○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
公安委員会委員長の代理として本日の会議に出席を求めた公安委員会委員湖城英知君は、所用のため出席できない旨の届け出がありましたので、委員長の代理として公安委員会委員比嘉良雄君の出席を求めました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 おはようございます。
平成14年第6回沖縄県議会定例会に際しまして一般質問を行います。
その前に、私は野党ではありますけれども、1期4年間の節目の県政でありまして、稲嶺知事にとりましては節目の定例県議会です。11月の県知事選挙には、稲嶺県政の政策とはまた明確に違った形で県民に問いながら立派な県知事選挙を戦って審判を仰いでいきたいと思っております。
最初に、9月30日の我が社大・結連合の会派代表の伊波洋一県議の質問に関連いたしまして2点の質問をいたします。
最初の質問は、4番目の柱の、環境、廃棄物問題についての4項目、一般廃棄物についての世界遺産の中城城址公園の近くに現在建設中の中城・北中城清掃組合のごみ焼却場に関してであります。
同焼却場については、地元中城村では搬入路の問題とか最終処分場の問題を含めて、米軍基地から一般廃棄物を引き受けての焼却場の建設の是非についても十分な地域住民との話し合いはなされていない問題を含んでいます。
県の答弁では、搬入路の確保とか最終処分場等について指導・助言をしてきたとのことでありますが、地元中城村関係者、地域の皆さんの疑問と不信を払拭し、コンセンサスを得る努力を村当局やそれを指導・助言する県に切望し、以下の質問をいたします。
1点目に、搬入路の確保については最も重要だが、当初の計画と実際はどうなっておりますか。
2点目に、ごみ焼却場の内容や建設場所、ごみ搬入路に関しての地域でのコンセンサスづくりも極めて不十分な中で事業がなされ問題を生じていると考えますが、このことに関して県はどう問題を把握し、どう指導してきましたか。
3点目に、最終処分場についても確保するよう指導・助言をしているとのことでありますが、その後の村の取り組みとその確保の可能性についてはどうなっていますか、答弁を求めます。
次に、質問項目の5番目の雇用問題、経済振興についての(1)、県内高失業率とその責任を問うた質問に関してであります。
この質問に対して知事は、雇用状況の相変わらずの厳しさを最後に言及しながらも、みずからの任期中のIT産業での新しい雇用創出などを誇示し、ことし8月の県内失業率が9.0と悪化し、完全失業者が前月比3000人ふえ5万5000人に上るという数字の重さに対する知事としての責任の認識が欠如しているとの印象を否定できません。
そこで以下の質問をいたします。
1点目に、県統計課が9月27日に発表した労働力調査では、8月の県内完全失業率は9.0%と前月比0.6%悪化していますが、この原因は何ですか。
2点目に、全国は5.4%と4カ月連続横ばいの状況の中で、どうして政府の手厚い振興策も特別に沖縄にはあるはずの中で0.6%も急激に悪化しているのか。本土とは違う要因が今もなお沖縄にはあるというのか、県の分析、所見を求めます。
3点目に、失業率9.0%は昨年10月の9.4%以来の悪化と言われますが、沖縄労働局はこのことに関して、8月は賞与の支払いを受けて離職することなど季節的な要因で失業率が悪化する傾向があると釈明していますが、果たしてそうなのか、県の見解を求めます。また、そうであれば9月、10月は逆に好転していく要因が季節的にはあるということなのか、県の所見を求めます。
4点目に、高失業の深刻打開のための具体的対策はどうなっていますか。カンフル剤的な対策もあるんですか。
5点目に、経済の稲嶺と県民から期待されている県政下での今日の深刻な高失業は、前大田県政が不当に悪宣伝されたとき以上にその失業の実態への責任は大きく、稲嶺不況と批判されても仕方がないと考えますが、もろもろの施策、対策後も高失業の実態が顕在化すれば稲嶺不況の批判に甘んずる覚悟はありますか、知事の所見を求めます。
次に、通告に沿って質問いたします。
最初に知事の政治姿勢についてであります。
9月17日の小泉総理の訪朝でありますけれども、このことに関しましては、1997年に玉城義和県議を事務局にしながら、小渡亨議員、それから宮平永治議員、そして今日県出納長の嘉数昇明議員を含めて当時の西田健次郎県議を団長にしながら、あと社大党は私と上間県議8名が訪朝した経過がございます。そういう意味で国交もまだ開かれてない中での訪朝でありまして、北朝鮮の実態を見てきた経過があります。そういう意味では当時、稲嶺知事にも質問したんですけれども、その後に稲嶺知事も行かれたということで北朝鮮に対するさまざまな思いがある中での今度の訪朝、極めて私は小泉総理の訪朝を高く評価しております。
そういう観点に立ちながら、この正常化交渉についての知事の率直な御所見、評価を聞かせていただきたいと思います。
それから、沖縄の米軍基地の整理縮小に弾みをつけさせるべきと考えますが、知事の所見を求めます。
(2)点目に、アメリカのブッシュ大統領の対イラク攻撃の政策に関してであります。
ア、強大な米軍基地を抱える本県知事として報復の危険性あるいは観光への深刻な打撃の過去の事実などから無関心であってはならないと考えますが、知事の決意ある所見を求めます。
イ、日本政府に対して、米軍基地に関して沖縄県民が危険に巻き込まれないためにもドイツと同様に対イラク攻撃に反対で協力できないと主張すべく強く要請すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
2番目の質問は、本県の保育園への待機児童の解消と無認可保育園に対する補助制度の充実に関してであります。
(1)点目に、本県における公立・認可保育所及び無認可保育園の状況はどうなっていますか。
(2)点目に、本県は待機児童は全国ワーストワンと言われますが、ア、各都道府県の状況はどうなっていますか。
イ、沖縄のワーストワンの原因は何ですか。
ウ、待機率ゼロの県と本県の行政の違い、特徴は何ですか。本県の場合、行政の怠慢ではないのか、所見を求めます。
(3)点目に、保育児童の認可園及び認可外への入所状況は、本県と全国平均ではどうなっていますか。また、無認可施設への依存率の本県と全国の比率はどうなっていますか。
(4)点目に、認可と無認可の保育園の場合、園に対する補助と園児に対する補助はどう違っていますか。また、その違いの法的根拠は何ですか。
(5)点目に、本県における無認可保育園の多さの社会的背景は何ですか。また、その役割をどう評価し、どう県や市町村は支え援助をしてきましたか。
(6)点目に、ことし10月から無認可保育園に対して届け出制度が実施されますが、この制度の背景とねらいは何ですか。
(7)点目に、同制度は認可外保育施設の指導基準を示して、例えば職員に対して乳児3人につき1人、1歳から2歳児6人につき1人と、認可保育所の最低基準を指導監督基準と示すなど、認可保育所と同等の運営をしなければならない状態に置かれるわけで、運営上大変な困難を強いり、当然認可保育所に近い補助がなされなければ不公平な措置と私も考えますが、児童福祉の公平さの上でも県、市町村の責務として新たな条例の制定など無認可保育園への助成制度を考えるべきと思いますが、県の見解を求めます。
(8)点目に、県は「新おきなわ子どもプラン」――仮称でありますが――で2002年から2006年までに3500人の待機児童解消に向け、新たに50カ所の認可保育所創設を明記していますが、それに関しまして、ア、その予算的裏づけはどうなっていますか。
イ、実施に向けての市町村との連携はどうなっていますか。
ウ、既設の無認可保育園を認可する上での制度、政策の見直し等も必要と考えますが、県の所見を求めます。
エ、同計画の認可保育所の創設で待機児童解消の問題をどの程度まで解決できると考えていますか。
オ、政府は、2008年までに受け入れ児童を15万人へふやす待機児童ゼロ作戦に取り組んでいますが、本県でのそれに対応する積極的な施策と本県でのゼロ宣言に向けての決意を伺います。
(9)点目に、厚生労働省は、新年度予算で総額1兆400億円の少子化対策を来年度予算概算要求に盛り込むことを決めたと言われています。その中に5000億円の保育所などの整備も含まれているとのことです。出生率の最も高い本県、潜在的待機児童が1万2000人と県も推計し、無認可保育園への依存率が異常に高く、認可保育所の設置が急務である本県がこの国の予算を大幅に活用していく受け皿づくり、行政努力が求められております。このことに関しての県の施策と知事の決意を求めます。
最後に3番目の質問、「お魚センター」の構想に関してであります。
第(1)点目に、県の「お魚センター」構想、いわゆる水産物流通総合センターの事業計画は、平成13年度から3カ年計画と言われますが、事業の総予算と計画の現状と今後の取り組み、見通しについて所見を求めます。
(2)点目に、「お魚センター」構想については、第一牧志公設市場の関係組合の皆さんから、市場や平和通り等の活性化の浮沈にかかわる重大問題が内在すると県に対する切実な要請がなされていますが、それに関しまして、ア、農林水産部はこの要請をどうとらえ、事業主体の県漁連へどう行政指導し反映させてきましたか。また、同構想の計画及び見直しに関して県漁連と第一牧志公設市場の関係者の皆さんとの話し合いの積み上げの約束はどう守られ、推移してきていますか。
イ、県商工労働部にも要請がなされていますが、県内商工業の振興を図る立場の部としてこの問題をどうとらえ、既存の第一牧志公設市場やそれに連なる平和通り等関連商業の発展を推進する上で、同地域の皆さんの要請にどのようにこたえていく考えか、所見を求めます。
(3)点目に、「お魚センター」構想については、当初の事業計画の段階から事業主体の県漁連と関連する第一牧志公設市場の皆さんとの調整とか、那覇市当局との話し合いも不十分な形での事業の位置づけ、立ち上げという重大な欠陥が今日の幅広い関係者の皆さんの不信と怒りを買っている背景があり、県漁連や漁業関連産業の発展を公平公正に図る上では計画の中断、中止を含めた抜本的な見直しが必要と考えますが、適切な行政指導を含めての知事の見解を求めます。
答弁によりまして再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 喜納議員の御質問にお答えいたします。
小泉総理の訪朝による日朝国交正常化交渉をどう評価するかについてお答えいたします。
日朝間においては、多くの懸案事項を抱えてはおりますが、小泉総理の訪朝時に発表された共同宣言は、日本と朝鮮民主主義人民共和国との相互の信頼関係に基づいて誠意を持って国交正常化の実現に向けて取り組むことや、国際法を遵守し互いの安全を脅かす行動をとらないこと及び北東アジア地域の平和と安定を維持強化するため、互いに協力していくこと等が明記されております。
日本と朝鮮民主主義人民共和国とは、戦後長期間にわたり国交のない異常な状態が続いており、今回の日朝首脳会談は国交正常化に向けて両国間の対話の端緒を開いたという意味で評価しております。
しかし、懸案である拉致問題に関して、北朝鮮側から発表された拉致被害者の安否情報に大きな衝撃を受けました。被害者や家族の方々の心中を思うと痛恨のきわみであります。一日も早く事実関係が究明されるよう強く望んでおります。
次に、日朝国交正常化交渉と米軍基地の整理縮小についてお答えします。
今回の日朝首脳会談において国交正常化交渉を再開することが確認できたことは、朝鮮半島の緊張緩和を図る上でも有意義なことだと考えております。
日朝間の最大の懸案である拉致問題に関して、朝鮮民主主義人民共和国側から公表されました被害者の安否情報に大きな衝撃を受けました。これが事実とすれば大変残念な結果であり、被害者や家族の方々の心中を思うと痛恨のきわみであります。早急に真相が究明されるべきだと考えます。
また、今回の首脳会談においてこれまでの敵対関係から協調関係を確立するため、北東アジアに関する安全保障協議を立ち上げることが確認されたことは重要なことであり、今後、北東アジア地域における緊張緩和の進展が図られ、ひいては沖縄の米軍基地問題を取り巻く諸情勢が好転することが期待されます。
日朝間の話し合いは一歩踏み出したばかりでありますが、県としては外交努力を含む正常化に向けた取り組みが重ねられ、今後、日朝間が平和的かつ安定的な状況へ変化することを強く期待しております。
続きまして、米国の対イラク攻撃政策と政府の対応についてのお答えでございます。一括してお答えを申し上げます。
県としては、イラク問題については国連の場や我が国を初めとする多くの国々があらゆる外交努力を重ね、同問題が平和裏に解決されることを強く望んでおります。
小泉総理は、イラク問題に対する対応について去る9月13日の日米首脳会談においてブッシュ大統領に対し、アメリカがイラクに対する対応をとる場合に最も重要な視点は、国際協力体制、国際協調であるということを強く主張したとのことであり、政府としても平和的な解決を望んでいるものと理解をしております。
続きまして、保育園の待機児童の解消の問題で、待機児童解消と施設整備について一括してお答えいたします。
県では、これまで保育所の創設等による定員増や定員の弾力化などで待機児童の解消に取り組み、平成14年4月で入所児童は平成13年度に比べて約1000人増加し2万5507人になりましたが、待機児童は昨年度同様1600人を超えています。このことから、潜在的な待機児童を視野に入れた整備計画が必要であります。
県では、「新おきなわ子どもプラン」で、平成18年度までに50カ所を創設し、認可保育所を希望していると推計される約3500人の解消を図ることとしております。
今年度は6カ所の創設を予定しており、平成15年度は17カ所の創設を目標としています。15年度分については、現在までに8カ所から計画が上がっています。今後とも保育の実施主体である市町村に対し、保育所創設の取り組みを強力に求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) おはようございます。
2番目の本県の保育所への待機児童の解消と無認可保育園に対する補助制度の充実に関して、2の(1)と(3)は一括してお答えいたします。保育所と認可外保育施設の状況及び全国との比較について。
平成14年4月1日現在、公立保育所は153カ所で入所児童数は1万1013人、社会福祉法人等が運営する認可保育所は169カ所で入所児童数は1万4494人となっており、合わせて322カ所、2万5507人となっております。
全国平均では、1県当たり3万9986人となっています。
また、認可外保育施設は、平成14年3月31日現在、本県は496カ所で利用児童数は2万5934人、全国平均は1県当たり3598人となっています。
同じく認可外のことにつきまして(2)のア、イ、ウの3つの質問について一括してお答えいたします。他県の待機率の状況と本県の待機率が高い原因及び待機率ゼロの県との違いについて。
待機率の全国平均は、平成14年4月1日現在1.4%ですが、本県は6.4%となっており、全国で最も高い割合となっています。
待機率ゼロの県が宮崎県、鳥取県など8県ありますが、平成10年度に比べて定員を減じてもなお入所児童数が少ない県が5県となっております。
本県の場合、年々定員をふやしており、定員の弾力化なども含めて入所児童は昨年度より約1000人ふえているものの、待機児童数は昨年と同様1600人を超えています。
これは、市町村に入所申し込みをせずに認可外保育施設を利用しているため、待機児童にはカウントされていなかった児童が、保育所の整備が進むにつれて申し込みをしているからではないかと見ております。
同じく認可外の関係で、認可保育所と認可外保育施設に対する補助の違いについて。
公立・認可保育所は、児童福祉法に基づき市町村が保護者から徴収する保育料と国、県及び市町村の負担金で運営されています。
認可外保育施設は、児童福祉法に基づく施設ではないため、市町村が利用者から費用を徴収することはありません。また、施設運営に係る公費負担や補助の制度もありません。しかしながら、利用児童の衛生や安全確保の観点から、県の単独事業として県の要綱に基づき、児童の健康診断費等の助成を実施している市町村に県費補助を行っております。
同じく認可外の関係で、認可外保育施設が多い社会的背景とその評価及び県、市町村の助成について。
認可外保育施設は、保育時間、保育料、児童の送迎の利便性、幼児期からの教育や集団性を求める保護者の意向等から利用されてきたと考えます。現在、市町村に入所申し込みをしたが待機となっている多くの児童が認可外保育施設を利用している状況があることから、公立及び認可保育所の不足分を補っている面があると言えます。
県では、平成7年度から施設長や職員に対する研修、また専門指導員による立入調査指導を通して職員や施設の質の向上を図っております。
また、利用児童の衛生や安全確保の観点から、認可外保育施設に助成している市町村に対し、これまで児童の健康診断費の補助を実施しており、平成14年度からは新たに3歳未満児のミルク代などを補助しています。
なお、平成13年度は28市町村、379カ所の施設で1万7995人が助成を受けております。
同じく認可外の関係で、2の(6)と(7)について一括してお答えいたします。届け出制の背景とねらい及び認可外保育施設に対する新たな助成について。
認可外保育施設の届け出制の背景には、施設での事故等があったことから、指導監督と保護者への情報提供を強化して児童の衛生や安全の確保に努めるということがあります。
また、届け出制のねらいは、施設の実態を適切に把握しその情報を保護者等へ提供して、保護者の適切な施設選択を可能にすることによって保育環境の向上を図ろうとするものです。
県といたしましては、児童福祉法の定めた最低基準を満たした認可保育所が基本であると考えており、「新おきなわ子どもプラン」において認可外保育施設から認可への移行を含めた保育所の増設を打ち出したところであります。
認可外保育施設を利用している児童に対しては、児童の衛生や安全確保の観点から新すこやか保育事業を実施しており、今後も充実を図りたいと考えております。
2の(8)のア、イ、ウ、エについて一括してお答えいたします。保育所創設の予算の裏づけと市町村との連携、認可外保育施設の認可化支援策と待機児童解消について。
50カ所の保育所創設については、年次的に目標を立てて整備していくこととしており、平成15年度は17カ所の整備を目標としています。予算確保に当たっては、毎年度重点施策に位置づけて必要な額を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
また、市町村に対しては県の方針を市町村主管課長会議や待機児童解消連絡会議及び主管部長との意見交換会等を通して周知し、積極的な取り組みを求めているところであります。
認可保育施設への移行については、今年度から新規事業の認可外保育施設認可化促進事業を実施しており、平成14年度は3市2町から5カ所が認可に向けて取り組んでいるところであり、県といたしましては引き続き同事業の推進を図っていきたいと考えており、「新おきなわ子どもプラン」の最終年である平成18年度までに50カ所の創設達成により約3500人の待機解消ができるものと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 「お魚センター」構想について、「お魚センター」の計画と関係者との調整について、関連しますので一括してお答えいたします。
水産物流通総合センター、いわゆる「お魚センター」は、泊漁港の活性化を図るため、現在、老朽化、狭隘化している仲買人店舗を整備するものであります。同センターは、沖縄県漁業協同組合連合会が事業主体となり、平成13年度から3年計画で魚の解体及び販売施設を整備するもので、総予算額は6億5900万円であります。
同センターの整備に当たっての課題としては、当初段階における計画を見直す必要があること、また第一牧志公設市場組合の陳情に適切に対応する必要があることなどであります。
県としては、事業主体の県漁連に対して、これまで漁港管理等の観点から、仲買人店舗の施設配置など計画の見直しを指導してきております。
第一牧志公設市場組合に対しては、県漁連とともにこれまで数回にわたり同センター整備計画について説明等を行ってまいりました。現在、事業主体の県漁連において計画の見直しを行っており、見直し計画が整い次第、第一牧志公設市場組合との話し合いを進めていく考えであります。
以上であります。
○商工労働部長(花城順孝) 「お魚センター」構想について、商工労働部としてこの問題をどうとらえているかという御質問にお答えします。
商工労働部としましては、第一牧志公設市場組合及び周辺通り会から、市場内の小売鮮魚業者及び周辺商店街に与える影響が大きいとの趣旨で「お魚センター」の建設に反対する旨の陳情を平成14年9月13日に受けたところであります。
本問題の解決のためには、担当部である農林水産部及び沖縄県漁連と第一牧志公設市場組合の双方が十分な情報を共有した上で話し合いを深めることがまず重要であると考えております。
商工労働部としては、その話し合いの動向を踏まえつつ、商店街振興という立場から適切に対応していきたいと考えております。
次に、代表質問との関連について、完全失業率の悪化の要因と対策についての御質問に一括してお答えいたします。
先日発表された労働力調査による8月の完全失業率は、全国は横ばいで5.4%、本県は前月に比べて0.6ポイント上昇して9.0%となっております。
今回の本県の完全失業率の上昇は、全国的な景気の低迷による県外就職や求人の伸び悩み、県内大手スーパーの閉鎖、季節的な要因等が影響しているものと考えております。
また、全国が横ばいの状況の中で本県は0.6ポイント上昇しておりますが、これはサンプル数等の調査規模の違いから、本県の完全失業率の増減幅は全国の増減に比べて大きくなる可能性があり、本県の雇用の動向を月ごとの数値の変動のみで判断することは困難であります。いずれにしても、本県の雇用状況は本年2月以降、完全失業率が8%を超える状況が続いており、依然として厳しい状況にあると考えております。
県においては、現在、当面の離職者支援対策として県、沖縄労働局、市町村等関係機関で構成する「地域雇用問題関係機関等連絡会議」を開催するとともに、関係機関が連携をした求人開拓や合同面接会等を集中的に実施しているところであります。
今後とも、沖縄振興特別措置法の各種制度を最大限に活用するとともに、沖縄県職業安定計画等沖縄振興計画に基づく施策を積極的に推進し、産業振興と一体となった雇用対策に取り組んでまいります。
○文化環境部長(永山政邦) 代表質問との関連について、中城村・北中城村清掃事務組合の焼却施設の整備についてお答えいたします。まず、搬入路の当初計画はどうなっていたかでございます。
中城村・北中城村清掃事務組合から平成13年10月9日に提出された一般廃棄物処理施設設置届け出書においては、当初、搬入路として施設東側の道路(既存道路)を使用する計画となっていました。その後、設置届けの搬入路の位置図が他の関係法令に基づく申請書と異なっていることについて同事務組合に事実を確認し、軽微な変更届けを行うよう指導した結果、同事務組合から搬入路として施設南側の道路を使用する変更届けが提出されております。
次に、地域住民との話し合いに関して、県はどのように把握し指導してきたかにお答えいたします。
家庭などから排出される一般廃棄物の処理については、日常生活に最も密着した行政サービスであり、市町村の固有事務となっております。県においては、同事務組合がごみ処理施設の整備に当たって、地域の理解と協力を得るため住民への説明会を平成11年12月から10数回開催してきたこと、また生活環境影響調査を行い、その結果を1カ月間、地域住民へ公告・縦覧し、特に地域住民からの意見がなかったことを把握しておりました。
その後、一部住民から建設に同意しがたいという動きもあったことから、県においては、同事務組合に対し地域住民の理解を得ることについて助言してきております。
次に、ごみ減量化の具体的内容と最終処分場の確保についてまとめてお答えいたします。
同事務組合が平成11年度に策定したごみ処理基本計画では、ごみの発生量や処理量の見込み、排出抑制のための方策及び廃棄物処理施設の整備等に関することを定めております。
その計画の内容は、焼却灰の溶融化、容器包装廃棄物のリサイクル及び生ごみの減量化等を行うことにより、現在に比較して埋立処分量を約65%削減できるようになっております。現在、両村では生ごみの堆肥化及び婦人会等による集団回収への助成措置や分別・収集体制の強化など、地域住民や関係団体の協力を得てごみの減量化を進めております。
同事務組合では、今後の最終処分場の確保については、現在進めている焼却施設、灰溶融施設及びリサイクルプラザの整備を踏まえて検討していくこととしております。
以上であります。
○喜納 昌春 3点ほど再質問します。
1点目は、無認可保育園に関する件ですけれども、特に本県の場合、待機率が全国平均が1.4%、ところが本県は6.4%ということで無認可の利用の実態が2万5934人、全国平均が3598人ですから、そういう意味では今度の10月からの無認可の届け出の制度の実施ということについては、他府県は利用率が低いだけにある意味では対応しやすいと思うんです。ところが、本県の場合はこれだけの状態ですから、調査を含めて、それから無認可の皆さんがその届け出に応ずるという中での困難があるわけですよ。そのことが昨今のマスコミ等でも報道されているんですが、そういう意味で、とりわけ制度の中での認可の制度基準ですよ。例えば乳児3人については1人とか、2歳児から6歳については1人とか、まさに認可と一緒の基準ですよ。最低基準とかなっていますけれども、これが本当にできるかどうか。保育料の徴収の問題も含めて、無認可の場合はこれまでもいろんな困難を持っているわけですよ。ですから、今日の無認可の数が約500近くありましたから、この皆さんに対するそういう意味での混乱をどう解消していくのか。私は、他府県とは違った意味での、制度だから一律にということじゃなくて、きめ細かな指導と受け入れ体制がないといけないと思うんですよ。
そういう意味での私は制度や条例を含めての沖縄県での特別対応が必要じゃないですかと言っているんです。このことについて、他府県とは違う意味での対応が必要という視点から沖縄県の実態を把握した上での部局の対応をいま一度聞かせてください。
それから、無認可と認可の場合の補助の違いですけれども、まさに児童福祉法の適用外という格好になっていますけれども、他府県の場合は無認可が少ないだけに私は法律外であっても制度をつくって、沖縄よりもはるかに有利な補助があると聞いていますよ。ですから、他府県のことも学びながら、とりわけ公立の過不足を補うという形での無認可の役割を評価しているわけですから、この辺については他の都道府県も調査しながら新たな制度を含めての無認可の皆さんに対する補助制度がないと、届け出ですよという格好での一律実施については沖縄県の場合はとりわけ困難が生ずる。そういう意味での私はきめ細かい、法律外だから今日の運用云々じゃなくて、きめ細かい対応が必要だと思うんですが、そのことについての対応を求めます。
それから、「お魚センター」のことですけれども、農林水産部長は数回云々があるんですが、実際にはこれまでいろんな制度の見直しとかあると思うんです。ある意味では牧志公設市場の皆さんの要望もあるわけですから。
ところが、変更する段階での話し合いはないです、実際には。平成12年11月以降は牧志公設市場の皆さんと県漁連の皆さんとの話し合いは実際は具体的にはないですよ。だから当初立ち上げるときに、平成12年11月段階である大物政治家も交えながら、3カ月に一遍は話し合いしましょうねと、不満があればいろいろ話し合いしましょうねと言いながら、実際は何もやられてなくて、制度がなくなったかなと思ったら、実際は事業は生きていると。そういう意味での市場の皆さんの不信感があるんですよ。ですから具体的な計画の段階からこの皆さんとの話し合いを積み上げていくという確約、努力が必要だと思うんですが、このことについての明確な答弁をいま一度求めます。
○農林水産部長(天願貞信) 再質問にお答えいたします。
「お魚センター」の整備につきましては、御指摘の問題点もあったと思いますけれども、第一牧志公設市場組合の皆様の意向につきましては、これまでにも話し合い等も持っておりますし、意向につきましては十分把握をしておりますので、県としても誠意を持って県漁連、それから第一牧志公設市場との調整を図ってまいりたいと考えております。
以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 認可外の保育園に対する指導の経過は、今回届け出が出たので、今回から始まったわけではございません。平成9年度から専門指導員を置いて立ち入りというんですか、直接施設へ行って調査をして、いろいろ保育の内容だとかそういうものに対して指導・助言をしてまいりました。
そういうことを踏まえて、私どもは認可外に対する指導・助言あるいは助成策をとっておりましたけれども、それから今年度届け出制が出るという情報の前に緊急地域雇用創出特別交付金を活用して保育士の経験のある職員を23名ばかり雇い上げまして、直接この届け出制も踏まえてそれぞれの認可外に行って直接指導するというような方法もとっております。
そういうことで、認可外の質の向上についてさまざまな観点から指導している経過があります。
それから、今回初めて認可化促進事業ということを打ち出して、これまでそういう計画がなかったものですから、子どもプランの中で5年間に3500人の待機を解消するということを打ち出して認可化促進事業も取り組んで実施をしている最中であります。そういうことで、認可を促進するというスタンスで業務を進めております。
それから、基準の違いですけれども、認可保育所は児童福祉法に基づいた最低基準というのが決められておりますけれども、認可外にはこれまでは当面の指導基準ということで若干最低基準よりは緩やかな基準になっております。
例えば一例で申し上げますと、乳児の場合、匍匐室というのが必要なんです。はいはいをするための匍匐室ですね。これが乳児1人当たり3.3平米必要なんですけれども、認可外にはこういう規定はないと。あるいは保育室とか、遊技場につきましては認可は1人当たり1.98平米ですけれども、認可外は1.65。それから屋外遊技場の規定も認可にはありますけれども、認可外にはないと。あるいはトイレにつきましてもきちんとした子供たちに合うようなトイレを数に合わせてつくりなさいということになっていますけれども、これも認可外についてはかなり緩やかな状況になっております。
そういうことで基準は決して認可と同じではございません。認可よりも緩やかな基準で運営はしております。
それから、補助の違いにつきましては、認可を受けたところは公的に認められたということで、それは補助じゃなくて国、県、市町村、それから保護者の保育料で負担するという形になっておりまして、一律に補助という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、認可外に対しては子供たちの安全と健康の確保を図るために補助をしているというような状況でございます。
○玉城ノブ子 一般質問を行います。
まず最初に、代表質問との関連について、15年の使用期限についてでございます。
知事はみずからの選挙公約である15年使用期限問題については、着工までに何らかの方向性が政府から示されなければならないと繰り返し答弁しましたが、今回の知事選挙出馬に当たっての選挙公約の中でも、再び15年使用期限を基本政策に掲げたということは、4年前の公約は破綻したということではありませんか。県民への公約が守れないということであれば新基地建設の受け入れを撤回すべきではありませんか。答弁を求めます。
在沖米軍基地の拡張・強化について。
米軍基地や米軍機、米軍演習など米軍関係を原因とする事件・事故が発生し、県民の命と暮らしが重大な危機にさらされています。また、ブッシュ米政権がイラク攻撃の構えを強める中で、在日米軍基地、とりわけ在沖米軍基地の動きが激しくなっています。嘉手納や三沢の空軍部隊はイラクでの作戦行動に参加しています。在沖米軍四軍調整官・第3海兵遠征軍司令官は、テロ攻撃のおそれは厳戒態勢をしいたテロ直後と基本的な状況は何も変わっていないと述べました。それに合わせるように、日本政府の思いやり予算による大規模な基地の拡張・強化が進められています。
以下、答弁を求めます。
①、5月31日に開かれた日米合同委員会で、思いやり予算2002年度分による米軍提供施設整備について両政府が合意。沖縄分は8施設で約104億円と言われるが、整備される施設の概要と予算をそれぞれお答えください。
②、この整備計画に那覇港湾施設、ホワイト・ビーチ内の海軍桟橋改修工事が計画されていると言われているが、返還が合意されている那覇軍港の大規模な改修が必要か。また、ホワイト・ビーチの海軍桟橋大改修工事がなぜ必要でしょうか、答弁を求めます。
③、ホワイト・ビーチ軍港では桟橋大拡張工事以外に処理能力が現在の7倍となるし尿処理施設などが新たに建設されるなど、基地の拡張と機能強化が進められています。新たに建設されるし尿処理施設の概要、環境への影響について答弁してください。
④、米軍はかつて1960年代にホワイト・ビーチや弾薬輸送用の天願桟橋、LST上陸舟艇用の金武レッド・ビーチなどを建設し、ベトナム侵略や戦争でフル稼働させました。イラク攻撃やアジアの国々への軍事介入を公言するブッシュ政権のもとで、危険な基地の拡張・強化であり、ホワイト・ビーチの桟橋拡張やし尿処理施設の拡張工事の中止を求めるべきであります。答弁を求めます。
2、在沖米陸軍特殊部隊の都市型訓練施設の建設計画について。
①、キャンプ・ハンセン内のレンジ8に米軍が計画している戦闘訓練施設について、その概要についてお伺いいたします。
②、米陸軍特殊部隊が計画している訓練施設について、沖縄県はことしの2月議会での私が行った日本共産党の代表質問に対し、既存の施設の建てかえ、中部訓練場の中の老朽化施設ということは、これは米陸軍渉外室に確認しておりますと答えていますが、レンジ8に建設する施設と老朽化しているという施設は全く関係のないものだと考えますが、御答弁を求めます。
③、同じく2月議会の私の質問に対し、県といたしましては、今後詳細な情報を掌握した上で県民生活及び本県の産業経済に影響を及ぼすことがないように適切に対応してまいりたいと考えておりますと答弁していますが、調査結果と見解、これに対する適切な対応を具体的にお答えください。
④、戦闘訓練施設建設計画について、レンジ8がある地元喜瀬武原区や恩納村長も反対を表明しています。沖縄県としても反対すべきと考えますが、当局の見解を求めます。
3、農水産業の振興策について。
①、モズクなど養殖漁業の現状と対策についてお伺いいたします。
沖縄の養殖漁業は、モズクを初め海ブドウやオキナワスギ、最近ではクビレオゴノリの養殖にも成功し、水産業振興への期待が高まっています。特に、沖縄モズクの海藻類に多く含まれるフコイダンががん予防や抗菌作用、免疫力増加作用があるなどとして全国的に人気を集め、さらに香港に食材として輸出され高い評価を受けています。また、乾燥モズク、フコイダン粉末など多様な加工で販路を拡大できる可能性も高いと期待されています。
平均生産量も1980年代の4500トンが2000年には約1万5000トンと飛躍的に伸びています。新たな販路開拓でさらに生産量をふやせる可能性を秘めています。県内、県外を初め海外での販路拡大に積極的に取り組む必要があると考えます。
以上の点を踏まえ、質問いたします。
ア、モズクなど養殖漁業の現状と対策についてお伺いいたします。
イ、モズクの商品開発と販路開拓・拡大について、県の積極的な取り組みが必要だと考えます。御所見をお伺いいたします。
②、畜産業の振興策について。
「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」の県内施行で、酪農家は浄化槽の完備が求められることになりました。しかし、建設費に多大な費用が必要なため事業の継続を断念する業者も出ると言われています。国、県の補助を望む声があります。県の御所見をお伺いいたします。
③、台風災害対策について。
ア、台風16号は農作物に多大な被害をもたらしました。被害の実態と救済策についてお伺いいたします。
イ、台風に強い農業について研究、推進する必要があると考えるが、御所見をお伺いいたします。
4、食品の安全について。
外国産を国産と偽る違法行為や輸入野菜の残留農薬、違法香料など食の安全にかかわる事件が相次いでいます。
日本の食は、食品衛生法とJAS法という2つの法律の枠組みで国産、輸入農産物や加工食品の安全を守ることになっています。しかし、食品添加物や残留農薬で問題になっている輸入冷凍野菜などは食品衛生法で安全が確保されている建前でしたが、消費者にとっては、いつ、どこでつくられた農産物かも、どんな添加物、香料が食品に使われているかもはっきりわからないままになっています。食品の安全は事実上企業任せになっています。
1995年の食品衛生法の改正で、安全の確保がされていない食品添加物の拡大や残留農薬の規制緩和、公的責任で行う水際検査を廃止しモニタリング検査にかえたこと、検査する食品衛生監視員は全国31カ所に286人、本県では専任で配置しているのは22人です。
厚生労働省は、冷凍ホウレンソウなどの冷凍食品に残留農薬の基準さえつくっていません。このように規制緩和で安全基準が次々と緩められ、行政体制も切り詰められてきた結果、食の安全を揺るがすような事件が次々と起きる結果となったのです。食の安全を守ることは国民の権利であります。国、県の責任で食の安全を守るための必要な体制を確立することが求められています。
①、中国産や米国産の冷凍ホウレンソウから残留農薬が検出され県内にも流通していた問題や、牛肉偽装事件、無許可添加物や違法香料事件など、食の安全に対する消費者の不安は頂点に達しています。県はどのような対策をとっているのか、お伺いいたします。
②、食品の適正表示について、JAS法や食品衛生法に基づいて調査を実施していますか。実態はどのようになっていますか、答弁を求めます。
③、輸入食品の検査体制の抜本的拡充と農薬や食品添加物の残留基準の規制強化等の措置をとるよう国に働きかけることが必要だと考えるが、御所見をお伺いいたします。
5、学校給食への安全な地元農水産物の活用について。
増加し続ける輸入食品の安全性が今大きな問題になっています。野菜は120種類以上、果物も30種類を超え、水産物はマグロ、カツオを初め、エビは世界全体の3分の1を日本が輸入しています。小麦は91%が輸入物です。学校給食用のパンの原料は輸入による小麦が使用されています。
現在、日本の穀物自給率は28%、カロリーベースでは40%、沖縄県では35%まで落ち込み、農業の衰退に拍車をかけています。安全性の問題でも遺伝子組みかえ食品が700トン近く輸入され、アメリカ産のレモン、グレープフルーツ、サクランボ、オレンジなどを初め学校給食のパンやイチゴからも残留農薬が検出され大きな問題になりました。
千葉県食文化研究会が県下12市町村の学校給食パンを農民運動全国連合会、食品分析センターで分析してもらった結果、どのパンからも中枢神経に害を及ぼすとされる有機リン系殺虫剤が検出されています。
有機リン系殺虫剤は、子供たちへの影響がとりわけ心配されています。日本体育大学名誉教授の正木健雄氏は、日本の子供たちの視力低下の原因を追求する中で、その一つとして有機リン系殺虫剤の問題が浮かび上がったと指摘をしております。
今、食の安全に対する不安が高まっている中で、子供たちに安全な食をという願いに押され、埼玉県では2000年に全国初の県産小麦100%のパンを導入、千葉県では今年度からパンや麺に国産小麦30%を使用することになりました。
地場産小麦の使用は全国に広がっています。父母や教職員、給食関係者からも学校給食に安全な地元産の農水産物の使用を求める要求が相次いでいます。かけがえのない子供たちの成長期を安全で豊かなものにするため、教育の一環となっている学校給食の充実・発展が求められています。また、振興計画でうたわれている地産・地消を学校給食の中でこそ具体化することが大事になっているのではないでしょうか。この取り組みが沖縄の産業振興にもつながり、食糧自給率の向上にも大きく結びつくことになります。
以上の点を踏まえて質問をいたします。
①、学校給食での輸入食品の使用状況を掌握していますか。安全性についてどのような認識をお持ちでしょうか。
②、子供たちに安全、新鮮でおいしい給食を保障するために地元産の安全な農水産物の使用を促進すべきだと考えますが、活用状況について答弁を求めます。
③、地元産の安全な農水産物の活用を促進するために県はどのような対策をとっているのか、お伺いいたします。
6、ダイエー、ココマート撤退問題について。
①、雇用保険加入の資格がありながら未加入になっている人たちの実態と対策についてお伺いいたします。
②、雇用保険未加入者への支援策についてお伺いいたします。
③、撤退後の跡地利用について、県と市が直ちに影響調査、意向調査を実施し、有効活用を促進するための対策を講ずるべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
④、ダイエー糸満店の跡地利用については、企業責任を果たすよう求め、企業側に土地、建物の無償譲渡と跡地の再整備に要する費用の負担を求めるべきであると考えます。御所見をお伺いいたします。
7、JAおきなわの経営計画について。
沖縄県の8月の県内失業率は9%と前月に比べて0.6%悪化し、完全失業者数は3000人増の5万5000人となりました。依然として全国平均の2倍近い失業率です。深刻な雇用失業状況の中でダイエー、ココマートの撤退に続き、JAおきなわが明らかにした職員の削減と店舗の統合計画は地域経済に深い衝撃を与えています。
この件について我が党は、JA合併後の合理化計画がどれほど地域経済に大きな打撃をもたらすことになるか再三にわたって指摘をし、その対策を求めてきました。
①、JAおきなわは「信用事業再構築計画」の中で5カ年間で689人の職員削減計画、店舗の統廃合で496人の削減計画を明らかにしています。これらの計画が実施されると、県内の雇用失業問題や地域経済にも一層深刻な打撃を与えることは明らかです。このような事態を県はどのように認識されていますか、具体的な対策について答弁を求めます。
以上、答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 玉城ノブ子議員の御質問にお答えします。
最初は、養殖漁業の現状と対策についてでございます。
本県の養殖漁業は、平成12年には生産額で69億6500万円となり、漁業生産額全体の35%を占めるまでに進展しております。特にモズク、クルマエビ、スギ等の生産については、種苗生産技術の開発や養殖場の整備等により著しく伸びてきております。
クルマエビについては、魚病対策や親エビの確保が課題となっておりましたが、県においては、海洋深層水を利用したウイルスフリー親エビの養成技術を確立して健全な種苗の生産供給を行っております。
スギについては、これまで台湾産の高価な種苗に頼っており、養殖業者から県内での種苗生産が望まれておりました。今回、水産試験場で種苗生産技術を確立したことにより、今年度から栽培漁業センター等において安価な県産種苗の供給を行っております。県としては、今後とも養殖漁業の生産及び販売の拡大を図っていく考えであります。
続きまして、モズクの商品開発と販路開拓についてお答えいたします。
モズクの養殖漁業は、平成13年において生産量1万7000トン、生産額15億4000万円となっており、全国生産の99.5%を占めるまでに進展いたしました。県産モズクはフコイダンの含有量が多く、すぐれた健康食品として注目されております。今後とも需要の拡大が期待されております。
モズクの商品開発については、これまで味つけモズクを初め乾燥モズク、モズクスープ、栄養補助食品等多くの商品が開発されております。
販路開拓については、県内外での街頭キャンペーンの実施や量販店、飲食店等への販売を促進するなど消費拡大に努めております。国外においても香港及び上海などで国際食品展示会への出品などによりモズクを紹介するとともに、中華レストランでのモズク料理の定番化を促進し販路開拓に努めております。県としては、モズクの沖縄ブランド化を目指し、県漁連等と連携しながら県内での消費拡大を初め国内外への販路拡大を図っていく考えであります。
次に、代表質問との関連について、15年使用期限の公約についてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限については、沖縄県が57年間にわたり過重な基地負担をしている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設けたものであり、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
今般の知事選挙再出馬に当たり、基本政策として「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しました。このことは、同問題の解決については、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないとする政府に対する強いメッセージであり、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 米軍提供施設整備の概要と予算についてにお答えいたします。
那覇防衛施設局の説明によると、去る5月31日に開催された日米合同委員会において2002年度における施設整備内容が合意され、沖縄分については8施設が整備されると聞いております。
8施設における主な整備内容について申し上げますと、奥間レスト・センター内の防災施設工事、キャンプ・ハンセン内の防災施設、管理棟工事、キャンプ・コートニー内の教育施設工事、嘉手納飛行場内の管理棟工事、キャンプ瑞慶覧内の郵便局工事、ホワイト・ビーチ地区内の桟橋工事、那覇港湾施設内の岸壁工事、陸軍貯油施設内の係留施設工事などとなっており、8施設での整備費の合計額は、契約予算ベースで約152億円と聞いております。
那覇軍港の改修及びホワイト・ビーチの海軍桟橋拡張工事等についてに一括してお答えします。
那覇防衛施設局は、那覇軍港の改修工事について岸壁の老朽化に伴う改修工事であると説明しております。
また、ホワイト・ビーチの海軍桟橋の建設工事については、既存施設の老朽化に伴い既存の桟橋を改修するとし、し尿処理施設の建設工事については停泊中の艦船からの排出処理もあわせて行うため現在の処理容量を増設するものであるとされております。
現在あるし尿処理施設は、陸上の生活排水を処理していた施設で、艦船からの排出処理についてはこれまで寄港時にバキュームカーで運搬処理するなどの方法でなされてきたと聞いております。今回、既存のし尿処理施設の老朽化に伴い艦船からの排出処理もあわせて処理できる施設に改修するとのことであり、改修に当たっては、沖縄県環境影響評価条例に基づき今年7月に環境評価方法書の公告・縦覧が実施されており、今後は同条例に基づき適切に措置されるものと聞いております。
都市型訓練施設の概要と調査結果及び県の対応について一括してお答えします。
都市型戦闘訓練施設については、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、第10地域支援群に対し計画内容に関する照会を行っておりましたところ、去る9月27日に在日米軍司令部から建設計画の詳細についてはまだ最終的な決定をしていない旨の回答がありました。
県としては 、県民の基地負担を軽減し、基地の整理縮小を求める立場から、基地の固定化につながるような施設あるいは周辺住民の生命財産や生活に著しい影響を及ぼすような施設の建設については反対であります。今後とも当該計画に関する正確な情報の収集に努め、関係町村とも連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農水産業の振興について、家畜排せつ物の処理施設についてお答えをいたします。
本県の畜産振興を図るためには、畜産経営に起因する悪臭発生や河川等の水質汚濁等の解決を図ることが大きな課題であります。
「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」においては、現在行われている家畜排せつ物の野積み、素堀りの解消が義務づけられており、平成16年11月から本格的に適用されます。
しかしながら、処理施設の整備は農家意識の低さや畜産農家の経費負担が大きいこともあって、平成14年3月現在の整備率は25%と低い状況にあります。このため、県といたしましては各畜産農家に必要な家畜排せつ物処理施設の整備を行うよう市町村等関係機関と連携をして強い指導を実施をしております。
処理施設の整備に当たっては、共同で整備する場合は高率補助の国庫補助事業で対応することとしております。また、個人農家の場合は2分の1補助つきリース事業や低利の制度資金の活用で対応することとしております。さらに、小規模の農家に対しましては安価で簡易な防水シート等で整備できるよう指導をしております。今後とも、市町村等と連携を密にしまして畜産環境対策を強化してまいりたいと考えております。
次に、台風16号による農作物の被害状況と救済策についてお答えいたします。
台風16号による農作物の被害状況は、9月25日現在、約22億円となっております。
被害の内訳といたしまして、さとうきびが約11億7000万円、野菜が約3億円、花卉が約2億6000万円、果樹で約4億3000万円となっております。
台風等の被害に対する補償といたしましては、畑作物共済、園芸施設共済、家畜共済等の農業共済事業があり、加入農家に対しまして損害評価後に共済金が支払われることになっております。今回の被害農家への共済支払い見込み額は、さとうきび共済で約4億2500万円、園芸施設共済で約3300万円、水稲共済で約2000万円となっております。
さらに、農家に対する支援策といたしましては、長期償還、低利の農業経営維持安定資金、農業近代化資金等の制度資金があり、農家の要望に基づきまして個別・具体的に対応してまいりたいと考えております。
次に、台風に強い農業の研究推進についてお答えいたします。
本県は、台風等の自然災害の常襲地帯であり、農業の振興を図る上で台風対策に関する試験研究は重要な課題であります。
農業試験場においては、品種の改良目標として台風や干ばつに強い品種、病害虫に強い品種の育成に努めております。また、栽培技術としては台風に強い低コスト農業施設の研究、防風林の効果試験などを推進しております。特に、平成14年度からハウス構造解析による沖縄型園芸用施設の検討、防風柵による防風効果試験などの課題に取り組んでおります。今後とも台風に強い農業の研究に取り組むとともに、自然災害に強い生産施設の整備を推進していく考えであります。
次に、食品の安全表示についてお答えいたします。
食品の品質表示については、平成12年7月からJAS法に基づき原産地等の表示が義務づけられております。
県内の品質表示については、国との連携による調査のほかに、平成14年5月に制定した農林物資品質表示適正化に関する事務処理要領等に基づき巡回指導や実態調査を実施しております。平成13年9月から平成14年9月の間に56店舗を対象とした実態調査をいたしまして、結果でございますが、野菜が約74%、果実約79%、肉類約90%、水産物が約67%の原産地表示がなされております。県としては、今後とも国と連携をして定期的な巡回指導や実態調査を実施し、品質表示の適正化に努めていきたいと考えております。
次に、学校給食への安全な地元産の農水産物の活用についてお答えをいたします。
県産農水産物の活用促進を図るためには、安全で安心な県産農水産物の安定的な供給が重要であります。 県としては、定時・定量・定品質の出荷が可能な拠点産地の育成により生産体制の強化を図るなど、県産農水産物の安定供給に努めているところであります。
学校給食への県産農水産物の活用につきましては、マンゴー、パイナップル、モズク等の料理メニューの開発や試食会を実施するとともに、県教育庁を初め学校給食会やJA等の関係機関との意見交換会を開催するなど利用促進に取り組んでおります。
さらに、本年度は健全な食生活地域活動推進事業において学校給食地域産品利用促進方策の検討を進めているところであります。今後とも、学校給食会等関係機関との連携を密にいたしまして、県産農水産物の利用拡大が図られるよう供給体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、JAおきなわの人員削減計画についてお答えをいたします。
JAおきなわの「信用事業再構築計画」は、経営困難JAの救済合併に際し、多額の全国支援を受けたことを踏まえ、今後二度と同様の事態に陥ることがないよう全国JAバンクの一員としてJA等が自主的に策定する経営健全化計画であります。同計画においては、信用事業の健全化や経済事業の効率化、組織の再編・整備等を推進し、営農指導体制の強化や生産資材の引き下げ及び生産物の有利販売体制の構築等により農家組合員へのサービス向上を図っていくこととしています。
人員削減につきましては、平成13年度から平成18年度までの間に臨時職員255名を含む689名の削減が計画をされております。平成13年度においては定年及び選択希望退職者54名、中途退職者88名、臨時職員63名の合計205名の削減が行われております。今後5年間で定年及び選択希望退職等により484人の削減を見込んでいます。JAおきなわにおいては、今後退職予定者の再就職意向調査等を実施をして再就職のための支援策を講じていくこととしております。
県としては、JAの経営管理に関する自主性を尊重しつつ、公共職業安定所との連携による求人情報、職業訓練情報の提供及び就農希望者に対する農地のあっせんや相談など、再就職希望者が円滑に就業できるよう支援をしてまいりたいと考えております。
以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 食品の安全については、県はどのような対策をとっているかという御質問にお答えします。
輸入食品については、国が検疫所において輸入時に重点的・効率的に残留農薬、食品添加物、細菌等の規格基準の検査を実施しております。
中国産冷凍ホウレンソウについては、違反事例が多いため本年4月22日から全ロットの検査を実施しております。本県の輸入業者は、国からの命令により4月21日までに輸入した冷凍ホウレンソウのうち、在庫のあるものについて業者が自主検査を実施したところ、一部に基準値を超える残留農薬を検出したため国の指示により回収処分をしております。県におきましては、さらに輸入業者の在庫品以外に小売店で流通している冷凍ホウレンソウを各保健所が検査した結果、新たに2ロット分の違反品を確認いたしましたので、輸入業者が回収後、焼却処分を行っております。
それから、添加物製造業につきましては、本県では9施設が許可されておりますが、調査の結果、違反香料等無認可添加物の製造はありませんでした。
今後とも国や他自治体からの情報で、無認可添加物を使用した食品が本県で流通していることが判明した場合には速やかに調査を実施し、確認されたものについては流通防止措置をとってまいります。
続きまして、食品の適正表示について、県の食品衛生法上に基づく調査と実態はどうなっているのかという御質問にお答えします。
食品の適正表示については、食品衛生法に基づき常に監視を行っており、特に夏と年末に食品一斉取り締まり月間を設け、監視・指導を強化しております。
平成13年の年末からこれまでに4767施設の調査を行い、180件の食品衛生法の表示違反事例が確認されました。これらの表示違反の内容といたしましては、保存方法、生食用であるかないか、名称、期限表示がなされていないもの等であります。違反事例については適正に表示するように指導を行っております。
続きまして、輸入食品の検査の抜本的拡充と農薬及び添加物の規制強化の国への働きかけについて。
輸入食品について、法の残留農薬基準値を超えるものが相次いで発見され、国では、検疫所における検査を順次強化したにもかかわらず、国内で違反食品の流通が判明するなど国民の健康影響が懸念される状況があります。
このようなことから、厚生労働大臣が食品衛生上の危害の発生を防止するため、特に必要があると認める特定の食品等については検査をせずに販売、輸入等を禁止できるように食品衛生法を一部改正し、9月7日から施行しております。これにより従来より輸入食品の監視体制が強化されておりますが、今後とも食品の安全を確保する観点から取り組み、規制強化に向けて全国知事会等を通して要望してまいります。
○教育長(津嘉山朝祥) 学校給食への安全な地元農水産物の活用について、輸入食品の使用状況及び安全性についての認識についての御質問にお答えをいたします。
学校給食において安全性は最も優先されるべき事項と認識をいたしております。
各調理場におきましては、学校給食衛生管理の基準に基づき食中毒防止等を含め安全性には十分配慮した管理運営がなされております。現在、輸入野菜、特に中国産野菜を中心とした残留農薬の問題が新聞報道され、学校給食関係者においては大きな関心事となっております。
市町村の調理場における輸入食品の活用についての調査は現在のところ行っておりません。今後、市町村及び関係機関等と連携を図り調査をしたいと思います。
なお、県学校給食会によると、県学校給食会が取り扱っている416品目のうち、輸入食品は28品目であります。中国産冷凍ホウレンソウにつきましては、厚生労働省による輸入業者への自粛指導を受け、7月から取り扱いを中止しております。
輸入食品の安全性については、検疫所等で検査を行い、安全性が確認されたものが輸入されていると認識をいたしておりますが、今後とも関係機関の指導に強い関心を持ち適切に対処してまいりたいと思います。
次に、地元産の農水産物の活用状況についての御質問にお答えをいたします。
学校給食で地元農水産物を活用することは、児童生徒へ本県の食文化や郷土食のよさを伝えることであり、また本県の産業についての理解を深める絶好の機会であると考えております。
県教育委員会が平成14年5月に実施をいたしました平成13年度学校給食県産青果物使用状況調査によりますと、野菜は30.3%、果実は20.1%、畜産物は82.4%、水産物は28.1%でありました。
主な品目の使用量はゴーヤーが21トン、ミカン類84トン、肉類383トン、モズク25トンであります。モズクは、このほか県学校給食会がカップモズクとして30トン取り扱いをいたしております。
また、平成13年度から県学校給食会と県経済連の連携により県産新米を約200トン、平成14年度は約300トンを学校給食で使用いたしております。
さらに、学校給食用牛乳についても平成13年度から県産生乳100%を使用し、県内すべての児童生徒が飲用をいたしております。
県教育委員会といたしましては、今後とも農林水産部や市町村と連携を図り、地元農水産物の活用を積極的に推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) ダイエー撤退に関連する雇用保険加入の実態と対策について一括してお答えします。
ダイエー関連店舗の閉鎖に先立って沖縄労働局が調査した従業員の雇用保険加入状況調査によりますと、1週間の労働時間が20時間以上30時間未満の短時間被保険者に該当する156名が未加入となっており、沖縄労働局の指導によって遡及して加入する措置がとられたと聞いております。その結果、被保険者に該当する387名のパートタイム全員が雇用保険に加入することとなっております。
なお、労働時間が20時間未満の167名については、雇用保険の適用外となります。
県、沖縄労働局及びダイエー雇用対策本部においては、雇用保険適用の有無にかかわらず希望する離職者全員を対象として再就職支援対策を実施しており、9月23日現在の再就職決定者129名のうち32名は雇用保険適用外のパ-ト職員となっております。
雇用保険が適用されないパ-トタイムについても、引き続き職業あっせんや合同面接会への参加促進、生活資金融資制度の紹介等必要な対策を講じてまいります。
同じくダイエー等撤退後の跡地利用について、県と市が影響調査を実施し有効活用策を講ずるべきじゃないかとの御質問にお答えします。
ダイエー直営の2店舗につきましては、店舗設置者であるダイエーが店舗の誘致を引き続き検討していると聞いております。
糸満店については、店舗設置者の西崎ショッピングプラザ株式会社、糸満市及び糸満市商工会において跡利用に向けて取り組んでいるところであります。
また、糸満市商工会においては、周辺事業所及びダイエー糸満店内事業所に対し、ダイエー糸満店閉鎖に伴う撤退後の影響、今後の営業方針、今後の活性化策等についてのアンケート調査を実施しております。県としては、これらアンケート調査の結果や、糸満市及び糸満市商工会の意向を踏まえ、商店街活性化に係る制度の活用を含めた対応策を検討したいと考えております。
同じくダイエー糸満店の跡利用について、企業側に土地、建物の無償譲渡と跡地の再建費用の負担を求めるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
ダイエー糸満店舗の土地及び建物の所有者は西崎ショッピングプラザ株式会社でありますが、同社はダイエーに建物建設に係る債務を有しており、同債務の償還方法等については双方が協議して決定することであると考えており、県としてはこれらの推移を見守っていきたいと考えております。
以上であります。
○玉城ノブ子 ちょっと答弁漏れがあります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時33分休憩
午前11時40分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) ホワイト・ビーチのところの中止の件でございますけれども、私どもは老朽化に伴う工事であるということで回答をいたしております。
それから都市型訓練施設の件でございますが、これにつきましても現在照会中ということでございますので、そういうことで回答いたしております。
○玉城ノブ子 再質問を行います。
まず、在沖米軍基地の拡大強化についてでございますけれども、ホワイト・ビーチ軍港の桟橋拡張とし尿処理施設は本体を残したまま建てかえるということですか、それとも本体を壊して新しい施設を建設するということでしょうか、お答え願います。
ホワイト・ビーチ軍港の桟橋大拡張工事がどうして老朽化した桟橋の建てかえということになるんでしょうか。老朽化した桟橋の建てかえということであれば、拡張計画は必要ないじゃありませんか。し尿処理施設は処理能力を7倍に引き上げるということなんですよ。これは明らかに基地の固定化じゃありませんか、機能強化ではありませんか。これは知事が言う基地の整理縮小には全く逆行することになるんじゃありませんか。それを思いやり予算でつくるということなんですよ。これを許していいんでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。
都市型訓練施設の建設計画についてですけれども、県は2月議会で北部訓練場の老朽化した施設の建てかえと言ってきました。しかし、訓練施設はキャンプ・ハンセン内のレンジ8に建設する新しい施設だということが今はっきりしてきているわけです。明らかに基地の機能強化ではありませんか。イラク攻撃やアジアへの軍事介入を公言しているブッシュ米大統領の戦争政策の足場にこの在沖米軍基地をしようとしているんじゃありませんか。この計画は、2003年度で2階建ての施設、2007年度には射爆場2カ所と管理棟や武器の洗浄施設も建設する計画であることが明らかになっているわけです。
ところが、在日米軍司令部から建設計画についてはまだ最終的な決定はしてないとの回答があったとの答弁ですが、建設しないということもあり得るんでしょうか。予算が既に繰り越されて新しい会計年度は10月から始まっているんです。ことしじゅうに着工するともいうふうに言われているわけです。恩納村は既に反対の立場を表明しています。県は、米軍に対して直ちに訓練施設建設の中止を求めるべきではありませんか、答弁を求めます。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
那覇防衛施設局は、ホワイト・ビーチの桟橋につきましては、老朽化に伴う改修工事であるというふうに説明をしております。
それから都市型でございますが、先ほども回答申し上げましたとおり詳細についてはまだわかりません。県としては、県民の基地負担を軽減し基地の整理縮小を求める立場から、基地の固定化につながるような施設あるいは周辺住民の生命財産や生活に著しい影響を及ぼすような施設の建設については反対であります。
今後とも、当該計画に関する正確な情報の収集に努め、関係町村とも連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○玉城ノブ子 ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時47分休憩
午前11時50分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
し尿処理施設でございますが、現在ある施設は老朽化しておりますから改修するということでございまして、これまで寄港した艦船からの排水処理につきましてはバキュームカーに依頼するか、艦船に貯留し公海で排出するなどの方法がとられてきましたが、今回既存施設の老朽化に伴い施設を改修するものでございます。
○玉城ノブ子 ただいまの件なんですけれども、皆さん方はこのホワイト・ビーチの桟橋拡張とし尿処理施設については、本体を残したまま建てかえるのか、本体を壊して新しいものをつくるかどうかということさえもつかんでないということですか。そういうことについて明確に答弁してください。
そういうこともわからないで皆さん方は、これは老朽化した施設の単なる建てかえだとどうして言えるんでしょうか。皆さん方はこの現実について基地の機能強化だという問題について明確な認識が欠けているというふうに言わざるを得ないと思います。
これについて再度答弁を求めます。
この都市型訓練施設の件なんですけれども、これは皆さん方、2月議会から私は同じような質問をしているわけですよ。あれから半年以上たっているにもかかわらず、皆さん方はこの施設について何らの調査もしていない。これはおかしいじゃないですか。これは皆さん方の任務放棄ですよ。ですからこれについては直ちにこの概要について調査をして、県民にその結果を明らかにして、この問題についての明確に中止を求めるというこの行動に立ち上がるべきじゃないですか。
答弁を求めます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時53分休憩
午前11時54分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
ホワイト・ビーチの海軍桟橋の建設工事につきましては、既存施設の老朽化に伴い既存の桟橋を改修するとし、し尿処理施設の建設工事については停泊中の艦船からの排出処理もあわせて行うため、現在の処理容量を増設するものであるとされております。
それから都市型戦闘訓練施設についてでございますが、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、第10地域支援群に対し計画内容に関する照会を行っておりましたところ、去る9月27日に在日米軍司令部から建設計画の詳細についてはまだ最終的な決定をしていないというような回答がございました。
○玉城ノブ子 全くかみ合った答弁になっていませんけれども、在日米軍基地の拡張強化の問題ですけれども、NHKの「”隣人”の素顔」という番組の中でライター司令官は、ホワイト・ビーチにはクレーン施設がないので軍事物資の積み込み作業は戦艦のクレーンや揚陸艇に頼らざるを得ないと。陸上自衛隊の掃海艇部隊が同居しているからスペースも十分とは言えない。しかし、ホワイト・ビーチがなくなれば海軍と海兵隊はその機能を果たすことができない。ホワイト・ビーチは、米軍にとってアジア・太平洋地域に展開する米海軍部隊の補給基地と在沖海兵隊の発信基地の機能をあわせ持つ大変重要な位置づけを与えられています。
こんな重要な役割を担わされているホワイト・ビーチ軍港の桟橋大拡張工事は、イラク攻撃やアジアの軍事介入を公言しているアメリカ世界戦略に沖縄の米軍基地を組み込むことそのものではありませんか。そういう危険な基地の機能強化を容認するんですか。米軍に対して直ちに計画の中止を求めるべきではありませんか。再度答弁を求めます。
都市型訓練施設の件なんですけれども、比嘉副知事が恩納村の村長のときにこの都市型訓練施設に反対をして中止をさせている経過があります。これについて今恩納村自身がこれに反対する決議を行ってその運動に立ち上がっているわけですので、県としてもこの問題については、直ちに戦闘訓練施設については中止を求めるということを要求すべきではありませんか。
これは知事と副知事、所見を求めます。
○知事(稲嶺惠一) 都市型戦闘訓練施設については、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、第10地域支援群に対し計画内容に関する照会を行っておりましたところ、去る9月27日に在日米軍司令部から建設計画の詳細についてはまだ最終的な決定をしていない旨の回答がありました。
県としては、県民の基地負担を軽減し基地の整理縮小を求める立場から、基地の固定化につながるような施設あるいは周辺住民の生命財産や生活に著しい影響を及ぼすような施設の建設については反対であります。
今後とも、当該計画に関する正確な情報の収集に努め、関係市町村とも連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○副知事(比嘉茂政) ただいま知事がお答えしたとおりであります。
たしか十四、五年になると思うんですが、都市型訓練施設の建設に、当時役場から直線距離で800メートルのところにありまして、それで住民が立ち上がって私が委員長になって、しかも県議会の先生方のバックアップもあって中止になったわけであります。
今後についての考え方はさっき知事が申し上げたとおりであります。そのように努力いたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時1分休憩
午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
玉城義和君。
〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 まず、知事の政治姿勢についてであります。
(1)、小泉首相は、歴代総理の中でもとりわけ沖縄に無関心である。特に9・11テロ以降、沖縄の声には聞く耳を持たないのではないか。小泉首相をどう評価しているか。
(2)、小泉首相への基地問題についての要請に対して──8月26日──どのような具体的な解決策があったか。また、それをどのように評価するか。
(3)、稲嶺県政は日本政府との関係をどのようなものとして認識しているか。また、あるべき関係をどう考えているか。
(4)、15年問題を解決するために知事選に再出馬するというのは本末転倒ではないか。見解を伺う。
2番、基地問題等平和行政について。
(1)、普天間基地移設問題について。
ア、15年使用期限問題は1センチメートルも前に進んでいない。その政治責任をどうとられるか。
イ、15年使用期限問題で、「着工までに何らかの進展がなければ知事として決断することが出てくる。そのときにしっかりと毅然とした対応をとる」と述べておられるが、その新基地の着工はいつと考えておられるか。
ウ、また、それと関連して「何らかの進展」――今議会では「一定の方向性」と言っておりますが――とはどのようなことを指しているか。
エ、新基地の建設費3300億円とはどの部分の工事の費用か。
オ、滑走路、誘導路、駐機場及び建物などの施設等全体の費用は幾らか。
カ、基地の使用協定については、基本合意書によれば、現行の嘉手納や普天間の騒音規制措置と同一である。どこがどう違うのか。
キ、また、騒音規制措置以上の基地の使用協定と呼べるものは何か。
ク、現行の騒音規制措置は機能しているか。また、平成8年の合意前と合意後の騒音の比較はどうか。
ケ、環境アセスメントについてはどのような手順で進んでいるか。
(2)番、日米地位協定の改定問題はどの程度進んでいるか。また、今後どのような方法で解決を図っていくのか。
(3)番、米軍による事件・事故について。
ア、県警によると、米軍人や家族、軍属による事件が3年連続増加という結果になっている。県はこの原因をどのように分析しているか。また、どのように対処するか、明らかにされたし。
イ、名護市数久田の被弾事件について、銃弾が発射された銃の特定などその後の結果はどのようになっているか、明らかにされたし。
(4)、原潜寄港問題について。
米原潜寄港の事前通告について、県は独自の立場で情報を県民に公開すべきと考えるがどうか。
(5)、沖縄平和賞についてでございます。
ア、沖縄県という行政主体が特定の個人や団体に賞金つきの賞を授与するということの意義づけをどう考えるか。
イ、平和賞に要した賞金や式典その他準備等の取り組んだ初年度からの費用総累計は幾らか。
ウ、米国のアフガン空爆に連動し、その直接・間接の基地となっている沖縄の米軍基地を容認する知事の立場と、その空爆に反対し現場で戦争による難民等の治療に当たる中村医師と、それを支援するペシャワール会の立場はどこでどのように整合するのか、知事の見解を示されたし。
エ、中村医師は新聞のインタビューで、「平和を抽象化せずに具体的な取り組みが問われている。基地を撤去し、貧しくても誇り高い沖縄を目指してほしい。」と述べ、また「空爆で犠牲になったのは罪のない民だ。「強いアメリカ」を掲げ、報復する姿はまるで二流の西部劇。」とアメリカのアフガン空爆を痛烈に批判しております。知事は、この立場を容認することができますか。
オ、中村医師は、「県政からもらったのではない。沖縄県民からもらった」と述べ、知事もまた「その言葉は私にとって実にうれしい」と答えざるを得なくなりました。中村医師があえてそう言ったのはなぜか。中村医師は、基地容認の稲嶺県政とみずからの立場をはっきりさせて受賞することによってその違いを際立たせたのではありませんか。知事の主体性は全く失われてしまったと思われるが、いかように考えるか。
(6)番、キャンプ・ハンセン内に建設計画が進められている都市型戦闘訓練施設について県はどのように対処するか。
3番、観光振興策についてでございます。
県観光振興計画の概要について説明されたし。
(2)番、平成12年度観光客1人当たりの県内消費額は9万1757円になっています。この消費単価の算出根拠を具体的に示してください。
(3)番、県庁観光リゾート局とOCVBの機能分担を明確にし、プロフェッショナルの養成をすべきだと思うがどうか。
(4)番、観光客の量的伸びがある一方、誘客第一主義によって「超割」、「早割」等ダンピング商品があらわれ、旅行商品の低価格が定着しております。沖縄観光の基本的課題であり官民挙げた対応が必要と思われます。県の認識と対策を明らかにされたし。
(5)番、米国のイラク攻撃が準備されているが、これがもし実行された場合、我が県観光産業に及ぼす影響ははかり知れないものがあると思われます。ブッシュ米政府のいわゆるテロ国家に対する新戦略によって沖縄は中長期的にそれに巻き込まれ沖縄は危険であるということになり、基地沖縄と観光振興は深刻な事態に陥るものと考えられます。県はどのように認識し対応されようとしているのか。
教育問題についてです。
(1)番、学校週休2日制について。
土曜補習の動きはあるのか。
イ、「総合的な学習の時間」はどのように活用されているか。
ウ、家庭や地域との連携は進んでいるか。
エ、どのような課題が出てきているか。
(2)番、2学期制の導入が検討されておりますが、そのメリットは何か。また、県内の動向はどうか。
校長の民間登用が検討されておりますが、そのねらいは何か。導入時期や選考方法などはどうするか。また、教員の民間企業経験者の採用はどうなっておりますか。
(4)番、英語教育について、一定の英語人口の獲得を目指して中長期的な計画を立てる時期に来ていると思うが、いかがでしょうか。
5番、児童虐待について。
2001年度の全国の児童虐待件数が2万3000件と報告されております。県内での現状はどうなっておりましょうか。
6番、交通問題についてでございます。
鉄軌道等の新公共交通システムの今後の取り組みはどうなっておりますか、スケジュールを示してください。
7番、松くい虫の駆除について。
(1)、この間、駆除に要した県予算の累計は幾らか。
(2)、米軍基地内については国の責任を明確にさせるべきだと思うがどうか。
(3)番、伐採した木の活用についてはどのような方法があるか。
8番、公社等の見直しについてでございます。
(1)、県出資の公社、外郭団体は幾つあるか。
(2)番、出資総額は幾らか。
(3)番、補助金などの財政支援総額は幾らか。
(4)番、県からの出向は何名か。また、退職した後の就労者(天下り)はどれほどか。
今後、どのように見直していくか。
以上、御答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
最初は小泉首相の評価についてでございます。
小泉首相は、今回の訪朝に見られるように決断力と行動力をあわせ持った総理であると評価しております。
沖縄全戦没者追悼式典に就任以来2年続けて出席していただいておりますし、昨年9月の首相官邸における全国知事会議においては、沖縄の基地問題は沖縄県民だけの問題ではなく、国民的課題であると述べられました。
また、去る5月19日の沖縄復帰30周年記念式典におけるあいさつの中で、今後、沖縄振興特別措置法と新計画のもとで、新時代の沖縄を築くために県と連携して全力で取り組んでいくこと、大学院大学の設立構想を進め、これを核としたアジア・太平洋地域の先端的知的産業拠点の形成に取り組んでいくこと、また米軍基地についても「県民の過大な負担を十分認識し、負担軽減に向けて誠意をもって取り組む」ことを述べておられます。
さらに、去る8月26日に首相官邸で私が基地問題の解決について要請した際にも、小泉首相は、本県の米軍基地の問題を日本全体の問題と位置づけ、前向きに取り組む考えを表明されました。
このような本県の課題に対する首相の姿勢は評価すべきものと考えております。
また、一昨日、内閣改造がありましたが、第2次小泉内閣においても全力を挙げて取り組んでいただけるものと確信をしております。
次に、基地問題の総理要請についてお答えいたします。
去る8月26日の要請においては、日米地位協定の抜本的な見直しや基地の整理縮小及び事件・事故の再発防止についての要請を行いましたが、私からは、特に日米地位協定について全国知事会議で抜本的な見直しが決議され、土屋会長から小泉総理大臣を初め関係大臣に対し申し入れが行われたこと、また日本弁護士連合会においても見直しが決議されたことなど、日米地位協定の見直しについては全国的な広がりを見せていることを申し上げました。
要請に対し総理からは、沖縄復帰30周年の節目に沖縄の問題を日本全国の問題としてとらえたい旨の発言があり、他の関係大臣からも、政府としてできるだけのことを行っていきたいとのお話がありました。
今回の要請によって、政府首脳の方々には沖縄の基地問題の実情や基地問題の抜本的な解決を望む県民の意向について改めて理解を深めていただいたものと考えております。
県としては、今後とも引き続きあらゆる機会を通じ米軍基地問題の解決促進について政府に対し要請してまいりたいと考えております。
次に、日本政府との関係についてお答えをいたします。
本県は、さきの大戦において20万人余のとうとい命が失われただけでなく、かけがえのない文化遺産と、さらに一切の生産基盤を破壊されました。さらに、戦後は27年間の長期にわたり米国の施政権下に置かれました。復帰後、3次にわたる振興開発計画によって各面にわたる本土との格差は次第に縮小され、社会資本整備は目覚ましい成果を上げてきましたが、地元産業の育成や戦後57年にわたる県民の過重な基地負担等が今なお大きな課題として残されています。
そのために、本県に関連する基本施策に関し協議することを目的として設置された沖縄政策協議会等国との協議の場を設け、課題の解決を図っているところです。
また、本県の米軍基地問題解決のため、今後ともあらゆる機会をとらえて政府に対して言うべきことはきちんと言っていきたいと考えております。
同時に、本県の優位性を十分に発揮したフロンティア創造型の振興策への転換を進め、自立的発展への歩みを確実なものとし、我が国社会経済やアジア・太平洋地域の発展に寄与する新たな沖縄を創造するために政府と十分連携しながら取り組んでまいります。
次に、15年問題と知事選再出馬についてお答えをいたします。
このたびの知事選再出馬に当たって基本政策の一つとして、「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しており、15年問題の解決のために知事選に再出馬すると申し上げたのは特にこの点を強調したものであります。
次に、15年使用期限問題の政治責任についてお答えいたします。
15年使用期限問題については、代替施設協議会を含めこれまで何度も機会あるごとに要望してきましたが、第9回代替施設協議会でも政府に対しなお一層の尽力を求めるとともに、着工までには一定の方向性を示していただくよう一歩踏み込んで強く要望しました。
使用期限を設けることについては、閣議決定された政府方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
先ほども申し上げましたように、今般の知事選挙再出馬に当たり基本政策として、「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しました。このことは、同問題の解決について着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないとする政府に対する強いメッセージであり、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
次は、代替施設の着工時期と「何らかの進展」とは何かについて一括してお答えを申し上げます。
普天間飛行場の代替施設については、今後、国において環境影響評価や施設配置の検討等所要の手続等が終了した後、着工されるものと考えております。
また、「何らかの進展」とは、県は移設に当たって整備すべき条件の一つとして15年使用期限を政府に提示していることから、同問題の解決に向けての政府の考え方が示されることであると考えております。
次に、平和賞の問題で、行政主体が賞を授与することについての御質問にお答えいたします。
沖縄平和賞は、顕彰を通じて平和活動の広がりや促進を目指すものであります。
賞金は、業績に対する慰労というよりも受賞者への平和活動支援資金として位置づけております。本賞を通して平和を希求する県民の心を発信することにより、沖縄が県内外から知られることは大きな価値があると考えます。また、世界の人々とともに平和の構築・維持に携わることにもつながります。
続きまして、中村医師の空爆に反対する立場と基地を容認することの御質問に一括してお答えいたします。
非暴力を旨として医療活動を続けている中村医師の発言は承知しております。いかなる紛争であれ、罪のない一般住民が犠牲になることはあってはならないことだと考えております。
私は、基本的には沖縄が平和で基地のない豊かな島になることが望ましい姿であると考えます。平和は国際関係の中で成り立っており、アジア・太平洋地域の平和が沖縄と日本の平和に密接に関係することから、沖縄平和賞はこの地域での平和実現に貢献する方を顕彰するものであります。
次に、中村医師の平和賞は「沖縄県民からもらった」という発言についての御質問にお答えします。
沖縄平和賞は、シンポジウムや地域別説明会などを通して県民コンセンサスの醸成を図りながら創設しました。また、県内の各界各層の代表者等で構成する組織で運営され、中立性・公平性を確保した選考が行われました。
このことから、県民の平和への思いが込められた賞であることを中村医師が感じてそうした発言をしたものと考えております。私は、この発言を大変うれしく思っております。
本賞を継続して実施し、平和を希求する県民の強い意思を内外に示すとともに、アジア・太平洋地域の平和の交流拠点の形成を目指すことは重要であると考えます。
次に観光振興策で、リゾート局とコンベンションビューローの役割分担及びプロフェッショナル養成についての御質問にお答えをいたします。
観光リゾート局は、本県観光の振興に係る基本的な政策及びその具体的な計画・立案、観光統計に関する調査・分析並びに市町村や観光関連団体育成等の行政施策を担っております。
一方、沖縄観光コンベンションビューローは、本県への観光誘客プロモーション事業や誘客イベントの実施、観光客受け入れ対策、コンベンションの推進等具体的な事業の実施及び観光関連業界の総合的な取りまとめなど、観光行政の補完的役割を担っております。
引き続き県と沖縄観光コンベンションビューローとの適切な機能分担を進めると同時に連携を強め、効率的な観光行政の推進に努めてまいります。
また、プロフェッショナルの養成につきましては、専門分野の実務研修への派遣、観光関連業界や学識経験者との緊密な情報及び意見交換を行うなど、あらゆる機会を通して職員の資質の向上とその育成に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、松くい虫の駆除について、米軍基地内の防除対策と伐採した木の活用について一括してお答えを申し上げます。
米軍基地内の松くい虫防除対策については、基本的には松林を所有または管理する者が実施する観点から、那覇防衛施設局及び米軍が実施しております。
また、伐採した被害木の活用については、ことし、松くい虫被害木活用にかかるガイドラインを策定いたしました。これまではチップ材のみの活用でありましたが、今後は学童机や家具材への高度利用を推進していく考えであります。
県としては、県民と一体となって松くい虫被害の終息に向けて積極的に取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 代替施設の工事費用に関する2つの質問について一括してお答えいたします。
第9回代替施設協議会で説明のあった埋立工法による代替施設の建設費3300億円は、代替施設の護岸、埋め立てなどの建設費用で、滑走路、誘導路、駐機場及び建物などの施設、環境保全措置、進入灯及び航空保安無線施設の建設費などは含まないとされております。
なお、滑走路、誘導路、駐機場及び建物などの経費については、現時点では明らかにされておりません。
使用協定と騒音規制措置に関する2つの質問について一括してお答えいたします。
嘉手納及び普天間両飛行場に係る航空機騒音規制措置については、航空機から生ずる騒音が周辺地域における住民生活に多大な影響を与えていることから、県や周辺自治体がその解決を日米両国政府に強く求め、平成8年3月28日の日米合同委員会において合意されたものであります。
名護市が求めている使用協定は、地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の対策等を講じるため名護市の意見を反映した性格を持つものであり、関係大臣、名護市、県で締結するものです。
今回合意された基本合意書の主な内容は、安全対策及び騒音対策、環境対策、代替施設への立ち入り、騒音防止等のための適切な司令部の責任で今後これらの項目に沿って協議が進められるものと考えます。
使用協定の締結については、閣議決定された政府方針の中で、地方公共団体の意見が反映したものとなるよう、政府は誠意を持って米国政府と協議を行うと明確にうたわれていることから、今後、日米合同委員会等での合意、使用協定の定期的なフォローアップを行うこと等により実効性を図っていくものと考えます。
騒音規制措置の機能及び合意前と合意後の騒音の比較についてにお答えいたします。
県が実施した嘉手納及び普天間飛行場周辺における平成13年度航空機騒音の測定結果を見ますと、平成7年度と比較して、平成8年度から平成12年度にかけて嘉手納及び普天間の両飛行場周辺とも騒音回数はやや減少傾向が見られたものの、平成13年度は増加傾向にあり、平成7年度とほぼ同様の値となっております。
このため、県は平成13年度の騒音測定結果を受け、去9月17日に両飛行場周辺における航空機騒音の軽減について米軍等関係機関に要請したところであります。
また、去る7月に開催された第23回三者連絡協議会において、米軍は航空機騒音規制措置を遵守し、騒音指数を最小限度にする努力をすることを確認したところであります。
平成8年に日米両政府で合意された「航空機騒音規制措置」について、米軍は同規制措置を遵守するよう努力していると言明しておりますが、米軍の任務に必要とされる場合は必ずしも規制措置に拘束されない内容となっており、飛行場周辺の住民の負担を軽減するためには同規制措置の厳格な運用が必要であると考えております。
いずれにしましても、県としては今後とも騒音の実態調査を行いつつ、地元市町村とも連携しながら、航空機騒音の軽減に向けて一層の改善を図るよう日米両政府に働きかけていきたいと考えております。
地位協定改正の進捗状況についてにお答えいたします。
日米地位協定の運用の見直しについては、外務省において県が要請した11項目について検討が行われているものと思いますが、現在、日米両政府間で正式に話し合われている項目として県が承知しているのは、第17条の被疑者の身柄の引き渡しについてであります。
日米地位協定をめぐっては、昨年7月の衆議院外務委員会において日米地位協定の見直しが決議されたのを初め、本年7月18日に本県で開催された全国知事会議において、昨年の要望内容からさらに踏み込んだ形で日米地位協定の抜本的な見直しが採択され、全国知事会長から内閣総理大臣を初め関係大臣に要望書を提出しております。
また、8月23日に日本弁護士連合会が日米地位協定の改定を求める決議をするなど、日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。県としては、去る8月26日に小泉総理大臣を初め関係大臣に日米地位協定の抜本的な見直しを申し入れたところであり、今後ともあらゆる機会を通して訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
米軍人等による事件の増加原因及び対策についてにお答えいたします。
県警が発表した米軍構成員等による刑法犯罪の検挙件数及び人数は、3年連続増加で推移しております。
平成13年度の米軍構成員等による犯罪の検挙件数は70件で、平成12年の53件に比べ17件増加しておりますが、これは同一人による多数の余罪が発覚したことが件数増加の一つの要因だと考えております。
一方、平成13年の米軍構成員等による犯罪の検挙人数は72人で、前年の67人に比べ5人の増加となっております。軍人の犯罪検挙人数が50人から39人に減少しているのに比べ、米軍家族の検挙人数は14人から31人へと約2倍に増加しているのが特徴的な傾向です。
現在、防止対策として、米軍がゲートにおける飲酒チェックの強化や生活指導巡回を実施するとともに、県警が新任兵士に対する道路交通法及び風俗営業法の講義の実施や、基地周辺地域における夜間警らの強化などを行っております。
また、去る9月20日に開催された協力ワーキングチームの会合では、増加する米軍人・軍属の子弟による事件・事故の防止対策として米軍が軍関係者による基地内高校生徒への訓話、基地内教会による青少年教化プログラムなどを実施することを確認しております。
県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から、隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、三者協や協力ワーキングチーム等において関係機関で協議や調整を行うなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
米原潜寄港の事前通告の公開についてにお答えをいたします。
県としては、非公開の措置はテロのおそれがなくなるまでの間とられることを想定した例外的な臨時の措置として理解しております。
最近の状況を見ると、県内においては県警への本土応援部隊が撤収し、また県警機動隊の24時間定点警備が解除される等非公開措置を継続する理由がないものと考えております。
このため、去る9月11日に外務省日米地位協定室長が来沖した際にも、非公開措置を早期に解除するよう再度申し入れを行いました。県としては、今後の国における検討結果を踏まえながら適切に対応していきたいと考えております。
平和賞に要した費用総累計は幾らかにお答えいたします。
沖縄平和賞関連で初めて予算化された平成11年度から平成13年度までの決算額総累計と平成14年度の予算額の合計は9916万円となっています。
世界的に意義のある制度になることを目指して他の多くの顕彰制度を調査するとともに、シンポジウムや地域別説明会等を開催し、県民コンセンサスの醸成を図りながら基本構想の策定などを慎重に進めてきたところであります。
都市型戦闘訓練施設についてにお答えいたします。
都市型戦闘訓練施設については、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、第10地域支援群に対し計画内容に関する照会を行っておりましたところ、去る9月27日に在日米軍司令部から建設計画の詳細についてはまだ最終的な決定をしていない旨の回答がありました。
県としては 、県民の基地負担を軽減し、基地の整理縮小を求める立場から、基地の固定化につながるような施設、あるいは周辺住民の生命財産や生活に著しい影響を及ぼすような施設の建設については反対であります。
今後とも、当該計画に関する正確な情報の収集に努め、関係町村とも連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) 環境アセスメントの手順についてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設については、平成11年12月の閣議決定により環境影響評価が実施されることになっています。環境影響評価法に基づく手続は、大きく方法書、準備書、評価書の3段階の手続に分かれます。
方法書の手続は、事業者が作成した方法書について住民等市町村長、知事の意見を聞いて環境影響評価の項目及び調査、予測、評価の手法を選定するものです。事業者は、方法書に基づいて現地調査等を実施し、環境影響の予測、評価を行います。
準備書の手続では、それらの結果や環境保全措置を取りまとめた準備書について説明会を開催した上で住民等市町村長、知事の意見を聞くものです。
評価書の手続は、準備書の手続で聞いた意見を検討し、準備書の内容を見直した環境影響評価書を作成します。作成された評価書は、免許等権者の意見を聞いて必要な補正を加えた後、公告・縦覧し、環境影響評価の手続を終了します。
以上であります。
○警察本部長(髙橋清孝) 名護市数久田の被弾事件についてお答えいたします。
県警としましては、米軍が7月23日の訓練に使用したという14本のM2重機関銃の銃身について、8月14日キャンプ・シュワブレンジ10において米軍立ち会いの上で試射を行い、弾丸14発を回収し鑑定を実施しましたが、発見弾丸とライフルマークが一致するものはありませんでした。
県警は、訓練当時使用した銃身番号を特定するため米軍に対し8月27日に訓練計画書及び訓練マニュアル等の提出、キャンプ・シュワブ内のM2重機関銃及び銃身の数等について文書で回答するよう要請をしました。
その結果、米軍より9月17日に訓練計画書及び訓練マニュアルは存在しない、7月23日訓練を行っていたキャンプ・シュワブ戦闘大隊はM2重機関銃は33丁と66本の銃身を保管・管理している、そのほか使用不能の銃身が7本あるとの回答を得ているところであります。
県警として米軍側の回答の内容を検討したところ、訓練当時のM2重機関銃の銃身番号が特定されていないことから、当時使用された銃身の番号が記載された資料の提出を9月19日に米軍に対して要請しているところであります。
県警としましては、今後とも米軍の協力を得ながら事案の真相解明に取り組む所存でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、観光振興計画の概要についてお答えをいたします。
観光振興計画は、沖縄振興計画における観光分野のアクションプランとして沖縄振興特別措置法第6条に基づき本年8月に知事が作成したものであり、主務大臣の同意を得たところであります。
計画には主要な指標として入域観光客数、観光収入及び国際会議開催件数等9項目を設定しており、それぞれ平成16年及び23年における目標値を掲げ、計画の進捗管理を行うこととしております。
また、計画におきましては、沖縄振興特別措置法に基づく観光振興地域としてこれまでの海洋博公園地域等9つの地域に加え、新たに那覇新都心地域等5つの地域を指定しております。
主な施策といたしましては、地域特性を生かした健康・保養型観光やエコツーリズム等体験・滞在型観光の推進、国際会議等の誘致、魅力的なイベントの開催や国内外における誘客キャンペーンの展開等を盛り込んでおります。
また、観光産業を担う人材育成システムの構築、観光情報の受発信機能を強化するための沖縄観光共通プラットホームの整備、経済波及効果の拡大を目指した観光土産品対策事業等を推進することとしております。
さらに、観光振興地域における利便施設等の整備、クルーズ観光に対応した那覇港大型旅客船バースの整備等観光振興のためのインフラ整備、道路の緑化等良好な景観の形成、観光客の利便性を高める道路標識や観光案内板の整備等を盛り込んでおります。
次に、観光客1人当たりの消費単価の算出根拠についてお答えをいたします。
平成12年の観光客1人当たりの県内消費額は、航空機内において県外に出域する乗客を対象にアンケート調査を実施し、その集計結果をもとに算出しております。
パック旅行者については、本土─沖縄間の航空運賃と旅行社の販売経費等を差し引いております。
なお、その差引額は旅行参加費の約30%となっております。
その結果、1人当たり消費額は、宿泊・交通費で5万8798円、土産・買物代1万7960円、飲食費9358円、入場・娯楽費3660円、その他2030円、総額9万1757円となっております。
次に、旅行商品の低価格化についてお答えいたします。
長引く景気の低迷による個人消費の落ち込みから、旅行単価の下落は全国的な傾向として続いており、国土交通省の平成14年版観光白書によると、平成13年の1人当たり年間消費額は平成12年に比べて7%下落しております。県内におきましても依然として低価格傾向が続き厳しい状況にありますが、この傾向は全国的な不況の影響を受けた構造的なものであると認識しております。
こうした低価格化への対応としては、沖縄観光の質の向上と他の観光地との差別化が必要であり、県におきましては観光関連業界と連携し、地元が主体となった旅行商品づくりとして地域特性を生かした健康・保養型観光やエコツーリズムの推進など、付加価値の高い旅行商品づくりを促進する考えであります。
また、魅力的な観光資源の維持・創出や、快適で利便性の高いインフラ、そして県民ホスピタリティーの向上や美ら島づくりなど、地域の総体として質の高い観光地の形成を進めていく考えであります。
次に、米国のイラク攻撃による沖縄観光への影響についてお答えをいたします。
県、沖縄観光コンベンションビューロー、観光関連業界で構成する「沖縄観光コンベンション推進協議会」においては、昨年の米国同時多発テロ事件発生から1年が経過した9月11日、同テロ事件が本県観光に及ぼした影響やその後の緊急対策、今後の取り組みなどについて総括したところであります。
また、県におきましては、昨今の国際情勢について観光関連業界を含む実務者レベルの情報・意見交換会を実施しました。その中で関係者において引き続き緊張感を持って情報を収集するとともに、継続的に連絡会議を実施し対応に遺漏のないよう努めることを確認しております。県におきましては、今回のテロ事件を教訓に今後緊急事態に的確に対処すべく危機管理マニュアルの作成、関係機関・企業等の連携体制の強化など官民が一体となった取り組み体制の一層の強化を図る考えであります。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育問題についての、完全学校週5日制にかわる土曜補習についての御質問にお答えをいたします。
平成14年6月、公立学校を対象とした完全学校週5日制に関する調査によりますと、すべての小中学校と定時制高等学校において完全休業日を実施をいたしております。
全日制高等学校では、休業日である土曜日に生徒、保護者のニーズに応じて補習等の取り組みをしている学校は61校中24校であります。その内容については、複数回答も含め補習授業や講座が15校、図書館開放が5校、模擬テスト・資格検定試験等10校となっております。
次に、「総合的な学習の時間」の活用についての御質問にお答えをいたします。
「総合的な学習の時間」は、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、よりよく問題を解決する資質・能力の育成及び学び方や物の考え方の習得などを目指すものであります。
平成14年度は、小学校が110時間、中学校が80時間程度実施をしており、移行措置期間の高等学校においても全学校で実施しているところであります。
小学校での学習活動は地域学習が多く、次いで情報、英語活動、環境などとなっており、中学校においても地域学習が多く、次いで職場体験学習などとなっております。また、高等学校においては進路、地域文化、就業体験などが実施されております。
このような学習活動を通して、子供たちは友達や地域の方々とのかかわり、楽しく学ぶことができるようになった、自分に自信を持つことができたなど「総合的な学習の時間」のねらいにつながる報告を多々受けております。
さらに、子供たちは地域を誇りにし、地域のよさを再認識するとともに、変化の激しい21世紀の社会に主体的に対応できる力を身につけていくものと考えております。
次に、学校週5日制にかかって、家庭や地域との連携は進んでいるかという御質問にお答えいたします。
完全学校週5日制の趣旨を生かし、子供の望ましい人間形成を図るためには学校や家庭、地域社会が相互に連携することが最も重要であります。
本年6月に実施した完全学校週5日制に関するアンケート調査では、すべての学校において土曜日の過ごし方について学級での指導や保護者への説明を行っており、また75%の学校が施設の開放を進め、48%の学校が伝統行事やスポーツ行事などの地域行事へ職員を派遣をいたしております。
さらに、学校教育活動への地域人材の活用は、小学校99.6%、中学校91.6%、高等学校33.3%で行われております。
特色ある活動例として、自治会の水生生物観察や河川の清掃活動等を学校でも「総合的な学習の時間」で取り組んだり、地域子供会の週末ボランティア活動を小学校の掲示板で広報すること等で相互の連携を進める事例がございます。
県教育委員会としましては、県や市町村における「完全学校週5日制推進委員会」等の推進体制を整備するとともに、今後も家庭や学校、地域社会のより一層の連携の促進に努め、心豊かな青少年の育成を目指していく所存でございます。
次に、学校週5日制実施後にどのような課題が出てきているのかとの御質問にお答えをいたします。
本年6月に実施した完全学校週5日制についてのアンケート調査では、87.9%の子供たちと53%の保護者が土曜日休みをよいと評価し、その理由として、保護者は、親子の触れ合いがふえたことを第1に挙げており、家庭教育の充実を目指した動きが見られます。
一方、学力低下への不安や保護者の不在家庭における子供の世話、子供向け事業の世話役の不足や大人の参加者の少なさ等、土曜日の有意義な過ごし方に向けての課題も挙げられております。
県教育委員会としましては、今後も新学習指導要領に沿った学校教育の充実を図るとともに、地域における指導者の育成や事業の工夫・改善、児童館や放課後児童クラブの活用等を行い、市町村や社会教育関係団体と連携し、完全学校週5日制の趣旨を生かして心豊かに育つように努力してまいりたいと考えております。
次に、2学期制のメリットと県内の動向についての御質問にお答えをいたします。
2学期制のメリットは、従来の3学期制に比べ、1つに、授業時数の確保が容易であること、2つに、教師の事務処理等に係る負担の軽減が図られること、3つに、継続した授業やゆとりある学校行事が実施できること、4つに、教育課程の弾力的な展開等が挙げられます。
本県では、現在すべての定時制高等学校において2学期制を実施をしており、全日制高等学校においては真和志高等学校と那覇国際高等学校が導入をいたしております。平成15年度からは浦添高等学校と豊見城南高等学校が実施の予定となっております。
県教育委員会としましては、各学校に対し教職員とのコンセンサスを図りながら保護者や生徒の理解と協力を得て2学期制を奨励をしていきたいと考えております。
次に、校長及び教員への民間人登用についての御質問にお答えをいたします。
校長の民間人登用は、民間の経営感覚や新鮮な発想による教育界の活性化や幅広く人材を確保する観点から、特色ある学校づくりと組織的、機動的な学校運営を行うことができるものと期待をいたしております。
県教育委員会としましては、民間人校長の登用に向け校長会等関係機関との条件整備を進めており、導入時期や選考方法等について平成16年度実施を目途に検討しているところであります。
また、教員への民間企業経験者の採用については、現在、本県の教員採用試験に特別枠は設定はしておりませんが、平成15年度教員採用試験合格者406人中101人、約25%が民間企業経験者となっております。
県教育委員会としましては、今後とも本県教育の発展に資するような採用方法等のさらなる改善に努めてまいりたいと考えております。
次に、英語教育の中長期的計画についての御質問にお答えをいたします。
21世紀を生き抜く子供たちにとって、国際的共通語である英語の実践的コミュニケーション能力を身につけることは極めて重要であります。
文部科学省では、「「英語が使える日本人」の育成のための戦略構想」を策定をしたところであり、本県では国の動向を見据え、小学校においては「総合的な学習の時間」の中で英会話活動を重視した活動をいたしております。今後は、教科として英語の導入を図るなど教育特区の可能性についても積極的に検討していきたいと考えております。中学校では、選択教科の拡大、卒業までに英検3級の取得を目指し、高等学校においては、外国語指導助手の有効活用、授業内容と指導方法の工夫・改善、卒業までに英検2級の取得を目指します。また、国の「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール」の指定を目指し、英語教育の改善・充実に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
さらに、県立高等学校編成整備計画の中で、新しいタイプの学校として「沖縄インターナショナル高等学校(仮称)」を設置をし、オールイングリッシュによる授業の実施等を計画をいたしております。
県教育委員会としましては、グローバル化、情報化に対応した国際性豊かな広い視野を持った人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時13分休憩
午後2時14分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○福祉保健部長(新垣幸子) 児童虐待の現状についてお答えいたします。
本県の平成13年度の児童虐待相談件数は288件で、平成12年度の274件より13件の増、対前年比4.7%の伸び率となっており、これは過去5年間で最も低い伸び率となっております。しかし、児童虐待については潜在化しているケースがあると考えられることから、今後とも強力に取り組む必要があります。
県といたしましては、これまで各種の対策を講じてまいりましたが、児童虐待への対応は地域での取り組みがより重要であることから、地域におけるさまざまなマンパワーを活用した支援体制を構築するため、今年度から中央児童相談所に児童虐待防止支援チームを設置しております。
また、児童虐待については未然予防が重要であることから、本県の今後10年間の母子保健活動のビジョンを示す「健やか親子おきなわ2010」で、母子保健事業の主要な事業の一つとして位置づけ取り組むこととしております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 交通問題についての御質問にお答えをいたします。
軌道系を含む新たな交通システムの導入に当たりましては、交通サービスの改善、都市構造の誘導、地域振興、環境負荷軽減、経済活動の活性化等これからの沖縄の発展に大きく寄与することが整備効果として期待されます。
一方、都市計画を初め県域全体の諸計画等との整合、生活交通に対する影響、将来交通需要等検討すべき課題が多岐にわたります。
このようなことから、軌道系交通システムの技術の動向、地域特性や需要特性に応じた柔軟なシステム運用など、多様な視点から段階的に調査検討を進めることが重要であると考えております。
また、沖縄県総合交通体系基本計画を具体的かつ確実に推進していくための組織として沖縄県総合交通体系推進委員会、同幹事会、連絡調整会議を開催しながら、国、県、市町村との連携、共同を基本に民間、大学機関、県民等の参加・連携も図りつつ、個別プロジェクトの針路化や推進を展開するため推進協議会及び検討委員会をテーマごとに設置・検討していくこととしております。
以上です。
○農林水産部長(天願貞信) 松くい虫防除に要した県予算についてお答えいたします。
松くい虫防除に要した県予算については、過去10年間で見ると32億5400万円であります。
内訳といたしましては、国費が9億3400万円、県費が23億2000万円となっております。
以上であります。
○総務部長(當銘直通) 公社等見直しについての、公社等の数、出資総額、財政支援額について一括してお答えいたします。
本県が出資している団体は108団体で、平成14年4月1日現在の出資合計は323億7800万円余となっております。そのうち、全国規模の団体や金融機関等を除いて県が出資比率の25%以上を出資しているか、または職員を派遣しているかなど県行政と密接な関連がある公社等外郭団体の数は60団体で、その出資額の合計は276億8200万円余となっております。
財政支援につきましては、平成14年度当初予算で補助金が77億5700万円、15.2%、委託金が205億1500万円、40.3%、負担金が4億3400万円、0.9%、貸付金が219億8100万円、43.2%、出資または出捐金が1億9000万円、0.4%で、合計508億7900万円となっております。また、債務保証及び損失補償額が101億600万円となっております。
次に、県からの出向職員の数及び退職した後の就労者の数についてお答えいたします。
県からの出向職員の数は、各種委員会を含めて平成14年9月1日現在で53団体に304人となっております。
また、県を退職して公社等外郭団体の常勤役員に就任している者は、平成14年7月1日現在で12団体に14人となっております。
次に、公社等の今後の見直しについてお答えいたします。
行政改革は、時代の変化とともに多様化する県民ニーズに迅速・的確に対応するため、組織・制度等を見直すことにより簡素で効率的な行政運営を目指すことだと考えております。
現在、県においては、新たな行政改革大綱の策定に向けて知事を本部長とする沖縄県行政改革推進本部で検討を行うとともに、外部の有識者で構成される沖縄県行政改革懇話会に諮っており、大綱素案ができた段階で広く県民に公表し、県民の意見を反映させた実効性の高い大綱を策定していきたいと考えております。
特に、公社等外郭団体の見直しについては大綱検討の中で重要課題として位置づけており、庁内においては行政改革推進本部のもとに部会を設置し集中的な検討を行うとともに、行政改革懇話会のもとに専門委員会を設置してあらゆる視点からの検討を依頼しているところであります。
なお、公社等外郭団体の見直しの視点としては、内外の社会経済情勢の変化を踏まえ設立目的が希薄になっていないか、民間企業と競合していないか、目的や事業が類似している団体がないか、欠損金が生じていないかなどの基準により団体個々の役割や運営実態等を総合的に判断し、統廃合を含めて見直したいと考えております。
以上でございます。
○玉城 義和 議長、ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時23分休憩
午後2時28分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
玉城義和君。
〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 再質問をいたします。
小泉内閣の評価でございますが、基地、沖縄問題が国民的課題だということをおっしゃったことを評価するなんていうのは私はおかしいと思うんですね。当たり前のことでありまして、問題は国民的課題になってないところが大変問題であるというふうに思うわけであります。なるべく国民的課題にしたくないということが本音だろうと思います。
私は余り申し上げたくありませんが、知事、総理官邸をカバーしている新聞記者の話を聞きますと、稲嶺知事の官邸側の評価は、非常に率直でとてもいい方だとこういう評価でございます。つまり、これはどういうことかといいますと、大変に御しやすいということでありまして、政治家としてすごみを持ったしたたかさもないと、こういうことを暗に言っていることでありまして、私は75%もの米軍基地、膨大な基地が存在する沖縄県知事としては極めてこれは残念で情けないことだとこういうふうに思っているわけであります。
15年使用期限問題について入りますが、着工前までに一定の方向が示されなければきちっとした重大な決意を持って対応するとこういうことでありますが、皆さんがずっとおっしゃっている頼みの綱とする閣議決定は結論の部分でこういうふうに言っているわけですね。「国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していく」となっているわけですね。国際情勢に応じて協議するんだと。
もう一つ、一方、1996年の日米安保体制の基本方針と10万人駐留体制を決めた安保共同宣言、これが日米間の基本でありますが、これはこう書いてあります。国際的な安全保障情勢において起こり得る変化に対応して日本における米軍の兵力構成を含む軍事態勢について引き続き緊密な協議をする。つまり全く同文なんですよ。1996年の日米の基本を決めた安保共同宣言と閣議決定は全く同じことなんですね。これはある意味でいえば当たり前のことで、当たり前といえばまさに当たり前なんですが、閣議決定はこの日米共同宣言を踏まえて言っただけの話なんですね。
したがってこの基本方針が言っているのは、劇的な「国際情勢の変化」がなければ基地に期限をつけることはだめだと、こういうことを改めて宣言したわけですよ、これは。閣議決定。したがって、閣議決定では期限つきということは一切日本政府の意思としては認められてないと、こういうことなんですね。
ここは確認をしませんと、しょっちゅう同じ議論をしておりますのであえて申し上げましたが、したがって知事の公約の一定の方向性が示されなければ重大な決意で臨むという公約はどういうことになるかといいますと、15年問題の普天間移設が膠着状態に陥る、こういうことにならざるを得ないわけですね。
一方、岩国基地は2008年に供用開始が始まるとこう言われているわけです。知事は、みずからこれら県外やあるいは国外への基地移設の道を閉じて、みずから15年という枠を自分ではめてしまった。そのことによって普天間が動かないという状況を招くことになる。こういうことが私は今議会で、特に知事が重大な決意の結果はこういう結果になるということが明らかになったと、こういうふうに思うわけですね。
もしそうではないとおっしゃるんであれば、ぜひそれはひとつ知事が、閣議決定によって15年問題が受けとめられているとこうおっしゃるんであれば、その根拠を具体的にお示しをいただきたいとこういうふうに思うわけです。
それともう一つ、戦闘訓練施設についてでございますが、沖縄タイムスの取材に対して米軍は、2003年度、ことしの10月からですが、工事を始めると言っているわけですね。460メートル×600メートルの2階建てだと。2007年以降は射撃場2カ所等々その施設もつくると、こういうふうに明確に言っているわけですね。
こういうふうに新聞社が取材して明確になっているにもかかわらず、沖縄県はどういう情報の集め方をしているのか。アメリカに問い合わせて、アメリカは言わないと言っているのでわかりませんと、こういうことで県民の利益が守れるんですか、本当に。ここのところをもうちょっとはっきりと、どういうふうな情報を集めていたか、どういう努力をされたかをひとつおっしゃっていただきたい。
それから、沖縄平和賞についてでございますが、これは中村氏があえて県政からもらったのではない、沖縄県民からもらったとおっしゃっているのは、私は今度の平和賞を非常に象徴するものだと思います。本当はこれは県政は稲嶺県政、そういうふうに言いたいわけですが、中村さんはなかなかのジェントルマンでありますから、そうはおっしゃらない。しかしながら、彼は言いたいことはすべて言っているわけですね。講演も含めてインタビューも含めてすべて言っている。つまり、稲嶺県政からではなく、沖縄平和友好の民であり、幾多の苦難をくぐってきた県民からの受賞と述べることによって、私は間接的にこれは稲嶺県政批判になっているというふうに考えます。
それは次の言葉にあらわれているわけですね。つまり、平和について具体的な取り組みを求めているわけですね。そしてその上で「基地を撤去し、貧しくても誇り高い沖縄を目指してほしい」と、こういうふうにあえて言っているわけですね。そのことが私は非常に大きな意味を持つと考えております。すなわち大変皮肉なことでありますが、中村医師とペシャワール会を授賞対象としたことによって稲嶺知事の平和行政、基地政策が中村医師らの断固とした理念や哲学や志の高さに比べて非常に見劣りするものである、こういうことが私はこの授賞を通しての事情でむしろそういうことが天下に示されたのではないか、こういうふうに思います。
知事自身がシンポジウムで言っているとおり、私に対してはいろんな意見がある、ペシャワール会と中村医師には100%賛成だとこう言っているわけです。そのとおりです。まさにそういう意味で私は基地の建設を認め、新たなアフガン攻撃の基地を認め、新たな基地を認めている知事に果たしてこの平和賞の授賞者の資格があったのかどうか、これが県民から問われていると思うんです。
知事の所見を求めます。
それから、1億円にも上る税金の使い方が特定の個人や団体に使うことが法的に問題がないのかどうか、これを問います。
観光振興でございます。
平成12年の統計しかありませんのでそれで申し上げますが、観光客は452万人、1人当たり消費額が9万1757円、したがって観光収入は4148億円ですが、私はこれはちょっと実勢を反映していないのではないかとこういうふうに思っております。ちなみに、平成12年から採用されましたアンケート、このアンケート用紙でございますが、配ったという用紙ですね。(資料を掲示) これを7万枚配ったということですが、この用紙を200枚お借りをしてきて、ちなみに旅行者1人が払い込んだ全費用をはじいてみました。はじいてその平均を出しましたら8万8041円です。これは往復の飛行機代も旅行社のマージンも全部含まれているわけですね。
先ほど、30%というのがありましたんで引きますと6000円の前半だと思います。そうしますと、県の出した9万1000円とは3万円近い開きがあるんですよね、この数字はですね。
もう一つ、9万1757円というこの費用を──沖縄に滞在する日数は3.68日です、平均──これを割りますと2万5000円になるんですね、1日平均の使用が。
私は、ことしシンガポールに行って県の事務所の協力も得て調べてみたんですが、シンガポールでは外国人の平均の1日当たりの消費額は203シンガポールドル、日本円にして1万4210円です。また、平成13年度の観光白書で見ると我が国の11年度の観光客の1日当たりの消費額は1万8000円なんですね。これから比べても2万5000円というのははるかに高いんですね。
そういう意味で私は、この4100億円というのはいかにも高いんじゃないかと。昭和63年ごろの県予算に匹敵するんですよ。もし本当にこの4100億円が落ちていれば、私はもっとやはり県民に豊かさ感があるのではないかとこういうふうに思っております。
観光リゾート局長、私が今申し上げました例示も含めてちょっと所見を聞かせてください。
それから、9万1757円をはじき出した根拠、基礎データを全部含めて県民の前に明らかにしてください。そうしないと議論になりません。
それから、1つ最後に知事に提案がありますが、やはり観光リゾート局は企画開発部に移したらどうかとこういうふうに思うんですね。そしてOCVBをむしろプロ集団にしていかないと、県庁は異動があるわけですから、やはりプロフェッショナルがなかなか養成できない。もし5年も10年もここにとどめることができるんであれば私は結構だと思いますが、なかなかそれができないんじゃないかと。だからプロフェッショナルもゼネラリストもいないと、こういうことでは大変寂しいわけでありますから、知事の御決断を聞きます。
それから、9・11テロ以降学んだ対応マニュアルを具体的にもうちょっと示していただきたいというふうに思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時38分休憩
午後2時42分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の再質問にお答えします。
最初は、どうも政府に一番弱いんじゃないかというお話ですけれども、実績をまず見ていただきたいと思います。
今まで動かなかったものがどのぐらい私になって動いたんだろうかと。あるいは振興計画で今まで一度も出なかったものがどれだけ出たんだろうかと、明確にそれを見ていただきたいと思います。
それが今まで例えば今度の沖縄の新法についても、あれだけのものがマスコミの情報でもこれは一切できないというのがみんな成功しております。それはどれだけ粘り強い姿勢を──私は営業マンでございます、表はにこにこしております、しかしそのしんの強さと粘り強さはだれにも負けない自信を持っております。
それから、15年使用期限について申し上げます。
これは私は、口は優しくて、言っていることは一歩一歩でございますけれども、必ずやるということはやるわけです。だから15年に限っても非常に重大な決意を持っているということは、これは大変なメッセージでございます。
それから次に、平和賞について申し上げます。
平和賞で私が大変うれしかったのは、つい最近も中村哲先生から個人の親書をいただきました。私に対してでございますから中身は公表はできません。大変温かいお言葉で私の立場を十分に御理解いただき、そして今度、例の向こうの方で、オキナワ・ピース・クリニックというすばらしい名称の名前をつけた建物でもって、今後ともアフガニスタンの民衆のために全力を尽くして頑張るというそのお手紙を読みまして、私は大変に意義があったなというふうにうれしく感じております。
それから、実は何で県民にもらったということが私がうれしかったかというと、これは裏話になりますけれども、お話を申し上げます。
私は、就任のときから沖縄平和賞というのはぜひ実現したかったと。そのときに実は担当の者がこう言ったんです。早くはこれはできませんと。つまり、県政、稲嶺がかわろうとどうであろうと普遍性、公平性、継続性で持つものでなければならないと。そのためにはこれに対する調査と期間が必要であるということで、御承知のように日本各地の類似の例を全部参考に勉強に参りまして、しかもソウル平和賞まで行きまして、それから県内で委員会をつくり、同時に各地でそれに対してのシンポジウムを行ったり、説明会を行ったり、多くのアンケートをとって、その上に世界、日本、沖縄を全部含めまして1000カ所の方々に推薦依頼をして、その中から出た全員を候補に挙げて、多くの中から、皆様から、その各界各層の権威の方々が委員になっていただきまして、その中からさすが選ばれた中村哲とペシャワール会ということで、これはまさに当初の関係者全員がこれは普遍性、継続性、そしていつ県政がかわろうとも、どうであろうと沖縄の県民の心をあらわしたいということを最初から目指していたものがまさにあらわれたなということで大変に喜んでいる次第であります。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
都市型戦闘訓練施設についての県の対応でございますが、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、第10地域支援群に対し計画内容に関する照会を行いましたところ、先ほどのような回答があったということでございます。
それから、平和賞の関係でございますが、1億円を個人等に支出する法的な根拠ということでございますが、負担金は、法令によって地方公共団体が負担するもののほかに、地方公共団体が任意に各種団体を構成している場合に、その団体の必要経費に充てるための費用の支出等があります。沖縄平和賞委員会への支出は後者に該当するものと理解しております。
支出に関しましては、沖縄県補助金等の交付に関する規則及び沖縄県財務規則に基づき適正に執行をしております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 1つ目の私ども県が出しました1人当たり消費額と先生が算出した消費額がかなり差があるということでございますけれども、今お聞きをしていてどうもよくわかりません。なぜそうなるのか。私どもは7万枚の調査票を配布しまして、有効回収票が3万8431枚でございます。先生が提出なさったのは200枚ですが、ただこの枚数の違いからそういう大きな金額の差が出るとも思えないんですが、先生の算出方法も詳しくお聞きをしてないんで、ここではちょっとよくわからないということです。
それから2つ目、沖縄県内での1日の消費額が2万5000円、高いんじゃないかということですけれども、ちなみにハワイを訪れる日本人の旅行者は1日当たり3万2544円を消費をしております。これは平成14年の観光白書の数字でございます。
それから、ハワイを含む全体的な海外旅行におきましては、1日当たり2万2898円という数字もございます。
こうしたことからしますと、日本人は旅行に行くと費用をかけているということであろうと思います。そしてまた、シンガポールで1万5000円ということでございますけれども、やはり日本は残念ながらまだ高コスト構造で私どもも感じますけれども、海外での旅行はまだ安く行けるということの違いだろうと思います。
それから、統計データを公開してほしいということですけれども、まず基本的にこれは統計でございます。ただし、今回、今年度から統計のデータを補てんする意味で各旅行社から宿泊費だとか交通費、飲食費等のデータをいただいております。これにつきましては、旅行社との間で生の数値は外部に出さないという条件のもとでいただいておりますんで、これについては非公開にさせていただきたいということです。
それから、危機対応マニュアルの件でございますけれども、御答弁を申し上げました実務者クラスの意見・情報交換会の中で、まず1つには情報収集、連携体制を強化をしていこうではないかということが話し合われております。
それからまた、私ども先般の経験の中から教訓を得ましたのは、初期段階での対応をスピードアップすると、迅速にするということでございます。
それから、こういったことをベースにしながらこれから危機管理マニュアルは作成をしてまいります。
そして、ややこれも実務者の連絡会議の中でありましたけれども、こうした危機に対応していくにもよりきめ細かなマーケティングが必要であると。今回、修学旅行という非常に特定の分野が影響を受けましたけれども、こうしたこともないようにマーケティングをしてより広い客層をターゲットにしていくということも重要だと、いわゆるリスクを分散するということですね。
それから、これは観光大使等のネットをつくってネットワーク化を全国に広げていくと。県人会、姉妹提携等も活用していくと。それから、連携のある企業等についても協力をしていただくと、こういった意見が出ておりました。
こうしたことを踏まえながらマニュアルを作成していきたいと考えております。
以上でございます。
○玉城 義和 人間というのはおもしろいものでございまして、一番痛いところを突かれますと思わずああいうふうな大きな声が出てくるというふうに大変感心をいたしまして、なかなかそういう意味では率直な方だなというふうに思っておるわけでございます。
観光リゾート局長、出せないものがあるというんでは統計の意味がありませんので、そこは全部出すようにしてください。そうでなければ地元で拾うと──ホテルとかですね──いう方法に切りかえてください。もう1回答弁してください。
それから知事、大田前知事が閉塞状態があったとあなたがおっしゃっているのは、大田前知事が基地を断ったがために代替施設協議会も開かれなくなったんですよ。つまり極端に申し上げればだれでもいいんですよ、日本政府は。基地さえ受けてくれればどんどん金は出すと言っているんです。そういう意味で稲嶺さん、あなたが基地を断って今日のような状況がつくれれば私は文句言いませんよ。あなたは一番大切なとらの子を、放しちゃいかぬものを放しているわけですよ。これはさっきから言っているように一大汚点ですよ、これは。それをしながら何が経済的なことですか。そこが問題だととらえているんですよ。そこで15年問題ができなければ明らかにこれは白紙撤回すべきでしょう。
もう1回知事に答弁を求めます。
○知事(稲嶺惠一) まず、先ほど答弁漏れがございましたんでそれを加えたいと思います。
玉城議員から大変いい御提案がございまして、OCVBと観光リゾート局の機能をはっきりしろと、そしてできるだけ専門家を置いて対応できるようにしろということでございます。
実は、先般の事件の後にこの問題というのは一般からもかなり提起されましたので、私もことしの人事異動の際に、観光リゾート局、そしてもう一つは商工労働部については3年という形にこだわらずスペシャリストを置けということを言っております。現在その状況で進んでおります。そして観光リゾート局とコンベンションビューローは、おのおのの機能を先ほどお話したようにしっかり分けろということを言っております。
最近のいろいろな行事をごらんになっておわかりになると思うんですが、従来は両方の代表者が出ておりましたけれども、現在は個々の者によって最も必要な部署が対応しております。
先生の大変立派な御指摘を受けまして、さらにその内容について検討していきたいと思います。
さて、私に対して大変声を荒げてとのお話がございましたけれども、しかし私はやはり一番重要なのはオール・オア・ナッシングにしないということです。これはオール・オア・ナッシングというのは大変格好はいいことでございますけれども、何にも出ておりません。私は両方をしながら経済を伸ばし、しかも基地の整理縮小には着実に一歩一歩進んでいくというこの道を今後とも続けていきたいと思います。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 私が出せないと申し上げましたデータは、ことしから初めて私も直接各旅行社を回りましてお願いをいたしました。そしてこのデータを見ますと、各社のいろんな営業状況もよくわかるデータです。そういうことからこれまで出していただけなかったデータを出していただくと。これについては生のままでは外には私も出しませんというお約束をしました。ただし各社のデータを加重平均したもの、これについてはもちろん出せます。生のものは出せないということであります。
それから、ホテル等からもデータをとったらということですけれども、それも努めてまいります。ただし、ホテルであっても例えば現在日銀那覇支店等がいろんな発表をしているデータがございますけれども、これは私どもはどこのホテルからデータをとっているかさえもわからない、そういう秘密にされております。恐らくホテル等からデータをとったとしても、それをそのまま外に出していいですよということにはならないと思います。
こうしたことでデータをとれないとなると観光消費統計データが非常に不足しますんで、そこについては非公開でまいりたいと思っております。
○糸数 慶子 通告に従いまして順次一般質問を行います。
まず、知事の政治姿勢について伺います。
2期目の出馬表明の政策に対して次の項目について伺います。
(1)点目、行財政改革をこれまで提唱し十分な成果が得られていない状況の中で、箱物づくりについてはこれまで凍結していましたが、博物館と美術館を統合した沖縄文化センター(仮称)を打ち上げていますが、定年退職者等のピークを迎え歳出の需要が多くなる中でそれに対応する歳入の増加の見直しはあるのですか。また、今後の行財政改革の方針について伺います。
(2)点目、雇用失業問題については知事が就任当初から雇用の拡大を推進し、コールセンター等の新規雇用については一定の成果はあったと思いますが、逆に既存のデパート、スーパーの閉鎖により多くの従業員が職を失い、再雇用の道も厳しい状況にあります。
そこで伺います。
過去4年間の新規雇用の事業所数と雇用数及び事業所の倒産、閉鎖に伴う事業所数と失業者数について伺います。
次に、事業所の閉鎖に伴う失業者に対して県はどのような対応を行ってきたのか、また今後の対応方針はどうなさるのか伺います。
次に、事業所によっては雇用保険が十分整備されていない実態がありますが、失業者、特にパート労働者に対する雇用保険はどうなっているのか。また、県は事業所に対してどのように指導しているのか伺います。
次に、観光振興施策について伺います。
県はこのたび沖縄県観光振興計画を立てていらっしゃいますが、その中の「観光・リゾート拠点の創出と新たな展開」について伺います。特にその中の国際通りについて集中して伺います。
国際通りは戦後の復興の象徴とされてきました。奇跡の1マイルも、各地にできた郊外型店舗に押されている現状に一抹の寂しさを感じてしまいます。しかし、国際通りには国際通りなりのほかにはない魅力があります。また、那覇のマチグヮーにはさほど車は必要としない住みよい環境があります。商業基盤整備には、県は国際通りのグレードアップに向けて諸施策を計画していますが、具体的に以下の点について伺います。
(1)点目、那覇市国際通りにおける街路樹の整備について。
(2)点目、那覇市国際通り商店街のリノベーションの促進について伺います。
(3)点目、那覇市国際通りのトランジットマイルについて県はどうかかわっていくのか、また今後の課題についてお伺いいたします。
次に、カジノと観光戦略についてお伺いいたします。
県は、先ほどの答弁の中にも関連した答弁がございましたけれども、観光に対する県の施策というのは健康・保養型、エコツーリズムというふうに方針を立てていらっしゃいます。それに関しまして、カジノを誘致するというのは逆行しているのではないかと思いますが、もしこのカジノを誘致するとした場合にカジノと安全コストについて調査されていますか。
沖縄におけるギャンブル依存症及び消費者金融の相関関係とその実態についてお伺いいたします。
次に、環境行政について。
沖縄県環境基本計画(素案)について伺います。
策定に当たって審議会での審議内容及び提言は本計画にどのように取り入れられるのか、伺います。
本計画の実効性を高めるための推進体制は確立されているのでしょうか、伺います。
次に、一般廃棄物について伺います。
南部地区一般廃棄物最終処分場建設用地変更問題について、その経過と現状について、それから今後の課題についてお伺いいたします。
次に、泡瀬干潟について。
(1)点目、ラムサール条約事務局は、泡瀬干潟を渡り鳥及び多様な生物の生息場所として高く評価し埋立事業の再検討を求めていますが、県はこれをどう認識しているのか。また、ラムサール条約に登録する意思があるのか、伺います。
9月11日に開催した保全ワーキンググループの委員会で報告、論議された内容について伺いたい。
県は、泡瀬干潟の埋め立ての条件として海草・藻場やクビレミドロの保全を前提にしてきたが、移植実験で海草の保全ができていないことが判明した現在、埋め立て中止を国に提言すべきではないでしょうか。
次に、ジュゴンの保護について。
国の天然記念物に指定されているこのジュゴンについては、調査を国にゆだねるだけではなく県単独の調査をするべきだと思うがいかがでしょうか。
次に、農業振興策について伺います。
さとうきびの生産者価格要請等を踏まえて以下の質問をいたします。
遊休農地が増加し、さとうきびの収穫面積が減少しているが実態はどうか。今後の対策はどうでしょうか。
ルネッサンス計画により、さとうきびの生産振興にどのような成果があったか、また今後の方針について伺いたい。
農業共済等については、台風や干ばつによる被害等に対する補償制度であるが、県全体の農家でそれに加入している割合はどうか。また、地域格差はあるのか、伺います。
農家の安定的収入を得るためには上記制度への加入促進は不可欠だと思うが、加入促進の方法と制度の課題について伺いたい。
常襲的な台風の被害を最小限にするために防風林等の恒久的な対策は考えているのか。
また、畑の周辺に樹木や植物を植栽し、グリーンベルトをつくるということは赤土防止対策にもなりますが、抜本的な対策を検討すべきと思います。お伺いいたします。
次に、教育・人権・女性行政について。
これまで何度も質疑されましたけれども、教育現場での児童買春の実態について教育長にお伺いいたします。
また、県内の児童買春の実態について県警本部長の見解と対策について伺いたい。
次に、国を挙げて進めている男女共同参画社会の実現のため、性の違いを認めつつ一方に負担を押しつけたり差別があってはなりません。稲嶺県政における女性政策は公約どおり実現しているのか、伺います。
次に、男女混合名簿の実践状況はどうか、実態と課題について伺います。
次に、母子寡婦福祉資金について、貸付制度については金利の引き下げについて検討していただきたいが、どうでしょうか。
母子家庭での医療費助成については、関西では母子の医療費助成は現物支給でありますが、本県でも母子が安心して医療が受けられるように現物支給をしていただきたいがいかがでしょうか。
次に、我が会派の代表質問との関連について伺います。
代表質問の基地問題の中の、普天間代替施設の問題の中から代表質問では陸上から海上へという部分がありますが、そこで質問いたします。
平成11年11月の位置決定時に選挙公約は変更されたと理解していいか。
(2)点目、代表質問の返還時期について、質問は代替施設が完成するまで普天間飛行場の使用を現状のまま容認するということでしょうか。
次に、代表質問の15年期限実現の根拠について関連として質問いたします。
知事は、強いメッセージや重大な決意とおっしゃっていらっしゃいますが、強いメッセージや重大な決意とは、着工までに政府から一定の方向が示されなければ着工を拒否するという意味に受け取っていいのか、伺います。
次に、代表質問の基地問題の(5)点目、美ら海埋め立て中止の件です。
質問は、環境影響評価を結果によっては稲嶺知事が代替施設の建設中止を求めることもあるということですか、伺います。
次に、代表質問の中の軍民共用空港の再検討についてですが、答弁は、軍民共用空港は将来にわたって地域及び県民の財産となるといいますが、採算のとれない赤字空港でも軍民共用というだけで財産になるとの認識でしょうか、お伺いいたします。
以上、答弁によって再質問いたします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの糸数慶子君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時6分休憩
午後3時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前の糸数慶子君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数議員の御質問にお答えいたします。
最初は、今後の財政運営と行財政改革の方針についてでございます。
県の財政運営に当たっては、これまで事業の優先度等に十分配慮しつつ、限られた財源を効果的に配分することにより、総合的な地域福祉施策や観光・リゾート産業を初めとする産業振興策、文化の振興など県民の多様な行政ニーズに対応してまいりました。
国、地方ともに厳しい財政状況が続く中、今後とも県民サービスの維持・向上を図るためには「参画と責任」、「選択と集中」という姿勢のもと、これまで以上に財源の重点的かつ効率的な配分を行い、より一層効果的、効率的な事務・事業を推進していくとともに、財政の健全化を図っていく必要があると考えております。
このため、歳出面においては事務・事業の徹底した見直し、民間委託や公社等外郭団体の見直しなどを進めるとともに、歳入面においては徴収率の向上などによる県税収入の確保や、使用料及び手数料の見直しなどにより健全な財政運営に努め、今後の県民の行政ニーズに的確に対応してまいりたいと考えております。
次に、沖縄県環境基本計画の策定に当たって環境審議会での審議内容、提言及び計画の推進体制についてのお答えでございます。一括してお答えいたします。
沖縄県環境基本計画は、本県の環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定するものであり、本年9月2日に同計画(素案)を沖縄県環境審議会に諮問したところであります。
同審議会からの貴重な提言については、計画に取り入れ今年度中に策定することにしております。
また、計画の実効性を高めるため、副知事を会長に全部局長で構成した沖縄県環境基本計画推進会議(仮称)を設置し、環境に影響を及ぼすと認められる施策の調整や環境基本計画の円滑な推進を図ることにしております。
続きまして、稲嶺県政における女性政策についてお答えいたします。
女性が積極的に社会参画し、能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現は重要なことと考えております。
平成10年12月の知事就任以来、女性の社会参画を促進するための環境整備や女性の自立に向けた施策に加え、新たに米軍基地から派生する女性の諸問題調査事業を実施するとともに、アメラジアンスクールに対する日本語教師等派遣事業や国際女性相談体制の充実を図るほか、済州道の女性たちとの交流事業を実施するなど諸施策をなお一層推進してまいりました。
また、本年3月に策定した「沖縄県男女共同参画計画」は、今後、本県の10年間の男女共同参画社会形成に向けた施策の基本となる計画であります。この計画では、DV等女性に対するあらゆる暴力の根絶など近年社会的に問題となっていることや、新しい権利、状況等に対応するための取り組みを盛り込み、男女共同参画の諸施策を全庁的に取り組んでおります。
さらに、参画計画と車の両輪に例えられる条例制定により男女共同参画の意識の浸透、施策を推進する上での法的根拠、県、市町村、事業者、県民等の責務を明らかにし、男女共同参画の取り組みを総合的かつ計画的に推進していきたいと考えております。
次に、普天間飛行場の我が会派の代表質問との関連についてのうち、普天間飛行場代替施設の位置決定についてお答えいたします。
4年前の公約については、政府が示した海上ヘリポート基本案では、米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることとなっている海上案に対し、新たな代替施設は軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となるものとし、海上案に対比した意味で陸上と述べたものであります。
公約において、基地問題は「トータルプランの中で対応する。」としており、普天間飛行場の移設については、県が運航空域確保の問題、騒音の問題、アクセスの問題等さまざまな観点から検討し総合的に判断した結果、平成11年11月、「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」を移設候補地として選定しました。
その後、名護市の受け入れ表明を受け、同年12月、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されたものであり、本年7月29日には代替施設の基本計画が決定されたところであります。
普天間飛行場の移設作業は着実に進展しており、県としては一日も早い返還に向け努力してまいりたいと考えております。
次に、普天間飛行場の返還時期についてお答えいたします。
普天間飛行場については、SACO最終報告において、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、返還するとうたわれており、このため、県としてはSACO合意事案を着実に実施していくことが早期の解決に向けての実現可能な方法であるとして、一日も早い返還の実現に取り組んでいるところであります。
強いメッセージや重大な決意の意味についてお答えを申し上げます。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限については、沖縄県が57年間にわたり過重な基地負担をしている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設けたものであり、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
今般の知事選挙再出馬に当たり基本政策として、「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しました。このことは、同問題の解決について、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないとする政府に対する強いメッセージであり、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
重大な決意とは、同問題の解決に向けて政府の考え方が示されるようなお一層強く求めていくことであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 新規及び閉鎖の事業所数、雇用者数についての御質問にお答えします。
御質問の趣旨に対応する統計資料はありませんが、それに近い統計として「平成13年事業所・企業統計調査」というものがございます。これによりますと、平成13年の沖縄県の民営事業所数は7万578事業所で、前回の調査時点であります平成8年の7万3191事業所に比べ2613事業所、率にして3.6%減少しております。
一方、調査対象となった民営事業所の従業者数は、平成13年が46万859人で、平成8年の44万7565人に比べ1万3294人、率にして3.0%増加しております。
次に、事業所の閉鎖に伴う雇用対策についての御質問にお答えします。
事業所の閉鎖等に伴い一定規模以上の従業員を解雇する事業主は、雇用対策法第24条の規定に基づいて従業員の再就職に必要な支援措置を内容とする「再就職援助計画」を公共職業安定所長に提出し認定を受ける必要があります。
店舗閉鎖を行うダイエー等においても「再就職援助計画」が作成されており、事業主としての求人開拓や再就職あっせん等の離職者支援が行われております。
県においては、こうした事業主の支援対策を踏まえ、県、沖縄労働局、関係市町村等で構成する地域雇用問題関係機関等連絡会議を開催するとともに、県や沖縄労働局等が実施する再就職支援対策を取りまとめ、現在、関係機関による集中的な求人開拓や面接会の開催等の支援対策を実施しているところであります。
本日、県、沖縄労働局及びハローワークの共催によりロワジールホテルで開催される離職者等を対象とした「ゆいまーる合同面接会」もこの一環として行われるものであります。今後とも、関係機関の連携によるきめ細かな再就職支援を実施してまいります。
次に、パート労働者に対する雇用保険についての御質問にお答えします。
雇用保険は国が管理運営している強制的な保険であり、原則として労働者を1人でも雇用する事業主は加入しなければなりません。
パート労働者に対する雇用保険につきましては、1週間の所定労働時間が20時間を超え、かつ1年以上引き続き雇用されることが見込まれるなどの一定の要件を満たすことにより被保険者となることができます。
雇用保険は、労働者が失業した場合に給付を受けることにより生活の安定を図るとともに、求職活動を容易にするなど労働者の福祉の向上の観点から重要な制度であります。
なお、パート労働者の雇用保険加入状況は、平成14年8月末現在で加入事業所が1282事業所、被保険者が1万1354人となっております。
県としましては、毎年10月の「労働保険適用促進月間」において、沖縄労働局と連携しながら県広報媒体を活用して事業主、県民への広報・啓発を行っているところであります。
また、事業主、労働者等からの労働保険の相談についての対応やパート労働者の雇用管理をテーマとした講習会などを開催しております。
次に、那覇市国際通り商店街のリノベーションの推進についての御質問にお答えします。
近年のモータリゼーションの進展、郊外型大型店の進出などにより中心市街地の空洞化が進行し、国際通りにおいてもかつてのような求心力を失いつつある状況にあり、中心市街地の活性化が重要な課題となっております。
そうした中、那覇市国際通り商店街振興組合連合会において、訪れる客の利便性の向上を図り、商店街の活性化及び観光振興に資することを目的として国際通り商店街基盤整備事業を実施することとしております。
この事業は、「人にやさしい街・歩いて楽しい街」を基本コンセプトとして、平成14年度から平成17年度にかけて色彩を統一した開閉式日よけのオーニング、パラソル、モニュメントを設置する内容となっております。総事業費は約6億円で、平成14年度については7200万円の事業を国、県、市の補助により実施することとしております。
同事業は、那覇市の中心市街地の核としての国際通りをグレードアップし、集客力を高める効果的な事業であることから、県としても引き続き商店街活性化の立場から支援をしていきたいと考えております。
次に、那覇市国際通りのトランジットマイル事業についての御質問にお答えします。
同事業は、那覇市国際通りトランジットマイル実行委員会が国の補助を受け、平成13年度に引き続き平成14年8月から9月にかけ試験的に実施したものであります。当該事業は、国際通りにおける集客力の向上を図るため、慢性的な交通渋滞やそれに起因する環境破壊の緩和、快適な商業環境の創出、買い物客等の利便性の確保等を目的に実施し活況を呈したところであります。
次年度以降の実施については、平成14年度に実施した事業の検証結果を踏まえ検討すると聞いております。
県としても、商店街の活性化及び観光振興という観点から、今後とも中心市街地の活性化に対する取り組みを支援していきたいと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 国際通りの街路樹についての御質問にお答えいたします。
国際通りは、本県の商業、行政の中心地に位置し、県民、観光客が多く散策する沖縄の顔となる路線で観光産業にも大きく寄与しております。
このため、平成11年度から総事業費約81億円で電線類地中化、歩道拡幅及びバリアフリーのための歩車道の段差解消、街路樹等の工事を進めているところであります。
同通りの街路樹については、学識経験者、県、那覇市、同商店街振興組合連合会から成る国際通り線整備計画検討委員会で討議がなされ、強い日差しを和らげる木陰をつくり、歩行者に憩いを与えること、花が咲くことにより季節感、潤いを与えること等を基本方針に歩いて楽しい町、沖縄らしい町を表現する観点から、熱帯花木のジャカランダに決定したところであります。
次に、9月11日の「海草藻類移植・保全ワーキンググループ」で報告・審議された内容についてにお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業においては、事業実施に伴い環境保全に万全を期すため学識経験者等で構成する環境監視・検討委員会を設置し、藻場の効果的な移植方法等について検討を行っているところであります。
去る9月11日に開催された同委員会の下部組織である「海草藻類移植・保全ワーキンググループ」においては、1、手植え移植実験については4年を経過した現在においても良好に生育していること、2、平成13年度に実施した広域的機械化移植実験については、台風後の回復状況も含めて平成15年5月までモニタリングを実施し、あわせて機械化施工の適応性を高めるための減耗対策工法試験等を実施していくこと等が報告され検討が行われました。
検討の結果、手植え移植については4年間の成果と移植先の適地選定に関する知見を合わせれば有効な方法であることが示されたところであります。また、機械化移植については今後も引き続きモニタリングを実施するとともに、減耗対策工法試験を実施すること等が示され、去る9月30日に開催された環境監視・検討委員会に報告したところであります。
次に、埋立中止を国に提言すべきではないかにお答えいたします。
泡瀬地区埋立事業の実施に当たっては、埋立区域内に藻場があることから環境への影響をできる限り低減するため移植を行うこととしております。そのため、手植えによる移植実験に加えて、現在、機械化施工による広範囲の移植実験に取り組んでいるところであります。
機械化移植実験は、生育条件等について知見を得ることを目的としており、これまでの実験結果から水深や底質、台風等の波による外力等移植適地の条件についておおむね把握できたところであります。また、手植え移植実験については4年間のモニタリングの結果、複数の台風期を経過した現在においても生育面積が拡大していることを確認しており、一定の成果が得られたものと考えております。
国においては、引き続き環境監視・検討委員会の指導・助言を得ながらさらなる移植技術の向上に向けて取り組んでいくこととしております。
県としては、泡瀬地区埋立事業は地元沖縄市の強い要請に基づく事業であること、また県の振興策上も重要な事業であることから、環境保全にも十分配慮しつつ国や市とも協力・調整しながら早期着工が図られるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) カジノと安全コスト及びギャンブル依存症の御質問について一括してお答えいたします。
県におきましては、「エンターテインメント事業可能性調査」の中で、海外におけるゲーミングの実態調査を行っているところであります。
ちなみに、調査項目はゲーミング施設の類型化、運営実態、施設の収益構造、経済社会への影響、施設への行政の規制・支援、税制、主要国・地域におけるカジノをめぐる議論の動向等であり、その中で治安維持等に要する安全コストやギャンブル依存症の実態及び対策についても調査をしているところであります。
次に、本県におけるギャンブル依存症と消費者金融の相関関係については、保健・医療や貸金業及び警察等の関係部署に照会をいたしましたけれども、現在のところ関係する資料がなく、実態の把握は困難であります。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 南部地区の一般廃棄物最終処分場の用地変更の経過、現状及び課題について一括してお答えいたします。
南部地区の10市町村においては最終処分場が整備されていないことから、焼却残渣などを適正に処理するため広域的な最終処分場を整備することとし、平成12年4月に南部地区最終処分場建設推進協議会を設置しました。
同年9月から同協議会は用地の選定作業に着手し、平成13年4月には候補地を当初の10カ所から現候補地へ絞り込み、5月から10月にかけて候補地周辺の住民への説明会を実施してきております。
このような中で、周辺住民からこの種の施設が同地域へ集中していることや、用地選定の際の説明が十分でなく同意しがたいとして地元村議会へ用地変更を求める要請がなされ、同議会において採択となっております。
県としましては、廃棄物処理施設の整備に当たっては地域住民の理解と協力を得ることが重要であることから、引き続き市町村に対し情報公開と十分な説明を行うよう指導・助言していく考えであります。
次に、泡瀬干潟をラムサール条約に登録することについてお答えいたします。
県としては、泡瀬干潟はシギ・チドリ等が多く飛来するほか、多様な魚類や底生生物が生息する場所であり重要な干潟と認識しております。
このようなことから、泡瀬干潟の埋立事業の承認手続に際し事業者に対して鳥類や海草等のモニタリング調査を実施すること、また希少な海草類クビレミドロの生育する箇所についてはその移植技術が確立されてから埋め立てに着手すること等を求めたところであります。
ラムサール条約への登録には湿地の重要性の評価に加え、国内法による湿地保全の担保としての国設鳥獣保護区の特別保護地区指定が条件であり、そのため国による住民意見の聴取や地元市町村合意の取得などの手続が必要になります。現在、泡瀬埋め立てについては種々の意見があることから、その意見の推移を見守ってまいりたいと考えております。
次に、ジュゴンの調査をすることについてお答えいたします。
沖縄周辺海域に生息するジュゴンは、世界的に分布の北限とされており、その生息数は非常に限られていると推測され、その生態についてもわかっておりません。
このようなことから、国ではジュゴンの全般的な保護方策の検討に資するためジュゴンの広域的な調査を実施しており、県としても国と協力しジュゴンの保護に努めているところであります。
以上です。
○農林水産部長(天願貞信) 農業振興策について、遊休農地とさとうきび収穫面積についてお答えいたします。
県内における遊休農地は、農業センサスによると平成12年現在1523ヘクタールとなっております。
その主な要因は、農業従事者の高齢化や後継者不足、都市周辺部における農地の資産的保有などが考えられます。
さとうきびの収穫面積については、平成13年期現在1万3393ヘクタールとなっております。
収穫面積はこれまで減少傾向にありましたが、平成11年期以降1万3500ヘクタール前後で推移し減少傾向に一定の歯どめがかかりつつあります。
県といたしましては、さとうきびの生産振興を図るためかんがい施設等の生産基盤の整備を初め防風林帯の整備、生産法人の育成等諸施策を積極的に推進していく考えであります。
次に、さとうきびのルネッサンス計画の成果と今後の方針について。
ルネッサンス計画の成果としては、これまでに453ヘクタールの遊休農地の解消、626ヘクタールの優良種苗の増殖・普及、565ヘクタールの株出し管理助成、7429ヘクタールの病害虫防除等であります。
また、今後は新たに多機能式新型植えつけ機の導入や緑肥栽培による土づくり対策等についても取り組んでいく考えであります。
今後とも、さとうきびの生産性向上と製糖企業の経営安定を図るため、地域関係者と一体となってさとうきび生産振興の諸施策を積極的に推進していく考えであります。
次に、さとうきび共済加入状況と加入促進について、関連しますので一括してお答えいたします。
本県は台風、干ばつ等の常襲地帯であり、農業経営の安定を図るためには農業共済への加入は極めて重要であります。しかしながら、さとうきび共済の加入状況につきましては平成13年度現在、面積比で35.1%と低い状況にあります。また、地域別の状況については国頭郡で32.6%、島尻・中頭郡で34%、宮古郡では13.1%、八重山郡で60%となっております。
農業共済への加入率の低い要因としては、農家の経営規模が零細で兼業農家が多く、共済制度に対する関心が薄いことなどが考えられます。
このため、県としては、さとうきび共済の加入促進を図るため各地域の共済組合、市町村、JA、製糖工場等で構成するさとうきび共済加入推進協議会(仮称)を設置する考えであります。今後、協議会を通してさとうきび共済の加入率向上を図り、さとうきびの生産振興を推進していく考えであります。
次に、防風林帯等の恒久対策とグリーンベルトによる赤土対策についてお答えいたします。
本県は、夏・秋期の台風と冬期の強い季節風により毎年のように農作物に被害が生じており、防風林等による恒久的対策は極めて重要であります。このため、圃場整備事業や農地保全整備事業等により防風林造成を計画的に進めているところであります。
これまでの整備状況は、要整備量に対して約2割程度の整備率となっております。このことから、今後とも農作物を保護するため防風施設の整備を計画的に進めていく考えであります。
また、赤土等の流出防止対策は発生源対策が重要であり、畑の周辺に樹木や植物を植栽したグリーンベルトの設置は、圃場から赤土等の流出を防止するための有効な対策だと考えております。
今後とも計画的に防風林の整備を行うとともに、農地からの赤土等流出防止対策についても積極的に取り組んでいく考えであります。
以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育・人権・女性行政について、児童買春に対する見解と対策についての御質問にお答えをいたします。
子供の健全な成長を促す立場にある教員を含めた大人たちによる買春事件が多発をしていることには強い憤りを禁じ得ません。事件の背景には、大人社会のモラルの低下や倫理観の欠如、せつな主義や拝金主義等の社会環境の悪化が考えられます。
県教育委員会といたしましては、すべての保護者や学校関係者、大人及び子供たちに「県教育委員会緊急メッセージ」を発したところであります。また、臨時校長会、社会教育関係者団体等緊急連絡会などを開催をして事件防止策を検討し実施することといたしております。
学校に対しては、自浄作用のある職場環境づくりと教職員に対する服務規律の徹底、使命感の高揚等を図っているところであります。
また、児童生徒には性に関する特設授業を実施するなど人間としてのあり方、生き方を真剣に考えるよう指導をし、さらに家庭や地域においては家庭教育支援の充実を図るとともに、PTAや地域が一体となって有害環境の浄化運動を展開する予定となっております。
県教育委員会としましては、早急に市町村や社会教育関係団体等と連携・協力し、事件の再発防止に向けて県民一斉運動を展開していきたいと考えております。
次に、男女混合名簿の実践状況及び実態と課題についての御質問にお答えをいたします。
男女の平等、人権教育については、学校の教育活動全体を通じて行っているところであり、とりわけ性別にとらわれることなく一人一人のよさや可能性を伸ばす教育の充実を図っているところであります。
県内における男女混合名簿を導入している学校は、平成14年5月の調査によりますと小学校で13校、4.6%、中学校で7校、4.2%、高等学校で13校、20.9%であります。小中学校においては導入校のほとんどが小規模校で、大規模校では小学校4校で導入をしており、導入状況は毎年増加の傾向にあります。
各学校においては、男女別名簿の利便性や混合名簿の意義等を含めて、学校長を中心に広く教職員間の意見を交換し、総合的、主体的に判断してほしいと考えております。
県教育委員会としましては、男女混合名簿の実施状況調査を毎年行い、各種研修会等で県内外の情報を提供するように努めますとともに、学校、市町村教育委員会及びマスコミ等へ広く公表することといたしております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時6分休憩
午後4時7分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○警察本部長(髙橋清孝) それでは糸数議員の児童買春の実態と対策についてお答えいたします。
本年10月1日現在、児童買春事件の検挙は33件で、そのうちテレホンクラブ等を利用した事件は21件となっております。
児童買春の特徴としましては、1、被害児童は23人で中学生が16人と最も多く、そのほとんどがテレクラを利用し、遊ぶ金欲しさから現金を受け取っている。
2、被疑者の職業は、地方公務員、医師、会社員、自営業等さまざまな職種となっており、年齢は20代後半から60代と幅広くなっている。
3、児童買春の際にやりとりされた現金は平均して1万5000円で、その行為のほとんどがラブホテルで行われている。
4、買春の時間帯は、休日は昼間、平日は午後8時から午後11時ぐらいまでとなっており、学校が休みのとき及び学校の授業が終了した後である等であります。
この種事案は、被害児童が援助交際と称して現金を受け取り、安易に大人と性行為を持つなど潜在化しているのが実態でございます。
警察としましては、児童買春事件の再発を防止するため、少年補導や家出少年の保護などあらゆる機会を通じて潜在化している福祉犯罪を把握し被疑者の検挙に努めること、被害児童生徒の支援活動及び学校訪問による指導活動の強化を図ること、沖縄県少年育成ネットワーク及び関係機関と連携した広報・啓発を行うこと、テレホンクラブ等営業者に対する指導・取り締まりを行うこと、関係部局と連携してホテル業関係者を指導すること、携帯電話会社との連携を図ることなどの対策を強力に推進しております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 教育・人権・女性行政について、母子寡婦福祉資金の金利についての御質問にお答えいたします。
母子寡婦福祉資金は13種類の貸し付けがありますが、制度発足時は修学資金のみが無利子でありました。現在では9種類の資金を無利子で貸し付けしておりますが、生活資金の一部、住宅資金、転居資金及び結婚資金が年3%の貸付利率となっております。なお、これまでの貸付件数から見ると約95%が無利子での貸し付けとなっております。
貸付利率については、母子及び寡婦福祉法施行令第7条第4項に年3%と定められておりますので、貸付利率の引き下げには国による法施行令の改正が必要であります。
同じく母子家庭等医療費助成事業の給付方法についてお答えします。
母子家庭等医療費助成事業が給付方法を償還払い方式にしているのは、現物給付方式をとった場合、国民健康保険制度において現物給付の対象者が一定の割合を超えると療養給付費負担金等の国庫支出金が減額となり、市町村の財政的な負担増が懸念されるためであります。
したがいまして、現物給付方式への移行については、実施主体である市町村の意向を踏まえながら検討していく必要があると考えております。
○知事公室長(新垣良光) 環境影響評価と代替施設の建設についてにお答えいたします。
代替施設の建設については、基本計画が決定し、これから環境影響評価が実施されるところであり、より詳細な検討が行われるものであります。県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に対し要望していきたいと考えております。
軍民共用飛行場は県民の財産になるかについてお答えいたします。
県としては、現在の中南部一極集中から、北部圏域の定住人口の増加を目指した機能拡充を図ることが県土の均衡ある発展を図る上で重要であると考えています。
軍民共用飛行場は、その実現を図るための基本インフラとして有用な施設であると考えており、同飛行場の民間機能を生かして雇用機会の確保や産業の振興を図るなど地域経済発展の新たな拠点を形成し、北部地域の発展につなげていきたいと考えております。
軍民共用飛行場の民間部分の管理運営について、どのような形が県民にとって望ましいものとなるのか、県が主体となって取り組んでいく必要があると考えています。
採算性等については、国の支援を得ながら地域の経済振興を実現することでその採算性の確保が図られるよう取り組んでいきたいと考えています。
○糸数 慶子 再質問いたします。
再質問に入ります前に、今度の議会は稲嶺知事には任期満了に至る区切りの議会に当たりますので、所感も述べながら再質問したいと思います。
まずその前に、先ほどの県警本部長の答弁を伺いまして、やはり教育・人権問題における児童買春の問題についてでありますが、この問題の深刻さには本当に語る言葉がありません。ただ一つこれまで言われた中で抜け落ちている点は、この問題が加害者である大人の責任ということが強調され、そのことを糾弾されるのは当然のことなんですが、少女たちの問題に十分目が行き届いてないような気がいたします。大人の加害責任、このことを考えていきますと、やはりこの事件の被害者が従来の性犯罪の被害者とは異なる面にあるということで問題の深刻さがあるわけで、今後こうした面への対策が肝心であるということを所感を述べて再質問に入りたいと思います。
まず、基地問題の中で普天間の移設問題について4点お伺いいたします。
選挙公約の陸上案は、平成11年11月の位置決定時に総合的に判断した結果、現在の海上案に変更されたと理解してよろしいでしょうか、確認いたします。
2点目に、代替施設はその完成までにかなりの期間を要するものと思われますが、現在の危険性を考えた場合、その間、岩国基地あたりへの緊急避難は考えられないかどうか、知事の御所見を伺います。
次に15年問題ですが、重大な決意の意味がなお一層強く求めるというだけなら単なる言葉の繰り返しで、政府への強いメッセージでも何でもありません。むしろ着工までに政府が一定の方向性を示さなければ着工を拒否すると明確にすべきだと思いますが、そう理解してよろしいでしょうか。
環境評価については先ほど御答弁いただきましたけれども、環境影響評価の結果によって知事が代替施設の建設中止を求めることがあるかということです。もう一度御答弁をお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時16分休憩
午後4時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数議員の再質問にお答えいたします。
最初は、海上案の問題でございますが、私は4年前の公約については、政府が示した海上ヘリポート基本案は米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることになっている海上案に対し、新たな代替施設は軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産になるものとして海上案に対比した意味で陸上と述べたものであります。
次に、岩国への問題、これはSACOの合意に従ってそのまま進めたいと思います。
なお、15年問題について私は重大な決意というものを申し上げたんですけれども、これは口先だけの重大な決意ということではございません。それだけ重大な決意をしているということでございます。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
代替施設の建設については基本計画が決定し、これから環境影響評価が実施されるところであり、より詳細な検討が行われるものであります。
県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に対し要望していきたいと考えております。
○糸数 慶子 休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時23分休憩
午後4時24分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
糸数慶子君。
〔糸数慶子君登壇〕
○糸数 慶子 再々質問いたします。
まず知事に1点目なんですけれども、1点目の選挙公約の陸上案は、平成11年11月の位置決定時に陸上から海上案に公約を変更されたと理解してよろしいですかということを伺ったわけですが、今の御答弁で変更が確認されたということで理解してよろしいでしょうか。
それから2点目ですが、2点目に関しては、代替施設はその完成までにかなりの時間を要すると思われますが、現在の危険性を考えるその間、岩国基地への緊急避難という現実対応もあり得るのですかということを伺ったんですが、それについて明確に御答弁いただきたいと思います。
次に3点目、環境影響評価について、これも移設条件の一つであると思いますけれども、それに対して明確に環境影響評価の結果によっては拒否するという、それも御答弁いただきたいと思います。
それから15年問題について、この15年問題についてはこれまで知事はずっと政府に対して重大な決意をした、そして政府への強いメッセージということをおっしゃっていらっしゃるわけですが、再度伺いますが、これに関しましては、着工までに政府が一定の方向性を示さなければ着工を拒否すると明確にすべきだと思いますが、今の答弁はそのように理解してよろしいでしょうか、再度伺います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時26分休憩
午後4時28分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 最初は、公約の変更かということについてお答えいたします。
4年前の公約については、政府が示した海上ヘリポート基本案では米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることとなっている海上案に対し、新たな代替施設は軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となるものとして海上案に対比した意味で陸上と述べたものであります。
公約において基地問題は「トータルプランの中で対応する。」としており、普天間飛行場の移設については県が軍港海域確保の問題、騒音の問題、アクセスの問題等さまざまな観点から検討し、総合的に判断した結果、平成11年11月、「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」を移設候補地として選定しました。その後、名護市の受け入れ表明を受け、同年12月、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されたものであり、本年7月29日には代替施設の基本計画が決定されたところであります。普天間飛行場の移設作業は着実に進展しており、県としては一日も早い返還に向け努力してまいりたいと思います。
次に岩国の問題について。
この問題につきましてはSACOの合意に従って淡々と進んでいくつもりでございます。
なお、重大な決意ということに対しての糸数議員の御見解がございますが、そうとらえても当然のことと思います。
○知事公室長(新垣良光) 再々質問にお答えいたします。
代替施設の建設につきましては、基本計画が決定し、これから環境影響評価が実施されるところであり、より詳細な検討が行われるものであります。県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に対し要望していきたいと考えております。
○糸数 慶子 ただいまの知事の答弁の中に第1点目の政策変更については、変更が確認されたと理解いたします。
それから2点目の緊急避難については、現実対応での検討ということで理解いたします。
そして3点目の環境評価については、移設条件の中の1つであるということを再確認をしていただきたいと思います。
最後に15年問題についてなんですが、これは今の知事の御答弁によりまして着工拒否もあり得るというふうに理解いたしまして、つまり15年問題は白紙撤回ということというふうに理解をいたします。
以上の、ただいまの知事のそう受け取られてもよろしいということでありましたので、私はそのように理解いたしております。
以上、若干の質問と幾つかの所感を述べてきましたが、最後に、この4年間数々の論戦を受けていただきました稲嶺知事には感謝と敬意を表しまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○兼城 賢次 所信を述べながら質問をいたします。
知事のこれまでの取り組みについてでありますが、我が会派の新里米吉議員の代表質問とも関連いたします。先日からの質問との重複部分もありますが、あえて質問をいたします。
沖縄の政治課題は基地問題であり、同時に本土の約2倍という高い雇用失業問題であります。
基地問題は、27年間の占領時代とのかかわりと日常的な米軍人の事件・事故などアメリカの理不尽さに目移りし、本来の基地提供の責任者である日本政府の存在がかすんでいます。米軍の存在は日本政府に一切の責任がある。沖縄におけるアメリカ軍の振る舞いや基地というのは、日本政府がその気になって改善や撤去というのであれば可能で、日本政府でしか解決できないものである。すべては日本政府次第というわけですが、基地問題にかかわる日本政府の対アメリカ交渉を知事はどう認識されておりますか。
次に、稲嶺知事は、4年前の知事選挙で前大田県政の閉塞感批判をしました。沖縄振興策が停滞し、産業振興策に対する取り組みも不十分で結局9.2%の高い失業率になり、大田県政による県政不況と断じキャンペーンを展開しました。
稲嶺県政で失業率は昨年9.4%、9.3%、ことし8月に9%と失業率や雇用問題はイバラの道であります。しかも、現在の失業率には統計のあやがあるとの指摘もあり、実態は数字以上に厳しいものがあります。
昨年の12月定例会で牧野副知事は、失業率のわけを労働力人口の増減、就業者数の増減で雇用の解決を比率で説明しましたが、非労働力人口を含め、このような説明で大田県政下の県政不況批判と稲嶺知事のもとでの高い失業率を整合化できるものではありません。現実に失業率が9.4%、9.3%という高い失業率を、このような手法で解釈してみせても失業や雇用の解決にはならない。
そこでお聞きいたします。
公約のほとんどについて実現または着手されたとしているが、何をやり残されたのか。
前大田県政下で大変な閉塞感だったというが、なぜそうなったのか、現在はどうなのかお伺いをいたします。
基地問題についてお伺いいたします。
知事はたびたびSACO合意を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進するものと繰り返し述べています。SACO合意を日本政府も知事も自分の都合のいいように市民のため、地域振興のためという名目のもとになし崩しにしている。移設をするためのこじつけとの批判もあります。
SACO合意は、普天間飛行場の辺野古移設のためには永久的な基地固定化を避けるためにも飛行場は海上施設として使用する間は固定施設として機能させるとしています。それを知事は、その必要性が失われたときは県民の財産にするという大義名分のもとに海上汚染が見込まれる埋め立てを進め、SACO合意では施設の長さは1500メートルを、軍民共用の名分のもとに軍事用としてはアメリカの利用しやすいように2500メートルの滑走路になっている。
これらは県民の財産になるとのことだが、沖縄県の産業経済基盤と北部地域の現状と将来における市場調査分析もなさぬまま、耳ざわりのいいことを言い続けているのではないですか。願望と期待と現実を無視した状況をないまぜにして、願望と現実的状況をすりかえていると言わざるを得ません。知事は、県民の将来をどう考えるか大変大事な時期に差しかかっております。
次に、普天間飛行場の辺野古移設に伴う15年使用期限、軍民共用についてであります。
私は、基本的には辺野古移設には反対であります。知事の公約である15年使用、軍民共用問題は事態を取り繕っているだけだと疑問を呈してきました。
知事は、15年使用期限については着工までに何らの進展なしに進むことはあり得ないこと、基地の提供責任は日本政府にあることから閣議決定にも示され、政府においてしっかり受けとめられていると繰り返し述べてきました。しかし、わけのわからない重く受けとめるというだけで、閣議決定のどこにも15年使用は明言していない。現実は何らの具体的言質もないまま、代替施設協議会では建設位置や施設着工に向けた工法協議に入る段階に進行している。着工までに何らかの進展がなければならないというものの、その着工に向けて県は政府と一緒になって突き進んでいるのではありませんか。
15年使用期限で政府は具体的にアメリカ政府と交渉したことがありません。知事は、政府が15年使用期限を具体的に話し合いがなされたと考えているのですか。政府は何もしない、ゆえに何にも進展しないのが現状ではありませんか。政府が一体何をしているのですか。
軍民共用空港も以前から指摘されている那覇空港の拡張計画があり、北部に空港をつくる整合性があるのか。識者は、仮に民間専用になっても莫大な維持費がかかること、住民生活にとって必需的な施設であれば一定の財政支出は当然だ。しかし既に那覇空港があり、高速道路の延伸などによりアクセスも改善されている中で、北部にさらに空港をつくるというのはいわばぜいたく施設と言ってよい。そのような施設に財政支出をすることは到底許されないという指摘があります。
この指摘は、既に他府県の空港で現実に閉鎖に追い込まれている実態を見れば明らかであります。基地建設を正当化するためのまやかしの花火を打ち上げっぱなしではありませんか。
同僚議員が取り上げている自民党の麻生政調会長の発言は、15年使用で1兆円使う話はひどい話だ。続けて、辺野古案だって政治的判断で決められた案でも政治家の見識で変えられることを明言しています。政府に服従するのではなく、沖縄の将来に思いをはせていただきたい。
次に、名護市数久田の被弾事件についてお伺いをいたします。
7月23日、農作業中の島袋さんのわずか2メートル近くに銃弾が撃ち込まれる事件が発生しました。今回の銃弾事件は、状況からしてその日にキャンプ・シュワブの米軍の演習場から発射されたものと断じている島袋さんに対し、キャンプ・シュワブの司令官は、弾が古過ぎる、10年以上もたったもので島袋さんがでたらめな狂言芝居をしているかのごとく発言をしております。写真などを見せて否定をすると銃弾に詳しくない一般の人々は戸惑ってしまいます。
しかし、県警の鑑定結果は、弾自体は新しいもので、決して10年以上の古いものではないことを証明しました。住民を恐怖のどん底に置きながら、事件をあいまいにしてしまうがごときは許せるものではありません。しかもこの事件が起きたレンジは、米軍自身が事故の可能性を十分予見しているところです。そのようなところで演習が行われていることがそもそも無茶なことです。その後の事件の経過が見えませんので、どのように処理されているのか、お聞きしたいと思います。
次に、一連の米軍機事故についてお伺いします。
私は、6月定例会で4月中の米軍機事故をメモ風に書き連ねて質問をしました。
ここ一、二カ月の米軍機事故は異常発生ではありませんか。
7月22日、久米島沖の提供水域外での米海軍ヘリコプターの漁船威嚇、8月21日のF15戦闘機が海上へ墜落する事故が発生しました。8月から9月にかけてのF15戦闘機、ヘリコプターの緊急着陸は重大事故へつながりかねません。
米軍は、この緊急着陸は予防着陸であり、普通の出来事であり、県民が抗議することに疑問を呈しています。だが、これまでの事件・事故に対する原因究明や再発防止に対し米軍の対応に対する県民の不信や不安がある以上、予防着陸で普通の出来事だといっても納得するわけがありません。しかも、専門家やマスコミでは一連の事故や緊急着陸は緊張感がなく気の緩みではないかと指摘されております。それこそ重大な事故につながりかねません。
知事、重大事故が発生してからではなく、米軍や日本政府に対応をきっちりしなければならない時期だと思います。
そこでお聞きします。
(1)点目、基地問題はSACO合意を実施するのが現実的だというが、一向に進展はないのではないか。
(2)点目、普天間飛行場の辺野古移設に伴う15年使用期限、軍民共用について。
(3)点目に、名護市における被弾事件について。
(4)、一連の米軍機事故、緊急着陸についてお伺いをいたします。
次に、産業振興についてお伺いします。
自立型経済を目指して地域特性を生かした農林水産業の振興が位置づけられております。平成9年6月28日の琉球新報に、当時の北部農業改良普及センターの外間初恵さんの論稿を紹介しながら農水産物加工研究体制について質問をいたしました。外間さんは、九州各県に比較して拠点施設の整備が大幅におくれている実態を直視し、農水産物振興の発展にぜひ対応してもらいたいと述べています。
当時の農林水産部長は、農産加工技術の研究指導を一層強化していくとのことでしたが、その後の状況についてお聞かせください。
次に、工業技術センターの研究体制についてお伺いいたします。
研究員やその体制が整わない大きな理由は、予算措置ができないとのことがありました。
先日、尾身前沖縄担当大臣は、沖縄より人口が少ない他府県よりも研究員が少ないのはおかしいと指摘されたようであります。自立型経済を目指す最も基本的なことである研究体制の充実は早急に取り組まねばならないものです。このような指摘をどう受けとめているのか、これからどうするのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、具志川高校のグラウンドから舞い込む砂じん被害についてお聞きします。
具志川高校のグラウンドからの砂じんが周囲の住宅に被害を及ぼし、住民側は被害の対策をこれまでもたびたび学校側に申し入れてきました。住民もたまりかねて強い調子で申し入れたものの、学校側の対応に誠意が見られなかったようであります。
10年前の平成3年に裁判所で住民側と学校、県とで被害に対し調停が合意に達していた経緯があります。しかし合意書は、たびたびの改善申し入れにもかかわらず無視されてきました。
そこでお聞きいたします。
裁判所の調停についてどのように理解されておられるのか、お聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、公約のうち何をやり残しているかについてお答えいたします。
私は就任以来、「問題解決のできる実行型県政の実現」を目指して誠心誠意取り組んできました。これまで沖縄政策協議会の再開を初めとして沖縄振興特別措置法の制定、沖縄振興計画の決定などほとんどの公約を実現または着手しました。今後とも検討が必要な事業としてはモノレールの北伸、水産試験場移転整備、世界映画祭開催があります。また、美術館・博物館については、建設に向けて事業計画の見直しを行っているところであり、残された事業についてもその課題解決に向けて取り組んでまいります。
次に、普天間飛行場の移設とSACO合意についてお答えをいたします。
普天間飛行場については、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであります。県としては、基地の整理縮小については、SACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しております。
県は、普天間飛行場の代替施設は軍民共用飛行場とし、同飛行場の機能を生かした移設先の地域振興に全力を注ぐことにより北部地域の発展につなげていきたいと考えております。同飛行場の移設については、平成11年12月に「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定され、本年7月29日には代替施設の規模、工法、具体的建設場所及び環境対策を定めた基本計画が決定されたところであり、移設に向けた作業が着実に進展しているものと考えております。
次に、15年使用期限と軍民共用空港についてお答えいたします。
軍民共用飛行場については、平成11年12月に閣議決定された政府方針で「代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」とされており、また先般策定された沖縄振興計画においても、軍民共用空港を念頭に置いた普天間飛行場代替施設及び民間空港関連施設の整備を図ること並びに同空港を活用した空港活用産業の誘致・育成を図ることがうたわれております。県としては、今後、北部振興の拠点となるような民間機能の拡充に向けて取り組んでいきたいと考えております。
また、15年使用期限については、閣議決定された政府方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えています。今般の知事選挙再出馬に当たり、基本政策として「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しました。このことは、同問題の解決について、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないとする政府に対する強いメッセージであり、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
次に、工業技術センターの研究体制の充実・強化についてお答えいたします。
沖縄県工業技術センターは、地域技術の牽引車、開かれた試験研究機関、地域技術の交流広場、技術情報の発信の4つの基本理念のもとに本県の自立的経済発展に向け、技術振興の中核的機関としての使命を担っております。
同センターは、この4つの基本理念のもとに琉球大学、株式会社トロピカルテクノセンター等との連携を図りつつ、産学官の共同研究を推進し、その成果の県内企業への技術移転を図ることにより製造業の振興に寄与してまいりました。研究開発の推進と技術力の向上は企業の競争力強化の基盤となるものであり、民間主導の自立型経済を構築していく上で今後とも強力に取り組まなければならない重要な課題であると認識しております。工業技術センターの研究体制は、県内産業のニーズにこたえられるほど十分な体制が整備されているとは言いがたい状況にありますが、今後、人材の確保等研究体制の強化を図るとともに、来年度にオープンする沖縄健康バイオ研究開発センター(仮称)との連携や産学官による共同研究体制を強化するなどその機能の充実に努めてまいります。
次に、基地問題に対する認識についてお答えいたします。
沖縄の米軍基地問題は、我が国の外交・安全保障にかかわる極めて国家的な問題であり、基地の提供責任者である国において解決を図るべきものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(牧野浩隆) 兼城県議の前大田県政下で大変な閉塞状況だったというが、なぜそうなったのか、現状はどうなのかという御質問にお答えさせていただきます。これは沖縄にとって極めて重要な課題でありますので、ちょっと時間を割いて詳しく御回答させていただきます。
確かに兼城県議の御指摘のとおり、沖縄の政治課題は基地問題と失業問題であります。その解決に当たっては、健全な理念を持ち、現実を直視して沖縄の政治、経済、社会、福祉、沖縄問題をトータルとして把握し基地問題と振興策のバランスのとれるような形で解決していくことが必要だと思います。特に、沖縄の産業経済問題を扱うに当たっては抽象的、観念的に論ずるのではなくて、第1に、経済的、統計的な数字に基づいて事実関係を適切に把握するということと、第2には、その解決に当たっては、どのような経済政策が必要であるかという政策的な視点に立って論ずべきだろうと思います。
そういう面では、沖縄の経済の自立を図って失業問題の解決を図るということは思いは同じだと思いますので、御説明させていただきます。
特に失業問題についてでございますけれども、失業問題の解決は基本的には現在の資本主義体制の中では民間企業の自由な活動にまたねばなりません。しかしながら、行政による各種の政策的支援、誘導あるいは保護・育成策が不可欠であることは言うまでもありません。これは特に低開発の地域ほど政策的な必要性は高いものだと思われます。この必要性、政策的な貢献がいかに大きかったかは戦後の日本経済の復興、あるいは高度成長への過程において明らかだと思います。
そのような経済問題を解決するに当たっての政策の重要性を認識した上で、私ども沖縄の県経済が期待感にあふれてバラ色一色に染まって130万県民が総エコノミストと言われた躍動感にあふれていた5年前の1997年の夏ごろのことを思い出していただきたいと思います。その背景には沖縄の第3次振興開発計画の一つでありました国際交流拠点の形成ということを実現しなければならないという政治的な課題と、それから95年9月の残念な米兵による暴行事件というのがあって県民総決起大会などが行われ、沖縄側の政治力のパワーアップが行われたときでございます。さらに、政府側の沖縄問題に対する強力な対応がありました。そういった意味で、この問題は前県政の貢献と敬意を表することになりますので、詳しくお話させていただきます。
まず、どういうことがあったかと申しますと、御存じのとおりもうあのときの躍動感といいますのは96年の基地返還アクションプログラム、それに基づく国際都市形成構想の提起、21世紀プランの提起というような規制緩和など。あるいは総理大臣談話に基づく政策協議会の発表、あるいは21世紀プラン、あるいは特別調整費などによる50億のものという意味で全くびっくりするようなものがあったということは御存じだと思います。
特に21世紀の経済プランなどにつきましては、あのような形でやりましたし、それから特別調整費の50億を使った事業も61件、そのうちの調査事項が47件、関連事項が14件という形があって、びっくりするような沖縄経済の躍動感があったのがそのときです。そういったことがありましたので、当時は経済界も挙げて全面的に沖縄の経済づくりに協力と支援をやっていたことは御存じだと思います。そのようなのが1997年の夏ごろでした。
しかしながら、御存じのとおり98年2月6日に前県政がSACOを拒否するということが起こりました。そういったことがあって、政府側では一切の振興策を凍結、中断したということがございます。それは経済政策的な面から見ますと沖縄における産業政策が中断、消滅したというような状況だと思います。そういうような意味があって、県内の中では閉塞感あるいは県政不況という言葉が出てきたわけです。
この背景を見ますと、例えば若干の数字的なものを御報告させていただきますと、企業倒産を見ますと、1990年代というのはバブルの長期化の中で企業倒産が1600件余り、その負債総額は5000億を余っていたということ、失業問題では3.9%から7.7%という倍近い失業率になっていたということ。
しかしながら、そういった中でも労働力人口がふえても就業者を補助するのは46%ぐらいしか保障されてなかったということ。それにもかかわらず日本経済の不況で県外への就職も1万四、五千人から七、八千人という半減しているような状況にあったのが、そういうような計数的な県内の不況感でした。
それだけではなくて、SACO合意の否定によって果たしてポスト3次振計の計画がつくられるのか、あるいは沖縄経済振興21世紀プランがつくられるのか、あるいは特別事業50億の61件の調査結果がどうなるのか、政策協議会はどうなるのかという意味で、言ってみれば政策的な不在、政策の放棄ということで、これは政策不在による放棄ということで無責任な行政体制に対して県政不況という言葉が出たことは御存じだと思います。
先ほど御紹介しましたように、あれだけの問題提起がされたということは、沖縄にとっては大変なものだったわけです。しかしながら、あれだけ経済政策が中断されたために、もし中断されたまま今沖縄経済がそのまま来ていたら今の沖縄経済はどうなっていたかと思いますと、恐らく失業率は倍、あるいは3次振計はないというようなぞっとするような状況があったかと思います。そういうのを踏まえて、県政不況、なぜそうなったかという理由が明確になったかと思います。
現状はどうなっているかということでございますけれども、それを受けまして現県政がスタートしたわけでございますけれども、真っ先にやりましたのが沖縄政策協議会を再開させました。これは沖縄における経済政策が復活したということを意味します。政策的な重要性が大変な沖縄にとっては経済政策が復活したということは大きな意味があります。
そういった中で、沖縄振興21世紀プランというのはまず県側が案をつくることになりましたので、県の主体的な発想でもって沖縄21世紀プランに対する基本的な考え方ということで県の独自性によるいろいろな提起をしたことがあります。そういったことがあって従来の3次振計までは経済振興策、産業振興策というのは工業開発地区、自由貿易地域、あるいは免税売店のそれぐらいしか掲げられておりませんでしたけれども、初めて21世紀プランになって情報特区だとか観光特区だとか、いろんな意味での経済政策が振興開発計画の中に出てきて、これが現在の振興開発計画の中に引き継がれていることは御存じだと思います。
それだけではなくて、第2番目のものは、政策協議会の中で毎年100億円という特別調整費が提起されましたけれども、それを活用しましてこの4年間を思い出してみていただきたいと思います。
沖縄自動車道の通行料が3割減じられました。自由貿易地域に賃貸工場が建設されまして大変な企業誘致の実を上げております。通信コストを低減することによって情報通信産業が図られております。さらには小禄に産業支援センターができました。そういうような意味で、(発言する者多し) あるいは離島の医療体制、那覇空港周辺の整備事業、あるいは松くい虫の防除、あるいは観光・リゾートなど、世界遺産の周辺整備、あるいは若年者の支援などあらゆる面で大変な政策がなされていたということは御存じだと思います。
それだけではありません。この4年間を振り返ってみますと、現状につなぐものでございますけれども、単なる経済振興策だけではなくて、例えば福祉面におきますと3歳未満児の医療費の無料化、あるいは県立中部病院の大幅な増・改築、あるいは総合福祉センターの建設など、歴史・文化面でも「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の世界遺産登録、あるいはそれに基づいたサミットなどの国際会議の誘致など大変な実績を上げてきているわけです。
それだけではなくて、均衡ある県土の発展ということで北部あるいは移設先の振興地域のもの、あるいは運輸行政などでは先ほどお話しましたような自動車道の料金引き下げ、あるいは新多良間、与那国空港の拡張整備、新石垣空港の位置決定、那覇空港の第2滑走路への取り組みなど大変な実績を上げているわけです。
人材育成につきましてもマルチメディアセンターの開所、あるいはグローバル人材の制度、あるいはIT教育など国立高等専門学校の開所決定、それから予定されております大学院大学など、こういった意味でたくさんあるわけです。
それで最終的に一番大きな問題は、何といっても沖縄の県民の創意と英知を結集して作成した沖縄振興開発計画とその裏づけになります沖縄振興特別措置法の制定だと思います。そういった面で見ますと、現状はどうなっているかは政策的な支援がいかに大きかったかということは数字にあらわれております。
例えば失業率の推移を見ますと、前県政のときは3.9%から7.7%と3.8%も悪化しましたけれども、私どもがそれを引き継いだときは7.7%から、現状は平均では8.4%でわずか0.7%の上昇に抑制しているわけです。
それだけではなくて県内における労働力人口と就業者数を見ますと、前県政のときは労働力人口が4万7000人ふえましたけれども、就業者の増加は22%でその救済率は46%です。しかしながら、この4年間の労働力人口は2万2000人ふえましたけれども、就業者は1万6000人ふえましてその救済率が73%というような状況になっております。
それだけではなくて県内における雇用の創出を見ますと、前県政のときは年平均8000人ぐらいの県内における創出でしたけれども、今は年平均1万4000人ぐらいの県内における新規の雇用創出を行っております。
しかしながら、一方では、県外への就職率は国内の大変な不況を受けまして、前県政のときは年間1万4000人とか1万3000人とかそういう県外への就職がありましたけれども、現在では6000名から7000名ぐらい、半分に減っていますので、その分を県内でどれだけ救済するかという意味で大変な施策をとりまして、各種雇用の助成金を使いまして、人件費補助ですけれども、そういうような意味で雇用対策をとっているわけです。前県政のときは雇用対策の助成金として18億ぐらいしか投じませんで、それによって4000名ぐらいしか雇用していませんけれども、私どもはこれによりまして約38億円の雇用助成金を活用しまして8000人余り、さらに今年度から特別雇用基金の70億を活用しまして、これによって8000人余の新規の雇用を図っていこうと思っているわけです。
それから、今問題になっています企業倒産の問題を見ましても、前県政のときは件数が1638件の企業倒産で、負債総額が5070億円というまさにバブルそのものの企業倒産が吹き荒れていた時代です。しかしながらこの4年を見ますと、企業倒産は399件、負債総額が1938億というようなそれこそ3分の1になっているような状況にあるわけです。
それともう一つ大切なことは、こういうような県内の厳しい雇用情勢を受けましてどのような対策をとったか、あるいは行動をとったかということが大切になってきますけれども、例えばこの4年間、我々は企業誘致に対して企業誘致の組織的なものをつくって東京、大阪に専任を配置し、知事がトップセールスという形でこの4年間、企業誘致対策説明会を東京、大阪、台湾、アメリカ、ハワイというような意味で大変な企業誘致対策をとっているわけです。
その結果、驚くんですけれども、前県政のときは企業誘致件数が12件、雇用者数が678名にしかすぎませんでした。しかしながらこの4年間、企業誘致件数が61件、雇用者数が3484名というような意味でそういうふうな状況があるわけです。
以上の説明、政策的な説明、あるいは経済統計的な数字を押さえた事実関係から見ましても、前県政の閉塞状況の原因がどこにあったかということは明確だろうと思います。そして現状はどうなのかということは今御説明申し上げたところでございます。
こういった面から見ますと、我々にとって今の沖縄というのは、県民の創意と英知を結集して策定しました沖縄振興開発特別措置法に基づく沖縄振興計画に基づいて21世紀の国際化時代にふさわしい新たな沖縄づくりの飛躍台に立っていると思います。しかしながら、外部環境を見ますと国際的な自由化、国内においては規制緩和あるいは財政の硬直、あるいは地方分権が進んで産業振興政策に対するいわゆる行政の力というのは時間とともに弱化していくことが確実視されております。そういった意味では、我々はこれが最後の沖縄振興計画であるとの決意を持ってその実現に全力投入していかねばならないと思っています。
沖縄の振興開発計画は、これは与野党関係なく全県民が一体となって取り組んでいかなきゃならないと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
○知事公室長(新垣良光) 名護市における被弾事件についてにお答えいたします。
キャンプ・シュワブでの訓練に起因した被弾事故は、今回を含めこれまでに6件発生しております。
米軍の説明によりますと、事故当日、同施設内のレンジ10において軍用車両に搭載したM2重機関銃の実弾射撃訓練を実施していたとのことであり、畑地に着弾した銃弾がM2重機関銃のものであること、また県警が行った銃弾の鑑定結果も米軍のものとしていることから、県は去る7月24日、米軍に対し、同施設内での同様な訓練の中止を申し入れております。
また、8月26日、小泉総理大臣を初め関係大臣に対し、キャンプ・シュワブ演習場レンジ10におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練を廃止するとともに、すべての実弾射撃演習場を検証し、再び被弾事故が発生しないよう訓練のあり方を見直すことを申し入れております。
一連の米軍機事故緊急着陸についてにお答えいたします。
平成14年の米軍航空機事故は、去る8月21日のF15戦闘機墜落事故を含め、9月25日現在39件発生しています。
また、最近連続して発生している緊急着陸について米軍は計器不良による予防着陸と説明していますが、このように連続して発生すること自体極めて異常な事態であり、米軍の航空機事故に対する認識や日ごろの安全管理のあり方に強い不信の念を抱くものであります。
このため、去る5月14日には県から緊急に四軍調整官及び橋本沖縄担当大使に呼びかけ、三者による会合を開催し、一連の事故原因の徹底究明及び再発防止並びに今後の一層の安全管理について万全を期すよう強く求めるとともに、県民の不安の解消を図る観点から小さな事故についても通報を行うよう強く申し入れてきました。
また、去る8月26日には小泉総理大臣を初め関係大臣に対し、航空機事故は一歩間違うと重大な事故につながりかねず極めて遺憾である旨申し入れるとともに、事故原因の徹底究明と公表、再発防止等について米軍に強く働きかけてもらいたい旨の申し入れを行いました。
さらに、翌27日には嘉手納基地第18航空団司令官などに対し、事故原因の究明がされるまでの間、F15戦闘機の飛行を停止するよう再度申し入れるとともに、9月20日に開催された協力ワーキングチーム会合の場においても事故原因の徹底究明と公表、再発防止等を申し入れました。
また、9月初旬には軍転協からも米軍を初め関係機関に対し同様の要請を行っております。
○警察本部長(髙橋清孝) 被弾事件発生後の事案解明に向けた経過についてお答えいたします。
県警としましては、7月23日の発生当初から本件事案を解明するため米軍側の協力を得て次のとおり捜査を行ってまいりました。
まず、7月25日にキャンプ・シュワブレンジ10において訓練状況を再現させての実況見分を実施し、さらに8月14日に訓練当時使用していたとされるM2重機関銃の試射を行い、鑑定可能な弾丸14発を回収し、科捜研で鑑定を実施しましたが、発見弾丸とライフルマークが一致するものはありませんでした。
県警は、訓練当時使用した銃身を特定するため銃身番号等記載の資料について米軍に対し8月27日に文書で回答するよう要請をし、9月17日に回答を得たところです。しかし、米軍側の回答の内容を検討したところ、訓練当時のM2重機関銃の銃身が特定されていないことから、当時使用された銃身の番号が記載された資料の提出を9月19日に米軍に対し再度要請しているところであります。
県警は、今後とも米軍の協力を得ながら事案の真相解明に取り組む所存でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 産業振興について、農水産加工の研究体制についてお答えいたします。
県内で生産されている農林水産物の加工開発は、農林水産業の振興を図る上で極めて重要であります。
本県における農林水産加工技術の研究については、現在、農業試験場においてさとうきびポリフェノールを含有した健康飲料水、ゴーヤージュース粉末等の商品開発に取り組んでおります。
また、国と県が共同して研究に取り組んでおります「北部研究交流センタープロジェクトチーム」においては、ヨモギ、ニガナ、ウイキョウなどの県産食材の機能特性について研究を進めているところであります。
県では、農村女性起業グループを支援し、これまでに地域特産品として紅芋ようかん、マンゴーゼリー、パパイヤジャム等菓子類や漬物など414品目が開発をされております。
林産加工につきましては、森林組合と連携してキノコ類やタケノコの漬物、ユーカリ茶などの商品が開発をされております。
水産加工につきましては、沖縄県漁連等と連携してモズクの商品開発、ソデイカの有効利用を図るなど水産物の付加価値向上に取り組んでおります。
今後とも、関係機関と連携をして県産農林水産物を活用した高付加価値の特産品開発に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 具志川高校の砂じん被害についての御質問にお答えをいたします。
平成3年7月に具志川高校に隣接をした住民から申し立てのあった砂じん問題につきましては、平成3年11月の那覇簡易裁判所の調停に基づき県教育委員会は砂じん対策として防砂ネットの設置、樹木の植栽の対策を講じるとともに散水設備を設置し防砂じん対策に努めてまいりました。しかし、ここ二、三年来、防砂ネットの破損の進行やグラウンドの散水が十分になされなかったことなどにより隣接住民の方々に御迷惑をおかけをいたしました。
防砂ネットにつきましては、破損した防砂ネットにかえ新しい防砂ネットの設置工事を進めており、10月完了の予定であります。
また、今後可能な限り早い時期に防砂じん対策の妨げとなっている部室の移動を行い、植栽を実施をいたします。
県教育委員会としてはさきの調停内容を真摯に受けとめ、学校に対し、今後学校周辺の方々の日常生活に支障を生じることがないよう適時・適切な対応について周知を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○兼城 賢次 牧野副知事は選挙前なんでかなり力んでおるんですが、こういうような答弁は大変迷惑なんです。
少なくとも、私は、明確にこの閉塞状況だけはどうなったのかということを答えればいいわけであって、その閉塞状況になった原因があるからあなたは先ほど数字を並べて、しかも我々いろいろやったんだと。しかもまた言いたい放題でしょう。あなたは、ほうっておけば、中断していた場合にはどういう状況になったか知らぬというけれども、国はそう思うんですか。少なくとも国においては当然やるべきことがあるわけですよ、基地があろうがなかろうが。
ちなみに、こういう指摘があるわけです。これは高嶺善包さんという方が──もう既に目を通されたと思うんですけれども──類似県に秋田とか鳥取とか島根、高知いろいろ挙げておりますけれども、国費による県民1人当たりの社会資本設備は第3次振計期間の平成4年から平成10年までの各年度の統計数値では平成4年を除いて沖縄県は最下位であると。これは当然国は基地があろうがなかろうがやるべきことはやらなきゃいかないんだ。そういうことを無視して、私が指摘しているのは、閉塞状況になったのはどういうことかということを指摘して聞いている、それについて答えればいいわけであって、そういうような選挙運動まがいの数字を並べて回答やったって、今の不況に悩む県民の気持ちは理解できませんよ。
けさの新聞見てもわかりますように、この9.4と9.3%という失業率の要因は、倒産や閉鎖においてこういう状況が出ている。だから、0.幾らかやったというけれども、もう倒産もここまで来てどうしようもなくなって倒産に追い込まれてやっている状況なんです。これ以上倒産をだれかやろうと言ったってこれ以上倒産しませんよというような状況になる。ですから、こういうような議論ではないわけです。私は、少なくとも今失業に悩んでいる県民のことをなぜまともに答えないかということもあったわけですが、少なくとも先ほど玉城義和議員が指摘したように、この閉塞感というのは皆さん方宣伝したけれども、結局SACOを受け入れたからと言っておったが、これは違う。海上基地を大田前知事が拒否したから当然こういう政策になったと。しかし、そういうことで我々が今指摘されていることを1つ申し上げたいと思います。
1つ、これは……
ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後5時20分休憩
午後5時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○兼城 賢次 9月25日の、この閉塞状況について我々が心しなきゃいかない一つのものとして申し上げたいということがあるわけです。
李登輝前総統の沖縄タイムスのインタビューで──知事もこの記事を読まれたと思いますのであえて申し上げますが──「日本政府の政策は、沖縄の人々のことを真剣に考えていない」、「基地から派生した国への財政依存体質は克服するべきだと思う。」、「金ばかり、もらっていると、ほんとうに惰眠になってしまう。目先のことばかり考えていると、展望が開けない。」と述べておりますけれども、これについてもひとつ知事の所見を伺いたいと思います。
それと15年使用問題についてですけれども、先ほど糸数慶子議員に大変大事な答弁をしておりますけれども、これはやはり知事──例えばの話ですけれども──残り少ない任期でもありますけれども、こちらが強いメッセージとして受け取っているのは、例えば政府が受けなければ知事の職をやめてしまって抗議をする方法もありますが、あるいはまたそれとも移設に反対をしていくつもりなのかと、こういう両方あると思うんです。
しかし、我々県民からすればこの強いメッセージというのは、先ほどの糸数慶子議員とも関連しますけれども、やめてしまえばいいというものじゃないと思うんです。ここは無責任にやめるんじゃなくして、反対をしていって県民と一緒になって反対をするというような明確なメッセージを県民に与えるべきだというぐあいに考えますが、どうですか。
○知事(稲嶺惠一) 経済問題で、要するにいろいろなお金というより基本的に兼城議員は大変いいことを言われましたけれども、要するに一時的なお金ではなくて沖縄の将来の振興に当たっては何が必要かということ。そこで私はお魚もいただきたいと。しかし、お魚より釣り具を下さいというのは、その釣り具を使うことによって十分に沖縄の皆様とともに頭を使って努力をして、そして経済を振興させるという方向でございますから、ただお魚を下さいだけではございませんので私がお答えをいたします。
それから次に、工事の着工の問題ですが、実は3月の17日のある沖縄の新聞にこういうことが出ております。15年問題が解決されない限り着工はないと考えていいかと。私はそれに対して、そうとらえても当然でしょうということを答えております。
○兼城 賢次 金ばかりじゃなくしてこれはプライドの問題だということで、我々は基地問題を解決しなきゃいかぬということで、知事はただいま糸数議員に答弁したことを再度確認した形になっておりますけれども、私どももこれは基地の15年使用問題が解決しない限り着工はあり得ないというようにこの議場で確認したというぐあいに理解しておりますけれども、あえて申し上げたいと思います。
それと、今の沖縄の経済が本当に厳しいということを私どもはどうしても認識しなきゃいかぬと。それはもう今、先ほどのような説明ではどうしようもない。だからあえてそのことを申し上げておきます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明3日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時27分散会