進事業等を推進します。
2点目に、若年労働者の雇用を促進するため新規学卒者の就職率を75%に引き上げることを目標に「若年者総合雇用支援システム」を構築し総合的な対策を実施いたします。
3点目に、職業能力の開発と人材育成を推進するため計画期間中の職業訓練受講者数を4万1000人と設定し、民間の教育訓練機関と連携した幅広い職業訓練を実施します。
また、仕事と家庭の両立支援等働きやすい環境づくりを進めるほか、駐留軍等労働者の雇用対策を推進いたします。
次に、情報通信産業振興計画における情報通信産業地域、情報通信産業特別地区についてお答えをいたします。
沖縄県情報通信産業振興計画では、情報通信産業振興地域と情報通信産業特別地区の2つの地域指定を行いました。
情報通信産業振興地域は、旧法により平成11年度に指定をした23市町村へ新たに宜野座村を加え24市町村を指定をいたしました。宜野座村を指定した理由は、村内に高度な情報通信基盤施設が整備されていることや、現に情報通信関連企業が立地し、また今後も立地が見込めること等であります。
情報通信産業特別地区は、名護・宜野座地区、那覇・浦添地区の2地区を指定いたしました。
沖縄振興特別措置法施行令第10条では、その指定の要件としてその地区にデータセンターやインターネットエクスチェンジ等の特定情報通信事業が立地することが沖縄における情報通信産業の集積を促進するために効果的であると認められ、かつ同事業が提供する役務の需要の動向に照らして適当なものであること等が定められております。
これらを踏まえ、両地区が広域的に沖縄全体における情報通信関連産業の集積に効果を及ぼす拠点として適当であると判断し指定をしたところであります。
以上であります。
○農林水産部長(天願貞信) 振興計画について、農林水産業振興計画と主要な目標数値についてお答えいたします。
農林水産業振興計画は、亜熱帯の地域特性を生かした活力ある農林水産業の振興を図るため、「持続的農林水産業の振興」と「多面的機能を生かした農山漁村の振興」を施策の主要な柱としております。
同計画における主な指標としては、農林水産業就業者数については基準年の平成12年度の3万9000人から目標年度の平成16年度においては約3万5000人と見込んでおります。同様に農業粗生産額につきましては900億円を約1000億円に、耕地面積については4万1000ヘクタールを約4万ヘクタールに、食糧自給率については供給熱量ベースで35%を40%に見込んでおります。今後とも、目標の達成に向けた具体的な施策・事業を農林水産業振興計画に基づき展開をしていく考えであります。
次に、農林水産業振興計画の施策・事業についてお答えいたします。
農林水産業振興計画は、亜熱帯の地域特性を生かした活力ある農林水産業の振興を図ることを目的として策定をしております。同計画においては、今後「おきなわブランド」を確立するため、選択的かつ集中的な振興施策を推進することとしております。
このため、施策といたしましては、「おきなわブランド」の確立と生産供給体制の強化、流通・販売・加工対策の強化、多面的機能を生かした農山漁村の振興等を主な柱としております。これらの施策を基本に拠点産地の形成、市場競争力の強化に向けたマーケティング戦略の充実、観光・リゾート産業との連携によるグリーンツーリズム等の推進など具体的な事業を展開していく考えであります。
次に、農業振興について、さとうきびの生産振興と甘蔗糖企業の生産性向上についてお答えをいたします。
さとうきびは、本県の基幹作物として全県下で広く栽培をされており、製糖業を通して雇用機会の確保など地域経済に大きく貢献をいたしております。
県においては、さとうきびの生産振興を図るため、かんがい施設等の生産基盤の整備を初め機械化一貫作業体系による生産コストの低減、生産法人の育成、農業共済への加入促進等諸施策を積極的に推進をしているところであります。
また、現在、新さとうきび・糖業再活性化事業により遊休地の解消による経営規模拡大、採苗圃設置等の対策を実施をしているところであります。今後とも、生産農家の意欲の高揚を図るとともに、各種の施策・事業を総合的に推進し、生産者及び甘蔗糖企業の経営安定に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○総務部長(當銘直通) 法科大学院の設立についてお答えいたします。
まず、本県の法曹人口の現状についてお答えいたします。
本県の法曹人口のうち弁護士数について見ますと、平成14年3月31日現在の沖縄弁護士会の会員は200名で、人口比にしますと東京、大阪に次ぎ全国でも高い位置にあります。
しかしながら、会員の年齢構成を見ますと、60歳台以上が全会員の75%を占めていることから高齢化による会員の減少が懸念されております。
次に、設置決定の時期、県の取り組み状況、また組織体制の整備について一括してお答えいたします。
法科大学院については、去る8月5日、中央教育審議会から「法科大学院の設置基準等について」の答申が行われたところであります。現在、国は各大学から法科大学院が設置された場合のカリキュラム、教員体制等設置構想について説明を聞いているところであり、正式な認可手続等については来年6月以降になると伺っております。
県としましては、法曹人の確保、人材育成の観点から県内に法科大学院を設置する必要があると考えており、これまでも琉球大学の取り組み、国の動き等の把握に努めるとともに、琉球大学、沖縄弁護士会を中心に県内の各界各層で組織する「琉球大学法科大学院設立推進協議会」の設立の呼びかけ、設置に向けてのシンポジウムへの参加などに取り組んでまいりました。
設立に向けての庁内の組織体制の強化につきましては、現在、琉球大学が主体となって設置に向けて作業を進めているところであり、今後とも関係機関と連絡を密にし、法科大学院の設置に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 人材育成を実効あらしめるための具体的方策についてお答えいたします。
沖縄振興計画の実施計画として観光、情報通信産業、農林水産業、職業安定の4分野の計画を策定し国の同意を得たところであります。その中で人材育成に関する施策・事業を盛り込んでおります。
観光分野においては、各種インストラクター、同時通訳者、ホテル従業員などの人材を育成するため養成講座や先進企業への派遣研修等を実施します。
情報通信分野においては、高度IT技術者等の養成研修を実施するとともに、県内に整備されている高度な施設を活用したコンテンツ映像技術者等の研修を実施します。
農林水産業分野においては、認定農業者や新規就業者等を育成するための研修会や経営指導等を実施します。
その他、福祉保健、国際交流、文化などの7分野で県独自の実施計画を策定しているところであり、その中でそれぞれの分野における人材育成を盛り込んでまいります。
次に、人材育成について第三者管理機関の創設、外部専門家の登用について一括してお答えいたします。
人材育成に係る施策・事業について成果を評価することは重要なことであると認識しております。
県においては、行政評価システムや各分野別計画で掲げられた達成すべき指標を活用し成果の評価が可能であると考えております。現段階において成果を評価するための第三者管理機関の創設については検討しておりませんが、貴重な御提言として承りたいと思います。
○教育長(津嘉山朝祥) 人材育成の重要性の認識についてという御質問にお答えをいたします。
人材の育成をもって資源となすという碑もありますように、21世紀の沖縄が自立に向け持続的に発展するためには人材の育成は本県の最重要課題であります。特に学校教育の人材育成に果たす役割は大きく、教師には高い使命感と教育的情熱を持って常に自己研さんを積み、子供たちがみずから考え、判断し行動できる「生きる力」の育成に努めることが極めて重要であります。そのためには教師みずからが常に研究と修養に努め、生徒の自己実現が図られるよう支援していくことが必要であります。県教育委員会といたしましては、あらゆる教職員研修会等の機会を通して人材育成の重要性について意識の高揚を図っているところであります。
次に、ゆとり教育についてでございます。
これまでの教育課程は、国際的にも高い学力水準を達成した反面、学習内容の量的な増大や程度が高くなり過ぎたことから十分に理解することができない子がふえたことや、行き過ぎた詰め込み教育の状況が指摘をされました。この反省から、新しい学習指導要領は授業時数の縮減と教育内容の厳選が行われ、どの子にもわかる喜びや学ぶことの楽しさを十分味わわせるとともに、基礎・基本を確実に身につけさせることといたしております。それをもとにみずから課題を見つけ、みずから学び、主体的に判断し、よりよく問題を解決する能力や豊かな人間性、健康と体力などの「生きる力」の育成を目指しております。各学校においては、新しい学習指導要領の趣旨を生かし、ゆとりをもってじっくりと学習をしたり、繰り返し指導や体験的、問題解決的な学習などのきめ細かな教育活動を展開し確かな学力の向上を図っているところであります。
県教育委員会としましては、児童生徒がこれからの社会を主体的、創造的に生きていくためにみずから学び、みずから考える力等を含めた「生きる力」を身につけることができるよう支援をしていきたいと考えております。このことは、今後の競争社会を生き抜く力につながるものと考えております。
次に、学校の学習時間及び内容の諸外国との比較についての御質問にお答えをいたします。
学校の学習時間や内容の規定は、学校教育法施行規則と学習指導要領に示されております。
諸外国の学習時間については、1999年のOECD加盟国28カ国を対象にした調査によりますと、12歳から14歳までの3年間の標準授業時数において日本は2625時間で国際平均2781時間よりやや下回っております。
学習内容の定着度については、2000年に実施をされました15歳の生徒を対象にした国際調査「OECD生徒の学習到達度調査」によりますと、日本は、数学や理科で学んだ知識や技能を日常生活等で活用する力については上位にあります。また文章を理解し、利用したり、熟考するなどの読解力は国際レベルではありますが、宿題や自分の勉強をする時間は少ないという結果が出ております。県教育委員会としましては、今後とも児童生徒一人一人にきめ細かな指導を通して基礎・基本を確実に身につけさせ、みずから学び、みずから考える力などの確かな学力の向上を図っていきたいと考えております。
次に、教員の資質についての御質問にお答えをいたします。
学校教育の直接の担い手である教員の活動は、人間の心身の発達にかかわるものであり、幼児・児童生徒の人格形成に大きな影響を及ぼすものと認識をいたしております。教員には、教育者としての使命感、人間の成長・発達についての深い理解、幼児・児童生徒に対する教育的愛情、教科等に関する専門的な知識、広く豊かな教養、そしてこれらを基盤とした実践的指導力等がいつの時代にも求められる資質能力であると考えております。
次に、教員の資質向上の具体的方策についての御質問にお答えをいたします。
教員の資質向上は、養成・採用・研修の各段階を通して行われるものであります。本県では、教職員の資質向上を図るため初任者研修を初め教職経験者研修のほか、各種研修を実施をいたしております。
初任者研修は、実践的指導力と使命感を養い幅広い知見の獲得をねらいといたしておりますし、また採用後5年、10年、20年目の教員を対象にした教職経験者研修ではそれぞれのライフステージに応じて職務遂行に必要な知識、技能、態度等の向上をねらいとして諸研修を実施をいたしております。さらに各学校においては、それぞれの学校の実情に応じて課題解決を図るため校内研修も実施をいたしております。
県教育委員会では、これまでの研修について工夫・改善を図るとともに、参加型の社会体験研修や長期の民間企業研修、IT教育研修等の充実に努めていきたいと考えております。
なお、「教員の資質向上連絡協議会」等を開催し、大学側との教員の養成のあり方についても広く意見を交換し、優秀な人材の育成・確保を図っていきたいと考えております。
次に、民間社会人の学校現場への登用についての御質問にお答えいたします。
本県教育委員会では、平成12年度より学校支援ボランティア事業を推進し、幅広い地域の人材を学校教育に活用しております。本事業は、特に地域に開かれた学校づくりや子供たちの体験学習等に大きな効果を上げております。平成13年度においては、学校支援ボランティアを活用している学校が小学校で99.6%、中学校で91.6%、高等学校で33.3%となっております。延べ人数にして1万2846人の地域の人材が学校支援ボランティアとして協力し、活用が図られております。
また、文部科学省の「学校いきいきプラン」事業の一環として多様な経験を有する社会人を公立小中学校に補助教員として平成13年度より配置をいたしております。そのため、沖縄県教育委員会としましては緊急雇用創出特別交付金を活用して小学校低学年支援事業として58人、学校教育補助者配置事業として中学校へ87人配置をいたしております。また、特別非常勤講師として小学校24人、中学校36人、高等学校に156人の配置をいたしております。
県教育委員会としましては、今後ともボランティア人材バンク設置と多方面からの社会人の活用を積極的に推進することで学校教育の充実を図っていく所存でございます。
以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場用地問題について一括してお答えします。
県は、旧軍飛行場用地問題について、旧軍による土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業などにさまざまな問題があったと認識しており、未解決の戦後処理問題として国が何らかの措置を講ずる必要があると考えております。このような考え方に基づき、本年5月には沖縄振興計画案に同問題を戦後処理事案として初めて位置づけて国に提出し、7月10日の総理大臣決定により正式に沖縄振興計画に位置づけられました。
また、県としては去る9月19日、同問題の早期解決を図るため「旧軍飛行場用地問題対策プロジェクト班」を基地対策室内に設置しました。今後、旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村等と十分協議し、沖縄振興計画に位置づけられた意義を踏まえて問題解決を図ってまいりたいと考えております。
旧地主数については、昭和53年に本県が行った「旧日本軍接収用地調査」によると、旧軍が接収した飛行場用地、砲台、兵舎用地等の旧地主数は県全体で約2000名で、そのうち飛行場用地の地主数は約1850名となっております。
なお、戦後の土地問題を総合的に取り扱うことについては、個々の事案になり主管部局で対応をしております。
次に、嘉手納ラプコンの返還の進捗状況と航空管制官の増員要求等について一括してお答えします。
嘉手納飛行場及び那覇空港等の進入管制業務、いわゆる嘉手納ラプコンの返還については、平成12年3月16日に当時のコーエン国防長官が「米軍の運用上の所要が満たされることを前提に日本側への返還に同意する」旨発言されて以来、日米間で返還の早期実施に向けた協議が行われてきました。
具体的には、平成12年9月21日に日本側から航空管制官2名を嘉手納ラプコンへ派遣することが日米合同委員会へ報告され、これに基づき同年10月16日から11月15日までの間、運輸省(現国土交通省)の航空管制官が嘉手納ラプコンで研修を行っております。
また、外務省によりますと、昨年4月に米側から米軍の運用上の所要が日本政府に提示され、国土交通省の検討を経て今年5月30日の日米合同委員会で嘉手納ラプコンに係る米軍運用所要が承認されております。今後は航空管制業務官の配置等具体的な移管計画の策定作業を行う予定とのことであり、嘉手納ラプコンの返還に向けた作業は着実に進展しているものと考えております。
県としては、今後国における作業の進捗状況を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
以上です。
○文化環境部長(永山政邦) 「金剛石林山」の自然公園法違反事件のてんまつと未然防止策についてお答えいたします。
本件につきましては平成14年3月、県民及びマスコミからの通報を受け調査した結果、沖縄海岸国定公園の特別保護地区及び特別地域内において自然公園法に抵触する開発行為が行われていることが判明しました。その後、文書による事実確認等の手続を行った上で平成14年6月10日付で違反行為者に対し、特別保護地区について工作物の撤去及び植生復元等の原状回復を命じました。現在、原状回復命令はおおむね履行されていることを確認しており、引き続き監視・調査を継続しているところであります。
御指摘のとおり、国定公園は自然の保護とその適正な利用の推進の2つを目的としております。適正な利用とは、すぐれた自然の風景地を国民の利用に供するため国が定めた公園利用計画に基づいた適正な事業の執行を展開していくことであります。利用施設は、一事業者が単独で判断し開発・整備できるものではありません。
なお、特別保護地区の見直しにつきましては、国の方針として、特定の開発を目的とした見直しは行わないと言っていることから困難であります。今後、同種の問題が起こらないようにするためには、地権者並びに事業者等に自然公園法の趣旨の周知を図っていく必要があると考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時8分休憩
午後3時34分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
新里米吉君。
〔新里米吉君登壇〕
○新里 米吉 護憲ネットワークを代表して質問を行います。
初めに、知事の政治姿勢について質問します。
去る9月17日、歴史的な日朝首脳会談が行われ、国交正常化交渉を再開することで合意しました。私は、国交正常化交渉の再開を評価しますし、北朝鮮が拉致について認めたことも国交正常化に向けて一歩前進であったと思います。しかし残念なことは、8名の方が亡くなられていたと発表されたことであります。みずからの意思に反して連れ去られた上に、若くして死に至ったとなりますと本人の無念と家族の心中を思うと憤りを感じます。しかも生存者より死亡者が多く、年齢も若く、一緒に生活していたと言われた方の死亡日が同じであるなど、余りにも疑問が多過ぎる内容であり、事実関係を明確にするための調査と北朝鮮における責任の所在を明確にし真相究明を進める必要があります。
と同時に、日本は植民地支配時代に朝鮮半島からたくさんの人を強制連行し、その中には故郷に帰ることなく異国の地で無念の思いで亡くなった人々があり、そのことに対する加害責任があります。日本は植民地支配によって朝鮮の人々に多大な苦痛と損害を与えたことについて過去の清算が必要であると思います。拉致問題の真相究明と過去の清算について知事の所見を伺いたい。
また、日朝国交正常化は北東アジアの平和と安定の実現に寄与し、北東アジア地域の各国の信頼関係を高めることにもなり、安全保障上も重要であると思います。そのことは沖縄の米軍基地のプレゼンスにも影響を与え、基地の整理縮小・撤去を進める上でも重要なことです。
したがって、拉致問題の真相究明は正常化交渉の中で進めるべきで、拉致問題を理由に北朝鮮制裁で正常化交渉を閉ざし、北朝鮮を経済的、軍事的に追い込んでしまうことは、北朝鮮で進んでいると言われる改革の動きをとめることにもなり、好ましいことではないと思います。国交正常化について知事の所見を伺いたい。
広島は8月6日、長崎は9日に57回目の「原爆の日」を迎えました。広島市長は平和宣言の中で、「アメリカ政府は、パックス・アメリカーナ」──米国主導の国際秩序──を押し付けたり世界の運命を決定する権利を与えられている訳ではありません。「人類を絶滅させる権限をあなたに与えてはいない」と主張する権利を私たち世界の市民が持っているからです。」と述べています。
また、長崎平和宣言は、「米国政府は、テロ対策の名の下にロシアとの弾道弾迎撃ミサイル制限条約を一方的に破棄し、ミサイル防衛計画を進めています。さらに包括的核実験禁止条約の批准を拒否し、水爆の起爆装置の製造再開、新しい世代の小型核兵器の開発、核による先制攻撃などの可能性を表明しています。こうした一連の米国政府の独断的な行動を、私たちは断じて許すことはできません。世界の良識ある人々も強く批判しています。」と述べています。
去る太平洋戦争で国内において最も悲惨な体験をしたのは広島、長崎、沖縄です。沖縄県知事として広島、長崎の両平和宣言のアメリカ政府批判について所見を伺いたい。
さらに、長崎平和宣言は、「本年5月の、日本政府首脳による非核三原則見直し発言は、被爆地長崎の心を踏みにじりました。我が国は、唯一の被爆国として核兵器廃絶の先頭に立つ責務があります。そのためにも、核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とする非核三原則を直ちに法制化すべきです。長崎市議会も法制化を求める決議を採択しました。」と述べています。
私も同感でありますが、非核三原則の法制化について知事の所見を伺いたい。
第1回沖縄平和賞受賞者のペシャワール会の中村医師が、沖縄タイムスとのインタビューに次のように答えています。「確たるテロの証拠もなく始まった空爆で犠牲になったのは罪のない民だ。「強いアメリカ」を掲げ、報復する姿はまるで二流の西部劇。」、そして、日本の報復攻撃支援については、「明らかに憲法違反。平和憲法は、先輩や祖先の汗と血を流し、得た成果であり、それを「古くさい非現実的な精神主義」と笑い飛ばし、魂を売ってはならない。」と述べ、県民へのメッセージとして、「日米の軍事協力のしわ寄せが沖縄を苦しめている。目先の景気対策に惑わされ、殺りくに加担してはいけない。基地を撤去し、貧しくても誇り高い沖縄を目指してほしい。」と述べています。
米軍基地を積極的に容認し、県内移設を推進している知事として胸にぐさりと刺さる思いはありませんか。感想をお聞きします。
去る8月15日に西原町の平和講演会~語り部の証言~がありました。その中でM氏の証言を紹介します。
できれば忘れたかった。大変なことをしたんだという思いが片時も離れなかった。自責の念に駆られ続けたM氏は、半世紀以上たって過去を明らかにしました。戦後50年に北海道新聞の記者に話をし、今回が2回目の公での話であるとのことでした。
M氏は、県立一中2年生で召集され、6月23日の組織的戦闘が終わって後も南部の海岸や山の中を放浪しました。部隊の上司と2人で南風原津嘉山の壕に着いたのは9月の初めでした。壕には日本兵5人がいました。そして10月初めのある夜、武器を持たない日本兵2人が壕を訪れました。戦争が終わり、投降を呼びかけに来たと言います。M氏は、壕の奥で仲間の密談を耳にしました。2人は敵のスパイに違いない。居場所を知られた以上、帰すわけにはいかない。説得に来た2人が背を向けたところを仲間の1人が小銃の引き金を引いた。2人は「天皇陛下万歳」と叫んで息絶えました。皇軍が捕虜になるはずがないと思いました。そして、その後11月に訪れた兵隊の説得に応じ投降しました。このとき上司に、あのことはだれにも言うなと言われました。我々を助けに来てくれた人を手にかけてしまった加害者としての自責の念は消えませんでした。
M氏は、戦争は人を疑心暗鬼にし、人間性を失わせると最後に述べられました。そのことについて知事の感想を伺いたい。
1985年5月8日、ドイツのヴァイツゼッカー大統領は、ドイツ連邦議会で追悼演説を行いました。その演説の中に、「罪の有無、老幼いずれを問わず、われわれ全員が過去を引き受けねばなりません。全員が過去からの帰結に関り合っており、過去に対する責任を負わされているのであります。 問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。」と述べた箇所があります。
そのことについて知事の感想を伺いたい。
次に、稲嶺県政4年を検証して質問します。
稲嶺知事が当選した翌年の1999年8月11日の県内両新聞で、新平和祈念資料館の展示制作中のガマにおける日本兵像の改ざんが報道されました。また、既に開館していた八重山平和祈念館でも展示パネルの説明文が改ざんされ、波照間小学校児童パネル等が展示から外されていることが明らかになりました。
県は、当初批判や疑問を否定していましたが、10月7日の県議会文教厚生委員会の審議冒頭で石川副知事が展示改ざんを示唆する3月23日と7月23日の知事を含む三役発言のメモを認めて陳謝しました。そして、翌10月8日の審議で展示業者から届いた報告メモが公開され、県が展示業者に指示した展示変更見直し54項目の全容が明らかになりました。しかも、見え消し資料は2枚だけと言っていたのに、5冊209ページにわたる資料でありました。
10月14日、知事ら三役が見解を明らかにしました。石川副知事は説明の中で、事務方としては、これら──これらというのは三役のことですね──の感想や意見などを重く受けとめ、展示内容について検討を始めたものと理解していると述べたように、問題の発端は三役発言にありました。
戦争を体験した県民の中から、平和資料館問題で沖縄戦の実相が改ざん、歪曲されることに危機感を持ち、シンポジウムに参加して積極的な発言が起きました。
安里さんは、壕に入って3日目、日本兵が着剣した銃を突きつけ、子供を泣かすと殺すぞとおどされた。4歳と9カ月の子がいたが、下の子は泣く力もなく餓死したと声を詰まらせながら証言しました。
また、仲程さんは、6月23日に摩文仁に追い込まれた。そこで1人の青年が捕虜になろうと呼びかけた。従おうとすると突然日本兵が飛び出し、青年の首を切ったと証言しました。
西原町平和講演会におけるM氏の証言を含め、県内各地で、疑心暗鬼になった日本兵が県民や朝鮮人等をスパイ扱いして殺害したり、壕からの住民追い出し、食料強奪が起きたことについてこれまで多くの証言がなされています。
当時、県内の新聞が社説で「県行政の根底に「戦争の残虐性をいかに薄めるか」との考え方が透けて見える」と述べたように沖縄戦の実相を覆い隠し、戦争の本質や真実を正しく伝えることを否定するものでありました。
また、県の姿勢と対応は、ドイツのヴァイツゼッカー大統領の演説内容とも全く違うものであったと思いますが、平和祈念資料館展示物への改ざん、介入について知事の反省を伺いたい。
4年前の知事選で「県政不況」を喧伝したが、稲嶺県政下で大型倒産が相次ぎ、大田県政時代よりも不況は深刻になっています。負債額10億円以上で倒産、閉店、破産、破綻した主なものを挙げると共栄建設、宝観光開発、有村産業、沖縄山形屋、パレスオンザヒル沖縄、港町マリーナ、琉電製作所、シーエスネットワーク沖縄、沖縄リース、ヨナシロ、オキマート、沖縄信用金庫、日國建設、琉球オート、丸平組等であります。
また、文教図書の民事再生法申請、ダイエーの閉店、那覇東急ホテル、オーシャンビューホテルの営業停止等も起きました。その中で有村産業は過去最高、宝観光開発は過去3番の負債額です。このような稲嶺県政下における倒産、不況について知事の所見を伺いたい。
4年前の知事選で失業率9.2%を喧伝したが、大田県政2期目と比べても完全失業者、完全失業率が高くなっています。大田県政2期目の完全失業者は、平成7年から平成10年まで3万3000人、3万8000人、3万6000人、4万7000人であるのに対し、稲嶺県政の平成11年から13年までの完全失業者は5万1000人、5万人、5万3000人であります。平成14年も2月から7月まで毎月5万人台であります。
また、完全失業率は大田県政2期目の平成7年から10年まで5.8%、6.5%、6.0%、7.7%であるのに対し、稲嶺県政の平成11年から13年まで8.3%、7.9%、8.4%であります。平成14年も2月から7月まで6カ月連続8%台になっています。
このように完全失業者が増加し、完全失業率が高くなったことについて知事の所見を伺いたい。
通学者、家事に従事する者、病気や老齢で働けない者、就職活動をしない者等のような完全失業者に含まれない非労働力人口が大田県政2期目の41万4000人、41万3000人、41万1000人、42万人に対し、稲嶺県政では42万7000人、43万人、44万3000人と非常にふえている。不況が深刻で職探しをあきらめている人が増加していると思うが、非労働力人口の大幅増について知事の所見を伺いたい。
次に、基地問題について質問します。
橋本元首相や小渕元首相等の日本政府首脳は、普天間移設について地元の頭越しには決めないと発言してきましたが、移設先となる辺野古、豊原、久志の不満表明や名護市議会軍特委の白紙撤回決定とその後の混乱ぶりを見ても明らかなように、7月29日の代替協の基本計画案合意はまさに地元の頭越し合意だと思うが、知事の所見を伺いたい。
15年使用期限については、米政府関係者はこれまで一貫して否定し、日本政府の閣僚の中にも片山総務相は、これだけ金をかけて15年とは言えないと発言、田中前外相は、着工前の解決はなかなか難しいと発言、麻生政調会長は、「15年に限定なんかして1兆円も使う話なんか、ほかの国民から言わせたら「冗談言うな」となる。」と。さらに、「今秋の知事選でごまかしがまた通用するのか」と否定的見解を表明しています。また福田官房長官は、国際情勢などいろいろ状況を勘案した上で判断すると発言し、肯定的な発言をする閣僚が見当たりません。
そこで、15年使用期限について以下の質問をします。
ア、知事は4年前の選挙中に「解釈でなく解決を」と訴えたが、15年使用期限問題では解決の展望もなく、これまで解釈の答弁に終始している。日米両政府は15年使用期限について知事に確約しているのか。
イ、閣議決定は「国際情勢の変化」が前提になっていると考えるが、知事の見解を伺いたい。
ウ、これまで政府の閣僚や自民党の大幹部が15年使用期限に否定的発言をしてきたが、それでも知事は政府において重く受けとめられていると認識しておられるのか。
エ、15年使用期限を肯定する発言をした閣僚がおりますか。
オ、県議会では与野党とも15年使用期限問題は進展していないとの認識で質問してきたが、知事は進展していると考えているのですか。きょうの代表質問だけは違いました。
ことしに入って米軍の事件・事故が相次ぎ、その都度抗議要請をしてきました。最近においても名護の被弾事故、久米島におけるヘリによる漁業操業妨害、戦闘機墜落事故と再三の緊急着陸、そして9月20日には嘉手納の公園への金属片飛来が起きています。このように事件・事故が多発していますが、抗議要請を繰り返しても全く再発防止も改善もされません。米軍基地の整理縮小・撤去を強力に進めることが根本的解決になると思いますが、知事の所見を伺いたい。
次に、介護保険について質問します。
長寿社会対策室が発表した介護保険の来年度以降の保険料見込み値によると、沖縄県は65歳以上の1号保険者の保険料が現行の3618円から5324円へと約50%もアップすることが予想されています。現行でも全国一高い保険料ですが、来年度以降はさらに突出することになり、沖縄県の介護保険制度が危機的状況になると思料されますので、以下質問します。
(1)、全国知事会、担当部長会等を通して、国の負担をふやし、1号保険者の負担を軽減する制度改正を要請する考えはないか。
(2)、低所得者の減免措置及び減免措置の拡大について県内市町村への助言はできないか。
(3)、サービスを受けない元気なお年寄り、健康な老人になることが大切であるが、そのための事業等について伺いたい。
次に、児童買春について質問します。
社会が狂っている、社会が病んでいると表現したくなる状況であります。私が高校の教師をしていた13年前には全く予想もしなかったことが起きており、教育行政関係者の苦悩も理解できます。県教育委員会の緊急メッセージで述べているように、保護者、学校関係者、すべての大人、すべての子供たちに訴え、県民みんなが立ち上がらなければならないと思います。
県警によると、9月25日現在で県条例違反27件、児童買春27件、計54件とのことです。教育行政だけで解決できる問題ではないと思いますが、子供たちにかかわることであり、また教師による買春も続いていることから教育長の対策を含めた所見を伺いたい。
答弁の後、再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 新里米吉議員の御質問にお答えいたします。
最初は、拉致問題のさらなる事実関係の究明と過去の清算についてでございます。
拉致問題と過去の清算は日朝間に横たわる大きな課題であり、9月17日の日朝平壌宣言によって両国間の対話の端緒が開かれました。今後は、相互理解と信頼関係を基本に、国交正常化に向けた国家間の対話を継続的に行っていくことによって拉致問題や過去の清算などの懸案事項の解決を図っていくべきだと考えます。
続きまして、日朝国交正常化と沖縄の基地問題への影響についてお答えいたします。
今回の日朝首脳会談において、国交正常化交渉を再開することが確認できたことは朝鮮半島の緊張緩和を図る上でも有意義なことだと考えております。
日朝間の最大の懸案である拉致問題に関して、朝鮮民主主義人民共和国側から公表されました被害者の安否情報に大きな衝撃を受けました。これが事実とすれば大変残念な結果であり、被害者や家族の方々の心中を思うと痛恨のきわみであります。早急に真相が究明されるべきだと考えます。
また、今回の首脳会談において、これまでの敵対関係から協調関係を確立するため北東アジアに関する安全保障協議を立ち上げることが確認されたことは重要なことであり、今後、北東アジア地域における緊張緩和の進展が図られ、ひいては沖縄の米軍基地問題を取り巻く諸情勢が好転することが期待されます。
日朝間の話し合いは一歩踏み出したばかりでありますが、県としては、外交努力を含む正常化に向けた取り組みが重ねられ、今後、日朝間が平和的かつ安定的な状況へ変化することを強く期待しております。
続きまして、広島平和宣言、長崎平和宣言についてのお答えです。
広島市及び長崎市の平和宣言は、悲惨な被爆体験を有する両市の核廃絶、恒久平和を求める願いから表明されているものと思います。恒久平和を実現するためには民族や宗教の違いを乗り越え、世界の国々が一層協調し、国連を中心とした平和の構築と推進に努めていくことが大切であると考えております。
次に、非核三原則の法制化についてお答えいたします。
私は、世界で唯一原子爆弾の惨禍を受けた被爆国の国民として、また悲惨な太平洋戦争の地上戦を経験した県民として非核三原則を堅持していくべきだと考えております。「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」といういわゆる非核三原則は、国会で決議された我が国の国是であり、政府はこのことを明言しております。
なお、県としましては、あらゆる国による核兵器の実験に対して抗議をするとともに、マスコミを通じてこのことを公表しております。
次に、ペシャワール会中村医師の発言と基地の県内移設についてお答えをいたします。
私は、基本的には沖縄が平和で基地のない豊かな島になることが望ましい姿であり、理想であると考えますが、厳しい現実に対応しながらその夢に一歩一歩近づいていくことが大切だと思っております。
平和は国際関係の中で成り立っており、アジア・太平洋地域の平和が沖縄と日本の平和に密接に関係することから、沖縄平和賞は、この地域での平和実現に貢献する方を顕彰するものであります。アジア・太平洋地域での紛争原因等がなくなれば、おのずと沖縄における米軍基地の整理縮小につながるものと考えます。県としては、過重な基地負担の軽減を図るため、整理縮小を初めとする本県の基地問題の解決を一つ一つ着実に実施してまいります。
次に、平和の語り部とヴァイツゼッカー大統領の演説について一括してお答えを申し上げます。
戦争は人間性に反する行為であり、人間を極限状態に陥れるものであります。沖縄戦は、今次大戦における国内を戦場とした地上戦であり、住民が戦闘に巻き込まれて多くの犠牲者を出すという悲惨な状況であったと理解しています。
ヴァイツゼッカー大統領の演説は、暗い過去と率直に向かい合うことを訴えています。沖縄戦についてもその実相を正しく伝えていくとともに、この戦争の悲惨さを教訓にして平和を希求していくことが大切なことと考えております。
次に、平和祈念資料館の展示についてお答えいたします。
平和祈念資料館は、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを後世に伝えるとともに、平和の創造・発信拠点として整備を進めたものであります。同館の展示につきましては、平和祈念資料館監修委員会が「平和祈念資料館移転改築基本計画」に基づき監修しており、県としてはその監修結果のとおり展示内容を決定したものであります。
次に、倒産・不況についてお答えをいたします。
平成3年以降の県内の倒産状況は、件数、負債総額とも平成4年の312件、900億円をピークに減少傾向で推移しており、平成11年以降はおおむね80件から140件、負債総額は400億円から700億円の間を上下して推移しております。
景気の動向につきましては、平成9年度にマイナス成長の厳しい状況となりましたが、平成11年度からはプラス成長に回復し、平成13年度には同時多発テロの影響によりゼロ成長が見込まれています。
このような景気動向の中、同時多発テロ被害に対する財政支援並びに関係者の必死の努力が功を奏し、ことし8月の経済動向においては景況感に持ち直しの動きが見られる状況にあります。
次に、雇用情勢についてお答えいたします。
私は、就任以来、産業の振興と雇用の創出を重要課題の一つと位置づけ、企業誘致や各種の産業振興策を推進するとともに、幅広い職業能力の開発と人材育成に取り組んでまいりました。その結果、企業誘致においては、私が就任して以来、情報通信産業を中心に新たに61社が立地し約3500人の雇用が創出されました。
また、就業者数も平成10年の56万1000人から平成13年には57万7000人と1万6000人増加しております。しかしながら、就業者数の増加を上回る労働力人口の増加や全国的な景気の低迷による県外就職の減少等により厳しい雇用状況が続いております。
県としては、沖縄振興特別措置法において措置された各種の制度等を最大限に活用するとともに、沖縄振興計画及び同計画の分野別計画に基づき、戦略的な産業の育成や企業誘致を積極的に推進し新たな雇用の創出を図ってまいります。
また、産業振興の方向性を踏まえた雇用の促進、人材の育成等について「沖縄県職業安定計画」としてまとめたところであり、産業振興と一体となった雇用対策に取り組んでまいります。
特に、新規学卒者等の若年者については、職業観の育成等の人材育成から就職までを一貫して支援する「若年者総合雇用支援システム」の構築経費として今回の補正予算に1億2900万円を計上しており、予算成立後早期にシステムを構築し総合的な対策を講じてまいりたいと考えております。
続きまして、普天間の代替施設の位置決定についてお答えいたします。
普天間飛行場の代替施設については、平成13年6月の第7回代替施設協議会後、地元に対し国から3工法8案の内容について説明が行われ、同年12月の第8回代替施設協議会では名護市から地元における意見集約の状況等が報告されました。
これらを受け、「具体的建設場所につきましては、地元の意向を踏まえたリーフ上の案とし、環境面、技術面等を考慮し、可能な範囲で極力沖側及び北東側に位置させる方法で検討する。」との取り扱い方針が了承され、国においては同方針に沿って検討がなされたものと理解しております。
なお、代替施設の位置については、海底地形調査に基づく設計上の考慮や環境影響評価等を踏まえ最終的に確定することになっております。
次に、15年使用期限と閣議決定に関する2つの質問について一括してお答えを申し上げます。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限については、沖縄県が57年間にわたり過重な基地負担をしている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設けたものであります。
この問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。使用期限を設けることについては、閣議決定された政府方針にも示されているように、政府においてしっかりと受けとめられていると考えております。
今般の知事選挙再出馬に当たり、基本政策として「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しております。このことは、同問題の解決について着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないとする政府に対する強いメッセージであり、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
続きまして、閣僚等の15年使用期限に関する発言等の2つの御質問について一括してお答えします。
15年使用期限問題については、これまで何度も機会あるごとに要望してきましたが、第9回代替施設協議会でも政府に対しなお一層の尽力を求めるとともに、着工までには一定の方向性を示していただくよう、これまでの代替施設協議会での発言から一歩踏み込んで強く要望しました。
これに対し、川口外務大臣は、平和を願う「県民の気持ちを重く受け止め、一歩でも二歩でも県民にとって理想の姿に国際情勢が肯定的に変化していくよう引き続き努力していきたい。」と述べ、中谷防衛庁長官も「平和を願う県民の気持ちに少しでもこたえられるよう全力を尽くす。」と述べております。
使用期限を設けることについては、閣議決定された政府方針にも示されているように、政府においてしっかりと受けとめられていると考えております。
続いて、15年使用期限問題は進展しているかについてお答えします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題の解決については、これまでもあらゆる機会に政府に対し求めてきたところであり、去る8月26日の米軍基地問題の解決促進に関する要請の中で小泉総理大臣及び関係大臣に対し早期解決を強く求めたところであります。
先ほども申し上げましたように、同問題については着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
続いて、米軍の事件・事故と基地の整理縮小・撤去についてお答えします。
ことしに入り航空機関連事故が相次いで発生し、米軍構成員による犯罪検挙件数も前年を上回るなど県民に大きな不安を与えております。
県としては、事件・事故は1件たりともあってはならないと考えており、これまで三者連絡協議会や協力ワーキングチーム会合において対策を検討するとともに、日米両政府に対し再発防止を強く求めてきたところであります。
また、米軍人等による事件・事故を減少させるためには、米軍や関係機関の取り組みのほかに米軍基地の整理縮小と海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減が必要であると考え、計画的、段階的な基地の整理縮小を図るため、現在、SACO合意事案の着実な実施に向け国と連携を図りながら取り組んでいるところであります。
県としては、去る8月26日に小泉総理大臣を初め関係大臣に対し米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を強く申し上げたところであり、今後とも引き続き県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から、基地の整理縮小を初め基地問題の解決に取り組んでいきたいと考えております。
続きまして介護保険について、元気高齢者への支援についてお答えします。
高齢化が進展する中で約8割は元気な高齢者と言われており、これらの高齢者が健康で生きがいを持って暮らせるよう支援することはますます重要となっております。
具体的な支援につきましては、健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を策定し、ライフステージごとに健康づくりを積極的に推進しているところであります。
さらに、介護予防・生活支援事業としてひとり暮らしの老人等への配食サービス、生活援助員の派遣事業、地域での生きがいデイサービスなどを効果的に組み合わせて高齢者の介護予防や健康づくりを支援しております。
あわせて、高齢者の社会参加を通じて生きがいを促進するために沖縄県いきいきふれあい財団及び沖縄県老人クラブ連合会等が実施するかりゆし長寿大学校の運営、老人クラブ活動、老人スポーツ交流の支援事業等を実施しております。
県としましては、引き続き高齢者が住みなれた地域で生き生きと安心して暮らせるよう支援していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 非労働力人口の増加についてお答えします。
労働力調査によりますと、非労働力人口は、平成10年の42万人から平成13年には44万3000人と2万3000人増加しておりますが、このうち2万1000人が65歳以上の非労働力人口の増によるものであります。
非労働力人口の増加要因として、一般的には一時的な求職活動の停止、年齢的な問題、家事の都合等いろいろな要因があると思われますが、今後、完全失業率を押し上げる要因となることもあり得ることから、その動向を注視していく必要があると考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険について、第1号被保険者の負担軽減の要請についてお答えします。
現行制度においても第1号被保険者の負担割合は一律ではなく、低所得者や後期高齢者の割合の高い市町村については、国から調整交付金が多く交付されることにより、高齢者の負担割合が軽減されるなど一定の配慮はなされております。本県においては、調整交付金を含む国の標準的負担割合25%を上回る26.4%が交付されています。
なお、国は法施行後5年を目途として保険料負担のあり方を含め制度全般について検討し、必要な見直し等の措置を講ずるとしております。
平成14年6月の九州地方知事会においては、低所得の高齢者が安心して適切な介護サービスを利用することができるよう制度の施行状況を踏まえ、保険料や利用者負担に係る低所得者対策について早急に新たな対策を実施するよう国に要望しているところであります。
続きまして、低所得者の減免措置等の市町村への助言についてお答えします。
市町村において、低所得者に対する保険料の独自減免を実施しているのは2カ所で少ない状況にあります。
県といたしましては、次期介護保険料の軽減策として、介護保険財政安定化基金への償還によって保険料が上昇する保険者に対しては、償還期限の延長を実施することとしております。
さらに、9月12日に市町村助役会議等を開催し、低所得者に配慮した保険料の基準額に対する割合変更や、6段階保険料の設定及び保険料や利用料の減免策の必要性について周知徹底を行ったところであります。
特に、利用料については社会福祉法人による減免措置、離島等地域での軽減措置について実施している団体が少ないので積極的に取り組むようお願いしたところであります。
○教育長(津嘉山朝祥) 児童買春に対する対策及び所見についての御質問にお答えをいたします。
教育は、教師と児童生徒の信頼関係を基盤にして成り立つ営みであり、その模範となるべき立場にある教師が加害者として逮捕され、また教師による事件の再発を防止できなかったこと、大変に心が痛み強い憤りと責任の重さを感じております。重ねて皆さんにおわびを申し上げます。
人間としての尊厳を揺るがす一連の事件は、児童生徒の健やかな成長を図る上から極めて憂慮すべき状況にあると考えております。
県教育委員会としましては、「緊急メッセージ」を発するとともに、教育関係団体や社会教育関係団体等との諸会議を通して事件・事故の防止策の協議を重ね、地域ごとに県民一斉行動等を展開し、事件の再発防止に向け県民が子供を守る運動の展開に万全を期してまいりたいと考えております。
教職員については、自浄作用のある職場環境づくりを基盤に教職員一人一人の自覚と自己啓発に努めるとともに、校長の教職員への個人指導の徹底などを図ってまいります。
児童生徒については、性の尊厳に関する全県一斉の特設授業の実施を含め、夢と希望を持ち目的意識の高揚を図る進路指導等の改善や児童生徒みずからのフォーラム等を開催する予定であります。
さらに、家庭教育支援の充実・強化に努めますとともに、PTAや地域社会等と一体となった有害環境の浄化運動を展開してまいります。
最後に、今日の状況は教育行政のみではもはや解決困難な状況にあり、関係機関・団体、マスコミ等を含めた県民運動を継続的に展開をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○新里 米吉 再質問を行います。
15年問題に絞って再質問を行います。
これまで県議会ですべての議員が15年問題は進展していないという認識で質問をしてまいりました。絞って言いますと、昨年の9月議会からこの間、与党の代表質問にだけ絞って紹介をいたします。
昨年の9月、自民党代表質問、「代替施設15年の使用期限を設けることについては米国政府は一貫して否定的な見解を示しております。問題解決の糸口が見えない状況に陥っています。」ということで国内問題として処理してはどうかという提案がありました。
それから平成13年12月、県民の会の代表質問、「15年使用期限の問題は課題としつつも、一時棚上げをするという手法は考えられないか。」と、これも厳しいという認識のもとでの提案でありました。
平成14年2月、自民党代表質問、「15年使用期限が未解決のまま建設位置について政府、県、名護市が基本合意したそのままを進めるのか、米側の拒絶で何の進展もないがどうなのか。」と。
同じく2月の公明党代表質問、「稲嶺知事が言う着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないとのこれまでの答弁は、全く見通しが立っておりません。この際、この使用期限15年問題のめどをつけない限り着工させないことを国に明言すべきではないでしょうか」という提言になっておりまして、与党の代表質問でも、きょうだけはこれまでのものを全部ひっくり返す認識でしたが、この間、すべて15年問題は進展していないという質問内容になっているのであります。
これは私は全部調べ上げました。そういう認識で県議の皆さんが、しかも各派を代表して代表質問で行っているのであります。このことについて知事の認識をもう一度お伺いしたいと思います。
それから、知事はまとめていろいろおっしゃっておりましたが、政府において着工までに一定の方向性が示されなければならないと申し上げておられますが、そうするとこれまで方向性が示されていないという認識に立っておられるのか。これから方向性を示さんといかぬと言っているわけですから、これまでは方向性は示されてなかったと、こういう認識なのかどうか、2点目お伺いします。
3点目に、日米両政府が15年使用期限について知事に確約しているのかということを言ったんですが、これについてどうもあいまいに逃げておられるような感じがいたしました。確約しているのかどうか。これは県民も非常に知りたいところですし、県議の皆さんもみんな知りたいところだと思います。政府が確約したのかどうかですね。アメリカの政府はどうなのか、日本政府はどうなのかということをお聞きしたい。
それから、私の質問の中のウの部分ですが、川口外相の発言が紹介されました。しかし、川口発言はほとんどみんなが期待してない発言でしたね。「国際情勢の変化」を持ち出しているんですよ。「国際情勢の変化」に期待するという発言をしているんです。国際情勢が変化しなければできないということを言っているんです、あの人は。むしろ沖縄のマスコミも含めて大変な批判が出たんです。川口外相は全然やる気がないと。そのやる気がないとマスコミも言っているし、私なんかもそう思っているんですが、それに期待をする知事の認識が私たちと大分違うなと思っておりますが、それについてどうですか。
それから、これまでに肯定する発言をした閣僚がいたかどうかということ、これについてもあいまいな発言でしたが、3月の予算特別委員会で自民党の議員から質問がありまして、親川公室長は、これまで1人もいないとはっきり発言しました。知事はどういう認識ですか。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時27分休憩
午後4時29分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新里議員は一つ一つとおっしゃったんですけれども、全部実は非常に関連があるんです。それがあるので一括してお答えいたします。(「誠意がないね」と発言する者あり) 誠意があるからまとめてお話をいたします。
15年問題というのは大変に難しい問題でございます。したがいまして、今生きているのは閣議決定が生きているんです。
それから方向性の提示が出てないかということなんですけれども、閣議決定というトータル的なこれ以上強いものがないのは形として出ているわけです。しかし、それについて県としては、それよりもっと一歩踏み込んだものを求めているがゆえに、一定の方向性が提示されなければならないというのは、県の方がそれよりかもっと一歩踏み込んでいるわけです。
しかも、なお今回さらに踏み込んだのは、着工までに一定の方向性が示されなければならないというのは、これは大変な強い決意です。着工までに示されなければならないというのは、示されるべきであるということで、それだけの重大な決意を持っているということです。
したがって、政府の各閣僚からいえば非常に難しい問題であるということを十分認識しておりますけれども、沖縄県側の強い要望でそれを乗り越えるという意味で言っております。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、30日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時32分散会